経済産業委員会 第14号
- 発言数
- 133 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2011/07/15
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物の輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本件審査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房審議官鎌田聡君、法務省入国管理局長高宅茂君、外務省大臣官房参事官宮島昭夫君、外務省アジア大洋州局長杉山晋輔君、経済産業省貿易経済協力局長厚木進君、経済産業省貿易経済協力局貿易管理部長吉田正一君、資源エネルギー庁長官細野哲弘君及び資源エネルギー庁原子力安全・保安院長寺坂信昭君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○田中委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。秋葉賢也君。
○秋葉委員 自由民主党の秋葉賢也です。 この案件の質疑もいろいろ中座をいたしまして、三度目の正直ではないかと思いますけれども、この案件の中身は延長措置、これで八回目か九回目なんですね。 その中で、北朝鮮との間での最大の懸念といえば拉致問題でございます。二〇〇八年八月の日朝実務者協議において再調査が約束されて以来、それが果たされず、目に見える進展がないことを大変残念に思っております。きょうは、まず拉致問題について、最近の状況を勘案しながら、いろいろと政府側の姿勢をお伺いさせていただきたいと存じます。 七月の十日から、拉致議連や家族会が合同で米国の方に今訪問して、きょうかあすですか、戻ってこられると思います。上院あるいは下院の議員、政府関係者と懇談をし、かなり過激なアドバイスも含めて示唆に富む教示などもいただいているようでございます。この六月には、国内で千人規模の、この究明、早期解決を願う大きな行進も行われたところでございます。やはり、被害者の皆さんでつくる家族会の皆さんからすれば、北朝鮮に対してもっと強硬な姿勢で臨んでほしいということをいつも私ども言われるわけでございます。 そんな中で、政府も、私どもが政権をとっていたときもそうでありますけれども、例えば送金にいたしましても、二十二年の七月から一千万を三百万に引き下げたり、あるいは現金の持ち出しも、三十万円を十万に引き下げたりしてきたわけでありますけれども、氷山の一角の中でなかなか全体像がつかみ切れていない。家族会の皆さんは、これを全面禁止にしてほしい、そのことは北朝鮮に対する強いメッセージにもなるんだということを希望されているわけです。 きょうは財務副大臣においでをいただいております。この送金等についても、今後、全面停止ということを検討していくべきではないのかという意見がありますが、どういう対応をされるつもりでしょうか。
○五十嵐副大臣 お答えをいたします。 今、秋葉委員がおっしゃいましたとおり、二十二年の七月六日以降、届け出にかかわる基準額、携帯して輸出をする際の基準額を三十万円超から十万円超に引き下げて、それ以来、お手元にお届けしてあるかと思いますが、届け出対象となったものは四十三件、六百九十万円にすぎない。かつて年間に二十億を超えるような届け出があったものが、ここまで少なくなってきている。あるいは、貿易を除く自然人に対する送金額も、二十二年度は三件で七百五十万円になった。かつて二億八千万円あった年もあったということから見て、かなり効果が出ているというふうには考えております。 今後どうするのかというお話でございますけれども、その時々のミサイルの状況や、今問題になっております拉致問題の進展状況、そういった諸懸案を見ながら、また、国際社会の動きを見ながら判断をさせていただくということになると思いますが、これまでの措置、去年、おととしの措置は、それなりに効果を発揮しているというふうに考えております。 ただ、日本だけで行ってこれは本当に効果があるのか、あるいは、法令というものは抜け穴が多くて、守られないときには法体系全体への信頼性にかかわるというような、先生御承知のとおりの事情もございます。あるいは、北朝鮮にお住まいの方、日本人妻も含めて、人道上の配慮というものもやはり全く放棄するわけにはいかないという事情もございますので、今後とも総合的に勘案して検討させていただきたい、こう考えております。
○秋葉委員 今副大臣から答弁いただいたように、それなりの成果を上げているのはそのとおりだと思うんですけれども、二〇〇八年の実務者協議以来、目に見える成果がないということにかんがみたときに、日本政府として、一つのメッセージとして、全面停止なんだということを伝えていくということも私は一つの選択肢じゃないかなというふうに思っております。実際に、二十二年は確かに七百五十万円で三件しかないんですけれども、二〇〇八年の平成二十年にはゼロ件だった、掌握できている分でという前提がつくと思いますけれども、こういう年もあるわけであります。 もちろん、日本だけではなくて、国際的な中で協力を得ながら厳しい対応を迫っていくということが大事なんだろうと思いますし、今回、米国を訪問しております訪問団の状況なんかを伺いますと、やはり中国と北朝鮮に言うことを聞かせるには、日本もそれなりの軍事力を、特に核武装することが大事じゃないかという、そんな上院議員からのアドバイスもあったようでございますが、なかなかすぐにそういった国内での措置は難しい状況もございますけれども、日本政府として厳しい態度で臨むということを政策に落とし込んでいくということを心から要請しておきたいと存じます。 また、家族会の皆さんが、我々がお会いするといつも言われるのは、人の往来についてももっと厳しくしてほしいということを言われます。平成十八年十月から、原則として北朝鮮国籍者の我が国への入国を禁止しておりますけれども、人道的な配慮もあって、あるいは不法入国がどれぐらいいるのかつかみ切れていない部分もありますけれども、この原則禁止の措置以来、何人ぐらいの北朝鮮国籍者が入国されているのか、伺いたいと思います。
○伴野副大臣 秋葉委員にお答えいたします。 今、先生御指摘の御質問でございますが、政府としてこれまで関知している範囲では、百名を超える脱北者が我が国に入国していると承知をしております。
○秋葉委員 今、副大臣から百名というお話がありましたけれども、何年からの数字ですか。
○伴野副大臣 秋葉委員にお答えさせていただきます。 いつからいつまでということをお答えすることは差し控えさせていただければと思いますが、現時点においてその数を承知しているということでございます。
○秋葉委員 その百名の皆さんの性格といいますか、例えば脱北者なのか、あるいは船で流れ着いてきた人なのか、いろいろな類型、性格分析、どうなっていますか。
○伴野副大臣 秋葉委員にお答えさせていただきたいと思います。 いろいろな形態が考えられるかと思いますけれども、政府といたしまして、これまで関知しております脱北者の数について、あるいはさまざまなそういった入国の方法等々、御本人や御家族等のプライバシーや身の安全に大きく影響するということでございまして、また、関係国政府等との信頼関係を損なうおそれがあるということでございまして、これ以上の詳細な答弁は差し控えさせていただければと思います。
○秋葉委員 私どもが入国の原則禁止措置を講じたのが二〇〇六年なわけですね。その二〇〇六年から今日まででカウントすると、毎年二けた台と多いわけです。法務省なんかの統計では七十三人、こういう数字になっているわけです。ですから、外務省が今御答弁いただいたのは、累積での数ということではないかと思うんです。 問題は何かというと、入国の原則禁止を講じてからも七十三人もいるんだということですね。これはいろいろな人道上のこともございますけれども、大事なことは、このほとんどが脱北者だということです。そして、この脱北者から、単に日本政府として保護するだけではなくて、拉致被害者の情報について何か知っていることはないのか、さまざまな御協力を要請し、お願いをするということは大事なことだと思うんです。そういう取り組みの現況はどうなっていますか。
○伴野副大臣 秋葉委員にお答えさせていただきたいと思います。 先生御指摘のそういった認識は、外務省としても重々承知しているわけでございますが、その上で、拉致問題を含む北朝鮮に関する動向につきましては、脱北者からの情報を含め、関係省庁とも連携して情報の収集、分析に努めている次第でございます。拉致被害者の御家族に対しましても、これまでもさまざまな情報を提供しているところでございます。
○秋葉委員 外務省は、いつもそういう抽象的な答弁で、これを聞いている国民の人は納得しませんよ。個別の事案にかかわるわけだから、固有名詞を出せということを言っているんじゃないんですよ。有益な情報を得られたのかどうなのか、成果があったのかどうなのか、それは言えるでしょう。どうですか。
○伴野副大臣 秋葉委員にお答えさせていただきたいと思います。 例えば、その脱北者の方々から北朝鮮の内部情勢等々は聴取をしているわけでございますが、いずれにしましても、個別具体的な事情を勘案しつつ、人道的な観点から適切に対処しているということでお答えをさせていただければと思います。
○田中委員長 伴野君に申し上げますが、質問の趣旨に沿っていないと思うんです。個人のプライバシーの問題とか個人のことを言っているわけじゃなくて、全体としての問題なんですから、その辺を明確にしないと、これから拉致問題の解決はならぬと思いますよ。事前通告しているんだろうから、それにしっかりと答弁しないと。役人への通告じゃない、あなた自身、副大臣としてしっかりと答えてください。再度答えてください。
○伴野副大臣 委員長からの重い御叱責ではございますけれども、我が国に入国する脱北者の事案に関する情報につきましては、脱北者個人のプライバシーや安全上の観点から、これ以上のお答えは差し控えさせていただければと思います。
○田中委員長 再度申し上げますが、脱北者個人のことを申し上げているんじゃないと思いますよ、私がここで聞いていて。全体のことを、日本政府として北朝鮮の問題に対する取り組みやそのことを明確にしておかないと、世界に向けて日本が北朝鮮問題に対する取り組みが中途半端なような形で、国がいろいろな形で言われてしまう。だから、個々の問題を言っているんじゃないと思いますから、その辺を明確にしてください。
○伴野副大臣 お答えさせていただければと思います。 先ほど申し上げましたように、北朝鮮の内部情勢等々につきましては聴取をさせていただいておりますが、それについての一つ一つの詳細につきましては控えさせていただければと思います。
○秋葉委員 本当に委員長の采配に感謝をしたいと思いますけれども、副大臣、私が言っているのは個別の案件じゃなくて、御答弁では、北朝鮮の内部情勢、すなわち体制がどうだとか政策がどうだとか国民生活がどうだ、そういうことが中心だという答弁でしょう。そうじゃなくて、日本のあるグループなんかの調べでは、四百七十人も拉致されている疑いがあるんだという指摘もあるわけですよ、本当のところはわかりませんよ。しかし、少なくても数百人単位で拉致されているということは動かぬ事実だと言われているわけですね。 ですから、拉致に関する有益な情報提供が今まで得られたのか得られなかったのかということを聞いているわけです。イエスかノーでしっかり答えてください。
○伴野副大臣 再度のお答えで恐縮でございますが、拉致問題を含む北朝鮮に関する動向あるいは先ほど申し上げましたような全般的な内部情勢などは聴取しておりますけれども、それ以上の詳細なものを聴取しているわけではないということでございます。
○秋葉委員 今の答弁ですと、日本から北朝鮮に連れていかれた人たちの状況について、これは事実上不法入国して日本政府が保護している人たちですよね、仕事の世話をしたり生活保護を上げたりしている人たちですよ、日本政府としてこういう面倒を見ておいて、我が国にとって有益な情報と思われる、そうした拉致被害者の情報について全く聞こうという努力をしていないという答弁ですよ、今のは。そういう理解でいいんですか。
