予算委員会 第5号
- 発言数
- 147 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2011/11/10
会議録
○中井委員長 これより会議を開きます。 平成二十三年度一般会計補正予算(第3号)、平成二十三年度特別会計補正予算(特第3号)、平成二十三年度政府関係機関補正予算(機第2号)、以上三案を一括して議題といたします。 この際、お諮りいたします。 三案審査のため、本日、政府参考人として総務省自治行政局選挙部長田口尚文君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○中井委員長 これより締めくくり質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。若井康彦君。
○若井委員 おはようございます。民主党の若井康彦でございます。 今回のこの予算委員会、三次補正にかかわる三日間の基本的質疑を受けまして、本日、私の方から締めくくりの総括質疑、改めて総理を初め諸大臣にお聞かせを賜りたいと思います。よろしくお願い申し上げます。 総理は、この野田内閣の最大の課題は、被災地の復興、原発事故の収束、そして日本経済の立て直しとおっしゃいました。今回のこの三次補正、十二・一兆円、いよいよこの予算委員会を通過しようとしておりますけれども、本予算におきまして、先ほど最大の課題とおっしゃられた三つのテーマ、最大のこの予算の肝ともいうべき部分について、簡単にもう一度御確認をさせていただきたいと思います。
○野田内閣総理大臣 今回御審議をいただいております第三次補正予算の何といっても柱になるのは、震災からの復興を力強く推進していくということでございますし、あわせて、円高等の経済対策も含んで、今、若井さんが御指摘をいただいた、私の内閣の最大かつ最優先の課題であるこうしたテーマについて、予算づけをしっかり行いながら円滑に事業を進めていきたい、そういう思いを込めた予算でございます。
○若井委員 一次補正四兆円、そして二次補正が二兆円、今回、真水といいますか復興にかかわる部分、九兆円以上になりますが、これらがいよいよ成立をしたことで復興も本格的な段階に入っていくと思います。 これから一番の課題は、復興をいかに加速し、冬を迎えようとしておられる被災地の皆さん、安心、安全な暮らしを取り戻す、地域を再生する、そのために国が果たすべき役割、この点についてどのようにお考えでしょうか。総理、お願いいたします。
○野田内閣総理大臣 もちろん、被災地の自治体及びそこにお住まいの皆様が、主体的にさまざまな計画を練って復興の事業を推進するということがありますが、基本的には、いわゆる財政力の弱い自治体もたくさんございますので、国がしっかりとサポート、後押しをしていくということと、特に除染などは、国がまさに前面に出て推進をしていかなければいけない事業等がございます。そういうものをしっかりやっていって、御指摘のとおり復興を加速させていく、そういう視点で取り組んでいきたいというふうに思います。
○若井委員 ありがとうございます。 次に、財務大臣にこの復興予算の内容について若干お聞きをしたいと思います。 今回の東日本の大震災は、巨大地震に加えて、津波あるいは原発の被災と、ある意味でいうと想像を超える大災害になっておるわけですけれども、これに対して、今回の補正のうち大震災関係経費、十一・七兆円が計上されております。 しかし、この間、日本の歴史をさかのぼってみますと、我が国は、ある意味でいいますと災害の繰り返しの歴史であり、また、その限りない復興の歴史こそが、ある意味でいうと歴史になっているというふうに思うわけですけれども、そうした連鎖の中で考えますと、被災した地域を支援する、復興するということは、まさに次に来るべき災害に備えるという意味で、大変に積極的な事業になっているんだと思うんです。 そういうことで、今回のこの予算の額ですけれども、どういうふうに位置づけていったらいいのか、多いのか少ないのか、そして、これからどれぐらい見込んだらいいのか、その辺についてのお考えを聞かせていただければと思います。
○安住国務大臣 先ほど若井先生からお話ありましたように、一次、二次と合わせて六兆、さらに今回の復興分が九兆強ということでございますので、最初の集中期間の五年間で十九兆と見込んでおりました部分のうち、十五兆円近くはこれで手当てをするということになると思います。 そして、よく復興がおくれていると大変御批判を受けるわけですけれども、反省もありますが、しかし一方では、一次予算でつけた瓦れきの処理等の執行は順調に消化をしております。 今度の三次補正というのは、復旧ではなくて復興ですね。それぞれの町が、今先生おっしゃったように、廃墟の中から立ち直ってどういう未来像をつくっていくかということで、例えば私の地元の石巻市でも、本当に市議会を含めて大変な議論があって、そういう中で積み上げてきたものをどうやって予算化していくかということで、それにお手伝いをするという予算を今回盛り込んだわけであります。詳細は、もしあれだったら平野大臣から聞いていただければと思いますけれども。 今回の予算の特徴は、いわば国がはしの上げ下げまで決めるのではなくて、それぞれの自治体、今回の場合は本当に三陸は大都市部とは全く違います。私の郷里も、例えば六十ぐらいの集落が無数に浜々に点在をしております。それぞれの集落が、そこに原状復帰をするのか、高台に移るのか、さまざまなやはり複雑さを復興には伴うような地域なんですね。 ですから、私は、そういう中にあって、実は、先生のお話の続きの話をちょっとさせていただきますと、石巻の漁港なんかは非常に老朽化をしております。日本全体の漁港が実は老朽化しているんです。そういう中で、環境衛生、例えばHACCPという世界に通じるような、そういう衛生状況のいい漁港をつくったり加工場をつくるというのは、これは鹿野大臣の所管ですけれども、水産なんかにとっては今非常に重要な課題。千葉でいえば銚子なんかも近代化をしていかないといけない、衛生管理上。 それからいうと、非常に悲惨な市場の破壊状況でありますが、これを逆に災い転じてとするためにも、今度の第三次補正で、世界一衛生環境のいい近代的な市場を逆に石巻市場なり気仙沼市場がつくることによって、他に先駆けてというか、先進的な地域になるような復興に私はしていかなければならない。そのための予算というものを今回つけたというふうに思っていただければと思っております。
○若井委員 財源の問題でございますけれども、この三次補正の財源、その大部分を復興債の発行によって賄うことになったわけですが、これを復興増税等によって二十五年で償還する、そうしたことになりました。 ただ、先ほどの我が国の災害の歴史、復興の歴史を考えてみますと、ある意味で、災害は忘れたころにやってくるではありませんけれども、ある災害の復興をしている間に次の災害が来るというようなことも十分想定はされるわけでございます。関東大震災からはもう百年近くたちましたけれども、先般の阪神・淡路大震災、一九九五年ですが、わずか十六年しかたっていない。そういう意味からいって、この二十五年の償還という期間でございますが、そういう観点からすると大変に微妙な償還期間になっていると思いますけれども、大臣はその辺についてどのような御所感をお持ちでしょうか。
○安住国務大臣 御存じのように、本当に災害多発国家でございます。宮城県を一つ見ても、二〇〇三年に宮城県の今の石巻地方で局地型の大地震がありまして、その後また、たしか二〇〇七年ですか、宮城県北部大地震というのがあって、つまり、同じあの地域、宮城県北部においても、この十年で、マグニチュード七を超えて家屋倒壊や大きな人的損害が出ている地震が三回も起きているわけであります。そのほか、新潟を含めても、水害を含めて言えば、むしろ大災害のない年が本当に珍しいといいますか、そういう中でございます。 しかし、今回のこの大災害というのは、そういう中にあっても特筆すべき大きな津波でございました。関東大震災に匹敵するぐらいの大きなものではなかったかなと思っております。ですから、そういう点でいえば、一般会計や予備費で対応するというのは、今の日本の財政状況から考えるととても難しいのではないか。まして、一方で、財政的な制約というのは、先生御存じのように、ここは昔と違って非常に厳しい状況であります。 そういうことをいろいろるる勘案した中で、大変心苦しいわけですが、税外収入をできるだけ出して御負担をかけないようにしながらも、しかし所得税や法人税といういわゆる基幹税で多少の負担はぜひお願いをしたいということで、今回のスキームをつくらせていただきました。 この長短についてはまたいろいろな意見があるとは思いますけれども、三党の合意を得てそこまで現在こぎつけてきているということは、私は政治の大きな業績としては評価できるものではないかというふうに思っております。
○若井委員 地球規模での歴史を見ますと、マグニチュード九を超えるような地震というのは、往々にして、一年とかそういう間に強大地震が起きているというケースが多いと聞いております。先般のインドネシアのバンダアチェですか、九・一でしたが、すぐ四カ月後に八・四という地震が起きている。そういうこともあるわけでございますので、その辺については私ども常に頭の中に入れておかなきゃいけない、そんなことをこの復興予算の議論の中でも私などは考えておりました。この問題については、これで一応終わります。 次に、復興大臣に復興体制等についての御質問を少しさせていただきたいと思います。 国に復興庁を置き、被災自治体を特区として、それぞれの自主的な取り組みを国が支援するという、そうしたスキームになっていると思いますけれども、このために、今回の予算の中には、地域づくりを進めるための復興交付金一兆五千六百十二億円が計上されているわけです。 しかし、現地の自治体をお伺いしてみますと、例えば陸前高田ですとか南三陸町、大槌町のように、本当にもう根こそぎ市街地がなくなっている、町がなくなっている、どこからまちづくり、復興をしていいのか大変に戸惑っておられるところも多いやにお見受けをするわけですが、こういったところでは、もうすべてがなくなっている現状の中で、余りにやらなければならないことが多過ぎる、どこから手をつけたらいいのか、その手がかりが余りに少ない、そういう現状じゃないかと思うんです。そうしたお声も各地で聞いております。 復興庁が企画と調整といった点を主として取り組んでいくという御方針ですが、今国がなすべきことの一つとして、こうした本当にないない尽くしになってしまっているようなところについて、手がかりになるような第一石を具体的な事業として国が主導で投入するというような、そうしたシナリオも要るんじゃないか、そんなふうに痛感をするわけでございます。 ある意味でいうと、それぞれの地域の特性に合ったパイロット事業みたいなものを提示して、国も前に出て共同実施をしていくべきではなかろうか、そんなふうに思うわけですけれども、復興大臣、こうした点についてどのようにお考えになっておられるでしょうか。
○平野国務大臣 復旧復興の主体はやはり地域住民と被災市町村、このことは繰り返し申し上げさせていただきました。 復旧復興に当たりましては、それこそ政府を挙げて今取り組んでおりまして、産業振興あるいは病院の復活、学校の復旧、こういったことについても各省が今主体的に取り組んでおります。 その中でやはり一番大変なのは、委員も今御指摘があったかと思いますけれども、津波被災というがゆえに、まちづくり、町を根本的につくりかえなくちゃならないということがございまして、そのつくりかえる作業の中で今被災自治体がかなり大きなエネルギーを割いているのは土地利用計画の策定でありまして、その中でさまざまな意見が出てくるということであります。 この土地利用計画の策定につきましては、国土交通省の職員を中心に、国も一市町村当たりの担当を決めて、チームをつくって定期的に市町村に入っています。 この計画がきちっとまとまりますと復興計画は事実上できたという状況になるのではないかというふうに私は思っておりまして、この復興計画の策定ができますと、予算はきちっとつけています、自治体の負担についても川端大臣の御英断で特別交付税というこれまでにない全く新しい制度を入れてあります、事業は進むのではないかというふうに思っています。 ただ、そこまでの段の中におけるさまざまな権利調整、これは国がどうのこうのというのではなくて、自治体の中での何回も何回もの話し合いによって決めていくものというふうに理解しておりまして、その努力を国が、県が、あるいは専門家も入れて後押しをする、これをこれから強力に進めていきたいというふうに思っております。
○若井委員 大変よくわかりました。 その上でお聞きをするわけですが、今のお話ですと、国土交通省が先頭に立ってまちづくりを進めるというシナリオとお聞きいたしましたけれども、例えば瓦れきの活用ですね、瓦れきについても大変にまだ問題が残されていると思います。 本予算では三千八百六十億円、この瓦れきの処理に予算が計上されているわけですが、現状を見ますと、二千二百七十三万トン中、千四百二万トンが仮置き場に一応積み置かれるようになって、既に六二%は仮置き場にあるというふうに聞いておりますけれども、仮置き場に置かれたということが、ある意味で瓦れきの処分が終わったということにはならないわけでございますし、これをさらに今後どうしていったらいいのかということも復興を加速する上では考えていかなきゃいけないテーマだと思います。 先般、総理が、関東大震災の瓦れきは海に埋め立てられて横浜の山下公園に姿を変えているという、そうしたお話もございましたが、本当に考えてみますと、災害の歴史の中で、例えばローマにしても京都にしても、すべて歴史都市というのは廃墟の上にある意味で再建をされている、築かれているというのが現状だと思うんです。 この瓦れきの処理とまちづくりを一つの事業としてコーディネートしていくという、そうしたある意味での発想の転換といいますか、事業の複合化といいますか、そうしたことを進めることを通じて、例えば低地の真ん中に、いざというときに避難拠点になるようなそうした山をつくるとか、そんなことを工夫していくことで復興を加速していかなければいけないと思います。 誤解を恐れずに言えば、瓦れきを遠くへ運ぼうとすればするほど、手間も時間もお金もかかるというのが現実だと思うんです。現地処理ということを原則にしながら、思い切って発想の転換をしていかなきゃいけないんじゃないか、そういう仕組みをつくることが復興庁の役割じゃないかと思うんですが、御所感をお聞かせくださいますか。
○平野国務大臣 今、瓦れきの処理につきましては、政府の方では細野大臣を先頭に取り組んでいただいておりまして、散乱瓦れきについては大体処理が終わって、これから半壊、全壊状態の建物の撤去等々が始まると同時に、二次処理、それから広域処理が始まるというふうに理解をしております。 委員の御質問の点につきましては、やはり使えるものは使ったらどうだという御指摘でございました。 現地では、環境省等々の指導もありまして、ごみの一次仮置き、あるいは二次仮置きの場についての分別はかなり進んでいるというふうに私は理解しておりまして、その中で、例えばコンクリート瓦れきにつきましては、これから本格的な堤防の構築等々が始まってきます、あるいは地盤沈下したところのかさ上げ、こういった工事が始まっている段階で、こういったコンクリート瓦れき等々については積極的に利用していこうということで、今、市町村等あるいは県の方も考えておりまして、こういった使える瓦れきについては積極的に使っていこう、こういう観点で復興復旧を進めていきたいというふうに考えております。
○若井委員 それでは次に、環境大臣に除染の問題について幾つかお尋ねしたいと思います。 日々、困難な除染という仕事に全力投球しておられる細野大臣初めすべての方々に、本当に心から敬意を表します。 その上で、この除染でございますが、今度の補正には二千四百五十九億円予算が計上されておりますし、来年度予算等と合わせると一兆一千四百億円ですか、予算が計上されている。これらの使途について、先般、この委員会の中で、大臣から除染のシナリオについてわかりやすい御説明をしていただきました。警戒区域、計画的避難区域ごとに、また、一、五、二十ミリシーベルト、そうした区分によって除染のあり方の分担といいますか、そうしたことについて御説明があったわけです。 ただ、大変に広大な汚染の広がり、やはり現実的には、これをあまねく一遍に手をつけるわけにはいかないと思います。ですから、どこから手をつけるのが最も効果的なのか、あるいは、住んでおられる方、仕事をしておられる方の安心、安全に最も役に立つのか、そうした、ある意味での、使うべき国土を回復していく戦略が必要だと私は考えるわけです。点から線へつなげ、線から面へ広げていくという即地的な、どこの場所をどういうふうにするか、そういうシナリオをそろそろつくっていかなければいけないんじゃないかというふうに私は考えるわけです。 点に当たる部分は、お住まいの方々、地域の方々が今一生懸命取り組んでおられるわけですが、これを線にし、そこから面に広げていくというような仕事は、これはやはり国じゃなきゃできない仕事がいっぱいあると思う。 例えば、今回、警戒区域は北東の方向へ非常に帯状に伸びておりまして、福島県はそれによって南北に分断をされているという現状になっていると思います。現状の常磐線やあるいは国道六号線等を回復することはなかなか難しいと思うんですが、地図を見ておりますと、ついこの間までほぼでき上がっていた常磐自動車道みたいなところについては、新たな一種の血路を開くといいますか、そうした意味で使える材料じゃないかと私は考えております。 そこまで先走るなとおっしゃられるかもしれませんけれども、そろそろそういう具体的な戦略を書かなきゃいけないと思いますし、そのことが、失われた国土を回復するといいますか、地域の人々を勇気づけるプロジェクトといいますか、そうしたものになっていくと思うんですが、大臣、そうした点について、どんなふうに今お考えになっておられるでしょうか。
