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177回国会参議院2011/05/30

行政監視委員会 第5号

発言数
72
登壇者
14
会派数
6
開催日
2011/05/30

会議録

末松信介自由民主党

○委員長(末松信介君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る二十七日までに、三原じゅん子君及び赤石清美君が委員を辞任され、その補欠として浜田和幸君及び磯崎仁彦君が選任されました。     ─────────────

末松信介自由民主党

○委員長(末松信介君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に政府参考人として総務省行政評価局長田中順一君の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

末松信介自由民主党

○委員長(末松信介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

末松信介自由民主党

○委員長(末松信介君) 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。     ─────────────

末松信介自由民主党

○委員長(末松信介君) この際、尾立財務大臣政務官から発言を求められておりますので、これを許します。尾立財務大臣政務官。

尾立源幸民主党・新緑風会財務大臣政務官

○大臣政務官(尾立源幸君) 二十三日の委員会におきまして、孫正義参考人より、税関で線量計が五百台止められている旨の発言がございました。  この件に関して、事実関係を説明させていただきます。  ソフトバンク社の社長室から改めて事情をお伺いしたところ、本年四月、ロシア企業が現地で調達する線量計五千台を日本に無償提供することを発表したものの、当初輸入者が決まらず、具体的な税関手続ができない状況にございました。それを孫正義氏が関係者から聞き、これをもって税関で止められているとの発言を行われたようでございます。  現在におきましても、線量計はまだロシア国内にあり、我が国での通関手続を行っていないとのことでございます。また、我が国税関に対して通関に関する相談も来ておりません。したがいまして、我が国税関で留め置かれているという事実はないということでございます。  なお、本件にかかわらず、全国の税関で線量計が留め置かれている事実も確認されておりません。  税関といたしましては、震災発生直後から、被災者に対する救援物資に関連する税関手続について、できる限り迅速かつ柔軟な取扱いをしてまいりました。今後も、利用者に十分配慮し、迅速な通関が行われるよう、柔軟に対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。

末松信介自由民主党

○委員長(末松信介君) 尾立財務大臣政務官、御説明ありがとうございました。  先週月曜日の参考人質疑におけます孫正義氏の発言につきまして、財務大臣政務官から説明をちょうだいしました。  特に御意見がないと思います。  尾立財務大臣政務官には御退席をいただきまして結構でございます。ありがとうございました。     ─────────────

末松信介自由民主党

○委員長(末松信介君) 次に、行政評価等プログラムに関する件、政策評価の現状等に関する件及び行政評価・監視活動実績の概要に関する件について、総務省から説明を聴取いたします。片山総務大臣。

片山善博総務大臣・内閣府特命担当大臣(地域主権推進)

○国務大臣(片山善博君) 本委員会におかれましては、総務省の行政評価機能を活用いただきつつ、行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を精力的に行われていることに深く敬意を表する次第であります。  私といたしましても、行政評価機能を更に発揮していくことが重要と考えており、委員会の審議に一層資するよう今後とも真摯に取り組んでまいる所存でございます。  それでは、今月二十四日に決定の上、公表いたしました行政評価等プログラム及び昨年四月に総務省から本委員会に御報告をして以降、公表した各案件につきまして御説明をいたします。  まず、本プログラムは、東日本大震災の状況を踏まえた総務省行政評価局の当面の対応方針とともに、行政評価局の業務を重点的かつ計画的に実施するための中期的な業務運営方針を定めたものであります。  当面、行政相談機能を活用して、被災者からの相談、問合せ等に迅速かつ的確に対応するとともに、震災対応に係る政府の取組方針や動向について、常時監視活動を行い、必要に応じて機動的に行政評価局調査機能を活用した運営改善等に取り組むこととしております。  また、被災市町村等におけるニーズの把握、関係機関への提供にも引き続き取り組むこととしております。  行政評価機能の抜本的強化方策を踏まえた業務運営方針としては、政府内において、他のレビュー機関との連携を強化しつつ、行政評価局が行う調査の更なる充実などに取り組みます。  本年度、新規に着手する行政評価局調査としては、自殺予防対策、指定法人等などのテーマに取り組みます。  次に、昨年四月以降公表した各案件としましては、バイオマスの利活用に関する政策評価、在外公館に関する行政評価・監視など九件のテーマにつきまして勧告を行いました。  また、平成二十一年度政策評価等の実施状況及びこれらの結果の政策への反映状況に関する報告については、政策評価法に基づき、政府全体の政策評価等の実施状況及びこれらの結果の反映状況を昨年国会に提出したところです。  以上、最近の取組につきまして概要を御説明いたしましたが、詳細につきましては行政評価局長から説明をいたさせます。

末松信介自由民主党

○委員長(末松信介君) 次に、補足説明を聴取いたします。田中行政評価局長。

田中順一総務省行政評価局長

○政府参考人(田中順一君) それでは、私から、最近の取組の詳細を御説明いたします。  まず、平成二十三年度行政評価等プログラムの概要を御説明いたします。  お手元の資料の一ページを御覧ください。  今月二十四日に公表いたしました本プログラムは、平成二十三年度からの総務省行政評価局の中期的な業務運営方針及び調査テーマを定めるものでありますが、特に本年度は、東日本大震災の状況を踏まえた当面の対応方針を盛り込んだものとなっております。  具体的には、行政相談機能を活用して被災者からの各種相談、問合せ等に迅速かつ的確に対応するとともに、苦情、要望等をよく聴き、行政相談を端緒に行政評価局調査機能を活用して、関連した制度、運営の改善につなげてまいります。  次に、行政評価機能の抜本的強化方策を踏まえた業務運営方針については、政府内において、他のレビュー機関との連携を強化しつつ取り組んでまいります。具体的には、一、政策評価の推進につきましては、情報公開の徹底のため、政策評価に関する情報の公表に関するガイドラインに基づいた評価書の作成及び情報の公表等が着実に行われるようフォローアップを行います。二、また、目標管理型の政策評価については、各行政機関の政策のミッションの明確化、体系化及びめり張りのある分かりやすい政策評価の実現に向けた検討を進めてきたところであり、東日本大震災の影響に配意しつつ、改善方策の試行的取組を行ってまいります。  総務省行政評価局が行う調査につきましては、東日本大震災への対応に係る各府省等の取組方針や動向等について、常時監視活動を行いつつ、内閣の重要課題に係る調査を機動的かつ重点的に実施するとの方針の下にテーマを定めております。具体的には、自殺予防対策、指定法人等などのテーマに取り組んでまいります。  行政相談につきましては、国民視点と行政の接続を重視し、広く国民の意見を聴き、制度又は運営の改善につなげる活動を展開します。具体的には、行政相談により得られる情報の調査、分析の充実や制度発足五十周年を迎える行政相談委員との協働の充実を図ってまいります。  独立行政法人評価につきましては、東日本大震災への対応状況等を踏まえつつ、厳格に評価を行ってまいります。  なお、これらの方策の具体化、実行に当たっては、年金記録問題の早期解決への対応方策の検討に協力するとともに、各般の状況変化に留意して、柔軟かつ適切に対応してまいります。  次に、総務省行政評価局が行った調査につきまして、前回の御報告後に行いました九件の勧告の概要を順次御説明いたします。  まず、資料の五ページを御覧ください。  本年二月に公表したバイオマスの利活用に関する政策評価につきましては、政策のコストや効果の的確な把握及び公表、バイオマス関連事業の効果的かつ効率的な実施、バイオマスタウンの効果の検証の実施及び計画の実現性の確保などを勧告いたしました。  次に、六ページを御覧ください。  昨年五月に公表した在外公館に関する行政評価・監視につきましては、近年設置された在外公館について、その後の状況変化と業務の実施状況等を調査し、在外公館の設置効果の測定などによる在外公館の見直しの計画的な推進、在外公館における領事業務や広報文化業務の効果的かつ効率的な実施などを勧告いたしました。  七ページを御覧ください。  昨年六月に公表したホームページのバリアフリー化の推進に関する調査につきましては、国の行政機関のホームページの中にはいまだ使いにくいものが見られたことから、各府省に対し、高齢者、障害者等に配慮したホームページの制作を勧告いたしました。  八ページを御覧ください。  昨年七月に公表した国の行政機関の法令等遵守(会計経理の適正化等)に関する調査につきましては、依然として国の行政機関等における不適正な会計経理の指摘があることから緊急に調査し、年度末の予算使い切りという慣習を是正する取組の徹底等による不適正な会計経理防止対策の推進、内部監査の強化などを勧告いたしました。  九ページを御覧ください。  昨年九月に公表した食品表示に関する行政評価・監視につきましては、近年、食品表示に対する一般消費者の信頼を低下させる事件が頻発していることから、関係機関による食品表示に関する監視業務の適正化、一般消費者等から提供された情報の迅速かつ適切な処理の推進などを勧告いたしました。  十ページを御覧ください。  昨年九月に公表した貸切バスの安全確保対策に関する行政評価・監視につきましては、法令に違反した無理な運行により乗客の安全確保が懸念されていることから、貸切バス事業における安全確保対策の徹底、届出運賃の収受実態の把握及び適正収受指導などを勧告いたしました。  十一ページを御覧ください。  昨年十一月に公表した気象行政評価・監視につきましては、防災気象情報を適時的確に提供し、国民の安心、安全を確保する観点から、予測技術の精度向上等の一層の取組、民間気象事業者に係る予報業務の範囲等、審査基準の見直しなどを勧告いたしました。  十二ページを御覧ください。  昨年十二月に公表した職員研修施設に関する調査につきましては、現下の厳しい財政状況の下、国有財産の売却又は有効活用や、施設の効率的な運用を推進する観点から、稼働率が低調となっている研修施設の廃止、縮小、非効率な研修の廃止などを勧告いたしました。  十三ページを御覧ください。  本年二月に公表した製品の安全対策に関する行政評価・監視につきましては、消費生活用製品による消費者の生命又は身体に対する危害防止の観点から、製品事故情報の迅速かつ的確な消費者への提供や、事故製品の回収等の迅速かつ的確な実施などを勧告いたしました。  これら総務省行政評価局が行った調査結果に基づき勧告を行ったものにつきましては、それを踏まえた改善措置状況についてフォローアップを行っているところです。  次に、平成二十一年度の政策評価の年次報告について御説明いたします。  十四ページを御覧ください。  一、政策評価の機能強化の取組につきましては、政策評価に関する情報の公表や租税特別措置等に係る評価の導入などの政策評価の機能強化に着手いたしました。  二、重要政策の評価につきましては、地震対策のうち建築物の耐震化及び地震保険等に関し、関係府省が行った政策評価の結果について、政策評価・独立行政法人評価委員会の調査審議、答申を経て、関係大臣に対して課題を通知いたしました。  三、公共事業等における休止又は中止事業数、総事業費等につきましては、公共事業等の評価の結果、四省で計十四事業の休止又は中止につながっています。  四、各行政機関における新たな取組につきましては、事業の進め方の透明化をより一層向上させる観点から、公共事業評価の実施、公表の早期化が図られました。  十五ページを御覧ください。  五、各行政機関における政策評価の実施状況、政策への反映状況につきましては、平成二十一年度において、各府省で二千六百四十五件の政策評価が実施されています。  六、評価専担組織としての総務省における政策の評価の実施状況等につきましては、配偶者からの暴力の防止等に関する政策評価等の評価結果を取りまとめ、関係府省に対し勧告を行ったほか、各府省の政策評価の客観的かつ厳格な実施を担保する評価活動として、規制の事前評価については費用及び便益の定量化した分析を進めることなどの課題を提起するなど取り組みました。  御説明は以上でございます。更に詳細な点につきましては、お手元の配付資料を御参照いただければと存じます。委員会の審議に行政評価局機能が一層資するよう今後とも取り組んでまいりますので、何とぞよろしくお願いいたします。

末松信介自由民主党

○委員長(末松信介君) ありがとうございます。  以上で説明の聴取は終わりました。  速記を中止してください。    〔速記中止〕

末松信介自由民主党

○委員長(末松信介君) 速記を起こしてください。  次に、行政監視システムの在り方に関する件について、参考人の方々から意見を聴取した後に質疑を行います。  御出席いただいております参考人は、元人事院総裁中島忠能さん、名城大学教授・総務省顧問郷原信郎さん及び特定非営利活動法人情報公開クリアリングハウス理事長三木由希子さんの三名でございます。  この際、参考人の皆様方に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、大変御多忙のところ当委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。  当委員会は、平成十年に参議院の独自性を発揮しようということで設置をされました。当時は薬害エイズの問題をやったり、また社会福祉施設に対しましての不正補助金支給の問題等、公務員不祥事等々の事件、たくさんございました。そうした観点でこの委員会が設置をされましたわけであります。  本委員会に課せられております使命は、国権の最高機関である国会が、その機能を十分に発揮して、行政を恒常的に監視をするということでございます。御理解をいただきますことをお願い申し上げます。  今日は忌憚のない御意見を是非お述べいただきますことをお願いを申し上げまして、冒頭の御挨拶に代えさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。  議事の進め方でございますが、中島参考人、郷原参考人、三木参考人の順にお一人十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えをいただきたいと存じます。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず中島参考人にお願いをいたします。

