財務金融委員会 第2号
- 発言数
- 336 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2011/10/26
会議録
○海江田委員長 これより会議を開きます。 財政及び金融に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 両件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁白川方明君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として総務省大臣官房審議官米田耕一郎君、財務省大臣官房審議官鷲見周久君、主計局次長福田淳一君、国税庁次長岡本榮一君、厚生労働省大臣官房審議官石井淳子君、農林水産省大臣官房参事官高橋洋君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○海江田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○海江田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。藤田憲彦君。
○藤田(憲)委員 おはようございます。民主党の藤田憲彦でございます。財務金融委員会に初めて所属をして、そして質問の機会をいただいたこと、感謝を申し上げます。 さて本日、冒頭でありますが、もう既に朝刊の一面に載っておりますけれども、ニューヨーク市場で一時円高が進行して、最高値で七十五円七十三銭と、一層の円高の先行きの懸念がある中でありますけれども、この点についてどういう対応をとるのかということについては、国民が広く関心を持っていることであると思います。したがって、まず冒頭、この点について、安住財務大臣よりコメントを伺いたいと思います。
○安住国務大臣 やはり少し経緯をお話ししないといけないと思いますけれども、今度の円高というのは、国内の情勢に何か起因をしているというよりは、御存じのように、ヨーロッパにおけるソブリンリスクに端を発した不安定な財政金融状況、さらに今週に入ってから、アメリカの経済指標が、市場が思っている以上に、決していい状況ではどうもないんではないかというようなことがさまざま流れて、これがやはり相対的なものとして円高にはね返ってきているという状況はあると思います。しかし、私の認識は、我が国の経済の状況にかんがえて、この動きというのは決して実体経済を反映しているものではないというふうに判断をしております。 震災復興のサプライチェーンの回復というのは、各企業の努力によりまして相当速いテンポで進んでまいりました。輸出産業も非常に、この七月ぐらいまでは順調な回復を示していたわけでございますが、この円高は、そうした動きに本当に冷や水を浴びせかねない状況であるということで、懸念をしております。 そうしたことから、投機的な動きというものが先週の金曜日以降見られる、それによって急激な変化が生じているということについては大変懸念を持っております。為替相場が投機的な動きによるもので、これを注視しなければなりませんが、あらゆる措置を排除せず、必要な場合には断固とした行動をとらせていただきます。 次の介入のタイミング等については、ここでのコメントは差し控えておきますけれども、現在の市場の状況にかんがみ、事務方には、必要があれば断固として行動することができるよう、絶えず準備を整えておくように、けさ方も指示をしております。
○藤田(憲)委員 ありがとうございます。 私の地元は大田区でありまして、大田区といいますと、中小企業、物づくりの企業がたくさん集まっております。先月、野田総理も大田区の企業を視察に来てくださいましたけれども、そこでやはり、経営者から出てくる声は幾つかあるわけですが、当然、円高という問題に関しては非常に大きな懸念を持っておりますし、直接、事業に影響しているところであります。 したがって、円高への対応というところは、私も常日ごろから経営者からそういったお話を聞くわけでありますけれども、一方で、今、安住財務大臣がお話しいただきましたように、円高というものは、ひとり国内の問題ではなくて、これは国際金融の問題でありますので、国際社会におけるさまざまな要素が折り合っている。そういった中では、円高の是正をという声がある中でありますけれども、なかなかこれを一国だけでは解決できず、世界各国との協調が必要であるという点、この点は本当に我々としても常日ごろ地元で訴えておりますけれども、これも安住財務大臣から、こういった点について、やはりわかりやすく説明をしていただくことは大事かと思います。 脱線するわけではありませんが、ちょうど一年前に、当時、安住財務大臣が防衛副大臣だったときに、私の地元に国政報告会にお越しいただきまして、そのときのお話がわかりやすくて、とにかくもう私の支持者からも絶賛を受けまして、それぐらいやはりわかりやすい話を私もするようにと言われたところでありますので、そういった主張をこれからも安住大臣には行っていただきたいと強く願うものであります。 本日は、安住財務大臣そして自見金融担当大臣を中心に所信に対する質疑を行ってまいりたいというふうに思うのですが、事円高に関しては、やはりなかなか実態の生活の経験の中では理解できないところもあって、これは本当の話でありますけれども、例えば地元で、なぜ財務大臣がいろいろな国際会議に行くのか、これは外務大臣の仕事ではないのか、こういったことを言われることもあります。でも、これは、逆を言えば、それだけ、いわゆる国際金融の中において財務大臣が果たすべき役割というものが非常に大きいということを示すものであろうかと思います。 ちょうど先週でありますか、十月の十四日、十五日ですか、二十カ国財務大臣・中央銀行総裁会議にも安住財務大臣が出席をされてこられたと思いますけれども、まず、こういった点についてこの会議でどのような主張をされて、そしてこれがどのような成果を獲得してきたのかについて、安住大臣からコメントをいただきたいと思います。
○安住国務大臣 就任以来約二カ月たちますけれども、その間に、マルセイユのG7、それからワシントンでのIMF・世銀総会並びにG20、さらに、今御指摘がありましたパリでのG20、このところ会議が立て続いておりまして、来週またカンヌでのG20ということになります。 これはやはり、外交と全く同じかもしれませんが、金融はそれ以上に世界のつながりが非常に強くて、いわば金融の世界というのは、国と国との境を越えた取引を、どういうふうに自分たちの国の影響をできるだけいい方向に持っていくか、そういうことを真剣に議論しなければならないことなので、この間の三回のG20、G7では、議題の九割は、やはり欧州問題になります。 この欧州問題は、国民の皆さんから見れば、何か遠い世界のことのように思われるわけでございます。何かNHKのニュースを見ても、ギリシャでデモをやっているな、そんな感じでごらんになっている方が多いんだとは思いますが、少しわかりやすくお話をすれば、やはりギリシャの財政的な要因が、財政赤字がといいますか、これは国内で例えば公務員が非常に多かったり、年金が非常に早い段階からの支給とか、財政バランスが非常に悪いわけですね。 そのギリシャの国債というものを大量に保有している欧州を中心とした金融機関が金融不安を起こしている。このことが結果的には欧州全体のいわば経済危機になって、今は、G20の中身の話というのは実は非公式なフリートークの場でございますので、なかなか申し上げられませんが、もう経済の領域を超えて、いわば政治問題化しているという認識で、それぞれ話し合いをしております。 そういう中にあって、欧州の金融不安が、やはり対ドル、対円に対して大きな影響を与えている。これは、為替というのは相対の問題でありますから、そういう点では、欧州での危機というものが直接我が国に投影されるということが、今の円高にも反映しているということでございます。今後、カンヌでまた議論がありますけれども、そういう中にあって、欧州問題の解決というものをやはりしっかり欧州自身がやっていただく。 私の方から、ではその中で具体的に何を主張したんだということでございますが、実は、欧州危機の問題の中で、コミュニケを見ていただくとわかるんですが、先般のパリにおいては、やはり財政の再建をそれぞれの国はしっかり進めるべきであるというものが一つありました。これに対してのやはり取り組みというものを、日本は実はカナダのトロント・サミット以来ずっと、工程表をどうするんだということを求められておったものですから、六月に決めた税と社会保障の一体改革や、それから、附則百四条に基づいて今年度中に法律を出すということを私としては申し上げましたし、また、ギリシャ問題に対する日本側の考え方というものはしっかりと伝えて、行き過ぎた円高に対しての懸念というものがあるということも伝えてきたところでございます。
○藤田(憲)委員 まさに冒頭の円高のお話でいえば、この十一月三日、四日のG20の、フランスのカンヌでのサミットの中でも、円高の懸念については、これはやはり安住財務大臣から強く主張していただきたいと思いますし、もう一点、大事だと改めて認識をいたしますのは、この財政問題、いわゆる財政赤字についても、これも国内問題ではなくて、今ややはり国際会議の中での主要なテーマであって、それはひとり経済問題であるのみならず、いわゆる国際政治の場においても重要な課題となっている点ということを改めて理解をいたしました。したがって、その点に関しましては引き続き、十一月のサミットでぜひともそういった主張をしていただきながら、欧州の危機に関しても、なるべくリスクを最小化するため、尽力を図っていただきたいと思うものであります。 引き続き、今度は自見金融担当大臣に、所信に関してお伺いをしていきたいと思います。 やはりこれも、中小企業のお話が所信の中でありましたとおり、中小企業の金融に関する円滑化という点について、これも中小企業からすれば非常に身近な問題であり、かつまた死活問題である点は、私も重々承知をしているところであります。 そもそも、中小企業の円滑化法制定以降、丸二年がたって、法律の延長等々も図られている中でありますけれども、やはり中小企業の円滑化というものは、この政策を実施して二年がたった中で、どういった効果が生まれているのか、この検証もまた必要な時期になってきているのではないかと思います。 したがいまして、この法律が制定してからこの間についての、特に中小企業に直接関係する貸し付け等の条件変更等に関しては具体的にどのように進捗をしているのか、この点について大臣にお伺いしたいと思います。
○自見国務大臣 藤田議員にお答えさせていただきます。 東京の大田区を中心にした選挙区ということでございまして、まさに中小企業の本当に盛んなところ、ある意味では本場でございまして、そういった中での中小企業金融円滑化法案の御質問でございます。 実は、政権交代のときに、私はたまたま国民新党の政調会長をさせていただいておりまして、選挙の前に、民主党と社民党と国民新党と、共通政策、共通公約を六つ出させていただきました。その中に、きちっと金融政策を、やはり中小零細企業の目から見た政策を行うということを、実は共通公約にさせていただいておりました。 実は、連立内閣で、我が党の亀井静香党首が金融あるいは郵政改革担当大臣になりまして、その公約に沿ってこれはやらせていただいた施策だというふうに私は認識しておりますが、そういったことで、一昨年十二月に実施されて以来、金融機関では、中小企業向け貸し付け条件変更等に積極的に取り組んでいることと承知をいたしております。 具体的には、同法に基づきまして、法施行日、これは平成二十一年の十二月四日から直近の六月末までの貸し付け条件等の変更等の実績において、審査中の案件等を除き、実行の割合は約九割。これはもう御存じのように、貸し付け条件の変更の努力義務というのをきちっと課しておりまして、そういうふうに検査、監督の方も、きちっと一貫してその精神を守らせていただいたということでもございますが、やはり実行の割合は九割を超えております。こうした結果から、全体としては、金融機関の条件変更等の枠組みは着実に行われているものと認識をさせていただいております。 ただし、これは大変大事なことでございますけれども、藤田先生御存じのように、民間金融というのは、原資というのは借りてきたお金でございまして、それに利子をつけて返すということが原則でございます。そのお金を実は融資するわけでございますから、当然、金融規律の問題もございます。ですから、貸し付け条件の変更というのは大変ふえましたけれども、当然、どうしても、それは基本的に民間金融機関の方々の御判断でございますから、中には、場合によっては謝絶ということもございます。 しかし、大部分が、今さっき言いました、九割を超える水準で貸し付け条件の変更をしていただいておりまして、このことによりまして、こういった厳しい中ですけれども、中小企業の倒産が非常に減ったというようなことを言う一部の方もおられるわけでございまして、そういった意味で着実に効果は上がっているというふうに思っております。
○藤田(憲)委員 大臣、ありがとうございます。 中小企業金融の円滑化に関しては、これは今九割の実行というお話をいただきましたけれども、私自身も、地元の中小企業の経営者からお話を聞きますと、この制度を利用している経営者は結構おります。また、これはちょっと白黒ですけれども、こういったわかりやすいパンフレットも比較的認知されておりまして、その意味では、中小企業の金融の円滑化というのは、かなり実効性が高く、非常に浸透している政策ではないかなと、私自身、実感もいたします。 ただ、その分、実行率九割というお話もありましたが、逆に、地元の信用金庫ですとか信用組合からは、結構そういう案件が来て大変だというような話もまた聞くわけでありますけれども、こういった政策が生かされているというのは、私は、政権交代後の我々の政権の意義を訴える上においても非常に重要であろうかと思います。 ただ、この点に関しまして、実は、法律が制定してから二年がたつ中で、中小企業も当然生き物ですから、いろいろな事業展開をしていく。そうすると、中小企業の金融の円滑化、特に条件の変更に関しては、当然のことながら、既存のローン、既存の債務に関しての条件の変更でありますけれども、最近、特に意欲的な中小企業の経営者を中心に新たな資金需要というものもまた発生をしているのが事実でありまして、私も、いわゆる融資ですとか、こういった件に関して、いろいろ経営者から相談を受けることがあります。 これもまた実感値で言いますと、新規の融資に関して言うと、やはりまだまだ審査が厳しくて、なかなかおりないというような声が多く寄せられております。今、国を挙げて、震災の復旧復興に優先順位を上げて取り組んでいる中ではありますけれども、やはりこういった中小企業の資金需要に機動的に対応していくということもまた、我々の政策の中で重要な点ではないか。したがって、中小企業金融の円滑化だけではなくて、これからの新規の資金需要に対応する中小企業対策もまた求められているのではないかと思います。 金融庁として、特に新規の需要に関しての対策、取り組み等があれば、この点をぜひお伺いしたいと思います。
○自見国務大臣 藤田議員、そこは大変重要なポイントをついた質問だと私は思っております。いわゆるニューマネーの問題ですね。 現下の厳しい経済情勢を踏まえて、金融庁は、民間金融機関に関して適切かつ積極的な金融仲介機能を発揮するように繰り返し要請しているところでございまして、民間金融機関は、こうした要請の趣旨を踏まえて、新規融資も含めた企業金融の円滑化に積極的に取り組んでいるものと承知をいたしております。 先生御存じのように、貸し付け条件の変更等の履歴があることのみをもって新規融資を謝絶するといった不適切な対応は行わないように、これは何度も何度も監督局長名でいろいろな金融機関にお願いを、監督指針にも記載をしておりますし、また通達も出させていただいているわけでございまして、そういったこともしっかりやりながら、金融庁といたしましては、引き続き適切な金融仲介機能が発揮されるように、金融機関に対して促してまいりたいというふうに思っております。
○藤田(憲)委員 ぜひこの取り組みは、私からも改めて強くお願いをしたいと思うところであります。 やはり中小企業の対策というのは、機動的な取り組みが求められる中で、市況あるいは景気の状況によって、そこに一つ一つ改善を加え、また新たな施策をタイムリーに実行していくということが求められる分野であろうかと思います。その意味で、貸し付け条件の変更、もちろんこういったニーズはまだまだ中小企業の中の多くがあると思いますので、円滑化そのものについては、これからも大臣の所信のとおり全力を挙げて取り組んでいただきたいと思いますが、今後まさに復旧復興を考える上で、新たな資金需要、そして新たないわゆる景気の刺激に関して、これも金融庁が全力で取り組んでいただくことを、本当に切にお願いする次第でございます。 この点に関しまして、もちろん中小企業の円滑化だけではなくて、先ほど円高の話題もいたしましたけれども、やはり中小企業に対する対応、いわゆる政策ということでいうと、これは本当に金融あるいは財政の部分でも重要な役割を果たしているんだなということを、私自身、議員になって二年たって、改めて実感をするところであります。 とかく中小企業の対策あるいは政策といいますと、中小企業庁を初め経済産業分野だという認識が色濃くあるわけでありますけれども、実際、中小企業の経営者からいろいろな話を聞くと、その相談の八割、九割はやはり金融、特に融資に関するものということが大半でありまして、こういった点に関して、私がこの財務金融委員会に所属をしたというのも、中小企業の声をこういった場でも反映させていきたいという思いがあるわけであります。 それに関連して、今度は円高の問題に戻るわけでありますけれども、実は財務金融の部門会議がある中で、円高の対応の緊急パッケージという政策、これが既に発表されて実行されているわけでありますが、この点に関してお伺いしていきたいというふうに思います。 円高対応緊急ファシリティ、八月二十四日の発表の資料によりますと、急激な円高の進行に対して、民間円資金の外貨への転換の促進による為替相場の安定化ということを目的として、いわゆる外為特会のドル資金を、国際協力銀行、JBICを経由して活用するということが円高対応緊急ファシリティの政策として発表されておりまして、この政策目的の中には、中小企業の輸出や海外事業等を支援するファンド成立、あるいは中小企業の海外進出、あるいはMアンドAを促進するという政策だというふうに理解をしております。 これも、こういった内容を地元で説明いたしますと、非常に経営者は関心を示します。というのは、中小企業といっても、中小企業だから国内の企業かというと必ずしもそうではなくて、さまざまなリスクに対応する中で、海外に展開したり海外の会社を買収したりという部分が極めて多く、今、話としては上がってきております。 そこで、この緊急ファシリティというものが八月から、緊急ということで発表されたわけでありますが、現在十月の下旬で、二カ月たつ中で、この政策がどの程度引き合いが来ており、どの程度の見込みであるのかという点について、政府の見解をお伺いしたいと思います。
○五十嵐副大臣 お答えをいたします。 御指摘のとおり、八月の二十四日に発表いたしまして、直ちに相談受け付けを開始いたしました。これまでにMアンドAや資源確保の案件について、多数の問い合わせが既に寄せられていると聞いております。 特にMアンドA促進を目的としたクレジットラインにつきましては、当初三百億ドル程度をメガバンク三行で想定をしておりましたけれども、既に四百三十億ドルの設定が行われたと聞いております。旺盛な需要見込みが期待されておりますので、今後早急に具体化した案件で成果が上がることを期待しております。 また、先生御指摘のとおり、中小企業も、私の地元でもそうですけれども、今や輸出の方が多いという中小企業もかなり出ておりますので、このファシリティにおきましては、中小企業の輸出支援についても内容が、御指摘のとおり、盛り込まれております。この中小企業の案件の方でも成果が今後上がってくるものと期待をいたしております。
○藤田(憲)委員 ありがとうございます。 この政策に関して私から二点ほど意見を述べたいというふうに思うんです。 まず一点目は、冒頭安住大臣にお願いしたことと内容としては同じでありますけれども、中小企業の経営者はやはり現場の中で日ごろ没頭しておりますので、例えば、円高対応緊急パッケージと言っても、なかなかすっとは入ってきません。それから、国際協力銀行、JBICと言っても、ほとんどの中小企業の経営者にとっては身近な存在ではないので、それがどういう役割をして、では、どういうふうにこの政策を利用していいのかということについてなかなか見当がつかないということがあります。 したがって、この円高対応の緊急パッケージの政策も、先ほどのお話でありますと、合計で四百三十億ドルの引き合いが各金融機関から来ているということは、これは大変な規模であると思いますので、その分、需要促進をしていくという意味では、中小企業に対するアナウンス、いわゆる告知も十分に行っていかなければ、目的が達成されないのではないか。 もちろん、この点は、一義的には、JBIC、あるいはこのクレジットラインを設立した大手都銀の、まずは自分のクライアントといいますか、中小企業に対するアナウンスを行っていく必要があろうかと思いますけれども、こういった点も含めて、まず政府から告知をするような努力をしていただきたいと思いますし、先ほど自見大臣への質問のときに掲げました「中小企業の事業主の皆さんへ!」、こういったパンフレットをつくるかどうかはともかくとして、しかしながら、やはり、これぐらいのわかりやすい取り組みをしていかなければいけないと思いますので、この辺の検討についてお伺いしたいと思います。
○五十嵐副大臣 御指摘は大変ごもっともだと思いますので、政府においても、検討し、努力をさせていただきます。
○藤田(憲)委員 ありがとうございます。 そして、もう一つ、私が意見として述べたいのは、円高対応緊急パッケージということを、この政策を私も部門会議等々で知りましたので、日ごろ意見交換をする経営者と話をいたしましたら、こういうことを言われました。そのパッケージは非常に興味があるんだけれども、このパッケージに応募といいますか、クレジットラインを設立しているのはやはり大手の都銀に限られると。 現実、中小企業の中で、特に地場で昔から代々やっているような経営者で、進歩的な取り組みをして、輸出ですとか海外展開を考えるような事業者は、昔ながらの信用金庫ですとか信用組合等々というところがメーンの主力行でありまして、なかなか都銀と直で、すぐ案件を依頼できるような環境にないところが結構多いのであります。 そうすると、何を申し上げたいのかといいますと、中小企業に対してと言いつつ、当然これは中小企業に対してのメリットがあるということであれば、経営者もそういうこととして理解をする。でも、これは、例えは適切ではないかもしれませんが、例えば、商店街でお買い物をすると、千円のクーポン券というものをもらって、これは次の商店街の中でのお買い物では千円分使えますよというような券だった。これはうれしいなと、もらった瞬間は思うわけですね。しかし、その券の券面をよく見てみると、例えばです、ただし、十万円以上の買い物をした人に限るとか。ああ、何だ、これは使えるのかと思って期待をして、しかし、よく見ると、ああ、何だ、これじゃ難しいんだなということで、残念ながら、それが求めている人のところに期待を抱かせつつ、実際は自分のところは対象ではないんだなというようなことで失望される方が現実にたくさんいらっしゃいます。 そうすると、中小企業対策の非常に難しいところというのは、中小企業というと、ほとんどの企業が中小企業ですから、当然、その政策だということで言うと、自分のための政策かというふうにやはり期待も持ちますし、そういうふうにやはり理解をしたいと思うんですね。ところが、実際その政策を利用してみようとすると、なかなか自分の会社はその対象にならないというところがあります。 これは二つの側面があろうかと思うんですけれども、中小企業に対してと言いながら、ではどういったところを主に想定しているのかというところをもう少しこの政策の中でかみ砕いていかないと、なかなか中小企業の経営者にとってはその政策が心に響いてこないという点。 それから、今回のこの政策に関して変更をお願いするというものではありませんけれども、やはり大手の都市銀行だけですと、なかなかそれではとらえ切れない中小企業というのは数多くいて、しかし、昔から経営しているところであると、たとえ信用金庫なり信用組合なりというところがメーンバンクであって、こういったクレジットラインをつけている大手の都銀と直接の取引関係がなかなかないところであっても、こういった政策を欲しいという名あて人が、実は数多くいるというところであります。 この辺について、最後に政府から、努力と検討をお願いしたいということで、御見解をお伺いしたいと思います。
○五十嵐副大臣 その御懸念も当然のことだと思います。 九月の二十七日には金融庁から金融関係団体に対して、この枠組みの活用を傘下の金融機関、これは各種ありますけれども、周知を徹底するように要請しておりますし、また、その後もさまざまな告知をして、相談に乗るようにと。 ですから、地元の金融機関から、その上部団体といいますか、集まっている金融関係の団体に御相談をしていただき、そしてJBICと連携をとっていただくということが必要だと思いますが、さらに努力をさせていただきたいと思います。
○藤田(憲)委員 ありがとうございます。そういった一層の取り組みをお願いいたしまして、時間が参りましたので、私の質問を以上といたします。 ありがとうございました。
○海江田委員長 次に、緒方林太郎君。
○緒方委員 民主党、緒方林太郎でございます。 この委員会で初めての質疑でありまして、委員長そして理事の皆様方に御礼を申し上げたいと思います。 私、まず一つ目は、最近補正予算の財源とかでよく出てくる国債整理基金特別会計の減債基金制度について取り上げさせていただきたいと思います。 今、十三兆円近く積立金としてたまっているわけでありますが、そもそもこの減債基金制度、何でこんなものが設けられているんでしょうか。財務省。
○鷲見政府参考人 お答えいたします。 国債整理基金の減債基金に関しましての意義及び定率繰り入れの仕組みについて御説明させていただきたいと思います。 まず第一に、減債制度の意義でございますけれども、国債の発行と申しますのも借金でございますので、借金をするときに、どれぐらいの期間で返すのかということは極めて大事だというふうに考えてございます。そういうことで、国債の発行に当たりましては、財政規律と投資家の信認の観点から、その償還方法についてあらかじめ定めておく必要があるという考え方でございます。 我が国の減債制度におきましては、建設国債の見合いの資産でございます橋や道路、こういった建築物などの平均的な効用の発揮期間がおおむね六十年であるということから、この期間内に公債の現金償還を終了するように、いわゆる六十年償還ルールを制度的に確立しておるところでございます。これが我が国において国債償還に対する市場の信認の礎となっているというふうに考えてございます。 なお、毎年度の特例公債法に基づいて発行されますいわゆる特例公債につきましては、その見合いの資産がございませんので、その発行の根拠となる各年の法律におきまして速やかな減債に努めるものとするというふうにされてございまして、市場の状況等に応じて繰り上げ償還を行っているところでございます。 なお、こうした財政規律に関する取り組みは主要先進国においてさまざまございまして、例えば、米国では連邦債務残高の上限を法定してございますし、ドイツでは憲法で赤字幅を制限するなど、それぞれの経緯や国情に応じた仕組みがとられておるところと承知をいたしております。 次に、定率繰り入れの仕組みについてでございます。 発行した国債を全体として六十年で償還するために、前年度の始まりの時点での国債残高の一・六%を一般会計から国債整理基金特別会計に償還財源として繰り入れるよう、いわゆる定率繰り入れが法律で定められておりまして、これが減債制度の根幹ということになります。 なお、国債の償還に当たりましては、定率繰り入れだけでは制度上償還額に不十分でございまして、これに加えて、各年度の一般会計の剰余金、あるいは必要に応じて予算繰り入れを行うということで、全体として六十年で償還する仕組みとなってございます。 また、定率繰り入れの仕組みとして、国債の発行を最初に新規財源債として発行したその後、経過期間が短い間は減債基金の残高が積み上がるという性質がございます。ですから、委員御指摘のように、現在積み上がっておりますのは、現在のところ、いわゆる若い国債、発行後余り時間がたっていない国債が国債残高に占める比率が大きくて、各年度の償還額よりも繰入額の方が大きくなるために、いわば一時的に、時間のずれのために基金残高が積み上がっているというところでございます。 しかしながら、さきに申しましたとおり、この基金だけで将来の償還を全部カバーできるわけではございませんので、借りかえを繰り返しまして、ある程度の年数が経過いたしますにつれてこの基金残高は減っていく、そういう性質のものでございます。
