東日本大震災復興特別委員会 第4号
- 発言数
- 87 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2011/11/07
会議録
○委員長(増子輝彦君) ただいまから東日本大震災復興特別委員会を開会いたします。 議事に先立ち、一言申し上げます。 本院議長西岡武夫君は、去る五日、肺炎のため逝去されました。誠に哀悼痛惜に堪えません。 ここに、皆様とともに謹んで黙祷をささげ、哀悼の意を表しまして、御冥福をお祈り申し上げたいと存じます。 どうぞ御起立をお願いいたします。黙祷。 〔総員起立、黙祷〕
○委員長(増子輝彦君) 黙祷を終わります。御着席お願いいたします。 ─────────────
○委員長(増子輝彦君) 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、平山誠君が委員を辞任され、その補欠として金子恵美さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(増子輝彦君) 東日本大震災復興の総合的対策に関する調査を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○石川博崇君 皆様、おはようございます。公明党の石川博崇でございます。月曜日の朝から大変に御苦労さまでございます。 冒頭、黙祷がございましたが、おとといの朝、大変に悲しい、また衝撃的な訃報のお知らせが舞い込んでまいりました。私からも冒頭、心からお悔やみを申し上げますとともに、西岡議長が果たされてきたこれまでの職責、そして参議院の改革に懸ける意欲、そういったものを残された私どもがしっかりと引き継ぎ、改革を実施していかなければならない、その決意をまずここにお集いの与野党の先生方にもお訴えをさせていただきたいと存じます。 本日、私、この復興特別委員会では初めて質問させていただきます。平野大臣始め関係大臣の皆様、どうぞよろしくお願い申し上げます。 まず冒頭、平野大臣に一言御礼を申し上げたいと思います。それは、先日、十月の二十日、大変お忙しい中、お時間を割いていただきまして、私ども公明党の井上幹事長、そして宮城県本部から上京してまいりました県本部の県議のメンバーにお時間をいただき、お会いしていただいて、公明党の宮城県本部として、被災地の方々の思いを様々伺いながら、震災後半年がたった今の現状を踏まえた政策提言というものをまとめさせていただいて、直接お渡しさせていただくことができました。やはり、現場の思いを少しでも受け止めたいという平野大臣のお心が表れたのではないかというふうに考えております。大変に感謝申し上げます。これからも、私ども公明党、こうした現場の声を一つ一つ丁寧に拾い上げさせていただきながら政策提言を全力で行わせていただきたいと思います。 大臣、この要請書、目を通していただいたかと思います。今、この要請書を受けて、今後どのようにこれを対処、処理されていくお考えなのか、まず御説明いただけますでしょうか。
○国務大臣(平野達男君) 御案内のように、十月二十日、井上幹事長の御紹介、御案内で公明党宮城県本部さんが復興本部に来ていただきました。様々な御要望をいただくとともに、意見交換会も行わせていただきました。要望につきましては、宮城県内の被災者、自治体の声を幅広く集約いただいたものだというふうに認識しております。要望書記載のそれぞれの項目につきましては、内容を精査しまして、特区制度あるいは交付金制度、第三次補正予算の中に反映をさせていただいたというつもりでございます。 要望それぞれの項目の回答につきましては、御要望いただきましたのでもっと早くこれ早急に回答すべきでありましたけれども、なかなか法案提出等々でばたばたしておりまして、まだそれがかなっておりません。早急に取りまとめて御回答申し上げたいというふうに思っております。
○石川博崇君 大変にありがとうございます。三十項目から成る現場の声を踏まえた政策提言でございます。回答をいただけるという大変有り難い御答弁いただきましたので、是非とも、できるだけ早いタイミングでいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。 これから、今私どもも第三次補正予算、それから様々な関連法案の御説明をいただく中で、こうした現場の要請を踏まえた項目が多く反映していただいているというふうに認識しております。今後もこうした現場の声をしっかり受け止めた政策実行、実施に努めていただければと思う次第でございますが。 一つ、今出てきている法案の中で復興庁の創設についての法案がございます。これ、大変申し訳ありません、通告はしておりませんが、この復興庁の法案の中で、やはりこうした現場の声を受けた政策をどう実施していくのかと、どれだけスピード感を持って、そして一元的にワンストップで行っていくのかということを考えたときに、私ども公明党として非常にちょっと不十分だなというふうに思っていますのは、やはり実施権限が非常に弱いんではないかというふうに思っております。復興庁をつくる、これは非常に大事なことでございますが、そこが受けたそうした様々な要望、提言を更にほかの官庁に回すだけの窓口機能、調整機能だけであれば、屋上屋を重ねるにすぎない、その分だけ復興のスピードが遅れてしまうのではないかという懸念を持っております。 週末、平野国会対策委員長、民主党の国会対策委員長が修正協議に応じるような発言も報道ではされているようでございますので、出していただいた法案をいただいて与野党間で修正協議が行われるものと考えておりますが、もしこの点、何か御感想ありましたら、平野大臣、お願いいたします。
○国務大臣(平野達男君) 今回の復旧復興の主体は基本的には地域の自治体であると、その復興復旧を進める中に当たって、過程において様々な要望、意見が出てまいります。そういった意見あるいは考え方、そういったものをできるだけ吸収して、それを各省に伝えながら、できるものはどんどんどんどん政策に反映していくと、それが私は復興庁のまず一番の役割ではないかというふうに思っています。 しかし、それだけでは単なる調整に終わってしまいますので、実施という形で今回の復旧の中で最も強力なツールとなると思われる復興交付金、これは復興庁がその実施等々を担います。さらには復興特区制度、これも復興庁が担います。その上で、様々な調整においても勧告権という、まあよっぽどのことがないとこれ勧告権というのは出さないと思いますが、その調整についてもかなりの権限を復興庁に与えていただくと、そういう構成になっております。 私どもとすれば、今の復興庁の法案がこれからの復興復旧を進めるに当たっての一番いい形ではないかというふうに思っておりますが、様々な御意見ございますので、そういった御意見につきましては真摯に耳を傾けまして、入れるべきものは入れると、そういう姿勢で臨んでいくことが大事ではないかというふうに思っております。
○石川博崇君 今後の与野党の協議に私もしっかりと参画してまいりたいと思います。 やはり現場の声をどのように、できるだけ早く、そして一元的に復興を推し進めていくのか、この観点が一番大事だと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 次の案件に行かせていただきます。 今、宮城県本部の話を取り上げさせていただきましたが、放射線、福島第一原発の被害を受けた方々の不安感というものは、福島県内以外、隣接県の方々も大きな不安を抱いていらっしゃいます。 なぜ私はこのように宮城県の話を幾つも取り上げさせていただくかといいますと、私は大阪選出の参議院議員でございますので特に宮城県の選出ではございませんが、私ども公明党は、今、各被災地の各市町村それぞれ担当制を設けさせていただいておりまして、党を挙げて被災地へ被災地へという思いで時間をこじ開けては被災地に行かせていただいておりまして、私は、不肖、宮城県の石巻市、そして東松島市、女川町という二市一町を担当させていただいております。そうした観点で、これまでもずっと宮城県本部と様々なやり取りをさせていただきながら、現場の声をいただいている関係で今日も宮城県の話を中心にさせていただこうと思いますが。 話は戻りまして、福島県以外の隣接県の住民の方々への放射線被害の対策が不十分ではないかというお声が多くございます。特に宮城県におきましては、丸森町など非常に高い空中放射線量が観測されている地域もございます。宮城県では有識者会議を設けまして、こうした放射線量の高い地域では子供の甲状腺検査を行っていくといった方針を決めてはおりますが、こうした隣接県における住民の不安に対してしっかりと対処していくことが必要ではないかと思いますが、枝野大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(枝野幸男君) お答え申し上げます。 今回の原発事故による放射線の影響、特に健康に対する影響については、福島県の皆さんはもとより、周辺の皆さんにも大きな不安を抱いていらっしゃる方が少なからずいらっしゃるということは十分に認識をしているところでございます。 宮城県については、今御指摘いただきましたとおり、十月二十五日に有識者会議が県の方で開催をされたと承知をしております。専門家の皆さんによる有識者会議では、宮城県の県全体で放射線による健康の影響はないとされた一方で、しかし不安を持っていらっしゃる方がいらっしゃる、その不安を解消するという観点から、御指摘の丸森町の二つの地区で子供を対象にしたホール・ボディー・カウンターによる内部被曝検査と甲状腺の超音波検査を行うという見解で一致したと聞いております。 こうした対応につきましては、県の方と十分に連携を取りながら具体的な支援をしてまいりたいと思っておりますし、その他の近隣県についても、住民の皆さんの健康不安に対する御要請、御要望があればしっかりと受け止めて対応してまいりたいというふうに思っております。
○石川博崇君 今回、宮城県の有識者会議では、今おっしゃっていただいた丸森町の二地区に限って甲状腺検査を行うという結論を出されたわけでございますが、それ以外の地域の方も非常に大きな不安を抱えていらっしゃいます。仙台のような大都市もございます。また、私が担当させていただいておりますような石巻市といった非常に大きな町もございます。こうしたところでもせめて、例えば希望される方がしっかりと健康相談あるいは健康調査、フィルムバッジの供与などを希望される方だけでも対応していただくような措置をまず国が方針を示して取り組んでいただくことが大事ではないかというふうに考えております。 その点で今回の三次補正で非常に注目しておりますのは、文部科学省の方で予算要望されております放医研の事業の中で、リスクコミュニケーション事業を拡充されるということを盛り込まれております。これまでも放医研の方では、福島県そしてそれ以外の地域でも様々な講演事業等行っておられますけれども、これを拡充されるということは大変に評価したいと思います。是非しっかりとした取組をお願いしたいと思いますが、文部科学大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(中川正春君) 御指摘のように、このリスクコミュニケーションをしっかりやっていくということ、これを三次補正でも進めていきたいというふうに思います。 現状、お話の出ました放医研とともに日本原子力研究開発機構の方で健康相談ホットラインというのを運営をしてまいりました。これは宮城県だけではなくてその周辺も含めた全国ということでありますが、十一月三日現在で四万五千五百三十八件という多くのお問合せをいただいております。 それから、講演とかあるいは研修事業でありますが、これまで二百五十件やってまいりまして、そのうち二百十二件が福島県外、周辺というようなことであります。 三次補正の中でも、先ほど御指摘のように、しっかり予算付けをしていって更にきめの細かい対応をしてまいりたいというふうに思っております。
○石川博崇君 今おっしゃっていただいたように、放医研でも相談窓口設けていただいて、また原研でもホットラインですか、設けていただいているということでございますが、なかなか知られていないといいますか、住民の方々、そういう窓口があることも知らないケースが非常に多うございますので、是非、その周知徹底、広報等にも力を入れていただきたいと思いますし、また、枝野大臣におかれましても、先ほど申し上げましたとおり、丸森町以外の方々の健康調査、そして、例えば希望される方々へのフィルムバッジの供与とか、国としてしっかり取り組んでいただきたいと思いますので、是非ともよろしくお願い申し上げます。 それでは、時間もございませんので、次に移らせていただきます。 最近、テレビや新聞なんかでも大変大きく報じられております岩手県の宮古から東京都が災害廃棄物の処理を受け入れたと。当面、東京としては五十万トンという量でございますが、これが始まったことは、まずこの災害廃棄物の広域処理が一歩前進したということで評価をしたいと思いますが、残念ながら、全国的に見ますと、この災害廃棄物、いわゆる瓦れきの広域処理が、各自治体の中で非常に不安が広がっていて、当初予定していたようには思うように進んでいないという状況があるようでございます。 この現状について、まず細野大臣、御説明をいただけますでしょうか。
