法務委員会 第3号
- 発言数
- 143 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2011/03/24
会議録
○委員長(浜田昌良君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 議事に先立ち、一言申し上げます。 この度の平成二十三年東北地方太平洋沖地震により甚大な被害がもたらされ、尊い人命を失いましたことは誠に痛ましい限りでございます。犠牲者の御遺族に対し哀悼の意を表しますとともに、被災者の皆様にも心からお見舞いを申し上げます。 ここに、犠牲となられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと思います。 どうぞ御起立願います。黙祷を願います。 〔総員起立、黙祷〕
○委員長(浜田昌良君) 黙祷を終わります。御着席願います。 ─────────────
○委員長(浜田昌良君) 委員の異動について御報告いたします。 昨日、溝手顕正君が委員を辞任され、その補欠として浜田和幸君が選任されました。 ─────────────
○委員長(浜田昌良君) まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浜田昌良君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に金子原二郎君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(浜田昌良君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に警察庁長官官房審議官鎌田聡君、警察庁生活安全局長樋口建史君、法務省矯正局長三浦守君、法務省入国管理局長高宅茂君、外務大臣官房審議官渡邉優君、外務省北米局長梅本和義君、水産庁次長宮原正典君及び資源エネルギー庁原子力安全・保安院審議官中村幸一郎君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浜田昌良君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(浜田昌良君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、法務行政の基本方針に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○森まさこ君 自由民主党の森まさこでございます。 初めに、東北地方太平洋沖地震でお亡くなりになった方に心から哀悼の意をささげるとともに、被災者の皆様に対しお見舞いを申し上げます。 さて、本日、大臣の所信に対する質疑をする前に、大地震によって法務省の建物等に被害が及んだと思いますので、それによって被災地にどれほどの行政サービスに支障があるかということをまずお聞かせ願いたいと思います。お願いいたします。
○国務大臣(江田五月君) この度の大災害は本当に未曽有のことでございまして、多くの人命が失われ、また行方不明数知れず、そして被災された皆さんが今、大変なこの寒い中を本当に苦痛を強いられている。心からお悔やみを申し上げ、お見舞いを申し上げます。 法務省においても幾つかの被害が生じました。人的の被害でいえば、御親族にお亡くなりになった方がおられたり、それから保護司さんが津波で亡くなられたりというようなことがございました。本当に痛ましい限りでございます。 施設ということについては、まあ不幸中の中でも最小限で収まったのではないかと思っておりますが、仙台法務局の気仙沼支局が浸水、盛岡地方法務局の大船渡出張所が浸水、盛岡地方法務局一関支局が天井崩落の危険、福島地方法務局富岡出張所、これは原子力発電の避難指示でそれぞれ業務継続が困難な状況となりました。一時業務を取りやめて、そしてその後、最寄りの登記所で登記の受付、審査、証明書の発行事務等を実施したり、それから仙台地検の気仙沼支部はその業務を仙台地検本庁で実施をしたりしております。また、宮城刑務所の収容棟で一部亀裂が発生して居室が収容不能の状態となりましたが、これは十分その他の場所で収容できる。さらに、仙台入国管理局の仙台空港出張所、これが浸水等によって機能停止状態になっております。 あるいは、そのほかにも浸水や壁面の亀裂等が生じたりライフラインが停止している、水とかガスとかですね、停止している施設も少なくない状況でございます。できる限り業務が滞ることのないよう復旧作業に尽力しているところでございます。 また、これも震災の影響でございますが、東京電力の計画停電、これによりまして自家発電等を使用して、各種機器システム、情報システムやあるいは収容施設の保安警備等に支障がないように対処をしております。全力を挙げてまいります。
○森まさこ君 どうか登記のサービス業務など支障のないように、大臣の方でリーダーシップを発揮をしていただきたいと思います。 そしてまた、あわせまして、今回の地震に対する法務省での特別な立法等の取組についてもお聞かせください。
○国務大臣(江田五月君) 法務省の取組として主なものを挙げてみますと、まず被災地の復興のための法令の整備がございまして、これは既にできております特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律というものがございまして、この政令等の制定を進めました。例えば、破産の件であるとかあるいは入管の件とかですね。 これはもう今やっておりますが、そのほかに準備をしているというもので、罹災都市借地借家臨時処理法、それから被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法、いわゆる被災マンション法でございますが、これを適用するための政令の検討などを今行っているところで、さらに、倒壊した建物とか、もうテレビなど御覧、委員は出身でございますからよく御存じのとおり、むちゃくちゃな状態なので、これをどういうふうに片付けていくのかと、こうしたことも今整理の仕方について検討を進めているところでございます。 さらに、出入国管理の関係で、海外の緊急援助隊の皆さん、大勢来ていただいて大変有り難いことで、この入国に際して最大限可能な限り迅速な入国手続をすると。それから、一時避難と思われる外国人の皆さんの出国、これも急増をいたしましたので、これも特別な事務処理を行うなどして申請当日に再入国許可が出せるように対処をしてまいりました。あるいは、相談のための専用ダイヤル、出入国関係でございますが、成田空港には相談カウンターを設けました。そして、被災地に七万人を超える外国人の居住者がおられるので、その皆さんの安否確認とかあるいは御遺体の確認とかのために外国人登録上のデータを利活用できるように相談に応ずるとかあるいは照会に応ずるとか、そういうこともしているところです。 また、矯正施設から毛布やマスクや簡易トイレなどの物資を被災地に、これは法務省の方で運搬をして提供をいたしました。 さらに、東京と大阪の管区から宮城刑務所に人を派遣をいたしまして、この皆さん、刑務所での作業だけではなくて石巻市の住民支援にも当たらせて、さらに、少年刑務所や少年院にこれは心理技官がおりますので、この皆さん、医師二人を被災者の治療に当たらせました。 そしてさらに、仙台地検の石巻支部、ここは法務局の石巻支局も併せ一つの庁舎に入っておりますが、ここに被災者約三十名を受け入れて避難所に使っていただいているということでございまして、さらに、もし要望があれば、全国の法務省関連施設において、今のところ合計五千人以上の受入れは可能だということを表明したところでございます。
○森まさこ君 今大臣が最初におっしゃってくださった破産関係のところでございますけれども、私の地元福島県も地震の被害を大きく受けまして、浜通り地方、たくさんの建物が地震によって崩壊又は津波によって流されました。企業の建物が流されますと、会計上債務超過になりますので、破産申立て原因に該当してしまうわけでございますが、それを債権者等が破産申立てをするのを二年間延期できると、二年間は破産申立てできないものとするという法律で、本当に、会社を流されてしまった社長さんたちは、この年度末を迎えて大変困っていらっしゃる中で、収入もない中で従業員の給料も払わなければいけない、大変な思いをしておりますので、この法律、特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律で今のような破産の関係の手当てをしてくださること、有り難いことでございます。是非それを被災地の皆様に周知をしていただきますようにお願いを申し上げます。 また、大臣が二番目におっしゃいました借地借家の関係の法律、それからマンションに関するいわゆる被災マンション法でございますが、私、実は阪神・淡路大震災のときに司法修習生であったわけですけれども、ボランティアで現地に入りまして、法曹ボランティアとして兵庫県弁護士会、その当時の神戸弁護士会の建物に入りまして、その当時、罹災のための借地借家又はマンション関係の特別な法律がなかったものでございますので、現地の弁護士さんたちと協力して判例調べたり文献を調べたりして現地の資料を作った経験がございます。そのときでございますけれども、やはり現状を調べてからこの政令を出すと今大臣がおっしゃいましたけれども、一番大切なのは迅速な国の手当て、動き、これが求められているものでございますので、是非早く政令を発していただきたい。 その当時、阪神・淡路大震災の当時に、現地の方々が頑張って訴えてくださってできたこの法律でございます。そのときに、弁護士会の副会長の弁護士さんが、自分のおうちも被災されて、御家族も被災された中で、毎日弁護士会館に泊まりがけでこの法律の素地を作られておりましたが、その後、そのお疲れからかお亡くなりになってしまいました。そういう皆様方の頑張りの上にできた法律でございます。これをこの地震のときに是非生かしていただきたいと思います。 浜通りで流された建物は、とてもその全ての把握をできるような状態ではございませんので、現地の調査を待ってといっても、それがいつになるか分かりません。是非早めの政令を出していただきますようにお願いしたいのですが、大臣の御見解をお願いします。
○国務大臣(江田五月君) お答えをする前に一つ訂正をさせてください。先ほど刑務所、少年院を心理技官と申しましたが、これは医師の間違いで、心理技官は鑑別所におりまして、被災の皆さんの心理的なケアにこれから当たらせようと思っておるところでございます。 今の破産の関係の周知、これはもちろん行わなければなりませんし、それから罹災都市の関係、罹災マンションの関係、これはとにかく今現状がもうむちゃくちゃですので、どこの土地というようなことも分からないので、そうしたことの整備と相まってやっていくということですが、御指摘のとおり、早急にする必要はあると思っております。 委員が阪神・淡路大震災で御経験になったことは大変貴重だと思っております。私は地元は岡山でございまして、すぐ隣ですが、本当にオールジャパンでそうした救済を図っていかなきゃいけないんで、是非とも、今後ともいろいろ御指摘、御教示いただければ幸いでございます。
○森まさこ君 早めの政令の制定、重ねてお願いをしたいと思います。 また、阪神・淡路大震災のときにはそれ以外にも様々な救済特別立法が行われたというふうに存じておりますが、それについて一括して今御説明いただければと思います。お願いします。
○国務大臣(江田五月君) 阪神・淡路大震災、大地震のときの経験というのは本当に貴重だと思っております。今、特別立法というのはそれぞれ調整をしながら鋭意早急に検討を進めなきゃならぬと思っておるところでございますが、今回は規模において更に一層大きな災害となっていますので、これは政府として責任を持って進めてまいります。
○森まさこ君 それぞれの法律について具体的に御説明いただければと思います。お願いいたします。
○国務大臣(江田五月君) これは政府全体にわたってそれぞれあるわけですが、法務省でございますので法務省の取組として主なものを挙げてまいりますと、まず阪神・淡路大震災に伴う民事調停法による調停の申立ての手数料の特例に関する法律、これを、それから同じく、もう阪神・淡路大震災というのは省略しますが、法人の破産宣告及び会社の最低資本金の制限の特例に関する法律、それとあと、今被災マンション法になっておりますが、その前身である被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法、これを新規に立法をいたしました。これはもちろん既に措置済みのものもありますし、また検討中の法令等の整備におおむね対応するものでございます。
○森まさこ君 当時、やはり建物がたくさん壊れたということで、避難生活が少し落ち着いたころから裁判所に人が殺到いたしまして、そういった調停の手数料の問題やいろいろな問題が生じました。これらについても今回の震災でも是非同じような措置をお願いしたいと思います。 大臣が今挙げられたほかにも、法令に基づく届出の義務が本来の期限までに履行できなかった場合であっても、それが特定非常災害によるものであることが認められた場合には免責期限日までに履行すれば行政上及び刑事上の責任を問われないという措置もとられました。例えば、建物の滅失登記などの期限でございますが、こういったことも迅速な措置をとっていただきまして、あわせてそれを被災地の皆様に周知をしていただきますようにお願いを申し上げます。 また、先ほども申しましたように、裁判官が足りなくなりまして裁判所の案件が非常に増大したということで裁判官を増員をしたというようなことがあったかと記憶しているんですけれども、その当時の状況ととられた措置、それから今回はどのような措置をとっていくのかということについて御説明をお願いします。
○最高裁判所長官代理者(戸倉三郎君) 阪神・淡路大震災当時の裁判所が取りました体制について御説明申し上げます。 当時、土地、建物等を中心とした紛争が多発するということがございまして、こういった点については特に調停制度の活用というものが期待されたわけでございます。 そこで、大阪高裁管内の他の裁判所から応援の裁判官を派遣するなどいたしまして、平成七年四月に、神戸地方裁判所と神戸簡易裁判所を言わばまたぐ形で、裁判官四名及び書記官八名等で構成されます震災事件処理対策センターを設置いたしまして、震災関連の調停事件等を集中的に扱う体制を取ったところでございます。また、神戸地裁管内のその他の裁判所につきましても、調停事件等の増加に対応いたしますため、管内の他の裁判所から西宮簡易裁判所に二名、伊丹簡易裁判所に一名の裁判官を応援に派遣するなどしたところでございます。 以上でございます。
