外交防衛委員会 第4号
- 発言数
- 156 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2011/11/29
会議録
○委員長(福山哲郎君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 経済上の連携に関する日本国とペルー共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件外一件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として法務大臣官房審議官團藤丈士君外三名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(福山哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(福山哲郎君) 経済上の連携に関する日本国とペルー共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び経済上の連携の強化に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件の両件を一括して議題といたします。 両件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○谷岡郁子君 おはようございます。民主党の谷岡郁子でございます。 この間、条約というものが大きな国民の関心になっているというふうに思います。そこで今日は、言ってみれば国内法に優先する国際条約というものに対して我が国会が今後どのような形で取り組んでいけばいいのかという原則論についてお伺いをしたいというふうに思っております。 まず最初に、大臣はその所信の中で国益を最大化するという最も至極であり当然のことをおっしゃったわけですが、その一方で、条約ですとか協定というものが、ある意味においてお互いの了解の下に国家主権というものを抑制するというような側面というものも持っているということは否めない事実であると思います。 そこで、この国益の最大化ということと国家主権の言わば制限ということについて大臣自身がどのような御所見をお持ちになっているのか、そこを伺いたいと思います。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 条約と言わば国内における法制との関係ということも含めて谷岡さんはお聞きになったんだろうというふうに思います。 一般的に、条約というのは締約国間の国際法上の権利義務関係を規定をするということはもう言うまでもないことでございます。当然、そうなれば、他の締約国との関係で一定の義務を負うということになりますので、今おっしゃったように、見方によっては、その条約上のある特定の義務が、ある意味、国内法制における制約要因に一般論でいえばそれはなり得る、そういうことだろうと思います。 ただ、各国ともそうでありますけれども、条約が規定する言わばそういった権利義務関係というのが、いわゆる各国それぞれの国民の権利義務、そして利益に与える影響、これらを総合的に勘案して、まさに先ほどおっしゃっていただいたような、これは国益に資する、トータルとして国益に資する、そういう判断をするからこそ、条約を結び、また承認をするということになっているのではないだろうかというふうに考えております。
○谷岡郁子君 そのとおりだろうというふうに私も思います。 そこで、国益という言ってみれば抽象的な概念というものと、国民が生活の現場で、仕事の現場で生に感じるリアルな、言ってみれば国民益と称するものがあるとするならば、国益と国民益というのはイコールのものであるのか、あるいはその違いというのがあり得るのかという点についてはどうお考えになりますでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 結論から申し上げると、私は一致するというふうに思っています。 この場でもたしか質問が出たかと記憶をしていますけれども、国益というのは、我が国国民の幸福を実現をすること、そして我が国の平和と繁栄を実現をすることだというふうに思っています。我が国国民の幸福を実現する、そのことを追求するというわけですから、国益と国民の幸福、それは最終的には私は一致をするんだろうというふうに思って私の中では使っているということでございます。
○谷岡郁子君 そうであってほしいという大きな願いを持つわけですが、実は条約や協定によっては被害を受ける国民というのが出てくる可能性というのは常にあるんだと思います。 私は、ここで大臣にお礼を申し上げなければいけないと思っておりますのは、先月質問させていただきまして取り上げさせていただいた沖縄の地位協定の問題、本当に一歩進んで、そして沖縄の皆さんの、これはいわゆる犯罪に対する現実的な対応というだけではなくて、沖縄の主権者としてのその尊厳というものが、取り戻すということについての希望を抱かせるという状況が展開してきたというふうに思います。もちろん、島尻さんを始めとして、この間、この問題を何度も何度もこの外交防衛委員会で取り上げていただいた方々の地道な努力の結果だと思いますし、また大臣が御努力をいただいた結果だと思って、大変感謝申し上げるとともに喜んでおります。 その中で、ただ、この苦しみというのは、実は、日米地位協定というものがそこに存在をして、そしてその重要なステークホルダーである沖縄の方々を度外視したところで設定され、結ばれたものであったという元々の状況というものがあった。つまり、条約や協定によって被害を受ける国民がいるということを確認するものでもあろうかと思います。また、当時においては、それは妥当なものに見え、国益の最大化に見えたものが、国民益という立場から語った場合には、それが、時が移るに従ってそれそのものが言わば被害要因、ある意味で国益というものを損なう可能性があるということを指し示しているように思うわけです。 そうしますと、じゃ、その人たち、そういう被害を遭った人たちというものは、司法の救済を求めたときに、しばしば国と国との約束だからということで門前払いを食わされることになって司法の救済も受けられないというような状況が起こり得ますし、またこれまでも起こってまいりました。 このような人々に対して、条約を結んできた国というものは、その責任をやはり負わなければならないわけでしょうし、時代とともにその変化というものを考えなければならないわけですが、そこについての大臣の御見解というものがありましたら教えていただきたいというふうに思っております。
○副大臣(山根隆治君) 今大臣の方からお話ありましたように、国益と国民益というものが一致すべきものであるという前提の中で条約等を結んでいく、しかしその執行上で個々には様々な問題が現出してくるということで、沖縄の今お話ございましたけれども、そうした問題については個々にしっかり国民の暮らし、安全というものを守るということで対応をしていくということでその溝を埋めていくということが大切なことだろうというふうに思っているところでございます。 谷岡議員が想定をされておられます沖縄における今回の交通事故死の問題についても、日米地位協定というものが非常に問題が多いんだと、こういう御指摘でもございますけれども、具体的に地位協定改定云々ということではなく、具体的な事例の中でこれを広く普遍化して、こうした事例が起きたときに、日米の中でしっかりと、これが日本の国民にとっては理解し得るような、納得し得るような措置ということに今回一歩踏み出せたということは非常に良かったというふうに思っておりますし、一歩前進を果たさせていただいたというふうに考えているところでございます。
○谷岡郁子君 そのとおりだというふうに思います。 しかし、一方では、沖縄の人たちは余りに遅いんだと考えております。そしてまた同時に、司法による救済という、国民に広く与えられた司法をする、裁判をするという権利そのものが奪われてきたという状況というものは、これは明らかな被害であり、言ってみれば憲法に約束された国民の権利というものが我慢の許容限度を超えて言わば侵害されてきたということに等しいんだというふうに私は考えるわけであります。 そうしますと、今後、今様々なことで多くの条約というもの、グローバル化に伴ってますますそれを促進していくということの中で、厳重に憲法に約束された国民の権利というものが侵害されないということが条約を結ぶというプロセスの中で保障されていかなければならないというふうに考えるわけですが、そこについては国はどのような配慮をしていただけるというふうにお考えでしょうか。
○副大臣(山根隆治君) 先生も御承知のように、法規としては日本国憲法が最高の位置にある、こういうことでございます。そこで国民の暮らしを守るということ、様々な面での国民の命の保障ということもはっきりと規定をされているわけでありますけれども、その次に、上下関係、法的に上下関係でいえば条約というものがあり、そしてその下に国内法ということが位置されるというふうに思っております。 しかし、いずれにいたしましても、憲法で規定されている国民の権利というものをしっかり守るということは法的にも十分担保されているものでありますので、この精神にのっとって、政府、国は国民の暮らしを守るために日々努力しなくてはいけないというふうに思っております。
○谷岡郁子君 そういう状況の中で、いわゆるステークホルダーと言われている人々というものはどんどん多様になっているのではないかというふうに思います。社会が複雑化する、多様になってくる、この状況の中でステークホルダーたちにどのくらい利益があり、同時に損害がありということができてくるかといえば、最終的な総和として先ほど大臣がおっしゃいましたような国民益というものと国益というものが一致するものだといたしましても、部分的に見れば、必ずそこで小さな問題、また人々にとっては小さく見えても切実な問題というものが多々出てくるということが考えられるわけです。複雑化すればするほど、多くの国と様々な協定を結べば結ぶほど、それはもっとその方向へ進むということが考えられていくと。 その中で、我々はどの方向から考えるということのためにやはり国会という形で国民の代表が選ばれ、そして様々なステークホルダーたちの権利であり、またその人たちの利益というものを代表して議論をするというプロセスになっているのだというふうに思います。これは、国内法では今現在の状況としてかなり保障されているということが言えるのではないかと思います。 同時に、条約あるいは協定ということを結ぶということになりますと、これが私たちには全く見えません。条約が国会に来るのはサインがなされた後でございます。そして、先ほど来申し上げておりますように、国内法に優先するという点において、もう既に結ばれてきたものに対して部分的に修正を加えるということは、国会の手続として、仕事として不可能であります。しかしながら、我々にはその段階でしかその条約をチェックするということができないと。そして、京都議定書から脱したアメリカのような超大国であれば、大変な軍事力を持っていれば脱退ができるのかもしれませんけれども、そう簡単に国と国との約束ということで長いプロセスを経てきたものに対しても私たちはオール・オア・ナッシングの全否定というものをすることができない。しかし、その中には明らかにステークホルダーたちにとってマイナスであるとはっきり考えられるものがあるのではないかという危惧が常に付きまといます。我々がこの間、国民の関心をTPPというものに対して集めてきたのは、まさにそれが凝縮した問題としてこのTPPというものが浮かび上がってきたという事実にほかならないというふうに思うわけです。 そこで、条約や協定を結ぶ交渉においての外交機密の範囲をどう考えるか、そのプロセスというものはどの程度オープンにすべきものであり、またされる必要があるというものなのか、今それが十分にできているかというと、私は全くできていないというふうに思うわけですが、そこに関する大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(玄葉光一郎君) かなり本質的な問いを谷岡委員から繰り返し発せられているというふうに考えていますけれども、まず、国民一人一人の個々の利益を全て最大化するというのは、私は不可能だというふうに思います。国民全体としての総和の中で、総体として、やはり国民の幸福の実現ということで国益を最大化するんだということだとまず思います。 その上で、例えば、そのときによくメリット、デメリットという話がありますけれども、デメリットを受けるのではないかと思われる方々に対する対応を別途違う形で行っていくということも当然これは政治的に行っていかなければならないものと私自身は考えております。 同時に、実際の問いはいわゆる情報提供の話でございますけれども、例えば、用意していたものをそのまま読めば、憲法第七十三条は、外交関係の処理や条約の締結については内閣の事務であると、条約の締結に際しては事前又は事後に国会の承認を経ることが必要であると規定していると。このように、憲法上、条約の締結はあくまでも内閣の権限、責任の下で行われるものであるが、国会の承認という形で国会のチェック作用を認めているところであるということでありますが、結局、どこまでこのプロセスの中で情報提供をしていくのかということについては非常に繊細な問題だというふうに思います。 私は、例えばTPPもそうなんですけれども、いわゆる我々が情報収集した情報について、整理された情報をしっかり出すようにということを強く指示をしています。同時に、実際に交渉に入ったときに、一つは、相手国との関係が一つ出てきます。それともう一つは、戦術をさらけ出していいのかという問題が出てきます。あえてさらけ出す場合も高度な戦術としてあるかもしれません。しかし、さらけ出さないところに交渉術というのが出てくる可能性も多々あるわけでありまして、全ての情報を開示したから、それで交渉がうまくいくのか、日本の国益を最大化できるのかといったら、必ずしもそうではない場合が当然交渉に入ったら出てくるだろうというふうに思いますので、そういったところについてやはりしっかりと総合的に勘案しながら、出すものをきちっと出して国民的な議論に付していくと。 これはまた、事前の調整と交渉とはまたちょっと違うと思うんですね。今は、とにかく情報収集したものを私はもう整理した上で全部出せと言っています、もう率直に言ってそう言っています、全部出せと。さあ、じゃいざ交渉に入って、各国とも全部出しているかというと、それはそうじゃないだろうというふうに推測しますので、ですから、そういったことを踏まえながら、それぞれ総合的な判断をその時々においてしていくということではないかなというふうに考えております。
○谷岡郁子君 全く大臣のおっしゃるとおりだと私も思います。 そこで、今おっしゃったことの中で重要な観点として一つ申し上げたいことは、事前ないしは事後に、七十三条に、チェックを受けることができると。でも、我々はいつもサインした事後、出してこられるというふうに感じておるわけですね。やはり、結ぶ事前ということが一つ考えられていいのではないだろうかということについて、いつでも事後の承認であるということはケースにおいては考えなければならないのではないかということを一つ指摘しておきたいと思います。 それから、もう一つの問題といたしましては、その中で、ただ、政府には分かっていても国会には分かっていない。また同時に、国会は様々な方々を代表した様々な党の方々がいらっしゃるという、その多様性の下で多くのステークホルダーを見ることができるということがあろうかと思います。 そして、現実問題、じゃ、政府が秘密にしておくべきことがマスコミに漏れていないかというと、漏れております。この事実を指摘しておきたいと思います。と同時に、国会には十分な情報が提供されないと。これはやっていることと言っていることが全然違うのではないのですかと指摘されても仕方がない現状があるということなんですね。 ですから、各国は様々な工夫をしていると私は思います。TPPのときに紹介されましたアメリカの九十日ルールというものはそのようなものの一つでございましょうし、また、案件によっては、公開が通常である国会の下においても秘密会議を行うことができる、全ての参加者が誓約するという下で、機密に当たるようなことについては決して出さないということでその秘密を国会が共有するということが行われているところもあると。 そのような形でいうならば、我が国はその辺の言わば努力、工夫というものが足りなかったのではないか。この時代になりまして、これだけ国民の関心が条約等について、あるいは協定に対して向いてきている時代には、我々国会もその工夫をしなければならないのではないかというふうに思いますし、また、政府に対しましても、余りにも今の機密の範囲というものは裁量的に広げられ過ぎているというふうに思いますので、今後更なる情報の提供をお願いしたいと思うわけでありますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) いわゆる本来交渉上機密にすべきだ、情報管理を徹底すべきだというものが逆に出て、情報提供すべきだという情報が出ないということがあってはならないというふうに思っています。ですから、おっしゃるように、交渉に入ったときに、どうしても必要な機密に関しての情報管理というものを徹底しつつ、やはりもうでき得る限りの情報提供というのはしていくということだと思います。 それと、やはりこれ仕組み上の問題で、多くは内閣、政府が言わば条約締結権を有すると。アメリカは、一言で言えばかなり特殊でございます。つまりは、御案内のとおり、先ほど九十日ルールということをおっしゃいましたけれども、元々議会にいわゆる通商権限があると。その通商権限を言わばUSTRなどに、TPA法、実は失効しているんですけれども、授権していると、こういう仕組みになっていますので、TPA法失効しているとはいえ、あえてそのルールを使うことで実は最終的な承認というものを得やすくするということで、アメリカの場合はそのようにしているというふうに承知をしています。 一般的には、私が今申し上げたように、最終的に条約を締結する前に国会が承認をすると。承認しない場合だって当然それはあり得る、政治判断としてあり得るわけでありますけれども、そういう仕組みになっているものというふうに考えています。ですから、やっぱり日本の場合は、その交渉過程の中で、先ほども申し上げたように、情報管理との、機密とのバランスを上手に取りながら、でき得る限りの整理された情報の提供に努めていきたいというふうに考えております。