○細野国務大臣 警戒区域の除染について、非常に建設的な御提案をいただいたと思っております。 警戒区域、そして計画的避難区域の除染というのは、そこで生活をしておられる方がいらっしゃいませんので、国がしっかりと責任を持ってやっていかなければならないと思っております。 市町村の皆さんのさまざまな御協力をいただいて、ようやく、仮置き場についてもかなりめどが立ってまいりましたし、モデル事業についても具体的な動きが今出てきているという状況でございます。 このモデル事業というのは、若井さんおっしゃったとおり、ある意味で点でございまして、一定の面積ではありますけれども、全体の中でいうと、非常にわずかな面積ということになってまいります。したがって、そこをどう線にして面に広げていくかという戦略は、確かにこれからしっかり練っていかなければならないと思っております。 今御指摘をされた常磐自動車道につきましては、開通直前でこういう事故があったということで、地元の市町村からもここを通したいという御要望もいただいておりまして、国土交通大臣ともいろいろな協議をしながら、どういった方法があるのかということについて今検討をしているところでございます。 したがって、その開通を目指すということになれば、当然、そこが除染をされているということが前提になります。悩ましいのは、原発から比較的距離が近うございまして、そこは、あそこの距離の常磐自動車道をどういった形で扱えるのかというのは、率直に申し上げるとまだ結論が出ておりません。 したがいまして、その常磐自動車道の使い方も含めてもう一度しっかりと検討をさせていただいて、除染がやれるということになれば、ぜひチャレンジをしてみたいと思っております。 いずれにしても、そういう判断は、地元の自治体としっかりと協議をする中で出てくるものだというふうに思っておりますので、さらにしっかりと連携を強めてまいりたいと考えております。
○若井委員 次に、国土交通大臣にお伺いをいたします。 今回の大震災を通じて、すべての国民が、いつどこに、本当に想像を絶するような巨大な地震が起きても、あるいは巨大な津波が来てもおかしくないという実感を持ったと思うんです。まさに、東海、東南海あるいは南海地震、または首都直下型地震、こうしたものの危険性というのは現実のものになっていると思います。 この、いつ来るかもしれない大震災への備えの問題でございますが、今回の予算に防災対策費五千七百五十二億円が組まれておりますけれども、これをどのように使っていったらよいのか、このことを東日本大震災の教訓を生かしながら進めていかなければならないと思うわけです。 今回、復旧復興のプロセスを見ていて大変に印象深かった、くしの歯作戦というのがございます。そうした意味でつくられておったネットワークであるかどうかは別といたしまして、本当に、被災地の背中側にある道路からくしの歯のようにアクセスを確保していって、被災地を救援しあるいは復旧していくこのシナリオというのは、恐らく、私は、来るべき次のそうした災害の際にも大いに役立つだろう、そういうふうに思うわけです。 そうした観点から、現在進められております国土政策、さまざまな社会基盤の整備、こうしたものを見直していかなければいけないと思いますけれども、いかがでしょうか。 私は、千葉県選出の議員でございまして、野田総理とはお隣の関係になっておりますが、総理の選挙区であります東京湾の沿岸などは、首都直下型地震では大変に危険な地域の一つだと思います。この東京を中心とした千葉、神奈川というような地域については、先ほど申し上げた、背骨になるような背後の道路がきちんと整備されているのかということでございます。 横浜横須賀道路ですとか、私の千葉県では北千葉道路等がそうした役割を果たすべく期待をされるわけですけれども、そうした観点から、全国的な国土計画の見直しをする必要性があると思いますけれども、大臣、いかがお考えでしょうか。
○前田国務大臣 お答えいたします。 今回の震災を受けて、七月に社会資本整備審議会がこの東日本大震災の検証をしてくださいました。そこから教訓を導き出していただいておりまして、災害に上限なし、そして命が第一だということでございます。 私も、大臣就任以来、持続可能な国づくりということを申し上げておりまして、そういった意味で、今回の補正予算に盛られているような中身を使って、まさしくそういう、予想される三大プレートが同時にということもあり得るわけでございますから、緊急にやらにゃいかぬことはやる。 特に、御指摘のそういったリンクといいますか、つながっていないところを何とかつなげて、リダンダンシーといいますか、多重防御あるいはバックアップもできるような機能、そういったものを早急に整備する。その先に、今申し上げたような基本的な方針に沿って国土のあり方ということも検討してまいりたい、このように思います。
○若井委員 ありがとうございました。 質問を終わります。
○中井委員長 これにて若井君の質疑は終了いたしました。 次に、伊吹文明君。
○伊吹委員 いよいよ締めくくりになりましたので、我が党を代表して、幾つかの点、今政党間協議が行われているわけですから、今後、この協議を円滑に進めるために確認をしておかなければいけないことがありますので、逐次確認をいたします。総理もTPPやその他で党内ももめてなかなか大変だと思いますが、政党間協議の話になりますので、党首としての指導力を発揮していただかなければいけない部分がありますから、基本的にはできるだけ総理がお答えください。 簡単なことからやっていきたいと思いますが、まず歳出。 今回の補正予算と二十四年度の当初予算の要求をいろいろ調べてみましたが、概算要求を出した後、いろいろまた必要になってくることがあると思います。例えば今与野党間で議員立法でやっている二重ローンの解消策は、法律が通った場合に、信用保証をどうしてやるかとか、そういうことがありますし、いずれ清算のための補正予算を組まなければいけないので、被災地の方々のために、あるいはそれ以外にも、必要なことが生じた場合は第四次補正にするのか。 あるいは、来年度の当初予算の後すぐに補正予算を出すということは財務省としては非常にシェームなことですから、第四次補正予算をつくる、必要に応じて措置をするというお考えはありますか。
○野田内閣総理大臣 基本的に、この第三次補正の成立をお願いする立場で次の段階のお話をするのはちょっとまだ早いかもしれませんが、ただ、今御指摘のあった二重ローンへの対応であるとか、大体、これは追加財政需要というのが発生をするということもありますので、当然のことながらそういう対応はしていかなければいけない、予算措置をしていかなければいけないだろうというふうに思います。
○伊吹委員 それでは次は、昨日の公明党の石井議員の御質問に極めて正直に答えられていたと思いますが、私、十九兆は将来的にはかなりふえてくると思います。これを新たな増税措置を行わずに税外収入と節約でやることを、約束はしていないんですよ、あなたは。基本とするという答弁をしましたね。 だから、これがどうなるかによって、特別会計で経理するかどうか、あるいは一般会計になるのか、何年からどうなるのか、いろいろ状況が違うと思いますが、ふえていくことをやはり立法府としても考えながら対応していかなければいけないので、復興庁ができれば、財務省とよく相談をして、毎年予算を提出するときに今後の復興予算の見込み額というものを、集中期間は五年、あるいは公共事業等の継続の費用を入れれば十年ぐらいの予算計上が必要だと思うんだけれども、その間、立法府に毎年、ローリングをしながら、今後どの程度の費用が必要だということを報告する気持ちはありますか。
○野田内閣総理大臣 伊吹先生御指摘のとおり、きのう公明党の石井委員からの質疑の中で申し上げましたけれども、復興の集中期間五年間「少なくとも十九兆円」と書いてございますけれども、十年間では二十三兆となっていますが、例えば除染の費用等々、これより多分上乗せせざるを得ない、中間貯蔵施設の問題とかを含めまして。 そうすると、そのときの財源をどうするかなんですが、今回の予算編成もそうだったんですが、財源確保、基本的には歳出の削減とそして税外収入の確保に最大限努めて、足らざる部分を臨時的な税制措置でお願いをするという今回の考え方ですが、今後も基本的にはその姿勢で臨んでいきたいというふうに思うんです。 その都度これは、ローリングしながらというお話がございましたが、わかる範囲では、それはやはり当然、国会に御報告をしていくということはしていきたいというふうに思います。
○伊吹委員 我が党の立場を申し上げておきますと、復興復旧については全面的に今までも協力をしてきたと思います。むしろ、昨日までの審議で各党から御批判があったように、政府部内としての法案の提出あるいは担当大臣の指名のおくれ、予算の提出のおくれ、その他があったということが、今日のおくれという批判の原因だろうと私は思うんです。 だから、復興基本法も基本的には我々の出した案をほとんど丸のみしてそのまま通されたわけだし、あなたが財務大臣をしておられたときには通らなかった税法のつなぎ法案は、公明党さんと自民党でわざわざ作成して提出したぐらいですから、今後も協力をしていくということは全くやぶさかじゃありません。 だから、いろいろな面で、今は、役人というか財務省がつくってレクチャーをしてもらって、そして書いてもらった答弁を読む段階はもう過ぎたんですよ。今や政党間協議に移っているわけです。ですから、そこの点を間違えないようにやっていただければ、後からこれは詰めますが、全面的に我が党は協力をして、関連法案も補正予算も今国会中に御心配ないように通す。 しかし、協力をされるかどうか、それは与党としての義務だ。我々もなかなか与党感覚が野党になっても抜けないんだけれども、あなた方も、与党になっているのに野党感覚が抜けずに、例えば三党で協議をした後、そのことについて野党間の調整を、共産党さん、社民党さん、たちあがれ、みんなの党、みんなおられますね、これはやはり与党がやるべきことなんですよ。我々もそうやってきた。だから、そこのところは間違えないようにひとつぜひやっていただきたい。これさえやっていただければ、あとは政党間協議で話がまとまれば御協力をいたします。 そこで、まず一つ、簡単なことからいきますと、今回の財務省が持ってきたこの第三次補正予算三号フレームと書いてある、復興財源となる歳出削減の中に、子ども手当を変えたことによる一千百億円のお金が入っていますね。これは本来、代表質問で我が党の谷垣さんが言ったように、国債減額に回すべきものなんですよ。 ただ、国債減額をすれば逆に復興債がふえるだけのことだから、最終的には国としてはそんなことはどちらでもいいと僕は思うんですが、野田さんにぜひ一つお願いしておきたいのは、あなたの認識を改めておいてもらいたいと思うのは、リーマン・ショックと東日本大震災と衆参のねじれがあったからマニフェストができないという答弁をよくされるでしょう。これは全く違いますよ、全く違う。それは、無駄で九兆一千億、そして税外で毎年毎年、恒常的に五兆円、そして税の見直しで二兆七千億、これだけ見つけ出して四年間で十六兆八千億のサービスをしますと言った、その財源の見通しが甘かったんですよ。そこに尽きるんですよ。 だって、二十二年、二十三年の予算編成はもう既に、三・一一前に終わっているんでしょう。そのときに既に、子ども手当も半分、約束したとおりできていないじゃないですか。リーマン・ショックによる税収減なんというのは、財源の見込みに税収を使うということは一言も書いてないですよ、マニフェストには。 だから、これはこれでいいんだけれども、あえてこれを変えろとは言わないけれども、ぜひ、これを復興予算の財源にしたから結果的に子ども手当ができなかったという根拠にはしないでもらいたい。それは、東日本の人たちに対する大変な失礼なことですよ。どうぞ。
○野田内閣総理大臣 マニフェストの中間検証を八月に党としてまとめていただきました。そこには、伊吹先生御指摘のとおり、ねじれ国会であるとか東日本大震災の影響であるとか、あるいはやはりリーマン・ショック後のあの大きな税収の落ち込みとかという要因も書いていますが、あわせて、十分な検証を行ってこなかったことについての反省も含めて書いてございますので、その反省の中にはいろいろ御指摘の点もあったというふうには思います。そこはぜひ、その三点だけ言っているわけじゃなくて、検証していなかった部分もちゃんと謙虚に書いてあるということは御理解をいただきたいと思うんです。 その上で、子ども手当の扱いなんですけれども、子ども手当もそうですし、高速道路の無料化もそうですけれども、これはやはり三党合意によって、特定の歳出の見直しを行い、それについては復興の財源にする、そういう合意がございましたので、今日に至っているということであります。 御指摘のとおり、普通は、歳出削減分は赤字国債を減らすということが財政学では基本だと思いますが、こういう大震災があったので、特定の歳出の削減は、三党合意に基づいて復興に充てているということでございます。
○伊吹委員 それでは、もうこれは財務大臣を長くやられたから御承知のことだと思いますが、予算は歳入歳出から成っていますね。歳出は、国民の財産である税、それから税外収入、そして将来の国民の負担となる国債をこの限度までこの歳出に充ててもいいという権限を、国民から選ばれた国権の最高機関である国会の我々が、我々が指名をした内閣に与える行為なんですね。しかし同時に、歳入は、これはあくまで見積もりなんですよ。だから、そこまで取っていいということじゃない。取れない場合もあるし、取れ過ぎる場合も当然ある。これは各法律で決めていかなくちゃいけませんね、税法その他。 そして、今、参議院が民意の反映として今のような状況になっているから、この予算を円滑に機能させるためには参議院で関連法案を通さなくちゃいけない。そのために輿石さんも大変な苦労をしているし、前原さんも藤井さんも苦労しているということだと思いますね。だから、今や話は、先ほど申し上げたように、財務省がつくってレクチャーをして、そして、何とか国会を通してもらうために書いた想定問答を読む段階から、政党間の協議に移っているということをぜひ御理解しておいてください。 そして、その三党の幹事長の話し合いは、結局、これは表に出ていないので口頭で申し上げますが、輿石さんとうちの石原君とそれから公明党の井上さんの間で話し合ったのは、一番目は、東日本大震災復興特別会計(仮称)を創設する、そして、その制度設計については三党政調会長間で協議し、結論を得る、これが一番目です。 それから二番目が、復興債の償還期限は二十五年とする。 それから三番目は、復興債の償還財源に充てるための税制措置のあり方は、三党税調会長間で協議し、結論を得る。 これが三幹事長間の合意事項なんですね。これに沿って、今、税調会長の話し合い、政調会長の話し合いが始まっているということです。 そこで、一番簡単な、まず償還期間の二十五年。我々は、六十年がいいと思いました。それは、阪神・淡路も新潟も、今までのものはみんな、復旧だけではなく、復興の恩恵のようなものは建設国債と同じように六十年後の人たちも受益をするから六十年と。しかし、民主党というか野田内閣は、決められた、現代に生きる世代の間でということだったから、これはお互いに見解の相違があります。 何よりも我々は、あなたが一生懸命言っておられる、やはり一番大きなものは、将来の長寿社会、随分続くであろう少子化社会を見据えて、大きなロットである社会保障を含めた税制改正をやらなければならない、その支障になるような負担は各年度に余り過剰に求めるべきではない、こういう考えなんですよ。 そこで、まずこの償還期間なんだけれども、これは、安住さん、ちょっとあなたも答弁がしたいようだから、ただし、あなたの答弁は長いから、簡単にしてください。今、国債を年間どれだけ発行していますか。
○安住国務大臣 償還を含めると百八十兆近く出しております。
○伊吹委員 そうですね。新発債が、赤字国債、建設国債を含めて、三十八兆と六兆だから大体四十四兆ですか。それから財投債がありますね、約十六兆。それから借換債が百十兆ほどありますね。だから、おっしゃったように百八十兆なんですよ。 百八十兆の、要するに償還財源を明確につけていない、日本の信頼を担保にして出しているものをおいておいて、そして、皆さんが言っているとおり十九兆、約二十兆であれば、二十五年なら一年間八千億ですね、あるいは、皆さんが言っているとおり十年であれば、二十兆なら一年二兆ぽっちのと言っちゃ失礼だけれども、国債にだけ償還財源をつけないと国債の信認が失われるというのはどういう発想なんですか。
○安住国務大臣 財務大臣の大先輩であられます伊吹先生にこういう答弁をするのも……(伊吹委員「簡単だよ、簡単」と呼ぶ)短く、はい。 やはり財政への信認というのは、今、非常にギリシャを含めて問われていると思っております。額の多寡のことは確かに先生おっしゃるようなことがあるかもしれません。しかし一方で、こういう千年に一回の大震災だからこそという意見もありますが、これは一次、二次、三次と、償還債という新たな赤字国債の発行をしないでするわけですけれども、それに対する財源の裏打ちをしっかりすることで、新たに積み上げていかないという姿勢は、やはりマーケットの信認を得るためには一つ重要な行為だと私は思っております。
○伊吹委員 そうすると、この復興債は二十五年で償還するということだけれども、どのような国債を発行しようと考えているんですか。
○安住国務大臣 それは、十年物とか五年物、組み合わせて発行しようと思っております。
○伊吹委員 多分、私は、一年とか二年とか、そういうことを考えているんだと思いますよ。それはわかるもの、長い間あなたのところで仕事をしてきたんだから。 そういうことからすると、結局、これはやや長期の財務省証券なんですよ。ということはどういうことかというと、復興財源、本当は増税でやりたい、だけれども、増税でやると、税というのはやはり五年とか十年とか、少なくとも税率をそう動かせないから、毎年毎年いろいろ動いてくる、だから復興債というものをかますことによって実質増税でやりたいという意向なんですよ、これは。 それはそれで別にそういう考えがあっても構わない。構わないけれども、復興債は、少なくとも、二十五年債を発行するという誤解があるけれども、全くそうじゃないものだということを確認してください。
○安住国務大臣 国債のことは、今先生がおっしゃるように、さまざま組み合わせを考えながら、トータルでの発行額というものを決めていかせていただくということになると思います。
