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177回国会参議院2011/02/16

共生社会・地域活性化に関する調査会 第3号

発言数
57
登壇者
13
会派数
6
開催日
2011/02/16

会議録

直嶋正行民主党・新緑風会

○会長(直嶋正行君) ただいまから共生社会・地域活性化に関する調査会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、中村哲治君が委員を辞任され、その補欠として友近聡朗君が選任されました。     ─────────────

直嶋正行民主党・新緑風会

○会長(直嶋正行君) 共生社会・地域活性化に関する調査を議題といたします。  「地域活力の向上と共生社会の実現」のうち、「元気で活力ある地域の構築」について調査を行うに当たって、本日は「産業の振興による地域の活性化」について参考人から意見を聴取いたします。  御出席いただいております参考人は、中央大学大学院公共政策研究科教授細野助博君、農事組合法人和郷園代表理事木内博一君及び高松丸亀町商店街振興組合理事長古川康造君の三名でございます。  この際、参考人の皆様方に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙のところ本調査会に御出席いただきまして誠にありがとうございます。  参考人の皆様方から忌憚のない御意見をお述べいただき、調査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。  議事の進め方でございますが、まず参考人の皆様方からそれぞれ二十分程度御意見をお述べいただき、その後、各委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。  また、参考人、質疑者とも御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、細野参考人からお願いいたします。細野参考人。

細野助博中央大学大学院公共政策研究科教授

○参考人(細野助博君) 細野でございます。  前もって論文等の参考文献は先生方のお手元に行っていると思いますし、お読みくださっているのかなというふうに考えまして、私はパワーポイントは全然持ってきておりませんで、たった一枚のこれだけでお話をしたいと思いますけれども。  地域活性化といいますけれども、じゃ、地域というものの本質は何かということを、まず少し私なりの考え方を申し上げたいと思うんですけれども。  一番大事なやつは、地域というものはやっぱりオープンシステムで出たり入ったりというものを繰り返していると。何が出たり入ったりするのかというと、人や物や金や情報、そういうものがチャンスを求めて出たり入ったりするんだと、こういう本質を持っているんだと。  そこで、一番大事なものは何かというと、人口は職を求めて移動するという大原則でございます。その移動力は、若い人たちほど移動力があるということでございますので、お年寄りになればなるほど地域にそのままとどまって、若い人たちはチャンスを求めてどんどんどんどん都会なりなんなりに出ていくと、こういう法則があるわけですね。  二つ目。二つ目は、地域というものは距離、時間距離かもしれませんけれども、空間的な制約を持つんだということでございます。ということは、東京だけが一極集中してどんどんどんどん元気になっても、これは全国に全てそれが波及するというわけじゃないということであります。八ケ岳式とは言いませんけれども、富士山型では日本の経済活性化というものは立ち行かないんだと。  前もって主要論文を皆様にお送りいたしましたけれども、その中で日経新聞の「経済教室」に書かせてもらいましたけれども、それを御覧いただきますとお分かりになると思うんですけれども、やはり地域というものは、中京圏あるいは近畿圏あるいは九州圏かもしれませんけれども、それぞれ核になる成長の極がなきゃいけないんだということ、それが非常に大事だと思うんですね。  三番目、人口にこれから特化した形で御説明申し上げますけれども、地域活性化にとって最重要の項目は人口なんだと。三つの理由がございます。  一つは需要をつくるということです。二つ目は供給を支える、サービスを提供したりとか物をつくったりということですね。これ両方とも大事です。けれども、三番目、最も大事なものは何かというと、長期的な視点でありまして、新しいアイデアができるとか、あるいは、人口もそうですけれども、次世代をつくるという点では物すごく大事だということですね。この三つが人口の非常に大事な側面ではないかなと。特に長期的なことを考えますと、あるいは成長戦略を考える場合には、人が集まることによって新しいアイデアができる、あるいはそこで恋をして結婚してそして子供をつくるというようなことが非常に大事になってくるわけであります。  そこを、その三つというもの、要するに、オープンシステムである、それから空間的な制約があるんだと、三つ目は人口というものがとっても大事な項目でありまして、それは三つの性格を持つ。需要をつくる、供給を支える、未来をつくると、こういうことだと思います。  さて、次の項目に行きたいと思うんですけど、人口の首都圏一極集中是正ということがとても大事だということをこれから申し上げたいと思うんですね。  なぜそういうことを言うのかというと、日本は、人口を増加させるためには、あるいは出生率を高めるためにはもちろん婚姻率を高めないといけませんということですよね。婚外子というものに対してはそんなに理解力がある社会ではございませんので、婚姻というものが非常に大事になってくるわけでございますけれども。  あらかじめ皆様にお渡しした論文の中にもありますけれども、都道府県でデータを取りますと、婚姻率と出生率というのはプラスの関係ではないわけであります。御承知のように、最も婚姻率が高いのは若者がたくさん集まる東京でございます。しかし、出生率が一番低いのも東京でございます。これはおかしいわけです。東京は人口のブラックホールでございましょうか。東京だけが元気になってもしようがない。  先ほど申しましたように、人口は職を求めて、あるいは未来へのチャンスを求めて移動するわけであります。ところが、東京に集まる、若い人はどんどんどんどん集まります、恋が芽生えます、結婚します。子供をつくり、そして育児に専念する、しかし女性もキャリアの形成ということも両立させたいと思っているわけです。ところが、待機児童があったりどうのこうのというものがあると、それはできません。したがって、データで示したように、日本で一番出生率が低いということになるわけであります。これは何とかしなきゃいけない。先ほど地域の本質として二つ目に挙げた、地域というのは空間的な制約を持つということから考えてもそれは当然言えるわけであります。そこをどうするかということですね。  ちなみに、東京都で見ますと、人口の増減というものは社会増減と自然増減があるわけでございますけれども、東京は今自然増減に対して社会増減が約十倍のパワーを持っております。しかし、その社会増減も、今地域自身が疲弊して、私も今大学に勤めていますけれども、地方の親御さんが東京の方の大学に子供さんを出す力がだんだんだんだんなくなりつつあるということであります。そういうことを考えますと、早晩に東京都の社会増のパワーは減っていくでしょうということになると思いますね。そこのところを何とかしなきゃいけない。  しかも、今、人口の約一〇%が首都圏に集まっているわけであります。これは正常な姿かどうかと。しかも、先ほども申しましたように、人口のブラックホール化をしてくるということを考えると、人口の増加ということを図る場合にこの東京一極集中というのはいかなるものかということをやはり考えないといけないということになると思いますね。  じゃどうするかというと、先ほど申しましたように、人口は職を求めて移動するわけですから、各地に事業所をつくったりあるいは誘致したりしなきゃいけないということになります。  私は東京の多摩地区に住んでおりますけれども、東京の多摩地区は二十三区と比べまして事業所数が四分の一ぐらいでございます。ところが、一事業所当たりの規模を従業員数で見ますと、二十三区の約二倍あるわけです。これはどういうことかというと、一つの事業所が潰れますとそれだけ、二十三区にある事業所の二倍の効果で失業者が増えるということでございます。恐らく地域でもそうだと思うんですね。大企業を誘致しました、万歳、確かにそうかもしれません。しかし、今、日本の事業所は空洞化の最中でございます。あるいは、国内でも事業所の統廃合が進んでいるわけであります。その統廃合の過程で、恐らく地価の安い地域というものは大工場がたくさんあるわけであります。でも、それが一つなくなったらどうなるかということ、非常に大きい問題なわけですね。  ですから、地域の人口定着に対しては、誘致だけでは収まらないんだと、やっぱり事業をつくっていかなきゃいけないんだということになりますね。職の創設というものが非常に大事だと。そのためには、やはり行政の支援というものが重要ではないかなというふうに思います。  一つデータで申し上げますと、実は非正規労働者というものと自営業者というものの数で比べますと、かなりマイナスの相関関係にあります。これ、どういうことかといいますと、事業者数が多くなればなるほど非正規労働者の比率がどんどんどんどん下がるということでございます。つまり、職をつくることがいかに重要かということがここから出てくるわけでございます。  それからもう一つ、今これは地域の話をしましたけれども、やはりそのアイデアをつくったり新しいイノベーションができるというためには、高密度都市というものがやはり当然重要になってくるでしょうというふうに思います。それは、アイデアがたくさん集まって進化するということもあるわけでございます。  先ほど申しましたように、要するに八ケ岳のような形での国の、国土の在り方ということで考えましたら、やはり中核的で高密度な都市というものを各地方につくっていく必要があるだろうというふうに思います。それは、どういう政策的なことができるかということでございますけれども、一つはやはり中央集権型でないような形での、あるブロックで自立性を持つような、そういう国の制度というものが必要ではないかなというふうに思います。既に申しましたように、空間的な範囲というもので経済活動というものは成立するわけでありますので、ある程度自立的な都市圏というものを幾つかつくっていくというのは、リスク分散の面からも非常にいいのではないかなというふうに思います。  じゃ、そのためにはどうするかということでございますけれども、多種多様な実力型の都市をつくるためには、産官学連携が必要ではないかなというふうに思います。で、この産官学連携は二つあります。一つは、人材づくりという面でございます。もはや、私も大学という現場におりますけれども、大学だけで社会人基礎力から全て教えるという状況ではございません。これだけその環境が激変するときには、やはり地域の人たちあるいは産業界の人たちに学生たちを育ててもらうって非常に大事なことであります。したがいまして、産官学連携のこのような形で人づくりに是非是非邁進することが必要なんじゃないかなと思います。  もう一つ。これは何かというと、まあ省庁も縦割りということがございますけれども、どうも大学も縦割りなところがございまして、学部間でのその何というんですか、交流というのは余りないんですけれども、しかし、欧米を見ますと、やはり学部を超えたような形での連携があって、新しいイノベーションができたりするわけですね。バイオテクノロジーなんてまさしくそういうものだと思いますけれども、ソフトウエアの専門家とそれから医学の専門家が結び付きましてバイオテクノロジーをつくったような、そういう学部間の連携なんかも必要になってくるし、そういうものを、行政やあるいは地域の金融機関なんかもございますけれども、そういうものと一緒になって起こしていく必要があるんじゃないかなと思いますね。  そういう点では、連携のための情報ネットワークをやはりつくっていかなきゃいけないということになっています。ただし、この情報ネットワークは、単なるICTというものだけじゃなくてフェース・ツー・フェースのコミュニケーションというものができるようなものがやはり必要だということでございます。特に、そのフェース・ツー・フェースのコミュニケーションというものが非常に大きな力を持つのは、要するにNPOとかコミュニティービジネスという局面で非常に大事になってくるわけであります。特に、そこでは地域の金融機関というのは非常に重要でございまして、事業化の指導をしたりとか資金の手当て、あるいは取引先の情報をいろいろ提供することによって、信用取引、取引の信用と言った方がいいでしょうか、そういうもので、信頼が置けるそういうビジネスができるというものがあると思います。  また、もう一つは、地域の金融機関と同じように、行政も非常に大事でございます。  今、コミュニティービジネスやNPOがかなり地域にできてきつつありますけれども、一番困っているのは何かというと、資金的な手当てに非常に困っているわけでございますね。資金的手当てに困るということは、人材を取り込むということがかなり難しいということでございますので、多産多死のまま進化もせずにNPOがどんどんどんどんでき、そして役目あるいはニーズがなくなって出ていく、死滅してしまうということがあります。これは非常にもったいないんであります。  したがいまして、行政は、資金もそうですけれども、拠点づくり、あるいは行政を中心としてNPOあるいはコミュニティービジネスを支援する中間支援組織のようなものをつくる必要があるということでございます。それをここで少し申し上げたいと思います。  先ほどNPOそれからコミュニティービジネスはフェース・ツー・フェースのコミュニケーションがとても大事だというお話を申し上げましたけれども、それと同時にやはりICTの活用というものがとても大事でありまして、御承知のようにNPOがどんどんどんどん全国ででき、立ち上がりましたけれども、それはICTを活用することによってコミュニケーション費用というものをどんどんどんどん低下させたからであります。  しかも、今のNPOというものの主たる領域は社会福祉等でございます。その社会福祉等というのは、ハンディを持っている人たちはたくさんニーズを持っていて、それに対する活動としてNPOがあるわけでございますけれども、その場合には、フェース・ツー・フェースばかりじゃなくて、移動力のない人たちに対して、つまりハンディを持っている社会的弱者に対してICTというものを活用しないといけないということになります。その面でのやはり支援ということを考えますと、資金的なものがとても重要になってくるだろうなというふうに思います。  その次なんですけれども、じゃ、NPOとかコミュニティービジネスという新しい動きに対して人材がどんどんどんどん行くんだろうかと。それは必要なんでありますけれども、今行くような状況になっておりません。なぜかと。それは十分な経済的な報酬がないからであります。  NPOで、笑いぐさなんですけれども、男の子が寿退社をするという場合があります。なぜ寿退社をするのかと。結婚して食わせることができないから。そうすると、せっかく社会的な使命を持って入ってくるわけでございますけれども、結婚と同時に、NPOとかそういうソーシャルビジネス、あるいはコミュニティービジネスと言った方がいいかもしれませんけれども、そういうものから退出するという場合があるわけでございます。ここをどうするかということが非常に大事でございます。  私は、去年まで文部科学省の方で大学が様々な地域に貢献するというようなそういう事業に対してGPという支援事業がございました。今回の仕分でばっさり切られてゼロになってしまいましたけれども。こういうものは、地方の国立大学法人もそうでございますけれども、こういう支援というのはとても大事でありまして、それを契機として社会的な使命に目覚めるというような学生たちも出てくるわけであります。ですから、そういう点では、地域と大学のつながりを強化するためにも、そういう事業というものは必要なんではないかなというふうに思います。  また、奨学金というのも非常に大事なんであります。次世代をつくるというためにどういう奨学金を整備していくかということも是非是非お考えいただきたいということですね。  なぜかと。若者は、やはり経験を持ってないということもありますけれども、ただし非常に情熱もあると。いろいろなことをやりたい、アイデアをたくさん持っていると、ただしそれは試行錯誤の連続であります。その試行錯誤の連続に対して、果たして今の地域はどれくらい寛容性を持っているかなということもかなり重要な点でございます。その寛容性というのは、やはり経済的な状況がいいかどうかにもよると思います。地域経済の改善ということは、やはり若者を育てる非常に大きな環境ではないかなというふうに思いますので、是非そういう寛容性をつくるということが大事かもしれません。  今、既に大学もそうですし、都市もグローバル競争の中に入っているのではないかなと思います。したがいまして、野心のある、あるいは向上心のある若者はもう日本を捨てるということもあり得るかもしれません。逆に言うと、今まで十八歳人口がどんどんどんどん減少してきておりますので、大学自身のマーケットも縮小しつつあるわけであります。その中で、国際化というのは大学自身も非常に重要な戦略になってきつつありますけれども、果たして今の状況において日本の大学はどれぐらい魅力があるのかなということを考えますと、日本がもしも高齢化社会の先端を行くような経験をしているとするならば、それを解決するために若者がどんどんどんどん積極的にそこの領域に進んでいくと、それをアジアを中心とした留学生も学んでいくというような意味もあるのではないかなと思います。  ただし、何度も申し上げますけれども、試行錯誤を繰り返すのが若者でございますので、そういうものに対する寛容性をつくり出すということが非常に重要ではないかなと思います。  最後です。町づくりのリーダーというものがどこにもいないというようなお話があります。でも、今日お二人いらしていますけれども、町づくりのリーダーでもあるわけなんですね。  私は思うんですけれども、先ほどの寛容性というものと関連させまして、どうも若い人たちに対して、出るくいを打つというようなものが非常に至る所で見られるような気がします。ですから、若い人たちに対してお年寄りはサポーターとして、間違ってもまあいいじゃないかというふうに守るような、そういうような環境づくりができればいいなというふうに思います。世代間を超えたような協働はどういうふうにできるか。それは、年をいった人たちの方から若い人たちに手を差し伸べる、あるいは支援をするというような雰囲気づくりというのが地域活性化のために一番重要なことではないかなというふうに思います。  時間でございますので、私のお話はこれで終わりたいと思います。  どうもありがとうございました。

