内閣委員会 第10号
- 発言数
- 123 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2011/06/21
会議録
○委員長(松井孝治君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、熊谷大君、浜田和幸君、外山斎君、ツルネンマルテイ君及び芝博一君が委員を辞任され、その補欠として岩城光英君、岡田広君、岡崎トミ子君、安井美沙子君及び有田芳生君が選任されました。 ─────────────
○委員長(松井孝治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 総合特別区域法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官荻野徹君外二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松井孝治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(松井孝治君) 総合特別区域法案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○有田芳生君 民主党の有田芳生です。今日は質問の機会を与えてくださいまして、ありがとうございました。 世間一般にガイドといいますと、観光ガイドという印象で受け止められております。しかし、この分野は様々な問題がありまして、例えば無資格ガイドと業者との癒着、あるいは官僚との癒着等、様々な複雑な問題がありますが、今日は総合特区とのかかわりで通訳ガイドについて御質問させていただきたいと思います。 皆さん御承知だと思いますけれども、皇居外苑に楠木正成公の銅像があります。ある日、そこに日本人通訳ガイドが行きまして、外国人観光客をいっぱい連れてきまして説明をしておりました。ところが、一生懸命説明をしていると、その近くに外国人のガイドがやってきて、そこの周りにも多くのお客さんがいらっしゃる。要するに、専門的な通訳ガイドの話を聞いて、自分が連れてきた観光客に説明をしていると。つまり、楠木正成公というのは、皆さん御承知のように、室町幕府そして北朝に反抗したということで逆賊の扱いを受けておりましたけれども、しかし織田信長が天下を取って評価が一変をして、さらに徳川時代になると、室町時代には逆賊であったと言われていたのが今度は忠臣、忠実なる臣下というような評価がなされました。 そのように通訳ガイドの仕事というのは非常に複雑な専門的な知識を要しているわけですけれども、一般的には通訳ガイドと言われておりますが、通訳案内士、これは十か国語、そして今では約一万二千人が登録をしておりますけれども、一般的には通訳ガイドと言われておりますけれども、世間一般にはなかなかなじみの少ないこの通訳案内士とは何なのか、そのことをまず御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(武藤浩君) お答えをいたします。 今議員御指摘のように、訪日する外国人に対して正確な情報を発信をしようということから、さらに接遇の向上、あるいは国際観光の振興に寄与と、そういうことを目的として今から六十年以上前、昭和二十四年に創設された国家資格でございます。 この制度では、外国人に対し外国語で有料で旅行に関する案内を業として行う場合に、国土交通大臣が実施する通訳案内士試験に合格する必要があるということになっております。正確な情報発信をする必要があるということから、通訳案内士試験は、外国語のほか日本地理それから日本歴史、それから一般常識として産業、経済、政治及び文化、そういう一般常識を問うまず筆記試験がございます。筆記試験に合格した方に更に口述試験を行うということで試験を課しているところでございます。 非常に難しい難関の試験だというふうに言われておりまして、昨年の合格者数九百三十二人ございますが、合格率が一二・九%と、そういう試験で正確な情報発信を担保しているということでございます。
○有田芳生君 今御説明いただきましたように、非常に難しい国家試験を通過をして通訳案内士になられる方が、登録した人で今全国で約一万二千。今御説明いただきましたように、昨年は一二・九%しか合格しておりません。この数年間を見ても、平成十九年には九千二百四十五人試験を受けたけれども、二〇・六%。毎年、この二〇・六%というのは最近ではピークであって、大体一二%から一三%しか合格しない難しい試験。今日は実は日本史と地理の試験問題を持ってきたんですが、時間がないんで御説明、御紹介はいたしませんけれども、大学受験の試験よりも難しいようなことだけではなくても、先ほど御説明しましたように、楠木正成公についても、専門的な知識がないとなかなか説明ができないようなことを分かりやすい言葉で日常業務となさっているのが通訳案内士なわけです。 一方、平成十九年から地域特定の通訳案内士という制度ができましたけれども、これはどういう制度なんでしょうか。
○政府参考人(武藤浩君) 地域限定通訳案内士につきましては、まず、現在の全国一律のガイドが今先生御指摘のように一万二千人と。これから一千万人あるいはもっとたくさん外国人に来ていただこうという中で、まず絶対的に数が今足らないというふうに考えております。加えて、英語の語学の資格を取っている方がもう三分の二以上おられまして、一方で、訪日外国人の三分の二以上は韓国語、中国語の外国人でございます。そういうことから、地域において外国人旅行者の誘致に熱心に取り組もうと、そういうところで地域限定の通訳案内士の制度を平成十八年に創設したというところでございます。 この地域限定通訳案内士の試験につきましては、全国の通訳案内士試験に倣って都道府県知事が試験を実施をいたしますけれども、試験内容については当該都道府県の区域内に限定をして、例えば地理とか歴史とか、そういったことについて試験を行っております。その結果、合格した場合にも、当該都道府県の区域内に限って外国人に対して通訳案内業務を行うことができると、そういう制度でございます。 今年の四月一日現在で合格者全体が三百三人にとどまっているという現状でございまして、都道府県についても北海道、岩手、栃木、静岡、長崎、沖縄の六道県にとどまっているということでございます。付言いたしますと、これについても難しい試験ということで、合格率が昨年でも一二・六%ということになっております。
○有田芳生君 通訳案内士という国家試験で大変な難関を通って約一万二千名の方が今登録をなされていて、さらに地域限定の通訳案内士ができた。そしてさらに、今度の総合特区法案の中で新たに総合特区通訳案内士というものがつくられようとしておりますけれども、これはどういう仕組みになっていますでしょうか。
○政府参考人(武藤浩君) 今回法案に盛り込まれております総合特区の通訳案内士につきましては、都道府県が研修を行います。十分な研修を行った者に対して特区限定の通訳案内士の資格を与えようという制度でございます。
○有田芳生君 昨年の八月から募集がなされていると伺っておりますけれども、具体的にどういう都道府県で、あるいは特徴的にどういう特区が想定されていますでしょうか。さらに、その特区で研修を行う場合、そのカリキュラム、内容について骨子は明らかになっておりますでしょうか。
○政府参考人(武藤浩君) まず、地域からのアイデアの募集につきましては、昨年の七月から九月にかけて内閣官房がこの制度の設計に先立って募集を行っておられます。 私どもが承知しているところによりますと、例えば福岡県などを中心とした福岡・アジア国際戦略特区推進協議会と、それから福岡市からは、クルーズ船の旅客に対して、例えば中国からのクルーズ船の旅客に対して、外国人留学生が必要な研修を受けてその域内で限定的に観光ガイドを行うことを可能とする、そういう趣旨の提案がございました。 また、その一方で、外国人留学生だけではなくて、例えば大阪府と泉佐野市からの提案によりますと、日本人であるボランティアガイド、こういった方が現在無償でやっているものをこの制度を使って有償でガイドができるようにしよう、そういう提案もなされているところでございます。
○有田芳生君 通訳案内士が大変な試験を通ってこられた方に対して、今度の総合特区法の第二十条の第二項では、通訳案内士法第二条に規定する通訳案内を今度の総合特区通訳案内士の規定とされております。つまり、業務内容は一緒である。しかし、次の第三項を見ますと、通訳案内士法の規定を適用しないと。その次、第四項に、研修を修了した者が総合特区で通訳案内士になることができる。 つまり、大変な資格である通訳案内士さんとは違って、今度の総合特区の法案が通ると研修で通訳案内ができるようになるという。これは、これまで試験を通ってこられた方々の権利を侵害するのではないかというような不安をお持ちの方が多くいらっしゃるんですが、そこのところ、格別な配慮というものは今後なされる御予定はありますでしょうか。
○政府参考人(武藤浩君) 済みません、先ほどの御質問に一部お答えできませんで。その点につきましては、研修をしっかり行うということで担保したいと思います。 ただ、観光庁から今一律にこういうカリキュラムでということは出しておりません。これはまた地域それぞれにその地域の特色を生かした研修内容が必要だということで、各地域の提案を待って、私ども、この法律に定める協議手続、そういったところで内容は十分に担保したいと思っております。 ただ、私どもが考える研修の内容といたしましては、当該特区の中の地理、歴史の知識のほかに、例えば特区の中で特色のあるお祭りですとかいろんなイベントですとか、そういったことに関する知識もありますし、また、人との付き合いという意味ではホスピタリティーあるいはガイディングの技術、さらには旅行の旅程管理、そういったことも研修に含まれるということを想定をしているというところでございます。
○有田芳生君 難しい国家試験を通ってきた通訳案内士さんたちに比べて、総合特区においては研修だけで済んでしまう。これで果たしていいのだろうかというふうに思ったときに、もちろん研修をなさって、その上で到達度を評価するというような、そういう方向を考えていただくことはできないでしょうか。
○政府参考人(武藤浩君) 研修を正確に修了する必要があるわけでございますので、研修内容をしっかり修了した方がその資格を得られるという制度を設計していくべきものだというふうに考えております。
○有田芳生君 もう一点、通訳案内士法の第三十六条「通訳案内士でない者は、報酬を得て、通訳案内を業として行つてはならない。」とありますよね。その次の通訳案内士法の第三十七条では、「通訳案内士でない者は、通訳案内士又はこれに類似する名称を用いてはならない。」とある。そうすると、今度の総合特区法案の中で研修を受けた方が総合特区通訳案内士というような名称を受けると、本当に難しい試験を通った方々との混同が行われてしまう可能性は極めて高いと思うんですが、そういうおそれに対してどのように対処されますでしょうか。 あるいは、通訳案内士あるいは地域限定通訳案内士、そして今度総合特区通訳案内士ができたときに、外国人の方々に、例えば外国語表記をする場合に、この通訳案内士というのは本当に大変な試験を通ってこられたんだよというようなことを周知徹底する必要が通訳案内士法の規定からいって必要ではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(武藤浩君) まず、従来の全国の資格である通訳案内士、これは非常に専門性も高く、引き続き重要な資格だと考えております。今回この特区の制度で設けられる総合特区の通訳案内士と、言わば車の両輪として活躍をしていただこうというのが我々の考え方でございます。 ただ、一方で、委員御指摘のように、難関の試験の通訳案内士と、それで一方で研修修了の特区の案内士ということもございますので、法律上は総合特区通訳案内士という名称でございますけれども、例えば特区ガイドとかそういう適切な通称、これについては考えていきたいなというふうに今考えております。
