政府開発援助等に関する特別委員会 第3号
- 発言数
- 55 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2011/03/24
会議録
○委員長(中村博彦君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会いたします。 議事に先立ちまして、一言申し上げます。 この度の東北地方太平洋沖地震により、甚大な被害がもたらされ、尊い人命を失いました。誠に痛ましい限りでございます。犠牲者及び御遺族に対し哀悼の意を表しますとともに、被災者の皆様にも心からお見舞いを申し上げます。 ここに、犠牲となられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。 どうぞ御起立を願います。黙祷。 〔総員起立、黙祷〕
○委員長(中村博彦君) 黙祷を終わります。御着席ください。 ─────────────
○委員長(中村博彦君) 委員の異動について御報告いたします。 去る二月十六日、大久保勉君、柳澤光美君及び斎藤嘉隆君が委員を辞任され、その補欠として大島九州男君、藤原正司君及び神本美恵子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(中村博彦君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として外務大臣官房長木寺昌人君外二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中村博彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(中村博彦君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 委嘱審査のため、本日の委員会に参考人として独立行政法人国際協力機構理事長緒方貞子君及び同理事粗信仁君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中村博彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(中村博彦君) 去る二十二日、予算委員会から、三月二十四日午前の半日間、平成二十三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、政府開発援助関係経費について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 政府開発援助関係経費について松本外務大臣から説明を聴取いたします。松本外務大臣。
○国務大臣(松本剛明君) 外務大臣の松本剛明でございます。委員長始め委員各位におかれましてはどうぞよろしくお願いをいたします。 まず、改めて私からも、今回の地震で亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、御遺族の方々にお悔やみを申し上げ、また、被災をされた方々にお見舞いを申し上げたいと思います。 同時に、震災の対応、復旧復興に当たっておられる方々に心から敬意を表するとともに、多数寄せられております諸外国からのお見舞いの気持ち、そして支援に心から感謝を申し上げたいと思います。 さて、平成二十三年度政府開発援助に係る予算案について概要説明を申し上げます。 まず、総額についてですが、平成二十三年度一般会計予算案のうち政府開発援助に係る予算は、極めて厳しい財政状況を受け、また、事業仕分や行政事業レビューの結果等を反映をいたしまして、政府全体で対前年度比七・四%減の五千七百二十七億四千九百万円を計上いたしております。このうち外務省予算分については、前年度比〇・九%増の四千百六十九億八千九百万円となっています。 内容的には、経済外交の推進やアフガニスタン支援等の平和安全保障上の取組、ミレニアム開発目標の達成への貢献といった重点項目を中心にめり張りの付いた予算の確保に努めました。 次に、協力の形態ごとに概略を御説明申し上げます。 まず、無償資金協力については、さきに述べた重点項目に予算を計上する一方、事業仕分の結果等を踏まえ、効率化を進めた結果、前年度比一・五%減の千五百十八億五千万円を計上しています。 技術協力については、政府全体で前年度比四・七%減の二千五百六十八億六千二百万円を計上しています。このうち外務省予算分については、無償資金協力と同様、さきに述べた重点項目に予算を計上する一方、事業仕分の結果等を踏まえ、独立行政法人国際協力機構の旅費、研修員受入れ経費、青年海外協力隊に係る契約の見直し等により、同機構の運営費交付金を前年度比一・六%減とし、千四百五十六億八千百万円を計上しています。 国際機関への分担金、拠出金については、政府全体で前年度比一〇・二%の増額となりました。このうち外務省予算分については、世界エイズ・結核・マラリア対策基金への拠出金百五十九億三百万円を計上するなど、ミレニアム開発目標の達成に係るもののほか、平和構築等に係る任意拠出金に重点的に配分するなど、めり張りを付けた上で前年度比一八%の増額としております。 最後に、有償資金協力については、新成長戦略及び気候変動対策、アフリカ支援等の政府の国際公約達成に積極的に活用することとし、出融資計画額を六・六%、五百九十億円増額いたしました。 以上が平成二十三年度政府開発援助に係る予算案の概要でございます。 今後とも、厳しい財政状況を十分認識しつつ、先般いただいた参議院ODA調査派遣団の報告、提言等も踏まえつつ、ODAをより戦略的かつ効果的に実施してまいります。 よろしく御審議のほど、お願いを申し上げます。
○委員長(中村博彦君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○福岡資麿君 自由民主党の福岡資麿と申します。 まず、東日本大震災で亡くなられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災された方全てに心からお見舞いを申し上げさせていただきたいというふうに思います。 また、外務大臣におかれましては、就任直後に地震がありまして、政府の一員として全力を挙げていただいておりますこと、敬意を表しますとともに、関係各位の皆様、救助、復興に全力を挙げておられますことに心から敬意と感謝を申し上げさせていただきたいというふうに思っております。 また、全国でも本当にたくさんの方々が救助、復興に向けて汗を流されていますが、あわせて、海外からも多くの支援の手が差し伸べられているわけであります。発生直後より諸外国から緊急援助隊が被災地に入り、救援活動を実施をされています。私が承知していますところ、二十か国の地域であったり国際機関の方々が活動されて、若しくはされたようなことを承っておりますし、また、百二十八か国・地域及び三十三の国際機関が支援を表明するというようなことを承っております。 こういった動きを見ておりますと、これまでのODAを含む外交の政策によって日本の信頼が醸成されていって、日本の国難に際して海外からもほうっておけないという意識が働いていると、そういうふうにも見て取れるんではなかろうかというふうに思っています。インドのシン首相の国会演説では、日本が最も多くの海外援助をインドに与えてくれていることを我々は決して忘れるわけにはいかないというようなことを国会演説でも話されているというようなことであります。 厳しい財政情勢の中でありますが、ODAを実施してきた我が国にとりまして、情けは人のためならずということを改めて実感をしているところでございます。 そういった中で、まずお伺いをさせていただきたいんですが、既に帰国されたチームもありますが、海外のレスキュー隊員とかが救命とか手当てに奔走していただきました。その力も大きかったというふうに思っています。そういった方々にしっかり活動をしていただくために、今回、海外の救助隊からどういった御意見が寄せられたのか、そういったものについて把握されている限りでお教えをいただければと思います。
○国務大臣(松本剛明君) 委員御指摘のとおり、多数の国から御支援の表明をいただき、また多くの救助チームが今回の震災の捜索・救援活動に携わっていただいたことは、今お話をいただいたとおりでございます。 また、御指摘のとおり、こういった救助につきまして円滑に進むように私どもとしても鋭意努力をいたしてきたところでございまして、現段階では大変その意味では大いに御活躍をいただけるように進めることができてきているのではないかと、このように思っておりますが、一般的に、あらゆることは一段落をすればやはり検証してみて、今後更に改善すべき点があれば改善をすべきだというような御趣旨のお話だと理解をしておりまして、その点についてはおっしゃるとおりかと思います。 なお、各国からはいろいろ声をお寄せをいただいておりますが、おおむね励ましのような言葉を残していただいている方が多うございまして、例えば米国などは、ある意味で、我々の最大の強みは熱意で少しでも役に立ちたいと、こういうような決意の下に御活躍をいただきましたし、韓国からは、希望は捨てないと、皆さんもどうかこの困難を乗り越えてほしいと、このような呼びかけをいただきました。また、オーストラリアからは、帰国に当たってでありますが、日本側の士気は高いと、私たちはここで帰ることになるが、地元の皆さんには希望を捨てずに頑張ってほしいと、こんなお声もいただきました。また、ロシアからは、日本人に対しまして言葉をいただきまして、日本人は偉大な民族で、このような災害に遭っても泣き叫ぶこともせず、略奪もせず、人を責めることもせず、黙々と復旧作業を行っていると、日本人は今回の災害も必ずや乗り越えるに違いないと、こういった激励、そして力強い言葉をいただいたというのが救助に当たられたチームの方々からのお声でございます。
