国土交通委員会 第9号
- 発言数
- 119 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2012/06/15
会議録
○伴野委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、特定タンカーに係る特定賠償義務履行担保契約等に関する特別措置法案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省海事局長森雅人君、金融庁総務企画局審議官遠藤俊英君、外務省中東アフリカ局長松富重夫君、財務省主計局次長中原広君及び資源エネルギー庁資源・燃料部長安藤久佳君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伴野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○伴野委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。古賀敬章君。
○古賀(敬)委員 民主党の古賀敬章でございます。 持ち時間が十分しかありませんので、早速質問に入らせていただきます。 本法案に関しまして、我が国は輸入原油の約八・八%がイラン産原油ということでございまして、七月一日以降、再保険の引き受けが禁止された場合、国民生活にどのような影響が生じることが予想されるのか、まずこのことをお伺いいたしたいと思っております。できましたら具体的に御説明をいただきたいと思います。
○安藤政府参考人 お答えさせていただきます。 七月以降、今先生御指摘のように再保険の引き受けが禁止されますと、石油会社が、これ以降の原油のイランにおける船積みができなくなるということになります。その場合、日本といたしまして、代替原油の手当てを緊急に行う必要が生じます。 この七月を境にいたしまして、アメリカ、EUによります対イラン制裁が本格化いたしまして、世界の原油供給が不足をする事態が大変懸念される状況に陥っております。世界じゅうが代替原油の駆け込みを行いますと、国際原油市場が混乱をすることが予想されます。調達が困難になるばかりではなく、高どまりをしております原油価格がさらに上昇する、そういった可能性が心配をされます。 具体的にということでございますので、IMFが、イラン産原油の輸入が停止した場合に、原油価格が二割から三割ぐらい上昇する、そういった見通しを出しております。また、原油価格の上昇が石油製品価格の上昇につながるわけでございまして、物流コストや電力コスト等を増加させるということが心配をされます。 また、今、原子力発電所が先生御案内のとおりでございまして、石油火力発電の比率が大変高うなっております。平時におきますと大体五%ぐらいの石油火力のウエートでございますけれども、足元約二割ということになっておりまして、そちらの重油の調達にも少なからず影響が生じるであろうということが懸念をされます。 さらに、イラン産原油の引き取りが一定期間停止した場合には、国際社会に対しまして、日本というのはイラン産原油は必須のものではないんじゃないかという誤解を与えかねないことが懸念されます。 アメリカ、EUを初めといたしまして国際社会と協調しながら、日本にとってのイラン産原油の必要性を本法案によってお示しいただくことによりまして継続的な輸入を確保していくことが我が国経済にとって大事ではないかというふうに考えさせていただいております。
○古賀(敬)委員 国民生活に大変大きな影響が出るわけでございますが、本法案が閣議決定されましたのが六月十一日。EUによるイラン制裁措置によりまして、ことしの七月一日以降、イラン産原油の輸送について再保険の引き受けが禁止される可能性が高いことがわかっておりながら、六月二十日までにこの法案を通せという、極めて異常な法案審議をせざるを得なくなったわけでございますが、その経緯を御説明いただきたいというふうに思います。
○吉田(お)副大臣 EUによるイラン産原油の輸送に係る再保険の引き受け禁止の動きを受けまして、政府といたしましては、制裁発動の猶予継続等について、あらゆるルートとレベルでEU及びEU加盟国に対して働きかけを行ってきた次第であります。また、核問題をめぐるEU3プラス3とイランとの協議が行われておりまして、その動向を見きわめる必要もございました。 今般、こうしたEU措置の見直し、イランの核問題をめぐる国際情勢を踏まえ、本法案を六月十一日に国会に提出したところでございます。 本法案の目的を達成するためには、七月下旬以降のイラン産原油の船積みを着実に確保する必要がございます。また、米国やEUによる対イラン措置が本格化する七月以降に、十分な代替原油の調達が困難になる可能性がございます。こうした点を総合的に考慮いたしますと、六月二十日までに本法案の成立が必要であるということで考えているところでございます。 よろしくお願いしたいと思います。
○古賀(敬)委員 今の説明で大体は理解をさせていただきます。 この法律でイラン産原油が確保できるということになるわけでございますが、EUの制裁に反して、我が国が抜け駆けでイラン産原油を買っているように見えなくもないわけですけれども、EUやアメリカとの関係で問題は生じないのか、お尋ねをいたします。
○松富政府参考人 お答えいたします。 我が国は、イランの核問題を含むさまざまな問題について、米国やEUと緊密に意見交換してございます。本法案についてもしかるべく説明して、米国やEUの理解は得てございます。したがって、本法案は、米国及びEUを含む国際社会との協調を阻害するものではございません。
○古賀(敬)委員 次に、EU以外で我が国と同じようにイラン産原油を輸入している国が、インド、中国、韓国と三カ国ありますけれども、それらの国々の今回の事態に対する対応の仕方、わかっておれば教えていただければと思います。
○松富政府参考人 韓国は、我が国と同様に、EU側に働きかけを実施しております。韓国は、国内法の枠内でいかなる対応が可能か、現在検討中との説明を先方から受けてございます。 中国、インドについても、現在情報収集をやっておりますけれども、欧州の再保険会社にかわって、国がイラン産原油の輸送に必要な保障を提供する枠組み等について、さまざまな選択肢を検討中との報道に接している状況でございます。
○古賀(敬)委員 では、中国、インドは我が国と大体同じような方向で、国内で法整備をしているということでしょうか。
○松富政府参考人 法整備が必要かどうかについては、まだ検討段階と承知してございます。
○古賀(敬)委員 では、最後の質問になります。 附則の第二条に「この法律の廃止」という項がございます。この法律が廃止される要件に、「特定運航が行われなくとも国民生活の安定及び国民経済の円滑な運営に支障を生じないと認められるに至ったとき」とありますけれども、これはどのような状況を指すのでしょうか、お尋ねします。
○森政府参考人 お尋ねのあった附則第二条の本法の廃止要件については、二つの場合を掲げております。 一つは、イランの核問題の解決に向けた国際情勢の進展等により、欧州等の保険会社による再保険の提供が再び可能となった場合であります。 もう一つが、古賀先生、今お尋ねの件でございまして、これは、イラン以外の国からの原油の調達が安定的に確保されることにより、我が国経済に影響を与えるおそれがないと認めるに至った場合を指しております。
○古賀(敬)委員 抽象的で余りよくわからないわけでございますけれども、いろいろな解釈ができるということなんでしょうね。何か具体的な状況が例示できますでしょうか。
○森政府参考人 イランからの原油の輸入が必要なくなったということでございますので、例えば、サウジアラビアとか、ほかの原油国から必要な原油の調達が可能な場合ということでございます。
○古賀(敬)委員 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○伴野委員長 次に、山本公一君。
○山本(公)委員 おはようございます。 今の古賀先生とかなり重複するような部分もあろうかと思いますけれども、重ねてお伺いをいたしたいと思います。 六月十一日に提出をされました。この法案、当委員会においての審議でも、私の経験上初めてと言ってもいいぐらい異常な状態できょう審議に入るわけでございます。それもこれも、各党が、特定タンカーのこの法案がこの国にとって必要といいますか、緊急度が高いというそれぞれの理解のもとに当委員会の開催につながっていったということは、ぜひわかっておいていただきたいと思います。 こういう法案を用意しているという新聞報道が、かれこれ二カ月ほど前にちょろっとあったと思います。私も、国土交通委員会で筆頭を務めておりまして初めてその状況を知りました。そしてマスコミから、理事ですから、当然、各要路要路から状況等について説明はあるんでしょうねというような問いかけがありました。一体何の話ですか、私どもは全然存じておりませんというような状況がかれこれ二カ月続いて、それで、ばたばたと各要路が説明にお見えになった。そして提出をされた。各党が、いろいろと御異論はございましたけれども、大きな気持ちで、とにかくこの法案を通さなきゃいけないねというようなことに至ったわけでございます。 今、エネ庁また外務省の説明を聞いておりましたけれども、やはり私どもがずっと感じておった、必要性の割に皆さん方に切実感が非常にないというか、国会なんというのは、出したら当たり前のように通ると思って説明をしてこられたんじゃないか。とりわけ外務省。それは、外交という世界はある意味でオープンにしてはいけないようなこともあるのかもしれない。あるのかもしれないけれども、これだけの案件を、表現は悪いかもしれないけれども、とめて、秘密裏に事を進めてきて、さあ、いよいよ七月一日が迫ってきて、外交交渉がうまくいかないからというような状況で今回こういう案件を出してきたというのは、私は納得いかないところがあるんですよ。私どもの党の幹部は、きのうの夕刻に至るまでこのことを厳しく言っておりました。それは御承知だろうと思います。 そこで、外務省、今、古賀委員に対しても御説明されましたけれども、今回の七月一日のEUの決定というか、それがどの程度確実性があるものかも含めて、ひょっとしたら外交交渉が実ってまた再延長になるかもしれないみたいなことも含めて、ちょっといきさつをもう一回説明してください。