○有田芳生君 観光立国を目指して、新経済成長戦略の下で、例えば医療ツーリズムなども今後発展させていかなければいけないというふうに考えております。 しかし、残念ながら、東日本の大震災の大きな影響で観光客がとても減っていて、三月十二日から五月三十一日までには前年比六〇・七%観光客が減っていると。そういう下で、やはり通訳案内士、それから特区の通訳案内士というものがこのようにこれからもできていくとするならば、観光立国を今後発展させる上で裾野はどんどん広げなければいけないんだけれども、まずもって国家資格を持っていらっしゃる通訳案内士の方々の権利をまず保障するという、そういう体制を取って裾野を広げていくということが大事だというふうに思いますが、最後にその件について、今後のイメージを教えていただければというふうに思います。
○政府参考人(武藤浩君) 先ほど申し上げたように、全国の資格を持った通訳案内士と今回の特区のガイドということは車の両輪だと、そういう考えは申し上げましたけれども、これまでの既存の通訳案内士の方々に対しても、ブラッシュアップをするための研修ですとか、そういったことを私ども既に行っております。そういうことで質を高めながら、かつそれぞれの特色を生かして訪日外国人の増加に対応していただきたいというふうに考えております。
○有田芳生君 時間ですので終わりますが、とにかく通訳案内士の権利を基本にしながら観光立国を更に進めていっていただきたいと思いますし、私たちもそのために努力をしたいと思っております。 ありがとうございました。
○宮沢洋一君 自民党の宮沢でございます。 今日は初めて、片山大臣、私の大学の同級生でありますけれども、一時間しっかりと議論をできる時間をいただきました。 特区法案に入る前に、こういう大切な時間をいただいたわけでございますので、少し公務員給与について片山大臣に質問をさせていただきたいと思っております。 この国会に政府は国家公務員法の改正を出され、それと同時に給与法の改正、引下げの改正を出されているわけでありますが、その前に、報道等によりますと、大臣は組合と随分交渉をされているという記事を読み、また、これは五月十六日付けですが、公務労協情報ナンバー三十二辺りには詳しくこの交渉の状況が書かれているわけでありますけれども、正直、私は大変その報道にびっくりしまして、少なくとも今の公務員法においては、団結権はあっても協約締結権は公務員に認められていない、そういう状況にもかかわらず担当の総務大臣が組合と交渉をする。また、公務労協とは合意に達したと言われておりますけれども、そういうことが何でこの法制度下で行われるかということが大変不思議でありまして、大臣、どういうおつもりでやられたのか、教えていただきたいと思います。
○国務大臣(片山善博君) 国家公務員の給与の引下げ問題は、遡りますと、昨年の十一月に当時の人事院の勧告を処理するという作業を行いまして、そのときは人勧の完全実施をやったわけです。マイナス一・数%であります。そのときに、実はそれまでの政権の基本的な方針、考え方もありまして、もっと深掘りをすべきではないかという議論があったわけでありますけれども、そのときは人事院の勧告どおりにしました。 ただ、その際に、併せて閣議決定をいたしまして、この度は人勧どおりに処理するけれども、これを更にいわゆる深掘りをする作業を進めて、それを来る通常国会、この通常国会でありますけれども、これに必要な法案を提出するということも閣議決定をいたしました。 それが出発点でありまして、したがって、それは従来の人事院の勧告を受けてそれを処理するというやり方ではなくて、臨時異例の措置で給与の引下げをするという方針を固めたわけであります。 そうだとすると、組合との間に、確かに労働協約を締結するという関係にはありませんけれども、しかし多くの公務員の皆さんの理解と協力を得ることが望ましいことは申すまでもないことでありますので、多くの公務員の皆さんの利害を代弁していると考えられる組合との話合いを真摯に行うということは必要ではないかということでありました。 自来、いろいろ内々の話合いでありますとか意見の交換でありますとか、そういうことをやりまして正規の交渉というものをやったわけであります。これはしかし労働協約締結権を前提にした交渉ではありません。あくまでも話合いでありまして、その結果、一部の組合との間には一応の合意が得られた、しかし他の一部の組合との間では合意が得られなかったという、そういう結果に終わりましたけれども、その過程を大切にしたいと思って交渉してきたわけであります。
○宮沢洋一君 経緯はよく分かるんですけれども、法律的に言って、協約締結権がない状況で大臣が、まさに交渉と公務労協には書いてありますけれども、交渉するというのは、ある意味で私は法律違反じゃないかと思っているんです。そして、合意に達したということは、協約締結権がないにもかかわらず、ある意味じゃ紙がない締結をした。要するに、契約自体は契約書があるなしにかかわらず口頭でもできるわけですけれども、そういった意味では、実は合意をしたということ自体も協約を締結したに等しいのではないかな、法律的に言うとと思っておりまして、法律的に本当に正しい行動をされたと思っていますか。
○国務大臣(片山善博君) 今、一般職の公務員は団結権があるわけでありまして、それから交渉ということになりますと、労働協約を締結するという意味での交渉権はありません。ありませんが、交渉というのはこれまでもやっているわけでありまして、今回もそういう意味での交渉をしたわけであります。 合意に達したというのは、決して労働協約を締結したというわけではありません、それはもう双方に労働協約の締結権はありませんので。したがって、交渉して事実上納得が得られたというか、理解が進んで納得が得られたということでありまして、その域を出ない。ただし、やはりこういうこれまでの公務員の給与の決め方、人事院の勧告を経てという、そういう従来のやり方とは違った異例のやり方をしますので、できる限り多くの公務員の皆さんの理解と協力を得るということは大切でありまして、その一環として行ったということであります。
○宮沢洋一君 大臣も私も法学部なわけですけれども、今のお話を伺っていますと、協約締結権が法律上認められていないのであるから協約締結ではないと、こうおっしゃったように聞こえたわけですけれども、恐らくそれは違うんだろうなと。事実上の私は合意ということは協約締結をしたに等しい、法律的にはほぼ同じ意味合いだろうと思っておりまして、この辺は更に今後、法律が参議院に回ってまいりましたときには公務員法の改正等々、しっかりと議論をさせていただきますけれども。 私は、やはり法治国家において、大臣がやったことは、政治的に必要だったかもしれませんが、法律的にはおかしいと思っています。法律的には恐らくおかしいことをやられている。そうした意味では、じゃ、何のためにこれをやったんだという話。経緯は説明されましたけれども、どちらかというと、組合側の方のニーズが多かったということなのかなと私自身は思っておりますが、その辺はお答えいただかなくて結構でございますが。 もう一つ、今回の話で申し上げたいことは、公務労協とは合意に達せられたわけですけれども、全労連とは合意に至らなかった。人数的に言えば公務労協の方が六万人ちょっと、全労連の方が四万六千人ぐらいの組合員がいますが、公務労協の中で一番大きいのは国税ですから、その部分を引くともう三万人いらっしゃらない。一方で全労連は四万六千人。そういう中で、四万六千人の組合とは、話合いはしたけれども合意に至らなかった。 一方で、今回、政府の方は、協約締結権を付与する、労働側からいえば回復と言うらしいですが、付与することにしているわけですが、その中で、売りは交渉することによって給与を下げられるんだということを非公式にはいろんな民主党の関係者がおっしゃっていますが、今回、こういう震災の後というような大変厳しい経済状況、財政状況の中でも引下げということができなかった、大臣が出ていってもできなかった。恐らく、協約締結、まさに給与の交渉をして、下げるという交渉で納得がいくということはあり得ないんじゃないのかなと。 大臣は全労連と交渉されたわけですから、そのときに、この組合と話合いをして、いずれの日か給与が下げられることがあり得ると感じられましたか。
○国務大臣(片山善博君) おっしゃるとおり、交渉によって給与を下げる、下げるだけじゃなくて給与水準を決めるわけですから、一方的にいつも下げるという、そういうスタンスでは必ずしもないわけでありますけれども、交渉によって給与を決めていくというのは、ある局面においては非常に難しいということは事実であります。 今回も連合系の労働組合との間ではいろんなやり取りがありまして、こちらもいささか譲歩した面もありまして、お互い話合いの上で理解と納得が得られたということでありますけれども、国公労連との間には、残念ながら最終的な合意といいますか、最終的な理解と納得は得られませんでした。事ほどさように非常に難しいことだとは思います。 ただ、やっておりまして私は非常に有意義だなと思いましたのは、やはりかなりじっくり詰めた議論をしますので、相手のおっしゃっていることにも耳を傾けます、こちらの言い分にも耳を傾けてもらいますけれども。その中で、これはどちらの組合がということではありませんが、共通することですけれども、例えば一〇%下げることを基本にするということで臨んだんですけれども、やはり若年の公務員の皆さんのことをもっと配慮すべきではないかということもありまして、それはなるほどそうだということで、その階層は五%にとどめるということにしたりしました。あと、例えば超過勤務手当がきちっと払われるような、そういう環境といいますか条件を総務大臣としてきちんと整えてもらいたいというようなこともあったりしまして、それは私の方から各省の大臣にお願いをしたりしました。 その他いろんなことがありまして、なるほどと思うようなことは、今回の交渉の結論ということではなくて、理解を我々の方もしたわけでありまして、そういうことを積み重ねていくことによって双方の信頼関係がこれから生まれるんではないかという、その一つの糸口になったんではないかと思います。
○宮沢洋一君 別に交渉の経緯を伺ったわけではなくて、全労連と交渉をされて、今後、将来的にこの組合と給与の引下げの交渉をして納得してもらえるような感触はあったかということを伺っているんです。
○国務大臣(片山善博君) それは交渉事でありますから、これからのこと、これ法律が通ったとした場合、交渉によって物事を決めるということになりますけれども、いろんな要素が多分混じり合ってくると思います。労働条件といっても給与だけじゃありませんので、いろんなことがやり取りをされると思いますし、それから財政事情に対する理解というものも、恐らくしっかりとした交渉をすればある程度の理解は進むんだろうと思いますので、それはこれからのやり方次第だろうと思います。
○宮沢洋一君 そうしますと、今回、全労連と話合いが付かなかったのはどういう理由で付かなかったんですか。
○国務大臣(片山善博君) これはいろいろありまして、そもそも原理原則論からいって、現行法は、公務員というのは労働基本権を制約されているので、その代償措置として人事院というものがあって、その勧告を基本的に尊重するという仕組みになっているでしょうと。それはそのとおりなんです。そうはそうだけれども、財政事情とかその他の事情によって、今回、臨時異例の措置をするのでという我々の主張なんですけれども、そこがそもそも法律改正前にそういうことを先取りするということに対する異論がありましたので、入口からかなり険しい意見の相違があったということであります。 ただ、何回か交渉を私含めてやっておりまして、決して、最終的な合意には至りませんでしたけれども、当方の言うことにも一理か半理かあるというぐらいの認識はしていただけたんではないかという、こちらが一方的に考えております。最後は決裂はしましたけれども、円満裏に決裂をしたという印象を私は持っております。
○宮沢洋一君 片山大臣のお人柄で随分向こうも、軟化をもうちょっとしてくれればよかったのかもしれません。 一方で、この公務労協と交渉をされているときに、公務労協の幹部というのはほとんど自治労とか日教組の方、地方の公務員がほとんどなわけですけれども、地方の組合出身の方と国家公務員の給与について話し合うということについて違和感はありませんでしたか。
○国務大臣(片山善博君) 我々が交渉をしましたのは棚村さんがトップでありまして、国公の出身の方でありまして、専ら国家公務員の労働組合の関係の皆さんと交渉をしました。当然、その中には地方公務員労組の関係の方もおられましたので、そこで意見を交える、意見を伺うということもありましたけれども、正式な交渉というのは国家公務員の労働組合の皆さんと行ったわけであります。