○国務大臣(細野豪志君) 広域処理に応じていただいた東京都には、本当に心より感謝を申し上げたいと思っております。 状況を御説明いたします。 環境省では、四月の八日に災害廃棄物の受入れの処理について協力を全国の自治体に依頼をいたしました。その時点では、全国の四十二都道府県五百七十二市町村、一部事務組合から受入れの表明をいただきました。ただ、先ほど石川委員が御指摘をされたとおり、住民の皆さんの中から放射性物質による汚染に対する懸念が表明をされたところもございまして、広域処理がなかなか進まないという、そういう状況が続いてまいりました。 十月四日、私も広域処理の推進会議を開催をしたときに、直接それぞれの市町村の担当者の皆さんに是非とも被災地の復興に不可欠な広域処理に御協力いただきたいという要請をさせていただいたところでございます。その後、受入れを具体化していく目的で、それぞれの自治体に対して改めて調査をいたしました。十月三十一日までの回答を一旦取りまとめましたところ、全国で五十四の市町村、一部事務組合などから、既に受入れを実施をしている、又は受入れに向けた検討を行っているという、そういう回答をいただいたところであります。 四月から十月で約十分の一に減少してしまっておりますが、受入れの表明をしていただいたところはもちろん、なかなかそういう表明をしていただけないところも含めて、しっかりと御説明をする中で、安全については私どもがしっかりと確認をいたしますので受入れをしていただきたいという、そういう要請を環境省、そして私の方からさせていただきたい、今やらせていただいているという、そういう状況でございます。
○石川博崇君 やっぱり、これ、災害発災後半年掛かって、こうした不安が生まれるのは十分想定できたと思うんです。そういう各地方自治体への説明が余りにも不十分であった、連携が取れていなかった。それがゆえに、せっかく当初、四月の時点では五百を超える自治体の方々が手を挙げてくださっていたにもかかわらず、住民の方々の不安が大きく広がっている。そして、そうした中で受入れは困難というところが、今の御答弁ですと一割が、五十四市町村が受入れを検討しているということでございます。 受入れを決めた自治体は本当に僅かだというふうに認識しております。それ以外のところからは残念ながらまだ前向きな回答をいただいていないという中で、もっと政府が前面に立って、どういう形で広域処理を進めていくのかという取組をもっと早くから進めておくべきではなかったかというふうに思います。 今、政府は、こういう災害廃棄物、八千ベクレル・パー・キログラム以下であれば通常の一般廃棄物と同様に処理して構わない放射線量だという説明をされておりますが、これをもう少し分かりやすく御説明いただけませんでしょうか。
○国務大臣(細野豪志君) 環境省では、放射性物質により汚染されたおそれのある廃棄物を安全に処理をするために、災害廃棄物安全評価検討会を開催をしてまいりまして適切な処理方法の検討を進めてまいりました。焼却灰の埋立基準につきましては、原子力安全委員会が六月三日に定めました東京電力株式会社福島第一原発事故の影響を受けた廃棄物の処理処分等に関する安全確保の当面の考え方、こういうものに示された目安を満足するよう、この検討会において適切な処理方法を検討してまいりました。 今、石川委員の方から御指摘があった一キログラム当たり八千ベクレル以下の焼却灰というのは、周辺住民の皆さん、さらにはそこで作業をする皆さんの安全を考えたときに、原子力安全委員会が目安としていた基準を十分に満たすという判断の下になされたものでございます。したがいまして、一キログラム当たり八千ベクレル以下の焼却灰については安全な埋立処分をすることが可能であるというふうに考えているところでございます。
○石川博崇君 政府は、八千ベクレル以下であれば、今おっしゃられたとおり安全だというふうにおっしゃられるわけですが、住民の方々、納得いただいていないわけでございますよね。これ、どういうふうに解消されていくお考えでしょうか。
○国務大臣(細野豪志君) まず大切だと思っておりますのは、それぞれ市町村、都道府県で担当されている皆さんに、しっかりとこのことを御理解をいただくということだというふうに思っております。既に説明会などはやっておりますけれども、個別に受入れについてのある程度の意思を表明をしていただいている自治体には、環境省の担当者が直接参りましてその説明をさせていただいているというのが現状の取組でございます。 さらに、恐らく、これから個別に話が進んでまいりますと、個別の市町村の中の周辺住民の皆さんなどから不安の声が恐らく上がってくるだろうというふうに考えております。そうしたときには、そうした皆さんへの説明、説得というのを市町村や都道府県にお任せをするということではなくて、環境省の担当者が直接行きまして、できるだけ皆さんにしっかりと受け止めていただけるような説明をしてまいりたいと思っております。 既に様々な説明の資料も作っておるんですけれども、それを更に分かりやすいものを作りまして、そういった場面が設定をされたときにはしっかりと対応できるように備えてまいりたいと考えております。
○石川博崇君 いや、これからでは遅いですよ、大臣。もう既に非常に大きな不安の声が高まっていて、もう地元の自治体はその板挟みに遭ってどうすればいいか分からないという現状の中、当初であれば受入れを表明していた自治体も、やむにやまれぬ思いでやっぱりこれは厳しいという判断をせざるを得ないような状況になっている。 今これから説明されて、自治体担当者に説明されて、あるいは住民への説明会をやって、それが解消されるんですか。
○国務大臣(細野豪志君) 自治体にはこれまでも説明をしてまいりましたし、今もしておるんですね。それを、こういう場所で答弁するのがいいのかどうかちょっと迷うんですが、せっかく御質問いただきましたので申し上げます。 例えばここの自治体に説明を行ったとか、ここでこういうことをやっているということを言うことで住民の皆さんの不安をかき立てることも余りいいことではないと思っておるんです。ですから、まずはそれぞれの自治体でやってみようというふうに思っていただくということが大前提になるわけですね。じゃ、やろうということになったときには当然住民の皆さんに御説明をしなければなりませんので、そういう場面をつくっていかなければなりません。市町村がそれぞれそういう場面をつくっていただいたときには我々がしっかりと説明に行くという、そういうことで今やっておるところでございます。
○石川博崇君 いや、ですから、それだと地方自治体からすると、そうやって任されて決断をしろと言われても、手を挙げろと言われても挙げようがないわけですよ。私が言っているのは、やはり政府が安全に対しては万全の対策を取ると、それを分かりやすくもっと前々から説明しておくべきではなかったのかということを申し上げているわけでございます。 例えば今八千ベクレルは安全だというふうにおっしゃっていますが、それは住民の理解が得られないと。それであれば、受入れは八千ベクレル以下、あるいは山形県などでは具体的な独自の基準を設けて、四千ベクレル以下の災害廃棄物を受け入れるという基準を独自に設けていらっしゃるそうでございますが、こうしたことを、国が災害廃棄物広域処理についてはより低い放射線量のものを受け入れていただくという基準を示すとかということはできないんでしょうか。
○国務大臣(細野豪志君) 先ほどの点について一点だけ。 いつでも住民の方には御説明に伺いますということは私ども申し上げております。ただ、例えば国が直接乗り込んでいって市町村の合意のない中で説明会をやるわけにもこれはなかなかいかないという事情がありますので、申し訳ないんですが、そこは市町村に力を貸していただけないだろうかという、そういうお願いをさせていただいております。 できるだけ丁寧に、確かにやり方が、私ももう少し早い段階でいろんなことをできたのではないかという反省をしております。そういう反省もした上で、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。 御質問の、八千ベクレルより低い基準に設定をして、より低い水準の廃棄物についてであれば受け入れることができるという、そういうお話が実は幾つかのところから来ております。それについては、できるだけ柔軟に対応していきたいと思っております。全国一律で基準をつくっておりますので、八千ベクレル・パー・キログラム以下であれば安全だという考え方は変えませんけれども、不安を持たれる皆さん、特に広域処理に御協力をいただくという大きないろんな意味での御配慮、御判断をいただくというところに関しては、それ以下の基準で設定をされた場合についてもしっかり対応すると。例えば、受け入れていただいた場合には財政的な国庫補助の対象としてもしっかりしていくという、そういう姿勢で現在臨んでいるところでございます。
○石川博崇君 今財政的な面の話を少し最後お触れになりましたけれども、受入れ自治体、本当に御苦労されて努力をして、そして何とか被災地のためになりたいという思いから広域処理を受け入れようという努力をされている自治体もあります。そうした自治体が設ける例えば厳格な受入れ体制、検査要員の配置であったりとか、あるいは災害廃棄物の検査に掛かる設備の投資とか、そういったものも含めて国で負担するという意味でしょうか。
○国務大臣(細野豪志君) できるだけケース・バイ・ケースで対応していきたいと思っております。 現在、環境省内で取り組んでおりますのは、既存の施設の中で余力があるところについて、そこの部分を生かすことで広域処理をしていきたいという方針でございますが、いろんな御意向を持っておられる皆さんがいらっしゃるでしょうから、個別でしっかりと対応していきたいと思っております。 むしろ、ちょっと今、私どもがやっていかなければならないと思っておりますのは、それぞれの自治体によっていろんな考え方がございます。例えば、リサイクルができるものであれば広域処理を受け入れてもいいというようなお考えのところもありますし、若しくは、しっかりと分別ができて安全に処理をできるのであればということで分別を非常に重視をされる、そういう自治体もございます。 ですから、そういうそれぞれの自治体の考え方にしっかり我々もこれを寄り添ってやる形で、例えば被災地のAという自治体のごみであれば、被災地外のBという自治体なら受けていただけるというようなマッチングをしていくという、そういう発想で現在取り組んでいるところでございます。
○石川博崇君 先ほど、その基準として八千ベクレルという話がありましたけれども、宮城県とか岩手県から出る災害廃棄物、とても八千ベクレルなんて行かないわけですよね。それの半分以下、あるいはもう数十分の一というような数値が出ているというふうに承知をしております。 そういう意味で、やはり広域で受け入れていただくためには、通常の安全という概念は確かにあろうかと思います、それをやたらいたずらに変更させるというのはかえって不安をあおるということもあろうかと思いますが、安全の部分というのは度外視をして、やはり広域で処理をお願いするわけですから、それよりも低い部分を広域では処理をしていただくということは、是非国が先頭に立って方針を示して、そして各自治体にお願いするということを検討していただかなければいけないのではないかというふうに思います。 私が担当させていただいております石巻市ですと、各被災市町村の中で最も災害廃棄物が出た市と言われております。総計、今出ている数でいいますと、六百万トンを超える災害廃棄物が出ていると言われている中、今回、東京都が受入れを表明しているのが、当面、五十万トンでございますね。その十倍を超える量の瓦れき、災害廃棄物があります。通常のごみ処理のスピードでいくと百十年以上掛かるというふうにも言われております。 これは、やっぱり災害廃棄物の処理をどう迅速に進めるかが復旧復興に向けての大きな鍵になってくると。その責任感を是非政府として強く持っていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(細野豪志君) 御指摘の責任は全て政府にございます。中でも、私が直接の担当をしておりますので、全力で取り組んでまいりたいというふうに考えております。 もちろん、放射性物質に対してしっかりと安全、安心を確保することは重要なんですけれども、確実に安全だという状況が達成できているものは、やはり全国でしっかりと被災地の復興に向けて力を合わせていくということも重要だと思っております。 私どもは、そういった意味では、どちらかというと汚染物質を出している方でございますので、若干対応がこれまで前に出ていなかった部分があったというふうにも反省をしておりまして、そこは石川委員が今御指摘をされたとおり、国が前に出てしっかりと自治体に対してお願いをして、あとは広域処理の実現をしていくという、そういう目標に向かってしっかりやってまいりたいというふうに思います。 御質問いただいて、ありがとうございました。
○石川博崇君 是非よろしくお願いいたします。 もう既に広がってしまったこの不安を取り除くというのは本当に大変な作業だと思いますので、自治体も困っておりますので、是非国の全面的な支援、そして積極的な対応をお願いしたいと思います。 次の件に移らせていただきます。 兵庫県におきましては、十六年前の阪神・淡路大震災の経験を踏まえて様々な、震災に強い、防災に強い町づくり、そして行政への取組を進めてきております。兵庫県はその十六年前の阪神・淡路大震災の経験を踏まえて、これまで取り組んできた様々な施策を政府に対しても提言をしております。 その中で今日は一つ是非皆様に御認識いただきたいと思っております案件がございまして、それは、兵庫県が今設けております住宅再建共済制度という制度がございます。これは、住宅を地震、また今回であれば津波で全壊、半壊、被害を受けた方々がそれを再建していくために、今ある制度ですと、生活再建支援金で最大三百万。そして、個人で地震保険に仮に入っていた場合に出る費用というものだけではとても、その三百万とそれに地震保険が付いて、地震保険に入っていればいいですけど、加入率も低いという中で、住宅の再建にはおぼつかないという中で兵庫県が創設してきた制度でございます。 やはり、この生活再建支援法の公助という部分と、それから地震保険という自助の部分に加えて共助の仕組みが必要なのではないかということで、兵庫県ではこの住宅再建共済制度、各個人、加入いたしますと、月当たり五百円あるいは年間五千円共済の負担をした上で、年々、これは掛け捨てではありますが、いざ地震が起こったときには再建等の給付金で六百万円の支給が行われるという制度でございます。 これは、兵庫県独自の取組としてずっとやってきているわけですけれども、これを是非全国的に展開すべきではないかと。これは、行政の負担は一切掛かっておりません。制度の枠組みをつくる、条例でつくるという枠組みでつくったわけでございます。これは、やはり兵庫県だけで枠組みを設けておくよりも、やはり全国的に、全国どこで地震が起こるか分かりません、今回のような災害が今後、東海・東南海・南海地震あるいは首都直下型ということも三十年以内に想定される中で、しっかりとこの共助という枠組みを行政がまず設けていくべきではないかという声が兵庫県の方から強くあり、今回、二十四年度の国の予算編成に関する提案の中でもこの全国展開ということを兵庫県として要望しておりますが、これは是非進めていっていただければというふうに思いますが、防災担当大臣を兼ねられております平野大臣でよろしかったですかね、この制度についての評価を教えていただければと思います。
