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180回国会参議院2012/02/15

憲法審査会 第1号

発言数
60
登壇者
16
会派数
7
開催日
2012/02/15

会議録

小坂憲次自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会

○会長(小坂憲次君) ただいまから憲法審査会を開会いたします。  参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査のうち、衆議院憲法調査会報告書及び憲法改正手続法附則における検討条項について、本日の審査会に前衆議院憲法調査会会長中山太郎君及び前衆議院日本国憲法に関する調査特別委員会理事船田元君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小坂憲次自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会

○会長(小坂憲次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

小坂憲次自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会

○会長(小坂憲次君) 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査を議題とし、衆議院憲法調査会報告書及び憲法改正手続法附則における検討条項について参考人の方々から御説明を聴取いたします。  この際、参考人の方々に一言御挨拶申し上げます。  本日は、御多忙のところ本審査会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。審査会を代表いたしまして心から御礼申し上げます。  これまでの経緯を踏まえた忌憚のない御意見を賜り、今後の調査に生かしてまいりたいと存じます。よろしくお願いを申し上げます。  本日の議事の進め方でございますが、衆議院憲法調査会報告書について中山参考人から御説明をいただき、次に、附則検討条項の趣旨、立案経緯等について憲法改正手続法の修正案提出者でもある船田参考人から御説明をいただいた後、各委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。その際、必要に応じ、衆議院法制局法制企画調整部長橘幸信君の答弁を認めることといたします。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず中山参考人にお願いをいたします。中山参考人。

中山太郎前衆議院憲法調査会会長

○参考人(中山太郎君) 中山太郎でございます。  本日は、小坂会長の御要請を受ける形で、衆議院の憲法調査会の一般議論の報告書につきましてお話をさせていただくことになりました。大変に光栄なことであり、心より感謝を申しております。  私は、二〇〇〇年から二〇〇七年まで約七年半にわたって衆議院の憲法調査会会長及び憲法調査特別委員長を務めさせていただきました。本日は、このような立場から若干の所感を込めて御報告させていただきます。  お手元に御報告のポイントを記した簡単なレジュメ及び資料を配付させていただいておりますので、これに沿って早速内容に入らせていただきます。  最初に、最終報告書の取りまとめ方につながる幾つかの前提となる事項につきましてお話をさせていただきたいと思います。  一つは、そもそも私が衆議院の憲法調査会長として常に注意を払ってきたことにつきましては次のようなことがあります。それは、憲法は主権者たる全ての国民のもの、そして憲法論議はその国民の代表である国会でこそ行われるべきものであるということでございます。国民の中には改憲論者も護憲論者も論憲論者も、いろんな考えの方がおられますが、国会議員の中にももちろんそうでございます。できるだけ多様な意見を、特に自分とは反対の意見の人の言うことを丁寧に聞こうと思ってまいりました。  そもそも近代憲法の本質は国民の人権保障にあると言われております。そして、その人権保障の核心にあるのは少数意見の尊重であります。国会は最終的に数の力でもって物事を決しているところではありますが、その過程において少数の意見にも誠心誠意耳を傾けて議論を尽くさなければなりません。  国家の基本法たる憲法について、さらに次のことがございます。調査会の運営における発言時間の割当てや幹事会でのオブザーバーの発言権の保障といった形で具体化したほか、後で述べますように最終報告書の作成についても具体的な形で現れました。このような衆議院憲法調査会の運営姿勢につきましては、護憲のシンボル的な存在でいらっしゃいました社民党の土井たか子先生も、憲法に関する意見は私とは違っていたが、憲法調査会を締めくくる自由討議の中で、ほかの委員会と違って機会均等を尊重してくれる、さすが憲法調査会だと私は思うんですねという言葉をお話しになりました。  次は、やや具体的なことになりますが、毎週木曜日、定例日の憲法調査会での議論につきまして、事務局に命じて、その概要を速報版の形で整理させ、これを衆議院憲法調査会ニュースとして、原則として毎金曜日の朝に全衆議院議員の会館に配らせたことであります。その実物を、資料一でございますが、お手元に配付させてございます。  国会議員の先生方は大変御多忙でございますが、できるだけ前回までの議論の蓄積の上に建設的な議論をしていただけるよう工夫をしたつもりでございます。そこで事務局職員には随分と無理を掛けました。毎回これを発行いたしまして、本当にこの御苦労に敬意を表しております。憲法調査会の五年余りで通巻九十二号、憲法調査特別委員会の二年を加えると通巻百二十六号のニュースが発行されています。  次に、毎年、その年の憲法調査会の会議録について、参考人等の意見陳述で用いた配付資料を含めて、改めて合本にして衆参の全議員に配付をいたしました。その際、通常の会議録のままだと判が大きくて持ち運びしにくい、私どもには字も小さいので、地元への行き帰りの飛行機や電車の中でじっくりと議論を復習できるように単行本程度の大きさに再編させ、字も大きくして事務局にまとめてもらいました。  実は、この会議録のハンディー合本版の刊行には幹事会での議論がありました。私は、当初、昭和三十年代の内閣に設けられていた憲法調査会に倣って、毎年の年次報告を出して、それをベースに最終報告書を取りまとめることを考えました。これに対し、共産と社民のオブザーバーの先生から、そのようなことは必要はない、どうせ出すなら、一切の加工をしないで全議事録をコピーして配れば、それが一番公正中立な報告書だという趣旨の御発言もございました。私の趣旨は少々異なりましたが、それがこの会議録のハンディー合本版誕生のきっかけでございました。  さて、毎週、毎調査会後のニュースの発行、毎年の会議録のハンディー合本版の作成といった蓄積を経て、おおむね五年程度をめどにとされた調査期間も半ばに達しようかという二〇〇二年、平成十四年でございますが、年明けの通常国会で、この辺で中間報告書を作成したらどうかという意見が出てまいりました。提案をされましたのは当時の会長代理の民主党の中野寛成先生でございました。そろそろ憲法論議も五合目に達しようとしている、今年の五月三日の憲法記念日ごろまでに中間報告書を出したらどうだろうかとの御提案でした。  当然、共産、社民の先生からは、そんな余計なことをする必要はない、憲法調査会に求められているのは議論の経過を客観的に記した最終報告書を作成するということだけだと猛烈な反対の声が上がりました。丁寧に丁寧に議論を繰り返した結果、最終的に会期途中の五月三日で区切ることはせずに、その年の通常国会までの議論を、憲法公布記念日ともいうべき十一月三日までに中間報告書をまとめようということになりました。  この編集方針は、憲法の各条章に沿った形で、一、憲法に関する委員及び参考人等の発言をその趣旨を損なわない範囲で要約した形で抽出すること、二、その全てに発言者の氏名、会派、発言年月日を付記することとしました。同趣旨の発言でも全ての発言者の発言を記載し、その要約の仕方の客観性を会議録に当たって検証できるように発言年月日まで記載をすることにしたのがポイントでございます。現に、草稿の段階で発言者本人からの指摘によって修文した箇所が少なからずございました。  お手元に資料二としてお配りしておりますが、その抜粋でございます。それまでの全ての会議録での委員や参考人の発言を一つ一つ箇条書的に要約し分類、整理していくものですから、通常国会終了後の夏休み返上で基礎作業をしてくれた事務局も含めて大変な作業でございました。しかし、さきに述べた憲法調査会ニュースや会議録のハンディー合本版共に、その中間報告書作成の作業が次に述べる最終報告書に生かされていったのであります。  なお、これは最終報告書でも同じでございますが、我が国の国会での憲法論議はアジア各国を含めて諸外国も注目をしていることは知っておりましたので、この中間報告もその全文を英訳して雑誌として刊行するとともにホームページにも掲載をいたしました。  最終報告書の編集方針について申し上げます。以上の中間報告書の作成を間に挟んだ五年三か月に及んだ調査の経過、資料三のイメージ図にまとめられております。  日本国憲法の制定経緯の調査から始まり、二十一世紀の日本のあるべき姿の大所高所からの調査、そして四つの小委員会を設けての個別テーマごとの調査、現行憲法百三か条の全体について調査を行った後、報告書取りまとめのための総括的な議論を経て、二〇〇五年、平成十七年でございますが、の四月に最終報告書を取りまとめ、河野洋平衆議院議長に提出しました。  この最終報告書の編集方針につきましても大いに議論がございました。これまでと同様に、会議録を抜粋する形で一切の加工をしないよう求める強い意見もございましたが、しかし議論をしていくうちに、五年余りに及んだ衆議院の憲法調査会の議論の全貌を国民一般の方々にも読んでもらえるように、恣意的な評価を排しながら、できるだけ簡潔な形でその議論の縮図を示すような報告書にしたい、それこそが憲法は国民のものであり国民代表機関たる国会の責務だとの共通認識が形成されていったのであります。この議論をリードされたのが、与党筆頭幹事でいらっしゃいましたお隣にいらっしゃる船田元先生と会長代理であった民主党の枝野先生でございました。  その結果、次の三つの編集方針が確認されました。すなわち、第一には、委員の多様な意見を偏ることなく公平に、かつ類型化した上で要約して記載すること、二、多く述べられた意見についてはその旨を記載すること、三、議論の全貌を分かりやすく提示するため、総論、総括的な部分を設けることという三つの方針であります。このうち二番目の、多く述べられた意見の明記が衆議院憲法調査会の最終報告書の最大の特徴であり、私が強くお願いをしたことでもありました。  このような編集方針の下でまとめられました報告書ですが、最後までこのような編集方針に反対された会派もございました。私は、そのような少数意見もできるだけ尊重するため、報告書本体の前に、私の前書きとともに各会派の代表する先生方の御報告及び五年間の調査に対する評価、総括についてそれぞれ自由に述べていただくことにいたしました。資料四としてお配りしている最終報告書の抜粋の冒頭に記載してあるとおりでございます。これは報告書取りまとめの最後の最後のぎりぎりの妥協案ということで、土井たか子先生が御提案をされたアイデアをそのまま採用させていただきました。  これに続いて、お手元配付の資料四でございますが、最終報告書の「あらまし」と題された部分を掲載してございます。この三十ページの「あらまし」が総ページ六百八十三ページに及ぶ最終報告書のエッセンスの中のエッセンスともいうべき部分でございます。  ただ、本日は、時間の関係もありますので、別途資料五として、この中からさらに、多く述べられた意見を、いわゆる多数意見のみを抜粋した資料を作成してまいりました。これを御覧いただきながら幾つかの論点を御紹介させていただきます。  一、まず、前文につきましては、我が国固有の歴史、伝統、文化等を明記すべきとの意見が多数ありました。  二、次に、象徴天皇制につきましては、全体として現行憲法の規定を堅持すべきとの意見が多数意見でございました。なお、女性天皇については、当時はこれを認めるべきとの意見が多数意見でございました。  三、最も激しく議論されました九条に関する論点につきましては、まず、自衛権、自衛隊を法的に認知するために何らかの憲法上の措置をとることを否定しないとする意見が多数意見でございました。また、集団的自衛権行使の是非につきましては、無限定にこれを認めるべき、二、限定的に認めるべき、三、一切認めるべきでないと意見がほぼ三分されました。このほぼ三分されたという整理の仕方については、本報告書の中でも特に議論された部分であり、船田先生と枝野先生が苦心して起案された知恵によるものでございます。  四、次に、国民の権利と義務については、環境権等のいわゆる新しい人権を憲法に明記すべきであるとする意見が多数意見でございました。  なお、この分野に関しては、個人的な意見を申し上げさせていただくならば、私は、スイス憲法のように、生命倫理の尊重に関する条項の重要性について度々発言をいたしました。クローン技術や遺伝子組換え技術が乱用された場合の倫理面や環境面への弊害は予測できないものがございます。これは、日本国憲法の最高価値である個人の尊厳に重大な影響を与えかねない問題だからでございます。また、科学技術の進歩は、電子政府の導入や個人情報データベースの構築に伴う個人情報の保護といった憲法問題にもつながるものであります。これらはいずれも今後論ずべき重要な憲法テーマの一つであると考えております。  五、次に、国会及び内閣の政治部門について、二院制の問題や首相のリーダーシップなどの様々な論点が議論されました。  特徴的だったのは、首相公選制について、これを明確に否定した点でございました。首相公選制は小泉首相の時代に盛り上がった大きな論点でしたが、私どもは、唯一の首相公選制の採用国であり廃止国でもあったイスラエルに現地調査に行き、それを詳細な報告書にまとめました。この報告書の影響が大きかったと思います。また、二院制については、これを維持すべきであるとした上で、両院の役割の分担や選挙制度に違いを持たせるべきであるとする意見が多数ございました。さらに、このほか、オンブズマン制度の導入等国会の行政監視機能の強化が多数意見であったことも特徴的だったと思います。  特に、司法に関して、最高裁判所による違憲審査権行使の現状に対しては多くの委員はかなり批判的で、ドイツやフランス、お隣の韓国などでも有名ですが、ほとんどの国で採用されている憲法裁判所を導入すべきとする意見が多数意見となりました。  次に、私学助成についてでありますが、文言上も明確に合憲とされるような条文にすべきとの意見が多数でございました。  八、次に、地方自治に関して、最近の地方分権の進展の現状に鑑みれば、その全てを地方自治の本旨で解釈するのではなくて、地方自治に関する規定をより充実させるべきとの意見が多数意見でございました。  最後に、現行憲法に規定のない非常事態に関する何らかの規定を設けるべきとする意見が多数意見でありました。  この非常事態条項の必要性については、内閣の憲法調査会の時代から現行憲法に欠落している条項として議論になってきた点でありますが、ドイツを始めとする多くの国の憲法にも規定されている条項でもありますが、昨年の東日本大震災を経験した今日、真剣に議論するべき論点であると考えます。  非常事態条項を立案する際は、国会の民主的コントロールをどのようにするか。つまり、政府に巨大な権力を与えるわけでありますから、それについてどのようなコントロールをしたらいいかというのが核心でありまして、例えば非常事態の宣言をした後二十日以内の国会への事後報告や参議院議員の緊急集会による監視などが重要になってくるものと考えております。つまり、衆参同時選挙になった場合には、衆議院では一人もおりませんけれども、参議院は全員が現職のままで選挙に臨んでおられます。だから、参議院の緊急集会をやることによってこの問題をクリアすることができるというのが結論でございました。  なお、現在、内閣の安全保障室には、我が国領土、領海に対する他国からの侵犯を防ぐために、二十四時間体制で安全保障衛星からの画像が送られてきております。このような利用可能な技術が内閣においてどのように利用されたのか、国会によるチェックも大きな課題になると思います。  終わりに、衆議院憲法調査会の最終報告書について、若干の周辺事情と所感を交えながらお話しさせていただきます。最後に一言だけ私見を申し述べさせていただきたいと存じます。  私は、衆議院憲法調査会の超党派の議員団の団長として度々海外の憲法調査にも参りました。二〇〇三年に、アメリカ合衆国憲法の父トーマス・ジェファーソンの功を記念したジェファーソン・メモリアルホールというものがワシントンにございます。そこを御紹介したいと思います。  そこにはジェファーソンの石像とともに石碑が建っておりまして、そこに碑文が刻まれておりました。私は、法律や憲法が頻繁に改正されることを支持するものではありません、しかし、法律や憲法は、人間の知性が発展するにつれて、また環境の変化に応じて、それに遅れないように進化していかなければならない、文明化された社会においても古い時代の制度を存続させることは、大人になっても子供のころ着ていたコートをずっと着せておくようなものだと。  先生方には、日本国憲法の体現する普遍的な価値を大切にしつつも、必要なときには憲法改正論議を恐れないでほしいと思っております。  最後になりますが、参議院の憲法審査会の委員各位におかれましては、小坂会長の議事整理の下、松井会長代理や川口筆頭幹事とともに真摯かつ建設的な実りの多い議論を行われますように、元参議院議員の一人として切に期待をいたしたいと思いますし、一言付け加えるならば、参議院の先生方には、是非、緊急事態における憲法の在り方、これについて濃密な議論をやっていただきたい。そうしなければ、政府が一方的に宣告をした緊急事態における個人の生活はどうなるか、あるいは各種団体はどうするのか、いろんな問題が派生してきます。その中身がどうかということを調査検討するのが参議院の大きな仕組みになってくるだろうと思います。  そういう意味で、今日、率直に私どもがやってまいりましたことを申し上げましたが、今、東日本のあの大震災を受けて国家の中枢はどうだったかと、ここが一番大きな問題点でした。マニュアルがなかったと。マニュアルがないために、みんながそれぞれ思い付くままにいろいろなことを発言していったと。これは全く先進国としては心から反省すべき大きな課題であったと思います。我々は、そのことを実際体験してみて、どうすれば自然災害及び外国からの侵略が行われたときにこの国を統治する機関というものがしっかりと確立できるかと、このことがやっぱり最終的に大きな問題になってくると思います。  是非ひとつ真摯な御議論をいただきまして、一日も早く日本の国家に欠けた欠落部分の補填をお願い申し上げたいということを申し上げて、私の御報告を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。