○宮沢洋一君 この公務労協の情報を見ていますと、やはり一番気にしているのは、地方公務員にこの国家公務員の給与引下げが波及しないかということがどうも一番関心事項のようでありまして、そういう中で大臣はいろいろ約束したと書いてあるわけですね。これまでの話合いで地方公務員についてその影響が及ぶことはないと約束してきた云々というようなことがあるわけですけれども、地方公務員について、例えば、この中で大臣は、地方公務員の給与というのは労使で真摯に話し合って決めるという給与決定原則に従うべきと、こういうような発言をされておりますけれども、地方公務員の給与というのは労使で真摯に話し合って決めるという原則なんですか。
○国務大臣(片山善博君) 地方公務員の給与の決定原則というのは給与条例主義でありまして、国が給与法定主義と同じように給与条例主義でありまして、最終的には自治体の議会の条例で決めます。その決める際の方式としては、国に人事院があるように、自治体、県には人事委員会がありまして、その人事委員会が必要に応じて勧告をして、それを基本的に尊重しながら決めるということなんですけれども、その過程でやはり労使、これは交渉権、労働協約締結権という意味での交渉権はありませんけれども、やはり真摯に話し合って、その上で必要な条例案というものを議会に出す、こういう仕組みになっておりますので、そのことを申し上げたわけであります。 何が言いたかったかといいますと、我々が交渉をしましたのは、我々が話合いをしましたのは国家公務員の給与の問題であって、地方公務員の給与はそれぞれの自治体において決めることで、それはその自治体の議会で決める、その前に前提としてよく労使で真摯に話し合うということではないかという、こういう基本原則を申し上げたわけであります。
○宮沢洋一君 人事委員会までおっしゃったわけですが、その前提で地方公務員法という法律が当然あるわけで、大臣もよく御存じだと思いますけれども、二十四条に、「職員の給与は、生計費並びに国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定められなければならない。」と書いてあって、働いている人、組合員と真摯に交渉をするとか納得を得るということは一切条件になっていないわけです。 そういうことに基づいて人事委員会が提言をする、そしてそれは条例として決めなければいけないという中で、私は、正直言って、こういう法制度の中で大臣が、組合との間だったからかもしれませんけれども、労使で真摯に話し合って決めるという給与決定原則という言葉を使われたというのは大変残念なんです。法律的にはそうではないわけでありまして、もちろん話合いというものを否定するものではありませんけれども、給与決定原則というのは、原則は地方公務員法に書いてあるこれだと私は思っておりますけれども、いかがですか。
○国務大臣(片山善博君) いや、それはそのとおりであります。さっきも言いましたように、地方公務員の給与はそれぞれの自治体の条例で決める、議会の条例で決める。ですから、給与条例決定主義でありまして、給与交渉決定主義ではありません。 そのことを明確にした上で、ただ、やはり労使というのは常に真摯に話し合うということは、これは日常的には必要でありまして、給与の必要な条例案を出す際も、やはり使用者側が一方的に条例案を出すのではなくて、その間によく労働側の意見も聞くということは、これは私はあっていいと思いますし、私も知事のときにそういうやり方をしておりました。 ただし、あくまでも交渉で物事を決めて、交渉で決まったものはそのまま自動的に条例を通すという、そういうものではありませんので、あくまでも最終的には労使で話し合った結果の妥当性、是非についても議会がそれを吟味して、その上で議会が決めるという、これが原則であります。
○宮沢洋一君 それでは、少なくとも組合側の方は、片山総務大臣は次のとおり回答したという中に、地方自治に基づき労使で真摯に話し合って決めるという給与決定原則に従うべきと考えている。その前段は、地方公務員に同様の削減を求めるつもりはないと、こうあるわけですけれども、労使で真摯に話し合って決めるという給与決定原則に従うべきというのは、ある意味ではこれは大臣が話したことを曲解して公務労協が情報として流しているということでよろしいわけですか。
○国務大臣(片山善博君) そのビラといいますか、あれをよく見ていませんので分かりませんが、私が再三申し上げているとおり、組合との話合いのときにも申し上げたのは、地方公務員の給与は国が決めるものではありませんということ、これが一つです。あくまでもそれは条例で決めるものですと。ただ、その条例で決める際に、使用者側が一方的に条例案を出すのではなくて、やはりそれは労使でよく真摯に話し合って、その上で必要な条例案というものを出して、それで最後は条例で決めると。 そこの言った趣旨で一番大事なのは、地方公務員の給与を国が決めるということではありませんということ、その文脈の中でのそれは発言で、それをどの程度正確にそこに登載されたのかはよく分かりませんけれども、私が申し上げた趣旨はそういうことであります。
○宮沢洋一君 給与決定原則なんという、まあ原則と書いてあるものですから、今の大臣の答弁のようなことであれば、恐らくこれが間違っていたんだろうというふうに思います。 今、地方公務員の給与の話になっているわけでありますけれども、この中で大臣の提案ということで書いてありますのは、我が国は厳しい財政事情にあり、特に今般の東日本大震災への対処を考えれば更なる歳出削減は不可欠となっており、国家公務員の人件費についても例外ではないと考えているということを提案をされているということであります。一方で、地方公務員の給与の具体的水準については、当然おっしゃったように、各自治体において、そして条例で決めるということであって、国が決められるものではありません。 しかし、一方で国の方は、今の地方の財政状況厳しいということで、地方財政計画を作って、そして歳出が歳入を超える分については簡単に言えば半分交付税で見ると、こういう措置をしているわけであります。地方公務員の人件費は、たしか今年の地財計画でいえば二十一兆を超える額。国家公務員一〇%削減ということであれば、地方が具体的にどうするかは別にして、やはりその足らず前を国が見ているわけでありますから、例えば二十一兆の一〇%、二兆円をその地財計画ベースで削れば交付税は一兆円減るわけであります。 大変厳しい財政事情で、やはりそこまで考えるのは国としては私は当然だと思いますけれども、いかがでございますか。
○国務大臣(片山善博君) 国と地方との給与の比較でありますとかその在り方を論ずるということは当然必要なことだとは思いますが、決して一律に論ずることはできないと私は思います。 といいますのは、今回法案として提出しておりますのは、基本的に一〇%を三年間という提案なんですけれども、例えば私が鳥取県で知事をやっておりましたときに、もう既にそれに類することはやっているわけであります。もちろんやっていないところもありますけれども、多くの自治体では既にもう国に先んじて給与カットというのはやっているわけです。 そうしますと、今回、国は今まで基本的にはやっていなくて、基本的には人勧どおりやってきて、今回それとは違った深掘りをするといったときに、この時点で国が深掘りしたから全自治体が右へ倣えで深掘りしなさいよというのはこれは理屈に合わないことでありまして、やっているところはもう既にやっていますよということだし、やっていないところは、それは一つの政治的なメッセージとして、国もやったんだからそれはお考えになったらどうですかということはあるかもしれませんけれども、それはしかし強制でもないし、しかも、さっき言ったように、全ての自治体に現時点で自治体の差を全く考慮しないで一律にやりなさいなんてことは、私はこれは取るべきではないと思います。 それから、そもそも、さっきからありますように、自治体の職員の給与というのは条例で決めますので、その条例で決める際の決定原則は、さっきいみじくもおっしゃったように、生計費、それからその地域の民間の給与、それから他の自治体の職員の給与水準、それからもう一つ、国家公務員の給与水準というものを勘案して決めるということになっていますから、そういう決定原則にのっとって、国家公務員の給与水準を一つの参考にしながら決められるという、それを見守るというのは私は国と地方との分権的といいましょうか、地域主権改革的といいましょうか、そういう対応だと思います。
○宮沢洋一君 分かっていてお答えいただいていないわけですけれども、個別の自治体の話を聞いているわけではないんです。個別の自治体の給与の総計が地財計画に載っているのであればそういう話があるかもしれませんけれども、地方財政計画自体でいえば、ある意味じゃ目の子で決めているような話があって、その中で二十一兆余りという人件費が計上されている。 国が厳しいから国家公務員の給与を削るのであれば、国が厳しいから地方に行くお金を削るということは私は同じ意味合いだろうと思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(片山善博君) 地方財政計画というのは、まあ目の子で決めると言われましたけど、理論的に言うと、これは積み上げなんですね。地方財政計画というのは歳出と歳入の見込みですから、来年度どういう見込みになるかということを国で推計するわけです。その際の見込むときには、各自治体の給与水準がどうなっていて、それを積み上げればこうなるという、そういう帰納的なやり方をするわけです。 そういう意味で、先ほど言いましたように、既に鳥取県なんかも含めて給与水準を下げたところは、その下げたものがもう既にこれまで見込まれているわけです。ですから、そういう経緯も当然尊重しなければいけませんし、それから今後のことになりますと、既に例えば、まあ良しあし別にしまして、ある自治体などは国が一〇%下げるのならば下げようというところも出てきております。いや、もっと下げるべきだと言っているところも出てきています。それは私は良しあしは論じませんけれども、そういうことがもし起こるとすれば、それは翌年度以降の地方財政計画に恐らくそれが見込みとして反映されると。 そういう形で調整されるのが国と地方との財政関係の本来の在り方だろうと思います。国が下げたから、しかも、これは人事院勧告とは違った別の臨時異例のやり方で下げたから、一律にみんな自治体も、労使の交渉もしていない自治体に一律に国と同じ結果だけを押し付けるということは、財政上追い込むということも含めてそれは取るべきではないと私は思います。
○宮沢洋一君 地方財政についてある意味で半分国が援助をしているような状況下で、当然、大震災以降大変厳しい財政事情になっているという中で、私はやはり、有権者、国民の声としても、国家公務員が下がるのであれば地方公務員も当然下がるということは恐らく大きな声だろうと思っております。その点が大臣と認識が違うのかもしれませんけれども、この辺についてはまた今後いろいろ質問をさせていただきたいというふうに思っております。 それでは、時間もあと三十分ちょっとになりましたので、この後は少し優しい調子で法案について伺いたいと思っております。 この特区法案、私は、こういう特区というものは、特に構造改革特区の限界がある中で、今後の日本ということを考えたときには大変大事な法律だと思っております。大事な法律であり、やはり日本の将来の姿というものを早く描かなければいけない。 今回の震災の復興基本法につきましても、私は自民党案を作った人間でありますけれども、その中で、二十一世紀半ばの日本のあるべき姿を描くこと、これを国の責務という形で規定し、最終的に修正案にも入れていただきましたけれども、やはり曲がり角にある日本の将来をしっかり見据えながら、今から将来に向かって線を引くのではなくて、やはりしっかりとした未来というものを描きながら、それに向けてどういう努力をしていくかということが大事であり、そういう中で特区というものは大変いい道具だろうというふうに思っております。 ただ、正直言って、新成長戦略の中に位置付けられ、そういう曲がり角の日本にあるにもかかわらず、若干、この程度で正直言って大丈夫なのかなと。それは財政的な、税制上又は予算の優遇があるというのはこれまでなかったことではある一方、本当にこの程度で大丈夫なのかなと。例えば、法律の特例にしても、先ほど有田委員から質問があった、最初に出てくるのが通訳案内士ですか、法律のいろいろ事項をするといったときに、特区とうたいながら最初に出てくる法律が通訳案内士じゃ、これ、日本、本当に大丈夫かなというのが正直な印象でありまして、そういう中で、もう一つ大震災という大きなファクターが出てきたわけです。 松下副大臣、来られているので、そちらから先に質問させていただきますけれども、恐らくこの特区法案を作ったときには予想もしなかったような状況になっている。そして、特に、この震災がいつ復旧し復興していくか、急いでやらなければいけないことですけれども、電力の問題というものが大変大きくこれから日本の社会、経済にのしかかってくるんだろうと思います。 先週の一般質疑でも与謝野大臣と少し話をさせていただきましたけれども、今回、福島等々の話があって、東電は、夏の電力、ともかくかき集めかき集め、何とか恐らく量的には見通しが立つ段階まで来ていますけれども、その代わりに重油発電まで、大変コストの高いものまで総動員してやるということで、一説には、東電側からの情報だろうと思いますけれども、それだけで、燃料費だけで八千億ぐらい追加で掛かるというようなことが言われておりますけれども、日本全国本当は伺いたいんですが、東電だけでもどの程度のコストアップ要因になるんでしょうか。