○国務大臣(平野達男君) 兵庫県が実施しております住宅再建共済制度に関しての御質問でございました。 兵庫県の住宅再建共済制度につきましては、住宅所有者間の相互扶助の仕組みとしまして、一戸につき年額五千円の共済負担金を積み立てまして、半壊以上の被害を受けた住宅一戸当たり最大六百万円給付、これ先ほど石川議員から御紹介があったとおりでございますという、こういう制度だというふうに承知しております。 兵庫県の制度と同様な住宅再建共済制度を仮に全国に導入をするということにした場合には、まず民間保険会社を活用した地震保険制度や被災者生活再建支援制度との関係、それから強制加入の制度とするのかどうか、それから持続可能な制度となるよう給付と扶助のバランスを考えた場合、国民に大きな負担となるおそれがあるなど、検討すべき課題が多いというふうにも承知しております。 石川議員御指摘のように、共助の仕組みが大事であると、この基本原則には私も賛成でございますけれども、こういった課題を横ににらみながら、今の段階ではやや慎重にやっぱり検討していく必要があるのではないかというふうに考えております。
○石川博崇君 今大臣がおっしゃられた課題が多い点、私も認識をしております。様々な懸念といいますか、問題点もあろうかと思います。冒頭触れさせていただきました宮城県本部からの要請書でも、この全国展開について、現場の声として、やはり今回の震災を踏まえてこういうのがあった方がよかったなという声があるということは是非認識していただいて、課題をどう克服するかも含めて是非検討いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。 それでは、時間も残り少なくなってきましたので、最後の論点に入らせていただきます。 今回、被災地におきましては多くの子供たち、児童生徒も大きく被災をして、学校の通学が困難になるかもしれない、あるいは今後の就学、高校への進学、そして大学への進学というものが難しくなるかもしれないという声が多くあり、これに対する就学援助、就学支援事業というものを大きく進めてほしいという声が地域、被災地ではたくさんございます。 これは是非政府として、子供たち、学びたいとする子供たちがしっかりと学べる環境を特に被災地に関しては整えていくと、これはもう最大の責務だと思いますが、文部科学大臣、まず、いかがでございましょうか。
○国務大臣(中川正春君) 平成二十四年度の概算要求におきまして、被災地を含む全国の高校生に対し給付型の奨学金、これを創設をして、特に低所得世帯の生徒等の支援としていきたいというふうに思っております。そしてまた、被災した高校生に対しては、第一次の補正予算において被災児童生徒就学支援等臨時特例交付金、金額にして百十三億円ですが、これを計上して、高校生の修学支援基金に積み増しの支援をしているということ、さらにこの第三次の補正予算では当該基金の積み増し延長分で二百九十七億円というのも計上しております。 各都道府県において、奨学金の貸与要件の緩和やあるいは返還免除等、これは先ほど申し上げましたものについてはまだ給付型になっていないというところもあるんですが、しかし、運用の面でこの貸与要件の緩和あるいは返還免除ということを入れて柔軟な対応を行っていくということで現実に対応をしていきたいというふうに思っております。 高校生が経済的理由によって就学を断念することがないように、そしてまた、学業を続けられるということ、これを支援することがこれまでにも増して重要だということをしっかり認識しながら頑張っていきたいというふうに思います。
○石川博崇君 今回、第三次補正で入れられている事業は三年間の延長でございます。よりやはり長期的な取組が必要なんではないかという声もありますので、その点、是非御検討いただきたいというふうに思うのと、あと、答弁の中で冒頭触れられましたけれども、被災地の児童生徒に対する就学支援のみならず、全国的な今課題として、政府が特定扶養控除を見直したことによって全国的には定時制あるいは特別支援学級等に行かれている高校生のお子さん方の実質負担が非常に高くなっている、これに対する対応を取らなければいけないということは喫緊の課題でございます。 今回、来年度の予算要望の中で、文科省として、奨学金制度の創設の中で給付型奨学金の創設というものを盛り込んでおられて、年末に向けてこれから予算折衝が非常に大事な時期になってくるわけでございますが、是非、私ども公明党として、これまでずっとこの給付型奨学金というのはやはり必要だということを訴えさせていただいております。 データで申し上げさせていただきますと、諸外国ではこの給付型の奨学金制度というものを設けている国が多くございます。というよりは、ない国、先進国で、ない国が実は少ないのではないか、フランスも給付型、ドイツも半額の給付型、半額の貸与型、イギリスも給付型、アメリカも給付型といった奨学金制度を設けている中、日本はこういう制度がないという状況がございます。 また、今、大学への進学率ということを考えますと、両親の年収が少ない方の進学率が実は低いという統計が出ております。御家庭の年収が四百万円以下の御家庭が三〇%強なのに対して、一千万円を超えている方の御家庭の進学率が六二%という状況もございます。 是非、年末に向けた予算折衝の中でこの給付型奨学金の実現をしていただきますよう強くお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○桜内文城君 みんなの党の桜内文城でございます。 まず、先般急逝されました西岡参議院議長に対しまして、心から御冥福をお祈り申し上げたいと思います。 さて、まず今日お聞きしたいのは、福島第一原発の事故の関係でございます。 経済産業大臣それから原発担当大臣、お二人とも発災以来大変な御苦労をされてきたことは私どももよく存じ上げておりまして、敬意を表したいと思います。ただ、なかなか政府の対応そのものという意味ではいかがなものかなと思う点がございますので、それについて今日は質問させていただきます。 まず、国会に提出されました第三次補正予算を見ておりまして、これ今回の三次補正に限らず一次補正、二次補正共に同じでありますけれども、福島第一原発の敷地内、いわゆるオンサイトの対応に関する予算がほとんど付いていない、名目上は正直言いましてゼロ円という形になっております。 何を言いたいのかと申しますと、これまで原発の事故が生じまして、その後大変な御努力をされて、冷温停止に向けて、例えば汚染水の循環の設備ですとか、それから今言われておりますのは、そもそもの核燃料の位置がどこにあるのか、これをしっかり調べて、放射性物質がこれ以上拡散しないように、例えばカバーを設置するですとか、あるいはそもそもの冷温停止に向けたどのような手法があり得るのか、国際的な知見を生かしつつ、きちんと予算を付けてそういった工事もしなくちゃいけない、あるいは今地下水が流入しているといいますか、漏れているといいますか、そういった意味でいえば、遮蔽壁、ダムのようなものをきちんと造っていく、こういったことも必要だと言われております。また、発災当初は、もう一度地震が起こって津波が来たら大変だということで、福島第一原発の吉田所長が土のうを積んでおられたというふうにも聞いておりますけれども、これなんかもまさに国としてきちんと防潮堤なりを増強するなり、そういった手段が必要だと私は考えるわけですけれども、これまで政府の予算委員会やあるいはこの委員会での御答弁をお聞きしておりますと、国家の総力を挙げてという言葉をよく使われておるんですけれども、今言いました、特に予算の使い方、オンサイトの敷地内でのことについて私は十分じゃないんじゃないかというふうに感じております。 もちろん、東京電力は民間企業でございますので、すぐに直接予算をどう付けるかというのはあるかと思いますけれども、しかしこれだけの国際的な大事故、レベル7、かつこれだけの避難をしなくちゃいけない人たちがたくさんいる、こういった中で、国の予算がオンサイトのものがほとんどない、こういった状況についてどのようにお考えになるのか。これは予算としては、まず所管は枝野大臣ですかね、それからその後、所感を細野大臣にもお聞きしたいと思います。
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、オンサイトでの事故収束に向けた直接的な予算ということは出てきておりませんが、収束に向けて何をどうやっていかなきゃならないのかということについては、この後、細野大臣から御答弁あるかと思いますが、政府とそれから東京電力と、そして海外の知見なども合わせて、やらなければならないことをしっかりと共有しながら進めてきているということの中にあって、なおかつ現状までは東京電力が自らの責任、つまり自らのお金でその対応をしていくということで、その仕事が進めてこれているというのが状況でございます。 政府としては、関係独立行政法人、これ文部科学省の予算でございますけれども、JAEAが汚染水処理に関する技術開発を行うとか、そうした形での、オンサイトではありませんけれども、特に廃炉に向けた研究に向けて予算の措置は既に財務省にお願いを始めているところでございます。 今後、本格的な廃炉に向けて非常に多額の資金が必要になる可能性がいろいろと議論をされていると、そのことに対してどう対応していくのかということについては、これは細野大臣を中心に原子力委員会などとも御相談をしながら検討をしていただいていると、こういう状況でございます。
○国務大臣(細野豪志君) 基本的な考え方は、今、枝野大臣から御答弁があったとおりでございます。 若干、現場に近いところにおりました観点から申し上げると、例えば、事故の直後の放水において自衛隊や警察や消防の皆さんが非常に大きな役割を果たしたという部分、さらには、統合対策本部には、保安院、安全委員会を始め関係者がずっと詰めて作業をしておりましたので、そうした人的な部分、そういったところにおいては直接的な予算としては確かに出てきていない部分があるかと思いますけれども、実質的には相当の人的、また実質的な部分でいうならば財政的な支援も含めてやってきているということでございますし、これからもその考え方に変わりはありません。 むしろ、ステップツーが終了して、オンサイトについては当面の事故の収束というのがなされた場合は、次には中長期的に対応していかなければならないという、そういう時期が間もなくやってまいります。そこは燃料プールからの燃料の取り出し、さらには廃炉という非常に難しい作業に入らなければなりませんので、そこは東京電力と国との役割分担でいうならば、更に国の役割が大きくなるというふうに思っております。 その体制をどういった形でするのかというのは、今、枝野大臣から御答弁があったとおり、まずは私のところでしっかりと考え方を整理をして政府全体で体制をつくっていかなければならないというふうに思っておりますので、今、桜内委員の方から御指摘があった問題意識は私としてもしっかり持って取り組んでまいりたいと考えております。
○桜内文城君 ありがとうございます。 ただ、今大臣の御答弁をお聞きしておりまして、特に東京電力が今そういったオンサイトの対応の資力がまだあるというような趣旨の御発言ございましたけれども、しかし、既に賠償債務の重圧でほとんど身動きが取れないというのが実情だと思います。 先週末、東京電力の新しい事業計画等が発表されました。その中でも、報道によれば事実上の国有化といいますか公的管理だというふうに指摘されているところでありまして、特に一兆円規模の賠償の支援要請をしなくちゃいけない。逆に言えば、これは実質的な破綻した企業であります。こういったところに、先ほど申しましたような例えば汚染水の循環ですとか、あるいは遮蔽壁の建設ですとか、こういった非常に多額の予算の掛かる対策を、言い方悪いんですけれども、政府としてはやや丸投げに近い状態になっているんではないかというのが、私ども国民の目から見れば、どうしてもそう見えてしまう。その点で、是非、これだけの大事故ですので、政府として、まずは一民間企業である東京電力の責任と言わずに、まさに政府挙げて、国力の総力を挙げて取り組んでいっていただきたいというのが私の指摘でございます。 そして、細野大臣からも今御答弁あったんですけれども、聞くところでは、今あります統合対策本部、今は統合対策室ですか、こちら、予算が付いていないと。付いていないというのは、人が出入りしたりする場合には役人の人件費等々もちろん掛かるわけですけれども、それもないというふうにお聞きしております。それ自体、私、どうかなと思うところなんですけれども、やはりその原因といいますのは、細野大臣が原発事故の御担当というふうにお聞きしますけれども、その法的根拠、これは法律はないとしても、閣議決定で経産大臣との間でその権限の区分がなされているのか、その統合対策室の法的根拠、それから細野大臣の職務の権限の範囲というものを教えていただけませんでしょうか。
