国家基本政策委員会合同審査会 第2号
- 発言数
- 25 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2011/02/23
会議録
○会長(鴻池祥肇君) ただいまから国家基本政策委員会合同審査会を開会いたします。 この際、一言御挨拶を申し上げます。 参議院国家基本政策委員長の鴻池祥肇でございます。 衆議院の樽床委員長とともに、衆参両院の皆様方の御協力を得まして、その職責を全うしてまいりますので、よろしくお願いを申し上げます。(拍手) この際、本合同審査会における発言に関して申し上げます。 野党党首及び内閣総理大臣には、申合せの時間内で活発な討議が行われまするように、御発言はそれぞれ簡潔にされるようお願いをいたします。また、本日は時間表示装置を使用をいたします。表示装置は発言者の持ち時間を示します。持ち時間が終了したときは赤色のランプが点灯しますので、御承知願います。 なお、委員及び傍聴議員各位におかれましても、不規則発言等、議事の妨げになるような言動は厳に慎まれますよう、御協力をお願いを申し上げます。 それでは、国家の基本政策に関する調査を議題とし、討議を行います。自由民主党総裁谷垣禎一君。(拍手)
○谷垣禎一君 まず冒頭に、昨日、ニュージーランドのクライストチャーチで直下型の大きな地震が起こりました。被害も甚大であり、心からお見舞いを申し上げますと同時に、邦人も安否が確認されていない方がまだたくさんいらっしゃるわけですね。ですから、政府にはまず邦人の保護とそれから被災地の支援に全力を挙げていただきたい、このことをまずお願いしておきます。 実は、今日、ちょっと昼前に現地クライストチャーチに住んでおられる日本人の方から悲痛な電話をいただきました。我が自民党本部にお電話があったんですが、富山の方々が通っておられる学校、二次災害等々も心配されるんで、救援活動が止まっていると。非常に不安に思っておられるわけですね。もうそうなると日本から来た救援隊がもう命綱だと、一日も早く政府専用機と救援隊を送ってもらいたいと。台湾とオーストラリアはもう来て活動しているけれども、日の丸を見たい、こういう御趣旨でございました。もう既に二時過ぎに日本から立たれたようですから、この方々たちには御苦労ですが頑張っていただきたいと思います。 ただ、私はこれ、昨日、民主党はいろいろ、党内のもめ事をいろいろ解決しておられたと思いますが、私は、昨日から取り組まれたら昨日の夜にはもう立てたんじゃないかと、そうすると今朝には着いてもう行動を開始できていたんじゃないか、こういうふうに思います。 それから、今ごたごたと失礼なことを申しましたが、もう一つここで念を押しておきたいことがございます。今、衆議院の予算審議はまさにたけなわでございますけれども、この予算の採決までにきちっと小沢さんの問題について責任を果たす、これが民主党から来た答えでございます。私どもの求めているものは証人喚問でございます。これをきちっとやっていただく、このことを念を押しておきたいと思います。 そして、ちょっと待ってください。本題に入りますが、今回は外交・安全保障をやりたかったんですが、この間、民主党比例代表の方十六人、会派を離脱すると、こういう届けを出されましたね。そうなると、どうしても確かめておきたいことがあるんです。 この十六人の方々は何とおっしゃったかと。菅政権は国民との約束、マニフェストを捨てたのである、そういうことでは自分たちの存在価値もない、こういうことから会派を離脱するとおっしゃったわけですね。これに対して岡田幹事長は、まあ、マニフェストをこの期に及んで全部やらなきゃいけないんだと、これはちょっと国民の意思から大分離れている、あるいはできないことをいつまでもできると言い張るのは有権者に正直ではない、こういうことをおっしゃっているんですね。 菅総理自身は、政権を取られるまでは、ガソリン値下げ隊であるとか、自公年金改革案の批判であるとか、徹底的に戦われるという方向を取っておられた。今、菅さんはマニフェストをきちっと踏まえて政権運営をしておられるのか、あるいはこの岡田さんのように、今更マニフェストを進めることは国民の期待に背くことだとお考えなのか、その点をまず伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(菅直人君) まず、昨日、日本時間の午前八時五十一分にニュージーランド南部で地震が発生をいたしました。そして、昨日の段階で第一回目の関係閣僚会議を開き、今日の予算委員会の前に第二回目の関係閣僚会議を開きました。ニュージーランドから正式な国際緊急援助隊の派遣の要請がありました。