政府開発援助等に関する特別委員会 第2号
- 発言数
- 52 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2011/02/16
会議録
○委員長(中村博彦君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、大島九州男君、藤原正司君及び神本美恵子君が委員を辞任され、その補欠として大久保勉君、柳澤光美君及び斎藤嘉隆君が選任されました。 ─────────────
○委員長(中村博彦君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。 独立行政法人国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊事業及び研修員受入れ事業等に関する実情調査のため、長野県及び愛知県に委員派遣を行いたいと存じますが、異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中村博彦君) 異議ないと認めます。 つきましては、派遣委員、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中村博彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(中村博彦君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 政府開発援助等に関する調査のため、本日の委員会に政府参考人として外務省国際協力局長佐渡島志郎君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中村博彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(中村博彦君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 政府開発援助等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として独立行政法人国際協力機構理事長緒方貞子君及び同理事粗信仁君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中村博彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(中村博彦君) 政府開発援助等に関する調査のうち、参議院政府開発援助調査に関する件を議題といたします。 本日は、平成二十二年度参議院政府開発援助調査派遣団参加議員の方々から各十分程度御意見を伺った後、六十分程度委員間の意見交換を行いたいと存じます。 御意見を表明していただくのは、第一班のガーナ、ルワンダ、チュニジアについては柳澤光美君、第二班のアメリカ、ドミニカ、エルサルバドルについては松山政司君、第三班のオーストリア、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナについては大久保勉君、第四班のベトナム、ラオス、カンボジアについては大久保潔重君です。 なお、御意見を表明される際は御着席のままで結構でございます。 それでは、まず、第一班の柳澤光美君からお願いいたします。柳澤光美君。
○柳澤光美君 第一班、アフリカ班の団長を務めさせていただきました柳澤光美でございます。どうぞよろしくお願いします。 第一班は、昨年十二月六日から十八日までの十三日間、ガーナ共和国、ルワンダ共和国及びチュニジア共和国に派遣されました。 派遣議員は、米長晴信議員、佐藤正久議員、そして私の三名でございます。 以下、調査の概要について御報告いたしますが、詳細は後日配付されます派遣報告書に譲ることとし、本日は調査を通じて認識を深めました点に絞って、派遣団を代表して述べさせていただきたいと思います。 お手元に報告内容を配付させていただきましたので、御参照いただければと思います。 日本の援助の原点は、やはり資金と人と技術を重ねながら、現場第一主義に基づき、地域の住民の自立性を呼び起こしつつ、人と人とのきずなを大切にした息の長い事業、つまり日本の援助が終わった後も現地に根を下ろし得る事業を着実に成し遂げる、この一点に集約されるとの認識を強く持ちました。 例えば、今回ガーナで視察しました天水稲作持続的開発プロジェクトがあります。これは、小さな渓谷や谷合いなど水のたまりやすい地の利を生かして、雨水だけで稲作を行うものであります。現在、十四か所のモデル地区で事業が進められておりますが、視察しましたのは、ガーナの第二の都市クマシから車で一時間ほど行ったアシャンティ州の村でした。 この事業の優れている点は、比較的少ない経費で、高度な技術も必要なく、習熟さえすれば稲作ができるといった技術を米農家に指導する事業であり、農民たちにとっても持続可能なプロジェクトである点です。この村では、かつてはもみの直まきによる稲作でしたが、農民自らくわであぜを作り、日本の専門家も一緒に泥まみれになり、雨水を流し入れて水田を作り、説明によれば、直まきでは一ヘクタール一トン程度の収穫が三・五トン程度に増産されるとのことでした。 ルワンダの安全な水の給水事業を柱とする東部県地方開発プログラムも同様の援助であります。ルワンダは、内戦や大虐殺が終わった今日、難民の帰還や除隊兵士の急増に伴って集団定住化政策が進められ、安全な水のアクセス改善が課題となっております。 日本は、無償資金協力、技術協力、そして青年海外協力隊などの派遣による複数のスキームを組み合わせ、給水施設の維持管理の能力が地元に定着するまで、住民に近いレベルできめ細かな指導を行っておりました。他のドナーも同様の事業を行っておりますが、住民に対するフォローアップがないため、施設の維持管理に問題が生じているとのことでした。 こうした援助のやり方は日本が強みを持つものでありますが、こうした事業を引き続き進める上で、三つほど課題を申し上げます。 一つは、こうした事業は手間も人も掛かるということです。専門家やボランティアの派遣はもとより、現地大使館、JICAの強化も必要です。また、アフリカでは複数のドナー間の協調が進む中にあって、プロジェクト型中心の日本の援助の優位性を対外的に主張しプレゼンスを確保するには、現地において援助経験や専門知識を備えた人材の配置が必要であります。 二つ目は、現地広報の強化です。例えばルワンダの給水事業にあっては、直接裨益を受ける住民の評判は高いのですが、国内レベルで日本の援助の評価が広がっているか、そのための工夫を行っているかといえば、疑問なしとは言えません。 三つ目は、以上述べた援助を二国間、バイの関係で進めるためには相応の財源を覚悟しなければなりません。とはいえ、私自身、援助予算は増やすべきだとは思いますが、現状では大幅に予算が反転することは難しい。そうであれば、日本の援助も対象分野を、例えば農業や水・保健衛生、高等教育などに特化する、対象国もできる限り絞り込むといっためり張りを付けた援助を進めることも検討しなければならないと考えます。 他方、インフラ支援、それも国境をまたがる道路網、電力網などの広域インフラ整備もアフリカの成長基盤を強化する上で必要であります。こうした分野での日本のイニシアチブをいかに発揮し得るかは大きな課題であります。このためにはアフリカの国際開発金融機関との連携も強化すべきとの視点で、チュニジアの首都チュニスにあるアフリカ開発銀行を日本の国会議員として初めて訪問し、カベルカ総裁や役員の方々と懇談する機会を得ました。 現在、我が国はアフリカ開銀の出資国としては世界第三位、域外国では第二位であります。一般に国際機関経由の支援は日本の顔の見える援助につながらないとの懸念もありますが、他方、地域の現場レベルのニーズについて多くの知見を持っており、そのノウハウを活用することにより日本の持ち味、強みを生かす援助ができないかとの観点で意見交換を行いました。 総裁からは、現在、EPSA、エプサという、アフリカ開銀とJICAの円借款とで連携して実施している政府向け協調融資と中小企業など民間セクター向けの融資の枠組みについて高い評価が述べられました。 当方から二点申し上げました。一点は、引き続き日本との連携を強化するためには邦人職員の積極的採用と重要ポストへの登用を実現願いたいと。現在、アフリカ開銀の職員総数は千四百五十七名ですが、訪問時のプロパーの日本人職員は僅か三名、その後五名となったとのことですが、日本の持ち味を発揮するにはまだまだ程遠いというのが現実です。 第二点は、是非とも東京事務所開設を実現されたい旨をお願いいたしました。総裁からは、予算が承認されれば二〇一一年に東京事務所を開設するとの言質をいただきました。帰国後に問い合わせたところ、予算が承認され、約束どおり二〇一一年に東京事務所は開設の見込みとのことですが、我が国、そしてアフリカ開銀双方にとって対アフリカ支援の大きな前進となるものであり、政府においてもできる限り早期の開設に向けて後押しをお願い申し上げます。 関連しまして、先ほど述べましたEPSAは昨年末で終了し、現在、EPSAⅡに向けて協議を進めているとのことですが、早々に実現していただきたいことと、運用に当たってはできる限り日本企業が比較優位を持ち、受注につながるような案件形成、例えば橋梁建設プロジェクトなどを進めるといった工夫をお願いしたいと思います。アフリカ開銀によれば、開銀グループ融資案件に係る日本企業の調達実績は極めて低調であり、首位の中国が約三割のシェアを持つのに対し、日本企業は僅か五%未満であります。 次に、アフリカの資源開発についても説明をちょうだいしましたが、最近の大型案件は軒並み中国とブラジルが権益を取得するなど、新興国の投資が急増しております。資源外交は政府も取組を進めておりますが、一点申し上げたいのは、我々国会議員もその一翼を担うべきであるということです。 ガーナ訪問時ですが、ガスプロジェクトの最終選定の時期と重なり、日本のコンソーシアムが選定されるかどうか待ったなしの段階にありました。このため、ミルズ大統領、エネルギー大臣などとの懇談では日本のコンソーシアム選定がガーナの発展に寄与すると申し上げ、協力を願いました。現時点では決定が延期されている状況ですが、途上国では我々が考える以上に参議院のODA派遣は大きなインパクトを持って迎えられております。 資源外交は国会議員も含めたオールジャパンで取り組む必要があります。政府と国会が情報を共有し、必要とあれば現地で我々議員を使う、我々もこれに応じるといった発想を是非とも先生方にも共有していただければと存じます。 最後に、青年海外協力隊の帰国後の処遇改善や再就職支援について申し上げて報告を終わりたいと思います。 