○伊吹委員 そうすると、まず、復興債の償還期限は二十五年と決めちゃったわけだから、お互いに幹事長が決めたんだから、これに従うということでしょう。そして、その償還財源は税調会長間で協議する。税外収入にも、例えばJTの株の売却その他、いろいろ意見が違うところがあります。だから、これは我が党の野田毅さんと藤井大先輩との間で、お互いによく手なれておられるんだから、話をしてもらったらいいと思います。そこで決まったことに我が党も従ってやっていきます。 今回の財源確保に関する特別措置法という法律は、これは立法論からしてむちゃくちゃな法律だ。それはなぜかというと、野田さんが財務大臣のときに積み残してしまった二十三年度の税制改正部分が入っている。同時に、今回の復興債の発行権限が入り、復興債の償還のための税外の引っぺがしの部分と、償還のための、償還税の財源、これが混然一体となって入っていて、国民には非常にわかりにくい。 それから、歳出の部分も、これを見るとさすがに、その他の経費、つまり和歌山、奈良のような水害の部分とB型肝炎の部分と東日本大震災関係経費というのに三つに分けて、一番上の東日本大震災経費に十一兆五千億の復興債を財源として充てるというフレームになっている。これはこのつくり方でいいと思うんだけれども、このフレームの歳出の方に入っている地方交付税交付金、全国防災対策経費、その他東日本大震災関係経費、これは東日本の被災者の方からすると、全国に及ぶ経費をおれたちのところに税金で償還する、全国の人に償還させるのかという非常につらい思いをさせる。地元の町長さんやなんかが来られると、そういうことをよく言われますよ。 その他東日本大震災関係経費というのは、これは節電エコポイント補助金とか住宅エコポイント補助金とか雇用の関係費の基金でしょう。それから、地方交付税交付金は、東日本大震災のために税収減になった地方をバックアップしてやるという経費だよね。それから、全国防災対策経費も全国の防災の経費。 母屋でおかゆをすすっているのに離れですき焼きということがあるけれども、余りに多くの居候と連れ子を連れて母屋に入ってこられちゃうと、母屋はおかゆどころか重湯もすすれない。これでは東日本の人たちは弱っちゃいますよ。だから、やはり東日本の人たちは、お気の毒で弱っておられるんだから、離れに移っていただいて、そしてそこでしっかりした御飯を食べて元気になってもらいたい。これが歳出面での特別会計の問題ですよね。 それから、歳入面は、将来的には、事業が終わっちゃえば、ここへ復興債だけ残るわけだ、復興債だけ。将来的には復興債の償還会計になるんですよ。 だから、総理にちょっと確認しておきたいんだけれども、これから政調会長間で協議が行われて、二十三年度、現国会の間でつくるのか、あるいは二十四年度につくって引き継ぐのかは別なんだけれども、つくられた場合に、復興の歳出はこの特会に計上するんですね。それは当然そうでしょう。
○野田内閣総理大臣 ベースになっている考えは、私は、今三党の協議もあると思いますが、もともとの三党協議のときのいわゆる復興基本法で、その八条、九条のところに出てきます、復興債を発行することができる、それについては償還の道筋を明らかにする、あるいは資金の透明化を図る、この考え方に沿って、当時から、特別会計がいいのではないか、いや、そうじゃない方がいいという意見があって、そのとき決まっていなかったんですが、昨今の政調会長間の協議、そしてこの間の幹事長間の協議においては、特別会計をつくっていくということを大筋決めて、今度はその制度設計だと思うんです。その制度設計のときに御議論いただければというふうに思います。
○伊吹委員 くれぐれも、財務省の言うままになって、国債整理基金特別会計と同じような復興債整理特別会計みたいなものを、安住さん、あなたつくらせちゃだめですよ、政治主導で。これは、必ず歳入歳出をここへ計上させて、勘定を別途つくって、その勘定で既発債の償還をしていく、そして一般会計から、今回言われている各税目の、直入規定というのかな、それを入れて償還させていくという構図なんですよ。 それで、これをつくるのは、財務省からすると、今ある法律を直さないといけないから、大変な抵抗をしているのはよくわかるんだけれども、ここは大局的判断でやらないと、参議院が通りませんよ。せっかく予算が通っても、歳入法案が参議院でごちゃごちゃしたら、だめなんですね。 だから、お手元に配ってあるでしょう、三党幹事長会談のときに輿石幹事長にこれを渡してある。そして、それを持って帰って、多分財務省に持っていったんだと思う。政調会長同士の話し合いをしたときに、財務省の役人が後ろに座って、回答文を御党の政調会長に渡して、そして御党の政調会長が、これでお願いしますということを我が党の政調会長と石井政調会長に話しているんですよ。 こんなやり方をしていちゃだめですよ。だれがついてきているか、名前まで私はわかっているけれども、こういう場だから、後輩のことでもあるから言いませんけれども、政治主導、政治主導と言って役人をあれだけないがしろにしてきた政党なんだから、やはりもう少し勉強して、毅然として政党でやらにゃだめだよ、これは。どうですか、総理。
○安住国務大臣 伊吹先生、私どもがつくった案ではなくて、政調会長の御判断で、党としてその紙は表に出さないので、それは公党間の信義ですからお答えをさせていただいて、ペンディングになっているということだと思います。 事業会計にするか区分会計にするかということは、極めて専門的な、先生一番御存じの話ですが、一つだけ私は疑念として持つのは、例えば今回の仮に三次補正に当てはめると、防衛省のF2の改修問題、それから警察庁がパトカーを買うとか、こういうことも一切合財含めて特別会計の事業に全部盛り込むというのも、これも一つ課題としてはあるのではないかなという気もするので、これは私の疑念でございますが、今後議論をぜひさせていただきたいと思っております。
○伊吹委員 そのために主計局があるんでしょう。盛り込んじゃいけないものを排除するのが主計官の仕事じゃないの。そんなこと言っていちゃだめだよ。こんなものは盛り込めないという場合は盛り込めないし、入れていいというのは入れていいんですよ。最後は国会の承認を得るんだから、悪ければ我々が予算修正をさせますよ。 だから、そんなことは、入れるか入れないかグレーみたいなところはありますよ。除染の費用をどうするかなんというのは、東電に最終的に求償するのか国がやるのか、いろいろなことはあります。だけれども、それは一応一義的には主計局が判断をするんですよ。それが財政というものなのよ。それが、どちらへ入れたらいいか、どうだとかこうだとか、それは財務大臣が言い出しちゃだめです、あなたにその権限があるんだから。おかしいものは入れない、そんなこと当たり前のことじゃない。 だから、特別会計法をつくるということはそんなに難しいことじゃないんですよ。これは、目的と歳入と歳出と、それから復興債の発行権限とその償還の勘定、それから償還するための直入、税の償還目的を明確にするということ、それから余剰が出た場合に一般会計に戻しますという規定、それだけつくればいいんですよ。 だから、総理、本会議で小渕さんがと言ったでしょう、あなたは小渕元総理をリスペクトしているとおっしゃったけれども、リスペクトじゃいけないんですよ。イミテートという言葉は、日本語の語感からするとまねるという語感、別に英語じゃおかしな言葉じゃないんだけれども、日本語はイミテーションというのは余りいい言葉じゃないから、あえて言えばサクシードというのかな、小渕さんの志を継ぐ総理にならぬといかぬでしょう。小渕さんは何をやったかというと、嫌がる官僚をきちっと抑えて、そして、当時の野党の皆さんの言っていることを最大限というか、ほとんど丸のみをしながら金融危機を乗り切ったんですよ。 もちろん、そのときは宮沢さんという総理経験者がそこに座っておられたんですよ。それで、官房長官の席は、極めて細やかな心遣いと細心の準備をするんだけれども、決断は剛腕をもってやる野中さんが座っていたからそれができたという一つの大きな原因でもあったんだけれども、ぜひ総理、これは政調会長にしっかりと協議をするように言ってください。きょうの週刊新潮にいろいろなことが載っていますが、まあ、そういうことはほとんど僕は真実じゃないと思うけれども、そういうことがあるから政調会長の協議がうまくいかないということでは国民に迷惑をかけますから、これは必ず。 そして、どうせ法律は、もう二十五年になったんだから変えなくちゃいけないんだから、変えるときにいろいろ話し合えば、新しい法律は二十四年度でもいいけれども、この法律の附則にかなり必要なことを書き込むという形で処理できるとか、いろいろな知恵は出てくるんですよ。今、財務省の言っていること以外、全く棒をのんだような状況になっているということは、これはやはりだめですよね。これはぜひ要望しておきます。 そして最後に、私はあなたと全く考えを同じくしているんだけれども、社会保障と税の一体改革を早くやって、そして、石破さんもきょういるし、野田さんもいるけれども、この赤字国債の大部分は自民党の責任ですよ。我々がやっていたころに、我々は少数派だったんだけれども、消費税の引き上げをずっと党内で主張したけれども、常に弾圧を受けておったんですよ。 だけれども、最後にあの法律を通すことになったんです。これでこのとおりいけばと思っていたときに、マニフェストに一言も触れていない民主党、そして茂木さんが質問をしていたけれども、この政策インデックスをどう読んでみても、あなたの言っていることは少し無理がありますよ。論語に、君子財を好む、これをとるに道ありという言葉がありますね。だから、立派なことをやるにしても、やはりきちっと憲法上のプロセスを経ないといけないと思うんですよ。 幸い、安住さん、あなたはこの前、野田さんに対して間違ったことを言っているよ。それは、参議院選挙のときに自民党は公約をしたけれども、衆議院選挙のときにしていないじゃないかということを言ったよ。そんなことは絶対ありませんよ。自民党の衆議院選挙のときの公約を読んでごらんなさい。税法の附則に従って粛々と進めると。粛々というのはそれは言葉のあやだけれども、社会保障と税の一体改革を進めるということを明言している。 だから、我々はもう既にやれる体制になっている。だから、皆さんが今度のことをきちっと公約して選挙をすれば、どちらが勝とうと負けようと、同じことを言っているんだから必ずできるんですよ、終わった後。その前に党内をまとめにゃいかぬ。 そして、安住さんのも、これはいずれ選挙公報、それからアンケートその他調べておきます、法案提出までに。野田総理が衆議院の総選挙の間に朝日新聞の候補者アンケートに答えていること、毎日新聞の候補者アンケートに答えていることを読みますよ。徹底して無駄を削るまで消費税は上げないと。徹底して無駄を削れているかということ。それから、引き上げの際は、引き上げ幅や時期、目的を明確にして、選挙で選挙民の審判を受けてから行いますと。だから、実施時期、引き上げ幅その他をすべて法律で国会を通してから、実施までの間に解散をして民意を問いますというのは、どう読んでもこれは読めない。 だから、それはこの前も藤井さんと二人で話をしていたんだけれども、常識的に言えば、実施時期については別途法律で定めるとかいうやり方はあるねと。今のようなことをやっていれば、岡田君が言ったように、負ければどうなるんですか、実施時期や税率まで入れちゃって。 これをやるためには、ぜひ公約をしなさい、マニフェストできちっと。そして選挙をする、我々も同じ公約をしますから。そうしたら、どちらが勝とうと負けようと日本の将来は救えるから。この点を総理に申し上げておきます。 以上。
○中井委員長 これにて伊吹君の質疑は終了いたしました。 次に、高市早苗さん。
○高市委員 おはようございます。自民党の高市早苗でございます。 貴重な質問時間をちょうだいいたしました同僚議員の皆様に、まず感謝を申し上げます。 野田総理とは、松下政経塾の草創期に御一緒いたしまして、在塾期間も一時重なっておりましたので、御就任のときには大変うれしく、誇らしく存じました。また、ちょうど入塾試験から卒塾するまで松下幸之助塾主に直接御指導いただけた大変幸運な世代でもございますことから、結構、国家経営理念ですとか政治姿勢ですとか、そういった基本的な価値観に共通点が多いんじゃないかな、政党は違いますけれども、頑張ってほしいな、そういう思いで活動を拝見しておりました。 ところが、最近、自民党内で、松下政経塾というのは一体何を教えているところなんだと、かなりあきれる声も多く伺うようになって、多少肩身が狭いことも確かでございます。 きょうは、理事のお許しをいただきまして、松下幸之助塾主から私たちが教えていただいたことも少し紹介をしながら、主に総理の政治姿勢について伺いたいと思います。 まず、野田総理は御自身のことを公僕だと思われますか。
○野田内閣総理大臣 はい。国家国民のために、公のために一生懸命仕事をしたいというふうに思っております。
○高市委員 昭和四十二年、松下幸之助塾主は、当時の佐藤栄作総理大臣が御自身のことを公僕だとおっしゃった、これに対して苦言を呈されました。国家公務員など国家国民に忠誠を誓って奉仕されるのが公僕だとして、「あなたは主権者の代表ですよ、公僕の方々に働いてもらう立場にあるんですよ、その人がみずから公僕と言うようなことでは、国家経営の偉大な理念が生まれんでしょう」、こういうふうにおっしゃったということです。 野田総理の人柄のよさは、国民もみんなもう知っていると思います。庶民性ですとか、それから平身低頭といったスタイルをアピールされるのは、もうほどほどにされて、できましたら、有権者の代表として、また主権者の代表として、堂々たる国家経営の理念を力強く打ち出していただきたい、私はそう望んでおります。 松下幸之助塾主は、政治は国家経営だといたしまして、その中で最も大事なのは国家経営の理念であるということでございました。「経営理念がないと、国民の活動もよりどころが見出せず、ばらばらになりがちになり、また他国との関係も場当たり的になって、相手の動きによって右往左往するという姿になってしまう」、こう指摘されました。 総理は、九月、十月と二回の所信表明をされましたけれども、残念ながら、選挙区に帰りますと、野田総理はすごく人柄はよさそうなんだけれども、何をしたいのかさっぱりわからない、こういった声を多く伺っております。 政権を樹立されてから二カ月もたちますのに、総理自身の国家経営の理念というものが国民に伝わらない。その理由は何だとお思いでしょうか。
○野田内閣総理大臣 まず、何をしたいのかわからないということですが、何をしたいというよりも、今何をしなければならないかというときだと思っていまして、それは、この内閣の最優先の課題として、復興の問題と原発事故の収束と日本経済の再生、これを最大かつ最優先の課題と言っています。このしなければならないこと、マストのところの国難をまず突破していくというのが私の役割だと思います。 その上で、その先にある、展望する、目指している社会としては、この国に生まれてよかったと思える、そういうプライドの持てる国と、そして中間層の厚みのあるという国、こういう方向を目指しているということは、所信表明演説でも申し上げているところでございます。
○高市委員 総理が、今急いでなすべきこと、それからこれからしたいこと、そういった分け方でお話をくださいました。 ただ、総理が今すべきだと思っていらっしゃることも、したいと思っていらっしゃることも、残念ながら、まだ国民に浸透していないのが実態だと思います。これは毎週地元に帰って私が感じることです。 その原因は三つあると思うんですね。ここまでの予算委員会の審議、また御答弁などを伺っていまして感じたことなんです。 一つは、国家観がばらばらな閣僚の方々による言動の不一致ですね。 二つ目の問題点というのは、何か先送りのイメージが強くなっているということなんです。 総理御自身も、ことし十月号のボイスで、「政治の最大の問題とは、いったい何であったか。私は、決断すべきときに決断をせず、大事な問題を先送りばかりしてきたことだと思う。」こう書いていらっしゃいますし、九月の所信表明でも、「政治が指導力を発揮せず物事を先送りすることを、日本化すると表現して、やゆする海外の論調があります。」こういうふうにおっしゃいました。松下幸之助塾主も、「一部の反対を理由に、なすべきことの実行を怠ったり、国としての方針をなかなか明らかにしなかったり、その場限りの問題の処理に追われて国家の未来のための歩みを忘れている政治は真の国家経営とは言えぬ」、こう指摘されております。 このところ、総理の御発言ですとか、委員会での審議の状況の中で、例えば、国家公務員宿舎の建設を五年間凍結するとか、それから八ツ場ダムをつくるのかつくらないのか、これもまだはっきりしてこない。こういう先送りをすることによって発生する無駄というのは、私は、より深刻なものだと思っております。 また、年金、医療につきましては、我が党の加藤委員、それからまた棚橋委員が質問をいたしましたけれども、どうも社会福祉の全体像も見えてこない。 例えば、民主党のマニフェストの中に、後期高齢者医療制度を廃止しますと書いてあったんですけれども、小宮山大臣の答弁を聞いておりますと、来年度、保険料が上がることが見込まれるものとして、後期高齢者医療ということが出てきまして、ちょっとこれもびっくりいたしました。 最低保障年金、これも、消費税を財源にして七万円ということでやりますとマニフェストに書いてあったんですけれども、その制度設計も、平成二十五年度ですか、そういった答弁ですと、なかなかこれは、四年の間にマニフェストを実行するという総理の姿勢からしても、実行には至らない。それから、それ以前に消費税を上げるということになりますと、では、その最低保障年金の財源はどうするんだ、こういう疑問も出てきます。 総理は、とにかくTPPで恐らく外需をふやしていこうというようなお考えなんじゃないかと想像いたしますけれども、むしろ、年金や医療保険料などそういったものへの不安による内需の冷え込み、この方が私には心配です。 総理の思いが伝わらない三つ目の原因は、やはり総理がおっしゃるスローガンとそれから民主党の政策の整合性について、なかなか理解がしにくいということがあると思います。 これから詳しく説明をしていかれることだろうと思うんですけれども、例えば、総理は所信表明演説で未来への責任ということを理念としておっしゃいました。私自身のおととしの衆議院選挙のポスターのキャッチコピーも未来への責任だったんですね。全く同じです。ところが、私は、国への過剰な依存心をあおるようなばらまき政策を排して、むしろ自立と勤勉の倫理を取り戻す、その方向こそが未来への責任だと感じておりましたので、今の民主党の政策には多少違和感を感じております。 以上三点、大変失礼かと思いましたが、総理の国家理念がうまく伝わっていないことの原因だと私が感じることでございます。 少し、外交方針など基本的な事柄について伺いたいんです。 野田総理は、平成二十年四月二十三日の衆議院外務委員会で、当時は野党議員としてですが、日中外相会談について取り上げられました。当時の高村外務大臣に質問をされまして、当時の中国の外交部長がチベット問題は中国の内政問題だとしたことにつきまして、野田総理は、「私は、少なくともそうではない、国民感情はそうではないと思う」「人権という観点からすると、」「これはもう間違いなく国際的な問題で、国際社会が注視しているということを、これは何度も何度もお伝えをしなければいけないのではないか。」と発言されました。 野田総理に続けてお答えをいただきたいのですが、チベット問題は、中国の内政問題ではなく、国際的問題であり、人権問題だという考えに変わりがないかどうか。 それから、総理は、何度も何度もそれを中国側に伝えなきゃいけないという指摘をされたんですけれども、G20では中国首脳とも御一緒だったと思うんですけれども、野党時代からの御自身の問題意識を伝えるよい機会だったと思いますが、お伝えになったのかどうか。 三点目には、もしもそのチャンスがなかったとしたら、これからお伝えになる予定があるのかどうか。 四点目には、実は、先月来日されましたダライ・ラマ十四世に、私も、安倍元総理や渡辺周防衛副大臣、それからまた長島首相補佐官などとともに意見交換の場に参加をしてきたんですけれども、どうも官房長官から長島さんはおしかりを受けたやに聞いておるんですけれども、それが事実なのか。事実だったら、なぜなのか。 以上四点、恐縮ですが、お願いいたします。