○森まさこ君 今回の地震に対してはどのような措置をとられていくおつもりなのか、大臣から一言お願いできますでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) その前に、度々訂正して恐縮なんですが、先ほど被災マンション法、これは当時できたものが現在生きているということで、これの適用を急ぐということでございます。 裁判所の体制については、これはもう最高裁判所の方に考えていただかなきゃなりませんが、私どもの方も阪神・淡路のときの経験を参考にしながら精いっぱいお手伝いをしてまいりたいと思います。 ただ一つ、これはもう委員御承知のとおり、阪神・淡路のときにはその建物が土地の上に崩壊して、まあ一部横へずれたということもございますが、今回はもうどこに何があるかが分からないほどもう動き切っていますので、これは本当に大変でございます。
○森まさこ君 今、大臣がおっしゃったとおりなんですね。建物だけではなく、自動車、それから船までもが大変距離の長い移動をしておりまして、それらの所有関係を整理したり、またそれを撤去、処分するときの法律関係など、大変複雑を極めると思いますけれども、それをなるべく迅速に処理をして被災地の復興をしていかなければなりませんので、そこに対する大臣の決意をお聞かせください。
○国務大臣(江田五月君) もうおっしゃるとおり、本当に広い範囲で移動していたり、あるいはなくなったり、それからもちろん建物が崩壊、倒壊していても、それぞれ動産でそれぞれの所有者はいるんですが、所有者が生きているかどうかも分からないというようなこともいっぱいあるので、この検討は今大急ぎで進めておりまして、小川副大臣がその中心ですので、ちょっとよろしければ説明をさせます。
○森まさこ君 お願いします。
○副大臣(小川敏夫君) 広く私有地も含めて、そうした家屋の構成物とか様々なものが積み重なっておるわけでございますが、基本的な点は、例えば建物の所有者は建物が解体した後の木材についても観念的には所有権が及んでおるわけでありまして、所有者が捨てたわけではなくて所有者の意思に反して流れてしまったわけでございますので、観念的には所有権があるといえばある状態でもございます。それが他人の私有地の上に乗っかっているという状況をどう解決するかという点が問題となっておりますが。ただ、現状やはり人の捜索、救出、あるいは遺体の捜索、搬出、あるいは疫病の予防とか火災の予防とか、そうしたこれからの災害の予防あるいは生活再建ということを考えますと、非常に緊急を要してその現在ある状況を解消しなくてはならないと、このように考えております。 そのために、観念的に所有権があるといいましても、まず土地の所有者にはそれをどけろという妨害排除請求権がございます。それから観念的にその土地の上に乗っかってしまった家屋の構成物等につきましても、所有者はそれをそのままそこに置いておけという意思は一般的にはないだろうというようなことを勘案しまして、価値がない、無価物であるから、それはやはり行政が個々の承諾を得ないで急いでこれを撤去するという方針で臨みたいと、このように考えております。
○国務大臣(江田五月君) 補足というのも変なんですが、委員始め国民の皆さんに是非御理解をいただきたいのは、それぞれ思い出がこもったものがいっぱいあると思うんですね。それは、いなくなったお母さんの大切にしていた着物であるとか、もう泥まみれになっていてもやっぱりそこは思い出があるとか、アルバムであるとか様々なものがある。しかし、その思いはもちろん大切にしながら行政サービスとして最大限、仮に客観的には価値のないものであっても、これは大切な思いがこもっているということを思いながら、思いながら、しかしやっぱり復旧のためにはある程度思い切った処分もさせていただかなきゃならないので、行政サービスは心のこもったものにしますが、しかしどうぞ御理解くださいという、そういう場面は出てくると思いますので、是非御理解をお願いいたします。
○森まさこ君 今、副大臣がその所有関係の整理をなさっているとおっしゃったんですが、それは特別なチームをつくってやっているんでしょうか。それから、そのチームで今回の所有関係の整理、最後に行政が撤去する場合の所有関係の整理をどういうふうにするかということを大体どのぐらいの期間をめどに結論を出すおつもりなのか、お聞かせ願えればと思います。
○副大臣(小川敏夫君) チームそのものは法務省、法務副大臣の私が座長をしておりますが、関係省庁、それから与党も入りまして議論を重ねておるところでございまして、これはもう今日にもその指針を示しまして、実際に作業を行うのはこれは自治体でありますので、そうした国としての指針を自治体に示すと、今日にも行いたいということで努力をしております。
○森まさこ君 そのチームの名称を教えていただけますか。
○副大臣(小川敏夫君) 急いで命名したものですから、表現がいいかどうかは別にしまして、災害廃棄物の処理等に係る法的問題に関する検討会議、先ほど申しましたように、所有者は廃棄したつもりはなくて、所有者の意思に反して漂流してしまったものですので、災害廃棄物という言葉は余りふさわしくないかもしれませんが、取りあえずそのような名前で発足しましたので、そういう名前になっております。
○森まさこ君 最後の質問ですけれども、福島県においては原子力問題で今も立入禁止の区域がございます。その地域に家を残して避難してきた方が一番心配なことはニュース等で治安が悪化しているのではないかというような報道がなされているということでございます。大臣が所信の中で治安と、それから国民の安心、安全に努めますというふうにおっしゃってくださいましたので、今の治安の状況を警察庁から、それから大臣のそれに関する御見解をいただければと思います。
○政府参考人(樋口建史君) 被災地の治安上、どういう問題があるかということでございますが、基本的には大きな問題は起きてございません。発生件数自体も入力がなかなかできないような状況もあるものですから、その辺りを差っ引きましても、むしろ件数自体は減少しているといった状況であろうと考えております。ただ、被災地ならではの、決して重要犯罪、重大犯罪ではございませんけれども、窃盗がほとんどを占めておりますけれども、犯罪やトラブルが発生を見ているところでございます。 住民や避難民の方々も、身近なところでふだんは余り経験をしない形態の手口の犯罪やトラブルが発生をするものですから、非常に敏感になっておりまして、一一〇番通報等もここのところ、直後は六割ぐらいに増えたんですけれども、大分減少しまして、今は一、二割増なんでございますが、不審者が徘回している、あるいは不審車両を見たという一一〇番が非常に多くを占めています。それで、その都度警察官は現場に出向いて確認をするんでございますが、実際にはほとんど不審事案ではございません。そういった状況がございます。 あれでございますけれども、幾つか、一、二、どういった犯罪トラブルか御紹介申し上げますと、圧倒的に多いのは、現地で足がないものですから、ほとんどは自転車なんですけれども、乗り物盗、窃盗でございます。それから、被災店舗で閉まっている店舗、事務所があるんでございますが、被災した店舗等へ侵入しての窃盗。それから、これは随分減ってまいりましたけれども、放置車両からのガソリン抜取り事犯でございます。 トラブルといたしましては、これも随分減少の傾向にございますけれども、気配がうかがえますが、給油をめぐるトラブル。いまだに二日前に十キロで十時間待ちといった、岩手でございますけれども、状況もございました。あるいは人々が詰めかけた、開店前二千人とか千人とかという報告もございますが、スーパーでのトラブル。そんな状況でございます。 で、対策はよろしゅうございますか。
○森まさこ君 対策もお願いします。
○政府参考人(樋口建史君) これ避難民の方々が中心でございますが、住民の方々からは、とにかく制服警察官、パトカーを見ると安心をすると。もっとパトロールをしてほしい、避難所にも定期的に立ち寄ってほしいといった要望が非常に多数寄せられてございます。当面、方針といたしましては、あらゆる違法行為の取締りを徹底いたしますとともに、これ全国警察から集めているんですが、制服警察官とパトカーをセットにいたしまして特派部隊を編成いたしまして、福島、宮城、岩手の三県に投入をしております。 こういった措置、てこ入れを含めまして被災地におけるパトロール活動を強化しております等々、あと関係業界も、金融機関や量販店とか幅広い業界がございますけれども、団体にも呼びかけをいたしまして、被災店舗等の防犯対策についても強化をお願いしておるところでございます。
○国務大臣(江田五月君) 被災地域であっても犯罪が起きないように、治安が守られるように、これは大変大切なことでございますので、責任を持って対処していきたいと思います。 なお、立入禁止の地域は、これは現在本当に一人も残っていないと聞いておりますが、十分注意してまいります。
○森まさこ君 では、これで終わります。 ありがとうございました。
○浜田和幸君 自民党の浜田和幸でございます。 最初に、法務大臣並びに原子力安全・保安院にお伺いしたいんですけれども、今回の福島原発の重大事故の発生によって、現場で必死の復旧作業に当たっている自衛隊や警察や消防あるいは東電、もろもろの方の間で、やはり被曝ということによる健康被害、それどころか、イギリスのこれデーリー・メールによりますと、既に五人の方が死亡していると、十五人が大変な重篤な被害に遭っていると、放射能被害の遭った方の数は計り知れないと。 まず、この五人の方が復旧作業中に亡くなったというのは事実かどうか、そういう情報をお持ちかどうか、お願いします。
○政府参考人(中村幸一郎君) お答え申し上げます。 今のところ、今委員の方からお話があった五人の方が亡くなられたという情報につきましては、私ども承知をしておりません。
○浜田和幸君 ということであれば、こういう情報が世界中に今広がっているんですよね。ですから、そのことに対してきちんと正しい情報を提供しないと、風評被害どころじゃなくて、この日本の原子力の安全というものに対して大変な危機的状況をもたらすと思いますので、是非、もしそういうことがないというんであれば、そのことをしっかりと情報を開示していただきたいと思います。 大臣、何かあれば。
○国務大臣(江田五月君) これは当省、法務省の所管ではございませんが、私の知る限りでお答えしますと、被曝によって死亡とか、あるいは重篤の障害とかになった例はないと聞いておりますが、しかし、原子力発電所で水素爆発などありまして、そうしたことで事故に遭われた方はおられます。そうしたことについて、この今回の事象全体について外国に正確な情報が伝わっていなくて、外国発のパニックというのがちょっと起こっているような様子が見受けられるので、緊急災害対策本部の会議でも、外務省に、是非これは外国に対する適切な発信を十分やるようにという合意がございまして、今外務省の方では、外務省のホームページを、もちろん外国語でちゃんと整備をしたり、あるいは日本の在外公館、外国の大使館など、ここにも周知徹底方を図っているところでございます。 精いっぱい、政府挙げて努めてまいります。
○浜田和幸君 それに関連して、日本では二十キロ以内退避、三十キロは自宅退避ということで、アメリカの方はこれ八十キロと言っていますよね。この根拠はどういう具合になっているのか、御説明お願いします。
○政府参考人(中村幸一郎君) お答え申し上げます。 日本の方でございますけれども、我が国におきましては、原子力防災計画におきまして半径十キロメートルを目安として避難範囲を設定することとしております。その上で、今般の災害につきましては、複数号機におけます同時に災害が発生するというリスクが顕在化したために、十二日でございますけれども、避難区域を拡大をして半径二十キロメートルとしたところでございます。更に万全を期す観点から、半径二十キロないし三十キロ圏内を屋内退避という形でしております。 一方で、アメリカの方でございます。今委員の方からお話がありました、八十キロという話がございましたけれども、アメリカの当局の方におきましては、日本政府の今申し上げました範囲については妥当という形で言っておられますけれども、自国民のその安全確保につきまして、余裕を持って、更に保守的に設定をして、五十マイル、約八十キロの範囲をその設定した値であるというふうに承っております。
○浜田和幸君 これはやっぱり念のためにということだと思うんですけれども、実は、横須賀のジョージ・ワシントン、原子力空母ありますよね。定期検修中、補修の途中であったんですけれども、急遽二日前に出航した。当初、ロナルド・レーガンという原子力空母が東北沖合で救援活動をやっていましたから、それに合流するのかと思っていたんですが、そうではなくて、どうも日本にいると危ないからというようなことで、日本から、言ってみれば、どこか分かりませんけれども日本を離れたと、それがCNNというアメリカのテレビで流れたんですよね。 ですから、アメリカが例えばその福島原発の上空で無人偵察機を使ってかなり広範な放射能汚染の実態を調べている。その情報を持っている情報と、どうも日本で受け止めている情報にかなり情報ギャップがあるんじゃないか、あるいは日米間でそういう情報の共有がしっかり行われていないんじゃないかという不安感がやっぱり広がっていると思うんですけれども、その辺り、日米のすり合わせ、あるいは今後の風評被害等を含めて、それを対応するための手段は何を、どういうことを考えておられるのか、お聞かせください。
○政府参考人(梅本和義君) 日米の情報共有、あるいは調整についての御質問でございますので、外務省の方からまずお答えをいたします。 今回の福島原発の状況につきましては、日本に既にアメリカから原子力の専門家が、これは原子力規制委員会又はエネルギー省等から来ておられます。その専門家と日本の専門家との間で緊密な情報共有を始め、あらゆるレベルで情報共有を行ってきておるところでございます。そういう意味で、かなりの情報は共有をしているということで、そこの調整というのはそれなりに私どもうまくいっているというふうに認識をしております。 また、今、空母ジョージ・ワシントンについても言及がございました。確かに、CNNが一時横須賀から米軍が退避するんではないかという報道を流しましたが、アメリカ政府自身がそういうようなことはないというふうに否定をしております。ジョージ・ワシントンについても確かにメンテナンスをしていた途中なんですが、これをメンテナンスの途中でも安全に航行できるということをしっかりと確認した上で、むしろ横須賀にいるよりは日本の近海にいた方がより抑止力として、このほかの船もたくさんいろんなところ出ておりますので、日本の防衛あるいはこの地域の安全と平和のために、そういうふうに動いた方がより適切だという判断の下に港を出たというふうに私ども聞いております。
