予算委員会 第17号
- 発言数
- 266 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2011/02/24
会議録
○中井委員長 これより会議を開きます。 平成二十三年度一般会計予算、平成二十三年度特別会計予算、平成二十三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。 この際、お諮りいたします。 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣法制局長官梶田信一郎君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○中井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。近藤三津枝さん。
○近藤(三)委員 自由民主党の近藤三津枝です。 まず、質疑に入る前に、ニュージーランド地震について一言申し上げておきたいことがございます。 国際緊急援助隊は既にクライストチャーチに到着しています。到着後、休む間もなく、直ちに活動を開始されておると聞いております。一人でも多くの命を救い出してほしい、またその活躍を期待いたしておるところです。大いなる成果を我々も待ち望んでいるところなんですが、ただ、一つ申し上げたいことがあります。 地震は、日本時間の二月二十二日火曜日午前八時五十一分に発生しました。政府専用機で国際緊急援助隊チームが成田を出発したのは、翌日、二十三日の午後二時三分でした。二十九時間後のことでした。 二十二日火曜日の午後、私どものところにも国民、市民の方から、一体政府はこんな大変なときに何をしているんだ、小沢さんの処分のために民主党の会議に出ていたのではないか、ちょっとおかしいのではないか、そのような声が大変多く私どものところに寄せられました。 事態が落ちついた段階で、この初動のあり方について、政府の判断と行動について、しっかりと検証をさせていただきたいと思います。そのことをまず一言申し上げさせていただきます。
○中井委員長 近藤さん、松本防災担当大臣がいますから、経過を説明させましょうか。
○近藤(三)委員 一言申し上げさせていただいて、後ほどの議論とさせていただきます。 本日は、地球温暖化対策を取り上げさせていただきます。明快な答弁をよろしくお願い申し上げます。 菅総理は、本年一月二十日の外交に関する講演の中で、一人当たりのCO2の排出量を国際基準にすることを提唱しました。(発言する者あり)委員長。 政府は本当にこれを国際基準にしようとしているのでしょうか。 こちらにパネルを示します。菅総理の一月二十日のコメントです。新たな国際的な構想を提示したい、既に外務省などの関係省庁にその検討を指示している、実は、このCO2問題では、例えば一人当たりのCO2排出というものを国際的な基準にしていけばどうかと従来から言っている。 この菅総理の一人当たりのCO2の排出量を国際基準にすることに、環境大臣そして経済産業大臣はそれぞれ賛同されているのかいないのか、イエスかノーかでお答えください。
○松本国務大臣 お答えをいたします。 先ほど申されました地球温暖化対策の国際的な目標について、COP16で、世界の平均気温の上昇を二度C以内に抑える必要があるとの認識がまず示されました。 先日の菅総理による一人当たりCO2排出量を基準にすべき旨の御発言につきましては、この二度C目標を実現していくためにも、すべての国が長期的な視野に立って何らかの将来的な目標を共有することが重要との認識に立った御発言だと理解をしております。 今後、我が国として、そうした長期的な視野に立った取り組みについて国際的な議論を深めていく必要があると考えており、今回の、今おっしゃられた総理の御発言の趣旨も踏まえて、対応を私どもも検討してまいりたいと思っております。
○海江田国務大臣 近藤委員にお答えをします。 菅総理の発言は、いつも示唆に富んだ発言でございます。今回も示唆に富んだ発言があったと存じております。
○近藤(三)委員 私は、両大臣とは全く逆の、ノーという考え方です。この菅総理の一人当たりのCO2排出量を国際基準とすることには、断固として反対です。鳩山前総理の二五%削減と同じように、菅総理も、地球温暖化対策についてまた、国益を損なおうとする大変自虐的なことを言い出していらっしゃるなというふうに思っております。 一人当たりの排出量を基準とする菅総理の主張、こちらにパネルでお見せします、三つの無配慮の問題点を抱えていると思います。 まず、第一の無配慮は、産業構造に対する無配慮です。 人類は、エネルギーを使ってさまざまな製品やサービスを生み出す過程でどうしてもCO2を排出します。一人当たりのCO2の排出量には、国民生活から出るCO2だけではなく、日本の富を生み出している産業活動からの排出量も含まれています。CO2の総排出量を単純に人口の数で割った一人当たりの排出量は、工業化が進み、なおかつ人口が少ない国ほど、この数値は高くなってしまいます。 資源の乏しい日本は、海外からの資源をもとに少ないエネルギーで加工し、製品に変え、これを海外に輸出する。その過程でどうしても排出されるのがCO2で、この宿命を少しでも克服するために、日本の製造業は、乾いたタオルを絞るように、世界トップレベルの省エネに取り組んできたわけです。鉄鋼やセメントを考えれば明らかなように、同じ製品を製造するにしましても、海外の生産現場と比較にならないほどCO2の排出を少なくして、省エネで製造しています。 しかし、もし、菅総理が言うように、一人当たりのCO2排出量を指標にすると、この日本の血のにじむような努力、国際的な貢献が全く配慮されず、不利な基準となります。一人当たりのCO2排出量を国際基準としようとする菅総理は、我が国のこれまでに培ってきたグリーン政策、グリーン産業をだめにしてしまう、このことを全然わかっていらっしゃらないんだと思います。 二点目です。二点目の無配慮は、各国の人口構造の変化に対する無配慮です。 一人当たりのCO2の排出量を国際基準にしますと、各国のCO2排出枠は、人口が増加する国ほど排出枠が大きくなり、日本のような人口が減少していく国は、逆に、毎年毎年排出が小さくなっていきます。 そして三つ目の無配慮は、各国の地理的、文明的な差異に対する無配慮です。 各国のCO2の排出量は、気候、国土の大きさ、人口密度など、避けることができない、つまり、地理的な、文明的な状況によりCO2を削減しにくい地域もあるということです。例えば、寒さの厳しい地域の人々は、温暖な地域の人々よりも、寒さを防ぐためにエネルギーを消費する。一人当たりのエネルギー消費量は大きくなるのは当然ですけれども、これを配慮できないという基準になるわけです。 ここまで説明いたしましても、松本環境大臣、菅総理が提唱した一人当たりのCO2排出量を新たな国際基準として提示したいという考えに賛同なさるんでしょうか。イエスかノーかでお答えください。
○松本国務大臣 お答えをいたします。 先ほど大切な御指摘をいただいたというふうに思っております。鉄鋼とかセメント、今月も私はいろいろな方々とお話をしてまいりました。それぞれの厳しい条件の中でCO2を削減しようという努力をされている姿に頭が下がった思いであります。 そういう意味では、我々も、これからいろいろな産業界とお話をしていきながら努力を重ねていきたいというふうに思っておりますし、虚心坦懐にこれから温暖化の問題に取り組んでまいりたいというふうに思っております。 二〇五〇年に向けて、途上国において急激な人口増や経済成長による排出増等が予想をされることから、一人当たりの排出量を基準とすれば、一概に先進国が不利となるものとは言い切れないと思いますし、いずれにしても、今後、長期的な視野に立った温暖化対策を世界的な課題として進めるためにも国際的な議論をさらに深める必要があって、我が国としても、積極的な貢献を行うべく対応を検討してまいりたいというふうに思っております。
○近藤(三)委員 松本環境大臣とは少し議論がかみ合ってきたように思います。 さらに御理解を深めていただくために、こちらにもう一枚パネルを用意しました。菅総理の外交に関する演説を御紹介しますが、このパネルに菅総理のコメントの数字が書き込んでありますので、ごらんいただきます。お手元の資料は六枚目になるんですけれども。 左側の二行をごらんいただけたらと思います。アメリカでは一人当たり約二十トン、日本は一人当たり約十トン、中国では約四トン、インドでは約一トン強、そして世界の平均は約四トン、一人当たりの排出と現在なっているというふうに菅総理はコメントを続けられています。 二〇五〇年までにこれを半分にしようとすれば、すなわち、総排出量を半分にしようとすればということですが、人口増を一応考えないとしても、一人当たりのCO2排出量を二トンまで下げなければなりません。この二トンというのは、表の三行目のところに書いてあります。そうすれば、アメリカは十分の一、日本は五分の一、中国も半分に引き下げなければならない。そういう共通の目標を掲げて、気候変動の地球の目標を掲げて努力を進めていくことが重要であると思う、これが菅総理のコメントです。 このコメントのポイントは、人口増を一応考えないという部分です。これは、一応ではなく、菅総理は、世界の人口は今後ふえるという現実から完全に目を背けているということです。 菅総理が言うように、これから世界の人口がふえないのなら、二〇五〇年の人口が現在と同じであるとしたならば、排出量を現在の半分にしようとすれば、一人当たりのCO2排出量は、現在の四トンを二トンに抑えることになります。このとき、この表にありますように、二〇五〇年の日本の総排出量は、右側の欄が総排出量なんですけれども、二億トンに抑えなければならないということです。 このパネルの左側の総排出量、括弧の中は、一九九〇年の排出量に比べての削減率です。日本は、先ほども言いましたように、人口が変わらないと仮定した場合の総排出量は二億トンですから、一九九〇年に比べて八一%削減、八割削減しなければならないということになります。この数字から、菅総理は、日本は二〇五〇年に現在の五分の一にしなければならないと主張しているわけです。 しかし、先ほども申したように、菅総理は、二〇五〇年に向けた世界の人口の爆発を全く考えていない。これはおかしいですよね。一九九〇年に五十三億人だった世界の人口、今は六十九億人、そして二〇五〇年には一・七倍の九十二億人になると推計されています。 実は、二〇五〇年、世界人口が九十二億人に増加したときには、現在の一人当たりのCO2排出量四トンを半減させるには、何と一人当たり一・一トンまで引き下げなければならないということ。本当は、菅総理の八割削減ではなく、一九九〇年に比べて、その右側、八九%、つまり九割もの排出削減をしなければならない。つまり、五分の一ではなくて、今の十分の一の排出量に抑えなければならないのです。 インドのことを考えてみますと、一九九〇年に一人当たりの排出量が〇・七トンと世界平均を大きく下回り、一方、人口は現在の約十二億人から二〇五〇年に十六億人に増加するので、インドの排出枠は大幅にふえます。つまり、一人当たりの排出量の指標は発展途上国に有利だということです。 最近は、中国、一人当たりで評価する基準値をほとんど主張しなくなってきているんです。なぜか。それは、中国が二〇〇八年時点で既に世界の一人当たりのCO2の平均値を超えて、長期的には人口も減少するというふうに見込まれる中で、これを主張したら我が国中国は不利であると思ったから、この一人当たりのCO2排出という指標を使わなくなったからです。 一方、インドはどうか。排出枠がふえますから、菅総理と同じく、一人当たりのCO2を排出量の基準とすることを強く主張しています。菅総理の発言は、最近中国でさえ主張しなくなった周回おくれの発言をしておられるということです。菅総理の唱える一人当たりのCO2排出を国際的な基準にするということは、決して日本にプラスにはなりません。 ここまで数字を挙げて説明をさせていただきました。 海江田経済産業大臣、菅総理がここのところ主張しています一人当たりのCO2排出を国際的な基準とすることを支持なさるんでしょうか。このような無謀な基準を国際的に政府は提唱しようとしているのか、産業政策の責任者として、海江田経済産業大臣のお考えを端的にお聞かせください。
○海江田国務大臣 近藤委員には、いつも経済産業委員会で大変示唆に富んだ御意見をいただいておりまして、きょうも大変示唆に富んだ、あるいは、深い含蓄のある御意見をちょうだいいたしました。 その上で、菅総理の発言でございますが、菅総理のお考えを述べたものだと思いますので、こうした考え方もあろうかと思います。これから国際的に議論をしていく上で、一つの考え方だと思っております。
○近藤(三)委員 政府の中で意見が不一致であるというふうに私はとらえさせていただきましたし、菅総理の考え方は、我々の考え方とは全く逆方向であるということをここで新たに認識をしております。これからも、この件に関しましては、国民の皆さん、そして産業界とも一緒になって考えていきたいと考えております。 次に、今回国会に提出されています予算関連法案の所得税法等の一部を改正する法律案、いわゆる税制改正法案と、第百七十六回臨時国会に提出され、現在衆議院において継続審議となっている地球温暖化対策基本法案の関係について質問をさせていただきます。 こちらのパネルをごらんいただきますと、今国会に提出された税制改正法案には、租税特別措置法第九十条の三の二が新設され、石油石炭税についての地球温暖化対策のための課税の特例が定められています。他方、継続審議の扱いになっている地球温暖化対策基本法案には、地球温暖化対策のための税についての条文が既に用意されています。この二つの法案の関係条文の間の整合性はきちんと図られているのかということについて問いただすつもりです。 次のパネルをごらんいただきます。8と書いている資料です。このパネルに、地球温暖化対策基本法案の提案理由と、第十四条をまとめてみました。 まず、パネルの上段です。基本法案の提案理由を見てください。提案理由には、「地球温暖化対策を推進するため、地球温暖化対策に関し、基本原則を定め、」「地球温暖化対策の基本となる事項を定める等の必要がある。」とあります。そして、ここで言います「地球温暖化対策の基本となる事項」の一つが、この下の方に書いてあります地球温暖化対策税です。 この税につきましては、このパネルの下の段、基本法案第十四条に具体的に書いてあります。第十四条第二項、国は、「地球温暖化対策のための税について、平成二十三年度の実施に向けた成案を得るよう、検討を行うものとする。」「検討を行うものとする」と定められています。 つまり、基本法案のこの規定は、端的に言いますと、地球温暖化対策のための税制のあり方について検討を行うということ。もっとわかりやすく言えば、この基本法が成立した後に、この第十四条に従って地球温暖化対策税の検討を行うことを法律で定めようとしています。さらに言えば、地球温暖化対策基本法案が成立しない限り、地球温暖化対策税の検討に入れないんです。 しかし、政府は、税制改正法案の中に地球温暖化対策税、環境税を盛り込み、来年度から増税をしようとしています。これ、順番が逆じゃないんですか。 国会において地球温暖化対策基本法案は、民主党がよく言われております熟議さえ全く行われていないわけです。上位法である基本法案が成立もしていない。なのに、来年度の税制改正法案の方が先に国会で審議されようとしている。これ、おかしいんじゃないですか。 政府がみずから税制改正法案よりも先に国会の意思決定を求めていた基本法案について、国会の意思決定を待つことなく、自分勝手に先回りして、地球温暖化対策のための税の導入という具体的な施策の中身を盛り込んだ税制改正法案を提出するということ、明らかに論理的に不整合です。国会軽視と言わざるを得ません。 それでは、もし仮に予算関連法案である税制改正法案が基本法案よりも先に成立した場合を考えてみましょう。すぐにその法的なおかしさが理解できますでしょう。環境税の増税を決定されれば、この秋にもう国民に負担を求めることになります。でも、一方で地球温暖化対策基本法案について、地球温暖化対策税、すなわち環境税を導入することを検討するか否かをこれから審議することになるわけです。我々国会にもう用済みになったという規定を審議しろと言うつもりなんでしょうか。そういうことですよね。国会軽視も甚だしいと思います。 もし基本法案がなかなか成立しない中でその内容の一部を先食いした形で税制改正法案を成立させたいということなのであれば、まずは基本法案を撤回するか、もしくは、内閣の申し入れにより基本法の十四条を修正するべきです。あるいは、地球温暖化対策基本法案を修正したくないというふうにお考えなのであれば、税制改正法案の一部である環境税を取り下げるべきです。このどちらかの対応をすることによって、内閣として全体的な整合性がとれる法案とするべきだと私は考えております。 財務大臣、このような法制上の不整合を知った上で、あえて地球温暖化対策税を含む税制改正法案を国会に提出されたんでしょうか。このような法制上の不整合をどのように改めていくおつもりなのか、財務大臣の見解をお示しください。
○野田国務大臣 御質問、どうもありがとうございました。 基本法と今般の平成二十三年度の税制改正でお願いをしている地球温暖化対策のための税、その整合性の御質問だというふうに思いますが、これは、基本法が通っていなくても、税制改正をすること自体は別に論理矛盾ではないというふうに思っています。もともと、例えば平成二十一年度の税制改正法附則百四条にも、税制面でも環境に配慮した取り組みが必要であるということ、これは自公政権でも決められていることです。その法律に基づくという解釈もできるというふうに十分思っています。
○近藤(三)委員 財務大臣、基本法案にしっかりと書いてある、でも、二つの、整合性がないということは、先ほどの質問で、整合性がないというお考えはないのかとただしましたけれども、ないというふうなお考えなわけですね。 では、続けて質問をさせていただきます。 菅内閣は、昨年十二月二十八日に地球温暖化対策に関する閣僚委員会で、地球温暖化対策のいわゆる主要三施策についての今後の対応方針を決定しました。特に、主要三施策の一つである国内排出量取引制度については、こちらのパネルにありますように、国内排出量取引制度に関しては「慎重に検討を行う。」というふうに発表しました。九枚目の資料です。 「慎重に検討を行う。」というのは、霞が関用語で言いますと、つまり、やらないということですよね。要するに、政府は、導入を実質的に見送ることを示唆したのであります。 しかし、次のパネルを見ていただきましょう。 基本法案の第十三条に、国内排出量取引制度を創設し、「法律の施行後一年以内を目途に成案を得るものとする。」と明記されたままです。 つまり、基本法が成立してから一年以内に国内排出量取引制度について成案を決めなくてはならないのに、まだ基本法が成立もしていない段階で、菅政権は昨年の十二月二十八日、「慎重に検討を行う。」というふうに導入を実質的に見送るということを示唆するような結論を出してしまったわけです。 つまり、排出量取引制度について、十二月二十八日の閣僚委員会の決定と基本法の十三条、方向性が違っています。閣僚委員会では排出量取引制度を実質的に見送るとしながら、基本法案は、一年以内に決めるものとしています。皆さんにも、この食い違い、おわかりいただけると思います。 この法的そして政策的な食い違いを直そうとするのであれば、地球温暖化対策基本法案を撤回するのか、もしくは内閣による自発的な修正が必要と考えますが、環境大臣の見解をお示しください。
○松本国務大臣 お答えをいたします。 今御指摘の主要三施策につきましては、御指摘のとおり、昨年の十二月二十八日に閣僚委員会において方針を取りまとめられたところであります。政府方針は、国内排出量取引制度の導入断念や地球温暖化対策の後退を示すものではありませんし、基本法案の骨格は引き続き維持をして地球温暖化対策を推進していくという前向きなメッセージであると認識をしております。 国内で取り組みを促すためにも、またCOP17、南アフリカのダーバンでことしの暮れにありますけれども、ここに向け諸外国の理解を得ていくためにも、政府方針を踏まえて国内対策で着実な前進を見せて地球温暖化対策を全力で進めるという明確なメッセージを国の中、国の外に打ち出していく必要があるだろう、そうしなければ国際交渉もなかなか前に進んでいかないだろうというふうに思っております。 さらに、今、撤回すべきではないかというふうに言われましたけれども、そういう意図は我々にもありませんし、これからまた私どもも虚心坦懐に議論を承りますし、それぞれ検討を、審議を深めていただきたいというふうに思っております。
○近藤(三)委員 十二月二十八日の閣僚委員会での決定事項と基本法案との不整合を指摘したのですが、今のお答えでは明快なお答えをいただいているというふうには考えておりません。 もう一点、全量買い取り制度の矛盾について質問をさせていただきます。 先ほどの、十二月二十八日に地球温暖化対策に関する閣僚委員会において、主要三施策の一つである再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り制度についても、こちらのパネルにありますように、「次期通常国会に関係法案を提出する。」すなわち今国会に法案を提出するというふうにあります。 具体的には、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法と電気事業法及びガス事業法の一部を改正する法律案という経済産業省所管の法案のことだと思います。地球温暖化対策基本法案は、この二つの法の実質的な上位法に当たるわけですから、この二つの法案は地球温暖化対策基本法案に基づいた個別実施法として創設される新しい制度という位置づけであると考えます。 つまり、この基本法第十五条は、この条文が先に成立することを前提として、この条文に基づいて全量固定価格買い取り制度に関する個別実施法を制定、創設することを予定しているのであります。先ほど指摘しました基本法案第十四条と地球温暖化対策税と同じような関係にあるわけです。 閣僚委員会で何をどう決めるかは自由です。しかし、ある政策を講じた後にその「施策を講ずるものとする。」という法律をつくるのはおかしくないんでしょうか。先行すべき基本法案が成立する前に、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案など二法が審議されるのは明らかにおかしい。順番がこれも逆です。 地球温暖化対策基本法案の審議、成立を待って初めて電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案、二法は審議できることとなるものと考えますが、そのような認識でよろしいんでしょうか。経済産業大臣に認識をお伺いしたいと思います。
○中井委員長 海江田万里経済産業大臣。時間が来ていますから、簡単にお願いします。
○海江田国務大臣 先生と見解を異にしますが、そういうことも含めて国会で御議論をいただきたいと思います。
○近藤(三)委員 きょうは、幾つかの矛盾点を指摘させていただき、質問させていただきましたが、答えとしては明らかなものを一つもいただくことができませんでした。引き続き、この件に関しては議論をさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○中井委員長 これにて近藤君の質疑は終了いたしました。 次に、下村博文君。
○下村委員 おはようございます。自民党の下村博文です。 きょうは、尖閣諸島問題を質問させていただきたいと思いますが、まず冒頭、枝野官房長官、きのう松木農水大臣政務官が辞表を出すということが報道で出ておりましたが、農水大臣政務官はTPP問題等予算関連で非常に重要な立場でもあると思うんですね。そういう政府の中の三役の一人が辞表を出すということは大変なことだと思いますが、政府としてこれについてどうお考えになっているか、お聞きします。
○枝野国務大臣 報道等は承知をしておりますが、現時点で辞表が提出されたという報告は受けておりません。仮定の話にお答えすべきではないと思っております。
○下村委員 もうそれしか答えられない。仮定って、もう明らかなことなわけですよ。だれが見ても明らかなのに、仮定だから答えられないということ自体が政権としての当事者能力がないというのが、もう答弁で明々白々ですね。 それから、安住国対委員長が予算案と歳入法案切り離し論というのを発言しておりますけれども、野田財務大臣、予算案と歳入法案というのは一体的に議論するのは当然のことだと思うんですね。歳入法案、これは公債特例法案、地方税法改正法案、大変重要な予算案との関連の中で一体の中の話だと思いますが、そもそもこの切り離し論はあり得ない話だと思いますけれども、財務大臣としてどのようにお考えですか。
○野田国務大臣 予算と関連法案はともに年度内の成立を目指すというのが政府の基本姿勢でございまして、恐らく、国対委員長がおっしゃった意味は、採決の時期は多少ずれてもという意味ではないかというふうに思います。
○下村委員 いや、これは一体論ですから、採決も含めて連動して議論するというのは、それは担当大臣としては当然のことだと思いますけれども、担当大臣としてもそういうことでよろしいんですか。
○野田国務大臣 予算本体も関連法案も、いずれも年度内の成立を目指すというのが基本姿勢でございます。
○下村委員 いや、年度内採決云々と聞いているわけじゃないですよ。切り離し論があるけれども、切り離して議論できることなんですか、予算案とこの歳入法案は一体ではないですかということを聞いているんです。
○野田国務大臣 だから、予算本体はこの予算委員会で、関連法案はそれぞれの担当の委員会できちっと、国会の運びの中で御判断いただくことだと思います。
○下村委員 既にもう逃げているわけですね。これは財務大臣として、一体感の中で議論をしてもらうというのは担当大臣としては当然の立場なんです。それ自体も発言できないということが、今の菅政権の、政局のこれからの危うさというのをやはり象徴しているというふうに思います。 私は、ちょっと今回は尖閣問題を中心に取り上げたいと思いますので、またそちらの方に移させていただきたいと思います。 まず、これは官房長官か外務大臣にお聞きしたいというふうに思いますが、ことしの一月二日の共同通信、それから香港系の海外のいろいろな情報紙等で、この尖閣諸島の領有権を主張する香港や台湾など六カ国・地域の団体が世界華人保釣連盟を設立したというふうに報道されております。政府は、その事実並びに活動内容を把握しておられますか。
○前原国務大臣 報道では存じ上げております。
○下村委員 いや、報道ではなくて、政府として把握していますか。
○枝野国務大臣 我が国のインテリジェンスにかかわる問題でありまして、何をどのようにどう知っているのかということを申し上げることは、我が国の安全保障の観点から必ずしも適切ではない。報道をされていることについて承知しているということは間違いありません。
