北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 第2号
- 発言数
- 150 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2010/10/20
会議録
○委員長(白眞勲君) ただいまから北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、榛葉賀津也君が委員を辞任され、その補欠として大野元裕君が選任されました。 ─────────────
○委員長(白眞勲君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、海上保安庁長官鈴木久泰君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(白眞勲君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(白眞勲君) 北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査を議題といたします。 まず、北朝鮮をめぐる最近の状況について、前原外務大臣から説明を聴取いたします。前原外務大臣。
○国務大臣(前原誠司君) 参議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会の開催に当たり、ごあいさつ申し上げます。 本日は、最近の北朝鮮をめぐる状況について御報告いたします。 九月に行われた朝鮮労働党代表者会などを経て、北朝鮮においては党や軍にかかわる新たな人事が行われました。このような動きを踏まえ、北朝鮮の内外の政策につきましては引き続き注視していく所存でございます。 御案内のとおり、本年三月、北朝鮮は韓国哨戒艦を魚雷攻撃により沈没させ、四十六名が犠牲となりました。これを受けまして国連安保理は議長声明を発出し、この事件の責任が北朝鮮にあると結論付けた軍民合同調査団の調査結果にかんがみて深い懸念を表明した上で、この事件をもたらした攻撃を非難いたしました。 政府は、北朝鮮による行為は地域の平和と安全を脅かすものであり、我が国及び国際社会による諸懸案の解決に向けた取組に悪影響を与えるものであって容認できないとの観点から、金融面を始めとする追加的な対北朝鮮措置を実施いたしました。 北朝鮮に対しては、諸問題の解決に向けて具体的な行動を取ることが自らの利益になるということを理解させるためにも、安保理決議に基づく措置や我が国独自の措置を引き続き着実に実行してまいります。 六者会合につきましては、韓国哨戒艦沈没事件やその後の北朝鮮の対応を踏まえれば、現時点で再開できる状況にはありません。六者会合は再開自体が目的ではなく、再開するのであれば具体的な成果について一定の見通しが必要でございます。 したがいまして、北朝鮮は、まず非核化を始めとする二〇〇五年の九月の六者会合共同声明における自らの約束を完全に実施する意思があることを具体的な行動によって示さなければなりません。 政府といたしましては、北朝鮮の核放棄を始めとする諸懸案の解決に向けて、引き続き、国連安保理決議の着実な履行を含め、米国及び韓国、さらには中国といった関係国と緊密に連携していく所存でございます。 拉致問題につきましては、北朝鮮はいまだに二〇〇八年八月の日朝間の合意に従った全面的な調査のやり直しを行っておりません。政府といたしましては、北朝鮮による調査のやり直しが早期に開始をされ、生存者の方々の一刻も早い帰国につながるような成果が早期に得られるよう、引き続き北朝鮮側に強く求めてまいります。 政府といたしましても、今後とも、日朝平壌宣言にのっとり、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して日朝国交正常化を実現するとの基本方針の下、取り組んでまいります。関係国とも緊密に連携協力しながら、北朝鮮側に対し、拉致問題や核問題を含む諸懸案の解決に向けた具体的な行動を求めていく考えでございます。 白眞勲委員長を始め、本委員会の皆様の御支援と御協力を心よりお願い申し上げます。
○委員長(白眞勲君) 次に、拉致問題をめぐる現状について、柳田国務大臣から説明を聴取いたします。柳田国務大臣。
○国務大臣(柳田稔君) 拉致問題担当大臣の柳田稔でございます。拉致問題をめぐる現状について御報告申し上げます。 拉致問題担当大臣に就任してから約一か月が経過いたしました。この間、中井洽前大臣から引継ぎを受け、拉致被害者の御家族や救う会、特定失踪者問題調査会の方々などと面会するとともに、外務省や警察庁、公安調査庁などの関係省庁から説明を受けてまいりました。 今月二日には、川崎市で開催された横田めぐみさんに関する集会に参加させていただき、めぐみさんの写真を拝見し、御両親から直接お話を伺いました。今月五日はめぐみさんの四十六歳の誕生日でしたが、めぐみさんが拉致されてから三十三年が経過しようとしていること、また、十五日は五名の拉致被害者が帰国して八年の節目でしたが、いまだ五名以外の拉致被害者を救出できずにいるということなどを思うと、大変申し訳なく思っているところでございます。 北朝鮮は、平成二十年六月及び八月に行われた日朝協議において、拉致問題は解決済みとの従来の立場を変更し、拉致問題の解決に向けた具体的行動を取るための全面的な調査の実施を約束したものの、いまだ問題の解決に向け具体的行動を取っていません。 北朝鮮による拉致問題は、我が国の国家主権及び国民の生命と安全にかかわる重大な問題でございます。政府としては、国の責任において、拉致問題の解決に取り組み、すべての拉致被害者の一刻も早い帰国に向けて全力を尽くしてまいります。 特に、生存者の即時帰国に向けた施策及び安否不明の拉致被害者に関する真相究明に重点的に取り組み、そのために徹底した情報の収集、分析、及び韓国、米国を始めとする関係各国との緊密な連携に引き続き努めてまいります。 また、政府は、関係地方公共団体とも連携協力しながら、帰国された拉致被害者やその御家族に対し、北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律等に基づいて各種支援策を実施してきております。今年三月、本特別委員会の御尽力もいただきまして、この拉致被害者等支援法を議員立法で改正いただき、拉致被害者等給付金の支給期間が延長されました。帰国されました被害者及びその御家族は、周囲の支えもいただきながら、それぞれ大変な御努力をされ自立されつつあり、地域にも溶け込んでおられると伺っております。政府としても、引き続き支援に取り組んでいく考えでございます。 拉致被害者の御家族は御高齢の方も多く、被害者の救出は時間との闘いです。御家族からは厳しい御意見もいただいておりますが、それは当然のことであり、改めて拉致問題担当大臣としての責任の重さを痛感しております。とにかく、一にも二にも安全に一日も早く拉致被害者に帰ってきていただきたい。そのために最大限の努力をする所存でございます。 白委員長を始め、理事、委員の皆様の御理解、御協力をよろしくお願いを申し上げます。
○委員長(白眞勲君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○広野ただし君 民主党・新緑風会の広野ただしでございます。よろしくお願いをいたします。 前原外務大臣、そして柳田拉致担当大臣におかれましては、就任約一か月、また、ただいまは北朝鮮情勢、そしてまた拉致問題の現状について御説明いただきまして、本当にありがとうございます。 私たちこの拉致特も、今お話ありましたとおり、党派を超して、拉致被害者の一日も早い、そしてまた安全でそれを救出をする、戻っていただくということに全力を挙げてまいりたいと思っておりますし、核の問題、そしてまたミサイルの問題、また北東アジアの平和の問題、これはある意味では党派を超して、白委員長を始め、手段とか手法はそれぞれ違うかもしれませんが、目的は一致しておりますので、大いに政府にも協力して頑張っていきたい、問題解決に当たってまいりたいと、こう思っております。 それでは、ちょっと質問に入らせていただきたいと思いますが、北朝鮮が、昨年十一月末ですか、デノミを実施いたしました。旧ウォン、これが百に対して新ウォンが一と、こういうことでデノミが実施されたわけでありますが、それが言わば、それがきっかけである意味で経済の混乱をもたらしているというふうに聞いておりますが、その点どうなっているのかということと、また慢性的な食料事情、これが非常にいつも年間八十万トンから百万トン不足していると、こういうふうに聞いておりますが、その状況について外務大臣から伺いたいと思います。
○国務大臣(前原誠司君) 広野委員から、今、北朝鮮が昨年行ったデノミについて御質問がございました。 昨年十一月末にこの通貨単位の切下げを行ったと我々も承知をしております。ただ、北朝鮮当局は公式にはデノミ実施を対外的には発表しておりません。また、その成否についても一切発表をしておりませんので現状は必ずしも明らかではございませんけれども、様々な情報を勘案をいたしますと、デノミ実施は失敗をしたという見方が有力だと思われます。また、日本や韓国の一部の報道では、デノミ実施が失敗に終わり責任者が処罰をされたと、こういった報道も出ているところであります。 北朝鮮の経済状況、特に食料事情についてお尋ねがございましたけれども、依然として厳しい状況であろうと推測がされます。例えば、国連世界食糧計画、WFPあるいは国連食糧農業機関、FAOが先ごろ北朝鮮の穀物の作柄を調査をした結果、今年は北朝鮮で約百五十万トン、これは総需要の約二一%、この程度の食料が足りないんではないかと、こういうことが言われておりまして、厳しい状況が続いているという認識を政府としても共有をしております。
○広野ただし君 今まさに大臣がおっしゃったとおり、北朝鮮は経済的に大混乱に陥っていると。また、食料も農村、農業が大変疲弊して、農民あるいは一般の国民が非常に困っていると。簡単に言うと、北は現在大変困っているんだという認識でいいんではないのかなと思っております。 そのところで、もう一つ、核実験あるいはミサイルということで安保理決議もございまして、制裁措置を日本を始め各国やっております。そしてまた、今回は韓国海軍の、先ほどありましたように哨戒艦の沈没事件ということでアメリカも更なる追加制裁措置と、こういうことになっているわけですが、この制裁措置が全体的に効いているのかどうなのかと。余り効いていないんじゃないかということを言われる人もおられますが、そういうことも含めて外務大臣の見解をお聞きいたします。