○藤村国務大臣 事実だけ申し上げますと、報道では、注意したとか、何かそういう報道があります。私は、先ほどの当時の高村外務大臣の考え方で、そのことを申し上げたら、わかりましたという返事であった、これだけでありました。
○野田内閣総理大臣 当時の高村外務大臣に私がそういう質問をしたという記憶はあります。 その上ででありますが、政府の立場としては、チベットの地位の問題は、我が国は従来から、中国の内政問題であるとの立場であるということでございます。
○高市委員 かなりがっかりでございます。といいますのは、野田総理がこれまで、野党議員時代それから総理になることが決まってからさまざまなところに発表されたこと、発言されたこと、非常に国家観が近いと思って期待をしておりましたので。では、今は、内政問題であるというのが野田総理のお立場であるということですね。これは確認をさせていただきました。 先ほど伊吹委員が、きょう発売の週刊新潮の記事に書いてあるようなこと、恐らく本当じゃないんだろうけれどもという言い方でおっしゃって、私自身も余り週刊誌の記事を材料にして質問をすることは好きではないんですが、同僚委員から、質問時間がとれなかったのでどうしても確認だけしてくれということがございますので、恐縮ですが、申し上げます。 これは玄葉大臣でございますけれども、記者たちとのオフレコの懇談会の中でおっしゃったこと、「そもそも、沖縄は米軍に占領されているようなもんだ。普天間の問題を解決するためには、アメリカを追い出すしかない。それで、中国が尖閣を欲しいと押し出してくれば、尖閣も中国にさし上げればいい」、こうおっしゃったという報道なので、事実ではないだろうと確信しつつ、ただ、事実関係だけ教えてください。お願いします。
○玄葉国務大臣 ただいま紹介された話は、一〇〇%事実無根でございます。そこに同席をされていた方々が全員御存じでございまして、当然ながら、問い合わせが来ましたのでそういう回答をいたしましたが、記事にしたということで、特に領土にかかわる話は許しがたいというふうに考えておりまして、強い抗議をしたいというふうに思っていますし、場合によっては法的措置も考えたい、こう考えております。
○高市委員 安心いたしました。玄葉大臣も政経塾の後輩でございます。これは、毅然と抗議をしていただきたいですし、国民の皆さんも心配されることですので、よろしくお願いをいたします。 それから、領土、領海についてなんですが、総理は「わが政治哲学」に、「いまなすべきは、領土領海に絡む重大な事件が発生した場合に日本がいかなる姿勢を打ち出すべきか、あらためてシミュレーションをしておくことだ。」と書かれました。この領土、領海に絡む重大な事件が発生した場合のシミュレーションという作業には着手をされたのか、もしくは担当大臣に既に指示をされたのかどうかということが一点でございます。 それから、先日も領海内で中国漁船による漁業法違反容疑事案が発生いたしましたけれども、昨年の尖閣沖の中国漁船事件に関しての民主党政権の対応というのはひどかったなと思っておりますが、昨年の反省点の洗い出しですとかその改善作業などはもう終了しているんでしょうか。 以上二点、お願いいたします。
○野田内閣総理大臣 領土、領海に関することは予想もしないことが起こり得るということがあると思います。そのためのシミュレーションは、内々にいろいろなシミュレーションを行わせていただいております。具体的に言うのは、これは差し控えたいというふうには思います。 その上で、今回も、領海の中で違法操業をやって、そして警告を無視して逃げたという事案がありました。これについては法的に粛々と対応させていただきました。
○高市委員 次に、予算に関することなんですが、総理は、九月十三日の所信表明演説では、「若者、女性、高齢者、障害者の就業率の向上を図り、意欲あるすべての人が働くことができる全員参加型社会の実現を進める」、この必要性をアピールされました。大いに賛同です。 先ほど、自立と勤勉の倫理という言葉を私、使わせていただきました。そのために有意義な事業として、これは本予算の話になりますが、シルバー人材センター援助事業予算というのがございます。六十歳以上の方々が、御家庭や事業所、それからまた自治体などから、地域社会に密着した臨時的、短期的な仕事を有償で請け負っている、まさに高齢者の方々の自立。 この意義というのは、年金だけで生計を維持することが困難な場合に高齢者世帯の生計を補完し、長寿社会における自立した生活を目指すことですとか、地域社会の一員としての生きがいを感じること、それから働くことで健康を維持する、これで医療、介護財政負担軽減に貢献している。東日本大震災でも、被災地に向けて支援物資の仕分け作業などでも頑張っていただきました。 ところが、この予算なんですけれども、平成二十一年十一月十三日の事業仕分けで無駄扱いされてしまいまして、予算要求の三分の一程度縮減とされました。実際、そういう形になっております。自民党政権が編成した平成二十一年度の予算と比較すると、平成二十三年度は三二・八%減っております。 シルバー人材センター側は職員を減らしたりすることで対応しているんですけれども、職員の方々は内勤だけされているわけじゃないんですね。仕事を探しに行く、掘り起こす、それを高年齢者の方々に紹介する、契約をする、現場を見に行く、そして仕事が仕上がったら代金の徴収もする。さまざま忙しい中で、もうそろそろ限界が来ております。 総理が所信表明でおっしゃった、高齢者も含めてすべての方が働ける環境ということになりますと、その理念とこのシルバー人材センター予算のかなり大きな削減というのは逆行するように思うんですが、来年度に向けてどのようにお考えになりますでしょうか。
○蓮舫国務大臣 お答えいたします。 確かに、第一段目の事業仕分けにおいて、シルバー人材センターの事業そのものは取り上げさせていただきました。 この人材センターというのは、御高齢者の方たちが引退をされた後に会費を払ってここに加盟をして、そして時給等でお仕事をさせていただくというスキームになっておりますが、その方たちの得られる報酬と比べて、組織の中の特に役員、再就職の方たちも含めた待遇が極めて格差があるのではないか、そういう部分ではもう少し透明性を持って、組織の中の人件費、間接経費等のあり方を一度整理していただいて、国からのお金を、人件費というよりも、会員になっていただいた御高齢者のためにうまく活用していただきたいというふうにまとめさせていただきましたので、ぜひその部分は御理解をいただきたいと思っております。
○高市委員 ただ、かなり大きな削減でございますので、実際、現場では既に影響が出ております。 野田総理には、所信表明でおっしゃった方向性に合わせて、もう一度、過去の事業仕分けの結果も含めて、生かした方がいいもの、そうではないもの、しっかりと、御自分の理念を実現するために必要な予算については御再考を願いたいと思います。これはお願いを申し上げておきます。 先ほど閣内不一致の問題、憲法上の閣内不一致というよりは閣僚の言動の不一致ということ、指摘をさせていただいたんですけれども、一昨日の予算委員会では、茂木政調会長に対しまして枝野大臣の方から、閣議決定に先立つそれぞれの個人の意見、思いがある、そのことが世の中にも表明された中で、最終的に閣議決定された方針に従うということであれば憲法上問題がない、こういう答弁がございました。これは憲法の解釈です。 それで、九月二十七日の予算委員会、これは我が党の河井克行議員からの指摘に対しまして野田総理御自身が、「閣議で、政権で決めたことには従う、そういう政権であるべきだというふうに思います」、こう答弁をされています。 確かに、全部の閣僚が個々の政策について全く同じ意見を持っているということはあり得ません、これは常にそうだと思うんですけれども。ただ、自民党政権時代には、もうそれこそ閣議決定事項以外のこと、国会外での発言、過去の発言も含めて、少しでも食い違いがあると閣内不一致だということで責め立ててこられたのは民主党でございますので、今般の答弁を伺いまして、余りにも御都合主義だ、こう感じました。 例えば、私自身も、閣僚を務めさせていただきましたとき、相当自分で気を使っていたということはございます。例えば、松下幸之助塾主が、「国民は株主、国会議員は株主の代表、国会は株主総会の場だ」、こういう表現をしておられました。まさに内閣というのは日本国株式会社の経営機関でございますね。ですから、少なくともその株主代表が集まる国会の場では統一した経営方針を示す、そういった義務があるんだろうと思います。 閣僚というのは、それぞれお考えはあるでしょうけれども、少なくとも、実現できるかどうかわからないということに対して、言いっ放しで何にもやらないとか、そういうことは公の場では慎んでいただきたいと思いますし、私たちも内閣を組織しておりましたころには、あらゆる質問主意書に対する答弁書、これは当然閣議決定されていますから、こういったものも読み込み、そして私自身も、朝の四時台に起きて、総理や官房長官が記者会見でおっしゃったこと、他の閣僚が委員会で答弁されたこと、こういったことまで読み込みながら、そごを来さないようにいたしておりました。 総理がおっしゃった閣議決定事項以外のことに関して、もしも政権がかわった場合ですけれども、それを閣内不一致という追及のされ方はしないということを党の代表としてお約束できるのかどうかということが一点。 それからもう一つは、閣議決定に従うということを強調されましたけれども、それでは、野田内閣の閣僚が各委員会などでおっしゃったことについては、これはもう野田内閣としては実現の責任が持てない事柄、こう解釈をせざるを得ないのかどうか。 以上二点、総理に伺います。
○野田内閣総理大臣 政権を運営していく上で貴重なアドバイス、経験に基づいていただきましてありがとうございます。 基本的には、これはもう当たり前だと思うんですが、何党が政権をとっても、法治国家ですから法律に基づいて政府は執行していく、閣議決定は当然、これも重要ですから、この方針のもとで全員が一致して行動するということに尽きるというふうに思います。
○高市委員 それでは、これまでの、民主党が野党時代の自公政権に対する国会での言動、特に閣内不一致、こういったものについて、閣議決定以外の事項についてさんざんなことをおっしゃいましたが、これについては間違いであった、こういうことでよろしいですね。
○中井委員長 野田内閣総理大臣。時間が来ていますので、手短にお願いします。
○野田内閣総理大臣 ケースによると思います。 著しくこれは閣内不一致じゃないかと見えたときには激しくやったというふうに思います。それは逆に、私どもも、そういうことがあった場合には、そういう御指摘をいただくことになるだろうというふうに思います。
○高市委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○中井委員長 これにて高市さんの質疑は終了いたしました。 次に、東順治君。
○東(順)委員 おはようございます。連日お疲れさまです。公明党の東順治です。よろしくお願いします。 この予算委員会の質疑に並行して、ただいま大変熱心に、選挙制度の改革について政党間協議が精力的に行われております。もう既に五回を重ねました。明日また開催で六回。こういうことで、この中でいろいろなことが議論になり、乗り越えなきゃいけないテーマみたいなこともほぼ収れんされてきている。そういう時期で、野田総理の、そしてまた民主党の党首たる野田総理の御見解を私はぜひ確認しておきたい。こういう意味できょうは質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 最初に、民意というものがございます。選挙のときにあらわされる民意。この民意の集約と反映、このことについて伺いたいと思います。 総理も御存じのように、十七年前、選挙制度改革の大議論が行われました。大変激しい議論で、その議論の末に、それまでの中選挙区制から現行の比例代表並立制というものに結果的に移行した。今日まで五回の衆議院選挙を経ながら歳月が流れてきたんですけれども、この間、この選挙制度のもとに衆議院選挙が行われて、物事には何でも光と影がある。つまり、プラスの面あるいはまたマイナスの面がある。歳月とともに、プラスの面は生かしつつ、マイナスの面はやはり改めていくということが私は大変大事なことなんだろうと思います。 そういう意味で、あのとき、いわば政権交代を可能にする制度をつくらなきゃいけないということが一つの大テーマになった。しかし同時に、この選挙制度だったら死に票が相当出るんじゃないかということが大変懸念材料でもあった。この懸念材料はそのままにおかれながらも、ともかく政権交代可能な、そういう選挙制度というものをつくっていこうよということが優先されてきたように私は思っています。 そういう意味で、現行制度のプラスマイナス、光と影、総理はどのようにお考えですか。
○野田内閣総理大臣 私も、九三年初当選ですので、九四年の政治改革のあの熱い議論は一年生として参加をさせていただきました。そこで生まれた、今実施をしている、小選挙区をベースとしたいわゆる並立制でありますけれども、この光と影は、私、両方経験をしています。 光は、こういう形でダイナミックな政権交代も起こり得るということ。民意の反映というよりも民意の集約という形で、政権選択、政策の選択、政党中心の選挙。そういう意味では、かつての中選挙区制の個人中心の選挙と比べると、そういう面でのメリットはあったというふうに思います。 ただ逆に、私は、平成八年の選挙で、百五票差で負けています。(発言する者あり)いや、理由はいろいろあるんですが。惜敗率九九・九%でした。重複立候補していなかったということで、敗北しました。死に票をたくさんつくったんですよね、その意味では。その影も感じました。 両方、いろいろあるだろうというふうに思います。
○東(順)委員 まさに私もその点は同感ですね。 それで、具体的に、歳月を経て今の政治を見たときに、やはりちょっと内向きになり過ぎていないか。二大政党における過度な激突、消耗戦、こういうものがやはり露呈してきているのではないか。つまり、政権交代というのが自己目的化し過ぎているんじゃないかという気が私は率直にします。その内向きになっている分だけ、世界に向かって日本の政治のメッセージ性というのが大変弱くなってきているし、不安定になってきているのではないかというふうに思います。 もちろん、制度だけが原因ではない、いろいろな原因があるんでしょうが、やはりその中の大変大きな原因がこの選挙制度にあるのではなかろうかなと私は思っています。 これからの時代は、もう世界は本当に狭くなっていますから、与野党という構図はもちろんあるんですが、同時にやはり、国内政治のコンセンサスというか合意づくりみたいなことは、やるべきものはスピーディーにやっていきながら、世界にどんどんメッセージを出していかなきゃいけない、そういう大事なものがこれからのものだろうと私は思うんです。 大きな選挙をやるたびに何々チルドレンみたいな大変恥ずかしい言葉が横行していくような、こういう選挙というのはきちんと是正をしていかなきゃいけないというふうに僕は思います。 例えば、その極端な例が〇五年のいわゆる郵政選挙と言われた選挙ですね。ここで自民党さんが大勝ちをしました。しかし、そのときの得票率は四七・八%。つまり、半分にも至っていない得票率なんですね。五割に至っていない。しかし、この四七・八%という得票率で、実に議席は七三%を獲得して、大勝ちをした。 今度はその反動で、振り子のように、その次の、先回のいわゆる政権交代選挙と言われた〇九年の衆議院選挙。今度は、民主党さんが同じように得票率が四七・四%。これは五割行っていませんね。しかし、議席獲得率というのは七四%。 こういうふうになってきて、そして、この間の選挙、この二つの選挙で何々チルドレンというような言葉が生まれ、大きくスイングして、政権交代はできたんだけれども、同時に私は、この二つの選挙を経て、政権交代が自己目的化した、そしてまた、過度な激突、消耗戦というものが始まったような気がするんです。 そういう意味からいったときに、ちょっとここは立ちどまって、もう一回見直さなきゃいけないのではなかろうかということをこの二つの選挙が教えているんだろう。 つまり、ワンイシューで、劇場型選挙みたいな形で一気に振れてしまうということになった。さあ、確かに民意は集約をされた、七十何%で。四十数%の得票率で七十数%の議席を得るわけですから、民意は集約されたと言えるかもしれません。しかし、その集約というのは、本当の集約だろうか、人為的な集約じゃなかろうか、ゆがめられた集約ではなかろうかなという気が私はするんです。 では、今度は、その民意の反映というのはどうなったんだろう。得票率と議席獲得率のこの物すごい格差。国民の民意というのは正確に選挙に反映されたんだろうか、集約がゆがめられた集約かもしれない、だったらば、民意というのは圧縮をされ、本当の意味で生かされていない選挙ではなかったんだろうか、こういう思いがするんです。 こういうことを経ながら、結局、死に票、あるいは国民の選挙離れ、政治への距離が広がっていく、政治不信が広がる、そしてやがて政治が漂流化をしていく。羅針盤なき海図の海を政治が漂流していくような、そういう現状に今立ち至っているのではなかろうか、私はこのように思うんです。 そこで、世界の選挙制度の潮流というものを私も調べてみました。この二百年間で、いわゆる小選挙区制から比例代表に選挙制度を移行させた国が二十七カ国ある。今度はその逆で、比例中心から小選挙区に移行した国はたった七カ国なんですね。そして、今や比例代表制を採用している国が世界で七十カ国に及んでいる、こういう現実があることに気づきました。 結局、世界の大きな潮流に下手すると日本というのは逆流し始めているんじゃないか。二大政党制というのが何かすごく賛美をされて、これこそという形であの十七年前は選挙制度改革がなされたけれども、ひょっとしてこれは逆流しているかもわからないぞ。その分、コンセンサスというものが本当に弱くなってきて、世界に乗りおくれ始めているんじゃないか、下手すると相手にされなくなり始めているのではないかというふうに思います。 本来、民主主義の選挙というのは、やはり得票数と議席数というのが果てしなく一致するというところを求めていく、これがやはり大原点であろうというふうに思っております。そういうふうに思い、各党協議会でもそれが大変な大きな議論になっております。どう思われますか。
