法務委員会 第6号
- 発言数
- 90 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2012/06/08
会議録
○小林委員長 これより会議を開きます。 この際、一言申し上げます。 去る一日の委員会審査に当たり、円滑なる運営ができなかったことはまことに遺憾に存じております。 今後、公正かつ円滑なる委員会運営を行ってまいりたいと存じますので、委員各位の御協力を心からよろしくお願いを申し上げます。 ————◇—————
○小林委員長 裁判所法の一部を改正する法律案並びに裁判所法の一部を改正する法律案に対する黒岩宇洋君外二名提出の修正案及び大口善徳君提出の修正案について発言を求められております。 お諮りいたします。 本日、政府参考人として法務省大臣官房司法法制部長小川秀樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○小林委員長 次に、お諮りいたします。 本日、最高裁判所事務総局安浪人事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○小林委員長 これより順次発言を許します。辻惠君。
○辻委員 修正案について、その趣旨及び概要を御説明申し上げます。 司法修習生に対する経済的支援については、昨年十月末までの給費制の延長措置が終了し、昨年十一月より、修習資金を貸与する制度が適用されているところでありまして、本修正案は、この制度について、政府原案と同様に裁判所法の一部を改正し、修習資金を返還することが経済的に困難である場合における措置を講じております。 他方で、法曹の養成を取り巻く現在の状況を見ますと、司法修習を終えた者の社会のさまざまな分野への進出が進んでいないほか、法科大学院志願者数の減少、司法試験合格率の低迷等の状況が生じており、法曹の養成に関する制度全体について速やかに見直しを行うことが急務となっております。 本修正案は、このような状況に鑑み、新たに、法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律の一部を改正し、国民の信頼に足る法曹の養成に関する制度について、当初予定された平成二十五年四月以降を待たず、この法律の施行後一年以内に学識経験を有する者等により構成される合議制の組織の意見等を踏まえつつ検討を加えて一定の結論を得た上、速やかに必要な措置を講ずるものとしております。また、裁判所法の一部を改正し、修習資金を貸与する制度については、この検討において、司法修習生に対する適切な経済的支援を行う観点から、法曹の養成における司法修習生の修習の位置づけを踏まえつつ、検討が行われるべきものとしております。 以上が、本修正案の趣旨及び概要であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○小林委員長 次に、河井克行君。
○河井委員 皆様、おはようございます。自由民主党の河井克行です。 きょうは議員立法に対する質疑ということでありますけれども、まずは、滝実新法務大臣には御就任おめでとうございます。政権交代から二年九カ月にして、ようやくまともそうな法務大臣とめぐり会うことができたと今思っております。 実は、滝法務大臣とは、平成八年、小選挙区制導入後、初めての選挙でともに自民党から初当選をし、平成研究会、橋本先生や小渕先生や綿貫先生を中心とした政策集団、一期生のまとめ役が最年長の滝先生で、私が最年少で事務局役の幹事長ということで、ちなみに筆頭理事の棚橋泰文先生も一緒に勉学にいそしんだわけでありまして、あなたの人となりとか政治家としての能力は少なからず知っているつもりでありますので、本当に期待していますからね。期待している分だけ、もし裏切られたら、そのときは、倍返しで私は徹底的にまたこれまでと同様追及せざるを得ませんので、ぜひしっかりと頑張っていただきたいと存じます。 本論に入る前に、新大臣、死刑について、法律の定めるところにより執行されますか。はいか、いいえか、簡潔にお答えください。
○滝国務大臣 ただいま河井議員からお褒めの言葉をいただきましたけれども、倍返しで責任をとらなければいけないということも承りました。心して職責を果たしてまいりたいと思います。 死刑の問題については、私は、基本的に、日本の刑事法の中で最も中核的な存在であるだけに、法律に従って物事を考えるということは当然のことというふうに思っております。ただ、ケース・バイ・ケースの問題がいろいろありますから、一般論としての問題よりも、一つ一つのケースについてどう判断していくかということも考えて、この問題については対処するというか職責を果たしていくつもりでございます。 そういう意味では、イエスでございます。
○河井委員 職責を果たすということでありますので、粛々と遂行していただきたいと存じます。 きょうは、裁判所法の一部を改正する法律案、また法科大学院の教育と司法試験等との連携、いわゆる連携法について含めた改正案についての質疑でありますけれども、もうこの委員会でもたびたび、法曹人口三千人の目標と法科大学院を中心とする法曹養成制度については、私自身あるいは先輩、同僚の議員も質疑に立ってきています。 実は、新しい動きがありまして、総務省が四月の二十日、さまざまな見直しを法律に基づく権限によって勧告いたしました。 きょうは総務副大臣もお見えでございますが、いろいろな勧告が書いてあるんですけれども、そもそも、法科大学院の制度そのもの、法科大学院という存在そのものの是か非についての評価はしていないと私は説明を事前に聞いた段階で認識したんですが、それで間違いありませんね。
○大島副大臣 お答えをさせていただきます。 是か非かについての判断については、今回は、個々の点についての勧告をさせていただいておりますので、そこまでの言及はございません。
○河井委員 だからこそ、きょうは大変お忙しい中、政府に設けられております法曹養成に関するフォーラム、各省庁の政務三役の皆様にお越しをいただきました。 私は、政治家にとって大事なことは、個別の議論だけでなく、制度そのものの是非を論じて、よりよく姿を変えていくために対策を決めていくことだと信じております。 私の尊敬する高村正彦先生、元法務大臣は、この法曹養成、法曹人口の自民党内の勉強会の際にいつもおっしゃっています。論より証拠、不都合な現実を直視する、そして、理念よりも現実を見ると。新法務大臣、どうかその意識で、ゆめゆめ、既得権益にはまってしまった人たちの意見ではなくて、そしてあなたの後ろにたくさんいらっしゃるお役所の方々の意見ではなくて、現場の声にしっかりと耳を傾けていただきたい、心からお願いをいたします。 きょうはパネルを用意してきました。理事会のお許しをいただいて、資料もお配りしております。もう先生方にとってはよく御存じのことだと存じますけれども、衆議院テレビを通じて、多くの関係者の方々が関心を持っていらっしゃるだろうということで、法曹養成の仕組みを、最初の法科大学院に入る前の適性試験から、そして実際に任官をされる、弁護士登録をされるまでの、この流れにのっとってきょうは質疑をさせていただきます。 今回の議員立法は、法曹の卵たち、つまり、司法研修所修習生たちへの資金の貸し付けについてでありますけれども、その前に、法科大学院という大きな塊があります。ここでの費用が膨大にかかっている。法学部以外から進学するいわゆる未修については、私が法務副大臣のときの試算では、三年間で二千万円。つまり、学費や生活費、そしてその間、専業の仕事につくことができませんから、私学に行ったときは三年間で最大二千万近く要る。 ですから、この法科大学院の部分を根こそぎ変えない限り、また数年後、同じ議員立法を審議することは明らかだ。そうならないために、きょうは提出者の先生方にもお見えをいただいておりますけれども、連携法によって合議制の組織をつくって、その意見を踏まえつつ、法律の施行後一年以内に検討して結論を得、速やかに必要な措置を講ずると明記をされているわけでありまして、事は大変急いでいる、私はそのように考えております。 ここで一つ提出者にお尋ねをしますが、これは委員長、こちらから個別の方を指名していいんでしょうか。
○小林委員長 はい。
○河井委員 では、階先生にお尋ねをいたしますが、ここで「合議制の組織」と書いてございますけれども、一般的に合議制という場合、意見が食い違ったりすることを口実にして、いたずらに時間をかけるとか、関係者間の利害を調整することに追われてしまうこともあり得ますけれども、私は、それは今回のこの議員立法の趣旨から反する、合議制という組織ではあるけれども、全員の意見の一致は必要ない、もっと早く今の現状を改革すべきだ、そう信じておりますが、立法者としての御認識をお聞かせください。
○階委員 お答えいたします。 まさに改革は急を要するわけでございまして、一定の結論を得るためには、全員一致でないと物事が決まらない、進まないということではまずいわけです。この法律のたてつけとしましては、意思決定に全会一致を要求するものではありません。
