議院運営委員会 第24号
- 発言数
- 71 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2012/08/01
会議録
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから議院運営委員会を開会いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 原子力規制委員会委員長の任命同意に関する件のため、本日の委員会に参考人として原子力規制委員会委員長候補者・一般財団法人高度情報科学技術研究機構顧問田中俊一君の出席を求め、所信を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) 次に、原子力規制委員会委員長の任命同意に関する件を議題といたします。 候補者から所信を聴取いたします。 田中俊一君にお願いいたします。田中俊一君。
○参考人(田中俊一君) 田中でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 この度、私が原子力規制委員会委員長をお引き受けする決心をしたのは、東京電力福島原子力発電所事故以来、福島の多くの方々と触れ合う中で、皆さんの現状と苦悩に直面したからです。 福島の皆さんが一日でも早く安心して生活できる環境を回復することが大事であると信じ、昨年来、除染の現場などで微力を尽くしてまいりました。原子力にかかわってきた個人として、なぜこのような事故を起こしてしまったのかという思いと、福島の皆さんに申し訳ないという思いがいつも交錯していました。 そうした中で、この度、原子力規制委員会委員長の打診をいただきました。正直なところ、大変悩みました。しかし、福島の皆さんのお顔を思い出し、国民が納得できる原子力安全規制に取り組むことは日本のためである、立地地域のため、そこで暮らす人々のために身を投げ出すべきではないかという思いに至りました。そして、決心をした次第であります。 私は、旧日本原子力研究所において放射線物理や放射線遮蔽の研究に長く携わってまいりました。東海研究所では、副所長、所長として研究経営の立場から、多種多様な原子力施設の建設から運転管理、人材の育成など、安全確保に係る業務を指導してまいりました。 この難局にあって、新たに発足する原子力規制委員会が果たすべき役割は非常に大きいと承知しています。 国民の健康と財産を守り、環境への影響を防ぐという使命を実現するために、まず、国会事故調査委員会や政府事故調査委員会等の御指摘を基に、科学的、技術的見地から安全規制や指針を徹底して見直す必要があります。その上で、事業者には安全規制や指針に基づく要件の実施を厳格に求め、要件が達成できない場合には原子力発電所の運転は認めないこととすべきと考えます。 例えば、四十年運転制限制です。四十年運転制限制は、古い原子力発電所の安全性を確保するために必要な制度だと思います。法律の趣旨を考えても、四十年を超えた原発は厳格にチェックし、要件を満たさなければ運転させないという姿勢で臨むべきです。 また、原子力発電所の再稼働については、去る四月六日に提示された再起動にあたっての安全性に関する判断基準も含め、原子力規制委員会で慎重に確認、評価を行う必要があると考えております。 具体的には、海溝型地震による津波や地震、活断層の評価、あるいは事故調の報告でも指摘があった技術的な点について、その精査が不十分だった可能性があると考えています。例えば、新たな調査の結果、活断層による影響があるとの判断となれば、運転の停止を求めるべきと考えます。 このような規制の厳格化に取り組むためには、規制組織そのものの改革も不可欠です。特に、人材の確保、育成、安全文化の徹底などは、自らが強いリーダーシップを持って取り組むべき課題であると考えております。 私は、原子力規制委員会の委員長を拝命した場合には、ほかの四名の委員と協力し、原子力規制委員会設置法にのっとり、独立性と透明性の確保を基本として、国内外から信頼の得られる原子力の安全規制の実施に最善を尽くしてまいる所存であります。 どうもありがとうございました。
○委員長(鶴保庸介君) 以上で候補者からの所信の聴取は終了いたしました。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(鶴保庸介君) 速記を起こしてください。 これより候補者に対する質疑を行います。 質疑を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を受けてから御発言いただくようお願いいたします。 なお、質疑及び答弁の際は着席のままで結構でございます。また、質疑は答弁も含め往復五分以内で収めていただきますようお願い申し上げます。 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