○谷岡郁子君 国会で言わば修正、条項上はできない、そういう性質を持つ条約や協定でありますからこそ、どの段階でチェック機能を利かすことができるのかということにつきましては、政府、国会両方の、相互の努力ということを今後していく必要があるということを指摘しておきたいと思います。 さて、だとするならば、今現在、準備中あるいは交渉中、そして締結間近というような協定あるいは条約は幾つぐらいあって、それは主にどのようなものでございましょうか。
○副大臣(山根隆治君) 現在どのような条約がという御指摘でございますけれども、網羅的ではありませんけれども、具体的な例を申し上げさせていただきたいと思うわけでありますけれども、二国間の条約については、経済連携協定として現在交渉中のものは二件ございます。そして、中断しているものが一件、共同研究又は共同研究を終えた段階のものが五件、また投資協定は八件、社会保障協定は五件、租税協定は六件がそれぞれ交渉中でございます。
○谷岡郁子君 こういう情報は、今私が質問して出てきたわけですけれども、本来国会には国会の会期が始まったその冒頭でありますとかどこかの途中の経過で提供されるべきものだというふうに考えますが、玄葉大臣、今後、こういう交渉中どういうものがあるかということの案件だけでも提供していただけないでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) せっかくの御提案なので検討してみたいと思います。確かに今までそういうことはなかったように思いますので、何となく報道で見るとか、あるいは今交渉中であるということに対してプレスあるいは様々な形で見聞きするという形だと思いますので、どういう形があり得るのか、それは検討してみたいと思います。
○谷岡郁子君 ありがとうございます。 そこで、一つだけちょっと違った質問で、予算関連とも言える質問をしたいと思うんですが、我々は、様々な協定や条約等だけではなくて国家間の約束ということもありまして、私が今日取り上げたいのは、外国人留学生に対するODAということでございます。 つまり、文化大革命が終わった直後、中国の大学というものは完全な壊滅状態でございました。知識人が多く粛清されました。そのときの国家の必要性として、中国、隣国が正常に発展していくために、また早く復活していくために最大限の協力というものを各国がやりました。そして、日本へはとりわけ多くの留学生が参りました。国費留学生として多くを受け入れましたし、また私費留学生に対しても援助をしてまいりました。今中国は、御案内のように、我が国を抜いて第二のGDPという大国に成長をしております。そして、相変わらず我々が使っているODA予算、若者の国際交流というところで使っております予算は、圧倒的に中国に対する留学生というものを半分以上占めているというような状況がございます。 もうそろそろ、インとアウトの関係で、日本の学生を外に送り出す、あるいは日本のボランティアを外に送り出す、あるいはもっと多様な国々から多くを受け入れるというようなことが必要になって、根本的に見直すべき時期に来ていると思われるのですが、そこに関しまして玄葉大臣がどうお考えになるか、御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(玄葉光一郎君) まず一つは、ODAによる留学生の受入れ、これは言わば外務省が担当しているわけでありますけれども、これは、新規の受入れはもう来年度以降は終了するというふうに申し上げたいと思います。 一方、国費の留学生でありますけれども、今おっしゃったのは特に中国の話でありますが、私が理解するに、この国費留学生というのは、結局それぞれの大学が推薦をしてくる方々、そして大使館が推薦してくる方々、こう分かれているんですね。それで、私はどういうふうになっているのかと聞いたことあるんですけれども、結局、大使館の推薦ということになれば、当然それぞれまさに多様なんです。たしか、ここにも資料ありますけれども、大使館推薦研究留学生は、平成二十三年度で百四十六か国から七百三十四人と。ですから、この中には中国の四人も入っているんです。みんなそのレベルなんですね。何で中国がこんなに多いんだろうと私聞いたら、結局それぞれ大学が推薦してくるときに成績がいいというのが実態のようでございます。 ですから、そういう実態があるわけでありますけれども、ただ、いずれにしても、やはり交換留学とか留学生の受入れあるいはこちらから出すということは、特に二国間関係あるいは隣国の場合は非常に大切だという認識を私自身は持っておりますので、その辺りは、先ほど申し上げたように、ODAによる新規受入れはやめて、またそうじゃない形でこの二国間の留学制度というものをしっかりと進めていきたいというふうに思います。 また、JICAのボランティアの派遣の話も若干ございましたけれども、これは、より効率的にしつつも強化に努めていきたいというふうに考えております。 以上です。
○谷岡郁子君 ありがとうございました。 私費留学生でも国からの補助をかなり日本国から受けております。そして、今は中国に関しましては、ブローカーがいて、その人たちが大学を回っていて、一人二十万とか三十万で学生を連れてくるというようなことがビジネスになっているというような状況がございます。これは我々の血税が使われるような類いの話ではないと思いますので、そのことを御指摘申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○猪口邦子君 ありがとうございます。おはようございます。自由民主党の猪口邦子でございます。 玄葉大臣は、さきの外交防衛委員会におきまして、日本・ペルー経済連携協定と日本・メキシコ経済連携協定を改正する議定書の締結につきまして承認を求めるための提案理由説明を行いました。よりまして、本日は、両協定の条約審議を含め、我が国の外交防衛問題につきまして質問をさせていただきます。 条約審議でありますので、これは日・ペルー協定、そして日・メキシコ改正議定書、それぞれの特徴につきまして、やや地味なことではあるかもしれませんけれども、やはり国民の皆様の理解を促進し、そして質問と答弁、これを通じて記録を正確なものにして、そして残しておくという意味からも質問させていただきたいと思っております。 まず、大臣御存じのとおり、協定は、ペルーの方でございますけれども、総則、つまり第一章第一条において、両締約国が自由貿易地域を設定するということを定めておりまして、その場合、投資の促進、これは非常に重要な部分でありますけれども、既にペルーと日本におきましては二〇〇九年の投資協定が発効しています。そういう場合に、新たなEPAとしてその後交渉があるときにどう取り扱われるのかと思って見ておりましたところ、この第二条、その内容は本協定に組み込まれ本協定の一部を成すという事実上の形となっているということで、そこは非常に参考になる形かなというふうに考えております。 それで、事務方も精力的な交渉をされたのでしょうけれども、このペルーのことにつきまして、まあメキシコは改正議定書なのでそれと平仄を合わせる形なのでしょうが、非常に有意義な交渉結果が反映されています。 私が見る有意義な点ということを幾つか申し述べますので、大臣の方からお考えをお伺いできればと思います。 まず、注目すべきは第三章でございます。これは、認定輸出者による原産地申告制度の導入ということでございまして、第三章の原産地規則、この(21)、つまりこの協定の五十八条ですけれども、こう定めているんですね。原産地申告を作成することができる認定輸出者の認定基準等について定めると、こう決めているということは、まさに認定輸出者による原産地申告制度を導入しているということです。 この制度はヨーロッパではよく見られまして、我が国はスイスとのEPAにおいてのみ大変な努力の結果この導入に成功しておりまして、この度、ペルー、メキシコですので三つ目の、二つ、三つとこの制度の導入が可能となるということでございますね。 どういういいことがあるかと。輸出業務の手続が大幅に簡素化。企業にとって、企業自身が安定した輸出者であれば認定輸出者として登録される可能性もありますので、非常に企業負担が大幅に軽減されるという、こういうメリットがあると考えておりまして、スイス以外ではこの度のこのペルーとメキシコ、日本としては初めてですので、特別の意味合いを感じます。恐らく政治的な外交的な意味合いも込めての積極交渉であったのではないかと思います。 ほかには、WTOというマルチのところがあるんですけれども、このバイのそれぞれの協定、WTOプラスの内容、WTOを上回る内容となっている部分がかなりあります。ですから、WTOではいろいろな理由から交渉がうまくいかずに成立していないような自由貿易の将来の姿というもの、こういうバイで示すということができるということは自由貿易の促進に非常に有意義なことと考えます。 とりわけ、まず、第二章で物品貿易、これはもちろんのことなんですけれども、七章のサービス貿易、それから十章、これは政府調達に関すること、十一章、知的財産権に関すること、いずれもWTOプラスの内容になっていると読み取りました。 例えば、十章の政府調達については、WTOで政府調達について高いレベルの交渉をしようとして集まっている幾つかの国があるんですけれども、ペルーはそこには参加しないというふうに言っていたんですけれども、バイの日本との協議においてはまさにその水準のことに今回合意したと思われるんですけれども、そのような理解でよろしいかも伺いたいと思っております。 ですから、EPAの経験の中で高い水準のそういう自由貿易の経験を積んでいくケース、こういうことが出てくることはWTOにとってもウエルカムではないかと、彼らもやっぱり勇気付けられることではないかと思っております。 それから、知財、知的財産権につきましては、御存じのとおり、模倣品の問題というのは自由貿易を阻害する重大な問題でございますけれども、この度、輸入の側でのみなく輸出の側でも取り締まる内容となっておりまして、両方の水際で対処するという、私はここには主権国家同士の強い共通の思いというものが反映されているなというふうに思いました。 それから、小さなことかもしれないけれども、国益事項として私は立派な交渉だと思いましたのは九章ですね。これは商用目的の国民、あるいはその目的で入国する一時滞在の人へのビザの発給のことで、百四十二条でございますけれども、これは通常四十五日をペルーは定めておりますが、日本の場合、二十執務日を超えない合理的な期間内ということを定めてくれましたので、これは多くのビジネスマンが助かることと、これは純粋に国益としていいことであるというふうに思います。 そして、あともう一つは、最近TPPとの関係でも話題になりますいわゆるビジ環、ビジネス環境規定でございますが、EPAにはあって、今のところ、漏れ聞くところTPPの方にはないという議論もあるんですが、このペルーとのことでも、十三章におきましてビジネス環境規定がございまして、更に小委員会を設けて、ペルーのビジネス慣習などについて日本として意見があったり、こういうふうに改善するのは当然でしょうというふうなことを後々伝える仕組みというものがここに導入されている、このようなところは非常に評価すべきだと思います。 そこで、総括的にお伺いしたいんですけれども、このような特徴についての大臣の御意見、それから、ここまでやってもまだ不足の点があるのかもしれずと思いまして、そういうことについての説明があればお願いしたいと思います。 また、今後の自由貿易交渉に参考になる部分というのは特にどういう部分なのか、そういうことについてお伺いします。
○国務大臣(玄葉光一郎君) まさに猪口先生が今言わば解説をしてくださったわけでありまして、これは記録を残すという意味でも、私もできる限り、読む部分も出てくるのは御理解をいただきたいと思いますが、ただ、私の言葉であえて申し上げれば、良い合意ができたというふうに一言で言えば考えております。 その上で、あえて記録を残す意味で申し上げますけれども、日本・ペルーEPAでは、物品の貿易について日本側の関心品目である自動車、自動車部品、二輪車、鉄鋼、鉄鋼製品、電気・電子機器及び部品、産業機械等の多くの品目についてペルー側から関税撤廃などの約束を獲得をした。また、ペルーの我が国に対する自由化率として、貿易額ベースで約九九・九%、品目数ベースで約九五・一%を達成しております。 それで、先ほど猪口先生が特におっしゃっていただいた三章のこの原産地規制でありますが、全くこれもおっしゃるとおりでありまして、この原産地証明制度につきましては、輸出者の負担軽減、こういう観点から、従来の第三者証明制度に加えて認定輸出者による原産地の申告制度を導入したということで、これは輸出者の負担軽減につながっていくということでございます。 それで、これもまたWTOプラスという言葉を使っていただきましたけれども、全くそのとおりでありまして、このWTOプラスのところが非常に私は今回の特徴だというふうに考えております。 それはすなわち、第二章の物品の貿易につきまして、農業輸出補助金や輸出税を禁止をしているということ。また、触れられた第七章国境を越えるサービスの貿易につきましては、ネガティブリスト方式を採用していると。そして、第九章ビジネスマン商用移動につきましても、やはり本協定においてペルー側としては初めて二十執行日以内に査証発給の決定を行うことを約束をしたということになっています。また、十章の政府調達でありますが、WTOの政府調達協定に、これも説明ございましたけれども、ペルーは未加盟だったと、未加入だったというのが、この二国間のEPAでしっかりとペルーとの間でこの協定を超える内容について合意をしたと。 そして、第十一章の、これも大事です、確かに、知財、知的財産権につきましては、不正商標又は著作権侵害物品に関しまして、税関当局が職権に基づき輸出差止めを行うことを定めているということでありまして、また同時に、ビジ環という話がありましたが、十三章には今度ビジネス環境整備、これ実はWTOの規定にはこういう規定はないですね。そうすると、明らかにWTOプラスでありまして、民間企業の代表も参加をして直接相手国政府の代表にビジネス環境に関する改善要望を提起するということができる枠組みが導入されておりまして、そういう意味で有益ではないかというふうに思っております。 今回、最後におっしゃった何か不足点があるのかということでありますけれども、基本的に猪口先生がもう全て御存じのとおり、また解説されたとおり、今回、やっぱりWTOプラスのEPAであるということ自体が非常に有意義であると。逆に言うと、これが今後のEPAに非常に参考になるというか、我々にとっての獲得目標になっていくというふうに考えておりまして、先ほど申し上げたような内容、つまりはWTOプラスの内容、こういった内容を目指しながら今後のEPA協定に向けて取り組んでいきたいというふうに考えております。
