文教科学委員会 第2号
- 発言数
- 192 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2011/03/24
会議録
○委員長(二之湯智君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 議事に先立ち、一言申し上げます。 この度の平成二十三年東北地方太平洋沖地震による災害は大きな被害をもたらし、尊い人命を失いましたことは誠に痛ましい限りでございます。犠牲者の御遺族に対し哀悼の意を表しますとともに、被災者の皆様にも心からお見舞いを申し上げます。 ここに、犠牲者の方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。 御起立をお願いいたします。黙祷。 〔総員起立、黙祷〕
○委員長(二之湯智君) 黙祷を終わります。御着席ください。 ─────────────
○委員長(二之湯智君) 委員の異動について御報告いたします。 昨日、横峯良郎君が委員を辞任され、その補欠として平山誠君が選任されました。 ─────────────
○委員長(二之湯智君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学大臣官房文教施設企画部長辰野裕一君外五名を、また、展覧会における美術品損害の補償に関する法律案及び海外の美術品等の我が国における公開の促進に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文化庁次長吉田大輔君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(二之湯智君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(二之湯智君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題といたします。 平成二十三年東北地方太平洋沖地震等による被害について、政府から説明を聴取いたします。鈴木文部科学副大臣。
○副大臣(鈴木寛君) まず初めに、東北地方太平洋沖地震によりお亡くなりになられました多くの方々とその御遺族に深く哀悼の意を表しますとともに、被災地において厳しい避難生活を続けておられる多くの被災された皆様方に対し、心からお見舞いを申し上げます。 また、被災地において災害への対応に当たっておられる学校の教職員を始めとした皆様方に心から敬意を表するとともに、引き続き政府一体となり被害状況の把握に全力を尽くし、被災者の救援救助活動など災害応急活動に全力で取り組んでまいります。 去る三月十一日に発生しました東北地方太平洋沖地震に関し、被害情報と文部科学省の取組について御報告いたします。 今回の地震は、阪神・淡路大震災を引き起こした兵庫県南部地震の一千四百倍を超える規模であり、いまだ被害の全容は明らかではありませんが、既に阪神・淡路大震災を超える数の死傷者が確認をされているという状況であります。報道等によれば、被害の多くの部分は津波によるものであることなどが指摘されております。 文部科学省では、今回の地震発生後、大臣の指示の下に、直ちに省内に非常災害対策本部と原子力災害対策支援本部を立ち上げ、まずは被害状況の把握を始めとする緊急時対応に全力で取り組んでおります。 地震、津波による被害状況について御報告いたします。 今回の地震等による本日三月二十四日五時現在までの文部科学省関係の被害状況は、人的被害については、百八十七名の死亡のほか、一都十県で百八十九名の負傷が報告されております。また、物的被害については、校舎の倒壊、津波による流失、地盤沈下、外壁、天井の落下、ガラス破損など、被害を受けた公立学校等の文教施設は、岩手、宮城、福島など一都一道一府二十一県で七千五百二十九施設との報告を受けております。 こうした状況に対し、緊急的な対応として、学校施設や青少年教育施設等で被災者を受け入れるとともに、国公私立の全大学病院に対して災害派遣医療チームの派遣を要請し、二十三日現在、五十九大学から四百十二名が被災地に派遣され、活動しております。 次に、児童生徒が教育を受ける機会を確保するため、被災地の児童生徒への教科書の無償給与の取扱いや被災による就学援助等を必要とする児童生徒等に対して学用品や学校給食費が支給されるよう、可能な限り速やかに弾力的な対応を行うことなどを要請するとともに、大学等に対して、授業料等の徴収猶予、減免や日本学生支援機構が行う緊急採用奨学金、応急採用奨学金制度の周知について、被災した学生等に配慮するよう通知いたしております。あわせて、学生生徒の卒業及び単位認定等の弾力的な取扱いについても適切な措置がとられるよう、各大学や教育委員会等に対して配慮をお願いしたところであります。 また、被災した児童生徒等を受け入れた学校において、臨時健康診断の実施や心のケアを含む健康相談を行うなどして児童生徒等の心の健康問題に適切に取り組むよう、各都道府県教育委員会等に対して配慮を要請することと併せて臨床心理士等を被災地に派遣しております。 さらに、今回の地震の発生に際し、大学入試に関して、受験生の安全と受験機会の確保、入学手続期間の延長、入学金、授業料等の徴収猶予や減免等の柔軟な取扱いについて、各大学に対して最大限の配慮をお願いしたところであります。 これを受け、各大学では、試験の期日変更や試験方法の変更を行ったり、予定どおり試験を実施しながら追試等を実施するなど、受験機会の確保のために様々な措置を講じていただいたところであります。高校入試についても、被災地域の各都道府県教育委員会において入試日程の延期等の措置が講じられております。 また、昨今の厳しい就職状況を踏まえ、文部科学大臣及び厚生労働大臣の連名で、政府として学生生徒の就職を全力で支援すること、就職のことで困ったことがあれば学校やハローワークに相談してほしいという内容の学生生徒へのメッセージを出すとともに、主要経済団体等へ入社時期、採用選考活動及び採用等に関して、災害により被害を受けた新卒者等への配慮を要請しております。 続きまして、福島第一原子力発電所における原子力災害への対応について御説明申し上げます。 初めに、放射線モニタリングについてでございます。 文部科学省としては、国民の安全や安心、政府の適切な対応に資するため、様々な手段を駆使して総合的な放射線モニタリング等を実施し、そのデータを収集、広く国民に公開しております。 具体的には、福島県や日本原子力研究開発機構、日本分析センター、原子力安全技術センターや関係機関等と連携し、モニタリングカー十数台を用いて同発電所二十キロ以遠の放射線計測を実施し一日四回公表するとともに、空気中の浮遊物、地表面、土壌のサンプル調査を実施しております。 また、各都道府県に設置されているモニタリングポストを用いて一時間ごとに放射線を計測し一日二回公表しているほか、各都道府県に依頼し、蛇口より採取した水道水及び大気中から地上への降下物を収集し、含まれる放射性核種の分析調査を実施し毎日一回その結果を取りまとめ公表しております。 これらの結果については、日本語だけではなく英語、中国語、韓国語に翻訳し国内外に公表するとともに、政府関係機関と情報共有を図っております。 さらに、同発電所周辺の海域における放射線濃度の測定も行っております。 次に、放射線被曝医療への対応について申し上げます。 文部科学省では、避難住民等に対する不安にこたえるとともに、防災業務従事者等が被曝した場合に備え、県や関係機関に対し、大学及び日本原子力研究開発機構等からの専門家の派遣、資機材の提供などの支援を行っております。また、放射線医学総合研究所では、防災業務従事者に対する除染や治療等を実施するとともに、緊急被曝医療体制の充実に努めております。 さらに、文部科学省では健康相談ホットラインを設置し、国民の健康に対する不安について相談に応じるとともに、放射線影響に関する基礎知識や関係省庁及び各地方公共団体の取組などを分かりやすく伝えることで国民の不安の解消に資するよう努めております。 以上、東北地方太平洋沖地震の被害状況と文部科学省の対応について御説明申し上げました。 文部科学省では、現地対策本部との連絡や学校施設等の安全点検、被曝医療及びモニタリングの実施、文化財の被害調査のため、昨日まで文部科学省の職員延べ約五十名、大学や研究機関等の職員延べ約二百八十名を派遣しております。 加えて、笠浩史文部科学大臣政務官が二十日に岩手県を訪れ、被害状況の把握及び今後の支援の在り方について知事、教育長等と意見交換を行い、さらに二十一日には福島県、本日二十四日には宮城県にそれぞれ職員を派遣し、実態の把握に努めております。 文部科学省としては、この度の未曽有の大災害に際し、関係機関等との連絡を密にして的確な被害状況と被災自治体の要望等を把握しつつ被災地への支援に万全を期し、今後の速やかな復旧復興に取り組んでまいりますので、委員の皆様方におかれましても御指導、御支援を賜りますようお願いを申し上げます。
○委員長(二之湯智君) 以上で政府からの説明の聴取は終わりました。 次に、文教科学行政の基本施策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○義家弘介君 自由民主党の義家弘介です。 まず冒頭に、この度の東北地方太平洋沖地震により犠牲になられた方々に対しまして心より御冥福をお祈りし、御家族の皆様に衷心よりお悔やみ申し上げます。 また、負傷された方々、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。 さらに、地域の災害者支援に御尽力されている方々に心より敬意と感謝を表します。一刻も早く被災された方々の安否が確認され、安全と安心が確保されるよう、私たちも全力を挙げて取り組んでまいりたいと存じます。 その上で、まず冒頭、文部科学省に確認しますが、現時点で確認が取れていない教委は、現時点ではありますでしょうか。教育委員会です。現時点で。
○国務大臣(高木義明君) 今日時点で教育委員会と連絡が取れないことは、三県ともありません。それぞれ連絡は取れる状況になっております。
○義家弘介君 そのような状況にまずなっていること、少し安心を覚えましたが、しかし、まだ被害状況が明らかになっておりません。行方不明者ももうほとんど不明というままでありまして、実は私、今も大学で教員を目指す生徒たちを教えているんですが、私のゼミ生が今教育現場で、小学校で働いているんですが、まさにこの宮城県石巻市で被災をいたしました。学校全体がのみ込まれる中で、いまだ行方不明になっている児童もいながら、毎日毎日その瓦れきになった場所をみんなで回りながら、当てもなく叫びながら探しているという現状であります。 さらに、その傷というものがかなりひどくて、私に被災の状況の、学校の周りのメールも随時送ってきてくれているんですが、テレビの映像で見るよりも更に何かひどい、間近で撮ったコアな被災地の現状というものに物すごく傷つき、今も海を見たりすると過呼吸が起こってしまう。しかし、今自分がしっかりやらねばという思いで走り回っていて、今日取りあえず連絡の付く先生たちで集まって今後の対策をするという情報が生徒から寄せられています。また、今現在も、大学で教えている教え子で連絡が取れない生徒もたくさんあります。 まず、このような状況に対して、どのように安否確認を急ぐのかということのありようというものがすごく問われていることと思いますが、先ほど文科省から、五十名のスタッフそして政務官が岩手等に入ったというお話でしたけれども、私自身、じゃ、この震災に対して何を備えて何を議論しなければならないだろう、この二週間ずっとそればかりを考えてまいりました。 その中で、こういう場で言うのも変かもしれませんが、ふっと頭に浮かんだのが御党の水岡議員でした。というのは、阪神・淡路大震災のとき学校はまさにパニックになりました。私は、質疑の中でも言っているように、日教組等の違法な活動であったり教育内容の問題であったり、様々な問題意識を持つものでありますが、一方で、兵庫県の教職員組合が出したこの教育現場からの提言、「阪神・淡路大震災と学校」という冊子を隅から隅まで目を通させていただきました。そして、そのときの先生方の必死さと、そのときの活動の貴さ、それを心から痛感したものでありますが。 大臣、例えばこの困難を乗り越えた、学校というものを立て直してきた兵庫県教組、その中で、例えば水岡議員に意見を求めたり今後の対応策としてどうすべきかということ、これまであったのかどうか、是非お聞かせください。
○国務大臣(高木義明君) 今お話がありましたように、今回の東北地方太平洋沖地震のまさに規模の大きさ、甚大さ、そして範囲の広さ、これはまさに未曽有であろうと思っております。 近くには新潟県中越地震あるいは中越沖地震などもございました。私も自ら体験したのは、長崎県における平成三年の雲仙・普賢岳の火砕流・土石流災害、あるいは昭和五十七年の長崎の大水害、こういったことを体験をいたしまして、まさに災害の中で多くの方々が苦しみ、そして悲しみ、しかも困難を乗り越えて、それぞれの立場で活動し生き抜くその姿、私も胸を打たれ、また多くの教訓をいただきました。 今、義家議員から話されましたことについても、とりわけ教育現場で、子供たちがあるいは先生たちが、いち早く友達を、そして肉親を、そして早く学校で勉強がしたい、しなきゃならないと。そういう中で、一方でボランティアに取り組み、そして災害の後片付けをしたり、そして知人を捜したり、そういう様々な姿が思い起こされます。 そういう意味で、今紹介がございました阪神・淡路大震災を踏まえて兵庫県教組の震災・学校支援チームのEARTHということについて、私も資料をいただきまして目を通させていただきます。様々な体験の中で、その教訓を生かしながら、今当面する私どものこの災害対策に生かしていかなきゃならぬと思っております。 まさに、国会におきましても各党派、会派を乗り越えて、今一つになってこの災害を乗り越えることが非常に重要であろうと。私自身、その先頭に立って頑張らなきゃならないと、そういう決意をいたしております。
○義家弘介君 様々な、官邸が肥大化している等々も言われておりますけれども、私はそれを乗り越えて、大きな課題と問題提起も実はこの中には含まれております。どう対応すべきか、今後こういう事態が起こったとき、何がネックになってくるのか、そしてどうしなければならないのか等々、まさに現場の目線でまとめられているものであります。 それを理解しているのかどうか、実は先ほどの資料を見ながら非常に私不安に思ったんです。というのは、先ほど説明があった資料の十二番で、文部科学省発表の内容の十二番で今後の対応について書いてあります。今後の対応は、全力を挙げて、被害状況の収集及び被災地や被災者への支援に努める、以上。 確かに、これまで様々な通達等も含めて対応は出してきた。しかし、今後想定される様々な問題が実はあるわけです。もう四月、入学式は間もなくやってくるわけです。だからこそ、今後想定する問題についてきちっと今共通認識をした上で、この三月に何としても具体的な対応策を出していかなければ手遅れになってしまうと私は感じています。 同時に、阪神・淡路大震災の、これ小学館から出された本ですかね、神戸の教育委員会が出した本、これも行政としてこういうところが困ったんだ、行政としてこういうところが大変だった、だからこそ今後の備えでこうしていくべきだという等々の提言、様々含まれているわけです。 お願いですけれども、早急に水岡議員としっかりと向き合った上で、今後の具体的対応、こんな、一行で丸なんという状態、本来私がこうして質問するより、まさに水岡議員が質問したいことたくさん私はあると思います。その意味でも、是非とも早急に、この現場を乗り越えたときにどういう課題があって、そしてあの課題のままになっているものがたくさんある、それをどうしていくのか早急に議論していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(高木義明君) 必要な情報、そして教訓、経験、これは是非生かさなきゃなりませんので、あらゆる立場の方々と意見交換をして、とにかく速やかに的確な対応をしなきゃならぬ、こういう気持ちでございます。
○義家弘介君 現在、教育委員会が十分な機能を果たしていない中であっても、生徒児童、これを正確に把握できるのは、あるいはしなければならないのは、現場の教職員であります。そして、現場の教職員からしか得られないという状況もあると思います。阪神・淡路大震災の際も、兵庫県教組は独自のルートで児童や生徒の安否情報を確認してきたということも記されております。 政府としても、まず教職員組合、日教組のみならず様々な教職員組合、教職員団体と連携しながら、先生方、是非、教育委員会を通して上がってくる情報だけではなく、あらゆるチャンネルを使って生徒の安否を確認したいという旨をしっかりと発信して、連携していっていただきたいと心から要請いたします。よろしくお願いします。 その上で、自治体機能が喪失した際の文部科学省による直接行政執行、これもやはり有事の際に検討しなければならない一つであろうと私は思います。 例えば、教育委員会自体の機能が失われてしまった際、文部科学省が直接行政機能の執行を可能とするような法的措置、これも検討していくべきだと考えておりますが、この辺について、大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(高木義明君) 今文部科学省で把握をしておることについて、先ほども教育委員会との連絡の状況について説明をいたしました。 なお、補足をいたしますけれども、機能が低下をしておる市町村の教育委員会として、例えば岩手県の陸前高田市においては、教育長を含め事務局職員の多くは安否不明という状況もございます。これについては、岩手県教育委員会から職員を二名派遣をしてその機能の回復を図っておると。また、宮城県におきましては、南三陸町について、教育長さんがお亡くなりになって、総務課長が教育長職務代理として事務を執行中であると、そういうこともございます。 現行の制度上、地方自治法に基づいて県などの職員を派遣することや、あるいは事実上県の職員が市町村教育委員会の事務をサポートすることなど、人的な支援を行うことは可能でございます。 現時点では被害状況の全体像がまだ明らかになっていないことから、今後、私どもとしましては、被災状況や教育委員会の対応状況等をしっかり把握した上で、国が直接的に行政執行を行うことについての、被災をされた自治体のニーズ、やっぱり災害は現地が中心でございます。その自治体のニーズや、そして関係者の十分な意見を聞きながら、御指摘のような必要な検討を進めてまいりたいと思っております。
○義家弘介君 問題が明らかになってからではもう遅い。つまり、じゃ今、学級編制、四月に向けてどうしていくのか、あるいは先生方の配置、四月に向けてどうしていくのか、担任、四月に向けてどうしていくのか、様々な具体的検討が必要になっている中で、機能が低下し、先ほど、岩手県のある地域では県から二名が派遣されてきた。私も横浜市の教育委員として教育行政に携わってまいりましたけれども、二名じゃできませんよ、そもそも。そもそも、二名でできるのは今情報をどう上げるかという収集作業のみで、未来に向けて、じゃ、学級編制も含めてどうやっていくかということは現実にはできない。だからこそ、そういうときにどういう体制を取っていくかということを文部科学省が議論をリードしなければ、なかなかこれは、地域の被災に遭ったところが中心なので現地のニーズに合わせて対応しますというスタンスであったならば、やはり現場は具体的な方針を出しかねる。だからこそしっかりと、こういう問題が起こったときにどうサポートしていくのか、介入するんじゃなくてサポートしていくのか、どう支援していくのかということの真剣な議論が今本当に必要だと思います。 特に、今大臣からそういう議論、法的措置も検討していくというお話がありましたので、是非この委員会の中で、党派を超えて、じゃ、どうしていくのかということを議論してまいりたいと思います。 また、改めて後ほど触れますが、被災地から避難するため、広域かつ大規模に生徒児童が疎開するということも想定されます。例えば、兵庫県教委の資料では、一月十九日に、当時の文部省が被災地域の義務教育学校の児童生徒が転校を希望した場合には可能な限り弾力的に取り扱い、速やかに受け入れることも、これ文科省も通知、三月の十四日の段階で出しておりますが、この通知が出された後、震災発生から約一か月後の二月十四日には二万六千三百四十一人の児童生徒が北海道から沖縄まで全ての都道府県、あるいは海外にも転居、転校、疎開しています。 このような状況がこれからまさに想定されていく中で、自治体を越えた移動になっていくわけです。教育委員会の管轄を越えた移動になっていくわけですから、文科省が総合的に調整していかないと、一体どうしたらいいのかという問題も次々に出てくる。 実は、昨日、私の同僚の森まさこ議員からお電話をいただいたんですけれども、福島選出の議員ですが、ある保護者からこう言われたと。避難先で転校が決まって、教科書の件については、教科書は出せないと言われたと。しかし、文科省の通達ではそう書いていないですね、しっかりと対応しろと書いてある。でも、現実には学校現場にはそれが行き届いていませんから、その手続のときに出せないと言われて、本当なんですかというふうに質問をされて、それで私に連絡が来て、文科省は三月十四日の段階でそうじゃない通達を出していますよと。つまり、その通達をホームページにアップしても、それがそれぞれの教育委員会、教育現場、市町村委に落とし込むまでにやはり時間が掛かるわけですね。 こういった意味も含めて、広域的に調整を可能にするための措置、文科省が調整していくということもすごく重要になってくると思います。現在は各自治体が自主的な受入れに動いてくれている段階ですが、これから四月に向けて規模がどんどんどんどん大きくなってくると、受入先の自治体も、じゃ、校舎はどうするんだ、教職員の増えた分の確保はどうするんだなどの多大な影響が出てきます。それも想定して文科省が調整機能の検討を急ぐべきだと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(鈴木寛君) 私どももこのEARTHを参考にしながら今委員の問題意識と同じ問題意識で取り組ませていただいております。 ちょっと先ほどのことで補足させていただきますと、委員御指摘のとおり、我々連日のように現場と意見交換をしておりますが、宮城県の教育委員会は、数あるいろいろな御支援の中でEARTHの方々が来ていただいたことが最も実質的にも大変に救助、救命、復旧に効果があったし、また励ましてもいただいた。これを是非更に増強してほしいという、こういう具体的な要請を受けまして、そして私から水岡議員に早速兵庫県関係者の調整をしていただいて、そして今EARTHの方々が続々と更に宮城に向かっていただいているということでございます。 それで、今お尋ねの件でございますが、まさに自治体を越えた対応が重要でございます。そのためにはまさに教育委員会機能の一刻も早い復帰ということが大変重要でございまして、その際に、文部科学省も担当職員をそこに張り付けて、コーディネートの役割をするために三県に送り込んでおりますが、それはある意味でコーディネーションというかハブになってもらうと。 ここで一番、委員も含めて皆様方に御理解と御協力をお願い申し上げたいんですけれども、同じぐらいの人口規模の市町村の教育委員会の職員の皆さんがある意味で最もこの今回被災に遭われた教育委員会のお仕事ということについて慣れておられます。そういう規模の市町村は、まさに北は北海道から南は九州、沖縄までいらっしゃるわけで、今まさに全国的にそうした応援がしていただけないかどうか。これも実は九州のある町の教育長の皆さんたちが立ち上がっていただいて、そして今私どもと連携してやらせていただいております。 そうした、文部省がハブになりながらコーディネーションしながら、まさに全国のそうした総力を結集してまず教育委員会機能の立ち上げというものをやっていきたい。そして今、EARTHでも提言されているようなことを大いに参考にしながら進めていきたいと思っております。 