厚生労働委員会 第2号
- 発言数
- 375 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2011/10/26
会議録
○池田委員長 これより会議を開きます。 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として総務省大臣官房審議官浜田敏彰君、外務省大臣官房審議官西塔雅彦君、厚生労働省医政局長大谷泰夫君、健康局長外山千也君、医薬食品局長木倉敬之君、老健局長宮島俊彦君、保険局長外口崇君、年金局長榮畑潤君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○池田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。 —————————————
○池田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。白石洋一君。
○白石委員 民主党の白石洋一です。 初めて質問させていただきます。このような機会をいただいたことに対して、関係する方々に御礼申し上げます。 先日、十月十一、十二と厚生労働委員会で派遣がありました。東日本大震災被災地における医療、労働、福祉の実態について、岩手県に十七人の委員と参って調査してまいりました。 そこでは、仮設の病院、そして住宅や高齢者サポートセンター、そして仮設の保育所で、住民の生活支援を期す方々を我々は印象深く拝見させていただき、心を打たれました。早急に第三次補正予算によってそのような方々の支援をさらに力強くしていただくことをお願い申し上げます。 その中で、県立高田病院にも参りました。 石木院長、奥さんを津波で亡くされた院長でございますが、多くの犠牲者を出されました。津波によって十二名、そして、その夜、三名の犠牲者を抱えたところでございます。 今は、仮設診療所で診療業務を行っております。そこでの今の課題というのは、訪問診療を強化したいということでありました。つまり、避難所や仮設住宅、そして在宅の住民の方々を訪問する。 そして、どのようなところを診るかというと、廃用症候群にかかっていないか。この廃用症候群というのは、安静状態が長期にわたって続くことによって起こるさまざまな心身の機能低下であります。そして、うつ病、さらにはアルコール依存症であります。 つまり、彼らは、ずっと家にいて、健康被害、特に心の病にかかっていないかということを気遣っていらっしゃるわけですね。 そして、もう一つは、釜石の仮設住宅にも参りました。平田地区というところです。 そこでは、一般ゾーンを一日に一回は巡回して見て回るということであります。その必要性というのは、やはり、無職の世帯が、閉じこもりであるとか対人関係の断絶、そして、うつ状態、過度のアルコールの摂取、こういったことがないかどうか巡回して見て回るということであります。 この病院、そして仮設住宅の運営を見るに、やはり、被災者の方々が日常生活をいち早く取り戻し、生きがいを創出していくということが重要だ、そのためには雇用がどうしても必要だというふうに感じました。 地元スーパーでも、雇用を少しずつ取り戻しつつある。閉店していた店をまた開いていくのに応じて、どんどんと雇用をふやしていくということであります。そこでは、やはり、パートの方々がなかなか集まらない、こういうこともありました。 そもそも、被災地で行われている、この第一次、第二次、そしてこれからの第三次の補正予算で行われる復旧復興事業の目的の第一というのは、地域インフラの復旧そして復興。これは物理的なものであります。そしてもう一つは、地域経済の活性化。つまり、いろいろな事業が動き出す、企業が活性化するということが二つ目。そして、最後に大事なことというのは、雇用であります。 特に、雇用は被災者にとって今一番必要とされている。仮設住宅にいる、あるいは在宅で診療を受けている方々、やはり、心の病気にならないためにも、被災者の雇用が必要であるということであります。 つまり、仕事の必要がある方々がたくさんおられて、そして我々は、仕事をつくるために第一次、第二次そして第三次と打ち手を打ってきているということ。であれば、そことマッチングさせるということが非常に大事だと思うんですね。 そこでお伺いします。 国、地方の復旧復興事業でどれだけの被災者の雇用に結びついているのか、この数字を教えていただけますでしょうか。
○津田大臣政務官 おはようございます。 お答え申し上げます。 被災した方々の雇用機会を地元で確保することは大変重要でありまして、「日本はひとつ」しごとプロジェクトの実施にこれまで全力を挙げて取り組んできたところでございます。 このプロジェクトによりまして、被災三県で前年比二〇%増の六万四千人以上がハローワークを通じて就職するなどの成果が出ております。また、そのうち、復旧復興事業にかかわる建設業の就職件数は六千五百二十四件と、前年同月の約一・七倍というふうになっております。 一方、求人者の求める技能水準や安定した雇用につきたいとの求職者ニーズとの間でミスマッチが生じているのも事実でございます。もとの仕事に戻りたいと思っても、その職場がまだ復旧していないということで、残念ですけれどもほかの職種につかざるを得ないという、あるいはそこで葛藤があるということでございます。このため、引き続き復旧復興事業の求人確保を進めるとともに、建設関連の職業訓練の拡充も図っておるところでございます。 さらに、今後は、昨日取りまとめました「日本はひとつ」しごとプロジェクト、フェーズ3に基づき、産業政策と一体となった本格的な安定雇用の創出に取り組んでまいりたいと考えております。
○白石委員 ありがとうございます。 ハローワークを通じて就職した方が六万四千人、二〇%アップということでありますけれども、私が知りたいなと思ったのは被災者の雇用であります。 被災者の定義でもありますけれども、やはり、津波に遭って家を失って避難所や仮設住宅での住まいを余儀なくされている方々、この方々への仕事を見つけてあげることが、まず第一、優先されることだと思うんです。このような数字の向上のために重要な役割を果たすのはハローワークであり、その現場運営者であるハローワークの所長の役割というのは重要であります。 そこで、私が考えるに、ハローワークでも出張相談をしているとかそういうことでありますけれども、さらに一歩踏み込んで、被災者の求人数、そしてその被災者がどれだけ就職したかといった数字を把握し、その数字の向上を業績の目標としてもらう、目標意識を持ってもらうということがもっとあってもいいのではないかというふうに思います。 それで質問ですけれども、被災地のハローワークとその所長には、旧来の業務指標に加えて、被災者の雇用にフォーカスした数字目標の設定とその管理を国として行い、そして事業実施と同時にその効果を検証していくべきだと思いますけれども、御所見を伺います。
○津田大臣政務官 お答え申し上げます。 視察で大船渡に行っていただいたときに、若干所長の方が、お求めいただいた数字が十分に説明し切れなかったという点、おわびを申し上げたいと思います。 さて、全国のハローワークでは、就職率や求人充足率などの目標値を設定して業務管理を行っております。御指摘のとおりでございます。 ただし、被災地の求職や求人は、未曾有の大震災によって、通常の動向とは全く異なる様相を示しておることも事実でございます。そういうことから、例年の実績値の動きをもとに将来の推計を行うことが現段階では困難になっておるわけでございます。このため、被災地のハローワーク業務については、推計値に努力分を上乗せするなどして定める通常の数値目標というのは現在設定をしておりません。 これにかわって、被災地域のハローワークでは、一番として、仮設住宅等への出張相談、二番、雇用保険受給者に対する失業認定の実施、三番、被災者向け求人開拓、四番、被災地での新規学卒者等を対象とした面接会の実施といった取り組みについて、所長みずからが計画、実施に努め、その状況を把握しているところでございます。 今後、被災地では、第三次補正予算を含め、本格的復興に向けて雇用対策に関する各種事業がとり行われることになるわけでございます。これを受け、被災者の方々の就職支援については、ハローワークでの計画的な取り組みと実績管理をさらに強化し、より効果的に実施してまいりたいと考えております。
○白石委員 次の質問に参ります。 国立社会保障・人口問題研究所が先日発表されました完結出生児数、これが一・九六ということであります。初めて二人を割り込んだ。もう既に御案内のとおり、合計特殊出生率というのは一・三九と、人口を維持する二・〇七、二・一よりもはるかに下回っているということであります。 私の選挙区は、いわゆる地方、田舎であります。訪問してみると、廃屋がふえている。たくさん打ち捨てられている家が目立つようになってきました。庭は草ぼうぼう。そして、中に入ろうとするとクモの巣だらけ。その周りにある畑というのはもう放棄されているということであります。 人がお住まいになっていても、おばあちゃんであるとか御高齢の方がお住まいになっていて、耳が遠くて、本当に近所つき合いをやっているのかな、中を見ると、片づけもままならないような、ちょっと生活が狂い始めているんじゃないかなという心配な家が多いんです。 こういったところは全国でもふえておりまして、人口がその半分以上を六十五歳以上の高齢者によって占められている、そういった集落が、限界集落と呼ばれて、国交省の調査によると、日本で八千近くあるということなんですね。 考えるに、日本の人口は一億二千八百万人ですけれども、このままでいけば、二〇五〇年には一億人を割って九千万人台、さらには、二一〇〇年には五千万人を割ってしまうということであります。 それでもいいという考え方もあると思います。というのは、ほかの国でも、日本の半分程度の人口で国を維持している。さらには、北欧の諸国というのは、五百万人程度、四国は四百万人ですから、それよりも少し大きいぐらいで立派にやっていらっしゃる。 しかし、こういう地方の集落が荒廃していくということを見過ごしていいのか、あるいは、上下水道とか道路などのインフラ、これのメンテナンスをどうするのかという深刻な問題が出てきております。もっと社会制度的にいえば、年金を初め、働く世代、人口が若い世代に豊富にあることを前提とした制度に今ぐらつきが出てきているということであります。 そこで質問でありますけれども、結婚や出産というのは個人の決定に基づくものでありますけれども、国として、日本の将来の人口のめどというものはありますでしょうか、あるいは検討されていますでしょうか。
○辻副大臣 将来の日本の人口についての御質問をいただきました。 日本の将来の人口規模につきましては、五年ごとに国立社会保障・人口問題研究所が日本の将来推計人口を公表しているところでございます。平成十八年十二月の推計におきましては、先ほど御指摘もございましたように、日本の人口は二一〇五年には四千四百六十万人まで減少するとの推計もなされているところでございます。 この将来推計人口は、将来の人口の目標値として作成されているものではございませんで、直近の出生や死亡などの動向から将来の姿を投影した形で推計を行ったものでございます。出生率につきましては、中位、高位、低位の三種類の前提を立てておりますけれども、これは政策効果により高低をつけているものではございません。 社会経済状況や国の政策が人口の動向に与える影響を定量的に評価する手法が確立されておりませんので、人口推計にこれらを織り込むことは非常に困難であり、また、将来推計として必ずしも適切ではないのではないかというふうに考えております。 なお、平成十九年に、国民の出生、結婚に対する希望が反映された場合の人口推計を行ったものがございますけれども、これは目標値というものとは異なるものと考えております。
○白石委員 ありがとうございます。 では、最後に……
○池田委員長 白石洋一君、簡潔にお願いします。
○白石委員 はい。 では、最後、大臣にお願いします。 そうはいっても、この状況がいいとは考えていなくて、少子化対策、いろいろな手だてを打っていらっしゃると思います。子供に関する手当を初め少子化対策、これをまた次の予算に向けても今練っていらっしゃると思いますけれども、大臣の、子育て支援に係る来年度の事業に対する御決意を最後にお願いします。
○池田委員長 小宮山厚生労働大臣、簡潔にお願いします。
○小宮山国務大臣 今、辻副大臣からお答えしましたように、人口というのは目標値を政府が定めるものではなくて、今私どもが子ども・子育て支援として取り組んでいるのは、持ちたい人が安心して持てる、子供を安心して育てるというために、子ども手当ですとかあるいは就学前の子供の居場所づくりに取り組んでいるところで、来年度もやはり、待機児童解消「先取り」プロジェクトですとか、また放課後児童クラブの問題とか児童虐待に対応するものとか、子供の政策はこの政権の柱でございますので、しっかり予算も確保をして取り組んでいきたいと考えています。
○白石委員 ありがとうございました。これで終わります。
○池田委員長 次に、仁木博文君。
○仁木委員 おはようございます。民主党・無所属クラブ、衆議院議員の仁木でございます。 きょうは、二つ、主な柱として質問させていただきたいと思いますが、その前段に当たりまして、改めまして、小宮山大臣、そして新政務三役の皆様方、御就任おめでとうございます。そしてまた、多大な厚労行政、待ったなしの状態でございまして、微力ではございますが、私も与党の一員として、また国会議員としてお支え申し上げることをお誓い申し上げます。 まず、最初の質問でございますが、予防接種の問題でございます。 ここにいらっしゃいます長妻議員、そしてまた公明党の皆さんの御協力も得まして、政権交代した後に、とまっていた予防接種行政が動き出しました。特に、平成二十二年度の補正で決まりました三種ワクチン、HPVという子宮頸がんワクチン、細菌性髄膜炎のHibワクチン、そして小児用肺炎球菌ワクチン、これは、私も徳島で歩きまして、評判がいいというか、本当に国民の皆様方にいい制度だというふうな評価を受けていると思います。 今問題となっていますのは、この期限を来年三月に控えておりまして、その先どうなるのか。これは自治体関係者、施行者である方々からも不安の声があります。そのことに関しまして、私も、さきの厚労部門会議の方で、ぜひとも最低でも継続をということを訴えてまいりました。 大臣、それに関してのお考えの方をよろしくお願いします。
○小宮山国務大臣 子宮頸がん予防ワクチンを含めた今おっしゃったようなワクチンをどういう形で今後引き続き継続して行っていくかについては、今、予防接種法をどう見直すかということを厚生科学審議会の予防接種部会で議論を進めているところです。 その予防接種法の中に位置づけてやるのか、今のように基金を積んでやるのか、やり方は今審議をしているところですけれども、来年度以降も自治体の方も心配なくこうしたワクチンが継続できるように努力をしていきたいというふうに思っています。
○仁木委員 ありがとうございます。この制度はすばらしい制度でございますので、ぜひとも、最低でも来年度以降の継続をお願い申し上げます。 さて、皆さん、十月二十四日、今週の月曜日に、夜の八時以降、突然、東京タワーの色がパープルに変わりました。これは、実は、世界ポリオデーというものが日本で開催されました。 私、実は、ポリオ撲滅議連の中で九月の十九日から二十三日までパキスタンに行ってまいりました。このパキスタンという国とナイジェリア、そしてアフガニスタン、インドというのはポリオがまだまだ蔓延している国でございます。ここでポリオのワクチン、つまり、予防接種を普及させてポリオを根絶するための議連の中で行ったわけでございます。 実は、このポリオに関しまして、日本国内、今さまざまな議論が出ております。 大臣御案内のように、このポリオワクチンの種類というのは、実は生ワクチンというのと不活化ワクチンがございまして、この効果ということに関しましては、いわゆる生ワクチンの方が強いわけでございますが、副作用、副反応というのがございます。百万人に一・七人程度、人によっては感染して変わってくるという事態があるわけでございます。 そういうことを踏まえられて、例えば、厚労省の審議会、予防接種部会にいらっしゃって、今神奈川県知事になられております黒岩知事、大臣もテレビ等々で御案内だと思いますが、そういうことを危惧された上で、あるいは、実は一万七千人ぐらいの保護者が不活化ワクチンを個人輸入されてやろうとしている、それを受けて、国が遅いからというので、神奈川県は独自に、不活化ワクチンによるポリオワクチンの接種をという形を言われているわけでございます。 これに関しまして、実は私たちも、来年度の概算要求の中では、不活化ワクチンの承認を受けて、速やかに生ワクチンから不活化ワクチンへの移行というのを言われているわけでございます。 このことをぜひとも急いでいただきたいと思いますが、大臣、このことに関しまして、来年度以降どのようにされるおつもりでしょうか、よろしくお願いします。
○小宮山国務大臣 定期接種で行っているポリオの生ワクチンにつきましては、今おっしゃったように、副反応がいろいろあるということから、私も不活化ポリオワクチンに早期に切りかえていくべきだというふうに考え、答弁でもそのように申し上げているところです。 国内で、その不活化ポリオワクチンを含む混合ワクチンの開発が今進められていまして、本年末ごろから、順次、薬事承認申請がされる予定です。また、海外からもそのような申請が来ると思います。厚生労働省としては、なるべく迅速に審査を行いまして、可能な限り早く不活化ワクチンが導入できるようにしていきたいと思っています。 ただ、実際上、予定としては、来年度末ぐらいがめどじゃないかというので、今、少しでもそれが早くできないかということを事務方にも言っているところです。 不活化ポリオワクチンの円滑な導入に関する検討会で検討を行ったり、あらかじめそこがスムーズに切りかえられるようにしていきたいと思っています。 再三私も申し上げているように、今アジアで、中国なども含めてポリオがはやっていることもあり、今、生ワクチンを控えていらっしゃる皆様には、その間は生ワクチンでやっていただきたいということは、いろいろとお知らせなどもつくって呼びかけているところです。 一人一人の保護者の方がいろいろなことを考えながら個人輸入でなさるということは、そのお考えですけれども、県とか全体の単位でされるということは、健康被害ができたときの救済制度などもないので、慎重に扱っていただきたいというふうに申し上げています。 なるべく早期に導入できるように、最大限努力をしていきたいというふうに思っています。
○仁木委員 大臣、ありがとうございます。 ただ、先ほど、健康被害に対する救済という、予防接種法のことをおっしゃられましたが、まさにこれは、予防接種をするべき人が受けられない、あるいは体制がないということが問題でございます。 いわゆるワクチンそのものの副作用のこともございますけれども、自然株というか、自然に感染して、私たちは、例えば戦後、結核の改善、これは公衆衛生の改善によって乗り越えてきたわけでございますが、そういった歴史があって、だからこそ今回も、ポリオ撲滅に向けてリーダー的役割を世界舞台で担っているわけですけれども、そういう我が国が世界に向けて発信するためにも、やはり、速やかに不活化ワクチンに移行されて、なおかつ、すき間をつくらない、それがすごく大切なことだと思いますので、そのことを改めてよろしくお願い申し上げます。 それでは、続きまして、きょうのメーンの質問になりますが、今、国民的議論となっておりますトランス・パシフィック・パートナーシップ、TPPの問題について質問したいというふうに思います。 とかく農業と工業界の対立のように呼ばれますが、これは従来のFTAに、より踏み込んで、人の交流あるいは知的財産等々さまざまなことで、より縛りの強いというか、我が国にとってはハードルの高いというか、そういうことだと思いますが、厚生労働業界、特に医療のことに関しまして、私、随時質問していきたいと思っております。 まず、ちなみに、参考となる状況というか設定、前提ということで、今、米韓FTAでこういった記載がございます。 医薬品、医療機器の承認、価格、診療報酬の決定に当たり、合理的な無差別の基準に従い、市場競争価格に基づく。また、医薬品、医療機器の価格、診療報酬に係る政府の決定について、申請者の要請に基づき、レビューする機関を設置する。以上のようなものがございます。 確かに、例えば医薬品、これは一九九五年の関税定率法によって無税になっておりますし、医薬品の原材料も無税になっております。 私は、一つ、危惧するというか思うことがあるんですけれども、それは医療機器の問題ですね。 これは、検査に特化した医療機器もあれば、例えば手術の道具、鉗子であるとかメスであるとかあるいは腹腔鏡の一つの手術材料とか、いろいろありますけれども、多くの金属類とか材料を用いています。そういったことに関しましては、私、調べたんですけれども、場合によっては、診療報酬の、手術でいうと込み込みになっていますね。その中の一つの材料費が下がるとなると、場合によっては、もとの価格が下がること、材料費が下がることによって、手技料が同じであったとしても、全体としての手術とした場合、腹腔鏡みたいに多くの医療機器を用いる手術をした場合の点数が下がるんじゃないかということも考えられるんですけれども、大臣、その辺はTPPのメリットというふうにお考えになるでしょうか。そういったことを含めてよろしくお願いします。
○辻副大臣 関税が撤廃された場合の御質問をいただきました。 関税が撤廃され、材料費が安くなることは、医療分野固有の影響にとどまるものではなく、日本の社会全体に影響があり得ることだと考えます。 具体的な影響額を算出することは困難でございますけれども、仮に医療材料を作成する材料費や医療サービスの提供に係るコストが低下いたしますならば、結果として手術に要する費用や国民医療費が低下する方向に働くこととなるものと考えております。
○仁木委員 私は、総じて今回のTPPの議論には慎重な立場でございます。しかし、そういったメリットも国民あるいは関係者に示した上でこの問題に取り組んでいくということは、やはり大切なことだと思います。 実は、TPPの一番のロールプレーヤーというか、それはアメリカだと思うんですけれども、例えば医療分野を見ましても、創薬、薬をつくる分野、これもかなり大きな力があると思います。そういう意味で、先ほど私が、FTA、米韓の場合ですけれども、文言を読ませていただきました。 こういうことは、例えば、今特許の期間というのは最低でも五年間というようなことがあるんですけれども、場合によっては、アメリカの製薬業界から、つまり、ここで言う申請者の要請に基づいて売れているような医薬品が、ずっとその特許の期間を、ジェネリックが使われ出すまでの期間を延ばせとかいうふうな議論になるかもしれません。そういったことを考えてみましたら、これは日本にとってどういうふうにお考えでしょうか。 私は、今、政権交代しまして、ライフイノベーション、こういった、不況にも強い、そして競争力のある、付加価値の高い医薬品、医療機器を世界に向けて発信していく、あるいは日本でそういうものをつくっていくというのは大切な考え方だと思うわけでございますが、その辺に関しましてどういった御見解をお持ちでしょうか。よろしくお願いします。
○辻副大臣 御指摘のように、新成長戦略の中に位置づけられている分野でもあるわけでございますけれども、医療の周辺部分、医療機器、医薬品等々の部分においての経済的側面からする活性化というものはやはり日本においての重要な政策テーマだというふうに思っておりまして、そのような立場に立って厚生労働省としても対応していきたいと思っております。
○仁木委員 そういう意味では、そういった薬の承認、医薬品の申請、承認、それを行う日本の場合はPMDA的なさらなる充実というものは、日本の安全、安心を担保した上でやはり望まれるというふうに思われますから、これの強化というのは、このTPPの議論なくしても進めていっていただきたいというふうに思っております。 それと、人の交流ということもTPPによって加速するというふうに言われております。 いわゆる医療分野における高度人材、例えば、外国人医師が日本に来てメディカルツーリズムを専ら行うような医療機関が誕生して、そういうのは、場合によったら、どんどんと海外からそのメディカルツーリズムにエントリーして日本に人が訪れて、日本人のいわゆる医療機関へのアクセスが阻害されるというか、影響を受けるということも考えられるんですけれども、その辺に関する厚労省の御見解はいかがでしょうか。
○大谷政府参考人 これまでの外務省を中心としました情報収集によりましたら、現在までのTPP交渉の中で、医療に関して大きな影響が生じる、こういった議論は行われていないというふうには理解しております。 しかし、このTPPに関すること、また、それ以外の全体の状況としましても、国際医療交流につきましては、これは新成長戦略で成長分野として位置づけられておりまして、外国人の患者さんの受け入れに当たりましては、国民に対する医療の確保が阻害されるということはあってはならないというふうに考えておりますので、これには十分留意しながら、関係省庁とも連携して環境整備を進めたいと考えております。
○仁木委員 いずれにしましても、例えば、営利目的を主とする医療機関あるいは経営者が日本でそういった医療を行うというのは、私は極めて消極的ですし、もちろんそれは日本の皆保険制度をも場合によっては変えていくような悪い影響を及ぼすというふうに思っております。 そういう意味で、例えば、オバマ政権になりましても、日本のすばらしいとされるこの皆保険制度を見習って、そういう制度を導入しようとされております。ですから、大臣、ここで、最後ではございますが、TPP、例えば、今交渉のテーブルに着くことは予測されるわけでございますが、ただ、もしそういう事態になっても、この皆保険という分野に関しては、ある種、聖域というか、どうしても、日本が世界に誇れるすばらしい制度でありますし、これは堅持していくというふうな御表明というか、いただければ幸いでございます。よろしくお願いします。
○小宮山国務大臣 現在、検討の項目にこの医療保険制度は入っていないというふうに認識をしておりますけれども、この根幹に影響を与えるものであってはいけないと思っていますので、そういう意味では、国民の皆様にとって、医療の安心、今の保険制度の安心ということが保たれるようにはしっかりと対応していきたいというふうに思っています。
○仁木委員 ありがとうございました。
○池田委員長 次に、田村憲久君。
○田村(憲)委員 おはようございます。自由民主党の田村でございます。 大臣所信に対する質疑ということでございまして、約五十分間きょうはお時間をいただいておりますので、しっかりと質疑をさせていただきたいというふうに思いますが、まず、民主党の選挙のときのマニフェスト、障害者施策に関して、総合福祉法というものをつくる、自立支援法は廃止する、こういう文言がございました。その後、自民党、公明党、そして民主党が入っていただいて、この障害者自立支援法、これを一部改正をいたしました。いわゆるつなぎ法案なんて言われ方をしておったわけでありますけれども、法律改正をいたしました。 我々の認識では、やはり障害者自立支援法を廃止するという民主党の一つのマニフェストの考え方、いろいろな考え方の中の根幹といたしまして、我々は応能負担だと思っていたんですけれども、応益負担という形であろうと。だから、これを応能負担にしなきゃならない、能力に応じた負担にしよう、こういうような中で自立支援法を廃止して総合福祉法というものをつくろうというような話であったんであろう。それだけじゃありませんけれども、こういう話だったんであろうと思うんですね。 すると、今回のつなぎ法、前回の自立支援法の一部改正法、これにおいて、我々は、完全に応能負担、つまり能力に応じた負担ということを中に書いてあるわけでありますから、応能負担になっておる、名実ともになったというふうに認識しておるんですが、これに関して大臣はどのようにお考えでありましょうか。
○小宮山国務大臣 今、田村委員がおっしゃった点はそのとおりだというふうに思います。障害者自立支援法は、法律上、受けたサービスの内容に応じて利用者に御負担いただく応益負担であった。そのことがやはり障害者の自立をかえって阻害するという御意見もありましたので、その中で応能負担という形をとりたいというふうに考えておりまして、今回のつなぎ法の中で、その点についてはおっしゃるとおりだと思います。ただ、福祉法の中には、おっしゃったように、その点だけじゃないものも含まれているということだというふうに思っています。
○田村(憲)委員 全体のところは我々と見解の相違があったんですけれども、つなぎ法で名実ともになったという意味では、我々も認識は同じであります。 八月三十日、障がい者制度改革推進会議総合福祉部会において、障害当事者の方々の思いの込められた提言が取りまとめられました。中を見ると、ちょっと我々の納得できない部分もあります。といいますのは、自公政権において障害者施策が何か後退したような書き方をされておりましたが、実際、自立支援給付、これに関しての報酬は大幅に自公政権のときに引き上げましたので、そういう意味ではちょっと我々は納得いかない部分もあるんですけれども、しかし、思いというのは、やはり当事者の方々の思いというものが本当に込められているんだろうなというふうに思います。 理想としてはそういう方向に向かっていくというのはわかるんですが、ただ一方で、現実的に、財政の制約でありますとか、また、まだ社会的にそこまで雰囲気ができてきていないということも事実あるんだろうと思うんです。だから、基本法も改正をしまして、そういうふうに啓蒙もしていかなきゃいけない、こういうことだろうと思うんですが、一足飛びに総合福祉法といっても、まだ総合福祉法が何なのかがよくわからない。骨格も何にもないんですよね。 総合福祉法が障害福祉施策だということは間違いないんだと思うんですね。ということは、自立支援法を全く廃止して違うものをつくるという話になると、どういう形のものが出てくるかというのが全然わからない。そこで実は当事者の方々も不安を感じておるのも、これは事実なんです。自立支援法と全く体系の違う障害福祉サービスが始まるということになれば、負担はどうなるんだとか、それから、どういうサービスが受けられるんだとか、そもそもサービスを受けるそのメニューというものはどういうふうに決まるんだとか、これはもう大変な混乱が生じると私は思うんですね。 そこで、応能負担という一番の問題、これは解決した。そういうふうに大臣は今おっしゃられた。であるならば、あとの部分も、自立支援法というものがあるんだから、これをいいふうに、さらにリニューアルといいますか改正をして、我々とこの部分では、障害者施策を進めていこうという意味では、別に問題意識が違うというわけじゃないんですから、ともにこの部分は自立支援法をベースに進めていけばいいんだろうと私は思っておるんですが、大臣も同じ思いであるならば、そうだというふうにお答えいただければありがたいんですが。
○小宮山国務大臣 八月三十日に障がい者制度改革推進会議の総合福祉部会で提言がまとめられました。これは、御承知のように、障害当事者の方にたくさん入っていただいたものですので、御希望がたくさん詰め込まれているということはよくわかる内容だと思います。そういう意味では、おっしゃったように、財政事情ですとか、あるいは地方自治体でのいろいろな実施を円滑にすることとかを考えて、一度にはいかないということは私もよくわかっています。そういう意味では、段階的、計画的に、なるべく多くの思いを実現したいというふうには思っております。 ただ、おっしゃったように、障害者施策を充実させたいという意味では党派を超えて同じ思いはあると思いますので、自立支援法をこのつなぎ法にした中で、そこが生かせる部分と、新たにそれでもほかのものがあるということはおわかりだと思いますので、そのあたりをどうするのか。 これまでも、障害者制度の改革というのは超党派の議員立法で、障害者虐待防止法ですとか障害者自立支援法、児童福祉法の一部改正とか、いろいろ行ってまいりましたので、おっしゃるように、今思いは同じだとおっしゃったので、与党とも、それから与野党ともに、各党と御相談をしながら、なるべく円滑に、でもなるべく当事者の方の思いもかなうところはかなえるようにしながらやっていければいいというふうに思っております。
○田村(憲)委員 ですから、改正後の自立支援法をベースに残された課題というものをしっかりと与野党で話し合ってやっていくということでいいんですよね。
○小宮山国務大臣 今、与党の中でも議論が開始をされたところだというふうに聞いておりますので、これは与野党、御意見を伺いながら、どういう形でするのかを考えていきたいと思っています。
○田村(憲)委員 なかなか自立支援法をベースにと言ってくれませんね。 全く新しいものをつくるというと、本当に大混乱が生まれますよ。もうあと二年ないんですよね、事実上、法律を出してくるには。全く違うものができちゃったら本当に障害者福祉は大混乱になるわけでありまして、そこは現実的な対応というものを大臣もやはりお考えをいただかないと、野党の間は好きなことをおっしゃっていても責任はないんでしょうけれども、今、与党で政権を握っているわけですから、もし混乱が起こったときには責任が生じるわけでありますので。 もう一度お聞きしますけれども、改正された現行制度をベースによりよいものをつくっていくという理解でよろしいですか。
○小宮山国務大臣 同じ繰り返しの答弁になって申しわけありませんが、今、与党でもそういう検討が始まったところですので、田村委員のお考えはよく承ります。それで、なるべく円滑に与野党で進むように私の方としても努力をさせていただきたい。このつなぎ法をベースにするのか新たな法律をつくるのかというと、まるでちょっと対立みたいになってしまいますので、それはどういう形がよいのかも含めてしっかり相談をさせて、一緒に進められるように最大限努力をしていきたいと思っております。
○田村(憲)委員 全く違うものが出てくれば、それはもう対立になりますよ。当たり前の話で、そんなことはちゃんと御認識をいただいてこれからお進めいただきたいと思います。これからも、しつこくこのことは我々は質問をしていきたいというふうに思います。民主党の中にもいろいろなお考えがあられると思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。 続きまして、今、TPPの議論がなされました。民主党の中に、山田元農林大臣がトップになられてつくられたTPPを慎重に考える会という会があられる。超党派なのかちょっとよくわかりませんけれども、民主党の議員もたくさんこの中に署名をされておられるということなんですが、政務三役、入っておられるか入っておられないか、お一人ずつ簡単にお答えいただければと思います。
○小宮山国務大臣 この慎重に考える会には参加していません。
○辻副大臣 これまでのところ、御指摘の会には出席しておりません。
○牧副大臣 形式的、手続的には入っておりません。
○藤田大臣政務官 参加しておりません。
○津田大臣政務官 慎重に考える会には参加しておりません。
○田村(憲)委員 辻副大臣、今、一回も出ていないという話でしたけれども、そもそもこれに加入されているんですか。
○辻副大臣 参加していないということでございます。
○田村(憲)委員 厚生労働省の三役の方々はどなたも参加していないということはよくわかりましたが、そもそも、大臣、今もお話があったんですけれども、TPPの問題は医療界、労働界、いろいろなところが、厚生労働省にかかわる部分で、それから食品の流通もそうでありましょう、心配をしております。 今もお話がありましたけれども、やはり自由診療的なものが、アメリカは基本的にそういう国でありますから、入ってくるんではないか。すると、当然、混合診療という問題が出たりだとか、それから公的医療保険制度自体が瓦解をしていくのではないかとか、それからさらに、株式会社が入ってくるという話になれば、もう完全にそういう意味では自由市場に近い形に医療がなっていくだろうというような心配もあります。 それから、医師を初めとする医療関連業種の方々、有資格者ですよね、これに関しても人材が入ってくるんじゃないか。一方で、単純労働者が入ってくるんじゃないか、こういうような話も、心配もあります。 食品の部分では、我が国の食品のいろいろな規制というものがあるわけでありますけれども、そういうものを飛び越えて、これを輸入しろ、入れろ、こういうような心配があるのではないか。事実、BSEの問題では、二十カ齢の問題、三十カ齢の問題というのが、今厚生労働省でもいろいろと議論を始めたという話でございまして、これもTPPへの参加のための実は入り口なのではないかと、うがったかどうかわかりませんが、報道もなされておりますよ。 そもそもTPPに、議論に参加するということ、これ自体は大臣はどのように思われていますか。