○浜田和幸君 今の話に関連するんですが、そうであるならば、これだけ危機的な状況にあるわけですから、そのジョージ・ワシントンにも救援の要請をするというのは外交上、同盟関係としてごく自然な流れだと思うんですけれども、それがどこに行ったか分からない、日本近海にいて次の何か起こるか分からない状況に備えるというのは少し理解に苦しむんですけれども、日米でそういう危機感が共有されているんであれば、是非、共にこの危機的状況と闘う、そういう姿勢を是非外交ルートを通じて確認していただきたいと思います。
○政府参考人(梅本和義君) アメリカ政府は、オバマ大統領がアメリカとしてできる協力はあらゆることをする用意があるというふうに発言をされております。そういう観点から私どもも、できるだけの支援というものを、必要なものを得ていくということで、いろいろな協議をしております。 ただ同時に、在日米軍は日本の安全、この地域の平和と安定のためという任務も持っておりますので、その任務を果たすと同時に今回の地震、津波の救援活動をやるということで、そこは一定のバランスを取った中で行われているというふうに承知をしております。 いずれにしても、私ども、米側との緊密な連絡というものを今後ともよく心掛けて、最大限の日本とアメリカ、その他の国の協力を合わせてこの難局に乗り切っていくという決意でおります。
○浜田和幸君 それと、もう次の段階になると思うんですけれども、万が一この福島第一原発の鎮圧がもう難しいと、枝野官房長官は一部廃炉にする必要もあるだろうということをおっしゃっていますが、もしそういう決断を最終的に下すとなると、どの段階でそういう判断どなたが下すのか。その辺りの見通し、お聞かせいただけますか。
○国務大臣(江田五月君) これは、もちろん法令に従ってそういう措置をとっていかなきゃいけないので、枝野官房長官もこの間そういうことを前提としながら、まあ常識的にはということで話されたわけで、適切に対処していくべきものだと思います。 私は、かつて科学技術庁が存在していたころの長官もやりまして、そのときの経験で言いますと、これは国民の皆さんにも、あるいは諸外国も是非理解していただきたいんですが、チェルノブイリの事故とは本質的に違うものでございまして、核分裂の臨界が爆発的にという事態じゃありません。また、今のところですが、炉心溶融はもう極力今抑え込んでいるところなので、本当に必死の努力でやっている。今、委員CNNのことをおっしゃいましたが、私もちろん全部見ているわけじゃないけれども、私が見たCNNのホームページのテキストですと、アンチャーティッドウオーターズを行っていると。どこにもこれについてのマニュアルは世界中ないと。それを日本の関係者はもう命懸けでやっているので、これは本当に称賛に値するというような記載もございまして、是非そこは世界にも、あるいは国民にも理解をしていただきたいところでございます。
○浜田和幸君 是非、そのアンチャーティッドですから、初めての経験、もう世界中の英知を結集して、これを鎮圧に取り組んでいただきたいと思います。 最後に、地震関連の最後にしたいんですけれども、こういう地震、津波は、実は日本だけじゃなくてあちこち世界中で起こっていますよね。そんな中でやはり日本人にとって一番危惧されるのは、実は、東海地震が起こるとなると浜岡原発への影響というのがどうしても浮かぶわけですよね。ですから、この浜岡原発の今の安全、これはどのくらいの震度まで耐え得るような設計になっているのか、その辺りの現状をお聞かせください。
○政府参考人(中村幸一郎君) お答え申し上げます。 今委員の方から耐震幾つまでなのかというところについて、今具体的なその数値自身は持ち合わせておりませんけれども、東海大地震を想定をした上で原子力安全委員会の方で改訂をいたしました耐震審査指針、それに基づきまして想定される震度に対応できるような形で設計を行うということを今確認をしているところでございます。 それから、津波との関連につきまして申し上げさせていただきたいと思いますけれども、中部電力におきましては、この浜岡原子力発電所につきまして、既に福島第一原子力発電所の事故を踏まえまして、浜岡原子力発電所における津波に対する具体的対策を急ぎ検討しております。それで、既に発電機車の配備という形で、その配備をするという形でもう既に実施をしているところでございます。したがいまして、今直ちに浜岡原子力発電所の安全性が問題になるとは思っておりません。 いずれにしましても、原子力発電についての安全確保を最優先にしていく必要があると思いますので、今回の地震、それから津波につきましての状況、それから事故原因につきまして徹底的な検証を行いまして、必要な対策を検討していく形にしたいと思います。
○浜田和幸君 ありがとうございました。 是非、想定外ということが必ず、何か申し訳みたいに答弁の中に出てきますもので、やはり最悪の事態に備えるという姿勢でこれからも臨んでいただきたいと思います。 次は、浜岡原発とは全然違う捕鯨の、シーシェパードによる日本の調査捕鯨の妨害行動についての質問に移りたいと思います。 御案内のように、南氷洋での日本の調査捕鯨、これに対しましてシーシェパード、実力行使という形で、日本の国際的に認められている調査捕鯨を今回中途でやめて帰ってこざるを得ないような、そういう状況に追い込んだわけですね。 このことに対して、世界の日本の反応を見る目は厳しいものがあります。要するに、何か日本に言うことを聞かせようと思えば、ちょっと嫌がらせ、実力行使をすればすぐ腰砕けになってしまうんじゃないかと。そういう意味では、今回のシーシェパードによる妨害行為というのは看過できないと思うんですね。 この点について、日本の国益を守るという意味で、どういうこれから対策を考えようとされているのか。日本の伝統あるいは日本の漁業、あるいは日本の捕鯨という産業を守る、それを実力で破壊するような行為を放任していいのかどうか。その辺り、まず基本的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 当省の所管かどうかはちょっと別にして私の考えを申しますと、もちろん捕鯨というのは日本の伝統的な文化であり、古くから各地で行われてきているもので、それは世界に恥じるところではないし、また国際的にも調査捕鯨は認められている、これは守っていかなきゃいかぬものだと思います。 しかし、また文化の違うところが捕鯨というのは文化に反すると思っている、そういう地域もあって、その皆さんが捕鯨について警告を発する、そういう意見表明なら、それはもちろんそれぞれの意見であって尊重したらいいと思うんですが、ただそれを実力行使でもって止められるということは、これは遺憾な事態でございまして、その取締りは、これはそれこそ法務省の所管じゃないのですが、関係省庁が協力して現行法に基づいて適切に処理をしているものだと思っております。 現に、先般の事案については、これは加害者が日本で今裁判を進めているところでございまして、これについては関係国との協力も得られていることなので、是非国際的な理解を得ながら対処していきたいと思います。
○政府参考人(宮原正典君) 失礼します。事務的な補足をさせていただきます。 調査捕鯨に対しますシーシェパードの度重なる妨害によりまして船団の安全が確保できないという大変厳しい状況になりましたので、苦渋の決断として調査船団を帰国させるということに至りました。しかしながら、この妨害活動は我が国船舶及び乗組員の生命、財産を脅かす極めて危険な行為でございまして、断じて許されるものではないというふうに考えております。三月二十一日にはこの調査船団も帰国いたしまして、船団長、それから船長からも状況をつぶさに聞いたところでございます。 今後、乗組員あるいは調査に従事している者あるいは有識者の考えを伺いながら今後の調査について総合的に検討し、判断しなければならないと思っておりますし、特に妨害対策につきましては、今後とも内閣官房を中心に関係省庁と連携いたしまして、国際法、関係法令を踏まえまして、妨害の今年の状況もよく検討した上で対策を講じてまいりたいと考えておる所存でございます。
○国務大臣(江田五月君) 先ほど申し上げました刑事手続でございますが、これは判決が出されまして、執行猶予付きでございますが、出されて、そして次の手続に入りまして、収容令書に基づいて収容し、更に本国に送還までもう終わっております。
○浜田和幸君 今回に限って言っても、この調査捕鯨が途中で中断を余儀なくされたその経済的損失は、水産庁によると十九億円と言われているんですね。これまで、もう何年間にもわたってシーシェパード等による妨害行為によって三十億円を超える経済的被害が起こっていると。そういうことに対する国としての補償、要するに、日本の言ってみれば国際的に認められた正当な経済活動が暴力行為によって中断させられてしまっている、それに対して、国としての責任というか補償ということは、どういうことを考えておられますか。
○国務大臣(江田五月君) これは、まさに所管外でちょっと私もその点まで答弁の準備をしておりませんが、適切に処理をしなきゃいけないと思っております。
○政府参考人(宮原正典君) 残念ながら、今、調査船団、帰ってきたところでございまして、また、こういう地震の状況もございまして、実はこの調査船団の母船が支援活動、地震の被災地域の支援活動に参加してくださるということで、今そういう地震対策もやっているという状況でございますので、損害等についてもまだ検討ができてない状況でございます。今後の問題として処理させていただきたいというふうに考えております。
○浜田和幸君 是非、災害対策にも協力していただきたいと思うんですけれども、中長期的に見れば、やはりきっちりと日本の国益を守るという観点で、特にオランダ、そしてオーストラリア、ニュージーランド、この三か国がこのシーシェパードの言ってみれば船籍であり、あるいはその本部がアメリカに置かれている、NGOとして免税措置まで与えられている。そうなりますと、これからのことを考えて、この三か国に対してきっちり取締りを要請するということが必要だと思うんですね。 これまでも、外務省ルートで様々なハイレベルの申入れはされているという報告を受けていますが、その報告を見ても、指導をすると。例えば、オランダやニュージーランドに対して、このシーシェパードに対して指導を行うという回答を得ているということは外務省ルートで上がってきているんですが、そんな指導の結果が全くもって出てないとしか思えないんですね、今回の事案を見ていますと。その辺り、外務省の方で一体どのような要請を関係国に行われているのか、御説明を願います。
○政府参考人(渡邉優君) お答えいたします。 御指摘のとおり、オランダ、豪州、ニュージーランド、それぞれ旗国あるいは寄港国ということでございます。これらの関係国に対しましては、外務省としましても、各国の国内法に基づいて、シーシェパードによる不法な妨害行為、この再発防止に向けた実効性のある措置をとるよう、累次にわたり、ハイレベルも含めて、御指摘のとおり、申入れは行ってきたところでございます。 これに対しまして、それらの関係国でございますが、海上の安全を確保すべきという我が国の立場には理解を示しております。例えば、今回の調査捕鯨、日本に戻るということを決めたときでございますが、二月の十八日、外務副大臣、伴野副大臣が、これらの関係三国在京大使を招致いたしまして申入れを行いました際にも、海上の安全は重要だと、不法な行為を見逃すべきではないというお答えを得て、また、その申入れについては本国に速やかに伝えるという応答があったところでございます。 その後、具体的な進展状況でございますけれども、今委員から御指摘のありましたような指導に加えまして、関係国の対応といたしまして、例えばシーシェパードの船舶の旗国でありますオランダ、オランダでは船舶の剥奪を可能とするようなオランダの国内法の改正を準備しているところだという情報を得ております。 また、寄港国でございます豪州、オーストラリアでございますが、今年の三月六日の時点で豪州の連邦警察がシーシェパード船舶に対する強制捜査を行ったところというところまでは進展が得られております。 失礼します。
○浜田和幸君 このシーシェパードというのがもう大変資金が潤沢なようでございまして、日本の例えば海上保安庁が持っているような巡視船よりはるかにスピードの出るものをそろえてこの調査捕鯨船に対する妨害行動をやっているわけですね。先ほどの、オーストラリアの方で実際に強制捜査を行われて、有罪というか、本国に強制送還もされたとおっしゃいましたけれども、そういうことであるならば損害賠償を請求する。そのシーシェパード、この産経新聞の報道によりますと、年間七億八千二十万円もの募金を寄附行為として集めて、それでもって日本に対する様々な妨害行動をやっているわけですね。ですから、ここは言ってみれば、懲らしめるためにも損害賠償をしっかり請求する、そういうような発想というか取組も必要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) なかなか難しい御質問でございますが、損害を掛けているのがオーストラリアという国ではなくて、やはり民間がやっていることであって、損害を受けている方もやはりこれ民間なのだと思いますので、その民間同士の処理であって、国がどうするということではないかと思いますが、いずれにしても、委員の御見解は貴重なものだと思います。
○浜田和幸君 今回、その調査捕鯨船が安全が確保できないということで日本に途中で帰ってきたわけですよね。ということは、我が国の刑法の観点からいっても、刑法の国外犯の適用範囲を拡大することで、来年度以降のこういう妨害行動が継続しないような何か外に向けてのアピール、そういうことをやる必要はないんでしょうか。あるいは、それは可能でしょうか。
○国務大臣(江田五月君) 日本法では、日本の船舶の中で行われた犯罪については、これは日本の刑法が適用できるということになっておりまして、その意味では今適用可能であるということでございますが、新規立法ということも一つ指摘としてはございます。 政府全体として、今後の妨害活動の推移やそれに対する取締りの状況を慎重に見守ってまいりたいというのが現在のところでございます。
