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177回国会参議院2011/05/27

予算委員会 第17号

発言数
168
登壇者
13
会派数
7
開催日
2011/05/27

会議録

前田武志民主党・新緑風会

○委員長(前田武志君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  予算の執行状況に関する調査のうち、原発事故等に関する件の調査のため、本日の委員会に琉球大学名誉教授矢ヶ崎克馬君、一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問石川迪夫君、長崎大学特任教授柴田義貞君及び京都医療科学大学教授大野和子君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

前田武志民主党・新緑風会

○委員長(前田武志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

前田武志民主党・新緑風会

○委員長(前田武志君) 予算の執行状況に関する調査のうち、原発事故等に関する件を議題といたします。  本日は、本件について参考人の方々から御意見を伺うことといたします。  この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙中のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。委員会を代表して厚く御礼申し上げます。  本日は、参考人の皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いをいたします。  次に、会議の進め方について申し上げます。  まず、お一人十五分程度で順次御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。  なお、意見陳述の際は御着席のままで結構でございます。  それでは、まず矢ヶ崎参考人にお願いいたします。矢ヶ崎参考人。

矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授

○参考人(矢ヶ崎克馬君) 矢ヶ崎でございます。予算委員会の先生方、大変御苦労さまでございます。  私は、一般科学の立場から、放射線の健康被害それから被曝を回避するということについて、その必要性を意見として述べたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。  まず、参考資料としまして冊子を用意してございますが、そのうちの図一を御覧になっていただきたいと思います。  今、福島原発事故では、原子炉から放出された放射性のほこりが住民の生活空間に押し寄せ、放射線を発射しております。一般に放射線と呼ばれているものは、明示的に呼ぶときには電離放射線と表現いたします。この放射線が原子、実際にはこの原子がたくさん結合して分子という姿になっているのが自然界の姿でございますが、その分子に対してどのような作用を行うか、これを極めて物理的な立場でございますけれども御報告したいと思います。この物理的な作用が健康被害など全ての基本を成しております。  図一に示しますのは、まず左の列は正常な分子が並んでおりますが、この分子として原子と原子が結び付いている、この決定的な力は電子がペアになるということでございます。そのペアになっている原子がお互いに並んでいるところに放射線がやってきますと、この右側の図のように電子が電子の中からはじき飛ばされてしまいます。それで、ペアを成すことによって原子と原子が結び付きをしておりますけれども、このペアが破壊されてしまうものですから、ここで分子が切断されてしまいます。これが放射線がなす作用の一番基本的な理解でございます。  次に、二ページ目に参りまして、図二に目を移していただきたいと思いますが、これは放射線が様々な細胞などの分子に当たりまして、それでいろいろ健康に影響を与える中で特に害悪の多い、遺伝子を分断してしまう、そういう絵をかいております。  遺伝子は二本の大きな分子が全く同じものが二つ用意されていて、二つあるがゆえに細胞分裂のときに全く同じ遺伝子をコピーしていくことができるものです。最初の図二はこのうちの一本だけ切断された図を描いておりますけれども、この場合、周囲に切断されている場所がないときには生物の修復作用といたしまして再結合が間違いなく行われる、そういう確率が非常に高いものでございます。このタイプは、三種類ほど放射線がある中でガンマ線が主になすようなものでございまして、ガンマ線は相互作用が非常に低いために、ぎしぎしと分子切断をせずに随分行ってからまた分子切断をするという、そういうタイプでございまして、それで、ガンマ線だけ一本当たったときには、すぐ周囲には分子切断された場所がないものですから、割と確実に再結合ができると言われております。  図三の方は、アルファ線とベータ線、これらのタイプの切断の仕方が、図三にかかれていますようにぎしぎしと分子切断を行うものですから、えてして二本の遺伝子の両方とも切断されてしまう。このように切断される箇所が非常に周囲にあるときには、再結合するときに間違って再結合してしまう。その間違って再結合した遺伝子そのものが生き延びた場合には遺伝子が変性されるというふうに申しますけれども、変性された遺伝子は、やはりほかの遺伝子と同じようにどんどん細胞分裂などによってコピーされていきます。個人の体の中ではこのような変性が四十回、五十回と行われて発がんに至るというふうに言われております。また、それで、四十回も五十回もこの変性を繰り返すのに時間が掛かるものですから晩発性の被害が出てくるというふうに言われております。さらに、子孫を残す場合には、この変性された遺伝子が子供、孫の代にまで伝わるということになりまして、変性された不安定さが残されてしまいます。  そういう意味で、放射線が生命体に与える影響は百害あって一利なし、どこまでは許されるというようなものではありません。できるだけ少ない、それにこしたことはないというふうに思います。  ちなみに、今まで日本の基準としておりました一ミリシーベルト一年、こういった値は、分子切断の数にして対比いたしますと、全身の細胞に一つずつ、くまなく分子切断を与えるような量に匹敵いたします。ですから、この一ミリシーベルトという値が安全な値であるということでは全くございません。  次に、被曝するというふうに言いますけれども、外部被曝と内部被曝という違いが、多少この実際の被害の程度も違って現れてまいります。三ページの図四と図五を見ていただきたいと思います。  図四の方は、放射性のほこりが体の外にありまして、いっぱいいろいろな放射線を出します。これは、例えば一マイクロメートル、千分の一ミリメートルを直径とするようなものを仮定した場合、目には見えません。ただ、中に原子は約一兆個のものが含まれておりまして、たくさんそこから放射線が出てまいります。  このように、外部にあるときには、相互作用が強くて余り飛ばないアルファ線やベータ線はほとんど体に当たらない、ガンマ線だけに当たるというような、そういうニュアンスがあります。ガンマ線も、あらゆる方向に発射されますけれども、人の体に向かって発射されたものだけが被曝に寄与する、そういうことになります。  それに対して、図五に内部被曝のことを書いてあります。「飲み込んだり吸い込んだり」というふうに書いてあります。ちょっと図が余分な線が出てしまっておりますが、点々々の赤い印が一つ一つのほこりで、内部被曝というのは放射性のほこりを体の中に入れてしまって、体の中で放射線が発射される。ですから、内部から出た放射線に被曝するという意味で内部被曝というふうに呼んでおります。  それで、図四に戻っていただきたいと思うんですが、このような放射性のほこりが体の中に入った場合には、短く飛ぶものも長く飛ぶものも、どの方向に出るものも全て分子切断に寄与してしまいまして、外部被曝で受ける被曝よりも随分重いものがございます。さらに、内部に入ってしまった場合には、崩壊系列と呼びまして、沃素なら沃素のガンマ線だけに被曝するということにはなりません。  沃素は、実はベータ線を出しまして、キセノンというそういう原子に変わります。このときにベータ線と同時にガンマ線を出しますが、これを通常、沃素のガンマ線というふうに呼んでおります。キセノンは、不安定であるものですから更にガンマ線を出します。こういうふうにして、沃素が一つ入るだけで、外部被曝と比較して検討した場合のエネルギーでいえば四・五倍のエネルギーが分子切断に寄与されてしまいます。  さらに、ホール・ボディー・カウンターなど内部被曝を見る装置がありますけれども、体の外に出てくるガンマ線だけを拾うものですから、体の中に入っている原子からアルファ線やベータ線が出ても、それはもう体の外に出ないようになってしまいます。ですから、ホール・ボディー・カウンターでカウントする恐らく十倍もの内部被曝が体の中にあるというふうに判断しないといけない状況でございます。  実は、内部被曝を全ての基準、全ての国できちっと認識しているかといいますと、それは全く違った様相が出ております。日本の国で持っている、基準としております国際放射線防護委員会、ICRPの基準というのは、実は日本に原爆が落とされた後、アメリカの核戦略に基づきまして、放射線で長い期間人を苦しめることはないという核兵器像をつくり上げようとしました。これは解禁された文書などで非常に明らかになっているものでございますけれども、そこのところで、日本のいわゆる放射線科学の方々がアメリカの方々と協力してそういうような世界がつくられたものと私は判断しておりますが、その様子、図六をちょっと御覧になっていただきたいと思います。四ページでございます。  非常に手法としては単純なものですけれども、広島、長崎に原爆が落とされた約一か月後に枕崎台風というのがやってきまして、非常に激しい雨と激しい風が吹きました。それで、広島でいいますと、被爆地全域が床上五十センチあるいは一メートルの濁流に洗われてしまうことになりました。洗われた後、辛うじて土の中に残っている放射線の量を測定いたしまして、これだけが初めからあった量だということを、非常に複雑な計算をいたしましてそういうことを言っております。これで台風を利用して放射線のほこりがなかったことにしてしまうと、そういうことが行われました。  もう一つは、ABCCによる人体被害の評価でございますが、二キロまでは直接放射線に当たる、そういうところがありまして、これで二キロ以上は一切放射線には当たっていないという、そういう尺度をもって被爆者の被害状態を整理しました。このABCCの非被爆者というふうに書いてある図七でございますが、これが被曝ゼロの線とされてしまったんです。実はこれが国民全体の平均を取りますと随分高い値を持っている、そういうことで、被爆者の現実と合わないそういう尺度が一九五七年の原爆医療法の被爆者基準にされるところとなりました。  これが国際放射線防護委員会の基準にきちっと反映されておりまして、この国際放射線防護委員会の吸収線量の規定そのものが内部被曝を見えないようにしているもので、具体的には、内部被曝の集中性、時間的継続性などを一切捨て去った単純化、平均化をして内部被曝を見えなくしております。  そういう意味で、原子力の推進にやはり非常に関連する被曝基準を持ってございますが、特にこれに対してもう一つの特徴は、勧告の要約の十四というところで、経済的、社会的要因を考慮して合理的に達成できる限り制限していくという、そういうことを盛り込んでおりますが、具体的には、原子力発電をするのに余り厳しくし過ぎるとやっていけないので、国民の健康を犠牲にして適当なところで手を打つという、そういうことをこの防護委員会の規定そのもので明記しているところでございます。  時間が来て、用意したもの全て御説明することができませんが、六ページには、内部被曝で犠牲になった者のヨーロッパ放射線リスク委員会との比較、それからチェルノブイリ事故の後の子供の疾患の様子、さらにその次のページには、これがアメリカにほこりが飛んでいってエイズの死亡者を前年の二倍も死亡させているという、そういう結果のデータがございます。最後のページは、やはり具体的に、今国民のサイドに放射性のほこりがやってきて、これをいかに軽減するかということをきちっと今政治として手を打たないと、将来の巨大な医療費などの出費を招く。だから、基準を上げるのではなくて、今まさに放射線の被曝防護を手を打つべきだということを書いてございます。  時間が少々超過いたしました。大変済みませんでした。

前田武志民主党・新緑風会

○委員長(前田武志君) ありがとうございました。  次に、石川参考人にお願いいたします。石川参考人。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) 日本原子力技術協会の石川でございます。  この間の三月十一日のことでございますけれども、大きな地震がやってまいりまして津波に襲われまして炉心が溶融に至った経過、これはもう皆様方よく御承知だと思いますので、本日は、その後の大体炉心の状況がどんなふうになっているか、それからどういうことをこれから我々がやっていかなくちゃならないか、また政府にはどのようなことをお願いしたいかと、こういったようなことにつきまして簡単にお話をさせていただきたいと思います。  資料について御説明いたしますと、この福島第一事故についてのご説明資料、今日はこの絵に従いましてお話をさせていただきますけれども、その下に二枚ばかり、ウエーブという電気新聞に書いた評論がございますが、一つはこれは放射能廃液の濃度につきまして、それから一つは炉心の状況でございます。  それから、その下に福島第一発電所の事故対応に向けてというので、私の顔写真入りの三枚ぐらいのがあるかと思いますけれども、これは原子力学会に向けて、今からどういうことをやっていかなくちゃならないぞといったことを若い学会の諸君にちょっと叱り付けたような感じのものでございます。  それから、あと一つは電気新聞に出しましたのがございますけれども、事故から三日目ぐらいにもう炉心の溶融はしているよというお話を私書いたものでございまして、今日はそういったお話についてさせていただきたいと思います。  では、恐縮でございますけれども、この説明資料につきまして、一番初めの紙を開けていただきたいと存じます。  御覧になりますと、もう皆さん御承知の絵になっているかも分かりませんけれども、まず真ん中にあります四角い箱の中にだるまさんがあって、その中に丸い桃色の絵があるかと思いますが、桃色のものが原子炉のつもりでございます。それから、だるまさんのようなものが格納容器、四角い箱が原子炉建屋と言われているものでございますね。そうして、その左側に、よく出てまいりますベントという、気体を出すようになっておりますが、どのようなメカニズムになっているかといいますと、現在、この原子炉の中には丸い赤い黄色で包んだものがあって、これは今から御説明申し上げますが、ここから放射能が、熱がこの赤いところは発生しているわけでございまして、その熱で溶融状態に炉心はなっていると推測いたしています。こういうのは非常にたくさんいろんな方がいろんなことを推測いたしておりますけれども、私の推測はスリーマイル島の壊れ方に従って描いたものでございます。だから本当だなんというようなことは申しませんけれども。  それで、その炉心の周りの黄色いところが鋳物状態になって、これは水につかっておりますので固まっているのではないかと思います。大きさでございますが、大体直径四メートルぐらいの球なり卵形なりといったものを御想像ください。その外側から、これは人によって違うと思いますが、三十センチぐらいのところが鋳物状態になって固まっている。それで、その真ん中のところ、この赤いところはどろどろになっておりまして、大体温度というのは二千度から二千数百度ではないだろうかと。これはUO2の溶融点ではございませんで、UO2とジルカロイとが混ざった合金になっておりますから融点が少し低くなっているわけですね。そして、その割れ目から放射能のガスが原子炉の中へ出ているわけでございます。それを上から水でしゃあっとひっ掛けておりまして、冷やしてやっているというのが現在の状態でございます。  したがいまして、出てくる放射能というのはこの水で冷やされておりまして、さらに、この細いところでございますが、だるまさんの下のところに水色の両脚がありますけれども、この水を通って、そうしてベントから大気の方に放出されているわけでございます。したがいまして、出ていく気体というのは大体温度が百度か百度ちょっと上ぐらいのところまでの蒸発点の気体は出ていきますけれども、それ以外のものは水に落とされてこの廃液の方に入っていくわけでございます。  さて、それではどのように外へ出ていくかというわけでございますけれども、気体の希ガスと言われているクリプトンとかゼノンとかああいったようなものと、それから沃素の131といったようなものがございますけれども、これは三月もたっておりますからもう出尽くしていると申し上げてこれは間違いないと思います。  それから、そうしたらもう安心なのかといいますと、とんでもございません。出てきて残っているものはウランとかプルトニウムとかストロンチウムとか、比較的嫌らしい放射性の物質でございます。これがガスになってこの割れ目から出てきて、そして冷やされて水の中に入っているわけでございますから、この汚染の濃度は、もう七十日、相当高くなっている。幾らかと言われても私も分かりませんけれども、相当高くなっていることだけは考えておかなくちゃなりません。  それからもう一つ、この炉心の状態が分からないんです。なぜかといいますと、塩水を約二週間にわたってぶっ掛けました、これは冷却のために。そのために大体お塩がこのウランと同じぐらい、百トンぐらい入っております。そういう状態でございますから、この塩とウランとジルカロイで一体どのようなものがこの炉心の中に存在をしているのか。この正体が私にも皆目見当が付きません。付く人は誰もいないと思います、世の中に。そんなような状態であるというふうにお考えいただきたいと思います。  さて、液体でございますけれども、それではどれぐらいかといいますと、今のところ大体数千キロワットぐらいの崩壊熱。崩壊熱というのは、これは放射能のエネルギーのことなんでございますね。ですから、放射能が出ている限りこの崩壊熱というのがあります。それで、数千ぐらいでございますけれども、これをコバルト60という照射線源に換算いたしますと、熱量でいきますと大体十億キュリー。申し訳ありません、古い単位であれでございますが、新しい単位にいたしますと私自身の頭が混乱してしまいますので古い単位でお話をさせていただきます。それぐらいございます。仮に一%水の中に入っているといたしましても、一千万キュリーでございます。  コバルトをなぜ持ち出したかといいますと、大体コバルトは、正確に言いますとラジウムなんですけれども、コバルトは線源で使われている、大体一キュリーで一メートルぐらい離れていますと一レントゲンぐらいの放射能を受けるというふうに、私自身原子力研究所へ入ったときに教わっております。多分、正確に言いますと違うんだとおっしゃるけれども、小さなところは御勘弁を願いたいと思いますし、それで、私自身はよく放射線下の作業を、大体何レントゲンあるな、それじゃどれぐらいだなと思いながら頭で換算をして働いてきていたというわけでございます。大体今の炉心の状況、福島の粗い状況というのは今言ったようなものでございます。  それでは、その次のページを開いていただきたいと思います。参考図、福島エリア、「(戦場)の設定」と書いてありますけれども、戦場と書きましたのは、今から、現在もそうでございますけれども、これは放射線との戦いでございます。私自身は終戦のときと同じぐらいの危機感を抱いているというふうにお感じいただいて結構でございます。  それでございますから、どういうふうなことをやっていただきたいかということが右側に書いてございますけれども、福島のエリアをこれは現在の震災の復興からも分離していただきたい。その理由は、多分それ以外の津波に襲われたところは一年とかそれぐらいの時間があれば回復に向かっていくかも分かりませんけれども、この福島のエリアというのは恐らく今後十年以上の時間が掛かるであろうというふうに思われるからであります。  そうして、二つ目の問題でございますけれども、ここを、申し訳ありませんけれども、日本政府の手で明確に治外法権のエリアとして、原子力屋に対して、私もそのうちの一人でございますけれども、おまえたちが造った原子力発電所が事故が起きたんではないか、だからここのところを元にちゃんと戻しなさいというふうにやっていただければ非常に仕事がやりやすくなると。仕事がやりやすくなるというのは放射能をどけてしまってきれいにしていくという方法でございますけれども、そのようなことをお願いしたいというふうに思っております。  陸圏はどの程度かということを私は測りまして、福島の第一発電所が約一・五キロぐらいの半径を持っているかと思いますけれども、ちょっと余分を取らせていただきまして三キロから五キロぐらい欲しいなということは分かりますが、海の方は、先ほど申し上げました非常に高い放射能が出ていく可能性もありますので少し広くいただきたい。これは放射能を出すというわけではございませんで、今からお話しいたしますが、台風がやってきたり大雨がやってきたりして、好むと好まざるとにかかわらず出ていく場合もございますので、少し広いめにいただいておけば、それから外は先ほども申し上げましたように日本の普通の法律に従ってやっていただいていいわけでございますが、その中のところは治外法権で思い切った乱暴を、放射線的にという意味でございますが、許していただければというふうに考えております。  それから、第二番目のお願いでございますけれども、軍隊組織による収拾が必要だろうと思います。  今は、放射線的にはこのエリアは非常時でございます。こういう非常時になりますと、民主的な方法でやっておりますこと自身が場合によりましては非常に解決を遅らせて物事を混乱させるもとになりますので、政府から全面的なバックアップだけはこれはいただく必要がありますけれども、このエリアの中で司令官と、それからできる限り少ない方がいいんですけれどもこれは参謀を決めていただいて、全ての、例えば東京電力も東芝も日立も、また保安院とて例外ではありません、こういったものはみんなその下の、司令官、参謀の言うことを聞く軍隊組織をつくっていただいて、その司令官はこの領域に関する限りは、失礼ですが菅総理と同じぐらいの対等に話をし合えるといったような形態を取らせていただければ私は解決に向かうのではないだろうか。それぐらいの強い措置をしないと、今度の状況というのを解決していくためには、いたずらに便々と日を送りながら濃い放射能をどんどんためていく、それが海の外に出ないという保証はございません。それでございますので、今のようなことをお願いしているわけでございます。  それから、三つ目でございますけれども、政府はお金は出していただく必要はあると思います。これがどこから来るかは私たちは問いません。お金を出していただきますが、口は出さないでおいてもらいたい。  ちょうどそれに似たようなことが昨日今日、急に報道されましたけれども、これが非常な悪でございまして、特に放射線下の作業をやったことのない人たちは放射線に対していたずらな恐れを抱いております。でございますので、やれることがやれなくて便々と日を費やしていくと、これがかえって全体の不幸につながっていくというふうに思っております。したがいまして、ここのところには、放射線による死亡者等を原子力屋を出しちゃいかぬけれども、おまえたちの手できちんと解決をしなさいといったことを政府から決めていただければというふうに思っております。  その次でございますが、次のページ、四ページ目でございますけれども、今後それじゃ、おまえたちは一体どういうふうなことをやっていくのかというわけでございますが、もちろんこれ、私だけの勝手な意見でございまして、ほかの方はまたほかのことをおっしゃるかも分かりませんけれども、申し上げたいと思います。  まず、状態が一つも分からないということを申し上げましたが、原子炉のある近く、原子炉建屋の中の、今汚れていると言いましたけれども、ロボットが入ったところ、二桁のミリシーベルトの量でございますが、私、しめたと内心思いました。これをきれいにいたしまして遮蔽をやりますともう一桁ぐらい下がりますので、そうすると普通の人間が二百時間とか三百時間、四百時間働けます。  そこへ行きまして、原子炉の状態がどのような状況になっているのか、それから汚水の濃度が一体どうなのか。これは濃さもございますけれども、ウランの訳の分からないものが入っておりますので、みそ汁ぐらいさらさらしているのか、ぜんざいぐらいどろどろしているのか。どろどろしていたんじゃ、これポンプで冷やすなんて言っておりますけれども、こんなのは冷えるわけございません。ポンプがもちません。  そういったようなことをまずテストをしてから、できればステップ二に入りますけれども、溶融炉心の凝固、冷却後固化する。これは、第一ステップとしては水を強制的に回しまして冷やす、これが一等手っ取り早い方法でございますから、まだこれは捨てませんけれども、先ほど言いましたように、物すごい強い放射線、一千万キュリーのものがぐるぐる回っていくわけでございますから、遮蔽もしっかりしなくちゃなりませんし、また塩素を入れておりますので配管等が破断をするというおそれもございます。こういったのをどのようにして解決していくか、この辺りの道筋を付けてから実作業に入っていくということになります。  じゃ、それができなかったらどうするんだということでございますが、いま一つの道がチェルノブイリが取りました方法。今申し上げた方法はスリーマイル島で冷却が成功した例でございますが、チェルノブイリの方は原子炉の溶融した炉心が廊下を百五十メートルぐらいだあっと炉心自身がさらさらになって走りまして、そしてチューインガムの板のような格好になって現在空気でもって冷却されている、固化されてきているわけでございます。  そういったような空冷による固化方法というのも、これも決してできないわけではございませんけれども、その間をいつにするか。今数千キロワットと申し上げましたけれども、これが十分の一になるのは、約十年ぐらい後になりますと数百キロ、十分の一ぐらいになります。そういったような状況になるか、はたまたそれ以降になるかといったものはこの状態を見てみてからということになるわけでございます。  それでは、どういうふうな体制を組まなくちゃならないかというわけでございますけれども、まず、日本の原子力界が現在総力を結集しているとはとてもとても思えません。具体例で申し上げる方がいいかと思いますけれども、日本原子力研究所で今回の事故に対してどういう研究を命じられましたでしょうか、政府としては。私が聞いている範囲では、誰からもそういったような話がないと。ひょっとしたら私の方が間違っているかも分かりません。原子力学会も何も来ていない。私、日本原子力技術協会、これは電力、それからメーカーを代表する組織でございますけれども、そういったところへも何の援助依頼も来ておりません。ということは、日本の原子力の総力というものを全然使っていないということになります。  それから二つ目でございますけれども、今度の解決は世界各国も非常に興味を持っておりますので、国際協力の下で全てのことをやっていかなくちゃならない。これは菅総理もおっしゃっていただいておりますのであれでございますが、原子炉のところで物を見る、その戦場を見るための橋頭堡ができました日から、これはもう国際協力を玄関先をきれいに掃き清めた後はやっていくというふうにしないといけないと思っております。  それから、非常時のルールの使用をやるということで、これは司令官が思い切って、もちろんこれはお医者様にも放射線ですから当然入っていただくわけですが、そういったところで決めていきながらやっていく。通常の放射性物質の管理だとか悠長なことを、ドラム缶の中へ今粉にして入れながら作業をさせておりますが、こんなことをしているからいつまでたっても現場の方が進まないんでございますよ。こういったようなことを改めて、非常時のルールでやっていただきたい。  それから、汚染の状況並びにあれは、時間が参りましたようでございますので、また、今日は放射線の先生方も多いようでございますから、後でまた御質問でもいただきましたら私の意見を申し上げたいと思います。  どうもありがとうございました。

