国民生活・経済・社会保障に関する調査会 第2号
- 発言数
- 85 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2011/02/09
会議録
○会長(山崎力君) ただいまから国民生活・経済・社会保障に関する調査会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る三日、石橋通宏君が委員を辞任され、その補欠として高橋千秋君が選任されました。 ─────────────
○会長(山崎力君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国民生活・経済・社会保障に関する調査のため、本日の調査会に政府参考人として文部科学大臣官房総括審議官前川喜平君外十二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(山崎力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○会長(山崎力君) 国民生活・経済・社会保障に関する調査を議題とし、「持続可能な経済社会と社会保障の在り方」のうち、社会保障の現状と課題について、厚生労働省、文部科学省及び経済産業省からそれぞれ説明を聴取いたします。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 まず、厚生労働省から、我が国の社会保障の沿革とその背景並びに各国との比較及び我が国の社会保障各制度の現状と問題点について説明を聴取いたします。大塚厚生労働副大臣。
○副大臣(大塚耕平君) 厚生労働副大臣の大塚耕平でございます。 本日は、国民生活・経済・社会保障に関する調査会における説明の機会をちょうだいいたしまして、誠にありがとうございます。三十分の発言時間を賜りましたので、我が国社会保障制度の沿革、現状、課題等について、担当の立場から説明をさせていただきたいと思います。 お手元に配付資料と書きました分厚い資料と補足資料というものと二つございますので、御用意いただきながらお聞きいただければ幸いでございます。 初めに、社会保障をめぐる世界の歴史の中における我が国制度の位置付け、沿革等について申し述べます。 補足資料の一ページを御覧いただければ幸甚でございます。 世界の社会保障制度の源流は英国とドイツにかいま見ることができます。産業革命後の英国においては、職域組織であるトレードユニオンと呼ばれる労働組合と、フレンドリーソサエティーと呼ばれる相互扶助、共済組織である友愛会が自然発生的に誕生いたしました。労働組合や友愛会は、経営者側が企業福祉に関与することを拒み、あくまで労働者の自主的な組織として運営されていたようであります。 一方、英国産業をキャッチアップすることに腐心していたドイツにおいて、労働者を働かせることに主眼を置いて企業福祉制度が誕生いたしました。 一九三六年には、鉄鋼、鉄道、軍需産業で有名なクルップ社が、社内に労働者の疾病に備えた疾病金庫を設置いたしました。この疾病金庫に経営者側が資金拠出をしたことが、社会保険の事業主負担の萌芽と言えるわけであります。企業単位での福祉制度が発達し、社会保障制度に対する認識が相対的に進んでいたドイツにおいて、一八八三年、ビスマルク首相が初めて労使双方の資金負担による労災や疾病に対する社会保険を法律に基づいて導入いたしました。 そのドイツに対抗する意味もあって、英国でも一九一一年に国民保険制度が導入され、一九四二年にはベバリッジ報告が誕生、その後の福祉国家の思想的基礎が形成されました。 日本でも一八九〇年代に入って企業福祉が広がり始め、一九〇五年には鐘淵紡績が我が国最初の共済組合を創設し、疾病、傷害、年金・死亡給付といった保険事業を開始しました。 その後、企業福祉の一部を政府が制度化する動きにつながり、一九一一年の工場法、一九二二年の健康保険法、一九三六年の退職積立金及び退職手当法が制定されました。 一九五〇年代の戦後復興期から一九六〇年代の高度成長期にかけて、企業労働者が急増いたします。企業福祉の充実とともに、政府による公的な社会保障制度が徐々に整備されていきました。 一九六一年には国民皆保険、国民皆年金への取組が始まり、一九六二年の税制適格企業年金、一九六五年の厚生年金基金の整備等を経て、年金への物価スライド制等が導入された一九七三年は福祉元年と呼ばれております。 続きまして、配付資料の方の一ページから三ページにかけて、戦後の流れの概要をお示ししております。 日本の社会保障制度は、一九七〇年代前半までは総じて貧困の救済と防止に力点が置かれ、七〇年代後半以降は長期的、安定的な制度の確立に腐心してきたと言えます。しかし、その過程で、当時の社会構造や傾向を前提として制度を設計したことに起因し、今日の社会保障制度の構造問題につながる原因がビルトインされていきました。 第一は、正規雇用、終身雇用、完全雇用を前提としていたことであります。被用者は健康保険組合と厚生年金という職域保険、その他の勤労者は国民健康保険と国民年金という地域保険に加入することで皆保険、皆年金を目指しました。一九七二年のOECD対日労働報告書が、戦後復興、高度成長を遂げた日本の成功の秘訣として、終身雇用、年功賃金、企業別労働組合の三点を指摘したタイミングと符合いたします。 第二は、右肩上がりの経済成長を前提としたことです。このため、年金や医療の給付の増大は給与増加による保険料や税の増収によって賄い得るという見通しの下で制度が拡充されました。加えて、人口構造に対する想定もその後の現実とは異なりました。その結果、高齢者に対する給付が相対的に手厚い社会保障制度が構築され、今日の世代間公平に関連する構造問題につながっております。 第三は、妻は専業主婦という特定の家族構成、企業の福利厚生充実等を前提とした社会保障全体の制度設計を行ったことであります。そうした前提や想定は大きく変化をしております。雇用、家族、地域等の基盤、生活やリスク形態の変化に加え、少子高齢化、経済の長期低迷という事態を迎え、社会保障給付費の対GDP比は急上昇しております。さらに、社会保障給付費を含めた歳出の財源確保のために国債発行が激増し、政府債務の対GDP比も深刻な水準まで上昇しております。この点については、薄い方、補足資料の二ページのグラフを御覧いただければ幸いであります。 第四に、制度の事務やシステムに間違いはないという無謬性を前提としたことであります。年金記録問題に見られるように、事務やシステムの不備も社会保障制度の信頼性、安定性、持続可能性に対する懸念を高めております。 次に、分厚い方の配付資料の四ページを御覧いただきながら、国際比較について申し述べます。 各国の制度は、それぞれ沿革や歴史があり、特徴や相違があります。つまり、それぞれの国の考え方と国民的合意に基づいて制度が設計され、運営されております。 例えば、米国については、自己責任の精神が社会保障制度にも影響を与えてきました。一方で、大企業では企業福祉が発達している面もあります。公的制度としては、低所得者向けのメディケードと高齢者向けのメディケアがありますが、全体として民間保険部門の果たす役割が大きくなっています。もっとも、公的社会保障制度に対する潜在的欲求が高まっており、オバマ政権において国民が医療保険に加入する義務を負うこと等を内容とする医療制度改革法が成立いたしました。 英国については、先ほども申し上げましたとおり、一九四一年にベバリッジ報告を契機に社会保障制度が整備され、戦後は一九四八年に国民保健サービスが創設されるなど、揺りかごから墓場までと表現された福祉国家を標榜いたしました。しかし、その後、英国病と言われた経済、社会の閉塞状況を経て、一九九七年以降は、福祉から就労へとの考え方の下、自助努力、就労促進的な福祉政策への転換を図りつつあるようです。 ドイツの沿革については、先ほど申し述べたとおりです。殖産興業、英国キャッチアップという潜在的動機はともかくとして、労働者の窮乏に対応して世界で最初に社会保険を制度化しました。介護保険制度も日本に先立って一九九四年にスタートし、日本の制度はドイツを参考にして策定されました。ドイツの介護保険制度は、介護が必要となった人を支えるのは国家の責務という国民的合意の下、介護事業者だけでなく、家族による家庭内介護にも給付が行われているようであります。ドイツを参考にした日本の制度ですが、この点は異なります。 フランスの社会保険制度は、職域に応じて多数に分立した制度となっていることに加え、社会保険料の企業と労働者の負担割合が八対二と圧倒的に企業負担が高いのが特徴であります。最近の動きとしては、二〇〇七年に労働と雇用を社会政策の中心に据え、責任と連帯の均衡を図ることを目指す労働・社会政策の改革が開始されております。 スウェーデンは、御承知のとおり、高福祉高負担のモデル国と言える存在です。手厚い社会保障制度の費用を賄うため、国民負担率が国際的に非常に高い水準となっています。もっとも、そのスウェーデンでも、一九九〇年代には高い経済成長を前提としていた年金制度の維持が難しくなったことから、与野党の合意の下、大規模な年金制度改革を実施いたしました。 次に、分厚い方の配付資料の五ページ以下で、我が国の社会保障制度の概要と現状をお示しいたします。 我が国の社会保障給付費は、平成二十二年度予算ベースで百五・五兆円となっており、その内訳はおおむね年金五割、医療三割、その他二割であります。その他の二十・二兆円のうち、介護は七・五兆円であります。負担の内訳は保険料が六四%、税が三六%、そして保険料の内訳は被保険者拠出、事業主拠出が半々となっております。 経済規模対比の社会保障給付費と国民負担の国際比較については、配付資料の六ページと薄い方の補足資料の三ページを御覧ください。いずれも米国よりは高く、欧州主要国よりは低いという姿になっております。 次に、年金について御説明いたします。 現行制度の概要は、配付資料、分厚い方の八ページを御覧ください。大きくは三つに分かれておりますが、沿革の古い順に申し上げれば、共済年金、厚生年金、国民年金という順番になります。 日本の年金制度は、官業の恩給制度に端を発し、その後は民間労働者に拡大、昭和十七年に厚生年金の前身の労働者年金保険法、昭和三十六年に国民年金法が施行され、国民皆年金が実現しました。さきに述べましたとおり、物価スライド制が導入された昭和四十八年は福祉元年とも言われているほか、昭和六十一年には基礎年金が導入されました。 その後、平成に入ってバブルが崩壊し、年金積立金の運用が低迷、厚生年金の代行返上が頻発し、年金制度の持続可能性について従来以上に懸念が高まる状況となりました。そうした背景もあって平成十六年にマクロ経済スライドや基礎年金の国庫負担割合二分の一への引上げ等を内容とする改革が行われ、今日に至っております。基礎年金の二分の一国庫負担の実現には前政権も現政権も腐心しており、その経緯と現状については配付資料の九ページを御覧いただければ幸いです。 また、高齢期の所得確保を支援するため、無年金、低年金問題への対策として国民年金保険料の納付可能期間を二年から十年に延長すること等の見直しにも取り組んでおります。詳細については配付資料の十一ページを御覧ください。 今後、年金制度を更に安定的なものとしていくため、現在検討を進めておりますが、配付資料十ページには、昨年六月に政府が取りまとめました「新たな年金制度の基本的考え方について」の抜粋を掲載しております。 年金制度に関する説明は以上でございます。 次に、医療について申し述べます。配付資料の十四ページから十八ページを御覧ください。 我が国は国民皆保険の下、対GDPの国際比較の観点から見ますと、少ない医療費で世界最高レベルの保健医療水準と平均寿命を達成してきたことは事実であります。しかし、近年の急速な高齢化に伴い、高齢者の医療制度をどのように運営していくかが大きな課題となっています。 平成十二年からスタートした介護保険制度の効果もあって、国民医療費全体に占める定義上の老人医療費の割合は三〇%台で推移しています。しかし、老人医療費の定義上の老人年齢が七十歳から七十五歳に段階的に引き上げられており、前期高齢者の医療費は含まれていません。したがって、六十五歳以上の老人医療費は、十四ページのグラフを御覧いただきますと、十四ページの棒グラフの青い部分にも含まれていることを考えますと、介護給付費を含めた老人医療・介護給付費が社会保障や財政全体にとって負担となっていることは否めません。 そうした中で、後期高齢者医療制度が平成二十年にスタートをしたものの、今後、世代間負担、制度間負担の明確化等を企図して制度を見直すこととしており、昨年十二月には高齢者医療制度改革会議が改革案の骨子を取りまとめました。骨子については十七ページを御覧いただければ幸いです。 配付資料の十九ページから二十四ページにかけて、医療の現状に関連する資料を収載しております。課題の一つは、医師数の不足、医師の地域的偏在、診療科の偏在であります。このため、文部科学省と連携して医師数確保のための医学部定員増加に取り組んでおります。 また、平成二十三年度予算案においては、医師不足病院の医師確保の支援等を行う地域医療支援センター等の予算を盛り込んでおります。それに先立つ平成二十二年度補正予算では、地域医療再生基金の拡充により、都道府県単位を想定した三次医療圏における地域医療再生計画を支援する政策等を講じました。 なお、昨年十月からは、社会保障審議会医療部会において医療供給体制の今後の在り方について議論を開始しており、諸課題解決に向けた取組を加速させていく所存であります。 次に、配付資料の二十五ページから二十九ページにかけまして介護に関連する資料を掲載しております。 介護保険制度は、利用者数が十年間で倍増以上の伸びを示しており、着実に国民に浸透いたしました。そうした中で、軽度の要介護者の利用、居宅介護の増加が著しいほか、認知症高齢者の増加、高齢者のみ世帯、いわゆる老老介護の増加、都市部における高齢化の急進といった課題がクローズアップされております。今後の高齢者対策の方向性としては、介護、医療、予防に加え、生活支援、住居といった五つの視点から包括的に対応することが必要なほか、三十分で駆け付けられる日常生活圏域に高齢者の支援体制を構築する地域包括ケアシステムを目指しております。 こうした諸課題に対処するため、平成二十四年度から始まる第五期介護保険事業計画を策定いたします。その中には、二十四時間対応サービスの創設に関する施策も盛り込む予定ですが、政府の方向性に呼応いたしまして、訪問介護の大手事業者が今年度から二十四時間対応サービスへの取組を本格化する動きも見られます。