国土交通委員会 第9号
- 発言数
- 114 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2012/07/26
会議録
○委員長(岡田直樹君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 海上運送法の一部を改正する法律案外二案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省総合政策局長中島正弘君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡田直樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(岡田直樹君) 海上運送法の一部を改正する法律案、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律案及び船員法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。 三案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○岩井茂樹君 おはようございます。自由民主党の岩井茂樹でございます。本日は、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会を代表いたしまして質問をさせていただきます。 質問に入ります前に、先日の、七月起こりました九州北部豪雨において被災されました皆様方におかれましては、心からお見舞いを申し上げますとともに、不幸にしてお亡くなりになられました皆様方に対して心から御冥福を申し上げます。 さて、その九州北部豪雨災害について本題に入る前に少し質問をさせていただければと思います。 今回の災害では、我が党におきまして、谷垣総裁を本部長といたします平成二十四年九州地方集中豪雨災害対策本部を設置し、七月の十六日には、早く、一日も早くということで谷垣総裁自身が熊本県そして大分県の被災地を訪れ、その被災状況の確認に行った次第でございます。政府に対しましては激甚災害の早期指定などを求めているところでございます。そこで、今回の議題であります海事三法の質問の前に少しこのお話をさせていただきます。 そもそも、大分県竹田市というのがございまして、竹田市というのは過去にも、昭和五十七年そして平成二年の集中豪雨で市内を流れる玉来川と稲葉川がはんらんをし、甚大な被害を被ったところであります。しかしながら、この度の豪雨災害における二つの河川のこの被害状況には大変大きな違いが出ました。 お手元にお配りした資料一を御覧ください。この資料のちょうど中央部にあるのが稲葉川、その下側に流れているのが玉来川になっております。御覧のとおり、稲葉川流域ではほとんど大きなはんらんが見られない。一方、玉来川流域では各所ではんらんし、大きな被害を出している。これはこの図面を見ても一目瞭然のところでございます。 そこで、被害状況にこのような大きな違いが出たのはなぜか、この二つの河川で何が違ったのか、何が原因でこの違いが生じたかということを、国交省の御見解、この辺り伺いたいと思います。
○政府参考人(関克己君) ただいまございました大分県竹田市の玉来川、稲葉川、今回の九州北部豪雨におきまして被害が発生いたしました。 この玉来川におきましては、約百四十戸を超える床上浸水が発生するなど被害を受けたところであります。また一方、稲葉川におきましては、数戸の床上浸水が発生している状況であると大分県の方からは聞いているところでございます。 なお、稲葉川につきましては、先生今ございましたように、稲葉ダムの洪水調節によりまして、竹田橋地点で一メーター三十程度の河川の水位の低減があったということを大分県から聞いているところでございまして、また、この玉来川につきましては、現在、大分県が玉来川ダムの建設を進めているという状況でございます。
○岩井茂樹君 ただいま御答弁がありましたように、一つの大きな原因としてやはり河川の上流域にダムがあったかなかったかということが今回の被害、大きな違いを出したその一つの要因だと思っております。 この二つの河川というのは、さきに述べましたように、過去において度々はんらんを繰り返している河川でありまして、国交省そして大分県もこれらの教訓を生かして、平成三年に治水ダム事業として玉来ダムとそして稲葉ダム、両方計画をされました。それらの計画の中で稲葉ダムは平成二十二年に完成をいたしました。そして今回、大雨が降っても治水効果があったということであると思います。 ところが、民主党政権ではコンクリートから人へというスローガンの下、全国の多くの公共事業が事業仕分の検証対象になり、実は玉来ダムも仕分の対象になり、結果、二年間その事業がストップしたということを聞いております。地域住民の生命と財産を守るための大切な事業を二年間ストップさせる、二年間止めて、そして検証の結果、やはり事業は必要なので再開する、これでは余りに無責任ではないでしょうか。八ツ場ダムも私は同じ構図、そう感じております。 今日、この委員会御出席をされております前前田大臣在任のときに、二〇一一年十二月にダム事業の検証に係る検討の結果、八ツ場ダム建設事業は継続の決定となりました。住民の財産と生命を守るための治水対策に対して事業仕分を行い、地域住民を混乱をさせ、地域住民の生命を脅かす、このような考え方、これは基本的に政府に考え直していただかなければならないと強く思っているところでございます。 そこで、大臣、率直な今の考え、ふるさとを守らなければいけない、そのような視点に立って大臣の御見解をお聞かせください。
○国務大臣(羽田雄一郎君) この玉来川では、平成二年七月に発生した豊肥大水害を受け、大分県が事業主体として平成三年に玉来ダムの建設事業に着手したということであります。玉来ダムは、地元に説明を進めている段階において、平成二十二年九月より検証対象ダムとしてダム検証を行っております。 国土交通省では、昨年十月に補助金交付を継続との対応方針を決定しておりまして、国土交通省の対応方針の決定を受けて、大分県では本年度から新たに用地調査に着手するとともに、ダム本体工事のための設計等を実施することとしており、平成二十九年度の完成に向けて大分県を積極的に支援してまいる所存であります。
○岩井茂樹君 やはり事業仕分、これはある意味一定の効果があったという、そういうお話も聞いておりますが、ただ、やはり地域の安全とか安心、国民の財産とか生命にかかわることに関して、事業仕分をやることによってその事業が滞るようなことがあっては、これはならないと思いますので、この辺りしっかり踏まえてやっていただきたいと思います。 災害には上限がない、そういう教訓が示すとおり、日本は自然災害と共存していかなければなりません。無論、社会資本の整備、選択と集中をやっていかなければいけませんが、今までの議論の中のやはりその大事なところをしっかり押さえてやっていただければと思います。 冒頭、少し防災のことを述べました。 局長、もう次、海事法の方に入りますので、御退席して結構でございます。 それでは、海事関係三法について御質問をさせていただきます。 近年、物流のグローバル化の中で、国内外における港湾の国際競争が本当に激化しております。私の選挙区、静岡県なんですが、静岡県には清水港、御前崎港、田子の浦港、ほかにもあるんですけれども、この主要三港同様に国際競争の荒波にもまれているところでございます。このような状況の中で、今日審議されます海事三法の改正により、国際競争の中で苦戦しております我が国の海運業界、この景気が少しでも上向きになる、そんなことを踏まえて、三法について御質問をさせていただきます。 まず、海上運送法の一部を改正する法律案について質問をいたします。 周囲を海で囲まれている、そして資源が乏しいこの日本にとって、外航海運は我が国の経済や国民の生活を支えるインフラとして本当に大変重要なものであります。 ところが、資料二を御覧ください。我が国の外航海運においては、安定的な国際海上輸送の核となるべき日本の船舶は、最も多かった時期、これは昭和四十七年の千五百八十隻ですけれども、そこから大きく減少をし、そして日本船舶は現在百三十六隻のみで、そのほかはパナマ籍千八百九十六隻、そしてリベリア籍が百四十隻、香港籍の船舶が百十五隻など、ほとんど便宜置籍船、これは船舶を実際の船主の国ではなくて税金や人件費、その関係でほかの国に置いているという船舶なんですけれども、この便宜置籍船を含めた外国の用船であります。 また、外航日本人の船員の数、これ資料三を御覧ください。船員の数についても、ピークであった時期、これは昭和四十九年の五万六千八百三十三人から平成二十二年の二千二百五十六人、非常に極端に減少をしております。 そこで、質問をいたします。 このように、日本船舶が外国用船に比べて極端に少なく、外航日本人船員の数も本当にこのように激減をしている中で、国土交通省が今までに行ってきた日本船舶及び日本の船員の計画的増強を図るための何らかの手だて、簡単にで結構ですので、御説明を願います。
○大臣政務官(室井邦彦君) お答えをいたします。 日本船舶の隻数は、今先生がおっしゃいました、重複して申し訳ございません、ピークであった昭和四十七年の千五百八十隻、また平成十九年には九十二隻まで減少いたしました。また、外航日本人船員は、ピークであった昭和四十九年、約五万七千人から、平成二十三年には約二千四百人に大幅に減少いたしました。これに対して国はどういう対応をしてきたのか、こういう質問であります。 このような状況を踏まえまして、これまで、平成八年度に国際船舶制度を導入をいたしました。国際海上輸送の確保上、特に重要な日本船舶を対象に、登録免許税及び固定資産税の軽減措置を講ずることにいたしました。また、さらに平成二十年度にトン数標準税制を導入をいたしまして、日本船舶・船員確保計画を策定をいたしまして、国土交通大臣の認定を受けた船社に対し日本船舶を対象としてみなし利益への課税を認めるなど、施策を進めてまいりました。こうした中、日本船舶・船員確保計画の認定を受けた日本の船社十社は、平成二十一年度から二十五年度までに五年間で日本船舶を約二・一倍に、さらに日本人船員についても約一・一倍に増加させることとしておるところであります。 以上であります。
○岩井茂樹君 確かにこの資料二の方ですか、商船隊の隻数の推移の表を見ても、平成十九年から、これ余り劇的に増えてはいないんですけれども、確かに増加傾向にあるというのは認められます。少し効果が出ているのかなというイメージを持っております。 さて、それらを踏まえまして、今回の改正案によりまして、我が国の外航海運事業者による安定的な国際海上輸送の確保を一層推進するためにも、あらかじめ我が国外航海運事業者が運航する外航船舶のうち、航海命令に際して日本船舶に転籍をして確実かつ速やかに航行することが可能なものについて、当該船舶を準日本船舶として認定をする制度が創設をされております。 準日本船舶は、外航日本船舶の必要隻数四百五十隻、これを補完するとされておりますけれども、現在、外航日本船舶がただいま言いましたように少し増加傾向にある中で、準日本船舶の創設の意義と、創設することによって期待される役割、これを御説明ください。
○国務大臣(羽田雄一郎君) お答えをさせていただきます。 我が国は四方を海に囲まれ、国際物流のほとんどを外航海運が担うため、安定的な国際海上輸送の確保が経済安全保障上極めて重要な課題であると認識をしております。このため、平成二十年の日本船舶・船員確保計画の認定制度の創設、またトン数標準税制の導入等により日本船舶の増加を推進してきたところであり、日本船舶数は増加に転じているということであります。徐々にではありますけれども。 他方、東日本大震災の状況を踏まえ、日本商船隊による我が国への安定輸送、経済安全保障を早期に達成する必要が認識されたため、今般、日本船舶を補完するものとして一定の外国船舶を準日本船舶として認定する制度を設けるものであります。
○岩井茂樹君 もう少し船舶数のことについて質問をさせていただければと思います。 ただいま一連の説明がありましたように、国交省としても何らかの手だてを講じて、微増であるけれども増加しているのは確かだと思います。 平成二十年の七月に策定されました現在の日本船舶及び船員の確保に関する基本方針、ここの中においては、外航日本船舶の数を二十年度から五年間で二倍、そして外航日本人の船員の数を十年間で一・五倍に増加させるという、このような具体的な目標を立てられております。 しかしながら、今のお話にもありましたように、外航日本船舶数については百三十六隻という状況です。それを踏まえまして、今回の改正案において、準日本船舶の制度創設により、現在の基本方針、今述べました基本方針をどのように変えていくのか。特に、外航日本船舶の増加については、まさか棚上げになってしまうというようなことはないのか。同基本方針の第三十四条第三項のところで船舶運航事業者等の競争力の確保を考慮して定めると明記されていることも踏まえ、大臣の見解をお聞かせください。