小坂憲次自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会

○会長(小坂憲次君) ありがとうございました。  次に、船田参考人にお願いいたします。船田参考人。

船田元前衆議院日本国憲法に関する調査特別委員会理事

○参考人(船田元君) 船田元でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。  本日は、小坂会長からの御要請に基づきまして、憲法改正国民投票法の提出者の一人といたしまして同法の附則に規定されておりますいわゆる三つの宿題につきまして御説明させていただきますが、このような機会を与えていただきましたことは大変光栄なことでございまして、心から感謝を申し上げる次第であります。  時間も限られておりますので、お手元配付のレジュメと幾つかの資料に沿いまして、早速内容に入らせていただきます。  まず、三つの宿題の経緯を御理解いただくために、その法律の成立一年前、平成十八年五月の末に提出されました自民・公明案と民主党案の論点対比表、これは資料一になりますが、A3判でございます、これを御覧をいただきたいと思っております。  まず、一覧表の左右両端に当初提出の両案を掲げております。そこでの主な相違点は、それぞれ、自公原案は水色、それから民主原案が黄色で網掛けしておりますけれども、特に三大論点と言われましたのは、一つは、国民投票の対象として憲法改正国民投票に限定するか、それともそれ以外の一般的国民投票も含めるか、これが一つです。二つ目には、投票権者の範囲を二十歳以上とするか十八歳以上とするか。そして三つ目には、投票用紙の記載方法と国民投票における過半数の判定母数について、マル・バツを記載させた上で有効投票の過半数とするか、あるいはマルのみ記載させた上で投票総数の過半数とするか。やや複雑でございますが、要するに、明確な賛否の意思表示をしない票や無効票などを過半数判定の分母に加えるかどうか。こういう三つの論点でございました。  そのほかの点におきましては、基本的な制度設計を共通にしておりました。といいますのも、憲法調査特別委員会発足後、諸外国の国民投票法制の調査も含めて、与野党を問わずに私ども現場の理事、委員の間には相当共通の認識が形成されていたからだと言っても言い過ぎではないと思います。これが法案の審議を経る中で更に歩み寄りがなされていくことになりました。  その一つの具体的な現れが、平成十八年十二月十四日、その年の最後の委員会での自公案提出者を代表いたします私と民主党案提出者を代表する枝野先生のそれぞれのいわゆる歩み寄り発言でありました。一覧表では、自公修正要綱、民主党修正要綱と記載されている、両端から一つ中に入ったところでございます。  この段階になりますと、二番目の投票権者の範囲については自公側が譲歩をして十八歳とする、三つ目の投票用紙の記載方法と過半数の判定母数については民主党側が自公側に歩み寄るという形で整理をされましたので、残された論点は一番目の国民投票の範囲のみとなっていきました。しかも、残された国民投票の範囲については時間を掛けて検討しようということでほぼ共通認識はできておりましたので、新たに出てきました新聞の無料広告枠あるいはスポットCMの取扱いといったやや技術的な論点を実務者間で解決をすればすぐにでも合意は可能である、そういう状況でございました。  しかしながら、年が明けた平成十九年、この六月には参議院選挙があったわけでございますが、その参議院選挙を前にした与野党間のいわゆる政局に巻き込まれた形で、やむなく民主党の最終的な賛成が得られないままに三月二十七日に自公のみの最終修正案を提出をするということになります。これに対して、民主党側も委員会採決二日前の四月十日になって最終修正案を提出をされております。  自民党の中では、民主が乗ってこないんであれば元々の自公案でいいではないかという強硬な意見もございましたが、中山先生の、現場の信頼関係は大切にするべきだ、特に憲法においてはなおさらであるとの御指導の下で、私どもは、それまで枝野先生始め現場の理事の方々と協議してきた事項については決してほごにすることなく全て修正案に盛り込むことといたしました。その修正案を、自公案、民主党案のいわゆる併合修正案、非常に珍しい形式でありますが、そういう併合修正案にまとめて提出したというのも私どものそんな気持ちの表れだったと記憶をしております。  さて、この両修正案の対比でございますが、この段階になりますと、一つは、唯一残っていた大きな論点である国民投票の対象のほか、二つ目には、十八歳投票権に関する経過措置の規定についての相違点、そして三つ目には、公務員の政治的行為の制限に関する規定の適用の是非に関する相違点、こういったものも登場いたしました。そして、この三つの論点こそが次に御説明申し上げますいわゆる三つの宿題となったものでございます。  以上を踏まえまして、三つの宿題の内容について御説明いたします。  まず、御承知のことと存じますが、基本的なことから確認をさせていただきますと、これらはいずれも憲法改正国民投票法の附則に検討事項として規定されたものであります。  まず一つ目は、附則第三条に定められております十八歳選挙権実現等のための法整備であります。お手元配付の資料二を御覧ください。A4判でございます。  すなわち、憲法改正国民投票法の本則では、憲法改正国民投票の投票権者は十八歳以上とされております。しかし、同じ参政権なのに、国民投票が十八歳以上、国政選挙等の選挙権は二十歳以上というのでは立法政策としての整合性が取れないのではないか、さらには民法などの成年年齢もこれに合わせる必要があるんではないか、そういう観点から、附則第三条第一項におきまして、国は、この法律が施行されるまで、すなわち公布後三年を過ぎる平成二十二年五月十八日までの間に、十八歳選挙権が実現すること等となるよう、公選法や民法その他の法令の規定について検討を加え、必要な法制上の措置を講ずるということを定めたものであります。  ここで御注意いただきたいのは、十八歳選挙権が実現することといったように、少なくともここで明示されている十八歳選挙権の実現は、この法律を制定した国会によって既に意思決定がされた事項であるということです。したがって、この検討事項によって検討に委ねられているのは、一つは、公選法などの年齢引下げが少年法や未成年者喫煙・飲酒防止法などその他の法令のどこまで及ぶべきかということ、二つ目には、公選法などを含めて年齢を引き下げるべきとされた法律について、その改正法施行のための準備期間や環境整備はどの程度必要なのかといった事項でありまして、これが自公案、民主党案、双方の提出者の共通理解となりました。  しかし、この時点で、立法者が引下げの意思を明確にしていた法令の範囲については、実は提出者相互の間で微妙な食い違いもあったやに記憶をしております。  一般的には、法律名が例示として挙がっている公選法と民法、そしてこれに当然随伴する法律と理解されておりますが、しかし、法文においては十八歳選挙権が実現すること等となるようとして、具体的には十八歳選挙権についてだけその方向性を示しておりまして、国民投票の投票権と同じレベルの参政権に関するものだけと理解することも可能だと思います。このいずれかにつきましては私どもはそのときそのときの国会が判定するものと考えており、その条件が成就したときにこの附則第三条の言わばストッパーを改正、削除するということを想定をしたわけでございます。  なお、これらの関係法律の整備法は、附則第三条第一項の規定によって三年間の準備期間の間に成立させなければならないものとされておりますが、法整備が三年以内に行われた場合でも、その施行までには更に一定の周知期間あるいは準備期間を要することが予想されておりましたので、附則第三条第二項におきまして、前項の法制上の措置が講ぜられた後、それらの改正法律が施行されるまでの間は経過的に憲法改正国民投票も二十歳投票権で実施する旨の規定が設けられたところであります。これが経過規定でございます。  現在は、この三年間の準備期間が経過しているにもかかわらず、十八歳選挙権実現のための公選法改正等の整備法が成立していませんから、この附則第三条第二項に定める前項の法制上の措置が講じられという条件自体が達成されておりません。そのため、本条項は字義どおり適用できないという不完全な状況に残念ながら置かれております。このようなことは当時全く考えていなかったことでございました。その意味では、広い意味での立法の不作為があって、それで国民投票法が不安定な状態になっていると申し上げるしかないなというふうに思っております。  なお、この条項による成年年齢引下げのための法令は、多くの省庁の所管法律にまたがるために、法案提出者においては、この整備法案自体は基本的には閣法によって提出されるべきものと想定されておりました。憲法改正国民投票法を所管する憲法審査会においては、そのような内閣による法案提出を監視し督促するものと理解していたところです。これをイメージ図にしたものを資料二の二枚目に添付しておりますので、御参照いただければ有り難いと思います。  二つ目は、附則第十一条の公務員の政治的行為の制限に係る法整備であります。お手元配付のA4判の資料三を御覧いただきたいと思います。  現行の国家公務員法や地方公務員法、裁判所法その他の一般職、特別職の様々な公務員に関する法令の規定では、その政治的行為の制限に関する規定が幅広く設けられ、それぞれの法律によってややばらつきはありますけれども、例えば自分の意見表明はいいけれども他人への投票の勧誘などはできないこととされています。しかし、そのような公務員制度の土台ともいうべき憲法論議の場面においては、公務員といえども一人の国民であり、地位利用を伴うようなものは別としまして、純粋な他人への賛否の勧誘行為などまでは許してもいいのじゃないかというのがこの附則第十一条の規定でございます。すなわち、国民投票に際して行う憲法改正に関する賛否の勧誘を含め、その他の意見の表明が制限されることとならないようというのはその意味でございます。  この条項による法整備は、あくまで憲法改正国民投票に限定したものでありますので、法制的には憲法改正国民投票法の一部改正法という形で立案されることが念頭に置かれています。その意味では、さきの十八歳選挙権実現のための法整備と異なり、この改正法案の立案、審査はこの憲法審査会の所管事項となるものと解されているところです。このことについては、資料三の二ページ目にイメージ図を添付しておきましたので、御参照願いたいと思います。  以上の二つは、先ほど申し上げた三年間の準備期間の間に結論を得て法整備まで済ませるべきものだ、言わば締切りのある宿題だったということでございます。  最後の三つ目の宿題は、このような締切りがない検討事項でございます。すなわち、附則第十二条に規定されている憲法改正以外の国民投票制度の導入の検討であります。お手元配付の資料四を御覧いただきたいと思います。  これは、民主党案では憲法改正以外の一般的な国民投票の導入を最後まで主張されておられたことに配慮したものでありますが、その検討の範囲については少々異なっておりました。  すなわち、民主党の最終修正案では、当初案のように国政上の重要な問題一般を対象とするのではなくて、国政における重要な問題のうち、一つ、憲法改正の対象となり得る問題。ここには、例えば女性天皇問題などは、法律的には皇室典範の改正でも済むんですが、憲法問題ともなり得るものである、こういったものが例示として挙げられます。②として、統治機構に関する問題。これは、国会議員からの発議が必ずしも機能しない可能性があることを想定されたものと推察されます。一院制にするのかしないのかということもこういったところに入ってくると思います。三つ目には、生命倫理に関するような政党政治を超えた国会議員、国民の倫理観、死生観などに関する問題などを例示として掲げた上で、その詳細は国民投票の対象とするにふさわしい問題として別に法律で定めるとされておりました。これが民主党の案でありました。  これに対して、成立した法律の附則第十二条の検討範囲は、一つ、憲法改正を要する問題。つまり、最終的には憲法改正国民投票の対象となるような事項について予備的に民意の動向を探ろうとする場合、これが一つです。そして二つ目には、憲法改正の対象となり得る問題とされております。その見出しが、憲法改正問題についての国民投票制度の検討として、直接の検討対象を憲法改正関連事項に限定しているというのがこの最終の特徴でございます。  いずれにいたしましても、この国民投票の対象範囲の検討は憲法審査会の所管事項と解されています。妥当と判断された場合には、国民投票を改正する形で新たな国民投票の対象が追加されることになると思われます。  以上、憲法改正国民投票法附則に定められました三つの検討事項の経緯とその意味について、大変複雑で恐縮でございましたけれども、法案提出者の一人として想定しておりましたことを御説明を申し上げさせていただきました。  御清聴ありがとうございました。