○副大臣(松下忠洋君) 委員が御指摘のとおり、福島で起こっている深刻な事態というのは我々に多くのメッセージを伝えてきていると思っています。原子力発電所に対する考え方、同時に、広くエネルギーをどういうふうな形で供給していくのか、大変深刻な問題で、我々も真剣に考えなきゃいかぬと、こう思っておるわけです。 中長期的にはいろいろな議論がありますけれども、短期的に、今御指摘のとおり、この夏どういう形で乗り切っていくのかという大変深刻な事態がまた目の前にあります。今、原子力に代わって、今度は化石燃料等に代えて乗り切ろうとしています。そのことで東京電力の中でも全体で約七千億から八千億円ぐらいの燃料費が増加すると。全体が大体二兆円ちょっとでございますので、やっぱりかなりの規模になるんだなと、こう思っております。 それから、やっぱり電力関係の需給ですけれども、東京電力関係、大変努力して今やりましたけれども、昨年並みのピークを想定した場合には、ちょっと数字ですから見ますけれども、最大想定需要が六千万キロワット、供給力が五千三百八十万キロワット、これは広野の発電所だとか、あと火力等を今力を尽くして努力していますけれども、今かつかつ、もう少し努力する必要があるのかなと、こう思っているところでございまして、一層の節電あるいは省エネ、一般家庭に対するお願い等、今力を尽くしてやっているところでございます。
○宮沢洋一君 それだけのコストアップ要因でありますが、先週枝野官房長官にも質問させていただいたところでありますけれども、なかなかその辺、恐らくこれからいろんなものを賄っていくことというのは税金と料金しかないはずですけれども、料金がどう上がるかということについては政府は今のところ口を濁しているというような状況。ただ、恐らくこの八千億といったような部分は、どう考えても転嫁しないでやっていけるはずはなくて、それ以降の部分についてはいろいろお考えがあるのかもしれませんけれども、その八千億が料金に転嫁されると、一説によると二割近く料金が上がるというふうに言われています。 これからのまさに産業ということを考えたときに、特に産業用のところの上げる限度というのは恐らくあるんだろうなと。そうは上げられない、ということは、一般家庭にどの程度負担がお願いできるか。これもある程度限度がある。となると、残りは何だったというと、税金しか恐らくないんだろうと思いますけれども、なかなかそういう議論が前に進んでいないというのが今の状況だろうと思います。 端的に副大臣に伺いますけれども、このような電力のコストが上がるという状況の中で、日本に産業を引き止めておく自信はおありですか。
○副大臣(松下忠洋君) 大変厳しい御質問ですけれども、今まで為替の問題とか、あるいは内外価格差の問題とか労働力の問題とか、いろんなことがあって四重苦と言われていたんですけれども、この前、経済産業省の審議会の企業トップの人たちと相当熱い議論をしましたけれども、今もう七重苦になっていて大変つらいということで、このままでいきますと外に出ていかざるを得ないということをはっきり言っておられます。この前、米倉会長もそういう発言されておられましたけれども、我々はそういうことを少しでも引き止めて、こちらでしっかりと起業をしてもらうようなふうにしていかなきゃいかぬと、こう考えております。 雇用の問題にかかわります。外に出ていって、元気がいいんだなという話とは全く違うわけでございまして、そこを我々は真剣にこれから考えていかなきゃいかぬ。中の改革、税制の問題含めて企業がしっかりととどまるような企業環境、これに努力しなきゃいかぬと、そう思っています。
○宮沢洋一君 今副大臣がお話しになったような状況がこの三月から生まれている。この法律が提案されているときとはまたかなり状況が違ってきている。そういう中で、最初にこの程度で大丈夫かという質問になるわけですけれども、相当私は、数を絞るとか集中してやっていかなければ、今のような電力料金ですら上がるような状況の中で、大変効果を発揮しにくい状況が出てきているんじゃないのかなと思っておりますが、これでも何とかいくんだ、大丈夫だという、恐らく大臣はそう思われているんだろうと思いますが、その意気込みといいますか、責任をひとつお話しいただきたいと思います。
○国務大臣(片山善博君) この程度で大丈夫かというか、完璧かと言われますと、それは必ずしもそうとは言えないと私も思います。出だしでありますので、例えば規制の緩和などもまだ十項目程度しか出ておりませんで、その最初のトップバッターが先ほど有田議員が御指摘になったガイドの話であります。 でも、これでもう終わりではありませんで、これから総合特区の指定が行われまして、それでその後で国と該当の区域との間の話合いが、協議の場が開かれますけれども、その場で恐らくいろんな規制の緩和についての要請とか提案が出てくると思いますので、それについてこれから順次それを規制緩和していくということに、そういう構えにしております。ですから、出だしは共通項として、こういう言わば小ぶりと言われれば小ぶりかもしれませんけれども、これがそれぞれ花開いて拡大していく、走りながらこれを順次進化、改善させていくということだと思います。 あともう一つ、これは私は非常に画期的だと思いますのは、従来、国が自治体の事務に対していろんな義務付け・枠付けをしているわけでありますけれども、そのうちの取りあえず政令と省令で規制を掛けている、義務付け・枠付けをしているものについては、それは所定の手続を経た上で自治体の条例にその規制の主体を置き換えることができるという、こういう新しい手法も取っておりまして、これは私は非常に画期的な仕組みだろうと思います。地方自治をずっとやってきた者からしましても非常に画期的なことでありまして、こういうところもこれから大いに自治体の皆さんには生かしていただきたいということで、国も協力をしながらこれを是非発展をさせていきたいと思っております。
○宮沢洋一君 松下副大臣、もう経産省関係終わりましたので、どうぞ御退席を。
○委員長(松井孝治君) 松下副大臣におかれましては御退席いただいて結構です。
○宮沢洋一君 今、いわゆる上書きというんでしょうか、義務付け・枠付けを条例で外すという話が大臣から出たわけでありますけれども、当初、法律についても条例で上書きができるというか、変えられるといったようなことが随分検討されていたようでございますけれども、この法律には盛り込まれていませんが、これはどういう経緯があったんでしょうか。
○国務大臣(片山善博君) これはアイデアとして、規制緩和を一気に飛躍的に進めるための一つの手法として、法律で規制しているものを該当の区域については条例で上書きができるようにしたらどうかという、これも非常に画期的なアイデアで、かつ非常にアトラクティブでありました。私などのように地方自治をずっとやってきてライフワークにしている者からしましても、非常に魅力的なアイデアでありました。 ただ、私も、やはり冷静に考えますと、我が国の国法の体系の中で、国権の最高機関で国の唯一の立法機関と憲法に書かれているその国会が定めた法律を、地方議会が定める条例によって自由に改変できるという仕組みを導入することはなかなかこの憲法体制の中では難しいだろうと、私も冷静に考えて思います。これがアメリカのように連邦国家であって、州の州権というものが、ステートの州権というものが確立しているところと我が国のような国情とはやっぱり違うんだろうと思いました。 したがって、我が国の国法の体系の中でいいますと、やはり法律で規制したものは法律で解除するというのが、これが原則だろうと思いますので、多少手間暇は掛かりますけれども、必要な規制緩和というのは、法律で定められているものは法律で柔軟に解除していくという、そういう手法を取る方がいいだろうと思いますし、私も思いましたけれども、大方の関係者の皆さんがそういう意識、認識に至ったということだと思います。
○宮沢洋一君 ある意味で、大臣が結論として持たれたことは法律的には当たり前の話でありまして、憲法で、国会が唯一の立法機関であるということ、また地方公共団体のいろんな運営に関する事項は法律でこれを定めるとか、また条例についても法律の範囲内で制定できるとか憲法自身に書いてあるわけでありまして、その法律を条例で上書きするということが議論になること自体、正直言うと不思議でしようがなかったわけでありますけれども、思いは分かりますが、やはり法治国家としては当然の結論だっただろうと思います。 一方で、そういう、憲法で条例等々について書かれているわけでありますけれども、私は、この法律で、法律に基づいて政令で規定された規制を条例によって変更することができると、こうなるわけでありますけれども、これは何でこの憲法下で許されるんですか。私にはとてもそれすら許されないことではないか、現行憲法ではと思いますが、法制局から来られていると思いますけれども、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(近藤正春君) 今の憲法上の問題でございますけれども、大臣からも先ほど御答弁ございましたが、憲法四十一条との関係で、国会が唯一の立法機関であるということから、その委任に基づいたものをどういう範囲内で書いていけるかということで、その委任についてはやはり実質的に国会の立法権を没却するというような形で抽象的、包括的な委任は許されないと従来から解しておりまして、そういう判断基準で今回のものについても私ども審査をしたわけでございます。 今回の、政令あるいは省令で定められている規制、一回法律から政令、省令に委任された事項について条例で少し特例が書けるという形にしてございますけれども、基本的には法律によって一旦政令等に委任をされたということで、ある意味では執行する行政府の判断である程度具体的に定めていくべき事項であるということで、事務的であったり技術的であったり非常に細部にわたるものであったり、いろんなものがあると思いますけれども、委任が一回されたものでありまして、国会自身が常に決定していかなくてもよくて、行政府にある程度委ねたところでの範囲内のものでのマターに、事項に絞られているということが最大でございまして、そういったものにまず対象物を限定をしているということと、総合特別区域法では、そういったものについて具体的に条例に委ねるような範囲は、一応政令で定められているものは政令で、省令で定められているものは省令ということで、ある程度最初の授権を受けた政府の側において一応具体的な範囲を確定し、法律との整合性等を踏まえながらきちっと条例にお渡しをしていくという形で、そういう限定の中である程度は条例での特例措置の範囲を認めているという形にしてございまして、こういう形の制約の中であれば、基本的には私ども、憲法上の問題はないのではないかというふうに判断をいたしました。
○宮沢洋一君 判断の話ですからこれ以上申し上げてもしようがないのかもしれませんけれども、政令といえどもやはり法律に基づいて作られた政令でありまして、行政に委ねられている部分があることは間違いないわけでありますけれども、やはり四十一条の立法機関の立法の中に法律しか本当に入っていないと解釈でいいんですか、唯一の立法機関の立法の中に。