ODA派遣の際、多くの先生方も、厳しい生活環境の中で支援を続ける青年海外協力隊の活動を目の当たりにして心を動かされたことと思います。 我々も、彼ら、彼女らと率直な意見交換を行い、活動現場も訪れました。こうした活動を帰国後きちんと正当に評価し、再就職について政府、自治体、そして企業がいま少し熱心に取り組むべきである、我々国会議員も議論を深め、具体的施策へと一歩でも反映、実現するよう汗をかくべきであることを強く申し上げたいと存じます。 ルワンダで訪問したフィデスコ養護施設では大虐殺や貧困で家庭での居場所を失った子供たちのケアをしていますが、ここで活動する女性の青年海外協力隊員内藤久美子さんは、子供たちと寝起きを共にし、現地語を習得して基礎教育や心のケアを行い、厚い信頼を得ていました。子供たちの心には、日本の女性の愛情が心に刻まれることとなります。こうした活動が、制度創設の一九六五年以来、約三万四千人の若者たちによって途上国で行われてきたこと自体が驚きでもあり、財産でもあります。 JICAの説明では、復職や再就職の問題から、説明会の参加者や応募者もピーク時の約半分以下に落ち込んでいるとのことです。帰国後の再就職も正規雇用は少なく、企業側の認識も終身雇用といった壁を越えられないのが現実です。他方、最近では、新興国の経済成長を受けて、途上国経験を持つ協力隊員をグローバル人材として採用したいとの問合せが企業から増えているとのことでもあります。 そこで、具体的な提言をいたします。 まず、援助人材の育成の観点から、キャリアパスとして青年海外協力隊を評価し、外務省、JICAなども、中途採用も含め積極的に受け入れること。同様の趣旨は当委員会の提言や決議でも言及されており、政府は具体的な成果でこたえるべきであります。 次に、政府が中心となり、成長戦略の視点から青年海外協力隊員をグローバル人材として位置付け、協力隊経験者の採用を検討するよう、企業側に様々な方法で呼びかけるべきであります。 国家公務員や地方公務員が現職で参加できる環境整備も図るべきであります。さらに、現職教員特別参加制度の一層の活用を図るべきであります。教師自らの経験の場所として、また帰国後の開発教育、子供たちに異文化や途上国への理解、関心を呼び起こす大きなきっかけを与えることとなります。 また、社会人採用時には協力隊員の経験を社会経験として評価できるよう、何らかの顕彰制度も整備すべきだと考えます。 以上、申し上げました点につきましては、是非とも当委員会で議論をし、具体的施策に反映されるよう政府に強く働きかけていただきたいと委員長にお願いを申し上げます。 ODA海外派遣が開始され、今回の派遣を加えますと、延べ百十五名の参議院議員が派遣されました。結果を出していかないということでは説明責任が果たせない。当委員会におかれましても、是非とも調査派遣が何らかの形で政策に反映されるようお願い申し上げまして、第一班の報告とさせていただきます。 最後に、この場をお借りしまして、今回の調査で御協力をいただきました視察先、在外公館、JICA事務所等の関係者の皆様に心から感謝を申し上げたいと思います。 以上、報告を終わります。
○委員長(中村博彦君) ありがとうございました。 次に、第二班の松山政司君にお願いいたします。松山政司君。
○松山政司君 ODA調査班第二班の団長を務めさせていただきました松山でございます。代表して御報告をさせていただきます。 第二班は、昨年十二月四日から十五日までの十二日間、ドミニカ共和国、エルサルバドル及び米国を訪問しました。 派遣議員は、姫井由美子議員、水戸将史議員、関口昌一議員、そして私、松山政司の四名でございます。 本調査団は、当初、十二月五日から七日までの三日間、ハイチを訪問する予定としておりまして、出発の直前まで外務省本省及び在ハイチ日本大使館との協議を続けてまいりましたけれども、昨年十一月以降のコレラの感染の拡大、また治安状況の悪化等を考慮しまして、最終的に訪問を取りやめることといたしました。このため、ハイチについては、ドミニカ共和国及び米国において、援助関係者との意見交換を通じて、できる限り現状を把握することとした次第でございます。 以下、今回の調査を通じて得た所見を中心に御報告をさせていただきます。 まず、ドミニカ共和国でございます。 最初に訪れましたのは、サントドミンゴ市から車で三時間ほどのところにあるサンファン・デ・ラ・マグアナ市のギド・ヒルデア学校であります。ここでは草の根無償で建設された学校教育施設の竣工式に出席をし、議員団を代表してお祝いの御挨拶、またテープカット、除幕式に参加をさせていただきました。また、サントドミンゴ市においては、周辺地域で教育を受けることができない子供たちに基礎教育を行っているメルセデス・デ・ヘスス基礎教育施設、また貧しい人々に安価な料金で画像診断サービスを提供している日本・ドミニカ共和国友好医療教育センターをそれぞれ視察をいたしました。 これら三つの施設は、いずれも恵まれない子供たちや貧しい人々に教育・医療サービスを提供するものですが、我が国の援助が同国の貧困削減に大きく寄与して案件としても高く評価できるものでございました。 サントドミンゴ特別区廃棄物総合管理強化プロジェクトにおきましては、市役所がモデル地区の住民と一緒になってごみの減量化、住民意識の啓発に取り組んでいるプロジェクトを視察をしてまいりました。このプロジェクトの実施によって、ごみの排出に関する住民意識に一定の変化が見られることは評価できますが、ごみの分別などリサイクルは、なお今後の課題でございます。引き続き廃棄物管理と環境教育の徹底を図っていく必要性を感じました。 輸出投資センター長のマルティネス長官との会談では、我が国から派遣されたJICA専門家やシニアボランティアによってドミニカ人の日々の仕事の観点や企業家の思考が変わって、その相乗効果が周りの人々にも広がっているとのお話がありました。また、視察先においても、本邦研修を受けたドミニカ人がほかの人と明らかに考え方や仕事への取組姿勢に違いが見られることに深い感銘を受けました。一方で、マルティネス長官からは、専門家等の派遣や本邦研修をもっと増員してほしいという旨の要請も受けたところでございます。現下の厳しい財政状況の中でありますけれども、費用対効果の面で優れているこれらの予算の充実を強く求めるものでございます。 次に、エルサルバドルについて申し上げます。 エルサルバドルに対するODAは、開発の遅れている東部地域へ重点的な援助を行ってまいりました。この東部地域は、首都サンサルバドルから車で三時間ほどの同国の最東端に位置し、内戦による被害を最も受け、開発から取り残された地域です。 代表的な案件、ラ・ウニオン港の開発であります。ラ・ウニオン港は、我が国の円借款により建設されたエルサルバドル史上で最大の公共事業であり、ポストパナマックス船の寄港も可能な港湾施設であります。開港に当たっては、エルサルバドル政府による運営方法決定の遅れがありましたが、本調査団が会談をしたスアレス農牧大臣の尽力もありまして、昨年六月に開港いたしました。 空の玄関口であるサンサルバドル国際空港も、我が国の円借款で建設され、中米のハブ空港として機能していますが、このラ・ウニオン港も物流、港湾における中米のハブ港になることが期待をされています。我が国としても、港湾機能が十分に発揮されるよう、引き続き技術支援等を行っていくことが求められております。 また、MEGATECラ・ウニオン学校は、このラ・ウニオンの港や周辺地域の産業を担う人材を育成するために、我が国の見返り資金で創設された高等職業訓練学校ですが、現在、JICA専門家によって教員の指導力向上に向けたプロジェクトが実施をされています。 関係者との意見交換の中で、これまで東部地域は雇用がなく、若者は軍に入るか、不法滞在で米国に行くか、あるいは反政府勢力に入るかという選択肢しかなかったが、この二つの支援案件によって東部地域に雇用と産業が創出されたとの説明を受けました。 我が国としては、この二つのプロジェクトがもたらす経済的、社会的効果を東部地域全体の活性化につなげていくための支援を今後とも継続して行う必要があると考えます。 日・中米友好橋はエルサルバドルとホンジュラス国境に架かる全長百七十メートルの橋で、我が国の広域無償によって建設されたものです。この橋は、ラ・ウニオン港で陸揚げした貨物を中米各地に運搬する陸上交通路の役割を担っております。ホンジュラス政府による本格的な国境施設の建設が今後の課題ではありますが、ラ・ウニオン港の開港と相まって、中米地域全体の経済発展につながることを強く希望するものであります。 次に、ハイチでございますが、昨年一月に発生した地震によって死者が約二十二万人、被災者は約三百七十万人にも上る未曽有の被害が発生しました。国連を中心に復興へ向けた取組が行われていた昨年十月、今度はコレラが発生をして、本年一月まで死者約四千人、入院患者は約十万人に達して、被害は現在も拡大しつつある状況にあります。国連の潘事務総長は、今後、感染者が六十五万人に達する可能性があると警告をしております。国際社会による一層の緊急支援が喫緊の課題になっております。 地震とコレラによる被害がなぜここまで拡大したのか、国連やハイチ支援関係者との意見交換で明らかになったことは、ハイチの長年にわたる政情不安などによる貧困の深刻さでございます。 ハイチは人口の約半数が一日一ドル以下で生活する西半球最貧国ですが、劣悪な鉄筋やコンクリートが建物の倒壊を招いたり、安全な飲み水など公衆インフラの不備がコレラの感染拡大を増幅させる結果となりました。 このため、今後のハイチの復興支援に当たりましては、短期的にはコレラの緊急医療支援として医師や看護師の増員、医薬品の増大、公衆衛生の専門家の増員が必要ですが、中長期的にはスラム街を中心としたトイレや住宅の建設、安全な水を確保するための深井戸の建設、結核やエイズを始めとした感染症対策が不可欠であると考えます。また、仕事の創出や人材育成など、経済を底上げして貧困を削減するための支援も重要であります。 その際、各国が援助が重複して必要なところに援助が行き届かないことがないように、国連によるモニタリングとコーディネートが必要です。 また、我が国のコレラ支援に当たっては、ハイチ支援関係者から指摘のように、患者を隔離して排せつ物を処理するためのコレラトリートメントセンターをWHOと共同して設置することが不可欠であります。あわせて、医療支援を通じた現地とのパートナーシップの育成や深井戸の建設、耐震性のある住宅建設など、単なる医療支援にとどまらない包括的な支援が必要と考えます。これらについて政府による早急な検討を強く求めるものでございます。 なお、こうしたハイチの復興支援に役立ててもらいたいという趣旨で、国際医療支援NGOでハイチ支援に携わっているAMDAと、ハイチで三十年以上にわたって医療支援活動されている須藤シスターに対して寄附金を贈呈したことを御報告をさせていただきます。 