○国務大臣(細野豪志君) 原発事故への対応の政府としての体制ということで申し上げるならば、それは原子力災害対策特別措置法に基づき設置をされた原子力災害対策本部ということになります。 こちらについては、本部長は野田総理、副本部長が経済産業大臣、これは法律で決まっておりまして、その下で私を含めた全国務大臣が本部員として参加をし、早期の収拾に当たっているということでございます。これだけの大きな事故ですので、経済産業大臣一人で事故への対応というのは難しいだろうという前総理の御判断があって、私が原発事故担当という特命を受けて当たっているということでございます。そうした経緯もございますので、この原子力対策本部における私の位置付けは事務総長となっておりまして、様々な実務的な調整を私のところで行っているということでございます。 政府と東京電力の統合対策室でございますけれども、これはこの原子力災害対策本部の下で、緊急事態において発電所現場の一次情報を共有し、そして機動的な判断、指示を行うための組織として設置をしたものでございまして、実際にこの八か月の間、収束に向けた具体的な様々な判断を行うという意味で実務的な役割を果たしてきたということでございます。したがいまして、収拾に向けた具体的な事業をそこで実施をするという形にはなっておりません。様々な機敏な判断をできるように統合対策室で様々な活動を行ってきたということでございます。 今後なんですけれども、確かに法律に基づいて設置をされた原災本部の下でということではありますけれども、統合対策室という形でこれからも継続していくのが本当に望ましいのか、若しくは中長期的な対応という意味で新しい形がいいのか、そこについても既に検討を始めております。 ステップツーが終了した時点で、政府と東京電力の役割分担も含めて、ある程度の方向性を出していく必要があるというふうに考えておるところでございます。
○桜内文城君 ありがとうございます。 もう発災以来八か月がたとうとしております。特に、これだけの大事故ですので、国の責任、権限というものをはっきりさせて、先ほど申しましたように、政府としてもしっかりと、オンサイトの面も含めて対応していただけるような体制を一刻も早くつくっていただきたいということを指摘して、この質問は終わらせていただきます。 次に、特に平野復興大臣に対しまして、二重ローンの買取りにつきまして質問させていただきます。 今、御承知のとおり、衆議院に参議院で可決した法案が行きまして、衆議院におきまして三党協議、残念ながら、民主党の窓口の先生からは、私ども、意見が合わないんだったら三党協議に入れないよというふうな申し伝えがございまして、その辺話しておりますと、議員立法について平野大臣にお尋ねするというのも変な話ではあるんですが、その窓口の先生は平野大臣も同じ意見だからしっかりと国会で聞いてくれというふうにおっしゃっていましたので、今日はちょっと、政府案のみならず議員立法の方も含めて平野大臣に御意見をお聞きしたいと思っております。 まずもって、三党合意の中ですみ分けということが言われております。元々の政府案にあります産業復興機構ですね、このファンドの形のものと、それから今回参議院で可決しました法案にあります支援機構、これがすみ分けをすべきだということで、特に我が党から参議院での修正として二十三条、二十七条というものをお出ししております。 これは、債権の買取り価格及びその後の債権の管理、債権放棄ですとかそういったものに関する規定ですけれども、そこが全部、ほとんど削除というような形になってきております。もちろん理由があれば我々も議論をさせていただくことできるんですけれども、先ほど申しましたように、政府といいますか、与党の意見に賛同できないのならば、そもそも協議にも入れてやらないよというふうな言い方をされて、一体何なんだろうとも思うんですけれども。 今回の三党合意で結局どうなったかということを簡単に申しますと、たまたまちょっと私、この間auからアイフォンが出たのでつい買い換えたんですけれども、携帯電話でいえば、仮にこれまでのガラパゴス携帯といいますか、単に通話しかできないような携帯を売っていた業者がある、それに対して、アイフォンのように音楽も聴ける、あるいはインターネットもつながるという新しい機種を売ろうとしたらば、すみ分けが必要だから条件を一致させろと、もう単に通話だけできるようにしろと言ったに等しい形になっていると私は思います。 というのは、買取り価格を、政府案の産業復興機構ですか、こちらに基本的に合わせる、さらには、買い取った後にロスシェアリングと称して損害担保契約まで銀行に結ばさせる、こんなことをやって、わざわざ銀行が債権を譲渡するとはとても思えません。実際、残念ながら、政府案の方ですけれども、二次補正で幾らか予算が付いておりますが、今に至るまで一件たりとも買取りがなされておりません。そういったものに条件を合わせろということが一体どういうふうな考え方で出てくるのか私には全く理解ができません。 国民負担ということをおっしゃいましたりしますけれども、復興というのを考えていくときに、政府が動くと必ず国民負担が生じます。その国民負担があるから国民の理解が得られないという言い方をされたり、あるいは、買取り価格を若干引き上げたりしますと、銀行に対する補助金になるからそれは絶対許せないというふうな言い方もされたりしております。 しかし、実際、既に金融機能強化法というのがございまして、この震災発生以降、二件、仙台銀行とそれから筑波銀行、計六百五十億円の資本注入がなされております。こういった、銀行に対する資本注入をしておきながら、これこそまさに補助金じゃないですか、にもかかわらず、一件も買取りが進んでいない。そのような、言い方は悪いんですけれども、ほとんど役に立たないような政府案、産業復興機構案に今回の参議院でせっかく可決した支援機構の買取り条件等を合わせると。これ、一体どういう理屈でそうなっているのか、是非、平野大臣、教えてください。
○国務大臣(平野達男君) ちょっと桜内委員の質問を私、的確に受け取っているかどうか、今のお話聞いている中でちょっと分かりづらいところもあったんですが、その価格について、産業機構とあるいは支援機構の中でのその価格を一致させた理由ということなんでしょうか、ということでしょうか。
○桜内文城君 はい。
○国務大臣(平野達男君) それは基本的に、買取り価格について業者の中に考え方の相違がありますと政府全体としての買取りスキームの中にそごが生じるのではないかという基本的な考え方がその根底にあるのではないかというふうに理解をしております。
○桜内文城君 そごが生じるのはこれは当たり前の話でして、要は、何で議員立法で参議院で可決したのかといえば、政府案の産業復興機構のファンドの案がとても現実には使い物にならない、言い方は悪いですけれども、そういったものになりかねないので、より使い勝手の良い、かつ被災地、被災者を救済するためになるべく早く旧債務を買い取っていこうと、そのために条件を変えているわけですよ。 結局、うがった見方になりますけれども、そうやってなぜ旧来の政府案に与党も含めてこだわっていらっしゃるのかというのをうがって見ますと、こうやって同じ条件の機構を二つつくっても意味ないじゃないですか、一方は意味ないという話になります、だったら一つでいいじゃないかという話になります。 もし参議院で可決した支援機構の方が実際に稼働し始めますと、やはり買取り条件とか上ですし、またその後の債権放棄ですとかそういった規定もございますので、確かに国費を投入すべき部分は増えますけれども、震災の復興という意味ではどんどん加速されていく。逆に言うと、政府案のこの産業復興機構のファンドが一切利用されないという事態もあり得るわけですよ。別にそれは、私は、被災地の救済という意味でいえば政策の競争であって、いい方がより使われる、これはあってしかるべきだと思います。 何でそこまで平野大臣始め、あるいは与党の皆さんも始め政府案にこだわっているのかというのを、げすの勘ぐりですけれども、あえて言いますと、経済産業省所管の中小機構から、以前、御党の事業仕分で二千億円出せと、これが嫌だということで、今回こういったスキームをわざわざつくられた。もしせっかくつくったこのスキームが機能しなければ、もう一遍二千億円返せと、国庫に返せと言われるから、あくまでも今回の産業復興機構案にこだわっていらっしゃるんじゃないのかと。 特に、与党の窓口をされている方が元経済産業政務官もやっておられまして、もう本当にとても役人以上に役人的なことをおっしゃるわけですよ。私、大変びっくりしまして、もちろん、私、財務省出身ですけれども、財務省の先輩とこの件話していて、国民負担ですとか国庫負担が増えちゃ嫌だというのは財務省の役人が言うなら分かりますよ、立場ですから。だけど、国民の生活を預かる与党の政治家が一体なぜ役人以上に役人みたいなことを言うのか、その理由を是非、平野大臣にお聞きしたい、それが趣旨です。
○国務大臣(平野達男君) まず、支援機構と産業復興機構につきましては、政府としましては、法案が成立した暁には三党合意の趣旨を踏まえまして支援機構と産業復興機構とが連携する、連携して迅速に被災者の救済に当たることができるよう体制の整備等にしっかり取り組むということで今臨んできております。 三党協議の内容について私の方から申し上げる立場にはございませんけれども、あえてお答えを申し上げますと、その三党協議においては、そもそも支援機構と産業復興機構とが併存する前提で、様々な論点について議論がなされたものと承知しておりまして、産業復興機構を温存させる観点から三党の合意の内容が影響を受けたようなことがあったというふうには承知をしておりません。特に、二千億のお話がございましたけれども、まずは使える財源を使うということで、二千億円をまずこれに充当するというふうにしたというふうに理解しております。 それから、先ほど桜内委員からまだ一件も買取りが行われていないという御指摘がございました。産業復興機構の整備については、岩手県で相談窓口がまだできたばっかりで、産業復興支援機構そのものもまだ各県の中ではできていないという状況にあります。その一方で、支払についての猶予がまだ続いているということもございまして、その買取りについては全体としてはまだ遅れているということもございます。 ただ私は、これから支払猶予についての期限も来ます。それから、産業復興機構についても形ができます。そうしますと、この買取り制度というのが動いていくのではないかというふうに予測をしております。 大事なことは、やる気のある企業家、個人にとっても、個人企業者でも企業者でもそうなんですが、今回の震災で大きなダメージを受けましたけれども、それでも自分はこの地で復活する、あるいは別な地域で復活すると、こういった被災者に対してできるだけの支援をしていくと、それがこの支援機構であり産業復興機構でございまして、そういう観点からこの機構は活動する、また活動させなくちゃならないというふうに私は理解をしております。
○桜内文城君 被災者に対する支援をできるだけしていきたいとおっしゃるんであれば、参議院可決法案の方を政府がのめば済む話なんですよ、政府・与党が。なぜそれをしないのかということをお尋ねしているんです。 併存するのが前提ということ自体が私はおかしいと思います。併存してもいいですよ、あってもいいんだけれども、実際には被災地の復興につながらないものは使われないというのが政策の競争ですよ。しかし、その政策の競争の議論すら御党、大臣じゃないですけれども、与党の方はしようともしない。この三党合意に反対するんであれば協議にも入れてやらないというふうな言い方するわけですよ。だから、こうやってわざわざ国会の場で大臣になぜか聞かなくちゃいけない。そういう今の御党の状況も是非、平野大臣はよくよく目配りしていただいて、もし党内の議論が誤った方向に行かれるんであれば、それを是非被災地の復興のために、復興担当大臣なんですから、正していただくぐらいの気概が必要だと私は指摘して、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。 東日本大震災による宅地災害について質問をいたします。 今般の第三次補正予算案の中で新たに造成地滑動崩落緊急対策事業が創設されました。仙台市の調査では、既存の大規模盛土造成地滑動崩落防止事業や緊急急傾斜地崩壊対策事業、さらに地域防災がけ崩れ対策事業等の既存の制度では救済されない宅地被害がほとんどでしたけれども、私は、八月二十三日、総務委員会の質問で国土交通省に、これら既存の事業の要件を大幅に緩和して被害の実態に合った制度に改善するよう求めておりました。国交省の当時小泉政務官も検討したいと答弁されたわけですが、今回新たに創設された造成地滑動崩落緊急対策事業において相当数救われると仙台市の担当者からも伺いました。 ただ、事業費の上限、一ヘクタール当たり一億六千万円というものが決められていて、地域によってはこの上限を超えてしまう場合があるわけですね。私は、事業費の上限については、一つ一つの地域ごとに定めるだけではなくて、複数の地域あるいは市全体で見るなどして、せっかくの新たな制度が広く活用されるようにすべきだと思いますが、国土交通大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(前田武志君) お答えいたします。 山下先生御指摘のとおり、三次補正において、造成宅地滑動崩落緊急対策事業、ちょっと長ったらしいのでなかなか、何度も何度も見るんですが、上限一ヘクタール当たり一億六千万円としております。これ自体は、今までの類似の事業の実績等をずっと見て調査をしてまいりまして、大体この上限額からいうとこの範囲に収まるというふうに見ているわけでございます。 この限度額は、アンカー工であったり地下水排除工事等の対策工事である類似事業、地すべり対策事業等の実績金額から設定しております。あるいは、御指摘のようにどうしてもこの上限額というのが何かの制約になってしまうというようなことがあれば、災害復旧事業等でかなり柔軟に対応もできますから、まずはこの上限で収まるものというふうに想定をしているわけであります。