○国務大臣(羽田雄一郎君) 先ほどのお話の中で、一定の外国船舶を準日本船舶として認定する制度を設けるということでありますけれども、国土交通大臣が定める日本船舶及び船員の確保に関する基本方針、これを改正し、準日本船舶の確保等に関する事項とともに、日本船舶・船員確保計画の拡充に係る記載を追加することとしております。そういう意味では、日本船舶についても更なる増加を図ることとしております。
○岩井茂樹君 ありがとうございます。 それでは、少し関係をするんですけれども、準日本船舶の認定制度の創設について少し質問させていただきます。 今回の改正案では、我が国の外航船社による安定的な国際海上輸送の確保を一層推進をするために、あらかじめ我が国外航船社が運航する外国船舶のうち、航海命令に際し日本船舶に転籍をして確実かつ速やかに運航することが可能なものについて、当該船舶を準日本船舶として認定する制度が創設されるということですが、そこで準日本船舶の認定制度の創設に関してまた更に質問をしたいと思います。 準日本船舶は、航海命令時において確実かつ速やかに航海ができるためには、同船舶が日本船舶を補完する役割を十分に担えないとこれは意味がないと私は考えているんですが、現在、日本船舶については一隻当たり日本人船員を四名確保することが義務付けられております。 準日本船舶には、この基準を参考にしてどのようにしていくのかという見解をお聞かせください。
○政府参考人(森雅人君) お答えいたします。 準日本船舶が航海命令を発したときに確実にかつ速やかに航海できるよう、お尋ねのあった日本人船員の確保については必要最低限の日本人船員を確保できるような要件を設ける方向で検討しております。 要件の詳細につきましては、今後、関係当局と制度の詳細を調整していく中で詰めていくこととしたいと考えております。
○岩井茂樹君 また、非常時において航海に確実かつ速やかに従事させるための方策として、なるべく多くの日本人船員を確保することが望ましいと考えられますけれども、その方策について御見解をお聞かせください。
○大臣政務官(室井邦彦君) お答えを申し上げます。 安定的な海上の輸送の確保を図るためには、優秀な外航日本人船員の確保、また育成を図っていく必要が重要であり、全くもって先生の指摘されるとおりであります。 このため、国といたしましては、商船系大学などの船員教育機関における座学教育と航海訓練所における乗船実習等を組み合わせる形で国が責任を持って船員の育成等に努めてきているところであります。 また、平成二十年度に導入をいたしましたトン数標準税制に関連し、外航船社に日本船舶・船員確保計画を策定させることにより、日本人船員の確保、増員を図るとともに、同計画の拡充により更なる増加を図ってまいりたい、このように考えているところであります。 さらに、本年三月に最終取りまとめを行いまして、船員の確保・育成に関する検討会の成果を踏まえまして、船員の供給源の拡大のため、一般大学の卒業生を船員とするための乗船期間の短縮をさせていただきました。以前は六か月、百八十日でありましたけれども、今回、この改正によりまして百二十日の実習ということにさせていただきました。 さらに、即戦力となる質の高い船員を確保するため、外航船社が自社船を使って乗船実習を行う機会の拡大のための要件の緩和をさせていただきました。例えば、遠洋航海の海域の見直しというところから、以前ですとオーストラリア、ハワイということでありましたけれども、近くのインドネシア、二千マイル以上というような緩和をさせていただいているところであります。 よろしくお願いいたします。
○岩井茂樹君 ありがとうございます。 時間もなくなってきましたので、次にトン数標準税制の拡充という視点で御質問をさせていただきます。 平成二十年度に日本船舶に対して導入をされましたトン数標準税制が、平成二十四年度税制改正大綱において、一定の要件を満たす外国船舶に対してもそのトン数標準課税を適用することが認められました。そこに認められるまでの経緯、御説明願います。
○政府参考人(森雅人君) 我が国のトン数標準税制は、平成二十年度に日本船舶を対象に導入されました。 先ほどの大臣の御答弁にもありましたように、昨年、東日本大震災に際しまして一部の外国船社が我が国の港湾への寄港を忌避する等の事態が発生いたしまして、国際物資輸送の担い手としての我が国の商船隊と、その中核である日本船舶の重要性が改めて認識されたところでございます。このため、公共の安全の維持等に必要な場合に、日本船舶に転籍が可能な日本船社が運航する一定の外国船舶を準日本船舶として認定することとしたわけでございます。 平成二十四年度の税制改正大綱におきましては、今般の法改正、それからこれに基づく日本船舶・船員確保計画の拡充を前提としまして、平成二十五年度の税制改正においてトン数標準税制を準日本船舶に拡充することとされております。
○岩井茂樹君 それでは、その準日本船舶に対するトン数標準税制については、その内容は具体的に、今後、租税特別措置法の改正で措置されることになると思われますけれども、どのような内容となるのか。認定を受けた準日本船舶にトン数標準税制がちゃんと適用をされるのか。財務省並びに国土交通省、協議をしっかり行っているのか、御見解をお聞かせください。
○大臣政務官(三谷光男君) トン数標準税制については、平成二十四年度税制改正大綱において、更なる経済安全保障を確保する観点から、海上運送法の改正及び日本船舶・船員確保計画の拡充を前提として、平成二十五年度税制改正において、日本船舶増加のインセンティブにも十分配慮しつつ、適用対象を我が国外航海運業者の海外子会社が所有する一定の要件を満たした外航船舶に拡充することとされています。今後、これに基づき検討を進めてまいります。 また、国土交通省との協議をしているのかということでありますが、協議をしております。まず平成二十四年度税制改正大綱に盛り込むまでにも協議を続けてまいりましたし、また今も続けております。 また、今後、準日本籍船へのこのトン数標準税制の適用の具体的な内容につきましては、まさに今御審議いただいているこの法案改正を受けて見直される日本船舶並びに船員確保計画の拡充状況を踏まえながら、平成二十五年度税制改正プロセスの中で検討を進めていくことになります。 以上です。
○大臣政務官(室井邦彦君) 答えとしては財務省と全く一緒でありまして、今後、財務省との検討を更にしっかりと、プロセスに向けての引き続き検討を続けてまいりたい、このように思っております。
○岩井茂樹君 やはり検討というお答えがいただけたかと。もう少し、もう一歩踏み込んだ何かお話があればよかったんですけれども、しっかりと検討をしていただければと思います。 主要国においては、自国船籍に加え、外国籍船にもトン数標準税制の適用対象としているところが本当にこれ多いんですね。我が国の現行トン数標準税制の適用範囲は日本船籍に限定をされていることなどから、我が国の外航海運事業者は諸外国と比較して税負担が重い状況でありまして、税制の差異は外航海運企業の国際競争力の、直結するということで、国際競争力の強化、国際競争条件の均衡の面からもトン数標準税制の拡充は、これは本当に重要な私は課題というか、やらなければいけないことだと思っております。 一方で、トン数標準税制の拡充は税の減収を発生することから、やはり減収面には目が奪われぎみとなるのも、これは事実だと思います。 しかしながら、トン数標準税制の拡充の効果により、振れ幅の激しい海運市場において船社にとっては税額が安定化、そして予見がしやすくなり、安定した資金の確保や経営計画が組みやすくなり、国際競争力の強化に寄与することとなると。さらには、我が国の海運、造船、船舶工業、船員関連事業等の集合体である海事クラスターの維持強化にも寄与し、これらの業界が相互に発展することが、私は我が国の海洋立国としての地位を、これはしっかりと強固にしていくものだと考えております。 このように、トン数標準税制の更なる拡充は我が国の経済安全保障の確立や国際競争力の増強のためには有効な施策だと政府全体で認識をされ、そして将来的にはトン数標準税制の更なる拡充がなされることが望ましいと考えますけれども、海事産業をつかさどる国土交通大臣としての御見解をお聞かせください。
○国務大臣(羽田雄一郎君) 今般、東日本大震災後の状況を踏まえて、更なる経済安全保障の観点から、平成二十四年度税制改正大綱において、海上運送法の改正及び日本船舶・船員確保計画の拡充を前提として、平成二十五年度税制改正において一定の外国船舶にトン数標準税制の適用対象を拡充することとされたところであります。 国土交通省としては、これらの一連の施策についての検討を着実に進め、我が国商船隊による安定的な国際海上輸送の確保をしっかりと図ってまいりたいと考えております。
○岩井茂樹君 ありがとうございます。 それでは、本日の二つ目の法案、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律案について御質問をさせていただきます。 最初に、本法案提出の背景について御説明をいただければと思いますが、本法案は船舶の航行や事故による海洋汚染を防止することを目的として作られた国際条約でありますMARPOL条約や、温室効果ガスの削減目標を決めた京都議定書とも非常にこれは関係が深いと思います。その辺りを踏まえて、その背景について御説明を願います。
○大臣政務官(室井邦彦君) お答えをさせていただきます。 温室効果ガスの排出削減対策については、国連気候変動枠組条約の京都議定書による国際的な枠組みが御承知のとおりございます。国際海運からの二酸化炭素排出量を特定の国に帰属させることが困難であることから、京都議定書ではその削減対策は国際海事機関において検討するというふうにされております。これを受けて、国際海事機関では、国際海運から排出される二酸化炭素の削減対策の検討を行い、昨年七月、海洋汚染防止条約附属書Ⅵの改正による二酸化炭素排出削減のための枠組みに合意をいたしました。 今回、提出いたしました法律案は、国際海事機関で合意されたこの枠組みを国内法に取り入れるためのものであります。この枠組みは、国際海運からの二酸化炭素の排出量は今後増大すると予想される中、地球環境保全の観点から非常に重要なものと考えております。以上のことから提出をさせていただきました。
○岩井茂樹君 ありがとうございます。 ただいまの御説明に加えて、実はこの法案のみそというかポイントというのが、その一つなんですけれども、やはり国際海事機関が主導的な立場で国際海運におけるCO2排出規制対策を進めてきた中で、ただいま御説明にもありましたMARPOL条約附属書のⅥの改正、これを作成する過程で、実は我が国、日本が非常に大きな役割を果たした。実はここが本当に重要なことかなと感じているんですけれども、この背景を踏まえて御質問をさせていただきます。 本法案の提出に至るまでの間、国際海運におけるCO2規制導入の議論を我が国がリードしてきた理由、規制を導入する意義とでもいいましょうか、それについて、大臣、御見解をお聞かせください。
○国務大臣(羽田雄一郎君) 新興経済国等の経済成長に伴う海上貿易量の増大により、国際海運からの二酸化炭素排出量は飛躍的に増大すると予想されております。地球環境の保全の観点から、我が国は世界有数の海運・造船国として対策の実施に積極的に貢献することが重要であると考えております。また、国際競争が激しい中、今後も我が国の海運・造船業が世界に冠たる地位を確保するには、我が国の得意とする省エネ技術力が発揮できる枠組みをつくることが重要であるというふうに考えております。 このような観点から、我が国は国際海事機関に対して、国際海運からの二酸化炭素排出量の削減と我が国の海事産業の国際競争力強化を両立する枠組みを提案し、海洋汚染防止条約附属書Ⅵの改正として合意がされました。その効果は我が国が開発した最新の省エネ船舶の受注という形で既に現れ始めており、今後、我が国の海運・造船業の国際競争力強化に資すると考えているところであります。
○岩井茂樹君 我が国がリード、中心的な役割を果たしたというのは本当に喜ばしいことなんですが、少し気になることが、諸外国がどういう考え方でいるかということを少し御説明いただければと思います。 近年、我が国をしのぐ、新しく造船をする建造量というのは、実は中国と韓国にたしか抜かれていたかと思います。海上輸送量を増大させている新興経済国やその他の発展途上国、島嶼国など、本条約改正にかかわる各国は、議論の過程や採決において、これ、どんな態度を取っていたか、説明できる範囲で結構ですので御説明願います。