介護保険制度に基づく介護サービスは、民間事業者との有効な連携があってこそ成り立ちます。介護の現場の実情や民間事業者の動向を踏まえ、制度の充実を図ってまいりたいと思っております。 なお、介護サービスの維持拡充のためには介護従事者の確保が前提となります。しかし、訪問介護員の賃金は二十万円強と全産業の三十万円強と比べると低い水準となっており、引き続き処遇の改善を図る必要があります。また、家庭内介護の促進にも注力すべきであり、そうした観点から昨年六月に施行された改正育児・介護休業法では、介護休暇制度の拡充も目指しております。 医療と介護の役割分担、連携についても重要な検討課題であり、不断の見直しが必要であります。医療病床数が過大な一方、療養病床数の適正化も道半ばであるなど、従前からの課題にも引き続き取り組みます。平成二十四年度は診療報酬体系と介護報酬体系が同時に見直されますことから、十分な検討を加えたいと思います。なお、診療報酬体系は二年ごと、介護報酬体系は三年ごとの改定となっておりますが、医療と介護の連携等の観点から、改定年数をそろえることの要否を含めまして、適切な制度運営の在り方を追求してまいりたいと思います。 次に、児童福祉、子供、子育てについて御報告申し上げます。関連資料は三十ページから四十ページにかけて掲載してございます。 我が国の合計特殊出生率は、平成十八年から二十年にかけてわずかに改善傾向を示しておりますものの、依然として少子化が進んでいることに変わりはありません。そのため、安心して子育てができる環境を整備することが喫緊の課題であり、仕事と生活の調和、ワーク・ライフ・バランスとともに、保育等の現物サービスの充実、子ども手当の実施等に取り組んでおります。昨年六月には、先ほど申し上げました改正育児・介護休業法を施行し、男女共に子育てをしながら働き続けることができるよう、子育て中の短時間勤務及び残業の免除の義務化や父親の育児休業の取得促進等を図ったところであります。なお、本法には、繰り返しになりますが、先ほど申し上げました介護休暇制度の創設も含まれております。 一方、子育てにかかわるサービス給付の拡充については、保育所の増設、毎年約五万人の保育所定員増加、幼保一体化への取組等を図り、待機児童解消に努めております。昨年十一月末には、待機児童解消に積極的に取り組む自治体を支援していく方針も打ち出しました。社会全体での子育て支援等を企図する子ども手当については、三歳未満については月額二万円、その他については月額一万三千円を支給することに加え、これまでに御指摘いただきました制度的な問題点の改善を図りたいと考えております。 子供を持つための支援にも注力しております。 昨年、新たに標準的検査項目に追加をいたしましたHTLV―1抗体検査を含め、妊婦健診の公費助成継続も予定しております。高額な不妊治療に対する支援も行ってまいります。平成二十三年度予算案では、低年齢のうちに集中して不妊治療を行う環境を整えるため、一年度目の助成回数を年三回までに拡充いたします。 母子家庭対策については三十八ページを御覧ください。 母親の就職、就業、雇用条件に伴う困難、子育てと生計を担う過重な負担等を踏まえ、子育て・生活支援、就業支援、養育費確保、経済的支援の四つの視点から自立支援策を展開してまいります。 児童虐待が引き続き社会問題となる中、児童相談所への相談件数が増加を続けておりますことから、相談所の体制強化など対策を積極的に進めてまいります。また、社会的養護が必要な児童を可能な限り家庭的な環境、安定した人間関係の下で育てるため、施設のケア単位小規模化、里親、ファミリーホームなどを推進してまいります。 障害者福祉については配付資料の四十一ページを御覧ください。 昨年十二月に議員立法によってお作りいただきました改正障害者自立支援法の円滑な施行に努めてまいりますとともに、昨年六月の閣議決定に沿って現行法に代わる新たな障害者総合福祉法の検討を進めます。 生活保護については四十二ページから四十四ページを御覧ください。 直近の生活保護受給者は約百九十八万人であり、過去最少の平成七年の倍以上、保護率は昭和四十年代前半と同程度の水準に至っております。特に、現下の厳しい経済雇用情勢を受けまして、失業などに起因するその他の世帯、四十三ページの一番右側でございますが、その他の世帯が急増をしております。 自立就労支援の促進、貧困ビジネスや医療扶助の不正請求対策など生活保護に関連する諸課題に対し、地方自治体の意見等も十分に踏まえて対応してまいりたいと思います。なお、生活保護基準については、最新データに基づいて検証を行うほか、水準等の在り方、年金制度改革との関係も含め検討してまいります。 次に、雇用についてであります。雇用については配付資料の四十五ページから最後の五十八ページまでを御覧ください。 現下の雇用情勢は依然として厳しい状況が続いております。企業内の雇用保蔵も含めた実質的失業はかなりの水準に及ぶと考えております。そのため、雇用をつなぐ、つくる、守るを合い言葉にセーフティーネット対策の強化に努めてまいります。 平成二十二年度補正予算等による雇用対策を切れ目なく実施しておりますけれども、特に新卒者対策として、新卒応援ハローワークの設置やジョブサポーターの増員、卒後三年以内の既卒者を採用した企業への奨励金創設等を行っております。 平成二十三年度予算案には、労働者の生活安定、再就職促進等を図るため、失業給付基本手当の引上げ、再就職手当の充実等を盛り込んでおりますほか、今後、失業給付にかかわる保険料率引上げ等にも取り組んでまいります。また、雇用保険を受給できない方に対するセーフティーネットとして、無料の職業訓練と訓練期間中の生活支援のための給付を行う求職者支援制度創設も図ります。 高齢者雇用確保措置を講じている企業の割合は九六・六%に達しておりますものの、引き続き当該措置を講じていない先に対する個別指導、助成金等を活用した再就職の促進、シルバー人材センター事業による多様な働き方の促進等の対策に取り組んでいきます。 障害者雇用については、直近の雇用率が一・六八%と過去最高を更新いたしましたものの、依然として法定雇用率一・八%に届いておらず、今後とも雇用促進が必要と考えております。 以上、年金、医療、介護、子育て、雇用等の社会保障制度全般の現状と課題について説明させていただきました。 最後に、今後の社会保障制度改革を考える上での留意点について若干の意見を申し述べさせていただきます。 改革の成案を得るためには、以下のような各点について党派を超えた国民的合意を形成することが重要なポイントと考えております。 第一に、人口推移の想定であります。増加を前提とするのか減少を前提とするのか、あるいは一定と考えるのか。この前提の置き方によって将来の姿は大きく変わってまいります。 第二に、経済動向の想定であります。どの程度の成長を想定するのか、あるいは縮小や定常状態を想定するのか。GDPだけではなく物価上昇率、金利、賃金上昇率等のマクロ経済変数をどのように想定するのか、これらによっても将来の姿は大きく変わってまいります。 第三に、今後の世帯構成、家族構成に対する想定であります。モデル世帯を想定するのか、あるいは個人ベースを原則とした検討を行うのか、これも重要なポイントだと考えております。 第四に、ここまでの説明で途中でも申し上げましたが、制度の無謬性を前提とするのか。つまり、国民の皆さんの側の申告、届出、拠出等の対応、あるいは行政の側の記録管理、給付等の対応、双方に一切ミスや間違いはないと想定するのか、あるいはそうしたことが起こり得るという前提で考えるのか、この点の想定によっても姿は大きく変わってくると思っております。 個人的には、私個人の意見でございますが、無謬性を前提とせず、可能な限り簡素で分かりやすい内容とすることが、制度やシステムの対応力を高め、結果的に国民の信頼を高めることになると考えております。また、個々人のあらゆるケースに対応する制度やシステムを構築することも必ずしも現実的とは言えず、この点も無謬性との関連で慎重な検討が必要だと考えております。 第五に、世代間公平をどのように考えるのかという点であります。この論点は、社会保障財源として議論に上る消費税に関する検討とも関連いたします。消費税は、その逆進性が論点としてクローズアップされる傾向がありますが、世代間公平の観点からも考察が必要だと思っております。高齢世代の人口構成比が高くなるということは、消費税に占める当該世代の負担比率も高くなるということであります。増大する社会保障給付費を当該世代が相対的に負担するという構造は、過重な負担を強いられつつある若年世代との世代間公平の観点から一定の合理性を有していると考えております。 第六に、どういう社会を目指すのか。平易に言えばビジョンということになりますが、社会保障の内容は国によってまちまちであり、それぞれのビジョンに左右されるわけであります。ビジョンを考える際にも何点かのポイントがあります。 例えば、欧米でも福祉から就労へという理念が広がりつつある中、就労に重きを置き自立を促進する方向を目指すのか否か、あるいは家族や地域単位のコミュニティーを前提として考えるのか、それとも個人単位で考えるのか。 こうしたポイントは、薄い方の補足資料の四ページにお示しをいたしました公助、共助、自助の適切な役割分担、政府、企業、家計の適切な負担配分、企業福利厚生における法定分と非法定分の今後の方向性、医療や介護の適正な基礎的圏域の設営等の論点に関係するとともに、二次医療圏における中核病院や一次医療圏の診療所、あるいは中学校区単位の小規模多機能型介護施設をどのように配置するのかといった具体的な対応とも密接に関係してくると思っております。ほかにも多岐にわたる前提、想定、論点等がありますが、そうしたことについて国民的合意があってこそ安定的な社会保障制度の構築と運営が可能となります。 以上のような諸点並びに本調査会で賜る御指摘、御意見も踏まえ、具体的な検討作業を進めていきたいと考えております。 議会においても、社会保障制度改革に向けた議論が収れんすることを祈念してやみません。会長、理事、委員各位の御指導のほど、何とぞよろしくお願いを申し上げます。 どうもありがとうございました。
○会長(山崎力君) ありがとうございました。 次に、文部科学省から、人材の養成、能力開発の取組と課題について説明を聴取いたします。鈴木文部科学副大臣。
○副大臣(鈴木寛君) 文部科学省の鈴木寛でございます。今日は、このような機会をお与えいただきましたことを心より感謝申し上げます。 それでは、お手元に配付をさせていただきました資料に基づいて御説明を申し上げたいと思います。 主に今日申し上げたい、あるいは課題をいただきましたのは三点でございまして、高等教育における人材養成の現状と問題点、そして社会人教育、生涯学習の振興における職業能力開発の現状と問題点、この二点について中心的に御説明申し上げ、そして、御指摘をいただきました私学共済の現状と問題点については資料を配付させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。 まず一ページ目でございますけれども、まず、これからは少子高齢化という課題にどのように取り組んでまいるかと、こういったことを考えましたときに、今日御下命をいただきました、まさに人材の育成というものが非常に重要だと、少子高齢化が進むからこそ、未来への先行投資であります、全世代、とりわけ未来への投資といったものを意識した社会保障制度の構築が必要だと私どもは考えております。そういう意味でのポジティブウエルフェア、積極的福祉への取組という議論を是非深めていただきたいというふうに考えております。 二ページ目でございますけれども、この間、急速に所得格差、家庭の世帯の所得格差が、若者のいわゆる学力格差あるいは就業力格差といったことに直結をしていると、こういう事態がございます。 まず、四年制大学の進学率を見ていただきますと、両親の年収別ということで分けますと、四百万円以下の世帯の子女につきましては三〇%、一方、一千万を超える世帯、家庭におきましては六二・四%と、こういう格差の状況になっております。 それから、地域ごとの格差も大変拡大をいたしておりまして、東京都における四年制大学への進学率が七三・一%であるのに対しまして、一方で十七道県における大学進学率は三〇%台と、こういった都市と地方の格差ということが高等教育機会という点にも大いに表れているところでございます。 その背景は、もう申すまでもなく、大学卒業までに掛かる家計の負担にあるわけでございまして、国公立全ての場合でも約一千万、私立全てということになりますと二千三百万円の負担。そして、子育てや教育にお金が掛かり過ぎるということが少子化の要因にもなっているということでございます。 それから、この一番右の表で、一九八二年の段階では、必ずしも学歴によってその後の就労には大きな差はございませんでした。中学卒業には中学卒業の、高校卒業には高校卒業のそれぞれのキャリアというものがあったわけでございますが、二〇〇二年を御覧いただきますと明白でございますけれども、明らかに最終学歴がその後のフリーターの比率に直結をしていると、こういう状況になっているわけであります。 次を御覧いただきますと、しかしながら、我が国は、子供、若者向けのいわゆる家族給付と教育費の対GDP比で申し上げますと、先進三十九か国中三十八位ということで、これはよく言われておりますけれども、高齢者給付は七位でございますが、若者、子供に対する公財政支出が相対的に低い国という予算の配分構造となっております。 一方で、OECDの試算にもございますけれども、高等教育を修了するための公的支出は平均で二万七千九百三十六ドルでありますが、社会的リターンはその二倍以上に上る七万九千八百九十ドルということで、一人一人の潜在能力を最大限に伸ばすための社会的投資ということが強く望まれているというふうに考えております。 この左の下のグラフを御覧いただきますと明らかでございますけれども、まさに給付というのは人生の後半に手厚くなってございます。とりわけ、高校段階、そして大学段階の負担と給付というものが非常にアンバランスになっていると。 四ページ目は、そういう中で諸外国の動向を見まするに、公財政の教育支出におきまして、韓国は一九九九年比で申し上げますと一六〇%をはるかに超える教育投資を増やしてまいっております。ここに御覧いただいたとおりでございます。そのことが実質経済成長率にもかなり相関をいたしておりまして、この十年間教育投資を増やしてこなかった我が国が最も経済成長においても低迷しているということでございますし、一般政府総支出に占める公財政教育支出もこのようになってございます。