○小宮山国務大臣 何回か申し上げているんですけれども、参加することは私は必要だというふうに思っています。 それは、今幾つかの懸念をおっしゃいました。確かに、そういう懸念が本当にあるのだとすれば、しっかりと健康とか食品とかそういうことに対しては対応しなければいけないと思いますが、交渉に参加をしないと詳しいいろいろな情報が手に入らない。そういう意味では、詳しい情報をちゃんと手に入れて、今枠組みをつくっているわけですから、そこをつくるところに私は参加をすべきではないかというふうに考えています。 そこでしっかりと手に入れた上で、少なくとも、外務省からの情報によれば、今おっしゃったような医療のことですとか外国人労働者のこと、食品安全のこと、懸念されるようなことは今は議論はされていないというふうに認識をしていますけれども、交渉に参加をして、中にはお化けと言う人もいますけれども、こういう心配があるんじゃないかということを膨らませるよりは、実際に具体的な材料を手にして交渉をすればいい。それで、交渉の結果、大きな懸念がたくさんあるとすれば、そこで入るのをやめるという判断もあるというふうに私は考えています。
○田村(憲)委員 そもそも、民主党のマニフェストにTPPなんということは書いていなかったんですよね。全く意識がなかった。アメリカとのFTAというのはいろいろな議論はありました。 TPPの問題というのは、大きく言えばアメリカとどうするかという問題が一番のポイントだというふうに私は認識いたしております。なぜならば、他の国とは、もう既にEPA、FTAを結んでいる国もありますし、現在、バイで交渉中の国ばかりであります。アメリカだけが何の議論もできていない。 ですから、一番日本にとって大きな市場であるアメリカと自由貿易をどう進めるか。これは確かに産業界は大きな課題でありますから、アメリカとどうするか。なかなかアメリカが日本とはバイでやっていただけなくなってきていますからね、いろいろな問題があって。そういう意味では、TPPで、アメリカにしてみれば、TPPの枠組みで日本を引きずり込んだ方がややこしいことは言わないだろうというのもあるのかもわかりません。 ただ、余りにもTPPに、交渉に参加するのが遅過ぎる。もう既に、どんどんどんどん話は進んでいっています。この時点で入っても、もう時間切れですよ。ましてや、入って途中でやめる選択もあるという話でありますが、今、日米関係で、参加はしたけれどもやめるなんということが本当に許されるのか。いや、やめるのは勝手でありましょうけれども、やめることが日本の国にとってどんなダメージになるのかということを考えれば、一度交渉に参加すれば、これは事実上もうやめられなくなっちゃう可能性の方が高いのではないのかなと思うんです。 今懸念されている問題というものは、外務省から聞く範囲では、ありませんという話でありましたけれども、日本が入ったら局面が変わる、また議論が入ってくるかもわかりませんよね、日本という大きな市場が入ってくるわけですから。そのときにこういう議論がなされるのかなされないのかというのが、今、この議論は現状なされていないと聞いているから、だから日本が入ってからもなされないんだという自信はありますか。
○小宮山国務大臣 今から入っても遅いということに対しては、今から入っても私はできることはあると思っています、まだ枠組みがきちんと決まったというふうには認識をしておりませんので。 それで、もしその中で今のようなことが議論をされることになれば、そのときにはその懸念を表明する。あるいは、もちろん、交渉に一回参加したら、そこからおりるのはなかなか難しいことはわかりますけれども、それでもおりるべきと判断をするような材料が手に入れば、私はそういう政治決断をすればいいことだというふうに思っています。 大体、日本がこの小さな島国の中で、ほかの国といろいろな交流をしないで生きていけるとは思えませんので、メリットになる部分も私はあると思っていますから、そこのメリットとデメリットをしっかりと、きちんとした材料を交渉に参加をして入手した中で判断をすればいいことだというふうに考えています。
○田村(憲)委員 先ほども言いましたけれども、もう既に、九カ国のうちのほとんどとは、日本はFTA、EPAを結んだり、バイで議論をしているんですね。ですから、ある意味、これからヨーロッパ、これはTPPに入っていませんけれども、EUとも自由貿易に関していろいろな議論、協定に向かって動いていかなきゃならぬという状況でありますが、要はアメリカなんですよ、このTPPに関して申し上げれば。 だから、アメリカとどうするかというものを、バイでやれるか、それとも、TPPの枠組みに遅まきながら来て、今からさらに、要するにTPP交渉に加入するためにアメリカの議会で了承をいただくのに三カ月かかるという話でありますから、そこからですよ、本格的に入れるのは。私は、もう時間切れではないのかなと。 そのときに、大変なものを負いねかされて、あなた参加するんですか、参加しないんですか。アメリカとのいろいろな関係で、普天間の問題もある、いろいろな問題もある。はっきり言って、アメリカに対しては、日本という国はどんな国だと今思われている状況ですから、その中で一回議論の中に入って、さあ抜けますと言えるのか言えないのか。それならば、初めからちょっととまって考えた方がいいのではないかという考え方もある。アメリカとバイでどうやって自由貿易を話し合うのか、こういう知恵を使う方法もあると思いますよ。 大臣は厚生労働行政の責任者でありますから、少なくとも、今示されたような懸念、こういうものがもし本当に生じた場合には大変な問題になるという認識はあられるんだと思うんです。ですから、そこは慎重にこれから閣内で、しっかりと総理に対しては物を言っていただきたいと思うんですが、いかがですか。
○小宮山国務大臣 健康ですとか食品の安全とか、厚労行政でお預かりをしている、人々が生活していく上での安心、安全にかかわるような社会的規制を含めたそうした部分についてはしっかりと守れるように、これは政府全体でやるようにしていきたいというふうに思います。
○田村(憲)委員 民主党的な性格といいますか、行き当たりばったりで急にこうやって飛びつくものですから、TPPに。以前からずっと議論をしていれば、多分もっと早く、交渉の中身はどういうものがあるか、参加することもあったのかもわかりませんが、今となっては完全に出おくれだ。こんな中で入っていったときにどういうことが起こるかということを考えると、私は大変心配であるということをここで申し上げておきたいと思います。 さて、子ども手当の議論、これは本当に大臣の、最もとは言いませんけれども、一丁目一番地に近い政策だと思いますが、十月の五日、都内のパーティーで、子ども手当はちょっと姿を変えたが継続をしたとおっしゃった、これは本当ですか。
○小宮山国務大臣 そこで誤解を与えるような発言であったとすれば、そこは申しわけなかったというふうに思っております。 再三、田村委員ともこの委員会で副大臣のときにやりとりをさせていただきましたが、三党合意によって子供に対する手当ができたことで、支給の金額も含めて、それまでの子ども手当は事実上廃止をされましたということは何回も答弁をさせていただいています。 ただ、今は三月までの仕組みができているので、四月以降の恒久的なものについては、子供に対する手当についてこれからこういう項目を検討しますということが挙げられていることを、これから三党でしっかりと議論していただくということだというふうに思っています。 私が申し上げたのは、これも再三答弁をさせていただいているように、社会全体で子供を支えるという理念など、こうしたことについてはそのまま守られているというふうに現状では思っておりますので、その先どうするかについては、また与野党、御審議をいただく中で検討していくということだというふうに思っている。 そういう意味で、ちょっと変わったというのは、そこは誤解を与えたら申しわけなかったということはもう一度申し上げますけれども、その理念は変わっていないということを申し上げたかったのです。
○田村(憲)委員 冒頭申し上げれば、あれだけ何度も何度も、他の民主党の国会議員の方々、もしくは民主党の広報の中でこういうことを指摘されて、時の幹事長だとかいろいろな方が申しわけないと謝られて、そんな中で、所管する大臣が、身内のパーティーだったのかどうかわかりませんけれども、そこでまたぞろこんなことをおっしゃられれば、自民党、民主党、与野党の信頼関係に傷がつくということぐらいはもうおわかりじゃないですか。 だから、我々も、新しい子供に対する手当というものをどうしていかなきゃいけないか、これを真剣に今考えて、議論をしていこうとしている最中ですよ。大臣みずからが壊そうということをしてもらったのでは困るので、二度と今後このようなことがないように、私の方から大臣にはきつく申し上げておきたいというふうに思います。 要は、今のお話の中で、理念は変わっていない、社会全体で子供を育てるというふうな理念は変わっていないということをおっしゃられましたが、じゃ、児童手当は今言われた理念は違うというふうにお考えなんですか。今までの児童手当ですよ、子ども手当の前の。そこは考え方が違うというふうにお思いなんですか。そして、違うのならばどこが違うのか、おっしゃっていただければありがたいんですが。
○小宮山国務大臣 児童手当の場合は、家計への補助という形で、子育てをしている家庭の経済的なところを支援するということが入っているかと思います。子ども手当の場合は、子供の育ちを支援するという方にウエートが置かれているというふうに考えています。
○田村(憲)委員 それは詭弁で、児童手当だって、子供の健全な育成、それを一義的に家族が見る、そしてそれに支援するという話でありますから、子供の要するに健全な育成という意味ではそれは同じなんですよ。だから、どこが違うんですかね。直接子供にお金を上げるというならわかりますが、実際、直接子供にお金を上げるわけじゃありませんよね。やはり保護者、養護者にお金を渡すわけですよね。どこが違うんですか。
○小宮山国務大臣 多分これは、子供の育ち、子供が成長していくこと自体、それから、子育てをしている人たちを社会全体で支えるということに一つの考え方を私どもは持っています。 これまで、もちろん家族が育てるんですよ、だけれども、やはり家族が育てるというところに非常にウエートが置かれていたということがこれまでの考え方で、私どもは、その家族をさらに社会全体でサポートをする、その中心にあるのが子供自身の育ちだというふうに考えています。 これは、同じような考え方だという、おっしゃりたいところもわかるので、それは次の、三党で四月からどうするかを御協議いただく中で、両方の理念をあわせて新しい形をつくっていくということは、私は可能なことだというふうに思っています。
○田村(憲)委員 要は、子供に焦点を当てるとすれば、多分、親はお金持ち、そうじゃない家庭はあるだろうけれども、子供は金持ちだとか金持ちじゃないなんということはないですよね、収入がないんだから。だから、どんなお金持ちにも子ども手当を一律配ろう、同じ金額、こういう理念だったんだろうなと思うんですが、それはもう今回あきらめられたわけですよね、所得制限というものを加えた時点で。所得制限がかかった方々に関しても何らかの対応はしますが、同じ対応じゃないですよね。 ということは、もうその時点で、子供に満遍なく、国が一人一人に同じような対応をするというような理念は崩れているんです。だから、そういう意味では、あなた方の理念はもう既になくなっちゃっているというふうに私は認識するんですが、そこはどのようにお考えなんですか。
○小宮山国務大臣 そもそも、民主党でこの子ども手当を考えたときは、控除から手当へということで、その控除から手当へという税制の中の考え方が基本にありました。そういう意味では、御承知のように、控除から手当にすれば高所得の方から低所得の方へ流れる、そういう考え方ですとか、あとは、累進課税で高所得の方は既に多くの税を納めていらっしゃるわけですから、そういう意味で、子供自身についてはニュートラルに、すべての子供にというのが民主党のそもそもの子ども手当の考え方でした。 今回、三党合意を本当に各党御努力いただいてできた結果、所得制限を入れるという形になったことは事実です。ですから、そこは変化をしているとは思いますけれども、今委員もおっしゃったように、所得制限がかかるところについても税制上の措置か財政上の措置をとるということで、今までの児童手当とはまた違う形でもある。 だから、そういう意味では、新しい子供に対する手当をどう仕組んでいくかということだと思っているので、変化をしていることはそうだと思いますが、子供全体を支えるということ自体は変わっていないというふうに考えています。
○田村(憲)委員 いや、その新しいのをどういうふうな理念のもとに設計するかなんて話はこれからの話ですから。 今までの民主党の子ども手当の理念という意味からすれば、言われたように、親じゃなくて子供だから、親は収入はあるけれども子供は収入がないから、お金持ちの子供であろうがそうじゃない子供であろうが同じように扱って、一律に同じ金額を給付するというのが理念にあったはずなんですよ。ところが、今回は所得制限をかけちゃったから、その理念が壊れちゃっているわけですよね。もうなくなっちゃっているわけですよ。そこはお認めになられるんですねという話をしているので、そうなんですよね。
○小宮山国務大臣 多分、何を理念というかのすれ違いなんだと思います。 理念の一番もとにあるところは社会全体で子供の育ちを支える、そこは私は変わっていないと思います。ただ、いろいろな考え方や仕組みの中で、今回、東日本の大震災があったというような財政の状況、また与野党のねじれがあるということなどから、各党の御意見も伺ったということで、変化はしてきている、ただし、基本にある理念が変わったというふうには思っていません。
○田村(憲)委員 社会全体で子供を育てる、それは児童手当だって基本的には税金でやっているわけですから、税でやっているということは社会全体で児童手当を配っているわけですよ。こんなのは当たり前の話で、そんなことを声を荒げて言われてもぴんとこないですよね。 だから、皆さんの考え方の基本は、一人一人同じ子供というところに焦点を当てて同じ対応をするというところにやはり一番のポイントがあったと思うんですよ。それが壊れちゃったんだから、はっきり言って、その部分はなくなったわけですよね、所得制限をかけた時点で。 だから、その意味からすれば、もう皆さんの言われている子ども手当という理念は大きく方向が変わったんだ。これは我々だけが言っている話じゃない。以前の質疑でもこういう質疑がございました。そこはお認めになられるんですねと言ってもお認めになられないから、多分、民主党の子ども手当の理念が、変えないと言ったまま実は変質をしているんだろうなというふうに理解をさせていただきます。まあ、水かけ論になると思いますから。 もう一つの大きな子ども手当のポイントというのは、全額国庫負担だということですね。これは皆様方のマニフェストに書いてあります。五・三兆円お金が要ると書いてある。五・三兆円というのは全額でありますから、これは国庫で見れば子ども手当の大きなポイントですよね、骨格。これは全額国庫負担でやるということになるんだと思いますが、今、現状、そうじゃないですよね。そして、これまた来年度に向かって、地方は、子ども手当というふうに言うのならば地方負担をなくせと多分言い続けるでしょう。我々は、それも含めて、もうそろそろ子ども手当ということをおっしゃらない方がいいんじゃないですかということを言っているんです。 児童手当はもともと地方負担がございます。ここが大きな違いです。となれば、やはり、児童手当法の改正でやるということは、子供に対する手当という考え方はいいですけれども、もともと皆様方がマニフェストで掲げた子ども手当は大きく変質をして、新たな子供に対する手当というものに変わるんだというふうに理解をしてよろしいんですね。
○小宮山国務大臣 何か禅問答みたいになってしまいますけれども、理念が変わるということと姿を変えていくということは別だというふうに私は思っています。 ただ、お約束をした一人当たり月額二万六千円ということができていないということ、全額国庫負担ができていないということは大変申しわけないことだというふうに思っています。そういう意味では、マニフェストでお約束したことが、ことし夏の岡田前幹事長のもとでのマニフェストの検証でもあったように、私どもが野党のときに材料をきちんと手に入れてつくったのではない部分があったりして、見込みがうまくいかなかったという点は、しっかりと、これは選挙の公約ですから、選挙民の皆様におわびをしなければいけないというふうに思っています。そういう意味で、最初にマニフェストに掲げた形の子ども手当でないということはそうです。 ただ、社会全体で子供を支えるという意味は、先ほど田村委員も自民党時代の児童手当もそうだったというふうにおっしゃったので、それはこれから四月以降のをつくっていく上での何か障害になるということではないと思っていますので、児童手当法をもとにしてつくるという形には合意をしているわけですから、その中でしっかりと詰めていけばいい話ではないかと私は思っています。
○田村(憲)委員 本当に選挙のときとは大分言うことが変わっちゃったなと。 何か今の話だと、児童手当を拡充すればよかっただけの話であって、わざわざ鳴り物入りで、子ども手当は児童手当と違うんです、こんなに民主党は子供のことを考えているんですと言った割には、最後に行き着いたところは児童手当の拡充と変わらなかったということでございますから、そこまで自分たちが言ってきた大ぶろしきができないということを皆さんが今お認めになられたというふうに理解をさせていただきます。 さて、先般の予算委員会でもこうやって大臣と議論をさせていただいたんですが、ここで私、ちょっとひっかかったことがあるんです。それは、例の出産一時金の問題で、今現在四十二万円、自公政権で引き上げてまいりました。これを民主党は五十五万円というふうに、出産時支援する、援助するというふうにマニフェストに書いて選挙を戦われた。要は、妊婦さんにも優しい政党だという話であった。ところが、現状、まだ四十二万円から全然動いていないということで、これを指摘いたしましたら、いや、妊婦健診も含めれば大体同じようなところまで金額は来ているんですよなどというような答弁がございました。 これ、ちょっと私、勘違いされているんじゃないのかなと。大臣、そんな妊婦健診のことは一切マニフェストに書かれていないんですね。出産一時金として出産時に五十五万円、これを助成すると書いてあるんですよ。妊婦健診なんて一切書いていない。 これは誤りですね。大臣の認識の、あのときの誤り、答弁の誤りということでいいですね。
○小宮山国務大臣 誤りだというふうには思っておりません。 二〇〇九年の民主党マニフェストでは、健診も含めた妊娠、出産に関する費用がおよそ五十五万円かかるとの調査結果もあるということをもとにしまして、出産育児一時金を見直して、国からの助成を加え、出産時に五十五万円までの助成を行うとしたものというふうに理解をしています。これは、その当時政策をつくったところに確認をしております。 そういう意味では、おっしゃるように、マニフェストに出産時と書いたことが、出産に関して、妊娠してから出産するまでの間という、もう少しそのマニフェストの中の書き方をわかりやすくすればよかったかなというふうに思いますが、出産にかかわる時点ということで出産時というふうに広く解釈をしていただければというふうに思います。 それは、妊娠、出産に要するコストをカバーできるように、出産育児一時金の引き上げを三十八万から四十二万、これを継続して、妊婦健診の公費十二万を加えて五十四万円とするということです。
○田村(憲)委員 いや、それはひどいですよ。みんな五十五万円まで出産一時金が上がるというふうに認識していますよ。 実際問題、私が予算委員会でこの質問をやって大臣があの答弁をした後に、産婦人科医の先生方からも、いや、あれはおかしいよ、五十五万円まで一時金を上げると書いてあったじゃないか、民主党は何なんだといって、いや、私が怒られても仕方がないんですけれどもという話をしたんですけれども、妊婦健診は自公政権のときにもう既に、十何回か、券を配ったでしょう。予算を立てたんですよ、あのときに。だから、もう既にそのときにできているんですよ。 では、そのときの自公政権がやったことを我々は追認しますというマニフェストにしなきゃいけないのに、わざわざ五十五万円、しかも出産時に助成を行いますと。では、妊婦健診の健診料は出産のときに渡すという話ですか。これ、どう考えても、大臣、普通に読んでインチキだというふうに思われませんか。
○小宮山国務大臣 そういう意味では、おっしゃるように、マニフェストの書き方が正確に認識していただける表現でなかったことはおわびを申し上げたいと思います。
○田村(憲)委員 そのときからそういうような方針だったんだと言われると、もうこれ以上我々は何も言えなくなっちゃうんですが、しかし、少なくともこれは国民の皆さんにしっかりおわびをしていただかなきゃならぬ。非常に紛らわしい。意図的だったかどうかわかりません。つまり、錯誤を生じさせるような書き方をした可能性、これを言われても仕方がない。ここはしっかりとおわびを国民の皆さんにしていただきたいというふうに思います。 こういうことがいろいろあるんですが、大臣、そもそも今、年金の議論がいろいろ出ています。現行の年金制度、ちょうど坂口元大臣がお見えになられます。坂口元大臣のときに年金制度改正をやりました。そしてそのときに、長期的に百年間の財政計算のもとで、今大体五年分ぐらい、積立金が支給金額の五年分ぐらいあったものを、一年分だけたまりを残して徐々に積立金を取り崩して、安定的な、持続可能な年金制度をつくろうということでやった年金制度改革であります。 それが大臣、何かバケツに穴があいてだだぼだに漏れているみたいなことをおっしゃっておられますが、現行の年金制度というのは破綻をしているというような認識をお持ちなんですか。
○小宮山国務大臣 破綻をしているというふうには考えておりません。ただ、これから、将来的な、今世界で一番の超高齢社会になっていることですとか、現在の賃金の上昇率が落ちていることとか、幾つかのことから、中長期的にはいろいろなことを考えなければいけない。 ただ、今、年金の議論の中で、ちょっと私どもの提示の仕方がよくなかったということもあり、中長期的に考えていくテーマと、今すぐ取り組むテーマとがなかなか皆さんにわかりやすくお示しできていないのは、これは申しわけないことだと思っておりますので、全体の絵姿を、将来はどうする、今回の改正ではどうするということをわかりやすくお示ししていきたいというふうに思っています。
○田村(憲)委員 今、賃金の上昇率という話がございました。確かに賃金が上がっておりませんから、保険料の総収入というものは再計算上の予想よりも少ない。失業率も高いというのがあります。しかし一方で、現行の賃金が上がっていない、もしくは下がっているという現状は、逆に言えば、その方が将来もらえる年金の給付額は確実に予想よりも低くなるわけでありますから、年金の計算上からいけば、ほぼ中立に近い。あえて言えば、積立金の取り崩しが若干早まっています。ここの運用利回りは、その分だけ予想よりも減るのであろうというふうに私は思います。 しかし、破綻していると言えますかね。今、高齢者がふえているという話がありましたが、そもそも、合計特殊出生率の推移というもの、これは、前回の再計算の予想と比べてどういう状況ですか、大臣。
○小宮山国務大臣 合計特殊出生率の見込み、これは、中位推計で一・二二の見込みが一・三九というので、これも上がっております。ですから、とにかく、先ほど申し上げたように、世界で一番の長寿国であるので、いろいろな面で中長期的に考えなければいけないテーマが多いというふうに考えております。
○田村(憲)委員 いや、だから、年金というのは百年設計してあるんだから長期に決まっているじゃないですか。 私がお聞きしているのは、すると大臣の認識は、坂口大臣のときに設計した現行の年金制度、これは破綻はしていない、あのときに目指した百年安心という方向性は維持されているんだというふうな認識でいいということでよろしいんですね。
○小宮山国務大臣 百年安心が維持されているかというと、ちょっとそこはなかなか難しいところがあるかというふうに思います。ただ、やはりもっと速いスピードで中長期的なことを考えていかなければいけなかったのではないかというふうには認識をしております。
○田村(憲)委員 もっと平たく言います。 財政的に今の年金が破綻する、そういうふうな認識、可能性が高いという認識をお持ちなんですか。それとも、今の現行年金制度は、財政が破綻するというふうには今のところ認識していないんですか。
○小宮山国務大臣 現時点ですぐに破綻するというふうには考えてはおりません。ただ、世界で一番長寿の国であるから、これから先、今までの計算どおりにはいかなくなっていくのではないか。その中で、中長期的に、そこは百年安心と言ったものが百年もたないかもしれないわけですから、そういう意味では、現時点ではいろいろな状況が悪くなっていないということは御指摘のとおりですけれども、このままずっと推移するかというと、いろいろな仮定を置いて検討していく必要があるというふうに考えています。
○田村(憲)委員 それでは具体的にお聞きしますが、大臣、高齢化がどんどん進んでいって、平均寿命等々が延びていく、予想以上に。そうなった場合に、今の年金制度において、どこに問題が生じてくるんですか。どの部分が問題が起こるんですか。
○小宮山国務大臣 今の制度の中ででも、例えば、仕組みに組み込まれたマクロ経済スライドが適用されていないということとか、幾つかのことで財政的な負荷が加わっている部分があるのではないかというふうに考えています。
○田村(憲)委員 マクロ経済スライドはかかっていくんです、自動的に。物価が上がれば発動されていくようになっているんです。それが初め計画したよりも後ろに延びていくだけの話であって、制度としては持続可能なんです。そして、例えば高齢化がどんどん進んで平均寿命が予測以上に延びていったとしても、その分マクロ経済調整というのはかかるんです。 問題は、所得代替率が五〇という、初め我々が挙げたもの、これが守れなくなっていく可能性というのはあるかもわかりません。しかし、現行、今見ている限りは、今申し上げました、合計特殊出生率が予想よりもかなりいいんですね、かなり。一・二二が一・三九ですからね、現時点で。これは、前回の中位推計、一番初めの中位推計かな、中位推計の二〇五〇年の数字の一・三九にもう今なっているんですよ。 ということは、年金財政計算において一番インパクトが強いのは、もちろんいろいろなものがありますよ、物価上昇率だとか賃金だとか。しかし、それぞれそういうものはある程度給付にも影響を与えていきますから、だから、ある程度中立に近い。しかし、確実に、合計特殊出生率が予想より下回った場合は、これは年金はかなり厳しい財政状況になってくる。それよりもこれが今上がっているんですから、いい状況なんですから、そういう意味では、年金は今、将来に向かって以前よりも悪いという状況ではないと私は思っているんですけれども、大臣、これをちゃんと検証してもらえますか。 今の現状、新しいいろいろな数字、変数を入れた上で、果たして年金が当初計算したよりもどういう状況なのか、計算上、これを一遍出してもらえますか。その上で、大臣は、いろいろな問題が起こる、短期的にはどうだけれども長期的にはと言われましたけれども、年金は長期的な問題なんですよ。我々は百年ということでつくったわけですよ。もちろん、いろいろなことが起こるかもわかりませんよ。しかし、今予見できるようないろいろな条件のもとで、その百年という一つの期間の年金の財政状況というものが極端に悪くなっているのか悪くなっていないのか、これをちょっと検証していただきたいんですけれども、お願いできますか。
○小宮山国務大臣 それは数字を挙げて検証させていただきたいと思っています。 ただ、出生率が上がってきたというのは、もちろん自公政権の時代からいろいろ政策をとられてきたことに加えて、私どもの政権でも子供の政策に力を入れてきたこともそこには貢献をしていると思いますので、そういう意味では、おっしゃるように、数字を挙げてしっかり検証させていただきたいと思います。
○田村(憲)委員 本当に、民主党の年金案というものが本来あれば、こういうものは全部解消というか、あなた方は違う制度をつくるんですから、いろいろなことを言って、中身がどうのこうの、わからないままに答弁されるということは起こらなかったんだと思うんですよ。私は、やはり民主党の年金制度を早く示していないところに一番の問題があると思う。これは比べようがない。前回言いましたけれども、社会保障と税の一体改革で申しわけ程度には書きましたけれども、実際問題、あの中に書かれていることは、すべて現行制度の改正といいますか手直しですよね。 そんな中で、二・五%、年金を三年間にわたって、これは今までの物価スライドがかからなかった部分でありますけれども、三年間かけてこれを引き下げるというような話が社会保障審議会の年金部会で検討をされているという話なんですが、これは大臣の認識のもとでこういうような検討がなされているという理解でいいんですか。
○小宮山国務大臣 最初に、民主党が掲げた全体を一元化するという年金制度については、与党で検討が進められるものだと思っておりますので、それはきちんと将来の姿として置きながら、現在の年金制度の中で改善すべきことを検討していきたいと思います。 このマクロ経済スライドにつきましては、税と社会保障一体改革成案の中でこういう項目を検討するということが挙げられたものを今順次検討しているところです。
○田村(憲)委員 だから、大臣が認識のもとで二・五%の物価スライドのたまりを三年間ぐらいで解消するということも検討しているということでいいんですね。もうそこで首を縦に振っていただければいいです。
○小宮山国務大臣 それは、そういうことで厚労省が決めたとかいうことではなくて、今いろいろな前提を置いて部会で検討を始めたところですので、これはしっかりと年末に向けて専門家に御議論をいただいて検討していく項目の一つだというふうに認識をしています。
○田村(憲)委員 もういいです。では、大臣が知らなかったことですか、これは。二・五%、これを検討するということは大臣の認識のもとで検討しているわけでしょう。そうですね。それをお聞きしているんですよ。 とにかく、前回の選挙のときに、お年寄りいじめ、お年寄りいじめと自民党は言われて、民主党はお年寄りも子供も守るんだみたいな言い方をされて選挙を戦われましたが、とにかく今出てきているのはお年寄りをいじめるような話ばかりですね。年金の支給開始年齢、これをまた六十八から七十まで引き上げる。先ほども言いましたとおり、年金が大丈夫ならばこんなこと、引き上げる必要はないですね。何で、年金は破綻していないのにこんな支給開始年齢を引き上げなきゃならないんですか。大臣、何でこんな検討に入ったんですか。
○小宮山国務大臣 これもその成案に含まれた検討項目の一つとして、六十八歳に引き上げるというのは、厚労省の案というよりは、専門家の委員の先生から材料を出して検討してほしいということでさせていただきました。 ただ、そのことをそういう形でしっかりとマスコミの皆様にもわかりやすく部会の前に説明ができなかったことは申しわけないというふうに思っています。
○田村(憲)委員 では、大臣、年金は大丈夫だから、六十八—七十に支給開始年齢を引き上げるというのは、厚生労働省としてはこれは反対だという認識でよろしいですね。
○小宮山国務大臣 今検討しているものを私の方から反対だと申し上げるわけにはいきませんが、これは先ほど申し上げたように、中長期的な課題としては最長寿国なので上げていく検討ということは必要かと思いますが、今直近にすぐやることではないというふうに思っております。
○田村(憲)委員 だから、年金は長期的なものですから、中長期的に上げると言えばそれは同義語になっちゃうんですよ。よく御理解いただいていますかね。百年のタームで考えていますので、二百年後に六十八に上げるという話じゃないでしょう。百年以内に上げるという話を今しているわけでしょう。 だから、そういう意味からすると、事務局は厚生労働省のはずなので、事務局である厚生労働省が年金部会の方に、六十八—七十まで年金財政上上げる必要があるという話ではないんですよということをはっきりとお伝えいただきたいというふうに思います。いいですか。
○小宮山国務大臣 年金が長期的なものだということはわかっています。それはだから、将来の長期的なものに対して、例えば、すぐ直近の、来年の改正案として国会に出すのかどうかといえばそういうことではありませんということを申し上げました。 そういう意味では、最初に申し上げたように、今、全体に挙がっているものを順番に議論をしているものですから、そこですぐやることと先へ向けて考えていくことが整理されていないというのは申しわけないと思いますので、そこはわかりやすく、どういう形を目指していく、短期的にはどういうことを当面、現在の制度の改正案としてやっていくのかということを、なるべく早くわかりやすく整理をしたいというふうに思っています。
○田村(憲)委員 本当にお年寄りに厳しいことばかりでして、例の医療に関しては百円の定額負担なんというものも出てきていますよね。 しかし一方で、公的年金控除を縮小、これはこの間、予算委員会で言いました。本来は公的年金控除、老年者控除、これを自民党が縮減したのを戻して減税するというのが皆さんのマニフェストだったんですよ。それをさらに縮減して、そして増税にするというようなことも実は今回の社会保障と税の一体改革の中で書かれているんです。 この質問をこの間しましたら、大臣は、控除から手当へというような流れもございますのでというようなお話でございましたが、子ども手当の場合はわかりますよね、控除から手当へというのは。年少扶養控除をやめて子ども手当というのはわかりますが、公的年金控除を縮減して手当をふやすというのはどういうことなんですか。老人手当というものをおつくりになられるおつもりなんですかね。年金は減らすと言っているんですよね。これはどういうことなんですか。
○小宮山国務大臣 控除から手当というのは、民主党の税制、社会保障に関する考え方の基本を申し上げたもので、そのもとには、子ども手当を考えたときには、子供に対しては高齢者に対してよりもずっといろいろなものが少ない、その中で新たに控除を廃止して手当ということをいたしました。 高齢者についてはいろいろなメニューがそろっている中で、そういう意味では、手当があるということではなくて、既に高齢者についてはいろいろな形で対応がされているというふうに思っています。 それで、今おっしゃったような公的年金控除につきましては、これは民主党の方からの強い御要望もありまして、検討した結果、今回要望したもので、社会保障と税の一体改革の成案では、高所得者の年金給付の見直しに関して、公的年金等控除の縮減によって対応することも検討をしているところでございますので、これは高所得者を念頭に置いたものなので、今回、控除の縮減により実質的に年金を引き下げるという方法などもあるために、これは全体としては矛盾するものではないというふうに考えています。
○田村(憲)委員 もう時間で終わりますけれども、とにかく政治主導なんですから、どこかの審議会だとかいろいろなところで何か答申案が出てきて、それと民主党の考え方が全然違うなんということだけは、これからはおやめいただきますようにお願い申し上げて、私の質問を終了いたします。
○池田委員長 次に、あべ俊子さん。
○あべ委員 自由民主党、あべ俊子でございます。 小宮山大臣にお尋ねを幾つかしたいと思っております。最初に、たばこに関してでございます。 小宮山厚生労働大臣は、たばこの価格を含めまして、たばこの所管官庁についてさまざまなお考えをお持ちのようでございますが、現在財務省が所管しているたばこ事業法について、どこが所管すべきだとお考えなのか改めてお伺いいたします。
○小宮山国務大臣 現在、たばこについては財務省が所管をしていることということは当然ながら承知をしております。 価格の値上げということも、これも再三委員会でも答弁をさせていただいていますが、私がこれだけに上げると言ったということではなくて、記者さんの質問に対しまして、昨年私が副大臣として、税調担当の副大臣で、昨年の税調の中で厚生労働研究の結果を御提示し、こういうことを議論しましたということを申し上げたので、私が今厚生労働大臣としてそういう価格の引き上げをしようということを申し上げたのではなく、ことしの税調でしっかり議論をされるものだというふうに認識をしております。 それで、事業法につきましては、世界の流れを見ましても、たばこはやはり健康を所管するところが持つという流れにFCTCの中でもなっていますので、これは民主党の政策集の中でも、健康を管理する法律として厚生労働省の方に移す、たばこ事業法廃止ということも掲げさせていただいているところです。