小坂憲次自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会

○会長(小坂憲次君) ありがとうございました。  以上で参考人の方々からの説明聴取は終了いたしました。  これより参考人に対する質疑に入ります。  本日の質疑は、あらかじめ質疑者を定めずに行います。質疑を希望される委員は、お手元にある氏名標を立ててお知らせください。そして、会長の指名を受けた後に発言をお願いいたします。発言が終わりましたら、氏名標を横にお戻しください。  なお、質疑の時間が限られておりますので、委員の一回の発言は三分以内でお願いをいたします。発言時間の経過につきましては、終了時間になりましたらベルを鳴らしてお知らせをいたします。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、発言を希望される方は氏名標をお立てください。  それでは、井上委員。

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 日本共産党の井上哲士でございます。  最初の御指名とちょっと思っていなかったんであれですが、今日は衆議院の元調査会長の中山参考人にも来ていただきました。ただ、私は、幹事懇談会の場で、当審査会で衆議院の憲法調査会の報告聴取をする必要はないということを主張してまいりました。なぜか。二〇〇七年に参議院で改憲手続法の本会議質疑が行われた際に、自民党の法案提出者が衆議院での審議を踏まえて足らざるところを集中的に審議したらよいという旨の答弁をされました。これに対して各党から、これは参議院軽視だという厳しい抗議の声も上がりまして、議事録削除になったという経過があります。つまり、参議院は独立性、自主性を持った院として独自に議論をするし、衆議院とは違う結論を出す場合もあり得るということであります。  ですから、これまで各種委員会や調査会でも衆議院が作成した報告書について聴取するようなことは行われてこなかったわけでありますし、衆議院が憲法調査会でどのような議論をしてきたかは必要に応じて各党や各議員がそれぞれ自習をしたらよいのであって、参議院の審査会としての報告聴取は、それぞれの院の三分の二以上で改憲の発議をするとする憲法九十六条の趣旨と矛盾をしますし、また二院制の存在意義を脅かしかねないということと感じております。改めてこのことは申し上げておきます。  その上で、船田参考人に二点お聞きいたします。  改憲手続法は、これがないことによって国民の権利が侵害されている、立法不作為だということで成立が強行されました。ただ、その直後の参議院選挙で改憲を掲げた安倍内閣が大敗北を喫しまして、それ以降、四年以上審査会は動かないということがありました。その間、何ら具体的に国民の権利が侵害された、国民が困ったという事実はなかったと私は考えますが、参考人はこの四年余り審査会が動かなかったことによって国民の権利が侵害された事実を具体的に何かあるとお考えか、お願いをしたいと思います。  それからもう一点は、今、衆議院での三つの問題ということで言われましたけれども、実は参議院で一番大きな議論になったのは最低投票率の問題でありました。提案者からは、憲法九十六条には最低投票率は明記してない、これを要件として加えることは憲法にも反するというような答弁がありましたけれども、一方で、憲法に明記されていない憲法発議に関する両院協議会を定めるのはおかしいじゃないかという議論に対して、私はもう一回議事録を読みましたけれども、事実上答弁不能のような形になったと思いますが、この件については今どのようにお考えか。  以上、二点お願いします。

船田元前衆議院日本国憲法に関する調査特別委員会理事

○参考人(船田元君) 井上議員にお答えを申し上げたいと思いますが、まず、この四年間、国民投票法の成立のときに、先ほども説明いたしましたけれども、ある意味で政局に巻き込まれる形で最終的な自公そして民主の間の合意ができなかったというのは今でも大変残念に思っております。  しかしながら、やはり衆議院を通り、そして参議院でも慎重な審議をしていただきまして成立をした国民投票法でございますので、そこに定められた、三年以内に法整備を行うこと、あるいはその三年過ぎたら具体的に憲法改正案を発議するということが可能となる、そういった事態をやはり国会としてきちんとやっていない、そういうことはやっぱり法律的に見ても私は不作為というよりも政治的な責務を果たしていないというふうに考えております。この状態はやはり望ましくないということを改めて申し上げたいと思います。  具体的に、じゃ、その四年余り議論をしてこなかった、あるいは憲法改正がなされなかったことによって具体的に国民の権利が侵害されているのかどうかと、こういうことですが、これはそれぞれお考えがあると思いますが、私は、具体的ではないんですけれども、例えば、先ほど中山参考人からもお話ありましたように、あの大震災の後、政府としてどういう対応ができたのか、これは、それを批判するつもりは全くございませんけれども、仮に非常事態の法制が憲法によって規定されていればもう少し何か別の対応ができたのではないか、これがやっぱり一つ大きな例として挙げられるのではないかなと考えております。  また、最低投票率ということにつきましては、これは衆議院でも参議院でも大変長い時間を掛けて議論がございました。そういう中で、やはり最低投票率を設けるということは、既に発議の段階で国会議員総議員の三分の二以上、そして国民の二分の一の、過半数が賛成をすると、こういう条件に加えての加重な条件であると。これは憲法が想定したものではないと、憲法九十六条が想定した条件に更に加えるということは、これは現憲法を履行している中でそれは越権ではないかということを考えたことが一つ。それから、最低投票率を設けますと、どうしても、投票しない、ボイコット、こういうことが組織的に行われる可能性もございます。  そういったことを排除して、本当に冷静な形で国民の皆さんに議論をしていただき、そして投票していただくためには最低投票率は設けない方が望ましいというのが私どもの意見であり、そしてそのことは国会の中でも議論された結果としてこの最低投票率制度が導入されなかった、こういう意思判断、意思表示をしたものと理解をしております。