中島忠能元人事院総裁

○参考人(中島忠能君) 中島でございます。  お手元に私からメモが配ってあると思いますけれども、行政監視システムの在り方、特に事業仕分と東京電力の福島原発事故に関連してというものでございますが、それを基に発言させていただきたいと思います。  まず第一番目に、事業仕分について申し上げます。  私たちもテレビで拝見させていただきましたけれども、若い国会議員さんとかあるいは民間で活躍されている方が中心となりまして、ふだん一般国民には見えない予算編成過程とそこでの議論、そして行政官庁等の考え方がそこで顕示されまして透明性を高めることになった、政治を国民に近く感じさせるように効果があったという点については評価しなければならないと思います。  しかし、他方、仕分される事業の多くのものが国会審議を経て成立した予算、法律等に基づいて実施されるものであることを考えますと、仕分作業というものはいかなる根拠に基づいて行われておるんだろうか、そしてその根拠は国会の議決とか決定と、そういうものに対して否定的な効果というものを持ち得るんだろうかということが、私たち常に法律とかそういうものに囲まれながら仕事をしてきた者にとってはすぐにそういう点が心配になりました。  この事業仕分に相当するような作業と、そして国民の税金をできるだけ効率的に経済的に使わなきゃならないというこの考え方、そういう考え方というのは、やはり今回の事業仕分を拝見いたしまして感じますのは、国会でそもそも行うべきことじゃないかと。  予算成立前に予算委員会の分科会というのを頻繁にお開きいただいて、そこでしっかり予算成立前に議論していただく、また、予算執行後には行政監視委員会とか決算委員会で十分時間を費やして審議をされまして、その非効率な面、あるいは非経済な面というものを指摘していただきまして、国民の税金が効率的に有効に使われるように議論していただくのが本筋ではないかというふうに私は考えるに至りました。  そして、そういうことを国会でなさる場合には、やはり総務省の行政評価局とか会計検査院との連携、あるいはその機能の活用というものが有効ではないかというふうに思います。  両機関とも現在、予算執行の経済性とか効率性等の視点からの監視、検査というものが必ずしも十分でないという指摘がなされております。そのことを考えると、やはり基本的にはその原因究明というもの、それをしまして行政評価、会計検査院の仕事というものを改革しなければなりませんけれども、せっかく現在、国民の税金を効率的に使おうじゃないか、そして行政監視、会計検査というものをしっかりやろうじゃないかという熱が上がっているときでございますので、この際、思い切って両機関、両機能というものを国会に設置する、国会に所掌させるということについてしっかり議論していただくいい機会ではないかというふうに思います。  次に、第二の東京電力の福島原発事故について申し上げます。  この事故についてはもうたくさん報道があちこちされておりますので、多くの問題が指摘されておるということは御存じのとおりでございます。その中で、私は以下の四点について意見を申し述べたいと思います。  その一は、原子力発電そのものについて、また、その安全性の確保につきまして関連する専門分野の学者等の間において厳しい意見の対立がございました。現在もあるようでございますけれども、意見の対立がございます。そのような場合、通常、今まで私たちが考えておりました民主的な組織におきましては、異なった意見の持ち主の参加を得まして会議を繰り返し開催し、調和点、一致点を見出すべく渾身の努力をするものでございます。ところが、今回そのような形跡というものは全く見られません。恐らく、原子力関係の専門家から言わせますと、そういう会議はやっても無駄だというふうに反論をされると、そういうふうに想像しますけれども、しかし、反原発と烙印を押された人たちの中にも、せめて集中的な立地というものをやめたらどうかと、あるいはまた出力というものももう少し下げたらどうかというふうな発言をされておるということでございますので、そういう方の参加を得て議論を開くということは非常に私は有益であったというふうに思います。  ジャーナリズムは原子力村という表現をしておりますけれども、その閉鎖性というものが今回の事故の発生とか規模の拡大に全く関係がなかったかということは、必ずしも関係ないというふうに断言できないというふうに思います。原子力安全委員会というのがございまして、非常に立派な先生が委員になっておられます。したがいまして、こういう場合には原子力安全委員会に出番があったんじゃないかというふうに思います。しかし、そのような形跡も見られないと。ただ排除の論理というものだけがまかり通っていって、原子力発電は安全でなければならないというふうに当初言われておりましたけれども、いつの間にか原子力発電は安全であるというふうに変わっていったと。そういうような経過があったのを私は非常に驚きを持って見ております。  その二として申し上げたいのは、天下り問題でございます。  四月十四日の朝日新聞の報道によりますと、枝野官房長官は、つい最近まで東京電力を指導監督する立場にいた資源エネルギー庁長官の石田氏の東京電力顧問就任につきまして、経産省の東電に対するチェック態勢が甘くなっていたと疑義を持つ人が多数いることは当然だと述べるとともに、指導監督する行政の側と指導監督を受ける側との間に癒着を生じているという疑義があっては許されないというふうに述べておられます。官房長官は、恐らく察しますに、現実にチェック機能が甘くなったかどうかということを問う以前に、関係のある営利企業への天下りは国民から疑義を持たれると、李下に冠を正さずということをいわれますけれども、その姿勢で幹部公務員は身を処してほしいと言っておられるんだと思います。  それでは、なぜ今回こういう天下りが行われるようになったのかということでございますけれども、これは何回も私も雑誌等で書きましたけれども、平成十九年の国家公務員法の改正で幹部公務員は退職後すぐに指導監督していた利害関係企業に天下りできるように改正されたと、それが原因だと思います。天下りした者が現職公務員に働きかけることを規制すれば、公務の公正な執行は確保できると考えられたからでございます。これを事後行為規制方式、それ以前は、改正以前は事前承認制でございましたけれども、事後行為規制方式というものを導入して、退職後、天下りしてから現職公務員に働きかけることを規制するというその方式でいいじゃないかということでございますけれども、この方式はアメリカで採用されております。  しかし、この方式が日本社会で有効に作用するためには、私は三つの要件があるというふうに思います。一つは、天下りする幹部公務員に対する国民の信頼の確立というものが前提となるだろうと。そして二番目に、当事者間の会話とか接見内容が正確に記録されていること、そしてその記録が公文書と位置付けられていること、そしてその公文書と位置付けられた接見内容がいつでも公開されるということが二番目に必要だと思います。そして三番目に、内部通報とか告発等が予防的効果をアメリカ社会で持っておりますけれども、そういう効果を日本社会でも発揮できるようになっていること。この三つがそろった場合には、事後行為規制というものは有効だというふうに思います。  ただ、この事後行為規制方式というのは、不作為による倫理違反事犯というものには十分対応できない場合があることを先生方よく御記憶いただきたいと思います。  倫理違反事犯というのは作為によるものが非常に目に付きますけれども、不作為による倫理違反事犯というのが非常に大きな被害を及ぼしておるということは御存じのとおりだと思いますけれども、そういうものがここではとらえにくいという欠点があると思います。  この天下りというものは、単に経済産業省と東京電力との間においてのみ生ずる問題ではございません。是非とも、議員提案によって国家公務員法というものを再修正をしていただきたいというふうに思います。  その三として申し上げたいのは、原子力安全・保安院の経済産業省からの切離しについてでございますけれども、これは菅総理も発言されましたけれども、今やこれに反対する国民というものはいないんじゃないかと思います。  今考えておくべきことは、切り離した後、それが頼りになるチェック機関として有効に機能するために何をすべきかということを今考えておくべきだというふうに思います。まず、優秀な使命感のある人材というものが必要とされるでしょう。それをどのように集め、育成するか。特に、現場を熟知しているプロパーの人材というものが必要だと思います。さらに、推進機関としての役割を果たしてきた経済産業省との無益な対立、摩擦を避けつつ、さりとて従属することなく、国民の安全、安心というものを最優先すべき価値と考えるトップ人事、その人の主導の下で、新しい組織づくり、そしてそれを支援する体制というものがなければなりません。  最後に、今回、原子力安全委員会の存在が国民から見えなかったように思います。原子力の安全利用を実現するための中心的な機関だというふうに考えておりましただけに、非常に寂しい限りでございます。この安全委が今まで原発の安全確保のために何をしてきたのかと。そして、そのしてきたことが今回の事故の発生防止にどういうふうに役立ったのかと。現在反省すべき点は何なのかと。これらについては、最近設けられました事故調査・検証委員会で検証していただくということでございますから、まずはその結論を待ちたいと思います。しかし、必要とあるならば、国会法に基づく質問主意書により原子力安全委員会に所見をただしてみてはいかがかというふうに思います。  あと一、二分あるようでございますので、ここには何も書いてございませんけれども、一言申し述べさせていただきたいと思います。  最近、時々、大学の理系学者というものが国費から支出されている研究費を私的に流用していると、不正経理事件というものが報道されることがございます。我々が尊敬してやまない大学教授の倫理観のなさに唖然とする、暗たんたる気分になることがございます。有力な週刊誌とか経済雑誌の報道によりますと、東京電力から億を超すお金が大学や大学内の研究グループに支出をされております。まさかそこに癒着があるというふうには思いませんけれども、今のうちに、癒着疑惑が生じないよう企業及び大学当局の双方において自主的に何らかの措置が講じられることを願ってやみません。  以上でございます。ありがとうございました。

末松信介自由民主党

○委員長(末松信介君) 中島参考人、ありがとうございました。  次に、郷原参考人、お願いいたします。

郷原信郎名城大学教授総務省顧問

○参考人(郷原信郎君) 郷原でございます。よろしくお願いいたします。  私、名城大学で組織のコンプライアンスの問題を中心とする研究活動をしておりますとともに、弁護士としても企業等のコンプライアンスに関連する業務を中心に仕事をしております。また、総務省の顧問とともに、年金業務監視委員会の委員長とコンプライアンス室長という立場で仕事をさせていただいております。この委員会で、行政としての検察の在り方についていろいろ御検討、調査をなさったというふうにお伺いしております。私、昨年の十一月から今年の三月まで立ち上げられておりました法務省の検察の在り方検討会議の委員もしておりました。  ということですので、今日は、検察の行政としての性格と司法としての性格、その辺りの問題と、行政一般についての監視の在り方についてお話をしたいと思います。  先ほども申しましたように、私はコンプライアンスというのを専門分野にしております。まず、この組織のコンプライアンスというのをどのようにとらえるのかということからちょっと簡単にお話をしたいと思うんですが、しばしばコンプライアンスが法令遵守などと訳されますが、私は、少なくとも日本の社会においてコンプライアンスをそのようにとらえることは誤りだと、適切ではないと思っております。社会の変化が激しくなればなるほど、法令を単純に遵守するというような考え方で組織が社会の要請にこたえ信頼を得ていくことはできないわけでありまして、私は、官庁、企業を含めて、組織の在り方として社会の要請にこたえていくということを正面から行っていかなければいけない、そして、とりわけ変化が激しい状況においてはそういう社会の環境変化に適応していかなければいけない、それがコンプライアンスだと考えております。そういう観点から、組織の不祥事というのは、社会の変化に適応できず社会の要請に反してしまうということがまさに顕在化した場合と言うことができると思います。  そういう観点から、行政機関に対する監視というのもそういうコンプライアンス上の問題を中心にチェックをしていくということだと理解しておりまして、まさにここで検討されている行政監視の在り方というのもコンプライアンスと相通ずるものだと考えております。  そこで、お手元にお配りしております資料の後ろの方に、まず、検察の行政としての特殊性に関連する資料を配付していただいております。後ろから二つ目に「検察の使命・役割について」というペーパーと、その後に「検察の組織の特殊性と法的枠組み」というペーパーを付けております。詳細はこの後の方の法的枠組みというペーパーの方に書いておりますが、まず、この一枚紙の「検察の使命・役割について」というペーパーに基づいてお話をしてみたいと思います。  検察という組織は行政組織であることは疑いのないところですが、しばしばこれが司法的な作用を担う組織のように考えられます。そういう意味で、この行政官庁としての検察というのは非常に曖昧な面があります。  どうしてそうなっているのかと申しますと、まず、検察庁という組織の形が非常に特殊であるということが言えます。このペーパーに書いておりますように、検察庁というのは検察官の事務を統括する官庁です。一般の行政庁が大臣の権限をそれぞれの組織内で分掌していくというようなやり方であるのに対して、検察庁は検察官個人個人が捜査とか処分という権限を行使することになっていて、それを上司、上級庁が指導監督するという、そういう仕組みになっています。  そういう意味で、役所の意思決定の在り方が、上の方が権限を持っているのか、下の方が権限を持っているかというところについて大きな違いがあります。そして、そういう建前の下で、権限自体は検察官個人に属するとしながらも、上司の指揮監督によって組織としての統一性を保っていくという建前が取られていて、まさに独立性と一体性がうまく融合していくような、そういう仕組みになっています。それが結局のところ、検察の組織というのは、そういう組織としての独立性が保たれていくこと、維持されていくことが組織としての目的であるような考え方を生むことになります。  実際に、検察庁の事件についての判断、処分等については、外からの介入が行われることがもう極端に批判されるというのが検察の特徴です。それに対する唯一の例外は法務大臣との関係で、検察庁法十四条に規定されております法務大臣の指揮監督権、要するに法務省の中にある組織ですから、法務省のトップである法務大臣が基本的に指揮監督権を持っているということはある意味じゃ当然のことなんですが、個別の事件については検事総長を通してのみ指揮できると書かれていて、実際には、歴史的に見ますとあの造船疑獄事件によってこの指揮権発動が大変な批判を受けたこともあって、封印されているというのが実情です。  ということで、検察という組織は、行政組織でありながら、外からの介入、干渉を受けないというところに正義があるというふうにとらえられてきたことに特徴があります。こういうとらえ方をされている行政庁というのは非常に珍しいわけでして、本来、裁判所というところが独立して判断をすること自体が目的であるようにとらえられていますが、それは検察も、あたかも司法機関としての裁判所と同じように独立して権限を行使すればいいというふうに考えられてきたことが、その組織の性格が行政機関であるのに司法機関であるように考えられてきた一つの要因ではないかと思います。  しかし一方で、そのような性格の組織というのは、どうしても外の環境に適応していくことがなかなか難しいということになってきます。独立して判断する、内部だけで全て決めてしまうということになると、昔と同じようなことをやっている状況であれば問題ないんですが、端的に申しますと、殺人とか窃盗とか放火とか、そういう誰が考えても明らかに犯罪だというような行為の処罰をやるということだけを淡々とやっている世界であれば、別にその時代が変わってもそれほど大きく変わることはありません。しかし、世の中がどんどん変化し、法執行機関として法律を適切に執行していくことに関して罰則の適用というのが大きな意味を持ってくる、そこに大きな効果が期待されるようになってくると、検察も様々な社会の状況の中でそれに適応していかなければいけないということになると思います。  ところが、先ほどから申し上げております独立性の枠組みの下で検察が社会の環境変化に適応しにくい組織であることが、検察において様々な問題が相次いで起きてきた根本的な原因ではないかと考えております。大阪地検で昨年秋、大変な不祥事が起きました。私は、その根本的な原因も、やはりそういう検察の組織としての特殊性、社会の環境変化になかなか適合できないというところに根本的な原因があると考えております。  しかしながら、そういう刑事事件について独立性を持って判断するという、ちょっとややほかの官庁とは違った行政組織としての特徴があるというところに、検察に対する監視の在り方も一般の行政官庁とはちょっと違った配慮をしなければいけないということが言えるわけでありまして、そういったところを、今後、検察が社会の変化に適合できるような組織になっていくために、それに対する行政監視の在り方をどうしていくのかということを考える上で重要なんではないかと考えております。  次に、一般的な行政機関に対する監視の在り方につきまして、私は、先ほど申しましたようにコンプライアンス室長という立場で仕事をさせていただいております。その活動について、ちょっと資料の中に総務省のホームページのコンプライアンス室のコーナーのところの写しを用意していただきました。  このコンプライアンス室というのは、以前は法令等遵守室という名称で、それまでにも総務省にあった公益通報、内部通報の受付窓口としての機能を果たしていた組織でした。私がこのコンプライアンス室の室長という立場になったのが一昨年の十一月ですが、私は、先ほどから申し上げておりますような、組織が社会の要請に適応することがコンプライアンスであるという考え方から、総務省のこの室もコンプライアンス室という名称に変えて、広く総務省の行政が社会の要請にこたえていけるようにするための機能を果たすべきだと考えまして、大臣の御理解をいただいて名称をコンプライアンス室というふうに変えていただきました。  そして、それまでは省内からの通報を受けて必要に応じて調査をするという機能を果たしておりましたが、省外からも総務省の行政が社会の要請にこたえるという意味で問題があると考えられる場合には積極的に申告、通報を行ってほしいということでホームページで呼びかけをしているわけであります。  このコンプライアンス室からの呼びかけに応じて様々な情報がもたらされました。実際には、私の事務所で私の下で働いております弁護士をコンプライアンス担当顧問ということで非常勤職員で抱えてもらっておりまして、そちらの方で通報を受け付けることにしております。  とりわけ、ここに「補助金等に係る予算執行の適正化確保について」というペーパーと、その次に総務省の新たな取組についての資料をお配りしておりますが、五月の十三日にこのコンプライアンス室で行った補助金の予算執行に関する調査結果を公表いたしました。  これは、あるコンプライアンス室への通報に基づいて、平成二十一年度二次補正で実施されましたふるさと元気事業というICTに関連する補助金の事業において、不適正な予算執行が行われるおそれがあるというような情報に基づいてコンプライアンス室で調査を行ったものです。当然、その所管課の方にも協力をしてもらって共同で立入検査なども行いつつ、調査を実施してまいりました。  調査結果の詳細はこのペーパーに書いてあるとおりですが、この二枚目を御覧いただきたいんですが、四つのNPO法人に対して補助金と、そしてその翌年度に委託事業費という形で多額の公的なお金が流れておりました。それに関してコンプライアンス室を中心に徹底して調査いたしましたところ、交付決定等の額が当初四億六千万円程度であったところを約二億五千万円を減額をいたしました。半分以上減額いたしました。  これなどは、恐らく従来の所管課の考え方でこの手続を行っていたら、法令上は一応ぎりぎり問題はない、このような形で予算を執行してもいいと考えられていたものだと思います。それが、今回、コンプライアンス室に対して、これはちょっと社会の要請という面から考えるとおかしいんではないかということに気が付いた通報者からの通報を受けてそういう観点から調査をしてみたところ、これだけ大きな額を減額すべきだという結論に至ったわけであります。  私は、今後の行政の監視の在り方として、従来のような官公庁の業務が単純にその法令どおりにやられていればいいという時代ではなくて、本当に社会の要請、国民からの要望にこたえられるものかどうかということを常に考えていかないといけないと思いますし、そういう面で様々な枠組みが考えられるべきだと思います。  ただ、私の経験から申しますと、まず、このコンプライアンス室のような省内に第三者の弁護士等を配置して、そういう別の観点から、省内的な常識とは別の観点から調査を行っていくという方法をもっと積極的に試みていくべきではないかと考えております。今回の調査の結果を公表した際に、片山大臣からも閣僚懇談会で、第三者的立場から調査、検証を行うコンプライアンス室を活用し、予算執行の適正化を行うべきであるという意見を述べていただきました。  その際に、各省庁でこのようなコンプライアンス室がどのように活用されているのかということを調査してみましたが、お配りしている表です、残念ながらまだ総務省以外では三つの官庁でコンプライアンス室、第三者が室長になったコンプライアンス室が設置されているだけで、他の官庁ではまだ設置されておりません。こういった仕組みを活用していくことがまず大事、重要ではないか。それを踏まえて、その結果を踏まえて、その状況を踏まえて、更に様々な行政監視の在り方が検討されるべきではないかと考えております。  以上です。