ただ、一つだけ加えて申し上げますと、私も実は神戸出身で、私の父も阪神・淡路大震災で被災をいたしましたが、あのときと非常に参考になることと、それからあのときと異なることのこの両方を加味しなければいけません。 あのときは、阪神・淡路の大震災のときは、大阪が都市機能を維持しておりました。大阪から神戸まではスクーターで三十分も走れば入れるわけでありますし、大阪から神戸への道というのは裏道も含めれば数多く迂回路がある中で、連日そこに大阪あるいは姫路の方から入ることができたわけでありますが、今回は震災の要素もあるわけでございますが、むしろ津波の要素が大変に厳しい。阪神の場合は、ある筋は全壊ですけれども、例えば三軒隣は残っていると、こういうような状況もあって、そしてもちろん非常に火災が深刻、圧死、火災ということだったわけでありますが、その近隣で助け合いながら守り立てていくということをしていただいた部分もございますが、今回はまさに津波でございますので、まさに地域が全滅状況という状態もございます。 それだけに、今委員の御指摘のあったことを更に力を入れて早急にかつ強力にやっていかなければいけないという認識持っておりますし、それから何分、例えば笠政務官に行っていただきましたけれども、盛岡から今回被災があった陸前高田だとか、そういったところがかなり距離がございまして、しかもそこが幹線から一本道でありましたので、最初はDMATが到着するのにもかなりヘリでしか入り込めないといういろいろな更に深刻な状況等もありますので、今日の御議論も踏まえて、またいろいろ御指導いただきながらしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○義家弘介君 ありがとうございます。 まず、どの程度疎開するのか、それが決まってから対応を考えたのでは遅いということなんですね。だからこそ、私たち自民党は、一律に三十五人学級は法律出てきていますが、その分の予算が取れるならば、こういう国家危機的な状況において、予算はもう確保してあるわけですから、加配という形でしっかりと手当てできるような柔軟な対応策を現在四月に向けて明確に準備すべきであるということを衆議院の中でも主張しているところであります。是非ともこれは、起こってから、こういう状況が生まれた、じゃ、どうするではなくて、状況が生まれたときどう対応するかということをしっかりと議論しながらつくり上げていきたいと思っております。 今、鈴木副大臣からこの地震、津波の被害、様々な問題について答弁がありましたけれども、避難所としての学校と、学校としての学校というのは、またこれ分けて四月に向けて早急に答えを出さなければならない問題であります。 震災に伴って現在多くの学校が避難所になっています。後の質問で同僚の熊谷議員から、実際避難場所になっている学校をその目で見ながら、様々な方たちと意見交換をし、何が必要か聞いてきた立場として質問があると思いますが、まず建前としては、避難所の設置及び避難所の管理運営は自治体です。そして、学校は生徒児童の安全と教育活動に責任を持たねばならないという意味では、原則的には指揮系統は分離すべきであるとされていますけれども、今回のような未曽有の大震災に対して、実際の現場がそのような原則の下に活動するということは極めて非現実的であります。 学校が避難所になっている際の当初の運営については、やはり私の教え子もそうであるように、学校長や教職員が中心になって当たらざるを得ないという状況、これも阪神・淡路大震災のときの教訓として出されておりますが。 例えば、阪神・淡路大震災のとき避難所となった教職員はどのような作業を行ったか。これを一読しただけで私なんかは今すぐ私も飛んでいきたいという思いになったわけですが、遺体の安置や輸送、近隣住民の救出、けが人などの応急処置、食料の調達、輸送、水の調達、輸送、衣料品の調達、輸送、トイレなどの清掃、避難所の見回り、外部からの問合せへの対応、人間関係の調整、苦情への対応や調整、あるいは自治組織運営や仕事の指導等々多岐にわたることをその避難所となっている学校の教職員が走り回りながら行った。 これ三月、四月は、私も学校で、高校で教えてきましたが、ただでさえ教職員が一年間で最も、何もなくても最もエネルギーを要する時期であります。それに加えて、避難所になっている学校は、学校再開に向けての課題や検討、そして避難所の運営にも同時に当たらざるを得ない、当たらなければならないという問題があります。 例えば神戸市の教育委員会の調査で、教員の疲労、避難所となった学校の教職員は六〇・六%がとても疲労感があると答えています。これ、四割の人がそう答えていないのがやっぱり教員の良識、教員のすごさだなと思うわけですが、避難所とならなかった学校の教職員は半分の三一・六%。まさに避難所となっているところの教職員なんかは物すごく大きな負担とそれから不安の中に今おられると思います。 だからこそ、負担が大きい学校に対して、避難所の運営にも携わっている教職員が通常の業務もしっかりと行われ、職責を全うできるという具体的な加配職員や加配管理職の配置、これの検討も必要ではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(高木義明君) 御指摘の件につきましては、私も微力ながら阪神・淡路大震災のときに方々の避難所も回らしていただいた思い出がございます。確かに学校施設を避難所に使っておるところがほとんどでございまして、ゆえに、それらの施設の管理運営に非常に精通をしておる校長始め先生方がそこの世話をしていく、いかざるを得ないと、こういう状況が多分にあります。 そういう中で先生方の疲労度も相当なものがあろうかと思っておりますし、私も、この災害のこれまでと違って大きなところは、特に教育界において年度末そしてまた年度初め、あるいは卒業式や終業式、あるいは新学期に向けて学級の編制等もある、まあ学校現場としてはただでさえ大変な時期にこのような災害と遭遇をした、そのことは私はもう筆舌に尽くし難いものがあろうかと思っています。 今、県の職員、あるいは市役所、あるいは町役場、職員は総出でやっておりますけれども、同時に消防や自衛隊や警察の皆さん方も一生懸命やっておられます。その中でとりわけ、学校の教育のことはやっぱり教職員の皆さん方が一番よく、災害の中でも、これまでの教訓というのを知っておられますし、一日も早い学校現場の回復ということに対してもまさに熱意に燃えておられると思っております。 私たちはそういう中で、同じ例えば岩手県の場合におきましても、比較的こちらの、三陸側と違いまして被災の少ないところ、そういうところからの皆さん方の応援、あるいは県を乗り越えてのそれぞれの教育委員会、教職員の応援、こういったことも私たちとしてはお願いをしておるところであります。 いずれにいたしましても、とにかくこれまでにない発想を持って、何でもやると、このぐらいの気持ちで取り組まなければならないと思っております。そういう意味で、皆さん方のまた御協力もいただければと思っております。
○義家弘介君 やはり教育は人でありますから、五年ぐらいのスパンで考えた上で十分な加配をするという形で大臣がメッセージを出さないと、どうしていいのか分からないまま四月を迎えてしまう。こういう困難な状況にある中でしっかりとした加配をしていくという固い思いを大臣から語っていただきたい、答えていただきたいわけですけど、いかがでしょうか。
○国務大臣(高木義明君) 私もそのように思っております。
○義家弘介君 ありがとうございます。 昨日の衆議院で同僚の松野議員からの質問でもありましたけれども、阪神・淡路大震災当時の例は、学級編制、四十人学級にこだわらずに、例えば四十五人、例えば五十人という形であっても柔軟に対応していく。つまり、ある学校がぼろぼろになって教室が確保できなくなったときに、じゃこういう形にしよう、あるいは大きな避難所のそばの学校には当然集中してくるでしょうから、そういった柔軟な対応や、あるいは授業においては午前、午後の二部授業、あるいは近隣校などへの学年別分散授業、それから校区内の施設を借りる供用、あるいは教室、屋外での授業併用、あるいは教室、特別教室の併用、様々な弾力的な取組が必要になってくるわけですが、冒頭から言っているように、教育委員会機能自体が低下してしまっている中で、これから四月になる中で、どうしていくのかということを文部科学省がリーダーシップを持って発信していただかないと、冒頭に説明したように、今後の対応は全力で取り組みますだけでは、この地域、じゃ、そうは言うけれどもどうしたらいいんだろうかという状況に陥ってしまうことだと思います。 柔軟な対応、柔軟な対応と言いますが、今回の震災は、多様な授業をしたくてもできない状況に今置かれているわけですから、もうこれは一刻を争うわけです。間もなく、あと半月もたたないうちに入学式の時期を迎えるわけですよね。だからこそ、こういった方針をしっかりと出してほしいと、そのためには我々も全面協力をしたいというふうに今提案しているわけでございます。この柔軟な対応を担保するために文科省としてどのような支援を行っていくか、是非大臣、お答えください。
○国務大臣(高木義明君) 今回の災害のまた一つの大きな特徴は、予想をはるかに超えた大きな津波によっての被災ということも、多くの方々がお亡くなりになり、そしてまた行方不明者は今なお大勢の方がおられるということでありましょう。そういう中で復興が進みますと、今ある学校で学校が再開できるのかどうか、これすらも非常に難しい状況、そしてまたどこか移転をしなきゃならない、そういう状況にもなるかも分かりません。 いずれにいたしましても、私たちとしては、そういう意味では、大切な入学、始業の時期を迎えて、それが大幅にずれ込むこともある意味では考えておかなきゃならぬのではないかと思っております。先ほどの学校施設の確保と同時に、教職員のことについても、加配も含めて我々としてはさきの阪神・淡路大震災の教訓も踏まえてしっかりしたものをしなきゃならぬと思っておりますし、学級編制についても義務標準法の中にも表れておりますけれども、しかし、やむを得ない場合には弾力的な運用をしなきゃならない、私はそのように考えております。 それからまた、子供たちを受け入れる学校においても大変なまた困難も付いてまいりますが、お互いに大事な子供たちの教育がしっかり確保できますように、まさに今言われたように、我々としてはこれはマンパワーが今から大事になってくると思います。 是非その辺については、どしどしまた御提言も御忠言も、またいろんなノウハウも含めてお寄せいただいて、一日でも早く一つでもできることから進めていくと、こういうことが私はこの災害対応の最も大事なことであると思っております。
○義家弘介君 大事なことは共有しているわけですけれども、その大事なことをどのように担保していくか、これは予算も含めて一体どう大事なことを担保していくか、そしてリードしていくかということが問われていると思います。 今、衆議院でも三十五人学級の法案の審議が行われておりますけれども、順番というものがあるわけです。今何をすべきなのか、この国難の状況に対して文部科学省としてまず最優先として何をすべきなのかということを一つ一つしっかりと発信していかなければならない。まして、柔軟な対応も含めてと言うけれども、柔軟な対応をすべき教育委員会の機能がないわけですから、その教育委員会の機能がないところに文部科学省がじゃ具体的にどうサポートしていくのかというところが発信されない限りは、今の答弁だけ、もしも、その岩手県の二名県教委から人員が来ているというような、教育委員会の人が聞いていたら、結局、心配はしている、応援はしてくれると言うけど、具体的に何をしてくれるか分からないから我々としてはどうしていいのか分からないというような事態になりかねないわけです。 危機のときこそリーダー、強力なリーダーシップが必要であろうと。まず、この文教関係、学校関係の問題に関しては高木文部科学大臣の強力なリーダーシップと、そして励ます発言、後押しする明確な発言、こういうものが問われていると思います。 私は、ずっと、今日の質疑は絶対に変な誤解も与えないように対決姿勢ではない形で、しっかりと冷静に質問しようと思って今日ここに来ましたけれども、やはり答弁を聞いていると、これをやるんだ、これは絶対に国の責任で守るんだ、今こういう状況になっているところはこういう対応をするんだということが伝わってこないんですよ。だから、余計に不安になってくるわけです。弾力的な対応をしてもいいよ、義務標準法の例外としてやってもいいよと。じゃ、誰がどうやってやるんですか。誰がそのシナリオを書くのか、誰がそれを助言してあげるのか、誰がこういうことをいいよと言ってあげるのか、これが今まさにリーダーシップを持って発信していただきたいと私が再三言っていることの内容なわけです。 同様の問題これから様々出てきますが、取りあえずプレハブ校舎ができた、あるいは仮設校舎ができた後、新校舎を造ろうとしたときにも想定される問題がたくさんあるわけです。 例えば校舎の再建に関しては、公立学校施設災害復旧国庫負担法では、倒壊などによって使用不能になった校舎の代わりに仮校舎を建設する場合は国庫補助の対象になりますが、避難所となったために校舎の使用が不可能になった教室の代わりに建てる仮校舎については国庫補助の対象にならない。これ、阪神・淡路大震災のときに問題が生じました。これは結果的には是正されていますけれども。例えばそれぞれの学校、これどのように造られてきたのか、これも法令で定めるところで造られてきているわけですが、建設当時の児童生徒数を基に学級数を基本にして、その基準の校舎面積が計算されて、じゃ、この大きさにしましょうということが決められて造られているわけですね。 例えば、特に東北地方がそうだと思いますが、少子化の進行で児童数、生徒数、学級数、減少しております。その校舎を建築したときの規模よりも全然小さな学級規模になり生徒数の規模にもなっているわけですから、その基準そのまま生かしたら、震災前と同様の規模の校舎は建てることできなくなるわけですよね。 だから、こういった問題に関して、今回まさに地域の防災拠点に学校がなっていることというのも、これは日本中が理解していることだと思いますし、その子供たちの教育プラスアルファの地域の防災拠点としての役割も担っているわけです。そういう意味では、新校舎を建設する場合は、基準となる校舎面積、柔軟な対応、これも検討していこうという形の議論が必要であろうと思いますが、ここら辺、大臣、いかがお考えになっていますか。
○国務大臣(高木義明君) 結論から申し上げますと、柔軟な対応について私は前向きに考えなければならぬと思っております。
○義家弘介君 じゃ、例えば今仮校舎やプレハブ校舎に対してですけれども、省内でこの問題に対してどのような具体的柔軟な対応を話し合っていますか。
○副大臣(鈴木寛君) 制度は今るる委員から御指摘のあったとおりでございますので、その制度を超えてということを再三大臣からも御答弁申し上げておりますが、まずプレハブの校舎の建設も含めて、復旧整備については、これまでは国の現地調査を行ってそれでいろいろ詰めてと、こういう手続を取っていたわけでありますが、それを行わずに、もう早速に復旧整備をしてほしいということを三月の十五日及び十七日に連絡をいたしております。 もちろん、それを受けた、先ほど来問題になっております教育委員会の方の機能を立ち上げなきゃいけないということで三名の職員をそれぞれ、こちらからも発出するけど向こうもちゃんと受けて、彼らは文部科学行政のことも分かっていますし、それから現地に入ってそうした声も仰ぎながらやっていくということで、まず第一弾としては応急の仮設校舎について着手をしてくれと。そして、その後で、もちろん今から補正予算の議論なども始まろうかと思いますので、その応急復旧に対して全面的な資金の手当てをすると。 一刻も早く児童生徒あるいは地域住民のよりどころになる学校をきちっとまずは物理的に再建、あるいはプレハブも含めてですけれども、そこに着手するんだということを今行っておりまして、さらに、今日の御議論も踏まえて加速をしてまいりたいというふうに考えております。
○義家弘介君 まず、恐らくはこれから一週間以内ぐらいに想定される、今るる様々な問題提起をしました。これに対してじゃどうするのかということを一週間ぐらいの間に対策を出していかなければ、もう四月には間に合わないだろうと。 入学式を遅らせる云々というお話もありましたけれども、じゃ、その間子供はどうしているのかという問題もあるんです。例えば、私がある教員から聞いたお話ですが、二時二十六分、実は低学年、下校中だったんですよね。そういう状態の中で行方不明になっている子もいる。反対に、学校で震災、被災に遭ったと。一方で、家は流されて親が行方不明になってしまっているという問題もあるわけです。 だから、単純に入学式を延ばすのか延ばさないかじゃなくて、子供たちのためのケアも含めて、場所をどう早急に確保して、それが子供たちのために機能していくのかということを出していく。その後にしっかりと予算が付いてこなければならない。まずは方針ありきなわけですから、そこの部分をしっかりと、例えば、これこそ党派を超えた特別チームでも立ち上げて、じゃこの学校の問題一体どうしていくのか、懸念される問題どうしていくのかということを話し合った上で補正予算云々という話に私はなっていくと思うんですね。 だから、単純に積み上げで予算の審議とか、政治的意図で予算の審議とかなんてすべきではないと思いますが、どうしてもこれ言わざるを得ないんですけれども、はっきり申し上げて、民主党は学校の耐震化というものを非常に軽んじてきたと私は断じざるを得ない。 それは去年、おととしからずっと抗議し続けてきましたが、実をいいますと、我が党の文部科学部会、震災当日の三月十一日、十三時から一時間十五分ぐらい、これニュージーランド沖の地震がありながら、プレートの延長線上にある日本の震災も想定しながら、一刻も早く耐震化を進めなければならない、耐震予算が削られている、これ何とかしなければならないという議論をした、そして文部科学省にも耐震化の予算確保を強く要求した直後にこの大震災が発生して極めて大きなショックを受けましたけれども。 民主党政権は平成二十三年度予算の概算要求において、コンクリートから人への方針どおりなのかどうか分かりませんが、この耐震化予算に対しても一〇%のシーリングを掛けているんですね。このため、文科省は耐震化の予算を一旦、形式的に六百八十六億円、前年度比六七%減の削減を行った上で、元気な日本復活枠で改めて千八百四十七億円を要望して、それを政策コンテストにかけた。この手法自体が私は大いなる過ちだと思っています。まさに、子供たちの命と安全をコンテストの対象にしたと、そのぐらいの思いを持ってこの経過を見守ってきたわけですね。 その中で、例えば昨年の六月調査と予算の状況ですが、去年の六月の調査結果に基づいて、概算要求で二千百九十二億円を要求しています。このうち耐震化が千九百五十六億円。この調査結果に基づいて、自治体のニーズにこたえるために、九月に予備費として百六十億円、十一月の補正で千百七十七億円、そして二十三年度の当初予算を合わせて、自治体が去年の六月調査に対して対応できるほぼ全額を確保、二千百四十二億円を確保したわけですよね。 しかし、その後、様々な文科省の努力もあって、様々な検査結果公表もあって、自治体がしっかりと耐震しなければならないという形で取組が進んで、今年の二月の段階で、新年度の予算執行を検討するために例年同様翌年度の自治体の計画を調査したところ、何と六月調査時に比べて約五百五十億円程度の追加要望ができたと。これは一体どうするのかということなんですね。今あるものはみんな今までの耐震化の中で取られてしまうわけですから、新たに最低でも五百五十億程度、うち耐震化が三百四十億円程度ですか、これの追加をしなければならない。 この辺の予算については、大臣どのように考えていらっしゃいますか。
○副大臣(鈴木寛君) 重要な事実関係でございますので御理解を賜りたいと思いますが、この政権交代以後の耐震化対策については、与野党力を合わせて、そしてこの一年半前は六七%であった耐震化比率を、平成二十三年度予算ベースで申し上げますと八五%に、これは与野党の皆さん御一緒の、まさに心を一つに私は耐震化対策を、度重なる本予算、そして補正予算、そして予備費、これを全党一致で私はこの八五%まで達成してきたというふうに理解をしております。 したがいまして、ただいまの義家議員の御認識は、少しそのところが若干、まあ御理解の上でおっしゃっていただいておりますが、議事録に残りますので、前提の議論として共有をしていただければというふうに思います。委員はよく御承知の上でおっしゃっていただいていますことは十分承知しておりますが、そのことは申し上げさせていただきたいと思います。 で、八月末の概算要求時点をベースには、委員もこれよくよく御承知のとおり、ほぼこの現場の希望に沿った形での予算編成、これは、これ与野党の皆様の御議論、御理解によって補正についても議論を進めていただいたそのおかげもございます。したがいまして、前倒しで、本来は二十三年度にやるべきものを二十二年度の補正で前倒しで対応していただいたこともあって先ほどのような進展を見ているわけでありますが、その後、二月の調査、やはり耐震は大事だということで私どもも調査をさせていただきましたところ、さらに追加の要望があったわけでございまして、それは今御指摘のとおりでございます。 これは、このような事態を受けて、日本全国の、もちろん被災地の耐震対策、復旧はもとよりでございますが、四十七都道府県全ての地域における学校施設の耐震対策の重要性は、更に更に極めて最重要課題になっているということもございますので、こうしたことを踏まえて、地方公共団体のニーズきちっと把握をしながら、あらゆる機会を通じて必要な予算の確保に努めていく、そのことを今日も御議論いただいて御提起いただいたこと感謝申し上げますけれども、また、その際には是非補正等々の対応についての御支援、御指導を賜りたいと思います。
○義家弘介君 この耐震化については、鈴木副大臣がおっしゃるとおり、我々もとにかく進めなければならないと協力して推し進めてきたところであります。 しかし、一方で、鳩山政権になった折、平成二十一年当初予算から減額した要求を行うという制限を概算要求に掛けた結果、耐震化については麻生政権から約六割削減された概算要求になったわけです。 これは大変だということで、まさにどう付けていくのかということで、予備費あるいは補正等の執行で埋め合わせたわけですけれども、現時点でももう二月調査の段階で出てきているこの耐震化に対する予算が足りないわけですよね。今計上されているのは去年の六月の調査を基にしたものですから。だからこそ、これしっかりと予算を付けていただかなければならない。まさに民主党政権がしっかりと主導の下でこれは絶対にやるんだという思いで進めてくれないと、例えば大臣が幾らこれは大事ですよと言っても、これ進まなかったら進まないわけ、予算が付かなかったら進まないわけですよね。ここについてもしっかりとリーダーシップを持ってやっていっていただきたい、これも強く要望いたしますが、この耐震化の予算の確保について、大臣のお考え、決意、是非お述べください。
○国務大臣(高木義明君) 私ども今国会に提案をしております平成二十三年度の予算については、当然ながら我が国の新たな成長のためにはやっぱり人材の育成というものが大きな基盤になることは言うまでもありませんで、必要な教育、科学、文化、スポーツ、そういった予算をお願いをしておるところでございます。 今御提起があったいわゆるこれまでにない震災、広範で甚大のこの中でたくさんのことをしなきゃならない、それには相当な経費が掛かる、まさに計り知れないのではないかと思っております。しかし、それはそれとして、当然ながら補正予算という議論も出ております。補正予算の編成に当たっては、その方針はまだしっかり固まっておりませんけれども、いずれにいたしましても、今日のこの委員会あるいはまたこれまでの国会の議論、そして各党各会派のいろいろな御意見、これを十分聞きながらベストな予算を組んでいかなきゃならぬと。そういう中でも、今言われました教育、学習、文化、そういった予算のしっかりした対応について、私はしっかりこの中でも確保できますように取り組んでいく所存でございます。
