国土交通委員会 第5号
- 発言数
- 86 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2012/03/29
会議録
○委員長(岡田直樹君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、前田武志君が委員を辞任され、その補欠としてツルネンマルテイ君が選任されました。 ─────────────
○委員長(岡田直樹君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 都市再生特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に国土交通省総合政策局長中島正弘君及び国土交通省都市局長加藤利男君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡田直樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(岡田直樹君) 都市再生特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○渡辺猛之君 おはようございます。自民党の渡辺猛之でございます。 私は、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会を代表いたしまして、ただいま議題となっております都市再生特別措置法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきたいと思っております。 実は、この都市再生特措法、私、昨年も改正の折に質問をさせていただきました。そのときは、都市の競争力を強化するという改正の内容だったと記憶をしておりますけれども。 そこで、まず前田大臣にお尋ねを申し上げたいと思いますが、都市再生特措法、これまで何度か改正をされてきております。改正されてきた点というのが今回の制度に役立っているのかということ、それともまた、今議題となっております今回の改正によって全く新しい制度をつくるおつもりなのか、まずこの点について前田大臣の御見解をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(前田武志君) 渡辺委員、この都市再生についてずっと関心を持って議論をしてきていただいたというふうにお聞きをしております。 御指摘のように、都市再生特別措置法については、平成十四年の制定以降、数次の改正を行ってまいりました。特に昨年は、都市開発事業の推進等により魅力ある都市拠点を形成して、要するに都市間競争になってきたというようなことがあって、高度の都市の国際競争力を付けていこうというようなことで、特定緊急整備地域を指定したというわけでございます。このような改正を重ねる中で、都市の再生が進み、それぞれの個体の建物そのものの防火性であったり耐震性であったり、あるいはその町、地域全体のそういう耐震性、防火性というのは非常に強化されてきたというふうに評価はしております。 しかし一方で、都市機能が集積したエリアでは、今般のあの大震災のときに生じたような多数の帰宅困難者が出たわけでございますから、直下型の地震等があったときに、その地域に働く方々であるとかそこにビジネスに来ておられる方々だけの対策だけで済むのかというと、とんでもないことになるぞというような反省があって、今回の課題を受けて本法案を提出させていただいたと、こういうことでございます。 防災の面から都市再生の一層の充実を図っていく必要があるという認識であります。
○渡辺猛之君 今大臣御答弁をいただきました。 今回の改正では、第一条の目的規定にも手を付けておられるわけであります。都市再生特措法の改正でこれ対応すべきことなのかというのが大きなポイントの一つになってくると思うんですけれども、そもそも都市再生特措法というのが、バブルの崩壊の後に、大都市を中心に不良担保不動産とかあるいは低未利用地が大量に発生したことを逆手に取ってというか、逆にとらえて、都市の再構築の好機じゃないかというふうにとらえて、平成十四年に成立した法律であります。都市機能の高度化であるとか、あるいは居住環境の向上を図るために成立した本法律でございますけれども、今大臣御答弁をいただきましたように、今回、都市の防災に関する機能を確保するという、こういう目的を加えられたわけでありますが、これ、あえて新法にされなかった理由というのは何かございますか。
○国務大臣(前田武志君) もちろん、防災関係については災害対策基本法があるわけでございまして、その下にいろんなメニューといいますか、対応の法律なんかも、あるいは法令等の枠組みがあるわけでございます。 今、この都市再生特別措置法を中心にしてやってきて、現代においては、先ほど申しましたように、やはり中枢都市の中における、またいろんな中核機能が集中している、そういったところの高度化というものが国際戦略上も非常に大きな意味を持つわけでありまして、日本の成長戦略の柱にもなってきております。したがって、そういったところ、そういう地域指定したところの集合としての町全体の防災上の安全というのを特段に確保する、帰宅困難者も含め、あるいはそこに観光で来ておられる、あるいはそこに他所から来ておられるというような方々も含めてそこの安全を確保するということが、すなわちその町あるいは日本の都市の安全さというものを確保することにもなります。 協議会というようなものもこの都市再生措置法で既にできているわけでございますから、いろんな使えるスキームもあります、ベースに。そういうものをうまく使って、緊急に、とにかくゼロから立ち上げるのではなしに、もう緊急に、今あるやつをうまく生かして、しかし必要なものを加えて対応をする、それが地方都市なんかにもうまく応用してもらえれば、その応用のときには支援をするというような考えでこの都市再生措置法を改正させていただいていると、こういうことでございます。
○渡辺猛之君 今、大臣御答弁をいただきましたように、緊急的にこの都市再生措置法を活用してといいますか、使って対応をするために今回の改正だということでございます。先ほど大臣から御答弁をいただきましたように、昨年の三月十一日に東日本大震災に見舞われて、首都圏では五百十五万人の帰宅困難者が発生をしたと、それを受けての今回の改正でございます。 私は、その理念というのは間違っていないと思うし、正しいと思っているんですが、それを今回の都市再生特措法の改正で対応して果たして十分なのかというのが一つの大きなポイントになってくるのではないかなということを思っておりますので、以下、数点にわたって質問をさせていただきたいと思いますが。 この都市再生特措法がカバーしているというのが全国で六十三地域、面積にして七千七百八十三ヘクタールの都市再生緊急整備地域になっているわけであります。防災という観点からいいますと、この都市再生緊急整備地域以外もやっぱり対象にならなきゃいけないのではないかと思うんですが、この点についてお尋ねをしたいと思います。 例えばですけれども、例えば、東京二十三区の面積が六百二十一平方キロ、二十三区内のこの都市再生緊急整備地域というのが七地域で二千七百六十ヘクタールになっていると伺っております。これ二十三区の面積の四・四%しかカバーできていないわけですよね。これで十分とお考えなのか、前田大臣のお考え、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(加藤利男君) お答え申し上げます。 大臣からも御答弁があったとおりでございますけれども、今回の対策といいますものは、大都市のターミナル駅周辺等において、とりわけ震災発生時の避難者、帰宅困難者対策を強化しようという狙いで改正をさせていただくものでございますが、お尋ねのように、都市再生緊急整備地域に指定されていない地域はどうするのかということも一つの課題であろうかと思います。これにつきましては、都市再生と併せた避難者、帰宅困難者対策の必要性が高い場合には、地元地方公共団体の意向も踏まえまして新たな地域指定について検討してまいりたいというふうに考えております。 また、これも大臣から先刻御答弁があったとおりでございますが、まず緊急整備地域でいろんな手法を確立した上で、その成果を本法案の対象とならない地域にも広げていくことが重要であるというふうに考えております。引き続きそうした対応策を講じてまいりたいというふうに考えております。
○渡辺猛之君 ありがとうございました。 先ほども申し上げましたように、この都市再生特措法という法律がバブル崩壊後の土地の活用をどうしていくかというところからスタートして、都市再生緊急整備地域についてもそういう観点から今まで指定されてきた経緯があると思うんですね。そういう意味では、例えば東京都内でいっても、池袋の周辺はまだ都市再生緊急整備地域になっていないというような現状もあるわけでありますので、しっかりと対応していくために、本法律の改正だけではやっぱりまだ不十分だなということを私自身は感じているわけであります。 不十分というところから申し上げますと、今回、この改正に当たりまして四・九億円の予算を付けていただいておりますけれども、この四・九億円というのが余りに少な過ぎないかというのが正直な感想であります。 一体、この四・九億円、何に使うのか、というよりも何ができるのかとお尋ねをした方がいいのかもしれませんけれども、少し具体的に教えていただきたいと思います。