○国務大臣(前原誠司君) 国連で一八七四などの決議が採択をされておりまして、国際社会一丸となって北朝鮮に対する制裁を行っていこうと、これは核実験等の問題でございますけれども。それにプラスをして、日本の独自の措置をやはり着実に今実施をしていくことが重要だというふうに思っております。 このことによりまして、我が国の北朝鮮との輸出入禁止措置あるいは北朝鮮船籍の入港禁止措置等、これまで実施をしてまいりました各種措置を通じまして、我が国と北朝鮮の間の人、物、金の往来は相当程度縮小をしていると思っております。そして、先ほどお話をいたしましたように、北朝鮮の現在の厳しい経済状況を勘案をいたしますと、この制裁というのは一定程度効果をもたらしているんではないかと我々は考えているわけであります。 また、関係各国も武器等の禁輸措置やあるいは金融措置を含めて国連決議の下での措置を実施をしておりまして、決議違反の可能性があるケースについても国連安保理制裁委員会へ提起されるなど、適切な対応が取られているというふうに考えております。 いずれにいたしましても、こういう経済制裁というものは、国連決議でもなされたものでもございますし、各国が連携をしなければ意味を成さないというものでございますので、各国がしっかりと国連決議に基づいてこれからも制裁をしっかりと履行していくということが北朝鮮に対して大きな影響を与えると、こういう認識を持っておりますので、引き続き我々としても国連決議に基づいた制裁を、あるいは我が国独自の制裁を実施をしてまいりたいと考えております。
○広野ただし君 今大臣もおっしゃいましたが、私は制裁は一定程度といいますか非常に効いているというふうに思います。そして、その証拠は、証拠といいますか、中国の支えがなければ北朝鮮はもたないといいますか、もっと惨々たる状況になるということだと思います。 中国がきちっと支えているから言わば制裁措置がある意味で若干効かなくなっているという点があろうと思いますし、また、今まで同じ民族の韓国も太陽政策というようなこともやってまいりましたから、今は違いますけれども、李明博大統領は全く違いますが、そういう意味では韓国にも頼っていた時期がある。いずれも中国、韓国がなければ、そういう援助がなければ、突っかい棒がなければ本当にもっと惨々たる状況になって、六か国協議等にももっと前向きになることもあるんではないのかというようなことも思ったりしております。 ところで、先ほどもお話ありましたが、北朝鮮の権力継承といいますか、金正恩氏が三代目として、金日成、金正日、そして金正恩ですか、というようなことで確固たる地位を占めつつあると、こういうふうに言われております。しかしながら、まだ十分な権力継承がなされていない。そういうことと、拉致問題に与える影響といいますか、ある意味でそれが、今が、言葉が悪いかもしれませんが、拉致被害者を助け出す一つの機会なんではないのかというような点もあるやにも思えますが、拉致担当大臣の柳田大臣からその見解をお伺いします。
○国務大臣(柳田稔君) 広野委員が御指摘の意見につきましては、同じような考えを私も持っております。ただ、今回の北朝鮮の継承問題が海外や国内、どういうふうな影響を及ぼすか、まだ予断の許さない状況にもあるんではないかと思いまして、私どもとしてはしっかりと注視していきたいと、そう思っております。
○広野ただし君 それで、先ほどもありましたが、韓国の哨戒艦の沈没事件等もあり、やはり日米韓の連携、これはもう非常に大事だと思います。これは拉致問題解決のためにも。そして、特に日韓の関係、今まで日米あるいは米韓というものがある意味で六か国協議の中で先行していたりしますが、やっぱり日韓の関係をしっかりして、相手方は日米韓の三か国の連携にくさびを打ってくるようなことも時々やるわけでございまして、そのことで六か国の中で日米韓のこの連携、どのように外務大臣は思われますか。
○国務大臣(前原誠司君) 菅総理になられましてから、アメリカそして韓国の首脳会談を行われております。私も一か月でありますけれども、就任をいたしましてから、アメリカのクリントン長官とも話をいたしましたし、また韓国については、柳外交通商部長官がお辞めになられて、そして今は金長官が決まりましたけれども、ニューヨークでお会いしたときには代行の部長でございましたけれども、お会いをいたしまして、とにかく安全保障面での地域の安定のための協力関係を、今、広野先生おっしゃったように、日米、そして日韓、日米韓でより強めていこうと、こういう話をしておりまして、現在の李明博政権においてはこの方向性というのは極めて強く共有をされているんではないかということで、大変心強く我々も思っているわけでございます。 先般、報道等によりますと、北朝鮮の六者協議担当者が中国北京に訪れて、そして中国の六者協議担当者との接触を行ったと、こういうふうに言われておりますし、また、六者協議の再開というものについてもいろんな動きが出てくる可能性はございますけれども。 大事なことは、今、広野委員がおっしゃったように、日米韓の連携をしっかり行っていくということと同時に、六者協議を開くことが目的ではないと。六者協議の中で何を、北は自らの責任を履行しようとするので六者協議に応ずるのかと、その前提をしっかりと確認しなくてはいけませんし、その中には当然、我が国の問題といたしましては拉致の問題、これをしっかりと念頭に置いて一日も早い解決を、御家族の御心中を察すればとにかく一日も早い解決をしていかなくてはいけないという思いを持って、日米、日韓、日米韓、そしてまた他の国への働きかけも行っていき、意味のある話合いというのが行われる前提をつくっていきたいと、このように考えております。
○国務大臣(柳田稔君) 私どもとしても、近いうちにアメリカ、韓国の大使をお呼びして、協力関係維持、更に発展させていただきたいというお話をする予定でございます。
○広野ただし君 柳田大臣は外交防衛畑も非常に詳しい方でいらっしゃいますし、ここ数年いろんなことがございましたけれども、拉致問題に関しては、国民目線からいえばどうも膠着状態にあると、こういうことだと思うんですね。ですから、またこの中で権力の継承等もあり、またそこが安定するまでというような話では私はないんじゃないか、今こそまたやらなきゃいけないんだと。そういう、待っているんじゃなくて、いろんな下工作ももちろん大事ですし、それをしっかりと両大臣にはやっていただいて、また白委員長も韓国通でいらっしゃいますので、脱北者等のこともいろんな情報も入ってまいります。この委員会も大いに活用いただきまして、拉致問題、またミサイル問題、核問題、協力して解決の方向に向かっていきたいと思います。 同僚の委員にバトンをタッチしたいと思います。
○有田芳生君 有田芳生です。私は、民主党政権に入ってからの拉致問題、そして脱北者問題などについてお尋ねしたいというふうに思います。 昨年の三月に拉致被害者家族連絡会の代表である飯塚繁雄さんが韓国を訪れました。そのとき、大韓航空機事件の実行犯である金賢姫元工作員と会いました。そのとき飯塚さんは一枚の女性の写真を元工作員に見せました。この人を知っていますか、そう聞いたところ元工作員は、見たことがあるというふうに答えました。それ以上なかなか話が進まなかったというのは、飯塚さんにお話を伺いますと、周りにいろんな方々がいらっしゃって、なかなかそれ以上進めることができなかったというふうにおっしゃっておりました。 それから一年四か月、今年の七月二十日から二十三日まで、金賢姫元工作員が日本を訪れました。そのとき、大きなマスコミでも話題になりましたけれども、ある政府関係者がやはり一枚の写真を金元工作員に見せました。そうすると金工作員は、この人は私が見た人に間違いないというように証言をしたというふうに私は確認をしております。 金元工作員は、皆さん御承知のように、工作員に養成されるときに、まずは平壌外国語大学で日本語を学びました。その後に金正日政治軍事大学で日本語を学びました。これまた、もう既に御承知のように、二回目の金正日政治軍事大学での日本語の教師は、後に分かりますように李恩恵、すなわち田口八重子さんということが明らかになっております。 じゃ、一番初め平壌外国語大学で習った人はだれなのか。そのことを金元工作員は崔順という日本人女性だという証言をしております。チェ・スン、崔順と書くんですよね、崔順さん。この方に日本語を教わったということを証言しております。日本にやってきたときにもそういう証言をしたということを私は調査を経て確認をしておりますけれども。 一方で、実は、青森県出身で秋田県で看護学生をしていた木村かほるさんという方がいらっしゃいます。木村かほるさんは一九六〇年の二月二十七日、日赤秋田高等看護学校三年生のときに、卒業式を十日後に控えて、ちょっと出てくると寮を出まして、そしてそのまま姿を消してしまいました。その彼女、木村さんが出かけていくときには、看護学生の教則本である看護必携を持って出ていった。以前も遅くなったときに、寮に帰ってきて、どこに行っていたのという質問を受けたときに、いや、海で夕日を見ていてきれいだったよというような証言もなさっていらっしゃるんですが、この木村さんが一九六〇年の二月二十七日の夕刻ぷっつりと姿を消してしまって、当時捜査をされた人たちによると、まるで神隠しに遭ったというようなことをおっしゃっておりました。 この木村かほるさんが、一九六〇年秋田から消えたんですが、先ほど申しましたように、去年の三月、飯塚家族会の代表、そして今年、金工作員が日本にやってきたときに政府関係者が写真を見せた、その女性というのはこの木村かほるさん、一九六〇年当時は二十一歳なんですよね。そのことについて、柳田大臣、承知されていますでしょうか。
○国務大臣(柳田稔君) そういう報道は承知いたしております。
○有田芳生君 金元工作員が七月に日本にやってきたときに政府関係者にそのような証言をしたということは確認されていますでしょうか。
○国務大臣(柳田稔君) 今その件につきましては情報を収集、分析をしておりまして、この場でこれ以上述べるのは差し控えさせていただきたいと思います。
○有田芳生君 その木村かほるさんについて、七月に金元工作員がそういう証言を政府関係者に行って、一月ほどたった今年の八月の下旬に、青森県の八戸にこの木村かほるさんのお姉さんが今でも住んでいらっしゃいます、お姉さんのところに失踪した現地である秋田県警の捜査員が赴いて、木村さんのDNA鑑定のサンプルをいただきたいということで、それを持って帰りました。このことについて、岡崎大臣、承知されていますでしょうか。
○国務大臣(岡崎トミ子君) 今御指摘がありました報道についても存じております。承知しております。
○有田芳生君 DNA鑑定のサンプルを秋田県警の捜査員が取りに行ったということも承知をされているわけですね。
○国務大臣(岡崎トミ子君) 警察は拉致問題の全容解明に向けて様々な捜査活動を行っていると承知しておりますけれども、その個別具体的な内容につきましてはお答えを差し控えたいと思います。