○政府参考人(森雅人君) お答えいたします。 附属書Ⅵの改正は、昨年七月に開催されました国際海事機関の第六十二回の海洋環境保護委員会において採択をされました。この会議におきましては、締約国六十四か国の中で、新興経済国である中国それからブラジル、チリ、それから産油国であるサウジアラビア、クウェート、この五か国のみが反対しました。我が国それから欧州諸国を含め米国、それからツバルのような島嶼国のように京都議定書に入っていない国、それから韓国等についても私どもの積極的なロビーイングにより賛成の票を投じまして、その結果として条約が採択されたということでございます。 なお、これら反対した五か国も、条約の締約国であることから、二酸化炭素排出規制についてはこれを遵守する義務が掛かります。したがいまして、国際海運においても一律公平に今回の規制が実施されることになります。
○岩井茂樹君 ありがとうございます。 少し話題を変えまして、海防法の改正によるCO2の放出規制について、その一つの方策としてポートステートコントロールということがあろうかと思います。 ポートステートコントロールについて、具体的にどのようなものなのか、また二酸化炭素放出抑制指標の算定義務や二酸化炭素放出抑制航行手引書というのがあると聞いているんですけれども、その作成義務などに違反した船舶が発見された場合、どの程度の違反に対してどのような対処を行っていくか、その方針をお聞かせください。
○大臣政務官(室井邦彦君) お答えをさせていただきます。 まず、ポートステートコントロールとは、我が国の港に入港をした外国籍船が国際条約に定める基準に適合しているかどうかということについて検査をすることであります。今回導入される二酸化炭素放出規制におきましては、二酸化炭素放出抑制指標が条約で定めておりまして、基準値に適合しているかどうか、まず確認をいたします。そして、二酸化炭素放出抑制航行手引書が船内に備えられているかを確認をいたします。検査の結果、基準に適合していない場合には、船長に対して命令を発し、一定の期間内に是正を求めることになります。 このような措置を通じ、国際的な基準の遵守を確保してまいりたい、このように考えております。
○岩井茂樹君 ポートステートコントロールの、実は当委員会で現地視察というか、行ってまいりまして、六月七日、当委員会では、横浜にあります関東運輸局において外国船舶監督官から業務の実情を実は直接、委員会の中で伺ってまいりました。 その中身は、全国で百四十名程度の限られた人員で、平成二十二年度は五千三百八隻の船に検査を実施をしているけれども、人員配置の少ない港では、問題があると思われる船で検査し切れていない船もまだまだあるという、そんな話を実は伺いました。 規制の内容もこれから年々増えていって更に強化をしていく中で、アジア太平洋の地域協力も含めて、ポートステートコントロールの実施体制について、今後どのように効果的なことを行っていくか、その取組について、大臣、御見解をお聞かせください。
○国務大臣(羽田雄一郎君) お答えをさせていただきます。 ポートステートコントロールは、我が国の周辺海域における海上安全の確保及び海洋汚染の防止のために極めて重要なものであり、従来から外国船舶監督官の要員確保を図ってきたところであります。今般の法改正による規制強化を踏まえて、引き続き条約及び関係法令の的確な実施体制の確保に努めてまいります。 また、アジア太平洋地域全体で条約の適正な実施の確保を図るために、地域十八か国でポートステートコントロールの協力の枠組みをつくっております。我が国はその中核となる役割を担っており、引き続き途上国に対する研修等を通じて地域全体のポートステートコントロールの能力の向上に貢献してまいりたいと考えております。
○岩井茂樹君 ありがとうございます。 海防法の中で、これ最後の質問になろうかと思うんですけれども、独立行政法人海上災害防止センターの民間法人化について御質問いたします。 独立行政法人海上災害防止センターの民間法人化について、これは海洋汚染等防止法に基づき、排出油等の防除という専門的知見を必要とする業務を担っている海上災害防止センターは、昭和五十一年に認可法人として設立、平成十五年に独立行政法人化をされ、今般、行政刷新会議での議論を受けて再び民間法人化することになりました。 そこで質問なんですが、排出油等の防除については海上保安庁が自ら行う場合もありますけれども、センターとの役割の違いと、センターの近年の活動事例について、そして本法律案によるセンターの法人形態の見直しの意義について伺いたいと思います。鈴木海上保安庁長官、お願いいたします。
○政府参考人(鈴木久泰君) お答えいたします。 今委員からの御指摘がありましたように、海上災害防止センターは、昭和五十一年に認可法人として設立されて以来、三十五年以上業務を行っておりますけれども、海上防災のための資機材の保有、供与、訓練、研究、指導等の業務を行っておりまして、民間における海上防災の中核的な役割を果たしております。 今御指摘ありましたように、大量の油の流出事故等が発生した場合に被害をなるべく限定化するということで、初期段階で可能な限りの勢力を投入するという必要がありますが、海上保安庁のみでこういう仕事を行うとした場合には、船艇、資機材、要員等、そのために大量に常時配備しなきゃいかぬということで、余り効率的なやり方とは言えません。したがいまして、緊急時にはこのセンターを活用して一緒になって対応するというような形で危機管理体制を構築しているわけであります。 最近の活動事例といたしましては、昨年三・一一の東日本大震災の際に千葉県市原市でLPGタンクが爆発しまして大火災が発生いたしました。当庁の消防船、それから自治体の消防船に加えまして、センターからも二隻消防船を出していただきまして、冷却放水というのを直ちに実施いたしました。これは火勢、火の勢いが強くて陸上からはとても近づけないので、海側から、どんどん燃え広がるのを防ぐために周辺に水を掛けるという作業でありますが、海水をポンプでくみ上げて、もう一昼夜、二十四時間ぶっ通しで冷却放水いたしまして、火が収まったところで陸上の勢力がまた消しに行くという形で対応いたしました。実際に最終的に鎮火したのは十日後でありますので、大変な大火災でありましたが、初期段階のこの冷却放水がなければもっと大変な大惨事だっただろうと思っております。 このセンターを民営化する意義でございますけれども、最近、民間事業者等における防災意識の向上、海上防災に係る対応の高度化等によりまして、このセンターに対する民間のニーズが多様化、専門化、高度化しております。これにこたえるためには、独立行政法人という組織形態よりは、むしろ民間法人という形の方が事業運営や人員配置といった面で弾力的な対応が可能になるものと考えております。 具体的には、企業ニーズにきめ細かに対応した訓練、研修の実施、調査研究をした新たな防災資機材の開発、販売などもできるようになると考えておりまして、またセンターと協力しながらしっかりと防災対応をしていきたいと思っております。
○岩井茂樹君 ありがとうございます。 三法の最後の船員法の一部を改正する法律案、時間があれば二つだけちょっと御質問をいたします。 まず、海上労働条約の意義、効果にはどのようなものがあるか、また、条約制定の過程において日本はどのような貢献を今までしてきたか、大臣の御見解、御説明をお願いいたします。
○国務大臣(羽田雄一郎君) お答えをさせていただきます。 海上労働条約は、ILOがこれまで採択した海事関係の条約等を整理統合し、平成十八年二月に採択されたものであります。 この条約は、船員の労働条件に関するグローバルスタンダードを定めるとともに、その実効性を担保するための検査制度を船員労働の分野では初めて導入することにより、船員の労働条件の一層の改善を図ることを目的とするものであります。 平成十三年から開始されたILOの条約会議において我が国の政府代表が総会の副議長を務めたほか、現在、アジア太平洋地域における関係国の協力体制の中心国として検査方法のガイドラインを作成することを主導しているところであります。
○岩井茂樹君 ありがとうございます。 労働条約について、これ最後の質問にいたしたいと思います。 条約の発効条件は、商船船腹量の合計が世界の商船船腹量の合計の三三%以上となる三十か国以上の国の批准が登録をされた日の十二か月後とされておりますけれども、現在までに批准の状況と条約の発効の見通しについて、日本の立場、しっかり考えてお答えを願います。
○政府参考人(森雅人君) お答えいたします。 海上労働条約は、先生今御指摘のあったように、三三%以上の商船船腹量を有する三十か国以上の加盟国が批准した後に一年で発効することとされております。 現在の批准状況でございますけれども、二十七か国が海上労働条約の批准登録を終えておりまして、その船腹量は五五・七六%ということでございまして、船腹量については既に発効要件を満足しております。批准国数について、あと三か国ということでございますけれども、一か国が既にILO内部の批准手続中となっておりますので、あと実質上二か国の批准で発効すると。これらの二十八か国のほか、数多くの国が批准準備中でございまして、近々発効要件を充足することが見込まれます。 なお、我が国においても、本通常国会におきまして、条約批准のための国会承認手続を予定しております。 以上でございます。
○岩井茂樹君 以上で質問を終わりたいと思います。
○谷合正明君 よろしくお願いいたします。 今日は、三法案のうち、海上運送法の一部を改正する法律案と海洋汚染、海上災害防止改正案、この二つについて質問をいたします。 まず、海洋汚染、海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律案の方から行きます。最初、省エネ技術を核とした我が国海事産業の国際競争力強化という視点に立って質問をしたいと思います。 今回、二酸化炭素の排出、放出規制というものが、昨年七月のMARPOL条約改正において国際海運に初めて導入されることとなったわけでありますが、条約改正によりどのような効果が期待できるのかということで、一つは、何も対策を取らない場合と比べてCO2の観点でどういう効果があるのかということと、我が国海事産業の国際競争力強化という観点に立ってどういう効果があるのか、この点について、まず大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(羽田雄一郎君) 現在、国際海運からの二酸化炭素排出量は世界全体の排出量の三%、およそドイツの全排出量に相当しているというふうに思っております。 今後、大幅な海上貿易量の増大により排出量の増加が予想されておりますが、我が国が主導して策定した今回の条約改正により、二〇五〇年には約十億トンと、現在日本の全排出量に相当する大幅な排出削減が可能となり、地球環境の保全に大きな貢献が期待をされております。 また、国土交通省では、省エネ船舶の技術開発に官民連携して取り組んできたところでありますが、今回の条約改正により我が国の得意とする省エネ技術力を発揮できる環境が整ったことから、我が国海事産業の国際競争力を強化できるものと考えております。
○谷合正明君 それでは、順番逆になるかもしれませんが、海事産業が今後国際競争力を持っていかなければならないということは、逆に言えば世界の造船市場というのは厳しい状況、厳しいというのは日本にとっては厳しい状況だということなんですけれども、現在、世界の造船市場というのはどういう状況になっているのか、日本の立ち位置というのは今どういう状況に置かれているのかということについて、ちょっと端的にお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(森雅人君) お答えいたします。 世界の造船市場でございますけれども、二〇〇六年から始まった海運ブームに合わせまして船舶が大量発注されました。また、中国、韓国がこれに呼応する形で造船所の建造能力を大幅に拡大いたしました。その結果、二〇一一年の新造船建造量は史上最高の一億総トン強という大変膨大な建造量となったわけでございます。 一方、あのリーマン・ショック以降、船舶の受注量は大幅に低迷しておりまして、昨年の受注量は六千万総トン以下にとどまっております。その結果、造船所の供給能力、非常にこれ拡大しておりますし、一方で船舶需要は非常に低迷しているということで、大変大きな需給のギャップが生じておりまして、今後の受注見通しも大変厳しいものとなっております。 一方、我が国でございますけれども、我が国もあの海運ブームに乗りまして、二〇〇六年以降、新造船建造量は約二千万総トンという大変高い水準を維持してまいりました。一方、世界造船市場における建造需要の低迷に加えまして、特に最近の円高それからウォン安、この影響も相まって、昨年の新造船受注量は八百万総トン弱にとどまっております。その結果として、我が国造船所が手持ちで抱える工事量は平均いたしまして残り一年半程度、一方で受注環境は非常に厳しいということで、大変厳しい事業環境にさらされており、今後更なる受注力の強化が必要とされている環境にございます。