小坂憲次自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会

○会長(小坂憲次君) ありがとうございました。  次に、福島みずほ委員。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  まず、船田参考人に質問をいたします。  憲法改正のための国民投票法案は、二〇〇七年、衆議院で強行採決をされました。参議院では十八項目の附帯決議がありますが、衆議院は強行採決をやったために附帯決議についてもありませんでした。私は、当時、慎重審議を求める多くの国民の声があったにもかかわらずこういう強行採決になったことは、本当に残念で、憲法史上やはり汚点だというふうに思っております。  先ほど、中山参考人が社民党の前党首の土井たか子さんの名前を何度か挙げていただきました。できるだけ多元的な、できるだけ多様な意見を反映して議論をするということであれば、慎重審議をやるべきではなかったか、その反省、あるいは問題があったかどうかということについてお聞きをいたします。  次に、中山参考人に是非お願いいたします。  イスラエルに調査に行かれまして、首相公選制は失敗であったということを調査会で聞かれたというふうに聞いております。押し付け憲法論や首相公選制などは既に憲法審査会で決着済みだというふうに考えておりますが、そのことについてお聞かせ願います。  また、緊急事態法についてもきちっと、戦争という場合と天災という場合、あるいは原発などのように政策がある場合で全然違うと思いますし、今回も、緊急事態法があろうがなかろうが、それと震災の復興が遅れたのはそのことではないと思いますが、是非御意見をお聞かせください。  以上です。

船田元前衆議院日本国憲法に関する調査特別委員会理事

○参考人(船田元君) まず、私の方から福島先生にお答えいたしますが、二〇〇七年の四月十二日と記憶しておりますあの衆議院の採決、強行採決というお話でございましたが、私どもとしては強行採決というのはちょっと表現としては厳し過ぎるんじゃないかなということを考えております。  もちろん正常な形は若干逸脱をしていたと思いますけれども、その前の、先ほど申し上げたような衆議院の中での各党の大変長きにわたる、そして真摯な議論、そしてお互いに修正案を出しながら、もう本当に最終の最終で、九割五分ですね、ほぼ合意が得られていたと。ですから、あとはその両方の修正案を併合して、そして国会に提出すれば相当議論が進んだはずなのに、これはもうまさに青天のへきれきということで、今思い出してもこれは本当に残念なんですけれども、最終的には民主党との合意ができなかったということになりました。  しかし、我々は、先ほども申し上げましたように、それまで積み上げたお互いの合意点、それを全部併合修正案の中に盛り込んで、そして提出をさせていただきましたので、その点では私どもはそれまでの真摯なお互いの議論というのを踏まえた修正案であったというふうに今では自負をしておりますので、それを採決をし、正規の手続で衆議院本会議、そして参議院にも送付できたということは、私は良かったなというふうに思っています。  ただ、そういった静かな状況で採決ができなかったという点については非常に今でも残念に思っております。ただ、手続としては瑕疵がなかったというふうに理解をしております。

中山太郎前衆議院憲法調査会会長

○参考人(中山太郎君) イスラエルにおきます投票のシステムでございますが、大統領の候補者になる人の属する政党と、それからそうでない政党に属する方の議員選挙への立候補、こういうときに有権者の中では、大統領は私は好きだから入れるけれども、この人には入れない、ほかの政党の人に入れると、こういうことがイスラエルでは先方から説明がございまして、イスラエルとしては失敗だった、だから日本でやりなさんなというような割に突っ込んだ話合いをいたしたことを御報告しておきます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 押し付け憲法論についても決着済みじゃないかという点については……

小坂憲次自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会

○会長(小坂憲次君) 恐縮に存じますが、またの機会にお願いします。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 答弁が終わってないんですが。

小坂憲次自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会

○会長(小坂憲次君) 失礼しました。中山参考人の答弁がまだあれば。

中山太郎前衆議院憲法調査会会長

○参考人(中山太郎君) 押し付け憲法論ですか。  日本国憲法が押し付けだったかどうかということは、皆さん方もいろんなお考えの方がいらっしゃると思いますけれども、私は、二十一年ですか、二十一年八月二十四日だったと思いますが、衆議院の本会議で、あのときはたしか共産党の野坂参三先生が反対論を打たれました。そして、あとの五人の共産党の先生方も反対投票をされておられます、この平和憲法ということの憲法に対して。なぜ反対投票されたのかということは、自分たちの考え方と違うということはもちろんそうでございましょうけれども、この自分たちが作っていない憲法の条項というものについて同意をしかねるという考え方が多かったと思います。  これは、私も何遍か昭和二十一年のその速記録を読んでみましたけれども、敗戦下で作られたときの、共産党の先生方も含めて本当に激しい議論が行われたと思います。その結果としての姿として出てきたけれども、そのとき全国会議員の投票の中で八人の先生方が反対投票しておられます。その八人のうちの六人が日本共産党の方、あとのお二人は無所属の方でした。  こういう形で現行憲法が制定されたという歴史的な事実を衆議院の議事録で全部調べて、なるほどと思ったんですが、押し付け憲法であったかなかったかということは、私は、率直に申して、押し付け憲法であったと思います。  その理由はなぜかといいますと、ベアテ・シロタ先生、婦人の権利の擁護の運動のために全精力を使っておられた。そして、社会党の土井先生も、ずっとシロタさんと一緒に女性の権利を保護するということでおっしゃっていた。  あの当時、実は憲法を何とかせないかぬという人たちで考えたんですが、一回、マッカーサー司令部で本当に憲法を書いた人が証言するかどうかということが起こったんです。それで、ちょうどシロタさんが日本へいらしたときに、新聞社の方が協力していただいて、その憲法を作ったときの草案を書いた現存者、もう相当時間がたっておりましたから亡くなった方もあったんですが、現存者が五人アメリカにまだ生きていると。そういうことで、議員一人一人が三万円ずつ、政党が出したんじゃありません、一人一人が三万円ずつ出してその五人の方々を日本に招待したんです。それで、憲政記念館で、集まった国会議員の方々もそうでしたけれども、その五人の日本の現在の憲法を英文で書いたという人の話を直接聞いて、これはやっぱり押し付け憲法だという結論になったということだけ、先生、御報告をさせておいていただきたいと思います。

小坂憲次自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会

○会長(小坂憲次君) 船田参考人、手短にお願いいたします。

船田元前衆議院日本国憲法に関する調査特別委員会理事

○参考人(船田元君) 今の点でちょっと補足をさせていただきますが。  憲法特別委員会の前に憲法調査会がずっと長くございました。五年間議論いたしました、衆議院でございましたが。そのときに、この押し付け憲法であったかないかということについても大変長い時間掛けて議論をいたしたわけです。  確かに一連のGHQの関与を押し付けととらえて問題視する意見もありましたけれども、その点ばかりを強調すべきではないとする意見が多く述べられたということでこの調査会の最終報告書にも載っております。ですから、そういう考えもあるということを是非御理解いただきたいと思います。

小坂憲次自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会

○会長(小坂憲次君) ありがとうございました。  次の質問に参ります。魚住委員。

魚住裕一郎公明党

○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。  今日は、両参考人の先生、貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。  中山先生の本当に情熱を傾けた御発言、本当に感銘をしたところでございますが、先ほど強行採決云々という、決して手続的に私も瑕疵はないとは思っているところでございますが、しかし、それをきっかけとして今日まで四年半たつわけでございます。凍結期間三年間というのがありましたわけでございますが、参議院においては特に、この憲法審査会規程が議決されたのが去年の五月でございます。ちょうど四年目のときでございまして、本当に情けないなというふうに思っておりますが、長年憲法の議論をされてこられました中山参考人はどういう御感想をお持ちなのか、お聞きしたいと思います。  それから、船田先生には、この投票権年齢でございますが、現在もし発議されたら、投票年齢は何歳になるんですか。これは私は、十八歳で、本則に戻って十八歳でいいのかなとは思っておりますが、どのようにお考えになっているのか。また、そもそも国民投票権自体が制度化された憲法制定権力を行使するという観点から立つと、他の法律に関係なくこの国民投票に限って十八歳という手もあるのではないのかなというふうに考えております。その点についてお聞かせいただきたい。  あともう一点だけ。予備的国民投票制度でございますけれども、これデメリットも、もしこういう動向で、案件でどうですかといった瞬間、否決された場合、もうそれ以降その点に関して憲法改正は封じ込められることになるのではないのか、もし賛成ならばもう一度やるのかという、そういうふうに動きが出てしまうのではないのかなと思っておりますが、制度設計上、特に留意すべきだというふうに考えておりますが、この点に関して先生の御教示をいただきたいと思います。

中山太郎前衆議院憲法調査会会長

○参考人(中山太郎君) 先生から私に対する御質問で、強行採決についてどう思っているかというお話でございます。  私も、もちろん当初から強行採決はできないという気持ちで、とにかくみんなで話し合ってやっていこうということで、みんなそれぞれ同じ発言時間でやってまいったんですね。それで、船田さんのカウンターパートは枝野さんだったです。それで、あと仙谷先生もおられましたけれども。結局、ちょうどあの日、たしか四月十二日の夕暮れやなかったかと思いますが、枝野さんが、もうこれ以上俺ではできぬと、こういう話が流れてきたわけです。私はそこで、一体これはどうなるのかなということで、ほかの理事さんとも相談をしていたんですね、相談をしていました。そこで現れてこられたのが社会党の先生、私と同業の医者の先生でしたけれども、いきなり私の前のマイクロホンを持って、ばあんと投げられたんですよ。それでもう、一体これはどういうことかと。初めてのことでした、憲法調査会始まって初めてのことでした。  私は、もうそんなお互いに恨みつらみも何にもありません。もうとにかく枝野君でも仙谷さんでも兄弟のようにいろいろな話もしたし、海外の調査も全部一緒に行ってお話もし合ってやってきた仲ですから、そういうようなことは考えもしていないです、双方とも。そこに党の違った方が来られて、いきなりこのマイクロホンをほうられたわけです。  私は、ここで休憩しようかなとも実は思いました、今だから申し上げますけれども。隣の自民党の筆頭の保岡さん、保岡さんはマイクロホンを持って私のところへ、口へ当てて、とにかくここまで議論を尽くしたんだからもうここで採決する以外に方法はないということを保岡さんは非常に強く言われましたけれども、それでも大分辛抱しておりましたが。もうマイクはあっちへ飛んでしまっている、片一方は飛んだマイクをタコつぼを引き揚げるように引き揚げる、そういうことの中で、この憲法の採決は、ここでもしやめたときどうなのか、採決しない場合、果たしていつ採決ができるか、これは一つ問題点として私の頭の中にありました。  もう採決をしなかったらできなかったんではないかと、成立しなかったんじゃないかと。私は、そういう形の中で、怒号の中で、結局、総務大臣の政府の予算の一部を出すということで、その確認を取ってから採決の仕切りをいたしましたけれども、私は本当に残念でした。議会制のルールからいけば、採決はどんな場合でもあります。しかし、五年も掛けて信頼関係を結んできた与野党の間でマイクを投げ合ってやるというようなことは考えてもみなかった。  私は、ここの参議院に憲法の法律案が回ってきて、まず提案理由の趣旨説明から、それに対する質問がございました。私も始めから傍聴席にずっと座って聞いておりました。衆議院であんなことがあったけれども、参議院では円満にやってほしいなという気持ちでいっぱいでしたら、簗瀬先生が私のそばへ来られて、参議院では粛々とやらせてもらう、どうぞ中山さん安心してくれと、こういうお話をいただいたんです。それで、私はありがとうございましたと、こう申し上げて、その採決を見ていました。  長い間政治をやってきた私にとっても、大きな喜びというか悲しみというか、政治の意地の悪さというのか、全く分かりませんけれども、そういうことが実際に起こったんです、実際に起こった。  私は、憲法改正は、私は右翼でも左翼でもありません、はっきり申し上げて、むしろ左の方に近かった男ですけれども、とにかく正しいことを真っすぐ正しくやると。許された法律の手続のものに従って法律論というのは議論していったらいいと。私も弁護士のせがれでしたから法律をよく聞いておりましたけれども、そうであるべきこの立法府においてそういうことが行われたことは本当に残念だったんです。  だから、先生、今でもどう思っているかというお話をしておられますけれども、私はその後の粛々とした参議院の憲法調査会での採決のお姿を拝見して、ありがとうございましたと言って申し上げたのが全てです。それは国のためにありがとうございましたと言ったんです。それだけです。

