法務委員会 第8号
- 発言数
- 133 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2011/04/26
会議録
○委員長(浜田昌良君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二十日、外山斎君及び若林健太君が委員を辞任され、その補欠として江田五月君及び溝手顕正君が選任されました。 ─────────────
○委員長(浜田昌良君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 非訟事件手続法案、家事事件手続法案及び非訟事件手続法及び家事事件手続法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に法務省民事局長原優君及び法務省刑事局長西川克行君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浜田昌良君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(浜田昌良君) 非訟事件手続法案、家事事件手続法案及び非訟事件手続法及び家事事件手続法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案を一括して議題といたします。 三案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○前川清成君 おはようございます。 非訟事件手続法の条文数が百二十二条、家事事件手続法が二百九十三条、しかも離婚でありますとか遺産分割ですとか、大切な手続に関する法律ですので、本来であればゆっくりと議論をさせていただきたいと思っています。しかし、今日は残念ながら質問時間は三十分です。それゆえに直ちに本題に入りたいんですが、その前に、前回、四月十四日、質問をさせていただいた際の大臣の答弁の結論がはっきりしませんでしたので、その結論のところだけまず確認をさせていただきたいと思っています。 法と正義が社会の隅々まで行き渡る、そのためには私も小さな司法から大きな司法への改革を進めていかなければならないと思っています。この点で私も大臣も恐らく考え方は同じではないかなと思います。ただ、四月十四日に指摘をさせていただきました、法科大学院や、あるいは貸与制、あるいは二回試験、司法制度改革後の法曹養成制度について、ひずみやあるいは改善すべき点があるのではないかと私は考えています。この点、大臣は、司法制度改革後の法曹養成制度について、今のままで手を加える必要がないと考えておられるのか、そうではなくて改善すべき点があると考えておられるのか、まずは結論を明確に御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 結論的には改善すべき点があると思っております。
○前川清成君 それでしたらもうくどくどと繰り返しませんが、大臣は前回の答弁の中で、法科大学院について法曹養成制度の中心に据えたと、そういう表現をお使いになられました。ところが、前回も指摘をさせていただきましたが、法科大学院の教員二割が実務家教官で足りると、こういうふうになっています。しかも、その二割は裁判官、弁護士、検察官に限らない。この前も申し上げましたが、例えば司法書士さんであっても税理士さんであっても行政書士さんであっても、その法科大学院が適当だと認めれば実務家教員に加えられると。私はこれでは法曹養成の中心に据わるわけにはいかないのではないかなと、そう思っているんです。医学部の教員で医者でない者がいるのか、自動車学校の先生で運転免許の持っていない人がいるのか。しかし、法科大学院だけはなぜか特例が認められている、私はこの点は是非改善をしなければならないと思っています。 あるいは、弁護士になりたいけれどもお金がない、そんな若者にとって障害は、司法試験に合格した後、修習生になって給料をもらえるか、貸与制にとどまるかではなくて、弁護士になりたいけれどもお金がない子供たちにとっては、いや、そうじゃなくて、普通の家庭に生まれ育った子供たちにとっては、法科大学院の学費こそが私は最大の障害ではないかと、そう思っています。 大臣が是非、その司法改革の思いを大切にされるのであれば、今年の秋には貸与制の期限がやってきます。それまでに、フォーラムに任せたとか、与党の皆さん、野党の皆さん、御意見を下さいじゃなくて、大臣の是非強いリーダーシップをお願いしたいと思うんですが、この点、いかがでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) 法科大学院というものを法曹養成制度の中核に据える、この考え方は私は今も正しいと思っております。司法制度改革の初めの段階からずっと政治の場でかかわってきて、やはり、従来の一発試験の弊害もいろいろあって、プロセスとして養成をしていこうと。しっかりした指導者が時間を掛けて一つ一つのカリキュラムを通じていい法曹を養っていこうという、この考え方は今も間違っていないと思っておりますが、現実に、ロースクール、法科大学院がどういう教育になっているかということについていろんな御意見があって、私もその御意見が全て当たっているかどうか分からないところもございます。 今までの制度と比べて、その今までの制度をよしとして現にある制度を判断すると、これはやっぱり間違う。新しい制度の理念から判断していかなきゃならぬと思いますが、それにしても、委員おっしゃるとおりのいろんな問題点があることは確かで、さらにまた、この法科大学院の学生たちがどういう経済的負担を今負っておるのかといったことについても十分研究、検討をして制度を設計をしていきたいと思います。 これは、今、御主張ではございますが、法曹の養成に関するフォーラムをやっと今立ち上げようとしているところでございまして、そのフォーラムでの検討は私は大いに期待をしているところで、しっかりした方向が出てくると思っております。
○前川清成君 それでは、今国会冒頭の大臣所信の中で、国民にとって利用しやすい非訟事件手続法、家事事件手続法を整備したい、この大臣所信でそのようにお述べになっています。 この趣旨から、家事事件手続法においては、非訟事件手続法を準用するというような不親切な立法をせずに、できるだけ書き直すという体裁を取っておられます。国民にとって利用しやすい、国民にとって分かりやすいという視点は私は極めて大事だと思っておりますし、利用しやすい、分かりやすい立法のために御尽力いただいた立法担当者の方々には感謝を申し上げたいと思いますが、しかし、結果として、本当に利用しやすい、分かりやすいものになったのかと。少し課題も残っているのではないかと思っています。 調停前置主義をちょっと例に挙げてその点の議論をしたいと思いますので、委員の皆さん方、できればこの白表紙を御覧になりながら私の質問を聞いていただきたいと思うんですが。 実務において調停前置主義というのがあります。裁判を起こす前にまずは調停を起こしてくださいねという、これは定着したルールですが、家事事件手続法の二百五十七条一項にも、「第二百四十四条の規定により調停を行うことができる事件について訴えを提起しようとする者は、まず家庭裁判所に家事調停の申立てをしなければならない。」と、こういうふうに書かれています。これに基づいて二百四十四条を見ますと、「家庭裁判所は、人事に関する訴訟事件その他家庭に関する事件(別表第一に掲げる事項についての事件を除く。)について調停を行う」と、こういうふうに書かれています。 この法律には別表一と別表二があります。ですから、二百四十四条の括弧書きで除かれた別表一を除いて、人事に関する訴訟事件と別表二に列挙されている財産分与や遺産分割の請求などはまずは調停を起こしてくださいねというのが日本語の素直な読み方だと思うんですが、この結論は実は正しくない。この点について、民事局長お願いします、簡単に。
○政府参考人(原優君) お答えいたします。 この二百五十七条第一項は、委員御指摘のとおり、いわゆる調停前置主義について定めたものでございますが、その対象となりますのは、調停を行うことができる事件のうち、訴えを提起することができる事件ということになります。逆に言いますと、訴訟手続の対象とならない別表第二に掲げる事項についての事件はこの調停前置主義の対象にはならないということでございますので、遺産分割事件は調停前置主義の対象にはならないということでございます。
○前川清成君 訴えは、訴訟ですから、訴訟だと。二百五十七条に訴えと書いてあると、訴えは訴訟だと。別表二は審判だから、これは訴えじゃなくて申立てなんだと、だから調停前置の対象にならないというような理屈を、例えば離婚をしてこれから財産分与の請求をしようとする母子家庭のお母さんが理解できるのかと。 法律というのは、弱い立場の方、困った立場の方のためにあるのであれば、もっと弱い方あるいは困った立場の方にとって分かりやすい表現にするべきではないかな、私はそう思うんですが、その基本的な理念は大臣も同調していただけますでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) 基本的には、法律も国民みんなに分かりやすい書き方をすべきものだと思います。思いますが、なかなか、訴えとは何ですかというと、まあ一般的には、それは訴えというのは子が親に泣いて訴えるのも訴えと。しかし、なかなか、法律の世界で訴えということになりますとやっぱり訴訟の提起ということになるので、その辺の使われている言葉の意味合いというのは法律の基礎的な素養を一応持って読んでいただかないと、法律自体がなかなか書けないということもあって、ここは苦労するところだと思います。
○前川清成君 それでは、これは局長でも結構ですが、家事事件手続法二百五十七条を、人事訴訟法第二条に定める人事訴訟を提起する者はあらかじめ家事調停を申し立てなければならないと、こう書けば分かりやすいし、あるいは正確でもあるかと思うんですが、いかがでしょうか。どちらでもいいです。
○委員長(浜田昌良君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(浜田昌良君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(原優君) 人事訴訟法の対象となる事件のほか二百四十四条にはその他家庭に関する事件というのを入れておりますので、それも含むような規定ぶりを考えなければいけないのではないかと考えております。
○前川清成君 もう一度聞いてくださいね。 人事訴訟については調停前置だと、こういうことなので、人事訴訟法第二条に定める人事訴訟を提起しようとする者はあらかじめ家事調停を申し立てなければならないと、こう書けば済むのではないかと私は申し上げているんです。わざと分かりにくい表現を使わなくてもいいのではないかというのが私の質問です。 次に、利用しやすいように、家事事件手続法についてはその準用を慎んでいるんですが、非訟事件手続法については民訴の準用と読替えの嵐になっていまして、担当者の方にお尋ねしますと、非訟事件手続法は合計二十三か所で民訴法を延べ約百六十九条準用しているということです。その結果、非訟事件手続法の条文は百二十二条ですから、百六十九条の民訴法を準用している、その結果極めて分かりにくい条文になっていると私は思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(原優君) 委員御指摘のとおり、二十三か所で延べ百六十九か条準用しております。 これを全て書き下せばその意味では分かりやすくなると思いますが、非訟事件手続法のボリュームが大きくなるということで、非訟事件手続法と民事訴訟法に共通している手続法の基本的なものについては、準用しても余り分かりやすさを減殺しないんではないかという配慮でこういう規定にしたわけでございます。