末松信介自由民主党

○委員長(末松信介君) 郷原参考人、ありがとうございました。  次に、三木参考人、お願いいたします。

三木由希子特定非営利活動法人情報公開クリアリングハウス理事長

○参考人(三木由希子君) 特定非営利活動法人情報公開クリアリングハウスの三木と申します。今日はこのような機会を与えていただき、大変光栄に存じております。  私どもは、情報公開制度について特に関心を持ち、活動をしてきております。設立は、この名称ではありませんが、前身、情報公開法を求める市民運動と申しましたが、一九八〇年から公的機関の情報公開制度の確立と市民の知る権利の拡充ということを目的に今まで活動をしてきております。そういう観点から、行政監視、行政評価、行政に対する苦情の在り方について少し意見を述べさせていただければと思います。  初めに、私たちが情報公開を求めてきた背景ということに簡単に触れさせていただきたいと思います。  古く、一九八〇年、私たちが設立されたとき、その当時は情報公開という言葉がこの社会の中でそんなに知られていないというか、言葉自体がなじみがない時代でございました。中心になっていたのは、薬害事件の被害者の弁護士であったりとか消費者団体であったり、それから、当時は深刻な汚職事件、政府高官による汚職事件とかがございましたけれども、そういうものについて真相究明や再発防止を求める市民、そういう市民と、それからジャーナリストや研究者、憲法学者を中心とした研究者が一緒になって、市民が情報を政府から獲得する権利を得るためには情報公開制度が必要だということでずっと法律の制定を求めてまいりまして、法律の制定は一九九九年の五月に成立いたしまして、一応国に対しても情報公開を求める権利を市民が得たというところでございます。  ただ、私たち自身は、情報公開制度、特に国の情報公開法、何のためにこの法律があるのかということについては、実は、目的規定の中で、情報を得るということは監視や参加というものとセットでなければいけないというふうに考えておりました。つまり、情報公開というのは手段であって最終目的ではございません。情報を得ることによって市民が適切に判断をし、行政に対して参加をし、あるいは問題があればそれを監視をするという、その次のステップも含めて情報公開というのはあるべきだというふうに考えておりました。  その点、一九九九年に成立しました情報公開法を見ますと、目的規定、今日お手元に配っていただいた資料に引用させていただきましたが、目的規定からは実は監視や参加という言葉が漏れております。情報公開法は行政改革委員会が発表しました情報公開法要綱案というものを基に立法化をされ制定をされておりますけれども、実は、その要綱案の中には、法律の目的は行政の監視・参加の充実に資することを目的とするというふうに書いておりました。ところが、政府の中において立法化をされる過程で参加と監視という言葉が落ちまして、国民の的確な理解と批判の下にという言葉に置き換わりました。  実は、当時の状況から考えますと、参加や監視、とりわけ監視という言葉に対しては非常に行政の抵抗感が強かったということがあるというふうに聞いております。つまり、今の政府においては、この監視や参加ということを情報公開を通じて市民から受けるということについては法律上は明確な立場を示してこなかったということがございます。  ところで、四月二十二日に情報公開法は改正法案が国会に提出をされております。その法案の中では、目的の中で、情報公開というものは行政の監視及び国民の行政への参加に資するものだということを明確にしております。ようやく監視というものを国民からも受けるものだということを政府というか行政組織が受け入れるということを明確にしたという点では歓迎をしているところでございます。  私たちが情報公開制度を制定をするということで期待していたことは、情報公開請求をして情報を得る権利が保障されるということだけでは実はございませんでした。というのは、情報公開を前提にした行政運営や行政組織の在り方に転換をしていくことを大きく期待をしていたというところがございます。情報公開をしていなかった組織の行政運営の在り方や行政組織の文化が残ったまま情報公開を進めようとしても、それはそんなに積極的な情報公開は期待できない。むしろ、情報を公開するんだという前提の下に行政組織や行政運営の在り方が変わっていってくれるということを大いに期待をしていたというところがございます。  ところが、そういう観点から考えると、どのような改革が行われたのか、あるいはどのような行政運営の在り方の見直しが行われたのかということは、非常に目に見えて分かりにくいという状況がございます。一方で、情報公開制度で情報公開請求をしますと非公開となるケースが多々ございまして、相変わらず市民から情報は遠いというふうな認識を逆にこの制度ができたことによって受けるということもございます。  そういう意味では、たゆまぬ改革を前提にこうした仕組みが入っていると。つまり、市民から監視をされる、あるいは市民の参加を受けるということを前提にした行政運営の在り方、行政組織の在り方に変わるための努力をたゆまず続けていただきたいというのが実はこの制度の中心的な問題ではなかったのかというふうに考えております。  中でも私自身が重要なポイントだと考えておりますのは、政策決定や意思形成過程の匿名性の排除ということでございます。これまで、誰がいつどのような情報を基にどのように決定をしてきたのかということは、実は匿名性がかなり確保された状態ではなかったかというふうに考えています。それともう一点が、行政運営に関する記録がその実態を示すように残されて、情報公開請求の対象になるということであります。記録にきちっと残されているということは客観的な証拠でございます。それがきちっと残されていないと、実は監視も評価もできないということがあります。そういう意味では、匿名性の排除と適切な記録の作成ということが非常に重要ではなかったかというふうに考えています。  匿名性の排除という点から考えますと、公務員の職務の遂行に関する情報の公開の在り方ということの問題に尽きるというふうに考えています。情報公開法には個人情報を不開示にできるという規定がございますけれども、その中に、例外的に公務員の職務遂行に関する情報は公開ができるというふうになっております。ところが、氏名の公開というのは原則になっておりません。  今般の改正情報公開法案の中では、公務員の氏名の公開を原則とするというふうな形に規定が変わりましたけれども、そういう意味では、匿名性をいかに排除をし、誰にどのような責任があるのかということは明確に実は情報公開をすべきではないかというふうに考えております。  それから、民間人の職務内容や助言等の内容、それからどのような身分の方であるのかということも公開をすることが必要ではないかと。公務員という言葉に縛られますと、法律上、公務員の身分を持つということになります。身分を持たずに、例えば有識者会議などのような私的諮問機関、それから公務員の身分を持たずに様々な助言等をされる方という方もいらっしゃいます。  そういう意味では、そういう公的な地位に近い立場で助言等を行う方々の身分や氏名と、それからどのような助言等を行ったのかということも記録をし、公開をするということが評価や監視のためには必要ではないかというふうに考えておりますし、それから苦情等が申し立てられた場合に誰に対して何を言うのかということも含めて、きちっと明らかにしていくことが大事ではないかということであります。  そういう意味では、匿名性の排除と行政運営の記録を残すということは一体的に行っていただく必要があるというふうに考えておりますし、それは現在への影響だけではなく将来にわたる影響ということも考えて記録を残す、あるいは匿名性の排除を行うということが必要ではないかというふうに考えております。  現在、福島第一原子力発電所の事故というものがございますけれども、これも当然、現在、今時点で緊急的に必要なことと将来にわたってどのような影響があるのかということは、これは一体のものとして継続していきますけれども、状況状況、時間によってそれは若干、作成される情報、それから公開される情報、それから必要とされる情報というのが変わってくるというふうに思います。なので、現時点での情報というものと、それからそれが将来どういう意味を持つのかということは一連のものとしてきちっと評価、監視の対象とすべきであるというふうに考えております。  それから、情報公開というものをやっておりますと、開示請求権は保障されますけれども、情報公開された後の、市民が例えば行政監視をする、あるいは参加をするという手段は実は非常に貧困でございます。非常に手段が限られている、あるいは手段がほぼないに等しいという場合があります。  そういう意味では、市民が問題の解決、改善をする機会ということが余り期待ができないという状況におきまして、例えば国会の役割ですとか、それから各行政組織における行政評価や監視の在り方というものを十分に考えていただく必要があるのではないかというふうに考えております。  それから、一般的な行政監視、行政評価ということで幾つか意見を出させていただきましたけれども、問題は、誰に対して誰が何を評価、監視できるのかということが実は市民にとって非常に分かりにくいというところがございます。  確かに、行政評価制度の導入やそれから事業仕分等で一定の情報が自動的に公開をされるようになりました。これは非常に前進であったというふうに思います。しかし、実効性については分かりにくいということもありますし、それから誰がどのような権限に基づいて何ができるのかということが実は非常に分かりにくいです。なので、何かがあったときに誰に何を言えば市民はその思いや気持ちそれから情報を伝えられるのかということが非常に分かりにくいという問題がございます。  分かりにくさの原因として私なりに考えられることといたしましては、何を行政監視や評価の対象にするのかという選択、選別の問題や、それから何ができて何ができないのかとか、それはなぜなのかといった権限の問題、それから行政に対する個別の苦情の申立てや申出との、それから一般的な行政評価との関係が分かりにくいといった問題があるのではないかというふうに思います。  それから、行政機関による政策決定や意思決定に対する市民からの例えば疑義や否定的な評価のような合意形成の不備による紛争や問題事案というものについてと、それから行政評価や行政監視システムとのかかわりは非常に分かりにくいということがあります。そういう点で、誰に何を言えばいいのかということ、誰がそれを責任を持つのかということがとても分かりにくい。  かつ、更に言いますと、機密性の高いあるいは公開度の低い分野などの行政監視・評価、苦情対応ということでレジュメの方で作成をさせていただきましたけれども、今回の原子力発電所の事故に関してもそうですし、先ほど来御指摘ありました検察のシステムもそうですけれども、機密性が高いあるいは公開度の低い分野を誰がどう監視、評価するのかという問題は非常に深刻だというふうに思っております。  情報公開の分野では、外交防衛に関する問題、それから警察、それから犯罪捜査や公共の安全等に関する情報については、高度な行政裁量に基づいて非公開範囲が非常に広く規定をされております。言い換えますと、市民にとっては情報のアクセスが非常に困難であるという分野であります。結果的に、公開性や透明度が低いために、現在の状況は信頼性まで低下をしているという状況ではないかと考えております。  そういうことを考えますと、誰がこういった機密性や公開度の低い分野、あるいはそれなりの専門性を基に広い意味での公益を判断しなければいけないような分野について監視をし、評価をし、市民の信頼を高めていくのかということは、これは実は非常に深刻な問題でありますし、市民が自分たちでできることは非常に限られているというふうに言わざるを得ないというふうに思います。  福島第一原発発電所の事故のように緊急事態である、それから市民の生活に甚大な影響を及ぼす問題について、現在何が分かって何が分かっていないのか、それから、どのような状況にあり、私たちの生活がこれからどうなるのかということも含めて、何が分かって何が分からないのかということが市民は非常に分かりにくいという状況にあります。事後的にいろんな情報が提供されますけれども、それは後で知らされたということでありまして、自分たちの生活が守られているという実感からは非常に遠いと言わざるを得ません。  こういう緊急事態あるいは非常時、市民生活に甚大な影響を与えるような問題について、誰がそれを問題があれば是正をし、評価をし、監視をし、適切な情報公開やそれから対策につなげていくのか、誰がそれをずっと見ていくのか、ウオッチングをしていくのかということについては、非常に重要な問題だと思っております。  ここの委員会におきましても参考人質疑等行われておりまして、そうした情報を市民がインターネット中継等で見て新たな情報を得るということで、それによって一定程度皆様の果たしておられる役割が広く市民に共有されているというふうには思いますけれども、それに加えて、どうやってじゃこの状況について信頼性のある対応をしていくのかということをお考えいただくこと、あるいはそれを私たちが深刻に受け止めて考えていくということが非常に重要だというふうに思っております。  それから、行政に対する苦情としましては、苦情を政策に結び付けるルートというのが不在である、あるいは極めて脆弱であるということが言えるというふうに思います。加えて、市民が自ら不正や問題を追及する手段が日本はございません。自治体におきましては住民監査請求という仕組みがございますけれども、国に対しては国民監査請求のような仕組みがないというところがあります。  そういう意味では、司法アクセスの充実のようなことも含めて、市民とそれから国会とそれから行政組織と、複層的に行政監視や行政に対する評価というものが行えるようにしていただくということが肝要ではないかというふうに思っているところでございます。  最後に、客観的な記録を基にした監視、評価、苦情対応というものを是非実現をしていきたいというふうに私たち自身は思っております。  適切な評価や監視を行うためには、客観的な記録が残っていなければ、それを具体的に行うということができないということだと思います。三月末の官房長官の会見なんかを見ますと、東電との統合本部での会議については議事録を作成していないということを官房長官がおっしゃったということがありました。これは非常に残念だというふうに思いました。この間の対応について客観的な記録が残っていないということを意味するというふうに思っております。そのことが今後の評価や監視について大きな支障になる可能性もあるのではないかというふうに考えております。  こういうことだけではなくて、実は、今日お手元の資料に付けていただいたので後で御覧いただきたいんですけれども、例えば情報公開法の施行時には行政文書が大量に廃棄されております。資料の方の十一ページやそれから十三ページ、十四ページを御覧いただくと、二〇〇〇年度に各行政機関で文書の廃棄量が急増しているケースがございます。二〇〇一年度が情報公開法の施行でございます。二〇〇〇年度に文書がきれいに廃棄をされた後に、私たちは二〇〇一年度に情報公開法の施行を迎えました。こうしたものを誰が監視してくれるのか。私たちはこのことを事後に知りました。こういうものを誰が監視をしていくのか、新しい仕組みや法制度が入ったときに誰がその施行に含めて監視をしていくのかということも実は非常に大きな問題であるというふうに思っております。  それから、統合本部等の議事録作成の問題なんかもそうなのですが、個人メモとして職員が残しているものと、それから公文書として残しているものというもので今の仕組みは分けております。そういう意味では、評価や監視の対象というものは職員が作成した個人メモも含めてきちっと権限が及ぶような、そのような仕組みが必要なのではないかというふうに考えております。  以上でございます。