船田元前衆議院日本国憲法に関する調査特別委員会理事

○参考人(船田元君) 魚住先生に二点お答えをいたしたいと思います。  最初の投票権年齢のことでありますが、私どもとしては、この法律案を作成し、議論しているときには、この準備期間の三年間の間に法整備が行われる、つまり公選法など、民法も含めて、十八歳になるということが、もしそれが法整備されて、そしてその後に三年が経過して、しかしながら施行までの間に一定の時間があるという場合には、そこは二十歳ということで経過措置を設けたわけです。ところが、今先生がおっしゃった、そして現在の状況というのは、この三年間の間に法整備がされていなかったという新たな事態であって、そこからもう三年経過した後、もし憲法改正原案が発議されたときにどうなるかというと、これは様々な議論があると思いますけれども、法整備がされて、そして施行されるまでは二十歳であるというこの条文よりも本則の方が優先されるということで、十八歳で投票になるというふうに解するのが私は妥当ではないかというふうに思っております。  ただ、そうはいっても、これは非常に我々が想定し得なかった新たな事態でございますので様々な議論が残りまして、非常にこの前提が崩れているために不安定な状況にあるということは申し上げておきたいと思っております。これの有権解釈というのは、これはなかなか難しいと思いますけれども、これも是非議論をしていただきたいことであります。  それともう一つ、その憲法改正原案が、発議された案が否決されたときどうなるかということでございますが、常識的に考えますと、衆議院、参議院の構成員が同じである場合に、もう一回それを提出することがどうなのか。これは政治的に見て非常に難しいんではないかというふうに思います。ですから、衆議院、参議院の両方、あるいは一方の構成が変わる、つまり国政選挙がいずれかの形で行われる、その後に改めて新しい原案が発議されるべきものだというふうに政治的には考えております。ただ、これもまだ議論が残るところであります。  以上です。

小坂憲次自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会

○会長(小坂憲次君) 次に、今野委員。

今野東民主党・新緑風会

○今野東君 ありがとうございます。民主党の今野東でございます。  私も衆議院の憲法調査会で一時期委員の一人でおりまして、憲法改正については慎重であるべきという立場でしばしば発言をさせていただいてまいりましたが、今日お伺いしたいのは、他国、ドイツでありますが、ドイツの基本法はしばしば改正されておりまして、六十年で五十七回改正されておりますね。これは改正すべきだという方々はしばしばここのところを取り上げて言うわけですが、しかし、このドイツ基本法は、七十九条の三項で、人間の尊厳あるいは連邦制、民主制、法治国家、社会国家、権力分立というのは改正の対象にしていないというふうに、対象にならないと定めております。これは多くの国民がどれほど民主的な手続を踏んでも、なお憲法の基本原理の改変は許さないという仕組みであります。  我が国も憲法改正の様々な議論をするときに、どの点を基本的な原理として定めるべきかという議論もすべきなのではないかなと常々思っておりましたが、この憲法調査会ではそうした議論はあったのでしょうか。あるいは、そういう議論をすべきだという意見は出ていたのでしょうか。中山参考人あるいは橘部長にお話をいただいても結構でございますが、そこのところをちょっと教えていただきたいと思います。

船田元前衆議院日本国憲法に関する調査特別委員会理事

○参考人(船田元君) 今野議員にお答えいたしますが、確かにドイツ基本法においても改正何回もありましたけれども、変えてはいけない部分というのは多分定められていたやに聞いております、私も聞いております。  この日本国憲法について、ドイツと同じようにやっぱり憲法の基本原則、例えば日本国憲法でいえば、基本的人権尊重、そして国民主権、平和主義、この三つの三原則はこれは手を付けてはいけないという、そういう議論も実は憲法調査会当時ございました。でも、やはり制限は設けるべきではない、憲法の全てにおいてその改正について議論をするのは当然であって、そしてそれが三分の二以上の国会議員の賛成によって発議されてもこれは当然ではないかという議論もありました。この議論については実は結論というようなものは何も出ておりません。ただ、改正の限界があるという御意見も結構ございまして、その点は私どもも理解をする部分も大きいというふうに思っております。ただ、最終的な結論は何も出ていないという状況です。

中山太郎前衆議院憲法調査会会長

○参考人(中山太郎君) 私からも先生の御質問に。  私は、実は湾岸戦争の始まる前に内閣の外務大臣を命ぜられました。そして、その当時、カンボジア紛争というものが、内戦がございましたが、それでパリへカンボジア和平の会議の段取りに行って、その足でワシントンへ行ったんですが、それからしばらくして、半年か一年たってからですかね、イラクのサダム・フセインがいわゆる隣のヨルダンの国境の油の出る穴が自分の領地にあるかないかで争って戦争が起こったわけですね。  そのときに、もういろんな国から要請が来ました、自衛隊出してほしいと。ところが、日本は憲法で自衛官の海外出動は禁止されておりますから、そのとおり私がサウジアラビアの王様に、日本としては自衛隊を派遣するわけにはいきません、そのほかの協力はさせていただくと、こういうことを申し上げてきましたし、ほかの地域でもやはり同じような、自衛隊を出してくれと言っても私は断り続けた。  そして最後に、戦争が終わって停戦協定ができてから、あのペルシャ湾に浮いている機雷がちょうど二百ぐらいございましたか、あそこへ海上自衛隊の掃海艇を出して三十五の機雷を爆破して航行の安全を保障した。なかなか、先生も御存じのように、日本の船乗りの船員組合も行くのには反対でした。だから船も出せなかった。しかし、なぜそうなったかというと、前の戦争のときに徴用された汽船が撃沈されて多くの海員が死んでいる、これが反対理由でございました。  そういう中で、やはり私はこの原点は守っていかなきゃいかぬなと、こういう気持ちで湾岸戦争を通してきたわけですが、ついに自衛隊を派遣することはありませんでした。派遣したのは、戦争が終わってペルシャ湾に機雷が三十五浮いている、航行が非常に危ないということで、もう戦争が終わった後でのいわゆる海上自衛隊の掃海艇部隊を派遣いたしまして、そこで浮遊機雷を爆破したと。それで各国から感謝されましたけれども、実は膨大な戦争協力資金を請求されたという事実がございます。  そういうことを考えましたら、国際社会というのはなかなかきれい事ではいかない。しかし、できないことはできないということをはっきり言わないと相手も信用しない。私はそう思います。  以上です。

小坂憲次自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会

○会長(小坂憲次君) ありがとうございました。  では、次の質問に参ります。片山委員。

片山さつき自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会

○片山さつき君 ありがとうございます。  緊急事態についてですが、フランスでは緊急事態に何十日とかいう日数の制限があって、そういう国もございますが、その辺については何らか議論があって、それはしないということになったのか、あるいはその限定は付けなくともおのずと後に議会が承認するからいいということになったのか、教えていただきたいと思います。  次に、緊急事態が衆議院が解散されている間に起きた場合には、解散した議員の身分を復旧することは恐らくできないので参議院だけがそちらの機能を果たすことになると思うので、それが参議院の二院制である機能の一つかなとは思うんですが、逆に、一院制になった場合、この問題が非常に大きな問題になるんではないのかなと思いまして、そこをお考えになったのかを伺いたいと思います。  それから、首相公選制について反対の意見が多かったと。その中に、議会で多数を形成していない方から首相が選ばれた場合には、これは政党政治の否定になるという御意見があったんですが、逆に、一院制を取って、さらに一院制で多数を形成した派の中から首相が、首相公選が出て、公選首相になり権限が拡大されるということになると、いろいろな民主主義国家の中で行われている牽制作用がほとんど働かないと思うんですよ。つまり、大統領制を取っている国は、フランスでもアメリカでも必ずねじれるわけですね。二院制の国も大体選挙の時期がずれますからねじれますよね。それが一切、首相公選、多数派から首相が出る一院制にすると、全く完璧にノーチェックの、民主主義システムという名の下の独裁ができるんですが、そういう可能性を論じる必要は数年前はなかったと思うんですが、最近そういう御意見の方がいらっしゃるようなので、どのように思われるかということを両先生にいずれも伺いたいと思います。  それから、私は二年間フランスで国立行政学院というところにいたんですが、あそことフランス系の国は、地方の首長と国会議員の兼職が認められております。ただし、大変な中央集権国家でございまして、地方の議会はかなり形骸化しております。つい最近まで知事は官選でございました。ですから、余りやることがないということを前提として兼職が認められていたわけですが、仮に、そうでない場合に兼職を認めるということと、今回の議論の中で一貫して貫かれている地方自治、地方分権の本旨の維持ということは矛盾されるとお考えになるかどうか、いずれも両先生に伺いたいと思います。

中山太郎前衆議院憲法調査会会長

○参考人(中山太郎君) 先生からのお尋ねの件で、イスラエルの資料をたまたま事務局が持ってきておりますので、ちょっとそれを御紹介させていただきたいと思います。

橘幸信衆議院法制局法制企画調整部長

○衆議院法制局参事(橘幸信君) 中山先生からの御指示でございますので、中山先生のお供をしてイスラエルに海外調査に参りましたときのイスラエルにおける首相公選制失敗の原因ということについて簡潔に御報告させていただきます。  大きく、ヒアリングした有識者及び国会議員は次のようなことを申されておりました。  首相公選制が失敗した原因の第一は、議会の選挙制度を変えないまま新たに首相選挙を導入し、有権者が同時に、議会選挙と首相選挙を同時にやるわけですけれども、イスラエルは一院制でございます。有権者が議会選挙で一票、これは自らの身の回りのことをやってくれる議員に入れると。それに対して、首相選挙で一票、これはイスラエル国全体の国益を考えて一票を投ずると。こういうふうに国民が二票を別々の投票行動で行使するということを見誤ったと言われているということであります。そうすると、首相の国会における基盤が非常に弱くなってしまったということであります。  第二の有識者が述べておられた原因は、この制度が大統領制と議院内閣制を混在させたようなものとなった結果、双方の長所が失われてしまった。すなわち、今、議会の基盤が弱くなってしまったと申し上げましたが、そのような議会から、国民の直接選挙によって選出された首相が議会で不信任されるという可能性が非常に高くなってしまったというわけなので、制度設計上、議会選挙との、選挙制度との関係を相当注意しないと首相公選制が強い首相のリーダーシップにならなかったのだということを、中山先生と同行させていただいてイスラエルで学んできたことを、中山先生が先ほどおっしゃられたように報告書にまとめられたということかと存じます。

小坂憲次自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会

○会長(小坂憲次君) ありがとうございます。  参考人にお願い申し上げます。率直な御答弁をいただきまして大変感謝をいたしております。しかしながら、全体的な時間の都合もございます。なるべく要点をおまとめいただいて御発言いただければ幸いでございます。