○前川清成君 今のその趣旨でおっしゃるのであれば、家事事件手続法も非訟事件手続法を準用すべきだった。しかし、分かりやすさを追求するために、家事事件手続法については準用を慎んだ。分かりやすい非訟事件手続法を作るのであれば、民訴の準用というのは慎んでもよかったのではないかと私は思っています。 家事事件手続法の四十一条一項ですが、「当事者となる資格を有する者」、この「者」というのは、先生方、白表紙を見ていただくと、漢字で「者」と書いてあります。ところが、四十二条の二項、後ろの方ですが、「又は当事者となる資格を有するもの」、平仮名で書いてあります。 同じことは、非訟事件手続法の二十条一項、「当事者となる資格を有する者」は漢字であって、二十一条の二項は、「当事者となる資格を有するもの」は平仮名で書いてあります。これが、なぜ同じものでありながら平仮名と漢字の使い分けをしているのか、民事局長、お願いします。
○政府参考人(原優君) 家事事件手続法案の四十一条では「当事者となる資格を有する者」の「者」は漢字、それから四十二条の「審判を受ける者となるべき者以外の者であって、審判の結果により直接の影響を受けるもの」、この後者の方は平仮名になっておりますが、この四十二条の方は、「審判を受ける者となるべき者以外の者」を更に限定する趣旨で「審判の結果により直接の影響を受けるもの」と、こういう規定になっておりますので、こういうふうに前にあるものを限定するときには平仮名で書くというのが法制上のルールだということですので、それに従ったものでございます。
○前川清成君 今、局長は法制上のルールだと、こういうふうにおっしゃいましたけれども、一言で言うと、それは法制局の趣味であったり、言い過ぎるかもしれないけれどもオタクであったりするわけで、どの程度合理的な理由があるのか。法制局の連中に、俺は偉いんだと、こんな自分たちの内々の決まり事を知っているんだということを威張らせるためだけにこういう使い方をしているんじゃないかなと私は思ってならないわけですよ。 例えばですが、これは法曹以外余り使わないかもしれませんが、「とき」という日本語があります。漢字で時と書くと、例えば、飛行機が飛び立った時、私は手を振っていましたと、その時間を表します。しかし、飛行機が落ちたとき保険金が支払われますと、場合を表すときはこれは平仮名を使います。 これはまあ、百歩譲ってもある程度意味を使い分けるという意味で合理的な理由があるのかなと思うんですが、今のただただ関係代名詞的に使うときは平仮名ですよというのを、二十一世紀になってもこれから使っていくんですかと。母子家庭のお母さんが、これから家事調停をするというときにその使い分けを、大臣の言葉であれば、法律的な素養だからあらかじめ知っておきなさいというようなことを利用者に求めるのかと。私はもう考え直すときではないかなと、そう思っています。 家事事件手続法の別表二の第三についてちょっと見ていただきたいんですが、子の監護に関する処分、これが例えば家事調停の対象になりますよということでここに書かれています。引用している条文には民法七百六十六条の二項が挙げられていますけれども、現在の民法の七百六十六条には、子の監護に関する事項について協議がまとまらなかったときについての定めはありません。現行法では七百六十六条の一項に書かれています。 現行の民法でいうと、ここの別表二の三には七百六十六条の一項を準用すべきだと思うんですが、七百六十六条の二項を準用しているのは、これは間違いなんでしょうか。それとも何か意味があるんでしょうか。
○政府参考人(原優君) 現行のこの民法七百六十六条につきましては、今国会に提出しております民法等の一部を改正する法律案におきまして改正が予定されておりまして、その法律案によって条ずれが生じております。したがいまして、この家事事件手続法案におきましては、民法改正後の条文を念頭に置いた規定としているわけでございます。
○前川清成君 ですから、改正後と言わずに、もうちょっとこの民法改正に懸ける法務省の決意なり意図なり、そういうところを説明してくださいというふうに言ってあるんですけど。
○政府参考人(原優君) 民法等の一部を改正する法律案は、今回のこの非訟事件、家事事件手続法案よりも前に施行されるということを前提でこういう規定にしているわけでございます。
○前川清成君 ですから、僕が答弁すべきことじゃないんですけど、今の民法から照らすと、この引用は間違っていますよと。しかし、この国会でやがて審議されるであろう親権の制限等に関する民法の改正、これが先に施行されて、その後に家事事件手続法が施行されますと。だから、家事事件手続法が施行された暁には、その条文の引用は正しく反映されていると、こういうことですね。もうちょっと整理して言ってください。
○政府参考人(原優君) 今、委員から御説明していただいたとおりでございます。
○前川清成君 非訟事件手続法の九十九条ですが、これも先生方、もしよろしければ条文を御覧いただきたいと思うんですが、これも先ほどの趣味的な表現と同じで難しく書いてあるんですが、よくよく読みますと、公示催告の申立ては必要な場合に限りすることができると、こう書いてあるんです。なぜ、このような条文が必要なのか。この条文によって何かを制限したり、何か効果が生じたり、何か法律的な意味があるのかないのか、いかがでしょうか。
○政府参考人(原優君) この九十九条の規定は、現行非訟事件手続法の百四十一条と同じ規定でございまして、この規定がないと、個別の法令に定めがないにもかかわらず、この非訟事件手続法の公示催告手続を用いることによって、ある件について失権の効力を生じさせることができるというような誤解が生じてはいけませんので、そのような誤解が生じないようにするための規定でございます。
○前川清成君 まず、前段でおっしゃった現行法にもありますというのであれば、この改正は必要ないんじゃないですか。現行法にもありますから右から左に移しましただったら、新しい法律作る意味はないですよ。 二番目の、その必要性がないときにも申し立てられたら困るからという点については、例えば民法で権利義務が定められていないときは民事訴訟法を起こすな、こんな条文は民訴にないですよね。刑訴の中に、検察官は犯罪が疑わしいという場合にだけ裁判を起こしなさいよと、刑法にわざわざ書いていないのに勝手に犯罪をでっち上げてはいけませんよなんて書いてないですもの。 しかも、もっとこの九十九条、分かりやすい表現で書けばいいと思うんですが、殊更に難しい表現を書いています。これ、局長だったら分かるかもしれないけれども、この手続を利用して、例えばガソリンスタンドの経営者のおっちゃんがガソリン代を小切手でもらいました、手形でもらいましたと、掛け売りのやつを。ところが、その手形なくしちゃいましたと。で、弁護士に相談行ったら公示催告しゃあなあきまへんでと言われたんで、自分でやってみようと思うと。手形の額面は十五万円と、そんなので弁護士を頼むわけにもいかないから自分でやりたい。で、法律を見たら訳の分からぬことが書いてある。これで本当にいいんですかね。これが本当に利用者にとって分かりやすい非訟事件手続法だと胸を張れますか、局長いかがですか。
○政府参考人(原優君) 私どもとしましては、できるだけ分かりやすくというふうに努めたつもりでございますが、委員御指摘のとおり、一般の方からすると分かりにくい規定になっているところもあるのではないかと思います。
○前川清成君 家事事件手続法については、例えば準用を少なくしましたと、分かりやすさを求めましたと、非訟事件手続法については百二十二か条の条文で百六十九か条民訴法を引用していますと。ひさしを貸して母屋を取られるような状態になっています。これはやっぱりユーザーに違いがあるとお考えなんですか。 非訟事件も、今申し上げたように手形をなくした中小企業の経営者の皆さん方も御利用になる。むしろ非訟事件手続法というのは金額の小さい案件というのがたくさん含まれると思うんです。こんなのについても弁護士や裁判官でないと分からないような表現で、体裁で非訟事件手続法を作ったと、これはこれで正しかったとお考えでしょうか。
○政府参考人(原優君) 民訴法の準用規定が多いということで分かりにくくなっているという御批判はそのとおりだというふうに思っております。
○前川清成君 違うんです。質問に答えてくださいね。ユーザーの違いとか何かそういうのは念頭にあるんですか。
○政府参考人(原優君) 家事事件手続の場合には家庭に関する事件が対象になります。必ずしも弁護士さんが付いているわけではございませんので、そういう意味でできるだけ準用がない方がいいだろうという、そういうことは考えましたけれども、殊更非訟事件について、これは弁護士さんが関与するケースが多いから準用してもいいという、そういうことでやったわけではございません。
○前川清成君 今申し上げたように、公示催告、非訟事件の対象となる事件も、私は御本人で、今日は最高裁呼んでいませんのでお尋ねしませんが、本人申立てというのは相当件数あるだろうと思います。ですから、非訟事件手続法ももう少し分かりやすい表現を、別に条文の数が多くなったって私は構わないと思います。もっと分かりやすい体裁にするべきだったのではないかと思っています。 それと、家事事件手続法については、まあ御本人が利用される場合が多いだろうと、そこで、できるだけ非訟事件手続法の準用を避けて分かりやすさを心掛けたと、私はその方向性は極めて正しいというふうに先ほど申し上げたとおりなんですが、そうであれば、例えば先ほど申し上げたように、調停前置主義に関する条文も、訴えだから訴訟なんだとか、審判だから申立てなんで二百五十七条に言う訴えには含まないんだというふうに、村の人たち、ギルドの人たちしか分からない表現というのはできるだけ慎むべきではないか。 法律というのは、別に強い人は誰かが守ってくれるし、自分が守るし、お金が守ってくれるから法律によって守られなくてもいいのかもしれないけれども、困った人たち、弱い立場の人たちというのは法律が守ってあげなければならない。そうであれば、困った人たち、弱い人たちが法律を利用しようとするときに分かりやすい表現で書くと。是非このことを、今基本法の改正が進んでいます、特に基本法中の基本法である民法、特に債権法の改正が進んでいます、とりわけ債権法の改正に当たっては分かりやすい、ギルドの理屈じゃなくて、村の理屈じゃなくて、普通に頑張っておられる国民の皆さん方に分かりやすい表現となるということを是非是非お願いしたい。このことは民主党の契約法改正ワーキングチームの座長としても是非お願いをしたいと思いますが、最後に、大臣、この分かりやすさという点について御感想があればお伺いをしておきたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 委員の御指摘をしっかり踏まえたいと思います。 ただ、法律というのはなかなか分かりにくいところはあるんで、一生懸命勉強いたします。
○前川清成君 ありがとうございました。