○あべ委員 今回のたばこの値上げに関しましては地元からいろいろ言われておりまして、そんなに体に悪いのなら、たばこを禁止にしたらいいんじゃないかということも言われているわけであります。 そういう中で、厚生労働省が管轄をするたばこは、どういうたばこになるのか教えてください。
○小宮山国務大臣 やはり、それはたばこに関する健康の面から考えてのたばこということなので、どういう形になるかというのは、これからまた法律のつくり方も含めて考えなければいけないことだと思います。
○あべ委員 健康を促進するという厚生労働省が管轄するたばこは、体にいいたばこになるということなんでしょうか。
○小宮山国務大臣 そういうことはあり得ないということは、医療関係者でもあられる委員は御存じの上でおっしゃっていることだと思いますが、現在のたばこ事業法を廃止してというのは、税源として財務省が管轄していることをやめるということなので、それに対してどういうたばこの法律をつくるかということは、幾つかの案もあるかと聞いておりますけれども、それは全体の組み合わせの中で考えることではないかというふうに思っています。
○あべ委員 すなわち、もし厚生労働省がたばこ事業法に関して管轄をしていくということになれば、たばこを販売しながら、なおかつ、それに関してアクセルとブレーキを両方かけていくという形になるということなんでしょうか。
○小宮山国務大臣 ちょっと今、私もそれを検討したときが大分何年も前なのではっきり覚えてはいないんですが、多分一つの法律ではないというふうに思います、たばこ事業法を廃止した後。 それは、健康に関するところは厚生労働省が管轄をするということかと思っていますが、全体を幾つかの法律を組み合わせて考えていたのではないかというふうに思っておりますので、全体の所管をどういう形で内閣の中でやるかということは検討の必要があるというふうに思っています。
○あべ委員 引き続きまして、老齢年金の支給開始年齢、これは田村委員からも出たところでございますが、ここの開始に関しまして、現在の支給開始年齢六十五歳、これに関してどういう認識を大臣はお持ちですか。
○小宮山国務大臣 詳しくはまた局長から実務的なところをお答えしたいと思いますが、先ほどお答えをいたしましたように、支給開始年齢というのは、繰り返しになりますけれども、最長寿国なので、長期的と言うとまたしかられるかもしれませんけれども、長期的にはやはりそこの是正というか検討をしなければいけないものだと思っておりますが、すぐにこれを上げる作業をするということに対しては慎重に考えなければいけないというのが私の考えです。
○あべ委員 この発言があってから若者たちが大騒ぎをしておりまして、僕の年金はどうなるんだろう、僕たちはどうなるんだろう、仕事もないのに地方ではどうなるんだろうということがあるわけでございますが、特にこのことに関して、政府参考人、簡単にお答えがいただければ、三十秒ぐらいでお願いします。
○榮畑政府参考人 私どもがこの税・社会保障一体改革の成案を受けまして、支給開始年齢引き上げについて検討ということ、年金部会でそのスタートをお願いいたしましたのは、一つには、諸外国では六十五歳を超えて支給開始年齢引き上げを決定されている、さらには、世界最長寿国である日本では、支給開始年齢の引き上げについての議論がややスタートできていなかったのではないかというような御指摘があって、検討を年金部会で進めているところでございます。 以上でございます。
○あべ委員 支給開始年齢が諸外国で引き上げられているというのも存じ上げておりまして、アメリカが六十六歳になっている、イギリスは、男性が六十五歳、女性が六十歳。特に、平均寿命が非常に長い日本が対応をどうしていくかということは非常に大切な部分だと思いますが、やはり、このことに関しては、発言は本当に注意をしていかないといけない。 特に、小宮山大臣の発言が、非常に官省の方々が、一回ごとに冷や冷やどきどきしながら、発言の後には走り回る、そういうことがあってはならないと思いますし、年金開始が六十八歳は難しいという発言があった後に二時間で撤回するということがある前に、やはりこれは、年金というのが本当に我々国民にとっては非常に重要な問題でありますので、ぜひともここのところは御注意いただけたらと思うわけでございます。 ですから、小宮山大臣、これから発言に関してどのように注意していただけるか、ちょっと一言お願いします。
○小宮山国務大臣 発言は、わかりやすく、誤解がないようにしていきたいと思っています。 ただ、一つだけ申し上げますと、そこの記者クラブで発言をしたものを二時間で別に撤回したわけではございませんで、説明を十分にしたということを御理解いただきたいと思います。
○あべ委員 メディアに関しては、後から何を言っても、言っちゃった瞬間、言葉だけが動きますので、やはりそれは、どこを切り取られても大丈夫なようにしていかなきゃいけないというのは、非常に大変なことではあるとは思います。 そうした中におきまして、第三号被保険者の制度に関して、専業主婦年金の見直しに関して大臣にお聞きしたいというふうに思います。 小宮山厚生労働大臣、第三号被保険者制度に関して比較的批判的な発言をこれまで繰り返してきたというのがさまざまな議事録から読み取れるわけでありますが、働く女性を応援したい、その気持ちは大変よくわかります。 女性の社会進出、社会保障の個人単位化、さらには、現在政府で議論されている厚生年金の二分の二乗方式についてどういう認識をお持ちでしょうか。
○小宮山国務大臣 働く女性を応援したいという表現がございましたけれども、私は、生き方の選択、ライフスタイルによって不公平でない制度にしたいというふうに思っています。そういう意味では、今、働いている女性にとって公平でないということかと思っているんですね。 二分二乗につきましては、十年ほど前に、厚生労働省がこの三号の被保険者制度を改めるために四つの案を提示いたしましたが、負担がふえたり支給額を減らしたりというのは現実的でないということで、十年間動いてまいりませんでした。ですから、今回、その考え方として二分二乗ということを入れたらどうかということを今検討しているんですが、これはある意味、半歩前進というか一歩前進というか、そういうものだというふうに考えております。 本来、年金を一元化すればこういう問題はないわけですが、それには時間がかかるということで、現行制度の中をなるべく公平な制度にしたいということ。 なぜこれが公平でないかというと、委員は御承知のとおり、専業主婦、サラリーマンの妻の年金の掛金、保険料を独身の人あるいは母子家庭の人も負担しているというのはだれが見ても不思議なこと、おかしなことだなというふうに思っておりますので、少なくとも、半歩、一歩前進ということにすぎませんが、二分二乗ということを検討させていただいているということでございます。
○あべ委員 大臣が今おっしゃった年金の一元化ということには、厚生年金と共済年金の一元化も入っているということでしょうか。
○小宮山国務大臣 まずは厚生年金と共済年金の一元化を急ぐべきだと思っておりますし、与党としましては、ずっとお約束をしてきているとおり、今、全体の年金の一元化を目指して検討を始めているというふうに認識をしております。
○あべ委員 厚生年金と共済年金の一元化を急ぐというのは、いつまでに行いますか。
○榮畑政府参考人 被用者年金の一元化につきましては、先ほども大臣が御答弁いたしましたけれども、社会保障・税の一体改革成案の中に入ってございます。 この被用者年金の一元化につきましては、社会保障・税一体改革の成案で示されているとおり、二〇一二年以降に法案を提出するようなことを考えて現在検討しているところでございます。 以上でございます。
○あべ委員 二千何年とおっしゃいましたか。
○榮畑政府参考人 二〇一二年以降というふうに申しました。
○あべ委員 大臣、二〇一二年のいつごろ出されますか。
○小宮山国務大臣 二〇一二年以降ということでございますので、今いろいろ検討していますのでなるべく早くやりたいとは思っておりますが、二〇一二年に出すことはなかなか厳しいのかなと。なるべく早く、二〇一二年以降、可能な限り、関係者の調整を済ませた上で、急ぎたいというふうに思っています。
○あべ委員 二〇一二年が難しいということでございますので、政権交代の後に引き受けさせていただきたいと思っているわけでございます。 そうした中におきまして、十月七日の厚生労働省の専業主婦年金に関しての大臣の発言でございますが、大臣が、個人単位ということを言うと家族を崩壊させようとしているという報道になるのが残念だというふうに発言をされています。これはどのように残念か教えてください。
○小宮山国務大臣 先ほど申し上げたように、別に私は専業主婦を否定しているわけでは全くございません。 ただ、働いている女性に対して、これは年金の三号の問題、また配偶者控除のこと、もともと働く中で女性の賃金がきちんと均等に評価されていないことなども含めて、今はパートなどの保険適用の範囲の拡大ということもやっておりますが、社会全体として、男女共同参画社会基本法ができてもう大分たちますけれども、働きたいと思う人がしっかり評価されて働けるように、そして、働くことを選んでも、専業主婦であることを選んでも、公平な社会にしたいというふうに思っているということでございますので、今働いている女性のところのマイナスになっている不利な面を変えていこうとしていることが、必ずしも家族を崩壊させるとかそういうことを考えているわけではないということを申し上げました。
○あべ委員 続きまして、第三号被保険者にかかわる収入認定基準の百三十万円、これは非常に大臣がこだわってきた部分ではないかと思うわけでございますが、ここの百三十万の認定基準の部分、小宮山厚生労働大臣、どのような認識をお持ちでしょうか。
○小宮山国務大臣 百三十万に何かこだわるとか、認定基準をどうしたいと言っているということではございません。これは徐々に上げてきているわけですけれども、ある意味イタチごっこになってしまいますので、根本的に考え方を改めていった方がいい。その経過措置の本当に考え方の整理ですので、第一歩ですが、今回二分二乗という形を出させていただきましたので、百三十万について何かどうこうしようという考えがあるわけではございません。
○あべ委員 では、先ほどの二分の二乗のところに参りますが、先ほど大臣が、一歩もしくは半歩前進ではないかという発言がございましたが、何が前進なのかよくわからないので、具体的に教えてください。
○小宮山国務大臣 これは中途半端だというふうに、両側の御主張があるところから御批判をいただいているということは私も認識をしております。 ただ、これは今、遺族年金については既に二分二乗というか夫婦の分割ということをやっているわけですけれども、これは法の規定の中でも、そこの専業主婦の部分は夫が負担をしたと考えるというふうになっているかと認識をしておりますので、それを二人で積み立ててきたと考えるということで、そこのところは、男女で分かち合うということの中で、少し考え方を整理ができるのではないかというふうに思っているところでございます。
○あべ委員 全然整理がついていないような気がするのですが、もう一度聞かせていただきますが、何が半歩進んだんでしょうか。払う方でしょうか、もらう方でしょうか。
○小宮山国務大臣 ごめんなさい。先ほど遺族年金と申し上げたのは離婚時の年金分割でしたので、そこは訂正をさせていただきたいというふうに思っています。 考え方の整理にすぎないということを申し上げたのは、実質的に払う金額も、もらう金額も、その世帯単位で考えれば変わらないので、これは考え方の整理ですということを申し上げました。 ただ、そのときに、専業主婦もいろいろと家事などもしながら支えることによって夫が年金の保険料を払ってきたという考え方からすれば、それは夫婦で払ってきたという考え方になり、そこを二つに分けるということで、将来は、やはり私は、これから本当に騎馬戦型から肩車型になって高齢者がふえていく中で、働ける人は、ちゃんと女性も評価もきちんと賃金などでされた上で、一人前に働いていくことが必要かと思っていますので、個人単位化へ向かっていく中の一つの考え方の整理というふうに見ていただければというふうに思っています。
○あべ委員 いわゆる主婦が一生懸命御主人を支えてきたアンペイドワークに対して評価をして、年金を半分半分として考えたという話と、騎馬戦から肩車に変わってくる、いわゆる現役世代が少なくなっていく中、高齢者を支えていくという話は、全く別な話だと思いますが、大臣、いかがですか。
○小宮山国務大臣 それは、いろいろな角度から考えられるという意味で申し上げましたので、全く違う話というより、本当にライフスタイル、どういう人生を選択するかによって、公平な仕組みでないものをどう是正していくかという意味では、そういうところが公平になっていないと、これから、支える能力があり気持ちがある女性たちがそういう形をとらないということにもなりますので、いろいろな角度から考えるという点では、私は、そんなに矛盾をする話ではない、いろいろな角度から考えてみたいということを申し上げています。
○あべ委員 主婦が御主人を支えてきたという支え方に関しての関係性の部分は、二分の二乗においてちょっと考え方を整理したかもしれませんが、受ける金額も払う金額も変わらない。しかしながら、先ほど申し上げた、世代間格差の考え方とは全く切り離して考えるべきだと私は思うわけであります。 どんな角度から考えても、この二分の二乗と騎馬戦から肩車型に変わることに関しては連動しないと思いますが、大臣、いかがですか。
○小宮山国務大臣 騎馬戦から肩車というのは、やはりこれからの人口構成の中で、働ける女性はしっかりと、一人が一人を支えるのではなくて、二人で支えた方が、それはいろいろな意味でリーズナブルなことだということで申し上げましたので、そのことと二分二乗の話というのは、先ほどから申し上げているように、ライフスタイルの選択に公平でないということ、公平なライフスタイルの選択ができれば、働きたいと思う方たちが働けるということで、私は関連があるというふうに考えています。
○あべ委員 余り変わっていないような気がしますが、ここは次に行かせていただきます。 九万八千円の壁というのが百三十万円の枠のときには必ず議論になるところであります。特に、厚生年金の拡大というのは注意をしていかなければいけない。 九万八千円の壁というのを大臣はお聞きになったことがありますか。
○榮畑政府参考人 九万八千円の壁というのは、今の標準報酬の下限が九万八千円だということで、そこまでで働き方をとめるというふうなことであろうかなと想像しております。
○あべ委員 この拡大を、見直しを変なふうにしてしまうと、逆に優遇措置の見直しで女性の就労が本当に拡大するんだろうかということの論点になってまいります。 それを、大臣は、百三十万の枠をもし変えた場合、さらには厚生年金の拡大をした場合に、女性がもっと働くようになるとお考えでしょうか。
○小宮山国務大臣 その点につきましては、今おっしゃったように、第一号被保険者の方から見た場合に、また別の意味の不公平感を生じさせる可能性があるという御意見ですとか、もともと厚生年金制度は比較的所得が高かった方から低かった方への所得再分配が行われる仕組みであるので、第一号被保険者の方の負担とは関係なく分けて考えるべきといった御意見など、いろいろな御意見があるかと思っていますので、いろいろな視点から議論を行っていく必要があるというふうに考えています。
○あべ委員 大臣、いろいろな視点でというのはいいんですが、政治主導とずっと言ってきたのであれば、自分たちは一体何を目指すかということを政治家は言う必要があります。 大臣、これは、いわゆる就労を拡大したいと思っているんですか、それとも働く女性を応援したいと思っているんですか、世代間格差を解消したいと思っているんですか。一体、この年金制度の見直しの全体はどこに一番の焦点があるんですか。
○小宮山国務大臣 今おっしゃった一点目と二点目は同じことかというふうには思いますけれども、これは、再三申し上げているように、この社会保障制度、税制もそうですけれども、これが、どんな生き方を選んでも公平な制度にしたいということと、また、年金制度などについては、世代間それから世代内の格差がないように、いろいろな意味で公平公正な制度にしたいということが考えていることでございます。
○あべ委員 大臣、どんな働き方を選んでも公平な制度というのは、働いても働かなくても、頑張っても頑張らなくても同じという意味ですか。
○小宮山国務大臣 そういうことではありません。 現在は、国によっては働いたことがメリットになるような、スウェーデンなどが考えているやり方もございます。ただ、日本の中では、働くことがマイナスになるような仕組みが多過ぎるというふうには考えておりますので、そういう意味では、あくまで公平な制度というふうにしていきたいというふうに思っています。
○あべ委員 働くことがマイナスになっている人たちというのはどういう人たちでしょうか。
○小宮山国務大臣 マイナスにというのは、ちょっとこれも正確な言い方ではなかったかもしれないので言い直させていただきたいと思います。 例えば、母子家庭のお母さんが働いている。これは言うまでもなく非常に年収が少ない。その中で、その人が、今の話に戻して言えば、三号の問題で専業主婦の分も掛金を払うということは、これはプラスになることではないことは明らかでございますので、そのように、働いている人、働いていない人が制度の中で負荷が違う、それは私は公平でないというふうに考えています。
○あべ委員 負荷というのは何の負荷ですか。
○小宮山国務大臣 だから、今申し上げましたように、例えば母子家庭のお母さんが、本来、専業主婦の夫の方がずっと高額であるのに、その妻の分の年金の保険料を働いている所得の少ない母子家庭の母親も負担をするというのは、これはニュートラルではなくて、働いている母子家庭のお母さんの方に負荷がかかるというふうに考えます。
○あべ委員 今のお話はわかりましたが、二分の二乗の話とシングルマザーもしくは母子家庭のお母さんの話は全然土壌が違うんだと思いますが、いかがですか。
○小宮山国務大臣 事実関係としてそういうことがあるというふうに申し上げました。 再三申し上げているように、今回、二分二乗を今言っている形で入れても、これは払う保険料ももらう年金額も変わらないので、これはあくまで半歩前進の考え方の整理ですということは最初から申し上げました。将来的には、一元化をすれば年金の問題は解消するわけですが、そこまで時間がかかるので、その間になるべくそこを公平な制度にしていきたい、その半歩前進の部分だというふうに考えていただければと思います。
○あべ委員 大臣、半歩前進に余りこだわらない方がいいんじゃないかと思います。多分、そこのところから深掘りされるとまた大きな問題になりますので、ほとんど前進していないというふうに自覚をされた方が、同じ女性議員としてちょっと御提案を申し上げます。 次に、介護福祉士の件について簡単に触れさせていただきたいと思います。 今までの介護職員処遇改善交付金の部分でございますが、これが切れるということもございまして、介護福祉士の給料はどうなるんだろうということが言われているところでございますが、そのことに関して、大臣、介護福祉士の処遇、これから先、本当に働きがいのある職場になっていくのかどうかということも含めて教えていただけないでしょうか。
○小宮山国務大臣 介護職員の処遇改善というのは大変重要なことだというふうに思っています。これから先、どこに雇用を創造していくかということについても、超少子高齢社会の中で、福祉の現場の処遇を上げていくということはそういう面からも大事だと思っています。 現在は、介護職員の処遇改善はその交付金の中でやっているわけですけれども、一時金の色彩が非常に濃いことから、これは介護報酬の改定の中でやるのか、あるいは今までの形でやるのかを、これは二十四年度の予算編成過程で結論が得られるように今議論をしておりますので、しっかりと取り組んでいきたいというふうに思っています。
○あべ委員 そうすると、このいわゆる交付金に関してはどういう形にしていくおつもりなのか、志の部分をもう一度聞かせてください。
○小宮山国務大臣 ですから、介護職員の処遇は改善ができるように最大限努めていきたい。そのやり方として、交付金をさらに引き続きやっていくのか、あるいは介護報酬の中に組み込んでいくのか、そのことについては今検討をしておりますので、予算編成過程までにどういう形で、とにかく改善に取り組むことはきちんとやりますので、やり方については今検討しているということでございます。
○あべ委員 介護報酬の中に入れ込んだときに、それが介護職員の給与に充てんされるかどうかということは非常に疑問があるところでございますが、ここはどういう形で保障をしていくんでしょうか。
○小宮山国務大臣 今検討している最中ですけれども、介護報酬に組み込んで、きちんとそれが介護職員の処遇改善に行くためには、そこは何らかの方法で区切って、この金額分、何%上げた分は介護職員に行くというような区分をしてやっていく必要があるというふうに考えています。
○あべ委員 そうすると、介護報酬の何%分が介護職員の中に行くということになりますと、地方における差、また施設間の差ということの部分をどういうふうに読み込んでいくんでしょうか。
○宮島政府参考人 お答え申し上げます。 今の処遇改善交付金も事業者の種別によって定率を介護報酬に上乗せしてお配りしているという形になっていますから、介護報酬の中にある地域差、あるいは事業者間の人件費比率の差というのが反映されている形で配られているという形になっております。
○あべ委員 介護職員の方々は本当に一生懸命現場で高齢者を支えてくださっています。ここのところは、やはり制度がなくなるにしても、介護報酬の中に織り込みにするのであれば、職員の方々がしっかり保障される形にぜひともやっていただきたいというふうに思うわけであります。 時間になってまいりましたが、最後に、小宮山大臣、私、小宮山副大臣のときにもお聞きしましたが、小宮山大臣は何歳ぐらいまで生きるつもりでいらっしゃいますか。私は大体八十まで自分はもたないと思っておりますが、お尋ねいたします。
○小宮山国務大臣 それは神のみぞ知るというか、私がいつまで生きたいかと生きるつもりかとまたちょっと違うのかと思いますけれども、私は今、日々できることを精いっぱいやっているというところでございますので、どれだけ生きられるかは、それは私が、毎日、日々一生懸命生きた結果だというふうに思っていますので、いつまで生きたいというふうにはっきりしたものを持っているわけではございません。
○あべ委員 では、百を超えるかもしれませんし、超えないかもしれませんが、亡くなるときはどこで亡くなりたいと思っていますか。
○小宮山国務大臣 それは、多くの方が思われているように、自宅でというふうに思っています。 そういう意味で、今つくろうとしている社会保障の一体改革の中でも、在宅医療、在宅介護、今負荷のかかる部分、刈り込む部分ばかりが先に出て、これは私どもの提示の仕方も含めてもっときちんとしたいと思っていますけれども、きちんとプラスになる部分もお示しをした中で御理解をいただければと思っています。
○あべ委員 今、特に長期療養型、さらには特別養護老人ホーム、グループホームで亡くなる方とそうでない方に大きく分かれるんですが、私は、ここは人手を厚くしないと無理だと思っています。しかしながら、固定的に厚くするのではなく、外から、サービスの柔軟性を持たせる形で、訪問介護、訪問看護をふやしていくべきだと思っております。 ところが、今、特別養護老人ホームにおきましては、がんの末期しか適用がされていません。グループホームにおいてはなかなか難しいというところがありますが、この拡大をしていくことが私は最期の住まいとされる場で亡くなっていく方にとっては必要なことだと思いますが、大臣、いかがお考えでしょうか。
○小宮山国務大臣 今、そうしたことも含めて今後のあり方を分科会などでも検討しているというふうに認識をしております。委員の御指摘もそのとおりだと思いますので、検討させていただきたいと思います。
○あべ委員 さらに言えば、実は、死亡診断、どこで亡くなるかということが、これは診療報酬上で死亡診断書が医療の保険の中でしか書けないというふうに聞いておりますが、参考人、いかがでしょうか。
○宮島政府参考人 死亡診断書の診断書の作成料自体は医療保険も介護保険も払っていません。これは、利用者というか亡くなったところの方から料金をいただくということになっています。 ただ、死亡診断というその行為に関して言いますと、これは末期の悪性腫瘍の患者に限って医療保険の方で評価がある、そういう形になっております。
○あべ委員 すなわち、末期の方以外はできないということでよろしいでしょうか、局長。
○宮島政府参考人 死亡診断自体は、これはお医者さんがやらなきゃいけないということですから、無診察でやってはいけませんが、一般的には、二十四時間以内で特養なんかで亡くなった場合は異状がない限りは診察しなくても死亡診断を交付できますし、受診後二十四時間を超えている場合であっても、改めて診察してもらえれば、そこの嘱託医が死亡診断を発行することはできます。
○あべ委員 死亡診断と死亡確認は私は違うんだと思っておりますが、ここの部分をもう少し柔軟性を持たせていただかないと、最期、何時間以内かに医師がそばにいなければ死ぬことができないというのは、本当に安らかな死を迎える上では非常に妨げになっていると私は思います。 大臣、在宅で最期、百を過ぎるか過ぎないかはわかりませんが、お亡くなりになりたいという大臣として、ここのところの死亡確認、死亡診断の部分をもう少し緩和していただけるようにお願い申し上げますが、一言、これについてコメントをいただきたいと思います。
○小宮山国務大臣 御指摘は受けとめさせていただき、必要な検討はさせていただきたいと思います。
○あべ委員 では、時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。
○池田委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時一分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○池田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。加藤勝信君。
○加藤(勝)委員 自由民主党の加藤勝信でございます。 きょうの午前中の議論も踏まえながら質疑をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 午前中の議論を聞きながら、社会保障・税一体改革成案というのがございますね、政府・与党社会保障改革検討本部の決定、閣議報告。その位置づけを大臣は一体どういうふうに受けとめておられるのか。 何か、有識者からどうのこうのとすごく第三者的な話なんですが、そうじゃなくて、むしろ、ここに書いてある、やると書いてあるもの、あるいは検討すると書いてあるもの、これは、それぞれ政府としてやるということですから、当然、大臣としてもやるということを御承認の上やっておられる、こういうふうに考えてよろしいんですか。
○小宮山国務大臣 それは、政府としてやることで成案をつくりましたのですから、政府の一員として、当然、そういうことでございます。
○加藤(勝)委員 そうすると、一連の、先ほどの支給年齢の引き上げなどは、当然、そういう意味では、大臣のそういう意向の中で検討を、厚生労働省のそれぞれの審議会というんでしょうか、そういうところでさせている、してもらっている、こういうことでよろしいんですね。
○小宮山国務大臣 成案に挙げてあるような項目を検討するということは、私の認識として、そういうふうにしております。 ただ、その中で、先ほどから申し上げているように、どういう順序でやるかとか、それをすぐにやるのかとか、どれだけの工程表の中でやるのかということについては、今検討している最中だということを申し上げました。
○加藤(勝)委員 したがって、大臣含めて内閣全体ということでありますが、厚生労働大臣の所管に関しては、大臣のいわば指示の中で今検討している、こういうことだということを確認させていただきたいと思います。 そういう中で、まず、厚生年金の第三号被保険者問題。 午前中もいろいろございました。それで、いろいろ大臣のお話を聞いていると、あるいはいろいろなところで、公平でない仕組みを変えていくと。そのときの、公平でないと言っている意味が、先ほどの説明あるいは御答弁を聞いておりますと、例えば、自営業者の専業の主婦の方と被用者保険に加入しているサラリーマンの主婦の方とでは、前者は国民年金保険料を定額で負担する、対して後者の方は、御自身も負担をしていないし、そしてその分を御主人が負担しているわけでもない、そこが不公平だ、こういうふうにお考えなんですか。
○小宮山国務大臣 ですから、何をベースにして不公平か公平かという話だと思いまして、そういう意味では、私は、女性の立場からして、その生き方に対して、女性個人個人として見たときに公平でないという言い方をしております。
○加藤(勝)委員 いや、ですから、そこで言っている女性で、女性か男性じゃなくて女性の中でのお話なのかもしれませんが、何が不公平なんですか。それから、だれとだれとがどう不公平なのかということをお聞きしたいんですが。
○小宮山国務大臣 だから、例えば、先ほども申し上げたように、母子家庭のお母さんが、働いていてその人は二号で厚生年金の保険料を一定額払っている。それに対して、専業主婦の家庭では、女性を見たときに、夫は払っているけれども妻の方は払っていない。それから、一号の女性の場合は定額を払っている。それはやはり生き方に対して公平でないという言い方を私はしております。
○加藤(勝)委員 生き方に対してと、そこがよくわからないんですが。 要するに、御本人が、二号保険の方は負担をしている、三号保険の方は負担をしていない、一号の方は負担をしている、このところが不公平だとおっしゃっているんですか。
○小宮山国務大臣 生き方というか、生き方の選択ですね。だから、そういう意味で、一号の妻になった場合と、国民年金もそうですから、一号である場合と、専業主婦であるということを選んだ、そのライフスタイルを選んだ女性と、それからあと、二号で、働いて、まあ母子家庭は一番典型的な例として申し上げたんですが、二号で自分で保険料をその収入に応じて払っている人と、その女性を一人一人比べたら公平でないという言い方をいたしました。
○加藤(勝)委員 ただ、それはそれぞれ、今お話ししたように、制度が違う、それから基礎年金部分の払い方が違う、そこに帰着をするのではないかと思いますから、そこ自体が不公平ということではなくて、もともと、それぞれの制度にある所得捕捉の問題等々いろいろなことがあって今の制度になっているというところがある意味では起因するところであって、今のお話で物を語っていくというのは、ちょっと局所しか見ていないのではないか、私はこう思うわけであります。 それから、今、厚労省の中では、二分の二乗、さっきお話がありましたが、こういう話で、大臣は半歩前進と。我々は、そこがよくわかりませんということであります。 それから、二分の二乗でもし仮に考えれば、さっき大臣がおっしゃった母子家庭と専業主婦の世帯だって、どっちがどっちを支えているかわからないんですね。 例えば、母子家庭で年収三百万しかない、片っ方で、年収二千万の夫がおられる世帯、両方とも厚生年金に入っていれば、では二分の一で、片や一千万、一千万、片や三百万だということになると、報酬比例はともかく、基礎年金の定額部分に対する負担というのはどっちが余計にしているかといえば、結果的には二千万の専業主婦世帯の方が余計に払っているわけですね。だから、それだけ見てどっちが負担が多いとか少ないというのは、私は、必ずしも言えないのではないのかなと。 それから、逆に言うと、今の問題が女性の働き方にどれだけ影響しているのかということにもお話は帰着するんだろうと思います。 平成二十年の第四回全国家庭動向調査、この話は質問の聞き取りのときに申し上げておいたんですが、この調査によりますと、これは平成二十年に行った調査なんですけれども、「夫は外で働き、妻は主婦業に専念すべきだ」との考えに、二十九歳以下の女性の四八%、正確を期すために、五二%の女性は反対していますが、ほぼ拮抗しているんですね。やはり、そういう状況をどうお考えになって物を考えていくのかということにもかかってくると私は思うんですが、大臣は、その数字を見てどういうふうにお感じになられましたか。
○小宮山国務大臣 午前中も申し上げましたように、別に私は専業主婦としての生き方を否定しているわけでも何でもございません。 今の調査については私も拝見させていただきましたが、二十九歳以下の妻のうち四七・九%が妻は専業主婦に専念に賛成ということなんですが、これは、既に結婚している人が母数なんですね。全体の、配偶者なしまで入れますと、有配偶者は二四%なので、二四%の中の四七・九%ですから、全体からすると一一%の人が答えている。もちろん、その配偶者なしの中にもある程度数があるかと思いますので、完全にそこを掛け合わせるのは正しいとは思いませんが、少なくともその母数が、既に結婚している人に聞いているので、結婚していない女性の方が二十代では七六%いますので、これだけで判断するのはなかなか難しい数字かなと思います。
○加藤(勝)委員 いやいや、さっき大臣の事例が、結婚している共稼ぎの方というお話をされていたから私はその事例を申し上げたわけでありまして、さらに広げていけば、それが理由で結婚するかしないか、いろいろなことが絡んでくるんですが、先ほど、既に結婚している女性を前提にライフスタイルの話を、選択の話ですか、されておられたので今の数字を申し上げたということでございます。 したがって、なぜ再三再四申し上げているかというと、やはり、どことどこをどう公平にしていくのか、今のどこが問題なのか、そこを明確にしないと改革の議論というのはなかなか進めていけないと思うんですね。 それから、さっき言った二分の二乗というのは、私は、ある意味では一歩も前進していないと。おっしゃる観点からの負担が不平等じゃないかと仮に認識をしたことに対しては、実は何も進歩していない。 ただし、年金受給権をどうするかという別の観点では、それは議論はあると思います。ただ、もともと不公平だとおっしゃった原点、負担が不公平だというところに対して答えにはなっていないんじゃないかということで、私は一歩も前進していないんじゃないかなということを申し上げているんですが、何かございますか。
○小宮山国務大臣 再三申し上げているように、今回の二分二乗は、考え方の中で、おっしゃる言い方でいえば、受給権を平等にしたということですから、全体の給付の額とか保険料を納める額からすれば変わっていないので、委員のお立場からそうおっしゃるのは、それはそういうことだと理解ができるかというふうに思っています。 ただ、もう一つ、不公平だと私が言った一つには、この第三号の被保険者の制度ができる以前には、専業主婦でも七割が自分の保険料を払っていたわけですね、国民年金で。今、専業主婦の方にいろいろお話を伺うと、自分の夫が自分の分も払っていると思われている方が実は割と多くて、それを、いろいろな人が保険料を払っているのだという話をすると、それなら自分も払った方がいいと思う方が、少なくとも私が話をしている中では多い、そういう状況もあることはお伝えをしておきたいと思います。
○加藤(勝)委員 ですから、それは、さっき母子家庭の三百万と年収二千万のお話をさせていただいたように、そこはきっちり、基礎年金制度の、要するに、厚生年金に加入している者と国民年金に加入している者の中では、給付は定額、負担は、片や定額、片や定率だ、そういうところにすべて帰着しているわけですから、そこのところをどうするかという議論が本質であって、今おっしゃったところは、ある部分だけを取り上げているんじゃないかということを私は申し上げておきたいと思います。 続いて、高齢者医療制度の廃止に関して、民主党の「マニフェスト 政策各論」という部分では、年齢で差別する制度だ、こういう指摘をされているんですが、一体どこを指して差別とおっしゃっておられるのか。 これも、申し上げたいのは、要するに、どこに問題点があると認識されて、それをどう変えていくか、こういう議論だと思うんですね。さっきの年金のところも、要するに、負担のところが問題だったら負担を変えなきゃいけない。それが受給権の話になるから、ちょっと私どもは混乱をするということであります。 この高齢者医療制度についての、年齢で差別する、これは一体どういうところを、年齢で差別ですよ。区別というのはありますよ、明らかに違うわけですから。しかし、差別というところは、一体どこをお指しになっておられるんですか。