○山下芳生君 大臣、確認ですけど、その上限の設定の仕方ですね、いろいろ宅地被害が何か所かあるんですけれども、一か所ごとで見るとやっぱりかなり事業費が高くなるような場所もあるんです。それをもう少し、複数でとか、あるいは市全体で平均すれば収まるというふうになればオーケーというふうにするべきではないかという質問なんですけれども。
○国務大臣(前田武志君) 今までは、先ほどちょっと御説明したように、過去の工事実績から推計された造成地一ヘクタール当たり約八千万円という辺りが上限額になっていたという実績があるようです。それに被害実態を加味して二倍想定して一億六千万円ということにしたわけでありまして、あるいは具体の実際の現場においてどうしてもこういうことが制約になるという場合においては、今、先ほど御指摘したようなことも援用できるのではないかと、このように思っております。
○山下芳生君 手法はともあれ、被害の実態に合った制度で広く救えるようにしていただきたいと思います。 仙台市に聞きますと、この造成地滑動崩落緊急対策事業等の事業によってもまだ、例えば擁壁の被害がおよそ三百六十か所対象外になって、自治体の負担が四十億円になるというふうに試算されております。 しかし、宅地災害の現場の多くは震災発生当時そのまま手付かずの状態でありまして、被災者の方々は今後の生活がどうなるか先が見えず、悩み苦しんでおられます。 したがって、国の制度の対象とならない宅地災害については市の事業として行わざるを得ないというふうになるんですが、総務大臣に伺いますが、こうした自治体独自の宅地災害の事業に対して国として財政的な支援も検討すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。 第三次補正で一兆六千六百三十五億円という震災復興特別交付税を増額確保することにしておりますが、復旧事業に関しては、この交付税を使って基本的にはいわゆる国庫補助事業それから国直轄事業及び地方単独事業に係る地方負担額等についてその全額を震災復興特別交付税で措置するということにしておりますので、したがって、御指摘のような国庫補助事業に該当しない、採択要件から外れる地方単独事業については震災復興特別交付税で全額措置されるという仕組みになっております。
○山下芳生君 次に、津波で被害を被った地域の高台移転などに活用される防災集団移転促進事業について聞きます。 私は、さきの通常国会で国土交通副大臣にこの事業の一戸当たりの限度額の撤廃、それから規模要件の緩和、移転者の個人負担の軽減などを求めました。今回、限度額を撤廃し、規模要件を五戸以上に緩和するなど制度改正が行われたことは前進だと思っております。 自治体の負担はこれでほぼなくなることになるそうですが、一方で、被災者の個人負担が軽減されるかが今問題だと思っております。 仙台市は、宮城野区、若林区の沿岸部を対象に東部地域まちづくり説明会を始めておられますが、集団移転について住民から出される意見の多くは、移転先は地価が高くて費用負担が重荷になるというものであります。 そこで、今度の制度改正によって被災者の個人負担は軽減されることになるんでしょうか、大臣。
○国務大臣(前田武志君) 委員御指摘のように、この防集事業、防災集団移転促進事業の活用においては、移転される方の負担ができる限り軽減されるように対応することが重要だと、基本的にはそのような考え方の下にいろいろ施策を講じているところです。 まずは、移転先の住宅団地の用地については、移転者が賃借することが可能であり、取得する場合においても、宅地購入及び住宅建設を目的とする資金を借り入れた場合の利子相当額ですね、第三次補正予算において限度額を四百六万円から七百八万円に引き上げております。これが底地といいますか宅地の部分です。 それから、上物については、既に、この措置に合わせた上、第一次補正予算において、当初五年間の金利をゼロ%にする等の措置が講じられている住宅金融支援機構による災害復興住宅融資を活用することも可能でございます。
○山下芳生君 幾つかあるんですけれども、ただ、住宅ローンの利子に対する補助額引上げだけでは、これはまだまだ被災者の声にこたえたことにならないと思うんですね。 仙台市では、移転が必要となる範囲や世帯数については、これから津波シミュレーションの結果やそれから住民の意向等を踏まえて決定されるそうですが、最大で約二千四百世帯の移転が必要になるとされております。その大部分が、元の被災地は市街化調整区域でして、移転先の土地価格がかなり大きく上回るものと見込まれております。こうした土地の価格差による被災者の負担がこの事業の促進を妨げるおそれがあります。 私は、八月二十五日、総務委員会で、被災者は震災前の地価で宅地を買い取ってほしいと要望している、過去の例にとらわれない対応が必要だと質問いたしましたら、国交省の三井当時副大臣は、移転される皆さんの土地の買上げについては、我が省としてもできるだけそこを支援していく必要があると考えていると御答弁されました。国交大臣、この点どうなったでしょうか。
○国務大臣(前田武志君) 防集事業においては、被災した移転元の土地を取得する場合においては、一般の公共事業用地取得する場合の考え方に準じて契約締結時における正常な取引価格で取得するということになっておりますが、事業主体である地方公共団体が適切な不動産鑑定評価を参考に評価いたします。 この不動産鑑定ということについては、要は、これが復興成ってまた町が再生したときの想定される価格を不動産鑑定士が評価をいたしまして、それを現在価格に還元するといいますか引き戻すというやり方ですから、もちろんその値段が非常にいい形で高くなるとかいうことはないですが、極端に値段が落ちるということはないというふうに聞いておるところでございます。
○山下芳生君 そうあってほしいんですけれども、実際は、元住んでおられたところは危険区域ということになりましてもう住めないということになりますから、これ、地価かなり下がるんですね。 日経新聞がこういう報道をされておりました、十月十八日。市の資料を基に試算すると、集団移転先の候補地に元の自宅と同じ約二百六十平米の土地を購入し、平家建ての家を建てた場合の費用は約三千二百万円、元の土地が買い上げられても差額の約二千六百万円が自己負担となると。これはかなり大きいですね。 ですから、集団移転に伴う宅地の買上げ価格が時価ということになりますと、被災地の地価が三割から七割下がっているというふうに言われておりますので、被災者の個人負担はますます大きくなる。 平野大臣に伺いますが、国交省の制度では、自治体負担はなくなりますけれども被災者の個人負担はまだ大きいままであります。この個人負担の重さが防災集団移転促進事業のネックになっているという御認識ありますか。
○国務大臣(平野達男君) まず、防災集団移転事業につきましては、先ほど前田国交大臣からお話がございましたけれども、まず個人負担の軽減するために、その採択の考え方、あるいは上限枠の撤廃等々かなりの努力をしまして、かなり使い勝手のいいというものになってきたというふうに思っております。 しかし、まだ個人負担の額が大きな額に上るのではないかということにつきましては、これから特区制度とかあるいは復興交付金制度等々の活用等も図っていただきながら、様々な工夫をしていただきながら個人負担を下げるという努力を自治体にやっていただきたいというふうに思いますし、私どももその努力にはできるだけの支援をしていきたいというふうに思っております。
○山下芳生君 そこで提案なんですけれども、岩手、宮城、福島など九県にこれから二千億円の復興基金がつくられます。この基金を高台に集団移転する被災者や宅地災害の被災者などの住宅再建のための個人負担の軽減に使えるようにすべきではないかと思いますが、総務大臣、いかがですか。
○国務大臣(川端達夫君) 御指摘のように、九県に対して復興基金を設置、それぞれの県が取崩し型の復興基金を設置することになる場合においては、補正予算により資金を手当てすることにいたしました。 御指摘の個人の宅地取得や住宅建設費の軽減対策を含め、基金を具体的にどのように使うかについては、交付税は使途に制限のない一般財源であることから、各県の判断に委ねられるものでございます。 なお、当然でございますが、地方公共団体が行う補助については、公益上必要がある場合に認められるもの、地方自治法第二百三十二条の二というのがございまして、それに基づいて適切に判断されるものと思います。
○山下芳生君 自治体の判断で可能だということですので、これは大いに活用できるようにしていただきたいと思っております。 最後に、総務大臣、阪神・淡路大震災でも一九九五年四月に六千億円の復興基金がつくられて、九七年三月には三千億円が積み増しされて九千億円となりました。今後の復興基金についても今後の事業量に応じて基金を積み増す必要がある場合はそうすべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(川端達夫君) 前のと今度は基金の性格違いますので額は直接比較はできませんが、実質的には総額で約二倍、阪神・淡路の二倍相当を手当てをし、今までの三次補正までの諸制度を含めて地方のそれぞれの団体から御要望のある部分にはこれで相当程度が対応できるというふうに現在時点では思っておりますし、まずは今回の措置による対応を見守りたいというふうに思っています。 特に今の時点で追加措置に対して云々という御意見をいただいているわけではございませんので、そう対応したいと思いますが、今後、必要に応じてそういう部分はまた前向きに検討をしたいと思っております。
○山下芳生君 終わります。
○藤井孝男君 まず冒頭に、先ほど黙祷をささげましたけれども、西岡武夫参議院議長が逝去されまして、本当に残念でなりません。 私、個人的にも三十年間、御指導、御高配をいただきまして、本当にざんきに堪えない次第でありますし、また親子二代にわたる御交誼を賜っておりまして、そうしますと五十年を超えるお付き合いをさせて、また御指導をいただいたということで、改めて西岡武夫参議院議長に対しまして御冥福と哀悼の誠をささげたいと存じます。 それでは、早速質問に入りますが、今日は平野復興担当大臣中心にお伺いいたしたい、基本的なことをお伺いをまずさせていただきたいと思います。 実は菅政権のときから菅総理にも質問をさせていただきましたけれども、この震災、原発も含めて震災復興に当たっては、菅前総理はよく創造的復興という言葉を使っていたんですね、創造的復興。というのは、どういうことかといいますと、単に復旧復興するんじゃなくて、地域地域が、また将来、二十年、三十年、五十年、百年、その後の世代を見据えたそういった創造的復興をすべきだと。これは別に間違いではない。 しかしながら、実際にあれだけの大規模な震災ですから、そのことも大変大事、将来の世代にわたる創造的復興も大事だけれども、私は、まず目の前のいわゆる復旧、そして生活、あるいはまたインフラの整備、そこをまず第一にやるべきだと、こういうことを強く申し上げたところなんですが、もうずっと菅政権のときから副大臣として、また今回復興担当大臣として御活躍をされておりました平野大臣に対しまして、その点の認識ですね、基本的な考え方について御意見があればお聞きいたしたいと存じます。
○国務大臣(平野達男君) まず、被災地を回っていて被災者の方々から出される要望の第一は、一日も早く、仮設住宅は提供いただいたけれども新しい住宅に移りたいという話、それから仕事がなかなか見付かってこないという意味で雇用を何とかしてもらいたいという話、この二つが被災者の方々から出てくる要望の大きな柱になっています。 私は、そういった意味で、早く新しい住む場所をつくること、それから元どおりの、元どおりというか、元どおりというのはなかなかなりませんけれども、雇用の場をつくるということ、雇用の場をつくって自立を支援すること、これがまず復興の大きな柱になってくるというふうに思っています。 その上で、様々な将来のことを考えて、例えば、今回、被災地については高齢化が進んだ地域が多い、そういう中で高齢者に優しい町づくりをどうするか、あるいは再生可能エネルギーの推進に向けた何か政策が導入できないか、そういった将来に向けた発想、こういったことも大事だと思っておりまして、そういったこともこれからの復興の計画の中に反映させることも大事なのではないかというふうに思っております。 菅前総理が言っておられた創造的復興というのは、最後の後段の部分に力点を置かれた話だというふうに思っておりますけれども、その部分も私は大事だというふうに思いますが、大事だと思います。ただ、今、足下の問題としては、やはり高台移転あるいは新しい住宅の建設、雇用、こういったものをまず急がなくちゃならないなという強い気持ちを今私自身は持っておるというところでございます。
