決算委員会 第5号
- 発言数
- 233 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2011/05/16
会議録
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十三日までに、竹谷とし子君、渡辺猛之君、岡田広君、岩井茂樹君、藤末健三君、柴田巧君及び大久保勉君が委員を辞任され、その補欠として秋野公造君、青木一彦君、熊谷大君、若林健太君、那谷屋正義君、桜内文城君及び徳永エリ君が選任されました。 ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) 平成二十一年度決算外二件を議題といたします。 本日は、国会、会計検査院、法務省、警察庁及び裁判所の決算について審査を行います。 ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(鶴保庸介君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○前川清成君 民主党の前川清成でございます。(拍手)久しぶりに拍手もしていただきまして、ありがとうございます。 今日は、前半部分は法科大学院の問題を中心に議論をさせていただきたいと思っているんですが、二〇〇一年に司法制度改革審議会の最終意見書が提出されました。これに基づいて、例えば二〇〇九年の五月からは裁判員制度というのがスタートをいたしましたし、検察審査会法というのが改正されまして、強制起訴という制度も動き始めています。また、弁護士や裁判官、検察官、いわゆる法曹を養成する仕組みも大きく変わりました。私などはラジカルな変化だというふうにも思っています。 私事で恐縮ですが、私は今から二十四年前、昭和六十二年に司法試験に通りました。四十二期です。そのときの合格者数が四百八十九人でした。多分、江田大臣のころもあるいはこの後質問に立たれる松野さんのころも五百人ぐらいの合格者であったと思います。それが現在では二千人。司法制度改革審議会の最終意見書どおりであれば、二〇一〇年ごろ、もう既に過ぎておるんですが、三千人と一挙に六倍に増やすことになっています。 他方で、五百人の時代は、司法試験を受けるのに何の資格も何の学歴も要りませんでした。ですから、例えばあの大平光代さんという方は、中学校のときにいじめられた、自殺も試みた、高校へ進学することができなかった、暴力団の組長と結婚もした。しかし、もう一度やり直そうということで司法試験に挑戦し、弁護士になることもできましたが、現在では大平光代さんのような再チャレンジは許されない仕組みになっています。 なぜならば、大学を卒業した後、更に二年ないし三年法科大学院に進学しなければ原則として司法試験の受験資格が与えられない。しかも、法科大学院はただでは行けません。国立大学でも初年度百万円、私立大学では二百万円以上というような納付金を払わなければなりません。この学費を二年ないし三年払ってようやく受験資格が与えられるというふうに改正してしまったことは、私は、志は持っているけれどもお金のない若者たちからチャンスを奪ってしまった、この点は問題ではないかと思っています。 その点で、まず最初に、櫻井財務副大臣、今日お越しいただいておりますのでお尋ねをしたいんですが、二〇〇四年に裁判所法が改正されました。これは、当時与党だった自民党、公明党はもちろん、野党だった私たち民主党も賛成をいたしました。五年間の猶予期間が過ぎて去年の秋から、司法修習生に対する給与の支給、つまり給費制が廃止されて、代わりに給与と同額程度が貸与される貸与制がスタートすることになっていました。ところが、法律の施行期日後に議員立法で改正されまして、貸与制の施行が一年延長されました。これはどのような経緯だったのか、財務省として御存じのところを副大臣にお答えいただきたいと思います。
○副大臣(櫻井充君) 前川委員にお答えいたします。 これ、本来であれば、財務省にお問合せの件ではなくて法務省にお伺いしていただくべき件ではないのかというふうに思っておりますが、これはあくまで議員立法で出されたものでして、本来であれば、党側の規則では、関係省庁との連絡を取る、若しくは協議を行うという経過を経るはずですが、三党で合意されるまで我々の方に何ら問合せはなかったということでございます。ですから、我々はどういう経緯でそのようなことが決定されたのかについては承知していないということでございます。 以上です。
○前川清成君 私は、司法修習生に給料を支払って、その分一生懸命勉強してもらう、で、法曹になった後に公益に尽くすことでお返しをしてもらうと、これまでの給費制という仕組みは大変良かったと、そう思っています。 あるいは、私も二十三年前に月十五万円の給料をもらいました。この十五万円のお金は、その後弁護士として受け取った百万円の着手金よりも、五百万円の報酬金よりもはるかに有り難かった、そう思っています。 しかし、去年、日弁連などが繰り返したように、貸与制になってしまったら、金持ちの子供しか弁護士になれないというのは本当かと。法科大学院の学費が法外に高い、後で議論をいたしますけれども、合格率も低い、金は掛かるけれどもどうなるか分からない。その結果、金持ちの子供でしか法科大学院に行けないし、したがって金持ちの子供でしか司法試験の受験資格が与えられない現実を放置したまま、法科大学院に進学することができた、司法試験に合格することもできた、その言わば恵まれた立場の者たちの生活費、これを貸与制か給費制かと切り取って議論することは、私は物事の本質を見ていないのではないかと、そう考えています。 この秋、給費制を維持するか貸与制を実施するか最終結論を出すべきときがやってきます。その際に、是非、物事の本質、つまりは法曹になりたい、しかしお金がない、そんな若者にとって何が必要か、限られた財源の中で、財政状況が厳しい中で何に優先して税金を使うのか、大きな議論を是非財務副大臣にお願いしたいと思っていますが、いかがでしょうか。
○副大臣(櫻井充君) 前川議員の問題意識というのは、私は本当に的を得ている、すばらしいことだと思っております。 そのことに関しまして、現在、法務省、それから文部科学省、それから財務省などが中心になりまして法曹養成フォーラムをつくらせていただきました。夏までに法科大学院等も含めてある程度の方向性を出させていただきたいと、そう考えているところでございます。
○前川清成君 それでしたら、またその議論の中身についてもどこかでお尋ねをさせていただきたいと思います。 法科大学院のことに少し入っていきたいんですが、どうして法科大学院を設立したか。これは司法制度改革審議会の最終意見書等に書かれているんですが、一方では司法試験の合格者を従前の六倍にまで増やすと。合格者を増やすんですから、当然の結果として合格水準は落ちてしまうと。しかし、合格者を増やしても合格水準を落とさない、レベルを落とさない仕組みが法科大学院であったはずです。しかし、法科大学院が当初のもくろみどおりの教育効果を果たしているのか、この点についてまずは文科省にお尋ねをしたいと思います。
○大臣政務官(笠浩史君) 前川委員にお答えをいたします。 今御指摘のように、この法科大学院については、一つは量といいますか数を増やしていくということと、もう一点、質をしっかりと確保していく。今恐らくこの質についての御質問かと思いますけれども、二十一世紀の司法を担うにふさわしい質の法曹を確保する観点から、司法試験という点のみによる選抜ではなくて、法学教育あるいは司法試験、司法修習を有機的に連携をさせたプロセスを重視した新たな法曹養成の中核的な機関としてこの法科大学院が設置されたものでございます。 今、文科省としても、その質をしっかりと担保するように、そして優れた法曹を輩出するように努力をしておるところでございますけれども、この評価については、今、一定の法科大学院を修了した司法修習生の素質あるいは能力も、司法修習生の指導に携わる関係者からは、全般的に従来に比べて遜色はないけれども、特に自発的、積極的な学習意欲が高いこと、さらにはコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力に優れていること等々の評価が行われているところでございます。
○前川清成君 笠政務官のせっかくの御答弁ではありますけれども、私は、法科大学院が当初予定したあるいは理想としていた教育効果を上げていないことはもはや誰の目から見ても明らかではないかと、そう思っています。そのことは、まず数字でお示しをいたしたいと思います。 一つは、司法試験の合格率です。この司法制度改革審議会の最終意見書によりますと、法科大学院卒業生の七、八割が司法試験に合格することになっています。この設定自体、私は大変甘過ぎたと思いますし、法曹を利用する国民の側を考えていなかったと思うんですが、いずれにせよ、当初の制度設計は合格率が七、八割。しかし、実際、現在は二五・四%しかありません。 法科大学院が全国に七十四校あります。その中で、去年の成績ですが、鹿児島大学や姫路獨協大学は合格率が〇%、青山学院大学や大東文化大学など合計十七校が合格率が一〇%未満。ざっと法科大学院の四校に一校は、卒業しても十人に一人司法試験に合格することができない。これで法曹養成の中核的な施設だというふうには私は恥ずかしくて言えないのではないかと思っています。 もう一つは、二回試験の不合格者数です。委員の皆さん方にも御説明をさせていただきますが、法科大学院出て司法試験に合格しただけでは弁護士や裁判官や検察官にはなれません。司法修習を終わって二回試験、これは最高裁でいうところの考試というのに合格して初めて裁判官や弁護士や検察官になることができるんですが、ですから、二回試験に落ちるというのはよっぽどのことだし、大変なことでした。私は先ほど申し上げたように司法修習四十二期なんですが、およそ四百九十人ぐらいの四十二期の中で二回試験に落ちた者は一人もおりません。五百人時代、例えば当日体調を崩してしまったとか、そんな方でないと二回試験に落ちるということはありませんでした。 しかし、法科大学院を卒業して司法試験に合格した初年度の皆さん、これは新六十期として司法修習に採用されておりますけれども、新六十期が千五十五名いらっしゃいます。この中で何人が、千五十五名のうち何人が二回試験に落ちたのか、最高裁、お越しいただいていますので、お答えいただきたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) お答えいたします。 新六十期につきましては、千五十五人が受験いたしまして、七十六人が不合格となっております。
○前川清成君 時間を省略したいので私の方で御案内しますが、新六十一期、これは千八百四十四人のうち百十三人、新六十二期、七十五人、新六十三期、これは九十名、二回試験に落ちています。念のために申し上げますが、今紹介した数字は法科大学院を卒業された方々だけの人数、いわゆる旧司法試験、現行六十期等々を含まない数字でこれだけの二回試験不合格者を出しています。 文科省にもう一度お聞きしますが、これでも法科大学院は当初予定した教育効果を上げているというふうにおっしゃるんでしょうか。
○大臣政務官(笠浩史君) 今御指摘ありましたように、一定の成果は得られているものの、今後の課題等々はあるというふうに私も認識をしておるところでございます。 基本分野の法律に関する基礎的な理解や法的思考能力が十分に身に付けていない修了者が一部に見られること、あるいは論理的表現力の不十分な修了者がおるというような、こうした一部の御指摘があることは私も賜っておりますので、そうした点については、今後その質の確保へ向けた努力を続けていきたいというふうに考えております。
○前川清成君 基礎的な学力が一部の者に欠けているというふうなそんな生易しい程度ではないと思います。今申し上げたように、五百人時代は、法科大学院がなかったころはほとんどの人が落ちなかった二回試験に、毎年百人ぐらい落ちているわけです。しかも、これは法科大学院を卒業してすぐ試験を受けたんじゃなくて、司法試験に合格をして、かつ国費を使って司法修習も受けた、その者たちの終了試験で今御紹介した者たちが二回試験に落ちてしまっていると。私は、法科大学院の教育内容、これは極めて劣っていると思います。その劣っている、教育効果が低迷している原因は教員の質だと、そう確信しています。 そこでもう一度、笠政務官にお聞きしたいんですが、法科大学院は、今、笠政務官もおっしゃったように、裁判官や弁護士、検察官を養成するための学校です。それなのに、なぜ、教員の八割はいわゆる学者、つまり司法試験に合格していないし法廷に立ったこともない、訴状も準備書面も書いたことがない、判決も起訴状も書いたことがない、そんな者で構わないとしてしまったのか。 しかも、文科省の基準によると、この僅か二割のいわゆる実務家教官も、裁判官、弁護士、検察官の経験を有する者に限定しないことになっています。当該法科大学院の判断次第で、税理士さんだって行政書士さんだって構わないと。その結果、極端に言えば、裁判官、弁護士、検察官の経験者が一人もいない法科大学院が存在しても文科省の基準ではオーケーになってしまう。 これでは私は裁判官、弁護士、検察官を養成することは到底不可能だと考えるんですが、文科省、いかがでしょうか。
○大臣政務官(笠浩史君) 今御指摘ございましたように、この実務家の教員の割合、文科省の方で二割以上というふうに定めているところでございます。そして、現実的には、今平均でこの実務家教員の割合というのが三割を超えておるわけで、中には五割を超えている法科大学院もございます。 ただ、法科大学院においては、司法制度改革審議会の理念を踏まえて、法学教育、司法試験、司法修習を有機的に連携させたプロセスとしての法曹養成の中核機関として設置されたものであり、体系的な理論を基調として実務との懸け橋を強く意識した教育を行うものであり、この理論と実務の懸け橋を図る観点から、実務家教員と適切な役割分担をしながら、そして連携協力をして共同で授業を担当するということで、それぞれの大学院において様々な工夫がなされているというふうに承知をいたしております。
○前川清成君 今、笠政務官の方は、中には三割、五割のところもあるという御説明でした。それならば、基準を三割に改正すればいいと思います。 御存じのとおり、法科大学院の教員に関する専門職大学院設置基準、これではそもそも実務家教員は三割以上となっている。ところが、法科大学院についてはわざわざ二割に引き下げたんです。今そのようにおっしゃるのであれば、この基準を三割ないし五割に引き上げるべきだと思います。 それともう一点。これは別に笠政務官に悪いところはないんですが、文科省は分かりもしないのに、プロセスとしての法曹養成だとか理論と実務の懸け橋だと、こういうふうにおっしゃいます。笠政務官でなくて結構ですが、プロセスというのはどういう意味なんですか。どなたでも結構です。(発言する者あり)いやいや結構、これは通告しておりませんでしたから結構ですが、要するに、文科省の答弁はいつもこのようにプロセスだとかそういう抽象的な言葉だけ出てきて中身がない。だからプロセスという言葉が説明できない。 江田先生、せっかくですから、また後でいっぱい答えていただくんですが、先日、私この質問通告で、法科大学院の室長さんにお越しをいただきました。その方が、法科大学院をなぜつくったかという理由について、今までの司法試験は丸暗記をすれば合格できたんです、そんな人では優秀な法曹を得られないので法科大学院をつくりましたと、こういうふうに胸を張っておっしゃいましたので、失礼ですがあなたは司法修習何期ですかとお聞きしたら、いや、私は司法試験受けたこともありませんと。司法試験を受けたこともない人に丸暗記で司法試験に合格するというふうに言われて、その結果、法科大学院ができたことになっているんです。 江田先生の「出発のためのメモランダム」、これ通告していないんですが、かつて拝読させていただきました。その中によると、江田先生が司法試験を受けられたときのことも記述されておられます。結論だけ、できたら短くですが、司法試験というのはかつては丸暗記で合格できた、そんなものだったんでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) 委員が御自身が司法試験を受けられた当時のことから大平さんのことなどいろいろお話になりまして、ここでいろいろお答えをしたいんですが、短く答えろというので全て省略をしますが、丸暗記で通った人もいるとは思います。しかし、私は全く暗記はしていなくて、何か人によっては私が六法全書を一ページ一ページ全部食べてしまってなんていうようなことを言う人がいますが、そんなことは全くありません。丸暗記で通るような試験ではなかったと思っています。
○前川清成君 私は、法務省の法科大学院を設計した人あるいは法科大学院を今運用している人たちというのは随分偏った考え方だなというふうに思っています。 それで、先ほど笠政務官のお答えの中で、実務と理論の懸け橋の役割を法科大学院が果たさなければならないというふうなお話がありました。今日、その点に関連して、委員の皆さん方にもこの「法学セミナー」という雑誌の今年の四月号、法学入門というののコピーをお配りをさせていただいています。 ここの中に、皆さん方のお手元にも配っていますが、東大の法科大学院の先生が、まず青線のところを御覧いただきたいんですが、法曹養成機関である法科大学院の授業は司法試験にも役立つべきもののはずである、その意味で、法科大学院でなされる限り、授業は必然的に受験指導的側面を有していると、こう書いておられます。このとおりだろうと思います。法曹養成の学校で司法試験に通らないと法曹になれないのだから、法科大学院、当然、司法試験に合格するための指導になって当然だろうと思います。 ところが、赤線のところ、笠政務官も御覧いただきたいんですが、東大の法科大学院の先生が、私も受験指導は法科大学院がなすべきでないと思っています、それはそもそも受験指導ができるだけの能力と体制が法科大学院という組織には通例備わっていないからであると。東大の法科大学院で司法試験に合格するための指導する能力と組織が備わっていなければ、七十四校ある法科大学院の一体どこが備わっているのか。 しかもこれは、この宍戸という先生がどこかの居酒屋で愚痴っておられるのではなくて、全国の法学部の一年生が読むかもしれない雑誌、全国の学者が読むかもしれない雑誌にわざわざ書いて、印刷して配っておられる。今の法科大学院の能力と実力というのはこの程度だということを是非御認識を私はいただきたいと思います。 この点で、笠政務官、いかがでしょうか。法科大学院の教員は学者でも構わない、しかも二割以下でもいい、その二割も行政書士さんでも税理士さんでも構わない、この基準、私は見直すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(笠浩史君) 今日、今、前川委員の方から様々御指摘をいただいております。 先ほどもありましたように、本当に教員の質というものがやはりこの法科大学院の質を上げていくための最も重要なことであると私も認識をしておりますので、そうした点も踏まえて、法曹養成フォーラム、今日は櫻井財務副大臣もおっしゃっていましたけれども、法務省、文科省、そして財務省と今協議をしておりますので、この中でまた検討をしていただきたいというふうに考えております。
○前川清成君 医学部の教授というのはお医者さんです。自動車学校の先生は自動車の運転免許を持っておられます。私は自動車をよう運転しませんけれども自動車の運転を教えるのは上手ですと、そんな先生ばっかりの自動車学校に生徒が集まるか、しかもその自動車学校を卒業しても四人に一人しか免許が取れないと、法科大学院を自動車学校に例えたらそういうことだろうと思います。こんな自動車学校ならとっくに倒産してしまいますが、法科大学院はどうなのかと。私は、今や倒産目前ではないかと思っています。 法科大学院に入るには適性試験というのを受けなければなりません。これは、大学入試センターと日弁連がそれぞれ行っています。その適性試験の受験者数ですが、平成十五年、大学入試センターは三万九千三百五十人、日弁連は二万四十三人いました。それが、平成二十二年、大学入試センター分は八千六百五十人、日弁連は七千八百二十人、合計したら約六万人いた志願者が一万六千人、僅か七年の間で四分の一程度にまで落ち込んでいます。 これは、法科大学院に高い金を払ってもあかんと、法科大学院を国民が見限った、その証拠ではないかと思います。社会の片隅にあった小さな司法を法と正義を社会の隅々まで行き渡す大きな司法に変えていくという基本的な方向は私は大賛成ですが、法科大学院の在り方、これは先ほど笠政務官もおっしゃいました。教員の質だけではなく、法科大学院そのものを大きく見直す必要があると私は考えますが、笠政務官、いかがでしょうか。
○大臣政務官(笠浩史君) まさに、委員と同じような思いで、本当に今この法科大学院の在り方自体をどうするのかという問題意識を持って法曹養成セミナー等々の中で、議論をここでしっかりしていこうということでございますので、そういう大局に立った抜本的な改革案というものをまとめることができるように、しっかりと頑張ってまいりたいというふうに思っております。
○前川清成君 政務官、今、セミナーじゃなくフォーラムですね。
○大臣政務官(笠浩史君) フォーラムです。
○前川清成君 それで、司法制度改革審議会の意見書、これは先ほども申し上げましたが、司法試験の合格者を三千人に増やす、法科大学院の卒業生の七、八割が司法試験に合格すると、こういう制度設計でした。そうであれば、割り算をすると分かるんですが、法科大学院の学生定数は三千七百五十人から四千二百八十五人程度であったはずなのに、実際は、初年度、平成十六年は六十八校で定員は五千五百九十人、翌年には七十四校に増えて定員は五千八百二十五人。最終意見書の制度設計を尊重するならば、定員はざっと二千人も多いことになります。何でこれほど多くの法科大学院をつくってしまったのかと、これは私は反省をしなければならないのではないかと思っています。 その七十四校をつくったんですが、この七十四校の中には、従前、旧司法試験当時実績のなかった大学、つまりは教員の側も準備ができていなかった大学が法科大学院を設立した、その結果が七十四校にまで膨れ上がった。現に、そのような大学では今総じて合格率が低迷しています。法科大学院がたくさん設立されて、しかも学費は高い、少人数教育で教員の八割は学者。その結果として学者の就職先バブルが生じたのは事実で、法科大学院の専任教員だけで何と千七百二十一人、学者の就職先が増えました。私は、この点である種の疑念、司法制度改革審議会の中心メンバーだった者たち、法科大学院を推進した学者たちの中に隠された思惑はなかったんだろうかと、そう思ってしまうんです。 そこで、文科省にお尋ねします。司法制度改革審議会の会長をお務めになったのは、審議会当時京大教授だった佐藤幸治さんです。この佐藤幸治さんは、その後どこへ就職されましたか。
○大臣政務官(笠浩史君) この佐藤幸治先生の方は、今、近畿大学の法学部の教授をやられて、そして法科大学院の院長を務められた後、現在の常勤職員としての勤めは承知をしておりません。
○前川清成君 結局、法科大学院というのは学者の就職先や天下り先をつくるためだったのかと、そう思うんですが、笠政務官、いかがですか。
○大臣政務官(笠浩史君) 私は、必ずしもそういう意図があったとは思っておりません。 佐藤先生についても、私も、先生のような専門家ではございませんけれども、憲法の一つの大家であり、多くの司法試験を目指す学生さんが佐藤先生のやはり教科書なども十分に参考にされ、また、それで学んでおられるということも承知しておられますので、やはり必ずしもこの天下り先を求めるために議論をそういう方向にリードしていったというふうには私は考えておりません。
○前川清成君 私も、司法試験の受験の最後のころ、佐藤幸治先生の教科書を読みまして、端書きに立憲主義へのアフェクションと書いてあって、ちょっとその端書きで感動したことがあって、できれば善意で解釈したいと思うんですが、結果として見ると、学生たちから毎年百万円、二百万円の学費を召し上げて、文科省から多額の補助金を受け取って、七十四校の法科大学院をつくって、二千名近い学者の就職先をつくりました。しかし、四人に一人しか司法試験に通らないし、法科大学院の四校に一校は卒業生の十人に一人も司法試験に通らないし、せっかく通っても毎年百人近く二回試験に落ちてしまうと。 結果として言えば、法科大学院というのは学者の再就職先をつくってしまっただけと。現時点において歴史的な評価をすると、私はそう言われても仕方ないし、きっとこの場所に佐藤幸治さんがお越しになって、佐藤幸治さんが正直な方だったら、現在においてはそのとおりですというふうにお認めになると思います。 それで、予備試験の問題に入りたいんですが、あと時間が少ししかなくなってきましたが、日弁連が去年言ったように、金持ちの子供でしか弁護士になれないのはあかん、しかし法科大学院の学費は高いと。そこで、予備試験というのを実施して、予備試験に合格したら法科大学院を修了しなくても司法試験の受験資格を付与することにしました。つまりは、予備試験は、お金はないけれども志を持っている、自分でこつこつ勉強を続けてきた若者へのチャンスのはずです。 ところが、この予備試験、一般教養の問題も出されることになっています。なぜ司法試験を受けるために、司法試験の受験資格を得るために一般教養も試されるのか。 時間がなくなってきましたので私の方で紹介させていただきますが、二十一年十一月十一日の司法試験委員会の予備試験の実施についてという決定の中では、法律に関する実務の基礎的素養を有するかどうかを判断することを目的にすると、こういうふうに書かれています。この方針には私は全く異論はありません。しかし、この方針どおりの出題がなされるのかが大変心配しています。 そこで、ちょっと通告もしていなくて誠に恐縮なんですが、今目が合ってしまいましたので、安浪さん。安浪さんというのは最高裁の人事局長で、恐らく僕は法曹界のトップに上り詰められる立派なお方だと、常々そう敬服しておるんですが、その方にお聞きしたいんですが、形式論理学における矛盾対当というのは何か御存じでしょうか。あるいは、「いま幾日春しなければ鶯も物はながめて思ふべらなり」、これは誰の何を歌った歌かお分かりでしょうか。お分かりでなければ、もう簡単に分かりませんと言っていただいたらそれで満足です。
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) 突然の御質問でございますけど、今お尋ねの質問に対しては、私の方でどれが正解か答えを持ち合わせておりません。