直嶋正行民主党・新緑風会

○会長(直嶋正行君) ありがとうございました。  次に、木内参考人にお願いいたします。木内参考人。

木内博一農事組合法人和郷園代表理事

○参考人(木内博一君) 和郷園の木内といいます。よろしくお願いします。  私は、農業について、農業の可能性について少し冒頭十分、私の意見を五つのテーマでお話しします。残りの十分は我々の取り組んでいる事例をぱっと御紹介します。  私が感じている農業についてなんですけれども、まず、その結論から言いますと、地域の産業化になります。そして、海外へ展開できる成長事業に私は極めてなれるというふうに思っております。  それの理由なんですけれども、今問題になっているのは、地域でなぜ農業が産業にならないかということは、まず産業として考えたとき、国内マーケットと海外マーケット両方で考えますと、規模が小さいということですね。そういう意味では、農地の集積等、農地問題に関してしっかりした政策を取って規模拡大の体制を取ってほしいと。  もう一つは、実は農家が農家でして農業経営者ではないという現状があります。したがって、問題は、二つ目は教育です。農業者を農業経営者にする教育が急務です。  次に、やっぱり農業というのは物すごいインフラ産業です。例えばどういう例かといいますと、我々の標準的な農家が、年間の売上げが年商が五千万円です。しかし、五千万円を今のマーケットで、かなり和郷園というのは知恵を絞って通常よりも二割ぐらい高く売っているつもりですけれども、その中で、五千万円を安定的に年商を売り上げるインフラに一億二千万円必要です。したがって、実はかなり先行投資が必要とするインフラ産業であるということです。そういう意味では、リスクマネーというような新しい金融の仕組みが必要だというふうに思っています。  最後が一番問題なんですけれども、これは日本の農産物、食品の流通というのは世界に類を見ないぐらいオーバーストアだということです。どういうことかといいますと、大体、ヨーロッパ又は欧米型の大体五倍オーバーストアです。したがって、どういうことかというと、一つのお店で足りるところに五店舗、店が存在しているということです。  この垣根はどんどん進んでいます。どういうことかといいますと、食品スーパーというのは、生鮮とチルド、ドライ、こういう主に生活の中で必要とするものを売るSM店というのが中心です。しかし、現在、例えば地方都市とか、都内はもちろんですけれども、例えば電器屋さんがスーパーマーケットの売っている洗剤やジュースやお菓子、そういうものを売り始めている。これは同じく、本屋さんも売り始めている。ビデオ屋さんも売り始めている。どういうことかといいますと、電化製品というのも本も旬があるわけですね、賞味期限が。テレビの新しいテレビと。この時間軸に管理、コントロールする商品は、スーパーマーケットの特にドライ商品を中心にどんどん入れ込んできていると。  したがって、スーパーマーケットの経営がどんどん厳しくなってくる。したがって、スーパーマーケットは経営を保つために、実は生鮮、そういうところが扱わない生鮮のところをなるだけ安く買いたたいて自分たちの利益構造を守ろうとすると、こういう悪循環がどんどん起きているというのは現象としてあります。  したがって、ここでのキーワードは三というキーワードだと思いますけれども、分かりやすく私、説明するために数字で三なんですけれども、これはもう一つは、日本の農家が地域の産業として雇用を受け入れたり、又は世界に出れる新たな事業として、中小企業として成長するためには、日本の農家はまだまだ多いんです。だから、今高齢化で農地が荒廃してくるとか言われていることは全く、現場の我々からしてみれば全く逆なんですね。私は、専業農家を三万戸に減らすべきです。これが私の考えている一つの三という数字です。  もう一つは、キーワードの三、これは日本の今の我々現場論からいいますと、三割、今よりも三割価格が上がれば、農業というのはかなり雇用を受け入れられます。  この三というのは、食品業界は大体三というのが多いんですけれども、例えば加工品というのは原料費が三です。そして、人件費が三です。そして、管理費、設備、インフラの償却費が三で、最後、利益が一で、三、三、三、一と。この原料費の中の三割のまた三割、かなり上がったとしても、実は最終売価にしてみたら三割上がるわけじゃなくて、せめて五%とか、そういう状況になってきます。  もう一つは、これは飲食業も一緒です。最後の出口の飲食業も三、三、三、一です。したがって、飲食業界も三割のうちのまた三割上がったとしても、最終出口で消費者に多額な負担を、リスクを負うほどの負担を与えるということじゃないというふうに思っています。ここをうまく政策的に誘導できればというふうに思っております。  次が、二番目が、よく農業問題の場合、JA問題と言われますけれども、私は、確かにJAにも今の業務のやり方で改善すべきところはいっぱいありますけれども、実は、要は否定論じゃなくて肯定論で考えてみると、JAを活用するというのが一番近い私は地域の農業の活性化につながると思います。  特に、日本の地形からしますと、大体一つの政策というのはおかしいんですね。日本というのは中山間地と平地がありますから、そうすると、平地と中山間地の農業というのは全く違うわけなんです。だから、したがって、JAも、中山間地のJAと平地のJAとは役割が違ってくるはずなんですね。そういうものが整理されていない。そういうものを丁寧に整理されると極めて有効な活用の仕方があると。  だから、否定じゃなくて肯定論の中で新たな活性ができる。その一例として、例えば平地であれば、JAが今公益的に、何というんですかね、地域において合併しましたよね。これ、一階建て合併と私は呼んでいるんですけれども、二階建て合併で、その上にもう一回合併したらいいと思うんですね。その例は、ニュージーランドのゼスプリという、これ協同組合ですけれども、キウイフルーツだとか、ああいうものが有名ですけれども、あれは品目合併なんですね。だから日本でも、例えば地域としてのいろいろ金融であったり保険であったり購買であったり、そういう事業としてはやっぱり地域の公益の中で一番合理的なところで一階建て合併すると。  しかし、経済事業、ここは、例えばジャガイモ農協ならジャガイモ農協として、北海道やジャガイモを作っている地域できちっと、要は生産戦略、流通戦略を組むべきなんですね。だから、そういう合併を促すと。それによって緩やかに、今圧倒的に買手の圧力が強いものに対して、しっかり供給者側のイニシアチブも提案していくと。こういうことが必要かなというふうに思っております。  あと、例えば、もう一つは異業種連携という考え方です。特に海外への展開というところで、ここでのキーワードは十と百ということになりますけれども、今いろんなTPPやFTAやWTO、いろんな問題を言っていますけれども、実は日本の農産物の産出額というのは大体十兆円なんですね。正確に言うと、国内産出額が八・五兆で、そして海外から来ているのは六兆です。しかし、六兆円の半分は、要は八・五兆にカウントされている牛肉や豚肉や畜産の餌ですから、そしてあとはしょうゆとか、そういう加工品の、大豆なんかを主とした原料です。したがって、原料というのは、素材というのは大体十兆なんですね。それに対して、日本の一億二千万人の消費者が払っているお金というのは大体百兆なんです。ここにキーワードがあるんです。  だから、十兆のものを一生懸命海外に原料を売ろうとか、こんなことは余り将来的な話じゃないんですね。技術というのは流出しますから。日本の、例えば特にキーワードになっている種なんですけれども、種なんかというのは、出ていけば同じものがどんどん作れるわけなんですね。それよりもソフトパワー、要は日本の外食産業や食品流通というのは、極めて世界に類を見ないぐらい物すごいきめ細かいサービスと複雑な仕組みの中で合理的にやっていると思うんですね。この出口の、要は例えばスーパーマーケットなのかレストランなのか、この百兆円戦略を海外に、表に出した方がいいと思いますね。例えば特に日本食というのがキーワードになってきますから、その中で使われる素材というものが日本で生産して流通がコスト的にも合うもの、ここでもう一つ大事なのが植物工場です。  特に、まあ農業というので、よく農業と言われると、私反論して工業って言っているのと一緒だと言うんですけれども、工業って言ったら靴下作っているから自動車造っているまで幅広いじゃないですか。農業も一緒なんですね。  だから、海外へ輸出するっていったときに、一番キーワードは物流費です。だから、根菜類と言われるゴボウやニンジンや、また肉類やそういうものというのは船で輸送できますから、国内で九州から関東に運んできているより運賃安いんですね、海外に出しても。しかし、葉物類とか、果菜類、鮮度を伴うもの、要はレタスやホウレンソウや、又はトマトやこういうもの。こういうものというのは、大体最大でも葉物は二日、果菜類でも大体五日ですから、これは船の対応ができませんからエアになります。  そうすると、エア運賃というのが大体、レタスを例に取りますと、レタスというのは、例えば一個、原料が百円だったら運賃が百五十円なんですね。だから、原価で二百五十円。だから、そこに内陸物流だとかサービスフィーが入ると、最低でも三百円になるわけです。一個レタス三百円を使って、要は外食産業はできないんですね。日本と同じコストでサービスができない。しかし、そこに植物工場。これは環境は選びません。  あとでパワーポイントで御説明しますけれども、日本の技術というのは極めて物すごい現状のコストに近い形の中で、日本のコストですけれども、日本のコストというのは、ちなみに言っておきますけれども、物すごい先進国の中で一番デフレだと思っていますから、その中で提供できる技術までイノベーションしています。これが海外への展開のポイントです。  最後に、地域活性化ということなので、私は言っているんですけれども、資本主義があって、リーマン・ショックで金融資本主義が崩壊したと。これからは公益資本主義だと言われているんですけれども、公益資本主義というのはまさしく地域活性化の日本にいっぱいそのネタがあると思うんですね。  昨日も私は青森で言ってきたんですけれども、例えばマヨネーズ一つ取っても、実際、女性の、主婦の立場は、子供がマヨネーズ好きなんですけれども、マヨネーズは余りやりたくないと、こういうニーズがあるんですね。マヨネーズというのは卵と酢でできていますから、だったらこれを、リンゴ酢を使って、又はその卵も青森の卵の特殊な生育方法の中でアイデアを持って、そして新たなブランディング価値をもたらして商品を作っていくと。  又は、これは私は一番有効だなと思っているのはドッグフードだと思っているんですね。これから成長産業の中でドッグフードというのは日本の中でまだまだ需要が伸びていきます。にもかかわらず、実際にはほとんどアメリカ、外資の供給です。ここにいろんな日本のお米もそうですし、又は卵を産んだ後のただ同然で取引されている鳥肉、廃鶏ですね、こういうものも有効ですし、いろんな可能性が秘めています。  こういうものが連帯になって、原料と加工とブランディング、広告、そしてマーケットリサーチ、俗に言う六次産業プロデュースですけれども、これを適正にすることによって、そこにリスクマネーと言われる、金融機関も一%、二%でお金を貸しているよりははるかにそういうことに先行投資の中で要は提供して、そして利益配分を得るという考え方に転換すれば、利回りにしてかなり大きな利回りにつながる可能性があると思うんですね。そういう意味で、地方の金融機関もこの事業に新たに活性化に乗れると。  キーワードは、いろんなそういうことを論文というんですかね、農水省の事業で、文章にしてじゃなくて、もう分かりやすく強い実例モデルをつくることなんですよね、成功モデルを。ピンポイントに広告宣伝も兼ねながら。それをオールジャパンの中で知恵を絞って、強い、やっぱり中小零細の企業者、事業者というのは意外とそういう実体的なものからアイデアやヒント、経営マネジメントを考えていきますから、余り政策的な文章でそれを法制化するというよりも地域活性化のポイントに強いモデルをつくるということが大事じゃないですかと思います。  あと最後に、これはアイデアですけれども、二つあります。  例えば今、世代間格差なんて言われていますけれども、高齢者の方々がかなり金融資産を持っていらっしゃると。だから、例えば農業問題なのか、例えば食料、教育問題なのか、そういうある程度テーマを、活性化につながるテーマを絞ったところに高齢者ファンドを政府の保証枠か何かで作って、高齢者のそれまで第一線でずっと活躍されていて、要は自分たちがつくってきた城を受け継ぐためにそこに投資したいと、自分のお金を投資したいという高齢者の方はいらっしゃると思うんですね。そういう思いやりというんですか、ある程度その国を思う気持ちをうまく高齢者ファンドとして政府が保証した形で何かできないかというのが一つです。  もう一つは、私言っていますけれども、やっぱり海外に出ていかなきゃいけないと。そのためには海外から例えば見に来てピンポイントに分かる祭典が必要だと。だから、私は仮称で呼んでいますけれども、東京農業祭と、世界最大級の東京農業祭、これは産業農業祭と言ってもいいと思いますけれども、これをやると。この中で、国内においては、いろんな技術が結集をして異業種連帯で新たなサービスや物づくりの提案の場、もう一つは都市生活者に食育です。実際にパリの農業祭なんかはパリの住民に極めて高い食育の場を提供しています。こういうもの、それとやっぱり活性化です。  それは、私は仮称で言っていますけれども、十月十五日から十二月十五日ぐらいまでの間にこれを東京でやれば、多分世界各国から物すごい観光客と、その後クリスマス、正月ということで、下半期が稼げるということになれば大きな経済の要は誘起というんですかね、うねりになるんだろうというふうに思っています。  もう一つは、例えば簡単に言いますと、スターバックスのコーヒーみたいなモデルというのは実は日本の中にいっぱいあって、それを実際にオペレーションする仕組みを展示するような場にすると。そうすると、海外の展開したい、要は投資家なのか又はその事業者が来て、そのモデルをどんどん海外に合弁のような形で提案してくれると、こういうふうに思っています。  以上、前座ですけれども、これが私の考えです。  ちょっと時間がないので早足で進みます。(資料映写)  我々の生産しているエリアが色濃くなっているエリアです。千葉県というのは、大体毎年二位、三位、四位をやっている農業県です。年間四千億ぐらいです、産出額です。その中でも野菜が一千六百億ありますので、千葉県というのは実は野菜が極めて生産高が高いと。そのほかに畜産で、牛、豚、鶏と、これもありますけれども、これは餌の問題です。鹿島港に餌が来ますので、その餌の内陸輸送の運賃が極めて安いですから、我々のところの畜産が盛んだということですね。  実際に、千葉県というのは農業就業人口でいいますと全国平均を下回っています。しかし、我々のエリアは全国平均の三倍と、実は我々の地域は農業が地域産業になっているということですね。  この辺は我々のグループ会社です。  これは我々和郷の組織図です。どういうことをやっているかといいますと、和郷園というのは専業農家の集団です。そういう意味では、全部会社の社長さん、零細企業の集団です。それが、私が大学を出て二十年前に実は感じたことは、もう日本のマーケットは供給過剰だと、需要と供給のバランスが要は飽和点に達したと。だから、この二十年間ずっとデフレ起きていたわけですね。  それはどういうことかといいますと、今、食料自給率なんかでいうと全然訳の分からない話になっちゃうんですけれども、マーケット論でいうと供給過剰なんです。したがって、同じものを同じ流通で作っていても我々は成長できないと。だから、新しい需要をつくるという考え方で取り組んだのが、例えば消費者の求めるマーケット・インの発想で、例えばおいしい野菜であったり、減農薬であったり、安全な野菜であったり。そこに一次加工を加えるとか又は鮮度良く提供するとか、そういうことを実際のアクションと、それを担保するプロセス、これを融合させて商品化していったと。  結局、履歴のある野菜であったり、品質を証明できる野菜であったりと、こういうことをやったわけですね。それの、要はその技術開発や管理をオペレーションするのにコストが掛かりますから、そこに、一軒の五千万円ぐらいの売上げの農家ではもうとてもこのコストは負担できません。だから、そういう農家が約九十軒集まって、私もさかきという農場を持っていますけれども、自分の農場のブランドを捨てて和郷園ブランドとして統一すると、これは和郷園の仕組みです。  その中で、土壌分析とかトレーサビリティー、多分日本でこのトレーサビリティーを一番最初にやったのは我々です。その中で、もう一個大事なのは、海外に出ていったときには、日本の中でおいしいとか安全だとか、あうんの中で言っている表現というのは全く通用しません。そういう意味でいえば、グローバルの基準、根拠に基づいた安全、安心を証明しなければ、実はそこに商品の価格すら決まってこないと。そういう意味においては、我々もユーレップギャップという、グローバルギャップをいち早く日本の農業の中に今取り入れて、普及を図っています。  これは農場の姿ですね。我々も幾つか商品のプロデュースもしていると。我々は、そういう意味においては、物を売ってから物を作るというやり方ですから、我々が価格決定権がない市場流通には一切出しません。しかし、農産物というのは自然に左右されるものですから、そこの需給バランスを取るために、実は私たちはその品目ごとに丁寧に、冷凍加工がいいのか又はカット加工がいいのかということで、同時に地域に雇用を生み出せるポイントも持ちながら、こういう加工技術に取り組んできております。  その中で、こういう残渣、こういうものが出てくる。これはもったいないというキーワードで、これは、実は農業というのはいろんな分野とかかわれる産業であります。そういう意味においては、リサイクルを通じて、実は今肥料の製造を行っていたり、また、我々は実はリサイクルを通じて食料自給率の貢献ということで、実は最終的に餌にしようという方向にしっかり今思っています。  ただ、我々、意外と私なんかもこういうところで発表しますので、コンプライアンスというんですかね、きちっとした対応の中で技術的にも成立しないと、中には中傷されますので、実は我々、餌の技術はもうでき上がっています。ただ、そこの安全性を確認するために今もう少し時間が掛かっていまして、コスト的にも技術的にももうでき上がっているというのが現実です。そういうもの全体を含めてこういうリサイクルループ、都市と農村を結んで、又は農村の中でもまだまだもったいないがありますのでループをつくっていると。  これが新たな植物工場です。これはトマトを作っている例ですけれども、最終の、垂直統合をして出口のところまでブランディング化を我々していますけれども、銀座フルティカなんていうブランドで売っていますけれども、多分自称になりますけれども、日本一おいしいと思います。圧倒的に日本一減農薬だと思います。ポイントは、植物工場の強みというのは、たくみの技じゃなければできなかった農業技術を素人でもできるように普遍化することです。  もう一つは、環境を選ばないということです。もちろん、こういうコンクリートや床の上でもできますし、もちろん砂漠のど真ん中でもできると。前回、経産省の会議でも私言ったんですけれども、特に中東や資源外交の中で、実はこの植物工場を提供して、要は資源外交を有利にするというのは十分可能性があるんじゃないかということを提案もさせてもらっています。  もう一つが、こういう人工光で作る植物工場です。実は、大手企業がやっている人工光で作る植物工場は、私はかなりコスト高だと思っています。我々はベンチャー企業、ベンチャー企業と言いながら、日本で三十年の歴史のあるベンチャー企業に資本投下しまして、我々の実体的なマーケット論での技術と融合して、もう実際にこういう玉レタスができ上がっています。これは、通常の日本のコストでも合うところまでもうイノベーションできています。そういう意味においては、新たなこういうものが、もちろん先ほどと同じように海外、これも環境を選びませんから提案できると。そういうものも含めて、我々も香港、タイ、現在は中国本土というように事業展開をしております。  あとサービス事業、我々、大体地域に、和郷グループで全体に、特に女性のパートさんが多いんですけれども、約千五百人の雇用が生まれていると思います。その人たちがやっぱり地域に住んでもらうために福利厚生的なこういう地域のサービス事業というのも展開しています。これもその一つです。  これは新たな取組で、医農連携と身障者の雇用の受入れです。貸し農園です。これは今、現代病と言われるうつ病、これを我々の農業のフィールドを使って、要は新たに再生すると、これの実験的な取組も今行おうとしております。  以上です。  済みません、時間がちょっと出ました。