○大臣政務官(津島恭一君) お答えを申し上げたいと思います。 今の議員の指摘でございますが、具体的には、計画策定のための都市再生緊急整備協議会の開催、あるいはまた都市再生安全確保計画の策定、そしてまた避難誘導方法の確立、つまり、当該地域の防災に幅広いソフト事業を中心に行うものであります。そのことを是非御理解をいただきたいと思います。
○渡辺猛之君 先ほども申し上げましたけれども、今回のこの法改正の着眼点というのは私は大変賛同できるものだと思っております。 今御答弁をいただきまして、ソフト面を重点に対応をしていくということでありますけれども、それにしても、この面積のカバー率、それから予算の少なさということを考えますと、もう少しやっぱり、これは大事なことでありますので、早い段階でまとまった予算を付けるべきなのではないか。あるいは、例えば基金などを使って複数年プロジェクトとして展開をしていった方がいいのではないかと思いますけれども、次年度以降の予定について今どのようにお考えなのか、お答えをいただきたいと思っております。
○大臣政務官(津島恭一君) お答えを申し上げたいと思いますが、いわゆる帰宅困難者対策につきましては、やはり一つは、民間のスペースを活用しながらソフト対策を講ずるとか、民間の力をうまく引き出すことが重要と考えております。 そういった意味で、今回の予算は非常に効果的ではあると、こういうふうに考えておるわけでありますが、先生御指摘のようにハードの面ということでございますけれども、例えば備蓄倉庫、非常用発電機などのハード整備につきましては、社会資本整備総合交付金の中の都市防災総合推進事業や、あるいはまた優良建築物等整備事業等も活用して支援をしてまいりたいと考えております。 今後、この制度の運用実態を踏まえながら、引き続き必要な支援措置を検討していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○渡辺猛之君 ただいま御答弁の中でも御指摘をいただきましたように、今回の法改正によって、鉄道事業者であるとか、あるいは大規模ビルの所有者であるとか、テナント等も協議会に参加をすることができるというふうに改正をされたわけでありますが、今御答弁いただきました中で民間事業者というお話がございましたけれども、例えば、今一つの事例で備蓄倉庫のお話をしていただきました。 じゃ、この民間事業者の負担の割合というのは一体どうなるのか。具体的に、備蓄倉庫であるとか、あるいは備蓄する物資はどうするのかという点についてお答えをいただきたいと思います。
○大臣政務官(津島恭一君) 今の委員の御指摘も踏まえて、民間事業者のオフィスビルのロビー等を退避スペースとして提供したり、あるいは民間の有する地下駐車場の一角を備蓄倉庫として整備するといった取組を念頭に置いているものであります。 なお、この都市再生安全確保計画に記載された備蓄倉庫の整備費用は、本法案に基づく予算措置の対象となるとともに、社会資本整備総合交付金による支援も可能となっております。 また、今委員御指摘の、備蓄物資でございますけれども、これは地方公共団体が対策を講ずることが基本でありますが、民間事業者にも可能な範囲の協力を仰いでいきたいと、こう考えております。
○渡辺猛之君 分かりやすく今の御答弁を解釈をさせていただきますと、備蓄倉庫の整備についてはいろんな補助のメニューがありますよということでありますが、その倉庫を造ったときに中に入れる物資については民間の事業者が自分で善意で御用意をくださいという、こういう理解でよろしいでしょうか。
○大臣政務官(津島恭一君) 今申し上げましたように、地方公共団体も含めて民間の皆様にも御協力いただきたいと、こう考えております。
○渡辺猛之君 今懸念をされております首都直下型地震、これを想定した場合、六百五十万人の帰宅困難者が発生するのではないかと予測をされているところであります。 三月九日に発表をされました首都直下地震帰宅困難者等対策協議会の中間報告、この概要の中で、中間報告ではありますけれども、この中で示された基本的な方針が、もう、一たび地震とかの大災害が起きたときにみんな一斉に帰宅をするのはかえって混乱をする、かえって危険を招くということで、一斉帰宅の抑制という基本方針が出されたところであります。すなわち、職場とか学校で地震等の災害に遭ったとき、その職場や学校にまずはとどまってもらった方が被災者の安全も確保できるし、また都市の混乱も防げるということで、このような基本方針が出されたというふうに理解をしておるところでありますが、それに対して三日分の食料の備蓄の努力をしなさいということがうたわれているわけであります。 そこで、少しお尋ねをしたいんですけれども、じゃ、具体的に、まず隗より始めよではありませんけれども、これ国土交通省では今一体どうなっているのか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思っております。
○大臣政務官(津島恭一君) 今お尋ねの国土交通省どうなっているのと、こういう御質問でありますが、まず、国土交通省の入っています合同庁舎三号館でございますが、これは免震構造となっておりまして、大規模な地震等にも大きな被害が生じないようなそういうまず構造になっております。 その上での話でありますけれども、非常用発電設備を設置し、一週間程度連続して運転可能とするための灯油をまず備蓄をするとともに、そしてまた貯水タンクの水の利用により飲料水等として一週間程度確保をしております。 その上で、さらに、職員の八割が勤務していることを前提といたしまして、全勤務職員の三日分の食料、水、そして簡易トイレを備蓄しているところであります。
○渡辺猛之君 ありがとうございました。 これ、衆議院の国交委員会の議論の中で明らかにされてきたことなんですけれども、今回の都市再生特措法の改正案で対象となる人たち、これが六百五十万人と言われている帰宅困難者が発生をすると。その六百五十万人全部をカバーするのではなくて、その六百五十万人のうちでも、地震が起きたときに職場で三日分あるよ、今の国交省のお話ではありませんけれども、国交省の分は大丈夫だと、職員の分は。あるいは学校の生徒さんの分は大丈夫だということで、それぞれの職場あるいは学校等で努力をされている。要は、そこに入らない、この六百五十万人の帰宅困難者のうち、寄る辺のない来街者等というような表現がされておられますけれども、要は職場や学校に所属はしていないけれどもたまたまその地域にいたという人が今回の法改正で対象になるというような答弁がされておられました。 その数なんですけれども、首都圏全体で、この六百五十万人のうち八十万人、そして二十三区内に限れば四十万人を想定をしているという答弁がされていたわけでありますが、今、具体的な事例で一番分かりやすいところで国交省の事例をお伺いをさせていただきましたけれども、国交省の分で、今職員の人の分は、灯油であるとか飲料水であるとか食料であるとか確保されているという御答弁をいただきましたが、その国交省の備蓄分のうち、いわゆる寄る辺のない来街者分というのは確保されているわけでありましょうか。
○大臣政務官(津島恭一君) 今の委員御指摘のお話でございますが、職員用の食料品等の備蓄に加えまして、帰宅困難となった来訪者用として、職員数の一割程度に相当する約四百人の三日分相当の食料、水、簡易トイレの備蓄を行っております。 なお、昨年の三月十一日の東日本大震災におきましては、正確な数字は把握はしておりませんけれども、おおよそのそういった寄る辺のない来訪者の数が恐らく三十人前後であったというふうには分かっておりますので、帰宅困難者となった来訪者は数十人程度だったということを考えれば、この四百人というのは取りあえず十分なものと考えております。
○渡辺猛之君 今、国交省の分では、寄る辺のない来街者の分、四百人を三日分という御答弁をいただきました。先ほどの想定の中で、東京二十三区内で四十万人の寄る辺のない来街者の人が帰宅困難者になるのではないかと予測をされているわけですから、例えば国交省で四百人ということは、この国交省並みの備蓄があと東京二十三区内で千か所、トータルで千か所できると四十万人分は確保されるというわけでありますね。 今回の法律の改正によって、要は個別具体的に、四十万人という数を想定されておられるんなら、この四十万人分をどことどことどこで分担をしてやっていくかという具体的な事務作業をやっていただかなければならないわけであります。そこをしていただかないと、今回の法改正、趣旨としては大変賛同できるけれども、いざ災害が起こったときに、国交省では四百人分だけ食料等の備蓄確保されていたけれども、そのほかのところでは結局確保されていなくて数十万人の人があぶれてしまうというような事態も想定できるわけでありますので、この点についてはしっかりと、具体的な対応につながっていくように、これから御努力をいただきたいというふうに思っているところであります。 先ほど少し指摘をさせていただきましたけれども、今改正のポイントの一つというのが、都市再生緊急協議会に鉄道事業者とか大規模ビルの所有者であるとかテナント等を追加したことにあると思っておりますが、じゃ、この民間の、協議会に参加をしていただく人、対象、これは誰がどう選んでいくんでしょうか。そして、選ばれた事業者に応招義務というのはあるのかどうなのか、この点についてお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(加藤利男君) お答え申し上げます。 都市再生緊急整備協議会は、都市再生緊急整備地域における緊急かつ重点的な市街地の整備に関し必要な協議を行うために組織されるものでございまして、このような趣旨から、国と地方公共団体が関係する事業者等の参画を求めることとなってございます。 一方で、自発的な民間主体の取組として、既に東日本大震災以前から、首都圏のターミナル駅周辺など地域単位での防災対策のための任意の協議会等が複数存在しておりまして、東日本大震災を踏まえまして帰宅困難者対策の訓練を実施するなど、改めてその取組を強化しようという意識が高まっているところでございます。本法案によりましてこうした取組を取り込んだ形で法的根拠を与えることが今回可能になるものでございますので、そうした自発的な活動を後押ししていくということを考えております。 その意味で、協議会の参加者につきましては、今申し上げました既に活動している任意の協議会等に参画している方々を中心に幅広く参画を働きかけていきたいというふうに考えておるところでございます。