○松富政府参考人 そもそもの決定は一月のEUの外相理事会でございました。その場で、EUとしては、イランの石油を運ぶ船舶に対する保険及び再保険について原則禁止するという決定を下したわけでございます。ただ、その決定には細則が必要でございまして、この細則については三月の外相理事会で決めるということになったわけであります。 こういう動きを受けて、我が国は、イラン産原油の輸送に影響を与えないように、例外的な扱いをハイレベルでEU各国に働きかけてきたわけでございます。その結果、三月二十三日の外相理事会においては、責任保険については再保険の禁止について六月末まで猶予するという決定をいただいたところでございます。 ただ、猶予するといっても、七月一日以降どうするかについては五月十四日のEU外相理事会で検討しましょうということになりました。こういう状況を受けて、七月一日以降も保険、再保険の例外適用が継続するように、高いレベルでの働きかけをこれまで続けてきたということでございます。 しかし、この五月十四日の外相理事会では、本件は議論されませんでした。何となれば、五月二十三日からEU3プラス3とイランとの核問題についての協議というものがスケジュールとして上がってきて、そこで前進が得られるかもしれないという一縷の望みが出てきたからでございます。この背景には、先立つ四月のEUとイランとの協議で一歩前進があったということが背景にあったと思います。しかしながら、この二回目のEUとイランとの協議では前進はありませんでした。むしろ、二歩後退したと言っていいものだったと思います。 したがって、正式な決定は六月二十五日のEUの外相理事会を待たなきゃいけないんですけれども、現在のEUとイランとの協議の状況、見通しを考えて、非常に厳しいものがあるというふうに考えたところでございます。したがって、我が国としての対策を講じる必要があるという結論に至ったわけでございます。
○山本(公)委員 いずれにしても、外交というものの状況の中で難しい側面もあったんだろうと思いますけれども、ちょっと順番は違いますけれども、これは吉田副大臣にお願いをいたしたいと思うんです。 こういう状況というのはたびたび起きたら困るんですけれども、要するに、再保険という一つの物事の考え方。 日本という国は世界でも有数の海運国であることは間違いない。その海運国である日本が、再保険という一つの制度の中で、ヨーロッパに結構頼り切っているという側面がありますよね。今回、それがだめだから、政府がそれにかわってこうだというようなスキームだろうと思うんですけれども、日本を含めて例えば韓国とかアジアの国々が、この再保険という一つのシステムの中でやはり独自なものを構築していくということが、将来にわたって、ひょっとしたら必要なんじゃないかと僕なんかは思うんですけれども、副大臣のお考えをちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○吉田(お)副大臣 委員御指摘のとおりの部分はあるかと思います。 現実は、国際海運業というのは非常に長い歴史でございますし、その歴史の大きな部分を占めてきているのが欧州における海運業というのは御理解されると思います。また、海運業と密接に関連する責任保険におきましても、海運業と同様に、欧州を中心とした長い歴史がある。 ちょうど今私が資料に目を落としておりましたのは、ロイズという会社がどういうふうに興ってきたのか、そして、現状どうなっているかという資料を参考に読んでいたところなんですけれども、その結果として、再保険の大半が欧州において発達してきたということは認識をしておりますし、委員御理解をされているとおりだと思います。 日本の船社としては、条約等を遵守しつつ、経済安全保障の確立の観点から、安定した海運サービスを提供することが大切であり、そのために必要な制度である安定的な責任保険が提供されることを期待している。国交省としてはそこまでしか申し上げられないということで御理解をいただければと思います。
○山本(公)委員 海運国日本ですから、一つの将来的な国家的検討課題として、ほかの国を巻き込んででも、それは百年前、二百年前はヨーロッパ中心の一つの世界であったかもしれないけれども、現下はアジアの経済が世界の中を引っ張っていこうとしている時代ですから、やはり何かしらのことをこの国は考えていく必要があるんだろうということを、この機会にちょっと申し上げておきたいと思います。 ところで、経済産業省にお伺いするんですけれども、先ほど外務省から、るるいきさつの御説明がありました。経済産業省にお伺いしたいのは、足らないから、イランの石油が入ってこなくなったら困るから、困るからという説明をここのところずっとされておられたような気がするんですけれども、実際問題のところ、こういうときに経済産業省というのはどういう考え方でこの政策に携わってこられたのか、ちょっともう一度確認をしておきたいと思います。
○安藤政府参考人 大変重要な御指摘をいただいたと思っております。 先ほど、国民生活あるいは国民の皆様にイラン産原油が途絶えた場合の懸念については申し上げたとおりでございますけれども、この間、経済産業省といたしましては、不足する場合の代替措置をしっかりと講じていかなければならないということで、さまざまな働きかけを行ってこさせていただいたつもりでございます。代替原油の調達の手当てにつきまして、元売各社あるいは世界のマーケットの状況を見ながら、さまざまな形で関係国あるいは関係機関に働きかけを行ってまいりました。 一例を申し上げますと、本年の三月にクウェートにおきまして国際エネルギーフォーラム閣僚級会合というのが開かれましたけれども、その際、牧野副大臣から、サウジの石油大臣でございますナイミ大臣にさまざまな働きかけを行わせていただいております。また、枝野大臣からも五月八日に、ナイミ大臣が御来日された際に、供給についての万全を期していただきたいということで御要請を申し上げさせていただいております。 さらに、先ほど申し上げましたように、七月以降、国際マーケットが大変荒れる懸念がございますので、国際エネルギー機関、IEAとの間でさまざまな意見交換を行わせていただいております。供給途絶に対してしかるべき対応、これは当然のことでございますが、備蓄の放出といったようなことも含めて、そういったことが必要かどうかということの検証も含めまして、非公式な形でございますけれども、さまざまな形で緊密な議論をさせていただいております。 当たり前でございますけれども、先生御案内のとおり、非常に大きな輸入国でございます日本が代替調達に入っているということを余り外にやりますと、またスポットマーケット等々の高騰を招くといったような問題もございまして、大変口幅ったい言い方でございますけれども、水面下でさまざまなことを私どもなりにさせていただいてきておるということを御理解いただければと思います。
○山本(公)委員 ところで、ちょっと具体的なお話をお伺いいたしたいと思います。 今回、この特定タンカーで対象となるのは十五隻だというふうに聞いております。この十五隻の船の輸送量、特にイランの原油の輸送量、そしてまた船籍、それから所有者、わかる範囲でちょっと教えていただきたいと思います。
○安藤政府参考人 お答えさせていただきます。 中東から我が国への原油の輸入の量でございますけれども、二〇一一年の数字で申し上げますと、一日当たり約三百十万バレルということでございます。これは、日本全体の原油の輸入総量の約八七%に相当しておるわけでございます。三百十万バレルの中で、サウジ、UAE、クウェート等々ございますけれども、このうちの主要部分といたしましてイラン原油が入っておるということでございます。 これらの原油を日本へ輸送するために国内の石油会社が雇っております船でございますけれども、約七十隻の大型タンカーを船会社との長期契約により用船をしております。船籍といたしまして、日本船籍のものが約十隻程度でございます。外国船籍のものが六十隻弱といったような数字でございます。 また、所有につきましては、大半が、細かく申し上げますと、一隻を除きまして日本の企業及びその海外子会社が所有をさせていただいておるといったことでございます。 イラン産原油を輸送しております船は、今回の法律の関係によりましては特定をする必要がございますので、そういったことで、この内数といたしまして十五隻を特定させていただいておるといったような状況でございます。
○山本(公)委員 そこで、日本の海運の悲しい現実として、今も、七十隻用船契約を結んでいながら、十隻しか日本船籍船がないわけです。それでまた今回、十五隻、国が保障をするという格好。 万々が一のときに、いわゆる国がお金を実際問題として出さなきゃいけない状況が生まれたときに、日本籍の船に対してだったら、国民の皆さん方は、そういう大きなお金、税金を使うことは納得でしょうけれども、いかな船舶所有者が日本の船社であったとしても、その籍は海外にあるということになってくると、これは何とも納得いかない、何となく気持ちの上ではわかるけれども、納得いかないということになってくる可能性がある。 これは今すぐという話じゃないかもしれませんけれども、やはり日本籍の船をふやしていくという日ごろの努力を、国土交通省あたりは今まで以上にやっていく。いろいろなことをやってきましたけれども、なかなか便宜置籍船がこっちに向かってこないという現実もあるわけですから、こういうことが起きたときに、国が保障してでも航海の安全を保つというときに、日本籍船ならば胸を張ってやれるという世界があると思うんですけれども、やはり便宜置籍船の場合だったら、何となく腑に落ちないようなところも出てくる。そういうこともありますので、これからも不断の努力をしてもらいたいなと思います。 とりわけ今回の十五隻、伺うと、多分、外国船籍の船も十五隻のうち何隻かあると思うんです。そういうことも生じてまいりますので、ぜひ国交省として、今後、この国の海運のありようということを、いま一度気を引き締めて考えていただきたい。海事局長、ちょっと答えてください。
○森政府参考人 国土交通省といたしましても、日本籍の船舶、それから日本人船員が非常に減少していることについては憂慮しておりまして、御存じのとおり、海上運送法の改正によりましてトン数標準税制を導入いただきまして、着実にその成果が出ているというふうに考えております。 ただ、現在のトン数標準税制は、国際的な相場からしますと若干見劣りがするという内容になっております。現在のトン数標準税制というのは日本籍船のみにしか適用がされていないということで、今後、日本籍船の増加、日本人船員の増加に拍車をかけるとともに、日本の海運の競争力の強化を図るために、現在、海上運送法の改正の審議をお願いしているところであります。 こういった政策によりまして、日本の海運業の競争力の強化を通じた日本籍船の増加、こういったことに万全を期していきたいというふうに考えております。
○山本(公)委員 いろいろなことを今までもやってきたんですけれども、なかなか日本籍船がふえてこないという現実があるわけですから、よくよく、やはり国交省としての不断の努力を重ねていってもらいたいというふうに思います。 ちょっと細かい話になるんですけれども、この法律の中の第七条のところで、「国会の議決を経た金額を超えない範囲内で、」云々というところがあるんですけれども、この国会の議決というのは、この問題に関して、言ってみれば今回初めて国会の議決というのが生じるんでしょうけれども、今後、毎年の予算案の中で、予算案が議決をされたら、その中での話ですよというようなことで解釈してよろしいんでしょうか。