○猪口邦子君 大臣、丁寧な御答弁ありがとうございました。 日本は、これ二つ入れますと十三本のEPAということでございますけれども、今回はとりわけTPPとの関連もありましたので非常に注目度が高かったんですね。 そこで、TPP交渉参加に向けた協議入りという、こういう段階でこのEPAが本日審議されているわけですけれども、大臣のお考えとして、TPPのようなマルチの枠組みとこのようなEPAの既にある条約との関連性、今後どういうふうに処理されていく可能性があるのか。これについて今のところの大臣のお考えを伺いたいということですね。 あと、先ほどの谷岡筆頭の御質問にもありましたんですが、それでは、有意義なWTOプラスもあるようなこういうEPAのフォーマットが編み出せたということで、どういう今後EPAの交渉を精力的に進めていく予定があるのか。先ほどの御答弁にもたくさん出ていたと思いますが、その中での大臣としての心積もり、優先順位などありましたらお伝えいただきたいと思います。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 既に存在する協定との関係をまずどう整理するのかということがあると思います。 これは基本的に、例えばです、例えばTPP交渉が仮に、まだ仮定の話でありますけれども、成立をしましたと。当然そうなれば、この二国間のEPAとはどういう適用関係になるのかということについての調整のための規定を置くということになるだろうと私自身は認識をしています。それがまず一つであります。ただ、TPP協定そのものは現在交渉中でありますので、まだそのTPP協定との関係という意味では整理できないという状況にあると。 一方、若干質問にはなかったんですけれども、対韓国との関係で劣後したくないというところが率直に言ってあるものですから、早くこの二国間協定は結びたいと。ペルーはTPPに入っているのに何だと、こう言われるところもあるんですけれども、やっぱりTPP協定そのものがまだはっきりとした見通し立ちませんので、やはりできるところからやっていくと。 その上で、先生がおっしゃった今後二国間EPAにどう生かしていくのかということでありますけれども、もうこれも全て御案内のとおり、例えば日韓、これは交渉に入って中断しているわけですね、現時点。そして、これから、あるいは日豪といったものの交渉の推進の問題もあると。もちろん、二国間だと日加だって出てくる可能性だってある。それぞれある。また、日中韓もあるかもしれない。そして、ASEANプラス3、ASEANプラス6ということもあるかもしれませんけれども、やはりこういったWTOプラスで、しっかりとまさに勝ち得るべきものを勝ち取って守るべきものを守ったというこういうEPAというものを、しっかりその交渉過程もよく検証しながら、マルチの交渉も含めて参考にしていく、臨んでいくということが必要なんだろうというふうに考えています。
○猪口邦子君 もし将来的にTPPの交渉参加ということになる場合においては、まさに今大臣おっしゃったような適用の調整、これをきちっと規定としてどう書いていくのか、そういうのは本当にもう内部でシミュレーションをしながら進めないといけないと思いますね。 それから、やはりバイでできないことはマルチで絶対にできないと思います。バイにおいてそういうまさにおっしゃったような交渉力を全体として高めて、そして日本の得意な分野、これ出てくると思いますので、そういうところの能力を高めると。バイでできないことはマルチでできないということを考えれば、是非今後このEPA、たとえTPPに既に入っている国とのEPAであろうと、日本としては積極的に推進すべきであると考えるんですね。 そこで、政務官いらしてくださっていますので、ちょっと一言、メキシコの方につきまして、これは改正議定書のところでお伺いしたいんですけれども、先ほどから話題になっておりますこの認定輸出者によります原産地申告制度なんですけれども、これは双方向でやることですので歓迎するんですけれども、今後この制度の運用が本当に適正に行われるかどうかということを確認していくプロセスというのはかなり大事だと思うんですね。また、その信頼があるから今回結べたと思うのですけれども、このメキシコとの改正議定書についての当局のお考えと、今私が申し上げました点につきましてのお考え、ありましたら伺いたいと思います。
○大臣政務官(加藤敏幸君) 大変本質的な御質問をいただいておりまして、私どもとして、今猪口委員が御指摘の点についてはまさに真剣にしっかりと対応していくということだと思います。 御指摘のとおり、日本・スイスのEPAにおいて、この原産地申告制度というのを認定輸出者によるという形で確定をいたしました。したがいまして、私どもとしては、スイスとのこの制度の運用がいかにできているかということが一つの尺度になるというふうに考えておるわけであります。 この内容につきましては、一言で結論だけ申しますと、適正に運用されているということでございますけれども、その裏付けといたしましては、認定要件というものは結構厳密に定められておりますし、その取消しの義務でありますとか、あるいは認定輸出者が提出する書類について疑義がある場合の確認手続も相互にきちっとやっておるということで、スイスとの関係でそこまでしっかり対応ができて、かつ適正に運用されているというふうなことが一つのベースになっております。 また、ヨーロッパ諸国は結構こういう制度を持っていますので、それとEPAを結んでいる国と今度私どもがやった場合の関係については、むしろ第三国との関係においてある種の適正なレベルに達しているということも類推し得るというふうなことでございますので、ペルー及びメキシコにつきましては、EU及び欧州自由貿易連合、これはたくさん加盟国がありますけれども、とFTAを有しておりまして、このFTAの中においても先生御指摘の認定輸出者制度を採用しているということでございますので、言ってみれば、私どもとしてはそれなりの適正な運用については見通しがあるというふうなことをこの段階でお答えできると思います。
○猪口邦子君 大変しっかりとした御答弁いただきましたし、大臣政務官自らきちっとそのようにおっしゃいましたので、その履行の確実なことを得ていくということは当局の責任になると思いますので、初めて途上国とこういうEPAの内容を実現していきますので、そこのところの運用の適正化のフォローということはよろしくお願いしたいと思います。 大臣も既にお答えになっているんですけれども、今回メキシコ、ペルー、バイのこのような協定というのは、あるいは改正議定書というのは、経済的な利益、もちろんありますけれども、それを超えたものも考えてバイの場合というのはやるのではないかと、政治的な外交的なこともお考えであったのではないかと。こういうのは条約審議としてこういう条文をずっと勉強してもなかなか出てこないわけですから、この機会に大臣として政治外交的な意味合い、これを自分は感じたということがあれば、一言お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(玄葉光一郎君) まさに先生おっしゃるように、どことこのEPAを結ぶのかというのは戦略的に考えていくべきだというふうに思うんです。 ペルーというのは、これも御存じのようにということでありますけれども、一つは鉱物資源、そして高い経済成長、たしか八%くらいの成長ではなかったかと記憶しておりますけれども、また同時に自由主義的な経済政策を有しているということがございます。そういう意味では、先般もたしかハワイでAPECのときに日本とペルーは、これは私ではなくて首脳会談の方で実は野田総理が会談を行って、この関係を強めていこうではないかと。そのときは、おっしゃったとおり、必ずしもビジネスだけではなくて、いわゆるグローバルな関係の協力、国連の場裏での、あるいは国際場裏での協力も含めて、そういったことも視野に入れながら、やはりこういったことを戦略的に進めていくという必要があるのではないかと考えております。
○猪口邦子君 ぴんとくるところがありました。ペルーは国連事務総長をかつて出したこともある国であり、南米全体を見ますと非常に外交力優れたものがあって、影響力も実は強い外交当局を持っているということを思い出しましたので、そんないろんな計算があったのかなと。 それでは、条約審議はこのぐらいにいたしまして、私としては、この度大臣として大きなイニシアティブを持って実現しました沖縄とのことにおきます日米地位協定の運用改善、特に沖縄の負担軽減ということを念頭に置かれたのではないかと思いますけれども、これについて評価し、また続く課題として、先般もお願いしております飲酒運転事故の、それを公務として認定していくということを外す、この要求について改めてお願いしたいと思います。 これは、まさに島尻先生も熱心に質問されたことを今でも非常に私、心に思い出しますけれども、この一月十二日、交通事故が発生しましたね。それで、在日米軍で働く米国人軍属、公務中に起こした交通事故など重大犯罪について、アメリカ側が訴追しないという場合においては日本側が裁判権を行使できるようにするという、こういうことです。これは、日米合同委員会の新たな合意が作成されたという理解でよろしいんですね。 それで、これは二十三日ですかね、その合意自身は二十三日、そしてまた二十四日にはその一月十二日の件についてアメリカ側からも、その裁判権を行使すること、日本側からアメリカに対して裁判権を行使することに同意を求める要請を行ってそれが認められたと、こういう流れになったんだと思います。 私は、沖縄の仲井眞知事のこのときの表現、これ本当に本質を言い当てているなと思っております。一歩一歩、現実を解決していただくのは大変有り難い、これ私は名言だと思いますよ。外交の本質をよくとらえている。一歩一歩、現実を解決するため、足踏みだけでなく一歩でも前進させるんだと。一足飛びに大きなことというのは外交では難しいこともありますけれども、その一歩一歩の間断のない努力ですね、これが気付くとかなりの道のりを可能にすることもあるのかなと思いますね。 それで、一つこれについてちょっとクリアにしておきたいと思いますのは、この米軍属裁判権に関する新たな枠組みですけれども、これはまず日本側が裁判権を有する場合において被害者が死亡、生命を脅かされるなど非常に重大な場合、これはアメリカ側は日本側の要請を好意的に考慮、このシンパセティックコンシダレーションという表現となっていますね、その場合。そうではない場合、これについてアメリカは日本側の要請に係る特別の見解、十分に考慮、テークフルアカウントオブという言葉なんですよね。 これは、重大なことについて、シンパセティックコンシダレーションを与えるということは、かなり踏み込んだ表現とは思うんですけれども、大臣の見解として、この表現で十分なのか、どういうふうに解釈されているか、その辺ちょっとお伺いします。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 質問に直接お答えできているかどうか分かりませんが、ちょっと今手元にその資料を持ってきませんでしたけれども、ただ、このように考えていただければというふうに思っております。 つまり、今年の一月の、これは與儀功貴さんが亡くなられた交通事故のようなああいう事案について、今先生がおっしゃっていただいたように、好意的考慮を払うんだと、同意を求めて好意的考慮を払う。じゃ、好意的考慮ってまず曖昧じゃないか、アメリカ側の裁量が余りに大きいんではないか、こういうお話がございます。それに対しては、基本的に今回のような、一月の事案のようなケースは好意的考慮が払われるということを、この間の約一か月から一か月半の日米交渉でありましたけれども、交渉の中で私は、そのときは日本が裁判権を行使できるというふうに思うというふうに申し上げておきたいというふうに思います。 それと、私も猪口先生からこの間、ある意味励まされ、この種の取組こそ外務大臣として力を込めて実績を残すべき分野であるというふうにここでもおっしゃっていただきました。まさに、おっしゃるように、一つ一つ努力するだけではなくて、その努力を実現をするということを行っていきたいと。沖縄の方々あるいは在日米軍基地を抱える方々からすると、十分ではないという評価も当然あり得ると思います。ただ、一つ一つやはり実現をしていく道が結果として早いというふうに私自身感じておりますので、先ほど触れられた、あるいは猪口先生はもうこの間三回も四回も訴えておられる公の催事における飲酒、これが公務扱いであることをやはり外すべきであるということも含めて、一つ一つ実績を残せるように頑張りたいというふうに思っています。
○猪口邦子君 まさに今大臣おっしゃってくださったんですけど、次の日米合同委員会合意ですよ、新たな合意をここで一本またつくってくださいね。これは、一九五六年三月二十八日の日米合同委員会合意を、これを改める、このことをまさに大臣としてやっていただきたいと。 私は、事務方はこの軍属公務中の交通事故のことも、あるいは飲酒運転の私が提起しておりますことも、ずっと検討してきたとは思います。検討して検討して、そして月日が流れたんですね。ですから、やはり政治家としてやるべきイニシアティブの取り方、それこそが今待たれていると。それを一つ一つ積み上げていただいて、必ずや外交に再び日が昇る日はその結果訪れるだろうと私は確信いたしますので、大臣は、もう外交は眠らないんですよ、一日一日本当に誠心誠意努力していただきたいと思いまして、私の質問を終わります。お願いします。
○佐藤正久君 自由民主党の佐藤正久です。 条約質疑の前に、グーグルジャパンとPKOについて少し触れてみたいと思います。 外務大臣、竹島は島根県隠岐郡隠岐の島町竹島官有無番地です。ところが、グーグルジャパンのグーグルマップ、今朝私も見てきたんですけれども、その竹島の住所が韓国の住所になっているんですよ。これはグーグルジャパンですよ。これはやっぱり外務省として確認し、速やかな訂正を求めるべきだと思いますが、外務大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 事実関係調査します。ちょっとびっくりしましたけれども、まず調査します。
○佐藤正久君 これも情報戦なんですよ。先ほど谷岡委員からもありましたけれども、このぐらいの情報戦ができなくて、TPPのすさまじい交渉は絶対無理ですよ。早急に確認し、訂正を求めてください。 次に、PKOについて防衛大臣にまず最初聞きます。 防衛大臣、八年前の十一月二十九日、今日ですけれども、これは日本の国際貢献担当者にとっては忘れることができない日です。何の日か分かりますか、防衛大臣。分からないなら分からないでいいです。
○国務大臣(一川保夫君) ちょっと正確に分かりませんけれども。
○佐藤正久君 じゃ、玄葉大臣、いかがですか。(発言する者あり)
○委員長(福山哲郎君) 佐藤君、もう一度。
○佐藤正久君 八年前、八年前の今日です。(発言する者あり)分からないなら分からないでいいです。
○国務大臣(玄葉光一郎君) ちょっとごめんなさい、今すぐ思い出せません。
○佐藤正久君 八年前の十一月二十九日、これは奥克彦大使と井ノ上一等書記官がイラクで凶弾に倒れた日です。お二人の葬儀は西岡前参議院議長と同じように青山斎場で行われました。私も制服を着て参列しましたけれども、あの日のことは一生忘れることはできません。彼らと話をし、イラクでの復興を誓い、そして再会を期し、別れて五日後の事件でした。 実は、外務大臣、アフガンでも日本のODAに携わった現地の方が私が知っているだけでも武装勢力の攻撃に遭って約三十名亡くなっています。日本のODAに関与しなければ命を落とさなかったかもしれない。 また、一川防衛大臣、大臣にも家族がおられるように隊員にも家族がいるし、やっぱり現地の方にも家族がいるんですよ。 防衛大臣、今回の東日本大震災の災害派遣中に何名の隊員が命を落とされたか知っていますか。
○国務大臣(一川保夫君) 三名だというふうにお聞きしていますけれども。
○佐藤正久君 後ろの秘書官から三名三名って指さされて答えるようでは駄目で、自分で押さえてちゃんと答えないと駄目ですよ。 大臣、そして、今までイラクとかカンボジアやあるいはゴラン高原と、一人の犠牲者もまだ自衛隊は出ておりません。じゃ、なぜ今回の災害派遣で三名の隊員が犠牲になったというふうに思われますか。
○国務大臣(一川保夫君) 質問の趣旨がちょっとはっきり分からなかったんですけど、その亡くなった理由でしょうか。(発言する者あり)災害派遣で。 この三人の亡くなった原因というのを私は詳細には覚えてはおりませんけれども、津波で亡くなった方もいらっしゃるというふうには聞いておりますが、やはりそういった災害の救助等の理由が全て原因だろうというふうに思っております。
○佐藤正久君 大臣、このぐらいのことが分からないで、隊員を今度南スーダンの方に派遣する、これはやっぱりおかしいんですよ。 なぜかというと、一つの例で言うと、イラクとかほかには健康体を送っているんですよ。今回の災害派遣、日本の防衛をやりながら十万規模やる、そうなると、そういうちょっと持病を持っているとかそういう方も、そんな余裕なかったんですよ。そういうことも考えながらやっぱり命令をする。十万人とはどういう意味かと考えないといけない。南スーダンへの派遣、これはどういうことかということも、やっぱり大臣が隊員の命を預かっているわけですから考えないといけない。そういうこともやっぱり基本なんです、これは隊員の命を守る大臣として。 だからこそ、産経新聞にあんなふうに書かれちゃうんです。隊員の士気をそぐ一川防衛大臣、幕僚長に丸投げとか、あんなふうに書かれてしまう。二十五日、南スーダンPKO、これの司令部要員の総理報告や防衛省での壮行行事があった。当初は何か政務三役誰も参加する予定がなかった。産経新聞の厳しい指摘を受けて、ああいうふうに書かれたらやっぱり出ないわけにいかないと思いますよ。結果的に副大臣が参加をされたと。そこで、副大臣は隊員等に、派遣については最終的には政治が責任を取るという旨の発言をされました。 防衛大臣、防衛大臣も副大臣同様、政治が責任を取ると、同じ思いでしょうか。
○国務大臣(一川保夫君) 私も全くそのとおりですし、当日、私は隊員の方には辞令を交付し、本人と懇談をして、激励をさせていただいております。
○佐藤正久君 それは、大臣今言われた、政治が責任を取ると、どういう意味でしょうか。
○国務大臣(一川保夫君) そのときの状況というのをちょっとまだどういう状況かということを想定してはおりませんが、私は、やはり政治家というか、私自身が派遣命令を出した以上は、そのいろんな結果のことについてはしっかりと政治的にその段階で判断をしてまいりたいというふうに思っております。
○佐藤正久君 じゃ、大臣の言う政治というのは、自分の政治家という意味なんですか。政治が責任を取る、その政治というのはどういう意味か、その責任というのはどういう意味か、もう一度明快に、自分も同じ思いだと言われた以上は、そこの政治というのはどういうことなのか、政治家、自分のということを政治と言っているのか、責任とは何なのか、もう少し明確にお願いします。