○森まさこ君 自民党の森まさこです。よろしくお願いします。 本日は、法案の質問の前に、原発直下の二十キロ以内の立入禁止区域、この警戒区域についての人的法律関係がどのようになっているかということをお尋ねしたいと思います。 本日の地元の新聞は、一面トップで一時帰宅が連休明けから実施されるということを報じております。これは地元からは切実な要望があったんですが、連休明けですと二か月もたってからということで、非常に遅過ぎるという感じがいたします。 震災直後のこの法務委員会で、私も治安が非常に悪化していると大臣に申し上げました。窃盗事犯が横行しておりまして、ボランティアで物資を運んだトラックが、隣のトラックの荷台にたくさん電気製品が積まって東京の方に向かっていくのを見たと。被災直後の、まだ瓦れき処理もしていない時期でございます。なぜそこにクーラーの室外機や地デジ対応のテレビがたくさんトラックの荷台に積まって被災地から東京に向かって走っているのか、これは盗まれたものではないかというような報告もあったものでございます。今から一時帰宅をしても、そのように家の中のものが盗まれているのではないか。実際、この立入禁止の区域には、住民が何度も警備の目を盗んでペット等を心配して入っております。そのときに軒並み盗まれているという報告もされているわけでございます。 やはりこれは早く実施していただきたかったわけでございますが、この二十キロ以内立入禁止区域の警戒区域というのは、では、人的な法律関係、物的な法律関係、どう法務省が整理していくのか。私、官僚に来てもらいまして説明を受けましたら、いや、戸籍はもうほとんど完了しましたということで意気揚々と報告をしていただきましたけれども、戸籍は残っていたんでしょう、復元できたんでしょう。しかし、行方不明者の捜索、御遺体の収容というのは二十キロ圏内は最近始まったばかりなんです。二十キロ以内は最近まで自衛隊しか入っていなかったんです。 大臣、自衛隊が中に入って生存者の捜索をしていた、そこで御遺体を発見した場合にはどのような処理をして自衛隊が戻ってきたか御存じですか。ちょっとお伺いしてみたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 原発二十キロ圏内の状況というのが大変痛ましいことであるという御指摘は、本当にそうだと思います。関係の皆さんにも大変な御心労を掛けておるし、また、その中に津波の被害あるいは震災の被害で亡くなった御遺体があることも本当に痛ましいことだと思います。自衛隊の皆さんがそうした遺体を発見をしてくださった、本当にこれも筆舌に尽くし難い御苦労を掛けているものと思います。 その上で、私は、自衛隊の方が御遺体を発見したときにどういうふうに処理したかというのは具体的には存じておりませんが、想像で申し訳ないんですが、自衛隊の方は警察に引き渡すことになるのだろうと思います。
○森まさこ君 そのとおりでございます。自衛隊は、その任務が生存者の捜索でございますので、御遺体があった場合には、その地点に旗を立てて、そして警察に連絡するということになっています。 ところが、福島県警は、当時、二十キロ以内は立入禁止にしておりました。警察自体の立入りを禁止にしておりました。危ないからです。ということは、遺体はそのまま野ざらしにされていたんです。 私も、何度もこの二十キロ、立入禁止のぎりぎりのところに入りました。今週末も入ってきますけれども、この御遺体はそのまま旗を立てて野ざらしにされている。それを知った遺族はどうしますかね。入っていくんです。警備は治安が悪化していると私が申し上げた後も特に強化されず、手薄な警備でございますので、そこを遺族の方が二十キロ圏内に入っていって自分の家族を、旗を立てたところを捜していく。見付かったときに、そこから携帯電話で警察に連絡をするんです。そうしたら、初めて警察が真っ白装束の防護服になって入っていって御遺体と御遺族を連れ帰ってくると、そういう地獄のような状態がずっと続いておりました。それは、御遺族の方でも見付けられない方もたくさんありましたから、遺体がずっとそのまま置かれているわけです。 そうやって収容されてきた御遺体が一番近くの高校の体育館に並べられておりますけれども、私もそこに行って見せていただきましたけれども、もう御遺体は、もう判別が非常に困難なほど傷んでいるという状態です。つまり、身元確認が非常に難しい。失踪宣告ができるのもまだ先でございますので、相続関係も混乱が予想をされるわけです。そうしますと、物的な法律関係の方にもこれは影響をしてくるわけでございます。 さて、物的な法律関係でございますが、土地や建物について、これはどのような調査をしているか。私、昨日説明を受けましたけれども、もう一度説明をしていただけますか。
○政府参考人(原優君) 今回の震災によりまして多くの建物が倒壊しております。この建物については滅失登記をする必要がございますが、この被災状況の方を法務局の方で調べて、職権で滅失登記をするということを考えております。
○森まさこ君 職権で滅失登記をするというのは、つまり民間でやっていたら費用も掛かるし大規模なので、土地家屋調査士さんに委託をして入っていただくという意味だと思いますが、これについても非常に遅過ぎたと私も思っております。 四月、たしか十九日ですか、私、自民党の方の部会で確認したときには、その土地家屋調査士さんに委託して滅失登記のための調査に入るということも検討中ということでございましたので、震災から一か月たってもそれさえも決まっていないということ、非常に憤りを感じましたけれども。ただいまの御説明ですと、二十キロ以内については、これはもう全く不可能ですね。民間の土地家屋調査士さんが二十キロ以内の警戒区域に入ることはできないわけですから。 ですから、昨日私はお尋ねをしたんです。法務省の役人さんにお尋ねしたんです。原発地域の二十キロ以内、これはどうやって建物の滅失登記などの物的な法律関係の整理を進めていくんですかということでお尋ねをしたんですが、回答はありませんでした。つまり、法務省としては何も考えていないということなんでしょうか。ちょっと大臣のお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 大変な震災で大変な被害で、なかなか私どもの力が及ばないところもございます。正直言ってそれはございます。 ただ、倒壊した建物は、これは被災状況を調査して職権で滅失登記を行う予定でございまして、この調査は実地調査を行うのが原則でございますが、現実に立入禁止ということになっておりますから、例えば航空写真等の資料に基づいてこの一帯は全部もう壊れてしまっていると、そういうことが認定できる場合は、これはもう滅失が明らかでございますから滅失登記も可能だと思いますが、それでも、航空写真で上から見て、屋根はあるけど実はその屋根の下はもうないというような場合、滅失になると思いますが、航空写真では分からないと。 本当にこれは、調査は、今の段階ではこういう調査ができるというなかなかいい知恵がなくて、是非委員からもいろんな知恵をお借りできれば幸いでございます。
○森まさこ君 二十キロ圏内の方が大臣の御答弁聞いたら、大変がっかりすると思うんですね。 震災からもう二か月もたとうとしているときに、家にも帰れず、仕事も失い、大変な状況で毎日を過ごしています。津波や地震だけの被害でしたら、また復興して元に戻る、また新しい場所に移るという計画も立てられましょうが、原発地域の場合は先がどうなるのか全く見通しが付いてないんですね。東電から出された工程表も、三か月プラス六か月、九か月たってから、ステージツーが終わってから、そのときにその先のことについて検討すると言われているわけですから、もう全く不透明なことには変わりがないんですね。 そういう中で、この二十キロの原発直下の立入禁止のいつ帰れるか分からない地域について、政府がそこを特別に何か検討しているかというと、何もその検討の跡が見えてこないわけなんです。 先ほどの一時帰宅、こういうのも、やるやると言ってなかなか始まらなかったんですが、やっとやることに決まったら、バスがないのでもうちょっと待ってくれとか、一世帯一名ずつにしますということですけれども、あの中に中小企業たくさんあるんですね。津波で壊れていない、そのまま会社の建物があって、その中に設備もたくさんあるんですよ。その設備が持ってこれたら会社を再開できると。新しい建物も借りる当てももう見付けて、従業員もみんな元気でぴんぴんしていますと。機械さえ持ってきたい、もうこれは最初からずっとお願いしているんです。機械を持ってくるのに一人では持ってこれないんですよ。何でそれを一時帰宅を決めたときに、企業の場合にはその機械が持ってこれる人数だけ、またそのトラックも自分たちで準備するなら行けるとか、何でそういうことが一緒に発表されないのか、全く実態に即していません。 これはやはり政府の方が、偉い方がたまに福島県の福島市まで行って三十分ぐらいいて、二、三人の話聞いて帰ってくるだけと、そういうことでやはり現場の臨場感がないんじゃないかと私は思うんです。やはり二十キロぎりぎりのところに、二十キロより外には人が住んでいるんですから、そこに政府の対策本部をつくって、そこに対策本部の方が、政務三役のどなたかが常駐する、そういうことをしていただかないと現場のそういった要望が届かないんではないかと、そういう意見が多数あることをお伝えをしておきます。 ところで、先ほどのこの二十キロ圏内の法律関係の整理ですけれども、これについて全く法務省の役人さんが動いていないし、原発地域については何とも手も打ちようがないのでどうしましょうかということも大臣にも上がっていない、検討されていないということを伺いました。 一体、政府で原発地域の特別なこういう措置について検討しているところがあるのかどうか、私も調べてみましたけれども、全くないんです。政府以外ですけれども、復興構想会議というのがありますね。これは議事録がまだ出ていないんですけれども、資料とかマスコミの報道を見るところ、地震、津波地域の復興のアイデアは出ております。例えば、国が定期借地権を付けてある程度の年数は借り上げて、ある程度の年数が過ぎたら、それは被災者にまた返すんだと、そういうふうなアイデアは出ていますが、これは原発地域のことではないんですね。地震、津波の地域だと出ている。 それでは、政府の二十個もあるチーム、これのどこでやっているのか調べましたけれども、どこもやっていないんです。原子力災害対策本部というのがあります。ここは江田大臣もメンバーに入っています。それから、その下に原子力被災者生活支援チームというのがあります。ここに各省副大臣等が入っているということになっております。それ以外、原子力と付くのが幾つかあるんですけれども、法務省の方が入っているかどうか詳しい資料はありませんが、この全てのチームで原子力地域の、先ほどのような法律関係、整理されないということが何か検討されているのかと思って調べましたが、検討されていることはないということなんですね。 それで、やるとしたら一番上の大きな原子力災害対策本部、江田大臣が入っている、ここだと思いますけれども、ここでやはり法務省として、法務大臣として、これは法律関係なかなかもう整理されないと。であれば特別な措置を考えざるを得ないんじゃないかと、現行法では長い間無理であると、そうしましたら特別措置法を作って、何か先ほどのような国の借り上げとか買上げとか、そういったこともしていかないと、この地域の住民にとっては非常に不幸なことです。 そういうことを大臣に御提案をしていただくべきだと思うんですけれども、大臣、この原子力災害対策本部というのは今まで大臣は何回御出席なさいましたか。
○国務大臣(江田五月君) これはちょっと、資料を見ればすぐ分かるんですが、原子力災害対策本部の会合は十三回開かれておりまして、私はその全てに出ていると思います。
○森まさこ君 昨日、法務省からの説明では、江田大臣は十三回目の一回しか出ていないということでしたけれども、ちょっともう一度御確認ください。