○伴野副大臣 再三のお答えで恐縮ですが、先ほども申し上げましたように、適時適切に聴取をし、対処をしているわけでございますが、個別具体的な詳細につきましては控えさせていただければと思います。
○田中委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○田中委員長 それでは、再開させていただきます。 外務副大臣、再度答弁をお願いします。
○伴野副大臣 再度お答えさせていただきたいと思います。 今、先生の御質問は拉致問題についての情報を聴取しているのかというのであれば、それはその都度聴取をさせていただいておりますし、今後もしっかりと聴取をさせていただいて、適時適切に情報提供させていただければと……。
○秋葉委員 今、副大臣から聴取しているという事実は表明されましたが、先ほどの御答弁はちょっと違いますよ。先ほどは、内部情勢の一般論では聞いているけれども、いわゆる拉致被害者のことについては聞いているかどうかはわからないみたいな答弁でした。しかし、それは聞いているということが今わかりました。 では、その中で有益なものがあったのかなかったのかだけお答えください。
○伴野副大臣 何をもって有益かと、その定義もあるわけでございますが、今の時点では、その都度きちっと聴取をさせていただいて、情報提供をさせていただいている。結果的に有益であるものもあったのかもしれませんし、そうでなかったのかもしれないと。
○秋葉委員 では、違う角度から言います。 副大臣御自身は、全部報告を受けていて、どういう情報が得られているのか目を通されていますか。
○伴野副大臣 私自身、目を通させていただいております。
○秋葉委員 本当かなと思っちゃいますけれども、では、目を通してどんな感想をお持ちになりましたか。
○伴野副大臣 さまざまな情報がございますので、その情報の確認もしっかりさせていただかなければいけないわけでございますし、その経過も含めて、とりわけその情報に早く接したいと思われていらっしゃるであろう拉致被害者の御家族に対しては適時適切に情報提供をさせていただいているということでございます。
○秋葉委員 本当に、被害者の方からすると、この数年間、目に見える成果が全くないということに対して大変な憤りを持っています。それは、我々日本国民全体に共有する感想だと思うんですね。ですから、一歩でも二歩でも前に進めていくという観点から、しっかりとした取り組みをしていかなきゃいけないわけですよ。 私、非常に懸念しているのは、我が国が入国禁止措置をしてから一番新規入国者が多かった年は、二〇〇七年で二十四人なんですね。ことしは、まだ七月ですけれども、もう十二人、ほとんどこれは脱北者なわけですね。こういう数字が毎年積み上がっているわけですよ。 こういうものを一件一件大事にしながら、もちろん強制はできないけれども、脱北してくるぐらいだから、国を捨てて出てきているわけだから、日本政府として、一般論としての体制がどうだとか生活はどうでしたかと、それはそれで大事でしょう、しかし、この拉致被害者の状況をしっかり外務省として聞き出していく、警察庁を初めいろいろなところと協力をしながら対応していってほしいんですよ。 今、あるグループの試算によると、全体で四百七十人ぐらいが拉致被害者じゃないかということを主張している団体もいるわけです。これを特定失踪者という言い方をしておりますけれども、昨年は、実はこのうち二十三人が警察の努力もあって国内で見つかったというような報道もございました。 この特定失踪者と拉致被害者の関係がやや不十分な面はありますけれども、いろいろこの警察庁のデータを見ておりますと、平成二十二年中において我が国で行方不明になっている人が八万人もいるんですね。多い年は十万人も超えているわけです。これは、豊かになったこの日本の中でこんなに行方不明者が多い中で、これはいわゆる家出人という定義になっていますけれども、この中で四百七十人ぐらいがこうだという数字が出ているわけであります。 きょうは、政府参考人として警察庁からもおいでをいただいております。この八万人の中での四百七十人という数字がありますけれども、警察庁として、この四百七十人という数字の中で拉致被害者というのは何人ぐらいになるんじゃないか、何かそういう調査、見立てというのはしているんですか、していないんですか。
○鎌田政府参考人 お答えいたします。 警察におきましては、これまで、北朝鮮による日本人拉致容疑事案として十二件十七名、それから、北朝鮮籍の姉、弟が日本国内から拉致された事案一件二名、合計で十三件十九名につきまして北朝鮮による拉致容疑事案というふうに判断をいたしております。 これ以外にも、御指摘がありましたいわゆる特定失踪者を初め、拉致の可能性が否定できないとして九百件以上の届け出、相談が行われているところでありまして、北朝鮮の拉致の可能性を排除できない事案がある、そういう認識のもとに、一件でも多くの真相を解明するために努力をしているところでございます。
○秋葉委員 ありがとうございます。 今現在、十三件十九名を把握している、こういうお話でしたが、私が問うたのは、見込みとして、どういう見込みをしているんだということです。
○鎌田政府参考人 見込みとしてどの程度というお尋ねでございますけれども、先ほど申しましたように、特定失踪者を含めまして約九百件以上の届け出、相談を受けておりまして、こういう中には拉致の可能性が否定できないものも含まれている、そういう認識のもとで取り組んでいるところでございます。このうちどの程度がどうということは、現時点において申し上げられる状況にはございません。 警察として現時点で拉致容疑事案として判断しているものは、先ほど申しましたように十三件十九名でございます。
○秋葉委員 十三件十九名。本当に大変限られたスタッフの中で精力的に御努力いただいていると思いますけれども、政府も、我々が政権のときもそうでしたが、警察と外交だけは人員整理しないで増強してやっていこうということで我々もずっとバックアップしてきましたが、こういう捜査についても十分な人員が投入されますように心から要望しておきたいと思います。 そして、特定失踪者はそういった中で九百件ぐらいを見込んで、その中での拉致ということも想定しているということで理解をさせていただきます。 この行方不明者の八万人という数字と、何年か前に文言整理がされて、つまり、行方不明者というのは家出人だ、それから、行方不明者届というのはいわゆる捜索願が出ている人だということで文言整理されたんですが、そういう意味では、今、行方不明者届というのは何人になるんですか、この八万人に対して。
○鎌田政府参考人 捜索願という、制度自体、名前自体が変更になっておりまして、行方不明者届という形で現在出てきているわけでございます。 したがいまして、平成二十二年中であれば、行方不明者の数は、御指摘ありましたように八万六百五十五人ということでありますけれども、この方についてすべて届け出が出ていると。
○秋葉委員 ちょっと意味がわからなかったんだけれども、行方不明者、家出人の数というのは、平成二十二年中は八万六百五十五人だということですよね。 これの定義というのは家出人だということで私は理解しているんだけれども、これとはまた別の数字で行方不明者届、これは意味は捜索願が出ている数字だということで分けているんだけれども、私は二つ資料要求したんだけれども、行方不明者の資料しか来ないわけです。行方不明者届を出している数字はどうなっているのという、資料が来なかったから聞いているわけです。
○鎌田政府参考人 先ほど申しました八万六百五十五人という数字が、行方不明者届を出している数字ということでございます。捜索願という制度はなくなりまして、すべて行方不明者届という形になった。(秋葉委員「同じということ」と呼ぶ)同じでございます。
○秋葉委員 わかりました。 拉致被害とは直接的に関係ありませんけれども、この内訳を見ると、圧倒的に十代なんですよ。一万八千八百二十七人、二四%が十代だ。これはいろいろな意味で大変ゆゆしき数字だなということを私は改めて認識しまして、拉致に限らず、こうしたことの未然防止ということも重要になってまいりますけれども、今後、こうした行方不明者に対する取り組みについて、警察庁のみならず、関係機関とも連携を強化していただきながら、やはりこの数を減らしていかなきゃいけませんね。自殺者の数と行方不明者の数、政府としてもしっかりと重要課題に位置づけて取り組んでいただきたいということを要望しておきたいと思います。 海江田大臣にお戻りをいただきまして、本体のきょうの承認案件でございます。 本当に、今経産省の皆さん、海江田大臣を筆頭に大変よく御努力をいただいていると思います。そうした一生懸命かいた汗が、次々に覆るような事態が相次いでいるわけでありまして、これでは本当に一生懸命仕事をしようと思ってもやる気まで失ってしまうんじゃないかなんということを懸念いたしますけれども、ぜひ頑張っていただきたいと思います。 そういう中で、冒頭も申し上げましたけれども、今回の措置は実に八度目の措置になるわけですね。毎年毎年閣議決定してもらって、やはり継続していこうということを、すべての閣僚の皆さんが意識を新たにしてもらうという意味では毎年の延長というのもそれなりに意味があるんですけれども、しかし、北朝鮮に対して、二〇〇八年の実務者協議での再調査の約束から、ほごにされ続けて、〇八年、〇九年、一〇年、一一年、もう四年目ですよ。 北朝鮮に対する日本政府の強い姿勢という意味で、これをそろそろ恒久化することも検討してもいいんじゃないですか。大臣のお考えを伺いたいと思います。
○海江田国務大臣 今、秋葉委員から、この法案の恒久化ということについてお尋ねがありまして、委員の席からもそうだという声も上がっております。 しかし、委員御案内のように、まず外為法の規定で、我が国の平和及び安全を維持するために特に必要か否かという観点から、現在講じている全面輸出入禁止措置の妥当性を一年ごとに判断するというたてつけになっておりますので、ここは、今委員からも御指摘がありましたように、この法案の審査を機に、改めて、北朝鮮による我が国の国民に対する拉致という言語道断の措置がとられて、しかもそれが解決が進んでいないということの思いを新たにしていくのが今私どもの中で与えられた責務かな、このように思っております。
○秋葉委員 年ごとにやっていく、それがずっと続いてきているわけでございますから、来年、再来年には十回目ということになるわけでありまして、そういう意味で、今後、恒久的な措置も視野に入れて対策の強化を求めておきたいと思います。 北朝鮮への輸出が禁止された、全面ストップしたのが二十一年の六月、輸入の全面禁止が十八年の十月ということでございますけれども、不法な中での輸出入がいまだに後を絶たない。わかっているものだけでも輸出で九件、輸入で五件の違反事案が出ているんですね。恐らく、これは本当に関係当局の皆さんにも御努力をしていただいて……
○田中委員長 秋葉君に申し上げます。時間が来ておりますので。
○秋葉委員 では、これを最後の質問にさせていただきたいと思います。 関係機関とも連携して一生懸命やっていただいた、大変意義のある数字だと評価をいたしますけれども、しかし、実態はやはり氷山の一角の数字だと私は認識をしております。 そういう意味で、これからの輸出入禁止措置にさらに実効性を担保させるためにも、従来にも増して関係省庁間の連携を強化して、よりこの数字が上がる努力をしてほしいし、また、北朝鮮に対して、日本政府として強いメッセージを発したことが、実際上もそれが運用されているということを強く示していく必要があると思いますが、今後の対策について海江田大臣に伺って、私の質問を終えたいと思います。
○海江田国務大臣 やはり、禁輸出入の効果を本当に実効あらしめるためには、迂回の輸出入ということにさらに目を光らせなければいけないと思っております。つまり、仕向け地でありますとか原産地を偽装したものがあるのではないだろうかということでございますので、その意味では、外務省、警察を初めとした関係省庁とよく連携をとって、この数字に出ていない、今委員の発言にもありましたけれども、氷山の一角だというようなことが考えられてはいけないわけでございますから、そういった点において、厳重に、しかも連携をとった措置を講じていきたいと思っております。
○秋葉委員 どうもありがとうございました。
○田中委員長 次に、佐藤茂樹君。
