法務委員会 第10号
- 発言数
- 218 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2011/05/11
会議録
○奥田委員長 これより会議を開きます。 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件、特に東日本大震災に係る司法関係等の課題等について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 各件調査のため、本日、参考人として原子力安全委員会委員長代理久木田豊君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として警察庁生活安全局長樋口建史君、法務省大臣官房訟務総括審議官須藤典明君、法務省刑事局長西川克行君、法務省入国管理局長高宅茂君、公安調査庁長官尾崎道明君、文部科学省大臣官房政策評価審議官田中敏君、経済産業省大臣官房審議官朝日弘君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長横尾英博君、資源エネルギー庁原子力安全・保安院審議官黒木慎一君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○奥田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○奥田委員長 次に、お諮りいたします。 本日、最高裁判所事務総局戸倉総務局長、植村刑事局長及び豊澤家庭局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○奥田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○奥田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大口善徳君。
○大口委員 公明党の大口でございます。 東日本大震災から二カ月が経過いたしまして、いまだに行方不明になっておられる方の捜索ということで、現場は本当に瓦れきの処理等、復旧段階で、復興にまで及ばないというような状況もございます。私も、この連休、沿岸部も回ってまいりましたけれども、そういう点で、被災地の復興ということも考えてみましても、被災地の方あるいは被災中小企業の方々、こういう方々が再生をしていただくために、本当に我々の責任は重いというふうに考えております。 そこで、今、第一次補正が成立したわけでございます。早く執行していただくということでございますけれども、次の第二次を視野に入れますと、法テラスに関する予算等、これはしっかり考えていただかなきゃいけないと思うんですね。 この大震災に起因する法的な問題の増加、これに対処するためにも、被災者に対する民事法律扶助事業、これのさらなる拡充が求められます。法律相談、代理援助等の今後の件数の増加、被災者に対する償還免除、それから震災対応のコールセンターの設置、震災対応職員の確保、臨時事務所設置経費などの予算措置が不可欠だと思うんです。 法テラスと弁護士会あるいは司法書士会等々が、被災地や避難所に出張、巡回もして、法律相談もしております。それから、外国人の被災された方が多いわけでありますけれども、外国人からの法律相談とか、そのための通訳の配置、専門性のある弁護士の配置、そして相談場所の配置等、これも万全の体制をとる必要がございます。そのための十分な交通費とか人件費、広報費、通訳費等の確保も必要でございます。 今回、第一次補正予算では法テラス関係の予算措置は講じられていません。震災関連の法テラスの事業が円滑に遂行されるように、今後、二次補正ではこれを盛り込んで、そして十分その活動ができるよう、やはり法務大臣として責任があると思います。当初は運営交付金ということで対応しておりますけれども、この点について大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○江田国務大臣 東日本大震災発災からちょうど二カ月ということで、今日まで本当に皆さんにいろいろの御協力をいただきながらやってまいりました。そんな中で、法テラスは、今委員御指摘のとおり、これからますますさまざまな法的トラブルが発生して、法テラスの活躍の場というのは本当に広がっていくのだと思っております。 法テラスは、関係のいろいろな、税理士さんあるいは土地家屋調査士、司法書士の皆さんとか、そういう皆さんと協力をしながらやっているわけですが、これまでのところは災害復旧ということで、法テラスについては、通常の運営費交付金、これで賄ってまいりましたし、これで十分賄える状況に推移をしておりますが、これからの増加に伴ってどう経費が増加していくか、これを今見通そうとしているところで、今委員おっしゃる旅費なども、実績を積み重ねながら、いずれ第二次補正予算というのが必要になってきますので、その中で関係府省としっかり協議をさせていただいて、適切に対応していく決意でございます。
○大口委員 心置きなく活動していただけるよう、しっかり大臣としてこれは取り組んでいただきたい、このように思います。 次に、阪神・淡路大震災が発生したときは震災に伴う多くの法的な紛争が生じたことから、この紛争を解決するために、平成七年四月に、神戸地裁本庁と神戸簡裁にまたがる形で、震災事件処理センター、震災センターが設置されました。この震災センターで、三年間にわたって、神戸簡裁管轄の震災調停事件及び神戸地裁本庁管轄の罹災非訟事件や借地非訟事件の処理を受け付けから終局まで一貫して集中的に行い、また、震災センターと連動して、受け付け相談の事務処理体制が整えられ、相談業務の充実を図った、こう聞いています。読売でも社説でそのことが紹介されておりました。 今回の震災というのは、阪神・淡路の大震災よりも規模が大きい、また広域である、そして、要するに地震、津波、原発という複合的なものであって、そういう点では、さまざまな問題が、法的な紛争が生ずるわけでございます。 そういう点で、竹崎最高裁長官も、五月二日に、司法もまた、国の機関として、復興のため最大の努力をしてまいりたいということで、被災者の方々の需要を的確に把握し、復興の過程で生じるさまざまな法的問題に迅速に対応できるよう努めていくつもりです、こう答えているわけでございます。 そこで、こういう震災処理センターの設置というような、とにかく被災者あるいは被災企業の側に立った処理というものを最高裁としても挙げて対応していくべきである、こう考えますが、これについていかがでございましょうか。
○戸倉最高裁判所長官代理者 委員御指摘のように、阪神・淡路大震災の際には、特に調停事件が集中的に申し立てがあるだろうという予想のもとに、神戸に集中して処理する震災事件処理対策センターというものを設けたところでございます。 今回の大震災は、阪神・淡路に比べましても被害規模が大きく、かつ範囲が非常に広範であるというような特徴もございますが、こういった阪神大震災の際の例をも考慮しつつ、かつ、現在、どういう事件が今後起きてくるだろうかということにつきまして、弁護士会あるいは法テラスにおきます法律相談といったものの内容等を情報交換しながら分析しておるところでございます。 こういった分析結果を踏まえまして、どういう体制で行えばいいのか、実際どういう問題が生じてくるであろうかということを十分予測いたしまして、こういった問題に迅速に対応できるような体制の整備に努めたいと考えております。 こういった検討の際には、今委員御指摘のような、被災者が裁判所を利用される際の使いやすさといったことにも十分配慮した体制を検討してまいりたいというふうに考えております。
○大口委員 次に、二重ローン問題についてお伺いをしたいと思います。 今回の連休、四月二十九日から五月一日まで、法テラス、仙台弁護士会、日弁連、それから十三の弁護士会、延べ三百五人が宮城県下の震災避難所で無料法律相談を実施して、九百五十六件の相談が寄せられた。中でも、住宅、車、船等のローンやリース関係の相談が百六十五件寄せられていましたし、土地の所有権の問題も数えますと相当の二重ローンに対する相談が寄せられた。 その相談内容の中で、新築の家の売買契約をし、三月十一日、震災の当日に引き渡しを受けたが、引き渡しのわずか三時間後に津波に襲われ家が流されてしまったということで、住宅ローンだけが残った、このローンは今後も払わないといけないのか、こういう相談であったり、あるいは、漁業経営者が家も漁具も何もかも津波でさらわれた、漁業で今後も生活を立てる意向だが、既に漁具購入等に充てた漁協からのローンがある、そして船の購入をするなど数千万円かかる、生活の立て直しをどうしたらよいのか、こういうようなことが相談内容で紹介されているわけでございます。 そして、兵庫県の弁護士会で、阪神・淡路のときの経験を生かして、岩手県の避難所の様子を発表されております津久井進さんという弁護士の方も、この津波により壊滅的な被害を受けた沿岸部では漁業事業者及び関連事業者が多い、漁船や加工工場の設備等の生産手段を失ったにもかかわらず、その借入債務、リース債務は残存しており、二重ローンと同様の苦しみに直面していると。そして、阪神・淡路も十六年たったんですが、いまだにこの二重ローンで十六年間苦しんでおられて、結局は破産に及ぶ、こういうケースがあるんだ、こういうことも紹介しているわけでございます。 この被災者や被災中小企業の二重ローンの負担については、やはり支援策が必要だということで、五月一日、参議院の予算委員会で自民党の野村参議院議員が菅総理に対してこの問題について問うたところ、総理は、「金融の範囲だけで対応できない問題があることをよく承知をしております。」「いろんな手法も含めて、今ローンを抱えているいろんな事業主が更にローンを積み増すという形ではない形のある意味での救済措置も検討してまいりたい」、こういうふうにテレビつきの予算委員会で発言をされ、この発言に地元の人は期待をされているわけでございます。 こういうことにつきまして、まず法務大臣から、この二重ローン問題についてのお考えをお伺いしたいと思います。昨日、日弁連からも、要するに平成の徳政令ということで、金融機関の債務免除の促進、それから債権買取機構の利用、国と自治体による土地の買い取りというようなことで説明を受けておられるということでございますので、法務大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○江田国務大臣 これは本当に深刻な課題だと思っております。 委員御指摘の、震災の発生の日に新築住宅の引き渡しを受けて三時間後に流されちゃった、ローンだけが残った、これは民法の一般論で言いますと、そのとおりになってしまうわけですね。債務は丸々残って資産は何もないという状況。しかも、もしその家を担保にしていれば、担保までなくなるから、担保の積み増しとかいうようなことにもなるかもしれない。そういう一般論をそのまま当てはめると、とてもそれは一人の人としての生活もできない、あるいは企業活動も到底立ち上がることができない、そんな状況にあるということを私どもはよく認識をしなきゃならぬと思っております。 住宅の場合、工場の場合、あるいは自動車、船舶等、いろいろなケースがあると思います。そういうときに、二重ローンの問題というのは、現存する、残っている債務をどうするのかと。 これも払わなきゃならぬわ、その払う状態があるから新しいローンを組むことはできないわ、これではどうにもならない。仮に組むことができても、前の債務も今度の債務も払わなきゃいかぬというのでは、これもどうすることもできないということで、既存の債務について、債務の免除ということがあるのか、あるいは繰り延べということがあるのか、あるいはその債務をどこかに引き取ってもらってというような方法があるのかなど、いずれにしても、そういうものがあるから新たなローンを組めない、これではもう再建に決定的な障害になってしまうので、そうしたことがないようにするために、これは検討すべき事項が多岐にわたるので、政府全体で取り組むべき重要な課題だと思っております。 法務省は、法的問題についていろいろ助言はできる立場にあると思っておりますが、実際にいろいろそうしたスキームをつくり、動かしていくのは関係の府省だと思いますので、そういうところと密接に連絡しながらやっていきたいと思っております。 もう一つ。昨日、日弁連から提案も受けまして、この中に私的整理というのがございまして、法的整理以外に私的整理というのも、これもなかなか味のある解決の仕方ができる場合がありますので、そうしたことも念頭に置いていきたいと思っております。
○大口委員 それこそ、総理の一番近い大臣ということでありますので、あの総理の答弁が形のあるものになるよう、内閣の一員として非常に期待しておりますので、よろしくお願いいたします。 次に、中小企業金融円滑化法で、今回改正をされた、我々公明党もこれは強く求めたわけでございますけれども、これについて、債務者のローンの一部免除、全部免除というようなこともこの金融円滑化法の法的な根拠としてあり得るのか、要するに条件変更に債権放棄が含まれるのか、金融庁にお伺いしたいと思います。
○和田大臣政務官 大口委員にお答えいたします。 先般、御審議いただきまして、一年ほど延長していただきました中小企業金融円滑化法でございますが、今お問い合わせの債権放棄、一部免除も全部免除も含めて条件変更という言葉に含むのかとお問い合わせでございます。 この条件変更には、御指摘のものも含めまして、債務の返済猶予だとか、また、より長期の返済計画を立てるとかいろいろな計画の変更、それらをもろもろ、全般含むというふうに思っております。
○大口委員 だから、一部免除、全部免除も入るということでございますね。 ただ、金融機関が債権放棄、債務免除ということをする場合に、ポイントはやはり無税償却にできるかどうかということでございますが、この無税償却は厳格な要件があります。これは法人税の基本通達等でも非常に厳格に定められていて、法的整理の場合とか私的整理も非常に厳格になっているわけでございます。ですから、そういう点で、この一部免除なり全部免除に対しては、ここが一つ非常に大きなポイントであると思います。 しかも、今回、保証人がある場合なんかは、保証人に対しても履行の措置をとらなきゃいけないとか、あるいは、東京電力福島原発の問題で、計画区域の方々というのは立ち入りもできないわけですから、そういう状況の中において、一応資産というのがあるわけですけれども、実際それを使えない、こういう場合の問題もございます。 そういうこともありまして、今、金融庁と財務省、国税庁でこの無税償却の要件の緩和について協議をするということでございますけれども、この点についてお伺いしたいと思います。
○和田大臣政務官 今、大口委員御指摘のように、実際に債権放棄が必要な場合に金融機関がいろいろ判断をすることとなりますが、委員の御指摘は、その際にインセンティブを付与してはどうかということだと思います。 私ども、債権債務関係につきましては、個別の金融機関がそれぞれ債務者の事情を一番よく知りながら融資をしておりますので、できるだけその判断を尊重したいと思いますが、その際に、今現存する制度では、事業者が事業再生を図るという目的のもとに金融機関が債権放棄をする場合には、税法の通達で無税償却が認められるということになっております。 しかし、先ほどもちょっとお話ございましたが、今回の場合、そういった例だけではなくて、住宅ローンを抱えていらっしゃる個人の方々も同じような状況に陥っていらっしゃるということもありまして、この部分につきましては、本当にどれだけのことが最大限できるか、財務省等とも鋭意協議しながら決めてまいりたいというふうに思っております。
○尾立大臣政務官 大口委員にお答えをいたします。 国税庁におきましては、いわゆる被災者の二重ローン問題に関しまして、金融機関が債権放棄をする場合の税務上の取り扱いにつきまして、今金融庁と協議を開始したところでございます。今後とも、しっかり両省において協議をしてまいりたいと思います。
○大口委員 とにかく、現行の延長線上だとどうしようもありませんので、思い切った緩和、特例を、法的な改正も含めて協議していただきたい、こう思っております。 それから、今回の震災で、沿岸部の被害が特に甚大であった。その沿岸部を営業拠点としている協同組織金融機関、信用金庫、信用組合等ですね、その財務内容の悪化が懸念されております。 金融庁は金融機能強化法の改正を検討しているようでありますけれども、経営責任を求めないといったことのほか、協同組織金融機関が地域の経済の担い手としての役割を十分に発揮できるように、協同組織金融機関向けに大胆な資本注入を考えるべきだ、こう思います。 また、これは日経新聞、五月七日でありますが、七十七銀行、東北では大きな銀行ですね、ここは多分、七十七銀行というだけじゃなくて、地域の金融機関のことをおもんぱかってだと思いますけれども、被災企業向け債権は国が簿価で買い上げてほしい、こういう発言までしているわけであります。 私どもも沿岸部を見てきましたけれども、○○金庫とか○○信組、その営業エリアが全部津波にさらわれているという状況でございます。六月には決算、それを延ばすかどうかわかりませんけれども、今、資産査定等もしているようでございますけれども、それ自体の査定も遅々として進まないのではないかな、こういう状況の中で、この金融機能強化法の改正の中で、今私が申し上げた点についてお伺いしたいと思います。