前田武志民主党・新緑風会

○委員長(前田武志君) ありがとうございました。  次に、柴田参考人にお願いいたします。柴田参考人。

柴田義貞長崎大学特任教授

○参考人(柴田義貞君) 柴田でございます。  お手元の資料に従って御説明させていただきます。  本日の説明の骨子ですけれども、そこに書いてありますように、まず背景、それからその次、リスクと安全、安心、それからチェルノブイリ原発事故で何が分かったか、どういうものであったかと、それから放射線被曝リスク推定の現状、最後に福島第一原発の事故に係る喫緊の課題。  私自身は、水俣、それから放影研、それから大学と疫学をずっとやっております。放射線関係も、チェルノブイリとかそういうところをやっていますから、その経験で、どういうことが必要なのか、是非政府にこういうことをやっていただきたいということをお話ししたいと思います。  背景は、その下に五月十八日の共同通信の記事が書いてあるんですけれども、要するに、国際社会に対して、第一原発での事故で放射性物質が拡散し、周辺住民が被曝しているわけで、その長期的な健康調査、これを政府として行っていきますということが約束されているわけです。  二枚目をお願いします。  最初は、リスクというのは、今いろいろ言われているわけですけれども、必ずしも正確に理解されていないと思います。上にありますのは、我々が昨年、それから一昨年、出版した本ですけれども、これは大学院セミナーとしてリスクの専門家の先生に来ていただいて講義していただいたものをまとめたものでございます。  最初の、これからの数枚はリスクについて少し御説明したいと思います。  放射線というのは、人の五感では感じ取ることができなく、特別な測定機器がなければ被曝の有無も被曝の程度も知ることができない。そのために、人々にとって、特に原爆被爆を二回経験した日本では放射能、放射線は怖いものとして受け止められているわけです。  一方、日本では、現在ではよく分かりませんけれども、かつては町中のラドン温泉がにぎわっていたと、そういったところもあるわけで、放射線リスクの目から見るといろいろ問題があるなと思っています。  それで、リスクと安全ということですけれども、安全、安心は極めて重要なテーマですけれども、その客観的な指標はございません。客観的測定が可能なのはリスクです。だから、安全であるというのは判断の問題になる。それが受容可能であると判断されれば安全だということになるわけです。さらに、安心というのは、安全であっても安心しないということはあるわけで、これは心理的な問題、さらに個人の話になる。  例えば、データから見ると飛行機の方が自動車よりずっと安全です。つまり、人フライトというか、何人をどれだけの距離運んだかということでもって測ると飛行機の方が非常に事故のあれは小さいと。しかし、やはり飛行機が嫌いだ、絶対に飛行機に乗らないという人もいるわけで、そういう人は幾ら遠くても自動車、鉄道があれば鉄道を利用されるかもしれないですけれども、自動車で移動すると。そうすると、事故に遭うという確率は非常に高いわけです。  その右の方にありますのが、要するにリスクは三つの領域に分けられると。  まず、リスクゼロというのはあり得ません。一応これ以下であれば受容できるというのが下のところです。それから、今度は上の方は、これ以上の値であればそのリスクというのは決してもう受け入れられない。一番問題になるのが真ん中のところです。真ん中のところが、我慢しなければいけない領域、これをALARPと言っています。できるだけ合理的に実行可能なレベルで下げるというところで、例えば公衆の年間被曝量というのが一ミリシーベルトに定められているというのはそういうところがあるわけです。  今いろいろありますけれども、現在は先ほど石川参考人がおっしゃったように戦場だと思います。つまり非常事態なわけです。非常事態ですから、通常の状態のときのことを要求してもそれは無理なわけなんです。だから、そこでどこのレベルで合意するかということを考えないといけないというふうに思っています。  次の、三枚目を御覧ください。  上の図は、年間死亡者数の技術的な推定、技術的な推定ということは、データに基づいて推定したものです。縦の軸は、これは一般の人がどのぐらい死亡するかというふうに推定するというものを書いています。これを見ますと、例えば一般人は、ボツリヌス中毒死など、実際に非常に起こらない、リスクが小さい、そういったものを実は実際の値よりは高く評価している。一方、脳卒中とかそういった、右の方を見ていただければお分かりだと思うんですけれども、それは実際、高いリスクのものは実際の値よりも低く推定しがちであると。これがリスク認知の一次バイアスと言われているものです。  同じところの下の図ですけれども、これはノーベル経済学賞を受賞しましたカーネマンとツベルスキーという人のプロスペクト理論によるやはり人の確率の認識のことを書いています。確率がゼロというのは、絶対起こらない。それから、確率が一というのは必ず起こるんです。それは、ゼロはゼロ、一は一です。しかし、ゼロより少しでも大きい、そうなると、実は実際の、そこに直線が書いてありますけれども、その値が理論的な値で、それよりは大きく認知する、大きい値と思う。一方、確率が大きくなってくるとそちらの方は低くなる、低く考えがちだということで、そういう傾向があるんだというんです。  ちょっと時間がありませんので簡単に以下御説明しますけれども、まず科学的方法というのは何かというのはこの図です。そのポパーの科学的研究方法というのは、広く今は受け入れられています。だから、科学方法論というのはこういうふうにやるんだと。私自身、そういう立場でこれまで研究をしてきている。しかし、研究者はいろいろな方いらっしゃるわけで、こういう方法を否定するというか、別の考え方をされる、そういう方とはなかなか話がかみ合わないという状態になっています。  次の四枚目を御覧ください。  上の段には、因果関係のための観察的基準。要するに、例えば放射線のリスクはどのぐらいかというのは、人間を対象にした場合には、実験はできませんから全て観察をしていかないといけない。そこのところで、ここに六つ挙げてあるわけですけれども、まずは時間的順序。これは、原因は結果に先行しなければいけない。ここで注意していただきたいのは、原因は結果に先行しなければいけないんですけれども、原因の後に結果が起こったときに、その結果は全てその原因によるものだという議論が往々にして起こるわけです。それは、ポストホックな議論として、実はもうアリストテレスの時代に否定されているわけです。実は放射線の領域ではそういった話が非常に多くて、話が混乱しているというふうに思っています。  それから、四番目に生物学的勾配というのが書いてあります。これは、要するに、量反応関係が認められるということであれば、原因、結果の関係が少しは支持されるということです。下の図は、私たちは一九九一年から二〇〇一年までチェルノブイリ周辺で児童の検診をしてまいりました。最初の五年間で十六万人の児童を検診した。それを、十二万人のデータをまとめたものを報告しています。その後の五年間では、もう少し原因が何かということを突き止めるようなデザインでやったわけです。  ここにその当時の汚染レベルが書いてありますけれども、実は先月、キエフでチェルノブイリ二十五周年の会議に出てまいりましたけれども、汚染レベルは余り変化していません。つまり、一旦汚染されるとなかなか元には戻らない。ただし、私たちはそこの黄色いところでずっと働いていました。それで、赤い部分も時々は行っていますし、その辺に子供たちも住んでいるわけです。しかし、そこで発見したのは、いわゆる甲状腺がん、甲状腺疾患については明らかに増えている、甲状腺が影響されているということは分かりましたけれども、白血病とかほかの病気というのは今までのところ見付かっていません。そういうことで、被曝すると非常に危ないんだということになるわけですけど、実は程度の問題で、それによっていろいろ変わってくるということ。  ちょっと、最後、時間が足りないようですので、次のページを御覧ください。  五枚目の下ですけれども、これが実はABCC、放射線影響研究所が被爆者集団を追跡するときに設定した集団の選び方です。そこに適格性条件とかそういうものを書いています。これは一九五〇年の国勢調査で調べた人が二十八万四千人、その人を基に選んでいっていると。  それで、六ページを御覧ください。  上の方は、実はこの選んだ集団の中で二万人ぐらいについて非常に詳しい調査をして、どこで被爆したか、家屋内であればどういうところにいたか、あるいはどういう方向にいたかとか、立っていたとか座っていたとか、そういった情報を全部集めて、それをデータベースとして収納して、それを基にその被曝線量をどんどん更新していって、最近は二〇〇二年のDS02という一番最新の推定値、これを使って放射線被曝とそれからがんとかそういうような健康リスクとの関係を出している。それがUNSCEARとかあるいはICRPで利用されているという状況です。したがって、国際的に通じるようなデータを出すためにはしっかりした調査をしないといけないということです。  この下の方ですけれども、これは左上は線量反応関係を示しています。それから、よく百ミリシーベルトは影響がないんだというふうに言われていますけれども、その理由は、右側の表のところにあることが一つは理由になっています。しかし、こういうものは、その下に書いていますいろんなモデルを使って行うということで、私、ちょっと時間が来ましたので、この辺りはまた後で御質疑に答えたいと思います。  それで、七ページはちょっと飛ばしますけれども、原爆被爆とそれからチェルノブイリの場合に被曝の態様が全く違うということで、実は結果も全く違っているということが分かりました。  最後のところですけれども、福島第一原発の事故に係る喫緊の課題です。  まず、速やかな低温停止とそれから放射性物質の封じ込め、これをまず行っていただかないと、その後はできない。それから、土壌汚染地図の作成、公表。それから、福島県全体が汚染されていることに鑑み、事故処理従事者のみならず全県民の健康影響に対する不安を解消し、早期発見、早期治療の体制を整備する。次に、風評被害と精神的影響への対応。  それで、そういう体制を整備するに当たっての留意点ですけれども、先ほどからちょっと急いで御説明しましたけれども、まず大事なことは対象者の選定。それから、長期追跡が不可欠となるため、恒常的な公的調査研究機関の設立。これは、今既存の研究施設にいる人を集めて何かやっていけば済むというようなものではありません。原爆以来と言ってもいいぐらいの事故ですから、その被曝者というのが非常にたくさんいる。そういった人をきちんと追跡するためにはこれがどうしても欠かせない。そのためには追跡のための行政支援が必要。  そして最後に、被曝医療に対するオールジャパンの支援。これについては広島、長崎、この経験をフルに活用して、そして全国的あるいは国際機関との関係で行っていきたい、このために是非必要な予算措置をお願いしたいと思っております。  以上です。

前田武志民主党・新緑風会

○委員長(前田武志君) ありがとうございました。  次に、大野参考人にお願いいたします。大野参考人。

大野和子京都医療科学大学教授

○参考人(大野和子君) 京都医療科学大学の大野和子です。  今日は、このような席にお呼びいただきましたことを委員長始め皆様へ御礼申し上げます。  私自身は、放射線科医師として診療と教育に当たる傍ら、日本医学放射線学会の防護委員として、これまで五百名以上の市民の方々の放射線不安に対する質問にお答えしてきました。福島原発事故災害直後に発表しました私ども学会のホームページには、サーバーがダウンしかけるほど、とても多くの方がアクセスしていただいています。今回は、これらの経験を基に、まだ若輩ではございますけれども、意見を申し述べさせていただきますので、先生方の参考にしていただければ幸いでございます。  まず、一ページ目の下にある写真は、レントゲン博士がエックス線を発見したおよそ四十年後にドイツのハンブルクの病院に建立された慰霊碑です。たくさんの名前が刻まれていますけれども、大半は医師と放射線技師、看護師です。しかし、医学における放射線の圧倒的なすばらしさを前にして、医療関係者はひるむことなく患者さんのために放射線の利用を続けて、装置を改良して今日に至っています。現在まで百年以上に及ぶ努力があって、医学における放射線利用を通して、放射線の人への影響、例えばどれくらい浴びれば皮膚にやけどのような症状が出るのか、そういったようないろいろな症状がかなり細かく分かってきております。  二ページ目をめくっていただけますでしょうか。  医学における放射線利用を基にした発がん性に関する研究もあるんですけれども、発がん性に関しては、やはり原爆被爆者の被曝線量とがん死の危険性との関係というのが世界中で最も信頼されている放射線影響の情報です。結論から申し上げますと、たくさんの放射線を受けるとがんになる人が増えるのですけれども、少しの放射線ではがんは増えていません。  その下の表は、チェルノブイリ原発事故のことを関連してちょっと載せさせていただいたんですけれども、チェルノブイリ原発事故の一番の影響というのは、出生率の低下というふうに考えています。これは、私たち医療関係者が今回の福島原発災害事故後すぐに気が付きました。今回最も心配していることです。医療では、お母さんの健康を守って丈夫なお子さんを出産していただくために、妊娠中でも安全に放射線検査を受けていただいています。それは、人で形態異常や精神発達遅滞、差別用語になりますけれども御理解いただくために申しますと、奇形ですとか少し知恵遅れになるということが発生する危険性が増加し始める範囲というのは明確に分かっています。これが百から二百ミリシーベルトの範囲です。ここを超えなければ危険性というのはございません。  もう一枚めくっていただけますか。  同じように、ICRPの勧告八十四、妊娠と放射線という中に収載されている複数の疫学調査結果をまとめました。放射線を大量に使わなければ検査ができなかった五十年近く前の調査結果も含まれていますから、検査の線量が百ミリシーベルトという、今では全く信じられない結果もあります。それでも、小児がんの発生は増えておりません、疫学調査上増えておりません。  さて、そのほか原発災害に関係する私の意見を述べさせていただきます。  まず、ホームページに寄せられた質問などから感じましたことは、第一に、受け手が誤解しないかということを確認しながら情報を発信していただきたいんですね。誤解のある場合には、漸次、その都度改定して正確に情報を流し直していただきたいと思います。  例えば、直ちに影響の及ぶということを何回もおっしゃったときには、一体いつがんになるのかという質問がたくさん来ました。ですから、現状が今後一年継続するという、ちょっと考えられないけれども、そういうことを仮定したとしたらというふうにお話しいただければ、この疑問はなかったような気がします。  それから、水のことが問題になりましたときも、ミルクの調製用の水ですね、数字も覚えていらっしゃると思うんですが、百ベクレルという数字が出ました。そうしますと、子供には水道水を飲ませてはいけないのかという質問がたくさん来ました。でも、これは違うんです。ミルクを主栄養とする離乳前の乳児というのがあの基準のところですね、専らミルクしか飲まない、ですから水がそのまま被曝の原因になってしまうということです。通常、医学でも乳児というのは一歳までを申しますので、ここはもう少しきちんと説明をしておくべきだったのではないかというふうに感じています。  もう一枚めくっていただけますでしょうか。そのほか、市民の皆様が混乱した事例を申し上げます。  情報公開が必要ということで、いろいろな数値を公表していただきました。しかし、善後策がない公表というのもございましたので、本当にたくさんの混乱を生みました。例えば、何ベクレルだから出荷停止にしましたという発表なんですけれども、こういう否定的な言い方をしますと理解がしにくいんですね。あれは駄目これは駄目と言いますと、子供はめちゃめちゃ反発します。同じことです。多くの否定的事項というのは反発を大人でも生みます。何がいいのかということを伝えてください。例えば、出荷停止と言わずに、今お店で売っているものはみんな安全、安心なんですよ、安全性が担保されていますということをお伝えいただくべきだったのではないかと思っています。  それから、農業とか漁業関係者、かわいそうな目に遭っていらっしゃると思うんですけれども、適切な情報を先回りして提供していただいた方がよかったのではないかと思っています。と申しますのは、チェルノブイリ、日本人がたくさん調査に行きました。ですから、ある程度のことが分かっています。チェルノブイリのときも、キノコ類という、マッシュルームはたくさん放射性物質を取り込むということが分かっていました。それから川の水ですね、深く沈んでいくのではなくてしばらく上の方を放射性物質が漂っていたという情報も後で教えていただきました。もしそうであれば、この葉物野菜、キノコ類ですね、放射性物質が漂う浅い海域でこの時期急成長する小魚、浅い海域にいて浅い海域のプランクトンを食べるときに一緒にいっぱい放射性物質を食べてしまう小魚、そういったものを漁師さんたちが捕ってしまったら、それはもう出荷停止になってしまうに決まっているわけですから、そういう情報をなぜ早めに提供できなかったのかなということは少し悔やまれます。  それから、多くの方が間違えていらっしゃるのが、線量限度が安全と危険の境界域だと思っていらっしゃることです。  放射線従事者も一般公衆も同じ人間です。放射線従事者が特別放射線に抵抗性があるわけではありません。私自身も、実際に診療して、多いときですと一日で四十マイクロシーベルトぐらいは浴びます。でも、それで普通にしております。別に私が化け物というわけではございません。従事者の線量限度以内の放射線量であれば五十年間継続して浴びても問題はないという基準をたくさんのデータを基にして作って、安全域を設けて作った値です。  それから、妊娠をすると放射線従事者としての線量限度が低くなります。これは、おなかの赤ちゃんの浴びる放射線量が一般公衆と同じ範囲に収まるようにするという、つい最近できた考え方です。母親の職業にかかわらず、生まれる前に子供が浴びる放射線量は皆同じにしましょうという国際的な考え方に基づいています。赤ちゃんへの健康影響を考察する必要が生じるのは、この線量限度値の百倍を浴びた場合になります。  もう一枚めくっていただけますでしょうか。  今回は、放射線という日常生活上はなじみのない事柄でしたから、放射線に関係する専門家が情報を提供しました。でも、専門家から聞いた表現そのままでは誤解を生む可能性が高いと思います。コミュニケーターが絶対に必要になります。  と申しますのは、放射線科の常識というのは普通の人の非常識のことが多いんですね。例えば、あらゆるものに放射性物質が含まれていると学校で習っている方というのは本当にごく僅かです。義務教育ではこのことは教えなくていいことになっていると思いますので、ほとんどの方が御存じありません。私たちが用いる汚染という言葉は、放射性物質の量が通常より多い場合を汚染と申しますけれども、まるで汚らしい、汚れているというような感覚をお持ちになるのではないでしょうか。  それから、専門の用語が非常に多いです。シーベルト、グレイ、ベクレルですね、等価線量、実効線量、吸収線量。耳慣れない言葉を聞いたときというのは、そこで思考回路が一瞬止まります。日本医学放射線学会では、非常に大変なんですけれども、患者さんの放射線に対する御質問に関しては、単位、数値をできる限り使わないで納得していただける方法ということを心掛けて周知事項にしております。  その下のところなんですけれども、このような今お伝えした混乱を今後どのように解決していくかということに関する私の意見です。  まずは、少ない専門家です、本当に少ない専門家ですから、効率よく使ってください。放射線というものを使っている人間はたくさんおりますけれども、放射線の防護ですとか安全利用の専門家というのは本当に少数です。個々の、それぞれの専門家の分野というのが、医学ですとか、生物、原子力工学など多種多様になりますので、分野の異なる専門家を集約しませんと、数が足りませんし、正しいことができません。お互いの知識を補い、より正確な判断ができるように、是非分野の異なる専門家を集約させていただきたいというふうに思います。  それから、これからの一般の混乱を防ぐため、教育、研究への支援をよろしくお願いいたします。先ほども申し上げましたけれども、義務教育では理科教育の充実というのがもう決まっておりますけれども、その中で実際に放射線教育を取り上げようと思っていた学校はごく僅かと伺っております。難しいから教えにくいということが理由だったようです。ですから、放射線教育が確実に実施できるような、そういうような援助をお願いしたいと思います。  また、放射線に関心が高まっておりますけれども、市民は学校教育でそういうことを習っていません。ですから、市民への継続的な啓発活動にも予算を割いていただきたいというふうに思っています。  それから、既に二〇一〇年度の放射線審議会の提言にございますけれども、医師の卒後放射線研修の充実。医師というのと歯科医師だけが人様に放射線を当てるということを許された職業です。診療放射線技師も当てますが、彼らは医師が決めた範囲内だけを指示に従って当てるという行為をするだけですから、実際に人に被曝をさせる、言葉が悪いですけど、人に放射線を当てる医師の卒後研修を充実させる必要があります。  それから、患者さん、市民に最も今回寄り添ってくださったのは、看護師さん、保健師さんです。ところが、看護師養成課程には放射線教育というのが義務化されておりません。学校で習いませんから、義務教育で習わないということは、看護師さんには放射線の知識はごく特殊な講習会に出ていただいた方以外ないということになります。  それからもう一つ、既に二〇〇四年の原子力安全委員会低線量影響分科会の報告というのが出ておりました。放射線生物など基礎研究を充実させておかないと何かあったときに本当の意味というのが分からなくなる、研究費を付けてください、お願いしますという提案がなされておりますけれども、二〇〇四年からですから、もう八年ですか、予算が増えたという話は伺っておりません。  その後、もう一ページめくっていただけますでしょうか。  そのほかにも先生方にお考えいただきたい問題というのがございます。食品ですとか流通する商品に関する混乱に対してです。  食品とか、長期間放射性濃度が高いということが分かったところで作られた商品、そういうことに関する放射線の基準というのは、実は国際的にはもうかなりのものができ上がっております。でも、日本独自の商品というのもありますし、日本独自の食べ物というのもございます。ですから、日本人が納得できる考え方で整えていく必要がある。もちろん、国際的な整合性を合わせた中で私たちが納得できる基準というのをお作りいただきたいと思います。  それから、現状認識の混乱がございます。  先ほど、私の右側お二人の参考人の方は緊急時というふうにおっしゃいましたけれども、学校が始まったということは既に復興時だというお考えの方もいらっしゃるやに聞いております。ここは緊急時、ここは復興時、例えば私の住んでおります関西は平時というようなことを国の中で分けたらどうなりますでしょうか。皆さん平時の方にお金と時間的余裕があれば動こうとするのは当然のことです。ふるさとを見捨ててしまいます。ですから、国として一つの基準にまとめていただきたいというのが私の願いでございます。今がどの時期かという見解を逐次公表していただいて、その状況に見合った対応を説明していただく必要があるんじゃないかなと思っております。  その下の絵ですけれども、今の生活圏の放射線影響というのは生物学的に考えれば十分安全です。人が生活していいと言われているところは十分安全です。でも、放射線量が増えたという環境の変化を皆が認識できるかということは別問題です。国民への粘り強い説明による理解の集約というのが今後の課題であろうというふうに考えています。  それから、少し時間が押しておりますけれども、多分、原発事故の避難訓練、原発事故を想定した避難訓練の際に、私が初めて医師としてオフサイトセンターに医療班として国から要請を受けて外の者として参りました。そのときに感じたことを申し上げます。  これからお願いしたいことは、原発事故の避難訓練、これを是非見直していただきたいんです。  当日の気象状況、臨機応変に、変化します、それに合わせて地元の方が計画を立てるということは、今現在そのスキルがありません。ですから、スキルが付くまで徹底的に教育をしていただきたいと思います。それから、住民の方にも、すごい大きい事故で屋内退避しなくちゃいけない、避難しなくちゃいけない、そういう訓練というのは余りなされていません。それから、人々の安全確保のために避難指示などが二転三転して当たり前だと思うんですね、情報がないわけですから。ですから、それが、政府が何回変えても、私は、納得のいくことであればみんな付いていきます。ですから、皆が認識するようにしていただきたいと思います。  原発地域への教育プログラムというのを作成してください。例えば今回、安定沃素剤、本当に悩んだと思うんですけれども、全く無意味な使われ方をしました。それはなぜかというと、チェルノブイリのときにたくさんの子供たちが飲んでひどい副作用が起きています。そういったことで医師が指示出しをすることになっています。そういった情報が届かなかったというのは残念ながら事実でございます。  最後は、僣越なんですけれども、私からの申し上げたかったことのまとめです。  人々が何を心配しているかを把握して、冷静な判断を可能にするため必要な情報を私たちが理解できる言葉で提供してください。市民生活を制限するときは、その弊害の大きさと制限というのをてんびんに掛けて判断をしていただきたいと思います。患者さんというのは、医師が考える治療方針と全く違うことを望まれる場合も多々あります。ですから、今回も同じだと思うんですね。目の前の個人が納得できる段階的な対策を考えてください。基準値というのは放射線の影響量ではないということを人々が理解できるように説明をしていただきたいと思います。  チェルノブイリもジェー・シー・オーも、心の傷が一番大きな問題になっております。一度生まれた不安というのは、後からどれほど情報が入って頭で納得しても消すことはできない不安感情として残ります。ですから、議員の先生方の英知でこれからの私たち国民、特に福島原発災害の被災者をお守りいただきたいと思っております。  以上です。ありがとうございました。