○中原政府参考人 お答え申し上げます。 お尋ねいただきました本法案第七条、国会の議決につきましては、毎年度の予算の議決というやり方、あるいは法律という形の議決のあり方、こういった形式を想定しておるわけでございます。 具体的に申しますと、今回、二十四年度の担保の上限金額の合計額につきましては、本法律の附則第三条に九兆一千三百二十二億八千七百六十七万円と規定いたしまして、法律の形で国会の議決をいただくことをお願いしておるものでございます。 それから、二十五年度以降の各年度の契約限度額につきましては、今委員御指摘いただきましたように、各年度の予算の予算総則に規定いたしまして、予算の議決という形式で国会の議決をいただくことを想定しているものでございます。
○山本(公)委員 わかりました。 それで、その次の八条なんですけれども、「タンカー所有者は、」云々といって、「特定運航の開始日時を政府に対し通知しなければならない。」というんですが、この通知をする窓口の役所は一体どこなんですか。
○森政府参考人 通知の窓口は国土交通省でございます。
○山本(公)委員 窓口で、条件というのはかなりついていく話なんですか。あなたは適格じゃありませんよとか、この運航計画ではだめですよと条件はつけない、出てきたものを丸のみするような格好になるんですか。
○森政府参考人 山本先生から御質問のありました第八条の趣旨は、政府が本法に基づいて万一の事故の際に交付金を交付いたしますのは、タンカーがイランに向けて運航を開始する時点から、積み込んだイラン産原油を我が国の港でおろすまでの間に発生した損害が対象となるため、タンカーがイランに向けて運航を開始する日をタンカー所有者から通知させることによって、交付金の交付対象となる運航の開始時期を特定する趣旨でございます。 そういった意味では、この通知の際に、通知の内容を受けて対象を絞るとか、そういう趣旨ではございません。
○山本(公)委員 なぜお伺いしたかといいますと、聞くと、中東に向かうタンカーというのは、イランの原油だけを積むわけじゃなくて、合い積みの世界なんですよね。だから、例えば最初にサウジで積みました、その次オマーンで積みました、最後にイランですよ、そういうケースがあるわけですよ。そうしますと、例えばサウジで積んだ、それからオマーンで積んだ、その間にもし万が一のことが起きたときに、こういう扱いというのはどうなるのかなということを疑問に感じておりましたのでお伺いしたんです。 要するに、船社に聞きますと、ホルムズ海峡の手前で、先にどの荷を積むかというのはその時点で決めるというんですよね。それで、ペルシャ湾で約一カ月、いろいろなところで積んで、満杯にして日本に向かってくるという状況らしいんですよ。 そうしますと、まだイランの原油は積んでいない、イランで積むかどうかもわからないその特定タンカーが、サウジの荷だけ積んで航行しているときに一つの再保険を適用するような状況になったときに、どういう扱いになるのか。それをあらかじめ、最初から運航状況を、いついつどこでこの船は積むんですよということを、届け出をチェックした上で国交省が受け付けをするのかなという思いがあったのでお伺いしたんです。
○森政府参考人 山本先生御指摘のとおり、原油タンカーの運航というのは、運航中にいわゆる船積み地を決めるということがよくございます。それで、それまではどうかということでございますけれども、これは当然のことながら、イランの、いわゆるEUの対象ではございませんので、それは再保険が機能するということでございます。 ただし、イラン産原油を積むために運航した、イランの港に向かったということになりますと、これは当然のことながら、イラン産原油を積むための運航でございますので、EUのいわゆる再保険の禁止の対象になりますので、これを、要するに、運航を開始する時期を国交省に通知をいただくことによって本法案による交付金の対象にする、こういうことでございます。 したがって、いわゆるすき間というものが生じないような制度設計になっております。
○山本(公)委員 また一回、何かの機会にお伺いしますけれども、特定タンカーと称していて、いわゆるイラン産原油を積むということをもって特定タンカーと今回するわけでしょう。それでいて、その特定タンカーというか、タンカーの世界は、VLCCの世界は、いわゆるイラン産原油だけでは商売にならないので、ほかのところのも積んでいくという世界が当然あるわけです。 そうすると、多分そういうことは起きないんでしょうけれども、何か起きたときに、さあ、その辺のことの仕分けがちゃんとできて、だから、国交省が受け付ける段階で、いついつからイランの油を積みますよという、運航時期の開始ということをちゃんとチェックした上で受け付ける体制になるのかなというような気がしていたんですけれども、今の漠とした話を聞いていると、余りそこまでチェックしないというような受け取り方をしたんです。 いずれにしましても、そういう事故が起きないことが一番いいので、ただ、これだけ大きなお金を保障する以上は、まあ省令で決めていく世界もいっぱいあるんでしょうけれども、ある程度やはり中身のきちんとした制度設計をしてもらいたいなということだけお願いしておきたいと思います。 いずれにしても、中東の油に頼らざるを得ないという構造的な日本という国の依存度の高さが、こういう、どたばたした手当てもしなければいけないようなことにつながってきたんだろうと思います。今後、いろいろな意味で石油依存というのを、この国はどちらかというと脱却をしていく方向に向かっていきたいと思うんですけれども、なかなか時間がかかる。そういう中で、経済産業省のエネルギー政策として、ほかの調達先というか、エネルギーの調達先というのはやはり基本的に、これも不断の努力としてやっていくべきだろうと思うんです。ただ現在のマーケットに影響するからといったような作業と別個のところで、新たなエネルギーの調達先を中東から探していくという努力もエネ庁としては続けていっていただきたいなと思います。 冒頭申し上げました、この法律の必要性ということは誰しもわかっているんです。誰しもわかっているんだけれども、どたばたと出してきて、国会は当たり前のごとく言いなりになって審議していくんだというような態度が見られたということに対して、各党も非常に不満を感じておったところがあります。 国会というのは、ある意味からいったら、皆さん方と違う立場で物事を考えて審議をしていくところだろうと思います。だから、短時間であなた方と同じ考え方にはならないんです。それを、たったこれぐらいの審議時間といいますか、予備の知識もなしでぽんと出されて物事を決めろという世界をつくるというのは、やはりこれは国会軽視という言葉を使わざるを得ないと思うんです。 ぜひ、そういう意味において、これは民主党政権だからこうだという言い方はしません。例えば我々が政権を持っていても同じことが起きたかもしれない。だから、やはりお互い、政府の側についた人間、そして国会の立場の人間、ふだんからそういうことは注視をしてお互いが行動していく必要があろうかと思います。 それを最後に申し上げて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○伴野委員長 次に、富田茂之君。
○富田委員 公明党の富田茂之です。 先ほど山本先生の方から、再保険がヨーロッパ中心になっているのを何とかできないのかという質問がありました。 現在の責任保険の枠組みの中で、EUの域外の企業による再保険の引き受けというのは全然されていないんでしょうか。報道では、八割ぐらいがEUの域内だというふうにされているんですけれども、事前に我が党の合同部会に説明に来た方は、ほとんどがEUの域内だというふうに言われていたんです。八割とほとんどというのは随分数字が違うと思いますし、責任保険について、もう再保険ができないんだという前提でこの法案の審議が始まっているものですから、そのあたり、具体的な数字を示していただきたいと思うんですが、これは金融庁になるんですか。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 再保険については、多くの再保険会社との間で再保険契約が締結されているわけでございますけれども、イギリスのロイズ社等、EUの域内の再保険会社が引き受けている割合は九〇%以上になっております。その他は、アメリカの再保険会社が一部を引き受けているというふうに聞いております。 ただ、アメリカの再保険会社自身も、アメリカ政府の制裁強化の動きを踏まえて、イランとの取引に係る再保険については、新規の引き受けについては極めて慎重になっているというふうに聞いております。
○富田委員 聞いておりますって、本当にそういうふうになるのかどうか、そういう情報もこの法案審議の前提として出すべきじゃないんですか。もともと全部EUの域内でやっているからだめなんだという、もうそれを前提にしたかのような説明を各省はやられているんだけれども、今のようなことは初めて聞きましたよ。きちんとそういう前提を各党に明らかにした上でこの法案を審議すべきだったんじゃないかなというふうに思います。 山本先生の方から、ヨーロッパ以外の枠組みもつくっていくべきだという指摘がありましたので、そのとおりだと思いますし、まあ、この点はこれ以上やりませんけれども。 あと、外務省の方で、EUの理事会の経過を、先ほど山本先生の質問に対して答えられていました。一月の理事会、三月二十三日の理事会、五月十四日の理事会、そして次が六月二十五日だというふうな御説明でしたけれども、この六月二十五日のEUの外相理事会に向けて、外務省は具体的にどんな働きかけをしているんですか。また、この理事会でどんなふうになる見込みなのか、どういうふうに思われているのか、少し具体的に話してください。
○松富政府参考人 政府はこれまで、EU及びEU加盟国全てに対して、我が国のイラン産原油の輸送に影響が出ることのないよう、例外的な扱いをハイレベルで働きかけてまいりました。総理及び外務大臣も、英、仏、独その他EU加盟国の首脳、外相等に対して、あらゆる機会に、東日本大震災後の我が国のエネルギー事情、さらに国際原油市場への影響等について累次にわたって説明し、働きかけてきたところでございます。引き続き、あらゆるルート、チャネルを使って働きかけを継続していきたいと考えています。 政府としても、六月二十五日のEU外相理事会に向けた動きを引き続き注視してございます。見通しという御質問でございますけれども、今後のEU3プラス3とイランの協議、次回はモスクワで開催されますが、これについて楽観できる状況にはございません。したがって、例外適用の延長に向けた機運がEUにおいて十分に醸成されてはいないというふうに認識してございます。