最後に、全般的な所見について述べたいと存じます。 第一は、適切なるODA予算の確保であります。 ODAは我が国にとって国際社会における発言力を高める重要な外交のツールですが、その予算は財政事情の悪化に伴って毎年削減されています。国際比較で見ても、我が国のODAは対GNI比で〇・一八%と、DAC諸国中、下から三番目であります。これは対GNI比で〇・七%とする国連の開発目標から大きく乖離をしています。こうしたODAの削減については、関係者との意見交換においても、国連の日本人幹部職員登用やJICAボランティア派遣等に大きな影響が現れているとして、強い懸念の声が示されています。 厳しい財政状況ではありますが、適切なるODA予算を確保して国際社会における日本のプレゼンスを高めていくことができるかが極めて重要な課題であります。 第二は、援助を通じた人材育成の重要性であります。 今回の視察と意見交換を通じて実感した課題の一つが、専門家等の派遣や研修員の受入れ等を通じた人材育成の重要性です。ODA予算が全体として削減される中で、この技術協力は顔の見える援助として中米・カリブ諸国においても大きな役割を果たしています。援助は本来、援助国側の一方的なチャリティーでは決して成功せず、援助国そして被援助国相互の協力が不可欠であります。技術協力を通じた人材育成は、被援助国側にパートナーをつくって一緒に問題を解決する方法を見付け出していくものであり、環境保全を始めとした開発課題への対処として極めて効果が高いと思われます。今後とも、人材育成を中心とした援助を積極的に推進すべきです。 第三は、対中米・カリブ地域の援助の必要性であります。 中米・カリブ地域に共通する開発政策上の最重要課題は貧困削減でありますが、環境問題や感染症対策など、地球的規模の問題があるほかに、近年、気候変動による自然災害が多発をしております。防災能力向上に向けた取組も課題となっています。 この中米・カリブ地域は、地理的にも遠く、アジアやアフリカと比べ我が国の関心が必ずしも高いわけではありませんが、日系人も大変多く、親日的でございます。小規模な援助であっても効果が出やすい地域であることは今回の視察でも実感をいたしました。これらの地域との関係強化は我が国の国益にとっても非常に重要でありますので、現地の実情に即したきめ細かな援助を引き続き行うことが必要と考えます。 最後になりましたが、今回の調査に御協力いただいたドミニカ共和国、エルサルバドル及び米国の訪問先の方々、並びに内外の関係機関の方々に心から感謝を申し上げ、御報告とさせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(中村博彦君) ありがとうございました。 次に、第三班の大久保勉君にお願いいたします。大久保勉君。
○大久保勉君 ODA調査第三班団長を務めさせていただいた大久保勉です。 まず、お手元の参考資料、ページ四十九ページを御覧ください。 第三班は、昨年十二月五日から十日までの六日間、オーストリア共和国、セルビア共和国、ボスニア・ヘルツェゴビナに派遣されました。 派遣議員は、小西洋之議員、北川イッセイ議員及び私、大久保勉の三名でございます。 派遣団は、欧州地域において我が国がODAによる支援を行っておりますバルカン諸国のうち、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナを、また当該地域と関係が深く同地域に対する援助国であるオーストリアを調査対象国と選定し、調査を行ってまいりました。 以下、調査を通じて気付いた点を申し上げます。 まず最初に、オーストリアについて申し上げます。 日本とオーストリアのODA実績を比較しますと、支出純額で見れば日本は九十四・八億ドル、オーストリアは十一・五億ドルとなっております。それでも、対国民所得比で見れば、日本は〇・一八%にすぎないのに対し、オーストリアは〇・三〇と、日本を上回っております。 オーストリアのODAの特徴としましては、同国が豊富な水資源を有することを背景とする水と衛生の分野、あるいはガバナンスに対する分野に援助を行っていることが挙げられます。地域的には、アルバニア、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ等のバルカン諸国を中心に優先的に援助を行っております。 オーストリアのセルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナへの援助は、戦争、内戦の勃発と同時に始まりましたが、この二国だけでオーストリアの援助予算の一〇%を占めるという説明がありました。しかし、オーストリアはこの地域の援助から近々手を引くとしており、本年中に事務所を閉鎖するということでありました。今後は、これらの地域への援助は民間レベルでの経済協力を中心にすることとし、援助はEU委員会の活動、EUの予算を中心に考えていくということでありました。 次に、当班は、この地域における日本の取組についてオーストリア外務省及び同国開発庁と懇談し、主として平和の貢献、ODA、民間レベルでの協力という三つの観点から議論を行いました。 オーストリア側との懇談を通じて、我が国のバルカン地域、特にセルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ両国への取組につきましては、平和の貢献及びODAの双方で高い評価が与えられました。 今後の対応としましては、この地域における活動で得られた高い評価、信頼を落とすことなく、今後ともそのような評価が継続して与えられるような取組を行っていくべきであるということが考えられます。 次に、セルビアについて申し上げます。 旧ユーゴの国々の中で、セルビアは最大の面積と人口を擁する国であります。一方、一人当たりの国民所得を見ますと、セルビアを含めた各国の開発段階は、スロベニア、クロアチアを除き、低いレベルにとどまっていることが分かります。この点について、意見交換を行いましたJICAの専門家によりますと、セルビアは紛争に伴う経済制裁等によって成長のタイミングを逃したものの、通貨が安く、安価な労働力があり、若い世代の経営者には豊かな生活への欲求もあり、発展へのチャンスがあるということでありました。 このような状況にあるセルビアへの日本の援助の最大の意義は、セルビアの発展と安定が西バルカンの安定を図る上で極めて重要である、こういった観点であります。 欧州への統合を目標に掲げるセルビアは、二〇〇八年、EU加盟の前段階である安定化・連合協定に署名し、二〇〇九年には加盟申請を行っております。さらに、会談を行ったジェーリッチ副首相は、今後、早期に加盟候補国の地位を獲得し加盟交渉を開始したいと語っておりました。日本としてもセルビアが潜在的なEU加盟候補国であることを踏まえ、EU加盟に資するような援助の在り方について検討する時期と思われます。そこで注目されるのが、円借款候補となっているニコラ・テスラ火力発電所に排煙脱硫装置を設置する案件であります。 同発電所の視察では、実態として、セルビアの電力需要の約半分をカバーしているものの、環境基準を上回る大気汚染物質を排出しており、環境への悪影響を懸念している旨の説明がありました。同発電所への援助は、EUの環境基準をクリアすることにつながり、セルビアのEU加盟を支援することにもなりますが、同時に、世界共通の課題である環境問題に対する日本の関与を示す好例ともなり得ます。こうした事情から、本案件に対する地元メディアの関心は高く、説明会場においてはテレビカメラが入り、終了後もインタビューを受けております。ジェーリッチ副首相も本件について会談時間の大半を割いて言及しており、セルビア側の期待の高さを実感いたしました。 ところで、セルビアのタディッチ大統領が近々訪日すると聞いております。大統領訪日の成果として円借款供与が確定されれば、日本とセルビアの友好関係促進に役立つことは間違いありません。私たちの視察がこの一助ともなれば、派遣委員一同喜びであります。 国際社会から一時的に孤立したセルビアでありますが、現在、欧州への統合を目標とし、民営化、外国投資の誘致、中小企業の育成、雇用の創出など様々な改革に取り組んでおります。日本も国際社会とともにこうしたセルビアの取組を後押しするため、市場経済化、医療・教育・環境保全を柱とし、無償資金援助協力、技術協力を併せ、二〇〇九年までの累計で約二百三十億円に上る援助を実施しております。しかし、援助の額としては決して大きいものではありません。 しかしながら、援助の規模にもかかわらず、日本の支援は現地において極めて評判が良いことを実感いたしました。例えば、無償資金協力によって九十三台のバスを支援したベオグラード市公共輸送公社からは、日本は必要なときに必要とされる援助を行ってくれたと評価されました。ジェーリッチ副首相も会談の冒頭でこの点に触れ、謝意を表明しております。 また、現地ニーズの把握が細やかな点も特徴的であります。ボシュコ・ブハ小学校への支援は、同校が知的障害を持つ児童に折り紙教室を開いたことが縁になり、援助が実現したとのことであります。ほかにも、日本が援助した成人身体障害者施設のスポーツクラブの代表は、自身も身体障害者でありながら、前セルビア大使とともに企画を練り、今につながっていることを誇りにしているようでありました。同施設には長井前セルビア大使との関係を取り上げた新聞記事が張られております。現地に溶け込み、職務に専念する外交官の姿をうかがい知ることができました。なお、余談でありますが、長井前大使は昨年、ベオグラード名誉市民に選ばれたということであります。 こうした一連の日本の援助に対する評価は、「日本の泉」と呼ばれる噴水に結実しております。カレメグダン公園というドナウ川とサバ川の合流点を見下ろす丘に、「日本国民への感謝の印として」と銘記された噴水が昨年九月に設置されました。そのきっかけは、様々な公共インフラ整備に貢献してくれた日本に対して友好的な謝意を示せないかという市民の声であったとされ、日本の援助が有効であったあかしとなっております。 最後に、ボスニア・ヘルツェゴビナについて申し上げます。 一九九一年のスロベニア、クロアチアの独立宣言に端を発した旧ユーゴの内戦は、スロベニアにおける短期間の戦闘からクロアチアの内戦へと続き、一九九二年四月にはボスニア・ヘルツェゴビナに飛び火いたしました。 ボスニア・ヘルツェゴビナでは、独立に反対するセルビア人勢力と独立を目指すムスリム、クロアチア人勢力との間で三勢力三つどもえの武力紛争が発生いたしました。民族浄化という凄惨な事件を伴った紛争は三年半を超え、一九九五年十二月のデイトン和平合意により、ようやく終結いたしました。