○前川清成君 時間がない中、自慢するわけじゃありませんが、私は去年、自民党の丸山先生と一緒にテレビ朝日の「Qさま」というクイズ番組に出まして、ファインプレーを三回ぐらい取って、司会の優香ちゃんにすてきと、こう言われて喜んでいるんですが、私もこの形式論理学という学問あることも知りませんでしたし、矛盾対当と言われても何のことか全く分かりません。この「いま幾日」というのは、これは古今和歌集らしいんですが、これが法務省のサンプル問題として公開されてしまったら、受験生としては、じゃ万葉集も新古今和歌集も勉強しなきゃあかんね、傾向と対策的にはそうなります。 あるいは、時間がないので櫻井副大臣に当てずに申し訳ないんですが、メタンを八グラム燃やしたら何リットルの二酸化炭素が発生しますか。これを法曹としての一般教養として必要なのか。私は岡倉天心という方は知っています。しかし、岡倉覚三と言われても誰か知りませんでした。サンプル問題の第九問の枝では、岡倉天心ではなくて岡倉覚三と書いてあるんです。これは、私はたちの悪い引っかけ問題だと思っています。 今日、皆さん方のお手元にサンプル問題の四十問というのを、最後の問題もお出しをしました。お配りをしました。一般教養の試験時間は一時間三十分。四十問出されて、うち二十問に答えたらいいらしいんですが、一時間三十分で二十問なら一問当たり四分半。ただ、どの問題を答えるかというのを見ないといけませんので、実際は三分ぐらいしか割けられないと思います。この今委員の皆さん方にお配りした問題、私はこれは英語の問題なのか数学の問題なのかも分かりませんが、これを三分間で解くだけの英語か数学の学力も持ち合わせていないと司法試験を受けたら駄目ですと、こういうことになっているんです。 それで、最後にお尋ねしますが、このサンプル問題、一般教養のサンプル問題は一体誰が作ったのかと。法曹として、裁判官、弁護士、検察官として今活動している者が作ったのかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) もう時間がないので簡単に答えるべきですが、佐藤幸治先生が立憲主義へのアフェクションと言われたと。私も、リーガルマインド、リーガルプロフェッションに対してアフェクションを持って今のこの大変困難なプロセスの中、いろんなことをやっていくつもりでおります。 是非、そういう意味で、温かいところを温かく見てやってほしいと思いますが、この予備試験の一般教養科目短答式試験のサンプル問題は、これは有識者による作成ということでありますが、司法試験委員会において昨年十一月に作ったものでございまして、人文科学、社会科学、自然科学、英語、その四科目から十一名の専門分野と省内の実務家二人で、平成二十一年、作ったものでございます。 そして、サンプルは四十問ですが、二十問を選ぶということなので、一部もちろん自然科学に、あるいは人文科学に偏りございますが、全体に一定の教養を満たしている者であれば二十問は選択できると思っております。
○前川清成君 時間がないのでこれで終わりますが、数学の専門家が数学の問題を作りました、化学の専門家がメタンの問題を作りました、で、こういう問題を一般教養として出題されて、一定の教養があれば答えられると言われても、私は答えられません、胸を張って。 このままであれば、この司法試験の予備試験というのは、お金がないけれども志がある若者たちにチャンスを与える場ではなくて、お金がないけれども、お金がない子供たちにやっぱり法科大学院行かないと駄目なんだよと、無理にでも法科大学院行かんかいと、チャンスを摘んでしまう、そんな試験になってしまっているのではないかと、これでは予備試験の存在理由がないのではないかと、そんなふうに思っています。 その感想を申し上げまして、残念ですが、時間が参りましたのでこれで終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○松野信夫君 民主党の松野信夫です。 本日は決算委員会の省庁別審査ということで、法務省、警察庁を中心にして、会計検査院から指摘されたことを中心にお聞きをしたいと思います。 まず最初は、法務省の関係であります。 いわゆるPFIによる社会復帰促進センターというものができまして、いわゆる新しい刑務所ということでありまして、整備や運営事業を民間資本を活用してやる、刑務官等の職員以外の者が実施することができるような分野は民間事業者に行わせると。新しい考え方でありまして、私は、そうした新しい刑務所として社会復帰促進センターというものがスタートして、まずまずは大きなトラブルや問題もなく運営がなされているのかなというふうに、この点は評価をしていいだろうと思っております。 ただ、しかし、今般、平成二十一年度の会計検査院での検査の結果、このセンターにおいて実際の収容人員に応じた適切な支払がなされているかどうか、この観点からチェックをしたところ、実際にはそれほど多くの収容者がいなかったにもかかわらず、予定収容人員に基づいて例えば食材費を計算して、ある意味では余計に支払っていたということが指摘をされているわけであります。指摘をされた食材費の差額、言うならばこれは過払い、払い過ぎじゃないかというふうに会計検査院から指摘されましたのが、平成十九年度から二十一年度まで、その三か年で五億三千百八十万円ということであります。 これはこれで、やっぱり私はこの会計検査院の指摘はこれはきちっと法務省としても受け止めていただきたいし、この指摘に従って是正すべきところはしっかり正していただきたい、こういうふうに思っているんですが、まず、大臣としてこうした指摘をされたことをどのように受け止めておられますか。
○国務大臣(江田五月君) 会計検査院の御指摘は、これは重く受け止めなければいけないと思っております。 お尋ねは、どう思っているかということですと、もうまさにそれに尽きるわけですが、もう少し説明をさせていただけますなら、PFIという、プライベート・ファイナンス・イニシアティブというやり方で刑務所の運営を民間の知恵も入れてやっていこうということで、これは私は一つの方向だと、ここは委員と意見が同じだと思います。 そして、その民間事業者に対する委託をどういうやり方でやるかというので、運営事業を一体として委託をする、一切の対価を一体のものとして支払う仕組みになっていまして、その中の個別に何費何費というふうに分けていないわけです。ところが、食材費のみを切り出してみると、当初予定した定員を充足せずに、その七割とか八割とかという定員になっていて、食材費がそれだけ実際には掛かっていないじゃないかと。そうすると、定員を計算に入れて計算をすると今のような差額が、開差分が出ているじゃないかと、そのことを指摘されたわけでございまして、ただ、そこは確かにそういう定員に満たないというところはあるんですが、これ刑務所ですから無理やりぶち込むというわけにもいかないので、じゃ日ごろの定員の上下をよく勘案した上で食材費を決めるべきということになると、今度は、じゃ食材の仕入れの価格が上がったり下がったりというところまで計算に入れるのかというようなことになりますが、いずれにしても、会計検査院の御指摘ですので、しっかり受け止めて是正の措置を考えてまいりたいと思っております。
○松野信夫君 今大臣のお話にありましたように、どうしても新しい刑務所、センターは入る人が多少凸凹する、これは私も確かに仕方がない点はあろうかと思います。 ただ、この点はおくにせよ、どうもこの契約内容を確認しますと、元々収容人員というのが予定がなされていて、これを基準として一定の事業費というものが支払われるということになっておって、収容人員が上がったり下がったりしたら当然見直しをして、支払うべきお金も上がったり下がったりすると、どうもそういうような仕組みになってなかったように思われまして、その点からどうだったのかなという気がしております。しかも、この契約は当初から二十年という期間予定をしておるというようなことでありまして、何もそんなに長期間のことでなくていいのではないかなというふうにも思っております。 それで、当初の予定では、例えば新しい刑務所の中で、美祢センター辺りですと収容人員は千人ということになっているし、島根あさひセンターですと一年後には二千人にすると、こういう予定人員が決まっていた。ところが、実際に何人ぐらい収容していたか見ますと、多少凸凹はありますが、最終的に二十一年度の末辺り見ますと大体七割ですね、どの刑務所も大体七割程度しか収容がなされていないということであります。 このPFIのセンターは初犯でかつ犯罪傾向が進んでいないという人を対象に収容するということになっているんですが、結果的には予定の人員までは至らなかったということかと思いますが、その辺はどのように大臣としてはお考えでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) これは収容予定人員というよりも定員でございます。定員に満つるまでいろんな設備はちゃんと整えておりますが、定員ですから、それをオーバーするとこれは過大収容ということになりますけれども、その予定の定員よりも低い収容ですと、それ自体が問題というわけではございません。 しかし、せっかくいろいろなものを整えているし、過大収容になって押し合いへし合いしている刑務所もありますから、このPFIによる四つのセンターは、今のおっしゃる比較的短期で犯罪程度の軽い人を収容するにしても、全国組み合わせてもう少しこちらの新しいタイプの刑務所に収容できないかと、これを今鋭意やっているところでございますが、今のところおっしゃるような充足率になっているということでございまして、せっかく造った新しいタイプの刑務所ですから、これはこういうものをしっかり活用して受刑者の社会復帰の役に立っていかなければいけないと思っております。
○松野信夫君 それで、実際の刑務所の収容人員が多少異動があるというのは多少はやむを得ないわけですから、是非それはやっぱりそうした実態を踏まえて、こうしたPFIのセンターでも事業費については実態を踏まえた形の契約というのが本来あるべきことだろうと思うんです。 このPFIの四つの新しい刑務所ではもう最初からその上限が、一応千人とか二千人とか定員が決まって、七割ぐらいしか入っていなくても食材費が下げられるということはなかったわけですが、ただ、これは民主党政権になってから、もう既存の刑務所、例えば静岡刑務所、笠松刑務所などの刑務所、これは既存の刑務所ですが、ここでは契約期間を一定七年として民間事業者との間で契約を結んで、そしてそこでは要するに何人収容されているかという実績に応じて民間事業者に支払をすると。まさに実績払い制度というものが、これは平成二十二年の四月からですから、民主党政権になってからはそういうような形で現に、現になされているわけですね。 ここでできるならば、このPFIによる新しいセンターでできないはずはないというふうに思うんですが、この点は、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) これは、私もそれほどもちろん詳しくはないんですけれども、恐らく既存の刑務所の場合に、受刑者に対する食事の提供というものを民間委託したりして対価の支払についての契約をしているのではないかと思いますが、PFIの場合はそうではなくて、一部の権力的な作用の部分は、これは刑務所職員が行いますが、かなりの広範囲な事業にわたって全て民間事業者に一括して委託をするという方式を取って、民間の事業者に、様々な民間の知恵を使って効率のいい運営の仕方であるとかあるいはリスクの分散であるとか、いろんなことを事業者の方の計算でやってもらおうということで委託をしているので、この食材費についてもそういうことで一括しているんだと思います。 しかし、食材について、そういう明らかに計算上無駄があるじゃないかということが指摘できるような部分がございますので、この点については、委託をいただいた業者、これは二十年とおっしゃいましたね。余り短期にあれこれ変わるとノウハウの集積であるとかいろいろな点で不都合もあるのでやや長期の契約にしたのだと思いますけれども、これはしっかりとそういう皆さんと協議をしていくべきものだと思っております。
○松野信夫君 四件でこの二十年間で約二千七十七億円もの契約金額になっているわけで、これはかなり大きな金額であります。それだからこそやっぱりきちっと見るべきところは見ていただきたいなと、こう思っております。 大臣の方から、一括して業者に委託をしていて食材費が幾ら幾らというふうに細かく分かれているわけではないんだと、こういうお話ですが、その点は確かに、例えば美祢センターでいいますと社会復帰サポート美祢株式会社、島根あさひセンターですと島根あさひソーシャルサポート株式会社、それは確かに一つの事業者が一括して引き受けると、こういう仕組みにはなっているんですが、ただ、こういうサポート株式会社というものは、まさにいわゆる一流企業がみんなお金を出し合ってこの刑務所専用の会社をみんながつくり上げているというだけのことであります。そういう実態も是非見ていただきたいし、また、例えば給食については、今申し上げたサポート株式会社が自らやっているんじゃなくて、結局、そこから下に、給食業者にまた委託してやらせているわけです。やらせているわけですから、そうすると、どこかでやっぱり予定人員よりも少ないというと利益を取っているところが出てきているわけです。やっぱり、そういう点はきちんと見るべきところは見ていただきたいなということであります。 それから、まあこれは現実的にはなかなか難しいかなと思いますが、会計検査院から指摘している約五億、これは食材費相当額の開差が、開きが生じているということで、この分を、実際の人員が少なかったからと、実際そんな食費は掛かっていなかったからということで回収する、取り戻すというのは、これは法的にはなかなか難しいことだと思いますが、そういうのも含めて今後の契約の見直し、改定というものを是非進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(江田五月君) 今、松野委員おっしゃるとおり、契約の形がるる説明しているような形でございますから、その部分の食材費がこうだからまけろというような契約内容になっていないわけです。もしそれを言い出すと、今度は別のところ、様々な費目がございますから、その一つ一つについて交渉するということになったら一体当初の契約は何だったのかということにもなってしまいますし、開差分の返還というのは、これは会計検査院の指摘も契約を変更するなど適宜の措置を求めているものであって、返還を求めよと言われているわけではないので、そこは返還というのは契約上無理があるということだと思います。 さはさりながら、そこの部分だけ取り出して説明をせよと言われても、これ、説明ができるようなものではございません。もう参りましたと言うほかないわけでありまして、委員今おっしゃるとおり、この民間委託の会社を構成している企業というのが多数ございまして、こういうところと事業全体を一つ一つ見直しながら契約の改定交渉をしていかなければいけないので、若干時間は掛かると思いますが、これから継続して努力してまいりたいと思います。
○松野信夫君 恐らく、こういうセンターでの収容の人員が当初の千人とか二千人とか、そうぴったりなるというのはなかなか難しいと思います。現在が七割程度の収容ということでありまして、これを上手に定員どおりというのは、これはなかなか私も難しいというふうに思いますが、そうするとやっぱり実績払いと、何人収容しているかという実績払いに応じてやるという方式がやっぱり本来はあるべき姿だろうと思いますので、是非そういう方向で改定なりを進めていただきたいというふうに思います。 それで、続いては、やはり会計検査院の方から指摘がされておりますのは、物品購入で不適正な経理処理をしていたということで、これは法務省とそれから警察庁の方にもお聞きをしたいと思います。 まず、法務省の方では、不適正な経理があったということで、全部で十七の法務官署において検査したところ見付かったと、こういう指摘がなされて、内容を見ますと、差し替えをやっていたり、翌年度あるいは前年度納入というような、ある意味ではインチキしていたと。こういうインチキをするには、業者に虚偽の請求書などを提出させて、業者とある意味ではつるんでやっているというふうに言わざるを得ない。 法の執行をつかさどる法務省たるところで、こういうインチキな虚偽の請求書を業者にわざわざ出させてまで差し替え、例えば紙を買うということでしておきながら実際はコンピューター買っていたとか、多分そんな類いだろうと思いますが、そういう指摘がなされたことをどのように大臣としては受け止めておられますか。
○国務大臣(江田五月君) これも、会計検査院の指摘を受けて本当に恥じ入るばかりとしか言いようはございません、誠に申し訳ないことだと思っておりますが。 全体で見ますと、ただいま委員御指摘の差し替え、これはいささか何をやっているんだと、本当に腹を立てなきゃいかぬ場面でございますが、二官署、十二件、支払額が十万五千幾らということでございまして、大部分のこの不適正経理は翌年度納入、九八%が翌年度納入ということでございまして、まあ前年度納入というのもありますが、こうしたことがないように、これは会計法令の遵守に係る認識の徹底、さらにまた予算の計画的な執行の徹底、そうしたことに努めていきたいと思います。
○松野信夫君 次に、警察庁の方にお伺いしたいと思いますが、警察庁でもやっぱり似たような、物品の購入に当たってある意味ではインチキをやって不適正な会計処理をやっていた、こういう指摘が会計検査院の方からなされております。率直に言うと、法務省よりも警察の方でやっている事例の方が内容としては私から見ればちょっと悪質だというふうに言わざるを得ないと思っております。 その一つが、預け金ということをやっていたということが、これは神奈川県警、六年間で全部で九百万近くそういうことをやっていたという指摘がなされているわけであります。 率直に言って、神奈川県警というのは昔もいろいろ問題が指摘されたような県警だったなというふうに思い出しますが、またこの会計検査院でも預け金という形でやっていたと。これは要するに、業者との間でつるんで、架空取引なんかを指示して業者にお金を預けていたと、必要な都度その中から消化をしていったということであります。要するに、契約した物品が全然納入されていないにもかかわらずお金だけ引き出して、その金を業者に預けるという手口でありますので、私は率直に言って、これはもう詐欺にも匹敵するんではないかというふうに言わざるを得ないぐらい、これは質が悪いともう言わざるを得ないと思います。 そのほか、一括払いということで、これも正規の会計処理をしないで、業者にあれを持ってこい、これを持ってこいと先に品物だけ持ってこさせて後からまとめて金をどんと業者に払うと、こういう一括払いというのはこれは主には千葉県警、神奈川県警でやっていたと、こういう指摘があるわけです。 率直に言って、本当にこれはたちが悪いと言わざるを得ないんですが、大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(中野寛成君) お答えをいたします。 基本的に警察に不正、不法なことがあってはならないというのはもう大前提でございますが、にもかかわらず、このようなことが起こったことは大変残念でありますし、申し訳なく思っている次第でございます。 平成二十一年度決算検査報告では、一管区警察局、二管区警察学校及び九道府県警察について預け金等の物品購入等に係る様々な態様の不適正な会計経理を指摘されたところでございます。警察の会計経理に対する国民の信頼を損なうものでありまして、公安委員会としても誠に遺憾なことであると。このようなことが今後ないように、あらゆる手段を講じてこれらの再発防止のために全力を尽くしてまいりたいと思います。 この神奈川県警察で御指摘いただきました預け金の問題でありますが、これはまさに私的流用の温床ともなり得るものでありますから、物品購入費に係る不適正な会計経理の中でも御指摘のとおり特に悪質なものだという認識を持っております。 預け金の背景としては第一線の様々な物品調達のニーズに機動的に対応しようとしたことなどが挙げられますが、そういう言い訳は通らぬと思いますし、預け金を根絶するためには、預け金はいかなる理由によるものであれ、決して許されるものではないということを全ての警察職員に徹底をしてまいりたいというふうに思っている次第でございます。 再発防止策をいろいろとやっておりますけれども、また再度御質問がございますればお答えを申し上げたいと思います。
○松野信夫君 是非こういうような不適正経理は根絶をしていただきたい、それに向けた再発防止をしっかり取り組んでもらいたいと思いますが、これはなかなかそう簡単ではないなという気も一方ではしております。 というのも、今回、会計検査院の方で調べたところ、たまたま一か年限りでやっていたとか、一年、二年やっていたと、特定の部署だけで間違った考えの人がたまたまいてやっていたというならまだしも、どうも、例えば千葉県警でいうと平成十六年から二十一年、六か年にわたり、神奈川県警では十六年から二十年、五か年にわたり、まあある意味ではこういうなれ合いというかルーズというか、それがある意味ではもう当たり前のような形でいいかげんな形が取られていたのではないかな、そういうことをしても別に悪いことをしているという意識がもしかしたら希薄になっていて、ルーズなままに従来からそれでやってきたからそれでいいんだということで安易に流れていたのではないかという気がしておりますが、その辺はどのようにお考えですか。
○国務大臣(中野寛成君) 御指摘の件は当然あり得ると、当然反省しなければいけませんし、中には、このケースではちょっと違いますが、例えばいろいろな建物を建てるときの入札の金額、最低金額等で国の基準と都道府県の基準、また都道府県によって基準が違うとか、経理の手法について幾つかの規則の違い等がありますが、それらも含めて、やはり経理を担当する警察官にしっかりとした教育をしなければいけないと思いますし、また学習もしてもらわなければならないというふうに思っております。 今先生、意識の問題として御指摘ありましたが、警察庁におきましては、そのような各事案を踏まえまして、まず各種会議等における指示、指導等を通じた幹部職員の意識改革の推進を行っております。預け金等の不適正な経理処理について解説した資料の作成配付等による職員に対する指導、教養の強化をいたしております。また、物品納入時の契約の履行確認の徹底や契約担当職員とは別の職員による検収等の指示を行っております。監査期間の延長、実施職員の増強等による会計監査の充実強化等の措置を講ずるなど、都道府県警察に対して適切な契約手続等の更なる徹底を図ってまいりたいと。 何はともあれ、先生が今おっしゃられた意識改革が何よりも肝要だと、そのことを前提にして再発防止に努めてまいりたいと思います。
○松野信夫君 その再発防止の観点でもあるんですが、やっぱりこういう不適正な経理処理をした担当者に対しては何らかの処分なり注意なり、それはやっぱりなされて当然だというふうに思います。 この点は法務省とそれから警察庁両方にお尋ねをしたいんですが、こういうような不適正経理をした当事者に対しては何らかの厳重注意だとか戒告だとか、そういうような処分というのはなされたんでしょうか。まず法務大臣から。
○国務大臣(江田五月君) 差し替え事案についてでございますが、二官署ございまして、所属機関の長において総合的に考慮して、本年の三月に一部職員に対して、監督上の措置でございますが、厳重注意又は注意という措置を講じました。
○国務大臣(中野寛成君) お答えをいたします。 物品購入をめぐる不適正経理事案については、関係県警察等において事案に直接関与した会計担当者の行為責任、そして所属長等の監督責任、この行為責任と監督責任についてそれぞれ戒告等の処分又は訓戒等の処置を講じているほか、一部ではありますが、悪質な職員につきましては免職等といたしております。職員ごとの責任内容に応じた厳正な処分等を行ってきているものと承知をいたしております。 この例としては、平成二十一年十一月に岩手県警察に詐欺罪で懲戒免職としたケースもあり、また二十二年十月には富山県警察において横領罪で停職六か月としたケースもございます。また、神奈川県警察においては、多額の預け金を始めとする不適正経理が行われていたため、県元警察本部長を減給処分相当とするなど、五百二十六名を厳正に処分したところでございます。
○松野信夫君 ルーズなことが結局進めば、今御指摘あった、岩手県警だと思いますが、詐欺で立件される。もちろん懲戒免職になる。やっぱり私は、日ごろからのそういうルーズなのが積み重なるとだんだんだんだんエスカレートして、まあこの程度もいいだろう、あの程度もいいだろうということで、結局は私的流用にまで至って詐欺で処罰と。 こういうことですから、やっぱり小さいうちからきちんと徹底をさせていただくということが必要だし、先ほど岩手県警については詐欺で立件という話もありましたが、私もちょっと調べてみますと、大体これまでは要するに公金を、例えば何か一定の物品を買います、何に支払いますということで会計担当者からお金を受け取って、それを例えば裏金のような形で、自分が預かっていくかあるいは業者に預けておくか、何らかの形でプール金をしておって、それを確かに公的なものにお金使っていた、パソコンじゃないけれども別の文房具に使っていたというのであれば、大体は詐欺にまでは立件しないと。 ところが、それを私的に飲み食いに裏金を使ったりすると、これは詐欺ということで立件していたのが今までの傾向かなというふうに思いますが、ただ最近、私が調べたところですと、平成二十年一月十日の佐賀地裁の判決、それの控訴審判決が平成二十一年三月四日、これは福岡高裁判決では、これは有田町という佐賀の、職員が公的な事業にお金を使いますということで支払権者からお金を受け取って、それを当初の予定していた公的な支払でなくて別の公的な支払に充てていたというような事件なんですけれども、それでも、この佐賀地裁にしても福岡高裁にしても、これは詐欺だということで有罪に判断をしております。 つまり、個人的に、私的に流用しちゃったというのではなくて、あくまでもそのお金は公的な別の事業費、別の支払に充てていたというのでも、これは詐欺ということで虚偽公文書作成・同行使・詐欺ということで立件されて有罪。現在、確認しましたら、これは最高裁に上告中で、間もなく最高裁の判断が下るのではないかなというふうに思いますが、もしそれで最高裁の判断がこれも有罪だということになれば、私はこれは神奈川県警のケースだって詐欺に立件されてもおかしくはないというふうに思います。 私的に飲み食いしなくたって、別のに流用するだけで、要するにこれは支出決定権者を欺罔した、それを不法に領得した、詐欺の行為だというのが佐賀地裁や福岡高裁の判断でありますから、これを最高裁も是認すればそういうことになりますので、是非、県警だからといって、身びいきというか、そういうことはないだろうと思いますけれども、やはりそこは厳しく、詐欺なら詐欺ということで、是非立件すべきはきちんと立件していただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中野寛成君) 県警はそれぞれの県の監査委員会が監査をもちろんいたしますし、国からは会計検査院が検査もいたします。もちろん、そこにそのような不正が起こらないように内部監査はもちろん厳しくしていかなければなりませんが、今の事例につきましては、裁判の行方等も見ながら、最終的に個別のことはケース・バイ・ケースで判断をいたしますけれども、警察全体としてはより厳しく、貴重な国民の税金をお預かりしているという視点に立って、その認識を新たにしていきますように努力をしていきたいと思います。
○松野信夫君 終わります。ありがとうございます。