○佐藤(茂)委員 公明党の佐藤茂樹でございます。 きょうは、各党の調整もありまして、前回予定していた時間よりも各党の持ち分が半分になっておりまして、各政務三役もきょうは多く来ていただいているんですけれども、場合によっては、御質問を通告しているけれども答弁の時間がない場合もあるかもわかりません。その上で、できるだけ簡潔にお答えいただければありがたいと思うんです。 今回の北朝鮮に対する全面輸出入禁止措置については、二回にわたる北朝鮮の核実験に対して、何ら反省も謝罪もしておりませんし、さらにその後も、拉致、核、ミサイルについて何ら解決に向けた具体的な行動も北朝鮮がとっていない、そういうことから見まして、当然、引き続き北朝鮮の制裁措置というのは断固として続けていくべきである、私どもはそう考えております。 その上で、大事なことは、我々が政権にいたとき、自公政権でもそうでしたし、また民主党政権になっても、政権がどうあろうとも、北朝鮮問題に対しての原理原則というものがなし崩し的に緩んでしまう、変わってしまうというようなことは絶対に許してはいかぬ。 私は、そういう観点から、きょうは最近の事例でちょっと政府の見解をお聞きしたいと思うんですが、それは、北朝鮮のオリンピック委員会代表団のビザを認め、入国させた件でございます。 昨日ですか、OCA総会への出席を希望していた北朝鮮オリンピック委員会代表団計五人にビザを発給し、入国を許可されました。北朝鮮籍保有者の入国というのは、今回のこの経産委員会の案件とは違うんですけれども、しかし、一度目の核実験をした平成十八年十月以降、北朝鮮籍者の入国の原則禁止の制裁措置というのは一貫してとってきたはずなんですね。今回のこの北朝鮮オリンピック委員会代表団のビザを発給し、また入国を認めたという件は、ずっととってきたこの制裁措置に抵触するのではないのか、私はそのように思いますが、これは、オリンピックでもあるので、まず担当省庁である文部科学省の見解を伺いたいと思います。
○笠大臣政務官 今委員御指摘のように、この制裁措置というものはしっかりと踏まえた対応を私どもはしなければならぬというふうに思っております。 今週の十二日から十四日まで東京で開催されたOCA総会関連行事に、北朝鮮のIOC委員やNOC関係者など五名の参加について、JOCに対して申し込みがありました。政府としては、現在、今御指摘のように、北朝鮮籍の入国については特別の事情がない限り認めないとなっておりますので、今回のOCA総会関係行事への北朝鮮籍関係者の出席については、OCA憲章の規定、趣旨等の諸般の事情を総合的に勘案した上で、あくまでも例外的に特別の事情を認め、入国を認めると判断をしたものでございます。 しかしながら、きょうからの体協あるいはJOCの百周年行事については参加をさせないということで、あくまでも例外的に特別の事情を認めて、けさ五人は日本を出国したというふうに承知をしております。
○佐藤(茂)委員 ですから、笠政務官、要するに今回の措置は、北朝鮮に対してとってきた北朝鮮籍の入国の原則禁止という制裁措置にかんがみて、それに抵触をしているのか抵触をしていないのか、どのように考えておられるのですか。端的に答えていただけますか。
○笠大臣政務官 今回の特別な入国というものについては、私自身は抵触していないというふうに考えております。
○佐藤(茂)委員 抵触していると私は思います。 それで、政府内でどういう議論がされてきたのかというのがはっきり見えないんですね。 きょうは園田政務官がいらっしゃるのでお聞きしたいんですけれども、昨年の二月に同様のことがございまして、女子サッカーの東アジア選手権で北朝鮮代表の入国が検討されて、国内では、当時拉致問題担当大臣であった中井大臣が異論を唱えられて、反対された。ただ、政府全体としては入国を認められたんだけれども、北朝鮮側が敵視を謝罪すべきだなどと言って、逆に政治問題化して、結局参加しなかったということがあるんですね。 今回、政府内で昨年の二月のような議論があった形跡が見えてこない。北朝鮮による拉致問題の進展がない中で、今回の措置というのは極めて甘い対応ではないのかと私は思っております。ですから、今回の件について、拉致問題担当の大臣あるいは政務三役は閣内でどのような対応をされたのか、答弁いただきたいと思います。
○園田大臣政務官 お答えをさせていただきます。 今回のOCAの総会に北朝鮮のスポーツ関係者が出席するということについては、まず、六月の二十九日に文部科学省から私どもの拉致問題の本部事務局に御連絡がございました。それを受けまして、本件について中野大臣は大変強い懸念を示されておりました。 そして、大臣に相談したところ、大臣からは、まず、重大な主権の侵害であり、かつ人権侵害である拉致問題も理由として、我が国が北朝鮮に対して制裁措置を行っていることや、これは先生御指摘のとおりでございます、拉致被害者御家族の心情、このことを考えますと、本件の入国申請者が北朝鮮当局の高位の当局者であるということには強い懸念を有していることなど、大臣の見解が示されて、文部科学省あるいは法務省、外務省に対しても私どもからこれをお伝えさせていただいているということでございます。
○佐藤(茂)委員 私は、拉致問題を担当している部局からだったら、異論を唱えるのは当然だと思うんです。 そこで、笠政務官に再度お聞きしますが、その上でも、政府としては、IOC憲章がどうとかこうとかということで認められた、拉致問題等が全く進んでいない中でもこれを認めざるを得なかった。どういうところを総合的に勘案されて、今回、入国を認められたのかという理由について、さらにもう少しわかりやすいように御答弁いただきたいと思います。
○笠大臣政務官 今回の北朝鮮関係者の入国に際しては、JOCを初めスポーツ界から、IOC憲章あるいはOCA憲章等に照らして、OCAの関係行事については入国をまず認めてほしい、そういうことが私どもに強く要請がございました。 拉致問題、あるいは今北朝鮮に対して我が国が制裁措置を科しているということは私自身も十分に認識をしておりますけれども、スポーツを担当する文部科学省としては、こうしたスポーツ界の関係の皆様方の思いと、そして、やはり、OCA憲章上、会議や委員会の出席について、制限あるいはまた条件を課してはならない旨が規定をされている、この憲章の精神にのっとって、例外的に特別な事情が認められるということで政府として判断をし、総合的にこうした形の対応をとらせていただいたということでございますので、御理解をいただきたいというふうに思っております。
○佐藤(茂)委員 今回、文科省だけじゃなくて、政府の対応というのは、要するに、スポーツ界が言っているとかそんな程度の問題を、拉致という、本当に日本国民の人権が侵害された、そういう問題よりもさらに重要視してそういう判断をされたということについては、私は全く納得がいかない。 ましてや、核、ミサイルという、日本国民全体が生命が脅かされるような動きを北朝鮮がやっている。それに対して、何ら動きはとめないのに、何かそういうことがなかったかのように棚に上げて、スポーツ界の意見があったからこういう人物たちを入国させるなんというのは、到底国民は納得できない、そういう今回の判断ではないか、そのように私は思います。 これは外務省で、先ほど答弁された伴野副大臣が、これに関連して次のように会見で言われておりました。日本政府が国籍を理由に拒否すれば、憲章に抵触して、日本が国際的な制裁を受ける可能性がある、そういうように伴野副大臣は会見されたんですけれども、仮に日本がOCA憲章に抵触したら、どのような国際的な制裁を受けることになるのか。また、今までOCA憲章に抵触して制裁を受けた国というのはあるのか。そのことについて外務省の見解を伺っておきたいと思います。
○菊田大臣政務官 お答えをいたします。 OCA憲章の第十三条におきましては、根本原則に従わない場合、理事会の決定によりまして、勧告、譴責、罰金、または一定期間の資格停止等の懲罰を受けるとされております。今回、OCA総会に北朝鮮籍関係者の出席を認めない場合には、今申し上げましたOCA憲章による制裁の対象となる可能性が高いというのがスポーツ界の一般的な受けとめ方であると承知をいたしております。 なお、近年、OCA憲章に抵触して制裁を受けた国はないと承知をいたしておりますが、オリンピック憲章に抵触した最近の例としましては、クウェートが、同国の国内法で政府がスポーツ組織の選挙に干渉できるとしていることにつきまして、IOCがクウェートに変更を求めました。しかし、期限までに変更されなかったために資格停止となりまして、オリンピック競技大会やIOC総会の開催の禁止、さらにオリンピック競技大会への選手派遣の禁止等の不利益が生じているという事例がございます。 以上でございます。
○佐藤(茂)委員 私は、あともう一問、大臣にもお聞きしたいことがあるので、この件についてはまた別の委員会でも引き続きやりたいと思うんです。 私は、日本政府が、せっかく建前として北朝鮮に対して厳しい措置をとっているんだと言いながらも、結局、いろいろなことを特例措置としてつけていって、制裁措置がなし崩し的に崩れていくような姿勢というのは全くやっちゃだめだと思っているんですね。だから、日本の国の主権というものをどう考えるのかということにもかかわってきますから、今回の事例というのは本当によかったのかどうかということについても、今後引き続き、ぜひ議論をして検討していただきたいと思うわけであります。 その上で、今回のこの承認案件のことで大臣にお聞きをしたいのは、今回の輸出入禁止措置の閣議決定では、輸出入禁止措置等のうち、人道目的等に該当するものについては、引き続き、措置の例外として取り扱うものとするというようにされているわけです。措置の例外として取り扱われる人道目的等に該当するものというのはどういうものをいうのか、政府の見解をまず伺っておきます。
○海江田国務大臣 今、佐藤委員から御指摘のありました例外措置でございますが、これは具体的には、国際連合、国際赤十字等の国際機関に対して無償で輸出される医薬品、食料、衣料等をその内容としております。
○佐藤(茂)委員 時間がないので、これ以上聞けないかも……。 今、要するに、にわかに国際社会で浮上しているのが、北朝鮮が非常に飢饉のおそれがあると。そういうことで、国連の世界食糧計画、通称WFPと言っておりますが、ここで、緊急食糧支援計画に基づいての食糧支援というのが話題になってきております。既にEUの欧州委員会なんかは、一千万ユーロ分を食糧支援しますというようなことも発表してきました。 一般論として、今の大臣の答弁でいくと、閣議決定で措置の例外として取り扱う人道目的等にこのWFPの食糧支援というものも該当する、そういう認識をされているのかどうか、大臣の答弁をいただきたいと思います。
○海江田国務大臣 結論を先に申し上げますと、これは人道目的に合致するということでございます。
○佐藤(茂)委員 その上で、今申し上げましたように、EUが七月四日に支援しますというふうに発表しました。アメリカは、五月にロバート・キングという特使が派遣されて、調査をされて、検討されて、しかし、的確に支援が行き渡るかどうか疑念があるとして、今、支援再開に至っておりません。 日本政府としては、WFPの要請を受けて、人道目的等で、今該当するとおっしゃったので、そういう北朝鮮への食糧支援を行う可能性があるのか、あるいは全くないのか、そこは政府としてどう判断されているか、御答弁いただきたいと思います。
○菊田大臣政務官 お答え申し上げます。 日朝関係の現状等も踏まえまして、現時点で支援を実施する予定はございません。
○佐藤(茂)委員 ぜひその姿勢は貫いていただきたいと思うわけでありまして、大事なことは、この北朝鮮問題については、やはり日米韓がしっかりと連携をとって対応していくということ。そういう原則を失わずに、これからも、政府が国を挙げてとっている制裁措置ですから、本当に、冒頭申し上げましたように、原理原則を曲げずに厳しく対応していただきたいことを要請いたしまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○田中委員長 次に、吉井英勝君。
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。 核開発に対する制裁は当然だと考えております。 それで、北朝鮮の濃縮ウランプラントの実情、軽水炉建設の動きがどういうものであるのか。また、軽水炉を進めますと当然プルトニウムが生まれてきます。現在想定されるプルトニウム量、それからウラン量、幾ら保有しているのか。これを外務省に伺っておきたいと思います。