○国務大臣(一川保夫君) 私自身は、そういう自衛隊を指揮する責任者でもございますから、そういう立場にあるということをしっかりと自覚いたしておりますので、そういう結果については指揮者としてのしっかりとした責任を取りたいということでございます。
○佐藤正久君 責任というのは、起きたものに対しての責任だけではなくて、派遣前の責任もあれば、派遣中の責任もあるし、派遣後の責任もあるんですよ。何かあってからの責任というのを多分副大臣は言ったわけじゃないんですよ。 政治が責任を取る、その政治というのは、当然政治家としての政治もあるでしょう、あるいは野田政権としての政治という側面もあるでしょう。本当は国会もあるんですよ。国会としても、国会も政治ですから、国会も責任を本当は取らなきゃいけないんですよ。ところが、まだ一度もまともに南スーダンPKOの審議をこの委員会でやっていない。それ、本当に政治が責任を取ると、そういうふうにならないんですよ。 実際、防衛大臣も野党時代、国際貢献、国連PKOを派遣する前には国会でしっかり議論をすべきだと言われていますよね。その思いは一緒じゃないんですか。もう変わったんですか。どうですか。
○国務大臣(一川保夫君) それは、私自身も今おっしゃったことについては同感でございますし、基本的には、国会の中の審議をどういう形で行うかということは、国会の中で決めていただければ、それに我々はしっかりと対応したいというふうに思っております。
○佐藤正久君 大臣はしっかり国会の方でやっぱり議論すべきだと、そういう思いを持っていると今明言されました。 やっぱり国会がここはしっかり議論しないと、政治的に責任を取るといっても、それは国会の方も国民の代表として責任取れないんですよ、まともに議論していないわけですから。議論せずにもう派遣命令をどんどん出していく、これはやっぱりおかしいわけで。 委員長、これはまた繰り返しになりますけれども、この外交防衛委員会で南スーダンPKO派遣前に、やっぱり政治の責任として集中審議をすべきだと思います。 これは、委員長としても立場上、ここで全然審議をせずに政府がどんどん派遣をする、これは不同意だと思いますよ。やっぱりここでしっかりと議論を踏まえて、そしてただすべきところはただし、応援すべきところは応援しながら、そしてしっかりとみんなの、派遣隊の背中を押してやる、これが私は大事だと思います。集中審議の開催を改めて求めます。
○委員長(福山哲郎君) 現在も筆頭理事間で協議をいただいているというふうに認識をしておりますし、一般質疑の場もございますので、別にその審議を否定しているわけではありませんので、理事間で協議をしていただくつもりです。(発言する者あり)不規則発言はお慎みください。
○佐藤正久君 委員長、ここはしっかりと、やっぱり改めて集中審議をやるということが大事だと思います。 大臣、防衛大臣、いいですか。さっき言ったように、やっぱり責任というのは派遣前、派遣間、派遣後もあるんですよ。実際、今回災害派遣の最中に新婚三週間の二十代の隊員が亡くなったんです。その奥さんの生活設計、防衛省はどういう形で応援したか、大臣、御存じでしょうか。知らないなら知らないで結構です。
○国務大臣(一川保夫君) その話は細かく私は承知しておりません。
○佐藤正久君 結局、防衛省ではなく協力団体が面倒を見たんですよ、奥さんの再就職を。やっぱり、政府の、国の命令で災害派遣に行った、そこで亡くなった。だったら、新婚三週間ですからね、若い奥さんに対してのその設計というものを、本来は政治の責任と、そこの中でしっかりと対応すべきだと私は思います。そういうことがやっぱり大事なんですよ。 いろんな面で、この辺で、やっぱりこのPKO派遣前に、いろんな議員の経験ありますから、いろんな角度からやっぱり遺漏なきように体制を取る、これが本来の筋だと思います。この件については後ほどまた機会を改めて議論を深めていきたいというふうに思います。 それでは、ペルーとのEPA条約について質問をいたします。 まず、このEPAとTPPとの関係です。外務大臣に確認する前に、一川防衛大臣に確認します。ある国が日本とEPAを結んでいる。後にその相手国がやっぱり日本と同じようにTPPに入ったとします。そうした場合、ある品目で関税がTPPとEPAで異なっている、どっちを優先するというふうに大臣は考えますか。
○国務大臣(一川保夫君) ちょっと事前にそういうお話はございませんでしたけれども、まだ私自身も、その辺りのことについてはいろいろと自分なりにまた整理させていただきますけれども、今ここでちょっと即答はしかねるというふうに思っております。
○佐藤正久君 大臣、これは質問通告しているんですよ、ちゃんと。防衛大臣、書いていますから、渡した紙持っています。 要は、やっぱり一般国民も分からないんですよ。国務大臣の防衛大臣がTPPと二国間の経済連携の関係について今まだ分からない、これから整理をしたいという状況、国民はもっと分からないですよ。 今回、ペルーというのは、まさにこのEPAを日本と結ぶ。また、ペルーはTPP参加国なんです。じゃ、その品目で、どっちが優先するんだと。例えば、今回のこの協定では、鳥肉とかあるいはトウモロコシ、これはゼロじゃないんですよ。防衛大臣、ゼロじゃないんです、今回。関税がやっぱり残るわけですよ。ところが、TPPの方で、この関税とEPAの関税と違った場合どっちを優先するか、これは考えないといけないんですよ、どうするか、整合性も。これについてはやっぱりみんなが分からないんですよ。じゃ、この関係どうなんだと。 先ほども質疑ありましたけれども、玄葉大臣、例えばこのEPA、鳥肉あるいはトウモロコシ、関税ゼロになりませんよね。TPPの関係、関税が違った場合、これはどういうふうにこれを整合していくんでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 結論だけまず冒頭申し上げると、結局、仮定の話ではあるんですけれども、TPP協定がどういう中身になるか、そういった中身に従って、一言で言えば、最終的に調整規定を二国間で協議をして置かなければならないと、その適用関係について。そういうことになるだろうと思います。 そのときに、やはり、当然、先ほど猪口先生がWTOプラスという言葉を使われましたけれども、結局TPP協定交渉の内容がどうなるか次第ですよ。つまり、二国間にとって、お互いにとってプラスであるという内容だったら当然そういう調整規定を置くだろうというふうに推測されますけれども、これは全くまだ仮定の話であるということでございます。
○佐藤正久君 ということは、EPAの方が優先されるために調整規定を置くという可能性もあるということですね。
○国務大臣(玄葉光一郎君) ですから、そこは、まさに調整規定ですから、可能性としては排除されていません。
○佐藤正久君 ということは、EPAをどんどん自分たちの都合がいいように先に結んでおいた方が、TPPにまともに交渉する前に、得な場合もあるということですよね。
○国務大臣(玄葉光一郎君) そこも否定しません。 ですから、まさに今回こうした形で提案させていただいているというのは、先ほど猪口先生のときも申し上げましたけれども、TPP交渉そのものがまだ分からないんですね、いつ妥結するかが。ですから、そういう状況の中で、例えばお隣の韓国は、韓国とペルーのもうEPA協定があるわけですよ。そうすると、スピード感を持ってこちらも対応していかなきゃいけないということなので、これは相反するものではなくて、佐藤委員もこれは同様の考えだと思いますけれども、EPAとマルチの協定というのはある意味並行して進めていくべきものであるというふうに考えています。
○佐藤正久君 であれば、やっぱり二国間のやつをどんどん先にやった方がいいと言う人たちの主張もやっぱり理があるんですよ。いきなりTPPよりも、二国間でもう連携協定もっと結ぶ、それからTPPをという話もある。だから、そういう部分を、やっぱり国民分からないんですよ。防衛大臣、閣僚の防衛大臣ですらまだそこが整理できていないという話ですから、みんな分からないんですよ、どういう協定になるか。 ましてや、これから、谷岡委員からもあったように、これは交渉始まるわけでしょう、どうしても、TPPについて。国民が、野田政権のやっぱり情報についてちょっと違うなと多くの人がこれから思うことは、今まで交渉に入っていなかったから情報がなかなか入りませんでした、だから十分開示もできない、限界がありましたと。でも、今度交渉に入ったら、逆に出せないという部分はいっぱいあるんですよ。一般国民は、今度交渉に入ったら情報が出るというふうに思っている人いっぱいですから。 今言ったように、二国間でまず交渉、物すごい、多分物すごい命懸けの交渉が始まるんでしょう。TPPは基本的に関税ゼロですから、そこに調整規定設けるために二国間で物すごい調整をやる。そのときに、日本とペルーの交渉過程がばれてしまったら、ほかに、やっぱりいい交渉できませんから、当然出せない。 ということは、結果的に、これからセンシティブ、規制品目とかあるいは関税率、あるいはその関税について、EPAとTPP、どっちが重視するんだという情報は出せないということなんです、決まるまでは。いいですか。規制品目がどうなるのかとか、その関税が何%にTPPなるか、あるいはそのEPAとの調整規定どう置くかと、この辺りは決まらないと出せないんですよ、交渉過程で出したらみんなばれちゃいますから。そうでしょう。そこの部分を正直に言わないとみんな勘違いする。もうこれから情報がみんなどんどん、規制品目がどうだ、出ると思っているんですから。そこは今から修正しないと大変なことになりますよ。
○国務大臣(玄葉光一郎君) この場でもたしか申し上げたかもしれませんけれども、例えば、現在、情報収集を既に交渉に参加をしている国々からしているわけですね。それは佐藤委員が言われるように、実際に、じゃ、ドラフトをくれと言うと、やっぱりどの国も申合せをしていてドラフトはくれません、だって毎日変わっているわけだから。ですから、一方で、一つ一つの情報を断片的につなぎ合わせて、しかも複数の国から情報収集していますから、それを整理して我が国としては皆さんに提供しているというのが現状です。 それで、おっしゃるように、事前よりも交渉の方が確かに出しにくい情報というのは出てくるように私自身も感じていますので、先ほど谷岡さんから質問いただいたときにそういうことを申し上げたということです。 それと、EPAとTPP、もうこれは決して相反するものではありません。ある意味補完していくものであるというふうに思いますので、TPPについても特にちょっとお考えいただきたいと思うところは、事前の調整でも交渉でも勝ち取るべきものは勝ち取り、守るべきものは守る、両方あると思います、それぞれにおいて。ただ、TPPという性格上、交渉に入るに当たって参加国の同意を得なきゃいけないということがあって、つまり、交渉で勝ち取るべきものというのがかなり出てきますよと。逆に言うと、交渉に入ったら、情報として出すか出さないかはともかくとして、我々が堂々と主張をすることができることが可能になるものもかなり出てくるのではないか、今は申し上げられませんけれども、交渉に入ったらはっきりと明確に主張することができるものというのは出てくるのではないかというふうに思います。
○佐藤正久君 情報はやっぱり出せない部分ってあるんですよ。そこはちょっと、今までの政府の説明ぶりだと、こんなにあたかも情報がいっぱい入るような、規制品目がどうなるかなんて、それは出せないですよ、決まるまでは。だって、このペルーのEPAだって規制品目、米とか麦とかいっぱいあるわけです、農業関係は。これがTPPで外れるかもしれないし、こんなの分からないわけですから。そこはしっかりやってもらいたいと。 もう一つ、このTPPのような経済連携、地域の経済連携は、安全保障の地域連携とも、これはもう外務大臣御存じのように表裏一体なんですよ。防衛大臣、ここは非常に大事なポイントで、今回、豪州にアメリカの海兵隊が駐留始まる、これはやっぱり米豪関係にとって非常にプラスで、これはある意味、これからの地域内の安全保障連携、地域連携にとっても非常に米豪にとってはプラスだと思うんです。今回、海兵隊が豪州に行く、これはよく言われるように中国の、どうしてもA2AD戦略、これに対抗するためにはミサイルの射程外から戦力を投入する必要がある、これがダーウィンだとそれは中国のミサイルの射程外なんです。ということもあってこちらに置いたというふうに言われています。 防衛大臣、ところが、沖縄の地政学的価値がやっぱり昔と変わってきているんですよ。以前は中国の装備がいまいちだったがゆえに、ちょうどうまい具合の距離、遠過ぎず近過ぎず、台湾海峡にもあるいは朝鮮半島にも遠過ぎず近過ぎずのいい距離であった。ところが、やっぱり中国のミサイルの射程内という事実がある。となると、やっぱりそこは近過ぎるという側面もある。だからこそ、グアムの方に戦闘部隊を持っていったらどうだとか、エアシーバトル構想が出てきたり、あるいは今回の、まさに射程外のダーウィンに海兵隊を置いて、そこから戦力を投入するというふうになっている。 ところが、今回の防衛省の作った中期防衛力整備計画になると、沖縄にF15の飛行隊、今一個あるのを今度更に二個飛行隊にするんですよ、全くアメリカがやるのと逆で。戦闘機というのは地上にいるときが一番弱いんですよ。いざというときにほかから沖縄の方の嘉手納とかあるいはいろんなところに戦力を集中すればいいのに、初めからわざわざ二個飛行隊を置く、これはやっぱり逆なような気がするんですけれども、防衛大臣、いかがですか。
○国務大臣(一川保夫君) 我々は、昨年末の大綱、中期防の考え方の内容に即して今予算要求もさせていただいておりますし、そういうことで、我が国の安全保障の任務をしっかりと果たしてまいりたいというふうに思っております。 今、先生がお話しの米海兵隊のオーストラリアにローテーション的に駐留するというような話題も、我々は当然関心は持っておりますけれども、その問題と直接、在日米軍との関係がどうなるかということは、我々は今そういう関係はないというふうにアメリカ側からの説明を受けておりますので、従来の日米合意の線に沿ってしっかりとした対応をしていきたいと、そのように思っております。
○佐藤正久君 飛行隊を一個から二個に置く、これは日米、関係ないんですよ。航空自衛隊の飛行隊を増やすというだけの話なんですよ。それを何でわざわざ近い方に持っていくのか。本州の方に置いておいて、そこからいざというときに展開できるような基盤をつくった方が何ぼかいいと思いますよ。だって今、沖縄は滑走路一本ですよ。すごく混雑しているじゃないですか。 そういうことも真面目に考えないと、机上の空論だと大変なことが起きてしまう。大綱が、動的防衛力ということで、少しでも動きを見せたいということで前線に近づけたと思うんですけれども、防衛大臣、防衛力って元々動的なんですよ。動的でない防衛力、あると思いますか。
○国務大臣(一川保夫君) それは、従来、基盤的防衛力と言われた時代からもう当然その動的な、そういう考え方というのは私はそれはあっただろうというふうに思います。今回は、そこをもっと運用面に重視した、そういう動的防衛力というところにシフトした考え方を取り入れたというふうに聞いております。
○佐藤正久君 聞いているんではなくて、もう大臣なんですから、自分でこうだと言わないと。 動的防衛力のネーミングですけれども、防衛力って元々動的なんです、動かして何ぼですから。一緒にいたってそれは意味なくて、戦力集中するのは当たり前の話なんですよ。そこについてはまた今度、大綱、中期の議論のときに深めますけれども、そういうことを考えた上で、おかしいところは見直さないと。むざむざやられてしまってもいけないんです。 時間がありませんので、最後に外務大臣、日韓図書協定についてお伺いします。 この協定からすると、十二月十日ごろまでに返さないといけないという話になっていますけれども、もうあと二週間を切りました。十二月十日ごろまでに残りの千二百冊、韓国の方に渡すんでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) ちょっと手元に資料ございませんけれども、基本的に、十二月十日というのはこれは法律の期限になっているものですから、十二月十日の期限までに引渡しを行うと。これは菅内閣のときにできているというふうに思いますので、そのようにするための調整を今しているということでございます。