○浜田和幸君 是非、日本の調査捕鯨に参加している方々や、それを守るために海上保安庁の職員も何人か乗船しているわけなんですよね。そういう日本人に目掛けてこのシーシェパードなどは度々小型の高出力のグリーンレーザー、これを日本の船員に対して照射するというか、乗組員の目を目掛けてそういう妨害行動を続けているわけですね。これは、日本人の生命に極めて危険なことでありますし、ほかにも船のスクリューやかじに絡ませて破壊するような器具を使ったり、酪酸と呼ばれる大変強烈な薬剤を投げ付けたり、本当にこれは日本人の生命及び財産を破壊するようなことを自分たちの主義主張のために平気でやっている。 これは是非とも日本の法律で、もし日本の法律でかなわないんであれば国際的な法律の下で、海賊対処法等を援用するとか、何らかの方法でこれ歯止めを掛けないと、これは大変な日本にとっては国際的なマイナスになる、日本の捕鯨産業そのものにとっても危機的状況になると思いますので、あらゆる可能性を御検討いただいて、来年度以降こういうことが起こらないように是非配慮をお願いしたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 刑法では第三条の二というのがございまして、日本国民に対する危害の場合には国外であってもこの刑法は適用できますので、この点は法の適用ということでは大丈夫だと思っておりますが、実際にそれを適用してどういうふうに摘発し処罰していくかということは、これは委員の御指摘をしっかり踏まえたいと思います。 御指摘のように、調査捕鯨船に海上保安官も乗っておりますし、海上保安官には捜査の権限もございますということです。
○浜田和幸君 それでは、次は、この日本の国内でのシーシェパードの言ってみれば活動について質問をしたいと思います。 シーシェパードだけではないんですけれども、和歌山の県内におけるイルカ漁ですとか鯨漁に対する妨害行為がこのところずっと続いております。これは威力業務妨害に当たる事案ではないかと思うんですけれども、シーシェパードの活動家たちが和歌山の太地町等で漁民に対する嫌がらせ、あるいは、過去に何度もありましたけれども、網を切断する、そういう行為を繰り返しているわけですね。また、漁民に本当に二、三十センチのところまでカメラを持ってきて、その表情を撮って、罵詈雑言を浴びせかけて、その様子をシーシェパードが自分たちのホームページやユーチューブでアップして、それをもって資金集めに使っている。 ですから、こういうことに対して、やはり名誉毀損罪が成立するんじゃないか、あるいは威力業務妨害が成立するんじゃないかと思うんですが、法務大臣のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) 甚だ遺憾なことであると思いますし、御指摘のような犯罪の成否というものもあると思いますが、ただ、これ仮定の質問ではちょっとお答えにくいのと、具体的な事件については、これはもうそれこそ法と証拠ということでございますが、遺憾な事態であるということはそのとおりだと思います。
○浜田和幸君 そういう遺憾な状態を意図的にずっと継続しているそういう外国の活動家が日本に入ってきて長期滞在をしているわけですよね。国籍もいろいろのように聞いておりますけれども、そういう人たちは一体どういう入国ビザ、入国申請の下で入ってきているんでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) これは入国のときに適切な入国管理というものを行っておりまして、当然入国の権限がなければ入ってくることはできないわけで、そこは適切にやっておるんですが、ただ、この人間が入ってきてどんな活動をするかというのをあらかじめ知るというのはなかなか難しいことで、予防的に入れさせないというのは大変困難なことなんですね。 現に犯歴などがあれば、これは厳重にそういう者を排除することはできるんですが、後入ってきてそういう行動に及んだ場合は、これは具体的な犯罪についてのことですから警察の方がちゃんと対処をし、さらにそうしたことの進展に伴って退去強制などということになる場合はあろうかと思います。
○浜田和幸君 事前になかなか水際で防衛するのは難しいとおっしゃいましたけれども、例えばシーシェパードの代表のポール・ワトソン、彼なんか調査捕鯨妨害事件で国際手配を受けた経歴があるわけですね。彼なんか今回も東北の例の大津波のときに、岩手の沖合でイルカ漁、これをビデオを撮っているときに船が転覆して岩手の人たちに救ってもらって、食べる物だとかホテルまで連れていってもらっているんですね。それだけお世話になっていながら、今回東北でああいう大地震や津波が起こったのは日本人が鯨やイルカを食べているから天罰だみたいなことを自らの詩に託してユーチューブで載っけているんですよ。 ですから、そういうような、言ってみれば外に向けてどんどん情報を発信している、事前に情報をつかもうと思えば幾らでも把握できると思うんですね。ですから、そういう環境テロリズム、環境テロリスト、そういうような人たちをやっぱりブラックリスト化する。自分たちはこれだけやって、日本の言ってみればおかしいことを追及しているんだと、で、世界中からお金を集めて。 だから、それはやはりもうちょっと情報収集、ブラックリスト化することによって水際で防ぐという手だてが可能ではないでしょうか、またやるべきではないでしょうか。いかがですか。
○国務大臣(江田五月君) ブラックリスト化ということについては、これはそれこそブラックリストでございますから、どういうふうにブラックリストに取り入れているか、どういう人が入っているかということはお答えは差し控えさせていただきたいと思います。 ただ、今回のこの大災害を天罰と言うようなことは、これはどこの国の人であろうと控えていただきたいと思っております。
○浜田和幸君 ですから、どういう目的で入ってきているのか。シーシェパードのいろんな文献を見ますと、聖書、バイブルの中にやっぱり鯨というものは神聖な動物であって、そういう神聖な動物を残虐な方法で捕まえて殺して食べている日本人そのものが許せない。それを天に代わって征伐するみたいなそういう発想が流れているんですね。 それは、冒頭大臣がおっしゃったように様々な国の歴史や文化、伝統に違いがあるわけで、それをお互いに尊敬し合う。その違いを議論するのはいいけれども、実力でもって自分たちの考えと違うからそれをどんな方法でもいいからやめさせる。これは法治国家として日本がそういうことを容認するということは、これはあってはならないことだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) 委員おっしゃるとおりだと思います。
○浜田和幸君 ということであれば、是非、和歌山のみならずイルカ漁、鯨漁、それで生計を立てている地域、その漁業に依存をしている地域がやっぱりあるわけですよね。そういうところに入ってきて、漁民のみならず地域の人たちに対して本当に罵詈雑言を投げかける。それどころか、ビデオを全戸配って、その配った後でシーシェパードの活動家たちが一軒一軒回って、おじいちゃんやおばあちゃんにこのビデオ、ひどいことを漁民の人たちがやっている、どう思いますかというようなことを聞いて、今この時点でもそういうことをやっているわけですよね。 それは大変な精神的な圧迫。こういうことをやっぱり何とか防ぐということもやはり大事な法治国家としての役割だと思うんで、是非、今和歌山で実際にどういうことが行われているのか、警察等もいろいろと状況を把握していると思うんですけれども、現状についてどういう具合に見ておられるのか。
○政府参考人(鎌田聡君) 警察の方でどのように見ているか、あるいは警察の対応についてお尋ねだと思いますけれども、昨年の九月から今年の三月の上旬まで、太地町において反捕鯨のグループが活動をいたしておりました。その過程でいろいろなトラブル等があったわけですけれども、少し大きな事案としましては、九月二十七日から二十八日までの間に生けすの網が切られたと、こういった事案がございました。これについては現在鋭意和歌山県警察において捜査中と、こういうことでございます。 同種の事案は実は過去にも発生しておりまして、平成十五年にやはり網が切られた事案もありましたけれども、これについては検挙をいたしているところであります。 警察としては、引き続き違法行為に対しては厳正に対処してまいりたいと考えております。
○浜田和幸君 是非、厳正な対処をお願いしたいと思います。 例えば、昨年も九月一日に地元の漁連の方々が集まって、今年の、昨年の漁をどういう形で展開するのか、そのシーシェパード等活動家がたくさん来ているのでトラブルも想定できると、そういう打合せをやっているその現場に地元の警察の方が来られて、余りシーシェパードの活動家とトラブルが大きくならないように、捕鯨というか鯨漁そのものを縮小するなり延期するということを考えてはどうかというような、漁連の方々からすると何か圧力を掛けられた、そういうような受け止め方をされているんですけれども、実際そういうことが警察の方から漁連の方々に対して申入れとかそういうことをされた事実はありますか。
○政府参考人(鎌田聡君) そうした事実については報告は受けておりません。 いずれにせよ、警察としては、違法な事案があれば厳正に対処をしてまいりたいと、地元の皆様方とも十分な連携を取って、至らぬところがないようにしてまいりたいというふうに考えております。
○浜田和幸君 是非、その地元の方々が不安を感じないで、地域の産業として大事に育ててきているものですから、その考え方の違いがあったとしても、やはり実力で網を切るとか、個人のプライバシーを侵害するようなことを平気でやっているそういう活動家、そういう動きはやはりきちんと取り締まっていただきたいと思いますし、何らかの法的な対応というものを是非これから考えていただきたいと思います。 その要望をお伝えして、私の質問は以上で終えたいと思います。
○木庭健太郎君 まずは東北地方太平洋沖地震で亡くなられた方々の御冥福を祈り、何より被災された方々に心からお見舞いを申し上げて、今も支援に頑張っていらっしゃる方、原発、あの事故に対して命懸けで取り組んでいる皆さんに心から敬意を表した上で、質問をさせていただきたいと思います。 先ほどから、大臣、小川副大臣からも御指摘がありましたが、現地にとってみて、もちろん支援活動もする一方で、今一番地方自治体が頭が痛い課題が、先ほどから御指摘されている瓦れきの処理という問題でございます。これをやらない限り、町の復興なりいろんなことが手が付かない。でも、行政にとってみると、地方自治体は、やれと言われても所有権の問題でやっぱり悩んでいらっしゃる。先ほど大臣が指摘されたみたいに、それは、一般から見ればどうということはないにしても、例えば写真であるとかそんなことをどう考えるんだ、そういうことを言われると、これはどうすればいいんだということで悩んでいらっしゃるところもある。 その意味では、国がなるべく早くどうやればいいのかという一定の方向性だけは出してあげる必要があるということで、既に検討会議もつくっていらっしゃると。これも大事なことだと思います。ただ、先ほど副大臣もおっしゃったけど、名前の付け方も難しいですよね。災害廃棄物と言われると、何か心がちょっと私なんかは痛んで、素直に、瓦れきとして出てきているんですから、何かそういう瓦れきの処分についてどうすりゃいいんだと検討している会議だみたいなことにされた方が、何か被災者の皆さんの気持ち、本当にちょっとした言葉のあやなんですけどね。そういうところも本当に気を遣いながら私どもはやらなくちゃいけないなということも感じながら、一方、この検討会議が今日、座長の下で地方自治体に対して一定の方向性、指針を出されるというようなお話をお聞きしました。どういうことを地方自治体にお伝えしようとされているのか、今言える範囲で教えていただければと思います。
○副大臣(小川敏夫君) 先ほどの森委員の答弁とちょっと重なる部分がありますが、観念的には私有地の上に積もっている家屋の解体物等もその家屋の所有者に所有権は及んでいるというような状況があります。あるいは自動車についても、自動車の所有者、これ自動車を捨てたわけじゃありませんので所有権が及んでいるわけでございます。 言わば、私人の所有権が及んでいるものを行政が所有者に承諾を得ないで撤去、移動していいのかという問題がございますが、先ほども申し上げましたように緊急性があるということ、それから、やはり土地所有者には妨害排除請求権がありますし、その上に乗っかっている言わば観念的な所有権が及んでいると思われる解体物あるいは自動車等におきましても、所有者としてはそこで他人の所有地を妨害すると、だからどけないという意思は持っていないんではないか、やはり早くどけなくてはいけないという認識は持っていながら、しかし自力ではできないと、これが言わば推測される意思だというふうに思います。そうしたことを考えまして、これは行政がやはり緊急処分としてそうした言わば解体物とか自動車とか、そうした所有者の承諾を得ないでこれを撤去して、土地を元の状態に戻そうということであります。 また、撤去したものも、一律に廃棄しろということではなくて、やはり明らかに無価物なものはこれは廃棄してもやむを得ないだろう、差し支えないだろうと。しかし、有価物につきましては、やはりこれはきちんと保管して、所有者から言わば占有が離脱しているわけですから、遺失物法の規定によって所有者に、元の所有者に返還すべき道を講ずるべきではないかと。 それから、自動車につきましては、これは登録番号、あるいは船舶におきましても登録によって所有者が分かるわけでございます。ですから、自動車として、あるいは船舶としてその価値がまだあると思われるものにつきましては、これはその場所からは移動させますが、しかし臨時に保管して、所有者に返すべく適切な対応を講じるべきではないかと。しかし、常識的に見てもう明らかに船が例えば割れているとか、自動車がもう自動車としての用を成さないということが客観的に明らかなものは、これはやはり無価値物であるというふうに考えまして、取りあえず所有者の意見を聞くことにしますが、所有者の意見が得られない場合等、あるいは所有者の所在が分からない等におきましては、やはり無価値物であるから廃棄することも差し支えないんではないかと。 それから、客観的な換価価値がないものでありましても、アルバムとか位牌とか、このような個人的な思い入れ、個人から見て価値があるものも随分あるわけでございます。こうしたものについて、それを探索するために特別な作業をということを行政に義務付けるのは困難ではないかと思いますが、作業の中でそうしたものが発見できて取得できたものはやはり保管して所有者に返還できるような、そうした措置を講ずるのが望ましいと、このような考え方で臨んでいこうと。それから、中には大変鋼鉄製の大きい船舶で、移動がそもそも困難なものがございます。これにつきましては、やはり緊急にという緊急対応がそもそもできないわけでございますから、やはり所有者と協議した上で対応するのが望ましいのではないかと。 大体このような内容で今まとめておるところでございます。