○古川俊治君 じゃ、私の方から質問をさせていただきます。 田中先生、今回、こうして原子力規制委員会の委員長という大役をお受けになったそうですけれども、我々、この原子力規制組織の在り方を考えるときに、IAEAの基準にのっとって、政府からの独立性そして科学性という二点についてかなりこだわって法案を作ったつもりでおります。 そうした先生の今までの、ジェー・シー・オーの臨界事故やあるいは福島第一原子力発電所の事故、これを分析していらした先生の御経験から照らして、科学性そして政府からの独立性、こういったものがあればこの二つの事故は防げたか防げなかったのか、率直な御見解をお聞きしたいと思っております。お願い申し上げます。
○参考人(田中俊一君) 独立性という御指摘いただきました。私も、この独立性と透明性というのは、規制をする組織としては最も大事なものというふうに承知しております。 さらに、科学的判断ですが、科学的判断をした上で、科学的、技術的判断をきちっと行った上で、それをきちっと例えば事業者に求めるという、そういう意味での独立性、強さというのも必要だと思います。そういったことがきちっとできていれば、この事故は防げたのではないかというふうに思っています。 ジェー・シー・オー事故のときも、私は東海研究所、地元の研究所の副所長をしておりましたけれども、やはりそこにそういった規制の抜けというか、それから科学的な判断というのが少し抜けていたというふうに思いまして、そのときの事故調査委員会でもそういったことが指摘されたというふうに記憶しております。
○古川俊治君 科学性、そして政府からの独立性を突き詰めても事故は防げないのであれば我々はこの組織をつくる意味がないわけですから、先生がこれで防げるというのは有り難い、それじゃなきゃいけないことだというふうに思っておりますけれども。 私は今、医療をやっている人間でありますが、医療事故等でよく言われるのは、人は過ちを犯すものだ、これはジェー・シー・オーの臨界事故も、あるいは福島の第一原子力発電所の事故も人が起こした過ちであるということは大体共通の認識になってきているというふうに思うんですけれども、人が過ちを起こした場合に、それをいかに臨界事故につなげないか、こういうことが大事だと思う。フェールセーフという考え方だと思うんですけれども、先生の御経験からいって、人が過ちを起こすという前提に立って臨界事故を防ぐ、そういう観点から見たときに、何か必要なことを怠ってこられた、今までの原子力の行政あるいは規制において足りなかった点というのは、何か思い付くものがございますか。
○委員長(鶴保庸介君) 参考人、挙手をいただきたいと思います。
○参考人(田中俊一君) おっしゃるとおり、人は必ず過ちを起こします。そういったことを踏まえて様々な角度から想定をして、どういった事故を起こすか、起こした場合でもこういったいわゆる致命的な事故につながらないようにするという対策を立てるということが大事だと思います。
○古川俊治君 以上で私の質問を終わります。
○長沢広明君 公明党の長沢広明です。 田中先生にお伺いします。 先ほど所信の中で、先生は、独立性、透明性を確保し、国内外の信頼を得るような原子力安全規制の実施に最善を尽くすと述べられました。 それでは、原子力規制委員会の委員長となった際には、もう一歩踏み込んで、これまでの規制の在り方の一体どこをどう変えるべきだとお考えなのか、できるだけ具体的かつ簡潔にお答えいただければと思います。
○参考人(田中俊一君) 独立性については、これまで必ずしも独立性があったかというと不十分だったと思いますので、まずそこを確実に実施していきたいと思います。 さらに、国会事故調でもありましたように、とりこということがありましたけれども、そういった事業者との関係において、きちっとした明確な独立性というか、そういうとりこに陥らないようにするためには透明性が大事だと思いますので、透明性は、原則透明性を確保するということでいきたいと思います。
○長沢広明君 もう少し具体的なお答えを期待しておったんですけれども、ちょっと残念ですが、それではもう一点、じゃ、お伺いします。 国会事故調あるいは政府事故調から報告書の中で、原子力法規制の在り方について、これまでは国際社会に背を向けた在り方だったのではないかという指摘がされています。これからは国際社会へ発信し、あるいは国際基準の反映ということに努めるべきだという指摘がありますが、これについてお考えはいかがでしょうか。