末松信介自由民主党

○委員長(末松信介君) 三木参考人、ありがとうございました。  以上で三人の参考人の皆様方からの意見聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  本日は、まず各会派一巡で十分ずつ質疑を行い、その後、午後四時五十五分ごろまでを目途に自由質疑を行いたいと存じます。  参考人の方々にお願いを申し上げます。御答弁の際は、委員長の指名を受けてから御発言をいただくようお願い申し上げます。  また、質疑の時間が限られておりますので、簡潔な御答弁をお願いいたします。  なお、質疑及び御答弁は着席のままで結構でございます。  それでは、質疑のある方は順次御発言願います。

風間直樹民主党・新緑風会

○風間直樹君 民主党の風間直樹でございます。よろしくお願いします。  今日は総務省の行政評価の仕事がメーンテーマでございます。私ども、この委員会に所属をいたしましてから、今年の委員会の一つの大きなテーマとして司法の機能不全の問題を審議してまいりました。この司法の機能不全の観点、昨年起きた村木さんの事件が大きなきっかけになったわけでありますが、この観点から総務省の行政評価局の機能を見た場合に、私は残念ながら十分な機能を果たしていないというふうに感じているところでございます。  このことは、今三木参考人がおっしゃいました、機密性が高い分野に対する行政の透明性、それから公平性をどう担保するかという問題にもつながってくるわけでございます。  ちょっと立ってやらせていただきます。

末松信介自由民主党

○委員長(末松信介君) はい、結構です。

風間直樹民主党・新緑風会

○風間直樹君 特に、私は、行政評価局の仕事の中で、参考人御承知のように行政評価という柱と行政監察という柱、二つの柱があるわけですが、この行政監察の柱が十分に機能していないというふうにとみに感じているわけでございます。  今日の私の質疑のテーマは、警察や司法がもし彼らの保身のために国民の要請にこたえず国民の福利を脅かすおそれがある場合、行政監視委員会そして総務省の行政評価局が何をすべきかという、この観点から質疑を主として郷原参考人にさせていただきたいと考えております。  当委員会で、私は、何回か冤罪が確定しました足利事件について取り上げてまいりました。  御承知のように、昨年、菅家さんの冤罪が確定したわけであります。これは、報道を通して我々は栃木県の足利市で起きた単独の幼女誘拐殺人事件というふうに認識をしているんですけれども、最近、テレビ、雑誌の取材によりまして、一個の単独犯行ではなくて、どうやら五件の連続した幼女誘拐殺人事件である可能性が高いということが明らかになりつつあります。  この五件の被害者はいずれも五歳前後の幼い女の子ばかりです。うち四件は誘拐された幼女が遺体で見付かっています。最後の一件に関しましては被害者がいまだ不明のままであります。したがいまして、この最後の一件についてはまだ時効が成立をしておりません。  この事件、実は取材をされた記者の努力によりまして、この事件五件を起こしたと思われる真犯人、この真犯人が現在もなお犯行現場の付近に住んでいるということが明らかになっています。しかも、この真犯人と思われる人物の氏名そして住所は、取材をした記者から警察及び検察に通報がされております。  私の懸念は、幼女に対する性犯罪というのは非常に再犯性が高いものですから、まず早期の真犯人の捜査と逮捕が求められるんだろうと。同時に、被害者、五つの家族がいらっしゃるわけですが、これらの五つの御家族の皆さんもつい最近初めて一堂に集まられまして、捜査を求める考えで一致をされたと、今発売中の月刊文芸春秋でそのように報道をされています。  ところが、ここで我々行政監視委員会が突き当たる壁があるわけです。それは、警察や司法がこの真犯人の捜査、逮捕をいまだしないということであります。なぜ捜査を積極的にしないのか。いろいろなことが言われていますけれども、恐らく大きな理由の一つは、真犯人が逮捕された場合、警察と検察にとって不都合な事実が明らかになるということであります。つまり、真犯人のDNAの型が明らかになれば、足利事件当時、警察庁の科捜研、科学捜査研究所が実践したDNA判定方法が完全に誤りだったということが明らかになるわけです。その結果、公判で採用されたこの同じ判定法に基づくDNA鑑定、当時八件が公判で応用されていますが、それが正確ではなかったということになって、これらの裁判をやり直す必要が出てきます。しかし、この八件のうち一件は、既に容疑者とされた方が死刑に処せられた飯塚事件であります。このような経緯の中で、私はこの委員会で足利事件の再捜査を強く求めているところでございます。  そこで、本題に入ってまいりますが、この行政監視委員会は平成十年の一月に設立されました。設立直前の平成九年六月にまとめられた当時の調査会の報告書を読んでみました。手元に今日持ってきているんですが、こちらがその報告書であります。当時の参議院議員井上孝調査会長の下、まとめられたこの報告書にはこのような文章があります。つまり、行政監視委員会は国会におけるオンブズマンの機能を果たすべく設立をされると、その調査に当たっては当時の総務庁が行う行政監察等を活用すると、こう明記をされています。  しかし、五月十六日のこの委員会で、私の質疑に対しまして答弁に立たれた片山大臣は、残念ながらこのような事実を恐らく踏まえていらっしゃらなかったのでしょう、私が行政監察の権限を活用して総務省としてこの足利事件の再捜査の助言を関係機関あるいは総理に行ってほしいと要請したことに対して、こう答弁されました。「個別のこの種の事件について総務省が乗り出すということは、私は制度上想定されていないと考えております。」と。  しかし、今御紹介しましたように、そもそも委員会の発足時にこれは制度上想定されているわけであります。この委員会の創設時、当時の総務庁の行政監察が実は警察をほとんど対象にしないことが懸念されておりました。そのために、行政監視等のための機関の設置についての調査会長案において、委員会が監察対象の選定を調査し、その結果を行政監察計画の策定の参考にさせることとされました。この計画は総務省が策定するものであります。にもかかわらず、残念ながら現在、警察と司法に対する行政監察は極めて不十分なままであります。  そこで、郷原参考人にお尋ねをいたしますが、私が今るる述べました、この総務省の行政監察の機能が十分に警察、検察に対して機能していないという私の見解に対しまして、御所見をお伺いしたいと思います。

郷原信郎名城大学教授総務省顧問

○参考人(郷原信郎君) 大変傾聴に値する御見解だと思ってお聞きしておりました。今の司法、とりわけ検察の捜査ないし処分に様々な問題があることは御承知のとおりだと思いますし、足利事件というのは、一つの殺人事件をめぐって冤罪というこの社会の中で何とかして防止しなければいけない重大な問題が生じてしまった事件だと思います。  問題は、そういう冤罪、そしてその一方で、検挙されるべき真犯人が検挙されていないという、検察の捜査ないし処分が適切に機能していないと考えられる場合に、それじゃ他の行政庁である総務省の行政監察がどのような機能を果たすべきかということなんですが、先ほども申しましたように、検察の行政としての性格にはやや特殊な面があります。一つ一つの個別の事件の捜査、処分は、基本的にその検察内部で、検察が組織として独立して判断することがこれまで善と、それが正しいこととされてきました。それに対するチェックというのは、まず第一次的には、法務省の中の、法務大臣の権限によって、十四条の法務大臣の指揮権というのが元々用意されているんですが、その指揮権すら、先ほど来申しております検察の権限行使の独立性、外部からの介入を排除すべきだという世の中の受け止め方、マスコミの論調などによって余り十分に機能してこなかったというのが実情です。まず、個別の処分について世の中全体がそうやって検察が独立して判断することを善と認めてきたこと自体をどうしていくのかという枠組みづくりが重要だと思います。  やはり検察官も人の子ですから間違うこともありますし、一旦間違った方向で判断をしたときにそれをどうやって是正していくのかということに関して、その組織内部のチェックが十分に働かないことはあり得ます。そういう組織としての危険性がいろんなところにあることは確かですし、昨年の秋の村木事件というのもまさにそれが顕在化した問題です。そういった組織の内部におけるチェックが働きにくい、そういうような問題についてどういうふうなチェックを働かせていくのかという仕組みづくりを行っていくということをまずやるべきだと思いますし、そういったことを通して、なぜ足利事件において適切に、それまでの捜査が誤っていたのであればそれを積極的に見直してみる、やり直してみるということが行われないのかという原因を考えていくべきではないかと思います。  そういう意味で、一つ一つの事件にストレートに総務省の側から調査して介入していくという行政監察の在り方よりも、適切な検察権の行使のシステムを確保していくことに向けての行政の監視というのは今後もっともっと見直されていいんじゃないかと思っております。

風間直樹民主党・新緑風会

○風間直樹君 ありがとうございました。  時間になりましたので、また後ほど自由質疑のときにお尋ねをさせていただきます。

宇都隆史自由民主党

○宇都隆史君 自由民主党の宇都隆史です。  今日は三人の先生方、本当に貴重な御意見をありがとうございました。座って質問させていただきます。  私からは三人の先生方にそれぞれ御質問させていただきたいんですが、まず中島参考人の方へ。  お話、今お聞きしておりますと、事業仕分、それから今回の原発の対応等を具体的に表した中で、行政組織の中に行政を監視する機構があること自体が大きな問題であると、事業仕分のところでは行政評価局あるいは会計検査院を国会に移した方がいいんではないか、あるいは、原発関連では安全委員会そのものをやはり経産省から分離させるべきであるというような御意見を賜ったんですが、私も非常になるほどと、そのとおりだなということを考えながらお聞きしておりました。  そこで、今回の原発の対応の是々非々をめぐって今後事故調査委員会というのが立てられるわけですけれども、今、国会の流れでは内閣の閣議決定を経て内閣の中につくろうとするような案が浮上しております。それではしっかりとした強い監視能力が及ばないんではないかということで、我々自民党としては議員立法を踏まえて国会の中にやはりそういう事故調査委員会をつくるべきであるという主張をしているんですが、それについて中島参考人の御意見と、またそれから、こういう事故調査委員会等々で物事を調べていくときに、監査あるいはチェックをするための非常に強い調査権というのが必要になってくるわけですが、そのことに関して御意見、御見識がありましたらお願いいたします。  二つ目に、郷原参考人の方に御質問いたしますが、検察が非常に特殊な省庁であるということ、お話の中で非常によく分かりました。  この検察の持つ特殊性の中で、特に私、参考人が書かれた中で注目しましたのが、法務大臣の指揮権、これがどの範囲で行使されるべきものなのか、どのような場合には行使すべき責任があるのかというのが非常に曖昧であると。全く同じことを実は当委員会でも問題になっていまして、あの大阪の検察の問題について検事総長からお話を聞きたいということで国会に対し出席要求をしているわけなんですが、いまだに出席をしないというお話でありました。この前は、検事総長に直接、我々委員行きまして、一体その出席しないという判断を誰が行ったのかという質問をしましたところ、検事総長は、自分はその判断をするポジションにはないという御回答しかいただけなくて、では法務省なのかというふうになったところ、それも答えられないという話で、まさにそういう曖昧なところが露呈したわけなんです。  そこで質問いたしたいところは、先ほど社会の変化が起こってくるとこういう独立した官庁は機能しなくなるんだというお話ありましたが、まさにそれが露呈したのが尖閣の問題だったと思うんです。今までの単純な刑事事件を裁いていくだけであったらよかったのが、そこに非常に外交的な側面が入り込んできた。そこで、質問の一つ目はあの尖閣の問題、検察という独立した一つの司法に対して政治の介入をしなかったことが、今振り返ったときに本当に正しかったのかというのが一つ目の質問。そしてもう一つは、あのときに政府は、検察の司法的な独立を阻害するべきではないということで政治介入しなかったわけなんですが、この検察の司法的独立というのが一体どのレベルまで守られるべきものなのかという御見解をお願いいたします。  三つ目に、三木参考人の方にお伺いするんですが、情報公開に関するお話、非常にありがとうございました。特に、情報公開はまず一つ目の手段であって、その後に参加と監視とつながっていくものだというお考え、非常に傾聴に値するなと思って聞いておりました。  そこでお聞きしたいんですけれども、これは三木参考人の方もおっしゃっていましたが、客観的な記録が残っていないとそもそも情報公開はできないと。その一番最初の手順の一歩目に入れないわけですね。これに対して、先ほど官房長官のお話もされていましたが、今回の原発対応は非常に、まあ意図的か意図的でないかは分かりませんが、記録が取られていないところが多々あると。あるいは、情報公開法が施行される二〇〇〇年のときに各省庁非常に多くの情報を破棄しているという話がありましたけれども、このような破棄あるいは隠蔽等に対してどのような処置ができるのか、あるいは考えられるのか、今後どうしていかなければならないのか、お考えあったらそれを一つお聞きしたいと思います。  もう一つは、国益と市民の権利、この二つのバランスをどのように取った方がいいのか。参考人の資料の中にも、外交防衛関係、犯罪捜査公共安全関連の情報というのは非常に公開が難しいというか、特に公開のレベルが低いというお話をされていましたけれども、特にこういう国益あるいは公益を考えなければならないところは、情報を本当に必要とする人間だけにしか公開しないというニード・ツー・ノウの原則というのが当てはめられるわけですけれども、その辺りをどう考えるか。それに絡めて、今内部告発的にサイトに投稿するウィキリークスという外国のサイトがありますけれども、この存在に関してもどのようにお考えか、この辺りをお聞かせください。