○木庭健太郎君 そうすると、大体それで方向性は出せるんだろうと思うんですが、そうなると、例えば有価物というものをどういうものとして判定して保管しなくちゃいけないのかというような判断がある意味で地方自治体に任されるようなことになるんだろうと思うし、そのための保管場所もこれその地方自治体が確保しなくちゃいけないというような問題が起きてくるのではなかろうかと思うんです。 ただ、今現地の行政機関がどんな現状かというと、もうそれは御存じのとおりの現状で、だからなるべくその行政機関、地方に負担を与えないようにどうすればいいのかという観点で、例えば有価物とするならば、先ほど何かおっしゃっていただいた、車であってもきちんと動かせるようなものは保管してとか、もう捨てていいとか、ある意味では、ある客観、客観というか、もうちょっと具体的に、例えば有価物だったら、こういうものについては保管しておくべきものですよと、さっき言われたみたいに、位牌とかそういうのが見付かったら、見付かった場合はこうすればいいんですよと、より細かく逆に言うと言ってあげることが作業を進める上での助かることになるんじゃないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○副大臣(小川敏夫君) まず先ほど申し上げましたような基本的な指針を示しまして、なおこの指針を更に細かく、これを運用するような細かい事務につきましては、追ってまたマニュアル的なものをまとめて出そうかというふうに考えております。 〔委員長退席、理事金子原二郎君着席〕
○木庭健太郎君 そうすると、その指針とこれからその運用について逐一そういう形で行政に、常に連携を取りながら出していくことによって、江田大臣が一度、こういうものについて何か新たな法律も要るんじゃないかというようなことをちょっとおっしゃったような記憶があるんです。ですから、今の方向でいくならば現行法の上できちんと対応ができるんじゃないかなという気もするんですが、新法の必要性についてどう今お考えなのか、大臣から聞いておきたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 記者会見で、新法を作ることが必要かもしれないのでそれも含めて検討するということは言ったんですが、小川副大臣を座長とする検討チームで検討しまして、新法ということでなく、やはりこれは指針を示してやってもらうことで十分対応可能だということに今の段階ではなっております。 なお、これ、細かな指針もなかなか、具体的な現場での判断というのはなかなか大変でして、ですから、私としては、気持ち的には、とにかく現場の皆さんが常識的に、これは必要なことだと思ってやったらそれは大丈夫だと、そういうような精神を持った指針で、ただ、気持ちは、被害者の人の気持ちを大事にしてあげてくださいねという、そういう姿勢で臨めばいいと。やはり事は急ぐことだと思っております。
○木庭健太郎君 是非そういった方向で、ともかくそういった、復興への第一歩が進めるような、足掛かりとなるようなこれが指針となり、この指針でそういう問題が動いていくというような状況を是非国としてもつくっていただきたいと、このように要望をしておきたいと思います。 〔理事金子原二郎君退席、委員長着席〕 それが進んでいくと、まあこれは少し先の課題ですが、先の課題ですが、是非今後のために検討が必要なんじゃないかなと思うのは、今回、津波とか地震によって何が起きているかというと、広域的な問題の中で、いわゆる今度は瓦れきじゃなくて、自分の持っていた土地の所有権とか、自分のところはどこなのかという、そういう問題すら今回の大震災というのは起こってくる可能性があるなと。阪神・淡路ともう決定的に違うような、地形まで変わっているような問題を起こすような今回は大災害のような気がいたしております。 そういった意味で、今後そういった、いわゆる瓦れきじゃなくて土地そのものの所有権というような問題についても今後は必ず課題になっていくと思いますので、是非今からこういった問題の検討をやっていただくようなチームをつくっていただきたいし、現時点で何かお考えがあれば今伺っておきたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) まさにおっしゃるとおりでして、地形が変わっていると。土地自体が動いているとか、あるいは沈下して、私も土地の滅失というのは教科書では読んだことあるけれども、現実に土地が滅失したなんていうことがあるんだろうと思います。これはやはり復旧は本当に大変で、取りあえず今やることは、取りあえずやることは、この瓦れき等を撤去していく際に土地の境界標識などがあれば、これはやはり、それをどかしちゃったら大変ですから、これは残してくださいねという、そういう指示を出そうとしているところでございます。あっ、出しました。だけれども、それだけでは到底済まない。いろんな国土地理院の協力とか様々なことがこれから必要になってくると。問題意識を持っております。
○木庭健太郎君 もう一つは、避難されている方々への支援の問題で、法務省も今、東京矯正管区とか大阪の矯正管区から職員を被災地に派遣されたり、いろんなお手伝いをされたり、また医師も出されたりと、いろんな取組をなさっているということを先ほどもお伺いをいたしました。 もう一つ、大臣が途中で訂正されて言いかけられた部分なんですけれども、何の話かというと、心理技官という話でございます。 この心理技官というのは矯正施設の、そういうところに今、実際職員としていらっしゃっている方々で、実はこれ、阪神・淡路の大震災のときに神戸の少年鑑別所の別棟の少年相談センターが避難所として開放されたものですから、そこに多くの方々が来られた。その中でこの心理技官の方々が、もうずっとストレスがたまっていきますから、そういう問題に対して実はこの心理技官の方々が様々に相談に乗って、そういうストレス、いろんな話を聞いてあげて、避難された方々の感想の中で、こういう方々と、いていただいたおかげで本当に悩み事の相談ができてよかったというような、そう阪神・淡路のときに感想を述べられていると。 そういった意味では、その経験を生かしながら、これからある意味では避難所、第一次の避難所からまた別の場所に移って、集団で移動してみたり、もうこれからまだまだ少し長い避難生活が続いていくことはこれは間違いないことでございまして、そういったところをどう見ていくかもありますが、そういったところにこういった経験を持つ心理技官の方を派遣するというようなことを是非法務省として検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) 阪神・淡路大震災のときの神戸少年鑑別所の心理技官の働きに触れていただいて大変ありがとうございます。今回も少年鑑別所がございまして、そこに心理技官がおりますので、被災された皆さんの心のケアのために役に立っていきたいと思います。 ただ、神戸の少年鑑別所は結構大きいけれども、今回、結構小ぶりな役所でございまして、心理技官も余り数が多いというわけではないので、精いっぱい頑張りますけれども、ひとつ御理解のほどをお願いしたいと思います。
○木庭健太郎君 そして、これから法律的ないろんな問題で、被災者の皆さんが少し落ち着くにつれて様々に法律事項で相談をしたいことというのは、それは山ほど出てくると思います。先ほど、森先生はもう今いらっしゃいませんが、指摘されたように、あの阪神・淡路のときもそういった相談に日弁連の方がお手伝いされたり、いろんな形でおやりになられたと。 阪神大震災のときと今、法務省として何が違うかというと、当時はなかったものが今あると。それは何か、法テラスなんですよね。一応、全国一本の組織でもあり、各地に出先もありますが、法テラスというものができている。そこが第一義的には窓口になっているところもある。 そういった意味では、法テラスというものも含めて、被災者また今避難されている方々の法律的な様々な問題に対してお答えできるようなことについて、法テラス自体が今現地どんなふうになっているのかということもありますし、弁護士会の方で法テラスと協力して、これはもう電話相談ですが、全国一斉にそれも始めると。現地の宮城の弁護士会さんの方がもうこれは無料の法律相談もしようみたいなこともあるようですが、やはりここは法務省も今回はそういった法テラスという全国の一本のがあり、地方にも出先があるわけですから、これも是非活用しながら、きちっとそういう相談があったときに相談に応じることができるような体制をつくっていただきたいと思いますが、どんなお考えでいらっしゃるか、お聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 御指摘のとおり、阪神・淡路大震災のときになかった法律サービスの提供体制として法テラス、これは非常に重要だと思っております。 様々な法的トラブルはもう避け難いので、この法テラスが情報提供業務あるいは民事法律扶助業務、こういうものを通じて法的トラブルを迅速に解決するための情報あるいはサービス、しっかりやっていきたいと思いますし、また委員お触れのとおり、法テラスで今、日弁連等と共催で東北地方太平洋沖地震電話相談、これは実施中でございます。 法テラスで被災者のニーズを的確に把握をして、必要なサービスを迅速確実に提供してまいりますし、これも委員触れられたとおり全国一本の組織ですから、現場が被災でなかなか活動できなくても法テラスとしてはちゃんと活動できますので、その点はオールジャパン的に取り組んでいきたいと思っております。
○木庭健太郎君 先ほど、法務省及び検察庁含めた被害ということで御報告をいただきました。最高裁判所の方に、裁判所における今回の地震を受けてどういう現状になっているかということをちょっと御報告をいただきたい。 私が聞いている限りでは、この被災地域を管轄する裁判所の裁判を二十二日以降も一部延期するというような発表もございましたし、幾つか裁判また延期しているところ、再開できるようなところ、いろんなケースがあるようでございますが、ともかく今回の震災によって裁判所の建物に損傷があったところもございますし、安全性がどうなっているのか。被災地の各裁判所の安全性の問題等について、これは最高裁からですか、御報告をいただければと思います。
○最高裁判所長官代理者(戸倉三郎君) お答えいたします。 今回の震災によりまして、まず裁判所の施設につきまして重立った被害を申し上げますと、仙台の高等裁判所と地方裁判所が入っております庁舎、あとは福島の郡山支部の庁舎及び水戸地家裁が入っております庁舎につきましては天井材等が落下するといったような被害が生じておりますが、ただ庁舎そのものが倒壊あるいは崩壊するような大規模な被害が発生した庁はございません。 また、津波の被害につきましても、岩手の大船渡簡裁の庁舎で約一・五メートルの浸水があったという被害が生じたほかは、浸水による被害は生じておりません。もっとも、これらの庁ではライフラインが不通になっているところなどがございます。 さらに、裁判所職員につきましては全員無事が確認されたところでございます。 このような状況にございまして、現在、被災地の裁判所の執務の状況でございますが、現時点で通常どおりの執務ができている庁は被災地の関係の庁ではございませんで、一部の庁、先ほど申し上げました大船渡簡裁はこれは浸水による被害がございます。あと、釜石簡裁は、どうもこの庁舎が今、避難場所に指定されておりまして、避難された方々が今おられると、こういった事情で事実上執務ができない状況にございます。 また、その他の被災庁につきましても、これは各地の被災状況に応じまして一部の職員が登庁して、訴状その他の書類の受付であるとか緊急を要する事件など必要な範囲、最小限の業務を行うという体制を取っている庁がございます。 これらの庁では、これは裁判所の体制の問題もございますし、また弁護士さんあるいは当事者の関係もございまして、当面は民事訴訟あるいは刑事訴訟といった通常の手続につきましては期日をもう取り消したり変更したというふうに聞いております。 なお、これらの庁につきましても、令状等治安に関係します緊急事務につきましては、関係機関と調整した上で、あるいは本庁あるいは近隣で取扱い可能な庁に請求をしていただくというような扱いをいたしまして、こういった点で支障が生じないような体制を取っているところでございます。
○木庭健太郎君 もう一つは、今裁判員裁判というのが始まっていますよね。今回、いろんな意味で被災者も多い。全部で避難されている方で三十何万みたいな数になっている。裁判ができるような状況のところがあれば、これは裁判員裁判というのもやっぱり行われるのは行われるわけですよね。 そうすると、その裁判員の方の中に被災者とかいろんな関係はどうなっているのかとか、そんなことも起きてくるようなことも、今までと違うのは、まあ職員がいらっしゃれば今まではいろんなことでできるような体制があった。ただ、今度の場合は、大きな裁判になれば裁判員裁判ですから、こういったことをどんなふうにして判断してやっていくのかというようなことについて教えていただければと思います。
○最高裁判所長官代理者(戸倉三郎君) お答えいたします。 裁判員裁判につきましては、私ども裁判所の体制を整え、あと、検察官、弁護人の体制が整うだけでは足りない問題がございます。 この裁判員裁判に裁判員としてお務めいただくこと自体、これは国民の方々にとって負担なことでございますので、この段階で、まだ被災地の状況を十分考慮して、果たして今の時点でいろんな呼出しなどお願いして裁判員になっていただけるかどうかというのは、各地の実情で十分調査をした上で、どういう形で期日を入れていくかということは検討したいと考えております。 なお、現時点までには、予定されておりました裁判員裁判の事件は全て期日は取り消しております。
