外交防衛委員会 第10号
- 発言数
- 120 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2011/05/24
会議録
○委員長(佐藤公治君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、安井美沙子君、福岡資麿君、山口那津男君及び小熊慎司君が委員を辞任され、その補欠として大野元裕君、猪口邦子君、石川博崇君及び桜内文城君が選任されました。 ─────────────
○委員長(佐藤公治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 図書に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として宮内庁書陵部長岡弘文君外三名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤公治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(佐藤公治君) 図書に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。 本件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○谷岡郁子君 おはようございます。民主党参議院議員の谷岡郁子でございます。 今日は、日韓図書協定の審議をさせていただくということではございますが、大変このさなか、お忙しいところ、保安院からも審議官おいでいただいております。申し訳ございませんが、順番を入れ替えさせていただいて、できるだけ早くお引き取りいただけるようにということをやりたいというふうに思っております。 少し順番が狂ってしまったんですが、実は、二〇〇七年の六月に、保安院、IAEAからの審査を受けて、実地調査を一週間かけてやっておられます。そして、二〇〇七年の十二月に報告書が出まして、二〇〇八年の三月にそれが公表をされております。 その結果、簡略に申し上げて、十七良好事例があった、十個勧告があった、十八助言があった、それでよろしいでしょうか。
○政府参考人(中村幸一郎君) はい、それで結構でございます。そのとおりでございます。
○谷岡郁子君 今確認をさせていただきました。勧告と助言を合わせて二十八、良好事例十七、こういうものについて、大変褒められたというふうにお感じになりますでしょうか。
○政府参考人(中村幸一郎君) 良好事例と同時に、今後の規制活動の実効性を更に強化するように、あるいは事故、故障の発生を防止するようにという意味での改善とそれから示唆というものがなされたわけでございますので、そういった指摘については十分これから、そのとき重要なものだというふうに認識をしておりまして、それ以降、きちっと取り組んでいく必要があるという形で受け止めておりました。
○谷岡郁子君 これは三月の末に公表を当時されております。そして、そこでプレスリリースも出されました。また、直後に行われました原子力安全委員会、この議題にも取り上げられました。そこでは、大変いい原子力安全の保安をなされていて、審査がなされていて、大いに褒められたと、この調子で頑張りたい旨が語られておりまして、幾つかちょこっとした問題はあるので二年後にはフォローアップをしたいというふうに書かれておるわけでございます。そして、とうとうこの報告書の日本語版というのはホームページにはアップされませんでした。間違いないですね。
○政府参考人(中村幸一郎君) 委員御指摘のとおりでございます。
○谷岡郁子君 この勧告、大変重要なことが書いてありました。 勧告の中で、特に冒頭のところでIAEAの方が報告をしていることの中には、これを優先順位としてやるべきであるということを、特に重要な勧告若しくは助言ということで五つ挙げているんです。 規制機関である保安院の役割と原子力安全委員会の役割、特に安全審査指針における役割を明確にすべきであると、立法を含めて明確にすべきであると。それから、保安院は、人的及び組織要因が運転安全性に及ぼす影響を扱うための取組を進め続けるべきであると。これはどういうことを言っているかというと、機械寄りになっている。本文を見ればはっきり分かるんですが、機械の安全のことばっかり言っているんだけれども、人的そして運転面の安全についてはほとんど何も努力がされていないではないか、もっとそのことを努力すべきであるということをおっしゃっています。 また、将来の課題にチャレンジするための戦略的な人的資源管理計画を開始すべきであると。これ、非常にまろやかに言っていますけど、本文を見ればはっきり分かるんです。経済産業省と保安院がくっついていて、人的交流をして、トップクラスの方々が二年ごとに動いているような状態では本当の専門性というのは培われないし安全は守れないから、そこについては対応すべきですと、そういうことが書かれていて、保安院は保安院の仕事をして、推進機関である経済産業省のエネルギー庁と人事交流すべきではないのではないかということがはっきり書かれております。 そして、相互の理解と尊敬に基づいた、フランクでオープンであるが立場をわきまえた産業界との関係強化を継続すべきであると。これはどういう意味かといいますと、ここの後の勧告そして助言等に出てきますけれども、癒着した関係があるとある意味でいうことであり、一方で保安院がそういう、今も申し上げたように、専門性のない方々が来ていながら箸の上げ下げまで指示をしていると。でありながら、実はオペレーショナルな意味で、立入検査などは期日指定の、そして前もって言ってある形骸的な審査なんかされていないよということが書かれていて、こういうところについて、フランクでオープンな安全のための関係を築くとともに、この訳の分からない、箸の上げ下げの指示みたいなことはやめなさいということがこの報告書の中には書かれているわけです。 そして、二年後には、先ほども申し上げましたように、フォローアップをするということになっておったわけですけれども、なされたんですか。必要な法的改正は行われましたか、内部の検討は行われましたか、そのことについてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(中村幸一郎君) お答え申し上げます。 今委員の方から御指摘のありました特に重要な何点かのところにつきましては、私どもの方では、原子力安全・保安院の審議会でございます保安部会の下に検討を行ってございます。そこでの検討を踏まえた結果、今後の規制課題という形で整理をいたしまして、指摘されたもののうち幾つかにつきましては、例えば人材育成の強化でありますとか、実効性ある審査、検査の実施でありますとか、そういったところの幾つかの具体策については既に実施してきているものもございますけれども、なお検討途上というものもございます。 また、御指摘のありましたそのフォローアップのところでございますけれども、これはちょうどこの御指摘をいただいた時点で耐震審査指針が改訂されましたものですから、それのバックチェック、あるいは、残念なことですけれども中越の地震が起こりまして、柏崎刈羽への対応というものがございました関係上、フォローアップというのは、当初二年ないしその三年後に予定をしておりましたけれども、それについては今現在延期されておりまして、今現時点では行われておりません。 ただ、いずれにしましても、今回の福島第一原子力発電所の事故、これについての事故原因というのを徹底的に検証し、併せてその結果を踏まえて安全規制の在り方について抜本的な見直しを行っていくということでございますので、その際に併せてこうした海外からの指摘についても参考にさせていただいて安全規制の見直しを図っていきたいというふうに思っております。
○谷岡郁子君 つまり、フォローアップは行われていないということなんです。 この報告書がなされてからあの事故まで実は三年間の月日がありました。そして、今の保安院とそして安全委員会、この間も水の問題で班目さんの発言等が注目されているわけでございますけれども、この訳の分からなさというものは、それに対する法的な処置等がなされていて、そしてこの管理が明確になっていて、その対応策に対する部隊がちゃんと支援されていれば、これがやられていれば、事故は防げなかったかもしれません、でもここまで拡大しなかったのではないか、ここまで訳の分からない状況にならなかったのではないかと、私はそのように考えざるを得ないわけであります。 今るる御説明がございました。リコメンデーション十というのがございます。ここに大変面白いことが書いてあるんですね。安全面について本当に実際的な面を考えるべきである、抽象的、概念的な方策ということについて、そういうものを議論しても始まらないというような類いのことが書いてございます。これはどういう意味かといえば、まさにそういうことが起きてきてしまった中で現実的な対応というものがなされなかったということだろうと思います。 まあ、でも、お忙しいところ来ていただいて、ありがとうございました。もう結構でございます。 そこで、外務大臣にお聞きをしたいわけでございますが、IAEA傘下いろんな条約が、ほかの条約もあるように、あると思うんですけれども、条約が作られて、そして、これは言わば原子力安全委員会の傘下の幾つかの条約等、そしてお互いの仕組みの中で今回の視察は行われたというふうに思うわけですけれども、中身がちゃんと履行されているのか、実体をもって確保されていくのかということについて外務省はどこまで関与できるんでしょうか。
○委員長(佐藤公治君) 中村審議官、退席をしていただいて結構でございます。
○国務大臣(松本剛明君) 一般的には、やはり条約の履行の状況というのを私ども外務省も注視をするとともに、関係省庁と協力をしてこれを推進をしていかなければいけない立場にあると、このように思っております。 当然、今保安院にお尋ねをされましたように、それぞれの具体的なことについては所掌の省庁があるわけでありますけれども、条約の履行という面からは外務省もこれを注視し、関係省庁に協力を求めるなどの努力をする必要があるという御指摘については私どもとしてもしっかり受け止めていかなければいけないところだと、このように思っております。