○有田芳生君 そこでお聞きをしたいのが、その拉致被害者、政府認定以外の、いわゆる特定失踪者といって北朝鮮によって拉致をされた可能性が高い人たちというものを民間団体が調査をしているんですが、政府それから警察当局などが政府認定の拉致被害者とするその基準、判断基準ですね、そこはどういうものなんでしょうか。これは柳田大臣、それから岡崎大臣にお聞きをしたいと思いますが。
○副大臣(東祥三君) この点について、お差し支えなければ私の方からお答えさせていただきたいというふうに思います。 拉致被害者の認定は、関係省庁による捜査、調査の結果を基に、北朝鮮当局によって実行された拉致行為の有無、これを判断基準として行うことといたしております。既に拉致被害者と認定されている方々の事案についても、警察当局などの地道な長年の調査、捜査の結果、拉致容疑事案であると判断するに至っているものであります。
○有田芳生君 小泉さんが訪朝してからもう八年たつんですよね。その八年の間に、警察当局も含めて、拉致被害者がもっといるんじゃないかということを精力的に調査を、捜査をされてきました。それにもかかわらず、この八年間で拉致被害者の新たな認定というのは田中実さんと松本京子さん。いろんな方々を捜査をされているというのはもう承知をしておりますから、もっとスムーズにしっかりとした対応を取る中で拉致被害者というものの政府認定というものももっと進めていただきたいと思います。 そのことを確認して次に進みたいんですが、先ほど申しました木村かほるさんの情報につきまして、実は韓国から驚くべき話が私のところにやってきました。これは全く日本での報道を知らないマスコミ、ジャーナリストからの話ですが、実は、中国の瀋陽の領事館に脱北者が何人かいると、その中に自分の母親が日本人被害者であるという男性、それは長男だといいますけれども、そういう話がある。その男性の話によりますと、お母さんの名前は崔だと言うんですよね。 その話を私は伺いまして、そんなことはないだろうというふうに思いました。私はすべて疑って掛かれという立場でやってきておりますし、また拉致問題については、いろんな情報があるけれども、突き詰めて判断をしていけば全く違うというようなことが余りにも多過ぎるので。 また、今申しましたように、瀋陽の領事館にいる男性が語っている、自分の母親は日本人拉致被害者で崔という名前であるということについて、もう崔というのは、皆さん御承知のように、日本でいえば木村、佐藤とかいろいろ、もうどこにでもある多い名前ですから、こういうことですぐにどうこうということは全く思わないんですが、しかし、脱北者の中にそういうもし疑いがあるというようなうわさも含めてあったときに、やはり日本政府として的確な対応、調査をしていかなければいけないと思うんですよ。 そこで、前原大臣に伺いたいのは、中国の瀋陽の領事館、あるいは私が確認しているのは瀋陽だけではなく北京大使館も含めて脱北者が恐らく十数人いるだろうというふうに私は認識しているんですが、中国、瀋陽の領事館も含めて、いわゆる脱北者と言われる北朝鮮から逃げてきた人たちが何人いらっしゃるというふうに理解されていますでしょうか。
○副大臣(松本剛明君) 委員長のお許しを得て、私の方からお答えをしたいと思います。 今、有田先生御指摘の脱北者の事案につきましては、一般的には政府としては北朝鮮人権法の趣旨を踏まえ、それぞれの事情を勘案をいたしまして適切に対処をいたしたいと、このように思っておるわけでありますが、今、御質問は、現段階で何人いるかと、こういう話でありますが、現状であるとか個別の事実関係であるとか、こういったことは、本人並びに御家族の身の安全といった観点を中心に、ここで何らかのそういった事情を特定させるようなことも含めて、お話を申し上げることは影響がございますので御容赦をいただきたい、差し控えさせていただきたいと、このように思っております。
○有田芳生君 私が調査をした、間違っている可能性も十分あるという前提でお話をすれば、中国の瀋陽の領事館には少なくとも五人。北京の大使館にもいらっしゃる。合計十数人の方が領事館、大使館に脱北者のまま今も留め置かれている。その中には高齢者もいらっしゃいます。さらには、恐らく二年近くそこから外に出ることなく滞在せざるを得ない脱北者がいらっしゃると理解をしております。 中国、御存じのように、北京オリンピックまでは脱北をした人たちをすぐに海外に出すというような措置をとってまいりましたが、そこから政策が変わってきていますよね。ですから、今、脱北者と言われる人たちは、北朝鮮を出て、タイに出て、そしてそこから韓国に行く方々が非常に増えてきているという現状の下で、しかし一方で、これまで北を出て日本の領事館あるいは大使館にいらっしゃるということになれば、この人たちの人権上の問題ということを考えれば、そこにどう対処されようとしているのか、また二年近くそこから外に出ることができない方がいらっしゃるならば、それに対して政府としてどう考えていらっしゃって、どのように対応を取っていかれようとするのか、お聞きします。
○国務大臣(前原誠司君) 一般に、脱北者事案につきましては、政府としては北朝鮮人権法の趣旨を踏まえて個別具体的な事情を勘案しながら適切に対処をしているというのは、今、松本副大臣から答弁をいたしましたとおりでございます。現時点で何名の方がおられるかということは、先ほど副大臣からお話をしましたように、プライバシーの問題とか、あるいは本国に残っておられる御家族の問題等々も含めて、詳しくお話しすることは差し控えたいというふうに思いますけれども、先ほど先生がおっしゃったことについては、後ほど国家公安委員長あるいは柳田拉致担当大臣と相談をして、少し連携をしながら調査はさせていただきたいと、このように思っております。 また、今、保護状況についてでございますけれども、具体的には差し控えさせていただきたいと思いますけれども、ただ一般論として申し上げれば、脱北者の早期出国という人道的観点を最優先に考えていきたいと、このように考えておりますし、今後とも関係国の意向、まあお分かりだと思います、関係国の意向を踏まえて脱北者の早期出国を働きかけていきたいと、このように考えております。
○有田芳生君 今、前原大臣が北朝鮮人権法について触れられましたが、皆様方のお手元に北朝鮮人権法、三年前に施行された文書をお配りをしております。 その六番目、第六条のところに、今大臣がおっしゃったことと同じなんですが、やはり脱北者問題というのは国際的な連携の強化に努める、そして第二項でも、「脱北者の保護及び支援に関し、施策を講ずるよう努めるものとする。」と。これをもっと強化していただきたいという前提で、しかし、これまでにも日本に脱北者がやってきているということは事実であって、それが今何人ぐらい日本にいらっしゃるというふうに認識されていますでしょうか。
○副大臣(松本剛明君) これまで保護された脱北者の方々の総数ということで、民間の方々も含めて様々な情報を収集されていると思います。 政府としても、統一的に情報収集を行うことが必要だというような御指摘もいただいていることも踏まえて対処を進めているところだというふうに申し上げられると思いますけれども、政府として、これまでに関知をしている範囲では、こういった申し上げようになることをお許しをいただきたいと思いますが、百名を超える脱北者が本邦に入国をした事実があると承知をしているというふうにここでは申し上げさせていただくということにいたしたいと思います。
○有田芳生君 今、百人を超える方という説明がありましたけれども、しかし一方で、民間団体の調査によりますと、日本にやってきている脱北者というのはもう二百人を超えている。だから、政府が百人を超える人数を確認している以上に、民間団体は具体的に一人一人に当たってその人たちの暮らしを支え、そしてまたいろんな情報をそこから得ようとしている努力をされている。 ですから、お願いをしたいのは、百人から二百人という大きな差があるんですけれども、これから日本に来て暮らしていくその方たち、あるいは今中国の瀋陽あるいは北京大使館にいるであろうと思われる方々含めて、人権問題と同時に、やはりその方々の証言をきっちり得ることによって拉致問題の解決のためのヒントを得ていく。それが必要だというふうに思いますので、是非ともそこの強化をお願いしたいということをお伝えしたいというふうに思います。 しかしその一方で、民主党政権になってから、自民党政権時代と違って拉致問題への対策というのは非常に強化をされているというふうに理解をしております。 予算についても、自民党時代からは二倍、そして実動部隊として動いている人が、自民党時代には大体四人から五人だったのが、もう十数人実動部隊として日常的に行動できているということ、そこの変化ということはなかなか知られていないので、予算が二倍になったこと、あるいは安否情報確認のための予算が四倍に増えているということを含めて、政権交代が行われたことによって大きく体制的には進みつつあるということについて、もう少し具体的に御説明いただきます。
○副大臣(東祥三君) お答えします。 昨年十月に新たな拉致問題対策本部を設置いたしました。総理を本部長、拉致問題担当大臣、官房長官及び外務大臣を本部員とする機動的な本部といたしました。 御指摘のように、昨年十月二十七日の第一回本部会合で人員及び予算において情報関係を強化することといたしました。具体的には、事務局の職員を、情報関係を中心に二十八人から三十八人、十名程度強化するとともに、今年度予算は前年度から倍増の十二億四千万円といたしました。特に情報関係予算については、一億九千五百万円から八億六千四百万円と四倍以上に増額いたしました。
○有田芳生君 その情報収集にかかわって、皆様方にここでちょっとある音声を聞いていただきたいというふうに思います。
○委員長(白眞勲君) では、理事会の合意のとおりですが、速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(白眞勲君) 速記を起こしてください。