○参考人(田中俊一君) 事故調で御指摘のとおり、国際的な基準に合致するだけではなくて、今後はそれを上回るような規制についても積極的に取り入れるべきだというふうに思います。 どうしても今までは、少しそういった点において、国際的な安全規制に対して、必ずしも十分にやってきてなかったということは今回の事故を起こしたという事実をもって明らかですから、その点については全面的に見直しを図っていきたいと思いますし、この事故は原子力という性格上国際的にも非常に大きな影響を及ぼしますので、我が国のこの苦い経験を国際的に共有するための努力というのは大変大事だというふうに思っております。
○長沢広明君 じゃ、最後に一点だけ。 先生は放射線防護の分野においては専門家という、第一人者というふうに知られておりますけれども、実際の原子炉のオペレーションの分野については専門的とは言えないのではないかという指摘がございます。御自身だからこそ、委員長としてできることは何だとお考えですか。
○参考人(田中俊一君) 原子力発電所というのは、非常にたくさんの専門的な知識というか、いろんな分野の塊みたいないわゆる総合技術であります。ですから、そこをどこかの専門であればできるかというと、そういうことではないというふうに私自身は認識しております。 そういう意味で、原子力全体、原子力発電所も含めまして全体を見る力、これは私自身、大学でもそうでしたし、日本原子力研究所に長く勤めておりましたから、そういった意味での総合的に原子力を見る力というのはあります。ですから、そういったことで、何か事が起こった場合には、専門的な視点、専門家を非常に素早く集めて対応する、どこが問題なんだということをつかむ、そういった点についてはそれなりの自信は持っているつもりであります。
○長沢広明君 以上です。
○藤原良信君 御質問いたします。 まずもって、原子力規制委員会の委員長及び委員になる人は、原子力規制委員会設置法に規定するように、人格が高潔であって、原子力利用における安全の確保に関して専門的知識及び経験並びに高い識見を有するということを言われておりまして、言うまでもありません。これは、原子力規制委員会設置法では、委員長及び委員の中立性を確保する必要から、原子力事業者及びその団体役員、従業者である者を欠格要件として掲げていることにそれが意味していると思います。 今日のマスコミ報道で、田中参考人を始め四人が報酬等をいただいていたということが明らかになりましたが、明らかにというか報道されましたが、この事実確認をこれからしていかなきゃならぬと思いますけれども、こういう田中参考人を始めとするということの記事でございますけれども、このことについてのまず所見をお尋ねをしたい。
○参考人(田中俊一君) まず、報酬のことでありますけれども、昨年の事故以降、私が除染について福島で相当経験を積んでいるということで、楢葉町とか富岡町とか川内村の避難されている方々に対して、除染の話とか今後の放射線に汚染された状況下での生活とか見通しとか、そういったことについて説明をしてくださいという御要望がありましたので、それは原子力文化振興財団とか原産協会からでしたけれども、それはあえて、そういうことで皆さんのためになることであろうということでお話しさせていただきました。そのときにいただいた報酬が今回申告させていただいたものであります。 これは、私も年金生活で余り裕福ではないものですから、福島のその後の除染活動とかいろんなところで有効に活用させていただいたということであります。
○藤原良信君 李下に冠を正さずという言葉、我々もよく言われる言葉でございますけれども、これは、いろんなそういう予断を言われないような状況下が必要要件だと思います。このことについて、事実関係を確かめた上で、改めてこういう機会をつくっていただくように委員長に要請をしていきたいと思います。 次に移ります。参考人の御見解いただきたいんですが、二点申し上げます。 国会事故調、政府の事故調がいろいろな、重ねて審議をして提言をまとめられました。これをどう対応されて、どう尊重をするということになるんだと思いますけれども、そういう姿勢について御見解をいただきたいと思います。これ一点。 それから、世界で最高の安全レベルの水準を、規制委員会を設置していくとすれば、どのくらい、もっと正確に言えば何年ぐらいで確立するおつもりでございますか、御見解をいただきたいと思います。 この二点でございます。