○河井委員 私は、もう法科大学院問題は、個別の学校の問題という次元を超えて、制度そのものが破綻しているのではないかと心から危惧をいたしております。 加えて、法曹人口三千人目標は、総務省が言うように、現実離れしていると結論しておりますけれども、それだけではなくて、もう新しい弁護士さん、若い弁護士さんが、食うことができない人たちが日本じゅうにあふれ返ってきている。ゼロワン地域の解消も終わって、逆に余り過ぎている現状では、極論かもしれませんが、私は、新規の合格者数を緊急措置で数年間凍結するぐらいの深刻な状況だというふうに実は考えているんです。 私がそういう認識を抱くに至った悲惨な実態ですとか現場の悲鳴を今から紹介いたしますので、ぜひ、法務大臣を初め政務三役の方々にはよく聞いていただきたいんです。なぜなら、役所は恐らく、皆さんには不都合な真実は知らせないからです。 ここに私は、法曹関係者がつづった二冊の手記を持ってまいりました。いずれも、定期刊行物、そしてホームページでありますので、紹介しても差し支えないと存じます。私がずっと危惧していたとおり、金持ちの子弟しか法曹になれない今の現状がつづってあります。 まず最初に、戸籍時報、平成二十一年十月号におさめられた「法科大学院雑記帳」、愛知学院大学法科大学院教授の米倉明先生。題して、「おかねのない者は法曹になるな?」と書いてあります。一部を引用いたします。 「法科大学院、新司法試験、より広くは法曹養成制度のスキーム自体、および、それが果している機能を観察すると、「貧乏人は法曹になるな」、「悪いことはいわないから、貧乏人は法曹の道を諦めなさい」と、声には出さぬにしても、実質的には、声高に叫んでいるといえるような印象を、私は消すことができない。」「才能の有無、又は、向き不向きが不明のまま、おかねがないというただそれだけの理由で、法曹への道の第一歩すら踏み出せないように事実上なっている。いわば門前払いされるわけである。」「貧乏人閉め出しのスキーム」「結果として、法曹の世界をおかねのある者だけで占めることになっている。」現場の教官の手記です。 もう一つは、もう今は恐らく退官されているんじゃないかと思いますが、札幌高等裁判所民事第二部総括裁判官の末永進さんという方が、平成二十一年五月二十五日に、母校の同窓会のホームページ、函館ラ・サール学園、「同窓生からの手紙」というところに掲載されています。 一部引用いたしますと、「問題なのは、法曹資格者を毎年三千人程度に増員しようとしていることなのです。」「質の低下が危惧されますし、現に、私の法廷では、その傾向がはっきりと窺われます。」こんなことを言っているんですよ。「法廷がロースクール化することもあります。」「今では、大学の法学部を卒業した上、法科大学院に入学し、多大な授業料を支払った上、司法修習生となっても国家からの給与は支給されないこととなり、すべて順調に行ったとしても、二十五歳にならなければ、自分で稼ぐことができず、その結果、裕福な家庭の子女でなければ、法曹となれないような制度ができあがってしまっている」加えて、「事件にならないものが、弁護士の報酬獲得のために、事件として裁判となる」と。 まさに、私たちが共通認識として、立法者も含めてでありますけれども、危惧していることが、もう現場で起こり始めている。 そういう状況の中で、現場の学生の皆さん、法科大学院から逃げ始めてきています。 文部科学副大臣、きょうお見えをいただいておりますけれども、まず一番最初の関門である適性試験、受験者数は激減をしていますね。それから、法科大学院の志願者数も激減をしていますね。入学定員の充足率も、つまり入学定員に対して実際学生が何人入ったかの率も激減していますね。そして、そもそも社会人とか法学部以外の幅広い法曹を養成しようという趣旨で始まったにもかかわらず、社会人入学者の割合も激減していますね。そして、法学部以外の未修者入学生の割合も減少していますね。 そのあたり、制度が始まった初年と平成二十三年度、最新のものとの比較の数字がもし今お手元にありましたら、お答えください。五つの項目です。
○高井副大臣 御指摘の件、まず一番目の適性試験の総受験者数については、初年度は、平成十五年度、五万三千八百七十六人。翌十六年度には三万三千七百二十八人。それ以降、減少傾向が続いておりまして、平成二十三年度、一万二千百七十三名でございます。 二番目の法科大学院の志願者数については、初年度の平成十六年度は七万二千八百人。翌十七年度は四万一千七百五十六人。そして……(河井委員「パーセントはないんですか、実数しかないんですか」と呼ぶ)パーセンテージは、一番目の適性試験の総受験者数については、対十五年度比で七七・四%のマイナス。二番目の志願者数については、今言った十六年、十七年について、二十三年度の直近のデータでは二万二千九百二十七名で、対初年度の十六年度比では六八・五%のマイナスということです。 三番目の入学定員の充足率につきましては、平成十六年度の一〇三・二%から平成二十年度までは九〇%以上で推移をしておりましたが、平成二十一年度以降は減少傾向ということで、近年、競争倍率の確保を求めているということもありまして、平成二十三年度は七九・二%。これも、対十六年度比では二四%のマイナスということです。 四番目の社会人入学者の割合につきましては、平成十六年度の四八・四%以降、これも減少傾向にあり、御指摘のとおりで、平成二十三年度は二一・一%、対平成十六年度比で二七・三%のマイナス。 最後の未修者、法学部以外の入学者でございますけれども、この割合につきましても、平成十六年度二九・一%以降、毎年減少傾向にございまして、平成二十三年度は一五・一%ということで、これも対平成十六年度比では一四%のマイナスということでございます。
○河井委員 一番わかりやすいのが、入る前の適性試験、受ける人自体が最初の年の一三・四%になってしまった。一三・四%減ったんじゃないんですよ、一三・四%になってしまったということが、学生が法科大学院に魅力を感じなくなった一番わかりやすい証左だと私は感じております。 次に、数だけではありません、法科大学院教育において質が低下をしている。 法科大学院を修了して初めて新司法試験を受験することができるわけですけれども、法務大臣、この新司法試験の採点者による採点実感、これは法務省のホームページでも公開されておりますが、抜粋でも結構ですから、お読みになったことはありますでしょうか。
○滝国務大臣 かなりページがありますけれども、ざっとは目を通してまいりました。
○河井委員 どういう印象を抱かれましたか。最初が平成二十年で、直近が平成二十三年ですが、その採点者の評価の記述の変化、あるのかないのか含めて、雑感で結構ですから総合的な印象をお聞かせください。
○滝国務大臣 記述の変化というところまで申し上げる能力がありませんけれども、大変基本的なことの指摘が羅列されている、こういう印象でございます。 したがって、これは何のためにやるかといえば、この試験の結果というか感想を集めて記したというふうに思っておりますけれども、法科大学院に対して、こういうような点が今回の試験では目立つというようなことでございますから、そういう意味では、克明な記録だと思いますけれども、かなり基本的な点が欠陥として見受けられる、こういうように私は読ませていただきました。
○河井委員 平成二十三年と平成二十年の新司法試験とを比べると、私が見るところ、評価の記述に余り変化がない。つまり、質の改善というものをうかがうことがなかなか難しいんです。もちろん、これは主観的なものの集まりではありますけれども、実際に採点した人たちの実感ですから、私は大いに参考にしなきゃいけないと考えております。 例えば、平成二十年では、こんなことを言われているんですね。数カ所ずつ引用しますと、基礎的な理解が不十分、今、法務大臣もおっしゃった。基礎理論を身につけていない、基本的な事項を理解する点で甚だ不十分な答案が目立った、水準に達しない答案がかなりあったといった記述。 それが、平成二十三年になっても同じように、基本的な知識と応用力があれば比較的容易なのに、水準に達していない答案が多々あったとか、極めて残念な答案が多く、なぜ法科大学院修了者の答案が基本的欠陥を多く抱えるのか、原因を究明する必要がある、あるいは、特に難しい問題ではなかったが、紙の上の勉強に偏している答案だとか、現実離れした答案が多いということです。 私が思わず苦笑してしまったのが、平成二十年と二十三年の刑事訴訟法の採点実感において、一字一句、ほとんど変わらない記述があったんです。「問題文中の事実をただ書き写しているかのような解答もあり、法律試験の答案の体をなしていないものもあった。」これは、二十年と二十三年の違いは、「法律試験の答案」、その「の」があるかどうかの違いだけ。三年たっても全く同じようになっている。 申しわけないけれども、法科大学院修了生の質が劇的に向上したということは、これからはうかがうことができません。 一方で、法科大学院を修了して、司法試験という難関も突破して、司法研修所で勉強もした人たちが司法研修所を出るときの司法修習生考試。最高裁事務総局、きょうお見えをいただいておりますが、二〇〇八年に、なかなかはっきり物を言わない最高裁にしては珍しく、恐らくよっぽどひどい状況だったんでしょう、新六十期について、不可答案の概要というものを公表いたしました。 一部引用いたしますと、基本法における基礎的な事項についての論理的、体系的な理解が不足している、具体的には、これら不可答案は、記述の一部に問題があるというだけで不可とされたのではなく、一点にとどまらず複数積み重なって、答案全体を見ても、実務法曹として求められる最低限の能力を修得しているとの評価を到底することができなかったものである。 これは、繰り返しますけれども、司法試験を突破した人たちの能力のことを言っている。 御丁寧に、括弧して、「(なお、考試問題のレベル、不可答案の判断の方法は、従来と基本的に同様である。)」つまり、難しくはしていませんということ言っている。 最高裁、その後、平成二十年以降、この概要というものは作成しているんでしょうか。もし作成しているんだったら、なぜ公表しないのかも含めてお答えください。