○谷合正明君 今局長から、大変厳しい状況、情勢、報告いただきました。昨年七月に新造船政策検討会において今後の戦略が検討されまして、海外販路の開拓などを進めるということが入っているわけですが、今そういう厳しい状況の中で省エネ規制の導入が決まって、実際にそれを受注に結び付けるという展開、これは期待どおり進むというのは相当、何か聞いていると難しいような気もしたんですけれども、それでは、今後の展開、展望をどのように国交省として図っていくのか、現状をどのように打開していくのかについて、吉田副大臣にお尋ねいたします。
○副大臣(吉田おさむ君) 我が国におきましては、省エネ技術というふうなものが造船業の国際競争力強化で大変重要であるということが認識をされているところでございます。世界に先駆けた省エネ船舶の技術開発を官民連携で今取り組んでいるところでございます。 今回の規制はこのような我が国が得意とする省エネ技術を生かすものでありまして、既に造船各社におかれましては最新の省エネ技術を生かした船舶の市場投入を開始をしておりまして、既に受注をしたということが実現した造船所も出てきているところでございます。 先生の御質問の期待どおりかというと、どこを期待とするかということではありませんが、考えていたように受注は始まっているということで、非常にこれからがますます期待が持てるところではないかなと思っております。 さらに、海外販路開拓につきましても、当面需要が停滞する中、海外での市場の拡大、販売拡大に向けまして、本年四月に船舶投資のファイナンス組成を支援する民間会社、日本船舶投資促進株式会社が造船会社等の出資により設立されたところでありまして、今後の受注拡大、これも期待がされているところでございます。 国土交通省といたしましても、受注力強化のための取組について必要な支援を行っていきたいと考えております。これにつきましては、官民連携トップセールスという言葉がございますように、様々な国際会議等へ出ていったときに、それぞれが日本の造船の売り込みということも引き続きしていくということでございます。 以上でございます。
○谷合正明君 トップセールスで是非やっていただきたいと思います。 最近、新幹線の話題が出たりとかですが、造船の分野についても、これは裾野の広い産業でもありますし、地元の経済、雇用に大きな影響をもたらしますので、しっかりやっていただきたいと思います。私、今岡山におりますので、玉野の地域というのは造船によってやっぱり景気が本当に左右されるわけですね。これは本当に大事な問題だと思っております。 一方、今のは外航の話なんですね、今度、内航海運の方のちょっと話題に転じたいと思うんですけれども。内航海運というのは中小零細企業がほとんどでありまして、省エネ技術というのはなかなかこれは進まないんですね。老朽化した船舶の更新、これどのように進めていくのかということなんですが、ここは局長にお伺いしたいと思いますが、老齢船の代替建造を促していくこと、このためにどういう対策を打っていくのか。また、併せてちょっと現状についても簡単に報告もいただきたいと思います。
○政府参考人(森雅人君) 内航海運は、国内貨物輸送全体の約四割、特に、とりわけ基礎産業物資の輸送では約八割を担うなど、文字どおり我が国の物流の大動脈として日本経済や国民生活を支える役割を果たしております。将来にわたってこのような役割を担い続けることができるように、国土交通省として適切な支援や環境整備を図っていく必要があるものと認識しております。 内航海運の業界の現状につきましては、先生御指摘がございましたとおり、まず非常に零細事業者が多いと。従業員三百人以下の中小企業が実に九九%ということで、ほとんどでございます。また、船齢十四年以上の老朽船の割合が七四%に達するなど、船舶の老齢化が進行しているのが現状でございます。このため、今後とも安全で安定的な内航輸送サービスを確保していくためには、中小事業者が活用しやすい制度を通じて船舶の代替建造を促進していくことが課題だというふうに認識しております。 このような状況に対応いたしまして、国土交通省では、鉄道・運輸機構の船舶共有建造制度の活用、それから、中小企業投資促進税制等の支援措置によって中小事業者の投資負担の緩和を図るとともに、内航海運組合総連合会が実施している暫定措置事業の着実な推進を通じて代替建造の促進を図っているところでございます。また、船舶管理会社の活用を通じまして、中小事業者同士の協業化の促進により経営の効率化を高めるといった取組にも取り組んでいるところでございます。その結果ということを評価をしていいかどうか分かりませんけれども、平成二十一年度以降、内航船舶の建造が増加に転じております。 今後とも、先ほど申し上げた支援制度や税制上の措置などを通じて、代替建造の着実な進捗、内航海運業界の活性化に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○谷合正明君 是非よろしくお願いいたします。 次に、海上運送法の一部を改正する法律案に移らせていただきます。 我が国の外航船社による安定的な国際海上輸送の確保を一層推進するため、今回、準日本船舶として認定する制度が創設されるわけであります。 まず確認ですが、準日本船舶の見込み隻数ですね、どの程度なのかということなんですが、準日本船舶は外航日本船舶の必要隻数四百五十隻を補完するものとしてその果たす役割が期待されているとのことなんですが、これは国交省としては多数の業者が積極的に手を挙げてもらいたい、そして申請してもらうということが望ましいと考えているんだと思うんですが、どのくらい確保できる見込みがあるのかというのをまず確認したいと思います。
○政府参考人(森雅人君) お答えいたします。 今回の法改正を踏まえまして、今後、制度の詳細を関係当局と調整の上、詰めていくことになりますけれども、現在の日本船舶・船員確保計画の認定を受けてトン数標準税制の適用を受けている外航船社が十社ございます。この十社が今回の準日本船舶の要件となっております自社海外子会社に所有させている船舶、かつその船社が自ら運航しているいわゆる仕組み船という船でございますけれども、こういった船舶は平成二十三年現在、約五百隻ございます。 先ほど申し上げましたように、今後、制度の詳細が詰まっていく状況を踏まえて各船社が準日本船舶として申請をするかどうかという判断をすることになりますので、この五百隻の中から船社が判断する準日本船舶の申請が行われるというふうに認識しております。 なお、先ほど先生がおっしゃいましたように、平成十九年度に交通政策審議会において、非常時を含む安定的な海上輸送の確保のために最低限必要な日本船舶数として約四百五十隻という評価をしていただいております。これも一つの目安として、今後、準日本船舶の認定を進めていきたいというふうに考えております。
○谷合正明君 制度の詳細は今後詰めていくということでありました。しっかりと関係事業者、関係団体から意見聴取、連携協力というものをしっかり進めていただきたいと思います。 そこで、今度は外航日本船舶と、準日本船舶の制度が創設されるということについて、その関係について伺いたいと思います。 この外航日本船舶、日本船舶については、これは平成十九年が一番下で、それからトン数標準税制も創設されることで九十二から百三十六隻ですか、平成二十三年度で、増えてきました。数は少ないとは思いますが、これは一応反転攻勢を掛けたということであります。 今回、新たに準日本船舶の制度を創設するということで、その準日本船舶が外航日本船舶の必要隻数を補完するものとはいえ、現在その外航日本船舶が増加傾向である中で外航日本船舶の増加のペースアップに影響はないのかと、外航日本船舶のペースアップが維持できるのか否かと、この点についてお伺いしたいと思います。大臣、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(羽田雄一郎君) 外航船社のうち十社は、日本船舶・船員確保計画に基づき、平成二十一年度から五年間で日本船舶を約二・一倍に増加させることとしており、平成二十年度より日本船舶は増加に転じております。他方で、東日本大震災後の状況を踏まえ、日本商船隊による我が国への安定輸送、経済安全保障を早期に達成する必要が認識されたため、今般、日本船舶を補完するものとして一定の外国船舶を準日本船舶として認定する制度を設けるものであります。 本法改正後の日本船舶・船員確保計画の認定に当たって、平成二十四年度税制改正大綱において、この計画の拡充を前提に、日本船舶増加のインセンティブにも十分配慮しつつ、トン数標準税制を一定の外国船舶に拡充されるとしていることも踏まえて、日本船舶の更なる増加を図ってまいりたいと考えております。
○谷合正明君 日本船舶の増加とともに日本人船員の増加を図っていくということが極めて重要であります。しかし、日本人船員数というのは、御案内のとおり、相当に減少しておりまして、これは昭和四十九年がピークだったというわけでありますが、外航、内航、漁業含めて全て減少しております。かつ、年齢構成を見ても、五十歳以上の割合というのが平成二十二年度は四三%ということで、これからの担い手というんですか、若い世代の船員の確保というのが極めて厳しい状況になりつつあるということであります。 そこで、優秀な若者が海事関係の進路を選択できるようにするにはどうしたらいいのかと。それは、船員養成機関や海事産業、業界あるいは学校教育の現場、様々連携して総合的にやっていくわけでありますし、それを国がバックアップしていくということが極めて重要なんだと思いますが、改めて、今回の法案は安定輸送と経済安全保障の確立ということを掲げておりまして、その意味においては、船舶だけでなくて船員の確保をどのように具体的に進めていくのか、ここをお尋ねしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○大臣政務官(室井邦彦君) お答えをさせていただきます。 先生御指摘のとおり、非常にこの問題は重要で、今後の海運業におきましても重要なポイントでありまして、海事局といたしましても、特に育成に長期間を要する船員の確保、育成は喫緊の課題であり、将来の我が国における安定的な海上輸送の確保を図るための優秀な日本人船員、特に御指摘がございました若年船員確保のために育成を図っていくことが重要であると考えております。 そのために、商船系大学などの船員教育機関における座学教育と航海訓練所における乗船実習等を組み合わせる形で国が責任を持って船員の養成等に努めているところであります。また、平成二十年度に導入いたしましたトン数標準税制に関連し、外航船社に日本船舶・船員確保計画を策定させることによりまして、日本人船員の確保、増加を図るとともに、同計画の拡充により更なる増加を図っていきたい、このように考えているところであります。さらに、平成二十年度は、内航海運事業者等が日本船舶・船員確保計画に従って船員を計画的に確保、育成する場合に資格取得費用の一部を助成をする、このような支援措置を講じているところであります。 以上でございます。
○谷合正明君 伸びていく産業には必ずそこは若者が付いていくわけでありますから、しっかりとこの海事、海運産業を成長産業にしていくんだという国交省の気構えでやっていただきたいと思っております。 時間はあと三分、四分残っておるんですが、もう質問したいところは終わりましたので、終わりたいと思います。 今日は、海水というか海の話をしてまいりましたが、塩水だけじゃなくて雨水の方も極めてこれからは重要な観点ではないかなと思っておりまして、本法案の審議終わったら雨水の関係の法案がまた話題になると思いますが、いろいろと皆さんの御配慮もいただきまして今日に至ったということもありますので、感謝を申し上げたいと思っております。 以上、私の方からの質問とさせていただきます。