○和田大臣政務官 今お問い合わせの金融機能強化法でございますが、今御指摘いただいたように、私どもも、今回被災された地域の企業、金融機関、もっと言えば個人と金融機関、こういった関係の中で、金融機関に東北地域を再興するのに大いに貢献していただきたいという気持ちを持っております。 金融機能強化法、資本注入をする仕組みを整えている法律でございますが、今までいろいろと資本注入をさせていただくような法的スキームというのは、どちらかといえば、状況が悪くなった金融機関に、ぎりぎり自己資本比率等を維持するためにも注入するということが考えられてきたものがメーンでございますが、今私どもが改正を考えております金融機能強化法は、健全な金融機関を含めまして、より地域経済や中小企業に貢献していただくために、その金融機関が必要だと考えれば資本注入を申請していただく、私どもも積極的にそれを考えていくというふうに思っているところでございます。 中で御指摘いただきましたように、今までは、そういったことはあるとはいえ、経営責任の明確化等を条件としてうたっておりましたが、今のこの震災の被災状況は、だれにも責めを負わすことができないような自然の現象でございますので、そういった経営責任を負うということを条件から外してもよいというふうに考えています。 また、御指摘の協同組織金融機関、おっしゃるように、私自身も実は連休中に岩手県の方にお邪魔しまして、事情をいろいろとお伺いしました。御指摘のように、あの状態の中で地域金融機関が一生懸命地元の企業を守り立てていこうとされている姿に本当に感動さえ覚えた次第でございますが、こういった協同組織金融機関、信金、信組を含めまして、地域を守り立てようとしていらっしゃる金融機関であれば、ぜひその金融機能を維持強化していただけるように仕組みを整えていきたいというふうに考えています。
○大口委員 やはり国が中央機関と一緒になって直接資本注入していくというようなことも含めて考えていただきたい、こういうふうに思います。 次に、東北財務局の岡部局長がブログでこういうふうに報告しています。とにかく多くの個人や中小企業や民間金融機関から、新たに借金をする余裕はない可能性があり、やはり公的金融機関の関与による適切な支援が求められると考えていますと。 それで、四月の二十一日の岩手県復興に向けた金融関係機関連携支援対策会議、この中で、中小企業の再建には何らかの公的支援が不可欠との意見が多く出され、意見交換の場では、「金融機関等のトップから、工場、設備を流され資産を失った一方で、借金だけが残っている中小企業の再建(二重債務問題)には、何らかの公的支援が不可欠との発言が相次ぎました。」と。地元の金融機関の危機感ですね。「その中で、岩手銀行の高橋頭取より、被災地の金融機関の預金保険料を五年間免除して、それを財源とした基金を創設し、その基金から二重債務問題を抱えた被災中小企業に対して、資本注入による支援を行うという案が提言されました。その財源については、議論があるとは思いますが、基金の創設は検討に値するものと思われます。」こういうふうに、これは東北財務局の岡部局長が自身のブログで述べているわけでございます。 そのほか、七十七銀行の日経新聞における発言もありましたし、五月九日の読売新聞の報道によれば、岩手県は二重ローンを抱える中小企業を支援するため、地元の金融機関と共同で一兆円規模の基金を創設し、二重ローンを抱える被災企業への低利融資や担保条件を緩和した融資を実施する方針、こういうようなことも報道されているわけでございます。 五月一日に総理から、この二重ローン問題をしっかりやるという答弁をしたわけですから、そのスキームの構築に向けた指示が、それこそ経産省、金融庁、国交省にあったのか。 そして、例えば、仮称被災者再生支援基金や被災中小企業再生支援基金のようなものを設けて、国が中心となって出資するファンドが不良債権の買い取りや債務の免除、出資等による支援の仕組みをつくる必要があるというふうに考えますけれども、これについて経産省、金融庁、国交省から答弁を求めたいと思います。
○田嶋大臣政務官 お答え申し上げます。 まず、先ほどの指示があったのかということでございますが、総理のそういう御答弁はございましたけれども、具体的に経済産業省、指示を受けているとは承知はいたしてございません。しかし、そういう状況ではいけないと私は思っておりまして、御指摘もございました、私も同じ時期に被災地を回ってございまして、たくさん同じような声を聞いておるところでございますので、これは具体的ないろいろな御提言も受けながらスピードアップしなきゃいけないというふうに考えておるところでございますので、どうぞよろしくお願いいたします。 それと同時に、経済産業省といたしましては、中小企業基盤整備機構というところに三・一一以前から再生ファンドというのがございまして、その中で、いわゆる過剰債務を抱えている状況の中での債権債務関係の整理ということもできる状況になってございますが、これも調べたところ、現在、東北では福島県にしかございません。そういう状況の中で、ほかの被災県に関しても同じようなファンドをつくることができないかどうか、そういうことも検討していきたいというふうに思っております。 以上です。
○和田大臣政務官 金融庁の方では、総理の御答弁、御紹介いただいたようによく認識いたしております。既に、それより随分前から二重ローンという言葉自体は国会の審議の中でもるる御指摘いただいてきたところでございますので、私どもとしては問題意識を持って取り組んでおるつもりでございます。 先ほど御答弁あった経済産業省におかれても、また私どもにおいても、また、それからいろいろ法的な要するに枠組みにつきましても、いろいろと各省庁と連携をとらなきゃいけないというふうに思っています。 一つ。先ほど申し上げたように岩手県にお邪魔してまいりましたが、これから先、非常に難しいなと思うのは、事業者の再生ということを考える場合に、一企業を金融機関などが一生懸命守り立てていきたいという気持ちは十分持っていらっしゃるんですが、残念ながら、あの津波の状況では、ほとんどすべての企業がやられているという状況でございまして、企業というのは一企業だけでは成り立たない、サプライチェーンの問題もございましたが、川上から川下まで、それからいろいろ共同の、類似の業者が集まってやらなきゃいけない、こういった関係もございますものですから、実際には地域の方々の本当にやりたい御意向に沿っていろいろな仕組みを考えていく必要があるのかなというふうに思っている次第でございます。 いずれにしましても、御指摘いただいていることはもう十分認識しまして、一生懸命取り組んでまいります。
○市村大臣政務官 お答え申し上げます。 先ほど大口委員には出していただいたんですが、阪神・淡路大震災のときの被災地の方もこの二重ローンに大変苦しんでいらっしゃるということもあります。私も三年間、阪神・淡路大震災の復興事業に携わっておりまして、そこで縁を得た方と話をしていると、何が一番つらいか、この二重ローンであるということをしみじみとおっしゃっていました。私も個人的にはこの問題に取り組んできた者でございます。 そこで、国交省は、一応これまでも、総理の指示があるまでもなく、例えば返済期間の延長とか利子補給とかについて、住宅ローンを抱えた方に対しての施策はこれまで取り組んできておりますが、さらに、きょうこうした議論がありましたし、この二重ローンの解消に向けて、また皆さんといろいろな知恵を出し合いながら、どうすればいいか。 ただ、モラルハザードを起こしてはいけないというのがあります。例えば宮城の場合、地震保険に加入していた方が実は三〇%以上いらっしゃったわけであります。恐らく沿岸部はもっと高いだろうと思います。そうした備えていた方と備えていない方のバランスをどうとればいいのか等々の問題もありますので、またその辺、皆さんの知恵をいただきながら、解決に向けて取り組んでまいりたいと思います。
○大口委員 総理の答弁というのは、これまでの枠組みを超えた、それこそ政府全体としての取り組みをするという約束であったと思います。経産省から、指示を受けていないという答弁があって残念なわけでありますけれども、この機会に、本当に各関係省庁が集まっていただいて、しっかりとこれまでにないスキームを検討していただきたい、こう思います。 時間がたちましたので、以上で終わります。ありがとうございました。
○奥田委員長 次に、城内実君。
○城内委員 国益と国民の生活を守る会の城内実でございます。 本日は、浜岡原発の停止要請、その法的側面について質問させていただきたいと思いますが、本題に入る前に、昨日、菅直人総理が記者会見の中で、福島第一原発の事故の収束のめどが立つまで総理の役職給を六月から返上するということを述べられました。これは一見潔い、あっぱれのようにも聞こえるんですが、私は、給料を返上するのはパフォーマンスじゃないかなと強く感じます。むしろ給料分以上の仕事をしっかりしていただきたい、これが国民の願いだと思うんですね。 この点について、私はあえて言いますけれども、菅総理がおっしゃるように、政府に大きな責任があるというのであれば、返上するのは給料ではなくて総理大臣のいすではないかと私は思うんですが、ぜひ大臣の意見を聞きたいと思います。
○江田国務大臣 さまざまな御意見があると思います。私も報道で菅総理大臣の発言を聞いただけなのでそれ以上のコメントはする立場にありませんが、いずれにせよ、今、こういう大変な状況の中で私ども政権を担わせていただいていますので、全力を尽くしていきたいと思います。
○城内委員 こういう給料返上というのも、これも非常に唐突感があるんですが、一昨日、中部電力が総理の要請によって浜岡原子力発電所を停止するということを決めたわけです。私自身、浜岡原発というのが、東海沖巨大地震が来た場合のことを考えますと大変危険ですから、結論としては英断であると評価しているんですよ。しかし、周りの首長さんや地域住民そして経済界の皆さんは、もう寝耳に水なんですね。大臣、日本は法治国家であり民主国家でありますから、やはりそれは、すぐやるべきだとは思いますけれども、事前に十分時間を持って連絡をするべきだと思うんです。 ちなみに、私が先日、牧之原市長、御前崎市の隣の市長さんとたまたま会ったとき、発表の三十分前だかに電話がかかってきた、ほかの首長さんは連絡がつかないから報道で知ったとかいう話を聞いて、これはとても、こんなやり方でいいのかと非常に驚いたわけです。 また、これは支持率回復をねらったパフォーマンスであると言われたり、あるいは浜岡から八十キロ圏内にある米軍横須賀基地を守りたいアメリカの圧力に屈した結果であるとか、あるいはもうそもそも場当たり的な思いつきだとか、いろいろなことが言われていますよね。ですから、こういうことを言われるぐらいであれば、しっかりともっと根回しをして、そういった批判的意見にも耳を傾けていただきたいと思いますが、大臣として、この浜岡原発停止についてどのような御意見か、お聞きしたいと思います。
○江田国務大臣 別に私も事前に相談を受けていたわけではありませんが、よかったと思っております。 もう委員は本当によく御承知のとおり、大変危険な地殻変動のエネルギーがもう今にも現実のものになりかねない、そういうところにある原発ですから、これはやはりとにかく安全性の確保のために一時停止をしなきゃいけないものであったと思っておりまして、唐突だというのは、確かに近隣の首長さん方から見ると唐突感はあっただろうと思います。ただ、地震というのが、予告をしてゆっくり手順を踏んでやってきてくれればいいんですが、そうはいかない。向こうも唐突なので、こちらもかなりスピード感を持って、ある種の決断をしたら、それはやはりやらなきゃいけない。 それから、既存のいろいろなリスク評価のメカニズムがあるんですが、これがいろいろなことを、既存のメカニズムでリスク評価をして、その結果、安全といったのが福島第一で、想定外ということになってしまったので、そうしたメカニズムをフル動員してリスクを評価してその上でというのもちょっと今余り妥当しない。 そういう状況のもとですから、菅総理大臣が熟考の上、とにかく決断をして中部電力に要請をした。中部電力は二度の取締役会を開いてさまざまなことを十分議論した上でとめるという決断をされた。私は、とにかく、何はともあれ、今ほっとしているというところでございます。
○城内委員 いや、スピード感というのは確かにそのとおりなんですけれども、まさに江田大臣も含めて、これは非常に重要な決定事項ですから、最低限、閣僚とか地域の首長さんには、こうこうこういう理由で停止要請を出しますよということを、仮に、いや、ちょっと待ってくれと言われても、事前にやはり通告するというのが民主国家の最低限のルールじゃないかと私は思うんです。 この浜岡原発停止の要請の法的な位置づけが何だかよくわからないんですよ。まさに江田大臣は法務大臣ですから、この要請というのは、お願いなのか、あるいは、今まさに非常事態宣言は出されていませんけれども、何らかの総理の超法規的措置なのか、よくわからないんですよ。これはどういうことなんでしょうか。
○江田国務大臣 浜岡原発停止というのは、これは私が所管を全くしていないので、法務大臣ではありますが、お答えというのは個人的な意見ということになってしまいますが、それでよろしければ考えを申しますと、今言ったように、安全であったはずの東京電力福島第一原発でああいうものが発生したので、既存の手続にのっとって安全だという答えが出たということが国民の確信によっては支えられない、国民の確信につながらない、そういう事態に今私たちはいるので、これは国民の生命や身体の安全にとって最大の、最高の責任を負っている菅内閣総理大臣として政治的に決断をする必要があったということです。 その政治的な決断の法的性格は何かということになりますと、これはなかなか難しい。中部電力に対する要請で、しかも、中部電力は、先ほども言いました、取締役会でいろいろな議論をして、総理大臣が言ったから、だからこうするというのではなくて、さまざまなことを十分検討の上で、大変苦しい中ではあったけれども決断をしたということで、何か超法規的な命令とかということではないと思っております。 原子力発電というのは経済産業大臣が所管をしていることなので、総理大臣としては、経産大臣と密接な連携をとって、中部電力には経産大臣が要請をし、総理大臣はその根元にある決断は下したと思いますが、国民に対しては総理大臣から説明をしたということだと思っております。
○城内委員 今、政治的な判断とおっしゃいましたけれども、だとすると、これは事実上の行政指導に当たるわけですから、当然、行政指導を受けた側の中部電力はいろいろな被害をこうむったり、株価が低迷するとか、あるいは、まさに浜岡原発の関係で取引先があったりするわけですよ。そうすると、会社がつぶれたり、多大な損失をこうむることがあるわけですから、単に政治的な判断をしてよかったよかったじゃなくて、その判断をしたことによっていろいろな損失が出てきた場合の国の責任というのはないとは言い切れないんですが、その点について法務大臣の御意見を聞きたいと思います。
○江田国務大臣 もちろん、いろいろな責任ということは、政治的にも法的にも道義的にもいろいろあると思いますが、ただ、やはりこれも原子力発電について所管していないということから一般論を申し上げるしかないんですが、行政指導というのは行政機関による処分ではない、しかし、行政機関が特定の者に対して一定の作為、不作為を求める指導とか勧告といった行為ではある、その行為が違法であれば、それは相手に生じた損害については賠償する責任を負う場合もあるという、その程度しかちょっとお答えできないんですが。 ただ、私は、浜岡原発が停止することによってそれはさまざまなことが起きると思います。中小企業の皆さん方、大変な苦労をされる方々も出てくる。首長さん方も地域の住民との責任上いろいろな御苦労もおありだと思いますし、また、一般の国民も、電力供給、これは安定的に受けられればいいけれども、あるいは節電等をやらなきゃいけない場合も出てくるだろうと思います。 私は、率直に言って、福島第一の場合は、現実にああいうことが起きた。これによって、東京電力の電力供給を受けている地域は、一時は計画停電などもあり、大変苦労をして、しかし、みんなで耐えながらこの危機を乗り切ろうとしているわけです。浜岡原発は、あの福島第一で起きたことはまだ起きていない。起きていないのは本当にまだ幸いなことであって、もし起きた場合ということをちょっと頭に描いてみたら、起きていないうちにこれをとめて、そして、その苦労を、困難をみんなで引き受けながらこの危機を乗り切っていくということは、地域の皆さんにとっても、物の考え方、生き方、そうしたものを考え直す大変いい機会にしていただけるのではないか。 これは中部電力だけではなくて、あそこから西はずっとヘルツが同じですから、融通の仕方は、いろいろ技術的な困難はありますが、私は中国電力でございますが、そういう西の電力供給体制の中にいる者も、皆そろって、やはりこうした日本のエネルギー供給体制のもとで私たち生きているんだ、これを何とか乗り越えていかなきゃいけないんだ、そういう意識を持つことにしていきたいと思っております。
○城内委員 いや、今大臣がおっしゃったことはもっともなところもあるんですが、私がなぜこういう質問を、これは本来であれば、総理とか経済産業大臣に質問する質問を大臣にしているのは、まさに利害関係がない。私は、何度も言うように、法治国家としての体をなしていないのじゃないかという観点から、ぜひ菅総理との関係がお深い大臣からも進言していただきたい。しかも、三権の長までやられたわけですから、大臣がそういう話をするということは非常に重みがありますから、ぜひこの点について、しっかりと大臣としての考えを総理にお伝えいただきたいと思います。 最後に、これは私、非常に愕然としたんですが、中部大学の武田邦彦さんという教授の方がいらっしゃいまして、その方とお話をしたら、彼は原子力の専門家ですけれども、率直に、まさに原子力を守るというところまではあるんですけれども、電源系統とか冷却系とか制御系といった附帯設備については、津波や地震の対策が非常にお粗末であると。かつ、これも愕然としたんですが、付近住民を被曝から守るという思想がほとんどないと。 私、御前崎市の隣の西原さんという牧之原市長さんにちょっと聞いてみたら、全くそのとおりであると。市長さんみずから、付近の住民の要望を踏まえて、三キロ圏内の地頭方小学校の小学生に沃素剤を配付する、ただ配ればいいものじゃなくて、それが体に合うかどうかというのを一々問診票でチェックしなきゃいけないらしいですが、さらに線量計を六十個買った、一個四万円するそうですが、それでモニタリングポストをつくったりして、万が一のときの計測とか、そういうことをしないといけない、これは、本来ならば中部電力か国がやるべきところを地方自治体でやらなきゃいけない、おかしいんじゃないかという話を聞いて、私は愕然としたんですけれども、事ほどさように、こういう被曝ということについての意識が非常に乏しいんですね。 これを、では、経済産業大臣とか文部科学大臣に期待しても、ちょっと余りにも当事者ですから、私は、むしろ法務大臣が先頭に立っていただいて、これはおかしいんじゃないかなと。まさに憲法で保障されている幸福追求権とか生命財産、こういった権利が脅かされるわけですね、住民からすると。 その点について最後にお聞きしたいのとあわせて、SPEEDIという緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステムというのがあるんですが、四月二十五日になってようやく結果が公表されて、そのおかげで、本来ならば早期に避難すべきだった人が、知らないで、ずっと屋内退避して、かなりの放射線を浴びてしまった。これは、ある人が言うには、国の未必の故意と言ってもいいのではないか、国の法的責任は非常に重い、そういう意見もあるんですが、この点について、最後に大臣に御意見をお聞かせ願いたいと思います。