○有田芳生君 今皆様方にお聞きいただいたのは、特定失踪者問題調査会という民間団体が今から十年前、二〇〇五年の十月から短波放送で北朝鮮も含めてアジアに向けて発信しているラジオ放送からの訴えなんです。 実は、これは当たり前のことですけれども、「ショーシャンクの空に」という映画がありますけれども、無実の罪で獄中に捕らえられた主人公が、本当に苦労するときに、希望こそ命であるというせりふを語っております。あるいは、ナチズムのアウシュビッツの収容所から生還をしたあのヴィクトール・フランクルも、希望がなかったら生きていけなかったということを語る中で、究極の状態では精神的な支えを失ったら生きていけないのだと。恐らく、北朝鮮に拉致をされた横田めぐみさんを始めとした多くの拉致被害者も、毎日毎日日本に帰りたいという思いを奮い立てながらも、しかしどこかで支えを持っていらっしゃるというふうに思えば、今、横田早紀江さんのめぐみさんへの訴えですけれども、それが短波放送を通じて北朝鮮国内にも確実に届いているんです。私は平壌で録音された音声を聞きましたけれども、はっきりと聞こえるんです。 これは、皆様方に今お配りをしましたけれども、この「しおかぜ」という短波放送がどこまで聞こえているかということなんですが、日本国内はもちろんのこと、北朝鮮国内、平壌でもしっかりと聞くことができるようなそういう短波放送。ですから、拉致被害者に希望を与える仕事というのはもっともっと政府も含めてやっていかなければいけないというふうに私は思います。 この「しおかぜ」という短波放送は、先ほども申しましたように、二〇〇五年の十月から、三百六十五日毎日、朝の五時半から六時まで、夜の十一時から十一時半まで、一日一時間放送しているんですよね。そこでは、横田早紀江さんだけではなく、拉致被害者御家族の皆さんの自分の肉親への訴えというものもずっと放送されていて、確実に北朝鮮にも、平壌にも届いている。 そういう希望の支えをもっと強化しなければいけないというふうに思ったときに、先ほど、民主党政権になって、安否情報確認の予算が八億を超えるようになりました。そこにおいて、しかし、今、「しおかぜ」というのは民間団体ですから、このラジオを放送するのに一か月に五十万円掛かるんですが、それを全部カンパで賄っているんですよね。それでも大変なんですよ、拉致問題が風化する中で。しかし、政府がこのラジオ放送について、政府の広報も少し、一分間だけ入れることによって一年間三百万円ほどの補助が出るようになりました。 中井大臣から柳田大臣に替わって、民主党政権でも徐々にではありますけれども拉致問題の体制の強化が図られているときに、こういう民間の努力に対して三百万円を出してくださったというのはとても有り難いことなんだけれども、これはお金の問題ではなく、今でも北朝鮮にとらわれている人たちに希望を届けるんだという立場に立てば、もう少ししっかりとした財政的な支援もしていただけないかというふうに強く思いますので、柳田大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(柳田稔君) 今おっしゃられたように、この事業は大変有益だというふうに考えております。先方とも相談をしながらにはなるかと思いますが、増やす方向で検討してまいりたいと思います。
○有田芳生君 ありがとうございます。 あと、政府の体制が強化されていく中で、中井大臣の体制になってから拉致関連の情報が相当集まるようになったというふうに聞いております。しかしそれを、情報を精査して本当かどうかというものを確認をして、それを行動に結び付けていくことが大事だというふうに思いますと、中井大臣のときに、中井大臣の御自身の発想として政府の拉致対策本部に専門的な民間人を登用したいという意向があったというふうに聞いております。新聞報道によれば内閣参与という肩書だというふうに承知しておりますけれども、しかし、そこで名前が出たお二人に話がありましたかと聞きましたところ、中井大臣から協力してほしいという話はあったと。一方で、やはりそういう肩書をもらってしまうとなかなか情報収集において難しいところがあるので、もっと拉致対策本部で情報収集そして分析をすることは必要だと思うんだけれども、そういう肩書なんかが要るんじゃないんだと。 官民一体となって拉致問題を解決するという立場において、中井大臣が発想された民間人の登用ということを違った形でも是非実現していただきたいというふうに強く思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(柳田稔君) おっしゃるとおりに、肩書は要らない、我々は救いたいだけだと、政府と一緒になってやりたいというお話をしておりますので、今後ともいろんな面で御協力願えるんではないかと私は思っております。
○有田芳生君 是非ともそれを実現するようにお願いをいたしたいと思います。 先ほど広野先生の方からもお話がありましたけれども、拉致問題というのは本当に国家主権に対する侵害であると同時に、人間の人生を奪われたもの、それをいかに回復していくかという大きな課題だというふうに思っております。 横田めぐみさんが一九七七年の十一月十五日に北朝鮮によって拉致をされて、もう三十三年がたちました。当時十三歳の横田めぐみさんは十月の誕生日をお迎えになってもう四十六歳になりました。一方、毎日毎日帰りをお待ちになっている横田滋さんも来月の誕生日で七十八歳になられます。そして、お母様の早紀江さんも来年二月の誕生日に七十五歳になる。 そういう状況の下で、横田さんにお会いをしてお話を伺っているときに、何度も何度も、有田さん、もう私たちには時間がないんですと、そのように訴えられますが、同時に、拉致被害者御家族、横田さんだけではなく、多くの拉致被害者御家族だけではなく、拉致された人たちにももう時間がないんです。だから一刻も早くこの問題の解決を図らなければならないと私は痛感をしておりますが、その意味において、やはりこれは政府・与党だけではなく、野党も含めた全国民的な課題として頑張って形を成果として実現していかなければならないと思います。 私も、微力ではありますけれども、皆さんとともに頑張っていきたいと思いますので、どうか手を携えて拉致問題の解決に進もうじゃないかということをお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(白眞勲君) 速記止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(白眞勲君) 速記を起こしてください。
○塚田一郎君 自由民主党の塚田一郎でございます。よろしくお願いいたします。 前原外務大臣、昨日お会いをいたしまして、ブルーリボンのバッジを是非付けていただきたいというお願いをさせていただきました。バッジを付けていただきましたことを感謝申し上げます。前任の岡田外務大臣は、同じことをお願いしたのですが、ついに最後までブルーリボンのバッジを付けていただけませんでした。御自身のスタイルじゃないという御答弁をいただいて、私は愕然といたしました。まあ個人の主義主張ということはあるかもしれませんが、外務大臣のお立場にある方はこの拉致問題を常に抱えて世界を駆け回っていただきたい、その思いでこのバッジを付けていただきたいということですので、前任者よりはるかに希望を持っておりますので、是非、期待を裏切らない御活躍をお願いをしたいというふうに思います。 まず最初に、大臣の先ほどの所信のごあいさつの中にもありましたが、二〇〇八年のいわゆる日朝の実務者協議における合意事項、この事項は基本的に踏襲をされているという形で理解をしてよろしいかどうか、御答弁願います。
○国務大臣(前原誠司君) 拉致問題に関しましては、二〇〇八年八月の日朝協議の合意に従いまして、北朝鮮による調査の早急なやり直しが重要だと考えておりまして、現在は北朝鮮側にボールがあるという認識を持っております。 我が国といたしましては、北朝鮮による調査のやり直しが早期に開始をされて、生存者の帰国につながるような成果が早期に得られるように、引き続き北朝鮮側に強く求めてまいりたいと考えております。また同時に、拉致問題を含む北朝鮮をめぐる諸懸案の一日も早い解決に向けまして、具体的行動を北朝鮮から引き出すべく、引き続き関係国とも連携を強めてまいりたいと考えております。 とにかくすべての拉致被害者の生還を実現すべく、考え得るあらゆる方策を使いまして、一日も早い解決を目指してまいりたいと考えております。
○塚田一郎君 現在の政府の対応方針で、私は矛盾点あるということを以前から委員会で指摘をさせていただいているんです。 今資料を配らせていただきました。この資料一の一枚目と二枚目、これは平成二十年当時の拉致問題対策本部の対応方針、そして二十二年、政権交代して以降、一番新しい内容の「拉致問題への取組」なんですね。 これを見比べていただくと、一番のところで、そもそもは拉致被害者の安全確保、そして帰国、拉致に関する真相究明、拉致実行犯の引渡しという三つの項目が自公政権のときには基本方針に載っておりました。ところが、新しい、めくっていただいて、この二十二年のところではこの実行犯の引渡しということが記載をされていません。 以前からこのことをお話をしているんですが、もう一つの資料を御覧いただきたいんですが、資料二、これの六ページ、これが先ほど言及をした日朝実務者協議の内容であります。この時点で、我が国の政府は、先ほど申し上げたすべての拉致被害者の帰国、真相究明、被疑者の引渡しを要求しているんです。 この二〇〇八年の実務者協議を踏襲をしていくのであれば、現在の政府の方針からこの被疑者の引渡しという項目が抜けているということは大きな矛盾ですよ。あたかも外交交渉上でこの条件だけテーブルを下げたように国民からも理解をされます。 是非、この被疑者の引渡しという、拉致実行犯の引渡しという項目をもう一度政府の方針に追加をするのか、そうでなければ、これをなぜ削除をしたのか、明快に分かる答弁をお願いいたしたい。担当大臣、お願いします。柳田大臣。
○国務大臣(柳田稔君) 今おっしゃられた六項目、これが変わったわけではございません。書くか書かないかいろいろ御議論があるかと思いますけれども、この方針が変わったわけではないということだけは申し上げたいと思います。 特に、私は、先ほど来からありますように、もう時間がないんだと、時間との勝負なんだというお話も家族会の方から大変強く聞かさせてもらっておりまして、私としては、もう基本的な方針ですけれども、とにかく一にも二にも帰っていただくことだと、これに全力を挙げたいと、そういうふうに申し上げている次第でございます。
○国務大臣(前原誠司君) 今、柳田担当大臣からお話をされたとおりでございますけれども、拉致の実行犯の引渡しを求めないというわけではございません。 これは、塚田委員とも目的、主な目的は共有していると思いますけれども、とにかく主要な目標が生存者の即時帰国と安否不明の拉致被害者に関する真相究明ということであるということで、とにかくそこをしっかりやっていこうということで、繰り返しになりますけれども、引渡しを求めないということではなくて、まずこれをとにかくやっていこうというところの思いを書かせていただいているということで御理解をいただきたいと思います。
○塚田一郎君 いろいろ優先順位のお話は理解できないわけではないんです。ただ、これは何で私が申し上げているかというと、被疑者の引渡しを行うことによって新たな事実が解明をできて更にこの問題が進展をするというその糸口になるから、当時政府はこのことを交渉のテーブルの中で条件として提示をしたわけですよ。それをあたかも、削ってしまうと、今の政府がこの外交交渉上でそうした別の形での交渉をやっているんじゃないかというふうに国民に誤解されますよ。これ政府の広報誌ですから、今資料の二で配っているやつは。 この資料の二の広報誌の中にも、十ページを見ていただくと分かるんですが、「新たな「拉致問題対策本部」の設置」というところを見れば、今申し上げたとおり、被疑者の引渡しということは書かれていません。それで、先ほどの大臣のお話ありましたね、この中にもそのことは書いていないわけですよ。別にこれを言って何の支障もないのであれば、今までどおりそれを踏襲されるべきじゃないですか。 私はこの問題を解決をすることに協力をしないと申し上げているわけではありません。ただ、この点については理解ができないから、もっと明確に我々が理解ができる答弁をお願いしたいと言っているんです。柳田大臣、お願いします。