その間、死者二十万人、難民、避難民二百万人が発生したと言われ、戦後欧州で最悪の事態となったのであります。 デイトン和平合意は、ムスリム系及びクロアチア系住民が中心のボスニア・ヘルツェゴビナ連邦とセルビア系住民が中心のスルプスカ共和国という、当初は軍事力も有する二つの主体による国土の分轄を認めながら、それらをボスニア・ヘルツェゴビナという一つの国家として維持した点が特徴であります。 国際社会は、この矛盾した内容を履行させるために、民生面で和平履行協議会、以下PICと申し上げます、を設け、その下に上級代表事務所、以下OHRと申し上げます、を置き、OHRをして和平履行を推進させる体制を構築いたしました。このOHRは、戦後直後我が国に置かれたGHQに擬せられる組織でありますが、日本はPICに参加すると同時に、PICの主要メンバーで構成する運営委員会の一員になり、OHRの運営にも関与しております。 極東に位置する日本が欧州の平和構築にかかわっていること、その立場が完全に中立的であることが肝要であり、日本はボスニア・ヘルツェゴビナの和平履行に対し重要な責任を負っております。 ところで、ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボと聞けば、サラエボ冬季オリンピックが想起されます。しかし、市内移動中に目にした光景は、かつての競技会場に墓標が林立する姿でした。旧ユーゴの解体過程において生まれた悲劇でありますが、国際社会はボスニア・ヘルツェゴビナに再びこうした悲劇が起きないよう経済社会の再建に取り組んでおります。 日本のボスニア・ヘルツェゴビナに対する支援は大きく二つに分けることができます。 一つは、PICへの拠出金やOHRへの要員派遣のように、国際機関との協力を通じて行うものであります。この面での日本の貢献は、OHRを訪問し、インツコ上級代表と会った会談において高く評価されていることが分かりました。G8とトルコで構成する運営委員会は、上級代表が行う和平履行のガイダンス作成を務めていますが、各国の利害関係が反映されることもあります。地理的、歴史的に西バルカンに権益を持たない日本は、和平履行への関与が純粋であり、そうした日本の立場を上級代表も理解し信頼しているように受け取れました。 二つ目は、日本独自の中立的立場を生かしたODAによる支援であります。日本は、ボスニア・ヘルツェゴビナに対し、平和定着支援等を中心に二〇〇九年まで累計で約五百十億円の二国間援助を行っております。ボスニア・ヘルツェゴビナに求められるのは民族の共存であり、そのためには経済社会の発展のみならず、民族融和が欠かせません。しかし、紛争によって直接被害を被った住民感情は複雑で根深く、異質性を排除し、同質的な社会を強化しようとする傾向が依然として残っております。 そこで、教育分野におけるカリキュラムの統一を通じ民族融和を達成する取組として、IT教育近代化プロジェクトが行われております。同プロジェクトは、IT教育分野における共通カリキュラムの策定、更新を三民族が協働して行うことにより民族融和の促進を狙ったものであります。本プロジェクトのユニークな点は、機材や教材の刷新と引換えに三つの民族による協働を迫る手法でありますが、これも日本が三民族に対し中立的であるからこそ可能となっております。この取組が契機となり、将来的に三民族の協働を教育分野全体へ波及させることができれば平和の定着への貢献は計り知れません。OHRを訪問時に、インツコ上級代表も教育の重要性に言及しており、今後国際社会とともに更なる事業の推進を期待したいと思います。 ところで、ボスニア・ヘルツェゴビナのような多民族国家におきましては帰属意識の在り方が問題となります。この帰属意識を民族や宗教ではなく地域の一体性に求めていく活動が、日本紛争予防センターという我が国のNGOによりセルビア南部やマケドニアにおいて実際に行われております。 同NGOとの意見交換では、現地において日本は地政学的な思惑が一切ないと理解されているため、対立する民族の双方に対し日本の主張は受け入れられやすいとの説明を受けました。日本こそ独自の民族融和に貢献できる立場にあるということであります。この民族融和に対する信念と、異なる民族の間で積極的に活動する姿に敬服いたしました。 また、意見交換はNGOが抱える問題にも及び、国際的な組織において運営能力を持つ人材が不足しており、組織のマネジメント力が足りないとの意見が出されました。また、NGO職員として長期勤続を可能とするには、ボランティアから脱却し、相当の賃金を確保する必要があるとの指摘もありました。日本には意欲も能力もあるNGO関係者がおりますが、途中で断念する人が多いとすれば残念なことであり、貴重な意見は今後に生かす必要があると考えます。 民族融和を実現するにはNGOの更なる活動が期待されるところでありますが、今まで以上にNGOと日本国政府との協力関係を強化する必要があります。また、NGOと外務省職員との人材交流を検討すべきと考えます。 最後になりますが、今回の調査に御協力いただきましたオーストリア共和国、セルビア共和国、ボスニア・ヘルツェゴビナの各国、各視察先の方々、内外の関係機関の各位に感謝申し上げ、報告を終わります。
○委員長(中村博彦君) ありがとうございました。 次に、第四班の大久保潔重君にお願いいたします。大久保潔重君。
○大久保潔重君 ODA調査第四班につきまして御報告いたします。 第四班は、昨年十二月七日から十五日までの九日間、ベトナム、ラオス及びカンボジアに派遣されました。 派遣議員は、西田昌司議員、小熊慎司議員、紙智子議員、そして私、大久保潔重の四名でございます。 初めに、これら三か国を調査対象とした目的を述べます。 ASEAN各国の近年の経済成長は大変著しいものがありますが、そのうちカンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム、タイのメコン地域諸国とは、一昨年より我が国政府において首脳会議を定例化するなど、協力関係の一層の強化が図られているところであります。 一方、これらメコン地域諸国のうち、メコンの中下流域において隣接するベトナム、ラオス、カンボジアの三か国に対するODAは、いずれの国にあっても我が国がトップドナーの位置にありますが、それら三か国とインドネシアなどASEANの原加盟国との経済格差はいまだ大きいものがあると承知しております。また、最近はこれら三か国を含むASEAN諸国に対する中国、韓国等の進出が目覚ましく、そのため日本の影響力が相対的に低下しているとの各方面の声もしばしば耳にするところとなりました。 今回の調査は、こうした背景の下、超党派の四名の議員で、ベトナム、ラオス、カンボジアのメコン地域三か国における我が国のODAの実情につきまして、社会経済インフラ整備や域内の格差是正に対する取組状況を、できるだけ多くの案件視察や、可能な限り多くの関係者との意見交換などを通じて理解することを目的としたものであります。 まず、ベトナムでは、ハノイ、ホーチミンを四日間精力的に視察しました。いずれも町は活気にあふれ、人々がバイクで行き交う姿を目の当たりにして確信したことは、タイに続くメコン地域経済の牽引役になるのはベトナムであるということであります。 こうしたベトナムが後発開発途上国から中所得国入りを果たしたことは、これまで積極的に行ってきた我が国ODAの成果の一つであり、ベトナムとの関係を更に強化するためのODAを我々は外交手段として積極的に活用していくべきであります。 しかし、経済発展の著しい中国などの新興ドナーがインフラ整備を中心にベトナムへの支援を積極化させる中で、我が国のODA予算は一般会計ベースで減少しております。日本政府に対しては、ベトナムに対する我が国のプレゼンスが低下しないよう戦略的なODAについて早急な検討を求めたいと思います。 次に、ベトナム経済の発展の裏にはベトナムへの企業進出が見逃せません。このため、民間との連携による我が国ODAを戦略的に推進することが、厳しい財政状況の下で効果的であると考えます。 今回訪問しましたタンロン工業団地でも活用され、現在は停止中の海外投融資スキームや、現在進められているラックフェン港プロジェクトのような官民連携型のODAを推進するための方策について、日本政府の更なる検討を求めます。 ベトナムの経済発展は目をみはるものがありますが、経済発展に対応したインフラ整備は不十分であり、更に支援する必要があると考えます。具体的には、国民の安全を確保するための道路整備、シーレーンに面しているベトナムにおいて重要な港湾整備、貧困削減に欠かせない保健医療分野の地方への支援を積極的に行うべきであります。 次に、ラオスについて申し上げたいと思います。 ラオスは、ベトナム、タイ、カンボジア、中国、ミャンマーの五か国と国境を接するなどメコン地域の中心に位置しており、このような地理的優位性を有するラオスの安全と繁栄は、メコン地域全体に寄与するものであります。これまでも、我が国はラオスに対するODAの最大供与国でありますが、更に量的な拡充を行う意義は極めて高いと考えます。 もっとも、ラオスには経済成長の源泉である産業が育っておらず、外貨獲得には基本的に水力発電を利用した売電などに依存する状況にあります。さらに、国の財政は脆弱であるため、都市と農村の格差は広がるばかりで、医療、教育の水準が東南アジアでも極めて低いなど、海外からの援助なしでラオスの国づくりは現実的には困難と言わざるを得ません。 ラオスが掲げた二〇二〇年までに後発開発途上国を脱却するとの開発目標の達成に向けても、我が国のODAを拡充すべきと考えます。 ラオスの自立に向けた我が国の青年海外協力隊、シニア海外ボランティア、NGOなどの地道な活動には正直頭の下がる思いをいたしました。今回訪問しましたシコタボン郡病院では、地域母子保健の改善に向けた活動をしている助産師でもある青年海外協力隊員、トンカム小学校では、設備が十分ではない校舎で子供たちに楽しく算数を教える青年海外協力隊員、バンクン教員養成短期大学では、理科の実験の楽しさを教えることについて熱く語る青年海外協力隊、ラオス日本人材開発センターでは、熱心に日本語を教えるシニア海外ボランティア、「ラオスのこども」では、教育を受ける機会が十分ではないラオスの子供に対する読書習慣の普及等に取り組むNGO職員、そして稲の種の品質向上に全力を注ぐJICA専門家など、ラオスの文化や習慣に合った支援に向けて、日本らしいきめ細やかな協力の実態を知ることができました。 インフラ整備も重要ではありますが、このような青年海外協力隊等の活動を更に支援することなども含め、ラオスとの友好関係や地域の繁栄に向けた包括的パートナーシップの強化に資するべきであると考えます。 次に、カンボジアについて述べたいと思います。 