○下村委員 枝野長官、そんなことじゃ国会通らないですよ。これは私、確認で言っているのであって、文書質問で出しているんですよ。そもそも、答弁の中でも、政府として把握しているという答弁にちゃんとなっているんですよ。政府として把握していると答弁しているのに、あなた、この場で言い逃れみたいな、そんな一般論で逃げようということ自体がおかしなこと。 私は、今回のこの尖閣問題は、政府に対する批判だけで終始しようとは全然思っていません。これは我が党も、我々もきちっと対案を出して、これについては我が国の国益の、領土の問題ですから、これは政争の具にすることではないと思っていますから、積極的に提案したいと思いますから、これはぜひ、こういうことこそ抱きついてほしいというふうに思うんですね。そういう建設的な立場で提案、質問をしようと思っていますので、余り一般論で、政府答弁の文書質問に対しても後退するような発言をすること自体、それはおかしなことだと思います。 この世界華人保釣連盟が、これから、ことしの六月の十七日、この六月の十七日というのは沖縄返還協定調印四十周年の記念日になるんですね。このときに、世界じゅうから千隻の船を出航させて尖閣諸島への上陸を目指す、こういうのが報道されているんですね。これについて把握されていますか。
○前原国務大臣 報道では存じ上げております。
○下村委員 この保釣運動団体の船が、政治的なデモンストレーションを目的として我が国領海内への侵入をすることがあり得るということの中で、今、政府及び海上保安庁はどのような体制で対応を検討しているか、どのような体制で防ぐことができるというふうに考えているか、お聞きしたいと思います。
○大畠国務大臣 下村先生の御質問にお答えを申し上げたいと思います。 先ほど外務大臣も答弁されておりますが、これは、それを実際に行うかどうかというのはまだわかりませんけれども、一般論としてのことでありますけれども、尖閣諸島の領有権に関する独自の主張を行うことを目的として、同諸島周辺の我が国の領海内への不法な侵入を試みる外国人が乗り組んだ外国船舶に対しては、同島に関する我が国の一貫した立場に基づき、海上保安庁が関係省庁と連携をしながら、情勢に応じた警備体制を強化するなどにより、当該船舶の領海内への侵入阻止、領海内に侵入した当該船舶の領海外への排除など、必要な警備を厳重にかつ適切に行ってまいりたいと考えております。
○下村委員 お気持ちはよくわかりますが、今の法律で果たしてできるのかということについては、これは非常に難しいというふうに思うんですね。 今、北方領土も、それから竹島も、事実上、ロシアやあるいは韓国によって我が国の領土が実効支配されているような状況の中で、尖閣諸島も中国等外国に実効支配をされるようなことがあってはならないわけでありまして、そのための十分な体制をつくるということが必要だというふうに思うんですね。 我々は、今国会でできるだけ早くのうちに、そのために領海侵犯を取り締まり、直ちに拿捕を可能とする関係法令の整備、今の法律体系ではこれは対応が難しい、あるいは海上保安庁の今の体制では難しいというふうに思っておりますし、あわせて、領域警備のための法改正、これは自衛隊の方ですけれども、こういうことも含めてきちっと対応することによって、法治国家として粛々と対処するということが必要ではないかというふうに思っております。 その中で、石垣市が一月の十四日に尖閣諸島開拓の日条例制定記念式典を行いました。私は自民党を代表して出席をし、各党からも代表者が出席をしておりましたが、残念ながら、民主党からも、あるいは政府からも、出席もメッセージもありませんでした。これも非常に残念なことだというふうに思いますし、そもそも民主党あるいは政府がこれについて何の関心も持っていないということを内外に表明したに等しいということであります。 この中で、地元の石垣市がこの尖閣諸島、行政管轄下にあるんですね。そういうこともあって、石垣市から、固定資産税の調査、それからあとは、ヤギが魚釣島等で非常にふえていて、環境破壊、自然破壊が行われているというようなところから、そういう調査を含めて上陸したいという要望書を政府に提出していたわけでありますけれども、ことし一月の七日に政府は拒否をしたということであります。 なおかつ、その拒否というのが、私はちょっと考えられないんですが、そもそも総務省の固定資産税課長の名前で上陸を拒否しているんですね。総務省の固定資産税課長が、この地域の環境破壊、自然破壊を含めてトータル的なことに対して答える立場なのかどうかということであります。これは、尖閣の中国漁船の船長の釈放、このときも一検察のせいにした、そういう政府のこそくさといいますかひきょうさ、これの同じようなあらわれだと思うんですね。これは正々堂々と政府がきちっと答弁すればいいわけですね。 私は、こういう状況の中で、地元の市長やあるいは市議会が決議をしたわけですから、堂々と、私有地とはいえ我が国の領土なわけですから、これは政府が認めて、ちゃんと調査をしてもらったらいいのではないかというふうに思いますが、いかがですか。
○枝野国務大臣 お尋ねの石垣市に対する回答につきましては、その御要請の内容の中心が地方税法に関するものでございましたので、固定資産税の事務を所掌する総務省の固定資産税課長から連絡をしたものでございますが、その内容については、政府としての決定でございますので、政府としての判断でございますので、決して逃げているつもりはございません。 政府としての判断といたしましては、国の機関を除き上陸等を認めないという所有者の意向を踏まえ、また、尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持及び管理のためという政府の賃借の目的に照らして、政府としては原則として何人も尖閣諸島への上陸を認めないというのは従来からの方針でございます。 一方で、地方税法との関連で申し上げれば、これは必ずしも実地調査を要するものではございませんで、これまでも上陸調査をせずに課税をしてきており、島の現況にも変化がないこと、徴税費用最小の原則、あるいは、同条は強制的に立ち入って調査を行う権限を与えているものではないということから、同条に基づいて上陸を認める必要性がないということの中で、先ほど申しました所有者の意向等を踏まえ、賃借の目的に基づいて政府として総合的に勘案した結果、上陸を認めないとの結論になったものでございます。政府としての判断でございます。
○下村委員 政府として総合的に勘案して判断したのであれば、総務省の固定資産税課長の名前で尖閣の問題について石垣市長や市会議員に対して返答するということ自体、そもそも誠意がないんじゃないですか。そうしたら、それは官房長官名で出せばいいじゃないですか、政府としての立場であれば。それを言っているんですよ。
○枝野国務大臣 御指摘は、少なくとも一義的にはごもっともと思われるところはありますので、今後、私のもとで、こういった御要請があったときに、御要請の内容に応じて、だれの名前で、あるいはだれのところから御連絡するかということについては、今の御指摘も踏まえて検討してまいりたいというふうに思っております。
○下村委員 それから、所有者の意向を踏まえてということなんですが、直近でいつ確認したんですか。本当に所有者の直近の意向を踏まえているんですか。 これは所有者にしても、賃貸契約を始めた当時の状況と、ここ最近の状況というのは、非常に変わってきている。尖閣問題ですね。それから、先ほど申しましたように、六月十七日の状況もあるわけです。ですから、今までと同じような延長線上でいつまでも答弁できるような状況じゃないと思いますよ。本当に所有者がそういうふうに言っているんですか。
○枝野国務大臣 御承知だと思いますが、経緯からまず申し上げると、平成九年に所有者から、国の機関を除き上陸等を認めない、また第三者による権利侵害行為に対し厳重な対処を求める旨の要請が行われており、さらに、平成十四年に政府が賃借を開始した後は、賃貸借契約について所有者と連絡をとる際等、さまざまな機会において所有者の意向を確認しております。
○下村委員 直近ではいつ確認しましたか。
○枝野国務大臣 これは相手方のあることでございますので、具体的な日時については回答を控えさせていただきたいと思いますが、少なくとも、賃貸借契約についての連絡をとる必要がしばしばございますので、その都度、所有者の意思は確認をされているということでございます。
○下村委員 枝野官房長官、冒頭に申し上げましたけれども、尖閣問題については、別に政府の批判をしようと思っているわけじゃないんですよ。これからの状況を考えれば、しっかりと領土問題は、これは与野党問わず、国会議員なわけですから、しっかり対応するということが必要なわけです。ですから、答弁も、その場任せの答弁をされたら困るんですよ。根拠もないのに、そんなどうでもとれるような答弁というのは困るわけです。私は確認していますからね、所有者と。今のような答弁というのは本当にいいかげんな答弁だなというふうに思いますね。 それからもう一つ、これも大変重要なことだと思うんですが、戦争中に、集団疎開船二隻が尖閣諸島周辺海域で米軍の攻撃を受け、漂着した魚釣島で餓死するなど、八十名が犠牲になっております。 昭和四十四年に石垣市が慰霊碑を建立し、慰霊祭が行われました。ところが、現在、遺族は尖閣諸島で亡くなった方々の慰霊祭を行いたいと希望しているんですが、上陸が認められていないんですね。それで、石垣市内で行う事態というふうになっております。 他国の実効支配を許している北方領土でさえ、遺族の墓参を行っているんですね。日本が実効支配している尖閣諸島でありますから、当然、遺族の慰霊行事のための上陸は許されるべきではないか。特に、こういうふうな状況ですから、これはぜひ、ことしは認めていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○枝野国務大臣 まず、済みません、繰り返しおっしゃられているので、あえて申し上げますが、北方四島はロシアに実効支配をされてはおりません。先生も内閣官房のお仕事をされた御経験がありますので、そこは重要なところだと思いますので、ぜひ、そこは共有させていただければというふうに思います。 その上で、そうした遺族の方々の御要望は重たいものだというふうに思っておりますが、要望が出された場合には、尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持管理を図るという賃借目的を踏まえながら、総合的にその時点で判断をさせていただきたいというふうに思います。
○下村委員 尖閣以外の北方領土と竹島、そうすると、枝野長官として、北方領土についてはどういう状況なのか、それから竹島はどういう状況なのか、お答えいただけますか。 それから、先ほどの墓参の問題については、これはもちろん我々が政権のときの問題でもありましたから、先ほどから言いましたように、批判しているわけではありません。しかし、そういう状況で、遺族の方々も相当御高齢で、もうほとんど尖閣に上陸できるような、年齢も限界があるということですから、これはもうそろそろ認めていただきたいというふうに思いますが、もうちょっと具体的に答弁をしていただきたいと思います。
○枝野国務大臣 北方四島あるいは竹島については、我が国の立場は明確でございまして、歴史的にも法的に見ても、他の国がそこを事実上の支配をすることについて根拠のあるものではないということで、これは議員もよく御承知のとおりであるというふうに思っております。一般的に、そういった状況の事実上の支配は実効支配とは言っておりませんので、それは議員も御承知のとおりだというふうに思います。(下村委員「いや、だから何と言っているんですか」と呼ぶ)ですから、今申し上げたとおり、歴史的にも法的にも、そこを事実上の支配をする立場にある外国の国はないという立場ははっきりとしているというふうに思っております。 その上で、先ほども申しましたとおり、そうした御遺族の皆様方のお気持ちというのは大変重たいものであるというふうに思いますが、我が国の国益の観点を考慮しながら、総合的にその都度判断をさせていただきたいというふうに思っております。
○下村委員 そうすると、不法占拠されているということでよろしいんですか、北方領土、竹島は。
○枝野国務大臣 国益のためにお互いにということで申し上げておりますので、私、最初の一、二度おっしゃられたときは、今実効支配というふうな言い方をおっしゃらないでくださいとは申し上げませんでしたが、少なくとも我が国の立場として、実効支配をされているということを認めることはできない、こういう立場であるのは明確でございます。
○下村委員 菅総理のように、ロシアに対して過剰反応させるような言葉を別にここで引き出そうと思っているわけじゃないんですよ。ただ、我が国の領土であれば領土として、日本政府の立場については明確に発信しなければ、つまり事実は事実として、これはロシアや韓国に間違ったメッセージを与えることになりますよ。そのことを言っているんですよ。
○前原国務大臣 官房長官の答弁されたとおりでありまして、法的根拠のない形で支配されているということでございます。
○下村委員 いや、だからそれを不法占拠じゃないですかと言っているんですよ。違うんですか。どうですか、官房長官。
○前原国務大臣 繰り返しになりますけれども、法的根拠のない形で支配されているということでございます。
○下村委員 いや、官房長官、不法占拠とは違うんですか、それは。
○枝野国務大臣 法的根拠のない状態で支配をされているということで間違いない状態でございます。
○下村委員 全く事なかれ主義ですね。これは政局云々じゃなくて、不法占拠という言葉を封印するということ自体が、事実上、今の竹島の問題についても韓国のあり方について認めているのと同じなんですよ。認めているのと同じなんです。これは、間違ったメッセージを今の政府は完全に与えることになりますね。 それから……(発言する者あり)ちょっと注意してください、委員長。これは程度を超えていますよ、このやじは。品性がないですよ。注意してください。
○中井委員長 どうぞ質問を続けてください。質問を続けて。
○下村委員 先ほどの尖閣の問題に戻りますけれども、これは、我が国としての、今までのような竹島それから北方領土と明確に画したメッセージを国内外に出すということが必要だと思います。そのために、自民党も、領土に関する特命委員会で、これは国会で決議して、尖閣に上陸し、国政調査権を行使して調査をすべきであると。これから今後、衆参の関係委員会でこのような決議をして、そして政府からも最大限の協力をぜひその場合にはしていただきたいというふうに思います。 その上で、これは尖閣の問題ですけれども、このような、中国が昨年、二〇一〇年、海島保護法、そして二〇一〇年、やはり昨年ですが、国防動員法を制定しました。この海島保護法の中で、尖閣は中国の領土だということを明確にしているわけですね。それから、二〇一〇年、昨年の国防動員法の中で、日本国内在住の六十五万人の中国人に対してもこの国防動員法は該当するということも言っている中で、我が国は、中国の対応に対してしっかりと尖閣領有の意思というのを明確にしながら、要らぬ国際紛争が今後とも生じる可能性というのはあるわけですから、その中で私有地の状態であり続けるということは、これは正しくないというふうに思います。 この状態についてどんなふうに考えていますか。
○前原国務大臣 今、下村委員が御指摘をされました海島保護法でございます。これは二〇〇九年に採択をされておりますけれども、尖閣諸島への直接の言及があったわけではございませんけれども、一定の懸念がございましたので、これについては中国側にその懸念を伝えております。 それから国防動員法でありますけれども、これは中国の法律でございまして、在外の中国人への本件法律の適用に関する明示的な規定はないとは承知をしておりますけれども、他国の法律を解釈するということは我々としては差し控えさせていただきたいというふうに思っております。 ただ、問題意識については、私は下村委員と共有していることはお伝えしたいと思います。
○下村委員 そういう中国の法律制定が行われている中で、この尖閣諸島を初めとする国境離島、我が国の領土として将来にわたって安定的に維持管理していくためには、国有化を通じて実効支配を強化していく必要があるのではないか、尖閣諸島においても国有化をすべきではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○枝野国務大臣 いずれにいたしましても、尖閣諸島が我が国固有の領土であることは歴史的にも国際法上においても疑いのないことであり、なおかつ、現に我が国がこれを有効に支配していることは間違いないことでございます。 そうした意味で、さまざまな懸念に対して、我が国として我が国の領土をしっかりと守るということについては、委員も同じ思いを持っていただいているというふうに思っております。それに向けてさまざまな具体的な努力をしているところでございますが、今御指摘をいただいた件については、しっかりと、尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持管理を目的として国が賃借をしているという状況でございまして、さらに継続的に安定的にしっかりとこうした状況を確保していく上で、御指摘いただいたような御提案については、その必要性や所有者の意向等も踏まえながら検討をさせていただいているところでございます。
○下村委員 これは、昨年十一月八日にこの予算委員会で、塩崎委員が、尖閣諸島を国有化すべきではないかということに対して、菅総理が、「せっかくの御提案でありますから、検討させてみたいと思います。」と、もう答弁しているんですよ。それが全く進んでいないという今の答弁としか思えませんが、まあいいです。これはやはり、しっかりと与野党を問わず対応していく必要があるというふうに思います。 それで、先ほど申し上げましたように、このことについては、今のような法体系では十二分に守ることが厳しいというふうに思います。既に国交省、海上保安庁の方でも検討しているということも聞いておりますが、領海侵犯を取り締まり直ちに拿捕を可能とする関係法令の整備、これは早急に今国会でぜひ提出をすべきだと思いますし、我々も協力いたします。 それから、同じように、自衛隊ですが、領海警備のための法制度、これも早く確立して、今国会で早目に提案をされるべきだと思います。御協力をします。 それぞれについて、一言ずつ、大臣から御答弁をお願いします。
○大畠国務大臣 お答えを申し上げます。 先生が御指摘のように、海上警察権のあり方について検討を現在進めております。これは、一月七日に前馬淵国土交通大臣が基本方針というものを示し、その後、海上保安庁長官を議長といたしまして検討を進めているところでございます。 先生の御指摘を踏まえまして、先生も党派を超えてこの問題には取り組むべきだと、私もそのように思いますので、真剣に検討させていただきたいと思います。
○北澤国務大臣 お答えを申し上げます。 たびたびこの問題はありますが、領海さらには領域、こういうことになっておりますので、自民党の方でも御検討いただいておるようですから、御提案をいただければ検討はいたしたい。 一方で、我が国は、成熟した民主主義社会として、治安維持については警察がこれを第一義的にやっておるという厳然たる事実がある中で、どう構築していくかということは、やはり国会での議論を待つ以外にないというふうに思っております。
○下村委員 終わります。
○中井委員長 これにて下村君の質疑は終了いたしました。 次に、佐田玄一郎君。
○佐田委員 二月四日に引き続きまして、また質問をさせていただくわけでありますけれども、質問に先立ちまして、ニュージーランドの地震に際しましては、本当に心から国民の皆様方にはお見舞いを申し上げる次第でございます。また、連絡がとれなく、そしてまた被災をされている邦人の方々も含めて、いっときも早く救出されることを心からお願いをし、お祈りを申し上げる次第でございます。 それでは、質問に入らせていただきます。 二月の四日には、まだ大臣も八ツ場の方に行っておりませんでしたけれども、二月の十三日に視察をされたと。後ほどその様子につきましてはお聞きしますけれども、そのときの新聞で、住民の皆さん方にはお会いできなかった、その中で、群馬県の大沢知事と地元の長野原の高山町長さんにはお会いはできた、そのコメントが載っておりまして、私も十三日に行かれたのは知っておりますけれども、これを答弁の中でお聞きしていきたいと思っております。 大沢知事さんは、地元は不安と苦悩の毎日を過ごしている、馬淵氏が昨年十一月の現地視察で一切の予断を持たずに検証すると言って一歩進めてくれたが、その後に当時の仙谷官房長官が、あれは馬淵さんの知恵と否定をした、これで地方が国、政府を信頼できるのか、こういうふうに知事が申し上げ、その後に、地元や地方を平然と愚弄している、一日も早くダム完成と生活再建をお願いしたい、こういうふうに知事は申し上げている。 もしも違っていたら言ってください、これは新聞の記事ですから。 そしてまた、高山町長さんは、馬淵氏の中止の方向性に言及しないという発言で地元住民は一瞬だけ将来への視野が開けたが、その後に岡田克也、この間も質問のときに私申し上げましたけれども、あれは地元と意見交換をするための発言、言いかえるならば方便ですよね。こういうふうに発言をし、かなり暗い気持ちになった、残念ながら国土交通大臣そのものに信頼を持っていない、そういうふうに申し上げているんですよ。 これについて、大臣は十三日にそういう幹部の方々にお会いしていると思いますけれども、大臣はそのときどういうふうに述べられましたか。
○大畠国務大臣 佐田議員の御質問にお答えを申し上げます。 御指摘のように、二月十三日に私は現地に参りまして、県知事さん、長野原町長さん、そして東吾妻町の町長さんともお会いをいたしました。また、議長さんも同席をされておられました。 そこでのやりとりのお話でありますが、現在議員から御指摘のとおりの御発言がございました。特に、馬淵大臣が発言したことに対しての民主党の幹部の方の発言に対して、大変失望した、こういう御指摘もそのとおりであります。 それに対して、私は、現在の政府の方針というのは、私の発言が政府の方針であります、党の方もこの方針については了としておりますので、まさに私の発言が現政権の方針でありますということを申し上げました。すなわち、馬淵前大臣が示されました、中止の方向性に言及せず、一切の予断を持たずに検証する、秋までに検証を終わらせる、そして生活再建事業には万全を期すという三方針が現在の方針ですということを明言させていただいた次第であります。
○佐田委員 大臣、今言われたことはこの間も答弁で聞きました。要するに、私の発言がすべてであって、党とはかけ離れて、私の方が正しいと言われていますけれども、それはおかしいですよ。民主党の皆さん方は政府と党は一体だと言い続けてきたんですから、それは幹事長が言ったことですから、これは重いですよ、党の代表なんですから。それについて否定しているということは、まさに意見が分かれている、そういうことですよ。 それともう一つ、行ったらわかったと思いますけれども、かなりもう工事も進んでいると思うんです。半年前でももう既に用地関係も八五%いっていますけれども、これはちょっとおくれているんですね。ただ、つけかえ道路だとか鉄道はもう九割以上できています。本体工事ができればもうほとんどできるという状況になっているんです。つまり、本体工事を含めると八割ぐらいですけれども、本体工事を抜けばもう九割ぐらいの工事がほとんど完成しているんですね。 これを見ればわかると思うんですけれども、大臣はこれを見て、本当に中止撤回するという気持ちになりませんでしたか。
○大畠国務大臣 お答えを申し上げます。 ただいまの御質問でありますが、前回、議員の方から、この八ツ場ダムも含めて今後の治水対策のあり方についての中間まとめというものを読みましたかと御質問をいただきました。正直なところ、私は、この内容については読んでおりませんでした。ただ、この中間まとめの概要というものをまとめたものは説明を受けたわけでありますが、その後、八ツ場ダムを視察するに当たって、じっくりとこの中間まとめというものを拝読させていただきました。 今、議員の方から、中止の方向というのはもう断念したらどうかというお話がありましたが、馬淵前大臣もいろいろと論議をしながら、今後の治水対策のあり方に関する有識者会議でまとめた方針、この中で、現在、一切の予断を持たずに検証をしていただいているわけでありまして、この検証の中身については非常によく整理をされたものと受けとめておりますので、私は、この検証の結果というものを大切にしたいと考えているところであります。
○佐田委員 大臣、検証の結果って、この間、私もその質問をさせていただきましたけれども、検証に際しては概略じゃ困るんですよ。要するに、中間報告をすべて読んでいただいて、中身はいろいろなことが書いてありますから、それは学者の皆さん方が客観的に書かれているわけでありますけれども、そういう一つの中間報告においてやるかやらないか決定すると言っているんですから、それはしっかりと大臣が、この間も申し上げたとおり、できるだけ早く検証の結果を出したいと自分でおっしゃるのならば、ちゃんと自分でこういうところはこういうふうに判断してくれとか言っていただかなければ、読みませんでした、概略を読みましたから、あとは判断しますなんて、それはかなりおかしいですよ。 それともう一つ。二十二日に国土交通委員会で所信の中で言いましたよね。私が言っていることが間違っていたら言ってください。中間報告にのっとって今後の判断をしていく、検証を進めていくという文がありました。もう時間がないから読みませんけれども。 大臣、私は中間報告というのは非常におかしいと思うんですよ。だって、そうでしょう。二〇〇九年の九月に前原さんが大臣に就任をされて、十二月から有識者会議が行われているんですよ。そして、一年後の二〇一〇年の九月までには結論を出すと言っていた、結論を。ところが、中間報告の中にはほとんどタイムスケジュールも何にもなかったんです、はっきり言って。それに怒った一都五県の知事の皆さん方が、負担金は払わない、そういう状況になったわけですよ。 まだ中間報告で判断すると言っていますけれども、では、本当の報告というのはいつ出るんですか。
○大畠国務大臣 私が今申し上げました中間報告というのは、有識者会議の方がまとめた中間報告の考え方というものを私も尊重して、この中間報告の考え方に沿って現在検証が進められているわけでありまして、この検証結果を、私は、秋までには結論を得たい、議員からも御指摘いただきますので、できるだけ早期に結論が出るように努力をしていきたいと思います。
○佐田委員 大臣、その辺がちょっとかみ合っていないんですよ。 まず、大臣に現地を見ていただいて、地元の方々もちょっとがっかりしているんですね。足早に見ていって、それだったら来ない方がいいとか、いろいろな意見を聞いています。ただ、その中で、もっと謙虚に、そして一日でも早く中止撤回していただきたい、その気持ちがすべてなんです、あの地域では。大臣、それをよく理解していただきたいと思いますよ。 それと、大臣、今言った中間報告を見ながらやっていくというのは、今の私の答弁になっていないんですよ。中間報告でいいんですね。では、中間報告を基本として検証を進めるということで本当にいいんですね。
○大畠国務大臣 お答えを申し上げます。 検証のやり方、検証の進め方については、中間報告に示された形で私はまとめていきたいと思うんです。その最終的な判断については政務三役が行うわけでありますけれども、いずれにしても、有識者会議で示された検証のやり方について、それを踏襲して、現在さまざまな形で検討を進めていただいていますので、その検討結果を受けて私どもが最終的に判断する、こういうことになっております。
○佐田委員 大臣、それならば、検証をして秋までと言われましたけれども、検証をした中で、この中間報告と大きく違うということはないですね。
○大畠国務大臣 この中間報告の中には検証のやり方について記載されておりますので、私も委員から御指摘をいただいてかなり丹念に中身を精査させていただきましたが、私も妥当だと思いますので、この中間報告で示された検証のやり方について、進め方については、それを踏襲してまいりたいと思います。