○渡辺猛之君 今の御答弁を聞いておりますと、既に任意の協議会等々が各地域単位で、あるいは地方公共団体の単位でもうできているところもあると、それに対して法的根拠を今回の改正によって与えたいというような御答弁の趣旨だというふうに伺いました。 そこで、私、今回の法改正でもう一つ、ちょっと驚きを兼ねて大丈夫かなと心配をした点があるんですが、先ほどお話ししたように、この都市再生特措法、平成十四年に成立をしたところであります。 そこで、今回、この改正をすることによって都市再生緊急整備地域、今まで地方公共団体であるとか、あるいは土地開発事業者であるとか、あるいは公共公益施設管理者等で構成をされていた協議会に、先ほど申し上げた民間の鉄道事業者であるとか、ビルの所有者であるとか、もっと細かく言うとテナントの皆さん方にも入っていただいて、いざというときに備えようということでありますので、もうこの全国の少なくとも六十三地域のほとんどでは都市再生緊急整備協議会が立ち上がっていて、今までどちらかというと公的なものでその協議会つくっていたところに民間の人も入ってきていただけるんだなというふうに理解をしておりましたら、実はこの都市再生緊急整備協議会というのが設置されたのが、今年の二月、名古屋駅周辺・伏見・栄地区都市再生緊急整備協議会が初めての設置なんですよね。十年間、この六十三地域で協議会が設置されるはずでこの法律を施行してきたはずなのに、全然その協議会設置されなかった。今年になって初めて協議会が設置されたというんです。今日現在の段階でも、全国六十三地域のうち協議会が既に設置されたのは四つの地域だというふうに伺っております。 なぜ今日まで協議会が設置をされてこなかったのか、その原因をどう考えておられるでしょうか。
○政府参考人(加藤利男君) 御指摘のとおりでございまして、これまで都市再生緊急整備地域で組織されます協議会は、国、地方公共団体が中心になってその当該緊急整備地域で行われます都市開発事業の、言わば事業が円滑に進むように事業の連絡調整とか、そこらを確認するというのが主務であったというふうに理解をしております。 その結果、これまで設置が現実にはされてこなかったわけでございますが、これは、先ほど先生御指摘いただきましたとおり、昨年の都市再生特別措置法の改正で、協議会に新たに民間事業者も加わっていただいて、国と地方公共団体とともに整備計画を作成することができるようになりました。そういうことを受けて、事業の整備計画を作ると、お互いですね、集まって作ろうということが契機になって設立の運びに至ったものでございます。 今後、各緊急整備地域において先行事例、先ほど御紹介いただきました四地域で協議会が設立されておりますが、それを受けた形で順次広がっていくように期待しておりますし、国としても働きかけをしてまいりたいというふうに考えております。
○渡辺猛之君 今の問題でもう少し突っ込んだ御答弁いただきたいと思っておりますが、実際、今お話をいただきましたように、平成十四年から今年の二月まではこの協議会の設置がなされなかったということであります。 今回、この法改正によって、要は防災、地震対策という非常に重要な観点が加わるわけですね。非常に重要な観点が加わって、エリア的には十分ではないけれども、これを一つのモデルケースとしてほかの地域にも広げていこうということでありますので、まずはやっぱり協議会設置してもらわないことには、せっかく法改正しても何の意味もないわけです。 そこで、今日まで協議会が設置されてこなかった、しかし、今回新しい防災という目的を加えたことによってますます協議会を設置をしてもらわなければならなくなってきた。そこで、協議会設置のもう少しインセンティブというものを考えていかなければいけません。民間事業者も入れるようになりましただけでは入ってもらえないわけです。先ほどの御答弁、ずっとトータルしていうと、基本的には民間事業者の善意で入っていただかなければならないわけでありますから、協議会設置のインセンティブというものについてどのように考えておられるのか、少し具体的にお答えいただければと思っております。
○政府参考人(加藤利男君) お答え申し上げます。 その点に関しましては、先ほども御答弁をさせていただきましたが、今御指摘のように、民間の自主的な取組をうまく取り込んだ形でそれを現実に機能できるものにしていく、こういう必要性があるというふうに考えておりまして、その意味で、既に先行的に、例えばですが、新宿とか東京駅とか有楽町でいろんな任意の取組がされておりますので、そうしたところをうまく活用してといいますか、そこの活動をうまく引き出していって、それをこの協議会に結び付けていくというようなことを是非考えたいと思っております。 その際に、具体的にどうしていくのかというお尋ねかと思いますが、私どもとしては地方公共団体等関係者に積極的に働きかけをしていきたいと思います。そのときのインセンティブとしては、今回、先ほど御議論をいただきましたソフト対策を中心とした予算措置も講じさせていただいているところでございますので、そういう面でのソフト対策の支援も用意していますということも含めて、いろいろお話をして働きかけをしていきたいと、参加をしていただきたいというふうに考えております。
○渡辺猛之君 少なくとも、都市開発という観点からはこの平成十四年から今年の二月まで協議会が設置をされなかった。今回は防災という目的も加えたわけでありますので、やっぱりインセンティブの面も含めて、国交省として本当に実のあるものにするためには、相当の後押しというか、周知徹底に加えて、これ大事なことなんだからお願いしますよというメリットの部分も含めて御努力をいただかないと、理念はいいけれども具体的には何も動いていかないという危険性を私ははらんでいるということを指摘をさせていただきたいと思います。 その後のことなんですけれども、協議会がしっかりとでき上がったと仮定をいたしましょう。そして今回、その協議会で民間事業者も入っていただいて都市再生安全確保計画というものを作っていただくということになっているわけでありますが、この計画を作った後の評価について少しお尋ねをさせていただきたいと思いますが、アウトプットの評価ではなくて、実際減災に役に立ったかというアウトカムの評価であるべきだと私は認識をしておりますが、この協議会で計画を作った後の評価、誰がいつどのような基準で評価をされていかれるのでしょうか。
○大臣政務官(津島恭一君) お答えを申し上げたいと思いますが、その計画の策定後も毎年協議会が主体となりまして計画に基づく避難訓練等を実施をしてまいります。避難誘導が円滑に機能したかどうか、あるいはまた退避スペースの受入れは十分であったかなど、計画が十分に機能するかについて検証するということを考えております。 協議会には国も参加することとなっておりますので、国も一体となって計画の評価、見直し、これを行う不断の検証を行い、計画の実効性を高めていきたいと、こう考えております。
○渡辺猛之君 計画についてはそのように評価をしていっていただくということでございます。実際、協議会ができて、そして計画も作っていく、そして計画の評価もしっかり折に触れやっていくということであります。 それでは、私どものイメージとして、本法案の改正がしっかりと機能をしてきたときのあるべき姿というのは、この協議会によって、都市再生緊急整備地域のこのエリア内、そこでいろんな計画が承認されるわけで、作られていくわけでありますけれども、この合意できたエリア、あるいは合意できた対策ですね、協議会の中で、これから順次進めていくということでありますが、それが本当にうまくいった場合、私たちが持つイメージとしては、目指している最終目標というのは、この都市再生緊急整備地域のエリア内人口全てが数日間このエリア内にいれば食料や何か確保できて滞在できますよと、これが理想の姿だというイメージでよろしいですか。
○大臣政務官(津島恭一君) 今委員の、エリア内の人全てが滞在できるんですかと、こういうお話でございますが、本法案によりまして都市再生安全確保計画の対象となるものは帰宅困難者の全てではないということは先ほど申し上げておりますが、その中心となりますのは、民間企業等の自助の取組により安全を確保する従業員等を除く寄る辺のない来街者等の帰宅困難者でありますので、おおむね帰宅困難者の一割程度になると考えております。 それで、先ほど委員が御指摘のように、首都圏の帰宅困難者六百五十万人とすれば、そのうち八十万人、あるいは、東京二十三区に限れば四十万人と見込まれております。こうしたものに対しまして、エリア内で官民の様々な関係者に協議会参画をいただき、合意が図られ、対策を順次計画に位置付けてその実施を図ってまいりたいと考えております。