○佐藤正久君 肝心の外務大臣がまだ分からないと。もう二週間を切っているんですよ、報道ではもう間もなくだという報道もあるように。 でも、本当に今引き渡していいのか。外務省のペーパーがここにありますけれども、この目的は、日韓両国、両国民間の友好関係の発展に資すると。全然今の状況は発展していないじゃないですか。この前、またあの竹島でコンサートをやったり、あるいはファッションショーをやったり、あるいは今度は防波堤を造るというような入札の情報も出たり。それに対する韓国の政府の対応、日本政府の関知するところではないと。武藤大使が言ってもほとんど無視されてしまう。 こういう状態で本当に今渡していいのか。ましてや、野田総理が五冊わざわざ持っていったのに、ほとんどそれについて感謝の言葉もなく、逆に宿題を負わされた。まだまだ日韓関係にはいろんな懸案事項があるから、それを解決するのはあなたの仕事ですと、宿題をもらってきているんですよ。善かれと思って持っていったのが、逆に宿題をもらう。 これはやっぱりおかしいですよ。本来、文化協力というのは互換主義ですから、うちだけ一方的に渡して向こうからもらわない、これもおかしいし。そもそもフランスは、同じ朝鮮王室儀軌、武力で奪ったんですよ。それを、返すのではなくて、国有財産だからフランスは返さないと、もう俺のものだから。貸与すると、五年間付きの貸与すると。そのときに、その返したときに、韓国の大統領夫妻まで来て大歓迎会ですよ。何で日本の総理が行ったときにはほとんど無視なんですか。やっぱりおかしいでしょう、これ。 そういう状況で本当に今返していいのか疑問だと思いますけれども、大臣、本当に今、今回返すことが、この外務省が言っている日韓両国、両国民間の友好関係に発展に資する、私は今そういう環境にないと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) これは、御存じでおっしゃっているわけでありますけれども、菅内閣のときに談話を出してこのようにしたわけでございます。 他方、やっぱり韓国との関係というのは戦略的な利益を私は非常に共有しているというふうに思っています。確かに領土問題あります。この間の件もやはり受け入れられないものは受け入れられないとはっきり言いますし、この間、APECでも、あの音楽祭のことについて、私、わざわざ金星煥長官に声掛けて、受け入れられないと抗議をしましたけれども。領土問題ありますけれども、やはりこの日韓の関係というのは、やはり重層的なものであるという大局的な観点も含めてトータルに物を見ながら、しかし、おっしゃるように、局地的なことは局地的なことでありますので、しかし同時に、約束したことは約束したことで守っていくということも一方で必要だと私自身は考えています。
○佐藤正久君 終わりますけれども、日韓関係は大事だとみんな分かっていますよ。でも、領土問題は局地的な問題ではありません。それは外務大臣としての発言として極めて不適切ですよ。局地的じゃないですよ。 これは、またそもそもここまで今おかしくなっているのは、野田総理が日韓首脳会談で領土問題、竹島に一言も触れなかった、これが向こうの今態度が更に硬化している原因だと思うということを指摘させていただきまして、私の質問を終わります。 ありがとうございます。
○島尻安伊子君 自由民主党、島尻安伊子でございます。 まず、条約についての質問をさせていただきます。日・ペルーEPAにおいてでございます。 ペルーの輸出先のうち日本の占める割合は五・一%で、第五位だということでございます。フェレイロス・ペルーの通商観光大臣によれば、本協定の発効で対日輸出が更に二、三〇%、その程度増加の見込みであるということでございます。一方で、日本の輸出先に占めるペルーの割合は〇・一%でございます。 本協定の発効で貿易拡大など日本への経済効果についてどのような試算を出していらっしゃるのか、まずお答えいただきたいと思います。
○副大臣(山根隆治君) 日本・ペルーのEPAの経済効果といたしましては、基本的に関税の撤廃、削減に伴う我が国からペルーへの物品の輸出促進が期待されているわけでありますけれども、特に我が国の対ペルーの輸出は六割以上が自動車が占めております。このうち中古車には九%の関税が掛かっているわけでありますけれども、日本・ペルーEPAの発効によりまして、これが四年間で撤廃をされるということから、大きな輸出効果が期待がされるということになっているところでございます。 また、中間財の関税削減によりまして、現地に進出をしております日系企業の工場が日本からの部品等の調達を下げることになると、そういうことが可能になるということであります。さらには、政府調達、知的財産権等に関するルールの設定により、現地に進出をしております、またあるいは今後進出していく日系企業の投資環境が改善をされるということになってくると思います。 先ほど、ちょっと私の発言の中で中型車を中古車と発言をしたようでございますので、中型車が九%税金が掛かっているということの間違いでございます。よろしくお願いします。
○島尻安伊子君 試算ということで、試みだということでございまして、そのとおりになるかどうかこれから注目視していかなければならないことでございます。 何が言いたいかといいますと、実は、事実、今回このペルーということでいろいろお聞きをしている中で、ペルーでは既にデジタルテレビ放送の日本方式ということで導入がもう決まり、それが実行されていると、しかしながらペルーでは既に韓国のメーカーが家電市場を席巻していると。つまり、せっかくそのデジタルテレビ放送の日本方式というのが導入されてこれはビジネスチャンスだということではあるんだけれども、韓国メーカーが既にもう入っていっているわけでありまして、今後、本協定の発効を契機として官民連携した取組をすべきだというふうに考えておりますけれども、今日は総務省政務官がお答えいただけるというふうなことでございますので、その取組について御答弁をいただきたいと思います。
○大臣政務官(森田高君) お答え申し上げます。 おかげさまで、地上波デジタル放送を世界十二か国で現在展開させてもらっております。その中で、今御指摘いただきましたように、ペルーのみならず世界的に韓国のテレビメーカーが市場シェアを拡大しているということは現実でございます。 ただ一方で、日本のメーカーから見ましてもこれは大変なビジネスチャンスになっていることは間違いありませんで、例えば日本の主力メーカーにおいては、この五年間で出荷台数は約八倍になっているところであります。そして、韓国のメーカーがシェアを伸ばしておりますが、中に入っている部品だったり、あるいは細かいチップだったりするものはメード・イン・ジャパンが使われていることも大変多うございますので、韓国メーカーのシェアが伸びるということと日本のいろんな部品メーカーの売上げということでは、決して、何というか、二項対立で衝突するものではないということも確かだろうというふうに思っております。 同時に、放送機器においては日本製の機器が圧倒しております。これは、この五年間で約十倍に放送機器の出荷高は伸びておりまして、今後更に内陸部とか人口の少ないルーラルエリアに対して地上波デジタル放送が展開されるにおいて更に拡大していくことが見込まれますので、今次のEPAの発効に関しても自分たちは大変期待しているところでございます。 いずれにいたしましても、こういったところをしっかりと手当てしていく中で大事なことは、初期段階から、放送方式を、今十二か国でやっておりますが、更に広げていきたいと思っております。そのことでまずマーケットが広がるということ、そしてそれと同時に、いろんな放送方式の展開の初期段階からメーカーが、官民でかかわっていくということにおいていろんな機会が出てくると思っております。同時に、あと、コンテンツに関しても輸出できるように総務省として支援してまいりたいと思っているところでございます。
○島尻安伊子君 丁寧な御答弁をいただいたと思います。漁夫の利を与えないようなきちんとした取組というのが必要だと思いますので、引き続き頑張っていただきたいというふうに思っております。 先ほどからTPPの話も出ておりますが、先日、APECの首脳会議の際にペルーのウマラ大統領との会談で野田総理は、このTPP協定の交渉参加に向けた協議を開始するということの意向を伝えたということでございますけれども、ペルー側の受け止め方はどうだったのか、ペルー側からの日本の交渉参加の同意に対しての見通しは立っているのか、お答えいただきたいと思います。
○副大臣(山根隆治君) 今御指摘がございましたように、ウマラ大統領の方からお話がございまして、ペルーとしては日本との協議には協力したいというはっきりとした旨の御発言がありました。 今後、交渉参加に向けたペルーを含む関係各国との協議を通じまして、各国が我が国に求めているものについて更なる情報の収集ということに努めてまいりまして、十分な国民的な議論を得た上で国益の視点に立ってTPPについての結論を得ていくという方針でございます。
○島尻安伊子君 先ほどからのちょっと大変深まってきたかなというふうな思う質問と答弁からはちょっと懸け離れた、元に戻してしまうような今御答弁だったかなというふうに思いますけれども。 今、ちょっと日・ペルーのEPAについての御質問をさせていただいているわけでございまして、ペルー側の受け止め方はどうだったのか、あるいは各国からの日本への印象というのをきちんととらまえた中でのきちんとした対応をやっていただきたいというふうに思っております。 日・メキシコの方に移りたいと思います。 日・メキシコEPAの発効後、メキシコへの日系自動車メーカーの進出や事業展開はどの程度進んできたのか、また、今回の改正議定書における一部の自動車部品の関税の撤廃の前倒しによって、今後メキシコを拠点とした北米あるいは南米地域への自動車輸出がどの程度促進されると考えているのか、御答弁をいただきたいと思います。
○副大臣(山根隆治君) 二〇〇五年のEPAの発効後、一時リーマン・ショックの影響がございましたけれども、その後メキシコに生産拠点を持っている自動車メーカーの生産台数は、日産、ホンダ、トヨタでそれぞれ生産台数は拡大傾向にありまして、今のところ順調にその業績を残しているという実態がございます。 そして、今回の改正によりまして自動車部品の関税撤廃の時期を早めるということに伴いまして、日本からの部品の調達を当然下げることができるわけでございまして、これによりまして、NAFTA加盟国であるアメリカやメキシコ、EPAを有するEUと比べて日本企業は劣後しない競争環境が整備されるというような認識を持っておりまして、さらに、メキシコが有する南米諸国とのEPAも踏まえまして、北米、南米地域への自動車の輸出が一層促進されるものと期待をいたしております。
○島尻安伊子君 ちょっと時間の都合上、次に移らさせていただきたいというふうに思っております。 この度の地位協定、地位協定のその運用の改善ですね、先ほどから話題に上っているわけでございます。このことについて玄葉大臣の率直な感想をお聞かせいただきたいと思います。率直なことということで短めにお願いをしたいというふうに思います。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 私がこの事案について報告を聞いたときに、これでは良くないということで強い問題意識を持ちました。 今回の新たな枠組み合意というのは、一定の前進というふうに、私としてはそれができたのではないかというふうに思っているところでございます。
○島尻安伊子君 大臣、今回のこの運用の改善、沖縄の基地負担軽減の観点でとらえていらっしゃるということでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) というより、沖縄に私自身が訪問を最初にさせていただいたときに、基地の問題、そして事件・事故、騒音、環境、この問題について可能な限り一つ一つ解決をしていきたいというふうに申し上げました。また、知事とお会いしたときに、結局沖縄の基地問題の半分は事件・事故、環境、騒音なんだと、こちらにもしっかり力を入れてくれと、そういう要請をいただいたところであります。 また同時に、初めて沖縄を外務大臣になって訪ねたときに、沖縄市の方々から今回の一月の事故の問題についてアンフェアであるという話を強くいただいたところでありまして、これについて何とかならないかということで私たちなりに微力を尽くしたと、懸命に取り組んだということでございます。地位協定室、特に頑張ったというふうに思います。
○島尻安伊子君 大変頑張っていただいたということには一定の評価を私もさせていただきたいというふうに思っております。 しかし、一歩進んでなのか、それよりも基本に戻ってというふうに言った方がいいのか分かりませんけれども、この地位協定の問題というのは、あるいはここから来る沖縄の不公平感、アンフェアだという今大臣のお言葉にもありましたけれども、これが沖縄の問題だ、だから解決しなければならないという認識は私はちょっと違うのかなというふうに思っております。 先ほど知事のお話もあった沖縄の基地問題、半分は事件・事故なんだというふうなことをおっしゃっておりました。確かに沖縄に駐留する米軍人軍属の数が多いということで、関連事件あるいは事故の数が、あるいは発生数が多いというのはこれはもう数的には当然の話であります。つまり、さらに、被害者はだから沖縄県民だということになるわけでありますけれども、しかしながら、これはあくまで日本人の人権の問題、基本的人権の問題であって、日本全体の問題なんだという、まずはその観点に立ってこの地位協定の改善あるいは改定、あるいは運用の改善ということを考えていただかなければならないんだというふうに思うわけなんです。 何度も申し上げますけれども、今回の枠組みができたということに関しては評価をしたいというふうに思っております。先ほど猪口先生からもございました。しかしながら、まだまだだということも申し上げなければなりません。なぜなれば、これは公務中の犯罪の一次裁判権はあくまで米側にあると。米側が刑事訴追を選択せず、なおかつ日本側の裁判権の行使要請に好意的考慮を払うという場合にのみ日本国内で刑事訴追できることになっているわけでありまして、米側の裁量に委ねられているという点、しかも軍人の犯罪に関しての改善は全く入っていないわけでございまして、これではまだまだだというふうな声があってもこれは私は仕方がないというふうに思います。 今回、軍人についての処分関連は全くテーブルにのらなかったんでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) まず一つは、米国の裁量がどこまで働くのかということにつきましては、先ほども申し上げましたけれども、特に好意的考慮の部分について申し上げれば、今回の一月のような、ああいう事故に当たっては今後も日本側が裁判権を行使できるものというふうに思います。 その上で、軍人が俎上に上ったかと言われれば、これは上らなかったというふうに申し上げなければならないというふうに思います。
○島尻安伊子君 ちょっと細かくまたお聞きしたいと思うんですけれども、今回の枠組みで日本側で軍属を刑事訴追する場合、被害者への通知や国民への公開というのはどのような形で行うんでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 事務レベルじゃ駄目ですか。
○島尻安伊子君 結構です。
○委員長(福山哲郎君) 済みません、参考人登録しておりませんので、外務大臣、事務方から報告を受けてお答えください。
○国務大臣(玄葉光一郎君) ちなみに、御案内のとおりアメリカ側が第一次裁判権を持つというのは、いわゆる専ら犯と公務中、そしてそれ以外は日本が裁判権を持つというのは御案内のとおりでありまして、今のお話はその通告の仕方ということでありますが、ちょっと今手元にいただいたものをそのまま申し上げれば、今回合意された枠組みの下では、米軍属による公務中の犯罪について、専ら米軍人等に対する罪を除き、米側が取った処分結果について日本側に通告されるようにしたところであります。 これら米軍属による公務中の犯罪以外のものについては、一九五三年の日米合同委員会合意により、米軍人軍属に対して米側にて裁判が行われた場合の裁判の最終の結果は、日米合同委員会を通じて我が国政府に通報されることとなっていると。裁判の最終の結果以外の処分結果につきましても、日米合同委員会を通じて自動的に通報される仕組みとはなっていないものの、検察当局からの照会に応じて米軍当局から回答がなされているものというふうに承知をしているところでございます。 もしかしたら、島尻委員の御関心はこの通報の、最終的な結果の通報の仕組みなのかなというふうに考えますが、今申し上げたとおりでよろしいでしょうか。
○島尻安伊子君 大臣おっしゃるように、今の答弁の云々ということは抜きにしても、おっしゃるとおり、被害者への通知制度、システムというのが確立されていないというのは、これはもう大変な問題だと思っております。 後でちょっと触れようと思っておりましたけれども、軍人軍属と、軍人も含めた中にありますので申し上げますと、例えば軍法会議にかかった後、その結果を知らせるという義務はあるんですけれども、例えば規律等々で懲戒処分になった、そういった処分が下された後、それに関しては通報する、その結果を報告する義務は全く今ないわけであります。大臣おっしゃるように、やはり被害者に対してのその処分結果の通知というのは、これはもう当然のことだというふうに思うわけでございます。ちょっとこれは後ほど触れさせていただきたいと思いますけれども。 今回の新しい枠組みができたということで、過去に遡って日本側で裁判権を行使したいと要請すべきだというふうに思っております、時効が残っている犯罪に関してなんですけれども。ちょっと法務省の方からこれ御説明をいただけますでしょうか。
○政府参考人(甲斐行夫君) 御質問の趣旨は、過去の事件についてということでございますけれども、今回の合意は、お尋ねの今年一月の沖縄市の交通事故を含めて、合意成立後に発生した事件を対象とするということで合意されたものというふうに理解をいたしております。