中島忠能元人事院総裁

○参考人(中島忠能君) 国会の調査権ということで御質問がございました。  現在、総務省の行政評価局というのがあって仕事をしている、そして会計検査院があると。この二つの機関がそれぞれ機能しておるわけですけれども、十分機能していないじゃないかというのが国会の皆さん方の評価だというふうに思います。なぜ機能していないのかということなんですけれども、総務省の行政評価局、会計検査院にいたしましても、会計検査院は少し憲法上の地位が違いますけれども、他の機関に対して同格なんですよね。同格なんですよ。だから、この同格の機関同士の間で監察する、監察されるというのはやっぱり限界があるだろうというふうに私は思います。  そこで、私も少し申し上げましたけれども、やはり監察する立場と監察される側との間によく距離を保つことが必要だというふうな上品なことを言っていますけれども、そうじゃなしに、やっぱりもうずばり言うと、監察する方が一段高い立場になければやっぱり駄目なんですよ。  だから、私は国会の速記録を読ませていただいて、議論が出ておると。だから、国会というのは国権の最高機関でございますし、委員会の方の権限もそれに応じて、国会の中の議論によって変わっていくんでしょうから、国会にとにかくそういう機能を持たせると。したがって、そういう機関というものを国会に附属させるということは、議論としてとにかくお詰めになった方がいいんじゃないかというふうに私は正直そう思います。  したがって、通常の考え方でいうと、それぞれの省庁はいろいろしっかりやるとかなんとか言うでしょう。言うでしょうけれども、やっぱり限界があるだろうというふうに思います。  会計検査院の場合も、たしかしっかりした検査能力を持っていますよ。持っていますけれども、会計検査院法が改正されて予算の使用の経済性とか効率性というものを検査できるというふうになっていますけれども、そういう観点からの会計検査というのは、私、新聞しか読んでいませんけれども、新聞から拝見していると、それが十分とにかく機能しているなというふうに思えません。  会計検査院がなぜそこまで踏み込まないんだというのはそれなりの理由があると思いますけれども、やっぱり国会として、私も十五分の間に述べましたけれども、予算を編成する過程においても決算審査する過程においても、国会の方で予算の分科会なんか毎日やればいいと思うんですよね。決算審査ももっと詰めてやればいいと思うんですけれども、それはそこで議論していただいて、お金の使い方、国民の税金の使い方というものの効率性、経済性というものを議論していただくということだと思います。  それがやっぱりあるべき姿ではないかというふうに思いまして、やはり結局最後まで責任を持ち得ない立場の人が国会の代わりの機能を果たす、また果たし得るかといったら、それはちょっと無理があるだろうというふうに思いますので、ここらで国会議員さんの皆さん方、しっかりしてもらいたいなというふうに思います。

郷原信郎名城大学教授総務省顧問

○参考人(郷原信郎君) 御質問にお答えいたします。  尖閣のあの中国人船長釈放の問題ですが、まず結論から申しますと、私は、あの船長釈放を検察の権限行使ということで検察側が説明したこと、それからそれを内閣の側が了としたこと、いずれも全くの誤りだと思っております。この問題は、私は昨年の秋の大阪地検不祥事に匹敵する大変な検察の歴史上重大な問題だというふうに考えております。  その理由ですが、まず先ほども申しましたように、検察はどの範囲で独立して権限を行使するのか、どの範囲であれば外からの介入を拒否するのかということについては、明らかに言えることは刑事事件の捜査、処分です。その中のコアの部分は、先ほども申しました伝統的な犯罪です。誰が考えたって犯罪だ、悪いと言えるような殺人とか泥棒とか放火とか、そういうものについては基本的に法と証拠に基づいてのみ判断する、それを検察の組織、内部が独立してやっていくことが善であるという考え方も基本的には妥当するわけです。それであっても、先ほど風間委員がおっしゃったような、それが誤っているという疑いが生じる場合、誤りやすい局面というのもあります。それは気を付けていかなくちゃいけない部分ですが、基本的にはそれは独立して権限行使することが妥当する分野です。  しかし、それが、刑事司法というのは世の中の全てをカバーしているわけではなくて、その刑事司法的な判断が及ばない部分というか責任が負えない部分が様々なものがあります。その典型が外交上の判断だと思います。  外交に関して言えば、検察には何ら専門知識も情報もありません。そして、外交判断というのは、その国自体、その命運をも握るものです。そういった判断を検察が行うということは、全く国民に対して責任が負えないことですから、そういうものこそ、検察が独立して判断するのではなくて、その外にある、法務大臣による指揮権という枠組みが取られているわけですから、法務大臣に請訓を上げて指揮を仰ぐという対応をすべきだと思います。あの事案においてはそういう判断をすべきだったと思います。  では、なぜそういうようなやり方が取られないで、検察の側で自分で判断して、外交上の判断をして釈放したというふうな説明をしたのかというと、恐らくそこには、検察の内部に、できる限り自分たちが事件で判断する限りにおいては全てのことを独自に独立して判断したいという欲求があります。それがあの事例においても、これは全く検察庁の組織の性格からいうとおかしいんですけれども、間違っているんですけれども、ああいったものについても自分たちが独立して判断したんだという説明をしようという動機になったんじゃないかと思います。しかし、それは、検察という組織をまともに法律に基づいて考えている人間は決してそういう考え方はしないと思います。  私がちょっと驚いたのは、検事出身の弁護士の私にとっても大先輩に当たる方がある月刊誌に、あの尖閣の船長釈放の問題は法務大臣が指揮権を発動するような問題じゃなくて、内閣が、政府が検察に陳情したんだと、そういう問題だということを公言しておられて全く驚いたんですが、そういう感覚がまだその検察の内部にもひょっとしたらあるのかもしれません。それがああいう誤った判断に結び付き、まさに国民に対して責任の負えない外交上の判断を検察が行ったと公言するという事態に至ったのではないかと考えております。  以上です。

三木由希子特定非営利活動法人情報公開クリアリングハウス理事長

○参考人(三木由希子君) 御質問にお答えいたします。十分にお答えできるかどうか分からないんですが。  一点目の文書の廃棄それから隠蔽に対してどのような処置、対応が考えられるかという点ですが、廃棄については、二〇〇九年に国会で全会一致で公文書管理法というものが成立しておりまして、この四月に施行されております。それによって、それまでは行政機関の長、大臣の判断で行政文書の廃棄ができたものが、内閣総理大臣の同意を得なければ廃棄ができないというふうに法律上手当てをしていただけたということがございまして、従前に比べれば、廃棄についてはある程度、行政機関の長の判断だけではなくもう一段階のチェックを経るという手当てがされたので、改善がされるのではないかという期待をしております。また、公文書管理委員会という第三者機関も設置されておりまして、そこも一定の監視をするという仕組みになっておりますので、以前より改善はされるのではないか。  ただ、問題は行政文書や公文書に何が当たるのかというところでございまして、先ほど宇都委員も御指摘でありましたが、今般のあの事故、それから大震災の中で記録が十分に作られていない、それから、どんな情報が持っているかすらよく分からないので何が出ているか出ていないかが分からずに結果的な隠蔽が起こっていると、あるいは、知るべきときに知らないで後から情報が出てくるというような事態が発生しているということについては、何を公文書とするのかというところが実は大きな足かせになっている部分があると思っております。  というのは、メモは作成されているけれども、公文書として要件を満たすためには、組織的に用いられていること、行政機関が組織として保有をしていることという二点の要件を満たさないと公の文書というふうにならないということになります。職員が一生懸命ノートにメモを取っていても、それは個人メモとして組織の記録に残らないという状況があるということでございます。これは、情報公開法も公文書管理法も全くその問題については手付かずで来ております。その結果、本来公文書としてあるべきものが作成されないという事態はこれからも起こり得るし、今の状況ですと、現在の大震災への対応それから原発の事故の対応においては、結果的な隠蔽というか公の記録が残らないという事態は起こるというふうに考えています。  それ以外にも、適切に必要な人に情報が届かないという場面はたくさんあります。原因として一番大きいのは、まず、その情報を出すことによって追及をされるというところで、必要以上にガードが固くなるということがあります。なので、問題は問題として受け止めて、それに対して責任をどう取って、それを再発防止なり未来にどうつなげていくのかという道筋を、それが評価や監視の中でちゃんと付けて、問題が公に出されるという構造をつくらない限りは、隠蔽という問題は保身の問題と裏表の関係で続いてしまうのではないかと。そういう意味では、行政評価や監視の仕組みというのは非常に重要なのではないかというふうに考えています。  二点目の国益と市民の権利のバランスをどう考えるのかという点でございますが、確かに外交防衛やそれから犯罪捜査や公共の安全といったものに関しては一定の機密性があったりとか、それからある程度専門的な判断の下に情報を出す出さないというその裁量は必要だというふうに思っていますし、それそのものを否定するつもりはございません。  ところが、問題は、そういう機密性とかそれから専門性という陰に隠れて、その陰に隠れて市民に対する説明責任や国会に対する説明責任を十分に果たさないという構造が残っていることだというふうに思っています。その結果、情報公開という観点から考えますと、本当に非公開にするような情報なのかということも含めて、各行政機関の判断が信頼できないという事態が起こっているというふうに考えております。  そういうことを考えますと、例えば外交情報なんかも、各国の例を見ておりますと、作成、取得から三十年を超えると自動的に公開をする仕組みがあるというふうなところがございます。リアルタイムで、現時点では公開できないとしても、三十年後には必ず公開をされるということをもって今の仕事の適正性をちゃんと担保させるということをはっきり仕組みとして保障し、そういうものだということを行政組織の中に根付かせるということが、実はこの分野は非常に重要なのではないかというふうに考えております。  それから、三点目のウィキリークスの件ですが、非常に難しい質問でございます。  その存在そのものは非常に物議を醸しておりますけれども、私なりの理解をしますと、私はこういう存在は否定しても必ず存在するものだというふうに考えていますし、それから結果的には、この間ウィキリークスで出てきている情報を全て見ているわけではありませんけれども、触れている範囲を見ますと、今原子力村という言い方をされていますけれども、例えば外交だったら外交村のようなもの、貿易だったら貿易村のようなもの、そういうようなある意味そこの独特のコミュニティーや村みたいなところのルールだけで動いていて市民から遠い部分については、やはり情報をちゃんと公開をしろという要求や圧力はそれは必然的に高まってくるものだというふうに思っています。  なので、こういうような存在というのは、そういうある意味、村社会化しやすい、一定のコミュニティーの下に閉じこもりやすい部分についてどういうふうに信頼性を確保していくのかということをきちっと向き合っていかない限りは、恐らくこういう存在は必要とされると思いますし、なくならないというふうに考えております。  以上です。

宇都隆史自由民主党

○宇都隆史君 ありがとうございました。質問を終わります。

横山信一公明党

○横山信一君 公明党の横山信一でございます。  今日は三人の参考人の方に大変に有益な御助言を賜りましたことに、まずは感謝申し上げます。  そこで、お一人お一人にまず伺ってまいりたいと思いますが、中島参考人には、改めて当委員会の在り方を含めてその意義付けを深めていただいたことにまず感謝申し上げたいと思うんですが、やはり日本の国会というのは予算中心主義だということをよく言われますけれども、決算委員会それから行政監視委員会での議論というのが予算に反映をされていくためには何が必要なのかということをまずお聞きしたいと思います。  それから、郷原参考人についてでありますけれども、コンプライアンスというのは法令遵守ということではなくて社会の要請にこたえるという、ある意味非常に分かりやすい新たな定義をしていただいたわけですが、この社会の要請ということに関して言いますと、多数の意見も少数の意見も様々な要請があるわけでありまして、そのよりどころ、根拠はどうしたらいいのかということをお聞きしたいと思います。  それからもう一点、郷原参考人に、村木事件に関して当委員会でも様々な調査を進めていく中で、検察という組織が公務員として非常に組織に忠実であるということが一つ浮き彫りになったと私はとらえているんですが、組織に忠実であるということは、公務員の、国家公務員の規定で全体の奉仕者というそういう観点とは、彼らは全体の奉仕者のつもりで組織に忠実なのかもしれませんけれども、でも国民の目線からいったときにはこの全体の奉仕者という観点からはずれているというふうにも感じるわけですが、検察の組織の中に全体の奉仕者という職務といいますか、そういう任務をつくり上げていくためにはどういう職場システムが必要なのかということをお聞きしたいと思います。  あと、三人の皆様に、全員にお答えいただきたいのでありますが、この全体の奉仕者という観点で申し上げますと、国民にとっては国家公務員というのはやはり全体の奉仕者、幹部になればなるほど全体の奉仕者という役割を強く求められるものだというふうに思っておりますけれども、一方で、情実人事という言葉に代表されるように、ある一つの所属政党のために働く幹部公務員であるとか、あるいは選挙区の要請に基づいて働いてしまう、そういう人事というのは絶対あってはならないわけですが、こうした情実人事というのを防止をするための制度というのも必要だというふうに思っております。  公明党では、この国家公務員の幹部人事というのは内閣から中立の第三者機関が関与するような、そういう仕組みが必要ではないかというふうに実は主張しておりますけれども、この点についてどう考えるか、御意見をお聞かせいただきたいと思います。

