農林水産委員会 第2号
- 発言数
- 6 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 2011/02/22
会議録
○山田委員長 これより会議を開きます。 農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、高病原性鳥インフルエンザの発生状況等の実情調査のため、去る十日から十一日までの二日間、鹿児島県及び宮崎県に委員を派遣いたしましたので、派遣委員を代表して、私から調査の概要について御報告いたします。 報告に当たり、今回の高病原性鳥インフルエンザの発生及び新燃岳の噴火により被害を受けられた方々に対し、衷心よりお見舞い申し上げますとともに、防疫措置等に従事されている関係各位の御尽力に対し、心から敬意を表させていただきます。 それでは、調査の概要について御報告申し上げます。 派遣委員は、民主党・無所属クラブの津島恭一君、梶原康弘君、自由民主党・無所属の会の宮腰光寛君、谷公一君、公明党の石田祝稔君、社会民主党・市民連合の吉泉秀男君、そして私、山田正彦の七名であります。 また、民主党・無所属クラブの川村秀三郎君、道休誠一郎君、皆吉稲生君、自由民主党・無所属の会の江藤拓君、小里泰弘君が現地参加されました。 まず、今般の高病原性鳥インフルエンザの発生状況について御報告いたします。 昨年末から、渡り鳥の飛来地を中心に、各地で高病原性鳥インフルエンザに感染した野鳥が相次いで確認されており、本年に入ってからも家禽での発生が各地で相次いでおります。 鹿児島県におきましては、昨年十二月に出水市で高病原性鳥インフルエンザに感染したナベヅルが確認されましたが、本年一月二十六日には出水市の採卵鶏農場で疑似患畜が確認されました。派遣が実施された二月十日までの発生事例はこの一件のみで、約八千五百羽が殺処分され、処分鶏の埋却や農場の消毒等の防疫措置は完了しておりました。 宮崎県におきましては、本年一月二十二日に宮崎市の肉用種鶏農場で疑似患畜が確認されて以来、二月十日までに、新富町の採卵鶏農場、都農町、川南町、高鍋町、宮崎市、高千穂町、門川町の肉用鶏農場、延岡市の肉用種鶏農場において発生が確認され、合計約九十四万羽が殺処分され、防疫措置は完了しておりました。 これらの発生地域においては、発生農場に加え、周辺の養鶏農家や関連事業者の経営、さらには観光産業等地域経済にも大きな影響が生じております。 それでは、調査の概要について御報告いたします。 二月十日、鹿児島県出水市に向かう車中で、北野鹿児島県農政部畜産課長から、鹿児島県における高病原性鳥インフルエンザの発生状況及び対応状況について説明を聴取いたしました。 次に、鹿児島県出水市役所において、渋谷出水市長、椎木副市長から、出水市における発生から現在までの経緯等について説明を聴取するとともに、渋谷出水市長、北野鹿児島県農政部畜産課長、農業団体、養鶏業者らと、野鳥の防疫対策に係る法整備の必要性、発生農家や移動制限区域内の養鶏農家への支援の充実、移動制限区域内の食鳥処理場の早期再開などについて意見交換を行いました。 次に、出水市高尾野町の発生農場に向かう車中で、大内山出水市産業振興部長等から、発生農場の概要等について説明を聴取するとともに、車中より発生農場及び消毒ポイントを視察いたしました。 翌十一日には、宮崎県宮崎市佐土原町の発生農場に向かう車中で、押川宮崎県農政水産部次長から、宮崎県における高病原性鳥インフルエンザの発生状況及び対応状況について説明を聴取するとともに、車中より消毒ポイント及び発生農場を視察いたしました。 次に、宮崎県庁において、河野宮崎県知事から、高病原性鳥インフルエンザの防疫対策の概要及び新燃岳の火山災害について説明を聴取するとともに、高病原性鳥インフルエンザの対策及び新燃岳の火山災害対策について要望を受けた後、中村宮崎県議会議長、発生八市町の首長、農業団体、養鶏業者らと、感染経路の徹底究明、発生農家や移動制限区域内の養鶏農家への支援の充実、移動制限区域の範囲及び期間のあり方、新燃岳の噴火による被害農家への支援の充実等について意見交換を行いました。 以上が調査の概要でありますが、私どもは、この調査を通じて、発生農家等に対する支援措置や防疫対策を充実強化する必要性を強く認識し、今国会に提出が予定されている家畜伝染病予防法改正案の内容を充実させるとともに、早急に成立させ、家畜防疫体制の強化に力を尽くす決意を新たにしたところでございます。 最後に、今回の調査に御協力をいただきました皆様に心からお礼を申し上げ、派遣の報告とさせていただきます。 —————————————