○藤原良信君 藤原良信でございます。よろしくお願いを申し上げます。 遅ればせながら、羽田大臣、大臣御就任おめでとうございます。 羽田大臣が、前任は国対委員長さんをされておりまして、円滑な国会運営を鋭意努力されておりました姿を、私も副委員長で同席をさせていただいてかいま見てきまして、心からお祝いを申し上げたいと思いますし、日本国家として大変重要な、しかも国交大臣ということでございます。大いに御活躍されて、日本国のために御奮闘されますことを、是非是非、いろんな方々が期待していると思いますので、頑張っていただきたいと思います。 私、この法案の前に、国土交通行政といたしまして基本的な考え方になっていきますが、公共事業、これを、必要性と、それによっての社会資本の整備をすることがいかに日本国家にとって大切であるかということを思っておりまして、そのことの大臣の見解をお聞かせをいただきたいんですけれども、その理由を一端かいつまんで申し上げます。 これは、今ですら日本のGDPの八割は内需でございます。一方で、一千五百兆円、個人の預貯金等を含めた資産が日本国民は所有していると言われておりまして、今御存じのようにデフレでございまして、将来不安なものですからなかなか市場に出てこないということがあるんだと思います。水道の蛇口でいいますと、ぎっちり閉まっていると。水滴がぽとんぽとんと落ちてくるような状況下に政策的に導くということが大切だと思うんですね。それの一番即効性のあるのが、私は、公共事業を大いに発揮させて社会資本の整備をすると。 また一方、日本国民はどこに生まれてどこに住もうと、これは平等だと思うんです。しかしながら、日本海側と太平洋側を比べるとこれはまた歴然としておりまして、自動車道も新幹線もまだ未整備というところが目に付くわけでございます。こういう基幹路線については、動脈、人間でいえば血管の動脈ですけれども、これらについては、これは平均に、平等に整備をするということがまた一方必要であると思います。こういうことを実行することによって、私は国内の内需が拡大して景気拡大になると。財政のことを、よく話題に出ますけど、結果的に私は財政強化になると思います、税収が上がるんですから。これは自然増収、乗数効果とよく言いますけれども、これにつながっていくと私は思います。 よって、これは財務省のこともあると思いますが、所管官庁の、公共事業のいわゆる監督官庁といたしまして、率先をしてそういう方向付けということを、私は臨んでいくべきであろうと思うんですが、今日はそのことについて論議は、一般質疑等もあると思いますので、そこのところで申し上げたいと思いますので、まずは、私がただいま申し上げましたその必要性と重要性について、所管大臣といたしましてどのような見解を持っておられるのかお示しをいただいて御質問に入らせていただきたいんですが、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(羽田雄一郎君) 成長著しい近隣諸国との厳しい国際競争の下にある我が国において、国際競争力を強化すること、これは重要な政策課題であり、また地震、台風、豪雨等が多発する自然災害の多い我が国において、災害リスクと向き合いつつ国土の保全、暮らしの安全を確保することも重要な政策課題であると認識をさせていただいております。 このために、我が国の国際競争力や地域の産業経済を支える都市・交通基盤等の形成、人の命が第一、災害には上限はないという東日本大震災の教訓を踏まえた国民生活の安全、安心の確保など、選択と集中の考え方の下で真に必要な社会資本整備を進め、持続可能で活力ある国土地域づくりを推進することによって、子供たちや孫たちの時代にすばらしい国土、これを残してまいりたいというふうに考えております。
○藤原良信君 ありがとうございます。 このことにつきましては一般質疑等でまたいろいろと御議論をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。 それでは、この度、今回御提案ありましたこの三法案について随時御質問いたしますので、よろしく申し上げたいと思います。 まず、大臣にお尋ねをしたいと思うんですが、海上運送法の一部を改正する法律案につきましてお尋ねをいたします。今質疑がございました。重複するところもあろうと思いますが、私の角度で御質問いたしますのでよろしくお願いしたいんですが、これにつきましては、東日本大震災の原発事故を契機としたという、そういうお話が大臣からございました。もって日本の商船隊による安定輸送、経済の安全保障の確立を明確化をしていくんだということでございました。 平成二十年でトン数税制が導入されました。今御説明ありましたとおりでございますが、日本船舶は増加にもなったというふうにお話ございました。その導入から間もないこの時期に本案を提出し、これは東日本大震災の契機があったということでありますが、一定の要件を満たす外国船の船舶に対象を拡充するという、その背景と目的について改めてお示しをいただきたいと思います。
○国務大臣(羽田雄一郎君) 東日本大震災に際して、一部の外国船社が我が国港湾への寄港を忌避するという事態が発生してまいりました。国際物資輸送の担い手として、我が国商船隊とその中核である日本船舶の重要性が改めて認識されたところであります。このために、日本船社が運航する外国船舶のうち、公共の安全の維持等に必要な場合に、確実に日本船舶に転籍が可能なものを準日本船舶として認定することとした次第であります。 なお、平成二十四年度税制改正大綱においては、このような法改正等を前提として、平成二十五年度税制改正においてトン数標準税制を一定の外国船舶にも拡充するとされたところであります。
○藤原良信君 これは、次に森局長さんにお尋ねになるかもしれませんが、今までの審議を通じまして、これは通告はしていないんですけれども、関係をいたしますのでお尋ねをしたいんですけれども、私は、通告しているものから入りますと、これまで我が国といたしましてもこれは日本船舶の増加に取り組んできておるということはお示しされました。 今般新設される準日本船舶が、それではどのような経済安全保障の確立に役立っていくのかということを是非これはお示しをする必要があると思いますが、とともに、これが、通告はしていないんですが、今御審議を聞いていまして、いろんな手だてはやってきているんですが、先ほどの表を見まして改めて感じたんですけれども、これだけ減少してきているということですよね、日本船籍が。これは今回の改正法案で対応するということもあるんですが、これは突っ込んでいくと構造的な問題が背景にあるんじゃないかということを感じましたね。複合的な問題と言った方がいいんじゃないかと思うんですが、これをどうとらえておられるのか。併せて、森局長、お尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(森雅人君) お答えいたします。 まず、今回新設されます準日本船舶がどのように経済安全保障の確保に役立つのかという御質問でございますが、準日本船舶は、先ほど大臣からお答えいたしましたように、我が国の安定的な国際海上輸送の確保を一層促進するため、日本商船隊の中核を成します日本船舶を補完するという役割を担う外国船舶として、災害の救助その他公共の安全の維持のために必要な場合にあっては、速やかに日本船舶に転籍をして、我が国に物資等の必要な海上輸送に従事すると、こういうものでございます。したがって、こういう観点から我が国の経済安全保障の確保に役立つものと考えております。 なお、こういった観点で準日本船舶を認定することとなりますので、日本の外航船社が運航する外国船舶でその海外子会社が所有するもののうち、船舶を運航する日本の外航船社と当該船舶を所有する海外子会社との間で、航海命令が発せられた際の船舶の譲渡に関する契約があらかじめ締結されていることや、船舶の大きさ等、安定的な国際海上輸送の確保を図るため必要な要件を満たしていること、こういった要件を満たす船舶を準日本船舶として認定をしたいというふうに考えております。 それから二点目でございますけれども、御質問の趣旨は、何でこんなに日本船舶が少ないのかと、これはどういう構造的な問題があるのかということだと思いますが、そもそも、かつて千五百八十隻という規模を持っていた日本船舶が平成十九年に九十二隻まで減少した一番の大きな原因は、プラザ合意による円高でございます。結局、日本船舶の保有に関しては、かつては日本人船員を配乗しなくちゃいかぬというような要件もございまして、コストがどうしても高く付くということもございまして、その結果として、これは日本に限らないんでございますが、諸外国、主要海運国すべからくそうでございますけれども、便宜置籍制度を活用をして運航コストの削減を図る、こういう流れがどんどんどんどん加速してきたわけです。これを防ぐために各国でトン数標準税制等の制度が導入されまして、我が国の場合は特にこれを日本船舶の拡充につなげようということで、平成二十年に日本船舶の増加を図るために海上運送法の改正をしてトン数標準税制を導入していただき、その結果として日本船舶が増加に転じたというふうに考えております。 今回の法改正は、外国船舶について準日本船舶の認定をして、これにトン数標準税制を拡充しようとするものでございますけれども、先ほど来の大臣等の御答弁にもありましたように、併せて日本船舶の増加、これをスピードアップしていこうという狙いを私ども持っておりますので、こういった流れの中で必要な日本船舶の確保に更に邁進していきたいというふうに考えております。
○藤原良信君 お話しのように、我が国の経済安全保障を確保しようとするのであれば、準日本船舶に日本船舶を補完させるものではなくて、日本船舶を更に増加させれば更にいいと思うんですけれども、それに尽きるんじゃないかと思うんですけれども。しかしながら、私は了とすることを前提としてこれ申し上げているんですけれども、ただいまの日本船舶を更に増加させれば準日本船舶をやる以上にこれはいいとは思うんですが、その点をお示しをいただきたいと思いますし、いずれ、だけどこれは両面で考えてやっていくということも、これも決して非ではございませんから、今、早急にこういう東日本大震災の原発事故を契機としていろんな影響を受けていることを補完をするということは必要なことだと思います。併せて局長、これ、私の今の話をした、日本船舶を増加させれば更にいいんじゃないかと思うんですが、その点ではいかがですか、吉田副大臣。
○副大臣(吉田おさむ君) 藤原議員の御質問でございますが、結論から申し上げますと、日本船舶についても更なる増加を図っていきたいというのが思いでございます。さはさりながら、今、藤原議員の御認識等々にもございますように、世界との競争、円高、そして構造的なもの等を含めていきますと、まずはこの準日本船舶という形のものを導入をし、トン数税制をしっかりとしたものを確定をしていくことによって、できるだけこの準日本船舶というものを日本船舶という方向に持っていくようになっていただければなというふうに考えている次第でございます。 また、一方では、後ほどの話になるかもしれませんが、日本船舶ということになりますと、それを発注する船を増やすという部分におきましても、造船という部分におきましてもこれはトン数税制掛かってまいりますので、非常に経済安全保障という部分で、東日本大震災、とりわけ福島の原発事故を受けての対応ではございますけれども、これは単なる外航船社のみならず、造船業にまで大きな波及効果を持てるそういう制度、仕組みをさせていただければと思っているところでございます。 以上でございます。
○藤原良信君 ありがとうございます。 次に、二法案は、これは国際対応ということになりますので、それに基づいてということでの改正法案ということになるわけなので、これは粛々と、これも了といたします。 それを前提として御質問をさせていただきますけれども、まず海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律案についてでございますが、これも先ほどお示しがございましたけれども、これは京都議定書がございました。温室効果ガスの排出削減対策でございましたけれども、今回、これに基づいた流れの中で、国際海運に対して二酸化炭素放出規制を行うこととなった経緯があろうと思うんですね、経緯が。その経緯がどんな経緯なのか。それと、どのような規制をそれでは講じていこうとするのか、お示しをいただきたいと思います。
○政府参考人(森雅人君) お答えをいたします。 国際海運は、先ほど先生の御質問にもございましたように、非常に所有関係とか複雑な関係にございまして、二酸化炭素の排出量を特定の国に帰属させるということが非常に困難でございます。したがいまして、京都議定書の中でも、国際海運における二酸化炭素排出抑制のための対策については専門機関である国際海事機関で検討しなさいということになっております。これを受けまして、我が国より国際海事機関に対して、一つは国際海運からの二酸化炭素排出量の確実な削減、もう一つは我が国が優位に立つ環境技術力、これを生かすような枠組みづくり、これを両立するような規制の案を提案をいたしまして、昨年七月に海洋汚染防止条約附属書Ⅵの改正として結実したものでございます。 その条約の規制の中身でございますけれども、新造船に対して二酸化炭素排出量の算定と一定の基準への適合を義務付けること、それからもう一つは、これは現存船それから新造船両方に係る規制でございますけれども、二酸化炭素の排出削減に資する航行上の措置を自主的に実施するための手引書の作成を義務付けること、これが規制の内容になってございます。