○義家弘介君 この文科省の発表の倒壊校舎の被害状況等にも明らかなように、耐震だけではなくて老朽化も実は深刻な問題であります。 これ、こういう災害が起きたとき、まず学校というものが防災拠点になっているわけですけれども、その防災拠点自体が非常に危険な状況になっている、あるいはなる可能性のある校舎が日本中にたくさん存在していると、今こそそういう状況にあるということも含めて国民にしっかりと御理解をいただいた上で、早急にその対応策をしていく。これは、単に子供たちの勉強する場所のみではなくて、まさに有事の際にどういうふうにしていくのか、この地震大国とも言われる日本がどういう対策をしていくのかということも問われているところだと思いますので、これも我々全面的にバックアップしてまいりたい、協力してまいりたいと思いますので、是非リーダーシップ、イニシアチブを持って進めていただきたいと思います。 その上で、時間が少なくなりましたが、幾つかの点についてちょっと確認します。 この震災の折に大きな問題になったのはこの首都圏、我々の住む首都圏でも実はたくさん起こりました。実は私の子供がこの震災のときに電車に乗っていたんですね。線路の途中で止まりまして、電車の中で数時間いて、その後最寄りの駅の避難所というところに子供たちを中心に避難をさせていただいたわけですけれども、たまたまGPSを持っていたのでどこにいるか分かったわけですけれども、実は心配で駅まで迎えに行った妻はどうしていいのか分からない。電車は止まっているというと、どの時点でストップしてしまっているのか分からないと。様々な各方面に問い合わせたところ、ある駅の避難所というところにいたわけですけれども、さあ、じゃ、迎えに行こうとしたら、物すごい交通渋滞、車の渋滞で、うちから六キロぐらいしか離れていない駅らしいんですが、何と四時間、車が全く進まないような当時の、あのときの状況だったわけですね。 その上で、いろんな保護者たちの連絡網の中で、親が共働きでどうしても引き取れない子供が警察にいる。それも五時間、六時間、七時間、小さな交番の中に避難していたわけですね。それを連絡網の中で、うちの妻もその子を迎えに行って、連絡がなかなか付かないので、メールも送ったらすぐ届くという状態ではなかったものですから、我が家に一晩泊まって、そして翌日やっと共働きの親が迎えに来てくれて、そして親元にようやく帰れたという状態。これ、首都圏で非常にたくさん起きた事態なわけですね。 こういうときに学校がどうそれをサポートするのかということって本当に問われることなんですが、私に寄せられた情報の中で、ある都内の学校は、この震災発生後一時間四十五分後に、何と親とまだ連絡取れないのに集団下校の判断を下して下校させたんですね。共働きの親は、学校とも連絡取れない、家はどうなっているか分からない、歩いて行くにも何時間掛かるであろうと。そういう中で下校させる。結果、数人は、これは一人一人個別に聞いているわけではないですが、独りぼっちであの地震、余震の続く中で夜を明かした子供たちもいるわけですね。 私の知り得る限りの教員たちに対応を聞いたら、ほとんどの学校は親と連絡が付くまでずっと学校に子供と待機していて、親が引取りに来て、ようやくじゃ親と一緒に帰ってもらうということで、あの日は皆朝まで、ほぼ朝まで子供たちとともに学校で過ごしたわけですが、そういう学校もまたあったということに私は非常に驚いているんですね。 学校がまず考えるべきは、この子たちをどう安全な場所に確保してあげるかということであって、その下校の決定というのは私はちょっと理解ができないんですけれども、この辺、個別案件については答えづらいのかもしれませんけれども、私は大変な問題だと思うんですよ。特に首都圏は共働き家庭が多くて、あるいは一人っ子なんかも多いわけですよね。それで、学校の先生に、じゃ、みんなで帰りなさいと言ったって、友達と別れた後は独りぼっちですから、そして、コミュニティーがばらばらになっている中で、隣が誰が住んでいるかも分からない中で非常に不安な思いをした子供もたくさんいたであろうという思いがあります。 だからこそ、今回のこの震災を教訓にして、そういう状態のときまず学校というのがどのような役割を果たすのか、どのような責任を果たしていくのか、こういう総合的議論もまた並行して行っていく必要があろうと思います。 今、個別の案件については大臣、答えてくれとは言いませんけれども、こういった危機管理対応に対して今後どういうリーダーシップを持って取り組んでいかれると考えているか、是非お答えください。
○国務大臣(高木義明君) 今お話をお聞きしまして、また、災害というのは言わずもがな忘れたころにやってくると。全く今朝のことでは考えられないことが起きるわけですから、それぞれ人様々に、またそれぞれの地域、家庭で様々の予想外のことが起きてそれに対応せざるを得ない。 そういう意味では、つらいことも、また悲しいことも多分にありますけれども、今言われました子供たちの安全については、これはもう常日ごろから学校、特に教職員が子供の学校内での安全、あるいは登下校における安全、また緊急災害情報が出たときの処し方、こういったことについては、これはもうそれぞれの教職員の皆様方が周知徹底をされておると思っておりますが、そういう意味の中で、私は、改めてこういう災害を一つの大きな機にして、いま一度そのことについてお互いに自らを振り返る、あるいはまた語り合う、あるいはまた意見交換をすると、こういうことが今一番大事であろうと私は思っております。
○義家弘介君 ありがとうございます。 また、例えば今後の計画停電で登下校中に信号機が機能しない際の安全保障、どれだけ学校現場がその計画停電を理解して対応をしているのか、様々な具体的に出していかなければならない案件多いかと思いますので、是非ともそれぞれ精いっぱい知恵を絞りながら具体的な対応を早急につくり上げてまいりたいと、そのために全力で応援したいと思っております。 私からの質問は以上です。 ありがとうございました。
○上野通子君 自民党の上野通子でございます。 本日は、文教科学委員会に初めてこういう場所を提供していただきまして、本当にありがとうございます。 最初に、三月十一日に発生いたしました東日本巨大地震によってお亡くなりになられました多くの方々に心より深くお悔やみ申し上げます。あわせて、御家族や友人を亡くされた方々、また負傷された方々、津波や火災で住宅を失い避難所生活を送られている方々に対しましては心からのお見舞いを申し上げます。 と同時に、現在も被災地復興のために御尽力いただいている皆様に対し、心から感謝申し上げます。あわせて、福島第一原子力発電所における爆発や火災等のトラブルに命懸けで日本のために頑張っていらっしゃる自衛隊、警察官、消防隊、米軍、そして東京電力等、関係の皆様方には大変御苦労されておりますこと、私たちの誇りと思っております。心からの敬意を表し、事態の収束に向けてより一層頑張っていただきたいと思います。 さて、地震が発生しましてから二週間、津波に襲われた現場の無残な光景に息をのみ、家族を失っても静かに耐えて秩序を保つ被災者の姿に胸を打たれました。また、地震後、まだまだ多くの避難所で一日の食事がおにぎり一つ、みそ汁一杯か水という事態が続くことや、津波から逃れ避難したものの、一度命を救われても避難所でお亡くなりになる方々がいらっしゃることを知るにつけ、もどかしい気持ちで、何か手助けをしてあげたいのに何をすればいいのかと考える国民がどれほどいることか。ここにいらっしゃる多くの方々もそのお一人だと思います。 さて、現在、いまだに過酷な運命に直面している被災者の支援も、そして福島第一原発の危険な状態も、確かな安堵の材料がないままであり、急がなければならない作業は山積しております。 そこで、国の中でも日本の未来を担う人を育むという大切な分野である教育、文化、スポーツ、そして科学分野を担う国の最高機関のリーダーである文部科学大臣は、この未曽有の大地震に対し何をすべきとお考えで、また今後の日本の復興にはどのような教育又は科学分野の取組が必要とお考えなのか、その思いをお知らせください。
○国務大臣(高木義明君) お話がありましたように、今回の災害を通しても、いやまた、まだまだ長期化も予想されている中で、悲しいこと、苦しいこともございます。しかし、その中で、歯を食いしばってこれを乗り越えよう、そして助け合いの精神で人々を救おうと、こういう貴い人たちの集まり、私は、それは我が国がこれまで長い間、先人によって培われてきたある意味では教育の成果であろうと思っております。度々、我が国も幾つかの国難を乗り越えてまいりました。その中で、最終的には人々の英知であったのではないかと思っております。 私は、今回の災害を通じましても、人づくりはまさに国づくりと、これからも自らのしっかりとした自立の精神を持ちつつ、他人に思いやり、そして助け合う、そして世界に大きく胸を張って、これからグローバルな世の中になってまいります、国際社会の中でも平和と福祉の心を非常にしっかり持った、まさに信頼される国民として、私はその最大の要諦はそこに教育があるのではないかと思っております。 そういう意味で、今なお御指摘のように教育、文化、スポーツ、科学、あらゆる面で皆さん方のお知恵を借りながら、そして議論を深めながら教育行政の推進に当たっていきたい、こういう決意をいたしております。
○上野通子君 熱い思い、ありがとうございます。こういうときだからこそ、国民には不安を与えてはいけないと思います。さらには、迅速かつ正しい情報を国民に流さなければいけないという使命が私たちにはあると思います。 そこで、まず大臣にお聞きしたいのは、原発関係の情報のことですが、政府が運用しているSPEEDIという緊急時迅速放射能影響予測システムというかなり長い名前の装置があります。原子力事故が起きたときに住民の被曝量や放射性物質が降る範囲を予測することができるシステムだと思います。これまで自民党はこのシステムのデータの公表を求めてまいりました。自民党だけではありません、原子力の専門家の方々や他の党からもデータの公開要求があったと思います。 昨日の夕方、枝野官房長官が記者会見でデータ公開を表明して、その後に、夜になって原子力安全委員会が概要を公開したように報道されております。データ公開の経過について御説明をお願いしたいと思います。大臣、よろしくお願いします。
○国務大臣(高木義明君) SPEEDIの指摘がございました。 これは、当然にして国民のために活用されなきゃならないものだと私も思っておりまして、今回の災害の中で私どもは災害対策本部として一元的な組織の中で対応をしていく、まさにそれは速やかな広範囲の対応でございます。 そういう意味で、私ども文部科学省が主に役割を課せられたのは、当然ながら原子力発電所周辺、あるいは全国のモニタリングポスト、これのまさに試料をきっちり測定をし、それを事実に基づいて速やかに公表する、そのことでありました。その計測のデータにつきましては、原子力委員会において専門家の方々、常設の機関でございますが、そういう中で評価をして、これまた国民の皆さん方に速やかにお知らせをする、そういう中で不安の解消に努めていくことによって災害の全体的な対応をしていこうと、こういうことでございました。 若干、経緯について申し上げますけれども、原子力安全委員会では、三月十六日から緊急時の迅速放射線影響予測ネットワーク、言わば今言われましたSPEEDIのことでございますが、この試算に必要となる放出源情報の推定に向けた検討をしてまいっております。三月二十日から陸に向いての風向きになりましたので、大気中の放射性核種、いわゆるこれは放射線の種類でございますけれども、濃度が測定をでき始めました。限定的ながら放出源の情報を推定できたことによりまして、本システムの試算を行うことが可能になりました。これを基に試算をした結果は、今私が申し上げましたように、昨晩、二十三日、原子力安全委員会から国民の皆さん方に公表をされたということでございます。
○上野通子君 御説明ありがとうございます。 しかしながら、このSPEEDIは地震発生の十一日から既に予測をしていたと私は情報を確認しております。このような被害予測を立てて住民に情報を提供するということが本当にこのような状況では大切なことだと思いますが、政府は、なぜ昨夜に至るまでの間、地震が起きてからの長い間、公開するのを拒んできたのでしょうか。大臣、お答えください。
○副大臣(鈴木寛君) SPEEDIなどを活用した試算については、今大臣から御答弁申し上げましたように、内閣府にございます原子力安全委員会、この安全委員会の委員というのは常勤の専門家委員五名によって構成されているわけでありますが、そこにおいて適切にSPEEDIを活用し、それに基づく活用、そして情報公表が行われているというふうに私どもとしては理解をしているところでございます。 文部科学省が知り得る限りにおいては以上でございます。
○上野通子君 昨日の原子力安全委員会の発表内容は報道で知るしかないのですが、今朝の読売新聞にはこう報道されています。 SPEEDIは、本来、事故発生時に住民が迅速に避難するために利用するはずだったが、東日本巨大地震による停電や計器故障で、前提となる放射性物質の放出量が分からず、避難に役立つ計算ができなかったということです。 大臣にこのことを御存じだったのかどうかお聞きしたいと思います。
○国務大臣(高木義明君) 私どももモニタリングで毎日、これ全国のものを含めて収集をして、それを原子力安全委員会、もちろんいわゆる内閣においての対策本部にも上げております。したがって、今後とも必要に応じて原子力安全委員会において活用されて、情報が国民の下に出されると私は思っております。
○上野通子君 済みません、この計器が壊れていたというのを大臣は御存じだったのですか。もう一度お答えください。
○国務大臣(高木義明君) それは私は承知をしておりません。まさに発電所そのものが大変な様相でございました。したがって、先ほども申し上げましたように、まさに元がああいう状況でございました。そういう中から、ようやく風向き等がありまして、私たちとしてはモニタリングができたということでございます。
○上野通子君 それでは、昨日発表になったこの計器が使い物にならなかった、故障していたということに併せて、その前に報道発表があった際に、機械が使い物にならなかったということとつじつまが合わない記事がありますので、それをここで皆さんに知っていただきたいと思います。 二十二日付けの朝日新聞は、システムを運用している原子力安全技術センターの情報として、十一日の地震発生約二時間後から東京電力福島第一原発についてこのSPEEDIを使って計算を始めたと報道しております。そしてさらには、大地震直後に、福島原発の放射能漏れが確認された直後に、政府は半径二十キロメートル圏内の住民の皆さんに避難指示を出されましたと思います。このときの避難指示の根拠になった、つまりシミュレーションしたのがSPEEDIを使った被害予測でございます。これも二十三日付けの読売新聞で、SPEEDIの予測について、政府が避難指示の範囲を半径二十キロメートルに決めるときの判定材料の一つとしたと報道されていますが、このことは大臣御存じでしょうか。
○国務大臣(高木義明君) 初めにも申し上げましたとおり、私どもとしてはモニタリングをするということが私たちの使命でございまして、これは速やかに原子力安全委員会あるいは官邸には届けております。それはまさに原子力安全委員会の中での御判断ではなかったかと思っております。
○上野通子君 そうしますと、大臣は、故障していたかどうかも御存じじゃなかったですけれども、昨日の原子力安全委員会の発表によると、SPEEDIは故障していたということの発表だったと思いますが、その前の十一日の時点で動いていたという報道もありますので、これはその後故障したということなんでしょうか。
○副大臣(鈴木寛君) 正確、正式にはこれは原子力安全委員会あるいは官邸に聞いていただくのが正確だと思います。思いますが、ここは私の個人的類推も含めて、こういう事態でありますので、私が今のやり取りを伺っていて思うところを申し上げますので、不正確な内容あるいは後に情報を収集したことによって違うということ、訂正があり得るということを前提に私がお話しすることをお許しいただけるのであればという前提でお話を申し上げたいと思いますが。 SPEEDIというのは、これは機器ではございませんでシステムでございます。要するに、ソフトウエア、シミュレーションソフトなんですね。ですから、シミュレーションソフトであるSPEEDIが、そこが壊れていたということはないと推測されます。これは私ども確認するすべもございませんし、それは正式にはこの後にでも原子力安全委員会に、あるいは関係者に御確認をいただければと思いますけれども、あくまで推定でありますが、SPEEDIが壊れていたという事態はないと私は思っております。 報道をベースの御質問でございますので、報道機関は様々な情報源から情報を得て、その情報、このような混乱時期でありますので、その情報にもいろいろと、何といいますか、その正確さにおいてかなり幅があると思います。総合的にそういったものを報道機関の責任において収集され、報道機関の責任においてそれぞれの情報の正確さ、精度というものを分析され、そしてそれを報道機関の責任において編集され、総合されそうした記事を載せておられますので、そのプロセスについて私どもは知り得ませんので、本来はコメントはできないわけでありますが。 こういう時期でありますので、真摯な、実質的な与野党議論というものを深めるために、私が理解しているところ、あるいは推定しているところという大前提で、これは不正確なこともあるかもしれません、ありますが、先ほども大臣から御説明を申し上げましたように、内閣府の原子力安全委員会からの報道資料によれば、原子力安全委員会ではSPEEDIによる試算のために、試算に必要となる放出源情報の推定に向けた検討をしてまいりましたということがございます。 SPEEDIというのは、放出源の情報を代入することによってその後の拡散についてを計算をする、シミュレーションをするというソフトウエアであります。したがって、放出源の情報がないと、ソフトはあっても入力する、インプットする、代入するものがないのでシミュレーションができないということになります。これは、私も報道等で知っている、あるいは原子力安全・保安院、あるいは原子力安全・保安院との情報は我々共有しておりますけれども、東京電力についてはこれは保安院経由で、あるいは私も報道ベースで知り得るところがありますので、保安院の情報については私も正確に理解していますけれども、東京電力については不正確な部分があることはお許しをいただきたいんですけれども、その放出源情報の推定を行うためには、原子力発電所の中の様々な、これは膨大な種類の、そして膨大なデータというものを総合的に参照しながら放出源情報というものを確定をさせて代入をしていくと、こういうことになります。 今回、類推するに、電力があのようなことになっておりました、やっと中央制御室に通電したのがこの昨日とか一昨日とか、段階的に進んでいるわけであります。そこが通電しておりませんでしたので、発電所内の様々な計測機器が機能していなかったということは、恐らくそうであろうと、その報道が書いているとおりであろうと。発電所内の計測機器が、それは故障していた計測機器が多いと思いますので、多いので、したがって放出源情報の推定ができなかったと。今もできないんです。 そのために、三月二十日からは、したがって、じゃ、それが放出源情報が分からないときにはどうするのかということでありますけれども、それは、ある地点のものを実際にサンプルして、逆算して、放出源情報がどうだということを逆算するということがあり得ます。それもかなり不正確ですが。そのときに、これはむしろ陸に住んでおられる方にとっては幸いなことなんですけど、風向きが海向きでありました。そうすると、放出されたものは海に行きますから、今現在はその海における観測もやっておりますけれども、三月十九日までは海向きでした。それが陸向きになったので、この放出源から陸にその放射線が来て、そしてそれは我々がやっているモニタリング情報で何キロ離れたときにこういう風でこれが来ると。そうすると、そこから逆算をして、まあこれは極めて限定的でありますけれども、これは推定の推定に重なる推定でありますが、限定的ながら放出源情報を推定できたので……
○委員長(二之湯智君) 副大臣、もう少し簡潔に言ってもらえますか。
○副大臣(鈴木寛君) 本システムの試算の前提となる代入の値がやっと求められたと、把握が可能になったのでシステムの試算を行うことができるようになったと、こういうことではないかと推測がされるということであります。
○上野通子君 長い説明ありがとうございました。 私以外でもやっぱり国民の方々は、こういう本当に高額なシステムが日本にありながらそれが予測として実際に使われなかったということで不安や不信を持っている方々が多いと思いますので、もう少し正しい説明を国民に向けて発信していただきたいと思います。また、これからはきちんと国民に対しても情報公開をされることを望みたいと思います。 さらには、全てのことに対して政府がきちんとしたリスクに対してのリスクコミュニケーション、必要なコミュニケーションを、それに対してほとんど配慮せずに何か情報を小出しにしているということが逆効果になっているんではないかと大変危惧しているところでございます。 これからまだまだこの原発問題についてはいろんな放射能関係の問題、今日も水道の水が飲めなくなったと東京都で出ていますので、あると思いますが、これに対しての情報を、迅速に正しく国民の皆さんに知っていただけるという体制づくりをよろしくお願いしたいと思います。 まだお聞きしたいことがあったんですが、時間がなくなってしまったので、次に、間もなく新学期が始まりますが、その際の教員免許の更新についての質問をさせていただきたいと思います。 文部省はこれまで、来週三十一日に修了確認期限を迎えるいわゆる第一グループの方々のうち、まだ修了済みでない方々に対して再三にわたって講習を受講されるように通知を発信してこられました。現時点でまだ修了していない第一グループの現職職員は何人いらっしゃると把握していらっしゃいますか。
○国務大臣(高木義明君) 御指摘の点は、まさに教職員免許更新制についてでありますけれども、第一グループ、御存じのとおり、法改正施行日は平成二十一年の四月一日でありましたから、今年の三月三十一日が最終期限となっております。 この第一グループの現教職員のうち、昨年の八月末から九月の時点において更新講習の一部あるいは全部の受講を修了していなかった者は、全国の推計によりますとおよそ五千百人となっております。その多くは冬休み期間中に履修をされ、必要な申請を済ませたものと考えております。また、ほとんどの都道府県の教育委員会では、昨年十二月時点、年末でありますが、公立学校教員に関して、個人を特定するなどして受講するなど、あるいは申請手続を促しております。任命権者として公立学校教員の人員配置に支障がないよう適切に対応していただいていると、私は考えております。
○上野通子君 文科省はこれまで特に第一グループの方々には再三にわたってちゃんと修了しなさいということをお示しされていると思いますが、修了確認期限までに修了されない場合なんですが、免許状が失効し、教員を失職してしまうという、そういうことも通知しておられますよね。念のために御確認したいんですけど。
○国務大臣(高木義明君) おっしゃるとおりでございますので、できるだけ早く、もう間もありませんけれども、是非そういうことをしていただきたいし、我々も早く把握をするようにしております。
○上野通子君 もちろん、今回こういう災害がありましたので、被災地の教職員に対しましては特例をお使いになるおつもりかどうかと思うんですが、その辺はいかがですか。
○国務大臣(高木義明君) このような被災の現実がありますので、文部省としては各都道府県の教育委員会にあてて、いわゆる第一グループで修了確認期限の二か月延期を行っている者について、こういう方は代理申請も可能なことを考えておりまして、この辺についてはしっかり被災者の現状をお聞きしながら対応してまいりたいと思っております。
○上野通子君 もしかしたら様々な問題が四月以降に出てくる可能性もあると思いますが、現時点で文部科学省としてそれに対する対応をどのように考えているかということを二、三お聞きしたいんですが、まず、教員の欠員が生じるといったことはありませんか。その場合、退職の取扱いはどうなるのでしょうか。自己都合の退職になるのですか、それとも自然失職の扱いになるのですか。また、懲戒的な要素も加味されるのでしょうか。また、退職金は支払われるのでしょうか。それぞれに大臣の御見解をお願いいたします。