直嶋正行民主党・新緑風会

○会長(直嶋正行君) ありがとうございました。  次に、古川参考人にお願いいたします。古川参考人。

古川康造高松丸亀町商店街振興組合理事長

○参考人(古川康造君) では、私どもの取組の御説明の方をさせていただきます。  私どもの商店街、少し御紹介をさせていただきますと、開町が一五八八年という実に四百二十年の歴史を持っております非常に古い商店街でございまして、過去、非常に熱心に町づくりには取り組んできた組合でございます。アーケードの整備、施設の整備、また街路の整備、それから、イベントに至ってはもうありとあらゆるイベントをやり尽くしまして、いっぱいの市民の皆さんを商店街の方に集めました。ただし、結果、じゃ売上げが増えたのかというと増えなかったんですね。居住者が帰ったかというと帰りませんでした。これはもうあえて誤解を恐れず申し上げますけれども、もうイベントをもって町おこしするのをやめましょうということです。そんな無駄なことにお金と時間を使うんじゃなくて、都市の中心部の抱えている根本的な問題の解決を図ろう。じゃ、一体それが何かということを随分議論をいたしまして、得た結論の一つは、やはり土地問題なんですね。  つまり、土地というのは、皆さん御存じのように、その土地をお持ちの地権者、これが当然その土地の利用権を持っております。つまり、その土地はどのように使おうが全て地権者の皆さんの勝手でございました。つまり、シャッターの下りたままの商店を放置しようが、野原にしておこうが、風俗店を導入しようが、それらは全て地権者の皆さんの勝手ですね。この土地の利用方法、つまり、土地問題を解決しない限り、もう僕たちの商店街の再生は不可能だというふうな判断をいたしました。  もう一つの大きな問題は、居住人口の問題でございまして、私どもの商店街、私が子供のころは、四百七十メーターございますけれども、約千人ぐらいの居住者がおりました。五年ほど前に実態調査をやりました。お役所の持っているデータというのは住民票を持っている数です。これ、結構当てにならないです。僕たちは一軒ずつ、一体何人の人たちがこの商店街で生活をしているか調べ上げてみますと、残っていたのは僅か七十五人の年寄りでございました。  この背景は、バブルで地価が高騰してしまいまして、例えば月ぎめの駐車場が月額一台五万五千円ぐらいまで跳ね上がったんですね。もうとてもばからしくて人の住めるような状況じゃなくなりまして、若い子を中心にどんどん郊外に転出をして、残ったのは僅か七十五人の年寄りでございます。つまり、僅か七十五人の年寄りしか生活していないような町ににぎわい創出なんて言う方が無理なんですね。  この二つの大きな問題、つまり土地問題を解決していかに居住者を取り返すかというのが私どもの取組でございます。  この商店街というもの自体のそもそものビジネスモデルが実はもう全く時代に合わなくなっておりまして、つまり単に物を売ったり買ったりする場所としては商店街はもう全くその存在意義を失っております。これはもうマーケティング調査で明らかですけれども、消費者の皆さんは明らかに郊外の大型店を支持しているんですね。つまり、商店街は公共性に目覚めない限り、もうその存在意義を完全に失ってしまったということでございます。  なぜこの土地問題を解決するというような荒業に乗り込まざるを得なかったのかという背景を少しスライドで御説明を申し上げます。(資料映写)  香川県高松市という都市、そもそも基幹産業が何かと問われますとまさに商業でございまして、この町は過去四百年商業で支えられてまいりました。四国の玄関口でございまして、お役所、国の出先機関もこの高松市の方に集中をしております。それから、県庁、市役所、病院、学校、居住区、商業は北の百貨店と南の百貨店を結ぶ動線に八つの商店街がうまく配置をされておりまして、このように都市の持つ様々な機能が市の中心部にぎゅっと凝縮をしている。昨今、非常にはやっておりますけれども、コンパクトシティー、これが実は古い時代から見事に成立をしておりまして、大変生活のしやすい豊かな町でございました。市の中心部約五キロ圏と言われますけれども、実は全市の面積比率でいうと僅か五%のエリアで全市の収入の七五%を上げておったという実績もございまして、このような見事なコンパクトシティーが一気に崩壊の方向へ向かっていきました。  直接の要因は、一九八八年、瀬戸大橋の開通でございます。当時、この橋の開通は、地元財界も市民もお役所も国も挙げて大フィーバーでございまして、この橋の開通こそが間違いなく四国の起爆剤になると誰もが疑わなかったんですけれども、私どもは間違いなくこの橋の開通こそが自分たちの町にダメージを与えるということを予想いたしまして、今回の計画作りを行ってまいりました。  背景を少し申し上げますと、そもそも四国は本州と陸路で結ばれておりません。物流はすべからく船舶に頼らざるを得なかったんですね。つまり、濃霧が出たり風が吹いたりするとすぐ船舶止まっておりまして、つまり物資の安定供給ができないという理由で中央の大手資本さんが入ってきにくかった、むしろ四国というのは保護をされた地域でございました。ところが、この交通インフラの整備と同時に一気に中央の大手資本なだれ込んでまいりまして、高松市内の売場面積約三十万平米と言われておりましたが、これが僅か十年で六十万平米を超えてしまう。つまり、もう売場が爆発的に倍以上に広がってしまったんですね。そうすると、長らくあぐらをかいていた市の中心部の商店街は一気に通行量と売上げを奪い去られてしまいました。  それから、当局は、過去、都市の拡大政策を取ってきました。つまり、都市はどんどん郊外に開発が進む方が都市全体の発展に寄与するんだという政策ですね。これはまさに右肩上がりの経済成長期の政策でございまして、私ども当局も御多分に漏れず市の南方の方に大きな区画整理を行いまして、ロードサイドの商業、それから住宅整備を行いました。つまり、第二副都心を造ろうとしたんですね。  バブルがございまして、バブルの崩壊と同時に市の中心部は地価が一気に下落を始めました。私どもの商店街のエリアで路線価で申し上げますと、一坪ピークは千三百万ぐらいまで跳ね上がりましたけれども、これが僅か十年で路線価一坪百十万です。つまり、十一分の一までどすんと下落をしたんですね。これはイコール自治体の安定財源である固定資産税を直撃いたします。つまり、高松市の固定資産税はピークの七割減、このような現象を迎えたわけです。  次に打ったお役所の一手は、まさに市街化調整区域、線引きの全廃でございました。実は、県レベルで市街化調整区域全廃しているのは香川県だけなんですけれども、つまり都市が不用意に郊外に広がらないために引いていた線引きを全廃して、郊外に大きく広がる農地、これを宅地に変えることで、そこから上がってくる税収で市の中心部の下落を補ったということなんですね。現在、高松市のプライマリーバランスはそれほど悪い数字を示しておりません。  ところが、あらかたの予想はできたんですけれども、急速な高齢化社会と人口減が発生をしております。香川県、とうとう県レベルで人口が百万を切ってしまいました。県の試算でも、向こう二十年で香川県の人口は間違いなく八十万人を切ります。つまり、世の中から二〇%ぐらいの人々はいなくなってしまうんですね。でも、都市は大きく郊外に広がってしまった。結局、それを支える行政コストが出てこなくなったということなんですね。これが現在、地方都市の、自治体の抱えている財政状況の最も厳しいこれから先に予想されることでございまして、実はその傾向が最も強いのがこの香川県高松市というふうに言われております。  それから、少し商業のお話をさせていただきますけれども、これは県の調べですが、県下の卸売業、小売業の事業所、それと従業員数の推移です。これが過去二十年で最低水準まで落ち込んだという報道でございます。  このグラフ、大変興味深いグラフでございまして、一番上のラインが売場面積、それから県全体の販売額、従業員数、事業所数の推移です。過去の経済成長期は、売場がどんどん広がっていくと売上げも当然上っていっていたんですね。これが見事に反転いたしまして、つまり売場ばっかりがどんどん増えて、全体の売上げも従業員数も、地域の事業所に至ってはもう限りなくゼロに近づきかけている。でも売場はどんどん広がっていく。  これ一体何を意味するかというと、実は全て税金の県外流出を意味しております。郊外に展開する大型店さんのビジネスモデルというのは、いかに税金を払わずにもうけるかということでございました。これはまさに過去の経済成長期のビジネスモデルでございまして、見事に成立をしておりました。ですから、郊外のほとんど固定資産税の発生しない安い敷地に巨大な商業集積を行います。地域の人々がこつこつ稼いだお金、これがどんどんここで消費をされてしまいますと、実はそこに掛かる税金は全て県外に流出をしてしまいます。つまり、本社決算ということなんですね。  このように、地域の消費者の全く目に見えないところで、実は地域の経済循環はもう極端に弱まってしまっている、これが地方都市の商業の実態でございます。  香川県、全国で一番小さな県ですけれども、現在、五か所の大きなショッピングセンターさんが採算度外視の戦いの中で熾烈な戦いをしております。私どもの商店街で売場で申しますと約二万平米ですけれども、郊外の大型店さん、延べ床十四万平米、私どもの七倍ぐらいの規模のものが僅か五年から十年でばかばかと町中にできていく。このように非常に厳しい商環境の中で、市の中心部の商店街は一気に衰退を迎えたということでございます。  今回の私どもの町の再生計画、少し、全容だけ御紹介をさせていただきます。  先ほど申し上げましたように、市の中心部の抱えている問題、根本的な問題ですね、これやはり一つは土地問題。つまり、誰かがこの土地をコントロールする仕組みを持たない限り、もうこの商店街の再生は不可能だと判断をいたしました。それから、昔のようにいかにたくさんの居住者をこの町に取り返すかということで、この四百七十メーターの商店街を七つの街区に区切りまして、それぞれに役割を持たせた面としての開発、再開発を行おうということで、今回民間主導でこの計画の取組をさせていただいております。  私どもが今回の計画作りで一番最初に着手しましたのは、実は全国の再開発事業の失敗例だけを徹底的に調べ上げました。大体一定の法則のあることに気が付きました。今日はちょっと時間の関係で詳しい御説明をいたしませんけれども、私どもはこの失敗例の轍を踏まないやり方をしようと。つまり、過去の失敗の轍を踏まないやり方は一体何かということを随分議論をいたしまして、一つは、やはり全てをお役所に丸投げしたお役所主導の開発をやめましょう、民間が主導権を持った開発をやりましょう。それから、どこかに大きな箱物を一つ建てて、全てがその中で完結してしまうような、過去の駅前再開発手法を否定いたしましょう。自分たちの身の丈に合ったものが時代に合わせて連鎖をする開発をやりましょう。それからもう一つは、大型店に頼らない開発をやりましょう。このようなことに留意をいたしまして、今回の計画作りをさせていただきました。  平面、少しパースに直しますとこのようなことになりまして、北の方からA、B、C、D、E、F、Gと七つの街区に区切りまして、トップバッターのA街区が平成十八年の竣工です。現在、B街区、C街区を含めて、この年度末でほぼ北部半分が完成をしてまいります。まだまだ現在進行形の計画でございます。  今回の計画の一番ベースは、まず商業、つまり商店街の再生以前にいかにこの町に居住者を取り返すかということで、それぞれのビルの上層階には高齢者向きの住宅整備、つまりマンション整備を行っております。全体で四百戸の住宅整備を行って、まずそれをもって千五百人の居住者をこの町に取り返しましょうということです。  ところが、じゃ、住宅整備だけして人々がこの町に帰ってくるかといったら、絶対にあり得ないです。なぜかというと、竣工の終えましたA街区の居住者の皆さんもう大変不便な生活をしております。つまり、野菜一つ買うのに遠いところまで自転車で行かないと買えないような町なんですね。つまり、居住者がいなくなってしまったことによって業種の偏りが起こっているということです。ですから、住宅整備と併せてどうしても避けて通れないのがまさにこの業種の再編成、テナントミックスと申します。  ところが、このテナントミックスという作業は物すごくハードルの高い作業でございまして、この商店街の地権者一堂に集めて、このような再生計画で事業を進めましょう、いかがですかと投げますと、全員がもろ手を挙げて大賛成なんですけれども、いざテナントミックスを始めようとすると、いかなる業種を引っ張ろうとしても、その業種と競合する地権者さんはある日突然反対者になるんですね。もう反対どころか、計画の足を引っ張る作業を必死になって始めます。  このように総論賛成各論反対が渦巻く中でこのテナントミックスをやり上げるなんてもう絵空事でございまして、そこで私どもが取った手法が、地権者の皆さんの全員同意で自分たちのまず共同出資会社をつくって、その会社と六十二年間の定期借地権の設定を行う。つまり、自分たちの持っている資産である土地を自分たちの共同出資会社に一旦貸すことによって、地権者は六十年間、土地の利用権を一旦放棄します。そうすると、町がばさっと白紙になります。その白紙の町の中に、これからこの町に必要な業種、施設、また高齢化社会、人口減に対応するべく施設を正しく配置する、無駄な利害調整を一切せずに。もう一度商業を活性化させた利益が自分たちに地代として配当されるのと同時に、これから新しい市を支える基礎財源になっていくまさに税収に貢献をすると。このようなことで計画を作ってまいりました。  これが成立いたしますと、まず間違いなくこの町に居住者が帰ってまいります。居住者さえ帰れば、商業はほうっておいても勝手に再生していくんですね。つまり、商売の大原則であります需要のあるところに必ず供給は発生するということでございます。  これが成立しますと、これから市の中心部、これはまさに高齢者を中心に居住者を増やしたいと思っておりますけれども、もう以後、一切車に依存をしなくても全て歩いて事が足る、しかも快適な都市生活の送れる場所が御提供できるということでございます。  車に依存をしないというのは、イコール車を捨て去ることができるということですね。この市の中心部は、まさに車一台抱えますと月額約七万の生活コストが必要です。車両購入代金の償却、それから税金、保険、ガソリン代プラス駐車場代、これ大体試算しますと月額七万の生活コストがたかが車を持つだけで必要になりますけれども、これさえ捨て去ることができれば、これを生活費に突っ込むと物すごく豊かな生活ができるわけでありまして、このようにたくさんの人々が生活をして、しかも一切車に依存をしない都市を目指そうと、このようなことで現在事業を展開させていただいております。  現在、住宅整備と併せまして、年末には診療所のオープンをさせていただきました。それから、介護施設、また新しい流通の仕組みの市場、また広場の整備、温浴施設、小学校、保育所の経営まで視野に入れて、私どものまちづくり会社がこれからこの町の一括運営管理を行ってまいります。  つまり、年取れば丸亀町に住んでみたいよねと言われるような、高齢者にとってのパラダイスをいかに合理的につくり上げるかというのが今回の私どもの計画でございました。  それから、ソフトウエアの話を少しさせていただきますと、先ほど少し御紹介をいたしましたように、商店街、これから生き延びるためには、やはり昔のようにたくさんの居住者が生活をして、様々な人たちが集まって、その中で新しい連携また新しいビジネスモデル、まさにこのような連携のステージづくりこそが、これから私どもの商店街が生き延びるための唯一の方策であるということを判断いたしました。  ここに様々なプランが書かれておりますけれども、恐らく町づくりに熱心にお取り組みの方はこういうプランはすぐにでき上がります。ところが、これの具現化ができないんですね。なぜかというと、結局そのステージがつくれなかったということでございます。私どもは、土地の所有権と利用権を分離することで、まさにこのような連携のステージをいとも簡単につくり上げる今回の仕組みをつくりました。今日はちょっと時間の関係でそれぞれの御説明を割愛させていただきます。  ただし、この市の中心部の土地問題を解決するには、やはり公的支援がないとなかなかこの計画は成立をいたしません。ただし、私どもの商店街、ほぼ完成いたしますと、昨年一年掛かってその効果を私ども試算いたしましたけれども、関係税金合わせて十億が税金として市と県と国に返ってまいります。  私どもがずっとお役所に主張したのは、補助金を是非投資として判断していただきたい、その投資効果を御評価いただきたいということで、現在お約束どおりの税金をお納めさせていただいておりまして、つまり市の中心部というのは既にインフラ整備、公共整備の終わっている、民間投資、公共投資とも終わっている地域でございまして、ここにうまく投資を入れるとその効果は大きなものが期待されるということでございます。  運営の仕組みを少し御紹介をさせていただきます。  まず、地権者、これはA街区の事例を入れておりますけれども、二十七名の地権者がまず自分たちの共同出資会社をつくります。そこと六十二年間の定期借地権の設定を行いまして、まず自分たちの土地をまとめてこの会社に貸します。この会社は様々な制度、これをうまく使いまして今回のビルの建設を行いました。ところが、地権者の皆さんにこのビルの運営能力があるかといったら、そんなのあるはずもありません。そこで、第三セクターのまちづくり会社の設立を行いました。  このまちづくり会社は、職員はすべてプロです。商業ビルの運営管理者、テナントリーシングする専門部隊、また販促のプロ、そのような人たちが能力の高い人たちを雇用いたしまして、彼らにこのビルの運営委託を行っております。このまちづくり会社は新しいビルをテナントで埋めます。テナント賃料を回収します。ここで、まずまちづくり会社の運営経費を差っ引いた残りを最劣後として地権者に配当するような仕組みを地権者が自らルールとしてお決めになりました。  つまり、ビルの売上げがどんどん下がっていくと配当がどんどん減っていきます。でも、まちづくり会社は安全なんですね。これは、過去の三セクの失敗例も随分研究しましたけれども、配当を優先する余りに運営経費が出なくなって破綻しているケースが多いということです。私どもは、まず町を守る会社をしっかりと守ろう、すべてのリスクは地権者が負いましょうと、このような仕組みで現在運営の方がスタートをしております。  では、最後になりますが、今回の私どもの計画は、実は一商店街の再生計画というよりも、むしろこれから地方都市をいかに再生させるかというストーリーが背景にございました。国はこれから人口減、高齢化を迎える中で地方分権をやろうとしております。これはイコール地方の自立でございます。ところが、地方は余りに依存体質が強くなってしまいまして、つまり親からの仕送りをちょっとカットされるともういきなりパニックが起こってしまいます。いかに地方が自立するか、それはいかに税収をしっかり確保するかということでございました。  まさに、既にインフラ整備の終わっている市の中心部、これをもう一度活性化させて、そこからこれから地方が自立をするための税収確保をやるというのは最も合理的な考え方でありますけれども、実際になかなか市の中心部、押しても引いても動かない。これを阻害する最も大きな要因がまさにこの土地問題でございました。土地の所有権と利用権を定期借地権をもって分離することによって、つまり土地をコントロールすることによってもう一度市の中心部を活性化さそう、そこからこれから自治体が自立をするための税収をしっかりと確保しましょうというのが今回の私どもの計画でございます。  今回、私ども、再開発法で申しますと第百十条全員同意型という開発をやりまして、これは業界でもお役所でも学界でも、市の中心部で全員同意による開発なんてあり得ないというのがもう定説でございましたけれども、これを見事にクリアをして、全員同意でこの計画を進めてまいりました。  一方で、丸亀町は奇跡だというような御評価もいただきますけれども、これは決して奇跡でも特殊例でもございません。まさにこれから地方が自立をするためにどうしても避けて通れないこの土地問題、これを小さなコミュニティーの中で解決する一つの手法だというふうに思っております。  ただし、この土地問題というのは非常にナーバスな問題を抱えておりまして、これをクリアした要因はもうたった二つです。一つは、もうやる気云々の問題ではなくて、地権者の皆さんが本気で自分たちの町を守る覚悟があるかどうか。もう一つは、この土地問題を解決した最も大きな要因がやはり地域のコミュニティーでございました。このコミュニティーが一旦崩壊してしまうと、もうまさに土地問題を自分たちで解決するのは無理でございます。私どもの商店街、元々地価の高いところなんで、ふだんは結構ドンパチやっているんですけれども、いざというときに一致団結をする力が残っていた。過去四百年、このコミュニティーは見事に現存をしておりまして、いかにこのコミュニティーをしっかりと維持して町づくりを行っていくか、これがこれから私どもに課された課題の一つだというふうに思っております。  大変ちょっと早口で御説明をいたしましたのでお分かりにくかったと思いますけれども、以上で終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。