○安浪最高裁判所長官代理者 お答えいたします。 不可答案におきます問題点の傾向というものは、その後の二回試験においても、基本的には変わっていないものと承知しております。 不可答案の概要ペーパーにつきましては、そういうこともありまして、新しいものをつくってはおりません。
○河井委員 つまり、それほど水準が変わっていないから、その後も作成をしていないということだと思いますが、その後の状況を推測する資料として、政府に設けられた例の法曹養成フォーラムで、ことしの一月二十七日に小林事務総局審議官がこういう発言をされております。 民法、刑法などの基本法における基礎的な事項、論理的、体系的な理解が不足しているために、ごく基本的な考え方が身についていないことが明らかな場合など、一定の修習生については不合格と評価せざるを得ないのが現実でございます。 つまり、質は不可答案の概要のときと比べて向上したのか、あるいは向上していないのか。認識をお聞かせください。
○安浪最高裁判所長官代理者 お答えいたします。 二回試験におきます不合格者の数でございますけれども、一番最近に行われましたのが、昨年の十一月に実施されたものでございます。応試いたしました者二千四十七名中五十六人が不合格となっております。パーセントで申し上げますと、二・七%でございます。その一年前が四・四%ということでございますので、数字の上では、若干の出入りはありますけれども、同じような割合になっているものと承知しております。
○河井委員 つまり、明らかな向上は見られていないという答弁でありました。 このように、法科大学院から学生たちの数は減る、質は上がらない。その一方で、ここからが一番大事なんです、私たち国会議員にとっては。膨大な国費、税金、そして、ここに通っている子供たちは、家族も含めた膨大な私費を投入し続けなくては司法試験を受けることができないという、国家が法律で強制をしている。 きょう、財務副大臣、お見えでございますけれども、平成十六年度の制度創設から二十三年度まで、国の財政支援総額は幾らになるでしょうか。お答えください。
○五十嵐副大臣 お答えいたします。 法科大学院の予算については、国立大学法人の場合、使途の定めのない渡し切りの運営費交付金でございます。その内数ですので、その内数については文部科学省に任せてございますので、文部科学省にお聞きをいただきたい。 また、私立大学についても、私立大学等経常費補助金の中の内数でございますので、これは日本私立学校振興・共済事業団において法科大学院の実態に応じて配分をしているところでございまして、財務省としては直接積算をいたしておりません。
○河井委員 お勧めのありました文部科学副大臣、数字を、持っていらっしゃらない、すぐ出てきませんか。すぐ出てこないなら、時間が限られていますから、では私から答弁しましょうか。 言いますから、もし間違っていたら言ってください、後で。後でというか、この委員会の質疑中に答弁をしてください。 私の計算では千五百九十八億円です。国立大学法人への運営費交付金と私立大学等経常費補助金と専門職大学院への教育改革の取り組み支援と日本学生支援機構の奨学金、これらを合わせると千五百九十八億円。つまり、八年間ですから、年間およそ二百億円をこの法科大学院制度のために使ってきたという計算になります。違っていたら後でお答えください。 加えて、学生たちの個人負担、これは、平成十六年度から二十三年度までに法科大学院に入学した人たちは四万七百九十一人でした。全員がそのままずっと勉強を続けたと仮定して、かつ、私立そして未修者という最大限の計算をいたしますと、掛け算をすると、八千百五十八億二千万円。国と学生、家族の負担額の合計は、最大で九千六百八十八億円にこの八年間でなるというのが私なりの試算であります。 ところが、先日この法務委員会にやってきたある業界団体の参考人は、名前は言いませんけれども、こう言ってのけた。法科大学院制度が発足してやっと八年がたっただけなので、制度の撤廃につき判断を下すのは時期尚早だとおっしゃったんです。八年間たってまだ早かったら、これから先、一体何年間このお金を国民の税金と子供たちのお金でずっと費やさなきゃいけないのか。今、消費税の増税をめぐってこれだけ国会が紛糾をしている。正直言って与党も野党の中も紛糾をしているときに、こういうことを平然と言うということは私は認めるわけにはいかないし、増税する前に、私はこの制度を廃止するべきだというふうに心から思っております。 そうまでして国も子供たちもお金をかけた法科大学院が一体何をやっているか。よく聞いてくださいよ。客の奪い合いをやっている。文科省、きちんと把握していますか、入学試験成績優秀者に対する異常とも言える経済支援制度の実態。御存じですか。お答えください。
○高井副大臣 済みません、承知しておりません。
○河井委員 こういうことも承知しないで法曹養成のフォーラムなんて政府で設けても、時間稼ぎだけだと私は思うんですよ。 これは日弁連のホームページに公開されています。要するに、いわゆる特待生制度なんですよ。私は、入学した後の優秀な学生への奨学金はわかるんですよ。経済的に厳しいから、その子たちをいろいろと支援しなきゃいけない。でも、今、七十四校中五十六校で実施している、四校に三校が実施しているこの制度は、単に頭のいい子を金で囲い込む。つまりは、自分の学校での学習到達に自信がないから、はなから司法試験に合格しそうな子供たちを集めているだけだと疑われても仕方ないぐらいの実態がある。 幾つか紹介しますと、これは全部、日弁連でもう公表されていることですからね。青山学院、龍谷、そして京都産業大学においては、法学部を出た既修者全員が最初から授業料を全額免除されている。甲南大学は、法学部を出ていない未修者全員に一定額が支給されている。京都産業大学は、未修者全員に一定額が支給されている。 この全員の授業料を免除するということは、もうこれは優秀者に対する支援じゃないんですよ。誰でもいいから、金を出すから何とかうちの学校に来てください、そういう単なる客集めにすぎない状況が現場で起こっている。 さらに、国立大学である島根大学とか、香川・愛媛大学連合は、定員の五割が全額免除対象になっている。関東学院では、定員の半分以上が全額免除対象。愛知学院、中京、神戸学院、広島修道では、全額免除と半額免除と一定額免除を合計すると、入学者数以上の人たちが対象になっている。駒沢、専修、大阪学院、ここは定員の二割が全額免除対象。近畿大学は、全額免除と半額免除の合計が入学者数の八割にも達している。そして、いわゆる上位校と言われている慶応大学ですら、二十人が全額免除、それ以外の二百九人全員に四十万円を支給しているんですよ。 ほかにも、山梨学院は、入学者数の半分以上に全額免除か半額免除を施した上で、一人一席の机を置いた図書室を二十四時間開放して、家具つきで月二万円の学生寮を用意して、その寮のお金も半分以上を免除して、おまけにノートパソコンまで無料貸与している。 さらに、司法試験に合格したら、大阪学院は、かかった学費の総額の半額が返還される。東洋大学は、三十万円、合格したら報奨金が出てくる。そして、京都産業はすごい。何と、通ったら二百万円報奨金をもらえる。 これら紹介した学校は、これだけやってもほとんどの学校で入学者数はふえていないんですよ。こんなことをやっていて、教員の人件費すら賄えない。真面目なほかの学部の学生やほかの大学院の院生の授業料が法科大学院の運営費に回されている。これは明らかなんですよ。その正当性は一体どこにあるのか。 彼らの負担によって、彼らというのは、ほかの学部とかほかの院生の負担によって、法科大学院は成り立っている制度。それで、これらの学校には、さっき明らかにしたように、多額の国民の税金が行っているんです。つまり、税金を使って、法務大臣、いいですか、生徒を集めるためのノートパソコンを用意したり、寮費を賄ったり、学費を支払っている。それで、さっき最高裁が言いましたよ、少なくとも質は向上していないんだと。これは本当に、納税者に対して、国民に対して、私たちは国民の代表として説明することができませんよ。 私が副大臣のときに、法務省の推薦を断って、それは、いいところしか多分見せてくれないから、自分で選びますといって、全国十四校、法科大学院の現場を視察しました。現場に行って驚いたのは、とにかく法科大学院の建物が立派過ぎる。建物のよさとこういった資金的な援助で学生を集めているという構図が、今でもずっと続いている。 一方で、この法科大学院に行くだけでは合格できないんですよ、司法試験に。これは本当におかしい話です。文科副大臣、受験予備校の質問をしますから、ちょっとこっちに耳を傾けてください。 かなりの法科大学院生が司法試験の受験予備校に、これは好きこのんでじゃない、通わざるを得ない現実があるんですよ。これは役所として実態調査をしたことはありますか。