○谷岡郁子君 先ほど申し上げましたように、本当に重要な指摘が既に三年前になされておりました。しかしながら、英語の報告書しかホームページにもアップされないような状況の中で、プレスリリースにはほとんど反対の内容が書かれているような状況の中で、多くの人々はそれを知り得なかったということの中でその気付きがなかったということがございました。 これは本当に、やはりその中身がどうなのかという問題、外務省の人員もいろいろある中で大変だろうと思いますけれども、今、原子力協定幾つも並んでおります。そういうことを考えますと、原子力の発電所の様々な部分を輸出することによって、場合によっては事故を輸出してしまうことすらあり得るということだと思います。ですから、これは外務省の所掌ではないというようなことを言える場面ではないというふうに私は思うわけでございます。 と同時に、この原子力安全委員会の中でたくさんの安全に関する条約というのがございます。日本は幾つも入っているんですが、この間ある外国人の方と話をしていまして誤解を受けました。日本は安全委員会の中で、この中でコンベンション・オン・ニュークリア・セーフティー、原子力安全に係る条約に入っていないから協力できないんだよと言われてしまって、えっ、そんなことはないと思って私はそれを調べさせていただきました。今日の資料の後半の部分を見ていただきたいと思うんですね。 この三枚目から何を書いてあるかといいますと、これは、この条約に関して批准をしているところ、そしてアプルーブしているところ、そしてもう一つはアクセプタンスをやっているところ、それからもう一つ、アクセッションをしているところ、四つのばらばらなことが書いてあるんです。ほとんどの国はラティフィケーション、つまり批准、若しくは加入、アクセッションというのを使っています。また、アプルーバル、承諾ということを使っているところもありますが、日本はアクセプタンス、受諾ということを使っていて、これをやっている国はほとんどない。こういうことがないがために、このアクセプタンスってとても受動的に見えて積極的に見えないというようなこともありまして、それで入っていないと勘違いされてしまったんです。 この辺についての違いというのはどういう形で出てくるのか、なぜこうなっているのかということを説明していただけませんでしょうか。
○副大臣(高橋千秋君) この資料を私も見させていただきまして、幾つかのパターンがございますが、条約に法的に拘束されるということに関しては、国の同意を表明する方法としては、委員御指摘のとおり、批准、ラティフィケーション、受諾、アクセプタンス、承認、アプルーバルという三つがあるわけですけれども、国際法上、国の同意の表明という意味ではいずれの法的効果も同じでございます。 多数国間条約の締結、すなわち約束されることについて同意の表明方法として、批准が一番伝統的でかつ重い形式で、日本の場合、天皇陛下の御名御璽というものが要るわけでありますけれども、条約上、批准以外の方法が認められている場合、一般的に我が国としては、これまで受諾、承認等の批准以外の方法を選択をしてきております。承認は、憲法第七十三条第三号による承認、いわゆる条約の国会承認、これと紛らわしいということもありまして、いずれも受諾ということを選択をしてきているというふうに聞いております。 その中で、御指摘のとおり、受諾というのが言葉的には受動的というような印象を与えるというふうな御指摘ありますけれども、そうではないんではないかということで、いずれにせよ、どの方法を選択するかについては、これまでの慣行とか、そういうものを踏まえて判断をしてきているというふうに聞いております。 以上です。
○谷岡郁子君 それでは、この日韓図書協定、これはそのどれに当たるのでしょうか。 そして、こういう問題については、いつどこで誰が、私たちは条約を通せと、国会で審議しろと言いますけれども、私たちはみんな同じことをやっているつもりだったんですが、結果においては全然違うことがたくさんあり得るということなんですが、そういうことを知らされないままに審議をしてきてしまっている。これは、いつどこでどなたがお決めになるんですか、この使い分けについて。
○国務大臣(松本剛明君) 方法については、基本的には、今御指摘いただいた資料にもインストルメントとあるように、ある種やり方の選択ということで、私どもの外務省の方で選択をしているというふうに理解をいたしております。 なお、今議題にしていただいております図書協定については二国間の条約でありますので、今お話がありました分類ではなくて、これは協定本文にありますけれども、「各政府は、外交上の経路を通じて、この協定の効力発生のために必要とされる国内手続が完了したことを書面により相手国政府に通告する。」と、そして、「この協定は、遅い方の通告が受領された日に効力を生ずる。」と、こういう規定になっておりまして、それぞれ国内手続が終わりましたら相手の国に通告をするという形で、遅い方が通告された時点で効力が発生するという形式の協定になっております。
○谷岡郁子君 ラティフィケーション、つまり批准をする場合は、天皇の国事行為ということで、天皇の国璽が押されるということを聞いております。このような状況というものについて、やはり私たちはあらかじめそれを知らされた形で審議を行いたいというふうに今希望としてお伝えを申し上げておきたいというふうに思います。 ところで、この原子力安全に係るIAEA関連の中で、原子力損害賠償、これは資料にお付けいたしましたけれども、に関する国際条約というものが三つありまして、それぞれたくさんの国が署名をしている。つまり、原子力の発電とかかわっているような国々というのは、こういうお互いの、いわゆるその国内の賠償スキームではなくて国外と国際的な賠償スキームの中に組み込まれる形で入っているんですが、日本はまだこれ、どこにも入っていないんですね。これは各国ごとの協定をするという状況でまずいんじゃないでしょうか。
○国務大臣(松本剛明君) 賠償に関する国際的な枠組みには、先生御承知のとおり、パリ、ウィーン、CSCと三つの種類があって、いずれにも今、日本は入っていないということは御指摘のとおりであります。 そして、これまでの検討の結果からCSCを中心にという方向性は打ち出されているふうに承知をしておりますけれども、引き続き裁判管轄権の集中にかかわる問題など検討すべき課題について、それぞれ論点について我が国にとってのメリット、デメリットというんでしょうか、利益、不利益を十分に精査の上、検討して判断をしていくと、こういうことになっておるところでありますけれども、文科省の原子力損害賠償制度の在り方に関する検討会第一次報告書というのが出てからもう既に二年半経過をいたしております。 現段階で賠償という問題については、まさに今起こっている福島第一原子力発電所の事故についての賠償について政府としては全力を挙げているところでありますので、国際的な枠組みの加入について現段階で進めるという状況になっているとは必ずしも思いませんけれども、これを進める必要があるという認識については私自身も持たなければいけないと、このように思っておりますし、しかるべき時期に早急に取り組んでいきたいと、このように思っております。
○谷岡郁子君 今、国際的に様々な会社がこの事故の処理に関与をなさって、場合によったらその中から被曝をしてくる人が出るかもしれない、だからこそ、今こういうものが必要なんではないかと思います。私も文科省の審議過程については見させていただきました。なぜこれ入らなくてまあいいかみたいな話になっているかといいますと、それは日本が被害者になることは考えていても加害者になることなど夢にも考えていないという状況があったからです。まさに安全神話なるものの状況で、日本ではこういうこと起こり得ないという状況になっていたから準備がされておりませんでした。 もう時間がありませんのでここで私はやめますが、最後に、日韓協定の問題につきまして、私が皆様にお考えいただきたいことは一つであります。それは、どちらの国民が民族の誇り、文化、伝統、そしてそのアイデンティティーにおいてこの図書を大切に思うか、大切に扱って保管し、そして後世に伝えたいと思うか、それがこの図書が帰属すべきところがどこかということを示しているということで、私はこの協定に賛成であることを表明いたしまして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○岸信夫君 おはようございます。自民党の岸信夫でございます。 今日は、日韓図書協定について質疑をさせていただきたいと思います。 まず、今回の未曽有の国難に際しまして、韓国からは救助犬チームや救助隊、また物資など、早々に支援の手が差し伸べられました。まずこのことに対しまして心から感謝を申し上げたいと思っております。その上で質疑に入りたいと思います。 日本と韓国、大変近い隣国、隣人で、長い交流の歴史もあるわけです。私の地元の山口県も、下関と釜山、今でも関釜フェリーが通っておりますし、距離的にも大変近い。また、歴史を遡ってみますと、朝鮮通信使も長州を通ってまいりました。そうした関係があるわけです。この朝鮮通信使の歴史を見ましても、大変な困難の時期にもそれを乗り越えて友好な関係を築いてきたというのが両国の関係だったんではないかな、こういうふうにも思うわけです。 今、近年では、ポップカルチャーとかあるいはテレビ番組なんかを見ましても、若い世代を中心に共感できる文化や価値観の存在というものがこの両国間の交流の促進に一役を買っている。一方で、近隣であるがゆえに歴史的には様々な衝突があったことも事実でありまして、そこに拘泥して抜け出せない過去というのも一方であるわけです。 我々は未来を考えるに当たって、こうしたことを乗り越えて、そして安定した両国関係を築いていかなければならないことはこれは間違いないわけでございます。ただ、今回のこの日韓図書協定につきましては、その生まれた過程を含めて私どもは大変疑いを持っておるわけでございます。 本協定締結の端緒となりましたいわゆる昨年八月十日の菅総理談話がどのようにして作成をされたかということについてまず伺いたいと思っております。 この談話、日韓併合百年についての総理談話でございましたけれども、今日、その当事者であります菅総理をこの場にお呼びしてお話をお伺いしたい、そのことが何より本協定の理解を深める意味で重要である、こういうふうに思って出席をお願いしてまいりました。今日は衆議院でも震災復興の特別委員会がございますが、そちらでは総理が呼ばれないということでございますので、与党の榛葉筆頭に御無理を申し上げて御尽力をいただいたわけであります。大変誠意を持って対応していただきましたことに感謝を申し上げますが、結果として総理に出席をしていただけなかったということが大変残念であるわけです。 福山官房副長官にお伺いしますけれども、なぜ今日、総理、この委員会に出席をいただけなかったのかということをお伺いしたいと思います。 この協定については総理も相当な思いを持っておられたはずです。一九六五年の日韓基本条約を締結して、その際にお互いの財産請求権を放棄することに合意していたわけです。それにもかかわらず、今回、我が国の貴重な国有の財産を韓国に譲渡することを談話で約束をされた。昨年の臨時国会での承認を目指していたのは総理御自身だと思います。なぜ性急にこのようにされたのか、総理本人でなければ説明できない部分もあるかもしれませんけれども、今日、副長官にお越しいただいています。当時の官邸におられたという立場からも責任ある御答弁をお願いしたいと思います。
○内閣官房副長官(福山哲郎君) 幾つかの御質問をいただいたと思います。岸委員にお答えをいたします。 まず、総理が委員会になぜ出席しないのかという御質問に関しましては、外交防衛委員会でございますし、岸委員ももう長年委員をやられておられますので御案内だと思いますが、こちらはもう外務大臣がしっかりと外交の問題については責任を持ってやっていただいておりますので、外交防衛委員会では外務大臣に御答弁をいただくのが適切だというふうに思っております。 また、この日韓の談話についてでございますが、二〇〇九年政権交代をさせていただいた後、私は外務副大臣を拝命をしておりました。二〇一〇年、いわゆる昨年ですが、昨年がちょうど日韓併合条約から百年ということは外務省の中でも大きな節目の年という認識がございました。その中で、日本政府としてはこの節目の年にどのような対応をしていくかについての検討を外務省を中心にやらせていただいておりました。もちろん、この間にはいろんな情報収集等もやり、いろいろな対応を検討してきたところでございます。 こういった検討状況の中、二〇一〇年に入ってからですけれども、岡田当時外務大臣を中心に具体的にいろんな、幾つかこういったことができるかもしれない、こういった対応をするべきではないかというような議論をしているさなかに、昨年の六月、菅政権が発足をいたしました。そして、菅総理大臣そして岡田外務大臣が中心になりまして、この日韓の併合百年という形に対して未来志向の日韓関係を構築していく上で何が適当かということを議論しながら、最終的には日本政府としてこの日韓談話について閣議決定を行ったというのが経緯でございます。