○藤井孝男君 私もそのとおりだと思っておりまして、まず自分たちの生活、そして、それは住居であり生活する環境、そしてまた雇用という、これは大事だと思っております。 それで、先日、大臣から所信をお伺いしました。三つ大きく分けておっしゃっていましたね。まず、復興基本法に基づいていろいろ、事業計画あるいは工程表。二つ目は、今申し上げた質問と関連するんですが、いわゆる地域が主体でありますよと、復興するに当たっては。地域の住民の意見を十分聞いていきますよ、そのためには省庁を超えたそういう支援チームをつくっていきますよ、こういうことである。三番目は、要するにスピード感、ワンストップ。今度、復興庁を設置する法案を提出したり、あるいはまた復興のまた様々な法案も出す予定になっている、こういうことをおっしゃっておられましたね。 それに基づいてちょっと質問させていただきますが、復興基本方針に基づいて復興事業計画が作られましたね、工程表も作られました。私も読ませていただきましたけど、非常に全てを網羅しているということというよりは、これはもう全部大事なことだと思っておりますが、そこで裏付けというとやっぱり予算ですよね。第三次補正予算を提出されていますけれども、このいわゆる事業計画だとか工程表、それから基本方針の考え方を見ますと、とてもとてもこの三次補正予算でも足りないし、また、これから十年間の基本方針、復興計画の中で五年間を集中復興期間とするということになると、さらにこの五年間のいわゆる再建のスピードを上げていくためのいわゆる予算的な措置、裏付け、これは私はもっと堂々と復興大臣として、各担当大臣がいらっしゃいますけれども、やっぱりこれ積極的に前向きに、本当はこのぐらい、事業規模としてはこうだけれども、いや、むしろこう必要なんだというぐらいのやっぱり考え方を是非担当大臣としてその辺についてお示しいただくのが私は大事なことじゃないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(平野達男君) 今、復興予算については、十年間で二十三兆で、集中期間で十九兆という想定をしております。実は、この想定につきましては、災害査定も終わっていない、それからあと、今各自治体が復興計画を作っておりますが、復興計画も今策定中でありまして、そういうことのない前提で様々ないろんな現地調査等々に基づいてはじいたのが十九兆、二十三兆であります。 これから大体もう災害査定も終わってきます。何よりも復興計画ができてまいります。私は、この復興計画ができて、そうしますと大体の概算の数字も新たに出てまいりますので、そういった段階では、必要なものはしっかり必要だということで今後の予算にそういった各計画の内容を踏まえた予算を要求していくことがやっぱり大事ではないかというふうに思っておりました。
○藤井孝男君 今、二十三兆、そしてまた十九兆という話出ていましたが、私も当然これは最低限このぐらいだろうとしか思っておりません。これから概算要求いろんな査定が出てきますから更に増えるという中で、特に五年間という集中再建計画を実施するに当たって、実行するに当たっては、私は、担当大臣としてそれぞれの、財務大臣、また総理に対しましても、内閣に対しましても、私はもっともっと積極的に、とても足りないんだというそういう姿勢でいかなければ、なかなかスピード感を持って復興、そしてまた地域住民の期待にこたえることはできないんじゃないかと、こんな気持ちがありますので、よろしくお願いいたしたいと思います。 そこで、いわゆる二番目、三番目におっしゃっていたことに関連するんですが、要するにワンストップサービスであるとかスピード感だとかあるいは地域の意見を聞いていくだとかということで、復興庁を設置するための復興庁設置法案を提出したりする、あるいは復興特別区域法案を、特別区ですね、法案を出すというようなことを言っておられますけれども。それから新聞にも、またほかの政党でも、この際復興庁に権限をどのぐらい与えるのかと、強い権限を与えるべきだという考え方が示されている政党もいらっしゃいます。私はこれも大事なことだと思います。 ただ、私は、新聞にも書かれていますが、縦割り行政をここで打破すべきだという論調には私自身、個人的には余り賛成できません。今現に、今度の復興復旧計画に対しては、非常に国土交通省もあるいは農水省もほかの関係省庁も、本当に今出先機関が必死になって頑張って実績積んでこられたわけですね。そこに復興庁がどんと行ってまた新たな権限、そしてまた縦割り打破だといってそこに支援、権限を集中することがかえって出先機関との、今一生懸命本当に地域住民とも、また県ともうまく、地方自治体ともうまくやっているところが、逆にそのことによってまた権限がばらばらになる、あるいは事業発注にしてもそこに支障が起きる、そしてまた本省からのいわゆる人事異動だとか、そんなことがかえって混乱を招くんじゃないかという実は私は率直にそういう心配をしていますが、その点についての復興大臣の考え方をちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(平野達男君) 藤井委員御指摘のように、今回の震災については各省がまず震災直後から主体的に取り組んできたという経過がございます。しかも、これまで国会等々の場を通じまして、あるいはいろんなマスコミ等々の批判の中に縦割り行政、縦割り行政ということがずっと言われていまして、この縦割り行政は何とか排除しようという各省の自主的な取組も私はあったのではないかというふうに思っています。 特に、海岸事業なんかについては四省庁が所管しておりますけれども、この事業計画の策定、実施につきましては、常に四省庁が連携取りながら一つの会議体の場の中でいろんな計画を作って、実施に向けて計画を作ってきたという経過もございます。そういう意味で、各省の主体的な取組というのはこれからも助長しなければならないというふうに考えております。 そこで、復興庁の仕事でありますけれども、私は何といっても復興の主体は自治体であるという前提で考えておりますけれども、その自治体の様々な要望、要求につきましてはその復興庁が自治体の立場に立ってまず一旦受け取る、受け取った形でそれを各省に自治体の立場でいろいろ要望していきながら調整もするというようなことを基本に考えていきたいというふうに思っています。 その一方で、実施権限もある程度、一定の実施権限を持たせていただきまして、特に復興をやる上での重要なツールと私は復興交付金はなると思っていますけれども、これについては復興庁が主体でこれを実施をしていきたいというふうに考えておりますし、復興特区制度についても復興庁が、これが中心にやっていきたいというふうに考えております。
○藤井孝男君 権限を持ってそこで集中して、そしてそれを効率的に、効果的に、出先機関を含めてですね、そして事業を実施していく、再建計画、復興計画を実施していくということは非常に大事だと思うんです。 ですから、私が申し上げたいのは、そこで大臣が本当にリーダーシップというかバランス感覚を持ってやってください。これは単にこの復興庁に権限を与えてやれば、そして人を集めてやればできるという問題じゃないんだと。やっぱり現在ある出先機関も一生懸命やっているし、効率を上げているところもありますし、直さなきゃいけないところもある、そういったところを包括的にやっぱり大臣がリーダーシップを持って頑張っていっていただきたいと思っています。 と申しますのは、ここに一つの表があるんですが、前政権のときに震災が発生しまして、いろんな対策本部をつくったんですね。災害対策本部だ、原子力関係だ、震災復興対策本部だ、その下にまた様々な、細かく言えば、被災者生活支援特別対策本部だとか、原子力発電所事故による経済被害対応本部だとか、ほか、電力需給緊急対策本部だとか、まあいろんな本部をたくさんつくって、結局それが機能しなくなった。船頭多くしてという言葉はありますが、もうこういうふうに本部やいろんな権限をつくって、そういったものをつくればいいというものではなくて、やっぱりそこに集中と効率的ないわゆる実行、実施計画というのを是非大臣が中心になって頑張っていただきたいということを申し上げておきたいと思っています。 そこで、今日は政務官三人お呼びしているんですけれども、実は事業計画を見ますと、この復興の基本方針に基づいた、これ大多数がほとんど国土交通省関係ですね、室井政務官いらっしゃる。 こうすると、やっぱり今、先ほど大臣答えていましたけれども、やっぱりそうなると、まさに国交省のこの予算、財政的な側面をどうバックアップしていくかと、これに基づいて農水省だとかあるいは経済産業省、いろんな雇用対策、中小企業対策、いろいろ付随してきますが、基本的ないわゆるインフラ、建設国債になると思うんですけれども、その辺のやっぱり基本的な考え方を政務官に是非ちょっとお伺いしたいと思いますけれども。
○大臣政務官(室井邦彦君) 藤井先生の御質問にお答えをしたいと思います。 まず、日ごろからの、私も同じ国土交通委員会で先生の含蓄ある御質問に対しまして学ばせていただいておりますこと、心から感謝と御礼を申し上げます。 もちろん、今回の震災につきましては、未曽有の大震災であり、多くの甚大なる被害を受けました。国土交通省にかかわる部署が多くございまして、住宅、道路、社会資本整備、こういうところを、国土交通省が中心となって、被災者の皆様方に一日でも早く安心して生活できるような環境づくりをしていきたいということで総力を挙げて今頑張っているところであります。 まずは予算でありますけれども、二十三年度の三次補正予算、また二十四年度の概算要求におきましては、最大限要求をしていかなくちゃいけない、このようなことで頑張っているところであります。約八千七十六億円の要求をしているところであります。 一日でも早く復旧ができるように、復興ができるように、さらに、先ほどお話にも出ましたけれども、政府の復興基本方針に基づいて、また被災地における状況をそれぞれ踏まえながら、また更なる予算要求をしていきたい、このように決意をしているところであります。
○藤井孝男君 時間が参りましたからここでもう質問を終えますが、大臣、一言私は要望だけ申し上げておきます。 復旧復興も大事なんですけれども、もう一つ大きなリスクは、また更にいろんな余震があるんじゃないか、大きなリスクがあるということも踏まえますと、そういったことに対するハード、ソフトの部分、そういったものに対しても是非頭の中に入れながら復旧復興計画に御尽瘁いただきたいと思います。 以上です。ありがとうございました。
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。 西岡議長の御逝去に際しまして、長年にわたる御功労に敬意を表しますとともに、心から御冥福をお祈り申し上げます。 さて、この間、野田政権になりまして、消費税増税、原発輸出、武器輸出三原則の見直しや南スーダンPKOなど、震災がなかったかのような言動が続いています。政府が復興を最優先に考えているのか、国民の更なる政治不信を招かないのか、強く危惧しているところでございます。 まず、今大変な議論になっておりますTPPと復興について平野大臣に質問をさせていただきます。 農林水産省がホームページで公表している諸外国・地域の規制措置によれば、当初から規制していないペルーを除いて、TPP交渉九か国中八か国を含む四十五もの国・地域が福島県産を中心に日本の加工食品、農産品、鮮魚に輸入停止や放射性物質検査証明などを要求しています。こんな状況でTPPにより関税を撤廃し海外産の安価な一次産品が流入すれば、被災地の一次産業は壊滅してしまうのではないでしょうか。そのことが危惧をされております。 一次産業に特に深い思いをお持ちの平野大臣、TPP参加が復興に本当にプラスだとお考えなのか、御所見を伺います。
○国務大臣(平野達男君) TPPは今交渉参加をするかどうかということの決断を迫られているというふうに理解しておりますが、少なくともTPPの交渉参加あるいはTPPへの参加が復興にプラスになるかどうか、プラスになるという説明をできるだけの材料というのはなかなかないのではないかなというふうに思います。しかし同時に、だからといって交渉参加についての是非を決める上で何らかの復興というものが制限要素になるかというと、必ずしもそうとは言い切れないのではないかという感じも持っております。
○吉田忠智君 それでなくても、TPPは様々な問題があるという御指摘をされておりますし、二十一分野にわたって日本の経済社会構造を根本から変えるのではないか、そうした懸念の声も出されております中で今回の三・一一の未曽有の大震災でありまして、政府の、野田総理も含めて、明確なことはおっしゃっていませんけれども、政府・与党の皆さんの一連の言動を聞いておりますと、全く震災がなかったかのような、あるいは菅政権のときよりも野田政権のときの方が前のめりになっているような印象、そのように私は率直に受けております。 復興庁設置法案が国会に提出をされてこれから議論されるわけでありますけれども、その法案の中においても、例えば説明要求、八条四項、それから勧告権、五項があるはずでありますから、復興庁の担当大臣としても、やっぱりしっかり様々な状況を分析をしながら、言うべきことはしっかり言ってもらいたい、そのように思います。 今急ぐべきは、TPPで輸出依存の大企業を助けることではなくて、被災地の一次産業を支えることでございます。そのためにこそ様々な、今三次補正も提出をされ、これから関連法も議論するわけでありますが、その点を特に要請をしておきます。 あわせて、先般の復興特別委員会でも私は申し上げましたが、その第一歩として、全食品の放射能測定と表示の体制を整備するように強く求めたい、そのように思います。 次の質問に移ります。 次に、復興と男女共同参画等の多様性確保についてでございます。 被災三県については、震災前から高齢の女性単身世帯が多いことが指摘をされていました。にもかかわらず、仮設入居者の高齢の女性単身世帯の数、あるいは「日本はひとつ」しごとプロジェクトのうち特に雇用創出基金事業における男女別、年齢別の就業実績などが統計として取られておりません。これも問い合わせましたけれども、取られていないということでございます。 これまでも議論がありましたように、冬に向けて仮設の高齢者の孤立防止対策には実態把握が前提となるわけであります。避難所における間仕切りなど、救援の過程で女性の視点の必要性が確認されてまいりました。我が党にもそうした声が寄せられてまいりました。これらの、統計については今後厚労省等に求めていきますけれども、復興庁にも女性の視点を入れるため、職員の男女比なども考慮すべきではないでしょうか。また、復興構想会議の後継となる復興推進委員会には、女性、高齢者、障害者、マイノリティーなど多様な委員を入れて、そうした皆さんの意見をしっかり反映すべきではないかと考えますが、大臣の御所見を伺います。