○野田内閣総理大臣 そもそも、今の現行の小選挙区比例代表並立制を導入する前に、ずっと中選挙区制でした。そのときの日本の政治というのは、結果的には、政権交代が起こらないがゆえに、一つの政党がずっと政権を預かり続けるということでありました。それが何十年も続いてきて、それこそ世界の潮流から全く逆の方向だったということの反省の中から、政権交代が起こり得る、政策を選ぶ、政党を選ぶ、そういう選挙で民意を集約していこうという趣旨のもとでこの制度は始まったと思うんです。私は、その理念というのは今も基本的には大事な理念だったのではないかと思います。 その上で、新たに、今世界の流れはそういうお話だというお話がございましたけれども、民意を正確に反映するという比例を重視した選挙制度にしていくということは、では何を目指すかだと思うんですね。それは確かに、比例ですから、まさに民意の正確な反映だと思います。その先の、例えば、政権はどういうものになるのか、国会はどういう状況になるか、穏健な多党制になるのか。 今、御指摘いただいているいろいろな、閉塞感の問題とか、内にこもった政治だとか、足の引っ張り合いというのは、選挙制度の問題ももちろんあるかもしれませんけれども、例えば、ねじれたときに両院協議会をどういう形で機能させるかとか、国会の中での工夫もあるのではないかと思うんです。そういう総合的な観点から議論を進めていった方がいいのではないかなというふうに思います。 選挙制度については、今、御党の御提起も私もよく承知をしております。これは落ちついてしっかり議論して、土俵づくりでありますので、その先に何を展望していくのかということがお互いに共有できるような、そういう議論をこれからも積み重ねていければというふうに思います。
○東(順)委員 私も、つまり、民意の集約と民意の反映のバランス問題だと思っているんですよ。民意の反映ばかり強調し過ぎて、おっしゃるような、どういう国をつくるんだ、どういう政権をつくっていくんだというところが薄められちゃうと、これはアンバランスになっちゃいますから、つまり、政権交代が可能であるということ、同時に民意もより正確に反映されるというバランス問題と考えます。 そのバランスというところから考えていきますと、どんな理屈を並べても、五〇%も満たない得票率で七十数%の議席をとる、これはやはりどう考えても理屈に合わない。これは合わないですよ。だから、やはりここは、なぜ合わないんだろう、制度に問題があるのではないかというメスを入れていかなきゃいかぬところに来ていると間違いなく私は思います。そして、バランスをきっちりとる、その努力をしていくという具体的なところ、そこが一番大事なんだろうと思います。 物の本によりますと、二大政党だけで政権をやりとりするのはカクテル政治だという言葉があるというふうに書いているんですよ。つまり、国民から切断された政治が、二つの大きな政党でまるでカクテルのように、ごめんなさい、カクテルはお酒です。失礼しました。決してお酒が好きなわけで言っているんじゃないので。カルテルです。カルテルのごとくやりとりをしていく。いつの間にか、政権交代をカルテルのごとくやりとりすることによって、結局、国民から政治が切断されてしまう、民意が反映されなくなってしまう、こういうことの警鐘を述べている物の本だってありますよ。私は、非常にここで考えなきゃいけないというふうに思います。 続いて議論になっていることが、定数削減ということなんです、定数削減すべし。これはもう御党も自由民主党さんも我が党も、定数削減すべし、選挙で公約をしています。一つの国民の声です。 問題は、民主党さんは、二〇〇九年のマニフェスト、衆議院選挙、それから二〇一〇年のマニフェスト、参議院選挙で、比例から八十削減する、こう述べておられますね。小選挙区からは一切削減せずに、比例から八十削減するんだと。 これは、私が先ほど述べたように、民意の集約と民意の反映、このバランスをとっていかなきゃいけないというところからしたら、今百八十の比例をさらに八十削るということは、もっとアンバランスをつくっていくことになるんじゃありませんか。どう思われますか。
○野田内閣総理大臣 それこそ民意を考えますと、例えば、公務員の部分についてもメスを入れろというのと同時に、まずは隗より始めよということで、いろいろ歳費の問題もありましたけれども、国会議員の定数を削減せよという声がやはり多いと思います。私は、この声にはこたえていかなければいけないと思います。 その中で、御指摘いただいたような民主党のマニフェスト、いわゆる比例八十を衆議院の方では削減するというものが出てまいりました。そういう声にこたえる意味だったと思うんです。 ただ、御指摘のように、民意の反映と民意の集約のバランスを図るという意味では、比例だけに手をつけるのではなくて小選挙区にも手をつけるという考え方は、私は否定できないものがあるというふうに思います。 ただ、今、一票の格差の問題もやっていますが、ちょっと作業が難しくなるということはあるんだろうというふうに思います。
○東(順)委員 我が党も、定数削減すべし、こう思う。 今、比例から八十だけではならない、やはり小選挙区からもという意味の御答弁がございましたけれども、総理、あなたは二年前に本をお出しになっていますね。「民主の敵」、新潮新書、ここでこうお述べになっておられます。「現在、衆議院の定数は四八〇人です。小選挙区三〇〇人、比例代表一八〇人です。民主党では、比例代表を八〇人削減しようというコンセンサスができています。約二割削減です。私個人としては、小選挙区三〇〇だけでいいと思っています。」つまり、比例八十削減すべしということを御自身も述べておられますね、二年前の御著書で。 これは今は、その後、やはりそうではならない、バランスをとらなきゃいけない、先ほどの答弁のように、所見が変わられたということでしょうか。
○野田内閣総理大臣 もともと私は単純小選挙区制論者でした。九四年の政治改革のころからです。その意味では、その制度が今の並立制という形で定着をしてきていることについては、基本的には評価をしている立場です。 さっき申し上げたように、平成八年には百五票差で負けましたけれども、小選挙区制というのはそういうものだと。惜敗率九九・九%でも、大敗でも、惜敗も、敗北は敗北と受けとめて浪人生活を送りました。という意味で、自分自身はそう納得をさせながら、この制度を肯定してきたわけです。 ただし、今申し上げたように、小さな政治に陥っているのではないかという御指摘、無理して足を引っ張ることに狂奔しているんじゃないかという御指摘なども出てきているときに、もう少し冷静な、いろいろな議論があってもいいというのが今の立場でございます。
○東(順)委員 もう一つわかりにくい御答弁だったんですけれども、やはりはっきり、二年前の認識よりも今の認識は、大きく、正しく認識を変えたんだというふうにきちっとお答えになった方がいいと思いますよ、こういうときには、本当に。だって、先ほど答弁されているんだもの。 つまり、今の制度であれば、くどいようですが、五割も満たない得票率で七〇%を優に超える議席をとる、これはおかしいじゃないかということでしょう。それで、そのおかしい制度の中で、比例が百八十あるものをさらに八十削る。ますます民意を圧殺していく、圧縮していく。これは圧殺につながっちゃいますよ。そうすると、ますます超アンバランスになっちゃう。おかしいですよ。だから、おかしいというふうに答弁された方がいいと思いますよ、本当に。 それで、私は、定数削減で忘れちゃいけない本来の筋というのがある。 もともと、この制度が始まったときに、今の小選挙区比例代表並立制、三百小選挙区でいきましょう、二百比例でいきましょうで出発をして、議席を削減しなきゃいけない、そういうコンセンサスができてきて、結局、そのときにどう議席を削減するか。三百から三十、比例から二十、合計五十を削減しましょう、一たんはこうなったんですよ。その後、小選挙区は区割りとかなんとかいろいろなことがあるからなかなか難しいねということで、比例からだけ二十削減になったままなんだ。あのとき、小から三十、比例から二十。小から三十が置き去りになったままなんだ。だから、今度は削減は小選挙区からやるべきなんだ、三十。それであのときの原点に返る、約束に返る。これが本来の筋ですよ。 それを、また今度は比例からさらに八十削減するという御党のマニフェストというのは、僕はいかがなものかと本当に思っているんです。憤っているんです。本来の筋を外しているじゃないか。これが本来一つの筋。 もう一つの筋は、最高裁は何と言いましたか。一人別枠方式、つまり、各都道府県に割り当てている一議席を外しなさいという意味のことを言っているじゃない。これから見ますと、本来の筋からいえば、一県一つずつ割り当てている、これを全部外して、小選挙区四十七削減するのも本来の筋なんですよ。 小選挙区から三十削減するか、あるいは小選挙区から四十七削減するか、これが本来あるべき筋なんだ。 しかし、筋、筋といったって、現実はなかなか難しいということも一方でこれあり、それで今、各党協議会で大議論をしているわけです。 したがって、本当は、一人別枠の四十七を削る、そして見直していくというぐらいのことをやらないと、小手先のことで二倍以内に近視眼的に今抑えられたとしても、またすぐ人口動態で、変化によって、二倍を超える選挙区がどんどん出てきます。だから、本当は、本来の筋はこういうことなんです。 したがって、こういうことをよく踏まえて、やはり定数削減ということを見ていかなければならないというふうに私は思うんです。しかし、ここは各党間の議論ですから、それぞれのよって立つお立場がありますから、その議論でもってやっていくということは非常に大事なことだというふうに思いますので、なおなお議論を深めていかなきゃいけない。 そこで、この一票の格差を、最高裁から迫られているから、とりあえずこれだけやりましょうよということだけになっちゃ絶対にならない。先ほど言った民意の問題、あるわけですから、定数をきっちり削減しなきゃいけない、あるわけですから、やはり三位一体で同時に改革をしていく努力をやらないとならない、そして各党合意に至らなきゃならない、このように思いますが、いかがでしょうか。
○野田内閣総理大臣 すべてパッケージでばしっと決められればそれにこしたことはないと思うんですが、でも、まずは一票の格差、この違憲とされている問題を早く解消することが一番最初ではないのかなと。あわせた議論だとは思いますけれども、まずここに合意すること、そして、早く区割り審に勧告をいただくためにその法律をつくっていくということが大事ではないか。 というのも、私の千葉四区というのは一票が一番軽いんですよ。軽いということは、区割り審にかかれば、当然、区割りで対象になって、どこかで切られるということなんですが、でも、この問題は、やはり違憲でありますから、これは早く対応しなければいけないというふうに思います。 まず、そこで合意形成をしていただき、選挙制度の話は、僕はもっと東さんとはじっくりとやりたいなと。政治改革で、いろいろなテーマで今までもやってきましたけれども、果てしない議論になるかもしれませんが、どういう政治を展望するかという中で、これはお互い胸襟を開いて、我々ももちろん考え方を持っていますが、選挙制度ばかりはやはりお互いに共通の土俵に上がろうという話じゃないと前へ進まないわけですから、お互いの、どういうお考えかは真摯に聞いていくということが基本的な姿勢だろうというふうに思います。
○東(順)委員 しかし、それは、果てしなく議論しても、終わりなき議論じゃどうしようもないわけですから、いつまでにどうするのかということをまずきちっと決めなきゃどうしようもないですよね。 ところが、今そうおっしゃいますが、この十一月五日、六日に実施した毎日新聞の世論調査、ここで選挙制度改革が聞かれているんですね。どう答えているか。今、まずは一票の格差、こうおっしゃいましたが、今の制度のまま小選挙区の区割りを見直せばいいんだというのは、わずか一六%ですよ。それよりも、選挙制度を抜本的に変えるべしが五二%に上っているんですよ。これがいわば今の民意なんですよ。まあ一つの、一新聞社の世論調査かもしれませんが。 したがって、やはりこれは、我々が各党協議、全党協議をやって、それがいろいろな新聞に報道されたりテレビで紹介されたりする中から、国民の皆さんが、それを踏まえて、こういう世論調査にこういう形で答えてきている。何と、選挙制度を抜本的に変えるべしが五二%、今の制度のままで小選挙区の区割りだけを見直せばいいんだ、わずか一六%ですよ。どう思いますか。 こういうところをしっかり大事にしていかなきゃいけないんですよ。だから、まずは一票の格差だ、あとの選挙制度は土俵づくりだから果てしなく議論していけばいいんだ、これは国民の民意からもう乖離し始めています、総理になって間もなく。ここは大事にしなきゃいけないんです。だから、これだけ先行させるというのは、これはいかにもよくないと本当に思います。 したがって、一票の格差問題と民意の反映問題、バランスですね、そして定数削減の三位一体ということをきっちりとやはり議論をしていけば……(発言する者あり)いや、今、間に合わないというやじが入りましたけれども、実は間に合う選挙制度が一つあるんです。この三つの三次方程式を解く選挙制度があるんですよ、スピーディーで現実的な。ベストじゃないかもしれませんよ、おっしゃるように。果てしなく、民意を完全に反映できない、そういう観点からいけばベターかもしれないけれども、しかし、間に合う。それは小選挙区比例代表連用制という制度なんです。 時間が限られていますから、今手元に行っていますこのペーパーですが、簡単に総務省は御説明できますか、一分で。
○田口政府参考人 お答え申し上げます。 現行の制度は並立制でございますが、並立制は、小選挙区は最多得票者を当選人とする。比例代表選挙につきましては、各政党の得票数を一から順番に整数で一、二、三、四と除しまして商を出して、全体の中で最も大きいものから順に、比例定数までの商の個数をもって各政党の議席とする制度でございます。 一方、連用制につきましては、小選挙区選挙については最多得票者を当選人とする点では並立制と同じでございますが、比例選挙につきましては、各政党の得票数を、一からではなく、当該政党の小選挙区獲得議席数に一を加えた数から順番に整数で除していきます。そして商を出しまして、最も大きいものから順番に、定数に達するまでの個数を各政党に配分する制度でございます。
○東(順)委員 要するに、整数だとか一から割るんだとか、整数という言葉が入ってきたり、Nプラス一とかいうようなことになってわかりにくくなっちゃうんですけれども、わかりやすく言いますと、小選挙区で当選をしたその政党の議席数は、比例ではカウントされないということなんです。それ以外の政党をカウントしていく。つまり、小選挙区で当選議席を出していない、その政党の議席をカウントしていくという制度なんです。 したがって、要するに、先ほど私が述べましたように、小選挙区は一人を選ぶ選挙ですから、人を選ぶ選挙で一人選んでいく。しかし、そこで、その時々の選挙で一気に人気の出た政党が、比例でもどんとその政党に投票が入り、小選挙区でも、その政党から立候補しているそういう候補者がどんどん当選をしていく。これが過去二回の衆議院選挙でしょう。それで、大きくスイング、スイングでしょう。チルドレン選挙ですよ。 だから、そうならないように、小選挙区でいかに圧勝したとしても、比例においては、その議席が、議席数は比例の中でカウントをされないわけですから、その分、その他の政党の議席が比例で獲得する幅がふえる、こういうことになるわけですから、民意の反映ということと、民意の集約のバランスがとれてくるということになるんです。 ここに、産経新聞と毎日新聞が、平成二十一年、前回の衆議院選挙で各党の議席を試算したシミュレーションが出ている。連用制を採用した場合にどうなるのか。この選挙は並立制でしたけれども、連用制を採用した場合どうなるのかという試算が出ていまして、結論的に言いますと、仮に連用制を採用した場合、前回選挙は定数は四百八十ですけれども、この四百八十に連用制を当てはめたときには、自民、民主以外の政党で六十九議席ふえるんです。つまり、六十九議席、民意が拡大されて、その分バランスが回復されるんです、例えば。こういうシミュレーションも出ているんです。 したがって、単に一票の格差というところだけで何となく先行しても、以上終わりというようなことにならないように、本当に、民意の問題、定数削減の問題、これらと三位一体できっちり議論して、そして成案を得て進めていく、そのかぎ、三次方程式を解くかぎはこの連用制にあり、私はこう訴えて、質問を終わります。
○中井委員長 これにて東君の質疑は終了いたしました。 次に、赤嶺政賢君。