○富田委員 松富さん、今の状況は五月十四日のEUの外相理事会のときと変わらないでしょう。
○松富政府参考人 かなり雰囲気は違うと思います。 何となれば、五月十四日のEU外相理事会では、四月、イスタンブールで行われたイランとの協議が前進が見られたということもあって、そこで議論が行われればそれなりのポジティブな、動く余地はあったと思いますけれども、ここの五月の理事会では議論が行われず、五月二十三日のバグダッドにおけるイランとの協議の結果を見るということになりました。 このバグダッドの協議で二歩後退があったわけで、今は、EUのイランに対する見方は非常に厳しくなっていると考えています。
○富田委員 いや、だから、五月二十三、二十四日のバグダッドの様子を見ようとしていたEU外相理事会は何も決まらなかったから、次のモスクワでやってもだめだと思っているわけでしょう。 そうすると、その五月の段階で外務省としてはわかっていたわけだから、何で今ごろ、六月十一日の閣議決定まで外務省として黙っていたんですか。もう少し早くやらないと大変なことになるよというのが本来の外務省の役目だったんじゃないんですか。その点、どうですか。
○松富政府参考人 もともと当初のEU各国への働きかけから、例外適用の七月以降の延長についてはかなり厳しいものがあるという見通しがあったのは事実でございます。特に、五月二十三、二十四日のバグダッドにおける協議において前進が見られなかったということから、EUの立場はさらに厳しくなったということでございます。 したがって、この五月二十四日以降、危機感を深めて、見通しとして、かなり暗い見通しを持ち出したということは委員がおっしゃるとおりだと思います。
○富田委員 今の点に加えて、五月六日付の日本経済新聞、五月十四日付の東京新聞、五月二十四日付の朝日新聞等が、本法案とほとんど同じ中身を報道しているんですよ。何で六月十一日になったんですか、大臣。
○羽田国務大臣 EUによるイラン産原油の輸送に係る再保険の引き受け禁止の動きを受けて、政府としては、野田総理、そして玄葉外務大臣を先頭にして、制裁発動の猶予継続等について、あらゆるルートで、そしてあらゆるレベルで、EU及びEU加盟国に対して働きかけを行ってきたところであります。 また、核問題をめぐるEU3プラス3とイランの協議が行われており、その動向等を見きわめる必要があったということでございます。 今般、こうしたEU措置の見通し、イランの核問題をめぐる国際情勢等を踏まえ、本法案を六月十一日に提出させていただいたところでございます。
○富田委員 この問題は、実は参議院の予算委員会で我が党の草川副代表が、四月の四日ですよ、四月の四日に取り上げて、問題が起きるんじゃないのかというふうな質問をして、それに対して玄葉外務大臣がこんなふうに答えているんですよ。 問題は責任保険。これ止められたら、とにかく日本は欧州の保険に頼っているわけです、日本のタンカーはですね。ですから、この間も、例えばEUのアシュトン上級代表とかドイツの外相とかに直接電話をしまして、とにかく待ってくれということで七月一日まで延ばしてもらったんですね。 この間に、我々としては更なる働きかけを行いつつも、やはり政府全体として、仮にこの責任保険の問題で、なかなかEUは対イランとの関係でどうしても更なる猶予は無理だというようなことだってあり得ない話じゃありませんから、こういったことに対しても万全の措置がとれるように政府全体で検討するようにということで私から担当者に指示をしているところでございます。 こういうふうに外務大臣が言っているんですよ。 何で、外務省と経産省と国交省でもっと早く手を打って、我々野党にもきちんと説明をして、国民生活に影響を与えるんだからしっかり審議してもらいたいというふうにやらなかったんですか。これは怠慢なんじゃないですか。どうですか、大臣。
○羽田国務大臣 予算委員会等でも、草川代議士からも御指摘をいただきました。また、漆原国会対策委員長からも、民主党の城島国対委員長の方に直接お電話をいただいた、こういうふうに伺っております。そういうことを受けてというか、そういうことも含めて、あらゆるレベルで今日まで努力してきた、こういうことで御理解をいただければというふうに思います。
○富田委員 努力してきて、結果こうなって、会期末ぎりぎりにこういう法案を出して、何とか二十日までにというふうなのは、やはりちょっといただけないなと思いますよ。 何でこの法案が本当に必要なんだということを事前に経産省にも聞きました。合同部会に安藤部長に出てきていただいて、私が、六月十三日の公明党の国土交通、経産、外交・安保の合同部会で、安藤さんから聞いた話を自分でメモしました。 そのときに、安藤さんはこういうことを先に言ったんですね。五月分から七月初めまで、イランから入ってくる原油はない、これまでの分は全部スポットで仕入れているんだと。先ほどのこの委員会での説明でも、七月からの国際マーケットはアメリカの対応次第で非常に荒れるんじゃないかと。そういう場合に、スポットといっても価格が高くなるから大変なことになるんだということで、じゃ、それはしようがないね、ここでやっておかないとというふうに我々は判断してこの法案に賛成しようと思ったんだけれども、その後で、安藤さんの方から、いや、実はちょっと説明が違っていました、この間もイランからは入っているんですという話に変わってきて、それだったら賛成する前提が崩れるじゃないかということで安藤さんに言ったんだけれども、その後、きちんとペーパーにして説明してくれました。 実際に、イランから入ってくる原油の輸入とその代替調達についてはどういうふうになっているんですか。安藤さん、ちゃんと説明してください。
○安藤政府参考人 お答え申し上げます。 今先生御指摘の場で不十分な御説明になりましたことを、大変申しわけないと思っております。 改めて、最近のイラン産原油の輸入状況について御報告申し上げます。 二〇一二年の一月のイランからの原油の輸入量でございますけれども、百六十七万キロリットル、日量で約三十四万バレルでございます。二月は百四十一万キロリットル、同じく一日当たりで三十一万バレルでございます。三月は百三十三万キロリットル、日量で約二十七万バレル。四月は九十万キロリットル、日量で約十九万バレルということでございます。 特に、これはまだ統計は当然出ておりませんけれども、今後の見通しでいきますと、五月、六月は十五万BDあたりから、六月は二十万強ぐらいのイラン産原油の到着が見込まれておるところでございます。 問題は七月でございまして、七月に入りますと、今の段階におきましては既に船積みが行われない状態になっておるものですから、七月は多分、ほぼゼロになってくるであろうということでございます。 八月になりますと、この法案をお通しいただきますと、八月の半ばから後半にかけましてイラン産原油が日本に到着をさせていただくということに相なりますので、十万バレル・パー・デー前後ぐらいのものが日本で受け入れが可能になってくるであろう、そんなような感じでございます。
○富田委員 日本としては、イラン産原油が入ってこないと本当に困るんですか。ほかで代替できる可能性はないんですか。なぜイラン産原油じゃなきゃだめなんですか。
○安藤政府参考人 お答えさせていただきます。 イラン産原油というのは、かなり重質でございますけれども、比較的リーズナブルな価格になっておりまして、日本の精製の設備との関係におきまして非常にコストパフォーマンスがいいという特性が一つございます。 それと、イラン産原油という点を離れまして、先ほど来申し上げておりますように、七月以降、非常に国際マーケットが大きく荒れることが懸念をされるわけでございますが、そうなりますと、代替原油の調達が物理的に大変苦しゅうなることが想定されます。 先生御案内のとおり、まさに今、石油火力のウエートが大変高くなっておる状況でございます。二〇一〇年で申し上げますと、全電力の発電量のうち約五%が石油火力という状況でございましたが、今、足元は多分二〇%前後、石油火力発電に依存をしておる。御案内のとおり、LNG火力にも相当な依存をしておりますけれども。 こういった中で、ぎりぎりの発電を行っている中で、確保できるイラン産原油というものについては確実に確保させていただきたい、そういった考え方でございます。
○富田委員 今、安藤さんが言われたように、イランの原油は、質は余りよくないけれどもリーズナブルな価格だということは、石油連盟の方も部屋に説明に来てくれておっしゃっていました。ただ、重い重油なので、ほかと同じような使い道ではないんだ、潤滑油に適している、この潤滑油の製造過程がイラン原油に合わせてつくっているから、もしイラン原油が入ってこなくなったときには潤滑油の製造過程も直さなきゃならなくなる、こういった無駄を何とか省きたいので協力願いたいというふうに石油連盟の方はおっしゃっていました。それはそれで一つ納得できる材料だと思うんですね。 ただ、そのときに説明を伺ったら、イラン原油の輸入の契約というのは、一年のスパンでまず契約をする。一月から十二月あるいは四月から翌年三月という一年のスパンで契約をしておいて、その中で何月分が欲しいですというふうな申し込みを個別にしていくんだと。 そういうふうなことだと、七月以降荒れた場合に、今慌てて会期末にこの法案を通すんじゃなくて、八月以降、この分が欲しいとかきちんとやっていけば、きちんとした形でできるんじゃないんですか、一年のスパンの契約をしているんだから。あとは申し込みの話なので。 何か、会期末にばたばたこういう法案を通す必要性というのがその説明からすると感じられないんだけれども、そこはどうですか。
○安藤政府参考人 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、石油の全体の契約というのは、イランに限らずに、ターム契約というのがございまして、これは基本的には一年の契約でされております。これはイランに限らないお話でございまして、ほぼ総量を一年単位で決めておるというのは、今先生の御指摘のとおりでございます。 したがいまして、総量という観点から見ますと、イランと日本との間での、元売とイランの輸出石油会社との間での関係でいきますと、総量は変化をしないというのは御指摘のとおりかと思いますけれども、今先生のお話との関係で申し上げますと、いわば代替原油の調達ということの観点から申し上げますと、先ほど来申し上げておるとおり、七月からの国際マーケットをにらみながら、八月の後半以降、あるいは九月も含めまして、入着を想定しておるイラン産原油というのが、この法案を御成立いただきませんとあきが生ずるわけでございます。 そうなりますと、七月以降、制裁が本格化しております国際石油マーケットにおいて相当量の代替原油というのを、相当緊急性の高い形で調達せざるを得ないということが生ずるという点を御理解いただければと思います。