○福岡資麿君 今おっしゃっていただきましたように、海外からの多くの励ましというものが日本に勇気を与えたということは紛れもない事実であろうというふうに思います。まだ活動中でありますから、先ほどおっしゃったように、この後もしっかりフォローをしていただいて、その後の検証もしっかり行っていただきたいというふうに思いますが。 あわせて、今救助によって勇気を与えていただいている一方で、新聞報道等によりますと、大使館員とかが西日本であったりまた自国にどんどん戻られているというような状況が報道をされているわけであります。大体その大使館、所在しているのは東京近辺というのが多いわけでございまして、そういったところから、大使館員とかまたその自国の方々に呼びかけて、違う地域への移動を呼びかけるというような行為というのが関東圏内にいらっしゃる方の不安を増大させているんじゃないかというような声もあるわけであります。 そういった点において、今のそういった海外の大使館員とかの退避とか若しくはそういったものの状況について、今把握されていることについてお教えをいただきたいのと、そういった行動に対して何か外務省としてアナウンスをされているようなことがあれば併せて教えていただければと思います。
○国務大臣(松本剛明君) 二十三日、昨日の時点で一時閉鎖の通報がありましたのが二十六大使館と承知をいたしております。そのうち、機能を地方及び国外に移転をしたという連絡がありましたのが九、残りは館員の自宅待機という形で対応されていると理解をしております。なお、各国大使館の勤務体制は日々変わっておりまして、昨日時点ということでただいま御報告を申し上げました。 また、今般の地震を受けてということで大使が離日をした旨、口上書による通報を受けている国は五か国でございます。なお、そのうち二か国は大使館は閉鎖をいたしておりません。 各国に対する対応でございますけれども、私どもといたしましても、是非、的確な情報を速やかに提供するということを目指しまして、外務省は在京の外交団に対して、地震の状況、原子力発電所の状況を含めて地震の状況を御報告する説明会を連日開催をいたしております。もちろん、移転ないしは自宅待機の大使館とも連絡体制を確保をしまして、一時閉鎖した公館を含めて全ての外交団に対してしっかり情報提供をしてまいりたいと、このように考えております。 これも個々の各国の御判断については私どもはコメントを申し上げる立場にないわけでありますし、また自国の大使館員若しくは自国民については最終的には各国大使館の御判断に委ねるということになろうかというふうに思います。 また、これは現段階では一般論でしか申し上げられませんが、立場を変えて、私どももこの間に、外国にいる日本人について何らかの渡航状況なり退避、若しくは退避までいかない場合でも旅行を見合わせていただきたいであるとかいったような情報を発出をさせていただくことがあります。その際も、やはり自国ではなくて外国でありますし、また離れた場所でありますものですから、どうしても自国民保護という観点からは早め早めにという気持ちが判断をする際に立ってまいりますが、同時に、やはりその国との関係を考えれば、その国の判断も一定程度尊重したいという気持ちのその間で判断をさせていただくという形で行われております。 そういう意味で、私どもとしては、これからもしっかりと適切かつ迅速な情報提供によって各国が冷静に御判断をいただいて御理解をいただけるように鋭意努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○福岡資麿君 今おっしゃったように相手国の判断ということもあるんでしょうが、しっかりとした情報をお伝えいただくということには是非全力を挙げていただければというふうに思っております。 特に、原発に対して世界的にその安全性とかに対しての不安とかが高まっている中で、日本政府が発するメッセージというのが世界全体の今後のエネルギー政策にもかかわってくるようなことにもなるわけであります。そういった意味で、事実を隠すことなく、そして正しい情報を海外に発信していくということの外務省の役割は非常に大きいというふうに思っておりますので、是非全力を挙げていただきたいということを申し上げさせていただきたいというふうに思います。 先ほど救助隊のいろいろな話をされましたが、現在、海外の多くのNGOとかからも援助の申出があるというふうに承っております。こういった組織の受入れ状況とか、今どういった調整をやっているかということについて、もし分かる点があれば教えていただければと思います。
○国務大臣(松本剛明君) 先ほど各国政府について少し言及をさせていただきましたが、国際機関からも既に多数の支援を受けていただいておりますし、今委員お話をいただきましたとおり、海外のNGOからもいろいろ支援の申出をいただいております。 ただ、御案内のとおり、今まだ現場は、完全な自己完結型で入っていただかないと現場に逆に負担をお掛けをするという場合もある地域が決して少なからずあることもありまして、現在のところ、私が承知をしているところでは、日本のNGOが幾つか現地に参りまして、海外のNGOがどのぐらい今受け入れられる状況なのかということを、日々、私ども政府と連携をいたしまして、それに応じて、これから実際にはいろんな助けが必要となってくる時期が来ると思いますので、御支援を受けていきたいと、こう考えております。 調整につきましては、今官邸の方におきまして、海外に限らずでありますが、NGO、NPOの支援を受入れ調整をする体制を整えて準備をしているところでございます。
○福岡資麿君 ありがとうございます。 今の段階ではまだ、災害の状況が大きく、自己完結型でやらなければいけないということでありますが、今後また復興の過程の中で、今おっしゃったようにNGOとかの活躍の場というのはきっと出てくるというふうに思いますので、そういった部分の円滑なまた受入れ体制、そういったことについても是非お願いをしたいというふうに思います。 ちょっと一旦ここで震災から離れさせていただきまして、今お話ししたNGOの活動について質問をさせていただきたいと思います。 国内のNGOも、今海外に行って様々な活動をしていただいたりしています。私もあるNGOの活動を視察するためにミャンマーの北部に一週間ほど行ってきて現地を見させていただいたりしたことがありますが、今多くの日本のNGOが海外でプログラムを実施して大きな評価を得ているというふうに思っています。 そういったNGO支援において、これは従前から指摘されている話でありますが、単年度予算主義偏重による使い勝手が悪いというようなことがずっと言われてきました。新しいJICAの発足に伴う無償資金協力の運用の変更等に伴って大分状況は改善されてきているというふうに承っておりますけれども、それでも今、例えばNGOの支援プロジェクトの期間は大体一年から三年ぐらいの短い期間だというふうに承っています。 そういう中で、例えば多くのNGOについては直接向こうの受益者の主体的な参加を求めて、そしてその方々の自立を促して、しかもそれが終わった後の持続発展を求めて活動をしているというような状況でございまして、当然のようにその自立を促すためには、長期にわたる対話を積み重ねていく、そういう必要もあるでしょうし、また事前調査や事後におけるモニタリング、そういったことについてもとても大事になってくるであろうというふうに思います。また、テーマによっては短期間のうちに目覚ましい目に見える成果を上げることが難しいようなテーマというのも当然あり得るわけであります。 そういった観点で、地元のエンパワーメントを重視する観点から、複数年度にわたる契約であったり、またその後の事後のモニタリングについても支援を行っていくような、そういう体制も必要かと思いますが、その点についての御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(松本剛明君) 委員御指摘のとおり、NGOのプロジェクトにおける期間をどのように設定をするかということは大変重要なテーマであろうというふうに思っております。 外務省は、国際協力におけるNGOとの連携というものを大変重視をいたしてまいりまして、年に七回開かれている外務省・NGO定期協議会などを通じてNGOと緊密に対話を行いましてお声を聞かせていただいて、改善できるところは改善をしてまいりたいと、このように考えております。 平成二十二年度からは、NGOが行う事業に対する資金協力である日本NGO連携無償の制度を、NGOからの御要望をお聞きをして、大幅に抜本的に見直しをいたしました。いわゆるN連予算と申しておりますけれども、これについては平成二十二年度から、二十一年度の二十九億から五十億円に大幅に増額をいたしまして、NGOから要望の強かった複数年にわたる資金協力についても、この二十二年度から一定の条件の下で承認できる仕組みを導入をいたしております。また、御指摘をいただいた部分につきましても、これからいろいろ検討して、お声を聞きながら改善を進めてまいりたいと、このように思っております。 単年度というのは、実際に予算の編成に当たり、また実際に事業をしていただいているNGOと接する私どもからしたら、是非乗り越えたい壁だというふうに感じる部分が多々ございます。他方で、やはり予算というのは国民の税金でありますし、ここでも今日御審査をいただいておるわけでありますけれども、毎年予算を審議をして確定をさせることによって言わば支出を定めていくという根幹の仕組みというものとの兼ね合いの部分がありますので、私どもとしてもお声にこたえられるように、そして効果的になるように精いっぱい頑張ってまいりたいと思いますが、よろしくまた御指導賜りたいと思っております。