○国務大臣(柳田稔君) 引き続き行っていくというのは先ほど申しました。文書の形にしろという御意見も分かります。検討させていただきます。
○塚田一郎君 是非、この点についてはいろんな方から御指摘があると思います。誤解を招くようなことは、政府の広報誌にも載っている形ですから、私は避けるべきだと思いますよ。その中で外交交渉をどういうふうにやられるかは、それはいろいろ外交上の問題があるのかもしれません。その点だけはきちっと申し上げさせていただきます。 次に、柳田大臣の最近の発言、圧力を重視をしていくんだということをおっしゃっています。私はこの点は非常に共感をいたしております。家族会、救う会も今後の運動方針の中で、制裁の圧力なくして全被害者を救うための主体的交渉は成り立たないということを言及されています。昨日、拉致議連の会にも柳田大臣御出席をされていました。 では、具体的にどういうタイミングにどういう新たな追加経済制裁あるいは措置をとろうというふうにお考えなのか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(柳田稔君) 既にとられている措置というのは委員ももう御存じのとおりだと思いますので触れませんけれども、今後いろんな動きが出てくるかもという話は広野委員からもございました。 私としては、必要な措置は必要なときにとりたいと、そういう思いでやっていくつもりでございます。
○塚田一郎君 まあ具体的に今何をすると言うことはこれは外交的な問題もあるからできないのかもしれませんが、その点は本当に期待をしておりますので、是非日ごろから、どういうオプションが今残されているのか、それを政府としてはきちっと検証していただきたいというふうに思っています。 実は、五月二十一日の時点で、自由民主党の拉致問題対策特別委員会で時の官房長官に申入れをさせていただいております。これは平野官房長官から中井大臣に引き継がれているというふうに理解をしておりますので、柳田大臣にも是非この内容も確認をしていただきたいのですが、自民党として、当時私が中心にこの内容をまとめて、幾つかの新たな制裁のオプションをこの中にも盛り込ませていただきました。 一例を申し上げると、いわゆる人の往来の全面禁止を求めるということが一つあります。これは、日本人の北朝鮮への渡航禁止、あるいは在日朝鮮人が北朝鮮に渡航した場合の再入国禁止という形で二つに構成されます。さらには、今送金の金額のバーを下げてきているのは理解していますけれども、送金の全面停止ということもまだオプションとして残されているわけであります。 こういうことを含めて、あるいは国内のいわゆる北朝鮮、朝鮮総連の関連施設への減免措置、地方自治体が行っている、こうしたものについて更に厳格に取り組むとか、いろいろなオプションはまだ残されているわけですから、是非そういったものを政府として常に検証をし、その辺りの法執行の問題をきちっとやっていただきたいというふうに思うんですが、一言御答弁をお願いします。
○国務大臣(柳田稔君) 先ほども所信の中で触れましたけれども、十月二日の家族会の皆さんとお会いしたときも、議連の平沼会長、松原事務局長、出ていただきました。議連としても強い意思の発言がございました。どうぞ、超党派の議連もございますので、皆さんでいろいろ議論をしていただいて、いろんな面を御指導願えればと、そう思っております。
○塚田一郎君 是非よろしくお願いします。 外務大臣にお尋ねをいたします。 六者協議について、今日の御説明の中にもありましたが、六者協議ができればいいというものではない、当然のことであります。何をそこで達成できるかが我が国にとっての国益であります。 特にこの拉致問題、六者協議はとかく核兵器の問題を中心に議論をされているテーブルですから、この拉致問題ということは、日本が相当強力にこの六者協議のテーブルにのせるということを関係国に主張をしてそれをコミットさせないとのりません。これは過去のケースでもそういうふうになっています。したがって、六者協議をこれから進めていく中でもこの拉致問題というのは必ずそこにコミットさせるんだという大臣の強い決意をお聞かせいただきたい。 あわせて、安易な、経済制裁を解除することが当然ないように、その点もお願いをしたい。つまり、拉致、核、ミサイルの明確な進展がない限り制裁というものはこのまま堅持をしていくと、その二点について御答弁をお願いします。
○国務大臣(前原誠司君) 六者協議は引き続き北朝鮮の諸懸案を解決するための最も現実的な枠組みであると、そういう認識を持っております。今議題になっております拉致問題を含む日朝間の懸案事項については、これは六者会合の共同声明でも言及をされておりまして、六者会合の枠組みの中に位置付けられているという認識を持っております。六者会合が再開をされましたら、我が国としても、関係国と緊密に連携をしながらこの拉致問題についてしかるべく取り上げていくものでございます。 六者会合がどのように進展するかということについての前提での制裁のお話がございましたけれども、先ほど同僚委員にお答えをいたしましたように、六者協議というのは開いたらいいというものではないと私は思っていまして、北朝鮮がこの六者協議に前向きであるというのであれば、何を、いわゆる六者協議の共同声明の中で北朝鮮の責務として書かれていることを果たすつもりがあるのかというものが前提でないと、私は、開くことが、自体が目的であって、そこで何らかの譲歩といっても、それはもう全くもって話にはならないと、こう思っております。 いずれにしましても、この六者協議についてはまだまだそういう状況がないというふうに我々は思っておりますし、今の委員の御指摘も踏まえて、あるいは委員の皆さん方の御意見も踏まえてしっかりと対応していきたいと、このように考えております。
○塚田一郎君 ありがとうございます。 北朝鮮は権力の継承のタイミングでいろんなことをやります。過去にもやりました。したがって、今回も安心をしているとまた何かしでかす可能性が私は高いと思っていますので、新たな核開発にかかわる事案あるいはミサイルの発射等の事案が今後生じないという保証は全くありません。したがって、そういうときには毅然とした対応を取っていただきたい。当然、それが圧力を更に掛ける私は当然のタイミングになると思いますが、そういうことを念頭に政府の方で日ごろからいろいろな形での準備をお願いをしたいということを申し上げておきます。 もう一つは、これはやはり家族会、救う会からも問題提起がある問題ですが、北朝鮮の権力継承過程が非常に分からない中で、いわゆる緊急事態、北朝鮮国内が混乱をするような状況になる可能性がある。こういう状況にもし陥った場合に、いわゆる拉致被害者や日本人妻などの邦人をどのように救出するかという問題が大変重要なんですね。 これについては、なかなか今の自衛隊の法制下では難しい問題があるということが最近明らかになってきています。自衛隊の在外邦人の輸送という今の法律、自衛隊法八十四条の三、この今の内容のままでは、きちっとした形で邦人を避難措置させることも十分にできないんではないかというような問題提起があります。 自由民主党としては、自民党の案として、自衛隊法の一部改正の法律案というものを既にまとめております。この内容については御理解をいただいていると思うんですが、いざ状況がそういうふうになったときに対応したんではもう遅過ぎるわけですから、こうしたいわゆる実効力のある法整備を今から進める必要があると思いますが、こうした自民党案に対する対応も含めて、政府としての見解をお聞かせいただきたいと思います。防衛省、お願いします。
○大臣政務官(広田一君) 御答弁申し上げます。 塚田理事が御指摘のとおり、在外における邦人の生命、身体の保護の安全確保というのは誠に重要であり、北朝鮮における動乱が発生したときにそういったことが懸念されるというふうな御指摘、問題意識等は共有をするところでございます。 また、今回、自民党の皆さんが法案を提出をされているところでございますけれども、現行法案にございましては、安全といったものが確保できた場合に、外務大臣からの要請に基づいて防衛大臣等がそれを受けて派遣をするというふうな仕組みになっております。自民党の案の場合は、そういった安全確保がない場合でも派遣をすべきではないか、そういったところが様々な論点の一つになるのではないかなというふうに認識をしているところでございます。 ただ、現行法は多くの指摘をいただいているということは事実ではございますけれども、まずはやはり安全といったものが確保された上で、そしてその上でその受入れ国の同意といったものを踏まえて対応をしていかなければならない、このように考えているところでございます。 いずれにいたしましても、法案等が提出されているわけでございますので、このことを踏まえて議論が国会においても進められるんじゃないかなというふうに思っているところでございます。
○塚田一郎君 今の広田政務官の御答弁だと前向きなのか後ろ向きなのかよく分かりません。もっとはっきりお答えをいただきたいんですが、今の法律のままでいいというふうに御認識をされているのか、むしろそこはもう少し法整備をやっていくべきだという御認識なのか。もう案は既に提示されているわけですから内容はお分かりのとおりでありますので、もう少し明確に政府の方針を御説明願います。
○大臣政務官(広田一君) 防衛省としましては、現行法で適切に対応すべきだというふうに考えております。ですから、このことが実効性を持って進められるためにも、日ごろから関係省庁等が情報収集、連携等も十分にしていかなければなりませんし、そして、日ごろから訓練等において、そういった事態に陥ったときには適切に迅速に対応できるような体制も取っていかなければならないというふうに考えております。 塚田理事の御指摘、問題意識といったものは、私たちも十分お気持ち共有するところはございますが、私たちとしては現行法の中で適切に対応すべきであるというふうに考えております。
○塚田一郎君 それが我々は後ろ向きだと申し上げているんです。 外務大臣、これ外務大臣が安全かどうかということを認定するわけですよね。こういう状況では、今申し上げているとおり、議論してきているとおり、もしいざというときに拉致の被害者の方、邦人の方を救出したい、思いは一つだという議論しているじゃないですか、それについて法律が不備じゃないですか。何でそれについて政府は今のままでいいという認識なんですか。外務大臣、御答弁願います。