○緒方委員 非常に包括的な説明をありがとうございました。 今伺った話をそのまままとめると、一つ国債を立てると、六十年間の命があるとすると、だんだんだんだん償還していって、未償還分がどんどん減っていく、それに対して一・六%の定率繰り入れをしていくということですので、若いうちはばんばんばんばん定率繰り入れの額がたまっていくんですけれども、それこそ四十年目、五十年目、六十年目となるにつれて、もう一般会計からどんどん繰り入れていかないと償還がなかなか難しいと。 そういうふうに考えると、今十三兆円積み立っているのは、まさに今から十数年前に、小渕政権のときにばんと立てた、巨額の国債を発行した分とか、そういった分がまだ十年、十五年というところにあるので十三兆円積み立っているだけであって、これからどんどんどんどんその国債が年をとっていくにつれて定率繰り入れが減っていく。それによって、減っていくものだから、結局、今積み立っているものというのは見かけだけで積み立っているだけであって、将来的に国債を償還していくに際して、これから財政再建の努力もされると思いますので、国債の新規発行額がふえないということを前提にすれば、これは減っていくと。 もう一度、確認ですけれども、そういう理解でよろしいでしょうか。
○鷲見政府参考人 結構でございます。
○緒方委員 ということでありますので、なかなかこれを取り崩すのは難しいし、仮に減債制度を今全部やめてしまう、もうこういう制度を全部やめて、償還が来たときにだけまた新規の財源の国債を発行すればということになる場合、突然ばんと、例えば十年ごとにお金をそれだけ調達しなきゃいけないということなので、非常に不都合な状況が生じるのかなと思いますし、減債制度をやめたときには、そのときそのとき、将来にまた増税をするなりなんなりして新しい財源を持ってこなきゃいけない局面が来るということだろうと思います。なので、なかなか、減債基金の十三兆円というものを、積み立てたものを今復興のためとかなんとか、そういったことに使うのは難しいのではないかというふうに私は理解をいたしました。 財務大臣、いかがでしょうか。
○安住国務大臣 緒方さんの九月二十六日付のブログというのが非常におもしろくて、きのう私、夜読みまして、今のうちの説明は、多分一般の国民に言わせたらわかりにくいんですけれども、この緒方さんの書いたものは非常にわかりやすいんですね。 例えば六百億円の国債を立てたときにどうなるかということであなたは書いておられるわけですね。十年ですから、初年は一・六七掛ける六百億掛ける十なんだから、これは大体百億ですよね。そして、償還が十年だったら、これは予定どおりいくと。ところが、これが次に五百になるわけですね。五百掛ける一・六七で、これは今度は八十四億になるから、百だから、マイナス十六億になるわけですよ、十年後、五百になれば。これが今度四百になれば、さらに穴がふえていきますよと。十年後に百億返すのに穴がふえていくのに対して減債基金を使っているということなんです。そういうことの方が多分わかりやすい説明だと思うんです。 そういうことからいうと、この減債基金をもしほかのものに使えば、一般会計でこれをやはり繰り入れざるを得なくなるので、小渕内閣のときの返済というのは、今十年物で来ていると、昨年ぐらいは十兆前後ですけれども、その前、ピークのときは二十兆近い定率繰り入れがあったと聞いておりますので、この先も非常に、大量国債を発行していくと、この制度というのは、今の中でいえば、やはりこの減債基金というものを取り崩すというわけには私はいかないというふうに思っております。
○緒方委員 時々、定率繰り入れをやめたらどうか、過去に何回も例があるだろうと。十一回だったかな、何か定率繰り入れをやめたことがあるではないかということでありましたが、定率繰り入れをやめたその過去の実績について御答弁いただければと思います。
○鷲見政府参考人 お答え申し上げます。 定率繰り入れは、御指摘のとおり、過去に十一回停止をしたことがございます。そのうち、一番最近では平成七年でございます。もう相当前になりますが。 過去に停止いたしましたときは、国債残高がまだ少なくて、大量の償還を迎えていなかった昭和五十七年から平成元年度まで、それから、NTT株の売却収入等の別途の財源を有していた平成五年とか七年、こういった時期に行われたことでございます。 御指摘のように、国債市場を取り巻く環境を見ましても、財政状況が当時より著しく悪化しておりますし、財政規律に対する市場の意識もよりセンシティブになってございますので、こういった当時と比べてマーケットリスクが著しく増加しているのではないかというふうに考えております。
○緒方委員 そうですね。バブルの時期だったり特別な収入が生じたときに定率繰り入れをやめたということでありまして、今こういうものをとめるときに、本当に日本は国債を償還する気があるのかというマーケットの信頼にかかわる問題でありまして、私は、個人的には、この国債整理基金特別会計減債基金の制度に余り手をつけない方がいいのではないかなというふうに思っております。 先ほど、同じ福岡選出の山本先生から厳しいお声が飛びましたけれども、別に私、何か毒まんじゅうを食べたとか、そういうことではございませんので、御理解を賜れればというふうに思います。 このテーマはここら辺にいたしまして、テーマをかえたいと思います。地方財政の問題について取り上げさせていただきたいと思います。 昨年の十月十三日だったと思いますけれども、財務省の財政審の方で、非常におもしろい地方財政に関する報告が出ました。地方財政、地財計画の予算と決算を見比べてみると、額としては実は予算よりも決算の方が高目に出るんですけれども、決算をよく見てみると、例えば制度融資のものとか、あと超過課税、法定外課税、そして、例えば給与関係経費で、本来標準で決まっているものよりもさらに手厚く給与関係経費をつけているものとか、そういったものが決算に入っているので、そういうものをばんと落としてみると、実は地財計画の予算の方が決算よりも高く出る、これは過剰計上なんじゃないか、そういう御指摘だったと思います。 少しこの概要について財務省の方から説明いただければと思います。
○福田政府参考人 ただいま先生から御指摘いただきましたとおり、財務省は、昨年の十月の財政審、それからそれに引き続く行政刷新会議における特別会計仕分けにおきまして、地方財政計画につきまして、地方財政計画と決算額の乖離の問題につきまして、その双方から、いわゆる制度融資分など、比較分析に当たって実態を見えにくくしている要因を排除する手法で比較を提出させていただきました。それによりますと、三兆円以上の乖離がある可能性があるんじゃないかということを指摘させていただいたところでございます。
○緒方委員 地方はお金をもらい過ぎじゃないかというふうに財務省の審議会の方で厳しく指摘が出ているわけですが、これは総務省、いかがでございますでしょうか。
○米田政府参考人 総務省の方からお答え申し上げます。 地方財政計画は、御承知のとおり、翌年度の標準的な歳入歳出の見込み額でございます。地方公共団体は、自主的な予算の使い方の結果といたしまして決算額が出てまいりますので、当初より、この見込み額と決算額のある程度の乖離というのは想定をしているところでございます。 ここ数年と申しますか、バブル以降の状況で申し上げますと、バブル景気崩壊後の経済対策で、地方財政計画におきまして、公共投資に大幅な増額をした一方で、国と同様に福祉関係の経費が非常にふえてきた、こういうふうなシフトがございましたので、一般の行政経費というのは決算が計画を大幅に上回る、一方で、投資的な経費、特に単独分につきましては計画が決算を大幅に上回る傾向がございました。そのほか、公共の病院ですとか下水道事業などの公営企業の繰り出し金につきまして、決算が計画を一定程度上回る傾向というのがここずっと続いてまいりました。 このため、国の財政当局ともお話をさせていただきまして、特に乖離が大きいものについて、その是正が図られるということで、一般行政経費を計画上増額するとともに投資的経費を減額するという一体是正というのを、平成十七年度より十九年度にかけて行ってまいったところでございます。 いずれにいたしましても、地財計画と決算、乖離が大きければいいと認識しているわけでは全然ございませんで、できるだけその乖離が出ないように、地財計画における歳入歳出の見積もりが適切に行われますように努力してまいりたいと存じます。
○緒方委員 では、指摘があったものの中で、給与関係経費、これは公務員制度改革にも若干つながるところがあるのかなと思いますけれども、指摘の中では、平成十九年度ベースで、職員の加配分が、標準以上に加配されているものが八千五百億円、そして、もともと給与等々で、超過分で給与が出ている部分、そういったもので二千二百億円というふうに出ております。警察官とかを地方の判断で加配している部分があって、こういった人員の加配の部分で八千五百億、これをどう見るかということと、あと二千二百億円、いろいろな要因があるんだろうと思います。 ここは、何で二千二百億円、決算で大きく出ているのかというのはなかなかよくわからないところがあるんですが、財政審の指摘によると、例えば、いわゆるわたりと言われているもの、本来職務に相当する級以上のところに職員を配置して、比較的職員構成が上位の級に偏るような、そういうモデルで地財計画を組んでいるんじゃないかという指摘もありますし、また、例えば技能労務職員の給与について、民間準拠で考えてみると少し高目に出ている、そういったような指摘もあるわけでありますが、この点、財務省、いかがでございますでしょうか。
○福田政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘の計数は、先ほどの財務省の問題提起に対しまして、総務省の方からこういうものの可能性があるということで示された数字だと認識をしております。 それで、財務省といたしましては、地方歳出の四分の一以上を占めている給与関係経費については、従来より不断の見直しが必要であるということを申し上げておりまして、今御指摘のような点を含めて、かねてよりずっと問題意識を提起しているところでありますが、今年度予算を含め、毎年度の地方財政計画の策定においてできる限り合理化に努めてまいりたい、総務省とそういうことでよく話をしてまいりたいと思っております。
○緒方委員 それでは、今言われた八千五百億円と二千二百億円、それぞれ総務省側から、職員の加配分が八千五百億、そして標準を超える給与の部分が二千二百億というような御指摘があったわけですが、それぞれどういう根拠で、どういう思いでおられますでしょうか。総務省。
○米田政府参考人 お答え申し上げます。 今御指摘いただきました数字は、平成十九年度の決算を分析いたしました結果でございまして、御指摘のとおり、地方が警察官とか教職員につきまして自分の判断で加配をするという部分が約八千五百億円、それから、一般的に国の水準を上回るような退職手当、そういうようなことに起因していると思われるものが残りの二千二百億円あるのではないかという分析をいたしました。 そこで、私どもといたしましては、警察、教員等の加配等につきましては、地方公共団体が自主的な判断で、いわばサービスに充当する部分でございますので、これは、地方交付税等の一般財源の使用方法としては、地方に任された部分ではないかという認識をまず持っております。したがいまして、問題になりますのは、退手等の水準がいわば標準的な、必要な金額を上回るような使用というのはやはり問題と考えております。 したがいまして、今御指摘のございましたわたり、それから技能労務職員の賃金水準等につきましては、総務省自身、地方公共団体にその是正を要請しているところでございまして、そういうことで最近はかなりの是正が図られているものと思いますけれども、いずれにいたしましても、地財計画上は、その実績の数字ではなくて、決算の数字ではなくて、あくまでも標準的な給与の見込み額というので計上をいたしております。 例えば、わたりについて申し上げますと、わたりで級別の職員構成というのが地方が多いではないかというような御指摘もございましたので、平成十九年度以降、毎年見直しをかけてございます。さらに、地域ごとに賃金水準が違うというのをどのように反映させるかということで、二十一年度における是正後の給与実態調査というのを踏まえまして、さらに適切に反映していくという方向で検討しております。 それから、技能労務職員につきましては、平成二十年度から二十二年度、最近の地方財政計画におきまして、国の行(二)の適用職員、それから民間企業の状況等を踏まえて抑制措置を図っております。国の行(二)適用職員の給与水準を下回る額というのを基礎として計画では見込んでいるということでございますので、計画上、それが過大に入っているということはないというふうに認識しております。 以上でございます。
○緒方委員 決算のところで大きく出ているということなので、この部分は、いずれにせよ、アカウンタビリティーを高めるべきだと思うんですね。標準を超える費用の部分が実際に決算のところでわっと出てくるというのは、二千二百億円というと、地方と国で折半して一千億円近い負担が国に生じているわけですので、別にそれがすべて悪いとかそういうことではなくて、少なくとも、総務省そして地方自治体は、ここについてアカウンタビリティーを高めて、これが本当に適正であるのかどうかということはきちんと説明できるようであるべきだというふうに思います。(発言する者あり)珍しく山本幸三先生からいい指摘だというコメントが来まして、感動いたしました。
○海江田委員長 余り答えないように。
○緒方委員 はい。 もう一つ、財政審の指摘に対して、総務省から出てきたのは平成十九年の事例ですけれども、地方の税収が減った分があって、それに伴って事業も減っているので、計画が多く見積もられているという事実はないと。平成十九年度の例を見ながら説明をされていたわけですけれども、地方の税収が減っているから、それに伴って事業が減って、それに伴って予算の過大計上というのはないのだということを主張されていたと思いますけれども、いかがでしょうか。
○米田政府参考人 お答えいたします。 地方財政計画で地方税収を当然見積もるわけでございますが、これは国税と同様に前年度の十二月時点の見積もりでございますから、今御指摘ありましたとおり、実際の税収が地財計画の見積もりに比べて上下をするということは当然起こってまいります。地方税収が計画の計上額を下回る場合には、通常は、減収補てん債というのを発行していただきまして、それで本来予定をしていた行政サービスが落ちないように手当てをするという格好になっております。 ところが、地方の財政当局もやはり財政状況の悪化というのに非常に神経質になっておりまして、この減収補てん債をできれば発行したくないということで、その減収の全額よりも少なく発行いたします。その減収の部分はどうするかというと、それまで積み立てておきました基金を活用したりというようなことをやっております。 そういうようなことで、計算上その決算が計画を上回るというように見えるということはあり得るものというふうに考えております。 以上でございます。
○緒方委員 ただ、この部分の乖離というのは、実は増収のときでも同じことが起きているんですね。減収のときは確かに、もしかしたら、地方税が減収したことによって計画よりも実際実施した決算の部分がより小さくなっているということはあるかもしれませんけれども、増収のときでも似たような現象が生じているということは、増収のときにこういう現象が生じているときは過剰計上だというふうにみなしていいということでしょうか。
○米田政府参考人 増収の場合もあることはもちろんでございますけれども、増収の場合、通常は、増収があったからそれを直ちに歳出に使うというようなことはありませんので、今申し上げましたように、地財計画上の問題と決算上の問題が、増収のときにここのところで問題になるということは通常あり得ないのではないかというふうに考えます。
○緒方委員 後で議事録を見ながらもう一回よく勉強したいと思います。 もう一つ、予算が少し大き目に出る原因として、国庫支出金の不用が非常に大きく出たんだというふうに言われております。国庫支出金の不用が出ているということは、恐らく、国の一般会計の不用が出ていることに伴って国庫支出金の不用が出ているということだと思うんですけれども、しかし、これも確かに、国の一般会計からの不用が出るために地財計画で不用が出るというのは、それはわからなくはないんですけれども、やはりこれは過剰計上じゃないかなという指摘もあるんですが、いかがでしょうか。
○米田政府参考人 今の御指摘は、地財計画上は既に計画で定まっておりますので、実際の決算で、当初の見込んでおりました補助事業が執行できなかったという場合に、決算上は、それは当然マイナスになってまいります。そこで、そこの部分が計画よりも下がっていくということは当然あり得るものと思いますけれども、だから計画が過大計上になるというふうには私どもは考えておりません。
○緒方委員 これとの関係で、昨年たしか少し対応されたと思いますけれども、地財計画の中に追加財政需要ということで、一般行政経費の単独のところに五千七百億円、ぼんと積んであります。これは、例えば補正とかで補助事業があったときとかに対応するということですが、たしか、五千七百億円積んであるけれども、満額取り崩したことはこれまでなかったんじゃないかと思いますけれども、実績はいかがでしょうか。
○米田政府参考人 今御指摘の追加財政需要額に係る計画額の計上でございますけれども、これは、今御指摘いただきましたように、一般会計予算の予備費に相当するものということでやっております。当然のことながら、国の予備費と同様に、当初より計上しているものでございます。 実績でございますけれども、従来より五千七百億円で二十二年度まで計上しておりました。実際の地方負担額、いろいろ計算をいたしますと、満額使い切るということはございません。最大で、ここ十年程度で見ますと、平成十六年度に四千億円強の負担額で計算しておりますので、その場合でも一千億円強の余剰があるという状況でございます。
○緒方委員 予備費なんですけれども、国の予備費というのは、使わなければ、予算が出なければ、国債を発行しないとかなんとか、いろいろなやり方があると思いますけれども、地方は渡し切りですので、五千七百億円をばんと渡してしまえば、国と地方で折半で、それでもう出ていってしまうだけですので、ずっと経年で見ていって、それで明らかに五千七百億使っている形跡がないというのであれば、これは国の財政に負担が生じる話ですので、そこは予算の計上のときにもう少し手がたく見積もっていくというのが必要なんじゃないかなと思いますけれども、これはいかがでございますでしょうか。
○安住国務大臣 貴重な御指摘でございますので、今後、予算編成等で十分参考にさせていただきたいと思います。 ちょっと、先ほどのお話で、私、訂正がございます。 定率繰り入れの額で過去最大二十兆と言いましたけれども、これはネット償還のお金が二十二兆だったんですね。過去最高は、二十三年度で、定率繰り入れ分が九兆八千億であるということを訂正して、おわびを申し上げます。
○緒方委員 きょうの質問だけだと、私、地方交付税を切れ切れ、切れ切れと言っているような、鬼のようなやつだと映ったかもしれませんが、決してそういうことではないんです。ただ、根拠のあるもの、ないものをきちんと仕分けして、根拠のあるもので地方の財政を支えていくべきだ、そういう信念を持っているものでありまして、もう一度議事録を見ながらしっかりと勉強させていただきたいと思います。 貴重な質問の機会をありがとうございました。
○海江田委員長 次に、斎藤やすのり君。
○斎藤(や)委員 三次補正の議論がようやく始まりました。 私は、安住大臣と同じ宮城県選出の議員でございます。宮城県の震災の被害といいますと、報道されるのがほとんど津波の災害なんですけれども、私の選挙区の仙台市では、三・一一の地震とそれから四月の余震で、内陸部で宅地災害というものがかなり広範囲で発生いたしました。 仙台というのは、高度経済成長の時代に郊外に新しいニュータウンがたくさんできまして、その土地は、山を削って、それからその土を盛って造成されたわけでございます。だから、非常に地盤が弱くて、結局、擁壁にクラックが入ったり、家が傾いてしまったり、家ごと沈んでしまったり、仙台市内だけでも二千件以上の被害が出ました。 一般的な建物の損壊の場合は被災者再建支援法で支援金が出るわけなんですけれども、この宅地災害の場合、直接的な支援スキームというものがございません。 一枚目の写真を皆さんに見ていただきたいんですけれども、これは、仙台市泉区の陣ケ原地区というところでございます。 ここは沢を埋め立てまして造成された場所でございます。よく見ると、そんなに大したことないじゃないかと思うかもしれませんが、すべての家が傾いています。こういうのを見ると、自然災害だから仕方がないじゃないかと思うかもしれませんが、私が非常に問題だと思っているのが、七カ月間も全く対策が講じられてこなかったということでございます。 この写真は、今週撮影されたものなんですが、七カ月前と何も変わりません。この区画はゴーストタウン化しまして、こういった場所が仙台市内に実は幾つもあるわけです。本当に気の毒なのはこの町に住んでいた方で、先の見通しが示されないのと、それから、隣の区画、これは何ともなかったところが地すべりが進行していまして、徐々に徐々に隣の区画も傾き出してきた。多くの方が我慢の限界を訴えております。 今回、安住大臣の御尽力でようやくこの宅地災害にも予算がついたわけでございますけれども、ちょっと聞きにくいんですが、率直に伺います。なぜここまで、三次補正を含めまして、この宅地災害への予算づけというのがおくれてしまったのかというのをお聞きしたいと思います。
○安住国務大臣 松森は造成地ですよね。このほかにも、仙台市内にもかなり、今御指摘のように、八木山周辺を含めて造成地があって、液状化をしているということは、地震での被害、委員御指摘のとおりでございます。 やはりこれは、国にしても、七カ月、遅いと言われれば本当にそれは反省もあると思いますが、例えば仙台市の復興計画、つまり地方自治体、石巻でも何でもそうですけれども、こうしたところを再度、ではもう一回盛り土をしてきちっとやるのか、それとも集団移転をするのか、こういう計画をそれぞれの自治体がつくるのにやはり十月近くまでかかっていることも事実なんですね。だから、国が一方的にここをやめろとかということは制度上できないわけで、そういう意味では卵が先か鶏が先かの論争になるんですけれども、使い勝手のいい交付金を使って、その中で自治体として判断をしてやってくださいということをキーコンセプトにして、自治体としてこの計画をまとめられた。 宮城県も復興計画そのものをつくって承認されたのは先週ですから、そういう意味では、遅いという御指摘は確かにありますけれども、自治体の意向を尊重してやっていきながらということであれば、ある程度やむを得ないところはありますが、斎藤さんが言うように、これは住民の側から見れば待っていられないという方も多うございますので、一日も早く三次補正を成立させて動き出さないといけないというふうに思っております。
○斎藤(や)委員 ありがとうございました。 進行中の事故でございまして、これで梅雨、台風で少しずつ傾いたということもございます。ですから、さまざまな予備費を使ってこれは早急に対処できなかったのかなという印象を私は持っております。 今回、本当にありがたいことにこれで予算がつきましたけれども、宮城県だけで復興にかかわる費用というのは十二兆八千三百二十七億円と試算しております。今回の震災復興経費としては九兆二千四百三十八億円ということですが、このうち約二兆円が円高対策ですから、まだまだ全然足りないということでございます。 この震災と、それから円高、デフレの三重苦で、そんなに出せないよというのはあるかもしれませんけれども、ピンチをチャンスに変える大胆な金融政策と財政出動ということをぜひ、被災地を代表してお願いしたいというふうに思います。 済みません、あと、きょうは本当にネガティブな内容で大変申しわけないんですけれども、政治というのは本当に被災地の方に夢や希望を与えるのが使命だと思うんですが、二枚目の写真をちょっと見ていただきたいんですけれども、これは仙台市若林区の津波がかぶった田んぼの写真でございます。 この田んぼを持つ農家の佐々木さんという方なんですけれども、大変アグレッシブな農家の方でございまして、農地を集約して、そして法人化して、この佐々木さんは何と言っていたのかというと、とにかく中国にお米を売りたい、おいしい宮城のお米を真空パックにして中国に売るんだ、それから、みそ蔵をつくって、六次産業化をしてやっていこう、そういうすごくアグレッシブな気持ちを持つ農家の方なんです。 この前伺ったら、こんなことを言っていました。津波で田んぼがヘドロだらけになった、農機も全部流されちゃった、でも、もう一回チャレンジしようと思ったと。八千万円の二重債務というのは非常につらいけれども、地域のためにと思ってもう一回再チャレンジすると。お米がとれるようになるのは二年後です。二年後だけれども頑張ろうと思った。でも、その矢先にTPPの話が出てきた、なぜ政治は被災地の足を引っ張るんだという話を私はされました。 宮城県の想定では、関税撤廃で農業産出額が六割減ります。米の産出額は九割も減ります。これは壊滅的というよりも、壊滅します、はっきり言いまして。大臣が住む石巻市は宮城県の中でも野菜の生産量が一番ですし、私のところも米どころでございます。相当影響が出てくると思います。 集約して大規模化するといっても、今回TPPの加盟国である米国や豪州とは規模が違い過ぎます。日本は平均一・九ヘクタール。米国の耕作面積は平均約二百ヘクタール、百倍です。オーストラリアに至っては約三千ヘクタールで、千五百倍です。先日ですか、農水省から、集約して十倍にするといっても、これでは、スケールではとてもじゃないですけれども太刀打ちできないということになります。 それから、おいしい、安全、付加価値で勝負できるかというと、これは震災前とは明らかに違ってきております。原発の事故の風評被害があって、日本の農作物をがんがん輸出できるという状況ではありません。日本の人が考えている以上に、海外の人は放射能の被害に関してはセンシティブになっております。 そこで、大変聞きにくい質問なんですけれども、安住大臣はTPPの加盟についてどう考えられておりますでしょうか。よろしくお願いします。