まず、我々は、昨年十一月二十二日に多数の死傷者を出したプノンペン市内のダイヤモンド橋の事故現場に赴き御冥福をお祈りするとともに、キアット副首相に対しまして見舞金をお渡しいたしました。後日、副首相から、カンボジア政府及びカンボジア国民を代表してお礼の手紙をいただきました。 さて、長い内戦を経たカンボジアにとっての大きな課題は、人材不足を補うべき人づくりと基礎的経済インフラの整備であります。我が国は、後発開発途上国であるカンボジアに対し、戦後復興から積極的に支援してきましたが、インフラ整備や人材育成は道半ばであり、今後も最大の供与国としてカンボジア支援を継続していくべきであります。 近年、橋梁建設などハード面の支援を行う中国のプレゼンスが高まっているとの指摘もありますが、キアット副首相からは、我が国の支援は経済社会インフラの整備のみならず、教育、医療などの支援のほか、アンコール遺跡保存修復などの文化支援、さらにカンボジア和平構築など様々な形で実施されているとして、常にカンボジア国民の心に残っているとの強い感謝の念が示されました。 この副首相の謝意を裏付けるかのように、我々が今回視察しました国道一号線改修事業やネアックルン橋梁建設事業は、物流の効率化を通じ、カンボジアはもちろんのこと、メコン地域全体の経済発展にも大きく貢献するものと実感しましたし、カンボジア地雷除去センターに対する対人地雷の支援がカンボジア国民の生活の安全に大きく貢献していること、さらにはアンコール遺跡保存修復事業では、我が国の高い技術力が世界から注目されていることに誇りを覚えました。 このような国際的に評価の高い支援は我が国としても継続するべきであり、結果的に我が国のプレゼンスを高めることにつながるものであります。 カンボジアの親日感情は我が国にとっても重要な財産でありますし、今後も両国の関係を維持発展させるため、ODAを有力な外交手段として位置付けるべきであります。 最後に、全般的な所見について申し上げます。 第一に、我が国がメコン地域開発に対して主導的な役割を果たすべきということであります。 今回の視察の主目的はメコン地域開発に対して我が国ODAの在り方を考えることにありましたが、特に、我が国が厳しい財政状況に直面する一方で中国など新興ドナーが台頭するなど、我が国のODAをめぐる状況は極めて厳しいと言わざるを得ません。しかし、今回の視察を通して、我々は、アジアの一員としての自覚とメコン地域がインドシナ半島だけでなく東南アジアの発展のためにも不可欠であるとの認識の下で、今後ともメコン地域開発については我が国のODAを通じて主導的役割を果たすべきと考えます。 まずは、二〇〇九年十一月の日・メコン地域諸国首脳会議でコミットしました三年間で合計五千億以上のODA支援を円滑に実施すべきであります。その上で、ベトナム、ラオス、カンボジアへのODAを量的に確保すべきであります。 第二に、中国など新興ドナーの台頭を踏まえ、戦略的なODAを再度検討すべきであります。 先ほど申し上げましたように、メコン地域への我が国ODAの量的確保が必要であるとしても、ODAの枠組みとは異なる新興国と同じように援助することは現実的ではありません。我が国としましては、戦略的なODA、日本の強みを生かしたODAについて再度検討すべきであります。 メコン地域という面でとらえた支援として考えますと、効果的なインフラ整備等に資源を極力重点化するよう検討すべきであります。例えば、今回視察しましたカンボジアの国道一号線改修事業やネアックルン橋梁建設事業は、タイ、カンボジア、ベトナムを一つに結ぶもので、インフラ整備が幅広い地域や国境をまたいで寄与することが期待をできます。このようなメコン地域の経済成長を促し格差是正に向けた効果の大きいODAは我が国の国益に資するものであり、戦略的なODAとして積極的に行うべきであります。 また、今回ベトナム・ハノイで視察しましたタンロン工業団地は官民連携型のODAのモデルケースと位置付けられていますが、実際に、キヤノンを含め八十七社で五万人以上の雇用を生み出し、工業団地からの年間輸出額は国全体のおよそ五%にも及ぶなど、その効果は注目に値します。経済発展の著しいベトナムに今後更に多くの日系企業が事業展開することが予想される中で、ODAを通じた官民一体の連携を強化しベトナムの支援を行うことは、我が国の成長戦略の理念にもかなうもので極めて意義の高いものであります。再開が検討されている海外投融資のスキームのほか、ラックフェン港のプロジェクトのような官民連携型のODAをどのように戦略的に展開すべきか、今後検討する必要があると考えます。 第三に、地域に根差した我が国ODAを再評価し、支援を強化すべきであります。 今回の視察の中で、アンコール遺跡保存修復事業などの文化支援やカンボジア地雷除去対策などの平和構築の活動のように、我が国の高い技術力と長年の地道な活動が国際的にも高く評価されていることを実感いたしました。キアット副首相からも感謝の意を表して述べられました心に残る援助につきまして、我々としていま一度評価すべきと考える次第であります。 また、我が国のODAを最大の援助国など形容する言葉はありますが、地域に根差したODAがあってこそ被援助国の実情に応じた支援が可能となるものであります。 今回、ラオスでは青年海外協力隊、シニア海外ボランティア等が活躍されている現場を拝見し、我が国ODAが相手国の発展に応じてきめ細やかに行われていることを知りました。メコン地域の中でも中所得入りしたベトナムと後発開発途上国のラオスとは明らかに発展の度合いが異なる中で、メコン地域の国々が均衡の取れた発展を実現するためにも、インフラ整備とともに、貧困削減のための教育、保健医療、福祉、水と衛生、農業分野の協力は欠かせません。 このため、今回ラオスで視察しましたシコタボン郡病院、トンカム小学校、バンクン教員養成短期大学、ラオス日本人材開発センター、稲種子増殖普及システム改善計画プロジェクトにおける活動等をモデルケースとして、今後も支援を続けていくべきであります。 最後に、この機会に、今後のODA派遣に関しまして若干の意見を申し述べたいと思います。 まず、視察案件のフォローアップについてであります。もちろん新規のODA案件を視察することは重要ですが、過去に視察した案件であっても、インフラの整備や技術協力の浸透の状況は予算の規模や国情によっても異なりますし、何よりも一定の時間を掛け丁寧にフォローすることでODAの効果はより正確に検証されると思います。また、派遣の時期やメンバーが変われば更にきめの細かい調査ができるのではないでしょうか。外務省などODA実施機関における検証とは別に、参議院がこうした取組を行うことの意味は大きいと思います。 次に、派遣を通じて議員間交流を深める機会にしてはどうかということです。今回、日ラオス友好議連会長を訪問いたしましたが、お互い国会議員として素直な意見交換を行い、両国の友好関係が深まったものと実感をいたしました。ODA派遣は参議院が重点的に取り組んできたものであり、こうした機会を通じて議員間の交流を積極化させるべきではないかと思います。 最後に、視察先につきましては、時間の制約もあり、都市部に集中しがちでありますが、地方の実情を知ることがODAにとって重要であります。アクセスや費用の問題もありますが、地方への視察にも重点を置くことを検討すべきではないかと思います。 以上、第四班を代表しまして所見を申し述べさせていただきました。 最後に、調査に御協力いただきましたベトナム、ラオス及びカンボジアにおける訪問先の方々並びに内外の関係各機関の方々に対し、心からの感謝を申し上げる次第であります。 ありがとうございました。
○委員長(中村博彦君) ありがとうございました。 以上で意見の聴取は終わりました。 これより意見交換に入ります。 発言を希望される方は、委員長から順次指名いたしますので、お手元の氏名標を立ててお知らせください。 また、発言が終わりましたら、氏名標をお戻しくださりますようお願い申し上げます。 本日は、外務省から伴野外務副大臣及び佐渡島国際協力局長に、独立行政法人国際協力機構から緒方理事長及び粗理事に、それぞれ御同席をいただいております。発言に対して回答をお求めになる場合には、派遣に参加された委員に対してだけでなく、御同席いただいている方々に対してお求めいただいても結構です。 また、回答される場合は挙手をお願いいたします。 なお、発言は全て起立してお願いいたします。 それでは、発言を希望される方は氏名標をお立てください。 姫井由美子委員。
○姫井由美子君 失礼いたします、民主党の姫井由美子と申します。この度は、第二班、中米の調査団に入れていただきまして大変お世話になりました。 ハイチ支援について、伴野副大臣あるいは局長の方に、そして緒方理事長にも一問お伺いしたいことがございます。 この度ハイチには、最後まで努力をしましたが、諸事情によりまして入国することはできませんでしたが、当時コレラのミッションでハイチに入っておりました岡山に本部がありますAMDAの菅波代表にニューヨークで合流し、お話を伺うことができました。 先ほど松山団長の方からもハイチでのコレラ支援についてお話がありましたけれども、各国が先を争ってコレラ隔離シェルター、国旗を立ててメーン通りに建てている中で、日本も感染症軽減のためにも是非遅れることなく、しかも日本の独自性を持ってハイチのコレラ支援には取り組んでいただきたいということでした。 特に、ハイチでは井戸が浅く、安全な水のためにはその水を煮沸しなければいけないということが分かっているにもかかわらず、その煮沸する炭を買うお金がなくてそのまま飲んでしまっているのが現状なんです。是非、先ほど言われましたコレラトリートメントセンターには、井戸掘りチームと、コレラを再発させないという日本独自のインパクトがある支援をお願いしたいと思いますので、どうでしょうかということで御意見よろしくお願いいたします。 そしてもう一点は、ドミニカにしましてもエルサルバドルにしましても、青年海外協力隊、特に女性隊員の活躍が目覚ましいものでしたが、その中に入ってシニアボランティアが大変いい味を出しているといいますか、いい活動をしております。 しかし、シニアボランティアは、ホームステイでもなく単身ということで、ともすれば、配偶者、パートナーを呼び寄せることも少なくありませんが、配偶者、パートナーに対する手当が十分とは言えず、もしこれが夫婦あるいは家族単位で支援ができれば、本当に志が高く、その地域にとって必要な技術を日本の優秀な人材で支援できるということにつながると思いますけれども、そういった取組についてお伺いしたいと思います。