○国務大臣(前原誠司君) まず大前提としては、拉致の被害者の方々やあるいは日本人妻の方々ですね、つまりは今北朝鮮におられる邦人の方々の安全確保というのは極めて重要な案件でありまして、政府としてはあらゆる事態を想定して遺漏なき対応策を取らなきゃいけないというのは委員の御指摘のとおりでございます。 今御指摘があった件については、自衛隊のみを想定していると、こういうことだと思いますけれども、詳しく余り申し上げられない部分もあるのは御理解をいただけると思いますけれども、自衛隊のみならず、各国との連携の中でそういった事態想定をし、そして何よりも大事なことは、拉致被害者の方々あるいは日本人妻の方々の安全確保をするということが大事なことでございますので、あらゆる、あらゆるというのは、自衛隊の能力だけでなくあらゆる手段を講じて今いろいろな想定をしているということでございまして、当然ながら、今委員の御指摘のあったことについても我々政府全体としても検討の中には入れさせていただきたいと、このように思っております。 何も法律改正が全く要らないということではありません。これは、ただ、防衛省が担当されている自衛隊法でございますので、まずは防衛省がお考えになられた上で、我々政府全体として、今政府全体としてこういうもしもの事態については想定をしておりますので、その議論の中に入れていきたいと考えております。
○塚田一郎君 今外務大臣が大変いいポイントを言っていただいたんです。まさにそのとおりで、今こういう状況が起きたら在日米軍の力を借りるしかないわけですよ。そのとおりなんです。ですから、私は、我々と言った方がいいかもしれませんが、アメリカ海兵隊の我が国におけるプレゼンスは極めて重要だと、国益にかなうことだってことをずっと申し上げているわけです。今日はその議論はいたしません、もう時間もありませんから。 ただ、一点だけお伺いをしますが、まさにそういう事態になったときに、米軍に北朝鮮半島、北朝鮮の中に邦人救出を依頼をしなければいけないようなそういう局面が生じてくると思います。そのときに、いわゆる事前協議でいう戦闘行動のための日本基地の使用というような、該当するような事態になるかもしれないわけですね。これについて、当然私はイエスだと思いますよ、邦人救出であれば。 外務大臣、その辺り、是非前向きな答弁をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(前原誠司君) これは、細かいことを言って恐縮でございますけれども、法律の立て付けとしては防衛省がお答えになるものだというふうに思っておりますけれども、しかし、要は政府全体としてどう対応していくかということでございます。 私もある昨日の講演の中で申し上げたのは、有事法制をまとめたときに周辺事態におけるガイドライン、防衛協力の指針というものを見直しを行ったわけであります。それに基づいて、特に自衛隊と米軍の間で共同訓練、これは図上演習やあるいは具体的な演習も含めて積み重ねてきているところでございますけれども、そういったものがしっかりと万が一のときに役立つものでなければならないということは当然でございますので、不断の見直しをし、そして必要なことについては政府全体として判断をしていくと。判断というのは、当然ながら在外邦人をしっかりと安全確保するという大前提で政府が判断をするということが大事だと思いますので、委員の御指摘については重く受け止めさせていただきたいと思います。
○塚田一郎君 よろしくお願いします。 尖閣諸島の問題のように、ある日突然こういう事態が起きるということがあり得るわけですから、北朝鮮の状況についても、常にそういうことを政府内でどういった形で対応するかということをきちっと明確にしておいていただきたいということであります。 もう時間なので質問を終わりますが、申し上げたいことは共通の思いであります。そのことは、当然、万が一有事の際にも、被害者、拉致被害者そして邦人を救出するということも含めてのこの拉致の全体の議論だということを是非再度政府にも御認識をいただいて対応いただきたい、そのことを申し上げて、今日の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(白眞勲君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(白眞勲君) じゃ、速記を起こしてください。
○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。 前原大臣、拉致バッジをお付けくださいましてありがとうございます。是非、外務省の職員の皆様あるいは外国におられる大使の皆様にもブルーリボンのバッジをお付けいただきながら、救出を訴えながら活動をお願いしたいというふうに思います。 塚田委員提出のこの北朝鮮による日本人拉致問題のパンフレットでございますが、実はこれは私たち拉致議連の有志が最初はポケットマネーで、自費で作っていたものなんですね。そうこうするうちに、やはり国際社会との連帯がどうしても必要だということで、英語、フランス語、中国語、韓国語などなど各国の言葉で翻訳をいたしまして、自民党が政権時代は自民党の議員が外国に行くたびにそれぞれの外国の言葉でこのパンフレットを見せながら説明をしてきたところでございます。 また、国連で拉致問題が議題になることがございます。私も、アフリカ諸国一か国一か国このパンフレットを持ってアフリカの大統領や外務大臣にお会いして、この拉致問題、日本の立場を説明をしてまいりました。アフリカの国々ではまだ御存じない方たちもいらっしゃいました。 改めまして、政権交代、このパンフレット、各国に訳されていますパンフレットを持って大使の方が、それぞれの国の外務大臣や大統領、首相にお会いしてこの拉致問題を説明していただきたいと思いますが、前原大臣の意気込み、私の提案、いかがでございましょうか。
○委員長(白眞勲君) ちょっと待ってください。 速記止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(白眞勲君) じゃ、速記を起こしてください。
○国務大臣(前原誠司君) 山谷委員の今の御意見、しっかりとお聞きをさせていただきました。
○山谷えり子君 塚田委員が自民党の、外国での急変事態のときに邦人救出、拉致被害者の救出どうするかというような法案提出について防衛政務官からいろいろなお答えがございました。枠組みでは外務大臣が安全が確保できる状態であれば邦人の輸送を行うことができるというふうになっているんですけれども、これ自民党政権時代に本当に成立させたかった法律なんです。しかし、あの周辺事態法のときも野党を始め多くの反対がありまして、なかなか本当に、自国の国民を救い出すことすらままならない状態で今現在いるということは本当に申し訳ない、国会としての不作為だというふうに思っております。民主党の政策集インデックス二〇〇九には、自衛権はこれまでの個別的、集団的といった概念上の議論に拘泥せずということがありますので、是非自民党の出した法案に議論、のっていただきたいというふうに思います。 先ほど防衛政務官のお答えを聞いておりましたけれども、やはり本当に官僚たちによってまだコントロールされていて、前に進んでいないですね。本当にもしも何かがあったら、どうやって私たちは被害者を救出することができるんでしょうか。武器の使用も緩和されておりません。そして、必ずしも安全な状態でないときに、今外務大臣は命令ができないことになっているわけですから、本当に、在日米軍に協力をお願いするにしても、自国の国民を守れない今の状況というのは、私は国家としてはあってはならない状況ではないかというふうに思っております。 米韓両国は既に急変事態に備える政治的、外交的、軍事的準備を進めているわけでございますけれども、この辺も、やはりまず我が国が法整備をきちんとしなければ日米韓の連携ということも幻になってしまいますので、是非自民党提出の法案を具体的な御審議、そして、修正あっても構いません、成立、今国会でやっていただきたいというふうに思います。 今年の三月、北朝鮮による魚雷の攻撃で韓国の哨戒艦が沈没して四十六人が死亡されました。十月十四日、大量破壊兵器拡散防止構想に基づく海上封鎖訓練、海上訓練、日米韓豪の四か国で行われました。また、十三日には、外交、インテリジェンス、輸出統制など議論がございまして、こちらにはフランスやカナダ、トルコなど十か国が参加をいたしました。 どのような報告を柳田大臣はお受けになられましたでしょうか。答えられる範囲で結構でございます。
○国務大臣(柳田稔君) その辺の報告は受けておりません。
○山谷えり子君 是非お受けになられて、そして、どのような救出方法があるのかということをしっかりと頭の中に入れていただいて、そして、できれば、この特別委員会で自衛官の方の出席を求めて、可能な範囲でその演習の説明等々をいただきたいんですけれども、委員長、御検討いただけますでしょうか。
○委員長(白眞勲君) 後刻理事会で協議いたします。
○山谷えり子君 よろしくお願いいたします。 これも塚田委員からの質問の再質問というような形になりますけれども、柳田大臣は先ほど、対話と圧力、圧力が大事だというような方針で臨むと、報道各社の質問にもそのようにお答えでございますけれども、その圧力という部分が全部政府の行政文書から抜けてしまっているんですよ。これが本当に不思議なんですね。行政文書というのは、私も政務官をやったり総理補佐官をやったりしておりましたので分かります。一単語一単語でもう何時間も議論するときがあるんです。もう大変なんです、それ一単語を入れるか入れないかということで。 ところが、例えば旧方針にありました、例えば人道支援の凍結措置、万景峰号92号の入港禁止を含む諸措置、北朝鮮のミサイル等に関連する資金の移転防止等の措置、すべての北朝鮮籍船の入港禁止やすべての品目の輸入禁止を含む諸措置など、あるいは、朝鮮総連などの違法行為に対する厳格な法執行を引き続き実施、そういう部分が削除されているんですね。 先ほど柳田大臣は、これも含めてまたもう一度きちんと書き加えて、当然の、つまり政策変更はないんだという、政策変更があったということを北朝鮮が勘違いされると困りますので、ないんだということをきちんと行政文書で表現するために検討をなさるというふうに先ほどお答えくださいましたけれども、今私が申しましたこういう具体的なことを申し上げておりますので、その辺もう一度よろしくお願いいたします。
○国務大臣(柳田稔君) 山谷大先輩のおっしゃることでございますので、お話を十分賜りましたので、私もほぼ同感でございますから、頑張りたいと思います。
○山谷えり子君 今申したのは圧力の部分でございますけれども、この拉致被疑者の引渡しという、これも当然入るわけですね。
○国務大臣(柳田稔君) 六項目引き継いでおりますので、その方向で検討いたします。