○安住国務大臣 佐々木さんの話から、中国に輸出をしたいというのは自由化を目指しているのかなと思ったら、TPPは反対だという。そこの急展開の論理がちょっと私にはよくわかりませんけれども。 少し農業の話を私の方からしますと、宮城県では、農地解放をする前の、戦前の平均農家の所有面積というのは、小作の方々で大体〇・八ぐらいだったんです、〇・八町歩です。農地解放をしまして、昭和二十年代後半の当時の統計を見ますと、これは大体一・二から三ぐらいになっているんです。全国で当時、農林水産、特に農林業に従事をしている方は一千万強と言われていたんですね。 ところが、ガット・ウルグアイ・ラウンドや何かも含めて農業を守ってきましたが、宮城県において、今、平均的な土地の収得面積は、農家当たり大体二町歩いかないんです。ところが、農業人口というのはもう三分の一以下になっているんです。どういうことでしょうか。農業をやっている方は三分の一に減っているのに、農家の持っている農地所有面積は二倍にも至っていないというのが、我が国の農業構造の実は最大の問題なんです。 土地を拡大していこうというのは自民党政権下からも随分やったんです。認定農家制度とかありまして、それから圃場整備もありまして、典型的な例は大潟村ですね。私は昭和六十年に秋田にNHKで行きまして、大潟村を丁寧にやりました。当時、十五町歩というのは大変なものだった。 しかし、では現実には何が起きたかというと、委員の地元なんかでは、余り言いにくい話ですけれども、農家がそのまま不動産をおやりになるようになりまして、多分、仙台近郊の農協は、アパート収入等の方が農家収入よりも多いというような現実もあるんです。私は今から十三年前、農林水産委員会の理事もやっていた経験もあるから、あえて言いますと、圃場整備は非常に問題のあった事業もあったんです。例えばどこかの圃場整備では、消火栓をそれぞれの端につけて、圃場整備が終わった瞬間に農地転用を、いきなり住宅宅地にしたりですね。 つまり、そういう点では、肯定もできますけれども、農業生産性ということだけ考えますと、農業全体の市場開放をするしないにかかわらず、集約化には大きな問題があったと私は申し上げたいんです。ですから、TPPに参加をするから農業がだめになるとか、土地を集約しないと生き残っていけないなんという話に私はくみしていないんですよ。 むしろ、逆の面でいえば、青森のリンゴや山形の佐藤錦はどうだったか。これはサクランボでございますね。自由化しましたけれども、クオリティーの高い商品として現実には非常に高く売れていて、台湾なんかでは、お話を聞くと、プロポーズするのに青森の津軽のリンゴをもらわないと嫌だというふうなことになっていると。つまり、農業のクオリティーの高さというのは、実はわからないところがあるんですね。 私、佐々木さんの言うことでなるほどなと思うのは、中国に売りたいというのは需要があるんですね。筒井農林副大臣が、そうはいったって、中国に行って日本米の販売交渉をしたときに、やはり何百万トンというニーズがあるという話を実際聞いてきているわけです。 ですから、ある意味では、条件をしっかりつけて我々がクオリティーの高いものをつくれば、貿易の自由化をしていっても、足腰の強い産業として農業というのはやっていける可能性、チャンスというのもあるので、そう短兵急にすぐ、農業がだめになるからこの話はだめだとか、そういう偏った考え方は余りとらない方がいいのではないかと私は思っております。
○斎藤(や)委員 確かに震災前はそういうことが言えたと思うんですけれども、やはり震災で状況が変わったんですよ。今、中国や台湾ではほとんどリンゴ、それからサクランボ等は買ってくれません。何を言いたかったのかというと、佐々木さんもそれを言っていたんです。原発被害で、海外に農作物を売るというのは相当マイナスになっているということでございます。 それから、日本の農業の特徴として、やはり中山間地域、非常に急峻な土地柄ですから、なかなか集約化できない。そういう意味では、スケールメリットという部分ではやはり海外に勝てようがないということでございますから、国土の保全とか景観の保全とか、それからコミュニティーとか、そういうことを考えれば、やはり日本は国家がきちんと農業を支えていかなければいけないんじゃないか、食の安全保障という部分でも、私はそういうふうに考えております。 もう一つ、ちょっと突っ込んで聞きたいんですが、安住大臣、TPPのメリットというものはどこかというのをちょっとお伺いしたいんです。
○安住国務大臣 やはり、関税をなくして、市場の広がる地域がふえていくので、我が国は輸出産業に依存していることが多いので、そういう点では、関税をできるだけやめていきましょうというのは、これは戦後の日本の潮流であるし、またそのメリットを享受してきたんです。 ですから、宮城県において、例えばトヨタ関係のセントラル自動車等が集積をして、あなたの選挙区にもたくさんおられると思いますけれども、お父さんやおじいちゃんは農家で息子さんはトヨタに勤めているという人は、世の中にたくさんおられるんです。 ですから、どっちがいいとか悪いとか、そういう極論で言うのではなくて、農業なら農業というところの限られた世界じゃなくて、全体のバランスとして、これから少子高齢化を迎えてやっていく中で、貿易を閉じたからといって、農業が決して、クオリティーが高くて、生産性が上がって、自給率が高くなったわけではないのだから、そういうことをよく考えて冷静に対応したらよろしいんじゃないかと思いますよ。
○斎藤(や)委員 決して私は農業対工業とかと言っているわけではなくて、ちょっとメリットが、私、はっきり言って見つからないんですよ、このTPPに関して。 なぜかというと、オバマさんは昨年の一般教書演説で、五年以内に輸出を二倍にするということを言っております。それから、横浜のAPECでは何と言ったのかというと、日本がTPPに入ったからといって輸出がふえるとは思わないでくれと、そういうことを言っています。つまり、このTPPは、安住大臣からは極端な言い方だと言われるかもしれませんが、米国による米国のための戦略的な日本市場をねらった雇用対策にしか私は見えません。 自動車の米国の関税は、今二・五%です。実は、円高が二円進めば、この関税の撤廃というのは相殺されてしまう。今やらなければいけないのは、私は、関税撤廃も重要ですけれども、やはり為替というものが重要だと思います。だから、抜本的な円高対策というものをやはり進めなければいけないんじゃないかなというふうに思います。 前原政調会長は、第一次産業、GDPの一・五%のために残りを犠牲にしていいのかというようなことを言っておりましたけれども、家電や自動車のGDP比率も実は一・六五二%しかないということでございますから、そのあたりもよく閣僚の皆様には考えていただければというふうに思います。 それともう一つ、交渉参加表明が拙速なんじゃないか。バスに乗りおくれちゃいけないと言う人もいますけれども、APECがあるからといって議論が急に進んでいるように思えるんですけれども、そのことに関しては、安住大臣、どうでしょうか。
○安住国務大臣 勝つか負けるか、有利か不利かということで考えれば、一方に偏った今みたいな論陣になるんです。大事なことは、公平でフェアな競争の中で、いかに我が国の産業が立ち向かっていけるのかということで、国として考えたときに、私は、公平なルールで競争させたいということだと思いますよ。 韓国は今回のFTAの発効で、例えば乗用車は二・五がゼロになるわけですね、関税は。我が国は二・五のまま。電気アンプ、スピーカーについては、四・九が韓国はゼロ、我が国は四・九。そうですね。カラーテレビ、DTVは、五パーがゼロ、こっちは五。ベアリングに至っては、九%を十年以内にゼロにするというんですね。我が国は九。 だから、私が言いたいのは、多角的に考えた方がいいんじゃないですかと。斎藤さんも、もしベアリング会社の社長さんだったら、どう考えますか。そういうことを全体で考えないと、日本の国を、これから五十年、百年、何で食っていくのかという話にもこれはつながるので、冷静な議論がいいかなと思っているということなんです。
○斎藤(や)委員 今も製造業がプラスになるというふうにおっしゃっておりますけれども、確かに、関税撤廃することによって、韓国というのはもうさまざまなものをのんでしまったということもございます。きょう、質問の事項にあるので、これを先にちょっとやりたいと思うんです。 今回のTPPというのは、今安住大臣が言ったように、韓国のFTAが先進事例として一つのいい例というふうになるわけですけれども、今言ったように、さまざまなものをのまされているということでございます。 米韓FTAで韓国の金融サービスがどのような制度変更をされたのか、つかんでおられますでしょうか。よろしくお願いします。
○自見国務大臣 斎藤議員にお答えをいたします。 米韓FTAの金融サービスの章においては、最恵国待遇や内国民待遇の基本的原則に加えまして、先進国がWTOにおいて約束している高レベルの自由化、いわゆる金融了解と申しますが、と同等の自由化を、ネガティブリスト、ということは自由化しないものをリストに掲載するわけでございますから、より自由化度が高いと申しますか、そういう結果になるわけでございますが、にて約束しているものと承知をいたしております。 金融了解とは何かと申しますと、先生も御案内のことと思いますけれども、先進国が作成したWTOサービス貿易協定、GATSでございますけれども、これは関連文書の一つでございまして、再保険、運送貨物の保険、投資助言等についてクロスボーダーでのサービスの提供。クロスボーダーサービスといいますと、越境取引を認めるとともに、これは平たく言えば、その国に支店がなくても商売ができるというようなことでございますが、それを認めるとともに、外国の金融機関により支店等の拠点設置を認めることを約束するよう規定。 法的拘束力がないわけでございますが、金融了解の内容を約束するかどうかは加盟国の判断でございまして、ちなみに、TPP九カ国のうちでございますが、金融了解を採用しているのは、今は米国と豪州とニュージーランドだというふうに仄聞をいたしております。
○斎藤(や)委員 今回の米韓FTAでは、農協、漁協の共済、それからセマウル金庫という信用金庫の保険事業、そして郵政、韓国ポストの保険業務を、韓国政府の金融監督委員会、これはもう米国の意向を受ける金融監督委員会の規制下に置きまして、同種の民間保険、同一のルールを使用しないといけない、そういうことが締結されております。 確かに、今自見大臣がおっしゃったように、まだTPPの中では話されてはいないようですけれども、TPPというのは、米国が日本にぜひ入ってほしい、日本が入って初めてこういう話が出るわけでございますから、これを言うとまたお化け論みたいな話になっちゃうんですけれども、日本が入ってきて初めてこういった規制緩和の話がなされると思います。 特に米国の場合は、世界最大の保険会社AIGを、リーマン・ショックで経営破綻したものを、税金を投入して国営化してきました。何としてでも日本の市場をとりにいきたいというふうに考えているでしょうし、そこにはやはり、私たちが主体的に運営すべき簡保とか共済のお金、こういったことを私はねらっているのではないかなというふうに感じております。その他、TPPもFTAも、関税撤廃でさまざまな恩恵が受けられるということは言われていますけれども、このTPPというのは基本的に非関税障壁の撤廃を米国は求めております。 非常に私が恐ろしいなと思うのは、国内法よりも資本家、大企業の言うことが通ってしまうという事例も、例えば米国とオーストラリアのFTAの中ではあります。そうなると、では国内の主権は一体どこに行ってしまうのかということですから、私は非常にこれは危機感を覚えております。 そしてもう一つ、マクロの経済にもこのTPPは影響するのではないかと私は危惧を持っております。デフレです。いいものがどんどん安く入ってくれば、TPPの加盟でさらにデフレが深刻化するんじゃないかというふうに思うんですけれども、これはどうでしょうか、安住大臣。
○安住国務大臣 公正な競争を担保して、その中で日本人の知恵と工夫で生き残っていくという基本コンセプトを外して、我が国が生きる道が本当にあるかどうかというのは疑問なところがあるということです。 それから、デフレの話とこれを無理に結びつけるのはどうかと思うのは、貿易がこれからこれによって活発になるのか、それとも、人口が減少して、これから五十年たったら七千万になるんじゃないかと言われているような国で、国を閉ざして、逆に、ではデフレが直るのかという話にもなるから、それは余り精緻な議論をするだけの材料はないんじゃないでしょうか。
○斎藤(や)委員 私は、これはすごく素人考えかもしれないんですけれども、いいものがどんどん安く入ってくる、海外から安いものが入ってくれば、それだけ雇用が失われて、失業者がふえるであろう。失業者がふえれば、当然労働供給が過剰になるし、そうなると人件費は減るし、いわゆるデフレスパイラルが起きるんじゃないか。TPPは私はデフレの輸入になるんじゃないか。自由貿易はデフレ促進策だと私は考えております。 今はとにかく、TPPの交渉参加を見送って、やはり内需を拡大すること、デフレを脱却すること、量的緩和や財政出動、減税をパッケージにして、円高とデフレに対抗しなければいけないというふうに私は考えております。 先日、玄葉大臣が、TPP交渉参加後の離脱については簡単な話ではないというふうにコメントいたしました。今、交渉参加するかしないかで、党内それから国会内で大変議論がされておりますけれども、安住大臣、済みません、ちょっとこれは最初に言ってはいなかったんですけれども、この交渉参加後の離脱というのはどうなんでしょうか、あり得るんでしょうか。
○安住国務大臣 わかりません。
○斎藤(や)委員 わからないということでございました。 私も、正直言って、このTPPの中身が本当に何だかわからない。国会議員がわからないわけですから、正直言って、国民だってわからないんですよ。それを、早急にかじを切って、十一月の上旬までに交渉参加をするというのは、私は余りにも乱暴だというふうに思っております。ぜひそこをもう一回、国民的議論にするための準備というものを、ぜひ政府にもお願いしたいというふうに思っております。 私たち民主党政権が何でできたんでしょうかということを考えると、私は、これは小泉政権の否定、新自由主義の否定で民主党政権ができたというふうに思います。私はどう見ても、まあ中身はよくわかりませんが、このTPPというのは、はっきり言いまして、新自由主義への回帰にしか見えません。橋本構造改革、小泉構造改革に次ぎ、第三の構造改革だというふうに私は思いますし、国民の生活が第一という思いで、国民の思いでできた民主党政権は、私はやはりこの新自由主義の加速ということに加盟してはいけないというふうに思います。 済みません、安住大臣、生意気ですけれども、言わせていただきました。きょうはありがとうございました。
○海江田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時二十九分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○海江田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。西村康稔君。
○西村(康)委員 自民党の西村康稔でございます。 早速質問に入りたいと思いますが、昨晩、一ドル七十五円七十三銭、きょうも一ドル七十六円前後の円高が続いております。まず、このことについてお伺いしたいと思います。 先週、二十一日だと思いますが、円高対策が発表されましたが、全く効果がありません。むしろ失望の感すらある、全く為替にはきかない。もちろん、一番の原因はEUの債務削減の問題が難航しているということだと思いますが、安住大臣は、必要があれば断固たる措置をとると発言されておりますが、今はその必要なときではないですか。
○安住国務大臣 今の為替レートに対して、投機的な動きに対しては大変な懸念を持っておりますし、そうした意味では、私も先生と同じような認識ではないかなと思っております。 ただし、介入のタイミング等についてはコメントは差し控えさせていただきますけれども、私は、けさ方も事務当局に対しては、市場の状況にかんがみて必要があれば断固たる措置はとるので、万全の体制を整えておくようにという指示は出しております。
○西村(康)委員 その心構えというか、気構えというか、決意は評価をしたいと思いますが、いつ必要なのか。もちろん、ここでいつとは言えないのはわかりますけれども、必要なときには断固たる措置をとるだけ言い続けてもだめなわけですから、決断をしていただいて、本当にスムーズに、的確に介入をやる、この決意をもう一回お伺いしたいと思います。断固たる措置というのは、介入を大胆にやるということでいいですか。
○安住国務大臣 後から振り返って、最適のタイミングで例えば介入をしたというような評価が得られるような、例えば為替については、為替政策の中で我々のとり得る最有力な手段の一つでございますので、そういうふうな評価がされるようなタイミングというのは、これは一般論ですけれども、事介入に関しては必要なことではないかというふうに思っております。
○西村(康)委員 単独で介入しても効果がないと言われますが、私はそうじゃないと思いますので、単独でも必要であればやるということでよろしいですか。
○安住国務大臣 為替相場に対する共通の認識を各国とも、今のような、もう先生御存じのとおり、欧州やアメリカ等、利害が一致するわけではございませんので、これを共通認識にして協調介入をするというのは大変なことでございます。三月の時点では、大震災の後の我が国のクライシスという認識に立った上で理解をしていただいたということでございましたが、八月の介入については、これは単独介入であったという認識でございます。
○西村(康)委員 三月の介入は私は物すごく評価をしております。少ない金額で非常に効果を上げた。これはやはり不意打ち、予想以上に大胆な政策をとったからだと思うんですね。むしろ今必要な措置を、断固たる措置をとる、とると言い続けてだんだん市場に織り込まれていくとこれは効果がなくなりますから、どんとやっていただきたいんですね。 単独でもどんとやる、その決意を伺いたいと思います。
○安住国務大臣 ですから、余り質問していただかない方がいいかなと思っておりました。
○西村(康)委員 質問の仕方を変えます。 資料をお配りしておりますが、スイスで、無制限、無期限で介入をすると九月六日に発表した。円とスイス・フランは同じように高くなり過ぎて、買われた。しかし、ここで、九月六日にスイス中銀は無制限介入を発表して、スイス・フランはこんな形で安定的に今推移をしている。スイスは確かに小さな国ですが、介入額は一日二十兆円とも言われていまして、これはスイスのGDPの半分です。すごいお金を大胆にやっている。ぜひ、このことを参考にしていただきたい。 大胆にやっていただきたいと思いますが、いかがですか。
○安住国務大臣 これは、スイス中銀が発表して、今その政策というのはずっと続いているわけでございます。 ただ、先生、これは今御指摘があったとおり、世界の三大通貨の一つである円と、ローカルカレンシーといったらスイスに怒られるかもしれませんけれども、スイス・フランの位置づけ、経済規模等を考えますと、なかなか、これは示唆に富む政策なのかもしれませんが、我が国にそのまま適用するのはちょっと難しいかなとも思います。 いずれにしても、自国通貨のもたらす影響等についてそれぞれの国において適時適切に対応するということがやはり必要だと思いますので、私たちの国においても、このバックグラウンドには輸出産業等々我が国の主力産業が控えておりますので、そうしたことを総合的に勘案しながら対応していきたいというふうに思っております。
○西村(康)委員 大臣もよく御存じでありますけれども、円高、デフレが続いている、そこに来てこの大震災で電力供給も不安定になっているという中で、企業はどんどん海外に流出、移転をしている。まさに空洞化の危機でありますので、ぜひ、今おっしゃったとおり、国内の雇用を守るという視点からも、大胆な、たとえ単独であってもやるべきときは介入をしっかりやっていただきたいというふうに思います。 それと関連して、きょう、ヨーロッパで首脳会議が開かれる予定であるということです。開かれないとの報道も何か一部なされていますけれども、欧州の債務削減問題、どういうふうにきょうの会議が進んでいくのか、どういう見通しを持っておられるか、ぜひお伺いをしたいと思います。
○安住国務大臣 本来であれば、二十三日にすべて解決してということも望ましい姿かもしれませんが、この問題というのは複数の国がかかわっております。私は、G20の中身というのは、フリーディスカッションなので、その内容をこの場で赤裸々にするつもりは全くございませんけれども、ただ、認識としては、金融経済政策を超えて政治の問題になりつつある、特にスロバキアがいい例でございますけれども、それぞれの国民がそれぞれの国の経済力、自分の生活レベルに合わせたときに、ギリシャ救済というのはそれぞれの国においては必ず財政負担を伴いますから、非常に政治的決断を要するものだと思います。 ただ、金融システム全体を考えますれば、やはり欧州における安定というものは不可欠でございますので、何とかこの二十六日、本日、今は、日本時間でいえばこの時間ですから、七時間マイナスで、二十六日の朝を迎えていると思いますけれども、ぜひきょう、いい影響を市場に与えるような結論を出していただきたいというふうに思っております。
○西村(康)委員 なかなか、ドイツとフランスの対立なり、ECBの役割をどうするか、EFSFをどういう形で機能強化するかという議論がいろいろ分かれているようでありますが、もしこれがきょうまとまらなければさらに円高が進むおそれがあると思いますが、どういう認識を持っておられますか。
○安住国務大臣 必ずまとめてくれるものだと信じております。きのうからきょうにかけては、先生おっしゃるように、何か二十六日にまたできないんじゃないか等々のうわさが流れて、これが市場に悪影響を及ぼしたんだと私ども思っておりますけれども、きょうはヨーロッパにおけるいい決断が出るものと確信しております。
○西村(康)委員 出なかった場合には相当円高の可能性があります。これはぜひ大胆に判断していただきたいと思いますし、いい方向が出れば、これはこれで、ヨーロッパはまとまって、ある程度自分たちで努力をしながらやっていくということだと思いますので、大臣、以前から言われているEFSFへの資金協力、債券を買うということについては、その用意があるというふうに理解してよろしいですか。
○安住国務大臣 御存じのとおり、これまでも、たしか三回にわたりまして二〇%前後買っておりますけれども、まず欧州みずからがしっかりとした対策を打って、その上で、さらに追加的な要素が出てくれば、十分それは、まずヨーロッパの対応を見てからという前提がつきますけれども、我々としては、その余地はあるというふうに思っております。
○西村(康)委員 ヨーロッパが安定すること、すなわちEFSFを使って機能強化をしていく、金融が安定することは非常に日本の為替にとってもいい影響があると思いますので、ぜひこれも、もちろんヨーロッパがどういう結論になるかによりますけれども、大臣おっしゃったとおり、ぜひ前向きに考えていただきたいというふうに思います。 きょうは日銀総裁にもお見えをいただいておりますので、金融緩和策についてぜひお伺いをしたいと思います。 基本的に、もっと大胆に国債を買い入れて金融緩和を大胆にやるべきだというのは、これまでも何度も総裁ともやりとりをさせていただいていますけれども、日銀の言う銀行券ルール、発行している銀行券の金額までしか国債を買い入れしないという基本的なルールをつくっておられますが、これはなぜ必要なのか。いろいろ疑問はあるんですが、仮に、百歩譲ってこれを認めるとして、あとどのぐらいの枠、長期国債を買い入れる枠があるのか、このことについてお伺いしたいと思います。
○白川参考人 お答えいたします。 まず、日本銀行の国債の買い入れでございますけれども、従来から行っております、経済の成長に伴う銀行券の需要増加、これに対応してしっかり流動性を供給していく、その一環で行う長期国債の買い入れでございますけれども、十月の二十日現在で、長期国債の保有残高は約六十二兆円でございます。同じ時点での銀行券の発行残高は七十九兆円でございます。 現在、日本銀行は、この成長通貨供給のオペレーションのもとで、年間二十一・六兆円のペースで国債の買い入れを行っております。もちろん国債償還も参りますので、償還分を差し引きますと、ネットで見ますと、大体年間六兆から七兆増加をするというテンポで今国債の買い入れを行っております。したがって、現在の買い入れペースを続けていきますと、数年のうちにこれに到達をするということでございます。 それとは別に、日本銀行は、先生もよく御案内のとおり、買い入れ基金というのを設けておりまして、そのもとでも長期国債の買い入れを行っております。 現在その残高が十七兆円あるということでございます。
○西村(康)委員 日銀がみずから設けられている銀行券ルールに従ったとしても、十七兆まだ買い入れができるわけですね。ペースを決めて買い入れられていますから、何となく市場はそれを予測していますので、もう織り込んでいっているわけですね。 むしろ大胆に買っていただきたいと思うんですが、いかがですか。
○白川参考人 日本銀行は、大胆という言葉が適切かどうかわかりませんけれども、非常に多額の国債の買い入れを行っております。この席でもたびたび申し上げていますとおり、年間二十一・六兆円というペースは、GDPとの比率で見ますと、これは四%でございます。この四%という規模は、去年の米国のQE2、これはこの六月末で終わりましたけれども、あの規模に比べて、実はGDP対比では日本銀行の方が大きいということでございます。しかも、日本銀行はそれを現に続けているということでございますし、別途、基金での買い入れも行っております。日本銀行は、そういう意味では、国債を多額に現に買っている中央銀行だというふうに思っております。 一番大事なことは、そういう買い入れによって、極めて緩和的な金融環境を実現する、そのことを通じて経済をしっかり支えていくというのが中央銀行の金融政策の目的でございます。 その基準に照らして見た場合に、実はこの夏場以降が典型でございますけれども、ギリシャに端を発する国際金融危機のもとで、欧米の金融市場が実は緊張が高まっておりまして、例えば社債の国債に対する金利上乗せ幅、これは欧米とも上がっております。ところが、日本は極めて安定しております。それから、欧米では社債の発行額が減っておりますけれども、日本は社債の発行は非常に高水準でございます。 したがいまして、日本銀行が目的とします、極めて緩和的な環境を実現するということを実現する上でも、実は国債の買い入れも活用して、現に行っておりますし、これからも、物価安定のもとでの経済の持続的な成長、この軌道にできるだけ早く復帰するように中央銀行としてしっかり頑張っていきたいというふうに思っております。
○西村(康)委員 総裁からはいつも丁寧に御説明をいただいてありがたいんですが、確かに、買い入れているパーセンテージは高いです。しかし、変化率が少ないんですね。マーケットは変化、これも何度ももう議論させていただいていますけれども、大胆にというのは、これまでの予測を上回って日銀が政策をとったということ、それにマーケットが反応するわけでありますので、もう高いレベルで、一定程度ずっと同じペースで買い入れてもマーケットは反応しないんだと思います。 総裁にお伺いしますが、確かに、金融を緩和した状況を続けていただいていますけれども、デフレの状況はまだ脱却していないんじゃないですか。ここはどう認識しておられますか。
○白川参考人 まず、デフレでございますけれども、日本銀行として、デフレからできるだけ早く脱却し、物価安定のもとでの持続的な成長経路に復帰すること、これが極めて重要な課題だというふうに認識しております。そういう認識のもとにいわゆる包括的な金融緩和ということを行っております。これは、先ほど来から話の出ています資産の買い入れ、これだけではなくて、現在の実質的なゼロ金利を物価安定が展望できるまで続けるということを明示的に約束しております。 金融環境、これは極めて緩和的な状況を今実現しておりますけれども、中央銀行の金融政策、これは、みずからの持っている手段でもって、金融緩和政策は、緩和的な環境を実現する。その緩和的な金融環境を利用して企業の方々が設備投資を行っていく。その結果、成長が高まっていくというのが標準的な筋道であります。 その面で、これは政府が既に取り組まれていることでございますけれども、成長力を強化していくさまざまな取り組み、これと相まって我々の金融緩和の効果が最大限発揮されていくというふうに思っております。