○森まさこ君 自由民主党の森まさこです。 一昨日、福島原発の作業員お一人がお亡くなりになりました。平成二十年度の防災基本計画では、中央防災会議が策定したこの計画の中で、緊急時に必要な体制整備が図られるとされておりまして、それに基づきまして原子力安全対策費として四十三億が支出されているところでございます。 震災から二か月がたち、福島県県民は今なお原子力事故が収束されていない現状の中で心配しながら日々の生活を送っているわけでございますが、その中でのこの事故でございます。 私、実はその前日、作業員が運ばれたJヴィレッジにおりました。まさに、作業環境が非常に悪い、これから気温が高くなる、食事も栄養不足が指摘されている、疲労が増し、体調不良、命の危険が心配される、このことを地元議員として何度も申入れをしてきましたが、一向に改善されないということで、自民党の幹事長である石原伸晃幹事長とともに十三日にJヴィレッジの視察をしまして、一緒に現場を見、そして石原幹事長の方から東電に改善が申入れをされたということでございます。 このJヴィレッジは福島第一原発、第二原発の作業の現場のゲートとして、ここで作業員の方が全身白い防護服に着替えてここから出発するというその基地でございますが、政府、東電はこの場所をマスコミを完全にシャットアウトしておりますので、そこの内容、現状が知られておりません。私ども、写真を撮影してまいりました者はホームページ等で公開をしておりますが、十三日当日も作業環境は大変悪く、第二原発の作業員が野菜を口にしたのは十三日の段階でたった二日前、二日前から野菜を口にする食事が出たと。そして、ベッドに寝ることができるのがJヴィレッジの宿泊施設だけですが、これも最近やっと始まったと。第一原発においては大変環境が悪く、床に雑魚寝をしており、食事もレトルトであるという現状でございました。まさに、私たちが視察した十三日、この死亡した方は第一原発で作業されていたのであります。そのことを思うと大変残念に思います。 これについて、内閣府の、又は経済産業省の方から、この作業員の方の死亡の原因また経緯等について御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(黒木慎一君) まず最初に、東京電力の作業員の方が一昨日に亡くなられましたことを心から御冥福をお祈りいたします。 福島第一原子力発電所におきましては、傷病者が発生した際につきましては、自治体の救急車等を利用した運搬体制などマニュアルを作成し、今回それに従って対応がなされたというところでございます。 具体的には、一昨日、従事者が倒れた早期の時間帯、一昨日までは、その作業員の方、十時から十六時まで一F、第一発電所に勤務するということでございます。今回の場合、医務室に運ばれたのが朝の七時〇三分だということでございまして、医師はいなかったわけでございますが、医務室で処置を行い、その後、Jヴィレッジに搬送し、Jヴィレッジにおいて常勤してございます救急専門医によって処置を受け、その後、医師同乗で磐城共立病院に搬送を行っているところでございます。 東京電力におきましては、昨日から産業医科大学の医師が交代制で第一原発に二十四時間常駐するという体制になったと聞いておりまして、これによって医療がより早期からなされるものと考えております。 また、亡くなられた作業員の方の作業環境は、特に温度、湿度等、放射線管理上も厳しい現場ではなく、作業自体も肉体的負荷の高いものではなかったと東電より聞いてございますが、作業従事者が安全かつ健康に作業できる環境整備が図られるよう、引き続き事業者を指導していきたいと思っております。 死因については、個人のこともございますが、放射性物質の影響や作業内容に直接起因するものではなかったということでございます。 今後とも適切に対応してまいりたいと思います。
○森まさこ君 今御答弁なさった方は、Jヴィレッジに行ったことありますか。
○政府参考人(黒木慎一君) 私はございません。
○森まさこ君 今、東電から、その方が放射線量は高くなかったと。私どももまず最初に被曝を心配しましたけれども、その次に頭に浮かんできたことがやはり作業環境が悪かったのではないかということです。一度もJヴィレッジに行ったことがない方が作業環境は悪くなかったと伺っておりますと言うことに関して、私は心から怒りを感じます。 私が、このお亡くなりになった方が働いていた当日にその場所にいて、そこにいらっしゃる皆様の環境を見ましたけれども、大変悪かったですよ。大変、その日の気温は二十八度、防護服を着たら何度になるんですかね。熱中症も心配される、そういう状況です。心筋梗塞の疑いがあるというふうに発表されておりますが、やはり心筋梗塞に結び付くようなストレス等のそういった原因があったのではないかと、私どもは大変心配をしております。やはり、心のこもった答弁をしていただきたいと思います。 お亡くなりになった方の御冥福をお祈りしますと冒頭言っていただきました。私たちも御冥福をお祈りしておりますし、本当にその御遺族の方々にこれはもうしっかりと原因を追及するということをお約束申し上げておりますけれども、やはり亡くなってからでは遅いんですよ。これは前から、ずっと前から指摘をされていることなんです。それなのに、お倒れになってからJヴィレッジに搬送されるまで一時間二十分も掛かっているんです。そこからまた救急車に乗せられて、いわき市内の共立病院に着いたのが二時間十七分後ですよ。そして死亡なさった。九時三十三分に死亡が確認をされたというふうに報道されておりますけれども、私どもが何度も申入れをしてきた結果、五月五日には、東電さんが医師を二十四時間常駐させますというふうに発表しているんです。五月五日ですよ。だけど、五月十三日、十四日、医師がいなかったじゃないですか。お亡くなりになってから、死亡という事故が起きてから今おっしゃいました医師を常駐されるようになりましたって、そんなことを聞いたって御遺族の方は納得できません。 私どもは、そんな答弁が聞きたいんではなくて、私たちのこの原発の事故の収束、それに向けて命を懸けて作業をなさっている作業員の環境について、本当に真摯な対応をしていただきたいというふうに思います。 この救急車が第一原発にはなく、Jヴィレッジまで一時間二十分も掛かったことに対してはどのような改善策を行うんですか。
○政府参考人(黒木慎一君) お答えいたします。 福島第一原子力発電所、先生御指摘のように、まさに戦場のように事故の拡大防止のため戦っていると思いますし、私ども保安院の職員も三名そこに常駐しているところでございます。 今回のことを契機に、福島第一発電所に当初から救急用の車を置いておくと、今回は福島第二発電所の方から車を移動させたということがございますので、最初から車を置いておくということに切り替えるようにしたところでございます。
○森まさこ君 これまでの政府、東電の対応は共通して、遅い、足りない、心がない、この三つでございます。 次に、救急車が来てからも、Jヴィレッジからいわき市までこれは時間が掛かります。ヘリコプター活用などの体制を整える必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(黒木慎一君) より迅速に、Jヴィレッジから磐城共立病院その他病院の次の病院に行くまでの迅速に運搬する体制については、十分工夫をし、早くなるよう努力したいと思います。
○森まさこ君 それから、作業員の環境ですけれども、十三日現在、まだ皆さんが床に雑魚寝をしているという現状でした。そのことについてお伺いをしましたら、御回答は、避難所に今もなお床の上に寝ている方がたくさんいるから私ども作業員も床に寝るんだということをおっしゃって、でも指摘されたから徐々にベッドも用意しておりますと、そういう回答でございました。 しかし、私の福島県は、作業員の方もみんな避難者なんです、被災者なんです。みんな原発二十キロ、三十キロ地域内にお住まいの方が作業に通っていたんですから、そこから避難して体育館に寝泊まりをしている方が、そこに召集令状が来て、体育館から作業に行くんです。そういう方にまた床に雑魚寝をさせているということになるんですね。 作業員の環境の改善について一言いただきたいと思います。
○政府参考人(黒木慎一君) 作業員の方の環境の改善につきましては、御指摘のように、非常に劣悪な状況が続いていたわけでございまして、食事を始め、私ども、東京電力に申入れをし、サポートできることはサポートしたいということを申入れをし、対応してきたところでございますが、とにかく一歩ずつ、少しずつ改善を図っていくよう、引き続き東京電力に対して強く要請していきたいと思います。
○森まさこ君 私、ずっと震災直後から避難所を回っておりますけれども、避難所に多くいるそういった東電の関連会社の方々、これは、お呼びが来たらいつでも行くんだということをおっしゃっていて、体育館の布団の上で言っていて、そしてその横で奥様が泣いていると、どうか行かないでくださいと言っているその中で、いや、でもこの原発の事故を収束させるために技術を持っている私たちが行かないといけないんだからと、そういう覚悟で行っているということを是非肝に銘じて、作業員の環境の改善に努めていただきたいと思います。 次の質問に行きますけれども、SPEEDIのデータの隠蔽と一号機のメルトダウンについてお伺いをしたいと思います。 政府は、昭和六十年度からこのSPEEDI、正式名称は緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム、これを開発、運用しており、平成二十一年度はこの経費が四億九千七百万円、約五億円支出されております。六十年度からの合計では、このシステムに費やされた総額は決算額ベースで百十六億円に上っております。このシステムは、大気中に放出された放射性物質の拡散状況等を予測し、避難計画を策定するなどの資料を提出するもので、まさに今回それを直ちに活用して情報を開示したり、避難区域の決定を行うべきでありました。 しかし、百十六億円という巨額の費用を掛けて開発してきたにもかかわらず、SPEEDIによる予測結果が全て公表されたのは五月三日です。それまで、三月二十三日に一枚、四月十一日に一枚示されただけでありました。震災から一か月半余りこのシステムを活用した予測結果が公表されなかったことになります。しかし、四月二十二日には計画的避難区域が発表され、昨日から飯舘村、川俣町などの避難が開始されました。 私は、五月十四日、一昨日、両町村に行ってきましたけれども、住民の本当に苦しい心のうちを改めて伺ってまいりました。このSPEEDIの情報システムが早くから示されていたなら、この避難区域の中の川俣町の山木屋地区の皆さんは、最初に政府が発表した三十キロの同心円内の方が大勢避難してきております。川俣町の人口の三分の一以上の避難者を受け入れているんです。今もなお町の中にその避難者の方々がいるから、川俣町の山木屋地区の皆様は同じ川俣町の中に避難できない方がいるんです。仕事や子供の学校や地域のつながりで同じ川俣町の中に移動したいというふうに望んでも、できません。 皆様は御存じかどうか分かりませんが、福島県の原発地域の被災者にはいまだこの支援金や義援金などの現金は来ておりません。一昨日行ったときにも、まだ東電からの百万円も来ていない。日赤からの三十五万円も来ていない。県からも町からも来ていない。そういう中で避難を命令されて、泣く泣く移動しなければならない、行き先もまだはっきり決まっていない方々もいます。そういう中での避難であるということを申し上げて、そして住民の方々がおっしゃるのは、もう政府は信用できない、政府のことはもう当てにしていない、だけど、せめて情報だけはくれと、そうしたら自分たちで判断するから正しい情報を正確に迅速に示してほしいと。県民たちの願いは、自分たちにかかわる、自分たちの命と健康にかかわる情報を示してほしいと、そういうことでございます。 その中で、今月三日にようやくSPEEDIのデータが全面公開をされました。SPEEDIによる試算約五千件はこれまで未公表であり、その理由について、細野豪志首相補佐官は二日の会見で国民がパニックになることを懸念したというふうに説明をしましたけれども、危険な情報を示されたらパニックになるおそれはあると思いますけれども、危険な情報ほど知る権利があるんです。自分たちの命と健康にかかわる情報ほど知らされていなければならないんです。試算結果を迅速に公表することは、国民の知る権利、これに資することであるというふうに私は思います。 このSPEEDIは、先ほど説明したとおり、大変すばらしい、気象庁のアメダスと連動して風向や風速、気温などから全て放射性物質の拡散を計算して図形化し、最大七十九時間後までの飛散を予測する能力を持ちます。この所管は文部科学省、傘下の財団法人原子力安全技術センターが運用しているんですが、そこから専用回路で政府の原子力安全委員会、そして関係省庁、都道府県の端末にリアルタイムで情報が送られることになっています。それを基に関係自治体が住民に放射線警報を出すというシステムに既になっているんです。これは原子力災害危機管理関係省庁会議が作成した原子力災害対策マニュアルに載っているんです。 そして、文部科学省は、震災当日、三月十一日の十五時四十二分にこの電源喪失を報告する通報を出している。そうしますと、その後、マニュアルどおりにSPEEDIは緊急モードで動き始めて、十一日の当時の十七時に、通達が出されてから一時間ごとに都道府県にも送られていたんですね。 では、それがなぜ住民のところに行かないで遮断されてしまったのか。福島県の災害対策本部の端末まで行っていたのに誰が止めたのか。福島県の災害対策本部は、原子力安全委員会が公表するかどうか判断するので県が勝手に公表してはならないとくぎを刺されましたと、そういうふうに言っていると報道されています。 内閣府に伺います。原子力安全委員会がこの情報をストップさせたのですか。
○政府参考人(岩橋理彦君) お答え申し上げます。 原子力安全委員会として、そのようなものを公表するなというふうに言ったというのは、私は東京で勤めておりましたが、報告を受けておりません。 ちなみに御説明させていただきたいと思いますけれども、先ほど先生るる御説明いただきましたように、SPEEDIのシステムというのは先ほど御説明いただいたようなシステムとして設計されて、これまで整備、運用されてまいりました。 しかしながら、三月十一の事故発生後、あのシステムは防災計画上、文部科学省が運用して現地の対策本部、経産省の緊急時の対策センター、私どものところに送信されることになってございますが、外部電源喪失等で原子力発電所の元々の放出源の情報が入手できないために、そういう意味での本来の目的での予測計算はできなかったものと承知しております。 それから、先ほど先生お話ございましたように、いわゆる単位放出という形での計算は一時間ごとにして配信されていたということでございますが、私ども原子力安全委員会として、そのデータを使う場合に必要なものは、今の単位放出ですと計算できますのは、今先生もおっしゃいましたように、アメダスという気象庁の気象予測のデータに基づきましていわゆる拡散計算をしております。したがって、パターンは出ますけれども、実際の各地点での放射能の強度、これが出てまいりません。 私ども原子力安全委員会といたしましては、そういった事故が発生した場合に住民の方に避難していただくかどうか判断する一つの判断の基準としては、実際に各地域の放射線の強度がどうなるかというものが必要でございます。したがいまして、そういったものが出ない時点では何らの判断もできないということでございました。
○森まさこ君 何を言っているんですか。 我が党の上野通子参議院議員がこの件に対して質問主意書を出しまして、それに対して答弁が返ってきております。 地震によってその現場の情報は取れなかったということですけれども、でも、それ以外からも情報を取って作っているんでしょう。それが公表されたじゃないですか、三日の日に。それを見たら、飯舘村の方が真っ赤になっているじゃないですか。三月十五日に爆発したときに、これ、示されていないんですよ。飯舘村の人はみんな外に出て雪かきしていたんですよ。かぶったんですよ。どうしてそれを伝えないんですか。不正確だからって、不正確なものだったって、今、全く正確に飯舘村は土壌に高い放射線量が出ているじゃないですか。 現地の情報が取れなかったというふうにおっしゃいましたけれども、この情報が取れなかったのはいつまでですか。
○政府参考人(岩橋理彦君) 事前に詳細な御質問の通告を受けておりませんでしたので、若干不正確な御答弁になるかもしれませんが、御容赦いただきたいと思います。 私どもが承知しておりますのは、確かに先生御承知のとおりでございますが、実際に事故が発生した後、いわゆる停電等によって元々設定されたモニタリングポスト等のデータは入手することができなかったものと承知しております。その後、官邸の方の指示で、主に文部科学省を中心といたしまして緊急時のモニタリング体制が整いました。順次そのデータが得られ始めましたのは、たしか三月十五日か十六日ごろからであったと思います。 先ほど申しましたように、SPEEDIが元々の計画どおりの計算はできないということが判明しておりましたので、私どもはこれを、このシステムを開発いたしました、運用しておりますのは先ほど先生が言及をされました財団法人原子力安全技術センターでございますが、元々このシステムを開発しましたのは今の日本原子力研究開発機構でございます。その研究者の方に、そういった場合で何とかそれを生かすことができないかということでいろいろ検討していただきました。その結果、今申し上げましたように、三月十六日以降、緊急時モニタリングが立ち上がりまして、その結果として、実際に観測されているモニタリングポストの結果から逆算する形での放出量を推定するという作業を行っていただきました。 今申し上げましたように、当初は、その測定結果が僅かたしか二、三点しかなかったということで、三月二十三日の時点で計算したものは極めて精度が粗いものであったということでございます。しかしながら、その結果というものが非常に重要な、先ほど先生のありましたような国民にとっての重要な情報であろうということで、あえて公表いたしました。 それから、その次に、先ほど先生から御言及ありました、四月たしか十一日だったと思われますが、さらに、その間に文部科学省を中心として緊急時モニタリングの測定点が非常に充実してまいりまして、そういった実測値に基づいて、さらにシステムの精度の向上に日本原子力研究開発機構に努めていただきました。その結果で、二回目の計算として四月十一日に公表したと、そういうことでございます。
○森まさこ君 おかしな点が幾つかあるんですよ。 まず、最初に地元のデータが入りませんでしたと。それでも、これ、地元のデータが入らないものなんですけど、こういうものがありますということは知らせていただきたいと思いますよ。一体もう何ですか、この百何億も掛けて開発してきて。私たち、本当に命が懸かっているんですよ。そんないいシステムがあるかということも全然知りませんでしたよ。 先日、法務委員会で江田大臣に聞いたら、国の原子力災害対策本部というのが、これがトップの会議でしょう。それに江田大臣がメンバーで出て、もうずっと最初から出ている。だけど、この会議でもSPEEDIの存在自体知らされたことがない。SPEEDIのデータは、なおさらもう示されてもいない。国の会議にもかけられていないで、一体誰がこの情報を握り潰して福島県民の知る権利を害したのかと、私は大変怒りに感じますけれども。 まずここで、これ知る権利を害していないかということを前回、法務大臣に質問したら、それは法制局長官に聞いてくださいということですので、今日は法制局長官にお聞きしたいと思いますけれども、知る権利というのは国民が自分の命や健康などの重要な情報を勝手に妨げられることがない権利とされていますけれども、このように命と健康に関する情報が妨げられることは国民の知る権利を害することと言えませんでしょうか。
○政府参考人(梶田信一郎君) お答えいたします。 今お話ございましたように、いわゆる知る権利につきましては憲法上明文の規定を設けているわけではございませんけれども、憲法第二十一条の保障する表現の自由、あるいは憲法のよって立つ基盤である民主主義社会の在り方と結び付いたものとして十分尊重をされるべきものというふうに考えております。 それで、今、東京電力の福島第一原子力発電所の事故に関する情報開示についてのお尋ねでございますけれども、私ども法制局といたしましては、その具体的な事実関係を承知する立場ではございませんので、具体的な情報開示の在り方と、それから憲法のいわゆる知る権利との関係に関するお尋ねにつきまして具体的にお答えすることは困難でございます。 その上で、一般論として申し上げたいと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、いわゆる知る権利につきましては十分に尊重されるべきものでありまして、政府におきましては、その保有する情報につきまして適時かつ適切な方法で国民に明らかにされるよう努めるべきものというふうに考えております。
○森まさこ君 今、法制局長官がおっしゃったとおり、この知る権利というのは大変重要な権利です。その中でも、これは自分たちの命と健康にかかわる権利なんですよ。 今朝も皆さんニュース見たと思いますけど、かわいい乳幼児がたくさんいたんです、あの飯舘村には。当時だって外に出てお散歩をしていたんですよ。こういう情報は、不正確なら、不正確なんですけれども、こういう形で風向きです、やはり知らせるべきであったと。私はこの問題は今後も追及してまいりたいと思いますが。 同じく第一号機のメルトダウン、これについても、これは当初からメルトダウンになっているんではないかということはもう指摘をされておりました。三月の早い時期から指摘をされておりました。我が党の勉強会でも、来る学者の方が皆さんそういうふうにおっしゃっていた。そこで、四月二十五日に我が党の福岡議員が予算委員会で質問をしまして、IAC上級原子力コンサルタントの佐藤さんに、参考人の方にお伺いをして、冷却システムがダウンしてからどれぐらいで燃料棒が露出するのか、燃料棒が水面に露出してからどれぐらいで溶融が始まるのか、そしてその後どうなるのか。そしたら、四十分でもうこれは燃料棒が露出して、その後、五十分で燃料が溶融が始まって、そしてあと十五分でもう全部溶けて下に落ちますと。東電が発表した工程表では燃料棒がまだきちんときれいに立っていて、それをロボットで取り出しますなんて言っていたけれども、そんなことはもう絵物語にすぎないと、もう溶けて下にぐじゃぐじゃになって固まっていて、そこから下の容器も穴が空いているんだと、そういう危険がすごく高いんだということが指摘をされていたのに、全くそのことについて何も対応してこなかった。そして、今日になって、二か月以上たって、実は当日溶けて穴が空いていたなんてことを発表されて、もう本当に福島県民は、ばかにするのもほどがあると皆さん本当に怒り心頭ですよ。 福岡議員の質問によると、同様のことを保安院も予測をしていたと。原子力安全基盤機構もこの加圧して破損するおそれがあるということを言っていたと。こういうことに対して、私は、党の勉強会で東電に質問したら、いや、水位計ではそうなっていないから、水位計によると水は上まである、燃料にかぶっている、そういうふうに言われていたんです。だけれども、それに対しても学者の方が、水位計はもう地震で壊れています、そんなものはもう先進国で、皆さん地震になったら水位計が壊れるなんてことは常識だと。水位計に示されているのは普通の値よりもずっと高い値が示されているから、燃料棒がメルトダウンしている危険性は非常にあるんだというふうに指摘をしていたんです。それについても全く何の対応も取っていなかった。そして、メルトダウンについては、もしかしたら分かっていたのかもしれないけれども、これも情報が私たちには知らされていなかった。もう、今後、これ以上情報を隠すのはやめていただきたい。 政府に御答弁いただきたいんですけれども、もうこれ以上隠している情報はありませんね。内閣府の原子力災害対策本部。
○委員長(鶴保庸介君) 岩橋事務局長、御指名です。
○政府参考人(岩橋理彦君) お答えを申し上げます。 今回の事故の推移につきましては、私ども原子力安全委員会といたしましても、いわゆる一次規制庁でございます原子力安全・保安院から本件に関する報告を求めているところでございます。 今先生からお尋ねありました、昨日、東京電力が公表した件にいたしましても、今後、原子力安全・保安院では東京電力の方から正式の報告を聞いて、それを分析した上で私どもに報告いただけるものと考えております。
○森まさこ君 江田大臣にお答えいただきたいと思いますけれども、原子力災害対策本部のメンバーでいらっしゃる。今言ったように、国民の知る権利が大変大切な権利で、政府も国民に対してその情報を知らされる権利を妨げてはいけないというのは法制局長官からも御答弁がございました。 政府の原子力対策会議、余り開かれていないようですが、また、開かれてもその内容がほとんどないようでございますが、是非その対策会議でメンバーである大臣がこれ以上情報が隠されることがないように御発言をしていただいて、総理の方にきちっと御認識をいただきたいと思うんですけれども、いかがですか。御答弁ください。
○国務大臣(江田五月君) これは、この間の予算委員会でしたですね、委員からも御質問をいただいたところですが、(発言する者あり)法務委員会でしたか、ごめんなさい。原子力行政は私が所管しておりませんし、また、知る権利というものは憲法解釈ということでございますが、今の一般論として委員のおっしゃるこうした情報について国民の知る権利を最大限保障せよと、これは大変貴重な、大切な、的確な御指摘だと思っております。 原子力災害対策本部の議論の中で、そうしたことが折に触れ、国民に最大限の情報を提供すべしというようなことも議論されておりますが、更に適切に私としても対応していきたいと思います。
○森まさこ君 しっかりとお願いしておきます。 次に、被災地域の土地の買上げ、借り上げについて質問をしたいと思います。 二十一年度の決算では、こういった津波等による災害に対しては、国土交通省の方で六千万円ほど減災に、これは災害を減らすと書いて減災、これに対して支出をしているということでございますけれども、今般の津波被害、大変甚大なものでございます。 ただ、政府や、又は復興構想会議、こちらの方で検討をしている津波被害地域に対する対策、国が一旦土地を借り上げて所有者に地代を支払い、復興後に返還する定期借地権等の仕組みの検討にも入っているというような報道もございますけれども、これは原発地域が除外をされております。原発地域、二十キロ圏内は警戒区域でございますので、そういったこと等もなかなか進まないということで別途検討するということになっているのでしょうが、原発地域、大変悲惨な状況にございます。 これは、法務委員会で何度も江田法務大臣の方にも御説明をしてまいりました。例えば、法務省の所管である建物の登記、土地の登記、それから戸籍や死亡宣告、こういったことについても原発地域は全く進んでおりません。建物の滅失登記に例を取りますと、これについては通常自費で出すところを、土地家屋調査士の費用等も国が持って、そして検査をして建物の滅失登記をするように国の方で手当てをしたということでございますが、原発被害地域は民間の土地家屋調査士さんが立ち入ることがそもそもできないわけでございますから、そういった有り難い施策をつくっていただいても原発地域には全く恩恵がございません。 また、それ以外の法務省の所管する様々な施策についても、原発地域はどうなのか、福島県についてはどうなっているのか、毎回質問してまいりました。三月二十四日、四月二十六日、五月十二日と質問してまいりましたが、この間全く原発地域については対策が示されておりません。法務省の官僚の方々をお呼びして部屋で聞いてみても、それについては全くまだアイデアもなく検討中でございますというようなことでございます。 しかし、先ほど申し上げましたとおり、被災者は毎日この苦しい状況の中であしたも生活をしていかなければならないんです。家族も土地も建物も仕事も失った中でまたあしたの生活をしていかなければならないという中で、私どもは、この原発地域、どうしたらいいかということについて提案をさせていただきました。 特別な立法を作って、省庁横断的なものにしていただいて対策を取っていただきたい。法務省は法務省でやっていても全く進まない。厚労省は厚労省でまた雇用調整助成金は原発地域は除外するんです。なぜなら、原賠法で東電から賠償がいただけるからです、そんなことを言うんですよ。しかし、紛争審査会でまだ事業者に対する指針も出ていません。いつ支払われるのか分からないという中で、事業の再開を断念せざるを得ない方々がたくさん出ております。 そういった縦割りの世界の中に落ち込んでいる原発被害地域を横断的に見ていただいて救済をしていただくという、度々、江田大臣の方には御提案をしてきましたけれども、私ども自民党の方で四月から検討をしてきて、今日、その案を発表をすることになっています。一つには、原賠法の支払が遅いので、まず国が仮払いをすること。二つ目には、特区を設置して、今言ったように、規制や法制度、これを柔軟に緩和をすること。そして三つ目には、基金を設置して、福島県、その他関連の地方公共団体が柔軟にそれを適用して、自主避難者や中小企業者、そういった避難者を救っていくことができるようにする、そういった特別立法を作る必要があるというふうに思いますが、江田大臣の御所見をお聞かせください。