○杉山政府参考人 お答えいたします。 今委員の御質問の北朝鮮の保有するプルトニウム、濃縮ウランの量、外務省としてどういう情報を持っているかということでございます。 まず、プルトニウムに関しましては、北朝鮮は、プルトニウム計画を含めた核計画について、二〇〇八年の六月に六者の合意に従った申告書を提出しております。ただこれは、関係国の合意によって、その内容については、申し合わせで内容を公表することは差し控えるということになっておりますので、私ども、その内容については承知しているところがございますけれども、この場で言及することは差し控えさせていただくということでございます。 また、ウランの濃縮活動につきましては、寧辺の施設を訪問いたしましたヘッカー教授が、施設の濃縮能力は、もし北朝鮮の主張どおりであるとするならば、年間最大二トンの低濃縮ウラン、または最大四十キログラムの高濃縮ウランが製造可能と見積もられているということを報告しているというふうに承知をいたしております。 いずれにいたしましても、このような点を含めまして、北朝鮮の核開発に関する動向について、常時、米韓といった関係国と緊密に連携して、重大な関心を持って平素からさまざまな方法で情報を収集して、慎重に分析、検討を行って、我が国の情報収集を行っているということでございますが、今申し上げた以上のことをここで申し上げるのは、やや交渉中の手のうちをさらすことにもなりかねないということでございますので、これで私の答弁にさせていただきたいと思います。
○吉井委員 次に、原子力安全・保安院の方に伺っておきますが、日本の使用済み核燃料から生まれてきているプルトニウム、再処理済みのもの、まだ未処理だが核燃料棒の中にあるもの、これが幾らになるのか。それから、東京電力福島第一原発のメルトダウンで幾らのプルトニウムが溶け出したのか。そのうち、大気中、海洋にどれだけ放出されたものとみなしているのか。これを伺っておきたいと思います。
○細野政府参考人 前半部分だけ、先にお答えを申し上げます。 使用済み燃料に含まれるプルトニウムの量でございますけれども、これは、内閣府の発表によりますと、平成二十一年末の時点で、核分裂性と非核分裂性のプルトニウムの総量で百四十四トンと推定をされております。それから、再処理をしたもの、これは電気事業者及び日本原子力研究開発機構の方で把握をしておりますが、同じく平成二十一年末の段階で、再処理して回収した核分裂性のプルトニウムは十二・二トン、それから、海外から返還をされたもの、これはMOX燃料形態のものも含めてでございますけれども、二・六トンというふうに承知をしております。
○寺坂政府参考人 プルトニウムの放出の関係でお答え申し上げたいと思います。 確たる数字のお答えは難しい点があることを御容赦願いたいと思いますけれども、現時点でお答えできる範囲で申し上げますと、事故後四日間におけますプルトニウムの大気中への放出量は一・二掛ける十の十二乗ベクレルというふうに推定をしているわけでございます。これが大気中でございまして、海洋の関係につきましては、幾つか作業する上での前提、水の量等々、難しい点がございまして、具体的な数字推定に至ってございませんけれども、今のところ、海洋の方でのプルトニウムの検出はされていないというふうに承知してございます。
○吉井委員 いずれにしても、地震による福島原発の破損状況は本来もうわかっていなきゃいけないんですが。中越沖地震で、柏崎刈羽のときですね、あのときはタービン建屋で二千三十ガルぐらい記録したことがあったかと思うんですが、そういう激しい地震動の中で、実は、建屋の中のクレーン、燃料取りかえ等に使われるわけですが、これが一機破損をいたしました。 今回、福島第一の一号機から六号機の原子炉建屋の天井クレーン、燃料取りかえ機の状況はどうなっているのかということですね。これは、将来的に、圧力容器のふたをあけて、その収束工程の中で使えるのかどうかということにもかかわってくる問題ですから、伺っておきたいと思います。
○寺坂政府参考人 お答え申し上げます。 原子炉建屋の中の各階の、そのフロアにまだ立ち入りができていないところ、あるいは作動状況が確認できない、そういった事情があるわけでございますけれども、御質問の天井クレーン、それから燃料交換機の損傷状況について、今時点で私どもが考えているところで申し上げますと、まず、一号機と三号機に関しましては、原子炉建屋の損傷状況から、天井クレーンと燃料交換機が大きく損傷しているというふうに推定をしてございます。 二号機につきましては、外観の状況からは建屋そのものは健全な状態のように見えるわけでございます。ただ、そういった中で、クレーンと燃料交換機も、もともと厳しい耐震基準といったものが設定されているということもございまして、健全な状態にあるのではないかというふうに推定はしてございます。 四号機に関しましては、ここも爆発事象がございましたので、一時、クレーン等について問題が生じているんじゃないかというふうに見ているときがございましたけれども、その後の映像その他での確認で、中へ落ちているとかそういったことはないというふうに思ってございます。ただ、機能について、どのようなものかということについては確認ができてございません。 五号機、六号機につきましても、これは外観上の健全性は確保しているというふうに見ておりますけれども、機能が維持できているかどうかについては確認できてございません。 いずれにいたしましても、今後、全体の瓦れきの撤去あるいは放射性物質の除去、そういったもので作業環境をできるだけ整備した上で、実際に確認をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○吉井委員 私が報告を受けておりますところでは、一号機、三号機、今、四号機は落ちていないだろうという話ですが、いずれにしても、オペレーションフロアに落ちていると思われる、脱落の程度は号機に多少の違いはあると。二号機については、わからないという今のお話のとおりなんですが、五号機、六号機は、オペレーションフロアの、燃料プールからの蒸発や結露によって、そもそも電気系統にかかわるものが損傷している可能性が考えられると。 そうすると、収束工程の過程で、やがて将来、圧力容器のふたをあけてさまざまなものを取り出すことも考えられるわけですけれども、そもそも、その圧力容器のふたを取り上げる天井クレーンというものが破損してしまっていたり、あるいは電気系統が働かないために簡単にはいかない、それぐらい深刻なダメージを地震そのものによって受けているのではないかと思うんですが、いかがですか。
○寺坂政府参考人 天井クレーンあるいは燃料取りかえ設備の状況については先ほど申し上げましたとおりというふうに考えてございますけれども、先々、使用済み燃料の取り出し等の作業というものが必要になってくると考えているところでございまして、これは、まずは安定した冷却システムが構築され、安全な停止状態が継続されるようになってからの、非常に大切な、中期的な課題として今後検討をしていくというふうに考えておるところでございます。
○吉井委員 時間が参りましたので質問はしませんが、やはり核開発をやらせないために制裁は当然なんです。同時に、日本も、原発、軽水炉路線を進めれば進めるほどプルトニウムがどんどんたまってしまうんです。これは、それ自体が国際的不信を招くことになりますし、同時に、今回の事故のような場合、放射能汚染の問題もあるんですが、地震等によって原発機器そのものが安全性を保つことは非常に困難なことだということが明らかになったと思います。 そこで、原発から撤退という道を大臣として決断されるべきものだと思いますが、これを質問しようと思ったら時間が来たと札が参りましたので、海江田さん、大変申しわけないけれども、これは意見だけ申し上げて、質問を終わりにしたいと思います。
○田中委員長 次に、山内康一君。
○山内委員 北朝鮮への制裁措置の強化ということについて質問をさせていただきます。 昨年の十一月二十六日に、衆議院の本会議におきまして、北朝鮮による韓国への砲撃事件に関する決議案を全会一致で可決いたしました。その決議の中で、北朝鮮に対する新たな制裁措置等を検討すべきということで、国会から政府に対して提案をしているわけですけれども、政府内で、そういった制裁措置の強化、罰則の強化、こういったことはその後議論されていたのでしょうか。
○海江田国務大臣 罰則の強化につきましては、平成二十一年、外為法を改正し、違法輸出入に対する罰則を強化することで、北朝鮮の不正事案に対して抑止力を強化しました。 また、経産省としましては、刑事制裁に加え、外為法に基づき、当該違反者が輸出または輸入を行うことを一定期間禁止する行政制裁を実施しております。
○山内委員 去年の十一月の決議の後の罰則、制裁強化について質問をしているわけです。今、平成二十一年のお話をされましたが、その後の検討ということで、政府内でどのように、経産省に限らず他の省庁でも結構ですけれども、検討されたことはあるんでしょうか。
○厚木政府参考人 お答え申し上げます。 政府といたしましては、今後の我が国の北朝鮮制裁措置のあり方については、拉致、核、ミサイルという諸懸案をめぐる北朝鮮の対応や国際社会の動きを含む諸般の情勢を総合的に勘案いたしまして、政府として不断の検討を行っているところでございます。 ただし、前回も申し上げましたけれども、北朝鮮が今後どのような行動をとるかは予断を許さないところでございまして、我が国がいかなる措置を今後とっていく可能性があるか、あるいは検討しているかということについてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○山内委員 あと二分になりましたので、外務省にお尋ねします。 ことしの五月三十一日に、日本政府主催でニューヨークにおいて、北朝鮮などに対する国連安保理の制裁徹底を促すセミナーというのを日本の外務省主催で開かれております。 北朝鮮の核開発の問題は日本だけの問題ではなくて、なるべく国際社会全体で取り組んでいく、東アジアの狭い領域で考えるんじゃなくて、中近東への北朝鮮の核技術の拡散も含めてなるべく国際化していく、国際社会全体の問題として認識をしてもらう、そういう措置なり枠組みづくりが大事だと思いますが、日本政府として今後どのようにその問題について取り組んでいくんでしょうか。
○宮島政府参考人 お答えいたします。 先生御指摘のとおり、北朝鮮の核問題等を初め、不拡散の問題は非常に深刻な問題でございます。 北朝鮮やイラン等の核問題につきましては、国際社会において、安保理における制裁、IAEAにおける働きかけ、その他国際的フォーラムにおける働きかけといったさまざまな手段を用いて解決が図られております。 先生御案内のとおり、国連の安保理では、二〇〇九年の五月の北朝鮮による核実験に対応するため、我が国などが主導いたしまして、制裁措置の強化を含む決議一八七四が全会一致で採択されております。また、北朝鮮の問題のみならずイランの核問題につきましても、二〇一〇年の六月に制裁措置の強化を含む決議の一九二九号が採択されております。 このように、国際社会が一致して強いメッセージを発するよう、国連の安保理理事国として、決議の採択に向けた議論に積極的に参加いたしました。また、このような決議が国連加盟国に対して求める措置を着実に実施するということのために、決議の効果的な実施の観点から各国にも着実な履行を働きかけております。 国際的なところで働きかけをするのはまさに大事でございまして、IAEAにおきましても、保障措置の実施を通じて、原子力関連の資機材が軍事転用されないよう日常的に監視を行っておりまして、我が国は追加議定書の普遍化に向けた働きかけをしております。また、IAEAの総会、理事会においても議論をリードしております。 このような国際機関における努力に加えまして、六者会合への参加、G8サミット、それからASEAN地域フォーラムといった国際的フォーラムにおきましても、まさに核問題の解決に向けた議論に貢献してきております。 このように、北朝鮮等の核問題につきましては、NPTを基礎とする国際的な核不拡散体制に対する重大な挑戦と受けとめておりまして、その解決のため、関係国及び国際機関と連携しながら今後とも努力を重ねてまいる所存でございます。まさに先生のおっしゃるとおりでございます。