○福岡資麿君 ありがとうございます。 当然、これまで様々な改善策等については講じてきていただいていると思いますが、幾つかのNGOの方々とかと話を聞いても、まだまだやっぱり彼らのニーズには追い付いていないというのが率直なところであろうというふうに思います。 例えばNGOからすると、現地に入って実際その事業を実施している途中で予測不能な新たな問題が生じてきたり、当然そこに対応していかなければいけないようなことがあったりするわけでありますけれども、実際に事業変更、事業計画の変更というのが容易ではなくて、実情とのギャップによって、結果として期待されている開発効果が発揮できないケースもあるというようなことも意見として寄せられているわけであります。つまり、当初出した計画の目標がもう至上主義になってしまって、それを達成せんがための事業になってしまって、なかなか柔軟な対応に対してはそれが足かせになってしまっているという声もあるわけでございます。 ですから、そういった部分では、先ほどおっしゃったように、税金を使っているわけですから、その資金の使途に関する透明性を確保する、そういったことというのは当然大切なことですし、説明責任を果たすということは大前提としながらも、やっぱりもっと柔軟性のあるスキームを考えていく、そういうことも必要ではないかというふうに思いますが、改めてそのことについて御意見をお伺いします。
○国務大臣(松本剛明君) 今お話がありました柔軟性という部分につきましては、既に事業内容の変更についても手続を報告によることができるなど簡素化をいたしまして、柔軟な対応が可能なような工夫を行っているところでございます。 また、先ほどのモニタリングについてもお触れになられました部分について改めて御答弁申し上げるとしますと、NGOが海外で行う事業のモニタリングについては、NGO事業補助金というスキームがございまして、これまでもこのスキームを通じてNGOのモニタリング活動を支援をいたしてきているところでございます。 またあわせて、大きな意味で、私どもも民主党政権では新しい公共という概念を申し上げて、寄附文化、寄附制度、そういったものも大きく広がっていくことを目指しております。NGOの皆さんのファンドレージングの在り方そのものについても広くなることによってNGOの皆さんの柔軟でまた幅広い活動が可能になるようになってくるのではないかと思いますし、私どもとしてもまたそういったことを進めていきたいと、このように考えております。
○福岡資麿君 ありがとうございます。しっかりとした対応を是非お願いします。 ちょっとまた話題を変えさせていただきます。 この間、この委員会の委員派遣ということでJICAの各施設を視察に行かせていただく機会をいただきました。委員派遣では駒ケ根の青年海外協力隊訓練所や名古屋の国際センターを訪問し訓練状況を視察し、その訓練生から訓練の実情や抱負や不安を、また青年海外協力隊OBからは帰国後の就職状況等をお聞きする機会をいただいたわけであります。また後で御報告があるというふうに思いますが、やはり百聞は一見にしかずというか、私も認識を深めるいい機会をいただいたということは委員長始め関係各位の皆様方に心から感謝を申し上げさせていただきたいというふうに思います。 その中で、ちょっと先ほどの震災に絡むことで一つお聞かせをいただきたいんですが、先ほどのレスキュー隊の方とかの中で、当然後にいろいろまた情報上がってくるんでしょうけれども、私が聞く話の中では、やはり言葉の壁があったというようなことというのは情報として私の耳にも入ってきているわけであります。例えば、受入れ体制のときの言葉の壁というのは各国問題になるわけでありまして、例えば去年一月のハイチ大地震では、日本から派遣をする方のフランス語であったりクレオール語を解する援助関係者が我が国に少なかったということが指摘として上げられているわけであります。 そういった中で、例えば外務省の職員さんといってももう限りがあるわけでありますから、海外からそういった来られた方々の円滑な活動を担保するために、例えば、語学能力があって、そして少数言語の国での生活経験や情報を持ち合わせている青年海外協力隊OBなどを登録をしておいて、今回のような海外からの受入れについて、また緊急援助隊の海外の派遣時、そういった部分に有効に活用する、そういうチャンスがあるんではないかというふうに思うんですが、その点についての御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(松本剛明君) 各国援助隊の受入れについては、現場の大変厳しい状況を御説明を申し上げた上で、自己完結型で活動できる体制を取れるということをお願いをいたしてまいりました。 私どもとしては、緊急援助隊で入ってこられる皆さんの政府ないしは自治体、そして現場との言わば調整役、そして言葉のコミュニケーションの仲介役ということが必要なニーズではなかろうかということで、そういう意味では、行政、そして言葉に一定程度の能力を有しております外務省員を同行させるという形を取らしていただきました。 また、お話がありましたように、青年海外協力隊のOB、OGの方々というのは、大変有為な、途上国での経験とかまた情報を持っておられる方々というふうに私どもも理解をしております。実際に経験者の方々、出身地ごとにOB会、OG会というんでしょうか、会をつくっていただいておりまして、それを束ねている社団法人青年海外協力協会により、今回の活動についても協力隊OB、OGをということでお申出をいただいておりますので、外務省、またJICAとしてもその意思を尊重して、これから被災地でのニーズに関する情報提供など必要な支援を行ってまいりたいと思っておりますし、既に十七名の経験者が被災地での支援活動に入っていただいているというふうに理解をいたしているところでございます。 なお、私どもが逆に海外に緊急援助隊を派遣をいたします場合には、JICAが先ほどの協会に所属をする青年海外協力隊OB、OGに業務を委嘱して援助隊の一員として派遣をすることもございます。私自身も参りました、つい先日のニュージーランドのクライストチャーチにおける地震でも我が国は緊急援助隊を派遣をいたしましたけれども、青年海外協力隊のOB、OG五人の方に緊急援助隊の中へ加わっていただいて参加をしていただいたという実績がございます。
○福岡資麿君 OB、OGの方、今事例でおっしゃったように活動、活躍いただいているわけであります。ただ、この間その視察で行ったときにも承ったのは、海外へ行って帰国された方々がその後どういうキャリアを積んでいらっしゃるかとか、どこにいらっしゃるかとか、そういったことがきちっと把握をできていないと。ですから、当然有志で手を挙げられる方については把握ができるんでしょうけれども、せっかく海外に行って戻ってきたその有為な人材について今どこで何をされているかというのが十分分からない状況にあるということについては、是非それはもう希望される方だけでも結構なんで、しっかりそこはデータとして持っておくような、そういう仕組みも必要かというふうに思いますので、それは提言として申し上げさせていただきたいというふうに思っております。 次に質問を移らせていただきますが、昨年の事業仕分によってこのJICAの青年海外協力隊の予算についてもメスが入れられたわけであります。 で、その派遣規模についてももし見直しがされるとなると、これは非常にゆゆしい事態になるというふうに思っています。むしろ海外とかはそういった無償ボランティアというのの数を増やそうとしている中で、日本が本当にその予算を減額していっていいのかというようなことについてももう一回考えなきゃいけないんではなかろうかというふうに思っています。予算が削減されてきている中で、協力隊員の応募者も合格者も減ってきていて、そういう中で要請の充足率、そういったものも今低くなってきているというような状況だというふうに承っています。 そういう中で、やはり青年海外協力隊については、当然その生活費や交通費等の実費や国内積立金が支給されるという部分では比較的少額で増員できる事業であって、極めてそういう意味では日本の評価を高めるに資する事業だというふうに思いますが、そういった観点からここの予算はしっかりと確保していくべきではないかというふうに思いますが、その点についての御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(松本剛明君) 私も海外へ出張した際に、実際に活躍をしている青年海外協力隊、そしてまたシニアのボランティアの方々の活躍の様子も現地、現場で拝見をさせていただきました。