それまでに、既に昨日の段階で三人の先遣隊を民間機で出して、今日、朝には現地に入っておりました。その情報も併せて、成田にあるいろいろな資材を、千歳にありました政府専用機を成田に運び、そして約七十名の消防庁あるいは警察庁あるいは海上保安庁等の中から選抜したメンバーをその政府専用機で今日の午後二時過ぎに成田から出発をいたしました。明日午前の一時には現地に到着をすることになっております。 まずは、被災に遭われた方にお見舞いを申し上げますとともに、日本の留学生なども災害に遭われていますので、そういう人たちの救出はもとより、この被災に遭われた皆さんに対する救出活動に全力を挙げていきたいと。 私は、このまだ支援の要請が正式にある前に三人の先遣隊を出したということは、その後の作業に大変迅速な対応ができた、私はそのように思っているところであります。 次に、谷垣さん一遍に三つも四つも言われるものですから、どうしてもお答えせざるを得ません。 小沢代表の件についてもお話がありました。昨日、我が党として、小沢元代表については党員権を裁判が決着するまで停止するという、そういう正式な決定をいたしました。これで党としてのけじめはできたと、このように考えております。 次に、もう一点、我が党の会派離脱を希望した十六名の方の問題をお触れになりました。 私は、これ谷垣総裁に是非、逆にお聞きをしたいんですけれども、今最も重要な問題は国民にとって何なのか。ここまで景気が回復しつつある中で、予算をちゃんと成立をさせて予算を執行することが私は今の国民の生活にとって最も重要なことだと思います。これは是非後でお答えください。 つまり、今ここでもし予算が成立をしないとか、あるいはその執行ができなくなったときには、せっかく回復の路線に乗りつつあるこの景気に水を差すことになるわけでありまして、そういった意味では、経済界の中からも、国会議員はまず予算の成立に向けての議論をしっかりやってほしい、こういう声も出ているところであります。 そういった意味で、私は谷垣総裁に、何を優先して今この国会でやるべきなのか、そのことを、その御意見をお伺いをしたいと思います。
○谷垣禎一君 菅さんね、反論されるのはいいですけど、私の伺ったことに答えてくださいよ。マニフェストをきちっと踏まえてやるのか、それともマニフェストは御用済みなのかということを伺ったわけです。今までの菅さんの御答弁聞いていると、都合の悪いところは逃げるというところがありますから、まあここで押し問答しても仕方がない。 私は、今回、この予算委員会を通じて、そしてこの十六人の方々の問題が起こって、この審議の過程で何が明らかになってきたか。私は、三つのことが明らかになったと思っているんです。 まず第一に、あっ、その前に申し上げたいことがある。菅さん、そこに座っておられる根拠は何ですか。それは選挙でお勝ちになったから。政権選択の機会は衆議院選挙なんですよ。二年前の衆議院選挙のときにマニフェストを掲げられた。そのマニフェストを踏まえておられるのかどうか、あなたの正統性の根拠を踏まえておられるかどうかということをさっき伺ったんです。 今までの国会の議論、三つの問題を提起していると思いますよ。 第一は、菅さんたちのこのマニフェストが実行不能なものであって、そうして、もう閣内からもあるいは党内からもそれを撤回したらどうかというような、これはやめるんだ、あれをやめるんだというような議論が出ている。これはまさに絵にかいたもち、砂上の楼閣であったということが明らかになった、これが第一点。第二点、第二点は、それを踏まえていたはずの菅さんたちの政権の正統性が全く崩壊した、こういうことです。それから三番目、三番目は、十六人の方の造反に示されているように、党内すら掌握できなくなっているわけですよ。これは、やはりガバナビリティー、あるいは菅さんのリーダーシップ、日本を率いていけるかどうか、このことも明らかにペケが付いている、これが今の状況です。 この三つの問題が現状であるとすると、これをどう克服していくかということですよ。 まず第一に、実行可能な政策体系、これをつくらなきゃいけない、これが第一でしょう。それから二番目、そういう政策体系にどうやって正統性を与えていくかという問題ですよ。それから第三番目、きちっと政策を運営して国内を掌握していけるような統治体制をどうつくるか、これが三番目の問題ですよ。 これをやっていこうとすると、結局もう一回国民の声を聞いてしっかりと体制を整え直していくしかない、これは前回私が菅さんに申し上げたことであります。ここが一番大事なポイントで、まず、党内も掌握できなくてですよ、責任はどうなるんだ、何が優先だ、筋違いですね。