○山内委員 質疑時間を大分オーバーしましたので、以上で質問を終わります。
○田中委員長 これにて本件に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○田中委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 内閣提出、外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物の輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件について採決いたします。 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田中委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○田中委員長 次に、内閣提出、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案並びに電気事業法及びガス事業法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 これより順次趣旨の説明を聴取いたします。海江田経済産業大臣。 ————————————— 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案 電気事業法及びガス事業法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○海江田国務大臣 電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案並びに電気事業法及びガス事業法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 まず、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 資源価格の乱高下や国際的な資源獲得競争が激化している中、我が国のエネルギー供給における化石燃料の占める割合は依然として高い水準となっております。化石燃料の大半を海外からの輸入に依存している我が国にとって、エネルギーの安定供給の確保のためには、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなどの純国産エネルギーである再生可能エネルギーの導入拡大は必要不可欠です。このため、再生可能エネルギーに由来する電気の導入の比率を高めていくことが重要です。 また、国内外で地球温暖化対策の強化が求められる中、再生可能エネルギーに由来する電気は、発電段階で温室効果ガスを排出しないという強みを有しており、地球温暖化対策にも資するものであります。 加えて、我が国経済を成長軌道に乗せるためには、昨年取りまとめた新成長戦略を着実に実現させることが重要です。中でも、日本のすぐれた環境技術・製品を国内外に展開し、成長と雇用の確保を実現するグリーンイノベーションに向けた取り組みの推進は喫緊の課題であり、再生可能エネルギーの導入拡大は、関連産業の成長を通じた市場の確保と雇用の増大に大きく貢献するものであります。 こうした点を踏まえ、本法案により、再生可能エネルギーに由来する電気について固定価格買い取り制度を導入し、再生可能エネルギーを用いる発電設備の設置に関して投資回収の不確実性を低減させ、その導入拡大を一層促すことといたします。 次に、本法案の要旨を御説明申し上げます。 第一に、経済産業大臣が認定する再生可能エネルギー発電設備から得られる電気について、電気事業者に対して、経済産業大臣が定める一定の期間、一定の価格により調達する契約の締結に応じるよう義務を課します。 第二に、電気事業者が調達に要した費用については、賦課金という形で、すべての電気の需要家に電気の使用量に応じて御負担いただくことといたします。その際、再生可能エネルギーの導入拡大は、エネルギーの安定供給の確保及び温室効果ガスの削減という国民全体の利益となるものであることにかんがみ、地域ごとの再生可能エネルギーの導入状況の違いにより賦課金の負担に不均衡が生じないよう、経済産業大臣が賦課金の単価を全国一律で定めるなど、所要の措置を講じます。 第三に、電気事業者に対して、再生可能エネルギーに由来する電気について、一定量の利用を義務づけてきた電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法は、今般、再生可能エネルギーの導入拡大効果がより大きいと見込まれる固定価格買い取り制度を導入することから、廃止することといたします。ただし、既存の発電設備の運転に著しい影響が生じないよう、必要な経過措置を講じます。 続きまして、電気事業法及びガス事業法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 現在、エネルギーの安定供給確保や地球温暖化対策、グリーンイノベーションの促進といった観点から、再生可能エネルギーの導入拡大が我が国にとって重要な課題となっております。 こうした中で、再生可能エネルギーの導入拡大のために提出した、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法案に基づくいわゆる買い取り制度を円滑に実施し、あわせて、再生可能エネルギーの導入拡大に関する規制の合理化等を図るため、本法律案を提出した次第であります。 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一に、買い取り制度による賦課金等、法律により国が定めた外生的、固定的なコストの変動に起因する料金等の改定については、簡易かつ機動的な手続として、事前届け出により行うことができることといたします。なお、公益事業に係る規制の整合性の観点から、ガス事業法についても同様の措置を講じます。 第二に、再生可能エネルギー活用のすそ野を広げる観点から、現在、送配電ネットワークの利用が認められていない、地域限定の電気事業者である特定電気事業者が、再生可能エネルギー等の外部電源を調達できるよう、送配電ネットワークの利用のための制度を整備する等、規制の合理化を行います。 第三に、買い取り制度により送配電ネットワークに接続する発電設備が増加し、その接続に当たっての紛争の増加が予想されます。このため、発電事業者と送配電ネットワーク運用者との間の紛争が適切に解決されるよう、体制整備を行います。 以上が、両法律案の提案理由及びその要旨でございます。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
○田中委員長 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○田中委員長 この際、お諮りいたします。 両案審査のため、本日、政府参考人として資源エネルギー庁長官細野哲弘君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○田中委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木村たけつか君。
○木村(た)委員 民主党の木村たけつかでございます。 まず冒頭、田中委員長を初め理事の皆様方の御配慮によって、本経済産業委員会で初めて質問の機会を得ましたことに心から感謝を申し上げます。 それでは、質問に入らせていただきます。 本年三月十一日に閣議決定されました本法案は、鳩山前内閣総理大臣が国際会議で掲げた、温室効果ガス排出量を九〇年比で二〇二〇年までに二五%削減するという目標を達成するために議論を積み重ねてまいりました、地球温暖化対策基本法案を実現するための主要三施策のうちの一つであります。地球温暖化対策基本法案の成立に見通しが立っていない現状において、本法律案の審議を行う前に、政府はその点に関する整合性を説明する必要があると考えます。 また、本法案は、我が国未曾有の大災害となった東日本大震災の影響を考慮した内容になっておりません。少なくとも、私は、政府がエネルギー基本計画を白紙から全面的に見直しを行った上で、その計画に沿った形で再生可能エネルギーの普及拡大を進めることが筋であると考えます。 そして、エネルギー基本計画を見直す際に原子力の位置づけが大きな焦点となりますが、菅総理が表明されておられますように、原子力を廃止の方向に持っていくにせよ、段階的に行わざるを得ませんし、代替エネルギーを何に求めるのか、あるいは火力と再生可能エネルギーの比率をどうするのかといった、目の前にある重要な課題に真っ正面から向き合う必要があると考えます。現在のような電力の供給不安が続く状況は、決して好ましいものではございません。経済産業省が本年五月に実施をされたアンケート調査によれば、国内の七割の企業が震災の影響でサプライチェーンの海外移転が加速する可能性があるといった衝撃的なデータが示されました。 私は、再生可能エネルギーの導入拡大に異議を申し立てるつもりはございません。しかし、経世済民あっての国家でありますから、国民の生活や経済活動に支障を来すようなエネルギー政策であってはならないと考えます。そのためにも、私は、各エネルギー源ごとの特性を生かしたベストミックスを追求していくべきであると考えますが、海江田経済産業大臣の御所見をお伺いいたします。
○海江田国務大臣 経世済民というのは、私の大臣の部屋にその額がかかっておりますので、私もそれを常に心がけているわけでございます。 ベストミックスの考え方はまさにそのとおりでございまして、そのベストミックスのバランスをどうしていくのかということで、昨年決めましたエネルギー基本計画の原子力の五三%、これは無理だろうということはわかっておりますが、では、それを当面何年ぐらいかけて何%にしていくのか、それから再生可能エネルギーを何年ぐらいかけて何%にしていくのか、またそのときの経済的な負担などもよく考えて、しかも、これは当委員会でもしっかり議論をいただくということでございますが、やはり国民的な議論もしっかりしていく中でそうした方向性を決めていかなければいけないと思っております。
○木村(た)委員 それでは、エネルギーベストミックス追求の観点から質問させていただきます。 震災発災後、そして福島第一原発事故の影響等を受けて、各地の原子力発電所が停止したまま、再稼働の見通しが立たない状況が続いておりますが、国民生活及び日本経済への影響を考慮し、短期的な代替エネルギーとしての火力発電の割合を増加させていくことが想定されます。 御案内のとおり、火力発電は石炭、石油、天然ガスの三種類でありますが、この中でも発電単価が最も安価である石炭に関して、IGCC等の高効率石炭火力発電の技術開発及び二酸化炭素を回収し地中または海中に貯留するCCSの技術開発に対する支援を強化していくべきだと考えておりますが、経済産業省の御見解をお伺いいたします。
○中山大臣政務官 ただいまベストミックスのお話がございました。 太陽光等自然エネルギーで原子力のつくってきた三〇%前後のエネルギーを代替できるか、これはまだ非常に疑問があるというふうに思います。やはり集中的に、石炭を使って、またはLNGを使って火力発電をやらなければ百万キロワット以上の発電というのはできないわけで、そこで超臨界とか超々臨界、石炭という非常に安いものを使ってはいるんですが、複合発電、一つはタービンで使う、一つは水蒸気を使ってやるというような、コージェネレーションなんかもよく似たことでありますが、複合的に、CO2をできるだけ出さないというようなことも可能でございます。 IGCCは実際福島県でやっておりますし、我々は、それをさらにCCSという形で海底に埋め込んでいこう、炭酸ガスをそこに埋め込んでいこうというような技術も今開発をいたしておりまして、苫小牧であるとか福島の勿来であるとかまたは北九州であるとか、こういうところでも実験に入ろうという時期に参っております。 そういう面では、本当の意味でベストミックスと、やはり出力の大きいものも代替エネルギーとして考えなきゃいけない、このように考えております。