直嶋正行民主党・新緑風会

○会長(直嶋正行君) ありがとうございました。  以上で参考人からの意見聴取を終わります。  これより参考人に対する質疑を行います。  本日の質疑は、あらかじめ質疑者を定めずに行います。  質疑及び答弁の際は、挙手の上、会長の指名を受けてから御発言いただくようお願いいたします。  一回の質疑時間は、答弁及び追加質問を含め最大十分としております。  それでは、質疑のある方は挙手を願います。  武内則男君。

武内則男民主党・新緑風会

○武内則男君 細野参考人さん、そして木内参考人さん、古川参考人さん、本当に貴重な御意見、御提言いただきまして、本当にありがとうございました。高知県選挙区選出の武内則男といいます。  古川理事長には、二年前、視察で大変お世話になりました。ありがとうございました。  まさに共生社会・地域活性化に関する調査会という名前のとおりに、我々国家がこれからの持続可能な国家社会をつくり上げていくために、今まさに私たちが避けて通ることのできない本当に大変重要な、人が人として生きていく上で最も重要な課題だという認識の下でこの調査会の運営を同志の議員の皆さんと一緒に行っているわけなんですが、そこで今日、参考人のお三方にそれぞれお伺いをしたいというふうに思います。  地域活性化といいましても、いろんな切り口があろうかというふうに思います。私の方からは少しICTを活用した関係を、事例を二点ほど申し上げさせていただきながら、課題として三点ほどお聞きをしたいというふうに思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。  島根県の海士町というところでは、住民ディレクターを養成をして、地域の映像だとかあるいはコンテンツや地場産品の情報というものを他の地域にどんどん放送や発信をしていくということを通じて、地元ブランド牛などの大幅なやっぱり売上げというものが進んでいっております。  余り大きなことではないんですが、徳島県、四国のことになって申し訳ないんですが、上勝町においては、高齢者の皆さんが情報通信ネットワークを活用することによって日本料理のつまものという、葉っぱをタイミングよくいろんなところに、日本全国に、市場に供給をするということを通じて、高齢者によるいわゆる葉っぱビジネス、それによって平成十年約一億五千万ぐらいだった売上げがたった八年間で約倍に売上げを伸ばしていくといった、様々こうした、切り口としてはICTなんですが、そうしたものを使いながら非常に頑張っている地域もたくさんあろうかというふうに思っております。  そこで、そうしたやっぱりこれからの地域活性化に向けて大きな課題となるのは、三つ私の方でお聞きしたい課題があるんですが、一つには、先ほどの参考人の皆さんからもお話がございました。要は、ICTに限らず人材、リーダーの育成をどうしていくのか。二つ目には、住民であったり、企業あるいはNPO、地方自治体がどう連携をし、あるいは協力をして働くという協働の社会をどう進めていくのか。三つ目には、地域が相当な、これは地域と言わず、先ほどから木内参考人、古川参考人の方からもありました。一個人であったとしても、相当な決意と責任を持って自らが考えて行動をするプロジェクトというものをどう組成をさせていくのか。そのことが私は活性化に向けた課題であり、一つのキーワードになるんではないかなというふうに考えております。  御遠慮なしに、そうした課題を解決をしていくために、国家として、国策として我々が、国会がやっぱりやるべき、取るべき方法といいますか、手段というか方向性というものをそれぞれお三方にお伺いをしたいというふうに思います。

直嶋正行民主党・新緑風会

○会長(直嶋正行君) それでは、順番にお願いできますか。細野参考人からお願いいたします。

細野助博中央大学大学院公共政策研究科教授

○参考人(細野助博君) 私、今日は大学を中心とした産学官連携の話をしたいと思います。  私も実は、多摩地域で、四十一の大学、それから九の市町村、それからその他企業を入れて八十一の団体が加盟している産学官の連携をやっておりますけれども、要するに、活動の領域を超えたような連携ってとっても大事だと思うんですけれども、非常に大きい問題があります。一つは、何かというと、それぞれナショナリズムがあるわけですね。大学は大学で、市町村は市町村で、企業は企業でと。どういう連携もそうですけれども、どうもそれ最後のところの本気という、さっきの話ありましたけれども、一歩引いてしまうというところがあります。  じゃ、それを支援するというのはとても大事な話なんですね。例えば、人材づくりもそうですし、あるいは今は新卒で三年間で三〇%ぐらい、もう一つの企業を辞めてふらふらするわけです。そして、そういう再チャレンジなんていう場合もあるんですけれども、そういうときにやっぱり大学が地元の企業とか金融機関とタイアップして、早めに、まだ新鮮度があるときに人材を再雇用するというような、そういうことをやらなきゃいけないんですけれども、なかなか自分たちの情報をもう抱え込んで出さないという、プライドもあるのかもしれませんけれども、そういうところを何とかしなきゃいけない。  じゃ、それを、文科省さんからお金をいただいてちゃんとやろうかというときにコンセンサスがなかなか取れないんですね、ナショナリズムによって。じゃ、それをどうするかということになるんですけれども。要するに、文科省さんからお金をもらうときに、ある大学が窓口にならないと駄目だと、連携組織というのは信用ならないと、こういうスタンスがあるわけなんですね。そういうところをやっぱり直していかなきゃいけないというふうに思います。  それから、ICTの話ですけれども、御承知のように、日米で比較しますと、BツーB、つまり企業間でのビジネスのICT活用というのはむしろアメリカよりも日本の方がいいんですけれども、BツーC、つまりビジネスとそれから消費者というもので見るとまだ四分の一ぐらいでしかないわけでありまして、そういう点ではICTを使った形で時間と空間の制約をないような形でのビジネスってとても大事じゃないかなというように思います。  ですから、中心市街地も大事ですけれども、各地域でのいろいろな、中山間地の農産物の流通とかそういうものに対して、もし付加価値の高い地域ブランドが確立できるならば、そういうようなことができると思います。それについても、やはり産官学連携の力というのはとても大きいのじゃないかなと。特に大学の力というものに私は期待できるというふうに思います。  以上です。

木内博一農事組合法人和郷園代表理事

○参考人(木内博一君) 私は、農業にというか食というんですか、この分野でお答えしたいと思います。  まず、そのICTで言いますと、ちょうど先日、日経新聞にも出ていますけれども、テレビでもやっていますけれども、イオンさんとNTTとシャープさんが一緒になって、新たな買物ホンみたいな、そういうものを作ると発表していますよね。どういうふうになるかというと、より一層要はパワーゲームになると思います。  先ほどの商店街の例じゃないですけれども、日本の今小売業というのは、やっぱり中小零細企業で二部上場しているような、東京であればオオゼキさんであったりオーケーストアだとかこういうところが多いわけですね。これがやっぱり海外に出れない。したがって、日本は少子高齢化でマーケットが縮小しているのに、その中で、上場企業ですから要は成長しなきゃいけないと、こういう矛盾を抱えてデフレ化に行っていると。  そういう環境において、今度は、店で売るんじゃなくて宅配という、要はインターネットスーパーというんですかね、俗に言う、こういうものがICTのビジネスホン、今、ホンってみんな、携帯電話からアイフォンのような、こういう方になってきていますけれども、目的が、主軸が変わっていると思うんですよね。アイフォンになったとき、電話を掛けるんじゃなくて、インターネットや情報を発信するというところに電話機能がくっついていると。だから、今度、買物をするという機能に電話がくっついているという、こういう分野に行くんじゃないかなというふうに思っています。そうなると、より、少し悲観的に見れば、競争が激化するだろうなというふうに思っています。ただ、これは、逆を見れば、日本発の世界的な流通モデルになり得る可能性も極めて高いと。その辺は私はちょっと詳しくは分からないです。  そういう意味でいうと、人材育成のところで言えば、我々、農村においてはよく昔から村を変えるのはよそ者かばか者という話があるように、実は、もう少し業界の枠を超えた人材の連携を持ってイノベーション産業をつくっていった方がいいんじゃないかなと。そういう意味では、農商工連携であったりそういうものが、地域の農業者、商業者、工業者で連携もいいんですけれども、もう少し戦略的に持った農商工連携が必要なんじゃないかというふうに思います。どういう例かというと、先ほど言ったドッグフードみたいな例ですね。  もう一個、連携の体制づくり、これは、リーダーシップという言葉がありますけれども、私は、例えばフォローシップという、そういう新たなキーワード、フォローシップ、要はリーダーをきちっとつくるためには、例えば、リーダーだって人間ですから間違えますから、それを周りが許容するフォローシップという考え方を一つの国民的なキーワードに呼びかけていくというのも一つの手かなというふうに思います。  あと、三つ目の自主性の創造ですよね。これは、やっぱりリーダーシップ、フォローシップの上に、公益資本主義的なビジネスモデルを特に地方で起こすということを、繰り返しになりますけれども、強い成功モデルみたいなものを、もう一つは、そこでのキーワードが中小零細企業なのか地域産業なのか、そういうことをキーワードにつくり上げるということが大事なんじゃないかなと。  あと、大学、人材でいうと、先生いて申し訳ないんですけれども、我々事業家、事業人から見ると、はっきり言って新卒使えないんですね。だから、できれば、何というんですかね、もう少し専門性というか、私も大学生のときにそういう認識持っていませんでしたけれども、やっぱり自分は将来どういう事業に要は従事して、企業に就職して、どういう面で活躍するんだという、何というんですかね、職業的、社会人的人格を大学時代に早めに育成してくれないとなかなか、我々も使いたいんですけれども使えないと、これが現実なんですね。だから、一旦社会に出て、三年なり、三年とか五年とかやった人間を、専門性を持った中で、例えば我々であれば農業の、我々の会社の将来幹部にしたいという人間をもう一回、二年ぐらい学べる場をつくり上げるとか、そういう新たな大学のイノベーションが起きないとちょっと難しいかなというふうに思っています。

古川康造高松丸亀町商店街振興組合理事長

○参考人(古川康造君) まず、人材育成ということですけれども、これは少し御参考になるかどうか分かりませんが、私どもの商店街も昔は昼間に仕事をして夜に町づくりをやってきたというのが大体パターンでございました。ですから、商店街振興組合の会合って結構夜間に開かれているんですね。つまり、仕事をしながら町づくりをやっていました。これがもう見事に崩壊いたしまして、つまり、リーマン以降のこの厳しい経済状況の中で、仕事をやりながら町づくりやるなんてもう無理なんですね。もう必死になって仕事をしないと、町づくりなんかやっている場合じゃないというのが実際のところでございます。ですので、やはりこの町づくりに専従する人材の育成というのが急務だというふうに思っております。  ただし、先ほど、よそ者、ばか者みたいな話ありましたけれども、私どもは土地問題の解決をやりました。これ、よそ者には無理です。要は、どんなに偉い先生が来ようが、どんなにすばらしいコンサルさんが来ようが、自分たちの権利の調整ってやっぱり自分たちでしかできないんですね。ですから、やはり地元でそういう人の育成をするというのが一つの大きなポイントかなというふうには思っております。つまり、テナントさんもコンサルもデベロッパーも、もしかすると自治体の職員さんも市長さんですら、その地域が本当に崩壊したときに責任取ってくれるかといったら、取ってくれないです。この責任を負わされているのは、やはりもう逃げ去っていけない、土地を持っている地権者の皆さんなんですね。ですから、その中でやはり早くそういう人材育成をするための支援策なんかも必要なのかなというふうに思っております。  それから、自治体の協力ということですけれども、これは一般論ですが、大体、民が走ると役所が裾を踏んでいて、今度、官が走ると民は付いてこないというのはもう大体パターンだと思いますけれども、実際、私どもも、今回の計画、もうかれこれ二十年になりますが、随分お役所とお付き合いをさせていただいた中で、まず民がそもそも理解しないと駄目なのは、やはり自治体、お役所は総花の計画しか作れないです。どこかに集中投資するって本当に難しいんですよね。それを仮に市長さんがやってしまうと、次の選挙多分落ちます。そのような総花の公共の中で何かのことを動かしていこうとすると、それはやはり民の力、つまり時代に合わせてむしろ制度を変えたり法律を変えたりする要求を民が上程していく、それをお役所が支えるという仕組みがやっぱりこれから要るのかなというふうに思っております。もしかすると、それが現政府もおっしゃっています新しい公共に近いようなものなのかなというイメージは持っております。  それから、国策としていかに支援をするかということですけれども、やはり農業も福祉も教育も全て大事ですけれども、これから本当に僕たちが考えないと駄目なのは、やはりいかに財源をしっかり確保するかということだと思います。特に自治体は、過去誰も税収を増やすなんてことは考えてこなかったんですね。自治体の収支の中にバジェット、つまり予算、収入予算ってどこにもありません。つまり、集まった税金から運営経費を差っ引いた残りを配分しているだけでありました。お金が足らなくなると国におねだりをして交付税をもらってきたというのが大体今までの仕組みですけれども、この人口減、高齢化社会、また経済マイナス成長となると、そういう仕組みが全てもう崩壊に向かっていっている、まさにこの実感を持っております。そのような背景で、もう世の中の様々な仕組みが、もうビジネスモデルも時代に合わなくなっているというその深層のところを是非しっかりと掘り下げていただいて、御支援の策を作っていただけると有り難いなというふうに思っております。  以上でございます。

直嶋正行民主党・新緑風会

○会長(直嶋正行君) それでは、続きまして石井浩郎君。

石井浩郎自由民主党

○石井浩郎君 秋田県選出の石井浩郎でございます。本日は、大変貴重な御意見、本当にありがとうございます。大変参考になりました。  私の地元、秋田県でございます。もう今大変いろんな課題を抱えています。高齢化、少子化、過疎化、人口の減少、農業でも担い手が大変不足していると、担い手の問題、またミッシングリンク、そしてまた医師不足、数えたらもう切りがないぐらいのいろいろ課題が山積しております。  人口の減少率、これも今全国で一位です。高齢化率も今現在全国二位、そして出生率、婚姻率も全国で最下位、大変厳しい状況なんですけれども、秋田県の基幹産業といえば稲作を中心とした一次産業なんですけれども、今、農業に従事する方も大変高齢化しまして、都市へ、大都市へ若い人たちが随分流出してしまうと、仕事を求めて都会の方に出てしまうというふうな大変厳しい状況にあります。  まず、木内参考人にお伺いしたいんですけれども、大変今、農業でも問題になっているTPPという問題がありますけれども、TPP参加する、参加しないにかかわらず、大変今、日本の農業というのは厳しい状況にあると思います。仮にTPPへ参加するとした場合、様々な有識者は壊滅的な状況になるのではないかというふうなことをおっしゃられる方もいらっしゃいますけれども、木内参考人は農業従事者の一人として農業にどのような影響があるというふうに思われますか。  また、今、菅総理大臣は貿易の自由化と農業を両立させるということをおっしゃっていますけれども、可能であるのかどうか、御意見を聞かしていただきたいと思います。  また、もう一つお願いしたいんですけれども、木内参考人が立ち上げた和郷園というのは、これからの日本の農業を強くするために大変すばらしいものだと思いますが、システム的に、このシステムを確立していく上で大変御苦労されたことをまた教えていただきたいと思います。お願いします。