○西村(康)委員 基金の話をされましたので、基金の話をちょっとしたいと思います。 お手元に資料もお配りしております。これは日銀がいつも発表されている資料ですが、確かに五十兆円をされていますけれども、これまでも小出しに五兆円ふやした、十兆円ふやした。しかも、長期国債で見ると四兆円ですよ。確かに全体は五十兆円ありますけれども、買い入れの枠はわずか四兆円で、しかも、十月二十日現在で一兆八千億弱、一兆七千数百億。ここをもっとふやしていただきたいんですね。けさも報道で、五兆円ぐらいの規模をふやすんじゃないか。また小出しに、ちょっとずつ、五兆円、五兆円、十兆円。これでは、もうマーケットは完全に織り込んでいって、いつもどおりのことだなとなると思うんですね。 ぜひ、もう大胆に十兆円、二十兆円、できることなら十兆円ぐらい買い入れるぐらいのことをやっていただきたいと思いますけれども、いかがですか。
○白川参考人 日本銀行は、毎回の金融政策決定会合におきまして、経済の現状それから先行きにつきましては入念に点検を行いまして、そのもとで、物価安定のもとでの持続的成長経路の達成ということに最も効果的に資する、そうした金融政策のやり方を検討しております。私どもとしましては、もちろんさまざまな意見に耳を傾けた上でございますけれども、日本銀行として最善と思われる政策を追求しております。 多少繰り返しになりますけれども、日本銀行は、基金の買い入れに加えて、これよりもはるかに金額の大きな国債の買い入れを現に行っております。こうした中央銀行は、現在、先進国を見渡して、日本銀行が一番大きな買い入れを現に行っているということでございます。したがいまして、決して日本銀行の買い入れ金額が少ないということではございません。しかし、我々として、何が一番効果的な方法であるのかということ、これは常に考えていきたいというふうに思っております。
○西村(康)委員 さっきの安住大臣の御発言じゃないですけれども、聞けば聞くほど、何か日銀はやらないという答弁になってしまっているような気がしますので、マーケットに何か悪い影響を与えそうな感じがしますので、これ以上聞きませんが、一点だけ。 この基金買い入れ、資産買い入れ、長国なり短期のものなり、来年の十二月末までこれをやる、この金額。つまり、四兆円の長期国債を来年十二月まで買う。もう一兆八千億買っていますけれども、毎月一千数百億ずつ。これも大体ペースは同じようにやっておられますから、大体みんな予測しているわけですけれども、これを前倒しできませんか。例えば来年三月末までにこれを買い入れる、そういう判断はできませんか。
○白川参考人 金融政策につきましては、先ほど申し上げましたとおり、毎回の決定会合において、これは、私だけではなくて九名の政策委員会のメンバーが合議の上、最適な方法を追求していきたいというふうに考えております。 日本銀行の買い入れ、繰り返しになりますけれども、現実に多くの買い入れを行っております。買い入れというのも一つの方法でありますけれども、実質ゼロ金利の継続も含めて、さまざまな方法を使ってこれからも努力をしていきたいというふうに思っております。
○西村(康)委員 それでは、むしろ学者としての総裁の御意見もお伺いしたいと思います。 アメリカが今ツイストオペというのをやって、長期のものを買って短期のものを売っている、二年物も売っている。二年物の国債の金利差が為替に与える影響というのもパラレルに、非常に相関関係がありますから、非常に影響があると思うんですね。 今、向こうが二年物を売っているわけですから、二年物の国債を買う、こういう判断はありますか。
○白川参考人 お答えいたします。 現在、日本銀行が行っています長期国債の買い入れは、成長通貨オペも、それから基金の買い入れも、ともにこれは、今先生の御指摘のゾーンの国債を買い入れております。 より正確に申し上げますと、成長通貨オペは国債の全期間にわたって買い入れを行っております。基金におきます長期国債の買い入れにつきましては残存一年から二年ということで、まさに先生が御指摘のその期間の国債を買い入れております。
○西村(康)委員 ぜひ、為替に大きな影響を与える部分を集中的にやっていただきたい、これはお願いをしておきたいと思います。 それから、ゼロ金利とおっしゃいますけれども、資料をお配りさせていただきました。無担保のコールレートの紙を一枚お配りいたしております。一九九八年からの推移を見ていますけれども、二〇〇九年以降、〇・一のあたりに張りついているんですね。これは、日銀がゼロから〇・一%を誘導目標にするということを言われていますけれども、実際には〇・一、実質ゼロではないんですね。ここはまだ下げる余地がある。これは、点線がありますけれども、邦銀が日銀に預金するときの金利を〇・一とされている。だからここに張りつくわけですね。これをゼロにしたらいかがですか。 つまり、二〇〇一年から二〇〇六年にかけて、全くゼロ金利、ゼロに張りついているわけですね。このときまで、まだ〇・一は下げる余地があるわけです。さらにこの〇・一を下げていただけませんか。いかがですか。
○白川参考人 日本銀行の行っています実質ゼロ金利政策のその実質の意味でございますけれども、オーバーナイトのコールレートは、これは日々もちろん変動しておりますけれども、大体〇・〇七とか〇・〇八、こういった水準で今推移しております。 ゼロ金利というふうに大きくくくれる中でどの程度の金利水準がいいのかということについて、これは各国の中央銀行、日本銀行も含めて、いろいろな模索を行ってまいりました。 文字どおり金利をゼロにすることに伴って何がしか金利が低下をするというメリットはもちろんございます。しかし、一方で、何がしかの利益を追求する過程でさまざまな副作用があるということもかなり強く意識されております。一つは、利ざやが低下するに伴いまして、金融市場における信用仲介機能がかえって低下してしまう、つまり、金融機関にしましても貸し出しを行うインセンティブが下がってしまうということで、むしろ金融緩和効果の実を上げていくという意味では必ずしも望ましくないという声がございます。 そうした判断から、各国の中央銀行において、実質ゼロの中でどの辺に持っていくかということはさまざまな議論があります。日本銀行は、先ほど申し上げた、〇・〇七ぐらいでございますけれども、例えばイングランド銀行は、〇・五が実質ゼロ金利の中で最適であるという判断をしました。 これは、もちろん国によって違っておりますけれども、したがいまして、実質ゼロ金利政策を具体的に考えていく上では、メリットとそれから副作用をバランスよく考え、私どもとしては現在のような運用を行っているということでございます。
○西村(康)委員 日本はデフレなんですから、むしろマイナス金利にしてもいいぐらいの感じなんですよ。〇・〇七、〇・〇八とおっしゃいましたけれども、〇・一はまだ下げる余地があるんですから、ぜひこれは徹底した緩和をやっていただきたいと思います。 デフレなんですから、デフレ脱却をまだしていないという認識もさっき示されました。マイナスなんですから、物価は。ぜひぜひ、ここのところの認識、もう一度お伺いしたいと思います。まだ下げる余地があるわけですから、これをぜひやっていただきたいと思いますが、いかがですか。
○白川参考人 企業にとっても、それから家計にとっても、資金を借り入れる際の期間は、これはオーバーナイトではございません。これは当然、期間の長い金利でございます。私どもとしましては、実際に企業あるいは家計が借り入れる際の金利、これを有効に下げていくための方策は何かということを考えて、先ほど来の御議論の対象になっています資産の買い入れ、あるいは実質的なゼロ金利政策継続の約束を行っているということでございます。 したがいまして、金利水準全般の低下を促すということで、現にそれは、まさに我々が今取り組んでいることでございます。金融緩和だけでデフレから脱却できるということではございませんけれども、しかし、金融面から日本銀行はしっかり努力をしているということでございます。(発言する者あり)
○西村(康)委員 山本先生は金融ですべて解決されると言われていましたけれども、私は、金融も大きな役割を果たすし、プラス、これからちょっと議論しますけれども、特区であるとか大胆な財政出動も必要でしょう。すべての政策、成長戦略も含めて、今すべてをやらないと日本経済は倒れてしまう、雇用が失われてしまう、そういう状況だと思いますので、ぜひその点を認識していただいて、まだ下げる余地があるということですので、ぜひこれはやっていただきたい、大胆な緩和をお願いしたいというふうに思います。 今ありましたので、特区についてお伺いをしたいと思います。 特区、いろいろありますけれども、今回、法人税を実質五年間ゼロにする特区制度を検討しておられる、法律が出てくる、税法上手当てをするというふうに伺っていますが、どういう制度をお考えなのか、安住大臣にお伺いしたいと思います。
○安住国務大臣 政府税調におきまして、新しく被災地域において企業を設立して、そして工場をつくったりしていく場合に五年間法人税については非課税にするという制度でございまして、私も、これは率直に言って、内部でもいろいろ議論はありましたけれども、しかし、思い切って雇用の促進、やはりインセンティブをどうやってつけていくかということになると、私自身が最も被害が大きかった地域の者でございますので、同じ競争原理で雇用の場を確保するためには、新しく工場をつくったり会社を設立といってもなかなか難しいであろう、また、この五年間に利益を上げるというのは非常に厳しいことなので、そういう点から、法人税について五年間非課税という制度をとらせていただいたということでございます。
○西村(康)委員 幾つかお伺いしたいんですが、これは、被災地全体をそういうふうにするという構想ですか。それとも、幾つかの市を指定する、あるいは市の中で地域を決める、いろいろやり方はあると思いますが、この点についてお伺いしたいと思います。
○五十嵐副大臣 お答えいたします。 例えば、一つの行政区域の中でも、全く何も被害がなかったところがある、一方で、大変な被害が起きたところがある。その被害が起きたところへ産業の立地をしていただく、企業立地をしていただくというのが目的でございますので、公共団体に指定をしていただく、産業集積を求める復興産業の集積区域という指定をしていただいて、そこに対して立地をしていただく企業に対して恩典を与える、こういう仕組みになっております。
○西村(康)委員 特区についてもこれまでいろいろなところで議論をさせていただいてきたんですが、これは自民党時代からの反省でもあるんですけれども、沖縄の特区も、実際に使っている企業は数社しかない。なぜなら、専ら沖縄で仕事をしなきゃいけないという要件がかかっているからですね。今回は、ぜひその要件を外していただきたい。 つまり、ある地域に立地した、工場をつくった、しかし、そこでしか活動しちゃいけない、ほかのところに工場をつくっちゃいけない、ほかのところで新たな支店をつくったらその企業はもう対象を外れる、そういう、いわゆる専ら要件と呼ばれていますけれども、専らそこで仕事をしなきゃいけないという要件はぜひ外していただきたいと思いますが、いかがですか。
○五十嵐副大臣 使い勝手が悪いというのは確かに沖縄の問題でありました。これは今検討をさせていただいておりますけれども、東日本の震災に関しては、すべて外してしまいますと、いわゆる、私はウランバートル化現象とか札幌化現象とか言っていますけれども、地域における一極集中が進んで本当に立地を求めたいところには逆に行かなくなるというようなこともありますので、そうしたデメリットも配慮した上で、やはり悪用、乱用がされないように、そして復興を求めるべき地域に効果的に企業に出ていただく、雇用を伸ばしていただくという工夫をさせていただいたつもりでございます。
○西村(康)委員 ぜひ、これからまた新たに工場をつくる、企業を立地する企業にとって、使い勝手のいいとおっしゃいましたけれども、使い勝手のいい、まさにそういう制度にしていただきたいと思います。 さらに言えば、我々自民党は、こういう特区を全国に十カ所、十一カ所つくろうということを成長戦略の中で提案してきております。今回、東北は大変な被害ですから、ここに第一号をやられるというのは理解をしますけれども、これは大臣、将来、まさに今空洞化の危機でありますので、こういうゼロ特区を、全国各地にも集積地をつくっていく。ほっておくとどんどん出ていってしまいますから、ぜひこういう構想も御検討いただきたいと思いますが、いかがですか。
○安住国務大臣 戦略性を持って、それが結果的に大きな雇用等に役立つのであればということで特区の考え方というのは出てきていると思います。 とりあえず、今回はこういうことで被災地でやりましたけれども、具体的に、例えば集約型というか集積型の、そういう戦略を持ってどこかを指定しながら、全体でやってしまいますと法人税収がほとんどもうなくなるということがありますので、それはちょっと、余りにも極端過ぎるので、やはり、本当に戦略性を持って、アジアの中で立ち向かっていくための一つの方法としてやるというのは一つの考え方だというふうに思っております。
○西村(康)委員 もちろん、新規立地ですから、既存の人たちをゼロにするわけじゃありませんから。新規に工場をつくる、新規に企業を起こす、こういう、そもそも、本来なら日本に起こらなかった、ひょっとしたら韓国に行っていた、アジアに行っていた、そういう人たちが、では、日本でそういう制度があるならやろうということですので、これは減税幅もそんなに大きくないはずですから、ぜひこれを御検討いただきたいと思います。 あわせて、国内空洞化で、経産省が五千億円の立地補助金をつくるということでありますけれども、これも、もう既に国内に工場をつくろうと決めている人に上げてしまっては余り効果がないわけですね。今、海外に行こうか、海外からも誘いが来ている、行こうかどうか迷っている人たちに、迷っている企業にやらないと意味がないわけですので、補正予算ではありますけれども、これは例えば、来年工場をどこかにつくろうと迷っている人たち、そうしたら日本につくろう、こういう人たち、来年にも適用されると思っていいですか。
○北神大臣政務官 委員がおっしゃったように、先般、第三次補正予算の中で企業立地支援五千億円を盛り込んだところで、運用については、今までの立地補助というのは、その年度の中で実際の投資に着手をしなければいけなかった。でも今回は、その辺の条件を緩和しまして、今年度投資決定をし、来年度の間までに着手をすれば認められる、そういう制度に変えました。
○西村(康)委員 ぜひそこも、やるからには、まあ、補正予算全体、我々自民党としてどう対応するかというのはこれからの議論ですけれども、これは、今、空洞化の危機の中で、私はいい政策の一つだと思いますので、運用をぜひ柔軟にやっていただきたいというふうに思います。 そこで、この五千億、今想定されている、これから補正予算の審議も、後また入りますけれども、福島県にその多くを配分するというふうに聞いておりますが、どういう計画でおられるのか、ちょっとお聞きをしたいと思います。
○北神大臣政務官 おっしゃるとおり、五千億円のうち一千七百億円を福島に限定して使うということになっていまして、この名前が、がんばろうふくしま産業復興企業立地支援事業ということになっております。 これについては、ほかの地域においては、補助率が大企業については大体三分の一、中小企業については二分の一。この福島県限定のものについては、福島の中では三分の二が原則で、その中でも警戒区域については四分の三の高い補助率になっているところでございます。
○西村(康)委員 五千億のうちの一千七百億を福島県にということで、確かに、原発の事故もありましたし、福島の皆さんは大変な思いをしておられますので、気持ちは物すごく理解をするんですが、実際に、ことし決定して、来年にかけて福島で本当に一千七百億もの、今の補助率でいうとその何倍かの投資が必要になるわけですけれども、これが想定されているのかどうか、いかがですか。
○北神大臣政務官 企業立地全体については、来年度までに投資に着手をするという条件なんですが、福島については、補助期間が五年間ございます。五年間があって、その中でも、もちろん、それでも今の現状の中でどのぐらい企業が集まるかというのは我々も心してかからないといけないというふうに思っていまして、そういったことから、枝野経済産業大臣が経団連を初めいろいろな経済団体に協力をお願いしておりますし、経済産業省並びに経済産業局、東北の局の方も一生懸命いろいろな企業に当たっている、こんな努力をしているところでございます。
○西村(康)委員 お気持ちは物すごくよくわかるし、福島のためにできるだけのことをと。もしお金が出るなら、私は一千七百億も使ってもいいと思うんですが、しかし、五年間にわたって一千七百億をとっておくということですか、これは。 つまり、今回、国民の皆さんに増税をしてまでこの復興の予算を組もうと。全体十二兆ですから、十二兆のうちの一千七百億を大きいと見るか小さいと見るかはありますけれども、その部分を五年間にわたって使うという。私は、それだったら、その分をほかの地域に回した方が、福島は福島でまた単年度で手当てをした方がいいんじゃないかと思いますけれども、いかがですか。
○北神大臣政務官 そこはいろいろな考えがあると思いますが、被災地の中も非常に厳しい、その中で特に原発の事故がある福島が大変だと。風評被害とかを考えると、産業立地が正直一番困っているところでありまして、復興といっても、それぞれの事業者とか雇用というものが、ある程度仕事の種みたいなものが必要だ、そういった観点から、特に福島に力を入れて重点的に支援を行いたい、そういう考え方でございます。 それで、実際にこの一千七百億円は、基金をつくってもらって、その基金の中に入れて運用をして、その都度その都度案件について補助を出す、こういう仕組みでございます。
○西村(康)委員 福島に対する思いは私も共有しておりますし、被災地にも何度も行かせていただきました。ぜひ応援をしたい気持ちはいっぱいですが、ただ、全体の、限られた予算の中で、かつ増税をしてまでお願いすることでありますので、ぜひこれは引き続き経産委員会のところでまた議論をさせていただきたいと思います。いずれにしても、本当に有効に、国内に企業が立地するような運用をぜひお願いしたいと思います。 その関連で、水産関係のお話を議論させていただきたいと思います。 先週、大臣のおひざ元の石巻、女川を回ってまいりまして、九月には、きょう黄川田副大臣お見えでありますけれども、大船渡、釜石、大槌とずっと回ってきました。大変な被害、津波の状況ももう何度も言われていますからあえて繰り返しませんが、茫然とするような激しい被害、その厳しい状況の中で、特に水産関係、漁師の皆様方は大変頑張っておられるわけであります。 しかし、先ほど来の、円高で海外から安い水産物もどんどん入ってきている。景気は低迷というか、回復基調にあるとはいえ、全体にやはり消費は落ちていますから、水産物の価格は非常に安い。大変厳しい思いをしておられる。 そんな中で、軽油引取税の免税措置、あるいは石油石炭税のA重油の免税措置、これをぜひ継続してほしい、大変強い要望があります。このことについてぜひお伺いをしたいと思うんです。 まず、軽油引取税の免税措置、副大臣にお伺いをしたいと思いますが、全体として、金額としては、漁業だけでいうと百三十億円ぐらいの減税規模、農林業を入れても二百六十億ぐらいということでありますから、これを大きいと見るか小さいと見るか、国全体の予算からしたらわずかな金額ですけれども、漁師さんたちからすると大変大きな金額であります。この免税措置がなければ漁業はやっていけない、被災地の皆さんはもちろん、被災地以外の漁業の皆さんもやっていけないという状況だと思います。この免税措置はぜひ継続をしていただきたいと思いますが、副大臣、いかがですか。
○黄川田副大臣 委員御案内のとおり、産業用の軽油につきましては、引取税課税免除措置、平成二十一年度に目的税から普通税に移行した、その際に、石油化学製品の原料となる軽油を除きまして、平成二十四年三月三十一日までの特例措置とされているのが現在のところであります。 では、平成二十四年度以降どうなるかということでありますけれども、漁業だけでなくて、さまざま特例措置ごとに、合理性であるとか、あるいはまた有効性等をしっかりと総合的に洗い直して措置していかなければならないと思いますけれども、そのうち、指摘される漁業に係る軽油の課税免除の取り扱いにつきましては、実は、今後、税制調査会等々において、農林水産省側からも意見を聞いていく過程の中でしっかり検討していきたいと思います。 西村委員さんについては、現場をしっかり見てきていただいておりますし、被災地はもとより、漁業を取り巻く環境は本当に厳しいわけであります。それから、漁業のなりわいの中で燃料の占める割合は高いわけであります。そこはしっかりと受けとめておきます。 以上であります。
○西村(康)委員 漁業の現状もよくおわかりの副大臣でありますので、ぜひ政治的なリーダーシップも発揮していただきたいと思います。 安住大臣におかれましても、石巻も大変な被害、言うまでもありませんし、水産加工がほとんど壊滅的にやられた様子も見てまいりました。今、大変な水産業の関係の皆さんの状況だと思います。 A重油の方は、金額は小さいですけれども、たしか政府税調のトップ、座長を務めておられると思いますので、この点について、国税だけじゃなくて地方税も含めて、ぜひリーダーシップを発揮していただきたいと思いますが、いかがですか。
○安住国務大臣 本当に地元のことを、よく歩いていただいて、心から感謝を申し上げます。 今、黄川田副大臣からも申し上げましたように、漁業にとりましては、燃料代というのは非常にウエートが高くて、これは昭和五十三年から自民党はずっとこうした措置を継続しておりましたので、その重要性は十分認識しておりますけれども、今ここで、はいわかりましたと言うと怒られますので、政府税調として、総合的に勘案しながら、先生の意向を踏まえて十分対応していきたいと思っております。
○西村(康)委員 ありがとうございます。非常に前向きに御答弁いただきまして、現状を御理解いただいていますけれども、本当に厳しい状況にありますので、政治的なリーダーシップをぜひ発揮していただきたいと思います。 円高関係で、もう一点だけ。JBICの円高対応緊急ファシリティの話。これは細かくは通告していなかったんですけれども。 八兆円規模ですか、七十五円とすればもうちょっと小さくなっていますけれども、八兆円規模で海外の資産を買う、MアンドAに使う、こうした予算を用意していただいているわけですけれども、これも、もっと大胆に海外の資産を買いまくったらいいと思うんですね、今こそ。今こそ買いまくって、今、円が高いから日本はどんどん買いまくっている、やはり円高になったら困るなということを相手の国が思わないとだめなわけですね。今、日本は、御案内のとおり、中国や韓国にいろいろな資産を、土地やいろいろなものを買われています。企業の買収も来ています。それで我々は、大変だ、何とかしなきゃいけないと思うわけでありますので。 かつて、プラザ合意以降、ロックフェラーセンターを買ったりゴルフ場を買ったり、いろいろなことがありましたけれども、相当大胆に海外の資産を買う、買いまくる。あるいはこの機会に、もちろんいい企業を買う、いい資源の権益をとる、もっと大胆にやられたらいいと思います。 大臣、いかがですか。八兆円規模ではなく、これはもっと枠をふやして、ほかの国が嫌がるぐらいに円高を利用してやれば、ほかの国々も円高は大変だということになると思うんですけれども、いかがですか。
○安住国務大臣 実は、御指摘のようなこともありましたものですから、二兆円ほどふやして、八兆から十兆ということにしました。 先ほどの答弁にもあったかもしれませんが、今、クレジットラインについては、三メガで三百が四百三十億ドルまで来ているということですから、やはりニーズは結構ありますので、先生おっしゃるように、やはり円高になったらどんどん、MアンドAを含めて、我が国は、我が国所属企業も、頑張ってそういうふうなことをやれば、私は、結果的に円高の時代に海外に大きな力というか財力を持つということにもなりますから、これを積極的に活用して、やはり外に打っていってほしいというふうに思っておりますので、支援をしていきたいと思っております。
○西村(康)委員 全く同じ気持ちですので、円高は大変厳しい状況でありますし、これは円安の方に持っていかなきゃいけないんですけれども、しかし、この機会にぜひ大胆な支援、枠を、二兆と言わず、もっとふやすようにぜひお願いをしたいと思います。 第三次補正の予算は、また機会があるときに話したいと思いますが、国家公務員の人件費削減についてぜひお伺いをしたいと思います。 そもそも民主党のマニフェストは、二〇%削減ということでありましたけれども、今回、七・八%という方針を決められたようでありますが、二〇%削減、やられるんですね、大臣。いかがですか。
○安住国務大臣 まず七・八%から始まって、やはり段階的にぜひそういうふうにしていきたいというふうに思っております。
○西村(康)委員 これは、前総理、前々総理、あるいは今の野田総理も言われたかと思いますが、マニフェストは四年間でやるんだということをよく幹部の方が言われていますが、四年間で二〇%やるという理解でいいですか。
○安住国務大臣 ですから、まず今回八%下げさせていただければ、残りあと一二パーということになりますので、徐々にやっていって、何とか匍匐前進したいと思っております。
○西村(康)委員 その関連で、人事院勧告の〇・二三%削減は見送るということですけれども、これはそういう理解でいいですか。見送って、七・八%下げるという理解でいいですか。
○黄川田副大臣 お答えいたします。 まず、特例法案でありますけれども、東日本大震災という未曾有の国難に対処する必要性等にかんがみて、一層の歳出削減が不可欠であることから、臨時の特例措置として給与を減額するということでございます。 それで、御案内のとおり、東日本大震災の復興基本方針においても、復興復旧の財源の一つとして公務員の人件費、これを見直していくということも掲げられております。 また一方、本年の人事院勧告でありますけれども、この取り扱い、政府として、十月四日それから十月二十五日と、これまで二回、給与関係閣僚会議を開いてまいりました。 昨日なんでありますけれども、第一に、まず、既に提出している給与臨時特例法案の早期成立を期し、最大限の努力を行うこと、これが第一点でありました。それから第二点目、今回の人事院勧告の内容及び趣旨は、給与臨時特例法案の内枠である、そういう評価をすることができると政府では考えておりまして、次回の給与関係閣僚会議までの間にさらに精査を行って、人事院勧告を実施するための新たな法案は提出しない方向で今検討されております。これがきのうの会議で確認されました。 ですから、早期に、再度給与関係閣僚会議を開いて、その整理を踏まえて、そして国家公務員の給与の取り扱いについて結論を出すということであります。 簡単に言えば、人事院勧告は我々が出している特例法案に含まれておるということでありますので、勧告に関しての法案は提出しないということであります。
○西村(康)委員 含まれるということでありますから、七・八のうちの〇・二三%と、残りの七・五七ですか、これを分けてやられたらいかがですか。人事院勧告は一たん従う、さらに、今回、緊急的に財政措置として、足りませんから、この分下げる。 かつて、最高裁の判例でも、財政状況にかんがみて、特例的に勧告以上のことをやるのを認められていますので、勧告に従わないことも認められています。つまり、上げずにいたことも認められているわけですね。 ですから、一たんは従った上でこれをやれば、二つの法律をあわせて、給与法の改正とこの特例法とあわせてやれば理解されると思うんですが、いかがですか。
○黄川田副大臣 ただいま西村委員から御指摘がありました。再度、最終的な給与関係閣僚会議を開きますので、今の御意見も踏まえて整理をしたいと思います。御意見が取り入れられるかどうかは直接の答弁はできませんけれども、その意見は承っておきます。
○西村(康)委員 自民党として、党全体としてはどういう対応をするのか議論をしておりますので、また予算委員会その他いろいろな場面で議論をさせていただきたいと思います。 持ち時間が来ましたのでこれで終わりますが、ぜひ、円高、デフレ対策、心してやっていただきたいと思います。よろしくお願いします。ありがとうございました。
○海江田委員長 次に、山本幸三君。