○島尻安伊子君 これ、きちんと通告しているんですけれども、もう時間も限られていますから、ちょっと本当に時間無駄にしたくないというふうに思っております。 そもそも、今回の枠組みがなくても、例えば日米地位協定十七条三項の(c)という中で、日米双方は相手国に裁判権を放棄するよう要請できるとの規定があるので、米側で刑事訴追できていない事実を指摘すれば、事故のたびに米側に裁判権を放棄するよう要請できるのではないかという指摘もあるわけでございます。 そこでお聞きいたしますけれども、二〇〇六年九月以降、公務中の軍属が刑事訴追されず、懲戒処分か処分なしで処理されてきたという異常な事態を把握しながら、なぜ米側にこの裁判権放棄を要請しなかったのか、お聞かせいただきます。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 私が先ほど申し上げましたけれども、率直に申し上げれば、この報告を聞いて、これはいけないのではないかという問題意識を持って今回取り組んだというのがもう率直なところでございます。 基本的に、新しい枠組みについては今後発生する事案ということでありますけれども、本年一月の沖縄での交通死亡事故につきましては、現在に至るまで事案への対応手続が進行中であるということで、この枠組みによって処理をするというふうにさせていただいたということでございまして、沖縄に参りましたときにも遅きに失したのではないかという指摘をいただいたところでありますけれども、二〇〇六年以降、恐らく私はそれぞれの方々が一定の取組をされてきたのではないかというふうに思いますけれども、まさにそういう問題意識もあったから、今回更に何とか解決をしていこうということで取り組んだということで御理解いただければと思います。
○島尻安伊子君 今日の御答弁いただいたことで、やはり大臣あるいは関係者の皆様が、今回のその運用の改善に関しては、沖縄市の事案に合わせて何とかしようと思って一生懸命やられたことなんだなというふうに思いました。 ですから、先ほども申し上げたとおり、根本的に地位協定というものがあって、沖縄あるいは日本で起こる米軍人軍属による事件・事故に対してどのように深い影を落としているのか、ここに国民としてどのようなフラストレーションを感じて、だから改善せよというふうに言っているのかという大臣の御認識、改めてこれはお考えいただかなければならないんだというふうに思いました。 ある意味、沖縄市で起きたその事案に関しての対処方法が、新たな道筋ができたということで、これはもちろん改善したということで前進だということは言えるわけでありますけれども、どうか、先ほどからもありますように、これは一歩かもしれない、半歩かもしれませんけれども、この認識を新たにしていただく中で、この地位協定の、何というんでしょうか、これからの改善、正しい方向に向けての改善を大臣、もう一度また考えを深めていただかなければならないというふうに思います。 その中で申し上げたいわけですけれども、二〇〇八年にうるま市で発生した米海軍所属の女性軍人による、軍人です、による死亡事故がございました。対向車線に突っ込んでバイクの男性を死亡させたにもかかわらず、過失なしとして刑事罰が科せられず、処分内容も公表されていないという報道がございます。この事実関係と、その後米国からの通報があったのかどうか、お聞きをしたいと思います。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 二〇〇八年のうるま市での事案ということでありますけれども、これは米側によれば、個人情報保護法により懲戒処分の内容については対外的に明らかにすることはできないということになっております。 それで、先ほど御指摘があったように、いわゆる被害者等に通報されるようなルールを作るということについては、実は私自身も今問題意識を持っています。それで、何とかならないものかと思っていて、今後の検討課題として取り組んでいるということを申し上げると同時に、沖縄の今回事例から適用ということでありますけれども、それは、在日米軍は日本全国ございます。主権そのものの確かに問題であるという認識は、私自身この間も持ってまいりました。だから、岩国云々とか、こういろいろな話にもなるんですけれども、ただ今回は、普通はなかなか簡単に遡及できるものではございません。ただ、沖縄の事案はまさに進行中であったということで、何とか沖縄の事案から適用できるようにということで今回の日米交渉をまとめたという点は御理解をいただければというふうに思います。
○島尻安伊子君 それでは、米軍人の公務中の事故はどう処理されているのかお聞きをしたいというふうに思っております。なおかつ、加えて、過去五年で結構ですので、何件の死亡事故があって重傷事故が何件発生して、何件が軍法会議にかかり、何件が懲戒処分として処理されたかなど、公表をしていただきたいと思います。 これ法務省の方にしっかり申告してありますので、お答えいただきたいと思います。
○委員長(福山哲郎君) 甲斐審議官、簡潔にお願いします。
○政府参考人(甲斐行夫君) 平成十八年から二十二年までの間に第一次裁判権なしを理由に不起訴処分とした軍人又は軍属による交通死亡事故が合計二件あると承知しております。この二つの事件について懲戒処分に付されたというふうに理解をしております。
○島尻安伊子君 いや、私が申し上げているのは、ですから過去五年、死亡事故だけではなくて、重傷事故が何件で、その中の何件が軍法会議にかかって何件が懲戒処分として処理されたかということを公表してくださいというふうに申し上げているんです。 審議官、前回のこの質疑でもそうだったんですけれども、的を射た答弁を審議官なさっていません。これに関して、委員長、私は抗議をしたいというふうに思っております。お願いします。
○委員長(福山哲郎君) もう一度答弁を求められているということで。 もう時間ですので、事実関係ですから明確にお答えください。
○政府参考人(甲斐行夫君) 大変申し訳ありません。 私ども聞いておりましたのが二〇〇六年、平成十八年からというふうに聞いておりましたので、その分の死亡事故について調べてまいったという次第でございます。 重傷事故等につきましては、改めて調査の上御説明に参りたいと思います。
○島尻安伊子君 いや、もう全くかみ合っていませんし、これは、もう時間も過ぎたからあれですけれども、しっかり質問通告は昨日やっておりますので、これで逃げられるとは思わないでください。きちんとしたその書類の提出を求めたいと思います。よろしくお願いします。 以上で私の質問を終わります。
○委員長(福山哲郎君) 今の件については理事会で協議をしたいと思います。
○山本香苗君 公明党の山本香苗です。 二協定につきまして、我が党は賛成の立場でございます。しかしながら、日・メキシコ協定の改正についてちょっとお伺いしたいんですが、日・メキシコを含む既存のEPAの大半におきましては、一世代前のHS二〇〇二により原産地規則が設定されているものの、通関の業務は現行のHS二〇〇七で行われています。EPAを利用している企業は関税番号の二重管理を強いられているわけです。この負担を一刻も早く解消して既存のEPAの利便性を向上すべきだという声は以前から上がっていたわけであります。 今回の見直しにおきまして、この問題は解消されましたか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 今のお話は、このあれですね、品目の分類表、コード番号ですよね。そうですよね。 コード番号の、質問のあった関税番号の二重管理問題というのは、日本とメキシコEPAにおける譲許表のHSコードが最新のものではないと、こういう話だというふうに思いますけれども、今回、改正議定書の譲許表は、おっしゃるとおりHS二〇〇二で作られているというのはそのとおりであります。つまりは、最新のHSコードである二〇〇七には更新をされていないと。 今回の交渉では、交渉過程を聞きますと、日本側からHS二〇〇七への更新を申し出たけれども、メキシコ側の反対によって合意に至らなかったという経緯があると。政府としては、より使いやすいEPAを目指して譲許表を最新のHS、つまりこの統一システムのことだと思いますが、それに更新をするべく働きかけを引き続きメキシコ側に行っていきたいというふうに考えております。
○山本香苗君 一問一問聞いていこうと思ったんですが、まとめて三問答えていただいた状況になっておりまして、要するに、これ改定のときにやってくれというのが非常に強かった、一つの大きいポイントだったんですよ。それを今回できなかったというふうに事前に聞きまして、何でできなかったんだといったら、ただメキシコに断られた、そういう状況だったんですね。 これ、メキシコ以外にも既存のこの二〇〇二使っている方というのはまだあるわけですが、そこのところはしっかりと、こういう改定に向けてやっていく中で必ずこの問題というのは出てきますので、しっかりと対応を、今大臣余り理解されないで答弁されていましたけれども、しっかり認識して、交渉のポイントとして強く打ち出していただきたいんですが、お約束いただけますか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 今回、確かにそれぞれの交渉においてこのことが大事なポイントになるケースというのは、その時々においてあるだろうというふうに思います。 今回は、メキシコ側からは、双方で既に最新のHSコードに適合した税率の一覧表を作成する等の実務が行われているので特段問題が生じないと、こういう話であったということでありますが、確かにこれからそういうことについても常に留意をして交渉を行っていきたいというふうに考えております。
○山本香苗君 素直にやりますと言ってくだされば終わった話なんですが、次に行きます。 TPPの話も出てまいりましたけれども、先日の予算委員会、玄葉大臣もおられましたが、総理にお伺いしたんです。自然的条件が大きく異なる稲作と畜産というのは、その差を関税で調整するという戦後国際貿易ルールを適用する以外ないんじゃないですか、関税以外に農地の広さという自然的条件の違いを調整する対策として具体的にどういったのがありますかというふうに聞いたんです、もう時間が迫っていましたので。その質問に対して総理は、先般まとめた食と農林漁業の基本方針と行動計画に基づいてやっていきたいというような答弁だったわけなんです。しかし、総理の言った計画というのは、そもそも日本の農業再生のためにやらなきゃいけない計画であって、TPPとは関係なくやらなくちゃいけない計画なわけですね。 そこで、玄葉大臣に改めてお伺いしたいんですけれども、関税以外にこの農地の広さという自然的条件の差を調整する方法というのはあるのかないのか、大臣にお伺いします。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 私が農業政策にどこまで外務大臣という立場で言及すべきかということはあろうかと思いますが、一般論としてあえて申し上げれば、例えばGDPに占める農業の割合というのは、EUも米国も日本もそれほど変わりません。変わりませんけれども、それぞれ一%台でありますが、農家の所得に占める直接支払の割合がEUは七三%だったと思います。アメリカは三〇%だったと思います。元々日本は所得補償がない場合は二三%だったと記憶していますけれども、そういう意味で、どういう、仮に関税がなくなる品目が出てくる、あるいは出てこない品目もあるかもしれません、分かりませんけれども、出てきたときに、今、山本委員が言われたように、ほかにどういう方法があるのかと問われたら、一つの仕組みとして考え得るのはこういった直接支払の仕組みなのではないかというふうに思います。 たしか、EUは九二年にマクシャリーさんという人が出てきて、まさに価格支持政策から直接支払の政策に変えたというふうに私自身は承知しておりますけれども、そういう意味で、一つの選択肢として勉強していく必要があるのではないかというふうに私自身は考えております。
○山本香苗君 いや、でも直接支払とかそういう話じゃなくて、先ほどの計画もありましたけれども、農業のまとめられた行動計画においては、どういうふうにして対抗していこうかといったときに、目標として平地で二十から三十ヘクタールというような目標を掲げていらっしゃるわけですよね。でも、実際のところ二ヘクタールもないわけですよね。仮にそれが二十、三十できた、仮にできたといった場合でも、競争相手となるオーストラリア、アメリカだったら一区画が百ヘクタール、三百ヘクタールなわけですよね。そうですよね。この規模の差というのが生産コストにかぶさってくると。その上に、今円高ですから、それに追い打ちを掛けると。そういうような状況になってきて到底太刀打ちできるようなものじゃないわけなんです。 直接支払だ、今の農業の計画だとか、そういうことをやって何か対抗できるようなことを言うというのは私は無責任じゃないかなと思うんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 私も十八年国会議員をやっております。全くの選挙区は農業地域でございます。農家の方々が非常に多いです。 ですから、最終的な結果がまずどうなるかということを踏まえなければいけませんが、やはり今の農業の状況というのは、私が初めて国会に出たときから百万人農業人口が減りました。二百六十万じゃないかと今思いますけれども、更に急速に減っていくという中で、おっしゃるとおり、TPP関係なく、まず農業の改革というのはそもそも必要であると。 ただし、確かに、先ほど触れられた農業の競争力強化の議論というのは直接TPPと私は連携しているとはちょっと思いにくいんです。つまりは、高いレベルの二国間のEPAとは連携していると思います。だけれども、いわゆる更に関税撤廃が迫られるのではないかと言われているTPPとなると、私は先ほど申し上げたようなことも含めて考えていかないといけないと。 これは決してごまかしじゃありません、ごまかしじゃありません。つまりは、本当に関税で、消費者負担でいくのか、それとも今後納税者負担でいくのかということについては、やはり私は、まあ外務大臣という立場でどこまで申し上げていいのかということはありますが、仮にそういう高いレベルに入っていくときはしっかりと議論していくべき大テーマであるというふうに考えている次第でございます。
○山本香苗君 農業というのは、もうよく精通しているというお話ですけれども、各国間の自然条件が余りに違い過ぎるわけです。これを調整するにはやっぱり関税以外ないわけなんです。ごまかしじゃないとおっしゃいましたけれども、別にごまかしていると言っているわけじゃありません、安易に考えているんじゃないですかということを申し上げているわけでございまして、決してこの点を安易に考えてはならないということを申し上げておきたいと思います。 今日の審議となっているペルーとの協定が締結されれば、我が国とTPP参加国のうちオーストラリアとニュージーランドとアメリカを除く全ての国と既に経済連携協定を結んでいることになります。であれば、何も二重にTPPを結ぶ必要はないんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 今おっしゃった二国間EPAとTPPの関係というのは、これは相互補完的なものであるというふうに思います。それで、先ほども、例えばペルーについてなぜTPPに入っているのに今急いで結ぶのかといったら、もう既にお隣の韓国がペルーと韓国でEPA協定を結んでいる、やっぱり劣後する環境に置くわけにはいかないということが一つございます。そして、TPP交渉そのものが本当にいつ最終的な合意を得られるのかということが分からないという状況の中でございますので、そういう意味ではこういった二国間EPAを結んでいくということはやはり必要だというふうに思います。 同時に、逆の観点から言えば、例えば分かりやすい例で言えば、結論がどうなるかは分かりませんけれども、例えばベトナムという国があります。ベトナムという国はTPPの交渉にも参加していますと。おっしゃるように、EPAも日本とございます。EPAがあるにもかかわらず、どんなEPAかといえば、たしか自動車、トラックがそれぞれ八三%、八〇%の関税が掛かっているEPAなんですね。そうなると、例えば、冒頭の議論に若干戻るんですけど、TPP交渉していったときに最終的にどういう適用関係にするかというときに、思い切ってこの際この関税を下げませんかという議論が可能にはなるんですね、可能性を言っているんですけれども、絶対可能だとは言いませんけれども。そういうことも実は可能になるので、つまり一種の深掘りですね。ですから、そういうことも含めてこのTPPというものをEPAとの関係で考えていかなければならないのではないかというふうに考えております。
○山本香苗君 先ほど調整規定を置くと、それがどういう内容になるか分からないと、今の現段階においては言えないというお話であったんですが、ちょっと確認したいんですけれども、TPPにおいて、既に二国間でFTAやEPAがある場合はそれが維持されるというような話が当初、外務省なりTPPの様々な会合で各省から話が出た中であったんですけれども、内閣官房の去年の十月二十七日の資料においてもそのような記述があるんですが、これは事実じゃないんですか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) まさに、例えば関税についてどうなっていくかということについてまさに交渉中なんですね。 例えば、よく例外規定、除外規定の議論が国会で出されます。今回もある意味近い話だと思いますけれども、長期的かつ段階的に十年で撤廃するという国と、一方で例外、除外を認めるべきだとする国がある。その場合に、例外、除外を認めるべきだという場合の主張をどうもいろいろ情報収集して聞いてみると、例えばこれまでのEPAでかなり高いレベルでやっていたと、その高いレベルのEPAを二国間関係はそのまま認めてくれと、そういうことを言っている国もどうもあるというふうに聞きます。ですから、最終的には、そこはまだ決まっていないというふうに申し上げるべきなんだろうというふうに思います。