○辻副大臣 御指摘の後期高齢者医療制度につきましては、七十五歳に到達した時点でそれまでの保険制度から分離、区分した保険制度に加入することとなるといった点が年齢による差別と受けとめられているものと認識をいたしております。 なお、これまで七十五歳以上という年齢に着目した診療報酬十七項目について、平成二十二年度の診療報酬改定でこれらを廃止するなど、運用面での改善を行ってきていることもあわせて申し上げておきたいと思います。
○加藤(勝)委員 いや、ですから、区別というのは、それは、もともと老人保健制度のころからも、一定年齢の人の負担割合は違うとか、それぞれ違う制度に実はなっているわけでありまして、違うことは、我々、違う制度をつくったのはわかっているんですが、おっしゃるように、差別という言葉を使うと、どちらかといえば、通常の加入者、一般の、要するに七十五歳以下の者に比べて、扱い上冷遇されている、こういうことだと私は思うんです。 おっしゃる意味は、そういう趣旨で使っているんではなくて、単に別々だ、制度が別々だ、こういうことでおっしゃっているんですか。
○辻副大臣 差別という言葉を厚労省として使っているというふうには私は認識しておりません。 先ほど申し上げましたように、差別と受けとめられている、年齢差別だというふうな御指摘があるということを申し上げているわけでありますけれども、そういう御指摘で考えるならば、区別という言い方もあろうかと思います。
○加藤(勝)委員 私は、厚労省が使っているなんて一言も申し上げていないです。衆議院選挙のときに民主党の「マニフェスト 政策各論」でそうお使いになっていますから、だから、それはどういうことですかとお聞きしているんです。 副大臣は参議院議員でいらっしゃるので、副大臣はお使いになっていないかもしれませんが、衆議院議員選挙で当選された大臣、どういう意味で使われたんですか。
○小宮山国務大臣 これは、やはり、七十五歳という年齢のところだけで切って全く違う仕組みにすることに対して国民の皆様方がそれは年齢による差別だというふうにお考えだということで、民主党としては、差別という言い方を、七十五歳で、そこから今までとは分離して年齢によって変えるということは、そういう受けとめをされているというところからマニフェストではそういう書き方になったのだというふうに思っています。
○加藤(勝)委員 ですから、それは、そういうふうに受けとめられているというのではなくて、それをそのまま皆さん方はマニフェストに書かれたんですから、具体的に、それを廃止して制度を変えるというなら、そこに問題点があったと。 では、どこが問題なんですか。
○辻副大臣 ですから、先ほど申し上げましたように、七十五歳に到達した時点でそれまでの保険制度から分離、区分する制度というものが年齢による差別と受けとめられているという指摘がある、受けとめられるような指摘がある、こういうことでございますので、年齢に達した時点で保険制度として分離、区分するようなことがないような制度をつくる、そういうことでございます。
○加藤(勝)委員 何で分けたかといえば、老人保健制度で問題があって、そして、特に国費を集中的に入れてこれからふえる高齢者の医療保険を支えていこうということで、分離、区分した方がわかりやすいからそういう仕組みにしているわけであります。 実際、高齢者制度の、七十五歳以上の医療保険については、保険料は実質一割ですよね。あとは税金と、それより下の方のいわゆる支援金、これで賄っているわけですから。それだけ見て、どこに問題があるのか。要するに、既存よりも、しかも、ほとんどの方は保険料が安くなっていたはずでありますから、その一体どこに問題があるのか。 逆に言えば、年齢によって保険料が変わる、しかも、安くなるのはけしからぬからもとに戻そう、そういうことですか。
○辻副大臣 数年前になるかと思いますけれども、この後期高齢者医療制度の導入のころにいろいろな国民的な議論があり、直接的には、いろいろな選挙にもかかった部分があったかと思いますけれども、高齢者の方々から、差別といいますか、あるいは極端な言い方として、うば捨て山というような言葉も出るような、そういった状況もあったわけでございますし、政府のサイドも、当時、四月から発足した時点で長寿医療制度という名称に変更されたということもあったと思うわけでございます。 そういった国民の皆様方のいろいろな御意見などを徴する中で、一定の年齢に達した時点で区分、分離するという制度は、なじまないといいますか、やはり年齢による差別ということにつながるのではないか、そういうことからの提起であるということでございます。
○加藤(勝)委員 委員長も首をかしげながら聞いておられたように思いますけれども。 要するに、もちろん、名前の問題とか、いろいろ我々も配慮に欠ける点があった、それは確かにそのとおりであります。それから、あのときに、導入前にもいろいろ変えていったものですから、それが実際、実施の中で、私も回っておりましたが、特に天引き等々でありましたから、預金口座から出たり入ったり出たり入ったりしていて、これが大変な不信につながったのは事実であります。しかし、今、一年、二年たって落ちつく中で、私は、正直言って、ほとんどそういう声は聞きません。 大事なことは、もうひとつ冷静になって、ある意味では誤解があったり、あるいは導入におけるいろいろな意味での配慮の足らないところがある、これはもちろん反省していかなきゃいけませんが、これから次の制度を考えようといったときに、今副大臣が御指摘したようなところというのは、一体何を変えていいのか、何が問題なのか、私は、にわかに受け取りがたいわけであります。 いずれにしても、高齢者の方の保険制度を、今の仕組みの中で、しかも、少なくとも、国保に入るよりは今の後期高齢者制度の方が大方の方が保険料が安くなる、こういう状況の中でこれを廃止してもとに戻す、それの方が、高齢者の方から見ると、えっという話になると私は思いますけれども、いかがですか。
○辻副大臣 廃止してもとに戻すということではございませんで、昨年も高齢者医療制度改革会議において一つの方向性を出していただいたわけですけれども、それをベースにしつつ、これから政府サイド、与党サイドの御議論もいただきながら方向性を出していきたい。そして、その過程においては、社会保障審議会等で全国知事会を初めとする関係者の御意見をよく徴しながら方向性を出していきたい、このように考えているところでございます。
○加藤(勝)委員 ということは、廃止というあのマニフェストは、もう看板は下げたということですね。
○辻副大臣 党の方針ということでありますときに、私が、下げたのですねということを答えるわけにはいかないところがありますけれども、先ほど申し上げた、年齢によって区別する、制度として、分離するといいますか、そういった形をとらないということでの方向性が昨年の改革会議で出た方向性ですから、それは、一つの流れといいますか、それに沿う一つの答えのあり方ではないかというふうに思いますが、いずれにいたしましても、それらも含めてこれから検討していきたいと思います。
○加藤(勝)委員 だって、マニフェストは実現するというのは皆さん方のお約束じゃないんですか。変えるなら変えるでいいんですよ。少なくとも、廃止と言ったけれども、いや、あの廃止は看板をおろしてこれから議論します、こういうことならこういうことではっきりおっしゃっていただいた方が。党はこう言っています、政府は違いますというのがおかしいよという話だったんじゃないのかなと私は思います。 次に進めさせていただきたいと思います。 厚生年金保険料の標準報酬について、上限、下限についてそれぞれ変更するということでありますけれども、何のために標準報酬の上限を引き上げるんですか。
○小宮山国務大臣 現在の厚生年金の標準報酬月額の上限は六十二万円で、御承知のように、これ以上高い方は、実際の所得と比べれば相対的に低い負担しかしていないということになります。 厚生年金の標準報酬月額の上限の引き上げにつきましては、一体改革の成案で、負担能力に応じてより適切な負担を求めていくという観点に立って、健康保険制度を参考に見直すことを検討するということに政府として決めておりますので、その検討をするということを決めているので、今後、社会保障審議会年金部会で議論をしていただくという予定です。その結果として、現時点で引き上げるということを決めているわけではございませんので、そこでその挙げた項目を議論していくということが成案に入っているので、今議論をしているということでございます。
○加藤(勝)委員 例えば、医療の場合は、別に保険料を幾ら払ったからといって、病気になったときに、たくさん払った人が手厚くてそうでない人は薄い、これはあり得ませんけれども、年金の場合には、報酬比例部分というのが当然ありますから、そうすると、どんどんどんどん上限を上げていきますと、当然、厚生年金として支給される金額もどんどんどんどん報酬比例部分はふえていくわけですが、これは今の六十何万を、たしか百二、三十万だと思いますが、どんどんどんどん上げて、そうするとすごい厚生年金の報酬比例支給を受けるということになるんですが、そういうことも含めた引き上げなんですか。
○小宮山国務大臣 現在検討していただくように提案をしている項目の中には、その標準報酬月額上限の引き上げということだけではなくて、公費による低所得者への加算ですとか高所得者の基礎年金額の調整とかということも盛り込まれています。ですから、検討項目の中には、保険料による所得再分配だけではなくて、税財源による所得再分配で取り組んでいく要素もあると思っていますので、税と保険料をどのように組み合わせていくのか、いずれにしても、負担をされている国民の皆さんや、専門家の皆様の御意見も伺いながら、もちろん与野党の御意見も伺いながら決めていきたいと思っています。
○加藤(勝)委員 いや、税の話をしていなくて、今は標準報酬の上げる部分だけの話をさせていただいているので、それを検討していただくときに、いいですか大臣、報酬比例部分は今の六十万をそのまま上げていくということもイメージした中での上限引き上げを議論しているんですか、それとも、そこも含めて所得再配分、あるいは保険の形での再配分までしよう、要するに報酬比例部分のところですよ、ここをどう考えておられるのかということをお聞きしているんです。
○小宮山国務大臣 標準報酬上限を引き上げた際に給付にどういうふうに反映するか、そのあり方についても検討していきたいというふうに考えています。
○加藤(勝)委員 そうすると、報酬比例部分も見直す、報酬比例部分の保険料と受給額、支給額、この関係も見直しをしていく、こういうことですね。
○小宮山国務大臣 そういうことも含めまして、給付へどう反映させるかも、あわせて検討していきたいというふうに思います。
○加藤(勝)委員 そこで、先ほどちょっと大臣がおっしゃった税と社会保障と、あるいは医療の場合には自己負担も入るのかもしれませんが、この辺をどう考えていくのか。どこの部分を保険料で賄うのか、どこの部分を税で賄うのか。 これはもう、私どももやってきた中で、非常に複雑になって、わかりにくくなって、それから税はなかなか上げられなくて、保険料は自動的に、国会で毎年議決を得なくても、毎年毎年厚生年金保険料が上がっているように、あるいは医療保険料が上がっているように、上げやすいと言ったら語弊があるかもしれませんけれども、税と比べればそういうことになっている。 結果として、私の感覚では、社会保険料における所得再配分の要素がかなり強過ぎているんじゃないのか。もっと税でやるべきものは税でやる、社会保険料でやるものは社会保険料でやるということを、もう一回区分した方がいいんではないかなと。 特に一番感じるのは、先ほどちょっと後期高齢者医療制度のこと、いわゆる長寿医療制度の話をさせていただきましたけれども、国保から入れる支援金にまた税金を入れている。では、この税金は、一体、国保のためなのか、あるいは高齢者医療制度のためなのか、ここがわからなくなっちゃうわけですね。 だから、その辺、しっかり仕切り直しをしませんと、これから、消費税を上げました、確かに消費税を上げた結果としてマクロとしては社会保障の関係の費用がふえているかもしれませんが、個々の人間からすると、この消費税は一体何にどう使われているかということがよくわからないとなかなか。我々日本人は、どちらかというと、税金は持っていかれるもの、さまざまなサービスはしてもらうものと、これを遮断している認識がややもすればある。 そういうことから含めれば、やはり、そこのところをもう一度再整理するところから議論を進めなきゃならないのではないかと私は思いますけれども、大臣の御所感を伺いたいと思います。
○小宮山国務大臣 そういう意味では、委員のおっしゃるとおりだというふうに私も思います。 今提案しているいろいろな検討項目の中には、公費による低所得者への加算ですとか、高所得者の基礎年金額の調整といったような、税財源の配分の重点化を図っていくものと、それから、標準報酬月額上限の引き上げのような、負担能力に応じた適切な保険料負担を求めようとするものと、両方含まれています。 現行制度を改善していく方法ということで、各項目について今その検討を進めているところで、今の時点で全体としてどっちの方向性が強いということはなかなか言えないと思いますが、今委員がおっしゃったように、国民の皆様に御理解いただいて納得していただくという意味からしても、おっしゃったような形の考え方をとる必要はあるというふうに私も思っています。
○加藤(勝)委員 いずれにしても、そういう整理をしたり、さまざまな資料を提供して、議論ができるための材料をしっかり出していただくということが、まずこうした議論を進めていく第一歩だと私は思っております。 そういう中で、受診時定額負担についてお伺いしたいんです。 まず一点は、平成十四年の改正健康保険法附則第二条で、簡単に言えば、三割負担を上限とする、あるいは国の方からいえば、給付は七割ですよということを明記しているわけでありますけれども、ここで百円上げるということは、これを壊すことになる、これを守らない、こういうことになると思うんですが、そこをどうお考えなんですか。
○辻副大臣 ただいま御指摘の点は、「将来にわたり百分の七十を維持するもの」とされているという平成十四年健康保険法の改正法附則における医療保険の給付の割合についての御指摘かと思うわけでございます。 それに照らすときに、百円の受診時定額負担がその割合を超えるものではないかという御指摘だと思うわけでございますけれども、そのような御議論も含めまして、現在、医療保険部会等で議論させていただいているわけでございまして、現在、結論を見ているものではないわけでございます。
○加藤(勝)委員 ということは、附則第二条の考え方の見直しを検討している、そういうことですね。 そこで、教えていただきたいのは、この一体成案の中に、高額療養費の見直しとセット、こういうふうに書かれているんですが、どうして高額療養費を見直すための財源を患者さんに求められるんですか。結果的に、この受診時定額負担というのは、要するに、医療機関にかからなければ発生しないわけですね。この高額療養費自体、私は一番大事な部分だと思います。まさに保険制度の保険たる部分。その部分を充実することの財源を何で患者さんに求めるんですか。何で広く保険者全体あるいは国民全体でそれを分かち合わないんですか。それがよくわからないんですよ。
○辻副大臣 この高額療養費の自己負担限度額の見直しと受診時定額負担の提起というものは、六月三十日でございましたか七月一日の政府と与党の一体改革の成案の中に検討の項目として提示されているところでございますけれども、既に決まったというものではございません。 委員御指摘いただきましたような論点も多々いただいているところでございまして、それ以外の論点もいただいているところでございますけれども、そのような御議論も踏まえつつ検討し、最終的な方向性を出していきたいということでございます。
○加藤(勝)委員 いや、そうはいっても、書いてあるわけです、さっき申し上げたように。一体改革の成案というのは内閣としてお決めになられたわけですから、そこにそう書いてある以上、少なくとも、結果は別かもしれませんよ、私が申し上げたのは、何でくっつけて考えることになるんですかと、考え方の基本を聞いているんです。 先ほどから申し上げた、社会保障というものは、どうやってそれぞれの費用を負担していくのかと考えたときに、医療保険の一番の、私は一丁目一番地だと思うんですね。高額な、急に大変な金額になってくる、これをどうみんなが分かち合うか。それを何で患者さんになった方だけに負担させるのか。 そろばん上はわかりますよ、ちょうど百円ずつふやせば計算が合うかもしれないけれども、そろばんの議論じゃなくて、あるべき論からいって、何でそういうことになるんですか。それにお答えいただけますか。
○小宮山国務大臣 高額療養費の見直しについては、昨年も医療保険部会で議論をいただいたんですけれども、厳しい医療保険財政の中で、保険料財源を負担する保険者の理解が得られないで見送ったということがございます。 そうしたことを受けて、今回の受診時定額負担というのは、こういう経緯を踏まえて、長期に高額な医療費がかかっている患者さんの負担を軽減するための財源について、セーフティーネット機能の強化とあわせて給付の重点化という観点から、政府・与党社会保障改革検討本部等の議論を経て一体改革の成案に盛り込まれたものだというふうに考えております。 ただ、これについては、本当に、低所得の高齢者の方々の受診抑制につながるのではないかとか、いろいろな御心配を与党からも国民の皆様からもいただいておりますので、いろいろな面から検討を進めたいというふうに思っています。
○加藤(勝)委員 そうすると、今のお話を聞くと、要するに、医療費が少ない方については三割から四割、五割に上げていって、そして高額者にシフトしていく、そういうことをおっしゃっているんですね。そういう見直しをされていくんですか。給付の重点化とは、そういうことでしょう。要するに、給付の重点化ということは、給付全体の中で、あるところに重点化していくということになれば、低額の部分から高額のところにシフトをかけていく、そういうことになるんじゃないですか。
○辻副大臣 今検討の過程でございますので、四割、五割ということは、にわかに出てこない数字かと思います。 いずれにいたしましても、財政状況が厳しいという状況の中で、片や、社会保障の側面からすれば、医療における高額療養費の自己負担限度額を何とか低所得者の方々に配慮する制度がつくれないかという大きな課題を抱える中で、何らかの財源が図れないものかという中から出てきた考え方かとは思いますけれども、いずれにいたしましても、それらの論理的整合性という御議論自体もいただいているところでございまして、そのことについてこれから検討していきたいと思います。
○加藤(勝)委員 消費税の議論ができないという中で、どうにかやらなきゃいけないというのではなくて、消費税も含めた一体改革の中での議論でこういうことが出てくるから、どういうことなんですかと申し上げているので、残念ながら、今の答弁を聞く限りは、しっかり考えていただいていない、単に役所側が、計算がこれとこれがありますからくっつけましょう、それ以上のものではない、私はこういう認識をさせていただきました。 午前中も、子ども手当についていろいろ御議論がありました。 今、手元に、御参考までに、これは大和総研さんが計算された、いわゆる今回の子ども手当、児童手当等々による変更、それから年少扶養控除に伴う変更、それから今回の臨時増税、これはどうなるかわかりませんから、今新聞等で議論されているものが前提になっているわけでありますが、それに加えて厚生年金保険料の増、こういったものを、夫婦二人、小学生の子供が二人、御夫婦はどちらかが働いてどちらかが働いていない、簡単に言えば、御主人と専業主婦と小学生の子供さん二人、こういう世帯について計算をしたのが今お手元にお配りをさせていただいているものでございます。 これを見ておわかりのように、確かに二〇一〇年、これはみんなありがたいな、こう思ったのは間違いないと思いますけれども、先憂後楽じゃなくて先楽後憂なんですね。ことしは、例えば四百万世帯で二万円下がります。来年になると十万円近くも下がります。再来年になると三万五千円です。これでは安心して子供を育てる状況では全くないですね。むしろ、所得というもの、収入というのは、ある程度安定している方が物事を考えやすくなっていく。 大臣、この表を見てどうお考えですか。
○小宮山国務大臣 今御提示いただいている大和総研が十月五日に公表しました試算は、夫婦と小学生の子供二人の世帯の可処分所得について、子ども手当だけではなくて、震災復興のための臨時増税ですとか社会保険料の影響も含めて、一定の前提を置いて試算をしたものだというふうに承知をしております。 この試算では、二〇一一年、二〇一二年、二〇一三年と徐々に可処分所得が少なくなっていますけれども、これにつきましては、二〇一〇年の子ども手当創設によるプラスの影響が反映されていない一方で、手当の財源に充てられる年少扶養控除廃止の影響が、二〇一一年から一三年にかけて段階的に生じること。また、震災復興のための財源を捻出する必要があるといった緊急的な要請も考慮して、ぎりぎりの調整を行い、取りまとめられた三党合意を踏まえて手当額の見直しを行ったこと。また、三党合意で検討して、所要の措置を講じるとされている所得制限世帯への措置が考慮されていないこと。社会保険料の引き上げや仮定に基づく震災復興のための臨時増税など、子ども手当や年少扶養控除以外の見直しの影響も含めていること。こうしたことに留意をする必要があると考えています。 ただ、手当の支給総額と年少扶養控除などによる控除額の合計額は、児童手当当時が二・一兆、三党合意では二・二から二・三兆となっていまして、子育て世帯全体で見ればプラスになるというふうに考えています。
○加藤(勝)委員 私は、だから、一年目に上がることもお示しをさせていただいているわけです。 問題は、こういう大きな波を、年収三百万、四百万の方々が、十万も五万もごろごろ変わる。しかも、生活というのは、四百万で生活しているようで、実は、必要経費というのがありますから、本当に使えるお金というのはずっと少ない、そこが変わるということなんですね。それは、子供さんを育てる方から見れば、ふえるのはいいですよ。でも、減るのは非常に困ると思うんですね。 ですから、そこのところを、やはり、きちんと政策を入れるのであれば、それは三党合意の議論もあるかもしれないけれども、急に子ども手当を入れるのではなくて、扶養控除とあわせてモデレートに入れるとか、そういう配慮があって初めて子育て世帯に対する本当の意味での気持ちというのが私はあるんじゃないかなと。そこを大臣の言葉として聞きたかったんですが、そういう答えにはなっていなかったことを残念に思います。どうぞ。
○小宮山国務大臣 そういう意味では、最初の年は一万三千円で、二万六千円支給しますとお約束をしながらできなかったことに対しては、大変申しわけなかったと思っておりますし、期待をされていた御家庭には、そこの、控除から手当ということの説明がきちんとできなかったり、目指していた財源が獲得することができないで先に控除の方のマイナスが出るというような事態になったことは、大変申しわけなく思っています。 そういう意味では、また、三党合意に基づいて、来年以降、恒久的な形をとる中で安定をさせていければと思っております。
○加藤(勝)委員 ですから、控除から手当をやるのなら、やはり単年度できちんとバランスをとってやってください。そうじゃなくて、初年度には控除もあります、手当もありますとなったからこんなことになっているというのが一つの原因なんですから、そういう意味での配慮ということをしっかり考えていただきたいということを申し上げておきたいと思います。 東日本大震災の関係で幾つか質問させていただきたいと思うんです。 まず一つは、例えば、福祉施設の中でも、特養と老健施設では復旧の助成率が違っていますね。確かに、最初につくるときの助成の違いはあるかもしれませんけれども、今、被災地において、まさに医療とか福祉、あるいはこれは連携していきますが、全体のシステムを早くもとに戻しましょうということが問題になっているときに、片一方はたくさん助成率がある、片一方が低いというのではなくて、同じような助成率でシステム全体を立ち上げていくということがやはり復旧の基本だと私は思うんです。 何で違ったまま。いわゆる福祉施設でいえば、特養に比べて老健施設が低い。これは、是正しようというお考えはないんですか。
○小宮山国務大臣 介護保険施設に対する災害復旧費の国庫補助率が、東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律に基づいて、通常の災害復旧事業の国庫補助率が二分の一のものは三分の二に、三分の一のものは二分の一になっています。 そして、介護老人保健施設については、医療機関の一類型となっているため、通常三分の一のところを二分の一にかさ上げしているということになっています。 また、特別養護老人ホームにつきましては、ここは低所得の方が多いということもあり、居宅での生活が困難な場合など、特別な支援が必要な方の受け皿機能に着目をして、通常の財政措置に加え、激甚災害指定によって国庫補助率のかさ上げを行っている。 今申し上げたようなことから、実際に、率が違うということが出てきています。 一方で、おっしゃるように、介護老人保健施設の早期の事業再開ということは非常に重要なことなので、それを支援するために、独立法人の福祉医療機構による債務の返済猶予や償還期間の延長など、また、被災した介護サービス事業者の事業再開に要する設備等の諸経費に対する支援、また、特別交付税を原資とした取り崩し型復興基金、これは自治体が使い勝手のよいものにしていますので、そうした創設などの措置を講じています。 これからまた、災害復旧の実情とか被災自治体などの要望も踏まえて、被災地の復旧に向けて、必要な対応をとり、取り組んでいきたいというふうに思っています。
○加藤(勝)委員 是正するお考えがないということを承りました。 あと、これは確認でありますけれども、特養等、すぐに恒久施設をつくることができない。仮設をつくって、仮設をずっとというわけにはいきませんから、それから恒久に移る。それぞれのときにきっちり助成が受けられるのであろうかという御心配があります。 仮設施設をつくるときに一たん助成を受けても、そのこととはかかわりなく、恒久施設を建設するときには別途助成を受けることができる、このことを確認したいと思うんですが、イエスかノーかだけで結構ですから、御答弁ください。
○小宮山国務大臣 特別養護老人ホームとか保育所などの社会福祉施設については、災害復旧予算で、仮設施設の設置とそれに引き続いて行われる恒久的な施設復旧のいずれも補助の対象としています。 そして、医療施設については、地域医療再生基金を、県の判断で、仮設施設の整備とそれに引き続いて行われる恒久的施設の整備に活用することが可能なようにしてあります。 そして、この地域医療再生基金については、岩手県、宮城県、福島県に対しては、各県、最大の百二十億円まで確保しているほか、その積み増しを第三次補正予算にも盛り込んでいるところでございます。
○加藤(勝)委員 今、第三次補正予算の地域医療再生基金のお話がありましたが、これは何で被災三県だけなんですか。既に今ある医療再生基金で、被災三県以外の、特に民間を中心とした医療機関の復旧、そういったものは足り得る、こうお考えですか。
○小宮山国務大臣 被災三県が特にその復旧が必要なものが多いので上限の百二十億にしたということで、そのほかの県にも、必要に応じてきちんと配分をするようにしてございます。
○加藤(勝)委員 そうじゃなくて、三次補正で、被災三県に限定をして二百四十億ずつ、そうなるかわかりませんが、七百二十億を計上していますね。これは被災三県となっているんですが、ということは、今大臣おっしゃった、既に今までの予算であるもので、茨城県なら茨城県とか、青森県とかという周辺は、もうそれで医療機関の方は対応できる、こういうふうな御認識ということですか。
○小宮山国務大臣 特に、被災三県の岩手、宮城、福島のうち、津波などによって甚大な被害を受けた地域を対象にこの三次補正では積ませていただいたので、この三県のそういう一番被害の重要な部分を強力にやりたいという意味です。
○加藤(勝)委員 大臣のところにも行っておられると思いますけれども、例えば茨城県の北部というのは、同じような津波による被災をかなり受けているわけですよね。ですから、その三県中心にというのはわからなくもないけれども、三県だけということは、茨城の方はもう既に手当てをしているこれまでの医療再生基金の配分で十分だ、こういうふうに厚労省は判断しているとしか思えないんですが、そういう認識でいいんですか。
○小宮山国務大臣 既に確保してある地域医療再生基金の中で、茨城など今回の災害で被害を受けたところは、ほかの県よりは多目に行くようにしてございますので、十分とは言えないかもしれませんけれども、この三県以外も被災状況に応じた配分をしているというふうに考えています。
○加藤(勝)委員 ですから、十分というのは、既に今までの分だけでとりあえず事足りますよ、三次補正で追加的にすることはありませんよ、こういうふうに状況を厚労大臣は認識している、こうしか考えられませんけれども、よろしいですね。 それから、もう一点お伺いしたいんですけれども、今回の復興の関係では、被災地だけではなくて、全国防災という観点もあります。そういう観点から考えると、医療施設、医療関連施設、福祉施設の耐震化というのは当然そこに入っていくと思うんですけれども、それに対して厚労省としては、計画を立てて、その金額をしっかりと、いわゆる十九兆とか二十三兆でしたか、そういったところに反映していこう、こういう御意思を持っておられますか。
○藤田大臣政務官 医療施設の耐震化については、災害拠点病院や救命救急センター、そして二次救急医療機関を対象にいたしまして、委員も御承知のように、平成二十一年度の第一次補正予算で特例基金を設置いたしました。そして、さらに、二十二年度には予備費により積み増しをして、促進に努めてきたところでございます。 そしてまた、社会福祉施設等についても、耐震化の整備をこの間進めてきたところでございます。 三次補正では、この災害拠点病院や社会福祉施設等の耐震化をさらに促進するために、復興債を財源とした医療施設耐震化臨時特例基金等の積み増しを計上いたしているところでございまして、こうした取り組みによって施設の耐震化の促進に努めてまいりたいと思っております。
○加藤(勝)委員 私がお伺いしたいのは、今しているのではなくて、耐震化一〇〇%を目指されているわけでしょう。しかも、この機会に非常にそれを強く認識している以上、厚労省はいつまでにこうしていくと。それは、もちろん、民間の方がそれに呼応してくれるかどうかはわからない。しかし、厚労省としての一つの計画があって、そして、それを、全国防災ということであれば、今回の復興債対象経費にもなっていけるわけですから、それをきちっと要求していく、これがあってしかるべき姿勢だと私は思うんですけれども、そういうお考えはあるんですか、ないんですか。
○藤田大臣政務官 これも委員も御承知のことではないかというふうに思っておりますけれども、二十年の中央防災会議で決定された目標値というのが、耐震化率七一・五%ということでございました。そして、その後に、二十二年度までに交付した基金で耐震化を進めていくということで、これが実施をされますと耐震化率というのは七七・三%になるわけでございます。これをさらに引き上げていくということで、今回、三次補正によって積み増しをしてきたということでございます。
○加藤(勝)委員 ですから、二十年とか二十二年じゃなくて、我々の原点は二十三年の三月じゃないんですか。そして、それによって各省庁みんな、耐震化、もっとこうやっていこうと考えているわけですよ。だから、厚労省として、きちんと計画を出して、何といってもこれは復興債の対象経費になるわけですから、私は、こういうことをやっていくにはお金をかけるべきだと。それをしっかり計画し、そして要望官庁としてきっかりと二十四年度、二十五年度という形で要望していくという姿勢を出していかなければ仕事をしていることにならない、今回のこうした大震災の反省をしていることにならない、そういうことこそまずしっかりやっていただきたい、こういうことをお願いしておきたいと思います。 最後に、大臣、参議院の予算委員会でNHKの話になりましたね。私もびっくりしたんですけれども、総理も、不公平感があるなというふうに改めて思いましたとおっしゃられた。余りにも標準報酬が公務員に比べて高い。NHKの標準報酬は一千四十一万円が平均だというんですから、これにはびっくりいたしましたけれども、これはしかし、NHKの所管がおやりになればいい話でありますが。 もう一つ驚いたのは、保険料の労使負担が二対一なんですね。事業主が二、そして被保険者、いわゆる働いている方が一、これはないだろうと。 これは、大臣、是正を指導すべきだと思いますけれども、そういうお考えはありますか。
○小宮山国務大臣 健康保険の保険料負担は労使折半が原則ですが、健康保険組合については、組合会、事業主と従業員の半々で構成するその組合会が定める規約によって事業主の負担割合をふやすことができると法律に規定をされています。 したがいまして、組合会で決定したものを一対一に是正するよう指導するということは、現行法で規定している保険者の権能を制限することになるので、適切ではないというふうに考えています。
○加藤(勝)委員 金額的にはNHKから見れば大した金額ではないのかもしれませんが、健康保険組合事務費負担金というものまで、これは国がNHKの健康保険組合にも払っているわけで、それは意味があって払っているお金だと思いますけれども、しかし、ここまで裕福なところに税金のそういったものを一円でも払うというのは、私は国民として納得いかない。それであれば、少なくともそういうものを停止するとか、そういう措置は、大臣、しっかり講じていただきたいと思います。
○小宮山国務大臣 公的医療保険制度を担う保険者の事務については、国も一定の責任を負う必要があるという観点から、現行法では、事務の執行に要する費用を国が負担すると規定をされています。 したがいまして、今も、わずかな額かもとおっしゃいましたけれども、平成二十二年度、およそ二百九十四万円ですけれども、この国庫負担をNHK健康保険組合に限って廃止をするということは、法の趣旨からいって適切ではないと思っています。
○加藤(勝)委員 わずかと申し上げたのは、私どもにとってじゃなくて、NHKにとってということで申し上げたんですが。 いずれにしても、確かにそういう趣旨はあっても、それだけ優遇しているところに国民の税金を投入するということは多くの国民は納得できない、私はこのことを最後に申し上げて、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○池田委員長 次に、坂口力君。
○坂口(力)委員 きょうは、小宮山大臣初め皆さん方に初めて質問をさせていただくことになります。大臣初め副大臣、政務官の皆さん、まず、御就任のお祝いを申し上げておきたいと思います。おめでとうございました。 おめでとうございましたと申し上げるべきか、大変なところにお見えになりましたねと申し上げるべきか、その辺私も複雑な心境でございますけれども、どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。 三十分の時間でございますので、まず第一問、医療問題から少しお聞きをしたいというふうに思います。 先ほども少し議論になっておりましたけれども、大臣が就任最初の記者会見で、来年の診療報酬改定には、表現はどういう表現だったかわかりませんが、少なくともプラス改定にしたいという趣旨のことをおっしゃった、こういうふうに新聞は書いております。 このことを、これはそのとおりでよろしいですかということをまず確認しておきたい。
○小宮山国務大臣 坂口委員には、いつもいろいろ御指導いただいておりますので、今後ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。 御質問についてでございますが、おっしゃったとおりでございます。わずかであってもとにかくプラス改定をしたいという、これまでの政府が言ってきたとおりの方針で臨みたいというふうに思っております。