前田武志民主党・新緑風会

○委員長(前田武志君) ありがとうございました。  以上で参考人の意見陳述は終わりました。  それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。

米長晴信民主党・新緑風会

○米長晴信君 参考人の先生方、本日はお忙しい中、貴重な御意見とそして情報をありがとうございました。民主党の米長晴信と申します。  では、早速質問に入らせていただきます。  矢ヶ崎先生は、内部被曝の脅威と、またその対処が必ずしも十分に行き渡っていないというような御意見賜りました。今回の福島の原発、拡散している中で、例えば具体的に、今内部被曝を受け得る可能性というのは具体的に例えばどんな例があるか、教えていただけますでしょうか。

矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授

○参考人(矢ヶ崎克馬君) 内部被曝は、飲み込んだり吸い込んだり、放射能のほこりがずっと生活空間に漂っておりますので、まず放射能のほこりを含んだ空気を吸い込んでしまいます。それから、もちろん食べ物に汚染が広がっておりますので、汚染された食べ物を食べることによって内部被曝が進みます。  内部被曝は外部被曝とちょっと性質を異にした評価方法をしなければなりません。外部被曝は線量だけでいいんですけれども、具体的に体の中に入った沃素がどれだけ、あるいはセシウムがどれだけということを、体の中にどれだけの期間含まれるかという、そういうことを考慮して被曝量が計算できますが、例えば一千万分の一グラムの放射性沃素を体の中に八日間ため込んでしまった場合には、何と一シーベルトというそういう高い値が出ることを計算上確認しております。

米長晴信民主党・新緑風会

○米長晴信君 ありがとうございます。  空気中の放射能を含んだほこり等を吸い込むというのが内部被曝を受ける原因の一つともいうことですけれども、例えば汚染された土壌がありまして、それが風とか砂ぼこりで舞い上がって、それを吸い込むということで内部被曝を受ける可能性というのもあるんでしょうか。

矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授

○参考人(矢ヶ崎克馬君) もちろんございます。今の状況はむしろそれが、飛んでくる量のほこりを吸うよりも舞い上がったものを吸う方がより数量的には危険になっているんだろうと思います。

米長晴信民主党・新緑風会

○米長晴信君 ありがとうございます。  もう一つ、先ほどの御答弁の中で、体の中に入って放射を受けるその時間に被害が積算するというようなことを伺いましたけれども、そうなると当然、同じ人体でも余命の長いといいますか、子供の方が被害を受けやすいというふうに思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。

矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授

○参考人(矢ヶ崎克馬君) 放射線の原理が遺伝子の切断というようなことをもたらしていきますので、細胞分裂が激しい赤ちゃんほど非常に被害を受けるものでございます。  そして、内部被曝、単に子供がミルクを飲んでミルクの中に含まれる放射性物質によって内部被曝を受けるだけでなくて、お母さんの胎内にあるときにお母さんの内部被曝をした放射性物質が胎盤を突き抜けて赤ちゃんのところに直接達してしまうと。非常に細胞分裂が激しい赤ちゃんの成長過程に今の分子切断が入ってくるものですから、むしろ胎児の方が非常に大きい影響を受けると考えております。

米長晴信民主党・新緑風会

○米長晴信君 ありがとうございます。  細胞分裂が激しい、より低年齢の方がその被害が甚大だというお話でしたけれども、ここで、子供ということで、学校の敷地、これをどういう基準を設けるかという問題がございます。  文部科学省の方では学校等の校舎、校庭等の利用判断に係る暫定的な考え方というのを発表しておりまして、ざっくり言いますと、基準というのが二十ミリシーベルトだと、それをパーアワーに直すと三・八マイクロシーベルトだということに今なっておりまして、いろんな指摘を議員とか専門家がしてもなかなかその基準自体は覆っていないという状況なんですけれども。その基準のベースとなるものが、ICRPの基準によって、緊急的に避難と、緊急的な数値というのが百から二十ミリシーベルトと、その下限を取って二十。そうでない場合は二十から一というまた基準があって、ただ、今はその二十に合わせて校庭を二十ミリシーベルトという一定の水準にして今授業を実際に行わせているということでありますけれども、先ほど冒頭の方で私が質問させていただいた、土壌が汚染されていたら砂ぼこりが舞ってとか、子供はより身長が低いわけですから、よりそのリスクは高いし、内部被曝ということを考えると、外部被曝と違ってより将来にわたって深刻な影響を受け得るというようなことからして、果たして、例えばICRPのこの数値を取って今の形で基準を設けているこのやり方といいますかこの判断、これについての御意見を賜りたいと思います。

矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授

○参考人(矢ヶ崎克馬君) 具体的にお答えする前に、私が、三月の末に福島に、現地に入ってまいりました。そのときに幾つか非常にびっくりしたことがございますが、学校の避難マニュアルを見せてもらいましたが、その中に、避難マニュアルというのは原子炉の事故が起こったときの避難マニュアルでございます、これの中身は地震のときの避難マニュアルとほとんど同じものがありました。  それで、私がびっくりした中身は、子供たちに放射能のほこりがいっぱい降り注いでくるものですからマスクをさせる、それから、ほこりをよけるために帽子をかぶせる、ビニールのかっぱを着せる、あるいは放射線の積算バッジを付けさせる、そういった個人の命を守るという、そういう具体的な避難の方法というのは全くございませんでした。  ICRPは、先ほども述べましたけれども、原子力発電運営のための都合と人間の健康をてんびんに掛けているものです。したがって、もしICRPの勧告に従って何ミリシーベルトかというようなことを政府が実施する場合でも、必ず、具体的な住民の被曝回避、どんな方法で被曝を回避するか、この施策をきちっとやることが前提になってそういう数字をいろいろ云々することは可能になると思います。でも、これが、住民の命を守る施策というものがほとんどなされておりません。そういう意味で、この今の状況というのは、原子力発電所の事故の都合と人間の命、どちらにてんびんを掛けるかという、まさに通常一ミリシーベルトを二十ミリシーベルトに上げるということ自体が、人間の命は捨ておいて事故処理の緊急事態だからという、そういうことだけで突っ走っているような印象を私は受けます。  ですから、二十ミリシーベルト云々という値がどうであるかということよりも、その考え方、主権在民といいますけれども、その考え方そのものからして大変違和感を覚えているものでございます。もちろん、一ミリシーベルトといっても、これ安全だ云々というふうなのは外部被曝しか見ない方が言っている言葉でございまして、内部被曝をする場合には、とてもでないですけれども集中した被曝が一ミリシーベルトというところで起こると、決して捨ておけない重大な結果になります。  以上です。

米長晴信民主党・新緑風会

○米長晴信君 ありがとうございました。  国とか関係機関の都合ばかりが考えられていると、子供の命の安全というのがないという御指摘だったというふうに思いますけれども。  これ、今日の文書なんですね、本日、文部科学省から出された、こういう指摘を踏まえて、じゃどういう対応をしているかという今日の文書なんですけれども、はしょりまして、校庭、園庭で毎時三・八マイクロシーベルト以上の空間線量率が計算された学校について、学校内外での屋外活動をなるべく制限することが適当であるとしていると。つまり、具体的にマスクしろだとかそういうのをなしに、できるだけ屋外にいるなというような、極めて学びの場としては、それは外で運動するだろうし、あるいは休み時間、外で、校庭で遊ぶだろうし、校庭を往復して通学もするだろうし、そういうのを一々気にしていたら子供が健全に学ぶ場としての学校が私はある意味機能してないんじゃないかと、そんなことを心配しながらということでないと思うんですけれども。  この際、せっかくの御意見の場ですので、そういった後の対処、大量に避難しなきゃいけないとかなんとか、そういう部分はおいておいて、純粋に、先ほど先生がおっしゃったように子供の命、安心、安全を守るという観点で、じゃ例えば具体的に基準をどうすべきか、どういう対処を国としてはすべきかという御提言をいただきたいと思います。

矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授

○参考人(矢ヶ崎克馬君) 実際の社会生活も考慮すれば非常に難しいところがあると思うんですが、日本に安全な場所がある限り、子供たちは安全なところで教育をさせる、その工夫を最大限取るべきであると思います。  例えば、バスで一時間、二時間、そのくらい移動したところで安全な場所が確保されるならば、朝一時間目を犠牲にしてもスクールバスで子供たち全員を安全な場所に行って勉強させる、最後の時間を犠牲にしてでもそこからスクールバスで家まで帰すと。そういうような、いかに子供たちの教育そのものを安全に行うかという、それを知恵を出して是非実施していただきたいと思います。  既に一ミリシーベルトで抑え得るというような基準はもう福島全域で駄目になっております。そういう状況の中でまだ子供をそこに押さえ付けるということ自体は、子供の今後の成長にとってもう非常に取り返しの付かないダメージを与えるおそれがあると考えています。ですから、これと並行いたしまして、妊婦の方あるいは病人の方、そういった方に食べるものからの汚染をどれだけ低くするかというような具体的な配慮がなされて、住民を被曝から守る手だてが政府として実施できるものと思っております。

米長晴信民主党・新緑風会

○米長晴信君 ありがとうございました。  それでは少し議題を変えて、次は石川参考人に伺いたいと思います。  三月十一日に大震災が発生をしまして、その後、例えば、菅総理が現場へ行く行かない、ベントするしない、海水注入したのかしてないのか、まあそんな情報の錯綜が今日もしておりますけれども、昨日、今日に至ってもしているという非常にゆゆしき事態だと思います。  当委員会でも、そもそも菅総理が、十二日、翌日に現場に行ったことが是か非かと、そんな議論を徹底的に議員の皆さんさせていただきまして、まあどちらかというと指揮者としてここに残るべきだというようなリーダーシップ論的な部分はあったと思うんですけれども、それ以上に、まずベントをするしないという判断を早急にしなければいけない、翌日の十二日にはもうその判断が迫っている。結果的にそのベントするしないということしたことで炉心溶融止めれなかったということが推測されているわけですけれども、まずはベント、ベントするしないという判断は、すなわち最悪の、本当に最悪の大惨事を避けるための行為であって、その行為自体はやっぱりもう究極の判断であって、要するに汚染された空気を排気してまき散らすということですから、その判断はやるかやらないかという決断も含めてやらなきゃいけないと。震災直後の翌日にはそういう緊張した現場だったというふうに思います。  そこで、菅総理自身が行く行かないというのもありますけれども、菅総理がその現場に行くと、作業員も元々おられるでしょう、あるいは随行の人間、警備の人間、警護の人間、取材、いろんな人を巻き込んで、物すごく危険な現場に生身といいますか、防護服着ていないような人が行くという、本当にその現場の当事者が何かあれば被曝してもおかしくないというふうに私は推測をするんですけれども。  石川参考人の方には、これまでの間、この原発の建物をどうすべきかというような、何の打診もなかったということですけれども、そこであえて伺うんですけれども、その私が言った状況、十二日の状況において、石川参考人でしたら、総理であれ誰であれ、現場に行くという人間に対してどのようなアドバイスをされますでしょうか。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) なかなかお答えしづらい質問をいただいたかと思いますけれども、まずは、ベントをしなければ炉心の溶融はもっと早かったであろうと思います。なぜならば、原子炉が圧力を持っておりますから、消防のポンプごとき小さな圧力のもので水を入れることはできません。これは圧力を高くしないと水は入りませんですからね。ですから、ベントを早くしなくちゃならなかったという今のお話というのは私は正しいと思います。  それから、菅総理が行かれた行かれないということはちょっとおきたいと思います。と申しますのは、もし今のようなお答えを完全にやるとすれば、何時何分ぐらいに何が起こって、どう何してというようなことを完全に調べないと私としても間違ったお答えをすることになっておりますけれども、先ほど申し上げました、一番福島第一発電所をよく知っているのは、責任上からいきますと、そこの所長がよく知っているわけでございます。菅総理は、伝え聞くところによりますと、勉強をしに行かれたというふうに聞いておりますけれども、原子炉を知らない方の指令に福島が従っていたということが、私はその状態がおかしかったんではないかと思います。その組織体ですね、そういうところが問題でありまして、菅総理自身が行かれた行かれないということは、ちょっと私にとっては、データを全部いただければお答えいたしますけれども、ちょっと直接はお話今はできません。

米長晴信民主党・新緑風会

○米長晴信君 ありがとうございました。  本人のこと以前に、まずその行為を許してしまった関係各位が問題があったということだというふうに思いますけれども、そういう意味では、今回それを判断すべき、当事者でいうと東京電力、あるいはそれを評価すべき原子力安全委員会、改めて同じことをお伺いしますけれども、それらの判断というのは、御覧になっていかがでしょうか。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) 私自身、福島と東京との間、茨城県東海村の近傍、ちょうどど真ん中でございますが、そこに住んでおります。したがいまして、地震の以降三日間、停電のところでラジオだけで聞いておりました。したがいまして、十二分な判断資料というのはテレビを見ておられた皆さんよりは少ないと思います。テレビを見てびっくりして、一番下にあります論文を書いて炉心は溶けているぞという警告をまず出したわけでございますから、ラジオだけでも十分だったかもしれませんが、そのラジオで聞いている限りにおいては、非常にこの判断、一週間ぐらいまでの、電気が福島へ来るまでのことも遅かったし、それ以降は余計遅い、ぐずぐずしていると思っております。

米長晴信民主党・新緑風会

○米長晴信君 ありがとうございます。  あと、超法規的にこの現場を押さえてこれを正常化すべきだというようなお話も伺いましたけれども、私から見て、最悪また大爆発が起きて放射能を世界中にまき散らすというようなことは今抑えられているという話ですけれども、ただ、それを例えば抑えるための冷却水、あるいは元々中に入った液体、これが数値が予測以上に減っている、ここから漏れているかもしれない、あそこから漏れているかもしれない、あるいは蒸気はどうなんだということで、まあ大惨事の危険性はないかもしれないけど、安定的に放射線が漏れているというような状態のような雰囲気を恐らく有権者の皆さんも持っておられると思うんですけれども、その辺をいかが御覧になっているか、あるいはその対処、今の取りあえずの対処というのをいかが見ているか。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) ちょっと一番最後の方の取りあえずの対処というのはどういう意味でございましょうか。