この結果、韓国におきましては大学進学率が短大も入れますと八一・九%でございますが、我が国は五六・二%と、こういう状況になってございます。加えまして、これ専門教育を足しますと韓国の場合は一〇〇%を超えますので、韓国の場合は何らかの高等教育を受けているという状況にもう入っているということでございます。OECD等々からも我が国の高等教育の低迷ということについてはいろいろな懸念が投げかけられているというのが実態でございます。 五ページでございますが、そういう中で、奨学金・授業料減免に取り組みつつございます。特に、来年度の予算編成におきましても、これまでの奨学金の拡充に加えまして授業料減免といったところに取組を強めているところでございます。 六ページでございますが、この結果、百二十七万人の奨学金貸与の予算編成を組ませていただいております。それと加えまして、この間無利子の奨学金貸与人員が減らされてきたわけでありますが、これについても更なる拡充といった方向を目指しております。 それから七ページでございますが、昭和五十年以来、国立大学の授業料が急速に引き上げられてきております。加えまして、国立大学等の授業料減免枠というものも引き下げられているという中で、家庭の負担能力というものが高等教育の学習機会の、就学機会の格差というものを加速させているということでございます。 八ページでございますが、諸外国を見ますと、フランス、ドイツにおきましては高等教育の公費負担割合が八六・九%、八四・七%といった水準でございますし、イギリスにおきましても五二・九%、アメリカにおいては三一・六%公費負担でございますが、このその他というのが寄附等々によるものでございまして三四・二%ということで、家計負担は三四・二%という水準にとどまっております。一方、日本、韓国におきましては家計負担が五割ということになっているわけではございますが、先ほど申し上げましたように、韓国においてはこの数年、高等教育への支出を急速に増やしているということでございます。 九ページでございますが、いただきました課題の二点目、社会人教育、生涯学習の振興による職業能力の開発の現状と問題ということでございますが、今、中教審等々の議論なども踏まえまして、小学校段階、中学校段階、高等学校段階全ての段階における職業教育、キャリア教育、特に職場体験、インターンシップなどの充実、あるいは専門高校におきます地域産業界との連携といったことに取組を強めております。現在、公立中学校におきましては、職場体験、インターンシップにおいては九四・五%の中学校でそうしたことに取り組んでおりますし、公立高校におきましても七一・一%の高校でこうした職場体験、インターンシップを実施をしているということでございます。それから、特に今の課題は高等教育段階におけるそうした就業力の向上ということで、各大学において現下の低迷いたします内定率等々も踏まえてこの点についての強化を強めているところでございます。 それから十ページでございますが、中教審におきましても、このような観点から、幼児期から高等教育に至る体系的なキャリア教育の推進、そして実践的な職業教育の重視と職業教育の意義の再評価、それから生涯学習の観点に立ったキャリア形成支援といった提言、答申が出ているところでございます。こうしたことを家庭、地域社会、企業、経済団体、職能団体、NPOと、まさに社会総ぐるみで展開をしていくということが必要であるというふうに考えております。 それから十一ページでございますが、我が国は大学におきます社会人の学びというものがまだまだ低いといいますか、圧倒的に低いと。これは、二十五歳以上の大学入学者の割合でございますが、大学入学者のうち二十五歳以上の割合が、OECD平均は二一%であるのに対しまして、我が国は二%と極めて低い状況になってございます。大学における社会人の学びというものを更に支援していく必要があるというふうに考えておりまして、今年度予算におきましては、私学助成金の配分等々においてこうしたことも考慮をしているところであります。 十二ページでありますが、専門学校も大変重要なキャリア教育の担い手だというふうに認識をいたしております。このような厳しい内定状況におきましても、高等専門学校の就職率、内定率というのは極めて高くなっていることなどから、専門学校の意義というものを再評価すべきであるというふうに考えているところでございますし、今社会人のニーズというのは大変多様化をいたしております。そうした中で、柔軟性のある、多様性のある高等教育を展開をすることが可能となっております専門学校教育の充実ということも併せて考えてまいりたいと。加えまして、キャリア段位制度の創設、タイアップといったこともこうしたことと連動して考えてまいりたいというふうに考えているというところでございます。 私からは以上でございます。 あと、共済制度については資料を配付させていただきますので、御高覧いただければ幸いでございます。 ありがとうございました。
○会長(山崎力君) ありがとうございました。 次に、経済産業省から社会保障と我が国の産業政策について説明を聴取いたします。池田経済産業副大臣。
○副大臣(池田元久君) 社会保障と我が国の経済産業政策について御説明をしたいと思います。 まず、資料の一ページ目を御覧いただきたいと思います。 社会保障について考えるときは、社会保障だけの問題として考えるのではなく、いずれも強固な経済、財政、社会保障を同時に実現することが重要であると思います。したがいまして、社会保障につきましても、成長戦略の一環として取り組み、強い経済と整合性の取れた制度にすることが必要だということを認識しなければならないと思います。 具体的には、少子高齢化を新たな需要や雇用の創出につなげる、また、市場メカニズム、民間の新規参入等により社会保障の効率化や効果の最大化を進めるといった視点が重要だと思います。こうした視点を取り入れた政策をしっかり進めることで、強い経済が税や保険料の負担を確保し、社会保障や財政に貢献するようになる、つまり強い社会保障は強い財政が支え、強い財政は強い経済が支えることになると思います。 ここで、過度の企業負担が雇用の減少や産業の空洞化につながるおそれもあるということについて一言触れたいと思います。 資料一ページの下のグラフは、各国の企業負担を比較したものです。それぞれの棒グラフの高さは、企業の利益を一〇〇としたときの法人税と社会保険料の事業主負担の額を割合で示しております。これを見ますと、社会保障の事業主負担を含めた日本企業の公的負担の水準は、一般的に高福祉高負担であるとされておりますスウェーデンとほぼ同じ水準であることが分かると思います。他方で、日本の競争相手である韓国、中国、台湾といったアジア各国よりも大幅に負担の水準は高く、企業の国際競争力への影響が懸念をされております。 そのため、今回、法人税の実効税率をまず五%引き下げることとし、税制改正法案を提出しているところでございます。 次に、資料の二ページ目を御覧いただきたいと思います。医療・介護・健康関連サービス分野における問題と経済産業政策について御説明をしたいと思います。 高齢者の割合の増加や、脳卒中や心臓病などの生活習慣病の増加等を背景として、医療・介護・健康関連サービスへの期待は、疾病予防、疾病管理、リハビリ、介護、健康サービス、生活支援サービス等、多種多様なものへと広がりつつあります。このような変化に適切に対応するためには、医療・介護・健康関連分野で需要に見合った多様な事業形態を発展させ、民間事業者やNPO等による医療・介護・健康関連サービスを充実させていくことが重要だと思います。 具体的には、患者の様々なニーズ、例えば糖尿病など生活習慣病を改善したいというニーズや、終末期を在宅で過ごしたいというニーズなどに対して、従来は主として公的保険内で診療所や病院などによるサービスが対応してまいりました。今後は、持続可能な社会保障の構築に貢献するため、公的保険を補完する形で民間サービスによる公的保険に依存しない市場も拡大すべきではないかと考えます。そのためには、医療・介護・健康関連サービス分野が自律的に発展するために必要な制度改革や、事業者間の連携における標準約款の整備などを行うことが重要だと考えます。 また、これらの取組と併せて、医療サービスの国際化や業務効率化等に資する情報化、いわゆる医工連携や、革新的な研究開発を通じた医薬品、医療機器産業の競争力強化を推進していきたいと考えております。 最後に、資料の三ページ目を御覧いただきたいと思います。 雇用については、新たな成長分野における人材育成と日本の雇用を支える中小・中堅企業の人材確保等を実現するため、関係各省と連携し、積極的に取り組んでおります。 具体的には、新たな成長分野で実践的な職業能力の育成が急務であるにもかかわらず、若者や非正規労働者など能力育成の機会に恵まれない人々が増加しておりまして、昔のように企業の中での人材育成に完全に任せきりにできなくなりました。また、新卒者雇用の現状は依然として厳しいにもかかわらず、採用意欲の高い中小企業が若手人材の採用に苦戦しており、人材の供給がミスマッチを起こすようになっております。 こうした問題に対処するため、経済産業省では、実践キャリア・アップ制度の創設、関係各省と協力した新卒者雇用に関する取組を進めております。実践キャリア・アップ制度とちょっと大げさな呼称でありますが、生産性の低い分野から成長産業への労働移動を円滑化するため、実践的な職業能力を定義して、教育や能力開発と結び付けることで能力を客観的に評価するものであります。この制度を介護人材、省エネ、温室効果ガス削減などの分野で活用してもらいたいと考えております。また、新卒者雇用に関する取組としては、就職活動でまだ内定の取れてない新卒者などに対して、中小企業においてインターンシップ機会を提供したり、中小企業と学生のミスマッチを解消するため、ジョブカフェにおける採用意欲のある中小企業の掘り起こしなどを行ったりしております。 また、子供、子育てにつきましては、多様な事業主体の参入促進等により、サービスを質、量共に拡充する必要があり、現在、子ども・子育て新システム検討会議において検討を行っております。 日本の子ども・子育て支援サービスが抱えている問題には、一つは、都市部における待機児童が公表ベースでおよそ二万六千人、潜在需要を含めると約八十万人から百万人存在するという、まず量が不足している問題と、二つ目、夜間そして短時間、病気の児童に対する保育ニーズなど、働き方の多様化に伴う子育てニーズの多様化にしっかりと対応できていないという質の問題の両方があります。 こうした問題を解決するため、経済産業省としては、多様な事業主体の参入促進を図ることで子ども・子育てサービスにおける量と質の両面の拡充を図ることが必要だと考えております。 具体的には、株式会社、NPO等の多様な主体の参入を促すため、客観的な基準を満たす限り財政支援の対象となる施設として指定を受けられる制度の導入が必要だと思います。また、複数の施設を一体として運営するために、補助金の使い方の自由度を高めるなどの規制改革により、現在の保育所の主要な運営主体である社会福祉法人との公平な競争環境の整備が重要だと考えております。 以上のような取組によりまして、経済産業省としては、民間セクターの活力を活用しながら医療、介護、子育て等の社会保障の各分野において経済産業政策の観点から取り組んでおります。引き続き、残る課題の解決に向けて当然のことながら努力してまいりますが、皆様方の応援をお願いをしたいと思います。 以上です。
○会長(山崎力君) ありがとうございました。 それでは、これより質疑に入ります。 本日の質疑は、午後三時三十分を目途に、あらかじめ質疑者を定めずに行います。 その際、より効率的に調査を進めるため、まず、本調査会を代表して会長である私から、各委員の質疑の基礎となる総論的な質疑を行い、その後、各委員から質疑を行っていただきたいと存じます。 それでは、若干私の方から質問をさせていただきます。 まず厚生労働省に対して、日本のあるべき社会保障の姿という点でございますが、問題の解決には、財源問題を含めた社会保障制度の一体的、抜本的な改革が必要だと言われております。特に、社会保障の持続可能性を確保するためには、給付と負担のバランスについてどのような水準で均衡を図るか、この辺はつとに指摘されているところであり、国民は、生活保護のみでなく医療や年金を含めた健康で文化的な最低限度の生活はどのような水準だと考えていけばいいのか。そのための社会保障に国民が負担できる限界について、厚生労働省として国民の意識がどこにあるか、どのようにとらえられているかと思っていらっしゃるでしょうか。 そしてもう一つですが、厚生労働省の説明資料の中、三ページですが、世代間の給付・負担のアンバランス、負担の次世代への先送りといった問題は未解決であるというふうに書かれておりました。人口減少下でこういった問題を解決するためにはどのような政策が必要だと考えているのか、見解をお伺いしたいと思います。 続いて文科省ですが、いわゆる教育行政の立場、未来への投資という意味を含めて、その際の社会保障というものにどのようにかかわっていくべきなのか。特に、幼稚園と保育園、保育所等の関係と幼児教育の在り方、職業能力の開発を含めた大学等の高等教育の在り方について考え方をお伺いしたい。 第三に、経済産業省でございます。 少子高齢化を新たな需要や雇用創出につなげる方策ということでお話しいただきましたが、急速な高齢化の下で、産業としての医療や介護の将来性について、産業という言葉の意味を含めて見通しをお聞かせ願いたい。 また、少子高齢化を雇用の創出につなげる具体的な方策について、今後の見通しと経済産業省が考えているところをお話をいただきたいと存じます。 以上、私からの質問でございますが、まず厚生労働省の方からよろしくお願いいたします。