中島忠能元人事院総裁

○参考人(中島忠能君) 行政監視委員会にいたしましても、国会の委員会というものがいろいろ議論をされて一定の結論を得られます。そして、それが各省庁にどのように尊重されるかということは非常に重要なことだと思います。  そこで、私も省庁で仕事をしたことがございますので、委員会で一定の結論を得られたときに附帯決議というのが付けられることがありますね、かなり多いと思います。それで、附帯決議というのは、あれはいい仕組みになっておりまして、附帯決議を決議されますと、必ず所管大臣が今の附帯決議というものを尊重して何とかと、実施してまいりますというようなことを答弁しますね。答弁して、それで可決されるものは可決されて委員会が終わると。  しかし、ここからが私はいつも問題だなと思っておったのは、附帯決議を付けた後、その附帯決議が各省庁でどのように尊重されて実施されたのか、あるいは直すべきところは直されたのかというところをフォローされた方というのは非常に少ないんですよね。附帯決議の後、各大臣が尊重してこれからとにかく何々やりますというふうに答弁しているんですから、皆さん方の方できちんとそれをフォローする気持ちがあれば、その答弁を盾にして、しっかりやってくださいよということが再質問できるはずです、次の機会のときにね。  だから、それをおやりになるというのは余り例がないというところが、各委員会でせっかく議論をして一定の結論を得ても執行機関が一向にそれを尊重しないじゃないかと、こういうふうに皆さん方が思われるのはよく分かりますけれども、その前に、附帯決議を付けた国会議員さん、国会議員さんとしてもう少しそこは振り返って頑張ってくださいと、こういうことでしょうね。それが一つです。  もう一つは、全体の奉仕者性の話が出ましたけれども、全体の奉仕者というのは、結局、戦前の官僚というものを民主的な官僚に変えようじゃないかということで憲法でああいうふうに規定したわけですよ。その全体の奉仕者性というものを実現する役所として人事院というのを設けたわけですね。だから、人事院というと、給与の勧告して、そして公務員の給与、勤務時間を適正にしていくというところばかりが目に付いていますけれども、本当はその機能というのは人事院がスタートした後付け加わった機能なんですよ、給与の機能というのは。ところが、人事院を設けた趣旨というのは、全体の奉仕者性というものをきちんと実現させようじゃないかと、民主的な公務員にしようじゃないかということで人事院を設けたわけですね。  だから、この際、国会議員さんにはよくそこは考えていただきたいんですけれども、民主的な公務員、全ての政党に対して同じ行政サービスする公務員というものをどのようにしてつくり上げるかと、そのためには政治的に中立でなければならない公務員が必要だろうと。したがって、採用するときにも、そして採用後、公務員の身分を持って仕事をしている途中においても、任用、今おっしゃいましたけれども、昇進させるとか降任させるかと、そういうときにも、きちんとした中立機関があって、そしてそれにしっかりした仕事をさせなきゃならないと。退職させるときもそうですよね。だから、そういうのが全てとにかく公正に行われる仕組みというものが確保されて初めて、全体の奉仕者というものができるわけですよ。  採用するときに、公務員に入るときに特定の政党の先生のお世話になって公務員になれば、それは公務員である間その先生の言うことを聞きますよ、それはやっぱり。当然だと思うでしょう。だから、今度、内部で昇進するときも、特定の国会議員さんのお世話になって昇進すれば、今度は自分が権限を握ったときに、その先生が何か困っておられてこういうことをやってくれないかとおっしゃったら、できるだけそれはしようじゃないかという気分になるじゃないですか。それが普通の人間ですよ。だから、そういうことは中立的な立場できちんとした基準を作る、あるいは中立機関そのものが判断すると。そして、その公務員というものを育成するのはやっぱり中立機関でなきゃならない。  田母神さんていましたね、有名な人、あの人の本を読んだらよく分かりますよ。あの人は、やっぱり国家観とか戦争観というものが普通の方と違う国家観、戦争観を持っていますね。あの人は、自分の戦争観、国家観が正しいから、この正しい国家観、戦争観を自衛官の幹部に教えなきゃならないというんで、あの人が統幕学校長をしているときに新たに講座を設けてそれを教えたということを書いてあるじゃないですか、あの本の中に。だから、研修機関、育成機関というものも中立機関がやらなきゃならないんですよ、それは。それは、仮に公明党が政権をお取りになって、公明党に都合のいい講師だけ連れてきて、そしてその考え方を公務員に植え付ければどうなりますか、それは。だから、それは駄目なんだと。やっぱり国民全体のことを考えて仕事をする公務員をつくらなきゃならないんですよ。  今度、公務員法で人事院を廃止して弱体化するというのが出ていますけれども、そこは私から言わせると、もう一度よく考えてくださいよと、こういうふうに言いたいですね、本当に。それでないと憲法の規定が泣きますよ、それは。  私は、それだけ、せっかくの機会ですからお話しさせていただいて、終わります。

郷原信郎名城大学教授総務省顧問

○参考人(郷原信郎君) 社会的要請というのは何なんだということを私もよく聞かれるんですけれども、正解はないと思うんです。社会的要請にこたえているかいないかということ、あるいはこたえているという形容詞の問題ではなくて、社会的要請にこたえていくという姿勢、こたえられる組織をつくっていくという方向性の問題だと思うんですね。そういう面で、社会の変化が激しくなればなるほど社会の要請にこたえられない組織というのを幾つか想定することができる。その典型が、閉鎖的で自己完結的で独立性ということばかり考えてきた検察という組織です。  ですから、結局、逆に言えば、情報公開とか透明性、説明責任、ガバナンスというのは、全てそういう少しでも社会的要請にこたえていこうという組織に必要な属性と考えた方がいいと思うんです。  ですから、御質問になった検察の職場のシステムを社会的要請、そしてその全体の奉仕者という存在になるようにしていくというのは、まさにそういう姿勢がもっと高められていくような組織の在り方を考えていくということだと思いますし、社会の変化を敏感に感じ取れるようなそういうチャンネルをもっともっとつくっていかないといけないと思うんです。  そういう意味では、法務大臣、法務省というのは社会と検察との間のインターフェースとしての機能を果たすべきだということを私も検察の在り方検討会議の中で強調しました。ところが、今でも法務省は検察の属国のようなもので、全然その独自性を持っていないんですね。法務省の在り方を、法務省刑事局が検察に関することを社会の視点で考えていくというような組織になっていくことがまず私は先決なんじゃないかと思っています。  情実人事というのも、当然そういう閉鎖的な組織では極めて目に付きます。私もたくさん、検察の中で仕事をしているときに経験してきました。それはなぜそういうことがまかり通るかというと、その中で行われる業務が客観化されない、客観的な評価というのがほとんど行われないので、どうしてもその人事は情実に流されることになります。  旧来は、検察官の場合、最初に申しましたように主任検察官が、個々の検察官が権限を持っていて、それを上司が指導監督するというシステムになっているんですけど、そのシステムの在り方が単線的なんですね。まさに徒弟制度的で、自分の経験の範囲内でしかその指導監督というものが行われない。検察としての過去の経験知を総合的に活用するということがほとんど行われなかった。そういう方向にもっともっと世の中の変化によっていろんな知恵を活用していかなくちゃいけなくなっているわけですから、検察の業務も、そういう業務の在り方を客観的に評価するというシステムをつくっていかなければ、情実人事がまかり通っている状況も良くならないんじゃないかと思います。  以上です。

三木由希子特定非営利活動法人情報公開クリアリングハウス理事長

○参考人(三木由希子君) 情実人事ということでございますが、郷原参考人、先ほどおっしゃったとおり、やはり客観化の問題って非常に大きいと思っています。情報公開を前提にした行政運営や行政組織の在り方というものが追求されない限りは、中のルールがまかり通るということになるのではないかと思っております。なので、その点はどのような仕組みを入れればというよりは、組織体質をどうやったら改善できるのかというところも十分に検討する必要があるんだろうと思っています。  それから、あと記録の問題に私はどうしてもこだわるところがあるんですが、例えば自治体などですと、議員の方からの働きかけについては記録化すると、で、一定程度公開をしていくというようなルールを図って、要は必要なものであればそれはそれで組織として受け止めて対応していくということだと思いますが、個人や一部の人たちの裁量であったりとか、あるいは個人的な関与や理由で何らか利益を与えるとか、それから場合によっては不利益を与えるというようなことはやはりなるべく排除をする方法となると、やっぱり客観化であり、客観化の方法としてはやはり記録ということになるかと思います。そういう意味では、そういうことも十分に検討に値するのではないかと思っております。

横山信一公明党

○横山信一君 ありがとうございました。

寺田典城みんなの党

○寺田典城君 寺田でございます。よろしくお願いします。  お三方の参考人の方々には大変勉強になりました。今後とも、ひとつよろしくお願いしたいと思います。  私は、端的な言い方かも分かりませんが、日本の情報公開、国自体、中央省庁機関の情報公開の責任のなさが今回の原発の、大きく表しているんじゃないかと。もう少し情報公開がそれこそなされておれば、原発の在り方にも、またほかのことでも変わってきたことはたくさんあるだろうと、私は率直にそう思っています。  私は行政に関与したのが一九九一年、平成三年ですから、地方行政から始めたんですが、びっくりしたのは、何というんですか、その当時は一生懸命口利き政治、利益政治という、地方議会はそういう時代でもあったし、まあ市の職員でも、全体の市民の奉仕者かというと、例えば何々先生とか何々団体の奉仕者みたいな形にもなっておったんで、これをどうやって打破するのかということで考え付いたのは、行き着いたのは、市の情報公開条例を徹底して出すべきだと。とにかく行政というのは、何というんですか、お金で運営されているんですから、全てがそういう情報開示に堪えられるようなことでなければならないということで、平成七年に情報開示条例を出したんですが、一番反対されたのは役人からです。私の部下から反対されました。議会よりもそっちの方なんですね。国の施行は平成十三年ですから、それから六年ぐらいになっているんですが。  それで、役人の悲しさというんですか、習性というか、全体の奉仕者というよりも、ある面では、役場だったら役場に勤めているんですから生涯そこにいなきゃならないという悲しさは大体ありますね。それは、県庁は県庁であります。私は何年であと辞めていくだろうとかということで、忠誠心ってどこにあるかというと、役所にあるんですね。こちらに来ると、やはり県庁時代から、市の時代からもあれなんですが、やはり国の役人というのはどこに忠誠心あるかというと、国民じゃなくて各省庁にあるんですね。これがやっぱり一つの大きな課題じゃないのかなと率直に思います。  もちろん、情報公開には国益に反するものは出せない。市ではプライバシーの問題とか、県はプライバシーの問題以外はほとんど全て、意思決定過程までみんな議会でも何でも出させていただいて、地方議会は点数まで付けられますから、オンブズマンから何か含めて、そういう点では国よりずっとなされているんですが。  それで、お聞きしたいことは、私は、事業仕分というのは法的にはいかがなものかと率直に思います。ただ、情報公開の上では、ああいうふうな情報公開されるということは、国民が政治に参加するというか、国政に参加する一つのあれがありますんで、メリットがありますんで、私は、いろいろ問題があろうとも、私自身、平成十七年に五県の知事たちとそろって事業仕分しました。だけれども、話題に余りならなかったんですが、それがルーツなんでしょうけれども、国でやったことについて、理屈がどうであれ法的に問題があれ、私は何らかの形で第三者的にあれはしていくべきだと思いますんで、お三方の御意見聞きたいと思います。  それから、公務員の在り方ですね。公務員の在り方についても省庁別採用とか今あるんで、私は、その省に属しないというような今方向で行っているんですけれども、最低同じ省に十年しかいないとか半分しかいないとか、何かを縛りを付ける必要があるのかなという形、でなければ省益が先に優先されます。  それから、行政評価局は私は廃止した方がいいと思います。第三者機関みたいな形に持っていった方がいいんじゃないのかな。  この三点についてお聞きしたいんですが、お三方。

中島忠能元人事院総裁

○参考人(中島忠能君) 事業仕分の話ですけれども、おっしゃるように、私も申し上げましたけれども、国民から一番重要なお金の使い方の過程が見えたと、そして、国民が一人一人政治に関心を高く持つようになったというのは非常に良かったなというふうに思います。  ただ、そういうメリットというのはあのやり方の事業仕分でなければできないかというと、そうじゃないと思うんですよ。私は、申し上げたように、予算委員会の分科会を頻繁に開いて、そしてそれをもっと公開すればいいと思うんですよ、公開すれば。議会というのは、国会も地方議会もそうですけれども、やっぱり一般の国民というものとの間に少し垣根を高くし過ぎているんじゃないかと。もう少し一般の国民が国会も地方議会も気楽に傍聴できる、そして傍聴に来た人には国会の審議資料ぐらい差し上げるというようなことをしたらどうですかと思いますよ。  やっぱり、そういうことをすることによって、国民は予算の分科会も見ることができる、そこの議論も聞くことができる。そうすると、事業仕分を見て国民が政治に関心をお持ちになった、また、透明性について高く評価するようになったと言うことができるんじゃないかと。また、決算委員会も同じようにおやりになればいいというふうに思います。まあ、そういうことですかね。

郷原信郎名城大学教授総務省顧問

○参考人(郷原信郎君) まず、仕分についての評価なんですが、私も国民に開かれた場で予算についての議論を行ったということの意味は非常に大きいと思いますし、そういう面では仕分は評価はできると思います。しかし、問題は、何かあたかもそういう予算についての議論をするのがショーのような感じで、何か目立った結論を出すことが目的のような感もしなくはなかった。そうすると、予算の査定の適正さというものについて、どうも本当に十分に練られた議論になっているのかどうか。そういう意味では、むしろきちんとした第三者性を持った調査を国民の視点に基づいて行っていくというようなプロセスの方が重要じゃないかという気もいたします。そういう意味で、メリット、デメリット、両方あるんじゃないかという気がします。  それから、行政評価局は廃止した方がいいんじゃないかという御意見なんですが、私は、総務省で顧問という立場で総務省の業務にかかわるようになって初めて、行政評価局の行っている仕事の中身に触れるようになりました、具体的に。私は非常に重要な行政だと思っております。  例えば、今、本当に当初の構想が全く見込みが外れた結果になってたくさんの人間が路頭に迷いかねないような状況になっているのが、司法制度改革による法曹資格者の大幅な増員という問題です。法科大学院というのは、もうはっきり言って今失敗に終わったと言わざるを得ない状況です。こういう法科大学院制度が行政としてどうなのかということを、今、行政評価局で調査をしています。  これは、今まで司法の世界というのは、先ほど検察について申しましたけれども、外から介入されることを極端に嫌う世界ですから、こういう案件を、こういう問題を行政評価局でやること自体に対してかなり法務省サイドからも大きな反発があったんですが、それを実際にやってみたら非常に関係者からもいろんな意見が集まって、本当に今までの法務省のやってきたこととは違う観点からこの行政を評価しつつあると思いますし、私は、行政評価局の機能はもっともっと高めていくべきではないかと考えております。

三木由希子特定非営利活動法人情報公開クリアリングハウス理事長

○参考人(三木由希子君) まず、事業仕分なんですが、先ほど申し上げましたとおり、情報公開という観点から考えますと、これまでプロセス情報というのは終わらないと出てこないとか終わってみないと分からないというところを、その前から市民に対して公開をしていくという点では非常に意味があったと思っておりますし、手法についてはいろいろ議論はありますけれども、ああいう場は多くの市民が国に対して関心を持つという意味でも非常に重要だったと思っております。  ただ、問題は、あの場がある意味留飲を下げるような場になってしまったりとか、あるいは、先ほども御指摘ありましたけれども、ショーのように面白おかしいような形で受け止められてしまうようなそういう場面が出てきたり、そういうことになっては良くないというふうに思っています。  どのような場であれ、公の場でいろんな議論をされるということはとても良いことだと思うんですけれども、何の目的で、誰がどのような権限で、どこを目指して議論をしているのかというものを広く社会で共有していかないと、結局はその場の目新しいもので終わってしまうということになりかねないというふうに思っています。  そういう意味では、事業仕分そのものだけで何とかするというよりは、ああいうもので出てきた情報や市民の関心をどうやったら実際の実効性までつなげられるのかということを考える次の段階が必要なのではないかというふうに考えています。  それから、行政監察局のことがございましたけれども、私自身は、例えば並立するのか、行政監察局を廃止して新しくつくる方がいいのか分からないんですが、第三者的なオンブズマン制度のようなものというのは必要ではないかというふうに考えています。  たしか、行政監察局は世界のオンブズマン機関が集まる会議にオブザーバーで参加をしているのではないかというふうに思います。ただ、オンブズマンとは似て非なるものだとは思っております。なので、そういう第三者機関のような独立性の高いところで信頼性を確保しながら行政監察をやっていくという必要性は私はあるのではないかと思いますし、そういうことをそろそろ検討するべきなのではないかというふうには考えております。  あと、公務員の在り方ということで御質問があったのではないかというふうに思っておりますけれども、非常に公正性とか中立性というのは言葉で言うと簡単なのですが、どうやって確保するのかということは、それはこうすればこうなるという簡単に答えが出る問題ではないのではないかと思っています。繰り返しになりますが、やはり情報公開を前提にした仕事の在り方ということをきちっと確保していくと。  寺田委員は秋田県知事時代に情報公開に積極的だったということは私も記憶しておりますけれども、情報公開体質で組織運営を行うということは、それは反発も含めてある程度オープンにしていくと、どのようなものが市民にとってより良いのかということもある程度オープンにして議論をしていくということが私は必要なのではないかと。それを当事者の間やクローズの中でやっている限りはなかなかそこの文化は変わっていかないのではないかというふうに考えておりますので、そこでのその情報公開の在り方ということが重要ではないかと考えております。  以上です。