○国務大臣(平野達男君) 委員御指摘のように、被災直後、まずは食料を送らなくちゃならない、あるいは様々な物資を送らなくちゃならないということで、そちらに大きなエネルギーが割かれましたけれども、だんだんだんだん分かってきたことは、やはりプライバシーの問題、女性がおられるときの様々な、今言ったプライバシーの問題、着替えの場所がないとか、そういったことも非常に切実な問題が上がってきました。これは、元々女性がおられれば当初からそういう視点が多分あったという指摘もされております。 それから一方で、避難所に行きますと、女性の方々がリーダーシップ取って地域のいろんな様々な要望をやってきめ細かな配慮をしてその避難所を運営しているところもたくさんありました。そういった観点からも、私は、女性の視点、緊急時の災害の支援それからこれからの復興に向けても非常に大事だというふうに思っております。 そのために、復興庁においてもできるだけ女性の職員をということで各省に今要望しておりますが、なかなか各省も女性の職員を放したがらないといいますか、御活躍されていると思いますので、こちらの今のところ要望どおりになっておりませんけれども、これからの復興に向けては、女性の視点を入れる観点から、是非とももっともっと各省から人を出していただきたいというふうに思っております。 それから、あわせて、復興構想会議の後継組織等々につきましても、ここについては女性の視点、あるいは高齢者の視点、あるいは障害者の視点、これも入れるべきだという指摘もございますので、そういったことをしっかり踏まえた構成をしていきたいというふうに思っておりますし、そういった方々の視点を入れた復旧復興をやっていくことが大事ではないかというふうに思っております。
○吉田忠智君 非常に前向きな答弁をいただきましたので、しっかりそれが実現するようにリーダーシップを、平野大臣、発揮をしていただきたいと思います。 次に、除染について、細野大臣、また必要に応じて政府参考人にお伺いをします。 福島市渡利で、一メートルの高さで毎時三・〇マイクロシーベルトを超えるような高線量地区について、現地対策本部が特定避難勧奨地点の指定を見送ったことから住民の不安が高まっています。院内でも集会が現地の皆さんがお見えになって行われまして、切実な声が寄せられました。まずは除染が優先とし、その間は我慢せよと住民、特に子供たちや妊婦に被曝を強制するのは、順序が逆ではないでしょうか。 細野大臣、除染で十分な効果が出るまでは、国の財政支援により、まずは子供や妊婦などの希望者に一時避難、疎開を認めるべきではないでしょうか。予算措置による避難、疎開の優先実施をお願いできないか、その点について見解を伺います。
○国務大臣(細野豪志君) 避難の判断は私の直接の担当ではございませんけれども、私にということで御質問いただきましたので、政府の立場を説明を申し上げたいというふうに思います。 特定避難勧奨地点でございますけれども、これは生活全般を通じて年間二十ミリシーベルトを超えるというのが一つの基準となっております。そういう観点から福島市の渡利地区について測定をしましたところ、千三十八地点のうち二地点において来年三月までの積算線量予測が二十ミリシーベルトを超えるおそれがあるということ、判明いたしました。ただ、この二地点というのが渡利地区の一番端にあって、しかもそういう御家庭が避難を希望されていないということもあって、そのほかの地点については二十ミリシーベルトに達していないということで指定をしなかったという、そういう経緯でございます。 私も渡利地区のことは非常に気になっておりまして、かなり精力的に除染を皆さんしていただいています。したがって、除染の最中というのはいろいろ、例えばちりが舞うとかいうことも考えられますので、そういったときにどういった形で安全を確保するのか。当面、少なくとも家の中にいていただくということだと思うんですけれども、その間、例えば週末であればいろんな今プログラムがございますので、お子さんなんかは外に出ていただくということも含めて、何らかの対策が、対応ができないものかということについては、しっかり政府としても考えていきたいと思っております。
○吉田忠智君 福島市ともしっかり連絡を取っていただいて、よりきめ細やかなモニタリングをしていただいて、渡利の皆さんが本当に心配をされないような状況を是非つくっていただきたいと思います。 それから、この除染について、原子力研究開発機構のいわゆるピンはね疑惑も指摘されるモデル事業では、除染費用は一平方メートル当たり千三百円。第二回環境回復検討会議資料によれば、対象面積は最大二千四百十九平方キロ、これを掛けると総額三兆一千二百億円ということになります。環境省の言う除染関係予算、一兆千四百八十二億円、これはこの数字からすると少な過ぎますよね。原発コストの過小評価のためだとしたら大問題であります。 特措法に基づく福島環境再生事務所は職員を民間から公募していますが、利益相反を過去に遡って厳格にチェックをして、原子力村の皆さんとは決別した人材を登用すべきだ、そのように思います。また、今後の除染については、原子力村とは決別した第三者性の高い有識者によるチェックを受けるべきであります。 というのは、除染方針の迷走や機構への委託の経緯の不透明さ、先ほども述べたピンはね疑惑もある中、震災前までは「もんじゅ」の再稼働を目指してきた言わばにわか専門家である原子力開発機構が実質的に被災地の除染の企画と実施を仕切っているわけでありまして、住民の不信感に拍車を掛ける一因にもなっています。 残念ながら、除染にも限界があり、雨水や森林の落ち葉などが放射性物質を運び、繰り返し濃縮が起きることも分かってまいりました。さきの委員会で細野大臣が答弁されたとおり、手触り感がある形で安心を保障するためには住民主体の日常的な除染が必要であります。 そこで質問ですが、機構などの専門家は除染の実施ではなく最低限の技術指導と助言程度にとどめ、例えば自治体を通じて線量計と除染機器を各地域の自治会などの住民団体に貸与して、住民主体の日常的な測定と除染の体制をつくるべきだと考えますが、いかがですか。
○国務大臣(細野豪志君) 基本的な除染のやり方として、JAEAのような研究機関がそれこそ全てをやる、若しくは全てを仕切るということではなくて、住民に参加していただいて、しっかりと安全を確保した上で結果を出していくという、そういう吉田委員のお考えに私も基本的には賛成でございます。 ただ、是非ちょっと御理解をいただきたいのは、JAEAは、私もこの間随分いろんな対話を積み重ねてまいりましたけれども、例えばピンはねをしてお金がそこにどかっと入っているとか、原発を推進をしてきたから除染が必要ないと考えているとか、そういうことではないんですね。放射性物質に対する理解がやはりそういった仕事をしているとしっかりとしておりますので、どういったことが危険でどういったことが安全かという判断も、そういうこれまでの蓄積があるからできるという面もあるわけです。 ですから、そういった専門家のモデル事業における分析なんかもしっかり参考にして、そこからは地元の皆さんにも参加をしていただきたいし、また仕事としてもしっかりと地元の事業者の皆さんにも参加をしていただいて経済の動くきっかけにもしていくという、そういうことでやってまいりたいと考えております。
○吉田忠智君 放射能を除染して安心して生活できる国土に再生をするということは、まさに原発を推進してきた国の責任でございます。その点をしっかり自覚をしていただいて、避難希望者への支援や住民主体の日常的な測定と除染の体制づくり、このことを強く要請をしまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○亀井亜紀子君 国民新党の亀井でございます。 冒頭に、西岡参議院議長の御逝去に際しまして、心より御冥福を申し上げます。参議院の選挙制度改革に先頭に立って熱心に取り組まれたお姿ですとか、国会閉会時の議長メッセージ、読み上げられたそのお姿が強く印象に残っております。 それでは質問に入らせていただきます。 まず初めに、原子炉の中の状態についてお伺いいたします。 先週の質問で民主党の谷岡先生が、冷温停止状態とはどういう状態をいうのか、そしてその冷温停止状態というのは事実上の安全宣言なのかどうかという質問がございました。そのときに細野大臣が冷温停止状態の定義をおっしゃっております。圧力容器底部の温度がおおむね百度以下であること、格納容器からの放射性物質の放出を管理していること、そしてこの二つを達成するために循環注水冷却システムの中長期的な安全を確保すること、これを目指しておられて、今は、現在安全な状態かどうかというのを確認作業をしているとおっしゃったので、まだ安全な状態ではないというふうに私は理解をしております。そして、燃料の塊中心部がどの程度の温度なのか、原子炉の中で何が起きているのかということに関して、やはりその状況を把握していらっしゃらないということが御答弁で明らかになったと思います。 そこで、キセノンが検出をされまして、これが続けて検出をされたわけですけれども、このキセノンが検出されたことで、例えばその燃料の塊中心部の温度というのは推測ができないのでしょうか。 また、自発核分裂ということですけれども、通常の停止している原子炉でも起こっていることだというような東電の発表もあったのですが、通常の原子炉とはまた状態が違いますので、その比較もいかがなものかと思います。 いずれにしても、お湯が百度で沸騰するように、化学反応であるならば、自発核分裂が起きたことで大体その燃料の中の状態というのは分かるものなのではないでしょうか、御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(細野豪志君) キセノンの問題では皆さんにいろいろ御心配をお掛けをいたしました。自発核分裂に対してしっかりと当初から分析をしておって、キセノンが出たときにすぐにそういった分析結果を出すことができれば一番それはもう御心配をお掛けをしなかったわけでありますから、そういったことも含めて、まだまだ様々な面での分析が不十分であったというふうに考えております。 残念ながら原子炉の中の状態を完全に、それこそ確たる説明をするためには中が見れないといけませんので、もちろん直接見る方法が一番いいんですが、それまで行かないまでも、中に例えばチェルノブイリなどでは内視鏡のようなものを入れて見たとか、そういう記録も残っておりまして、何らかの形で見るということができなければ正確な状況は分からないわけです。ただ、残念ながら、今の東京電力の福島第一原発というのはそういう状況まで行っておりませんので、正確に中の状況を知ることは今できないという状況でございます。 それを補うために解析というのが進んでおりまして、様々な解析の手法を用いて様々な機関が解析をした結果として、燃料についてはおよそ多くの部分は原子炉の中にあるだろう、圧力容器の中にあるだろうという、そういう解析をしておるわけでございます。私どもがその圧力容器底部の温度を測って冷えてきたと言っておりますのは、一番たまっているのがそこだろうという、そういう解析の下に、百度以下から七十度辺りまで下がってきているので十分冷却ができているだろうという、そういう私どもは分析をしているということでございます。 したがって、今御質問の燃料の塊の中心部の温度というのは、塊の中をなかなか測ることができませんので、十分、そこがどういう状況なのかということについて全て分かっているわけではありません。ただ、その周りの水の温度が七十度まで冷えているということは、その塊自体も相当これは安定しているという状況だというふうに考えておりまして、その状態がしっかりと維持をできるということを確認をして、確認をした上で冷温停止状態というところまで持っていきたいというふうに考えております。
○亀井亜紀子君 東京電力は、メルトダウンをしていないと長いこと言い続けたことで、やはりその発表に対する信頼性を失っていると思うんです。あの震災発災直後も、最悪何が起こり得るのかということを教えてほしいと何度も申し上げました。 ですので、今回のことも、再臨界には至らないのだというようなことを盛んに東電は言っているわけですけれども、壊れた原子炉ですし、最悪何が起こり得るのかということは教えていただきたいんですけれども、簡潔に御答弁いただけますか。
○国務大臣(細野豪志君) キセノンが検出をされた前と後とで状況自体が変わっているわけではありませんので、基本的にはこれまで分析をしておった状況が今も維持をされていると考えております。ただ、今、亀井委員御指摘のように、最悪何が起こり得るのかということを考えて、それを国民の皆さんにお知らせをした上で、そういう状態に基づいて考えれば、例えば警戒区域であるとか計画的避難区域についてはどういう考え方を取るべきなのかという判断が必要だと思っております。 したがって、キセノンが検出をされましたことを受けて、より慎重に今の炉の状況を分析をした上で、最終的には冷温停止状態というのを皆さんにきっちり御説明をしてまいりたいと思っております。そこは、御指摘のとおり慎重にも慎重を期した判断が求められるし、特にその場合には、最悪というのがどういうことなのかということをしっかりと御説明する必要があると考えております。