○江田国務大臣 私も、もうかなり前ではありますが、科学技術庁という役所があった当時にその長官をやったこともありまして、原子力発電自体を、通産相の立場じゃありませんが、所管をしていた時代がございます。 そのときに私が聞いていたのは、多重防護で、一番最後の最後の最後になっても、緊急炉心冷却、いわゆるECCSというものが働いて、どんと全部水浸しにしてとまってしまうので安全なんだと聞いていたら、今回、一番最初に聞いたのが、その緊急炉心冷却が使えない、全外部電源ブレークダウンでというので、本当に背筋が寒くなる思いがいたしました。 当時を振り返ると、そうなっているんだから、もちろん、いろいろな避難訓練などのマニュアルはあるけれども、はっきり言えば、そんなに現実の危難が起きるということを想定して必死の訓練をするというような状況はなかったというのは本当にそうだと思います。 そうしたことを考えて、現実に今こういうことが起きたわけですから、この起きた現実を、とりあえずは、これをいかに安定化させるかということに精いっぱい努力をしていかなきゃいけませんが、後にしっかりこの事態を検証して、そこから本当にたくさんの教訓を私たちは酌み取らなければいけないところだと思います。 SPEEDIに関しては、これは申しわけないんですが、私、本当に所管でなくて承知しておりませんので、お答えは差し控えたいと思います。
○城内委員 時間がないのでこれで終わりますが、ぜひ、きょう私が申し上げたことを、大臣としてもしっかりと御認識していただきたいと思います。ありがとうございました。
○奥田委員長 次に、辻惠君。
○辻委員 民主党の辻惠でございます。 三月十一日の東日本大震災の発災から二カ月が経過をして、現地でまだ避難所に多くの方々がおられて、仮設住宅の建設のめども、お盆前にしっかりこれが建設されなければ暑い中で大変な思いをされるという中で、復旧復興について、もっと迅速な、血の通った対応を政府・与党としてやはりしていかなきゃいけない。私自身も、みずからを省み、また政府と協力をして、そういう施策を進めるために頑張ってまいりたいというふうに思っております。 きょうは大塚副大臣がお越しになっておられますので、先にそちらの関係でお伺いをさせていただきたいというふうに思います。 被災地の岩手にも一カ月ほど前に訪問をして、現地の弁護士会の役員の方々とも二時間ほどいろいろ打ち合わせをさせていただきました。また、沿岸の市町村の首長の方々からも御要望をいただいて、釜石の市長さんからも具体的な御要請等をいただいております。 まず、大塚副大臣に災害救助制度に関してお伺いしたいと思いますが、私のところに、人を介してでありますけれども、兵庫県弁護士会の笹野哲郎会長が出されている緊急提言というのが届いておりまして、これによりますと、災害現場で都道府県の皆さん方が、緊急に、積極的に救助に踏み切らなければいけないというようなときに、やはり財政の負担のことを考えてちょっとちゅうちょされるような面があるのではないかというような御指摘があるんですね。 災害救助法の三十六条の三号で国庫の負担基準が定められて、国と都道府県は九対一の負担率だというふうになっているので、自治体が非常に機能を失っていて、財政的にも負担を非常に懸念しているという状況の中で、これも、救助しなければいけないというふうに感じても、なかなか積極的に手を出せないというようなことがあるのではないか。 神戸の大震災のときにやはりそういう事例があったということで御要望が出てきているんですけれども、この三十六条三号に定める国庫の負担割合を百分の九十から百分の百に変えるというような点について前向きに御検討いただきたいと思いますが、この点、いかがでしょう。
○大塚副大臣 お答えをさせていただきます。 御指摘の点は、発災直後から、与野党多くの先生方から御指摘がございました。もう既に、その中で、法律そのものを今改正して十分の九を十分の十にすることはいたしませんが、十分の一の部分につきましては、地方交付税等の地方財政措置で可能な限り面倒を見させていただいて、可能な限り地方負担がゼロになるように対応するということを繰り返し大臣も答弁させていただいておりますし、政府内でそのような認識で共有をされているというふうに理解しております。
○辻委員 これは、沿岸の市町村からの要請の中で、やはり瓦れきの撤去についても全額国庫が負担してほしいということで、それに見合った形で政府の方で法律を変えるということを、まあ、一次、二次、三次にわたっていろいろ具体化しようとされているというふうに思うんですね。 瓦れきの撤去については基本的に全額国庫負担だということで明言をするというか、明確に法律でそれを変えていくということになっていると思うんですけれども、そういう意味におきまして、総務省の方からの特別交付金なりということで、実質的には可能な限り都道府県の負担をなくするという措置はとられているというお話ですけれども、現実に本当にぎりぎりのところはどうなのかというのはまだ必ずしも検証できていないわけですから、それはやはり明文化して、地元の皆さん方に安心していただけるようにもう一歩踏み込んでいただきたいと思いますが、その点、再考していただく余地はないんでしょうか。
○大塚副大臣 災害救助法は厚生労働省所管でございますので、御指摘のとおり、災害救助法そのものを改正して十分の九を十分の十にという考え方はあろうかと思います。ただし、これは今回の震災にのみ適用する法律ではございませんので、災害に対する一般法として十分の十を今決めてしまうということは、なかなか難しい面はあると思います。 ただし、私も岩手県に入らせていただきましたが、瓦れきの処理も含めて、とても通常の災害対応では考えられるような状況ではございませんので、一次補正は国会の御協力をもって通していただきましたけれども、これから二次補正等の検討が始まるということだと思っておりますので、その中では、今先生御指摘のようなことも、今回の震災対応に特定をしつつ、検討すべき課題だというふうに思っております。
○辻委員 同じく災害救助法で、二十三条二項で、生業を持つ事業者への現金、現物の給付という規定があるわけなんですけれども、二十三条一項七号で「生業に必要な資金、器具又は資料の給与又は貸与」と規定されておりますが、現状は、貸与、貸し付けしか実施されていないという現状があって、実際の給付ということが、支給ということが、適用が停止されているというような状況があるようなんですけれども、これは、そのほかにいろいろ貸付制度があるから十分賄えているんだというのがどうも理由になっておるようですけれども、現実、実際そういう認識でいらっしゃるんですか。
○大塚副大臣 ちょっと確認をさせていただきたいんですが、今おっしゃられました生業に必要な資金の貸与、これは生活福祉資金制度、私どもの社会・援護局担当の制度でございますが、先生の御下問は、給付制度もある中で、それが適用されていないのではないかという御指摘でございますか。(辻委員「そうです」と呼ぶ) 給付制度をとめているということはなく、この制度自身は融資を前提としておりますので、今御披露いただきましたけれども、生業、生計の維持が困難になった場合の小口の貸し付け、上限が百五十万円まででございますが、これが行い得るということになっております。 先ほど申し上げましたように、私も岩手へ入りましたときに、理髪業を営んでおられた女性の方が、避難所で、泥の中からはさみは取り出して、何とか事業を再開できるように材料、道具はそろえているけれども、店舗を再開するための生業資金がない、これを何とかならないかという御下問があり、今のこの融資制度も御紹介しつつお話をさせていただいたんですが、法律事務所におかれても、百五十万で十分とは思いませんけれども、この制度は御利用いただけるものと思っておりますので、ぜひ御活用いただきたいと思います。
○辻委員 災害救助法は厚生労働省の所管とされているわけでありますけれども、関連して、総体的にどう救助するのかということで、例えば、仮設住宅の供与、住宅の応急修理とか、瓦れきの撤去とか、いろいろな問題について連携してやらなければいけないということで、厚労省だけで独自にやれることとやれないことというのがあると思うんですけれども、この災害救助法は、結局、目的の実現のための手段として法律をいろいろ、どの法律を使って目的に資するように具体的な施策を講じようかということが問題になるわけでありますから、それぞれの法律の適用をするに当たっても、省庁横断的な、各省庁での総合的な検討ということが前段として必要なんだというふうに思うんです。 災害救助に当たって、厚労省としては、内閣府やそれ以外の省庁と具体的に協議とかされて施策を決めていくというような、そういう段取りをとられているんでしょうか。その点はいかがでしょう。
○大塚副大臣 大変重要な御指摘だと思います。 災害救助法に基づく厚生労働省の権能というのは、災害救助に必要になった資金を災害救助法に基づいて手当てをするというのが法律上の権限でありますので、実際の実務は、実はそれぞれの所管の省庁が御対応になるわけであります。 したがって、仮設住宅の場合ですと国土交通省が御尽力いただいているんですが、おっしゃるとおり、仮設住宅の対応そのもの、その中身がちゃんとしていなければ、幾ら資金だけ厚生労働省が面倒を見るといっても、これは被災者の立場に立った対応にはなりませんので、例えば仮設住宅については、もう御承知いただいているかもしれませんが、今回は、過去に例のない対応として、民間の賃貸住宅を被災者御自身がお借り入れになった場合も、これは、契約者を、被災の県を契約者として変更していただければ、これを仮設住宅として使っていただくということも含めてやっております。 この件に象徴されますように、関係省庁としっかり協力をして対応させていただいておりますが、至らぬ点があれば、ぜひ御指摘をいただければしっかり対応させていただきます。
○辻委員 今、民主党、与党では、復興ビジョンを計画するとか特別立法を作成する必要があるということで、いろいろ知恵を絞って具体的な活動を進めつつあるわけであります。そういう意味で、これからも具体的な提言をもっと形にしてやっていきたいというふうに思いますし、各省庁での御検討されている課題についても、また機会を見ていろいろ御説明をいただきたいというふうに思っております。 副大臣、結構でございます。 それで、岩手県の弁護士会の皆さんといろいろお話をしたときに、法テラスについてもう少し具体的に活用できないのだろうかというような御提言があったわけであります。この法務委員会等でも既に質問等がなされていることではありますけれども、例えば、被災者の方がいろいろ負担をした分について償還を免除するということ、それを、当面猶予するというのではなくて、一歩踏み込んで免除ということで明確化してほしいとか、また、いろいろな支援金の給付を受けるための行政手続の申し立て等にかかる費用等についても扶助の対象にしてほしいとか、そういう要望、要請があると思うんですけれども、法テラスをもう少し、本来の趣旨は趣旨として、機能を拡大してこの緊急の対策に当たるように活用するというようなお考えについて、大臣、いかがでしょう。
○江田国務大臣 この震災の被害の中で、法テラスに期待される役割は非常に大きいと思っております。 今、法テラスについて、一つは、立てかえ金の償還の猶予とか免除とかのあり方というところを問題点として指摘されましたが、これは、猶予といっても、やはりそこはもう明確に免除にしてほしいという御要望があることはよくわかりますし、弾力的な運用で適切に対応していくということは十分可能だと思っております。生活保護受給者またはそれに準ずる者、被災者で一見明らかにそういう状態にあるという方もたくさんおられると思うので、適切な運用に意を用いていきたいと思います。 それから次に、行政手続の関係なんですが、これはなかなか簡単じゃなくて、どうも法テラスの場合に、やはり法律上の紛争に絡むさまざまな情報提供あるいは民事法律扶助などをやっているので、行政手続の申請行為をお助けするというのは、ちょっと民事法律扶助制度の根幹にかかわってしまうので慎重な検討が必要ですが、しかし、行政手続にはこういうようなお手伝いの機関がありますよといった情報提供、これはそれほど範囲を超えるものではないかと思いますので、委員の御指摘を踏まえてまいりたいと思います。
○辻委員 資力要件の緩和とか、立てかえ費用の償還の猶予、免除とか、それから対象範囲について、ADRや行政手続について対象範囲を広げるというようなことについて、本来の総合法律支援法の趣旨と少し離れるところはあるかもしれないけれども、その点は、柔軟な、弾力的な運用で解決できる裁量的な余地というのは結構大きいから、そこはいろいろ工夫してやっていただけているものと思いますけれども、最終的にもっときちっと拡充をしていただきたいなと思う点がやはり幾つかまだ残っているということについて、御検討をさらに進めていただきたいなというふうに思います。 各士業の皆さんが、弁護士会だけではなくて、司法書士会もそうですし、土地家屋調査士会も行政書士会も、自主的に現地に飛んでいろいろな相談業務を受けておられる。ある意味ではボランティア精神で、会なり士業としての、みずからの職業的な、公共的な役割を自覚して積極的に、自主的にやっておられるということは、そのとおり、ボランティア精神に非常に敬意を表するものでありますけれども、やはりこれは長期化してくるし、継続的に今後、相談業務等をちゃんともっと定着化させていくべきだろうというふうに思うんですね。 法テラスのもともとの趣旨の中でも、関係機関との連携を強化するということもうたわれていたというふうに思いますし、そういう各相談業務について、法テラスを通して、ないしはそれを超えて、法務省の方として考えておられるような点についてちょっと御説明いただければと思います。
○江田国務大臣 委員の問題意識はよく共有をしていきたいと思っておりますが、法的トラブルを迅速に解決するための情報の提供あるいはサービスの提供、そのために法テラスが、弁護士会、今委員挙げられました司法書士会、土地家屋調査士会、税理士会、不動産鑑定士協会、建築士会など専門家団体と密接に連携協力していくことは大変重要で、これらの具体的な取り組みについて、地域の実情に応じて、法テラスがしっかりと関係機関と連携してやっているものと思っておりますが、法務省としてもさらに支援をしてまいりたい。 それで、相談となると、やや、そこは範囲内なのということになるんですが、情報提供というのは、これは相談と情報提供とどう違うのと言われるとなかなか難しいんですが、いや、これは情報提供なんですと言えば多少踏み込んでやれるというようなところもありますし、その辺の弾力化というものは知恵を絞る余地が十分あると思っております。
○辻委員 もともとは法律扶助協会というのがあって、阪神大震災のときもそこがいろいろ活動したということで、それの延長で法テラス、一方で国選とか刑事裁判の業務も含めて現状があるわけでありますけれども。 だから、裁判にかかわる援助というような趣旨がもともとはあるのかもしれませんけれども、例えば裁判機能についても、司法の場だけではなくて、もっと広く紛争解決の機能をいろいろな形で拡充し、制度化した方がいいだろうということで、ADR機能がどんどん拡大してきているということもありますから、そういう趨勢にかんがみれば、必ずしも裁判を前提にして、当面はそういう出発をしたにせよ、もう少し本来の趣旨を拡大する。それは、今の総合法律支援法では不十分、なかなか手を出せないというのであれば、そこはやはり、法律の内容を改正することを含めて、大胆にもう一歩踏み出していただきたいなと思いますけれども、その辺、大臣としての決意というか、お考えを伺いたいなと思いますが。
○江田国務大臣 今の委員の御指摘はしっかり受けとめてまいりたいと思います。 私も常々思うんですが、なかなかこの関連の専門の皆さん方がいろいろとおられて、その皆さん相互で、職域の侵犯というんですか、そうした議論もいろいろあって、そういう皆さんの一つ高い立場での御理解もいただくということも前提として必要なところもあり、また委員のお力もおかりをしながら、いろいろな各業界の皆さん、士業の皆さん方とお話し合いもしていきたいと思います。