○木庭健太郎君 そのことも含めて、さっきもおっしゃいましたが、当事者が法律や裁判所で定められた期日とかいう問題について遵守できない場合というのはこれはもう当然出てくるケースはあるわけで、そういったことを含めて、さっきもちょっとお答えになっていたので、更にもう一回確認の意味でお尋ねしますが、そういう諸事情を十分に配慮していただいて、期間の変更、延長、もうできる限り柔軟な対応によって、ともかく被災した当事者やその代理人の利益が侵害されることがないように、ここだけは十分な配慮を願いたいと思いますが、最高裁から見解を承っておきたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(戸倉三郎君) お答えいたします。 今回の震災によりまして、当事者あるいは代理人である弁護士の方々が被災をして準備であるとかできない、あるいは交通事情の悪化等によりまして裁判所に出てくることがおできにならないということが十分想定されますことから、震災がありまして三月十三日に最高裁判所が、私どもの総務局長名で各高裁長官あてに書簡を発出したところでございます。 その内容は、一つは、法令の定めにより遵守すべき法定期間等につきましても、当事者の不利益にならないように手続をすべき期間を延ばす、あるいは法定の期限に遅れた訴訟行為の追完等に関して適切な対応を取ることが求められていること、また期日変更等につきましても、震災による郵便事情の悪化、あるいは当事者の被災等の事情がありますことを考慮いたしまして、事情に応じて必ずしも申請書の提出等を求めることなく職権による期日変更を行うなどの柔軟な対応が必要であること、さらには、当事者や代理人がそういう連絡なしに期日に出頭されないという場合にも、その不出頭の理由を十分考慮いたしまして、不出頭による不当な手続上の不利益を負わせることのないよう十分配慮することが必要であると、こういった点につきまして各裁判体の理解を求めるための周知を依頼したものでございます。
○木庭健太郎君 是非そこはよろしくお願いをしておきたいと思います。 もう一つは、先ほどもこれもありましたが、外国人の被災者の問題でございます。先ほど七万人ぐらいというようなお話もありました。もちろん、災害救助法は平等だという原則ですから、外国人であったとしてもきちんとした施設利用とか食料、医療の支援、当然平等な対応というのが一番基本であるということはもうこれ言うまでもないことだと思うんです。 ただ、ケースとして出てきているのかどうか分かりませんが、ちょっと例えば心配になるのは、やっぱり少し滞在期間が超過したような外国人の方々というのは現実にはいらっしゃるわけですね。ただ、そういった人たちがどうなるかというと、こういったとき、もし言って行けば本当にどうなるんだろうかというようなことで、陰へ隠れがちになって、落とさなくていい命を落としてしまうようなケースも起こり得る危険性はないかなというようなことを心配する。つまり、災害救助法における公的な負担というのが認められないというようなことになりはしないかというような不安を抱いているような部分があると思うんですね。 だから、こういった場合というのは、出入国管理法、法律はきちんとあるわけですが、この災害時、緊急な場合、特にこの罹災した外国人については、やはりそういった本法の問題でいえばそれは違反の部分あるかもしれない、でも、それでもやはりきちんとした保障も要るんではないかと思うんですが、この点について大臣の見解を承っておきたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) まず、在留資格のことでございますが、特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律、これに基づく政令を決めまして、特別な申請をすることなく一定期間引き続き在留を認めるということにいたしました。具体的には、青森、岩手、宮城、福島、茨城にいた方、それからこれらの県に外国人登録をしていた方、これについて何らの手続取らなくても平成二十三年八月三十一日まで一律に在留期間を延長するなどの措置をとっております。 したがって、この期間を徒過しても大丈夫ですが、それでも知らないで隠れてしまったというようなことがあっちゃいけませんので、そうしたことについて、それぞれの被災市町村に外国人登録をしている、これが分からなくなっているなんということもありますから、入管の持っている資料を県に提供をして援助をするとか、あるいは在京の大使館にそうした資料を活用できますよというようなことを広報をしております。
○木庭健太郎君 もう一つ、今回の外国人の方々の対応を見ていると、一つは、一時帰国のためにいっぱい、わっと一万人が申請に来たとかいろんなことがあったようで、その対応については、先ほど大臣からお話あったように、臨時のいろんな対応もしていただいたり、電話相談もしていただいたりと、そういう対応をしていただいたことについてはこれは適切な対応だったというふうに感謝もいたします。 ただ、その一方で、何かもうわっと、こう大量に帰られるという現状を見ていると、特に原発事故の問題なんですね、それから計画停電の問題とか、こういうことについてこの在日外国人の方たちがきちんと状況を掌握できたのかなと。つまり、そういう状況なりが適切にそういう人たちに対して伝わっていたのかなと、さっき認識の差という問題もありましたが、そんなことがあるような気がして、つまり何を言いたいかというと、そういう在日の外国人に対する情報提供という意味でいくと、これは若干ちょっと不十分だったのではないかなというような思いもあるんですが、この辺について、大臣が何か御見解があれば伺っておきたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 先ほど政令と申しましたが、これは告示、法務省告示でございます。 事態の正確な情報が外国人に伝わっていなかったんではないかなと思うような場面は確かにございます。外国人の場合に、まあ、より安全のために出国されるという、これはまあある意味では分かる、分からないわけじゃないんで、それに対する対応は精いっぱい取ったわけですが、それでも、例えば原子力災害についての認識などやや間違った情報が伝わったようなことがあって、これは先ほどちょっと申し上げましたが、政府の緊急災害対策本部の会議で、外務省において是非外国に対する広報をしっかりやっていただこうと、ということにしているところでございます。
○木庭健太郎君 最後に、戸籍データの問題ですね。宮城県のある町で戸籍の全データが津波で消去した可能性が高いと。電子化して保存していたんだけれども、庁舎が駄目になったと。バックアップしていたはずの気仙沼のこの支局の方も保存していたけれども、これも水没してしまったと。 大臣が、二十二日の記者会見でしたか、気仙沼支局に戸籍の再製に必要な資料としての副本データがあると、だからこれはどうにか大丈夫じゃないかというようなことをおっしゃっていたと思うんですが、ここ、一応確認をした上で、ただ、こういう問題が出ると、こういう事故が起きた、いわゆる、どうやってその戸籍というとても大事なもののデータを、万が一あったときもバックアップでどうできるかというような体制づくりですよね、言わば戸籍でのバックアップ体制みたいな問題についてこれは研究するいいきっかけじゃないかなとも思うんですが、まずはその消失と言われたところがどうなったのかということを伺うとともに、今後のそのバックアップ体制みたいな問題で是非ひとつ整備する必要あるんじゃないかなと感じるんですが、その点についてもお答えいただいて、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) まず事実関係でございますが、一部報道でも戸籍の再製が不可能な程度に資料が消失したのではないかというようなことがあったことは承知しておりますが、本当に幸いなことに、市町村に戸籍の正本がある、これが流れてしまった、しかし、これ気仙沼の場合でございますけれども、法務局の出張所に二階まで津波が来たんですが、三階にそのデータを保管していたんですね。全く良かったということですが、これ、データは毎年一回更新をするんです。その更新が去年の三月三十一日で、そこまではこれにあると。まだ、機械の操作をして復元して、少なくとも私の承知している限りではしていないので、別に水にぬれたわけでも何でもないから大丈夫だということしか言えませんが、まあそういうものがあると。 次に今度、去年の四月一日から今日までのものはどうなるのかと。これについては届け書、これがあったんですね。ですから、その届け書と今の電子データとこれをちゃんと突き合わしていけば、現在の、消失前の戸籍は復元できるということでございます。それが現状。 で、こういう事態で、本当に幸いにも今回は免れたのですが、やはり大変大切な国民の権利義務関係の一番の基本的なデータ、資料ですので、これは今後どういう体制にしていくのか、検討を要する課題だと思っております。
○木庭健太郎君 終わります。
○桜内文城君 みんなの党の桜内文城です。 まずもって、この度の震災で被災された皆様方にお見舞いの意を表したいと思います。それとともに、今もなお福島第一原発におきましてまさに命懸けで闘っていらっしゃる自衛隊始めその関係者の皆様方に敬意と感謝の意を表したいと思います。 まず、江田法務大臣に法の支配というものについて質問させていただきます。 地震のちょうど前日に、江田法務大臣の所信表明、私たちお聞かせいただきました。大変感銘を受けたところであります。その所信表明の中で二度ほど、法の支配、こういった文言を使われております。特に冒頭におきましては、法の支配が行き渡り、誰もが個人として尊重される社会の確立、これが大変重要であるということを大臣がおっしゃっていらっしゃいます。 これまで裁判官を歴任されて、また国権の最高機関である国会の参議院議長もやってこられました。是非、江田法務大臣にこの法の支配というものについて御高説を御教示いただければ幸いでございます。よろしくお願いします。
○国務大臣(江田五月君) 御高説と言われても困るんですが、私は裁判官時代に、まさに国民の皆さんの税金でイギリスに二年間留学をさせていただきました。オックスフォード大学でルール・オブ・ロー、とりわけその中の告知、聴聞の権利というのを勉強して、論文書いてまいりました。 そのときに頭にしみ込んでいるのは、法の支配というのは、イギリスの場合でいえば、王様であろうが一般国民であろうが裁判所の前に出ると対等ですよと、これが法の支配だということでございます。 イギリスの法律ではそのルール・オブ・ローとそれからパーラメンタリーソバレンティー、この二つが基本的な大きな柱になって制度ができていて、その法とは何かということになると、いわゆるコモンローですよね、法律家が自分自身で過去の判例ずっと読みながら自分で体得していく法。これはまさに、ちゃんと制定法でできているものだけじゃなくて、人間社会の基本原理たる正義、そんなものだということでございまして、そういう基本的な正義の前には権力者であろうがあるいは小さな命であろうが全部同じなんだと、これを大切にしていきたいと思っておるんですが、国民の皆さんにはそういう何かややこしい説明じゃなくて、とにかく法の支配だと。暴力の支配とかあるいは金の支配とかじゃなくて、人間が皆平等に扱われる、個人の人権が尊重される、そして適正な手続でいろんなことが行われる、そういうものが法の支配なんだと。だから是非、皆泣き寝入りをせずにとにかく声を上げてください、声を上げれば必ず救済の手は差し伸べられますよと、そういう社会をつくりたいというような意味で法の支配ということを申し上げました。
○桜内文城君 大変分かりやすい説明、ありがとうございます。 私も、法の支配というものがこの日本社会におきましても非常に重要だと考えておる者の一人でございます。正義の法といいますか、まさに今大臣がおっしゃいましたように、王様であろうとも、あるいは今の日本に置き換えていきますと、まさに政権の座にある民主党政権であろうとも、まさに正義の法の下においては、しっかりした仕事をやらない限り、これもまたイギリスの思想家ジョン・ロックの思想ですけれども、国民から生命、自由、財産というものを信託されたその受託者としての責任を全うすることはできないというふうに考えておるところでございます。 それに関しまして、やや下世話ではございますけれども、この一年余りの民主党政権の歩みというものについて、法の支配の観点から、私はやはり疑問に感じるところが多々ございます。 例えば、昨年の例の尖閣事件、この法務委員会でも私も何回か質問もさせていただきました。当時の一番の私問題だと思いましたのは、中国人船長の釈放の判断というものが、日中関係の配慮という極めて政治性の高い、そして外交的な問題について、そして国益にかかわる、そういった問題について、検察官の裁量の範囲である、刑事訴訟法二百四十八条で認められております裁量権の範囲であるというふうにずっと政府は答弁しておられました。私は、このように、そのときの尖閣事件の処置の仕方、処理の仕方というのは国益に反するものだと思っておりますし、また検察官の裁量権を逸脱した、刑事訴訟法二百四十八条違反の事例であったのではないかと考えております。 そういった意味で、まさに国民の生命、財産、自由、あるいは国としての主権、領土、こういったものを危うくするような判断を政権が行ってしまった。このことは、私は、先ほど大臣のおっしゃいました法の支配、その法というものが正義であるとして、その正義とは何か。国民の生命、自由、財産を守るんだと、憲法十三条にありますようなその文言に照らしても、この尖閣事件におきます政府の処理の仕方には疑問を感じております。 そしてまた、もう一つ事例を挙げさせていただきます。 先般大変問題になりました年金の問題におきまして、三号扶養者の救済の問題であります。 確かに、三号被保険者、運用三号と言われる人たち、年金が増えてうれしいと思う方もいらっしゃるかもしれませんけれども、一介の課長通知によって国費の、まさに年金の給付が何千億円増えるかもしれない、何兆円かもしれない、そういった結果を引き起こすようなことを、まさに国会での議決も経ずに一介の課長通知で行われております。これは、私は、憲法八十五条の「国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基くことを必要とする。」、こういった憲法上の大原則、まさに国民が負担をするのであれば国会の議決を経る必要がある、これを政権自らが無視しておると、こういった事例であると思いますけれども。 大臣、これらの民主党の過去の一年半の歩みを、参議院議長もされた大臣の御見解を、印象をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 私も、一年半の民主党政権が行ってきたことが全て間違いなかったという、言い切る自信はございません。いろんな試行錯誤をやったというのは事実で、確かに政権担当、とにかく初めてのことですので、不慣れなこともいろいろあったと思います。 ただ、今委員がお挙げになった二つの例で、一つその三号被保険者の件は、これはちょっと私が答えますといささか権限の外になってしまいますので、そこは御勘弁願いたいと思います。 尖閣の件については、これはおっしゃるような御意見があることも事実で、私もよくそういうことも耳にします。しかし、一方で日本の刑事司法の成り立ちというのはどうかというと、これはもうまさに刑法、公務執行妨害という刑法の事案なんですね。この具体的な犯罪についてどうするかというと、政治はぐっと控えて検察でやれと、あるいは捜査機関でやれということになっているわけで、もしあれを検察庁法十四条でやったならそれは政治の責任ということになるわけですが、そこはもう極力というか完全に控えたのだと理解をしております。そして、じゃ、検察がどういう判断ができるかと、検察の判断の枠の中で行われたことであるかどうかということについては、私は検察の判断の中で行われたものだと確信をしております。 事件の処理として日中関係、その他もう森羅万象ありとあらゆることを考えることができるわけで、その範囲内でやったのであって、あのことによって外交関係を処理するというような頭は検察には全然なかったと、あとは検察がどうぞ自分の職務とそして権限でしっかりやってくださいと、それによって起きるいろんな外交関係については、これは政府が日本のシステムはこうなので、それによってこういうことになっているのでひとつ理解を求めるということで外交関係の処理を責任を持ってやっていくということだと思っております。いろんな御批判はあると思いますが、政府の立場はそういうことでございます。