○佐田委員 大臣は、それはこの間も答弁でされました。私が一番気になったのが、中間報告ということは困るんですよ。後になって、結論ありきで、結論に合わせて、中間報告じゃなくて本当の報告ができましたというんじゃ、これは本当に裏切られたという話になりますよ。いつまでも大臣の所信というのは大きいわけですよ、国土交通委員会でやられて。それで、中間報告にのっとってやる、これは大きな発言ですよ。中間じゃなくて、では結論に合わせてまたこの報告を変えたということのないように、ぜひそれはお願いしますよ。
○大畠国務大臣 この報告書は、中間報告、中間取りまとめとなっておりますけれども、その骨格については、私は最終的なものだと受けとめておりまして、そういう意味で、この中間取りまとめの検証のやり方というものを踏襲して、それに基づいて私自身も考えていきたいと思います。
○佐田委員 大臣のそういう話を今お聞きしました。 そして、中間取りまとめがあります、ここに。この間、この内容はどうですかと大臣にお聞きしました。大臣は読んでないと言っていましたけれども、この中の要するに判断の基準は、コストと環境というふうに言われましたよね、答弁のときに。(大畠国務大臣「はい」と呼ぶ)環境というのは、基本的には、河川整備計画の前にもう環境のアセスメントをやっていますから、これはもう九割までできていますから、環境はともかくとして、あとはコストなんですよ。この六十一ページにこういう段があるんです。 今回の検証が厳しい財政事情を背景としていることに鑑み、「コスト」を最も重視することが考えられる。「コスト」は他に比べて、定量的な評価になじみやすい評価軸である。また、「コスト」と並んで重要な評価軸として「安全度」が考えられるが、治水対策案は河川整備計画において想定している目標と同程度の目標を達成することを基本として立案することから、一定の「安全度」を確保することを基本として「コスト」を最も重視することとする。 と書いてあるんですよ。六十一ページ。これが総評だから、これはかなり大きな、重要な部分なんですよ。 ということは、安全度が大事だけれども、こういう状況の中でコストをとにかく大事にしていかなくちゃいけない、こういうことなんですね。コストですよ。そういうことをかんがみて考えると、ではコスト、中止した方がコストが高いか、進めた方がコストが高いのか、これを判断するということが一番大事なことなんでしょう。 ここに、これも新聞なんですけれども、中止した場合と進めた場合の比較があるんですよ。進める場合は、残りの事業が一千三百九十億円。これは二十一年の十月。これは非常に、区間を決めてやらないとできないものですから。進める場合は、残りが一千三百九十億円。そして水特法、要するに、一都五県の方々がお金を出してやるいろいろな生活再建を含めた事業でありますけれども、水特法が六百二十億。足すと二千十億なんですよ、進める場合。 中止の場合、これも含めて残事業が千六百六十億円に、水特法の六百二十億円、これで二千二百八十億円。もうこれで、こっちの方が多いんです。 それと加えて、治水の部分です。治水は、基本計画の中に、要するに返還する義務は一応ないんです。利水の部分はあります。しかし、ここに、これは二十一年の九月二十日なんですけれども、前原大臣がこういう発言をされているんですよ。 前原国交相は利水分の返還について、特定多目的ダム法において、廃止した場合は、出資をしてもらったものについて返還するのが当たり前でありますので、当然お返しすることになると述べ、利水分は栃木を除く五都県が負担をし、一方、治水分の負担は河川法に基づき、栃木を含めた六都県がこれまで五百二十五億円を負担、しかし、事業を中止した場合の負担金の返還規定はない、前原国交相は治水分の返還について、そういったものも含めて考えていきたいと発言しているんですよ。 そうすると、どうなるかというと、これに、これはちょっと前ですから五百二十五億なり五百二十億になっていますけれども、全部含めると二千八百億なんです、中止した場合。つまり、中止した方がコストが八百億も多いんですよ。これについてどう思いますか。
○大畠国務大臣 いろいろと御指摘をいただきましてありがとうございました。 まず、前段の部分でございますが、コストをどう意識して結論をつけるのか、こういう御指摘でございました。 この中間まとめの本文の中にも、六十一ページに書いておりますし、また、この「はじめに」というところの中にもそれが指摘されております。「今後、この「中間とりまとめ」に示した共通的な考え方に従って、個別のダム事業が点検されるとともに、幅広い治水対策案を立案し評価されるプロセスを経て、予断を持たずに検証が進められ、必要な安全度を確保しつつも、よりコストが低い治水対策案が見出されることを強く求める」、こういうことでございまして、安全度、コスト、実現性、持続性、柔軟性、地域社会への影響、環境への影響、こういうことをきちっと評価しなさい、こういうことでございます。 ただいま御指摘をいただきました、治水関連あるいは利水関連の予算といいますかコストでございますが、現段階でまだ最終的な形にはなっておりませんが、ほぼ、議員から御指摘いただいたようなものが一つの目安になると思いますが、さらに、この検証の中で得た結論に従って私はこのコストの問題についても検討してまいりたいと思います。
○佐田委員 これはもうコストということでかなり入っているということで、大臣、わかりましたでしょう。だから、コストを中心として考える。もちろん安全度がありますよ。先ほど私が読んだ文章ですと、もう安全度よりもコストぐらいな、こういう文章になっているわけですよ。 そういう中で、私は、現地の、要するに中止した場合、そしてまた進めた場合のコストの違いを言っている。これでも八百億ぐらい違うわけですよ。それで、確かに、これから例えばしゅんせつをしたりそういうことを考えた場合に、人件費も含める、それは要するにランニングコストとして必要かもしれませんけれども、今後、例えば、これに対して、この間も申し上げましたけれども、要するに、群馬県の二七%を占める水域のところで災害が起きないようにするためには、やはりかなりの防災をしなくちゃいけない、治水をしなくちゃいけない。こういう中において本当に治水ができるのかどうか。ダム以外の治水ができるのはどういうお考えを持っているか、お聞きしたいですね。
○大畠国務大臣 ダムにかわる対策というのはどういうものがあるのかというので、現在、さまざまな形で論議しておりますが、多項目にわたっております。 その一つ一つを今検証の対象にしているわけでありますが、例えば、河口堰、あるいは洪水のときにどこに貯水といいますか、ためる場所を見出せるか、あるいはかさ上げ、それからため池ですとか、山に木を植える、その木の影響ですとか、渇水調整あるいは節水調整、雨水、中水利用、さまざまな課題がありますが、これらを含めて現在検討を進めているところであります。
○佐田委員 きょう、厚労大臣に来ていただきましたけれども、厚労大臣は埼玉の出身でしょう。この八ツ場ダムをやめた場合の埼玉の被害というのは、一番大きいんですよ、群馬県の次に。これは、暫定水利権がなくなったら三割の水道水がなくなるんですよ。埼玉は既に、地下水を掘って、かなりの地盤沈下が起きているんですよ。その補償も大変なんです。この八ツ場ダムがなくなったら三割の水道水がなくなる。群馬県も、富岡は五〇%の水がなくなる、取水できないんですよ。もしも埼玉でそうなった場合には、今の地下水の一・八倍また掘らなくちゃいけないんです。 それほど切実な問題なんです。それをお聞きしようと思いましたけれども、もう時間がありませんから、大臣、またゆっくり次に聞かせていただきますよ。 そして、結論がまだ出ていないんですけれども、国交大臣、要するにコストが問題であるのに、今言った、例えばかさ上げであるとかしゅんせつであるとか放水路であるとか、そんな、では、いつまでにやれるんですか。基本計画では、二〇一五年までにすべてを完成しなくちゃいけないわけですよ、八ツ場ダムは、二〇一五年までに。では、それまでに、八ツ場ダムにかえられるような治水、利水ができる、そういうふうな要するに対策ができるんですね。
○大畠国務大臣 現在、この検討の場の事務局によりまして、御指摘をいただいたことを含めて、ダムにかわるものをどこまでできるかということを詳細に検討しておりまして、当然、さまざまな形で、今御指摘を賜りましたが、鋭意検討をし、努力をしているところであります。
○佐田委員 今、大臣は、ダムにかわるものができるかどうかを検討していると言われましたけれども、それでは、今もう心の中で、ダム以外のものを考えたいという考えなんですけれども、大臣が考えているダム以外のものというのは具体的に何なのか、ここでちょっと説明してくださいよ。
○大畠国務大臣 これは、現在の検討の場の中で議論をしているところでございますけれども、その検討の中身、検討というか、ダムにかわるものとしては、遊水地、放水路、堤防のかさ上げ、それから決壊しにくい堤防をつくるとか、あるいは高規格堤防ですとか、用水池、それから雨が降ったときにできるだけ川の方に流れ込まないような対策ですとか、全部で二十六の項目について検討をしているところであります。
○佐田委員 では、大臣は、その二十六の検討の中でできない場合は進めるということですね、そういうことですね。
○大畠国務大臣 この検討の場の中で、先ほども申し上げましたけれども、実現性ですとか、あるいはコストですとか、あるいは環境ですとか、あるいは地域に対する影響ですとか、そういう七つの観点でこれらの検討内容を一切の予断を持たずに検証して、その結果というものを大事にしたいと思います。
○佐田委員 もう時間がなくなってまいりましたけれども、大臣、要するに、検証の基準であるこの中間報告がコストということになっていることを忘れないでくださいね。 そして、現場の方も、これは八百億ぐらいコストがかかる、中止した方が八百億ぐらいかかる。もしも中止して、今言われたような例えばかさ上げであるとか、スーパー堤防なんてこの間否定したじゃないですか。だって、事業仕分けの中で、スーパー堤防は無駄だって言ったでしょう。それも検討の課題に入っているんでしょう。それをやっていったら、明らかにコストは高いんですよ。 江戸川区だって、引き堤をしたり、そして鉄橋のかけかえであるとか、そして家屋の移転であるとか含めれば、兆というふうなレベルのお金がかかると言っているんです。埼玉県も、スーパー堤防にしていった場合には五千億ぐらいかかると言っているんですよ。 どっちがコストが高いなんて明白じゃないですか。それを何で中止撤回しないんですか。何で中止撤回できないんですか。
○大畠国務大臣 重ねての御質問でございますが、私も現地に入りまして、この八ツ場ダムの課題については、五十八年間の長きにわたっての歴史がございました。そういう状況を、知事さんからも町長さんからも、また議長さんからもお伺いしました。また、地元の県会議員さんからもお伺いしたところであります。 そういう非常に歴史がある重要な問題でありますから、この場で云々ということではなく、まさに、中間まとめというものを中心に、これまでかかわった方々がそれならばそうですねと御理解をいただけるような結論を得るために、今検討をしているところでございます。 私は、現地に入りまして、地元の皆様方の理解と協力がなければどんな政策も進まない、そのために、一切の予断を持たずに検討を進め、その結果を大事にしたいということを地元の皆様方にも申し上げましたけれども、私も国土交通大臣として、その基本方針を貫いてまいりたいと考えているところであります。
○佐田委員 もう時間になりましたけれども、大臣、私はそんなこと全然聞いていないでしょう。私の言った質問に答えてくださいよ。 要するに、理詰めで、この中間報告を基準にすると今言ったでしょう。その中間報告がコストということになっているんだから、あと安全度だって。特にコストなんですよ。そのコストを説明したじゃないですか、今。要するに、中止撤回しなければコストがかかるということを今説明したでしょう。それに対して、全然答弁になっていないですよ、大臣。これは全然おかしいですよ。 要するに、これは中止撤回してくださいよ。私の理屈で、私の言っていることが間違っているなら言ってください、間違っているところを。
○中井委員長 大畠章宏君。時間が超過していますので、簡単に。
○大畠国務大臣 議員の御指摘というものを重く受けとめながら、この方針、コスト、環境、実現性、さまざまな七つの観点がありますから、それらを含めて適切な結論を出したいと思います。
○佐田委員 全然答弁になっていないじゃないですか、だって。
○中井委員長 佐田さん、終わってください。
○佐田委員 終わりますよ。だって、同じ党なんだから、いいじゃないですか、会派で。 もうこれで終わりにしますけれども、大臣、自分の言っていることをよく考えて発言してください、答弁は。私の質問に対してしっかり答えて。全然答えてないじゃない。私は、だから、細かく数字で言っているんですよ。大臣だって技術者でしょう。技術者なら技術者らしく、私の言っていることが間違っているなら間違っていると言ってくださいよ。
○中井委員長 まだ答弁求めますか。
○佐田委員 もういい、もういい、もういいです。大臣、いいよ、もう。 では、答えてください。
○大畠国務大臣 御指摘を踏まえて、いずれにしても、ダムを推進する場合のコスト、あるいはダムにかわるものをつくる場合のコスト、これも非常に大事でありますから、そういうものを七つの検証の中でも、特にまとめで冒頭にも載っておりますから、そういうことを大事にして一つの結論を出していきたいと思います。
○佐田委員 委員長、全然答弁になっていないですよ。
○中井委員長 大分近寄ったよ。
○佐田委員 答弁になっていないよ、全然。私の言っていることが間違っているなら間違っていると言ってくれればいいんですよ、そこで議論するんだから。そんな、おかしいよ、全然、数字で言っているのに。そちらも技術者でしょう。私だって技術者だったんだから、数字で議論しましょうよ、コストと言っているんだから。私は、いいかげんな発言をしているわけじゃないですよ。おかしいよ、全然。 もう私の時間が迫りましたけれども、こんなの全然議論になっていませんよ。中止撤回するのは当たり前じゃないですか、この数字からいえば。こんなのは中止撤回だよ。全然、言っていることがおかしいよ。黒を白にしようとしているんですよ。おかしい、絶対。こんな、黒を白にするような民主党はどうかしていますよ。みんな方便じゃないですか。 以上です。
○中井委員長 鴨下一郎君。
○鴨下委員 前回に引き続きまして、社会保障全般についての話をさせていただきます。 まず最初に、枝野官房長官、中座されるということなので、政府の見解として、年金はぼろぼろかという話について聞きたいと思うんですけれども、昨年のこの予算委員会の中で、鳩山前総理は再三にわたって、年金制度はぼろぼろだという話、数えてみると十数回言っているんですけれども、今の現段階において、民主党政権、菅内閣として、年金制度はぼろぼろかということについての御見解をお示しください。
○枝野国務大臣 比喩的にどういう表現を使うかは別といたしまして、現在の年金制度が、一つには急激な少子高齢化、もう一つには、当初、国民年金制度がスタートをした時点で想定をされていた社会構造、特に国民年金に加入をされると想定される方の構造が大きく変化をしているということの中で、現状の社会状況に合致しない部分が出てきている。そしてもう一つは、将来の持続可能性について相当心配な状況になっている。このことは、間違いない認識として内閣として持っております。
○鴨下委員 だから、それをぼろぼろかどうかというのを聞いているんです。ぼろぼろかどうか。
○枝野国務大臣 まさに比喩の表現の仕方でございますので、そのぼろぼろという比喩をどういう意味づけでどういう理解をするかということは、いろいろあろうかというふうに思います。したがって、そういう比喩を使われる方がいらっしゃる、前総理が使われたことについては理解をいたしますが、政府の公式の見解としては、先ほど申し上げたような状況であるというのが政府としての公的な公式見解と御理解ください。
○鴨下委員 総理が、少なくとも前総理が言ったことが公式見解でないという話はないと思うんだけれども、そうすると、それを踏襲するということで官房長官はよろしいんですね。その鳩山総理が言っていたぼろぼろだということの考え方については、踏襲するんですね。
○枝野国務大臣 これは、鳩山内閣の当時から、先ほど私が申し上げたような国民年金の問題そして少子高齢化の問題については、一貫して共有をしているというふうに思っております。 それについてわかりやすく予算委員会その他の場で説明するに当たっての比喩の言葉の使い方については、それぞれの工夫があるかというふうに思っております。
○鴨下委員 厚労大臣、今の同じ質問ですけれども、年金制度はぼろぼろですか。
○細川国務大臣 官房長官がお答えしたように、比喩的に話されたと。したがって、先ほど官房長官が答えたのが政府の見解だというふうに思います。
○鴨下委員 私が言っているのは、国民が年金制度というのがぼろぼろなんだと受けとめたところが非常に罪が重いと思っているんですよ。 ですから、厚労大臣は、多分、これは持続可能だというふうに思っているだろうと思う。そして、それをどういうふうに修正すればこれが全体的にまともになるかという話は、よく理解していると思っているんですよ。 ですから、民主党が抜本改革をやるという大前提が、年金制度がぼろぼろだから年金制度をやるんだ、こういうような話については我々は乗れない話なんだ。まあ、微調整についてはいいですよ。それで十全なものにしていくための修正はいいよ。 だけれども、年金制度がぼろぼろだからというふうに国民にメッセージを出しておいて、そしてそれを抜本的に改革しなきゃいけないという、その話から一元化だとかそれから最低保障年金というのが出てきたんでしょう。だから、そのぼろぼろという考えそのものを撤回するのか。あなた方は、ぼろぼろだと言っているんだったら、それではどういうふうにそれを変えようとしているのか、この話をしているんですよ。だから、ぼろぼろということをもし言うんだったら、それは、撤回するか、ぼろぼろなんだからこうしますという話のどっちかしかないんですよ。 それを、枝野長官、ぼろぼろなんだったらどうするかという話はこれからするけれども、現時点の年金制度の認識として、鳩山さんはぼろぼろだと言った。そして、国民は、ああ、ぼろぼろなんだったら、おれたちは年金をもらえないかもわからない、あるいは、年金を払わない方がいいかもわからない、民間保険に入った方がいいかもわからない、こういうようなミスリードをしたわけだから、だから私たちは、ぼろぼろということについて撤回をするのか、それともぼろぼろだから十全なものに抜本改革するのか、このことについて、政府の現時点のいわば正式な見解を聞きたいんですよ。
○枝野国務大臣 先ほどもお答えを申し上げましたが、現在の年金制度が、一つには、少子高齢化が急激に進んでいくということの中で、当初創設された時点で想定をされていた保険料の支払い者に対する保険料の受取者の比率は決定的に大きく違ってきています。これは当初想定されていたものと大きく抜本的に違っています。もう一つは、国民年金を受給されている方は、一定の資産のある自営業者を想定されていましたが、現実には、今むしろ所得の低い、資産のない方が多数になってきている。これも当初想定されていた現行制度の想定とは前提が大きく違っています。 したがいまして、現行制度が前提としていた社会状況が抜本的に変わっているということを前提にして抜本的な改革をしなければ、年金に対する信頼を回復することができない、このことは明確にこの政権としての統一的な考え方でございます。 その社会状況の抜本的な変化を前提に、どうしたら将来にわたって安心できる年金制度にできるかということについては、したがって、それは私どもは制度そのものを抜本的に新たにするべきであるというふうに考えておりますが、いや、現行制度の修正によってその変化に対応できるというお考えが御党のお考えかというふうに思いますが、そこについては、まさにやり方については十分に御協議をさせていただきたいというふうに思っています。
○鴨下委員 その中身の話については、もしそういうふうなことでおっしゃるんだったら、私はぼろぼろだと思っていないんですよ。そして、持続可能性については、多少の修正をすればそれなりのものになるというふうに思っています。それは例えば、最低保障機能をきちんとつけるとか、それから、未納、未加入の人たちに対しての追納だとか何かについて少し制度的に動かすとか、こういうようなことをすれば、今の制度を十全なものにしていくことは十分可能。 そのときに、枝野長官が今おっしゃったけれども、社会構造が変化した、それからパート労働者がふえた、結果的に、一号被保険者についてはこれは今までの一般の個人事業主じゃなくなった、そのとおりですよ。 ですから、そのことについて、あなた方は、一億人がかかわっているこの制度の中で、今不都合が起こっている人たちはどのくらいのパーセンテージだと思いますか。未納、未加入、低年金、無年金、こういう人たちの数は一億人の中のパーセンテージとしてどのくらいの人たちだと思いますか。その人たちが半分以上いるんだったら、私はぼろぼろだと言っても、それはそれでいいと思う。だけれども、一億人がかかわっているんですよ。約七千万人弱が保険料を現役世代として納めて、四千万人の人が給付を受けている、こういう制度ですよ。その中で、未納、未加入、それから無年金、低年金、こういう人たちのパーセンテージがどのくらいあるかというのを御存じですか。
○枝野国務大臣 数字は、御通告がございませんので、正確な数字をこういうところでは申し上げなきゃいけませんので、お答えいたしませんが、確かに、その比率は決して大きなものではございません。 しかしながら、年金制度もそうでありますし、一方で、一生の間に仕事あるいは収入の得方というものが大きく変化する方がふえている社会状況になっていることも事実でございます。今の時点で、その都度その都度の局面を切ったときに、何%であるから少数であるという判断にはならないというふうに私は思います。どんな働き方をしても安心できるような年金制度にしておくということが必要なことである。 それからもう一つは、少子高齢化による問題というのは、これは全加入者にとって重要な問題でありますので、私は決して一部の皆さんのことに対応すればいいという状況ではないというふうに思っております。
○中井委員長 枝野君、未納、未加入、ちょっとこれを読み上げて。
○枝野国務大臣 委員長の御指名でございますので申し上げますが、未納者は二百三十一万人、未加入者は九万人、なお納付率は二十一年度の、現年度納付率が六〇・〇%、無年金者は百十八万人というのが十九年の推計でございます。
○鴨下委員 もう官房長官はいいです。 母集団の一億人から見れば約五%なんですよ、そういう人たちの不都合は。だから、そのことについては、五%の人たちだけにある意味でダブルスタンダードで救済策をきちんとしてあげればいいわけで、一億人の人たちを巻き込んで、五%の人たちの救済のために制度全体を変えるということは私はナンセンスだと言っているわけです。ですから、そのことについては後ほど議論させていただきますけれども。 与謝野大臣にお聞きする前に、やはり私は前回の続きを少しさせていただきますけれども、与謝野大臣とのやりとりの中で、自民党を除名された、これはいわば不名誉除隊だという話をおっしゃったけれども、不名誉除隊という処分というのは重いものでありますから、単純に言えば、軍隊でいえば、兵隊さんをやれなくなる。そして、旧日本陸軍のことは調べたけれどもよくわかりませんでしたけれども、今のアメリカ軍なんかですと、さまざまな市民生活に対する権利、こういうものを制限される、こういうようなことなんですよ。 ですから、残念ながら、私はそこで与謝野大臣がバッジをつけてやっているということは不名誉除隊というたぐいのものではなさそうだというふうに思うんですが、そういう意味でも、これから我々は社会保障と税の一体改革、こういうことを与野党超えてやっていく上で、与謝野大臣がしっかりと、いわば中核におなりになるんだったら、ぜひ我々がきちんと話をしやすいようなお立場になっていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○与謝野国務大臣 私に対する処分は済んでおります。私は、国会議員の立場で、国民が必要とする社会保障と税の一体改革、この仕事をきちんとやり切りたいと思っております。
○鴨下委員 いや、ですから、不名誉除隊ということは兵隊をやめるということなんですよ。それで、一般の国民に戻るということなんですよ。 ですから、そういう意味で、与謝野大臣がもし、自由民主党を除名された、こういうようなことが不名誉除隊というふうにお受け取りになるんだったら、これは一たん民間人に戻られて、そして大臣としてお務めになればいい、このことだけなんですから、ぜひ、そういう意味で、我々といわば協議をする、そして社会保障のことについて建設的に前向きに仕事をなさる、こういうようなことにおいては、我々は今のお立場では議論ができない、このことを申し上げたいと思います。 加えまして、与謝野大臣は、悪いけれども、私はもうのけぞったんだけれども、自分のモチベーションの維持のためにバッジをつけると、これは一体どういうことなんでしょうか。このことについても弁明をしていただきたいと思います。
○与謝野国務大臣 私は、十三万人の方に投票されて議員になっているわけですから、有権者に対する責任は放棄できないと思っております。 私がやろうとしておりますことは、菅政権が与野党協議に臨むために提示すべき案の作成でございまして、それから先は与党と野党のしかるべき方々が交渉をされるんだろうと。私がみずから出ていって、皆様方に交渉の相手として振る舞うつもりは全くありません。
○鴨下委員 それは何だかわけのわからないことをおっしゃっていて、全体的な立案をされるということがもし与謝野大臣であるのだったら、そうしたら、では、それを我々にのめというようなこと、あるいは協議しろということについては、それは仮に代理人が来ようが何をしようが、与謝野大臣が立案の中心人物であるということそのものを私は申し上げているわけで、ぜひ公明正大に我々が議論できるようなお立場におなりください、このことを重ねて申し上げます。 それでは、少し本題に入らせていただきます。今までも本題だけれども。 きょうは片山大臣にもおいでいただいているので、今、少しマスコミ等で話題になっているのが、年金の変更届忘れの第三号被保険者、これの救済措置について、今もう既に厚労省の中で動いているようでありますけれども、このスキームはどなたがお決めになって、そして今どの程度進捗しているんでしょうか。
○細川国務大臣 今お尋ねの三号被保険者問題、これについては、昨年の三月に、この問題がほっておけない大きな問題だということで、年金回復委員会の中で検討をいたしまして、この三号被保険者の問題について正しくその記録を回復することをしっかりしなければいけない、こういうことで回復委員会で了解をいただきまして、そのときに方針としては決めて、そして、その後、昨年の十二月に通知を出しまして、ことしの一月一日からその通知に基づいてやっていると……(鴨下委員「進捗、何人ぐらい救済しているんですか」と呼ぶ)今のところ、人数は、一月三十日付で二千三百三十一人でございます。
○鴨下委員 これは報道ベースでありますけれども、もし該当者全員が手を挙げると約百万人ぐらいになるという話がありますけれども、これについては事実ですか。事実かどうかだけ言ってくれればいいです。
○細川国務大臣 対象者につきましては、正確な数字がまだ出ておりませんけれども、数十万から百万を超えるような人数だというふうに推計をしております。