○参考人(田中俊一君) 事故調査委員会の報告書については私も一通り拝見させていただきました。非常にたくさんのいろんな指摘がございます。その中で、今度の規制委員会が三条委員会として発足したこともその一つであるというふうに思っています。それについては、今後、より精査して、よく読んで、その中の指摘をきちっと受け止めて規制行政に反映していきたいと思います。 また、それだけでは終わるわけではなくて、今後、事故の原因、これについても事故調等で指摘されておりますけれども、まだ放射線のレベルが高くて中がよく分からないということで、両事故調では見解も少し異なっているところもあります。こういったことは大事なことですから、引き続き規制委員会としましてはそこをきちっと調査を継続して、必要な教訓を酌み取ってそれを反映していくということにさせていただきたいと思います。 それから、世界最高水準レベルの安全ですけれども、安全については、ここでいいということはありません。ここでいいんだということが、結局、俗に言う安全神話というところにつながってきたのではないかと思います。安全は常に見直しながら高い水準レベルを酌み取っていくということであります。それは、世界からいろんな安全についての知見とかそういったものを積極的に取り入れる中で世界最高レベルの水準を常に保っていけるように、そんなふうに取り組んでいきたいと思います。
○藤原良信君 以上です。
○水野賢一君 みんなの党の水野賢一です。 田中さんは、以前、原子力委員会の委員長代理でしたね。原子力委員会というのは、推進派だけを集めた秘密会合を近藤委員長の下でも開いたりしているということが今問題になっているんですが、田中さんが委員長代理だったときに、こういう推進派だけを集めた秘密会合をやったりとか、そこに参加したということはございますか。
○参考人(田中俊一君) ありません。 私が原子力委員をやっていた当時は、ちょうど今の原子力政策大綱が決まってしまった段階ですから、実質的にその大綱に沿っていろんなことが進んでいまして、毎週一回、公開の原子力委員会をやっているわけですが、そのために、次の週はこういう議題があるという話を事務的に受けるというような機会はありましたけれども、今回話題にされているような、政策にかかわるような秘密会合はなかったというふうに承知しています。
○水野賢一君 今、藤原理事の方からも報酬の話を、質問がありましたけれども、報酬をこの三年間で受け取っていたことは、電力関係者から、それは認められたようですが、ところが、田中参考人が政府の調査票に対して、この五枚のペーパーを私持っていますけれども、七月に答えているときには、この三年間は報酬をもらっていないという回答を一回、政府にしているんですよね。 これは、何か虚偽の申告を政府側にしたということなのか、後で誤りに気が付いたから何か直したのか、ちょっと説明いただきたいと思います。
○参考人(田中俊一君) 実は、当初は、電気事業者とか、いわゆる原子力メーカーとか、そういったところからの報酬はあるかという御質問だったので、それはありませんと答えました。 そこにお書きしましたのは、昨年の、この一年の間に、いわゆる先ほど申し上げましたように、避難住民の方とか、そういう方たちに説明するということの関係でいわゆる原子力文化振興財団とかそういったところも対象になるという御指摘をいただいたので、それで修正させて記述させていただいたということでございます。
○水野賢一君 そうすると、今報道されている、三年間で二十九万二千円というのが最終的な回答ということだと思うんですが、この答えがもし違っていたりした場合は、これは後で、つまり、同意人事の後、仮に委員長とかになられた後に、実はもっとありましたなんというふうに言われても困るわけですので、ここでの回答が違っていた場合には委員長を就任された後も辞職をされたりとかする可能性はありますか。
○参考人(田中俊一君) 私は、去年確定申告をしたときに、こういうことかなということで書いたつもりです。それが抜けがないというふうに私は思っていますけれども、原子力関係事業者というものの範囲がまた変わったり、今回も変わりましたので、そういうことがなければ私はそういうことはないというふうに今申し上げていいかと思いますが。
○水野賢一君 ちょっと最後のところがよく分からないんですが、要は、言っていたことと違うことが後で発覚した場合、もし委員長になっていた場合は辞職をされますかという質問です。
○参考人(田中俊一君) 状況によると思います。
○水野賢一君 今問題になっているのはここ三年間の報酬なんですが、その三年より前のことというのも、もし記憶にあれば、これは国会の方に提示をされるというような、若しくは記者会見などで自ら明らかにされるような、そういう考えはありますか。