○富田委員 今、安藤さんが言われたようなことがあるんだから、本来は、これは法案としては国交省所管ですけれども、外務省とか経産省とか、もう少し危機感を持って、またスピード感を持って、共管事項についてスムーズに協調して法案なり政策決定ができるように、羽田大臣、せっかく若い大臣が来られたのですから、各省に向けても発信していただきたいということをお願いして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○伴野委員長 次に、穀田恵二君。
○穀田委員 タンカー特措法について質問します。 まず最初に、私は、イラン制裁の国連決議と日本の立場についてお聞きしたい。 第一に聞きたいのは、イランに対する国際的な制裁措置は国連安保理においてどのように決定されているのか、概要を明らかにされたい。
○中野大臣政務官 お答えを申し上げます。 イランの核問題をめぐって採択されました国連安保理決議がございます。委員恐らく御案内だと思いますけれども、二〇〇六年の十二月以来、二〇一〇年六月の安保理決議一九二九まで四本決議をされているわけでございますが、その中では、イランに対しましてウラン濃縮関連活動の停止等を義務づけておりまして、国連加盟国に対しては資産凍結等の措置を義務づけております。 その中でイラン産の原油の取引についてでございますけれども、この安保理決議の中には、国連加盟国に対して措置を講じるようなことは義務づけてはおりません。
○穀田委員 安保理でどんな決定をされているかという、まだ概要を言っているわけで、資産凍結をやっていると。 今お話あったように、イラン産原油の取引について累次の国連安保理決議には決定はない。もう一度、いいんですね。
○中野大臣政務官 委員御指摘のとおりでございます。
○穀田委員 そうしますと、資産凍結はしているけれども、イラン産の原油の取引について国連安保理決議がやめろと言っているわけじゃない、ここの構図がまず確認される。 その上で、そうしますと、アメリカとEUはイランに対してどういう制裁措置を決めているのか。それはどういう理屈で物を言っていて、また、どれほどの国に、かつ、どのような協力を求めているのかということについてお聞きしたい。
○中野大臣政務官 米国及びEUと、日本に対する措置でございますけれども、米国につきましては、二〇一二年度の国防授権法におきまして、イラン中央銀行等と相当な金融取引を行った外国金融機関に対し、米国における決済口座の開設の禁止等の制裁を科すとしておりまして、イラン原油の購入を相当程度削減する場合には制限を免除する例外規定を設けるということで、各国のイラン産原油輸入の削減を求める措置をとっているということでございます。
○穀田委員 今のはアメリカなんでしょう。アメリカとEUの、だから、どういう理屈でどれほどの国に、つまり、こことここの国に協力してくれとか、それからどういった協力を現実にと、二つあるわけでしょう、アメリカとEU。そして、それぞれが独自に制裁を決めているわけだから、どういう理屈で、どういうところに協力を求めて、どれがどんなふうにそれを受けているのかということを、全体を聞いているわけですよ。わかりますか、言っていること。
○中野大臣政務官 理由についてでございますけれども、これにつきましては、アメリカないしEUの国の独自の考えでございますので、理由に対しまして、我が国としてそれに対して論評するということではないのかなと思っています。 それで、措置に対してでございますけれども、措置に対しては、先ほど申し上げた、例えばアメリカでいえば、二〇一二年度の国防授権法に基づいて各国に協力を求めているという……(穀田委員「EUは」と呼ぶ)EUにつきましては、EU外相理事会が決定をした主な対イラン措置として、これはEU国内ですね、イラン産原油及び石油製品の輸入を禁止しているということでございます。
○穀田委員 だから、わからぬ人やな。論評をしてくれと言っているんじゃないんですよ。アメリカは授権法という法律でやっていることは確かなんだけれども、つまり、国連決議だけでは不十分だ、核の問題について締め上げる、仮にですよ、締め上げるというか、そういうことの必要性を、もっとやらなくちゃならぬという理屈なのか、EUはどういう理屈でこういうことについて禁輸すると外相会談で決めていて、それを、単に自分のところの域内が禁輸するだけじゃなくて、ほかの国に対しても、再保険をさせないだとか、そういうことの動きがあるわけでしょう。そういう理屈はどういう理屈で立っていて、論評を避けるって、論評してくれというんじゃないんですよ。 だって、あなた方が外交交渉するときに、相手がどういう理屈でやってきて、うちはどういう理屈でやっているのかということがなければならない。外交交渉の中身についてあれこれ聞こうなんというんじゃないんですよ。表向きのそういう形はどういうことが世界としては通用していて、日本の理屈はどういう形でやっているのかということがなければならない。それを、あなたは全然、我々にどういう話をしているのか。アメリカはどういう理屈で、授権法という法律はわかっていますよ。EUは外相会談で決めている。どういう理屈か、それに対して日本はどういう理屈で闘っているのかと聞いているわけです。
○松富政府参考人 米国は、国防授権法という国内法に基づいて、米国内の金融決済の制限を課すという仕組みの中で制裁を科そうとしています。基本的には金融制裁でございます。何も外国の銀行に直接制裁を科そうということではなくて、アメリカの銀行に対して、イランと取引するような銀行とは取引するなとアメリカの銀行に言っているわけで、副次的な迷惑が日本にかかってくるという構造でございます。 EUの外相理事会の決定というのは、EU諸国及び国内の企業がイランからの石油の引き取りをやめる、保険、再保険の提供もやめるということであって、これも、外国に協力を求めるとか、そういう性格のものではございません。ただ、副次的に影響を受けるということでございます。 それで、なぜアメリカ、EUがこういうことをやっているのかということは、やはり二つあると思います。一つは、国連安保理決議一九二九号の前文で、イランの石油収入と核開発の関連性が示唆されている文章がございます。これが背景にあるのが一点。 二点目は、イランとEU3プラス3との協議。実は、前回は昨年の一月、そこは決裂して、一年と三カ月の間何も動きませんでした。その間にイランは、既成事実として濃縮ウランの蓄積を積み重ねてきています。そこで、ここは対話と圧力の中で圧力の局面である、したがって制裁を強化しなければならない、そうしないとイスラエルがまた軍事オプションをとるかもしれない、こういうことも背景にあって、制裁を強化するという発想から今回のそれぞれの国内法の制定に至ったんだと考えています。
○穀田委員 だから、今の局長の説明で、要するに、制裁を強化する過程、そして国連決議の実行の過程の中でこういうことが起こっているということなんですよね。それをちゃんと言ってくれないと、何かさっきみたいな話で言っているようでは、授権法が出た、外相会議で決定していると、そんな事実だけ述べられた日には、何でそういうことについて我々が今立ち向かっているのかという根本がわからないじゃないですか。それも、議員のところにしっかり理解してもらうということの根本としては、私は欠けていると言わざるを得ないと思うんだよね。あれでわかるんだったら誰も苦労せぬわけです。そう思いませんか。私はそう思いましたよ。 そこで、では、そのような動きに対して、今までイラン産原油を取引していたのは単に日本だけじゃないんですよ。随分、各国あるわけですね。それらの国々はどのような対応をしているのかについてお聞きしたい。
○松富政府参考人 まず、米国の国防授権法については、アメリカの銀行と取引をしたいと思う銀行を抱える国については考慮せざるを得ないと思います。国防授権法の中には例外規定とウエーバー条項があって、各国とも例外規定の適用をめぐってアメリカと協議に入ったと理解してございます。例外規定の適用をもらうためには、相当なイラン石油の引き取りの削減を行う必要があるというのが条件でございます。この結果、今のところ、約十八カ国・地域がアメリカの例外適用の対象になるというふうに考えています。 EUについては、例外適用はございません。したがって、EUの決定として包括的な例外適用の延長を求めるか、もしくは自前の措置を講じるか、どちらかしかないと思います。
○穀田委員 要するに、アメリカとEUがそういう措置をとっている。例えばアメリカの場合には、今ありましたように、例外規定があって、十八カ国がそれに応じてやっている。そして、EUの場合については例外適用なしだが、全体としてそれを今努力しているということがわかる。 そこで、そうすると、日本というのはどういう見込みで対応し、今の判断はどこまで来ているのかということについて、外務省。
○松富政府参考人 対話と圧力という文脈において、現時点は圧力の局面であるということについては、日本は欧米諸国と軌を一にしてございます。したがって、国際協調のもと、アメリカやEUとも緊密に連携をとりながら制裁の強化ということに努めてまいりますし、イランからの石油の引き取りについても、自然に減ってきたという面もありますけれども、これまで過去五年間で四〇%減らしてきた、こういう状況にあります。こういうのが今の局面の認識でございます。 他方、対話の方も日本は忘れてはいけないと考えていまして、正しいタイミングがあれば、日本としてこれまで培ってきたパイプも生かしながらそれなりの役割を果たしていきたいとは考えていますけれども、その時期がいつなのかについてはまだ見えてこないということでございます。
○穀田委員 そういう意味でいうと、アメリカやEUがこの制裁措置というのを今後しばらく続けるということは、誰が考えても明らかなんですね。そうしますと、日本というのは、イラン産原油の輸入についてどのような方針で今後臨むのか、そして、今後の石油関係のエネルギー政策との関係で、これはこういうものだという方針が必要だと思うんですよね。その辺は大臣はどういうふうにお考えなんですか。
○北神大臣政務官 石油については、イランは今こういう状況ですけれども、石油の埋蔵量が、世界で五割、中東の地域に集中しているわけでありますから、当然、この中東における産油国との関係強化というのは引き続き重要であるというふうに考えております。 ただ、先生のおっしゃる、エネルギー政策全体につきまして、石油については、過度な中東依存というのは避けなければいけないということから、自主開発ももちろん大事ですし、また、供給源の多様化、分散化というものも重要だということでございます。 そういうことから、いわゆる中東ではない、ロシアとかベネズエラとか、そういった国との資源外交を強化していかなければいけないというふうに思っていますし、さらには、具体的に言えば、ベネズエラの重質油の油田開発、あるいはブラジルの海の深いところにある油田の開発とか、さらにはグリーンランド、北極圏の方もこれから開発をしていかないといけない。こういったことで、日本の企業の支援をするために、JOGMECのリスクマネーの供給を通じて積極的に推進をしていきたいというふうに思っています。