○山本香苗君 この点は、今後の我が国のEPAやFTAを進めていく上で非常に重要なポイントなんですね。今回の二協定の審議を党内でやるときも、TPPの前に早くやれやれみたいな話になっておりまして、とにかく既存のFTA、EPAなんかが維持されるんであったらもうどんどんやっていけというような話もあったぐらいで、この点確認していただけませんか、できないんですか。(発言する者あり)まだ分からないという、済みません、質問しているので、答弁立ったときに御答弁いただきたいんですが、この点、先ほどは情報何でも出しますみたいなことを冒頭言われたんですから、この点は少なくともしっかり確認した上で早くその情報は公表していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) もちろん情報はだから整理した上で出しますが、先ほど私が申し上げたのが現況だというふうに考えていただいてよろしいかと思います。
○山本香苗君 とにかく整理してという話なんですが、こういう、何というか、何か伝聞情報みたいなものが様々飛び交っておりまして、本当にそこのところは、試算の出したところからもそうでありますし、やっぱり司令塔がしっかりしていないということがこの問題の一番の大きな原因では私はないかなと思っております。 済みません、時間がないので次の質問に移らせていただきたいんですが、先日、福島県がIAEAの日本支部を福島県に置いてもらいたいという要望書を十月十一日に天野事務局長あてに出されたと伺いました。日本政府として、福島県にIAEAの日本支部を誘致するということについてどういう見解をお持ちですか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 私自身も福島県知事からそういう要請を受けているところでございます。それで、今IAEAに内々打診して、鋭意検討してきているというのが今の状況であります。私自身はとても知事の気持ちは、あるいは県民の気持ちはよく理解できます。 その上で、残念ながらまだ、具体的な見通しが立っているかというと、そうではありません、もう率直に申し上げてですね。一つは、IAEAにおいて予算上の制約がある。二つ目は、我が国は既に、アジア太平洋地域における保障措置を実施、促進する目的でIAEA東京地域事務所が置かれている。三つ目に、更に追加的な予算措置を必要とする附属機関を我が国国内に誘致しようとする場合、その機能、位置付け、さらには財政負担について加盟国の合意を得る必要があるということなんですが、ちょっと私の方からもこれは担当者にハッパを掛けているというのが率直なところでございます。
○山本香苗君 今、福島県の方々が言っていた表現を用いて支部と申し上げたんですけれども、要望書には、正確に言いますと、福島県における仮称環境創造センターの整備に合わせて高度な知見を有するIAEAの研究機能を設置すると、このことを要望されているわけであります。 もう既に日本に、確かに東京の飯田橋のところに今おっしゃったようなリージョナルオフィスがあるわけなんですけれども、ここは、事前にお伺いしたところ、査察官とローカルスタッフを合わせて二十名ぐらい、こういう事務的なところであって、研究機能じゃないわけですよね。 福島県にこのIAEAの研究機能を置けば、IAEAという国際的な信認の下で今回の東京電力の事故の収束を迅速化させて、原発災害からの迅速な復興ができると同時に、IAEAにとっても今回の事故の教訓を、また知見を得ることができると、IAEAにとっても有益じゃないかと私も思うんです。 大臣、今一生懸命、ちょっと担当にハッパを掛けたという話でありましたけれども、この福島県の要望をまず日本政府の要望として、そしてIAEAに対して正式に要請するとともに、加盟国に積極的に外務省が働きかけをしていただきたいんです。担当課にハッパ掛けるじゃなくて、これ、関係国に大臣が積極的に説得に回ると、そういうことが必要なことなんです。やっていただけますか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 非常に前向きな御提案をいただいたというふうに思っておりまして、この場でこういう発言をしていただくというのはとても私にとっても有り難いというふうに思っていまして、物事は御存じのようにタイミングとかがございます。今、現時点は内々打診中ということでありますので、最も効果的な方法をしっかりと講じていきたいというふうに考えております。
○山本香苗君 ちょうど大臣が福島県選出でというところで逃げられない問題だと思いますので、しっかりと、筋のいい提案ですし、是非是非頑張ってやっていただきたいと思います。 済みません、残りの時間を、この間飛ばしてしまいましたハーグのことをお伺いしたいと思いますが、十月末までの一か月間で、この条約についてのパブリックコメント、法務省、外務省、それぞれ掛けておりましたが、その集計結果はどうなったんでしょうか、どういう内容でしたでしょうか。それぞれから伺います。
○政府参考人(鶴岡公二君) 外務省は、ハーグ条約を実施するための中央当局の在り方に関するパブリックコメントを九月三十日から一か月間実施いたしました。このパブリックコメントには百六十八件、内訳、団体から二十件、個人から百四十八件の意見をいただきました。これら概要につきましては、十一月二十四日に外務省ホームページにおきまして公表しております。 外務省が実施いたしましたパブリックコメントにおきましては、中央当局の権限や中央当局としてとるべき措置などについて様々な立場からの御意見をいただきました。具体的には、子の所在を特定することは中央当局に課せられた重大な任務であり、中央当局に対し必要な情報が提供される制度が必要であるとの意見があった一方、DV被害者への配慮などの観点から、国内関係機関が中央当局に提出する情報は申請者に提供すべきでないとの意見も出されました。 また、我が国がハーグ条約を締結するに当たって考慮すべき事項として一般的な意見も多数寄せられました。具体的には、在外公館における邦人の支援体制の強化、不法な子供の連れ去りの罰則化、共同親権の制度化、面会交流制度の改善といった既存の国内法制度に関する問題についての指摘などでございます。 外務省といたしましては、パブリックコメントで寄せられた意見を踏まえまして、引き続き法律案の起草作業を進めていく考えでございます。
○政府参考人(團藤丈士君) 私ども法務省におきましては、法制審議会に部会を設けて、そこでハーグ条約を締結した場合の国内担保法のうち、子の返還手続に関する部分について調査審議を行っているところでございます。 先般、その部会で決定いたしました中間取りまとめをパブリックコメントの手続に付したところでございまして、九月三十日から十月三十一日までの約一か月間、団体から二十八件、それから個人から百七十七件の合計二百五件の御意見をちょうだいいたしたところでございます。 御意見をお寄せいただきました方々を見てみますと、法曹関係者や、あるいは実際に国際的な子の連れ去り事案を体験された方なども含まれておったところでございまして、様々な御意見をちょうだいできたところでございます。 中でも多くの御意見が寄せられました項目といたしましては、どのような場合に子を元の国に返還しなくてもよいかということを定める子の返還拒否事由についてでございました。 その概要を見てみますと、この中間取りまとめの案では返還を拒否すべき場合が限定的に過ぎるという御意見がある一方で、返還拒否事由の記述は条約を忠実に反映して厳格にすべきであるという御意見も寄せられておりまして、両者の御意見は拮抗しているような状況にございました。 それらを含めまして、寄せられました御意見の詳細につきましては、昨日開催されました法制審議会の部会において報告をしたところでございまして、その概要につきましては法務省ホームページに近日中に公開をする予定でございます。 今後は、今回のパブリックコメントで寄せられました御意見をも踏まえまして、引き続き法制審議会の部会におきまして調査審議が進められていくことになると考えてございます。
○山本香苗君 まさに今團藤審議官がおっしゃったように、ハーグ条約に加盟するとした場合に、国内法で子の返還拒否の規定をどこまで盛り込めるのかというのが今大きい焦点となっております。 法務省による子の返還手続等の整備に関する中間取りまとめにおきましては、子の返還拒否事由について二つの案が併記されていました。そのどちらにおいても、過去に暴力を受けたことがあるだけでは不十分で、返還した場合に子が更なる暴力等を受ける明らかなおそれがあること、子とともに帰国した相手方が更なる暴力等を、すなわちDVを受ける明らかなおそれがあること、これを本人が立証しなければならないことになっています。 海外から日本に逃げ帰ってきて、虐待やDVを受ける明らかなおそれがあること、これどうやって証明したらいいんでしょうか。
○政府参考人(團藤丈士君) ただいま委員御指摘のように、条約第十三条第一項bは、返還することによって子が身体的若しくは精神的な害を受け、又は他の耐え難い状態に置かれることとなる重大な危険があることを返還拒否の事由の一つとして規定してございまして、子の返還拒否事由につきましては相手方、すなわち子を連れ帰った者が証明するということに条約上されております。 現在法制審議会の部会で検討されている案でございますが、実はパブリックコメントを実施しました後も精力的に部会では調査審議が進められておりまして、現在検討されている案では、この条約十三条一項bの返還拒否事由が認められるためには、子が常居所を有していた国に子を返還した場合、子とともに帰国した相手方が子に著しい心理的外傷を与えることとなる更なる暴力を受けるおそれ、これを相手方、すなわち子を連れ帰った方が証明する必要があるという形で検討が進んでいるところでございます。 いずれにいたしましても、委員御指摘のとおり、過去の事実だけでは足りないわけで、将来予測の部分が入ってございますが、その部分につきましては、過去の暴力の程度、状況や現在の申立人の状況等から、当該事案に即して個別具体的に裁判所によって認定されるということになろうかと考えておるところでございます。
○山本香苗君 先日の委員会でも申し上げましたけれども、過去、海外でDVや虐待があったということの証明だって難しいわけです。その上、返還後受ける明らかなおそれを証明するのはもっと難しいわけですよね。 今まで、この条約を加盟するに当たって、DVの方は大丈夫ですよって言ってきたわけですけど、はなから証明できっこないような要件を課して、返還拒否の規定が機能しないということはあってはならないことだと思います。国内におけるDVや虐待に関する懸念に対して最大限対処できるような規定ぶりにできるようにしていただきたいと思いますが、もう一回法務省お願いします。
○政府参考人(團藤丈士君) 委員御指摘のその明らかなという部分は、現在検討されている案ではそのような表現にはなっていないということを一言申し添えさせていただきたいと存じますが、委員御指摘の問題意識というのは部会を構成しております委員、幹事の皆さんは共有しているところでございまして、そういう問題意識を持ちつつ、かつ条約に基づく担保法でございますので、条約の範囲を超えることがないよう、そういう問題意識でもって調査審議を進めていただいているところでございます。
○山本香苗君 いろいろと心配するところはたくさんあるんですが、例えばDVと一言で言っても、海外の概念と日本の国内における概念、違うわけなんです。日本においては精神的暴力まで含むわけなんです。ここまでしっかりと守られるのかと。国内におけるDVの概念が条約を締結することによって狭められたりゆがめられたりすることがないように、しっかりと対処をしていただきたいと思います。 あと二分ですので。 ハーグ条約に入らなければ日本から連れ去られた子供が返してもらえないという方がおられますが、これは事実ですか。
○政府参考人(鶴岡公二君) ハーグ条約は、もう御承知のとおり、国境を越えて不法に連れ去られた子供を常居所地国に迅速に返還することを目的としておりまして、原則として子の返還を命ずることを条約上の義務とし、そのための中央当局を通じた国際協力の仕組みなどについて定めたものでございます。したがいまして、条約を締結すれば、我が国の中央当局が関与した形で相手国からの連れ戻しの手続を進めることが可能になります。 他方、条約が締結されていない場合にどのような手続があるかといえば、相手国政府に対する要請を行うことはもちろん自由でございます。それを受けて、相手国政府側で既存の条約に基づかない手続を用いて子を返還することができるかどうかと、こういうお尋ねかと思いますが、まさに、まず一つは相手国の制度によりますので、国によって違いがあるということであります。他方、例えば英国などの例におきましては、事案を担当した裁判官によりましては、子の監護については子の元々いた国において決定されるべきものである、こう判断した上で返還を命じた例があると承知しております。 したがいまして、結論的に申し上げれば、相手方の国の制度の許す範囲内において裁判官の判断が伴えば、申立てを受けて国を越えた返還を命じる例もないわけではないということでございます。
○山本香苗君 外国においてというのは、あと日本に連れ去ってきた場合でも、実は審判の申立て制度があるわけなんですね。そういうものもあるんですよ。こういう事実を一つ一つしっかりと踏まえた上で、もう時間来ましたので終わりますが、やっていっていただきたいと。説明の段階で、あたかもこれに入らないとできないんだみたいな形で、これを一つの手段として見ておっしゃっている方々もたくさんいます。事実を、TPPと同じです、しっかりと国民の皆さん方に御説明しながら、理解を得ながらやっていっていただきたいと申し上げまして、この問題については引き続き質問させていただきますので。 終わります。
○小熊慎司君 メキシコ、ペルー、それぞれの協定についてお伺いをいたします。 過日の委員会でも、この貿易交渉上で今の原発事故後にいろんな輸入規制を設けている国々のことについて言及をさせていただきました。この度のペルー、メキシコ。ペルーは日本政府を信頼しているのか、それともおおような国なのかは分かりませんが、一切その原発事故の規制というものはないわけであります。一方でメキシコの方は税関の、これちょっと部分が絞られてしまっています。 この協定、これはお互いの経済の発展のための協定でもあります。しかしながら、もちろんメキシコでの規制の在り方というのは、これは内政にも通じますから言い切れない部分もありますけれども、こうやってお互いの国の経済を発展しようとしているときに、例えば貿易、日本の輸出物が税関の手続によって遅れる、それで貿易量が上がっていかないということであってはその本来の目的を達成しないというふうに思っております。 今回のこの協定の締結によって、三月十一日の前後の対応も含みながら、今後、メキシコの輸入に関する規制の部分ですね、原発事故の部分に対しての取組、働きかけといったものをどのように考えておられるのか、やっていくつもりなのかをお伺いをいたします。
○副大臣(山根隆治君) 今、小熊委員お話ございましたように、食品、医薬品等の輸出に対しては三税関に限定するといった措置が現在もとられているわけでありますけれども、これの前の段階ではかなり厳しい規制というのをメキシコ政府取っておりましたけれども、粘り強い交渉の中で、最後に残ったといいましょうか、措置がこの三税関に限ると、こういうことになっているわけでございます。 しかしながら、我が国については、このことによってメキシコへの輸出について影響があるというふうには今のところは承知をいたしていないところでございます。
○小熊慎司君 物理的には影響はないということでありますけれども、風評被害といったものを考えればやっぱりその制約があるということで、日本製品全体ですよ、大臣もそうで私もそうですけれども、福島県のものだけではなくて。だって九州とか北海道のものは関係ないじゃないですか、ある意味。今徹底調査を福島県はしていますけれども、ほかのところでは調査するまでもないようないろんな生産物あるわけですけれども、それも一律に扱われているということ自体がやはり問題だというふうに思いますよ。 今回のいろんな貿易交渉の中で、TPPも含めてですけれども、過日お聞きしましたけれども、国によって違う、エリアを限定している国もあれば日本全体に掛けている国もある。これはやはり根拠のないことですから、根拠のないことを物理的に問題がないからと放置しておくのが、だから風評被害につながってくるんです。これは貿易だけの問題ではなくて広い意味でですけれどもね。そういう意味では、物理的に問題ないからいいということではなくて、風評とかそういうことに対してはしっかりと取り組んでいかなきゃいけないというふうに思っています。 残念ながら、福島県、またその隣県のものに関しては、そういう対応、チェックを厳しくされるということはこれはもうしようがないことだというふうには思いますが、全然関係ない遠くのところまでも同じ扱いを受けているということ自体は問題だというふうには思いませんか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 全くそのとおりだと思います。 それで、やっぱりメキシコに限らないんですけれども、もうこの間も申し上げましたが、私は外相会談ごとに輸入規制緩和あるいは撤廃、日本と同じ基準にしてくれと、特に日本というのは安全とか安心に対する極めて敏感な国民性であると、だから日本の基準と同じで間違いないという話を何回も実はしているところでありまして、中国もこの間一部制限緩和になりましたけれども、まだまだだというのが私の認識でございまして、それはおっしゃるように風評被害にもつながってまいりますので、メキシコに限らずそれぞれの国に対して、私から会談ごとにまだ輸入規制措置が残っているところについて、しかもそれが科学的な知見に基づいていなければ、しっかりと要請をしていくという行為を繰り返したいというふうに思っています。