○岸信夫君 通常の外交案件であれば外務大臣にお答えいただくのは当たり前だと思うんですけれども、この件については私どもは間違いなく菅総理を中心に官邸がまず主導で進められたものと思っておるわけです。協定自体ではなくて、私はまず総理談話のことについてお伺いをしたかったわけです。そのことがこの協定を生むきっかけとなったわけです。そこが理解できなければ、我々、協定の審議のしようがないじゃないですか。本当の真意の部分が分からないわけです。今までの流れの中でこの協定が出てきたと、こういうことであればまだいいんですけれども、日韓の基本条約を乗り越えて、そこに書いてあることとは違う形で今回協定が決められた、そこに至る過程を菅総理にお聞きしなければ、この問題は本当に理解をすることはできないわけです。 そこで、まず、いろいろな報道、文献等を読んでおりますと、韓国側で非常に、向こうからすれば返還という言葉を使っておるわけですけれども、この朝鮮儀軌を中心とする図書の返還について動きが高まってきたわけです。国会議員の国会の決議もあった。そうしたところで、今回、どういうプロセスか分からないけれども、菅談話の中で、総理談話の中でこのことが盛り込まれた。 そのことについてなんですが、これは本当に総理が御自身でお決めになられたのか、それともいろいろな、特に韓国側からの様々な圧力があってこれを盛り込まざるを得なくなったんじゃないか、この点についていかがですか。
○内閣官房副長官(福山哲郎君) 先ほど申し上げましたように、日韓談話自身は、当時外務大臣でありました岡田外務大臣そして菅総理大臣との間で何度も何度も議論を重ねられてあの日韓談話の内容になったということでございます。 その中で、この日韓の図書の問題について言及があったのは韓国からの圧力があったのかという御指摘でございますが、一切私はそれらの圧力ということはなかったと思っておりますし、この菅総理や岡田外務大臣の議論の中で、韓国の利害関係者に関与させたという事実はございません。
○岸信夫君 韓国に東北アジア歴史財団という団体がございます。ここは竹島問題でも韓国の領有権を正当化するために韓国政府の意を受けた形で様々な活動を行っている、そうした団体もこの談話の発出のためのロビー活動というものを日本で展開したと、こういうふうに聞いています。 昨年、当時、参議院選挙が終わって民主党は敗北という結果になって、菅総理としては非常に厳しい状況に追い込まれていた状況でありました。そして、在日外国人参政権の問題の解決にもめどが立たないような状況において、こうした団体からの圧力というものがこの談話の発出につながったんではないか、こういう疑いを持たれてしまうわけでございます。こうしたことが本当になかったのか、これは約束できますでしょうか。
○内閣官房副長官(福山哲郎君) ありません。
○岸信夫君 今回のこの協定ですけれども、本来二国間の取決めというのはこれまで、今、岡田当時の外務大臣がいろいろ相談をされた中で談話が出てきた、こう伺いましたけれども、いろいろ外務省の事務方の方のお話を伺っても、余り外交的な詰めが本当に行われたのかということがはっきりしないわけであります。 本来、この二国間の取決めというのは、双方にとってメリットがあるウイン・ウインの関係を構築していくようにお互いの国が外交の努力をしていくというはずですけれども、今回は外務省はどうだったんでしょうか。外務大臣。
○国務大臣(松本剛明君) おっしゃったように、本件協定の言わば端緒は昨年の総理談話であるということは御指摘のとおりであろうと、このように思いますが、その根底には、まさに冒頭岸理事もおっしゃったように、長い間の日韓の歴史を未来志向で高めると、このこと自身は双方にとってまさにウイン・ウインの関係であろうというふうに思います。その中の一環として談話が発出され、また談話の中で図書協定の、引渡しということも記載をされ、これを実行するに当たって改めて協定を作成をして行うと、こういう手続で今行われているものと理解をいたしております。 もちろん、協定そのものには文化交流などの双方について記したものもあるわけでありますけれども、中核の一つが図書の引渡しであることは間違いないところでありますが、大きな日韓全体の中からの位置付けだというふうに理解をいたしておるところでございます。
○岸信夫君 第二条に、文化交流、文化協力につなげていくということが記されております。これは、将来的なことも含めれば両国間でウイン・ウインの関係にしていかなければいけないということなんでしょうけれども、それはそれとして、現実に行う行為としては一方的な行為になっておるわけですね。日本にある図書を引き渡すという一方的な形でなっているということです。言わばその先の部分、二条については期待の部分である、こういうことですね。これは今後どうなっていくか、はっきり言えば分からないと言ってもいいんじゃないかと思います。これは本当の意味での双務性のある協定にはなってないと、こういうふうに私は思っておるわけでございます。 引渡しの対象となっております千二百五冊でございますけれども、今回どのように選定をされたんでしょうか。いわゆる朝鮮王朝儀軌が百六十七冊、そのほかの図書が千三十八冊ということで協定の附属書にも記載されております。これは、元々談話の中で記された枠組みの中で決められたということなんでしょうけれども、実際にこの選定に当たってどのようなプロセスで選定がされたのか、お願いします。
○副大臣(高橋千秋君) 本件図書の引渡しは、日本政府として、日韓間の歴史を踏まえて、先ほど福山副長官の方からお話がありましたように、未来志向の日韓関係を構築していく観点から日韓関係の更なる強化に資するものというふうに考えて、日本側の自発的措置で行うというものでございます。 政府としては、先ほど来お話がありますように、総理大臣談話に基づいて、朝鮮王朝儀軌に加え、朝鮮総督府から日本国内の政府機関に直接もたらされた図書であって、現在日本政府が保管しているものについて政府内で調査を行いました。その結果、宮内庁において、同庁の専門家による調査の結果として対象に含まれる図書が合計千二百五冊特定されたものでございます。 以上でございます。
○委員長(佐藤公治君) 福山副長官、質疑者の方から退席しても結構ですということですので、御退席くださいませ。
○岸信夫君 こういう対象の選定に当たっては、通常、専門家等による検討というものがあってしかるべきだというふうに思っておるわけですけれども、今回はそういったプロセスはなかったんでしょうか。
○副大臣(高橋千秋君) 本協定の引渡しの対象になる図書というのは文化財保護法に基づく重要文化財に指定されているものではございません。協定の対象範囲の確定に当たりまして、文化財保護法に基づく審議会への諮問を行う必要はなかったというふうに聞いております。
○岸信夫君 すなわち今回は、いわゆる総理談話の中で示された枠組み、すなわち日本が併合をしていた時期に朝鮮総督府、それで時期が確定される、そして朝鮮総督府を経由して日本側にもたらされたということでルートが確定する、その枠組みの中ということで機械的に選んでもらった、その上で出てきたものを自動的にリストアップしたと、こういう理解でしょうか。
○副大臣(高橋千秋君) 委員御指摘のとおりだと思います。
○岸信夫君 そうしますと、この中で旧宮内省が古本屋から購入したものがある、こういうふうに伺っております。このことについては、まずそういう事実があるかどうかにつきまして宮内庁にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(岡弘文君) 日韓図書協定の附属書に掲載されておりますいわゆる朝鮮王朝儀軌百六十七冊の中のうち、四冊につきましては大正六年に当時の宮内省が古書籍商から購入したものでございます。
○岸信夫君 いわゆる進饌儀軌という、一から四巻、大正六年に古本屋さんから購入をした、こういうことなんですね。これは明らかに朝鮮総督府を経由してもたらされたものと言えないんじゃないんですか。
○国務大臣(松本剛明君) 朝鮮王朝儀軌であるという位置付けで今回の協定の対象にしたものと、このように理解をいたしております。
○岸信夫君 ところが、先ほどは、談話の中では朝鮮総督府を経由してもたらされた儀軌ということでの枠組みになっています。儀軌の前にその経由、ルートが指定されているわけです。そうしますと、これは儀軌ではありますけれども、朝鮮総督府を経由して日本政府に直接もたらされたものとは言えない。すなわち、今回の枠組みの中には正確に言えば入ってこないということじゃないですか。
○国務大臣(松本剛明君) 経由については先ほど宮内庁から御回答したとおりでありますので、その点については指摘のとおりだろうと、このように思っております。 その上で申し上げれば、先ほど申し上げたように、朝鮮王朝儀軌であるということから今回の引渡しの意義に鑑みて対象に含めることとしたと、このように理解をしております。
○岸信夫君 結局その部分については、先ほど機械的に、ルールに基づいてといいますか、最初の定義に基づいて選出がされたと、こういうことでしたけれども、その部分については例外的に加えられたと、こういうことになるわけですね、ただ儀軌であるということだけで。
○国務大臣(松本剛明君) 儀軌であるということによってこの対象になったということは御指摘のとおりであります。
○岸信夫君 そうしましたら、そういう意味では最初から枠組みのつくり方が違うんじゃないかと、こういうふうに思います。 そして、そこまで儀軌にこだわるんであれば、それではなぜ今回引渡しをするのがこの朝鮮王朝儀軌の百六十七冊だけではなくて、その他の図書の千三十八冊まで入るんでしょうか。朝鮮儀軌ということであるならば、それはほかの図書は入ってこない。この図書が入ってくるのは、先ほどの説明で、要は期間とルートが示された、その定義に基づいて千三十八冊が加えられたと、こういうふうに聞いています。向こうから、韓国側からこのことを求められたわけではないにもかかわらずこれを入れたと。これは明らかに枠組み、枠の中での設定で加わったわけです。そうしたら、そうだとするならば、先ほど言ったルートが、違うルートでもたらされた儀軌というのは入ってくるべきではないはずじゃないですか。いかがですか。