○国務大臣(江田五月君) 森委員の御心痛、そして御指摘はもっともなところがあると思っております。 ただ、これは本当に申し訳ないんですが、私は法務省を所管しており、今まさに委員御自身がおっしゃるとおり、もう省庁横断でやらなきゃならぬことで、法務大臣という職責上お答えするというのがなかなか困難ですが、しかし、原発の被災地域の皆さんは本当に本当に私は大変だと思っております。しかも、これは東電ですから、東電というのは、被災地域は東北電力の電力供給地域でございまして、自分のところに電力を受けているんでないのにこういう被災を被っているということでございまして、本当にこれは全国民心を寄せていかなければならぬ課題だと思っております。 自民党の方におかれては具体的な提案をされるということで、私どもしっかり聞かせていただきたいと思いますが、ちょっと一部だけ具体的なことを申し上げますと、建物の滅失登記、これは確かに入れないから土地家屋調査士さん方に調査をお願いしようにもするすべがないという状況にあって、本当に困難。ただ、例えば上空から見てこの一帯は明らかに建物全部ないというようなときには、これはもうそれで調査はできているというような運用はできるのではないかと思いますし、また、滅失登記の届出についても一定期間まで延長しましたが、原発地域については更に延長するというようなことも考えなければいけないと、そうした様々な手当てをしていくことは当然のことだと思っております。
○森まさこ君 特別立法について所管ではないというふうにおっしゃいましたけど、被災者から見たら所管なんか関係ないんです。何を聞いても全て所管外ですということでたらい回しをされておりますし、この特別立法については、所管であるからこそ各所管の大臣が、もう自分のところでは駄目だ、これは遅くなると、どうか横断的にやってくださいということをまさに先ほどの原子力災害対策本部の会議で提案すべきではないんでしょうか。そうでなければ誰もやりませんよ。原子力災害対策会議でも何も話し合われていないじゃないですか。 私たちは、先ほど申し上げたとおり、遅い、足りない、心がない、この三つを解消していただいて、どうか被災地、避難者の立場になった国の政策をしていただけるようにお願いを申し上げます。 また、建物の滅失登記ですけれども、大臣、上空からの写真、御覧になったことがあるんでしょうか。今、上空からの写真を見て、分かる範囲はやるんですというお話でしたけれども、もう本当にその識別ができないような混乱した状態になっております。そういったことをやはり現場感覚で見ていただいて、これはもう各省庁やっていたのでは、各省庁だけでは手に負えないということを声を上げていただきたいというふうに思います。 最後に、決算の国会提出時期について御質問をいたします。 現在、国の決算の国会への提出時期は翌年の十一月二十日前後となっております。以前は翌々年の常会冒頭に提出されておりましたが、決算の早期提出を求める参議院の要請にこたえ、平成十五年度決算からほぼ毎年この時期に提出されております。これも決算重視の参議院における取組の成果と言うことはできますが、一方で、都道府県の中でも東京都のように早いところでは九月中には決算が議会に提出されていますし、また、民間上場企業では五月の大型連休前後に監査を経た決算が発表されています。それに比べ、国の決算の提出時期は余りにも遅いと言わざるを得ません。国会における決算審査の意義は、国の予算執行を検証し、それを分析評価するとともに、後年度の予算執行及び予算編成に反映させることであります。 そこで、少しでも早く決算が提出され、国会において審議を行うことは大変重要なことと思いますが、その点については御賛同いただけますでしょうか。財務省及び会計検査院にお伺いいたします。
○副大臣(櫻井充君) 森議員にお答えしたいと思います。 なるべく早くという思いは我々も全く同じでございます。今回御指摘をいただいて、ちょっと決算の流れについて調べさせていただいたので、若干お時間をいただいて答弁させていただいてよろしいでしょうか。 決算書は、委員も御案内のとおり、実は七月の三十日から作成が始まるんですね。その後、四十日間、決算書を作りまして、それを会計検査院に上げて、会計検査院で大体二か月ぐらい検討した上で十一月の二十日前後に今上がってくると、そういうことになっております。そうすると、不思議なのは、三月の三十一日に締めているわけですから、なぜ七月の三十日から始まるのかと。この期間を短縮することができないのかということが僕は一番大きな問題なんだと思っているんですね。 それで、幾つかちょっと面倒くさい点があったので、これは委員からもし案があれば御指導いただきたいと思っていますが、まず一つは、予算を計上するところと執行する省庁が違っている場合が数多く存在するということです。 例えば、今回のは補正になりますが、瓦れきの処理がございます。この瓦れきの処理は環境省が予算計上して、執行はどこが行うのかというと、主に国交省と農水省が行ってくるということになります。そうすると、決算書の場合には執行機関が計上することになりますから、これは国交省やそれから農水省から上がってきて、これの突き合わせを全部予算書とやっていかなければいけないというまず作業がございます。これは一般会計上、他省庁とのやり取りだけではなくて、実は特別会計とのまた繰入れであるとか、こういったやり取りがございますから、これがかなり複雑になってきているという点で問題点があるんだろうと、そういうふうに認識しております。 ただ一方で、今回のことで申し上げると、瓦れきの処理で申し上げると、宮城県とも大分話をしたんですが、できれば予算は一本化してもらいたいと。つまり、執行機関である国交省であるとか農水省に行ってしまうと、各々で、県庁も県としてそこと対応するというのは非常に大変なことなので一本化してほしいということがありまして、こういった縦割りを今後どうしていくのかだと思っています。 一括交付金のことについてもこれは同じでして、今回、五千億程度を計上させていただいていますが、これ内閣府から予算として計上されています。これを地方自治体でどこの県がどれだけの予算を確保するのかということを、これ国会で通る前に決めてしまうというのは国会軽視に当たるということになりまして、結果的にはこういったことを全部省庁間でまた詰め直さなければいけないという議論も残っていて、なかなかこの整理が難しいというのが一つでございました。 それからもう一つは、企業が三月で決算を行います。そうすると、この納税額が、納税義務を負ったところがいつ納税されるのかというと、五月末に納税するんだそうです。五月の末に納税いたしまして、例えば、二十二年度に確定した際に、二十二年度の予算なのか、それとも、五月の末になるものですから、四月、五月分は実は二十三年度分も入っているんだそうなんです。これを二十二年度分なのか二十三年度分なのか、それから一般会計なのか特別会計なのかと、こういった仕分作業も残っているんだそうなんですね。 こういう作業が終わった後に、今度は特例公債の発行というのは六月末までに行うことというふうに定めております。それはなぜかというと、今年も、特例公債法、残念ながらまだ通っておりませんけれども、これは当初予算として発行する上限額を決めているのであって、少しでも国債の発行額を減らそうということで、六月の末にこれを調整するという作業をしていることもあって、結果的には、こういう作業があるものですから、どうしても七月の三十日からスタートせざるを得ないというのが現状なんだそうです。 ただ、委員と同じようなこちらとしても考えがございますから、今後、今のようなところを解決できるような案があれば是非御指導いただきたいと、そう思っております。 以上でございます。
○会計検査院長(重松博之君) お答え申し上げます。 会計検査院といたしましても、検査の結果を予算編成に反映させること、それから決算審査の重要性、これは十分認識をしておるつもりでございます。そのため、御指摘ございましたように、かつては十二月に内閣に送付していた決算検査報告、御指摘のように現在では十一月初旬に内閣に送付するよう早期化を図ったところでございます。 決算検査報告の国会への提出をもっと早くということだというふうに思いますけれども、この作成に当たりましては二つ大きな作業がございまして、決算額の確認という作業、それから指摘事項等の取りまとめという作業、この二つがございます。 決算額の確認ということにつきましては、九月に内閣から受領いたしました決算書に記載された計数、これを計算証明規則に基づいて、本院に提出された計算書の計数と突合いたしまして全てが一致することの確認というものを行っておりますけれども、作業の過程で不一致が疑われるようなことがございますと、これは事実関係の確認を手作業で一つ一つ行わなければならないということもありますので、これを的確に行うためには現在の期間が時間的にぎりぎりかなというふうに思います。 それからもう一つ、指摘事項等の取りまとめにつきましては、個別の会計経理について、合規性のみならず、経済性、効率性、有効性等の観点、多角的な観点から検査をして指摘した結果を取りまとめるものでございます。これが民間と大きく違うかと思います。 その検査サイクルは、決算確認対象年度の十月から、地方は翌年度の六月まで、本省等は七月まで実地検査を行いまして、八月から十月にかけて公文書等による事実確認、それから事務総局、検査官会議までの各段階における数百事項、昨年は九百を超えておりましたけれども、こういった事項を対象に慎重な審議を行ってございます。 この検査サイクルを前倒しするということになりますと、決算検査対象年度の会計経理を本格的に実地検査する期間というのが非常に短くなりまして、結果的により直近の予算執行の検査結果が検査報告に十分反映できなくなるというふうなおそれも出てくるわけでございます。 このように、決算額の確認でありますとか、指摘事項等の取りまとめも、効率化、早期化、非常に限界があるところでございますが、検査院としても現在最大限の努力を払っていることを御理解をいただきたいと思います。
○森まさこ君 まず、財務省の方ですけれども、時間がないので残念ですけれども、官僚の上手な言い訳だなという感じがいたしたんですけれども、失礼ながら。 三月から七月まで四か月間掛かっていると、そのうち、まず計上する省庁と執行する省庁が違うであるとか、それから五月三十一日のこの納税期限までのものが次年度の納税も含まれているであるとかということでございましたが、これはどちらも一部であるというふうに考えます。それから三つ目は、七月から九月までに関してはちょっと御説明がなかったんですけれども、七月三十一日に主計簿が締め切られて、その後会計検査院へ決算が送付されるのは九月上旬で、その間システムで機械的に行われておりますので、そこを手作業で行うのは最後のチェック作業のみというふうに認識しておりますけれども、そういった期間を短縮するなど、やはり御努力をいただきたいなというふうに考えます。 また、会計検査院に関しても今るる御説明がありまして、本格的に検査をするその時間が取れなくなってしまうんだということでございますけれども、確かに本格的な検査、非常に重要でございますけれども、それも遅過ぎてしまいますと決算の意義がだんだん薄まっていってしまいます。 マンパワー等に問題があるとすれば、それは定員を増やすなど国会の議論で手当てすることも必要だと思いますので、やはり冒頭も述べましたように、決算の意義は、国の予算執行を検証して、そして後年度の予算執行や予算編成に反映させると、そういうところにありますから、やはり理想的には前年度の決算が翌年度の予算の概算要求に先立つのが一番理想的ですけれども、それが難しいとしても、遅くとも秋の臨時会に、その早い時期に決算が提出されて、臨時会中に決算の審査を行い、年末に確定する最終的な予算政府案にそれを反映させるということが本当に望ましい姿だと思うんです。 ですから、それに対してできない理由を羅列するのではなくて、どうしたらできるのかと、それに対して我々もどういったことを国会で協力していったらいいのかと、そういうことを目に見える形で表していただきたいというふうに思いますけれども、それに対する決意を一言ずついただけたらと思います。
○委員長(鶴保庸介君) 櫻井財務副大臣、しっかりお答えください。
○副大臣(櫻井充君) まず、ちょっと名誉のために申し上げておきますが、答弁書を見ていただきたいと思います。今私が述べたことは、答弁書に一切書いてありません。後でお見せしてもよろしいですが、官僚からもらった答弁書ではもう本当に全然違っていたので、今のように答弁させていただきました。 それから、七月の三十日から約四十日掛かるんですが、ここはシステムを改革して以前よりは二か月ぐらい早くなったと私は聞いておりますけれども、この点はかなり短縮できたんだそうです。 ですから、今申し上げたとおり、問題は、三月の三十一日に締めたものを七月の三十日からスタートさせなければいけないということであって、今回、恥ずかしい話ですが、中に入って先生から御質問をいただいて私なりに調べさせていただいて、こういったことで時間が掛かっているんだというこの現状を今日は申し上げただけでございまして、だからといって今のまま進めようということは全く思っておりません。 ですから、先ほども御答弁で申し上げたとおり、先生方から、こういったことはここで短縮できるじゃないか、これはもう少しうまくやれるんじゃないかとか、是非そういうアドバイスをいただきながら、一日でも短縮できるように今後一緒に努力をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○会計検査院長(重松博之君) 会計検査院といたしましても、限られた人員で最大限の成果を上げられるよう、職員に対する研修の充実を図るとともに、適切な検査計画を策定して、また検査手法に様々な工夫を凝らすなどいたしまして、今後とも効率的、効果的な検査に取り組んで御要望にこたえるよう努力してまいりたいと思います。
○森まさこ君 しっかりとお願いいたします。 これで質問を終わります。ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、前川清成君が委員を辞任され、その補欠として平山誠君が選任されました。 ─────────────
○委員長(鶴保庸介君) 引き続き、質疑を行いたいと思います。
○藤川政人君 自由民主党、藤川政人でございます。 私はまず会計検査院にお伺いをさせていただきますが、過去最悪の指摘金額について、昨年秋に国会提出されました平成二十一年度決算検査報告によりますと、不適切な予算執行として報告に記載された件数が九百八十六件、指摘金額が一兆七千九百四億円に上ったとのことであります。特に指摘金額は、過去最悪であった平成二十年度の二千三百六十四億円の実に七・五倍強に激増しており、過去三年連続して最悪の数字を更新をしております。 案件別に見てみますと、国土交通省における鉄道建設・運輸施設整備支援機構の特例業務勘定における利益剰余金一兆二千億円、金融庁における整理回収機構の整理回収業務による利益千八百三十七億円など、独立行政法人や特別会計などが保有する基金や剰余金、いわゆる埋蔵金や、省庁、関係公益法人が長年所有、放置してきた国有地、いわゆる遊休資産が幅広く指摘されたことも過去最悪の指摘金額になった要因の一つと考えておりますが、国の財政が危機的状況にある中で、予算の無駄が放置されてきている状況は決して許されるものではありません。 そして、伺いますが、近年、決算検査報告の指摘金額、指摘件数が特にこの三か年は尋常でない増加傾向にありますが、この件について会計検査院としてどのような課題、命題を持って取り組んできたのか、そしてこの結果についてどのように受け止めておられるのか、所見を伺います。
○会計検査院長(重松博之君) お答え申し上げます。 私ども会計検査院は、社会情勢の変化でありますとか国民の関心の所在、あるいは国の財政状況、こういったものに対応して検査のテーマ、着眼点、検査勢力の配分等を毎年見直して検査を実施をしております。また、支出あるいは収入等のフローについて検査するほか、先ほどもちょっとお触れになりましたけれども、資金、資産、あるいは剰余金等のストックについても検査を実施しております。このため、検査報告の中に掲記された指摘事項は毎年多様なものになってきております。 お尋ねの指摘件数及び金額でございますけれども、元々、私ども目標を定めて検査を行っているというわけではございませんけれども、といいますか、指摘の内容に応じて指摘金額あるいは件数というのは変動するものでございまして、その変動の幅も年度によって大きい年もございますれば小さい年もございます。 そういうことで、一概に増減を評価するということはできないとは思いますが、御指摘のように、近年、指摘の件数、金額が増加していることにつきましては、指摘金額が大きい資金、あるいは資産等のストックに係る指摘があったことが大きいというふうに理解をしているところでございます。
○藤川政人君 ストックに関する指摘が指摘を多くした、もちろんそれで一兆二千億という鉄建機構の指摘が出てきたというのが大きな金額の、指摘金額の大台になるところだと思いますが、七・五倍という指摘金額の中で、合計金額が約一兆八千億のうち、今申し上げた鉄建機構指摘分が一兆二千億あります。この金額は、今回の大震災に当たって緊急に措置された特交分一千二百億の何と十倍の金額です。この十倍の金額が、国土交通省の言い分も多分あろうかと思いますし、是非、本来であればここでその言い分も聞いてみたいと思うんですけれども、いきなり一兆円を超える積み上げができたわけでもなく、そのストックというのは累々と積み上げられたものだと私は思います。 会検の指摘を受けるまで、言い方は、はっきり、悪く言うのかどうかは分からないですけれども、言えば放置されてきた、そういうことが言えるのではないかと思いますが、これは何らかの方向転換があったんでしょうか。そして、平成十八年度の決算分でいくとこれは三百億円という規模です。そういうことにおいて、いきなりこれだけの多額の指摘を会検として行ってきたその方向について、姿勢について、何らか転換があったかどうか、伺いたいと思います。
○会計検査院長(重松博之君) 先ほども申し上げましたように、私ども、社会情勢の変化でありますとか国民の関心、あるいは財政の状況等、それから我々の検査勢力等を見て、どういう検査をすれば効率的で我々の検査成果が上がるのかということを毎年見直して検査してきております。 今御指摘の一兆二千億の件でございますが、これについては従来から我々も検査をし続けてまいりました。その中で、やっぱり不確定な要素がこれまでもございましたけれども、だんだんそれが一つずつ解決してきたと、大きなところが、そういった背景もございました。 そういった我々の検査の毎年の方針を定める一つの要素と、それと相手側の客観的な状況、こういうのがたまたまこういう時期に我々の結論を得るに至ったというふうに理解をしているところでございます。
○藤川政人君 本日は財務副大臣も出席をしていただいておりますが、各省庁における数多くの無駄遣いを会計検査院が指摘していることについて、予算措置を行ってきた財務省としてのお考えを、見解を伺います。
○副大臣(櫻井充君) 御答弁させていただきたいと思いますが、我々が考えなければいけないのは大きく切り分けると二つなのかと思っております。 それは何かと申し上げますと、一つは、財務省として当初予算の査定を行います。その査定が適切であったのかどうかということ、このことについてきちんと判断しなければいけないと思っていますし、もう一つは、各省庁での執行の問題なのかどうか、ここにあるんではないのかというふうに考えております。 その点から申し上げれば、今回の御指摘をいただいた案件について事務方に全部整理をさせることにいたしました。つまり、今の視点から、我が省としての査定の問題があったというところがあるとすれば、今後、財務省として査定の在り方を変えていかなければいけないと、そのように考えているからです。 それから、執行の点でいえば、これは本質的に申し上げれば各省庁がきちんと行うことかと思っておりますが、我々はその執行のことについてもチェックをするという役割を担っている部分もございますので、こういったことを併せて今後きちんと検討していきたいと思っております。 いずれにしろ、委員から今日御指摘をいただきましたので、省内できちんと整理をさせていただいてきちんとした対応を取らせたいと、そのように思っておるところでございます。
○藤川政人君 査定と執行、まさにそのとおりであると思います。執行については各省庁のもちろん無駄遣い等々しっかり精査をしていただかなくちゃいけない。それを見過ごしてきたということも当然言えるのかもしれませんし、その件についてはしっかりとした体制で進めていただきたいと思います。 そこで、もう一度この決意のほどを伺いたいんですが、各省庁の無駄遣いを是正するため、財務省はやはりこれから、今答弁の中にも若干含んでおられましたけれども、もう一度しっかりとした指導をしていく、どういう形で指導していくのか、そして、従来どおりの指導を繰り返しているようではやはりこの無駄遣いは改むとも思いませんので、やはり、今以上の改善措置をどういう形で講じていくのか、具体的に伺いたいと思います。 それからもう一点、特に各省庁や公益法人が所有する、先ほど申し上げました国有地など遊休資産の問題について、やはりこれを、各省庁各々それぞれいろいろ持っておみえになりますから、それを一元管理をするなり、塩漬けしてある土地、無駄な土地、そういうものに対してしっかりとした目線を、やはり財務省なり、また特命チームとして内閣府に新たなチームを設けるなり、そういう姿勢というのも私は必要ではないかなと思いますが、その辺についても財務省の今の取組状況を伺わせていただきたいと思います。
○副大臣(櫻井充君) 済みません、後半のことについてはちょっと通告がなかったんではないのかと思っておりまして、済みませんが、国有財産の管理については理財局だろうと思っておりますので、理財局とちょっとこれは至急検討させていただきたいと思います。 それから、前段の方なんですが、これまでの財務省の査定というのは単年度の財政再建をどうあるべきなのかということを中心に査定をしておりました。ですから、単年度としてその無駄を削減できるのかもしれませんが、一方で申し上げれば、五年後、十年後の日本社会がどうなって、そして税収がどう上がってくるのかということについて十分議論されていたのかというと、私は必ずしもそうではなかったんじゃないだろうかというふうに感じております。ですから、単年度で無駄なものであったとしても、もしかすると投資として必要なものがどこまであるのかとか、様々な観点から検討しなければいけないと思っております。 それからもう一つ、ごめんなさい、あと一点だけですが、もう一つは執行体制が十分なのかどうかということだと思っています。例えば、研究開発予算なら研究開発予算を幾ら絞って、そして計上したとしても、そこで執行してくるような大学の整備がきちんとできていないとか、それから大学で基礎研究をした後に官民を挙げてそのシーズを利用していき、最後に民間が商品化していくとか、そういったことがきちんとできているのかというと、実はその体制が十分でないことも分かりました。 ですから、お金の問題だけではなくて、そういう組織であるとかそれからその進め方とか、こういったことも併せて今主計局の方で検討させているという状況でございます。
○藤川政人君 今、副大臣、理財局の方にということで、通告云々という問題ではなくて、最初、冒頭、会検の方に申し上げましたように、国有財産のことは申し述べましたので、それぐらいの事前学習はしておいていただきたいなと思うんですが。 ここでちょっとお伺いしたかったのは、その遊休資産の利活用について、また次回、日を改めてでもお話ができればと思いますが、財務省は、もちろん国有財産等々の増減報告を毎年取りまとめて会検の方に行っていますし、昨年六月十八日には新成長戦略における国有財産の有効活用についてのペーパーを出していますよね。これについて、若干通告外ということもあるかもしれないんですが、スキームというか枠組みは分かります。ただ、これをどういう形で進めていくのか、そういう問題に対してフォローアップという言葉も使ってみえますけれども、手段が全くこれは分からない。 そういう中で、とにかく土地というのは、あの会検が指摘した一万六千本の在外公館のワインとか、塩漬けになった、あの剰余金を返せという問題ではなくて、財産が移りますから、この問題について若干副大臣の所見も伺えればと思いますが。今、その遊休資産に対して、海外、在日公館に対する売却の話がちょうどこの時期と時を一にして多分いろんなところで話題になっているかと思います。その点について、これは財産が移って治外法権化されますので、その件についてちょっと所見でも伺えたらと思います。
○副大臣(櫻井充君) 済みません、まだ十分に検討していないので十分な御答弁になるかどうか分かりませんが、まず委員から御指摘いただいたことはごもっともなことだと思っておりまして、我々もその国有財産をどう活用していくのかということについてなるべく早く方向性を出したいと思っています。 その中で、小泉さん、竹中さんの改革のときには国有財産を全部売却しろという話になりました。しかし、あれは売却すれば確かに単年度の利益は出るかもしれませんが、長い目で見たときに果たしてそれが良かったのかどうかということを実は省内で検討させています。つまり、単年度で売却した際の国の利益と、それから、それを例えば何かの形で貸し付けてそこから長い間利益を得てくるのと果たして国にとってどちらがプラスなのかと、そういうことを併せて今理財局で検討させているところでございまして、済みませんが、今日のところはこの程度の答弁で御勘弁いただきたいと思います。
○藤川政人君 しっかりと検討をしていただきたいと思うのと同時に、官舎等々の遊休資産、その売却においては、これはそれぞれ各自治体においては多分一等地にあるんですよ。そういう土地がやはり在日公館等々にこれは売却されるとなると、大きな国民の財産が他国に移るということになりますので、しっかりとした検討をまた加えていただきたいと思います。 それでは、まず国の不適正経理について伺いましたけど、次は地方の不適正経理について会計検査院に伺いたいと思いますが、平成二十年度から二十二年度にかけて会計検査院が農林水産省と国土交通省所管の国庫補助に係る経理について、四十七都道府県、そして十八の政令市全ての会計実地検査を行われました。指摘件数、指摘金額及び国庫への返納命令金額、この点についてまず伺いたいと思います。
○説明員(真島審一君) お答えいたします。 会計検査院は、二十年次から二十二年次までの三年間で、四十七都道府県、十八政令指定都市において国土交通省及び農林水産省の補助事業に係る事務費を検査いたしました。その結果、不適正な経理処理を行って需用費を支払ったり、補助の対象とならない用途に需用費、賃金又は旅費を支払ったりしていたもの、合計五十二億八千八百九十八万余円、国庫補助金相当額にして二十五億九千五百二十万余円指摘したところでございます。 もう一方、お尋ねの返納額についてでございますが、平成二十年次から二十一年次まで都道府県の国庫補助事業の事務費について不当事項として指摘したものについて見ますと、二十二年七月末現在で、国庫補助金十五億八千七百六万余円が国に対して返還されております。この数字は、同年十二月、昨年十二月に、会計検査院法第三十条の二の規定に基づきまして、会計検査院長から衆議院議長、参議院議長及び内閣総理大臣に対して、随時報告の中に記載しているところでございます。
○藤川政人君 この原因は何だと思われますか。