○高井副大臣 文科省としては、法科大学院の学生が受験予備校に通っているかどうかは調査はしておりません。 ただ、学生が自分の力を試すということで受験予備校が行う模擬試験を受けることもあるというふうにも聞いておりますが、役所としては調査はしておりません。
○河井委員 これは調査してください。そんな、一過性の模擬試験で力試しなんというレベルじゃないんです。受験予備校に同時に通わないと、本来だったら質、量ともに向上すると生みの親たちが約束したはずの法科大学院なのに、司法試験に通らなくなっていってしまう。 副大臣、実態調査するということをちょっと約束してください。
○高井副大臣 どのような形で調査が行えるか、ちょっと検討をしてみます。
○河井委員 検討検討とおっしゃいますが、そういうのをやりますと言うのが政治家なんですよ。 そもそも、この受験予備校から脱却するために法科大学院制度はつくられたんですよ。それが一番大きな理由だったんですよ。国民の税金が優秀学生の獲得競争に使われ、その優秀学生たちは、法科大学院では試験に合格しないので、受験予備校に金を払って通っている。つまり、受験予備校は国民の税金で経営が成り立っていると言えなくもない大変皮肉な状態が今起こっているんですよ、文科副大臣。もっとちゃんと現場の声を本当に、役所の人たちの話ばかり聞いたってだめですよ。きょうずっと、お忙しい中、経産政務官も官房副長官もお見えいただいているから、ちゃんと私の話を聞いて、現場の声にしっかりと耳を傾けてください。 一方で、このように多額の金をかけながら、さっき最高裁が認めた質の向上が明らかに認められない法科大学院に、さまざまな事情で行けない人たちがいる。その人たち向けに、去年の十一月に第一回の、ここにちょっとありますけれども、予備試験というものが行われました。 法務大臣、ここで、この予備試験の実施方針、お手元に行っていると思いますよ、これをちょっと読み上げてください。最初の五行。
○滝国務大臣 これは、平成二十一年の十一月十一日に作成した司法試験委員会の実施方針でございます。最初の五行を申し上げますと、「予備試験は、司法試験法第五条第一項において、法科大学院課程の修了者と同等の学識及びその応用能力並びに法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうかを判定することを目的とし、短答式及び論文式による筆記並びに口述の方法により行うものとされている。」これが最初の出だしでございます。
○河井委員 つまり、大臣、法科大学院課程の修了者と同等の力を判定するのが目的ということは、法科大学院を修了した人たちは全員がこの予備試験に合格しないと制度設計が間違っていたことになりますが、いかがでしょうか。
○滝国務大臣 制度の考え方は、恐らくそういうところにあるだろうと思います。
○河井委員 ところが、この法科大学院修了生の合格率は何%だったんですか、予備試験で。
○滝国務大臣 合格率は五・七%というふうに承知をいたしております。
○河井委員 ですから、それは全員合格といっても、体調の不良とかさまざまなことがあるでしょうから、一〇〇%とは私も言いません。言いませんが、一〇〇%近く合格しないといけないという制度設計であるにもかかわらず、五・七%の人しかこの法科大学院を出た人が予備試験に通らない。これはどう考えてもおかしいと考えますが、提出者、階先生でも辻先生でも結構ですけれども、お答えください。
○階委員 まさしくそのとおりでございまして、先ほど法務大臣が読み上げた制度の要綱からして、ほとんど一〇〇%に近い数字が合格率になっていないとおかしいわけでございます。 他方、私が考えるに、その原因は何かというときに、二つ考えられるのではないか。一つは、法科大学院の教育水準が余りに低い、それからもう一つは、予備試験が難し過ぎる、どっちかだと思うんですね。 私は、その原因を突きとめる方法が一つあると思っていまして、それは、法科大学院修了者全員に予備試験を受けさせればいいと思うんですよ。それで、その合格率が八割、九割だったら、これは、ロースクールはちゃんと教育している、昨年の予備試験が難し過ぎるということだし、この合格率が二、三割ということであれば、やはりロースクールの教育はおかしいということになると思いまして、そういう検証の仕方もあるのではないか。 済みません、個人的な見解ですけれども、申し上げたいと思います。
○河井委員 私が思いつかないほど、今のは大変おもしろい御提案だと思いました。 何か私がここで通訳するのも変ですけれども、法務大臣、今の御提案を聞いて、いかがですか。これはやはり、リトマス試験紙というかあぶり出しというかわかりませんけれども、一つの方法ですよ。どうぞ、お答えください。
○滝国務大臣 基本的に、予備試験の中身の問題ということに全てはなってくるんだろうというのが、問題点としてはなってくると思います。 試みに短答式をやってみると歯が立たなかったという実務家もかなりおいでになるようでございますから、かなり、基礎的なことではあるんでしょうけれども、レベルが高いということは言われております。 したがって、今、階提案者がおっしゃいましたけれども、もう一遍、この辺のところはいろいろな角度から実証していく必要はあるだろうと思います。
○河井委員 大臣、いろいろな角度の中に、今おっしゃった全員受けさせるというのはまた別な話として、試験的に抽出して受けさせるというのはいかがですか。お答えください。
○滝国務大臣 試験的にといっても、どういう試験をするのか、なかなか難しいだろうと思いますけれども、一遍、その辺のところはよく検討してみます。
○河井委員 今、法務大臣がおっしゃったんですけれども、予備試験を必要以上に難しくしている疑惑もあるんですよ。それは、法科大学院協会からすると、みんな自分たちの学校に行かないでどんどん予備試験に行かれちゃったら困る、経営が今以上に成り立たなくなっていく、そういう理屈でかなりなプレッシャーが当局にあるのではないかという話もありますので、この点はしっかりと、予備試験の制度設計そのものにかかわることですから、階先生の御提言も踏まえて対処していただきたい。 もう一つ言いますと、普通の現役大学生の予備試験の合格率は三・三%なんです、職種別の調査によると三・三%なのに、現役法科大学院生は四・二%なんです。わずか〇・九ポイントの合格率の向上のために大枚はたいて時間かけて法科大学院に通うことが強制されているのは全く無意味だということが、私は、この現役大学生、そして法科大学院生の合格率の比較によって明らかになったというふうに思っております。 次に、法曹人口の問題についてです。 三千人の合格目標ですけれども、法務大臣、毎年の目安というものが平成十八年から二十二年まで示されておりましたが、なぜ毎年この合格者数の目安を下回ってきたんでしょうか。その原因は何だと思われますか。
○滝国務大臣 基本的に、新試験と旧試験の並行して行われている時期は、その割り振りの必要がございますので、目安を設定したという経緯があると思います。ただし、実際にはそれを下回ってきたということは御指摘のとおりでございます。 ただ、その辺のところになりますと、これは試験委員会の判断の問題でございますので、どういう理由で下回ってきたというのは、数字の上から、あるいは今までの経緯からでは何とも判断のしようがないということも御理解をいただきたいと思います。
○河井委員 いやいや、それは試験委員会の仕事ではあるんですが、なぜ目安を下回る合格者数しか出すことができなかったのか、また、質の向上が前提としての三千人に到達しなかった理由はどこにあるのかということは、私は、それは法務省としても把握をしておくべきだと思いますよ。法科大学院の教育の質が上がらなかったということがその背景にあるんじゃないですか、法務大臣。
○滝国務大臣 結果的にはそういうような判断をせざるを得ないだろうと思います。恐らく、試験問題を提出する司法試験の委員会としてはそれぞれ合格点というものを考えながら採点をしているはずでございますから、したがって、その結果が下回ってきたという面も多分にあるだろうとは推測をいたしております。