○国務大臣(江田五月君) これは原子力災害対策特別措置法に基づくもので、原子力災害が発生した場合は、あれは緊急宣言でしたか、ちょっと正確な表記は別ですが、そういう宣言を出しまして、そして原子力災害対策本部というのを立ち上げると。立ち上げのときには全閣僚で構成されておりまして、私も入っていたと記憶をしております。いっとき関係閣僚だけということになったことがございましたが、私の場合にはかつて科学技術庁の長官をしたこともありまして、やはりいた方がいいんではないかということで今本部員になっております。途中、正式の本部員でなかった時期がたしか何回か、一、二回か三回かあるとは思いますが、しかし、この会合は緊急災害対策本部の会合と大体近接して、引き続いてという格好で行われておりまして、私の記憶ではその全てに出席をしていると。いっときは正式の本部員でない形があったかもしれませんが、出席はしていると記憶をしております。
○森まさこ君 昨日、法務省大臣官房秘書課付の佐藤さんからの御説明ですと、江田法務大臣は四月十一日の第十三回原子力災害対策本部会議から本部員として参加しました。そして、この十三回の後、原子力災害対策本部会議は開かれておりません。ですから、一回だけ出席なさったというふうに私は伺いました。 ただし、この十三回の原子力の対策本部会議は、地震、津波の方の対策本部会議との合同会議であると。議題は、震災一か月目の黙祷、総理からの挨拶、各省からの報告ということで、中身は余りなかったようなのでございますけれども、原子力について江田法務大臣が何回出ていたかというようなことを私が詰めるために質問しているわけではございませんで、私の質問の趣旨は、この原子力の災害対策というのが地震、津波と一緒に開かれていて、そして四月十一日以降一回も開かれていないということでございますが、この二十キロ圏内の住民からすれば、この原子力の災害対策というものをやはり特化してやっていただきたいという強い気持ちがあるんです。原子力の事故はまだ今も続いていて、目に見えない津波に襲われていると。これは二十キロ圏内の住民もそうですし、その周りの福島県民はその間接被害も多大なものがあります。 ですので、私は大臣に要望したいのは、この原子力災害対策本部会議、四月十一日から一回ももう開かれておりませんが、直ちに再開を大臣から呼びかけていただいて、本部員でございますので呼びかけていただいて、直ちに再開をしていただき、その原子力の被害に特化した議題で話し合っていただきたいし、その中でも特にこの二十キロ圏内の法律関係がこのままでは整理できないんだということ。 そして、国がその土地を買い上げたり借り上げたりすれば、一時的にでもその被災者に現金が渡ります。現金が東電から一世帯百万円配られるということでございますが、被災地から逃げてきた住民は今は自費で払って生活をしておりますので、アパートを借りた方も自分でアパート代を払っております。全員が避難所、体育館に入れるわけでもない、ホテルに入れるわけでもない。そんなものは百万円いただいてもすぐなくなってしまいます。仕事の当てもないんです。 こういったことに対して、法律関係もそうですが、その他の大臣が所掌なさっている雇用関係もそうです、生活支援もそうです。そのことについて、やはり二十キロ圏内については特別な立法をしていく、特別措置法でも作っていかなければならないというようなことをやはり対策本部会議で大きな視点でお話合いしていただきたいと思うんですけれども、大臣の御見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 委員の御指摘は、まさに現場の状況をしっかり踏まえられた重要な御指摘だと思います。 原子力災害について、この原子力災害対策本部というのは一番、どういいますか、上にある会議でございまして、その下に先ほどおっしゃった生活支援とか、あるいは文科省で紛争に関する委員会も動き出していますし、さらにもう一つ、原子力災害の補償の関係についての枠組みを考えるものもできておりまして、たくさんあってどれがどれだか分からぬというそういう御批判もありますが、それぞれに所管の仕事をちゃんと引き受けて今やっております。 重く受け止めますが、ただ難しいのが、これ私もよく、所管でもないし余り明確なことを申し上げるわけにもいかないんですが、放射線被害の程度が今どの程度なのか、これからどうなっていくのか、除染その他の可能性があるのか、あるいは他の何かの措置をとらなきゃいけないのか、まだいろんなことがこれからだんだん明らかになっていくという過程なので、したがって、そういうものは、今の東電の工程表だと九か月先に判断できるようになるという工程表ですが、その間、臨時的に一定の支援をするといったことになろうかと思いますけれども、そうしたことを急いでしなきゃならぬというのもよく分かりますが、まだ事態が変化している最中といいますか、まだよく把握できていないというのもこれも事実でございまして、私どもの力量のなさがあるかもしれませんが、本当に今苦悩しているというのは事実でございます。 委員の提案はしっかり受け止めさせていただきます。
○森まさこ君 これは、専門的なこといろいろとこれから明らかになっていく、それを待っていられないので早くしていただきたいという私の逆の意見を申し上げておきます。 最後に、今回の改正でございますけれども、非訟事件の手続、それから家事事件の手続、この両方について電話会議システム、テレビ会議システム、これが導入されることになりました。この震災ででも、やむを得ず遠隔地に居住している方、また家族ともばらばらになって避難している方がございますので、このシステムが今後もこういったことにも大変有用であるかというふうに考えておりますけれども、心配される他人の成り済まし、それから家事事件等はやはり合意形成に向けてフェース・ツー・フェースの緊密な話合いなどが要求されると思いますけれども、そういったものに対する手当て等、これを法務省がどう考えているかというのをお答え願いたいと思います。
○政府参考人(原優君) 電話会議システムやテレビ会議システムを導入した場合には、その当事者が本人であるかの確認をすることが当然必要になってきております。これらのシステムは既に民事訴訟の手続には導入されておりまして、その民事訴訟において今行われている本人確認の手続をこの非訟や家事の手続でも同様の手続で本人確認をしていくということになろうと思います。 それから、電話会議システム、テレビ会議システムが使えるということになりましても、やはり事件の種類等に鑑みましてこれらのシステムを使うことが相当ではないという場合もあると思いますので、それについては裁判所において適切に判断されていくものと考えております。
○森まさこ君 ありがとうございます。 今の前半部分ですね、同様に本人確認をしていくというところをもう少し詳しく御説明願えますか。
○政府参考人(原優君) 民事訴訟での実践例をお話ししたいと思いますが、まず電話会議システムを利用する場合には、あらかじめ電話会議システムを利用する日時を定めた上で、当事者から届出のありました通話先に裁判所の方から電話をすると、必要に応じまして人定に関する質問をして本人確認を行っているというのが運用でございます。 それから、テレビ会議システムを利用する際には、遠隔地に居住している方に居住地近くの裁判所に出頭していただいてそこで本人確認をすると、こういうような運用がされているところでございます。
○森まさこ君 ありがとうございます。 最後になりますけれども、福島県内において震災後、犯罪が多数発生しておりますが、福島地検の方で処分保留の釈放が増発されたということが指摘をされました。大臣の方は、やはり検察の信頼向上に努めるということを所信でもおっしゃっておられましたので、やはり震災後の治安悪化が心配される中、このようなことが二度とないように大臣の御決意を述べていただいて、それで私の質問を終わりにしたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 福島地検による被疑者の終局処分をしないままの釈放について、大変地域の皆さんにも御心配を掛けたことをこれは率直におわびをしなければならぬと思っております。 ただ、その後の捜査については鋭意進めているところでございますが、そういうような、地震だ、津波だ、原発だという大変な中で余計なこういう心配を掛けるというようなことがないように、これはこれからもしっかりと検察の努力を督励してまいりたいと思います。
○森まさこ君 ありがとうございました。
○木庭健太郎君 質問通告はしておらないんですが、大臣、今、森委員とのやり取り聞きながら、私も何を感じているかというと、この東日本大震災が起きた、もちろん原発が今動いているというような問題の中で、これはどんなことを、どう法律の手当てをしていけばいいかというようないろんな問題が出てくる中で、実際に大臣がおっしゃったみたいに動いているものがあるもんですから、なかなか、じゃこれに対してどういう法律を作っていけばいいのかという問題について早急に結論が出しにくいという状況があるのかもしれません。 しかし、阪神大震災のときのその後の対応の動きからすると、いわゆる、どうしても法的にやはり幾つか整備してなければいけないという問題があのときもいっぱい出てきまして、ほぼ一か月の段階で二十本近い法律ですよ、いろんな整理ができているんですよ。ところが、今回に関して言うならば、そういった部分も非常に遅れている気がするんです。法的関係のいろんな整備の問題があります。 〔委員長退席、理事金子原二郎君着席〕 そういった意味では、法務省の方から、こういった問題についてはこういうことが要るよというサジェスチョンは是非すべき問題が幾つもあると思います。特に、先ほど森委員が指摘された二十キロ以内の問題、それから今度、計画避難区域の問題、こういった問題に対応するためには、やはり特別立法のような問題が必ず起きてくると思うんです。そういったことについて、大臣がある意味では積極的に、きちんとしたそういうことをやらなくちゃいけない権利関係の問題出てくるわけですから、そういったことも含めて、大臣として是非これは積極的に、逆に言えばリーダーシップを取っていただいて、そういった法の不備みたいなことに関しては必ず先頭に立ってやっていただきたいと思うんですが、まずこの点について大臣からちょっとお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 御指摘ありがとうございます。 なかなか、法務省所管なのか、あるいは国土交通省なのか、厚生労働省なのかと、まあこの行政の縦割りはなかなかややこしい部分ございますが、私も内閣の一員でございまして、いろんな御意見もいろんな方からいただきますので、あえて法務省所管かどうかということを超えていろんな問題提起もしてきましたし、またこれからもやっていきたいと思います。
○木庭健太郎君 今日は非訟事件、それから家事事件の関係ですから、家事事件に関連して一問だけ、最高裁の方にお尋ねすればいいんですかね。 結局、被災地では弱者保護の問題、様々問題になっていくわけですけれども、その中で一つ取り組んでいただきたいというか、調査もした上で検討していただきたいと思っている問題が成年後見制度の問題でございます。判断能力が不十分な認知症の人とか障害者、これを法律や生活面で見守るのがこの成年後見制度ですが、今回、世話をした人たちが、後見人も被災する、制度が利用できなくなったという被後見人が多数いるというようなことがこれ報道でも指摘をされておりました。 〔理事金子原二郎君退席、委員長着席〕 まず、その被災地で亡くなった後見人や被後見人がどれだけいるのか、現状をどんなふうに把握されているのか、まず伺っておきたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) 誠に申し訳ございませんが、今日はその質問は私自身は通告がなかったものですから、ちょっと準備ができておりませんので、また次の機会に改めましてお答えさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
○木庭健太郎君 質問通告しているんですよ、これ。通告しているのにこういう結果になると、何か納得いかないけどな。