米長晴信民主党・新緑風会

○米長晴信君 今の例えば工程表に従った対処ということで。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) はい、対処で。どうもありがとうございます。  まず一番初めのお話の、現在のところ余り大惨事のようになっていないんではないかとおっしゃられるのは、そのとおり、私はむしろ、しかし目下小康状態を得ているというふうに考えております。と申しますのは、気体の方に出ていく放射性物質ですね、これは先ほど申し上げましたような理由で、百度C以下で、もう出るものは出ておりますので、これ以上もう余り出ないであろうと。もし出るとしますと、今のまだ発熱が数千キロワット、この小さな中で起こっておりますから、そこから出てくるのは、蒸気の泡にくっついて放射性物質が出ていって、それが外に出ていく。その蒸気がお日様のところで消えてなくなってしまって、パーティクルといいますけれども、それが近所におっこちているというところが心配なんでございますが、これはプルトニウムでありウランであり、それからストロンチウムでありコバルトでありといったようなものでございますが、どうも今聞いているところでございますと、福島第一の方の土壌の方の汚染も若干安定若しくは減っているやに、これはうわさでございますので正確とは言えませんが、聞いておりますから、陸圏では小康状態を得ていると思います。  ただ、海の方では濃い廃液が、先ほど申し上げましたように、これはじゃあじゃあじゃあじゃあ水をぶっ掛けている限りは、それより、発熱量よりも多いめに水をぶっ掛けておりますので増えていっているわけでございますね。それが、今からの梅雨、台風、そういったようなところで、いつあふれ出さないとも限らないというところを私は非常に危惧をいたしております。  それから、いま一点、今日はちょっとお話しする時間がなかったんでございますけれども、四号炉のプールの問題がございました。燃料でございますね。  これは今冷やしている、冷やし始めたようでございますので、若干これも小康状態を得ておりますが、アメリカが一番心配をしておりましたのは、あのプールの冷却水がなくなって溶けてしまいますと、これは放射線の、今の原子炉の方は、まだそうはいいましても格納容器とか原子炉建屋とかいうそういう放射線のバリアがあるわけでございますが、バリアがほとんどない、爆発で壊れているところで炉心溶融と同じようなことが使用済燃料のところで起こりますとこれが心配だというんで、三月の二十日過ぎは非常にオバマ大統領も心配されたということを申し上げておきます。  こちらの方も決して、心配ではないんだ、放射性物質が空気中に出るということは余り心配ではないかもしれませんけれども、その二つの心配が今あるということを申し上げておきたいと思います。  それでよろしゅうございますでしょうか。

米長晴信民主党・新緑風会

○米長晴信君 ありがとうございます。  あと、石川参考人の方からこういったことを作業すべきだという御提言がありましたけれども、今現在のその対処、インフラですとか、例えば周りの瓦れきの除去の状況だとか、あるいは安全な建屋造ってそこで寝泊まりする、いい環境で寝泊まりして、そことの専用道路で行き来楽にするとか、そういう最低限のインフラと、あとはそれに従事する作業員の数の確保という部分、その観点から今十分と言えるのかどうか、どうすべきかどうかというのを教えていただきたいと思います。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) ありがとうございます。  今日申し上げたかったことでございますが、時間の関係で言えなかったところでございますが、今おっしゃっていただいたインフラの整備でございますね、これが私は最も早くやるべきで、また最も大切なことであろうと思っております。  と申しますのは、先ほど矢ヶ崎先生から内部被曝の問題もおっしゃられましたけれども、あの福島第一の方は瓦れきの山でございます。それを砕いてドラム缶に入れるという通常ルールでやっているところが問題で、あれは穴を掘って、ああいうやつは全部砂の中に入れてしまえばもう風とか雨でも出てまいりませんから、まずこれをやるべきですよ。後でもう一遍掘り起こしてきれいにしたいんならば、きれいにお金が掛かってもすりゃいいじゃありませんか。  これがサイトのあれでございまして、それから最も今宝は、私も相当現場経験がありますが、私が急に福島へ行ったところで、ああせいこうせいと言っても、これは物を知りませんから役に立ちません。今一番大事なのは、福島第一発電所の東京電力の職員であります。その職員たちが十二分な、ついこの間まで物も余り食べないで、温かいものも食べられないで雑魚寝をしていたといったような状況で約一月間か何か過ごしていたような、正確な日数は知りませんが、これはもう是非改めて、健康状態を保っていただきたいと思っております。  なぜかといいますと、実際働いて今の放射能のあれをやってくれるのは、福島の原子力発電所とそれのサポートをしてくれる、名前が悪いので、下請と申しますか、その人たちが主体でございますので、是非その意味ではインフラの整備、サイトとともに、原子力発電所とともに働いていらっしゃる方々の厚生なり環境なりというものを是非守っていってあげていただけるように私もお願いしたいと思います。  どうもありがとうございました。

米長晴信民主党・新緑風会

○米長晴信君 ありがとうございます。  次は、柴田参考人に伺いたいと思います。  今度は避難の状況、体制なんですけれども、普通、山火事がありますと、火が迫っていたら、それは政府が何と言おうと警察が何と言おうと逃げるわけですよ。そうすると、目に見えるものだったら自分で判断するという方法が最も分かりやすいんですけれども、残念ながらこの放射能というのは目に見えないと。政府でもし調査をしているんだったら、それを公表して、どこが安心で、安心というか比較的リスクが少なくて、どこが危険だというのが目に見えれば、政府がどうこう指示しなくてもおのずと避難されるというふうに思うんです。  そういった中で、政府の情報公開がかなり遅れてしまったと、この点についてお伺いしたいんですけれども。

柴田義貞長崎大学特任教授

○参考人(柴田義貞君) ありがとうございます。  避難の話ですけれども、確かに遅かった。あるいはいろいろ問題があるとは言えますけれども、チェルノブイリの例で、我々はチェルノブイリの経験をしていますので、それを基にやはりいろいろ判断した方がいいんじゃないかと。チェルノブイリの場合は、やはり当時旧ソ連だったので、住民には何も言わないで、ただ一週間ぐらいで帰れるからということでもうバスに乗せてキエフとかほかのところに連れていきました。その後、二十五年たちましたけれども戻ることはできない。  今回も、やはり非常に汚染されたところ、そういうところがいろいろ問題になってくるだろう。汚染レベルというのも、やはりあれは推定ですから正確じゃない。だけど、やはり推定したときに例えば二十キロとかというふうになっていれば、二十キロの同心円でないような感じだったわけで、このぐらいのところはやはり避難させなきゃいけないだろうと。  ところが、避難した場合に、その後すぐ戻れる保証があればいいんですけれども、戻れないかもしれない、あるいは時間が掛かるかもしれない。そうすると、親も、仕事もなくなってしまう。実はチェルノブイリで精神的な影響が大きいというのは、放射線の被曝というよりも、むしろそういう社会経済的な影響が非常に多くて、母親とか両親がおかしくなってくる、それが実は子供にも伝播して子供の精神的状態もおかしくなる、こういうことをキエフの研究者と一緒にやったことがあります。  だから、避難させるというのは非常に大事ですけれども、今回、事前にそういう計画していなかったのでこんなふうにどたばたになっていると思うんですけれども、やはり適切な指示をすべきだったとは思っています。よろしいでしょうか。

米長晴信民主党・新緑風会

○米長晴信君 ありがとうございます。  ちょっと時間もなくなったんですけれども、最後一点だけ伺いたいのが今の政府の対処ですけれども、緊急避難的に、緊急措置として、爆発とかが起こるかもしれないということで円で区切ってそこ退避ということと、実際に汚染があるから危険だということで避難ということと、私は今ちぐはぐな状態が続いているというふうに思うんですけれども、つまり、警戒区域というのがまだ二十キロの同心円上にあって、今実際に汚染されているかどうかというのをある程度基準にして、帰れる人は帰る、そうでない人は逆に退避していただくというデータに基づいた処置を求めれば、安心して皆さん出ていられる、あるいは戻れる、そういうふうに思うんですけれども、いかがですか。

柴田義貞長崎大学特任教授

○参考人(柴田義貞君) おっしゃるとおりです。だから、もう少し精密というか、もっと詳しくその汚染状況を測定すると。特に、今はもう土壌のレベルになっていると思うので、土壌のところはどうかというふうなことを調査して、こういうところは大丈夫ですというふうなことを言わないといけないと思っています。

米長晴信民主党・新緑風会

○米長晴信君 ありがとうございました。  終わります。

長谷川岳自由民主党

○長谷川岳君 自由民主党の北海道選出の長谷川岳です。  今日は、参考人の皆様、本当にありがとうございます。  まず最初に、一号機の海水注入の継続中断をめぐり発表が二転三転しています。結果として、当参議院の予算委員会における海江田大臣の答弁も誤りと結果としてなりました。正しい情報か否かを政府、官邸が見抜けぬ状況が続いておりまして、政府の発表や及び国会答弁の信用性を揺るがす事態となっています。また、五月二十四日の報道によりますと、一号機に続き二号機、三号機の炉心全て溶融していることが判明をいたしました。  政府は、事実確認ができているのか、あるいは見通しが甘いのではないか、そして政府は最悪の事態を想定できていないのではないかという疑問を皆が今持っている状況にあると感じます。最悪の状態を想定し、公表する責任を持ち、被災されている住民の皆様及び国民の皆様に万全な対策を促すべき立場にある政府の対応について伺いたいと思います。  今日は時間が限られておりますので、石川参考人に限り御質問させていただくことをお許しいただきたいと思います。(発言する者あり)  それでは、質問をさせていただきます。  現在、政府、東電の海水注入の対応に見られる政府・東電統合対策室及び東電の混乱は何に起因をしているかお答えをいただくことができればと思いますが、お願いをいたします。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) 一口で言い表すのは非常に難しいかと思いますが……(発言する者あり)

前田武志民主党・新緑風会

○委員長(前田武志君) お静かに。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) よろしいんでございますか。

長谷川岳自由民主党

○長谷川岳君 はい、結構です。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) 一つは、この数年、原子力の安全というものに対する私たち原子力界の考え方というのが多少甘くなっていったというのが一つ状況だと思います。  例えば、その例としまして、保安院は初めの尺度を、INESの尺度を3、4、5、7と、時間とともに上げていったということ自体がその状態を示しているであろうと。こんなものは大したことないよというふうな甘い見方というのが当初から、これは東電それから保安院、それから政府もそうかも分かりませんけれども、あったのではないだろうかというふうに考えて、考えてといいますよりも思っております。

長谷川岳自由民主党

○長谷川岳君 今回の報道をめぐりまして、東電は今現在、吉田所長の処分を検討していると伺っておりますが、官邸の意向があしき政治主導の名の下で現場へ非常に大きな圧力となっているのではないかと懸念しておりますが、御意見をお聞かせいただきたいと思います。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) 先ほど私申し上げましたように、原子力発電所の福島の一号炉の状況を知っているのは発電所の所員でございますけれども、そちらがやっていくべきことというよりも、官邸にお伺いを立てないとベントを開けてもいいとか悪いとか、これ事実かどうか分かりませんけれども、新聞紙上ではそのようになっておりますので、こういう体制が私は一番悪の根源であると思っております、現在のあれを解決していくためにですね。

長谷川岳自由民主党

○長谷川岳君 先ほど、石川参考人の資料によりますと、第一福島エリアを戦場として治外法権にすべきだというような御意見をいただきましたが、私も今感じているのは、原子炉規制法がございますが、これはあくまでも想定内の事故である、想定内での事故を前提としていると私は感じます。とてもじゃないですけれども、今のこの原子炉規制法の六十四条の危険時の措置というものは非常に限界があるのではないかと。このお話を伺ったときに、治外法権化というふうに書いてありますが、これは六十四条の危険時の措置という部分での改正ということも含めて頭に入れるべきではないかということでよろしいでしょうか。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) 六十四条、今明確に、申し訳ありませんが、すぐに思い出しませんけれども、原子力発電所の想定外の、今安全というふうにおっしゃいましたけれども、原子力発電所というのは、原子炉を動かして電気を起こすというシステムですね、これをキットというふうに考えてください。これについては極めてきちんとした対策が世界的に取られておりますし、今回の事故でもそれは侵されていないと思います。  それでは、どこが間違っていたか。これは、そのキットを置く地球との関係、それから、八時間たったら電気がやってくるという社会的なその関係、これにおいて欠陥があったというふうに考えております。  ついでに申し上げておきますと、チェルノブイリ並びにスリーマイル島の事故というのは、このキットと人間との関係にミスがあった。それが近年非常に良くなり出したところで、今度は神様が多分、地球との関係をまだ考えないといけないぞ、それから社会等のルール、停電の時間が八時間たったら十二分に戻ると、こういったような点で足りなかったところを指摘されたんではないだろうかというふうに私自身は考えております。  したがいまして、六十何条というところは、ちょっと今具体的に覚えておりませんけれども、そういった観点から、原子力発電所の安全設計指針とか審査指針とかそういうものではなくて、もっと大きくとらえていくべきではないだろうか。また、これが世界に発信すべき問題点というふうに私は考えます。

長谷川岳自由民主党

○長谷川岳君 それでは、今後のことについて伺いたいと思います。  まずは、やはり今後の想定として、収束をする、あるいは収束をしない、そして悪化をするという、やはり私は残念ながらこの三つ想定をしなければならないと、そのように考えます。  そして、まず最初に収束するということについて伺いますと、先ほど参考人は収束させる方法として、現在のこのような冷却水の方法についてと、もう一つは、あえて外に燃料を出してというような、このお話をされましたが、これはメルトスルーをさせるという意味でよろしいでしょうか。この方法、ほかに取られたことがあるのかどうかも伺いたいと思います。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) 前者の方法は、スリーマイル島で先ほど申し上げましたように取り扱いました方法でございまして、水を、強制的に冷却することによって炉心を固化させたわけでございます。固体になってしまいますともう気体は出てまいりませんので、放射能は外に漏れ出ることはありません。外部被曝だけの問題でございます。  さて、これが、水を循環させるのが、先ほど言いましたように非常に高い水の循環水でございます、不適当でございまして、例えば日本原子力研究所の私たちと同じ第一世代のほとんどの人は、危ないぞと、危ない方法だよと言って危険を感じておられるようでございます。私は、まだ何とかできる、様子を見たいというふうに考えておりますが、もしそれができない場合、今の状態を悪化させるということは、これは許されませんです。止めなくちゃなりません。  そうした場合には、炉心のおかまの底を、例えば水を止めてやりますとどういうことになるかというと、UO2の温度が上がりまして、このメルティングポイントは多分圧力容器よりも高いと思いますので下におっこちるでありましょう。その場合には何かサプライズが起こるかもしれませんが、それをおっことすことによって面積を下にずっと広げてやるわけでございます。そして、広げることによって先ほどの、チェルノブイリがやっているような空冷の状況にさせるわけですが、私たちはチェルノブイリとは違いまして格納容器も持っておりますし、まだ、大分爆発をして壊れたとはいえ原子炉建屋というコンクリートの建物もございますから、チェルノブイリのようなことにはならないではあろうとは思います。思いますが、まずは中にある溶融炉心というのがどういう状態で、どういうふうな水の状態であるか、これを知らない限りは、軽々しく、幾ら絵をかいても、これは申し訳ないがポンチ絵にしかすぎないわけでございます。  そういうような意味で、炉心を見て、それからはっきりと態度を決めるべきであろうというふうに私は考えております。悪化するようなことはこれは許されないというふうに考えております。

長谷川岳自由民主党

○長谷川岳君 収束させる方法として、冷却水の方法と、それから今言ったメルトスルーの方法で状態を見てみないとというふうには聞きましたが、今、参考人の知見からいって、全ての収束にどれぐらいの年数がずばり掛かりそうかということについて伺いたいと思います。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) 強制冷却がうまくできるような状況になりますと、多分現在の工程表よりも、が守れるかどうかは話は別にしまして、それに近い状況で固化をさせまして、それから比較的ゆっくりと片付けていけばいいと思います。しかし、片付くまでにはやはり十年近くの年月が掛かるであろうと思います。  それから、後者の方の石棺から空冷へといったような方向、メルトスルーとおっしゃいましたけれども、そちらの方の方法を採用するということになりますと、いつメルトスルーをするかといったことも、これは後の固化とともに非常に大切なことになると思いますので、相当時間が掛かるであろうと。しかし、収束は、十年とか十数年の時間単位で見れば、まあまあ、ほぼ同じかそれよりもちょっと長いぐらいで済むんではないだろうかというふうに考えておりますが、というところでございます。

長谷川岳自由民主党

○長谷川岳君 強制冷却をすれば工程表にほぼ近くなるというふうに伺います。  そこで、ちょっとお尋ねをしますが、昨日のサミットで菅総理は、来年一月までに放出抑制及び管理する工程表に従い安定状況に持っていきたいと。つまり、サミット冒頭での総理の発言によって政府の工程表は国際公約となったわけであります。この国際公約は果たして守れるでしょうか。その質問をさせていただきたいと思います。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) 守りたいと思いますし、日本の国民としては守らねばならないとは思いますが、非常につらいロードを掛けられたなという感じでございます。

長谷川岳自由民主党

○長谷川岳君 もう一つ、先ほどの戦場という中に、残念ながら福島の地域の皆様方のこの三キロから五キロが、まあ治外法権にすべきだという表現をされておりますが、これは率直に申し上げると三キロから五キロは十年間は居住禁止にしなければならないという状態であるというふうに認識をするべきですか。教えていただきたいと思います。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) ある意味ではそのように、といいますよりも、三キロから五キロの線の外ではもう普通の日本として暮らしていただきたい。今、先ほどから問題になっているような、二十ミリシーベルトがいいの悪いのというお話もございますけれども、私は子供のときに集団疎開をいたしました、させられました。恥ずかしい話ですけれども、終戦の日に私は心の中でこれで家へ帰れると思って喜びました。日本少年としては非常に恥ずかしいことで、これ、生まれて初めて公表するわけでございますが、それほど親から離れての集団の避難というのはつらかったわけでございます。そんな意味で、私は、帰りたい人は、それは嫌だという人はそのまま避難されていいと思いますけれども、人がもし帰られれば牛を殺すこともないであろうし、というふうに思っております。  そんな意味で、三キロから五キロ圏は我々原子力屋が何としてでもこれはきれいにしていきますし、やっていきますが、ちょっとゆとりは持っているんではないかと思いますけれども、それ以外は普通の日本として住ませてもらうためにそのような領域をいただきたいと。そして、これは海が入りますので、政府がきちんと宣言をして、そうしてここからここまでは何かあったとしても勘弁してください、まあ海は流れがありますからそれでも難しいかも分かりませんけれども、そういうふうにしないと、何か汚水でも出るたびにやはり近隣の諸国からいろんな苦情なり文句なりというのが出てくるのは私は当然であろうと。そういったときに、あらかじめ準備をしながら私たちはきれいにしていく義務があるんであろうというふうに考えております。

長谷川岳自由民主党

○長谷川岳君 収束させるのに国際協力が欠かせないと先ほどおっしゃいました。この国際協力、例えばどんな手法、方法、やり方があるのかということを更に詳しく伺いたいと思います。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) 正直に言いまして、まだ炉心の状況が分からないのに具体的にどのような方法ということはまだ申し上げることはできませんが、何しろ大きな方向としては、水で冷却するかメルトスルーさせてやるかということで、この中で最も安全でしかも効果的な方法というのを見付けていくことが国際協力であろうと思いますが、その一番初めのスタートは、もう原子炉のそばまで寄れるようにきれいにしたら、その場からどのようにして、今の原子炉がどういうふうな状況になっているのか、塩と一緒にまみれてどろどろになっているのか、それとも固体になりかけているのか、私の描いた、想像したようなあの卵形のような怪物になっているのか、そういうのを測定するところからもう世界の原子力学者の知恵を借りたい。  それから、スリーマイル島とかチェルノブイリで実際に放射能の中で頑張ってくれた人たちの実際の体験、どのようにしたら余り浴びなくてよかった、このようにしたら実は物すごい放射能を浴びさせちゃったんだという、そういうのを集めながらやっていかなくちゃなりませんので、玄関先さえ掃き清めたら、そのときからもう始めさせていただきたいと思いますし、是非御協力を、その場合には多分外務省とかそういったところが非常に力になっていただけるところになると思いますので、御協力をお願いしたいと思っております。

長谷川岳自由民主党

○長谷川岳君 この国際協力は、更にもう少し、より詳しくお話をしていただきたいんですけれども、例えばどんな方々を各国からお呼びをして、どのような想定で考えていらっしゃるのか、もう少しもし構想としてあれば教えていただきたいと思います。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) まずはIAEA、NRC、それからフランス政府、規制当局ですね、こういうところにまずコンタクトをいたしまして、日本のこうこうこういうふうな解決方法については、日本政府も、それから実際上やっている司令官のような人がいませんと、まあそう言ってはなんでございますが、一々政府が口出しをしてブレーキが、止まっているような状況じゃ恥ずかしくて国際協力、これはできません。ですから、こんなときはやめた方がいいです。  司令官ができて参謀がいるときには、こうこうこういう組織をつくって、皆さん方の考え方も取り入れて有効なものは採用したいと思うけれども、是非そういう人を協力してくれないかということを出していただきますと、例えばフランスでも、日本でも同じでございますけれども、日本原子力研究所みたいなものがございますので、そういう研究者が、これはこういう言葉をこういうところで使っていいのか悪いのか分かりませんけれども、学問的興味、面白がって来てくれることもあり得ると思います。  これはもちろん解決のためでございますが、面白がるというだけではございませんけれども、そういう興味を引きながら、そうしてできる限りその人たちの考え方も取り入れるような方法で、三つございますから、きれいにするのが。取り入れる方法でやっていけば、おのずから日本の、余り情報を出していないとかいうふうな不評でございますね、これもその人たちの言葉で、その人たちが現地を見てやっていっていただくと。ここら辺から私は出発して、そんなことをするんならこんな方法があるんではないかといったようなところが、大きな方法が研究者の中から出てくるかも分かりませんし、若しくはそれを国へ持ち帰って、サミットの場で出てくるかもしれない。そういうふうな感じでございます。