私は、全くそれがその責任の押し付けである、このことをまずはっきり申し上げたいと、このように思っております。 それで、ちょっと待ってくださいよ。そこでですよ、先ほど、じゃ早くやらなきゃ駄目じゃないかと、今大事なときじゃないかとおっしゃった。なら、玄葉大臣、この間、特例公債法、六月まではいいんだみたいなことをおっしゃった。さすがに金融財政委員会で、金融財政委員会で謝罪はされましたよ。だけど、今まであれほど年度内成立を訴えてこられたのは何だったんですか。社民党の協力を得られなかったこと、あるいは民主党の会派離脱騒動、こういうことで態度を変えて、この国民の生活にかかわる法案、これ党利党略で弄んでいるんじゃないんですか。 私、一つ確認したいことがあるんですよ。予算、それから、その歳入を確保する、特例公債法もそうですね、税制もそうですね、これは一体で議論して、一体で参議院に送っていくというのが憲政の常道です。ところが、今、民主党の方から見ますと、それを先送りするような議論が聞こえてくる。これはおかしいですよ。まさか、まさかですよ、まさか統一地方選挙までは現行路線でいって、そこまでは先延ばしして、統一地方選挙が終わったら何か妥協しようと考えていると、こういうことじゃないんでしょうね。まずはっきり、菅さんたちがお作りになった予算、それから歳入を確保する法案、こういうものを会期内、会期内じゃありません、年度内にきちっと通していくという覚悟がおありなのかどうか、これを伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(菅直人君) 谷垣総裁に、是非、この、私が答えた後には、私がした質問に答えてくださいね。(発言する者あり)つまり、いや、今から、今から答えますから。 つまり、私が質問をしたのは、今の国民の生活にとって最も重要なのは予算の成立と執行だと思うけれどもどうですかという見解をお聞きしたんです。前回もお聞きしましたけれども、結局のところ、答えていただけませんでした。まさに予算審議の真っ最中だからこそ予算が最も重要ではないですかという質問になぜ答えられないんですか。そのことをこの後必ず答えていただくことをまず要求して、私に対する質問にも答えます。 マニフェストについては、既に予算の審議の中で何度も申し上げておりますように、一昨年の総選挙の国民の皆さんとの約束ですから、何としてもこれを実現するために全力を挙げて今日までやってまいりました。幾つかのことは実現しました。幾つかのことは着手しました。しかし、まだできていないものもあります。そして、任期の半ばをこの九月に迎えますので、そうしたことを検証をして、どうしてもできないものについては改めて国民の皆さんに説明をすると、そのことは予算委員会でも明確に申し上げているところであります。 そこで、今本当に、谷垣さん、何か解散解散という趣旨のことを言われますけれども、じゃ、予算も通さない、何もしないでこのまま解散することが本当に国民の皆さんにとってプラスになると思って主張されているんですか。 また、予算関連法案の扱いについていろいろ言われました。もちろん、私たちは予算関連法案をこの年度内に何としても実現したいと、こう考えて一生懸命予算委員会でこの必要性を皆さんに説明をしているじゃないですか。それに対して、しっかりした議論をしているのが現在の衆議院の予算委員会で、これからそれが、予算、衆議院が通過させていただければ、参議院でもそうした、皆さんにきっちりとお願いをいたしていきます。つまりは、予算と予算関連法案を成立をさせるというのが私たちの目標でありまして、それが年度内であることが望ましいことは言うまでもありません。 一つだけ、あえて谷垣さんだから申し上げます。 谷垣さんは、かつて金融国会のときに、宮澤大蔵大臣の下で政務次官をもう大物であったにもかかわらずやられましたよね。そして、そのときにも逆のねじれでした。自由民主党はブリッジバンク法案というものを出しましたけれども、自ら出した法案を採決しないでずうっと延ばしたのはなぜですか。つまりは、成立をさせる見通しがないから与野党協議をやったんじゃないですか。 そうした過去の例も見て、国民の皆さんに対して責任を持った行動を取ってもらいたい、歴史に対して責任が持てる行動を取ってもらいたい、このことを申し上げ、先ほど申し上げたことについての質問に必ず答えていただくようお願いします。