大変皆さんやりがいを持って取り組んでいただいていると同時に、現地の方々にも感謝をされるとともに大きな効果を上げている事例が決して少なくないというふうに理解をいたしております。 その意味では、事業仕分という形で、ある意味では最も厳しい説明責任を求められるような形態だろうというふうに思いますが、思いを伝えてきたつもりではありますけれども、もっと思いを伝えられることによって更に理解を深められるように努力をしなければいけないのかなというふうには思っているところでございます。 今お話がありましたように、その意義そのものについては私も高く評価をされるべきと、このように思っておりますし、これについて必要な体制なり予算というものは確保できるように努力をしたいという気持ちは私自身もございます。他方で、幾つかの経費などについては御理解、御説明がもし難しかったり御納得がいただけなかったものについては、しっかりと見直すべきところは見直さなければいけないという気持ちを持って、言わばまさに活動本体の部分がしっかりと御理解もいただき、また国民の皆さんにも納得いただいて広げられることができるように努力を重ねていきながら、これは大変有意義なものとして認識をしていると、そしてそれにこたえられるようにしていきたいという気持ちは私もここで申し上げたいと、このように思っております。
○福岡資麿君 ありがとうございます。 今御指摘いただいたことはそのとおりだと思いますが、例えば今その充足率が足りないというのには、予算的な兼ね合いもあるんでしょうが、もう一つは、向こうが要求するニーズと、こちら側がそれに合う人が拠出できるかどうか、そういった部分も要因の一つとしてあるというふうに承っています。 例えばその充足率の低い業種というのを挙げていただいて拝見させていただいたら、例えば稲作栽培者、そういった部分についても充足率が非常に低いというようなことです。これは今まで国内でも農業の担い手がいなくて、なかなか海外まで行く方は少ないというようなことでありましたが、例えば今回の震災とかで津波をかぶって塩害とかで、当面従事したくても稲作ができない地帯の方々の若い方とかもいらっしゃるわけなんです。そういった方々に、農地が元の状況に回復していただくまでに、そういったところに意欲がある方は行っていただく、そういうことも考え方としては十分考え得ることだというふうに思っておりまして、そういった観点からも、是非こういう厳しい状況であっても、そういった志ある人の行ける枠というものについてはしっかりと確保をしていただきたいということを申し上げさせていただきたいというふうに思います。 あわせまして、こういう国難の時期ですから、どうしても世論も含めてODA予算をもっと削ってほかに回せというようなことになってくる、世論的になってくるかもしれませんが、やはり長期的に継続して安定的な海外に対しての支援というのがこれまでの日本の信頼を醸成してきた、そういうことも踏まえてしっかりとした対応をお願いをさせていただきたいと思います。 済みません、ちょっと質問の予定していたものが全部消化できなくて、JICAからの参考人の方には、ごめんなさい、質問する余裕がなかったことをおわびを申し上げさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○竹谷とし子君 まずは、この度の災害で被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げますとともに、支援、復興に日々奔走されている大臣始め関係各位に敬意と感謝を申し上げます。 先ほどの福岡委員のお話にもありましたが、今回の巨大地震に対しては多くの国・地域、国際機関から支援の申入れがありました。これらの国の中にはアフリカのルワンダなどの最貧国も含まれています。国連からは、日本は過去あらゆる国に対して支援、援助を行ってきた、今度は私たちが支援する番だとの声が聞かれました。日本のマスコミではこうしたことについて残念ながら余り報道されませんでしたが、日本がこれまでに行ってきたODAを始めとする支援が今回他国からの支援につながったということを認識して、ODA支援の重要性を日本人が改めて認識するべきときではないかと考えます。 国内の経済財政状況が厳しい中で、ODA予算は既に大幅に削減されています。しかし、長期的な観点から見ればODAの国益に資する役割は非常に大きく、短期的な側面だけを見て予算を削減するということは、国益が大きく損なわれることになるのではないかと危惧をしています。現在は援助の量、金額についてのみ議論がなされているように思いますが、私は援助の質に関する議論を継続的に実施することが重要だというふうに思っております。 まず、ODAの質を確保するという点で質問させていただきたいと思います。 平成二十二年十二月七日に閣議決定した独立行政法人の事務・事業の見直し基本方針の中で、JICAが実施している技術協力プロジェクト、開発計画調査に一般競争入札への移行を進めるとあります。 質の確保には十分に留意しつつ検討が行われているものとは思いますが、私自身、国会議員になる前にアジア地域でODA業務に現場で経験をさせていただきましたが、その経験を踏まえて、役務提供型の業務に対して一般競争入札というのはなじまないのではないかというふうに思っております。また、ほかの行政機関と異なり、ODA業務については外交的な配慮などの観点から検討が必要ではないかと思っております。現在のこの一般競争入札への移行についての検討状況を大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松本剛明君) 今、竹谷委員が御指摘をいただきましたとおり、我が国のODAというのが、これまでの積み重ねというのが、日本に対する信頼という意味で大きな役割を果たしてきたということはまさにおっしゃるとおりだろうというふうに思っております。 私自身も一月にアフリカ連合の総会に出席をいたしました際には、アフリカ各国の国々の外務大臣から、本当に日本の支援というのはアフリカの各国の国民のためにしてくれていると、こういう感謝の言葉をもらいまして、これまでの長い間の積み重ねが大きな信頼を培ってきたんだということを改めて実感をしてまいったところでございます。その意味で、ODAが国益に資するものとしてしっかりと高い質が確保されなければいけないという御指摘は私どももしっかり受け止めてまいりたいと、このように思っております。 その上で、今のお話をいただきました点でありますが、まさにおっしゃいましたとおり、基本方針を受けまして、より競争性、公正性を高めるということを考えつつ、質の確保に留意をして、可能な限り一般競争の入札の方法により実施をするという方針に基づいて今作業をいたしているところでございます。業務内容に応じて、企画競争が必要なもの、質の確保というのが最重要なものは引き続き企画競争で、また、一般競争入札に移行が可能なものは一般競争入札として実施をするということで、二十三年度の執行から改めてどのような振り分けにするかということを今まさに検討をさせていただいているところでございます。 一般競争入札の形態も、価格のみで選定をする最低価格落札方式ではなくて、技術提案と価格を総合的に評価する総合評価落札方式の導入を予定をしているところでございます。総合評価落札方式については、JICAで導入のための検討を進めていただいておりまして、国際機関、国内の公的機関の事例を参考に検討いたしまして、二十三年度内に制度設計と試行導入、二十四年度から試行導入の結果を踏まえて対象事業を順次拡大、導入していくということを考えているところでございます。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。 是非、制度が現場の足かせにならないように設計をお願いしたいというふうに思います。 また、調達についての見直しを議論するだけではなく、そもそも妥当性や自立発展性に問題のある案件、これが実施されることについて議論するべきではないかというふうに思います。具体的には、案件実施の是非を事前評価結果などから適切に見定めた上で、その上で案件を実施する、また戦略的、効果的な援助となるように、援助の選択と集中、プログラムアプローチの強化などの推進によって質の確保を図るべきであるというふうに思います。外務省さんのホームページを見ますと、そういった方向で検討がなされているというふうに出ておりますが、是非とも重ねてお願いを申し上げたいというふうに思います。 また、ODAの業務については、私は多面的な効果があるというふうに認識をしております。 一つは、相手国の生活支援、教育、技術支援等を通じて相手国の発展に寄与するという点。二つ目には、援助を通じて相手国との友好を築いて、相手国、特にアジア地域の発展によって貿易相手国として日本が経済的なメリットを受けるという、日本のメリットという点。