○山本(幸)委員 自由民主党の山本幸三でございます。 きょうは安住大臣と初めて議論できるのを大変うれしく思っておりますが、まず最初に、大臣の所信に対する質疑というのがここまでおくれたというのは非常に私は問題だと思っているんですね。 九月の三日ですか、内閣が発足して、すぐ新任の大臣がどういう考えでいるのかというのをただすのが国政のあるべき姿だし、議会のあるべき姿だと思うんですね。ところが、政府の方はそのための国会をなかなか開こうとせず、開いたら本会議だけ。野党の強い要求で予算委員会だけやりましたけれども、しかし、それで閉めてしまった。結局、ずるずる、大臣の所信をお伺いして質疑をするというのがここまでおくれたわけですね。 その間に、大臣は、格好よく海外に飛び回りまして、国際会議に出て、派手に活躍しておられました。相当好きなことをおっしゃった。そのことに私はかちんときまして、それでちょっとその辺のことを少し追及しなきゃいかぬなと思っているわけであります。 まず最初に、十月の十四日、十五日にパリでG20が開かれました。この会議が終わった後に、会議は秘密会議ですから詳細なことはなかなかわかりません、一部は役人も入れなくて大臣と日銀総裁しか出ていない会議もあったと聞いておりますが、しかし、終わった後に記者会見をしております。 その十月十五日の安住財務大臣と白川日本銀行総裁共同記者会見の概要が財務省のホームページに出ているわけでありますが、その中で、まず冒頭に大臣が発言されまして、こういうことを言っています。 「コミュニケでは、日本政府が訴えていた非常に大きな柱を盛り込むことができました」と。最初はまず、「コミュニケの冒頭の部分に、「先進国は、異なる各国の状況を勘案しつつ、信認を構築し成長を支えるための政策を採用し、」ここからが大事なんですが、「財政健全化を達成するために明確で信頼に足る具体的な措置を実施する」という文言を一番最初に盛り込むことができました。」と。それから続いて、「次の項目のところでは為替の問題でございますけれども、この部分については、」と言って、「「我々は、強固で安定した国際金融システムが我々の共有する利益であること、」その後からが大事なんですが、「及び、市場で決定される為替レートに対する我々の支持を再確認した。我々は、為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を与えることを再確認する」と。」 「我が国の主張を十分に盛り込むことができた」と大臣は自負をしておられますが、そういうことでよろしいんですか。
○安住国務大臣 今、先生にお話しいただいたとおりの会見をさせていただきました。
○山本(幸)委員 日本銀行総裁に確認いたしますが、大臣がそういうふうに張り切って主張して、訴えてコミュニケに入れた、その姿を確認されて、そしてその文言について、日本銀行総裁としても同感されたということですか。
○白川参考人 お答えいたします。 G20には安住大臣と私が日本から出席をいたしました。大臣と私と力を合わせまして、日本の主張をするとともに、世界経済全体の発展のために日本として主張すべきことを主張したということでございます。 記者会見につきましては、大臣がおっしゃったとおりでございまして、私の方からコメントを申し上げるということではございません。
○山本(幸)委員 私の質問にしっかり答えてもらいたい。大臣がおっしゃった中身、文言について、あなたは同感されたんですか。
○白川参考人 先ほど議員が御指摘のG20の文言、G20の文言を言及されておりましたけれども、このG20の文言は、これは二十カ国財務大臣・中央銀行総裁会議の声明でございます。そういう意味で、この文章全体、これは日本銀行もこの文書にいわば署名をしている、サインをしているということでございます。
○山本(幸)委員 私はこれは大問題だと思っているんですね。財政再建のところはちょっと後で言いますが、まず為替レートのところを言います。 これは私は、日本の通貨外交史上最大の失敗だと思っているんですよ。なぜか。 為替レートが、「市場で決定される為替レートに対する我々の支持を再確認した。」ここで言う市場で決定されるレートというのは何ですか。今の東京外為市場で決定されているレートのことを指すんですか。
○安住国務大臣 この「為替レートの過度の変動や無秩序な動き」というところは、しかし先生、やはり為替レートの適正水準じゃなくて……(山本(幸)委員「そんなことは聞いていない」と呼ぶ)いや、しかし、これは全体にかかる文字としては、先生、やはりそういうことになるんじゃないかと私は思って、この文章でいいということにしました。
○山本(幸)委員 そんないいかげんなことは、この財務金融委員会では通じないんですよ。 その後の文章のところは今までのコミュニケにもあったんだ。だから、それはいいかもしれない。しかし、「市場で決定される為替レートに対する我々の支持を再確認した。」というのは、あなたが大臣になって出たG20から初めて出てきた表現ですよ。 その「市場で」というのは何ですか。東京市場で決まるレートのことですか。
○安住国務大臣 それは、さまざまに為替の決定というのは変動相場制の中で決まっていくわけでございますから、別に東京市場に限ったわけではございませんけれども、そのことを肯定するということでは別に、それぞれの国によってそれを否定することは難しいわけでございますが、事実としてはそういうことでございますが、それを受けて、どういうふうに我々としてそれをコミットメントするかということで今私は後段を申し上げたので、全体につながっている文章だというふうに認識しているということを私は申し上げたんです。
○山本(幸)委員 だめだというんだよ。「市場で決定される為替レートに対する我々の支持を再確認した。」とちゃんと書いてあるんだ。これを読めば、為替市場で決まっている、日常で決まっているレートは正しいというふうに再確認したというようにしか読めませんよ。そうじゃありませんか。
○白川参考人 G20は財務大臣と日本銀行総裁ともに出席しておりまして、先ほど申し上げましたとおり、私自身もこれはサインをしております。 ここで書いていますことは、これは日々のレートそのものについて言っているというよりか、世界全体を見渡した場合に、為替制度につきまして必ずしも柔軟でない制度を採用している国もございます。特に新興国ではそういう国が多いわけでございますけれども、これは、日々というレベルを超えて、少し長いベースで経済、金融の動きを見た場合に、そうしたことがゆがみをもたらしてしまう。そういうことについて、原理原則として、大きな意味での為替市場の伸縮性、こうしたものを尊重しましょうという趣旨だというふうに理解をしております。
○山本(幸)委員 私は何も日本銀行総裁に聞いていないので、新興国云々の話はまた別途やりますよ。新興国とかは、別な表現もこれまでもあるんだから。 なぜこんなことを言うかというと、去年まではどういう表現だったかというと、市場で決まる為替レートについては、経済のファンダメンタルズを反映するために為替レートの柔軟性を向上させる、そういう表現で、「根底にある経済のファンダメンタルズを反映し、」「市場で決定される為替レート」という言い方なんですよ。これが、経済のファンダメンタルズが抜けちゃったんだよ。なぜですか。
○安住国務大臣 特定の国のことを指すことはできませんけれども、先生もうとっくに御存じのような状態でございますから、G20には、いわゆる新興国であったり、我々の国よりもGDPで上に行っている国も入っているわけでございまして、そうしたことをいろいろ、そういう点では、各国からそのことについてのさまざまな問題があって、こういう表現になったわけでございます。
○山本(幸)委員 いや、そんな簡単な話じゃないんだ。 新興国については、九月二十二日の、その前のG20ではちゃんとそういう言い方が書いてある。「新興市場国の経済が構造改革や経済ファンダメンタルズを反映する為替レートの一層の柔軟性を通じることを含めて、」この表現だったら何も問題ありませんよ、私は。新興国に対してはちゃんとそう書いてある。 ところが、新興国じゃない、先進国も含めて、むしろここは先進国だ、新興国については別途書くんだから。それに対して、経済のファンダメンタルズを反映した市場レートという表現じゃなくて、前段の経済ファンダメンタルズが抜けちゃって、市場で決まる為替レートに対する我々の支持を再確認したと言い切っちゃったんだよ。大失敗でしょう。そんな通貨外交がありますか。 これだと、では、介入はどうするんですか。何でこんな表現になったんだ。それをあなたが主張して入れたとさっき言ったじゃない。どうしてですか。
○安住国務大臣 経済のファンダメンタルズの反映ということは、確かに文言としては入っていませんけれども、考え方としては引き続きそれが継承された上にこの文章が載っかっているというふうに認識しております。
○山本(幸)委員 国際交渉というのはそんな甘いものじゃないんだ。あなたが勝手に認識していると言ったって、相手はしませんよ。ずっと毎年コミュニケを読んでいる人が見れば、明らかにこれが外れた。大きな変化ですよ。日本はやられちゃったんだよ。 ユーロとか弱くなっている国は、いや、おれのところはレートで安くなって結構ですよと。ドルだってそうだ。日本はどんどん高くなっているけれども、為替市場で決まるレートで、それを支持すると再確認したんだから、もう日本は何もできないな、そういうふうに追い込まれたんですよ。 それをあなたは自分から主張したんですか。恥ずかしいと思いませんか。
○安住国務大臣 この経済のファンダメンタルズの反映という言葉は、時々に応じて、〇九年のG7コミュニケから一一年の三月までには盛り込まれていなかったり、その後また盛り込まれたりで、これは先生、だからといって、例えば為替介入ができなくなるとか、そういうふうな認識は私は全く持っておりません。 ですから、そのことはもう当然のこととして、しかし、最初に申し上げてちょっとおしかりを受けましたけれども、「為替レートの過度の変動や無秩序な動き」というのを入れることができたということは、私は成果だったと思っております。
○山本(幸)委員 成果でも何でもありませんよ。そんなものはずっと昔から毎年入っているんだ。今までも入っている通常の文句ですよ。それは通常だ、今まで入っているから。そこについては、まあしようがないかな。 これでも、私はこの委員会でも大分やったけれども、レベルについては何も言っていないから問題があるんですよ。過度な変動、急激な変動というのはどう定義するんだと。それは難しいですよ。 経済のファンダメンタルズ、これはなかなか難しいところがあるんだけれども、購買力平価で決まるレートとか、交易条件との比較とか、そういうもので一応の客観的な評価はできるんだ。本来的だったら経済のファンダメンタルズを反映すればそれはなるんだけれども、そうなっていないとすれば、過度な円高とか過度な円安とか、そういう話になるわけでしょう。それが言えなくなるんですよ、市場で決まるということだけで言っちゃったら。これは失敗だと認めませんか。
○安住国務大臣 私は失敗だとは思っておりません。新興国等、中国も含めてさまざまなシステムを使って国際金融市場は成り立っておりますので、そういう中で為替レート、市場というものを正当に機能させていくという観点からこの文言は入ったものだと思っております。
○山本(幸)委員 あなたの言っていることは経済のファンダメンタルズを反映したというレートの話じゃないですか。そう書けばいいじゃないですか。何で書かないの。今までは書いていたんだよ。どうしてわざわざそれを落とすんですか。それが失敗でないというのはどういう認識なんだ。 為替介入は、これを読んだだけで、ヨーロッパの方から見れば、これで日本は相当手を縛られたなとみんな思っていますよ。何も知らない財務大臣が来て、これは取られたって平気だと、腹の底では笑っていますよ。これを問題じゃないと認識するような財務大臣だったら、私は資質を疑わざるを得ない。 もとの、経済のファンダメンタルズを反映したと、どうして書き直さないんですか。来週のカンヌ・サミットでそれを書き直すつもりはありませんか。
○安住国務大臣 本当に何度も申し上げておしかりを受けるわけですけれども、もちろんその上に立っているというふうなことを前提にしております。 コミュニケについては、折に盛り込まれたり盛り込まれなかったりということでございますので、必要に応じて、経済のファンダメンタルズを反映という言葉が入ったり入ったりしなかったりするということでございますので、十分、私としては、G20の中で我が国の今の経済状況というものを説明した中で、それが七十六円台、七円台というのは決して我々にとって適正なレートではないということも申し上げておりますので、そういうことが今後また文言にしっかりと盛り込まれるような努力をしていきたいというふうに思っています。
○山本(幸)委員 あなたが七十七円ぐらいは好ましいレートじゃないというような発言をされたんなら、まさにこれと反対の表現を書かなきゃいけないんですよ。そうでしょう。市場で決まっているレートというのは過大評価なんだよ。そう言っているわけでしょう。そういうことを主張しているのなら、コミュニケにそれを盛り込ませなきゃ通貨外交にならないんですよ。勝負はコミュニケなんです。コミュニケの文章なんだ。 あなたは最初だからだったかもしれないけれども、来週のカンヌでちゃんともとに戻す、経済のファンダメンタルズを反映した市場レートに対して支持を確認するというふうに直すということをお約束いただけますか。
○安住国務大臣 先生は国際金融局も長くおられて、私よりはるかに専門家でございますけれども、先生、このコミュニケをつくるのには何日も徹夜をして、激しいやりとりの中で事務当局で上がってきて、最後は財務官レベルで調整し、そしてG20の現場で、総裁や私を含めて、率直な意見交換の中で英語の文言を直していくという作業をやっております。できるだけ我が国の主張というものを取り入れるよう努力はしておりますが、至らない点もあるかもしれませんが、国益に沿って行動してまいりたいと思っております。
○山本(幸)委員 財務省の国金局長や財務官がこんなものを認めていたんだったら、あなたはしかり飛ばさなきゃいけないんですよ。そして、大臣のレベルでやり直さなきゃ。おっしゃるように、このコミュニケをつくるというのは大変な作業をやるし、そこに各国とも、自分の国の利害を反映させるために努力するんですよ。だから大変なんだ。よくわかる。もう一週間待って、カンヌでちゃんとやれるかどうか見たいと思いますが。 白川総裁、あなたは今までずっと経緯を知っていて、そんなことはわかっていたんだろう。何でそういうアドバイスをしなかったんですか。
○白川参考人 為替介入政策、それ自体は日本銀行の所掌ではございませんけれども、日本銀行の立場から、財務大臣あるいは財務省のスタッフとは緊密な意見交換を行っております。 これは釈迦に説法でございますけれども、G20、二十の国から構成されております。黒字の国もあれば赤字の国もある、先進国もあれば新興国もある、インフレの国もあればそうでない国もあるということでございます。そういうG20全体を包含し、世界経済全体を意識して、短い文章で表現をしていくということでございます。 先ほど来問題になっています為替介入がこれによってできなくなるのではないかという、その点について申し上げますと、G20の国の中で、この文言の前も後も、介入を行っている国は少なからずございます。この文言で介入ができないということではございません。 大臣が指摘されていますとおり、「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を与えることを再確認する。」というふうに書いております。 私としては、この文言が書かれていることの意味、これは、いつも書かれているということかもしれませんけれども、このことの意味も、これは同時に認識をしていただきたいというふうに思っております。 いずれにせよ、先生の御指摘も含めて、それからさまざまな、また専門家の御意見も踏まえながら、毎回、この国際金融の大変厳しい場で、日本の主張、それから世界経済全体の発展のために、大臣とともに頑張っていきたいというふうに思っています。
○山本(幸)委員 ちゃんと、その文章にならないように補佐するのがあなたの仕事ですよ。初めての大臣が来られたら、なかなか国際交渉は大変なんだから、わかっているでしょう。もうちょっとしっかり補佐しなさいよ。来週のカンヌ・サミットでお二人でどこまで頑張るか、それを見て、またやりますからね。 次に、このG20のコミュニケで、また非常に気に食わない部分がある。これは、私はこの委員会でもう何度もやったんだけれども。 この声明の中で、二番のところに、先進国と新興市場国と分けて書いてあるんですが、二の一ですね。一というか、先進国の部分です。 「先進国は、」ずらずらずらとあって、経常収支の赤字と黒字国で分けて文章が書かれてある。「大きな経常黒字を持つ国は、より内需に基づいた成長にシフトするための政策も実施する。」それから、「大きな経常赤字を持つ国は、国民貯蓄を増加させるための政策を実施する。」 後段の経常赤字を持つ国についてそう言うのはいいけれども、何で経常黒字を持つ国が、内需に基づいた成長にシフトするということを決めつけられなきゃいけないんですか。外需じゃ、どうしていけないんですか。
○安住国務大臣 先生、これは私も、貿易を一生懸命やって、その中で黒字を出すというのは正当な行為であるということは当然だと思っております。この大幅な黒字という認識は、多分、その黒字がけしからぬじゃなくて、そういう黒字になる要因を分析して、なおかつ、それをやはり、ある意味で新興国や、またほかの国に対して貢献をすべきであるという認識に立って、これをやったと思うんです。 それで、では、我が国はここに入るのかというようなこともいろいろ懸念されていると思いますけれども、やはり今の貿易収支を考えた場合、きのうも、ことし前半のものが出てきましたが、今や日本も大幅な黒字国では全くなくて、貿易収支だけを見れば、本当に黒字はもうわずかになっておりますので、そういう認識の上に立って、この文章を私としては理解をしたということなのでございます。
○山本(幸)委員 いや、ここは、貿易収支じゃなくて経常黒字を言っているんですよね。 私は、この委員会で、大臣はその議事録を読んでもらったと思いますけれども、経常黒字が悪いなんというのは、経済理論上、あり得ないんです。みんな、消費者も企業も個人も、自分の最適だと思って行動して、そして、どこかで線を引いたら非常に黒字だった、それだけの話ですよ。全部最適の行動をして出た結果が、黒か赤かが出てくる数字であって、そんなものがけしからぬとか悪いとかはあり得ないんです。そんなものは不均衡じゃないんだ。少なくともこのG20の根本的な議論が間違っていると、ずっと私は言っているんだけれどもね。 唯一問題になるのは赤字国で、外貨で支払わなければいかぬから、支払いができなくなるようになってくるときだけが問題なんです。そういう国だけやればいいんです。赤字国だけやればいいんですよ。 だから、あなたがやるべきことは、黒字国なんか問題ない、こっちの勝手だ、それは内需で拡大しようと外需で拡大しようと勝手だと。しかし、赤字国でその支払いができなくなると人為的な手段をいろいろとらなければいけなくなるから、IMF等の問題も出てきて問題になるよ、それが唯一の不均衡ですよ。これはもう経済学上、確定しているんだ。それを何で、こういう表現が出てきたのは今回が初めてですよ。 これまでは、国際収支不均衡云々の話があったけれども、それを、基準を勉強しましょうなんとか言って、いろいろやったんだね。読んでみたら、何を書いているか、わけのわからないような話しか書いていないけれども。しかし、そういうのを受けた形でこんな文章にされたら困るんだよ。わかりますか、大臣。 では、大臣、カンヌでは、黒字国についてはこういう表現を落とすように努力されますね。
○安住国務大臣 私は、先生、この先生の御主張というのは、個人としては大変よく理解して、なるほどと思います。 ただ、問題は、やはりこの文章の持つ背景もあると思うんですね。コミュニケはやはり時代に応じてつくられるものですから、まして、ヨーロッパのこのソブリンリスクに端を発したギリシャの問題等々を含めて、ヨーロッパの今の状況を見ると、この文章のバックグラウンドをそういう形で見れば、ここまで書き込むということに対して、やはり事情はそれなりにあるのではないかと思うんですね。 確かに、大きな経常の黒字を持つ国はより内需に基づいた成長にシフトするための政策を実施する、先生の御主張からいえば、ある種、大きなお世話であってと。しかし一方、経常の赤については国民貯蓄の増加というところまで踏み込んだ、ある種、内政的な問題に踏み込んではいるわけです。だけれども、ここに現実の今のヨーロッパの実態を照らし合わせると、大変不謹慎かもしれませんが、そこまで書かざるを得ないぐらい、いわばそのバランスに問題があるという認識を多分示してある文章であるというふうに私は理解しております。
○山本(幸)委員 ヨーロッパのことを書いているなら、ヨーロッパだと書けばいいじゃないですか。日本のことについてお節介するな。だって、そういう書き方は今までいろいろありますよ。アメリカはどうだ、ヨーロッパがどうだ、日本がどうだ、そういう書き方にすればいいのであって、こう書かれると、日本が入るんですよ。 日本の成長は、日銀が頑張ってデフレをなくしてくれれば内需がふえるかもしれぬけれども、当面、デフレ目標だから期待ができない。このことは、そのうちゆっくりやりますけれども。 そうなると、外需で成長するということが何か悪いことのようになってくるんですよ、こんな文章を書かれたら。制約されちゃうんですよ。 大臣、来週変えますね、これ。
○安住国務大臣 ですから、先生、目下の世界の経済状況の中でやはりこの文章を読み解くということが大事で、しかし、名指しでその地域をということになれば、コミュニケは多分なかなかまとまらないという事情もあって、これは、この言葉の中からそれを認識し読み解くということをやはりやらなければならないのではないかと思うんです。二十カ国ですから、七カ国であればまだそういうやりとりも十分できますが、いろいろな利害関係が、先生御存じのように、絡みますので、そして、二十四時間のうちにこれをつくり上げていくという中で、やはりこういう文章にならざるを得なかったということでございます。
○山本(幸)委員 そんな、二十カ国だから、大変だから、あきらめては困るんですよ。国益を体してやっているんだからね。これは日本にとって制約になりますよ。これも通貨外交上の大失敗ですよ、私に言わせれば。 日本はこれに入らないんですか、入るんですか。どういう認識をしますか、あなたは。
○安住国務大臣 私は、この大幅な黒字というものに日本が入っているとは思っておりません。
○山本(幸)委員 それは日銀総裁も一緒ですか。
○白川参考人 私も同じ認識であります。 先生の御指名ではございませんけれども、先ほど先生が大臣にお尋ねのあった件につきまして、私自身もこの文書にサインしていますので、一言お答えする義務を感じましてお答えさせていただきますけれども、議員御指摘のとおり、経常収支の黒字あるいは赤字、それ自体を問題にすること、これは適切ではないということ、その点につきましては私も同じ意見でございます。あくまでも、経済が持続的にバランスのとれた形で成長できるかどうかということが問題でございます。 このG20は、毎回、G20の声明を見ていただきますとわかりますとおり、今、相互評価という枠組みをつくっておりまして、その国のインバランス、これが持続可能かどうかということについて、さまざまなインディケーターに即して点検を行っていこうということでございます。その過程では、先ほど大臣からもお話がございましたけれども、経常収支といっても、実はその中で貿易収支とそれから所得収支、これではまた意味合いも異なってまいります。それから、その背後にある国内の状況がどうか、こういうものを総合的に見て、経常収支の黒字、赤字の評価が決まってくるということでございます。 G20は、一方でそうした努力も行っておるということでございます。決して黒字、赤字、それだけに着目して何か機械的に政策を迫っていく、あるいは迫られるというものではございません。
○山本(幸)委員 指標をいろいろ見て分析するというのは、この前からやられていて、見ましたよ。だけれども、それを見たって、何を言っているのかわからないだけの文章ですよ、私に言わせれば。しかも、そこでは、別に経常収支黒字が悪いとか、そんなことは何も言っていませんよ。だけれども、突然この本体の文書にこれが出てきたんだ。 これは、あなた方が日本は入らないと言うんだけれども、では、対GDPで何%だったら入るとかあるんですか。どこの国が入って、典型的に入るところがどこかありますか。
○安住国務大臣 想像はつきますけれども、先生、なかなかこれを、公式の場でここだというふうなターゲットを絞って申し上げることはできないと思います。
○山本(幸)委員 何でできないの。経常収支の黒字が大きいというのは対GDP比で大体言うんでしょう。何%以上は大きいとか、そういうことは言えないんですか。 日銀総裁、どうですか。
○白川参考人 結論から申し上げますと、経常収支の対GDP比で何%というふうに機械的に出てくるものではございません。これはまさに先生が御指摘の、経常収支の黒字だけを見て判断できるものではないという認識をあらわしているわけでございます。 したがいまして、さまざまな指標を見てそれを点検していこうということでございます。
○山本(幸)委員 そんなことなら、こんな文章を入れるなというんですよ。文章を入れておいて、後はそんなものにとらわれませんよなんて言ったって、外交上は負けですよ、これは。外交上の勝負はコミュニケなんだから。 もっとやりたいことがあるので、ちょっと。大臣、言いたいことはありますか。来週、変えるんですね。
○安住国務大臣 先生、IMFの見通しでいえば、我が国は二〇一一年で経常の黒が、対GDP比は二・五ですよね。直近の二・四半期では一・三なわけです。この数字でいえば決して大幅な黒字ではないというふうに我々は判断しております。 ちなみに、一例だけ申し上げれば、ドイツは五%あるなということは事実でございます。 〔委員長退席、泉委員長代理着席〕
○山本(幸)委員 だから、対GDP比率で何%ぐらいあったら大きいとか小さいとかいう議論はできるんですよ。我々も、大体、GDP比の二%を超えるとちょっと大きいかなという議論は今までしていましたよ。だから、そういうことを踏まえて。 だって、日本は、これから成長しようとしたら、それは復興何とかと言っているけれども、円高になっちゃったら困るんだからね。そうすると、外需が落ちて、成長できなくなるよ。その意味では、やはり日本が今までもっていたのは、外需で成長していたんですよ。そこを制約されるような文言を少しでも書かれたら、おれは席を立って帰るぐらいの気持ちを持たないと、通貨外交というのはできないんだ。あなたはまだ新人だから、これから、来週から腹を決めて、それぐらいの覚悟で、こんな文章は一切入れないと頑張ってくださいよ。 ちょっと時間がなくなってきましたので、もう一つ、重要な話。 もう一つ、大臣がとんでもない話をされたわけですが、消費税についてであります。これはぶら下がり記者会見で述べられたようであります。十月の十四日、一回目の会議が終わった後ですね。その会議には大臣と総裁しか出ていないので、役人もわからない。その結果、大臣のぶら下がり記者会見の概要だけしか我々はうかがい知ることができないんですが、あなたはこういうふうに言っておられます。 今後の財政改革の問題について、プライマリーバランスをしっかりと二〇二〇年までに黒字化するためには、二〇一〇年から比べて二〇一五年にまずしっかりと半減させるということをするために、そこからですね、消費税を五%から一〇%に、来年法律をしっかり出して何とか成立させたい、さらに復興についても、赤字国債の発行というものは、これまでの手法をとらずに、復興債については償還財源等もしっかり確保してやっていくというように申し上げたと。 消費税を五%から一〇%、来年法律をしっかり出して成立させたい、これは国際公約になっちゃった。いかなる権限に基づいてそういう発言をされたんですか。