船田元前衆議院日本国憲法に関する調査特別委員会理事

○参考人(船田元君) 片山議員にお答えをいたします。  四項目のうちの公選のことは今話がございました。その他についてですが、緊急事態について、あるいは非常事態と言ってもいいかもしれませんが、これについては確かに議論としてはいろいろあったと思います。ただ、やはり緊急事態の法制に一度移って、そしてそのままに放置しておきますと、本来やはりこの緊急事態における法制というのは当然副作用が強いと思います。つまり、あるところに権力が集中し過ぎると。集中させることによって緊急事態に対処するということにはなるんですけれども、その事態が終了したときには直ちにその緊急事態法制も終了すると、これは当然のことだと思っておりまして、そういう議論が過去にも何回かあったと思います。何日にするかとか、そういうことはいろんな議論があると思いますが、基本的にはそういう制度設計が必要であると理解しております。  ちなみに、ドイツのナチス・ドイツが出てきたときには、この緊急事態法制をうまく使ってヒトラーがどんどん中央の様々な権限を掌握したと、こういったケースもありますので、それに鑑みても終了をはっきりさせておくということはとても大事だと思います。  それから、二番目の、衆議院が解散になって選挙でまだ選ばれる前の状況で何らかの事態が起こり、そして参議院のいわゆる緊急集会ということで、その一院で措置が認められて、それがそのまま実行されるかどうかということにはいろいろ意見が出ると思います。  ですから、私自身の個人的な考えですが、衆議院につきましては、その解散前の議員が、前議員が引き続きこの緊急事態のときにはもう一度戻るということもあっていいんではないかというふうに考えております。ただ、これは国事行為として天皇陛下がやられたことでございますので、その点はいろんな議論があると思いますが、緊急事態に適切に対応する現実的な方法としてはそれも一つあるんではないかというふうに考えているところであります。これは全く個人的考えであります。  最後に、フランスの例を挙げられました。地方の首長と国会議員が兼務できるという、そういう状況がフランスでは過去にあったと、あるいは現在でもあるのかもしれませんが、そういう事態というのはやはり地方自治の本旨という現在の憲法の条文からしても私は望ましくないというふうに思っております。これも個人的な意見でございます。兼職というのは想定しにくいと私は思っております。  以上です。

小坂憲次自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会

○会長(小坂憲次君) それでは、次の質問者に参ります。西田委員。

西田昌司自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会

○西田昌司君 両参考人の先生方、ありがとうございます。  先ほどの質問の中でも、押し付けであったというような御感想、率直に中山先生からありましたけれども、もう片っ方で、しかし、そうはいってもそればっかり言ってはどうかという船田先生からの意見もあったんですが、しかし私は、どこまでいきましてもこの話はもう一番大事な根本の話でして、憲法のやっぱり正統性の話をするときには当然この話出てくるんだと思うんです。ただ、その中で私がちょっと気になりますのは、そういうふうに押し付けだと言われていたんですけれども、実際にはその占領下終わってからそれを廃棄するなり手続しなかったから有効なんだという話になってくるんで、結局は押しいただき憲法だなというふうに個人的には思っているんですが。  そこで両先生方にお聞きしたいのは、この衆議院の審査の過程で、つまり憲法の問題点は、そういうふうに押し付けとか押しいただきとか言いながら、結局、まあ問題あるという認識は同じなんですけれども、じゃ、どうしていくかという、改憲とかいう話をするとき、必ずこの日本国憲法を土台に話ししているんですね。なぜ明治憲法がその中で考えるときの基になる話として出てこなかったのかと。つまり、本来、国体としての憲法は、むしろ我が国が独立状態であったときに作った憲法を基に考えていかないと法体系も価値観もおかしいんですよね。その話が、ずっと見ていましても、先輩の方々の意見を聞いていましてもほとんど出てきたためしがないように思うんで、そういうことがなかったのかどうかということ、また、なぜなかったのかということをお聞かせいただきたいと思うんです。  それと、それに関連して、私がもう一つ疑問に思っていますのは、要するに、憲法が二十二年にできましたが、二十五年に警察予備隊が発足しましたから、事実上この憲法の一番大きな柱である九条が無効と申しましょうか、憲法自体のそこで本来の無効状態が出ているわけですよね。それを様々な解釈論でこれは合憲だというふうにしていますけれども、この憲法の一番の性質は、まさに占領時代だから二十二年に押し付けられてできたと、そしてまた二十五年に警察予備隊令もできて、事実上この憲法自体の体系がおかしなことになっておる。だから、そのことを改正してこなかったこと自体が、またそのことの議論をしなかったこと自体が実は最大の問題だと思っているんですが、その辺のところの御見解をお聞かせいただきたいと思います。

船田元前衆議院日本国憲法に関する調査特別委員会理事

○参考人(船田元君) 西田委員、大変高邁な御質問をいただきましてありがとうございます。  押し付けであるかないかということは、さっき申し上げましたように、衆議院の憲法調査会におきましては、確かに押し付けであるという議論もありました。そうでないという議論もありました。また、多数の意見としては、押し付けであるかないかについては余り議論するというか、そればっかりを議論してもしようがないじゃないかと、こういった雰囲気が衆議院段階ではあったというふうに理解をしております。それが先ほどの文書の紹介でございました。  もう一つは、更に突っ込んで、じゃ、憲法改正というときに、現行憲法をベースとして、その修正ということでやっていくのか、それとも新憲法を制定するんだということでやっていくのかということについても、これは衆議院段階で相当議論はやらせていただいたように記憶をしております。  ただ、これもやはり現実論としては、現行憲法を全部破棄して、そして新憲法制定にするというのは、それはやはり少しやり過ぎではないかと。現憲法が、もちろん、押し付けだったかなかったか、押し付けであったかもしれないけれども、やはり有効にその後機能しているという状況を、現状を見てみると、やっぱりそれの修正によって新憲法に近い形を取るというのが現実路線としてはいいのではないかという意見がかなり多かったというふうに理解をしております。

中山太郎前衆議院憲法調査会会長

○参考人(中山太郎君) 先ほど少し申しましたことに重なるかも分かりませんが、生き残りの憲法を書いたというアメリカ人を見付けまして、それで議員がみんな三万円ずつ出して旅費だけ出そうというて呼んで、その人たちが憲政記念館で、占領時に自分たちが書いたということを証言したわけですよ。それでこういう一つの考え方が固まったということになりますね。  もっと原則的なことを考えている人は、占領中にできた憲法なんというのは占領が終わったら改正するのが当たり前だと、こういうお考えが一つあると思います。  だから、なかなかこの問題は複雑で、その当時からもう五十年以上もたって、なかなかこれ、変えようと思えばもうあとは日本人の手で自分で変える以外には方法ありませんわ、人に頼むわけにもいかないから。  そういうことで、こうして議論を広げていくことが私は新しい国づくりには必要なんじゃないかと。だから、昔のことも振り返りながら、新しい国を目指してどうするかということを考えたらいいんじゃないのかと、単純に考えておるかも分かりませんけれども。  私は本当に、今度、震災であの福島の人たちがやられたときに、一体官邸は何しておったのかいなということを率直に思いました。本当にばらばらばらばらで動いておって、マニュアルのない動きをやっているわけですから。そういう意味を込めて、国家の非常事態があったときに、どの政党、あるいはどの政党じゃなしに院がどうするかということも非常に大事だし、あるいは自衛隊が勝手に動いたりせぬように抑えているわけですから。  そういう意味では、私は議論百出してもいいと思います。

小坂憲次自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会

○会長(小坂憲次君) ありがとうございました。  恐縮でございますが、時間の都合もございます、これ以上質問者をお受けすることできません。二回目の質問の方には次回、またの機会にお願いしたいと思いまして、現在登録をいただいております山谷さん、佐藤さん、松野さん、有村さん、鈴木さん、舛添さん、森田さん、以上の委員の皆さんには、できる限り時間内に消化できるよう努めますが、時間を余り大きくオーバーするようでありますと時間がなくなることも御了承いただきたいと思います。参考人には、三時以降、若干の時間の余裕をいただいておりますので、引き続き質問を続けさせていただきます。  山谷委員。

山谷えり子自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会

○山谷えり子君 中山先生、船田先生、ありがとうございました。  強行採決をしたわけではなくて、強硬に採決を拒否されたというような状況も教えていただきました。  それから、中山先生におかれましては、時代と憲法が合わなくなっているんではないか、特に緊急事態法の条項を憲法に書くべきではないかというような御提言もいただきまして、深く共感するところでございます。  船田先生は、三つの宿題のうちの国民投票十八歳以上という、関連法案が整備できない場合は二十歳にしておくという附則ではなくて、三条の方の十八歳というのが適用されるのではないかというような御意見のように思いましたけれども。中山先生の書かれたこの「未来の日本を創るのは君だ」を読ませていただいたんですが、この年齢条項の見直しに関する検討委員会、平成十九年に役所が出したものを読みますと、十七省庁、法律にして百九十一本、あるいは府省令にして三百八省令あると。これを一つ一つ改正していったら一体、もう本当、何十年掛かるか分からないというような状況にあります。船田さんは多分、公職選挙法と民法を変えればいいのではないかというような認識であの枝野さんとのやり取りを行われたんだろうというふうに思うんですが。  今回、二月に野田政権がこの年齢条項の見直しに関する検討委員会を設置するようにと言われた。その日に、藤村官房長官は慎重に検討していくべきだと、あるいは民主党の輿石幹事長はそう簡単に結論は出ないでしょうというふうなことをおっしゃられまして、これ私は先送りのための方便に使ってはいけないというふうに思うんですね。  国民投票法については、ここのところだけ十八歳にするという考え方もあり得るわけだし、それから関連法案を整備するまでは経過措置として二十歳にしておくということも考えられるわけで、いずれにしても、最終的には国会で、どの範囲の法改正を行うかというのは国会が決めればいいんだと思うんですね。ですから、ここで憲法のいろいろな発議を、まあ固めることができた場合はですね、この宿題が片付かないから発議できないんだという考えはそうではないんではないかと私は考えているんですが、その辺はいかがお考えでしょうか。

船田元前衆議院日本国憲法に関する調査特別委員会理事

○参考人(船田元君) 山谷議員の御質問、そのとおりだと思っております。  私と枝野氏あるいは公明党の赤松あるいは斉藤鉄夫先生等と話をしておりましたときには、やはり、これは同じ投票行動でありながら、片や十八歳以上、片や二十歳以上という状態が生じますと、やっぱり選挙人名簿、投票権者の名簿を別々に作るということにもなりますし、それからその時期が非常に迫っている場合には、このときは十八歳から二十歳の間の青年が、これは行ける、これは行けないということで大混乱をする危険性がございます。そういうことですので、やはりそこは最低限、公職選挙法の改正をやっていただいて二十歳を十八にしていただくというのが、これがもう最低限の私はハードルだと思っております。  あとは、確かに十八から二十歳の間の人が仮にいわゆる選挙違反のようなことを犯した場合に、これはやはり刑法などで二十歳以上と二十歳以下ということで、あるいは少年法との関係で同じ犯罪を犯してもその差が出てしまうと、こういうことにもなりかねませんので、そういった点での整合性を取るために、まず民法において成年年齢を十八歳にするということをやるのは望ましいことだと思います。  ただ、それに非常にこだわり過ぎて、そのためにこの法整備がされないのでこの経過措置の二十歳という状況がずっと延びてしまうというのは、私はこの法律の求めるところではない、望むところではないと考えておりますので、もう最低限はこの公職選挙法を変えていただくと、これがなされれば私はまあ大体はいいんじゃないかという考えであります。