○坂口(力)委員 これも新聞報道ですけれども、できるだけ現場の人と話し合って方針を決定していく、こういうふうにもおっしゃっているというふうに新聞は報道をいたしております。 一つお聞きをしたいのは、これは中医協と何らかの接触をされて、御相談になった上での御発言でしょうか。それとも、中医協とは全く接触なしのお話なんでしょうか。そこをお聞きします。
○小宮山国務大臣 御承知のように、改定率につきましては予算編成過程で決定されることになっておりますが、御質問にお答えすると、中医協の方々と特にお話をしてということではございません。現場の人というのは、医療関係者などのサービス提供者、また費用を支払うことになる保険者、医療サービスを受ける国民、いろいろな方の御意見を十分に伺いながらと思っております。 当然、中医協の御意見も伺いますが、既に中医協と何か打ち合わせをして申し上げたということではございません。
○坂口(力)委員 中医協というのは非常に難しいところでございまして、大臣といえども中医協の意見には口出しをしないというのが今までの慣例でございました。 先に大臣が引き上げをするとか引き下げをするということをおっしゃると、それに従って中医協は議論をしなければならないということになりますが、あの中はなかなか一筋縄ではいかないところでございまして、大臣がおっしゃることと中医協の結論というものは必ずしも一致するとは限りません。 私は医師の一人でありますから、引き上げていただきましたらそれは大変結構なことで、私個人はうれしいわけでございますけれども、しかし、全体で見るとそういうわけにもなかなかいきにくい。大変難しいところだと思います。 中医協の問題は注意していただかないと、過去にもこことの問題のあつれきで大臣の首が飛んだということもあるわけでありますから、ここはよく御相談をして発言をしていただく方がよろしいのではないか、私はそう思っております。 その問題はその問題としまして、さて、健保組合あるいは協会けんぽの財政上の問題をずっときのうからも見せていただきますと、非常に経営が苦しい。もう保険料が一〇%を上がっているところもございますし、このままでいきますと来年は一〇%を上げなきゃならないというところもかなりある。いわゆるこの保険組合の側の内情を見ますと、まことに厳しいところでありますが、医療費が上がるということになりますと、ここはさらに苦しくなる。 あるいはまた、国民の側からすると、三割負担でありますから、これは上げ方にもよりますけれども、三割負担の一部は上がらなければならない、こういうことにもなるわけでありますが、その辺のところをこれからどうされるのかということをひとつお聞きしたいというふうに思います。
○小宮山国務大臣 改定率につきましては、先ほどの御忠告もしっかりと承りまして、中医協の御意見ももちろん伺ってまいりますし、予算編成過程で決定をされることになりますけれども、今おっしゃったように大変厳しい保険者の財政、それから保険料率に与える影響、こうしたことも考慮をしながら、先ほど申し上げましたような関係者、それから費用を支払う保険者、医療サービスを受ける国民、それぞれの御意見を十分に伺いながら検討を進めていきたいというふうに思っております。
○坂口(力)委員 中長期的な展望を見ますと、きのうでしたか、役所の方から説明に来ていただきまして、これはきょうの質問と関連をしてではなくて、法案等の関係やその他のことで来ていただきまして、そして、その中の将来推計を見ますと、医療費は、二〇一五年で、改革シナリオという方を見ましても四十四・七兆円、まあ四十五兆円、そして二〇二五年には六十一・六兆円になっている。 これは今から何年前でしたか、二〇〇六年ぐらいだったというふうに記憶いたしておりますけれども、一度試算をしたことがありまして、そのときには五十六兆円ぐらいではなかったかと思いますが、経済財政諮問会議の中で、もっとこれは圧縮しろというふうに言われまして、四十九兆円まで圧縮することを約束と申しますか、四十九兆円になるように努力をしますということになった経緯がございます。 そのときに比較をいたしますと、今回の医療の費用と財源構造の将来推計を見ますと、そのときよりもまだかなり上がってきている。こういう状況の中でこれからこの医療費をどうしていくかというのは、社会保障の中でも、年金よりもこの医療の上がりの方が大きいわけでありますから、一番大きな問題になる。ここをどうしていくか。これは話は大き過ぎまして、一言で答えていただくのは難しいと思いますけれども、まず、大臣としてはこうしていきたいというお気持ちがありましたら、その一端でもお話をいただきたいと思います。
○小宮山国務大臣 おっしゃいますように、高齢化がこれだけで進み、また、医療が高度化して費用がかかるようになるなど医療費の増大が見込まれる中で、どうやってこの医療保険制度を持続可能にするかということは、ぜひお知恵もいただきながら考えていかなければならない大変難しい問題だと思っていますが、一般論で言えば、当然、必要な機能の充実を図る一方で、給付の重点化をする、あるいは制度運営の効率化を図っていく、こういうことが必要だというふうに思っています。 そうした観点からも、社会保障・税の一体改革の中で、機能強化と重点化、効率化、これを同時に実施することとされておりまして、それを今、関係審議会の部会などで検討をいただいているところでございます。 その重点化、効率化の具体策としては、平成十八年改正で導入いたしました特定健診や平均在院日数の短縮など、こうしたことを引き続き進めるということ、それから、後発医薬品の使用促進などを行って医療費の伸びを中長期的に適正化すること、それでも伸びる医療費の財源をどう確保していくかにつきましては、保険料と公費と患者負担のバランス、こうしたことに配慮して検討していく必要があるというふうに考えております。 ただ、おっしゃるように、非常に難しい問題なので、ぜひお知恵もいただきながら、持続可能な形で医療保険制度が続いていきますように検討を進めていきたいというふうに思っております。
○坂口(力)委員 これは質問として提出してありませんので、答えにくければほかの方でもよろしいんですが、今、TPPの問題が議論されておりますね。 それで、この中では、医療のことにつきましては、混合診療を認めていくべきだという意見がかなり強いんだろうというふうに思います。今までから厚生労働省の周辺からは混合診療を認めるべきだという意見がかなりありまして、しかし、混合診療を認めれば医療保険制度が崩壊するというので大論陣を私たちは張ってきた経緯があるわけですけれども、今回のTPPの議論になってまいりますと、再びそういう議論が華やかになってくる、私はそう心配をしながらTPPの議論を外から見ているわけでございます。 もし仮にそういう、もし仮にじゃなくて、もう必ずなってまいりますが、そうなりましたときにどういう姿勢で進まれるのか、大臣が答えにくければほかの方でも結構でございますし、これは事務局でも結構でございますが、答えていただけますか。
○小宮山国務大臣 御心配の混合診療の解禁というようなことは、今実際に検討項目には入っていないというふうに承知をしております。 ただ、言われるように、いわゆる混合診療を全面的に解禁する、このようなことにつきましては、患者負担が不当に拡大するおそれがあること、また、安全性、有効性などが確認されていない医療の実施を助長するおそれがあることから、医療保険制度の根幹に影響を与えるものであり、これは適切ではないというふうに私も考えております。これは、TPPに参加する、あるいは参加しないにかかわらず、こうした基本的な方針は守られるべきだというふうに考えています。
○坂口(力)委員 まことに模範答弁でございますが、医療の問題、きょうはこれぐらいにしておきます。もう一つ年金の話を聞かなきゃいけないものですから、時間がありませんのでこれだけにいたします。 それで、年金のお話で、先ほども田村先生に先にかなりやっていただきましたので、私の言うことはかなり少なくなりましたけれども、もう一度お聞かせをいただきたいというふうに思います。 最近、この支給開始年齢の引き上げ問題が取りざたされております。六十八歳とか七十歳という数字が紙面を躍っている、そういう状況でございます。社会保障と税の一体改革の議論の中で、検討項目の一つとしてこの引き上げ案が出されたというふうに説明を受けておりますが、これは、厚生労働省ができればそうしたいというふうに思っているのか、それとも、審議会の委員の先生の中にそういうことをおっしゃる人があるのでここへ取り上げたという程度のことなのか、その辺のところをまずお聞かせください。
○榮畑政府参考人 この支給開始年齢の引き上げでございますが、ことしの初めから内閣官房で開催されておりました社会保障改革に関する集中検討会議というのがございまして、そこでいわば社会保障・税一体改革の集中的な検討、議論をしておられたところでございますが、そこの中で、各委員さん方とか各団体、各報道機関等から、平均寿命の延びとか諸外国との比較とか、また、労働力人口が減少する中での高齢者の社会参加、就労促進みたいな観点から、支給開始年齢の引き上げというのを取り上げて検討していくべきだというようなお考え方が大変強く示されたところでございます。 このような中で、五月二十三日の集中検討会議の中で、現在進行しております支給開始年齢の引き上げとの関係性とか高齢者雇用の進展の動向等にもかんがえながら、中長期的に支給開始年齢のあり方を検討するということの厚生労働省案を提出したところでございます。 さらに、その後の審議の中で、この支給開始年齢の引き上げのスケジュールを具体的にどういうふうに考えればいいのかみたいなことでの資料の提出が強く厚生労働省に対してございまして、そして、私どもとして、この五月三十日の集中検討会議に、それにこたえて、その具体的な引き上げ例というのを関連資料として提出もさせていただき、それに基づいてこの支給開始年齢の引き上げに関する議論が集中検討会議でさらに続けられたところでございます。 こうした中で、この社会保障・税一体改革成案がことしの七月一日に閣議報告という形で取りまとめられたところでございまして、その中で、六十八歳から七十歳へのさらなる引き上げを視野に検討するとか、現在の引き上げスケジュールを前に倒せるかどうかも検討するというようなことが成案の中に書かれたところでございます。 これを受けまして、私どもとして、年金部会で現在、検討ということで御議論をちょうだいしているところでございます。 以上でございます。
○坂口(力)委員 詳しい答弁だったですけれども、肝心の厚生労働省の意思としてそれをやられているのかどうかということに対してのお答えはなかった。大臣から一言だけ、厚生労働省の意思としてこれはやっているのかどうかということだけお答えいただけますか。
○小宮山国務大臣 難しい御質問だと思います。 先ほどお答えをしたように、その社会保障・税一体改革の成案は内閣として取りまとめておりますので、その中で厚生労働大臣も入ってやっておりますから、内閣としてこういうことを検討するという方針を決めたことはそうでございますが、私自身といたしましては、今現状の働き方がどうなっているかということとか、今六十五歳まで順次引き上げている最中に、さらに六十八歳、七十歳、七十歳はないですが、六十八歳まで上げていくということをすぐに議論を進めていこうということは、なかなかそれは、慎重に考えるべきことだというふうに思っております。
○坂口(力)委員 決して財源対策ではないというふうに、きのうもお聞きしましたら、そういう答弁を持ってきていただきました。 ここも確認しておきますが、財源対策ではないというふうにこれは考えさせてもらってよろしいですか。
○小宮山国務大臣 それは、年金の財政状況の検証というのは今いろいろな段階で行わなければいけないと思いますけれども、現状、毎年度の決算の中で、積立金が、例えば二十一年度はプラス四兆になったとか、二十二年度は、今集計中ですけれども、これはマイナスの見込みとか、そのような変動がございますし、また直近までの人口とか経済状況を踏まえた将来の見通し、これについてもいろいろ見込んでいく必要があると思っています。 また、将来の人口推計については来年早々に出る見込みですし、経済見通しについては今、年金部会のもとの専門委員会で検討を始めたところですので、こうした財政の将来の見通しなどを見ながらいろいろな検討をする必要があるということだと思っておりますので、お答えに直接なったかどうかわかりませんけれども、そういう考え方の中で挙げられた項目を今いろいろ検討しているというところでございます。
○坂口(力)委員 私がきのう聞きました財源対策ではないという話と今の大臣のお話とは、少しずれがありますね。 それで、いや、ずれがあってもいいんです。財源対策ではないというふうにおっしゃるのであれば、それでは、六十八歳とか七十歳への引き上げの話をなぜ出すのということを僕は聞きたかったわけでありますが、今の大臣の答弁の方が、どちらかといえば現在の状況に沿った発言なんだろうという気がしないでもありません。 これは、二〇二二年、二〇二二年じゃなしに平成二十二年に、平成二十二年じゃないですか、両方ごっちゃになってきましたね。 二〇〇六年から現在の年金制度がスタートいたしまして、五年ごとに見直しを行うことになっております。だから、二〇〇六年からだったら二〇一一年。去年見直しを行ったというふうに思います。その去年の見直しにおきましては、まず順調に推移しているということであったはずであります。 去年、順調に推移しているということを結論を出した直後であるにもかかわらず、ことし引き上げの、たとえその検討項目の一つとはいえ、なぜことしこれが出てくるのかということです。 今も大臣がおっしゃるように、それでは、そんなに働く場所ができてきたのということになりますと、決してそうではありませんで、これも厚労省の最近の数字でございますが、二〇二〇年までに六十歳から六十四歳の就業率を六三%にしたいと。二〇二〇年に六十歳から六十四歳の就業率を六三%にしたいというのが、これから決めようとされている数字でございます。 したがいまして、なかなか六十五までの就業がきちっとできる状況になっていない。ましてや六十七とか八とかというような数字にはなかなかほど遠いわけでありまして、その時期に、なぜ、一方において年金のこの引き上げの話が出てくるのか。 それは、審議会の先生方の中にはいろいろなことをおっしゃる方、ありますよ。それは学者先生もさまざまですから、それぞれのことをおっしゃる。おっしゃるけれども、その中から取捨選択をして、何を議論していくかということを厚生労働省も考えてもらわないと、今、この六十七なり八なりというような数字がひとり歩きをしますと、国民は非常に不安に思いますね。 しかも、現在の年金制度はもう破綻をするらしいというようなことにまでなってくるわけでありまして、決してそういう状況ではないわけでありますから、そこは注意をして私は検討項目に挙げていただきたいというふうに思っております。 確かに、最近給与が少し上がりにくいということはありますが、一方におきまして物価が下落しているわけでありますから、帳消しにしておる部分もございます。 また、平均寿命が延びたというふうにいいますけれども、これは、平均寿命で見まして、二〇五五年には、男性が八十四歳、女性が九十歳という数字を前回のときに出しております。六十歳からの平均余命でいいますと、女性が九十二歳、そして男性が八十七歳、こういう数字になっているわけでありまして、小宮山大臣が九十二歳まで生きられるかどうかよくわかりませんけれども、どうも私自身は、八十七までよう生きるかなと思ったら、それはちょっと無理じゃないかなと自分では思えてなりません。 そういうふうに、これは一つ一つ先を読みながら計画を立ててあるわけでありまして、現在既に織り込み済みのところもたくさんあるわけですね。 だから、一番問題になりますのは、賃金の上昇がこのごろ少し低くなり過ぎている、あるいはなだらかになり過ぎている、そこを一体どうするかという問題が一番今後にとりまして大きい問題でありまして、これは政府の方の景気対策と一番かかわるわけでありますから、ここはしっかりと政府の方でおやりをいただく以外にない。 そのほかのところは、さほど心配をしたような状況には現在なっていない。積立金におきましても、これは平成十三年から平成二十二年まで、平成十三年にいわゆる自主運用がスタートしたわけでありまして、この十年間の収益額は十一・四兆円。そこへ財務省から返ってきた分がプラスされます。そうしますと二十三兆円になるそうでありますから、この十年間はそんなに心配をしたようなことではなかった。 だから、あれもこれも悪いような印象をマスコミあたりは与えておりますけれども、中には、当時、小泉内閣のときに、坂口が当てずっぽうに数字をつくったものだ、こう書いているのもございますけれども、そんないいかげんなことではなかったわけでありまして、しっかりと議論をしてもらったわけでございますから、その辺のところも考えて、そして、年金の中の一番今大事なところは何なのかというところに焦点を絞って議論をしていただくようにお願いしたいと思いますが、どうぞひとつ、もう最後になると思いますので、御答弁をいただきたいと思います。
○小宮山国務大臣 坂口委員がおっしゃるとおりだというふうに私も思っております。 これは、先ほど局長からも御説明したように、厚労大臣も一員となっている、政府の、官邸の会議の中でこういう検討をということで項目が挙げられて、これは政府として決定をいたしましたので、今それを、挙げられたものを順番にやっているところなんですが、その順番の持ち方とか提示の仕方も含めて、おっしゃるように、どうも、負荷のかかる、マイナスになるところばかり、刈り込むところばかりが先に出ているというのは、私もそこは事務方の方にも、やり方と提示の仕方をしっかり皆さんにわかるようにするようにということを指示しております。 そういう意味で、間もなく一巡いたしますので、そのところで、大臣の私が指示をしながら、これはやりませんといきなり言うのも何かとは思いますが、一番国民の皆様が御心配になっている六十八歳に上げるということは、今おっしゃったような事情の中から、もちろん、ずっと遠い先を見れば、先ほど申し上げたような財政の状況とかを考えてまた検討する必要があるかと思いますが、今回の検討の中では、六十八歳まで上げるということは、働いている状況から見て難しいというふうに私は考えております。
○坂口(力)委員 ありがとうございました。 まあ、きょうは第一回ですから、これぐらいにしておきます。また引き続きまして、機会がございましたら御質問をさせていただきたいというふうに思います。 ありがとうございました。
○池田委員長 次に、古屋範子さん。
○古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。 きょう、初めての小宮山大臣との議論になります。副大臣当時も、子育てとか雇用、大変前向きな答弁をちょうだいしておりましたので、女性初の厚労大臣ということで期待を申し上げております。 私、これまで公明党が強力に推進をしてまいりました、医療、介護、子育て支援など、基金事業について質問してまいりたいと思っております。 本年度で終了する主な基金事業、地方自治体のワクチン接種事業を財政支援するための子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例基金、あるいは、保育所、放課後児童クラブなどの整備を進める安心こども基金、それから、妊婦健診の軽減を図る妊婦健康診査支援基金、それから、介護職員の賃金引き上げを行うための介護職員処遇改善等臨時特例基金など、いずれも国民生活の安心を図る上から、我が党が力を入れて取り組んできた事業ばかりでございます。 これらの事業が今年度限りで終了してしまうという時期になっております。地方自治体の方も、来年度予算をどう組んでいくかというところに差しかかってまいりますので、この先、国の方針がどうなるのか非常に不安に思っております。 これらについて、九月の臨時国会において、山口代表の質問に対しまして、野田総理の答弁は、事業存続への明言を避けられて、基金事業の存続というものはそのとき決断されていないんですね。 続いての予算委員会では、我が党の松副代表の質問に対して、小宮山大臣から、ワクチンは継続することと、それから、安心こども基金、妊婦健診の検査の支援基金はしっかりと積んでいけるように努力する、そして、介護職員の処遇改善等の臨時特例基金、基金でやるのか、あるいは介護報酬の中でやるのか、しっかりと確保はしていきたいという趣旨の答弁をされていますね。 来年度の概算要求で、これらの扱いにつきましては、安心こども基金については期限延長等について検討する、妊婦健診についても期限延長について検討する、あるいは、ワクチンの方は予算編成過程で検討する、同じく、介護職員の方も予算編成過程で検討すると概算要求の中には盛り込まれております。 事業が継続できるのかできないのか政府が決断できない状況では、全国の自治体では非常に今困惑をしております。存続をする、この結論を一刻も早く明確に出していただきたいと思っております。安心こども基金、妊婦健診について、努力をするという答弁では自治体は動き出せません。自治体が安心して計画が立てられるよう、ここではっきりと存続をすると明言をしていただきたいのですが、いかがでしょうか。 〔委員長退席、長妻委員長代理着席〕
○小宮山国務大臣 おっしゃいますように、安心こども基金や妊婦健康診査支援基金、さまざまな基金事業というのは、それぞれ本当に大事な施策だということは私もよく承知をしております。そういう意味では、自治体の方が区切り区切りのある基金の中で不安定だということもよく承知をしております。 ただ、厚生労働省の予算が非常に莫大なものですから、こうやってつなぎつなぎしかできない状況にございますが、来年度も安心して自治体がこうした事業を行っていただけるように、予算編成過程でしっかりと確保をしていきたいというふうに思っています。
○古屋(範)委員 どの事業も今年度で終わりというわけには実際にはいかないものであります。接種をしてきて、あるいは健診をしてきて、今年度で打ち切りました、それでは済まされない事業ばかりですので、これは厚生労働省全体の予算がどうであろうと、それを超えて、大臣、しっかり体を張って確保をしていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 私も、子供の健康ということはずっと取り組んでまいりまして、この前の八月二十三日の委員会において質問させていただきました胆道閉鎖症のことをここでもう一回触れておきたいと思っております。 国立成育医療研究センターの松井病院長、またこの患者のお母さんたち、肝ったママ'sという会があるんですが、胆道閉鎖症の早期発見のためのカラーカードを母子手帳に挿入してもらいたいという御要望をいただいております。 あのとき、ちょうど副大臣が御答弁くださいまして、乳児に日常的に接する保護者自身が乳児の便をチェックするということは、健康管理で非常に重要なことだ、御指摘の便の色のカラーカード、胆道閉鎖症の早期発見について、厚生労働科学研究によりまして一部の地域で試験的に実施をされていまして、その利用方法などが検討されている、厚労省としても、この研究成果を参考にして、母子手帳に挟むという提案、このカラーカードの活用方法について積極的に検討をしたい、このような答弁をいただきました。 肝ったママ'sのお母さんが副大臣にあのときメールを差し上げたそうで、そのときのお返事も伺っておりまして、このカラーカードについては、母子手帳の改訂のときに、提案のとおり、挟むなど対応がとれるよう検討するよう担当に指示をしました、このような丁寧なお返事があったと私は伺っております。 九月十四日から、母子手帳改訂のための検討会が行われております。十月七日には第二回が行われたそうでありまして、カラーカードの挿入についても検討が行われたようでございます。挿入すべきという意見と、それから費用の問題、あるいは初産の母には役に立つが、経産婦には要らないのではないか、いろいろな意見が出たそうであります。 松井先生に伺ったところ、印刷費用、一枚当たり四円から五円というんですね。そのほかの費用としても、十円強かかるにしても、乳児が全体で百二十万人として計算しますと、千二百万円なんですね。一人、二人の胆道閉鎖症の乳児をこのカードで発見することができれば、もし肝臓移植というようなことになれば、一人当たり七百万から一千二百万という高額な医療費がかかり、簡単にこれを超してしまうわけでありまして、費用の面でも挿入した方がよいということが言えるかと思います。 また、経産婦には効果がないという意見ですけれども、やはりいろいろな統計を見ますと、第二子以降の便の色を正しく見分けることが果たしてできるかどうかということも言い切れないということでありまして、ぜひこうした現場の方々の御意見も伺いつつ、このカラーカードを母子手帳に入れるよう御検討いただきたいんですが、いかがでしょうか。
○小宮山国務大臣 委員が何回も繰り返し御指摘をいただいておりますこの便色のカラーカードによる胆道閉鎖症の早期発見につきましては、厚生労働科学研究によって一部の地域で今試験的に実施をされていると思います。 そして、母子手帳に関する検討会で、十月七日の検討会の中で、委員の方からも、この便色カラーカードを母子健康手帳に盛り込むなどして普及を図ることが適当という御意見がございました。そして、成育医療センターの専門家の方々も私のところへお見えになって、その実物も見せていただきました。 それで、これは、この検討会の報告も踏まえまして、母子手帳に盛り込むなどの方法で、この普及をどうやって具体的にやったらいいかを今検討しているところなんです。 ただ、これは、やり方が、ここにとじるのか、とじるとまたその費用がかかるとか、張るのか、あるいは配るのかとか、いろいろなやり方がございまして、御承知のように、市町村がそれぞれにやる事業なものですから、おいでいただいた専門家の方からも、そこの便色の印刷の精度ということも重要だということもありまして、今、どのような方法でやるのがいいかという方法論の検討をしておりますので、これは母子手帳に何らかの形でつけ加えることができるように今やっているところです。
○古屋(範)委員 挿入することはほぼ決定をして、あとはどのように進めていくか、方法論に入っているということでありますので、大変ありがたく思います。昨日も横浜に、既に行っておりますけれども、このカラーカードで胆道閉鎖症を早期発見できたという事例があると伺ってまいりましたので、早急に実施をしていただきますよう、よろしくお願いいたします。 また先ほどの基金事業の話題に戻っていきたいと思います。 子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例基金についてでございます。これはやはり、年々の基金ではなく、このワクチンは定期接種化に踏み切るべきだというのが私の意見であります。 当委員会で六月十五日に細川大臣にも訴えたんですが、改めて小宮山大臣にも要望しておきたいと思っております。 昨年の十月六日の予防接種部会におきましては、Hibワクチンと小児用肺炎球菌ワクチン、そしてこのHPVワクチン、予防接種法上の定期接種に位置づける方向で急ぎ検討すべきだという意見書が出されております。これからもう一年がたってしまったんですね。医学的、科学的観点からの専門的な検討はもう十分に行われていると思います。あとは決断だけだと思います。 これを実現するために、予防接種法の第二条第二項九号に、「前各号に掲げる疾病のほか、その発生及びまん延を予防するため特に予防接種を行う必要があると認められる疾病として政令で定める疾病」とあります。これを適用すれば、すぐにでも定期接種できるわけなんですね。特例基金が切れる来年度以降は一類の定期接種とするのがベストだと考えております。 大臣が、予防接種制度については制度全体の見直しに向けた検討を進めるとおっしゃっていますけれども、もう検討は十分に行われてきたと言うことができると思います。 この三ワクチンの定期接種化、ぜひ平成二十四年度から実現をしていただきたいと思います。いかがでしょうか。
○小宮山国務大臣 子宮頸がん予防ワクチン、Hibワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、この予防接種法の位置づけにつきましては、もう十分に議論されているはずとおっしゃいましたけれども、今その制度の見直しについて、昨年から厚生科学審議会の予防接種部会で議論を進めているところです。 この議論を踏まえまして、九月二十九日の予防接種部会に厚生労働省から、この三ワクチンについては、二十四年度以降も円滑な接種が行われるよう、今後の定期接種への移行を視野に入れながら検討するという具体的な検討案をお示しいたしました。 引き続きその方向で、移行することを視野に入れということですから、移行する方向で議論を進めていきたいというふうに思っているところです。
○古屋(範)委員 視野というのがどの辺の距離感なのか。遠い先の視野に入っているのか、あるいは本当に二十四年度スタートできるのか。これは速やかに進めていただきたいと思います。 先ほどから子ども手当の議論もございますが、現金給付よりも、ワクチン接種というのは子供の命に直接届くものでありますので、これこそ私は本当の意味で子供の生命を守るための予算だと思いますので、こういうところにこそ予算を確保していっていただきたい、このように思います。 さらに、いつもこの件については何度も質問しておりまして恐縮なんですが、不活化ポリオワクチンについてきょうも触れておきたいと思います。 この不活化ポリオワクチンへの円滑な移行、迅速かつ円滑に導入することに向けて、四種混合、また単独の方も最速のスピードで承認をしていただきたい、できれば、私は緊急輸入をしてほしいということで、当委員会で六回ほど質問をしております。緊急輸入の方は、厚労省は絶対的に拒否をされていまして今日に至っているというところであります。 しかし、不活化ポリオワクチンの承認ができるまでは、急いでも来年度末と言われていまして、一年以上待たなければいけない。この間、生ワクチンを使い続けるという不安は消えておりません。 不活化ワクチンに切りかえる方針を示している中で、生ワクチンに不安を抱いて、不活化を待ってしまおうということで、接種を控える動きが広がっております。これは十四日の検討会で示された数字なんですが、この春、生ワクチンを接種した子供が昨年の春よりもマイナス一七・五%ということで、これだけ減少してしまっております。 ワクチンを接種しない子供がふえますと、乳児全体の免疫力の低下というものが懸念をされて、流行が起きるかもしれないという危険性があるんですね。ポリオに感染する危険性のあるワクチンをそのまま使っている国の対応は、やはり余りに遅いと思います。生ワクチンを接種するにしても発症の不安がある、しかし、不活化にしても、どちらにしても迷いと不安があるわけです。 導入が予定をされております不活化の方のワクチン、昭和五十七年に発売をされて、今九十一カ国で承認をされているものなんです。二億三千万本が出荷をされて、いわばもうこっちの方が世界の主流なんですね。国内でも広く使用されていて、これ以上のエビデンスはないと思っております。 不活化ワクチン、一刻も早く進めるために、国内産のワクチンが承認をされるまでの間、不活化ポリオワクチンを緊急輸入すべきだ、私はこのことをきょう再度訴えていきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○小宮山国務大臣 これはやはり、不活化ポリオワクチンに早く切りかえるべきだということは、副大臣のときにも、委員にも何度もお答えをしてまいりました。 確かに、切りかえるという決定が、ずっと検討されてから随分長くかかっているということは事実だと思いますけれども、これを切りかえるという方針をこの政権の中で決めて、今、国内では、不活化ポリオワクチンを含む混合ワクチンの開発を進めているところです。ことしの末ごろから順次薬事承認申請が出される予定です。それから、海外からも今年度末ぐらいには申請が出るというふうに聞いています。 それから、今までですと、大体一年間承認にかかるんですが、PMDAのところの人数をふやしたり、なるべく迅速化をということを言っておりますので、そこをなるべく速やかにということを今言っているところでございますので、可能な限り早く不活化ワクチンを導入できるように取り組んでいきたいというふうに思っています。 ただ、一方で、今委員がおっしゃいました外国の不活化ポリオワクチンを緊急輸入して使用するということは、やはり国内の臨床試験のデータが確認できないなどということから難しいというふうに思っています。 そうした中で、海外で、中国を初め今もポリオが流行しているので、不活化ポリオワクチンは本当に全力を挙げて早く導入できるようにしていますが、それまでの間は現在の生ワクチンを接種していただくように、色刷りのチラシなどもつくりまして、わかりやすく、私のところでも文章をチェックして、保護者の方にわかるように今周知を図っているところでございます。 一刻も早くできるように、最大限努力をしたいと思います。
○古屋(範)委員 現在の個人輸入している不活化の方は、安全性、有効性が認められていないということでありますが、そういうものを個人輸入で多くの人が接種をしているということは、では、その方々の安全性、有効性はどうなるのか、こういう問題もあわせてあるわけであります。 神奈川県では、不活化ワクチンを希望する人に提供するという方針を固めています。黒岩知事は、危険とわかっているワクチンを使えと言えるかと言っています。国は対応の遅さを反省し、すぐに承認すべきだ、国が何と言おうと神奈川は断固として実施する、このような県も出てきております。 国際機関のGAVIアライアンスというところがあります。ここは発展途上国にワクチンの支援をしている団体であります。昨日、そこのヘレン・エバンスさんという事務局次長とお会いしたんですが、発展途上国に支援をして、新しいB型肝炎のワクチンを初め新しい予防接種も発展途上国に支援をしようとされている。結局、日本が発展途上国よりもワクチン行政が逆におくれてしまうというようなことも起きかねないような状況であります。 ぜひ一刻も早く、この不活化ワクチンの導入を初めワクチン行政を前に進めていただくよう、小宮山大臣の時代にお願いしたいと思いますので、再度このことを希望しておきたいと思います。 次に、介護職員の処遇改善についてお伺いをしてまいります。 二十四年度以降の介護職員の処遇改善を継続するための方策なんですが、一部報道によりますと、介護報酬に含めるというような記事も出ておりました。介護職員の処遇改善、基金の中でやるのか、あるいは介護報酬の中でやるのか、しっかり確保はしていきたいという大臣の御答弁がございました。また、さらに先日の大臣の所信の中でも、「介護職員の処遇改善については、介護人材の安定的な確保に向けて、具体的な方策について年末までに検討していきます。」このようにおっしゃっています。 大臣としては、この処遇改善をどう考えていらっしゃるのか。来年度以降、引き続き基金事業で対応するのか、あるいは次期報酬改定で対応していくのか、方針が全く見えておりません。これもあわせて、自治体あるいは現場にいる方々も不安に思っているところであります。 介護に携わる職員の賃金底上げの策として、これは自公政権のときに設けたわけなんですが、処遇改善の交付金、賃金が低いとされる介護職員の収入を月額一万五千円アップするために、約三千九百億、基金として積みました。この交付金が、本年六月で、全国平均八三%の事業所が申請をして、交付をされております。 平成二十二年介護労働実態調査では、給与引き上げの多くは一時金や諸手当で、継続性には欠けますとはいうものの、交付金申請事業所では、介護職員の平均給与額が約一万五千円アップをしております。また、看護職員、ケアマネジャー等、対象外の職種でも一万円前後は増加をしてきているんですね。介護労働者の入職率が上昇したり、離職率も低下をする、この交付金には一定の効果があったと認めることができます。 今後も適切な介護サービスを安定的に確保するために、介護労働者を定着させていかなければなりません。そのために、介護職員の処遇改善は極めて重要な課題であります。 特に、平成二十四年からは、介護職員が二十四時間対応で高齢者宅を訪問する新しいサービス、地域包括ケアシステムが始まって、夜間働く職員の確保もしなければいけないわけですね。そのこともあわせて、どのような形で処遇改善を行っていかれるのか、この点について質問いたします。 〔長妻委員長代理退席、委員長着席〕