○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。米軍普天間基地について、総理に質問をいたします。 野田内閣は、先日来日したアメリカのパネッタ国防長官に対して、名護市辺野古への新基地建設に向けた環境影響評価書を年内に提出する方針を表明いたしました。来年には埋立認可申請を提出することも取りざたされております。 閣僚による沖縄訪問が相次いでいますが、沖縄県民の意思は一顧だにされていません。具体的な進展を、このように求めるアメリカ政府の意向に沿って基地建設を推し進めようとしていることは、極めて重大であります。 昨日、沖縄県議会の米軍基地関係特別委員会は、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対し、環境影響評価書の提出断念を求める意見書、これを全会一致で可決いたしました。 総理に伺いますが、日米両政府が九五年の少女暴行事件を受けて普天間基地の返還に合意したのは、九六年四月のことです。あれから十五年以上が経過したにもかかわらず、いまだに返還は実現しておりません。その原因がどこにあるか、総理はどのようにお考えですか。
○中井委員長 一川防衛大臣。環境影響評価の提出について答えてください。
○一川国務大臣 先生、今お話がありましたが、普天間飛行場移転にかかわる環境影響評価書の提出の問題を今提起されました。 この前、沖縄県知事さんには十月の十七日、それからパネッタ国防長官との会談は十月の二十五日に行われましたが、ことしの十二月までに環境影響評価書を提出する準備をさせていただきますということを表明させていただいております。ですから、期限を切って提出するということは、まだお話は一切しておりません。
○赤嶺委員 ですから、閣僚が沖縄もうでをして評価書提出の準備をしていることを表明した、それに対して、沖縄県議会が全会一致で反対だという決議をきのう上げている。まだ特別委員会ですから、これから本会議に上っていきます。 十五年たっても進展しないのはどこにあるか、総理、どのようにお考えですか。
○野田内閣総理大臣 この十五年間、いろいろ曲折はあったと思うんですけれども、何よりも、やはり沖縄の皆様の御理解をいただくということができないでいるということが一番大きな問題だというふうに思います。
○赤嶺委員 沖縄県民の理解を得ることが一番重要だと言いながら、十五年間理解が得られていません。やはり、十五年以上にわたって返還が実現しなかったのは、日米両政府がこの問題の根本を見ない対応を進めてきたからであります。そもそも沖縄の米軍基地がどのように形成されたか、原点に立ち返って考え直さない限り、この問題は解決できません。 総理に伺いますが、沖縄の米軍基地は、第二次世界大戦中、沖縄に上陸した米軍が住民を収容所に収容している間に、一方的に土地を囲い込んで構築したものです。当時の米軍は、なぜこのような土地取り上げが可能なのか。そして、具体的な国際法上の根拠も示さず、住民に対する補償さえ認めませんでした。占領下においても私有財産を尊重し、没収することを禁じたハーグ陸戦法規への明白な違反行為であります。 ところが、総理は代表質問で、我が党の志位和夫委員長の質問に対して、次のように答弁をいたしました。 沖縄の米軍施設・区域の形成過程については、さまざまな議論があることは承知していますが、いずれにしても、これらの施設・区域は、一九七二年の沖縄の本土復帰以後、米国が日米地位協定のもとで我が国から適法に提供を受け、使用しているものであります。 このように答えられたのであります。 総理は、沖縄の米軍基地が、米軍の占領下で、国際法にも違反した不当な土地取り上げによって構築されたという認識はないのですか。
○玄葉国務大臣 ただいま沖縄の施設・区域の形成過程という問いが赤嶺委員からございましたけれども、おっしゃるとおり、嘉手納とかあるいは読谷補助飛行場などは旧日本軍の飛行場を引き継ぐという形だったと思いますけれども、焦点になっている普天間などは、まさに御指摘のとおり、戦時中から米軍が民間の土地、民有地も含めてその土地を接収したというふうに私自身も認識をしているところでございます。 ただ、いずれにせよ、一九七二年の沖縄の本土復帰、五月十五日だったと思いますけれども、それ以来、米国が日米地位協定のもとで我が国から適法に提供を受け、使用しているものというふうに考えております。 ハーグ陸戦法規というお話がございましたけれども、この件に関しては、当時の米軍の行為について、かかる接収が国際法に照らしてどのように判断されるべきかについて、現時点において確定的に判断をすることは難しいというふうに考えております。 ただ、いずれにせよ、サンフランシスコ平和条約そして沖縄返還協定において、当時の米軍の行動等から生じた請求権を放棄しているということだと思います。 ただ、先ほど赤嶺委員が指摘をされたその形成過程に我々は不断に思いをいたすということが大変大切なことだというふうに考えております。
○赤嶺委員 思いをいたして、基地の形成過程にはさまざまな議論があると言ったら、思いをいたしていないとしか我々は受けとめられなくなるわけです。 米軍基地の形成過程における土地取り上げは、ハーグ陸戦法規に違反していただけではありません。ポツダム宣言にも違反をしていました。 ポツダム宣言は第十二項で、宣言の諸目的が達成され、平和的傾向を有する政府が樹立されたときには、占領軍が撤退することを定めていました。ところが、アメリカは、一九五一年に締結したサンフランシスコ講和条約の第三条で、沖縄を本土から切り離し、軍事占領を継続したのであります。そのこと自体がポツダム宣言違反です。 さらに、それと前後して、米軍による新たな土地強奪が始まりました。土地を奪われた住民がやっとの思いで耕した農地や住居に対して、一方的に明け渡しを求める布令、布告を出し、それに応じなければ銃剣を突きつけ、ブルドーザーで家々をなぎ倒し、基地を拡張したのであります。 これらは、アメリカが朝鮮戦争や中華人民共和国の樹立などの国際情勢の変化に対応して進めたものです。 ポツダム宣言は、占領目的を日本の軍国主義の除去や民主主義的制度の確立に限定していました。この点でも、ポツダム宣言に違反することは明らかです。総理は、こうした点についてどのように認識されておりますか。
○玄葉国務大臣 これは繰り返しになって大変恐縮でございますけれども、かかる行為が国際法に照らしてまさにどういう判断をされるべきかということについては、現時点において確定的に申し上げるのは難しいということでございます。 ただ、おっしゃるように、本当にこれまでの沖縄の、特に一九七二年五月十五日までの米国施政下、もっと言えば、サンフランシスコ平和条約までの状態も含めて、どういう状況にあったのかということについて強く思いをいたすということがとても大事で、そういうことを踏まえながらさまざまなことを考えていかなきゃいけないというふうに考えております。
○赤嶺委員 今、あなた方民主党政権は沖縄との交渉相手であり、そして県民への思いを重ねるような答弁をしておりますが、しかし、あの不当、違法な土地強奪について、国際法に照らしたらどのように判断していいかわからないと。こんなことで沖縄県民と本当に交渉ができるのかということで、大変疑問であります。 ちょうど四十年前の十一月、当時は沖縄国会と言われました。私も、そのときは、遠く石垣島の学校の教師として、しかしその沖縄国会に県民の声を届ける沖縄代表団の一員として、国会の周りでデモや集会に参加しておりました。 そのときに審議されたのが、沖縄返還協定であります。当時の佐藤栄作首相は、野党の追及の中で、土地取り上げについて、「陸戦法規に違反する、」はっきり答弁しているんです。祖国復帰を実現して、いろいろの不法、不当な行為の取り返しをする、祖国復帰以前の、不法、不当だということを認めて、その取り返しをする、このように答弁しておられるんです。 こうした過去の答弁からいっても、総理の本会議での答弁、今の玄葉大臣の答弁、極めて重大だと思いますが、野田総理、いかがですか。
○玄葉国務大臣 おっしゃったとおり、当時の佐藤総理がそのように答弁されたというのは私も承知をしております。ただ、現時点において、国際法上、確定的に判断するのは難しいと。 ただ、いずれにせよ、先ほども申し上げましたけれども、サンフランシスコ平和条約の十九条そして沖縄返還協定の第四条で、当時の米軍の行動等から生じた請求権を放棄しているということもまた事実だろうというふうに思います。
○赤嶺委員 当時のことを放棄したりしたら、沖縄切り捨てじゃないですか。そのことを理解しないで、沖縄とどうやって交渉しようというんですか。 私、今の玄葉大臣の答弁にかかわってもう一つ問題を聞きたいんですが、こうした不法、違法な土地取り上げによって形成された基地が、沖縄の祖国復帰に際してどのように取り扱われたかという点です。 総理は、今の米軍基地は、日米地位協定のもとで我が国から適法に提供を受けた、このように本会議で答弁をいたしました。一体どこが適法だというんでしょうか。 沖縄返還協定は第三条第一項で、日本国は、「この協定の効力発生の日に、アメリカ合衆国に対し琉球諸島及び大東諸島における施設及び区域の使用を許す。」と規定していました。不当で違法な土地強奪によって構築された基地を、日本政府がそのまま追認し、そして合法化してしまっただけではありませんか。しかも、協定第四条で、アメリカに対する請求権も放棄してしまいました。 地主に対しては、公用地暫定使用法を制定し、何の収用手続もなしに、地主の理解も得ずに、五年間にもわたって強制使用を継続し、その手続はその後も繰り返されました。憲法の諸条項に違反する行為であります。 総理に伺います。 要するに、当時の日本政府がやったことは、不当、違法に形成された広大な基地をそのまま追認した、そういうことではありませんか。
○玄葉国務大臣 これは、本当に、繰り返しになって恐縮でありますけれども、米国が日米地位協定のもとで我が国から適法に提供を受け、使用している。先ほど赤嶺委員も指摘をされたように、沖縄返還協定の四条に、その請求権の放棄のことが書いてございます。 同時に、おっしゃるように、こういったさまざまな沖縄の苦難というか、そういった重い歴史にしっかりと思いをはせるということは極めて大切なことだというふうに考えております。
○赤嶺委員 七二年当時、自民党政権でさえ認めていた、復帰前の沖縄のアメリカの行動がハーグ陸戦条約に違反すると明確に答弁していたのに、今の民主党政権はこれを否定する。そして、一九七二年の沖縄返還のときに、地主に対して何の収用手続もとらずに、公用地暫定使用法という暫定的な法律をつくって、暫定的だといって今日まで基地をアメリカに提供したのが合法だと言う。こんな、歴史をきちんと見ないで、だから皆さんは、沖縄に行ったときに、沖縄の歴史の原点から話を聞かされるんですよ、そういう理解が全くないから。 私は、こんなやり方で、こんな形ででき上がってきた基地に、何の違和感も持たずに新しい基地をつくれといって、そんなことが沖縄県民に絶対に受け入れられるはずはないと思います。この点を私は強く言いたいと思います。 きょうは、国会図書館に所蔵されていました、これは「昭和四十六年十一月 復帰措置に関する建議書 琉球政府」、当時の屋良主席が沖縄国会に向けて、そして届けようとした建議書であります。幻の建議書と言われてまいりました。私も国会図書館にこれがあることに大変感動いたしましたが、四十年前の十一月十七日、当時の琉球政府の屋良主席が沖縄県民の声を政府と国会に届けるために上京しましたけれども、建議書は、このように指摘しています。 「アメリカは戦後二六年もの長い間沖縄に施政権を行使してきました。その間にアメリカは沖縄に極東の自由諸国の防衛という美名の下に、排他的かつ恣意的に膨大な基地を建設してきました。」「それのみでなく、異民族による軍事優先政策の下で、政治的諸権利がいちじるしく制限され、基本的人権すら侵害されてきたことは枚挙にいとまありません。県民が復帰を願った心情には、結局は国の平和憲法の下で基本的人権の保障を願望していたからに外なりません。」「このように基地あるがゆえに起るさまざまの被害公害や、とり返しのつかない多くの悲劇等を経験している県民は、復帰に当っては、やはり従来通りの基地の島としてではなく、基地のない平和の島としての復帰を強く望んでおります。」 このように書かれた建議書は、屋良主席が羽田空港に着いたその三分前に、国会で沖縄返還協定、強行採決をされました。 すべてが沖縄の歴史を無視し、そして沖縄の基地の形成過程について何の考えも持たないで沖縄との交渉を繰り返す。踏まれても、けられても、沖縄もうでを繰り返す。こういうことでは沖縄問題、普天間問題は解決しない。 普天間問題は、即時閉鎖、撤去以外にないということを総理に強く申し上げまして、質問を終わります。
○中井委員長 これにて赤嶺君の質疑は終了いたしました。 次に、阿部知子さん。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。 私は、まだまだ総理に質疑したいことがたくさんございます。特に、総理の生の言葉というか、国民に向かい合う言葉が余りにも少のうございますので、その観点から、きょういただいたお時間、十五分ですけれども、主に総理にお尋ねをいたします。 十一月七日の本会議質問で、私が御質問したことについて二点、総理の御答弁で納得がいかないというか、官僚のお書きになった答弁の過ちがあると思いますので、まず総理にお考えいただきたいです。 総理は、もともと所信表明で、日本が分厚い中間層に支えられる国ということをおっしゃいました。 私は、あの日の本会議質問で、年収四百万世帯の収入が、これから先、五年、十年とどんどん可処分所得が減っていくんだということをお尋ね申し上げました。そこでの総理の答弁は、二〇一一年と二〇一三年を比べれば、例えば子ども手当では、住民税の年少扶養控除が廃止されるために減るけれども、その前と比べてほしいとおっしゃいました。 子育て世帯の所得のみならず、高齢世帯も減っておりますが、この子育て世帯ですら、二〇〇九年、子ども手当が始まる前よりも、例えば二〇一五年、二〇一八年、可処分所得は減ってまいります。このことを総理にきちんと認識していただきたいのが一問目です。 お手元の資料、ページ四、もし出すのが大変でしたらお渡しします。ごらんいただきたいと思います。 ここに挙げられた数値は、年収四百万世帯の二〇〇九年と、最終的な年度でも構いません、二〇一八年、約十年。二〇〇九年、御党がまだ子ども手当をやっていらっしゃらない当時です。四百万世帯での可処分所得を比べていただきます。三百四十九万が二〇〇九年。一方、二〇一八年が三百四十二万であります。この間、保険料も上がりますでしょう。もろもろの、今の控除の廃止もございますでしょう。これは今わかっているだけで、消費税も入れずに、減っていくということであります。 この数値について改めて総理にお伺いいたします。総理のあのときの御答弁は、私が冒頭紹介いたしましたようでございます。お願いします。
○野田内閣総理大臣 ちょっとこれは通告がなく、今見た資料なので、何ともというか、これは、本会議の答弁で私がそう言ったことは記憶をしております。 これは所得税とか住民税の増加分が新児童手当によって相殺をされるという一方で、年金を中心とした社会保険料の増加がきいてくるからこういうことになるんだろうというふうに思います。
○阿部委員 何がきいてこようと、可処分所得が減るという事実を私はお尋ねをしたわけです。なぜ正面切ってそれに答えませんか。 特に、四百万世帯、中堅世帯ですよ、子育ての。これはモデルケースで、二人のお子さんのいる。消費税は上がっていない。こういうことを続けていいのかというのが私の本質的な質問ですよ。総理が官僚に答弁をつくらせるから、総理御自身の思いも生きてこないし、きちんとした答弁にもならないんです。繰り返しそうです。 もう一点お伺いいたします。 私が、今回の震災については、単に被災地のインフラ等々の復旧復興だけでなくて、この傷んだ日本社会、格差が広がり、さまざまな人が排除されていった結果の出来事ではなかったか、では、逆に再建は、復興基本計画の中にもあるように、すべてを包摂していく社会でなくてはいけないが、具体的にどうするんだと言ったときの総理の答弁は、被災地で見守り等々を頑張りますと。それだけじゃないはずです。それも重要です。 総理には、ことし、戦後初めて生活保護が二百五万人、一番多いんですね。特に二〇〇八年リーマン・ショック以降、生活保護はウナギ登りです。それも、働く世代も含めてふえているわけです。こういう社会を継続したら、格差拡大社会をつくったら、災害にも経済危機にも弱いということで私はお尋ねしたんです。 総理は、安全運転を思う余り、国民が知りたい、聞きたい、苦しいというその思いに一切答えていない。総理の考える包摂する社会というのは何ですか。もう一度、基本計画の中にある言葉ですから、総理自身の言葉で答えてください。なぜ生活保護を受ける方はこんなにふえたのか、どう考えるのかでも構いません。お願いします。総理の言葉を聞きたいです。
○野田内閣総理大臣 生活保護世帯が本当に多くふえて二百万世帯を超えているという状況は、私も厳しく認識として持っています。 その上で、生活保護に至らない過程の、いわゆる第二のセーフティーネットをつくろうとか、さまざまな格差是正に向けての取り組みはこれまでもやってきたつもりでございますし、一たん厚い中間層からこぼれ落ちた人たちがもう一回はい上がってこれるような、そういう社会をつくるために全力を尽くしていきたいと思います。 そのためにやってきたのが、例えば雇用保険の拡充であるとか、さっき申し上げた第二のセーフティーネットであるとか、こういう試みをこれからも拡充をしていきたいというふうに思います。
○阿部委員 政権交代されて二年です。私ども、当初連立を組みまして、この格差是正、特に子供の貧困問題や、あるいは高校をきちんとみんなが出られるように等の政策は御一緒しました。その当時と比べて、例えばさっきの四百万世帯の年収問題一つとっても、そしてもろもろの政策のおくれ一つとっても、また今後総理が飛び込もうと何だか決意表明されるやに伺うTPPについても、最も肝心な格差をどうするかという問題を抜きにしては、私は、国民に総理が本当の意味で受け入れられる余地はないと思います。 引き続いて、TPP問題でお尋ねをいたしますが、総理のお手元、資料一、ごらんになっていただけますか。 これは、全国に九百三十四ある、いわゆる全国町村会、このほかに市長の市長会というのもございますが、全国町村会、九百三十四は最も小さな基礎自治体と思っていただいて結構です。千七百余りの自治体のうち、最も小さなというか、規模の小さな自治体の町村会が上げた決議であります。緊急決議であります。TPPに関する緊急決議というものが上がっておりますが、十月二十八日付です。 まず、総理はこれをごらんになったことがありますか。一点、お願いします。