末松信介自由民主党

○委員長(末松信介君) 寺田委員、よろしいですか。

寺田典城みんなの党

○寺田典城君 後でまた。

末松信介自由民主党

○委員長(末松信介君) はい、分かりました。

寺田典城みんなの党

○寺田典城君 どうもありがとうございました。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。  初めに、中島参考人に質問をしたいと思います。  福島第一原発の事故をめぐって異なる意見を排除したことが、原発は安全でなければならないから原発は安全であると変える、言わば安全神話を生んだことにつながってきたんではないかという御指摘、大変共感をいたしました。  私はその反省をこれからに生かさなければならないと思いますが、そこで中島参考人に、これから大事になる事故検証機関の構成にこれをどう生かすべきか、それから、これからの原子力行政、やはり推進機関から独立した規制機関が必要だと思いますが、その構成にそういう反省も生かすべきではないかと、こう感じるんですが、御意見いかがでしょうか。

中島忠能元人事院総裁

○参考人(中島忠能君) 原子力安全委員会に関してちょっと触れさせていただきましたけれども、やはり現在の専門家というか学者の中にも、原子力安全委員会と安全・保安院を合併させてということを言っておられる方もいらっしゃいます。したがいまして、推進機関とは別にそういう強力な機関をつくってそしてきちっとしたチェックをさせるということが学界の中でも議論されているんじゃないかというふうに私は新聞を読んで感じたんですけれども、やはりそういう視点というものは必要だろうと。  そして、機関をつくってそれで満足するんやなしに、そこの人的構成というんですかね、それが非常に重要だということを私も十五分の間に述べましたけれども、やっぱりそこに、国民の安全、安心というものが一番重要な価値なんだと、実現すべき価値なんだという思想を持った方がそういうところで仕事をなさる、仕事をしていただくような人事をしていただくということを是非ともお願いしたいと思いますね。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 そういう点でいいますと、これまで排除されていた方々の中にも、立場は違ってもやはり安全第一のために専門的知識を生かしたいと考えておられる方はたくさんいると思うんですが、そういう方もしっかりと力を発揮していただくことが大事ではないかと思うんですが、その点いかがでしょうか。

中島忠能元人事院総裁

○参考人(中島忠能君) 私もちょっと十五分の間に述べましたけれども、いわゆるジャーナリズムの言葉を使いますと原子力村と、その原子力村の外におる方でも、ただ反対と言うている人もいますけれども、それ以外の方の中には、集中立地というものをもう少し考え直そうじゃないかとか、あるいは規模を、出力をもう少し小さくしようじゃないかというふうなことを言われた方もいらっしゃるんですよね。  だから、推進というものを一生懸命なさった方が排除した中にも、議論を重ねていけば原子力の、原発の安全性というものに非常に有益な意見を持っておられた方がいるけれども、そういうことが排除されてしまったというのがやっぱりこの原子力発電を造る過程全体を見た場合に不幸だったなという感じはしますね。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 続いて中島参考人に質問いたします。  昨年の二月、当委員会に来ていただきまして意見陳述をされた中で、公務員は憲法で規定されているように全体の奉仕者であって公正な行政執行が期待されています、そのためには公務員は政治的に中立で身分保障も必要ですと、こうお述べになられました。  先ほどの質問にも少し関係するかもしれませんが、全体の奉仕者であることと身分保障の関係性についてより詳しく御説明いただければと思います。

中島忠能元人事院総裁

○参考人(中島忠能君) 全体の奉仕者ということで仕事をしておりますと、やはり時には、私なんか地方で仕事をした経験もございますけれども、その仕えておる首長さんに反対する方もやっぱり役所に出入りされるわけですね。そして、役所に出入りされるけれども、言っておられること、陳情なさること、主張されることがもっともだと、こう思うことがあるんですよ。で、思わないこともある。そういう方もいらっしゃるし、いわゆるその市町村の有力者というものがおいでになっていろいろなことをおっしゃると。しかし、筋が通っていないからお断りするということがございますね。  そのときに、特定の政治的な主張を持っておられる、特定の党派に属しておる、だからイエスだ、ノーだということではなくして、やっぱりきちんとした物の考え方をした結果お断りするというときに、たまには、お断りしたときに相手の方が、何だ、おまえは、けしからぬと、もう次にとにかくおまえは飛ばしてやるということを言われる方もいらっしゃるわけですね。そういうときに、やっぱり法律に書いてある事項以外では不利益処分を受けないということが身分保障なんですよ。  だから、その身分保障というものがあって、そしてその身分保障をきちんとバックアップする機関があって初めて、全体の奉仕者というのがやっぱり貫徹できるというふうに思いますね。だから、そこは一連の制度の仕組みとしてきちんとつくっておく必要があるだろうというふうに思います。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 ありがとうございました。  関連して、分限免職という制度がありますけれども、この要件についてどのようにお考えでしょうか。

中島忠能元人事院総裁

○参考人(中島忠能君) 分限免職の分限事由というのは法律に書いてございますね。  やっぱり、どういう場合に職員の身分を喪失させてもいいかということは、国民の代表が国会で、議会でお決めになると、それで初めて職員としての身分が失われることになるんだと。それ以外の理由で職員の身分を失うようなことはあってはならないということで、分限というのが非常に重要だと。  ただ、そういうふうな物の考え方があって、個々具体のケースによっては判定というものが必要になることがあるんですよね、事実というものが複雑な場合がありますから。そのときに分限委員会というのをつくって、分限権者とは別にその分限委員会がそういう下調べをするという、そういうシステムがあった方が適正な分限処分ができるでしょうね。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 最後に、三木参考人と、時間があれば中島参考人にも意見を伺いたいと思うんですが、日本共産党は、この行政監視委員会ができるまでの前調査会のときに、やはり行政監視のシステムの在り方の一つの提案として、行政監視院を国会の附属機関として置く提案をいたしました。  両院に、衆議院、参議院の下に行政監視院、ハウスを置いて、そのメンバーとして行政監視員を何人か、数人配置すると。そして、調査、監視を国会の任命する監視員が行って、結果を国会に報告させて、行政の過誤、公務員の不正行為などを防止し、公正で民主的な行政の運営を確保することを目的としたいということで提案したんですが、その際、その監視員、メンバーには、情報公開法に定める開示しないことができる行政情報であっても、必要ある場合は一定の条件の下で提出を求めることができる権限、あるいは議院証言法を準用して、証言拒否や偽証等のあった場合には、これは両議院、ハウスの議運の承認を得た上でこれを告発するという権限など強力な権限も与えて、国民の請願権に基づく、などでそういう調査ができるようにする、それを国会に報告すると。  これは非常に大事な機能になるのではないかと思っていたんですが、御意見があれば伺いたいと思います。

三木由希子特定非営利活動法人情報公開クリアリングハウス理事長

○参考人(三木由希子君) 今の御指摘は非常に重要だというふうに思っております。  国会に置くかどうかということ以上に、どのような権限を持つかということが一番重要ではないかと思います。調査権限がないという状況と、それからそれを実行させる権限がないということですと、何のために監視、監査をしたのかということの到達目標や意味というのが非常に分かりにくくなってしまうと。  それからあと、情報へのアクセスというのは非常に重要だと思っています。前提としては、やはり記録がちゃんと残されているということが何においても重要でありますけれども、情報公開制度などでは運用レベルで、例えば行政機関がないと言っているものに対してあるだろうということが不服申立ての争いになった場合に、情報公開・個人情報審査会の事務局が過去に何度か一応現地まで行って調査をするというようなこともやったり、そういう意味では、実際に職務を行っている現場に行って記録にアクセスをするということも含めて、何を出すかというところまで行政機関の判断や裁量に委ねるのではなくて、その権限を持つ人間がちゃんとその仕事をやっている現場に行って情報にアクセスするということ、それも不開示情報も含めてアクセスをするということは非常に重要だと思いますし、それは国民に代わってそれを行うということは何よりも重要だと思います。  というのは、国民がそこまでできないということが端的な限界でありまして、それを誰がやるのかというところで、先ほど委員がおっしゃったような方法も一つの方法ではないかというふうに思います。

山下芳生日本共産党

○山下芳生君 ありがとうございました。

中山恭子たちあがれ日本・新党改革

○中山恭子君 たちあがれ日本・新党改革の中山でございます。  今日は、非常に貴重な御意見、三人の参考人の方から伺いまして、ありがとうございました。  時間の都合で、中島参考人と郷原参考人にお伺いいたします。  中島参考人は、事業仕分についてお話がありました。この事業仕分といいますか、行政刷新会議、事業仕分チーム、この二つの組織は全くその根拠法を持っておりません。内閣府設置法第四十条は、特別な機関の設置は法律の定めるところによると規定していますが、行政刷新会議は閣議決定により設置されたものでありまして、法律での定め、つまり国会の手続というものを無視した形で立ち上がったものでございます。そういった意味で、ある意味では憲法上も疑義のあるやり方を内閣が取ったということであると考えておりまして、私も、中島参考人がおっしゃるように、国会で予算成立前にしっかりとした審議をすべきであると考えております。全て国会でできるのかどうか、チームをつくるなりして、予算委員会だけではなくて、やはりおっしゃるようなチームをつくって連日審議をするという必要が出てくるのではないかと思っております。  ただ、おっしゃられた、会計検査院の組織、機能を国会に設置し所掌させるということについて触れていらっしゃいますが、会計検査院は、人事院もそうかもしれませんが、憲法に定められた組織で、憲法改正しない限り国会への移管というのはできないのではないかと考えますが、いかがでしょうか。  もう一点、中島参考人の御意見を伺いたいことがございます。これは朝日新聞の記事でございますけれども、復興財源を確保するために菅政権とそれから公務員労働組合連絡会が国家公務員給与の削減幅について合意したという記事がございました。公務員給与を組合との交渉によって決定するということについてどのようにお考えでいらっしゃるか伺いたいと思っております。  公務員は、何度も話に出ておりますとおり、全体の奉仕者であるということで争議行為等が禁止されております。憲法上保障されたこれらの権利、基本権を制約することの担保として人事院が置かれ、給与を始め勤務条件等の改善について人事院が勧告することとなっております。ところが、今回のこの公務員給与の減額について、現政権は人事院の勧告を待たずに労働組合との交渉でそれを実現しようとしていると見られます。  人事院勧告によらない手続というのは法律に定める手続を欠いたもので違法であると考えますが、こういったことがなされ得るのでしょうか。もっと言えば、今回の措置というのは不利益処分になりますので、法律違反であると考えますし、場合によっては違法を無効として公務員が不服申立てをすることができる、そんな可能性も残るのではないかという心配がありますが、どのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思っております。  それからもう一点、郷原参考人にお伺いいたします。  コンプライアンスの問題、まさに現制度が社会の要請に適応すること、これはもう常時それぞれの機関が努力していかなければいけない問題だと考えております。もう本当に、私事かもしれませんが、もう二十年も前になりますが、成田税関に勤務しておりましたときに、税関検査ですね、そういったことを行うときに、やはり現場の者が、ちょっと変じゃないかとか、これは変えるべきじゃないかというようなことを感ずることとか考えること、非常に不都合なこと、検査される側にとっても、そういったされる側の方々からの意見も入れまして、それを省令改正とか政令とか法改正につなげていくという作業をずっとしておりました。  そういう形で組織そのものが変わっていくということが、それぞれの組織が可能であり思っていることで、そうならないといけないと思っておりますが、検察庁も本来の姿を自ら取り戻してもらいたい。例えば、筋書ありきの特捜部のやり方というようなものはもうゼロにして、改めてしっかりした検察というものを行ってもらう、そういう組織に脱皮してもらいたいと心から思っております。  人事についてもそうですね。先ほど情実人事があると言いましたが、もっと若いときから検察官をいろんなところに出して、幅広い考えを持った検察官というものを養成していくなり、自ら変わっていってほしいという、そんな思いがございますが、今日は検察庁と国会との関係についてお伺いしたいと思っております。  国会は国政調査権を持っています。全ての事柄について調査できると考えられますが、やはりそこにはおのずと制限があると考えています。検察官は刑事について公訴を行うという任務を持っており、いかなる犯罪についても捜査をできる、国会議員の犯罪についても捜査できることになっております。  これまでにも検察は政財官界に潜む巨大な違法案件を検挙、摘発してきました。捜査する側される側ということで、国会と検察庁との対立関係というのはある意味では深刻なものがあるというか、そういう関係に陥りやすいと見ております。この対立関係というのは個々の国会議員と検察官との関係にとどまらず、検察庁対国会議員を守り支援するグループとの対立関係に広がる可能性も高いと考えております。  そういった意味で、検察庁の組織が、これは行政府の中にありますけれども、憲法七十七条第二項で、検察官は、訴訟・司法事務処理について、最高裁判所の定める規則に従わなければならないと規定されておりますとおり、準司法機関であると、その性格を持っています。そういった意味で独立性が担保されるべきものであると考えておりまして、国会の調査権との関係について郷原参考人はどのようにお考えでいらっしゃるか、伺いたいと思っております。  私自身は、行政監視委員会としてやはりある程度の自制をして、法務省からの説明聴取、質疑にとどめるのがよいのではないかと考えておりますが、いかがでしょうか。お二方の御意見をお伺いいたします。

中島忠能元人事院総裁

○参考人(中島忠能君) まず、会計検査院というのを国会に附置することが無理じゃないかというお話がございました。  私も、本日出席させていただくに当たりまして、そういう意識を持って憲法を読んでみました。憲法の九十条ですね、憲法の九十条を読みますと、もしかしたら危ないかも分からぬなという気がしたんです。  それはなぜかというと、会計検査院が報告書を内閣に出す、その報告書を内閣を通じて国会が受け取るという、こういう仕組みになっていますから、国会の下に会計検査院を置くことは九十条からいってひょっとしたら無理かも分からぬなと思いまして、憲法制定当初の資料を読んでみました。読んでみましたところが、内閣からの独立ということについては非常に詳細に書いてあるわけですね。けれども、国会との関係については一言も触れていないんですよ、どの解説書を読んでも。だから、九十条でちょっと無理かなと思って読んだんですけれども、まあ無理というふうにあえて結論付けなくてもいいんかなというのが今の私の正直なところの考え方です。  それから、公務員の給与カットの話です。これは、人事院の勧告に基づかずに給与を上げたり下げたりするというのは法律違反ではないだろうかというお話でございます。今までも、人事院の勧告はあっても、それと異なる決定をされて国会で議決されたこともございますので、今回の場合も、直ちにこれが違法だということにはやっぱりならないんじゃないかというふうに思います。  ただ、先生、閣議で決めても国会で議決しない限りはカットされないんですよね。閣議はそういう閣議で決定したけれども、給与をカットするというのは給与法を改正しなきゃ駄目なんですよ。だから国会が決定するんです、最終的には。だから、その限りにおいて、違法であるかとおっしゃいましたけれども、それは違法性の問題も出てこないし不利益処分という話も出てこないというふうに思います。だから、そこは、憲法の八十三条のやっぱり財政民主主義の考え方からいいまして、最終的にやっぱり国会が全ての権限をお持ちになっておるから国会でお決めになるという、そういうことでございます。  以上でございます。