○参考人(田中俊一君) もしそういうことで報酬があるということを思い出すようなことがあればですけれども、今のところ私はそういう記憶がないものですから、もしあるということがはっきりすれば報告するということは必要かなと思いますけれども。
○水野賢一君 ちょっと視点の違う質問ですけれども、田中さんは原研労組の執行役員だったというお話ございますけれども、事実なのか。並びに、政党の党員などになっていたこと等はございますでしょうか。
○参考人(田中俊一君) 後の方の質問がちょっと聞こえなかったんですが。
○水野賢一君 後半は、政党の党員などになっていたことというのはございますかということです。
○参考人(田中俊一君) ありません。 それから、かつての日本原子力研究所の役員はやりました。三十歳ぐらいのときです。それは、当時、日本原子力研究所はほぼ九割以上の方がみんな組合員で、順番に執行役員をやるという習慣で、余り気が進まなかったんですけれども、そういう役回りをやりました。
○水野賢一君 最後の質問にいたしますけれども、安全委員会の班目委員長は、原発再稼働に対して、ストレステストの一次評価だけじゃ不十分だと、二次評価もやるべきだというふうにおっしゃっていたんですけれども、田中参考人はこの再稼働に対して、ストレステストの二次評価も行うべきだというふうにお考えか、これをお伺いして、私の質問を終わります。
○参考人(田中俊一君) ストレステストも含めて、今の再起動についての安全基準も含めて、全体として、規制委員会としては全面的な見直しをして、きちっとした安全指針、安全規則を作っていくということを基本としたいと思います。
○中谷智司君 民主党の中谷智司です。 福島原子力発電所事故を経て、国民の皆様方から原子力行政に対して非常に厳しい視線が注がれています。原子力行政を根本的に立て直し、国民の皆様方の信頼を取り戻さなければなりませんし、そのためにこの原子力規制委員会というのが非常に重要です。そして、国民の皆様方の信頼を回復するためには、原子力規制やこれからのエネルギー政策について国民の皆様方を巻き込んだ議論が必要ですが、そのためにどのような取組をお考えでしょうか。 先ほど参考人は、透明性を確保するというお話をされていました。例えば、具体的に、会議の内容を公開するなど、考えていることがあれば是非ともお伺いしたいと思います。
○参考人(田中俊一君) 現在の原子力行政について、この事故以降、大変厳しいという国民の意見があることは十分承知しております。その上で、その信頼をどうやって回復するのかということで、その一つが、この規制委員会の発足というのが一つの大きな役割を果たさなければいけないんだというふうに認識しております。それをどういう形で信頼を取り戻すか、信頼を得るかということも、これも非常に大きなチャレンジだと私は思っています。 その一つとしては、やはり、今御指摘のように、基本的には透明性のある議論、透明性のある運営をしていくということで、基本的に原則透明性。透明性でない場合には何か特別の理由がある場合もあろうかと思いますけれども、それは例えば国の安全にかかわるようなそういう方針を議論するとか、そういうこともあろうかと思いますが、そういう場合にはそういうこともあろうかと思いますけれども、基本的には透明性ということを確保しながらやっていきたいと思います。 それから、政策的なことはこの原子力規制委員会で議論すべきことではないというふうに実は私は認識していまして、今後のエネルギー政策、原子力政策については、また別途政治的に国民の意見等を踏まえながらやっていただくことになるんではないかと思います。
○中谷智司君 原子力規制委員会が国民の皆様方の思いにこたえ、信頼を築いていくためには、委員長や委員の人物や姿勢、専門性や経験などはもちろんですけれども、委員長、そして四人の委員のバランスだとか、チームとしてどのように機能するかというのが非常に重要だと思います。 そして、言うまでもありませんが、その中で委員長の役割というのが一番重要なのは言うまでもありませんけれども、委員長としてどのような役割が求められている、そういうふうに思っているでしょうか。
○参考人(田中俊一君) 大変自分自身のことを申し上げるのは難しいことですけれども、先ほど来申し上げますように、いわゆるこの原子力規制法にのっとって、きちっと独立性と透明性を持って全体を運営していくということ、それから、なるほどと思われるような判断を科学的、技術的にしていく、国内外から見てもきちっとした客観性のある判断をしていく、そういうような組織文化をつくっていく、そういうことが最も大事で、そういったことを追求していきたいと、それが委員長の役割として最も大事ではないかというふうに思っています。
○中谷智司君 ありがとうございました。