○辻委員 阪神大震災のときに阪神・淡路まちづくり支援機構というのがつくられて、これは弁護士会だけではなくて、税理士会、司法書士会、土地家屋調査士会、不動産鑑定士協会、建築家協会、建築士会等々の専門職の団体が協力し合って、行政と連携しながら市民のまちづくりを支援するということで、かなりいろいろ具体的な活動実績があるんですね。 例えば、広域の地盤移動地区の境界の再確定とか、マンションの再建、復興の支援とか、倒壊市場の共同再建の支援とか、さまざまな必要な活動について有益な実績をお持ちだと思いますし、これを受けて、静岡県、東京、また神奈川県、さらには宮城県で同じような支援機構がつくられているということがあります。 やはり、そういう自主的な専門家の皆さん方の活動、それが行政との連携の中でまちづくりを行っていくということについて、心意気やよし、しかし、現実に物事を具体化していくためにはお金も必要だ。そうすると、それをどういう形で捻出をして支援していくのかということについて、私などは、一つは法テラスを活用するというのが、同じことの繰り返しになって恐縮ですけれども、そういう支援機構をつくって、そこにお金をというわけにはストレートにはいかないと思いますけれども、その活動内容によって具体的にピックアップできるものは幾つもあるんじゃないかと思うんですが、その辺は何か具体的なお考えがございますでしょうか。
○江田国務大臣 今、私どもが所管しているということでいえば、やはり法テラスに頑張っていただきたい。今度の第一次の補正では法テラスに特別の予算措置をしていませんが、しかし、今、運営費交付金を使って金銭的な支援もしているところで、そうした実績を踏まえて、第二次補正予算でもぜひ御理解をいただければと思っております。 それから、これは法テラスをつくるときに多少の議論もあったんですが、やはり独立行政法人ということでどうしても公的な関与が入ってしまって、しかし、もともと、弁護士会初めそういう皆さん方は、公的な関与でじゃなくて自律的に動く団体じゃないのか、法テラスでいいのか、そういう議論も実はございました。そこを乗り越えて法テラスということにしているんですが、今委員の指摘されるそういう各種士業の皆さん方の自律的、自発的な協力関係というものはもちろん大いに期待もいたしたいし、そういう皆さんの御努力があれば、これは大変、社会全体の温度を高めることにもなっていくので、勇気づけられることではないかと思います。
○辻委員 私の方も、いろいろな方の御意見をいただいて、もう少し検討して、また積極的な御提言をさせていただきたいと思います。 最後の質問になりますけれども、あるところでは土地が東側に五・一メートル移動して、上下についても一・一メートル沈下をしたりというようなことで、土地の変形がかなり大変な事態になっていると思います。 それに関連して、阪神・淡路大震災のときには、それの地図の作成、登記に関連する民事局長の通達というのが出ておりまして、兵庫県南部地震による土地の水平地殻変動と登記の取り扱いについてということで、地震による地殻の変動に伴い広範囲にわたって地表面が水平移動した場合には、土地の筆界も相対的に移動したものとして取り扱う等という具体的な通達がなされていて、土地家屋調査士の皆さんを初めとして、今回の東日本大震災でも同じような通達を出すべきではないかという要請が出ているんですけれども、いまだ具体的にその通達が出ていない。それは何か理由がございますでしょうか。
○江田国務大臣 阪神・淡路大震災のときに、今委員おっしゃるような、地表面がまとまって水平移動した、したがって、いわゆる北緯何度、東経何度ということからすると変わるんですが、しかし、その地表面自体が全部移動しているわけですから、それぞれの境界については、これは全部水平移動したという理解でよろしいということで、そうした通達を出して処理をしたということはございました。 今回は、そこがそのとおりにいくかどうか。かなり広域にわたる、まだ余震も続いておるということで、現在、国土地理院によるいわゆる国家基準点の再測量というのを実施しているところでございまして、現段階では、おおむね水平移動したのではないかということが暫定的に確認されているという状況でございまして、そういう状況認識を踏まえて、暫定的に、土地の筆界が相対的に移動したものとして取り扱うようにというのを関係法務局あてに事務連絡を発出しております。 しかし、これはあくまでまだ暫定的な事務連絡でございまして、今後、国土地理院による国家基準点の再測量が完了して、そして水平移動の状況が明確になれば、改めて通達等により取り扱いを周知したいと思っているところです。
○辻委員 前回の兵庫県南部地震のときの見解は踏襲する姿勢は間違いないんだけれども、今回、まだ土地が変動している、確定に至っていないから、とりあえず暫定的に、四月二十八日付で、民事局民事第二課から各登記官の方にそういう趣旨の事務連絡をしていただいているということですね。ではそれは、ある程度時間がたって、見通しが立てば、具体的な通達をまたしていただけるということだと思います。 具体的に、土地の筆界の調整ということがそれぞれ個々問題になっているというふうに思いますけれども、関係土地所有者間で筆界の調整をするということについて、実質的に、お互いで合理的な合意を形成するということが進むと思いますけれども、それについては、そういう合意を法務省としては尊重するという立場は堅持していただけるということでよろしいんでしょうか。
○奥田委員長 辻君、質疑時間が終了しておりますので、この答弁をもって質疑を終了いたします。
○江田国務大臣 今回は、全くの水平移動以外に、局所的に、陥没であるとか隆起であるとか、さまざま複雑な地殻変動が見られるので、国土地理院によるそうした調査の結果を踏まえて適切に対応しなきゃいけないので、阪神・淡路と同じというわけにいかないところが出てくるかと思います。 その場合に、土地の境界について、関係者の合意というもの、これは、合意がすべてというわけではなくて、実は、土地の境界については、表示登記は、言ってみれば登記官が職権でする、登記官の権限が強いものですから。しかし、関係の皆さん、何も紛争がないのに、あえて登記官がそこへ争い事を持ち込む必要もないので、合意というものは最大限重視される一つの要素になると私は思っております。
○辻委員 地図の訂正、地積の変更登記について、資格者も十分活用していただくということを最後にお願いをして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○奥田委員長 次に、階猛君。
○階委員 民主党の階猛でございます。 きょうは五月十一日、先ほど江田大臣もおっしゃっておられましたが、震災から二カ月がたちました。私は、被災県選出、岩手県選出の国会議員として、この間、きょうで三度目、法務委員会で質疑をさせていただく機会を得ました。その都度その都度、私が問題だと思っていることについて、真摯な御答弁を政府関係者からはいただいて、ありがたいと思っております。 本日は、テーマ、東日本大震災にまつわる法的問題ということですので、私も大口委員と同様、二重ローンの問題などを中心に御質疑させていただきたいと思っております。 まず、二重ローンの問題と一言に言いますけれども、若干漠然とした言葉の使われ方をしているのではないかと思っておりまして、少し整理をさせていただきたいんです。 私が思いますに、二重ローンの問題というのは、住宅であるとかあるいは漁船、漁具といったローンつきの資産が津波などでなくなって、そして負債だけが残っている状況がまずある。その上で、失われた資産を取り戻すために新たに借金をすれば二重ローンということになるわけです。しかし、今この時点で、実際には二重ローンにまだ至っていないんですね。といいますのは、まだまだ新規の借り入れをするタイミングではなくて、今、日々の生活をどうするかという方が大半だと思っております。 そういう意味におきまして、二重ローンという問題を生じさせないことこそが実は二重ローン問題の最大の解決策である、こういうことをまず皆さんで認識する必要があると思います。 そのためにどうするかということですが、大きく言って二つの方法があると思います。一つは、既に資産が失われてローンだけが残っている、この既存の債務をなくする。平成の徳政令などという言い方もされる方がいらっしゃいますけれども、それがどうかは別として、既存の債務をなくするという方法が一つ。もう一つは、既存の債務はそのままにするんだけれども、失われた資産を取り戻すために借金をしなくて済むようにする、これが大きな二つ目の解決策だと思っております。 この間、政府もいろいろこの問題について解決策を提示されているのかなと思いますけれども、私が思いますのは、既存債務については返済を猶予してあげましょう、そして新規の借り入れについては金利を減免させてあげましょう、折衷案といいますか、私が先ほど申し上げたような解決策からすると、若干ちょっと中途半端な、失礼な言い方になるかもしれませんけれども、そういう感もするわけでございます。 一方で、この二重ローンの問題、過去にも、耐震偽装問題のときにもありました。せっかくローンを組んで買ったマンションが耐震偽装で住めなくなった、取り壊して再建する、そのときに、過去のローンは残った上に新たな再築のためローンを組まなくてはいけない、こういう二重ローンの問題もありました。しかし、そういったときは、基本的には、債務者の方、多分都会が中心でしたから収入はあったと思うんですね。収入はある中で二重ローンをどう返済していくかという問題だったと思いますが、今回は、収入もなくなっているという別途の問題が起きているわけであります。 また、その中でも、サラリーマンの方は特に生産手段として漁船とか漁具とか買わなくても体一つで収入が得られるわけでございますけれども、漁業の方とか自営業の方々は、また生産手段を自分で購入しなくてはいけない、そのためにローンを組まなくてはいけない。ですから、住宅の二重ローンの問題だけでなくて、生産手段、漁具あるいは店舗等の二重ローンの問題、合わせて四重ローンの問題ということが生じ得る。こういう過去の二重ローンの問題とは違った広がりがあるということもぜひ共通の認識をいただきたいと思っております。 その上で、御質問に移りたいと思うんですが、先ほど、二重ローンの問題の根本的な解決策として、一つは、新たに借金をしなくても失われた資産を取り戻せるようにしてあげるということがあり得ると申し上げました。 その関係で私が考えておりますのは、行方不明になられた方が、きのう現在、警察庁の発表では、全国で九千八百八十人、私の出身であります岩手県でも三千二百七十五人いらっしゃいます。こういった方たち、預貯金であるとかあるいは生命保険に加入などをされている方は多いと思うんですが、行方不明の段階ではなかなかそれが資金として使えない。その場合に、行方不明だけれどもそういった資金が使えるように、資産の承継ができるようにするために何か考えられないだろうかということで、認定死亡という制度があると思います。 お手元に資料を配っておりますけれども、資料一というのをごらんになってください。 一番最初に民法の特別失踪宣告の条文を挙げておりますが、これは今回ですと津波が中心になるかと思いますが、そういった危難が去った後一年間生死が明らかでないときに、失踪宣告ということで、民法上は亡くなったものとみなして資産の承継を認める、相続を認める、こういう制度でございますが、一年というのはいかにも長いわけであります。 そこで、それより短い期間で資産の承継、相続を認めてあげようということで、このページの一番下に戸籍法の八十九条ということで、これがちまたでよく言われる認定死亡の条文です。「水難、火災その他の事変によつて死亡した者がある場合には、その取調をした官庁又は公署は、死亡地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。」というものでありまして、一家の大黒柱などを失って行方不明になっている方にしてみれば、地元の警察署などに申し出て、この認定死亡ということを使えないかというふうに考えるわけです。 そこで、警察庁、きょう来ていらっしゃいますけれども、この認定死亡を使って早期に資産の承継ということができないものかどうか、この点についてお願いします。
○樋口政府参考人 お尋ねでございますが、今般の大震災におきまして、発災のまさに直後から、家族等の安否が不明であるという相談、届け出が、まさに膨大な件数、警察に寄せられております。その後、今日に至るまで懸命の捜索活動等が行われているわけでありますけれども、なお大勢の方々の安否が確認できていないという状況でございます。 そこで、警察といたしまして何ができるかでございますが、そのような事実関係、すなわち、相談等を受けた後今日に至るまで安否の確認ができていない、そういった経緯を事実として申し上げることはできるのでございますけれども、戸籍法八十九条に言われる死亡の報告を行うことができるかと申しますと、ほとんどのケースにおいては、警察の責任において死亡の報告を行うことまでは困難ではないかと考えてございます。
○階委員 今御答弁にあったような状況で、私も地元の弁護士さんなどから聞いておりますけれども、なかなかこの認定死亡というのは使えないということでございます。 そこで、次に考えられるのが、また資料一に戻っていただきたいんですが、戸籍法の八十六条三項で「やむを得ない事由によつて診断書又は検案書を得ることができないときは、死亡の事実を証すべき書面を以てこれに代えることができる。」、「これに代える」というのは、死亡届を出すときの添付書類にかえることができる。普通は診断書とか検案書なんですけれども、やむを得ない事由があれば死亡の事実を証すべき書面でいいですよ、こういう条文です。 そこで、法務大臣にお尋ねしますけれども、今回の震災ではこの八十六条三項を活用して死亡届を認めていくべきではないかと思いますが、この点、いかがでしょうか。
○江田国務大臣 行方不明になって、何とか生きていてほしい、こういう皆さんの気持ちは本当に痛いほどわかるので、そういう何とか生きていてほしいという思いを持ちながら、取り調べをしたんだから警察は報告をして認定死亡をやれというのは、警察としてはなかなかやりにくいという警察の立場もよくわかります。 しかし、次へのスタートのためには、どんなにつらくても、そこはやはり一区切り切らなきゃいけない、こういう皆さんがおられて、そして死亡届を出すというときに、死体が見つかっていないものですから死亡診断書も死体検案書も添付できない、どうするのかという問題でございまして、今委員おっしゃられたとおり、戸籍法第八十六条の第三項、やむを得ない事由によってこうした書面を得ることができないときということに当たるのではないか、これはもう本当に当たると理解をする状況は十分にあると私も思います。 ただ、その場合に、ではどういう書面がそれにかわる書面になり得るのか、ここは十分関係省庁とも連絡をとりながら、あるいは市町村の皆さんともよく相談してそこのところは考えていきたい。 委員の問題提起は本当にそのとおりだと思っております。
○階委員 ありがとうございます。 そこで、具体的な提言等に移らせていただきたいと思っております。 資料二をごらんになってください。 これは、ちょっと古いんですが、山田さんという家裁調停委員の方が書いた、判例タイムズに一九八九年に載っていた論文でございます。その中で、一番下の段に、今申し上げた、死亡の証明書としてどういうものが考えられるかということが二段落目あたりから書いています。読んでいきますと、状況目撃者の事実陳述書というものがあります。 今回の場合、これは本当に悲惨なことなんですけれども、行方不明になられた方が流されていったものを実際に目撃されている方、いらっしゃると思います。そういった方たちが陳述書を書いて、それをもって証明書にかえるということも考えられるのではないかと思いますが、この点、いかがでしょうか。
○江田国務大臣 これは、ここも委員御指摘の問題意識を共有していると申し上げておきたいと思います。 状況目撃者の意見陳述書ということが今の判例タイムズの論文に書かれているわけですけれども、ただ、依然として、何がその状況目撃者の意見陳述になるか。いや、大変な地震で津波が来て、この地域の皆さんはもう本当にえらいことになってしまいました、死体が上がらない人が、死屍累々でございましてという、その程度ではちょっと足りない。やはり特定人、この人についてこういう状況を目撃して、その後、残念ながら遺体が見当たらない状況ですといったような、特定人が死亡したという事実を認定するに足りる資料で、そしてこれが架空ではない、まあ、これは当然ですけれども、そういう客観的な資料、こういうものがそろっておればいいのだと思っております。 私も、過去の例など、ちょっと役所にあったものを見てみたんですけれども、もう本当に分厚い目撃陳述書をつけて、これでもかこれでもかというぐらいにやっている過去の例がございますが、そうまでこの状況の中で求めなくても、もっとそこは被災された皆さんのところへ寄り添う行政の扱い方というのは十分あるのではないかと思っております。
○階委員 ありがとうございます。ぜひそういった方向で柔軟に検討していただきたいと思っています。 と申しますのも、今の資料二で、下の段をずっと読んでいきますと、三つ目の段落で、「死亡の証明書を添付して死亡届がなされた場合は、市町村長かぎりで戸籍上の処理することはできない。市町村長は、戸籍事務を監督する地方法務局(支局)長に届出受理について指示を受けた上で処理する」、つまり、法務大臣の管轄である法務局に指示を仰ぐわけです。 ということであれば、私が御提言申し上げたいのは、法務大臣として、こういった法務局に対して、死亡の事実を証すべき書面の具体例をなるべく広く認めるように命じた上で、かつ、かかる具体例を法務局から市町村長にあらかじめ提示しておくということを早急にやって、そしてこういう届け出が円滑に処理されるようにしておくというのが大事ではないかと思います。この点、いかがでしょうか。
○江田国務大臣 だんだん問題点が絞られてきているわけでございますが、これも委員のおっしゃるとおりで、市町村長が大変重い重い判断を強いられるわけですが、それは当該市町村長の、まさにそのところにいた皆さんですから、市町村長としても非常に判断しづらいケースがあるだろうと思うんです。そうしたことは、具体例一つ一つではありますが、やはり市町村長のみにその判断の負担を負わすのではなくて、法務局長等の関与が必要であるというのはそのとおりだと思っておりまして、しかも、今回のようなケースですから、事務が円滑に処理されるように配慮していく、これも当然のことだと思っております。 そこで、先ほど申し上げましたが、特定の人がこういう状況で死亡したものと見られる、それが架空の話ではない、そうしたことがちゃんと客観的に担保できる必要最小限、最小限と言うとちょっとまずいかもしれませんが、そういうことはこれだけあれば十分認定できるじゃないかというものはどういうことになるのか、これを今法務省としても円滑な処理のために工夫をしなきゃならぬ、そういう思いで検討しているところだというところまでは申し上げておきたいと思います。