○副大臣(大塚耕平君) 調査会長から三点御質問をいただきまして、ありがとうございました。 まず一点目は、給付と負担のバランスをどのように考えて一体的、抜本的な改革に臨むべきかと、こういう趣旨であったかと思います。それをお答えするためにいま一度委員の皆様方にも御覧をいただきたいのが、補足資料の方の例えば三ページには、給付の方の国際比較が上段に記載がございます。補足資料の方の三ページでございます。そして、下段の方には国民負担、①の方は毎年毎年の財政赤字を含まないベース、②の方は財政赤字を含むベースで記載をしてございますが、御覧のような水準であります。 こういうふうに比較をしてみると、上が給付で言わば下が負担でありますので、国際比較的な観点からいえば、ある一定の均衡を保ちつつ、こういう水準に今現在位置しているということであります。 しかし、ここで今後の社会保障を考えるときに給付をもっと増やすべきだということであれば、当然、その上段の給付がだんだんイギリス、ドイツ、スウェーデンのようなこういう比率の方に上がっていけば負担の方をどうするかという議論になりますので、それを考えなくてはならないという、こういう視座に立って検討しなくてはいけないと思っております。 ただ、その一方で、負担の割合に比べて大変その給付あるいは社会保障のサービスの内容が必ずしも十分ではないという御指摘もあるのは事実であります。その場合、負担を増やさずに給付を拡大をしていくときに制約になるのが、その前のページの二ページを御覧いただきますと、政府債務、財政赤字の状況でございます。 この財政赤字の状況を考えますと、今私が申し上げました後者の意見、つまり現状、負担の割合に比べて社会保障制度の内容は必ずしも充実していないという御主張に沿って負担を増加させないで給付を充実をさせていくということに対しては、一定の制約があるのではないかというふうには考えております。 一点目の御質問に対しては以上のとおりですが、一点目の御質問に対する考え方に付随をして一点申し上げれば、これは議会全体であるいは政治全体で考えていかなくてはならない問題だと思いますが、我が国は社会保障給付費にしろ、その中の医療にしろ、あるいは文科省の御担当の教育にしろ、いろんな分野が他の先進国に比べるとGDPに比べて支出が少ないということを、ほとんどの分野がそういう主張をするわけであります。防衛費も同じであります。一体なぜそういう状況が生じているのかという本質的な問題に対しても考慮を加えながら、この社会保障制度の負担と給付のバランスを取った一体的・抜本的改革に取り組まなくてはいけないというふうに思っております。 それから、二点目の国民の皆さんの意識をどのようにとらえているのかということでありますが、この点については、分厚い方の資料の七ページを御覧をいただきますと、ナショナルミニマムということに対する考え方の整理をしてあります。 国民の皆さんの意識とともに、憲法上どのようなことが国家全体にとって義務付けられているかといえば、憲法二十五条に記載する健康で文化的な最低限度の生活ということになります。しかし、この健康で文化的な最低限度の生活とは一体どのような内容であるのかということが国民の皆さんの意識と関連するわけでありますので、そこに国民個々人によって若干の、あるいは相対的にかなりの差があるというところにこの問題の難しさがあるものだというふうに思っております。 したがって、できる限り客観性と公平性を維持するために、例えばナショナルミニマムの基準のところを御覧いただきますと、最低生活費について、例えば技術的には水準均衡方式とかマーケットバスケット方式、これはあくまで基準を考えるときの算出の手法の問題でありますので、この手法だけで何かが決定的に解決するというふうには思っておりませんけれども、できる限り客観性を維持できるようなアプローチをしないといけないとは思っております。 ただし、先ほどの一点目の問題と関係をいたしますが、国民の皆さんの意識が、まだまだ憲法二十五条に保障された状況に社会保障制度全体のサービス内容がなっていないというふうにお考えのときに、この負担と給付のバランスをどうするかという一点目の問題にフィードバックされてくるわけでございます。 最後に、三点目に調査会長から御下問をいただいたのは、この分厚い方の資料の三ページの中ほどに書いてあります世代間の給付・負担のアンバランス、ニーズの変化に対応したサービスの充実、給付等々、負担の次世代への先送りといった問題は未解決と、これをどういう政策でこの未解決の問題に対処していくのかという御下問であったかと思います。とりわけ、世代間の給付・負担のアンバランス、負担の次世代への先送りといったところに重点的に御指摘をいただきました。 この問題は、私の冒頭の説明で申し上げれば、世代間公平というそういう言葉で一言でくくらせていただきましたけれども、政策的には、やはり世代間公平を維持する、バランスを取るためには、結果的に現在若年世代が相対的に不利な立場に置かれている状況をどのように解決するかというのは、アプローチは二つだというふうに思っております。 一つは、過去においてはなかった、あるいは社会的に必ずしも必要とされなかった政策であっても、現時点においては、あるいは現在の環境においては若年世代に必要と思われる政策を行っていくこと、これが結果的に世代間の公平をバランスさせる一つのアプローチだと思います。これは、つまり給付の面においてバランスを取るやり方であります。 もう一つは、負担の方でバランスを取るアプローチでありまして、それは冒頭の説明でも申し上げましたとおり、例えばの話でありますが、例えば消費税を中心に社会保障制度を考えたときに、これから高齢者の人口比率が高まってくるということは、世代会計的に考えたときに、消費税というもので財源を手当てすると相対的に高齢世代が財源を負担していただくことになりますので、結果的に若年世代に掛かる負荷を減らすという形でバランスを取るという面もあろうかとは思います。 いずれにいたしましても、給付と負担の双方においてアプローチの仕方は違いますが、両方の面で工夫をしないと、調査会長御指摘のような未解決の問題に対して改善を加えることは容易ではないというふうに思っております。しっかりと対処をしていかなければならない課題だというふうに思っております。 以上です。
○副大臣(鈴木寛君) 御質問ありがとうございます。 私への質問は、未来への投資として社会保障と教育の在り方について文部科学省としてどう考えるかということだというふうに思っておりますが、昨年の十二月に取りまとめられました社会保障改革に関する有識者検討会の報告におきましても、五つの原則の中に、切れ目なく全世代を対象とした社会保障、あるいは未来への投資としての社会保障というものが示されております。 現下の日本の状況を見ますと、高齢者を支える生産年齢人口が急速に減り続けております。しかも、その生産年齢人口の中でも若年失業率が一〇%台というものがずっと推移をしておりますし、更に申し上げますと、そのうち三〇%ぐらいが非正規という、そのうちといいますか、それに加えて非正規が三〇%と、雇用されている人の中でも非正規が三割と、こういったことでございます。 この背景には、先ほど申し上げましたように、十七歳以下の相対貧困率を見ますと、OECDの国の中で我が国だけが再分配後の相対的貧困率が上昇していると。つまり、そこについては政策的な効果がむしろ逆行しているということであります。 この点をまさに改善をすることが、安定した社会保障制度の担い手をどう育成し、そして、その数はもう増やすことはできないわけでありますから、その一人一人の担い手のまさに納税あるいは保険料負担の能力をどう向上させていくのかと。まさに一人一人の潜在能力を最大限に伸ばし、そして社会で活躍し社会保障の担い手にしていくということが持続的な社会保障制度を維持する観点では極めて重要だというふうに思っております。 そうした観点から、この社会保障の議論の中で、まさに教育の機会均等や日本の成長につながる強い人材の育成を含めた、とりわけ低所得世帯の若者に対する就学機会の確保あるいは促進、そうした奨学あるいは就学奨励と、そうしたことについての点もこの社会保障改革の議論の中で是非していただきたいなというふうに考えているところでございます。 それから、幼児教育についてでございますが、これは御承知のように、幼保一体化を含む新しい次世代育成の支援のための子ども・子育て新システムについて、昨年十二月に閣議決定をされました「社会保障改革の推進について」におきまして優先的に取り組むべき課題として位置付けられているところでございます。この中で、制度的な、具体的な内容についても三つのワーキンググループで検討を行っているところでございます。 幼保一体化の検討に当たりましては、幼児期の教育が生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものでありますので、全ての子供に質の高い幼児教育、保育を保障するという観点から、しっかりと進めてまいりたいというふうに考えております。 それから、高等教育でございますけれども、特に大学教育につきましては、これまで、やや、社会において職業人として自立し貢献をすると、そうした観点が薄かったのではないかということから、まさに職業人として自立する力や実践力を育成をすることに、より重点を置いてまいりたいというふうに考えております。 学生の社会的・職業的自立に向けた指導を大学の教育課程の内外を通じて行うことを今年の四月から制度化し実施するということを決定をいたしました。そして、それに先立ちまして、本年度から、企業との連携による課題解決型の授業やインターンシップなど、学生に卒業後の自立を意識させ、実践的な能力を身に付けさせる取組を支援をいたしておりまして、そこには、社会人、実業界の皆様方の御尽力、御協力というものも得ながら就業力育成に向けた取組を進めてまいりたいと思っております。 さらに、この分野におきましては、まさに産業界と大学界が良好な協力関係を築き、もっともっと近い関係で日ごろの対話を重ねながら若い世代の人材育成を共に担っていく、協同して担っていくと、こうした好循環をつくっていく必要があるというふうに考えておりまして、大学のキャリア教育や企業が求める人材の明確化と、産業界と大学関係者との意見交換をこれまでも行ってまいりましたけれども、更にこうした取組を進めていきたいと考えているところでございます。 以上でございます。
○副大臣(池田元久君) 二問、会長からいただきましたが、大変僣越でございますが的確な質問をいただきまして、敬意を表する次第でございます。 まず一つは、急激な高齢化の進展の下で産業としての医療や介護の将来性について、産業という言葉の意味合いも含めて経済産業省の見通しを示されたいということでございますが、御承知のとおり、高齢化等を背景として、医療・介護等関連サービスに対する期待は、疾病予防を始めとする多種多様なものへと広がりつつあります。したがって、医療・介護等関連サービスは高い成長と雇用創出が見込まれておりまして、新成長戦略の中でも成長を引っ張る成長牽引産業として位置付けられているところでございます。 他方、こうした需要全てを公的保険の枠内で機動的に賄うことは、財政制約等の観点から困難であります。需要により適合した内容のサービスを公的保険を補完する形で民間事業者やNPO等の多様な事業形態が供給できる環境を整備すべきでありまして、その実現に向けた取組をこれまで産業化と呼んでおりました。しかし、この事業形態は、これまでの公営や社会福祉法人のほかNPO、株式会社形式等ございます。NPO等も含まれておりますので、産業という言葉は必ずしも適当ではない。そして、営利というのはどうしても前面に出てくる印象がございますので、これからは多様な事業形態の導入というふうに呼んでまいりたいと考えております。 次に、もう一つの質問は、急激な高齢化の進展の下で産業としての医療や介護の将来性について、もう二つ目の質問は、少子高齢化を雇用の創出につなげる具体的な方策について、今後の見通しと経済産業省の考えているところをお聞かせ願いたいということでございますが、我が国の少子高齢化のスピードは先進国の中でも際立っております。労働人口の減少や社会保障に係る負担の増大が経済成長に影響を及ぼすおそれがございます。 他方、程度の差はあるものの、どの先進国においても高齢化は避けて通れない問題として少子高齢化の下での経済成長を考えておりますが、日本も世界のモデルにするチャンスだとも思います。 例えば、高齢化慢性疾患の増加によって医療機関の外部でのケアの重要性は増大しております。しかし、こうしたケアサービスが医療行為の範囲に含まれるか、保険の対象となるかといった点が整理されていないなどの理由により、民間事業者やNPO等によるサービスが十分に拡大していません。 このため、経済産業省では、規制・制度改革の検討に必要なデータの収集、分析、新たな仕組み構築の検討等を目的とする調査研究事業、実際長い名前が付いているんですが、予算額は二十三年度では十九億円を実施といいますか、これからこれ予算が通れば実施するんですが、これから実施しようとしていると。この事業で医療とかかわりのある住宅、日常生活における運動、栄養指導等の提供の在り方等を制度的課題や社会的制約を中心に検討をしていきたいと考えております。 このような取り組みを通じて、高い成長と雇用を創出する医療・介護等関連サービスの多様化を促進していきたいと考えております。 以上でございます。
○会長(山崎力君) ありがとうございました。 私からの質疑は以上であります。 引き続き、各委員から質疑を行っていただきたいと存じます。 質疑及び答弁の際は、挙手の上、会長の指名を待って着席のまま御発言くださるようお願いいたします。 なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますよう、答弁及び質問時間を含めた質疑時間がお一人十分以内になるよう御協力をお願いいたします。汗顔の至りですが、私の質問に御丁寧にお答え願って、大分答弁時間が長くなっておりますので、答弁側も御留意のほど、よろしくお願いいたします。 それでは、質疑のある方の挙手をお願いいたします。 まず、平山誠君。
○平山誠君 民主党・新緑風会、平山誠です。本日は、各副大臣、多忙な中、貴重なお時間をいただき、また丁寧な御説明をいただき、ありがとうございました。非常に参考になりました。 本調査会では、中長期的な観点から、この度「持続可能な経済社会と社会保障の在り方」を考えるに当たって、従来型の労働対策、少子化対策、高齢化対策という現状に対する是正や対応だけでは政策が後手後手に回ってしまい、かつ、直ちに状況が改善するということは難しいということは共通の認識であると思います。 私はよく例えるのですが、一九七〇年に設計した高速増殖炉「もんじゅ」は二〇一一年の現在でも一日五千万を使い、いまだに完成していません。一九七〇年代の最先端の車をどうマイナーチェンジしても現在の最先端のハイブリッドカーにはならないと思います。社会保障の多くの制度は、今非常にゆがみ、現状とのギャップが生じていると思っています。この制度をどう直していくかを考えても、マイナーチェンジと同様と考えます。 本調査会では、各省庁のしがらみや党派を超え、個人個人、参議院議員としての協調で全く新しい考え方を模索していくということが私は使命と考えております。この国に生まれ、学び、働き、育み、安心な老後を迎え、穏やかな終末を迎える。私の個人的な考え方ですが、誰でも七十五歳からは住まいも介護も医療も全て無料にし、その前の元気なときに全部資産を使っていただく、世の中に還元していただく、そのような安心した老後ということがキーワードと私は考えております。 昨今、自殺者が三万二千人を超え、引取り手のいない無縁死者、孤独死の方が三万二千人という数字が出ています。数字だけでいえば、都内二十三区で毎日約十人が孤独死をしています。平成二十一年度の二十四時間内の交通事故死者は全国で四千九百十四人です。いかに交通事故死者が減ったか。 この数字を承知していただきました上で、本調査会が今後どのような調査をしていくべきか、新たな社会保障ということはどういう在り方なのかということを厚生労働省の立場、及びこの調査会がどのような方向性で調査をしていけばいいかということを大塚副大臣の方にお伺いしたいと思います。