そして三つ目には、私も駒ケ根、またJICA中部に視察行かせていただきましたけれども、青年海外協力隊の方々も活躍をされていることを目の当たりにさせていただきましたが、OB、OGがまた日本に戻って社会貢献や地域の振興に活躍をされていたり、その経験を生かして教育分野など多角的に活躍をされている。人材育成という、そういった面も大きな効果があるというふうに思いました。こうした効果をもっともっと日本国民に理解してもらう必要があるというふうに思います。 一つの指標として、できるだけ定量的に、金額ということではなくて、例えば各地でセミナーを開いていたりとか、御自分の経験を学校で話されていたりとか、そういったことも数を重ねるともう大変な量になっていると思いますし、効果も大きい。そういったことを今のそのOB、OGのネットワークからアンケートを取って、こういった形で貢献をしているということをアピールしていくということもできると思います。 また、紙で印刷をして配るとかそういったアピールだけではなくて、今はネットの効果というのが非常に大きいと思いますので、ツイッターであるとかフェースブックであるとか、お金を掛けない形で生の声を皆さんに発信していくということもできると思います。そういった御検討も是非お願いしたいというふうに思いますけれども。この効果を図っていく、またそして国民にアピールしていくということについて、是非推進を進めていただきたいと思います。 最後に、今回の震災で海外からの援助、人道支援のプロである内外のNGO、NPOが支援の手を挙げてくださいました。その受皿をつくっていくべきであるというお話も先ほど出ましたけれども、その調整機関が必要である、受皿が必要であるということについては皆さんの大きな共通の認識となってきているというふうに思いますが、この受皿をつくる、調整機関をつくるという点について、私は是非、知らない方がつくるのではなくて、実際に援助の現場で働いた方、問題解決をしてきた方、判断をしてきた方、リーダーをやってきた方、そういった方の意見を聞いて、またそういった方が中心となって調整する組織を設計していくということを是非お願いしたいというふうに思います。 そういったことをお願いして、質問は終わりたいというふうに思います。ありがとうございました。あっ、済みません。お願いします。
○国務大臣(松本剛明君) 御提言をいただきましてありがとうございます。 ODAの効果につきましては、今委員お話をいただいたとおりではないかと私どもも思っております。また、特に、この震災の前から私どもの中でも、広い意味でグローバルな人材というのはどのようにどんどん育んでいくのかということは大変大きなテーマであり、その場として今おっしゃったようなことも一つの重要な部分ではないかというふうに私どもも考えているところでございます。 また、NGOとの連携ということは、今私どもも日ごろからの連携を枠組みもつくりまして進めているところでありますけれども、今回の震災の実際の受入れに当たりましても、先ほども少しお話をさせていただきましたように、実際の政府の調整に当たる部分について、実質的に既に日本のNGOの皆さんと連携をさせていただき、また、そこと海外とのネットワークなどが有効に機能する形でしていきたい。先ほども少し申し上げました、現地が完全に自己完結型でないと今ここは駄目ですよといったようなことも、言わばNGOのネットワークを通じてもしっかり伝わっていくようにしていきたいということで体制を整えているというふうに御理解をいただけたらというふうに思います。 また、ODAについては、今お話がありましたように、しっかりと質を確保しなければいけないというお話、プログラムアプローチなどについても言及をいただきました。また、私どもとしましては、いわゆるODAの見える化ということで、今回、改めてこれまでのODA事業というのを全面的にホームページにアップをして、皆さんから御意見をいただけるような形を取らせていただいております。 ODAに限らず、外交についての広報というのは大変重要なテーマだというふうに、これも私自身も思っているところでございますけれども、これからいろいろ工夫を重ねてまいりたいと思いますので、御提言、御指摘、御指導をいただいたものをまたしっかり承ってまいりたいと思います。 ありがとうございます。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。終わります。
○小熊慎司君 みんなの党の小熊慎司です。被災に遭われた方々にお見舞いを申し上げ、質問に入りたいと思います。 先ほど来お話も出ているとおり、地震直後には国連事務総長が、日本は世界に対して最も尽くしてくれている国です、被害に直面している日本の人々の立場に立ち、今度は世界があらゆる援助を行わなければなりませんというメッセージを発信していただきました。これも、日本の外交、また、これまでのJICAの取組、青年海外協力隊、四十五年間、三万五千人の活動のそのたまものであるというふうに多くの方々が認めるところであるというふうに思います。私の家内も、妻も青年海外協力隊の隊員OBであり、そして今でもOBとして、福島県の会長としてJOCAの活動に携わっている者でもあります。 こうした国際的に評価される取組、今本当に未曽有の国難にあるときに、先ほど来お話あるとおり、ODAの予算が大きく削られるということは何としても避けなければなりません。これまでの援助を断ち切ったのであってはこの日本の存在意義というものも失われてしまいますし、しっかりと今後の外務省としてのこうした取組に関しての意気込みをまずお伺いしたいと思います。
○副大臣(高橋千秋君) 小熊委員におかれましては地元が福島ということで、今回の東北地方太平洋沖地震につきましては御自身の地元も大変な被害を受けられたということに対して心からお見舞いを申し上げたいと思いますし、福島だけではなくて、今回の被害に遭われた方にお見舞いと、それから亡くなられた方々に私からもお悔やみを申し上げたいと思います。 先ほど、委員の奥様がJOCAのことをやっておられるというふうに伺いましたけれども、そのことに対して心から敬意を表したいと思いますし、今回、私が副大臣に就任したのはちょうど二週間前でございます。それで、認証式の翌日に震災が起きまして、それ以降ずっと外務省に寝泊まりをしている状況なんですけれども、幾つかの国々から多くのお声をいただいております。 その中で、先ほどお話があったように、今まで日本がODAを通じて様々な支援をしてきたことに対して、今回は日本に我々が手を差し伸べるときだということは多くの国々から声をいただきました。私が直接受けたものとしては、タイの外務大臣補佐官が直接来られまして、そのときに、困ったときの友は真の友だというお話をいただいて、まさに今まで日本がやっていただいたことに対して今回は私たちが手を差し伸べたいという声をいただきました。これはまさに、これまでODAを通じて様々な国々に日本がやってきた、その結果、こういう形で多くの国々が手を差し伸べていただいているんだろうというふうに理解をしておりますし、大変厳しい国難のときではありますけれども、このODAに関して、ODAを通じて今後も世界の平和に日本が貢献をしていくということは大変重要なことだと考えておりますし、外務省としても、まあ様々な予算の問題等もございますけれども、これからも一生懸命やっていきたいというふうに考えております。
○小熊慎司君 それで、その活動の中で、青年海外協力隊の目的として、帰国後の人材育成や社会還元ということを大きくうたっております。先ほども同僚委員のお話もあったとおり、これがデータ化しっかりされていないんですね。私も先般、外務省に問合せをしたところ、例えば学校の教員が教育現場にどれだけ戻っているかという数字はあるというふうにお聞きをいたしました。しかし、三万五千人のそれぞれの活動実態というものが明確に把握をされておりません。これはやはり明確に把握をして、こうして社会還元されているんだという、そういう実態調査をしていかなければ、この事業に対する国民の理解も得られないことになってくるというふうに思います。私の妻も、二本松、地元でありますから、二本松の訓練所を通して国際理解教育といったこの課外授業の講師として県内各地に赴いているところでもあります。そうした実態もありますし、また海外でそうした支援を行いながら、帰ってきてから同じ仕事に就いていない方もいらっしゃいますけれども、その海外での経験をその地元でいろんな形で話をするということにおいて、私のような田舎に住んでいると、海外に行ったことがある人というのはこれは都会より少ないわけであります。そうした方がその地元にいるということで、そこから世界を見ていくこれからの子供たちもいるわけであります。そこに存在することだけでも非常に私は重要な意味があるというふうに思っておりますが。 これは、ただこのような経験談だけしゃべっていても仕方のないことでありますので、そのOBのJOCAもありますから、そうしたものを通じてしっかり予算化をして、この三万五千人がどう社会還元をしているのか、どう活動しているかという実態調査を、しっかり予算を外務省として取ってしていくべきだというふうに思いますが、御見解をお願いいたします。