○鴨下委員 百万人ぐらいの方がいろいろな意味でお困りになっているということは事実であります。 ただ、これについては二つの考えがありまして、救済を優先するべきかということが一つ。それは厚労大臣の方のお考えはそうなんだろうと思うけれども、それと反して、総務省の方の考えとしては、これは総務省の年金業務監視委員会、これの中では、これはおびただしいモラルハザードになるんじゃないかと、年金を納めていない人を救済するわけだから。そうすると、一生懸命、国民年金に切りかえて、月々一万五千円を超える年金保険料を払い続けた、こういう人との間にモラルハザードが起こるんじゃないかという話があって、総務省の方では、これは必ずしも感心しないという話のようでありますが、片山大臣、このことについてお答えください。
○片山国務大臣 御指摘の点につきましては、経緯は厚労大臣の方からお話があったとおりでありますが、総務省に年金業務監視委員会というのがありまして、今、日本年金機構などの業務について必要な調査審議をする、そういう使命を帯びた機関でありますけれども、そこにこの問題について、委員の方に対して、今議員がおっしゃったような不公平感があるのではないかというような指摘がありまして、委員会において調査をするということになりました。 先般、関係者から意見も聞きまして、現在、この年金業務監視委員会で議論を進めておりまして、総務大臣としては、今その監視委員会の方の調査審議と結論を待つという状況であります。 何が問題になっているかといいますと、先ほどおっしゃったように、不公平感とか、あとは法的正当性とか、今そういうものについての調査をしているということであります。
○鴨下委員 これは両方に理があるんですよ。 総務省の方の考えは、きちんと、今までも、例えば年金の記録が不明瞭なときにこの委員会に諮って、そして年金が復活してきた、こういうふうなことで、極めて厳重にやって、国民の皆さんにも納得いただけるルールづくりができてきたわけであります。他方、そういったって、専業主婦の方で、今まで知らなかった、自分の亭主が脱サラして国民年金に切りかわっていて、自分は三号被保険者のままでいいと思っていたけれども、まさか一号になっているとは思わなかった、こういう人たちが多いというのもわからないでもない。 しかし、そのことを、政府の中で、総務省とそれから厚労省が考えが違っていて、既にそれがもう一月から動いて、二千人の人たちが救済されている。これは政府の中のルールとしておかしいんじゃないんですか。 今ちょうどそこに二人いるから、二人で統一見解を出してください、今ちょっと相談して。私の時間内でいいから。 委員長、わかるでしょう、理屈。委員長、わかるでしょう、理屈。
○中井委員長 はい、わかるわかる。 ちょっととめてくれ。時間は配慮するから。 それでは、ちょっと細川君から先に。細川君から二人。統一見解じゃなかったらやらせますから。
○細川国務大臣 総務省の方では、監視委員会の方で、今この問題について検討をしていただいておりまして、厚労省の方からも出向いていって、そこで厚労省の見解をいろいろとお話もさせていただいております。 したがって、その監視委員会の方での御議論と、それから総務省の方でどのようにお考えになるか、そのことと私どもと、それは話し合いをいたしまして決めていきたいというふうに思っております。
○鴨下委員 この二つのところで、もう既に厚労省はこの一月から二千人救済しているんですよ。まだ裁判の結果が出ていないのに無罪放免しているような話だから。 だから、それについては、少なくとも、厚労省の今やっていることは、総務省の結論が出るまでやめるか、あるいは、救済優位でやるんだったら、菅内閣としては百万人の救済をするんだというようなことで、厚労省の結論を総務省が追認するということをもう既に決めていなかったら、もう進んでいるんですよ。駆け込みでこれから、きょうの議論を見て、ああ、これは大変だ、もしかしたら総務省がブレーキをかけるかもわからぬと言って、きょう物すごくたくさんの方が申請に走るかもわからない。 こういうような意味で、委員長、これは一刻も猶予のならない話なの。だからね……
○中井委員長 ちょっと待ってください。 それでは、片山総務大臣。
○片山国務大臣 非常に重要な問題でありますので、早急にその結論を出さなければいけません。 それで、二月の二十八日に次の年金業務監視委員会を開きます。その席に厚労省から副大臣もお見えになって、そこで意見を述べて、それを通じて政府の見解を調整したいと思っています。
○鴨下委員 では、もしそれでネガティブな結論が出たら、この一日、二日の駆け込みはどういうふうに考えるんですか。 だから、私は、今この段階で、こうやって問題が顕在化したんだから、この当事者が二人いるんですよ、最高責任者が二人いるんだから、ここで、わかりました、救済優位で、菅内閣は厚労省の方針にのっとって救済を優位にします、そして、ルールは、多少モラルハザードは乗り越えます、こういう結論を出せばいいんだよ、今ここで。そうじゃなかったら、この二、三日の間にどうなるんですか。この議論を聞いていた人たちがこれから社保庁の事務所にみんな行くよ。 だから、委員長、それは重要なことだから、結論を出してくださいよ。
○中井委員長 これは、ちょっと片山さん、年金監視委員会が厚労省のやっていることをとめたりオーケーを入れたり、許可は出す権限があるのかどうか、答弁してください。非常に大事な指摘だ。
○片山国務大臣 重要なことでありますから、ぜひ議論をさせていただきたいと思います。 年金業務監視委員会というきちっとした組織がありまして、それが年金機構が行っております業務について調査をして、必要なことがあれば総務大臣に意見を述べる、勧告をするということになっております。現在その段階にありまして、それを受けて、総務大臣として厚労大臣と正式に協議をするということになります。
○中井委員長 厚労大臣、その二千数百人、一月から始めたのは、監視委員会と相談してか、しなくてか……(発言する者あり)わかっているから。 答弁して。そこのところ答弁して。(発言する者あり)答弁して進めていく。これはみんな知らないことが多いんだから。大事な指摘なんだ。
○細川国務大臣 それについては、特に相談をして決めたわけではございません。
○中井委員長 相談せずにスタートしたんだ。
○鴨下委員 委員長、だから、委員長の裁量でいいから、この二人に今結論を出させてくださいよ。そうじゃないと、百万人の人たちが聞いているんですよ、百万人の人たちが。 それで、百万人の人たちだけじゃないんです。一号被保険者で営々として毎月毎月保険料を払っている人たちにとってみれば、ふざけるなという話なんですよ。だから、そういう意味で、これは結論を一刻も早く出さないといけない話。 それを、厚労省は、総務省のこの委員会を全く諮らずに、単純に言えば課長裁量で物を進め始めて、もう既に二千人始まっちゃったわけだから。これは早くやらないとだめだと言っているので、結論を決めてください。
○中井委員長 ちょっと時計をとめてください。 〔速記中止〕
○中井委員長 速記を起こしてください。 鴨下君。統一見解を聞いてください。
○鴨下委員 委員長に、両省の話を、結論を出せと。そうじゃないと、国民の中に、救済してもらえるかと思っている百万人の人、委員長、重い話ですから聞いてくださいよ。
○中井委員長 聞いています。
○鴨下委員 それからもう一つは、三千万人を超えるいわば一号被保険者が、保険料を払わなくたって救済してもらうんだったらというふうに思うわけだから、だから、一刻も早くこれについては結論を出して、菅内閣として、これは例えば救済を優位にするのか、それともルールを優位にするのか、この結論をきちんと出してくれ、こういう話を今やってください。
○中井委員長 それについて、両大臣から答えをさせます。協議の結果を答えさせます。
○細川国務大臣 今手続が進んでおりますから、それについては手続はすべて留保するということにさせていただいて、二十八日に監視委員会がございますので、そこでの結論を踏まえて早急に決定したいというふうに思います。(発言する者あり)
○中井委員長 ちょっとそれは総務大臣から言わせます。
○片山国務大臣 いずれにしても、早く結論を出さなきゃいけないというのはおっしゃるとおりであります。 それで、今厚労大臣からお話がありましたが、年金業務監視委員会を一応二十八日に予定しておりますが、これをできるだけ前倒しできないかということを、早速その調整をしたいと思います。その上で、年金業務監視委員会がどういう委員会としての結論を出されるのか、それを受けて厚労大臣と相談をして、厚労省の方の取り扱いを決めていただくということになります。
○鴨下委員 私は納得できません。 それは、一つは、今既に救済してしまった約二千人の方々をどうするのかという話と、デュープロセスに従ってやるんだったら、手続に従ってやるんだったら、厚労省はこれはえらい価値があるわけですよ。ですから、そのことについて、では二千人の人たちも含めてどういういわば結論を出すのかということについて、全く納得できない。 もう一度調整してください。
○中井委員長 今の点について厚労大臣から答弁させます、給付の点について。(鴨下委員「いや、違う。委員長が調整してくれと言っているんだ。納得できないよ」と呼ぶ)今の点については、細川厚労大臣から答弁させます。答弁を聞いてください。(発言する者あり)違う、同じことじゃありません。
○細川国務大臣 今、二千何人の方が請求をいたしておりますから、それについて、既にその資格ありというふうに決定している方で……(発言する者あり)定期払いで二月十五日払いということで支払いをしている方がいるかどうか、これもちょっとよくわかりませんけれども、少ないのではないかと思いますけれども、ただ、この後の形での支払いということについては留保させていただいて……(発言する者あり)それは既に払っておりますから、それについてはこれからのこととして決定をさせていただく。 以上です。
○鴨下委員 納得できません。 それで、結果的には、救済をした二千人の方々からは取り上げるんですか。それとも、その方々はそのまま救済して、そしてきょう私がこうして質問したから、では手続にのっとってといって、ほかの人たちはみんなだめにするというんだったら、これは責任が重い。だから……
○中井委員長 鴨下さんにお尋ね。鴨下さんはどっちだとおっしゃるんですか。(発言する者あり) では、時計をとめて。 〔速記中止〕
○中井委員長 速記を起こしてください。 片山総務大臣。(発言する者あり)
○片山国務大臣 大事なことでありますから、少しお聞きください。 これは非常に重要な問題です。国民にとっても、それから年金の制度にとっても、非常に重要な問題であります。ここでああするこうするというのを拙速で決めることは、私は事態をまた悪化させることになると思います。しばらく時間をいただいて、所定の手続もありますので、その上で、両省間でよく話し合いをして、政府全体として結論を出したい、こう申し上げているわけであります。
○細川国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、年金の支給については、手続的には、今のところ、ここで留保させていただくということで御理解をいただきたいというふうに思います。(鴨下委員「だめ、だめ、だめ」と呼ぶ)
○中井委員長 鴨下さん、どこがだめか、ちょっと言ってください。御指摘ください。時計とめてもいいから言ってください。 時計とめて。 〔速記中止〕
○中井委員長 時計起こして。 鴨下質疑者に申し上げます。 非常に重大な御指摘であります。今、この場で、急ぐ、結論を政府が出せということについて御注文をいただきました。 急ぐということについては、今お話がありました。そして、二十八日に二人の大臣の間で話をつけて方向を出すということ、その間、従来の手続をとめるということについても御報告いたしました。 これについて、それを政府で決めて持ってこいというお話ですか、それとも二十八日では遅いということでしょうか。そこをひとつお聞かせをいただきます。
○鴨下委員 委員長がやっと、この問題の事の重大さをよくわかってきたんだけれども、結果的には、私が言っているのは、ルール優位か、あるいは救済優位か、どっちかを、いずれにしてもこの菅内閣が決めろと言っているんですよ。だから、その結論が出るまで私は質問を留保いたします。
○中井委員長 そうすると、それはどういうことですか、次へ残すということですか。二十八日、集中のときにおやりになりますか。(発言する者あり) それでは、鴨下さん、御意向はわかりました。 理事会で、ただいまの質疑をどうするかということについて協議いたします。 時間は約十五分とまっております。その後、その他の質問をやる気はありませんか。(鴨下委員「いや、もうない、だってこれだから」と呼ぶ) それでは、鴨下君の質疑は、十五分を残して、次回ということで、ここでとめます。 この十五分の扱いについては、理事会で協議をいたします。 次に、高橋千鶴子君。(発言する者あり) 高橋千鶴子さん。委員長は高橋千鶴子さんを指名しました。(発言する者あり) ちょっと速記録をとめて。 〔速記中止〕
○中井委員長 速記を起こしてください。 高橋千鶴子さん。(発言する者あり) これは、笠井さん、流していますよ。そんなことしたらだめ、だめ。(発言する者あり) それでは、委員の皆さんに申し上げます。 委員長はこのまま質疑を続行して次の高橋君の質疑を要求いたしましたが、野党の諸君は理事会で協議してからじゃないとだめだということでありますので、ここで休憩して理事会に入ります。 しばらく休憩いたします。 午前十一時四十分休憩 ————◇————— 午後三時二十分開議
○中井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。高橋千鶴子君。
○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。 冒頭、通告をしておりませんが、細川大臣に一問お伺いいたします。 午前の部で、鴨下委員の質問が積み残しとなりました。国民の年金権にかかわる重大な課題だと思います。一片の課長通知で決められた、これは大問題です。その原因である課長通知を本委員会に提出すべきだと思いますが、大臣、お答えいただきます。
○細川国務大臣 用意をして提出をさせていただきます。
○中井委員長 夕刻です、夕刻の理事会までに。
○細川国務大臣 夕刻の理事会までに出させていただきます。
○高橋(千)委員 確認をいたしました。 では、早速本題に入りたいと思います。 資料をお配りしていますので、一枚目を見ていただきたいと思います。 一月二十九日の日経新聞でございます。この日は、各紙が同じような構図になっておりました。一つは薬害イレッサ訴訟、「政府、和解拒否を表明」と書いてあります。そして、もう一つは「B型肝炎は受け入れ」。いずれも国の責任を問う二つの訴訟で、明暗が分かれたかのように見えます。しかし、果たしてそうでしょうか。原告らが国による誠実な謝罪と全員救済を望んでいるにもかかわらず、政府は正面からこたえていないのです。 私は、この二つの問題は同じ根を持っていると思います。きょうは、薬害イレッサとB型肝炎、菅総理は所信演説でも不条理を正すと言ったわけですが、まさしく不条理な事態となっているこの問題について、一日も早い全面解決を求める立場から、関係各大臣に質問をしたいと思います。 初めに、薬害イレッサの問題です。 夢の新薬ともてはやされて、二〇〇二年七月に世界で最初に承認された肺がん治療薬イレッサは、市販後半年間で百八十名が死亡、昨年九月までに八百十九人が副作用で亡くなっております。間質性肺炎で娘さんを亡くした近沢昭雄さんら遺族と患者十五名が国と輸入販売会社を相手取った訴訟は、ことし一月七日に大阪と東京の両地裁から和解を勧告する所見が出されました。 政府はこれを拒否、あすの大阪、来月の東京判決を待つとしております。菅総理も、がん患者全体の利益から見てどうなのか、このような答弁を繰り返しされています。これは、こう受けとめますと、一部にあるドラッグラグ、新薬の承認を切実に待っている患者さんたちがいる、その方たちに何か、この承認がおくれるとかできないとか、そういうようなイメージをつくっているのではないかと思うのです。 しかし、所見は、イレッサの承認は間違いだったと断罪しているのではありません。もちろん、原告や弁護団もそれを求めているのではないのです。がん医療の進展と患者の権利の保障、医薬品の安全性確保は表裏一体のものであるとして、薬害イレッサを早期に解決することががん患者全体の利益につながると表明をしているのです。 そこで、細川大臣、この問題を解決することはがん患者とイレッサの被害者を対立させるものではないのだ、がん医療の進展とがん患者全体の利益のために資するものであると考えますが、この点では認識を共有できるでしょうか。
○細川国務大臣 私ども、今回のこの事件に学びまして、医療、医薬品行政全体の向上に向けてしっかりやっていかなければというふうに思っております。 そこで、このイレッサの訴訟につきましては、手つかずの論点を多く残したままの解決というのではなくて、判決で問題点を指摘していただいた上で、それを整理いたしまして、制度のあり方を検討することが必要ではないか、このように考えた次第でございます。 いずれにいたしましても、医療、医薬品行政全体の向上を目指して、さまざまな立場でがん患者の皆さんが闘っておられる、そういう立場に立って施策を実施するために、私どもも全力を尽くしていきたいと思っております。
○高橋(千)委員 今回のことを学びましてと大臣おっしゃいました。その学びましてというときに、原告の皆さんに対する気持ちがどこにあるのかということなわけですね。 この裁判はこの裁判で、国の責任は一切ないのだということでは困るわけなんです。このことをしっかりと、責任を明らかにして、謝罪もしてもらって、そしてそれが解決、本当の検証や再発防止策を探っていく中で、すべてのがん患者の利益に資するんだという立場なわけですね。そこが一致できるのかということを聞いています。 次のこととあわせてもう一度答えていただきたいんですけれども、大阪地裁の和解勧告には、初めにということで、冒頭、このような文章がございます。一般に、予後が不良とされる肺がん患者に残された時間は、本人と家族にとって極めて貴重な時間である、ところが、本件訴訟の対象となった肺がん患者は、イレッサを服用したことにより、全く予期しなかった重い副作用を発症したものであり、想定外の早い時期に死亡した患者本人の苦しみと遺族の悲嘆は察するに余りある。 まず、こういう立場に立って、それから議論しようということで、いかがですか。
○細川国務大臣 高橋委員の御指摘のように、これは、予後不良の患者さんであっても、残された命を生きていくということ、そういう権利があることは当然でありまして、そのとうとい命の、生きていくという権利を最大限尊重すべきであるというふうに考えております。 がん対策基本法というのができておりますけれども、この基本理念におきましても、「がん患者の置かれている状況に応じ、本人の意向を十分尊重してがんの治療方法等が選択されるようがん医療を提供する体制の整備がなされること。」こういうふうに規定をしておりまして、がん患者の立場に立った対策の必要性というのは規定をされているところでございます。 私どもも、この基本理念にのっとって、すべてのがん患者がみずからの選択によりまして適切な医療が受けられるような、そういう質の高い療養生活を送ることができるように、がん対策を積極的に進めていきたいというふうに考えております。
○高橋(千)委員 実は、聞いたことにきちんとは答えていらっしゃらないわけですね。やはり訴訟であるということもあって、多分、大臣が言葉を選んでいるのかなと思うわけでありますが、少し具体的な話の中で大臣の立場を聞いていきたいと思うんですね。 事実関係をまず伺います。 政府が和解勧告の所見の拒否を表明したのは、一月二十八日でした。そして、資料の二枚目を見てください。被告会社アストラゼネカが拒否を表明したのは、二十四日であります。アンダーラインを引いておきました。「本日、日本肺癌学会及び日本臨床腫瘍学会から「肺がん治療薬イレッサの訴訟に係る和解勧告に対する見解」が表明されました。いずれも、和解勧告に対する弊社の判断と一致しています。」と。これは、発表したときと学会から意見が出ましたよというのは非常に絶妙なタイミングだなというふうに思うわけです。 資料の三枚目をごらんください。 厚労省が二十八日に記者会見をしたとき、説明資料の中の一番最後のところに、このような各団体のコメントを並べているわけです。「和解勧告を受け入れるべきではないとの意見」というタイトルがわざわざつけられております。「再承認されたサリドマイドのようなハイリスクな薬を国は承認できなくなるのではないか、患者のことを考えているか懸念。」「添付文書に記載があってなお瑕疵があると言われては、現場は途方に暮れる。」「新薬に関するすべての情報が明らかになるまで承認が得られず、新薬を待ち望む患者が使用できなくなることを示唆。」云々かんぬんという形でコメントが述べられています。 これは厚労省から依頼したのですか。
○細川国務大臣 これは、厚生労働省の方から依頼をしてこのようなものが出たとは思っておりません。
○高橋(千)委員 今、否定をされたかと思います。では、二月十日号の週刊文春では、東大医科学研究所の上昌広特任准教授のコメントを紹介しています。「二十二日頃、厚労省からイレッサの声明を頼まれた、どのように対応すればよいかと複数の学会の方から相談を受けました。」とあります。事実ではないでしょうか。 そもそも、裁判所の所見は非公開です。どうやってコメントを載せるのか。つまり、厚労省が何らかの案文を出すか、一定の資料を示さなければ、こういうふうにやってほしいと言わなければ、できないはずなんですよ。そのことは既にきのうの民主党さんの議連でも問題になって厚労省が認めたということを、けさの毎日新聞と朝日新聞が書いているわけです。 例えば毎日新聞を読みますと、「同省医薬食品局の佐藤大作・安全対策課安全使用推進室長は「日本医学会の会長が和解勧告に懸念を表明する意向であると聞いたため、サービスとして提供しただけ」と釈明した。」と。サービスとして。そして、毎日新聞の取材に対し、この方は個人名で見解を出された方ですけれども、高久会長は、全く要請していないのに厚労省が文書を持ってきたと取材に答えているそうです。 朝日新聞では、文案を作成して提供していたことを明らかにしたということで、朝日新聞自身が入手した文案と出された見解がほとんど一致をしているということを記事にしているわけであります。 もう既にきのう認めたことであります。もしそれを大臣が知らないとなったら、これはどういうことになるでしょうか。改めて、厚労省として意見の取りまとめを、取りまとめといいましょうか、厚労省が望む内容のコメントをお願いしたという事実はありませんか。
○細川国務大臣 今御指摘があった点については、私もまだ、けさの新聞のようですから、それについてはよく存じていないんですけれども、しかし、今委員が指摘されたような事実があるかどうか、これは私の方でしっかり調査をしたいというふうに思っております。
○高橋(千)委員 調査をしたいということを確認いただきました。これをちゃんと本委員会に報告をいただきたいと思います。 問題は、こういう事実があったとしたら、大臣、どうしますか。結果、関係者から一斉に意見が上がったかのように見せて、新薬の承認がとれない、薬事行政が萎縮してしまう、こういうキャンペーンを、仮に厚労省みずからがつくり出した世論だと、こんなことになったら大変ではありませんか、大臣。
○細川国務大臣 先ほども御答弁しましたように、そういうことがあったかどうかしっかり調査をして、その結果に基づいて私なりの判断をしていきたいというふうに考えております。
○高橋(千)委員 結局、こうして厚労省が世論をつくっているということを本当に厳しく指摘しなければならない、絶対に許せないと思います。 これらの団体の意見を私も全部読みました。それがやはり根っこにあるのは厚労省の見解かな、こういうふうに思うんです。それで、資料をつけておいたわけですけれども、四枚目です。二十八日の会見のときに配った資料であります。 所見の内容と問題点、「承認時点における危険性評価の誤り」、左側にこう書いてあります。所見のポイントを「治験外の副作用報告を慎重に検討していれば、また、イレッサに未解明な点があった点なども考慮すれば、イレッサの間質性肺炎は従来の抗がん剤より危険なものと判断すべきであった。」と所見のことをまとめております。相当厳しい所見であるかのように受けとめられます。 そこで、「国の考え方」のところに書いてありますけれども、そうなってしまうと、「臨床研究(治験外使用)に参加できる患者が限定されるおそれ。」がある、「新規抗がん剤の開発は大幅に遅滞。医療現場の新薬に対するニーズに逆行しかねない。」と指摘をしています。 これだけを読めば、医療現場は大変だ、あるいは患者の皆さんは大変だと思っちゃうんです。当然です。もう新薬はつくれないのではないかと縮んでしまいます。しかし、私も所見を何度も読みました。承認時の危険性評価については触れていません。ここまで断定的な表現はしていないではありませんか。細川大臣、確認をされましたか。
○細川国務大臣 大阪地裁の所見では、治験外の副作用報告等も考慮すれば、イレッサによる間質性肺炎については、一般的な間質性肺炎と比べ、より慎重な対応をとり得たのではないか、こういう指摘をしているところでございます。このために、御指摘の資料では、このような所見の趣旨を要約して、「イレッサの間質性肺炎は従来の抗がん剤より危険なものと判断すべきであった。」こういうふうに表現をしたものでございます。 なお、二十五日に大阪地裁の判決が出る予定になっておりますけれども、あしたの判決内容というのはどういう判決内容になるかわかりませんけれども、まずはその判決内容を十分検討して、今後どうすべきかの対応を適切にしてまいりたいというふうに思っております。
○高橋(千)委員 いきなり結論を急がないでください。 今のを皆さんも聞いてくださったと思うんですけれども、より慎重なものとして扱う必要があったんじゃないかという指摘と、従来の抗がん剤より危険なものと判断すべきであったという断定的な表現とは、私は大分ニュアンスが違うと思うんですよ。これは、都合のいいように厚労省が拡大解釈している、非公開であることをいいことにして拡大解釈している、こう指摘をしなければなりません。 一部紹介したいと思うんです。これは、今紹介された大阪の所見の中にある文章であります。 被告国が、イレッサの承認に当たり、被告会社に対し、添付文書の重大な副作用欄に間質性肺炎を記載するよう指導したことは、前記(1)の経過を踏まえた一つの適切な判断であったと言い得る。いいですか、適切な判断だったと評価しているんですよ、国の対応について。全部ではないけれども、きちんとそう言っているでしょう。 重大な副作用欄に間質性肺炎のおそれを記載するよう被告会社を指導するだけにとどまらず、より慎重な対応をとり得たのではないかとの思いを払拭することができない。相当控え目な表現ではないでしょうか。 そこで、江田法務大臣にお出ましをいただいております。率直な感想を伺いたいと思います。 二十八日の会見で、イレッサの回答期限を前に、大臣は、夜、眠りが浅いくらい、いろいろ寝てても考えておりますと答えていらっしゃいます。そんなに悩んでくださったんですが、裁判所の所見は何か将来の新薬承認を縛るような中身でしょうか。そこまで踏み込んだものではないと思いますけれども、伺います。