○谷垣禎一君 大分、菅さん、頭に血が上っておられるようですね。 幾つかお問いかけになりましたからね。確かに、金融国会のときに菅さんたちが御提案になった法案を、当時丸のみと言われましたけれども、やはり当時、長銀や、ああいった大きな、日債銀といった大きな金融機関がまさに倒産しようとしているときだった。それに対してきちっとした対応の法案がありませんでした。そこで、いい案を出していただいたから我々はのんだんです。そのことは良かったと今も思っておりますよ。それは、それに対するお答え。そして、だから今何が大事だ、何をするのかということをお問いかけになったわけですね。 じゃ、菅さんにお尋ねします。我々……(発言する者あり)いや、いや、いや、我々は既に案をきちっと出して、皆さんが予算を作られた、税制を作られたというときも、我々の予算の大綱、税制の大綱、これを作りまして、当時はたしか財務大臣のところにお届けしたんだと思います、去年の十二月。菅さん、これを、ここにあるんですがね、菅さん、これをお読みになっているだろうか。私どもは、これを基にしてきちっとこの予算の組替え案をお出ししたいと思います。これをやはりきちっと検討していただきたい、このように思っております。 そして、そしてさらに、今予算、菅さんたちのお作りになった予算についてどう考えているかと申しますと、これはもう端的に言いますと、菅さんたち、民主党政権を取られてから二年連続、税収よりも国債発行額が多いんですね。これはやっぱり、いろんなばらまきもあり、財政規律に対する考え方が弱いんですよ。私は、このままこういう体質の予算を通していくのは益にならないと思っております。 そして、もう一つ申し上げますと、昨年、菅さんたちが平成二十三年度予算案をお作りになりましたときにいろんな評価がありました。あれはいつでしたかね、十二月の何日でしたか、十二月二十六日ですが、日経新聞に、たしか十人ほどの方の、エコノミストですね、この予算に対する評価がございました。押しなべて、これは成長に寄与しない、あるいはマイナスである、こういう評価でありました。こういう予算に対する評価というのは、今まで私見たことがありません。やはり、基本的な理念、基本的な財政に対する考え方、経済に対する考え方、私たちはこれは違っているというふうに思っておりまして、我々の理念と相入れない予算あるいは関連法案、これを小手先の修正や国会戦術で通すのは、私は百害あって一利なしと、このように考えております。 ですから、何度も申し上げているように、お互いにもっと堂々と自分たちの信じていることを国民に問うて、そうしてリセットしていくことが早道である、このように申し上げているわけでございます。 そして、もう一つ私の言ったことをこれ御注意ください。選挙終わったら与野党を超えて衆知を集める、これ、できるんですよ。
○内閣総理大臣(菅直人君) まず、組替え動議を出されるということを今、谷垣総裁約束されました。是非、いい立派な組替え動議を出していただきたいと思っております。 先ほど金融国会のときのことを谷垣さんもお認めになりました。当時、政府からも法案が出ていました、ブリッジバンク法案という。しかし、それよりも我が党が出した一時国有化法案が、今、その方がいいと思ったから丸のみしたと言われました。是非私たちが、自民党が出した予算の組替えの方が私たちにすばらしいといって丸のみできるような案を是非出していただきたい。期待をして待っております。 そして、その上で申し上げます。その上で申し上げます。先ほど財政規律についてのお話がありました。私もこの直前まで財務大臣をやっておりましたので、日本の財政がどのような状態にあるかということは嫌というほど私なりに感じております。だからこそ、その問題も含めて社会保障と税の一体改革という、これは避けて通れない課題であることは谷垣総裁もよくよく御承知のはずであります。しかし、残念ながら、これは単年度だけの議論ではできません。かつて、このリーマン・ショックの後に九兆円の歳入欠陥が出たのは麻生内閣が作った予算だったんですからね。 そういうことを考えますと、必ず何年間か掛けてやらなければならない中長期の課題になるわけですから、是非とも、社会保障と税の一体改革について、四月には社会保障の姿をお示しします、六月には税との一体改革の内容を提示をいたしますから、ちゃんと与野党の協議に今乗っていただければいいじゃないですか。何か、政策よりもあるいは国民の生活よりも政局ばかりを言われているように私には聞こえてなりません。