○木村(た)委員 力強い御答弁、ありがとうございます。 次に、火力発電の中で最も二酸化炭素の排出量が少ないとされる天然ガスについて、米国で採掘が進んでいるシェールガスの利用促進並びに日本近海に埋蔵されているメタンハイドレートの技術開発など、ポテンシャルが大きな資源に対してどの程度の支援を考えておられるのか、あるいは今後のエネルギー政策における天然ガスの位置づけについて、中山政務官の御所見をお伺いいたします。
○中山大臣政務官 ただいまアメリカの方でシェールガスのブームになっておりまして、頁岩という大変かたい岩盤から水圧によってガスをとる、そういう新しい技術が開発されまして、その埋蔵量からいいますと、今あるLNGを超えるのではないかということで大変有望視されておりまして、アメリカは原発をやらなくてもそのガスによっての発電でかなりの発電量を賄えるというようなことまで出てきておりまして、そういう面ではガスを使うことというのは大変有効でございます。 しかし、ただガスタービンだけで使うのではなくて、先ほど申し上げましたように複合的に使う。熱で使うとか、または水蒸気で使う、それからガスの噴射の勢いで使う、そういう複合的な技術があれば、CO2が出ないということでございます。 特に、メタンハイドレートは、鉱業法の法案が通りましたので、いよいよ経済産業省も挙げて、「資源」という船を出して、できる限りメタンハイドレートの鉱脈がどこにあるか探っていって、早くこういうものを活用できるように、また技術も生み出していきたいと思っております。
○木村(た)委員 ぜひとも推し進めていただきたいと思います。 次に、制度導入に伴う国民負担の軽減措置についてお伺いいたします。 再生可能エネルギーの全量買い取り制度の導入に際して最も懸念される問題は、国民負担の問題であります。 経済産業省の再生可能エネルギーの全量買取に関するプロジェクトチームによる同制度設計に対する基本的な考え方によりますと、制度導入後九年目の国民負担額について、毎月電力消費量三百キロワットアワーの標準的な家庭において、毎月約百五十円程度の電気料金の値上がりがあるものと試算されております。これは、再生可能エネルギーの追加導入量を約三千万キロワットと見込んだ場合の試算だそうでありますが、菅総理がおっしゃっておられるように、全国一千万戸の住宅の屋根に太陽光パネルを設置した場合、それだけでも三千万キロワット程度の導入量となり、非住宅用の太陽光発電や他の再生可能エネルギーの導入量も増加することが見込まれますので、電気料金の値上がりは大変大きなものになると考えられます。 電気料金の値上がりが低所得者世帯の家計を直撃することになるのではないかと危惧をいたしておりますが、特に、太陽光パネルを設置できて、買い取り制度によって元を取り返せる方にとってはよい制度かもしれませんが、そうでない方においては、電気料金の負担のみがふえるという結果となります。 政府として、この制度導入に際して、電気料金の値上げ幅等について何らかの歯どめ措置を講じる用意があるのかどうか、中山政務官の御所見をお伺いいたします。
○中山大臣政務官 まずは、この法案を審議する過程で、結局、電気料金で取るのか税金で取るのか、こういうことにもなるわけでございまして、例えば原発を全部とめるとか、そういう急激なことになりますと当然大きな費用がかかるわけでございまして、これは太陽光だけに限らず、火力発電、今の電力を全部供給側が維持をするとすれば約三兆円かかるというふうな話も出ておりまして、日本の大事な自動車企業だとか有数の企業が海外へ出ていっちゃうという可能性もあるわけです。ですから、電気料金というのは経済界に与える影響は極めて大きいわけでございまして、命か経済かというような単純な議論は絶対してはいけない。 エネルギーの全体像を見せて、しっかりここは先生方に議論していただく。そして、議論の結果、この法律を通してもらうことが大事で、今のような論点も、財務省の方も来ておりますから、しっかりお金を出してくれるのか、または電気料金になるのか、この辺もこれからしっかり議論をしていきたいと思っております。
○木村(た)委員 ぜひともよろしくお願いします。 そして、再生可能エネルギーの全量買い取り制度の導入に合わせて、RPS制度が廃止されるということでありますが、政府としては、今日までRPS制度を推進してきた立場から、この制度についてどのように総括をされておられるのか、海江田大臣の御見解をお伺いいたします。
○海江田国務大臣 木村委員にお答えをいたします。 昨日の衆議院の本会議場でも同じような質問がありましたので、その折にもお答えをいたしました。 これは二〇〇三年の施行でございますが、私は、一定程度これは成果があったものだと考えております。これによりまして我が国の再生可能エネルギーの導入量が約二・五倍ふえましたので、そういう意味での効果、成果はあったものと考えております。 しかし、この制度は、電気事業者に一定量の再生可能エネルギーの利用を義務づけるものでありますが、再生可能エネルギーによる発電を行う者と電気事業者との相対交渉で電気の取引価格が決定されるわけでございますから、電気事業者としては相対的に安価な再生可能エネルギー源をどうしても利用するということになりがちでございました。その結果、再生可能エネルギーによる発電を行う者にとって投資回収できるか否かについての不確実性があるということでございまして、特に太陽光発電のように、現在は高価であっても将来的に供給の潜在力の高い発電について、これはこの制度だけではなかなか導入が進まなかったという点もあろうかと思います。
○木村(た)委員 RPS制度が廃止をされれば電気事業者の負担は軽減されることになると思われますが、私は、再生可能エネルギーの全量買い取り制度導入に際しては、買い取り価格の増加をそのまま消費者に転嫁させるのではなくて、一定の割合を電気事業者にも負担させる必要があると考えますが、その点に関しての経済産業省の御所見をお伺いいたします。
○海江田国務大臣 この法案におきましては、買い取り価格を再生可能エネルギー電気の供給が効率的に実施される場合に通常必要と認められる費用等をベースに決定するという旨規定がございます。このため、経済合理性をもって再生可能エネルギーへの投資が進むよう価格が設定されることになります。 また他方、本法案では、再生可能エネルギー電気の調達に伴って国民負担が過重にならないよう配慮することも求められているところでございまして、この経済合理性の判断には慎重が上にも慎重を期す必要があろうかと思います。 そして、この買い取り価格でございますけれども、総合資源エネルギー調査会の意見を踏まえて設定されるということになっておりまして、具体的な買い取り価格の決定は、通常要すると認められる費用などの客観的なデータが必要になろうかと思います。この客観的なデータに基づいて総合資源エネルギー調査会の意見を聞き、それから、やはりパブリックコメントも必要であろうかと思いますので、このパブリックコメントを経て経済産業大臣が決める、こういう手順を踏むことになろうかと思います。
○木村(た)委員 あわせて、低所得者等の負担軽減措置のため、必要な資金をエネルギー対策特別会計の電源開発促進勘定から拠出するべきであると私は考えます。 平成二十三年度の当初予算額で見ますと、目的税である電源開発促進税の税収三千四百六十億円が全額一般会計に入り、このうち二千九百七十億円のみが特別会計に繰り入れられ、残る四百九十億円は一般会計に留保されておりますが、このいわゆる北方領土とも言われる一般会計への留保分は、本来の徴税目的に反するのではないでしょうか。 これは今年度に限った話でなく、平成十九年度に現在のエネルギー対策特別会計の姿になってからずっと続いているわけでありますが、私は、こうした資金や、毎年恒常的に発生をする、問題視をされてきた剰余金を財源として、再生可能エネルギーの全量買い取り制度に伴う低所得者負担軽減措置に充てるべきであると考えております。そのためにも、徴税目的に反する一般会計への留保はとめるべきだと考えます。 これまでの電源開発促進税の一般会計への留保分の総額を把握されておられるのか、また、この一般会計の留保分をエネルギー特別会計の電源開発促進勘定に返納するおつもりはあるのか、経済産業省並びに尾立財務政務官にお伺いさせていただきます。
○中山大臣政務官 目的にかなった特別会計というのがあるわけでございまして、今言ったような北方領土とか、どっちのものかわからないような中間的なものというのは本来おかしいというふうに私も考えております。本会計になったらば、本会計の中に入ったということは、幾らでも負担できるということになってしまうと思うんですね。特別会計というのは、その中でやりくりしていこうという、非常に独立採算性を重んじる、ある意味では、日本のいわゆる市場原理を考えているという意味合いでは、むしろ特別会計の中でやりくりするのが私は筋だというふうに考えております。 ですから、本会計でやるんだったら、どんどん出してくれれば、税金は天井がないくらい出ていっちゃうという可能性だってあるわけですね。そういう面では、私たちは、特別会計の中で本来はやるべきものだと思います。仕分けでも大分これは議論いたしました。
○尾立大臣政務官 木村委員にお答えいたします。 御案内のとおり、この電源開発促進税は法律で使途が決められている目的税でございます。そのエネルギー対策特別会計電源開発促進勘定で使われる財源となっていることは御指摘のとおりでございます。 ただし、法律で、特別会計の歳出需要等を勘案し、税収の一部について特会に繰り入れなくてもよい、このように決められているところでありますが、ただ、過去を見ますと、ほぼ毎年、一般会計に留保額が生じております。 現在の残高については、一次補正後でございますけれども、約二千百億円。ただ、二次補正でまた予定をしている部分もございますので、それを差し引くと、その残ということになりますが、この留保額につきましては、補正予算の編成、また特別な歳出需要が生じた際に、エネルギー対策特別会計に繰り入れて使うということができるようになっておりますので、これからの予算編成プロセスにおいてこれは決定されるものだと思っております。
○木村(た)委員 御丁寧な答弁、ありがとうございます。 今日までの法律の御趣旨は私も重々承知をいたしておりますが、しかし、これから新たなエネルギー政策を進めていく上で、国民負担が当然これから見込まれるわけでありますし、同時に、原子力発電を、今後新たに設置をすることは大変難しい、こうした現状の中において、私は、法律改正をしてでもその財源をぜひとも国民の皆さんに負担をするべきじゃないかと考えますが、尾立政務官の御答弁を願いたいと思います。
○尾立大臣政務官 法律改正をして全部使えるようにという御下命かと思いますが、また政府内で検討させていただきたいと思います。
○木村(た)委員 大変お忙しいところ、どうもありがとうございました。 次に、全国電力流通ネットワークの整備についてお伺いさせていただきます。 我が国で再生可能エネルギーを普及させるに当たって、全国の電力会社間における電力融通量を増強させることが非常に重要であると考えております。再生可能エネルギーを全国で一気に普及させた場合、電力需要の小さい電力会社では、電力供給力に占める再生可能エネルギーの割合が高くなり、日照条件によって大幅に発電量が左右される太陽光発電や風力発電などの割合が高まれば、火力による電力需給調整が間に合わなくなり、最悪の場合、大規模な停電が発生するおそれもあります。各電力会社間でも相当程度の電力融通を可能にするためのインフラの構築を視野に入れる必要があると考えますが、何点かお伺いさせていただきます。 一つは、北海道と本州間を結ぶ北海道—本州間電力連系設備の強化策であります。 私は、今後のエネルギー政策のあり方として、これまでの大規模集中電源のみに依存しない地域分散型エネルギーネットワークの構築と、自分たちで使用する電力は自分たちで確保するといったエネルギーの地産地消を目指すべきであると考えます。 そうした観点から、北海道と本州間の連系線を増強することとあわせて、例えば北海道を我が国の風力発電の拠点として位置づけ、集中的に導入の拡大を図るべきであると考えますが、経済産業省の御見解をお聞かせいただきたいと存じます。