○階委員 ぜひ速やかに検討した上で結論をお示しいただければと思っております。 ただし、今まで申し上げたのは死亡届を前提とした話で、残された方の心情面を考えてみますと、なかなか死亡届というのは出しにくいのかなと。 そこで、今度は金融庁さん、和田政務官にお伺いしますけれども、そもそも死亡届を出さなくても解決するすべはないかということで、実は、先般成立した特別立法で、厚生年金や国民年金、労災保険等については、行方不明となってから三カ月経過すれば死亡が推定されて、残された家族は死亡届を提出しなくても遺族年金等を受給できるということでございます。これは資料三に条文を掲げておりまして、上三つの条文が特別法の条文、それから、これは特別法とは関係なく、災害弔慰金の支給等に関する法律にも似たような条文があるということでございます。 問題は、民間の預貯金や保険についても、同じように三カ月経過すれば死亡を推定するということを設ければ、残された方に死亡届という極めて重い精神的な負担を負わせなくても、行方不明者の財産を円滑に承継できるのではないかと思っております。この点について、ぜひ立法を検討していただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○和田大臣政務官 階議員の御指摘、意識を共有させていただきながら、しかし、全面的に御趣旨に沿うことがなかなかできておりません。 今御紹介いただきました公的年金等についての法改正、私どももよく存じております。しかし、委員も今御指摘いただいたように、民間銀行の預貯金や生命保険の保険金支払いなどは最終的に民間同士の契約ということになっておりますので、こうした法改正をすることによって民民の契約に義務を生じさせるということが非常に難しゅうございます。 しかし、今回の震災の大きさや被災の程度にかんがみまして、今まで金融機関や生命保険会社において行ってきたところよりはかなり踏み込んだ措置をとっておるつもりでございまして、今委員御指摘の内容は公的年金等について三カ月を経過すれば給付してよいということなんだろうと思いますが、実は、預貯金につきましては、もう既に、現在、亡くなったであろう方の御親族に限りましては、銀行の預金名義はその亡くなった方でございますが、亡くなったと思われる方、そこを含みますが、その名義であっても、御家族、御親族であるということがわかるような事情におありの方は預金の引き出しを行っておるということでございます。 ただし、全財産を全部引き出すということは難しゅうございまして、生活資金に該当するだけの、十万円程度でございますが、その引き出しを金融機関の方で行っているということでございます。 もう一点、恐縮でございます。生命保険の方でございますが、生命保険の方は、やはり民間・民間の契約に基づいて行っている保険金の支払い、当然、死亡保険金はかなり多額に上りますものですから、そこを支払うには、やはり何か公的な死亡認定の仕組み、先ほどいろいろ御議論がございました、そういったところも含めまして、何か公的にこの方が亡くなったということが推定できるようなものが環境が整えば、そこから先はお支払いに応じるということであろうというふうに考えています。
○階委員 全く説明になっていないと思います、私は。十万円程度もらったところで、新たな資産を購入できますか。そういう話をしているわけではありませんし、また、民民の話だから介入できないということはありましたけれども、いずれにせよ、保険会社や銀行等は支払いの義務を負っているわけです。タイミングだけを前倒ししましょうという話です。それで、公的な機関が死亡認定しないとどうのこうのという話もありましたけれども、だからこそ、立法で推定規定を置いて、その推定に基づいて支払った場合は免責されるようにするわけですよ。 金融庁、実はきのうもこういった問題について議論しましたけれども、全くやる気が感じられません。私は、金融庁が今のような姿勢だと、本当にこの二重ローンの問題、苦しむ人がいっぱい出てくると思います。ぜひ、和田政務官の方には、金融庁を所管していらっしゃるわけでございますから、厳しくこの問題に取り組むようにお願いしたいと思います。済みません。ちょっと厳しいことを申し上げました。 それで、今までは、二重ローン問題の根本的な解決策の一つとして、新規の資産をなるべくローンを組まないで購入できるための方策ということに関連して質問しました。もう一つの抜本的な対策として、既存の債務を免責していこうということでございます。 資料四という、私の方でつくった資料でございますけれども、勤労者世帯が二重ローンになるケースということで、いろいろケースを分けておりますけれども、この見方、ケースが三つの要素から成っておりまして、その組み合わせで七種類ということでございます。 まず、生計維持者であり債務者である方が亡くなった場合をバツ、それから、ローンつきの住宅をなくした場合がバツ、存続する場合がマル、震災後の収入がない場合はバツ、ある場合がマルというふうに見ていただいて、それによって場合分けをしている。 二重ローンが生じるのは、このケースをずっと見ていくと、下の方にA—五とA—六というケースがあります。A—六という、生計維持者が幸いにも御存命である、ちなみに、亡くなった場合は団体信用保険で住宅ローンというのは完済されますので、既存債務はもうなくなっていますから、専ら、幸いですけれども生きていらっしゃるときに二重ローンが生じるということで、A—五とA—六を掲げております。 それで、A—六では、震災後収入がある場合なんですね。これは冒頭申し上げた姉歯事件のケースでございまして、姉歯事件のときなどは、過去の債務は触れずに、そのままにした上で、再築費用とかをある程度国費で面倒を見たというふうに伺っております。A—六についてまで過去の債務をどうするかということは、これは御議論あるでしょう。 問題はA—五だと思います。A—五は、備考欄に星二つ入れていますけれども、これは、二重ローンの中でも程度が重いといいますか、深刻度が高いということを星の多さであらわしております。 そこで、このA—五は震災後に収入が途絶えてしまったケースでございますけれども、こういった方は姉歯事件のときよりも重くなるわけでございまして、ぜひ、法務大臣としても、先ほど私的整理も念頭に置くということを大口委員の質問のときにお答えいただいたわけでございますが、法的整理というやや時間のかかる重い手続によらなくとも、私的整理で早急に債務免除をしてあげるべきではないかと思うんですが、この点について御答弁をお願いします。
○江田国務大臣 委員の一覧表を今見ながら、なるほどなるほどと考えていたところでございますが、法的整理というのがやはりいろいろな手続をきっちり踏んでいかなきゃいけないという点で重荷になっていく、そんな際に、私的整理という、いろいろな皆さんの相談と了解の上で処理をしていくという道が当然あるわけで、私的整理ですから余り公的に関与するのは本来の趣旨ではありませんが、どういうふうにそれを支援していくかということについてはさまざまな工夫ができると思っております。どうぞよろしくお願いします。
○階委員 ぜひ、法務大臣の方も、この点、積極的にお知恵を出していただければと思います。 時間がなくなってきましたので先を急ぎますけれども、今ごらんになっていただいた資料四の一番上、A—一というケースでございます。これが、生計維持者である債務者が亡くなり、ローンつきの住宅も失われ、震災後の収入も失われ、本当に悲惨きわまりないケースであると思います。これは二重ローンの問題というよりは、精神的ケアを含めて、残された方をどうやってサポートしていくかという本当に重い問題だと思います。 そこで、こういった方たちには、むしろ経済的な問題にとどめずに、内閣府で始めたパーソナルサポートサービスというのが資料五、資料六などに概要があります。資料六の一番右下に、モデルプロジェクトを実施しているところに岩手県なども入っております。このモデルプロジェクトをこのような問題に活用すべきではないかと思いますけれども、内閣府の方から御見解をお願いできればと思います。
○和田大臣政務官 お答え申し上げます。 一言で申し上げると、おっしゃるとおりでございまして、こうした取り組みを、被災地域の方々は特にでございますが、私どもがこの政策を考えた大きな趣旨としましては、今、生活困難、またいろいろな心理的な圧迫状況、そして金銭的な困難状況、こうしたものがからめ手のように複数の要因が存在していらっしゃる方々を、各地域で非常に温かいまなざしで見守っていただいている方々がおられますので、そういった方々をぜひサポートしていただく人材として登録しまして、これから広げていこうと思っている次第でございます。 今、岩手県をモデルプロジェクト地域として指定させていただいておりますので、こういったところで大いに、被災者の方々の精神面のケアも含めまして、取り組んでまいりたいというふうに思います。
○階委員 田嶋先生に最後に質問しますけれども、資料七をごらんになっていただくと、自営業の世帯、零細企業なども含めてですけれども、こういう方で、大黒柱が失われていないケースで、一番悲惨なのが、冒頭申し上げた四重ローンのケース、B—五番のようなケースだと思います。 こういった方たちの場合は、事業の方ですけれども、新規ローンを組んであげないと収入の途が断たれてしまうわけでございます。ですから、たとえ借金がたくさんあったとしても新規で速やかにローンを実行できるような、そういうことも考え、かつ、一方では債務の整理ということもして、同時並行でやるべきではないかと思います。 最後に、この点だけお願いします。
○田嶋大臣政務官 御答弁申し上げます。 私も、ゴールデンウイークのときに現場を見てきまして、一番多くいただいた声がこの関係だったと思います。本当に最重要の案件の一つだというふうに思っております。 御指摘いただきましたローンに関しましては、先ほど中途半端という御指摘もございましたが、かなりいろいろと手を打たせていただきまして、実際的には三つ柱がございます。 一つは、金融庁からは民間金融機関に、そして中小企業庁、私どもからは公的な金融機関に対して、既存の債務の柔軟な条件変更ということを要請してきているということでございます。 そして加えて、新たな新規資金に関しましては、今回の補正予算を活用いたしまして、最長二十年の貸付期間で、据置期間を最長五年、そして金利を一部無利子にするなどの、既存の融資制度を大幅に充実した、過去に例を見ない制度を新たに創設したということがございます。 そして、三つ目は保証でございますが、この保証も、これまでのいわゆるセーフティーネット保証がございますが、それの二倍に当たる、いわゆる三階部分と呼んでいるようでございますが、最大の額としては、二億八千万の二倍ということで、五億六千万までの保証も組み入れたということでございますが、後段の部分に関しましては中途半端ということも御指摘いただきました。 菅総理の答弁に沿った形で、さらに何ができるかということを、しっかり経産省も取り組んでいかなきゃいけないと思っております。
○階委員 本日はありがとうございました。
○奥田委員長 次に、河井克行君。
○河井委員 自由民主党の河井克行です。 東日本大震災を受けまして、現政権は岩手県に政府現地連絡対策室というものを設けております。 黒岩宇洋大臣政務官にお尋ねをいたします。 あなたはこの室長代行として現地でさまざまなお仕事をされたとブログなどでも拝見をいたしておりますが、何日間ぐらい行かれて、そこでどういったことをお感じになったか、お聞かせをいただきたいと存じます。
○黒岩大臣政務官 お答えいたします。 私、二度にわたりまして現地に駐在したんですけれども、一度目は四月の一日から六日までということで計六日間、その次は、二回目は四月の十八日から二十一日までの四日間ということで、計十日間、現地におりました。 現地には、内閣府を中心に、防災担当を中心に、本省から送られている各省庁の担当者が十五、六名いるもので、これは連絡室ということです。 それで、私は、特には、その方たちから現状を聞いたり、そして私自身は、その対策室自体は盛岡の県庁にあるんですけれども、被災地は沿岸部でございますので、陸前高田市とか宮古市とか大船渡市とか沿岸部に毎日出かけて、その被災状況であるとか首長さんたちのさまざまな御提案とかそういったものを承って、それを連絡室にまた届けて、連絡室からまた本省に上げるという、こういった業務をしておりました。
○河井委員 大震災の被災地の現地の政府の代表という言葉もブログの中でお使いになっていらっしゃいますけれども、大変重要な役割を果たしていらっしゃる黒岩大臣政務官。また同時に、治安をつかさどる根幹の役所であり、かつ検察庁や公安調査庁あるいは出入国管理など、まさに法務省の最高幹部のお一人でいらっしゃいます。 あなたの政治活動についていろいろと確認をさせていただきたいことが出てまいりましたので、これから質問をさせていただきたいと存じます。 まず初めに、御自身の座右の銘をお示しください。
○黒岩大臣政務官 リーフレットなんかにも私は書いておりますけれども、すべて潔しということで、座右の銘ということで書かせていただいております。
○河井委員 その言葉どおりの、きょうこれから私が今尋ねようとしておりますのは、もちろん私個人ではありません、全国民を代表するというふうに憲法に規定されておる国会議員として、ぜひとも確認をさせていただきたい、そのお気持ちで御答弁をしていただきたいと存じます。 まず、あなたの選挙区は新潟三区ですね。新潟市の一部、新発田、村上市などから構成されているということでありますけれども、その選挙区ではなくて、遠く離れた横浜の市議会議員の中に、あなたが密接なかかわりをお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか。
○黒岩大臣政務官 密接と言われてもすぐには浮かばないんですけれども、どういった関係のことか、ちょっと私、今承知しかねていますので、なかなかお答えづらいところでございます。
○河井委員 もちろん、政治的な意味で密接なかかわりをあなた自身が持っていらっしゃる市会議員がいらっしゃると思います。
○黒岩大臣政務官 特に私、最初の参議院の補欠選挙のときは、補欠ということもありまして、全国からいろいろな方が応援に来たりということがありますので、当時無所属ということもありまして、幅広い方から応援をいただいたという、議員さん等が各地にいらっしゃるかとは思います。
○河井委員 井上桜横浜市会議員、御存じですね。
○黒岩大臣政務官 存じ上げております。
○河井委員 どういった方で、あなたとの御縁をお聞かせください。
○黒岩大臣政務官 私の記憶ですと、あるボランティア選挙で一緒に顔を合わせたことがあったと思うんですが、私は、先ほど申し上げた最初の選挙の際に応援に来られた、そう記憶しております。
○河井委員 この方が、平成十四年の六月に、横浜市議会史上始まって以来初ということですが、市議会から除名処分を受けている。そのことは御存じ、そしてその理由も御存じでしょうか。
○黒岩大臣政務官 済みません。その除名云々の厳密な認識というのは、ちょっと私、わからないんですけれども、除名とかそういったところまではちょっと認識としてはわかりません。
○河井委員 そういったところまでわからないということは、どこまでおわかりなんですか。
○黒岩大臣政務官 今、委員御指摘の趣旨については、その内容は理解していない、認識していないということです。
○河井委員 市議会の中で除名されるということは、やはりよほどのことがない限りこれはないことですよね。それについて理由とかわけで思い当たる、後でまた言いますから、あなたと大変密接なかかわりを持っていらっしゃる方なのでお尋ねしているんですけれども、理由について思い当たる節はないでしょうか。
○黒岩大臣政務官 平成十四年ですか。何か市議会で何らかの議論があったというような記憶はあるんですけれども……(河井委員「議論といいますと」と呼ぶ)その内容まではちょっと詳しくは私はそれは承知しておりません。
○河井委員 この方は、もう一人の方と一緒に国旗を無理やりにおろそうとして、これは新聞報道ですからね、横浜市議会では、今定例会から議場で国旗を掲揚することを議会運営委員会で決定したが、この二人が五月二十九日、国旗を無理やりおろそうとして退場を命じられ、六月五日には議長席と事務局長席を占拠、約六時間にわたって議会を空転させた、そういう方でありまして、自民党、公明党だけでなく、当時の民主党の横浜市議会の二つの会派も賛成して除名処分ということになっております。共産党も、思想、信条に基づき行動するのは認めるが、今回のことはそのこととは別、議会制民主主義のルールに沿った手続を踏んでいないのは明らかとしたというふうに報道をされております。 あなたは、この議員さんが行った行為というものについてどのように考えられますでしょうか。
○黒岩大臣政務官 私は、一人一人の地方議員の方の思想、信条までどうこう、私が立ち入る立場にもないですし、そのことを承知していたわけでもありません。 一つの議会、地方議会においての行動について、議会人として、そのルールとして、どこまでが妥当なのかどうかというのはいろいろと判断があると思いますけれども、他の地方議会で行ったことについて、私がそのこと自体にどうこうと言うのは、ちょっとここで言及するのは、しづらいところなんですけれども。
○河井委員 あなたは、日本国憲法と日本国内の法律を擁護する法務省の大臣政務官という立場で今お答えをされていますね。 日本国旗、国旗・国歌法、既に制定されて久しゅうございます。このことについて、議場の中でそういうふうな暴挙があって、あなたの所属する民主党の会派も含めた、除名で処分がなされた方に対しての行為について、あなた自身、言うことができないということですか。あなたも同じような考えを持っているということなんですか。