○政府参考人(近藤正春君) 今のは地方との関係でという御指摘なのか分かりませんが、そういう意味ではまさしく、先ほど申しましたように、法律で確かに定めてございますけれども、今回のものは、法律で、一旦政令での委任をしたものについて政令でまた決めた上で、ある程度法律に基づく政令で決めた上で条例に委任をしていくということでございますので、そういう意味では、全く法律の趣旨、まさしくこの法律においてそういう授権を政令にし、政令で条例に定めていくという形でございますので、そういう意味では法律が国会で定めるもの、そこの下にある政令、それに基づくものでその条例に授権をしていくということで、基本的な体系としては問題はないというふうに考えております。
○宮沢洋一君 恐らくいろいろ詰めていってもそれ以上議論は進まないんだろうと思いますけれども、私は、やはり憲法の四十一条で国の唯一の立法機関と規定してあることは大変重いと思っておりまして、今回はいろんな工夫はどうもされているところは分かるんですけれども、やはり一般に報道されるようになると、国が定めた政令を条例で上書きができるというふうな表現になってくると、かなりこう、まあこの表現自体が悪いんだろうと思いますが、本当に憲法四十一条の趣旨からいっていいのかなと今でも実は疑問に思っておりまして、これはこの辺で議論はやめさせていただきますけれども、法制局としては、やはり憲法というものをしっかり守っていくという立場から厳密な審査を今後やっていただきたいということだけ申し上げておきます。 それでは、時間もかなり迫ってまいりましたので、税制について少し質問させていただきます。 国税で税制の特別措置が決まっておりまして、恐らく今日委員会を通過したんだろうと思いますけれども、一つ確認でありますけれども、二つの流れがあるわけですけれども、進出した企業からしますと、一年目に特別償却又は税額控除を投資をした年でありますから利用して、二年目以降は、五年間ということですから、二年目から四年間、五年目まで所得控除を利用する、両方が使えるという理解でよろしいわけでございますね。
○大臣政務官(逢坂誠二君) ただいまの御指摘でございますけれども、先生御指摘のとおりの方向で問題はございません。ただ、それにはもちろん三つの条件にそれぞれ適用になる企業の場合はその選択の手法があり得るということであります。
○宮沢洋一君 一方で、国税については優遇措置が書いてあるわけでありますけれども、地方税については一切触れられていないというのが法律であり税法なわけですが、恐らく国税で手当てしたことによって玉突きのように地方税が減税になるという部分があるはずだと思いますが、それはどの辺になるんでしょうか。
○大臣政務官(逢坂誠二君) まず最初に地方税に影響のないものからお話ししますと、投資税額控除の制度の適用による法人税の減税分の地方税への連動はしないということで、ここは遮断をしてございます。 一方で、特別償却と所得控除制度でございますけれども、これはそれぞれの法人の損金を上積みするという仕組みになっておりますので、課税ベースになる課税所得そのものが変わってまいります。そうなりますと、地方税の課税標準そのものが変わってまいりますので、これは地方税に影響が出るということになります。 具体的に言いますと、法人住民税の場合は法人税額がこれ課税の基本になりますので、この意味で影響が出ると。それから法人事業税の場合は課税所得が課税ベースになりますので、この点でも影響が出ると、この二点でございます。
○宮沢洋一君 企業の側からいうと、所得に影響する特別償却及び所得控除は地方税も減税になってくるということをしっかりと企業には説明しておいていただきたいと思います。 一方で、地方が、これは恐らく地域活性化の方が大きいんだろうと思いますけれども、本気度を測って、ともかくやる気があるところに優先的に認定をしていくということのようでありますけれども、地方税、恐らく独自の減税をするということが本気度で一番分かりやすいところだと思います。 例えば、市町村であれば固定資産税ということになると思いますけれども、固定資産税を減免をして、それがそのまま交付税で増加するのでは本気じゃないところまで出てくるわけでありますけれども、ここはしっかりと、減税をしたところは交付税ではそれを補填しないということでよろしいのかどうか。
○大臣政務官(逢坂誠二君) 御指摘のとおりでございまして、交付税で補填する措置は設けてございません。
○宮沢洋一君 一方で、これ固定資産税というのは大変分かりやすくて、市町村は固定資産税という道具があるわけですけれども、都道府県の場合は余りその法人税絡み以外しかそういった意味で優遇する、本気度を示す税というのはないような気がしますが、地方の法人税をある程度減税するところは本気度が高いというふうに判断するおつもりなんですか。
○大臣政務官(逢坂誠二君) 本気度の判定というのはなかなか難しいところもあろうかと思いますが、市町村の場合は固定資産税というのは非常に代表的な例だと思います。都道府県の場合は法人事業税でありますとか不動産取得税なんかが法人に絡むものでありますので、それらも一つの例になろうかと思います。 あわせて、税以外でも、例えば都道府県が補助金を出すなどといったことも一つの例でしょうし、もう一つは、今伺っているところでは、都道府県が独自に条例を作ると、今回の特区を促進するためにですね、そういったこともある種の本気度の判定になるのではないかと思っております。
○宮沢洋一君 次に、これ九条に絡むんですけれども、九条に国際競争力強化の方針というものを総理大臣が指定する場合には決めると、こう書いてあるわけであります。国際競争力強化ということは、先ほどから申し上げていますように、今の日本にとっては大変大事なことであります。 国際競争力を強化するということは大変賛成なんですけれども、一方で、当然、この総合特区には日本の企業だけではなくて外資も参入できるわけ。そして、その地域からすれば、外資が参入することによって雇用が増えるというメリットはあるけれども、一方で、外資がいろいろな恩典を受けることによって、それと対抗する日本の企業が結果的にマイナスになるというようなことが理屈としてはあり得るわけですけれども、この辺はどういうふうに考えられていますか。
○大臣政務官(逢坂誠二君) 外資の問題については特区であるないにかかわらずいろんな議論があろうかと思っておりますけれども、今回の特区制度においては、外国企業においても対象とするということにされているわけです。 若干、自分自身の経験も踏まえて感じますところは、実は私がかつて町長を務めておりましたニセコエリアでは、十年と少しほど前から外国企業の投資が非常に盛んな地域になりました。最初はオーストラリアの企業が進出をしてきた。昨今ではアジア、マレーシアですとかシンガポールの企業なども投資をしていろんな事業展開をしているわけです。そうしたときにそれらを見てみると、外国企業が来たことによって、それまで日本の企業が持ち得なかった新たな目線を持つようになる。例えば地域の資源の活用についても、ラフティングとかアウトドアの楽しみとか全く違った目線でいろんなことをやっていくというようなことで、外国企業の進出はメリットがあるのかなというふうにも思っております。 しかし、加えて一方で昨今何が起きているかといいますと、外国資本による山林のある種の買占めのようなことが起こって、地域では土地そのもの、例えば水源地なんかがいろいろと心配な状況になるのではないかというふうに言われています。 それで、その段階に入って今何が行われているかと。条例でそういったものをある種少しルール化していこうというふうな動きが出てくるわけでありますので、外国企業が入ってくるメリット、あるいは様々な懸念というものを、いろんな知見の積み重ねの中で、今、ある一定の段階へだんだん発展してきているというふうに思いますので、この特区制度においてもそういった取組がこれからされていくべきではないかと思います。
○宮沢洋一君 私が質問している意味は、まあ、例は挙げてはいけないのかもしれませんけれども、簡単に言えば、サムスンの研究所が出てきて、そこでその地域の雇用には貢献するけれども、そこで恩典を受けて開発したいろんなものがシャープにはマイナスになると、こういうことが起こったときにどうするかという質問なんです。
○大臣政務官(逢坂誠二君) その点におきましては法の中で明示的に書いておりまして、法の八条ですか、我が国の経済社会の活力の向上、持続発展に相当程度寄与することというようなことも書いてございますので、こういったことに配慮をしながら最終的に法の運用がされていくべきと思っております。
○宮沢洋一君 それは、雇用だけではなくて、我が国企業の、特区に関係しないそれ以外の企業の競争力とも比較考量をすると、こういう意味ですか。
○大臣政務官(逢坂誠二君) 明示的にそのことを言っているわけではございませんけれども、そういったことも当然国としては配慮しなければならないというふうに思います。
○宮沢洋一君 私も質問しながら、大変難しい質問をしているなと思っているんですが、若干、そこまでやったら政府としては踏み込み過ぎじゃないかなと思いながら質問したんですけれども、余り表で話す話ではないかもしれませんが、しっかりとやっていただきたいと思っております。 それでは、恐らく最後になりますけれども、今回の特区、国際戦略総合特区と地域活性化総合特区とあるわけでありますけれども、やはりいろんな恩典があるのは国際戦略総合特区であります。先ほど一番最初の質問にありましたように、大変厳しい日本の状況の中でこれを何とか使っていかなければならない。そうすると、そんなにたくさんは指定できるはずはないだろうなと。特に震災後でありますから、震災前よりはもっと狭めて重点的にやっていかなければいけない話だと思います。恐らく、一つが成功してまた次を考えればいいぐらいの話かもしれません。 大臣としては、幾つぐらい指定しようと考えられていますか。
○国務大臣(片山善博君) これはあくまでも私は限定的だと思います。国際戦略総合特区という、国際戦略をにらみながら地域の育成を図っていくわけでありますので、そんなにあっちもこっちもということではないと思います。これからやってみないと分かりませんけれども、五つ程度ということを一つの目安にしたいと思っております。
○宮沢洋一君 恐らく昨年の暮れであれば五つでよかったのかもしれませんが、この震災後ということになると、私は正直、五つではとても多いような気がいたします。スーパー中枢港湾といって三つも指定したのが恐らく港湾行政の大きな間違いであったのと同じように、五つは少し大き過ぎるのかなということだけ申し上げまして、少し時間余らせておりますけれども、質問を終わらせていただきます。
○谷合正明君 公明党の谷合です。 私の方から、まず特区の指定のプロセスについて伺います。 先ほど大臣の方から、国際戦略特区は極めて限定的で五つ程度になるのではないかという見通しでございましたが、この国際戦略特区は、新成長戦略では大都市等と想定がされております。この大都市といったとき、どのレベルの都市をイメージしているのか、政令指定都市以上なのかというところがまず一つ。 それから、国際戦略特区の指定について、第八条については指定の流れが書き込まれております。この指定のプロセスの透明性をどのように担保していくのか、これが二つ目でございます。 それから、国際戦略特区と地域活性化特区共に指定に当たって考慮されることは、純粋に経済効果なのか、あるいは地域的な配慮というのがなされていくのか。この三点について、まず大臣に御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(片山善博君) 国際戦略総合特区は、それなりのやはり産業集積でありますとかその他の機能集積があることが想定されると思います、これ一般論でありますけれども。したがって、政令指定都市に限りませんけれども、ある程度の大都市機能を備えたところが通常は想定されると思います。 ただ、これは、必ずしもそこに最初からもう限定して、それ以外は駄目ですよと言うつもりは毛頭ありません。いろんな構想、アイデアが出てくると思いますので、仮に大都市圏以外の区域でありましても、要件に該当して、かつなるほどと思う案件がありましたら、それは指定するにやぶさかではないと考えております。 それから、その指定に当たってどういう手順かということでありますが、これは私は客観性と公正性ということが非常に重要になると思います。透明性の高い中でそれぞれの案件、プロジェクトについて評価を行って、その結果に基づいて選定をするということだろうと思います。しかも、それは役所の独り善がりとか一面的な見方にとらわれてはいけないと思いますので、広く有識者の御意見を賜りながらそれを結果に反映させていくという、そういうプロセスを取りたいと思っております。 それから、指定の判断基準で、純粋に経済効果のみなのかということでありますが、経済効果はもちろん重要でありますけれども、必ずしもそれだけにとらわれない、判断基準の一つではありますけれども、それだけにはとらわれないと思います。 先ほど来議論になっておりますけれども、例えば地域の、何といいましょうか、本気度といいますか熱意といいますか、取り組む姿勢でありますとか、それから、それぞれの地域が抱えております課題に対する、取り組むその有効性でありますとか、それから、そのプロジェクトが持っております先駆性でありますとか実現可能性でありますとか熟度でありますとか、そんなものを総合的にかつ客観的透明性の高い中で判断をしていくということになろうかと思います。