○副大臣(大塚耕平君) 平山委員から本質的な御質問をいただいて、ありがとうございます。 委員の個人的な希望として、七十五歳からの一つのビジョンをお示しいただきましたが、もしそういう形を実現するとすれば、今現在それに近い形になっている北欧諸国のようなやはり給付と負担の構造を考えていかなくてはならないだろうというふうに思います。したがって、そうなるためには、先ほど私が調査会長の御質問に対してお答えをした内容や冒頭の説明の中でお話をさせていただいたように、その前提として、幾つかの社会保障制度を設計する上での国民的コンセンサスを形成する必要があると思います。 例えば、制度設計をする前提としての人口に対する見通しとか、それから経済条件に対する見通しとか、無謬性に対する見通し。例えば、国権の最高機関である議会の、しかも良識の府である参議院における国民生活・経済・社会保障に関する調査会でありますので、この調査会が例えばそういう大前提について一定の合意を形成していただく場となれば、これは今後の検討においても大変大きなサポートになると思いますので、そういうお取り組みをしていただければ、厚生労働省の立場としては大変有り難いというふうに思っております。 現時点で私からお答えできる内容としては以上のとおりでございます。
○平山誠君 ありがとうございました。 他の議員の皆様も七十五歳、それ以上になったら全て無料という国をつくるために、ひとつ私の私案ですが、御協力ください。 もう一つ、質問をさせていただきます。 都市鉱山という言葉を御存じでしょうか。都市に埋もれた電気製品や通信機器からレアメタルというような有効な資源を活用しようということですが、その言葉の裏にヤメソニー金脈という言葉があります。これは、二十世紀後半、世界に誇る日本のテクノロジー産業の中核であったあるSという会社、自由闊達にして愉快なる理想の工場の建設というのを設立の趣意とした企業です。この二十世紀、二〇〇三年から、このSという会社からやはり韓国のSという会社に約数十名から百名、二〇一〇年までに技術者の方が転職されたと言われています。今や韓国のS社は世界最大の液晶メーカーとなり、日本のS社もかなり最先端の技術を開発しておりましたが、今では、二〇〇五年から液晶パネルを韓国のS社から調達しているという、ヤメソニー金脈の一部の力だと言われています。天然資源がない我が国は、人材こそが財産であるということを改めて確信できる事実だと思います。 個人の能力を最大限に発揮できる環境の整備こそが政府の役割ではないかと私は考えております。つまり、年齢やハンディキャップにかかわらず自由に働ける労働市場の構築、労働生産性を上げることが、持続可能な経済社会と社会保障のための方策となるのではないかと考えております。グローバル化の中で、人材の流動性、ネットの発達による働き方の変化の中で、今や国際競争力に負けない新たな働き方が求められています。どのような政策が必要であるか、どのような考えでこの調査会が進めていけばいいかということを、経済産業省の方からお聞きできればと思います。
○副大臣(池田元久君) 大変問題意識はよく分かるんですが、国権の最高機関である衆参両院、我々は行政を担当しておりまして、問題意識はいろいろ共有のものがあって、申し上げても構わないんですが、しかしながら、私も議会人をやっておりまして、政府側がそれについて言うのは僣越でありますし、差し控えたいと思います。国会自身の活動を私は高く評価をし、国会自身がやはりそれをやるべきであると。 我々があれこれ介入すべきではないというのが私の議会人としてのささやかな信念でございますので、御理解をいただきたいと思います。
○平山誠君 私は、人材こそ財産だということを強調したかったためで、個々のことを言ったつもりではありませんが、その点誤解があれば改めてまた質問させていただきます。 まだまだ質問はしたいのですが、時間がありませんので、最後に一言だけ。 お配りした調査資料を見ていただきたいのですが、これはある週刊誌に、就活の実情という特集したページに載っていました表であります。政府は昨年八月から新卒者雇用・特命チーム等を発足し、様々な提案をしていただき、世の中に役立っていると思いますが、これを見ますと、誤解を招くような表現があると思いますが、各省庁がいかに縦割りであるのかというようなことが誤解されるかもしれませんので、今後は、私どもこの調査会も入れていただきながら、有効な施策を分かりやすく、一般に活用できるようなこともつくっていきたいと思いますので、一刻も早く各省庁、また各省庁の各課の垣根を取り払っていただいて、問題解決に本調査会又は私も含めていただき、真に活用できる抜本対策が構築されていくことを発言しまして、質問を終わりにさせていただきます。 ありがとうございました。
○会長(山崎力君) 答弁は要りませんね。
○平山誠君 はい、いいです。
○会長(山崎力君) 続きまして、古川俊治君。
○古川俊治君 では、続きまして、自由民主党の古川俊治の方から質問をさせていただきます。 〔会長退席、理事関口昌一君着席〕 まず初めに大塚副大臣にお聞きしたいんですけれども、これはお答えが難しいかもしれませんので、大臣の私見でもあるいは厚生労働省の考え方でもいいんですが、先ほど副大臣もおっしゃいましたように、確かに今までこの議会でも前提が異なるためにかなり合意が難しかったという例があると思うんですね。医療費などは、記憶によりますと、一九九六年における二〇二五年の医療費は現在の推測における二〇二五年の医療費の約三倍弱というようなことになっておりまして、自民党の政権交代をしてやはり数兆円またこの医療費が大分落ちたということがありました。 また、前回の年金の制度改革、年金の問題につきましても、民主党と自民党の間で前提事実が違っているということで次々にまた議論が起こってしまったということで、これはやはりそのベースになるシミュレーションがないと我々は議論のしようもないんですが、一々一々前提が変わっているようだとその都度制度を変えなきゃいけないということになりますので、今後何かの出し方、厚生労働省の試算の出し方を変えていかないと議論にならないのではないかという気がしているんですが、政府、野党間の合意のやり方等も含めて、厚生労働省については出し方ということを何か工夫をお考えかどうかと、その点について教えていただきたい。 それから続けていきますけれども、鈴木副大臣、ありがとうございました。 一つは、おっしゃられた改革はよく分かるんですけれども、生徒個人に金銭の支援をしていく、奨学金等は恐らくそういう改革だと思うんですが、ただ、これは特に義務教育までに言えると思うんですが、なぜ高所得の家庭の人が大学進学率がいいか。恐らく授業料の問題もあると思いますけれども、同時にやはり現在の学校の、特に義務教育の内容というのが十分ではないということで、課外の学習に通わなきゃいけない、その財政的な負担がかなり大きくなっているんですね。ですから、各生徒にお配りするのも是非必要だと思いますけれども、同時にこの義務教育の改革という点もあるのではないかということが第一点。 それから、同じようにして大学、大学院改革なんですけれども、少しずつカリキュラムに実践的なところを取り入れていっていらっしゃると。これは今日お示しいただいたとおりなんですが、現在の定員割れの状況あるいは国際化の状況、さらには専門化の状況、日本の大学あるいは大学院卒、高等教育を受けた方々がなかなか十分に活躍できていないという状況を考えると、何らかの高等教育にも改革が要るのではないか。これは、鈴木副大臣、長く教育におかかわりですので、そうした御私見でも結構ですから教えていただけたらという気がしております。 それから、池田副大臣、ありがとうございます。 これ、ちょっと会長の質問とも絡むんですけれども、実を言うと、医療を今の全体で見てもこれからの成長の分野と確かにおっしゃいましたが、やはり公的な資金以外で、公的財源以外を使った医療、介護というのはかなり小さいんですね。確かに予防といっても、かなり因果関係が明白になってくると、これは公的財源に切り替えていくということがよくありますし、また、実際、介護なんかにしても、現在、介護保険外の費用というとかなり小さい、皆さんがなかなかお支払いできないという状況になっております。 核になるのは恐らく医薬品や医療機器なんでしょうけれども、ここも実を申し上げますと公的保険の中に入っておりますので、海外の市場に行かない限り、国内の市場を当てにしている限りは伸びないということになってきまして、むしろ私は、公的資金外の市場を開発すると、これも非常に大事なことだと思いますが、どちらかというと、医療というのは、公的財源によってどこの地域でもやっぱり医療は必要になってくるんですね。ですから、むしろ、地域の活性化というか、それは公的財源を使う産業ではありますが、地域に雇用を興し、地域に人を根付かせるという意味では重要な考え方なんではないかと思いますけれども。 〔理事関口昌一君退席、会長着席〕 そういった点から、この医療をどうこれから経済産業政策に取り入れていかれるお考えか、もう一度お聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(大塚耕平君) 御質問ありがとうございました。 まず、厚生労働省として今後どういうロードマップを考えているかということを副大臣の立場でお答えをさせていただきます。 古川先生御指摘のとおり、医療にしろ年金にしろ、制度設計の前提となる様々な前提条件と制度の中身そのもの、これは分けて私も議論するべきだと思っておりますので、しかるべき時期にお示しをする制度改革案については、それがなぜそのような改革案になったのかという財政計算上の前提と、それから制度の内容をきっちり峻別してお示しできるようにしたいと思います。 今度は、それを前提として私的な立場で、個人の意見で申し上げさせていただきますが、私も古川先生と全く多分問題意識は一緒だと思うんですけれども、前提条件について異論があるので内容の議論に入れないという、この不毛な議論の繰り返しはそろそろ終止符を打つべきだろうと思っております。したがって、できれば、人口であるとか経済条件であるとか、それから先ほど私が申し上げた無謬性のようなこういう問題については、議会が超党派で一定の合意をして、この前提で制度設計をしろというふうに行政に国権の最高機関として御下命をいただければ、多分相当今までと違う展開になっていくだろうというふうに思います。 最後になりますが、そのことは私も野党時代にも意識をしておりまして、今と逆のねじれの状態の財政金融委員会の下で、まさしくそういうことをするべきであろうということで、当時の椎名筆頭理事に、財政金融委員会の下に小委員会をつくって、政治的、政策的価値観を議論する場ではない、客観的な前提について合意をする場をつくらせていただきたいということで御提案申し上げて、当時の椎名理事も大変前向きにお取り組みいただいていた経緯もあります。是非そういうことが近い将来実現することを祈念いたしております。
○副大臣(鈴木寛君) 御質問ありがとうございます。 まず、進路指導の現場の教員のアンケート等を見ますと、やはり経済的な理由で上への進学を断念をしているというふうに思うかというアンケートに対しては、やはり強くそう思うという声が高いということも事実でございますので、個人に対する、特に低所得者向けの奨学金あるいは授業料の減免というのは非常に有効だと思いますが、あわせて、委員御指摘のとおり、まさに小学校、中学校段階の学力格差が世帯の所得格差に連動しているというのは、まさに課外の教育の差がそこに表れているわけでありますから、義務教育そのものをもっと充実すべきではないかという御指摘は全くそのとおりだと私ども思っております。 その背景は、先進諸国あるいはOECD主要国等々を見ましても、やはり我が国の教員の質と数の充実というものを図っていくということが必要でございます。少人数学級の実施、あるいは一学級当たりの生徒数等々を見ましても、いずれも我が国は最も何といいますか低い水準、低い水準というのは改善すべき水準にあるということが事実でございますので、私どもは来年度に向けて少人数学級化の一歩として、三十五人以下学級ということで学級編制基準の改善というものに踏み切ってまいりたいと思っておりますが、それだけではまだ全然足らないわけでありますので、財源の確保を前提としつつ、これを加速していかなければいけない。 それと加えまして、やはり質の議論もきちっとしなければいけないというふうに考えておりまして、昨年の六月に中教審で、教員の資質向上、これは十八歳から六十歳までの全教員の養成及び研修、採用も含めた全教員のキャリア全体についての改革でございますが、そうしたことも取り組んでいかなければならないというふうに思っております。 御承知のように、フィンランド等々では非常に現場実習が充実した形での修士化ということを実現をされております。中国等々でも、上海あるいは北京においては新卒教員は全員修士と、こういう世界的なトレンドもございます。そうしたことも参考にしながら、我が国の実践力、コミュニケーション能力を身に付けた教員の資質の向上と相まって、義務教育改革は更に力を入れていかなければいけないと思っております。しかし、その前提として、アメリカにおいても教育に対する公財政支出は五%程度、GDP比、確保されております。委員よく御承知のとおり、我が国はこれはまだ三%台、この差がここに表れているということでございます。 それから、大学につきましては、これも御指摘のとおりでございまして、大学自体の改革ということについてもっと精力的に行っていかなければならないという御指摘、全く同感でございます。これまで、大学の自治、建学の精神の尊重、このことは大事なんですけれども、大学の自治の名の下に、やや社会と……