○河井委員 加えて、年を追って、棒グラフというんですか、偏差が、徐々にではあるんですけれども悪い点数の方に多くなってきているという指摘がありますが、そのことは大臣、承知していらっしゃいますか。
○滝国務大臣 実際の合格者の数を見れば、その辺のところは推測をせざるを得ないと思います。
○河井委員 文科省、今、そういう法科大学院の教育の質も含めた問題があるという認識が法務大臣から示されたんですが、文科省はどのようにこの問題を認識していますか、法科大学院とのことも含めて。
○高井副大臣 当然のごとく、法科大学院の質の向上は大事だと思っております。 改善方策について、これまで、二十一年の四月の中教審でも、法科大学院特別委員会の報告に基づいて、入学定員の削減等による入学者の質の確保、成績進級判定の厳格化による修了者の質の確保、一定の指標に基づく公的支援の見直しによる教育体制の見直しの推進、それから省令改正による質を重視した評価システムの構築というところの取り組みを行ってきたところでございます。 今後も、課題のある法科大学院群を中心に、公的支援のさらなる見直しなどを通じて、入学定員のさらなる適正化や教育体制の抜本的見直しの加速、それから、未修者教育の充実など、法科大学院教育の質の改善の促進、取り組みをさらに加速させて、法曹養成の中核機関としての職責を果たせるよう、社会全体から信頼感を得るように努力をしてまいりたいと思っています。
○河井委員 今、いろいろな取り組みといいましょうか対策が文科副大臣から示されたんですけれども、提出者の方にここで確認をしたいんですけれども、階先生で結構です。 今回、附帯決議の中に、法科大学院及び法曹関係者以外の多様な意見を入れるという文言を、これは自民党、そして民主党、公明党の実務者の先生方の御努力もあり、私が強く強く要望した点ですけれども、入れてもらいました。 今、文科副大臣がいろいろな手だてを講じていますと言っていますけれども、では、その中教審の法科大学院特別委員会の委員をしている人、法務省の検討ワーキングチームの取りまとめに当たった人、そして、法曹養成フォーラムの第一次の取りまとめと論点整理の第二次の取りまとめに当たった人、実は全部同じ人物がこういった審議会等に名前を連ねている。それも法科大学院の業界団体の人ですよ。法科大学院協会という名前の業界団体の人たち。 中立で、客観性のある、国民のための議論、検討をしなきゃいけないところに何で同じ人物たちが、今二人いるわけですけれども、何でずっと入っていなきゃいけないのか。特定の人間がなぜ毎回、有識者として重用され続けていなきゃいけないのか。しかも、その人たちは利害関係者であり、法科大学院への税金投入により明らかに利益をこうむる人たちなんですよ、利益を得る人たち。こういった人たちが集まって幾ら議論を尽くすといっても、さっきお答えになった合議制の組織で議論を尽くしても、私は既得権益を打ち破ることはできないというふうに確信をしています。だからこそ、わざわざ明文化して、この人たち以外というふうに言いました。 これは、階先生、立法者として、こういった人たちは排除する。なぜ同じ人たちがずっとかかわっていなきゃいけないのか。しかもそれが明らかに利益を受けている人たち。私は、この際、そういう姿勢を明確にしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○階委員 先回、自民党の先生方がいらっしゃらないところで附帯決議をさせていただいて、それは申しわけなかったんですが、(発言する者あり)だから、申しわけないと申し上げております、申しわけないと申し上げております。 その上でお答えしますけれども、その附帯決議の中で、多様な意見も反映されるよう合議制の組織を整備すべきであるというふうに言っております。 既に、フォーラムを通じて、今おっしゃられたお二方の意見については十分反映されてここまで来ているわけですから、今さらながら、その人たちの意見を新たな合議体で取り入れる必要はないのではないかと私は思います。多様な意見を取り入れるのであれば、今まで意見を聞いたことのないような人を入れるというのが私はこの附帯決議の趣旨だというふうに理解しております。
○河井委員 文科副大臣にお尋ねをします。 第三者認証評価機関による法科大学院の評価についてなんですけれども、この法科大学院が適切かどうかということを評価する第三者機関、第三者機関といいながら、実は身内が評価をしているんですよ。 これは三機関によって評価をされているけれども、日弁連がつくったものが不適格と認定したものが二五%、学位授与機構は同じく二五%、ところが大学基準協会によると五六%、つまり、機関によって倍以上の適格か不適格かの判断の差が出てきている。私はこれは不自然ではないかというふうに思っておりまして、そして、この評価委員が勤務する法科大学院の評価を行った各機関の実績を調査したところ、不自然な偏りがあるところに気づいたんです。 というのは、日弁連がつくったところは七人中四人が、学位授与機構は十四人中十一人が、そして基準協会は十八人中二人のみが評価委員が自分が所属してる大学を評価していた。言っている意味がわかりますか。つまり、結果として評価委員が所属している大学の割合が少ないんですよ、大学基準協会は。そこの不可率がほかの二倍以上になっている。 これは私は不自然じゃないかと思いますよ。身内で、もちろんお互いに冷静中立に、客観中立にしなきゃいけないとは言っているけれども、評価委員が所属している大学の割合が少ない大学基準協会だけがなぜ第三者評価の不可の割合が高くなってきているのか。 このあたり、文科省として問題意識を持っておりませんか。数字のこの不自然さについては問題だという認識はありませんか。お答えください。 時間がありませんので、簡潔にお願いします。
○高井副大臣 御指摘の件は第三者評価ということで、専門的、客観的な立場から評価するものというふうにありますけれども、法科大学院の教員等が参画することというのは、当該法科大学院の教員等が参画するということは認められないけれども、法科大学院の教育活動の内容に踏み込んで評価をするということのため、他の法科大学院に所属する教員等が参画するということは許容されるのではないかというふうに思います。 これに加えて、先生も御指摘あったとおり、法科大学院関係者以外の者も参加もしておりますので、客観的公平性、透明性というのは担保できているのではないかというふうに思っております。
○河井委員 あなた、私の質問の意味がわかっていないですね。そうじゃないんですよ。自分が自分の大学を評価すると言っていないんですよ。自分が所属している大学の評価を、ほかの評価委員が、同じ大学に所属する評価委員がしているのが、大学基準協会のその割合が、不可にしている割合が二倍以上高い。なぜかというと、基準協会は余りお互いに評価をし合っていないということがあるから、不自然じゃないかと言っているんですよ。 さらに言うと、日弁連がつくった評価機関、評価委員二十六人のうち三八%が法科大学院の教授なんです。学位授与機構は五九%。そして、基準協会は何と七五%なんですよ。ということは、これは私たちの世界でいえば、選挙管理委員会の委員に現職の政治家がなるようなものなんですよ。利益相反で、中立性のかけらも感じられない。それは大学基準協会の規程には書いていますよ、その所属する大学の認証評価にかかわることはできないと書いてあるけれども、仲間による仲間のための、仲間のためのお手盛り検査だと言われても仕方がない。自分が立候補した選挙の管理を政治家自身が行うようなものなんですよ。 だから、この第三者評価機関というものの仕組み自体に文科省として問題意識を持って、きちっと見直していただきたいと私は思いますが、いかがでしょうか。
○高井副大臣 今、ちょっと手元にその詳しいデータがございませんので、しっかり調べて、また検討したいと思います。
○河井委員 私、ちゃんと第三者認証評価機関についてというふうに質問通告していますよ。どういう中身があるか、しっかりと事前に準備されるのは当然じゃないですか。 時間がそろそろなくなりつつありますので、きょうは経産政務官と内閣官房の齋藤副長官もお見えでございます。きょうのこの議論をお聞きになって、お二人とも法曹養成フォーラムにそれぞれ組織として、構成員として入っていらっしゃる。自民党の私が言うのも変ですけれども、既得権益を打ち破って、国民の生活第一と言って政権をおとりになったのが、たしか民主党、二年九カ月前の政権交代ではなかったのでしょうか。 これは、正直言って、高村先生の私たちの議員連盟とか、あるいはその前の自民党の若手の法曹関係者、非法曹関係者、もう平成二十年の五月から繰り返し言い続けていることですよ。今私たちは野党だから、残念ながら、この場でこうやってわあわあ言うしかできない。あなたたちは政権の座にいるんだから、役所とか業界団体の既得権益を打ち破って、国民の生活第一の政治をしてくださいよ。 決意をお二人からお聞かせください。