○会計検査院長(重松博之君) お答え申し上げます。 委員の御質問は、担当者がなぜこのような不適正な経理等を行ったかということについての私どもの認識ということではないかと思いますが、今回の指摘には二つ事態がございまして、一つは、不適正な会計処理を行って需用費を支払っていたという事態、それから、補助の対象とならない用途に需用費、賃金又は旅費を支払っていたという事態でございます。 まず、不適正な経理処理の事態につきましては、これは会計法令等の遵守よりも予算の年度消化、これを優先させるというような体制といいますか風潮というものがあったということ、それから、担当者において公金の取扱いについての重要性に関する認識が薄かったんではないかというふうに我々としては考えております。 それからまた、補助対象外の事態、これについては、国庫補助事業の対象範囲というものを拡大して解釈をしていたということ、それから、担当者において補助事業の目的どおりにこれを使用するということについての認識がやはり十分でなかったというようなことなどが発生原因として挙げられるのではないかというふうに思っております。 なお、対象外の問題につきましては、この指摘とはちょっと別でございますけれども、都道府県に対する委託費について農林水産省、国土交通省の指導が不十分であるということを踏まえて改善を図らせた事例がございます。 以上でございます。
○藤川政人君 今おっしゃられたように、多少の手続の瑕疵は認めてもらえるだろうとか、補助金を返還すると次年度の補助金に影響する、そういうことは、やはり甘えもあったと思いますし、そういう考えはやはり猛省を地方自治体にも促さなくちゃいけないのは確かであります。補助金適正化法の枠の中でやるということであれば、必ず報いはこういう形で出るということでありますが、各省庁において、それは交付金をもらった以上は実績報告を必ずしていますし、それに対するやはり検査が甘かったということも言わざるを得ないと思います。 そういう中で、この指摘後、これ、地方の不正経理という表現でマスコミはこぞって報道しました。不適正と意図的な不正という、そういう言葉が混線し、その中でも少々拙速だったかもしれませんが、十分な内部調査もせずにまず会見を開いて謝ってしまった知事や、数千万を銀行で借り入れてまずそれを返された知事もおられました。ある知事は自ら二百五十万を返して、何と勤めて数か月の一年生の職員まで全て国の返還に応じた自治体もありました。 これに対していろんな考えができるかと思いますけれども、監督省庁の責任やそういうことは一切問わずに、ある県においては副知事がこれは首になりましたので、引責をされましたので、そういうことを思うといろいろな思いがありますが、本日は町長経験者の逢坂政務官、出席でありますので、行政の長として、そういう長が率先垂範するというのは美しいですけれども、こういうことに対してどう思われるか、ちょっとお伺いをしたいと思います。
○大臣政務官(逢坂誠二君) 突然の御指名で、まさかここでこういう質問が来るとは思わなかったんですが、私自身も町の職員として会計検査、受検したことがございます。それから、町長としてはほぼ毎年のように会計検査を受検しておりました。 その際にやっぱり感じますのは、そもそも一般論として、会計検査に当たるとなると職員はどんなに適正に仕事をしていてもどきどきします。何かあら探しされるんじゃないかというようなところで非常に心配になるのは、これは一般論としてあるかと思っています。 それから、もう一つ心配するのは、せっかくきちんとやっていても、その解釈の違い、認識の違いというものが随分あるケースがあります。私も、実は農業の補助で、橋脚、橋を造るというようなのをやったときに、橋脚の本数が正しいかどうかというのを、まさにこれは神学論争みたいなことをやって、結果的には会計検査からは指摘はされなかったんですが、そんな問題もあって非常にナーバスな問題だなというふうに思います。 その際に問題になるのは、やっぱり微に入り細に入り各省のいわゆる補助要綱のようなものでいろんなことを決め過ぎているところが一つ大きな問題ではないかというふうに現場にいたときは思っておりました。 以上です。
○藤川政人君 まさに欲しい答弁をいただいたような気がしますが、二十年度の経済対策以降、緊急雇用創出事業基金など国で造成した基金を地方はたくさん抱えていますし、それに対する会検の指摘なんかも出ていますが、こういう年度を越えた基金設置など、単年度収支の枠にとらわれない基金設置という手法で、地方にとってはこれ、名前は使い勝手がいいという制度であるとは思いますが、国の満足度とは裏腹に、国庫である以上、今、逢坂政務官が言われたとおりなんですよ。地方の現場は会検で指摘を受けるんじゃないかと毎日どきどきしているんです、こういう方たちは。 そういう中で、この使途、各交付府省庁に問い合わせても、会検に指摘受けないようにというのが、多分これが必ずの言葉なんですよ。そういうことをこれからやるという中で、今現政権は目玉施策である地域自主戦略交付金はひも付きでないということを喧伝しておみえになりますが、これはひも付きじゃないといっても、補助金適正化法の適用を受けていますので、目的外使用については必ず会計検査院の対象になってきます。 この交付金について、多くは省庁をまたいで交付が行われるわけでありますし、そういう中で、責任者の不透明化と、今以上に目的内と目的外というグレーゾーンが広がるような私は気がするんですが、その件について担当の今度は内閣府に伺いたいと思います。
○大臣政務官(逢坂誠二君) 御案内のとおり、今回の自主戦略交付金というのは交付税とは違いますので、交付税であれば自治体の判断で、例えば人件費に使おうがハード物に使おうが、それは使途は自由なわけであります。自主戦略交付金はそうではございませんので、ある一定程度のルールの中で使っていくということになりますので、当然これは補助金適化法の対象になり、会計検査の対象になるというふうに思っております。 ただ、今回やはり前と全く違いますのは、各省が示した対象事業メニューの範囲で自治体自らがどの事業をやるんだということが選択できるということ、さらにその選択した事業の中で箇所付けも自分たちがやれるということ、この自由度の拡大は大きいというふうに思っております。しかしながら、その事業のいろんな要綱の範囲でやっていただくというところはこれは従前とは変わっておりませんので、その意味においては会計検査に対するどきどき感は残っているかと思います。 今後の課題としては、その各府省が定めている事業ごとの要綱、これを少しでも縛りを自治体の実態に合うような形で変更をしていくということが非常に大事なポイントになると思っております。
○藤川政人君 ひも付きではないということはちまたではかなり広まっておりますし、その縛りをどうしていくかということもあると思いますが、民主党政権はマニフェストの中で、地域主権を確立し地方の自主財源を大幅に増やすとしておりますし、地方が自由に使える一括交付金の第一段階として公共事業を始めとする投資への補助金を一括交付金化しますとしておられます。 先ほど、櫻井副大臣も、一括交付金については国会を経ずに出しちゃうと国会軽視になるんじゃないかなということも言われておりました。それぞれいろんな縛りなり、やはり制度として確立する上ではクリアしなくちゃいけない課題がありますけれども、やはり会計検査院の適正化法の指摘を受けないようにしたいというのがまずもって地方自治には大きな思いでありますので、これはいっそのこと理念に合うように補助金適正化法の適用を受けないようなやはり自主財源化するということもこれから持っていくべき一つの選択肢ではないのかなと思いますが、その件についても伺いたいと思います。
○大臣政務官(逢坂誠二君) 今後、この地域自主戦略交付金をどう育てていくかというのは非常に重要な観点だと思っております。 それで、本年度はまず、先ほど言いましたとおり、その対象事業を自由に選択でき、箇所付けが自治体ができる、自らの判断でやれるというところで自由度を拡大した第一弾というふうに今我々は考えているところです。それで、今年、都道府県やってみまして、多分都道府県の現場からいろんな声が出てくると思います。それをある種モニタリングしながら、更に制度的にバージョンアップをしていくと。 自治体の現場でお仕事されておりましたので、どういうところを直せばいいのかというのは先生もお分かりだというふうに思いますので、様々な意見を入れて育てていきたいというふうに考えているところであります。
○藤川政人君 またこれも通告していないなと言われますけど、是非副大臣にもその件について、先ほど国会軽視になるんじゃないのかと、いろんなクリアすべき、閣内で論議をされているお話をされておりましたので、是非この件についても御答弁を賜れればと思います。
○副大臣(櫻井充君) やはり地方が、委員が御指摘されているように、自由に使えるお金を増やしていくという方向で今後やらせていただきたいと、そう思っています。 ただ、いろいろ、済みませんが、各省庁の思いもあり、これ調整中なのである種御勘弁をいただきたいと思うんですが、今、逢坂さんから説明もございましたが、結果的には今回は細かい、要するに、この仕事をやりますと言った後は会計検査院の指摘を受けることになりますが、一方で、例えばこれで道路を造ってくるのか、学校を造るのか、医療の方にお金を使ってくるのかとか、そういったところについては地方の裁量権が拡大してきているわけですから、こういった形で、済みませんが、一歩一歩進めさせていただきたいと、そう思っているところでございます。 是非、自民党の先生方にも応援をよろしくお願いしたいと思います。
○藤川政人君 ありがとうございました。 どきどき感だけじゃなくて、しっかり自信を持った仕事ができるように、また地方に対しても、また国に対しても国民に信頼されるようなシステムをつくっていただきたいと思います。 続いて、委員長お見えでありますので、警察庁について質問をさせていただきたいと思います。 今回の東日本大震災において、全国の都道府県警察は、物資の運搬、補給、被災者の救助、捜索、信号減灯箇所における交通整理、身元確認や福島第一原発周辺での活動まで、その活動は本当に大であり、改めて危機管理における警察の重要性を再認識しております。その活動基盤となる警察署等の警察施設の損壊状況等々について伺えればと思います。
○国務大臣(中野寛成君) お答えをいたします。 東日本大震災、特にお尋ねの数字は被災三県の数字でよろしいでしょうか。東北三県を中心に警察施設に被害が発生をしておることは御指摘のとおりでございます。 警察本部につきましては、宮城県警察本部及び福島県警察本部で被害が生じ、現在も福島県警察本部の一部がといいますか、大部分がと申し上げた方がいいと思いますが、使用できていない状況でございます。これは、福島の場合は県庁と同居でございますが、一一〇番通信等は今も旧庁舎の中で頑張っておりますが、その他の部門の機能を福島警察署に移しているという状況であります。 また、警察署につきましては、三県を合計して五十署、四分庁舎に被害が生じ、うち岩手県釜石警察署、宮城県気仙沼警察署及び南三陸警察署については現在も使用できない状況でございます。 交番、駐在所につきましては、根こそぎ波にさらわれたところも実はございますが、三県を合計して百四十三交番、駐在所に被害が生じ、このうち、岩手県大船渡警察署高田幹部交番など五十四交番、駐在所が現在も使用できない状況であります。また、併せまして相当数のパトカー及び船舶が流されている。 また、御質問につきましては、施設のことについての御質問ですが、ちょっと併せてこの際申し上げさせていただきたいと思いますが、三十名の警察官の犠牲、このうち二十三名の殉職者及び七名の行方不明者が今日ございます。 以上です。
○藤川政人君 本当に貴重な命まで奪われて、定年を間近にした幹部警察の皆さん方のことも本当に悲しいことでありますが、その件についてはしっかりとした賞じゅつ制度の中で補償の方をしていただきたいと思います。 今おっしゃられたように、津波という大きな大きな災害で、想定外という言葉は当然のごとくかと思いますが、やはり警察署というのは一様にして老朽化が激しいものでありまして、そして、公務員を今削減をするというのが主流の中で、警察官、これは定数は国が管理しておりますので、毎年その中で警察官の増員は行われていると思います。二十一年度の決算でいけば、この年も何千人という警官が増員されていると思いますけれども、老朽化をしている、そして警察官だけは増えています。そういう中で、建て替えもなかなかままならない中で建物も狭隘化をしています。 そういう状況の中で、各都道府県警察が行う耐震改修などの警察施設整備に対してどれだけの補助金を交付しているのか。二十一年度の結果でも結構です。具体的にはどのような施設に補助しているのかということを伺いたいと思います。
○国務大臣(中野寛成君) お答えいたします。 警察署の建て替えにつきましては、その経費の十分の五を国が補助することとしておりますが、耐震改修に要する経費につきましては都道府県において経費を負担することとしておりまして、平成二十一年度決算における耐震改修経費の執行額は残念ながらゼロであります。 これは、警察署については全国的に老朽化が進んでいる、御指摘のとおりでございますが、新たな治安事象に対応するために、平成二十一年度までの十年間で地方警察官二万五千百八十九名の増員、これも先生御指摘のとおりであります、行われていることなどによって、施設の狭隘化も著しくなっていることから、厳しい財政状況の中、警察署の建て替えを優先して、これに国が補助することとしているということが今御指摘のような現象を生んでいるということでございます。
○藤川政人君 それでは、委員長にお伺いしたいんですが、例えばインターネットでIs値、警察署と入れただけで、これ山盛り各自治体の今のIs値の現状が出てきます。中には〇・一というところが出てきます。例えば、危険度の高い〇・六未満の建物がどれぐらいあるのか。ましてや、倒壊、崩壊が危険視されている、高いと言われている〇・三を切るような建物がどれぐらいあるのか。 先ほどおっしゃられましたけれども、耐震の補助金は一切出していませんと、地方警察という枠の中で建て替えに対しては二分の一出していますとおっしゃられますけど、先ほど委員長言われたとおり、どなたかの答弁で、松野先生でしたか、国の基準と地方の基準違うからと言われたんですけど、国の基準でやっていれば、地方の基準になれば、国は二分の一と言っていますけど、間違いなく十分の四やそれぐらいにはなっちゃうわけです。 そういう中で、その不足部分については必ず地方の単費でそれは補填をしなくちゃいかぬのですけれども、私は、耐震じゃなくて建て替えに主眼を置いていますと言いますけれども、建て替えというのは長い年度にわたって平等に安心、安全を守る拠点を造ることであって、耐震というのは、四十七都道府県、全て全て本部長が委員長の下で、国家公務員ですから、ましてや幹部と言われる警視正以上は全部身分は国家公務員としてありますので、地方の警察といえども国家公安委員長の本当に範疇の中で活躍しなくちゃいけない人たちが各地方警察の長であるのは間違いないと思います。今言うように、Is値を含めて、そういう調査をまずしてみえるのか。そういう中で、やはり地方という言葉を用いながらも、私は建て替えと耐震というのは同列で扱うものではないと思います。 それだけ大切な人材を全て国家公安委員会所管の中で地方で出してみえるということであれば、やはり国家公安委員長の所管の中でしっかりとしたハードの整備も私は考えるべきだと思いますが、そのゼロということに対しては、私は本当におかしな論議だと思っております。そのことについてお考えを伺えればと思います。
○国務大臣(中野寛成君) お答えいたします。 御指摘のお気持ちはよく分かります。特に警察署につきましては、一般の事務庁舎と違いまして、第一線の警察活動の拠点になるだけではなくて、例えば今般のような災害発生時には被害者の救護、また応援部隊の受入れ等に活用される、また治安の確保に必要で不可欠な施設でありますし、場合によっては避難所としてもむしろ活用するとかという、言うならば安心のよりどころということにもなるわけでありますので、そういう意味でいち早く耐震構造にはやはり大きな力を注ぐべきであろうというふうに思います。 その重要性につきましては私もよく理解はできますし、御指摘のように、警察署の施設というのは基本的に都道府県がその建て替え、また耐震構造等々を担当いたしますけれども、国としてもその促進方についてしかるべき努力をやはりこれからも心掛けて努力をしていきたいと。むしろ先生の今日の御指摘は警察に対する御支援のお声だということを有り難く受け止めて、努力をしてまいりたいと思います。
○藤川政人君 今Is値に基づく調査というのは多分していないんですね、と理解しておきます。 しっかりとした中で、耐震と建て替えというのは同義じゃないということを、是非それだけは理解しておいていただきたいと思います。 次の質問に移らさせていただきますが、今回の一次補正は、災害復旧が中心ともちろんなる中で、学校の耐震改修の緊急実施が盛り込まれております。この際、被災地の、まさに今委員長おっしゃられた活動拠点となる警察施設の防災化を推し進めるべきではないかと思いますが、もう一度この件について、学校の耐震については一次補正の中でしっかり盛り込まれましたので、今言うように、これで一次補正は間に合いませんけれども、今後やはり近々のうちの対応が私は必要ではないかと思いますが、その件についてお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(中野寛成君) むしろ御指摘感謝を申し上げたいと思います。 ただ、第一次補正につきましては、壊れ、また現在使用できない施設等々につきまして、いっときも早くこれを機能させる、それらのことにつきまして優先をいたしましたので、今御指摘の件につきましては第二次以後できるだけの努力をしてまいりたいと思いますし、また先生の御指摘も大いに活用させていただきたいと思います。 ありがとうございます。
○藤川政人君 それでは、同じく今回の大震災における信号機などの交通安全施設の損壊状況を伺いたいと思います。
○国務大臣(中野寛成君) 今回の震災におきましては、信号機や道路標識を始めとする交通安全施設につきましても、地震、津波、液状化現象等によりまして、柱の倒壊、機器の水没、故障等の被害が多数発生をいたしました。太平洋沿岸部の市街地が津波によりまして壊滅的な被害を受けていることや、福島の原発事故に伴う警戒区域があることなどから、被害の詳細につきましては完全に明らかということではありませんが、おおよその数字で申し訳ありません。 平成二十三年四月末現在で、信号機が約一千基、管制端末装置が約三百基、この管制端末装置といいますのは車両感知器が約二百十基、光ビーコン九十基が含まれております、などにつきまして損傷や故障が生じている見込みでございまして、今後これらの建て替えや補修が必要となっております。
○藤川政人君 この交通安全施設の整備に対しましては、反則金収入を原資とした交通安全対策特別交付金のほか、警察庁の補助金がもちろん交付されて実施されるんですけれど、計画的な整備をこういう形で担保してきたものが、二十三年度からはその一部が地域自主戦略交付金の対象とされました。地方が自ら優先順位を付けて事業を実施することはよいのですけれど、いまだ客観的指標による配分基準が明確にされていない中で、結局、配分における国の恣意性に翻弄される結果になってしまうのではないかという危惧をしています。 交通安全施設を差し出した警察庁の考えを伺えればと思います。
○国務大臣(中野寛成君) 差し出したというよりもやむを得なかったという部分がありますが、もう先生よくお分かりのとおりでございます。むしろ、今の御質問に対しては、私が答弁するというよりも、あそこにいる二人に答弁させたい、そういう気持ちでございまして、むしろ我々としては、こういう事態も生じましたから、なお一層我々も努力をしてまいりたいと思いますし、また、その優先やいろんな内容の使い方については都道府県が主体性を持ってやっていただく部分もありますので、そういう意味でも御努力をいただけるよう、我々としてはお願いしたいと思っております。
○藤川政人君 今後の配分に当たっては、客観的指標で被災地の交通安全施設の損耗状態を考慮に入れるということは、間違いなくこれ困難なことだと思います。どのように配慮するつもりなのかということを委員長と、そして内閣府逢坂政務官に伺えればと思いますけれど、客観的指標で御答弁をいただきたいと思います。
○大臣政務官(逢坂誠二君) 交通安全施設については、これは私個人の考え方でありますけれども、平時の場合と今回のような大災害の場合はやはり切り分けて考えなければならないと思います。 今回のようにもう大規模に数多くの施設が損壊をした場合には、やっぱり別途のやり方でこれを早急に復旧させるということが必要になると思っております。一方、平時の場合は、例えば日ごろから交通事故が多いというふうに自治体の側では認識をしている、そこの道路改修をやるなんというときに合わせ技で交通安全施設、例えば信号装置なんかがセットできればそれはそれで非常に有効なわけですから、その意味で地域自主戦略交付金の果たす役割というのは私は十分にあるというふうに思っております。 それから、客観指標のことでお尋ねがございましたけれども、客観指標というのはあくまでも配分の考え方であります。配分を受けた自治体の側は、その配分の考え方にとらわれることなくそのお金の範囲内で、お金の範囲内というのは総額の範囲内で自由に事業を選択できますので、その意味では、この点は御指摘のようなことには当たらないのかなというふうに思っております。
○藤川政人君 もう時間もなくなってきましたので。 この前、警察庁の方にちょっとこの辺を伺いましたら、地域自主戦略についてはなじむものとなじまないものがあると、訳の分からぬ答弁をされました。なじむものは何なのか、なじまないものは何なのか。これを聞くとまた長くなりますので、もうこの件についてはしっかりと委員長通じて論議を詰めていただきたいと思います。 それでは、もう五分になりましたので、最後に裁判所、裁判を受ける権利を担保する上での司法インフラのことについて伺いたいと思います。 裁判所についても老朽化の問題が話題になっておりまして、平成二十一年、例のアニメの殿堂が否定をされた年、藤井財務大臣のときに、国立メディア芸術総合センターとともに裁判所の改修は、大臣が、インチキだと、緊急経済対策で何で必要なのかと予算止めました。まさにこういう論議をする場所ではなくて、やはり冒頭申しましたように、裁判を受ける権利である司法インフラというのはそれと独立してしっかりやらなくちゃいけないことが一大臣のその発言で止まったということ、これに対してどういう思いを持ってみえるのか。 私が聞いた中では、まだ裁判所施設二百七十七棟のうちの四割の百六棟が耐震基準以下になっているという現状も聞きましたけれど、この点について併せてお伺いし、今後の考え、今のことも含めまして質問をして、終わりたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(林道晴君) お答えいたします。 まず、裁判所の耐震の関係につきましては、最高裁判所の庁舎を含めまして、階数が三階以上で、かつ延べ面積が一千平米以上の施設について、平成二十年度までに耐震診断を実施しまして、改修工事あるいは新営工事の予算を確保して庁舎新営を進めてまいりました。 先ほど委員から御指摘いただきましたように、昨年五月末時点で、今申し上げた対象施設の中で耐震基準を満足する施設というのは百七十一棟ということになりますので、六二%であったわけですが、その後二十二年度までに予算措置が講じられました施設を加えますと、耐震化率、いわゆる施設の中で耐震工事が済んだものというのは約八三%になります。 それで十分だと私ども考えておりませんで、平成二十七年を目途にしまして、庁舎の耐震化率というのを何とか九〇%を確保するという努力をしていきたいと思っているところであります。 もう一つ委員から御指摘いただきました二十一年度の補正予算の関係につきましても、確かに庁舎の耐震対策に関する経費が含まれておりました。この点につきましては、行政府庁について執行の予算の一時留保、執行というのが求められ、裁判所に対しましても同様な要請がありました。裁判所としても、国の一機関として可能な範囲でこれに協力する必要があるということで、執行を一時留保し、執行の是非を検討いたしました。 その上で、庁舎の、裁判所施設というのは官署施設という側面もあるわけですが、今委員から御指摘ありましたように、多数の関係者あるいは傍聴人等が来られるところでありますので、裁判所の耐震改修というのは切実かつ緊急性の高い問題であると私どもも考えまして、ただ、国家の方にも協力する必要があるという中で、執行を止めた中で、裁判員候補者あるいは裁判員、傍聴人等、多くが来庁する裁判員の実施庁についての執行を維持しまして、それ以外の庁舎の耐震化については執行を停止いたしました。 ただ、その執行を停止した庁舎につきましても、その後の二十二年、二十三年度の予算要求等においてできるだけの確保をいたしまして今耐震化の工事を進めているところでありまして、先ほど申し上げましたように、二十七年度末までに対象施設の九割の耐震化というのを進めていきたいというふうに考えているところであります。 以上であります。
○藤川政人君 もう一度申し上げますけれども、確かに緊急経済対策で補正で耐震が進められることに対してインチキだという言葉が出たというのはこれは事実でありますけれども、緊急経済対策でやることが是か非かというのはこちらに置いておいたとしても、今おっしゃられたように、それから検討をしましたと、予算を付ける前に検討するんですよ。ですから、それに対してはしっかり胸を張って、そういうことではありませんということで、当時の藤井財務大臣にもしっかり直談判するぐらいの気持ちで、やはり今申されたように一般不特定多数の方々が傍聴されたりする施設ですので、しっかりそういう視点で司法インフラの整備についても進めていただきたいと強く要望して、終わります。
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。 これまでの平成二十一年度決算、そしてまた決算検査報告等についてお聞きしたことを中心に、関連のことも含めまして質問をさせていただきたいと思います。 まず、不当事項が発生した原因と今後の対策につきましてお伺いをしたいと思うんですけれども、国の組織の中でも特に遵法精神にあふれているはずの裁判所、法務省、警察庁において、また我々の国会でございます、国会の組織の中でも不当事項が平成二十一年度会計の検査報告で指摘をされたわけでありますが、誠に遺憾であると、そのように感じておるわけであります。 このような不当事項が発生した原因と今後の防止策について、江田法務大臣、警察庁を所管する中野国家公安委員長、そして最高裁判所の林経理局長並びに橋本参議院事務総長にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 委員御指摘のとおり、誠に遺憾なことでございます。厳しく対処していかなければならぬと思っておりますが、法務省として不当事項で掲記された事項は二つございます。 一つは、刑務所の常勤医師が正規の勤務時間中に他の医療機関で一部勤務をしていたと、兼業を行っていた、その部分、給与を減額しないまま支給していたという点でございます。この点は、これの発生原因は、医師本人の服務遵守に係る認識が欠けていた、それから刑務所の医師への指導不足あるいは勤務時間管理の不徹底といったことがあったと思います。これは、兼業申請手続というのをちゃんと守ってくださいという医師への指導の強化と、それから勤務時間の管理の適正化について刑務所内の研修などを実施をいたしました。 もう一点は、物品の購入等に当たって不適正な会計経理を行って庁費等を支払っていたと。前年度のものを入れていたとか次年度のものを入れていたとか、あるいは差し替えがあったとかといったことでございますが、これは、原因としては、やはり会計担当職員の会計法令等の遵守について認識が欠けていた、あと予算を計画的に執行していくということが不徹底であったと思われます。 そこで、そうした不適正な会計経理を防止するための留意事項をまとめた通知文書を発出いたしまして、あるいはこれについては厳重注意等を行いまして、今後こうしたことがないように徹底していくつもりでございます。