○谷垣禎一君 菅さんね、やっぱり少し、我々の言っていることを政局と、こうお取りになるのは、菅さん、政局になると急に生き生きなさる、そういう菅さんの御性格があるんじゃないかと私は思っております。 それで、それで、今の点で申し上げますと、菅さんがやっぱり財政何とかしなきゃいかぬと思っておられるのは分かります。それから、社会保障も何とかしなければならないと思っておられるのも分かります。今、菅さんたちがやっておられるのは、大体我々のときやっていたのと同じようなメンバーでやっているんで、大体、案もある程度は透けては見えるわけですよ。だから、早く我々のやっていたころに追い付いてくださいということを申し上げたい。 そして、菅さんもですよ、消費税を含む財政再建が自分の、言ってみれば天命である、使命であるとお思いになるならば、やっぱり国民の声をしっかり背に受けておやりにならなきゃいけない。だから、私は、先ほど申し上げているようなことを繰り返し繰り返し申し上げているんです。それで、私が申し上げていること、菅さん、なかなかああだこうだとおっしゃって耳を傾けていただけない。 実は、今日、もうあと十二分になっちゃったんで、外交・安全保障のことをやりたかったんで、そっちに移りたいと思います。 それで、今、やっぱり菅さん、党を掌握しておられるかとか、ガバナビリティーがあるかというようなことを申し上げました。一番国民が心配に思っているのは、内政もそうですけれども、外交についてそう思っているんですね。非常に不安に思っていますよ。だから、このまま菅さんたちがおられたら国益にならないと多くの国民が思い始めている。 まず、私は、ロシア問題について伺いたいと思います。 十一月にメドベージェフ大統領、北方領土に行かれた。その後、メドベージェフさんだけじゃなくて、あそこの要人が次々行って実効支配を誇示するということをしていますね。 それで、この北方領土、今更言うまでもありませんが、幕末に日露通好条約を結んでから条約上だって一度たりとも日本領でなかったことはない、そういう固有の領土であるということは、これはもう菅さんと私の共通の理解である。そうですよね。それで、だけれども、そういった、要するに、この前の戦争の要するに実益というか成果をそのまま、そのまま居座るんだということをロシアは言っているわけですね。それをアメリカにまで通告したという報道がこの間ございました。 そこで、ロシア、どうしていくかということですが、まず菅さんに伺いたいのは、ロシア大使、どなたですか。ロシアにいらっしゃる日本の大使、どなたですか。
○内閣総理大臣(菅直人君) まず、ロシアの問題についてお話がありました。 実は、先日もロシアの専門家の皆さんに何人かお集まりをいただきまして、これからのロシア問題を考える上で私なりにいろいろな話を聞きました。谷垣さんも御承知のとおりでありますけれども、この六十五年間の日ロあるいは日ソの歴史というのはいろいろな時期がありました。最初のいわゆるブレジネフの時代はなかなか話が進みませんでした。そして、その中で、例えばエリツィン大統領と橋本総理との間ではかなり話が進んだ時期もあったと私、承知をいたしております。 つまりは、この日ロの六十五年のこの領土問題、我が国固有の領土をいかにして四島返還をするかということは、粘り強くやらなければいけないと同時に、慌ててやってはならない課題だと、私はこのように考えております。 十一月のAPECのとき、その前に、たしか十一月の一日だと思いますが、メドベージェフ大統領が国後に上陸をされた後、河野駐ロ大使を日本に帰ってくるように私が指示をいたしました。そして、APECの折には、メドベージェフ大統領とのバイの会談において、国後に上陸をされたことについて私から強く抗議をいたしました。 このように、日ロ関係あるいは日ソ関係というのは長いある意味での苦難の歴史がありますから、私は、粘り強く、しかし慌てないでこの交渉に当たっていきたい、これが私のロシアに対する姿勢であります。
○谷垣禎一君 六十五年の間に日ロの間にいろいろなやり取りがあり、そのときそのときの状況、可能性もいろいろだったと、それはそのとおりだと私も思います。 そこで、私がなぜそのロシア、モスクワにおられる大使は誰かと伺ったのは、今お名前も出ましたね、河野さんなんですよね。河野さん、去年の十一月に一度戻して、菅さんの政権は更迭をすると決められたはずです。あのとき新聞紙上に後任者の名前も出ました。で、それでどうなったんですか。いまだに河野さんがやっておられるわけでしょう。私は、やはり総理大臣が更迭を決断した大使がその後何か月もおられる、こういうことで、今ロシアにいる大使、大使館、きちっと行動できるんですか。ここに私は外交に関してきちっとガバナビリティーを行使しておられない端的な例があると思うんですよ。 ですから、今確かにですよ、今確かにロシアがああいう強硬な態度に出てきているのは、それは理由はあると思います。特に、来年はあそこでも選挙がありますから、選挙があるというときはやっぱり少し外に対して強く出なきゃいかぬというところもあるでしょう。