小坂憲次自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会

○会長(小坂憲次君) それでは、次の質問に参ります。よろしいですか。  佐藤委員。

佐藤正久自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会

○佐藤正久君 中山参考人、そして船田参考人、どうもありがとうございます。  非常事態規定と集団自衛権についてお伺いしたいと思います。  実は私、まさに福島県の出身で、今回の震災についてはいろいろ思うこともございます。今回、憲法に非常事態規定がないがゆえに、実際、基本の今ある法律の立て付けが悪い、あるいは、それがあってもうまくその法律を使えていない部分があるというふうに私は認識しておりまして、これは絶対作るべきだと思っています。  例えば、緊急対処事態というものがあります、緊急事態対処法。その中には、敵のミサイルとか航空攻撃によって原発がやられてしまったという、それに基づいて国民保護法制というものがあって、その中に百五条以下、まさに今回福島で起きたようなことを全部やることは全部書いてはあるんですよ。ところが、それは、原発は今回自然災害という部分が起因のためにこの国民保護法制が使えなかったと。これが使えていたらまた全然結果は違っていたと思います。  また、災害対策基本法の百五条に災害緊急事態というものがあります。私も予算委員会で、一番最初の参議院の予算委員会で、これは政府は災害緊急事態を法に基づいて公布すべきだと。場合によってはこの国会を一週間でも二週間でも休会にして、それで政令をどんどん出して平時の法律を上書きすべきだという質問をしたんですけれども、政府の答弁は、個人の権利を抑えるようなそんな大げさなことはできませんというのが今回の答弁でした。  まさに、今回のような、東日本大震災のような事態を超える災害事態というのは本当にあるのかと。私はなかなか想定しにくいと思います。だったら、災害対策基本法の百五条に規定している災害緊急事態は何だというふうな議論になってしまう。これは、憲法に緊急事態規定がやっぱりないために、その議論がなされないために中途半端な各法が、それぞれ法律ができているというところがあると思うんです。これについての御意見をお伺いしたい。  もう一つ、集団的自衛権については、これは保有すれども行使せずという状態だと思っています。これによって安保条約や米軍、在日米軍、もういろんな面でそれに影響が出ているというふうに思います。建前は、安保条約ができた後、占領軍とか進駐軍が、駐留軍という形ですけれども、でも実態的には、集団的自衛権がないために、地位協定を含めて、沖縄の方はやっぱり占領軍、駐留軍ではなくて占領軍という部分もあると思うんですよね。これが、集団的自衛権をもしも我々がこれ使えるというふうになった場合、まさに沖縄を含めて在日米軍再編やあるいは地位協定等にどういう影響を及ぼすかと、個人的な考えで結構ですので、お聞かせ願いたいと思います。

船田元前衆議院日本国憲法に関する調査特別委員会理事

○参考人(船田元君) 佐藤議員にお答えいたします。  まず、非常事態の法制の考え方ということですが、私もやはり、先生御指摘のように、片や安全保障上の緊急事態、つまり有事という事態、これにどう対応するかということがあると思います。これは、そのうちの相当なものについては現在ある国民保護法で発動できる部分がございます。しかし一方では、やはり緊急事態としてはこの東日本大震災のような大規模な自然災害というのが一方であるわけですが、これについてはやはり国民保護法の発動要件としては入っていないという状況なので、これは大変バランスが取れていない状態である、立て付けが悪いという状況はおっしゃるとおりだと思っております。  やはり、こういう状態が出るのは、緊急事態についてどう対応していくかという根本の原理がやはり憲法に書かれていないというところから始まっている。いわゆる各法によっていろいろと整備はしても、その大本のベースがないために、その各法同士がぶつかり合ったり縄張争いをしたりという事態が生じる可能性がございます。ですから、大本のベースになる緊急事態のその取決めをまず憲法の中で書いて、その下で各法がそれぞれ存在しているという形が望ましいと私も考えております。  それから、もう一つは集団的自衛権でありますが、これは衆議院での憲法調査会でもいろいろと長い間議論をいたしました。  そして、最終報告の中に、先ほども中山参考人から説明申し上げましたように、大きく三つに分かれたということであります。一つは、限定なしの、つまりフルサイズの集団自衛を認めてもいいんではないかというのが一つ、それから二つ目には、やはり集団自衛は認めるけれども、それにはおのずから限定が伴う、そして三つ目は、そもそも認めるべきではない、このように三分されました。けれども、実はその三分の二というこの憲法発議要件というのを考えますと、今言ったような三分されているんであれば、これを議論をうまくやっていけば、その集団的自衛権については何らかの形で認めてもいいのではないかというのが多数意見になるという、そういう状況があると思います。ですから、そういうものに沿って集団自衛権については議論を大いにやっていただきたいというのが私の考えであります。  もちろん私自身はフルサイズの集団自衛権はどうかなというふうに考えておりまして、限定的な集団的自衛権。この間、前に安倍内閣当時、四つの問題ということで提起をされましたけれども、あそこはなかなか非常に限定的な問題ですので難しいのですが、ああいうものを一つの突破口として議論していくことによって限定的な集団的自衛権というものが考えられるのではないかというふうに思います。個人的な意見です。

小坂憲次自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会

○会長(小坂憲次君) ありがとうございました。  次に、松野委員。

松野信夫民主党・新緑風会

○松野信夫君 民主党の松野信夫です。  今日はお二人の参考人、ありがとうございました。私からは船田参考人に二問、御質問をお願いしたいと思います。  一点目は、この憲法国民投票法の採決、強行採決ではないという御説明ではあったんですが、私はかなり強弁だなというふうに受け取っております。先ほど、中山参考人の採決当日のお話もいろいろありました。怒号が飛び交ったりかなり激烈な様子もお伺いいたしまして、これはやっぱり強行採決と言わざるを得ないことではないか。だからこそ当時の野党の方も反発をして、結果として四年ぐらい憲法審査会が発足できなかったと、こういうこともありますので、私はやっぱりこの憲法の問題というのは、あくまで冷静に、本当に多くの合意を一つ一つ積み重ねていくということをやっぱり目指すべきであって、いやしくも、強行か強行的か表現はさておき、そういうような事態にならないように今後ともすべきではないかと思いますが、これについての御意見をいただければと。  それから二点目は、三つの宿題のうちの公務員の政治的行為の制限に係る法整備の件です。これについては、憲法改正に関して公務員が賛否の勧誘とか意見の表明が制限されることのないようにということで、その部分、政治活動ができるような仕組みが提案されているわけですが、そうすると現在の公務員の政治的活動の制限とちょっとバランスが悪くなるのではないかというふうに思っております。  私は、個人的な意見として、公務員が時間外、例えば日曜、祭日に政治活動するということは、特段その地位の利用とかいうようなことがない限りは、これは許されてしかるべきではないかというふうに思っております。それとのバランスで、国民投票だけ公務員の活動が広がるというのではなく、ほかのところもバランスよく考えていかないといけないんじゃないかと思っているんですが、この点について御意見を。

船田元前衆議院日本国憲法に関する調査特別委員会理事

○参考人(船田元君) 松野議員にお答えいたします。  先ほど来話出ておりますように、衆議院の委員会での強行ぎみの採決ということで、いろんな表現があるわけでございますが、この点については本当に立法者として民主党、公明党を始め各政党の皆さんと非常に穏やかな、そして本当に真摯な議論をして、お互いに修正案もほぼ、八割、九割、九割五分と言ってもいいと思いますが、合意をした、そういう状況がありましたので、ここは採決をさせていただきたい、そういう大変強い気持ちがございました。これは事実でございます。そのために強行的になってしまったということは大変残念でありますけれども、その採決自体の状況だけで判断されないで、やっぱりその手前の、いろんな議論をしてきた、非常に建設的にお互いに議論してきたという、そういう状況も加味して御判断をいただけると有り難いと思っております。  なお、衆議院のその後の本会議での採決、それから参議院においての委員会の採決、これは本当に粛々と採決をしていただきまして、この点は本当に感謝をしているわけでございますが、ちなみに参議院の委員会での採決のときに、これは民主党さんが中心でございましたけれども、十八の附帯決議を付けていただきました。その一つ一つもやはり宿題になり得るものでございますので、こういう附帯決議をいただいて、そして議論ができたということは、私は非常に有り難かったわけであります。ですから、トータルのものとして、是非衆議院の採決だけを取り上げないようにお願いをしたいなというのが正直なところであります。  それから、三つの宿題のうちの公務員の政治的行為の問題でありますが、これは今、松野議員のお話も一理あると思っておりますけれども、やはりいわゆる一般的な政治活動、とりわけ公の選挙ですね、つまり公職の人を選ぶというような、あるいは政党を選ぶというような選挙にかかわる政治活動というのは、やっぱりこれは公務員においては慎むべきではないかということを考えております。  それに対して、憲法改正国民投票法に関する運動というのは、これは特定の人あるいは特定の政党ではなくて、政策を選ぶということでございますので、そこには当然、公務員の政治的活動に若干の食い違いというか差があっても、私はそれはしかるべきだというふうに思っております。  ただ、現状において、国家公務員と地方公務員の、例えば勧誘してもよいかどうかという点については、国家公務員は勧誘行動が許されて、そして地方公務員の場合にはこれは許されない、こういうふうに解されておりますので、そういう現状での違いがありますので、そこの整合性は取る必要があるというふうに思っております。

小坂憲次自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会

○会長(小坂憲次君) 次に、鈴木委員。

鈴木寛民主党・新緑風会

○鈴木寛君 今日は、両先生、本当にありがとうございます。  私は、中山参考人に御質問を申し上げたいと思います。  中山先生は様々な意味で我が国の憲政、特に憲法議論において大変大事なお役割を果たしていただいたその立場から御意見を伺いたいわけでありますが、私の質問は、結局、今日の議論も聞きまして、つまるところ、我が国にいかに健全で成熟した、また充実した憲法制定権力をつくっていくのかということだと思います。そのために何をしたらいいのかということについて中山参考人から、そのことに恐らく大変に、常にそのことをお心に留められ、そしてそのことに御尽力、御努力をいただいた先輩の先生として伺いたいと思います。  我が国の国会も、私も超党派のいろいろなことをやらせていただいていますけれども、本当に与野党の真摯な議論が、八割、九割ということが今日出てまいりましたけれども、ほぼいろいろな案件についてそうした御努力は与野党共になされてきていると思います。しかしながら、なかなかその部分が世の中に伝わらず、差異ばかりが強調されるある種のステレオタイプ型のマスメディア報道という中で、実は国会に対する、政治に対する不信というものも募り、そしてその結果、私が望む健全な憲法制定権力の確立ということから見ますと、悪循環が起こっているという危機感を今私は抱いております。この憲法制定権力の中には当然、解釈あるいは運用といったことも含むわけでありまして、まさに日本がいかによき憲政というものを実現をしていくのかという点で、この問題をどう乗り越えていくのかということだと思います。  そのために、私は、この人々との間の真摯な議論、これは熟議というふうなことを言っていますけれども、あるいはそのためのいろいろな熟議のチャンスや環境、こうしたことを地道に積み重ねていくということをやってまいりたいと思っておりますが、加えて、これをまさに一番御尽力、御苦労をいただいてきた先生から私どもにいろいろな御指導と御鞭撻をちょうだいできればと思います。よろしくお願い申し上げます。