○国務大臣(松本剛明君) この総理談話の趣旨は、委員も冒頭おっしゃったように、未来志向の日韓関係を築くためのものと。その中で、考え方として、日本が統治をしていた期間に朝鮮総督府を経由してもたらされ、日本政府が保管している朝鮮王朝儀軌などの朝鮮半島由来の貴重な図書について対象とすると、こういうことでお渡しをするということでありますが、先ほど来申し上げてまいりましたように、自発的な措置でありまして、この自発的な措置を行うに当たって、今お話がありましたように、進饌儀軌四冊については、日本が統治していた期間に朝鮮総督府を経由してもたらされたというものには当たらないわけでありますけれども、四冊も含めて自発的にお渡しをすることが未来志向の日韓関係に資するものと、このように考え、朝鮮王朝儀軌であることをもって対象に含めたと御理解をいただきたいと思います。
○岸信夫君 全くそれでは今までの説明、納得ができないところなんですね。これは国の財産を引き渡すという大変重要な取決めなわけです。そういったことが本来の枠組みとは外れて恣意的に決められると、儀軌というだけで元々の談話の中で示されたものとは違うものが渡されたと、こういうことになるんじゃないですか。 あと、民間ベースで流れていたものを、これを宮内省が買い取ったという形になっておりますけれども、そうした書物が今でも日本の国内にはいろいろあるかもしれない。そうしたものが後から出てくる可能性だってあるじゃないですか。そうした場合に、いや、同じ考え方でこれは返しますよと、こういうことになっちゃうんですか。それだったら切りがない話になってしまいます。今後もしそういうものが、日本のそういう古本屋あるいはまたそういうところから、専門業者から、宮内庁が持っていた方がいいからということで持ちかけられたときに買えなくなる。せっかく国として持っていた方がいいような貴重なものでも、買った瞬間にすぐ韓国側に引き渡すことになるかもしれないわけですよ。 こういうことが行われては私はならないんだと思いますけれども、その点について、もう一度お答えください。
○国務大臣(松本剛明君) ただいま協定について御審議を賜っておりますけれども、先ほど来御指摘がありました二〇一〇年八月十日の総理談話の考え方に合致する図書については今回全て韓国側に引き渡すこととなり、それ以上のことは私どもとしては考えていないところでございます。
○岸信夫君 これが今回だけの措置ということでございますけれども、どうも韓国側はそういうふうに考えていないんじゃないか、こういう節があるわけです。いろいろな報道等を聞いておりましても、今回、これはあくまでも協定上は引渡しという言葉を使い、韓国側もそれを使っているかもしれません。でも、韓国の世論としては、これは返還をされたと。すなわち、日韓併合百年という談話の中で、その併合期間の反省と謝罪が述べられた中でこの話が出てきた。すなわち、反省と謝罪の流れからこの返還がもたらされたというのがどうも韓国側の考えであるわけです。 そうしますと、むしろこれで終わりということではなくて、これが始まりなんだというふうに考えられている節が大変強いわけです。そうしたことについては、もちろんこれが最後だ、これで終わりだと、こういうふうな立場であると思います。しかしながら、実際にはそういう動きが出てきてしまう危惧があるわけです。 過去においても、いわゆる李王朝の李方子さんの遺品、装飾品を返した、引き渡したということがございました。これについても協定を作って引き渡したわけです。いろいろなそういう報道、文献を読みますと、結局そのことが今回の大きな動きにつながってきているという部分もあるのではないかと思います。 あの件は、もちろん御本人の遺志に基づいていたということ、むしろ、国の財産ではありましたけれども、元々は個人に帰属していたものということ、いろいろな特殊事情があったからそういうことが生まれたんだと思うんですけれども、結果としてそういう流れができてしまったのではないかというふうにも思っております。 そういうことも含めて我々はしっかりこれは反省をしなければいけない点もあると思いますし、今回の協定についてはきちんと韓国に対して対応していかないと大変な過ちを犯すことになるのではないかと思います。 今回の儀軌等の図書に対するアクセスについて伺いたいと思います。 宮内庁においてこれらの図書を保管していた際に、研究者等がこうした図書に対して閲覧の希望というものがあったと思うんですけれども、これはどれぐらいの頻度といったらいいでしょうか、需要があったんでしょうか。
○政府参考人(岡弘文君) 宮内庁におきましては、所蔵しておる資料の閲覧等につきましては、所蔵資料一般利用規則というものを設けておりまして、御指摘の千二百五冊を含みます古典籍等につきまして閲覧等の申込みがあれば、研究者に限らず、また国籍や資格を問うことなく、どなたに対しましてもこの規則に従って御利用いただいておるところでございまして、過去五年間の数字で申し上げますれば、閲覧が三十二件、四百七十八冊、複写が七件、九十二冊というものがございました。
○岸信夫君 外国からの閲覧希望もあったということでございます。そうしたときに、手続的に閲覧の障害があった、要は向こうから不便だとかそういう苦情とかはあったんでしょうか。
○政府参考人(岡弘文君) 特に聞いておりません。
○岸信夫君 すなわち、今、日本に、宮内庁に置いてあるときは非常にアクセスはオープンになされていた、こういうことだと思います。 韓国側に引き渡された後のことですけれども、これは研究者など日本から、特に韓国から見れば外国ですけれども、そちらからのアクセスというものが悪くならないのかということを大変心配をしています。また、一旦引き渡された後、その図書がどういうところに保管をされていくことになるのか、あるいは、思っていたところに保管をされずにそのまま転々としてしまうようなことがあるんじゃないかということも含めてなんですけれども、きっちり、研究者等に対する、あるいは日本からのアクセスに対する確保、これが担保されているんでしょうか。
○国務大臣(松本剛明君) おっしゃったように、学術的な対象というものとしては開かれた形であることが望ましいことは御指摘のとおりでありまして、私どもとしても、今回の経緯に鑑みても、是非とも我が国を含めて研究者に開かれた形で取り扱われるようにしっかりと韓国側とも話をしていかなければいけないと、このように思っております。
○岸信夫君 今回引渡しがされるということなんですけれども、これまでの衆議院の議論等を聞いておりましても、その引渡しの予定されている図書等について記録が取られていなかった。マイクロフィルム化ということになるんだと思うんですけれども、これを何か慌てて進めているような話も聞くわけです。準備ができていないんじゃないかということを私は本当に危惧をしています。このまま何もなされないままに引き渡されたら後に何も残らない、こういうことになってしまって、それこそ研究者等の研究に資することもできなくなってしまうんじゃないかということも大変心配をされたわけでございます。そういうことのないようにしていただきたいと思います。 協定の片務性についてなんですけれども、今回の総理談話の中で示されて、そして今回引き渡すということが決まったわけですけれども、その後になって、その逆のパターン、すなわち日本由来の貴重な図書類で韓国側に所蔵されているものが随分たくさん見付かったわけであります。その中の代表的なものとして対馬宗家の文書、韓国の国史編纂委員会が所蔵しているものが二万八千冊の存在というものが確認をされたということですね。これは一九二六年と三八年に朝鮮総督府が宗家から購入をしているということです。このほか、国立中央図書館等に数十万冊あるいは韓国学中央研究院、ソウル大学の図書館など、数えられないほどの図書が存在しているということが確認をされたということなんですが、こうしたものについて今後、この今回の協定、これは一方的に行われたわけですけれども、今後こうした日本由来の図書について返還を求めていく、譲渡を求めていく、こういうことは考えているんでしょうか。
○国務大臣(松本剛明君) このような図書については、諸先生方の御指摘もいただきまして、実態調査を可能な範囲で実施をしまして、今お話がありましたけれども、国立中央図書館や国家記録院、韓国学中央研究院などに日本関連図書が所蔵されているということの報告を私も受けております。 その上で、今御指摘がありましたような文書につきましては、今回の引渡しを行われる図書は基本的に朝鮮総督府を経由してもたらされているなどのものでありますので、今御指摘がありました韓国内に存在する日本由来の図書の問題というのは同列に論じられるべきものではないと、別途検討されるべき性質のものであると、このように考えておりますが、政府として現時点で韓国政府に対して引渡しを求めるということは考えておりません。
○岸信夫君 同列に見るべきではないということなんですけれども、今回の協定の趣旨から考えれば、これはもちろん、そもそも日韓基本条約そして請求権の協定を乗り越えたところで作られたわけですね。先ほども話をしました、協定におけるウイン・ウインの関係ということでいえば、本来であればこの協定を作る際に事前にそういう図書の存在をきっちりと調査をした上で、まあ、ここを同列に話ができないということであれば別の形でも構わないと思うんですが、当然国としてはそうしたものを要求していくべきであったんじゃないでしょうか。その点についていかがですか。
○国務大臣(松本剛明君) 私どもとしては同列に論ずるべきものがあるというふうには理解をいたしておりませんでしたので、談話に基づく手続として図書の確定並びに協定の策定に進んだわけでありますが、他方、今御指摘がありました韓国国内に存在する日本由来の図書については、一般的にはそういったものの存在というのは認識があったかと思いますが、具体的なことについては、御指摘をいただいたこともあって調査をさせていただき、確認をいたしたということは御指摘のとおりであります。
○岸信夫君 同列に論じられないというんじゃなくて、この協定を作ったときに知らなかったということじゃないんですか、現実には。だからこそ、そのことが分からないままいよいよサインをするという状況になっちゃったんじゃないんですか。そうしたことがやはり外務省の怠慢だと言わざるを得ないんだと思います。 先ほどの件ですけれども、この対馬宗家の文書というものは国史編纂委員会が所蔵している、そして時期的にはまさに併合の時代にもたらされた、朝鮮総督府が入手をした。こういうことでいえば、この朝鮮儀軌と同じ、裏返しのカテゴリーに入るんじゃないんですか。
○国務大臣(松本剛明君) 先ほど岸理事もお話をされましたように、我が国と韓国若しくは朝鮮との歴史というのは大変長い歴史があるわけでありますから、それぞれの国にそれぞれの由来の文物が相当数存在をしているということは間違いないことだというふうに認識をいたしておりました。 私どもとしては、先ほど申し上げましたように、言わば今回も日韓併合百年という節目の年の談話であります。我が国が朝鮮総督府を設けて、そこを経由をしてもたらされた図書を基本的にお渡しをすると、こういう考え方でありますので、その言わば見合うもの若しくは同列に論じられるものはそもそも考えられないということから、この作業については自発的なものとして独自に進めてきたわけであります。 その上で、今お話がありましたように、一般的に文物が存在するということは認識をしておりましたが、個別に、今御指摘がありましたような文書の存在などについては、まさに御指摘をいただいて調査をして確認をしたものであるということは申し上げたとおりであります。