○安住国務大臣 G20の会合は非公式で、よりオープンなディスカッションでございますから、公式な場で日本政府を代表して何かステートメントを私が発表したというのじゃなくて、本当に、文言を変えるために、何度も手を挙げては発言を繰り返す。ですから、逆に言えば、秘密会であって、決してその内部での発言というのは縛られるものではないし、公表されるものではなくて、コミュニケにそれを盛り込むということで、包含するという意味で、これは何時間にもわたってテーマ別に議論をしたということでございます。 その中で、先生が最初に説明をしていただいた第二パラグラフの一の中で、「先進国は、」というところで財政規律の話が出てくるわけですけれども、現実には、個別の発言についてどうこう言う立場には私もないし、言うつもりもございませんが、全体の流れとしては、やはり、その会議の中では、財政の健全化と、それぞれに累積債務等を抱えている国々に対してはかなり厳しい意見が出ているのは事実でございました。 そういう中にあって、私は、今般、この六月ですか、我が党と政府の中で決めた社会保障と税の一体改革の成案を紹介して、そして、その中で消費税率を二〇一〇年代半ばまでに段階的に一〇%へ引き上げる旨の決定をした、ただし、この具体的な中身については今後政府または党で話し合いをしていくことにはなるけれども、平成二十一年度税制改正法附則百四条に示された道筋に従って、消費税を含む税制改正法案を本年度中に提出したいということをその場で私は話したということを、かいつまんで記者会見で申し上げました。 以上でございます。 〔泉委員長代理退席、委員長着席〕
○山本(幸)委員 そういうパーセントまで入れて言うということは、それは各国は、日本がそういうふうに約束したんだなととりますよ。しかも、それを記者会見であなたは堂々と、こういうふうに自分は言ったと公に発表されたわけだ、ぶら下がり記者会見で。これを国際公約ととらなかったら、僕はほかの国の首脳がおかしいと思いますよ。 それで、その社会保障と税の一体改革案、これは何ですか。おたくの党の、政府の閣議報告でしょう。別に我々国会は縛られていませんよ。そんなもので各国に約束ができるんですか。
○安住国務大臣 何度も言うようですけれども、フリーディスカッションの中で、どういう道筋を描くのかというアプローチの仕方について私の方から説明をしました。 確かに、先生おっしゃるように、税と社会保障は、六月に決めたものはコンクリートしたものであるのかという認識について言うと、閣議決定をしなかったんですね。しかし、これは党と内閣の方針ということで確認をしております。ですから、オーソライズされなかったものかと言われれば、私はそういう認識に立っておりません。 そして、閣議決定をなぜしなかったかといえば、当時、私は国会対策委員長で、政府・民主首脳会議に出てきた経緯もあるので、そのことを説明申し上げますと、これは、三党協議等に入って正式にこの先提案をするときに、閣議決定をして動かせないものは持っていっても議論にならないので、閣議決定の寸前でとめて、これから三党でぜひ話し合ってもらうその材料にさせていただければということで、いわば寸どめをした形にあるというふうに思っております。
○山本(幸)委員 そういう寸どめにしたものを、いかにもこうやりますというように、日本政府として、あるいは日本国家として言うというのが大問題なんだ。国会軽視ですよ。この財務金融委員会を何だと思っているんだ。 しかも、この辺は言葉のあやかもしれぬけれども、記者発表のときには、消費税を五%から一〇%に来年と言っちゃっているんだよ。段階的にでもないんだ、何も入っていない。経済状況だってあるんでしょう。 あなたがおっしゃるように、三党でこれから相談するというなら、まだこれから話をする段階で何も言えない、自分たちは腹案は一つは持っているかもしれぬけれども、国会も通っていない、そういう話で言わなきゃ、国際社会ではこれは国際的に約束したと思いますよ。大問題だ。どうするんですか、あなた。
○安住国務大臣 消費税を上げること自体がやはり本当に大問題だと確かに私も思います。 ただ、先生、G20の参加メンバーというのは、世界の主要二十カ国の財務大臣と中央銀行の総裁という、いわばインナーの会議でありますから、そこでは、私に限らず、やはりそれは個人的な思いを述べる人もいれば、さまざまな考えを述べる人も私はあったと思います。非常に感情的な発言をする人もたくさんおられますし、国で決まったことだけ言ってそれ以外は一切だめだという話では私はないと思うんです、こういう会議は。実際、文言の修正なんというのは、政府の職員は一切入れないで、ある国の首脳なんかがその場で提案したものをそこで直したりしているわけですから、それは別に何も縛られるものではない。 私は、財務大臣になってから、いわばこういうプログラムをつくって、今年度中にぜひその法案を国会に提出させていただきたいということを、私の立場としてしっかり申し上げたということでございます。
○山本(幸)委員 国会に提出させていただきたいということを言ったんですか、それとも、そういうことをやると。 では、あなた、国会の承認が条件だということをきちっと言われたんですか。
○安住国務大臣 国会に提出をして、来年の通常会でぜひその審議をさせていただきたい、そういうことでございます。
○山本(幸)委員 そういうふうに言われたんですね、国会の承認が条件だと。確認していいですか。
○安住国務大臣 いや、法案を成立させるのはそれは国会で法案を通すわけですけれども、私は、法律をつくる、今年度中に附則の百四条に従って法律をしっかりつくって、国会にぜひ提出をさせていただいて、成立をさせていただきたい、提出をする以上は成立をぜひさせていただきたいと。いただきたいと申し上げました。
○山本(幸)委員 附則の百四条に、五%から一〇%なんという税率なんか入っていますか。
○安住国務大臣 これは道筋をしっかり示して、今年度中に必要な法制上の措置を講ずるものと書いてありますが、このお話が五パーから一〇パーじゃなくて、税と社会保障において、先生、我が党が六月にまとめた、いわゆる先生からいえばコンクリートされていないという案ですけれども、しかし、そこは、二〇一〇年代半ば、半ばというのは私の認識では一五年を言ってみれば一つの目安にして、一〇%ということは明記しておりますので、そのことを私は申し上げたということでございます。
○山本(幸)委員 大臣、これからちょっとお願いしたいんですが、きちっと法律で決まっていることと、それから、党の方針かもしれないけれどもまだ決まっていないようなこととは、きちっと分けてもらわないといけない。 法律では五%から一〇%なんという税率はもちろん書いていないし、消費税を含めた税制抜本改革なんです。消費税率を上げるということだけでも、決まっておるわけじゃないんですよ。ただし、法律は我々も通したから、国会も一応の責任があるという意味で、この法律を引用してそういうことをちゃんと言うならわかりますよ。だけれども、これには税率もないし消費税と決めつけているわけじゃないんだから、百四条では援用できないんです。 あなたが言ったのは、与党の、党と政府の閣議報告ですね。それは、いみじくもおっしゃったように、寸どめして、三党協議か与野党協議か、共産党さんがいらっしゃるから、与野党協議にできるような、そういう案の話でしょう。それだったら、そんな自信を持って言っちゃだめなんですよ、そんな国際会議の場で。 私も何度も国際交渉をやったことがあるけれども、よく聞いているのは、アメリカの連中は、議会が承認することが条件だと必ず言いますよ。議会は、政府がやったってひっくり返すことが多いんだから、アメリカの方は。 これまでは試験運転だと思って少し、この辺で終えますけれども、来週のカンヌからは一切そういういいかげんなことでやってもらっちゃ困るし、コミュニケで全精力をかけて国益を守らなきゃいけないんですよ。もう国益を破られるようなことばかり認めちゃった、あなたがこの三回の会議で。だから、その挽回を来週のカンヌでは期待しておりますから、それを踏まえて、いずれまた質問します。 終わります。
○海江田委員長 次に、あべ俊子君。
○あべ委員 自由民主党、あべ俊子でございます。 きょうは安住大臣に質問させていただきたいというふうに思います。特に、今議論になっております福島の原発の話に関連いたしましてお聞きしたいというふうに思っております。 特に、今議論とされております電気料金の算定基準の問題でございますが、安住大臣、財務省にこれは関係があるところだというふうに思いますか。
○安住国務大臣 広い意味では関係あるかもしれませんが、経産省の方に細かく数字等についてはぜひ聞いていただきたいと思っております。
○あべ委員 損害賠償の関係で国費が投入されているわけですよね、安住大臣。ですから、生活者として、また主婦の立場として、この電気料金の話と我々の税金の話とは大きく関係するのではないかと思い、きょうは質問させていただきます。 特に電気料金の算定の問題、財務省に関係するというところの平成二十三年度第二次補正予算、ここに東京電力福島第一原子力発電所に係る損害賠償の交付国債発行及び償還の財源の手当てとして二百億円が計上されています。本年八月に成立いたしました原子力損害賠償機構法に基づきまして、この特別資金援助のために政府が発行する交付国債の利子相当分として投入された国費であります。 そうした中で、議論されております電気料金に関しまして、この電気料金がどのように算定されているか、これを、政府参考人で結構でございますから、お答えください。経済産業省の副大臣がいらしていると思いますので、お答えできるようであったらお答えください。
○松下副大臣 総括原価方式、電気料金の算定方法ですけれども、これは、電気事業に必要なコストに、電気事業に用いる資産をもとに算定される一定の利潤を加えて電気料金を算定するという総括原価方式でございまして、これによりまして、電力会社の恣意的な料金設定を防止しつつ、長期的な設備への投資回収を認めることで、これまで安定供給の確保に貢献してきたと考えています。 一方で、十月三日ですけれども、東京電力に関する経営・財務調査委員会の報告書がまとめられまして、ここで料金制度とその運用についてのさまざまな問題点を指摘されたところでございます。これを受けまして、現行の枠組みのもとで行うことのできる制度運用の見直しは、有識者会議を立ち上げまして速やかに行うこととしております。十一月の一日にこの委員会を立ち上げて、コストの中身について議論してまいりたいというふうに考えています。 また、総括原価方式でございますけれども、これを含む電力システム全般のあり方、これについても広範かつ多様な観点から検討が必要であると考えておりまして、内外の電気事業制度や自由化の動向、それから今後の論点などについて有識者や関係者の意見をしっかりと聞きながら今後検討していきたいということで取り組んでいるところでございます。
○あべ委員 松下経済産業副大臣、ありがとうございました。お聞きしていないことまでお答えいただきまして、ありがとうございました。私は一問一答でやってまいりたいと思いますので、質問したことのみお答えいただきたいと思います。 この電気料金のもともとのいわゆる算定は、一番の根拠の法案があると思いますが、副大臣、それは何ですか。
○松下副大臣 電気事業法でございます。
○あべ委員 電気事業法の何条ですか。
○松下副大臣 十九条でございます。
○あべ委員 この料金設定に関しまして、能率的な経営のもとにおける適正な原価、適正な利潤を加えたものということの適正をこれまで経済産業省はどのようにチェックをしてきましたか、副大臣。
○松下副大臣 総括原価方式を先ほど説明いたしましたけれども、電気料金の原価、これは営業費も含んでおりますけれども、人件費、修繕費、減価償却費、公租公課、それから購入電力量、その他経費、そして燃料費という全体の電気料金の形態がございまして、その中で、事業報酬として、先ほど御説明申し上げましたけれども、電気事業に用いる資産をもとに算定される一定の利潤を加えるということで出しているものでございまして、それをもとにしてきちっと我々は見ているということでございます。
○あべ委員 副大臣、何度も申し上げますが、質問にお答えください。 適正な利潤というのは、どうやって適正かどうかを確認したかを経済産業省の副大臣としてお答えください。
○松下副大臣 経済活動でございますので、人件費やいろいろな必要な諸経費、それに加えまして、一定の利潤をもとに、それをもとにして次の投資に加えていく、そしてまた一定の借金も返していく、そういう仕組みの中で適正な利潤は決まっていくというふうに考えております。
○あべ委員 今の御説明では、全く適正さをチェックできているとは思えません。非常に説明があいまいであることから、この総括原価方式の見直しが出ているわけであります。 そうした中で、その議論が始まっているところは承知しているところでありますが、では、結論はいつまでに出るんでしょうか。
○松下副大臣 十一月一日に最初の委員会を立ち上げてまいりますので、これは東京電力が抱えている他のいろいろな課題とも関連してまいりますし、できるだけ早急に結論を出していきたい、そう考えています。
○あべ委員 早急というのは、今年度中ということですか。
○松下副大臣 できるだけ早い時期に結論を出していきたい、そう考えています。今年度中ということに限りません。
○あべ委員 政治家というものは、自分が一体何をやりたいのかをまず話すべきであって、そこのところが、できるだけとは、できるだけ十年かかるのか、できるだけ今年度なのか、さらには、我々の税金を上げていくということになるわけですから、電気料金を決める算定方式の見直しをいつまでにするかということを聞いているんです。 副大臣、いつまでですか。できるだけというのは今年度中ですか。
○松下副大臣 今年度中のできるだけ早い時期に結論を出したいと考えています。
○あべ委員 では、今年度中のできるだけ早い時期ということで、よろしくお願いしたいというふうに思います。 そうした中で、この総括原価方式、電気事業法そのものに対して見直しをかけていくわけですか、副大臣。
○松下副大臣 総括原価方式ですから、電気料金の原価、営業費に適正な利潤を加えていくという、事業報酬を加えて全体として見ていくというものが原価方式でございます。
○あべ委員 もう一度質問いたします。 電気事業法を見直すということでよろしいですか、副大臣。
○松下副大臣 現行の枠組みのもとで行うことのできる制度運用の見直しということで有識者会議を立ち上げて、そこで速やかに結論を出したいということでございます。
○あべ委員 質問を、三度目、繰り返させていただきます。 電気事業法の見直しを、副大臣、しますか。
○松下副大臣 現行の電気事業法を受けて、現行の総括方式、これの現行の枠内でしっかりと結論を出していくということでございます。
○あべ委員 四度目、確認させていただきます。 電気事業法の見直しをするということで、副大臣、よろしいんでしょうか。
○松下副大臣 総括原価方式を含む電力システム全般のあり方につきましては、広範かつ多様な観点からの検討が必要であるというふうに考えておりまして、内外の電気事業制度や自由化の動向、それから今後の論点などについて有識者や関係者の意見を聞くということで今後検討してまいりたいということですから、その中にも含まれているということでございます。
○あべ委員 繰り返します。 副大臣、含まれているというのは、電気事業法の改正案を出すということでよろしいでしょうか。
○松下副大臣 今後、多様な、多くの有識者、関係者の意見を聞きながら電気事業制度全体についての議論をしていくということでございますから、その中でいろいろな議論が上がってくると考えています。今、予断を持っておりません。
○あべ委員 では、副大臣、この見直し、今年度中のできるだけ早い時期に、副大臣の首をかけて頑張っていただけますか。
○松下副大臣 常に首をかけて仕事をしております。
○あべ委員 首をかけている割には言語明瞭、意味不明でございまして、総括方式を見直すのはわかりましたが、根幹である電気事業法、本当に見直してくださるのかどうか、ここは今年度中に、首をかけたところで、しっかり見させていただきたいと思います。 電気料金、特に国民生活に幅広い影響を及ぼすところであります。福島の原発問題の賠償に国費が使われている中、電気料金の見直しは我々の生活に非常に影響を及ぼすものだと思いますが、安住大臣、この総括原価方式に関しまして、しっかりと閣僚の中の会議においても御発言をいただけるということでよろしいでしょうか。
○安住国務大臣 経済産業省の中でしっかりとやっていただいて、御指摘のように、交付国債を発行しているわけですから、なおかつ国民生活に非常に電気料金というのは直結するものなので、総合的に勘案しながら、私としてもいろいろな発言をしていきたいと思っております。
○あべ委員 安住大臣の力強いお言葉をいただきましたが、特に東京電力の料金原価、直近で、十年間で五千九百二十六億円も実際より高く設定されていたという指摘もございまして、ここのところは国民が本当に注視しているところなので、ぜひ今年度中に頑張っていただきたいと思っているところであります。 次の質問に移らせていただきます。経産関係の方、ありがとうございました。結構でございます。 社会保障と税にかかわる番号制度ということで、安住大臣に質問させていただきます。 本年六月三十日に、政府・与党社会保障改革検討本部、ここで社会保障・税番号制度の大綱が出されたわけでございますが、今後のスケジュールとして、本年秋以降、可能な限り早期に番号法案、関係法案を国会に提出するとしておりましたが、大臣、これはどうなりましたか。
○安住国務大臣 実は、きょうから、税と社会保障の一体改革をめぐって、党で細川律夫前厚生大臣のもとで議論が始まります。そういう中で、当然、この番号制度を含めて、年末までにしっかりと結論を出してくれるものだと私は思います。また、政府においては、古川国家戦略担当大臣が主任大臣となってこの検討について早速議論をする。 大事なことは、四年後の二十七年の一月にぜひ運用開始をしたい、そのための関連法案というものの骨子をつくって、国会での成立を目指していくということに尽きるというふうに思っております。 ぜひ、いろいろな意味で、社会保障というものを充実し、真に手を差し伸べなければならない方をいわばちゃんとフォローアップするためにも、充実した番号制度というものをつくっていきたいと思っております。
○あべ委員 おっしゃるとおり、案の中には、番号利用開始、平成二十七年の一月ということが出ているわけです。 そうすると、システム稼働までに何年かかると大臣は思っていらっしゃいますか。
○安住国務大臣 それは、ちゃんと正確にはわかりませんが、一年やそこらでできるものではないというふうに思っておりますので、そういう点では、法律を速やかにつくることによって、やはり名寄せをしていかなければならない作業も膨大な量に及ぶと思いますので、できるだけ速やかに法案を国会に提出するのが理想であろうというふうに思っています。
○あべ委員 そうですか。その早さによっては、私は、平成二十七年、二〇一五年に導入が可能であると思っておりますが、できるだけ速やかというのは、次の通常国会に出されるということでよろしいんでしょうか、大臣。
○安住国務大臣 先ほど山本先生にはおしかりを受けましたけれども、税と社会保障の法案をつくって、例えば仮に、その場合一〇%に上げるとかという話が出てきたときの逆進性の問題とか、そういうものを補っていくためには、この制度は不可欠だというふうに私は思っております。 そういう点では、できるだけ早く出していただければいいと思いますが、これから、先ほど話したようにきょうから議論が始まりますので、その推移を見守っていきたいというふうに思っています。
○あべ委員 そのできるだけ早くという法案の提出の時期ですが、来年通常国会中にできそうですか。できるとすれば、何月ぐらいまでに出そうですか。
○安住国務大臣 何かだんだん松下副大臣化しておりますけれども、やはりできるだけ早く出した方がいいと思います。できるだけ早く出させてほしいなと思います。
○あべ委員 できるだけ早くというのは、次の通常国会中ということでよろしいでしょうか。
○安住国務大臣 まだ決まっておりませんので、きょうから議論をスタートでございますので、本当に私も、先生のブログ等を拝見しても、この番号制については、認識を一致しているというか、大変賛成でございますので、できるだけ早く出してもらいたいなと思っております。
○あべ委員 来年度予算に入る時期に、この番号制における法案は出ますか。
○安住国務大臣 それは、早ければ今国会中ということだってあり得るかもしれません。 ですから、先生、それはまだわからないので、急ぎますので、ここら辺で御容赦いただければありがたいなと思っています。
○あべ委員 御容赦と言われて終わるようだったら委員会は成り立たないわけでございます。 さらに、特に来年度予算に間に合わなかったら、前回出した大綱がもう既に破綻し始めていると私は思っております。きょうから始めたからということは言いわけにならないわけでございまして、もう政権交代して二年たち、そのマニフェストが全く進んでいない。検討中、検討中で、前進どころか後退している部分もあるということを考えたときに、これはしっかりと出していただかなければいけない。 特に、民主党のマニフェストの中に書いてありました歳入庁、あれは一体どうなったんですか、大臣。
○五十嵐副大臣 確かに、歳入庁はマニフェストに入っておりますが、検討すべき事項がかなりありますので、引き続き検討をさせていただいております。
○あべ委員 もう検討中は委員会では禁止の用語にしたいと私は思います。特に、検討、検討と言って、マニフェストに書いてあった歳入庁、私は実は、これはいい考えではないかと思ったんですね。考えとしてはよかったんですが、だんだんだんだんその書きぶりが縮小していっているんです。後退していって、委員会で質問するたびに検討中、検討中と言っている。進展どころか、一歩も進んでいないどころか、後退しているんですね。 ですから、ここのところは早目に明確に整理を、いつまで検討しますか、副大臣。今、検討と言いましたから、いつまで検討するかをお答えください。
○五十嵐副大臣 かなり検討すべき事項が多うございますので、時期を限ることは、残念ながら、できません。
○あべ委員 副大臣、では、マニフェストに書いた段階で全く検討していなかったから、今こういう状態になって検討が必要になったということの理解でよろしいですか。
○五十嵐副大臣 いや、全く検討していなかったということではございません。 これまでの状況も変わってきております。社会保険庁から年金機構に変わっておりますし、いろいろな、年金の記録漏れの問題もございますし、さまざまな変化が起きておりますので、それに応じて、新たな、必要な検討事項も出てきております。 もともと私が歳入庁を設立することが構想だと言い始めた一人でございますので、以前からその必要性は感じておりますけれども、なかなか難しい面がございます。
○あべ委員 社会保険庁が年金機構に変わったのは政権交代の前からですから。ですから、検討が足りなかったということですね、副大臣。 副大臣がその歳入庁の発案者だとすれば、マニフェストに書いた段階の歳入庁のときの検討と政府側に入ったときの検討の状況では、一体何が難しい壁が出てきたのか、教えてください。
○五十嵐副大臣 まず、税と社会保障の一体改革の状況を見る必要がございます。社会保険方式から税方式にシフトをしていくということですから、それによって、組織の規模も変わってまいります。必要の度合い、それから考慮すべき事項もかなり変化をしてくると思います。 また、年金の一元化のあり方、また進み方、これについても国民合意を得ていかなければならないと思いますし、やはりそう簡単にできないという面は確かにあって、そういう意味では、歳入庁構想を打ち上げましたけれども、そのときに、そうした波及する事柄について完璧に検討して打ち上げたかというと、足りない部分があったということは確かだと思います。
○あべ委員 私の記憶によると、今副大臣がおっしゃった年金税方式さらには年金一元化は、マニフェストの中に入っているわけです。 そうすると、全体の整合性を全く見ずに書き込んでいったということの理解でよろしいですか。
○五十嵐副大臣 整合性を見ないでということではないと思いますが、当初考えていた状況よりも幅広い検討が必要になったということだと思います。
○あべ委員 では、マニフェストを考えた段階は視野が非常に狭かったということでよろしいですか。
○五十嵐副大臣 足りない部分があったということは認めます。
○あべ委員 この社会保障番号、特に新しい年金制度、さまざまな部分で必要な部分でございますし、歳入庁の設置が前提であるかどうかということは非常に大きな影響を及ぼすものだと私は思っております。 特に、今回の社会保障番号の導入に関して、私はクラウドにするかどうかというシステム上の問題は物すごく大きいと思っておりますが、安住大臣、この社会保障番号に関しては、クラウドの導入をセットで行われますか。
○安住国務大臣 なかなかこの問題は、これから制度設計の中で議論が出てくると思いますが、ウィキリークスの話を思い起こすと、アメリカなんかは、かなりオープン化した結果、二等兵ぐらいでも、アクセスをすれば、あれぐらいの外交文書がアフガニスタンの兵士でも読めたと。 そういうことで、一元化については、情報の管理をどこまでやるかという非常に難しい問題がありますが、機密性の保持からいうと、先生の御指摘のような、我々も言っていた歳入庁なりがもしできれば、そこでしっかりと管理をしていくということが適切だと思っております。
○あべ委員 実は、この社会保障番号は、クラウドの話は、出たり、消えたり、出てきたりしているわけであります。なぜか。それは、省庁の再編に連動するからであります。セキュリティーの問題はいつも、役所が、セキュリティーの問題があるからクラウドは無理だということもあります。また、各省庁が使っているPCのソフトがそれぞれ違っているという問題もあります。 そういうところを打破しながら、この社会保障番号をシームレスにしていく。国民に利便性のあるためには、私はクラウドを入れなければ全く意味がないに近いと思いますが、安住大臣、これは、クラウドを必ず一緒に、セットで、社会保障番号を入れてくださるということをお誓いいただけますか。
○安住国務大臣 お誓いはいただけないんですけれども、ただ、共有してこれを使っていわば利便性を高めていくということは十分必要であって、そういう点からのクラウドはいいと思います。 他方、先ほど私はウィキリークスのことをちょっと紹介させていただいたように、本当に、情報の共有化と情報漏えいというのは、違う問題ではありますけれども、しかし表裏があるわけですから、そういうことを慎重に考えながらやっていって、国民にとっても、またそれを利用させていただく省庁間でも、利便性を図っていくようにしたいと思っております。
○あべ委員 セキュリティーの問題とクラウドの問題と、また個人情報の問題と、非常に混在をしているところでございますが、しかしながら、一体国民にとって大切なものが何なのかということをしっかり考えながら、この点は検討を進めていただけたらというふうに思います。 時間がもうございませんが、最後に、医療保険に関して金融庁にお尋ねしたいというふうに思います。 大臣は結構でございます。このお話に関しましては、自見大臣のお話は何度も聞かせていただきましたので、きょうは、金融の副大臣にお尋ねしたいと思います。 金融庁、医療保険に関して、どういう見地から監督をしていますか。
○中塚副大臣 医療保険もそうですが、民間の保険会社が販売する保険ということについてですけれども、診療費の自己負担分や差額ベッド料等を保障する保険商品で、公的医療保険を補完し、一定の保険契約等のニーズと利便にかなうものであるというものについて、保険契約の内容が保険契約者等の保護に欠けるおそれがないか、保険料や責任準備金の算出方法が保険数理に基づき合理的かつ妥当なものとなっているかなどの観点から、商品の適正性について審査、認可を行っております。
○あべ委員 では、副大臣、保険に対する広告規制をどうやっているのか。誇大広告がないかどうかをどのように見ているのかを教えてください。
○中塚副大臣 保険会社は、顧客の知識、経験、財産の状況及び取引を行う目的を踏まえた重要な事項の顧客への説明、その他の健全かつ適切な業務の運営を確保するための措置を講ずることが求められております。このため、保険会社は、顧客のニーズに合致した保険募集をするため、必要に応じ、バイヤーズガイド等の資料を用いて公的医療保険制度の説明を行う体制を整備しているということであります。 金融庁としては、引き続き、保険会社に対して、顧客のニーズに合致した保険契約が締結できるように、顧客への積極的な情報提供を促してまいりたい、そのように考えております。