○副大臣(伴野豊君) 外務副大臣を仰せ付かっております伴野でございます。 この度は、四班に分かれてODAの現地調査をしていただきました参議院ODA特の先生方に心から感謝を申し上げたいと思います。まず、冒頭御礼を申し上げ、今回、御調査で御指摘いただいたこと、また、今後いろいろ御教示いただけることを政策に生かさせていただきますよう努めさせていただきたいと思います。 また、今、姫井先生からのお話でございますが、まずハイチにおけますコレラ感染の対策いかんということでお答えさせていただければ、ハイチにおけますコレラの感染は依然として予断を許さない状況下にございまして、感染の威力は弱まりつつあるとの見解をしておりますが、我が国としましては、昨年十月下旬に一千五百万相当の緊急援助の供与をさせていただいたことでございます。その後もハイチ政府と緊密した連絡を取らせていただいて、情勢を注視させていただいております。 さらには、コレラ対策支援としましておおむね四百万米ドルの対策を現在考えております。国際赤十字を通じて対策を取らせていただく予定でございます。主な事業内容といたしましては、安全な水の供給、衛生改善、保健衛生教育、保健医療活動を考えさせていただいております。 ありがとうございます。
○姫井由美子君 ありがとうございました。
○委員長(中村博彦君) 赤石清美君。
○赤石清美君 自由民主党の赤石清美でございます。 四班の先生方、大変御苦労さまでございました。本当にこのODAの重要性を今お話を聞いて認識した次第であります。 ところで、気になりましたのは、最近日本のODAがどんどん予算を削られて、そして中国、韓国のプレゼンスがどんどん高くなっているというお話がございました。マスコミでもそのことが大変報道されていて、日本のODAの価値が、プレゼンスが、そのことによってあるいは海外の事業展開が遅れてしまうんではないかと、そのような懸念も持っているわけでありますけれども、具体的に人的な問題がプレゼンスが下がっているのか、ハードで下がっているのか、それとも医療支援が駄目なのか、それともいわゆる技術レベルが駄目なのか。何がプレゼンスが下がっていて、どこを中心にやればいいのかと。 よく今、全体にやらなきゃいけないということはよく分かったんですけれども、そのプレゼンスが落ちているのはどこで、どこをもっと戦略的に強化しなきゃいけないかということがちょっと私は今理解できなかったものですから、その点について、どなたでも結構ですので、お答えいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○大久保勉君 第三班の団長を務めておりました大久保ですが、中国等のプレゼンスが高まっているということで、実際にセルビアのジェーリッチ副首相と話をしました。そのとき会話したことをお伝えしたいと思います。 中国の場合は、橋の建設をするということで、速やかにまた多額の供与をしたということで、日本は事前に話をしていましたが、日本の場合、決断が遅くなって中国が持っていったということで、日本のODAに対する決断のスピード、金額に関して劣後しているという部分がありました。しかしながら、中国の場合は、建設をした場合に全て中国の建設会社若しくは人員を持ち込むということで、いわゆるOECD方式とは違う方式を取っております。そういった点はなかなか現地としては残念だなと、こういった意見もございました。 一方で、日本に対しまして、今回ニコラ・テスラという火力発電所の排煙施設の円借款の供与をお願いしておりまして、スピードを速くして、かつ、セルビアの大統領が日本に来る予定です。ですから、中国とのODAの競争に負けた、時間的に負けたということで、その反省に立ち、速やかな決断をすると。また、日本が持っております環境設備あるいは運用ノウハウ、こういった日本の強いところを前面に押し出しております。 まとめになりますが、資金的な部分で負けていたとしましても、日本の持つ技術力若しくはいわゆる経営ノウハウ、こういったもので十分に対処できると思います。ですから、ODAに関しては、量から質になっているんじゃないかというのが私の見解です。 以上です。よろしくお願いします。
○柳澤光美君 実は、今回アフリカに行かせていただいて、日本はもっと自信を持たなきゃいけないよなという思いを強く持って帰ってきました。特に途上国の皆さんは、戦後焼け野原から本当にみんなで力を合わせて農業も産業もインフラも全部つくり上げてきた日本、その技術と知識を欲しいという思いがあるんですね。 ですから、例えば稲作にしても、お金だけではない。実は、はっきり言いますけれども、中国の方が、ガーナではサッカー場を造ってあげていました、ルワンダでは外務省を造っていました、それが中国の企業が来て、中国人の方が造ったらいなくなってしまう。ところが、日本は、ODAを絡めてそこに人材育成、それから原点からもう一度自分たちの経験で、お金が掛かるようなことではなくて、本当に稲作を、私たちが昔やったように泥をこねてあぜを作る、しかもガーナは三期作もできるんですが、そうではなくて、土地を肥やしながら、開発も自分たちがもう少し田を広げたいというところからやろうと。 あるいは、インフラにしても、国道八号線、穴だらけなんです。なぜかというと、造るときに非常に手抜きをしますから。日本のプロジェクトは全部、水がどうしてもたまるので、道路を最初から一メーター高く造ると、横に溝を掘っても必ず埋まってしまうという形で、その造った後のいわゆるフォローもひっくるめて、日本のいわゆるODAを中心としたものはアフリカの皆さんにも大変感謝されていますし、その訴えをずっとしてきました。 ですから、確かにお金の問題もあるんですが、お金以上に人あるいは物、技術といったものをもっともっと日本は訴えて根強くやるということが大きな成果につながるというふうにしみじみ感じて帰ってきました。
○大久保潔重君 我々はアジア班でありますけれども、ちょっと話をお伺いしたところが、例えば中国の雲南省の昆明からラオスの首都ビエンチャンまで鉄道を通すと、さらにはビエンチャンからタイのバンコクを通して一気にマレー半島を南下してシンガポールまでの鉄道を三年から五年以内に造るんだと、そういう話を聞いてびっくりしたわけでありますけれども、中国はどういうシステムでそういう開発をやっているかというのは、これは外務省で調べても何かいま一つ把握できない。それぐらい恐ろしい勢いで開発を進めていますね。だから、日系企業の皆さんも物流を押さえられてたまったもんじゃないと。さらには、労働力もどばっと送り込んでこられる可能性があるということでありました。 さらに、韓国の方も、ラオスにおいては証券取引所の開設など金融面での支援を強化しております。さらには、ベトナムのいわゆる沿岸部の港湾ですね、民間の企業が進出しやすいような何か支援を国家的に戦略としてやっているんでしょうか、かなり大きなコンテナヤードを見て、かなりな活動をしている状況にも触れさせていただきました。 そういう意味では、日本もそういうインフラ整備はやっぱり戦略的に、メコン流域をどうしていくかということを考えていかなければいけないのかなという気がいたします。 さらには、インフラ以外では、医療支援とか教育支援、さらには農業支援なんかを日本が地道にやっていることに対して、特にやはりメコン流域というのは親日感情が強くて大変評価をされております。そういう意味では、そういったものが日本らしい支援の仕方かなというふうにこれ思っておりますし、ラオスにおいては、日本の支援した、これはいわゆるインフラでありますけれども、自国の紙幣に印刷をしたり、切手に、これは日本からの支援によってできたものでありますと、こういったのを載せてあるというところが非常に印象的でありまして、更に支援を日本が、日本らしい支援をしていくべきかなというふうに思っております。
○松山政司君 先ほども若干申し上げたんですが、プレゼンスを高めるということですけれども、やっぱりまずは予算の関係で、国連が目標としている数字がGNI比、いわゆる国民総所得比で〇・七%と。そういった意味では、もうピーク時の今半額の、半値の予算になっているということでして、〇・一八%と、DAC諸国でも下から三番目ということであります。 国連の西田大使とも、意見交換の中で、やはり国連の内部の日本人幹部の職員の登用も少ないと、また少なくなっていく傾向にもなってくるし、JICAのボランティア、JICAの派遣等にも大きな影響が現れていると。 そういった意味では、適切なODA予算の確保というものをやっぱりしていかないとならないと思います。 極端にアフガニスタンに対する巨額な予算を発表されたり、アフリカもそうでありますけれども、偏ったような状況になっておりますので、中米に行って思いましたのは、やっぱり日系人も大変たくさんおられますし、本当に僅かな金額でも四、五年掛けて今JICAの方々が、例えばごみの収集一つ取っても、何曜日にごみを出して回収するという、そういう生活習慣まで指導されておられますので、極めて重要なきめ細かな予算についてはしっかり予算を付けて、日本のプレゼンスにそれがつながっていくのではないかというふうに考えております。 以上です。
○委員長(中村博彦君) それじゃ、姫井由美子君。先ほど答弁がなかったようですから、どうぞ。 佐渡島局長。
○政府参考人(佐渡島志郎君) 先ほど姫井委員から御指摘のありましたシニアボランティアにつきまして、ちょっと今手元に数字がありませんでしたので、時間を取らせていただきまして申し訳ございませんでした。 現在、シニアボランティア、全世界で見ますと、今手元にある資料でございますが、去年の年末の資料でございますけれども、全世界で大体六百七十人、女性がそのうち百三十四人という状況でございます。単身でおいでになっている方も多いと。健康上とか、配偶者の方の健康を心配されたり、あるいはほかの御家族の御都合等々あろうかと思いますけれども、非常にならして申し上げると、今シニアボランティアの方には約千ドルの手当を差し上げております。これは月の数字でございます。配偶者がおいでになった場合には、現在のレベルで申し上げると、大体七百五十ドルぐらいの手当を付加的に差し上げるということをやっております。 いかんせん、ちょっとなかなか手元、財布の具合が非常に厳しいものですから、私どもとしては何らかの工夫をしたいとは思っておりますが、全体の大きさに最終的には制約を受けていくということになろうかと思います。
○参考人(緒方貞子君) ありがとうございます。 いろいろ私どもが伺っていても大変参考になるようなコメントをいただきまして、先生方の熱心な現地視察を大変感謝を持って伺っておりました。 具体的な問題で、どうして日本のプレゼンスが減ってきているかということについては、大変簡単な答えだと思います。予算が大変減っているからでございます。それと同時に、私どもとしては、その限られた中でどうやって選択と集中という形で効果を上げるかということが一番大きな努力の対象になっております。 もう一つは、やはり開発援助の成果もあって進んだ国、そこからは減らしている、そして、よりニーズの高いところに集中させるというようなことで、全体的に申し上げますと、メコン地域は別ですが、大体アジアの進んできた国からはずっと事業量は減らしているということが申し上げられると思います。 それから、隊員については、今局長からのお返事に加えまして、女性隊員が六割だということは是非女性の意気込みを評価していただきたいと思います。非常に熱心な、そしていい仕事をしてくださる女性隊員、大変多いんですが、やっぱり男性の方たちもどんどん出てきていただきたいと私自身は思っておりますので、あわせて、男女共に、若い方も引き続き、そしてシニアの方たちにも是非行っていただきたいと思っております。簡単でございますが。