○岸信夫君 その調査、確認ですけれども、それが出てきたのはつい最近のことであったと思います。すなわち、この協定の中には全く配慮をされなかったということではないかなと。そういう意味でも、私はこれは全く片務的に結果的になってしまった、大変問題だというふうに思っております。 さらに、先ほどからも述べておるんですけれども、このことが日韓基本条約、一九六五年の基本条約に付随するいわゆる日韓請求権並びに経済協力協定との関係において全く矛盾してしまうと、こういうことなんですね。一回これを認めることが、先ほども申しましたけれども、更なる文化財の引渡要求等につながるのではないかということが一番懸念をされるわけです。引渡しについての、これがこれだけであるという日本側の考え、これから更に要求をしていくという韓国の考え、これは全くずれているわけであります。 今回、一方的な引渡しという形で決められたわけですけれども、同時期にフランスのケースというものがあります。フランスの場合は、これは韓国、これは攻撃をした際にこれこそ奪い取っていったと言っていいんだと思うんですけれども、同様の儀軌、これを韓国は返還要求をしていました。これは長年交渉した上で、結局貸与という形になったわけです。そして五年ごとの延長と、こういう形を取ったわけですけれども、我々、我が国の場合も韓国との間でそういう形を取ることは全く考えなかったんでしょうか。
○国務大臣(松本剛明君) フランスが韓国に対して十九世紀末に持ち去った図書を貸与という形で現在韓国に運ばれたということは私どもも承知をしておるところでありますが、先ほどからお話を申し上げておるように、今回私どもとしては日韓併合百年ということで、基本的に私どもが設けていた朝鮮総督府を経由をしてもたらされた図書を引き渡すと、こういう考え方でありましたので、自発的な措置として引き渡すということを決定をして、それに合った協定を今御審議をいただいていると、このように考えているところでございます。
○岸信夫君 こうしたフランスの動き、フランスと韓国の間の交渉の経緯、そうしたものについては把握をしていたんでしょうか。
○国務大臣(松本剛明君) フランスと韓国の間でもこのことが議論になっておりましたのは既にかなり前からでありますので、また、先ほど冒頭にお話がありましたように、この朝鮮王朝儀軌について日韓の間でも様々な声が出ておるのは今年、去年という話ではありませんので、それぞれについてどのような話が出ているかということは、私どもとしても情報収集の一環の中で理解をしていたというふうに考えております。
○岸信夫君 先ほども申しましたけれども、この日韓基本条約の中で、基本的には全てのそれまでの関係が清算をされていたわけです。請求権の放棄に併せて、日本からは経済支援、無償の三億ドル、有償の二億ドル、そして民間融資の三億ドルというものがなされておりますけれども、それを併せて清算をしたと、こういう考えだったんだと思うんですね。 その上で、今回更に引き渡すと、こういうことになったわけです。在り方としては、私はこの貸与という形の方がお互いの国にとって納得のできる合理性のあるものではなかったかな、むしろそちらの筋をきっちり交渉していただいた方がお互いに禍根を残さない形になったんじゃないかというふうに思います。 今回の措置により、両国間の文化交流、文化協力の進展につなげるということが第二条に記されていますけれども、具体的にどういったことが期待でき、またどういったことを努力していくつもりでしょうか。
○副大臣(高橋千秋君) 委員御指摘のとおり、日韓図書協定の第二条に、今回の図書の引渡しをきっかけとして両国間の文化交流及び文化協力並びに両国間の友好関係が一層発展するように努めることを規定をしております。 今回韓国側に引き渡す朝鮮王朝儀軌等の図書は、韓国の人々にとって極めて重要な意味を持つというふうに考えております。韓国における学術的、文化的研究の促進に寄与することを通じて、日本と韓国の専門家同士の学術交流、それから両国間の文化交流並びに文化協力の発展に資することになるというふうに考えております。 政府といたしましては、日韓図書協定の締結をきっかけとして重層的に日韓関係が発展をして、未来志向の関係を構築できるように努力をしていく必要があるというふうに考えております。 なお、先ほど委員から御指摘のありましたマイクロフィルム等につきましては、三月にマイクロフィルム化が終了しておりまして、デジタル化ももう間もなく終了するというふうに伺っております。
○岸信夫君 今のその文化協力、交流の件ですけれども、非常に漠然としているんですね。言うはやすしなんですけれども、じゃ具体的に何をしていくのかと、こういうことになってくると、実際非常にハードルも高いんじゃないかと思うんです。 実際にはいろいろな文化財が行き来をしているところがあります。日本から持ち去られたもの、盗まれたものというものも数多くあるんだと思います。代表的なものとして、一九九四年の壱岐の安国寺から盗難されたことがこの九四年に発覚していますけれども、高麗版大般若経、これは後に韓国政府が国宝に指定した初彫本大般若波羅蜜多経三巻ではないかということです。 この調査がどういうふうになっているのか、教えてください。外務省。
○国務大臣(松本剛明君) 本件については、今韓国政府に対して捜査、調査協力を要請をしているものと理解をいたしております。 これは盗難など犯罪と思料される原因によって渡った可能性があるものと、このように考えております。図書協定との関係があるというふうには理解をいたしておりませんが、私自身としても、駐日韓国大使に協力の依頼を行うなど協力をしっかり求めていかなければいけないと、このように考えておるところでございます。
○岸信夫君 この件については、韓国側は全くそういう協力的な対応がされてないというふうに伺っています。 また、鶴林寺の阿弥陀三尊、これは二〇〇二年に盗難に遭って、逆にこれは犯人も見付かって、韓国にあることも確認がされているということなんですけれども、これについては捜査状況というのはどうなっているんでしょう。
○国務大臣(松本剛明君) これについては、韓国政府からは所在は不明であるとの回答があったところでありますけれども、重要文化財の盗難という明らかな犯罪行為でありまして、韓国政府に調査依頼を行ってきたところでありまして、先ほども申しましたように、私自身から駐日韓国大使に改めて協力の依頼を行うなど、韓国政府に対してしっかり協力を求めてまいりたいと、このように思っております。
○岸信夫君 今日は文化庁吉田次長にお越しいただいていますけれども、重要文化財の国内からの持ち出しについては普通はどういう措置がとられるでしょう。
○政府参考人(吉田大輔君) 文化財保護法によりまして、重要文化財に指定されたものにつきましては海外への輸出は禁じられております。
○岸信夫君 そこをあえて様々な事情に基づいて持ち出す、輸出をする、あるいは例えば海外で展示をする、そういったときにはどういう措置をとられますか。
○政府参考人(吉田大輔君) 先ほど申し上げましたように、原則輸出禁止でございますけれども、海外で日本文化を紹介をするという非常に公益的な目的がある展覧会などがある場合には、文化庁長官の許可を得て輸出することができるという形になっております。
○岸信夫君 それだけしっかり管理をすべきものが重要文化財、こういうことだと思うんですけれども、これが結果として海外に持ち出されてしまった。その所在が韓国にある、あるいはあるだろうと、こう言われているわけですから、これについてはしっかり交渉してもらわなければ困るわけです。これはこの協定とは直接関係ないとはいいながらも、それこそ文化交流の下でこれはしっかりやってもらわなきゃいけない。 そして、ユネスコの協定というのがございます、文化財不法輸出入等禁止条約ですね。これは韓国、日本共に締約しているわけですけれども、日本から持ち出されてしまったのが、鶴林寺については二〇〇二年ということですから、この締約の前になってしまうからどうも対象にならないということなんですけれども、本来であれば、これは原産国といいますか、このケースでいえば日本側から盗難をされて不法に持ち出されたものは返却をされるべきものなわけです。こうしたことからすれば、この条約というものに当てはまらなくても、私は、この趣旨にのっとって戻していただくのが趣旨だろうと、こういうふうに思っております。そういうことからも、これは韓国にしっかりこれからも交渉していただかなければいけません。是非このことはお約束をいただきたいと思います。 時間が迫ってまいりましたので、最後、これはもう本当に悔しいといいますか、本当に腹立たしいことであるんですけれども、今日こうして我々は韓国に図書を引き渡す協定の審議をしているわけですけれども、これは韓国側の国会から国会決議がなされた、そうしたもので要求をされているわけです。その韓国の国会議員が、今日、ロシアのビザを取得して北方領土訪問を計画しているという報道があります。独島領土守護対策特別委員会の姜昌一委員長外二名というふうに聞いています。これは大変問題だと思います。私はこのこと一つ取っても、今日の委員会を、成立しないぐらいのもう大問題だと実は思っておるわけです。 このことについて、先日、日中韓、まあ日韓の会談があったと思います。そうした中で、菅総理あるいは大臣、しっかり向こうに抗議をしていただいたんでしょうか。そのときの報道の話では、事実が確認できれば抗議をすると、こういうことだったんですけど、それでは生易しいんじゃないかと思います。最後にお答えください。
○国務大臣(松本剛明君) 御指摘の当該国会議員が、今御指摘ありましたように、北方領土を訪問するという意思を表明をしているという報道は承知をしており、現在、韓国を出国をしてサハリンに到着をしているということまでは聞いておるところであります。 そういう状況の中で、私自身は二十日の日韓外相会談におきまして、総理の指示を受けて、私から金星煥韓国側外交通商部長官に対して、御指摘の韓国国会議員の北方領土訪問の問題を取り上げて、我が国政府の立場を強く申し入れたところでございます。 よろしいですか。
○岸信夫君 時間が過ぎております。もう簡潔に言いますけれども、昨年のメドベージェフ大統領の訪問の際もそうだったんですけれども、事実を確認してから抗議をしたんでは遅いわけです。事実がどんどん積み重なってしまっている、これが今の北方領土の状況ではないか。そして、竹島においても同じような状況が進んでしまっている。きっちり毅然たる外交を進めていただくことを是非ともお願いしたいと思います。 以上です。