○齋藤内閣官房副長官 齋藤でございます。 この間のフォーラムにかかわります政府側からの、官邸側からの副長官は、関係省庁との協議がということでございまして、事務方の竹歳副長官が出席をしております。 しかし、きょう、そしてまたこれまでの経緯を含めて、熱心な御質疑について私も拝聴をさせていただきながら、この裁判所法改正案修正案の今後の審議の状況や推移を見守りつつ、適切に対応していきたいというふうに思います。 そして、法律の施行後一年以内に検討を加えるということが出ておりますので、この制度のあり方、法曹の養成に関するフォーラムにおける論点整理を踏まえ、政治主導、今こういう河井議員のお話がございましたけれども、私ども、そういう認識で今政府のそれぞれの要所要所、立場にいるつもりでございますので、これまでの推移、これまでの取り組み、そして、これからの国会における審議、そしてその内容に基づきまして、政治としてしっかり対応させていただきますよう、私自身も官邸の中で、官房長官、また総理の方に伝えさせていただきたいというふうに思います。 ありがとうございます。
○中根大臣政務官 経済産業省といたしましては、産業界から、国際競争の激化による国際法務の強化の必要性などが指摘をされております。具体的には、法的素養を備えながら、国際感覚やビジネスに対するリスク感覚を持った人材に対するニーズがあるというようなことを法曹養成フォーラムを通じて認識をいたしておりますので、法曹人材の養成につきまして、関係省庁と適切に連携をしながら取り組んでまいりたいと決意を述べさせていただきます。
○河井委員 時間が参りましたので終わりますが、これだけ明々白々な、さまざまな問題が明らかになっているにもかかわらず、政権として法務大臣を中心に手をこまねき続けている状態が続くのだったら、もう本当にあなたたちが政権をやっていく資格はないと私は思いますよ。ぜひ、いつまで続くかわかりませんが、続いている限りは責任を持って、この現場の声に耳を傾けて、具体的な根こそぎの改革のために頑張っていただきたいし、私たちも協力できるところはしていきたいと思います。 以上です。終わります。
○小林委員長 次に、城内実君。
○城内委員 自由民主党の城内実でございます。 滝大臣以下、新政務三役の御就任おめでとうございます。 特に、滝大臣は、私の自民党一年生時代の先輩でありますし、また郵政民営化法案に青票を出した同志でありますので、大変尊敬しております。当時、南野知恵子法務大臣にかわって難しい質問を的確に、当時の副大臣の滝大臣が全部背負ってお答えしました。私は、ああ、この方がまさに将来法務大臣になればいいなと思っておりましたので、大変尊敬しております。 しかるに、今までの歴代法務大臣、私のこの委員会に対する質問に対してまで、本当に木で鼻をくくったようなろくでもない答弁しかしてくださいませんでした。滝大臣で何と七人目でございます。ぜひ最後まで職務を全うしていただきたいというふうに思う次第でございます。 本題に入る前に一つ質問させていただきたいんですが、実は、六月一日のイギリスのフィナンシャル・タイムズのインタビューで、丹羽中国大使が、まさに石原都知事の進めていらっしゃる尖閣諸島購入計画について、これが実行された場合、日中関係に深刻な危機をもたらすと、あたかもこの尖閣に領土問題が発生しているかのようなことを我が国の中国大使が、事もあろうか新聞に、これは公開情報ですよ、ぽろっと言ってしまった。本当にこれは信じられません。 法務省も、これは関係ないというんじゃなくて、まさに土地の登記、入国管理は法務省の案件ですから、外務省以上に強く関心を持っていただきたいんですが、こんなとんでもない大使は即刻、もう首にすべきだと思いますが、法務大臣、滝大臣、どう思いますか。
○滝国務大臣 基本的な問題は微妙なところがありますから、発言は差し控えさせていただきたいと思いますけれども、基本的には、日中は戦略的な互恵関係という前提で、なおかつ日本の国益をどうやって確保していくかということも大事な問題ですから、軽々にこれに対して発言はすべきではないというふうに私は考えております。 ただ、内閣全体として取り組む問題というふうに理解をしていることだけは申し上げておきたいと思います。
○城内委員 やはり、大臣、本当に木で鼻をくくったような答弁ですよ。既に、前原政調会長とか、まさにこの丹羽大使を推薦したと思われる岡田克也副総理も、この発言に対してこれは問題だというふうに指摘していらっしゃるわけですから、私は、法務大臣としてもきちっとこれは問題だという認識を持っていただいて、より前向きな発言をしていただきたかっただけに、残念ではあります。 次に、本題に入りますけれども、裁判所法改正案についてではありますけれども、これは非常に残念なのは、六月一日、一週間前ですよ、委員長職権で法務委員会が自民党が出席できない状況で強行的に開催されました。これに対して謝罪がありましたけれども、私は、ほかの委員会でもこれはあってはいけないことですが、法務委員会でこんなことをやっていいのか。日本は本当に法治国家でありますし、まさにルールや法と正義にかかわる案件を扱っている法務委員会でこんなことが行われたということは、私はこれは将来に大変禍根を残すと思っておりますので、ぜひ関係者の皆さんの猛省を促したいと思います。 次に、本題に入りますけれども、裁判所法の一部を改正する法律案。 私は、無所属の時代から一貫して司法修習生への給費制存続を訴えてきました。私は当初、貸与制でいいかと思ったんですが、いろいろな声を聞いて、これはもう絶対に給費制を存続すべきという立場に転向しました。 まさに、司法修習生は、将来の司法と社会秩序の維持、人権擁護を担い、法治国家を支える、社会になくてはならない人材であるのですが、そうした方々が、財源がないからというまさに財務省のそろばん勘定で、それだけで返還義務のある貸与制に変更されるということ、これはどうしても私は賛成できないんです。私は、自由民主党所属になって初めてのこの法務委員会の質問ですけれども、その立場は変わりません。 今般の裁判所法修正案は、自民党の要求も受け入れられましたし、また、司法修習生への経済的支援に関しましては、より修習生の立場に立って、返還猶予等の規定も盛り込まれましたし、かつ、単なる国家財政的理由ではなくて、法曹制度全体から見て検討が行われるということでありますから、私は、まだ十分納得はできませんけれども、一定の評価をしております。 しかし、幾つかの疑問点がございますので、順次これから質問させていただきます。 まず、裁判所法の六十七条の二に、「、又は修習資金の貸与を受けた者について修習資金を返還することが経済的に困難である事由として最高裁判所の定める事由があるとき」という文言が追加され、また、同条に附則が追加され、「司法修習生に対する適切な経済的支援を行う観点から、法曹の養成における司法修習生の修習の位置付けを踏まえつつ、検討が行われるべき」とすることというふうになりました。 私は、この適切な経済的支援という文言は、これはやはり給費制であるというふうに思います。六月一日の公明党の大口委員に対します辻委員の答弁にもありましたけれども、政務三役が一新され、状況も変わってきましたので、もう一度質問させていただきたいと思います。 検討の内容には給費制復活というものも視野に入っているのか、含まれているのか、そういう理解でよろしいかどうかというのが一つ。 また、二点目は、修正法案においては、既に貸与制となっている第六十四、第六十五期の方々について、返還猶予に関する新しい規定が及ばないのではないかという疑問も一部から呈されておりますが、私は当然これは遡及されて適用されると。というのは、適用される人とされない人、こういうのは非常に法のもとの平等に反すると思うんですが、遡及されて適用されるという理解でよろしいかどうか。 この二点について御質問させていただきたいと思います。
○辻委員 お答えいたします。 三権分立の一翼を担う司法が、インフラが非常に危うい状況になっている。その中で、法曹養成制度をしっかりともう一度立て直すということが喫緊の課題だという前提でこの修正案を出させていただいております。 その中で、適切な経済的支援を行うということは当然の前提であり、給費制を排除する趣旨ではありませんし、今おっしゃられた、過去にさかのぼって公平、平等な支援を検討するというのも当然含まれている課題だ、このように考えております。
○城内委員 今、辻委員から前向きな御答弁をいただきましたので、給費制も排除する趣旨ではないということと、当然過去にさかのぼっていくことも検討されるという御答弁でしたので、ほっと安心した次第でございます。 次に、合議制の組織について質問させていただきたいと思います。 まず第一に、附則第二条に、「一年以内に検討を加えて一定の結論を得た上、速やかに必要な措置を講ずる」とありますが、一年以内といったっていろいろあるわけで、一カ月後とか二カ月後とかありますけれども、一年以内のいつごろ検討が始まるのか、また、一年以内に一定の結論がきちんと得られるのか、確認したいと思います。さらに、「速やかに」とありますけれども、どの程度速やかなのか。大体の勘どころでいいので、感じでいいので、御答弁いただきたいと思います。