○あべ委員 顧客のニーズと、さらには顧客が実際使うことができるサービスというのは、非常に乖離があります。 副大臣、特にこのことに関しまして、広告規制を強化すべきではないかと私は思いますが、いかがでしょうか。
○中塚副大臣 民間保険会社が医療保険などの募集広告において公的医療保険に言及する場合には、その保障範囲について、消費者の誤解を招かないように配慮をしていただかなければなりません。この点に関しては、平成十八年に厚生労働省から保険業界に対して要請が行われているところでもございます。 これも踏まえて、各保険会社において社内周知徹底が行われているものと承知をしておりますが、当庁としても、募集等において、民間の医療保険及び公的医療保険の保障内容等について、消費者の誤解を招く表示が行われていないかを引き続き注視してまいりたい、そのように考えております。
○あべ委員 これは、各家庭、かなりの金額を割いているものでありますし、実際、社会保障の補完システムになっていない部分がある。このことを考えましたときに、私は、さらに質問させていただきたいと思いますが、時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。
○海江田委員長 次に、竹内譲君。
○竹内委員 公明党の竹内譲でございます。 それでは、大臣所信に対する質疑ということで始めさせていただきますが、今回の安住大臣の所信を拝見しておりますと、平成二十三年度第三次補正予算ということもこの中に入っておりますので、私の方からは、まずこの点からお聞きをしていきたいというふうに思っております。 我が党も、本当にこの三・一一の大震災以降、何とかしなければいけない、復旧復興を急がなければならない、こういうことで全力で取り組んできたところでございます。ただ、残念ながら、私どもの国会議員が被災地には少のうございますので、井上幹事長ぐらいしかいないということもありまして、我が党といたしましては、大体三十名ぐらいの議員が被災地三県に張りつきまして、担当をいただきまして、毎月一回程度は現地に入って、さまざまな調査をしたり、また御要望をお聞きしたり、その点を法案や予算に反映していく、こういう活動をしてきたところでございます。 私も被災地の各県には全部参りましたけれども、特に、党の方から、宮城県の気仙沼市と南三陸町を担当せよという命令をいただいておるものですから、何度か現地の方にも出向いて、さまざまな活動をしてきたところでございます。本当にもうこれは大変な状況でございます。さまざまな、それを予算や法案修正にも反映してきたというふうに思っておりますけれども、いまだに私も、津波のお話とか現地でのお話を聞いて、夢にまで見るというか、そのぐらい胸に詰まるような、そういう大変な思いをしているところでございます。 そういうことを前提とした上で、まずお伺いをしたいんですが、まだ正式にはこの予算案は、二十八日ということであります。また、財源確保法もそれ以降ということでございます。ですが、報道等によりますと、今回は、第三次補正予算において、財源確保しなければいけないということで、増税案が既に発表されております。 まず、政府、安住大臣として、今回の増税を必要とする理由につきまして、どのようにお考えでしょうか。
○安住国務大臣 先生には、郷里の気仙沼や南三陸に、本当に毎月入っていただいて活動していただいておりますことを、改めて御礼を申し上げます。本当に、井上幹事長ほか、日ごろ大変歩いていただきまして、いろいろな貴重な提言をいただいていることも感謝を申し上げたいと思います。 さて、今回の予算につきましては、一次、二次と総額六兆、そして今回、九兆ちょっと、これは震災関係でございますけれども、やらせていただきました。これにプラスして、年金の二分の一負担分とB型肝炎対応ということで予算を盛り込ませていただいたわけでございますけれども、できるだけ税外収入を何とか出させていただいて賄うということでございますが、結果的には、どうしても税負担をお願いする部分が出てくる。 これはなぜなのかということでございますけれども、やはり総理が、我が党の代表選挙並びに財務大臣時代から御指摘があったように、今の災害を何とか現役世代で返させていただくと。この背景にはやはり、財政状況が悪化をして、国債の発行というものが対GDPの一九〇%近くにもなっている。こういう中にあって、二十兆近いお金をとりあえず集中復興期間で、今わかっているだけでもでございますけれども、十九兆円になんなんとする。これを、建設国債や特例公債でという意見も確かにありますけれども、しかしそれは、国債を積み上げることによって我が国の信認という問題がどうしても出てくるし、できれば、これは国民の皆さんの理解を得ればということでございますけれども、法人税や所得税にある程度上乗せをさせていただいて、許容範囲といいますか、経済に著しい影響を与えない範囲の中で、現役世代で何とか賄うことができないだろうかということで、今回、こうした案を出させていただいたというところでございます。
○竹内委員 今のお話を整理すると、できる限り現役世代でこの負担を賄いたいということと、非常に財政状況が悪化していて、一千兆円にもならんとする公債残高の累増の中では増税をお願いせざるを得ない、こういうお話ではないかというふうに思うんですが、この議論はこれからでございますので、何点か基本的なところをお聞きしたいと思うんです。 今、建設国債等のお話もありました。将来世代に借金の負担をツケ回すべきではないという議論ですよね。現役世代でというお話ですが、それでは、現役世代というのはどこからどこまでを指すのかというふうに言われたときには、どのようにお答えになりますか。
○安住国務大臣 やはり基本的には、今を生きる人たちということだと思います。 そして、今回税負担をお願いするのは、所得税の課税対象者並びに法人税ということになるわけです。たばこを吸っておられる喫煙者ということにもなりますけれども、基本的には、今現在払っている、さらに、この先、償還期限がどうなるかにもよりますが、私としては、できれば十年ぐらいを目途に償還期限を設定して、その十年のうちにそうした負担で何とかこの震災の財源を賄わせていただければありがたいというふうに思っております。
○竹内委員 今を生きる人たちという言い方をすると、税金を払っている人は十五歳過ぎぐらいから六十五ぐらいまで払うことになって、ざっと五十年はいいんじゃないかと。 そうすると、一部で言われているように、五十年償還とか六十年償還でもいいんじゃないかということになると思いますが、こういうふうに言われたとき、どういうふうにお答えになりますか。
○安住国務大臣 それはやはり財政規律の問題等がございまして、そんな長さは念頭にありません。 本当に、そういう点では、先生、私は今、四十九歳と十カ月なんですね。だから、十年だとちょうど私は六十歳まで、十五年だと六十五歳ぐらい、こういうことで自分としては大体理解をしているわけです。 現役世代といっても、今生まれた人から九十歳、百歳のおばあちゃんまで、もちろん、私は現役だとは思いますけれども、その中で、今私が申し上げたように、所得税の課税というものをどれぐらいの期間をターゲットにするかということで、大体、大まか十年ということを提案させていただいて、今三党で話をしていただいております。多少の幅はあると思いますけれども、常識的な対応で考えれば、十年からプラス何年間ぐらいじゃないかなというふうに思っております。
○竹内委員 建設国債を主張する方々も多いわけですよね。それはなぜかというと、将来世代にも便益がもたらされる。 そういう意味では、公共事業対象経費については建設国債で賄うべきであるという理屈がありますが、これに対してはどういうふうにお答えになりますか。
○五十嵐副大臣 何でもないときはその考え方でいいんだと思いますが、今、借金返しを除く一般歳出が七十一兆円のうち、半分以上、四十四兆三千億円を借金で賄っているという国において、これ以上借金を重ねることは、もはや日本は財政の健全化をあきらめたと、債券市場の、マーケットの信認を失うおそれが非常に大きい。 ですから、あくまでも財政再建の道筋を邪魔しない、そういう範囲内に今回の復興債を置いていただく必要がある、そういう認識をしていただく必要がある。そこで、別建てにするということが必要で、そのためにしっかりした裏打ちの財源を別途用意するということになっているわけでございます。 これを通常と同じように六十年償還というような考え方にしますと、そこまで政治は責任を持てないでしょうということになりますので、これは恒久化とほとんど同じになってまいるということもありますし、基本的に、短期間で借金を回収できる見通しを立てて別建てにする、別の建て方にするということで債券市場の信認を得る、こういう考え方になっていると思います。
○竹内委員 債券市場の方々からのヒアリングというのはされましたか。
○五十嵐副大臣 財政審等で考え方も伺っておりますが、とにかく、今の債券のあり方は異常であるということでは一致をしていると思います。できるだけ短期間にこれを償還できるという仕組みが望ましい、そうお考えになっているマーケットの方々が多い。国自体の信認が揺らぐことになれば金利がはね上がる、また、それが日本の財政に大きな悪影響を及ぼすということは当然あり得るということだと思います。
○竹内委員 我々もいろいろお伺いしておりますが、いろいろな意見はあるわけであります。それをわかった上で聞いておるんですが、この予算論議の最初ですので、あえてお聞きしておきたいんです。 質問通告しておりますが、今回の第三次補正予算の中で公共事業対象経費というのはどのぐらいの金額になるというふうに。
○安住国務大臣 建設国債をもし機械的に当てはめて当てはまるようなものということになりますと、大体四兆円ぐらいじゃないかというふうに思っています。
○竹内委員 十二兆の中の四兆円、こういうことでよろしいですね。
○安住国務大臣 本当に機械的に公債発行対象経費、これは本当は復興債ですから区別はないんですが、先ほど五十嵐副大臣も言いましたが、通常であればということを前提に言えば、公共事業等の追加が一兆四千、それから災害関係の融資、経費が六千七百、ちょっと端数は切ります。それから東日本大震災復興交付金一兆六千、それから全国防災対策五千七百ということだと思います。
○竹内委員 さらにもう少しお聞きしますが、一方で赤字国債も、過日この委員会で法案を通しましたけれども、今年度でも三十七兆円発行される。それについては財源を担保することがなしに、今回の補正予算のみ増税をするのは意味がないんじゃないかという意見もありますが、これに対してはどのようにお答えされますか。
○安住国務大臣 そういう議論もあると思いますけれども、私も国対委員長として四月二十九日からの三党合意等はかかわってまいりましたが、この中でも、やはり復興を賄うための財源の手当てというものをきちっとしようじゃないかということは、民主、自民、公明で合意をしております。そういう点からいうと、やはり、通常の国債発行ではなくて、償還のちゃんと担保したものを発行するということをやっていかなければならない。 私は、そういう点からいえば、最初に言った現役世代でしっかり払っていくということと相まって、今回この財源をやはり手当てするということは、流れに沿うものであるし、国民の理解も得られるものだというふうに思っております。
○竹内委員 恐らく、財務省が海外等に発表される、あるいは国内でも発表されるさまざまな資料は、この復興債というのを別枠にきちっと書く必要があると思うんですね、通常の国債とは別に。それで、それは増税の引き当てがあるんだということをやはり内外のマーケットの方々に明確にする、そういうことが大事なんでしょうね。 ちょっと整理いたしますと、私どもは、余り三党協議とかそういうことをここで言いたくはないんですね。やはり、この財務金融委員会の議論で一つ一つ確認をしていきたいというふうに思っています。 その上で、今回のポイントは、一つは、やはり被災地の復旧復興のためであるという、この未曾有の大震災の復旧復興を図るという必要性、ここをやはり強調していく必要があるんだと思うんですね。そしてなおかつ、被災者の方々に安心感を与えるという要素が一つあるんだろうというふうに思っています。 もう一つは、先ほどからおっしゃっているような、国債発行の抑制、管理ということを日本としても事あるごとにやっていますよということを内外に発信する必要がある、こういうポイントがあるんじゃないか、こういうふうに思っています。 この問題につきましては、このぐらいにしておきたいと思います。 次に、財政再建について御質問したいと思いますが、財政悪化の原因については、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○安住国務大臣 私、国会議員になって十五年たちまして、十六年目に入ったんですけれども、自分の皮膚感覚で話をさせていただくと、当時から比べて、やはり日本の少子高齢化というのは大変なスピードで進展をしている中で、財政経済的なことも含めて言えば、旧来の公共事業型の景気喚起策というのをやってきたわけです。しかし、財政的にはそれが悪化の一途をたどって、なかなか経済構造を転換してという根治治療ができなかった。そういう中で累積債務をどんどんと重ねてしまって、現在、対GDP比で長期債務残高は一八九%になっているということでございます。 国が上がれば、当然、地方の債務もそれだけ上がってくるわけですけれども、バブルがあって、その後の不良債権処理等に相当てこずりましたが、あわせて、本当であれば、構造改革というものもやはりある程度して、日本の社会というものを、少子高齢化社会に向けた税と社会保障の改革を含めて、早目早目に手を打たなければならなかったんだと思うんです。 しかし、それは当然痛みを伴いますから、その痛みを結局避けてきてしまった。そのかわり、補正予算に代表される、公共事業を中心とした、いわば痛みを伴わない、その場しのぎと言っては怒られますけれども、経済的な財政支出によって何とかその場しのぎでやってきましたけれども、ついぞそれは根治治療に至らず、今日に至っているのではないかなというふうに思っています。 社会保障全体を見ても、急激な歳出の増加というのはこの少子高齢化を象徴づけているものでありますし、今後この流れがとまらないわけですから、そういう点では、財政悪化の中で、財政の健全化、また持続可能な社会保障をどうつくっていくかということから、もうどこの政党が政権をとっても逃げられない状況にあるのではないかというふうな認識を持っております。
○竹内委員 大体そのようなお答えになろうかと思っておったんです。 そこで、資料をきょう配付させていただいております。「公債残高の増加要因」ということで、これは財務省の方がおつくりになったものでありまして、ここに非常にクリアに分析されていると思うんですね。 平成二年度末から二十三年度末にかけての公債残高増加額が約五百兆円である。その分析は、歳出の増加要因が二百十六兆円ぐらいで、内訳は公共事業関係費が六十一兆円、社会保障関係費が百六十五兆円。それから、税収等の減少要因が百七十七兆円とありますが、その下に、景気の低迷や累次の減税等による税収減というので二百二十三兆円。大体、大きなものはこういうふうになっているわけであります。 どうも昔から、財務省の事務方の方々は厚生労働省の方々とよくけんかをされるそうでありまして、公債残高の累増要因は、財務省の方は社会保障だというふうにおっしゃるし、厚生労働省の方はそうじゃないというふうに反論されるという話はよく聞いている話です。しかし、これをよくよく見ると、確かに社会保障関係費百六十五兆円とありますが、それ以上に、下の、景気の低迷や累次の減税等による税収減というところの方が大きいんですよね。 つまり、経済政策のあり方とか、それから不況時の税制のあり方というものの方が実は累増要因としては大きいということを、財務省みずから認めているのではないか。よく公共事業が悪かったというふうにおっしゃいますが、実はそれは六十一兆円分しかないということもしっかりと書かれているわけですね、ここに。そういうことを踏まえて考えないといけない。 そうすると、今回の所信の中でも、経済財政運営に関する基本的な考え方のところで、三行目に「また、高齢化の急速な進展による社会保障費の急増等も背景に、」ということで、何か少子高齢化がすべての原因だと推測されるような表現がちょっと強調され過ぎているのではないか。よくよく、この財務省みずからの分析を見てみると、それ以外の経済要因の方が大きいのではないかというふうに思うわけです。 実際に、平成二年以降ですから、平成三年のバブル崩壊以後は、不良債権処理、バブル崩壊による景気低迷、それから平成十年近くは金融不況、大変な金融不況がありました。それから、平成十年代に入ってからはITバブルの崩壊というのもありましたし、一時、小泉さんのときに景気回復してきましたけれども、今度はリーマン・ショックでやられた。こういうことで、やはり経済政策というもの、不況時の経済対応、そして不況時の税制というものをよくよく反省して考えなければいけない、これは我が公明党も反省しなければならないところであります。 そこで、社会保障につきましては、確かにそれは要因としてはあるんですが、社会保障費というのは保険制度との兼ね合いもありますから、保険制度とのバランスということもありますので、一概にすべてを高齢化というふうに決めつけてしまうのは非常にちょっと気の毒な面があるというふうに思います。 その上で、大臣としては、今後の財政再建の手法についてはどのようにお考えでしょうか。
○安住国務大臣 御指摘のとおり、例えば所得税にちょっと例をとりますと、二十三年度で十三・五兆でございますが、実はこれがピーク時で二十七兆だったんですね、先生、平成三年当時で。その後、世界の流れの中でフラット化をしたわけですけれども、やはり税の機能といいますか、再分配機能を考えたときに、これだけ高齢化をした中で、シャウプ勧告以来、所得税は我が国にとって基幹税でありましたけれども、このフラット化が税収に大きな影響を与えたことが端的な例で、やはり象徴的だと思います。 それと同時に、ある意味で、これは批判じゃないんですが、直間比率の見直しをやるときに、直接税の減税先行というのをやったわけですね。それで、結局、間接税を上げてプラマイ・ゼロですよというような政治的な判断でこれをずっとやってきたわけです。確かに消費税を上げるのはとても大変なわけで、しかし、少子高齢化社会が来ることはもう二十年も前からわかっていたわけですから、そういう意味では、やはり間接税で安定財源を福祉にきちっと回すという仕組みをつくればよかったんですが、それが率直に言って中途半端になってしまったということは言えると思います。 ですから、今後のことも含めて申し上げると、やはり社会保障の安心、安全というものをどう構築するかということがひとしく、今度は景気の上下といいますか、景気がよくなることも悪くなることも含めて、やはり将来に対する安心感というものをしっかり持つ社会をつくるということが大事だというふうに私は思っております。 ですから、消費税のことだけクローズアップされますけれども、ここでやはり所得税や法人税や、さまざまな戦後培ってきたこの税収構造というものを、高齢化社会に合わせたものに変えていきながら、安定した財源の確保というものを図っていくことが今必要なのではないかというふうに思っております。
○竹内委員 消費税、一回上げておるんですよね、三%から五%に。しかし、余り財政再建には寄与していないんですね。 ここは明確にしておかなければいけないんですが、やはり消費税は社会保障の安心のために確保すべき財源である、財政再建のためではないということはまず明確にしておかないといけないというふうに思います。 その上で、財政再建の手法というのは、今お尋ねしたんですが、増税の話が中心だったと思うんですが、そうではなくて、この要因分析からも、やはりまず一つ、経済成長を図る。それから二つ目に、歳出削減をやる、無駄を見直す。三つ目に、増税も検討する。四つ目に、やはり民間活力、民間手法の導入も考えないといけないというふうに思うんですね。 私は実は、財政再建だけ図ろうと思えば、幾ら消費税を上げてもこれは無理だと思います。増税、消費税だけで財政再建を図ろうというのは、なかなかそれでも困難だろうと思うんですね、社会保障財源にはなり得ても。根本的に、今申し上げたようなことをいろいろやっていくしかない。 きょうは、民間手法の活用ということで、今まで、前の野田財務大臣のときから私は何回もこの場で申し上げておりまして、利益を生む事業につきましては、今後、まずPFIやレベニュー債などの民間手法を検討すべきである、こういうことを訴えてまいりました。その意味で、まず財務大臣の御見解を賜りたいと思います。
○安住国務大臣 ちょっと話が戻りますが、私も、消費税というのはやはり社会保障にしっかりと特化して、国民の皆さんからお預かりしたこの消費税は国民の皆さんにきちっと還元をするということを信じてもらえるような機能をしっかり備えて、国民の皆さんに納得してもらうということが大事だと思いますので、そこは私も先生と同じでございます。 さて、先生からのお尋ねのことでございますが、こうした財政状況の中では、PFI等は非常に有効なやり方であるというふうに思っております。 二十二年度末の累計では、文化、教育関係や生活、福祉、それから健康、環境、これは斎場とか医療施設とかですね、いろいろな意味で、役所の宿舎、庁舎等々を含めて、地方を含めて三百七十五件、事業費で計三兆円を超すPFI事業が取り入れられております。 財政負担の軽減等を考えれば、十分、今後も検討していく余地はあるというふうに思っております。
○竹内委員 レベニュー債というのがありまして、これももうここにいらっしゃる方々には、かなり何回も私お話ししておるんですけれども、安住大臣の前では初めてなんですが、アメリカでは大変よく使われている手法で、毎年二十兆円ぐらい発行されているというふうに言われています。 ヤンキースタジアムであるとか、アメリカのさまざまな病院であるとか上下水道であるとか、それから高速道路であるとか、その事業収益で償還できるものについてはかなり使われているというふうに言われています。しかもそれは、アメリカの場合、政府や地方政府が保証していないということでありますから、完全に公債から切り離された存在でありまして、それで公共的な事業を回しているわけであります。 アメリカにできて日本にできないはずはないと私は思うんですけれども、まず茨城県あたりでも今、この十月にでも産業廃棄物処理場をこのレベニュー債を使ってやるということが始められております。 野田総理は、財務大臣のときに、財務大臣として研究したいというふうに明言されましたので、その後の研究成果がどのようになっているか、お答えいただきたいと思います。
○安住国務大臣 先生とこの間お話しさせていただいたときに、じゃ、調べますと言いましたので、至急アメリカの例も調べてもらいまして、何例かちょっと。ただ、ちょっと怒られるかもしれないですけれども、結構デフォルトの事例が多いですね。 ワシントン州でスポケーン・ダウンタウン基金というのが、駐車場の管理等でこれをやって、だめだった。それから、ニューヨーク州でも二〇〇三年に、キケロ地方開発公社、ここでも実はデフォルトをしている。ラスベガスのモノレールも、これはネバダ州ですけれども、二〇一〇年、やはりデフォルトをしている。それから、アラバマ州のジェファーソン郡というところで下水道事業に使って、やはりこれもちょっと厳しかった。しかし他方、ヤンキースタジアムはうまくいっている。つまり、多分プラスマイナス、それぞれあるんだろうなと思うんです。 私も先生からお話を聞いた後に、役所に戻って関係者にいろいろ聞きましたけれども、事業目的別の歳入事業というのは、日本のような、地方債を自治体の権限で発行して集めて、この中で自治体が政策判断でこれとこれにこれを充てるというやり方は今までやってきたんですね。ところが、利潤性の高いものだけをピックアップしてこれをレベニュー債でやるというのは、一つの考え方として、私はあると思います。 他方、青森県なんかは逆に導入を見送って地方債でこれをやるというのは、多分、それだけに特化した債券はいいかもしれないけれども、ほかの債券が売れなくなるとか、県全体のバランスからいったときにどういうふうに債券を回すのか、そういう課題は今あるのではないかなと思います。 ただ、今まで全くそういう話がなかったわけでございますが、先生からの御指摘を受けて、それぞれの地方で研究に一歩踏み出したことは事実でございますので、今後、そうした地方の動きをよく見守りながら、導入するところに対しては、やはりうまくいくようにいろいろ助言をしていきたいというふうに思っています。
○竹内委員 事業の利回りが確保できるかどうかということが大事だと思うんですよね。ですから、もともと事業性が低い、お客さんがついてこないというようなところは、やはりどうしてもそれは公債でやるしかないんですよ。それはやむを得ない。 ただ、いろいろあるわけですよね。そこを見きわめるということが大事でありまして、それはやはりきちっと見きわめて、できるものはやっていくのが筋じゃないか。そういうものまで裏負担して、甘い甘い管理をしている地方はいっぱいあるんですよ。私も地方議員もやりましたけれども、国会議員をやって地方議員をやっておるんですが、非常によくわかる、それだけによくわかるところがあるわけです。 ですから、地方公営企業の甘さ、甘さゆえに非常に人件費もふえて、補助金だけもらっている、収益は全然改善されない。それだったら最初からもっと厳しくやった方が、民間手法を取り入れた方が、裏負担も必要ない、補助金も必要ない、財政がかなりよくなるケースはありますよね。財政援助をもらって帳じりを合わせるために何とか収支とんとんにしているとか、そういう事業はいっぱいあるんですよ、世の中には。そういうことをぜひ知っていただきたいと思うんですね。 そういう意味では、やはり財務省は、これだけ、一千兆円、国、地方を入れたらもっと、一千兆円をはるかに超えるわけですから、ここはやはり財務省が主導して、事業収益を生むものは基本的に公債じゃなくて民間手法でやれ、そういう財政再建法をつくるというぐらいの意気込みでやってもらいたいと思うんですけれども、いかがですか。
○安住国務大臣 地方自治に逆行するとおしかりを受けるかもしれませんが、しかし、本当に無駄な公共事業等を、先生は地方議員としての実績からいって、やっているんだというお話で、全く、多分そうだろうと。私は地方のことは余り、本当に詳しくないので、地方議員はやっていませんけれども。 先生に言われると大変説得力がございますので、無駄を撲滅するのは財務省の悲願でございますので、ぜひいろいろな方法を使いながらやりたいとは思いますが、地方自治を侵害しないようにうまくやらせていただきたいと思いますし、また、そういう法律が必要だというのであれば、ぜひ三党で話をしてもらうなり、公明党と民主党で話し合いをさせていただければと思っております。
○竹内委員 最初に申し上げたように、財務金融委員会ですから、ここはすべての委員が、政党が平等の場でありますから、三党でとか、民主党と公明党とか、そういうことはあり得ないわけであります。 いずれにしても、財政再建に当たっては、国だけじゃなくて、地方のあり方というものをやはりしっかりと見直していく必要はあると思いますよ。地方の知事さん、分権で財源と権限をよこせとよくおっしゃいますけれども、その分やはり責任を持ってもらわないといけないし、それから、財政再建についても地方もしっかりと責任を持つんだ、このぐらいのことを言ってもらわないとだめだと思うんですね。我々は当然言っていますけれども、財務大臣からもやはり言ってもらいたいと思いますね。その上で、しっかりと財政改革、再建、地方も取り組んでもらいたいというふうに思うんですね。 次に移ります。 社会保障と税の一体改革でございますが、先ほど質問もありまして、財務大臣としてはできるだけ早く社会保障財源確保のために五%引き上げる法案を出したい、このようにおっしゃったわけでありますが、これは間違いないですね。