○山谷えり子君 これ、パンフレットですね、自民党政権時代と民主党政権時代なんですが、本当にすべての拉致被害者の安全確保と速やかな帰国、真相究明、拉致被疑者の引渡し、この部分がごっそり抜けてしまっているんです。こういうことは普通あり得ないんですね。だれが抜いたのか、どんな会議があったのか。今多分言えないと思いますけれども、もし言える範囲がありましたら。いかがですか。
○国務大臣(柳田稔君) 私の姿勢はもう御理解をいただいているものと、そう思いますので、その方向で進めたいと思います。
○山谷えり子君 是非、柳田大臣、しっかりと取り組んでいただきまして、この行政文書を書き直すのはそんなに時間が掛かりません。恐らく一週間ぐらいでできると思います。是非、次回の拉致特別委員会では、こういうふうに変えましたと、今回のこの委員会を受けて報告できるようなスピードでもって対応をお願いしたいというふうに思います。 それから、中井大臣が最後の記者会見で、拉致被害者について幾人かの方々のほぼ間違いない生存状況も確認されつつあるというふうにおっしゃられたんですね、退任の記者会見で。これ公式発言でございますから、今、柳田大臣のこの発言の中に中井前大臣から引継ぎを受けというふうにおっしゃられています。この引継ぎは受けられましたでしょうか。
○国務大臣(柳田稔君) 中井前大臣、ブルドーザーのごとくいろんな動きをされまして、いろんな情報も収集されておりました。たくさんありまして、今それを引き継ぎまして鋭意精査中でございます。
○山谷えり子君 そうしますと、この幾人かの方々のほぼ間違いない生存状況の確認というのは、これは事実なんですか。
○国務大臣(柳田稔君) 莫大な資料がありまして、今一つずつパズルみたいに突き合わせながら、何がどうなのだろうかという作業をしないといけませんので、その作業中なんです。一つだけぽつんとあって、これが本当だとも思えませんので、いろんなものをパズルみたく合わせましていろんな精査をしている段階なので、今御答弁するのは控えさせてもらえれば有り難いんですが。
○山谷えり子君 これは退任のときの公式発言ですから、やはりこれが事実かどうかというのを次回の委員会にまた説明をしていただければというふうに思います。 続きまして、朝鮮学校への高校授業料無償化の適用についてでございますが、報道各社のインタビューに柳田拉致担当大臣は、教科書に我々が承服できない内容が書かれており、訂正してもらわなければならないというふうに言われております。 これ実際に使われている教科書をちょっと読んでみましたけれども、柳田大臣もおっしゃられているように、例えば金元工作員の爆破事件について、でっち上げで大々的な反共和国騒動を繰り広げなんというふうに書かれておりますし、拉致事件なども日本当局が極大化というふうなことを書いております。 本日、民主党の内閣部門会議・文部科学部門会議合同部会が開かれまして、無償化の方向へかじを切ったという、明日、玄葉政調会長の下に正式に決まるそうですが、この状況の中で、柳田大臣、御意見があればお聞かせください。
○国務大臣(柳田稔君) お話しのとおり、今朝、会合があったのは承知いたしております。 私の発言もおっしゃるとおりでございます。多分、必ず私の意見を言う場もあるかと思いますので、私は同じことを申し上げたいと思います。ただ、このことがすべて無視だということにもなるのかどうなのか、民主党ともいろいろと議論をしてみたいと、そう思っております。
○山谷えり子君 中井前大臣と川端前文部科学大臣のときも同じような形だったんですね。そういうパフォーマンスでは困るんですね。もう既定路線で無償化ありきで進んでいると、ただ拉致担当大臣はちょっと言っておかないと駄目だよというような、そういうふざけたスタンスはやめていただきたいというふうに思います。 大臣にお互い就任なさいまして、高木文部科学大臣とこのことについてお話をされましたか、柳田大臣。
○国務大臣(柳田稔君) 一月たちまして、いろいろと委員会もございまして、まだお会いをして話をしたことはございません。
○山谷えり子君 これは大変な驚きでございます。拉致問題の解決に私たち国民がもう必死になっているときに、これは実は大きな問題なんです。これをどのような形にかじを取っていくかということによって、北朝鮮側に、ああ、もう拉致問題はいいんだなと、軟化したんだなと日本が思われるか思われないか。そして、国民の、日本国民の理解ということもございます。柳田大臣は頑張っていただきたいと思います。 また、柳田大臣は税金が必ず教育に使われているかはっきりさせねばならないともっともなことをおっしゃられていますけれども、経理の透明化なんてそんなことは要求できるんですか。要求してもやってくださいますでしょうかね。どうなんでしょう。いかがでしょう。
○国務大臣(柳田稔君) 会って話をしてないと申し上げたのは、正式な場でお話をしたことがないと申し上げただけで、立ち話でよかったらちゃんと申し上げております。ただ、立ち話ですから、立ち話は立ち話と言われたらおしまいなんですが、私の考えは申し述べておる次第であります。 できるかできないかと問われたら非常に返答に困るんですが、私は、言ったことを主張してまいると、それしか今のところは御答弁できないかと思っております。
○山谷えり子君 立ち話で結構で、結構ではないんですけれども、立ち話のやり取り、どのようなやり取りでございますか。
○国務大臣(柳田稔君) 朝鮮学校の教材の問題と、経理をしっかりしないといけないと、これは譲らぬよという話だけはお伝えしました。
○山谷えり子君 そして、高木文部科学大臣はどのようにお答えになられたんでしょうか。
○国務大臣(柳田稔君) 考えますと。答えを出すのは最終的には文部科学省だと思っておりますけれども、私の意見はしっかりと聞いてもらったと、私はそう感じました。
○山谷えり子君 最終的に判断なさるのは、決定なさるのは文部大臣なんですよね。 八月の末に専門家会議が開かれまして、そして教育内容については基準としないというようなことの報告書でございました。しかしまた、川端前文部科学大臣は、第三者委員会をつくるんだのつくらないだの、よく分からないことをおっしゃっていらっしゃる。そして、第三者委員会というのはこの専門家会議のメンバーと同じなのか違うのか、これもよく分からないというような、もう全く分からない意思決定のプロセスなんですね。本当に民主党あるいは今の政権というのはどのような政権なのか、非常に疑問に思っております。柳田大臣はしっかりと取り組んでいく決意を示されておりますので、期待をいたします。 今日は横田滋様、早紀江様など傍聴にお見えになっていらっしゃいます。私も内閣府の担当政務官として、横田早紀江さんのアメリカでの公聴会でのときも、後ろの席に座りましてサポートをいたしたりいたしました。また、早紀江さんとブッシュ大統領との面談、これも非常に心の通うものでございました。またそのような状況をこの今の政権でおつくりくださいまして、日米の連携、そして国際社会に訴えていく、この発信を強めていただきたいというふうに思います。 拉致被害者全員が日本の土を踏む日が来るまで、本当に頑張り続けたいと思います。よろしくお願いいたします。
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。 本日は拉致問題でございますが、先ほど柳田大臣が、この問題の解決には韓国、米国を始めとする関係諸国との緊密な連携が重要だとおっしゃいました。特に、韓国、米国だけじゃなくて中国との連携も非常に重要なわけですよね。ところが、中国との国交関係といいますか、非常に関係が少し危うい状況になっておりまして、特に内陸部での反日デモが今週になって頻発しているわけですが、これが長引かないように早急な対応をまず外務大臣に取っていただきたいんですが、対応状況をお願いします。
○国務大臣(前原誠司君) 浜田委員にお答えをいたします。 反日デモが中国で起こっていることは大変遺憾なことでございますが、中国政府もしっかりとそれを抑える方向で努力をされているという認識でございますし、先般ASEMの会談で菅総理大臣が中国の温家宝総理と会われまして、関係改善の方向にお互いが努力していこうということで合意をされて、今外交ルートで話合いを行っているところでございます。 今月末のハノイでのASEANの会合で、まずは日中外相会議、そして日中首脳会議というものを経て、今後の日中関係の大局に立った戦略的互恵関係をしっかりと、我々の原則はしっかり当然ながら保ちながらつくり上げていくように努力をしていきたいと、このように考えております。
○浜田昌良君 邦人の安全にも関係しますので、しっかり対応いただきたいと思っております。 先ほど有田委員から青森県出身の木村かほるさんの御質問がございました。この点につきましては、先ほどございましたように、昨年三月に飯塚繁雄さんが写真を見せられて、金元工作員から日本語を教わった先生によく似ているという証言まであったわけですよね。そういう意味では、せっかく金元工作員が来られたんだから、私としては御家族に会うような場面をつくられたらどうなのかなと思ったわけですよ。証言は得られたという報道がありますけれども。 先ほど柳田大臣は拉致の問題は時間との勝負だとおっしゃいました。まさにそうなんですよ。予算を増やしたり人員を増やしたりというだけじゃもう解決できない。手法自身も、確かに捜査ですから秘密にしなきゃいけないところがあるかもしれませんけれども、ちょっと大胆な方法を取らないと解決できない。なぜそういう御家族との会談、そういうのができなかったのか。木村かほるさんの御家族との、金元工作員との会談のセット、答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(柳田稔君) これは、時間的な制約もございまして決めさせていただきましたけれども、だれとだれに会うかというのもいろいろ考えましたけれども、最終的には時間的な制約でこうなったというふうに聞いております。
○浜田昌良君 時間的制約、会食会もあったわけですし、それをもう少し、そんな長時間掛かるわけじゃありませんし、しかも記者会見もなかったわけですよね。報道によりますと韓国側の要請だったという中井前大臣が答弁されていますけれども。それは、そんないろんな要請があるにしても、日本側の強い意思でせっかくの機会をもう少し効果的に使えなかったのかなと残念に思っております。 逆に、それだけの成果を生むためにどれだけの費用が掛かったのかと。予算なんですけれども、これについては中井大臣が衆議院の拉致特で費用については後日報告したいと答弁されていますが、報道では約三千万ぐらいという話もありますけれども、今回の金元工作員の日本での滞在についての掛かった費用について御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(柳田稔君) 時間が掛かり過ぎだといって怒られるかもしれませんが、最終的な確認中でございます。委員会からお求めがあれば考えたいと思います。