○辻委員 附則で、政府は施行後一年以内に検討を加えて一定の結論を得るということであります。したがって、あらゆる課題についてしっかりと議論をして、原則一年以内にしっかりとした結論を出すということでありますし、そのための合議制組織が、政府が一年以内に結論を出すということでありますから、合議制組織はそれの相当程度前の段階で結論を得るということが前提であろうというふうに思っております。 以上です。
○城内委員 今、辻委員から原則一年以内というお言葉がありましたけれども、私は、論点とか議論はもう出尽くしているわけですから、本当に早急に結論を出していただきたいというふうに思っております。 そして、組織の構成について質問させていただきたいんです。 従前の検討体制をより強化するというふうになっておりますが、まさに多様な意見が反映される形でどんどん議論をしていただきたいと思います。よもや、今の法曹フォーラムのメンバーの一部の方がそのまま横滑りして就任することはないというふうに私は理解しております。 と申しますのは、法曹フォーラムのメンバーの方は、多くが貸与制論者で、何か非常にバランスを失しているような感じがいたしますので、私は、合議制の組織というのであれば、例えば当事者であるビギナーズ・ネットの方もメンバーに入れてしまう、こういうことも思い切ってやるべきじゃないかと思うんですけれども、この点についてはどうお考えでしょうか。
○黒岩委員 お答えいたします。 今、城内委員の御指摘のとおり、新たな合議制につきましては、従前の検討体制よりもちろん強力なものにする、新たに整備するとなっております。きょうも議論がありましたけれども、当然、法科大学院や法曹関係者以外の多様な意見も反映されるというふうに整備してくださいと私ども修正案の提案者として盛り込んでおりますので、この点につきましてちゃんと受けとめて、本当にさまざまな幅広い検討がなされる、そういう合議体を政府におきましてつくっていただく、このことを要請している次第でございます。
○城内委員 要するに、現場の声を知らないような学者の方ばかりではなくて、ビギナーズ・ネットを初め、まさに当事者というか関係者の悲痛な叫び、これについてはまた私は後で御紹介させていただきたいと思いますけれども、そういう声もちゃんと反映できるような合議制の組織にぜひしていただきたいというふうに思っております。 次に、大臣に質問させていただきたいと思います。 大臣はもともと自治省御出身でありますから、財務省の論理と違った形で、自治省として、官僚として本当に御苦労されてきたと思うんですけれども、だからこそ、私は、司法修習生の適切な経済的支援というのは、財務省のお金がないからとか足らないからとかいう論理ではなくて、必要かどうか、そういう至極当然の観点から考えていただきたいというふうに思っておるんです。 残念ながら、小川前大臣は法曹界出身で司法修習を受けられた方であるにもかかわらず、大口委員の、私は出席できませんでしたけれども、先般の、六月一日の記録を見ると非常に人ごとのような冷淡な答弁をしておりましたし、その前の平岡元大臣も何か冷淡だったんですね。 ですから、私は、滝大臣であるならばしっかりと、財務省の論理ではなくて、必要かどうかという観点から、経済的支援は削られるべきではないというふうにお考えになっているというふうに理解しておりますが、大臣、どうでしょうか。
○滝国務大臣 基本的に、私は法曹ではありませんから、ある意味では中立かもしれません。 そういう中で、今委員からお話しのようなことは、まだ合議制の中で、これから新しくし直す合議体の中でどういうふうな結論になるかということはございますので、あらかじめそれに先立って私の方から意見を申し上げるというのはいかがかと思いますけれども、やはりこれまでの皆さん方の意見は意見として十分に体して法務省も受けとめていかなければいけない、こういうふうに思っております。 特に、先ほど河井先生も、そして今また委員からもお話がございました。そういうことは、やはり基本的な問題として、どう法曹を育てるかということに視点を当てて、これまでのいきさつはいきさつとして、やはり新たな実態というものはどう反映するかというのはこれからの課題だろうというふうに思っております。
○城内委員 いや、今大臣、御自身は法曹ではないとおっしゃいましたけれども、自民党時代も法務副大臣というか、実質的には南野大臣にかわる法務大臣だったわけですよ。ですから、本当に当事者意識を持っていただいて、まさに政治主導でしっかりと合議制の、もちろん議論はあると思いますけれども、正しい方向に持っていっていただきたいと思います。 最後に、ビギナーズ・ネットの皆さんの声を幾つか紹介させていただきたいと思いますが、今貸与制で修習している新六十五期の修習生の皆さんから、こんな声があります。 例えば、ちゃんと食べていけるか不安な中で、本来したい公益活動、例えば東北大震災の支援活動だと思いますけれども、かかわることができないのが残念だ。あるいは、もともと経済的に余裕がある人間しか弁護士になれなくなり、法曹の多様性が崩れるのが心配です。さらに、三つ目は、修習を終了しても就職できなかったり、貸与金の返済が始まった時点で返済できるだけの収入を得られず、貸与金を返済できないのではないか、そういう不安がある。また、修習期間という最も見識を深める時期に書籍の購入を控えなければならない。同期との親睦を深めたり、知見を広げるためのそういった懇親会、交際費、そういうものが全く捻出できない。経済的な不安が大き過ぎて修習に集中できない。こういう声は、私は本当の声だというふうに思っています。 司法修習制度は法曹全体の改革の中で議論されるべきことは私も承知しています。しかし、特に、今申し上げましたように、東日本大震災で多くの弁護士の方がボランティアで現地に行かれて二重ローンの問題に中心的に取り組んだりしたわけでございますし、まさにこの六十年の、こういった公益のために仕事をするという、弁護士さんも検事さんも裁判官さんもいますけれども、支えてきたのは給費制であったのではないかと私は思うんです。ビギナーズ・ネットの皆さんも、きょうもいらっしゃっていますけれども、人のために何かをしたいと。だから、自分で何か金稼ぎをしたいとか、そういう人というのは私はほとんどいないと思いますよ。社会のために、公益のために働きたい、だから、弁護士になりたい、裁判官になりたい、検事になりたい、そういうつもりでやってきたと思うんです。 しかし、大学、ロースクールでお金を借りて、さらに司法修習生になって借金を背負う。これは二重苦ですよね。私が十年いたドイツでは、修習生はきちっとやはり国が国費でちゃんと研修費を払っていますよ。この間、大口委員も質問されたようですけれども、そういう国の方が多いんじゃないですか。しかも、司法修習生は兼職もアルバイトもできない。地方の修習を命じられても、私が聞いたところでは、交通費も出ない。これでは、公益のために一生懸命働く弁護士さんが減る一方だと思いませんか。私は本当に、何でこんな制度なのかよくわからないんですが。 もちろん、繰り返しになりますけれども、法曹制度全体が問題ですけれども、その中の最重要案件の一つとして、貸与制を給費制に戻す、そういうことをやはり念頭に置いていただきたいと思いますが、この点について、最後に大臣の見解をお伺いします。
○滝国務大臣 重ねてのお尋ねでございます。 確かに、日本の制度は、どちらかというとドイツの法曹養成制度に近いかもしれません。恐らく、それが模範になって今日まで続いているんだろうと思います。そういう意味では、そういうドイツの例というものも検討に値するというか、当然、踏まえた議論をしていかなければいけない。 ただ、今、委員がおっしゃいましたけれども、司法制度改革全体で膨大なというか、従来から比べると膨大な財政資金がこの改革に投入されているということも政府としては考慮に入れていかないといけないということもございますものですから。 いずれにいたしましても、私の口からどうするかというよりも、せっかく、これから新しい合議体でこの問題について、経済的な困窮をするようなことがないようにというような角度からの議論がされるということでございますから、その議論を待って、受けとめていきたいと思います。 ただし、毎年毎年十一月からは新たな修習生が誕生するわけでございますから、そういう時期的な問題も念頭に置いて結論を出していかなければいけない、そういうふうに思っております。