○野田内閣総理大臣 きのう御質問をいただく予定だったので、それで事前に見ておりました。
○阿部委員 今、見ているとおっしゃったんですか。(野田内閣総理大臣「はい」と呼ぶ)ごめんなさい、ちょっとぼけっとしました。 そうしたら、総理、見ておられるなら、この最終文章、その前もお聞きいたしますが、「我々は、説明責任を全く果たさない政府に猛省を求めるとともに、我が国の将来に深刻な影響を及ぼすTPPへの参加に対し、ここに改めて反対を表明するものである。」とあります。 総理は、この文章を読んで、町村会の方どなたかとお話しになりましたか。懸念の三点が挙げられています。それとも、総理は、これがあっても無視して参加表明なさいますか。
○野田内閣総理大臣 これを見て、特にこの団体と私が接触をしたということはございませんが、昨年の十一月以降、TPPについての提起があって、政府内あるいは党内、途中で大震災という中断はありましたけれども、必要な情報については提供をし、こういう各種団体、地方団体も含めて、御説明はしてきているということでございます。
○阿部委員 そもそも、この段に至って、こういう団体と会っていないと言えること自身が、総理はどこの総理なんですか。総理はこの国の総理で、この国は基礎自治体から成り立っているんですよ。 民主党のそもそもは分権だったじゃないですか。基礎自治体を大事にすると言ってきたじゃないですか。なぜ、この段、決議が上がった段に、そんなにしらっとしてそんなことが言えるんですか。意見は一方的に伝えればいいものではありませんよ。不安の声があれば受けとめて、意見交換して、よりよいものに持っていくというのが、御党のだれそれさんの熟議の民主主義のもともとでしょう。 では、総理、一、二、三に、ここでいいから答えてください。 一、「「アジアの成長」を取り込むことはできない」と書いてありますよ。できますか。できる根拠を示してください。 二、「日本のプラスになる」を示す試算はない。関税の撤廃によるプラスマイナスはありますよ。でも、非関税障壁、社会の格差、デフレ、円高、すべてを勘案したデータがどうなのか。 三、TPPと農業。これは、果たして日本の農業、自給率、国土を守れるのか。 ここにあるだけでも三つ大きな問題があります。一、二、三、本当は一つずつ聞きたいが、時間の制約で。 総理、もし会ってもいないということは、私はすごく問題だと思いますよ、総理の総理としての資質、素質ですから。でも、それを今ここで言っても、きょうこれから会うかもしれませんしね、ああ悪かった、会いましょうと。でも、間に合わないとすれば、許せませんけれども、とりあえず一、二、三、お答えください。総理にお願いします。
○野田内閣総理大臣 この団体と会っていないのは間違いないんです。ただ、国と地方の協議の場であるとかを含めて、さまざまな機会でいろいろな意見はちょうだいをしてきています。TPPのこの決議が出てから会っていないというのは事実ですが、この種のものはたくさんいただいておりますので、それぞれ一つ一つにお答えをしていきたいというのは事実であります。 その上で、「「アジアの成長」を取り込むことはできない」と書いてありますが、アジア太平洋地域においては、私は、これからの世界の成長エンジンになり得る地域であって、例えば、アメリカだって人口が唯一ふえている先進国です。中南米の諸国はこれから数%の成長が期待できる国が多いんです。等々を含めて、それを取り込む可能性というのはあるというふうに思います。 プラスになる政府試算はなしと言っておりますが、これは今までいろいろな試算はありましたが、先般内閣府の試算が出ているということは御承知をいただいているというふうに思います。 農業との両立は困難と一刀両断でありますけれども、高いレベルの経済連携とそして農業の再生の両立を図っていく、図らなければならないというのが、政府の基本的な姿勢であります。
○阿部委員 どっちが一刀両断ですか。総理、真剣に考えてみてください。なぜ、九百三十四ある町村会、もっと真剣に向き合おうとしないのですか。あなたが一刀両断と言うなら、相手と話してからになさいな。それでないと総理たる素質がない、何度も申し上げますが。 私は、きょう総理が表明するやに聞いていること、慎重に、国民に情報公開し、論議を待てという御党内の取りまとめにも反します、議会の多数にも反します。そうしたことをあえてなぜなさるのか。復旧と災害からの立ち上がり、原発事故、一番国民の関心事をさておいてそのような形を進める総理に、国民の信はないと思います。 以上をもって質問を終わります。
○中井委員長 これにて阿部さんの質疑は終了いたしました。 次に、浅尾慶一郎君。
○浅尾委員 総理に伺います。 当然のことでありますけれども、内閣がかわっても、あるいは政権がかわっても、閣議決定というものは、これを改廃しない限りは効力は残るというふうに私は理解しています。たまたま、委員長が拉致対策担当であったときに、拉致対策本部を改廃という形でやられました。そのときは、きっちりと前の閣議決定を廃止して新しく閣議決定をされました。 閣議を主宰されております総理に伺いますが、これが正しい手続だ、そういう理解でよろしいですね。
○藤村国務大臣 そういう理解でよろしいと思います。つまり、閣議決定というものは、その後に取り消されない限り、内閣がかわっても閣議決定は必ず続いている、こういうことでございます。
○浅尾委員 ここに平成十八年四月二十八日の閣議決定がございます。この中身というのは何かといいますと、被用者年金、厚生年金と共済年金を一元化するということが書いてありまして、この閣議決定を読みますと、例えば、厚生年金にはない職域部分、これは平成二十二年には廃止するということが書いてあるんです。 この閣議決定が廃止されたということを私は聞いておりません。聞いていないということは、このとおりにやっていかなきゃいけない。 この閣議決定が守られていたとすれば、例えば、これも厚生年金にはありませんが、追加費用というものが共済年金にはあります。この追加費用、この閣議決定が守られていれば千五百億円が単年度で削減されて、もう四年間たっていますから六千億円削減されていたはずなんですが、守られていない結果、どんどんとそういうお金が出ていってしまう、職域加算もまだ続いているということなので、この閣議決定を守るつもりがあるかどうか、まずそれを総理に伺いたいと思います。
○小宮山国務大臣 被用者年金の一元化については、今御紹介いただいたように、平成十八年四月の閣議決定に従って平成十九年四月に法案を提出いたしましたが、二十一年七月、衆議院の解散に伴ってこれは審議未了、廃案となりました。 被用者年金の一元化、これは大変重要な問題なので、一体改革の成案で示しているとおり、二〇一二年以降なるべく早く法案を提出したいと思っています。厚労省が所管する厚生年金と、財務省、総務省、文科省が所管をする共済年金、ここの調整が必要なため、今関係省庁間でこの平成十九年に提出した法案をベースに調整を進めています。この一元化を図るという方針のもとで、一二年以降なるべく早くこれは提出をしていきたいと考えています。
○浅尾委員 はっきりと平成二十二年中に職域加算をなくすと書いてあるんですよ。だから閣議決定は守られていないんです。だったら閣議決定をやり直すというのが正しい手順じゃないですかということを申し上げているわけでありまして、委員長が大臣のときはそれをやり直しているわけです。 では、調整中というんだったら、閣議決定をつくり直す覚悟があるかどうか伺いたいと思います。
○小宮山国務大臣 被用者年金の一元化をきちんとやる法案を、今調整しているものをつくり上げたところで新たな閣議決定をしたいというふうに思っています。
○浅尾委員 ということは、この閣議決定は守られていないけれどもそのまま生きているという理解でいいんですか。 閣議決定は守らなきゃいけないということですよね、さっきおっしゃったように。守られていないんだったら、直ちにつくっているからということで答えるべきじゃないですか。
○藤村国務大臣 「現行の公的年金としての職域部分(三階部分)は、平成二十二年に廃止する。」このように書いてあります。 それから、先ほどの決定については、目指すということだったと思います。
○浅尾委員 ですから、私の質問は、廃止すると書いてあって廃止できていないんだから、少なくともそこを閣議決定で書きかえるというのは当たり前じゃないですか、できていないんですから。 では、総理、守れなかったことについてどういうふうに思われますか。
○枝野国務大臣 法令解釈担当大臣としてお答えを申し上げますが、閣議決定で決めていることも、法改正を要することについては国会において御承認をいただかなければ実行できないのは当然のことでございまして、実際にこの閣議決定に基づいて国会に御審議をお願いした結果、残念ながら、現時点で法改正ができないということでございます。 そうした状況を踏まえた中で、なおかつこの閣議決定の方向に向かって今努力をしている途中でございますので、この閣議決定と現状の努力が矛盾をしているとか、閣議決定に反しているという状況には至っていないと判断いたします。
○浅尾委員 何かストレートにお答えいただいていないですね。職域加算は廃止すると書いてあります。 もっと言うと、現状、努力というか、その法案はまだ全然出ていないじゃないですか。もともと法案があるんですよ、平成十九年に出したこういう法案が。これをこのまま出せば済む話を、出していない。これをこのまま出さないということであれば、違う方針だということですから、閣議決定をつくりかえるというのが筋ではないですかということを申し上げています。 私は、この閣議決定の中にも若干問題があると思います。 例えば、一元化したときに、厚生年金が持っている積立金と同額しか共済年金は持ち寄らない。残った積立金、約二十兆円ぐらいあるんですけれども、これを共済年金側だけで山分けをしよう、そういう閣議決定になっていますから、もし法案を出しかえるんだったら、そこの部分もちゃんと一元化して、二十兆円も含めて厚生年金に持ってくるというふうにすべきだと思いますし、あるいは、例えば二十兆円あれば、今回の補正予算の財源は十分できるわけですよ。東京電力の企業年金を減額させろと言うんだったら、同じことだと思いますよ。そこの部分でも痛みを分かち合う。そういう部分もあると思いますけれども。 いずれにしても、この閣議決定を実現できていないんだったら、今もしその中身を変えるというんだったら変えて、早く閣議決定をやらないとおかしい状況にありますというふうに思いますが、総理、今のことについて、厚労大臣は答えていただけない、今の、閣議決定を守られていない、あるいはその法案をいつ出すかということも含めてお答えいただきたいと思います。
○小宮山国務大臣 先にお答えして、後ほど総理からお答えいただきたいと思います。 この一元化の法案は、先日私が、来年の通常国会の当初のところで一くくりにするには、今おっしゃった新三階のところをどうするかというところも、これは関係省庁で今詰めているところでございますので、当初には間に合いませんが、可能であれば、なるべく早くということで、来年の通常国会中にも出せるように今やっているところでございます。 そこの積立金のところの共済部分は、でも、共済年金の労使双方が積み立ててきたものですので、それを復興財源の方に回すというのはなかなか難しいかと思いますが、そこは所管をする省庁でお考えいただくことだと思っています。
○野田内閣総理大臣 先ほど閣議決定の中身は明らかになりましたけれども、それを踏まえて、今、平成十九年に提出した法案をベースに調整して、速やかに法案提出できるようにということでございますので、その趣旨に沿って動いているというふうに理解をしています。
○浅尾委員 私が伺いたかったのは、閣議決定が守られなかったことを現総理大臣としてどう思われるかということの意見ですが、お答えいただけないと思いますので、そこは結構です。 その上で、今、積立金のお話を厚労大臣はされましたけれども、例えば国鉄の年金の場合は、厚生年金に移換したときは、厚生年金側が積み立て不足を立てかえているんですよ。だから、共済年金だけ、余っているものを残すというのはおかしいじゃないかということを私の意見として申し上げておきたいと思います。 厚生年金と同額だけ持ち寄る、それ以上のものについては共済の中で分け合うというのはおかしいんじゃないか、これから法案をつくり直すということだったら、その点についてどういうふうに思われるか、総理に伺いたいと思います。
○安住国務大臣 私が答えるべきかどうかということですけれども、先ほども厚労大臣がおっしゃったように、労使折半で積み立ててきたものです。過去の給付期間の中での財源の必要なものであるというふうな判断から、これは浅尾さん、これを復興財源に充てるのも一つじゃないかというような話をしておられますけれども、そういうたぐいの財源ではなかなかないんじゃないかなというふうに思っております。
○浅尾委員 いや、私が申し上げたのは、足りない場合は民間から出してもらっている、国鉄なんかそうじゃないですか。余っている場合は、山分けというのはおかしいんじゃないかということを申し上げているわけであります。しかも、二十兆というお金があります。その二十兆というのは、厚生年金を超えて積み立てられている部分が二十兆あるんですから、その使い道を共済の中だけでやるのはおかしいということを申し上げておきたいと思います。それについて意見が違うのなら、それはそれで結構ですけれども、おかしいということだけ申し上げておきたいと思います。 次に、閣議決定ではありませんが、運用三号、これはいわゆる通達、運用三号の通達が廃止をされております。廃止をされていて、今は法律が出ていないということなので、この今の状況について、法律がない、違法かあるいは法がない状況だというふうに理解しますけれども、その理解で正しいでしょうか。
○小宮山国務大臣 いわゆる運用三号の通知につきましては、国会等で御指摘を踏まえてこれを廃止しております。 廃止後に不整合記録が判明した方については、正しい記録に訂正した上で年金の支給決定をしていますが、既に運用三号通知によって年金の支給決定がされた方については、この問題の最終的な取り扱いが決定した際には年金額に変更があり得ることをあらかじめお知らせした上で、本来よりも高い年金を支給しているのが現状です。 これは、平成二十三年一月一日から二月二十四日の間にこの手続をされた方で、この通知は合法なものだということは、質問主意書にもお答えをしております。 この運用三号の通知によって支給決定された方の取り扱いにつきましては、将来に向けて正しい記録に訂正した年金を支給する、その対応も含んだ法案の提出に向けまして今政府・与党で最終の詰めの手続をしているところでございます。
○浅尾委員 私の質問の趣旨は、法律がない状況であるとすれば、早く出した方がいいんじゃないですかと。いつ出すんですか、その法律。
○小宮山国務大臣 この国会に出せるように準備をしております。
○浅尾委員 これは、この国会に出さないとどういうことになるかというと、運用三号の通知がなくなった結果、今の空期間が認められない人は減額される、場合によっては年金をもらえない。一方で、運用三号で救われた方はその分も含めていただいている。今後、法律が出てくれば減額をされますけれども、法律が出てこない限りは期間の差によって大幅な不公平が存在するということであります。 やはり、政治、行政というのは公平でなければいけないというのは当たり前のことでありまして、公平性を担保するためには、今国会に出すように努力するじゃなくて、出すと言ったらいいんじゃないですか。もう方針は決まっているんでしょう。
○小宮山国務大臣 この国会に提出いたします。
○浅尾委員 その中身については、今申し上げました、支給された分についてはどうするかとか、いろいろな問題はあるでしょう。それについては国会に出した中で議論をしていけばいいということだと思います。 今御答弁いただきましたけれども、総理としても、閣議決定の改廃の話とか、法律がないような状況については、しっかりと公平性を担保するという観点からも、先ほどの閣議決定についても、私は、それが守られていないということは明らかなわけですから、守られなかったことについてどう思われるかという感想も伺いたいと思いますし、新しい法律を出すというなら、それまでの間のつなぎの閣議決定をした方がいいんじゃないかなということも思いますけれども、そのことについてあわせて最後に伺って、質問を終わりたいと思います。
○野田内閣総理大臣 運用三号については、さっき答弁があったとおり、この国会で法律を出すということによって空白がないようにします。 閣議決定の話は、またもとに戻りましたけれども、その精神に基づいて法案を早急につくるべく努力をしているということで御理解をいただきたいというふうに思います。
○浅尾委員 終わります。