○磯崎仁彦君 自由民主党の磯崎仁彦でございます。 原子力規制委員会、これは一つの組織でございますので、やはり組織が何か活動するときには利害関係者、いわゆるステークホルダーというのがいっぱいいると思います。 田中参考人は、この原子力規制委員会、ステークホルダーはどういう方がいらっしゃるというふうに御認識をしておりますでしょうか。
○参考人(田中俊一君) 最大のステークホルダーは、こんなことを言うと叱られるかもしれませんが、国民だと思います。国民の健康と安全、それから環境を守るということがこの規制委員会の最大のミッションですから、そのことを最大にしたいと思います。そういうことであります。
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。最大のステークホルダーということで国民というのが出て、安心をいたしました。 それから、先ほど中谷委員からもお話ありましたように、やっぱり組織ですので、トップがその仕事というものに対してどういう気持ちで接するのか、どういう気概を持ってやっていくのかというのは、今回の場合にも、設立時は五百名のスタッフがいらっしゃるということですので、間違いなく田中参考人の言動、これが非常に組織に与える影響は大きいというふうに思っております。 そういった意味では、専門的知識ということではなくて、どうその安全を守っていくかという責任感ですね、これについて田中参考人の決意といいますか、それを是非お伺いしたいと思います。
○参考人(田中俊一君) 一言で言えば、先ほど申しましたように、国民の健康と安全を守る、環境を守るという、いわゆるそのためにあらゆることをするという安全文化ですね、その考え方を徹底していきたいと思います。 それを担保するためには、技術的な面、資質の面も大事ですから、そういったトレーニングも十分機会を与えて、執務は、そういった意味での専門的な質も高い、だけど心の、考え方として一番大事なのがそこにあるんではないかと思いますので、そのことだけは徹底して皆さんに体に染み付けてもらうようにいろんなことを工夫していきたいと思っています。
○磯崎仁彦君 私も航空会社におりましたので、安全文化というのは、これはなかなか非常につくり上げるのは難しいという実際の経験を持っております。そういった意味では、すぐにこういった安全文化が生まれるということではないと思いますけれども、具体的に、その工夫ということではどのような工夫をお考えでございましょうか。
○参考人(田中俊一君) まず、こういった事故、今回の福島の事故について、徹底的にやはりこの現状というのを学ぶことがまず一つ大事だと思います。ジェー・シー・オーのときもそうでしたけれども、こういったいわゆる施設外の住民の方々に迷惑を及ぼすような事故が起きたときのその住民の方の苦悩とか苦労というものは、これは私自身も今回も含めて二度も味わうことになりましたけれども、大変なものがあります。そういったものを体に身に付けておけば、だんだんそういった考えが醸成されていくというふうに思います。それは、国外の例もそういう意味ではきちっと見る機会を与えるとか、そういうことなんじゃないかと思います。
○磯崎仁彦君 この原子力規制委員会に対する国民の皆様の期待というのは非常に大きいものがあるというふうに思います。 先ほど来、独立性と透明性ということを何度も口に出されておりましたけれども、やはり国民の皆様の信頼を得るためには、例えばどういうことが議論されたかということをきちんと示していくということも含めて、聞かれたときに答えていくということだけではなくて、やっぱり積極的に発信をしていく、これは国内だけではなくて海外も含めて発信をやっぱりしていくということも、国民あるいは海外の皆様から信頼を得る一番大きな方法だと思いますけれども、その積極的な発信ということについてはどのようなお考えでございましょうか。
○参考人(田中俊一君) 具体的には今後検討していかなければいけないと思いますが、基本的に、安全に対してどういう判断をしたのかという根拠については十分に説明をしていくということ、それはどういった意見があった、それに対してどういう判断をしたということをできるだけ分かりやすくきちっと正確に御説明するというのは基本にしていきたいと思っています。
○磯崎仁彦君 最後に、事前のいわゆる予防的な観点だけではなくて、やはり危機管理ということになると、実際、これは起こらないということを当然国民の皆様は願っているわけですけれども、何か実際起こったときには、原子力規制委員会の役割としても、原子力施設のいわゆる安全制御、オンサイトの対策、これについては役割として担うというふうになっておりますけれども、実際何か起こったときに、いわゆるクライシスマネジメント、これについて、ほかの意見に左右されずにきちんと自分たちでやっていけるという、そういう自信はおありでございましょうか。