○山田委員長 この際、農林水産大臣から所信を聴取いたします。農林水産大臣鹿野道彦君。
○鹿野国務大臣 農林水産委員会の開催に当たりまして、委員長のお許しをいただき、所管大臣として所信の一端を申し述べます。 まず、昨年末から、大雪や新燃岳の噴火など災害が発生しており、被害に遭われた関係者の皆様方には、改めて心よりお見舞い申し上げます。 また、相次いで発生が確認されている高病原性鳥インフルエンザについては、初動対応を迅速に行っているところでありますが、引き続き、感染予防、早期通報の徹底など蔓延防止に万全を期してまいります。 私は、昨年九月に農林水産大臣を拝命して以来、第一次産業の活力を生み出すことが日本の再生につながると確信し、常に攻める気持ちを忘れることなく、農林水産行政に取り組んでまいりました。 農は食をつくり、食は人をつくり、人は国をつくる、まさに農は国の力であります。私は、農林水産行政が国政の中心に位置づけられ、農林漁業者の方々が誇りを持って生産に取り組むことができる環境づくりを進めてまいります。そのためには、まず現場の方々が主体性を持ってみずから判断することができるようにすることが必要であり、国としては、そのための体制整備を図っていくことが重要と考えております。 このような考え方のもと、昨年三月に策定した食料・農業・農村基本計画に基づく新たな農政の三本柱、すなわち、戸別所得補償制度の本格実施、農山漁村の六次産業化、食の安全、安心の確保を攻めの農政のかなめとして、食と地域の再生に全力を傾けてまいります。 以下、主要な農林水産政策について申し述べます。 第一に、戸別所得補償制度の本格実施であります。 戸別所得補償制度は、意欲あるすべての農業者が農業を継続できる環境を整え、創意工夫ある取り組みを促していくことによって食料自給率の向上と農業の多面的機能の維持を目指す、農政の最重要施策です。 このため、本年度は、水田農業を対象とするモデル対策を実施し、約百三十三万もの農家及び集落営農の方々に参加していただきました。ここで得られた知見を踏まえて制度設計を行い、来年度は、水田農業に加えて、麦や大豆等の畑作物にも対象を拡大することといたしております。 農業、農村の現状を踏まえれば、意欲ある農業者を育成し、農業の生産性の向上を図っていくことは喫緊の課題であり、急がなければなりません。私は、大臣を拝命して以来、農業の体質強化の必要性を強調してまいりましたが、その観点から、新たに、経営規模を拡大した農業者に十アール当たり二万円を交付する規模拡大加算を導入することといたしております。また、畑作物の交付金については、収量がふえればふえるほど交付金がふえる仕組みに改め、農業者の生産性向上に向けた努力が報われるようにします。 さらに、この制度の下支えに不可欠な農業の生産基盤の整備も推進してまいります。あわせて、米の備蓄について、棚上げ備蓄への見直しを行うこととしております。 今後、制度を丁寧に説明し、現場への浸透、定着を図り、より多くの方々に参加していただくことにより、持続可能な農業を育ててまいります。 第二に、六次産業化による農山漁村の活性化であります。 農山漁村を活性化させるためには、戸別所得補償制度により経営の下支えをするとともに、加工、販売を含めた有機的な展開により新たな付加価値を創造し、地域に所得と雇用を生み出していくことが必要です。このため、農山漁村に由来する幅広い資源と、食品産業、観光産業、エネルギー産業などの産業とを結びつけ、地域ビジネスの展開や輸出による販路拡大に取り組む農山漁村の六次産業化を推進してまいります。 昨年の臨時国会におきまして、与野党協議による修正を経て成立いたしました、地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律につきましては、早期の全面施行と普及定着を図り、この法律が農山漁村の現場で高い効果を発揮するよう努めてまいります。 また、未来を切り開く六次産業創出総合対策として、農林漁業者の加工、販売分野への進出や、販売先の市場拡大に向けた取り組み等を推進するとともに、昨年十二月に閣議決定したバイオマス活用推進基本計画に基づくバイオマス活用の推進等の、地域資源を活用した新産業の創出を支援してまいります。 