木内博一農事組合法人和郷園代表理事

○参考人(木内博一君) TPPの問題ですけれども、これはWTOで、EPA、FTAも含めてなんですけれども、私は農業を製造業と考えたときに、私は他の製造業と農業って全く変わらないと思っているんですね。それは、我々がやっている農業というのは種も買いますし、肥料も買いますし、減価償却、設備投資もしますし、人も雇います。しかし、出口のところの価格が変動するっておかしいんですね。  そもそもこれはなぜ今までその市場流通でそういうことができたかというと、需要に対して供給が足りないから、必ず今年よりも来年ということで需要が引っ張ってくれるんで基本的にそこを関与する必要がなかったんですね。ところが、もはやもう余っているわけですから、要は需要に対して供給が上回っているわけですから、従来の出口の価格の戦略を持たないまま物を作り続けるというのはあり得ないですね。だから、そういう意味において、じゃ日本のマーケットはどうなのかといったら、少子高齢化ですから、我々製造業の立場からすると必ずこれは海外に出ていかなきゃいけないんですね。農業と限らず、他産業はもちろんそうですけれども、出ていかなきゃいけないんです。  ただ、その中で、TPPの中で農業問題と言われるんですけれども、私は我々地域の農家からすると認識が全くないと思うんですね。というのはどういうことかというと、多分消費者もそうですし、農家もそうですけれども、TPPになるとネギが安くなってしまうと思ってネギ農家の人が要は反対するんですね。ところが、もう実際、野菜なんというのは関税掛かっていませんから関係ないんですね。むしろ、野菜なんというのは海外に売るチャンスができますからどんどん成長できると。  じゃどういうことかというと、品目問題だと思うんですね。だから、農業問題というよりも品目問題できちっと専門的な知識を入れ込んだ方がいいと思うんですね。その中で一番やっぱりリスクがある、関税率のあるものでいえば、米、果糖類、麦、コンニャクですか、こういうものがありますよね。  その中で、例えばお米というのは例えば、石井先生、消費者が食べている秋田県産、新潟県産のお米って御飯茶わん一杯で幾らだか分かります。(発言する者あり)そうです。秋田県産とかそういうブランド米で大体一杯三十円です。しかし、千葉県産だと大体二十円ちょっとぐらいですね。これがコストなんです。これを消費者が知らないということなんですよ。まあ計算していないんでしょうね。大体、私、消費者の人たちに聞くと、みんな八十円ぐらいと言います。  だから、国産が高い高いと言っても一杯三十円なんだよということをやっぱり国民運動の中で知らせるべきで、それが例えば中国産やそういうふうになったら、関税外れて幾らになるか、現行だと多分十五円とかそんなものじゃないですか。  それと技術論でいいますと、例えば日本のお米というのは十アール当たり大体五百キロですよね、八俵ですから。昭和四十年代初めにもうお米が余りましたから、要は農水省は、収量を多く取る、作るという技術は余り向いていないと思うんですね。むしろ品質だったり食味と。ただ、私もこれ詳しく調べてあるわけじゃないんですけれども、大体正解に合っていると思いますけれども、実は日本の米の生産技術というのは、今のクオリティーを担保したまま十アール当たり一トンや一トン以上にすることが可能だと思うんですね。そうすると、例えば十アール当たり一トンになりますと、単純にコストは、しかるべき海外との競争力の中ではるかに要は競争力が出てくるわけですね。で、日本の品質というのは圧倒的にいいですから。  その例として今動きが、例えば、具体的な名前を挙げちゃうと、三菱商事さんとか丸紅さんとか、一生懸命米の卸業者を買収していますね。片方側では、農業法人とかに要は出資をして、米分野にどんどんにおいを感じているということはどういうことかといいますと、多分、私も知る限りで言うと、米は輸出産業になるということですね、競争力が高いということです。だから、今言われていることと全く逆のことが実際のことでは起きてくる可能性が極めて高いというのが私の知り得る限りのやっぱり見解です。  もう一つ、和郷園という仕組みを我々つくってきて、よく聞かれるんですけれども、最初からそういう方向を見ていたんですかと言われるんですけど、そんなことないんです。もうとにかく必死だったんです。自分たちが地域で、農業でやっぱり食べていくためにはそうせざるを得ない、要は情報収集をして、勉強をして、そして、我々も投資ができないですけれども、少ない投資で最大限の費用効果を出すためにやっていった瞬間、ああいう形になっちゃったというだけなんですね。  それが一つ、農商工連携だったり六次産業は成功するみたいに言われますけれども、私は、一言で言うと、六次産業は産業化にはならないと思うんですね。直売所を中心としたフードマイレージの中で、地域の地産地消の合理的なモデルにはなりますけれども、これを産業化にするというためにはもう一桁、もう一ランク違う、もっと言えば、もっと強みに重点的に投資をした、言わば製造業に生まれ変わらさないと難しいというふうに思っています。  苦労は、言えば長くなるほどいっぱいありますけど、ポイントはやっぱり人材育成ですね。

直嶋正行民主党・新緑風会

○会長(直嶋正行君) 余り時間ないので、簡潔にお願いします。

石井浩郎自由民主党

○石井浩郎君 じゃ、もう一つだけ、古川参考人に。  私、以前テレビ番組の特集で、丸亀商店街の再生の特集番組を拝見いたしました、去年かおととしだと思いますけれども。商店街の皆さんの大変すごい熱意、もう執念とまで言えると思いますけれども、それが非常に実ったと思いますけれども、秋田も今、秋田の駅前の広小路という昔からの商店街、今は大変もう寂れてしまっています。今年一月三日の朝日新聞の秋田版で丸亀商店街の成功例と、たまたま広小路、これが今寂れている状態の記事があるんですけれども。  コンパクトシティーは本当に大事だと思いますけど、秋田市というのは少し広いんですね。それで、高松よりは広くて人口が少し少ない。そういう中で、今秋田県も随分、とにかくコンパクトシティーということで県も頑張っている、市も頑張っているんですけれども、秋田市、その広小路の再生というのも可能であるというふうに思われますか。

古川康造高松丸亀町商店街振興組合理事長

○参考人(古川康造君) 結論から申し上げますと、極端な例を言いますと、シャッターが全部下りている商店街でも、コミュニティーさえ維持していれば再生させるのは恐らく簡単だと思います。そのコミュニティーが崩壊すると、まず無理なんですね。  ただ、その合意形成というのは非常にハードルの高い作業で、テレビ報道なんかは随分、僕たちが苦労をして地権者を説得して回って、ようやく合意形成を取り付けたみたいなストーリーが多いんですけれども、あれは放送局さんのストーリーでございまして、実際は、地権者は一刻も早くやりたかったんです。  なぜかというと、彼らは、まさに彼らにとって一番大きな問題は、やはり従前債務でございました。バブルで地価が高騰したときにもう銀行団がいっぱい押し寄せて、土地さえ担保に出せばもう幾らでもお金を貸してくれました。むしろ借りろと言ってきました、彼らは。ですから、土地を担保に取られて大きな借財をした。ところが、交通インフラの整備でどんどん売上げを失った、つまり返済原資を失っていった。郊外の大型店に対抗するために彼らは必死の努力をしました。業種転換をやろうとしても、それから新しい商品開発をやろうとしても、もう銀行は一切融資をしてくれなくなったんですね。ここで彼らは完全に袋小路に入ってしまいました。これを打破をしない限り、もう自分たちは座して死を待つばかり、もういつ銀行から競売を食らうかというふうな状況を迎えたわけですから、むしろ地権者の皆さんは一刻も早くこの計画を進めたかったんですね。  それを合理的に達成させるために彼らが考えたのが、まさに公共性に目覚める、つまり土地の利用権を放棄すると。これは、何か自分たちに厳しいような話ですけれども、裏返して言うと、自分たちの資産と生活を保障するために、一旦、合理的にそれを保障するために六十年の土地の利用方法を放棄したという話ですから、こういう権利者の皆さんの合意形成というのはもうまさに収支計画だけなんですね。  むしろここに、町づくりの議論云々ではなくて、彼らが納得をする収支計画がいかに精度高く作り上げられるか。それがひいては、市民の皆さんも喜ぶ、行政は明らかに税収が増える、国は制度の効果が明らかに現れるという、関係者すべてにとってオールウインの収支計画をいかに精度高く作り上げるか。それさえ作り上げることができて、コミュニティーさえ現存しておれば、恐らく簡単に再生はできていくというふうに思っております。

石井浩郎自由民主党

○石井浩郎君 是非、今度秋田に来ていただけますか。よろしくお願いします。  ありがとうございました。

直嶋正行民主党・新緑風会

○会長(直嶋正行君) では、浜田昌良君。

浜田昌良公明党

○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。  本日は、三人の参考人から興味深いお話、ありがとうございました。特に、これからの地域の活性化を図る上で、コミュニティービジネス、ソーシャルビジネス、また農業、また商業をいかに活性化するかと、大きなポイントだと思っております。私は地元は神奈川なんですけれども、神奈川でもこういう問題は、近郊農業を含め、今議論しているところでございます。  三人の先生それぞれに質問させていただきたいと思っていますが、まず最初に細野先生に対してなんですが、冒頭、人口は職を求めて移動すると、特に若い人は移動の力があるんだという話ございましたが、実は先週、この調査会で島田晴雄さんに来ていただきまして、中高年の方々が退職をしていわゆる田舎居住を始めると。この力をうまく活用する話もございました。そういう意味では、この職を求めてではないかもしれませんが、第二の人生を求めて移動する、この人たちの力をどう活用するかと、その可能性についてお聞きしたいと思います。  また、そのときに、細野先生の御主張では、地方に中核的な高密度都市という、必要ということなんですが、先週では、もう少し分散型の、いわゆる都道府県型の県庁じゃなくてもう少し分散した都市なんじゃないかというイメージもあったんですが、その辺の違いについて、この中核的都市が必要なのかどうなのかについてもう少しお話し賜ればと思っています。  またあわせて、先ほど、若者が挑戦することをいとわない風土づくりの関係で、GPとおっしゃいましたでしたか、仕分でゼロになってしまったというお話ございましたけど、どのようなことなのかなという話と、もう少しどういう仕組みを考えておられるのかお話し賜ればと思います。  次に木内先生にお聞きしたいと思いますが、まさに農業というのは、工業と同じで一色じゃないんだと。TPPの問題も品目問題であると。おっしゃるとおりだと思っています。  そういう意味では、こういうマーケット・インで農業を再構築、重要だと思っていますけど、米でどれぐらいできるのかという発想でございまして、米の分野ですね、特に先生がおっしゃいました米の場合は、従価税に直すと約八〇〇%の関税があって、小麦で二五〇%ですよね。一人当たりの耕地面積で言うと、日本は一・九ヘクタールで、アメリカの百分の一、またオーストラリアの千五百分の一ですね。主業農家で考えても五ヘクタールぐらいですから、十年後も倍になるかどうかというところの中で、この米という分野においても、こういうマーケット・インによって、国内品にどう戦い、また場合によっては輸出化できるという戦略づくり、もう少しお話し賜ればと思います。  最後に古川先生にお聞きしたいんですが、このいわゆるテナントミックス、また土地の利用と所有を分けると。これもう、言葉は簡単なんですけど、本当に難しいところをこれだけ成功されていてすばらしいと思うんですが、そのコツをお聞きしたいんですが、このまちづくり株式会社のパワーポイント見ていますと、地権者の配当が最劣後になっていると。これ、本当によく実現できたと思っているんですね。これを、合意を取る上でどの辺がポイントだったのか。  またあわせて、これ、町づくり見ますと、七つの街区に分かれていますから、一番街株式会社ができてから七番街もあるわけですよね。そうすると、七番街の方は待ってないかもしれませんので、その辺の方にも御理解いただくためにどの辺の工夫をされたのか。  あわせて、本当に民間の力でやってこられていますけど、政府として、いろんな法律があるわけですね。まちづくり三法という法律もありましたし、借地借家法もありますが、そういう法律制度でもう少しこの辺が工夫されているとやりやすかったのになという話がございましたら、併せて御示唆いただければと思います。

細野助博中央大学大学院公共政策研究科教授

○参考人(細野助博君) 三つの御質問をいただきまして、どうもありがとうございます。  一つは、若い人口ほど移動するんだと、でも、第二の人生を望む人たちもいろいろ地方に行くという話ですね。  確かにそれはあると思いますけれども、それが本当に歓迎されているのかどうなのかということを少しお考えになられたらいいと思うんですね。むしろ、私は、先ほどからコミュニティーの話とかいろいろありましたけれども、地域というのは、成長していく、あるいは持続可能性を持たせるには、やはり住んでいる人たち、特にこれからずっと住んでくれる若い人たちがどれぐらい愛着を持ってくれるかだと思うんですね。そこにやっぱりポイントがあると思います。  先ほどから大学の学生たちをどんどんどんどん町に出すんだと私申し上げましたけれども、それは何かというと、やっぱり地方の、特に国立大学の学生たちがいると思うんですけれども、その人たち、やっぱり東京の方を向いているんですね。そうじゃなくて、自分の足場があるじゃないかと、そこの宝を探したらどうかというようなことを、やっぱり、教員もそうですけれども、町の人たちも積極的に働きかけてほしいと思っているんですね。  私は、町は教材の宝庫だといつも思っているんです。町にどんどんどんどん出すということが大事で、社会人基礎力を考えますと、挨拶をしないとかいろいろな学生たち、いるんですけれども、教員が口やかましく言うとハラスメント委員会か何かで呼出しを食うんですね。ところが、町の人が怒ってくれると結構聞いてくれるわけです。そういう点で、町というのは、とても学生たちとか人材づくりにいい場ではないかなと思いますね。だから、特にそこで老人という話じゃなくて、あるいは高齢者の話じゃなくて、若者の話をしたということですね。  二つ目、高密度都市が必要だと言うんですけれども、八ケ岳型の国土の在り方というのを考えたときに、どうしても東京だけじゃなくて、それもミニ東京じゃないんですよ、それぞれ大阪は大阪の独自のもの、それから福岡は福岡、それから名古屋は名古屋という形で、独自の形での高密度社会をつくってほしいと思いますね。  地方分権という話がありますけれども、そういう高密度社会で人材がいろいろなアイデアを出す、それで活性化していくというものがなければ、地方分権も絵にかいたもちになるんじゃないかと私は思っております。ですから、早く各地域に成長の極といいますか、そういう拠点をつくっていかなきゃいけないと。それは地域から出てこなきゃいけないと思いますね。国がどうのこうのじゃ私はないと思います。  三番目、現代GPというのは、これはさっきのあれなんですけれども、要するに、町づくりに学生たちを出していくということに対して文科省がお金を出してくれるものだったんですけれども、非常に私は良かったと思うんですね。先ほどのように、町が学生を育ててくれる、若者を育ててくれる、あるいは町に対して再認識を学生たちがしていくという事業としてはとても良かったんですけれども、余り文科省の人たちが説得力はなかったのかもしれませんで、これ消えたんですけれども、これは物すごく大事だと思うんですね。  そういうもので、ああ、ほかのところもやっている、僕はまねもすごく大事だと思うんです。何々大学はああいうことをやっている、うちもやろうかと。そうしたら、それは町との関係でウイン・ウインになると思うんですね。確かに土地の問題も大事だし、お金の問題も大事なんですけれども、私は、長期的にはやはり人づくりということをちゃんとやっていかなきゃいけないんだろうと。もう若い人たちがどんどんどんどん出ていくと、試行錯誤しながらということが大事じゃないかなと。それによって、かえって町に対して憧れも出てくるし、愛着も出てくると。そうすると、元気になるんじゃないかと。先ほどの秋田の例もそうですけれども、恐らく、若者があそこへ出張っていってにぎやかにしているかどうか、そこだと思うんですね。  ですから、大学がみんな郊外に出ていますけれども、それがもう一回町中に戻っていくためには、サテライトな拠点とかそういうのは必要なわけですよ。それを維持するためにも、そういう現代GP辺りの支援というのはとても大事じゃないかなということですね。  ありがとうございます。