○小宮山国務大臣 おっしゃるように、介護職員の処遇改善は本当に大切なことだと思っています。確かに、処遇改善交付金の中で一万五千円上げて、継続性とかいろいろなことが効果が上がっているということもよく承知をしております。 ただ、現在の給与引き上げの半数が一時金の支給によるもので、継続性が弱いということも考慮をしながら、どのような方策がいいのかを検討する必要があると思っています。 今、関係の審議会で御審議をいただいているところなので、交付金でやるのか、あるいは介護報酬の中に組み込むのか、これは、二十四年度の予算編成過程ということは、年末までにしっかりと、いずれかの方法でこの処遇改善が続けられるようにやっていきたいというふうに思っているところです。
○古屋(範)委員 これが報酬改定に含まれるとなりますと、当然、介護保険料にはね返ってまいります。そういうこともあわせて、非常に影響が大きい問題でありますので、これは慎重に検討しながら、また、早急に結論を出していただきたいと思っております。 また、この処遇改善につきまして、民主党は二〇〇九年マニフェストで介護労働者賃金月額四万円アップということを掲げていらっしゃいますね。 十月十三日の社会保障審議会介護保険部会では、来年度以降も交付金を続けるために必要な財源について、単年度で約一千九百億円必要であると指摘をした上で、交付金の設置目的は景気対策、平成二十四年度概算要求枠にはおさまらない、また、十兆円を超える震災復興対策が必要な状況で予算措置は現実的かとの論点を提示されております。非常に厳しい現状ではあります。現行の交付金相当額を介護報酬に上乗せしたとすると、二%程度のアップが必要で、国、地方それぞれ約五百億円の確保が必要ということになってきてしまいます。 この一万五千円だけでも、これを手当てするために五百億円の国庫負担増ということで、六十五歳以上の方の平均月額保険料が、現在四千百六十円のところが、五千円を超してしまうという可能性も出てくるわけなんですね。 これに対して、民主党の介護保険制度の改革ワーキングチームが、昨年十二月、交付金の継続を求めていらっしゃいます。一方、二〇〇九年民主党マニフェストで、介護事業者への報酬を加算して、介護労働者の賃金を月額四万円上げると公約をされています。平成二十四年度にこの公約を完全実施するとの工程表も御丁寧に示されております。この約束を果たすためには、来年四月には賃金四万円アップに相当する額の事業者への報酬を引き上げなければならないわけです。 小宮山大臣は、十月二十一日の閣議後の記者会見で、民主党が二〇〇九年の衆議院選で掲げた介護労働者の賃金を月額四万円引き上げる方針について、現在も堅持をされており、目標として否定されたものではないとの認識を示したとあります。ただ、実現に向けたスケジュールについては、東日本大震災の影響などを例に挙げ、延びることはあるとの考えを示したとの報道がありました。 政権公約の報酬四万円アップ、財源をどのように確保して取り組んでいかれるおつもりなのか。これはもう困難なら、できないということをぜひ認めていただきたいと思います。いかがでしょうか。
○辻副大臣 今日、日本は高齢化社会を迎えているわけでございますけれども、ますます今後高齢化の進行が予想されるわけであります。やはり高齢者の方々の生活の明るさがいかがなるものか、あるいは、そういった生活を支えていただく若い方々の仕事にかける士気というものがいかほどであるかということは、やはり将来の日本の社会の明るさを示す鏡でもある、このように思うところでございます。 そういった意味合いにおきまして、この重要な介護保険制度をしっかり支えていただく職員の処遇というものをしっかりと位置づけていかなければ明るい将来が描けない、このように私は考えているところでございます。 そういった中で、党としての主張もあったわけでございますけれども、今日十分そこに至っていないではないか、その途上ではないかという御指摘は真摯に受けとめさせていただかなければならないわけでございますけれども、先ほど来御指摘いただきましたように、予算措置による処遇改善交付金という形でいくのか、あるいは介護報酬の枠組みに組み込んでいくのかというそれぞれのやり方があり、今審議されているところでございます。 いずれにいたしましても、現場の職員の方々、現場にお届けしなければ意味がないわけでございまして、そういった見地からも、これから本格的に議論を重ねて、予算編成過程において集約をしていきたい、このように思っているところでございます。 そして、委員御指摘のとおり、本当に財政が厳しい状況の中で、いずれにいたしましても、財源確保は本当に血のにじむ努力と言っても過言でないほどの努力が必要になるわけでございますけれども、しかし、そういった状況にあっても、今申しましたような気持ちを込めて、介護職員の方々の処遇改善につながる財政措置を図るように取り組んでいきたい。そして、四万円ということを目標にさせていただいている、そこに近づけるように頑張っていきたいと思っております。
○古屋(範)委員 今政権をとられて、野党の時代とは違います。ぜひ、現実の中での本当に実現をする制度設計を示していただきたい、このように思います。それは、景気のいい数字を挙げればいいというものではありません。ぜひ実現可能な制度設計、それをどのように、いつ行うのか、これを国民が納得するような形でお示しをいただきたい。不要なマニフェストを見直し、副大臣おっしゃったように、ここは非常に大事な分野、必要な分野なわけですので、最大限努力をして、ここの財源の確保をしていただきたいと思います。 次に、東日本大震災関連について質問をしてまいります。 震災では介護従事者も被災をし、そんな中、本当に献身的な努力で高齢者を介護してきていらっしゃいます。今後も適切な介護サービスを安定的に確保するために、介護労働者を定着させていかなければならないわけであります。仮設住宅における介護サポートについて、この拠点整備について質問してまいりたいと思っております。 七月十一日に、被災地で初めて宮城県岩沼市で仮設住宅の介護等のサポート拠点ができまして、ここへ視察に行ってまいりましたけれども、若い青年海外協力協会が担って、仮設住宅を巡回しながら非常に頑張っていらっしゃいました。 先日の厚生労働委員会の委員派遣でも、釜石市の平田地区サポートセンターを視察することができました。ここがたしか二カ所目だというふうに記憶をしておりますけれども、やっとここまで来たなというふうに思っております。 この平田地区のサポートセンター、なかなか時間がなくてゆっくりお話を伺えなかったんですけれども、介護サポートの拠点、そこの仮設住宅も非常によくできていて、いわばモデルとなるような拠点だなというふうに思いました。 このサポート拠点の設置促進について、何度も委員会で質問をしてまいりました。公明党としても、第一次補正予算の地域支え合い体制づくり事業で現在推進している仮設住宅等における介護サポート拠点の設置を推進して、必要な事業を行うための基金の創設を要望してきました。 この結果、第三次補正予算においても、介護基盤緊急整備等臨時特例基金百十九億が積み増されるということになりましたけれども、特に被災地では、地域包括ケアの実現に向けて、その実情に合わせて、サポート拠点の運営の一環として、二十四時間の定期巡回とか随時対応サービス、これができれば被災した高齢者にとって非常に安心できる体制だと思います。 孤独死というようなこともございました。また、健康が悪化をしているという現実もございます。こうした高齢者の健康を守るためにも、サポートセンター拡充に全力を挙げていただきたいんですが、この設置状況、また今後の見通しについてお伺いをいたします。
○辻副大臣 この介護等サポート拠点等に対しまして、古屋委員、また公明党の皆様方からこれまで御指導いただきましたことを感謝申し上げたいと思います。 御質問についてでございますけれども、被災地における仮設住宅での高齢者の安心した日常生活を支えるため、総合相談、居宅サービス、生活支援サービス、地域交流などの総合的な機能を有するサポート拠点の設置、運営を私どもといたしまして推進してきているところでございます。 具体的には、委員からの御指摘もございましたけれども、第一次補正予算での積み増し、七十億を積み増しさせていただいて、既に六月二十四日に被災県に全額交付させていただいたところでございますが、それに合わせまして、第三次補正予算での積み増しも九十億程度措置をさせていただこうとしているところでございます。 このような中でございますけれども、岩手県、宮城県、福島県の三県のサポート拠点につきましては、現時点で八十六カ所程度の設置が見込まれているところでございます。また、現実には、十月七日現在でございますけれども、二十六カ所が開設をされているということでございます。 厚生労働省といたしましては、このサポート拠点の設置、運営が推進されるよう、委員からの御教示もしっかりと受けとめさせていただきながら、被災県に対する支援をさらに進めていきたいと考えております。
○古屋(範)委員 だんだんと設置が進んできているようでありますけれども、私も公明党の地方議員さんに、ぜひこの基金を活用してサポートセンターを設立してほしいということを呼びかけております。さらに被災地における設置が進むよう、お願いをしておきたいと思っております。 このサポートセンター、ITなども使って見守り体制を非常に拡充されております。平田地区では、二十四時間、テレビ電話を使って、何かあった場合にはサポートセンターにつながってすぐに看護師が来てくれるという体制をとっております。また、宮城県の名取市では、仮設住宅で暮らす高齢者をタブレット端末で見守るという試みが始まっております。端末のA4判ほどの画面に非常事態を伝える緊急という表示があって、触れるだけで緊急通報ができるとか、さまざまな機能がついているものを使っている地域もございます。 また、これは雇用の方なんですが、岩手県の北上市が、被害の大きかった大船渡市の仮設住宅の運営を支援する事業を九月から始めています。これは、民間に委託をして、仮設住宅の見守りなどなんですが、報酬を得て、働く体制を徐々につくっていく、こういう取り組みも始まっております。被災地である大船渡の雇用を創出するとともに、仮設住宅に入居している人が相談できる支援員をつくることにもつながっております。 こうした体制整備、先ほどの介護基盤緊急整備等臨時特例基金百十九億円に加えて、緊急雇用創出事業臨時特例基金二百二億が使えるものと認識をしておりますが、これも被災地にぜひ重点配分をしていただきたいと思っております。この予算の確保をしっかりしていただきたいと思いますけれども、この点はいかがですか。
○牧副大臣 介護基盤を充実させていくということが、ひいてはまた雇用の基盤もつくっていくという事例を今御紹介いただいたと思います。雇用の観点から、基金の積み増し等ももちろん行っていかなければならないと思っております。 被災された方の生活の再建のために、地域で雇用の場を確保するということは重要な課題と考えております。先ほど御指摘をいただいた事業を含めて、雇用創出基金事業を活用した、仮設住宅等での見守りや生活相談、地域の安全パトロールなどの事業によって、被災三県を含む全国で、既に二万五千七百九十一名が雇用されております。 また、これから三次補正においてお願いをしてまいるのが、これはもちろん円高への対応等も含んでおりますけれども、重点分野雇用創造事業の震災対応事業の拡充、延長に二千億、さらに積み増しをお願いする予定でございます。 さらに、仮設住宅の高齢者等のコミュニティーづくりなどにも活用できる介護等のサポート拠点や生活支援、地域交流等を支援するための地域支え合い体制づくり事業について、第三次補正予算においても九十億の上積みを計画いたしております。
○古屋(範)委員 済みません、時間がなくなってまいりました。最後の質問に参ります。ドクターヘリの運航事業費の確保についてお伺いいたします。 私たちもドクターヘリを推進してきました。今回の大震災においても十八機が被災地で活躍をいたしました。このドクターヘリ事業なんですが、八月三十一日に、厚生労働省から各都道府県あてに「平成二十三年度医療提供体制推進事業費補助金の交付について」という事務連絡が行われました。平成二十三年度事業計画を審査した結果、今年度においては補助所要額が予算額を超えたために、予算額におさまるよう金額の調整を行っており、別表の内示額を上限として事業計画を見直し、交付申請するようお願いする、このような通達が行われました。総額が一五%程度減額されたというふうに聞いております。 この全体の事業、救急医療ですとか周産期等々、どれも命に直結した事業内容でありまして、途中から、予算を超えてしまったからといって、要請があったのにドクターヘリを飛ばせません、そんなことはできないわけですね。ですので、確かに予算、財政は厳しいわけなんですけれども、既に年度初めに計画を立てて申請をして計画が実行されているものを途中でやめろというのは、自治体に非常に計画の変更を強いることになると思っております。 ドクターヘリを安全運航するために、この事業計画を見直さずに済むよう、他の予算を充ててでもぜひこの確保をお願いしたいというふうに思っておりますけれども、いかがでしょうか。
○藤田大臣政務官 今委員の方から御指摘がございましたように、この医療提供体制の推進事業費、予想をオーバーいたしまして、予算額を超過して、六十九億円ほど超過をしてしまったということでございます。 そのために、八月三十一日に事務連絡を出しまして、金額の調整、事業計画の見直しもお願いしたわけでございますが、今委員の方からお話がございましたように、それぞれの事業、大変重要な事業でございますので、交付する補助金については、都道府県の判断で、各事業間で融通できるような仕組みというものもとったところでございます。 実施の優先順位というものを御判断いただいて、事業間での交付金の融通をしていただきながら取り組んでいただきたい、このように考えているところでございまして、今後、都道府県からのいろいろな御相談にも厚労省としては応じてまいりたいと思っております。 大変厳しい財政状況でございまして、この予算の確保については、これからもできる限りしっかりと努力をしてまいりたいと思っております。
○古屋(範)委員 時間ですので、以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○池田委員長 次に、高橋千鶴子さん。
○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。 まず最初に、先ほども少し議論があったと思いますけれども、七月一日の閣議報告、社会保障・税一体改革成案では、高額療養費の見直しによる負担軽減の財源として、受診時定額負担を導入するとしております。初診、再診時に百円ずつということが検討されているようでありますけれども、まず、その具体的な考え方について御説明をお願いします。
○外口政府参考人 医療保険では、家計に対する患者負担が過大なものとならないよう、高額療養費制度で患者負担に上限を設けております。この高額療養費については、近年、がんなど高額で長期にわたって医療費の負担が重い患者が生じているため、見直しが求められております。 高額療養費の見直しは、昨年も医療保険部会で議論いただきましたが、厳しい医療保険財政の中で、保険料財源を負担する保険者の方々の理解が得られず、見送ったところであります。 今回の受診時定額負担は、こうした経緯を踏まえ、長期に高額な医療費がかかっている患者の負担を軽減するための財源について、政府・与党社会保障改革検討本部等の議論を経て、一体改革の成案に盛り込まれたものであります。
○高橋(千)委員 具体的な考え方ということで、制度設計のこともちょっと聞いたつもりだったんですが、次の質問の中で答えていただければと思います。 今説明があった高額療養費の制度そのものは、当然必要だと思っております。また、医療制度改革の中で上限が少しずつ上がってきまして、せっかくの高過ぎる医療費の負担を軽減する制度といいながら十分高いという点では、当然これは、軽減はやるべきだという立場でございます。ただ、問題は、その財源を定額負担という形で外来の患者さんに求めるということは絶対に反対でございます。 社会保障審議会医療保険部会に厚労省が示した高額療養費の負担軽減に必要な財源は、二〇一五年の医療給付費ベースで約三千六百億円とされております。受診時定額負担は約四千百億円という試算がございますが、そうすると、差し引き、ちょっとおつりが来る。これが、いわゆるペイ・アズ・ユー・ゴー原則というか、中で解決するという話なんだろう。これ自体を問題だと私たちは言っているわけです。 では、その翌年度以降はどうなるでしょうか。翌年度以降は、高額療養費の伸びの方が上回って合わなくなるということが言われています。つまり、足りなくなれば、百円と思ったものが二百円になったり、順次引き上げをせざるを得なくなるのではありませんか。
○外口政府参考人 受診時定額負担でございますけれども、まず、その仕組みは、外来受診時に百円の別途負担をいただくものでございます。 これは、今回の高額療養費の見直しの規模に応じて設定するものでございまして、ただいま御指摘がありました制度見直し後の高額療養費の伸びの部分につきましては、この百円をさらに引き上げるのではなく、保険者財政の中で負担する案を医療保険部会では提示しているところでございます。 また、必要な医療にかかることができなくなることのないよう、低所得者の方には定額負担の軽減を行うことをあわせて検討しております。 ただいま、三千六百億と四千百億でおつりが出るではないかという御意見がありましたけれども、この軽減分につきましては、これからそれに加わるわけでございます。 いずれにいたしましても、関係者の方々の御意見をよく聞きながら検討していきたいと考えております。
○高橋(千)委員 そうすると、まず、高額療養費が上がっていくであろうということはお認めになるのか。そして、上がるけれども、定額負担をふやすのではなくて、別のところから、どっちにしても患者負担になるのかなと思うんですが、やるという意味ですか。
○外口政府参考人 医療の高度化と高齢者の人口割合の増加によりまして、御指摘のように、この高額療養費の規模自体もだんだんふえていってまいります。 今回の百円の方は、いわゆる制度の改善部分の最初のところに入るわけでございまして、その改善された部分がそれから一定の上昇率で上がっていくことについては、従来の医療保険同様に、保険料と公費、こういった仕組みの中で負担していくということを考えております。
○高橋(千)委員 そうすると、百円が二百円にはならないかもしれないけれども、別な形で負担になるのかなということしか今の時点ではわからないと。ただ、負担がふえないとはおっしゃらなかったと思うんですね。非常にわかりにくい話です。 例えば、国民の気持ちとして、確かに、百円、その百円よりも入院費というのは非常に高額なので、そちらが少しでも軽くなるんだったらいいかなと思うかもしれません。しかし、一回は百円、小さくても、それが定期的に受診をしている高齢者の方たちや持病のある人たちは、その分、毎回毎回払うわけですから、負担が大きくなると思うんです。 そして、それこそがねらいなわけでしょう。四千百億円の財政効果というのは、初めからそれを見込んでいるはずです。長瀬効果と言われて、受診を控えることで医療費抑制をねらっているということだと思いますが、まず、ここは確認をしたいと思います。
○外口政府参考人 今回の高額療養費の見直しと受診時定額負担の目的でございますけれども、受診の抑制が目的ではございません。目的は、高額療養費の改善でございます。そのための財源として、本来は公費と保険料という普通のやり方で進めるべきでありましょうが、これがなかなかうまくいきませんので、次善の策としてこういった制度を提示しているわけでございます。
○高橋(千)委員 目的ではないと今強調されましたが、しかし、受診抑制を見込んでいるということはお認めになりますか。
○外口政府参考人 一般に、窓口の負担を上下させたときには、それに伴って長瀬効果という効果が実際に出ますので、医療費の総額が動くということは事実でございます。
○高橋(千)委員 事実ということで、認められたと思います。 結果として、これが公的医療保険の範囲を狭めることにならないかということを大臣に伺いたいと思うんです。 二〇〇六年の医療制度改革のときは、風邪などを軽い病気と規定して保険給付の対象外とする保険免責制、これが俎上に上りました。非常にこれは悪い制度だということで、さすがに盛り込まれなかったわけでございます。 ただ、そのときに、この委員会では強行採決だったわけですけれども、参議院では附帯決議がされて、先ほど紹介もあったわけですけれども、「給付の割合については、将来にわたり百分の七十を維持する」ことを初めとして、「安易に公的医療保険の範囲の縮小を行わず、現行の公的医療保険の範囲の堅持に努めること」という決議もされております。 私は、百分の七十、これはもっと上げてもいいなと思っておるわけですけれども、少なくとも、これ以上公費負担の割合を狭めるということはあり得ないということが国会の意思だったと思います。大臣の認識を伺います。
○藤田大臣政務官 今委員の方からお話がございましたように、健康保険法の改正法附則で、「将来にわたり百分の七十を維持するもの」とされておりまして、それを踏まえて国会で決議をいただいたわけでございます。 そのことはしっかりと踏まえていかなければならないわけでありますが、一方では、医療保険の給付と負担のあり方というのは、制度の持続可能性ということを維持していくためにも、さまざまな状況の変化に対して検討をしていく、考慮をしていくという必要もあろうかというふうに考えております。 このため、今回、厳しい医療保険財政の中で、本当にセーフティーネットの機能を強化していくための方策というものを議論していただいているところでございまして、御指摘の決議を尊重しながら、この給付と負担のあり方については幅広く議論をしていく必要があると考えているところでございます。
○高橋(千)委員 大臣に通告しましたので、改めて同じ質問をしたいと思います。 本当に定期的に通わなければならない持病のある方、高齢者の方に負担をさせてこの医療保険財政の中でやっていこうという考え方は、やはり、筋悪であり、やめるべきだと思います。いかがですか。
○小宮山国務大臣 厳しいさまざまな医療保険財政の中で、セーフティーネットの機能を強化するための方策をいろいろ議論いただいているところでございます。その中で、そうしたさまざまな御意見を尊重しながら、給付と負担のあり方については、しっかりと、今の委員の御懸念のないような形で検討していきたいというふうに思っております。
○高橋(千)委員 この報告は、閣議報告であり、決定ではないということが先ほどもあったわけですから、もうコンクリートされたものではないということで確認をしてよろしいですね。
○辻副大臣 閣議決定ではなく閣議報告であることは、事実でございます。
○高橋(千)委員 そういうことですから、決まったものではありませんので、引き続いて、撤回をしていただきたいということを求めていきたいと思います。 次に、七月二十一日の規制・制度改革に関する分科会第二次報告書では、「医療分野における制度改革の方向性」として、「予防医療も含めて真に国民に必要な医療を整理し、公的保険の適用範囲を再定義することが必要」とあります。 これも、結局は、公的医療保険の範囲を狭めることになるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○小宮山国務大臣 御指摘の規制・制度改革に関する分科会の報告書、これは内閣府で取りまとめたものですが、御指摘の記述は、この分科会のもとに置かれましたライフイノベーションワーキンググループの議論の中で、ある委員から、予防接種も医療保険の対象とすることを検討すべきという御意見があったことを踏まえて盛り込まれたというふうに理解をしています。 したがいまして、御指摘の報告書、医療保険の範囲を狭めることを求めたものではないというふうに考えています。
○高橋(千)委員 書いたのが私ではないからという前提がありましたので、正直言って、ちょっとそれだけでは納得しかねるところがあるわけですが、狭めるものではないということは、おっしゃったことをやはり確認させていただきたいなと思うんです。 確かに、予防接種を含めてということがあったにしても、「真に国民に必要な」という文脈は、やはり、その前後を読みますと、先ほど来、外口局長の方からもお話があったように、要するに、高額な医療費、機械ですとか医薬品ですとか、そうしたものの中で医療費が伸びていくんだ、だから見直しをしなければならないという文脈の中で出てきているものであること。また、その前の年の規制・制度改革の第一次報告などでも、明らかに混合診療の解禁について求めている。 そうした経過がある中で、これは懸念をされるというのは当然のことだと思います。でも、狭めるものではないということで、確認をしたいと思います。 そこで、四月八日の方は、閣議決定されたこちらは、規制・制度改革に係る方針の方ですけれども、「国民皆保険制度を守ることを前提として、以下を行う」と書いておりまして、「医療法人と他の法人の役職員を兼務して問題ないと考えられる範囲の明確化を図る」とあります。これは、事実上の株式会社の参入を認めることにつながらないのか、伺います。
○藤田大臣政務官 御承知のように、現行、営利を目的とした経営主体による医療への参入については、医療法によって認められておりません。このため、医療法人と他の法人の役職員との兼務については、医療機関の開設、経営に影響を与えることがない場合に限り認められる旨、都道府県に対して通知をしているところでございます。 今、委員の方から御指摘がありました閣議決定については、この通知が認める医療法人と他の法人の役職員の兼務の範囲が不明確である、都道府県によって対応がまちまち、ばらつきがある、こういう御指摘もありましたので、その明確化を図ろうとするものでございまして、具体的な内容については、関係者の御意見も伺いながら検討してまいりたい、このように思っております。 したがって、この閣議決定を受けて、新たに株式会社が医療提供に参入することを認めるような見直しは考えておりません。
○高橋(千)委員 範囲を明確にするんですか。
○藤田大臣政務官 先ほども申しましたように、通知に対する対応にばらつきがあるということでございましたので、そこの明確化を図ろうということでございます。 ただ、そのことについては、関係者の皆様の御意見もしっかり伺いながら取り組んでまいりたいと思っております。
○高橋(千)委員 とにかく、新たな参入ではないということを確認させていただきたいと思います。 さて、本日も、農協などの主催で大規模なTPP反対の集会が開催をされております。 今私が規制・制度改革の分科会の報告などについて質問をしたのも、昨年菅前総理がTPP参加を打ち出して以降、この審議が大変活性化しまして、TPP加入への対応機関として作業を進めてきたのだ、そういう認識が一般的にあるからであります。つまり、受け皿づくりになるような議題が議論されているということになるのではないかと思います。 今話題のTPPは、医療の分野においても、混合診療の解禁、営利企業の参入などが求められ、公的医療保険が変えられる、皆保険が壊されるのではないかという反対の声が大きいところであり、もちろん私も反対であります。 そこで、まず伺いたいのは、厚労省として、厚労省にかかわる分野、医療から労働から食の安全、さまざまあるわけですけれども、そういう分野がTPP問題でどんな影響があるのか、独自の試算や評価を行ったことがあるのか、伺いたいと思います。
○辻副大臣 現在、TPPで交渉が行われております二十一分野につきまして、厚生労働行政に関係し得る分野としては、衛生植物検疫、貿易の技術的障害、越境サービス貿易などがあるわけでございます。 これまでの外務省を中心とした情報収集によりますと、厚生労働省が所管しております医療、医療保険、食品安全、外国人労働者等について、大きな影響が生じるような議論は行われていないと理解をしているところでございます。 厚生労働省といたしましては、国民の生命、健康、生活、雇用に大きな影響が及ぶことのないよう対処しなければならないと考えているところでございます。 なお、前提となる要件がいまだ定まっていないのが現状でございまして、試算等は行っておりません。
○高橋(千)委員 結局、厚労省として独自の取り組みを一切行っていない、このこと自体が大問題だと思うわけです。今の答弁も、外務省の情報収集によればというだけの話なわけですね。入ってから何かするというのでは遅過ぎるんだということを言わなければなりません。 そもそも、背景に、アメリカの対日要求というのは繰り返しあったはずなんですね。それは、みんながわかっていることなわけです。混合診療の解禁、営利企業の参入は、自由診療を拡大させ、民間保険に対する需要が高まるとして、ここへのアメリカ保険会社の参入をねらっていることなどがこれまでも指摘されてきましたし、二〇〇六年日米投資イニシアチブなどでも明示されているところです。 二十三日付の農業新聞によれば、米国の経済団体がアメリカの大統領に対して、TPPでは例外なき自由化を実現するよう圧力をかけていると報じました。 全米商工会議所など四十三団体が、いかなる産業分野、商品、サービスも除外しない包括的な協定を達成することを求める要請書を出したといいます。その中には、先進医療技術協会、米国研究製薬工業協会などの医療団体も入っております。この団体らは、アメリカ自身も一部の品目や産業分野を除外することは、高い野心と経済可能性を阻むという、最も好ましくない結果をもたらすと批判をしています。 つまりは、アメリカ自身も裸にならなければ交渉は成功しない、そういう形で国内が大統領に迫った、そういうところに来ているわけですね。 また、本日付によれば、米国政府が、TPP交渉で獲得する目標を列挙した資料の中に、公的医療保険制度の運用について、透明性と公平な手続の尊重を求めると明記をし、同制度の自由化を交渉参加国に要求するとの方針を示していたとされています。 厚労省として、そうしたこれまでの圧力をどのように受けとめてきたのか、あるいは、こうした報道されるものに対して、だったら問い合わせてみる、そういうことを当然やるべきではありませんか。
○辻副大臣 高橋委員御指摘のように、例えば日米投資イニシアチブ報告書などを拝見いたしますと、アメリカ政府が病院、診療所経営に対する株式会社の参入拡大を可能とするよう要望した、あるいは、アメリカ政府はいわゆる混合診療の導入について関心を表明したというような表記もあるわけでございまして、御指摘のような要望が出されていることを私どもとしても認識しているところでございます。 厚生労働省といたしましては、いわゆる混合診療を全面的に解禁することについては、患者負担が不当に拡大するおそれがあること、安全性、有効性等が確認されていない医療の実施を助長するおそれがあることから、医療保険制度の根幹に影響を与えるものであり、適切ではないと考えているところでございます。 また、営利法人の病院経営については、患者に必要な医療が継続的に提供されなくなるおそれがあること等から、株式会社による医療機関の経営は認められないと考えているところでございます。 従来からこのような考え方のもとに対処してきたところでございますけれども、今日的な交渉の議論などにかかわろうがかかわるまいが、私どもといたしましては、その立場に立って、国民に安全、安心な医療を提供すべく対処していきたいと思っております。
○高橋(千)委員 今、最後におっしゃった安心、安全な医療、これは、厚労省ではなくて、交渉当局といいましょうか政府がつくったQアンドAの中に出てくるわけですよ。医療、保険の分野では、混合診療の解禁や営利企業の参入については議論の対象になっていません、参加国間のFTAでは金融サービス分野において公的医療保険制度は適用除外されており、TPP協定交渉においても公的医療保険制度は議論の対象になっていませんとあり、なお、仮に交渉に参加する場合には政府としては安心、安全な医療が損なわれないよう対応します、こう言っているんです。それを読んだだけなんです。全然抽象的でしょう。 何をどうするんですか。本当にこの混合診療は認めないというのであれば、今じっとしているわけにはいかないわけですよ。なぜそういうことを言われないんですか。大臣から直接伺いたいと思います。
○小宮山国務大臣 混合診療については、先ほどから私も答弁をし、副大臣が答弁をしたとおりでございますので、そういうことのないようにしっかり対応したいと思っています。 ただ、再三申し上げますように、TPPで今交渉されている中では、具体的にこういうことが検討項目には上がっていないというふうに認識をしております。
○高橋(千)委員 これまで対日要求があったということを先ほどお認めになりました。ですから、アメリカの政府の中で大統領に対してこれを突き上げる声があり、かつアメリカ政府としてもTPP要求の中に盛り込んでいる、その報道は本当か否かと直接問い合わせてみればいいじゃないですか。そういう努力も一切しないということ、なぜ厚労省は何もその情報収集をしないのかということを言っているのであります。その点について、いかがですか。
○辻副大臣 TPP交渉においてそのような議論がなされていないということでございまして、先ほど読み上げましたのは、対日要求としてかつてあったということを申し上げたということでございます。
○高橋(千)委員 余りにも危機感がなさ過ぎると言わなければならないと思うんです。 先ほど言ったように、本当に反対だというのであれば、一たん始まってしまえばそこだけ抜くということはできないということがこれまで繰り返し言われてきたわけじゃないですか。だから、農業の分野だけではないんだ、医療の分野でもこんな問題があるんだということを発していかなければならないということを繰り返し指摘しているわけであります。 きょうは外務省に来ていただいていますので、少し技術的なことを聞きたいと思います。 混合診療や営利企業の参入など、医療の規制緩和が議題となる可能性について排除はできないと思います。これについては、外務省がつくった資料の中に、可能性があると書いておりますので、確認をさせていただきたいと思います。 それから、二十一の作業部会には、医療というテーマはないわけですね。だけれども、サービスとかいろいろな分野の中に、紛れ込んでいると言えばちょっと言い方が悪いかもしれないけれども、さまざま入っているということであります。 もし入るとすれば、どういう脈絡の中で検討されるのか、御説明いただきたい。
○西塔政府参考人 お答え申し上げます。 また繰り返しになってまことに恐縮でございますが、混合診療の解禁あるいは営利企業の医療参入につきましては、TPP交渉の中で現在のところ議論の対象にはなっていないものでございます。 将来の議論の可能性につきましては、現時点においてそれを見通すことはなかなか困難であるわけでございますが、いずれにしましても、仮に交渉に参加する場合には、政府として、安心、安全な医療が損なわれることがないよう対応してまいる所存でございます。 なお、作業部会についての御質問がございました。 まず、混合診療でございますが、これは我が国の公的医療保険制度の保険給付に係る問題でございますので、金融サービス分野での議論になるのではないかと考えております。また、営利企業の医療参入の問題につきましては、これは、投資あるいはサービス貿易における議論ということが予想されるわけでございます。 以上でございます。
○高橋(千)委員 技術的なことを聞きますと最初に言ったのに、何も外務省が厚労省と同じ答弁をしなくてもいいじゃないですか。本当に、外務省がつくった資料の中に、可能性も今後あると書いていることを私は読み上げただけですから、ないと言っているわけじゃないので、現実にそれはもう否定できないですねということを確認しただけなんですから、別にかばってあげなくてもいいかなと思います。 それで、仮に議題になるにしても、医療保険制度は各国かなり違っているわけですが、それがどのように働くかということであります。 例えば、米韓FTAなどでは、いわゆる毒素条項と呼ばれておりますけれども、ほぼ米国に有利な形で入っていると言われています。例えばノンバイオレーション・コンプレイント、韓国がFTAに違反していなくても米国政府が国際機関に提訴できる仕組みがある。韓国の公共制度である国民医療保険のせいで営業がうまくいかない、こういう訴えも可能なシステムになっているんだと。要するに、違法ではないけれどもというふうな制度であります。そんなことまで認められている。 また、最恵国待遇とか内国民待遇というように、自国と外資の待遇を均等に扱えというルールが一般的であるということを言われているわけですね。 例えば、これに対して、そういう米国の要求やねらいを十分にわかった上で、それでもTPPを受け入れるべきだと論じている方たち、その中で、馬田啓一杏林大学教授などは、「国際貿易と投資」秋号で、こういうルールが一定の国内規制を前提としたものだから、そんなに日本の制度が大きく変更させられると疑心暗鬼になることはないと言っているんですね。国内法があれば心配は要らない、もしそう言うのであれば、国内法を変えないと言えば済むだけの話であって、だったら米韓のような問題は起きないわけです。 先行している事例からいっても、やはり統一のルールは求められるということになりかねないなと思いますが、いかがでしょうか。一般論でよろしいです。