○委員長(中村博彦君) ありがとうございました。 それでは、川口順子君。
○川口順子君 ありがとうございます。 二点ございますけれども、まず、大変に興味深い御報告を聞かせていただいてありがとうございました。 それで、私、一昨年の十二月に別件で、国会の派遣でラオスに行きまして、そのときにラオスの政府の高官とお話をしていましたら、ベトナムからの援助の話がありました。 今、アジアで援助というと、中国が援助していることに注目が日本では集まりがちなんですけれども、当時、アジア・ゲームがあったせいなのかもしれませんが、ベトナムもアジアの覇権国、ミニ覇権国と言った方がいいかもしれませんが、の一つとして、ラオスとかカンボジアとか近隣の国に、ある意味では中国に対抗して影響を及ぼそうとしているというところがあるのかと思います。 それで、お伺いをしたいのは、大久保先生や外務省あるいはJICAに、ベトナムの援助について少し情報を知りたいと思っておりまして、御存じの情報、あるいはもし今お手持ちでなかったら調べていただけると有り難いというのが一点です。 それから、二点目。先ほどの、これもどなたかの御報告にありました広報のことなんですけれども、ODA、恐らく政府あるいはJICAのおつもりとしては十分に、できる限りのことは予算の範囲内で広報をしていると思っていらっしゃるんじゃないかなというふうに思います。私も、五年前ですか、六年ぐらい前に外務大臣をしておりましたときに国会で、広報が足りないんじゃないかという御意見随分ありまして、調べてみるとホームページもあるしODAタウンミーティングというのも当時やっておりましたし、いろんなことをやっているんですね。ただ、しょせん大海の一滴でございまして、やれどもやれども受け手の方にはなかなか届かないという現実があるんだと思うんですね。 そこをどうしていくかということなんですけれども、当時なくて今、まあ当時はホームページまでだったんですが、今はユーチューブもあればツイッターもあれば、いろんな手段があって、これは外務省あるいはJICAにお伺いしたいんですが、そういうツールを使って、例えば青年海外協力隊で行っていらっしゃる方が一人一人発していらっしゃるとか、いろんなことがあると思います。その辺がどういうふうになっているかということも、これも教えていただけると有り難いと思います。また、それ、やってもやってもなかなか届かないということであるのかもしれませんけれども。お分かりでなければ後でも結構ですから、教えていただけると有り難いです。
○副大臣(伴野豊君) 御質問ありがとうございます。 まず、ベトナムが、各、他の国にやっているであろう支援の状況につきまして、恐れ入ります、現在情報を持ち合わせておりませんので、早速調べさせていただいて御報告させていただきたいと思います。 また、二点目の点も、現在、ODA見える化のための事業例としてサイトにてやっているというのが現在私どもが持ち合わせている情報でございますが、JICAさんの方で何かあれば補足していただければと思います。
○参考人(粗信仁君) 川口議員御指摘のとおり、今メディアの世界ではもう手段が多様化してきていると、それを使ってうまく対応していけないかということで、取りあえず、JICAの方では外務省と一緒に進めています見える化のほかに、オフィシャルなツイッターも始めているところでございます。 ただ、今、全体のそういう大きな流れを受けて、広報プラスアルファのもう少し大きな、どういうふうに情報を発信をしていくか、いわゆるパブリックリレーションとしてどういうメッセージを出していったらいいのか、中で大いに今討議をしているところでございます。今の先生の御指摘も踏まえながら、そういうことを検討していきたいと思います。ありがとうございました。
○柳澤光美君 関連でよろしいですか。
○委員長(中村博彦君) はい。柳澤光美委員。
○柳澤光美君 一緒に行った佐藤議員が実はパソコンで全ての情報をツイッターに載せて発信をしておりまして、かなりのアクセスがございました。今日、佐藤議員が出られていませんから、彼の思いをちょっとここで述べさせてもらいたいと思うんですが、ホームページだけではなくて、もう動画、ユーチューブが使えるようになる、これはもっとJICAの方としても研究していただきたいと。それからもう一つは、隊員間でももっとネットワークで情報の共有をして、自分がやっている大変さとか何かでいろんな意見がもっと取りやすいようにしていくことが必要ではないかと、相互間のですね。その辺のところを是非今後検討していただきたいというのが佐藤議員の要請でございましたので、ここで御報告をいたしておきます。
○大久保勉君 川口順子委員の質問、広報の件なんですが、ちょっと観点が違うところをお話をしたいんですが、広報といいましても、日本国民に対する広報とか各国に対する広報というのもありますが、日本が援助したODAがその国の国民にどのように使われているかと、こういった部分もありまして、ページ五十二ページと五十三ページを御覧ください。 ページ五十二ページに、ベオグラード市公共輸送公社、九十三台日本は援助しています。このバスの中には日本国旗とセルビアの国旗がありまして、日本国民より供与されましたと非常に目立つところに全てのバスに付いていました。さらに、ページ五十三ページは、上の左っ側です、「日本の泉」。これは、日本のODA援助というのは非常に必要なときに必要なものを提供したと、きめ細かいと、ここが評価されまして、先ほど申し上げましたように、日本国民への感謝の印としてということで、この公園といいますのはこの市の一等地にありまして、非常に目立つところにありました。この公園、こういったことがありますのは、フランスと日本だけです。 ですから、広報としましても、日本国政府が広報するだけでなくて、受入れ国側に関していろんな形で国民、市民に広報してくださいと、こういったことをお願いするとか、場合によっては向こうの方から広報してくれると、こういった部分もあります。その意味では、外務省はよくやっていると思います。若しくは、JICAもよくやっていました。 以上です。
○大久保潔重君 川口議員から質問をいただきまして、ちょっとベトナムに対する支援は、私も資料を取り寄せたんですがこの場にございませんので、ちょっとそれは具体的なことは述べませんが、しかし、問題意識としてはまさに我々も同じ問題認識を持っておりまして、やはりラオスとベトナム、特にベトナムは後発途上国からいわゆる中所得国に格上げをされたということで、同じラオスも社会主義体制の国をしいていて、ちょっと先輩的な見方をしているところがあるんじゃないかなという気がしております。また、メコン流域でいいますとベトナムが一番下流域でありまして、さらにカンボジア、タイ、ラオスというふうに上流に上がっていくんですが、そういうメコン流域のいろんな思惑、またベトナムは当然領海のいろんな思惑があって非常にラオスと近いんじゃないかなという気がいたしております。 いずれにしても、国会の中でそういう戦略的ないろいろ議論をしながら、ODAの援助を、日本のプレゼンスを高めていければなというふうに思っております。
○委員長(中村博彦君) ただいま川口順子委員からいただいた資料等については、外務省、JICA、各委員にもひとつよろしく御配付を願いたいと思います。よろしく願います。 それじゃ、岡崎トミ子君。
○岡崎トミ子君 ありがとうございます。 政府の方で男女共同参画を担当していたという視点から質問をさせていただきたいと思いますが、昨年の十二月に第三次の男女共同参画基本計画を閣議決定をいたしまして、重点分野を十五挙げて、その十五番目に基本分野としまして掲げさせていただきましたのが国際規範の尊重と国際社会の平等・開発・平和への貢献を掲げて、ODAの実施に当たってジェンダー主流化の視点に立って効果的かつ公正に進めることを基本的な考え方としている。そして、平時、戦時を問わずいかなる女性に対する人権侵害も起きてはならない問題であると、女性の平和構築の過程への参画を進めていくということで、国際的な評価を得ながらこの問題について進めていこうということについて決めて、これから五年間の活動の中で実績、それから実際に評価も得られるようなそういう活動をしていかなければならないというふうに思っているところでございます。 そこの具体的な施策を挙げておりまして、これがJICAにかかわってくることについて具体的に挙げてございますので、お聞きいただきたいと思います。 ODAの政策決定機関と実施機関のジェンダー主流化のために、ODAと軍縮問題等対外政策分野での政策決定、方針、女性の参画の拡大を、そしてまたジェンダー研修の実施、ジェンダー担当者の能力の向上によって組織の体制強化に努めていくということで、特に在外公館のODAジェンダーの担当者、それに関する情報を共有するということで、女性問題担当局、国際機関現地事務所、現地のNGO、ここの情報交換をより活発に行ってODAによるジェンダー主流化のための現地体制を整備するということと、援助関係者に対して研修を行っていく。研修の内容は国内外における議論も踏まえつつ改善をしていく。 それからもう一つは、パートナーシップ基金の基金においては、女性のエンパワーメント促進を含めて男女共同参画の視点に配慮した案件に資金が重点的に配分されていくように努めるというようなことが具体的な施策の内容に挙げさせていただいたんですけれども。 今までも多分、JICAの緒方理事長は、女性抜きであらゆる政策を行っていくということについては、これは非常に大事な視点なのでそういうことを積極的に取り入れていかなければいけないですよねというような話もさせて先ほどいただきました。それから、前原外務大臣の方にも、こういう視点でやってほしいということについての話合い、申入れまではきちんとしていないんですが、こんなことを決定しましたよということで話もさせていただいて、実際にODAにかかわっている大学の先生ですとかそういう方々がそれぞれの現地で仕事をしている間にその視点が大変抜けているという御指摘もいただきましたので、これから五年間のことではありますけれども、これまでのことについての克服と、そういうような方向を目指していかれるというようなことに関して御答弁いただけると有り難いなというふうに思います。外務省とJICAの方とお願いしたいと思います。 また、現地に入ってそういうようなことを、平和構築の問題では先ほどボスニア・ヘルツェゴビナのところでNGOの皆さんとの、外務省の職員の方とか関係機関との交流をもっともっと深めていかなければならないのではないかということを大久保さんおっしゃっていましたし、松山委員の方は、現地のパートナーの皆さんとの人材の交流、人材の育成ですね、そういうことはパートナーの意見をきちんといただきながら解決を進めていきたいと、そういうようなお話がございましたので、もしお話をされることがありましたらお願いしたいと思います。 以上です。