○渡辺猛之君 ありがとうございました。 それでは、少しちょっと具体的な質問を幾つかさせていただきたいと思いますけれども、じゃ、この計画に従って、万が一の災害が起きたときは、その民間事業者で御協力いただけるときに一時避難者がそこに一時退避をされるということでありますけれども、この一時避難者の例えば名前などの情報把握は一体誰が責任持ってやるのか、あるいは、一時避難の後、もうそろそろ帰宅してもいいですよ、こういう判断は誰が下していくのか、この点についてどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(加藤利男君) 名前などの情報把握を行うかどうかという、まずは第一点目のお尋ねだったかと思いますが、実際上、非常時の対応としては、一時避難者であれ、あるいはそこにお住まいの方であれ、これは差別なく安全確保対策を行うということが当然必要でございます。したがって、どちらから見えられましたとか、お名前はといったような確認をするのではなくて、実際に来られた方をいかに安全に退避していただくかということに注力をして対応すべき性格のものではないかというふうに考えております。 その上で、一時退避をした上で、じゃ、今度帰宅いつしようかということに、誰がどういう判断でもってそういうことを決定するのかというお尋ねであろうかと思いますが、その判断については、基本的には避難者の実情、それぞれ抱えられておる事情が違いますものですから、それぞれ各人で判断していただくということになるというふうに考えておりますが、ただ、その際、その判断をするに当たって必要となります災害関連の情報ですとか、公共交通機関の運行情報ですとか、もろもろの情報が必要になってまいると思います。そうした意味で、適切な情報提供を行うように努めたいと。それを安全確保計画の中で明記をして、それを実行に移していきたいというふうに考えております。
○渡辺猛之君 最初、前田大臣からも御答弁をいただいたんですけれども、今回のこの都市再生特措法の改正、なぜ手を着けられたのかという理由を考えますと、昨年の東日本大震災時に五百十五万人の帰宅困難者が出たと、これはやっぱり何かの対策を国交省としても考えなければいけないなということで取り組んだ結果だというふうに私は認識をいたしております。 今、局長から答弁をいただいたんですけれども、なかなか国交省で、じゃ、そこまで具体的なことを決めれるのかといったら、やっぱり今回の内容を見てみますと、これ、内閣府の防災担当が私はやることなんじゃないかなというふうに認識をしています。 私の少し意見申し述べさせていただきますが、国交省が取り組むべきというのは、やっぱり四・九億円という僅かな予算付けてソフトに取り組むことじゃないと思うんですよ。昨年の東日本大震災で仙台東部道路が津波の被害を防ぎ、あるいは三陸自動車道が物資輸送とか緊急搬送に大きな役割を果たしたことを私たちは目の当たりにしました。実際この目で見させていただきました。 日本というのは地震大国であります。首都直下型の地震も心配をしなければいけません。あるいは、東海、東南海、南海の連動型地震も心配をしなければいけません。いや、この今言われている地震だけではなくて、日本というのは地震列島でありますから、日本全国いつどこで大きな地震が起きてもおかしくない国であります。 そんな国の国土交通省が取り組むべきことというのは、津波への対策であったり、あるいは道路や橋梁の補修であったり、孤立集落をつくらないための地方の道路ネットワーク整備を進めていくことだと思うんですよ。万が一災害が起きても、その被害を最小限に食い止める強靱な国土をつくっていく、これが国土交通省の私、仕事だと思うんですね。 仮に、そのために数十兆円掛かったとしても、一度首都直下型地震が起きたら、あるいは連動型地震が起きたら数百兆円の被害が出るということが予想されているわけでありますから、その数百兆円の被害を防ぐために数十兆円の投資を、堂々と胸を張ってこれ日本のためだからこの仕事をやりましょう、コンクリートを造っていきましょう、それが私は国土交通省の仕事だと思いますし、それをやっていただかなかったら、その投資を今惜しんでいたら、あの東日本大震災のあの惨状を目の当たりにしているんですから、これ後世に対する裏切りになりますよ、今やらないと。 そこで、前田大臣にお尋ねをしたいと思っております。 今、国土交通省がなすべきは、胸を張ってこの国を地震などの大きな災害から守るために、しっかりと全国各地域インフラを整備していく、それが国土交通省の仕事、その決意を前田大臣に最後にお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(前田武志君) 委員御指摘のとおりだと思っておりまして、これはもう私自身というよりも、社会資本整備審議会でもあの震災の反省を総括していただきました。命第一、そして何としてもこの命を守るということですね。災害には上限がないということで、そのための予算という、二十四年度にも入れてありまして、防災関係等を含めますと、前年度比たしか二・何%か上がっているわけでございまして、非常に厳しい財政の中ではそういった方向を内閣としても認めていただいたと、こう思っております。 加えて申し上げれば、あの震災というのは国民全てが共有いたしましたし、特に大都市の中枢部でお仕事をされている方々、来ておられる方々が、この都市のそういう事態における危険性というのも認識いたしましたから、この協議会についても機運は高まってきておりまして、しかも直下型というのがありますから、これはなるべく早い機会に、委員が御指摘のようなそういうあるべき協議会、そして、そこでまたどういう都市における防災的なインフラが必要かというような議論もなされ、その都市、まちづくりというものにちゃんと反映されるように国交省としてやってまいります。
○渡辺猛之君 ありがとうございました。 終わります。
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。 都市再生特別措置法の一部を改正する法律案について質問をいたします。 この法案につきましては、私自身も、その目的、狙いについては理解を共有するところではございます。 昨年の三・一一の東日本大震災の教訓、この対応だということなんですけれども、三月十一日のときは、確かに都市部で帰宅困難者、たくさん生じました。深夜十二時以降になってもターミナル駅周辺には、たくさんの方が行き場を失って、たくさんの方がそこに待機をしておりました。私自身も新宿駅周辺とかも見てまいりましたけれども、ああいうことを考えますと、混乱を最小限に抑えていくということは理解するんですが、果たしてその目的をこの法案によってどれだけ効果を持たせることができるのか。必要条件かもしれないけど十分条件ではない。必要条件と申しましたけれども、どれだけ本当に必要になるのかというところで若干心もとないなと。 先ほど渡辺委員の質疑の中にもありましたが、この予算規模でありますとかというところからして、本当にこの法案を実効性あるものに今後していかなければならないんだろうと思っています。それがまず率直なこの法案に対する印象でございます。 その上で、具体的なところの質問に入らせていただきますが、退避経路協定の締結ということが盛り込まれております。この退避経路協定が結ばれるのかということなんですが、平成十九年に施行されました都市再生特別措置法、この本法案の一部を改正する法律によりましては、似たような避難経路協定制度というものが創設されております。これは、密集地の市街地における防災街区の整備の促進に関したものでございますが、特に、老朽化した木造建築物が密集している地域であるとか、かつ、十分な公共施設が整備されていないそうした地域においては避難路の確保が大きな課題となっているということで、この避難経路協定制度が創設されております。 国、地方公共団体の施策のみならず、住民自身による自主的な避難上必要な経路の整備又は管理のため、土地所有者等の全員の合意により、避難上必要な経路の整備又は管理に関する事項を協定するとしているわけですが、これ、実際にこの避難経路協定が締結された事例というのは現在までにあるのでしょうか。
○政府参考人(加藤利男君) 端的にお答え申し上げますと、いまだございません。
○谷合正明君 それでは、その協定が結ばれていないということの原因についてはどのように分析をされているのか、また、それでは、今回の退避経路協定においても同様な、何というか、趣旨というんでしょうか、同様にその推進を阻むような阻害要因というのは存在しないのか、この点についてお伺いいたします。
○副大臣(吉田おさむ君) 委員御指摘のとおりでございまして、密集法におきましては、避難経路協定を結ぼうと、とりわけ都内の各区におかれましては非常に努力をされて、何とかこの協定を結びたいという形で率先頑張られておりますけれども、御承知のとおり、こういう密集地は権利関係がふくそうしております。私自身の生まれ育った町もいわゆるこの密集地になりまして、所有者とそれから住民、借地借家、様々な関係がふくそうしまして、多数の権利者が存在しております。 そうしますと、今委員も御指摘されましたように、関係権利者の合意形成というようなものがなければこの協定は結ぶことができないと、強制的に結ばせるものではございませんので、非常に、現在のところ、こういう中で締結がなされていない状況であるということ。 一方、本法案におきます退避経路協定につきましては、これは都市の再開発、都市の再生という中で、ある程度の地権者等の整理が進んでおりますので、大街区等ができておりますので、整理された状況でございますので、できる限りこの退避経路の適切な環境整備を図るための関係者の合意形成というもの、これも密集法と違いやりやすいのではないかなと。 また、もちろん、今回の法に基づきまして、国も参加をいたしますので、国の方のできる限りリーダーシップも取って、今現状、防災上の貢献への意識が高まってもおります。また、現実、委員それぞれ御指摘、また谷合先生も御指摘いただきましたように、やっぱり地域でやらなければならないというそういう思いも多数ございます。民間主体のこういう形で、後押しをする形で退避経路協定制度の活用というものを促進をしてまいりたいと、そういうふうに考えているところでございます。