○国務大臣(江田五月君) 何人ぐらいという数字まで私の方には来ておらないんですが、もちろん後見人が欠けた、あるいは被後見人の保護が必要だと、新たな後見人を選ばなきゃならぬということで、被災地の家庭裁判所は既に後見人や被後見人の安否の調査を進めておると聞いております。そして、そうしたことが分かれば、これは職権で新たな後見人を選任する等の必要な手当てが行われておると承知をしております。
○木庭健太郎君 またしっかりお聞かせ──ありますか。
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) 申し訳ございません。 被災地域に五千人ほどの後見人がいらっしゃるようでございまして、その方々の安否につきましては現在調査中ということでございます。済みません。
○木庭健太郎君 是非きちんとした調査をまずはしていただいて、先ほど大臣からも既に御答弁いただきましたが、そういった人たちに対して、次にどうきちんとした後見人というものを位置付けていくのか。いろんな形、公的な支援をしてあげないとこれはなかなかサポートできない部分もあると思いますので、その点について是非調査とともに、この受けていらっしゃる方たちに対する支援という形を取り組んでいただきたいと思いますが、お答え、大臣から伺えばいいんですか、最高裁から伺えばいいんですか。お答えをいただいておきたいと思います。
○委員長(浜田昌良君) まず、最高裁判所事務総局植村刑事局長に注意したいと思います。 正確に通告があったのを答弁ができないということでございましたが、そういうことがないようにしっかりと御答弁いただきたいと思います。 植村刑事局長。
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) 誠に申し訳ございませんでした。
○国務大臣(江田五月君) 家庭裁判所が調査をして職権で適切な措置をとるわけですが、その他の公的支援の必要性もこれも当然あると思います。不動産、預貯金などの財産管理、あるいは介護サービスの契約などのために新たに成年後見制度を利用する必要が生じるという場合も出てくるでしょう。あるいは、そういう場合に申立人の収入等が一定の額以下だと、これはもうあまたあるものだと思います。そうした条件を満たすときには法テラスが弁護士による無料法律相談を行うという、あるいはまた成年後見の申立てに係る弁護士や司法書士の費用の立替えと、こうしたことも行うと思っております。 その他、公的支援の要否については、これは家庭裁判所の現状把握等を踏まえて、法務省としても関係府省庁と連携をしていきたいと思っておりまして、例えば厚労省で成年後見制度利用支援事業と、こうしたこともあるようでございますので、関係の役所とよく連携していきたいと思います。
○木庭健太郎君 是非そういった取組とともに、大臣、法テラスとおっしゃったんですが、法テラスということは向こうがやらなくちゃいけないんですよ。実際に被害に遭った方たちのところに、ある意味では、この前もちょっと御指摘させていただきましたが、それこそ巡回相談とか行ったときに、調査するときにそうした人たちがいらっしゃれば、懇切丁寧にやっていただけるような仕組みを是非ちょっと組んでおいていただきたいという気持ちを強く持っておりますので、これはよろしくお願いをしておきたいと思います。 さて、今日は非訟事件手続法と家事事件手続法の問題でございますけれども、家事事件といえば離婚とかいろんな問題なんだろうと一般国民はよく分かるんですが、先ほどから専門的でというお話もありましたが、非訟と言われても一般の方たちはなかなか分かりにくいと思うんです。 こういう大改正のときでございますので、まず基本的なことを、非訟というのは何なのかと、大体どんなイメージを持てばいいのかということの御説明をまずいただいておきたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 法律的な正確な説明が私にできるかどうか自信はありませんが、判例等によれば、まず訴訟事件というのはこういうものだという説明があると。訴訟事件というのは、裁判所が当事者の意思いかんにかかわらず終局的に事実を確定し当事者の主張する実体的権利義務の存否を確定することを目的とする事件だと、こういう、要はもう当事者の意思じゃなくて、裁判所が公権的にこうだと決める権利義務関係を、事実を確定し法律に照らして、これが訴訟事件だと。 非訟事件というのは、裁判所において取り扱う事件のうち、そういう訴訟事件以外のものをいうんだという、そういう定義でございますが、まあ平たく言えば、株式の値段が幾らかとか、借地借家で移転するときにどのくらい承諾料を払うとか、様々そういうものはございますね。そうした、一つ一つは事件としては小さい、しかし、必ずしも社会的に小さいわけじゃない、そうしたものの総称を非訟事件というということだと思います。
○木庭健太郎君 本当になかなか、労働審判なんかもこれに入るらしいとか、いろんなことがあるようでございますが、ただ、これは明治三十一年という古い法律だそうで、また家事の方も昭和二十二年以来の改正になるわけで、だから、今の時代というか、なぜ今やらなくちゃいけないのかということについてもやはりこの際御説明もいただいておきたいと思いますし、先ほど御指摘があったように、まだ何か非訟事件の方はこれは分かりにくいとかいうようなお話もあったわけでございまして、だったらもう少し時間を掛けてやりゃよかったのかなみたいな話も出てくるかもしれませんので、なぜ今やるのかということについて御説明をいただいておきたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 委員御指摘のとおり、現行非訟事件手続法は明治三十一年、現行家事審判法、これは題名変わりますが、昭和二十二年の制定で、その後いずれも抜本的な見直しがされずに今日まで参りました。しかし、この間、かなりの数の基本法制が、あるものは現代語に直す必要もあったり、変えました。そして今、この非訟事件あるいは家事審判、これも新しいものにしようと。 これだけやっぱり世の中変わってきて、非訟事件も多様化するようになる、あるいは家族間の関係も利害の対立が激しく解決困難な家事事件も増えてきていると。こうしたことがいろいろありまして、やっぱり現代というのは手続規定、保障がちゃんとされてなきゃいけないよとか、いろんな管轄その他、どうも不合理なところがあるよとか、そういうものを、この際多くの基本法を変えた上でやはり現代化しようということになったと思っております。
○木庭健太郎君 これに合わせて整備法案が出されて、これもその数が全部で百三十ということでございます。先ほど非訟事件って何かとお聞きしましたけれども、結局この百三十を出したことによって、非訟事件はこれで全て入ってきて過不足なくきちんと整備ができているというふうに理解していいのかどうか、ここは確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) これは、そのためにまさに整備法で数多くの法律に手を入れたわけで、過不足なくでき上がっていると理解をしております。
○木庭健太郎君 そこで、やっぱりなかなか難しいんですね、この非訟事件というのは。ただ、憲法との関係とかいろんなことで様々議論もあるようなものもあるようでございますので、ここからは少し、まず何をお伺いするかというと、非訟事件についての憲法三十二条の保障にかかわる規律の在り方という問題なんです。 この非訟事件に対する憲法上の保障をどのように考えるかということについては、これは何か最高裁で幾つか判決が出ておりまして、一言で言うならばどういうことかというと、訴訟事件に関しては憲法三十二条、つまり裁判を受ける権利の問題ですが、それとともに憲法八十二条、公開原則の下における裁判というような問題を含めて、この訴訟事件については憲法三十二条、八十二条の保障は完全に及ぶということになる。ただ、非訟事件には全く及ばないというのがこれまでの最高裁の判決でございます。 したがって、私がまず一問目にお聞きしたいのは、この法律案において非訟事件と憲法上の裁判権の保障との関係、これはどのような立場に立たれているのかということについてお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 御指摘のとおり、これはいろいろな裁判例があるんですが、最高裁判所の第三小法廷の決定、平成二十年五月八日というものがありますが、これによると、この憲法三十二条所定の裁判を受ける権利の保障は純然たる訴訟事件のみだと、非訟事件には及ばないと、こう判示をして、結局のところ、これで上訴を退けているわけでございますが、更に続けて最高裁が言っておるところがございます。 及ばないとしても、その趣旨からすると、非訟事件の結果により影響を受ける者に主張、立証の機会を与えるなどの適正手続は、それはあった方がいいんだというようなことを言っておりまして、この決定では「即時抗告の抗告状及び抗告理由書の写しを抗告人に送付するという配慮が必要であったというべきである。以上のとおり、原審の手続には問題があるといわざるを得ない」と、こういうことを書いているわけで、裁判所も言いたいことはあるんだよというのを、傍論ではありますが示していると。これは、抗告状を受けていない人の負担を裁判所が勝手に上げちゃったというようなことで、まあいいけど、手続もうちょっと丁寧にというのが裁判所の気持ちなんですね。 それを私どもしんしゃくをいたしまして、やはり今回の法案においては、裁判所の判断によって影響を受ける者が自ら主体的に主張、立証するための機会は与えられなきゃならぬというので手続保障の規定を整備をいたしました。これは、参加の規定であったり記録の閲覧の規定であったり、あるいは抗告ができる場合の整理、あるいは今の抗告状の送付のことなどでございます。
○木庭健太郎君 何か今から聞きたいお答えを先に言っていただいたようでございますが。 つまり、非訟事件というのは、本来、やっぱり特徴は柔軟性とか迅速性と、それもあるんですけど、やっぱり憲法三十二条の精神が非訟事件にも及ぶべきなんだというようなことが今回の法律の一番のある意味では基礎になっていると。だから、この法律の中にどのように具体化されているのかというのを聞こうと思っておったんですが、今ほとんどお答えいただいたんで、そういった点について具現化していくという、手続をきちんと定めていくということが本法律案を出した理由の一つにもなっているというふうに理解してよろしいでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) そのとおりでございます。
○木庭健太郎君 それでは、そういう意味でいろんなことが今回の法律の中では、受ける権利というか、そういった意味での様々な仕組みがなされているんですが、その一つが、やっぱり事件記録の閲覧とか謄写というような問題が今までどうだったのか、これからこの法律を、本法が抜本改正されたことによって、この事件記録の閲覧、謄写というものがどんなふうに変わっていくのかというようなことについて御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 記録の閲覧、謄写は、現行の非訟事件手続法には規定がないんですね。ちなみに家事審判規則では、これは家庭裁判所が相当であると認めるときというのはあるんですが、そういうような制度になっていて、この法案では記録の閲覧等は当事者の手続保障の根幹を成す重要な制度だととらえまして、非訟事件手続法ではこの点に関する規定を創設をいたします。家事事件手続法案では、これは整備をいたします。こうやって、許可に係らしめるとかいろいろありますが、きっちりした制度にしたということでございます。