○会長(山崎力君) 済みません、途中で。答弁、なるべく簡潔にお願いいたします。
○副大臣(鈴木寛君) 隔絶した大学運営が一部に行われたことは事実であります。 したがって、大学のガバナンスを高めていく、そのためにはステークホルダーにきちっと大学が何をやろうとしているのかということの情報開示と、ステークホルダーとのコミュニケーションを充実をさせていく、そして大学のミッション、どういう人材をその大学が目指すのかということについてきちっと大学ごとに考えていただくということが必要だというふうに考えているところであります。
○副大臣(池田元久君) 医療をどう経済産業政策に取り入れるか、委員のおっしゃった地域の活性化や雇用というのは大変重要でございます。これを今我が省としては検討しておりますが、ごく簡単に事務方からその具体例について説明させたいと思います。
○政府参考人(新原浩朗君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、医療機器とか医薬品の部分というのは確かに公的負担がかなり密接にかかわってくるものだと思っておりまして、私ども、そこの競争力強化、研究開発促進なんかをやっておりますけれども、むしろ今本当に企業にやっていただきたいと思っているものは実はその外側でございます。 具体的にちょっと申し上げますと、生活習慣病、これはがん、心臓病、脳卒中でございますけれども、一九五〇年に死因で二五%であったのが二〇〇九年に五七%に増えております。この部分というのは、食事習慣とか飲酒あるいは運動不足といったところが強くなっておるわけで、違いましたら申し訳ありません、と私どもは認識しておりまして。 それで、私どもがちょっと主に考えておるのは、例えば外食とか配食のサービスとかフィットネスあるいはハウスキーピングとかみとりとか、そういう医療の周辺分野というところについて少し株式会社のようなものの形態を参入してもらって、医療機関とジョイントをするような形でサービスを提供できると、もう少しいろんな満足度が高まるし、それから医療機関の方の公的保険に対する負担も減ってくるんだろうと思っておると、こういうふうに考えておるところでございます。
○古川俊治君 時間ですので、質問を終わります。
○会長(山崎力君) 続きまして、山本博司君。
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。今日は大変にありがとうございます。 大塚副大臣にお聞きをしたいと思います。 税と社会保障の一体改革ということで、大塚副大臣、総理からも死ぬ気でやれというふうなことを、言ったのかどうか分かりませんけれども、大変大事な役割を担っていただいて、この四月までに中間報告をまとめられるということで、大変大事な部分だと思います。 特に、今回の社会保障改革に関する集中検討会議、その顔ぶれを見ますと自公政権時代の議論の中心的な方々が担っていらっしゃるということで、これは民主党のその公約の大幅な転換も必須ではないかというふうなことも言われておりますけれども、私が心配をしますのは、今、消費税とか増税の部分のことが先行していますが、この社会保障の機能強化、このやっぱり議論をしっかりしてビジョンを大塚副大臣の下に作っていただきたいということでございます。 その社会保障の機能強化の範囲がどこまで議論をされるのかというのが見えておりません。年金、医療、介護、また子育てもやる、また雇用もやるということで委員に湯浅さんを入れられたりとかしておりますけれども、私たち公明党は今回、昨年の末に新しい福祉ビジョンということで、年金、医療、介護、子育て以外にもあと五つの、例えば障害者福祉であるとか、貧困と格差とか、雇用とか、またソーシャルインクルージョンとか、こういう様々な新しい問題もあるということも議論をした形で提示をしているわけです。 やはり、障害者の方々なんか特に、いつも毎年毎年予算で苦労されていて、今、総合福祉部会等でも制度推進会議の方々、議論されていますけれども、この機能の範囲の中にこういう障害者福祉等のことを議論をされるのかどうか、このことをまず教えていただきたいと思います。
○副大臣(大塚耕平君) ありがとうございます。 まず、結論から申し上げますと、厚生労働省での検討においてはそのとおりでございます。厚生労働省、既に私が着任したときにはその中に社会保障制度改革のための幾つかの検討の母体ができ上がっておりまして、年金、医療、介護のみならず、子供、子育てあるいは貧困等、六つの検討の母体ができておりますので、今、山本先生御指摘のオーバーオールな内容を進めておりますので、その点は公明党さんがお考えになっておられる方向と同じだというふうに思います。 それに加えて、冒頭おっしゃいました、税の話が先行しているというような御指摘がありましたが、その点は私も着任早々、厚生労働省の皆さんには申し上げましたが、政策論と財政論は分けて考えるべきだと。初めに政策論ありき、その後に財政論の観点から調整が必要であれば調整を加えるということでありますので、しっかりその政策論を中心に山本委員御指摘のオーバーオールな分野を包括をするビジョンを四月にお示しをしたいというふうに思っております。
○山本博司君 ありがとうございます。是非とも、この部分に関して障害者福祉も含めた議論をしていただきたいと思います。 続いて、池田副大臣、経済産業省にお聞きをしたいと思います。 今回、社会保障を考えていったときに、やはり公助、共助、自助とございますけれども、やはりNPO法人とか若しくは民間、地域の方々の支援をどうそこに雇用であるとか生み出していくかということは大変大事な分野だと思います。 そういう意味で、経済産業省がソーシャルビジネスということで推進をされて、ちょうど二〇〇九年にソーシャルビジネスの五十五の事例ということで発表されておられます。私もその現場、幾つかの会社に行かさせていただきました。徳島でジェイシーアイ・テレワーカーズ・ネットワークという障害者のNPO法人でございますけれども、約三百名ぐらいの方々が在宅の就業をしながらいろんな雇用またビジネス、特にICTを活用してやっていらっしゃる事例でございまして、非常にうまくいきながら、経済産業省のソーシャルビジネスのノウハウ移転セミナーということで、ほかの五社ぐらいを呼ばれてやっていらっしゃいました。また、先日は静岡県の三島市のグラウンドワーク三島という、これも環境問題を、どぶ川から蛍が乱舞するような、そういう運動ということでこれも取り組んでいらっしゃるわけですけれども。 ただ、予算的に、平成二十一年、五億四千万あった予算が毎年減らされて、二十三年は二億二千万ぐらいということで、ソーシャルビジネスの関連予算が減っているのではないかなという懸念があるわけです。 大変大事な分野ですので、どういう認識で取り組まれているのかという、この点をちょっとお聞きをしたいと思います。
○副大臣(池田元久君) 事務方から答弁させます。
○政府参考人(新原浩朗君) 御指摘のとおりでございまして、助け合いとか支え合いというようなことを考えたときに、ここで、社会保障分野で議論になります子育て支援、あるいは少子高齢化、環境保護、安全、安心、防災等々、いわゆる社会的課題、地域の社会的課題を解決していく上で、私どもこのソーシャルビジネスという部分を非常に注目をしております。 雇用形態としても、決してこれ収益が目的では、もう委員御承知の、ございません。ございませんが、私ども聞いておりますと、ここで働いている人たちはやっぱり社会的課題を解決するということに意義を感じて、自己実現として特に若い人を中心に非常に興味を持っておるわけでございます。私どもの調査によると、全国でこの事業者、こういうものに該当する人たちが八千事業者ぐらい、雇用者数も三・二万人ぐらいにはなっておるわけでございます。今、御紹介いただいたように、私どものところで今どういうそのいい例があるのかというのを集積をしておりまして、それについて、またいろんなその後対応策なんかを考えていきたいと。 今回、税法の中でいわゆる寄附税制なんかも整備をいたしておりますけれども、地域の雇用として、新しい形態としてこれを支えていくように頑張っていきたいというふうに思っております。
○山本博司君 是非とも、この分野というのは大事な分野でございますので、推進の方をお願いをしたいと思います。 最後に、鈴木副大臣にお聞きしたいと思います。 貧困の連鎖ということでお聞きしたいんですけれども、生活保護世帯、約百九十八万人ということで大変どんどん伸びているということですけれども、そういう中で、生活保護世帯の子供が成人しても再び生活保護になっているという貧困の連鎖、大変問題化をしております。そういう貧困の連鎖を断ち切っていくというのは、教育の力というのは大変重要だと思っておりまして、私も保土ヶ谷区のはばたき教室とか、釧路のそういう中学校三年生に対する教育指導だとかということの部分、これは厚労省かも分かりませんけれども、様々な形から教育で支援をしていくということは大事な部分だと思います。 そういう点を文科省の立場からはどういうふうにとらえていらっしゃるのか、教えていただければと思いますけれども。
○副大臣(鈴木寛君) 先ほども申し上げましたように、まさにこの貧困の連鎖を断ち切るのが教育、少なくとも私どもが今進めております最大の教育上の課題、政策課題だというふうに考えております。 これは、まさに先ほども御議論ございました、やっぱり義務教育をしっかりしていくという、まさに公が提供するものに加えて、それはしっかりやります。しかし、加えまして、やはり社会のあらゆる方々の御協力をいただいて実現をしていくということが重要だと思います。これは、学力を身に付けるということもありますし、学びへの意欲あるいは生きる意欲、そうしたことも含めて総合的にやっていくということであります。 例えば、放課後子ども教室とか学校支援地域本部とか、コミュニティ・スクールというまさに地域の方々、ボランティアの方々、あるいは学生ボランティアの方々、そういう方々の御協力を得て、あるいはそういう方々がむしろ主体になってそうした子供たちにかかわっていただくということは極めて有効でありますので、そうしたことも今同時に進めているところでございます。これが相まって子供たちの貧困の連鎖というものを何とか断ち切ってまいりたいと考えております。
○山本博司君 以上でございます。ありがとうございました。
○会長(山崎力君) 続きまして、寺田典城君。
○寺田典城君 みんなの党の寺田でございます。よろしくお願いします。 持続可能な経済とそれから社会保障の在り方という、これ、外交防衛入れれば全てのこと絡んでしまうなと思って、余りにも課題が大きいなと思っていますが、その中で少し的を絞って質問をさせていただきます。 振り返ってみますと、日本の国は一九四五年に終戦を迎えたわけなんですが、一九八五年にはジャパン・アズ・ナンバーワンということで、四十年後にそういうギリシャ神話より神話以上の国になったような感じなんです。ところが、一九九〇年にバブルが崩壊いたしまして、私たちが立てました計画というのはほとんど時代にマッチしていない計画になってきているんじゃないのかなと、政策がですね。例えば経済の成長と、例えば完全に正規雇用だとか終身雇用なんていうのは成長期には良かったんでしょうけど、今はそれはもうやっていけない。 ですから、今までやってこれたからということでこれまでの政策はやっていけるかというと、それはやっていけないと思うし、そして、例えば今揺りかごから墓場までいいますと幼保一元化なんて言っているんですけれども、例えば幼児教育でも今までやってこれたからこれでいいんじゃないの、幼稚園でいいんじゃないの、保育だってこれでいいんじゃないのと、こういう考え方は変えたくないとか変えられないという、こういう社会ではそれは通じないと思うんです、今の時代は。それをそのまま固守したらこれは大変なことになると思うんです。 それで、今のキーワードとして、私は、一つは子ども手当いろいろ問題あります。だけれども、子ども手当についてはそれこそ義務教育と同じで社会がサポート、守るという形で考えてみれば、一歩踏み込んだ政策だなと率直にそれは思います。ただ、内容については非常に私はプアだなと、プアという言葉まずいかも分かんないけれども、もう少しいろんな面で改善する必要あるということだと思います。 それと、幼保一元化、これも課題になっています。一元化をするしないというよりも、今、所得格差が教育格差、子育て格差につながっていると。保育に欠けるとか欠けないとか、そんなことを一々言っている時間なんかないと思うんですよ。どうやったら幼保一元化を早めに進めるか。そして、子ども手当とコラボレーションという共同体ができるかできないか。そういうことも、片一方は子ども手当は三兆円ですか、それから保育とあれでは一兆三、四千億ありますね、保育と幼稚園ではですね。そういう金の中でどのような知恵を絞られるのかなんですね。そういう点の意気込みをひとつ、厚生の大塚さんと文部の鈴木副大臣に、考え方とそれから政策をもう少し具体的に聞きたいなと思います。
○会長(山崎力君) どちらを先に。
○寺田典城君 どちらでもいいんです。三つ質問したいから、あと答え一分ずつであれしますので。 それと、中ほどで、今日の文部省の資料で見て、何というんですか、OECDは二一%だと、二十五歳以上からの就学する人、大学に入る人はね。日本は二%だと。それは五十人に一人ですね、二%だというと。片方は五人に一人入っている、二十五歳以上ですね。 それで、池田副大臣にも聞きたいんですけれども、この二十五歳以上に対して、これから一旦社会に出てからまた大学とか教育受けたいという人たちに対する支援をする考え方あるのかないのか、文部省にですね。それから、経済社会の文化としては、日本の国というのはどちらかというと卒業したらすぐそのまま採用してあとは途中採用はなかなかしないという、そういう経済的な活動についてどうとらえて、それを時間掛かるでしょうけれども、もちろんこれは五年、十年先を目してやらなきゃならぬでしょうけれども、そこら辺りの踏み込み方を産業界にするのかしないのか、考え方あるのかないのか、その辺をひとつ聞きたいなと思います。 もう一つ、高齢者増加率がすごいんですね。一九九〇年には高齢者、六十五歳以上が一二%、二十年後の二〇一〇年には十年掛けて二二%になっているんですが、二〇二〇年になりますと約三〇%近くなると。これに対して、何というんですか、これだけ世界で類のない急速な高齢者の増加率に対して、介護と医療の在り方でどういう合理化をしてコストを下げながらでもサービスを充実していくかということをお考えになっているか、なっていないかですね。 それ、ちょっと難しいかも分からない。そんなの準備してきていないでしょうけれども、分かったら、そういう考え、何というんですか、参考人の方でも結構ですし、そういう点ではひとつ、年金なんかは契約みたいな形でやっていけるでしょうけれども、医療と介護は、これコストの問題もありますから、そういう問題も含めてちょっと述べていただきたいなと思います。 以上です。