○国務大臣(中野寛成君) お答えいたします。 平成二十一年度決算検査報告では、物品購入等に関して、一管区警察署、二管区警察学校及び九道府県警察につきまして約一億五千万円の不適正な会計経理を不当事項として指摘されたところであります。 その原因でございますが、各事案によって異なるのではありますが、例えば、指摘を受けた部署におきましては、適正な会計経理に関する認識が十分ではなかったと。第一線の様々な物品調達のニーズに機動的に対応しようとしたという一面もあります。また、予算を残したくないという意識があったこともあったのではないかと。いずれにいたしましても、その全てが認識の問題だというふうに思っております。 警察庁及び各都道府県警察では、職員のその意識改革の徹底、それから物品納入時の履行確認の徹底、計画的かつ効率的な予算執行の推進、会計監査の充実強化、このこと等の取組を今推進しているところでございまして、今後とも、国家公安委員会といたしましては全力を挙げて警察に注意をしてまいりたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(林道晴君) お答えいたします。 裁判所が平成二十一年度の決算の関係で会計検査院から不当事項として指摘を受けたものは、ある裁判所の清掃業務請負契約におきまして、清掃員の人工数を誤って算出したため、契約額が百五十万円割高となっていたというものであります。 これは、その契約、一般競争契約で調達しておりますが、予定価格の積算におきまして、担当者が表計算ソフトを使用するに当たり計算式を誤ったり入力する欄を誤るという、まあミスとしては単純でありますが、ミスを犯したことが直接的な原因でありますが、こうしたミスが決裁の過程において上位の役職者においてチェックできなかったことというのが大きな原因であると考えておりまして、このような事態が発生したことは誠に遺憾であると考えております。 この会計検査院の指摘を踏まえまして、最高裁としては、各裁判所に対し、契約に関する事務処理を改めて総点検し、チェック体制を強化するように通知も出しましたし、検査においても指導を強化したところでありますが、今後ともより一層の指導監督の徹底を図り、予算の適正な執行に努めていきたいと考えておるところであります。
○事務総長(橋本雅史君) まず初めに、決算審査を重視した取組から決算の参議院と言われている中、本院が不当事項の指摘を受けましたことは誠に申し訳なく、改めておわびを申し上げる次第でございます。 今回の指摘は、平成十九年度及び二十年度に締結した情報処理システム関係業務に係る請負契約百六十九件のうち、契約締結前に業務の履行を開始させたり、履行が完了する前に契約代金を支払っていた十一件について、その会計事務手続が会計法令等に違背し不当であるとされたものでございます。 このような事態が生じましたのは、公募を実施してもシステム構築者以外の者が応募する可能性がないものと判断してしまったことや、履行完了の確認体制が不十分であったことなどに起因するものと考えられます。 そこで、本院といたしましては、このような状況を受けまして、内部研修を実施し規範意識の向上を図るとともに、会計事務執行体制の強化、関係部署間における情報共有体制の見直しを図るなど、再発防止に向けた取組をこれまで行ってきたところであります。 今後も、引き続き会計法令等に則した適正な会計処理を行ってまいりますよう、万全を期する所存でございます。
○渡辺孝男君 様々な理由がありますけれども、その中にはこれまで差し替え、あるいは前金納入、翌年度納入、預け金というようなものも含まれておりまして、この決算委員会でもこういうものをなくすようにと、数度、もう何回も主張しているわけでありまして、今回も指摘されたというのは非常に残念でありまして、しっかり是正をしていただきたいと、そのように思います。 それでは、関連して、法務省に対しまして会計検査院より是正措置の要求がなされました社会復帰促進センターの運営事業における食材費の適切な支払に関する対応状況ですね、どのようにこの指摘に対して対応してきたのか、この件に関しまして江田法務大臣に状況を御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) これは、社会復帰促進センターにおいて、民間の様々な知恵や工夫、こういうものを刑務所運営に生かしていこうと新たな発想でPFI手法を用いて民間の事業者と契約をして運営をしていく。そのときに、この運営業務を一体として委託をして、一切の対価を一体のものとして支払うという契約になっていて、食材費のみを切り出して実費払いとする仕組みになっていないということでございます。 これはこれで一つの考え方ではありますが、しかし、それぞれのこの社会復帰促進センターの定員と実際に収容している人員との差がかなりありまして、したがって、個別の食材費ということで見ると、本来計上されるべき食材費と、本来額面として出てくるものと実際に使われたものとの開きが多いと、これでいいのかということを指摘されたわけでございまして、この点については、まずは定員と実収容人員との差がこんなに大きいというのはいいのかという問題がございまして、刑務所ですから、とにかく人を入れればいいという話じゃもちろんないんで、とりわけこの社会復帰促進センターというのは余り犯罪の度合いの進んでいない比較的短期の者を収容すると、そこで全国から今そうした収容に合う人を極力移送して定員に合うようにと。 もう一つは、事業者とよく相談をしまして、契約の仕方をもっと改めることができるかどうか、これは多数関係者がおりますのでちょっと時間が掛かりますが、協議を継続しているところでございます。
○渡辺孝男君 契約がしっかり事前になされていなかったということが大きな原因かと思いますので、よくPFIを受けていただいた事業者と綿密な相談をしながら、しっかりした契約を作っていただきたいと思います。 それに関連しまして、PFI手法による刑務所の整備、あるいは運営の現状に対する認識と今後の課題につきまして、簡潔にお答えいただければと思います。 先ほども収容人数が少なくなってきているというので、なかなか難しい運営かなというふうに思うんですが、ただし民間活力を利用してやはりしっかりした経営が、経営といいますか、経費の節減を図ろうというのが国の方針でもありますので、その点も踏まえまして、江田大臣の御所見をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 私も数年前に美祢の施設の建設段階に現場へ行ったこともございます。そして、こういうPFIという刑務所で、地域の協力の下に受刑者の改善指導、職業訓練に民間の創意工夫を取り入れる、このプログラムというのはなかなか意欲的なもので、これを是非進めたいと、官民協働体制で今大体四か所できております。 今後、更に一層こうしたものが活用されるように考えておりますが、現在のところでは新たなものを造るという予定はございません。処遇が実が上がるならば、もっともっと活用も増えていくだろうと思っております。
○渡辺孝男君 次に、刑事施設における高齢受刑者に対する対応について質問をさせていただきます。 近年、我が国では高齢化が急速に進んでいるわけでありますけれども、社会全体が高齢化するに伴って刑事施設における高齢受刑者の割合も増えているようだと。年間における新受刑者総数の中で六十五歳以上の高齢者の人数及びその割合の近年の推移について、法務省にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 新受刑者に占める六十五歳以上の高齢者の割合ということでございますが、平成十二年には二万七千四百九十八名中九百七名が六十五歳以上、三・三%、これがざっと十年後、平成二十一年には二万八千二百九十三名中二千百名、七・四%ということで、やはりかなり上がってきていると思います。
○渡辺孝男君 国民全体の高齢化率の場合は、平成十年度が一六・二%、平成二十一年度が二二・七%ということで、その伸びは、十一年間でありますけれども、一・四倍ぐらいなわけでありますが、今お話をお聞きしますと高齢受刑者の増というものはそれを超えているわけでありますが、その高齢受刑者が増えている原因というのはどういうものなのか、その点についてお伺いをしたいと思います。法務大臣。
○国務大臣(江田五月君) これは社会全体に高齢化で高齢者が増えてきているということが一番、基本的にはそういうことが原因と思いますが、それ以上になかなか分かりません。細かなデータに支えられた所見ではありませんが、私としては、やはり社会へちゃんと戻していくということが必ずしもうまくいっていなくて、繰り返しということが多いんではないかなという危惧を抱いております。
○渡辺孝男君 次に、受刑者の高齢化が進みますと国費で賄っている受刑者の医療費も増加すると、そのように推測されるわけでありますけれども、平成二十一年度を含めまして近年の数値の推移について法務省にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 平成二十一年度を含めてということでございますが、その前二年、後二年ということでいいますと、十九年度が約三十七億七千四百万、二十年度が約四十四億一千二百万円、二十一年度が約四十九億一百万円、二十二年度が約四十八億八千九百万円、二十三年度約四十八億四千二百万円ということでございまして、さらにこのほか、平成二十三年度から介護に係るものとして新規に介護福祉士の経費約一千五百万円の予算を得ておりまして、じわりじわりと上がってきているということが言えるかと思います。
○渡辺孝男君 医療費も、それ相当の医療費が掛かっていると。介護についても、高齢化に伴って費用が必要になってきて、そういう予算措置もしているということでありますけれども、四か所ある医療刑務所での収容人数の方は増えているのか、この点についてもお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 現在、医療刑務所は全国に四か所、委員御指摘のとおりで、そのうち身体疾患や精神疾患により専門的医療を要する、これは全国の受刑者のうち、そういう者を集めて、そして医療措置を行っているということでございますが、全国の医療刑務所に収容されている一日平均収容人員の推移ということで見ますと、平成十八年九百七人、十九年九百三人、二十年九百九人、二十一年八百九十六人ということで、横ばいということでございます。
○渡辺孝男君 医療刑務所の方での収容人数については横ばいだということでありますが、全体的な数が増えているということでありまして、やはり受刑者の保健医療、介護の面での処遇の改善とか、しっかり健康診断もしていただいて、それに伴う国費で賄っている医療費が極端に増えないような対策というのが大事だと思うんですが、そのような対応について大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 今の数字だけで見ますと横ばいなんですが、しかし一般の刑務所の中で高齢者が実は相当病を抱えている人が多いというようなことがいろんなことで言われていたりしているのが現状でございまして、この点は私どもよく注意をしていかなきゃならぬと思います。 高齢受刑者の処遇については、疾病の早期発見、あるいは作業、食事等に関してもその者の心身の状況によく配慮をしていくこと、さらに円滑な社会復帰の促進のための健康管理の重要性とか、あるいは社会福祉制度の理解を進めること、それから、特にPFI刑務所のうち三施設については、高齢者を含む障害を有する受刑者を対象とした特化ユニットを設けて専門スタッフによる処遇を実施するといったことをしてきておりまして、また自立が困難な者も大勢いますので、厚生労働省等関係機関とも連携して、釈放後に福祉サービスにつなげる、そうした調整も実施をしてまいりたいと。 いずれにしても、適正な処遇と円滑な社会復帰の実現に努めてまいりたいと思います。
○渡辺孝男君 しっかり対応していただきたいと思います。 次に、死因究明制度の改善について質問をさせていただきます。 平成二十二年の一月に設置されました犯罪死の見逃し防止に資する死因究明制度の在り方に関する研究会での検討状況、これについてと、それから、まとめた結果があるということですので、その概要について警察庁にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(中野寛成君) お答えいたします。 先生おっしゃられましたように、平成二十二年一月から設置されたものでございますが、本年四月までの間に、海外六か国の死因究明制度について調査を実施をいたしました。また、法医学や刑事法等の有識者を中心に十四回にわたって、あるべき姿について議論を重ねていただきまして、この四月二十八日、最終取りまとめをいただいたところでございます。 その内容についてコンパクトにお答えをいたしますが、犯罪死かどうか不明な死体を解剖するための法医解剖制度の創設、これを行うための法医学研究所の設置、それから解剖医の育成等を内容とする解剖医体制の強化、それから薬毒物検査体制の整備等を内容とする薬毒物検査の拡充、それから簡易薬毒物検査、CT検査等の実施を内容とする法医学的検査の導入、それから専門検案医制度の創設等を内容とする検案の高度化等でございます。 困難も予想されますけれども、また費用も掛かりますが、全力を挙げてその充実に努めてまいりたいと思います。
○渡辺孝男君 検視関係の人材が不足しているというのがこれまでの大きな課題でありましたが、特に検視官及び検視官の補助者、これが大変不足をしておるということでありまして、この改善を図ろうという流れになっておるわけでありますけれども、この検視官及び検視官補助者の人数の推移、あるいは平成二十一年度の決算でどれくらいのそのための経費というのが掛かっているのか、この点を警察庁にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(中野寛成君) お答えいたします。 警察における死体取扱いの専門家であります検視官、平成十七年度で全国で百三十六名でございましたが、それから増員を図って、五年後の二十二年度には二百二十一名となっております。今年も全国で四十名の増員が認められてきたところでございます。また、検視官の補助者につきましては、平成十七年度全国で百二十八名でありましたのが二十二年度には三百五十八名となっているところでありまして、今年度も全国で八十名の増員が認められたところでございます。 金額については、御質問ありましたが、ちょっと用意をいたしておりません。
○渡辺孝男君 外国に比べてなかなかやはり人材の確保が進んでおらないということで、改善を図ってもらいたいと思います。 近年注目されているのが、CT等によります死後画像診断でそういう犯罪死の見逃しを防いでいこうということがありますけれども、この点の活用についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(中野寛成君) CTによる死後画像検査等を御指摘いただきましたが、身体の内部の異常を一定程度明らかにすることができるのですが、死因究明のための効果的な検査手段の一つとしては認識をいたしておりますが、亡くなった方の死因究明ですので、死因といいましても、それだけではなかなか不十分なところがありますので、いろいろな方法をミックスさせてその究明をしていくと。その中でCTの活用につきましても有効な手段ではないかという認識を持っておりますので、積極的な活用を図れるように努力をしてまいりたいというふうに思います。
○渡辺孝男君 ちょっと震災関連でお伺いをしたいんですが、東日本大震災のときに福島、仙台地検で勾留中の容疑者釈放をしたということでありまして、その後いろんなことが起こっているわけでありますが、私は、今回そういう対応をしたということで、これをしっかり検証していただいて、大災害時のときにどういう対応をしていったらいいのか、それを検討してもらわなければいけないと思いますので、この点に関しまして、これまでの経緯、あるいは結果として再犯を起こしたような、再犯といいますか、また犯罪を起こしたような人もいらっしゃったというようなことでありますので、この点、改善策について、あるいは今後の大震災時の対応について、法務大臣そしてまた中野国家公安委員長にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 御指摘のような事案がございました。これは被害の甚大性あるいは余震が続いている、そしてその後の推移が極めて流動的、不透明といった状況の中で、被疑者の身体の安全を確保するとか、あるいは関係者を検察庁に呼び出して捜査することが非常に難しいとか、そんな状況の中で、個別に検察官がもう処分できる者は処分をすると、できない者で身柄を釈放した方がいいという判断の者を釈放するといったことがございました。 そして、それ自体が別に違法というようなことにはなっていないんですが、結果的に見て、被疑者が後にまた窃盗類似の住居侵入で逮捕されるといったことがあったり、軽微だというけれども必ずしもそうかなということがあったりして、地域の皆さんにも大変不安を与えたと、私からもこれは申し訳ないということを言ったところでございます。 そして、事案については、その後、大部分を適正に処分をいたしましたが、なお地域の状況を考え、この際、人心を一新する必要もあるということで、この検事正の交代ということも行ったところでございます。 個別の事案ですので、なかなか基準というのを作るのは大変困難でございまして、そこはやはり個別の事案ごとの適切な判断ということに尽きるかと思っております。
○国務大臣(中野寛成君) お答えいたします。 勾留の必要性がある被疑者を釈放すれば捜査上の問題や治安上の問題も生じかねない場合もありますから、あくまでも慎重でなければならないと思います。 ただ、指揮権は検察にありますので、警察としては、預かっている容疑者、被疑者の身の安全また人権守るのもこれは一方警察の仕事でもあります。今般の事例におきましては、必ずしも十分全てにわたって検察から御相談があったとは言えない部分もあるようでありますが、いずれにせよ、警察としては、食料、水、そして場合によって身の安全が十分図り切れないと判断すれば移送をするというようなことも含めて万全を期しておったと、あとは検察の御判断であったというふうに認識しております。
○渡辺孝男君 やはり、当然ながら個々の事案に応じて対応しなきゃならないと、容疑者の釈放ということもあり得ると私も思いますけれども、いざ大災害になると現場の情報交換等もできにくいということでありますので、ある程度の対応を警察庁と法務省の方で相談をされて、検察との連携がうまくいくように、そしてまた地域の様々な不安がそのことによって増大をして、あるいは治安が悪くなるというようなことがないように、しっかり対応していただきたいと思います。 以上で質問を終わります。
○桜内文城君 みんなの党の桜内文城でございます。 まず、警察庁そして国家公安委員長にお尋ねしたいと思います。 会計検査報告、そして年報、検査院の年報ですね、これに警察庁の物品納入等に係る会計経理が不適正という不当事項の指摘がなされております。実はこれは二十年度、二十一年度連続でありまして、また金額が前の年が二千十万円の不当の指摘、それから翌年が大変大きく伸びていまして一億四千七百九十一万円の不当事項の指摘になっております。特に、手口と言ったら大変失礼なんですけれども、預け金、一括払い、差し替え、翌年度納入、先払い、前年度納入、契約前納入、ありとあらゆる物品購入に関する裏金というか、ちょっとよく分かりませんけれども、このような不正経理がなされておるのが実情でございます。 二年続けてこういった指摘を受けたことに対してどのようにお考えになるのか、そしてどういった是正措置をお考えになっているのか、まず警察庁、国家公安委員長にお尋ねいたします。
○国務大臣(中野寛成君) お答えいたします。 本来、不正やまた不法なことが行われてはならない、その最たる前線にあるのが警察だというふうに自負しておりますが、このようなことが起こったことは誠に遺憾に思っております。 平成二十一年度に十二の県警察等について、十六年度から二十一年度までの間で約一億五千万円、平成二十年度に九つの県警察等において、十五年度から二十年度までの間で約二千万円の物品購入等に係る不適正な会計経理を指摘されたところであります。 二十年度から二十一年度にかけて指摘された額が増加した理由につきましては、年度によって異なる県警察等を対象に検査が行われた中で、平成二十一年度決算検査報告では、多額の不適正な会計経理が判明した千葉県警察、約一億円でありますが、及び神奈川県警察約三千万円について指摘を受けたことによるものと考えております。 ちょっと分かりにくいかもしれませんが、前年度より増えたと言いますが、同じ警察署や同じ施設を監査しているわけではありませんで、場所が変わりますものですから、その変わったときに、指摘を受けたところは当然是正ももちろん全体的にしていなければいけませんし、しているはずでありますが、その二十一年度に受けましたところについて多額のものが出たと、いわゆる違う場所で出たと。そのことは言い訳になりません、トータルとしてはね。ただ、何で増えたかという御質問については、そのようなことをお答えをせざるを得ません。 再発防止のためには、先ほど来もちょっとお答えをいたしましたが、会計に関する職員教育の強化、それから警察が行う監査の強化、このこと、すなわち一番大切なことは、これらが最初、手数を省くとかいろんなことを考えて善意に考えられた部分もあるかもしれませんけれども、しかしいずれにせよ、そういうことが不正につながりかねないという、正しいことをしっかりとやっていこうという認識、現場の認識、そして幹部の認識による教育、このことが何よりも肝要だというふうに思っております。
○桜内文城君 大臣御指摘のように、確かに認識というのも改めていく必要があろうかと思いますけれども、では、制度の面で、不正を起こさせない制度として、今現在の会計法令に基づいてやっていらっしゃるとのことなんですけれども、問題だと感じるところを若干指摘しておきます。 これは検査報告にもあるんですけれども、実際にお金を支出する場合、物品購入等ですけれども、まず支出負担行為担当官、これは県警の本部長ですとかそういった方がなっているそうなんですけれども、そこでしっかりと負担すべき、入札ですね、入札ですとかそういった支出を負担するところでまず決裁を取る。その後、実際に支出するときに、これ官署支出官と呼ばれているそうですけれども、同じく実はこれ県警の本部長等がこういった役割を担っておるという形になっています。 やはり、実際に支出負担を行う者と実際に現金を扱って支出を行う者と、そもそも同じような仕組み自体これは見直していくべきだとも考えるんですけれども、その再発防止において、職員の教育ですとかそういった認識を改めると同時に、不正を起こさせない、そういった仕組みについても検討していくべきときに来ているんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中野寛成君) 今おっしゃられたようなことなども含めまして、今既に実行している部分もございますが、より一層複数の目が届くということが大切だと思いますから、それらのことを含めて、それから、注文したのと、ちゃんと執行されているかどうか、そして物品納入がちゃんと行われているかどうかという確認など、それらのことも、単に発注して、あとは多分来たであろうみたいなことでは困るわけでありますので、それらのこともしっかり一つ一つチェックをして確認をするということなどについても、システム化し、今指導をしているところでございます。
○桜内文城君 警察の場合、こういった物品購入等の先ほど幾つか挙げましたような手口といいますか、というのは、これは県庁ですとかほかの役所でも多く見られるやり方ではありますけれども、特に警察に固有の費目といたしまして捜査費というものがやはり裏金の温床になっているんじゃないかというふうによく指摘されるところでもあります。 特に捜査費の適正な執行についてどのように警察庁ではまず考えていらっしゃるのかお聞きしたいと思います。その後、検査院にどういった検査を行っているのか聞きたいと思います。
○国務大臣(中野寛成君) 捜査費についてもそれぞれ監査のシステムがあります。これは、内部の監査はもちろんでありますけれども、それから警察庁から各県警等へも定期的に監察をいたしておりますので、それらの中で適正に行われるように、当然問題点があれば指摘をし、指導もしてまいるというふうに考えております。 また、当然、都道府県警察の場合には、都道府県知事部局の監査委員会の監査も受けるわけでありますし、会計検査院の監査も受けるわけでありますので、今後ともその是正に向かっては全力を尽くしたいと思っております。
○説明員(鈴木繁治君) お答え申し上げます。 会計検査院では、近年、一部の府省等において不正不当な事態が相次いだことも踏まえて、特に基本的な会計経理について重点的に検査を行っており、都道府県警察本部等において、捜査費、物品購入経費等のうち国費及び補助金に係るものを対象として、検査計画に従い、不適正な会計経理が行われていないかどうか検査を実施しております。
○桜内文城君 検査院に重ねてお聞きいたしますが、具体的に、特に捜査費というのは検査の仕方も考慮を要すると思うんですけれども、しっかりとやっているんでしょうか。 要は、捜査費が適正に使われたかどうかというのは、捜査費を受け取った側の方にきちんと確認をするですとか、金額あるいは場所、あるいはホテルで張り込みをするというのであればホテル代ですとか、そういったものについてきちんと、反面といいますか、確認の監査上の手続を取る必要があるんですけれども、どこまで、何件程度そういった捜査費に関してやられているのか。そもそもそのサンプリングといいますか、どういった捜査費あるいは領収証に基づいてそういう検査を行うのか等々について、より具体的にお答えいただけますでしょうか。
○説明員(鈴木繁治君) お答え申し上げます。 会計実地検査に当たりましては国費で支弁されているものを中心に実施しておりますが、特に捜査費につきましては、領収書等の会計書類、その他の関係書類の提出を求めたり、関係者からの説明を受けたりして厳正に検査を実施しているところであります。 また、会計検査院が検査した結果、不適切な事態があれば毎年度の決算検査報告に掲記しているところでありますが、検査を実施した合計金額等につきましては公表していないことを御理解願いたいと思います。