○西塔政府参考人 これも繰り返しになってまことに恐縮でございますが、仮に日本が参画をすると決めたとして、仮にアメリカその他の国から公的医療保険制度について問題提起がされたとしても、いずれにしても、これは交渉に参加するということでございますので日本は日本としての意見が言えるわけでございますので、そうした交渉の中でしっかりと安心、安全な医療が損なわれることがないように最善の努力をしていくということだと思います。 以上です。
○高橋(千)委員 ですから、厚労省じゃないんですから、何度も言いますけれども。 客観的なことを聞いているんです。米韓でも、明らかに韓国の方が不利でしょう。今言ったことは間違いですか。
○西塔政府参考人 繰り返しになってまことに恐縮でございますが、仮に問題提起がなされるとしましても、日本としては、安全、安心な医療が損なわれることがないように、とにかく全力を尽くしていくということかと思います。 以上でございます。
○高橋(千)委員 なぜ外務省がそういう答弁をするんですか。交渉の技術的な問題、今現実に外務省が少ない情報の中で参加国からいろいろとっている情報、あるいは二国間で進んでいるFTAなどの情報、そういうものから見ても、例外というのはないですよねということを客観的に聞いているだけなんですよ。安全、安心の医療とか、それは厚労省が言えばいい話です。
○西塔政府参考人 アメリカから言われたら必ずそれを受け入れなければならないということはないわけでございまして、交渉というのは、ここだけとってみれば、場合によってはそういう要求というのは強いものがあるのかもしれません。ただ、交渉というのは全体として進めるわけでございますので、それは、こちらの方で譲るのであれば、こちらの方でとっていかないといけない。全体の中で判断されるべきでございます。 この部分については、特に日本の医療の安全、安心にとって非常に大事な分野でございますので、全力を尽くして日本の主張を通していく、その努力をするということでございます。
○高橋(千)委員 とてもそれでは、交渉に仮に入っても、安全、安心な医療が守られるだろう、アメリカが幾ら言ったってというふうにはだれも受け取れないと思いますよ。 アメリカとの関係では、もう日米構造協議にもさかのぼらなければならない。日本が頑張って、日本の主張の方が強かったということを堂々と列挙して言えるのであればまだわかりますよ。それはもう歴史がはっきりしていることじゃないですか。それをあいまいにして、逆に、情報収集をしないことで、そういう問題が起きるかどうかわからないといって月日を費やすということは絶対あってはならない。 このことは重ねて指摘をして、少なくとも厚労省として、先ほど指摘をしたような独自の情報収集をしてほしい。これだけ、イエスかノーかだけ答えてください、厚労省。
○小宮山国務大臣 これは再三申し上げていますけれども、交渉に参加する中で具体的な中身が出てきますので、その中で私は交渉をするべきだと思っています。その中で、本当にこういう安心、安全を守るべきところはしっかりと主張していけばいいことだというふうに私は思っております。
○高橋(千)委員 参加国に情報を求めるという程度のことさえも言えないというのであれば、とてもこれは交渉に入る資格はないなと言わなければなりません。きっぱりとやめるべきだという指摘をしたいと思います。 最後に、残された時間で、きょう、もう一つ関連をしてお話をしたいことがあります。 先ほど指摘をした規制改革の問題と、今回の震災でつくられる復興特区制度、これが、下手すれば国内から穴をあけることにならないのか。そうなっては困るという立場で一言質問させていただきます。 今、第三次補正予算案とセットで法案が出されようとしていますが、医療の規制緩和については、例えば宮城県の復興計画の中にも明記をされております。特区では具体的にどこまで可能になるのか、お願いします。
○後藤副大臣 先生おっしゃられましたように、今政府の中で、いわゆる復興特別区域法案について最終的な詰めの作業を行っているところでございます。 これも先生、釈迦に説法でありますが、この復興特区制度は、地域が主体になって復興支援するために、地域における創意工夫を生かした復興に向けた取り組みの促進を図るというものであります。 例えば宮城県では、復興計画で、「新たな医療・福祉システムの構築のための規制緩和」であるとか「医療・福祉等従事者の流出防止と育成・確保」というのをこの復興計画の課題に挙げております。 そして、先生御懸念の部分は、多分、復興計画をまとめる際に、この地域の要望、いろいろな事業者、また自治体の中、あらゆる関係者とある意味では合意形成をしてこの要望を出してきているものでありますので、一方的な規制緩和が行われるということは、私は少なくともないと思っています。 ただし、例えば、現在、先生も御案内のとおり、宮城県、福島県、岩手県を中心とした被災地では、医療従事者の不足というのが懸念をされています。 そういう中で、これは省令の改正という部分でありますが、医療機器製造販売業等の許可基準の緩和、これは薬事法の施行規則の緩和でありますが、それであるとか、例えば医療・介護施設等に係る基準等の特例、これも省令の緩和であります。 あわせて、仮設薬局等の構造基準の特例というものを念頭に置きながら対応をしているところであります。 いずれにしても、被災の地方公共団体が特例措置を計画に盛り込んで国がそれを認定するというたてつけになっておりますので、そういう意味では、繰り返しになりますが、先生御懸念のような、地域の要望の合意形成並びに国がそれを認定するということで、ある意味では、一方的な、先ほど来御議論があるようなたてつけにはなっていないということについて、ぜひ御理解をいただければというふうに思います。
○高橋(千)委員 今紹介がありましたように、医薬品の販売、これに関しては、既に特区法の中に盛り込むことが検討されていると。それ以外の分については、いわゆる地方との協議会を通じて、場合によっては追加、充実をさせていくということになる。特例措置がふえていくわけですよね。 問題は、今議論してきたような、制度の根本にかかわるようなことが特区に書き込まれて、それが、構造改革特区の場合は検証の後全国展開というルールがありましたよね、そういうことになっては困るなということが言いたいわけなんです。 地域が主体とおっしゃいましたけれども、宮城県の復興構想会議のメンバーは、三菱総研、日本総研、野村総研、日本政策投資銀行。メンバーがメンバーですので、東京で会議をやっているわけです。政府の成長戦略にぴったり沿って、というか、旗を振った側の人たちが集まりまして、医薬品、医療機器産業拠点、先端医療拠点など、医療関連産業の集積を目指すということも議論の中にありました。その中で、ちょっと議論の中にあったのは、阪神・淡路大震災のときの神戸医療産業都市構想、こうしたものもあったわけですね。 ですから、復興特区の中でさまざまな優遇措置をしますよね。税制改正などもやります。でも、期限が来たら撤退するということも神戸のときはあったわけですし、医療といろいろな産業を集積してと、いいように見えるけれども、本当の身近な医療が損なわれるようなことがあってはならないし、それが根幹に触れるようなことがあってもならないと思うんですけれども、時間になりましたので、もう一度、一言、その全国展開云々のことだけお願いします。
○後藤副大臣 先生がおっしゃられた国と地方の協議の場、これについては、現在、法律で十三、そして政省令でこれからの詰めをしている作業で、いわゆる規制緩和をするということになります。 いずれにしても、今後、その国と地方の協議の場というのは、先生おっしゃるように、東京ではなく、基本的には現場に近いところで対応することになりますし、また、協議が調った事項について措置を講ずるというふうなことになりますので、その際には、協議会には、いわゆる規制官庁、安全性をきちっと確認するという視点も当然入って、それが被災地の立場になっているかどうかという観点も含めて合意形成をしていくことになりますので、先生の御懸念がないような形で対応していきたいというふうに考えております。
○高橋(千)委員 震災からの復興が根幹に穴をあけるようなことがないように、ぜひ小宮山大臣にも今の懸念を伝えておきたいと思います。 終わります。ありがとうございました。
○池田委員長 次に、阿部知子さん。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。 本日は、理事各位の御好意で四十分のお時間をいただきまして、ありがとうございます。小宮山大臣の初めての所信への質疑でございますので、しっかりと質疑をさせていただきたいと思います。 冒頭、まず、小宮山大臣は、この厚生労働省というくくりになってから初めての女性大臣でありますし、これから、子育て、健康、介護、あるいは働く分野も、女性という視点抜きに国は成り立たない時代でありますから、しっかりと頑張っていただきたい。まず冒頭はエールを送らせていただきます。 そうした上で、一点、これは質疑というよりも、ちょっと大臣にもお知らせをしておきたいと思うことがあるのですが、いわゆる医療事故、医療ミスの中で最も起こりやすいと言うと変ですが、頻回に出会うのがお産のミスであります。瞬間に命が暗転するような場ですから、結果的に事故につながることも多いわけですが、そうした中で、せんだって、十月十二日のことになりますでしょうか、医道審議会が開かれまして、世で言うリピーター医師と申しまして、何回もお産での事故を繰り返しておられるある医師に対する処分が、戒告という形で、極めて軽微な注意という形に終わりました。 これは、二〇〇二年から、多分坂口大臣の時代だったと思いますけれども、医師のさまざまなミスを医道、医療の道から見てどうかということを、処分するに際しては、単に刑事事件のみならず、民事事件等々でも繰り返していれば、それなりに医療現場で、やはり患者さんも不安ですし、よりよい医療のアウトプットになるように医道審議会でもきちんと対応していこうということで、そうした方向に厚生労働省もかじを切られました。 ところが、実際的に見てみますと、ここに百三十四件の申し立てがあっても処分が出たのは三件にとどまるということで、何も処分が出ることがいいこととも思いませんが、結局、医道審を支えている厚労省のスタッフも含めて、非常に手薄な状態の中で実際には医療の現場の複雑な出来事に対応していかねばならないことになるんだと思います。 こうした状態は、ほかにも無過失補償制度、産科におけるそれもでき上がりましたけれども、そういうのが幾らあっても、やはり向き合う医師と患者さんとの間の信頼ということに、医療という、当然倫理性を持って、また技術を研修して患者さんの信頼を高めていかねばならない職分の者がどうあるべきかということで医道審議会があるわけですから、今回の処分のこともちょっとお目通しをいただきまして、改善すべき点、このシステム全体の改善点があれば、ぜひ小宮山大臣にもこれから御尽力いただきたいと思います。 長い間、刑事処分になって、この戒告が出た医師も実は傷害過失致死ということで、硬膜外麻酔といって、腰椎に置いた麻酔の注射の措置の誤りで患者さんを死なせてしまった例であります。それは刑事罰にはなっておりますが、それ以前に三件続いておりましたので、受けるお母さん方が非常に不安になったという事案でございます。 全体の医道審議会のあり方、一度見直してみていただきたいですが、いかがでしょう。
○小宮山国務大臣 今回の医道審議会の戒告処分相当との答申、これは今回は適正な処分だったというふうな受けとめはしておりますが、今委員がおっしゃったようないろいろな御懸念があるということも承知をしておりますので、どのように改善をしていけるのかは検討させていただきたいというふうに思います。
○阿部委員 ぜひよろしくお願いします。 実はこの時期、東京女子医大病院の佐藤医師の事案が同じように医道審で審議にかかっておりまして、厚労省自身も大変だったと思います。でも、先ほど申しました、どんな補償措置ができたとしても、あるいは罰が下ったとしても、現場がどのように信頼を取り返していくかが一番でありますので、私自身はこの戒告という処分が適当とは思っておりませんが、そこは大臣がそれは適当と思うとおっしゃったので、よく事案についてもごらんいただきたいと思います。 引き続いて、皆さんお取り上げのTPPの問題、これは通告がございませんけれども、きょう私が御質疑を、ほかの委員と厚労省並びに大臣とのやりとりを聞いていて、逆に大変深く懸念いたす点がございますので、幾つかお伺いをさせていただきます。 先ほど、TPP問題で、例えばアメリカは混合診療等々をやれとは言っていないとか、人的交流、人を入れるということもいまだ俎上には上っていない等々の御答弁が多分副大臣からあった中で、冒頭、TPP等々によって材料費や医療機器の値段が下がる、安いものが入ってくる、いい意味でですよ、というふうに御答弁されたやに聞きましたが、違ったらごめんなさい、日本の医療機器や医療材料の世界における位置、現状と課題は何であるとお考えか、お願いします。 もしどなたも御答弁者がいなかったら、直で済みませんが、大臣、お願いします。
○小宮山国務大臣 TPPの交渉の場合には、先ほどからあるように、もしこういうのが入ればといういろいろな御懸念がある一方で、やはりメリットになるところもあるというふうに思っています。 例えば、具体的には、医薬品とか医療機器、これはTPP参加国の関税が撤廃されることや、知的財産の保護が強化されること、こうしたことから日本の製品の輸出が加速される、そういう可能性もあるのではないかと思っています。
○阿部委員 先ほどの御答弁とちょっと違いますが、先ほどは、安いものが入ってきて、それが日本の医療のコストを下げるというふうな御答弁でありましたが、いいですか。
○辻副大臣 今の御指摘は、午前中でございましたか、仁木委員に対する私の答弁を御引用になっているのではないかと思います。その折に私が申し上げましたことは、関税が撤廃され、材料費が安くなることは、医療保険固有の問題ではありません、普遍的なことになるわけですけれども、日本社会全体に影響があり得るということで、一般論として、価格が低下するという意味合いで申し上げたわけでございます。
○阿部委員 みんなが知りたいのは、やはり特に国民の健康にかかわる医療分野にどう影響するか、逆に、小宮山大臣がおっしゃったように、これはどういう意味合いがあるか、攻めに転ずることができるのかどうか。実は、このTPP論議で最もというか、いつも不毛なのは、こうなったらどうなる、ああなるばかりで、何のためにそれをやるのかがないことであります。 そこで、私は、それらは具体的に語られるべきだと思います。医療機器と医療材料ということにおいては、日本の商品は極めてすぐれております。しかし、なかなか海外の市場で太刀打ちができません。それは、関税の問題ではなく、日本の医療機器の承認機構に問題が大きくございます。また、政府によるイノベーションの支援が極めて低い段階にとどまっておって、せっかくこれだけ宝を持っているのに、持ち腐れ状態になっているわけです。 それから、もう一つ言えば、東北地方では医療機器の材料、医療機器の部品、非常に多くございました。壊滅的に打撃を受けて、どう立ち直っていくか。そのときには自国の利害をまず第一に考え、そして今、当面の間でも、私は、この時期の交渉というのは、まず足元を固めて、自分たちがどんな戦略、戦術を持っていくかにあると思います。 医療機器の市場は、二〇〇九年で約二十七兆円、これが二〇一四年で三十七兆円になると言われる大きな分野です。見直さねばならないのは、機器の承認過程、国内の厚労行政の問題であります。 また、生産基盤をどこに置くか。これも、今何をすれば得か。この東日本の震災から我らは立ち上がろうとしているわけです。安易に、一般論として、材料費が安くなるだろう、おまけに、さっきの話は医療機器が安くなるだろうと。とんでもないことです。日本のものの方が安くて質もいいんです。 そして、かつては、日本の医療機器というのは十分に、国内でもまた海外でも評価されたものでありました。間違いなく、立ちおくれは厚生労働行政にあります。このことを指摘した本が、大村昭人さん、前、ここでも参考人に呼んだ方が述べておられます。 厚生労働省は、このTPPとかに浮かれる前に、まず足元の我が国の医療の現状を緻密に分析されてしかるべきだと思います。今の、一つです。医療機器の問題一つとっても、我が国の戦略は何か。小宮山大臣、次の場までで結構ですから、お答えを用意していただけますか。
○小宮山国務大臣 足元でしっかりと、日本の医療機器がきちんとできるようにということの御指摘はそのとおりだと思っています。 厚生労働省の今までの承認が非常におくれていた。このことも、今、そこの承認のところを増員するなど、取り組んでいるところですが、これは厚生労働省だけではなくて内閣の方とも連携をして、ライフイノベーションの推進室などとも連携をいたしまして、ここはしっかりと取り組みたいと思っております。 また、おっしゃるように、東北の被災地で非常にこうしたものの基礎があるということもわかっておりますので、今回も、特区法案の中などにその規制の改革も含めて、医工連携、学校との連携などでしっかりとそうしたことも進めるような取り組みもやりたいというふうに思っております。
○阿部委員 総じて今の民主党の政策が、会議は踊る、されど実際は進んでいないということのいい例がこの医療機器であります。見直すといったって、もともと医薬品と医療機器が違うのに、同じ承認機構に持っていった法律のもとでやっているからおくれるのであります。人の審査体制の充実ももちろん重要です。でも、そもそも法体系を見直すところまでやらないと、韓国がこの分野で医療機器の輸出を伸ばしたというところまで日本は追いつかない。 それを、何でもかんでも、やるべきことをやらないで、それこそTPPお化けです、それがあればおまじないみたいに解決すると思うところに、私は、本当にこの厚生労働省の甘さがあると思います。 引き続いてお伺いいたします。 例えば、きょう、田村委員は御指摘でした。すなわち、TPPとは日米FTAかもしれないし、あるいは、この間、日米構造協議というのも九〇年代にありましたが、日米経済調和対話というのがずっとございますよね。これを逆にもう少しシステム化して、新しいルールづくりに持っていったものであろうと解していいと思います。 そうすると、この日米の経済調和対話の中で、厚労省がどうコミットメントしてきたか、どう方針を打ち出してきたかが重要であります。これについても、全く、残念ながら、私はまとまった成文を見ておりません。足元を固めろということは、これまであったこととそんなに違うことが起こるんじゃなくて、それをさらにレベルアップするのがTPPで、既にこの経済調和の対話だって、随分大きな問題を抱えていると私は思います。 幾つか指摘させていただきたいと思います。 先ほど、医療保険は金融のところに入るだろう、まだ出てきていないとおっしゃっていましたが、実は、医療保険そのものでなくても、薬品の価格を決める薬価などで医療保険全体の財政は変わりますから、高い薬価にフィクスト、固定されれば、我が国の医療、経済も回らなくなるというような副次的な影響もございます。丁寧に、慎重に分析して、国益を過たないのが政治家の役割であります。 具体的にお答えいただきたいですが、例えば「十四日の処方日数制限」。お医者さんに行かれると、処方せんは十四日で出ると思うんです。私も大体そこまでで、後、長い日数はまた別途理由をつけなきゃいけないけれども、これも見直せということですね。「安全性の保障に必要な最低限の制限にする」とか、あるいは「ドラッグ・ラグ」のところに「東アジア諸国における臨床治験データの受け入れ」。臨床治験というと、各国おのおのやるわけですよ。東アジアだからといって、人種的に近いからといって、それで可能なのかどうかですよ。こういうことに一つ一つ厚労省はどうコミットメントしてきたんでしょうか。 もっと言えば、「日本における患者の血液製剤へのアクセスを拡大する。」すなわち、アメリカの血液製剤を入れる。もうエイズの薬害の問題でもありました。安全性がどこで担保されるのか。 私は、きょう、宿題としてぜひお願いしたいですが、日米経済調和対話の中で具体的に上がってきたことに、外務省ではなく厚労省はどうコミットメントしてきたかですよ。そうしたことの積み重ねが、実は、医療保険制度を揺るがしていくんです。そんなに急に混合診療をやりましょうとか言ってくるわけないんです。だけれども、気がついたらそうせざるを得なかった、結果的になっていたという危惧だって十分あり得ると私は思っています。 今の政権は前のめりで、つんのめって転びます。転んだ先が国民の不幸であれば、この国が本当に戦後の厳しい復興から、国民皆保険を持って、アメリカにもまさる医療のアウトプットを出してきているわけです。アメリカにもまさる医療機器を持っているんです。本当にどう戦略化していくか。 もっと言えば、東アジアに伸びていくべきですよ。中国、韓国、台湾、これらのシェアの方がうんと大きいし、私たちが今復興に際してどこに伸びるかの戦略対話だと私は思っています。 小宮山大臣、二つの具体的な宿題を出しました。医療機器の現状と打開のための方策、もう一つは日米経済協調対話、これにどう厚労省はコミットメントしてきたか。この二つを次回までに御準備いただきたいし、それらがみんなで審議されなければ、参加して後からやめましょうなんてことは言わないでほしい。戦略性がないですよ。だって、何のためにそれでは参加するんですか。こういういいことがあるから、こうしたいから、よっぽど言えばそういうことですよ、交渉事というのは。いつもいつも、いつやめるかもしれない人と、だれが真剣に交渉しますか。本当にこの二つをお願いしたいですが、どうでしょう。
○小宮山国務大臣 今の宿題はお預かりをしたいというふうに思います。 先ほど、情報収集のことでも御質問をいただいた中で、ちょっとお答えをし切れなかった部分がありますが、政府全体として情報収集をしておりますので、その中で、厚労省としても、厚労にかかわる分野についてはしっかりと情報収集に努めていきたいと思っています。
○阿部委員 TPPは、逆に言うと情報がなかなか出ないわけです。これまであったことをベースに、それよりワンステップ、ツーステップ上と思わなきゃいけないから、くれぐれも、しつこいようですが、これまでどうコミットメントしてきたかもお願いします。 引き続いて、通告の質問に移らせていただきますが、雇用問題について冒頭お伺いいたします。 実は、野田総理の所信表明演説を、もう随分昔になりますが、これは九月十三日ですね、拝見したんですけれども、雇用については、はっきり言ってほとんどコメントされていないというか、例えば、「雇用の場が失われていくおそれがあります」とか「国内雇用を維持していくために」とか、何か物のさわりには出ているんですけれども、「新たな産業と雇用が次々と生み出され」って、そんな、風景じゃあるまいし、「雇用や家族のあり方が大きく変わり」、とにかく、雇用をキーワードに引くと、この四つしかないんですね。 もちろん、小宮山大臣の所信には雇用問題はしっかり出ていたと思いますが、しかし、私どもが三党連立した当初の緊急雇用対策本部は廃止。はたまた、こんなに雇用情勢厳しい折から、東北地方だけじゃないですよ、日本全体に厳しいわけです。雇用対策本部を廃止して、一体、政府全体として雇用にどうやって打って出ますか。菅総理は、雇用、雇用、雇用と、思いはあったと思いますね。今度は思いも消えたのかしらと思いますが、どうやって政府として、トータルにですよ、大臣に意識があったとしても、トータルにこの問題に立ち向かっていかれますか。
○津田大臣政務官 お答え申し上げます。 今、阿部委員が御指摘をなされました緊急雇用対策本部につきましては、平成二十一年十月に、当時の厳しい雇用情勢を踏まえ、政府一体となった雇用対策に取り組むため、内閣総理大臣を本部長として設置をされたものでございます。 この本部では、二回の議論を経て、その年の十月に、貧困・困窮者対策や新卒者支援などを柱とした緊急雇用対策を取りまとめました。この対策に基づき、年末年始の生活総合相談、高卒・大卒就職ジョブサポーターの配備などを行ったわけでございまして、雇用の確保に一定の役割を果たしたものと考えております。新卒の大学生の就職をハローワークでさまざまに面倒を見るというのは、もう本当にここからスタートしたわけでございます。 その後の厳しい雇用状況などを踏まえ、昨年取りまとめました経済対策で、引き続き、新卒者支援などを柱とした雇用対策に取り組んできたわけでございます。 今後とも、総理が主宰をし、労使の代表者に参加をいただいております雇用戦略対話などの場で雇用対策についてしっかり議論し、雇用確保に向け万全を期していきたいと考えております。
○阿部委員 確かに、日比谷の派遣村をきっかけに、たくさんのフリーターや派遣労働者が路頭に迷うことのないようにと緊急雇用対策本部がつくられました。そして、今の御答弁ではあたかもそれが役割を終えたかに言われますが、とんでもないことで、今だって四割が非正規雇用であります。 それから、お手元のグラフを見ていただければ、確かに、二十一年の十月ごろ、完全失業率は九%を超えておりまして、高いですね。でも、今だって高どまりですよ、この一番上の「十五〜二十四歳」のところを見ていただくと。 こういう状態をこのまま座視していたら、若者たちが一%のために九九%の自分たちを犠牲にするのかと、今アメリカで起きているように、必ずそういう社会の不安が不信になり、私は、大きな葛藤というか、社会の中の亀裂を生んでいくと思います。 そして、それに対する対策が雇用戦略対話とおっしゃいますが、実は、格差の問題とか非正規の問題とか、これは本気で政権が取り組まなきゃいけないから、ああいう対策本部ができたんです。今御紹介のあった雇用戦略対話でできるようなテーマではないのはおわかりだと思います。 これは、各国の若者の状況がそうした事態を生んでいます。そして、イギリスでもどこでも、若者支援のための特別なプロジェクトを、それはニート対策であったりもしますが、一生懸命打つわけです。時代は明らかに格差ということを広げています、世界規模で。日本だけが免れるわけではないし、現実はそのようになっておるということです。 小宮山大臣、具体的には、全く施策がだめだったわけではもちろんないです。ハローワークに人を配置して、ジョブサポーターの数もふやしました。今度は質だと思います。この質の確保はどうされますか。
○津田大臣政務官 ジョブサポーターについて御質問をいただきました。 ジョブサポーターは、企業の人事労務の経験者、あるいは学校での学生生徒の就職支援の経験者など、若年者の採用、就職活動等について十分な経験、知識を持っていることを採用基準にしております。大手企業、中堅企業も含めて、人事部長とか総務部長を経験された方もこのジョブサポーターになっていただいている、そういうことでございます。 また、採用後には、若年者の就職状況あるいは就職支援等についてこれらの方に研修を行っておりまして、接遇とか資質の向上に取り組んでおります。 さらに、今年度から新たな取り組みとしまして、関東地方や中部地方などのブロックごとにジョブサポーター経験交流会ということを開催しまして、言ってみれば、ノウハウの情報交換、これをしっかりやり、いい取り組みについては全員が共有をする、そういう質の向上に努めているわけでございます。 ジョブサポーターの質の確保ということは、新卒者支援の効果的な実施のために大変重要なことでありますので、阿部委員御指摘のように、引き続き、質の向上に全力を注いでまいりたいと考えております。
○阿部委員 経験者で、どこかの職場で偉くたって、管理職だって、いいサポートができるとは限らないんですね。ぜひそこに、実際にそれを受けた、ジョブサポートを受けた若者たち、あるいはそうやって就労した人たちから改善点も聞き、取り入れるような作業もしていただきたいと私は思います。 もちろん、サポーター同士の経験交流も、今御答弁のように重要であります。しかし同時に、本当にどんなサポーターであればそれが機能するかということは、利用者の声も聞かなければなりません。よろしくお願いします。 引き続いて、これまで皆様の御質疑の中でダブる部分があるのを先にやらせていただきますが、先ほど加藤委員がお取り上げの、いわゆる子ども手当にかかわります部分の、年収四百万円あるいは六百万円、八百万円まで実質は負担増になりますお話であります。 既に加藤委員のお示しいただいた資料を見ていただければ、皆様もごらんのことと思いますので、そこから始めさせていただきますが、四百万円世帯では、子ども手当になる前の児童手当の二〇〇九年と比較しても、二〇一二年からは、実質、世帯所得が目減りしてまいります。先ほど小宮山大臣は、いろいろ、税制の扶養控除の見直し等々で、それの時期的なずれもあってとおっしゃいましたが、ずっと持続的に下がっていくんです、困ったことに。 例えば、二〇〇九年の可処分所得が三百四十九万円であれば、二〇一八年は三百四十二万円、子ども手当が始まる前よりも可処分所得が減ってしまう。これは、それが四百万、六百万、八百万。一千万以上が減るのは、これは子ども手当の所得制限込みでつくった図ですからあり得るとしても、所得制限はこれから話し合われるそうですが、もともと一千万円とかの高額のところじゃなくて、四百、六百、八百、もっと言えば三百万も、ここの可処分所得が減るということをどうお考えかということであります。 極めて深刻で、そして、さっき申しました若者の失業率は高どまり、そして、子育て世帯の可処分所得は減る、御高齢者世帯の年金控除が減って可処分所得が減る、国民が総体に沈んでいくのではないか。 私は、これは御党の前原政調会長にも申し上げましたが、まずこの事実をどうお考えになりますか。野田さんが中間層に厚いとおっしゃいましたが、これは中間層に冷たい結果であります。どうでしょう。
○小宮山国務大臣 現状として御指摘のような状況になっていることは、大変申しわけないというふうに思っています。 これはさっきもお答えいたしましたが、子ども手当を試算したときに、ちょっとそこの前提が甘かった部分ですとかいろいろございまして、一年目は半額だけれどもその次全額という過程の中で、タイムラグのある年少扶養控除の廃止ということが決定をされ、ところが手当の方は上がらないというところでこういう形の逆転現象が起きてしまったこと、これについては申しわけなく思っておりますし、何とか対処ができないかということで、どう対応ができるかということを検討しているところです。 来年度以降の制度については、今後、控除のあり方を含めてどのような形でするのか、各党でまた御議論をいただけると思っていますので、その中で、少しでも中間層のところにマイナスが出ないような仕組みを政府としても知恵を絞りたいというふうに思っています。 ただ、これはちょっと言いわけになるかもしれませんけれども、中学生のところにも支給をするようにしたので、中学生までの支給期間を合わせて見るということも、一つ見方としては見ていただければとも思います。
○阿部委員 残念ながら、年収四百万の世帯で中学のところまで全部込み込みで計画なんか、本当に申しわけないが、立てられないですよ。日々子供にかかる費用、食費、学校、被服費、もうそこで手いっぱいなのはおわかりだと思いますよ。そこを減らしているのが問題なんですね。 私の資料六では、同じデータの中で違うものを引いてきましたが、年収四百万世帯では、二〇一一年比、これは子ども手当等々が今の形よりもちょっと前になりますが、それで、四百万世帯だとマイナス十三・二九万円、六百万でも十四・〇九、八百万円でマイナス十五・一五、可処分所得が減るというデータであります。前提は先ほどの加藤先生のつくったのと同じであります。 私は、具体的な提案をし続けてまいりました。住民税の扶養控除廃止はやめるべきです。だって、それは御党が二万六千円渡すからと言って年少扶養控除も住民税の扶養控除も外しました。この表を見ていただくと何が一番マイナスに大きく寄与しているかというと、これは「住民税の負担増」というところがみんなマイナス六・二四とか六%が立っているわけですよ。全体の減り分の中で多いものがそこである。 確かに、子ども手当は私も必要と思い、一緒に努力しました。だけれども、現実にこうやって四百万から八百万、ここの世帯の可処分所得を減らすような政策だったら、私はやるべきでないと思いますよ。これから新三党でお話しになると言いますが、この現実をどの党もわきまえていただいて、私どもの提案は、住民税の年少扶養控除廃止を凍結すべきです。給付が間に合っていないのだから、それは今の国の財政で仕方ないですよ。これを提案しますから、検討していただけますか。
○小宮山国務大臣 各党からのいろいろな御意見はしっかりと検討をさせていただきたいというふうに思っております。これは、野党時代につくったときに、最初に制度設計をしたものがなかなかそのとおりにいかない事情があったとか、言いわけはいろいろございますが、現状としてこういう事態になっているので、そこを改善するためにはあらゆる知恵をおかしいただいて、何とか対応するように努力をしたいと思います。
○阿部委員 知恵というよりは、民主党がおのれでやった政策ですから、おのれの政策を検証すれば事が済むわけです。厚労省でもそうですが、おのれの医療機器の承認の過程をちゃんと検証しないで、だれかに助けてもらおうといったって、そんなことはあり得ないんです。本当に自分たちの政策だったら、まず、民主党自身が真摯に向き合っていただいて、中間層をこれ以上低下させない、厳しくしないという、政治の決断ですから、よろしくお願いしたいと思います。 次に、インフルエンザの予防接種についてお伺いをいたします。 インフルエンザの予防接種は、実は、ことし、二つ大きな出来事がございました。おめくりいただきまして、二枚目の資料に子供の接種量の変更がございまして、一歳、一から六歳、六から十三歳、いずれも、ごく簡単に言えば、二倍にふえました。簡単に言えばですよ。一歳は〇・一だったのが〇・二五、一から六は〇・二だったのが、三歳前は〇・二五だけれども、その後は〇・五と。 これは、例えば厚生労働省は、ああ、ちょっとふやしたのよとか、それで済むでしょうが、私ども医療機関の最前線にいれば、お母さんたちから、なぜふやしたの、なぜことしは去年の二倍なのですかと聞かれるわけですよ。 では、それはなぜだろうというふうに見てみると、どうも去年までのワクチンでは抗体価の上がりが悪かったので、これくらい量をふやさなければだめなんでしょうということで、添付書には、上げた抗体価の、この二倍量を使ったときの三十何例の抗体価の上がりのデータがついてくるわけです。 医者としてお母さんに、去年までのでは効かなかったみたい、だからことしは二倍にするのよ、いつから効かなかったかといえば、十年前からどうもそうだったみたい、こんなことは言えないんですね。 でも、この考え方はそうなんですね。今までの量では抗体価が十分上がらないから二倍にしましたよと。では、これまでの量の抗体価のデータを出してくださいと言っても、私は、きょうに至ってもいただいていないんですね。 予防接種というのは、親御さんとの信頼、安心、どう伝えるかなんですね。意味が伝わらないものは、親に余分な混乱と不安を私は抱かせると思います。 小宮山大臣にお願いがありますが、こんなに薬事・食品衛生審議会で勝手に量だけいじらないで、本当にこれまでのような抗体価の上がりで効果をはかるのがいいことなのか。もともと何十年も前から言われているんです、インフルエンザは抗体価の上がりが必ずしも効果ではないと。これは、昔、前橋の医師会の皆さんがデータで出され、今の医師会長の原中さんですよ、当時。では、抗体価の上がりじゃなくて、経鼻のワクチンでやった方がいいんじゃないかとか、いろいろな意見があったのに、ことしだけは薬事・食品衛生審議会で勝手に、ああ、メーカーから来ました、それもWHOと同じ量ですと。ここにも人種差というのはあるんですよ。でも、そのまま黙ってふやして、親にも説明できない状態ですよ。 本当に予防接種の効果をはかるために最もいい方法はインフルエンザでは何であるのか、きちんと予防接種部会、せっかく二年前につくったんですから、ここで検討していただきたいが、どうでしょう。