○会長(山崎力君) 盛りだくさんの内容ですが、大塚厚労副大臣から御答弁願います。
○副大臣(大塚耕平君) ちょっと確認ですが、私の関係は一点目と三点目だったかと思うんですが、三点目の御質問は……
○寺田典城君 これ、やめましょうか、時間ないでしょう。
○副大臣(大塚耕平君) じゃ、一点目を中心に。
○寺田典城君 後でまた聞きますから、それを調べておいてください。
○副大臣(大塚耕平君) ありがとうございます。お時間もありますので、一点目について端的に申し上げます。 まずは、幼保一体化、子ども手当について、基本的な方向に御賛同をいただきながらの御質問、本当にありがとうございます。 これを政策的にどうするかというのは、幼保一体化、一月二十四日に今後の方向案をお示ししました。先生御指摘のとおり、変えたくないという方々もいらっしゃる中で、しかし時代が変わることを求めているということから、拙速は改めつつも、幼稚園、保育園、これは文科省も関係がありますが、共存しながら新しいこども園も含めて徐々に収れんしていく方向の施策を盛り込みました。例えば、幼保一体給付ということでその方向に進むための補助をする仕組みも盛り込みましたので、なかなか、これまでの経緯もありますので、これまでの利害関係者の皆さんのお気持ちもしっかりそんたくしながら幼保一体化が進む方向で取り組むということだと思っております。 それから、子ども手当についても、内容的にはプアだという御指摘をいただきました。例えば、子供に対する施策としてそういうことが必要だということについて御同意をいただけたとすれば、あとは、おっしゃるように、制度的に不備な面、例えば給食費の問題だとかいろんな問題も今回改善するように努めておりますので、できる限り御賛同をいただける方向で制度を更にブラッシュアップしていくということだと思っております。 最後に一点申し上げますけれども、先ほど介護のところの説明で申し上げました、例えばドイツは、介護というのは国全体の責務だという国民的合意があったからこそいろんな制度設計ができたわけで、この子供に対する施策も、今後は子供に対する社会全体の支えというのは我が国にとって必要だというコンセンサスが得られるかどうかということが最大のポイントだと思っております。 以上です。
○副大臣(鈴木寛君) 一点目でございますけれども、やはり保育に欠けるということではなくてという御指摘、おっしゃるとおりだと思います。私どもは、今の子ども・子育て新システムの中では、すべての子供に質の高い幼児教育、保育を保障するということのコンセプトの下で、今、大塚副大臣から御発言のありましたことについて検討をしてまいりたい、このことを更に徹底をしていきたいというふうに思っております。 それから、二点目は、ありがとうございます、私どもが一番問題意識を持っている点を御質問いただきました。 まさにワーク・ライフ・バランスに加えて、やっぱりスタディーといいますか、ラーンというか、学び直しと。これだけ社会がいろいろ変わってまいります。そうしますと、やはり社会に出てからも学び直すということをどういうふうに社会全体として設計していくのかということが重要だと思います。 これは文部科学省の分野で申し上げますと、やはり日本の場合は学費負担の個人負担が高いものですから、そうすると、もう一回社会に出てから大学に戻るということになりますと、今までの所得を失った上に更に学費負担と、ダブルパンチで参りますから、そういう意味では学費の軽減、授業料の負担軽減、さらにそういった学業を継続できるだけの費用も含めた奨学金の充実といったことが重要になってまいるというふうに思います。 それから、今大学には、社会人が学びやすいようなeラーニングあるいは夜あるいは週末と、こうしたことを活用しながら、働きながら学べる、そうした教育の提供ということに努める大学に対しての支援を拡充するというようなことを取り組んでいるところでございます。 こうしたことを加速していっていただきたいと思いますが、かなり企業における就業状況とかサービス残業の問題とかの課題があろうかと思います。
○副大臣(池田元久君) 寺田委員の御質問にお答えします。 今、文科省の方からございましたが、経産省としても経済界等とよく話し合って、要するに雇用が非常に多様化、柔軟化するように、まあ回転ドアというのがありますよね、アメリカなんかでも大統領選挙の、替わるとみんな替わったりするんですが、本当に社会でのやはりリボルビングドアといいますか、企業から大学院に行ってまた企業に戻るとか、そういう方策については経済団体と話し合ってみたいと思います。 それから、なお、昨年九月には、新卒者の問題につきましては、今非常に就職率が七〇%を割って大変デフレ状況が深刻化しておりますが、新卒三年、新卒から三年は新卒扱いするということを政府で決め、経済団体に話をしたところです。 以上です。
○寺田典城君 時間超過して済みませんでした。終わります。
○会長(山崎力君) 続きまして、荒井広幸君。
○荒井広幸君 では、時間がないので削減するために、意見交換ということで貴重なお話をいただきましたので、私の方からの感想でございます。 私は、郵政というところで落選したりいろいろいたしました。あのときの話というのは、官から民へということなんですね。官から民へということではなくて、これは平山委員も一緒なんですが、官から公なんだろうと。ですから、自助、共助、公助の公の意味ではありません。官から公。 それは、先ほどまさに池田副大臣から、これはやっぱりビジネスという言葉はおかしいわ、産業化というのはというんで、多様な事業の形態というような配慮がありましたね、利益主義ではない。それから、鈴木副大臣のお話で、コミュニティ・スクールという話があったわけです。まさにそうした公、助け合い、支え合いというものの心の復活と。そして、大塚副大臣も随所に述べられているわけなんですが、精神として、やはりそういうものの、助け合い、支え合いの心の復活とそれを形にしていく、それをいかに行き過ぎた市場経済に埋め込んでいくか。そして、忘れているそういう気持ちをもう一回呼び覚ますか、あるいは新たに強くするか、こういった作業を我々は求められているんではないかということで、官から民という言い方の小泉さんに強く我々は反対したんです。 郵政そのもの、そして財投の持つものという郵政周辺の議論もさることながら、これを借りて、これからの、人に人生があるように、我々の国家の行き方を語っていた、こういうふうに考えていただければ有り難いと思うんですが。そういう意味で私は、そういう印象を持ったということでまた御一緒に議論をさせていただきたいというふうに思いますし、認識を一緒にさせていただきたいと思うんです。 そこで、これは経産省の方の資料だったと思いますけれども、三ページですね。全世代を通じて見ると、どのように負担と給付かというのが、こう年次で流れて作られているんですが、実はこれはまさに負担と給付という部分なんですが、これにベースにもう一つなるのは実は住宅ローンというものなんですね。これ、負担と給付では表現できないんです。それに、そういう二層、三層の生活している人間の意識と財布って一緒ですから、そういった点をしっかり見ていかなくちゃいけないんだろうというふうに思っているんです。ですから、どうぞ、そういう意味で、住宅ローンというものがどういうふうに影響を与えているのかということを三省の皆さんにひとつお考えいただきたいと。 それから、社会保障といった場合は、これはいろいろな備えという意味合いがあります。その備えという意味でいうと、災害というもののリスク、災害というものにどう備えるかというものをもう少し各産業分野、政府全般に入れていかないと非常に生活者としては不十分になっていくだろうと思います。 そこで、結びになりますが、私は、エコポイントというのは非常に成功しました。災害に備えるという意味で、これは命、介護につながる場合も出てきますし、医療につながる場合も出てくるし、働けない、いっぱい出てくる。子供さんを養い切れない、いっぱい出てくるわけです。減災対策のために私は安心・安全マークというものを、エコポイントの発想を引きまして、意識改革と様々な防災というものに対する効果を発揮させたいと、こういったことの制度を少しまとめてみましたので、会長始め委員の先生方にも次回御提案させていただきたいと思いますし、政府にもまた別途具体的に資料を持って提案をさせていただきたいと思います。 安全・安心マークをセットして、防災、減災というものを、今まで社会保障という概念にありませんでしたが、それもビルドインした形で、もう少し大きな社会保障という概念で人々が安心して暮らせるようにしていくと、そこにまた力が発揮できるんじゃないかと思うので、そんな提案を、会長、次回にさせていただきたいと思いますので、資料のお取り計らいをお願いしたいと思います。 以上で終わります。
○会長(山崎力君) その点は、理事会の方で協議させていただきます。 では、御答弁の方は要らないですか。
○荒井広幸君 結構です。
○会長(山崎力君) それでは、一巡させていただきましたので、御自由に挙手をお願いしたいと思います。 藤田幸久君。
○藤田幸久君 ありがとうございます。 このごろ質問する機会がないので楽しみにしてまいりましたが、大塚副大臣に二つほど質問させていただきます。 一つは生活保護についてなんですが、最近非常に生活保護が増えてきて、生活保護二世、三世なんかも存在をする。つまり、生まれてから親が働かずとも生活ができる世代。御承知のとおり、生活保護は所得を認定することによって、認定を受けて生活保護の扱いを受けるんですが、ほかの国では、例えば生活保護を受けられる期間が限定されている国とか、あるいは数年に一回、運転免許証のように、免許の更改じゃありませんけれども、また生活保護に値するという検証を受ける国があると聞いております。 日本もそういうことによって、一旦認定を受けたらばずっと増え続けると、三原さんがうなずいていただいて、ありがとうございますが、そういうことの検討が必要ではないかと思うんですが、厚労省の方でほかの国のそういう制度について検証をされておられるかどうか、それに応じて、そうした見直しによって、三年に一回とか五年に一回とか、そういうことによって見直しをしておく必要があるんではないかと思いますが、それについてお答えいただきたいというのが一点。 それから二点目は、生存確認という言葉を大塚さんお聞きになったかどうか分かりませんが、昨年、例えば百歳以上の方で実際は生存していなかった、あるいは実は生存していないけれども周りの方がいろんな年金等を受け取っていたという事例がありましたが、そのときに私のヨーロッパの友人から電話が掛かってきまして、いわゆる日本がモデルにしておりますスウェーデンとかドイツなんかにおいては生存確認をしていると。もちろん、ヨーロッパが非常にこういう年金制度等がうまくいっているのは政府との信頼関係とかルールがはっきりしているとかいろいろあるわけですが、もう一つの側面は生存確認であると。 大塚さんなりの親御さんが九十歳になった場合であっても、実際に生きているかということを年に一回政府として確認をすると。その確認ができない場合には、例えば行政を担当する方とその御本人が認知をしている親戚の方が、親しい方がペアでその方を訪問をして確認をしていると。その確認をした上で給付なりをしていると。逆にそれがない場合には、例えば国によっては、いろんなベネフィットがあっても例えば免許証を取り上げるとか、そういうことまでやっているというのがヨーロッパのスタンダードであると。これは当時、長妻大臣にもお伝えをして、厚労省の方で調べてみるというふうにおっしゃっていたんですけれども。 この二つのことは、いわゆる給付との関係とかいうこと以上に、要するに、国として社会保障なり税なりをやる場合には、ガバナンスの基礎というのがこの二点に共通すると思いますので、そういう観点から今いろいろ議論になっている社会保障と税等について話をする際に、このガバナンスという観点から、こういった点も検証していただくことが重要ではないかと思っておりますので、このいわゆる生存確認というようなことについて知見があるかどうか、あるいはそういうことについての検討のお考えがあるかどうかについて、二点お答えいただきたいと思います。
○副大臣(大塚耕平君) 二点とも私からまず述べさせていただいた後に事務方から補足をさせていただきたいと思います。 まず一点目、生活保護が固定化しないように何らかの制度的対応をするべきではないか、これ私個人としては私も同感でございます。したがって、きちんと就業の努力をしているかどうかも含めてそれを促進する仕組みをつくるべきだと思います。 諸外国でどうなっているかを調べているかどうかについては事務方から補足をさせていただきます。もし調べていないようであれば今後しっかり対応させていただきます。 二点目の生存確認は、これは先ほどの荒井先生がおっしゃっていた公の話と関係がございまして、本来であれば、その公という価値観が日本にきっちり残っていればお年寄りが生存していらっしゃるかどうかということはコミュニティーの中で確認をされるべき問題であったんですが、残念ながら今そういう状況じゃなくなってきている。それを復元するべきだという荒井委員のお考えに私も賛成です。 ただ、復元できるかどうかは今後の国民の皆さんのありように懸かっていますので、そういたしますと、先ほど私が申し上げましたこれは無謬性の問題とも関係がありまして、現行のシステムは、私が冒頭の説明で申し上げました、国民の皆さんの申請や申告やあるいは義務を果たすということについても一切ミスはないという前提の下で組み立てられた結果が今日の事態につながっている面もありますので、やはり生存確認ということも必要な制度的対応だと思います。しかし片方では、そんな対応が必要ないぐらいに公というものが復元するというのがあるべき姿だとは思いますが、なかなかパーフェクトにはいかないと思います。この点についても事務方から、事務方としての知見があれば少し補足をさせていただきます。