○副大臣(鈴木寛君) これは免許更新のケースでしょうか、それともそれ以外。
○上野通子君 免許。
○副大臣(鈴木寛君) 免許更新。免許更新制については、今大臣も御答弁申し上げましたけれども、三月十五日にこの東北地方太平洋沖地震に関する教員免許更新制における円滑な手続等という通知を出しておりますので、ここは、先ほども申し上げましたように、きちっとこれを対応いたします。したがいまして、直ちにこの更新ができなくて免許を失って退職するという事態は、この通知を出しておりますので、今のところ想定しておりません。
○上野通子君 現在想定していらっしゃらないということですが、どういう状況が起きるか分からないので、是非とも早く、もしそういう職員が出た場合にはどうしていくかということを考えておいていただかなきゃいけないと思います。 さらには、教壇に立つ教員は、四月以降、教員免許状が失効した場合には続けることはできないということが教員免許状更新制度に入っていましたが、その際、教員ではなく事務職に転じるということを意味しているのか。また、免許が失効した教員を、これは絶対あり得ないと思うんですが、校長に起用するということはございませんか。
○副大臣(鈴木寛君) 今回の震災に関する免許更新の取扱いだということであれば、先ほど申し上げたとおりでございます。 更新制の一般的なことで申し上げれば、それは免許がなくなるわけでありますから教員ではなくなるわけでありまして、まあこれは仮定のケースであります、まだその確定を今、だから先ほど申し上げましたように行っておりませんけれども、先ほどのような理由でですね。ただ、この制度の、何といいますか、御説明ということで申し上げると、それはまさに教員免許を持たずして教員にはなれないわけですから、そこで教員生活を終わるということでございます。 校長については、これは別にこの更新制とは別の問題として、それこそこの十年前辺りから民間人校長の登用でありますとか、様々な分野から多種多才な人材を教育現場に登用していくと、こういう方針の下に、必ずしも教員免許を持っていない方であっても民間校長の場合は登用していると。こうした制度的手当てはしておりまして、そういう制度になっているということでありますが、更新制の議論とこの議論は違う次元の話であります。
○上野通子君 質問の仕方が悪くて混乱してしまって済みません。先ほどのは全て震災を抱えている被害地のことではなくて、一般的な教員の免許更新制度のことでした。でも、今、鈴木副大臣答えてくださったので、それで結構です。 時間がなくなってしまったので、次へ進ませていただきたいと思います。 大臣は、前回の委員会の所信で、経済格差が教育格差にもつながることで、格差が固定していくことも憂慮されますと強調されておりました。私も、教育制度は格差を固定化していくことは問題だと思っております。現在の高校授業料の無償化制度は所得制限が付いておりません。高所得者の生徒も低所得者の生徒も、公立校ならば授業料は掛かりませんから、そこから見れば確かに平等には見えますが、これはほかの視線から見ると悪平等にしかならないと思っております。 そして、もっと深刻なのは公立と私立の格差だと思います。公立高校は文字どおり授業料が無償化されますが、私立高校は無料にはなりません。就学支援金と授業料の差額は生徒が負担しなければなりません。政府が就学支援金という目的で授業料相当額、一人当たり平均とされる年間十一万八千八百円、これは原則的にこの金額となっていますが、学校側から渡されます。 しかし、私立校は校舎やその他の施設も原則として自前で整備しなければなりませんので、施設整備などを生徒の皆さんにも負担していただかなければなりません。就学支援金制度の目的が私立校に通う生徒の経済的負担を軽減することにあるならば、授業料だけでなく納付金全体を支援の対象とするべきではないかと考えております。 また、無償化制度が始まるまで各都道府県では私学助成の単独予算を付けていました。ほとんどの県が付けておりました。ところが、私学に対して国から就学支援金が交付されたことによって、これまで計上されていた各県単位の私学助成の単独予算が減額されてしまったという都道府県が実に多いのです。 私の質問主意書に対する答弁書によりますと、平成二十二年度の補正後の予算額が平成二十一年度の補正後の予算額と比較して増額されているのが八都府県、減額されているのが三十八道県であり、予算が特定されていないのが一県ということでした。 ところが、減額されて私学助成の予算は必ずしも教育予算に支出されているとは限りません。一般予算に回されている県もあります。これでは生徒の支援に名を借りた都道府県支援にすぎないと言わざるを得ません。 この際、現行の無償化制度を一度廃止して、公平、フェアな新たな制度を設計し直してみてはいかがかと思いますが、大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(高木義明君) 今高校無償化の件でございました。 特に私立高校に対しましては、就学支援金として公立高校の従来の授業料額と同等の額を支給しております。そして、加えて、低所得世帯の生徒については、大体年収二百五十万未満程度の世帯には二倍額を、そして年収約二百五十万から三百五十万円未満の程度の世帯には一・五倍額というのを支給をし手厚い支援を行っておると、そういう認識でございます。 これに加えまして、さらに、これも御承知と思いますけれども、都道府県の授業料減免補助事業などに対する支援を行っておりまして、これらを合わせた支援はいずれの都道府県においても昨年度と同水準か、更に、少しと言っていいのか、手厚いものになっておるのではないかと、このように思っておりまして、この点において公私間の格差を助長するということではないと私は考えております。 元々、この高校授業料の無償化は、これはもう私が言うまでもなく、経済的理由によって行きたくても行けない、そういう生徒たちを出してはいけない。やっぱり意欲のある者についてはそういう機会を与えるという意味では、私は、家庭の教育における経済的負担を軽くしていく、そのことにおいていい政策であろうと思っておりますし、このことはやっぱり国際的な流れでもあるのではないかと、このように思っておりますから、それを是非定着をさせていただきたいと思います。
○上野通子君 私学の方の県単の助成金は必ずしもそのまま維持されておりませんので、そこのところは何らかの発信を国からもして、やはり教育を支えるという思いは国から地方に、地方も同じ思いでいなきゃいけないと思いますので、これはしっかりと支えていただきたいなと思いますし、やはり所得制限を付けた方が私は本当の意味の公平ではないかと思いますので、高校の無償化の見直しを要望させていただきたいと思います。 最後に、私が提出した質問主意書に対する答弁の間違いについて一言申し上げておきたいと思います。 十一日の参議院の決算委員会で先輩議員の野上浩太郎先生が取り上げてくださいまして、首相も、そして高木大臣も御答弁されていましたので御記憶がおありだと思いますが、答弁書に記載された四十七都道府県のデータのうち実に二十三都道府県で間違いがありました。平成になって以降、こちらの参議院から提出された質問主意書に対する政府の答弁書で間違いがあったのはたったの四件だということだと伺っておりますが、そのミスの内容は単純な文字の印刷ミスみたいなものもありまして、政府がこれまで細心の注意を払って答弁書を作成されてきたことはよく分かりますが、今回の二十三か所というのは間違いがかなり多過ぎると思います。これにはアンケート等の取り方等で様々な問題等もあると思いますが、提出議員の了解がなければ正式な提出ができないと理解しております。私としては、間違いの原因について政府からきちんとした説明をいただき、今後このような間違いをしないという確認をいただかない限り、訂正の了解はできないという状況でございます。 本日は、文教科学委員会に所属した委員として、日ごろ様々な問題に思っていることを質問させていただきましたが、まだまだ時間が足りずに全部質問することはできませんでした。 私たち自民党議員会としましても、この大変な震災を乗り切るために何かしなくてはならないということで、日々様々な問題を取り上げて、みんなで話し合ったりしております。是非とも文部科学省としましても、私たちは皆様方と協力してやっていくつもりは十分ありますので、何なりとお申し付けいただけたらと思っております。 本日は大変答弁しづらい質問等もございましたが、これからも真摯にお答えいただけたらうれしいなと思います。 ありがとうございました。
○熊谷大君 自民党参議院議員の宮城県選出の熊谷大と申します。この度は質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。 まず初めに、今回災害に遭われ犠牲になられた方々に心からお悔やみを申し上げますとともに、被災に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げたいというふうに思っています。 三月十一日に大きな揺れがありました。私も決算委員会に出ていまして、宮城県沖だというふうに第一報を聞いたとき、ついに来たかというふうに殺気立ちました。というのは、宮城県に住まう者ならば誰でも、特に私の世代、今三十六なんですけれども、幼少のころから、昭和五十三年の六月に起きた宮城県沖地震がありましたので、その教訓に、その日、六月十二日は必ず我々は防災訓練というものをいたしておりました。それが三十年周期で来るぞ来るぞと言われて、前回の一九七八年から三十三年の時を経て、今回来ました。 でも、これが宮城県沖かどうかというのはまだ決まっていないらしいんですけれども、我々宮城県に住まう者は、このようにある程度準備や用意というものはしてきましたが、ここまで大きな地震、またその地震によって引き起こされた津波だとは想像だにできませんでした。 そこで、高木大臣、鈴木副大臣、そして林政務官に確認いたしたいんですが、この地震、そしてそれによって引き起こされた津波の被害についての現在の御認識をお聞きしたいというふうに思います。お願いします。
○国務大臣(高木義明君) 先ほど現状について鈴木副大臣から報告がありましたけれども、特に熊谷委員におかれましては、宮城県という地元の被災で、まさに計り知れない御苦労、また悲しみもおありだと思っておりまして、お見舞いを申し上げたいと思っております。 私どもとしましては、これまで度々大きな災害に見舞われておりますけれども、その都度、多くの被災者そして国民の頑張りによってこれを乗り越えてまいりました。今回においても、今までとはまた違った観点から、また、これまであった法律や制度でどうしてもクリアできないものもあるかと思います。我々としては、非常時ということであります、まさに国難というところでありますから、思い切ったことについて現場の皆さん方との意見交換の中からしっかりした対応をしてまいりたい。 特に、子供たちの学校環境の早期の整備、そして教職員、加配という議論も出ておりますが、柔軟な対応をしながら円滑な正常な教育環境を早く取り戻す、このことが最大のことだと思っております。
○副大臣(鈴木寛君) 先ほども申し上げましたとおり、あの阪神・淡路大震災と比べましても一千四百倍の規模であります。また、現在の死者、行方不明者二万五千人ということで、これもまさに阪神・淡路大震災と比べましても大変深刻な、まさにこの国始まって、これだけの規模の、そして深刻な津波、震災というのはなかったと存じます。それだけに、私どもも全力を挙げてこの対応に当たってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○大臣政務官(林久美子君) 改めまして、今回の東北地方太平洋沖地震によってお亡くなりになられた皆様方に心からの御冥福をお祈りするのとともに、今なお被災地で本当に精神的にも肉体的にも大きな傷を負われていらっしゃる皆様方に対しまして、本当にお見舞いを申し上げたいというふうに思います。 あの日、東京でもかなり揺れまして、地震だということが分かって次々と報道される様子を見て、私も本当に震える思いでございました。これまでその土地で育んできた大切な家族、家、そして思い出が一気に流されていったという現状の中で、それでもなお支え合いながら未来に向かって何とか頑張ろうと悲しみの中でも多くの方が取り組んでいらっしゃるんだと思います。 そうした中で、政治の世界に身を置かせていただいている者として、全ての力と英知と思いをみんなで力を合わせて何とかこの厳しい状況を脱して、未来に向かって歩んでいけるように努力をしていきたいと思いますし、また、委員におかれましては、御地元ということもあって、震災発生直後からツイッターなどでも情報発信に努めてこられまして、その様子も拝読もさせていただいてまいりました。そうした現場の声をしっかりと受け止めながら頑張っていきたいと思います。
○熊谷大君 ありがとうございます。大臣の国難であるという認識の仕方、私も共有してございます。 それで、ちょっと先ほど義家委員からもありましたが、その大臣の国難という認識がおありなんですけれども、やはり、このいただいたペーパーの中に、今後の対応ということで、全力を挙げて被害状況などの収集及び被災地や被災者への支援を努めるというふうにあるんですけれども、何かこう頼もしくもあり、ちょっとどこまで信用したらいいのかなということ、この一言だけではちょっと分からないなというふうに思っておりまして、是非大臣、いち早く、お忙しいのは重々承知しておりますが、現地に入っていかれてその惨状、状況を目の当たりにしていただければなというふうに思います。 というのは、私も、先ほど林政務官からお話ありましたように、現地を自転車で、車がちょっと使えなかった、ガソリンが手に入らなかったものですから、自転車で避難所、被災地を巡っておりました。そのときに、あるおばあちゃんから、いや、今回は本当にひどい状況だねという話をしたら、まるで戦争の後みたいだねという話をしました。そしたらそのおばあちゃんは、仙台空襲、第二次世界大戦のとき仙台に空襲があったんですけれども、空襲に比べてこんな大きい、空襲がそれくらいちっちゃく思えるような被害だと言っていたんですね。だから、もう戦争以上の被害、その記憶のある方々にとってはもう未曽有のまさしく被害であるということを、是非現地に入って、そして見ていただいて復興の計画なりを組み立てていただけたらなというふうに思っております。 私も仙台市の宮城野区の沿岸部の出身なものですから、同級生、また私の親戚もまだ安否が確認取れていない者もいます。同級生、男の同級生はまだよかったんですけれども、その同級生の妻、子供がやはり逃げ遅れて津波にのみ込まれました。まだ遺体安置所で確認を取れた同級生はいいんですけれども、まだ出てこない人たちもいるし、遺体安置所が小さな同窓会のようになっているという状況もあります。それぐらいひどい未曽有の本当に大災害であるということを認識を新たに是非していただいて、復興の計画を策定していただきたいなというふうに思っております。 では、質問に移らせていただきます。 今、そういった被災地では、先ほどからもありますように、学校が避難所として機能しているところがほとんどでございます。今、大臣は、どのくらいの数の学校が避難所とされているのか、数を是非教えてください。
○国務大臣(高木義明君) 今、三月二十三日現在、文部科学省として把握をしておるところでは、公立小学校、中学校、高校、特別支援学校は四百二十三校が避難所として使用されておると承知をしております。
○熊谷大君 ありがとうございます。 それで、今お答えになった数でどのくらいの教職員が避難所の運営管理側に回っているか御存じでしょうか。
○国務大臣(高木義明君) 教職員の数は把握をしておりません。
○熊谷大君 私も避難所を回らせていただいて、数多くの校長先生始め教頭先生又は教職員の方が管理側、運営側に回っていることを目の当たりにしてきました。全力でその数の把握もしていただけたらなというふうに思っております。 教職員の本来の任務は、御存じのとおり、児童生徒の安全確保並び学校の教育機能の維持にあります。これは当然であります。でも、災害の際は避難所の管理運営業務などに協力しなければならない状況ももちろんあります。今、現在がまさしくそうなんでございますが、学校長は、自校の地震防災組織を地域住民による避難所運営組織と連携させて、避難所運営組織の避難所運営及び管理活動が円滑に機能するよう、初動期において学校の避難所支援係を中心に支援、協力していくことが望まれるというのが大体の共通認識でありますが、これはこの認識でよろしいですね。
○国務大臣(高木義明君) そのように認識をしております。
○熊谷大君 これ、あくまでも教職員がかかわるのは初動なんですね。その初動の期間についてどれくらいの期間を想定されているのか教えてください。
○国務大臣(高木義明君) 初動の期間というのは、今回の災害を見ましても様々な地域の事情もあると思っておりますので、私はケース・バイ・ケースで考えざるを得ないと思っております。要は、できるだけ早く本来の学校運営ができるような状況にいち早く戻すこと、これが私どもの大きな責務ではないかと思っております。
○熊谷大君 ありがとうございます。 災害救助法によりますと、厚生労働大臣の管轄でございますが、避難所の開設は災害の発生した日から七日以内とされるというふうにあります。特別な場合は厚労省、厚労大臣の承認が必要であるというふうにされていると思いますが、また同時に、教育委員会は、学校に置かれた避難所が長期化されると予想されるときは、当該市町村に避難所の早期解消を要請し、長期間学校が使用できないときは代替施設の確保に努めるというふうにあります。つまり、自治体は速やかに学校を教育施設として再開しなければならないというふうに思っておりますが、この認識でよろしいですか。
○副大臣(鈴木寛君) 基本的にそのとおりでございます。まさに今回は明らかにこれは特別なケースに当たります。 私も実は毎日のように、例えば岩手県知事の達増知事とは携帯電話で連絡を取り合っております。いずれの知事さんも同じ認識でございますが、まさにそのことを心配をされ、案じておられるわけであります。しかし一方で、その知事の思い、現場の思い、そしてそれは我々の全く思い、あるいは今日お集まりの委員の皆さんの思いでありますが、現実問題としてこの代替の避難所を確保し難いと。もちろん県内、県外でその避難所を今もう本当に全力を挙げて自治体が探していただいて、今全力を挙げて避難、被災されておられる方の移動というものを行っていただいておりますけれども、委員もよく御存じのように、あのような土地でございまして、なかなかそのことが十分には進んでいないという中で、今本当に知事そしてそれぞれの市町村長、そしてもちろんもう現在は教育委員会も知事部局もあるいは首長部局も市町村の教育委員会も、これは一体となって知恵を出しながらやっていただいているところでございまして、私どもも最大限の御支援を申し上げようということで取り組んでいるところでございますが、現状は委員がよく御存じのとおりでございます。
○熊谷大君 ありがとうございます。 全力を挙げてということは大変、本当に頼もしいし、よく理解するんですけれども、この本当に状況ですので。ただ、長期間学校が使用できないときは代替施設の確保に努めるというふうにあるんですね。この大災害ですから、もちろん長期間学校が使用できないことも予想されます。恐らくそうなるでしょう。したがって、代替施設を本当に本気になって見付けなければいけないと思います。 先ほど大臣からありましたように、避難所になっているのは、もう五百校近くが避難所になっております。その大規模な代替施設の確保をどのようにこれから文部科学省はしていくのか、是非計画の一端でも教えてください。
○副大臣(鈴木寛君) もちろん、先ほども御説明申し上げましたけれども、文部科学省が持っている青少年の施設であるとかあるいは国立大学等々に、あるいは公的な施設にどれだけのキャパシティーがあるのかというのは、これは我が省だけじゃなくて全ての省庁が毎日それを把握し、そして官邸に置かれた本部の方に報告をするようになっております。それから、加えまして、公立学校共済というのがいろいろな施設を持っております。これも活用できないかということも要請をしております。 それから、これはやや所掌を越えるわけでありますけれども、先般も、これは学校法人という御関係もあり、いわき市から鴨川市に、特に要介護の方々の移送という、その受入先としてかんぽの宿鴨川というのが使えないかという御依頼がございまして、郵政の本部、本社の方に御縁あって私の方から御要請をさせていただいたところでありますが、このような公的なあるいはこと。それから、加えて民間企業がお持ちのいろいろな施設等々もございます。こうしたことも、特に私どもは子供の観点からでございますが、内閣、政府を挙げて御要請をしているというのが現状でございます。
○熊谷大君 ちょっと具体的に是非教えていただきたいんですけれども、やっぱり避難所の開設期間をいつまでにするのかというのは、これから本当に重要なことだと思うんですね。というのは、私、幾つも小学校、中学校を回らせていただいたんですけれども、避難民が千七百人とか千五百人、校舎も教室も全部避難者で埋め尽くされて体育館も埋められている、そういう校舎、学校がほぼ全てだと、私が回ったところはほぼ全てそうでした。そういう人たちに対して、やっぱり卒業式ができなかったんですね、そういった学校では。代替施設が見付かって卒業式ができたところはまだいいんですけれども、もう中止だと、こんなのではできないというふうになった、決断を下したところも多いです。 それは私はそれで仕方がないと思うんですけれども、しかし四月は、先ほど来からありますように入学式の時期なんですね。入学式を行わないようにするのか、又は延期してやるのか、そういった方向性も出さないといけない時期だと思うんですね。それをやっぱりそれは教育委員会の所掌だからとか、あとは地方自治体に任せているというふうになると、ずっと多分永遠に延期、延期、延期、又は入学式やらないというふうなことになってしまうと思うんですね。だから、ある程度期間を、大変こういうふうなことは言うのは、表現が難しいんですけれども、やっぱり期限というのを区切ってやっていかないと、いつまでも先延ばしになってしまうんではないかというふうに思っている。文科省のそこら辺の方針を是非出していただきたいというふうに思っております。
○副大臣(鈴木寛君) 入学式あるいは始業式の弾力的な若干の延期ということの通知発出については今検討しているところでございますが、実は先般も笠政務官が岩手県に行っておりました。事例を申し上げた方が現状が御理解をいただけると思いますのであえて申し上げますが、知事が思っておられるタイミングと事務方が思っておられるタイミングがまだ、いい意味でといいますか、別に変な意味ではなくて、そこのタイミングをめぐって様々な、同じ県庁の中でも御議論が分かれていると、こういう状況でございます。そういう中で、文部科学省が一律にいついつということを具体的な数字あるいは日時をもってお示しをする段階に現時点ではないというのが今の私どもの判断でございます。 もちろん、そういうことのためにも現場に今職員を常駐させて、今そのような情報収集あるいはコーディネーション、それからそれは、今の御議論いただいているように、どれだけ受入先が見付かるのかどうなのか、あるいはそこの受入先が見付かったときに、今大分改善されておりますが、ガソリンの問題等々もありまして、輸送、移動手段をどうするのかと、こういうこととの兼ね合いで決まってくるわけであります。 もちろん、今日の御議論を踏まえて、更に一刻も早い学校の再建と。このことは官邸に設置をされました被災者対策本部でも、本部長の方からも、やはり学校の再建というものが、これは子供だけではなくて被災された全ての皆さんにとって希望につながるので、このことには優先的に取り組んでほしいという指示も文部科学省は受けておりますので、更に今日の御議論いただきましたので、このことを、同じ言葉になって恐縮でございますが、全力を挙げて取り組んでまいりたいと。 また、いろいろと情報あるいは御指導を賜れれば大変有り難いというふうに思います。