○穀田委員 簡単に言うと、供給源の多様化ということを今考えていて、イランに頼るということについては少しずつ減らしていこうということですな。それで理解してよろしいな。(北神大臣政務官「そうです」と呼ぶ)はい。 では、その次に、大きな二つ目に聞きたいのは、EUの制裁措置が発動され、イラン産の原油の輸入が仮にとまることになった場合、国民生活にどんな影響を与えるのかということについて少し聞きたいと思うんですね。 六月二十日までにこの特定タンカーの特措法が成立しなかった場合、国民生活にどんな影響が出るのか、具体的に少しお示しいただきたいと思います。
○北神大臣政務官 イラン産原油の引き取りがとまった場合の話ですが、これは当然、我が国としては代替の原油の手当てをしなければいけないということでございます。 ただこれは、言うはやすしでありまして、実際には、七月に入って米国そしてEUの制裁が始まると、先生さっきおっしゃったように、日本だけじゃなくて中国とかいろいろな国がイランの油に頼っているという中で、やはり相当代替原油の駆け込み需要というものが発生をします。これによって国際的な原油市場の混乱というものが起きる可能性があり、日本として代替原油の手当てをしなければいけないんですが、実際に調達できるかどうかが非常に不透明になると同時に、既に高どまりをしている原油の価格がさらに上昇する危険性があるというふうに考えています。 ちなみに、国際機関の試算によると、こういう事態が発生した場合には、二、三割、原油の価格が上昇すると。国内のガソリンでいえば、今、百四十円ぐらいですけれども、これが百六十円ぐらいに上昇するということでございます。こういった結果、物流のコストも当然上がりますし、電力のコストも当然上がるというふうに非常に危惧をしているところでございます。 特に後者の電力については、今、原子力発電所が停止をしている中で火力発電が非常に重要になってきていますので、これのエネルギー源である重油というものが調達困難になるおそれもあるということも危惧をしております。 こういったことから、国民生活、日本の産業、経済に極めて大きな影響を与えるというふうに思っていますので、何としてもこの法案、迅速に審議をお願いしたいというふうに思っています。
○穀田委員 そこまで言うと、では、何をしていたんだと。要するに、国民生活にそれほどの打撃があるという話をいつしたか、先ほども多くの方々が疑問に思っているのはそこなんですよ。それほどのことを言うんだったら、国民生活に大打撃を与えると言うんだったら、すべからく手を打っていたらどうなんだという話なんですよね。ここがみんなわからない話なんですよ。 しかもそれは、いつそういうことがわかったか。それほど大げさな、何か、電力だ、物流だ、大混乱が起きると。大混乱が起きるような顔をして必死になってやっているなんていうことを、いつからやっていたんだと思うんですよね。 新聞を見ると、どんなことを言ったって、先ほど局長からもあったように、一月に交渉が始まって、三月の問題について、明らかにこれは変だと。そうすると、最低でも三月の時点で、新聞も書いていますけれども、そういう可能性があるということはもう既にわかっているわけですよ。わかっているんですよ。ということは、一方では外交交渉をするというのは当たり前なんですよ。それを否定していないんですよ、私どもは。その中身についてつまびらかにせいなんてことを言っているわけじゃないんですよ。 問題は、だとしたら、我々日本国民に対して、ないしはそういった問題について、こういう可能性があるぞということについて、みんなの協力を得て、だから、イラン制裁との関係で、再保険の問題はこういったことについて法律が必要になるかもしれないという提起があってしかるべきじゃないのかと。 そういうことについて、大臣、今大臣になったばかりで、あなたに質問するのは私も申しわけないと思うんだけれども、国家としてそういう危惧があるという問題について、法案が必要だというようなことを六月七日に我々に言ってくる。三月の時点で、少なくともEUがああいう決定をした段階で、その方向性がある、そうすると、外交交渉をやりながら、そのことについて、もしかの場合にやらなくちゃならぬ。 今ごろになって、北神さんなんか、調達が不透明だとか、中国が駆け込み需要だ、混乱だ、物流だ、電力のコストだといって、そんなこと、そういうことになる前からわかっているわけで、だとしたら、その法律をつくろうということについて、あるかもしれない、こういうときにはどうしたらよろしいかということがあってもしかるべきだ。そういう点での反省がないと言っているんですよ、私どもは。 大臣、そういう問題は、今後こういうことが起きるとしたら、私は、はっきり言って、国民が大被害を受ける可能性があるときに、とどのつまりまで、最悪のところまで来てからやるなんということがあったんじゃだめだと言っているんですよ。そう思いませんか。そういう反省を含めて、あれば。
○羽田国務大臣 今御指摘いただいたことは重く受けとめさせていただきたいと思いますが、政府としても、野田総理大臣また玄葉外務大臣初め政府一体となってこのことについては取り組んできたというふうに承知しております。 また、このことについてはEU及びEU加盟国に対して働きかけを行ってきたわけですけれども、猶予継続等、そういうことも含めてお話をさせていただいてきました。 また、核問題をめぐる3プラス3とイランとの協議が行われております。この動向を見きわめる必要もあったということで、今回このような形でお願いをさせていただいているところでございまして、今後とも、今御指摘をいただいてまいりましたことはしっかりと受けとめながら進めていきたいというふうに思っています。
○穀田委員 受けとめて、受けとめてと言うけれども、みんなこの事態というのは、三月の時点で、少なくとも一月や三月、経過を経る中で、もしこれができなければこういう事態が起こるということはわかっているわけですやんか。そうしたら、政府として、そういうことが起こり得る可能性がある、だから、国民的にいったらこういう法律が必要だと、それのいわば国会審議を経なければならないわけですやんか。そうすると、国会の了承を得る、つまり、与党、野党を問わず、生活にかかわる問題について、この可能性があるということについて、もしかのときはよろしくということについて、するのが当たり前だと言っているんですよ。そういうことはなかったと。 それは怠慢で、先ほども怠慢だと言うけれども、怠慢という話で済むわけじゃないんですよ。そうすると、最後になると、国民生活が大変だからといって、そういうおどしをかけてやるのかということになるんですよ。だから、そういう政治の立場が問われているということについて私は言っておきたいと思います。 終わります。
○伴野委員長 次に、中島隆利君。
○中島(隆)委員 社会民主党の中島隆利でございます。 私は、まず最初、イランの核開発問題の今後の見通しと日本の対応について、外務省中東局長にお尋ねをいたします。 イランの核開発、とりわけウラン濃縮活動が継続されていることに対し、アメリカ、EUは大変厳しい姿勢をとっています。軍事利用の可能性も含め、核が拡散していることには強く憂慮せざるを得ないのは事実であります。他方、日本は、原油輸入をイランを含めた中東に強く依存しているため、頭が痛い問題であります。 そこで、最初に、日本政府としてのイラン核開発問題に対するスタンスと、解決に向けた見通しを簡単に説明していただきたいと思います。 先ほど穀田議員の答弁の中で、アメリカ、EUの圧力中心の今の外交政策、この中にありながらも、対話の方向でタイミングを見ながらその役割を果たしていきたいという御答弁もございました。この核開発問題に対する対応と今後の対応について、再度お尋ねをいたします。
○松富政府参考人 お答えいたします。 イランの核問題については、深刻な懸念を国際社会と共有してございます。したがって、国際協調に基づき、制裁には加わるということが一点。 他方、対話と圧力のアプローチに基づいて、必要な場合には、対話のラインで、我が国の有するパイプを利用して働きかけを引き続き行っていきたいと考えています。 ポイントはやはり、平和的な、外交的な解決に努力することが基本であるということだと思います。さらに、政策を打ち出すに当たっては、イラン情勢、原油市場や日本経済への影響なども総合的に勘案しながら、国際協調の精神のもとで問題の解決に向けて努力していくというのが日本政府の基本的なスタンスだと考えます。 今後の見通しということでございましたが、EU3プラス3の協議は、先ほど申し上げておりましたように、一歩前進、二歩後退という状況でございます。今後の動向について楽観視する材料は、残念ながら現時点ではございません。 ただ、日本としては、あくまでも問題の平和的な解決に向けて実質的な進展を見られるよう、各国とも協調して働きかけていきたいと考えています。
○中島(隆)委員 先ほど質問がありましたが、想定される原油輸入先について、再度、経済産業省にお尋ねをいたします。 EUやアメリカを中心に制裁措置が強化されていますが、制裁だけで問題を解決することは難しいと今も御答弁ありました。やはり対話を中心とした外交努力が問われていると思います。先月末に行われた国連安保理常任理事国プラス・ドイツ、イランとの協議は、残念ながら合意に至りませんでした。しかし、ここは、中東の安定を考える上でも、問題が早期に解決できるように、国際社会の努力が問われていると思います。とりわけ、イラク戦争参加を除けば中東諸国とは中立的なスタンスをとっています日本がイニシアチブを発揮してほしいと思います。 それはそれといたしまして、残念ながらイランの核開発問題が長期化する場合、恐らく、イランからの原油輸入量はさらに削減すべきという圧力が欧米からかかってくるのではないかというふうに思います。その場合にどういう対応をするか、イランからの原油輸入をさらに減らす場合、どこが代替の輸入先になるのか、その点についてもう一度お尋ねいたします。