○谷合正明君 正式な提案がなされてから、客観性と公平性であるとか透明性だとか、様々な指標で選定されていくことだと思いますが、一つ地域活性化の方の話で特に私が思いますのは、これまで様々な地域活性化の取組はされていると思いますが、成功しているかどうか、その成功も一時的なものじゃなくて長期的にわたって成功しているかどうか、やはりそこはその中心者たるべき人物の存在というのが大きいなと。経験や熱意とか専門性であるとか、そういう中心者が必ずその場所にはいるというふうに私は思っております。 たとえいわゆる専門家であっても、単にほかの成功例を当てはめようとして失敗することは多々あるんじゃないかと思っておるわけでありまして、私は、地域活性化の人材の育成であるとか確保であるとか、そうしたことを政府としても支援していくべきではないかなと思っておるんですが、この点についてと、もう一つ、そうした人物がいる、そういう提案に対してしっかり評価をしていくべきではないかと思っておりますが、この二点について答弁を願います。
○副大臣(平野達男君) これから総合特区を指定していくわけでありますけれども、多分たくさんの地域から応募があると思います。 その指定に際しましては、先ほど総務大臣から御答弁がございましたけれども、有効性、先駆性、熟度、あるいは実現可能性、あるいは地域全体の熱意、こういったものを総合的に勘案してその地区を指定していくということでございまして、そういった計画を作るときに、恐らくは、その中にキーパーソンとなる方あるいは地域を引っ張る方、多分そういった方がいる地域ほどそういった具体的な計画が出てくるということだろうと思います。 ですから、その中でのキーパーソンになる、あるいはリーダー的な存在になる方のいるということは、私どもも非常に重要な要素だと思っていますが、計画全体の中にそれが色濃く反映されてくるということで、その計画を選定する段階で、その選ばれた地区がそういったことも内包されているというような位置付けで選定をしていきたいという、そういう考え方だということであります。
○谷合正明君 今の質問に関連しまして、今回の法案は総合特区でございますが、復興特区の方に対して私たち公明党は、人間の復興ビジョンということで、次のことを提案させていただいております。それは、街づくり等について専門的な助言を行う人材を国がプールして、復興支援アドバイザー、仮称でございますが、として被災した県の要請に基づき派遣する体制を構築するといったことを提言させていただいておりますが、この点について御答弁願いたいと思います。
○政府参考人(荻野徹君) 現在、政府の復興構想会議におきまして、いろいろ復興の青写真作りということで御議論をいただいておりますが、その中でも復興事業の担い手につきましては大変な重要なテーマとして議論をされております。 具体的には、地域住民のニーズをくみ上げる仕組みが不可欠であるとか、その際、地域のニーズに応じて住民を支援する専門家を円滑にマッチングさせる仕組みが必要であるとか、あるいは大学研究者や専門家、コンサルタント等の民間実務者など、多様な人材を活用することが考えられるのではないか等々の御議論がなされているところでございます。 現在、構想会議では提言の取りまとめをしている段階でございますが、政府としましては、今月末にも出されます提言を踏まえまして適切に対応してまいりたいと考えております。
○谷合正明君 総合特区の話でございますが、今の話は復興特区の話でありますけれども、総合特区の方におきましてもこうした人材の育成確保、この点についてはしっかりと進めていただきたいというふうに思っております。 次の質問は、PDCAサイクルについて伺います。 実施された総合特区の評価をどのように行っていくのかと。十五条、三十八条の報告の徴収、また十六条、三十九条の措置要求、これは構造特区と同様の規定をここに書いているわけでございますけれども、これだけでPDCAサイクルは適切に回るのかと。構造特区のときは、かつて株式会社立の大学の問題が起きたときに、PDCAサイクルが適切に回らなかったんだ、そういった指摘もございました。 今回、構造特区と同様の法文で書いているわけですけれども、これから、例えば国と地方との協議会にどの程度のPDCAサイクルを行わせるのか。また、評価結果を協議会ごとに定期的に公表するべきであると考えておるんですけれども、この辺りを含めて、このサイクルの在り方について大臣の答弁を願います。
○国務大臣(片山善博君) PDCAのような評価システムで、その評価を次の段階に生かしていくということは非常に重要なことだと思います。とかく、今までの国の施策で、地域指定をして何らかの特典を付与して、それに基づいて地域でやってもらうという場合に、指定倒れといいますか、認定倒れが多かったことは事実であります。そうあってはいけませんので、この度のこの総合特区についてはきちっとした評価システムをやはりビルトインしておくことが必要だろうと思います。 元々が、その指定というのが、非常に我が国の経済に寄与するとか、寄与することが見込まれるとか、それから地域の課題を解決するということが要件でありますので、そういうことをちゃんとこのプロセスにおいて実現しつつあるかどうかということを把握することは重要だと思います。 御指摘になりましたような国と地方との協議の場というのが地区ごとに、地域ごとにできますので、その中でちゃんと随時評価をして、それを次のステップに生かしていくという、こういうことをもう埋め込もうと思っております。その段階ごとに、要所要所では、その内容、概要というものを世間に広く公表するということも、これもやりたいと思います。
○谷合正明君 評価システムの具体的な話でございますけれども、総合特区通訳案内士制度、先ほども質問にありましたけれども、これは通訳案内士、それから地域限定通訳案内士と並んで三つ目の制度ができてくるわけでありますが、この制度を導入したときに、果たして訪日外国人のニーズをどの程度満足させたのかとか、あるいは結果的に外国人旅行者の増加につながっているのかどうか、それから、先ほど有田委員の方からも御指摘ありましたが、総合特区通訳案内士自体の実力の到達度はどうなっているのか、この辺りの評価をしっかりしていかなければならないと思うんですが、現在どのような評価、検証を考えているのか、御答弁願います。
○政府参考人(武藤浩君) お答えをいたします。 特区ガイドにつきましては、委員御指摘のように、養成方法が違いますので、そこはしっかりフォローアップをしていく必要があるというふうに考えております。 具体的には、特区ガイドのサービスを受けた訪日外国人に対して例えばアンケート調査を行って、説明内容がどうだったのか、満足度がどうだったのか、そういったことも調査をしようと思っております。また、特区ガイドのサービスの付いたツアーの造成状況、そういうものが訪日外国人の増加につながるものと考えておりますが、そういったことについても調査を行って、積極的に検証を行っていきたいというふうに考えております。
○谷合正明君 将来的に通訳案内士制度というものを観光庁としてはどのようにしていきたいと考えているのか。今回は地域を限ったということで総合特区に盛り込んでいるわけでありますが、そもそも全国的な制度の在り方についてしっかりとした議論がなされているのか、見通しがあるのか、この点について御答弁をお願いします。
○政府参考人(武藤浩君) まず、試験に通って資格を得る通訳案内士、これは全国一律の既存の通訳案内士とそれから地域限定の通訳案内士がいるわけでございますが、それに加えて、今回、特区のガイド、研修によって資格の付与される特区ガイドがあるわけでございます。これらは車の両輪として、いろんな訪日外国人のニーズに対応していただくような運用を期待をしているというところでございます。 この全国一律の既存の通訳案内士につきましては、非常に重要な機能を引き続き持っていただきたいと思っております。例えば、試験では、地理ですとか歴史ですとか、そういったことの知識を問うているわけでございますが、最近日本に来られる外国人の方々は、こういった日本の地理、文化だけではなくて、例えば食ですとかアニメですとかファッションですとか、そういったことにも非常に強い関心を持っていただいております。こういった方々に対して、日本のポップカルチャーについてですとかあるいは食ですとか、そういうことについての研修を観光庁でもしっかり行って、いろいろなニーズに対応できる通訳案内士として活躍をしていただきたいというふうに考えております。
○谷合正明君 最後に一つ質問します、どぶろく特区について。 今回、構造特区でこれまでの成功例とされているどぶろく特区を総合特区、構造改革特区だけじゃなくて総合特区にも盛り込むと。ところが、全国で百十六件特区が通っておりますので、もうどぶろく特区であること自体のベネフィットが薄らいできているんじゃないかということを思っているんですが、ここで改めて、この総合特区の中に入れ込んだ理由というのは何なんでしょうか。取りあえず入れたという意味なんでしょうか。
○大臣政務官(逢坂誠二君) 実は、今回のこの法案提出をするに当たって、昨年、全国から様々な御提案を募集いたしました。その中に、いろんな提案があったわけですが、このどぶろく特区について、明示的にどぶろく特区というふうに指定をした提案は数は多くはなかったとは思うんですが、提案全体を見てみますと、多分地域活性化のためにどぶろく特区のようなものも活用しながらやるだろうなというようなものが想定されましたので、この際、総合特区の趣旨に合うということであればパッケージとして支援をしようということでどぶろく特区を入れさせていただいたところであります。 現在、このどぶろく特区について、更にまた進化させて今回提案するべきではないかといった御意見もあるようにも聞いておりますが、それは今後設立されます国と地方の協議会の場などにおいて検討していただいて、新たな提案があれば、またそれを考えていきたいというふうに思います。
○谷合正明君 以上で質問を終わります。
○小野次郎君 みんなの党の小野次郎です。 総合特区法案、この審議が、この会期はどうなるか、まあ延長される可能性が高いと思いますけれども、いずれにしてもこの会期末というところで回ってきたときに、私が思いましたのは、この法案は大震災の復興にも早速活用されることもあるんだろうという意味で認識をしたわけですけれども、被災地域で今回の総合特区制度の活用について、現状として地元から何か具体的な構想がもう上がってきているのかどうか、現状をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(片山善博君) 構想めいたものは、震災前にお話を聞くということはありましたけれども、被災地域でありますともう様相が一変してしまいましたので、そのままそれを提案していただくということにはならないだろうと思います。 それとは別に、今回の復興の過程で、例えば宮城県の水産業復興特区構想でありますとか、岩手県の再生可能エネルギー導入促進特区などが出てきておりまして、これが私どもの方へというよりは、復興構想会議の方で一つのアイデアとして出てきております。 これをどういうふうに位置付けるかというのは、ちょっとこれは検討の要があると思います。今御審議いただいている総合特区でいくのがいいのか、それとも、恐らく手厚くなるでありましょう復興特区に対する支援などを受けながらやる方がいいのではないかということかもしれません。これは調整をする必要があるだろうと思います。 現状ではそういう段階であります。