○副大臣(高橋千秋君) 御指摘のとおり、海外協力隊のOB、OGの方というのは大変貴重な存在だというふうに私も思います。私も参議院議員になりましてから何度もそういう地域で活躍をしておられる協力隊の方とお会いをさせていただきましたけれども、大変士気も高いし、優秀な方も多くて、海外で頑張っておられるんですが、日本に帰ってからなかなか職が見付からないとか、そういう話も聞いたことがございます。 その意味で、これはそれぞれの地元での企業の協力等もやっぱり必要なんだろうと思いますけれども、そういう優秀な人材を更に活用をしていくという社会全体の雰囲気づくりも大変重要なことなんではないかなというふうに思います。 一方で、先ほどのデータ化ができていない、確かにそういうところがあるというふうに聞いておるんですが、JICAでは一年後の進路を調査を毎年、動向を調査をしております。その中で、JICAへ連絡をしてくださいと。本来、元々ちゃんと把握をしているべきだろうと思いますけれども、今の時点でやっておるのは、ホームページ上に、JICAへ連絡をしてくださいということをずっと呼びかけをしております。今その統計を取っているところでございますけれども、それとともに、今後、協力隊員の再就職の動向等についてもJICAの方で網羅的に把握して、適切な支援が行えるよう具体的な方策を検討をしていきたいというふうに思っております。 ただ、どっちにしてもまだまだその体制ができていないのも事実でございますので、今後、私たちとしてもそういう大切な人材を日本の中で生かしていけるように努力をし続けていきたいというふうに思っております。
○小熊慎司君 ちょっと趣旨がうまく伝わらなかったようですけれども、協力隊の隊員が帰ってきて就職がないということではなくて、社会還元どうしているんだということでありますし、一年後ではなくて、十年たってもどうしているんだということがまさにそのエビデンス、根拠になりますから、この予算化の。是非それはお願いをしたいということと。 あと、先ほどもお話ありましたとおり、この青年海外協力協会、JOCAにおいて、ボランティアはまだ十数名しか仙台に入っておりませんが、三百名を超える方がもうボランティア登録をされています。これはどの程度までできるか分かりませんが、予備自衛官のような形をこれから早急に体制構築をしていく必要があるというふうに思いますし、私もずっと現地に入っていて、福島県のいわきから、昨日、岩手まで行って、夜中帰ってきたわけでありますけれども、こうした震災においてはまさにその協力隊の方々の経験というのが大いに生かされると思いますので、こうしたOBたちの予備救助隊化というか、これをもっと進化をさせていかなければいけないというふうに思いますので、これを御要望を申し上げますとともに、今、昨日も大船渡の市役所に行っていろいろ御説明をいただいてきましたが、大船渡においては、国際救助隊がアメリカ、イギリス、中国、合わせて二百二十五名が入っておられます。 しかしながら、私の感覚では、福島県ではついぞ救助隊の活動は見ることができませんでした。まあ原発の風評被害があるからだというふうに思っておりますが、外務省を通して、これは先ほど大臣のあったとおり、各国の判断もありますが、中国においては、新潟空港からチャーター便で六便飛ばして本国に帰しているというのも目の当たりにしました。各国の判断もありますが、しっかりとした情報提供を外務省を通してお願いをいたしますとともに、あと今後の対応としては、もちろん様々な国にお世話になっているわけでありますけれども、これから日本がどう復興していくのかということが、今でも、日本だけでなく災害に見舞われた世界の国々、貧困、戦乱で苦しんでいる国々があります。そうした国々の苦しみを乗り越えるためにも、日本がこの復興を成し遂げて、そして、日本がこうして復興したんだと、皆さんもやれるんだという、そういう情報発信の担い手として外務省もしていかなければならないというふうに思っておりますので、こうしたこの二点、御要望を申し上げ、その見解をお聞きして最後の質問とさせていただきます。
○副大臣(高橋千秋君) 広報の件に関しては、たしかに風評被害等出ているというのも聞いております。なるべくそういうことがないように、外務省としても実は毎日在京の大使館の方々を集めてブリーフィングをさせていただいておりますけれども、まだまだ十分でないという御指摘もあるかも分かりません。なるべくその辺が十分に、もう全て公開できるような形で情報提供もきっちりとやって、更に強めていきたいというふうに思っております。 また、日本の復興、これについては委員も私も同じ思いだというふうに思います。それぞれの国々で経験をしてきた海外青年協力隊、大変厳しいところで経験をされてきた方もたくさんおられるというふうに思いますが、そういう方々の経験も生かして、日本の復興をしていくために我々も精いっぱい努力を続けていきたいと思いますので、どうか委員の方も御協力の方をよろしくお願いを申し上げたいと思います。
○荒井広幸君 今日は緒方理事長にも御出席いただきまして、ありがとうございます。 国難であります。佐々江外務次官に出席を求めましたが、国会では事務次官が説明しないという大前提にあります。しかし、こういう有事のときに事務次官、出席しないなどというこうした政府の方針も含めて私は状況を変えていくべきだろうというふうに思います。温かい心と冷静な判断といいますか頭を持つ、これが経済学者マーシャルの話だったと聞きますが、本当に温かい心と冷静な頭を持つというのは難しいなと、判断するのは難しいなと私も考えております。 本日は、大震災でも微動だにしない国際協力を進めるべきであるという点。二つ目、円借款の一時停止や先送りは行うべきではない、こういうときだからこそ粛々とやるべきであろう。三点目は、安全保障会議を早急に開くべきである、なぜ開かないのか。そして、生命第一の原発事故対策をすると同時に、海外に外務省も六百六十二億円、パッケージ型インフラ海外展開の予算を作っていますが、この原発については相手国とよく相談して進めるべきであろう。この四つについて端的に意見と質問をさせていただきたいと思います。 まず、先ほど来からも各委員からもあって、全く同感であります。震災だからODAの予算を削るというのは私は全く逆であると思います。子ども手当のような、むしろこうした予算を災害復興に充てるべきであります。今、日本は厳しい局面にありますけれども、こういう局面にあるとなおさら海外の相手国の厳しさも感じれるものもあります。日本はこういう有事なときであるからこそ微動だにしない、世界の国と共に歩む、この揺るぎない姿勢を示すのが今だと、こういうふうに思っております。 緒方理事長と外務副大臣に見解を求めます。
○参考人(緒方貞子君) JICAの緒方でございます。 今日はこういう、非常に東北太平洋沖の大地震の後の大変なときに、やはりODAの重要性ということを今日強くおっしゃっていただきまして、私としても今日こちらに伺って心強い思いをいたしております。今、JICAにとって、この地震の災害の中でどういうことを続けてやっているかということを二、三申し上げまして、また御指示いただけることがあったら伺いたいと思っております。 JICAは海外での事業をいたしておりますが、そのためにかなり国内において開発途上国の各種の専門家の養成、海外の、途上国の方々のエキスパティーズを強化するためのいろんな教育、それからまた、先ほどからお話のございます協力隊の方々が出発される前のいろいろな準備、そういうために国内に幾つかの施設を持っておりまして、特に今回、東北地域にございますこの施設というものを国内におけるいろんな避難民、避難をされている方等々、また外国から来られて、援助に来られた方たちとの協議の場として提供させていただいております。 特に福島県の二本松におきましては、今、こちらが海外に行きます協力隊の準備、そして研修の大きな施設があるわけでございますが、ただいまこの施設は開放いたしまして、むしろ福島県の方々三百八十九名の方が今避難をして、そちらで私どもがお手伝いして避難の間のお世話をしているというような形で、国内における施設をそういう形で今使わせていただいております。また、職員もそのために手伝いに、避難をしていらっしゃる福島県の方々のお手伝いをしているというのが現実でございます。ここに大きな体育館がございますが、それは今ユニクロがJENと協力して物資を配布しておられるその拠点としても提供させていただいております。 また、この国際的ないろいろな、国連からもあるいは海外からもいろいろな援助の方々がいらしてらっしゃるんですが、その方々との相談あるいは連携のために東京にございますJICAのセンターを開放いたしまして、そちらでこういう協議の場として使わせていただいております。 また、ここには大変、福島県から人工透析を必要とされる患者の方々がおられて、その方々のための人工透析をしてほしいという東京都の御要請を受けまして、そういうことで医療的なお手伝いにも当たっているというようなことでございまして、最大百名ぐらいの方々のお世話ができるだろうと。いつもとはいろいろ違う形での、しかし広い意味での援助のためにお役に立てるということで、私どもとしてはできるだけ国内においてできることも今お手伝いさせていただいております。 そのほか、先ほどからも委員の方々からおっしゃっていらっしゃいましたが、海外から非常に温かい協力の行動、物もいろいろ送りたいというようなお申出、そして特に義援金というようなものを送ってくださって、東南アジアの例えばベトナムとかラオスからもそういう今お金を集めているというようなお申出がございますし、特に私どもとしては援助の方では非常に多くの援助をしておりますアフガニスタンの方から、カンダハルという日本が非常に復興に尽力したところなんですが、カンダハルからも五万ドルであるとか、そして仏像が破壊されたバーミヤンから、市民がみんな集まって仏像の前で日本のために祈ったというようなお知らせがあるわけです。地震のすぐ後にたくさん、中国、韓国等からもいろんな支援が来られたという、海外からの支援を受ける温かさ、これはいろんな形で大きく影響していくと思いますので、取りあえずそれだけ申し上げます。 ありがとうございました。