○桜内文城君 恐らくまだ処分保留のまま。もう処分はされたんですか、不起訴処分ですか。
○国務大臣(江田五月君) これは起訴猶予ということにしたと承知をしております。
○桜内文城君 起訴猶予ということでございました。起訴猶予というのは今後どういった処分がなされるんでしょうか、起訴、猶予ですよね。
○国務大臣(江田五月君) 起訴猶予というのは検察における終局処分でございまして、これで事件としては終わりです。
○桜内文城君 済みません。細々としたところまで大臣にお聞きしまして失礼しました。 終局処分で結構なんですけれども、私の申し上げたかったことは、今この場であのときの議論を蒸し返すつもりもございませんけれども、当時の検察が常に主張しておりましたのは、あるいは法務省が主張しておりましたのは、法と証拠に基づいてということでございました。 その証拠というものの範囲を非常に無限大に拡大していったということだと私は聞いております。その際のやはり二百四十八条の問題といたしましては、まさに二百四十八条がそのまま適用であるとか準用であるとかそういう場合でもない類推適用であるにもかかわらず、非常に広く類推適用を認めてしまった。類推適用であるにもかかわらず、更にその証拠の範囲を非常に広く取ってしまったことが裁量権の逸脱ではないのかということでございます。 ここではこれ以上申し上げませんけれども、私はもちろん法律家としての江田大臣の御主張も意味は十分理解いたしますけれども、しかし、私は依然として別の見解を持っているということはこの場で申し上げたいと思います。 さて、もう一点お聞きいたします。 大臣の所信表明の中で、今後、精力的に取り組みたいというふうに挙げていらっしゃる中で、まず、被疑者取調べの可視化について幾つか質問させていただきたいと思います。 まず、所信表明の中にあります昨年六月に中間報告をされております。そしてまた政務三役を中心に省内で勉強会をされているということですけれども、現状について簡単に御説明いただけませんでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) 当時の政務三役で可視化について中間取りまとめというものを行いまして、省内の勉強会を進めておると。省内のものについてはこれは海外の事情はどうなのかというのを、それぞれ人を派遣をしたり、あるいは既に海外に行っている職員を通じたりして今まだ鋭意調査をしている途中でございまして、六月をめどにとなっていたんで、私、もうちょっと早くならぬかと思ったんですが、なかなかそうもいかなくて、これは六月までそちらは掛かってしまうと。 一方、例の大阪の事件がございまして、検察の在り方検討会議というものを立ち上げて、千葉前法務大臣座長でこれは鋭意検討を今進めているところで、私が承知している限りでは、地震がございましたが、会議が一回飛んだことはありますが、その後、更に予備日も使って朝から晩まで本当に精力的に今検討を進めていただいているところで、今月末にはその結果が出ると聞いております。 そして、同時に、この事件を契機に最高検の検証がございまして、その報告書が出て、これが可視化について試行を始めるということで、既にもう試行は始まっておるのではないかと思っております。どういう試行をやったかというのはまだちょっと報告を受けておりませんが、そういう検討中の状況でございます。
○桜内文城君 ありがとうございます。 少し可視化の中身の話に移らさせていただきます。 今現在試行されている可視化の取組、これは私、大変良いことだと、恐らく大半の人がそうだと思うんですが、評価しておるところでございます。 私のところにも私の地元の愛媛県の弁護士会の会長さんが来られたり、いろんな根回しもされているところでもあるんですけれども、この可視化というのに関して、やはり刑事訴訟法の、あるいは刑事訴訟全般に係る二つの目的というものがどうやってバランスを取っていくのかということを考えなくちゃいけないと感じております。 まず第一は、やはりよく言われますように、冤罪を絶対に起こしてはならない、そういった意味での人権保障ということだと思いますし、もう一つは、やはり真実発見というところにあろうかと思っております。 取調べの可視化によりまして、もちろんこれ、なかなか、机上の空論でこうしたらこうなるというふうになかなか結論が出る話ではないと思うんですけれども、やはり取調べの可視化によりまして、場合によっては真実発見の要請というものが損なわれる場面もなくはないんじゃないかというふうに感じております。特に犯罪類型ですね。 例えば、麻薬の使用といった案件ですとか、あるいは選挙違反、我々にとってはやっちゃいけないことでもあるんですけれども、そういった目に見えないといいますか、客観的な証拠が残りにくい、要は容疑者なりの供述に基づかないとなかなか結論が導けない、そういった犯罪類型があるのも確かですので、そういった場合には、その犯罪類型ごとに考えていくのか、あるいは全般的に手当てをしていくのかということもあろうかと思うんですけれども、私自身の意見を申し上げますと、可視化を導入するんであれば、今申し上げたような犯罪類型につきましては、少なくとも捜査手法の在り方も同時に見直す必要があるのじゃないか。 具体的に申しますと、例えばおとり捜査。おとり捜査がいいとも言いませんけれども、真実発見ということを一方で強めるためには、おとり捜査であるとか司法取引、それから、通信傍受については既に麻薬事犯については導入されておるそうですけれども、こういった新たな、新しい捜査手法というものも導入して客観的な証拠というものを収集することができるような手当てをしていないと、一方的に全面可視化だという方向に行くと、それはそれでまた刑事訴訟の目的である、一つの重要な目的である真実発見というものが損なわれる可能性も、おそれもあるんではないかというふうに考えますが、大臣の所見をお伺いいたします。
○国務大臣(江田五月君) 絶対的真実というのは、なかなか誰にも分からない、神のみぞ知るというところがあるかと思います。そして、捜査や公判は人間がやることですから、なかなかこれで絶対大丈夫というのはないんですね。ですから、様々なことを複合的に組み合わせながらやってみて、やってみたらやはりここが足りないから少し直さなきゃならぬというような、そういうある種の試行錯誤の積み重ね、連続なんだろうと思っております。 そんな中で、今、一連のいろいろな事件が起きて、どうも捜査というものが行き過ぎがいろいろあったんじゃないかと。とりわけ検察の信頼回復がもう急務でございまして、そのために一つの方法として可視化というのにひとつ取り組んでみようというのが現在のところで、可視化をすると真実が発見できない、やはりそれは閉ざされた世界で被疑者と捜査官とのもう本当に人間的な関係の中で初めて真実を被疑者が述べるという部分もあると思いますけれども、それによって被疑者が真実と違う供述をしたということもこれまで我々はいっぱい経験しているわけで、したがって、可視化というのをこの際、精いっぱい導入をしてみたいと思っております。 それによって、しかし、捜査がいろいろ手を縛られてやりにくくなるということはあるいはあるかもしれません。そのときに、今おっしゃるような新たな捜査の方法とか、あるいは刑事司法全体を、今のような精密司法といいますか、もう細かな被告人の生い立ちから動機からずっと全部証拠で認定していくという、これはもう供述に頼らなきゃできないようなところがいっぱいありますから、これでいいのかということもまた出てくるので、まずは可視化をやって、そして今の捜査の在り方に一石を投じて、そこから出てくるいろんな不都合についてまたこれを改めていくというような、そういうプロセスを覚悟しながら臨んでいきたいと思っております。
○桜内文城君 恐らく刑事訴訟といいますか、犯罪捜査ということになるんだと思うんですけれども、先般、有田委員が予算委員会で取り上げられた事案ですとか、いまだに犯人が見付かっていない、解決していない事件というのがやはり多数あるのも事実であります。人権保障、真実発見ということとともに新たな被害者を出さない、そういった犯罪予防、刑事政策としてのそういった予防機能といいますか、そういったものも含めて制度設計をしていく必要があろうかと考えております。 恐らくこの可視化についてはこれからより議論が深まっていくと思いますし、また改めての機会に質問をさせていただきます。今日はこれで終わりにさせていただきます。 ありがとうございました。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 まず、この度の大震災の犠牲者の方への哀悼の意と、そして被災者の方へのお見舞いを申し上げたいと思いますし、今なお救援と復興、そして原発災害を抑えるために奮闘されている関係者に敬意を表するものでございます。 今回、未曽有の大災害でありますから未曽有の対応をする必要があるわけですね。今までの制度や施策の運用とか法律の範囲内では対応できないことが多々あると思います。ですから、制度に被災者を合わせるんではなくて、被災者の救援と復興のために制度を柔軟に適用するし、それで足らないものは法律自身も変えていくという、あらゆる知恵と力を尽くすという基本的姿勢が必要だと思うんですけれども、その点でまず大臣の御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 今回の災害は、本当にこれはもうまさに未曽有、我々あるいは我々の先輩も含めて今まで経験したことのない大災害でございまして、これを乗り越えることができるかどうか、これは本当にこの国が今問われている事態だと思っております。 国民一人一人も本当にオールジャパンという覚悟でそれぞれできることをやっていただきたいし、また私ども国会も、あるいは政府も地方自治体も皆精いっぱい被災者の救援から復興に向けて努力をしていって、そして私は、そういう努力をした暁に私たちは戦後六十年とまた違う日本にたどり着くことができるんじゃないか、そういう言わば希望を持ってここは頑張っていくときだと思っておりまして、委員おっしゃるとおり、既存の制度にもし隘路があるならば、それはもう超法規的とは言いませんが、極力弾力的にその隘路を乗り越え、さらにまた国会も、ここはもう本当に、私が申し上げるとおかしいですが、党派の違いを乗り越えて、やはり国民のために必要な立法がもし出てきたら迅速にやっていかなきゃならぬときだと思っております。
○井上哲士君 新たな対応が求められるものの一つに、先ほど来議論になっている瓦れきの問題があるわけですね。 阪神大震災のときにもこれがまず最初に問題になりました。あのときは宅地の上に瓦れきがあったわけですけれども、これはまず個人の責任で撤去しろという話になって、とってもできないということで相当国会でも議論になって、これは災害廃棄物ということで自治体が費用も持ってやっていくということになりました。 今回の場合は津波で流失していますから、自分の土地じゃないところに家財や家や自動車等がとどまっているということの中で、先ほど来ありますように、ほかの敷地にあるような無価値と判断されるものは自治体が処分もできると。一方で、ナンバーの付いた自動車などは一定の保管をするとか、それから写真やアルバムなどについてもできるだけの配慮をしてほしいと、こういうことがありました。 是非適切に、かつ迅速にお願いをしたいと思うんですが、一方で、ちょっとこれは議論をしていて、聞いて思ったんですが、例えば船とかそれからナンバーの入った自動車とか、場合によってはその後使用できるものがあるわけですね。しかし、個人の力では到底撤去できないというものがある場合にこれはどういう扱いになるんだろうかと。これは保管料とか移動のための費用がどこが持つかということも出てくるんですが、この辺はどんなような検討がされているんでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) これはまさに、今、席を外しておりますが、小川副大臣が座長になった検討会議で検討をしているところで、今日中にも結論、指針を出そうというところでございます。 ですから、まだ申し上げるのはちょっと早いのですが、物の考え方としては、とにかくその瓦れきの下にまだ御遺体があるかもしれない、あるいは幸いにもまだ救える命があるかもしれない、そういう事態ですので、現場の人がとにかく撤去できる方向にひとついろんな考えを向けていこうということでございまして。 例えば自動車。それは、かなりぼこぼこになっていてもひょっとしたら修理して動かせるかもしれないと。しかし、ひょっとしたら動かせるかもしれないからというよりも、やはりちょっとこれだけ壊れていたら無理じゃないかなという判断の方にむしろ、どういうか、背中を押せるような、そういう指針にしたらいいんじゃないかなと私は思っております。 船にしても、それは鉄の大きな船がまさに陸に、しかも人の土地の上にどんと乗っているわけですから、これをどかすといったってどかしようがない。権利者とよく相談をするということなんですが、その権利者が分からない。分かるんですよ、名前は。名前は分かるけれども、どこにいるか分からないというような事態ですから、今。これはやはりもうまさに、緊急の避難措置として一定のことを行政が思い切ってやらざるを得ないんじゃないかというような頭で今指針を作っているところでございます。