○木庭健太郎君 今回のこの非訟事件の手続法及び家事審判手続法では、この記録の閲覧、複製の許可の申立ての問題で、当事者から許可の申立てがされた場合は原則許可しなければならないのに対して、利害関係人からの申立ての場合は裁判所の裁量によって判断するという規定になっております。一方、家事調停手続になると、これ、相当と認めるとき許可することができるというのは、当事者も第三者と同列に扱ったような規定になっているんですね。当事者又は利害関係を疎明した第三者から記録の閲覧等又は複製の許可の申立てがあった場合において、相当と認めるときは許可することができる、これ二百五十四条ですが。 つまり、当事者に第三者並みの裁判所の完全な裁量に委ねた地位しか与えていない、調停の場合。これは、調停における当事者の手続保障として問題はないのかどうか。これ、その辺の理由について教えていただきたいと思うんです。
○政府参考人(原優君) 私からお答えさせていただきます。 当事者の場合と、それから第三者による場合の違いでございますけれども、まず、当事者の場合には手続上の権能を行使するわけでございますので、適切な資料の提出や収集された裁判資料への反論など、必要な手続についての追行の機会を与えなきゃいけませんので、原則として裁判所は記録の閲覧等を許可すると、こういう立て付けにしております。これに対しまして第三者の場合は、当事者ではありませんので、手続上の権能を行使する機会の保障という要請はないということを考えまして、裁判所は、相当と認めるときは記録の閲覧等を許可することができるということで、当事者と第三者の立て付けを異にしているわけでございます。 今お尋ねがありました家事調停の場合ですが、家事調停事件は当事者の話合いによる自主的な解決を目指すものでございまして、自己に有利、不利を問わず当事者から資料を提出していただいて、当事者の話合いを促進するという、そういう手続でございますので、これは相当と認めるときは許可するということで、裁判所の裁量に委ねるのが調停手続の性格にも合うんじゃないかということでこのような規定ぶりにしたわけでございます。
○木庭健太郎君 もう一点、不服申立ての問題もちょっと聞いておきたいんですけど、結局、事件記録の閲覧とか謄写の許可に対する即時抗告については、非訟事件手続及び家事審判手続につき、当事者の申立ての場合は即時抗告と簡易却下を認めつつ、簡易却下に対する即時抗告も認めているんですが、利害関係を疎明した第三者による申立ての場合には不服申立ての規定がないんですね。これは利害関係人の保障手続としてこれどうなんだろうかと、問題があるのかどうかと思われるんですが、この点について説明をしていただきたいのと同時に、家事調停手続においてはこの不服申立ての規定がない、これについても理由を、民事局長、じゃ、お答えをお願いします。
○政府参考人(原優君) 利害関係を疎明する第三者の場合には、そもそもその閲覧等を許可するかどうかが裁判所の適正な裁量に委ねられているわけでございますので、その申立てを却下した裁判に対しても即時抗告を認める必要はないのではないかと、こういう判断でございます。
○木庭健太郎君 もう一点、最後に、ちょっとまたこれも専門的というか、聞きながらなかなか分かりにくいと思って聞いておるんですが、何の問題かというと、調停が不成立の場合の記録の取扱いというのがこれどうなっていくのかということを、こう書いてあるんですね。家事事件手続法二百七十二条の四項ですか、別表第二に掲げる事項についての調停事件が調停不成立によって終了した場合は、家事調停の申立てのときに当該事項についての家事審判の申立てがあったものとみなすという規定があるわけです。とすると、この上述の記録の閲覧、謄写の場合のように、当事者と利害関係人で手続保障に差異が生じることになるんじゃないかと思うんですが、この場合、その事件記録の取扱いについてその当事者や利害関係人の手続保障の観点からこれどんなふうになるのか、大臣でいいですか、じゃ、説明していただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) これは、今回の新法で別表第二、これが調停を申し立てることができる事件でございまして、調停の場合にはやはり当事者の率直な赤裸々な気持ちとか、いろんなことが調停を行う上の資料として出てきます。これはもう自由に出していただく方がいいということでやっております。 この調停が不成立になったら、調停を出した時点で審判を申し立てたと同じように審判に移行する。審判の場合は、今度は赤裸々な真情の吐露とかということよりも、もっと何か、事実を認定して法律適用するということになってまいりますから、調停のところで出てきた資料が全て審判にというのも適切でない。しかも、審判の場合は、やはりかなり後の事件の閲覧なども広がってくるかと思いますが、そうしたところへそうした真情の吐露などが全部来るのも相当でないので、一遍記録的には分けると。調停の資料の中で、これは審判に使えるというような資料は、事実の調査をして、そして審判の記録に編綴をして審判の資料とすると、そういう扱いにしているのがこの切り分けの理由でございます。
○木庭健太郎君 終わります。
○桜内文城君 今回のこの非訟事件手続法そして家事事件手続法の改正案でありますけれども、まずもって、これまでの質疑の中でもありましたように、今回の改正というものが分かりやすさあるいは現代化ということで今この時期に提出されたということでありますけれども、いかにもなかなか分かりづらい領域の法律だと感じております。私、立法がここが不備だとか、そういった因縁付けるようなことはなかなかできる能力がありませんので、今日はむしろ、分かりにくいなと思われる点についていろいろとお聞きしたい、教えていただきたいと考えております。 まずもってお聞きしたいのは、特に今回の非訟事件手続法そして家事事件手続法ですけれども、そもそもこの法律の立て方自体が分かりにくいというか、家事審判あるいはこの今回の家事事件手続法自体が非訟事件の一つであるというふうな言い方もされますし、その上で一般法の非訟事件手続法が、分かりやすくというふうに言うんですけれども、先ほどから何回か指摘ありましたとおり、大変準用の数も多いですとか、条文の内容が古いものをそのまま持ってきておるですとか、今回のこの非訟事件手続法、そして家事事件手続法というその法律の立て方自体、それから、そもそものこの二つの法案の趣旨、目的といいますか、分かりやすくするというのは、まあこれは当たり前の話として、こういった立て方にしたこと、それから非訟事件、それから家事事件の手続を定める大きな目的ですとか方向性というものについてお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 委員の問題意識に適切に答えることができるかどうか分かりませんが、非訟事件というのは、いわゆる家庭とか親子とかといった人間関係のこととはちょっと違う、財産上の様々な訴訟ではない紛争、時には紛争まで行かない場合もあるかと思いますが、裁判所が公権的に定める、そういうようなものを非訟事件と言うことにしていて、これが明治三十一年の制定ですから、これはもう時代の大きな変化があるし、手続の保障などもできていないので改めようということでございます。 そんな意味で、非訟事件手続法の方がむしろ、これはちょっと踏み込み過ぎかもしれませんが、民事訴訟法により近接する法体系で民事訴訟法の規定をかなり準用しているということになっているのかと思いますが、一方で家事事件手続法は、これは今の家庭内のこと、夫婦のこと、親子のことなど、あるいは親族、相続の関係とか祭祀の、祭具の承継とかいろいろそういうことがございまして、これは基本的には話合いで解決付いたらいいんですが、なかなか話合いも最近は紛争性が非常に高くなっているような場合もあるし、昭和二十二年の制定ではかなり古くもなってきているんで、これを変えようと。 非訟事件と家事事件というのは、そういう意味で適用される場面が大きく二つに分けられるということで別法にしているという理解だと思います。
○桜内文城君 ありがとうございます。 今回のこの両法案、両法案というのはこの非訟事件手続法と家事事件手続法ですけれども、訴訟という形式によらず、だからこそ非訟というわけですけれども、こういった私人間の財産上あるいは身分上の法律関係そのものを確定するというわけじゃないとしても、そこに公権力がある種、介入という言葉がいいかどうかありますけれども、その際の手続を定めるという意味におきましては、例えば行政権が適正手続あるいはデュープロセスに基づいて仕事を行っていく、そういった際の行政手続法と趣旨として似通った面もあろうかとは思っております。もちろん、非訟事件の場合、相手方がある場合もあればない場合もあったり、その辺もまた分かりづらいところだと感じておるんですけれども、行政手続法との異同ですとか、同じところ、違うところ等について教えていただきたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 非訟事件手続法あるいは家事事件手続法、いずれも広い意味では公権力である裁判所が国民の法律関係の形成に関与する際の手続を定めていると言うことができますので、公権力の作用により不利益を受ける者に対して一定の手続保障を与える規定を含んでいるという点で、行政手続法と共通する部分がございます。もっとも、この両法案は、主として私的な紛争解決のための司法手続であるというところは、これは行政手続法とは異なる部分も多いかと思います。
○桜内文城君 本当に一般的な話で恐縮でございますけれども、私的な紛争解決という点で行政手続法ともちろん必ずしも同じじゃないということでありますけれども、その辺の私的な紛争解決を行うために、だからこそこういった制度にしているとか、具体的にこういった手続にしているという点についてもう一つお尋ねしたいというのと、それともう一つは、特に不服申立ての在り方について、行政手続法の場合と今回のこの非訟事件の場合とどのような違いがあるのかについて確認させていただければ幸いでございます。
○政府参考人(原優君) 今大臣から御説明がありましたように、非訟事件あるいは家事事件の手続は主として私的な紛争を解決する司法手続でございますので、その司法手続を利用される国民の皆さんにとって利用しやすい手続であることが求められるわけでございます。したがいまして、今回の法律案におきましては、先ほどお話が出ましたけれども、電話会議システムとかテレビ会議システム等を利用してこの手続が利用しやすくするということを考えております。 それから、私的な紛争でございますので、その中には当事者が自ら処分することができる権利あるいは法律関係を巡る紛争もあるわけでございますので、こういった紛争につきましては、当事者間で話合いができれば事件を終了させていいということも考えられますので、今回は和解制度や調停制度も利用できるようにしておりますし、それから調停制度も様々なメニュー、現在は高等裁判所で調停はすることができませんけれども、高裁でも付調停で調停を成立させることができるといった、こういったことも考えているわけでございます。
○桜内文城君 民事局長に再度、もう一つお聞きしたいのが、不服申立てについてもう少し御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(原優君) 失礼いたしました。お答えするのを忘れておりました。 行政手続の場合に不服申立てができる場合というのは限られていると思いますけれども、司法手続の場合には、自分の権利あるいは法律上の利益を害されたものにつきましては原則として上訴ができるという立て付けだと思いますので、今回の非訟事件あるいは家事事件手続におきましても抗告等の規定を整備しているわけでございます。