それから、あそこの国はやはりある意味では外交の、何というんでしょうか、どこの国でもやることかもしれませんが、弱みがあると思ったらぱっとついてくるという外交体質があることもこれは事実です。 じゃ、どこの弱みをついてきたかというと、結局、日本のロシア外交のその根本が、大使をどうするかにも表れているように、しっかりしていないというところが一つ。それからもう一つは、日米安保体制が揺らいでいることなんですよ。私は、ここに原因があると思いますよ。いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(菅直人君) この日ロの領土問題については、今あるところまで谷垣さんと私の認識、一致をいたしております。つまりは、六十五年間の中でいろんな時期があったわけです。残念ながら、橋本総理の後、エリツィン大統領も体調を壊された後、残念ながらそれからの進展は長くありませんでした。この政権交代前までの間も、それほどはかばかしい進展があったとは私は聞いておりません。 そういう中で、これは、こういう場でどこまで申し上げていいか、多少控えなければなりませんが、やはり中ロとの関係とか、いろいろな考え方がそれぞれの国にあります。私は、ロシアが今太平洋の方にある程度いろいろな投資などをしている一つの背景には、人口が東の方は非常に少ないんですね。ですから、何とか人口を増やすためにも東の方で経済的な開発等をしていきたいという、こういういろいろな思惑というか、そういうものもあるというふうに考えております。 それから、日米関係についていろいろとおっしゃいました。確かに、ある時期、普天間の問題で日米関係がややぎくしゃくしたような場面もありました。しかし、私は、昨年の六月に政権を引き継いだときに、五月二十八日の日米合意を踏まえて日米の関係を進めていくということを申し上げまして、その後、三度にわたるオバマ大統領との首脳会談を含めて、現在の日米関係は極めて安定した状況にあると、このように理解をいたしております。 ですから、例えば尖閣の折にも、前原外務大臣とクリントン国務長官との間で、日米安保条約のその範疇に尖閣が入るということもきちんと表明を米側もされましたし、そういった意味で日米関係が安定状況にあるということは客観的にも、私は国際的にもそういう了解をいただいているものと、私はそう認識しております。
○谷垣禎一君 ロシアの問題もまたこれからこの場で議論していきたいと思いますが、まず日本のロシアに対する外交体制、人事、どうするか、これ、きちっとしてくださいね。 それからもう一つ、日米関係は非常に安定した状況にあると、この認識が私違います。 昨年、日米安保五十周年だったんですけれども、この五十周年を記念する式典すら開けていないというのが現状ですよ。それはやっぱり、このコアにある沖縄の問題がつかえちゃっているからだと私は思います。それで、ここもやはり、今いい状況だとおっしゃるけれども、民主党の外交がこの問題に対してガバナビリティーはないと。なぜか。知事選でも参議院選挙でも、皆さんの考えを支える候補者いなかったじゃないですか。それで、しかも、民主党の沖縄の皆さんはのっけから国外だ国外だとずっと言ってきた方を応援していたんですよ。一体どのようにしてなさるのか。 私は、じゃ、もう時間がありませんから、もう一回ここでお聞きします。つまり、菅さんね、今まで日本とアメリカは、辺野古沖だということで二回約束しているわけですね。それで、二回目は菅内閣で菅さんが菅さんの内閣の下でアメリカと約束をした。現在でも……(発言する者あり)あっ、鳩山内閣。現在でもこの辺野古沖、こういうふうに考えていることでいいのか。それから、今度の予算案の中に予算が、この関係予算が入っておりますが、これはきちっと成立させて実行していくのかどうか。この御返答をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(菅直人君) 五月の二十八日、鳩山内閣の下で改めて日米合意が行われたことはもう皆さんがよく御承知のとおりであります。それを踏まえて私がこの普天間についても対応していくということを申し上げました。その意味で、この日米合意に沿った形で私たちの予算も提案をさせていただいております。提案はベストなものと私たちは思って提案をしていますので、それを成立させていただいて、関連法案もちゃんと成立をさせていただければ、きちんと執行してまいります。(拍手)
○谷垣禎一君 菅政権の外交に対するガバナビリティーのなさ、もう一刻も、長い間これとどまるのは国益に反しますよ。そのことを申し上げて、終わります。(拍手)