木内博一農事組合法人和郷園代表理事

○参考人(木内博一君) 冒頭に、私は米に関しては実は専門家じゃないです。ただ、よく言われるものですから、私なりに今ずっと調べている最中なんですね。  ちょうどあした、ある会議がありまして、その中でもう一回レクチャーを受けるんですけれども、今までの知る範囲ですけれども、大体米の世界の生産量というのは三千六百万トンぐらいあるみたいです。そのうち日本が八百二十万トン生産していると。世界の主流はほとんど長粒種というお米ですから、ジャポニカ種っていう、これは、まあこれは余り統計がうまく出てこないらしいんですけれども、大体千二百から千四百万トンぐらいじゃないかと言われているんですね。  一つ、昨年のWTOのミニマムアクセス米ですか、それの九月から十一月の入札が下りなかったという例があるみたいなんですね。私、実はもう少し今詳しく調べているんですけれども、それはどういうことかというと、日本の米の方が価格が下回ったということらしいですね。確かに一俵九千五百円だったんですよ、去年。それが実はアクセス米よりも下回ったという話らしいんですね。  今、商社やいろんな動向が言われているのは、一俵一万円だと要は物すごく世界に売れると言っているんですね。そういう話は聞いています。それは、確かに御飯茶わん一杯にすると一元になりますから、中国だと。大体中国辺りの普通の一般的なランチとかそういうので大体十二、三元ですから、十分コストからも成り立ってくるんだろうなというふうに思うんですね。  もう一つ、国内においては、これは地域によりますけれども、大体東北とか山形とか、まあ千葉なんかも対象になるんだろうと思いますけれども、大体二十ヘクタールから三十ヘクタールの規模で、そしてある程度農地を集約してワン区画一ヘクタールぐらいの区画にすると、機械移動のロスがない分、一俵当たり八千円を切って七千円台半ばか七千円前半が、何というんですか、生産価格というんですか、利益を乗せていない部分なのか分からないですけれども、大体なってくるというのが私が知っている範疇ですね。  それの前提にあるのが、ここがポイントなんですけれども、技術力なんですよ。で、これ言われているんですけれども、アメリカというのは飛行機でもみ種をばあっとまいて作ると。日本は丁寧に苗を作って植えると。そういうやり方、全然違うんですけれども、アメリカは十アール当たり一トン取るらしいですね、そういう荒っぽいやり方で。  ちなみに小麦でいうと、要はフランスとアメリカの生産量って一緒なんですよ。しかし、アメリカはフランスの三倍面積使っているんですね。そういう意味でいうと、小麦でいうと、適地適作もありますけれども、フランスの方のが技術が上ということですね。じゃ、今の現状、米だと、収量だけ見るとアメリカの方が上になっているわけですね。それは多分、私は、イネゲノムというのは一〇〇%日本がもう解明してありますので、ゲノムの操作でいろんな米が作れるんだと思うんですね。  そうしますと、日本は今、多分技術の開発の方向性の中で収量を取るという方は全く向いてなくて、むしろ品質だとかいろんな、条件が悪い、気象変動の中でも取れるとか、そういう方向を向いているから多分収量が十アール当たり五百キロって限定されている。これが、まあ私のこれ推測ですけれども、同じ今の品質で一トン取れたとしたら、単純にこれは一俵当たり四千円になるわけですから、実は国際競争力の中でも極めて高い生産性にあるんじゃないかというふうに思うんですね。それを裏付けする根拠としては、日本というのは四季があることですね、やっぱり春夏秋冬の、四季があって土壌環境が再生するということと水があるということ、これがかなり稲作には私は向いているんじゃないかなというふうに思っています。  こんな説明でよろしいでしょうか。

古川康造高松丸亀町商店街振興組合理事長

○参考人(古川康造君) まず一点目の配当劣後の件でございます。これは、結論から申し上げると、配当を最劣後に置くことがイコール自分たちの資産を守る最も合理的な方法だということに地権者が気が付いたということです。  一つは、今回の開発で、先ほど少し御紹介しましたように、一番商店街にとって、私どもの商店街にとって大きな問題は従前債務でございました。この鎖をどこかで切り離さない限り、次の投資は起こらなかったんですね。ところが、それに見事に成功しました。そうすることで地権者は公共性に目覚めたわけであります。過去の三セクの失敗例なんかも随分研究しましたけれども、どうもやはり配当を優先するばっかりに会社の運営経費がなくなって破綻しているんですね。  僕たちはまず会社を守れ、会社が潰れてしまうと自分たちも一蓮託生ですから、まず会社を守りましょう、そのために配当を劣後に置きます、ただし従前債務の解消を図りましょうというのがそのストーリーでございました。  それから、今回の私どもの計画は、もう一つは、一方で実は廃業支援でございました。商店街の地権者の皆さんは、先ほど言ったような背景で業種転換もできない、商品開発もできない、もっと言うと廃業すらできない。廃業を宣言した途端、個人保証の問題でいきなり銀行から競売食らうんですね。ですから、仕方なくずるずると御商売を継続している。それは、イコール累積赤字がどんどん膨らんでいるということであります。そのような背景もあって、この配当劣後ということが見事に成立をしたわけです。  それから、七つの街区に区切りました。私どもの振興組合という組織もある意味お役所と同じですので、集中投資がなかなかできない地域です。ですから、全体のイメージは当初つくりましたけれども、集中投資ができない組織ですが、民なので、トップバッターのA街区に集中投資したんですね。つまり、B街区の地権者の皆さんにもそれほど詳しい話をせずに全ての力をA街区竣工に掛けました。これは戦略的に、こんな大きな話幾ら地権者集めて説明しても聞いている方は大ぼら話であります。どこかに小さくてもいいから成功例が欲しかったということなんです。A街区竣工して売上げがばっと跳ね上がって人がだんと帰ってくると、隣接するB街区の地権者も、それまでは、おいおいおい、俺たちは絶対やらねえぞと言っていた人たちが、俺たちはいつやってくれるんだというふうに変わっていきます。これがまさに成功の連鎖というやつでございまして、その中で現在粛々と計画を進めているということでございます。  それから、政府としての支援策ということですけれども、これはちょっと語弊があるかも分かりませんが、実は今、自治体が非常に財政難に陥っております。つまり、過去の制度は、国が制度をつくって、それに対して県が予算化をして、市が予算化をして、民が資金調達をして事業が成立します。ところが、自治体が財政破綻していると、国が幾らいい制度をつくっても、民に幾らいいアイデアがあっても、使えないんですよね。これが問題でして、やはりもう自治体を無理に付き合わさせずに国が直接支援していただける制度、これがやっぱり僕らにとっては最も有り難い制度かなというふうに思っております。  そんな中で、もう一つ考えるのは、やはり特区とか、そういう新しい仕組みがもうそろそろ必要なのではないか。要するに、自治体の範囲を少し超えた、どこかにこの成功モデルをつくるための様々な規制緩和のされた特区なんかがそろそろ時代が要求をしているんじゃないかというふうに思っております。  それから、もう一つはやはり規制の問題でして、商店街というエリアに限って申し上げますと、やはり一番大きな問題は道路の問題なんですね。商店街の道路は公道です。私どもの商店街は市道でございました。そうすると、それに掛かる様々な規制が今回の計画を遂行する中で随分無駄なお金を使う一つの大きな要因になっておりました。  ですから、今回、私ども広場の整備しましたけれども、実はその広場を整備するのに民間の土地を約半分ほど入れて広場の面積を倍ぐらいに広げました。つまり、民間投資で広場やったということです。これは、要するに民地が入っている関係で、お役所がそれほど厳しい規制の掛けられない、ちょっとグレーな広場を造ったんですけれども、現在この広場の整備は僕たちの想定した以上の大きなにぎわい創出の効果がございました。つまり、市民の皆さんが自由に使える広場というものがやはり都市の中心には改めて必要だなということを実感したような次第です。  そのような、あくまで民ではちょっと手の出せないところの支援がいろいろあれば有り難いなというふうに思っております。  以上でございます。

浜田昌良公明党

○浜田昌良君 ありがとうございました。

直嶋正行民主党・新緑風会

○会長(直嶋正行君) 多分御質問されたいことたくさんあると思うんですけれども、質問と答弁、なるべく簡潔にお願い申し上げたいと思います。  それでは、上野ひろし君。

上野ひろしみんなの党

○上野ひろし君 上野ひろしでございます。三人の先生方、どうもありがとうございました。  古川参考人の方から、お話しいただいた例が特殊な例ではないという話もありました。私、地元群馬なんですけれども、是非群馬でもこういった取組をやってみたいというふうに思いながら聞かせていただきました。  幾つかそういう意味で具体的にお聞かせをいただけたらと思うんですけれども、まず古川参考人に四点ほどお伺いをしたいんですが、今、広場の整備という話もありましたけれども、いろんな形で新たな投資というのも必要ではなかったかと思うんですけれども、どれぐらいの規模の投資をされたのか、またその資金の調達というのもなかなか難しいのではないのかなと思うんですけれども、どういう形でやられたのかということをまずお伺いをしたいと思います。  それから二点目が、共同出資会社に六十二年間、利用権を放棄をされたということだったと思うんですけれども、それもその土地の所有者にとってみればリスクがある話で、先ほどしっかりしたプランをお示しをするという話もあったと思うんですけれども、実際に私の地元でこういうことができるかということを考えてみると、やっぱりなかなか難しいんだと思うんです。そういう点について、実際円滑にいったのかどうか、問題があったのかどうか、その辺りをお伺いをしたいと思います。  それから、ちょっと話が変わるんですけれども、千五百人でしょうか、まず居住者を増やす取組をされたという話がありました。それはどういう人を想定をされているのかというのをお伺いをしたいんですけれども、地方の都市だと、中心部も含めて随分人口も減少をしていっていて、例えば商店街の二階にマンションを造ったとしても、じゃ誰が入るのかというのは非常に難しい問題じゃないかと思うんですが、どういう方を想定をされたのか、また実際に居住者というのは増えているのかどうかというのをお伺いをしたいと思います。  最後に、行政の役割、今ほかの御質問の中でもありましたけれども、今回のこの高松丸亀町商店街の取組において、例えば市、それから県、また場合によっては国がどういう役割を果たされたのか、又は全く果たされていないのか、その辺りを古川参考人にお伺いをしたいと思います。

古川康造高松丸亀町商店街振興組合理事長

○参考人(古川康造君) まず資金のお話、じゃ少し先にさせていただきます。  今回、再開発事業を行うに当たって、過去の再開発事業というのは国土交通省さんの制度でやるのが一般的でしたけれども、実は私どもは、国土交通省、経済産業省、それと国の制度融資、それと国の出資、これのミックスを行いまして、これがなかなかちょっとお役所主導ではできない再開発事業なんですね。これはもうまさに民の知恵だというふうに思っております。そのように、現行制度をフルに活用させていただいて、地権者の皆さんのリスクをできるだけ押し下げることに成功したということでございます。  ちょっと内訳を申しますと、済みません、ちょっと今日資料を持っておりませんけれども、まず今回のA街区の事例で申し上げますと、総事業費が六十九億二千万という事業でございました。そもそもこの総事業費自体が、実は土地の所有と利用の分離の開発やりましたんで、この総事業費に土地購入代金が一円も含まれていないんですね。つまり、全国で皆さんがおやりになってきた再開発事業の三分の一ぐらいのコストで仕上げております。これもまさに民の知恵だと思っております。その中に現行制度をフルに使わせていただきまして、地権者の皆さん二十七名いらっしゃいましたけれども、彼らがこの事業に参加するために新たに起こした有利子負債、つまり銀行からの調達は僅か二億六千万であったということなんですね。つまり、一件当たり一千万弱の借入れ、しかも返済二十年ですから、ほとんどノンリスクです。  ところが、じゃ公費を使って商売人の生活設計を成り立たすための事業をやっていいのかという議論がどうしても出てまいります。ここで、僕たちは、この利益がきちっと税金として市と県と国に帰っていくようなシミュレーションをつくったということです。現に、竣工の終えましたA街区は、建物の固定資産税だけ、開発前、年間約四百万ぐらい納めさせていただいておりましたけれども、現在、実数で三千六百万の建物の固定資産税をお支払いさせていただいております。つまり従前比九〇〇%ですね。  このように、市の中心部というのは、やはり投資をうまくするとその効果が大きいということだというふうに思っております。それを合意形成するために、地権者の皆さんのリスクをできるだけ押し下げるために制度、これをうまく使わせていただいたということです。  それから、六十年の定期借地権ですけれども、これが成立した要因の一つは、やはり地権者の皆さんは、先ほど事情を申し上げましたけれども、もう今にも競売食らいそうな、もう死んでしまいそうな状況になっておりましたので、実際に地権者の皆さんの最終意思決定の会議、地権者会でこの六十年の定借を決議したわけですけれども、そのときの議論は、じゃ二十年先にこの商店街のこの土地がどんな状況になっているか正しく予想できる方いらっしゃいますかと専門家も含めて議論やりましたけれども、結局どなたもいらっしゃらなかったです。六十年先のことなんか知るか、そんなの孫たちが勝手に決めろというのが実際のところの最終の地権者合意でございました。というのは、六十年先の議論を一生懸命やって不要な議論をしているうちに町はどんどん疲弊をしていって、もう今にも死にそうになった、まずアクションを起こしましょうというのが今回の六十年の定借でございます。  それから、居住者を増やすということですけれども、これは冒頭に少し申し上げました、なぜコンパクトシティーをもう一度目指そうかという中で、都市がとにかく大きく郊外に広がってしまいまして、郊外の農地がどんどん潰されて宅地になって、人々は大きくばらまって生活するようになってしまいました。ですから、これから先予想できるのは、郊外で生活する高齢者、それと障害者の方々は恐らく悲惨なことが起こってまいります。つまり、もう車がなければ一切何にもできない。特に、今回の私どもの開発のマンションの居住者に障害者の方もたくさんいらっしゃいまして、彼らにもヒアリング調査をやりました。彼らにとって最も快適な優しい町というのは、やはり機能の集積した町ということなんですね。全て歩いて事が足るということです。つまり、誰かに頼らなくても生活のできる町ということです。  ところが、人々は大きく郊外に散らばりましたけれども、これを規制を掛けて町中に移住させるなんて、はっきり言って無理です。ですから、私どもは太陽政策、つまり、年寄りは町中に住めばこんなに快適なんですよという町をいかに合理的につくり上げるかということが、今回の居住者を増やしましょう。居住者さえ増えると商業は勝手に再生をしていきます。  それから、行政の役割ということですけれども、実はこれも大変不遜な発言で恐縮でありますけれども、先ほど申しましたように、お役所はどうしても総花の計画しか作れないです。その中で、やはり現行法がもう全く時代に合わなくなっておりまして、僕らのやろうとした、特にこんな新しい町づくりなんて、もうまさに現行法との戦いでございました。その中で、やはりこの抵抗勢力になったのが現在の法律、それは、イコール自治体ということにもなります。つまり、自治体の皆さんも新しいことをやらしてあげようと思っているんだけれども、実際、現行法の中でしか彼らは動けませんので、それができないわけですね。これをけ破るのはまさに民の力だというふうに思っております。  そういう背景で、本来、僕たちがやってきたこの計画は民間主導でやりましたけれども、この民間主導って何の手柄でもありません。もう実に二十年という年数が掛かりましたけれども、もし仮に、仮定して、お役所と民が本当に連携の仕組みができていれば、恐らくこの計画は八年でできていたと思います。そのような新しい、本当に官と民の連携の仕組みをいかにつくるかというのが一つ重要なポイントだと思っておりますけれども、なかなかこれが達成できない。であれば、やはり民が立ち上がってそれを役所が支える仕組みを早くつくるということだというふうに思っております。  以上でございます。

上野ひろしみんなの党

○上野ひろし君 ありがとうございました。

直嶋正行民主党・新緑風会

○会長(直嶋正行君) それでは、続きまして田村智子君。

田村智子日本共産党

○田村智子君 ありがとうございます。  三人の方に同じ質問をしたいと思います。  私、お話をお聞きしていて共通しているのが、土地の活用であったり、利用であったり、ここがこれからどういうふうに展開されていくのかというのが非常に大切なポイントじゃないかと思ってお聞きしていました。  これまで余りに土地の利用が、ある意味、無秩序であって、大手資本が利益の食い物にしたり、あるいは、今も首都圏なんかは農地がどんどん宅地に囲まれて、集積を今後しようとしても恐らく障壁になるであろうし、農薬を使うのにも周辺の新しい住民の方に相当気を遣わなくちゃいけないと。また、東京の一極集中にしても、容積率の緩和というのが果たして正しかったのかと。住環境にしても、事業所にしても、本当にキャパシティーが増え続けているんですね。それが、暮らしや環境も、交通渋滞ということで考えたときに、これで良かったのかということが問われなければならないと思っています。  そこで、ちょっとお聞きしたいのは、だからといって行政が上から何か計画的にというのは、これはなかなかうまくいかないなと、この間の臨海の都市再開発やら、あるいは企業の誘致を見ても、行政の一方的なやり方もこれもまたなかなかうまくいっていない。そうすると、地域の中の自主的なある意味の秩序であったりルールであったり、町づくりということを観点にした土地の利用、活用ということについて何らかのルール作りというのが今後求められていくんじゃないかというふうに思っているんですが、それぞれのお立場から御意見をお聞きしたいと思います。

細野助博中央大学大学院公共政策研究科教授

○参考人(細野助博君) 土地の規制なんですけれども、私の大学は中央大学なんですけれども、東京の外れにあるんですね。名前は中央なんですけどね。何でそうなったかというと、やっぱり工業等制限法というのがあって、工場とか土地をたくさん使う大学なんかは、もしも大学がこれから大衆化するから大きくしなきゃいけないというときに、文科省も学生どれぐらいに対してどれぐらいの施設が必要だというと、新しい学部を作るとき、もう都心では駄目だということになって、我々はもう郊外に出ていったんですね。失敗したと思いました。今でも失敗だと思っているんですね。  だから、確かに規制をしなきゃいけないんでしょうけれども、そういう規制がいかほどのものかと。恐らく、大阪なんかもそうなんですけど、なぜ大阪がそうちょっと地盤沈下しているかというと、ほとんど大学が郊外に行ってしまっているわけですね。だから、新しいアイデアとかそういうところを、やっぱり郊外の方を大事にしてやらなきゃいけないし、学生とか学者が一緒に集まっていろいろな議論をするというのでは非常に不便ですよね。だから、そういう点では、やっぱり自主性に任せてやる、規制を撤廃するというのも大事なのかもしれません。  もう一つ。実は今、都心と例えば我々の多摩地域というのは結構ライバル同士でありまして、もうずっと都心に負けているわけですね。どういうことかというと、先ほど申しましたように、女性も子育てと自分のキャリア形成を両立させたいと思いますと、郊外だとどうしても通勤時間が掛かったりしますでしょう。そうすると、やはり都心とそんなに多摩の地域のマンションの値段が変わらないとすれば、じゃ都心へというふうに思うのは当たり前の話ですよね。  だから、そういう点では、民間に任せてもそういう合理的な行動をすると、居住地選択とかそういう形で都心の方に行ってしまいます。かといって、じゃもう一回高さ規制をして郊外の方にどんどんどんどん出ていけって、それはどうかなというふうな気はしますよね。ですから、そういう点では少し民間の賢さに任せた方がいいような気が私はいたします。  以上です。