○石川博崇君 おはようございます。公明党の石川博崇でございます。 本日は、この参議院外交防衛委員会におきまして質問する機会を与えていただきまして、委員長、各理事また委員の先生方、大変に感謝申し上げます。 本日議題となっておりますこの日韓図書協定でございますが、私ども公明党は、今回のこの図書協定、現下の北朝鮮をめぐる情勢、中国を含めた東アジアの情勢、その中で日韓が緊密に連携を果たしていかなければいけない、そうした両国の役割、また、幅広い日韓関係を未来志向で促進していかなければいけないという大局的見地から推進していくべきとの立場でございますが、幾つか政府に確認、また聞いておきたいこともございますので、質問させていただきたいと思います。 まず、昨年八月に総理談話が出されてからもう十か月近くがたつわけでございますが、ちょっと余りにも時間が掛かり過ぎているんではないかということを一つ指摘させていただきたいと思います。政府におかれては、こうした様々なもちろん国会における議論がございます。しかし、一日でも早い成立のために政府として環境を醸成していくことが政府の最大の責任であるかと思います。 協定承認、国会に提出されたのが十一月十六日で、その後、国会における審議が始まったわけでございますが、その直後の十一月三十日に実は日韓・韓日議連の方々が菅総理に表敬をされております。そのとき、もちろんこの日韓図書協定についても議題に上がったわけでございますが、何と報道によりますれば、菅総理はこのとき、この日韓の図書協定について、野党が邪魔をしているからなかなか成立をしないということをおっしゃられたそうでございます。ちょっと失礼じゃないですか、この発言は。 私ども公明党は、十一月の二十二日に山口代表が韓国を訪問し、李明博大統領と会談をした際、先方からこの問題についても提起があり、私どもとしても日韓関係の促進に資するという観点から早期成立を期待しておりました。また、十一月頭の時点では、自民党谷垣総裁も記者の質問に答えられて、本件が今後の日韓関係の改善につながってほしいと期待感を表明されておられて、当初は自民党の中にもそれほど強い反対意見が大宗を占めていたわけではないというふうに認識をしております。そうした中にあって菅総理からこうした国会の審議に水を掛けるような発言がなされたということは大変に遺憾でございます。 また、対外関係におきましては、国を代表して発言をされるべき総理がこの図書協定に関して野党の責任を対外的に表明されるということは、まさに日本の外交機能が与党・政府において機能を発揮していないということを対外的に衆目をさらしてしまった、こうした責任は非常に重いと思いますが、外交をつかさどる外務大臣として、こうした総理の発言、公の場での発言をいかが思われるか、御所見をお聞かせください。
○国務大臣(松本剛明君) 御指摘の総理の発言を私自身が直接聞いたわけではありませんので、それについてコメントを申し上げる立場にはないかと思いますけれども、今お話がありましたように、私ども政府としては、国会に提出をいたしましたのも、できるだけ御理解をいただいて早く承認をされることが望ましいという考えからお願いをさせていただいたわけであります。 その時点において、できるだけ早く国会の承認をいただきたいと、そのために努力をしなければいけないという趣旨のお話はあったのではないかと、このように思うわけでありますが、国会の御理解をいただくのも政府の努力の一つだと、こういう御指摘であるとすれば、その点はまさにおっしゃるとおりで真摯に受け止めて努力をしなければいけないと、このように思っておりますし、また国会へ提出して以来時間が掛かったということについても、私どもとしても今後とも是非、最終的には国会の御判断でありまして、私どもが申し上げるべきところではありませんけれども、御理解をいただけるように常に努力をしなければいけないと、こういうことについては真摯に受け止めてまいりたいと、このように思っております。
○石川博崇君 菅総理の発言が外交上、日本の国益を傷つけている例というものは枚挙にいとまがないわけでございます。 先日、五月の十一日に飯倉公館で開催されました、東日本大震災で各国多数の国々から御支援をいただいたことに対して感謝の集いというものが開催されて、そこに在日の多くの外交団の方々も、また国際機関の方々も参加をされ、日本政府として感謝を申し上げたわけでございます。 そこに参加された菅総理が、この外交団、また国際機関の方々を前にして発言されたことが報道で報じられておりまして、その中身は、今回の第一次補正予算で削減された五百億円のODA予算について、これを何倍にも増やすことをお約束しますというふうに菅総理は発言されたわけでございますが、こんなことを外交団を前にして総理がお約束されたわけでございますが、どうなってしまうんでしょうかということを非常に危惧するわけでございます。 私、元々外務省で勤務させていただいた人間でございますけれども、日本の外交というものは、やはり信用、信頼というものをもうこれまで本当に日夜、現場の外務省職員の方々が築き上げてきて、日本の言うことは、言ったことはやってくれるという信頼を勝ち得てきているわけでございます。変にリップサービスをするような国ではない、だからこそ信用できるという日本の外交の信用を大きく傷つけてしまったと思いますが、外務大臣、御所見はいかがでしょうか。
○国務大臣(松本剛明君) 当該集いは私の主催でありまして、私自身ももちろん出席をいたしておりました。この委員会の方々にも何人かの方にお運びをいただきまして、まず感謝を申し上げたいと思います。 そして、この際、菅総理、まず在京の外交団の方々に対しまして、協力、支援、お見舞いについてお礼を申し上げさせていただきました。そして、ODAの削減についても言及をいたしたところでありますが、その中では、私ども日本が、政府も、そして国民の皆さんとも力を合わせて復旧復興すると、そして外国の皆様からも引き続き力をいただいて復旧復興すると。そして、元気になっていく中で今回削減をした額を何倍かに増やしていくことを考えると、こういう趣旨でお話をされたと思っております。 ODAの金額は、御案内のとおり、この数年間でピーク時に比べたら大幅に削減をされてきているところであります。今回、私自身も大変厳しい判断でありましたが、震災の一次補正に当たって財源捻出ということでODAを削減したわけでありますが、できるだけ早くまずその削減を埋め戻し、まさにおっしゃったように、信頼のためのコミットメントをしっかり実現をしていくということを進めると同時に、これから我が国として、中身の伴った、人の顔の見えるものであることが大切だと思いますが、同時に、金額、予算としても増やしていかなければいけないと、このように考えているところでありまして、私自身も目指すところと合致をするものと、このように考えたところであります。 趣旨としては、元気になれば是非何倍にもということでありまして、在京の外交団の皆さんにも御理解をいただいているのではないかと、このように思っております。
○石川博崇君 まあ、それを聞いた方々は誰ももちろん信じていないと思いますし、総理の発言に、本当に軽いなということを感じた次第でございます。そもそも、思えば何でも言っていいというものでもございませんし、是非こうした軽はずみな発言には気を付けていただきたいなと強く念願する次第でございます。 こうした総理のお言葉によって、この図書協定の審議も随分と時間が掛かってしまいました。昨年年末に予定されておりました李明博大統領の訪日のときに、もしできれば引き渡せればという外交上のタイミングもあったかと思います。また、先週末には日中韓のサミットがありまして、韓国李明博大統領も訪日をされて、こうしたタイミングに引き渡すということが外交上は非常に私は良かったんではなかったかと思いますが、残念ながら審議が延びたことによってこれが成立いたしませんでした。 図書協定によれば、この図書は効力発生後六か月以内に大韓民国政府に対して引き渡すとありますが、タイミングを失った今日、外交上の意義を失ってしまった今日、どのような形で引渡しを考えていらっしゃるんでしょうか。 〔委員長退席、理事榛葉賀津也君着席〕
○国務大臣(松本剛明君) 現在まさに御審議を賜っているところでありますので、具体的に韓国との間で手続云々ということの話を前へ進めているところではありません。 また、今お話がありましたように、六か月ということについては、まさに先ほど岸理事との御議論でもありましたが、実際に渡すに当たってはこちら側の準備といったものも必要であるということも考えて当初より六か月という規定を入れていたものでありますけれども、国会でのただいま御審議をいただいている御審議の進捗に合わせて、私どもとしても必要な準備を今後進めてまいりたいと、このように考えております。
○石川博崇君 外交というのは非常にタイミングというのも大事でございます。是非しかるべき機会を設けて、この図書の引渡しができるよう努力していただくことをお願いさせていただきたいと思います。 少し具体的に質問させていただければと思います。 今回の審議の中で、先ほど岸先生の方からも御指摘がございましたが、今回、日本側から引き渡す対象となっているこの李氏朝鮮儀軌ほかの文書と、それから韓国に所在する日本由来の対馬宗家の文書ほかの存在、日本側から一方的に引き渡すことでよいのかという懸念、また疑問が多数示されております。日本から引き渡すのみならず、韓国に所在する対馬宗家の文書等の返還、また引渡しを求めていくべきではないかという声が高まっております。 私は、率直に申しまして、隣国である両国間の長い歴史、交流の中で、お互い様々な他国由来のものが双方いろんなところにあるという中で、この図書の一部を我々、我が国から引き渡すに当たって、過去にある図書も引き渡さなければならないということをお互いに言い始めれば、これもあれもということで収拾が付かなくなるということが起こり得るので、同列に見るべきでないという先ほどの御答弁は適切なのではないかというふうに思っているんですが、しかし、なぜ同列に見るべきでないのかという説明が不十分なのではないかというふうに考えております。 今回引渡し対象となっております朝鮮王朝儀軌と対馬宗家の文書、その性格も、またこれまでの歴史的経緯も全く異なるのではないかというふうに考えますが、この違いをきちんと説明していただけませんでしょうか。
○国務大臣(松本剛明君) もちろん、図書そのものについてもそれぞれ意義があるわけでありますけれども、私どもが同列に論ずるべきでないと申し上げている最も大きな理由は、先ほども申し上げさせていただきましたが、我が国が韓国を併合して、その間に朝鮮総督府を設けておりました。基本的に、これを経由をして我が国にもたらされて、現在、我が国政府が所有をしている。併合のその期間にそのような経由をして、今現在我が国が正本を持っている図書というのを基本といたしておりまして、当然その裏返しに当たるものは考えられないということで同列に論じるべきでないということを申し上げたという趣旨でございます。
○石川博崇君 今回、我が国から引き渡すことになります李氏王朝の儀軌というものは、李氏朝鮮時代の朝鮮王室の婚礼、国葬、またお城の築城などを図解で詳細に記録した図書の総称でございます。当時の李氏朝鮮時代の王朝の儀典、文化、伝統を知ることができる貴重な文書として研究者も非常に重視して研究を進めておられます。 これに対しまして、よく話題に上ります対馬宗家の文書というものは、鎖国時代の江戸時代におきまして、日朝の外交、また日朝両国の貿易というものを幕府から委託されてつかさどっていた対馬藩が当時の外交の実務というものを詳細に記録して保管していたものでございますが、このうちの一部の文書について朝鮮総督府が、衆議院の参考人で呼ばれました参考人の先生も説明されておりましたが、朝鮮総督府が政治的意図を持って対馬藩から買い上げてそれを現地に持っていったんですが、敗戦に伴ってそれを持って帰ることなく現地に置き去りにしたと、そういう経緯もございます。内容も、またそれから、今日それぞれ日本政府あるいは韓国側が所有しているという経緯もかなり違うものであるということをしっかりと御説明いただきたいなというふうに思っております。 また、もう一つ、今回の国会の審議が非常に長引いた一つの理由として、日本の国益にどれだけこの図書協定が寄与するのか、日本の外交上の利益が一体何なのかという説明が欠けているのではないかというふうに思っております。未来志向とか、ふわっとした説明しかなされておりませんけれども、具体的に我が国にとってこの図書協定を締結することがいかなる利益があるのか、明確に説明していただければと思います。