○江田国務大臣 イレッサのことは、これは一月の七日に裁判所の所見が、東京と大阪ですね、示されて、一月二十八日までに和解の席に着くかどうかを答えろと。和解ができるのは、判決の言い渡し期日を決められていて、それまでに和解ができるかどうかやれという非常に日程を縛られた中での判断で、私が法務大臣に就任をしたのが一月十四日でございますから、それはもう大慌てで勉強して、大慌てで、夜も本当に眠りが浅いほど悩みました。 ただ、この大阪の所見は、今委員おっしゃるとおり、指導をしたのは適切だ、しかし、指導をするだけにとどまらず、より慎重な安全対策をとり得たのではないか、そういう表現。東京の方は、もう少し厳しくて、厚生労働大臣が、重大な副作用欄の最初に間質性肺炎を記載し、かつ、致死的なものとなり得ることを記載するよう行政指導を行うことが適切であった、そういう指摘もあったりで、その間、いろいろなニュアンスのことがあるわけです。 委員は、そういう副作用についての記載のことであるから、新薬承認自体の違法性は裁判所は指摘していないのじゃないかとおっしゃるんですが、これは、副作用をどう評価するか、その評価の程度というのは、この程度の低い評価で承認したのは違法ではないかという承認の違法のところにつながるようにも論理的にはなっていくので、しかしながら、いずれにせよ、あす大阪地裁の判決が出されるわけですから、所見の解釈を今いろいろ言ってみても、もうあした裁判所が所見じゃなくて明確に判決で答えを、その問題点を指摘するわけですから、それを受けて私ども考えたい。 裁判所が設定をされた日程の中で、インフォームド・コンセントのあり方であるとか、あるいはがん新薬からくる副作用の救済方法であるとか、この日程ではとてもそこまでいろいろな検討が進まないということで、悩んだ末ではございますが、厚労大臣とも協議をして、これは判決を受けるということにしたので、裁判所の所見については、そういう意味では非常に考慮をされた所見であったということは思っております。
○高橋(千)委員 確かに、限られた時間の中で態度を迫られたという点で、法曹の立場からの御発言であったかと思うんです。 同時に、そういう中で、あした判決が出ますから今言ってみてもしようがないとおっしゃいましたけれども、その所見をなぜ出したかという意をやはり酌んでほしかった。最初に私が言ったように、がん患者とイレッサの被害者を対立させるという趣旨ではなかったんだ。そこを、本当にこの両者の利益が一致できるような歩み寄りを国に求めたい。私は、そういう思いが込められたのではないか、なかなか判決というところでは書けない部分があるからこそ、国にそれを求めたのではないかと思うんです。 結果として、国が時間的に間に合わないとおっしゃるのはやむを得ないかもしれません。でも、その間に合わないという限られた時間の中で、一方的に新薬の承認を縛るかのような宣伝がされるということは、やはりそれはあってはならないですよね。
○江田国務大臣 私へのお尋ねということだと思うんですが、新薬の承認の手を縛る、縛らないというのは、法務大臣に答えを求めていただいてもちょっと困るんですが、ただ、私は、この日程、もう判決は二月の二十五日に出しますよ、東京の方は三月の終わりに出しますよ、それまでに答えを出さなきゃ、合意ができなきゃいけませんよと言われても、裁判所の気持ちもわかります、私も裁判官をやっていたこともあるのでわかりますが、それなら、判決の言い渡しはもう少しどうかするとか、もうちょっと余裕があればよかったな、そういう感想を率直に持っております。裁判所の批判じゃございませんが、個人的にはそんな感じも持っております。 いずれにせよ、患者の皆さんと製薬会社、あるいは行政の立場、こうしたものが同じ方向を向いていろいろな努力をしていくことは大切なことだと思っております。
○高橋(千)委員 だからこそ、最初に指摘をしたようなコメントがこの短い時間で一斉に出てしまったということの問題は、本当に深刻ではないかと改めて指摘をしたいと思うんですね。 二〇〇二年の七月十六日、イレッサは、わずか五カ月というスピード審査で世に出ました。当時、どのような情報が患者や家族にもたらされていたでしょうか。 原告団長の近沢昭雄さんは、二〇〇二年七月の半ば、インターネットでイレッサについて書かれたサイトを見つけました。夢のような新薬、副作用が少なく、自宅でも手軽に服用できる画期的な肺がん治療薬などの文字が輝いて見えたといいます。ネットだけではありません。雑誌や新聞の記事も専門医のコメントもどれもイレッサを推奨し、延命効果は大きく、副作用が少ないすばらしい薬だといったものばかりで、不安情報はどこを探しても見当たりませんでした。 娘さんの三津子さん、二十九歳で肺がんを宣告されました。きっとがんを退治してみせると、強く明るく振る舞っていたといいます。 この三津子さんがイレッサを服用し始めたのは八月十五日。十月に緊急入院。容体は日に日に悪化し、横になると息苦しく、上半身を起こしてベッドに座っていたこと。息ができない、苦しい、何とかして、何とかしてと涙を流し、顔を引きつらせながら酸素マスクのコックを見ていた。ぜいぜいという息遣いとガーガーという酸素を送る音だけが響き渡っていたと言っています。 このわずか三カ月の間に、二十二名の副作用報告があり、十一名の死亡例が積み上がりました。 十月十五日、国の指示で、アストラゼネカから間質性肺炎の注意を喚起する緊急安全性情報が出されたのは、三津子さんが亡くなる二日前でした。本当に皮肉だなと思います。 そこで、資料の一番下を見てください。 当時、近沢さん御家族が、御本人と御家族がイレッサを服用するに当たって説明された文書の一部です。つけてありませんが、この後にサインをして同意をしているわけですけれども。 この副作用の説明のところにアンダーラインを引いていますね。「重大な副作用として、「ひどい下痢、ひどい皮膚のただれや水疱・全身に広がる丸い紅斑、肝臓の障害」という後に、「肺の炎症によるかぜのような症状:間質性肺炎が報告されています」と書かれている。当時、患者さんが得られた情報はこれだったわけです。 かぜのような症状、これでどうして地獄のような苦しみを味わう致死性の病気だと一般の人が判断できるでしょうか。問われているのは、予知できない副作用を後から問題だと言っているんじゃないんです。副作用の情報があるのに、その提供が不十分だった、そこが問われているのではありませんか、細川大臣。
○細川国務大臣 重大な副作用というところに間質性肺炎というのが記載をされております。この間質性肺炎というのが発生いたしますと死に至るものだ、こういうことについては、これはお医者さんであるならば当然知っているべき知識でございまして、その点についてお医者さんがどのような説明をされたか、それはちょっと個別的事件でわかりませんけれども、私は、少なくとも処方するお医者さんについては、間質性肺炎がどういう病気で死に至るものかということについてははっきり理解し、認識をしているものだというふうに理解しております。
○高橋(千)委員 今、当然知っているというふうなことをおっしゃいました。そのことが、先ほど来紹介している厚労省の説明文書の中に出てくるわけですよ。だからもう役割を果たしたということを言っているんだけれども、しかし、実際には、今は違うわけでしょう。前のときは、自宅で、一日一錠、手軽です、そういうことでいろいろな問題もあったかと思います。今は全然、医師の管理が必要である、また、添付文書そのものも改善をされてきましたよね。そこを伺います。まず確認。
○細川国務大臣 お答えいたします。 現在どういうふうな患者さんの管理になっているかといいますと、イレッサにつきましては、服用後少なくとも四週間は入院をするなど、医師の管理のもとで副作用の発現の観察をすべき、こういうこととされております。また、肺がん治療に十分な経験がある医師が使用するとともに、緊急時の対応ができる医療機関で投与する、こういうふうに現在はなっております。
○高橋(千)委員 医師の管理によって、ですから、最初に紹介したように、自宅で自由に、一日一錠という気軽さと当時は盛んに宣伝をされていた、副作用が少ないんだよ、下痢と発疹程度だよと言われていたことが、ここに至った。 だから、その教訓を経てこうして改善をされてきたわけでしょう。添付文書を見ても、真っ先に「警告」という言葉が出てきて、死に至ることもあるんだと、改善を図ってきたわけですよね。やはりそれは、こういう裁判もあって、いろいろな犠牲があってやられてきたことなんだ。だから、そこが問われているのであって、承認に戻って、もうそこが全部だめと言っているのではなくて、不十分だったことをしっかり認める、そのことが次につながるのだと言いたいわけなんです。 肝心なことは、やはり情報公開をきちんとやることではないかと思います。週刊誌でも、例えばポストで連載を持っている鎌田先生、この方は、イレッサで劇的に効いた二人の肺がん患者を紹介して、スピード審査そのものが問題なのではないんだ、新薬を切望している人が一日も早い治療を受けられることが理想だと言った上で、情報公開が大事だ、副作用があることがわかったら情報を公開し、副作用を承知した上で、本人が薬の使用の自己決定、さっき質問したことなんですけれども、することが大事なのだとおっしゃっています。 さきに紹介した上昌広先生も、まさにそうなんですね。承認のことを問うているんではないんだ、医師が薬の審査機関や製薬企業、学術団体、メディアに迅速に副作用情報を伝え、各組織の独自のルートで情報公開して、問題の共有が図られたことで、市販後の副作用被害を減らすことができたという、多発性骨髄腫の治療薬ボルテゾミブの事例を紹介して、イレッサはまだ消極的だった、こういうふうに言っているんです。私、あえて、いろいろな問題点があると思いつつも承認に対して意見を挟んでいない人たちもこの問題を指摘している、このことを紹介したかったんです。 ですから、違法性が問われなければそれでよいということでは済まない。国民の命と健康を守るために、薬害を繰り返さないために、一層の情報公開を進めるなど、国が責任を果たすべきではありませんか。 また、原告らが求めてきた医薬品副作用救済制度に抗がん剤も適用することを約束していただけますか。
○細川国務大臣 あした大阪地裁で判決がございますので、まずはその判決で裁判所の方の指摘があると思いますので、その判決内容に沿って国としてはしかるべき措置をとっていきたいというふうに思っております。 また、救済制度につきましては、今、抗がん剤については救済制度の対象にはなっておりません。理由は、他の治療方法がない中で、重い副作用を理解した上で使用せざるを得ない、副作用と死亡の因果関係がどっちにあるのか、こういう判定がなかなか難しいというようなこともあって適用されないということになっておりますけれども、しかし、患者の皆さんあるいは御家族の御意見も、やはりこれを救済すべきだというような御意見もありますし、これは私どもとしては十分検討して、国民の合意を得るべく結論を得たいというふうに思っております。
○高橋(千)委員 あす以降、引き続いてお願いをしたいと思います。 残された時間で、B型肝炎について質問をしたいと思います。 時間がちょっとありませんので、江田法務大臣と細川大臣に続けて質問します、一問ですから。 二〇〇六年に最高裁で五人の原告が勝利してから五年目、この五人が提訴してから既に二十年以上が過ぎました。原告団は今七百二名を数え、提訴から十三名、昨年の和解勧告以降に五名もの原告が命を落としています。本当に時間がないのです。 なぜ、今も原告らが肝硬変や肝がんという重い病と闘いながら頑張っているのか。双方が和解を受け入れ、もうB型肝炎は解決したのでしょうか。残念ながら、慢性肝炎を発症してから二十年を過ぎた方は除斥期間として救済から外されるのかといった課題が残されており、全員の救済を求める原告と国にはまだ隔たりがあると思います。その隔たりをどうしても埋めていただきたい。長く苦しんだ人ほど救済されないということは余りにも理不尽ではないでしょうか。 江田法務大臣には、ハンセン議連の代表を務めていらっしゃいました。このハンセンの問題も、とっくに除斥期間は過ぎていたけれども、救済法で乗り越えた。薬害肝炎もそうだったので、やはり、除斥期間とは、人道的な問題、あるいは、議員立法など国民の合意が得られれば乗り越えられるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 そして、同時に細川大臣に伺います。 十二の都道府県、北海道を中心に百二十一の市町村から、B型肝炎の早期解決を求める意見書が上がっています。特に、函館市議会の意見書は、「政府並びに国会は、解決策を示し、早期全面解決に向けた誠実な協議を開始するよう強く要望します。」と言っている。「国会は、」と言っています。 そこで私たちは、政府と同時に、やはり、裁判の枠組みで解決できない問題についても、党派を超えて議員立法が必要ではないかなと思っています。皆さんに呼びかけたいと思う。その声に政府としても正面からこたえて協力できるか、一言お願いします。
○中井委員長 あと一分しかありませんので、お二人で答えてもらいますから、短く。
○江田国務大臣 時間の制約の中でお答えしますが、B型肝炎につきましては、先ほどのイレッサと対照的に、これは和解で解決しよう、そういう政府の判断をいたしまして、今、裁判所の仲介のもとで協議が進んでいまして、除斥期間の問題などありますが、いずれにせよ、裁判所の仲介ででき上がった合意、これを、なるべく早く合意にたどり着いて、その合意を実現するために必要な立法があれば、これはまた皆さんにいろいろお願いをしなきゃならぬと思っております。
○細川国務大臣 裁判所の仲介によりまして、裁判所の所見に対してそれを受け入れる、こういうことで、国の方も患者団体の原告団の方も、そういうことになりました。いずれも早期解決というのを望んで、そういう形になっております。 そして、この解決については、裁判所が仲介をしていただいて、そこでその解決をしていこう、こういうことになっておりますので、ぜひ、私どもは裁判所の仲介で解決をしていきたいというふうに考えております。
○中井委員長 これにて高橋君の質疑は終了いたしました。 次に、遠藤乙彦君。
○遠藤(乙)委員 公明党の遠藤乙彦でございます。 私はまず、現在予算委員会で審議中のまさにこの二十三年度予算案、並びに財金で今審議が始まりました公債特例法案、この関係について御質問をさせていただきたいと思います。 まず、玄葉大臣にお聞きしたいと思っています。 大臣は、二月二十日のNHK「日曜討論」で、現在、国会に提出され審議中の二十三年度特例公債法案に関連いたしまして、仮に成立しない場合、六月とかそういったところまでは既にある税収見込みでできるところがあるが、それ以降は極めて心配と発言をされまして、必ずしも年度内成立にこだわらない方針を示唆されたわけであります。 これは、六月まで法案が成立しなくても大丈夫だ、むしろ否決されると即政局になるという内閣の本音がやはり出てしまったのではないかと私は受けとめておりまして、この点、まず玄葉大臣の御答弁を求めたいと思います。
○玄葉国務大臣 遠藤委員からの御指摘は、二月二十日のテレビ番組での発言でありますけれども、正確に申し上げたいと思います。 自民党の石破政調会長から、読みます、特例公債法案が通らないと大変なことになってしまうというお話をなさいますが、そんなことにはなりません、ならないことは政府の方々はよく御存じなはずであって、それは短期の借り入れを回すこと、あるいは税収、それで回っていくはずなのですという発言があったんですね。 それに対して私から、この特例公債法案が通らないと、例えば株価はどうなるのだろうかとか、長期金利がどうなるのだろうかとか、そういったマーケットの心配というのは私自身しているのが事実ですと。確かに六月とかそういったところまでは税収見込みでできるところはあるでしょうけれども、それ以降は極めて心配ですから、マーケットの反応がまず出てくるのではないかというふうに思いますというふうに申し上げたものでございます。 この真意ということでありますけれども、万が一、特例公債法案が年度内に成立しない場合であっても、二十三年度初頭から、すなわち四月から直ちに予算執行が不可能になるわけではないけれども、成立がおくれた場合に、四月からの予算執行も含めて極めて不安定な財政運営となり、株価等のマーケットの不安要因になるおそれがある、そういう意味でございまして、私としても、やはり特例公債法案の年度内成立をぜひともお願いしたいというふうに考えております。
○遠藤(乙)委員 そういう釈明をされたわけでありますが、他方、二十二日の財務金融委員会で大臣は異例の釈明を行いまして、謹んでおわびしたいと言われた上で、年度内成立をぜひともお願いしたいと発言をされたわけです。当然だと思います。 では伺いますが、大臣は本当にこの年度内に特例公債法案が成立すると考えておられますか。
○玄葉国務大臣 ぜひとも年度内に成立を図れるようにお願いをしたいという思いでございます。
○遠藤(乙)委員 その希望は理解をしますが、現実的に成立するかどうか、具体的な可能性を私は伺っているわけであります。 現在、この公債特例法案につきましては、自民党、公明党、共産党、みんな、たちあがれは今完全に反対をしております。また、今週二十二日には、ついに社民党も反対を正式に決定されました。これで参議院での否決が確実になり、また、三分の二の再議決、衆議院の再議決も完全に道を断たれたわけであります。 ある意味では国会始まって以来の事態ということでありまして、本来、予算と特例公債は表裏一体でありますから、財源の裏づけあっての予算である。財源の裏づけのない予算、何か財源の裏づけのないマニフェストと同じようになってしまいますが、全く同じ運命をたどるのではないかというふうに思われますので、非常に重大な事態であることはおわかりだと思います。 政府が提出しておりますこの二十三年度予算の歳出規模は約九十二兆円、うち特例公債法案で担保されている歳入規模が約四十・七兆円でございます。この法案が通らない以上、予算は五十一兆円強しか実際には執行できない、これはもう冷厳な事実であります。 では、政府は一体、この事実に直面をして、どの予算を執行し、どの予算をあきらめるのか。ぜひ、この点につきまして、財務大臣、御説明をいただきたいと思います。
○野田国務大臣 遠藤委員御指摘のとおり、一般会計の歳出総額は九十二・四兆円です。そのうちの特例公債にかかわる部分が四十・七兆ですから、残りを税収、建設国債で賄うという形で五十一・七兆、予算の執行の裏づけはその範囲だということでございます。 その場合どうするかというお話ですが、まだ特例公債法案は、きのう衆議院の財金委員会で私が説明をしまして、あしたが御審議いただくということでございますので、通らないことを前提に申し上げるのは、立場上、差し控えたいというふうに思います。
○遠藤(乙)委員 通らないことを前提に、もう各党、明確に態度を表明しておりますので、どう見たって通らないことは明確でありまして、それはぜひ、責任者として、具体的な対処策は考えなければいけないと思うわけでありますね。 通るかどうかわからないからまだ方針は考えないというのでは困るのであって、具体的に、五十一・七兆円しか裏づけがないわけでありますから、どの予算を執行し、どの予算を執行しないかということはもう既に検討を始めなければいけないわけでありまして、それをぜひ明確にお答えいただきたいと思います。
○野田国務大臣 あくまで予算と関連法案の年度内の成立を目指すというのが私どもの基本姿勢でございまして、それぞれの党の、いろいろと現時点のお考えがあるかもしれません。ただ、御審議を通じて御賛同をいただくべく、全力を尽くすのが私の仕事でございます。
○遠藤(乙)委員 それは今決意表明として伺いましたが、お手並みを拝見ということになるわけですけれども、もう既に明確に各党は態度を表明しておりますので、既にそれは無理だということが明確なわけですね。したがって、それを前提に考えるのが責任ある政府だと思います。 特例公債法案が成立しなくても、予算総則で書かれている財務省の発行する短期証券二十兆円の範囲でできるということがあって、これを根拠に、六月ぐらいまでは何とかなるだろうというふうに考えられているかもしれません。ただし、この短期証券は、あくまで財源の裏づけがあって、必ず返済の見込みがあるということがあって初めてこれが出せる性格のものであって、今回のように、公債特例が通らない、もう明確なわけでありますから、裏づけがない。それに対して財務省証券を発行してやるということは、これは非常に問題があるのではないかと私は考えております。 そういった、財務省証券を発行しても、果たして裏づけのない財務省証券が市中で消化できるかといったことも問題になるかと思っておりまして、過去の例を見ますと、実績では、十八年度に財務省証券四兆円、十九年度五・五兆円、二十年度七・三兆円、二十一年度九・五兆円、二十二年度でも三・九兆円なんですね。これはあくまで公債特例が通るという前提でこういった処理がなされたわけでありまして、今回の場合は、全く次元の違った話になっている。 そういった意味では、公債特例法が通らないことが明白である以上、予算総則自体の修正が必要になるのではないかと思いますが、この点、財務大臣いかがでしょうか。
○野田国務大臣 財務証券及び一時借入金というのは、国庫金の受け入れと支払いのタイミングのずれによって生ずる一時的な資金不足を補てんするために発行または借り入れを行うという性格づけでございまして、今般も、その発行限度額については、予算規模と過去の財務証券の発行限度額とか財務証券の発行状況を勘案して、前年度と同じ二十兆円を予算総則に明記させていただきました。 ちなみに、この二十兆円という規模は、平成十九年度から続いてきております。 委員御指摘のとおり、財政法の七条の二項に「財務省証券及び一時借入金は、当該年度の歳入を以て、これを償還しなければならない。」というふうに規定がございますので、その見通しをもってして発行するということでございますが、委員の前提は、特例公債が通らないという前提です。さっき私が申し上げましたとおり、一縷の望みかもしれませんが、希望は捨てていません。ということで、その前提はまだ私は共有はできないということでございます。
○遠藤(乙)委員 非常に希望的な発言でしかないかと思っておりますが、では、先に進みます。 政府・与党の方から、来週二十八日にも予算案の締めくくり質疑を行った上で採決をしたい、本会議もその日に立てたいという希望が先ほど議運の場でも表明をされておりまして、野党は強く反対をしたわけであります。 政府原案のまま参議院に送付しようとしているわけでありますが、その一方で、特例公債の法案は財金で昨日趣旨説明したばかりでございます。定例日等を考えましたら、とてもこんな二十八日に上がることは想定されないわけでありまして、現場では、特例公債の採決見通しは全く立っていないというのが現実でございます。むしろ与党の国対からは、六月でもいいんじゃないかといったような声が聞こえているというように、風の便りで聞いているところでございます。 特例公債法が一〇〇%通る見通しがないのに四十・七兆円という膨大な歳入欠陥の予算だけを議決することは、つまり粉飾予算を国会みずからが議決することになるわけであって、こんなばかげたことは前例がないと私は思っております。 かつて、特例公債の法案の成立がおくれた例はございます。何回かございます。しかし、それは自民党が衆参両方で多数を持っていたとき、あるいは、唯一衆参ねじれ国会となった二〇〇八年ですけれども、この場合には衆議院で自公が三分の二を持っておりまして、再議決の見込みがあったときだったわけであります。いずれも、遅かれ早かれ成立するとの前提があったわけであります。 ところが、ことしの状況は全然違います。成立の見込みが全くありません。にもかかわらず、四十一兆円の歳入欠陥の予算を衆議院で議決しようとしているわけでありまして、これは、憲法八十三条の財政民主主義の規定、あるいはまた、財政法で規定される国会の議決権をみずから否定する行為になると私は考えております。 まさに国権の最高機関たる国会の権威を否定することになるというふうに考えるわけでありまして、この際、与党としては、野党の主張をしっかり受け入れ、マニフェストの破綻を認め、予算を全面組み替えして特例公債法案の成立の環境づくりをする以外にはないのではないかと思いますが、この点、財務大臣、お考えをお聞きしたいと思います。
○野田国務大臣 今御審議をいただいている平成二十三年度の予算、さまざまな制約条件のある中で、私どもはベストのものをつくったというふうに思っております。それと一体となって関連法案の年度内の成立を目指すというのは、私どもの基本的な姿勢でございます。 それで、今、関連法案の、例えば委員会の審議の運び、採決の話、本会議の採決の話がございました。こればかりは、これは与野党の御協議をいただいて、国会で決めていく中で、私どもはできるだけ多くの皆様に御賛同いただくように努めるというのが基本でございまして、その運びについて私がとやかく言うのは僣越だろうというふうに思っております。 組み替えのお話がございました。具体的に組み替えの動議等が出てくるならば、予算の審議においても真摯に皆様の声に耳を傾けたいと思いますが、その中身についても、それは当然のことながら、胸襟を開いてしっかりと検討はさせていただきたいと思います。
○遠藤(乙)委員 いろいろこれからあると思いますけれども、まずは与党としては、この予算と、特に特例公債、同時にこれを参議院へ送るということが一番大事なことだと思っております。まさにこれは表裏一体の法案でありまして、特例公債ができていないのに予算だけを参議院に送るというのはまさに参議院を軽視する話になるわけでありまして、ぜひとも衆議院において、予算そして裏づけとなる特例公債をしっかりと審議、議決をして送るというのが当然だと思っております。 まず、公債特例について審議をしっかりやったらどうですか。ぜひこれを、我々としては、来週二十八でも三月一日でも採決に応ずる用意はあると私たちは思っておりまして、予算と特例法案を同時に参議院に送るべきである、これが何よりも大事なポイントであると考えておりまして、この点につきまして、財務大臣の答弁を求めたいと思います。
○野田国務大臣 まさに予算と特例公債法案は表裏一体であるという御指摘は全くそのとおりでございまして、特に、過去の事例のお話がございました。過去にも特例公債がずれた、遅延したことがありましたけれども、今、規模として全体の四四%を占めるということですので、特例公債が通らないと、大幅な歳入欠陥で予算執行に大きな支障が出ることは間違いありません。それは、国民そして日本経済に大きな影響が出ます。 そのことはぜひとも私は避けたいというふうに思っていますけれども、今の審議の時期、二十八日、三十一日、採決のお話をしました。これは国会の運びでございますので、それは国会で決めていただいた中で御理解いただくように、御賛同いただくように努力をするのが私の職分だと思っています。
○遠藤(乙)委員 失礼。三月一日ということでございます、三十一日はありませんので。 それで、私が申し上げたいことは、予算と特例法案は表裏一体なので、ぜひとも衆議院において両方きちっと審議、採決をして参議院に送るべしというのが私の議論でございまして、予算だけを衆議院で早期に議決して、他方、関連法案の方はずるずるなってしまって結局成立しないといったことでは非常に困るわけでありまして、ぜひとも両方同時に送るべきだというふうに思います。 それが院の見識だと思いますが、いかがでしょうか。
○野田国務大臣 基本的には、予算とそして関連法案が年度内成立をできるように目指す、その中で衆議院でどういう段階で採決に取りかかるかというのは、これはまさに国会のマターだと思います。 私としては、予算も関連法案も、御理解をいただいて一日も早く、同時が可能だったら同時に可決していければ、それにこしたことはございませんけれども、でも、これは国会で決めていただく中で、私どもはその中で努めるということでございます。