○副大臣(伴野豊君) 御指摘、御質問、ありがとうございます。 まさに、男女共同参画の中で、国際社会におけるジェンダーの在り方等々、女性に対する人権侵害の在り方等々、まさに先生の御指摘のとおりでございまして、それについての第一人者である先生からの御提案等々につきましては、もう既に大臣である前原も承っておりまして、大きな流れとしては先生の御指摘のような流れでやらせていただけるものと思っております。 詳細につきましては局長の方から答弁させていただきます。
○政府参考人(佐渡島志郎君) 委員御指摘のとおり、私どももODA大綱にジェンダーの主流化と、仕事の上でですね、進めたいということを決めて行っておりますが、具体的な例を二、三、御紹介をさせていただきたいと思います。 まず第一に、二〇〇五年でございますけれども、ジェンダーと開発イニシアティブというものを発表いたしまして、それが一つの我々のジェンダー主流化の国際的に明らかにした政策上のバックボーンになっております。日本のODAの中でジェンダー主流化を進めていくためのどういうアプローチがあるのかというのをその中に書いてあるわけでございますけれども、それに基づいて、例えば二〇〇五年から八年にかけては、今でも続いておりますけれども、アフガニスタンの女性課題省の各州の出先機関と協力をして女性のニーズの把握に努めたり、あるいはアフガニスタンの場合には女の子の教育がかなり差別をされておりましたけれども、そこを重点的に、学校の復興をやるとか、そういう成果を具体的には現場で上げております。 それから、国際機関との連携についても一つだけ例を申し上げますと、UNDPがありますけれども、国連開発計画でございますが、その中に日本とUNDPのパートナーシップ基金をつくって、特にジェンダーの平等の実現というようなプログラムにはそこからお金が回るような配慮をいたしております。
○参考人(緒方貞子君) 今お尋ねの件でございますが、男女共同参画のその流れをずっと追っておりまして、それに沿いましてJICAの中のいろいろな幹部職などについても女性の出現が大分、私がおります間だけでも随分増えてまいりまして、これは管理職、本部における管理職、それから在外における女性の所長等も出てきております。 で、政策そのものにつきましては、ジェンダーイクオリティーということを推進するための部が公共政策部の中にありまして、JICAの中だけではなくて、JICAの仕事にかかわる形で男女共同参加ということを推す方向でいろんなプロジェクトは見ております。それは大分進んできたことは申し上げられると思います。 もうちょっと細部にわたって粗理事から御説明いたします。
○参考人(粗信仁君) 今、理事長からございましたとおり、公共政策部の中にジェンダーを担当する特別な課がございます。そこが中心になって部内の研修等もやっているわけですけれども、二つ、我々の組織の中のジェンダーの話をやります、我々、組織ジェンダーと言っていますけど、そういうことと、それから事業の中でジェンダーを取り扱っていくのか、この両方をやっています。 我々、ジェンダーの配慮というのは環境社会配慮と一緒だと思っていまして、ジェンダーそのものを特別に扱うような、例えばタイの人身売買をどうするかというようなプロジェクトもやっていますし、そのほかに、全てのプロジェクトでジェンダーバランスを崩すようなマイナス面がないか、それからジェンダーの視点を生かすことによって協力案件の効果が高まるようなチェックをちゃんとやっているか、例えば住民の話を聞くと井戸を掘る位置が変わったりいたしますので、そういうことの配慮がちゃんと行われているかということをチェックしながら仕事を組み立てていくというふうなシステムをつくってございます。
○大久保勉君 岡崎委員より質問をしていただきましたが、例えばページ五十三ページを御覧ください。ボスニア・ヘルツェゴビナの問題にはジェンダーの問題と民族の問題がありました。特に、この地域は、セルビア、ムスリムいわゆるイスラム教及びクロアチア系がいまして、それぞれ三つの民族が別々に教育をしておりましたし、またムスリムの場合は男女が別と。それに対して、今もそうですが、その場合、IT教育に関しては一緒に教育しようということで、JICAさんがコンピューター等を供与し、かつ日本の「情報」という教科書を提供しています。その結果、男女が一緒に教育を受ける、そして三つの民族が一緒に教育を受けるということで、かなりインパクトがありました。 ですから、この地域は、民族の融合の問題とジェンダーの問題、両方とも新しいIT教育という形で解決しようとしているということです。御紹介します。
○委員長(中村博彦君) ありがとうございました。 藤原良信君。
○藤原良信君 皆様、御苦労さまでございました。私、筆頭理事の立場で今お聞きをいたしまして、伴野副大臣に是非この委員会の重要性の重さを理解を深めていただきたいという意味で、今の報告の中で柳澤委員から提言がございました。貴重な提言だと思いまして、私も何度も同じようなことを聞いてまいりましたけれども、このODAは外交のツールとして大変重要であるという認識は皆さん一致しているんですが、同時に、課題を様々今までも申し述べてきましたけれども、取りまとめて柳澤委員から提言がございました。 例えば、海外協力隊員が帰られてからのいわゆる就職難、その受入れ体制を、これはもう命題なわけです。それをどういうふうに取り組んでいくかということは大変大事なことで、これはもう行っていただくことは一生懸命行っていただくわけだけれども、帰ってきた人たちのそういう受入れ体制ということはこれは整備するのは当然必要だと思いますから、この点が一点。 それから、この中で、国家公務員や地方公務員が現職で参加できる環境整備を図るべきである、なおかつ教員が特別参加制度の一層の活用を図るべきであると、大変重要だと思います。一昨日、大阪地方検察庁にお邪魔いたしまして、若手検察官と意見交換をいたしまして、その中で海外へ研修等で行かれた方はいらっしゃいますかと言ったら、一名でございました。全部で六人でございましたか、検事の方々と意見交換をしたんですが。 要は、海外経験をしていただくということは、人材育成、特に国家関係に携わる方にとって大変大事だろうと思うんです。教員もそうなんです。ですから、貴重な、しかも海外支援で現場でそういうことに携わった経験を持つということは、極めて有能な人材育成にもつながっていくと思います。 ですから、伴野副大臣、今日の委員会での提言、報告をきちっと、外務省へ戻られまして、そして政務三役で、これは政務三役が決定されることですから、政務三役できちっとこれを御協議いただいて、私から申し上げますけれども、この当委員会に文書をもってきちっと御回答をいただきたいと思います。 委員長、取りまとめをお願いしたいと思います。
○委員長(中村博彦君) ただいま藤原良信議員からいただきました要望はもう皆さん御異議がないと思いますので、異議はございませんね。──それじゃ、予定の時間が参りましたので、これをもちまして意見交換を終了いたしますが……
○柳澤光美君 委員長、ちょっと一点だけいいですか。お願いがあります。
○委員長(中村博彦君) はい。
○柳澤光美君 外務省にお願いなんですが、実はこれからアフリカが非常に大きな国になっていくというのを肌身で感じてきまして、実は十八日に戻ってきたんですが、アフリカ大使会議を帰国されている皆さんに待っていただいて、二十日の日に十名の大使の皆さんと懇談する場を持ちました。是非国会議員の皆さんにももっとアフリカに足を運んでいただきたいと。資源の問題でも未開発の問題がたくさんあって、これから大きなウエートを担っていくだろうという強い要請をいただきました。 もう一点、そんな中で、思いも掛けず、帰ってきましたらあのチュニジアが大きな政変が起きました。あそこは本当にアフリカ大陸とそれから中東、アラブをつなぐキーの国なんですね。ですから、日本・アラブ経済フォーラムもちょうど開かれたばっかりですし、この後、できるだけ早く落ち着いていただきたいと思うんですが、私は、日本としても政府として、チュニジアのこの後のいわゆる政治が落ち着くためにできるだけ日本としてもっとバックアップをしていただきたいと。 特に援助に関してはあそこがキーになっていまして、いわゆる南南協力あるいは三角技術協力というのは、ここへ参加している員数というのはもう七百名を超えているんですが、非常に日本の技術協力の成果というのは広く普及していまして、是非その辺も含めて、チュニジアの立て直し、あるいはアフリカへのODA、実はこの前、衆議院の、部門会議に出てお話聞いたら、衆議院ではとてもアフリカには行けないと、そんな予算はないし、出してもらえないと。そういう意味では、ODA、この特別委員会というのは参議院が一番大きなウエートを占めていますので、そんなことも是非お願いをしておきたいと思います。済みません。
○委員長(中村博彦君) はい。 今日、本当に四班、各委員の皆さんから貴重な御意見をいただきました。今、藤原委員からも御指摘をさしていただきましたけれども、今日、ガーナ、ルワンダ、柳澤委員、ドミニカ、エルサルバドル、松山委員、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、大久保委員、ベトナム、ラオス、カンボジア、大久保委員、これ本当に切実な提案があったと思います。その提案、それから各委員の御質問もございますけれども、全部をひとつ伴野副大臣、政務三役でお答えを出していただいて、ひとつ前向きな切実な御対応をお願いいたしたい。 私も聞いておりまして、このODAの重要さ、必要さ、青年海外協力隊、シニアボランティアの必要さ、もうこれは本当に有意義な活動でございますし、日本の大きな政策課題でございます。どうか、今日の有意義な意見交換、本当にありがとうございました。各委員に感謝を申し上げると同時に、御出席の皆さんに感謝を申し上げて閉会といたします。ありがとうございました。 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時十九分散会