○荒井広幸君 これはもう緒方理事長も外務省も同じ気持ちだと思いますね。こういうときだから毅然としてください。そして、海外とお互いに助け合っていく、日本は微動だにしない、これを強く求めます。 その上で、三月二十二日、産経新聞の報道では、外務省幹部が、他国から震災で支援を受けている日本が一方で支援を粛々と続けるべきでないとして、円借の先送りを指示した。これは本当なのか、あるいはどういう意味なのか、外務副大臣。
○副大臣(高橋千秋君) 外務省としても、今般の地震の対応につきましては最優先に取り組んでおります。 三月十八日及び二十二日の閣議討議対象案件につきましては、御指摘の円借款を含め、防災・人道上の理由や先方の国内事情等により緊急性の高いものに絞り込んで閣議決定をしたというのは事実でございます。 円借款について言えば、全ての円借款案件の先送りを指示したということはございません。地震後となる三月二十二日、スリランカに対する円借款二案件を閣議決定して、同日、交換公文を締結をしております。これは、長年の内戦により疲弊したスリランカの復興開発を支援するということで、同国の新たな国づくりに貢献するということでございます。 ということで、確かにこういう時期だということもございますけれども、緊急性の高いもの、人道上で大変必要なものについては先送りをせずに粛々とやっていくということでございますが、そういう緊急性が必要でないというものに関しては今回先送りをさせていただいたというのは事実でございます。
○荒井広幸君 事実ですよね。 いつの時代、いつの年だって緊急性のあるものからやっているんでしょう。何を考えているの、外務省は、政府は。五千七百人の職員がいるんですよ。手続ができないというようなことはあり得ないでしょう。先送りなどということは言語道断ですよ。こういうような、危機管理のないような政府ではどうしようもない。きつく注文します。 そして、領空侵犯が行われ、今、私のところも放射能で被害を受けているところですけれども、窃盗団が入っているんじゃないか。また、テロ、このおそれもある。なぜ安全保障会議を政府は開きませんか。これは言っても今仕方ありませんけれども、こういう危機対応が全くなっていないということです。同時に、重大緊急事態ということで、安全保障会議は国内向けでもできるんですよ。万が一に備える、その毅然とした態度というのがずっとないということを私は首脳会談、幹事長会談、実務者会談で言っているということですから、どうぞ副大臣、いま一度閣内でしっかりしてください。 そして、今更、原発は廃炉だと。今更、廃炉だとは何事ですか。生命第一なんだから当たり前ですよ、そんなことは。そういうところで原発を、インフラ輸出する。こういう、私は、危機管理を含めて考え方を持っていないというのは残念でならない。 こういったこと、言いたいことはありますが、時間になりましたので、終わります。 緒方理事長、しっかり我々国会は継続して続けていきますから、引き続き頑張ってやってください。
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。 まず、この度の大震災で犠牲となられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災をされた皆さんにお見舞いを申し上げます。 早速質問に入ります。 まず一点目が、JICAによる直接融資の復活についてでございます。 政府のインフラ輸出戦略の手段として、JICAが海外に進出する日本企業等に有利な条件で投融資する事業の再開が決まりました。自公政権で失敗を認め廃止したにもかかわらず、財界の要望にこたえ再開したのは問題ではありませんか。 本年二月の報告書、「海外投融資にかかる研究・評価について」でも、結論として調達金利を考えれば収益はマイナスになっております。昨年六月の閣議決定でも、過去の成功例、失敗例等を十分研究、評価し、リスク審査・管理体制を構築をして再開の判断をするとなっております。 今回、再開の判断に至った理由は何ですか。どうして復活できるんですか。お答えください。
○副大臣(高橋千秋君) 近年、国際社会におきまして、開発途上国の経済発展に関して、とりわけ民間部門の果たす役割というのは大変重要になってきております。民間部門の開発途上国における直接投資、それから種々の経済活動の促進によってもたらされる経済成長が、その経済成長が貧困削減にとって極めて重要であるという認識が高まってまいっております。 特に、アジアにつきましては、二〇一〇年から二〇二〇年、まあ十年の間で八兆ドルと言われるインフラ整備等の開発需要があると見込まれておりまして、ODAのみでは対応不可能だというふうなことでございます。現在では開発需要の七割程度が民間資金によって満たされておりまして、近年開催されているG8、TICAD等の国際会議でもその重要性というのが確認をされております。 このような国際社会の動きを踏まえて、民間セクターを通じた途上国の開発促進のために、開発途上国において民間企業等が実施する開発事業に対して出資、融資することを支援をして、民間企業の海外展開を後押しする触媒機能を果たすために、JICA海外投融資の再開は極めて重要だというふうに考えております。 昨年六月に閣議決定されました新成長戦略、それから昨年十二月のパッケージ型インフラ海外展開関係大臣会合の決定等を踏まえまして、本年度内に再開すべく、現在、関係各省庁、それからJICA等と準備を進めております。 委員御指摘のとおり、過去にいろいろ問題があったというのも認識をしております。過去のその反省に基づいて新たな制度設計を行って再開を決定をして、再開後の支援対象としては、貧困削減、それからインフラ・成長の加速化、気候変動対策等の分野を想定しておりまして、開発途上国の発展に資することを期待を我々としてはいたしております。 私、以前、経済産業省の方でも仕事をさせていただいておりましたけれども、多くの方々からこれの再開をしてほしいという御要望を受けていたという事実もございまして、我々はこれを再開をさせていただきたいというふうに考えております。
○吉田忠智君 途上国向けの事業は高いリスクや低い収益見込みが明らかで、何らかの体制的な手当てをするとしても、そもそもJICAにリスクや収益の評価能力があるのか、疑問であります。マイナスは即国民負担につながるわけでありまして、この震災被害に財政危機が重なる現在、政府の見込みは甘いと言わざるを得ません。その点を指摘をして、次の質問に移ります。 二点目がODA等を利用した原発輸出についてでございます。 新成長戦略に基づく海外へのインフラ輸出として、新興国向け、例えばベトナムへの原発輸出には、原子力関係の人材育成、受注環境の整備などでODAを活用しております。また、先進国向け、例えば米国テキサス州の原発プロジェクトに対し東京電力を後押しするため、JBIC、国際協力銀行の公的資金による後押しが言われております。 今回、福島の原発事故に際し、政府からは二十キロから三十キロ圏からの避難指示が、米国や韓国政府は八十キロ圏からの避難、中には東日本、東京から大使館機能を移す動きもございます。日本国民にすら大きな不安と恐怖を与えている原発を、幾ら成長戦略とはいえ、今までどおり海外展開し、積極的に輸出をしてよいのかどうかということでございます。 この事態を受け、ODAやJBICを利用した原発輸出は凍結すべきではありませんか。
○副大臣(高橋千秋君) 今般の地震におきまして、福島第一原子力発電所の事故につきましては、先ほど荒井委員からもお話がございましたが、大変御不安を与えていることも事実だろうというふうに思います。 ただ、現時点では検証できる段階にはまだ至っておりません。政府の方針について、現時点で確定的なことを申し上げるということは差し控えたいというふうに思いますけれども、原子力は我が国及び各国にとって重要なエネルギー源であって、将来に向けては、国際協力も含め、原子力の特に安全分野への取組を強めなければならないというふうに考えております。今般の原発事故を踏まえて、自然の脅威に対する謙虚さを持って、諸外国における原子力政策等への影響を注意深く見守りつつ、安全面をしっかり評価していくということが大変重要だというふうに思っております。 一般論として申し上げれば、インフラ海外展開は昨年六月に閣議決定されました新成長戦略における国家戦略プロジェクトの一つでございまして、外務省としても、内外の原子力政策の動向等を踏まえつつ、政府全体の取組に貢献をしていきたいというふうに思っております。