○遠藤(乙)委員 ぜひ、これは委員長に申し上げたいと思いますが、やはり予算と特に特例公債は表裏一体でありますので、ぜひ同時に参議院に送っていただきたいというふうに思っております。 まず、そのためには、特例公債をしっかりと財金で議論するのが必要でありまして、それを待ってこの予算も最終的に同時に衆議院を通していく、それが筋だと思っておる。 まさか、この予算だけを先に参議院に送ることはないと思いますが、中井委員長、長年の経験豊富で民主主義のルールをよく御理解し、また議会政治をよく理解する中井委員長として、まさかそんなことはないと思いますが、いかがでしょうか。
○中井委員長 お答えしていいならお答えさせていただきますが、国会は実にいろいろなことがありまして、さまざまなことを経験してまいりました。 今予算委員会におきましては、かつてないほど各党間真摯な御議論をいただいて、極めて奥深い論戦をやっていただいていることに感謝を申し上げます。 私は、毎日ここへ詰めておりまして、他の委員会がどうなっているかは全然知りません。また、各党間でいろいろなやり方について御協議はいただいているという話も聞かせていただいております。 円満に来ましたから、円満に御協議をいただければありがたい、こうお願いを申し上げ、同時に、予算の組み替えのお話がございましたが、野党全体で一つの予算案を出していただいて法案をつくっていただいても、今度は衆議院で通らないということになります。ねじれというのはそういうことであります。 したがって、両方意地を張れば予算も法案も通らない、こういう形になりますので、ぜひ知恵を出していただくことを委員長として御要望を申し上げて、お答えといたします。
○遠藤(乙)委員 それは今後の与野党間の審議になるかと思いますが、いずれにしましても、衆議院におきましては、何度も申し上げますが、ぜひこの予算の審議と同時に公債特例をしっかり審議して、同時に参議院に送るということを大前提として考えていただきたいと思っております。 現に、まだ財金では、この公債特例、趣旨説明をやったばかりでありますので、まだまだ若干時間がかかるかと思っておりますので、それまでは、財金において公債特例がしっかりと審議、採決されるまでは、予算の方も採決は控えるというのが私は筋だと思いますので、同時に参議院に送るということをぜひお願いして、この点につきまして私の意見を述べておきたいと思っております。 続きまして、それでは国土交通大臣にお願いをいたします。 高速道路の無料化並びに高速料金の値下げの問題でございます。 これは、民主党のマニフェストの重要な要素であるとは理解をしておりますが、昨年六月の時点で、無料化については三十七路線、五十区間で実験をスタートした。ことしに入って、さらに六区間を追加して、三百二十九キロ追加をしたわけでありまして、全体で千九百八十一キロメートル。これは、阪神それから首都高を除くと、全体の中で二二%を占める。まだ全体の無料化にはほど遠い段階だと思っておりまして、そういった意味で、実験であると考えております。 このために、昨年は一千億、ことしは千二百億の予算をつけたわけでありますけれども、全面的な無料化のためには、民主党のマニフェストによれば一兆三千億必要なわけで、はるかに数字は遠いわけで、とてもこんな財源が見つかるはずはないというわけでありまして、そういった意味では、非常に問題があると思っております。 また、その中でいろいろな問題も派生しておりまして、例えば事故や渋滞の激増ですね。事故につきましても、先般の木村太郎議員の主意書に対しましての説明でも、二・五倍から三倍の事故が発生しているということが報告されております。また、CO2の大幅な増大ということも、これはまだ調査をしていないということですが、当然推測できるわけでありますし、また、競合する公共機関等にさまざまな打撃もあるということでありまして、非常に問題が多いというふうに言われております。 何よりも、財政的に持続可能でないということが非常に問題でありまして、とても国民の理解を得られないと思っております。 また、値下げの問題ですが、自公政権時代に休日千円ということでやったわけでありますが、さらに今回は、それを継続するとともに、平日も上限二千円ということを打ち出したわけでありますが、このためには大きな予算がかかるわけであります。 多分、この財源としては、自公時代に深夜の料金の値下げ等で政府が準備した約二兆円の財源を、これは十年間の予定で準備したわけでありますが、これを三年ぐらいで取り崩そう、そういった思いではないかと思っておりまして、では、その後はどうするんだということになるわけですね。したがって、これも持続可能ではありません。財源の裏づけのない、持続可能性のないこういった計画はやはり取り下げるべきじゃないか、そのように思います。 大臣御自身、高速無料化の問題は見直しの三大候補の一つだと発言されておられたようでありますし、ぜひともこの無料化実験並びに値下げのさらなる計画は取り下げるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○大畠国務大臣 遠藤議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。 高速道路の無料化における財源の問題、あるいは、これを行うことによって事故が増加したのではないか、さらには、今回値下げしたけれども、その継続性というのはどういうものか、さまざまな観点からこの高速道路無料化についての御質問を賜りました。 私は、この高速道路無料化というものを考えるときに、私自身も、これまでの間に、ヨーロッパに行ったりアメリカに行ったりいたしました。特に、フランスの高速道路といいますか、普通の道路でありまして、ゲートがない。料金を払わなくて、郊外までかなりスピードを上げて通れる道路がある。どうして日本は料金を払わなければならないのか、そんな疑問を持ったことがございました。 国土交通大臣になりまして、この高速道路の無料化というものをどう受けとめ、そして、将来とも貫けるような高速道路を含む政策はどうあるべきか、非常に私としても重要な課題だと考えております。この問題は、政権がかわったり、あるいはそういうことで大きく変動するものではなく、まさに百年ぐらいを貫くような道路政策というものがあるべきだろうと思っております。 そういうことを考えますと、東名というものをつくるときに、日本国はお金がなかった。したがって、借金をして東名をつくって、そして借金を料金で返す。三十年お金を払うと大体東名の借金が返せるので、その後は無料にする、こういう話があったそうでありますが、その延長線上に今日あるわけであります。 自公政権時代に、私も伺っておりますが、この有料の高速道路はどうあるべきか。四十五年ぐらいかかれば大体借金の返済が終わる、そうすれば大体、無料にして、国に移管をして、後の補修関係は国に任せる、こういう発想もあったと伺っているところであります。 先ほどの財源の問題、あるいは事故が多発し始めているのではないか、あるいは無理して実験しているんじゃないか、こういう御質問があったわけでありますが、私は、今回の原則無料化というものも、冒頭に申し上げましたとおり、日本の高速道路というのは今後どういう形でやるべきなのかということを社会実験としてやらせていただいておりますが、今、大体二二%ぐらいをやっているんではないかという御指摘もありましたが、私も、そのとおりであります。 いずれにしても、金子議員からも御質問いただきましたけれども、高速道路の無料で走れるところ、あるいは、実験の中で、千円、二千円という形で少し形態を変えさせていただきましたけれども、この中で、経済に対する、あるいは地域社会に対するどんな影響が出るのか、そんなことをしっかりと検証させていただき、今後の日本における、ヨーロッパでもない、アメリカでもない、日本独自の高速道路はどうあるべきなのかということを、これはまさに先生からも御指摘でありますが、与党、野党、垣根がなく、みんなが、ああ、日本における高速道路というのはそうあるべきだね、こういう形で御理解いただけるような政策をつくらなければということで、検討の場というものを今持ちまして、これの中で、社会実験の状況というものを織り込みながら、皆様方にも御理解いただけるような政策というものを築くための社会実験をさせていただきたいと思っているところであります。
○遠藤(乙)委員 道路政策については、ぜひ大いに議論はすべきだと思っております。 しかしながら、現在の日本の厳しい財政状況、特に、民主党においても財政再建は非常に重要なテーマとして今あるわけで、国民全体が重大なテーマであると。特に、先ほど指摘したように、財政的に持続可能性が全くない、そういった状況においてこの実験を続けることは非常に無理があるというふうに考えておりますし、また、CO2の問題、渋滞の問題、事故の問題、いろいろな面からネガティブなエビデンスが出ているわけでありますから、ぜひそういう方向で見直しを強くお勧めしたい、そう申し上げまして、この質問を終えたいと思っております。 続いて、次のテーマであります科学技術、イノベーション、成長戦略といった問題につきまして議論を進めたいと思います。 たしか、お手元に資料を配らせていただいたと思っております。ぜひ、お手元にある最初のページを見ていただきたいと思っておりますが、これは、一九九〇年から今日まで二十年間、日本にとっていわゆる失われた二十年になってしまいましたが、この間における世界あるいは主要国、主要地域の経済の拡大の状況をマクロ的にまとめたものでございます。 我々は、失われた二十年といって、日本では経済成長ペシミズムが非常に蔓延をしておりますけれども、世界を見ると、そうでもない、むしろ順調に拡大をしておるというのが実際ではないかと思っております。 今、国際的なシンポジウム等では、日本のことを、ディクライニングネーション、衰退途上国、あるいはさらにはジャパニーズディジーズ、日本病といった言葉すら出てきているわけで、そういった意味では、日本を見る目が極めて厳しくなっているわけでありまして、私たちは、この失われた二十年が三十年となることのないように、ぜひともここで大きく軌道修正をしなければならないかと思っております。そういった問題意識で質問をしたいと思っております。 今、この表を見ていただきますと、そもそも、七十億の人口の世界全体は、九〇年から二〇〇九年までに約二・六二倍になっている。平均成長率に直すと約五・一五%という、結構高い成長率なんですね。 一番多く拡大しているのが、いわゆるBRICsと言われるグループで、ブラジル、ロシア、インド、チャイナ、これが全体で五・三三倍です。中でも中国は、この間、十二・三二倍に拡大しておりまして、年間成長率に直すと一四・一三%。驚異的な成長が続いている。 次のグループが、いわゆるネクストイレブン、これがその十一カ国でありまして、下の注に書いてございますが。これが三・四七倍で、平均成長率が六・七六%。特に、この中のベトナムが、この二十年間に十四・四倍、平均成長率が一五・〇七%と、まさに驚異的な、中国よりも速いスピードで伸びているわけであります。 他方、先進国はといえば、米国が二・四五倍、四・八二%の成長率。それからEUにしても、これは二十七カ国で計算をしておりますが、二・二四倍、四・三三%。なのに、日本だけはこの二十年間でわずか一・六六倍、平均に直すと二・七〇%ということで、日本だけが突出して衰退をしている。世界の成長から背を向けて、まさに日本だけが低迷しているという状態になっているわけであります。 したがって、私たちは、この状況をもう少し深く分析して、どうしたらこの傾向を変えていけるかをぜひとも真剣に総括していく必要があるかと思っております。 特に、この二十年間何が起こったかを考えますと、まず、冷戦構造の崩壊、これで世界の国境が非常に開かれて、真の意味でグローバル化が進んだ。特にIT革命が物すごい勢いで進展し、インターネットが普及をして、共通のプラットホームでみんな仕事をするようになった。さらには、BRICsとかネクストイレブンとか、新興国の急速な成長が始まっており、真の意味でグローバリゼーションが進んでいる。フラット化する世界という表現で述べた人もいます。 ところが、日本はこの間、むしろ内向き、下向き、後ろ向きといいますか、そういう志向性になって、世界から背を向けてきているのではないか。これがまさに、この表が示すことではないかと私は思っております。 よく世間のいろいろな会合に行きますと、リーマン・ショックだとかあるいはサブプライムローンの問題とか、外在的な要因で日本の不況を言いわけしておりますが、それはあくまで一時的、局部的な現象であって、この二十年をとってみると、むしろ日本自身にそういった構造的な原因があるのではないかというふうに私は思っておりまして、ぜひともこれをよく分析し、総括して、次の十年が衰退の三十年にならないようにやるべきだと思っております。 もし日本が例えばアメリカ並みの成長拡大をしていれば、今ごろ日本のGDPは、現在約五百兆円ですけれども、約七百三十兆円ぐらいにはなっているんですね。そうすれば、財政問題、こんな深刻にはならなかった。また、社会保障も余裕を持ってできたわけでありまして、いかに成長率が、この差が、二%台と四%台では大きな格差があるわけでありまして、どれほど重大なマイナスを日本にもたらしたかということを今肝に銘じてこれを議論する必要があるかと思っております。 そういった意味で、私はもう少し構造的な理由を分析していく必要があると思っておりますが、その前に、両大臣いらっしゃっておりますので、では、国家戦略を担当する玄葉大臣から、この二十年間の日本の低迷、突出した低迷をどう総括し、これからどうしていくのか、そういうことにつきまして、まず玄葉大臣の御意見を承りたいと思います。
○玄葉国務大臣 遠藤委員から、かなり本質的な御議論があったわけであります。 先ほど、グローバル化、フラット化、こういう話がありましたが、九〇年代、そして二〇〇〇年代、この二十年でありますけれども、さまざまな角度からの分析は可能だというふうに思います。 ただ、あえて申し上げれば、日本の場合は、やはり大きいのはバブルの崩壊、それがあるというふうに思います。同時に、バブルの崩壊でいわゆる三つの過剰が生まれた。雇用、設備、そして債務、その対応に対しておくれた、これがまず一つあるのではないか。 そして、需要が低迷してデフレになった。二〇〇〇年代に入っても、そのデフレが、資産デフレあるいはバランスシートの調整が長期化をして、ここで改めて構造的な問題が出てきたのは、九〇年代半ばから、労働力の減少、現役世代の減少、超少子高齢化社会というものに突入したということがやはり大きいのではないか。同時に、先ほど遠藤委員がおっしゃったとおり、日本人が内向きになってきている、あるいは競争劣位に制度上置かれてきている、こういった問題もある。 したがって、これから行うべきことは、まず、現役世代の減少に対して、例えば女性、就業率が、男性は日本は二位だけれども、女性は十五位だということでございます。あるいは、高齢者の方々が働きやすい環境をつくる。同時に、デフレの脱却と成長戦略の実現。このことこそが大切ではないかというふうに考えているところでございます。 また、日本は、この資料を拝見しますと、いわゆる研究開発投資などは非常に多いのですけれども、残念ながらそれが成長に結びついてこなかった、こういう指摘をされる方々もいらっしゃいます。ですから、そういったことをきちっと成長に結びつけるような、そんな成長戦略にしたいというふうに考えております。
○海江田国務大臣 遠藤委員にお答えをいたします。 今、玄葉大臣からあらかたお話がありまして、そのとおりだなと思いまして、ちょっと私は視点を変えますけれども、よく私どもは、失敗は成功の母ということを言います。ところが、時として、私は、成功も失敗の母になるのではないだろうかというふうに思っております。 例えば、円高一つをとりましても、今御指摘のありました九〇年代の前に日本は大変な円高にさらされまして、その中で、本当に企業が知恵を絞って、技術を磨いて、円高というピンチをチャンスに変えたという大きな成功の実例があります。 その成功の実例に寄りかかり過ぎてしまいますと、実は、例えば七〇年代、八〇年代の円高と、あるいは九〇年代、二〇〇〇年代の円高は大きく世界の構造が違ってきたわけですから、私は、この際やはり、いっとき成功したその経験に余り寄りかかり過ぎると、これは新たな失敗のもとになるのじゃないだろうか、そういう自戒、戒めも必要なのではないだろうか。その意味では、日本の社会を、あるいは日本の産業構造を大きく転換させることが必要なのではないだろうかと思っております。
○遠藤(乙)委員 それぞれの御見解を拝聴いたしまして、私も同感するところは多々あるわけであります。 もう一枚目の紙を見ていただきますと、これは日本の特許出願件数、国際比較を調べてもらったものです。 これを見ると、九〇年代、二〇〇〇年代を通じて日本はほとんどトップ、アメリカとトップを争っております。最近、若干アメリカに抜かれておりますが、四十万件前後の大変高い数字になっておりまして、ほかのヨーロッパ諸国と比べると随分と、むしろ断トツの数字になっております。 また、科学基礎研究も、ノーベル賞が次々と生まれてくる、論文の引用数等も非常に多いわけでありますから、科学技術それから研究開発で見ると、日本はやはり群を抜いた科学技術大国ということが言えるわけであります。ところが、過去二十年がこれほどの低い成長率ということは何だろうかというのが私の素朴な疑問でございます。 他方、五〇年代、六〇年代、七〇年代に日本が高度成長してすばらしい発展をして、ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われたわけでありまして、このときは本当にすばらしい日本の成功があった。ところが、極めて対照的に、九〇年代以降、余りにも世界から取り残された停滞があるということでありまして、これをぜひ、もう少し分析をしていくことは、非常にこれからの日本にとって大事だというふうに私は考えているところでございます。 そこで、もう一つは、国際競争力のランキングの表がついております。これは特にスイスのIMD、国際経営研究所が嚆矢であります。今、幾つかのところが出しておりますが、これが最も有名でありますので、これを使いたいのですが、日本は、この数字が一九八九年から発表されまして、九二年まで何とトップだったんですね、国際競争力。それから急激に落ちて、二〇一〇年は何と二十七位。アメリカはずっとトップを維持してきておりますが、昨年シンガポールに抜かれて、シンガポールが一位。アメリカがトップですよね。 こういったように、非常に日本の国際競争力の急落ということが極めて印象的といいますか、重要な一つのあれだと思っております。多分、私は、国際競争力がなぜ落ちてきたのか、どうしたらもう一回世界トップに向けて引き上げることができるかということを分析していくことは、一つの重要な手がかりになるのじゃないかと思っております。 この点につきまして、なぜ日本は国際競争力が急落してきたのか、今後これを奪回するにはどうしたらいいか、これは経済産業大臣にお聞きしたいと思います。
○海江田国務大臣 お答えをいたします。 先生御指摘のように、我が国の企業は大変高い技術力を持っております。ところが、それが企業の競争力あるいは国際競争力に結びつかないという御指摘がございます。これには幾つか理由がありますが、一つはやはり国際標準化と申しますか、日本の持っている技術が世界の標準になっていないということがあろうかと思っております。 今私の手元にございます資料でいいますと、国際標準化に関する取り組みの状況で、国際標準化機構というのがありますが、この中で国別の幹事引受数というのが、二〇〇九年の段階で、一位がドイツ百二十九件、二位が米国百二十七件、三位がフランス、四位が英国とありまして、日本は五十九件という事例がございます。特に、IECという国際電気標準会議というのがございますが、ここへの国際標準の提案の件数も、実は韓国が二十五件で、中国が二十三件、アメリカが十八件、日本が十六件という形で、韓国や中国に大きくおくれているということがございます。 特に韓国との関係で見ますと、私は、その次に産業再編ということも必要ではなかろうかというふうに思っております。もちろん、韓国の産業再編というのは、九七年のアジアの経済危機で産業再編を余儀なくされたという事情はあるわけでございますが、やはり日本も、内在的に、これは内側から産業再編という力をつけていくということが必要。 それから三番目が、やはり新興国市場への取り組みが不足をしたのではないだろうかということでございますので、これはまさに今トップセールスで、世界の成長の原動力である新興国に対するアプローチをしているところでございます。 それから、国際競争力のランクでございますが、三百二十七項目がありまして、私も改めてその項目を見てみましたけれども、例えば法人税の税率なども日本は高くなっているわけでございますから、この法人税の税率につきましては、もちろん中小企業の税率も下げましたけれども、今般、実効税率を五%下げたところでございます。 それから、産業再編については、国会に提案をしております産活法、これをぜひ一日も早く真摯な議論をやっていただいて成立をさせていただきたい、そんな思いでございます。
○遠藤(乙)委員 基本的には私も同感する分析でございますが、九〇年代、二〇〇〇年代の特徴は科学技術大国、これであることは間違いない。ところが、科学技術立国になっていないというのですね。要するに、基礎科学研究あるいは研究開発のすばらしい成果が雇用や成長に結びついていない。要するに、ビジネス化する分野で非常にこれが弱体であるということが非常に特徴的な日本の問題。技術で勝ってビジネスで負ける、これがまさに日本の特質ではないかというふうに思われるわけであります。 その背景には、私は、いろいろ考えてはきているんですが、いろいろな要素があって、一つは、日本が高度成長の時代とそれ以降の時代、大きく世界の構造が変わり、特に日本自体が変わっております。 かつて日本が高度成長したときは、まさに世界のトップを切って、いわゆるキャッチアップ型の成長をした。日本は低賃金、ところが、非常に国民の勤勉性とか知的水準が高い、外国から技術を安く導入できる、そういった発展途上国の特異性を最大限に活用して、急速にキャッチアップしていった。まさにカイゼンといった言葉が国際語になっておりますが、そういったプロセスイノベーションを徹底的に進めることによって、キャッチアップ型の戦略にはまったことによって、非常に日本はすばらしい成長をした。 ところが、八〇年代、特にプラザ合意等で円高にもされまして、そういったことでどんどん競争力を失い、賃金も世界で最も高い部類に入った。そうなってしまうと、むしろほかの新興国、中国とか韓国、ASEAN等、そういった国々と大きな、例えば二十倍、三十倍の賃金格差がある場合には、決してこのプロセスイノベーションだけでは対抗できないことになってくるわけであります。 むしろ、新しい日本というのは、先進国型のイノベーションといいますか、プロダクトイノベーション、新しい製品とか新しいサービスをつくり出して、いわば差別化してそれを活用していく、そういった戦略に転換する必要があったわけでありますが、残念ながら、そういった意味では、先ほど海江田大臣も成功が失敗の母と言っておられましたが、余りにもかつての高度成長時代のキャッチアップ型の戦略が成功し過ぎたことによって、それに固執して、真の先進国型イノベーションに転換できなかった。特にプロセスイノベーションからプロダクトイノベーションに転換すべき、その戦略がおくれているということが一つの理由にあるかと思っています。 もう一つは、標準化ということを指摘されましたが、まさに日本の場合には、今ガラパゴス化ということが言われておりますけれども、日本だけが余りにも特異な進化をして、国際的なマーケットに対する備えをしていない。例えば携帯電話にしても、大変すぐれた技術、すぐれたソフトを使っておりまして、日本人から見れば大変すばらしいと思いますけれども、これが国際的に通用していない。まさにスタンダードが全くつくれなかったわけであります。 そういった意味で、せっかくすぐれたものをつくりながら、余りにも過剰品質、過剰の付加価値にこだわり過ぎまして、国際的に標準化したものにつくってこなかった。そういった意味で、やはり視野が内向きになり過ぎていたということではないかと思っておりまして、そういった意味でガラパゴス化といったことも言われている。もし本当に日本が世界に真に向き合って、グローバルな視点でグローバルな市場に対してマーケティングを進めて新製品開発、新サービス開発をしておれば、世界と同じぐらいのレベルで成長ができたのではないかと思っております。 そういった意味では、このガラパゴス化ということも大きな問題である。ぜひともその標準化の問題を含め、真にこれからグローバル化を目指した戦略に転換していく必要があるだろうというふうに思っております。 また、もう一つ特に最近指摘されているのは、いろいろ物づくり、それが従来のインテグラル型という方向からモジュラー型に変わってきている。要するに、自動車のように、いろいろなものをすり合わせながらすばらしい自動車をつくるといった、これは日本が非常にたけておるわけで、こういった、インテグラル型と言われておりますが、最近は特にIT革命によりまして、パソコンなんか、モジュール型といって、部品に分けて、それぞれの得意なところがそれをつくって、それを組み合わせることによって製品化される。 例えば、インテルはアメリカがつくり、マザーボードは台湾がつくり、あるいはソフトはインドがつくる。それを合わせてアメリカの製品として売られているんですが、アメリカがその利益を確保していく、そういったビジネスモデルになってきておりまして、日本の企業のビジネスモデルが、グローバルな、モジュラー化したそういった分業体系に十分対応していないといったことがあるかと思っております。 こういった、単なる技術だけではなくて、まさに、ビジネスモデルをグローバル化あるいはモジュラー化にぜひとも適応するような形で戦略を組み上げるということが大事だということが言われるのではないかと思っております。 私は、余り適切な例かとは思いませんけれども、この日本経済の今の状況、技術、科学では非常にすぐれているのになぜ負けていくんだということ。これは、例えばかつての戦争に例えますと、日本はずっと大艦巨砲主義、艦隊決戦を非常に重視して、日露戦争で余りにも見事に勝ったものですから、「坂の上の雲」のあれを今やっておりますが、余りにも見事に勝ち過ぎたために、艦隊決戦、大艦巨砲主義、ずっとそれが支配的であった。 ところが、ずっと時代が変わるに従って、空母機動部隊、空母に飛行機を載っけて制空権をとって攻める、これはもともとは日本が開発して、真珠湾とかマレー沖海戦はそうだったのでありますが、日本では結局これが主流にならずに、最後まで大艦巨砲主義で来てしまった。ところが、世界はもうそのときには空母機動部隊の戦闘モデルに移行していたわけでありまして、最高の技術の粋を集めて戦艦大和、戦艦武蔵をつくったけれども、ほとんど役割を果たすことなく沈んでいったという、まさにこれが今の日本の状況ではないかと思っておりまして、単に技術が強いからというだけでは勝てない。 やはり、もっと戦略的なビジネスモデルとか、グローバル化に対応したそういったことまでを含めてさまざまな対応、あるいは人材育成も含めていかないと、本当の意味で日本がこれから成長戦略を進めていく上にも、特に、雇用と成長を拡大することこそが日本再建の一番のキーポイントになるわけですから、一番重要なポイントであると思います。 そういった意味では、イノベーションのあり方、日本でもイノベーションがなかったわけではないけれども、余りにもガラパゴス化してしまった、また、過去の成功にとらわれたイノベーションであって、もっと本質的な、新しい時代に即応のイノベーション戦略に転換することこそが、この成長戦略を本当に実あらしめる一番のキーポイントだろうというふうに考えております。 そんな意見を持っておりますが、ぜひちょっとコメントをいただければと思っております。