中山太郎前衆議院憲法調査会会長

○参考人(中山太郎君) 御指名いただいてありがとうございました。  私ももう十年以上、もっとになりますか、この憲法問題で微力ですが一生懸命やってきたつもりでおります。ただ、私がここで、なぜこれに考え方を決めたかといいますと、実は外務大臣をやっておりましたときに、湾岸戦争が起こる直前でした。そして、イラクのサダム・フセインが大軍を率いて隣のクウェートに一夜のうちに入り込んだ。そして、とにかく町じゅうはもう阿鼻叫喚。  そういう中で、ちょうど海部総理が、もうこんな重大なときは総理大臣は日本におってもらわないと困るということを外務省の幹部たちが言うものですから、総理に国内におっていただきたい、必要な手をそのときは決断してほしいということで、私はそのままサウジアラビアからオマーンからエジプトからみんな回ったんです。それで、回って話を聞いてみて、みんな求めているものは、サダム・フセインの武力に対する非力なんですね、自分たちの、とんでもない力を持った男が現れたということで。それで、ムバラク・エジプト大統領なんかは、戦車を紅海から向かい側のサウジアラビアの半島に移すのに船がない、だから日本の船を出してくれぬかと、こんなことをムバラクさんは言っておりましたが。また、ほかの、アメリカのベーカーなんかは、どうして日本は船出さないんだと、こういうことでしたけれども。  私は船員組合に、船主協会に電話して、どうしてこれ船は出せないのかと言ったら、船員の中に、前の世界大戦の、日本の戦争のときにたくさん死んでいるんだそうです、魚雷攻撃を受けて。それでもう船員組合は戦地に組合員を送りたくないというのは基本の考え方なんですね。それで、飛行機は飛行機で日本航空と全日空に頼んでもパイロットの組合が決議して飛ばないと、こうなったんです。その中で組合を抜けた人が一人おって、俺が操縦していくと、こう言ったんです。そうしたら、今度は整備員組合が反対決議して、飛行機というのはパイロットだけで飛ばないんですね、整備員が付かないと。  そういうことで、いよいよ日本というものが国際協力ができないという問題になってきている。そこで、アメリカのベーカー長官が私に電話してきまして、あなたのところの都合も分かっておるけれども、今偵察衛星で見たら、ペルシャ湾、あそこら辺走っておるのは全部日本のオイルタンカーや、油は積みに行くけれども戦争に行かぬという、これは何としても国際的な国連決議があった以上は協力してほしいというような希望でした。しかし、結局は出なかったと思います。  だから、私が今一番心配していますのは、今回の福島の大地震のときのいわゆる国家の混乱ですね。もうボランティアはボランティアでだっと集まると。しかし、国の中枢の総司令官のところにしかるべき法律と人たちがいなかった。これはもう、このごろ新聞を見たら毎日官邸のその状況を書いていますけれども、私は、菅さんが悪いとかそんなことじゃなしに、やっぱり国会が、国家が危険になったときは官邸にいる日本の総理大臣は何をするべきかということを法律で決めておいてやらないと、とんでもないまたことが起こると思うんですよ。これ、日本の場合はまだ東南海地震、南海地震が起こり得ることを学者、専門家は盛んに言っていますわね。これ来たときにやっぱり同じことが起こるんじゃないかと思う。  だから、私は大阪ですから、阪神・淡路の大震災のときに、あのとき高速道路で神戸へ助けに行こうとした人の、運転手、警察官、どう行ったかというと、自衛隊の車は高速道路を走らさなかったんですよ。つまり、自衛隊は下しか走れなかった。警察は上を走ったんです。つまり、国家としての、緊急事態に対する国家の取組方が法律でギャランティーされていないんです。これを何とかやっぱり国会議員に籍を置いていらっしゃる先生方も含めてみんなで考えて、どうしたら、俺の家に地震が起こったときにどうやって助かるかと、そこのところがやっぱり私は原点であろうと思っております。だから何にも、菅さんが悪いじゃない、さあ枝野さん悪いじゃないんだ。結局、基本の法律がなかったんですよ、私から見ていると。  私は、ちょうど北朝鮮のノドンのミサイルを飛ばされたときにアメリカへ行って、日本の偵察衛星を上げる交渉に行ったんです。そうすると、外務省の孫崎という情報局長は、それはもうアメリカは絶対認めないと、こう言っていましたけれどもね。私はアメリカへ行って国防長官に、いろいろ話やって、それで大統領令で出す特別な機密もその探査機も出すというところまで話しした後、どこへ行ったかというと、帰ってから半日おって韓国へ行ったんですよ。韓国の国防大臣に、こういうことになったけれども、情報が日本からあなたのところへも届くようにしますと。お互いにみんな平和を守っていかないとつまらない、こういうことだったと思うんです。  だから、是非先生方に、この地震の問題を特別にやっぱり議会で人を集めて決めていただかないと、本当にこれから起こる災害の人たちの運命というものはそれによって決まるだろうと思っております。  よろしくお願いします。

小坂憲次自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会

○会長(小坂憲次君) ありがとうございました。  それでは次に、舛添委員。

舛添要一新党改革

○舛添要一君 ありがとうございます。  今日は両参考人、本当にありがとうございます。共に憲法問題を考えてきた同志として、実は私は今非常に残念な状況にあると思っていますのは、この手続法はあくまで手続法です。それで、憲法九十六条に改正手続が書いてある以上は手続法を作るべきであって、護憲派であればあるほどきちんとやらないといけない。その上で憲法改正するかどうかはまた別の話です。  苦労して参議院のこの調査特別委員会では十八項目の附帯決議を付けました。その十五番目に、憲法審査会においては、いわゆる凍結期間である三年間は、憲法調査会報告書で指摘された課題等について十分な調査を行うことということがあるんですけれども、私は、何度もこの憲法審査会を早く開けと言ってきたにもかかわらず、それをサボってきた人たちは私は立法府のメンバーとして極めて問題があると、猛省すべきであるということを申し上げます。  その上で、実はこの手続法はできたんだけど、本来は憲法改正を議論しないといけない。残念ながら、この手続法ができたら憲法改正そのものの議論が少し、憲法審査会が開かれなかったこともあるんですけれども、低調になってきたんじゃないかなと。ですから、憲法改正に反対する方は手続法に難癖付けて反対すれば、それで入口が閉ざされてしまう。そうじゃなくて、今、中山先生がおっしゃったような様々な問題点、安全保障もそうですし、緊急事態法もそうですし、例えば違憲立法審査権どうするんですかと、細かいことについて言えば。こういうことについての議論が非常に低調になっていることは極めて残念だと思いますが、この点どう思われますかということとともに、この法律の手続法の審査の前には、各党が憲法改正案を出したり、新聞社が出したり、この憲法審査会にサボタージュした民主党の代表で総理大臣まで務められた鳩山由紀夫さんというのは憲法改正試案というのを作って本まで出されているんですね。  ですから、我々はもう一度原点に返って、護憲、改憲、どうでもいいですけど、憲法についてどう思うかということを各党、各立法府のメンバーがきちんとやるべきだというふうに思っていますので、何か先ほど中山参考人が政治は意地悪でみたいなことをおっしゃいましたけれども、まさにこの手続法ができたので逆説的に憲法改正議論が低調になったような気がしてなりません。  そのことに関する御両人の御所見をお願いしたいと思います。  以上です。

小坂憲次自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会

○会長(小坂憲次君) それでは、両参考人、時間も経過しておりますので、手短によろしくお願いいたします。

中山太郎前衆議院憲法調査会会長

○参考人(中山太郎君) 舛添先生からお尋ねの件は、私はもう結論は一つだと思うんです。結論は一つ。各党のいわゆるこの問題に関心を持っておられる世話人を党で決めていただいて、その人方がどうしたらこういうふうな事態を防ぐことができるかというような協議をする舞台というのがあれば、そこからがスタートじゃないかと思っておりまして、是非その点、各党の先生方、お話合いをお願いしたいと思いますね。

船田元前衆議院日本国憲法に関する調査特別委員会理事

○参考人(船田元君) 私も中山参考人と同様の考えでありますが、やっぱりこの手続法の議論がこの数年ありましたために、何か本論である憲法改正そのものの議論が非常に低調になってしまったというのは大変残念でありますし、本意ではございません。  ですから、やはりこの手続法については三つの宿題と言われたものについてできるだけ早く結論をいただいて、実際に憲法の原案の中身の議論を是非衆参の審査会で開始していただきたいと心から願っております。

小坂憲次自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会

○会長(小坂憲次君) ありがとうございました。  それでは、最後の質問者になります。森田委員。

森田高国民新党総務大臣政務官

○森田高君 国民新党の森田でございます。  中山先生、船田先生、本日は誠にありがとうございました。また、お疲れさまでした。  時間が超過しておりますので、一問だけということにさせていただきたいと思いますが、今、毎日のように与野党で選挙制度の議論をされております。現行憲法を読めば、衆議院で二倍超、参議院では五倍超の選挙区の一票格差の差ということが出ておりますので、違憲状態、それをしないのは立法府の不作為と最高裁判所に言われても仕方ないのかなというふうに思いますが、都市部と地方の関係、そして我が国のこれからの発展の可能性というものを考えていくと、人口を唯一一つの物差しとして、それをメルクマールにしてそれにこだわり続けて本当にいいのだろうかという疑念もまたあり得ます。そのことに関して、憲法でこれからどういう措置を行うべきかということをどういうふうにお考えになっていらっしゃるかというふうに伺いたいと思うんですが。  もう御承知のとおり、今の都市部と地方の人口の差異というものは明治以降の人口の大移動によってもたらされております。そして今、高齢過疎というものが地方で進んでいることもまた事実であります。要するに、都市部の人口も元々は地方の人口というものをルーツにしておりますし、電源供給、食料、これは地方が荒廃しては一切都市部の未来もないということになりますので、何か憲法上の措置というものが私は必要であるように思っておりますが、御両名から、もしよければ御意見賜りたいと思います。

中山太郎前衆議院憲法調査会会長

○参考人(中山太郎君) 私は大阪でございますけれども、老人たちは町の中心に向かって帰ってきていますね。それはなぜかというと、マンションがたくさんできたし、食事はどこでも食べられるし、どこへ行くのも電車があると。便利なんですね、生活の条件が。郡部へ行きますと、なかなかもう遠いですわね。そこいらのところと医療施設が都市の方が充実していると、私はそう見ています。大阪でも北の方にいい施設があります。  そういう意味で、みんなで、やっぱりどうしたら老人も郊外で暮らせるというような形になっていくものか、やっぱりこれから都市計画の中で考えるべきだろうと思うんですけどね。

船田元前衆議院日本国憲法に関する調査特別委員会理事

○参考人(船田元君) 森田議員の御質問ですが、現状においてはやはり人口によって選挙区が分けられ、そしてそれが人口の移動によって二倍を超えたり、あるいは五倍を超えたり、これが違憲状態と、こういうことになるわけでありますが、やはり当然衆議院の憲法調査会の中でも、数は多くなかったんですが、いろんな議論は出たことを記憶しております。それは、例えば面積の要件はどうなんだろうか、それから、ほかにまだいろいろ、人口以外の要件というのも出されたことがあります。ただ、もちろんその明確な結論が出たわけじゃございません。  また一方では、人口を基にするのであれば、やっぱりその選挙制度の抜本改革によって、それで一票の格差というものをできるだけなくしていくということも当然これは避けて通れないことだと思いますので、今後、憲法に定められた一票の平等ですね、法の下の平等、これを実現させるためには、あらゆる努力を各政党できちんとやっていくべきだというふうに思っております。

小坂憲次自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会

○会長(小坂憲次君) ありがとうございました。  まだ質問の御希望もあるかとは存じますが、予定の時間も過ぎておりますので、以上で参考人に対する質疑を終了いたします。  この際、一言申し上げます。  本日は、中山参考人、船田参考人には、貴重な、また率直な御意見を賜りました。また、御説明をいただきましたこと、誠にありがとうございました。審査会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。(拍手)  本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時十六分散会

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