長谷川岳自由民主党

○長谷川岳君 ありがとうございます。  では次に、収束しない及び悪化するということも想定を入れなければなりませんのでお話を伺いたいと思いますが、現在やはり一番気になるのが十万トンに及ぶ汚染水の処理の問題があります。この処理の効果はどう考えられるか。そして、処理費用はどれぐらい掛かるか。  今、アレバ社が来てこの処理をするということになっておりますが、私たちからいうと、一体どれぐらいの費用がこの十万トンの汚染水処理に掛かるのかということについても詳しく知らされていないと、そのように思いますが、この点について伺いたいと思います。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) 費用のことについては私非常に弱いんでございますけれども、これ、うわさ話で、国会議員のある先生からでございますけれども、うわさ話でございますが、これは一トン二億円掛かるんだというお話を聞いて心配をなさって私のところにいらっしゃった先生がいらっしゃいます。もしそれが正しいということになりますと、十万トンというのは物すごい大変なお金になるわけでございますし、今からどんどんどんどん増えていきますから、兆が二つぐらい掛かるような費用になるんではないかと思います。それで、私、ある友達に聞いてみたら、いや、そこまでは掛からない、多分桁がちょっと違うんではないかというお話も聞きました。  まだその信憑性が、どのようになるかというのは私自身、恥ずかしいことながらそこのところはよく分かりませんが、それよりも大きな問題は、もし、そういう汚染の水をきれいに取り除いたと、フィルターか何かを使ってやるんでございますが、その放射能はどこでどういうふうに処理されるおつもりですか。その後ろのことを考えないでやみくもにきれいに水をするんだというのはちょっと考えが浅過ぎるであろうというふうに考えております。  どんな方法でやっていくかということになりますと、例えば、今の方法でもそうでございますけれども、最後に、何しろ汚い水で汚いものを冷やせばいいわけでございますから、きれいな水は、きれいな水とは言いませんけれども、水は蒸発して、これは純水でございますから、どんどん濃縮をさせていくという方向をある時点で考えていかなくちゃならない。それは、これが冷却できると考えたときに考えて、量を減らしてやるということが私は先ではないだろうかと思っておりますが、具体的に言えと今言われますと困ります。

長谷川岳自由民主党

○長谷川岳君 この汚染水の量を減らすというのは、例えばどんな方法で減らすということになりますでしょうか。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) これは、炉心が熱を、崩壊熱で熱をずっと出し続けるわけでございますから、ここのところへぶっ掛けてやるかどのようにするかは別にして、ここのところで蒸発をさせてやればよろしいわけでございますので、そして量を減らしていく。最後の方の量になっていれば、やっぱりある程度の量は今おっしゃったような方法で何とか考えなくちゃならないし、その後の固化したものをどうしていくかということも併せて考えていかなくちゃならないと思います。

長谷川岳自由民主党

○長谷川岳君 引き続きまして、収束しない場合について伺いたいと思いますが、福島県で過去に震度五以上の地震データを分析をいたしました。すると、まず昭和二年の八月と十月にマグニチュード六・七、それに準ずる五・九、昭和十三年、マグニチュード七・〇、その六か月後に七・五、昭和六十二年、これはマグニチュード六・七、その二か月後に六・六、六・五、平成十六年の十月に六・八と六・一、最後に昨年の平成二十二年にマグニチュード六・七、その三か月後には六・二というふうに、この過去九十年間の歴史の中で大きな地震が発生したときは、この福島の場合においては、その間を置かず何か月後かに同規模、同レベルの地震が起きているというのが過去九十年間で五回ございます。  ということは、今また同規模の地震が起きるとも考えられますが、この場合、この事態、この原子力発電所の状態がどのような想定がされるか、あるいは大津波が発生した場合どのような対策を今考えているのかということについて伺いたいと思います。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) 原子炉の状況ということだけを考えますと、後、地震が来ようが津波が来ようが、原子炉というものですよ、これはそんなに変わりはないだろうと思います。しかし、あります汚水は津波が来たらこれはみんな持っていくでしょうね、太平洋の中に。そういたしますと、太平洋のチェルノブイリが起こるということになります。何とかこれは防止をするように急がなくてはならないと思っております。急いで間に合うかどうかということはこれは別でございますけれども、人間としてそれは急がなくちゃならないということは考えられると思います。ですから、問題は原子炉自身というよりも水、汚染の水の対策でございます。  それから、いま一つは、プールがそれほど遮蔽のない状況で今冷やしているわけでございますけれども、もう一回大災害が来たときにはこのプールがしっかりと保っているかどうか、こちらの方は構造的な面も十二分に考えておかなくちゃならないと思っております。しかし、これは、簡単に言いますと、現場に慣れた人が見て、うん、これはこうこうこんなものを取っ付けておけというこういう勘で、計算機を入れて計算しましても、コンクリート自身にひび割れか何かが入ったらこれはもう全然意味がありませんので、そんなようなものではなくて、実際の実物のものを見てどのようにやっていくか、そういうことが急がれるんであろうというふうに私は思っております。

長谷川岳自由民主党

○長谷川岳君 収束しない、そして悪化する場合の中に、先ほども質問がありましたが、現場の作業の中断というものが、やはり考えていかなければならないというふうに思います。  現在、二千七百名と伺っておりますが、方々がもう必死になって働いてくださっております。これから夏を迎える、そして気温が上昇して暑い時期を迎えますけれども、集団熱中症等の環境の変化あるいは悪化に伴い作業が中断されるという可能性、その対策というものを考えていかなければならないというふうに思いますが、参考人としての知見を伺いたいと思います。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) 具体的には、現地へ行ってよくその状況を見てみないとまだ物が言えないんで、私まだ行っておりません、恥ずかしい話でございますが。  ただ、原子炉、JPDRという日本で初めて原子力発電所を私自身は造りまして、ついでにこれを壊す指揮者であった経験がございます。この経験からいいますと、例えば原子力研究所の中で履いているつるっつるの研究用シューズというのがございますが、これを使わないと原子炉の中に入っちゃいけない規則がございました。初め、そのつるっつるの靴で分解をしようとすると、これはもう危なくてたまりません。それで、普通の作業用の、工業用の作業用のビブラムシューズに替えて、もちろんそれに履き替えるわけでございますけれども、作業をしたといったようなところがございます。  したがいまして、今から収束の方に向けてどのようにやっていくかということにつきましては、そうでございますね、その現場に合わせた、質問、ちょっと狂ったかな。

長谷川岳自由民主党

○長谷川岳君 作業が中断されるという。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) そうでございますね。  作業を中断させるような要因、夏になったらどのようになっていくかということを言いたかったわけでございますけれども、今は非常にビニール製のタイベックスーツといったようなものを着てやっておりますけれども、これがもし先ほど言った特別の治外法権でございましたならば、そんなにもう外側の方に、空気の中に放射性物質が飛んでいる状況じゃございませんから、私は普通のつなぎの作業着でいいんではないだろうかというふうに内心思っております。そうすると、炎天下でも働けます。  それからまた、ビニールのシートで覆うなんていうような計画がございますけれども、これは温泉を造るようなものでございますから、夏の暑いときでは余計働きにくくするような要因であろうと。  しかし、もう書いてしまってあるからやらなくちゃならない、こういうばかげたことになりますといけませんですね。やはり考えて、それに適したものを作っていかないと。  どうも質問をちょっと取り違えまして申し訳ありませんでした。

長谷川岳自由民主党

○長谷川岳君 収束をしない、悪化する場合の中に一つどうしても考えていかなければならないのは、やはり原発内におけるテロに類した行為ではないかというふうに思います。作業員の方々は今ほとんど防護服を着ておりますから、従業員の確認が非常に判別がしにくいと想定をされております。その中で懸念されること、原発内外でのテロ行為ではないかというふうに思います。具体的には、原発内の冷却停止の行為、あるいは汚染水、高濃度な汚染水の施設外への持ち出しなどといった行為がやはり懸念されることだというふうに思います。  お尋ねをいたしますが、高濃度の汚染水と先ほどからおっしゃっていただいておりますけれども、原発施設外に持ち出された場合、例えばコップ一杯分の放射線の汚染水、どれぐらいの殺傷能力に変わり得るのかという、やはり当然ながらこれは伺いたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) 物すごい難しい質問で弱っておりますが、このコップ、先ほどの数値が正しいと仮定して、これをひとつ置き換えながらなにをいたしますけれども。  一千万キュリーの水があると申しました。この高汚染水を仮に十万トンじゃなくて一万トンというふうに、一割ぐらいだというふうに考えてやりますと、一万トンでございますから割りますと、一トン当たり千キュリーになりますね。そうすると、一リットル当たり一キュリー、このコップの水が百㏄としますと〇・一キュリーぐらいの放射性物質があるということになりますですね。  昔習ったんで、ひょっとして間違っていたら御訂正願いたいんでございますけれども、ストロンチウムという嫌な核種が、これは核分裂の中に六%も入っている嫌なのがあります。これは一マイクロキュリーが許容量だったと覚えています。ですから、その許容量と実際の致死量は千倍ぐらい差があるとか何とかかんとかありますけど、まあ千倍といたしますと、これは一ミリキュリーで人が死ぬわけでございますね。この辺り、もし間違っていれば先生方に直していただきたいと思いますが。今申し上げましたように、このコップの中のあれは〇・一キュリーでございましたから百倍濃いわけです。ですから、飲むと多分完全に死ぬと申し上げてよろしゅうございましょう。  ここへ持ってくること自身は、これは遮蔽して持ってくることはできます。しかし、これを皆さん方にお配りしたら、多分これは皆さん方が亡くなられるのに十分の量ではないでしょうか。もし毒性ということをお聞きになられると、そんな感じがいたします。  ですから、逆に、テロというところからのお尋ねでございましたけれども、これは非常にきちんと隔離しなくちゃならないと思いますし、世界の関心も、先ほど協力してくれるというふうに申し上げましたけれども、そういった面もあるということを、現実にはあるんだということをお気遣いいただければ幸いでございます。

長谷川岳自由民主党

○長谷川岳君 では、収束しない場合の、最後に質問させていただきますと、台風、やはり豪雨の影響について伺いたいと思います。  平成元年から二十一年にかけて、福島県全域及び浜通りを直撃した台風、これ平成元年から二十一年にかけて二十五あります。それから、豪雨における災害はもう十八回になります。また、福島県で起きた水害による床下浸水、特に千棟以上を超えた年を調べますと、平成元年、三千四百二十七棟、平成五年、二千八十八棟、平成十年に四千百五十五棟、そして平成十四年に千三百九十五棟と、ほぼ五年おきのサイクルでこのような床下浸水の大きな被害が発生しております。  これからこのような規模の台風、そして豪雨などの自然災害が起きた場合に、工程表の想定ではこれは入っていませんが、原発においてどのような事態が想定されるかということを伺いたいと思います。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) ますます難しい質問で弱っておりますけれども、災害の方がどれぐらいの頻度でいつ来るかということが分かっておりましたら、またそれなりの対策が取れるんでございますけれども、ないということになりますと、一つは、災害が来ても水をある程度出さないということを考えなくちゃいけないことになるかも分かりません。  今じゃあじゃあじゃあじゃあ掛けておりますから、水はどんどんどんどん増えていっている方でございますね。それから、これも新聞報道で間違っているかもしれませんけれども、水を移送したらまた入ってきて同じようなレベルになっちゃったと、地下水の関係かも分かりませんけれども、こういったところの解明はきちっとなされていないと思います、先ほどの炉心の中の解明と同じように。何しろ、水が問題ということになりますと、水の解明をすべからく早くしてと申し上げても、私、そちらの土木、地球物理の方の関係ではございませんので弱いんでございますが、それの対策というのは必要かというふうに考えております。  なお、その対策は、津波の対策で何か物すごい距離のところでなにをするんではなくて、ある程度のエリアにとどめられるんではないだろうかと、ひょっとするとその下の深いところまでコンクリートの塀を入れるなりといったようなこともできるのかも分かりません。この辺りは土木関係者の方に聞いてみたい問題でございまして、ちょっと私の専門とは違いますので、これでお許しいただければと思います。

長谷川岳自由民主党

○長谷川岳君 それでは、現在建設中の原子力発電所等についての質問をさせていただきたいと思います。  現在、電源開発が青森県で建設中の大間原発についてお尋ねをいたしたいと思いますが、大間原発は十二メートルの海抜、標高にありまして、四・四メートルの津波を想定をしています。函館から最短で十八キロという、今回の事故が起きますと警戒区域の中に入ります。そして、大間では四月から八月の間、南西の風が吹く、つまり函館に向かって吹く傾向があります。  現在は、原子力安全委員会によって防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲、いわゆるEPZは十キロ圏内とされておりますけれども、やはり今後、風の影響を考えた上でエリアを広げることが必要ではないかと、そのように考えます。国の防災指針を変更すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) 先ほども似たような御質問があったかと思いますけれども、十キロ圏とかそういったようなものはあらかじめ準備をしておくという範囲だったと思います。しかしながら、実際の避難ということになりますと、風向きとは無縁ではございませんし、風の様相によっては今よりももっと長く行くようなこともあるかもしれませんが、逆に言えばその方向以外のところはこれは余り問題ではないわけでございます。  したがいまして、私自身が思いますのは、今回の避難はちょっと早過ぎたと。実際上、放射性物質が出たのは三月十五日だったというふうに記憶いたしておりますが、一号機のときに海の方に風が吹いていたんでしょうか、私自身データを持っておりませんが、そういうふうな状況でありますと、二日か三日は家に待機できたわけです。そのときに政府は、自動車とかそういったようなものは準備して、避難の準備はする必要があったかと思いますけれども、避難するかもしれないよというふうにやっておけば、いろんなものが持ち出せたわけでございますね。  原子力災害というのは、チェルノブイリの場合も一日半の被災までゆとりがございました。その前日、あれは火災でもってやってくるまでは放射能というのはありませんでした。それから、スリーマイル島は、これは誤報でしたけれども、二日間半たった後で知事が避難命令を出している、これは誤報ですから何にも起きておりませんが、そのように時間的なゆとりがあるわけでございます。  したがいまして、IAEAの規則でも、あらかじめ臨界になるときに逃げ道をよく考えておきなさい、その準備をしておきなさいということで、それ起きた、それ避難というんで問題があったんであろうと思っています。ですから、計画的な避難領域、そこのところに、どこかのところに自動車置場をやったりルートなんかを考えておくことは必要でございますから、これは十キロでもいいかも分かりませんが、実際の防災と計画とはこれは違うというふうに考えておかないといけないと思います。

長谷川岳自由民主党

○長谷川岳君 最後になりますけれども、特に今回、津波の想定とそれに伴う電源喪失について参考人は、過去の歴史的事例から演繹された結果を絶対的数値として信用して設計上採用した不明があると指摘をされておりますが、今後、政府に対して申し上げたいこと、それから協力に対して是非おこたえをされるというふうに思いますが、特に政府に対して今これだけは申し上げたいということを最後に伺って、終わりにしたいと思います。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) 前のと後ろの方との引っかかりがちょっと私自身があれでございますが、今政府に対して言いたいことというお話でございますと、先ほど申し上げました点に尽きるんでございまして、これは治外法権区域を是非ともつくっていただきたい。そうして、その中に、首相と同じぐらいの権限を、首相と話ができるような総司令官を置いていただきたい。その参謀に、もしおまえら働けと言うんでしたら、なって必要なことは申し上げますが、そういうふうな組織をつくって、その下に働く人たちを、兵隊さんたちをつくっていただきたい。  それから、非常時のルールを適用することをためらわないように、その中でございますけれども、その代わり、それ以外のところは今までと、平和な日本と同じように暮らしていただきたいと。そのことだけでございます。    〔委員長退席、理事森ゆうこ君着席〕

長谷川岳自由民主党

○長谷川岳君 ありがとうございました。これで終わります。

加藤修一公明党

○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。  今日は、矢ヶ崎参考人、石川参考人、柴田参考人、大野参考人、大変有益な御説明いただきました。誠にありがとうございます。  公明党は、ヒューマニズムの政治を目指し、生命、生活、生存を最大に尊重する社会をつくることを目指しております。支え合う社会を目指してもおります。  今もって日本列島からは、原子力発電あるいは原子力関係施設からは大気中にあるいは海水中に絶えず放射性物質が放出され続けていると。国際的化学物質管理に関する戦略アプローチ、SAICMでありますが、これによれば、化学物質の最小化を目指しているわけでありますが、日本は早期に放射性物質の放出を最小化することではないかと思っております。また、原発についても、安全性が大前提であり、段階的に削減すべきであると、そういう問題意識を私自身は持っております。  それでは質疑に入りますが、四人の参考人に同じ質問を申し上げたいと思います。  政府は今回の原子力災害を検証する事故調査・検証委員会を設置いたしました。公明党は、この段階の設置の以前から、国会に第三者の専門的な調査機関の設置を何度となく言ってまいりました。国会の関与の下に調査が進められ、結果は国会に報告され、国会の論議を通して政府を監視しチェックする機能をつくらなければならないと。  具体的には、そもそも政府の意思決定の在り方、情報開示の在り方、原子力行政の在り方、規制と推進が同じ組織でよいのか、人事の問題など、事故に直接、間接に関与する考えられる点。原子力安全神話、それに支えられた原子力関係諸法の政令、省令の抜け穴の検証、例えば暫定基準でその場を繕うなど、事故発生の真実、原因を究明し、全貌を明らかにし、国民に十分情報開示をすること。さらに、日本のエネルギー行政全体の総点検をやることは、以上のように、いま一度洗濯をすること、そういったことを含めた、国会に第三者の専門的な調査機関、委員会の設置を、これは非常に私は将来の日本にとって大事なスタートの一つになると、このように考えておりますが、是非皆さんのお考えをお示しをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授

○参考人(矢ヶ崎克馬君) 第三者の機関というのは非常に大事な要素であると思っております。アメリカでもNRC、私から改めて申し上げるまでもありませんけれども、第三者の立場に立つ機関が原子力の設定及び安全管理、きちっと管理しております。日本はそれができておりません。そういう意味で、客観的にまた科学的に物を判断して提言できる、そういう機関、これが不可欠であると思っております。  特に、安全神話でありますけれども、安全神話で今までずっと維持されてきたことが原子炉の機械的な内部での対応をどうするかというようなことでございましたけれども、やはり国民の命をきちっと守る、それが安全である、そういう意味で、今の原子炉に破綻が起きたとしたらどんな症状があるか、何が必要であるか、どういう機械を設置すべきか、そういうことに対するシミュレーションもできていない状況であったと思いますけれども、これは取りも直さず人命軽視の考え方とも相通じるようなものでありました。  第三者機関というのは客観的に物を判断するという意味で、まさに主権在民と申しますが、正しい科学はその主権在民とまさに一体となるものであると信じております。是非よろしくお願いします。

森ゆうこ民主党・新緑風会

○理事(森ゆうこ君) 御質問は、事故検討委員会の国会における設置という御趣旨だと、よろしいですね。  では、石川参考人。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) 非常に御質問が多岐にわたったかと思いますので、三点ぐらい意見を述べさせていただきたいと思っております。  私自身はもう二十三歳のときから原子力発電とその安全性にずっとかかわってきたものでございますから、今このような事故が起きているときに、私のような者が事故調査委員会に対してのお話を申し上げるのは僣越かと思いますが、御質問でございますのでお答えを申し上げますと、私は、余りにも第三者過ぎて原子力を分かっていらっしゃる方が入っていないのに、そういう状況で果たして専門的な調査ができるのであろうかというところを非常に心配をいたしております。これは、第三者としてきちんとやっているかどうか、それとも、事故がどこでどういうふうに細かいところであったかということを見るのとはこれは違うわけでございますので、もう少し原子力関係者を信用をしてそうして人選を、人選といいますか、調査委員会はつくっていただきたかったなという思いはございます。  それから第二番目でございますが、日本の例えば安全審査のルールその他は制度的におかしいのではないかといったようなお話もあったかと思いますが、私は相当きちんとはしていたとは思いますが、もしそうであるならば、もうIAEAの基準に置き換えられるということをお考えになったらいかがでございましょうかと。これはほとんど実際上調べてみても変わりませんので、日本に対してのそう大きな混乱はないと思いますが、そういうふうなことも一つの方法ではないだろうかと思っております。  それから第三番目でございますけれども、第三者委員と、これは昔からもうアメリカが、NRCがそうなっておりますし、フランスも、日本のような体系から今は国会に対して責任を負うと、でございますので、そのフランスの安全委員の長は大臣並みの待遇になっているわけでございますが、私も是非そうされるべきであろうと。今の安全委員会とかそれから保安院とか、こういうのはもう一緒にすべきであろうというふうに思っております。  そうして、そのような場合、やはりいろんなことを政府になにをしますので、私は、委員長は国会議員がなられるべきであろうというふうに考えております。そうして、アメリカの例で申しますと、四名委員がございますけれども、そのうちの三名は第一党から、一名が第二党からというふうに学者を配したと聞きましたけれども、こういったことを御参考になっていただければいろんな新しい考え生まれるんではないだろうかというふうに愚考いたします。  なお、IAEAのルールをするという二番目の方にちょっとまた気が付きましたけれども、これは実際的な規制の方法はこの数年間、先ほど申し上げましたように、日本は大分批判、安全でないところに力を入れてきちんとしたことをやっていないではないかといったような批判は、これはIAEAのIRRSというところからちゃんと出ているわけでございますけれども、そういったように実際的な規制の在り方についても考えていただければというふうに考えています。  どうもありがとうございました。