○海江田国務大臣 委員のおっしゃるとおりでございまして、大変いいお話を聞かせていただいたと思っております。 一つだけつけ加えるとすれば、あと私どもは、成長戦略の中で、スマートコミュニティーでありますとか、あるいは水のインフラでありますとか、これは、従来のプラント輸出というのはあったわけでございますが、私どもは、途上国あるいはこれからの国々、そういうところの、そこに住んでいる人々に対して、生活の質の充実、あるいは生活の安心、安全、こういうものを、やはりインフラシステム全体の輸出をすることによってそういう人々の幸せをしっかりとお届けする、そういうことも成長戦略の中に重要な位置づけをしているということ、そのお話だけは頭のどこかに置いておいていただければ、それで私は満足でございます。 どうもありがとうございました。
○遠藤(乙)委員 そこで、私は、これからの日本再構築に当たってのキーワードは二つあって、一つはセーフティーネットの構築、もう一つはイノベーションだと思っております。 今、国民の現場は、やはり不安に満ち満ちている。豊かになったはずなのに、無縁社会なり、さまざまな不安に満ち満ちているわけであって、介護の問題、年金の問題、あるいは孤独死の問題等々、非常に不安に満ちておりまして、そういったものに対して、あと雇用も含めて、どんな状況でも安全と言える、健康で文化的な生活を送れる最低限のそういったミニマム、セーフティーネットをつくる、これがやはり大きな国民の期待。 もう一つは、それを実現していくには、こういった人間の安全保障を実現するには膨大な財源が要るわけでありまして、当然、雇用機会、成長ということをしなければそれは持続不可能であります。そういった意味で、イノベーションということが極めて重大なキーポイントになるとも考えております。 そこで、このイノベーションということについてちょっと振り返ってみますと、日本では、このイノベーションが、従来、技術革新というふうに訳されております。これはたしか、もはや戦後ではないと書いた経済白書が、同時にイノベーションを技術革新と訳したために、このイノベーションが非常に狭く、技術の分野だけに限定されたものとしてとらえがちであった。かつての高度成長はよかったけれども、今にしてみると、これが逆にむしろマイナスになっているわけで、もっと本来のイノベーションというところにこの考え方を、了解をしっかりと定着させなきゃいけないというふうに思っております。 もともとは、このイノベーションという言葉は、シュンペーターという経済学者が「経済発展の理論」という中で展開した概念でありまして、本来であれば新機軸とか創造革新というふうに訳されるものであるべきであって、新しい製品の開発、新サービスの開発、あるいは新市場の開拓、新しい組織をつくる等々、実はいろいろな広い分野で価値を創造するというふうに定義をされておりまして、まさに日本で言うイノベーション、技術革新とは随分違ったものなんですね。 中国も、当初はこの日本の訳した技術革新という言葉を使っておりましたが、途中でこれはおかしいということに気づいて、創新、まさに漢字の国らしく、創造革新を略した創新という言葉に変えておりまして、今、中国全体が、そういう単なる技術革新だけに限定されない、幅広いイノベーション、創新に向けて今体制を整えているということでありまして、これは如実に中国の国家戦略にも見てとることができるわけであります。 また、シンガポールなども、今、先ほど申し上げたように競争力第一位でありますけれども、実際に行ってみると本当にすごいダイナミズムを感じておりまして、やはり、もう少し我々は広く視野を世界に開いて、もう一度学び直すべきではないかと考えているところでございます。 そこで、イノベーションという言葉、これをもう一度政府としてきちっと、技術革新というのは、これはある意味では誤訳なんですね。絶対的な間違いとは言えないけれども、これは極めて趣旨をたがえた訳でありまして、本来の姿である創造革新とか創新とか、やはりそういう方に統一をすることによって、国民全体の意識をもう一度しっかりと、イノベーションの本来の意味を定着させるということが非常に大事だと思っておりますので、そういったことについてどのようにお考えか、国家戦略担当大臣にお聞きしたいと思います。
○玄葉国務大臣 大変含蓄のあるお話をいただいたというふうに思っております。 確かに、イノベーションという言葉を技術革新という狭義で、狭い意味でとらえないで、もっと大きな、創造革新という意味でとらえるべきだという発想は、私は同感でございます。何とか、成長戦略の中にも、グリーンイノベーションとかあるいはライフイノベーションとか、その場合のイノベーションは、まさに今おっしゃったような、経営革新も含めた、あるいは創造革新も含めた、そういった広い意味で使わせていただこうというふうに考えております。 先ほど、大艦巨砲主義から空母中心へ、こういう話がありました。名著で「失敗の本質」という本がございますけれども、まさに過去の成功体験に引きずられ過ぎたということを書いてございます。その方々が「戦略の本質」というのを書かれていて、そこでは、まさに逆転現象こそがある意味、大戦略の最も顕在化するところだ、こういうことを言っていて、まさに先ほど過去二十年のお話がございましたけれども、これから何とか逆転現象を起こすことができるように、党派を超えてこの成長戦略の実現を図ってまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○遠藤(乙)委員 もう時間が少なくなりましたが、これからの経済政策、私は、従来、公共事業中心でやって、一生懸命努力をして、もしこれがなければもっとひどい状況になっていたと思いますので、決して公共事業を否定しているわけではありません。これも大事な政策だったと思っておりますが、だけれども、イノベーションを伴わない単なる拡張的な財政金融政策は、こういった財政の大きな赤字を生み出し、あるいは悪性インフレを生み出すわけであって、やはりイノベーションを伴ったマクロ政策であるべきだ、これが非常に重要な教訓ではないかと思っております。 そういった意味で、いわゆるマクロ政策、この背景にはケインズ理論があるわけでありますが、ケインズの言っていることは、それにしては正しい。有効需要で生産力あるいは雇用の水準が決まるということは当然のことであって、これは非常に重要な発見であります。それだけでは足りない。中長期の持続可能な発展を維持していくためには、やはり同時にイノベーションを伴う、もっと科学や技術、さらには戦略も含めて、そこまでしっかりと議論した、イノベーションを伴う政策でないといけないというわけであります。 そういった意味で、私は、今後の日本の経済政策のパラダイムを、新古典派総合ではなくてケインズ・シュンペーター総合でいくべきだというふうに思っておりますが、さらにもう一つつけ加えますと、やはり国民レベルでそういった経営感覚がないといけないと私は思っておりまして、今、日本で欠けているのは国レベルの国家戦略、また民間レベルの経営感覚が非常に欠如していることを、国際的に比較すればするほど痛感をするわけであります。 最近、私は注目している現象なんですが、もしドラ現象というのは御存じですか。もしドラ現象。これは実は、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら」というちょっと長ったるい本ですが、今何と二百二十万部、売れに売れているんです。中身は結構難しい本なんですが、女子高校生が高校野球部を立て直すに当たってドラッカーの「マネジメント」を読んで、これだと、はたとひざを打って、そのいろいろな原則を適用して見事に甲子園出場にまで持っていくということで、つい最近ではAKB48のメンバーがたしか主演して映画までつくられることになっておりまして、現場では大変実はこれは人口に膾炙している話であって、ぜひこういったことも知っていただきたいと思っております。 私は、この現象は、日本の国民がやっと経営感覚の重要性ということを認識し始めた兆候ではないかと、非常に前向きに評価をしております。単に技術とかそういった職人志向だけではなくて、もっと幅広い戦略思考、またリーダーシップ、マネジメントのことに意識を持って、どの現場でもそういったことをしっかりと原則に沿って実践して価値を創造していく、それが大事だということにやっと気がつき始めたのではないかと思っておりまして、そういった意味で、私は、今後、こういった経営戦略的な発想を政治も経済も含めてしっかりと定着させていくことが大変重要であるかと思っております。 そういった意味で、今後の日本の経済政策の基本パラダイムは、ケインズ・シュンペーター・ドラッカー総合と言ってもいいんじゃないか。略してKSD総合と私は呼んでおりますが、それでいくことこそが本当の、日本がこれから成長率を四、五%ぐらいに何とか持ち上げて財政再建を可能にするためには、今の状態では絶対不可能です。やはりイノベーションをして価値創造をしていかないと、雇用、成長を拡大しない限り、絶対これは解けない方程式であって、この一番キーポイントであるイノベーションという問題に、ぜひこれは政治家全体が認識を持って、意識を持って進めるべきだと思っておりまして、ぜひこれから中井委員長にも頑張っていただきまして、また政権交代するかもしれませんけれども、ぜひその際には熟議の上で……
○中井委員長 遠藤さんは非常にいい話、民主党は全部それを読まなだめだな。
○遠藤(乙)委員 ぜひそういう日本の国家戦略を進めていきたいと思っておりますので、ぜひこれからも大いに議論を進めていきたい。 ちなみに、つい最近、公明党の提案によりまして、衆議院に科学技術・イノベーション推進委員会をつくりました。これは各党も合意いただいたわけで、まさにこういったことを議論していこうということですね。もっと立法府がそういう最先端の情報、見識を集約して発信していく、国民に旗を振ろう、そういう思いでこれを立ち上げたわけでありまして、ぜひともまた皆様の御理解、御支援を賜るよう、ちょっとPRだけさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○中井委員長 これにて遠藤君の質疑は終了いたしました。 次に、吉泉秀男君。
○吉泉委員 社民党の吉泉秀男です。 昨日、ニュージーランドの地震災害で心を痛めていたときに、山口県の上関原発の工事現場から負傷者が出て入院をした、この情報が入りまして耳を疑ったところでございます。予算委員会の中で大変申しわけなかったわけでございますけれども、この点について質問項目の中に入れさせていただいたところでございます。よろしくお願いを申し上げたいと存じます。 私自身も、工事現場にお邪魔をさせていただいた中で、それぞれ、中国電力さらには地元住民、この人方の話し合い、そのことを含めながら、ずっと見守ってきたところでもございます。しかし、今週の月曜日、電力側として強行に工事を着工した。それに反対をする地元住民含めて、いろいろな対立があったわけでございますけれども、残念ながら、二十三日、負傷者が出て、六十九歳の女性とそして男性が急遽病院に運ばれた。こういう事態、自分自身、大変痛ましいというふうに思っておりますし、今のままでここのところを推移していくならば何が起きるのかわからない、非常に緊迫した動きになっているということについて心配をしております。 海江田大臣の方も、現場の方にお邪魔をして現場を見たという状況もあるんだろうというふうに思っておりますけれども、まず、その月曜日から工事が強行された、そして、きのう二人負傷者が出た、このことについて、どういうふうに連絡を受けながら、どう対応しようとしているのか、まずお伺いをさせていただきます。
○海江田国務大臣 吉泉委員にお答えを申し上げます。 今週の初めに中国電力が上関の原子力発電所の工事に入るということは、私は事前に聞いておりました。ですから、くれぐれもそうしたけが人などが出ないようにということで、万全の体制でお願いをしたいということを私の意向として伝えたところでございます。 その上で、昨日でございますか、これは妨害禁止の仮処分が出た地域でございます。これは立入禁止ではありませんで、妨害の禁止という、裁判所から仮処分の決定が出たその作業地域、作業区域ですね。ここで、その警備員の方とそれから工事に反対する方との間で小競り合いというんですか、それがあって、そして二名の方が救急車で搬送されたということで、きょう先生からこの問題について質問があるということ、それから我が党の山崎誠議員からも、この委員会が始まる前に、先生のお名前も入った、それからそのほかの方々のお名前の入った陳情書を受け取ったところでございますから、今後も、この工事が本当に、そういったけが人などを出すことのないように、ただ、私どもはあくまでも、これは国が重要電源開発地点に指定をしている地域でございますから、現地住民の方々の理解を得られて、そして安全第一で工事が進められるように私も指導していきたいと思っております。
○吉泉委員 三十年以上も住民と電力側との対立が続いているわけですね。この現状の中で、今それぞれ、余りに長く期間を経てきた。それで、まだなお住民との合意がなされない。資料を見ますと、平成十三年の四月に県知事として、それぞれ、国に対しまして、特に用地問題、そしてまた安全性の問題、そして住民の理解を得られるように特段の努力をしてほしい、こういう知事からの要請があってからもう十年たとうとしているわけでございます。 そういう面からいえば、今大臣の方からお伺いしたわけでございますけれども、きょうの午前中は工事が一応ストップしたような、そういう状況と聞いています。しかし、午後からまた工事が再開みたいな、そういう動きを見せている、そういう情報が入っています。そんな中で、いま一度大臣の方から、まずは工事はストップするように、そういう指導はできないものか、そこのところを再度お伺いします。
○海江田国務大臣 先ほどもお答えをいたしましたけれども、やはり事業者に対して、まず安全が第一だよ、安全第一で工事を進めるようにということは、私からその旨伝えるということでございます。
○吉泉委員 大臣も昔は相当の闘士だというふうに聞いています。三里塚闘争含めていろいろな、それぞれの市民運動、反対運動にもかかわった方だというふうにもお聞きもしております。そんな面からいえば、農民の運動、さらには今の漁民の気持ち、その部分はやはりもっとしっかり受けとめていただきながら、このまま推移をしていくならば本当にもっともっとけが人が出てくるのではないか、そういうふうにすごく心配をしております。 そしてまた、きょう、こういう状況がありまして、党首が現地の方に行っております。そんな面の中で、何とか私どもも、それぞれ、こういう一つの対立にならないように努力はしていきたい、こういうふうに思っておりますけれども、そんな面で大臣のさらなる強い御指導、こんな点をお願い申し上げたいと存じます。 次に、環境大臣にお伺いをいたします。 大臣も御承知のように、上関原発の建設予定地である田ノ浦は、瀬戸内海の風景が残る自然豊かなところでございますし、そして、大変貴重な希少動物であるカンムリウミスズメが生息していることが新たに明らかになったところでもございます。そんな面の中で、やはり、住民の方々は、このきれいな海を守っていきたい、こういう一つの思いというのは人一倍強いわけでもございます。 そんな面で、十年前になるわけでございますけれども、アセスをやったわけでございますけれども、もう一度、こういう一つの希少生物が出ている、そういう中、さらには、それぞれ、環境省に対しまして学者等の方からも意見が、さらには要望が多く出ているというふうにも思っておりますけれども、この点について環境大臣の考え方をお伺いします。
○松本国務大臣 お答えいたします。 委員御承知であると思いますけれども、環境影響評価法は、事業の実施に当たりまして、あらかじめ環境影響評価を行って、環境の保全について適正な配慮がなされることを確保するための仕組みを定めたものであります。そういう意味では、その趣旨から、事業着手後についての再アセスの規定はございません。しかし、事業者において、事業着手後も環境保全のために必要な措置を講ずることは責務と私どもも考えております。 上関原子力発電所の計画地周辺については、生物多様性に富んで重要な自然環境を有する地域であるために、十一年前、平成十二年の二月に、貴重な生物の保全等を求める環境庁長官意見を提出しております。同意見の中では、新たに希少な動植物が確認された場合についても適切な対応をとるよう求めているところであります。 本事業の事業者である中国電力においては、この意見に従い、事業着手後にも、事業予定地周辺で確認されたカンムリウミスズメについて、専門家の指導を得つつ必要な調査を実施しているというふうに聞いております。 環境省としては、引き続き、中国電力において適切な環境配慮がなされるように注視をしてまいりたいというふうに思っております。
○吉泉委員 大臣、今、アセスの改正そのものは継続審議になっているわけですね。そういう状況の中で、今、環境の問題が出てきたときに、そういう住民とのトラブルになっていったときにどういうふうにしていくのか、やはりこれも一つの大きな国としての任務にもあるんだろうというふうに思っております。 その中からいうと、民主党政権のいわゆるコンクリートから人へという一つのキャッチフレーズ、このことは何も公共事業だけでなくて、冷たい政治から温かい政治へ、やはりこういう一つの訴えにもつながっているんだろうというふうに思っています。 その中では、いろいろな、今の本当に寒い中、あそこの現地の中で丸太小屋みたいな掘っ立て小屋で暮らし、そして常に対立の状況があっている、ああいった状況というのをいち早く解決していかなきゃならない。そういった部分を含めて考えていったときに、希少な生物も出てきたわけでございますから、そんな面の中では、ひとつ、もう一度このアセスというものについて考えながら、やはり環境を守っていくという立場で御努力をお願い申し上げ、環境大臣への質問をこの項については終わらせていただきます。 次に、雇用問題に入らせていただきたい、こう思っております。 まず、間もなく三月、もう卒業シーズンでございます。そんな中で、大学生の中で、約一年間半、それぞれ就活そのものを一生懸命やりながらも、まだ内定が受けられない、こういう人たちも多くおります。その中で、文科省として、卒業前の最後の集中支援、こういう一つの大きな取り組みをしながら、実績として五万二千九百八十一人、こういった分の中で今の実績も上げているというふうにもお聞きもしております。 今、大学の中において現時点での内定率、全体の卒業生が大体幾らいて、そして内定を受けているのは何人であるのか、そのことについて、まずお伺いさせていただきます。
○高木国務大臣 昨年の十二月現在の統計でございますが、内定率は六八・八%ということでございます。
○吉泉委員 六八・八%ということで、今大臣から答弁がございました。 今、文科省として、この内定率をそれぞれ手に入れる、そのことについての調査、そのことについては、ここの中身を見ますと、抽出をしてやっている、そんな状況でつかんでいる、そして年四回やっているという状況で私はお聞きをしています。そういう中で、今六八・八ということについては、もう大変な数字だなというふうにも思っております。 私ども社民党として、特に若者の就職そのものが非常に低くなってきている、このことを踏まえながら、正月六日に対策本部を立ち上げまして、それぞれ地方の大学、さらには都市の大学、そしてハローワーク、こういうところに行って、そしてまた商工会議所等に行って現状をつかまえて、そして、これからやろうとしている施策そのものが本当に生きているのか、このことも検証しながら今動いているところでございます。 そんな中では、自分自身が山形ですから、地方の大学に行けば、それぞれやはり、今、少子社会の中において生徒を集める、そういった部分についても、出るときにきちっと就職、その部分が確保されている、そういう面の中では大学というものに対して信頼があり得る。そういう中において、大学の中において、それぞれ一人一人の就職状況、そういうものをつかんで、そして内定率はこれだけですよ、こういうふうに言うわけでございます。 そういうような状況からいった場合に、やはり文科省としての内定率の調査のやり方、このことについてはもう少し変えていいんじゃないか。もっと大学の方から報告を受けていく、さらには、大学でそれぞれ学生の一人一人をつかまえられない、こういう状況であれば、どういうふうにそのところをつかんでいくのかとか、いろいろなことをやはり考えていかなきゃならない、そういう状況にあるんだろうというふうに思っていますけれども、大臣の考え方をお伺いします。
○高木国務大臣 吉泉委員の御指摘は、調査に当たっては、今は抽出調査であります、これを全数調査をしたらどうか、こういう御指摘もあるのではないかと思っております。 いわゆる就職内定状況調査については約二カ月ごとにやっております。その時点の状況を的確につかんで速やかにこれを把握する、そして適時に手を打つ。こういうことからも、地域的なバランスあるいは男女のバランスも考慮しながら、今抽出してやっております。 全数調査については、いわゆる学校基本調査統計というものがありまして、これは五月一日時点で調査をし、そして八月に速報値、十二月に確定値を公表しておる。これが卒業した学生の状況調査でございます。 そういう意味では、私どもとしましても、抽出調査と全数調査の確率、過去五年間を調べてみましても、調査の確率というのはほぼ一緒だということでございますので、要は、委員御指摘のように、まだまだ、残すところわずかではございますが、一人でも多くの方々が仕事につかれるということで、我々は関係府省とも連携をとり、そしてまた産業界あるいは企業の皆さん方とも、十分要請をしながら、取り組みを進めてまいりたいと思っております。
○吉泉委員 私は、文科省と大学との関係、ただ設置許可とかそういう部分ではなくて、これだけ厳しい状況の中において、また非常にこれから学生に対する期待、そういうものがあるときに、ただ単なる抽出ということではなくて、やはり大学から文科省の方に上げてもらう、こういったやり方も含めて考えていかなきゃならないのではないか、こういうふうに思うんです。 それと同時に、今、自分自身が地方ですから、学生が就活に対して大変な費用がかかるんですよ、地方ですから。ですから、学生が山形の遠くから東京なりに来た場合に、それを決めるまで約三十万かかる、こういうふうにも言われています。その中で、大変厚い取り組みがなされているわけではございますけれども、キャリアカウンセラーの配置なり、さらには就業力向上のための支援プログラムなり、いろいろな面で、そしてその指定をする大学も数がふえている、こういうことについても非常にありがたいなというふうにも思っております。 しかし、このことが、事業仕分け等の中でいろいろな課題があるというふうなことで、少し前向きに検討なされていないような、そういう部分があるわけでございますけれども、しかし、現場の中では大変ありがたい。そしてまた、そういう面の中で、学生と大学が一体となってこれをやっている。そういった部分なんかも含めていった場合に、やはり文科省として、もう少し大学側の現場を含めながら、そういった点について力を入れていただきたい、こう思っております。その点について一つ。
○高木国務大臣 委員御指摘のとおり、例えば山形からいわゆる首都圏に就職活動をするためには、交通費を初め大変なまた経費がかかる。そういうことを私も十分承知をいたしておりまして、これについては、大学教育・学生支援推進事業というのがございまして、それぞれの大学が工夫をして、負担軽減のために我々もそれを御支援するということをやっておりますし、これからもしっかりこの中身の充実について取り組ませていただきたい。 もちろん、大学においても、就業力、職業力、これをきっちりつけられるような大学教育のあり方についても、今本当にある意味では考え直す大事な時期になっております。 いずれにいたしましても、大学と受け皿となる経済界あるいは企業の皆さん方とも、これからも十分情報を収集してやってまいりたいと思っております。
○吉泉委員 やはり大学は日本の最高の教育機関でもございます。その中でも、地方と都市、そしてまた公立と私立、いろいろな形でそれぞれの特色もありながらも、最終的に出るときに、いろいろな形で苦労が、そしてまたさまざまな状況の中で違う、そういったところをやはり手厚く、その地域の事情、学校の事情に合わせた一つの支援、この部分が今求められているんだろうというふうに私は思っています。ぜひ、大臣の方からひとつよろしくお願いを申し上げます。 どうもありがとうございました。もう時間がありませんので、本当にカットしまして申しわけございません。 厚労省の方にお伺いします。 大変残念です。今、ハローワークで全国的に雇用の状況を、ずっと現場の方にお邪魔させていただくと、正規の職員で募集をする、この割合が全国平均で三七・五%なんですよ。四割を切っています。私の山形はそれよりももっと低い数字になっています。正規職員でなくて、それぞれ有期で職員募集をする、社員募集をする、こういう状況が当たり前みたいな、そんな状況になっている社会なのかなということで、本当にこの数字を見たときに疑いたくもなったところでもございます。 その中で、それぞれ雇用の部分の中で、トライアル雇用なり、そして就職支援、こういう面で進めて、厚労省としては、なるべく多くの、一人でも多くの方を企業に雇用していただきたい、こういう面で施策を、約一兆円等を含めて動いているわけでございますけれども、実質これだけ正規の職員、社員が少なくなっている現状、そしてまた、全国で今働いている全体のところについては三五%以上も非正規で働いている現実、このことに対して大臣としての所見をお伺いさせていただきます。
○細川国務大臣 職を求めている人は、できるだけ安定した職ということで正社員を希望される方が多いというふうに思いますけれども、今委員が御指摘になりましたように、正社員を求めている求人の割合というのは、何か三七%とかおっしゃいましたけれども、昨年の十二月の全国の求人の割合というのは四三%というふうになっておりまして、特に、委員の山形などは三二%、酒田が三三%、鶴岡が三七とか、余りよくないということでございます。 そういうことで、ハローワークといたしまして、全国で求人開拓を行うその専門の相談員を千四百名配置いたしまして、正社員の求人を中心に積極的に求人開拓を行っておるところでございます。こういう取り組みによりまして、昨年の十二月までの正社員求人数は、前年同期に比べまして全国で約二十四万人ふえておるところでございます。引き続き、ハローワークで求人開拓に積極的に取り組んでまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○吉泉委員 もう一つ、私、教育訓練と生活支援の関係について考え方をお聞きしたいんです。 これは、若者の中で、それぞれ雇用保険も切れて、そして教育訓練をやるわけですけれども、この十万、十二万が地方の場合はもらえないんですよ。それは何かといったら、三世代、四世代同居、そしてうちがある、それから田んぼがある、畑がある、こういう状況でそのところから外されるわけですよね。これはもう参ったという状況なんですけれども、少し都市の方は、それぞれアパートとかマンションとか、そういう形で住んでいれば生活支援をいただけるというふうに思っていますけれども、地方の割合が低い、こういったところについて、少し見直す気持ちはないかどうか、そこのところをお聞きしたい。