○中山大臣政務官 分散型エネルギーを集中的にというのはメガソーラーみたいな考え方で、実際、孫さんのところの室長の嶋さんとは何回か話しておりまして、北海道で千ヘクタール、メガソーラーをやりたいというような話が苫小牧の方にも来ているそうでございます。では、それを送電する場合にどうしたらいいか。つまり、北海道では供給は多くなったけれども需要がない、当然本州の方に送っていかなきゃならない、そういう増強をしていかなきゃならないということで、約三十万キロワットぐらいの増強設備をつくる必要がある、こんな話も出ております。 さらに、例えば風が強いからというので、ある島の方でうんと風力をつくった、そこで千ヘクタールつくった。だけれども、送電に相当距離が要るわけですね。ですから、やはり分散型のエネルギーというのは、できるだけ地産地消、近くでつくるということも同時に大切なことで、遠くでつくって分散型のものを送ろうというのはちょっと効率が悪いのかな。 ですから、さっき言った火力発電、これも高効率の石炭火力であるとか、LNGの複合的な、蒸気で使って、熱で使って、しかもタービンを回していくというようないろいろな使い方をして、集中的なものは送電で送っていく。分散型のものはできるだけ地産地消にしていく方が効率はいい。でも、北海道でつくったものは東京まで来れるように、そういう設備の増強は図っていきたいと思います。
○木村(た)委員 北海道と並んで、被災県である東北地方においては地熱発電、風力発電のポテンシャルが大変高いと考えておりますが、こうした被災地の復興にあわせ、再生可能エネルギーの関連設備の建設を進める際に、我が国においては大変さまざまな規制が張りめぐらされております。このことが普及拡大の障害となっているとも指摘をされているわけであります。 エネルギー行政を所管する経済産業省として、規制緩和措置の実現に向けて先導的役割を果たすべきであると私は期待をいたしておりますが、その点に対する経済産業省の御所見をお伺いいたします。
○中山大臣政務官 まず第一に、日本は地熱発電というのがポテンシャルが一番高いんです。ただ、自然公園法であるとか温泉の問題とか、こういう問題で規制というものをある程度取っ払わなければ無理だというふうに思います。 しかし、この自然エネルギーというのは、温泉に行くと地熱発電所があったり、自分のうちの裏に風車があったり、または自分のうちの横にというか、どこにでも太陽光があったり、そういうのが新しい社会なのかもしれません。ですから、意外に、思ったより、理想的な風光明媚な社会かというと、温泉に行ったらいつも地熱発電所がある、こういうことでは困るのです。 やはり、自然公園法の趣旨からいえば、天然自然の風光明媚なものも生かしていかないと、その調和が大切だというふうに考えておりまして、これは何といっても海江田経済産業大臣のお得意なところでございますので、バランスを考えて、エネルギーの全体像を見せながら議論をしたいと思います。
○木村(た)委員 力強い御答弁、ありがとうございます。 そして、もう一つ大きな課題として、東日本と西日本で異なる周波数の統一の問題であります。 現状、我が国の商用電源の周波数は東西で五十ヘルツと六十ヘルツに分断されており、このことが電力の融通を行うことができない阻害要因となっているわけでありますが、この東西の周波数を統一することに対して、私は国の費用負担によって推し進めるべきだと考えますが、経済産業省の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○中山大臣政務官 実は、これは、西日本の方はアメリカの技術を導入して六十ヘルツでやった、一方、東日本の方は、ドイツの技術、ヨーロッパの技術を用いたということで、いまだにその後遺症が残っているわけでございます。 これを統一するというのは、大変お金もかかるところでございますが、今は、三十万キロワットとか、そのぐらいからどんどんそういうものをつくっていこうということで進めているわけですが、やはり根本的に変えなければならないということは、今のモーターも、五十ヘルツでつくっているものもあるし、六十でつくっているものもあるし、こういういろいろな、日本全体の大きな問題にもなりますので、時間はかかるというふうに思っております。 今回、そういうことを協議しようということで、一億円の予算をとって、今、その調査をしたり協議をしているところでございまして、自民党の橘議員からもこの間質問を受けて、早くやれということでございますので、しっかり協議をしていきたいというふうに思っております。
○木村(た)委員 最後に、国民生活に資するエネルギー安定供給、エネルギーベストミックスの観点からも、新エネルギーの方向性を示す本法案の成立に向けて、与野党の別なく、議員の皆様方の特段の御協力を賜りますようにお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○田中委員長 次に、橋本勉君。
○橋本(勉)委員 衆議院議員の橋本勉でございます。 私も、木村委員と同様に初めてのチャンスを与えていただきまして、ありがとうございます。木村委員が主に経済と環境という面からお話をいただいたと思いますが、私の方は、もう一つのトレードオフである安心と経済というような面で、さまざまな視点からお話しさせていただきたいと思っております。 一つは、先ほど、海江田大臣の大臣室にも経世済民という言葉が張ってあったとお聞きしました。まさに、経済の再生がなければ民を潤すことはできないという意味であると思います、経済優先と。私も海江田大臣を経済の最先端を行く大臣であると尊敬しておりますので、ぜひお答えいただきたいと思います。 しかしながら、やはりもう一つの面で、安全というところは、これも重要なところであります。科学的な根拠を合理的に判断いたしまして、安全であればやってもいいし、そしてまた、危険ならばとめるべきだというような判断をしなければいけないと私も思っております。 こういう意味で、ストレステストでも、まだ内容がわからないというようなところもあります。しかしながら、今回の東京電力株式会社福島第一原発の総合的評価の実施、七月六日のものを見させていただきますと、原子力安全委員会では「運転状態としては最も厳しい状態を仮定する」というような表現もあります。恐らく、海江田大臣におかれても、今回のいわゆる安全と経済とのトレードオフというのは、一問、頭を悩ます問題だと推察させていただきます。 そこで、福島の原発の問題について質問させていただきたいと思います。 私は、いつも部門会議で質問させていただいていることもあるんですが、科学的な、合理的にどういうようなデータがあって、どういうように判断していったらいいのかというようなことを優先して、そういう側面からいつもさせていただいていると思います。現状を把握させていただいて、この原因というのはどこにあるのか、そしてまた、最後にどういう判断をしていけばいいのかというようなスタンスで質問させていただいているというところでありますので、そういう込み入った質問をさせていただくのはお許しください。 一つ、今回、福島の問題についてまず確認をさせていただきたいのは、三月十一日の十四時四十六分に地震が発生しました。そして、三月十一日の十五時三十分過ぎに、これは推定ですけれども、津波が襲来した。そして、三号機については、いろいろとベントの開操作をしながら、三月十四日に水素爆発と思われる爆発があったと思います。一号機の場合は、三月十二日に水素爆発と思われる爆発があった。四号機の場合は、三月十五日に原子炉建屋の損傷が確認された。こういう事実をちょっと御確認いただきたいと思います。これは、原子力安全・保安院さんの資料によるものであるということだけ申し添えておきます。 この事実に基づきまして、私がまず質問させていただきたいのは、配らせていただきました六番のページの資料でございます。六番のところで「福島の“斜塔”と化した福島第一原発四号炉」という写真を添付させていただきました。「四号炉の燃料プールには、千五百三十五体の燃料集合体があり、そのエネルギー量は、ヒロシマ型原爆三十発分に相当する。」「震度六の地震で倒壊の可能性が専門家から指摘されている。」と、非常に危険な状況にあって、ここで、垂直線と赤線で、傾いているというようなことがわかるのではないかと思います。 この四号機の傾きの原因について、これは何だろうか、爆発なのか地震なのか、それともその他の原因なのか、もし御理解がありましたら教えていただきたいと思います。
○海江田国務大臣 今の時点でわかっておることで、私が保安院あるいは東京電力から聞いております話でございますが、確かに、四号炉の爆発というのは、これがどういう原因であるのかということは、かなりわからない部分もございました。と申しますのは、御案内だろうと思いますけれども、四号炉は、格納容器の中に燃料が入っていませんで、燃料プールに入っていたということ。しかも、燃料プールの使用済み燃料を見ますと、比較的健全性が保たれているんですね。水も比較的きれいなわけです。ですから、そこから水素が発生をして爆発したのではないのではないだろうか。 いろいろ調べてみますと、三号炉と四号炉をつなぐ継ぎ手がありまして、これはかなり大きな配管、大きなパイプでございますが、たしかそこは共通の排気筒を持っているということもありまして、三号炉の方から水素が漏れて、それがその配管を通じて四号炉に入って、そして四号炉で水素爆発が起きたのではないだろうかというのが、今まで得られた知見と申しますか、現在の時点での判断でございます。その意味では、四号炉が、そうした水素の三号炉からの漏えいによりまして爆発が起きたということでございます。 今お示しをいただいたこの二枚の写真でございますが、上の写真でございます、ここに見えていますのは、モノクロの写真ですけれども、これは、燃料プールに注水をします、俗称キリンと、愛称ですかね、呼ばれております、コンクリートを高圧で送る機器ではないだろうかというふうに思います。これははっきりしませんが、四号炉の燃料プールには、そうやって外部から水を入れていたということがございます、恐らくそれじゃないだろうか。 この下の傾きというのがどの程度のものか、これはちょっとわかりませんが、ただ、今回、橋本先生からお尋ねがあるということで、これはやはり実際に行って見てくるのが確かでございますので、現場に職員を派遣しまして、そして、実際本当にそんなに傾いているのかということを確認させました。その写真も撮ってきて、私も見ましたけれども、水素爆発によって建屋全体が大きく傷んでいるということは事実でございますが、主要構造物が傾いているというようなことはないという報告を受けております。 なお、先ほど委員からお話がありました、地震によって大きな被害を受けているんじゃないだろうかということでやはり一番心配されるのは四号炉の使用済み燃料プールでございますから、これについては、もう既に下から支える工事はやってございます。今、鉄筋で工事を終えまして、その鉄筋の周りにコンクリートの流し込みをしているという状況でございまして、これももう間もなく完成をする。そうしますと、燃料プールを下から支えて、余震などによってこの燃料プールが大きく破損をされるということのないような手も講じてございます。 少し長くなりましたが。