○参考人(田中俊一君) 規制庁としては、それを担えるようなものにしていきたいと思います。ただし、規制庁だけで実際にその現場の事故を収められるかというと、やはり現場と一緒になってやれるという、そういうことも大事だというのが、私のジェー・シー・オー事故の経験からもそうですし、今回もそれが、そういったことが少し足りなかったのかなというふうに思います。
○磯崎仁彦君 終わります。
○大河原雅子君 民主党の大河原雅子でございます。 原子力規制委員会の人事については全国民の注目するところでございます。これまでも国会の委員会で、原子力村の住人だった方たちにはなかなかお任せできないという声が圧倒的でございまして、私もそのように思っています。なぜならば、規制委員会の委員の方はむしろ政治家よりももっと信頼をされる、そういうお立場になられるわけで、その意味では、田中先生がこれまで原子力委員会にも御所属になって、この三・一一の事故で本当に国民にわびなければならないというふうに御発言をされたこと、その真意を私はやはりもっと深く知りたいと思って質問させていただきます。 先生、「イエロー・ケーキ」とか「チェルノブイリ・ハート」とか「一〇〇、〇〇〇年後の安全」という映画、ドキュメンタリーが今非常に注目を集めて多くの人々の心を打っております。御覧になったことございましょうか。
○参考人(田中俊一君) 見ておりません。
○大河原雅子君 原子力というエネルギーについては、私は非倫理的なエネルギーだと。「イエロー・ケーキ」は、ウランを掘り起こすところからもう被曝の被害が始まること、「チェルノブイリ・ハート」は、御承知のように、チェルノブイリ事故の後、子供たちの心臓に穴が空いたということが起こっております。そして、「一〇〇、〇〇〇年後の安全」というのは核廃棄物の最終処分のことです。 福島御出身でいらして、福島県民は今もう脱原発ということで一致されております。現政権も脱原発社会ということを目指しております。先生はこの点についてどのように思っていらっしゃるでしょうか。
○参考人(田中俊一君) 今先生がおっしゃっているように、原子力事故とか原子力の持っている危険性ということについては私も従来から非常に注意しておりますし、原子力の平和利用というのは、そういったものを顕在化させない、単に核兵器にするということではなくて、平和利用の過程でそういったリスクを顕在化させないということが最も大事であるというふうに思ってきました。 脱原発についての御質問ですけれども、これは、原子力発電をやめるかやめないかという判断につきましては、今ここでなかなか個人的意見を申し上げる場ではないというふうに思います。ですから、それについては、今後、政治、国民の意見の中で判断していただくということになろうかと思います。 原子力規制委員会としましては、原子力を利用するという場合に、そういった安全の面で心配がないようにするということが最大のミッションであろうというふうに考えております。
○大河原雅子君 日本はこの原子力を平和利用ということで使い続けてきて今回の事故に至っております。その点では、やはりこの原子力を有効に使っていきたいというふうに思ってこられた方と、いやいや、それはやはり結果的に危ないことがあるんだと、最終処分の問題も片付かないという異論を持つ方がおられます。 先生はこれまで、そうした異論を持った方々との対話というのはどのようにされてきたのでしょうか。
○参考人(田中俊一君) 異論を持った方の対話というのを積極的にやってきたかというと、そういうことではないと思いますけれども、いろんなお考えがあると思うんです。 私自身は、原子力を人類が利用するかどうかということについては、利用するという判断の中で、私自身がそれをきちっと安全に利用できるように努力しようということでやってまいりました。だから、そこは私の判断で利用するとかしないとかということではないので、そこのところは是非御理解いただきたいと思っております。
○大河原雅子君 私は、ちょっと今の先生の御発言は残念です。もちろん中立ということがあるので個人的な意見は控えられると思いますが、福島の方々、そしてまた今国民が望んでいる脱原発社会というのは、それを目指す方向性というものを是非共有をしていただきたい。原子力の利用ということの限界性ということについても言及いただきたかったなというふうに思いました。 原子力というものについて、お立場的に難しいとは思いますが、それは原子力村の境界線が、恐らく先生なかなかお付きになっていないんじゃないかという感想を持ちました。 ありがとうございました。