○小熊慎司君 今ほど大臣から中国の話も出ましたけれども、中国も東日本の十何都府県かを輸入規制掛けていて、一番最初に解除したのが山梨、山形ですよ。何でだっていったら、輸入量が少ないからという、まあある意味ばかにされているのかなというふうに思いましたけれども、こういった状況をやはり外務省としてしっかりとらえて、今大臣おっしゃったように、科学的知見に基づいて対応を取ってもらえるようにしていくということが、これは世界的なこの風評、また日本のあるべき姿を正しく伝えるということの一つの努力のしなければいけない項目になっているというふうに思います。 このEPA、またTPP、バイかマルチか、いずれにしろこの貿易交渉の中でこの点を特に私、福島県だから言っているというわけではないんですけれども、これ非常に細かな話のようで意外と大事な話だというふうに思っています。しっかりと、今回のペルー、メキシコだけではなくて、今後のいろんな貿易交渉、バイでもマルチでも、これはしっかり更なる取組をしていただきたい。今回はメキシコ、締結していますけれども、これでゴールではなくてまさにこれからでありますから。このメキシコの部分についても、物理的に問題がないとはいえ、やはりそれは私はメキシコ国民に対して間違った情報発信になってしまうと思います、それを許しておくことによって。 これはしっかりと今後、協定発効後も努力していただけるということはいかがですか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) きちっと正確な情報を提供して、やはり今の措置を解除してもらうように適切に対応したいというふうに思っています。
○小熊慎司君 しっかりと取り組んでいただくことを御期待を申し上げます。 ペルーの方なんですけれども、これは先ほどもマルチとバイの話にもありましたけれども、一つ、ペルーに関しては十年間で往復貿易額の九九%、ほぼ一〇〇%近い形で、以上の品目が関税撤廃されるということになっています。TPPの場合もそうですけれども、発効したからすぐ自由化ではなくて、時間の、モラトリアムの期間があるわけでありますけれども、これも十年間ということでありますから、やはり国内産業の育成なりその対応なりということの助走期間だというふうに思っています。 〔委員長退席、理事谷岡郁子君着席〕 これに関して、他省庁と連携を取りながら国内産業の進展、またその対応する構造的な改革、後押しをしていかなきゃいけないというふうに思っていますが、この点については外務省としてはどのような努力されていますか。
○国務大臣(玄葉光一郎君) 日本とペルーの場合は、実は貿易額は九九%なんですけれども、俗に言うタリフラインというのはたしか八〇%台、八〇%台たしか後半だというふうに記憶をしています。つまり、関税撤廃の対象外にかなりの部分を、一定の部分をしていると。具体的に申し上げると、米、麦、牛肉、砂糖、これについては関税撤廃の対象から除外ということを取っているということでございます。 そういう状況でございますけれども、これからTPPにつきましては、先ほども申し上げましたけれども、今、事前の調整の段階である、そのときに申し上げるべきことと、私は、交渉に入ってから申し上げるべきこと、つまりは主張すべきことというのはおのずから違ってくるというふうにも思っておりまして、それは、総理が今までも美しい農村を守るということを言っている、あるいは、世界に冠たるという言い方かどうか、私流に言えば世界に冠たる国民皆保険制度を守る、医療保険を守る、こういうふうに言っているわけですから、そういったことを踏まえながら当然交渉に臨んでいくということになるのではないかというふうに思います。 〔理事谷岡郁子君退席、委員長着席〕
○小熊慎司君 これEPA、バイの交渉ですけれども、これはマルチの交渉にも多少倣うというか、いい影響を与えなきゃいけない部分もありますから、しっかりとやっていただきたいというふうに思っています。 これは通告はしておりませんが、今日、十一月二十九日というのは松江春次さんという人の命日です。これは、沖縄の先生方お二人いますけれども、沖縄の方々にもお世話になりましたが、南洋興発の社長であって、サイパンの特に開発を戦前して、一大発展を遂げたところの社長で、会津人でありますけれども、戦前に建った銅像がいまだにサイパンには残されていて、戦争直後もアメリカ軍も壊さなかった、島民も壊さなかった、その島にとっては、サイパンにとっては大変な恩人だということで、いまだに全身の銅像が残っています。 この方の南洋興発の十年史、昭和七年に書いた十年史の中に、その当時、日本は逆に人口過密だったんですね、住宅地が狭かったということで、人口が増えていったということで、人口問題を抱えていた。今は逆に人口減少という、同じ人口問題とはいえ、これは真逆ですけれども抱えているという中で、しかしながら国際発展をしていかなければ国力を保てないという状況は同じであったわけであります。 その中で、彼が主張していたのは、その本の中に、十年史の中にあるんですけれども、海外発展に対する従来の国際常識を根本的に改造する必要があるというふうに言及しています。これは今でも通じる問題だと思っています。そして、その中で、他国への発展をするのであるから特別な野心があってはならないのはもちろん、あくまでも相互の福利を基礎とし、公明な協調をもって臨むべきことの必要はもとよりであるが、従来のように、他国への発展といえば、世界の平和をまず率先して国際愛から出発しなければならないということを言っています。そして、経済上の難問や思想の悪化など、煎じ詰めれば積極的打開の道は、我が国の恵まれた秀抜な知力をもって最高の科学と産業とを結び付け、外に向かっては果敢な海外発展を試みることのほかにはあり得ない。そして、それを貫くものは炎々と天をも焦がす国民的熱意でなければならぬというふうにおっしゃっています。 この彼の思い、これは戦前にこういうことを言及されている。自国の利益だけではない、やはり他国と協調しながらやっていかなければならない。そして、それは国際愛でなければならない。そして、それは今の状況も私は当てはまるというふうに思っております。 郷土の偉人でありますから、大臣にとっても同じくなるというふうに思いますけれども、こうした我々の先人たちが、戦前という非常に暗い世の中でもしっかりと世界に目を向けて努力して打って出て、しかもそれは日本の国益だけではなくて相互の利益を考えながらやっていたということは非常にこれは驚きに値する、また見習わなければならないことであるというふうに思っています。 今後のTPPや、また多国間、バイの交渉の中でもこうした先人の教え、取組といったものも見詰め直しながら今の日本の状況を考えて、しっかりと大臣、同じ郷土の先輩として頑張っていただきたいというふうに思っている次第でありますし、しっかりと、やるかやらないか、あやふやな総理の発言もありましたけれども、我が党はTPP賛成であります。それがいいか悪いかは結局は国民が判断することですから、政治家としてはしっかりと国民の皆さんに選択肢たる考え、意見を述べて、最終的には国民が判断をすると。しかし、その選択肢すら示せない政治というのは信を失うだけでありますので、しっかりと、玉虫色の発言ではなくて、しっかりとした明確な選択肢としての、国民が選択できる道筋を掲げていただくことを御期待申し上げて、質問を終わります。 ありがとうございました。
○山内徳信君 社民党の山内徳信でございます。 私が通告をしてありますのは、今日は両大臣と植民地論といいますか、基地の植民地論について質疑を交わしていこうということで準備を進めておりました。ところが、それに入る前に、通告はしてございませんが、先ほど大臣の方にはメモを差し上げてございます。委員長のお許しをいただきながら、これから防衛大臣に質問をいたします。 防衛大臣や玄葉外務大臣がしきりに沖縄の皆さんの理解と協力ということをおっしゃってまいりました。しかし、沖縄防衛局の田中局長は、第一線で指揮を執っておる田中局長の発言が、二十八日の夜、突然に出てまいりました。それは報道陣との懇談会の中での発言でございますが、私は毎朝、地元の両新聞で重要な記事は全部私の部屋にファクスで届くようにしてあります。それを読みますと、ただならぬ発言を田中局長がやっております。まさに、ただならぬ発言でございます。 そして、一気に沖縄県民が怒り、今爆発寸前にあります。防衛局は持ちこたえ切れるかなと私は思っておるんです。あの嘉手納基地のロータリーの中にあります防衛局は恐らく持ちこたえ切れぬだろうと私は推測をするわけでございます。 それはどういうことかといいますと、環境影響評価の評価書を年内に提出するということを、大臣はそれに向けて準備をしておるということをおっしゃってまいりました。私は、非常に言葉を選びながら刺激をせずに大臣はお言葉を使っていらっしゃるなということは、新聞やあるいはこの場でもよく感ずるわけでございます。 ところが、年内に提出できる準備をしているとの表現に大臣はとどめていらっしゃるわけですね。そして、年内提出の実施の明言を避けていらっしゃることも私も気付いておるわけであります。そういうことを報道陣から問われたことに対して、田中聡局長が事もあろうにこういう発言をしておるわけです。これから犯しますよ、これから犯しますよと言いますか、犯す人が最初から犯すと言いますかということを述べているわけであります。 田中局長の発言の裏にある意識は一体何だろうかと私は考えてみたんです。それは沖縄県民、とりわけ女性を蔑み、そういう言葉だなと思ったんです。なぜここに犯すという言葉を局長は使わなければいけなかったのかと。人権感覚も私はないと見ております。そして、沖縄を占領した米軍と同じく、彼の意識の中にも、占領者意識丸出しの発言だと私は思っております。 私は、敗戦のときにちょうど小学校四年生でしたから、アメリカ軍がいっぱい悪さをしておるのを見ながら、苦しみながら耐えてきたんです。そして、日米が一緒になって六十六年間、年が明けますと六十七年間も植民地状態に放置をしてきたわけです。 そういうふうなことを考えてみましたときに、田中局長は沖縄の痛みを自らの痛みとして感じ得ない、感じていない。そういう人には沖縄局の局長としての資格はないと思います。品格もないと思います。沖縄が復帰をして、そして初代の那覇防衛施設局の局長は銅崎局長さんでした。すごい円満で人格のある方でした。沖縄の痛み、苦しみを一緒に分かち合いながら、そういう局長からずっと見てきた私にとっては、今回の田中局長の発言を許すわけにはいかない。公務員としても私は失格であると思います。 私は、過ちを犯してはいかぬと思いましたから、田中局長が就任したときに表敬挨拶に参りました。そして、人間的な話をお互いに交わしてきたつもりであります。そういうふうな田中局長の今回の発言は、これは懲戒に値すると思います。免職に値すると思います。更迭ではないと思います。 そういうふうなことを私は外交防衛委員会で一川大臣に質問をいたします。是非県民が、あるいは国民の立場からも女性の立場からも理解のできるような取扱いを御検討いただきたいと思います。まずお答えをいただきましょう。
○国務大臣(一川保夫君) 今先生御指摘の件については、私自身もその報道に接しました。大変正直言ってショックでございます。 先生今御指摘のように、我々も今回、沖縄のいろんな課題はたくさんありますけれども、中でもその普天間飛行場の移転問題というのは最重要課題だというふうに認識いたしております。その第一線で、防衛省の出先機関の責任者でもありますし、また環境影響評価業務の策定作業の責任者でもございます。そういう面では、その者がそういう発言をしたという報道が出たということについては、大変、しっかりと先生の御指摘のとおり重く受け止めておきたいというふうに思っておりますが、今、朝ほど状況を指示しまして、午後から御本人からその事実関係も含めてしっかりと確認した中で、どういうふうな処理をするかということについて、今先生御指摘のようにできるだけ分かりやすいそういう対応をしてまいりたいと、そのように考えております。
○山内徳信君 沖縄問題については、防衛大臣だけでございませんで外務大臣も直接関係ありますから、今回のこの件について外務大臣としての御見解も賜っておきたいと思います。
○国務大臣(玄葉光一郎君) もし本当にそういうことを言ったということであれば、言語道断だというふうに思っています。 ただ、事実関係について今これからしっかり聴くということですから、やっぱりそれを踏まえてしっかりとした対応をすることが大事だというふうに思います。
○山内徳信君 私は、この基地問題で言ってはいけないことを言った施設庁長官がいらっしゃいましたね。宝珠山というお名前でした、宝珠山。宝珠山さんも辞任をしたと思っております。それから、九五年の少女暴行事件が起こって沖縄がまさに県民が怒りに狂ってといいますか立ち上がったときに、また許してはいけない発言をしたアメリカの将校がおりまして、彼もその発言の責任を取って辞めていきました。そして、今のSACO合意、グアム協定、パッケージ論は、これは前に進みませんよということは前の防衛大臣にこの場で何回も言ってきたんです。これは前に進みません、ムカデ競走みたいに倒れますよと、こういうことを私は、六十六年も戦後基地の村で生きてきたら感覚的にこれは可能性がある、これは可能性はないということは分かるわけです。ところが、日米両政府で決めたことだからといって、今無理に無理を重ねていらっしゃいます。アメリカはそういう状態じゃないわけです、アメリカの政府もアメリカの国会も。そういうこともお考えになって、やはりこの際、できるものとできないものは、とりわけ政治の責任を持っている人々ははっきりさせるべきだと思います。 そして、外務大臣が沖縄に行かれまして、地位協定の改正ではなくして運用改善ということで仲井眞知事に面会をされまして、一部改善された、不起訴になっていたのが起訴される状況までこぎ着けていただきました。そのことは、その面だけは多としても、しかし、問題は基本的には解決されていないわけです。 私がずっとアメリカの政府にも、あるいは日本の政府にも申し上げておりますのは、アメリカ人の人権も日本人の人権も、人権は全く平等な取扱いでなければいかぬということをずっと申し上げておるんです。そういう人権意識をやはり日本政府はきちっと持っていろんな問題に対応していっていただきたいと、こういうふうに思います。 そして、今日は時間もありませんから、ここら辺で終わりますが、今の日本政府が進めようとしておることは、これは間違っておりますから、是非、外交交渉をしっかりやっていただいて、県民の気持ちをきちっとアメリカに伝えていただきますことを要望も申し上げまして、今日の質問は終わります。
○国務大臣(一川保夫君) 今ほど先生から御指摘のあったことについては、我々も、今、先生から人権の問題も含めて幅広い指摘がございましたが、しっかりと受け止めさせていただいて、今、田中防衛局長の問題については、先ほど私が言いましたように、分かりやすいことはもちろんでございますけれども、事実関係をしっかりと押さえる中で厳しい対応をしてまいりたいというふうにも思っておりますし、また、引き続き我々は、沖縄県民の皆さん方には今回の件で大変こういうことで御心配を掛けたといいますか、大変な思いをさせたという面では心からおわびを申し上げたいと思いますし、当委員会のメンバーの皆さん方にも心からそういう面ではおわびを申し上げたいと。 沖縄が抱えている大きな課題については、引き続き誠心誠意、沖縄の知事始め皆さん方とこれからも接したいというふうに思っております。
○委員長(福山哲郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、経済上の連携に関する日本国とペルー共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(福山哲郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、経済上の連携の強化に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(福山哲郎君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、両件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(福山哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時五分散会