○吉田忠智君 水事業やあるいは環境、あるいは鉄道技術など、日本が有する技術を海外にどんどん展開をしていくというのは否定しませんが、あえて危険なものを売り込む必要はないと、そのように思います。 今回の事故に現れた原発プラントの信頼性低下、電気事業者の無責任などを公的資金により後押しするというのは明らかに問題ではないか、そのことを指摘をさせていただきたいと思います。 次に、新成長戦略におけるパッケージ型インフラ海外展開のうち、先ほどの議論とも重なりますが、改めて聞きますけれども、原発輸出は見直すべきではありませんか。
○副大臣(高橋千秋君) これは先ほども申し上げさせていただきましたけれども、新成長戦略における国家戦略プロジェクトの一つであるということはまだ変わっておりませんが、現時点では福島の原発については検証できる段階には至っておりません。ただ、慎重に今後も検討をしながら様々な対応をしていきたいというふうに考えております。
○吉田忠智君 財務省。
○政府参考人(門間大吉君) 政府の方針につきましては現時点で確定的なことを申し上げることは差し控えたいと考えておりますが、今回の福島第一原子力発電所の事故を受けまして、諸外国における原子力政策等にどのような影響があるかについて今後注意深く見守っていく必要があると財務省としても認識しております。 一般論として申し上げれば、インフラ海外展開は昨年六月に閣議決定された新成長戦略における国家戦略プロジェクトの一つでございまして、財務省としても、内外の原子力政策の動向等を踏まえつつ、政府全体の取組に貢献していきたいと考えております。
○吉田忠智君 時間がもう来ておりますので、まとめたいと思います。 日本国内でもエネルギー政策の転換が叫ばれる中で、海外に危険で不安定な原発を輸出することは許されませんし、それに公的資金の保証をするという現在のスキームは再検討すべきだと考えております。 菅内閣の政治主導による国家戦略の柱が新成長戦略であるならば、原発輸出政策の見直しは当然政治主導で、各論を総括するもっと上のレベルでの判断があるべきだ、そのことを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(中村博彦君) 以上をもちまして、平成二十三年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、政府開発援助関係経費についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中村博彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(中村博彦君) 次に、政府開発援助等に関する調査を議題とし、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。藤原良信君。
○藤原良信君 委員派遣について御報告を申し上げます。 本委員会の中村博彦委員長、中谷智司理事、牧山ひろえ理事、福岡資麿理事、松山政司理事、大島九州男委員、岡崎トミ子委員、那谷屋正義委員、姫井由美子委員、藤原正司委員、水落敏栄委員、竹谷とし子委員、小熊慎司委員、荒井広幸委員及び私、藤原良信の十五名は、去る二月二十一日及び二十二日の二日間、独立行政法人国際協力機構、JICAの青年海外協力隊事業及び研修員受入れ事業等に関する実情調査のため、長野県及び愛知県に派遣をされ、JICA駒ケ根青年海外協力隊訓練所、JICA中部国際センター、KTC中央高等学院を訪れ、関係者からの説明聴取と関連施設の視察並びに意見交換を行いました。 以下に概要を報告をいたします。 第一日目は、長野県駒ケ根市に赴き、JICA駒ケ根青年海外協力隊訓練所におきまして、まず、JICAから、青年海外協力隊事業の沿革、現状、実績及び意義や、同訓練所における青年海外協力隊員候補生の訓練状況等について概況説明を聴取をいたしました。 その中では、青年海外協力隊事業は、一九六五年の事業開始以来、八十七か国に累計三万五千名を超える隊員が派遣されておりますが、その献身的な活動は派遣国で極めて高い評価を受けていること、同事業は途上国の開発だけではなく、我が国の外交政策の実施や我が国自身の人材育成を通じました我が国の活性化にも貢献していること、また、訓練におきましては、現地の中に入り込んで活動する事業の特色に鑑み、実用的な語学訓練や異文化適応に重点を置いていることなどの説明がございました。 派遣委員からは、語学訓練の内容、派遣国決定の方法、派遣国における安全対策、隊員への手当の内容、我が国の外交戦略と青年海外協力隊事業との関係性、同事業の広報や評価指標の在り方、帰国隊員の就職状況等について質問が行われました。 その後、同訓練所内におきまして、語学研修クラス、宿泊棟などの施設、海外安全対策に係る講義等を視察をいたしました。 次いで、駒ケ根市長、同市議会議長、駒ケ根協力隊を育てる会会長等の地元の青年海外協力隊事業支援者から、同訓練所と地元との協力状況や同訓練所の存在を生かした地元の国際交流の現状等につきまして、青年海外協力隊帰国隊員から、派遣国での活動の状況や帰国後の就職の実情等につきまして、青年海外協力隊員候補生及びシニア海外ボランティア候補生から、志望した理由や訓練の状況、青年海外協力隊員候補生とシニア海外ボランティア候補生が合同で訓練を受ける意義等について、それぞれ説明を聴取をした後、意見交換を行いました。 派遣委員からは、駒ケ根協力隊を育てる会の活動状況、駒ケ根市の国際交流の取組、国際理解教育の重要性、派遣を控えた候補生の抱負や不安、同訓練所における訓練の改善点等について質問が行われました。 第二日目は、愛知県名古屋市に赴き、JICA中部国際センターにおきまして、まず、JICAから、同センターの沿革と役割、研修員受入れ事業の実施状況、市民参加協力事業の内容、民間連携推進事業の現状等について概況説明を聴取をいたしました。 その中では、同センターが所管する中部地域が有する物づくりなどの援助リソースを生かし、研修員受入れ事業を実施していること、また、同センターに所在する地球ひろばを活用し、市民参加協力事業を推進していること、中部経済連合会等の民間企業をJICA事業の重要なパートナーとして民間連携推進事業を実施していることなどの説明がありました。 その後、中部地域で活躍する青年海外協力隊帰国隊員から、活動経験を生かした就業の状況等について説明を聴取した後、意見交換を行いました。 派遣委員からは、派遣国でより円滑に活動するための青年海外協力隊事業の改善点、現職参加制度の実情等について質問が行われました。 次に、同センター内におきまして、地球ひろばなどの施設、研修、NGOとの連絡会等を視察をいたしました。 次いで、中部経済連合会、民間企業等の民間連携推進関係先から、中部地域の有する水技術等を活用した国際貢献・ビジネス育成に向けたJICAとの連携の現状等について説明を聴取した後、意見交換を行いました。 派遣委員からは、青年海外協力隊帰国隊員を積極的に雇用するための体制づくり、水分野でのJICAとの連携を進めるに当たっての課題、同センターにおける研修員受入れ事業と連携した民間連携推進事業を行う必要性等について質問が行われました。 さらに、同センター内におきまして、今回の委員派遣を取りまとめる意味で、JICA関係者と意見交換を行いました。 派遣委員からは、青年海外協力隊帰国隊員の経験を生かした就職支援の在り方、帰国後の起業や現職復帰につながるような派遣国及び協力分野の選定の必要性、国や地方公共団体等が企業に対し帰国隊員を雇用するインセンティブを付与する必要性、地元との連携の基礎となるJICA国際センターの拡充の必要性、青年海外協力隊員の派遣国におけるバックアップの重要性などの意見が表明されました。 最後に、愛知県名古屋市内にあるKTC中央高等学院を訪れ、同学院関係者及び同学院に勤務する青年海外協力隊帰国隊員から、帰国隊員を積極的に雇用している背景、帰国隊員の有するコミュニケーション力等の特色、帰国隊員の就職の実情等について説明を聴取した後、意見交換を行いました。 派遣委員からは、青年海外協力隊帰国隊員を採用した経緯、同学院の教育方針、帰国隊員を雇用する利点等について質問が行われました。 以上が今回の派遣の概要であります。 今回の調査により、JICAの青年海外協力隊事業及び研修員受入れ事業が、途上国の国づくりの担い手となる人づくりに直接貢献する、我が国の国際協力の特色をよく表した事業であることについて認識を新たにすることができました。特に、青年海外協力隊員候補生や帰国隊員、青年海外協力隊事業を支える地元の皆様の要望や意見を聞くことを通じ、同事業は、途上国の開発だけではなく、我が国自身の人材育成を通じた我が国の活性化にも貢献していることを実感をいたしました。その一方で、帰国隊員の就職をめぐる状況には厳しいものがあり、その人材活用に改善の余地があること等の実情についても認識を深めることができました。この点、国会として果たすべき課題も多いことを改めて痛感をした次第であります。 最後に、今回の派遣に際し、御対応いただきました関係者の皆様方に対し心から感謝を申し上げ、御報告といたします。 以上です。
○委員長(中村博彦君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十三分散会