○熊谷大君 そのやっぱりコーディネーター役としての文部科学省からの職員というのは非常に重要、大事になってくると思うんですね。 先ほどもありましたが、役所機能がほとんど不全になっているところが多うございます。教育委員会もまだ全員が確認されているというわけではございません。そうした中で、避難所はやっぱりどうしても管理運営は校長先生とか教頭先生が中心になっちゃうんですね。それはなぜかというと、町内会とか自治会は高齢化しているんですよ。高齢化した中で、災害時には七十、八十の町内会長とか副会長さんは動けない。動けないから、どうしても体力のある教職員の先生が回していかないと、その避難所が全然もたないんですね。 そうした中で、さらに避難所を、学校機能を回復させます、再開させますという仕事まで現場の校長先生とか教頭先生、教職員の方に交渉をさせるというのは大変これ酷な話なんですよね。だって、つらいじゃないですか。一緒の現場で同じ被災者で避難をしていて、いろんなトラブルを乗り越えながら一つのコミュニティーがもう形作られている。その中で、じゃ、時期が来たからそろそろ明け渡してくださいね、じゃ、自己責任で避難するところを見付けてください、新たな避難するところを見付けてくださいねというのは、やっぱりこれは現場の教職員とか現場で今汗流している人たちは難しいと思うんですね。 そういった意味で、いち早くコーディネート役としてのいわゆる広域で見れるような人たちを、文科省の職員が私は適切だと思うんですけれども、是非コーディネーター役として、二名とか三名とかじゃなくて、より多く派遣していただけるようにしていただきたいなというふうに思っております。 続いて、もしかしたら避難されている方が県外とか又はどこかに、住民票のない別のところに転校又は転出しなければいけないという時期が来るかもしれません。高い確率で来るというふうに思っております。 そのとき、阪神大震災のときの記憶でもそうですけれども、学籍簿、学習指導要録の事務的な手続とか転出先のいわゆる煩雑な手続が非常に苦労が多いからなかなか受け入れてもらえなかったりというふうなケースが多々あったというふうに出ております。そうした中で、学籍簿の柔軟で弾力的な運用をしていかなければならないなというふうに思っております。 そういった意味での文科省の方向性、姿勢と、あともう一点、今、南三陸町という町が、宮城県の県北でございますが、そこは戸籍データが一切喪失してしまった、津波で流されてしまった。バックアップを取っていた気仙沼の法務局の支局も全部津波でさらわれてしまった。つまり、行政上存在していないことになるんですね。一事が万事全ての記録が流されたというふうなことがあります。そういったデータの回復とか記録の復旧ということも含めて、学籍簿の関係のことを是非答弁ください。
○副大臣(鈴木寛君) 実は宮城県にも文部科学省から、ある意味では出向といいますか、出向している職員もおりまして、今委員から御指摘のような大変深刻な状況等々についても私どもも聞いているところでございますが、更にいろいろと教えていただければと思いますが。 まず第一弾として、今の御趣旨を全く私どもも共有しておりまして、三月十四日付けで、可能な限り弾力的に取り扱い、速やかに受け入れることについて通知をいたしております。しかし、先ほど来、義家議員との中にもございましたが、その通知を、徹底を現場までしていくということが大事だと思っておりますので、再三再四このことの徹底を図りたいと思います。 それと、これは通知をするだけでは駄目だと思っておりまして、そういう通知が出ていることをやはり現場に私どもの職員なり関係者が行ってきちっと説明をすると、こういう体制も併せて取っていかなければいけない。 先ほど御報告申し上げましたように、延べで相当数の文部科学省職員入っております。しかし、これを更に追加して、そうした積極的な、人による徹底ということをやってまいりたいと思っておりますし、それから、受入れ側についてもこれを、また今日の御議論も受けてきちっと徹底をしてまいりたいというふうに思います。大変貴重な御提言と御指摘を感謝申し上げたいと思います。
○熊谷大君 ありがとうございます。 通知は出しているがというところで、是非追加して職員を派遣していただいて、これこれこういう手続が必要なんだよということをできれば各避難所ごとにしていただけると有り難いなというふうに思っております。 というのは、よく避難所を回っていると、今決算期で、確定申告はどうなっているのか、経営者の方も多いんで、今職員の給料払わなきゃもう駄目だとかと、いろいろな不安が渦巻いているんですね。そういう中で、いや、手続するのは区役所に来てもらわないと困りますとか、市役所に来てくださいと。ガソリンもないし交通手段もないし何もないし、手元には証明するものもないという中で、こっちに来てくださいというのはやっぱり非常に二次災害、三次災害を生む土壌になってしまうので、是非お役所から出向いてそういった情報を提供できるということをしていただけたらなというふうに思っております。
○副大臣(鈴木寛君) 基本的に手続は後で、まず行ってきちっと受け入れると、こういうことを徹底したいと思っております。その後に必要な事後的な手続はあろうかと思いますが。 手続が前にあって、そしてそれが終わらないと何かできないということに制度というのはなっているわけでありますが、先ほど来、大臣が制度を超えて、制度を超えてということを何度も申し上げておりますが、まず、とにもかくにも一刻も早く被災された、このケースは児童生徒がきちっと学びが確保できると、そういうまず実態を先行させろということを意味する通知なわけでありますけれども、それを更に徹底をしたいと思います。 それから、もう既に、これはもう委員も御承知だと思いますけれども、公的な官公庁の諸手続についての期限については、これは延期をするという法案をきちっと成立をさせていただいておりますので、そのことも是非、地元と大変強いパイプをお持ちの委員におかれましてはお伝えをいただいて、少しでも被災された皆様方の安心になるように共に御尽力をいただければ大変感謝でございます。
○熊谷大君 その情報の徹底、通知ということで、情報の伝達についてちょっとお尋ねしたいんですけれども、私、文科省からいただいたペーパーの中で、その中でこういうところがあったんですね。報道の発表の中に、JAXAは岩手県からの要請を受けた文科省の依頼に基づき、高速インターネット衛星「きずな」を活用したハイビジョンテレビ会議システム、IP電話、インターネットなどの通信インフラを現地に確立すべく、地上アンテナなどの資機材、諸機材と要員五名を現地に派遣と。地上アンテナを設置し、二十日に運用開始とありました。 これは、本当に私も読んだときに非常にすばらしいなというふうに思ったんですね。というのは、被災地に行けば、又は避難所に行けば、情報が全く遮断されてラジオからの情報すら取れないという人たちがたくさんいる中で、こういうシステムをいち早く現地に、やっぱり要請を待っていなくて、こちらから働きかけていくのがベストなんじゃないかなというふうに思うんですね。 この通信システムについて教えていただきたいのと、今後、被災地にもっとこの通信システムを、機器を置けないかということをちょっと教えてください。
○大臣政務官(林久美子君) お答えいたします。 非常に日本は通信衛星の部分でも世界をリードする存在になっていこうということでこれまで積み重ねてきたんですけれども、今委員から御指摘をいただいたものについては、今先行的に岩手で取り組んでいるということでございますが、地上受信設備が必要になってきておりまして、これ実は今まだ三つしかなくて、ただ、とはいえ、できる限りこうした非常時でございますので、まだまだ通信も携帯もなかなかつながらないという被災地の状況がありますから、できるだけしっかりと現地のニーズにこたえられるようにこちらも当たらせていただきたいというふうに思っています。
○熊谷大君 是非、情報が取れるか取れないかというのは、本当に生きるか死ぬかの境目になりかねないことなので、是非積極的に活用してもらったらなというふうに思っております。 それで、先ほどの転校、転出の話にちょっと戻りたいんですけれども、転校、転出するときに子供たちは、ちょっと戦中の話なんですけれども、疎開というのがありました。疎開した先でかなりいじめに遭った経験をされた方が多いというのはよく聞くことなんですけれども、疎開先でいじめられて人間不信になったなんということ、そうやって大人になったなんということもよく心理学の世界ではあるんですけれども。 そういった中、今この未曽有の危機ですので、転出する前の今この被災地の経験も非常に大きな心のダメージを子供たちは受けている、大人もそうですけれども、子供たちは受けていると思うんですね。そうした意味での児童生徒の心のケア、スクールカウンセラーの配置とか、そういったことを加配措置でしていくのか、どのように精神的なグリーフケア、心のケアをしていくのかということをしっかりと方向性を出さなきゃいけない時期だと思うんですけれども、是非教えてください。
○国務大臣(高木義明君) 今の御指摘はまさに我々も懸念をしておりますし、またそうあってはならないと思っております。 ただ、しかし、被災によって相当なショックもあるでしょうし、あるいは、例えば転校したときの学校環境あるいは友人関係、多分にそのことが一つの苦労として考えられます。私も転校の経験がございますが、ただでさえ違った環境の中で過ごすということは非常なまたストレスがあると思います。 そういうことがないようにしっかり、もちろん教職員の皆さん方はそうでありますけれども、スクールカウンセラーあるいはできるだけ加配等も活用しながら、その点については十分に配慮をしなきゃならぬことだと思っておりますので、しっかり留意をして行わなければならない課題だと思っております。
○熊谷大君 是非ともそこら辺はしっかりとやっていただけたらなというふうに思っております。というのは、学びの窓とか教えの庭とかというふうによく言われますが、全てもう瓦れきの下になったり、割れたままの窓を見詰めながら、被災地の子供たちは、卒業式もない、中止になったという記憶だけが残って、何かを置き去りにしたまま大人になるかもしれません。そうした意味での心のケアというのは、本当に世代をこれ共通していると思うんですね。それを、共通したそういった被害体験をいかに和らげていくのかというのはこれからの大きな課題になっていくというふうに思っておりますので、是非ともしっかりとやっていただきたいなというふうに思っております。 最後、ちょっと質問通告はしておりませんが、是非私の提言ということで受け取っていただきたいんですけれども、私、被災地又は避難所を回っていて、それぞれその段階段階によってニーズが変わってくるというのは皆さん御承知のとおりだと思います。初動態勢のときは食料とか水とか、とにかく生きるためのライフラインの代替的なものだったんですけれども、それが過ぎると今度は衛生面、お風呂であるとか感染症の予防とか、そういうふうになってくるんですけれども、今十日が過ぎた辺りで、今度は娯楽が非常に必要になってきている段階です。 避難所では、お互いやっぱり運営する側も避難してきた方々も、非常に被災してすごいストレスがたまってぶつかり合うことが多いんですね。そういった中で、何かトランプでも漫画でも、又はオセロでもゲームでも何でもいいんで、そういった娯楽性の高いものが支援物資としてあったならば、そういった不必要なトラブルなんかが避けられるなというふうに思っております。 そうした中で、やっぱりお年寄りが多い避難所なんかでは、私は相撲とか、今非常に、遊ばせているというと失礼ですけれども、なんかが、興行する機会も時間もほかにないんだったら、今被災地の復興又は励ますために相撲とか巡業してくれれば有り難いなと。学校でやっぱりまだ土俵が残っているところなんというのは被災地の方でもありますので、そういったところ、又は土俵を新たに造って、是非復興を励ますためにそういった何かお声掛けとか働きかけをしていただけたらなというふうに思っております。これは私のお願いというか提言でございますので。
○副大臣(鈴木寛君) おっしゃるとおりでございまして、現地からもまさに、子供がずっと避難所にいるものですから、少し大きな声を出したり走り回ったりして隣の同じ被災民の方に怒られて、そして保護者がまた子供を叱るという悪循環が起こっているという問題の報告がありましたので、副大臣会議において、必要救援物資の中に、例えば本、漫画も含む本であるとか、それからおもちゃというものを入れるべきであるということで了解をされて、これ例えば、貴重な輸送手段を使って運ぶわけですが、そこにもそういうものは大事なんだという認識をしてくれということで、片山総務大臣も含めて共有をしております。 そして、今現在、日本書籍協会で九万冊の確保、それから日本玩具協会でもそうしたおもちゃ類等々の確保をしていただいておりまして、これは、ボランティアの方々が入るということを辻元総理補佐官の下で調整をしておりますが、その子供支援ボランティアの方々にそうしたものも持っていっていただけるようなことの段取りを今しているところでございます。 それから、相撲に限らず、今スポーツ関係団体と、まさにこうしたときにはスポーツ選手の方々が、本当に老若男女を問わず、心、励ましをしていただくことが最も元気につながるということで、スポーツ関係団体とも今お話合いを進めているところでございまして、既にサッカー協会等々からは非常に積極的なお申出等々もいただいているところでございます。今日の御議論を踏まえて更にこれを強化、充実していきたいと思います。
○熊谷大君 以上です。 ありがとうございました。
○草川昭三君 公明党の草川でございます。 〔委員長退席、理事橋本聖子君着席〕 今回の災害でお亡くなりになられた方々、また被災をされた方々に心からの御冥福とお見舞いを申し上げます。 また、被災地で救護などに当たっておみえになる方々、福島第一原発の現場で危険を顧みず頑張っておられます東電社員の方々あるいはまた協力会社の方々、自衛隊、警察、消防あるいは地方自治体の職員の方々、また全国からのボランティアの方々に心からの敬意と感謝をまず申し上げます。 そこで私は、文科省が行っております福島第一原発の放射性物質に関する環境モニタリングの調査から質問をさせていただきたいと思います。 〔理事橋本聖子君退席、委員長着席〕 文科省は、大気中の放射性物質の調査を、事故が起きてから三日目の三月十四日に行ったと聞いております。事故後三日たってからの調査では遅いのではないか、事故発生後直ちにやるべきだという指摘が専門家の方々から上がっていますが、この点についてどのようにお考えか、まずお尋ねを申し上げます。
○大臣政務官(林久美子君) お答えをさせていただきます。 まず最初に、ちょっとこの間の経緯を簡単に御説明させていただきたいんですが、文部科学省では、三月十一日の十五時四十二分に福島の第一原子力発電所から原子力災害対策特別措置法第十条に基づく通報を受けまして、速やかに本省内に原子力災害対策支援本部を立ち上げました。今回の事故に対する初動対応態勢を構築したということでございます。さらに、関係機関に連絡をして緊急のモニタリングなどを行う専門家の派遣を手配をいたしまして、翌日の十二日の朝には関係機関合わせて十六名が現地に到着をいたしているところでもございます。 その後、福島第一原発における状況の変化がございまして、大気中に放射性物質が放出される可能性が出てきたということを踏まえて、この三月十二日には各都道府県と連絡を取って空間線量率の状況を把握するとともに、この線量に異常値が見られれば直ちに公表ができるように準備を進めていたところでもございます。 さらに、福島第一原発における水素爆発などの事象が発生をし、発電所の敷地境界付近において通常よりも高い放射線量が測定されたことを受けて更に全国各地においてこの放射線による懸念が、不安が高まっていたことなどもありまして、できるだけ速やかに正しいデータをお伝えをしようということで、十四日以降、各都道府県のデータを取りまとめて一日二回公表し、これは文部科学省のホームページにもアップをさせていただくのとともに、関係機関にも提供をさせていただいているところでもございます。 今後とも、できる限り迅速な調査、そして公表に努めてまいりたいと思います。
○草川昭三君 土壌についての調査でございますが、放射性物質の調査を三月二十一日に行いまして、結果が公表されておりますが、この土壌についての調査といわゆる健康への調査というのはどのような状態になっておるのか、お答え願いたいと思います。
○政府参考人(合田隆史君) 文部科学省におきましては、福島第一原子力発電所二十キロメートル以遠の地区の空気中のダストでございますとか地表面、土壌のサンプル調査を実施をいたしまして、含まれております放射性核種の分析を実施をしてきているところでございます。 これらの調査におきます測定、分析の結果には他の地点に比べて高い値を示すものがございますけれども、これらの健康への影響につきましては、原子力安全委員会の方からこれまで得られた助言によりますと、直ちに健康に影響を及ぼすものではないというふうにされているというふうに承知してございます。
○草川昭三君 今、土壌についての、健康についての異常はないと、こういう答弁でございますが、海水の測定もやられたと思うんです。この海水の測定は、原発事故から十日以上経過をした三月二十三日に行っています。 海水の監視については、これまた専門家の方々から出遅れたのではないかという指摘がありますが、どうでしょう。
○大臣政務官(林久美子君) 御指摘いただきましたように、三月二十二日に海域モニタリング行動計画を発表させていただきまして、海洋研究開発機構の調査船の白鳳丸を福島の第一原発の沖合の海域に出して、昨日海域の海水を採取をいたしました。原発のある東側からおよそ三十キロの地点を縦に十キロ間隔で八か所採取をさせていただいたわけでございますが、その後に日本原子力研究開発機構において海水中の放射能濃度を分析をして、その結果を本日既にもう公表をさせていただいたところでもございます。 海域の放射能濃度を把握するということは、陸域の濃度を把握するのと同様に重要であるというふうには認識をいたしておりますが、一般的に海水中では放射性物質が拡散をしたり薄まったりするということもありますし、また海水は直接的に飲むという類いのものではないことから、まずは陸域で生活をしている人の生活に密着した範囲を優先して、陸域のモニタリングから着手をさせていただいたということでございます。 今後は、この海水のモニタリングも毎日一日一回きちっと採取をして公表していくことにしておりますので、海水域、陸域共にモニタリング調査の充実に努めてまいりたいというふうに思います。
○草川昭三君 いや、私が言いたいのは、危機管理というのは陸も空も海もないわけですよ。それで、別に海を泳いでいる人が海水を飲むからというそういうことではなくて、漁業というのもありますから、魚というのがあるわけですから、我々は随分苦い思いをしているわけでございますから、そういうことを指摘をしたわけであります。 この測定結果の公表に当たっては、国民の健康に及ぼす影響というものを隠すことなく、分かりやすく説明をすべきであるというのが私の一番今日主張したいことなんですよ。余りにも難し過ぎますし、官房長官は官房長官で会見をやっておりますが、どうもそこら辺りが、一体になって、国民の目線に合うというんですか、そういう姿勢の一貫性がないような気がしてなりません。この点についてはどのようなお答えか。
○大臣政務官(林久美子君) 私も委員と全く同じ気持ちでございまして、単位もマイクロシーベルトとか非常に聞き慣れない単位が多くて、なかなか分かりづらいなというのは多分どなたもが感じていらっしゃるところなんだと思います。しかしながら、やはり分かりやすくというのは当然大前提でございまして、なおかつできるだけ速やかに正確なデータを公表していくということを両立をさせていきたいというふうに思っております。 そうした中で、この放射線量、放射線の影響の評価については原子力安全委員会において一元的に行うことというふうにされてはいるんですけれども、文科省においては、モニタリングデータを公表する際にホームページでも実は一緒に公表させていただいているんですが、日常生活と放射線というふうに題しまして、自然放射線の量とか、例えばX線の集団検診を一回受けた分の放射線量ですよとか、あるいは飛行機に乗って東京とニューヨーク間を往復したときに受ける放射線量と同じぐらいですよとか、割と自分の実生活に置き換えられるような指標とかイラストなんかも使いながら、多くの方に分かりやすく御理解をいただけるように努めてきたところでもございますが、何せ単位も含めて慣れない、耳慣れないものが多いことでもございますので、引き続いて、少しでも分かりやすく御理解いただけるように努力をしてまいりたいというふうに思います。
○草川昭三君 目安となる指標を出したいというのは、もう既にテレビなんかでいろんな紹介をされておりますから、大体レントゲンを一回撮ったら幾らかというのは比較論としては分かりますが、問題は、こういうデータというのは、後で違った答えが出てきますと全て信用性というのはなくなるわけでございますので、私は隠すことなく分かりやすい説明をしていただきたいと思うんです。 例えば、放射性物質が平常値の十倍あるいは百倍あったとしても、それが一時間暴露された場合、あるいは一日暴露された場合、あるいは一週間暴露された場合、あるいは一週間以上一か月、又は半年の場合もありますね。あるいは原子炉から居住地までの距離、しかも乳児、赤ちゃんですね、それから子供、大人、お年寄り、あるいは病弱者、妊産婦、最近レントゲンやCTの検査を受けた人の場合と受けてない場合はどうだろう、一か月前にレントゲンを撮影された方の被曝の量と比べてみたらどうだろうというような細かい点が個人によってそれぞれ条件が違うと思うんです。 そこで、自分がどのケースに当たるかということが判断できるように、パターンをなるべくたくさん作って例示をすべきだと思いますが、この私の意見についてどのようなお考えか、お答え願いたいと思います。
○政府参考人(合田隆史君) 御指摘のとおり、先ほど林政務官の方からも御答弁申し上げましたように、国民に分かりやすく情報開示をしていくということは極めて重要なことであるというふうに考えております。 今回の福島県の第一原子力発電所の事故を受けた対応につきましては、私どもといたしましては、総合的な放射線モニタリングを行うとともに、その結果を国内外に公開をすると。そして、内閣府の原子力安全委員会においてモニタリング結果の評価を行うということになっているわけでございますけれども、文部科学省といたしましても、これらのモニタリングの結果を公開をいたします際には、できるだけ日常生活と放射線のかかわりについて分かりやすい形で示していくということが重要であるというふうに考えております。 このため、先ほども政務官から申し上げましたように、放射線の量の目安となる指標を添付をいたしますとともに、例えば放射線医学総合研究所のホームページなどにおきましては、一般の方々を対象として具体的な数値を用いた基礎的な説明を行っておりますし、さらには、今回文部科学省におきまして健康相談ホットラインということで窓口を設置をいたしまして、健康不安等に対する相談体制を構築をいたしております。二十三日までに二千四百十件の相談が寄せられているところでございますが、さらに、今先生の御指摘がございましたようなことも踏まえまして、より分かりやすい周知の方法についていろいろと工夫をしてまいりたいというふうに考えております。
○草川昭三君 国民が不安に思うのは、自分に果たしてどういう影響があるかということではないでしょうか。それで、その都度いろいろと文科省は文科省なりの立場からいろんなデータを出しておみえになりますし、また枝野官房長官は、定例的に会見で、直ちに健康に被害があるわけでは、影響があるわけではないということを終始一貫してメッセージを出しておみえになります。 しかし、大気あるいは水、食品、土壌、魚介類など、各環境分野の放射性物質が全部例えば一度に暴露したり摂取をするような場合の複合的な影響や安全性については一回も述べられたことはないんですよ。それはもうありとあらゆるものが一回全部摂取をするなんてことはあり得ないかも分かりませんが、あり得ることもあるわけなんですよね。そういう点について、大臣、どう思われますか。