○城内委員 今、滝大臣、膨大な財政的な問題があるとおっしゃいましたけれども、私、何度も言いますように、確かにお金がなければできないということはあると思いますけれども、やはり、何が大事か、何が必要か、何が日本の社会にとって大事かという観点から、お金がないからやめますなんというのは誰でも言えることですから、ぜひ、政治主導で、この点についてはより積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。 次の質問に移りますが、いわゆる人権救済法案についてであります。 実は、滝大臣にはまだ所信を伺っていないんですが、その中で、歴代大臣同様、この問題についてお触れになるんじゃないかと思いますが、私は、もう結論を言うと、人権救済機関はそもそも必要ないという立場です。こういうものをつくるのは、まさに財政的な負担がふえるだけ、必要がないのにお金をかけてつくる必要はないという立場であります。 平成十七年に、この前身とも言える人権擁護法案が事実上廃案となった時点で、もう全ての論点が尽くされております。もう私は終わっている話だと思うんですが、民主党政権になってまたぞろ出てきたんですが、当時私は、平成十七年、自民党法務部会で先頭に立ってこの問題に積極的に取り組んでまいりました。 滝大臣は、まさにその当時、法務副大臣を務めていらっしゃいましたので、その経緯も中身もよくわかっていらっしゃると思うんですが、今、民主党政権で法務大臣に御就任されておりますけれども、今の状況をどのようにお考えでしょうか。
○滝国務大臣 委員御指摘のとおり、平成十七年当時というか、もっと前からずっと、自民党を中心として、いわば超党派でこの問題は検討をしてきた。そういう成果を踏まえて、一旦は法案として出したものが廃案になってしまった。選挙があって廃案になってしまって、もう一遍十七年のときに法務省として出そうかということで案をまとめたということは、そういう経緯がございます。 ただ、今の段階では、そのときの案とは、主な批判点をかなりクリアした格好で、今出そうかという案を取りまとめているところでございます。ただし、まだ政府案として閣議決定をするには至っていないというのが状況でございます。
○城内委員 いや、私もこの問題にずっとかかわっておりますけれども、今、滝大臣は、そのときの案と比べて問題がかなりクリアされているとおっしゃいましたけれども、ほとんどクリアされていないんですよね。一部変わったところがありますけれども、人権委員会が三条委員会であるという問題とか、あるいはその定義の問題とか、私から見ると、ほとんど変わっていないんじゃないかなと思います。 滝大臣のみならず、新政務三役の方も就任されましたので、それぞれに、どのようなお立場かということを一言ずつお伺いしたいと思います。
○谷副大臣 お答えの前に一言御挨拶を申し上げます。 このたび大臣政務官から副大臣になりました谷博之でございます。委員長並びに委員の皆様方の御指導をこれからもよろしくお願いいたします。 今のお尋ねでございますが、基本的には滝大臣と同じ考え方を持っておりまして、特に我が国の人権侵害の状況、あるいはまた国際的な要請、人権擁護推進審議会の提言など、いろいろ考えますと、現状としては、現在の法務省の人権擁護機関の限界等を踏まえますと、政府からの独立性を保った、有する、そういう人権救済機関を創設することが必要ではないかというふうに考えております。
○松野大臣政務官 お答えいたします。 このたび政務官を拝命いたしました松野信夫です。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。 ただいまの御質問でありますが、大臣そして副大臣がおっしゃられたとおり、私も同様の認識を持っているところでありまして、これまでの法務省の人権擁護機関による人権相談その他いろいろな活動、これはこれで立派なものがあったということは承知しておりますけれども、やはりそれにも限界があったことは否めないと思います。 やはり、政府から独立をした、ここが一つのポイントでありまして、政府から独立した人権救済機関をしっかりと創設するということは大変大事なことだというふうに考えております。
○城内委員 今、谷副大臣、松野政務官からも御答弁がありましたけれども、時間がないので、また次回に質問させていただきたいと思います。基本的に前向きなんですが、私は、その必要性とか、今のこの現状で何が解決できないのかということについて非常に疑問を持っていますので、また次回、お時間をいただきましたら質問させていただきたいと思います。 現在の進捗状況についてお伺いしたいと思います。 今国会は法案提出を諦めたというような報道も一部ありました。他方、五月二十四日の自民党法務部会で、法務省の人権擁護局の関係者の説明によりますと、人権救済法案について、既に骨子案は民主党内で了承されたと。そして、閣議決定前段階の関係各省協議もおおむね終了しましたと。内閣法制局の条文審査も終了し、修正を待つのみで、民主党内の条文審査が終わっていないだけというような、驚くべき、もうそこまで進んでいるのかというような話を聞いたんです。 本日六月八日現在の状況をお聞きしたいと思いますが、まず一つは、本件について、滝法務大臣は、野田総理から、これを早く進めとか進めないとかいう具体的な指示があったのかどうか。 そして、これもうわさなんですけれども、前原政調会長がじきじきに野田総理大臣に対して、この法案を早く提出するように要請したと。このことについて、滝大臣は御存じかどうか。 さらに、法務省と本件について、大臣は就任後、いろいろブリーフとかあると思いますけれども、何らかの具体的なやりとりがあったのかどうか。 この三点について、具体的に御答弁していただきたいと思います。
○滝国務大臣 総理から、法務大臣就任に当たっての指示事項としては、人権救済機関の設置に向けた具体的な作業を進めるように、こういうような指示はいただいております。 それから、民主党の政調会長が総理に申し入れをしたという経緯については、私は個人的には承知をいたしておりません。 それから、三点目は何でございましたでしょう。
○城内委員 三点目は、大臣は就任後、法務省の関係部局、人権擁護局でいいと思いますけれども、何らかの、この点についてブリーフとかやりとりはあったんでしょうか。
○滝国務大臣 副大臣時代から事務当局と一緒になって検討はしてまいりましたから、大臣就任後、改めて具体的な話をしたことはございません。今までの線上で、いつどういうような状況の中で具体的な進め方をするかというのは、まだまだ少し条件が満たさない、こういう状況でございますから、そういう事態を待って、改めた検討をしていきたいと思っております。
○城内委員 ぜひ、これは本当にいろいろな問題、憲法の表現の自由にかかわる問題でもありますので、慎重に、この委員会できちっと議論をしていただいた上で進めていただかないと、本当にこれは後へ禍根を残す問題ではないかと思います。 次の論点ですけれども、私は、小川前法務大臣に二度ほど質問したんですが、かなり答弁が、木で鼻をくくったというか、いいかげんでありまして、改めて滝大臣にもお聞きしたいと思うんです。 小川前大臣は外国人参政権、外国人の地方参政権の付与に賛成のお立場でしたが、滝大臣はいかがでしょうか。
○滝国務大臣 この問題も、私はずっと自民党時代からこの問題に、いわば党内での作業に少しばかり携わってまいりましたけれども、私自身は、賛成とか反対とかという、まだ結論を出すに至っておりません。なかなか賛成、反対というような結論を出しにくい問題だろうと思います。いろいろな問題点を列挙して整理はすることに私も当時から、もう前々から携わってまいりましたけれども、実際決断となると机上だけの問題ではいかない。それだけに、まだまだ、大臣としても、そういうような決断をするような事情にはないというふうに思っております。
○城内委員 賛成とか反対の立場でないということでありますから、私は、慎重であるというふうに、いい意味で解釈しますけれども、小川前大臣は、二月二十二日の私の質問に対して、外国人参政権賛成の立場から、外国人の人権擁護委員就任について、「個人の見解」として、「人権擁護の職務を行うのにふさわしい方であれば、必ずしも日本人に限定する必要はない」と、これは大変大問題の答弁なんですね。また、他方、「法務大臣として答えれば、」「日本国籍を持つ者しか人権擁護委員になれない」とおっしゃいましたが、こういう、もうとんでもないような答弁をする方と違うということがきょう理解できただけでも、本当に一歩前進なんです。 私は、法務大臣としての重責にある滝大臣に、この立場についても、反対という立場でより明確にしていただきたいと思いますが、時間がないので、また今後、この人権救済機関の設置の問題については、まだまだ残っている質問がたくさんありますので、次回させていただきたいと思います。 最後に、これは憲法の表現の自由にかかわる、我が国に居住する国民のみならず、外国人、ひいては皇室の関係者に至るまで、全ての人がかかわる大問題であるという認識をぜひ持っていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 きょうは、ありがとうございました。
○小林委員長 これにて発言は終わりました。 この際、申し上げます。 去る一日、修正議決すべきものと決しました裁判所法の一部を改正する法律案につきましては、本日の理事会において賛成多数であることを確認したことを御報告申し上げます。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時三十六分散会