○藤田大臣政務官 今の抗体価の問題については、専門のお立場からの御指摘ということで、私もしっかりと受けとめさせていただいて、勉強もさせていただきたいと思いますけれども、御承知のように、ワクチンの承認に関する事項については、薬事法に基づいて薬事・食品衛生審議会の意見を聞くことになっております。 一方、この間、予防接種部会で議論を行ってきたのは、予防接種法にかかわる制度面での議題が中心でございました。しかし、今先生からの御指摘もございますし、今後、予防接種に関して国民の皆様の関心が高い議題については、予防接種政策の観点から、予防接種部会に報告をし、御議論をいただくように工夫をしてまいりたいと思います。
○阿部委員 ぜひよろしくお願いします、お母さんたちへの影響も大きいですから。 もう一つ、子宮頸がんワクチンの死亡例の報告がございました。ページ四でございます。サーバリックスという商品名ですが、十歳代の女の子、もともと心室頻拍という心臓の不整脈の御病気があった子が、このワクチン接種の二日後に心停止、呼吸停止で発見されました。 もともと、サーバリックス、すなわち子宮頸がんワクチンは、なぜか失神をされたり不整脈を起こされたりする副作用の頻度が他よりは、私が臨床的に見ても高いと思います。下に「失神に至った症例の発現までの時間」と書いてございますが、これまでの接種の中で二百七十一例、失神。 筋注だから、痛いから失神するのかなとか言われていますが、そうではなくて、迷走神経反射といって、心臓を動かしている交感、副交感神経のバランスをどうも崩すようで、ですから、最近では座った姿勢で接種しなさいと言われております。でも、接種後もし二日もたって起こったら、ずっと座りっ放しにはできないし、こういう心血管系への影響というのは一たん起こると重大になるので、もちろん、これが因果関係が確定されたとは申していません。でも、事象としてあらわれているのも事実です。 他の予防接種ではめったに経験しない失神、脳に血流が行かない状態、あるいは心臓の不整脈が起こる状態があるとすると、今後、このサーバリックス、これからどう続けていくかということも問題になっていますが、ここにきちんと注意を喚起して、そして、注意喚起すると報告例も上がってまいりますから、ぜひ安全性へのお取り組みをいただきたいが、いかがでしょう。
○藤田大臣政務官 今御指摘いただきましたように、二百七十一例のうち二百二十二例が三十分以内に失神をしているということでございまして、座してというお話がございましたけれども、医薬品の添付文書には、三十分程度は座らせて状態を観察するというようなことでの注意喚起を行っているところでございます。 もちろん、二日後以降に発症する、何日間か置いての発症ということもあるわけでございますので、医療機関に対しての注意喚起ということについては、さまざまな角度からこれからも徹底をしていかなければいけないと思っていますが、そのためにも、ワクチン接種後の副反応報告の収集、評価ということをきちっと実施して、そして適切な情報提供に努めてまいりたいと思っております。
○阿部委員 ぜひよろしくお願いいたします。 終わらせていただきます。
○池田委員長 次に、柿澤未途君。
○柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。 小宮山大臣とこの厚生労働委員会で初めての質疑をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 大臣がかわるたびに、実は一つの同じ御質問をさせていただいておりますので、その質問を今回させていただきたいと思います。 現政権の新成長戦略では、グリーンイノベーション、ライフイノベーションという二つの柱が掲げられて、医療、介護、環境、農業、エネルギー、こういうことへの重点的な資源配分によって実質二%の経済成長を実現する、こういう考え方が示されていると思います。果たしてこれが本当に実現可能なことなのかということについて、前の細川大臣にもお伺いしましたので、伺ってみたいと思うんです。 このことについて、私は、先日、経産省を退職した古賀茂明さんの手記を読んで、なるほどなというふうに思ったくだりがありましたので、ちょっと引用させていただきたいと思います。 日本の財政破綻が近いと言われているが、役人からは消費税増税という答えしか出てこない。だけれども、四十四兆円もの歳入不足を埋めるには消費税を二五%まで上げることが必要で、どう考えても消費増税で財政再建なんてあり得ない。必要なのは、将来、若者が稼いで税金を払える経済の仕組みにする成長戦略である。そして、成長戦略に掲げられているのは、医療、介護であり、農業であり、エネルギーであるけれども、しかし、だけれども、農業にも病院経営にも株式会社は自由に参入できない。農協や医師会があって、規制でがんじがらめになっている。電力会社も地域独占だ。 つまりは、成長が見込まれるとされている分野で企業が自由に活動できない。自由主義、資本主義の国で企業が自由に活動できない。その分野で経済成長を達成していくんだというのはまるで笑い話だということを古賀さんは言っておられます。 このお話を引用した上で、まずお尋ねをしたいと思いますが、ライフイノベーションという医療、介護等への重点的な資源配分は日本の経済成長を牽引できるか、お尋ねしたいと思います。
○小宮山国務大臣 今、日本は世界で一番急速に高齢化が進んでいるので、医療・介護分野での革新、ライフイノベーション、これを力強く進めるということは、医療・介護・健康関連産業、こうしたところを成長を牽引する産業にすることで、より高い成長と雇用創出というものが見込めるというふうに思っています。 日本発の革新的な医薬品とか医療・介護技術の研究開発の推進、また、医療・介護従事者の確保、そして医療機関の機能分化などによって医療・介護サービスの基盤を強化すること、こうしたことに取り組むことが必要かと思っています。 こうした施策によりまして、新成長戦略の中では、二〇二〇年までに医療・介護・健康関連サービスで新たにおよそ五十兆円、およそ二百八十四万人の市場と雇用を創出することを目標としております。 ただ、実際には、先ほどから御議論があるように、いろいろうまく運んでいないところがございますので、そういう意味では、今、株式会社というお話がありましたけれども、医薬品とか医療機器をつくっている企業、産業と、あるいはその研究をしている学者のところと、どういうふうに意見交換もしながら共同してできるかという取り組みも今進めたいと考えているところです。
○柿澤委員 模範的御答弁をいただいたと思います。 ただ、ライフイノベーションというからには、先ほどおっしゃられたように、医薬品や例えば医療機器、こういう産業を産業として競争力あるものに育てる必要があるというふうに思います。 しかし、現実を見ると、日本は化学や精密機械はお家芸であるにもかかわらず、医薬品でいえば二兆円、医療機器では六千億円もの輸入超過になっているわけです。ペースメーカーなんて、中身を分解すると時計みたいなものなんだそうですけれども、これですら日本でできない。鎖国政策で世界に三十年おくれちゃったんじゃないか、こういうふうに、先般、私の学校の先輩である亀田総合病院の亀田理事長がおっしゃっていましたけれども、そういう意味でいうと、成長を牽引するどころか、世界に全く立ちおくれてしまっているというのが今の実情だというふうに思うんです。 こうした医療や介護に力を入れるというときに、やはり、どちらかというと、医療サービス、介護サービスを厚くしますよ、こういう方向でやはり取り上げられる、光が当たるケースが多いと思いますし、それは私は別に望ましくないことだとは思わない、やるべきことだというふうに思いますけれども、しかし、こういう分野に関して言えば、基本が対人サービスでありますから、労働集約なわけです。 本来、イノベーションとか技術革新とかいうのは、こういう部分についてはなかなか余地が薄い分野だというふうにも思います。しかも、現状、こうした医療サービスの提供や介護サービスの提供、こうしたところについては公費の負担に依存をしているわけです。ここを伸ばそうということになるとすると、これは公費の投入をふやすか、すなわち、増税か借金をするしかない。結果として、今言われているようなライフイノベーションの方向性を追求すると、さらなる増税や借金につながっていくことになるんではないかと思います。 本来、ここにおける効率性を追求していくとすれば、今既得権益を持っているそうしたところとしっかりと議論をし、対決をして、そして、新しい担い手の参入と、また競争によりそうしたイノベーションを誘発する、こうした姿勢がない限り、効率化ということが進められることはないのではないかというふうに思います。 このライフイノベーションというのは、何となく聞くと、日本の現状を見るとそうかなというふうに思うんですけれども、結果としては、医療、介護に多額の公費を投入するということを半ば正当化する言葉に使われてしまっていて、これが経済成長を牽引するという理屈は、要するに、菅総理のときにさんざん批判された、増税してばらまけば経済が成長する、これと同じ理屈になってしまっているんではないかというふうに思います。 その点で、やはりこの分野に、先ほど古賀さんが言っていたような競争と、また新しい革新というものを持ち込む、そうした道を開かなければいけないというふうに思うんですが、大臣は、この点、どう思っておられるんでしょうか。
○小宮山国務大臣 これは、初め、国家戦略室のもとにライフイノベーションの推進の対策室をつくり、スタートをしたところですけれども、政権交代後間もなく、なかなか国家戦略のところも思うような形にならなかったという部分もあることは事実だというふうに思います。 ただ、今おっしゃったように、ただ公費だけを費やすというのではなくて、さっきお話をしたように、例えば株式会社でやっている製薬のメーカーと、研究者である学者、研究者の皆さんと、どういう形で新しいものがつくれるか、これは機構のような入れ物をつくるというよりは、何かそういう場をつくってやったらいいのではないかということも考えておりますし、あとは、国家戦略のところで、古川担当大臣のところで、また今後、新成長戦略のところをさらにてこ入れして、新しくこれからやっていく分野というところも強化をしていくというふうに聞いていますので、その中できちんと実効性が上がるような仕組みをつくっていければいい、厚労省としてもそういうところに力を注いでいきたいというふうに思っています。
○柿澤委員 余り具体的な姿が見えてこないなという印象があります。 私は、財政再建だって経済成長がないとできないというふうに思うんです。その点で、医療、介護に資源配分を重点的に投入していくことによって経済が成長軌道に乗る、こういうロジックを組み立てて施策を行っている今の政府の方針、この政権の方針が本当に正しいのかということをきちんと検証しなければいけないというふうに思っております。そうでないと、先ほど申し上げたように、際限ない公費の投入によって政府の財政規模が膨らんで、それを借金か増税で賄っていく、悪循環に落ち込んでいくことになりかねないというふうに思いますので、私は厚生労働大臣がおかわりになるたびにこの問いを投げかけているところです。 次に、労働者派遣法についてお伺いをします。 これは、継続審議が続いている派遣法の改正案ですけれども、私たちは、さきの通常国会、また臨時国会において、ただ一党だけ、継続審議に反対する立場をとりました。なぜかといえば、この法案が派遣労働者の雇用の安定、処遇の改善、ひいては全体の雇用情勢の改善に資する内容とは思えないからであります。 一方、現実には、派遣の請負化や専門二十六業務適正化プランに基づく当局の指導等によって、派遣労働者の雇用、就業をめぐる環境はかえって不安定化しているようにしか見えません。 基本的な認識を伺います。この派遣法改正案の一つの重要なポイントは製造業派遣の禁止というところだと思いますが、製造業派遣を禁止した場合、製造業はそれだけ直接雇用をふやす、こんなふうに皆さんは考えておいでなんでしょうか。お伺いをしたいと思います。
○津田大臣政務官 お答え申し上げます。 労働者派遣法改正案によって製造業務派遣が原則禁止された結果どの程度直接雇用が増大するか、具体的にその数字をお示しすることはできません。 製造業務派遣に現在従事している方々、御案内のように、今回の改正案というのは、常時雇用される労働者、製造業では派遣の方々で約十三万人、これはそのままです。そうじゃなくて、常時雇用される労働者以外の方々が、対象が約九万人、この九万人の方々が安定的な雇用に移行できるように厚生労働省としてはしっかり支援をしていく、これがポイントでございます。 このため、製造業務派遣の原則禁止に関しましては、派遣元事業主に常時雇用されている労働者については原則禁止の例外にするとともに、施行日を公布日から三年以内の政令で定める日として、必要な準備ができるよう十分な期間を確保しているわけでございます。 さらに、派遣労働者を直接雇用する事業主へ最大百万円を助成する派遣労働者雇用安定化特別奨励金を活用して、派遣労働者の雇用の安定を支援していきたいと考えております。
○柿澤委員 本当に皆さんは、この製造業の派遣の原則禁止を行った場合に、三年間の猶予を持って支援策を講じてやっていけば、今派遣で働いている人たちの雇用の安定にむしろつながると考えておいでなんでしょうか。 私は、答えは明らかではないかと思うんです。円高もあり、規制が厳しくなり、またゼロ成長でもある。こんなことをやっていたら、どんどん製造業は海外に流出して、それだけ雇用が減少する、こういう結果を生むことになるのではないですか。そして、それは現実に起きていることなのではないでしょうか。 現政権が推進した政策がどういう結果を生んでいるかというお話を一つしたいと思うんです。 専門二十六業務適正化プランの話を先ほどしました。そして、かつて厚生労働委員会でも取り上げたことがあります。それによってどのような結果が生まれたか。昨年の発表で、適正な派遣で継続できた人が、九千六百七十八人中千三百四十七人、一三・九%。さらに、派遣先への期間の定めなき直接雇用になったのは、九千六百七十八人中二十八人。つまりは、安定した仕事につけた人はたった〇・二九%で、八六・一%が転職か失業を余儀なくされているんですよ。これについては、私は、十万人の官製派遣切りだ、一片の通達でこんなことをやっている、運用三号と全く同じじゃないか、こういうことを三月のこの委員会で指摘させていただきました。 さらに、請負における三十七号告示の疑義応答集、このあいまいで恣意的な基準によって、人材業界というか、全体が振り回されていますよ。こういうことで本当に、皆さんの政権の政策が、雇用の安定化と、また、より多くの方々が就業する、こういう状況につながっているんでしょうか。私は大いに疑問に思います。ここまでの現政権の派遣法改正案の底流に流れる考え方は、私は根本的に改める必要があると思っております。 請負の問題も含めて、総合的な有期労働に関する法体系をゼロベースで考えるために、今の派遣法改正案は一たん撤回すべきであると考えますけれども、いかがでしょうか。大臣、御答弁をお願いします。
○小宮山国務大臣 今、政府としては、現在の派遣法の改正案を提出しておりますので、それは御審議の過程で各会派でまたいろいろ御協議もいただければいいというふうに思っております。
○柿澤委員 提案をしているので、あとは煮るなり焼くなりしてください、こういう御答弁のような印象でありますけれども、これは本当に仕切り直しをして、私は、今の法体系で十全だというふうにも申し上げているつもりはありません。ただし、そのときそのときの時代の状況に応じてつくられた制度改正の法案というのは、また、その後の時代の状況を受けて見直し、改めなければいけないというふうにも思います。 もう既に政権交代から二年が経過をし、また、実は、この派遣法改正案のベースとなる考え方は、自公政権の舛添大臣の当時から議論されていた部分を引きずっている、そういう部分もあります。そういう意味で、やはり、ゼロベースの議論を今、本当に働いている方々のためにする必要がある。それは、現実と、例えば実際に統計にあらわれた数字、こうしたところを冷静に分析するところから始めなければいけないというふうに思っているところです。 さて、次の質問に移ります。 税と社会保障の一体改革ということで、社会保障財源として、二〇一〇年代半ばまでの消費税率一〇%への引き上げが既定路線化しつつあるわけです。しかし、これは私たちが再三申し上げていることなんですけれども、増税の前にやるべきことがあるではないか。 一つあるのは、社会保険の未加入事業所の問題だというふうに思っております。 社会保険に加入をしていない、厚生労働省あるいは社会保険事務所といいますか、こちらが把握をしていない、そういうものの実態について現状はどうなっているのか。また、そうしたところをどれだけ捕捉をして、社会保険への加入というのが進んできたのか、今後どのように進めていこうとしているのか、この点、お伺いをしたいというふうに思います。
○辻副大臣 社会保険の未加入事業所の実態についての御質問でございます。 社会保険の適用事業所数は、平成二十二年度末で約百七十五万事業所であり、日本年金機構が個別具体的に把握している未適用事業所数は約十一万事業所となっております。 日本年金機構が把握している未適用事業所以外にも適用すべき事業所があるものと考えられることから、御質問の加入率については正確な数字を申し上げることは困難でございますけれども、仮に、日本年金機構が把握している未適用事業所数を用いて加入率を算出するといたしますと、ほぼ九四%ということで、ここ五年間でほぼ同水準で推移しているところでございます。 未適用事業所の把握につきましては、現在、雇用保険の適用事業所データや民間調査機関の新規設立法人情報等を活用しているところでありますが、今後は、法人登記簿情報を活用した未適用事業所の把握を行いたいと考えておりまして、この情報を所有する法務省と現在具体的な協議を行っているところでございます。
○柿澤委員 加入率の数字でいえば横ばいということが続いていると。その分、社会保険料のいわば取り損なっている、そうした部分が生じている、それが続いている状況だということがわかるわけです。 私たちは、この点について、国税庁の徴収部門と旧社会保険庁、年金機構の統合による歳入庁構想というのを掲げてきました。民主党もマニフェストで掲げてきたはずでありますけれども、政権をとっても、税制改革大綱にちょろっと書いたんですかね。しかし、それだけで、歳入庁の話が具体的に前進する、こういう兆しは見られておりません。 そんな中で、我が党の浅尾政調会長が調べて、大変大きな事実が判明しております。全国で二千二百六十三万の税務申告する法人が存在する一方で、厚労省が把握している厚生年金が適用される事業所が百七十五万カ所。これは事業所ですから、支店や工場は本社とは別事業所としてカウントされていますので、事業所ベースの数が百七十五万ということは、多く見ても、厚生労働省が把握している法人数は、法人数ということでいいますれば、国税庁の半分ぐらいではないかというふうに思います。 こうした形で、厚労省、年金機構が捕捉できていない事業所、法人が多数存在しており、それによる社会保険料の徴収漏れというのは、厚生年金が六兆六百七十五億円、健康保険料が五兆六千四百五十六億円、合わせて十一・七兆円にもなる、こういう計算になるんだそうであります。 歳入庁の実現によって、国税の法人データと年金機構のデータとが統合できれば、多数の未加入事業所の存在がそれだけで把握することができるようになるわけです。消費税五%分にも相当する、十二兆円近くの社会保険料の取りっぱぐれが解消できるようになるわけです。 この歳入庁構想、増税を行う前に、まさにマニフェストに書いた政策なんですから、推進し、実現すべきだというふうに思いますが、厚生労働省としての考え方はいかがでしょうか。
○辻副大臣 柿澤委員、またみんなの党の皆様方からの御提言はしっかりと受けとめて、今後とも対処していきたいと思います。 まず、恐縮ですけれども、十二兆近い金額についての未収の問題につきましては、すべての給与所得者が厚生年金、健康保険に加入し、保険料を支払うという前提に立った試算となっているかと存じますけれども、現行制度におきましては、短時間勤務のパート労働者などは厚生年金、健康保険の適用対象とはなっておりませんので、すべての給与所得者から保険料を徴収することができるものではないということでございまして、その点の現行制度上の部分も反映した形の試算もあろうかと思っております。 続きまして、御提言の歳入庁についてでございますけれども、既にお話もございましたけれども、社会保障と税の一体改革成案におきましては、新しい年金制度の創設について、制度改革の方向性と骨格を示し、国民的な合意に向けた議論や環境整備を進めることとされているところでございます。 歳入庁の創設につきましては、これまでの税制改正大綱や社会保障・税番号大綱でも設置する方向で検討を進めるものとしているところでございまして、今後の年金制度改革や社会保障・税にかかわる番号制度の議論などを踏まえつつ、国民の皆様の視点に立った徴収体制をつくり上げていく観点から取り組んでいきたいと思っております。
○柿澤委員 これもまた具体性がないわけです。やるという方向ではあるけれども、いつまでに結論を出して、どのように進めていくのか。数値目標と達成年度を明示して、そして、それをそのとおりに実現するのがマニフェスト政治だと聞いていたような気がしますけれども。 先ほど何か、十一・七兆円という私たちの試算が、これは本当に仮の試算ですから全面的に正しいと言うつもりはありませんけれども、そんなに多くはならない、こういう趣旨の御答弁を副大臣からいただいたわけですけれども、しかし、実際問題として、これ、払うべき人が、事業所、法人データの捕捉の不備から、払わないままになっているわけです。その一方で、こうした社会保障の制度を支えるために五%消費税増税しようというわけです。 この状態を放置して、私は、増税の前にやるべきことをやったというふうには言えないのではないかというふうに思います。もう一度しっかり御答弁をいただければと思います。
○辻副大臣 私も、かねがね社会保障の問題、取り組んでおりますけれども、やはり、一般論として、豊かな福祉社会は公正な国民負担の上に成り立つ、このように私なりに信念を持っておるところでございます。そういった意味におきまして、歳入庁、いわゆる納税者番号制度、こういったものについても、しっかりと推進していかなければならないということで、民主党、野党の時代におきましても取り組んできた経緯がございます。 そういった意味におきまして、いわゆる歳入庁構想についても、今後とも推進していきたいという思いを持っておりますけれども、まずその第一段階として、大きな課題として、税・社会保障の共通番号制度、それを推進していくということがまず第一義的な課題であるというふうに思っているところでございまして、それとあわせた形で歳入庁構想についても推進をしていきたい、このように思っているところでございます。
○柿澤委員 水かけ論みたいになってしまいますので、次に進みたいと思います。 次に、放射性物質に関する食品の基準値についてお伺いをします。 今月九日から十五日まで、震災復興特別委員会の海外派遣で、ウクライナ・チェルノブイリ原子力発電所の視察を行い、現地で専門家からヒアリングも行ってまいりました。 そこで、事故当時のソ連邦ウクライナ共和国非常事態省の副大臣だったというプリステル氏から、このような言葉を聞かされました。そのまま引用します。 社会的には安心を与えるために除染をするのかもしれないが、村人にとって大切なのは、除染より、食物による内部被曝をいかに防ぐかだ、私たちの経験から学んでほしい。その上で、本委員会にもいらっしゃる高橋千鶴子議員が日本の暫定規制値を紹介すると、プリステル氏は何と言ったか。それは不可解な数値だ、見直されなければならない、こう言ったんです。それだけ食品の安全基準値というのは重要なものだということなんだと思います。 食物やミルクによる内部被曝、それによる子供の甲状腺がん等の健康被害が報告されたウクライナでは、一九九七年、食品の安全基準値を改定しております。それが別紙の一覧表です。今お配りをした資料です。 ごらんのとおり、セシウムでいえば、肉が二百ベクレル、そしてミルク、乳製品は百、魚は百五十、果物は七十、野菜は四十、そして卵は一個六、飲料水については二、また粉ミルク、野生イチゴ、キノコ、そして幼児用食品、こういう形で、非常に細分化された、また厳しい規制値、基準値が設定をされているわけです。 他方、日本の暫定規制値は、食べ物は五百ベクレル、飲み物は二百ベクレルという一律の基準値であり、ウクライナと比べると、余りに大ざっぱで、総じて高いと言わなければならないと思います。 食品に関する暫定規制値の見直しについては、既に小宮山大臣が、暫定規制値にかわる新たな規制値を設定し、さらなる安全を確保しますと大臣所信で言及をされておられますけれども、これは放射性物質に関する食品、飲料品の恒久的な基準値を設定することを目指したものというふうに理解してよろしいでしょうか。
○小宮山国務大臣 現在の食品中の放射性物質の暫定規制値、これは一年間に許容できる被曝線量を五ミリシーベルトと設定しています。これは緊急時のものですので、先日申し上げたように、現在の状況を踏まえた新たな規制値を設定して、より一層食品の安全性を確保する必要があるというふうに考えています。 今月二十七日ですから、あす、食品安全委員会の最終的な評価書が取りまとめられると聞いていますので、これを受けまして、今月、十月の三十一日に厚労省の薬事・食品衛生審議会の放射性物質対策部会の開催を予定していますが、これを受けて、国際放射線防護委員会、ICRPやコーデックス委員会などの国際的な基準を踏まえて、専門家の御意見も伺いながら、できるだけ早期に新たな規制値を設定したいと思っています。 それが恒久的な規制値かという問いに対しましては、今申し上げたように、緊急時のものである今の暫定規制値をできるだけ早く新たな規制値、より安全なものにしたい、それを実行に移していきたいと思っています。 その際には、国際的な基準も踏まえながら、恒久的な規制値として設定できるかどうか、それも含めて検討したいと思っています。 一言、ウクライナのことについて申し上げますと、御指摘のウクライナの規制値ですけれども、一九八六年に発生したチェルノブイリ原発事故の被害を受けた旧ソ連邦のウクライナなどで、事故発生当初、食品のみではなくて、外部被曝と内部被曝を合わせた全体の被曝限度を百ミリシーベルトとして規制値が設定をされていました。その後、規制値を段階的に下げてきたので、先ほどおっしゃった一九九七年というのは、事故発生から十一年後に一ミリシーベルト・年間に下げたというふうに認識をしております。
○柿澤委員 だから、私たちの経験から学んでほしいとウクライナの方は言っているわけではありませんか。これを、では、十年、十一年後にウクライナは設定したんだからまだいいんだ、もしこういう趣旨の御答弁だとしたら、私はちょっと信じられませんけれども。 いずれにしても、食品の摂取量に応じた細かな規制値を設けて、そして、あとう限り、やはりそれは健康に被害を及ぼさない本当に厳しいものでなければならない、こういうことなんだろうというふうに思います。そうしたものを今度設定していただける、こういう理解でいいかどうか、もう一度、力強く御答弁いただきたいと思います。
○小宮山国務大臣 今の委員のお言葉にあったように、ウクライナが十一年かかったから日本もそれだけかかっていいなどと言うつもりは全くございません。 ただ、こちらも暫定規制値を、今までない中でつくってきたものを、今現時点で、今の現状の中でより安全なものに、新しい規制値にしっかりとつくり上げて、それを実行に移したいと思っている。ただ、それにはいろいろ段階を経てやっていかなければいけないということを申し上げたかったので、一刻も早く安全な規制値をしっかりとつくって実行したいということは間違いなく私が考えていることでございます。
○柿澤委員 大臣もお感じになられているように、新たな規制値の設定がどのようなものになって、どの程度のレベルというか厳しさになるかということは、日本じゅうの子育てをしているお母さん方が注目をしています。ぜひその点、御留意をされて、そして、そうした方々に安心を感じていただけるような数値設定になることを期待したいと思います。 先ほどのプリステル氏、非常事態省の副大臣、こうも言っていました。同じ百ベクレルでも、大人のワインと乳児のミルクでは違う考慮が必要だ、こういうことを言っておりました。 現在、子どもを放射能から守る全国ネットワーク、先ほどのお母さん方で、小宮山大臣もたしか御面会をされたと思いますが、こうした方々を初め多くの方々から、妊婦や子供に特別の基準値を設けるべきだ、こういう声が上がっております。 先日も、これも高橋千鶴子委員が復興特でこの質問をされていましたけれども、毎日口にするものでありますから、これは、考えます、考えますでは答弁にならない。子供の成長は早いわけでありますので、一日も早く、やるならやるで、そうした方向性を示さなければいけない。ぜひこれはやると言ってもらいたいんです。御答弁をお願いします。
○小宮山国務大臣 私どもが参考にいたしました唯一のものとしてのICRPなどでのいろいろな基準値からいたしましても、確かに子供は感受性は高いんですけれども、一般的に言って子供は摂取量が少ないということから、多くのものが大人と同じ規制値になっています。ただ、ミルクとか水そのものについては、子供が三分の一に設定をされています。 そういう意味で、新たな規制値の設定に当たりましては、乳児や妊婦に対して具体的にどのような配慮をしたらいいか、それもあわせて検討していきたいと思っていますし、先日の委員会でも答弁をさせていただいたのは、例えば、コーデックスとか、アメリカは全部、子供の値というものは普通の食品については特別なものを設けていませんが、EUでは、例えば乳幼児用の食品、ベビーフードですとか粉ミルク、これは低い値にしていますので、こういうことは参考にして、こうした形のものはぜひ取り入れてやっていきたいというふうに考えています。 また、妊婦さんについては、妊婦が受けた被曝量、これは胎児については、母親が放射性核種を摂取することで被曝を受ける。胎児の体内に移行することで、妊婦の預託実効線量というんでしょうか、その持っている線量の六割が胎児の実効線量となるというふうなことも言われておりますので、そういう意味では、妊婦さんがなるべく放射線量を受けないで済むようにどうしたらいいかということもあわせて考えたいと思っています。
○柿澤委員 次に、被災地の医療についてお伺いをしたいと思います。 今月十七日に、政府と福島県による福島復興再生協議会の第二回会合というのが開かれて、政府が福島県立医大を中心に世界最先端の放射線医療の拠点をつくるという構想を福島県に披露したということです。 これに呼応するように、福島県と県立医大の側からは、放射線医学県民健康管理センター、こういう構想が示されている。病床数が三百三十床、九階建ての二万九千平米の建物に、甲状腺外科、血液内科、放射線科等を設置して、また、高解像度のCT、ホール・ボディー・カウンターなどを設置した分子イメージング施設、また、がん治療薬の開発のために創薬・治験センターをつくる。医学部の定員を増員して被災地に派遣をする。被曝者援護の専門講座をつくる。 これは総事業費一千億円とも言われているようでありますけれども、本当に被災地の復興に資するものなのか、大変いろいろな議論が起きています。 まず、病床数三百三十ということでありますけれども、福島県立医大病院は七百七十八床あって、稼働率がそんなに高くもないというふうに聞いております。これはどうであるか、お伺いをしたいと思います。
○浜田政府参考人 お答えさせていただきます。 先生のおっしゃいますとおり、福島県立医科大学附属病院の病床数、今、全病床で七百七十八でございます。 この五年間、大体平均的に八〇%から八一%ぐらい、ただ、ことしは若干震災の影響もあって八〇を切って、今、七八・六%ぐらいで推移しているところでございますが、これは、私どもが所管しております全国の県立病院、市立病院の同規模、七百床から八百床近くの病院に比べても、五、六ポイント高い数字でございまして、稼働率的には平均を超えているものと考えております。
○柿澤委員 しかし、現状、このぐらいの数値でとどまっているもので、三百三十床、これをふやすということを仮にやった場合にどうなるのかということだと思います。 正直言って、これは震災復興と被災地医療を名目に、病棟の建て増しと、また医療機器を購入しようという、いわば焼け太りの構造ではないか、こういうことも言われています。現に、被災地の医療支援に奔走している医療者からは、これは何だという声が上がっています。 困っているのは、どちらかというと福島県立医大ではないんです。浜通りの医療機関なんですよ。 福島県立医大は、どちらかというと、原発事故後、浜通りの医療機関から医師を引き揚げたとか、市町村が行おうとした健康診断や健康相談に横やりを入れたとか、甲状腺の専門家や超音波検査の技士が必要とされたときにも協力しなかったとか、そんなことばかりが言われているんです。 その結果、南相馬市は、ホール・ボディー・カウンターによる内部被曝検査を市独自で行うことになり、六歳から十五歳の子供たち三千名近くに測定を行って、九月二十六日からは新たな精密な機械を導入したところ、測定した子供たちの半数からセシウム137の内部被曝が認められた、こんな事実も明らかになっているそうです。 これは、福島県立医大がやったんじゃないんですよ。南相馬市立病院のたった一人の医師がやったことなんです。被災地の住民を守るというなら、こうした医師やこうした医療機関を支援すべきであって、しかも、それは一千億円も要らないんです。 だから、政府が決めて、こうやって特定の医療機関に補助金を与えて支援をするやり方ではだめだということを私は何度も申し上げているんです。 それよりも、被災地の診療報酬を特例的に上げて、そうすれば、地元の医療機関は医師もふやすし、医療法人もほうっておいてもやってくる。そして、そうやってふえた医師も医療機関も、県立医大からの派遣医師とは違って、何があってもそこにとどまって逃げないんですよ。 既に八月の厚生労働委員会で、岩手県の医師会の会長が、せめて沿岸部だけでも診療報酬の特例加算をしてもらえないか、こんな要望を中医協に対してしているというお話をこの委員会で取り上げさせていただきました。そのときの御答弁は、今後の議論だということでありました。 被災地における特例的な診療報酬の加算措置について、ちょっと時間がなくなりましたので質問を飛ばしましたが、ぜひ御検討をいただきたいと思いますけれども、御答弁をお願いしたいと思います。
○辻副大臣 診療報酬についての御質問にお答えをさせていただきたいと思います。 まず、被災地で診療に尽力されている医療機関の状況に応じて、診療報酬につきましてはこれまでも必要な緩和措置を設けてきたところでございます。 御指摘の被災地に対する診療報酬の特例等の優遇策につきましては、中央社会保険医療協議会におきまして、診療報酬は診療が行われた場合に算定できるものであって、被災地に対する支援という意味で効果が限定的であること、結果的に患者や保険者の負担の増加につながるといった慎重な意見があったところでございます。 震災に対する診療報酬上の対応につきましては、このような議論も参考にしつつ、補助金や補償との役割分担を考えながら引き続き検討していきたいと考えております。(小宮山国務大臣「一つだけ答えてよろしいですか」と呼ぶ)
○池田委員長 端的にお願いします。
○小宮山国務大臣 済みません、一つだけ。 先ほど御指摘いただいた、福島医大で三百三十床というのは、これは私も、ここに添付してある、この報道があったときに確認をしたところ、これは県で以前にこういう考え方を持っていたと。ただ、今これは全然動いていないということを確認していること。 それからあと、南相馬市については、おっしゃるように、そこで働く医療従事者の方の確保が大切だということで、相双のところに支援センターを厚労省としても設置をいたしまして、今そこに常時職員を派遣しておりますので、可能な形で実効性の上がることを取り組みをしていきたいと思っています。
○柿澤委員 まさに現場から上がってくる声をもとにしてしっかりと取り組みを進めることが大事であって、浜通りから遠く離れた福島にこういう拠点を設けたということが被災地の地域医療の発展につながるかといえば、それはそうではないということを申し上げたかったということであります。そういう点をぜひお受けとめいただいて、今後の施策を講じていただきますように切に要望して、質問は終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○池田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時十二分散会