○谷合正明君 今回の退避経路協定は、避難経路協定と違って土地の権利のふくそうする、そういうような密集地であるかないかと、そういったところにちょっと差があって推進しやすいのではないかというような話がございました。それはそれで理解できるんですが、しかしながら、土地の権利がふくそうするエリアというのもやっぱり存在するわけですね。 今回、退避経路協定を結ぶ際において、その土地の権利がふくそうするエリアでどのようにこの協定を締結させようと努力されるのかと、どのように一工夫、二工夫していくのかということについて、改めてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(加藤利男君) お答え申し上げます。 この退避経路でございますが、この退避経路は、大規模地震が発生した際に、鉄道駅や余震発生時に危険なビルから公開空地等へ一時的に退避したり、帰宅困難者等が退避スペースに向けて混乱なく安全に移動するための経路という性格のものでございまして、具体的には、例えばでございますが、地下の歩道ですとか自由通路といったものを対象にして計画していきたいというふうに考えております。 この退避経路協定につきましては、先ほども副大臣から答弁があったとおりでございまして、大街区化が進んでおり、権利関係も一定程度整理された状況にありますけれども、いずれにしても関係権利者の合意を得ることが必要でございますので、これまで任意で取り組んでおられます協議会の参加者の皆さんにも呼びかけて、その必要性をよく理解をしていただいて制度を活用していただくように、そういう働きかけをして理解を求めていくことが一番必要なことではないかというふうに考えております。
○谷合正明君 権利関係がある一定程度整理されたような地域においては、例えば協定締結の義務化というような選択肢というのは考えられるんでしょうか。そういうやはり義務化というのは難しいと考えていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(加藤利男君) 実際問題といたしまして、大規模地震がいつ発生するかという分からない中で、経路協定、退避するための経路を確保するという観点から考えますと、例えば、その経路の通行の妨げとなります物は常日ごろから置いておかないとか、あるいは関係する方々に日々適切に、物を置かないというだけじゃなくて、通行上本当に大丈夫かどうかいつも点検していただくといったような日常の取組が非常に重要なことになってこようと思っております。 その意味から、今申し上げたような取組を継続していただいて、いざというときに適切に対応していただくためには、やはり参加者の自発的な意思というものが前提にした方がより効果が上がると、そういう観点から義務化ではなくて民間主体が全員合意により協定を締結する制度というふうにしているところでございます。
○谷合正明君 日常の取組が重要だということでございますが、では、それがいざといったときにどのように動きが出るかということなんですが、例えば退避経路上の誘導、これは誘導というのはどこが主体となるのか、誰が行うのかという点についてお伺いしたいと思います。 具体的に、例えば新宿駅周辺におって、いざといったときに退避経路があったとしたら、これ誰が主体的に誘導を行っていくんでしょうか。民間のできる範囲と行政のできる範囲と、この役割分担等々についてお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(加藤利男君) お答え申し上げます。 退避経路を設定して、それを誰がどういう形で誘導していくかということについてのお尋ねであろうかと思いますが、大規模な地震が発生いたしました際に地方公共団体における対応がなかなか難しいということも考えられますので、退避経路上の誘導等につきましては、オフィスビルの所有者、管理者等に行っていただくことが現実的ではないかなというふうに考えております。このため、都市再生安全確保計画の作成の際に、地方公共団体の十分な関与の下で退避経路上の誘導等に関します関係者間の役割分担をあらかじめ決めておくなど、事前の備えに万全を期しておきたいというふうに考えております。
○谷合正明君 関連して、また退避経路の今度は安全性の問題なんですけれども、例えば首都圏においては東日本大震災の際にも、例えば広告物とか看板とか、そういった部材が落下するという被害が生じているかと思います。看板だけではなくて、様々、ビルの外壁であるとか窓ガラスだとか様々なものが落下してくるという危険性あるんですが、特にこの広告物の落下に対して特化して質問しますと、例えば地方自治体は、屋外の広告物関係につきまして、規模の大きいものについては屋外の広告物管理者を設置させるなどの安全の確保を行っています。 そこで、退避経路の安全性の確保や被害の軽減のために広告物等に係る取組が必要であると考えますが、この点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(加藤利男君) 屋外広告物の設置に当たりましては、公衆に対する危害の防止を目的の一つといたします屋外広告物法及び同法に基づく条例等や建築基準法等の関係法令に基づき安全性を確保するということにされておるところでございます。 今回提案をさせていただいております都市再生安全確保計画に退避経路を記載するに当たっては、前提として、事前に大規模地震が発生した場合に屋外広告物等が落下するといったこと、それで、円滑な退避への支障ですとか人的被害が生じないか否かについて、計画作成主体であります協議会が検証した上で退避経路を位置付けることになるというふうに考えております。 その上で、都市再生安全確保計画に記載されました退避経路につきましては、屋外広告物の安全性等に関する定期的なチェックを協議会が行う、そうすることによって、先ほど御指摘いただきましたような懸念の生ずることがないように適切な管理を確保していきたいというふうに考えております。
○谷合正明君 続いて、震災情報の提供について質問いたします。特に情報弱者と言われる方々に対しての提供です。 例えば、訪日、観光で来ている外国人、あるいは障害者、視覚障害、聴覚障害様々ありますが、それぞれ震災の情報の提供というのは大きな課題となったと私は思っております、三・一一の際にですね。 今後、この震災の災害情報、例えば緊急地震速報の周知であるとか、そういったものをどのようにこの情報発信を迅速かつ正確に提供できるか、この点についての取組、ここをお伺いしたいと思います。
○副大臣(吉田おさむ君) 谷合先生御指摘のとおり、観光で来られるという部分、やっぱり観光に来られた訪日外国人は、日本のやっぱりホスピタリティー、おもてなしというふうなものに非常に大きなものを持つと。それは、単にその場のおもてなしだけではなく、最後のいざといったときに、日本という国は、日本という政府は何をしてくれるのかということまで含めて、こういうふうなものがいわゆる観光立国にとっても重要なことと考えております。 今回の震災におきましては、正直申し上げまして、日本政府観光局のホームページでしか情報伝達ができ得なかったということ、十分に情報を行き渡らせることが困難であったということ、そして迅速かつ的確に情報提供を行う体制をあらかじめ構築することが急務であるということ、様々な問題点が浮き彫りにされてまいりました。率直にこれらのことを精査をし、平成二十四年度予算におきましても、この訪日外国人の皆さんが必要とする情報、その提供方法、役割分担につきまして検討会議を設置することとし、訪日外国人の皆さんへの安心感をますます増すような提供をしてまいりたいと、かように考えております。 また、今御指摘の障害を抱える方々への情報提供につきましては、例えばスピーカーによる音声案内、電子掲示板等を活用した文字情報案内など、あらゆる手段を活用して情報提供を行う必要があると考えております。 今回の法律におきましても、例えば都市再生安全確保計画の作成に当たっては、訪日外国人、そして障害を抱える方も含めて、帰宅困難者という大きなくくりの中ですけれども、それぞれに適切な情報が提供できるようにあらかじめ関係者間で具体的な情報提供について検討し、取り決めてまいりたいと考えております。 また、避難訓練におきましても、これら外国人の皆様、そして障害を抱えている皆様にも御参加をいただき、それぞれの中で明らかになった課題を今後の計画に反映する、情報提供の実効性がより高まるように不断の努力をしてまいる、そういうふうに考えているところでございます。
○谷合正明君 観光立国を推進しております政府、国土交通省においては、この点、しっかりやっていただきたいと思いますし、この障害者に対する情報提供については、厚労省でありますとか内閣府、避難情報のガイドラインも、この見直し、今しておりますので、これについても政府横断的に取り組んでいただきたいと思います。 最後、二分となりましたので、大臣にお伺いします。 大都市圏の安全確保についてということで、都市のまちづくりを進めるに当たって防災という視点を今後どのように盛り込んでいくのかということでございます。我が党は、防災・減災ニューディールということで先般政策も発表させていただきましたが、特に液状化問題、帰宅困難者の問題、地下街の安全確保等、今日的な課題というのは結構出ております。 改めて、こうした防災、減災に関しての視点をどのように生かしていくのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(前田武志君) 何といっても、大都市というのが日本の経済社会の大きな部分を占めるわけで、その中で特に中枢機能が集中している地域、ここの安全を確保する。施設的なものについては、これはもう徹底して防災、安全なまちづくりということで対応いたします、液状化等も含めてですね。 加えて、今議論をしていただいたように、民間事業者、自治体、地元住民、言わば大きくとらえればそういうコミュニティー、国も入って、そういったところが、いざというときにはみんなで減災をといいますか、災害を防ぐぞという、これは東日本でも消防団のもう命を懸けてのあの活躍があった。日本の国にそういう元々地域のことは地域で守るぞという良きDNAがあるわけですから、それを現代の都市にまた再度よみがえらせて、世界に誇れるような、そういうまちづくりをしていきたいなと、こう思う次第でございます。