第三に、食の安全、安心の確保であります。 命の源である食に対する国民の期待が高まる中、品質や、安全、安心といった消費者ニーズにかなった生産、流通体制を整えていくことが必要です。 このため、後始末より未然防止の考え方を基本に、リスクを把握するための実態調査を進めるとともに、農場から食卓にわたり科学的根拠に基づく安全性向上のための取り組みを推進してまいります。また、農薬や飼料等の生産資材の適正な使用の徹底を図るとともに、食品表示の適正化による消費者への的確な情報の提供を行います。 口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザ等の家畜伝染病の国内外での発生や、昨年十一月、口蹄疫対策検証委員会で取りまとめられた報告書を踏まえ、家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案を本国会に提出するなど、防疫対応を強化してまいります。 さらに、輸出の促進と国際交渉への対応についてであります。 日本産農林水産物、食品の安全性や品質の高さは既に世界が認めるところであります。この評価を生かしながら、中国を初めとするところの東アジアを重点として、積極的な市場の獲得に努め、昨年の輸出額五千億円を二〇一七年までに一兆円水準にするという目標の達成に向けて戦略的に取り組んでまいります。 また、我が国は、アジア太平洋地域の経済発展を我が国の成長に取り込むとの観点に立ち、昨年十一月に閣議決定した包括的経済連携に関する基本方針に沿って経済連携を進めていくことといたしております。その際、最も大事なことは、情報を国民に提供し、議論をしてもらい、関係者の理解を得ながら進めていくことであります。 WTOドーハ・ラウンド交渉については、多様な農業の共存を基本理念として、引き続き取り組んでまいります。 農林漁業の再生は待ったなしの課題であることは間違いありません。このため、総理を本部長とする食と農林漁業の再生推進本部において検討を進め、本年の六月をめどに、持続可能な力強い農林漁業を育てるための対策を講じるためのしっかりとした基本方針を決定し、十月をめどに行動計画を策定いたします。 第四に、森林・林業政策であります。 今年は国際連合が定める国際森林年であり、世界的にも森林・林業への関心が高まっています。我が国は、国土の三分の二を森林が占める緑豊かな森林国であり、森林は、木材の供給のみならず、地球温暖化の防止、生物の多様性の保全などにも大きな役割を果たしております。 この豊かな森林を守る林業を支えるべく、森林・林業再生プランの実現に向け、集約化された計画的な森林整備と、これと一体となった路網の整備を支援する森林管理・環境保全直接支払い制度を導入することといたしております。また、地域の森林づくりの全体像や集約化施業の設計図を描く人材も育成してまいります。 さらに、これら取り組みが円滑に行われるよう、森林計画制度の見直しや所有者のいかんを問わず適正な森林の整備を可能とする森林法の一部を改正する法律案を本国会に提出することといたしております。 第五は、水産政策であります。 我が国は周辺を海に囲まれ、そこは豊かな漁場が形成されており、我が国水産業は非常に高い潜在能力を有しております。しかし、世界的には資源状況が低迷し、水産資源の管理をめぐって関心が高まっています。世界的な漁業国かつ水産物消費国である我が国は率先して水産資源の管理に努めることが必要であります。 このため、計画的に資源管理に取り組む漁業者に対する収入安定対策と、燃油価格等の高騰に備えたコスト対策とを組み合わせた資源管理・漁業所得補償対策を導入することといたしております。また、マグロなどの国際的な管理下にある水産資源については、科学的な知見に基づき、持続的な利用が確保されるよう国際社会をリードしてまいります。 以上、農林水産政策に関する基本的な考え方を申し上げました。 私は、副大臣、政務官そして農林水産省の全職員と一体となって、これらの政策を通じて農林水産業の再興に向けた道筋が確かなものとなるよう懸命に取り組んでいく所存であります。 その際、戸別所得補償制度や食の安全性向上、消費者の信頼確保に関する業務等については国みずから現場において実施する体制を整備するため、農林水産省設置法の一部を改正する法律案を本国会に提出しております。 