○藤原良信君 今お話をされました、我が国にとってもいろんな有効なことがまた出てくると、これは省エネ造船、建造船にもつながっていきますよということを、これは大臣も先ほどお話しなさいましたし、今も触れられておりました。いろんなメリットが出てくる可能性があることもありますので、大いに期待していきたいと思います。 今お話しになったことを含めてまた御質問いたしますけれども、二酸化炭素放出規制の導入によりまして、新造船については、この排出量の算定と一定の基準への適合が必要となってくるということは今お話しでございます。現存船についても、二酸化炭素の排出削減に資する航行上の処置が自主的に実施されるための今お話しになった手引書の作成が必要になるということですね。 これは、一方、海運不況と言われる中で、今回の規制が船舶所有者に過度な負担が出てこないのかどうかという懸念がございます。この点ではいかがですか。
○政府参考人(森雅人君) お答えいたします。 先ほど私の答弁の中で触れましたように、MARPOL条約の附属書の改正の我が国の提案は、我が国の海事産業の競争力強化という観点から提案をしたものでございますけれども、この提案の策定に当たりましては、我が国の造船事業者のみならず海運事業者にも入っていただきまして、オール海事として官民挙げてこの条約改正に取り組んでいこうということで提案をしたものでございます。 提案の中身は、最終的には二〇二五年に三〇%の削減を目指すというかなりチャレンジングな目標になっておりますけれども、この三〇%の数値そのものも我が国が提案したものでございます。そういった意味では、海運事業者についてもメリットがあるということで今回の条約の提案に至ったということでございます。 また、手引書の取組は、これは結果として、二酸化炭素の削減ができるということは、これは燃料消費量の削減に直結するということでございます。したがって、取組を実施することによって燃料のコストを削減するということで、船舶所有者や運航者にとっても大いに経済的なメリットが生じるものというふうに考えております。 したがって、今回の二酸化炭素放出規制は、造船業の国際競争力のみならず、我が国の海運事業者にとっても過度な負担を課すものではなく、逆に国際競争力の強化に資するものだというふうに考えております。
○藤原良信君 了解でございます。 それでは、もう一つの船員法の一部を改正する法律案について御質問いたします。 この法律案も国際対応でございますので、粛々とこれも対応していく必要があると思っております。それを前提として御質問をいたします。 今回の法改正でございますが、船員の労働条件に関しまして改善を図るものである一方、使用者であります船舶所有者にとっては新たな手続等の負担が一方で発生するということになってきます。 今回の法改正内容は、海運業界の労働者、使用者それぞれの意見を十分に反映をされているものとは思いますけれども、それぞれ理解を得たものとなっているのか、これをお示しをいただきたいのが一点でございます。私は三十九分までの時間でございますから、用意した質問は、今までいろいろ御質問ありましたから割愛いたします。この点に集約して御質問いたします。
○政府参考人(森雅人君) 今般の海上労働条約は、そもそもILOという場で策定されたものでございまして、各国の政府代表、それから労使の代表、これが参画した条約会議での議論の結果、採択されたものでございます。 また、国内的にも、条約採択以降、平成十八年の九月以降、実に十二回にわたって我が国の関係船主団体や労働組合がすべからく参加をいたしまして国内法化のための検討会議を行いまして、それに沿って今回の法案を提出させていただいております。 また、交通政策審議会というのがございますが、これは関係労使委員等も部会の構成員として参加をしております。この場でも、改正法案の内容が適当であるという答申を平成二十三年の一月二十七日に受けております。以上のように、今般の船員法改正は、労使双方の意見を十分反映したものになっているというふうに認識しております。 済みません、今の答弁で、二十四年の一月です。失礼いたしました。
○藤原良信君 大臣を始め、御丁寧な御答弁をいただきまして感謝いたします。ありがとうございます。 以上で終わります。
○上野ひろし君 上野ひろしでございます。よろしくお願いいたします。 それでは、海上運送法の一部を改正する法律案について、まず質問をさせていただきたいと思います。 最初に、これは大臣の方にお伺いしたいと思うんですけれども、海上輸送政策それから海事政策を進めていくに際して、我が国としてどのような目標を持ってやっていくのか、基本的な方針ということについてまずお伺いしたいと思うんですけれども、この委員会でも様々これまで議論がありました。例えば、日本の海運業自体のシェアを高めていくべきなのではないかという話もありますし、そもそも今回議論になっているような日本籍船の数を増やしていくべきではないか、そういう議論もあれば、日本の港を使ってもらうことが大事なんだという議論もございました。 今後の政府としての海事政策に関する対応の方針、基本的な考え方について、まずお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(羽田雄一郎君) お答えをさせていただきます。 我が国は、四方を海に囲まれ、国際物流のほとんどを外航海運が担うため、安定的な国際海上輸送の確保が極めて重要な課題だと認識をしております。このために、平成二十年の日本船舶・船員確保計画の認定制度の創設やトン数標準税制の導入等により、日本船舶の増加を推進してきたところ、平成二十四年度税制改正大綱においては、本法改正及び日本船舶・船員確保計画の拡充を前提として、トン数標準税制を一定の外国船舶に拡充することとされており、これらの施策を通じ、我が国商船隊による安定的な国際海上輸送の確保を図っていく所存であります。 また、ソマリア・アデン湾、マラッカ・シンガポール海峡における海賊対策等の航行の安全確保についても、引き続き、各国及び国際機関と連携をして適切に対処してまいりたいと考えております。
○上野ひろし君 今、大臣の方からも日本籍船の数の話もございました。先ほど岩井委員の質疑でもございました。 そもそも、かつては過半数が日本籍船だった日本の外航海運企業の所有する船の船籍の問題でありますけれども、現在では四・八%まで減少しているということでございます。逆に、パナマでありますとかリベリア籍の船が増えているということでありますけれども、そもそもその要因、日本籍船が減少してきた要因は何なのか、まずお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(森雅人君) お答えいたします。 先生御指摘のとおり、現在、日本籍船の割合は約五%となっております。ピークであった昭和四十七年の千五百八十隻から平成十九年には九十二隻まで減少をいたしましたけれども、先ほどもちょっと触れましたように、この最も大きな原因は、昭和六十年九月のプラザ合意以降、急激に進展した円高により日本籍船の保有コストが大きな負担となったことでございます。
○上野ひろし君 ありがとうございます。 それでは、日本籍船を増加させることの意義ということについてお伺いをしたいと思うんですけれども、先ほど来、大臣の方からも、経済安全保障上の観点から、また安定的な輸送を確保する必要があるといった話もございました。 この外航海運企業自体は日本の企業であるわけでありますけれども、その企業が持っている船の船籍が日本船籍であるということの必要性ということについてお伺いをしたいと思うんです。そもそも、今保有コストという話もございました。例えば保有コストが高いので安いパナマ船籍でありますとかリベリア船籍になっているということであれば、同じような経済安全保障上の問題、安定的な輸送の問題というのは、これはもしかするとほかの国でも同じような問題というのが生じているのではないかというようなことも思うわけでありますけれども、その点についても併せてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(森雅人君) お答えいたします。 我が国は、四方を海に囲まれて、国際物流のほとんどを外航海運が担っておりますので、安定的な国際海上輸送を確保する、特に非常時も含めて信頼のできる国際海上輸送を確保するためには、日本船舶の確保が経済安全保障上、極めて重要な課題であるというふうに考えております。 他方、外国籍船でございますけれども、日本の保有しています外航船社の便宜置籍船について見てみますと、現在、パナマ籍が約七五%、リベリア籍が約五%を占めておりまして、便宜置籍船は日本商船隊の約九五%を占めております。 先ほど、かつては日本人船員の配乗等でコスト高になっていたということを申し上げましたけれども、現在では配乗の点ではパナマ籍も日本籍も全く差はございません。現在、差が生じているのは、主に税制の差とか、あるいは便宜置籍国における安全環境水準のチェック方法等、そういったチェック方法に厳格な主要海運国との違い、こういったところがコスト面の差として生じているというふうに考えております。 いずれにしても、自国船舶よりも便宜置籍国の方がコスト面において有利な状況は海運先進国共通のものでございまして、我が国に限ったものではございません。
○上野ひろし君 ありがとうございます。了解いたしました。 日本籍船を増やしていくということが必要なんだという趣旨だと思うんですけれども、では、この法律による効果というのをどのように見込んでいるのかということについてお伺いをいたします。現在、平成二十年からでしょうか、増やしていく、五年間で二倍にするという話もございました。一方で、そもそも絶対数を見ると、先ほど来言っているように五%程度、その全体に占める割合という意味では、増えたといってもまだまだ少ない数であるんだと思います。四百五十隻程度を目標にしていくという話も先ほど御答弁の中であったかと思うんですけれども、だとすると、この法律で措置をすることでどの程度それを達成できるのか。また、そもそもかなり格差がある、まだまだ差が開いているという意味ではより抜本的な対策が必要なのではないか、トン数標準税制自体の更なる拡充も含めてより抜本的な対策が必要なのではないかと思うんですけれども、今後どう対応されていくのか、お伺いをいたします。
○政府参考人(森雅人君) まず、日本籍船の達成の状況を私の方から御説明をして、抜本的な政策については吉田副大臣の方からお答えをしたいと思います。 まず、達成の状況でございますけれども、まず現在の制度において、日本船舶及び日本人船員を計画的に増加させるための日本船舶・船員確保計画、これの認定を受けた船社の十社で今後五年間で日本船舶を約二・一倍に増加させるというふうな目標を立てております。 現在の実施状況でございますけれども、計画どおりに実施されておりまして、平成二十四年三月の終了時点で計画開始時より約一・七倍に増加しており、計画は順調に実施されているというふうに考えております。 今後、本法の成立それからトン数標準税制の拡充によって更なる日本船舶の増加のペースアップを図っていきたいというふうに考えております。
○副大臣(吉田おさむ君) 効果というものは、まず、今こういうふうに道筋をつくっていただきまして、これをしっかりと確定をし、着実に実現化していくと。また、御要望等ございました団体に対しましては、しっかりとしてくださいよと、計画は単に計画で終わって各社がもうけて終わりということであっては決してならないと、これは国とのお約束ですという随分厳しめのお話もさせていただいているところでございます。 それ以外の抜本的な政策につきましては、それを受けまして、安定的な国際海上輸送を早期に確立するためにも、これからも全体的な見直し、一連の施策に対する検討を確実に進めてまいりたい、そのように考えているところでございます。
○上野ひろし君 ありがとうございます。 今まで議論もございました。日本籍船の数の増加目標もございます。しっかり対応をいただきたいと思います。 次に、海防法の一部を改正する法律案についてお伺いをいたします。 先ほど来、我が国造船業の国際競争力の向上に大きな効果が期待をされるというお話もございました。そもそも、我が国造船業の省エネ船の建造技術の水準というのはどの程度のものなのか。中国、韓国に今造船という意味では随分シェアが取られている、日本が追い越されていったという状況でもあると思います。もちろん、日本の造船業のことを考えればシェアの獲得のためにしっかり対応していかなきゃいけない、そのための一つの大きな手だてといいますか、きっかけが今回のMARPOL条約対応であると思うんですけれども、どの程度日本の省エネ技術水準があるのか、またそれが効果を期待できるのかということについてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(森雅人君) お答えをいたします。 我が国の造船業のシェアは、今御指摘がございましたように、かつては、二〇〇〇年までは世界トップシェアを維持してきましたけれども、現在は中国、韓国に次いで三位、二〇%のシェアということで、若干落ちております。 ただ、これは我が国の建造量自身が減ったということではなくて、中国、韓国がこの海運ブームに乗じて建造能力を大幅に拡大したのに対して、我が国は過去の世界的な不況の教訓を踏まえて市場に悪影響を与えるような生産規模の拡大をしなかったという結果でございまして、今後もちろん一定のシェアを確保していく必要がございますけれども、これ自身が必ずしも我が国の造船業の衰退ということではないというふうに考えております。 一方で、我が国の造船産業の技術力という点でございますけれども、現時点においても、これは日本の船社の評価もまさにそうなのでございますけれども、省エネ技術に関してはまさにトップレベルということでございまして、韓国に比べても優位な位置にあるというふうに認識しております。中国は、まあ言うに足りないということでございますけれども。一方、現在、造船各社は国土交通省の補助制度を用いました最新の省エネ技術を生かして新たな省エネ船の市場投入を開始しておりまして、従来船に比べて例えばCO2を二五%削減するというような船舶の受注を実現した造船所も既に出てきているところでございます。 したがって、現状においても中国、韓国に比べて省エネ技術については優位な位置にございますし、国際基準の策定と並行して進めてきた省エネ技術開発の効果がありまして、更に省エネ技術という点では水を空けられるものだというふうに期待をしております。