○谷合正明君 終わります。
○上野ひろし君 上野ひろしでございます。よろしくお願いいたします。 私も、ただいま議題となりました都市再生特別措置法の一部を改正する法律案についてお伺いをさせていただきたいと思います。 まず、先ほど来指摘がありますけれども、都市再生緊急整備地域に現在六十三地域が指定をされているということであります。例えば東京都では、東京駅近辺でありますとか臨海地域については広範囲にわたって指定をされておりますけれども、一方で、池袋でありますとか上野の近辺、大変乗降客の多い駅もありますけれども、その近辺は指定をされていないということであります。 本改正案では、第一条の目的規定を改正されて、防災という観点を入れるということでありますけれども、一方で、第二条第三項の都市再生緊急整備地域、ここについては、都市の再生の拠点として市街地の整備を推進すべき地域というままでありまして、指定に際して防災という観点は考慮されないということであります。 こういった既存の都市再生緊急整備地域を前提にするということでは、本当に必要な地域で防災対策を講ずるということがなかなかできないのではないかと思うんですけれども、今回の改正の考え方についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(加藤利男君) お答えを申し上げます。 これまで大都市のターミナル周辺等におきまして、我が国の国際競争力強化等の観点から、本法に基づきまして都市再生を推進してまいりましたが、先般の東日本大震災の際に、こうした地域において避難者、帰宅困難者対策を強化すべきことが明らかになりました。このため、都市再生緊急整備地域を対象に防災対策を講じようとするものでございます。 都市再生と併せました避難者、帰宅困難者対策の必要性が高いという場合には、現在、都市再生緊急整備地域に指定されていない地域におきましても、地元地方公共団体の意向も踏まえまして、新しい地域指定について検討してまいりたいというふうに考えております。
○上野ひろし君 今、局長さんから御答弁いただきまして、新しい地域での指定も検討するということでありますけれども、先ほど申し上げたとおり、防災という観点から指定をできるような枠組みには今回しないということなんだと思います。そこが問題だと思って質問させていただいているわけでありますけれども、関連で聞かせていただきます。 現在、指定をされている都市再生緊急整備地域以外の地域でも、例えば帰宅困難者対策が必要であったり、また防災という観点から民間事業者の方々との連携、協力、また支援といったことが必要である地域というのはたくさんあるのだと思います。 先ほど、池袋、上野といったところを例で挙げさせていただきましたけれども、例えば中規模以上の地方都市でも同じような災害対策が必要なケースというのはあるのではないかと思います。こういったところについてはどう対応されるのか。特に、都市機能の高度化といった整備地域の指定要件に該当しないけれども防災対策が必要な地域について、どう対応されていくのか、お伺いをしたいと思います。
○大臣政務官(津島恭一君) お答えを申し上げたいと思います。 今の委員御指摘のように、都市再生緊急地域以外の地域においても帰宅困難者対策を講ずるということは本当に必要なことだと考えておりますので、そのため、本法案によりますところの枠組みや考え方をまず緊急整備地域で確立した上で、その成果を本法案の対象とならない地域に広げていく、このことも必要だと感じております。 地方都市でも地方公共団体が中心となりまして同様の取組を行っていただけるよう、普及啓蒙活動、これも考えていきたいと思っております。そしてまた、このような取組に対しましては社会資本整備総合交付金による支援も行っていきたいと、こう考えているところであります。
○上野ひろし君 ありがとうございます。 今、この法律の枠外で、自主的な取組も含めて、また場合によっては社会資本整備総合交付金で対応するというお話もございました。 一方で、今回、この法律の改正に伴って補助金、先ほど四億円超の補助金があるという話もありました、また、法律の中では様々な特例措置を規定しているところでございます。防災上の対応の必要性というのは同程度であっても、この法律の枠内かどうか、この地域の中にあるかどうかといったことで対応が異なる、支援の度合いが異なるといったことでは公平性に欠けるのではないかと思うんですけれども、その辺りの考え方をお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(津島恭一君) 今の御指摘でございますけれども、この法律でございますが、我が国は国際競争力強化等の観点で、都市再生を推進している大都市のターミナル駅周辺におきまして、震災発生時の避難者あるいは帰宅困難者対策を強化すべきということを明らかにさせていただいております。 そしてまた、そのことを踏まえまして、国、地方公共団体、そして民間事業者等から成る協議会におきまして、避難誘導や情報提供等のソフト、この対策を中心とした取組を実施しようということを中心に支援するということでございます。 ただ、ハード対策につきましてはそういうことでございますが、いわゆる都市再生緊急地域以外の、内外にかかわらず、社会資本整備総合交付金、これを活用することによって、委員御指摘のように地域外であっても適切な整備を促進していきたいと、こう考えております。
○上野ひろし君 ありがとうございます。 今、地域内、特にターミナル駅近辺についてという話もありました。大変繰り返しで恐縮なんですけれども、例えば都市のターミナル駅という観点からいっても、池袋でありますとか上野が対象となっていない。既存の都市再生特別措置法に防災という観点を入れたことのひずみみたいなものがあるのではないかなという気もいたします。 次に行かせていただきます。 都市再生緊急整備協議会の設置状況、先ほど渡辺委員からも御指摘がありました、四つしか現状で設置をされていないということであります。これは法律の条文を読むと、この地域内において協議会を設置することができるという、いわゆるできる規定でありました。 今回、都市再生安全確保計画という制度を入れるわけでありますけれども、これも計画については協議会が策定をすることができるという、できる規定であります。 そもそも、今、協議会自体が六十三地域で四つしかできていない。そういう中でまたできる規定でこの計画の策定、読み方によってはつくりたいところはつくっていただいてもいいけれども、つくりたくないところはつくらなくていいというような制度とも読めるわけでありますけれども、これは都市の再生でありますとか都市機能の高度化といったことであれば、地域の自主性に任せるというのもあり得るのかなと思うんですけれども、防災という観点からすれば、防災対策、災害に対する対応が必要なところについてはしっかりと漏れなく対策がなされるというのが基本ではないかと思うんですけれども、この制度設計は、どういう観点から行われているのか。また、これはしっかり、迅速に整備をされることが必要だと思うんですけれども、どのように手当てをされるのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(加藤利男君) お答えを申し上げます。 都市再生緊急整備地域におきましては、都市機能の集積程度、これまで政策的な資源を投入いたしまして都市機能の集積を図ってきてはおりますけれども、結果として今見れば、都市機能の集積程度には差がございます。その結果、大規模な災害が発生した際の想定としては、道路渋滞等、都市機能が麻痺するというようなところもあれば、大きな混乱が生じる可能性が、比較的ですが、少ないところもあるなど、その状況は様々であろうと考えております。 一方でございますが、自発的な民間主体の取組として、既に東日本大震災以前から、例えばでございますが、新宿駅の周辺なんかでは協議会を設置して、いろいろ任意の協議会の下でいろんな活動をしていただいております。そうした協議会等が複数存在している実態が既にございます。そういう中で、東日本大震災を踏まえまして、各種の協議会の活動に当たりましても、その社会的責任の観点から、滞在者等に対しても災害時の安全の確保に配慮しようとする意識というものは高まってきているものと受け止めております。 本法案におきましては、そうしたもろもろの背景を踏まえまして、大規模災害時の帰宅困難者対策を実効性のあるものにするために、一律にまた画一的に計画の策定を義務付けるといったことではなくて、今申し上げたような民間主体の動きのあるところを支援した方がより効果的である、効果が上がるのではないかという考え方で本法案を提出させていただいているところでございます。