○大家敏志君 自由民主党の大家敏志と申します。 田中さんに委員長の候補者として今日は参考人という立場でお越しをいただいて、最後の質疑者となるんですけれども、大変貴重な機会をいただいているというふうに思います。 その中で、七人の委員の質疑をお聞きして感じるのは、全てにおいての専門家ではないけれども、全体を見渡す力は持っているんだと、自分自身なら強いリーダーシップでやれるんだというふうに、堂々とそこに座っておられるというふうに感じますけれども、数点お聞きをしたいと思います。 毎週、官邸周辺で集会が行われていたり、大規模な脱原発の集まりがあったりしていることをまずどう思われますか。
○参考人(田中俊一君) それは、私は東京に住んでいなくて、茨城の方にふだん住んでいますので、それを目の当たりにはしておりませんけれども、テレビや新聞でそういった行動が起こっているということは承知しております。それについて、いけないとか、やるべきだとかという判断は私は今持ち合わせていません。それは、一人一人の判断でそういうことが起こっていると、今の時期に起こっているというふうに思っています。
○大家敏志君 非常に慎重な答弁だとは思いますよ。 最初に戻りますけれども、自分自身には全体をマネジメントする力があるはずだという答弁をされましたね。震災後に、多分これは報道ですけれども、田中さんが、原子力の平和利用を推進してきた者として国民に深く陳謝をしたいという発言をされたと思うんですけれども、どういう思いでそういう発言をされたかというところをちょっとお聞かせください。
○参考人(田中俊一君) 先ほど来申し上げていますけれども、やはり原子力の平和利用の原則は、その利用に当たって住民、国民の皆さんに迷惑を掛けてはいけないということが基本であるというふうに、私はそれをずっとそういうふうに思ってやってきました。 ところが、この事故、その発言をした時点では、既に多量の放射能が環境を汚していると、住民の方、多くの住民が避難を余儀なくされているということについては、これはやはり、原子力を進めてきたというか、原子力に携わってきた者として、やはりそこは陳謝すべきであると、陳謝しなければならないと、そういうふうな思いでその発言をいたしました。
○大家敏志君 国民は相当に注目している人事だと思うんですよね。それで、我々は国民の皆様方に代わってこういう機会をいただいています。 先ほどから何点か指摘がありますが、この制度の運用にずっとかかわってきた人が強力な権限を持つ委員長になることがふさわしいのかと国民は思っておられる。そして、もう一つ急に出てきた報酬の問題。これも、若干お聞きをしていれば少し歯切れが悪い。質問の内容が変わればひょっとしたら出てくるかもしれないというような答弁に聞こえましたよ。 そういうことを含めて、我々は、今、今日ここで判断する場面ではないんですけれども、田中さんの発言、態度、思いをしっかり今日の場で出していただきたいと思ってこういう質問をしているんですけれども、そういう指摘に対して、二点ですね、これまで携わってきた者としての立場、それと、若干疑念を持たれそうなこの報酬の問題、この二つについてお答えいただきたいと思います。
○参考人(田中俊一君) これまでいわゆる原子力研究所それから原子力委員会、そういったところにおりましたことで、いろいろ原子力関係者じゃないかということを言われていることはよく承知しております。でも、これはもう事実ですから、そのとおりだと思います。 その上で、この委員長の依頼を受けたときに、多分私の想像というか、そういうときの依頼のことですけれども、今までのこの事故に対する反省とか、それから私が持っているいろんな専門的な経験とか知見とか、そういったものも全部合わせた上でこの委員長の依頼というか委嘱があったものというふうに承知しています。 それから、報酬の件については、私自身は全く報酬をいただいたという意識がなかったんですが、今回の再度の調査の中で、ここはそうですか、ここはどうですかと聞いたら、いや、そこも入れておいてくださいということだったので入りました。いわゆる電気事業者とか電力メーカーとか、明らかにそういったところからの報酬はいただいたことはありません。
○大家敏志君 終わります。
○委員長(鶴保庸介君) これにて候補者に対する質疑を終了いたします。 田中参考人に一言御挨拶を申し上げたいと思います。 本日は、御多忙の中、御意見をお述べいただき誠にありがとうございました。委員会を代表して御礼を申し上げます。ありがとうございました。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十分散会