柴田義貞長崎大学特任教授

○参考人(柴田義貞君) 大筋では先ほど石川参考人がおっしゃったことに尽きると思うんですけれども、やはり今回の問題というのは、原発についてのいろんなことが国会、先生方のところに届いてなかったような気がする。  例えば今回、私は報道でしか知らないですけれども、福島第一原発の一号機というのは、あれはアメリカの設計者自身が欠陥があったと。それはもうかなり昔、アメリカで公聴会もしている、そして原発の日本からも関係者は行っているわけです。しかし、そういうことがいまだ、私自身、新聞報道ぐらいしか知らないですけど、そういうことが伝えられていなかったと思う。  したがって、先ほど隣の石川参考人がおっしゃったように、やっぱり安全委員会、それから保安院というか、そういうところをもっと、研究者の集団という、特に安全委員会ですね、そういうものじゃなくて、そこが権限を持っている、もちろん権限を持つことは責任が伴うわけで、そういう形でやっていくべきじゃないかと。  したがって、やはり規制する側ということで、今若干規制する側とそれから推進する側が一緒になっているというところは、やはり解消できるんではないかと思います。  以上です。

大野和子京都医療科学大学教授

○参考人(大野和子君) 一介の放射線科医がこういう意見を申し上げていいのかどうか分かりませんけれども、第三者による専門機関の設置ということに関しては私もそれが一番妥当であろうというふうに思います。普通の市民として思います。  ただ、それが国会レベルになるのか、全くの別組織というふうになるのかというのはちょっと私の判断を超えております。その中にまた利害関係者を含まなくていいのかということも考えていただければというふうに思います。  実際に今までの日本がそんなに機能していなかったかと申しますと、ジェー・シー・オーのときに非常にいいことがたくさんなされたと思います。ジェー・シー・オーの直後に原子力安全委員会指針というのは物すごく良くなっています。ただ、それは余り一般の方が御存じなかった。今読み返してみましても、本当に細かなところまで考えてあります。  そのときに、なぜそういったことができたか。それまでは原子力安全委員会の委員長というのは大臣と同じであったはずです。ですから、何か災害が起きたときに現場に駆け付けて司令塔になりました。ジェー・シー・オーのときもそうだったと思います。その後、人数を増やしていただいて、原子力安全委員会が大きくなることと引換えに委員長が格下げになっておりますね。なぜ格下げになったのかは私は存じませんけれども、やはり一々大臣にお伺いを立てる。病院の例えしかできませんけれども、今回の災害が起きてたくさん人が押し寄せたとき病院がどういう対応を取ったか。救急救命の部長が病院の全権を握る、ベッドコントロールをもらったというような大転換をしたような病院もあります。    〔理事森ゆうこ君退席、委員長着席〕  ですから、もし大災害になったときにということであれば、現状の中でもある程度、現状を見直すだけでもうまくいくのではないかなというふうに思いますし、それから第三者といったときに、東電の関係、電力関係の方を入れるかということに関しては、今回東電から、被曝事故があったときにデータが欲しいというふうに申し上げたんです、私が。それは被曝の調査をしたいから。で、出せないというお返事がありました。それはやはり、強制力がないのかということを行政官の方にお尋ねしたところ、強制力は相手が民間企業であるからないというふうに申し上げたので、それは引き受けた病院からはどうしても聞いてほしいということで、最終的にはお水のデータというのが来たと伺っておりますけれども、そういったいろいろなことをまだまだ改善の余地があって、それでもそういう改善の余地があるまま、また専門機関をつくってうまく機能するかどうかというのは、ちょっと私は分からないところがあります。  以上です。

加藤修一公明党

○加藤修一君 非常に有益な答弁をいただいたと思っております。  次に、柴田参考人にお尋ねいたしますけれども、言うまでもなく原発従事者の健康、これは非常に心配でありまして、これは外部被曝、内部被曝、それらに対してどう対処するか。健康管理、あるいは疫学調査等々を含めてやっていかなければいけないと。  そういった意味では、克明に調査をしなければいけない、その事前の調査も当然しなければいけない。消防署員、自衛隊等々を含めて様々な方々が従事したわけでありますし、あるいはさらに住民の方々のことを考えてまいりますと、これは健康管理も当然やるということと同時に、これは将来訴訟問題になりかねない部分もあるわけでありますから、住民の皆さんの疫学調査等々を含めて、これはかなり幅広に抜本的な調査をやっていくことが十分必要じゃないか。  今日は、お手元に私の考えを申し上げた内容についても配付させていただいておりますけれども、そういう意味でデータベースの構築、こういったことをつくっていかなければいけない。この調査票について概要どのようなお考えをお持ちか、また、あるいは柴田参考人が独自にどのような調査の在り方を考えていらっしゃるか、その辺についてお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

柴田義貞長崎大学特任教授

○参考人(柴田義貞君) ありがとうございます。  調査が大事だということは当然です。  それで、先ほど私の説明の中で、時間がなくてあれだったんですけれども、やはり調査対象者をまず早く定める、定義をする、それは住民も含めてです、こういう人たちを調査の対象と。それから、放射線被曝の影響というのは、長期間観察しないと影響があったかないか、ある意味では、ないということは永久に言えないわけです。全員が亡くなったときにこうだったということで、ないというのは実際には科学的にも言えません。ただ、影響があるかということを常に監視していくと。その意味では、固定集団というか、そういうものを設定して、そして詳しい調査をして、その調査結果は統計として適宜報告をして、それによって作業に従事した人あるいは住民の人の安心を担保するということで。  それで、先生に配っていただきましたこういうアンケート、まずそれは、最初のところは、つまりどういう人がどういうふうに働いているかというのはまだ分からないという、基本的な調査ということで、こういう調査は必要かと思っています。それに加えて、住民について今いろいろ議論をされているわけで、多分今日、福島では福島県民の健康調査ということで、広島、長崎とか、いわゆる放射線関係の研究者も集まって、こういうふうにやっていこうということを発表すると思います。  この調査というのは、ある意味で非常に金の掛かることですけれども、是非とも、これは福島県民の健康というだけじゃなくて、将来の日本人の健康、それから国際的な約束があるということを考えていただいて、是非御配慮いただきたいと思っております。  以上です。

加藤修一公明党

○加藤修一君 同じく柴田参考人にお尋ねしますけれども、今、原発の影響ということでの話がありました。それを含めての話でありますけれども、放射線管理手帳あるいは健康管理手帳ありますけれども、私は機能的にそれは結合させるべきであると思っておりまして、具体的には、原発などの放射線従事者あるいは電磁放射線を浴びるいわゆる医療、航空機の乗務員、そういった従事者の線量管理を、こういったものを一元的にやっていく必要があるんではないかなと、こんなふうに思っておりますが、どうでしょうか。

柴田義貞長崎大学特任教授

○参考人(柴田義貞君) 可能ならば、是非そうすべきだと思います。  ただ、残念ながら日本では、そのデータを結合していくというときに、個人情報保護法とかそういったものを盾になかなかうまくいかないことがあるんですけれども、今回はこれは異常事態だと思うわけです。したがって、これについてはやはり特別立法というか法制化して、やはりこうしなさいというふうにすべきじゃないかと思っています。

加藤修一公明党

○加藤修一君 今、答弁の中に特別立法の話がありましたが、この関連については、たしか海江田大臣が必要ならば特別立法もやると、そういう答弁をいただいておりますので、これはもう政府は非常に大きな責任を私は持っておると思いますので、全体的な調査についてはそういう個人保護法の関係を含めて法制化を行う必要があるのではないかなと、このように考えております。  それで、国連の科学委員会あるいは放射線影響研究所、あるいは柴田参考人も長崎大学等でリスク評価について多大な研究成果を出しているわけでありますけれども、国内の研究機関と国際的な研究機関、その協力体制を構築していくことはこれは当然私は必要だと思っておりますが、この辺についてどうお考えか。  あるいは、適正な管理を行うためには何十万という対象者を掌握しなければいけない。長期的なケアも当然必要になってまいりますし、あるいは健康維持に努める臨床的、体系的な調査研究的な機能を十分兼ね備えたある種のいわゆる施設、新たな設置のことを考えていかなければいけない。それから、従来の病院や研究機関のアドホック的な、かつバーチャル的な集合体やプラットホームで私は済ませることはできないのではないかなと、このように考えておりますが、この辺についてどのような御見解をお持ちですか。

柴田義貞長崎大学特任教授

○参考人(柴田義貞君) おっしゃるとおり、長期間の調査をしなければいけない。そうすると、例えば大学というのは教授が替わればそこの講座の中身も変わってしまうというところで、例えば原爆被爆者について言えば放影研、それからあと特別な目的ということで広島大、長崎大に原爆関係の研究施設がある。そういうところはやっていますけれども、それからあと放医研ですね、そういうところはやっていますけれども、今回新たに大量の被曝者が出た、そして、そういう人たちについて原爆の場合とは違う被曝をしている。それから、チェルノブイリの場合ともまた少し違います。チェルノブイリの場合というのは、ソ連政府が事故をしばらく隠している、その間に知らない住民は自分のところで飼っている牛の牛乳を飲んでいる。そのために甲状腺がんが増えた。  少しそのお話させていただきますと、実は土壌から被曝するんじゃないかというおそれもあったんですけれども、実は甲状腺がんに関して言えば、事故前に生まれた子供とそれから一九八七年以降に生まれたほぼ一万人ぐらいずつをゴメリ州の同じところで比較したんですけれども、それも八七年以降に生まれた子供は一人も甲状腺がんはいなかったということで、原因がはっきりするわけです。  その意味で、今回もきちんとした集団をつくってそれを調査する、そのためには先生おっしゃった特別な施設が要るだろうということで、そこには、恒常的に働いていく人はそのための予算措置というのは是非お願いしたいと思う。そして、それは国際的にも、国内ではいろいろな関連の、もう既に放射線の関連の協議会というのはつくっていますから、そういうところの研究者とかあるいは海外の研究者と協力してやっていくというふうに思います。

加藤修一公明党

○加藤修一君 低線量の健康に与える影響については、国際的な論争がありますけれどもまだ決着が付いているわけではないと思います。ICRPあるいはECRRですか、この関係がありますけれども、今回の調査、健康管理あるいは疫学的調査、これが万全の下で、そしてしっかりとした研究をしていくならば、そういうことに対して一石を投じることが可能かどうか、その辺の、見通しの話なので申し訳ございませんが。

柴田義貞長崎大学特任教授

○参考人(柴田義貞君) ICRPとそれからECRR、ECRRというのは最近注目されてきていますけれども、実は多分和解はできないだろうと。考え方が全く違うわけです。  ECRRのメンバーというのは、我々最初は知りませんでした。レスボス宣言というのが出ているということで、それを見たときに、そこに署名しているかなりの人数の方いらっしゃるわけだけれども、その中にウクライナあるいはベラルーシの研究者もいますけれども、中の一人は実は収賄で刑務所に入っていたと。何かそういう、かなり民間の機関だと。ICRPも民間ですけれども、これはもうUNSCEARとかそういうところからある意味でのお墨付きというか権威をもらっているわけですけれども、ECRRというのは全然違います。  ECRRの議論というのは、実はデータないわけなんです。私は最初に、科学的方法というところでポパーの科学的方法というのを述べましたけれども、それはやはりデータに基づいてやると、それはこうするんだということであります。以上です。  しかし、きちんとした組織をつくっていくというのは別の話で、それはもうちゃんと大事なことだと思います。

加藤修一公明党

○加藤修一君 残念ですけれども、時間が参りましたので、ここで終わりたいと思います。  ありがとうございました。

小野次郎みんなの党

○小野次郎君 みんなの党の小野次郎です。  今日は参考人の先生方にはこうして私どもの前でお話をしていただいて、大変貴重な情報をたくさんいただいた、そのことにまずお礼を申し上げたいと思います。  その上で、私が今日お尋ねしたい大変重要なことは、今、福島県の学校の校庭の放射線量の基準が、その数値あるいはその数値の意味が大変問われているように思います。  まず、柴田参考人にお伺いしたいと思いますけれども、その計測の仕方自体が、いろんなことを言う人いるんですね。一・五メーターの高さで測るんだと言っている人と、多分ちり一つないようないわゆるフローリングのところの屋内で測ったり、あるいはアスファルトできれいに整地されているところの線量を測る場合と、草が生えていたり、何かシーソーが置いてあったりブランコがあったり砂場があってみたりするようなところとでまた違うと思うんですけれども、人によっては、それじゃ駄目なんだ、もっと地表に近いところで測るべきだというようなことをおっしゃる方もいるんですけれども、どんな測り方が一番合理的、特に生活空間、凸凹があるようなところでの計測の仕方として合理的なのか、御所見があればお伺いしたいと思います。

柴田義貞長崎大学特任教授

○参考人(柴田義貞君) ありがとうございます。  地上で測るべきだという話でもないわけで、やはり目的としては、どのぐらい汚染されているか、それがその生活する人にとってどうかというところですから、例えば一・五メーターとかあるいはそのぐらいという話の人は、要するに、子供の身長とかそういうもので呼気から吸入されるだろうということを考えてそういう言い方をされていると思いますけれども、やはり大事なのは、そんなに精密な測定の議論をするよりは、まずはあの辺りの全体の汚染地図を早く作ることだと思います。それは、旧ソ連のとき、やはりチェルノブイリではかなり早く、車で、トラックなんかでざっと回ってこのぐらいという地図を作っているわけです。あとは、その汚染の詳しいことというのは徐々にまた変えていけばこの辺はいいんだということだと思っております。

小野次郎みんなの党

○小野次郎君 今、文部科学省の通達、通知では、毎時三・八マイクロシーベルト、それで一年間では二十ミリシーベルトに換算してそれを一つの基準にしているわけですが、私最初、あれ、毎時というと、三百六十五日二十四時間なら八千七百六十倍掛けなきゃいけないはずなのに、これ掛けると二十五ミリシーベルトぐらいになるんですね。担当の事務方の人に聞いたら、いや、そうじゃないんだ、屋内に十六時間、屋外に八時間いるということで、屋内の場合には〇・四掛けるか何かして計算するんですよということを言われましたけれども、その換算式というのは合理的なものなのかどうかと。  というのは、さっきも申し上げたとおり、例えば遠方から通勤してきて何かの施設に働いて、十時間います、八時間いますというところの中のことを測るんであれば、それは十時間いますという計算でいいと思いますけれども、私、高校からは東京で、かなり二十キロ、三十キロ電車を乗り継いで通学したから、そういう人はいいと思うんですよ。だけど、義務教育で、この学校で教育ができるかどうかという判断するときには、そのフェンスの外も、通学路も、住んでおられるお宅も、同じ一キロか二キロの中にあるということは大事なことなんですね。  つまり、二十四時間この地域からは出ないことを前提に、ここで教育できるかどうかの基準を今議論しているんだけれども、文部科学省の方は、いや、校庭の外のことはうちは知りません、校庭の中のことを言っているんですと、こう言うけれども、義務教育の場合には、そこのエリアでもう常にいるという前提ですから、その意味での考え方として三・八マイクロシーベルトというのが多分カウンターに出てくる数字だと思うんですけれども、それを更に八千七百六十倍を掛けずに五千倍ぐらいしか掛けていないという計算の仕方、だけど、そのお子さんは、学校が終わって家に帰ったって、その近いところにいるわけですから。その場合には、この計算、換算式というのは僕は必ずしも妥当じゃないような気がするんですけれども、御所見があれば、やっぱり柴田参考人にお伺いしたいと思います。

柴田義貞長崎大学特任教授

○参考人(柴田義貞君) それは、やはりICRPが基本になっていると思うんですけれども、ただ、先生、二十四時間、この三・八というのは空気中の線量ですね、空中線量で、二十四時間外にはいませんので、やはり家の中にいるということも考えてああいう式で出ているということです。  それから、二十ミリというのがかなり強調されているわけですけれども、それはやはり、先ほど、最初にリスクのALARPということでお見せしましたけれども、やはり今こういう状況で受忍しないといけないというところを考えて、しかし速やかにだんだん下げていくということは当然なので、二十ミリのままずっといいという話じゃなくて、要するに、選択肢として今、福島のああいうところで学校を開くか、そうでなければ疎開させるかということしかないわけですね、土壌を入れ替えるにしても時間は掛かるし。  だから、今のところはあれはやはり実際的な数値で、ただ二十を、二十までいいんだというふうに解釈されているというか、それは多分発表の仕方が良くないと。今日お見せしましたけど、リスクコミュニケーションというのは非常に大事で、是非その辺りをお時間あれば読んでいただければ有り難いと思うんです。

小野次郎みんなの党

○小野次郎君 ありがとうございます。  大野参考人にお伺いしたいと思いますが、いわゆる一日の一定時間ある業務をするために職場なら職場にいての被曝線量というのと、私は、学校の校庭、つまりその地域、エリア全体での放射線の計測される量というのとは、やっぱり内部被曝の割合が高いんじゃないかと思うんですね。そこで食事もするし、寝る、そのうち一キロか二キロの範囲内で寝ているわけだし、水も飲むし、校庭の、何というんですかね、水道のあれを飲んだりもするわけですけれども、そういう意味では、中に入れるものも多いと思うんですけれども、生活環境における放射線量と同じ基準で考えていいものかどうか、お伺いしたいと思います。

大野和子京都医療科学大学教授

○参考人(大野和子君) 大野です。  内部被曝ということに関してとても誤解があるのではないかと思います。内部被曝というのは放射性物質を体の中に入れてしまうことですけれども、体は、お考えいただけば分かるように、新陳代謝をいたします。ですから、必ず外へ出ていくわけです。放射性物質が半減期という、自然界に置いておくと減るというお話がありますね。ところが、実際に核医学、私の専門とする核医学では、放射性物質を患者さんの体に投与しますけれども、これは患者さんの体の代謝経路に乗って出ますので、かなり短い時間で体の外に出ていってしまうわけです。内部被曝の計算がどうしてできないか。物すごく難しいからですね。腎臓の機能が悪い人、肝臓の機能が悪い人、そういう人は当然、内部被曝の量というのは健康な人よりも多くなっていく可能性があります。  ただ、今問題になっているのは、空間線量が非常に低いです。そういう中で、吸い込む量というのは微々たるものになってきているんであろうと思います。じゃ、子供が土ぼこりを吸い上げて、わざわざそれを吸い込むかという仮定をしたときに、恐らくは、私が知っている範囲の内部被曝の計算方法でいけば、子供の呼吸量がどのくらいであるかというようなことまでシミュレーションをし、最近の、ここ一、二年の内部被曝の計算方法というのは、CTスキャンの画像とかを基にして非常に精緻になってきていますから、いろいろな計算方法ができるようになってきています。本当に内部被曝は、外部被曝と同じようにどれだけ体の中に入ったかというのではなくて、どれだけの放射線を臓器が受けたかということで計算できるようになっていますので、まずは恐れていただきたくないというのがあります。  それから、外にいようが中にいようが、ですから、現在の空間線量が少ないというのであれば入ってくる線量は非常に少ないわけですし、食べ物は日本は恐ろしく厳しい管理がされていますから、現状以上のものが、ふだん私たちが食べているものに含まれている放射性物質以上のものが入るということは無視できるのではないかなというふうに考えています。

小野次郎みんなの党

○小野次郎君 次にお伺いしたいのは、矢ヶ崎参考人にお伺いしたいと思いますけれども、これから放射能汚染地域、これ警戒地域にはなかなか入れませんけれども、その外側ということだと思いますが、汚染地域内で瓦れきの処理とか、あるいは土木作業、建築作業、さらには農業、農耕ですね、そういった土にまみれて、土に交わる作業が膨大に行われなきゃいけないわけだと思うんですけれども、事前又は事後に被曝線量を極小化するというか、ミニマイズにするためのアドバイスがあったら、生活上のことでも結構なんですけれども、どういう工夫をした方がいいかということを御所見があれば教えていただきたいと思います。

矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授

○参考人(矢ヶ崎克馬君) 汚染されている土そのものをどういうふうに事前処理するかという大変難しい問題がありますけれども、例えばセシウムはアルカリ金属でございまして、それで化学反応を利用して固い化合物にしていくというような方法も考えられますけれども、これを実施するという点でどれだけ作業が必要であってということを考えますと、事実上なかなか難しい。  私が福島に行ったときには、ほこり、草なんかの上から測定する、それを、それだけ取り除いて表土を測定する、あと二センチ掘り込む、三センチ掘り込むというような、そういうことをやりましたけれども、そもそも三月の状況では、表面に浮いているわらくずとか草を除くだけで約三分の一は汚染が取り除けました。そういう状況でありました。ですから、可能な限り表土をほこりを立てないようにまず剥ぎ取るという、それが作業をやる場合のもしアドバイスになるとしたらそういうことであろうと思います。  しかし、基本的には、非常に大きな予算を掛けて、福島県全域を対象にして表土全体を上から十センチぐらい全部入れ替えるということを政府がやらない限り、この汚染そのものから出てくる野菜とか作物、そういったものをこれから最小限の汚染に食い止めていくというそういうことに関して、なかなか今のままにしておく限り進まない。ですから、表土全体を入れ替えるということは是非必要であると思います。  その表土をどこに処理するかというようなことに関しましても、生活現場、生産現場からとにかく汚染を削除していく。それで、今の法律に従えばやってはいけないというようなことが多々あるかもしれませんが、山の中にそれをきちっと埋め込んで、とにかく生活及び生産の現場から汚染を取り除く、これが一番大事なことじゃないかと思っております。

小野次郎みんなの党

○小野次郎君 四人の参考人の方々それぞれにお伺いいたします。  私は、今回の原発事故、原発災害の対応の中で、しばしば政治家の方からも、あるいは行政官の方からも、あるいは東電さんからも、異常事態とか非常時とか想定外とかいう話を聞きました。しかし、私が一貫して予算委員会でも追及しているのは、法令は遵守されてきたのかということでございます。つまり、皆さん笑って聞かれるかもしれませんが、どうしてズボンにベルトをしているかといえば、想定よりも痩せたときにぎゅっとズボンが落ちないためにしているものだし、逆に、食べ過ぎておなかがぱんぱんになったときにズボンのベルトの意味がまた出てくるんだと思うんですね。熱があるから熱冷ましを飲むんであって、何も平常の体温のときにこの熱冷ましの効果がどうかなんて議論する必要はないんだけれども、そのときにも、やはり飲んでいい量というものもあるし飲み方もあるんだと。そういう意味では、法律というのは、私は、元々何かあったときのために守るべきものが法なんだろうと私は思っています。  その意味で、お一人お一人にお伺いしますが、認識されている限りで、今回の原発災害への東京電力及び政府のいずれかの対応において、法令、国内又は国際的な指針、マニュアルが遵守されていない可能性があるかどうか、あるとすれば、それはいずれのルールに反しているのか、具体的に御所見をお伺いしたいと思います。  矢ヶ崎参考人から順次お答えいただければ幸いでございます。

矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授

○参考人(矢ヶ崎克馬君) お答えする前提といたしまして、やはり私は、今、法律そのものと同じレベルでICRPの基準を使っておりますが、この基準そのものの認識をきちっとするという意味で、法令に従っているかどうかというそういうことよりも、むしろ人命をきちっと保護しているかどうかという、そういうこと自体の考え方そのものをきちっと政府が確認していく必要が一番大事であると思っています。  例えば、百ミリシーベルト、二十ミリシーベルトというような値そのものは、私が発表のときに示しましたが、原爆のときのABCCの決めた被曝ゼロの線以上のところから試算しております。ところが、国民全体の平均からすると、ABCCで放射線被曝ゼロというふうにされている群れが、白血病ですと何と全国平均で四・二倍示している状況で、これを今なお基準として使っている。ここらはきちっと、法律云々というよりも前に、主権在民といいますか、人の命を大切にする建前から必要じゃないかなと思っています。  お答えに、直接答えておりませんが。済みません。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) 非常に難しい御質問だと思いますが、不満はいっぱいあります。それは先ほど申し上げたとおりでございまして、これは例えば安全に対する考え方、対応等が保安院も東電も、政府もと申し上げていいのかどうかちょっと分かりませんが、甘かった。これは事故の初めからずうっと今日まで続いているという点はありますけれども、法令に従ってということになりますと、私は、極めて変なある意味で言い方かもしれません、ノーなんでございます。  といいますのは、原因は津波でございます。それから、八時間の間にもし電源が回復していれば今度の問題はなかったと思います。これは、いずれも安全審査でもって国も安全と認め、そしてこのやり方というのはIAEAにおいても全くほぼ同じ安全のルールを使っておりますので、法令という、安全を守るという法令というような意味で私はなかったんではないかと思っております。  ただ、防災というものに対する対処の仕方になってきますと、先ほどのように幾つか疑問がございますが、これは安全という面での法令の決め方といいますか規則の決め方等から見ますと、やはり粗いものでございますから仕方がなかったのかなとも思いますけれども、というところでございます。まだ十二分に、防災というような面では、先ほども申し上げましたようなところで幾つかの問題点はあったというところはありましても、どこがどのように違っていたかというところまでは御勘弁願いたいと思います。

柴田義貞長崎大学特任教授

○参考人(柴田義貞君) 法令のことは多分そうなんだろうと思います。ただ、その法令に不備があったんじゃないかと。つまり、津波が来るということはかなり言われていたわけです。やはり今回、原子力というのは、経済だけで、つまり経済効率だけで考えてはいけないんじゃないかと。  今、原発離れというのもありますけれども、やはり電力が減っていったときに、東京のあの暗い町並みを見ても分かりますように、やはり経済活動は低下していく。だから、当分の間、やはり原発というのは離れられない。そうであれば、もう少しきちんと規制をしていくと。経済だけじゃなくて、かなり規制を掛けられるように、あるいは競争力を持たせる。原発というのは別にした方がいいような気もします。そのためには、発送電の分離というのがまず大前提になるんだと……

前田武志民主党・新緑風会

○委員長(前田武志君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。

柴田義貞長崎大学特任教授

○参考人(柴田義貞君) はい。  そういうことで、法令というところでは問題なかったと思いますけれども、ほかにいろいろ考えることはあると思います。  失礼しました。

大野和子京都医療科学大学教授

○参考人(大野和子君) 大野です。  私も法令自体を何か違反するということは感じておりませんが、特に今のような緊急状態において、先ほど申し上げましたように、緊急事態と考えるバンドの中で動くのか、もう平時というバンドの中で動くのかというので全く違ってまいります。ですから、そこを統一を図るということを、そこの部分の法令が抜けているかもしれないですね。今のような現状であれば、どちらを取るのかということが分からなくてばらばらに動いているような気がいたします。  以上です。

小野次郎みんなの党

○小野次郎君 ありがとうございました。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。  四人の参考人の皆様、ありがとうございました。  最初に、矢ヶ崎参考人と大野参考人に質問をいたします。  矢ヶ崎先生は、放射線の人体への影響について分子、電子のレベルからDNAを切断することを説明いただきました。特に内部被曝の重大性についてよく分かるようにお話をいただきました。  それから、大野参考人は、医学における放射線利用の歴史にも触れながら、必要な情報を理解できる言葉で提供することの大切さをお話しいただきました。  そこで、ちょっとお二人に関連してお伺いしたいんですが、矢ヶ崎先生は、放射線は百害あって一利なし、どこまでは許されるというものではないと、こうおっしゃいました。片や大野参考人は、多くの放射線を受けるとがんになる人が増えるが、少しの放射線量ではがんは増えないと、こうおっしゃいました。恐らく一般の国民の皆さんは、いろんな専門家の方がちょっと違うことをおっしゃっていることをどう理解したらいいのか、ここをすごく心配され、悩んでいるんだと思います。  そこで、お二人それぞれの御意見を聞きながら、どう考えたらいいのか、御説明いただければと思います。

矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授

○参考人(矢ヶ崎克馬君) 内部被曝につきましては既に御報告申し上げました。それで、それに関連する今の御質問の中身で、放射線がいい効果があるかというような、そういうことにつきましては、今はもう学界でもほとんど重要視されていないホルミシス効果だなんていうものがあります。これは、DNAに放射線が作用するのではなくて、細胞の中の水に放射線が作用したときにたくさんの活性酸素が出てまいります。それで、活性酸素の相互作用によって健康にいい側面があり得るというような、そういう考察がありました。  また、これに反する効果として、ペトカウ効果だなんていうものがあります。これも活性酸素にかかわるものですけれども、放射線の量がぐうっと少なくなると逆に活性酸素同士でぶつかるということがなくなるので非常に効率的にDNAや細胞壁をアタックしていくんだという、そういう論理があります。  でも、これらは、線量とのかかわりもありますけれども、一番生命体にとって大事な要素というのはDNAの分子切断、これをきちっと第一に考えて、これに対してどういうふうに防御していくかということが健康に対しての第一でございますので、そういう意味で、私はストレートに分子切断、内部被曝の方が外部被曝よりも怖いんだという、そういうことを申し上げております。

大野和子京都医療科学大学教授

○参考人(大野和子君) 大野です。  今日お配りをさせていただきました原爆被爆者のデータというのがございます。これは単一民族、私たちのためのデータとも言えると思います。チェルノブイリのデータよりも信頼性がありますし、多民族国家のロシアとは違う日本人のためのデータとも言えます。ですから、このデータを信用しないということは被爆者の方々の犠牲を無視するという、きつい言い方になりますけれども、そういうような気がいたします。  それから、科学的かということに関しましては、ICRPが同じような、百ミリシーベルト以下は安全である、安全であるというかほとんど危険性がないということを言っておりますけれども、それは割合と最近のことなんですね。いろいろな研究が進んできて、一九九四年なんです。国連科学委員会の方が、細胞とか生物における放射線に対する適応応答があるというふうに、つまり、何か障害があってもそれを消すことができる、リペアできるという、当たり前のことですけれども、何か細菌が入ったら細胞はそれを防御しますけれども、放射線によるDNA損傷というのも、放射線によらなくても日常的に起こっていますね。組換えのミスというのは体の中で幾らでも起こっていることですから、それを、組換え間違いを直していくという機能というのは分かっています。  それを国際的に認めたのがまだたったの一九九四年ですので、それより前の情報とかそういうことに重きを置かれる方というのは少し違う意見であろうかと思いますけれども、科学は日常的に進歩しているということを是非受け止めていただいて、それから、疫学的な調査の結果というのも正面からニュートラルに見ていただいたら、百ミリシーベルト以下というのは、人間の場合ですよ、人間の場合は影響は考える必要はないんではないかというふうに思っています。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 なかなか聞いていてもよく分からないんですが、もう一度、矢ヶ崎参考人、御意見伺いたいと思います。

矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授

○参考人(矢ヶ崎克馬君) ICRPの基準そのものは内部被曝をずっと無視し続けている、そういうことを私は申し上げておりますけれども。  先ほど紹介いたしましたアルファ線、ベータ線、ガンマ線、三種の放射線がある。外部被曝はガンマ線で、一個分子切断をしたその周囲にはすぐ切断箇所をつくらない。そうすると、外部被曝は比較的安全に元に戻る確率を持っているものです。それに対しまして内部被曝というのは非常に密集した領域で被曝をいたします、アルファ線、ベータ線がそうなんですけれども。これがICRPの基準ですと、臓器全体の平均値に置き換えられて、内部被曝というファクターが全然見えてこない尺度で計算されております。それなものですから、内部被曝を欠いていろいろ議論しても実態を表せない。例えば、今のチェルノブイリの結果でも、アメリカに放射性物質が飛んでいってアメリカで被害が起きている、こういうことはやっぱりICRP的目で見ると除外されているんですね。これが、私どもがいかに被害の実態をきちっと見るか。  もちろん、ある場所でがんで亡くなった、これが放射線の影響であるかどうか、そういう特定というのは非常に難しいし、断定するということもすぐにはできない、きちっと疫学調査しなきゃいけない。でも、ここのところで内部被曝が世界的に被害を及ぼしているということに是非目を向けていただきたいと思います。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 どうもありがとうございました。  しっかりと分かる形で我々政治の舞台が、皆様、科学的な知見をお持ちの方々と一緒に国民の皆さんにどういう安全な基準を設ける必要があるのか、しっかり示す必要があるなということが今日は分かったというふうに受け止めました。  その上で、柴田参考人に伺いたいと思います。  資料の中で、二十五年たったチェルノブイリの汚染レベルが余り変化していないということで、四ページですか、先生の、汚染地図を開きながら御説明あったんですが、ちょっとさらっと触れた程度だったので、もう一度このマップも使っていただきながらそのことを詳しく御説明いただけますでしょうか。

柴田義貞長崎大学特任教授

○参考人(柴田義貞君) これは事故後五年ぐらいたってからの時点での汚染レベルです。  それで、先ほど申しましたのはウクライナの地図だけでしたけれども、ウクライナのチェルノブイリ周辺からウクライナ全国ですね、全土の汚染レベルというのは、いろんなセシウムとかストロンチウムとか出ていたわけですけれども、全体の印象としてそんなに変わっていないと。当然、セシウムは二十三年ぐらいで少し半減期があれですけれども、この地図そのものがある範囲でかいていますから、半減期で減っていったといってもそんなに本質的に大きくは変わっていない。  それで、お話ししたかったのは、この黄色いところですね。黄色いところは人々がずっと住んでいるわけです。五百万人ぐらい住んでいます。その中で何かが起こったかというのは、我々は、小児甲状腺がん以外はデータとしてまだ出てこないんです。それから、アメリカがという話も中にはされるわけですけれども、この調査というか、私はやりましたけれども、全世界というかヨーロッパ、ヨーロッパの主要な国、それからアメリカも入りますけれども、どちらかというとヨーロッパの研究者がいろいろ線量評価もやっています。  我々のちょうど共同研究で関係した線量評価のドイツ人の専門家の先生も、実はインハレーションというか、吸入ですね、私自身はその辺は素人だったので、吸入の部分もどのぐらい影響あるのかといったら、彼は、そんなにない。要するに、汚染された牛乳を飲んだ。そして、それはなぜ子供に起こったかというと、子供の甲状腺というのは非常に小さいわけです。それからもう一つは成長期です。だから、ホルモンの関係があって、そのために大体小児、十八歳ぐらいまでの人に起こっている。今はもう小児甲状腺がんは以前の状態になっています。そして、今度はその小児期に被曝した人が大人になったので大人の甲状腺がんが増えているというだけであって、大人のときに被曝した人から顕著に甲状腺がんなりなんなりが増えたというデータはないという。  以上です。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 更に柴田先生に伺いますけれども、先ほど意見陳述の中で、もっと詳しく汚染状況を測定する、そしてこういうところは大丈夫ですと言わなければならないと。確かにそうだなと。この間、NHKのある番組を見ておりますと、ずっと車で走って測定するとホットスポットというものが、特異な地形や降雨の関係でしょうか、現れると。だから、大きな網の目で測っただけでは分からないということだったんだろうなと思ったんですが。  現在の測定の仕方について、いろんな方法ですね、密度だとか頻度だとか、そういうものについての問題点あるいは改善点、先生、どういうふうにお考えでしょうか。

柴田義貞長崎大学特任教授

○参考人(柴田義貞君) やはり、先ほどお話あったように、希ガスとして出ていっている部分はほとんどないということであれば、もう重いものが地上に落ちていると、だから土壌汚染のレベルを測らないと。もちろんホットスポットありますけれども、だけどある程度の、車で測って、いわゆる等高線というか、汚染レベルの等高線の地図をかいていくということが非常に大事だと思うんです。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 更に柴田参考人、それから矢ヶ崎参考人にも伺いたいと思うんですが、周辺地域の住民の皆さんの長期的な健康調査ですけれども、私はこれは、この調査の方法、大事だと思うんですが、ただ、サンプルの調査でいいのかなと。やはりいろんな被害を受けている可能性のある方がたくさんいるわけですから、全住民を対象にして調査するべきではないか。  それから、調査という視点でいいんだろうか、やっぱり調査だけではなくて治療とセットでやらなければ調査への協力もいただくことができないんじゃないだろうかということを少し感じるんですが、この健康調査の在り方、アドバイスを柴田参考人、矢ヶ崎参考人、お願いしたいと思います。

柴田義貞長崎大学特任教授

○参考人(柴田義貞君) この健康調査の在り方というのは非常に大事です。まず、その調査対象の人々にモルモットになっているというようなことは決して思わせてはいけない、これはあくまでも健康管理だと。  それで、全体をやるべきじゃないかというのは一つのあれですけれども、ある意味で、例えば福島で同じレベルの調査を全県民にやるというのは非効率だし、ある意味で必要ないと思います。要するに、モニタリングとして例えばがん登録とかそういうものでどうなっているかということをやっていくべきだというふうに考えます。  しかし、この原発周辺の住民ですね、その人たちについては詳しい調査をやる、そのためにはいわゆるコホートというか、そういう調査対象の集団をつくって。そのときに、県民の中の何か分裂するようなイメージを与えてはいけないわけで、ある意味では県民全体は対象にしますけれども、その中で詳しく調べるグループというかそういうところをつくっていくと。それは、私はゴメリでもそういうことをやりました。

矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授

○参考人(矢ヶ崎克馬君) 既に福島の住民たちに健康被害、自らこんな体調が変化したということがかなり訴えられております。個人的にきちっと一人一人がノートを持って、それで行動記録や体調の変調も記録する、こういう健康手帳を持つということはとても必要だと思っております。  それから、内部被曝をきちっと安上がりにモニターするというのはとても難しいんですけれども、おしっこの検査とかそういう項目は必ず入れていただいて、内部被曝をきちっと見れるような工夫をしていただきたい。  それから、こういう健康手帳その他につきましても、やはり重視するのは今すぐ被曝軽減措置をとっていただきたい、これを優先していただくということが前提になっております。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 ありがとうございました。  石川参考人、済みません、時間がありませんでした。  ありがとうございました。

片山虎之助たちあがれ日本・新党改革

○片山虎之助君 たちあがれ日本の片山虎之助でございます。  今日は四人の先生方、大変お忙しい中で貴重な御意見を聞かせていただきましてありがとうございました。私からもお礼を申し上げたいと、こういうように思います。  今回の大震災、未曽有の国難だという、本当にそうだと思います。史上空前の地震がある。また、恐らくこれもそうでしょう、史上空前の津波が来る。それから原発事故ですね。想定外と言うけど、想定外の方がおかしいんで、その上に風評被害という四重苦でございまして、さらに政府の対応、東電の対応のまずさ、悪さ、遅さ、どじどじ、これが大変問題をややこしくしておりますよ。ここでも本当にどれだけそれを今まで議論したかということなんですが。  もうあれから七十日ですから。七十日ですから、もうそろそろ原発事故も収束の方向に、問題は問題として指摘しながら、あるいはこれから人や住民やあるいはその生活をどうやってこれは元に返していくかということもやらなきゃいけませんし、そういうことのこの大きな復興の方にかじを切っていかなければならないという観点からお尋ねしたいと思いますが、まず矢ヶ崎先生に、いろいろなお話ございました。しかし、今やるべきその被曝回避措置というのは何でしょうか。最優先、今やること。今までの議論はいいですよ。

矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授

○参考人(矢ヶ崎克馬君) 例えば、理想的なことを申し上げます。  政府は、やはり汚染されたところの非常にきめ細かいデータを示すべきだと思っております。それで、率直に申し上げますと、汚染されているものは多寡にかかわらず政府が全部買い上げて、汚染されていない野菜を地域の方に提供すべきである。特に、子供、若者、そういう若年層の方、それから妊婦さん、そういった方には絶対汚染されたものを与えない措置をしていただきたい。  それから、今からでも、これから何があるか、まだ原発の状況は分からない状況にありますので、沃素剤は全子供たちに、いわゆる被曝弱者に配付する。それから、水もそういうところにきちっと手当てする。これは、水道の水が汚染されていれば、ここまではいいんだという、そういうことではなくて、やはりもう水そのものも供給対象にするというような、そういう目で見ていただけたら有り難いと思います。もちろん、土砂の入替えというのは絶対やっていただきたいと思います。

片山虎之助たちあがれ日本・新党改革

○片山虎之助君 いや、問題は、具体的に誰がどうやってどのお金でやるかということなんです。これはこれから我々が研究していかなきゃいかぬと思いますが。  もう結論だけで先生いいですけれども、先生は、こんなに健康と発電を両てんびんに掛けて、むしろ発電の方に傾斜しているような原子力発電所は要りませんか、減らすべきですか、なくすべきですか。

矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授

○参考人(矢ヶ崎克馬君) 私の考え方は、やはり放射線が生命体にとって、地球上の全ての生命体にとって非常に危険である以上、この危険なもので電力を享受するようなことはやめるべきだと思っております。

片山虎之助たちあがれ日本・新党改革

○片山虎之助君 それじゃ、石川先生にお聞きします。  私は、石川先生が今を戦場に例えて、司令官を立てて、いい参謀を付けて、十年間くらい治外法権で何でもやらせろと、一つの考えだと思いますよ。ただ、石川先生、日本は法治国家ですからいろんな仕組みがあるんで、そこの調整はどうお考えですか、それでもやれと。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) はい、そのとおりでございます。

片山虎之助たちあがれ日本・新党改革

○片山虎之助君 そうすると、法律を直さないけませんわね、先生。それで、誰を司令官にしますか。その参謀は石川先生でよろしい。何人かの参謀は、そして司令官は誰ですか。絶対的な権限を与えないかぬのですよ。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) それはむしろお定めいただきたいと思っております。例えば土光さんのような方がいらっしゃれば国民が信頼なさるでしょう。それほど大事な、あそこのところのエリアだけのところでございますけれども、法律も直していただいて、その間はやらせていただくというようなことが必要ではないかというふうに私は考えております。