○亀井亜紀子君 それでは、次の質問に行きたいと思います。 国有財産についてなんですけれども、朝霞の公務員宿舎に関しては、今、中止ではなくて凍結ということですが、今、国有資産を売却できるものは売却をして税外収入を確保することが求められている中で、どうも理財局等々、国有財産、何も建物がないところに建てようとしたり、そういうような動きが見られると私は思っております。 是非統廃合を進めていただきたいんですけれども、先日、仙台の合同庁舎の建て替えについて、その一部の予算が三次補正に入っているという報道がございました。これは国交省の持ち物のようですけれども、完成した後には財務省東北財務局や東北管区警察局等が入る予定とあります。一方、仙台には築三十年の財務省の建物もあると聞いておりますけれども、これは、もしこの仙台の合同庁舎、国交省のものを建て替えた場合に、統廃合ということでもう片方の財務省の建物はなくなるというような理解でよろしいでしょうか。 また、今日は総務大臣にも御出席いただいたのでまとめて質問いたしますけれども、現在使用されていない既存の国有資産を有効活用し、政府共通プラットフォームの運営拠点を整備することにより首都圏における大規模、何を申し上げたいかといいますと、首都圏直下型の地震があったときに政府の拠点をほかのどこかに整備しましょうという計画が今政府で進んでおりまして、これは私、必要だと思いますけれども、そのときにやはり統計学的に地震が少ないところに持っていっていただきたいと思うんです。そのときに、理財局の資産にこだわるべきではなくて、いろんな省庁がいろんな場所に建物を持っているわけですから、一番地震の可能性の少ないところに持っていっていただきたいと思います。例えば沖縄でもいいですし四国でもいいですし、余り地震がないところ、そういう基準で選んでおられるのかどうか、その点についても質問をさせてください。
○副大臣(藤田幸久君) 亀井委員にお答えをいたします。 幾つかの質問がまとめておっしゃっていただきましたので、まず国の庁舎のスペース等の有効活用についてでございますけれども、これ、空きスペース等にかかわる問題については省庁横断的な入替えをしようと。ですから、例えば、民間から借り受けている庁舎についてはできるだけ借受け経費を節減するとか、それから集約化して売却可能な財産を創出をするというような基本的な考え方です。 それから、統合庁舎については、国交省の方で予算の方で概算要求に出してきておりまして、したがって、財務省は直接その仙台の統合庁舎に関しては関係しておりません。財務局も、したがって、その統合庁舎、今言われております仙台に関しては、むしろ国交省の方で、三月十一日の震災においてもう中もめちゃくちゃになって相当壊れておりまして、それを防災的にどう使うかという観点から予算の方が上がってきているという状況でございます。 それから、理財局についての一般的なお話でございましたけれども、朝霞の宿舎に限らず、様々な意味での国有財産のできるだけ円滑に整理をして集約化をしながら対応しようという考え方で進めております。
○国務大臣(川端達夫君) 情報システムを今回の震災を踏まえてリスクの分散というのは極めて重要であるというふうに認識をしております。したがいまして、概算要求で、今お触れいただきましたけれども、政府情報システム分散拠点整備経費ということで、いわゆる政府共通プラットフォームのバックアップ拠点を整備する方針を立てました。 言われましたように、避難場所については、特定の地域にこだわることなく、地震以外にも津波、風水害等の被災リスク、それからセキュリティーも勘案して、ただ効率的にということでは既存の施設を有効活用できないかということを踏まえて、現在、これから考えてまいりたいと思いますし、報道にある仙台第一地方合同庁舎の建て替えとは無関係でございます。 なお、どの場所にするか、セキュリティー上の関係もありますので今申し上げるわけにいきませんけれども、言われたようないろんな災害も含めた、セキュリティーも含めたあらゆる観点から最適地を求めていきたいというふうに思っております。
○委員長(増子輝彦君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(増子輝彦君) 次に、先般、本委員会の委員を中心に構成され行われた議員派遣につきまして、本委員会の審議に資するために、派遣議員団の団長を務めました私からその概要を御報告いたします。 平成二十三年度重要事項調査第一班は、スリーマイル島原子力発電所視察及び米国における原子力政策に関する実情調査のため、本年十月十日から十五日までの六日間、アメリカ合衆国を訪問しました。 派遣議員は、岡崎トミ子さん、金子恵美さん、小西洋之君、米長晴信君、愛知治郎君、岩城光英君、岡田広君、森まさこさん、浜田昌良君、松田公太君、井上哲士君、荒井広幸君、吉田忠智君、亀井亜紀子さん及び私、増子輝彦の十五名であります。 以下、調査の概要を御報告いたします。 まず、スリーマイル島原子力発電所を視察しました。スリーマイル島原子力発電所は、一号機が一九七四年に、二号機が一九七八年に営業運転を開始しましたが、一九七九年三月、二号機において炉心溶融を伴う事故が発生いたしました。事故から三十二年余を経た現在も二号機は保管状態に置かれております。 同発電所において、二号機を管理しているファーストエナジー・ニュークリア・オペレーティングカンパニーより、事故の経過、除染・燃料の取り出し等事故後に講じた措置、廃炉の見通し等について説明を受けました。事故発生時に、弁の故障による冷却材の流出に運転員が気付くのが遅れ、燃料の溶融が生じたこと、事故後、六年にわたる除染と周到な準備の後、燃料の取り出しには一九八五年から一九九〇年までの五年間を要したこと、現在でも少量の放射性物質が原子炉内に残っており、廃炉措置は、現在稼働中の一号機と合わせ、二〇三四年に開始すること等の説明を受けるとともに、意見交換を行いました。 また、二号機のタービン建屋、事故発生時のままの状態で保管されている中央制御室等の視察を行いました。 次に、米国原子力規制委員会、NRC本部を訪問いたしました。NRCは、一九七四年に設立され、一九七五年に活動を開始した連邦の独立機関であり、原子力利用促進とは独立した安全規制機関として原子炉の許認可等の業務を行っております。NRC本部では、ウィリアム・ボーチャード運営総局長等より、NRCの概要、NRCにおける検査官の養成・教育等について説明を受けるとともに、意見交換を行いました。 NRCの概要については、NRCは約四千人のスタッフを有しており、意思決定機関は五人から成る委員会であり、委員は大統領が任命し上院が承認すること、スリーマイル事故の教訓を踏まえ委員長職が導入されたこと等の説明がありました。 NRCにおける検査官の養成・教育等については、検査の基礎となる規制・法律や、原子炉の技術に関して十分な知識を有すること等を重視しており、多くの職員が修士号、博士号を有していること、本部とテネシー州の訓練センターにおいて講義やシミュレーターを用いた訓練を行う一方、実地訓練も行うこと、検査官としての資格を得た後も、緊急事態に対処する計画の立案等、十の特殊な分野について資格を選択的に得ることができること、高い能力を保証するために、検査官に対しては三年に一度、資格の再取得が求められること等の説明がありました。 また、派遣議員からの質問に対して、事故が起きた場合、直ちに二十名規模のチームを現地に送ることができ、本部のエマージェンシー・オペレーションセンターに、委員長以下、六十ないし七十名の専門家が参集する体制となっていること、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を学び、規制内容等を変更する必要があるかは現在検討中であり、全交流電源喪失への対応等、約四十の分野において更なる評価が必要だと考えていること等の説明がありました。 次に、米国エネルギー省、DOE本部を訪問しました。 DOEは、エネルギー安全保障と核安全保障を担う省として、一九七七年に設置されました。DOEは、過去に核兵器の開発を行ったオークリッジ国立研究所等多数の国立研究所を有し、これらの施設のうち、放射性物質に汚染された区域の除染を行っております。DOE本部では、ピーター・ライオンズ原子力担当次官補等より、米国のエネルギー政策、除染技術等について説明を受けるとともに、意見交換を行いました。 米国のエネルギー政策については、オバマ大統領は、原子力がクリーンエネルギーの重要な位置を占める旨、事故後も表明しており、NRCに対して、福島の事故からどのような教訓を学ぶことができるか、短期的・長期的視点から見直すよう指示していること、原子力はクリーンで廃棄物の管理ができるエネルギーだからこそ推進していること等の説明がありました。 除染については、DOEは除染について二十年以上の経験があり、放射性物質の貯蔵、処理、損傷した燃料の取扱いと回収、廃炉等の技術を有していること、化学的技術から機械的技術まで多種多様な技術があるので、事例に合った技術を用いる必要があること、包括的な計画を策定し、最終的に目指す状況を定めることが重要であること等の説明がありました。また、DOE所管施設の除染に要する費用は、年間五十億ドルから六十億ドルであるとのことであります。 次に、全米科学者連盟、FASを訪問いたしました。 FASは、一九四五年、核兵器の開発に携わった科学者を中心に、核戦争の防止という目的で設立され、核セキュリティー、エネルギー安全保障等幅広い活動を行っている科学者団体であります。FASでは、チャールズ・ファーガソン会長と、原子力など今後の日米両国におけるエネルギー政策の在り方等について意見交換を行いました。 ファーガソン会長からは、米国と日本は、天然資源の有無等の違いがあり一概に比較できないが、日本にとり、エネルギー安全保障と気候変動対策という二つの面で、原子力は必須なエネルギーであり、原子力に対する信頼を取り戻すために、国民との対話を行っていく必要があるのではないかとの発言がありました。 その後、派遣議員からの質問に対し、東日本大震災後の我が国のエネルギー政策について、各地の原子力発電所を徹底的に審査し、結果を恐れず国民に開示する必要があること、原子力のみならず他のエネルギーも含めて、リスクも示しながら、国民に選択してもらえばよいとの説明がありました。 次に、米国環境保護庁、EPA本部を訪問しました。 EPA本部では、冒頭、リサ・ジャクソン長官から挨拶があった後、国土安全保障担当のデボラ・ディートリヒ長官補等から、EPAの概要、放射線防護に関する規制、緊急事態時における対応、除染作業を行う専門家へのトレーニング等について説明を聴取いたしました。 緊急事態時における対応については、放射性物質が漏れるといった緊急事態が発生した場合の対応方針を定めたプロテクティブ・アクション・ガイド、PAGがあり、事故後数時間から数日後までの、避難の適否を判断する早期の段階、数か月後から数年後までの、避難した人がいつごろ戻れるかを判断する中間の段階、除染を行う最終段階という三つの段階ごとに判断を行う等の説明がありました。 また、除染については、航空機を用いて短時間に放射能を調べることができること、米国の除染技術の幾つかは既に我が国でも活用されており、これらの技術を幾つか組み合わせて使う必要があること等の説明がありました。さらに、除染作業は、費用、時間、廃棄物の量を考えて取り組むことが必要であるとの助言をいただきました。また、除染作業の専門家に対するトレーニングは官民共同で実施し、ワシントン州ハンフォードにあるEPAの施設で教育訓練を行っているとのことでした。 次に、ジェフ・ビンガマン上院エネルギー・天然資源委員長を訪問しました。同氏は、ニューメキシコ州選出の上院議員で、二〇〇七年から上院エネルギー・天然資源委員長を務めております。 冒頭、私から、今回の東京電力福島第一原子力発電所事故は我が国にとって初めての経験かつ未曽有の国難であり、この間の米国政府、国民の御支援に感謝の意を表明するとともに、事故の収束、除染、避難住民の帰還の問題など、適切な支援を要望いたしました。これに対してビンガマン上院議員からは、米国政府も支援を行うとともに、米国も今回の事故から学ぶことが多い旨の発言がありました。また、米国の除染技術による支援については、DOEには除染技術等の蓄積があるので、要請があればエネルギー省長官に伝えたい旨、説明がありました。 次に、米原子力エネルギー協会、NEIを訪問しました。 NEIは、原子力産業界のための政策機関であり、原子力発電所の運営会社、大学等、約三百五十の団体が参加しております。同協会のファーテル会長より、米国の原子力エネルギーの概要について、また、ベクテル・コーポレーション等より除染の技術等について説明を受けるとともに、意見交換を行いました。 米国の原子力エネルギーの概要については、米国における原子力発電所の数は百四基あり、電力需要の約二割に相当する年間約八千億キロワット・アワーを発電していること、オバマ大統領は原子力は米国のエネルギーミックスの重要な部分を占めると述べており、超党派で原子力に対する支持があること、現在四基の原子力発電所が建設中であること、既存の原子力発電所の運転期間は四十年間であるが、NRCが承認すれば二十年間延長することが可能であり、百四基の原子力発電所のうち七十一基が運転期間の延長を認められたこと等の説明がありました。 除染の技術等についての派遣議員からの質問に対し、ハンフォード、スリーマイル、チェルノブイリ等における除染の実績、建物・土壌等についての除染技術、東京電力福島第一原子力発電所事故についての日本側との協力体制等について説明がありました。 以上が調査の概要であります。 なお、詳細につきましては、後日、議院運営委員会に報告書を提出することといたしております。 今回の調査に当たって、短い準備期間にもかかわらず、御協力をいただきました在外公館の方々、また、訪問を快く受け入れてくださいました訪問先の方々等関係各位に対し、この場をお借りして心から感謝を申し上げ、報告を終わります。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十一分散会