○国務大臣(高木義明君) 絶対に安全だということはあり得ないと、このように思っております。 今回の災害についても、政府の本部委員の一人として私も参画をしておりますけれども、とにかく、ある意味では最悪の事態を考えながら対応しておるというのが実情でございます。
○草川昭三君 今の大臣の見解というよりは決意というのは非常に重要だと思うんですが、モニタリングの測定の対象の核種についてお伺いをしたいと思うんです。 文科省が測定の対象としている核種を調査別にこの際明らかにされたいと思います。
○政府参考人(合田隆史君) 私どもの方では、全都道府県に依頼をいたしまして、蛇口より採取をいたしました水道水、それから大気中から地上へ降下をしてまいります降下物を収集をいたしまして、含まれる放射性核種の分析調査を実施をいたしております。そしてその結果を公表しているわけでございますけれども、また、福島第一原子力発電所の二十キロメートル以遠のモニタリングとして、空気中のダスト、浮遊物のほか、地表面、土壌、そしてその他の環境中のサンプルを採取をして核種分析を行っております。 これらの分析結果につきましての核種に関しましては、原子力発電所から放出をされます放射性物質による影響の評価の中では極めて支配的であるとされております沃素131及びセシウム137の値を公表しているところでございます。
○草川昭三君 今の報告は予算委員会でも高木大臣からたしか答弁をされておりますから我々も分かっておるわけですが、測定対象の核種にプルトニウム、ウランの混合酸化物燃料、いわゆるMOX燃料が使用された場合に発生をする核種というものは含まれているのかいないのか、最初に御答弁願いたいと思います。
○政府参考人(合田隆史君) 今回のように広範な地域に放射性物質が飛散をされております場合、まずは、どれだけの地域で大気への拡散あるいは地上への降下があるかを見極めるということが大切であるというふうに考えております。 したがいまして、放射性物質の漏えいがある程度収まると申しますか低減をいたしますまでは、まずは全国の空間線量率あるいは大気降下物、水道水の測定を優先的に行うこととしております。さらに、空気中のダスト、地表面、土壌の放射能調査を実施をしているわけでございますけれども、その分析結果として、原子力発電所から放出される放射性物質による影響の評価において支配的である沃素131、セシウム137のデータを公表しているわけでございます。 この二つの核種はMOX燃料についても同様に支配的な影響を持つ核種でございます。今後、福島第一原子力発電所の事態や放射性物質の拡散状況などを見ながら、更に特定の核種を対象とした調査を行ってまいりたいと考えております。
○草川昭三君 いや、今国民の皆さんはある程度勉強されておられまして、一番心配をしておみえになるのは、MOX燃料を今の原子力発電所の一号、二号、三号、四号、五号とあるわけですが、その中に含まれているかどうかという心配を非常にされてみえるんですよ。 ですから、私が今あえてこのMOX燃料の問題を取り上げたのは、MOX燃料が使用されている場合にモニタリング調査はやっていないという今の答弁ですよね。それはセシウムと沃素を測定しているのだから、この沃素が高くなればこのMOX燃料の場合もそれを適用することができると、こういう答弁でしょう、一言で言えば。そういう答弁されているわけですから。 それは、私はもっと突っ込んで、MOX燃料、すなわちプルトニウム、ウランの混合酸化物燃料をもし使っていて事故になったら大変だということを一番心配しているわけですし、一部の報道でももうそろそろそういうことを取り上げてきておるわけですから、私はこれはもう早めに文科省としては非常に大きな問題としてモニタリングをやっていますよという、そういう答弁を私は期待をしていてこういう質問をしておるわけでございますが。 福島第一原発の三号機において、これは昨年プルサーマル運転を実施していますよね。その燃料棒が溶融した場合に放射性物質の排出はどうなるのかということが私は最大の疑問点であり質問の焦点だと思うんですが、文科省としてMOX燃料使用の有無ぐらいは問合せしているんでしょう、三号炉では昨年から使っておるということぐらいは承知しているわけでしょう、どうですか。
○政府参考人(合田隆史君) その点は私どもも承知をしてございます。
○草川昭三君 承知をしているということは、これは私はっきりともっと大きく文科省としては真剣に取り組んでいるということをもっと声を大きくして心配するなということをすべきだと思うんです。 MOX燃料が使用されているかということを今の答弁では確認をされたわけですから、確認をしたら、じゃ、どういうモニタリングが必要なのかということに展開しなきゃいかぬでしょう、技術的にも。その点は大臣どう思われますか。
○国務大臣(高木義明君) MOX燃料の点でございますが、この使用済MOX燃料については、使用済ウラン燃料より放射線が強く発生熱も高いので、貯蔵保管することの上で非常に危険性が大きいという懸念がまさに示されておりますが、原子炉内で生じる核分裂生成物の種類は基本的に同じであるという専門家からの見解をいただいております。 もっとそれを大きくはっきり公表せよということでございますが、それも御指摘に沿って我々も善処していきたいと思っております。
○草川昭三君 我々も原子力安全委員会がこのプルサーマル問題についてどういう態度を取っておるかということを承知をしています。たしかこれは九五年ですか、これは使っていいですよということ、あるいは二〇〇七年には閣議決定もされているわけでございますから、あえて不安感をあぶるつもりはありません。ありませんけれども、プルトニウムということになると、これはいささか関心のある人ならばどういう位置付けになるかということはみんな承知をしているわけですよね。通常のウラン燃料と比べて放射能、特に中性子が著しく高い、今大臣が答弁されたとおりです。ウラン燃料よりは危険度がはるかに高いと言われているだけに、これは私は相当なウエートで専門家の皆さん、特に科学技術庁という歴史を持った文部科学省でございますから、そこはしっかりと取り組んでいただきたいということを強く要望しておきたいと思います。その点についてはどうでしょう。
○国務大臣(高木義明君) 御説のとおり、しっかり対応していきたいと思います。
○草川昭三君 じゃ、原子力行政についてお伺いをしたいと思うんです。 原子力行政は、先ほどの質問者のお話にもありましたが、非常に組織が入り組んでいるんですよ。原子力を統括をする政府の責任者は一体誰か。これ、高木さんですか。
○国務大臣(高木義明君) 経済産業大臣でありますけれども、もう経験豊かな草川委員のことでございます。御承知と思いますが、いわゆる原子力の防災体制あるいは安全規制において、いわゆる試験用、試験研究炉については文部科学省、実用発電炉においては経済産業省ということになっておりまして、今回については、原子力事故災害の発生時においては、原子力災害特別措置法に基づいて、政府において内閣総理大臣を本部長、経済産業大臣を副本部長とする原子力災害対策本部を設置をしておるところでございます。
○草川昭三君 今の答弁のとおりでございまして、非常に行政の指揮命令系統というのは複雑でして、今回のこれ、まだこれは進行中でございますが、トラブルの対処の仕方がどこかでずれたり、我々も非常に不満のあるところなんです。 もちろん、この原子力をこれから日本の国の大きなエネルギーの力として依拠しなきゃいかぬわけでございますが、全ての推進は内閣府所管の原子力委員会で玄葉大臣が担当なんですよ。安全ということになりますと、今も答弁がありましたように、内閣府所管の原子力安全委員会で松本大臣が担当なんです。商業炉は言うまでもなく旧通産省の経済産業省の海江田さん。実験炉は高木文科大臣、旧科学技術庁の流れをくむと、こういうことなんですね。これを我々国民は一々縦に分けて、このことについてはじゃ内閣府へ行くのかねと、あるいはこのことについては経産省かねというわけにはなかなかいきません。 そういう意味では、私は、こういう災害を契機に原子力行政というものに対するプロジェクトというんですか、新しい一元的な体制というものを組んでいただいて、そこが、官房長官なら官房長官でいいんですよ、いいですけれども、記者会見をやってもらいたい。我々が見ていても、官房長官が記者会見やったすぐ後、いわゆる安全という意味では旧通産省の方々が出てきて説明される。それで、その後、細かいことになると東京電力という会社の経営者が来て説明される。その三つをそんなに我々は精査できませんよ。だったら、これはもうきちっと、対外発表は誰がやるのか、どこの役所がいいのかということも決めていただいて、国民を安心をさせていただきたいというように思うんですが、その点どうでしょう。
○国務大臣(高木義明君) 我が国の原子力行政、内閣府に設置されたいわゆる原子力委員会、これは原子力政策の基本方針を作る。原子力安全委員会が原子力安全確保の基本方針を提示をする。その基本方針の下で各省が分担をして原子力行政を実施しておる、こういう今仕組みになっております。したがいまして、原子力政策全体については原子力委員会が担当して、科学技術政策の担当大臣がやっておる、そして原子力の安全確保については原子力安全委員会を担当している防災担当大臣がやっておる、こういうことでございます。 今御指摘のとおり、私どもは災害発生以来、原子力災害対策本部を設置しまして、第一回は当日の十六時四十五分に会議を招集されまして、私もその本部員として文部科学省としての意見あるいは情報、これについてはきちっとその場で出しておるところでございます。特に、今回の役割としましては、既に御議論があっておりますように、私どもは関係省庁と連携しながら総合的な放射線のモニタリングを行う。同時に、大学病院あるいは医療界との協力の中で被曝医療の専門家の現地派遣、こういったことをして支援を行っておるところでございます。 いずれにいたしましても、縦割り行政を排して、超えて、やっぱり一元的な情報の発信、このことは特に原子力行政では重要なことでございますので、今委員御指摘のとおり、このことを更にきっちり踏まえまして、今日から、当面でございますけれども、やはりそういう意味で、地域の安全と、とにかく安心、解消が何よりでございますから、全力を尽くしてまいる所存でございます。
○草川昭三君 じゃ、原子炉問題については以上で終わりまして、今は春休みになっているわけでございますが、子供たちは早く学校へ行きたい、あるいは友達と再会をすることを楽しみにしているのではないだろうかと思うんです。 今はこういう状況でございますが、四月になって新学期が始まったらみんなで学校に行けるような教室というのが全国的に用意をされているのか、あるいは災害対策用で当分の間使用できないというようなことになっているのか、その場合に、代わりのものは果たして用意をされているのかどうか、そこら辺りのことについてお伺いをしたいと思います。
○副大臣(鈴木寛君) 先ほど来も御議論になっておりますけれども、学校の早期再開、大変重要な課題であるというふうに思っております。その際に、まさに学校施設というものをどう復旧させていくかということは、まさにその根幹だと思っております。 先ほども、繰り返しになりますけれども、三月の十五日及び十七日に、学校設置者が速やかに教室を準備できるように、国の災害復旧事業の現地調査を待たずに早期に復旧整備に着手できる旨を通知を発出をしたところでございます。したがいまして、今現地において、もちろんできるところから可能な限り最大限、現場の方々に御尽力をいただいているところでございます。 また、全壊、半壊した建物自体を復旧させるというのはこれ相当な期間を必要といたしますので、まず学校の早期再開には仮設校舎の応急措置が有効であると考えておりまして、応急仮設校舎の設置につきましても国庫補助の対象にいたしまして、今御指摘の学校復旧に向けて、被災地の皆様方の協力、現場で大変頑張っていただいているわけでありますが、その万全を期してまいりたいというふうに考えております。
○草川昭三君 もう一つ、大学なんか特にそうなんですが、外国から日本の大学に留学を予定している学生が随分お見えになるわけですね。母国で日本への渡航許可が下りていないという例も非常に多いんですよ。来日できないケースというのが随分ありまして、これはその国のそれぞれの方針でございますが、私が先ほど取り上げたような問題を、非常に強く影響をしておるか分かりませんけれども、日本は危険ではないかというような、そういう点で日本への渡航許可が下りなくて来日できないというケースが非常に多いわけであります。 文科省としてどういうように対処をされるのか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(鈴木寛君) 御指摘のとおり、地震ということに伴う、主として原子力災害のことが大きく影響しているんだと思いますけれども、五十七か国程度の国におきまして、日本への渡航を差し控えるよう、勧告ではございますが、勧告をしている国が三月の二十二日現在ございます。 私どもといたしましては、外務省と連携をいたしまして、まず各国政府に我が国の正確な現状について理解を深めるように、在東京の大使館への説明等々を外務省に主催していただいて、私どももそれに協力をしております。 と同時に、海外向け広報、これを改善いたしませんとなかなかこの認識というものが変わりませんので、この点についても、まさに地震、津波、そして原子力災害に関する正確な情報を記していくということだと思っております。これをきちっとやることによって諸外国の正確な理解が進み、それによって渡航自粛勧告が改善をされると思います。 しかしながら、その結果、来日は遅れていることは事実でございますので、そうした留学生に対しましては、来日後、円滑に手続が進むよう、入学手続の延長や授業料納付時期の猶予等の弾力的な扱いについて最大限配慮するよう大学に求めてまいりたいと考えているところでございます。
○草川昭三君 今の答弁は、来日をする学生の立場で非常に配慮をした答弁で、それはそれで結構ですが、実は日本の受入れの大学側では、もう既に予納金というんですか、お金を預かったりして、それが契約不履行みたいになるわけですね。そういうときに、相手が分かっておればいいんですが、なかなかその手続が、代理人がお見えになるかどうか知りませんけれども、大学側としても大変困ってみえるようなことを私、聞いておりまして、そういう点についても是非文科省として配慮をしていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。 時間がもうあと余りありませんので、もう一回、津波の問題等々を含めまして、文化庁も今日は来ていただいておると思うので、今回の大震災というんですか、災害による国宝などの被災状況はどうなっておるのか、お答えを願いたいと思います。
○政府参考人(吉田大輔君) 今回の大震災によります文化財の被災状況につきまして、私どもとしては都道府県教育委員会などを通じて状況の把握に努めているところでございます。 本日五時現在におきまして集計しているところでは、国指定などの文化財では、国宝が四件、重要文化財が百三件など、一都一道十七県におきまして合計三百四十五件に被害が生じているとの報告を受けております。 このうち、国宝四件につきまして更に説明をさせていただきますと、宮城県の瑞巌寺庫裏及び廊下という文化財がございますけれども、これにはしっくい壁に一部崩落や亀裂がある。また、同じ宮城県の大崎八幡宮におきましては、板壁、漆塗装、彫刻に軽微な破損がある。また、福島県の阿弥陀堂では、扉周りに軽微な破損がある。さらに、山梨県の清白寺仏殿では、内部の欄間の破損等、こういった被災状況が報告されているところでございます。 私どもとしては、今後とも被災状況の正確な把握に努めてまいりたいと考えております。
○草川昭三君 今、重要な国宝が四件もあるという、こういう御報告でございますが、大変な文化財の被害があるわけです。 そのほか、今回の大震災による、特別名勝というんですか、有名な観光地帯だとかあるいは史跡、歴史的な跡などの被災状況もあると思うんですが、その点はどんな程度になっておられますか。
○政府参考人(吉田大輔君) ただいまの名勝あるいは史跡の関係でございますけれども、先ほどの国宝と同等の価値を持ちますいわゆる特別名勝、それから特別史跡ということについて御報告させていただきますと、特別名勝につきましては四件、特別史跡につきましては五件に被災があるという、こういう報告を受けております。 この個別の事例につきまして若干紹介をさせていただきますと、宮城県の特別名勝松島でございますけれども、ここでは各所で地震及び津波による甚大な被害が生じているという報告を受けております。また、同じ宮城県の特別史跡多賀城跡附寺跡という案件がございますけれども、ここでも整備した正殿基壇の舗装の亀裂の増大が認められるというようなことがございます。さらに、茨城県の特別史跡で重要文化財の旧弘道館におきまして、学生警鐘と言われる建物が、これは全壊をした、また弘道館の壁しっくいの落下などが認められております。 このほかにも、都内でも幾つかの名勝あるいは史跡について被害が生じているという報告を受けております。
○草川昭三君 ちょっとまた話を戻しますが、今度のこの災害で休校になっている学校がたくさんあったと思うんですが、避難先として利用をされているのはどの程度あるのか、お答え願いたいと思います。
○政府参考人(辰野裕一君) お答えいたします。 昨日現在でございますけれども、休校となった公立学校で見ますと千七百六校、それから避難所になっている公立学校は四百二十七校ということでございます。
○草川昭三君 まあまあの利用をされておみえになるということですね。 それで、今度はまた大学に話を戻しますが、全国の大学で入学試験の時期と重なったところもあったと思うんですが、それは現在どのような状況になっているのか、現状をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(磯田文雄君) 三月十二日、十三日に予定されていました百七十四校の国公私立大学の大学入試のうち、三十六校の入試が延期又は中止の措置を、六十一校につきましては試験時間の繰下げの措置がとられたところでございます。 また、国公立につきましては、後期日程の初日一限目に当たるわけでございますが、その志願者の欠席率は、昨年が五二・八でございまして、今年が五三・八ということで、若干の増がございます。そのうち、一〇%以上の欠席率が増加した大学が国立で四校、公立で六校見られるという状況でございます。
○草川昭三君 今のようなところは、例えば追試などを実施をするということになるんですか、どうでしょう。
○政府参考人(磯田文雄君) それぞれの受験生の受験の機会を最大限確保するということで追試を実施しております。あるいは、実施の準備をしているというところでございます。また、追試が困難な場合には、センター試験の成績を利用しての合否判定、このような対応をしておるところでございます。
○草川昭三君 もう時間が来ましたのでこれで終わりますが、最後に、大変、大学、高校、その他の学校教育等の現場も被害を受けておるわけでございますし、いろんな意味で、まだこれ予算を審議中の委嘱の時間にこういう質問をするのは大変不謹慎かも分かりませんが、今我々の世界では補正をどうするかという話が大変な関心を呼んでおるわけですよ。 それで、前回の阪神・淡路の大震災があったときの対応をちょっと調べてみますと、二十日後に予備費の使用、約百四十八億円を二十日後には使うということを閣議決定をしております。それから、平成六年のときはどういう状況だったかといいますと、二次補正を提出したのが、こういう震災というんですか、地震のあった後、三十八日後にはそういう支出を、第二次の補正が提出をされております。平成七年の場合は、第一次補正がこういう事案があってから百十八日後には国会に提出をされておると。 それぞれ金額は違いますけれども、そういう補正に対する考え方が出ておるわけでございますが、改めて大臣からどのようなお考えか、あるいは規模等をどんな程度、そこまで言うのは問題があると思いますけれども、大体の見解をお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(高木義明君) この度の災害は、過去の大震災の規模をはるかに上回る甚大な被害をもたらしておりますし、また広範囲にもわたっております。今は被害状況をしっかりと把握することが何より大事でありまして、当面する対応、救援活動も迅速化をしなきゃなりません。 ただ、今委員御指摘のとおり、文部科学省としても、例えば被災した児童生徒、学生等の就学支援、あるいは耐震化も含めた学校施設の復旧、あるいは福島原子力発電所に向けた放射線モニタリングの充実などがなお必要でございます。さらに、全体的な地域からの要望、意見も多様に上っておりますので、ある意味では大変な額に上る経費が必要になろうと私は思っております。 今のところ、予算編成方針は決まっておりませんけれども、当然、補正予算、予備費の活用はもちろんでございますけれども、補正予算を組まなきゃならない、こういう状況にあると思っております。政府全体としての考え方、そして国会における議論、各党各会派からの御提案等も受けながら、それはひとつ、国会の立法府としてのまた御判断をいただかなきゃいかぬときも来ると思いますので、万全を期してまいりたいと思っております。
○草川昭三君 以上で終わります。
○江口克彦君 みんなの党の江口克彦でございます。 まず、震災で犠牲になられた多くの方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様方に厚くお見舞いを申し上げたいと思います。 また、被災者の救済、原発事故への対応等に大変な努力をされている関係者の方々、皆様に心から敬意を表したいと思います。 この非常時に難しい事態を乗り越えるためには、与野党を超えて、党利党略を超えて被災者の支援、被災地の復興に全力を挙げて取り組む必要があるというふうに思っております。是非、国会議員また政治家が心を一つにしてこの日本の国難とも言うべき事態を乗り切りたいと、乗り切っていくようにしたいというふうに思っております。 そこでお伺いをしたいと思うんですけれども、政府・与党はマニフェストへのこだわりをもう捨てられたらどうかというふうに思うんですが、子ども手当二兆九千億円、高校無償化四千億円、三十五人学級二千億円などの、不要不急とは言いませんけれども、この機にこの政策を行う必要があるのか、直ちに見直してその財源を被災地の皆さん方に使うということが今むしろ多くの国民の皆さんが望んでいることではないだろうかと、また、被災者の痛みを全国民が分かち合おうと、そう思っているのではないかというふうに私は思うんですけれども、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(高木義明君) 今委員の方から、心を一つにしてこの国難とも言える災害を乗り切るべきだというお言葉をいただきました。私も、そのことを踏まえて、これからも御提言などを受けながら対処してまいりたいと思っております。 お尋ねの、マニフェストへのこだわりがあるのではないかと、こういうことでございます。平成二十三年度予算案は既に国会に御審議をお願いをしておるところでございます。この予算案に盛り込まれておりますのは、高校無償化あるいは三十五人学級ということの重要なテーマであろうかと思っております。 私どもとしましては、この高校無償化についても、家庭の経済状況にかかわらず意志ある生徒が高校で勉強できるそういう環境を整えてやろう、そして世界の流れでもある、そういうことからこの高校無償化を今年度推進をしておりまして、なおまた定着をしなきゃならぬと思っております。 特に、今回の被災の現場を見ましても、中学生あるいは高校生、そしてまた家庭においても、進路の決定やあるいは生活設計から考えても、そういうものをある意味では前提にしておられると思っておりますので、私たちとしてはこれの定着を図りつつ、また新たに、予算においても、あるいはまた法案も提出をいたしておりますけれども、三十五人以下学級を、二十三年度の予算では小学校一年についてでございますけれども、少人数学級を実現をして、きめ細かい、質の高い教育が受けられるようなそういう環境をつくってまいりたい、このように思っております。 また、御指摘の災害への復旧復興については、ある意味では大変な膨大な財源が必要であろうということは推測をされるところでございます。現在、状況の把握をしておりますけれども、補正予算の編成のことも当然にして考えなきゃならぬと、このように思っております。その規模とかあるいは財源等につきましては、現段階での明確な方針は示されておりませんけれども、文部科学省としても政府全体の方針あるいは与野党の皆さん方の御論議を踏まえて適切に対応すべき、このように思っております。