片山虎之助たちあがれ日本・新党改革

○片山虎之助君 先生が言われるのは原発事故絡みだけでしょう。もう民生を含めて全部ですか。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) 申し上げましたように、陸圏としては約三キロから五キロぐらいの狭い範囲、それから海圏としてはある広い範囲のところだけを総司令官の下のところに、それ以外のところは日本でございますから、ごく局部のところをそういうふうにしていただくことが必要でないかというふうに思っております。

片山虎之助たちあがれ日本・新党改革

○片山虎之助君 世界に余り例がないかもしれぬけど、一つの私はお考えだと思いますよ。  今、政府は復興基本法を作りまして、一生懸命与野党の調整やっているんですよ。そういう中で本部をつくるなり、復興院というんですか、そういうものをつくるなり、いろんなことを言っている。行政組織にベストはないんですよ、百点は。もう全部問題がある。私はそれでも問題があると思いますけれども、先生、それについてお考えがあったら、今の司令官、参謀方式で、お聞かせいただきたいと思います。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) 変な話を申し上げますが、ソ連のチェルノブイリ事故の三十キロ圏というのは明確に別の方法をアプライしているんじゃないでしょうか。その辺りで何かいい方法があるかというのは、私、原子力の方については知識がございますが、社会、法律的な知識というのはもう先生方にはとてもとても及びませんので、それでやっていただきたいとお願いをしているわけでございます。

片山虎之助たちあがれ日本・新党改革

○片山虎之助君 まあソ連はあのころは一種の、独裁国家と言ったらいけませんが特別な国家だったんで、そこで、先生が今さっき冒頭に話された中で、原子力界の総力を挙げることと国際協力を求めることと非常時のルールを作れと、こう言われましたね。言い足りないようなお感じですから、少し言ってください。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) 私、ちょっと御質問の意味が十二分によくつかみかねておりますけれども、もう一度繰り返しますと、あの福島のエリア、非常に大きな問題になっておりますが、早く私は避難している人を帰ってもらいたいと私自身は思っております。  それが放射線的にどのようになっているかということは、これはちょっとおきまして、私自身は、ICRPが二十から百ミリシーベルトぐらいまでは今回いいですよとわざわざ言ってきたのは、その間を使いなさいと。ところが、二十ミリシーベルトを政府の方でお使いになられたものですから、いまだに飯舘村の方は帰っていない。その一番最後、今日説明しなかった絵にそれが書いてございますが、もしそれを、五十ミリを採用されておられたならば飯舘村の方もほとんど帰っているはずでございます。細かい計算はできませんが。  ですから、私自身が申し上げているのは、今問題となっているエリア自身を、これはその中で、放射線も高いところでございますから、特別なルールを作って、その中で働く人は働きなさいと。そして、働きやすいように、多分五キロも要らないと思いますけれども、それを取っていただいたのは、中で働いている人はもうその辺りで、三キロから五キロぐらいの間で住んで、そこから出るときにはこれはもう普通のきれいなところですから、余り出られないかもしれない、その中で生活をすればいいと思うんでございます。  そうして、もちろん健康はお医者様に診てもらって、それでいいかどうかというようなところは十分にやっていただきますけれども、その放射線下での作業を、今二百五十ミリシーベルトまでならばいいとかいうふうなところを保安院がコントロールしておりますけれども、それはお医者様自身がその状態を診て決めていただくような、そういうふうな、自由に勝手に遊べというんじゃございませんで、復興のためにそれをやりなさいと。それで、必要な金は出すけれども、横っちょから、いや、何ミリシーベルトでないとおまえらいかぬぞとか、そういうふうな心理的な負担というのを与えないような状況にしていただきたいと。  そうなってきますと、その働いている人たちの統率を取り、それからその言い分を十二分に日本の国に伝えるのには相当な、例えば片山先生のようによくできた方でないといけないかもしれませんので、そういう方はひとつお選びをいただきたいと、私たちはその下で一生懸命知っている知恵を出したいというわけでございます。

片山虎之助たちあがれ日本・新党改革

○片山虎之助君 先ほどの話でびっくりしたのは、先生方のような専門家集団、経験も知識もある方の意見をほとんど官邸及び内閣は、政府は聞いていないんですよね。それにちょっとびっくりしましたよ。参与ばっかり増やして、妙な会議や本部だけ増やして、また政権の悪口になるからもうやめますけれども、本当にちょっとびっくりしているんです。どんどん進言をしていただいて、与党が大勢おられますからね、与党に受け入れてもらえるようなことを我々も努力せないかぬなと、こういうふうに思っております。  それで、済みません、時間がだんだんなくなりましたので、次に柴田先生、公的な長期の追跡の機関が、公的な機関が要ると、恒久的な、そういうお話がありましたが、今まで我が国ではそういうものなかったんですか。

柴田義貞長崎大学特任教授

○参考人(柴田義貞君) 日本では、原爆被爆者を追跡調査している、それは公的ではないですけれども、日米の共同研究機関として放射線影響研究所があります。それからあと大学、長崎、広島でも研究はしていますけれども、きちんとした追跡というのは非常に難しい状況にあります。それから放射線医学総合研究所、ここは元々、第五福竜丸というか、その被曝がもとでたしかできたはずで、その第五福竜丸の乗員の追跡調査を、今も健康管理はやっている。  だから、今回こういうことが起こって、どこができるかと。どこにもありません。だから、これは新たに一つつくらないといけない。その場所としては、現地がやはり、現地の住民を主にですね、もちろん労働者はいろんなところに分かれていきますけれども、やはり現地に国立の施設をつくって恒常的に追跡しないと、説明のところでちょっと申し上げたと思うんですけれども、大学というのは教授が替われば全部変わってしまいますから、その看板は替わらなくても中身はもうすっかり変わってしまうというところで、これはもう世界が注目していると思います。だから、世界が注目しているわけで、そこで日本の英知、それから国際的な協力、そういうことで、ある種の国際共同機関というか共同研究利用の機関というようなスタイルも取ってとにかく追跡調査をする人員を確保していくということは非常に極めて大事だと。

片山虎之助たちあがれ日本・新党改革

○片山虎之助君 日本は残念ながら原爆の世界で最初の経験者ですよね、広島や長崎もありますしね。それがこんなものがないというのが私はおかしいんで、福竜丸その他いろんな事件がありましたよ。それはチェルノブイリやスリーマイル島もありましたけれどもね。私は、こういうところに問題があるなという気が大変しております。  それから、先生、早期発見、早期治療の仕組みを少なくとも福島県民は全部やれと何か言われていましたですね。それを具体的に何かあったら簡潔に話してください。柴田先生。

柴田義貞長崎大学特任教授

○参考人(柴田義貞君) いや、要するに、登録はしておいて、例えば福島県といっても、全体にはほかに比べれば被曝はしている、しかし猪苗代湖から向こうの方というのはそんなにレベルは高くないわけで、そういうところは、だけど、がん登録とか死亡の情報とか、そういった公的な情報を使って確認していく。あるいは、その地域の人たちが病院を訪れたときに、がんであればやはり登録をしていくと。そういったシステムをつくっていくということは大事だと思います。

片山虎之助たちあがれ日本・新党改革

○片山虎之助君 大野先生にお聞きしますけど、大野先生が言われること、全くそのとおりなんですよ。今度の原発事故の関係で、情報開示というのが一番むちゃくちゃなんですよ。いまだに、意図的か操作しているのかどうか知りませんよ、悪い情報ほど後出しになってくるんですよ。パニックその他を恐れたのかもしれませんけれども、とうが立ったころに、みんながやれやれというころに出てくるんですよ。いや、意図的じゃないかもしれませんよ、結果としてそうなったかもしれませんけれども、私は問題だと思う。大きな情報はそういうことになっている。小さな情報は、過剰な情報が風評被害含めてちまたにあふれて、みんなおたおたしているんですよ。ちゃんときちっとした正しい情報を良くても悪くても出す方も出す、受ける方も受けるという訓練をしないと、この国は妙なことに私はなっていくと思います。  先生のお考えと私、似ているなと思いながらお聞きしたんですけど、先生、更にそのことについて、どうやればそれが直りますか。

大野和子京都医療科学大学教授

○参考人(大野和子君) 大野です。  私自身も、内部被曝をさせる核医学検査を受けてくださる患者さんが減っているというのは、完全に風評被害に遭っております。  それで、どういったことがいいかといいましても、やはり情報を流し出すときには必ず、先ほど申し上げましたように、その善後策を付けないと混乱しますので、少ない放射線の専門家を集めて案を練らせた後に出していただく、一か所で考えさせていただきたい、そうではないと情報が混乱を招くと思います。  それから、TEPCO、東京電力の方からデータを強制的に出してもらうということは、これは是非つくっていただきませんと出す必要が今は恐らくないんじゃないでしょうか。そこがないと私どももちゃんとしたことを申し上げられないというのは少し歯がゆい思いをしております。  以上です。

片山虎之助たちあがれ日本・新党改革

○片山虎之助君 先生方、ありがとうございました。よろしくお願いします。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。  今日は、四人の参考人の皆さん、本当にありがとうございます。  まず初めに、矢ヶ崎参考人にお聞きをいたします。  内部被曝は、体の中に取り込んだら骨や肺に付いてなかなか出ていかない。だからこそ、至近距離で被曝をするわけで、大変問題だと思います。  先ほど矢ヶ崎参考人がホール・ボディー・カウンターは一部しか出ないとおっしゃったことは、私はえっとちょっと思ったんですが、そのことについてちょっと話をしていただけますか。

矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授

○参考人(矢ヶ崎克馬君) ホール・ボディー・カウンターは、要は、鉛の分厚い部屋に、外からはガンマ線が来ないように、そういう部屋の中で、人からどれだけガンマ線が出ているかという、ガンマ線を測定する機械でございます。そういう意味で、ガンマ線の総量はたとえ測れても、アルファ線、ベータ線という、飛ぶ距離が短いけれども密集して分子切断を行う、より危険な放射線が測定できないんです。ですから、背後にどれだけアルファ線、ベータ線の放射体があるかということをきちっと突き止めないと本当の線量が出ない。率直に言って十分の一程度のものでしかないと思います。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 文科省の一から二十ミリシーベルトまでということなんですが、ICRPは、これは住民が自発的に汚染地に残留を希望し、許容される値として示されており、安全な値であるという意味ではないというふうに私は思っているんですが、そうでしょうか。

矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授

○参考人(矢ヶ崎克馬君) 安全な値ではありません。それは、私が御説明したDNAの切断ということ自体を基本に置けば、もうとても安全というものではございません。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 今日は参考人の方たちから戦いだという話がありまして、私も、放射性物質と多くの人が、あるいは政治も戦わなくてはならない、何でこんなことになったんだという、本当にざんきの念に堪えません。  矢ヶ崎参考人、安全な被曝はないというふうに思いますが、いかがですか。

矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授

○参考人(矢ヶ崎克馬君) 私もそういうふうに思います。被曝することは可能な限り避けるべきであって、ここまでは安全だという、そういうことは一切間違いであると思っています。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 この二十ミリシーベルト問題に党派を超えてみんなで取り組んできました。今までも行政交渉をし続けてきましたが、昨日、文部科学大臣と一対一で話をし、要望を出しました。  今日、記者会見で、二十ミリシーベルト、一から二十は維持しつつも一ミリシーベルトになるように目指すということと、そのために国が財政支援をするという記者会見をしていただいて、一ミリシーベルトまで戻す、一ミリシーベルト以下に戻すための努力を国がやっていただくことは私はやっぱり前進だと思っております。  もちろん二十ミリシーベルトの撤回は求めていきますが、ところで、本当にどうやったらいいのか、被曝を避けるために。例えば、土壌をどこに持っていったらいいのか、削るのがいいのか、その点についてアドバイスがあれば教えてください。

矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授

○参考人(矢ヶ崎克馬君) 先ほども申し上げましたけれども、原則として、今後ずっと汚染された作物などを心配しながら日本人が食べていくということを避けるために、基本的にこの表土を十センチ辺りをずっと取りまして、莫大な量になります。これを、山の中に深い穴を掘って、山の中の新鮮な汚染されていない土を表土に持ってきて入れ替えるという。ただ、こういうことは今の法律では放射能の規制ということですぐ実施はできません。そういうところを国会できちっと解決していただきながら、生活の場面、生産の場面、ここから汚染をどういうふうに取り除くか、莫大なお金でも是非出費していただきたいと思います。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 被曝の問題がとても重要で、広島、長崎で多くの方が亡くなったわけですが、ウラン、長崎原爆はプルトニウムですが、広島だと六十グラムだというふうにも聞いております。それと原発で使う量というのは格段に違うわけで、どっちがどうとは言えないけれども、原発の事故の場合の被曝の問題は物すごい問題だと思いますが、いかがですか。

矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授

○参考人(矢ヶ崎克馬君) 私ども、広島で核分裂したウランの量は八百グラム程度と見ております。百万キロワットアワーの原子炉が一年間で核分裂させる燃料は約一トンでございます。ですから、率直に言って、一千倍の核物質を蓄えてそれで破裂したというのが、各、一号炉、二号炉、三号炉、全部そういう規模でやっているのではないかと思っております。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 石川参考人にお聞きをいたします。  メルトダウンについて早くからおっしゃっていらしたわけで、五月二十三日に東電がメルトダウン、一、二、三についても発表しました。一つは、メルトダウンというふうになぜ早く思っていらしたか。二点目は、私は、この解析結果、かなり詳細で整理されているので、もっと早く実はメルトダウンが分かっていたんじゃないかというふうに思っていますが、その点についていかがでしょうか。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) なぜそれが分かったかというのは、私、ラジオだけで聞いていたんでございますけれども、水がまず炉心の上からなくなりましたね。そうなりましたら、もう溶けます、炉心は全部。それはスリーマイル島の事故の教えでございます。ですから、書けるような状況になったときにすぐにそうなっているよというふうに書いたのは、テレビを見ますと、テレビの方では比較的楽観視をしたことを皆さんおっしゃっておられた。それで、これはいかぬぞと思って、私の出すところは電気新聞しかありませんので、すぐに書いて電気新聞に送ったわけでございます。  今、詳細な解析からどうこうと言われても、私、東京電力の人間ではありませんので、どこでそれがどうなったかということは分かりませんが、恐らく一つは、相当正確な解析をやって出されたんだろうと思いますが、その解析というのは、私ちょっと細かいモデルの中身まで知っておりませんけれども、多分、今までの一般的な解析からいいますと、蒸気に出ていったらそこのところが溶けていくという計算をやっていたんじゃないでしょうか。それだから三割だとか五割だとかいうのが出ていった、水があると仮定しますとね。私は、そうじゃなくて、その水の中に入っているときから溶けるんだというのを書いてございますので、あとはお読みいただければ。それはスリーマイル島からの教えでございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 メルトダウンが分かった場合、工程表の相当の変更はあるんでしょうか。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) むしろ私が早くから水でもって冷やすというのはそのころから言っておりましたけど、そのころはまだそんなに水が汚れておりませんでした。今はもっと水が汚れておりますので、メルトダウンを生むというよりもむしろ水の汚れの方が強いと思いますし、それからいま一つは、塩を入れましたですね。塩が先ほど言いましたように炉心の燃料と同じぐらいの量が入っておりますので、これがどんないたずらを炉心のUO2にやっているか、これによって違うと思いますので、それによって決まってくると思います。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 海のチェルノブイリと石川参考人は書いていらして、本当にそのとおりだと思います。  ところで、汚染水を予告なく海に流しましたが、メガフロートでなくタンカー、古いタンカーに取りあえず一度入れるとか、あるいはドラム缶に入れて、六ケ所じゃないけれどもきちっと保管するとか、汚染水については海に流さない方法があり得たんじゃないかと私は思っているんですが、いかがでしょうか。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) あの時期でということについては私分かりませんが、今からでもその対策を講じるべきであろうと思っております。それは海のチェルノブイリを招かないためでございます。今なっているというわけじゃございませんので、その点、御了解いただきたいと思います。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 津波と言われていますが、三月十一日三時二十九分、一号機から一・五キロ離れたモニタリングポストで高いレベルの放射線量を知らせる警報が鳴っていると。私自身も、十二日の朝、保安院に電話をして、燃料棒が溶融している可能性がありますねと聞いたら、はい、そうですと言われて、やはりもう神経が切れるような緊張感をずっと持ちました。津波かもしれないが、地震で実は相当壊れていたんじゃないか。二つ目のベントの弁が開かないのは放射線量が高くて接近できないというのを保安院に九時半ごろ聞きました。とすると、放射線量が水素爆発より以前に出ていた。  やっぱり、地震と津波、もしかしたら地震でやっぱり壊れたというと、こういう場所に、あるいは地震のある日本に原発を造っていたことがどうなのか。今は事故が起きた以降がよく問題にされますが、私はそれ前の五十年間、原発を推進してきた五十年間の責任、問題が問われるべきだと思いますが、石川参考人、いかがでしょうか。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) 私自身は、先ほども申し上げましたように、五十何年間、原子力発電とその安全性についてかかわってまいりました。ですから、福島先生とは違った見解を原子力発電については今なお持っているということを申し上げてまずおきたいと思っております。  それから、津波ではなくて地震で壊れたんではないかという疑いはよく発せられるところでございますけれども、津波が来るまでに約一時間、地震があってから時間があるわけでございます。原子炉は全て完全に止まっております。それから、外部の電源、外から来る電気がなくなったんでございますが、非常用電源でもって冷却の方向に行っていた、その約一時間、まあ四十何分か後に津波が来て、そうして電気の動力が動かなくなったというわけでございますので、地震で壊れていたというのは、昨日かおととい、たしか東京電力が相当細かいデータを出したと思いますが、それから見る限りにおいてもないんではないかと思っております。  それから、ベントの関係でございますが、真っ暗やみの中での作業でございまして、これはもう少し時間を貸していただけませんでしょうか。細かく一人一人の発電所の所員の作業の状況等を、証言を聞いてからでないとまだ物を言ってはいけないんではないだろうかというふうに思っております。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 五十年間の原発推進の反省というのはあるのでしょうか。

石川迪夫一般社団法人日本原子力技術協会最高顧問

○参考人(石川迪夫君) もちろん、先ほど申し上げましたように、我々が造りました原子力発電所と地球との関係、社会との関係に問題があって、これをIAEAそのほか世界各国に発信をしていかなくてはならないという思いが一つと。  それからいま一つ申し上げますと、水素爆発がございましたですね。これも、私たちは放射能を出しちゃいけない、これは私にもございます、そのトラウマがありました。これを早い時間に、まだ炉心が溶融しないときに思い切ってぼんとやっていればもっと違った点があったろうと。  それから、水素が出てくるような状況の場合には、建屋を非常に余りにも頑丈に造り過ぎたんで、もう少しそういった水素を外に流し出すような構造も、これは例えばイランの家なんかでは上の大気から冷たい風を取って外へ出すようなことをやっておりますけれども、そういったような工夫が今後の原子力安全には必要なのではないかということをIAEAその他にチャンスがあれば申し上げていきたいと思っております。  それから、おまえには反省はないのかというところでございますけれども、私自身は、原子力発電がこれまで果たしてきた役割と、それから今回の事故でございます、これ、避難をしておられる方には非常に申し訳がないと思っておりますけれども、まだ死者は出ていないわけでございますし、今後の復興においても一人の死者も出さないような方法で回復をしていきたいと。それが少なくとも、日本では今後原子力発電というのは相当スローダウンするでありましょうけれども、世界各国に対するやはり私は責務だと思っております。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 被曝が発生しているわけですから、今死者がいなくても、被曝というのがやっぱり命に対するある種の冒涜、危険だと思います。  その点について、矢ヶ崎参考人、いかがでしょうか。

矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授

○参考人(矢ヶ崎克馬君) 先ほど、原爆被害者の被曝状況から内部被曝が消されたという、そういうことを申し上げました。今なお広島でも長崎でも事実と違う国の基準をもらう、それを実態に合わせるために物すごい苦労と努力がなされていてまだ認められていないというのが実情です。  被曝は生命体にとって冒涜でございます。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 柴田参考人にお聞きします。  一言、さっき発送電の分離ということをおっしゃいましたけれど、一言お願いします。

柴田義貞長崎大学特任教授

○参考人(柴田義貞君) つまり、今は発電、送電を一電力会社が握っているわけですね。  先ほどちょっとお話ししましたけど、原子力発電そのものはやはりかなり規制しないと。原子力発電なくせといえば、それはそれでその話で終わるんですけれども、当面はやはりやめられないだろうと。そうすれば、規制をきちんとする。  そのためには、やはり民間の企業ではいわゆる株主に配当を出さないといけないわけで、今回でも、要するに、外部電源の喪失というのは以前から議論されていたと、しかし負担を考えるとできないというようなところで、そこを規制していなかったわけなんです。実際にそれが起こったわけですね。津波が来ないところでも揺れで外部電源が喪失すると。  だから、そういうところで、少し原発というのは別の面で考えなきゃいけないんじゃないか、そのためには発送電分離というのが前提になるだろうということです。

福島みずほ社会民主党・護憲連合

○福島みずほ君 どうもありがとうございました。

前田武志民主党・新緑風会

○委員長(前田武志君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  この際、参考人の方々に一言御礼を申し上げます。  本日は、有益な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十七分散会

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