○桜内文城君 特に捜査費にこだわりたいんですけれども、といいますのは、よく聞く事例といたしまして、領収証の署名のところが同じ筆跡であって名前が別であるとか、よくこれは報道等でも明らかになっているところでございます。 そういった点で、先ほど言いましたような確認作業、こういった手続がないと捜査費が本当に適正に使われているのかどうか全く分からないと思うんですけれども、また、この物品購入の事例に見られますように、警察って大変全国たくさんありますので、同じようなと言ったら大変失礼ですけれども、事例がたくさんあると推測されるわけですけれども、そこのところを検査院はしっかりやっているのか。 何でここに私がこだわるかといいますと、我々政治家もなかなか警察に対して物を言いづらい、特にこの捜査費というのは、いろいろ訴訟になったりもしていますし、現職の警官の方が告発したりですとか、大変伏魔殿といいますか、タブーの領域になっております。 我々政治家の場合も、もちろん、選挙違反とか、実際やるつもりもないですけれども、要らぬところでにらまれては困るというのがありますので、なかなか言いづらい。今日は勇気を持ってこの辺聞いているわけですけれども、逆に言えば、会計検査院こそ、まさに憲法で独立した機関としてその職務行使が認められている機関だからこそ、ここは会計検査院しか切り込めないと思うんですね、この部分は。 ですので、しっかりとこういった検査をやっていただきたいという思いを込めて、具体的にこの捜査費について今どういった検査をされているのか、もう少しお話しください。
○説明員(鈴木繁治君) お答え申し上げます。 捜査費の関係、いろいろと難しい点はあるかと思いますけれども、これまでのいろいろな経験を担当する者同士共有いたしましたりして能力を高めるということで、十分な検査ができるように取り組んでいるところでございます。
○桜内文城君 まあ、生煮えな感じはしますけれども、しっかりと今後取り組んでいただきたいと思います。恐らく日本で検査院しか切り込めない部分だと思いますので、これから、この物品購入等に限らず、しっかりとやっていただきたいと思います。 もう一つ会計検査院にお尋ねいたします。 会計検査院法二十条三項、ここでいわゆるスリーE検査ですね、経済性、効率性、有効性というのが先年の改正で盛り込まれたところでございます。年報とかを見ますと、効率性というのが、同じ費用でより大きな成果というような言い方をしていますけれども、成果って一体何なんだと。特に行政の分野におきまして役所がやっている仕事で、まあ費用は計算可能ですよね、予算で幾ら付いたのか、実際幾ら使ったのか。より大きな成果という、なかなかこれ数字でもって測定するというのは難しいと思うんですけれども、どのようにやっているのか。 それから、有効性というのが、これも年報の説明によりますと、所期の目的を達成、目的というのがはっきりしているものももちろんあるわけですね。今日も話題になりました、例の文部科学省といいますか、原子力研究開発機構なりが最初に開発しましたSPEEDI、これ使わなければ目的を達したことにならないので、全然有効じゃなかった。有効じゃないからこういう予算を今後付けるなという話じゃないんですけれども、なかなか行政の目的というのが一意的でない場合もあったりして、これをまたどうやって測定するのかと。特に、会計検査ですので数字でもって不当だというふうに言っていくわけでしょうけれども、これ一体どうなっているのか。 確かに、年報とか見ますと、効率性の観点ですとか有効性の観点で検査した結果、これだけ不当事項ありましたというふうに一応分類はありますけれども、どうにもちょっと具体的にイメージが湧かないものですから、この辺についてどういうふうにきちんとやっているのか、やっていないのか、お答えください。
○説明員(小武山智安君) お答えいたします。 会計検査院では、近年の厳しい経済財政状況にも鑑みまして、先生のお話しのスリーE、すなわち経済性、効率性、有効性の観点からの検査ということを重視しまして、事務事業や予算執行の効果及び補助金等によって造成されました基金等の資産、剰余金等の状況につきまして積極的に取り上げるように努めておりまして、これを会計検査の基本方針に明記しております。これに従って検査を実施しているところでございます。 その結果、例えば平成二十一年度の決算検査報告におきましても、例えば国等が保有している土地建物等の資産とか、独立行政法人の利益剰余金、補助金等によって造成された基金につきまして有効活用を図るように指摘したものとか、また、特別会計への一般会計からの繰入れを適切かつ効率的なものとなるよう指摘したものとか、それから、先ほど先生から例えば有効性について具体的な今どういう検査かということで申し上げますと、例えば地域介護・福祉空間整備推進交付金等による事業というのがあるんですけれども、これは、ある面で夜間においても緊急の事態があったときなんかに連絡したり、二十四時間介護のサービスを受けられるというようなための交付金なんですけれども、そこで手当てした例えば端末が使われずに倉庫にあって本来この交付金で予定した事業が十分行われていないと、そういう利用率が低いとか、本来それをもって実現しようとした政策自体が実現していないと、そういうようなことにも注目して指摘したもの、また政府開発援助のその効果が十分に発現していないというようなもの、そういうものなど、経済性、効率性、有効性の観点から様々な指摘を行っておるところでございます。 検査院としましては、今後とも、一つは正確性、合規性の観点からの検査も重要なんですけれども、こうしたスリーEからの観点の検査につきまして、より充実した検査を行ってまいりたいというふうに考えております。
○桜内文城君 特に二十二年度、これからなさる検査におきましては、よく指摘されます、ばらまきといいますか、民主党の方は怒るかもしれませんけれども、子ども手当、目的がもし少子化対策であるのであればこれに対してどれだけ有効なのか否か等々、しっかりと切り込んでいっていただきたいと思います。 最後に、時間がないので、もう一つ会計検査院にお尋ねしますが、会計検査報告の中に特別会計財務書類の検査というものが近年導入されております。 特別会計の財務書類を作成するに当たりましての会計基準というのが、実は誰がどこで作っているのかといいますと、この法律、それから財務省令まで落ちているんですけれども、結局、財務大臣が財政制度等審議会の議を経て定める基準という形になっております。言わば、財務省というのは幾つも特別会計を管理しているわけですけれども、特別会計を持っているものが自分で会計基準を作ると。これは会社の社長が自分の会社の会計基準を自分が作るような、そういったことになっております。 特に問題だと思いますのは、一例を挙げますと、公的年金債務、これは毎年積立金がどんどん取り崩されていっているわけですけれども、こういった公的年金債務、ちゃんと保険業法に基づく、仮に政府が保険業を行っているとして考えた責任準備金というのを考えますと、数百兆円、四百五十兆円ですとかそこらは債務として、あるいは負債として計上すべきものが計上されていない、このような結果になっているんですけれども。 そもそも、こういった特別会計財務書類の検査というのは過去なかった新しいものなんですけれども、このように会計基準の設定主体が財務省の財政制度等審議会にあるというのはいかがなものかということについてお伺いいたします。 それと、もう一つ併せてお伺いしたいんですが、これで最後です。 財務諸表監査の一つだと思うんですけれども、民間の会計監査と比較してきちんとなされているのか否か。聞くところによれば、検査の計画書もない、あるいは監査の手続として、先ほど挙げましたような確認ですとか、あるいは立会いですとか会計上の見積りですとか、そういったものについての明確な基準もない中、検査官の方々がそれぞれの経験等に基づいてやっているというふうにお伺いしたんですけれども、しっかりとそれは会計検査と呼ぶにふさわしいレベルのものなのか否かについてお伺いいたします。
○説明員(鈴木繁治君) お答え申し上げます。 特別会計財務書類の作成基準につきましては、ただいま先生がおっしゃいましたように、特別会計の情報開示に関する省令の規定に基づき財務大臣が財政制度等審議会の議を経て定めておりまして、また、同審議会の委員は学識経験のある者等から構成されていると承知をしております。 作成主体がいずれの機関であるにしても、本院は正確性及び合規性の観点から特別会計財務書類の検査を行っており、同書類が作成基準等に従った適切なものとなっているかなどに着眼して検査を実施しております。 また、検査院では、特別会計財務書類の検査について、監査基準という名称の法令や基準はないものの、会計検査の基本方針に基づき検査計画を策定した上で計画的な検査を行っているところでありまして、検査の質を確保するために共通の検査項目を定めたり、検査内容等について研修を実施したり、企業会計の慣行についての知見を有する専門家を採用して検査を行ったりするなどしているところであります。このような質を確保する努力につきましては、今後とも継続して実施してまいりたいと思います。
○桜内文城君 これで終わりますが、最後に一言だけ言っておきますと、財政制度等審議会の議を経て定める基準、私もこの審議会の専門委員を務めておりましたけれども、先ほどのような役所の意に沿わないような発言をもしすればすぐ首になるんですよ、ああいうのは。幾ら学識経験者を入れていますから大丈夫ですと言ってもそうじゃないことを指摘して、私の質疑を終わります。 ありがとうございました。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 今日は国立国会図書館に関連してお聞きをいたします。私どもの国会活動を常に支えていただいておりまして、大変無理な注文も聞いてもらっておりますが、今日は長尾館長に来ていただいております。 まず、東日本大震災で国立国会図書館の蔵書も書庫から飛び出して散乱するなど相当な被害があったとお聞きしておりますが、その状況と復旧の状況についていかがでしょうか。
○国立国会図書館長(長尾真君) お答えをいたします。 今回の東日本大震災に際しましては、国立国会図書館の利用者や職員への人的被害や施設設備の大きな被害はございませんでした。 ただ、東京本館の本館書庫の上層部、上層階の部分で約百八十万冊の資料が書架から落下いたしました。職員を総動員いたしまして復旧作業を開始いたしまして、復旧ができた資料から順次利用を再開いたしておりまして、四月二十五日には全ての資料が利用可能となったわけでございます。
○井上哲士君 日常の業務をやりながら百八十万冊の復旧という困難な作業に敬意を表したいと思います。 同時に、今回の震災で東日本の各地の図書館でも被災をしております。学問研究への支障、そして利用者の困難などいろいろ生じているわけですが、国会図書館としてそういう被災した図書館に対しての専門性を生かした支援を行っているとお聞きしておりますけれども、それはどういうものでしょうか。
○国立国会図書館長(長尾真君) 今回の震災により被災されました地方の方々や図書館からの要望を受けまして、各種の資料や情報をお届けしておるところでございます。また、既に宮城、岩手、福島のそれぞれの地域に職員を派遣いたしまして、被災した図書館の被災状況を確認しております。今後、そうした各地の図書館の復旧に当たり、国立国会図書館の専門的知見を生かしながら協力していく所存でございます。 また、この未曽有の災害についての記録を収集、保存し、次の世代に長く伝えていくことも国立国会図書館の責務であると考えているところでございます。
○井上哲士君 国会図書館ならではの支援や、そして記録の保存、是非全力を挙げていただきたいと思います。 そういう大きな役割を果たしている国立国会図書館であります。国立国会図書館法の前文は、国立国会図書館は、真理は我らを自由にするという確信に立って、憲法の誓約する日本の民主化と世界平和に寄与することを使命として、ここに設立されると高らかに述べております。そして、この使命の下に、国会議員の職務遂行に資することを第一の任務として設置されました。 ところが、この使命を揺るがす重大な事件が発覚をいたしました。お手元に外務省の官房総務課が作成した一九九八年一月七日付けの文書を配付をしております。外務省が今年二月に公開した外交文書の中にあったものであります。 当時、外務省から国会図書館に出向していた元カザフスタン大使の松井啓専門調査員が、国会議員等からの調査依頼について、どの議員からどのような依頼を受けているかということを出向元である外務省に報告をし、そして報告を受けた外務省が省内の関係部署に回覧していたというものであります。二枚目、三枚目に報告の文書が付けてありますが、個人情報保護のために発表されたものは名前は黒塗りにされておりますけれども、報道によりますと、共産党の議員が五人、自民党の議員が三人、社民党の議員の方もいらっしゃったというふうに言われているわけですね。 極めて重大だと思いますが、まず、この専門調査員というのはどういう役職で、なぜ外務省から出向していたのか。いかがでしょうか。
○国立国会図書館長(長尾真君) 専門調査員は、国立国会図書館の調査及び立法考査局の各調査室において、それぞれの所掌分野について高度に専門的な調査を行う職務としてあるわけでございます。 専門調査員につきましては、国立国会図書館の内外からふさわしい人物を任用しておりますけれども、外交分野について、その当時は館内に適任者がおらず、外務省に適任者がいるということで出向をお願いした次第でございます。
○井上哲士君 我々が調査を依頼する調査及び立法考査局の各分野のトップに立つ方がこの専門調査員なわけですね。この方は外交防衛分野の専門調査員だったわけで、ですから、国会議員からの調査、どういう調査依頼が来ているかというのは全部把握する位置にありますし、そして回答の中身もこの方がチェックをしていたわけですから、全部掌握する立場にいた人なんですね。この方がその中身を古巣である、出向元である外務省に報告していたと。 先ほど述べましたこの国会図書館の使命から見て、こういう国会議員等からの調査依頼の内容が漏えいするということはどういう問題だと国会図書館はお考えでしょうか。
○国立国会図書館長(長尾真君) 国立国会図書館の国会への奉仕は、調査を依頼される議員の先生方との信頼関係の下に行っているところでございます。今回のような行為は、国立国会図書館の信用を著しく失墜させ、国会への奉仕自体を危うくするゆゆしき問題であると認識しているところでございます。
○井上哲士君 国会という立法府、そして行政府である外務省、私は、国会議員のこういうことが行政府である外務省に言わば筒抜けになっているというのは三権分立すら危うくする、そういうものだと思うんですね。 この松井氏の行為というのは国会職員法十九条の守秘義務違反に当たると、こういう認識でしょうか。
○国立国会図書館長(長尾真君) これは、明らかに国会職員法の守秘義務違反に当たると認識しているところでございます。
○井上哲士君 まさに守秘義務違反の犯罪行為でありますし、国会議員の調査活動の自由を侵害をして、そして国会の独立を揺るがす私は許し難い行為だと思いますし、本当に真面目にやっておられる職員の皆さんの誇りをも傷つけることだと思うんですね。 国会図書館としては、この問題が発覚して以来どのように対処をしてこられたんでしょうか。
○国立国会図書館長(長尾真君) 調査に従事しております職員のみならず、全ての職員に対しまして改めて守秘義務を徹底いたしたところでございます。 また、今回と同様な行為がなかったかどうか現職及び過去の行政府省等出身の専門調査員に対して調査を行うとともに、それぞれの出身の行政府省等への調査の依頼も行いました。その結果、同様の行為があったという事実はございませんでした。 なお、外務省に対しましては、厳重に抗議するとともに、事実関係の徹底的な調査を求めたところでございます。
○井上哲士君 今、図書館長からこの情報漏えい問題の重大性について語られたわけであります。 外務省は二月の二十五日の参議院の議院運営委員会に経緯を文書で提出をされておりますが、その中でこの行為を遺憾かつ不適切としておられますが、何がどういう意味で不適切と外務省は受け止めているんでしょうか。
○副大臣(高橋千秋君) まさに議員との信頼関係を損なうものということでございますけれども、具体的には三つございまして、平成十年当時、国立国会図書館に出向中の職員が国会議員等による照会状況を外務省に報告をしていたということ、二つ目に、その報告が省内の一部部局に回覧をされていたこと、それから三つ目に、本年二月に外交記録の公開を行った際、プレスに参考のため事前配付した外交記録に個人・法人情報が被覆されていない当該文書が含まれていたことについて、遺憾かつ不適切だと思っております。
○井上哲士君 遺憾かつ不適切と言われるんですが、先ほど図書館長からありましたように、この行為は国会職員法違反という犯罪行為によって出されているんですね。そういう犯罪行為によってもたらされた情報を知りながら省内で回覧をしていたと、そういう違法、不当な情報活動だと、こういう認識は外務省は持っておられないんでしょうか。
○副大臣(高橋千秋君) 当該文書は、当時の関係者により秘密保全規則に基づき秘文書と指定されていたものなんですけれども、配付先は守秘義務を有する外務省員に限定されておりまして、広く流布されることのないよう配慮をして配付したものであるということから、情報を漏らしたとまでは言えず、国家公務員法の守秘義務には違反したとまでは考えていないということでありますけれども、不適切な行為だというふうに思っております。
○井上哲士君 それはおかしいですよ。松井氏は北海道新聞の取材に、当時は国会議員がどんな質問をするか聞き出して想定問答集を作るのが一大仕事だった、古巣への報告はそんなに悪いことなのかなと、こんなのんきなことを言っているんですね。今の外務省の答弁からも松井氏本人からも、犯罪行為であり、国会議員の調査活動の自由を侵す重大な行為だという認識は全く聞かれないんですね。 今、秘無期限という取扱いをしていると言われていましたが、こういう扱いをしたこと自身が外務省が当時違法性を認識していたと、こういうことじゃないんですか。
○副大臣(高橋千秋君) 私も外務省へ行って秘というのが多いのでびっくりいたしましたけれども、外務省では秘密保全に関する規則に基づいて秘密指定を行っておりまして、秘については、本件が発生した平成十年には極秘に次ぐ程度の秘密であって、関係者以外には知らせてはならないものということが指定されていることとされておりました。当該文書は、当時の関係者によってこうした秘区分に該当するものと判断されたものというふうに考えられると思いますけれども、本件が発生してかなり時間がたっているということから、判断に至った経緯の詳細については分かっておりません。
○井上哲士君 当時の外務省の秘密保全の規則等を見ますと、極秘というのが秘密保全の必要が高く、その漏えいが国の安全、利益に損害を与えるおそれのあるもの、秘はそれに次ぐ程度のものだと、そして関係者以外には知らせてはならないということになるわけですね。 このお配りしている文書を見ますと、本件の取扱いについては十分御注意願いますというふうに書いておりまして、違法行為による報告だということを十分に認識をしていたと。しかも、組織的に行われていた可能性が強いわけですね。この官房総務課が出した文書を見ますと、現在国立国会図書館に出向中の松井大使より、議員からのレファレンス状況について報告を受けているところ、右は議員の関心事項を知る上で有益と考えられますので参考までに供覧しますと。つまり、この文書を受け取った方は、国会図書館に出向している人からの情報だと、つまり国会職員法違反で出てきたものだということが分かるようになっているんですよ。にもかかわらず、これを省内に平気で回覧をしていた。 左側にあるのが回覧先でありますけれども、上から、大臣官房審議官、参事官、総務課、総合外交政策局の国連政策課、さらに国際社会協力部、アジア局、北米局、欧亜局のそれぞれの幾つかの課が続いているわけで、つまり報告内容がこれは有益だというところを選んでこのときの情報については配付をしていると。 ですから、もらった方も出した方も、これは国会図書館に出向している人が漏らした、つまり違法な形で漏らしたという情報を分かった上で回しているんじゃないですか。それが違法行為ではないと、こういう認識なんですか。それは納得できません。いかがですか。
○副大臣(高橋千秋君) 後で聞き取りを外務省の方でこの松井専門調査員にしているわけでありますけれども、当該資料自体の記憶は定かではないけれども、当時は国会対応のための想定問答を作成することが非常に大変だったこともあって、少しでも外務省本省の役に立つのであればという考えで、本省の指示はなかったけれども、関係する情報を外務本省に送付したことがあったと思うというふうに述べております。これが違法行為だということを認識して見ていたかどうかについては定かではございません。
○井上哲士君 出向中の国会職員が秘密漏らしちゃいけないというのは常識なんです。それが違法行為でないということが分からないような職員が外務省にたくさんいるんなら本当にゆゆしきことですよ。そういうことをやられているんですね。 しかも、これは継続的に報告されていた疑いが強いんです。報告文書、二枚目と三枚目ありますけれども、最初が九七年十二月二十四日付けの報告で、RGKK7X24とあります。二枚目が十二月二十六日付けで、RGKK7X26と、こういうふうに記号付きまして、それぞれ十二月の十九から二十二日の接受分、二十四日から二十五日の接受分と、こういうふうになっているわけですね。ですから、報告日を盛り込んだ記号を付けて報告をしていると。 松井氏が想定問答を作るのに役立つならばという思惑で出したということになりますと、このときは国会閉会中なんですね、十二月ですから。むしろ国会の会期中にやっていた可能性が強いと思いますけれども、この前後にたくさんの文書があるんじゃないですか。
○副大臣(高橋千秋君) 当時並びに前後の関係者に外務省として聴取をしております。当時の関係文書を探した結果、本省よりの指示、それからその他の者による類似行為、本件以外の文書の存在については確認をされなかったということでございます。全部で七百冊程度のファイルを追加的にもかなり広い範囲で探索をいたしましたけれども、同様の文書は見当たっていないということでございます。
○井上哲士君 この事件というのは前政権の時代のものでありますけれども、当時の与党も対象になっているんですね、この情報漏えいというかスパイ活動の。ですから、問題は、行政府が国会に対してスパイ活動をしていたと。これ、与野党を問わず国会の独立、我々の調査活動の自由を守るという問題ですから、私は、今の外務省の官僚が書いた答弁ではなくて、やっぱり政治家としてきちっと副大臣に答弁をしていただきたいと思うんですね。 先ほど紹介をした秘密保全に関する規則の十四条では、秘密文書は、記録文書として保存するものを除き、用済みの後は速やかに廃棄するとされておりますから、そういう処理がされているのかもしれません。しかし、第十八条では、秘密文書の管理に遺漏なきを期するために各課ごとに管理簿を備え、秘密文書の授受、回覧先につき記録をとどめるものとすると、こういう規則もあるわけですが、こういう記録が残っているんじゃありませんか。
○副大臣(高橋千秋君) 先ほど御答弁させていただいたように、かなり多くの、七百冊を超えるというファイルを調査した結果、そういうものがなかったという報告を受けております。
○井上哲士君 あの核密約のときも、半世紀にわたってないないと言いながら、調べてみたら出てきたというのがあの密約の文書だったわけでありまして、七百冊と言われましたけれども、外務省にある膨大なファイルの数からいえばごくごく一部でありまして、私はこれでは到底納得ができません。更にきちっと調査をしていただきたい。 まずその調査の件、いかがですか。
○委員長(鶴保庸介君) 外務副大臣、時間がございますので、簡潔にお願いします。
○副大臣(高橋千秋君) 検討させていただきたいと思います。
○井上哲士君 徹底した調査を求めたいと。 同時に、文書がないというのであれば当人たちにちゃんと聞かなければ分かりません。松井氏や、そして当時の官房総務課長、この文書にあります首席事務官ですね、秋葉氏、是非証人として委員会に招致をするということを御検討いただきたいと思います。
○委員長(鶴保庸介君) 後刻理事会で協議をさせていただきたいと思います。
○井上哲士君 終わります。
○荒井広幸君 大臣、御苦労さまです。 今日は、警察庁として常に犯罪のみならず、様々な意味での国民を守っていただいているということで感謝をいたします。同時に、この度の大震災、そして原発の事故災害、どちらに対しても非常に住民は信頼を寄せていまして、また力にしているわけです。是非、大変ではあろうと思いますが、引き続き御尽力をお願いしたいと思いますし、大臣としてのまた職責も果たしていただきたいと、このように思います。 そこで、少し、決算というと、見直す、点検すると、こういう意味でございますので、それぞれ予算にも組み込まれているわけなんですが、具体的にこうした放射能漏れという重大事件が原発で起きました。実際いろいろと防災基本計画等にも書かれておりますけれども、想定していたのかという点においてまずお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(中野寛成君) お答えをいたします。 想定問答はなかなか難しゅうございますが、例えば原発、よく言われますアメリカにおける九・一一テロが起こったとき、その後などは日本の原子力発電所も場合によっては危ないのではないかと、狙われないかというようなお話もありましたし、それらのことも含めていかにしてテロ対策、しっかりガードを固めておくかというようなことについても検討をし、またそれなりの備えをしてきているわけでありますが、内容については、もちろんこれらは敵に手のうちを見せるわけにはいかないという範囲に入ると思います。 ただ、この自然災害についてはよく想定外に云々と言われますし、原子力発電所の問題についても言われますが、例えば警察としてどこまでそれじゃやられていたかと。例えば、あの二十キロ圏内等へ防護服を着て遺体の捜索など入っておりますが、最初あの原子力発電所の第三号機に対して放水活動をやりました。自衛隊が前日ヘリコプターから、二日目は地上からということで警察がということでやりました。これは、放水車で、強力な放水車を持っているということが理由でありましたが、しかし、その際、それらのことは実際上警察として想定していなかったと思う。よって、鉛を付けたあの重装備の防護服は警察は持っていませんので、これは自衛隊のものをお借りしてその放水活動に携わったということがございました。 事ほどさように、これは警察だけで何かを想定して装備をする、また訓練をするということで済む話ではなくて、これは政府として全体として取り組むべき、その一環として警察がどの分野をどの程度担うのかということを決めていかなければいけないのではないかというふうに思います。これはもう歴代内閣がそこまで、今回のことにまで十分に対応をしていろんな装備をしていたということではなかったというふうに結果論として言わざるを得ないと思います。