郷原信郎名城大学教授総務省顧問

○参考人(郷原信郎君) まず第一点の国政調査権と検察の関係ですが、国政調査権との関係に限らず、検察はこれまで刑訴法四十七条に基づいて、公判開廷前は訴訟記録は非公開だということを根拠にして、基本的に訴訟に、刑事事件に関する情報はほとんど開示してきませんでした。  そこに、刑事事件の処分というのは、検察が独立して周りから介入、干渉されることなく権限を行使することが全て善だという考え方があったわけですけれども、ところが、それが先ほども申しましたように社会への適合ということを考えていかなければいけない時代になると、検察も一般的な方針として情報開示がどこまで必要なのか、どこまでであれば許されるのかということを考えていかなくちゃいけないと思いますし、まさにそういう枠組みづくりは、検察庁だけではなくて、その検察庁を含む法務省の組織がもっと積極的にそういう検討を行っていかなければいけないんじゃないかと思います。それが、本来、そういった制度的な問題、一般的な取扱いの問題をきちんと検討して対応していくのが法務大臣の指揮権、検察庁法十四条の問題だと思うんですが、ほとんどそこが機能していないところに問題があるんじゃないかという感じがいたします。  それから、その中で、特に国会と検察との間の対立関係というのは非常に国にとっても社会にとっても微妙な問題を生じさせます。その問題に対する解決の糸口や方向性は、やはりメディアが中立的かつ客観的な立場から、検察と国会、政治に対して、両方に対する監視機能を果たしていくことが必要なのではないかと思います。それが今ほとんど、何か事件があると検察とメディアが一体化してしまうということによって、御指摘のような国会と検察の対立関係がどうもおかしな方向に向かっていくという現状につながっているんじゃないかと思います。

中山恭子たちあがれ日本・新党改革

○中山恭子君 ありがとうございました。  私自身、長い間、行政の世界におりました。当時は自民党、与党というのがありましたが、自分で仕事をしながら自民党のために仕事をしているなどと思ったことは一度もありませんでした。国のために少しでも役に立てればという思いで仕事をしてまいりました。  全ての奉仕者という思いで仕事をしている公務員も非常に多いと考えておりますので、この行政監視委員会が、何というんでしょう、行政を全てたたいて潰してしまうということではなくて、より良い行政組織、より良い行政が仕事をできるようなそういう形で、方向付けで動いていただけたら有り難いことだと思っております。  ありがとうございました。

末松信介自由民主党

○委員長(末松信介君) ありがとうございました。  これより自由質疑を行います。  質疑の時間が限られておりますので、委員一回の御発言は三分程度となるように御協力をお願いいたします。  それでは、質疑のある方、挙手をお願いいたします。  じゃ、風間理事、先に。

風間直樹民主党・新緑風会

○風間直樹君 遠慮していたんですが、ほかの先生方、手を挙げられていらっしゃらないので、一問、郷原委員に伺いたいと思います。  郷原参考人は、検察に関して、法務省は検察の属国的存在になっているというふうに文書に書いていらっしゃいますが、これ具体的にどういうことなのか、教えていただければ有り難いと思います。

郷原信郎名城大学教授総務省顧問

○参考人(郷原信郎君) 法務省という行政組織と検察という行政組織の関係というのは、法的には非常に曖昧で、そこははっきりしないところなんですが、現実には検察の幹部が法務省の主要な幹部ポストを占めているという、まず人事の面で事実上法務省が検察の属国化しているというのが現状だと思います。  それから、実際にそういう人事の現状にありますので、法務省が検察に対して何か公式にチェック機能が果たせているかというと、私はほとんど、余り十分に機能しているとは言えないのではないか。むしろ、個別の事件の処分とか捜査に対して直接介入するのではなくて、法務省は様々なカテゴリーの事件の一般的な処分の方針とか、あるいは捜査のシステムとか、そういったものを適正化していくためにもっともっとその役割を果たすべきだと思うんですが、結局何か、法務省と検察の関係が何か検察の方が人事面からしても上のような感じがあって、実際には余りそういうチェック機能とか指導監督機能が果たせていないというのが現状じゃないかと思います。それが私が思うところの法務省の属国化、検察の属国化ということです。

風間直樹民主党・新緑風会

○風間直樹君 先般、他の委員の質疑にもありましたけれども、最高検察庁に我々出向きまして、検事総長と意見交換をしました。多くの委員から、総長が国会の場にいらっしゃって、そして村木事件から検察という組織をどう立て直すのか、その考え、主張を明確にされるべきだと、こういう話が出たわけでありますが、総長は、国会に出るか否かは自分で判断するところではないと、こうおっしゃったわけであります。その後、私、この質疑のときに法務省の副大臣に、じゃ誰が決定権者なのかと聞きましたら、それは法務大臣であると、こういう至極当然な答弁が返ってまいりました。  ただ、どうも、法務省と検察庁の様々なやり取りを我々仄聞していますと、何かこう、どっちが上なのか、意思決定の主体がどっちにあるのか、いま一つぼんやりしてよく分からないんです。  郷原参考人、今回のような、村木事件のようなケースでは、私は、法務大臣が検事総長に指示をして、国会の場に出て明確に答弁をしろと、説明をしろと、こうおっしゃるべきだと思うんですが、その点につきまして御意見を伺えれば幸いです。

郷原信郎名城大学教授総務省顧問

○参考人(郷原信郎君) 私は、最近出した著書の中でも、法務省、とりわけ法務大臣と検察との関係というのは、日常的には余り事細かく法務大臣が個別の事件の問題について口を出すべきではないとしても、検察の組織自体にかかわるような重大な問題が発生したときには、まさにクライシスマネジメントが求められるような場合には、法務大臣がリーダーシップを発揮していろんな対応を自ら判断して行わなければいけないのではないかという考え方を述べています。  ただ、残念ながら、今、先ほどから申し上げているような検察と法務省との関係が属国というよりも、かなり一体的な関係ですから、その中で法務大臣だけが孤立してしまうんですね。ですから、法務大臣が独自の法務大臣としての判断をするためのスタッフも十分にいない。ですから、結局、法務大臣の判断というのは検察と法務省の幹部の考え方に流されてしまうことになるということで、都合のいいときには法務大臣が最終的に権限を持っているから決めるという答え方をするのかもしれませんが、実質的には法務・検察サイドで対応を決めてしまうということになってしまっているんではないかと。そういう意味では、法務大臣が重大な局面においては適切なリーダーシップが発揮できるような独自のスタッフを持つなり、逆に人事面で法務省が独自のキャリアシステムというのをつくって、検察とはある程度距離を置いた官庁になっていくというようなことを考えていく必要があるんじゃないかと。  そういう面から考えますと、今回の問題について、検事総長がストレートに答えることが適切なのかどうかということはちょっと私も微妙な問題だと思うんですが、少なくともその点について法務大臣が独立して適切な判断が示せるようにすることが重要じゃないかと考えております。

風間直樹民主党・新緑風会

○風間直樹君 ありがとうございます。

末松信介自由民主党

○委員長(末松信介君) 武内則男委員。

武内則男民主党・新緑風会

○武内則男君 民主党の武内則男です。  郷原参考人にお伺いをしたいというふうに思います。  私は、取調べの可視化、もう全面可視化は当然だというふうに思っています。任意で取調べをし、そして中心へ進んでいく、その中心が、言ってもないこと、あるいはしてもないこと、事実に反することが既に取調べの段階でストーリーとして作り上げられている。それを黙秘したりあるいは否定をするということは相当の精神力がなければできません。そうした捜査の方法そのものを私は追及するつもりはありませんが、少なくとも証拠に基づいて、しっかりとした事実に基づいて司法の場に行けるのであれば、私はその取調べにおける可視化というのは絶対に必要だというふうに思っておりますが、参考人の御見解と、もし全面可視化をするということになったときの、元検事というお立場から、障害となるべきことについてお聞かせ願えたらと思います。

郷原信郎名城大学教授総務省顧問

○参考人(郷原信郎君) 私も、取調べは全面可視化をしていくべきだと思います。  しかし、全ての刑事事件を直ちに今全面可視化した場合に、その一部において刑事司法機関全体として国民の期待に沿えなくなるような面もあるんじゃないかという警察、検察からの反論の中で、やはり一応そこも考えておかなくちゃいけない問題として、例えば殺人事件。非常に悲惨な幼女殺人事件のような事件の場合に、今まで、取調べによって自白を引き出すことによって、そしてその自白の正しさが、例えば死体がその指示どおりに発見されるということで真実性が裏付けられて解決されてきた事件もあります。それが、ある程度そういう事実解明機能が低下するということは、短期的には致し方ない面はあるかもしれません。それを覚悟した上で、しかし不当な手続によって、不当な取調べによって人権が侵害される、そして誤ったストーリーの調書が取られるということを防止するためには必要だということ、そういったことも必要だというコンセンサスがまず必要なんじゃないかと思います。  その一方で、そういう一般的な刑事事件、誰が考えても犯罪で、絶対この世の中で許すことができないというような犯罪とは別に、特捜検察が特捜検察の目的で行う捜査というのは別の問題があります。  特捜検察の場合には、やはり特捜の組織の論理というのがあって、その組織の論理の中で事件をピックアップして捜査の対象にし、そしてそれを立件して起訴していく、そしてそれが世の中に対していろいろ称賛されることによって検察の威信が保てるという、何かその特捜検察という組織の中で完結した目的というのがあります。そういったところの中で、調書さえ取ってしまえば自分たちの捜査の目的は達せられるんだと、最終的には有罪に持っていけるんだという考え方が加わると、もうそれは周りからなかなかチェックしようにもできないという存在になってしまいます。  ですから、私は、少なくとも特捜検察における、検察が独自に立件して起訴して捜査するというやり方の捜査における取調べの可視化は先行して徹底して実施すべきだというふうに思っていたんですが、残念ながら、検察の在り方検討会議などの議論もどうもそこの区別が十分に行われないまま、取調べの可視化全体がその次の場の検討に委ねられるということになってしまったのは、私としても非常に残念なところだと考えております。

武内則男民主党・新緑風会

○武内則男君 ありがとうございます。

末松信介自由民主党

○委員長(末松信介君) じゃ、寺田典城委員。

寺田典城みんなの党

○寺田典城君 済みません、また寺田でございますけれども。  中島参考人に一つお聞きしたいんですが、私は、行政評価局は要するに廃止すべきだと。役人が役人を、何というんですか、評価するとか監察するというのは根本的に理屈に合わないという考え方なんですよ。  例えば、私たちはよく、会計検査院法の第二十条にもあるんですが、経理を監督し、それこそ是正を図るとかという目的で会計検査なされます。その中で、総務省の行政評価局が実施する意義、積極的な意義とか検査院が行う会計検査と比べたときの比較優位性、これどうお考えになっていらっしゃるか、その辺、どうですか。  私たちは、会計検査院が来ますというと、これは適正であるかないかということを非常に地方では、各省庁だってそう思うと思うんですが。ですから、第三者機関のあるべき姿というのは私はこれからは持っていくべきだと思うんですね、何ぼ情報公開が進んでおっても。  例えば事業仕分もいろいろ問題あると思うんですが、困ったのは役人だと思うので、公開されて。それと、出てきたのは、私も事業仕分実際された方なんですが、やはり執行部と議会との弱さというか、もう少し分かっていればこういうこと予算付けなかったよね、こういうことできたよねという他人の、そういう国民参加の目線が見られるということ。  ですから、要するに行政というのは全て国民の税金で賄われるんですから、やはり役人が役人をチェックするんだったらよそからの形の方が、私はこれは総務委員会でも取り上げようと思うんですが。そういうことで、中島さん、ひとつ考えていらっしゃること。参考人。ごめんなさい。

中島忠能元人事院総裁

○参考人(中島忠能君) 役人が役人を監察する、評価するというのは限界があるだろうというお話でございましたですね。当たっているんじゃないですかね。私が申し上げましたように、同格なんですよ、同格なんです。多くの場合は、監察される、評価される方が評価される事業内容について詳しいんですよ。監察する、評価する側というのは、その実務の経験がない方が大半なんですよね。だからそれは限界がありますね。  だから、私が申し上げたように、まず同格やなしに、一段高い行政監視委員会なら行政監視委員会がおやりになる。そして、その補助機関として評価局が国会に移って、そして行政監視委員会の指揮監督の下に監察をする、評価をするというのは、やっぱり今よりは良くなるだろうというふうに思いますね。それは、まあ恐らくかなりの人がそう考えるんじゃないですかね。

寺田典城みんなの党

○寺田典城君 どうもありがとうございました。

末松信介自由民主党

○委員長(末松信介君) 他に何か御発言ございませんですか。──質問がないようでございます。予定の時間が参りましたので、本日の質疑はこの程度にとどめさせていただきます。  本日は、三人の参考人の皆様方には、お忙しい中、当委員会に御出席をいただきまして、本当にありがとうございました。大変有益な貴重な御意見をいただきまして、感謝をいたしております。  自分なりにメモしましたんですけれども、中島参考人からは、事業仕分をより効率化するには既存の行政組織を国会に移すこと、これも一つの方法ではないかという御提言をいただきました。原発の事故の原因につきましては、社会組織という観点から見ていろんな御意見も賜ったところであります。人事院はできたら残してほしいという本音もちょっと出たような感じも受けております。  郷原先生からは、組織とコンプライアンスということで、組織の不祥事は社会の変化に適応していないというところから、検察は社会の変化に適応していないところに検察の特殊性があるというお話をちょうだいしました。それに対して行政監視がどうかかわりを持つかという宇都先生からも御指摘あったんですけれども、この話の重要性を感じたところであります。幅広い知識でもって幅広い問題解決の糸口をちょうだいしたと思います。ただ、行政評価局は総務省においては活躍をされておられると、法科大学院の話を聞きまして、そういう御見解かなということを承りました。  三木参考人からは、とにかく公開される情報と必要とされる情報はどんどん変わっていくというお話をいただきまして、原発事故についての情報というのは非常に透明性が低いと、公開度が低いと、信頼性も低いと。特にこの原発事故について、市民は何が分かって何が分かっていないかということが分からないという、自分たちの生活が守られているという実感は低いという話でありまして、誰が監視して改善してくれるか、信頼性の高い対応を求めるという御意見であったかと思います。  しっかりと三人の参考人の先生方の御意見をちょうだいしまして、今後、委員会でまた参考にさせていただきたいと思います。  どうも本当に今日はありがとうございました。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十七分散会

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