○安住国務大臣 間違いございません。 ぜひ、国民の皆さんの理解を得て、私は、先生御指摘のように、社会保障に限る。ということはどういうことかといえば、お預かりしたお金を分配をしっかりと、逆に国民の皆さんに還元をするということをちゃんとお約束をし、いわば高級官僚が例えば懐に入れる給料に使うんだとか、国会議員の歳費に使うんだではなくて、きちっと社会保障目的のためにこれをシステムとしてやりますということを、透明性をしっかり確保した上で、私はぜひこれを社会保障の維持に充てさせていただきたいというふうに思っております。
○竹内委員 であるならば、まず、医療、年金、介護等の社会保障関係の改革案につきまして、政府・民主党としての改革案をまとめて、その必要額を明らかにすることが先決であると考えますが、そのような段取りになっているんでしょうか。
○安住国務大臣 六月の三十日に税と社会保障の改革ということで案を出させてもらいました。ここでは、やはり五%を二〇一〇年代までにさらに上げさせていただいて一〇パーにする。これは、消費税引き上げに伴う社会保障支出等の増で一%、機能強化で三%、それから機能維持ということで一%相当が必要であろうというふうになっております。 今後、例えば先生の御指摘でいえば、年金の一元化を具体的にどうやるんだというようなことに対しては、先ほども答弁させていただきましたけれども、きょうから党でこの話し合いというものをさせていただいて、年末に向けて社会保障制度のあるべき姿というものを出していただく。それに伴って、見合いの財源がやはりどれぐらいかということは、五%ということは、大体の方針は出ているわけでございますけれども、これを具体に、先ほど言った枠の中でより詳細なところにこれを当てはめていくということをやっていきたいというふうに思っております。
○竹内委員 この六月三十日の社会保障・税一体改革成案、政府・与党社会保障改革検討本部決定というのは、実は拝見しておるんです。これは見ております。 これを拝見していますと、実は二〇一五年における財源不足額が大体十二・八兆円で、これに合わせるために五%上げるんだなというのはすぐわかるわけです。これをよくよくもうちょっと中身を見ると、年金改革案はすっぽり抜け落ちている。そのほかのところは、大体、現行制度の改善案、充実、重点化となっているんですね。ですから、これではちょっと根本的な問題があるというふうに思います。 特に、今財務大臣が先回りしておっしゃいました年金改革案につきましては、これをやればまた全然変わってくるわけですよね、はっきり言うと。全然必要額が変わってくるわけですから、これはなかなかそう簡単に我々も乗れる話ではないというふうに思いますが、いかがですか。
○安住国務大臣 正確に言えば、年内には、年金制度の一元化の問題で、より詳細な制度設計は、時間的には無理で難しいと思います。 ですから、今の制度を前提にした、国庫の二分の一負担を盛り込んだ今の案を踏襲して、これに対する見合い財源としての一%分の確保というものを我々としては目指しているということでございます。 ですから、今後の課題として、先生、これから何十年か先に年金の一元化をいつの時点からかシステム化するための制度設計というのは、非常に大きな課題として残っているというふうなことでございます。
○竹内委員 そうすると、これはやはり重大な問題だと思うんですね。 二〇〇九年の選挙のときに、やはり民主党さんのマニフェストの中では、年金改革というのは子ども手当と並ぶ最重要政策であったわけであります。これが無理だ、この三カ月ではそれが出せない、しかし、そのまま消費税だけ上げさせてくれ、これでは、なかなか国民は納得しないと思いますよ。それだったら、政権交代する必要はなかったんじゃないのというふうになりますよね。やはりテレビであれだけ皆さんが、最低保障年金、比例年金等とおっしゃったわけでありますから、そこを手つかずのまま消費税を上げさせてくれというのは、ちょっと無理だと思うんですよね。 やはり、それを上げるというのであれば、その前に解散・総選挙をやらなければいけないと思いますが、いかがですか。
○安住国務大臣 御存じのとおり、年金の問題というのは、一元化をするという方針には何ら揺らぎはないわけでございます。 ただし、この制度設計というのは、大変エネルギーと時間を要するものでございまして、それをやるために今の制度をとめるというわけにもいかないのが、先生、年金制度であるのです。 そういう点からいうと、例えば、では二分の一の国庫負担分をやめられるかといったら、やめられるわけがないので、現行制度をやはり何十年か、いずれにしたって、新しい制度ができても、これは維持することが必要なわけですから、今もらい続けている方々に対する支給と将来の制度設計というのは、やはり多少時間的なずれはどうしても生ずると思いますが、さきの総選挙で訴えた一元化というものは、ぜひ実現したいというふうに思っております。
○竹内委員 これは大事なところなんですけれども、要するに、あのとき、二〇〇九年選挙時には、財政の無駄を省けば、予算の組み替えによって二十兆円ぐらい出てくる、簡単に出てくるんだ、こういうふうにおっしゃっていたわけでありますから、消費税の引き上げの必要性はない、現行制度の修正、改善は、その無駄を省き、予算を組み替えることによってできるはずだというふうに国民はみんな思っていますよ、今。これはえらいことだと思うんですけれども、大臣、いかがですか。
○安住国務大臣 事業仕分け等でかなり無駄を省いたことも事実だと思います。ただし、二十兆まで行ったかと言われれば、それは現実にはそこまで行かなかったということに関しては、本当に国民の皆さんには申しわけないとは思います。 ただ、先生、年金は持続性が大事でございますので、単年度での無駄の削減だけで済むわけではないので、我々は総選挙において一元化という制度設計を訴えさせていただいたわけですね。 今後、厚生年金もそうですし、国民年金の今の若い人たちの保険料の不払い、そうしたことからいえば、また共済年金等も、制度的にやはりなかなかこの先難しいんじゃないかなということは国民の皆さんも感じておられるわけですから、何とか、何段かの段階を踏むかもしれませんけれども、国民にとってわかりやすく、利便性があり、透明性があって、なおかつ持続可能な制度というものをぜひつくっていきたいということで訴えさせていただいたので、そこの方針については全く変わりはないというふうに私は申し上げたいと思います。
○竹内委員 これは非常に重要な問題でして、二十兆円でも消費税八%分ぐらいになるわけですよね、財源が出てくれば。それで十分、今の制度改善は当面しのげるわけでありますから、まずここができないというのであれば、そこは相当はっきり明確に、国民に対して謝罪なり申し開きをする必要があるというふうに思います、年金に関しては。その上で、本来の筋からいくと、解散・総選挙をやらないといけないんだろうというふうに思います。 日本経済の課題とデフレにつきましてお伺いをする予定でございましたけれども、ちょっと中途半端になりそうですので、これで終わらせていただきます。 きょうはありがとうございました。
○海江田委員長 次に、佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。 安住大臣とはこれから復興財源の問題あるいは消費税増税の問題など非常に重要な課題について何度も議論をしなければならない、こう思っておりますが、きょうは、所信質疑ということでありますので、被災者の生活問題、税の集め方、こういう問題についてただしたいと思います。 まず確認ですけれども、昨日、就任あいさつで安住大臣は、最大かつ最優先の課題は東日本大震災からの復旧復興です、こう述べました。 私は、その場合、被災者の生活を再建する、それから中小業者、農漁業、いわゆるなりわいを再建する、これが基本だと思うんですね。 財務大臣はどういう姿勢で取り組もうとしておられるか、まず基本的な考えをお聞かせいただきたいと思います。
○安住国務大臣 やはり、できるだけ三月十一日の大震災の前、あの地震がない、普通の生活にできるだけ戻っていただく、経済活動も個人個人の生活も。 残念ながら、本当に何万という方が亡くなって、その人的な損害を取り戻すことはできません。ですから、身内を亡くしたり、そういう喪失感を我々がぬぐい去るなんということはとてもできるわけではないんですね。 ただ、地域社会のコミュニティーや、道路、橋、港湾等の例えばインフラ、それから人々の暮らし、こうしたものをあの理不尽な災害の前にできるだけ、一〇〇%戻すのはなかなか大変なことではございますけれども、戻すために、やはり政治というのは努力をしなければならないというふうな基本的な立場でございます。
○佐々木(憲)委員 そこで、被災者に対して国が支給するさまざまな手当というものがあります。被災者の生活支援のための支給もありますし、年金ですとか子ども手当、あるいは生活保護、こういう現金の支給というものもあるわけです。 一番大事なことは、支給された金額がきちっと当事者に渡るということがまず必要でありますし、それから、その目的どおりに使われるということが必要だと思うんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○安住国務大臣 国民の税金を使って政策的にそうした子ども手当、生活保護、年金等というのは設けられた仕組みでございますので、それに沿うお金の使い方というものは、理想的には、ぜひしていただきたいというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 そこで、具体的にお聞きします。 例えば子ども手当は、平成二十三年度における子ども手当の支給等に関する特別措置法、この法律の第十四条、受給権の保護で、差し押さえが禁止というふうにされております。 なぜ法律で差し押さえを禁止しているのか、その理由を厚労省から説明していただきたいと思います。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。 子ども手当の受給権は、児童手当も同じだったわけでございますけれども、他の社会保障給付と同様に、一身専属的な権利でございますことから、子ども手当特別措置法第十四条により、受給権の譲渡、担保の提供、差し押さえが禁止されているものでございます。
○佐々木(憲)委員 私はこれまで、この財務金融委員会で何度も取り上げてきましたけれども、地方自治体の滞納整理の実態を見ますと、児童手当あるいは子ども手当、これが銀行口座に振り込まれる、その直後に差し押さえが行われるということが少なくないわけです。この点について歴代の財務大臣に対して私は質問をしましたが、入金直後の差し押さえということについては問題があるという答弁がこれまでもありました。 配付資料を見ていただければわかりますけれども、一枚目ですね。例えば、二〇〇九年四月十七日の財務金融委員会で、与謝野財務大臣はこう答弁しているんですね。「児童手当とか児童福祉法で出すお金が具体的に子供たちの養育に使われるように、その目的が達成されることを主眼に置いた規定であって、権利の差し押さえはいけないけれども、具体的に支給されたものが実際使用できなくなるような状況にすることもまた禁止されているというふうに解釈することが正しいと私は思います。」と。 つまり、子ども手当が支給されたとき、その支給されたものが実際に使用できなくなる、その目的どおりに使えなくなる、こういうことをやってはならないということなんです。 子ども手当を支給した途端に、それをほかの理由で、この人は税金を滞納しているからぱかっと取っちゃう、差し押さえる、そういうことをやってはならないよというのがその基本的な考え方であります。 安住財務大臣も同じ考えかどうかを確認したいと思います。
○安住国務大臣 与謝野大臣と同じ考えでございます。
○佐々木(憲)委員 これは、きょう、総務大臣政務官、お見えですけれども、同じ考えかどうか、確認をしたいと思います。
○福田大臣政務官 お答えをさせていただきます。 これは、佐々木先生御承知のとおりでございますが、税については、負担の公平の観点から、必ず納めていただくのが原則だと思っています。しかし、滞納者やその家族の最低限度の生活の保障等の社会的配慮から、法律で一定の財産について差し押さえを禁止しているところだと思います。 法律上、児童手当を受ける権利については、児童手当法に基づき差し押さえが禁止されておりますが、同手当が銀行口座に振り込まれた後は、その性格は預金に変化をし、差し押さえは禁じられていないものと認識をいたしております。 滞納処分の実施に当たっては、滞納者の個別的、具体的な実情を踏まえ、滞納者の生活を著しく窮迫させるおそれがあるときなどにおいてはその執行を停止させることができるとされており、地方団体の税務当局の判断に基づき、適正に対応されるべきものと考えているところでございます。 以上でございます。
○佐々木(憲)委員 二〇〇三年五月二十八日の東京地裁の判決というのがありまして、これは年金の場合ですけれども、当該預貯金の原資が年金である、そういう識別、特定が可能である場合は、当該債権差し押さえは違法であるから、その取り立てた全額を債務者に返還すべき、こういう内容が確定しております。この判決は御存じですか。
○福田大臣政務官 御指摘の判決があることは承知をいたしております。
○佐々木(憲)委員 具体的に言いますと、例えば、銀行口座の残高が五十円しかない、そこに子ども手当が振り込まれる。ほかに差し押さえるべき財産がない。その銀行口座に子ども手当が一万三千円振り込まれて、残高が一万三千五十円、合わせてそうなった。この場合は、原資一万三千円が子ども手当だという、そういう識別、特定、これはどこから見てもはっきりしていると思いますけれども、政務官、どうですか。
○福田大臣政務官 多分、振り込まれたときまでは子ども手当なり児童手当なんだと思いますが、振り込まれた後は個人の預金ということになりますので、そこで考え方が違ってくる、そのように思っております。
○佐々木(憲)委員 いや、原資が特定できるということを聞いているわけです。特定できますよね、これは当然。
○福田大臣政務官 はい。原資はもちろん特定できるものと考えております。
○佐々木(憲)委員 ですから、判決は、原資が特定できる場合は、その差し押さえは違法である、つまり、差し押さえ禁止財産、そういうふうに認定をされて、それはもとに返さなければならない、そういう判決だということであります。 差し押さえ禁止規定のある子ども手当、児童手当、児童扶養手当などが銀行口座に入金された直後に、それをねらい撃ち的に差し押さえられると、受給者がそのお金を目的どおりに使えないということになるわけです。与謝野大臣が答弁したように、具体的に支給されたものが実際に使用できなくなるような状態にしてはならない、こういうことです。 もう一つ答弁を引用しますと、この一枚目の下の方にありますけれども、菅財務大臣のときに、「滞納者個々の実情に即して相当性があるかどうかを判断する必要がある」と。「例えば、預金残高のない口座に児童手当が振り込まれるのを待って、これをねらい撃ち的に差し押さえるようなことは、差し控えるべきと考えております。」下の方を見ますと、「実質上、ほとんど残高のない口座に振り込まれたものまで、まさにねらい撃ち的に差し押さえるというのは法の趣旨に反する、」こういうふうに言っているわけです。 福田政務官、後ろのいろいろな文書はもういいから。つまり、菅大臣の答弁は、ほとんど、預金口座に五十円とか四十円しかない、そこに子ども手当が振り込まれる、原資は子ども手当であるということは明確である、そういうものをターゲットにして差し押さえるというのは法の趣旨に反する、この大臣答弁、同じ考えなのかどうか、はっきりさせていただきたい。
○福田大臣政務官 最高裁の判決もございまして、判決にはいろいろ、地裁の判決などあるようでありますが、平成十年の二月十日の最高裁判決によりますと、国民年金、厚生年金、労災保険の給付は、銀行口座に振り込まれた時点で金融機関に対する預金債権に転化し、受給者の一般財産となり、差し押さえ禁止債権としての属性は承継しない、こういう判決がございまして、私も気持ちはよくわかりますけれども、しかし、この最高裁の判決などを考えますと、なかなか難しい問題かな、こう思っております。
○佐々木(憲)委員 いや、私が質問したのは、与謝野大臣の答弁、基本的にはそうだと言ったでしょう。先ほど紹介した菅大臣の答弁、この考え方があなたの考え方と同じかどうかと聞いているんですよ。いや、裁判の評価というのは別だ。今ここで答弁をされたわけです、財務金融委員会で。同じ政権の一員として同じ考えなのかどうか、そこを確認しているわけです。
○福田大臣政務官 気持ちは同じ気持ちでございますが、しかし、考え方がそのとおりいくというふうにはいかないと思っております。
○佐々木(憲)委員 気持ちというのは何ですか。菅大臣と同じ気持ちだということですか。
○福田大臣政務官 ぴったりイコールというわけにはいかない、こう思っております。
○佐々木(憲)委員 菅大臣の答弁などを見ても、ほとんど預金の残高のない、そこに子ども手当が入る、子ども手当は差し押さえ禁止財産である、こういう法律がある、そういうものをターゲットにして、入った途端に差し押さえるというのは控えなければならないと。 安住大臣、同じですか。どういう考えですか。
○安住国務大臣 個々の事例についてコメントする立場にはないので差し控えますけれども、少なくとも、国税の滞納整理に当たっては、滞納者個々の実情に即して、法令に基づいてきちっと対応する、またそういうふうにやっていると承知はしております。 例えば、残高のない預金口座への子ども手当の振り込みを待って、これをねらい撃ち的に差し押さえることは差し控えるべきであるというふうに考えております。
○佐々木(憲)委員 民主党政権になって、各自治体で、今のねらい撃ちとしか思えないような差し押さえというのはふえているわけです。 一つの事例を言いますと、例えば、私の事務所に、東日本大震災で被災した福島県郡山市の母子家庭のお母さんからの訴えが来ました。この方を仮にAさんといたしますと、この方は、ことしの五月に女の子を出産したわけです。現在、シングルマザーであります。 震災前には、自分が働いていた会社、その会社の社長から、出産後は赤ちゃんと一緒に住み込みで働いてもらっていいですよ、こう親切に言われていたわけですが、残念ながら、震災のため会社が操業できなくなって、働く場を失ったわけです。子供を預けて働こうとしても、公立の保育園にはあきがない。私立の保育園は月五万円を超えるため、とても利用できない。子ども手当が入金したら、滞納している軽自動車税を納付して、子供の服を買おう、こう思っていた。 Aさんは、子ども手当が支給された十月七日、朝九時ごろ、銀行のATMで引き落とそうとしましたら、市が国民健康保険税の滞納整理ということで五万二千四十三円全部差し押さえたということがわかって愕然とした。 資料を見ていただきたいと思います。この三枚目の資料、この方の了解を得てここに配付をさせていただいておりますが、上段と下段があります。上段の方を見ていただきますと、その一番下のところに、十月七日、「コオリヤマシコドモテアテ」、こう書いていますね。五万二千円。その前のところを見ますと、残金四十三円です。合わせて五万二千四十三円。これが、振り込まれた途端、十月七日、五万二千四十三円全部ごっそり差し押さえる、残高ゼロ。こういうことが現に行われているわけであります。 次のページを見ていただきたいんです。これは税務署の側の、郡山市の税当局であります。差押調書というのがありまして、「下記の債権を差し押さえます。」と。日付はどうですか。前の日ですよ、十月六日。つまり、十月七日に子ども手当が振り込まれることを事前に情報を得て、振り込まれた途端に引き出している。これはねらい撃ちにしたことは明らかであります。 安住大臣、被災地でこんなことが起こっていいんでしょうか。生活実態の調査も全然していないんです。いきなり、次の日の朝入る、それをねらい撃ちして取ってやろう、これはおかしいんじゃありませんか。どういうふうに思いますか。
○安住国務大臣 個別の事案についてコメントする立場にはございません。特に地方税にかかわることでございますので、事実関係を私自身が一言で言うと裏をとって話しているわけではございませんが、先生の資料だけを見ますと、ましてこの方がもしほかに預金や財産を所有していないとなれば、先ほど私が申し上げた、また与謝野大臣や菅大臣が申し上げた事例で言えば、これはちょっと、ねらい撃ちに当てはまるのではないかなという気がしております。
○佐々木(憲)委員 このほかにも、大分県佐伯市の三十代の方は、同じ十月七日に子ども手当が入金しましたけれども、地方税、これは国民健康保険料でありますが、滞納しているという理由で、その日のうちに差し押さえられております。残金数百円、その口座に子ども手当が入ったら、ねらって差し押さえられた、こういう訴えです。 東京都練馬区の四十代女性の方は、子ども手当、障害者の育成手当が振り込まれた。この直後、国保の滞納があるということで差し押さえられました。どんな手当であっても口座に入金されたら預貯金とみなしますと言われた、今月の生活ができないですと。 これは、子ども手当だけではありません。 昨年の十月には、大分県宇佐市で、国が支給した訓練・生活支援給付金というのがあるんです。それが振り込まれた直後に、国保税の滞納だというので、その整理で差し押さえられる。 この訓練・生活支援給付金というのは何かというと、雇用保険を受給できない人々、例えば非正規の離職者、長期失業者、もう雇用保険が給付できなくなる、そういう人に対してセーフティーネットとして国が職業訓練期間中に生活給付ということで一定金額を支給するものなんです。これには要件があって、財産も収入もない人ですよ。生活するに十分でないということを認定して、その上で無職の方に支援する、そういう資金なんですよ。これがなければ生きていけないというものですよ。それをいきなり、入金したら差し押さえた。これは余りにもひどい。 こうした差し押さえで共通しているのは、実態調査もしていないというのが一つです。まず相手の実情を調査しなければならぬのです。これは原則なんです。菅財務大臣のときの答弁は、まず相手の状況をよく調査しなきゃならぬ、それをしていないのは問題だ、こう言っています。 それから、所得が非常に低い方、年二百万円にも満たない家庭の方や母子家庭のなけなしの収入を差し押さえているということなんです。 安住大臣、民主党の政権公約というのは生活が第一だということではなかったんでしょうか。子ども手当、訓練・生活支援給付金というのは、まさに、所得の低い方とか無職で生活に非常に困っている、そういう人たちにとって大変大事なものであります。そういう人たちに給付する、生活を支えるというものじゃなかったんでしょうか。
○安住国務大臣 子ども手当については、やはり社会全体で子供を育てていこう、これは日本の財産ですから、特に少子高齢化時代においては、子宝といいますか、これはもう非常に人材としても有為に育てていく、それから、やはり産み育てる環境をちゃんとつくっていこうということでスタートをしました。 そのほかに、年金や生活保護の問題というのは、受給要件をちゃんと満たしているということを前提にして考えれば、やはり生活を保障するものでなければならないというふうに思います。 滞納の問題というのは、やはり滞納しておられる方にも何らかの問題があるということは、先生多分御存じだと思います。ですから、率直に言って不正もかなりありますから、そういう意味では、個人個人の事情をきちっととらまえて、そしてその上で、先ほどから申し上げているように、何かそれをねらい撃ちして、それが直ちに生活に直結をして暮らしが成り行かなくなるとか、そういうことは避けるべきだというのが、それぞれの受給に根拠を置いた法律には規定をされていますので、それを守りながら適正な徴税というものをしていかなければならないというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 福田政務官に確認しますが、渡辺副大臣に同じように聞いたことがあるんです、この前のときに。そうしたら、「一回口座に入ったというものは本人の財産ということになるわけでございますけれども、」「個々の事情があって、差し押さえられたら生きていけない、本当に食事もとることができないという、まさに非人道的な扱いをするようなことは絶対にあってはならない。」こういうふうに答弁されました。福田政務官も同じ気持ちですか。
○福田大臣政務官 佐々木先生がおっしゃるようなことは、そのとおりだと私も思います。しかし、先ほど安住大臣からも話がありましたように、個々の事情はいろいろ違うと思いますので、その辺はよく実態がわからないとコメントできないというふうに思います。
○佐々木(憲)委員 相手の状況を調査もせずやっているから問題なんですよ。調査した上で言うならわかりますよ。ああ、この人はほかに財産がある、ならいいだろうと。そういう調査もせず、一律に、相手の状況を考えずに、入ったらばあっと押さえているんですよ。ある市では五十件、ある市では百件、そういうやり方で、入ったらいきなり押さえる。引き出そうとしたら、もう残金ゼロ。何が相手の状況ですか。そんなことを何も調べもしないでやること自体が問題なんだ。調べもしないでそんなことはやらない、調べた上でしかできないと。 どうなんですか。そういう相手の実情を全く無視してやっていい、そういうことが言えますか。
○福田大臣政務官 調べないでやってもいいとは私も申し上げませんが、自治体の場合は多分ずっと長くその人を見ていると思いますので、そういった意味で、きっと総合的な観点からだったと思います。
○佐々木(憲)委員 長く見ていれば問題はないです。職員がたった三人しかいないけれども、差し押さえ三百件やっちゃうんだ。そういう税当局で、一体何が、相手の実情がわかるんですか。全くなってない。 確認したいんだけれども、総務省は、手当が支給された直後に差し押さえた件数、全国で何件あるか把握していますか。
○福田大臣政務官 平成二十一年度において都道府県が地方税の滞納で差し押さえをした件数は、二十万八千三百八十三件でございます。
○佐々木(憲)委員 私が聞いたのは、そのうち手当が支給された直後にそれを差し押さえたのは何件あるかと聞いたんです。
○福田大臣政務官 申しわけありませんが、これだけありますと、そうした事例については調査をいたしておりません。
○佐々木(憲)委員 相手の状況をよく調査して、生活が成り立たないような、そういう差し押さえは絶対にしてはならない、そういう趣旨を、差し押さえ禁止、そういう財産については差し押さえてはならない、このことを徹底するということで、確認をしたいと思います。
○福田大臣政務官 そういう意味では、よく個人の事情を調査した上で対応するようにというような指導をしたいと思います。
○佐々木(憲)委員 調査が前提である、必ず調査をするということであります。 厚労省に一つ確認だけしておきますが、子ども手当を受け取る場合、受け取る方法は何か規定があるんでしょうか。例えば銀行口座に必ず入れなきゃならぬとか、そういう受け取る方法の規定があれば教えていただきたいと思います。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。 子ども手当特別措置法においては、児童手当法や平成二十二年度子ども手当支給法と同様、具体的な手当の支払い方法は定めておりません。 支払い方法につきましては、その地方自治体の判断で口座振替による支払いをお願いするとしても、これは受給権者から申し出が必要となっておりまして、受給権者が口座振替を希望しない場合は窓口払いということになります。
○佐々木(憲)委員 例えば、受け取る側が、私はもう口座では受け取りたくないので窓口へ行って受け取りますと。これは当然認められるということですね、福田政務官。
○福田大臣政務官 おっしゃられるとおりだと思います。
○佐々木(憲)委員 いずれにしましても、今、私、取り上げてまいりましたけれども、国の方でそういう事例を私は聞いていないんです。自治体が多いんです。 これは、やはり基本的な考え方として、支給されたものがその目的のために使われる、それが大事なことであって、それを差し押さえて、その目的に使えないということはやってはならない。これはもう基本原則ですよ。それを逸脱して、今言ったようなさまざまな事例が起きている。それを是正するのが本来の総務省の役割だということを最後に述べて、質問を終わりたいと思います。
○海江田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十一分散会