○井上哲士君 まさに、救援と復興を第一に考えつつ、そういうのが例えば権利者の後から負担になったりとかならないように是非お願いをしたいと思います。 それから、先ほども戸籍の問題が出ておりました。 南三陸町の場合は幸い再製が可能だということなんですが、自治体機能がかなり傷んでいる中で直ちにデータは残っていても抄本など出せないところがあるのではないかなと予想するんですが、そういうところの場合も結局、全ての全国の法務局で対応ができるということでいいんでしょうか。 例えば、これから選挙があるわけですが、抄本を、例えば遠くに戸籍があって郵送でやったらその町の自治体機能がないというときなどは直接法務局にお願いするということもあるのかなと思うんですが、その辺の対応はどうなんでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) おっしゃるとおり、自治体機能が消失していて大変困難を来しているのは事実で、現在、戸籍の正本が滅失した、そういう自治体では、市、町ですが、再製できるまで戸籍の正本がありませんし、また、庁舎が津波で流されるなど、人的、物的に体制が不十分でコンピューターシステムを設置することもできないというようなことがあるのは事実で、戸籍の証明書の発行を行うことは非常に困難になっております。 そこで、戸籍の再製ができるまでの間の対応として、当該市、町の状況に応じて、法務局又は市、町において、法務局が保存している戸籍の副本データに基づいてパソコンによる戸籍の副本に係る証明書、行政証明、これを発行するということにしております。
○井上哲士君 次に、法律相談の問題です。 阪神大震災のときも弁護士会や司法書士会の方が随分取り組まれました。借家関係から、隣の家が倒れかかっているなど、土地工作物責任に関する相談とか、住宅再建に関する制度の紹介、それにとどまらず、いろんな生活上の相談とか心のケアなど、多様にわたる相談を受けたということをお聞きしています。 当時の司法書士会のいろんな経験をまとめたものを読んだんですが、やっぱり大変な御苦労があるんですね。今回、政令適用を検討されている罹災都市借地借家臨時処理法も、関東大震災の後に作られたもので、ほとんどそんなものの存在も皆知らなくて解説書も何もないと。昭和二十一年の制定当時に作られた解説書が国会図書館にあって、そのコピーを取り寄せてまず勉強から始めたとか、随分御苦労をされております。 やはり、今回も非常に広範囲な被害で、幸い軽度のところは、これからどうするんだろうかということで今からの復興にかなり関心が来ているということがあると思うんです。神戸の場合も、十日後からもう生活相談、法律相談始めたというわけですね。 日弁連も電話相談を始めたということですが、そういう過去の経験なども生かして、そして、しかも今回は法テラスがあるという新しい条件もあるわけですから、かなりきめ細かな法律相談をやることが求められていると思うんですね。現場における出張相談も含めてやることが必要だと思うんですが、当然、法テラスなどの特別の予算とか体制も必要だと思いますし、それから、弁護士会や司法書士会を始めとした関係団体に例えば集まっていただいて、どうやっていくかというような相談も要ると思うんですが、この辺はどのような計画になっているでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) 計画というところまではまだ具体的には行っておりませんが、当然、委員御指摘のような要請がこれからずっと出てくると思います。法テラスは精いっぱい法律相談、民事法律扶助あるいは情報提供などを行っていく覚悟でおりますし、これもオールジャパンで取り組んでいきたいと思っておりますが、そのために予算措置も必要になってくるだろうと思っております。 ただ、今の、例えば罹災都市借地借家臨時処理法の適用についても、とにかく今はどこがどこだか分からないという状態で、どこの土地に例えば借地権があるようにするかといったことが、まだとにかく瓦れきをどけてみないと分からないという状況ですので、これは罹災都市借地借家臨時処理法は区域を指定していくわけで、その指定の手続などが先行していかなきゃいけないので、今は検討するという気持ちでおるというところまでしかまだ言えないのが現状でございます。 是非、これは御期待にこたえるように、御心配のないように頑張っていきたいと思います。
○井上哲士君 それこそ地形が変わったところもあれば、例えば千葉などは液状化現象で家が傾いているとかというのがあって、かなり法律相談のニーズと現状が違うと思うんです。ですから、その辺、きめ細かく見てやっていただかないとと思うのと、これ例えば、阪神のときには、これは司法書士会の皆さんが阪神・淡路大震災の法律相談百問百答というパンフ、本を出されて、非常にきめ細かくやっておられます。その後、中越震災なども含めて、いろいろ経験も蓄積されていると思うんですが、こういう分かりやすいパンフレットとか、そういうものを被災者向けに法務省なり法テラスなどで発行することも検討すべきだと思うんですが、この点、いかがでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) 御指摘を受けて、検討していきたいと思います。
○井上哲士君 なかなか電話相談というのは、取りあえず不安で掛けて、落ち着くというのはあるようですが、やっぱり面と向かってやることとか、やっぱり文書でちゃんとやるということがだんだん必要になってきますので、是非お願いをしたいと思います。 それから、今後、民事調停事件の増加等が予想されまして、被災者の方ですから民事扶助の利用の拡大というのが予想されます。これ、阪神大震災のときは利用が相当増えたと思うんですが、これはどういう状況だったでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) 法務省において、平成七年の七月から三か年、当時は法テラスはありませんでしたので財団法人法律扶助協会、そして近畿弁護士連合会と共催で阪神・淡路大震災被災者法律援助として法律相談とか、あるいは示談交渉等の援助とか、あるいは訴訟、調停の援助を実施をいたしました。 数字はここにありますが、平成七年度に訴訟、調停援助が千百四十九件、示談交渉等の援助が二百二十四件、被災者法律相談が一万二千四百四十三件などなどとずっと続いて、平成十年度まで行いました。平成七年度の被災者法律援助のための補助金は約三億三千四百万円と、八年度も同程度、九年度からずっと下がっておりますが、そういうような対応でございます。
○井上哲士君 今回は被災者の数、そして被災地の広さからいいましても相当の利用が予想されると思うんですが、これも今後、補正予算などでこの民事法律扶助の予算拡充が求められていると思いますが、この点はどうお考えでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) これは当然膨大な金額になると思いますが、まだ積算などできる状況じゃございませんが、財務当局とはしっかり相談をしていきたいと思います。
○井上哲士君 もう一点、今後のインフラの復旧や建物の復旧、再建において、やはり土地の境界を画定するということが必要になるわけですが、先ほども議論ありましたように、地殻変動を原因とするこの土地境界の移動ということが起こっておりますから、状況を現地で見て、そして既存の登記所備付地図との照らし合わせなどをして適切な処理をするという、これも大変な作業かと思うんですが、この辺の予算措置や、また関係団体との協力などはどういうお考えなのか。また、当然登記に関する仕事量も相当増えてくるわけでありますけれども、この辺の体制的手当も必要かと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) おっしゃるとおり、もう繰り返しませんが、本当に土地が動いていたり陥没していたり、どこがどこだか分からないという状況で、まずは現状把握のために被災状況の調査、あるいは被災者からの土地の境界に関する登記相談などのそういう対応をしていかなきゃなりませんし、登記所備付地図がある地域については、これは関係省庁と連携をして測量による地図と現地の照合などを行っていかなきゃなりませんし、精度の高い地図がない地域は、今度は残っている境界標とかあるいは目印になるものと公図や地積測量図によって境界を画定をしていかなきゃなりませんし、そうしたことを行う専門家が、司法書士とか土地家屋調査士とかいろいろおられますので、そういう皆さんともしっかり緊密な相談をしながら、また関係省庁と協議も行っていかなきゃなりません。 いずれも予算措置も伴うことでございますが、まだ積算などというところまで行っておりませんので、精いっぱい相談をしながらやっていきたいと思います。
○井上哲士君 救援などが一段落したころに、次の希望を与える上で大変法務省の仕事というのは大事だと思うわけで、是非抜かりなくいろんなことを進めていっていただきたいと思います。 震災の関係はこの程度で、若干あと個人通報制度についてお聞きいたします。 所信の中で、国際社会に向かって国を開くという点でも意義のあることというふうに述べられました。そして、導入を見据えて、通報事案への具体的対応の在り方や体制整備等について関係府省とともに検討を進めてまいりますと、こう述べられたわけですが、国を開くという点でもというふうに述べられたんですが、やはり国民の人権を守るということが私は一番の中心だと思うんですが、その点でのこの通報制度の、個人通報制度の意義について、大臣のまず御所見を聞きたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 個人通報制度は、国際社会の中に人権関係のいろんな委員会、組織があるわけですよね。そこに国内の救済を尽くした人は駆け込んでもいいですよと、答え出しますよというそういうシステムが国際社会にできているので、そういうところと日本、我が国とのつながりを付けていく。それによって、一人一人、我々はもちろん国内で救済システムは完全にできていると思いますけれども、しかし、それぞれ、いや、これでは自分はまだ救済されていないと思う人がいて、国際社会はそれは窓を開けているわけですから、そこへ出ていくことが個人の権利利益の救済にもつながるし、同時に、国際社会から見て、日本というのはそこまで人権保障を国際社会のシステムの中で徹底させた国だということで評価されるようになっていくので、そんな観点から、国際社会に向かって国を開くという表現を使わせていただきました。
○井上哲士君 昨年六月の質問主意書に対する答弁書を見ますと、この問題で、我が国の司法制度や立法政策との関係で問題が生ずることはないかという観点などから検討するとありまして、この我が国の司法制度との関係で問題が生ずることはないかという言い方は、前政権時代に司法権の独立に問題が生ずるおそれがあるということを散々言われたことと重なってくるようにも見えるんですが、これは日本の司法制度と相入れないと、こういう意味ではないということで確認してよろしいですね。
○大臣政務官(黒岩宇洋君) お答えいたします。 今、私の下でこの個人通報制度の導入に対する検討を行っておるところで、その点からお答えしますけれども、今、井上委員が御指摘のように、この個人通報制度の導入自体が我が国の司法制度と相入れないという、そういう意味ではございません。これでしたら非常に消極的な話でありますので、決してそういうことではなくて、やはりこの委員会の見解と国内の確定判決の内容が異なる場合が想定されますので、じゃその場合には具体的にどうやって対応していくのかということを今現在検討する、そのことが必要であるという趣旨でこの質問主意書の答弁書は書かせていただいておりますということを御理解いただきたいと思います。
○井上哲士君 導入を見据えというのが大臣の所信であったわけですから、前向きの検討はされていると思うんですが、ただ一方で、なかなか検討検討という中で進行がよく見えてこないというのも実態なわけでありますが、民主党のマニフェストにも明記をされていたことでありまして、どこまでその検討が進んでいるのか明らかにしていただきたいと思います。
○大臣政務官(黒岩宇洋君) 今までは外務省の下、外務省主催の下にこの個人通報制度関係省庁研究会という、これいわゆる官僚、事務方の研究会を開いておったんですけれども、この度、私の下に政務レベルということで、この個人通報制度の導入する際の様々な検討もしっかりと責任を持ってしていくという今状況がつくられております。そして、外務省も主体的に今この問題に取り組んでいますので、外務省の政務官とも逐次、今意見交換や情報交換をしていると。 先ほど申し上げましたけれども、いざ導入する際に様々な省庁、様々な法律にいろんな問題が生じるかもしれない、委員会から勧告受けるかもしれない、こういったかなり今精密な詳細な場合分け、想定をしまして、それに対する対応を一歩一歩、今構築しているという状況でございます。
○井上哲士君 政務レベルでという御答弁だったんですが、法務大臣を千葉大臣が退かれたときに、この問題で、法務官僚が司法権の独立の問題で渋ることはなかったが、いろいろと細かい問題を見付け出そうという傾向はあったと、議論は出尽くしていると、あとは政治家が決断するしかないと、こういうふうに振り返っていらっしゃるわけで、是非、政務レベルでの検討をされているということでありますが、政治家としてのやっぱり大臣の決断とリーダーシップが求められていると思います。是非その御決意をお聞かせいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) 千葉大臣の思いを体して、是非導入に向けて頑張っていきたいと思っております。
○井上哲士君 本当に多くの皆さんが期待をされ、そしてマニフェストにも明記されていたことでありますから、一刻も早い実現を願っているわけでありますから、その点での一層の御努力を求めまして、質問を終わります。
○委員長(浜田昌良君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時三十八分散会