○橋本(勉)委員 今、三号炉が四号炉の傾きの一つの原因になったんじゃないかなという話……(海江田国務大臣「爆発」と呼ぶ)爆発のですね、水素爆発ですね。その三号機についても、その前日、十四日に水素爆発をしておりますので、これは七ページに書いてあります、写真がありますのでまた見ていただきたいと思っております。 これは三号炉の燃料プールの水中映像でありまして、一号炉の爆発と比べまして非常にけたたましい爆発があったと。私もインターネットで見させていただきました。これは一号炉とちょっと違うタイプの爆発なのではないかなと、見る限り思ったわけであります。 そこで問題になったのは、燃料の五百五十六体がちゃんとあるのかどうかということが心配でして、それを水中カメラ、遠隔操作のカメラでとらえられたものであります。確かに、これを見る限りトラスの瓦れきしか映っていない。本来燃料プールがあった四階から五階は爆発で吹き飛んでいるという報告もあります。 これはどういうことなのか、五百五十六体はどこへ行ったのかということで、これは日本の情報よりもアメリカの情報がありましたので、八ページにちょっとつけさせていただきました。 これはアメリカの原子力規制委員会、NRCの勧告書でありまして、このちょうど三段落目ですね。「フュエル メイ ハブ ビーン エジェクテッド フロム ザ プール」云々からいきまして、ちょっと訳させてもらうと、燃料はその外に放出されている、これは東電の側の情報に基づいているということで、中性子の放出源が原子炉施設から一マイル離れたところで発見された、さらに、極めて高い線量率の物質が三号機と四号機との間で発見された、使用済み燃料プールから燃料が放出されている可能性があるというようなことが述べられているところであります。聞く範囲では、ゆゆしき事実だと思います。 もう一つ、次の九ページですけれども、九ページはアメリカの環境保護局のホームページからとらせていただきました。 これは、放射線空中濃度モニタリング地点の詳細な分析の過程で、米環境保護局が日本における核事故に由来するかなりの量の放射性同位体を特定した、アイデンティファイドですから、もう完全に決めつけたというような意味であります。そのうち幾つかは過去の環境保護局やエネルギー省のモニタリング結果より幾分高い数字を示しているというような形で述べられているものでありまして、そのデータがこの九ページに載っけてあるということであります。 ハワイでウラン二三八の大気中濃度が五十倍になっているということと、その下の方は、サンフランシスコでプルトニウム二三九の大気中濃度がもう既に十八倍になっていると。この下の方は三月二十四日に急激にふえている。それから、ハワイの方は一週間に一度しか計測をしておりませんので、四月一日のデータでこれだけ、ふだんの五十倍ということになったデータが出てきたということで、こういう記事がアメリカの環境保護局から出されているということであります。 これを見る限りは、原発事故の影響というのは、県を越えるだけじゃなくて、本当に国を越えることもあるんだと思います。 これについて中部大学の武田教授がこういうことを述べていらっしゃいました。事故後に検出されたデータであり、かつ過去の数値から急激にはね上がった点から考えますと、福島第一原発から飛び散ったとしか考えられない、三号機で使用していたプルトニウム・ウラン混合酸化物、MOX燃料の可能性もあるというようなことも述べておられました。御存じのように、武田教授は前の原子力安全委員会の委員であられますので、かなりこの面については詳しい人でございます。 こういう意味で、この三号炉の問題としまして、米国と日本とやや違いが出ております、見解の相違が出ておりますが、この燃料五百五十六体というのは、その一部だけでも飛んでいるということは非常にゆゆしきことであると思いますが、どこへ行っていると思われますでしょうか。お答えいただきたいと思います。 〔委員長退席、近藤(洋)委員長代理着席〕
○海江田国務大臣 これは私が今まで東電と政府の連絡対策室で得た情報でございますので、また追加的な情報があれば委員にも提供したいと思っておりますが、御指摘のように、この三号炉については、残念ながら、そのプールの中の状況と申しますか、これがまだ把握できていないということは確かであります。 四号炉の方は、一番初めはたしかヘリコプターですか、ちょうどプールの上のところが天井が飛んでおりましたものですから、比較的プールの状況というのは把握できたわけでございまして、そしてまたカメラなども、放水機の先にカメラをつけまして把握をしたら、さっきお話をしたように水が大変きれいだったということがわかったわけでございますけれども、三号炉は、残念ながら、主に瓦れきがたくさんかぶさっているというようなこともありまして、そういう作業ができていないということであります。 ただ、この三号炉の、特に使用済み燃料プールの温度が大変安定をしておりまして、これがおよそ三十度前後ということですから、その意味では、今、この燃料プールについては冷温の状態が保たれているということであります。ですから、その意味から判断をしますと、燃料プールの中で使用済み燃料が、平たく言えば暴れているということはないのではないだろうかということでございます。 ただ、委員から御指摘のありましたように、五百五十六体あったはずが、今何本残っていて、何本か外に飛んだのではないだろうかというようなことは、これは残念ながらわかりません。 いずれにしましても、今の燃料プールの状況は安定をしているということと、それからやはり、できるだけ早くこの燃料プールの状況がどうなっているのかということを目視する必要があろうかと思っております。 それから、燃料プールのコンクリートの厚さというのは、一・四メートルから一・八五メートル、およそ二メーターございますので、燃料プール自体が底が抜けるとか、そういうことはないと思っております。 いずれにしましても、今、三号機については燃料プールの状況というのは安定しております。それから、ここには窒素の封入がスタートをいたしましたので水素爆発の危険性というものはありませんが、水素爆発の際にそこから飛散をしました放射性物質に汚染された物質がどこにあるかということ、もちろんこれは、モニタリングを徹底することによって、そういう瓦れきなどがあればその瓦れきはしっかりと撤去をしていかなければいけないし、これまでもそういう作業はやってきたところでございます。
○橋本(勉)委員 まだこれから調査の余地ありという返答でございましたけれども、極端なことを言うと、三号炉の三月十四日の水素爆発がちょっと異常な爆発だったものですから、これが核爆発というような可能性は絶対ない、それは断言できますでしょうか。
○海江田国務大臣 これは、海水が入ったりしておりまして、それから水素が発生をしているということは事実でございましたから、私どもは、その水素と酸素との結合による水素爆発だ、この三号機はそう考えております。
○橋本(勉)委員 ちょっと時間がないので、もう一つ指摘をさせていただきます。 震度計、これは十ページなんですが、原子炉建屋の、要するに地震のデータです。この地震についてちょっとお聞きをさせていただきたいなと思っています。 上の方は、震災から百五十秒の間、ちょうどその前に、五百五十ガルの最大値を指した後、切れた。ところが、下の方は、これはちょうど四号炉の南西の百メートルの地点で、地下百メートルのところではかったものでございます。これによると、ここは切れていない。百五十秒以後に最大値三百五十五ガルをつけまして、ここは切れていない。ほかにもデータをもらいました。このデータをもらった結果、一号機から五号機まですべて切れているということでございます。 これは、津波でここに何か事故があってとまったのか、それとも地震でとまったのか、それとも爆発でとまったのか、いろいろ考えますと、これはどうも、時間的にも最初の地震でとまったんじゃないかなと。または地震計が壊れていたという可能性もあるでしょうが、そういったところの原因というのはどのようにお考えなのか、ちょっとお聞きしたいと思っております。 〔近藤(洋)委員長代理退席、委員長着席〕
○海江田国務大臣 まず、地震によって東京電力福島第一発電所の各号機の外部電源が切断をされたということは確かでございます。そうして、地震が起きましたから、原子炉では制御棒が入って運転が自動停止をしたということもはっきりしております。そして、自動停止をしたと同時に、今度は非常用のディーゼル電源がありますから、これが正常に作動したということもパラメーター、計器からはっきりしております。 ですから、その意味でいうと、本当に強い地震が起きて、そして原子炉の運転が停止をして、まずとめる、そして非常用のディーゼル電源によって冷やすという段階に入っていったということは、これは各号機についてそういうデータが出ているということでございます。 その後、津波がございまして、今お話をした非常用のディーゼル電源、すべての号機の電源盤、それから海水系のポンプなどが損なわれて、この結果、原子炉と使用済み燃料プールに対する冷却機能が失われて今回の事態に至ったという判断でございますので、その意味では、地震の影響というのはこれからもいろいろな角度から検証してみなければわかりませんが、今回の深刻な事象に至った直接的な原因は地震の後にやってきた津波であろう、こういう判断を今しているところでございます。
○橋本(勉)委員 地震かどうかはわからない、むしろ津波じゃないかというお答えだったんですけれども、四月九日の、これは一つ報告があって、地震による地盤の、要するに地盤沈下というのもあったと。これは五十センチから六十五センチ、測定によると、もうあの辺が沈下していたという発表もあるんですね。これは、津波によって地盤沈下というのはちょっと想定しにくいと思います。むしろ、大きな、巨大な地震があって、私もちょうど三月十一日二時四十六分は議員会館にいました、議員会館で、恐らく世界一か日本一か、地震に強い会館だと言われておりますけれども、そこでいて、私の秘書が、もう怖くて怖くて机の中に入っちゃったというぐらいの揺れでしたね。そういうような揺れが東京で感じられたということは、現地の福島では相当な揺れがあったんじゃないかと思うんですね。そういう意味での地盤沈下というのも当然あったと思いますので、そこはしっかりとまた調べていただきたいと思っております。 そして、時間がもうぎりぎりのところでありますので、一つ経済のことを海江田大臣には質問させていただきたいと思います。 これは、最後の十一ページであります。財源の問題も一つ絡めまして、今回の復興財源といたしまして、酒税、所得税とか、増税の話もまた出てきている。税と社会保障で消費税の話があったと同様に、そういう増税の話がありますけれども、これは宍戸駿太郎という筑波大の名誉教授が出してきたデータであります。 これによると、消費税を三%アップすると、四年後に実質経済成長率が五%下がっちゃうよ、こういうマクロモデル、いわゆる産業連関分析モデルで出した結果だということだけ申し上げたいと思います。ほかの、公共投資とか医療費支出だとか所得税減税だとか、長期金利を一%ダウンさせるとか、金融政策の方が、実質経済成長率はプラスに働いて、むしろそれは税収のプラス要因になるというわけであります。増税というのは、このようにマイナス要因が働いて、当初、一年目は税収が得られたとしても、財源が得られたとしても、二年目以降はもう得られない可能性が極めて強い、当然だと思います。 こういうようなマクロモデルによりますと、海江田大臣、専門でございますので、何もかも増税論議の中に埋没してしまっているというわけでありますが、税金だけ取って、その税収が上がらないということになったら、本当にこれは政府の政策判断ミスだと思います。国民に負担だけ押しつけておいて、その対価である税収すら得られないのであれば、民主党得意の仕分けをやる資格はないと思いますが、いかがでしょうか。
○海江田国務大臣 増税が必ずしも安定的な税収の確保につながらないというのは、これははっきりしていることです。一番わかりやすいのはたばこの税金ですけれども、ただ、たばこは評判が悪いわけでございますから、それを例にとりませんでも、例えば交際費の課税なんか、余りここを締めつけてしまうと経済全体がシュリンクをしてしまいますので、やはりある程度交際費の課税なども、必要があれば緩めて、そして、そのかわりいろいろな形でお金を使ってくれて、そのほかの税金で入ってくればいいんじゃないかということでございます。 復興の財源としての増税ということでございますけれども、特にやはり、増税にもいろいろな形がございますが、それを消費税に求めますと、これは東北地方、これから例えば住宅の建て直しだとか改築だとか、そういうニーズがたくさんあるわけでございますが、今、消費税の五%が将来的に一〇%とかいうような話もありますけれども、これをやったのでは、津波で流された、家を建てる、何とかやはり建てたいと思うのは当たり前で、もちろん二重ローンの問題もありますけれども、そういうときに一〇%の消費税がかかるなんというようなことになったら、これはもう本当に家が建たないわけでございますから、そういうことはやはりよく考慮をしなければいけないと私は思っております。
○田中委員長 橋本君、時間が参りました。
○橋本(勉)委員 まだ聞きたいことはたくさんありましたけれども、御指図のとおり終了させていただきます。 ありがとうございました。 —————————————
○田中委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 両案審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時三十四分散会