○江口克彦君 ありがとうございました。 今のお話を踏まえて、私が申し上げたこと、子ども手当、高校授業料無償化とか、あるいはまた三十五人学級等々、そういうようなものにつきまして、例えば一年とか二年でも間を置くとか、今、今年、この時期にやらなきゃいけないということではなくて、一年でも延ばしたり様子を見たりするというお考えは全くありませんか。
○国務大臣(高木義明君) 既に高校無償化は恒久法として制定をされまして、都道府県においても関連の条例も制定をされて、そして今既にそういうことで走っております。今これを変えるということは、新たなまた混乱ということも十分に考えられます。 また、この少人数学級についても、これはもう随分前からいろいろな、現場を含めてそういう意見、要望が強く、そして新しい学習指導要領もスタートしますので、この際、ひとつ思い切って、そのスタートとして、是非私たちとしては子供たちの教育のことを考えますと、何としても一歩でも二歩でも進めていかなきゃならぬ、このように思っております。 そして、その災害の件は、これはもちろん当然重要なことでございますから、しっかり災害の復旧、救援の財源確保についても考えなきゃならぬと思っております。
○江口克彦君 国難というふうにおっしゃりながら、困難あるいはまた混乱ということで、結局は具体的に、その困難とか混乱とかというものもあえてそれを乗り越えてこの国難に当たるという、これはやっぱり国難だと思うんですけれども、国難と言われる割には何か何となく私からすればのんびりされているなという感じがするということでございます。 それはともかくといたしまして、今回の震災では津波の発生によりまして非常に多くの命が奪われたわけでございます。特に、次世代を担うはずの幼稚園とか小学生とかを始めといたしまして幼い命を奪われる惨状というのは、本当に画面を通しても現地に行っても、もう目を覆うばかりというような感じでございまして、こうした悲劇を繰り返さないためにも、全国の保育所、幼稚園、小中学校の各学校、大学等において津波や地震、火災などに子供たちが巻き込まれないようなそういう建物だけではなくて避難体制や避難経路等について直ちに緊急点検を行うべきであるというふうに私は思うんですけれども、緊急点検をされたのか、あるいはまたされるお考えはあるのか、いかがでございましょうか。
○国務大臣(高木義明君) 重要な子供たちの安全確保については、これは危険等の発生時のときに職員がとるべき措置の内容や手順を定めた危険等発生時対処要領というのを策定することとされております。これは、学校保健安全法第二十九条第一項に基づいてのことであります。 文部科学省としては、学校安全充実のためには、教職員用の参考資料を作成をし、そして各学校に配付をしておりますが、その資料の自然災害等発生に備えた安全管理の中で、例えば、緊急地震速報を受け取った際の対応、避難経路、避難器具の点検、連絡体制、連絡機能の確保など、配慮すべき事項について示しております。 今回の震災を踏まえまして、文部科学省としては、学校における児童生徒の安全の確保という観点から、改めて避難体制あるいは避難経路のチェックポイントを示しつつ、各設置者においてしっかり点検を行うように促してまいりたいと思います。
○江口克彦君 指示をされたということですか。済んでいるということですか、指示は。
○国務大臣(高木義明君) これは促してまいります。
○江口克彦君 これから促していくということですね。
○国務大臣(高木義明君) これは言うまでもなく、震災発生当時からそのようなことをある意味では基本的な指導として当然やられるべきでありまして、改めて追った形で我々としては促してまいりたいと思います。
○江口克彦君 促しておられないようですけど、もし促しておられるならいいですけど、促しておられなければ、やっぱり促していかれる必要があるのではないか、あるいはまた更に念には念を押していかれた方がいいんじゃないかなというふうに思うということでございます。 日本列島はナマズの上にあるような国ですから、いつ地震が起こるか分からないというような状況でございます。特に、小中学校などは避難所に指定されている場合が多いわけですね。その避難所となるべき学校が津波で破壊されてしまうのでは、地域の避難体制そのものが確立できていないということになるわけです。今回も非常に多かった。 保育所や幼稚園も含めて、こうした学校の設置場所について新たな観点から検討し直す、あるいはまた、現状、いつ、どこで地震が起こるかも分からない。東海地震が起こるかもしれない。また、あちらこちらで、関西でもまた起こるかもしれないという、そういうようなことで、もう一度、学校が地震に耐えられるのか、あるいはまた、津波に襲われないのか点検してみる必要があるのではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(高木義明君) 学校施設ですね、これは子供たちにとっても、特に正常な学校運営においては、ほとんどの昼間の時間、子供が過ごす場所でありますし、緊急災害時には地域の避難拠点となるものでございまして、私たちとしては、今回そういうふうなことが機能しておりますし、安全確保については十分に留意をするところであろうと思っております。 学校の設置場所については、一義的には設置者の判断によりますが、文部科学省としても、学校の施設の計画あるいは設計上の留意事項を示した学校施設の整備指針というのがありますが、これにおいて、校地環境として、津波など自然災害に対して安全であることが重要だと、こういうことにしております。 また、公立学校の災害復旧事業については、法令に基づいて、被災した施設の原形復旧を基本としながらも、それが困難な場合においては、全壊、半壊した建物を場所を変えて建て直すことなども補助の対象としております。文部科学省としては、今回の自治体の要望等も十分踏まえて対応していきたいと思っております。 災害においては、よく原形復旧か、あるいは改良復旧かというのが議論になるところでございます。私どもは、いつ来るか分からない災害に、やっぱり同じことを繰り返してはならない、そういうことがもう基本だろうと思っておりますので、ある意味では思い切ったことをしなきゃならぬと思っております。 いずれにしても、地元の事情もありましょうから、地元としっかり意見交換をしなきゃならぬことだと思っています。
○江口克彦君 耐震補強というのは今進められておられると思いますが、津波というこういう事態になって、今のというか、現状で津波が来たときに危険な学校の建物というのがどれぐらいあるのかということを把握されているんでしょうか。
○副大臣(鈴木寛君) 平成二十二年の三月あるいは二月に設置場所に関する指針というのは出しておりますので、その中で、津波を始め自然災害に対して安全であるということでこの設置場所についても指針を出しておりますけれども、これを受けて検討が始まったところにこの災害が残念ながら来てしまいました。そして、津波のこの規模ということが、もうよく御承知のとおり、世界最高の堤防を越えての津波ということでありますので、ここでいう津波と今回起こってしまった津波とでは、同じ津波でも規模といいますか程度が違います。そういう意味では、今回のレベルの津波ということに対しては改めて精査をしなければいけないというふうに今考えているところでございます。
○江口克彦君 大臣にお尋ねしたいんですけれども、大臣の所信の中で、教育について、本人や家庭だけが経済的負担を負うのではなく、社会全体として支え合うことが必要だというふうに述べられております。しかし、高所得世帯にまで高校無償化や子ども手当により税金による支援を行う必要は、私は身近な周辺に、いろんな若い人たちの話を聞いても、これは必要ないんじゃないかという意見が非常に多いんですね。 前回、私は離島を離れて内地に進学する高校生の居住費補助の必要性について質問させていただきましたけれども、大臣が、高校生活における教育の負担軽減は重要であるから、離島を始め、そういったことについては貴重な検討の課題というふうに私にお答えいただきました。平成二十三年度の予算にも、この離島に住む高校生の居住費補助が盛り込まれていないんですよね。そもそも文科省において、貴重な検討の課題というふうに大臣はおっしゃったんですけど、検討されたのかどうかということですよ。もし検討すらしていないというんだったら約束違うんじゃないのというふうに私は申し上げたいんですけれども、文科省が離島の高校生への居住費補助は必要ないと考えているのであれば私はいささか問題があるのではないかというふうに思わざるを得ませんし、前回も申し上げましたけど、大臣も選挙区に離島をいっぱいお持ちなんです。そういった方々のお考えというか意見といいますかね、御要望といいますかね、あるいはまたそういう人たちをサポートしてあげようというお気持ちはないんですかということをお聞きしたいということです。
○国務大臣(高木義明君) 教育費の負担軽減というのは非常に重要なことだと思っております。今委員が御指摘されました離島、特に離島の高校生のことであります。前回といいますか、昨年の本委員会においても御指摘もありました。私はそのことを十分承知をしておりまして、検討しております。まだしかし、検討結果というのは反映されておりませんけれども、問題意識を持って各自治体の調査も行っておりますし、特に寄宿舎居住費の補助について、それぞれの様々な取組がございます。 例えば、長崎県、私の関係の長崎県においては、佐世保市がそのようなことを市の単独の事業としております。佐世保市には離島もありまして、その離島の中には高等学校はない。そういうところではやはり佐世保市の高校に通わざるを得ないという状況がございまして、これは佐世保市として寄宿舎あるいは宿泊場所の補助を行っておるということがございます。 ただ、五島市においては、過去そういう議論はあったけれども、五島にも高校がございます。五島の地元においては、例えば長崎市やほかのところの高校に通うということになりますと、むしろ過疎化をある意味では進めるようなことにもならざるを得ないという議論も地元には結構あるようでございます。そういう中では、むしろ遠距離通学に対する交通費の補助の方が適切じゃないかという議論もあって、私どもとしましても様々な状況、特に東京もそうでしょうし、離島、外海離島、内海離島ありますけれども、実情様々でございますので、なお検討させていただきたいと思っています。
○江口克彦君 離島で遠距離通学というのはないと思うんですけどね。 それはともかくとして、次に移らせてもらいたいと思いますが、我が国では領土問題が学習指導要領や教科書にも盛り込まれておりまして、子供たちへの教育が既に行われているはずであると思う。しかし、最も国益を考えるべき国会議員という立場にあるにもかかわらず、民主党の土肥議員が竹島の領有権主張を中止するとの共同宣言に韓国で署名しているわけですよ。これにつきまして、これハングル語で分からなかったとか、印刷されていたからもう仕方がなかったとかという、それはちょっと私は軽々過ぎたんじゃないかというふうに思うんです。そのことにつきまして、私は役職を辞めたから済むという問題じゃないと思うんです。国会議員の本質の問題だと思うんですね。 ということは、国会議員を私は土肥議員は辞職すべきだと思うんですけれども、それはその本人の意思によるものだと常に言いますけれども、それは一般の社会、一般の世の中では通用しないですね。大臣、どういうふうにお考えでしょう。
○国務大臣(高木義明君) まず、今個別の名前が挙げられました。私としては、政治家たる者は、まさに自らの責任において言動するということでございますから、その進退については自らが決することになるであろうと。 ただ、私どもは、今御指摘のとおりに、子供たちに対しての我が国の領土、領海、これについては適切に学習指導要領あるいは解説の中でしっかり指導していかなきゃならぬと思っております。
○江口克彦君 最後の質問です。 今の土肥議員に対しての大臣のお答えは、言ってみればどこかのマニュアルに書いてあるとおりだというふうに私ももう既に予測しておりましたので余り驚きませんけど。 鈴木副大臣にお伺いしたいんですが、昨年の十月の当委員会におきまして、私質問いたしました、バウチャー制について。そうしたら、鈴木文部科学副大臣から、使途目的に限定した使われ方、その趣旨にかなう制度設計というのは進化の余地はあると思うという答弁をいただきました。非常に私は前向きにお答えいただいたと思いますし、さすが加藤寛さんのお弟子さんだというふうに思っているんですけど、その後、バウチャー制度について御検討いただいているのか、御検討いただいているんだったら、どこで、いつ、何回開かれたのか教えていただきたいと思います。
○副大臣(鈴木寛君) 「新しい公共」円卓会議というのがございまして、これは、これも加藤先生がおつくりになった慶応大学湘南藤沢キャンパスの金子郁容教授が座長をされておられますが、その席でもバウチャー制の検討、提案、それからさらに電子マネーシステムなどを使った御提案というのがされております。というのが、まず検討状況でございます。 それから、これは子ども手当のそもそもの法趣旨が子供の健やかな育ちを促進するということですから、それ以外の関係のない用途に用いられるということはもう法の趣旨にそぐわないわけであります。そのことをどうやって担保していくのかと、こういうことでございます。 一挙に前進はというところまでは行っておりませんけれども、本年度に、子ども手当法はこれ暫定法です、時限法で毎年出しています。今年の国会にお出しをしております子ども手当法案では、この委員会での御議論、それから地方公共団体との要望等々も踏まえまして、いろいろな検討をいたしまして、子供の健やかな育ちに必要な経費である学校給食費など、これは修学旅行費とか様々な学用品も含みますが、について、本人の同意により子ども手当から納付、いわゆる天引きですね、ということができる仕組みといたしまして、そのことを条文として盛り込んだ子ども手当法案を提出をさせていただいているところでございます。 これによりますれば、大体給食費が四、五千円、上限ですね、あと学用品が大体合わせますと一万一千円ぐらいが平均でございます。子ども手当が一万三千円、現行がですね。そうしますと、入学式のときに何らかの意思表示が確認できる措置、本当はサインして出してもらうのが一番いいわけでありますが、そうした意思表示が確認できれば、あとは自動的に天引きがなされると、こういったところまでは前進をし、提出をさせていただいたところでございます。
○委員長(二之湯智君) もう時間です。
○江口克彦君 ありがとうございました。ただ、バウチャー制については余り御理解がないということが分かりました。 ありがとうございました。
○委員長(二之湯智君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(二之湯智君) 展覧会における美術品損害の補償に関する法律案及び海外の美術品等の我が国における公開の促進に関する法律案の両案を一括して議題とします。 まず、展覧会における美術品損害の補償に関する法律案について、政府から趣旨説明を聴取いたします。高木大臣。
○国務大臣(高木義明君) この度、政府から提出いたしました展覧会における美術品損害の補償に関する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 国民が優れた芸術作品を鑑賞し、文化芸術に親しむ環境の中で、豊かで活力ある生活を営むことは極めて重要です。しかし、美術品の評価額の高騰や保険料率の上昇のため、海外の優れた美術品を取り扱う大規模展覧会や地方巡回展の開催が困難になっているとともに、展覧会の規模の縮小や開催の断念が現実的な問題として顕在化しております。 また、諸外国では、日本とロシアを除くG8諸国や多くの欧州各国において美術品の国家補償制度を既に導入しており、我が国においても、文化芸術に対する国際的な信用を確立するため、このような制度を早期に導入することが急務となっております。 この法律案は、以上のような状況に鑑み、政府が美術品の損害を補償する制度を創設することにより、展覧会の主催者の保険料負担の軽減を図り、国際レベルの展覧会や地方巡回展の開催を充実しようとするものであります。それにより、国民が優れた芸術作品に直接触れる機会を拡大し、国民一人一人の文化的欲求の充足や芸術文化の振興を図るとともに、作品の鑑賞を通じた創造性の涵養や創造的人材の育成により、文化芸術立国の形成を目指すものであります。 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。 第一に、政府が、展覧会の主催者を相手方として、展覧会のために借り受けた美術品に損害が生じた場合に、その美術品の所有者に対して損害を補償する契約を締結することができることとするものであります。 第二に、美術品の損害額について、その一定額までは主催者が負担し、それを超える額を政府が補償することとするものであります。その際、政府が補償する金額の上限についても定めることとしております。 第三に、補償契約の締結の限度額は、毎年度の国会の議決を経て決定することとするものであります。 このほか、展覧会及び展覧会の主催者の要件、美術品の取扱いに関する基準の遵守等の所要の規定の整備を行うこととしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いをいたします。
○委員長(二之湯智君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員池坊保子君から説明を聴取いたします。池坊保子君。
○衆議院議員(池坊保子君) ただいま議題となりました展覧会における美術品損害の補償に関する法律案に対する衆議院における修正部分につきまして、その趣旨及び概要を御説明いたします。 本法律案により創設される美術品損害の国家補償制度の対象となる展覧会につきましては、国民が美術品を鑑賞する機会の拡大に資するものとして文部科学省令で定める規模等でなければならないと規定されております。また、損失補償下限額につきましても、政令で定める額とされております。 現在、大規模な国際展覧会につきましては、主に国立の美術館、博物館において大都市を中心に開催されている状況がありますが、国公私立の別を問わず、地方における美術館、博物館が開催する展覧会にも、学術的、文化的に価値があり、補償制度の対象とすべきものもあると考えます。また、本法律の施行により、地方の巡回展もこれまで以上に開催されることが期待されます。質の高い展覧会が全国各地域で安定的に開催されるよう、損失補償下限額につきましても、以上のことを踏まえて設定されるべきではないかと考えます。 修正の趣旨は、国立のほかに、施設、環境の整備された公立、私立の美術館が全国各地域に設置されている状況を踏まえまして、大都市に限らず、全国的な広がりの下で、多様な展覧会が開催できるように政府に配慮を求めるものであります。 概要につきましては、次のとおりでございます。 まず、本法律案の第三条第一項に、政府は、補償契約を締結する場合においては、博物館法第二条第一項に規定する博物館又は同法第二十九条の規定により博物館に相当する施設として指定された施設における展覧会の開催に資するものとなるよう配慮するものとする旨の内容を加えるものです。 次に、本法律案の第四条に第二項として、補償対象損害の額の合計額に関する政令を定めるに当たっては、多様な展覧会の開催に資するよう配慮しなければならない旨の規定を加えるものです。 最後に、本法律案の附則に、政府は、この法律の施行後三年を目途とし、この法律の施行の状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、国民が美術品を鑑賞する機会の一層の拡大を図る観点から、補償契約による政府の補償の範囲について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする規定を加えるものです。 以上が本法律案の衆議院における修正部分の趣旨及び概要でございます。 何とぞ、御審議の上、御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(二之湯智君) 次に、海外の美術品等の我が国における公開の促進に関する法律案について、提出者衆議院文部科学委員長田中眞紀子君から趣旨説明を聴取いたします。田中衆議院文部科学委員長。
○衆議院議員(田中眞紀子君) ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。 美術品等の展覧会は、あらゆる世代の国民に優れた芸術作品や貴重な文化遺産に接する機会を提供する極めて教育的、文化的意義を有するものであります。特に海外の美術品等の展覧会は、その国の歴史や文化の理解に役立つものであり、国際文化交流の振興の観点からも、海外の美術品等を借りやすくし、多様な海外美術品等の展覧会が開催できるようにすることが求められております。 本案は、このような状況を踏まえ、海外の美術品等の我が国における公開の促進を図るために、海外の美術品等に対する強制執行等の禁止の措置を定めるとともに、国の美術館等の施設の整備及び充実等について定めることにより、国民が世界の多様な文化に接する機会の増大を図るものであり、その主な内容は次のとおりであります。 第一に、我が国において公開される海外の美術品等のうち、国際文化交流の振興の観点から我が国における公開の円滑化を図る必要性が高いと認められることその他の政令で定める要件に該当するものとして文部科学大臣が外務大臣と協議の上で指定したものに対しては、強制執行等をすることができないものとすること。 第二に、国は、海外の美術品等の我が国における公開を促進するため、国の美術館等の施設の整備及び充実並びに当該施設における鑑賞の機会の充実のために必要な施策を講ずるものとすること。 第三に、国は、海外の美術品等の我が国における公開を促進するため、海外の美術品等に関する専門的知識を有する学芸員等の養成及びその資質の向上、民間団体が海外の美術品等の公開に関して行う活動に対する情報提供等の支援その他の必要な施策を講ずるものとすること。 第四に、国は、海外の美術品等の我が国における公開を促進するために必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとすること等であります。 以上が本案の趣旨及び内容であります。 何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(二之湯智君) 以上で両案の趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。 これより両案に対する質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○水落敏栄君 自由民主党の水落敏栄でございます。 この度、政府から提出されている展覧会における美術品損害の補償に関する法律案について、まず質問いたします。 大臣の提案理由説明でもお話がありましたように、国民が優れた芸術作品を鑑賞し、文化芸術に親しむことは、国民の日々の生活に潤いを与えるだけではなくて、子供たちの感性や創造性を育み、我が国の将来を担う人材の育成、経済社会の創造的発展にもつながります。また、優れた芸術作品を多く展示する質の高い展覧会を開催することは、その開催地の観光の振興や地域経済の活性化にも効果があると思われます。そのために政府は美術品政府補償制度を創設すべく本法案を提出されています。 まずは、本法案の趣旨、目的についてお答えをいただきたい、このように思います。