○上野ひろし君 ありがとうございます。 最後にもう一点、確認ということでお伺いをしたいと思います。 今も日本の省エネ船の建造技術は、中国、韓国に比べても高い水準にあるという話がありました。また、技術開発も随分進んできているという話でございました。一方で、更なる日本の省エネ技術、国際的な競争力の向上という観点からは、より一層政府としてもそれをサポートをしていくということが必要なのではないかと思います。 その点について、政府の決意をお伺いをしたいと思います。
○副大臣(吉田おさむ君) 既に、省エネ技術開発につきましては、平成二十一年度から技術開発に対しまして国が三分の一の補助をしていると。今、局長、答弁いたしましたように、その成果がこうして現れてき、そして諸外国においてもそれが認められてきているという現状がございます。 しかし、それに甘んじているわけにはまいりません。今後は、国際機関、例えばOECD等においてこの省エネ船舶の輸出を促進する新制度の導入を主導していくと。まさに、お金を付けるだけではなく、しっかりと制度自身が私どもに有利なように、造船業にとって有利な形になっていくような形、ソフトの部分もこれから進めていくことによって省エネ船舶の普及に向けた支援を更に進めていきたいと、そういうふうに考えているところでございます。
○上野ひろし君 ありがとうございます。 今回の海事関係三法、一番最初に大臣にもお伺いをした、我が国の海上輸送政策上も大事な法律なんだと思います。是非、しっかり対応をお願いしたいと思います。 以上で質問を終わります。
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智であります。 この度の三法案につきましては、税制改正や条約の発効に伴う国内法の整備でありまして、社民党としても賛成をいたします。 そこで、関連をして何点か質問をさせていただきます。 まず、船員法改正ですが、労働条件にかかわる内容でありますので、年明けから春先にかけての労働協約締結前に早期に省令や通達が整備をされ、周知徹底されている必要があると考えます。早期の省令、通達の整備と現場への周知徹底について、見解を伺います。
○政府参考人(森雅人君) お答えいたします。 海上労働条約に対応した国内制度の整備については、先ほどお答えしましたように、条約採択以降、十二回にわたる関係労使が参画した検討会議を開催しましたほか、関係事業者に対しての説明会を数次実施しておりまして、これまでも周知を図ってきたところです。 本法改正が御承認いただけました後には、条約発効に向けて関係の政省令、通達、より詳細な部分についての国内制度の整備を迅速に行っていく必要がございます。 新制度のスタートに向けては、船舶所有者における準備、あるいは御指摘がございました関係労使間の調整等にも一定の期間が当然必要でございますので、これらの関係法令、通達の整備についてはできるだけ早期に、具体的には本年秋を目途に整備を図っていくことにしております。 このような制度の詳細部分についても、引き続き関係団体や事業者に対する説明会等を通じて十分な周知徹底を図り、遺漏なきよう準備を進めてまいりたいと思います。
○吉田忠智君 できるだけ迅速にしていただきますとともに、また省令や通達の内容については後ほどお知らせをいただきたいと思います。 次、船員法改正では、海上労働条約の実効性を確保するために、寄港国検査、ポートステートコントロール、先ほども議論がありましたが、これによって条約不適合船舶、サブスタンダード船舶を排除する必要があります。また、海洋汚染防止法改正でも、日本籍船の環境基準への適合検査や外国船舶に対するPSCが求められます。 先月の当委員会の視察では、関東運輸局の外国船舶監督官からPSCの実情についてお聞きすることができました。その話の中でも、限られた人員の現状では対応し切れない部分もあるとのお話でございました。 海上運送法の改正では、準日本船舶の認定申請の際に、事業者はあらかじめ国土交通大臣による測度を行っていなければならないとされ、船舶測度官増員も含めた体制整備が必要であります。外国船舶監督官、運航労務監理官、船舶測度官など検査要員の現状、今後の体制強化、増員と人材育成の方針についてお伺いをいたします。
○政府参考人(森雅人君) お答えいたします。 まず、現状の体制でございますけれども、平成二十四年度末の時点におきまして、外国船舶監督官については百四十二名、それから船舶検査官については百五十七名、それから運航労務監理官については百八十二名、船舶測度官については四十八名が配置されております。 先生御指摘のとおり、今般の海事三法の改正に伴いまして、これらの業務はいずれも増加することになります。これらの執行官が担う業務は、我が国の周辺海域における船舶の安全運航、あるいは海洋環境の保全という観点で非常に重要かつ不可欠なものでございますので、これまでも必要な要員の確保について我々汗をかいてきたつもりでございますけれども、引き続き条約及び今般の改正法の的確な実施体制の確保に努めてまいりたいと思います。 また、IMOそれからILOの条約はますます多様化しております。これらの業務の実施に当たりましては、条約あるいはこの国内法化された国内規則の極めて専門的な知識が必要とされます。 また、外国籍船を対象とするポートステートコントロールについては、現場を見ていただいたと思いますけれども、大変厳しい環境の中で、しかも語学力が必要となります。 これらの点に関しても、各種の研修の実施や船上訓練を通じて、高度な専門性を持った人材の育成に取り組んでまいる所存でございます。
○吉田忠智君 行革の中で厳しい定数管理にあるわけでありますが、体制の充実、増員に向けて、また特段の御努力もお願いをしたいと思います。 次に、外航日本人船員住民税軽減措置について質問をします。 お忙しい中、総務省から政務官、おいでをいただきました。まず総務省にお伺いをいたします。 お話にもありましたように、準日本船舶認定制度の背景には、この間の日本船籍の激減という状況がございます。また、内航、外航を合わせた日本人船員も大幅に減少しているわけでございます。また、年齢構成も中高年齢層の比率が高く、良質な人材の確保、特に若い船員の確保、育成は喫緊の課題であります。 特に、外航日本人船員は、船内での生活が長期間にわたることから、地方自治体の住民サービスを享受する機会に乏しく、一般住民との間の不公平感もあると聞きます。船員の団体では、地方自治体の裁量によって船員に対する住民税の減免を制限する平成元年の自治省内簡の効力無効が確認されたことに伴い、各自治体の裁量による住民税軽減措置の要望を全国展開しています。前向きに検討している自治体もあるようですが、どうしてもネックは財源でございまして、住民税を軽減する自治体の財政が危うくならないよう、国としても支援をしていく必要があると考えます。 そこで、総務省として、自治体の減収分を交付税措置するなど、外航日本人船員の住民税軽減措置に取り組む自治体の後押しができないものかと考えますが、見解を伺います。
○大臣政務官(稲見哲男君) 初めてでございますので、一言御挨拶申し上げます。 今月の六日に総務大臣政務官を拝命いたしました稲見哲男です。今後とも、皆様方の格段の御指導をよろしくお願いいたします。 吉田先生にお答えをいたします。 この内かんにつきましては、平成二十四年度の税制改正におきまして国土交通省からの改正要望があり、住所の取扱いは個人住民税と所得税とも一致をすることが前提だと。しかしこの内かんは、その性格上、発出した段階でこの役割を終えているものであるということ、それから、地方団体に対する助言にすぎず、拘束力を持たないものであること、また、いわゆる不均一課税については、地方税法にのっとって各自治体の判断で可能であること、こういうことを政府の税調で確認をしたところでございます。 一方、今御指摘の地方交付税の算出につきましては、標準的な財政需要とそれから標準的な税収に基づいてできる限り客観的に行うと、こういうことになっておりますので、各自治体が任意で行う措置、これの減収が生じた場合において地方交付税により補填をするということは困難というふうに言わざるを得ません。 いずれにいたしましても、各地方団体におきまして船員に対する税制上の措置を自主的に判断ができるように、この税制改正におきまして、市町村税課長内かんについての議論について各地方団体に対してしっかりと周知をして、それぞれ自主的な判断ができるように周知をしてまいりたいと思っております。
○吉田忠智君 それぞれ自治体で判断できるといいましても、財源の裏付けがなければなかなか判断ができないわけでありまして、総務省として、現状の交付税措置を前提にすると難しいということでありますが。 そうすると、大臣にお伺いしますが、国交省として、減免した自治体の交付金を予算要求するなど、自治体の住民税減免措置をサポートすることはできないのでしょうか。これらも含めて、政策を総動員した船員の人材育成、確保のトータルなプランが必要ではないかと考えますが、併せて伺います。
○国務大臣(羽田雄一郎君) 我が国において海運は国民生活や経済を支える上で大きな役割を果たしており、安定輸送確保の観点から、船員の確保、育成は我が国にとって極めて重要な課題であると考えております。 船員に対する住民税減免措置につきましては、平成二十四年度税制改正要望において、平成元年の自治省内簡の取扱いについて確認されたことに伴い、今後、市町村による自主的な減税の取組が進むことを期待しております。 国土交通省といたしましては、本年三月に取りまとめを行った船員確保・育成に関する検討会の成果を踏まえ、自社船による乗船実習の機会等の拡大、また人材育成、確保のための具体的施策を総合的に展開していきたいというふうに考えているところであります。
○吉田忠智君 是非この住民税の減免措置が実現をしますように、国交省それから総務省協力してでき得る限りの対応はしていただきたいと思います。 政務官、お忙しい中ありがとうございました。では、結構です。 次に、良質な船員の人材確保には、内航、外航、バランスの取れた政策が不可欠でありますが、そのような観点から、本四高速の料金について質問をさせていただきます。 内航に関しては、本四高速の料金について二〇一四年度以降、全国共通料金を導入することが検討されております。もしこれが強行されれば、瀬戸内海のフェリー、旅客船から道路へのシフトが加速をして、特に中小フェリー会社は大きな経済的打撃を受け、内航船員の雇用問題にも発展をします。また、地域住民でもある船員家族や地域経済にも大きな被害をもたらし、離島振興にも逆行する結果となりかねません。 本四高速における全国共通料金導入等の検討に当たっては、内航フェリーなど他の交通機関との調整を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。
○副大臣(吉田おさむ君) 高速道路の料金につきましては、本四高速におきましては平成二十六年度から全国の共通料金の導入という形は議員御指摘のとおりでございます。本年度末を目途に具体的な実施方針を取りまとめることを始めといたしまして、現在、このことについては検討を進めているところでございます。 また、料金見直しに伴うフェリー等、他の交通機関への影響につきましては、高速道路のあり方検討有識者委員会の中間取りまとめを踏まえ、精査した上で対応を検討する必要があると考えているところであります。
○吉田忠智君 是非慎重に検討いただきたいと思います。 最後に、フェリー航路の維持確保について質問します。 本四高速など高速道路との競合により厳しい経営状況にあるフェリー航路の維持確保に向け、国交省としてどのように取り組んでいかれるのか、伺います。