○細川国務大臣 この訓練・生活支援の給付につきましては、雇用保険を受給できなくて生活費に不安を抱えている人たちが、職業訓練を受けながらやるわけですけれども、やはり真にこの支援を必要とする方に給付を行う、こういうことなわけなんですね。 そこで、それにはいろいろな要件がございまして、現在住んでいる土地建物、これはいいんです、ここだけは。だけれども、それ以外に土地を持っているということが要件となっておりまして……(吉泉委員「農地はだめでしょう」と呼ぶ)だから、現在住んでいる土地建物以外に土地建物を所有している人はだめだ、こうなっているんですよ。だから、そういう意味では、やはりそういうものを持っているのは余裕がある方でありまして、なかなか、そういう方にまで支給するということについては、いろいろな公平の観点からちょっと難しいかなというふうに思います。 だけれども、今委員が御指摘になったようなことについては、これはやはりいろいろと問題もあるかとも認識いたしておりまして、いろいろな観点から、総合的にいろいろ判断をしていかなければというふうに思っております。
○吉泉委員 ぜひよろしくお願いします。 そして、やはりこのことについては、その考え方もわかるんですけれども、しかし、地方は、畑、田んぼ、山なんですよ。そんなに資産価値があるんじゃないんですよ。ですから、そういう面では、労働局なりハローワークなり、その辺のやはり判断、そういったところについても少し大きくとらえていただきながら、せっかく頑張ろうという部分について、地方と都市は差があるんだよみたいな話をされると少し困るわけでございますから、その面でこれからも、大変まだまだ厳しい、雇用状況は深刻でございますけれども、私どもも一生懸命取り組むという決意も申し上げて、終わらせていただきます。 本当にありがとうございました。
○中井委員長 これにて吉泉君の質疑は終了いたしました。 次に、柿澤未途君。
○柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。 きょうは、まず、片山総務大臣の御発言と民主党のマニフェストの整合性についてお伺いをしたいというふうに思います。 二十二日の総務委員会で、片山総務大臣といろいろと御議論をさせていただきました。そのときの答弁を聞いていて、ちょっと驚いてしまったんです。淡々と片山大臣はお答えになられていたんですけれども、大臣が、民主党のマニフェストの根幹的な政策目標をいとも簡単に放棄するかのような発言を繰り返したからなんです。 まず、出先機関の原則廃止ということについてなんですが、言わずもがなですけれども、民主党のマニフェストの二〇〇九には「国の出先機関を原則廃止する。」とはっきり書いてあるわけです。 昨年末、片山大臣を初めとする御尽力で、国の出先機関の原則廃止に向けて、こういうアクション・プランができたわけです。ところが、国の出先機関の事務の地方移管を基本的に平成二十五年度から進めていきます、こういうことが書かれているだけで、どのぐらいの地方移管を進めるのかという目標は設定をされていない。さらに言えば、地方移管の話はあっても、出先機関の廃止ということについては一切の言及がないわけです。 これについて私はお尋ねをさせていただいたんですけれども、片山大臣がそのときに何と答えられたかというと、今回の出先機関の地方移管について、片山大臣は、急がば回れ方式だ、こういうことをおっしゃられたんですけれども、急がば回れ方式でやった場合には廃止という言葉がなじむかどうかわからない、廃止という言葉が表現としてなじむかどうかは私にもためらいがある、二度にわたって、廃止という言葉はもう今となってはなじまないんじゃないか、こういうことをおっしゃられたんです。 これはさらっとおっしゃったんですけれども、これはどういう前置きがあるにしても、「国の出先機関を原則廃止する。」というこの民主党のマニフェストの変更または撤回ということになるのではないかと思うんですけれども、その点について片山大臣にまずお伺いします。
○片山国務大臣 総務委員会の審議で、かなり丁寧に、かつ率直にお話を申し上げたつもりなんです。 アクション・プランを見ていただくと、先ほど議員もお触れになられましたけれども、原則廃止に向けてということでアクション・プランをつくっております。 そのときの大きな原則として、国が出先機関をもう全部地方団体に移管するんだというふうな、国の都合で青写真をかくのではなくて、まず、これは受け入れ側の方の主体性とか自主性が必要ですから、受け入れ体制も必要ですから、自治体の方で、あるいは自治体の連合、広域連合とかの広域的な取り組みでもって受け皿をまずつくっていただきたい、そこで主体的に自分のところはこれとこれを受け取りたい、こういう方式をやりたいということでアクション・プランをつくったわけです。 そうすると、私が申し上げたのは、極端なことを言いますと、これから順次ずっとそれが地方の取り組みとして進んできた場合に、ある地域は、うちはもう受けないというところがひょっとしたら出てくるかもしれない。それは、地方の自主性を尊重すれば、そういうことは理論的にはあり得るわけですね。そういう意味で、全部廃止、そういうことはなじまないかもしれないと。 ただし、当方としては原則廃止に向けて、どちらが主体性を持って、押しつけるのか、そうじゃなくて受け取る方の主体性を尊重するのかという、そのやり方の違いを説明したわけで、決して私は、民主党が掲げてこられました原則廃止というものをはなから否定した、そんなことは毛頭ありません。
○柿澤委員 主体的な地方からの意思に基づいて、いわば積み上げ型でこの出先機関の地方移管を行っていく、これは一見ボトムアップのアプローチでとてもよさそうだと思います。そういう考え方もあると思います。しかし、一方で言えば、悪く言えば、これは地方との交渉、協議の結果次第で、ある意味ではこの先どこまでできるかわからない中での出たとこ勝負みたいなことになるわけです。どこまでできるかは地方の意向次第だということにもなるわけです。 同じ答弁の中で、今もおっしゃられましたけれども、実は地方の中には国がやっておいてもらった方がいいんだというところもあるんです、地方出先機関を引き受けない地方もあるだろうというようなことをお認めになられている。これで本当に原則廃止ということになるのか。 そもそも、これはどれだけ進めば原則廃止ということが言えると考えられるのか。これは高速の原則無料化というときにも、どこまでやれば原則無料化なのか、こういう議論が昨年の国土交通委員会であった覚えがありますけれども、この出先機関の原則廃止ということについて、どこまでの到達点をもって原則廃止ということが言えるのか、これは民主党政調会長である玄葉大臣にお考えをお伺いしたいと思うんです。
○玄葉国務大臣 どこまでかという御質問かというふうに思いますし、また同時に、片山大臣に問われたことも含めてということではないかと思いますけれども、私も、閣議決定の「アクション・プラン 出先機関の原則廃止に向けて」というこの決定は、これまで民主党が申し上げてきた出先機関の原則廃止ということに対して何ら矛盾するものでもないし、基本的にしっかりと進めていくものになっているというふうに考えております。 同時に、先ほど、いわゆる国の押しつけか、地域の自主性か、こういう話がありました。確かにこれは、私もこの地方分権の話というのは長年取り組んできておりますけれども、例えば国がグランドデザインをまず描いたときに、国が命令で、押しつけで、この制度でやれということは、一見簡単なように思えるかもしれませんけれども、それは地域主権、地方分権、地域の自主性を重んずる本来のあり方からするとどうかなというふうに私は思っています。 そう考えると、今、片山大臣がおっしゃったように、国の姿勢としては原則廃止です、ただ、まず九州とか大阪を初めとする関西圏とか、それぞれ自主的にブロックごとに受け皿をつくってくださいというやり方は、本来地域主権、地方分権を考える上ではむしろあるべき姿ではないか、私はそう考えております。
○柿澤委員 ということは、これは地方と協議、交渉してできる限り進めます、これが地方出先機関の原則廃止という皆さんの考える本旨ということになる。これでよろしいですか。
○片山国務大臣 私は九月に担当大臣になりまして、この出先機関改革を進めるに当たって、やはりそれは受け皿の方の主体性、自主性というものを尊重するのが本来の姿だろうと私は思います。国の方で全部出先機関の移行計画をつくって、嫌がっても何にしても押しつけるというのは、これは国のあり方として、特に地域主権改革というものを標榜してきた民主党政権にあって、そういうやり方をとるべきではないと私は思います。 恐らく柿澤議員は、そうやっていくと残るところがあるんじゃないかという懸念をお示しになるんだろうと思います。私も、先ほど地域によっては残るところがあるかもしれないということを申しました。これは一定期間過ぎたときに一部が残ったとしますと、では、そのときはそれをどうするのかというのは、またその時点でその対応策といいますか善後策を考える、それぐらいの余裕と度量はあってもいいんじゃないかと思うんです。全部最初から受け取ってもらう、何が何でもねじ伏せてでもというような対応をするよりは、まず主体的に受け取ってくださいと。その上で、残ったところを国としてどういう方策を考えるかということを考える方が、それこそ急がば回れではないかと私は思っております。
○柿澤委員 マニフェストは公約とどう違うか。達成すべき数値目標を明示して、達成期限を明示し、そのための財源を明示した、これは国民との契約書だ、これは菅さんが言った言葉ですね。目標も定めず、結局、できる限りはやります、書いたとおり原則廃止になるといいですねと。これでは、まさに、菅さんの言っていたマニフェストの考え方とは全く違う物事の進め方になってしまうのではないですか。 私たちは、国がやはり一定の青写真をかいて、将来の絵姿をかいた上で、それは押しつけはいけません、押しつけはいけませんけれども、あるべき姿を国と地方で議論を闘わせながら進めていく。今は、地方の側から、これは受けますよということについては、はい、どうぞどうぞ、こういう話になってしまっているのではないかと思いますが、まさに、達成目標を明示し、そして、いついつまでにという期限を明示するという、このマニフェストで菅さんが民主党代表として当初示された考え方と今の物事の進め方は全く違うものになってしまっているのではないかと思いますが。
○片山国務大臣 何も青写真がないのではないかということではありません。青写真は、アクション・プランを見ていただくと書いています。 それは、二つの要素があって、一つは、ブロック単位で丸ごと移しますよということが書いてあるんです。ただし、その場合に、国が押しつけるのではなくて、ブロック単位でまとまって、北海道と沖縄はブロックというよりは一つのもうまとまりがありますから、そこは一つの単位で結構ですけれども、ブロック単位で、受け入れの意欲と、それから体制が整ったところから順次移していきますよ、これが青写真です。ただし、それは国が一律に一時期にどっと押しつけるのではなくて、順次やっていきましょうということなんです。 そこまでの体制が整わないところについては、しかし、今から、一県単位でも、それから例えば複数の県でも結構ですけれども、既存の国の事務を、それも地元の方の受け入れの意欲と体制によって、直轄河川とか直轄国道とかを移していきましょうよ、そういう青写真をかいているわけです。 ですから、柿澤議員のおっしゃるように、最初から全部設計をかいて全部押しつけるというやり方か、それとも、順次地方の側からのイニシアチブによって移していくのかという、アプローチの違いだと思うんですね。 それは民主党がマニフェストで掲げたことと違うんじゃないかとおっしゃいましたけれども、民主党の大きな政策の柱は地域主権改革なんです。地域のことは地域に住む住民の皆さんが決めましょう、これが一丁目一番地なんです。そうしますと、当然、マニフェストの中に、地方出先機関改革を進めるといったときに、その地域主権改革の思想はあるはずなんです。私は、それを、去年の九月十七日に担当大臣になって、その民主党政権のマニフェストの一番基本方針である地域主権改革というものを念頭に置いてこのアクション・プランをまとめたと思っております。
○柿澤委員 では、続けて、それで国家公務員の総人件費の二割削減というのができるのかというお話に行きます。 これは、やはり民主党マニフェスト二〇〇九、地方分権推進に伴う地方移管、そして、国家公務員の手当、退職金などの水準云々の見直しなどにより、国家公務員の総人件費を二割削減する、こういうふうに書いてあります。国家公務員総人件費二割削減の手段としてマニフェストのイの一番に書いてあるのが、この地方分権推進による地方移管なわけです。 すなわち、国の地方出先機関の事務、権限の地方移管に伴って国の職員も地方に移管をする、それで国家公務員の数が減って、それで総人件費が少なくなっていく、こういう道筋だというふうに思うんですけれども、先ほど来申し上げているように、その出先機関の地方移管が、これからの地方との協議、交渉次第で、特に目標を定めてここまでにこうしますということではないということであれば、地方移管による国家公務員人件費の削減効果も、どこまで上がるかは、これもこれからの交渉次第、こういうことになるわけですよね。結果として、地方移管が進んで二割削減までいくかもしれないし、結果として、地方が消極的ならば、そこまでいかないかもしれない。 マニフェストのイの一番に書いてある一番の大どころで、こういう、言ってしまえば、これから勝負、あやふやな状態なわけですから、つまりは、国家公務員総人件費二割削減という数値目標も、出先機関の廃止ということと同じで、いつまでにどこまで行くかわからないけれども、ともかくそれを目指していく、皆さんがまさに否定をしていたウイッシュリストの世界にすぎなくなってしまうのではないかというふうに思います。 この手法で、国家公務員総人件費の二割削減、多少ずれ込む可能性があると片山大臣自身がおっしゃられているようでありますけれども、最終的には達成をする、こういうことを言えるんでしょうか。お尋ねします。
○片山国務大臣 私は、総務大臣、あわせて総人件費二割削減担当ということで、菅総理から昨年の九月の十七日、それから明けて第二次改造内閣でも同様に、その担当大臣の拝命を受けました。今、それを鋭意進めているところであります。 私は、柿澤議員は少し誤解があるのではないかと思って伺っていたんですけれども、地方出先機関の改革でもって人件費二割削減を全部実現するということは、マニフェストに書いているわけではないんです。マニフェストは、幾つかの要素があって、それを合わせて二割削減をするということを書いているわけでありまして、たまたま出先機関を最初に書いていますけれども、それでそのほとんどすべてを賄うということでは決してないと私は理解をしております。 それ以外に、例えば、本当に通常の仕事の見直しによって定数を減らしていくということもありますし、それから給与の水準、これは、この通常国会に国家公務員の給与法の改正案を出そうと思っておりますけれども、人勧とはちょっと離れますけれども、異例のことではありますけれども、給与水準の改定をすることによって人件費の削減をしようということもありますし、その他、退職手当とかいろいろな要素がありますから、そういうのを組み合わせてやろうということであります。それを今やりつつあるんです、その作業を。 何か、出先機関改革がちょっとこのアクション・プランで大口が二十六年度以降になるということだけをとらまえて、マニフェストの総人件費二割が全く進んでいないんじゃないかとおっしゃるのは、私は少し早計に過ぎるのではないかと思います。
○柿澤委員 そういう考え方も私は否定はしませんよ。ボトムアップのアプローチを私も否定しているわけではないんです。国が押しつける形の地域主権、国が押しつける地域主権なんというのは、いわばこれは語義矛盾です。そういう考え方もあると思います。 しかし、片山大臣のような、考えようによっては至極真っ当な考え方に基づく方針が、結果的に、数値目標達成期限を明示したマニフェストを半ば否定することになってしまう、こういうふうな皮肉な現象が起きてしまっているのではないかと思うんです。 私は、今でも思い起こすんです。菅総理が、今までの公約とマニフェストというのはどう違うのか、達成期限を明示して、具体的な政策を提示して、そして、そこに至る道筋を明らかにする、それに必要な財源もしっかりとそこに盛り込んでいく、そういう具体性のあるものがマニフェストであって、今までの公約とは違うんだ、こういうことを力を込めて今の菅総理がおっしゃってきたはずなんです。 しかし、政権をとって実行してみると、気がつくと、これはある種意気込みの問題だ、原則廃止は意気込みだ、こういうことになってしまっているということについて、私は、結果的に、これはマニフェストに基づく政治のあり方が破綻をしてしまった、こうした一つのあらわれではないかというふうに思います。 もう一つ、質の担保についてなんですけれども、道州制の議論をしたときの答弁で、片山大臣から、受け皿として大きくすべきじゃないかということと、もう一つ、質がちゃんと高いですかという指摘もあるんです、それが最近地方議会などをめぐって出ている問題であります、もっと区域は広くあってしかるべきではないですかということがありますけれども、しからば、質は本当に万全ですかという問いかけもあるんです、都道府県でもと。その質を今のままにして、区域だけ大きくすることで問題が解決できますか、こういうふうにお話をされておられます。 これは、今の都道府県のサイズでも行政の質が十分でないのに、道州制で広くなったらもっと悪くなってしまいかねない、こういう懸念を語っているように聞こえます。これは、実はよく言われる懸念ではあります。しかし、私は、民主党政権の閣僚で、改革派知事の一人であり地方分権の旗手であったはずの片山総務大臣からそういうお言葉を聞くとは正直思わなかったんですよ。民主党政権全体もそういう考え方ですか。地方において行政をお任せすると質の担保が十分でない、そういう場合もある、こういうことを基本的に考えておられるんですか。ちょっとお尋ねをしたいと思います。
○片山国務大臣 これまで長い間、地方分権改革というのをやってきたんですね。地域の自主性を尊重するようにということでやってきたんですが、総じて、地方自治の、これは講学上の問題ですけれども、団体自治の強化ということに力を入れてきたんです。これは、国とは違う地方自治体を、権限を強化しましょう、財源を豊かにしましょう、自由度を増しましょうということでやってきたわけです。これが権限移譲であったり、税財源の移譲であったり、関与の廃止縮減であったわけです。 地方自治は、もう一方で、団体自治と同様に住民自治という基本理念があるわけです。これは、国から自立した自治体の中で、主権者である住民の意向がどれだけ反映させられるか、どれだけ反映した効率のいい行財政ができるかということなんです。そっちの方は、実は正直言いまして、長年の間の自治改革の中ではほとんど手がついていないんです。専ら権限の強化の方に力を費やしてきたんです。 私は、長年この地方自治の分野にかかわっておりまして、あわせて住民自治の強化もやらなければいけないということを考えてきました。最近、いろいろなところでいろいろな地方自治をめぐる問題が出ておりますけれども、一つ底流でありますのは、やはり住民自治が不足しているといいますか、いささか弱いのではないか、そういうことが底流にあると思っております。ですから、あわせて、今は四十七の都道府県、それから千七百数十になりましたけれども市町村の住民自治の強化の方にもう少し力を入れるべきではないか、それをないがしろにして、またぞろ規模だけ大きくする、団体自治の強化だけを図るというのは、ちょっとこの時点では少し考え直した方がいいのではないかということを私は申し上げたわけです。
○柿澤委員 私たちは、これまでの地域主権の進め方の考え方として、基本的にニア・イズ・ベターといいますか、住民に近いところで行政が行われた方が物事は効率的で、なおかつ住民満足度の高い行政が行われる、こういうふうに考えて政策を議論してきました。 先ほどの御発言、御答弁を聞いておりますと、そういう意味でいうと、先日の、都道府県であっても、今地方にお任せをして質の点では大丈夫ですか、こういう懸念もある、こういう趣旨の御答弁は、それではどういう意味だったのかということをもう一度お伺いしたいと思うんです。
○片山国務大臣 いい機会ですから率直に申し上げますと、私は、知事を八年間鳥取県でやりまして、四年前に知事をやめて、大学で地方自治の研究をするということをやってきました。その過程で全国各地へ伺いました。北海道から沖縄まで、それから大都市から小さな町村まで。いろいろなところでいろいろな人にお会いをしまして、実は、当時地方分権の話、最近では地域主権改革の話をしまして、総じて国民の皆さんは、地方分権や地域主権改革は総論で賛成であります。ぜひそれをやってもらいたいという。 そこで、今の地方自治の仕組みでいいますと、では一体、今までは国の、霞が関のお役人が決めていたことをこれからはだれが決めるんですかというときに、それは今の仕組みですと自治体で決めるわけでして、その中で議会が決めるということになるわけですね。そういう話をしますと、実はもう正直なことを言いますと、皆さん顔が曇ってきて、地方分権はいいやという人が圧倒的に多くなるんです。 これはどういうことかといいますと、やはり一番身近な、ニア・イズ・ベターというのはそうなんですけれども、そこに対して、必ずしも全幅の信頼を置いていない人が圧倒的に多いんです。ですから、どんどんどんどん規模を大きくするといったときに、実は、一方で、自治体の主権者である住民の皆さんの信頼を回復するということをやらないとまずいんじゃないかと私は常日ごろ思っております。 もちろん、並行して団体自治の強化ということで、その文脈の中では、例えば、今ある国の権限を随時おろしていきましょうというのが団体自治の強化でありますから、これは私はやったらいいと思います。しかし、それだけではだめで、一方で住民自治、住民の皆さんの意向ができるだけ反映しやすくなるような、それによって信頼度を回復するような、そういう制度改革とか運用の改善を図っていかなければいけないということを私は申し上げたかったわけであります。
○柿澤委員 本当にいい機会で、片山大臣から、今の民主党政権の地域主権、また地方分権に関する基本的な考え方のスタンスをお聞きできたと思います。 次に移ります。リビア情勢です。 私の父は、カダフィ大佐と会ったことのある日本で数少ない政治家の一人でありました。 八六年のトリポリ空爆のときに外務政務次官をやっておりまして、あのころ事実上テロリスト国家扱いであったリビアに単身乗り込んで、あの当時はカダフィ大佐は砂漠のテントで住んでいまして、そこに行って邦人救出の交渉をした。 模造刀の日本刀を持っていって、お渡しをして、万が一、日本人をこのまま救出できなければ、私はこの刀で腹切りしなきゃいけない、こういうふうに言ったら、カダフィ大佐は大変その発言を喜んでというか、人間的な信頼関係ができて、その後、日本とリビアをつなぐパイプは、ずっと私の父が単一の窓口で請け負ってきた、そういう時期がありました。 そういう四十一年の今のカダフィの体制が、今、大変揺らいでいる、そうしたものを目の当たりに見るというのは、本当に驚きを持って見ている一人であります。 報道によると、リビアの旧宗主国のイタリアの外務大臣は、リビアの第二の都市ベンガジやベイダを含むリビアの東部が、もはや政府の支配下にない、こういうふうに言っておられます。国じゅうで暴力行為が起きているということで、騒乱が各地に広がっている、こういうことに懸念を表明しております。 今や、デモ隊に空爆を行ったり、あるいは傭兵を使って無差別射撃をデモ隊に対してする、こういう異常な状態にリビアの国内はなっているようでありますけれども、ついきのうの朝、リビアの国内から帰国をした方から話を聞かせていただきました。 二十一日午後四時半のカタール・エアに搭乗したそうなんですけれども、知人二人は次の臨時便で出国をする予定だったそうですけれども、その次の便はキャンセルになってしまって、その後は民間航空機が飛ばない、大勢の人がトリポリの空港に取り残されている、こんな状況だったというふうに聞きました。 そして、彼の出国当時は、リビア国内は八十人在留邦人がいたそうで、反政府の支配下に入ったと言われるベンガジにも数名、また空爆もあったとされるミスラタにも数名いたということであります。 今、全体で何人がどの都市に、リビアの国内にいるのか。そして、携帯電話がつながらないというふうに聞きますけれども、安否確認はとれているのかどうか。そして、この方々に対する救出、出国の手配というのはどうなっているか、お伺いをしたいと思います。
○前原国務大臣 実は、この委員会に出席をする前に、外務省において対策本部を開きまして、西ケ廣大使と電話で話をいたしました。 今、日本大使館の館員を含めて、おられる人たちは五十二名でございます。観光客は、幸いにも全員海外に出たということでございます。 そして、その五十二名の内訳でございますが、首都のトリポリ及びその周辺が四十五名、それから南東部のアジュダービヤに一人、これは邦人企業の方でございます。そして、東部のベンガジに一人、東部のシルテに一人、西部のミスラタに四名、この邦人企業でない方々の六名は、これは韓国の企業にお勤めの方でございまして、すべての方と連絡が今とれていると。このトリポリ付近におられない七名の方も含めて、すべての方と連絡がとれているということでございまして、この七名の方が今身動きができないという状況でございます。 そして、トリポリにいる方は、もうきょうも国外に出るということでございまして、大使館員も最小限を残し、そしてこの七名の方と連絡をとりながら、できる限り早期に国外へ退避するように全力を尽くしているところでございます。
○柿澤委員 時間も参りましたが、最後に六名の方、韓国企業のいわゆる下請みたいな形で働いておられるエンジニアだと聞いておりますが、その韓国企業と同一行動をとられているというふうに聞いていますので、ここは、韓国との緊密な情報交換、また連携が必要になってくる。国によっては、ほかの国がチャーターした便に一緒に乗って出国をしている、こういうケースもあるというふうに聞いておりますので、その点について、韓国との情報交換、連携のあり方についてお尋ねをして、終わりにさせていただきます。
○前原国務大臣 韓国のみならず他の友好国と連携をとって、同乗できることについては同乗していただく、あるいは同乗させていただくということはしておりますし、この六名とも全員連絡がとれるようになっております。できればトリポリにまで来ていただいて、そして国外にというふうに思っておりますけれども、今、トリポリに向かう道路が封鎖をされておりまして、トリポリに来ていただくことができないということでございます。安全な場所にこの方々にしっかりいていただき、そして今、柿澤委員もおっしゃったように、韓国企業とも連絡をとり合いながら、しっかりと安全を確保し、できる限り早く国外に退避していただけるように努力をしてまいりたいと考えております。
○中井委員長 これにて柿澤君の質疑は終了いたしました。 次回は、来る二十八日月曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時二分散会