○安藤政府参考人 お答え申し上げます。 まさに、長期化をした場合に欧米諸国からさらなるイラン産原油の削減ということが求められる懸念は、私どもも大変大きな懸念として持っております。 その際、代替原油としてのさらなる調達先の候補でございますけれども、一つは、既存契約を有しております、サウジアラビアを中心といたしました中東のまさに産油国からの原油引き取り量を増加させていくということが一つございます。もう一つは、いわゆるスポットマーケットというのがございまして、既存契約等々では縛られていない、いわば自由な、自由といいましょうか、そういった既存契約に縛られていない原油が流通しているスポットマーケットというのがございます。 ただ、もちろん、これももともと産油国からの油でございますので、主としてUAEやオマーンがこういったスポットマーケットの供給先になっておりますけれども、こういったスポット市場からの調達ということを最大限やっていくということで対応せざるを得ないというふうに思っております。
○中島(隆)委員 次に、その他の国との連携について、再度、外務省中東局長にお尋ねいたします。 欧米諸国以外でイランからの原油輸入量が多い国は、日本を除いて、中国、インド、韓国であります。中国はイランへの制裁措置そのものに反対しているようですが、これらの国々はEUの再保険引き受け禁止措置にどのように対応しようとしているのか、また、日本が連携していける可能性のある国はどうなのか、この点についてお尋ねをいたします。
○松富政府参考人 お答えいたします。 韓国との間では、EUに対する働きかけの観点から、既に連携、協調してございます。韓国は現在、国内法の枠組みの中でいかなる対応が可能か検討中というふうな説明を先方から受けてございます。 中国、インドについては、現在、鋭意情報収集中でございますが、今回の再保険の停止に伴い、国がイラン産原油の輸送に必要な保障を提供する枠組みをつくれないか、さまざまな選択肢を検討中というふうな報道に接してございます。これら中国、インドと連携できるかどうかについては、今後の検討課題としていきたいと思います。
○中島(隆)委員 さて、これは五月十九日付の新聞報道で、日経新聞でありますが、ニューヨーク地裁が日本のある民間銀行に対してイラン政府の口座凍結を指示した問題が取り上げられておりました。このままでは原油を含んだイラン貿易の決済が難しくなるため、日銀の口座を使うことが政府や民間金融機関などで検討されているというものであります。 その後、ニューヨーク地裁の口座凍結指示は撤回されたようでありますが、米国政府もイランを国際金融取引から締め出すことを視野に入れていると思いますので、今後、イラン原油の決済口座が維持できるのかどうか、その点についてお尋ねをいたします。
○遠藤政府参考人 お答えいたします。 先生御指摘の新聞記事でございますけれども、三菱東京UFJ銀行でございます。この銀行が、ニューヨーク州裁判所によるイラン関連資産の凍結命令を五月の二日に受けました。そのために決済を一時停止していたわけでございますけれども、その後、同行が異議申し立てを行いまして、連邦地裁におきまして、米国外の資産に対する当該命令は無効であるという決定を出されました。それを受けまして、現在は、三菱東京UFJ銀行におきまして決済が正常化しているというふうに承知しております。 この米国外の資産に対する凍結命令に対しましては、政府といたしましても、国際法上の懸念があるのではないかといった米国政府との外交上のやりとりを行ってきたところでございます。 引き続き、原油の供給を含むイランとの貿易取引に支障が生じないよう、政府一体となって適切に対処してまいりたいと思います。
○中島(隆)委員 時間が参りましたが、我が党といたしましても、今回のこの法案提案、大変な危機的な、重要な問題であるということの認識に立って、ぜひ今後は万全な体制で取り組んでいただきたいというふうに思います。 以上で終わります。
○伴野委員長 次に、柿澤未途君。
○柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。 今回、EUが、核開発疑惑への制裁として、七月一日から域内保険会社のイラン産原油の輸送に係る再保険引き受けを禁止する、こういう方針になり、タンカー事故時の賠償金を政府が肩がわりする、こういう法案が仮に未成立だった場合、日本のタンカーが航行不能となりかねない、こういう状況なわけです。この状況に立ち至った以上、遅きに失した感はありますけれども、特措法案、これはやむを得ないものとして賛成をしたいというふうに思っております。 しかし、ちょっとよくわからないところも正直あるんですね。今お配りをさせていただいている資料をごらんいただくと、実は、日本だけではなくて、EU域内の国もイラン原油に相当依存をしているわけです。一番依存度が高いのはトルコ、そしてギリシャ、スペイン。そもそも、現在、ユーロ危機で大変な状況になっている国もあるわけです。こういう国は、聞くところによると、イラン産原油の輸入禁止に対応をしていて、他国の増産分に振りかえたりして、何とかこういう状況をしのごうとしているそうであります。 二割あるいは一五%近く、こういうふうに依存をしている国々がそうしたことをやっている一方、日本は、二〇一一年で依存度は八・八%ですけれども、当面イラン原油の全面禁輸には踏み切らず、少しずつ輸入量を減らすことで国際社会の理解を得たい、こういう方針だということであります。 なぜ日本の措置は漸減にとどまるのか、この理由をまず聞かせてください。
○中根大臣政務官 柿澤委員にお答えを申し上げます。 我が国とイランとの長い歴史の関係の中で、継続的な原油の取引及び東日本大震災以降の我が国のエネルギー情勢を踏まえると、我が国としては、イランをめぐる国際情勢のもとで、許容される限りイラン産原油の輸入を継続することが重要と認識をいたしております。 そのような認識のもと、我が国は、米国やEUと意見交換を行いながら、我が国の立場に対する理解を求めてまいりました。具体的には、国防授権法に関するアメリカとの協議では、東日本大震災以降、火力発電用の化石燃料需要が増大している我が国のエネルギー情勢を踏まえ、イラン産原油の急激な削減が困難である旨を説明し、例外措置を含む同法の柔軟な運用を要請してきたところでございます。その結果、アメリカから三月に、我が国の漸減に向けた対応は特筆すべきものとして、同法の例外規定を適用するとの連絡を受けたところでございます。 以上です。
○柿澤委員 これは外交上の勝利であるかのようにも見られるわけですけれども、しかし一方で、国際的な制裁措置の枠組みに、抜け駆けとは言いませんが、ある意味では背を向ける、こういうものとしてみなされるリスクはないんでしょうか。 とりわけ、先ほど御答弁の中で、このイラン産原油はコストパフォーマンスがいいんだ、こういう話であるとすれば、これは、みずからの経済的利害を優先して、核開発問題に対する国際的な圧力の輪に一歩引いて参加をしよう、こういう姿勢にも受けとめられる、こうしたリスクがあるのではないかと思います。 この点、外務省に御見解をお尋ねしたいと思います。
○中野大臣政務官 委員が申されている国際的な枠組みということでございますけれども、これは多分、とり方はいろいろあると思うんですね。外務省としては、では国際的な枠組みというのは一体何なのかというときに、やはり国連の枠組みというのが一つの指標であるのではないのかなというふうに考えております。 先ほど私からも答弁させていただきましたけれども、国連の中での安保理決議、過去、イランに対しては四本出されておりますけれども、その四本に対して日本は適切に対応してきておりまして、日本の対応に対して、先ほど委員が申し上げた、背を向けるというんですか、違背というんですか、そのような形で国際社会から日本が非難をされているということはありませんので、私たちとしては、特に違背をしているというふうな認識には立っておりません。
○柿澤委員 そうなんでしょう。それは私も、現状を見ていてそう思います。 しかし、こうした表のような現状がある中で、こうした国々が対応している中で、日本がそのままでいいということにはならない。そういう圧力もある種受けているというような御答弁も先ほどあったようにも思います。 そういう中で、日本がどのように対応していくのか。これは、国際的な視線にさらされているということを御認識いただいていると思いますけれども、さらに御認識を深めていただきたいというふうにも思います。 この特措法案ですが、タンカー事故で損害賠償責任が生じた場合に、最大七十六億ドル、六千億円を政府が肩がわりする内容です。再保険にかわる特定保険者交付金の交付が現実にあった場合は、これは相当巨額に上る可能性があるわけですけれども、今の財政状況の中でこの財源というのは国庫のどこから生まれてくるのか、これをお伺いしておきたいと思います。
○吉田(お)副大臣 万が一事故が発生いたしました場合には、日本船主責任相互保険組合が支払うことになっております八百万ドル、今の為替でいきますと約六億五千万円を超えるような損害が生じ、特定保険者交付金を交付することとなった場合には、予備費や補正予算等により対応することとしております。 いずれにせよ、財務当局とも相談しつつ、適切に対応してまいりたいと存じます。 なお、この相互保険組合において、過去五年間、原油タンカーに関して八百万ドルを超えるような損害が生じたケースはないということはお聞きをしております。 以上でございます。
○柿澤委員 その御説明も事前にお伺いをしましたけれども、最後の一文というのは、余りこのような事態は想定されない、こういう話でありますから、そうすると、この措置そのものが必要なくなってしまう、こんな話にもなりかねないかなと思います。 時間は少し余っているんですが、この特措法案については、冒頭申し上げたとおり、やむを得ない措置として賛成をする立場でございますので、予定の質疑は終了いたしましたので、これで終わりにしたいと思います。 ありがとうございました。
○伴野委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○伴野委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 特定タンカーに係る特定賠償義務履行担保契約等に関する特別措置法案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○伴野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伴野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○伴野委員長 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣羽田雄一郎君。
○羽田国務大臣 本法案につきましては、本委員会におかれまして特段の御配慮をいただく中で真剣かつ熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことを深く感謝申し上げます。 今後、審議中における委員各位の質疑内容において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。 ここに、委員長初め理事の皆様、また委員の皆様の御指導、御協力に対し深く感謝を申し上げます。大変にありがとうございました。(拍手) ————◇—————