さらに、私は、農林水産業が我が国において重要な役割を果たしていることを国民全体に認識してもらい、農林水産業が抱える課題の解決に向けて、ともに考えていただくことが大事であると考えております。このため、農林漁業者並びに国民の皆様方からの声を積極的に反映するとともに、わかりやすく丁寧な説明を続け、一層の関心を持ってもらえるような農林水産行政の推進に努めてまいります。 委員長を初め委員各位におかれましては、今後とも一層の御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○山田委員長 次に、平成二十三年度農林水産関係予算の概要について説明を聴取いたします。農林水産副大臣筒井信隆君。
○筒井副大臣 平成二十三年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。 平成二十三年度一般会計予算における農林水産予算の額は、関係府省計上分を含めて、二兆二千七百十二億円となっております。その内訳は、公共事業費が五千百九十四億円、非公共事業費が一兆七千五百十七億円となっております。 農林水産予算の編成に当たっては、既存予算の徹底した見直しを行うとともに、農林漁業者を直接支援する事業に予算を重点的に配分することにより、食と地域の再生を図ることといたしました。 以下、予算の重点項目について御説明いたします。 第一に、戸別所得補償制度の本格実施です。 戸別所得補償制度は、意欲あるすべての農業者が農業を継続できる環境を整え、創意工夫ある取り組みを促していくことによって食料自給率の向上と農業の多面的機能の維持を目指す、農政の最重要施策です。 来年度は、本年度のモデル対策で対象としている水田農業に加えて、麦、大豆等の畑作物に対象を拡大するとともに、農業の生産性の向上等を図るため、新たに規模拡大加算等の措置を講じます。 第二に、農業生産基盤の整備です。 戸別所得補償制度の下支えに不可欠な農業の生産基盤について、全面的な改築、更新から、適時適切な補修等を通じた長寿命化対策へ転換します。また、麦、大豆等の生産拡大に必要な農地の排水対策等の条件整備を推進します。 第三に、農山漁村の六次産業化対策です。 農山漁村に雇用と活力を生み出し、農林漁業を成長産業へ導くため、農林漁業者の加工、販売分野への進出や、輸出等の市場拡大に向けた取り組みを推進するとともに、バイオマス等の地域資源を活用した新産業の創出を支援します。 第四に、食の安全、消費者の信頼確保対策です。 国産農畜水産物の安全性向上、口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザ等の家畜伝染病の発生予防、蔓延防止のための危機管理体制の強化、農作物の病害虫の防除等の取り組みを支援します。 第五に、生産対策の充実強化です。 野菜、果樹・茶、畜産・酪農について、品目ごとの特性に応じた経営安定対策を講ずるとともに、各地域で深刻化している野生鳥獣による農作物被害に対し、緊急的に対策を強化します。 第六に、森林・林業対策です。 新成長戦略で国家戦略プロジェクトに位置づけられた森林・林業再生プランの実現に向け、集約化された計画的な森林整備と、これと一体となった路網の整備を支援する森林管理・環境保全直接支払い制度を導入します。また、地域の森林づくりの全体像や集約化施業の設計図を描く人材を育成するとともに、公共建築物等の地域材の利用拡大を推進します。 最後に、水産対策です。 計画的に資源管理に取り組む漁業者に対する収入安定対策と、燃油価格等の高騰に備えたコスト対策とを組み合わせた資源管理・漁業所得補償対策を講じます。また、水産資源の回復、漁場生産力の強化のため、藻場、干潟の保全を図るとともに、赤潮などで悪化する沿岸漁場の環境を改善する取り組みを支援します。 次に、特別会計については、食料安定供給特別会計等について、それぞれ所要の予算を計上しております。 最後に、財政投融資計画については、日本政策金融公庫等による財政融資資金の借り入れなど、総額一千八百二十六億円を予定しております。 以上で、平成二十三年度農林水産予算の概要の説明を終わります。
○山田委員長 以上で説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十五分散会