○会長(鴻池祥肇君) 以上で谷垣禎一君の発言は終了しました。 次に、公明党代表山口那津男君。(拍手)
○山口那津男君 先ほどからの菅総理大臣と谷垣総裁の議論を伺っておりまして、この予算や大事な議案を成立させるのは政府の責任、総理の責任なんですね。ですから、行き詰まりのその責任を何か野党に負わせるような、そしてまた社会保障やその他の協議についても、私たちは議案、もう自分の考え方を提案していますよ。民主党こそ案を出していないんでしょう。それを、協議をしろしろ、しないのは自民党のせいだと言わんばかりの居丈高な姿勢、こういう総理の議論の姿勢を伺っていると、寓話に出てくる、北風をピューピューピューピュー吹かせて、そういう有様に見えますよ。相手は身を固くするばかりでしょう。それが一国の総理として大事な議案を国会の論議を通じて成立させていく姿勢とは到底思えない、このことをまず御指摘申し上げたいと思います。 さて、端的に伺ってまいります。 ニュージーランドのクライストチャーチで起きた地震、被災者の方々及びニュージーランド政府に心からお見舞いを申し上げたいと思います。 まず大事なことは、この被災者の方々を救出し、救援をしていく、そして安否を確認をしていくと。また、必要であれば二陣、三陣と我が国政府から対応を繰り出していくと、こういうことがまず重要だと思います。我が党も災害対策本部をつくりまして政府に緊急の申入れ等もさせていただいたところでありますが、このまずやるべきこと、この優先順位をまず間違えないでいただきたい。 あわせて、あわせて今回の被災は邦人の方々がかなり関係されていると。そして、国民の皆さんもあっと思われたでしょうけれども、在留邦人の方がかなりたくさんいらっしゃる。そして、旅行者の方もかなりたくさんいらっしゃる。こういう都市なんですね。ですから、この点で私は、この我が国の様々な経験や技術、これを生かして、こういったこの邦人等の往来の多い国々を始めに、この言わば耐震化推進外交、耐震化協力外交、これを積極的にやっていくべきだと思います。政権がいずれであっても、菅さんの政権じゃなくてもこれはやるべきことだと私は思います。どのように認識されていますでしょうか。
○内閣総理大臣(菅直人君) 今、山口代表の方からお話をいただきましたように、ニュージーランドのこの直下型の地震と思われる地震の被害は相当程度であります。今、私の方に入っている情報でいいますと、いわゆる富山外国語専門学校二十三人の方のうち十三名が救出をされ、安否確認中が十名になっております。その他の留学生十数名も安否確認中。在留邦人二千八百二十人でありますが、これまで被害情報は入っておりませんが、確認しております。それから、邦人旅行者数千三百三十三人でありますが、そういった皆さんについて今安否の確認をきっちりやっているところであります。 加えて、先ほど谷垣総裁にも申し上げましたように、ニュージーランドからの要請を受けて、もう事前に先遣隊を出しておりましたので、今日の午後二時に国際緊急援助隊を成田から送り、明日午前一時にクライストチャーチに着いて早速救援活動に入る、こういう形になっております。 今お話のありました、こういった形の体制をもっと強化するということについては、もちろん私の内閣でも必要だと思っておりますが、いずれの内閣でも、特に地震という問題は我が国にとってはある意味で一番経験があるわけでありますので、そういうことの経験を生かして国際的に貢献できる体制をより強めてまいりたい、山口代表のおっしゃるとおりだと思っております。
○山口那津男君 十分しかないんですから、時間を大切に使っていただきたいと思います。 さて、鳩山前総理は、沖縄の普天間基地移設問題で、先日、辺野古移設しか残らなくなったときに理屈付けをしなければならず、抑止力という言葉を使った、方便と言われれば方便だと、このように発言をされました。驚きました。 方便といえば、国民はうその方便という言葉を思い浮かべるんですよ。つまり、抑止力という理屈付けはうそだったのかと思わせてしまうんです。沖縄の人々をうそでだまし、本当は抑止力を否定していると、そう受け止められても仕方がないんじゃありませんか。現に鳩山さんは、常時駐留なき安保論は自分の信念として今でも生きていると、こう言っているんですよ。普天間問題はその方向に導きたかったんだと、こう言っているんです。結局、抑止力を否定しているんじゃありませんか。 そこで、菅総理、あなたは、二〇〇三年の十一月の時点でも記者会見で、アメリカの海兵隊は沖縄にいなくても極東の安全は維持できると、こう言っているんです。国内からの移転を基本的な方向として考えている、つまり鳩山さんと同じことを考えていた、述べていたんですね。そうすると、そうすると、あなたは、沖縄の海兵隊は不要だと、抑止力は否定するんだと、こういう考え方をいまだに内心持っていらっしゃるんじゃないんですか。鳩山政権の副総理だった、そして今は与党の代表だ。そういう意味で、前総理に方便だなどと言わしめておくようなことでいいのかどうか、この点の責任をどう考えますか。