○政府参考人(森雅人君) お答えします。 我が国のフェリー業界は、長引く景気低迷に伴う輸送需要の減少あるいは燃油価格の高止まり、さらにこれに加えて、精査が必要なものの、休日千円といった高速道路料金による影響もありまして、大変厳しい経営状況が続いております。地域の人流、全国的な物流ネットワークを支える非常に重要な役割を担っておりますので、一層の省エネによるコスト縮減等を通じて、輸送モードとしての競争力の維持、体質強化を図っていくことが喫緊の課題というふうに認識しております。 このような認識に基づきまして、国土交通省では様々な施策を実施しております。予算及び税制を通じて事業者の取組に対する支援ということでは、例えば平成二十一年度以降、海上交通の低炭素化等総合事業としてフェリー事業者が行う船舶の省エネ化に資する改造等に関する補助制度により、フェリーの燃費の向上等を通じたコスト削減を支援しております。また、税制の面では、平成二十四年度の税制改正において旅客船向けの軽油引取税の免除措置が延長されたほか、本年十月から石油石炭税に上乗せされます地球温暖化対策税に係る免税・還付措置が講じられることとなりまして、事業者の負担軽減が図られたところでございます。 今後とも、これらの措置を十分に活用しながら、事業者の自助努力も促した上で、航路に関係する地方自治体などとも十分に連携を取りつつ、フェリーの競争力向上、体質強化に向けた取組に全力で取り組んでいきたいというふうに考えております。
○吉田忠智君 先般、離島振興法も延長されましたが、離島の皆さんにとりましても、それ以外の住民の皆さんにとりましても、フェリーはやっぱりライフラインでありまして、是非しっかり守っていただくように強く要請をしまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(岡田直樹君) 他に御発言もないようですから、三案に対する質疑は終局したものと認めます。 船員法の一部を改正する法律案の修正について白眞勲君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。白眞勲君。
○白眞勲君 私は、ただいま議題となっております船員法の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会を代表いたしまして、修正の動議を提出いたします。修正案の内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。 以下、その趣旨について御説明申し上げます。 原案では、内閣提出の原子力の安全の確保に関する組織及び制度を改革するための環境省設置法等の一部を改正する法律案により国土交通省設置法第四条第九十四号が削られて、それに続く号が一号ずつ繰り上げられることを前提に、同条第九十九号を第九十八号として改正することとしておりましたところ、同法律案が撤回され、また、本年六月二十日に成立いたしました原子力規制委員会設置法においては、国土交通省設置法第四条第九十四号が削除という形で存続し、現行の第九十九号がそのまま残ることになったため、附則第二十四条の中の第四条第九十八号を第四条第九十九号に改めようとするものでございます。 以上が修正案の趣旨でございます。 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(岡田直樹君) これより三案及び船員法の一部を改正する法律案に対する修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、海上運送法の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岡田直樹君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岡田直樹君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、船員法の一部を改正する法律案の採決を行います。 まず、白君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岡田直樹君) 全会一致と認めます。よって、白君提出の修正案は可決されました。 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部の採決を行います。 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岡田直樹君) 全会一致と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。 以上の結果、本案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。 この際、小泉昭男君から発言を求められておりますので、これを許します。小泉昭男君。
○小泉昭男君 私は、ただいま可決されました海上運送法の一部を改正する法律案、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律案及び船員法の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会、公明党、国民の生活が第一、みんなの党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 海上運送法の一部を改正する法律案、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律案及び船員法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、これらの法律の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一 東日本大震災及び原発事故の教訓を踏まえ、災害など非常時における安定的海上輸送の確保を図ることは喫緊の課題である。このため、準日本船舶の認定を促進する観点から、準日本船舶の認定要件及び海上運送法の改正等を前提に拡充が予定されているトン数標準税制については、日本船舶の増加のインセンティブにも配意しつつ、関係事業者の実情や他の海運国との均衡を十分に踏まえたものとすること。 二 二千十三年以降に建造契約を結ぶ船舶に係る二酸化炭素放出規制の導入を踏まえ、先駆的な省エネ・環境技術の研究開発の促進及びその成果の普及を図るとともに、造船業の受注力強化・販路拡大を始めとする海事産業強化に向けた取組を、官民一体となって戦略的に推進すること。 三 改正船員法により制度化される事項が確実に実施され、船員の労働条件や労働環境の改善につながるよう、船舶所有者、船員その他の関係者に対し、その内容の周知徹底を図るとともに、労使の取組状況を把握し助言等必要な支援を行うこと。また、法定検査及び寄港国検査が適切に実施されるよう、登録検査機関を含めた検査実施体制の充実に努めること。 四 海上輸送に多くを依存している我が国にとって、資質の高い船員の確保が重要な課題である。このため、海事産業の魅力についての海事広報活動に努めるとともに、特に、優秀な若者が海事関係の進路を選択するよう船員養成機関や海事産業界が学校教育の現場と連携して行う取組を支援すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(岡田直樹君) ただいま小泉君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岡田直樹君) 全会一致と認めます。よって、小泉君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、羽田国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。羽田国土交通大臣。
○国務大臣(羽田雄一郎君) 海上運送法の一部を改正する法律案、海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律等の一部を改正する法律案及び船員法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝を申し上げます。 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存であります。 ここに、委員長を始め理事の皆様、また委員の皆様の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。 どうもありがとうございました。
○委員長(岡田直樹君) なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡田直樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(岡田直樹君) 次に、国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のうち、雨水の利用の推進に関する法律案に関する件を議題といたします。 本件につきましては、理事会において協議いたしました結果、お手元に配付いたしておりますとおり、草案がまとまりました。 この際、雨水の利用の推進に関する法律案の草案の趣旨及び主な内容について御説明申し上げます。 近年、気候変動等に伴い、我が国において、一日の降雨量が百ミリメートル以上となる大雨の日数は長期的に増える傾向にあり、特に、最近は局地的な豪雨が多発する状況も見られます。市街化が進んだ都市部では、流域で行き場を失った雨水が下水道、河川等に集中し、それらの対応能力を超えて流れ込む結果、地表に水があふれ、都市機能を麻痺させたり地下空間が浸水したりする都市型水害が多発いたしております。一方、そうした雨水を貯留させることができれば、水洗便所での利用、消火や災害時のための備蓄等への活用も可能となるなど、雨水は水資源として無限の潜在的価値を有しております。 流せば洪水、受けてためれば資源との考え方の下、雨水の利用を推進し、もって水資源の有効な利用を図り、あわせて下水道、河川等への雨水の集中的な流出の抑制に寄与するとの趣旨から、この法律案を起草することとした次第であります。 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。 第一に、国は、雨水の利用の推進に関する総合的な施策を策定し、及び実施するものといたしております。また、地方公共団体は、その区域の自然的社会的条件に応じて、雨水の利用の推進に関する施策を策定し、及び実施するよう努めなければならないものといたしております。 第二に、国土交通大臣は、雨水の利用の推進に関する基本方針を定めなければならないものといたしております。また、都道府県は、基本方針に即して、当該都道府県の区域内における雨水の利用の推進に関する方針を定めることができるものといたしております。さらに、市町村は、基本方針及び都道府県方針に即して、当該市町村の区域内における雨水の利用の推進に関する計画を定めることができるものといたしております。 第三に、国は、国及び独立行政法人等が建築物を整備する場合における自らの雨水の利用のための施設の設置に関する目標を定めるものといたしております。 第四に、地方公共団体及び地方独立行政法人は、国の目標に準じて、当該地方公共団体及び地方独立行政法人が建築物を整備する場合における自らの雨水の利用のための施設の設置に関する目標を定めるよう努めるものといたしております。 第五に、政府は、特に雨水の利用を推進すべき建築物における雨水の利用のための施設の設置を推進するため、税制上又は金融上の措置その他の必要な措置を講じなければならないものといたしております。 第六に、地方公共団体は、その区域の自然的社会的条件に応じて、雨水を一時的に貯留するための施設の新設、不要となった浄化槽の当該施設への転用その他の雨水の利用のための施設の整備について助成を行うよう努めるものとするとともに、国は、助成を行う地方公共団体に対し、財政上の援助をするよう努めなければならないものといたしております。 以上がこの法律案の草案の趣旨及び内容の概要であります。 それでは、本草案を雨水の利用の推進に関する法律案として本委員会から提出することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡田直樹君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。 なお、本会議における趣旨説明の内容につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡田直樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十四分散会