○桜内文城君 大変勉強になりました。早いんですが、今日はこれで質問を終わります。 ありがとうございました。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 まず、法案に入る前に、この間質問してきました市場化テストによる登記乙号事務の民間競争入札の問題についてお聞きします。 様々、法違反の疑いを指摘をしてきましたこの乙号事務を受託しているATGカンパニーとアイエーカンパニーの二社について最近法務省が処分を行っておりますが、まずその点について御報告をお願いします。
○国務大臣(江田五月君) この二つの会社に関しまして、委員から様々御指摘がございました。私どもの方でも調べてみますと、この二つの会社の業務に従事している社員が委託業務を実施している登記所において、登記事項証明書の交付申請書を提出することなく自社の登記事項証明書を取得をした事案があったと、これは幾つもあったということですが、こういうことが判明をいたしました。公共サービス改革法三十三条の二第三項で禁止されている、特定業務の実施に関して知り得た情報を特定業務の用に供する目的以外に利用するということに該当するという判断をいたしました。 そこで、四月二十二日付けで両社に対して、公共サービス改革法第三十三条の二第六項の規定に基づいて、五月の十六日から七月十五日までの二か月間、目的外利用が行われた十一の登記所における委託業務の停止を命じました。また、公共サービス改革法二十七条第一項の規定に基づいて、委託業務の適正かつ確実な実施を確保するために、コンプライアンスについての改善指導を行いました。
○井上哲士君 目的外使用が明らかになったということで処分をされたわけですが、コンプライアンスについての改善ということが言われました。 ただ、この会社は、私この間指摘してきましたように、単に現場の働いている人がどうのではなくて、まさに会社ぐるみで、虚偽の法人登記もそうですし、それから年金の保険料のごまかしをしていた疑いもある、それから一方的な雇用関係の変更などをやってきたという疑いがあるわけですね。そもそも入札に参加をする資格がなかったんじゃないかという指摘もいたしました。 それに加えて、今回、目的外使用というのが出たわけでありますから、この法三十三条の二第八項による契約解除も十分あり得ると思うんですけれども、そこまで踏み込むべきではないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) 業務の停止と、コンプライアンスについては研修の実施、体制の構築、さらに、これからのコンプライアンスに係る取組計画の策定、実践、報告、いろいろ指示をしておりまして、これらのものがきっちりとこの会社、両社がこれらに従うことができるかどうかを十分にチェックをしていきたいと思っております。 今回の情報の目的外利用というのは、これは本当にコンプライアンスの欠如によるもので、是正することは可能だと考えまして、是正されれば契約を解除するまでの必要はないと。しかし、なかなかこの是正をするのはかなり高いハードルだと思っておりまして、そこはしっかりチェックをしたいと思います。
○井上哲士君 登記に対するやはり国民の信頼が問われる問題でありますので、文字どおりしっかりチェックをしていただきたいと思います。 その上で、法改正の問題にお聞きしますが、今回のこの非訟事件の手続に関する抜本的改正は、申立ての当事者や利害関係者の非訟事件における手続上の権利性を明確に位置付けたものとなっております。 先ほどもありましたように、この非訟事件について、国民の裁判を受ける権利性をめぐって長年の論争があったわけですね。二〇〇八年五月八日の最高裁判決も先ほど大臣から紹介がありました。この判決では、非訟事件ではその手続にかかわる機会を失う不利益は裁判を受ける権利とは直接関係ないとして、訴えた方も敗訴したわけですね。にもかかわらず、今回の改正で、この裁判で問題になった抗告審における相手方への抗告状の送付などの告知が盛り込まれたわけですね。ある意味、最高裁判決も覆すような中身になっているわけで、やはり事実上裁判を受ける権利をこういう非訟事件についても認めたものだと、今回の法改正はと、こういうふうに理解をしてよろしいんでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) 最高裁判決を覆したというわけではないんだと思います。憲法三十二条が非訟事件にそのまま適用されることはないという最高裁の判決は、それはそのとおり。しかし、最高裁の判決が理由の中で、まあこれが直接にその主文に結び付くのではありませんが、最高裁の意見というものがにじみ出る表現がございまして、これはやはり私どもそこは重要視しなきゃいけないということで、適正手続の保障をこういう非訟手続にも及ぼしていこうということで、抗告状の送付であるとか理由書の送付であるとか、そういうようなことを含め手続保障を書き込んだと、明確にしたということでございます。
○井上哲士君 いずれにしても、国民の権利規定が向上していっているということだと思います。 ちょっと条文に沿って幾つか聞いていきますが、一つ、まず第六条ですが、優先管轄について、手続の遅滞を避ける必要を認めるときその他相当と認めるとき、職権で移送することができるとしておりますが、この相当というのはどういうケースなのかと。 それから、その際やはり当事者の利益が考慮をされるべきでありまして、民訴法で移送する場合には最高裁規則の八条で当事者の声を聴くことになっておりますけど、同じような規則を今回も置くということになるんでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) 管轄裁判所というのは一つに限らないので、数個ある場合がございます。その場合に、最初に申立てを受けた管轄裁判所が管轄すると。しかし、そこ以外のところに関係者が多数いるとか、あるいは資料がほかの裁判所にたくさんあるとかという場合など、それ以外の管轄裁判所で審理するのが相当である場合がある、こういうときに裁量による移送を認めようとしたものでございますが、移送されれば、それは当事者にとっては思い掛けないことだということも出てくるかもしれません。 御指摘のとおり、民事訴訟規則で、遅滞を避けるため等の移送で、相手方の意見を聴くという、そういう規定がございます。これは民事訴訟規則ですから最高裁判所規則であって、今回の非訟事件の場合にも、そうした民訴の規則の存在というものを踏まえて最高裁において検討されるものだと思っております。
○井上哲士君 労働審判との関係で何点かお聞きします。 労働審判は非常に今よく活用されておりまして、有効なものとなっております。もちろん、改善すべきことは必要ですし、もっと使えるように裁判所の支部などでももっともっと広げる必要はあると思うんですが、それとの関係で、幾つか懸念の声もあったり、確認をしておきたいことがありますので質問しますが。 まず、改正案十二条の忌避について、労働審判法ではこの規定の準用を除外をしていると思いますが、そういうふうにした理由についてお願いします。
○国務大臣(江田五月君) これは、労働審判制度というのは原則として三回の期日で結論を出すという簡易迅速を旨とする手続で、しかも当事者からの異議の申立てによって効力失われると。つまり、暫定的な解決案をまず示して、これでどうですかと、不服なら異議で効力失われるということですので、忌避の申立てを認めますと時間が掛かり、そういう制度の趣旨が損なわれるし、異議で効力失われるというので忌避まで認めなくてもまあ当事者の納得はいただけるのかということで、忌避制度までは設けないということにいたしました。
○井上哲士君 労働審判法の制度の趣旨に合わせた適切なことだと思うんですが。 そこで、同じようにやはり制度の趣旨ということでいいまして、三十二条三項の記録の閲覧についてお聞きしますが、裁判所は、当事者又は第三者に著しい損害を及ぼすおそれがある場合には許可しないこととされておりますけれども、これは具体的にどういう場合なのかということが一つ。 それから、労働審判法の方は、当事者又は利害関係疎明者について許可を不要としておりますから、この規定は適用除外だと、こういうふうに確認してよろしいでしょうか。
○政府参考人(原優君) まず、前段の御質問でございますが、当事者又は第三者に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときというのは、例えば営業秘密などが明らかになってしまうような場合を想定しております。 それから、後段でございますが、労働審判法は二十六条におきまして、事件記録の閲覧等についての独自の規定を置いておりますので、非訟事件手続法案の三十二条の規定は労働審判事件には準用されないと解釈しております。
○井上哲士君 もう一つ、改正案四十六条の受命裁判官の規定の問題です。 労働審判においても、審判員を排除して審判官一人による手続を可能とするのではないかと、こういう懸念があるわけですが、労働審判委員会で審判手続が行われるべきであって、この規定によって労働審判官一人による手続が認められるものではないと考えますけれども、そういうことでよろしいでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) 労働審判事件というのは、個別的労働関係、民事紛争の適正迅速な解決ということですが、労使の慣行とか、あるいは人事労務管理制度、さらに、その他の労働関係に関する専門的な知識や経験が活用されるということが大変大切だと思われます。 そこで、労働審判事件は、裁判官である労働審判官一名、それにいろんなそうした知識、経験を有する審判員二名と、三名で労働審判委員会を組織して手続を実施しているということでありまして、これがそうした二人の人が入っているということが非常に重要なので、この労働審判事件では裁判官だけで手続を行うことは想定されていない、したがって非訟事件手続法の第四十六条の規定は労働審判事件において用いられることはないと思っております。
○井上哲士君 もう一つ、四十七条の電話会議システムについて聞きます。 やはり、労働審判では口頭主義を徹底をして、第一回の期日から可能な証拠調べも実施しております。そういう点では、誰が発言しているか判別しにくくなる電話会議システムというのは、やっぱり労働審判では用いることは避けるべきではないかと思うんですけれども、この点のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) 電話会議システム等は、労働審判事件に関して準用はされております。しかし、このことは労働審判事件の期日を電話会議システムを用いて行う余地があるということであって、実際に電話会議システムを利用するのが適当であるかどうか、これはやはり個別具体的な事案に応じて決められるべきものであって、労働審判委員会の判断に委ねられていると、こう思っております。