木内博一農事組合法人和郷園代表理事

○参考人(木内博一君) 私は農地について話したいと思うんですけれども、まず農地というのは、今まで我々の親の代なんかはやっぱり資産という概念がすごい強いんですよね。だから、例えば、何ていうんですかね、誰かに貸してしまうと、自分が資産として高く販売できたり、そういうチャンスを逃してしまうというような、そういう認識が多少あって、この間、やっぱり土地に執着したという部分が農地が集約化できなかった部分だろうと思うんですね。  耕作放棄地は、私は二つあると思っていまして、一つは所有者が分からないところですよね。例えば、我々のようなところの条件のいいところでもたまにぱっと耕作放棄地があるんですね。それは、大体がバブル期、又はその前の列島改造論期に農地の、それを東京であったり、不動産屋経由して誰かが持って、それが実は全然分からなくなっていて手が付けられなくなっているというのが一つあります。  あと、やっぱり耕作放棄地というのは、基本的には条件不利なんですね、生産に。だから、無理にやっぱり耕作放棄地を解消しようというのは、もう少し丁寧に掘り探って、むしろそういうところは山林に戻して、そういうところは例えば新たな放牧とか環境保全型の農業とかのそういうフィールドに替えること十分できますし、そういう新たな方向に替えていきゃいいんだろうなというふうに思っています。  全体的には、私は、多分これから、繰り返しになりますけれども、農家数を生産事業、地域の活性化の産業とするならばやっぱり三万戸くらいに減らすべきだと。だから、担い手にそういう意味で集中するということであれば、兼業農家とかも、もうやらないんでその農地をどうにかしたいと今、最近かなり思い始めているんですね。だから、ちょっと思い切った大胆な提案ですけれども、国が一旦ある一定の条件の下に買い上げて、それを例えば担い手と言われるその地域の農業を産業とする人たちに、ある程度の条件で一旦譲り受けるという平成の太閤検地と、新たな何ていうんですかね、地域農業の産業の創造みたいな、そういうことをやらないと民民同士ではなかなかうまくいかないというのが現状なんですね。  特に、農家の場合は代々そこに住んでいますから、我々の世代になってくるともう余りないんですけれども、うちの親の世代ぐらいだと、例えば我々の世代同士ではオーケーなんですけど、親に相談すると、あそこの家には昔ああされたとか、こんなことがあったとかという訳の分からない理論で実際の現場のところにやっぱり多少なりとも反響あると。だから、思い切って平成の太閤検地、又は農地の集約化のための要は何とかプランみたいなことをやってもらえばかなり変わってくるんじゃないかなというふうに思います。

古川康造高松丸亀町商店街振興組合理事長

○参考人(古川康造君) まず、土地問題、やはりこれが私どもの計画の一番ベースの解決しなければならないことでございました。  土地というのは、そもそも過去の借地権では一旦人に貸すと二度と手元に返らない、しかも資産は目減りするというのが定説であります。既得権を認めておりましたので、つまり貸す方より借りた方を保護する法律でございました。これを乗り越えたのがまさに定期借地権というやつでございまして、僕らはそれをうまく使ったわけですね。  ただし、日本人はもう先祖伝来とにかく陣取り合戦ばっかりやってきた国民ですので、一家一統を挙げて自分たちの資産である土地をいかに増やすかというのはもう人生の一大命題で、皆さんそれに奔走してきたわけですけれども、ここのところに来て、今回の計画を遂行する中で、私自身もちょっと肌身に感じたことですけれども、どうも市民の皆さんに昔ほど土地に執着する機運が薄れてきております。  これは何かというと、やはりもう土地が資産として評価されない時代がやってきたということですね。しかも、商店街の地権者の皆さんなんかに至っては、元々地価の高いところですから、バブルのときにはもう本当に痛い目に遭いました。優良経営をしていたお店までが土地を担保に借金したばっかりに債務超過に陥るというようなことをもう嫌というほど経験してきましたので、どうも一般市民の皆さんの中にも、御自身の生涯経費を考えたときに、土地は買う方が得なのか、借りた方が得なのか、そろそろ皆さんそろばんを入れ出したということだと思っております。明らかに土地なんて買うより借りた方が得なんですね。  ところが、制度がなかなかそれに付いていっていないというのが現状でございまして、やはりこの土地問題をもうそろそろ真摯に解決するようなことを考えていかないと、これは商店街だけではなくて農地も、農業をお辞めになった老夫婦の農家の方がもう土地は一切人に貸さない、休耕地がたくさん増えてきたり、様々なところで社会の仕組みに合わなくなってきているというふうなことを、これは実感として感じました。ですから、その辺りのやっぱり法整備がそろそろ必要なのではないかというふうに思っております。

直嶋正行民主党・新緑風会

○会長(直嶋正行君) それでは、亀井亜紀子君。

亀井亜紀子国民新党

○亀井亜紀子君 木内参考人と古川参考人に違う質問を伺います。  まず、木内参考人なんですけれども、農業も製造業であるということがちょっと引っかかっていまして、また植物工場ということをおっしゃいました。最近、この植物工場、私も初めて、地元島根県なんですけれども、先ほどのアイメック栽培と書いてありましたが、初めて知りました。  この植物工場、私は、例えば田舎でいうと、工業団地で誘致に失敗して土地の造成だけしたようなところがありますから、ああいうところでハウスを建てて農業栽培をする、そういうことにはいいんじゃないかなと思ったんですけれども、やはり、いわゆる農地、土と結び付かない農業というのに違和感がありまして、一つの政策で農業は日本全国全て網羅できるわけではないので、いろんなやり方をすればいいんだろうと思うんですね。  私の質問は、農業は規模の経済かということなんです。つまり、普通の工業製品であれば、ある程度売れたらもっとたくさん作って、資本主義でどんどん拡大して、もう売れるだけ作りたい、そのうちに価格も下がっていくわけですけれども。農業ビジネスの場合に、私もいろいろ本を読みましたが、どこかで、ある規模でちょうどいい利益が出せるところがあって、そこを超えてしまうとまたうまく回らなくなる。ですから、食べていかれる程度の農業をするためには、そのある規模で止めておくべきだという本を読んだりもしたんですけれど、どのように農業をビジネスとしてお考えでしょうか。

木内博一農事組合法人和郷園代表理事

○参考人(木内博一君) まず、私の考えは、農業というのは、実は中山間地の農業と平地の農業というのは全く違った性格であるべきだということが前提なんです。私の説明している農業というのは平地の産業農業です。だから、先生がおっしゃっている、どちらかというと中山間地の農業は、私も、おっしゃるとおりで、むしろ農業というよりはサービス業、生産サービス業。例えば、レストランを経営しながらそのレストランで使う食材を要は農業で作ると。レストランの雇用と農業の雇用をうまく回転させながら、パートタイマーや雇用を一年を通じて安定してやる。又はたくみの技術、文化の伝承のような極めてクオリティーの高い有機農産物やそういう、又はそれを使った加工品、土産物といったような、こういうのも農業だと思うんです。だから、ここに植物工場という概念はないですね。  だから、おっしゃるように、何を出口にして、又は地域の条件を、どういうことを条件にしてやる農業というのが全く違うということなんですね。だから、そういう意味において、農業の政策というものもある程度そういう丁寧に、そのエリア分けなのか、又は、何というんですかね、その条件分けなのか、そういうことをするべきだろうというふうに私は思っているんですね。  私たちは、平地の産業農業、それを考えたときに、繰り返しになりますけど、少子高齢化の中で、多分先生が読まれた本というのは、規模のマーケット論の本というのは、多分国内マーケットであったら今のマーケットということで限定して論じていると思うんですね、例えば。だから、ある一定の面積までは一番最大の効率だけれども、ある一定の面積を超えると逆に悪くなるんですよというような、そういう考えなんです。それは仮説があるんですね。要は、ある一定のマーケットの出口又はその現状に対してどうだという話なんですね。  ただ、私が言っているのは、まさしく植物工場だとかそういうものというのは、むしろ海外から産業として外貨を稼げるような、もっと具体的に言いますと、例えば植物工場だけじゃなくても、例えばどうでしょうね、千葉県だとサツマイモであったり落花生がすごいブランドですよね。ただ、千葉県の落花生の農家が集団になって、実は落花生を一番最適に作れるのは、南京豆というと中国なんですから、中国に作りに行くと。作ったものを日本に持ってくるんじゃなくて、我々が、マーケット知っていますから、それを例えば日本のクオリティーの技術とかで作って、むしろ落花生の加工品を作り上げたり、これ農商工連携ですよね。そして、ヨーロッパやいろんなところに出していくみたいな、そして本社機能が千葉みたいな、こういうビジネスモデルもできてくると思うんですね。  だから、そういう意味において、ちょっと話は飛びますけれども、我々が提案しているのは、世界で稼げる産業として考えたときに、実は植物工場が必要になってくるわけですね。日本のように四季があって、春夏秋冬がきちっと分かれていて、水が安易にいっぱいあるということは世界中で極めて珍しいんです。むしろ海外はないですね、砂漠、雨季であったり乾季であったり、季節もありませんから。そうすると、要はそういう条件の中で、例えばレタスが欲しいとか何が欲しいというマーケット論でいったときには植物工場が必要なんです。  もう一つは、何か作物の幻想みたいな話があって、何でも土で作った方がいいみたいに思っているんですけれども、それは間違いですね。例えばトマトでいえば、トマトというのは原種はアンデスの岩山に生える岩草ですから、の実ですから、そういう意味で、その原種から追っていくと土よりは水の方が近いですね。だから、水耕栽培の方が本来トマトのコントロールがしやすい、又は組成が出やすいというのは原理に基づいているわけですね。その辺の技術論もやっぱり、何というんですかね、あうんの環境になっているというのも私はあると思うんですね。  こんな答えでよろしいでしょうか。

亀井亜紀子国民新党

○亀井亜紀子君 ありがとうございました。  トマトに関しては、一番工場になりやすいといいますか、前、巨大な工場を見てびっくりしたことあるんですけれども、肥料も全部自動的にぽたぽたと落ちていくようなもので驚いたこともありますが、確かにその作物によって最適な栽培状況というのは恐らく違うんだと思います。  古川参考人に私伺いたかったのは、ちょうど今土地問題に関していろいろ個人的にも勉強しております。それは、今例えば山林が買われているだとかいろんな報道もありますけれども、今党の方でもいろいろ取り組んでおりまして、その関係で、やはり日本は私有権の異常に強い国家であるということがよく分かりました。ですので、その所有権と利用権を分けて貸していただいたという先ほどのお話は非常に興味深かったんですけれども、やはりそろそろこの土地問題、異常に強過ぎる私有権の問題ですけれども、国家として取り組む必要があるとお考えですか。

古川康造高松丸亀町商店街振興組合理事長

○参考人(古川康造君) 土地問題は、そうはいいながらかなりナーバスな問題を抱え込んでおりますので、私どものイメージは、これを国家とか自治体とかというレベルではなくて、僕たちがやろうとしたのはやっぱりコミュニティーの中でやっていくということですね、本当に小さな、これはもしかすると公共かも分からないです。分かりやすく言うと自治体単位で、自分たちの土地利用は自分たちでルール化をして、自分たちの資産を守るために自分たちのルールを作りましょうというのが、むしろ僕たちのやった土地問題の解決でございました。  これを国家レベルでやろうとするとやっぱりかなり抵抗もあろうと思いますし、むしろ僕たちは、そのように土地の所有権と利用権を分離することが自分たちにとって合理的に資産を守る一つの方法であったということに地権者が気付いたということでございまして、これを押しなべて一律に考えるのはちょっと無理があるのかなと、現在の時点ではそのような気がしております。  商店街というエリアでいいますと、先ほど木内さんのお話にもありましたように、中山間地の農業と平地の農業は違うんだというのと同じで、実は商店街も、最寄り品で成立している商店街さんと買い回り品で成立している商店街って全く別物なんですね。最寄り品で成立しているというのは、要するに八百屋さんがある、魚屋さんがある、日用雑貨のお店がちゃんと残っている、風呂屋が残っている。これは、居住者が周りにいっぱいいますから成立しているわけです。これは全く心配ないです。  今問題になっているのは、まさに農業でいう平地農業、商店街でいうと買い回り品の商業なんですね。そのエリアはやはり買い回り客を集めるエリアでありましたから、やはりここはもうある意味公共性に目覚めないと、自分たちの利益、生活安定だけを視野に入れたものではもう市民の皆さんのやはり支援、その存在意義すらを失ってしまっているということでありまして、それにやはり地権者が早く気が付くということだと思います。  ちょっと土地問題とは離れましたけれども、そのようなことを考えております。  以上でございます。

直嶋正行民主党・新緑風会

○会長(直嶋正行君) 徳永エリ君。

徳永エリ民主党・新緑風会

○徳永エリ君 徳永でございます。  今日は、暗い話が多い中、元気が出るようなお話をたくさん聞かせていただきましてありがとうございました。  私は北海道なんですけれども、北海道の農家もほかと同じで高齢化がどんどん進んでいて担い手不足と言われているんですけれども、最近の動きとして、都会に出ていった若者が戻ってきているんですね。やはり自分が生まれ育った農村や漁村で暮らしたいということで戻ってくるんですが、現実には仕事がない。帰ってきてくれて担い手ができてうれしい反面、お父さんとお母さんがこつこつやっている畑の年間の所得二百万、三百万、そういったお金を、担い手が帰ってくることによって増えるんではなくて分け合うという形になるんで、ますます苦しい状況になるんですね。  わずかでもいいので、帰ってきたことによってやっぱり所得を増やさなきゃいけない、そういう中で、農業だけではなくて、それこそ民主党の六次産業化ですけれども、加工や販売や流通という新しい可能性にもチャレンジしていかなければいけないと思うんですけれども、そう思いながら誰もアドバイスをしてくれる人がいない、まず一歩をどう踏み出したらいいか分からないというのが現実なんですね。  先ほども人材育成が大事だということをおっしゃっておりましたけれども、その人材育成をする人と教えてくれる人というのがすごく大事だと思うんです。一度きちんと教えてもらって、自分が指導を受けて力を付けると、その後その村に住んでいるほかの仲間たちに指導をしたりその輪が広がっていくと思うんですけれども、最初に誰にどう教えてもらうかということがすごく大きなポイントになると思うんですけれども、例えば民主党の六次産業化にしても、地域に農林水産省がある条件を付けて選んだ人たちをこれから五人ぐらいコーディネーターとか指導員という形で置いていくということなんですけれども、果たしてその人たちが、若者たちが新しいチャレンジをできるような指導をきちんとしてくれるんだろうかと、そこが物すごく心配なんですけれども、その辺りはお三方はどのようにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。

細野助博中央大学大学院公共政策研究科教授

○参考人(細野助博君) 私、先ほどから産官学連携というお話をいたしました。特に国立の大学なんですけれども、今は産官学連携は各県に最低一つはあります。で、やはり地域の問題をどうやって解決しようかということが主の目的なんですね。だから、そういうところにやはりアプローチすべきだと思います。  それからもう一つは、産官学連携をやるときに、やっぱり地域の金融機関ってとっても大事なんですね。で、その産官学連携の中にまだ地域の金融機関をはっきり入れているところというのはそんなにないんですけれども、事業計画なんか立てるとか、あるいはせっかく若者が帰ってきたんだから、こういう農産物を町の中でインターネットか何かでホームページを作って全国に発信するとか、そんなことはいろいろできるんじゃないかと思いますけどね。だから、じゃ、若い人たちがそういう新しい試みをしようというときに温かい目で見てくれるかどうかというところはとても大きい問題だと思いますね。  ですから、やっぱりそういう若い人たちにどういうサポートをするか、サポーターづくりというのがとても大事だと思いますよね。だから、そういう点では、大学は学生だけを対象にするんじゃなくて地域の人たちも対象にするような、そういう広い視野というのは絶対必要だと思いますよね。