○小野次郎君 復興基本法の方の復興特区については更にまた詰めなきゃいけない部分があるわけですけれども、この総合特区法案の特区と復興基本法の復興特区というのは、私自身も含めて、どういう関係になっているか、どうやって調整、連携していくのかというのは多くの人が関心があると思うんですが、その辺についてもどんな形で調整、連携を図っていくのか、これは被災地域ではすぐにも知りたいところだと思うんで、ちょっとその辺を御説明いただければと思うんですが。
○国務大臣(片山善博君) これは、これから復興特区、基本法には漠としたことしか書いてありませんので、これを復興の推進機関でもってこれから大至急詰めていくということになるだろうと思いますが、大ざっぱに言いますと、私は担当大臣でもありませんのでいいかげんなことを言うことははばかられますけれども、私のイメージとしては、復興特区というのは、被災した地域はどこでも手を挙げれば復興特区になり得るという、そういう構想でないといけないと思うんです。被災地域の中でどこかとどこかとどこかだけ選んでそこを重点的に支援するということは妥当でないと思います。したがって、被災地域で希望をすれば、その特区が規制の緩和でありますとかその他の支援が受けられるという、そういう枠組みにするべきだと思います。 一方、この総合特区といいますのは、全国の中で何か所かを選んで、そこに重点的に投資を呼び込むとか機能を集積するとかいうことでありますから、そもそもの基本的な考え方が異なるんだろうと思います。 そういう意味で、先ほど、宮城県の水産業に関係する特区構想などはどちらにするのがいいのか、重点的投資ということでこちらの方が魅力的であればこちらを利用していただくということも選択肢でありましょうし、それから、復興特区の方が容易にその指定を受けられて、しかもそちらの方が復興という観点で財政面なんかで手厚いということであればそちらの方がいいだろうと思いますので、そういう、現段階ではちょっと選択の余地を残しておくということだろうと思います。
○小野次郎君 そうすると、私の理解でいうと、復興特区の方が入口が広いというかハードルが低いということと、反対に救済性という性格が強いものだと、そういう理解でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(片山善博君) 復興特区の方は、恐らく元あったところに戻し、更にそれに何らかの付加をするという、それで活性化を図るという、そういうことが一つの理念になると思いますので、私は、まだ復興特区の構想が具体化しておりませんけれども、恐らく、今被災地から上がっている幾つかの構想などを見ますと、復興特区の方が多分フィットするだろうというイメージを今抱いております。
○小野次郎君 今のお話にも関係するんですが、被災地域で、とりわけ放射能の汚染地域の中で、従来どおりの利用方法、土地の様々な使い方を考え直さなきゃいけないという場所を含む地域では、私は、農地法とか水利法とか漁業法とか、土地利用に対する既存の規制を大幅に緩和して、太陽光、水力、風力、地熱、バイオマスなどの自然エネルギーの日本でも生産拠点と言えるようなものにしていく、そういう活用を考えるべきじゃないかなと思うんですけれども、こうした新しい利用法について、経産省から御認識を伺いたいと思います。
○副大臣(松下忠洋君) 今委員が御指摘のとおり、福島でのあの深刻な事態で我々は様々なことを今教訓として学んでおりますけれども、再生可能エネルギー、そして太陽光等を活用した土地の利用、そういうものについては、これはしっかりと取り組んでいく課題だと、こう考えております。まだ普及率も全体の中ではエネルギーとしては小さいわけでございまして、この問題を含めて規制の緩和、それからいろんな取組、全力を挙げてやりたいと思っています。 例えば、太陽光発電なんかでは建築基準法でいろいろ規制があるんですけれども、人が住まない、太陽パネルをしっかりと張っていくということでは、これはもっと緩めて、思い切って進めていいんじゃないかというふうなことも含めて、今、省を挙げて、国を挙げて勉強していますので、しっかりこたえたいと、そう考えています。
○小野次郎君 副大臣は慎重に、例示で挙げられたのは建築基準法だけでしたけれども、私は、こういう地域、いい悪い別にして、やはり水とか土とかについて不安が残っている地域でも、太陽光とか水力、風力、地熱でそれをクリーンエネルギーという形に変えて、その地域の方がそれを一つの糧に、生活の糧にする、あるいは日本全体としても、エネルギーの何%かをそこでつくってもらうというモードチェンジをすることができるんじゃないかと思いますので、この前も申し上げたかもしれませんが、経済産業省がお立場で取り組むとしても、関係する省庁は物すごく大きいし、特に農地の関係や水面の関係の省庁にも、日本全体で考えようということで是非御協力をいただくように、私たち国会議員もアピールすべきだと思いますけれども、お役所の方も、自分の許された敷地の中で考えればという発想ではなくて取り組んでいただきたいと思います。 総合特区の制度の中でこうした被災地の新しい利用を迅速に進める自然エネルギー特区みたいなものが実現する可能性があるのかどうか、今度は、特区として活用の可能性があるかどうか、お話を伺いたいと思います。
○副大臣(平野達男君) それは一般論としてでしょうか、それとも被災地ということでありましょうか。 まず、一般論としては、当然、総合特区の中では自然エネルギー、こういったものに関して強い意向を持っている地域があります。ですから、総合特区の中で自然再生エネルギーの活用を図っていく、あるいは自然再生エネルギーを生み出していく、そういった事業が生まれてくるということは十分あると思います。 一方で、被災地につきましては、先ほど片山大臣が答弁されたことに若干補足をさせていただきますと、小野委員が申されたように、被災地というのは、もうべたで建物も何も全てなくなっているという中で、そこからスタートというところの中では、土地利用調整、水も入りますし、そういったものの土地利用調整の比率というのは非常に高まってくると思います。 今の総合特区の中では、今ある現状、都市からスタートしてそれを更に進めるという前提での総合特区を考えていますから、むしろ復興特区の中でのそういった特性を生かしながら自然エネルギーも取り入れていくという意味では、被災地においてはやっぱり復興特区に軸足を置いた再生を図られるんではないかというふうに私自身もちょっと思っております。
○小野次郎君 ちょっと視点を変えますけれども、特区、これは構造改革特区、今度は総合特区、いずれにしても特区という形で、ある地域で特例的な制度を認めるということについてお伺いしますけれども、私は、本来は、全国的な規制改革を進めるべき課題について、いろんな抵抗があって全国で一律にできないから一地域に限って進めていく、さらにはそのことについて助成というか様々な支援もしていくというのが今回の総合特区の考え方だと思いますけれども、元々の原点に立って考えれば、やはりそのことで終わらせてしまってはいけないんだろうと。 さっき谷合議員がPDCAとおっしゃいましたけれども、その特区についてのPDCAも必要だけれども、実はそれをもっと全国に広めるべきなんじゃないかという発展性のPDCAのサイクルも動かさなきゃいけないんだろうと思うんです。そうでないと、何か抵抗が大きいから迂回して、ある地域だけ認めて、これで政府の責任が、政府だけじゃない、国会の責任もあるんですけれども、国としての政策として十分とは言えないと。 責任回避というふうに言われることがないように、これからそういう考えで進めていくべきだと思うんですが、これまでの実績の中で、最初特区で始めて全国に拡大された改革ってどんなものがあるのか、実例があればお話しいただきたいと思います。
○大臣政務官(逢坂誠二君) 御指摘の構造改革特区による規制の特例によって全国に展開されたものというのは、これまで百三十八ございます。 それで、そのうちの一つ御紹介しますと、高齢者や身体障害者の移動ですけれども、これ公共交通機関によってその地域ではなかなか移動が円滑にいかないというような場合に、NPOなどによる有償運送を可能とするというような特例がございますし、併せて、この際に福祉車両以外にセダン型の車もこういった使用に認めるというような特例がございます。これが全国展開されております。特例が決められたのが平成十五年の一月、全国展開をしたのが平成十八年の十月、こういった例がございます。
○小野次郎君 最後に、この関連でもう一問大臣に是非お聞かせいただきたいんですが、今後実施される特区の中で、効率性、特に地域活性化の効率性が実証される内容については着実に全国的な改革に発展させていく仕組みが必要だろうと。一部、もう大臣、先ほどお話しになっていたと思うんですが、是非その改革を全国に拡大していく取組の仕組みを今度はビルドインすべきじゃないかなと思うんですが、政府の中にですね、その辺についてお話しいただきたいと思います。
○国務大臣(片山善博君) 全く同感であります。 構造改革特区がつくられたとき、小野議員はよく御承知と思いますけれども、非常に抵抗の強い中で穴を空けるというところからスタートしたんだろうと思いますけれども、その構想の行き着くところは、それは穴を空けて全国に広げるということが、これが目標でありますから、そのことを忘れないようにしなきゃいけませんし、我々政務三役がこの問題についても主導的に働きをしなければいけないと思っております。是非、一つの実験といいますか、試みからそれを全国に広げていくという取組をやりたいと思っております。
○小野次郎君 大臣にはいつまでもやっていただきたいとは思いますが、しかし、ちゃんとそれが仕組みとして残っていないと、大臣も副大臣も政務官も替わっちゃったら何か熱意が冷めちゃっているというんじゃ困るんで、そこら辺は、精神的な気合だけじゃなくて、是非在職中にそういう仕組みを省内にしっかりとつくっていただいて、よろしくその辺をお願いして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○糸数慶子君 無所属の糸数です。 最後の質問でございますので、重なることもあるかと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。 まず、総合特区の指定についてでありますが、総合特区の指定については、地方公共団体が特区で行う事業や、そのために必要となる規制の特例措置と併せて申請するものというふうに承知しております。そういたしますと、冒険的、野心的な申請や規制の特例が規制省庁の意に反するようなものはそもそも特区としての指定を受けられない可能性が高いのではないか。その反動として、申請は無難な規制省庁に理解されやすいものばかりが出てきて、結局、経済の活性化には結び付かないのではないかということが懸念されます。 そこで、その区域の指定については、規制省庁の抵抗よりも、まず経済成長、そして地域の活性化に資するものを選定するのが原則というふうに考えますが、大臣のお考え、是非見解を賜りたいと思います。
○国務大臣(片山善博君) おっしゃるとおりでありまして、そのためにこういう総合特区という仕掛けをつくろうというのがこの法案であります。省庁の抵抗が強いから実施ができない、以上終わりというのはこれまでの仕組みでありまして、それを乗り越えて新しい取組をしていきましょう、それを応援しましょうという、その反対側には省庁の抵抗があっても、それはこの枠組みの中で解消していくということであります。
○糸数慶子君 ありがとうございました。先ほどもお話ございましたけれども、今のその御決意にありましたことを是非きちんと実行していただけるように、よろしくお願いしたいと思います。 続きまして、昨日成立いたしました復興基本法についてでありますが、これは、被災地域の復興に向けた取組を推進するため、区域を限って、規制の特例措置などを適用する復興特区制度を創設するための検討、法整備を講ずることというふうに規定されています。 被災地復興のための特区制度につきましては、既に本法案に対する衆議院の内閣委員会での附帯決議もございます。そこで大胆な規制・制度の特例を内容とする新たな特区制度の創設の検討を求めているところでありますが、ただ、この復興特区としての制度に期待して総合特区の申請を見送った地方自治体が例えばあったとして、後から出された復興特区制度が期待に外れてしまうようなものであった場合、今更総合特区の申請をするわけにもいかないということで、気がそがれる結果が生じる懸念がございます。 そこで、復興特区制度の検討、法制化については、総合特区の申請開始前までに、制度の概要、そして対象地域を提示して、被災自治体に復興特区と総合特区、どちらかを選択するように考えられるような情報提供をすることが必要であるというふうに考えるわけですが、復興特区制度の検討、法制化に向けたタイムテーブル、そして総合特区制度の調整、具体的にどのように行われるのか、お伺いいたします。