○井上哲士君 あくまで選択肢としてあるということで、やはり現行のやり方で基本的にやるべきだということを申し上げておきます。 これに関連して、最高裁、来ていただいているんですが、今司法過疎地も広いですし、事件も多岐に及ぶ一方で、管轄権を持たない裁判所も多くある状況があるわけで、その際に管轄権のある裁判所への移送というのは大変負担になることを考えますと、全体で言うとこのテレビ会議システムや電話会議システムというのは遠隔地に居住している人には負担の軽減になると思うんですね。 そこで、現行もやられているわけですけど、新たに広げることによって、このシステムのハード面としては足りているのか、これ今後どう拡充をされることを考えているのか、予算も含めてどうかという問題と、人的体制も含めてこういう今回の法改正を機に拡充が必要かと思いますが、その点いかがでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(豊澤佳弘君) まず一点目の電話会議システム、テレビ会議システムの関係でございますけれども、その整備につきましては、既に民事訴訟事件や人事訴訟事件のために既に整備されているものがございます。それらの装置の活用も含め、事件数等を考慮しながら、今後具体的に検討をしていく予定でございます。 あと二点目の点でございますが、裁判所はこれまでも相当数の増員を行うなどして人的体制の整備を図ってきているところでございます。今後も事件数の動向、事件処理の状況等を注視するとともに、今回の法改正後において的確な事件処理が行われるよう、必要な体制の整備に努めてまいりたいと考えているところであります。
○井上哲士君 やはり国民の権利性の拡充ということを法制面で整備していくわけですから、そういう体制上の問題もこれはやっぱり格段の努力をいただきたいということを改めて求めておきます。 それから、三十二条の六項で、非訟事件の記録の保存、裁判所の執務に支障があるときは記録の閲覧や複製等の請求はすることができないというふうになっていますが、この裁判所の執務に支障があるというのはどういう場合を言っているのか。当然、繁忙などは理由になってはならないと思うわけですが、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) これは民事訴訟法の第九十一条五項を参考にしているものでございまして、その民訴の方は、記録の保存又は裁判所の執務に支障があるときはという規定ですが、破損していたり、あるいは整理の最中であったりして保存上支障があるというのはそういうとき、それから、裁判書の作成や、あるいは手続の準備などのために記録を用いているときなどでございまして、裁判所の執務に支障が生ずる場合と考えられます。 当然、裁判所が、ちょっと今忙しいからなどという繁忙などを理由にするということは認められてはおりません。
○井上哲士君 次に家事事件手続法の関係ですが、家事審判法の目的には、これまで、個人の尊厳と両性の本質的平等を基本として審判を行うという言葉があったわけですが、非常に格調高い、憲法に基づいたこういう文言が今回なくなりました。 司法におけるジェンダーバイアスということも、その克服の必要性も長く指摘をされてきましたし、そういう点でやはり裁判官自身も国際水準での人権意識の向上というのが求められているわけで、あえてこれを外す必要はなかったと思うんですが、なぜこれがなくなったんでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) 個人の尊厳と両性の本質的平等を基本として、家庭の平和と健全な親族共同生活の維持を図るという目的でございますが、この目的が今も大切なことは言うまでもありません。 ただ、時代背景ということだと思うんですが、昭和二十二年当時ですと、これは、それまでずっと日本の家族関係というのは旧民法の家制度の時代だったわけです。あるいは、女性の、例えば権利能力なども大きな制約があった時代がずっと続いていて、そして戦後、新しい憲法で家制度というのをやめて個人の尊厳、両性の本質的平等というものの上に今後の家族関係をつくっていこうと、こういうスタートをしたその直後でございましたので、日本国憲法とそれから改正された民法の趣旨を指導理念として、それを実現するためにこうした宣言を目的規定として掲げたと。これは重要な意義があったと思いますが、まだまだだという意見もあるかと思いますが、しかし現在では、家事事件の処理でこうした理念の尊重はもう当たり前のことであって、あえて目的規定を置くまでもないと、そんなことから必要はないということになったのだと思っております。目的規定を置かずに趣旨規定を置くというそういう立法例も多いので、それに倣ったものでございます。
○井上哲士君 現状に対する評価はいろいろあると思うんですが、私はやっぱり、こういうものはきちっと残して、先ほど申し上げましたけど、司法におけるジェンダーバイアスとかいろんなことはまだまだ残っているわけですから、規定を残し、しっかりやっぱり理念を生かしていくということが必要だと思います。 それで、六十五条で、家庭裁判所は、未成年者である子がその結果により影響を受ける家事審判の手続においては、子の陳述の聴取などにより、子の意思を把握するように努め、審判に当たり、子の意思を考慮しなければならないという旨を盛り込みました。 子供の意見の表明権がこうやって法定されたということは非常に重要だと思うんですが、この規定を盛り込んだ理由、意義はどういうことなんでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) これは、子にとって何が利益であるかというのは、それはその子が一番よく分かっているわけで、その子供の心情などを考慮して子の利益がどこにあるのかということを判断しようということでございまして、まさに児童の権利条約第十二条、意見表明権、そうしたものを念頭に置きながらこういう規定にしたということでございます。
○井上哲士君 子どもの権利条約などのやはり国際的な到達点を盛り込んだということでありますが、最高裁にお聞きするんですが、説明を受けますと、まあ従来からこういうことはありましたということで、今回やっぱりこういうことがこの法律にきちっと盛り込まれたことを余り受け止められていないような印象も私は持ったんですね。 ただ、この子の陳述の聴取とかその意思の把握、それからその意思を考慮した決定となるわけですが、本当にこれを真に実のあるものにするには、やっぱりそれなりの体制が必要だと思います。両親の離婚とか虐待とか、それから生殖技術の進歩等による親子の確認、子供が非常に深く傷ついている問題も多いなど非常に複雑になっておるわけで、児童心理学等の専門的知見とか技術を持つ裁判官や調査官、専門委員が確保されなければ誤認も生じかねないということだと思うんですね。 ですから、こういう子供の意見表明権というものがしっかり盛り込まれたのを踏まえて、量質共に裁判所としても裁判官や調査官、専門委員の体制を保障するということが必要だと思いますが、この点はどうお考えでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(豊澤佳弘君) 裁判所といたしましては、これまでも家庭事件の処理の充実強化ということで相当数の増員を行うなどして人的体制の整備を図ってきているところであります。また、家庭裁判所の裁判官や家庭裁判所調査官等の関係職員につきましても、家事事件の適正な処理に必要な知見を得るための研修あるいは研究会等を実施するなどしているところでございます。 今後も、事件数の動向、事件処理状況等を注視するとともに、御指摘の改正点を含め今回の法改正後においても的確な事件処理が図れるよう必要な体制の整備を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
○井上哲士君 本当に真に実のあるものにするためにしっかり対応していただきたいと思います。 更に関連して、百五十四条の三項で、子の監護に関する処分の審判において、必要な事項として面会交流を例示したわけですね。一方、二百九十条の義務履行の命令においては、財産上の給付を目的とする義務にとどめて、面会交流等に関する義務は含めておりません。 日弁連などからはこれは含めるべきだという意見もあったと思うんですが、今回それを含めなかった理由について、いかがでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) 御指摘のような議論があることは確かでございますが、面会交流というのは、やはりこれは本当に納得の上で行われないと、なかなか、やらなかったら金取るぞとか過料に処するぞとか言っても本当に心の通った面会交流にならないので、十万円以下の過料というものは、ちょっと面会交流を後押しするには適切ではないのではないかと考えたわけでございます。 それでも金の制裁が意味がある場合もあるでしょうが、それならば、過料というよりもむしろ間接強制でやった方が効き目は高いかなと。間接強制はかなりの多額になる場合もあるので、そっちの方がより有効かと思います。そして、面会交流の義務の履行の確保は、基本はやはり家庭裁判所による調整機能が発揮される履行勧告制度、これがやはり基本ではないかと思っております。
○井上哲士君 子供の問題で最後、もう一つ。 パブリックコメントを見ておりますと、日弁連などは子供代理人制度の創設を求めておりました。手続の最初から最後までの段階を通じて子供と継続的に接触して、子供の意見表明の援助などをする制度でありますが、この子供代理人制度の提案については法案にどう生かされたのか、いかがでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) 親権者の指定とか面会交流とかの審判の手続では、両親自身が紛争の渦中にあると子供の心情を思いやる余裕がないと、そういう場合も多い。そうしたときに、子の心情を酌み取って、子の利益を実現するために子をサポートする者が必要だという、そういう指摘があることはよく分かっておりまして、そのため子供代理人制度を創設すべきだという意見もございます。 法制審議会においてもこれは検討をされまして、最終的には、自分の気持ちや意見を的確に述べることができる子については、これは手続に参加するということを可能といたしました。また、裁判所は、そうした手続のときに子供を参加させた上で弁護士を手続代理人に選任すると、これも可能にいたしました。こういう方法によって子供自身が手続に関与することが可能になるものと思っております。
○井上哲士君 やはり子供の意見表明権というものをきちっと盛り込んだにふさわしい体制、そして運用をしっかりお願いしたいと思います。 以上、終わります。 ─────────────
○委員長(浜田昌良君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、平田健二君及び江田五月君が委員を辞任され、その補欠として外山斎君及び徳永エリ君が選任されました。 ─────────────
○委員長(浜田昌良君) 他に御発言もないようですから、三案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより三案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、非訟事件手続法案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浜田昌良君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、家事事件手続法案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浜田昌良君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、非訟事件手続法及び家事事件手続法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浜田昌良君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、三案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浜田昌良君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十分散会