○国務大臣(高木義明君) 水落委員にお答えをいたします。 改めて申し上げますけれども、国内外の優れた芸術作品に国民が一人一人、より多くの方々が接する中で、文化的欲求を充足をする、そして芸術文化の振興を図りながら人間性の回復を図るという意味で非常に意義あることだろうと思っております。そういう中で、文化芸術立国の形成を目指しておりますし、これは国家戦略上極めて重要なことであろうと考えております。 しかしながら、近年、美術品の評価額の上昇や、テロとかあるいは自然災害等に起因する保険料率の上昇によりまして、展覧会の美術品の保険料が高騰しておる、そういう現実がございます。それによって、大規模展覧会や地方巡回展の減少が見られ、展覧会の規模縮小や開催の断念という事態が生じております。 このような状況を踏まえて、本法案は、展覧会のために借り受けた美術品に損害が生じた場合に、損害を政府が補償することによって主催者の保険料負担の軽減を図り、展覧会の充実を通じて国民が優れた美術品を鑑賞する機会の拡大を目的としております。 以上です。
○水落敏栄君 ありがとうございました。 法案の趣旨は、ただいまお答えいただきましたように、非常にすばらしいものがあると思っております。しかし、大切なことは、その制度がしっかりと運用されて、そして法案の目的を確実に達成することだと、こう思っています。そのために、美術品政府補償制度の運用について、幾つかこれから質問させていただきます。 第一に、すばらしい展覧会、国が支援するふさわしい展覧会の質を担保する方法についてお尋ねをいたします。 展覧会はただ単に美術品を並べておけばよいというものではありません。展示する美術品にどのようなストーリーを持たせるのか、観覧者に対して何を訴えたいのか、こういったことまでしっかりと練り込んだ奥の深い企画を作らなければならない、こう思っています。 また、展覧会の内容もさることながら、貴重な美術品を借り受けるわけでありますから、美術品の管理や施設の管理、何か事故が起きたときの対応体制、主催者の管理運営能力が高い水準でなければならない、こう思っています。万が一の場合には国が多額の補償を行うわけですから、このような質の確保は美術品の所有者を安定させ、借受けを行いやすくするためにも非常に重要であると、このように思います。 美術品政府補償制度の運用に当たって、文部科学省ではどのような手段で展覧会の内容や主催者の管理運営能力を評価し、補償対象とするのか、お伺いいたします。
○副大臣(笹木竜三君) お答えをします。 今御質問があったこの美術品政府補償制度を運用していくに当たっては、まず優れた展覧会を開催するという委員のお話にあった、それをしっかり実現するために、そして美術品の損害を未然防止するために、展覧会の内容そして主催者の管理運営能力を評価、確認する、このことをやってまいります。 そのために、美術品政府補償制度の申請に際して、展覧会の規模や内容、併せて主催者の過去の実績、組織、人員体制、財務状況などを確認をする、そして、その確認をした内容についてその妥当性を有識者で構成されている文化審議会の意見を聴く、こうした手順を踏むこととしております。 この取組によって展覧会や主催者が要件に適合しているかどうかを判断していく、そういうふうに決めております。
○水落敏栄君 申請書の確認とか、審議会でしっかりと審査していくと、こういうことだと思います。できるだけ多くの展覧会を支援することは大事なことなんですけれども、今お答えいただけたような審査をしっかりとしていただいて、さすがは国が補償する展覧会だと、こう国内外でも評価され安心していただけるように展覧会の水準を維持してもらいたい、このように思います。 さて、美術品政府補償制度は、借り受けた美術品に万が一大きな損害が発生した場合、主催者の自己負担額を超える部分を国が補償すると、こうしたものだと理解しております。 この制度が導入された場合、主催者の経費負担が少なくなる。そのことで、より良い美術品を借り受けたり適切な入場料が設定されたりすることができると思います。一方で、国が損害を補償してくれるということが決まると、場合によっては主催者の心に過度の安心が生じて、美術品の管理がおろそかになるとまでは言わないけれども、若干甘くなるということも起きるのじゃないかと、このように私は危惧しています。 そのようなことにならないように文部科学省ではどのような対策を講じていくのかお伺いしたい、このように思います。
○大臣政務官(林久美子君) お答えをさせていただきます。 美術品の展示、運搬その他の取扱いにつきましては、文部科学省令で定める基準を遵守することを法律上義務付けることにしておりまして、こうした義務に違反したことにより生じた損害は補償の対象外というふうにいたしております。また、補償契約に係る展覧会が適切に実施されているかどうかを確認するため、政府は展覧会の主催者に対し、展覧会の実施状況について報告を求めることができるというふうにいたしております。 これらの仕組みによって美術品の安全管理に対する主催者の意識を逆により高めていって、損害の防止に万全を期していきたいと考えております。
○水落敏栄君 お答えいただきましたように、申請段階でのチェックとか補償契約締結後のチェック、こうした二重の確認を行うということだと理解をいたしました。国民の鑑賞機会を充実させるとともに貴重な美術品を守ること、これは文部科学省の大切な役割でございますので、制度の運用に当たっては、事前、事後のチェックがしっかりと働くよう是非緊張感を持って取り組んでいただきたい、このように思います。 さて、去る三月十一日に、先ほどから質疑がございましたように、東北・関東地方を中心とする我が国の歴史上未曽有の大震災が発生をいたしました。地震や津波により被災された方々に対し心からお見舞いを申し上げますとともに、現地で救護、復興活動に当たられている方々に対し感謝を申し上げる次第であります。 この度の大震災では、日に日に被害の実態が明らかになってきておりまして、その余りに甚大な被害に国民の皆様も非常に心を痛めておられます。 そんな中、先ほど質疑がございましたように、様々な文化財も被害を受けているという報告が、文部科学省からお答えがございました。民間の損害保険などではこのような地震による損害は免責となっているのも多いわけですけれども、美術品政府補償制度ではこれは補償されるのかどうかお伺いしたい、このように思います。
○副大臣(笹木竜三君) 御質問の地震による損害についてですが、この美術品政府補償制度において補償の対象にすると、そういうことになっております。一般の美術品の貸借契約において、地震による損害も対象とした民間保険契約が締結をされております。また、先ほど大臣からの御説明にもあったように、他の国の多くのところでこの美術品政府補償制度が行われているわけですが、その他の国の制度においても地震による損害は補償の対象になっております。このため、我が国においても地震の損害を対象とした政府補償制度を創設することにしております。 参考までに、これを特定損害として一般の損害とは区別をして処理をしていこうとしているわけですが、自然災害としては地震以外に津波ですとか噴火が対象となっています。人的なものとしてはテロも対象にして特定損害としております。
○水落敏栄君 地震も対象になるということでございます。 地震による損害が補償対象となるということであれば、今般の震災のような地震が起こった場合には政府が実際に補償するような規模の損害になるのではないかと考えますけれども、地震による損害を防止するような対策があるのかどうかお伺いしたいと、このように思います。
○副大臣(笹木竜三君) 大きな地震が生じた場合であっても可能な限り被害を防ぐ、あるいは最小限にするという、その措置が必要だと。それは、展覧会のために借り受けた貴重な美術品を守っていくこと、あるいは所有者に対して責任を持って返却するためにも必要だと思っております。 この制度においては、主催者と補償契約を締結するその際に、施設あるいは設備が必要な耐火性、耐震性を有しているかどうか、それを確認することとしております。また、主催者に対しては、文部科学省令で定める美術品の安全な展示等のための取扱いに関する基準、この基準を定め、その遵守を法律上義務付けをしております。その補償契約の締結後についても、その義務の確実な履行のために必要な指導、助言を行うこと、そういうふうにしております。 こうした取組で、仮に大きな地震があった場合でも美術品の損害を防止するように努めていく、そのつもりでおります。
○水落敏栄君 契約の際の施設整備のチェックあるいは美術品の取扱基準の遵守、こうしたことをしっかりとやっていかなくちゃならないと思います。そのようにお答えいただいたと思います。 この法律案の目的であります国民が美術品を鑑賞する機会の拡大、これは大変重要なことであります。また一方で、国内外で大切に保護されている貴重な美術品を守り、貸していただいた方に責任を持ってお返しするということも大事であります。これらのことがきちんと両立されるように文部科学省でもしっかりと制度の運用のために御尽力をいただくよう強くお願いをいたしまして、本法案の質問は終わらせていただきます。 次に、衆議院文部科学委員長提案の海外美術品等公開促進法について質問させていただきますが、法案作成に当たられた古屋圭司先生に御出席をいただいております。かねてから懸案でありました本法案の作成について、本当に御苦労があったと拝察をいたしますけれども、古屋先生を始め法案作成に当たられた各位に対し、改めて感謝とお礼を申し上げる次第であります。 まず、本法案の提出に至る背景や法案の趣旨について伺います。 海外の美術品等の貸出しを受け日本国内においても展覧会を開催し公開することは、日本国民が多様な文化に接する機会に恵まれることになり、大きな意義があると考えます。公開促進法案はこのような機会の増大につながると思われますが、法案作成については大変な御苦労があったと思います。まず、法案提出に至る背景や法案の趣旨についてお伺いをしたいと思います。 また、この法案は海外から借り受けた美術品が我が国の主権の範囲内にある場合は強制執行を禁止するとのことでありますが、この法案が制定されないとどのような弊害が起きるのでありましょうか。 既に一昨年、平成二十一年に、いわゆる主権免除法が制定されておりまして、外国や外国の政府機関が所有する美術品等については強制執行が禁止されておりますけれども、この関係も含め、併せて公開促進法提案者であります古屋圭司先生にお伺いしたいと、このように思います。
○衆議院議員(古屋圭司君) お答えをさせていただきたいと思います。 委員の方から今、私が昨年の臨時国会でこの法案提案代表者として出させていただいた経緯もございまして御指名をいただいたというふうに思います。質問は三点あったと思います。この法案の設立した背景は何かということ、それからこの法案が成立しなければどんな支障があるのか、それから三つ目は主権免除法との関係、こういうことだと思います。 まず一点目でございますけれども、世界にはいろんな美術品がございますが、しかし、長い間の人類の積み重ねの中ですばらしい芸術的、文化的価値を持ったものが多々ございます。そういったものが無条件に多くの国民に触れる機会があるかというと、必ずしもそうではありません。なぜか。それは、そういった美術品は例えば世界の紛争あるいはいろんなトラブル等々によって所有権がはっきりしないままその美術品等が移行しているというケースがあるからであります。 そうなりますと、本当はその美術品を海外に貸し出してお見せをしたいんだけれども、そのオーナーにとってみると、場合によっては海外に貸し出したときに強制執行、具体的には差押えだとか仮処分というものをされる危険性があるということで貸出しをちゅうちょしてしまうというケースは実は少なくありません。そういうことがあって、やはり我が国の主権の範囲内にある間はそういった強制執行が一切できないようにするという法律が必要であろうということであります。 実は、このことは世界のあらゆる美術品が対象になります。しかし、今も御指摘があったいわゆる主権免除法によって、国あるいは政府の機関が持っているものは一昨年この法案が成立したことによって強制執行ができなくなりました。しかしながら、国並びに政府以外のものについては対象になっておりません。そうしますと、個人であるとか団体であるとか、持っているものは対象になりませんので、例えば戦後の混乱期に日本のものが実はアメリカあるいはヨーロッパに渡って、すばらしい芸術的価値があるので是非展示を日本でしていただきたいという要請はたくさんあるんですね。しかし、向こうのオーナーがそういった差押えを懸念して出さないというケースもある。ということで、世界の国が所有している以外のあらゆる美術品を対象とするという法案を作ったというのがこの背景であり趣旨であります。 したがいまして、例えば台湾、台湾は御承知のように国ではございません。ということで、台湾の例えば故宮博物院に所蔵されている美術品も当然対象になるということであります。したがって、もしこういった法案がない場合には、そういった海外の皆様が、オーナーの皆様が、オーナーというか現オーナーと言った方がいいですね、の皆さんがその貸出しをちゅうちょするということになりかねないわけであります。 この法案ができることによって、この法案の趣旨であります多様な文化に接する機会を我々が提供していくということにつながるというふうに確信をいたしております。
○水落敏栄君 詳しく御説明をいただきました。よく分かりました。ありがとうございます。 この法案では、第三条に強制執行禁止措置の対象となる海外の美術品等を外務大臣と事前に協議の上に文部科学大臣が指定すると、こうなっておりますが、外務大臣と協議することとした趣旨はどういうことか。何か。 また、美術品等となっておりますけれども、この等ではどのようなものが対象となるものとして想定されているのか、古屋先生、お答えをいただきたい。
○衆議院議員(古屋圭司君) お答えさせていただきます。 まず、後段の方でございますが、美術品等とは一体何なんだ。これはこの法案にも書いてありますし、文化的な価値のある所産というものが入っている。じゃ、それは何かというと、例えば美術品だとか絵画とか骨とう品というのは当然これに入ってくると思いますけれども、それ以外に、例えば、具体的に言うとマンモスの牙とかあるいはミイラだとかですね、こういったものも当然この範囲に入るものであろうということが推測できます。この法案の構成は、文部科学大臣が指定をするということになっていますので、その展覧会の中身を精査の上、この規定に入るものであるならば指定をするということになろうかというふうに思います。 それともう一点は、なぜ外務大臣と文部大臣が事前協定をするかということであります。 これは、御承知のように、文部科学省設置法によっては、芸術文化振興に関することは文部科学大臣が所掌でございますが、外交に関することは除く。外交に関することは要するに外務大臣が所掌をいたしております。私たちが一番そこを気を遣ったところでございまして、今、前の質問でも私若干触れさせていただきましたが、例えば台湾、これは中国はもちろん国としては認めておりませんし、世界も地域とかエコノミーとか言って、APECでもそういう形でなっております。 そうなりますと、ゆめ間違ってもやはり外交問題にさせるというのはこの法案の目指すところではありません。やはり外交問題には絶対させない。事前に外務大臣と文部科学大臣が協議をして、そういった問題は一切ないですねということを十分に相談をした上で文部科学大臣が指名をするというふうにしておけば懸念がなくなるということであります。 実は、この背景ですけれども、私も何度か台湾にも訪問しました。そして台湾の故宮博物院というのは、実は院長は閣僚がなっておりまして、大変重要な組織であります。歴史的背景を見ると、あのいわゆる当時の国民党を支えていた蒋介石氏が台湾に移ったときに一緒に持ってきたというものでありますから、厳密に言うとどこの国の所有だということは問題になることは事実であります。しかし、現実として台湾という地域に今それは所蔵されているということでありますから、もし仮にこの台湾の故宮博物院に所蔵されている美術品を日本に展示をするということであるならば、事前に文部科学大臣と外務大臣がしっかり協議をしていただいて、そしてその上で、外交問題にはならないということで協議をしていただいたら、この法律のルールに基づきまして指定をして、そしてこの台湾の故宮博物院の美術品をこちらに持ち込むことができる。 あるいは、それだけに限りません。例えば、海外の有力な私人が持っている美術品等々はあると思います。これも、もし貸し出したときにこの法がなくて万が一差押え等々の法的行為がなされたときに外交問題になるということも一〇〇%ないとは言い切れません。そういったときに、事前に外務大臣と文部科学大臣が協議をして、関係者とも事前のすり合わせをすればそういうことは未然に防げるであろうと、こういうことでこの条文を入れさせていただいたと、こういうことでございます。
○水落敏栄君 ありがとうございます。 最後になりますけれども、この公開促進法案が成立したことによって強制執行についての禁止がとられることによりまして、その結果、先ほど例えば台湾の故宮の美術品というお話がございましたけれども、どのような展覧会を開催することが可能となるんでしょうか。ちょっとダブるかも分かりませんが、お尋ねしたいと思います。
○衆議院議員(古屋圭司君) 実は、この法案を作るときに、一昨年お亡くなりになった平山郁夫先生が大変熱心に取り組んでおられました。私のところにも何度も御相談に来られました。実は、これは私事になりますが、平山郁夫先生は私の地元の前田青邨画伯の弟子でございまして、そんなこともあって私も懇意にさせていただいたわけでございますが、平山先生から実は二つの宿題をいただいていたんです。 一つは、もう既に成立しましたが、海外の歴史的遺産の修復、保護、推進に関する法案、これは既に五年ほど前に成立をいたしました。その当時は海外の美術品、失礼、例えばアンコールワットだとかバーミヤンだとか、こういう歴史的遺産は、日本の政府が日本の国旗を掲げて修復をするということは残念ながら認められていませんでした。一個人あるいは一大学がやるということであります。 平山先生はその当時、戦闘機の尾翼の一かけらの予算と新しい法律があったら、すばらしい芸術的、文化的国際貢献ができるんですよと。さすがに芸術家のお言葉でございました。私はそれを聞いて、それならば法案を作ろうということで、実はそういった修復を国を挙げて政府の下でやれる、こういうことにしました。今皆さん、海外のアンコールワット等々行っていただきますと、入口に日本国旗が掲げられて、そういうコメントが出ています。これこそまさしく芸術文化による国際貢献であります。 もう一点が、実はこの今回出させていただいている法案であったわけであります。 平山郁夫先生の夢は、台湾の故宮博物院と北京の故宮博物院、これの文物、美術品を日本で同時に展覧会をするというのが平山先生の夢でございました。この夢が実現される前に他界をされたということは非常に残念でございますが、今日こうやって審議をいただいてこの法案が成立をする運びになれば、お墓にもしっかりと御報告ができるというふうに私は思っています。 もし仮に同時開催ということが、これはいろいろ今後の情勢があります、それはルール上可能になったわけでありまして、そうなると恐らく歴史的な展覧会というのが私は可能になると思います。今、例えば日本から台湾には大体年間百三十万人から百四十万人の観光客が行っています。その大宗はほとんどあの故宮博物院を見て、みんな感動して帰っておられます。中国の故宮博物院からは、かつて兵馬俑とか等々が来て大変な評価を得ています。そうなりますと、私は、かつてモナリザ、あれは一九七四年だったですかね、あのときに、日本に来たときに、百五十万人近く来客者があったはずであります。しかし私は、恐らくそれをもしのぐような歴史的な展覧会が可能になるというふうに思います。 このことは、外交的にも私は非常な良い効果をもたらすのではないか、こんなふうに思っているわけでございまして、そのほかにも例えば、皆さんよくワシントンなんかにも行かれますよね。そうすると、ワシントンの近郊に浮世絵だとかの原画がもう山ほど展示してある美術館がございます。実はあれも、元をただせば日本の所有でありました。しかし、いろいろ戦後の混乱等々で、結果として向こうに展示をされている。こういったものも、しっかりと交渉することによって絶対日本ではそういった法的手段、強制執行はできませんよということになれば、向こうのオーナーは安心してお貸しすることになるわけでありまして、そういう夢の展覧会というのがたくさん開会することができる。結果として、これによってこの法案の目的であります多様な文化芸術に接する機会を国民に提供していくということにつながると思います。 そういう意味におきまして、是非とも皆様方の御理解をいただきたいということであります。 ありがとうございました。
○水落敏栄君 一例を挙げますと、私も台湾に、台北にございます故宮博物館の美術品、拝見しておりますけれども、あの故宮の美術品が我が国で展示されることになれば本当にすばらしいことでありますし、また我が国と台湾との友好関係が一層、一段と深まると、このように確信をするものであります。この法案について大変御苦労をいただきました関係各位に改めて感謝申し上げたいと思います。 以上で質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(二之湯智君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。 展覧会における美術品損害の補償に関する法律案の修正について神本君より発言を求められておりますので、この際、これを許します。神本美恵子君。
○神本美恵子君 私は、ただいま議題となっております展覧会における美術品損害の補償に関する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党、公明党及びみんなの党を代表いたしまして修正の動議を提出いたします。 修正案の内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。 修正の要旨は、原案において平成二十三年四月一日となっている施行期日を公布の日から起算して二月を超えない範囲内において政令で定める日に改めるとともに、所要の規定の整理を行うものでございます。 何とぞ委員各位の御賛同をいただきますようお願い申し上げます。 以上です。
○委員長(二之湯智君) これより両案及び修正案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 初めに、展覧会における美術品損害の補償に関する法律案について採決を行います。 まず、神本君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(二之湯智君) 全会一致と認めます。よって、神本君提出の修正案は可決されました。 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部の採決を行います。 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(二之湯智君) 全会一致と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。 以上の結果、本案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定しました。 次に、海外の美術品等の我が国における公開の促進に関する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(二之湯智君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(二之湯智君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十七分散会