○上野ひろし君 ありがとうございます。 まず、都市再生緊急整備地域、これは防災という観点とは、指定の要件であったり理念が違うわけで、必ずしも一律に今回の安全確保計画の策定を義務付けるという必要がないというのは、これはそのとおりだと思うんです。 一方で、防災という観点から対応が必要なところは漏れなくやっていただきたいというのが私の趣旨でありまして、是非そこも含めて、これは法律上の制度ではできる規定ということになっておりますけれども、しっかりと把握、指導されるようにしていただきたいと思います。 次に、今回の法改正の前提でありますけれども、どういった災害を想定されているのかということをお伺いをしたいと思います。 一口に災害といっても、今回の東日本大震災のような地震もあれば、水害といったことも想定をされるのだと思います。同じ地震であっても、首都直下型の地震も含めて様々な規模があり得るのだと思います。 今回の東日本大震災では都市部において帰宅困難者がたくさん発生をし、一斉帰宅の抑制といったことが効果的なのであろうということで、こういう法律の制度、枠組みにされたということだと思うんですけれども、震災の規模でありますとか発生する場所によっては、例えば中心部、職場でありますとか学校にとどまっていることが危険な場合もあるかもしれない。もしかすると、一斉帰宅を抑制することで、より危険性が高まるようなこともあるのかもしれない。速やかに危険な地域から避難をした方がいいケースもあるかもしれない。そういったことも含めて、今回この法律改正でどのような災害を想定されているのか、また様々な態様があり得る災害に対して、今回のこの法律改正の枠組みでしっかり対応ができるのかどうかといった点について、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(加藤利男君) お答えを申し上げます。 本法案は、東日本大震災発生時に首都圏において避難者、帰宅困難者による大きな混乱が生じたことを踏まえまして、対応策として制定をさせていただきたいということでお願いをしているものでございます。 首都直下地震が発生した場合は、首都圏全体で約六百五十万人の帰宅困難者が発生するとともに、交通機関の運行休止により滞留期間の長期化が予想されるなど、東日本大震災発生時の混乱を超える被害が懸念されているところでございます。 今回の都市再生安全確保計画におきましては、このような大規模災害の発生時における防災対策を官民の協議会が定めるということにしておりまして、本法案の制定により、関係者の連携と協力の下、首都直下地震への備えを進めてまいりたいと考えております。 なお、もう一点御指摘がございましたが、それ以外の災害についての対応はどうかというお尋ねでございますが、豪雨ですとか水害の場合につきましては本法案の直接の対象ではございませんけれども、適切な避難スペースを確保したり備蓄倉庫を確保するといった点が重要だという点では、大規模地震の場合とこれは変わりはないものと考えております。したがって、一律帰宅を抑制するかどうかといった計画内容は異なるものになるというふうに思われますけれども、本法案の枠組み自体は豪雨ですとか水害に対しても有効に機能するものと期待しております。 なお、これらの災害の際には、発生が未然に予測できない地震とは異なりまして、予測、予報に応じた事前対策が重要となりますので、本法案によります対策も含め、ハード、ソフト両面から総合的な対策を講じることが必要であるというふうに考えております。
○上野ひろし君 ありがとうございます。 今回の法律改正の趣旨、防災対策、また帰宅困難者対策といった趣旨については大変大事なものだと思います。一方で、今まで御質問させていただいたように、都市再生特別措置法上にこういった施策を位置付けるといったことの問題点も含めて幾つか懸念がございます。是非、きちんとその施行された後の状況というのを把握をされて、必要な検討、また場合によっては見直しといったことに取り組んでいただきたいと思います。 以上で質問を終わります。
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。 そもそも、都市再生特別措置法は、財界のミニバブル待望論にこたえて都市再開発に規制緩和と民間支援を導入をする、小泉構造改革の都市再開発版と言うべきものでありました。我が党は、昨年四月の都市再生特措法改正に当たっても、民間企業による都市再開発を税制、金融面で支援するものであり、都市と地方の格差拡大をもたらすことを理由に反対をいたしました。 本改正案は、目的の異なる都市再生特措法に都市防災対策を盛り込むものであります。しかしながら、防災対策という趣旨に鑑み賛成をしますけれども、強い違和感を覚えることを冒頭申し上げたいと思います。しかし、せっかく改正をするわけでありますから、これが都市防災強化につながらなければなりませんし、そうした立場で何点か問題点を指摘をさせていただきまして、見解を求めたいと思います。 法案では、都市再生緊急整備地域の協議会が都市再生安全確保計画を策定することとなります。まず、都市防災における災害弱者への配慮について質問をします。 東日本大震災においても、避難所の衛生問題や、着替えるところ、寝るところなどの女性のプライバシーの問題、また高齢者や様々な障害を有する方に対する特別の配慮、そして子供に対する配慮、言語、習慣を異にする外国の方に対する情報伝達や本国との連携の問題など、大規模災害時における女性、高齢者、障害者、子供、外国人などのマイノリティー、いわゆる災害弱者の方に特有の配慮の必要性について強く再確認されたところでございます。阪神大震災でも災害弱者への対応が不十分だったのではないかという指摘があったにもかかわらず、今回の大震災でその教訓が生かされなかったのではないかと、残念でなりません。 そこで、お伺いをいたします。 法案では、都市防災におけるこうした災害弱者への配慮はどのように図られるのでしょうか。具体的には、都市再生基本方針に明記した上、協議会に当事者団体などの参画を保障するとともに、退避経路や退避施設、備蓄される物資などに災害弱者の視点が盛り込まれた安全確保計画になること、そして訓練にもきちんと当事者団体の参加が保障されることなどが重要と考えますが、いかがでしょうか。
○副大臣(吉田おさむ君) 極めて重要な観点でございまして、帰宅困難者対策といった場合に、都市防災対策を講じる際には、お年寄りでありましたり、また障害者の方など、いわゆる災害弱者への対応についても十分配慮するということが重要であるということは言をまたないところでございます。 このため、都市再生基本方針におきまして、災害弱者への配慮の重要性等について位置付けることとしております。これに基づきまして、国と地方公共団体が構成員となる今回の協議会におきまして、災害弱者の意見を取り入れつつ都市再生安全確保計画の策定を行い、高齢者に配慮した適切な退避スペースの確保であったり、バリアフリーにも配慮した退避スペースへの誘導、乳児や高齢者に配慮した備蓄物資の配備等を計画に盛り込むこととしております。また、計画に基づき実施される避難訓練におきましても、災害弱者の団体等にも参加を呼びかけること、これらに基づきまして、制度面、実務面の両面で災害弱者への配慮が着実になされるように努めてまいりたいと考えているところでございます。
○吉田忠智君 よろしくお願いします。 次に、都市再生緊急整備地域について質問します。 先ほども議論がありましたが、一日当たり乗降人員が二百五十万人にも上る大都市の交通結節点とも言うべき池袋などの地域が都市再生緊急整備地域に指定されておりません。こうした指摘を受け、衆議院の法案審議においても地域指定拡大の方向性を確認する答弁がございました。 しかし、法文上の同地域の定義は、都市の再生の拠点として、都市再開発事業等を通じて緊急かつ重点的に市街地の整備を推進すべき地域であり、本法案審議で政府が防災対策の対象として答弁をされている、大規模災害の発生時に深刻な被害が予想される、地域外からの就業者、来訪者が多数存在する大都市の交通結節点とは明らかに無関係であります。 地域指定をどのように拡大していかれるのでしょうか。緊急整備地域の定義を見直す必要はないのでしょうか。その点について伺います。
○副大臣(吉田おさむ君) 今委員御指摘の点は、委員会質疑等で随分御指摘をいただいた点でございます。 まずはこの法案に基づきまして全国で六十三地域を指定をしていく、また本法案におきましても、都市再生緊急整備地域の定義について、改正はしておりませんが、指定基準を定める都市再生基本方針について、都市の防災に関する機能を確保するものとなる旨、新たに規定をしているところでございます。その趣旨を踏まえて、都市再生基本方針、閣議決定を改定していきたいと考えております。現在この地域に指定されていない地域におきましても、都市再生と併せた避難者、帰宅困難者対策の必要性が高い場合というよりも、高いのがあるのは当然だと存じております。その場合におきましては、地元地方公共団体の意向も十二分に踏まえまして、新たな地域指定につきましては検討してまいりたいと考えております。 まずは六十三地域からということでお願いを申し上げるところでございます。
○吉田忠智君 次に、都市再生緊急整備協議会について質問します。 これも先ほど御議論がありました六十三の都市再生緊急整備地域のうち、本日現在、名古屋市、東京都、横浜市、福岡市の四地域しか協議会が設立されておりません。今後の予定でも、四月の中旬から五月中旬にかけて札幌市、それから七月ごろ川崎市が設立の予定でございます。四地域での設立にとどまる協議会の現状をどう評価しておられるのか、そして今後どのように設立を促進していかれるのか、お伺いします。