○荒井広幸君 全く私も、今までの自民党政権時代も、そして今度も反省、反省して今更済むかという問題でありますけれども、点検をしていかなくちゃいけない、対応していかなくちゃいけないということもありますので、今日はその点をお伺いしているわけなんです。 その点で申しますと、今大臣がいみじくもおっしゃいましたように、全体で連携する、どういうふうにそこの中で対応を担っていけるか、そういったことも考える。 先ほどお話がありましたように、若干私、気になったところがありまして、テロの有事という場合と、いわゆる災害という場合の有事があるわけですが、災害あるいは武力攻撃事態、テロを含めてと申しましょうか、どちらかというと警察の場合はこのNBC、核テロ対策というところのNですね、そちらに重点を置き過ぎたんじゃないかと思うんです。 といいますのは、大臣、原発がある県は何県あるか御存じでしょうか。十二県なんです。この十二県の中で、テロ対策、核対策と、いわゆる災害対策基本法に言われている災害としての原発事故の場合、共通しているものありますね。その場合に、例えば、原発がテロとしても行われるという場合にあっても、普通の災害であっても、実はこのNBC、核という対応専門部隊というものを九都道府県にしか置いていないんです、九都道府県。その中で原発というのは災害もテロも起こり得る。テロの場合は、核攻撃の場合にはこれ最大重要なところです。何と北海道と宮城にしかこのNBCテロ対策専門部隊というのはないんです。原発銀座と言われている福井とか福島にはないんですね。 じゃ、どういうふうにそれを手当てしていたかというと、今度は専門部隊ではなくて対応班なんです。ということは、通常の災害としての原発に対する警察の備えというもの、万が一のときの訓練や装備や住民避難を含めて、治安も含めて守るということと同時に、テロというところにどうやら重点を置いたようなんであるけれども、原発十二道府県にこれがないと。二県しか置いていない。 こういうことを考えますと、極めて警察官の方々自身、例えば福島の場合は福島県警でございますけれども、ちょっと御本人たちも心もとない、あるいは大丈夫かと。国民の皆さんの安全を守るためにも自分もそこに行かなくちゃいけないけど大丈夫かという問題が頭の中をよぎったんじゃないかというふうに思うんです。 この辺、大臣、私は早急に手当てをしていくということが必要だと思うんです。つまり、少なくとも、原発に武力攻撃事態が想定され、国民保護法制ができましたね。この国民保護法制というのは、ぐるっと回りまして災害対策基本法等を準用するというふうになっているんですね。原発災害は、防災基本計画、この第十編、原子力災害対策編というものを引用して、本編は原子力災害対策の基本となるものである、これを準用して実はテロ対策も核攻撃体制もつくられているという仕掛けなんですよ。ですから、テロの方に力を置いた、核攻撃、武力攻撃の方に力を置きながら、実は、先ほど言いましたように、原発の十二県のうち二県しかない。NBCのNというのはいろいろ使えるわけですからね。独特の知識を持った方々がいない。少ないと言ってもいいですね、班しか置いていない。 この辺、大臣、通告しておりましたけれども、どのようにこの辺の現状を分析され、さらにどういう対応を、もう今、政府は浜岡、対応取られましたけれども、静岡にありませんよ。静岡にありましたかね、静岡には置いていないですね。だから、こういうことになりますと、やはり何か一つだけで済んでいるような、それで安全ではないんです、安心じゃないんです。やっぱり包括的に対応する、こういったことも求められると思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中野寛成君) 包括的に対応するという、まさにそのお言葉にある意味尽きると思います。 原発だけではありませんが、テロ対策というのは、例えばニューヨークではワールド・トレーディング・センターが、ビルが狙われたわけでありますから、そういう意味では、どういうところにどういうテロが生じるかというのはこれは予断を許しません。よって、これはまさに原発だけではなくて、トータルとして狙われる可能性がある、また危険性がある。しかし、そこを外してテロ集団は逆に全くもう防備のないところを狙うということもあり得るわけでありますから、これはなかなかにもってテロ対策というのは難しいと思います。 ただ、今、福島原発がある意味無防備な状況にあるわけでありますから、それはそれなりの防御をしなければなりません。こういう個別具体的な対応というのは比較的分かりやすいですけれども、今先生おっしゃられたような包括的なということになりますと、これは国会でもいろいろ御議論をしながら、そのあるべき、例えば警察というよりも、これは防衛省の役割が多分に大きいと思いますけれども、警察もまたその枠の中でなすべきことをしっかりと検討をしていかなければならぬだろうというふうに思っているところであります。 特に、防災という視点に立ちますと、これは国土交通省でありましたり消防庁でありましたり、そういう視点から考えられることがまず第一義的にあると思います。警察の場合は、災害を受けた場合に、例えば今回のように御遺体の捜索でありますとか、避難所の警備でありますとか、ある意味、警察の守備範囲というのもありますので、結局、防災対策をどこまでやるか、その中で警察はどの分野を担当するかということを、それこそ包括的な検討の中で守備範囲が決められることではないかというふうに思います。ただ、警察は、できることを、あり得るだけのことを精いっぱいやるだけであります。
○荒井広幸君 大臣おっしゃるように精いっぱいやっていただいていると思いますし、またやっていこうという気持ちは分かります。 しかし、例えば今申しましたけれども、防災という、大臣、くくりをされましたけれども、その防災と、それからいわゆる有事、武力事態、想定されるとしても、少なくとも原発があるところには専門部隊を置いて、特別な知識がなければできません。同時に、それに対する装備も必要です。こういった予算計上というのは、融通を利かせるというのも手ですけれども、やっぱりこれは、これだけ安全、安心を脅かしている原発災害ですから、必要なのではないかということで、大臣の見解を一つ。 それから二つ目は、確かに大臣おっしゃるように、これは防災基本計画を委員の先生方ももう一回読んでいただきますと、かなり原子力災害対策編というのはちょっとアバウトかなと。それを基に国民保護法における原子力災害対処、武力事態も含めて、テロ対策も含めてどんどんできているんです。さらには、こういったものを原点にして市町村国民保護モデル計画、都道府県国民保護モデル計画、こういうふうに括弧に県の名前や町の名前を入れればできますよというような、そういういわゆる簡易版ができているんですね。ということになると、大本の対策がしっかり綿密にそれを組み立てていかないと、実際はもう市町村の段階でどうにもならないということなんだと思うんです。その全体の中の一つに警察がどうやらあるのではないかと私は思っていますので、どうぞ大臣の下でも、どのように原子力災害対策編、それに伴う有事体制、こういったもののところを検討、もう着手していただきたい、こういうふうに思っているんです。 その着手の中で、既に二次予算、補正とかというときに原子力対応、これNBCのNのところではありますが、かなりの部分、これが災害時の原子力対応にもなるんですよ。ですから、これについての二次補正での予算計上、少なくとも全県等、三十キロ、まだらに風で飛びますけれども、飯舘は三十から四十キロ圏内でしたから、県境を境にした、行ったところにもやっぱりそういうことも起こり得るので、原発があるところの道府県警でしょうけれども、その辺の連携も含めて、少なくとも残りの九県には専門部隊というのを置く必要があるんじゃないか、予算計上を第二次補正でするべきじゃないか、こういった点で御意見下さい。
○国務大臣(中野寛成君) 質問の御趣旨、よく分かりました。 ちなみに、若干……
○荒井広幸君 静岡、ありましたか。
○国務大臣(中野寛成君) それで、改めて申し上げます、静岡は別にいたしまして。現在、NBCテロ対応専門部隊というのは九都道府県にあります。北海道、宮城、それと東京ですね、警視庁、それから千葉、神奈川、愛知、大阪、広島、福岡。ただ、先ほどおっしゃいました原発設置県、これは、今申し上げたのは原発のない、例えば大阪府は原発ありませんが、ただ、いろいろな想定をした中でこのNBCテロに対する対処体制というのをつくっているということを御理解いただければと思います。 ちなみに、原発設置県には災害に対しても必要な資機材を重点的に配備をいたしているという現実はございます。
○荒井広幸君 大臣、もう一回点検いたしませんか。といいますのは、我々もこんな大災害というのは、もちろん東海ではございました、同じように。これも度々こうしたこともありますが、これほどのものはなかったんで、もう一回再構築が必要だと思うんです。 やっぱり警察をうんと頼りにしていますから、そういうときに何か心もとないなというような感じが、安全の国日本、そしてもう本当に、例えば食べ物でいったら生食まで日本人は食べるからすし文化とか刺身というのは世界に行ったわけですね。健康にもいい。ところが、今度ああいうことで肉まで危ないなんていうと、本当に日本の工業製品から日本の根幹である食まで全部が何か大変だという、危ないというふうにも取られているので、ここで、もうそういう信用を失ったのはやむを得ませんから、一つ一つ国民の、被災地の期待にこたえていくというので、その信頼を一つ一つ取り戻していくしかない。その結果は、やっぱり日本以外にできるところはないぞというふうに言われる、逆に言う信頼を大きくつくるチャンスでもあると思うんです。 やっぱり、大臣、もう一回検討し直してもらって、いわゆる災害時もそして有事も、この場合は武力攻撃等を想定しますけれども、警察の役割、そして訓練、これ避難誘導もあるわけですから、そういったとき含めて、きちんともう一回全体の中での整合性を閣内で取っていただきながら、その中で検討していただきたいと思うんですが、お願いしたいと思います。
○国務大臣(中野寛成君) この新しい事態を受けて検討する、これは当然だと思います。しっかりとこれを一つの貴重な教訓として前向きに検討をし、先生おっしゃるように、さすが日本の警察はしっかりと世界一の警察になったと言われるようにしたいと、そういう気持ちを持って取り組んでまいりたいと思います。 現在ももう二十キロ圏内、警察だけが最初は捜索をしておったわけでありますし、まさに警察が率先してやることによって他の分野も安心してまた参加し対応ができるという、そういう先鞭を着けるぐらいの気概を持って、大変現場、警察官もモチベーション高く頑張っております。使命感を持って頑張っております。より一層そういう警察に制度的に、そしてまた資機材も含めて充実をさせていくということは国民の皆さんの信頼と安心を勝ち取るために一番大きな要素でもあると、そういう自負心を持って頑張っていきたいと思います。
○荒井広幸君 二次補正、要求するつもりありませんか。
○国務大臣(中野寛成君) 二次補正につきましては、現在これから検討するところでございます。
○委員長(鶴保庸介君) 荒井広幸君、時間です。
○荒井広幸君 はい、時間です。 先ほど申しましたように、原発のある一道一県しかないんです。あとの十道府県にないんですよね、道、県にないんです。これはやっぱり必要ならば予算計上だと思いますし、私は必要だと思っているんです。 七十八年前、一九三三年、昭和三陸地震の後に震災予防評議会というのを文部省はつくりまして、当時の、十七ページで震災災害予防に関する注意書、津波ですね、津波災害予防書というのをたった十七ページでまとめているんです。その中に、今我々が言い尽くしていることの本当に根幹がこれに、七十八年前、実は調査して出しているんですね。 同じようにやっぱり今検討するということでありますけれども、つい最近もそういう検討をしているのかもしれません、識者を含めて。やっぱり、そういったところも活用しながら、警察官に感謝をしながら、万全の体制を取っていただくようにお願いして、終わります。
○又市征治君 社民党の又市です。 最初に、裁判員制度について伺いたいと思います。 この五月で裁判員制度は二年を経過をいたします。導入には過去も今現在も賛否両論がありますけれども、来年で三年を迎える。見直し論議も始まりますので、幾つか見解を伺っておきたいと思います。 今年一月までの「裁判員裁判の実施状況について」の速報版によりますと、裁判員候補に選定をされたにもかかわらず辞退したというか辞退を認められた人の割合は五三・四%であり、過半数を超えているわけですね。本来、原則として裁判員になることを辞退できない制度の枠組みだと、こう言われながら過半数の人が辞退をしているというのは、辞退制度は弾力的に運用されている点はこれは一面評価はいたしますけれども、ちょっと異常な数字ではないかというふうに思うんです。この割合について、法務大臣、どのようにお受け止めになっておられるかというのが一つ。 もう一つ、これは最高裁に伺いますけれども、もちろん最初から辞退が認められる場合も当然ありますし、法律、政令で定められているわけですが、そのうち事業における重要用務、社会生活上の重要用務、精神上又は経済上の不利益で辞退をしているという割合、この三つで約三分の一占めますね。これは抽象的な理由ですけれども、これはどの程度具体的な場合に辞退が認められるのか、あるいはその辞退項目を指摘すれば自動的に認められるのか、この点を伺います。
○国務大臣(江田五月君) 裁判員裁判というのは、日本における刑事司法を新たにしていこう、国民参加の司法をつくっていこうということで導入をして、裁判員になるのはある意味では国民の義務であると同時に権利でもあるので、なるべく広く裁判員になっていただきたいということで、選挙人名簿からまずだあっと選びます。そこで調査票というのをお配りをしていく。そして、それぞれの裁判員裁判事件が起きまして、その起きた事件についてその調査票で送った人の中で、質問票を送りまして回答をいただく。その回答の段階で、あっ、これは辞退に該当するというのをはねて、更に今度はまた来ていただいて、いろんな手続を経て最終的に辞退者、そして候補が決まってまいります。 そうしたときに、かなり広く網を掛けますので、個別の事件が決まり、その事件の裁判員候補というところへ広く網を掛けてお願いをしますので、かなりの数、辞退者ということになってしまうのは私はある意味で健全なことではないかと。半数近くが現実に裁判員として裁判に加わっていただくというので、全体として柔軟かつ前倒し的に辞退を認めてやっていますので、こういう数字というのは健全な数字ではないかと思っております。
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) お答えをいたします。 委員から御指摘がございましたとおり、事業における重要な用務等の判断は、それ自体は非常に抽象的な文言になっておるわけでございまして、今大臣からもお話がございましたとおり、事前に候補者の方に調査票とか質問票とかいうお問合せの書面をお送りをいたします。 委員がお話しになりました事業における重要な用務の場合には、その業務の業種、それから自営の方なのか、それとも勤務しておられる方なのか、それから担当しているお仕事の具体的な内容、そのお仕事におけるその方のお立場や役割、それからその仕事をほかの人に代わってもらえない事情、それから仕事を休むことによりましてその事業にどのような影響あるいは損害等が及ぶのか、これらをできるだけ具体的に記入していただいて返していただいております。その記載を基に裁判体の方で個々のケースについて判断をしております。もっとも、書面の記載だけではなかなか判断できないという場合もないわけではございません。そのような場合には、裁判員等選任手続期日、実際に裁判所にお越しいただきまして、更に個別に事情をお尋ねした上で判断をしているということでございます。 なお、付け加えさせていただきますと、裁判所では、制度の施行前にいろいろな業種や職種等に着目いたしまして多くのグループに分類した上で、裁判員として審理に参加することについての障害事由、これを調査させていただきました。調査事由の判断自体は個別の裁判所の判断でございますが、裁判体ではそのような調査結果も参考にしながら判断をしているものと承知しております。
○又市征治君 ただ、どこであろうと有権者の半数を超える人々が辞退をされているということは、さっきも言いましたが、評価する面もありますけれども、裁判員制度が定着しているというふうに言えるのかどうかちょっと疑問だと、こう思います。 そこで、次にこの裁判員制度導入により開始された公判前整理手続について伺いたいと思うんですが、先ほど述べた調査によると、初公判前に争点や証拠を明確にする公判前整理手続が五か月を超えるものが半数以上で、六か月を超えるものが全体の三割を超えていますね。それだけ判決が出るまで時間が掛かるということになります。裁判員制度導入前よりも長くなったという見方も、これあるんですね。 そこで、大臣に伺いますけれども、裁判の迅速化が求められる中でこのような状態は好ましいものではないだろうと思うんですけれども、整理手続の長期化の原因とその対策をどのようにお考えなのか、伺いたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) これは、公判前整理手続は、昔はもちろんありませんでしたが、もうかなり導入されて時間がたっておりまして、裁判員制度施行前の平成二十年に終局した事件では平均三・四か月、それが施行後、本年一月末までに終局した事件では平均五・三か月、一部六か月を超えているものもあると、多少長くなっております。 ただ、それによって全体として刑事裁判が長くなったかというと、公判前整理でいろんな手続を整理をしまして後、裁判員裁判になりますと比較的短期に終わらせようということでございまして、全体としては以前より短くなっているのではないかと私は思っておりますが、いずれにしても公判前整理手続がちょっと長引いているのは事実で、これは実施前よりも特に慎重を期したということが一つと、あと、最近に至って次第に複雑困難な争点を含む事件も終局し始めたので全体として長くなっているということかと思います。 検察当局では、証明予定事実記載書面、これは公判が始まりますと冒頭陳述ということになるわけですが、その早期の提出や、あるいは検察官請求証拠の早期開示、さらに弁護人の証拠開示請求に対する迅速な対応等、公判前整理手続の迅速化に努めていると承知をしております。
○又市征治君 来年というか、三年で見直しということのようですが、裁判員制度に関する検討会を設けて協議をされていくわけでしょうけれども、是非とも、これは答弁を求めませんが、以上申し上げたような点なども是非慎重に御検討いただいて見直し作業を進めていただきたいと思います。 次に、昨秋の臨時国会で裁判所法の一部改正案が議員立法で提案され、可決をいたしました。これによって司法修習生に対する修習資金の国による貸与制度が暫定的に今年の十月三十一日まで停止をされる、引き続き給付金が支給されることになりましたが、これは大変良かったなと私は思います。 そもそもこの修習資金の貸与制度は、冒頭に民主党の前川さんからもありましたけれども、二〇〇四年の百六十一国会で、私どもは反対をいたしましたけれども、賛成多数で可決されたものであります。その背景は、司法改革に伴う司法試験合格者数の増加を見込んだ、つまり財政的理由と言われているわけですが、改めて、そういうことであればそのとおりですというふうに言っていただければいいんですが、貸与制度その他の理由がありましたら、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) これは、委員御承知のとおり、当時の司法制度改革審議会で議論をされたもので、私どももいろんな意見ございましたが、まあああいう結果になって、その理由というのは、今委員御指摘のその修習生を大幅に増やしていくというので、財政負担の問題が一つあります。まあ、財政負担です。
○又市征治君 給付制度から貸与制度への移行によって、じゃ、弁護士の人たちは、さっきもありましたけど、お金のない人は最初から借金抱えたスタートという格好というのを余儀なくされる。それでは一体全体、仕事上でも金銭面に縛られてしまって本当に市民の立場に立った弁護士活動ができるのかという疑問が呈されている。また、それが司法制度改革にかなうのか、こういう疑問があります。 当初、今言われたように、年間三千人ぐらい新司法試験の合格者を増加させる意図があったというように思うんですが、現実には、二〇〇八年が二千六十五名、二〇〇九年が二千四十三名、二〇一〇年が二千七十四名という数字でありまして、また法科大学院への志願者数も減少している。だから、財政支出増の懸念というのは今はないわけですね。さらに、今述べた数字を見れば、司法界で働こうという人材がむしろ減少している、こういう実態にあります。その下で貸与制度への移行は逆にこの傾向に拍車を掛けているのではないか、こう懸念があります。 また、報道によりますと、司法研修所の教官が取材に答えて、貸与制について、大手事務所で一千五百万円ぐらいの年収が約束される上位層はいいけれども、下位の弁護士に対しては貸倒れになるだろうと、こんなことをしゃべっているわけですね。 やはり、貸与制度は再検討してしかるべきだろうと思います。それが昨年の両院の意思でもあったというふうに私は思うんですが、これに対して、江田法務大臣は、法曹養成についてのフォーラムを立ち上げる準備を鋭意進めたいと、こうおっしゃっているわけですけれども、このフォーラムについてその後どのような進展状況か、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(江田五月君) 昨年のこの貸与制のまあ一時停止といいますか、これは昨年の法改正によっても、そのまま今年の一定の期間に期限が来ますと貸与制に移行してしまうわけですが、そのときの衆議院の法務委員会の決議がございまして、そこで、修習生に対する経済負担の在り方はどうなのかを含めて法曹養成制度全般を検討しろということでございまして、実はこのフォーラムは、準備を重ねまして、先日、五月十三日でございますが、内閣官房長官、総務大臣、法務大臣、財務大臣、文科大臣、経産大臣共同で法曹の養成に関するフォーラムを開催をするということを決めました。我々大臣同士の合意で決めたわけですが、フォーラムのメンバー、これは佐々木毅さんを座長にお願いし、その他の皆さんも今お願いをして、いよいよそのフォーラムがスタートをするというところに今来ております。
○又市征治君 それでは次に、東日本大震災の警察活動について伺いたいと思います。 この東日本大震災における被災者の救援、救出に当たって、自衛隊や警察や消防、そして公務員の皆さんが寝食忘れた献身的な活動をなさっていることについては改めて敬意を表したいと思いますけれども、警察活動ですが、大震災の主要な被災三県に対する県外からの応援体制、どのように組織をされ、また、その主要な任務はどうだったかということについてお伺いをまずしたいと思います。
○国務大臣(中野寛成君) お答えをいたします。 もう基本的に最初は何でもやるということで派遣をいたしたわけでありますが、まず本日現在の数字を申し上げます。本日現在、岩手県に千四百名、宮城県に千九百名、福島県に千百名、合計四千四百名の警察職員をその三県以外から派遣をしております。三県は約合計八千人でございますので、合計をいたしますと、毎日一万二千四百人の体制で各種活動に臨んでいると。三県に派遣された警察職員は、参加した人たちは三万七千人にも上っております。 ありとあらゆる活動をやっておりますが、特に今はできるだけ三県の、地元の警察は日常活動に戻っていただけるように、ですから原発の近くの検問であるとか捜索であるとか、いろいろな他県から行ってもできる仕事を、できるだけ作業をやって、地元の警察の方には日ごろの、日常のいわゆる土地カンのある仕事をしていただくという配慮などもいたしております。また、他県からは特に臨床心理の勉強をした女性警察官、避難所へ行ったりと、そういういろいろな工夫もいたしております。
○又市征治君 今回の大震災は地震、津波、そして原発事故と三重の大災害なわけですが、中でも行方不明者の捜索あるいは遺体の収容という、こういった作業、大変過酷なものだということでマスコミでも伝わっておりますけれども、これに携わった人々、長期にわたっていますし、心身にわたる相当のダメージを受けたと、こういうふうに伝えられております。 特に、そこで伺うんですが、警察関係の救援・救出作業による心身にわたるダメージを緩和する対策、あるいは任務後のケアなどというのはどのように行われているのか、内容を若干御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(中野寛成君) お答えいたします。 いわゆる深刻な疾病に至るような事例というのは現在のところ把握されておりません。ただ、避難誘導などのために殉職をされた方々が二十三名、今なお発見されていない行方不明の方々が七名いらっしゃる。そのことを我々としては大変心を痛めながら連日の作業に取り組ませていただいているところでございます。 特に、今は心身の疲労に対するフォローについてですが、警察庁といたしましては、被災県の警察官、特に岩手県は独自でやりますと、できますということでありますので、宮城、福島の両県につきましては、健康面を支援するために、他の県警からの医師、保健師、臨床心理士等から成る健康管理チームを派遣をしているところでございます。 また、その他の全国から派遣された警察官につきましては、それぞれの地元、自分の所轄へ帰りました後に臨時の健康診断や医師、保健師による面接指導等を実施をしているということでございまして、さらに、惨事ストレス対策として外部の臨床心理士等を被災県に派遣をし、ストレス対処法の指導やストレスが強いと思われる警察官に対する個別面接を実施しているところでございます。
○又市征治君 自衛隊関係者で相当深刻なダメージで、一部報道でありますけれども、業務に就きたくないので犯罪を犯したと、こういうことさえも伝わっているわけでありまして、是非このフォローというものをしっかりやるようにそれこそ御指示いただきたいと、こう思います。 最後に、国民生活また経済活動を大きく混乱させた計画停電の影響とその対応について若干伺いたいと思います。 計画停電といいながら、実施するかしないかはそのときの天気や気温次第というのが実態でありまして、計画停電地域を所管する警察はいつの時点で実際に停電が実施される連絡をどこから一体全体受けたのかというのはちょっと疑問であります。また、実際に停電が実施されようがされまいが停電対策を取らなければならなかったと思うんですが、事故防止に向けてどのような対策を取られたのかということもお伺いしたいと思うんです。 一部報道によりますと、停電によって信号機が作動せずに交通事故が起きたということでありまして、停電が原因と思われる事故はどの程度あったのか、この点、お知らせいただきたいと思います。
○国務大臣(中野寛成君) 本年三月十四日から二十八日まで実施されたわけでありますけれども、事前に東京電力と各警察本部又は警察署との間で連絡窓口が取り決められておりまして、計画停電開始当初においては計画どおりに実施するかどうか、おっしゃったようにちょっと混乱があったのですが、日を追うにつれて事前に時間的余裕を持って連絡がなされるようになったというふうには聞いております。 事前にどういうことに注意してほしいか警察の希望をと事前にお問合せもありましたが、残念ながら、これは変電所ごとの計画停電になったのだろうと思いますが、施設ごとではないので、必ずしも警察の希望が入れられたとはちょっと言い難い部分があります。 信号機につきましても、平日の十日間で九都県で延べ九万基以上の信号機についても電力供給が停止をされました。また、独自の発電機によって機能を継続したものは四千六百三十二基、警察官の手信号で対応したものは一万七千四百九十三基でございまして、十日間で延べ三万二千人の警察官を出動させて手信号による対応をいたしました。十日間で三万二千人ですから、一日で三千二百人ということになります。 いろんな啓蒙活動等もいたしまして努力はいたしましたけれども、御質問のありました事故でございますが、網羅的に全部把握しているわけではないんですが、計画停電時に信号機が滅灯した場所で発生した交通事故という視点で数字を申し上げますと七件、死亡事故二件、重傷事故五件の報告を受けております。 これを別にいたしまして、ただ、日常に比べて交通事故が増加したわけではありませんで、むしろ外に出る人たち、車の通行量が減ったということもいろいろありますので、ただ、この関連する事故であろうと思われますものが今申し上げた七件あります。
○又市征治君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(鶴保庸介君) 他に御発言もないようですから、国会、会計検査院、法務省、警察庁及び裁判所の決算についての審査はこの程度といたします。 次回は来る十八日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時四分散会