○国務大臣(松本剛明君) つい一昨日までも、日中韓のサミットがあり、日韓の首脳会談も行われたわけであります。そういう中で、これは御質問をいただいた各先生方も共通であったかと思いますけれども、日韓の関係というのは未来に向けて深めていかなければいけない。その中で、双方民主主義の国でありますから、やはり外交の基盤を支えるものとして双方の国民の理解というのも、また相互の感情というのもいい形で推移をすることが強固な関係を築くのに大変重要であると、このように考えているところであります。 大変韓国の方々にとっても関心の深い図書の引渡しということによって、また百年の節目における引渡しということによって、新たな百年をまさに前へ向く形にしていくことに大きく資するものではないかということが一番のポイントだと、このように理解をしております。
○石川博崇君 日韓両国、またアジア諸国と日本の関係というものは、様々な歴史的な遺産というものがあり、複雑に相互に感情が入り組んでおります。これを解きほぐしていくというのは、双方の努力というものが不可欠でございまして、時間も掛かるものでございます。であるがゆえに、文化関係の強化、文化交流の一層の促進というものは非常に重要な位置付けを占めていると私は認識しております。 その上で、時間も参りましたので最後の質問にさせていただきますが、今回の協定の第二条におきましては、両国政府は両国間の文化交流及び文化協力を一層発展するように努めるというふうになっております。残念ながら、民主党政権になられてからこの二年間、事業仕分でこの文化事業というものが大幅に削減をされております。二年間、文化交流を推進する国際交流基金の事業も削減されております。非常に遺憾でございまして、文化というのは確かにコストに対して成果というものが目に見えないものでございますが、先ほど申し上げましたとおり、短絡的に予算を削減して失われる外交上の利益というものは非常に大きなものがございます。 〔理事榛葉賀津也君退席、委員長着席〕 是非とも、今後、この協定も踏まえて文化交流事業を一層促進していただくようお願いさせていただくとともに、具体的に一点申し上げますと、平成十八年度以降、これまでアジア諸国との間で二十一世紀東アジア青少年大交流計画というものを推進してまいりました。これは五か年計画でございまして、この平成二十三年度で終了する事業でございます。これは毎年六千人の青少年の交流をアジア諸国との間で行ってきたものでございまして、韓国からも六千人近い青少年を日本に招聘してきた実績がございます。今年度で終了してしまうということは非常に残念でございますが、この意義に鑑み、しっかりと、今後延長するか新しい枠組みにするか検討をしていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(松本剛明君) 御指摘の二十一世紀東アジア青少年大交流計画、JENESYSと呼ばれているものについては私どもも大変重要なものと考えておりますし、同時に、韓国を含むアジア域内の相互理解と良好な対日感情形成にも貢献をしていると、このように考えております。また、相手方の国においても高い評価をいただけているものと、このように考えているところでありまして、これも今御指摘のとおり今年度が最後ということになっておりますので、二〇一二年度以降の事業の在り方については、これまでの実績も踏まえ、しかるべく検討をしていくというのが今の状況でございますけれども、是非、予算なども確保をしつつ、今お話がありましたように、引き続き、若しくは発展的な形がどのように考えられるかということに取り組んでまいりたいと、このように考えているところでございます。
○石川博崇君 終わります。
○桜内文城君 みんなの党の桜内文城です。 まず、今回の日韓図書協定でありますけれども、私自身は大変に問題の多いものだと考えております。 一つ目に大臣にお伺いいたします。 まず、タイミングの問題ですけれども、先ほども岸理事からも御指摘ありましたが、韓国の三人の国会議員が国後島に訪問するというタイミングでございます。竹島領土保護特別委員会、この存在自体いかがなものかと考えますけれども、こういったタイミング、そして四月中には総合海洋科学基地建設事業、これは竹島の周辺ですけれども、我が国が今、戦後最大の危機にある、東日本大震災の危機にあるこのさなかに、このようなとても未来志向の日韓関係とは言えないような事態が進展している中で、このような日韓図書協定、それも片務的な義務を一方的に負うものをこのように推進しようとすることについて大臣の所見をお伺いいたします。
○国務大臣(松本剛明君) 私どもとしては、是非御理解を賜って御賛同を賜りたいと、このように願うところでありますが、他方で、今お話がありました竹島の問題について我が国の立場は一貫をしておりまして、これまでも私自身も韓国側に対して強く申入れをしてまいりました。五月二十日の日韓外相会談については先ほど申し上げたとおりでありますけれども、これについて申し上げなければいけないことはしっかり申し上げてまいりたいと、このように思っております。 他方で、日韓の関係というのは重層的な関係でありまして、昨年、百年という節目に当たって総理談話を発表し、先ほどお話を申し上げたような朝鮮半島由来の図書の引渡しを行うということを昨年、談話において表明をいたしました。自発的措置を皆様の、国会の御承認をいただいて進めていくということは重層的な日韓関係の深化のために進めるべきものとして今御審議をお願いをしているところだと、このように私は位置付けております。
○桜内文城君 大臣が重層的な日韓関係とおっしゃいますけれども、今回の朝鮮儀軌等を引き渡す、こういった話になってきたそもそもの発端は竹島問題だと考えております。竹島問題が大きくなっていって、その後に韓国の国会でも決議等がなされ、その根幹である竹島問題について何の進展もないまま、むしろこのように事態が悪化している中で、このタイミングでこのような一方的に日本国政府が義務を負うような協定を取り結ぶということについては、私は疑問を呈せざるを得ません。 二つ目に、この手続についてお尋ねいたします。手続というのは、特に私自身は、昨年八月十日の内閣総理大臣談話、閣議決定でありますけれども、これ自体そもそも今回の問題を大きくした要因だと考えております。 先ほど、この内閣総理大臣談話ですけれども、福山副長官も先ほどの御答弁の中で、菅内閣が成立した後に岡田外相との間で何度も何度も議論がなされてきたというふうにおっしゃいました。また松本外務大臣も、衆議院の方ですけれども、談話の作成の作業を開始したのは閣議決定から遡ること一、二か月ぐらいではないかという御発言もされているところであります。しかし残念ながら、昨年の談話の一週間前、八月四日にこの参議院で予算委員会が開かれておりますが、そこで自民党の山本一太議員からこの総理大臣談話について出すのか出さないのかというふうに尋ねられたところ、菅総理そして仙谷当時の官房長官は、出すかどうかを含めて慎重に検討しているというふうにお答えになっております。 一切国会での議論を経ずにこのような閣議決定、総理大臣談話を出す、しかし実際には一、二か月も前から談話を準備していた。これは国会軽視と言える態度だと思うんですけれども、大臣、どうお考えになりますでしょうか。
○国務大臣(松本剛明君) 談話を出すか出さないかを決定をしたのは八月十日でございます。慎重に検討をし、また、談話であれば当然内容についても、でありますから検討をし、作成をして決定をいたしたというふうに理解をしておりまして、八月四日の日、まさに国会において御議論をいただいているわけでありますが、総理も仙谷官房長官も大切な問題であることも踏まえてだろうと、このように理解をしますが、慎重に検討をいたしていると、このように誠意を持って御答弁申し上げていると、こう理解しております。
○桜内文城君 慎重にもっと検討していただきたかったと思います。というのは、この内閣総理大臣談話の内容ですけれども、いろいろ御指摘ありますとおり、日韓請求権・経済協力協定にない新たな義務を日本国政府が負うものであります。更に言えば、今回こうやって国会にかかっている理由でありますけれども、財政法九条一項をオーバーライドする内容を含む閣議決定であります。 このように、そもそも国会での議決を必要とするような内容を含む内閣総理大臣談話、これを閣議決定する。そもそも内閣というのは、法律に基づいて行政権、その法の執行を行うのが元々の与えられた機能であると思います。その法律を乗り越えてそれを閣議決定する、そして、その検討もしているといいながら国会での議論に全く応じようともしない、そのような態度についてお伺いしております。大臣。
○国務大臣(松本剛明君) 桜内先生はよく御案内だろうと思います。私どもも法に基づいて政府として活動しなければいけないのは御承知のとおりであり、新たな立法が必要であれば内閣で法を策定をして国会にお諮りをする、また条約が必要であれば条約を交渉を行って締結をして国会にお諮りをすると、まさに法に従ってお諮りをさせていただいていると、このように理解をいたしております。
○桜内文城君 私が言いたいのは、法に基づいてというのであれば、この内閣総理大臣談話、内閣総理大臣と書いてあるわけですよ。その予算委員会、総理がそれに対して何も答えずに、今回のこの委員会にも総理は来ない、それが国会軽視だというふうに指摘しているところであります。 通告にはないんですが、この内閣総理大臣談話に関しまして一つ大臣にお答えいただきたいんですけれども、日韓併合条約から百年というふうなことが述べられております。条約の効力が有効となる有効条件ですけれども、両国政府の意思の合致というものが当然あろうかと思うんですけれども、この内閣総理大臣談話の中では、その意に反して行われた植民地支配によって云々かんぬんという言い方があります。これはどう解釈すればよろしいんでしょうか。内閣総理大臣自身が日韓併合条約自体が有効なものではないということをこの閣議決定でお示しになったということでしょうか。
○国務大臣(松本剛明君) 談話の言葉であります、まさに意に反して行われた植民地支配という言葉を申し上げているわけでありまして、いわゆる日韓併合条約については、一九六五年の日韓基本条約、先ほどからもお取り上げもいただいておる基本条約で確認をされているとおり、もはや無効でありというのが私ども政府の見解でございます。
○桜内文城君 もはや無効でありというのがいつから無効だったかということを問題にしているわけです。 通告もしていませんので、これ以上言いませんけれども、私がここで指摘したいのは、いかにこの菅内閣というものが法律というものを遵守しないそのような傾向があるのかということを指摘しておきます。 時間がないので、最後にもう一つお尋ねいたしますけれども、今回の協定ですけれども、先ほどから幾つか指摘もあるように、片務的な義務であります。また、韓国内にある日本の関連書籍が数十万冊もあるというふうに指摘されておるところですけれども、このように、そもそも片務的な協定というものがこの日本国政府の目的である国民の生命、財産、自由、こういったものを守るということから見て一体どういうものなのか。あえてこの片務的な条約を結んだとしても、一方的に義務を負うとしても、いかに国益を推進することになるのか。先ほど冒頭に指摘しましたような韓国国会議員の暴挙等を見ますと、全くそのような効果はないようにも思われますけれども、大臣の所見をお伺いいたします。