○政府参考人(加藤利男君) お答え申し上げます。 都市再生緊急整備協議会の設置の状況については、ただいま先生がおっしゃられたとおり、現在四地域でございます。これらは、昨年の都市再生特別措置法の改正によりまして、新たに民間事業者にも協議会に加わっていただき、国や地方公共団体とともに整備計画を作成するということになったことを受けまして設立に至ったものでございます。 一方でございますが、一方、民間主体の自発的な取組といたしましては、新宿駅周辺防災対策協議会、東京駅・有楽町駅周辺地区地域協力会といった駅周辺部での地域単位での防災対策のための協議会、これは任意でございますが、協議会が設置されておりまして、そこで各種の防災活動に取り組んでおられるところでございます。 今後、今申し上げたような任意の協議会、複数存在しますそうした協議会を、このような防災上の貢献への意識が高まっているタイミングで本法の協議会にも参加していただけるように、積極的に働きかけ、呼びかけを行っていって、内容といいますか、協議会の活動が充実したものとなるように当たっていきたいというふうに考えております。
○吉田忠智君 そこで、今回の東日本大震災の発生も受けて、この首都直下地震の確率も高まっているという状況の中で、都市防災のもう緊急性、必要性というのは改めて申すまでもありません。恐らくは、先ほど大臣からも答弁がありましたけれども、そうしたことの中で、この再生特措法にその観点を盛り込むということになったわけでありますが、しかしながら、るる議論されておりますように、不十分ですよ。新たなやっぱり都市防災の立法措置というのは私は必要ではないかと、そのように思っています。 そこで、質問しますが、条文上、鉄道事業者、施設所有者等の協議会への参画ができる規定にとどまっている問題も、当否は別にして、民間のビジネスを支援するという当初の特措法の目的と、防災、国民の生命、財産を守るという目的が、既存の枠組みの有効活用という理由で接ぎ木されているということが一因だろうと、そのように思います。 実効性の高い都市防災対策の整備は緊急の課題であります。全国に及ぶ都市防災対策に関しては、都市再生特措法とは別建てで新たな特別の立法措置が必要ではないかと考えますが、大臣の御所見を伺います。
○国務大臣(前田武志君) 委員御指摘のとおり、今対象としておりますこの特別措置法でございますが、それ以外の都市防災につきましては、こういう帰宅困難者等ですね、そういう以外についても、都市においては木造密集市街地対策であったり、建築物の耐震化対策事業であったり、あるいはもちろん津波対策なんというのも既に法制化しておりますが、これら各種防災対策は災害対策基本法に基づく地域防災計画を各地域で立てております。その中で総合的に、またいろんな関連分野と整合的に整理され、その下で防災対策に関する法令等の枠組みができておりますので、それを活用して、まずはどうやって実行していくかということになるかと思います。 しかし、その総体の中でいろいろ欠けたりというようなことで委員の御指摘のところがあろうかと思いますが、この辺は内閣府なんかを中心に検討が進められていくものと思います。 とにかく、去年のあの震災の教訓を受けて、現実に発生した都市の帰宅困難者、今この法律を、都市再生特別措置法というものにこの観点からのを入れて、そして、しかも、コミュニティーといいますか、住民あるいは民間事業者、そして自治体、国、しかも、先生が御指摘の災害弱者の方々が守られるような、そういう総体としての対応ができれば安全な都市中枢になるかと、こう思いますので、是非この法案にそういった趣旨のものを入れて、いいものにしてまいりたい、このように思っております。
○吉田忠智君 今の大臣のお話をお伺いしますと、この新たな特別の立法措置というのは国土交通省ではなくてやっぱり内閣府がしっかり所管して検討すべきだということなんですけれども、それでは、じゃ、内閣府と国土交通省がどういう都市防災について役割分担を担うことになるんですか。その点について改めてお伺いします。
○国務大臣(前田武志君) 災害対策基本法に基づいて、防災全体を統括するのが、やはり各省に全てかかわるわけですから、これは内閣府に置かれているということでございまして、ここはもちろん中央防災会議等も、今日もたしかやりましょうか、議論は重ねていくことになるかと、こう思います。
○吉田忠智君 私も冒頭申し上げましたが、この特措法そのものの目的と今回の法改正にはやっぱり矛盾があるんですよね。特措法そのものが都市防災そのものを阻害することになるのではないかという点も疑問点としてはあるわけでありまして、その点は、その問題点は問題点として受け止めて、やっぱり基本方針を作るに当たっても実効あるものにしていかなければならないと思うんです。 その点、私の思いは分かると思うんです、大臣、その点、いかがですか。もう一回。
○国務大臣(前田武志君) 委員の御心配、御指摘のところはよく分かります。 あえて言えば、とにかく、いつあるかも分からない、このままではもう大変なことになるという緊急性というものがあります。そしてまた、国民全体の意識というものも何とか早くという意識があると思います。それにこたえて、しかしやるからには、先生御指摘の、やっぱりこういうときには外国人であれあるいは弱者であれ、もう災害弱者に対してもしっかり対応できるようなものにならなければ私は本当のものにならないと、こう思っているものですから、委員のその御指摘はまたしっかり受け止めてやらせていただきます。
○吉田忠智君 どうぞよろしくお願いします。 以上で終わります。
○委員長(岡田直樹君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 都市再生特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岡田直樹君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、伊達忠一君から発言を求められておりますので、これを許します。伊達忠一君。
○伊達忠一君 私は、ただいま可決されました都市再生特別措置法の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会、公明党、みんなの党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 都市再生特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一 今後想定される首都直下地震等の大規模災害が発生した場合に備え、避難者・帰宅困難者対策に万全を期すとともに、豪雨による水害など大都市特有の災害にも対応するものとなるよう、運用に当たっては十分配慮すること。 二 本法に基づく避難者・帰宅困難者対策の効果が十分発揮されるものとなるよう、都市再生安全確保計画の作成に当たっては、関係地方公共団体の条例との整合を図るなど、関係地方公共団体との連携に十分配慮すること。 三 帰宅困難者対策の推進に当たっては、新たに建築物の建築を行う場合だけでなく、既存の建築物の活用についても民間事業者の協力を得ながら実現する必要があることを踏まえ、民間事業者の過度な負担とならないよう、引き続き支援制度の検討を進めること。 四 大規模災害が発生した場合においては、適切な避難誘導や、安否確認情報、災害情報、運行再開見込み等の交通情報など適切な情報の提供が重要であることに鑑み、これらに留意した都市再生安全確保計画が作成されるよう、関係者との十分な連携を図ること。 五 備蓄倉庫等について容積率規制の緩和を行った場合には、避難訓練の実施等の機会を捉えた定期的なチェックや、地方公共団体による備蓄倉庫の管理協定制度の普及を図ること等により、他の用途に転用されることのないよう、対応に万全を期すこと。 六 避難者・帰宅困難者対策の緊急性に鑑み、都市再生安全確保計画の策定に向けた検討状況等について適切に把握し、情報の提供や助言を行うなど都市再生緊急整備地域における取組に対して積極的に支援するとともに、都市再生安全確保施設に関する協定制度の趣旨について土地所有者等に周知を図ること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(岡田直樹君) ただいま伊達君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岡田直樹君) 全会一致と認めます。よって、伊達君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、前田国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。前田国土交通大臣。
○国務大臣(前田武志君) 都市再生特別措置法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして真剣かつ熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げます。 今後、審議中における委員各位の質疑内容や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。 ここに、委員長を始め理事の皆様、また委員の皆様の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。 大変ありがとうございました。
○委員長(岡田直樹君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岡田直樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十七分散会