○黒岩大臣政務官 私の考えということで聞かれれば、それは私の考えとして、私は国旗・国歌については当然尊重しておりますので、今委員がおっしゃられたような行動とかそういったことと私の考えとは、そこは違う点がある、そう思っています。
○河井委員 今、違うとおっしゃいましたが、越後の暴れん坊、これはあなたのキャッチフレーズでもあるんですね。平成十四年四月の参議院補選の際に、越後の暴れん坊のキャッチフレーズで新潟県内を駆けめぐりました、見事初当選というふうに書いてございます。 同時に、この越後の暴れん坊というのは、あなたの政治資金管理団体ということで間違いないですか。
○黒岩大臣政務官 当初、出たときの選挙でキャッチフレーズには使いましたけれども、政治資金管理団体ということはないと思います。
○河井委員 では、あなたにまつわる政治資金規正法第十九条の七第一項第二号に係る国会議員関係政治団体、いわゆるその他の政治団体ということで間違いないですか。
○黒岩大臣政務官 今その団体が存在しているのかどうかは私はちょっと正確には把握していないんですけれども、二度目の参議院選挙だと思うんですが、そのときに、私のことを応援してくれるという団体で、そういう名称の団体があったということは記憶をしております。
○河井委員 存在しているんです。(黒岩大臣政務官「ほう」と呼ぶ)ほうじゃないです、あなた。 あなたの名前がこれに載っている。直近が平成二十一年分だ。ここにその収支報告書を持ってきております。あなたの名前がちゃんと書いてあります。公職の候補者の氏名、黒岩さん、衆議院議員と書いてある。埼玉県三郷市戸ケ崎三千九十の百七十八、アビタシオン松丸一〇二号、代表者の氏名が佐藤直克さん。そこの収支報告を見ると、除名処分を受けた井上桜横浜市会議員から、あなたは平成二十一年に多額の寄附を受けている。 お答えください。どういう経緯で受け取ったのか、お答えいただきたい。
○黒岩大臣政務官 私の認識では、たしか、被推薦者というか、応援を受けるということに対して、要するに、その政治団体が私のことを応援してくださると。わかりましたということで、それを承知したということは私も今認識しております。 ただ、その寄附云々は私全く存じないですし、それは私の団体ではないので、それは私の資金管理団体でもないですし、私を応援するという一つの政治団体かもしれませんが、私自身が直接その政治資金に関与するということではない、そう理解しております。
○河井委員 今の答弁はおかしいと思います。 ここにありますからお見せしてもいいんですけれども、平成二十一年に、この市会議員さんが百三十九万円という多額の寄附を、相手は個人としてあなたに寄附してきている。越後の暴れん坊に寄附をしてきている。そのことについて、あなた自身、どういうふうな経緯で受け取ったか、もう一度お答えいただきたい。
○黒岩大臣政務官 先ほど説明しましたように、その団体は、私が代表を務めているわけでもないですし、私のことを推薦はしてくださるということは認識しておりますが、そういう経緯上、政治資金をどういう経緯で受け取ったかということに答えよと言われましても、私としては、それはそう承知していなかったと。私自身がその詳細を答えることは難しいということです。
○河井委員 あなたの名前が表紙に付された団体について今お尋ねをしている。 この方は、今回の統一地方選挙でも鶴見区から立候補されて当選をしている。ところが、同じ選挙区で民主党の公認候補が二名、定数六の中で立候補したにもかかわらず、二名とも落選をしている。うち一人は現職。なのに、あなたは、他の政治団体に所属する議員から、選挙のわずか一年半前の二十一年の暮れに、越後の暴れん坊、献金を受けているんです。 なぜ、同じ党の民主党の公認候補が厳しい選挙の中、頑張っていらっしゃる中で、自分の党の公認候補が落選して、そして他の政治団体の候補者が当選するような、そういう選挙の直前に、あなた自身が、もう一回言いましょう、越後の暴れん坊自身が、あなたのキャッチフレーズでもありますけれども、越後の暴れん坊が資金援助を受けたのか。その理由について、私も、政治家を始めて少し時間がたっていますから、それは五万円とか十万円のことだったら聞きません。ただ、百三十九万円という、しかも個人からですよ。私はこれは知らなかったということはあり得ない。 何で彼女からこの団体が献金を受けたのか、もう一度お答えをいただきたい。
○黒岩大臣政務官 私は、自分が団体の代表を務めている、当然、一つ資金管理団体がありますし、自分が長を務めている団体というのが二つとか三つとかあると思いますけれども、それは私のところで収支報告書も事務所でつくりますから私も目を通します。しかし、今言った団体は、私と直接、私は団体の長であるわけでもないですし、その活動をしているわけでもありませんので、その団体の中のお金のやりとりについては、私が直接寄附を受けたという認識ではありませんし、よって、その認識もありませんので、その経緯と言われても、それはお答えのしようがないということです。
○河井委員 別の政治団体等に所属する議員から、しかも、先ほど言いましたように、国旗掲揚をめぐって市議会を除名されたような人から、越後の暴れん坊とあなた自身のブログに書いてあります、これをキャッチフレーズで初当選をかち取ったんだと。あなた自身のお名前が載っている、公職の候補者の氏名というところに載っているその他政治団体に対してお金が行っている、どうしてなのかなというのは、これは素朴な疑問じゃないでしょうか。 本来、政治献金というものは、お互いに政治的な信念や理念を共有する仲間を応援するということ、それが政治献金のはずであります。つまり、こういう人からあなたの名前がかかわっている政治団体が多額のお金を受けているということは、あなたも同じような政治信条と理念の持ち主だというふうに国民は見るのは当然のことでありまして、お考えをお示しください。
○黒岩大臣政務官 繰り返しになりますけれども、私は最初の選挙のときに無所属で出まして、多くの人たちからも応援をいただいた。応援をいただくような形の中で、政治団体が存在する、立ち上げるというのか、そのことは、今から、ですから、私が現職の参議院のころでしたから、そういったことがあったということは知っています。 ですから、それは、向こうが団体を主体的につくる、その主体的につくった団体の、多分、被推薦人というか、応援するよと言ったのが私ということで、私は応援いただくということは承知していますけれども、その政治団体の活動には私は一切関与していないので、その思想、信条とか、そういったことは、私はそこまで詳しくは認識しておりませんし、活動自体は私のところとは直接は離れたところだった、そういうことで理解をしております。
○河井委員 今、応援していただくというふうにお答えをされました。具体的にどういうふうな応援をされてきたのか、お答えください。
○黒岩大臣政務官 それも、御承知のとおり、国政選挙、また参議院全県選挙になりますと、本当に多くの方がいろいろな、目に見える、見えないところでの応援をいただいていますので、具体的にどうかと言われても、ここで詳細に、具体的に事実をと言われても、それは私としてはなかなか認識をしていないというところです。
○河井委員 この件は、実は氷山の一角なんですね。 市民の党というのは、政務官、御存じですか。
○黒岩大臣政務官 市民の党という党があることは存じ上げています。
○河井委員 代表者がどういった方でどういった活動をしていらっしゃるか、そして、あなたとどういうおつき合いなのか、お答えをください。
○黒岩大臣政務官 代表者の方は存じ上げていますけれども、まさに市民活動をしてきた方だと。ボランティア選挙とかボランティア活動……(河井委員「代表者のお名前は何とおっしゃいますか」と呼ぶ)斎藤まさしさんですね。市民運動だとかボランティア活動されている方だということは承知をしております。
○河井委員 通称斎藤まさしさん、本名は、収支報告書、また別の市民の党の収支報告書によりますと酒井剛さん、そういう方でありまして、先ほど触れました井上桜横浜市会議員も、除名される前は横浜の市民の党の所属ということでありました。 そして、この市民の党の事務担当者と、あなたが応援を受けているとおっしゃった越後の暴れん坊の事務担当者が同じ人間なんです。そのことは御存じだったのですか。
○黒岩大臣政務官 存じ上げません。
○河井委員 加えて、越後の暴れん坊の会計責任者山本ひとみさんという方は、あなたはよく御存じでしょうか。
○黒岩大臣政務官 その方は、市議会議員をされている方だと。(河井委員「どちらの党か御存じですか」と呼ぶ)党は、無所属なのか市民の党なのか、ちょっと私、そこら辺は詳しいことは厳密には認識しておりません。
○河井委員 市民の党なんです。 あなたは先ほど、越後の暴れん坊を知らない知らないとおっしゃったが、会計責任者の山本さんが市会議員をしていらっしゃる。どこの市でしたでしょうか。武蔵野の市会議員をしていらっしゃる。市会議員をしていらっしゃるということは御存じだった。 それでお尋ねしますが、この市民の党、代表者のお名前は御存じでしたけれども、代表者、そしてその政治団体とあなたとの間でどのような関係があったのか、お聞かせをください。
○黒岩大臣政務官 あるボランティア選挙なんかで顔を合わせまして、ボランティア選挙のお話とか、そういったものをお聞きしたりとか、そういうことがありました。
○河井委員 この市民の党から、人の紹介ですとか、あなたの選挙のときにさまざまな運動員の提供、そういったものはなかったんでしょうか。
○黒岩大臣政務官 これも何度か申し上げましたけれども、選挙のときにはいろいろな方がボランティアで応援に入ってきてくださいますので、具体的にだれがというのはあれですけれども、いろいろな方が応援に来てくださっているということは承知をしております。
○河井委員 そのいろいろな方の中に市民の党も入っていることは否定できないわけですね。
○黒岩大臣政務官 要するに、ないことを証明することもなかなか困難ですので、否定し切れるのかといったら、それはそうだとはなかなか言いづらいと思います。
○河井委員 その市民の党に対して、あなたの名前を付した越後の暴れん坊からお金のやりとりはなかったか、確認をします。
○黒岩大臣政務官 それは先ほどから申し上げていますが、その政治団体の活動については私は承知しておりませんので、お金がどうとかと聞かれても、これは全く私は承知をしておりません。
○河井委員 私は承知していない、承知していないとばかりおっしゃっていますけれども、疑念を晴らす立場に今あなたはいるわけですよ。法務大臣政務官として、さまざまな事柄がこれから関係してくるわけですから、そのことについて疑念を晴らす。座右の銘が、すべて潔しというふうに書いてあった。(発言する者あり)
○奥田委員長 御静粛に。
○河井委員 自分の名前が付された政治団体について、そういうふうな答弁の仕方でいいんでしょうか。 では、かわってお答えさせていただきますけれども、市民の党に対して、あなたの名前が付された越後の暴れん坊が、平成二十一年に三百九十二万二千八百六十円献金している。おまけに、前の年はゼロ。平成二十年はゼロ、平成十九年もゼロ。なぜこの二十一年にだけ献金がされたのか。極めてこれは不可解なんです。心当たりはございませんか。
○黒岩大臣政務官 私としては、それは承知しておらず、心当たりというか、そのことを知っているかと言われれば、私は存じ上げません。
○河井委員 この年、平成二十一年七月二十一日が、私たちを含めた衆議院が解散をされた日なんです。収支報告書を拝見しますと、直前の七月の十五日、越後の暴れん坊から百万円が市民の党に行っている。二十五日、百万円が行っている。そして、その年の暮れに、残りの百九十二万円余りが収支報告書によるとお金として行っております。 普通は、選挙の前は、お金が一円であっても邪魔じゃない。むしろ、さまざまな人にお願いをして、献金をお願いしなきゃいけない立場であります。失礼ながら、当時あなたは、参議院選挙に落選された後、浪人中でしたね。私も落選の経験があるからよくわかる。お金が、一円の重みがどれだけ大事か。そのときに、その選挙の直前に、二百万円が、あなたの名前が付された政治団体から市民の党に向かってお金が流れている。 政治資金の収支報告書というものは、おかしな出入りがないかを明らかにするためにあるんです。そして、今あなたが座っているいすは、その法律をすべてつかさどっている役所の大臣政務官、最高幹部の一人なんです。普通の大臣政務官、あるいは、そちらにいらっしゃいますけれども、大臣とか副大臣、ほかの閣僚、政務三役とは違う重みを法務省の最高幹部は皆さんお持ちだと私は信じている。 そういう意味からいって、この金の流れについて御説明をいただきたい。
○黒岩大臣政務官 繰り返し申し上げますけれども、その政治団体の活動等、主体的なことについて私は承知をしておりませんので、そのお金がどういう形でいきさつを持ってとかいうことも、私は、認識、把握もしようもない。私自身が団体の代表を務めて、私の持っている政治団体は、私も収支報告書をちゃんと見ますし、当然私のいろいろないきさつを把握する立場にありますけれども、その他の政治団体というものについては、私はそこは承知をしていないとしか言いようがございません。
○河井委員 そういうことは事実上あり得ないから言っているんですよ、お互いさま。あり得ないから言っているわけですよ。そういう答弁では納得できません。
○奥田委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○奥田委員長 速記を起こしてください。 河井君。
○河井委員 委員長の御指示でありますので、公安調査庁長官にお尋ねをいたします。 よど号ハイジャック犯指導者田宮高麿の妻森順子、容疑者と言うんでしょうか、逮捕状が出ております。その罪状と今どこにいると推定されるか、お答えをいただきたいと思います。
○尾崎政府参考人 お答えを申し上げます。 よど号ハイジャック犯につきましては、現在、ハイジャック犯五人とその妻三人が北朝鮮にとどまっております。御指摘の森順子は平壌に滞在しているものと承知しております。(河井委員「どういった罪状か、逮捕状の」と呼ぶ)ハイジャックでございます。
○河井委員 ハイジャックだけでしょうか。いわゆる拉致についてのかかわりはないのでしょうか。
○尾崎政府参考人 失礼いたしました。 先ほどハイジャックと申し上げましたけれども、森順子の容疑は日本人の拉致容疑でございます。
○河井委員 ハイジャック犯そして拉致容疑をした森順子容疑者、現在平壌に潜伏中というふうなお答えがありました。彼女が、田宮高麿、もう亡くなっておりますけれども、妻ということであります。 今回、統一地方選挙で三鷹の市会議員選挙に立候補した森大志氏はこの二人の長男であるということが報じられておりますが、確認をいたしたいと思います。
○尾崎政府参考人 御指摘の人物については、御指摘の二人の子であるというふうに承知しております。
○河井委員 今調査庁から確認をしたということであります。 さすれば、この森大志氏が日本に帰国した日付と、当時何歳だったか、あるいは、生まれたのは北朝鮮ですから、日本国籍を取得したのはいつか、わかればお答えをください。
○尾崎政府参考人 御指摘の者につきましては、一九八三年、昭和五十八年生まれで、二〇〇四年、平成十六年に帰国したと承知しております。 国籍につきましては、両親が日本国籍でございますので、当然日本国籍になるものというふうに承知しております。
○河井委員 ということは、当時二十で日本に帰ってきたということだと思います。 この森大志氏、今回三鷹の市会議員選挙に立候補し、落選をしたわけでありますけれども、彼が所属をしている政党、政治集団はどこでしょうか、御存じでしたらお示しをください。
○尾崎政府参考人 これは当方、選挙公報や報道で承知している限りでございますけれども、市民の党に所属しているというふうに認識をしております。
○河井委員 市民の党の公認を受けた、今公安調査庁が必死の思いで警察庁も含めて追っかけているテロリストの息子さんが立候補した。(発言する者あり)親と子は違うんじゃないんです。二十のときまで北朝鮮にいた。どのような教育を受けてきたかということは、他の拉致被害者の方々の証言からも容易に想像がつく。そういう人を公認したのが市民の党。そして、黒岩法務大臣政務官の名前を付した、あなたのキャッチフレーズを付した越後の暴れん坊は、平成二十一年に四百万円近い献金をこの市民の党に対して行ってきている事実があります。そして、後で言いますけれども、多額の献金をした、民主党の名前を付した、しかも現職の大臣政務官が、今公安調査庁を所管する法務省の最高幹部のお一人でいらっしゃる。しかも、あなたは衆議院で政務官になる前に北朝鮮拉致問題特別委員会の筆頭理事や委員をお務めでしたね。あれはいつからいつまでですか。
○黒岩大臣政務官 ちょっと正確じゃないかもしれませんけれども、筆頭理事は〇九年の十月から十二月だと記憶しております。
○河井委員 〇九年というと平成何年ですか。平成で答えてください。
○黒岩大臣政務官 平成二十一年になります。
○河井委員 まさにあなた自身が拉致特の筆頭理事をお務めのときに、あなたの名前を付した政治団体が市民の党に多額の献金をしてきている。そして、あなた御自身の選挙区は新潟県ですね。たくさんの拉致事件が発生をしたところ。今、私たちのこのやりとりを拉致被害者の御家族の方々が聞いていて、どういうお感じを抱かれるでしょうか。何とお感じになるか。あなたは公安情報に接することができ得る立場なんです。 しかも、三鷹の市会議員選挙でも、先ほどの横浜の市会議員選挙と同じように、民主党の公認候補は定数二十八のうち六人いて、二人が落選、うち一人は現職が落選をされている。そういう厳しい選挙の中で、あなたの名を付した政治団体から出たお金によって市民の党の政治活動、選挙運動が営まれた。それによって、先ほど長官からお答えがあったように、北朝鮮、例のよど号ハイジャック、そういったことにまつわる人たちの御家族が出た選挙に対して、あなた自身の名を付した政治団体のお金が行っているということについてどのような認識を抱いていらっしゃるか、お答えをください。(発言する者あり)