○副大臣(平野達男君) 今御紹介にございましたけれども、復興特区制度については、六月二十日に可決、成立した東日本大震災復興基本法において、必要な制度について総合的に検討を加え、速やかに必要な法制上の措置を講ずることとされているということでございまして、これを受けまして、これから政府の中では具体的な検討が進むのではないかというふうに思います。 この復興特区制度が実現した場合には、その概要をできるだけ速やかに被災地域にもきちっと伝えるとともに、総合特区制度との違い等についてもきちんと分かりやすく伝えて、どちらの制度でも乗れるような、そういった仕組みを用意することが大事ではないかというふうに思います。 ただ、復興特区制度については、繰り返しになりますけれども、被災地域からのスタートということで、恐らく被災地域に合わせた特例制度をたくさん用意するということでもございますので、どちらかというと、被災地域は復興特区制度の方に期待する向きが多いのではないかという気が強くいたします。
○糸数慶子君 ありがとうございました。是非進めていただくことをよろしくお願いしたいと思います。 次に進みます。 現在、構造改革特区として認定されている地方自治体が別途総合特区を申請して認定された場合、この二つの特区が併存することになるわけですが、そのようなことは可能なのでしょうか。そして、既に構造改革特区で認定されているところについては、特区の併存は認められないとなると、総合特区の申請前、申請の前提として、構造改革特区を返上しなければならないということもあり得るのでしょうか。特に人気の高い、先ほどもありましたが、どぶろく特区は、例えば総合、そして構造改革、どちらでも特区として選べるので、そういう意味での税の優遇等の付いた総合特区にくら替えをする動きも出てこようかというふうに思うわけですが、既に構造改革特区の認定を受けている地方自治体が同様な内容を含んだ総合特区の申請をしてきた場合、どのような対応がなされるのでしょうか。お伺いいたします。
○大臣政務官(逢坂誠二君) まず、今回の総合特区ですが、これは地域をある種限定をして規制の制限を、ある程度の特例を設ける、あるいは財政の措置、税制の措置、金融上の措置ということで、総合的にパッケージで応援をするという性質のものです。それから、御指摘の構造改革特区は、どちらかというと分野を限ってピンポイントで応援をしていこうというものでありますので、そもそもの性格が違っておりますので、両者が併存することは可能だというふうに考えております。 あわせて、今御指摘のありましたどぶろく特区でございますけれども、どぶろく特区を既に申請をしてオーケーをもらっている地域が総合特区を申請しても、既存の計画を返上するなどということは必要がございませんので、その点、お伝えしたいと思います。
○糸数慶子君 ありがとうございました。 次に、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、原子力政策は見直しを余儀なくされているというふうに考えます。総合特区の提案募集においては、再生可能エネルギー、グリーンエネルギーといった環境に優しいエネルギーを使う特区が様々に提案されています。 例えば、その中で沖縄県の糸満市、糸満市の提案の中に海洋資源・再生可能エネルギーを活用する低炭素型雇用創出特区というものがございます。三月十一日以降、日本のエネルギーの在り方は根本的な変化を求められておりまして、特に電力供給に係る構想については極力取り上げていく、あるいは特区としてではなく全国的な規制改革に結び付けて、短期的な電力の逼迫や、そして長期的には脱原発の体制整備を考えていく必要があるというふうに考えるわけですが、当面の問題として、本法案による特区申請あるいはその指定、エネルギー関係に係る提案はどのように配慮していくのか、考え方をお伺いいたします。
○国務大臣(片山善博君) 実は、既に本年の二月から三月にかけまして、この総合特区法案が成立をいたしましたらばどういう提案が出てくるだろうかということの調査を行いましたけれども、その中で、いわゆる再生可能エネルギーに関する取組を構想しておられるところが五十九件ありました。 この再生エネルギーの推進ということは、これは非常に重要な課題でありますので、この総合特区制度の中で位置付けていきたい、これからどういうところを選んでいくかということでありますけれども、積極的に位置付けていきたいと考えております。
○糸数慶子君 糸満市の方からの提案に関しても、是非、再生エネルギーという観点で御考慮いただきたいというふうに思います。 次に、総合特区制度において民間が地方公共団体に対し特区創設の申請をするように提案すること、あるいはこの規制、そして制度改革の提案を要請することができるというふうにしておりますが、地方公共団体が民間の提案や要請を受けずに、民間の有する機動性やそれから専門性が十分に活用されない可能性があるわけですが、本法案におきまして、地方公共団体が民間の提案や要請を受けないと決定した場合、その理由を明らかにしなければならないというふうに思いますが、国として、民間からの優れた提案が日の目を見ないようなことをできる限り防ぐような、そういう手助けを行う必要があるというふうに考えます。 民間からの提案の救済方法について、片山大臣の考えをお伺いいたします。
○国務大臣(片山善博君) 今回の法案の中では、従来にないと私は思うんですけれども、仕掛けが入っております。それは、自治体に対して民間からこれはという提案があった場合に、聞きっ放しにするんではなくて、これを取り上げて国の方に申請しないならば、申請しないことについての説明責任をちゃんと果たすという、そのことを求めておりまして、これは大変私は大きな力になると思います。 もちろん、その後、提案が自治体によって取り上げられなかったからといって、何かそれを別の仕組みでクレーム申請するとか救済をするとかという仕掛けまではありませんけれども、しかし、ちゃんと受け止めたことはちゃんとお返しをするということをこれ義務付けしておりますので、自治体にとっては非常に重いと思います。そのことをもちろん自治体の皆さんは重々承知でありますけれども、我々の方もそのことを常に注意を喚起したいと思いますし、我々の方で気付くことがありましたら、多少前のめりになるかもしれませんけれども、そういう有意な提案についてはよく検討していただくように、我々の方からも声を掛けるようなこともしてみたいと思います。
○糸数慶子君 ありがとうございました。 今の大臣のそういう強い決意をいただきまして、是非この法案に関しても期待を申し上げまして、私、これで質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(松井孝治君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 総合特別区域法案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(松井孝治君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、山谷君から発言を求められておりますので、これを許します。山谷えり子君。
○山谷えり子君 私は、ただいま可決されました総合特別区域法案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党、公明党及びみんなの党の各派並びに各派に属しない議員糸数慶子君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 総合特別区域法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。 一、総合特別区域については、我が国の現下の財政事情等に鑑み、「選択と集中」の観点を最大限に活かすため、政策課題を解決する上で有効かつ先駆的な取組の実現可能性が高い地域を厳選して指定を行い、国と地域の政策資源を集中させること。 二、総合特別区域の指定に当たっては、当該指定が恣意的にならないよう、総合特別区域基本方針において具体的な指定基準を定めるとともに、有識者による客観的評価を活用するなど、指定審査過程の透明性を確保すること。 三、総合特別区域制度の運用に当たっては、民間等からの提案制度、総合特別区域協議会の活用等により、地域の住民、事業者、NPOなどの民間主体の創意工夫が最大限活かされるよう努めるとともに、これらの民間主体が総合特別区域における取組に主体的に参画できるよう十分配慮すること。 四、関係各府省庁は、総合特別区域における政策課題とその解決方向を地域と共有し、地域の責任ある戦略が実現するよう、内閣官房・内閣府と緊密に連携し、積極的に対応すること。 五、国際戦略総合特別区域における企業誘致等に当たっては、国際競争力の強化に資する他の関連制度との窓口をワンストップ化するなど、関連制度間の密接な連携による相乗効果をうみ出しながらグローバル企業等の誘致を推進すること。 六、新たな規制の特例措置等に関する提案があった場合には、国と地方の協議会等において、その提案の実現に向けた誠実な協議を行い、規制・制度の特例措置や税制・財政・金融上の支援措置等の一層の充実・強化を図ること。 七、総合特別区域に係る施策については、当該総合特別区域に関する国と地方の協議会において、毎年度その評価を行い結果を公表すること。 八、総合特区通訳案内士制度については、地域における訪日外国人旅行者のニーズを踏まえ、通訳案内士の数が不足しているなど、通訳案内士法に基づく通訳案内士及び外客誘致促進法に基づく地域限定通訳案内士を補完することが必要な地域に限って実施するとともに、総合特区通訳案内士の資格取得のための研修は、有償で通訳ガイドサービスを求める訪日外国人旅行者のニーズに応えることができる十分な密度の濃い内容とし、修了時に実力の判定を行うなど、通訳案内士制度に対する信頼性の確保に努めること。 なお、総合特区通訳案内士の資格を得て通訳案内業務に従事する者については、その経験と実績に適切に配慮して、将来、通訳案内士試験を受験して、オールラウンドな資質を有する通訳案内士となることを奨励すること。 九、PFI方式で行われる特別養護老人ホームの設置に関しては、利用者保護の観点に立ち、継続して良質な介護サービスが提供されるよう万全を期すこと。 十、構造改革特別区域制度については、総合特別区域制度との連携が十分に図られるよう、必要な体制整備に努めるとともに、これまでの実績や課題について、地域からの意見を踏まえつつ必要な検証を行い、地域にとって使い勝手のよいものとなるよう見直しを行うこと。 十一、本法に規定する課税の特例に関する租税特別措置法上の取扱いについては、与野党における税制改正に関する協議の動向を踏まえ、別途検討を行うこと。 十二、東日本大震災による被害の甚大性に鑑み、当該被災地域の復旧復興を強力かつ効果的に支援するため、総合特別区域制度とは別に、大胆な規制・制度の特例と税制・財政・金融等各種の支援措置等を総合的かつ集中的に講ずる新たな特区制度の創設について検討を行い、早急に必要な措置を講ずること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(松井孝治君) ただいま山谷君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(松井孝治君) 全会一致と認めます。よって、山谷君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、片山国務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。片山国務大臣。
○国務大臣(片山善博君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
○委員長(松井孝治君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松井孝治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時二分散会