○中井委員長 これにて浅尾君の質疑は終了いたしました。 これをもちまして締めくくり質疑は終了いたしました。 以上をもちまして平成二十三年度補正予算三案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○中井委員長 ただいままでに、みんなの党浅尾慶一郎君から、平成二十三年度補正予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。 この際、本動議について提出者より趣旨の弁明を求めます。浅尾慶一郎君。 ————————————— 平成二十三年度一般会計補正予算(第3号)、平成二十三年度特別会計補正予算(特第3号)及び平成二十三年度政府関係機関補正予算(機第2号)につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○浅尾委員 私は、みんなの党を代表して、ただいま議題となりました政府提出の平成二十三年度第三次補正予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、その趣旨を説明いたします。 東日本大震災は、自然災害に原発事故が重なった人類史上初の災害であり、非常事態との認識のもと、従来の発想にとらわれない被災者支援、復興策を実行するために大規模な補正予算を編成すべきであると、みんなの党はかねてより指摘してまいりましたが、平成二十三年度第一次補正及び第二次補正予算は、財務省主導の財源論にとらわれたために、極めて小規模なものにとどまりました。 今回、平成二十三年度第三次補正予算も、財務省主導のもと、増税の議論に時間をかけたことで編成がおくれた上に、その規模も約十二兆円と不十分なものにとどまっており、復旧復興のために全く力不足の予算です。 みんなの党は、これまでも、四月には東日本緊急応援アジェンダを発表し二重ローンの問題に対して大胆な債務免除を行うなど、被災者に対する救済策を提示しました。九月三十日に新たに、総額二十七・五兆円の増税なき復興予算案と、増税なしで百五兆九千億円の財源を捻出できることを示した増税なき復興財源案を発表しております。政府は、直ちに、我が党の増税なき復興予算案に基づき、第三次補正予算案を改めるべきであります。 予算を組み替えるべき第一の理由は、歳出削減、税外収入確保の努力がなされておらず、安易な増税路線を歩む予算となっていることです。政府の補正予算案では、歳出削減の努力を怠る一方で、復興債を発行し、その償還のためと称して安易な増税を行おうとしております。みんなの党が発表した増税なき復興財源案では、議員歳費三割・ボーナス五割カット、国家公務員人件費二割カット、公務員宿舎、郵政株式等の国有財産の売却、民主党政権が進めたばらまきストップ、復興国債の日銀引き受け等により、複数年間で約百五兆九千億円の財源が増税なしで確保できることを示しています。今回の補正予算に限っても、二十七兆五千億円の財源が確保可能です。 第二の理由は、大震災からの復旧復興のための予算としては規模が全く不十分なことです。政府の第一次補正、第二次補正予算はともに極めて小規模なものでしたが、第三次補正予算でも、財務省主導の財源論にとらわれたことで、その規模は十二兆円にとどまっております。みんなの党が示すように、補正予算に限っても二十七兆五千億円の財源を増税なしで確保できます。大規模な補正予算を組むべきであります。 第三の理由は、霞が関、永田町で予算の使い方が決められていることです。現地の状況を把握している被災自治体に財源と権限をゆだねれば、被災地の細かなニーズに対応でき、復興はスピーディーに進むはずです。 以上の理由により、みんなの党は、平成二十三年度補正予算三案を撤回し、編成替えを行うことを求めるものです。 次に、編成替えの概要について申し上げます。 財政措置については、まず、前述の一括交付金を被災三県にそれぞれ五兆円ずつ、十五兆円交付します。 防災対策に七千億円、原発事故対策に三兆九千億円、台風災害復旧復興費に二千億円を計上いたします。 また、法人税減税、人工光合成等の革新的技術開発、普及、そしてTPP対策等の日本成長予算として五兆二千億円を計上します。 基礎年金国庫負担の年金特別会計への繰り入れ減額措置の補てん二兆五千億円を含め、歳出の規模は二十七兆五千億円となります。 財源については、議員歳費三割・ボーナス五割カット、公務員人件費二割カットで五千億円、国債整理基金特別会計の定率繰り入れ停止で九兆八千億円、労働保険特別会計の資産・負債差額の取り崩しで四兆二千億円、原発関係の国の支出の廃止で一千億円、民主党政権が進めたばらまきストップで一兆七千億円、新発国債予定金利と実勢金利の差益収入で一兆円、使用見込みのない余剰金の国庫返還で二兆円、復興国債で八兆二千億円を確保いたします。 以上が、みんなの党の組み替え案の概要であります。 何とぞ我々の動議に委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げ、趣旨説明といたします。
○中井委員長 これにて本動議の趣旨弁明は終了いたしました。 —————————————
○中井委員長 これより討論に入ります。 平成二十三年度補正予算三案及びこれに対する撤回のうえ編成替えを求めるの動議を一括して討論に付します。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。江端貴子君。
○江端委員 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました平成二十三年度第三次補正予算案に賛成の立場から討論を行います。 東日本大震災、この夏から秋にかけての台風、豪雨災害により亡くなられた方々に衷心より哀悼の意を表するとともに、御遺族、被災された方々に心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。 私自身も被災地に何度か入らせていただき、また民主党の一期生の女性議員で、子どもたちの未来を守る女性議員ネットワークを立ち上げ、被災地のお子さんたちの生活や学びの環境整備、心のケア、放射線による健康被害をなくすことなどの提言を行ってまいりました。 政府・与党はこれまで、被災地の皆様の思いは当然のこと、野党の皆様の意見にも真摯に耳を傾けながら、二回に及ぶ補正予算の編成や予備費の弾力的な活用を通じ、復旧復興に努めてまいりました。そして、このたびの補正予算案は、復興基本方針に基づき、本格的な復旧復興予算として提出されたものであります。 具体的には、早期復旧に向けた道路、空港、港湾、鉄道などの整備事業、瓦れき処理のための地方公共団体が負担する費用についての補助事業、震災による低所得者や就学困難児童生徒に対する支援、被災中小企業者や漁業者への融資や活動再開のための経費、被災自治体が柔軟に活用できる東日本大震災復興交付金、原子力災害からの復興のため必要となる除染やモニタリング、損害賠償関係経費などの東日本大震災復旧復興のための諸経費が盛り込まれております。 また、立地補助金や住宅エコポイントなどの円高・景気対策、台風十二号被害からの復旧事業、一次補正予算で活用した年金臨時財源の補てん、B型肝炎ウイルス感染者に対する給付金なども盛り込まれております。 被災地に厳しい冬が訪れようとしています。本補正予算を早期に成立させ、復興の絵姿を示すことは、その厳しい日々にともる明かりとなるはずです。一人でも多くの方々に御賛同いただきますよう心よりお願い申し上げ、討論といたします。(拍手)
○中井委員長 次に、橘慶一郎君。
○橘(慶)委員 私は、自由民主党・無所属の会を代表して、平成二十三年度第三次補正予算案について、以下重要な問題点を指摘しながらも、早期の復旧復興、被災者の生活の安定のため賛成、そして、みんなの党から提出の組み替え動議については、理解できる部分もあるものの、総体として賛成しかねる立場で討論をいたします。 討論に入る前に、東日本大震災、台風被害、さらにタイの洪水、トルコ大地震など、国内外における大災害の被災者の皆様に対し、心よりお見舞いを申し上げます。 さて、私たち自由民主党は、七月に十七兆円規模の復旧復興予算について既に提言をいたしました。にもかかわらず、七月から今日に至るまで、実に四カ月が経過しております。なぜ第三次補正予算案の提出がこんなにおくれたのか、政府・民主党には猛省をしていただきたいと思います。 今補正予算案の問題点は以下のとおりであります。 まずは、復興にどれほどの予算が必要なのかが不明確であります。政府は復興経費を十九兆円から二十三兆円と見ております。本当にこれだけで足りるのか。原発事故の対応、特に除染費用のみでも数兆円とも言われております。さらに、政府は今後五年間を復興集中期間として財政措置を十九兆円集中投資するとしておりますが、第一次、第二次、第三次補正を合わせて既に十五兆円が計上されたことから、残りの四年間ではたった四兆円となります。これで復興費用を賄えるのか、大きな疑問を呈せざるを得ません。 また、震災復興に関係のない事業が含まれている点についても改めて指摘をさせていただきます。 一方、財源について、我が党は復興債の償還期間と区分管理の問題を強く指摘してまいりました。この点については、自民、公明、民主の三党協議で大枠が合意され、我が党の主張に沿った見直しがされることを評価しつつ、新たな特別会計の制度設計等の細部の協議についても調うことを期待するものであります。 しかしながら、子ども手当や高速道路の無料化の廃止で得られた財源は、本来、赤字国債の発行の減額に充てることが筋であります。また、大震災のために、マニフェストを見直して、子ども手当を減額するとした民主党の考え方には、私どもはくみしないものであります。 なお、質疑の中で私たちが指摘いたしましたように、TPPについては、十分な情報の提供と議論を経ないまま参加を決断することには反対であり、国家公務員給与については、人事院勧告を実施した上で引き下げるべきである旨を申し添えます。 以上、第三次補正予算には重要な問題点が残っておりますが、今日の政治における最大のテーマは、被災地の早期の復旧復興であります。この点、私たち自由民主党は、被災者の皆様の生活の安定に全力で当たる覚悟で、理のある政府の政策については協力する旨申し述べ、第三次補正予算案に対する賛成討論といたします。(拍手)
○中井委員長 次に、高木陽介君。
○高木(陽)委員 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました平成二十三年度第三次補正予算案に対し、賛成の立場から討論いたします。 以下、賛成する主な理由を申し上げます。 第一の理由は、第三次補正予算案には、被災地の復興に向けての重要な施策が盛り込まれており、復興特区や復興庁の設置をあわせ迅速な執行が必要である点です。 例えば、瓦れきの撤去や放射性物質の除染の本格的な実施、被災地における住宅の確保を初めとする生活支援、福島における原発事故に対する賠償、仮払いの支払いなどは緊急を要する課題であります。 特に、被災地における復興事業を速やかに進める観点から、地方負担を軽減するための特別交付税の創設や、被災された自治体がみずからの復興プランを進めるための東日本大震災復興交付金が創設されていることは高く評価いたします。 第二の理由は、欧州経済の混乱などによる歴史的な円高に対する対策が盛り込まれている点です。 特に、円高により中小企業など企業経営は深刻な状況にあり、事業をやめるか、それとも海外に移転し活路を求めるかという、ぎりぎりの瀬戸際に立たされております。まさに、日本経済にとって産業の空洞化は雇用を失い、経済の活力を失うものであり、緊急に対応するべき課題です。 今般の補正予算案には、これらの課題に対して、企業の立地補助金の大幅拡充や、節電エコ補助金の創設、中小企業に対する資金繰りの支援の強化、さらには雇用調整助成金の要件緩和などの雇用対策などが盛り込まれています。これらの施策では必ずしも十分とは言えないものの、緊急的な対応として速やかに執行されるべきです。 第三の理由は、東日本大震災の教訓を踏まえ、全国防災を含む各種対策が盛り込まれている点です。 地域における防災機能の強化や、学校等の公共施設の耐震化の前倒し実施など、全国的な防災、震災対策は極めて重要です。いまだ十分とは言えないものの、公立学校の耐震化と防災機能強化について、第三次補正予算で積み増しがなされたことについては一定の評価をするものです。 以上、賛成する主な理由を述べました。 平成二十三年度第三次補正予算案は、十月二十八日にようやく国会に提出されました。本格的な復興を待ち望む被災者の方々の悲しみや労苦を思えば、なぜこれほどまでに遅くなってしまったのか、被災地では冬の足音が近づいている中、寒さの中で再建に取り組むお一人お一人の心情を本当に民主党政権は感じているのか。 震災発生から、あすで八カ月となります。改めて、この間の政権党である民主党の責任は重大であり、前政権で重要閣僚を務めた野田総理の責任も厳しく問われるものであると改めて強く申し上げ、私の討論を終わります。(拍手)
○中井委員長 次に、笠井亮君。
○笠井委員 私は、日本共産党を代表して、二〇一一年度第三次補正予算三案に反対、みんなの党提出の組み替え動議に反対の討論を行います。 本補正予算には、被災者、被災地の要求を反映したものも盛り込まれていますが、以下のような重大な問題点があります。 第一は、復興財源の確保を名目に、庶民への大増税を押しつけようとしていることです。 本補正予算は、財源の大部分を復興債の発行によって確保するとしていますが、その償還財源は、所得税、たばこ税の増税によるものです。個人住民税などの増税と合わせ、個人や中小業者に対して八・八兆円もの大増税を押しつけるものとなっています。 一方、大企業はどうか。法人税の実質五%減税を恒久的に行い、初めの三年間に限って、減税分をはるかに下回る付加税を課すだけです。付加税が課される三年間についても、大企業は減税だけが続くのであります。野田総理は、連帯して負担を分かち合うと言いながら、庶民には増税、大企業には減税という財源策であり、断じて認めるわけにいきません。 第二は、東京電力救済スキームである原子力損害賠償支援機構法に基づき、機構に資金拠出をするための交付国債の発行限度額を二兆円から五兆円に拡大していることです。 原発事故の賠償責任は、第一義的には東電にあります。ところが、機構法は、東電を絶対に債務超過にさせないために、公的資金を投入して東電を支援するものです。政府は約九千億円もの資金投入計画を認定しましたが、東電の救済に国費を浪費することは容認できません。政府は、自主避難者を含めた賠償を東電に行わせるべきです。 除染等に係る予算は本補正予算ではわずか二千四百億円にすぎず、全く不十分と言わなければなりません。 産業空洞化対策を口実に、立地補助金を増額するなど、大企業支援策を盛り込んでいることも重大です。 日本共産党は、復興のための財源も原発災害対策の財源も、庶民増税なしに確保する方法を提案しています。 思いやり予算などの米軍関連経費や政党助成金の廃止、法人税減税や証券優遇税制などをやめることで、年間約二兆円の財源を生み出すことができ、復興財源に活用することができます。 原発災害の賠償や除染に充てる財源は、東電を初め電力業界による原発と核燃料サイクル推進のための積み立てから資金を拠出させることです。原子炉メーカーなど、原発ビジネスを推進し、巨額の利益を上げてきた原発利益共同体に属する大企業にも資金の拠出を求めることであります。 これらを実行することで、復興財源、原発災害対策財源を確保することができます。 以上指摘し、討論を終わります。
○中井委員長 次に、阿部知子さん。
○阿部委員 私は、社会民主党・市民連合を代表して、政府提出の二〇一一年度第三次補正予算案につきまして賛成、みんなの党の組み替え動議に反対の立場から討論を行います。 あの大震災、福島第一原発事故から間もなく八カ月です。厳しい冬もすぐそこに迫っています。被災地では、今必死に人間の復興を目指した取り組みが進められています。まず冒頭、被災者一人一人の生活再建と被災地の復興を支援するためにも、本格的な補正予算を早期に提出することが求められていたにもかかわらず、提出時期が大きくおくれ、増税ありきとされたことを厳しく批判するものです。 社民党は、自治体間支援の強化や、災害一括交付金、震災復興基金の創設、瓦れき処理の速度を上げるための国の支援の強化、災害復旧事業についての積み増し、上乗せ、被災地域の再生に必要なインフラ整備の予算、公共交通の復興支援、復興のためのまちづくり関係予算、被災地の雇用対策の強化、放射性瓦れきや放射性汚泥対策、広範な除染と食品の安全対策、広域避難者支援等とともに、台風被害対策や円高・中小企業対策の強化を求めてまいりました。今回の補正予算の歳出の中には、震災復興特別交付税や東日本大震災復興交付金、三陸鉄道支援など、これまでの社民党の主張や提案が盛り込まれていることは評価いたします。 一方、歳入の分野では、復旧復興対策の規模を五年間で十九兆円、二〇二〇年までの十年間で二十三兆円としましたが、阪神・淡路大震災の三倍という試算は、原子力事故への本格的対応は視野にないものと思えます。また、社会的インフラ整備については、建設国債の追加発行で対応すべきです。税外収入についても、一般会計からの国債整理基金特会への繰り入れ九・八兆円の一部停止、基金による今年度分の消却の残額分二兆円の停止、巨額の外貨準備の一部活用など、もっとあらゆる方策を真摯に検討すべきです。 長引くデフレと円高で厳しい経済下での定率増税は、景気にも消費にも復興にも悪影響を及ぼします。安易な庶民増税ではなく、徹底した行財政の無駄の排除や税外収入の拡大、不公平税制の徹底是正などで財源確保を図るべきと考えます。 歳入歳出ともに問題はありますが、震災復興や台風被害対策、円高対策は待ったなしであり、補正予算自体には賛成するものです。 最後に、総理は本日、APECでTPP協定交渉に参加する意思を表明するやに伺っています。 本委員会の審議でも、TPP自体の情報の不足、深刻な懸念や問題点が指摘されました。また、多くの農林漁業者、消費者、医療関係者などが反対を唱えており、全国から一千百万人以上の請願署名が集められ、各自治体議会、首長からも慎重、反対の決議が相次いでなされていることを一顧だにしておりません。国会でも、議会に対する総理の説明不足と独断を批判する声が強まっています。 今は、大震災からの復興と原発事故収束、そして被害者救済にこそ全力を挙げるべきときです。拙速な判断から国を過つことのないよう、総理に強く自省を求め、私の討論を終わります。
○中井委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○中井委員長 これより採決に入ります。 まず、浅尾慶一郎君提出の平成二十三年度補正予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中井委員長 起立少数。よって、浅尾慶一郎君提出の動議は否決されました。 次に、平成二十三年度一般会計補正予算(第3号)、平成二十三年度特別会計補正予算(特第3号)、平成二十三年度政府関係機関補正予算(機第2号)、以上三案を一括して採決いたします。 三案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中井委員長 起立多数。よって、平成二十三年度補正予算三案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました平成二十三年度補正予算三案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○中井委員長 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 予算の実施状況に関する事項について、議長に対し、国政調査の承認を求めることとし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次回は、明十一日、少し朝早うございますが、委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時二十二分散会