○奥田委員長 お静かに、御静粛にお願いいたします。
○黒岩大臣政務官 名前を付したという表現がありますけれども、それは、私のキャッチフレーズをお使いになられたということだと思いますが、ただ、その政治団体については、主体的にどういった行動をするかとか、どなたを後援するかということは、私は承知をする立場ではありません。 そして、先ほどの公安調査庁とのやりとりについては、私自身はそういった議会選挙に出た人間とかお名前とかも直接は存じ上げないので、今初めて聞いたことでございますので、それは、ああ、そういうことなのかということです。 拉致被害者の方については、それもどうお感じになるかはちょっとなかなか推しはかりづらいところがありますけれども、私個人としては、拉致被害者の方々のさまざまな声を受けとめて活動をしてきたと認識をしております。
○河井委員 今、まさにあなたの認識を聞いているんです。私と公安調査庁長官のやりとりを聞いて、あなたの名を付した、自分とは関係ないなんて絶対言わせませんよ、総務省の収支報告書にあなた自身の名前が、その他の政治団体でかかわりのある公職者の氏名でちゃんと載っている。あなたのお名前が載っている。しかも、あなたのキャッチフレーズである越後の暴れん坊という名前も付した団体、そこが多額のお金を出しているということ、その事実を今聞いてどのような認識を抱いていらっしゃるか、お答えをくださいと言っているんです。(発言する者あり)
○奥田委員長 御静粛にお願いいたします。
○黒岩大臣政務官 ある政治団体の行動、これはさまざまな自由である権利をどう使われているかについて、私がそれをどうこうは言う立場にないとしか言いようがないと思います。
○河井委員 政治団体の活動についてどうのこうの言う立場にない、それは、今あなたはどの団体に対して言った言葉なんですか。
○黒岩大臣政務官 今委員が指摘されたその他の政治団体という越後の暴れん坊という名のついた団体の政治活動の一つ一つに私がどうこうだとか言うことは、私は何か主体的にかかわっている人間ではないので、なかなか言う立場ではないということを申し上げました。
○河井委員 ということは、何度も言うけれども、表紙にはちゃんと書いてあるんですから、あなたのお名前が。あなたの名を付した、あなたのキャッチフレーズの越後の暴れん坊がどういった活動をしようとも、全くあなた自身、政治家として、そして法務大臣政務官としていかなる責任も生じないということなんですか。どんな活動をしても、どのようなことをやっても、どのような暴力行為を働こうとも、その代表者、それについて、あなた自身は何にも、自分自身は政治家として、法務大臣政務官として関係ないと言い切るおつもりなのか、はっきりとしていただきたい。
○黒岩大臣政務官 ある行為があればとかいう、ちょっとその仮定の質問には答えることはできないと思います。 そして、もちろん、法務大臣政務官としてその団体の活動に責任を負えるかというと、それは負うことは難しい、そう答えるしかありません。
○河井委員 あなた自身のお名前が付された、あなたのキャッチフレーズがつけられた政治団体なんですよ。そこが、先ほどから明らかになったように、北朝鮮と密接なかかわりがある候補者を擁立した政党にお金が渡っている、多額に。 あなた自身、きょうのこのいろいろな質疑、やりとりを踏まえて、今後考えるべきことは何もないのか、改めてお尋ねをいたします。
○黒岩大臣政務官 少なくとも、今私がここで責任ある答弁として、事実関係ということでしたら、その関与等について私自身もその団体に主体的な活動に関与しておりませんので、その活動がどうかと言われても、それについて今までの経緯の中で、その経緯を詳細にこうであるとか、ああであるとかいうことは申し上げられない、そのことを申し上げております。
○河井委員 ということは、従前どおりの、あなたの名前を付した、あなたのキャッチフレーズをつけたこの団体の活動については、あなた自身、何も今後意見とか申し上げるつもりはないのか、お答えください。
○黒岩大臣政務官 きょうのやりとりも、私もきょう注意深く聞かせていただきましたし、その団体について私としてちょっとこれから検討するということを今改めて感じております。
○河井委員 大臣、以上のやりとりをお聞きになって、黒岩大臣政務官と市民の党とのただならぬ関係だと私は思いますよ。本当に深過ぎる関係。事務担当者が共通の人間であり、そして、会計責任者がその党の現職の市会議員が名前を連ねている、これは国家の治安をつかさどる法務省の政務三役として果たして適切かどうか、あなたたちが説明をしてもらいたいんです。言い逃れたりとか、その場しのぎとか、あともう数分で済むとか、そういうことじゃないんです。(発言する者あり)
○奥田委員長 御静粛にお願いいたします。
○河井委員 私は反対党の議員だから申し上げているだけではないんです。 今回の大震災で明らかになったことは、原発で明らかになったことは、津波、確かに怖い、大津波。でも、大津波だけではない。原発へのテロ、これが本当に怖いんだ。日本国政府が抱いている危機感について、米国政府も、本当に大丈夫かという危機感を抱いているということは報道されている。この原発テロに対して、どういう政治勢力がこれをしかけてくる可能性があるか。その中で、あなたたちが所管している公安調査庁、そして出入国管理も当然そこに絡んでくるわけですよ。だからこそ、きょう、この震災関連の時間で質問をずっとさせていただいているんだ。 それを踏まえて、大臣、私は、この深過ぎる関係というものが、疑念を払うことがどうしてもできない。大臣としての御認識をお示しいただきたいと思います。
○江田国務大臣 いろいろ質疑を聞かせていただきましたが、私としては、黒岩大臣政務官についても、あるいは公安調査庁についても全幅の信頼を置いておりますし、折に触れて、やや機微にわたるいろいろな情報も聞いてはおりますし、この皆さんの活動に今の御質疑で何の疑問も生じておりませんので、どうぞよろしくお願いいたします。
○河井委員 市民の党の諸活動、そして先ほど公安調査庁長官が御答弁された事柄も踏まえて、以上の議論を聞いて、何ら認識を変えることがないということなんですね。 もう一度、お答えください。
○江田国務大臣 そのとおりでございます。
○河井委員 全くもってこれは質疑になりませんね、本当に。質疑することができない。 先ほど言いました拉致被害者の方々だとか、あるいは、原発がそれぞれ立地をしている、さまざまな不安を抱えている全国の地域の方々の前で、この議論を聞いていただきたいぐらいの気持ちですよ。(発言する者あり)
○奥田委員長 御静粛に。御静粛にお願いいたします。
○河井委員 また、このことにつきましては、改めて、より詳細な調査をした上で、私やあるいは同僚議員から質問をさせていただきたいと思います。 以上で終わります。
○奥田委員長 以上で河井克行君の質疑を終了いたします。 次に、稲田朋美君。
○稲田委員 自由民主党の稲田朋美です。 ただいまの河井委員の質疑を聞いておりまして、私は、やはり法務省というのは普通の役所とは違うと思うんです。霞が関の一丁目一番地、やはり法治国家において、法の支配を日本じゅうに行き渡らせて、そして日本の治安を守るという大変重大な役所の政務官の思想、信条や背景やその政治活動について、きちんと説明責任があると私は思いますので、この点については我が党としてもこれからも追及をいたしたいし、また、法務大臣も、先ほどのような御答弁ではなくて、きちんと調査もしていただきたいと私は思います。 まず、浜岡原発の停止について質問をいたします。 私は、今回の浜岡原発の停止というその結論自体については、国民が不安に思っていたことでもあり、理解ができます。ただ、その決め方について大きな問題があったと思います。またしても、菅政権の特徴という、本当に思いつき、唐突、法律無視、民主主義の過程を踏みにじったものだと思っております。民主主義国家にとって、このような超法規的な、恣意的な判断を時の総理がするとすれば、法治国家ではなくて人治国家、民主主義ではなくて独裁国家になってしまう。ここに最大の問題点があると私は思っております。 まず、法務大臣にお伺いをいたしますけれども、大臣は、この浜岡原発停止の要請について、いつ、どこで、どんな状況で、だれから、どのようにお聞きになったのでしょうか。
○江田国務大臣 これは、その日、というのは六日でしたかね、六日の夜、伺いました。どこからというのは、報道だと思いますが、これから菅総理が記者会見をする、浜岡原発の停止の要請について国民に説明するということだったと思います。
○稲田委員 ということは、大臣は、事前に相談も受けず、そしてまた報道から要請について知ったということは、法務大臣として大変な問題だと思われませんか。
○江田国務大臣 思いません。
○稲田委員 認識がおかしいんですよ。大変な問題なんですよ。 なぜなら、過去も現在も、また未来にわたって、この原発の問題については訴訟が起きておりますし、これからも起きる可能性があります。そして、今までの政府の訴訟の代理人を務めておられたのは法務省の訟務検事なんです。そして、その訴訟の方針は大臣が決めておられるわけですから、原発の訴訟の政府の対応について変わるかもわからない、こんな重要な要請について、何の相談も受けず、そして事前に聞きもせず、それで何の問題もないと言うこと自体が私は法務大臣としての資格を疑いますね。 大臣は、今回の総理の判断についてどのように評価をされているか。先ほどは英断だと評価をされているようですけれども、なぜ浜岡原発をとめたのか。これは危険だ、安全確認のため一時停止しなければならないからだというふうにお答えになりましたけれども、間違いありませんか。
○江田国務大臣 原子力発電に係る国が当事者となった訴訟がいろいろあることは事実であって、国が当事者となる訴訟について法務大臣が国を代表しているということもそのとおりでございますが、だからといって、浜岡原発の停止について私があらかじめ相談を受けていなかったということがそうした訴訟の追行に支障を来すというふうには思っておりません。 その上で、浜岡原発について、ほかの場所で英断という言葉を使ったかもしれませんが、私は、この委員会ではよかったという言葉を使ってまいりました。それは、やはり浜岡原発の立地の地域における地震のかなりの高い可能性というものがあって、そのことについて、福島第一原発で起きた事象というものを目の当たりにして多くの国民が心配を持っておるという状況であり、そうした国民の心配というものを、所管する経済産業大臣と、さらに、政府をすべて所掌している菅総理大臣とが政治的に決断をして要請をされたのはよかったということでございます。
○稲田委員 今、大臣は、このことによって自分が当事者になっている国の原発の訴訟について何ら支障はないとお答えになったんですけれども、この浜岡原発の停止の問題によって、今までの国の原発訴訟に対する方針に変わりはないということですか。
○江田国務大臣 そうではありません。変わりがあるというわけでもありませんが、この浜岡原発をとめるという要請をすることを前もって私が聞いていなかったということが訴訟の追行について何か支障となるかというと、そんなことはないということを言っただけです。
○稲田委員 では、今までの訴訟の方針は変わりがあるのかないのか、どちらなんですか。
○江田国務大臣 これは、国の原子力政策がこれからどうなっていくかというのは、きのうも菅総理大臣が記者会見で、今ある原子力開発利用の方針については白紙で検討するということを言っていますので、そうしたことからすると、変化が出てくる可能性はあるだろう。 さらに、安全性について、これまでは、こういう想定で、それを超えるものは考えられないから安全だという主張をしてきたと思いますけれども、その点はこれから再検討しなければいけないことになるかと思っております。
○稲田委員 では、なぜ浜岡原発が危険で、私の地元の敦賀は危険ではないのかというのが、やはり国民の素朴な疑問なんです。 今回の行政指導ですか、こういったことがあれば、その他の原発立地県の原発についても停止を要請する行政訴訟等が起こることが考えられますけれども、そういった事態について、どのように予測をし、どのように対応されますか。
○江田国務大臣 浜岡原発の危険性と、敦賀に立地しているいろいろな原発の危険性等についてどういう評価をするのか、同じか違うかといったことは、これはちょっと、法務省としては所管をやや超えているので、所管の方に伺っていただきたいと思います。 訴訟の関係については、実は、どこの原発にもすべて国を相手とする訴訟がかかっているわけではございません。国を相手とする原子力関係の訴訟というのはそれほどたくさんあるわけではないんです。それぞれにやはり、具体的な訴訟の取り組みで、具体的な主張、立証がございますので、敦賀について中止の要請をせよというような訴訟が提起されたらどうするのだという御質問ですが、これは、今そうしたことが起きてもいない段階からいろいろ申し上げるのもどうも適切ではないかと思います。
○稲田委員 そういう態度が全く危機管理がなっていないと思うんです。 そして、浜岡原発をとめて敦賀をとめなかった理由については、明確にはわからない、所管じゃないと。そういうことではなくて、原発に関する訴訟の方針についても、また今回の要請についても、その法的根拠は何かということがこれからは本当に問題になるときに、法務大臣がこれは所管じゃないからわかりませんなどという答えでは、全く法務大臣としての役目を果たしておられないと私は思いますよ。 経産省にお伺いをいたします。 浜岡原発については、二〇〇七年に静岡地裁の判決で、耐震安全は確保されており、原告らの生命身体が侵害される具体的危険は認められないとして、運転差しどめを認めず、現在高裁で審理中です。今回の総理の要請は、この一審判決に対しては真っ向から反対の立場をとられたことになるわけです。 原子力基本法で、浜岡原発を動かすときには、保安院、原子力安全委員会が安全性のチェックをしているのに、今回の停止要請に関して、保安院、原子力安全委員会で検討した形跡は全くないのですけれども、一体どのような議論をなされていたのか。保安院と原子力安全委員会にそれぞれお伺いをいたします。
○黒木政府参考人 お答えいたします。 まず、本件につきましては、緊急安全対策を指示いたしました三月末ごろから、海江田大臣は浜岡原子力発電所に対します関心を持ち、自身で、有識者を初めとするさまざまなお方や細野総理補佐官、何人かの閣僚の方々と議論してきた。 五月五日には、大臣みずから浜岡発電所を視察いたしまして、同発電所におきまして緊急安全対策が適切に講じられており、また津波に備えた対応が実施されているということを確認したところでございます。 その上で、大臣が五月六日に視察結果の報告を兼ね総理にお会いして、大臣より、地震発生に伴う大規模な津波襲来の切迫性を考慮し、苦渋の決断として、一層の安心のための措置が必要ではないかと御相談したところでございます。そして、熟慮の結果、総理の判断によりまして、中部電力に対して要請するということになったところでございます。 原子力安全委員会に対しましては、五月九日に開催した定例会議において御報告させていただきました。
○久木田参考人 お答えを申し上げます。 ただいま原子力安全・保安院から回答いたしましたように、原子力安全委員会といたしましては、今回の要請につきましては全く関与はいたしておりません。
○稲田委員 今の保安院のお答えですと、一応、今回の福島原発の事故に対応した地震、津波についての措置はとって、それは視察できちんとなされているということは確認をした、しかし、巨大な津波が来るかもしれないということで、大臣と総理がお話し合いになって苦渋の決断をしたと。 今回の苦渋の決断については、保安院は別に、結論を出すことについては協議もしていないし、今、安全委員会のお答えでは、事後に報告を受けて、事前には全くそのことについては協議をしていないというお答えなんですけれども、私は、これが原子力基本法の趣旨からして非常におかしいんじゃないか。やはり、稼働するときにきちんと安全チェックをした保安院、原子力安全委員会が協議もし、今回の停止の要請をするということについても検討するのが法の趣旨から筋だと思うんです。 なぜなら、どのような情報をどのように検討して、どのような判断のもとに停止すべきだと総理が考え、そしてそれを要請したのかということを、きちんと科学的な根拠に基づいて国民に見せないと、かえって不安が生じているんです。特に原発立地県は、なぜ浜岡が危険で、ほかの原子力が危険でないのか、まさしく疑心暗鬼の状況になっております。 重ねて経産省にお伺いをいたします。 浜岡原発を停止すれば、中部電力管内や送電を受ける予定であった東京電力管内で、電力不足による経済活動の減退や、電力需要の想定外な増大による大停電などのデメリットが生じるおそれがありますけれども、先ほどのお答えでは、事前にそういう影響については検討をしておられないということだと思いますけれども、それでよろしいのでしょうか。 また、大停電になった場合の責任は国がとるんでしょうか。
○横尾政府参考人 お答え申し上げます。 私ども事務方としては、まず一般論として、中部電力管区内、それから東京電力、その辺の電力需給の状況を見通し、仮に浜岡原発が停止した場合の需給バランスがどうなるかなどについて、私どもが持っている情報に基づいた一般的な検討、分析の情報、これを提供してございます。そういったことも材料の一つとしながら、総合的に判断をされたのではないかというふうに認識をしております。 いずれにせよ、電力需給全般については、国の責任でございますので、しっかり電力需給の確保ができるように万全を期してまいりたいというふうに考えております。