○政府参考人(清水美智夫君) 社会・援護局長でございます。 生活保護制度に相当する外国の制度についてはある程度は調べておりますが、何せ前提となる各種手当制度等が異なりますし、あるいは生活保護に相当する制度の給付水準も相当大きく異なりますので、ちょっと一概にどうのこうのと言えるほどの知見はまだ持っておりません。また細かくは先生に御報告申し上げたいと思います。 なお、生活保護受給者の自立支援に関してでございますけれども、就労支援事業というものを一つはやってございまして、平成二十一年の実績で申し上げますと、一万八千人を対象といたしまして、そのうち約九千人が就職したということが一つございます。 また、就労支援員というものを配置しておりまして、別のプログラムで参加者四万五千人募っておりますところ、就職又は増収者が一万二千人と、こういった努力も積み重ねておるところでございます。
○藤田幸久君 生存確認についてのほかの国の状況について分かれば教えていただきたいということが一つと、それから無謬性については、いわゆる入口の無謬性の話だろうと思うんですが、一種の結果としての無謬性といいますか、それも公にかかわる。今、日本の社会で問われていることは、元々性善説で無謬性であったという入口論的な面と、公という場合にはやっぱり結果に対してどれだけ負担を負うかという観点からの、結果としての無謬性という観点もこれから是非議論として加えていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
○副大臣(大塚耕平君) 最後の御指摘はしっかり踏まえて対応させていただきます。 それで、生存確認についての他国の事例を調べていないということだと思いますので、そうであれば今後しっかり対応させていただきますが、もし補足があれば補足をしてください。
○会長(山崎力君) ありますか。
○副大臣(大塚耕平君) 今後しっかり対応いたします。
○会長(山崎力君) それでは、ほかにどなたかいらっしゃいますか。 竹谷とし子君。
○竹谷とし子君 今日は本当に有意義なお話をいただきまして、私もいろいろ考え、触発をさせられました。本当にありがとうございました。 時間が許せば二点お伺いしたいと思っております。 まず一つ目なんですけれども、大塚副大臣にお伺いしたいと思いますけれども、社会保障給付費と国民負担の補足資料で、三ページ目のところでいただきましたけれども、本当にこれを見ると日本は中福祉低負担あるいは高福祉低負担であるということが明らかであるわけなんですけれども、国民の皆様は非常に負担をこれ以上負うことに対して物すごい抵抗感を持っていらっしゃるんですけれども、その理由は二つあるのかなというふうに思っております。 一つは、先ほど鈴木副大臣からもありましたけれども、再分配後の不平等感、不公平感というものが一つあると思います。もう一つは、やはり政府がきちんとお金を使ってくれないんじゃないかという、そういう不信感があるというふうに私は思っております。 その一つの例が、先ほど平山議員からもお話ありましたけれども、政策がたくさんあって重複をしているというような使われ方について、非常に国民の皆様は縦割りだから無駄遣いが生じているというふうに思っていらっしゃると思うんです。こうしたことをなくすために、こうした重複の政策それぞれ意味があるんだと思うんですけれども、縦割りであるがゆえに残ってしまっていると思います。それを解消する方策というものは何かお考えになっていますでしょうか。アイデアというものをお持ちでしょうか。
○会長(山崎力君) ここで一点、どうされますか。答弁求めますか、それとも質問続けますか。
○竹谷とし子君 ここで答弁お願いいたします。
○副大臣(大塚耕平君) せっかく平山委員がお配りをいただいた資料ですので、これは経産省も文科省も関係がありますので、まさしくここに重複的な施策があるとすればこれをしっかりスリム化していくということは、今、竹谷委員御指摘のとおり大変重要な課題だというふうに思います。 この雇用対策だけじゃなくて、その他の分野でも同じようなことがあると思いますので、これはいかなる政権であったとしても、我が国の各省がこういう状況に今日なってきたという現実を改善するのはそれぞれ担当の政権の仕事だと思いますので、今現在すぐどうするということは申し上げられませんが、しっかり対処したいと思います。
○竹谷とし子君 これは御答弁要らないんですけれども、私はこれを直すには事業仕分等も有効だと思うんですけれども、予算に対する目標管理、業績管理というのを各省庁にしっかりしていただくこと、同時に予算の使い方についても裁量権を与えて考えていただけるような仕組み、これは欧米の先進国でも進められていますけれども、それを日本でも早々に導入をして、優秀な官僚の方々のその能力を遺憾なく発揮していただけるような制度にするべきだというふうに考えております。 その目標管理をするに当たって、先ほど無謬の話がありましたけれども、その数値についてきちんと管理をできる、財政金融委員会でもいいかもしれませんし、会計検査院の権限を幅を広げるということもあるかもしれません、そういった数値に対するきちんとオーソライズされたものというのを作っていくことが必要であるというふうに考えております。 もう一つ質問をさせていただきたいと思いますが、これは鈴木副大臣にお伺いいたしますけれども、今、ニート、引きこもりという問題が出ておりますけれども、これに対して今、若者自立支援塾とか若者サポートステーションとか、そういった支援策が厚生労働省の下で図られているというふうに思います。しかし、学校に籍があるうちは文科省、そしてそれがなくなるとどこが一体やるんだと。ないから、今厚労省がやっているような形で、ひさしが逆に重複ではなくて今度漏れている問題です。 そういったことに対して、学校に籍がなくてもまだ教育が必要な人に対してはそれをやっていく必要があるんじゃないかと。その若者サポートステーションにしても自立支援塾にしても、その後就労するということが前提になっているんですね。就労率が五割とか非常に高い目標設定を与えられて、毎年毎年制度が変わって、その補助金がもらえるかどうか分からない中でNPO法人などが非常に大変な思いをしながらやっている状態で、そもそもは教育というのは後で就職したかどうかによって補助金払う払わないというふうにはやってないと思うんです。 そのニート・引きこもり対策について文科省としてどのようなお考えがあるか、お聞かせいただければ有り難いです。
○副大臣(鈴木寛君) おっしゃるとおりで、現在の整理は学校教育段階とそれ以外と、こういうことでございますが、御指摘はそのとおりだと思います。 したがって、今日も私どもにいただいた、やっぱり社会人教育、生涯学習と、こういう観点での問いをいただいたということもその同じ問題意識だと思いますが、まさに働く働かないにかかわらず、学校教育修了後も社会教育、生涯学習においての学習機会を増やす。それから、先ほど社会人の大学への入学比率の問題を寺田委員からも御提起いただきましたけれども、学校教育でもそうした社会人の受皿にきちっとなる、あるいは、就業している就業していないにかかわらず、まさにその学校教育、社会教育、生涯学習ということをシームレスにデザインをしていくということが大事だろうというふうに思います。 以上でございます。
○竹谷とし子君 ありがとうございました。 引きこもり・ニート対策は、学校にやってくるということが非常にまず前提として困難なので、そこに来るまでに支援をしてあげなければいけないということを是非御理解いただきたいということと、あともう一つ、お願いなんですけれども、先ほど奨学金の話、有償、無償の奨学金のお話をしていただいたと思いますけれども、奨学金で有利子の奨学金を借りている場合に、今非常に就職が困難な状況にあって、その後の返済、非常になかなか難しい状況になっていると思うんですけれども、今、いろんな理由があると思いますけれども、その返済が滞った場合に一定期間を超すと年率一〇%の利子を付けられていると。 これ、悪質な場合は、住民税等の延滞に比べれば安いということでそれぐらいの高さを設定しているのは分かるんですが、そもそも働くことができなくて収入がなくて返済ができないという人に一〇%の利息を乗せるというのは、その人の将来を奪ってしまうことになるんじゃないかということを思いまして、いろいろ国民の皆様からも御意見をちょうだいしているということをお伝え申し上げて、終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○舟山康江君 会長。
○会長(山崎力君) それでは、時間の都合がありますので、五分以内で終了するような質問をしてください。
○舟山康江君 まだ時間がありますので、二問ほど質問をさせていただきたいと思います。 経済産業省に質問をさせていただきたいんですが、今回、経済産業省さんに「社会保障と我が国の産業政策」と、こういったテーマで資料をお願いしたんですけれども、この背景にはやはり、厚労省さんからいただいた資料の二ページにもありますけれども、現在の社会保障制度の設計の前提が今大分崩れていると。そういう中で、一つには正規雇用、終身雇用、完全雇用が崩れている、そして企業の福利厚生というのも今低下しつつあると。そういう状況の中で、ある意味で社会保障における企業の役割というのが変化している、低下しているというようなとらえ方もあるのではないかと思っています。 そういう中で、経済産業省としてそこをどうとらえているのか。今後の社会保障を考えるときに、企業の役割、更に言えば、それはもう企業の独自の判断でいいのか、また政策的に働きかけていく必要があるのか、そういったところの資料が欲しいという中で今回こういったテーマを設定させていただいたわけでありますけれども、もしお分かりになればお答えいただきたい。もし今なければ資料は後でお出しいただければなと思っています。 あともう一点、一ページ目の下の企業負担の国際比較の表なんですけれども、これを拝見いたしますと、日本の企業負担というのはかなり高いというような位置付けになっておりますけれども、これ、非常にちょっと分からないなと思いましたのが、別の手元の社会保障財源の概要、それから法人税の今の状況を見ますと、これは法人税収入が十九兆円に対して社会保障の事業主拠出が二十七兆円ということで、この表とは随分違っているなという印象を受けております。 そもそも、これ注意書きを見ますと、日経二二五から取っているわけですけれども、これ一部上場企業のみの数字ですので、これが果たして国際比較をするときに妥当な数字なのかどうなのか、果たして国際的にこういうかなり高い状況なのか、その辺の、ちょっとこの表の比較、何というんでしょうか、比較が本当にこれでできるものなのかどうなのか、ちょっとそこが大変疑問に思いましたので、そこについてもお答えいただければと思います。
○副大臣(池田元久君) お答えいたします。 社会保障における企業の役割、これ大変重要でございますが、変わってきました。それは例えば、非正規労働者が非常に増えてきたということで、企業内で教育とかなんとか、そういうことはできなくなったわけです。能力育成の機会に恵まれない人々が増加をしていると。こういう状況を打破すべきいろいろな施策を検討しておりますが、企業の役割をどのように位置付けるかについては、しっかりとこれ検討をして明確にしていきたいと思っております。 それから、この法人税等の比較につきましては、事務方から一言説明をさせますので、よろしくお願いします。
○政府参考人(新原浩朗君) 一言御説明させていただきます。 御指摘のとおり、日経二二五は優良企業のデータから取っておるわけでございますが、他国、SP五〇〇、S&Pグローバル、この辺も優良企業のデータでございまして、これは大企業同士の比較というふうに御理解いただけるといいかと思います。 それから、社会保険料の負担については、これは財務諸表上出てまいりませんので、ジェトロのデータを使っております。そういう意味では、推計値どおり御理解いただければというふうに思います。
○舟山康江君 ありがとうございます。 これ、国際比較をする場合にこの数値が妥当なのか、このデータが妥当なのかというのは、やはり更に検討を進めていただかなければいけないと思いますし、単にその一部の数字、大企業の数字だけを取って、高いから下げるという議論は少し違うんではないかと。 先ほどの、企業の役割が相対的に低下している中で、じゃ、企業というのは何をするべきなのか。どういう社会、何というんですか、こういった貢献をしていくのかということを広くとらえる意味でも、しっかりと御検討いただければと思います。 以上です。
○会長(山崎力君) 関口理事。
○関口昌一君 僕は筆頭をやったんで、遠慮していたんですが、簡単に質問します。 鈴木副大臣、子ども手当の財源、恒久財源として消費税で対応する気があるかどうか。
○副大臣(鈴木寛君) それは、文部科学省へのお尋ねということで。
○関口昌一君 鈴木副大臣個人として。
○副大臣(鈴木寛君) 私は今、文部科学政策の立案、執行に専念をいたしておりまして、十分に詳細に検討をする立場ではございませんので、政府の検討を見守っていくという立場だと思っております。
○関口昌一君 要は、私は大塚副大臣、随分苦労されていると思うんですよ。前も郵政担当で大変だった副大臣でね。今度、与野党協議という話がこれから出てくると思うんですけれども、一番のポイントはやっぱり政府・与党、しかも与党の民主党の方でしっかり案をまとめていただくことが大事だと思うんですね。年金の一元化の問題とか最低保障年金の話とか、消費税で対応するとか、いろんな話がこれから出てくるかと思うんですけど、政府・与党なんで、自覚を持ってそこをしっかりまとめていただいて、我々はいつでも協議に臨む気持ちがありますので、よろしくお願いしたいと思います。 それとあと、生活保護費の問題なんですが、先ほど藤田先生からお話あったんですけど、海外、外国人の方にも支給されている事案があるというような話も聞くんですが、その辺のデータがあったら後で教えていただければと思います。 それからあと、子ども手当の、制度設計を急いで、六月支給ということで急いでやっちゃった結果だと思うんですけど、海外在住の外国人の子供に対しての今度は支給をやめるという話ですが、昨年はどのぐらいの方々に総額幾ら支払われたか、また教えていただければと思います。 以上です。
○会長(山崎力君) 御答弁の方は要らないということでよろしゅうございますね。 それでは、予定の時間も参りましたので、本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時三十一分散会