木内博一農事組合法人和郷園代表理事

○参考人(木内博一君) 大変難しい質問だと私は思うんですね。意外とシンプルに思うんですけど、一番難しいと思います。  私も一番感じているのは、実は農業というのは、先ほど言ったように、工業と同じように幅広いと。例えばトマトを作っている農家と例えば畜産なんか全く違いますし、同じ野菜でも、例えばニンジンを作っている農家は全然違うんですね。家庭菜園のレベルであれば、同じところに混植できるんですよ。ところが、一品ずつ生産事業にしていったときには、実は投資する要は費用対効果の問題であったり、又はマーケット性であったり、現状のマーケットと中長期、将来のマーケットと。  農業ってインフラ産業なんで、例えば将来性のマーケットが間違っていると、目の前は高く売れるんですね。ところが、投資するものは二十年で償却していきますから、ところが、二、三年だけ担保されるんですけど、その後はしご外れたように実はマーケットでニーズがなくなってしまうというのは、これ十分あり得ることなんですね。だから、実は農業の六次産業化のプロデューサーって極めていないんですよ。多分手を挙げてくるのは、申し訳ないですけど、要は今までいっぱい失敗してきたコンサル屋が手を挙げてくると思うんですね。彼らがやっても、全くとは言いませんけど、ほとんど通用しない、これが現実です。  それは極めて、先ほどは商店街の話でもあったように、物すごいデフレ環境下ですから、例えば、私よく例を言うんですけれども、マーケット・インというのは、例えばある人が穴を空けるドリルが欲しいと。だから、ドリルが欲しいんでホームセンターに買物に行ったと。そうすると、ドリルが欲しいという声が出ますから、そうすると我々は、じゃ、安いドリルがいいのか、例えば耐久性のあるドリルがいいのか、こういうふうにドリルに対して、これをマーケット・インだとみんな思っているんですね。ところが、その人はホームセンターに行って買ってきたのは、いろんなサイズの穴だったということなんですね。彼が欲しかったのはドリルではなくて穴が欲しかった。しかし、それは彼自身が気付いていないとは言わないけれども、ちゃんとメッセージとして出てきていない、これが産業のつながりだと思うんですね。  だから、その先を読んだ企画力、簡単に言えば、今六次産業化で求められているのは、こういうものを作ったら売れるよと言われたものは八割うそですね。要は、そうじゃなくて、その先の消費者がこの売場をただ貸してもらうだけで、そこにこういうものを提供したら自分だったら買いたいとか、こういう量目だったら、こういうクオリティーだったら買いたいというものを作る人自らが創造しないと実は勝っていけない時代なんですね。だから、六次産業化のプロデューサーというのは極めて私は難しいなと思っていて、ただ何とかしなきゃいけないなとは思っているんですけれども、そこのアイデアが、これだっていうアイデアがちょっとまだ浮かんでないです。  ただ、あえて言えば、農家、この農業経営の場合には、実は、六次産業化すればいいかという問題じゃなくて、六次産業化して加工品にしていったら、農家レベルの今の能力ではとても事故ばっかり起こします。我々が原料で売っている分には農産物ですから。ただ、それを加工品にした瞬間に、例えば加工品のいろんな、PL法からいろんな基準があって、そういうこと対応できません。  だから、そういう意味において言えば、農家自身も、実はちっちゃい農家であれば、私はよく言っているんですが、農家合併をしていかなきゃ駄目な時代なんだろうなと。だから、農家の長男に生まれたら誰でも要は零細農家、中小農家の社長というのはおかしいだろうなと。社長に向いている人もいれば、技術部長に向いている人もいるわけで、それをみんな社長にしちゃうというのがちょっとおかしな発想で、やっぱり農業を地域産業としてするためには農家合併も含めた要は新たな、サステナブルな、継続的な産業になるような、経営体そのものを、繰り返しになりますけれども、フォローシップでやっぱりガバナンスを見てやるような、そういう体制づくりというのが必要なんじゃないかなというふうに思います。

古川康造高松丸亀町商店街振興組合理事長

○参考人(古川康造君) 人材ということですけれども、少し御参考になればと思ってお話をさせていただきます。  年末に実は診療所を商店街の中に開設をさせていただきました。高松市内というのは実はデータ的に見ると非常に医療集積が高くて、一見医療はすごく充実をしております。お役所的に見ると医療は充実しているんですけれども、実際に町場に下りてみますと、町医者は全部なくなってしまいまして、私どもの商店街の近辺のお年寄りが注射一本打ってもらうのに県庁の前の大きな病院に行くと二時間待ちです。もうまともに医療が受けれるような状況じゃなくなっております。  それからもう一つは、ドクターの統一見解ですけれども、もう明らかにベッド数は足らないです。これから急速に高齢化進んでまいりますので、私どもはまともに医療が受けれるような状況じゃなくなっているわけですね。  今回、町医者、自分たちのかかりつけ医をもう一度自分たちでつくろうということでこのような診療所を設けましたけれども、これは、一つは自分たちの医療を確保するのと同時に、もう一つ大きな狙いがございました。  今回の診療所は院長先生始め、実は自治医科大学の教授の先生方なんですけれども、私どもの商店街の出身者なんです。つまり、随分地域にも優秀な人たちがいっぱいいますけれども、これがもう全部東京に流出をしてしまいまして、しかも彼らはこれからリタイアを迎えます。定年後のついの住みかに東京を選ぶのか、故郷に帰るのか、非常に悩ましい時期に入っているんですね。ところが、もう衰退してしまっているような町に帰りたいと思っている人たちなんていないわけですから、私どもはそういう東京に流出してしまった優秀な人材を私どもの町に取り返すために彼らの活躍できるステージをつくったというのが今回の診療所の構想でございました。  非常に彼らもこの計画に御賛同いただきまして、自治医科大学の方を、もうそろそろ定年でしたけれども、退職をして私どもの町医者として活躍をしている。このように、地域の人材育成というのも一つはポイントですけれども、実は流出してしまった優秀な人材をいかに地域に取り返すかということも一つのポイントかなというふうに思っております。  それから、実態のところですけれども、実は地域には随分商売を始めたいと思っている若い人たちがたくさんいらっしゃいます。彼らは技術もガッツもアイデアも持っていますけれども、悲しいことに開業資金を持っていないんですね。銀行は一切開業資金の融資は行いません。制度もいろいろありますけど、本当に使いづらいです。  これはちょっと実証実験ですけれども、実は私どものまちづくり会社で開業資金全額負担で公募を始めました。随分たくさん応募がございまして、そういう優秀な能力を持っている子たちをピックアップして商店街に導入する。つまり、商店街は能力を失ってしまった人たちはもう退場、土地を公共に明け渡して新たに活躍できる人たちを取り込みましょうというような、そのような人材発掘の実験も既に始めました。御参考までにでございます。  以上でございます。

徳永エリ民主党・新緑風会

○徳永エリ君 どうもありがとうございます。

直嶋正行民主党・新緑風会

○会長(直嶋正行君) それでは、加治屋義人君。

加治屋義人自由民主党

○加治屋義人君 鹿児島の加治屋でございます。  木内参考人の農事法人の成功例を聞きながら、我が町にどう応用できるのかねと、そう思いながら聞かせていただきました。  鹿児島というのは千葉と茨城と同じぐらいの生産額を持っておりますけれども、ただ、持っていないのが一つございまして、何かといいますと、近くに大きな消費地を持っていないという一つの悩みがあります。例えば、輸送距離が長い、輸送のコストが高い、鮮度が落ちる、こういうハンディを持っているんですけれども、我が国のほとんどの地方が同じ悩み抱えているんだろうなと思っておりますけれども、そういうことに対してのアドバイスがあればお聞かせいただきたい。  それから、古川参考人、この丸亀商店街のことはかねがねよく聞いておりました。  実は三月に鹿児島から青森まで新幹線の全線開通があるんですね。もちろん鹿児島は最終の新幹線なんですけれども、今、行政また商店街の人たちが非常に頑張ってくれて、受入れ体制その他、町づくりを考えているんですけれども、古川参考人の話を聞いて、新幹線と瀬戸大橋を重ね合わせて聞いてしまいまして少し心配になったんですけれども。鹿児島の行政あるいは商店街の人たちが最近そういう勉強にお伺いしたのかどうかということと、これらの町づくりについてのアドバイスがあればお聞かせいただきたいと思います。  また、細野参考人は、補足的なアドバイスがあるとすればお願いをしたいと思います。  以上です。

直嶋正行民主党・新緑風会

○会長(直嶋正行君) それでは、木内参考人からお願いします。

木内博一農事組合法人和郷園代表理事

○参考人(木内博一君) 私もいろいろ、昨日もちょっと青森へ行かしてもらったんですけれども、行ってきて感じるのは、よく言われるんですね、我々は千葉ですから、東京の、首都圏の消費地が近くにあるんで恵まれていると言うんですけれども、でも私たちから見ると、今の時代ちょっと違うんだと思うんですね。やっぱり、実は東京の周りには、首都圏の周りには千葉、茨城、群馬、埼玉、神奈川と、これ、実はベストファイブに入る農業県なんですね。物すごい激烈な競争なんですよ。だから、先ほどの古川さんの要は橋が通っての例じゃないですけれども、地方の方が実はその生鮮だとかそういうのが逆に私は物価が高いように思うんですね、見ていますけれども。東京というのは物すごい今そういう生鮮が激烈になっています。  そういう意味では、一緒くたに、遠隔地だから、例えば農業が、要はリスクが、まあ確かにリスクがある部分もあると思うんですけれども、何というか、交通の事情、又はそういうものだけで語れない。逆に、都市、消費地が変わってきていますから、そういう部分があるんだろうというふうに思います。  ただ、やっぱり鹿児島の、私も鹿児島も行きますし、実は先週、隣の宮崎県、JAグループと我々が知恵を絞るというんですか、新たな産業化、六次産業化も含めた協定書を知事を挟んでしました。お互い持てる能力や力を、アイデアを出し切りましょうという話なんですけれども、そういう中でやっぱり南九州のエリアというのは、加工用原料の契約栽培とか、ああいう地の利というんですか、地の利というのはおかしいですね、やっぱりそういうフィールドがありますので、例えば鹿児島の農業というのも、一番なぜ売上げが高いかというと、実は伊藤園のお茶が要はもしかしたら二割、三割占めているんじゃないかというぐらいお茶があった、あるわけですよね。そういうふうに、あれも加工用原料の安定した要は生産ですから、そういう意味では必ずしも生鮮のところで農業を語らなくても、むしろ加工品原料の安定的な作付けと供給というところで九州はかなり注目されていると思うんですよね。  そんなお答えでよろしいでしょうか。

古川康造高松丸亀町商店街振興組合理事長

○参考人(古川康造君) 交通インフラの整備は、非常に、正直申し上げて、怖いです。私どもは、もう瀬戸大橋の開通で壊滅状態に追い込まれてしまいました。ただし、交通インフラの整備は、やはり利便性上、時代の流れとしてある意味仕方のないインフラ整備の一つだと思います。ですから、それに早く対応をして、要は人口を持っていかれないように早く町づくりをやるという、もう時間はそれほど残されてないということを地域の皆さんが気付くべきだと思います。  私どもは、むしろ、瀬戸大橋の開通のころはバブルのピークのころ、バブル後期のころですけれども、当時は完全に浮かれておりましたので、もうこの橋の開通で間違いなく四国は全国に打って出れるって誰もが思ったわけです。全く逆なことが実際には起こったんですね。そのような背景もありまして、やはり交通インフラの整備に早く対応して、地域から人口が流出したり、それから資産が流出したりしないように、早くそれに対応する町づくりをやることだというふうに思っております。  特に、昔と大きく変わってやはり人口減になってきているわけですから、人口減の背景の中で都市間競争なんてやると、全部大都市圏に持っていかれます。恐らく九州は全部博多に持っていかれると思います。僕たちは全部神戸、大阪に持っていかれるんですね。  ですから、昔のような、もう都市間競争をやっていかに外貨を獲得するかということを考えるんではなくて、むしろ僕らが大きく方向転換をしたのは、そもそも私どもの商店街は四国では有数の商店街でございましたから、昔は外貨を獲得することばっかり考えてきました。四国の人口四百万、商圏四百万と豪語した時代も長くありまして、いかにこの町に客を集めてお金を落とさすかということを考えてきたんですけれども、そうじゃなくて、地域間の経済循環をいかに確立するか。もっと言うと、自給自足体制をいかに早くつくり上げるかというふうに今回の計画で大きくシフトをいたしました。  これ、やはり人口減の中で都市間競争をやると、もう間違いなく僕たちは神戸に持っていかれてしまいます。現に、高速道路が開通して神戸まで片道二時間二千五百円、十五分に一本の高速バスが動いております。この計画前はもう随分神戸に持っていかれました。もうエクスカーションの成立する距離なんですね。一日小旅行、朝に出かけていって、お買物をして、お茶を飲んで、お食事をして、映画見て、一日滞留してまた帰ってくるという、そんなようなことが起こるわけですから。しかも、高齢化が進む、そうすると人口減も進む。そうすると人々はより安全で快適なところに移動するということが予想できますので、交通インフラの整備はそういう意味で非常に怖い半面を持っておるというふうに思っております。  よろしいでしょうか。  それから、鹿児島の方々も来られたと思います。ちょっとはっきり、済みません、覚えておりません。申し訳ございません。

細野助博中央大学大学院公共政策研究科教授

○参考人(細野助博君) 私は、学校の先生ですから抽象的なことしか申し上げられませんけれども。  交通インフラが整備されると、やはりその地域間の交流というのは随分促進されるんですね。恐らく人口の多いところと人口の少ないところではストロー効果が起こるのは確かなんですね。  じゃ、そうすると、小さなところはどうするかというと、やっぱりマーケットをセグメントする必要がある。例えば、鹿児島ですと、昔は葉たばこ農家が結構多かった。今でも多いかもしれませんけれども。それ、鮮度関係ありませんでしょう。すぐ腐るというんじゃなくて、逆に言うと乾燥させることになりますし。あるいは牛肉なんかもそうですけれども、エージングなんて掛かるのが必要ですからね。そういう点では時間をうまく使うようなマーケットセグメントってとっても大事だと思うんですよね。大消費地とつながるじゃないかというんですけれども、それはチャンスでもあるし、私は打撃を受ける可能性も両方あると思うんです。  よくこれは空間競争のモデルを、まあ大学の先生だから考えるんですけれども、それは、分子に二つの地域の人口を持ってきます。分母、割り引くところに交通距離、時間距離を持ってきます。ですから、時間距離ということは、新幹線が通ればその時間距離はだんだんだんだん短くなりますからね。そうすると、交流の可能性がどっと増えていくわけです。  じゃ、自分のところは小さいんだけれども、ほかのところは大きいと。それは、お互い取られることもあるかもしれないけれども、実はつながることによって新しいビジネスチャンスができるかもしれない。そのときどう生きるかというと、真っ正面から戦うんじゃなくて、マーケットセグメントして、お互いにウイン・ウインの関係になるような、そういうやり方をすべきだということですよね。だから、余りマイナス面ばかりじゃないというふうに考えていただきたいと思います。

直嶋正行民主党・新緑風会

○会長(直嶋正行君) それでは、難波奨二君。

難波奨二民主党・新緑風会

○難波奨二君 難波でございます。今日はどうもありがとうございました。  まず、細野先生にお伺いいたしますけれども、今地域活性化あるいは町づくりに向けてコンサルティング会社が取っておるトレンドを御存じなら教えていただきたいと思います。  それから、木内参考人には、我が国の農業の再生には法人化というのも一つの手法だと思うんですね。今後の農林水産業における法人化の展望と課題ということで、お考えあればお教えいただきたいと思います。  以上でございます。

細野助博中央大学大学院公共政策研究科教授

○参考人(細野助博君) いや、私、余りコンサルタントの人とお付き合いがないんですけれども、ただし、制度的な資金がどこにあるか、やっぱりお金だと思うんですね。  結構今、地域経済の経済力低下していますから、本当に循環してくるお金が少ないので、じゃ国の支援はどうなっているかとか、どういう使い方をすると町づくりに使えるかと、そういうところに力を注いでいると思いますね。あとはその町その町のその事情というのは地域の人が一番よく知っているわけですから、じゃそれを、その夢を実現するためにどういう制度的な融資をしてもらおうとか、そういうことだと思いますよね。

木内博一農事組合法人和郷園代表理事

○参考人(木内博一君) ひとえに法人化というよりも、これも先ほどの繰り返しになりますけれども、やっぱり農家の長男に生まれたからみんな一人社長じゃなくて、やっぱり合併を促して、合併をするというのはただ農家同士が合併するんじゃなくて、これもマーケット・インの発想で、何のために合併するのかということを明確にして、事業プロデュースですか、プロセスをしっかり持つことで合併を促して、結果、それが法人化ということだと思うんですね。それがもう本当に必要だと思います。  ただ、もう一つ展望で言いますと、例えばそういうことが起きてきますと、我々できるかどうか分からないんですけれども、今考えているのは、例えば、我々香取市だと、合併しまして合併特例債を使って市の方で学校給食を一緒にしようとしているわけですね。そのときに、例えば、私は提案しているんですけれども、じゃ、指定管理者制度を民間に、要は手上げ方式にしてほしいと。そのときに、我々は食産業で上げますよと。そのときに、我々の条件は、米は全部香取産、野菜も何も全部、肉とかそういうものも県内産をほとんど八割使うと。こんなのあり得ないですよね、今の学校給食のコストだったら。ところが、可能なんですね。それはなぜかというと、我々の利益というのは、例えばそこで、今我々、千葉県で加工事業連帯を組もうとしているんですね。魚加工、肉加工、野菜加工、菓子加工、要はスイーツとかそういう飲料も含めて加工。これの中小企業者で技術のある、決裁権のあるところで組んで、要は商品の開発や又は連帯で海外に出ていって産業化できないかとか、いろんな勉強会をやっていこうということで。そうすると要は我々は、製造品というのは必ず営業フィーと利益というのがあるんです。だから、その営業フィーと利益をどう取るかという考え方なんですけれども、例えば学校給食、毎日約一万食あるわけですね。そのときに、メーカーとしてこれの原料を出しなさいと。その代わり、この原料は、こういうカードで、子供たちに食育も含めながら、こういうふうに作られ、こうこだわっていますよとか、こうおいしいんですよということを出したら、これ宣伝広告費と考えたら要は営業費と利益要らないんじゃないかというのがメーカー側の理論としてもう一つあるわけですね。そういうふうに地域が強くなって素材を提供することによって、実は学校給食費が二百六十円とか三百円であっても、その中で本来実現できない商品の品ぞろえをする、そしてマーケティングをしていく。  又は、もう一個、その工場が実際、二十四時間あるうち六時間しか要は学校給食なんか使わないじゃないですか。だから、その残りの十八時間が我々の利益なんですね。その時間を使ってほかの要は、例えば電車が通れば駅弁を作るとか、こういうような発想又は交渉力又はブランディング化というのはまさしく農家一軒の今の規模でできませんよね。だから、法人化して、法人化しただけではなくて、異業種との連帯も組んで初めて、大手企業でしかできなかったことも実は中小零細企業、地元企業にもできるようになってくると、そういう意味の第一歩としては私はもう必ず必要であるというふうに思っています。

直嶋正行民主党・新緑風会

○会長(直嶋正行君) 他に御発言はございませんか。──他に御発言もなければ、以上で参考人に対する質疑を終了いたします。  参考人の皆様方には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして誠にありがとうございました。本調査会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。  本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時五十五分散会

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