○稲田委員 先ほどの保安院のお答えでは、視察に行った後に、大臣と総理がお話しになって苦渋の決断をしたと。経産省の中で、電力不足の影響などを、一般的には計算しているかわかりませんけれども、緻密に計算した跡というのは全くないわけです。本当に行き当たりばったり。最悪の事態を想定するというのは、地震だとか津波だけじゃなくて、原発停止のデメリットが最悪の事態に陥った場合についても検討して、対策を講じるということだと思います。そのような検討もせずに停止をしたということは、まさしく、選挙のときの民主党のマニフェストやら普天間と同じなんですよ。本当にパフォーマンス以外の何物でもないと思っております。 それでは、今回停止をしたということは、浜岡原発に関しては、原子力基本法十六条の、国の認可は間違っていたということになるんでしょうか。
○黒木政府参考人 お答えいたします。 先ほど申し上げましたように、今回、福島第一の津波による大きな事故を受けまして、緊急安全対策として、緊急に実施すべき短期の対策、これはすべての原子力発電所で、申請があったところについては確認したところでございます。 したがいまして、今回浜岡発電所の停止を求めたのは、法的な違反があるとか、そういう措置で求めたわけではございません。 また、当時の設置許可の際の確認におきましては、その当時の科学的知見を最大限活用してチェックを行ってきたということでございます。
○稲田委員 ということは、法律には違反していないし、認可自体は間違っていない、そして短期の対策は講じた。ということは、安全だけれども念のために、中長期の対策を講じる間、原発をとめる、そういうことでしょうか。
○黒木政府参考人 お答えいたします。 まず、緊急安全対策、短期の対策につきましては、これは津波を踏まえまして、しっかりと安全に高温停止を行うということを確認するものでございました。中長期対策については、その信頼性を上げる、そういう位置づけのものでございます。 今回中部電力に停止を求めましたのは、一層の安心のための措置が必要だということで、浜岡原発の津波襲来の切迫性を踏まえまして、中長期対策がとられるまでの間、停止を求めた、そういう考え方でございます。
○稲田委員 ということは、今でも安全だけれども念のためということであれば、何で浜岡だけ念のために中長期対策を講じるのかということがわかりません。 また、中長期の対策をした後、再稼働するということですけれども、そのときは保安院、安全委員会の安全チェックをするんですか。
○黒木政府参考人 お答えいたします。 中長期対策、これは防潮堤の対策等いろいろございますが、これについてはしっかり保安院が確認を行いまして……(稲田委員「再稼働のとき」と呼ぶ)浜岡でなくて……(稲田委員「浜岡の再稼働」と呼ぶ)確認をした上で再稼働になるというふうに承知しております。
○稲田委員 ということは、とめるときは総理が勝手に超法規的に判断してよくて、再稼働するときには保安院や安全委員会がチェックしなきゃいけない、これは私はやはりおかしいと思うんです。やはり法の趣旨からすると、とめる要請をするときも、きちんと保安院、安全委員会で協議をして、そういう手続を踏んでから要請をされるべき、その方が私は国民に不安を与えないと思います。 資料でお配りをしております、五月九日の大臣談話では、想定東海地震が発生する可能性八七%、三十年以内に震度六強の可能性八四%ということが大きな根拠となっております。ところが、談話についていた参考資料、表がありますけれども、ことしの一月一日現在の震度六強以上の地震が起きる確率が書かれているんですが、なぜこの中に福島第一原発、第二原発の確率が入っていないんですか。
○黒木政府参考人 お答えいたします。 福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所につきましては、三月十一日の地震及びそれに付随した大規模の津波の発生に伴いまして、現在事故対応を行っている発電所でございます。三月三十日の緊急安全対策の対象としていなかったということから、あえて記載しなかったものでございます。 しかしながら、今後は、誤解を与えることがないよう、同発電所についても入れた表を用いて発表等を行っていきたいと考えております。
○稲田委員 殊さら福島原発の確率を外したものをわざわざ大臣談話につけているんですよ。私はこのことをきのう経産省に言いましたら、浅はかでしたと言われましたけれども、浅はかで済まないですよ。 福島第一原発の地震の可能性は何%だったんですか。
○黒木政府参考人 福島第一原発の三十年以内に震度六強以上の地震が起こる確率は、〇・〇%でございます。
○稲田委員 そうなんですよ。〇・〇%の確率だった。それが、三月十一日にあの大地震なんです。この表は、ゼロ%であろうが八四%であろうが、本当に地震というのはいつ起こるかわからないというような、そういうことを実証しているような表なんですね。それをわざわざ、大臣談話につけるのに、福島第一原発の可能性がゼロ%だったということを隠すために、故意にそこを外して出すということ自体が、私は、そういう政治姿勢自体が信頼性を失わせることだと思いますので、強く抗議をしたいと思います。 次に、私の地元には高速増殖炉の研究炉である「もんじゅ」があります。 「もんじゅ」の設置許可の無効確認訴訟が提起されて、福井地裁では設置許可に違法はないとしました。ところが、名古屋高裁金沢支部では、事故防止策に係る安全性の審査については見過ごしがたい過誤、欠落があって、原子炉格納容器内の放射性物質の外部環境への放散の具体的危険性を否定できないとして、設置許可を無効としたんです。これを受けた最高裁は、控訴審を破棄して、設置許可に違法はなかったとしたわけです。 浜岡原発では、一審は安全だという判決だったんです。「もんじゅ」は、高裁で、具体的な危険性を否定できない、そういう判決があった、そういう研究炉なんですけれども、文科省にお伺いいたします。 今回の浜岡原発の停止が、高速増殖炉技術という、今まで国家基幹技術として推進をしてきた「もんじゅ」の研究炉の稼働に影響があるのかないのか、お伺いいたします。
○田中政府参考人 「もんじゅ」につきましては、今回の東日本大震災で、周辺の福井県においては最大震度三でございました。 「もんじゅ」は、御案内のとおり、現在、原子炉は停止中でございます。また、経産大臣から指示がなされました幾つかの緊急安全対策ということについても、滞りなく今実施をしているところでございますし、さらなる安全対策に向けて、ソフト面、ハード面ともに実施しているところでございます。 「もんじゅ」につきましては、核燃料サイクルあるいは高速増殖炉サイクルの重要な中核的な施設だというふうに認識しておりまして、今後とも、いろいろなところとの考え方を踏まえながら対応してまいりたいというふうに考えております。
○稲田委員 影響があるのですか、ないのですか、どちらですか。
○田中政府参考人 先ほど申し上げたとおり、さらなる追加対策というようなことでは、緊急安全対策の精神のもとで、必要な対策を実施しているというふうに考えているところでございます。
○稲田委員 地震や津波についてはそうかもわかりませんけれども、この高裁判決が指摘している事故防止策に係る安全性の審査という、地震、津波と関係ないところで、「もんじゅ」はやはりナトリウムという危険な物質を使っているわけですから、もう一度、安全性の確認については改めて検討をいただきたいと思います。 大臣、私は、総理の思いつきや思い込みの決断で決まってしまって、それが民主主義だとか法治国家を否定するような結果になるような判断が余りにも多いと思っております。例えば、昨年末の諫早干拓訴訟も上告を断念されたんです。なぜ上告を断念したんですか。
○江田国務大臣 これは、昨年十二月六日に福岡高裁で御承知のような判決が出て、菅総理が十二月十五日に断念方針を公表した。その理由としては、これは開門をめぐる長年にわたる争いに終止符を打ち、有明海の再生を目指すという観点から総合的に判断したものだというように聞いております。 ちなみに、私は当時法務大臣ではありませんでしたが、そのように聞いております。
○稲田委員 それについて、大臣、どう思われますか。 これはやはり、日本は三審制をとっていて、国の事業であった諫早干拓の訴訟について、たとえ高裁で負けたとしても、これは地元住民両方の立場から争っていた訴訟について、最高裁まできちんと判断を仰ぐというのが私は国のあるべき姿だと思いますけれども、いかがですか。
○江田国務大臣 それが国のあるべき姿だという主張があることはよくわかっております。しかし、諫早については、菅総理大臣も長い間これにずっとかかわってきて、菅さんなりの認識も知見もこれまで蓄積しているところでございまして、私は、高裁の判決ですから、あとはもう最高裁というのは御承知のような限定された判断になっていくわけなので、高裁の結果に従って前へそのことを進めていこう、こういう決断をしたのだと思っております。
○稲田委員 それは法務大臣として全くおかしな答弁ですね。「もんじゅ」だって、高裁では危険だといって、最高裁でひっくり返っているんですよ。最高裁で判断を仰ぐのが当然のことであって、このときも総理は自分の思いでもって、地元に何の説明もなく、いきなり一方的に上告断念をして、それに対して開門を差しどめる訴訟が起きたり、開門せよという訴訟が起きたり、新たな紛争を結局はつくっていることになっているんです。 今回の原発の停止がそういった事態にならないことを私は祈りますけれども、やはりそれには民主主義の手続を踏んで、きちんと国民に見える形でやることが必要で、法治国家の法治国家たるゆえんというのは予測可能性にあるわけであります。私は、今回の結論自体については評価をいたしますけれども、結論さえよければ法や手続を無視してもいいというのは、もはや民主主義国家でも法治国家でもありません。しかも、今回の原発の問題は、菅内閣の人気取りのために一般国民の注目が集まる浜岡原発だけを停止して、そのことによって他の原発の周辺住民を不安に陥れる、そういった大変不当な手続によるというか、手続なしの判断であったと私は思います。 私はやはり、この問題、先ほどの諫早湾の問題もそうですけれども、こういった恣意的な、法治国家、民主主義を否定するような判断をされる菅政権に、原子力政策だとか、この国を運営していく資格はないと思っておりますので。 質問を終わります。
○奥田委員長 これにて本日の委員会の質疑は終了いたしました。 ————◇—————
○奥田委員長 次に、内閣提出、参議院送付、非訟事件手続法案、家事事件手続法案及び非訟事件手続法及び家事事件手続法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の各案を一括して議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。江田法務大臣。 ————————————— 非訟事件手続法案 家事事件手続法案 非訟事件手続法及び家事事件手続法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○江田国務大臣 まず、非訟事件手続法案について、その趣旨を御説明いたします。 現行の非訟事件手続法は、その第一編の総則規定が多くの非訟事件に適用または準用されているという意味で、非訟事件の手続の基本法ともいうべき法律ですが、明治三十一年に制定されて以来、現在に至るまで、抜本的な見直しがされたことがなく、近年の他の民事関係の手続を定めた法令と比較しますと、手続法として備えるべき基本的な事項に関する規定が十分とは言えません。また、この間の社会経済情勢の変化に伴い、非訟事件として処理される事件も複雑化、多様化しており、非訟事件における当事者等の手続保障の重要性が認識されるようになってまいりましたが、現行の非訟事件手続法は、この点に配慮した規定が十分であるとは言いがたく、現在の社会の状況に適合していない部分が生じております。 そこで、この法律案は、このような状況にかんがみ、非訟事件の手続を国民にとってより利用しやすく、現代社会の要請に合致した内容のものとするため、新たな非訟事件手続法を制定し、非訟事件の手続の改善を図ろうとするものであります。 その要点は、次のとおりであります。 第一に、管轄、代理、不服申し立て等の手続の基本的事項に関する規定を整備することとしております。 第二に、当事者等の手続保障を図るための制度を拡充することとしております。 例えば、現行の非訟事件手続法には、利害関係を有する者が手続に参加するための制度や非訟事件の記録の閲覧、謄写の制度が設けられておりません。しかしながら、これらの制度は、裁判の結果に利害関係を有する者が非訟事件の手続に主体的に関与し、裁判所の判断の基礎となるべき資料を認識しながら主張、反論等の手続追行をするために必要不可欠なものと考えられます。そこで、裁判の結果に利害関係を有する者が非訟事件の手続に参加することができるようにし、また、当事者による記録の閲覧、謄写を原則として可能とすることなどを内容とする制度を創設することとしております。 第三に、非訟事件の手続をより利用しやすくするための制度を新設することとしております。 例えば、遠隔地に居住する当事者等の裁判所への出頭の負担を軽減するため、電話会議システム及びテレビ会議システムを導入することとしております。 また、事案に応じて柔軟に非訟事件の解決を図ることができるようにするため、和解制度及び調停制度を導入することとしております。 さらに、株式の価格の算定を要する事件など、専門的な知見を要する事件の審理を円滑かつ迅速に進めるために、中立の立場にある専門家に、裁判の資料に関し意見を述べさせたり、和解に関与させたりすることができる制度を導入することとしております。 第四に、現行の非訟事件手続法の第一編及び第二編は、片仮名文語体で表記されておりますが、国民により理解しやすい法律とするため、平仮名口語体の表記にすることとしております。 続いて、家事事件手続法案につきまして、その趣旨を御説明いたします。 家庭裁判所における家事審判及び家事調停の手続を定める現行の家事審判法は、昭和二十二年に制定されて以来、全体についての見直しがされないまま今日に至っております。そのため、近年の他の民事関係の手続を定めた法令と比較しますと、手続法として備えるべき基本的な事項や当事者等の手続保障に関する規定が十分とは言えないものとなっておりますほか、この間の社会の著しい変化に伴い、家族をめぐる事件も複雑化、多様化しており、現在の社会の状況に適合していない部分が生じております。また、現行の家事審判法は、広く非訟事件手続法の規定を準用しているため、非訟事件手続法の改正の影響を免れないという関係にあります。 そこで、この法律案は、このような状況にかんがみ、家庭をめぐる紛争を扱う手続のうち、訴訟手続について平成十五年に人事訴訟法が制定されて現代化が図られたのに続き、非訟事件手続法が改められるこの機会に、家事審判及び家事調停の手続を国民にとってより利用しやすく、現代社会の要請に合致した内容のものにするため、新たに家事事件手続法を制定し、家事事件の手続の改善を図ろうとするものであります。 その要点は、次のとおりであります。 第一に、管轄、代理、不服申し立て等の手続の基本的事項に関する規定を整備することとしております。 第二に、当事者等の手続保障に資する規定をより充実したものに改めることとしております。 まず、手続への参加に関する規定を整備し、裁判の結果に利害関係を有する者が家事審判及び家事調停の手続に主体的に関与することを容易にするため、手続に参加することができる者の範囲や参加した者の権限を明確にすることとしております。 また、当事者に、裁判の資料を提出し、または裁判所によって収集された資料に反論するなどの機会を保障する見地から、当事者による記録の閲覧、謄写に関する規定を整備し、当事者が記録の閲覧等の許可の申し立てをした場合には、家庭裁判所は、関係者のプライバシー等に配慮した例外を認めつつも、原則としてこれを許可することとしております。 さらに、一般に紛争性が高いと考えられる類型の家事審判事件におきましては、家庭裁判所は、原則として当事者の陳述を聞くものとし、また、当事者に裁判資料の提出期限を示すとともに、裁判所の判断の基礎となるべき資料の範囲を明らかにするため、原則として審理を終結する日を定めなければならないものとするなど、当事者に適切かつ十分な主張、反論等の手続追行の機会を保障するための特則を設けることとしております。 第三に、家事事件の手続をより利用しやすくするための制度を新設することとしております。 具体的には、遠隔地に居住する当事者等の裁判所への出頭の負担を軽減するため、家事審判及び家事調停の手続において電話会議システム等を利用することができることとする規定、高等裁判所においても調停を行うことができることとする規定等を新設することとしております。 続いて、非訟事件手続法及び家事事件手続法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について、その趣旨を御説明いたします。 この法律案は、非訟事件手続法及び家事事件手続法の施行に伴い、家事審判法を廃止し、旧非訟事件手続法ほか百二十九の関係法律に所要の整備を加えるとともに、所要の経過措置を定めようとするものであります。 以上が、これら法律案の趣旨でございます。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに可決していただきますようお願いいたします。
○奥田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 ————◇—————
○奥田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件、特に検察の在り方にかかわる諸問題について調査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○奥田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次回は、来る十七日火曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時二十七分散会