○国務大臣(松本剛明君) 日韓図書協定においては、図書を引き渡すということについては、我が国が韓国に対して引き渡すわけでありますから、その点については言わば一方通行であるということは御指摘のとおりでありますが、この日韓関係の中で、今回の談話の発出、そして引渡しによって双方がこれまでの百年から次の百年に向けて未来志向になることそのものが両国にとって大きなウイン・ウインになると思います。 また、隣国である韓国との関係を進展をさせるということは我が国の国益にとって極めて重要なものであるとも考えますし、重層的な日韓関係を深めていくということも必要なことだと考えるところから、談話を発出し、また今回国会にお諮りを申し上げていると、このように位置付けております。
○桜内文城君 終わります。
○山内徳信君 外務大臣にお伺いいたします。 戦後、日本政府は、日韓関係を一歩一歩正常な関係に持っていきたいという具体的な表れの一つとして、一九六五年の日韓基本条約が締結されたその際にも千三百点の文化財等が韓国に引き渡されております。 朝鮮が日本に併合されて百年の節目を迎えるに当たりまして、日本政府、民主党政権は今回の日韓図書の協定を結んでそして更に前進をしていこうと、こういうふうな立場に立っていらっしゃることをよく承知をしております。したがいまして、昨年の八月十日、菅直人首相が発表する談話の内容が閣議決定をされ、十一月十四日に日韓図書協定が署名をされております。現在、こういうふうに参議院の外交防衛委員会で審議の真っ最中でございます。 私はどういう気持ちで臨んでおるかといいますと、日韓両国の歴史的なわだかまりを解消して未来志向を目指す平和へのパートナーとして寛容と和解、私はこの寛容と和解という言葉を大事にしてまいりました。そういう立場から、今回の日韓図書協定の意義は極めて大きいと考えております。 歴史が始まって以来、日本は朝鮮半島との関係あるいは中国との関係を、文化、文物含めて深い関係を持ってきた国でございます。そういう意味で、今回のこの協定、私は国民の一人として、社民党議員の一人として、また戦前世代の一人として、戦前の朝鮮半島と日本の歴史の関係を知っておる人間の一人として、私は今回のこの協定、極めて意義は大きいと考えております。 そこで、外務大臣にお伺いいたしますが、日韓図書協定から外務大臣として何を学ばれ、何を教訓としたいとお考えでありますか。これは通告には今質問は書いてございません、そこまで書くと失礼になりますから。思いを簡単におっしゃってください。
○国務大臣(松本剛明君) やはり我が国が安定した環境の中で発展をしていく中においては、隣国との関係というのが安定して好ましい関係であることは極めて重要であると思います。他方で、昨年ちょうど日韓併合百年を迎えたわけでありますけれども、この百年以上にわたる日韓の歴史というのは、大変紆余曲折というんでしょうか、山あり谷ありの歴史であったことは事実であろうと、このように思っております。 そのような意味で、これからの隣国の関係を、我が国にとっても、また地域にとってもあり得べき百年としていくために、このように過去の百年を振り返って我が国が自発的に措置をとるという決断を行ったことを実行に移すものが今回の協定であるわけでありますけれども、こういったもの、この決断がなされた時点では私自身は実は政府の一員ではありませんでしたけれども、そのことを今改めて受け止めて、今後の未来に向けての今私に与えられた責務をしっかり果たそうと、このように思っているところでございます。
○山内徳信君 日本は、長いアジア太平洋戦争の結果は敗戦国になりました。したがいまして、四五年から対日講和条約が結ばれました五二年まではGHQの下に支配をされ、いわゆる支配者と被支配者の関係にありました。その間に日本国内から文化、文物がアメリカに持っていかれたということはございませんでしょうか。もしありましたら、その件数と、一部名称も伺っておきたいと思います。 なぜならば、ユネスコの精神は、原産国の起源と文化を理解するのに必須な文化財を原産国へ返還せよというのがユネスコの精神と言われております。もし日本から日本以外の国に持っていかれたのがあれば、この際、日本からも返してほしいという問題提起をする必要があるだろうと思うからであります。
○政府参考人(梅本和義君) お答え申し上げます。 第二次世界大戦を経まして日本の文化財等が米国に持ち出された事例としては、これはいろいろ報道であるとかホームページ等々で、例えば米国に持ち去られた寺院の梵鐘、これが返還されたというような事例であるとか、あるいは琉球王国の文化財が米連邦捜査局、FBIの盗難美術品ファイルに登録されたというような事例があると報道されているということは私ども承知しておりますけれども、これらの事例について外務省として、全体としての件数あるいは持ち出された時期等については承知をしておりません。
○山内徳信君 外務省は、日本国内、文化庁もありますから、調査をする必要があると思います。 今局長がここでおっしゃっているのは、これは琉球王国の万国津梁の鐘でございます。したがいまして、琉球政府時代から異民族統治下にあった沖縄、そして、復帰後もその返還を記念して琉球王国の首里城が復元されていくわけでございます。それに向けて、アメリカに持っていかれていた万国津梁の鐘を取り戻す運動をやったわけでございます。 アメリカの当時のGHQの中にも、奈良、京都の文化、日本の文化、文物に非常に興味を持っておられた関係者もおります。したがいまして、時間はたっておりますが、改めてその敗戦のこの期間、GHQが支配していたその期間に外国に持っていかれたというのを調査をする必要があると思いますが、外務省、あるいは、今日は文化庁は呼んでありませんから、局長、責任持ってお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(梅本和義君) これは、以前にも国会でこの文化財については御議論がございまして、文化庁の方からも、なかなか国が関与していないので実態を把握することは極めて困難だというような答弁もされているというふうに承知をしております。また、その持ち出された物品やその経緯等が様々でございまして、これは一般論として申し上げますと、サンフランシスコ平和条約、沖縄返還協定に基づきましてこの請求権を放棄をしているということもございます。 そういう中で何ができるのかということにはなかなか限界があろうかと思いまして、これはちょっと私がここで方針をお答えするのもいかがかと思いますので、これは一応持ち帰った上でまた相談をしてみたいというふうに思います。
○山内徳信君 梅本さんね、これはアメリカの外交官にもそれとなくおっしゃった方がいいですよ。いろんな場面いろんな場面で皆さん官僚は国益じゃなくしてアメリカ益のためにいろんなことをおっしゃっておるじゃないですか。これは国益に結び付きますから、ちゃんとやってくださいよ。文化庁とも相談してね。よろしくお願いします。文化こそは国民の誇りなんです、夢なんです、希望なんです。そういう意味で、ひとつアメリカの方にも強くおっしゃってください。 今日は十二時四分まで私の持ち時間でございます。あと二、三お伺いしたいと思います。 二日に一遍ぐらい次々と米軍は問題を起こし過ぎる。外務省も防衛省もたまったものじゃないと、こういうお気持ちだと思いますが、二十五名のアメリカ兵が、海兵隊が嘉手納飛行場の滑走路の少し北の方でパラシュートの降下演習をしておりますね。爆音といい、パラシュートの無通告の降下演習といって、これは大変でございます。 そこでお伺いしますが、これは無通告であったというふうに言われております。したがいまして、これはお伺いはいたしません、その議論をする時間もありません。SACO合意で訓練場に指定されたところはどちらですか、お伺いします。
○大臣政務官(広田一君) 御答弁申し上げます。 SACO合意で合意された訓練場でございますけれども、これは最終報告におきましてパラシュートの降下訓練は伊江島の補助飛行場に移転することとされたものと承知をいたしております。
○山内徳信君 アメリカにちゃんと言ってくださいよ。 それから、嘉手納基地の報道官は、嘉手納基地は日本政府に了承された降下地帯であるとぬけぬけ言っておりますが、三連協の市町村長たちに、これは日本政府はいつ嘉手納基地は降下訓練所として使っていいという了承を与えたんでしょうか、おっしゃってください。
○大臣政務官(広田一君) 御答弁申し上げます。 嘉手納飛行場につきましては、その提供に関する昭和四十七年五月十五日の日米合同委員会の合意におきまして、使用の主目的として飛行場というふうに記載されているところでございます。 この意味するところでございますが、同飛行場の使用の主たる目的を定めたものでございまして、この使用目的が飛行場であることに反するものでない限り、御指摘のパラシュート降下訓練のような訓練の実施を排除しているというふうには考えていないところでございます。 ただ、いずれにいたしましても、防衛省といたしましては、今回の訓練実施を受けまして、委員お話しのように事前通告等もございませんでしたし、そもそも、先ほど申し上げたとおり、SACOの最終報告では伊江島の補助飛行場を基本的に使うようになっておりますので、その申入れを今後とも米側に働きかけていく所存でございます。
○山内徳信君 時間ですから手短にお伺いしますが、防衛大臣、こういうふうにSACO合意で決めたところを使わずに嘉手納飛行場を使うと。こういうことが恒常化していきますと大変な事態になります。したがいまして、決められたとおりやってくれと、騒音協定も決められたとおりやってくれと、こういうふうにおっしゃっていただきたいと思います。 以上です、私からは。
○国務大臣(北澤俊美君) 御趣旨は十分理解をいたしておりますので、SACO合意の最終報告に沿って引き続き基本的に伊江島補助飛行場を使用するように申入れを行ってまいりたいと、このように思っております。
○山内徳信君 終わります。
○委員長(佐藤公治君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(佐藤公治君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、桜内文城君が委員を辞任され、その補欠として小熊慎司君が選任されました。 ─────────────
○委員長(佐藤公治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 図書に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤公治君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤公治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時五分散会