○伴野委員長 この際、お諮りいたします。 第百七十四回国会、武部勤君外四名提出、離島の振興に関する施策の拡充のための離島振興法等の一部を改正する法律案につきまして、提出者全員から撤回の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伴野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○伴野委員長 次に、国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 離島振興法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。 本件につきましては、理事会等での御協議を願い、お手元に配付してありますとおりの草案が作成されました。 本起草案の趣旨及び内容につきまして、私、委員長から御説明申し上げます。 離島振興法は、本土より隔絶した離島の特殊事情に起因する後進性を除去するための基礎条件の改善及び産業振興に関する対策を樹立し、これに基づく事業を迅速かつ強力に実施することを目的として、議員提案により、昭和二十八年七月、十年間の時限法として制定されたものでありますが、離島と本土との格差は依然として除去されない実情に鑑み、以後、五度にわたり、本法の有効期限をそれぞれ十年間延長するとともに、諸施策を拡充してきたところでございます。 しかしながら、人口の減少が長期にわたり継続し、高齢化が急速に進展するとともに、無人の離島が増加するなど、離島をめぐる自然的、社会的諸条件は厳しく、いまだその産業基盤及び生活環境の整備等が他の地域に比較して低位にある状況は解消されるに至っていないところでございます。 一方、離島は、我が国の領域、排他的経済水域等の保全、海洋資源の利用、多様な文化の継承、自然環境の保全、自然との触れ合いの場及び機会の提供、食料の安定的な供給等国民の利益の保護及び増進に重要な役割を担っており、その役割が十分に発揮されるよう、離島振興施策の充実を図るとともに、その実施体制の強化を図ることが必要となっております。 本起草案は、このような最近における離島の社会経済情勢に鑑み、離島振興施策の一層の充実強化を図るため、所要の改正を行おうとするもので、その主な内容は次のとおりであります。 第一に、目的規定において、離島の国家的、国民的役割及び離島の置かれた現状と背景をより明確にするとともに、離島振興の目的として、人の往来及び生活に必要な物資等の輸送に要する費用が他の地域に比較して多額である状況の改善や、定住の促進などについて明記することとしております。 第二に、基本理念及び国の責務規定を新設し、離島の振興のための施策は、離島の国家的、国民的役割が十分に発揮されるよう、厳しい自然的、社会的条件の改善、地域間交流の促進、無人島の増加や人口の大幅減少の防止、定住の促進が図られることを旨として講ぜられなければならないこととするとともに、国は、基本理念にのっとり、離島の振興のための施策を総合的、積極的に講ずる責務があることとしております。 第三に、離島振興の実施体制の強化等を図るため、主務大臣の追加を行うとともに、主務大臣は、毎年、離島の振興に関して講じた施策について、国土審議会に報告することとしております。 第四に、離島振興基本方針及び離島振興基本計画に係る規定の整備を図るとともに、基本的施策の充実を図ることとしております。 第五に、財政上及び税制上の措置や公共事業予算の明確化についての特別な配慮について定めるとともに、離島活性化交付金等の交付について定めることとしております。 第六に、政府は、地域の創意工夫を生かした離島の振興を図るため、離島特別区域制度の創設について総合的に検討を加え、必要な措置を講ずることとしております。 第七に、本法の有効期限を平成三十五年三月三十一日まで十年間延長することとしております。 以上が、本起草案の趣旨及び主な内容であります。 ————————————— 離島振興法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○伴野委員長 この際、本起草案につきまして、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣の意見を聴取いたします。国土交通大臣羽田雄一郎君。
○羽田国務大臣 本法律案の御提案に当たり、委員長及び委員各位の御見識に深く敬意を表するものであります。 政府といたしましては、離島地域の現状に鑑み、本法律案については特に異存ないところであります。 この法律案が御可決された暁には、関係省庁と連携を図りつつ、その適正な運用に努め、離島振興対策の一層の推進に努めてまいる所存であります。
○伴野委員長 これより採決いたします。 離島振興法の一部を改正する法律案起草の件につきましては、お手元に配付してあります草案を本委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○伴野委員長 起立総員。よって、そのように決しました。 なお、ただいま決定いたしました本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伴野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○伴野委員長 この際、小泉俊明君外六名から、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会、公明党、日本共産党、社会民主党・市民連合、みんなの党及び国民新党の七派共同提案による離島の振興に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。金子恭之君。
○金子(恭)委員 ただいま議題となりました離島の振興に関する件につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 なお、お手元に配付してあります案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。 離島の振興に関する件(案) 離島は四方を海等に囲まれ、人口の減少が長期にわたり継続し、かつ、高齢化が急速に進展する等、他の地域に比較して厳しい自然的社会的条件の下にある。このため、離島における安全で安心な島民の生活を確保し、定住の促進を図ることは喫緊の課題であり、政府は、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺漏なきを期するべきである。 一 今回の改正離島振興法の最大の特徴の一つであるソフト事業支援施策については、介護、自然環境、再生可能エネルギーをはじめ、交通・情報通信、産業・雇用、医療・福祉、教育、防災・減災の分野といった多岐にわたるものであり、具体的かつ充実した施策の実施に努め、離島住民の定住に資するものとすること。例えば、人の往来及び物資の流通に要する費用の低廉化に資するための施策の充実等について検討を加え、所要の措置の実現を図ること。とりわけ新しく創設した離島活性化交付金制度については積極的かつきめ細やかな活用を図ること。 二 改正後の離島振興法第七条の二の規定による離島活性化交付金等事業計画に記載する事業等として、離島漁業再生支援交付金、携帯電話等エリア整備事業、へき地保健医療対策費、医療施設等設備整備費、医療施設等施設整備費、離島流通効率化事業及び離島高校生修学支援事業を盛り込むとともに、離島の妊婦の健康診査の受診及び出産に対する支援等新たな国の離島活性化に資するソフト事業についても盛り込むこと。 また、改正後の離島振興法第七条の四の規定により公表することとする事業等としては、地域公共交通確保維持改善事業及び離島ガソリン流通コスト支援事業を盛り込むこと。 三 離島航路・航空路は離島住民の生活にとって欠かせない生命線であり、いわゆる「海の国道」として重要な役割を担っている航路もあることを踏まえ、必要な支援を行うこと。また、離島航路・航空路の安定的な維持が離島における定住の促進に欠かせないことから、その支援に関して必要となる新たな法制の整備を含め支援のあり方について検討すること。併せて、国と地方の適切な役割分担も踏まえて、離島の道路の国道指定について柔軟な運用を図ること。 四 政府において、災害時多目的船(病院船)を導入・運用する際は、災害時等以外の平時における離島住民の検診・医療等への活用について検討すること。また、災害時の離島の孤立防止等のため、離島における飛行艇の定期的な活用も併せて検討するとともに、ヘリポートの整備を推進すること。 五 学校は離島定住促進の条件として極めて重要な施設であることに鑑み、こうした教育施設の維持及び存続について国は可能な限り支援すること。 六 離島特別区域制度について、政府はその制度の詳細設計を定めた新たな法制の整備を早急に検討すること。その際、既存の復興特別区域制度等を参考とし、厳しい自然的社会的条件の下にある離島の活性化と定住の促進に資する規制の特例措置、金融・財政上の措置などを盛り込むこと。 七 政府は、離島振興の成功事例を収集し、離島関係自治体への周知の徹底に努めること。 八 本委員会は、附則第五条に規定する「早急に」は、一年以内と認識する。 右決議する。 以上であります。 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
○伴野委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○伴野委員長 起立総員。よって、本件は本委員会の決議とするに決しました。 この際、ただいまの決議につきまして、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣羽田雄一郎君。
○羽田国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分に尊重し、努力してまいる所存でございます。よろしくお願いいたします。
○伴野委員長 お諮りいたします。 ただいまの決議についての議長に対する報告及び関係当局への参考送付の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伴野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次回は、来る二十日水曜日午後零時五十分理事会、午後一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時五十四分散会