○内閣総理大臣(菅直人君) まず、私が総理に就任をしたときにこの問題についていろいろとマスコミを含めて問われましたので、私は、現在沖縄にいる海兵隊を含め、在日米軍は、この日本の安全にとっても、このアジア太平洋地域の平和、安全にとっても大変重要な役割を果たしていると、そういう認識を申し上げました。 二〇〇三年の私の発言を取り上げられましたが、アジア情勢もいろいろ変化をいたしております。私がこの政権担当をした中で、北朝鮮の核開発やミサイルといった問題もあり、拉致の問題もあり、そういったいろいろな社会状況、政治状況、安全保障の状況の中から、私自身、政権を担当する時点においてそうした考え方であることを明確に申し上げました。 なお、鳩山前総理の発言について、まあ私も率直なところ報道を見て驚きました。これについては、私としては自分の考え方を明確に申し上げることがそのお答えになるんだろう、対応になるんだろうと、こう思っております。
○山口那津男君 民主党の前総理なんですからね。あなたは今代表ですよ。これを放置しておいていいのかどうか、もう少し胸に手を当てて考えてみてください。 そして、この鳩山さんの振る舞いについて、総理自身はですよ、鳩山総理の辞任の理由の大きな一つは普天間の迷走だ、日米関係が不安定なものになっていたと、こうやって認めているんですね。 それで、この日米関係がいまだに不安定さを帯びているということは誰しも感じているところですよ。谷垣総裁もおっしゃいました。 そして、あなたの政権になってから、尖閣事件で中国との関係も複雑になってしまいました。そして、北方四島にはメドベージェフ大統領が来ることを事前に予測してなかったでしょう。実際に来られてしまったら、そのことを暴挙だと、こうやって批判したことがかえって日ロ関係を悪化させているでしょう。 そうやって、次から次へと外交・安全保障の環境を悪化させてしまったんですね。安全保障の政策の基本理念である防衛大綱、しかし、これを議論してきた前提の議論というのは、あなた方民主党の政権の下で環境ががらっと変わってしまったんですよ。だったら、この防衛大綱の見直しも含めて基本的に議論することが必要なんじゃないんですか。どう考えますか。
○内閣総理大臣(菅直人君) 今、最後に防衛大綱のことをお話がありました。御承知のように、この議論は本来なら一年前に合意すべきものを一年間延ばして議論をいたしました。そして、それまではいわゆるスタティックといいましょうか、基盤的防衛という、整備という考え方にあったものをダイナミックな動的な防衛体制にしていこうという、そういう形に私たちはその考え方をある意味で原理を移したわけです。確かにいろいろな状況を、それまでの議論もありましたけれども、少なくともそうした基本的な考え方を変えて、そして南西地域についてもきちっと対応していこうということも明記をいたしました。 そういった意味で、まずは、防衛という問題でいえば、自らが、自らが自らの国を守るという原則がまず第一であり、それに加えて日米安保条約というもので、ある意味それでは十分でないところを補っていくという、そういう関係。さらには日米の同盟がこの地域の公共財としての意味、つまりは単に日本の安全だけではなくてアジア太平洋地域の安定にも寄与していると、このことを……
○会長(鴻池祥肇君) 菅総理に申し上げます。 申合せの時間が参っておりますので、手短にお願いをいたします。
○内閣総理大臣(菅直人君) はい、分かりました。 そのことを明確に申し上げておきたいと思います。(拍手)
○山口那津男君 時間は過ぎてますが、一言言わせていただきます。 鳩山さんは県外移設についてしっかりと詰めがあったわけではないと、こう言っているんですね。民主党政権がこの外交や安全保障の姿勢についてしっかりとした海図を持っていない、だから日本が漂流している、国益を損なっている、もうこういう見方は国民の皆さんが既にコンセンサスを持っていると言わざるを得ません。 このことを申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
○会長(鴻池祥肇君) 以上で山口那津男君の発言は終了いたしました。 本日の合同審査会はこれにて散会いたします。 午後四時四十九分散会