○浜田昌良君 委員長、その資料提出を要求したいと思います。
○委員長(白眞勲君) 後刻理事会にて協議いたします。
○浜田昌良君 そういう意味では、どれぐらいの費用が掛かってどういう結果があったのかとしっかり国民に説明していただくと。そういうこと自体が国民が拉致問題をもう一遍共有できると、そのことをねらわれたんですから、なるべく情報については多めに、しかも大胆な手法を取らないと、幾ら予算を増やしても結果は出にくいと思っています。まさに時間との勝負ですから、柳田大臣のリーダーシップを期待したいと思っていますが。 次に、六か国協議と拉致問題との関係についてお聞きしたいと思いますが、十月十四日の夜に菅総理は、六か国協議の再開には拉致問題の進展が前提というような、そういう趣旨の記者会見をされているんですが、これにつきまして、まず前原外務大臣、どういう、同意見なのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(前原誠司君) 今、浜田委員がおっしゃったこと、若干、総理のぶら下がりにおけるやり取りを正確にお伝えをいたします。 六者協議は、南北、つまりは北朝鮮と韓国の間でああいう大きな事件、つまりは哨戒艦沈没事件があったわけでありますから、その両者の中でどういう判断があるかということ、また日本にとっても、拉致と核という大きな課題があって、再開するからには相当そういった問題の進展が見込めるというか、期待できる状況と、そういういろんな全体のもろもろのと判断していく必要があるんだろうと、こういうことで、前提という言い方はされておりませんが、ただ、やはり拉致や核の問題というのは、どういう構えで北朝鮮が六者協議にのってくるのかということを踏まえてということであります。 これは、浜田委員も含めて委員の皆さん方には御理解していただけると思いますが、単に六者協議開きましょうと、何も進展するつもりはありませんというのでは意味がありませんが、しかしながら、何かの取っかかりで、六者協議を開く中で、そしてそこから例えば二か国協議なんかの道が開けるとか、あるいはさらに北朝鮮に対して物を言う場というものができて、そして様々な問題の進展、もちろん拉致の問題を含めた進展が得られるということであれば、私は別にそれが大前提ではなくても六者協議に臨むということはあり得る話だというふうに思っておりますが、ただ、何も北朝鮮がやる気がない、それが見えている中で六者協議を開くのはいかがなものかということを申し上げているわけでございます。
○浜田昌良君 私は、成果がない状況で六者協議を開くというのは意味ないと思っていますので、それはそうなんですが、お聞きしたかったのは拉致と核の問題なんですね。 といいますのは、前原大臣は以前、予算委員会で、平成十九年十月十日の予算委員会で当時の福田総理に聞いておられまして、これは何かというと、当時は、六か国協議で重油支援をするというときに、当時の安倍総理、前総理は、それを拉致が進展していないから止めるんだと話をされた。それに対して前原氏は、核の問題が仮に進展したとしても、拉致の問題が前進なければ六者協議における支援の輪にも加わらないということは果たしていいのかという観点で私は質問いたしましたと、実はその後、我が事務所にはメール、電話等かなり抗議が来ましたと、中には拉致被害者の前で腹を切れという脅迫文書も来ましたとおっしゃっていまして、拉致の問題が進まなければ何もかも支援をしないということはむしろ外交の裁量を狭めるんじゃないかということをおっしゃっていまして、確かに進展が重要ですが、核の進展は期待できればやると、拉致はこれ違うんだ、分けるんだというような趣旨の質問をされたのかなと感じたんで、その方針は変えられたのか同じなのか、ここの質問なんです。
○国務大臣(前原誠司君) 現在がどういう状況なのかということが極めて大事だと私は思っております。 情報に関してつまびらかに申し上げるわけにはいきませんけれども、一応、例えば冷却塔なんかを、寧辺の、破壊をしましたけれども、またあの地域で新たな動きが出始めております。つまりは、それは北朝鮮特有の、動きをむしろ見せて、そして六者協議にほかの国をのせるような動きなのか、あるいはもっと深刻に本当に何らかの核開発の再開というものを行っているのかということについては、更に分析が必要だというふうに思っております。 六者協議に集まる国々の重要視する考え方、日本はあくまでもおっしゃるように、核、ミサイルのみでなくて拉致ということも大事でありますし、これは共同声明の中にも載せているということは先ほど申し上げました。したがってこれを横に置いておくということはございませんけれども、六者協議の中でどういう議論をして、そしてほかの国がどういう思いの中でということについては、北朝鮮がどういう今動きをしているのか、あるいは六者協議にのっていく場合には、どのような自分自身が努力をするということを北が言うのかということを判断して我々はやっぱり考えていかなくてはいけないというふうに思っております。
○浜田昌良君 もう一度確認のためにお聞きしますけれども、そうしますと、拉致について何らかの進展が期待できない限り六者協議についてもほいほいとのっていかないと、こういうことでよろしいんですか。
○国務大臣(前原誠司君) これは一番初めに浜田委員にお答えをしたことになりますけれども、この六者協議の臨み方というのは、私は両にらみでいいと思うんです。両にらみというのは、まず一つは、全く何も北が用意しませんよと、つまりは、核の問題にしても拉致の問題にしても何も進展する用意がないのにまあとにかく集まりましょうでは意味がないでしょうということがまず一つと。さはさりながら、彼らが六者協議を開こうと言っているからには何か意図があるかもしれないと。そして、先ほど塚田委員からもお話がございましたけれども、権力移行期というのは極めて注意深く見なくてはいけないと。そういう状況の中で北が呼びかけをして、そして全く何も進展がないような状況だから見過ごそうかというふうなことで、しかし対話のチャンネルを全くなくしてしまうというのもいかがなものかと。 したがって、これは我々日本の独自の判断も一番重要ではありますけれども、アメリカ、韓国、そして議長国である中国、こういったところとかなり真剣に話をしながら、北朝鮮の意図はどこにあるのか、そして我々が最終的に目指そうと思っている朝鮮半島の非核化、そして日本の拉致問題、こういうものについてどういう道筋が付くかということをしっかり見極めた上で、両面を見ながら判断をしていかなくてはいけないんではないかと思っております。
○委員長(白眞勲君) 浜田昌良君、お時間です。
○浜田昌良君 時間が参りましたのでこれで終わりますが、そういう意味では進展は重要です。進展が期待して開く、そのときにやっぱり拉致についても置いておかずに、その成果を、拉致の進展をしっかり示す状況をつくって早く六か国協議を始めていただきたい、そのことをお願いしまして質問を終わりにします。
○柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。私の方からも幾つかお聞きをしたいと思います。 改めて言うまでもありませんが、また先ほどからもお話があるとおり、この北朝鮮による拉致の問題は我が国の国家主権及び国民の生命、財産に係る重大な問題であります。拉致された皆さんを一刻も早く速やかに我が国に取り戻すこと、まさに我々の国民的悲願と言っても言い過ぎではないと思っているところであります。ましてや、先ほどからもお話あるとおり、拉致された方もそうですし、家族の皆さんも随分高齢化もされてきている中で、早期の解決というのが本当に切実な問題になっているわけであります。 そういう中で、政権も交代をしていろいろとお取り組みをされている、また柳田大臣も一生懸命やっていくんだという決意を述べてはおられるわけではありますけれども、どうもこう見ますと、先ほどからも指摘がありましたが、前と比べるとやや後ずさりをしているところがあるんではないか、あるいは腰が引けている部分があるのではないかと感じざるを得ない部分があります。先ほどからの拉致実行犯の引渡しの問題等々、今まで公の文書に、行政文書に書かれていたこと、そういうようなものがすっぽり抜けているというのが結構目立つと正直思います。やはり公式の文書、行政文書は日本の国としての一つの主張、考え方を表すものでありますし、こういう拉致や外交の基本問題については基本的にそれは踏襲されるべきだろうと、そう考えるところであります。 そういう中で、私が、先ほども資料がございましたが、気にしておりますのはその特定失踪者の問題であります。これについても、前の政権時代までは、その取組方針等々の中に、今後の方針、対応方針の中に明確に述べられてあったわけですが、新しい政権になってそういった部分は特に触れられていません。先ほどの大臣の所信、発言の中でも特に取り上げておられないわけで、大変懸念をするところであります。 私は富山県、広野先生と同じ富山ですが、特定失踪者の関係の人、三人いらっしゃいます。私の比較的近くにもその関係の人がいらっしゃいますが、御家族や同級生の皆さん、あるいは地域の皆さん等々、長年にわたって、何とか情報を得ることはできないか、あるいは、もし北朝鮮に連れていかれているとするならば何とか連れ戻すことができないかという長年のいろんな積み重ねをしてこられているわけで、それが、いろんな情報の提供は、先ほども青森でしたか、秋田ですか、お話が出ておりましたが、そういったところにつながっていると思うので、是非この特定失踪者の問題も引き続いてしっかりやっていただきたいと思いますが、まずこの点どうか、確認をしたいと思います。
○国務大臣(柳田稔君) 特定失踪者の会の荒木さん、荒木事務局長ですかね、山谷先生も御存じのとおり、もう二十年前からの知り合いでございまして、そういう意味では荒木さんとはいろいろと意見交換をしていまして、荒木さん、大臣室にもう三回来られたんですかね、それぐらい意見交換をされていますので、従来どおり、それ以上に連絡を密にしてやっているつもりであります。
○柴田巧君 ということは、先ほどからのお話もありますように、この問題についても、「拉致問題への取組」という中でしっかり明記、明文化していただけるわけですね。これを確認したいと思います。
○国務大臣(柳田稔君) 書くことについてはこれから検討します。 ただ、御理解をいただきたいのは、本当にもう時間がないんですと、これが家族の皆さんの強い御意思なんです。それを受けまして、私は間違ったメッセージを送りたくないということで、とにもかくにも、一にも二にも早く帰っていただくことだと。そのことだけを強いメッセージで発しているところでございますので、その辺も御理解していただければ有り難いんですけれども。
○柴田巧君 限られた時間の中でありますのでこれ以上あれですが、しっかりその点、強く要望しておきたいと思います。 次に、先般、外務省のホームページを見ておりましてこれはなと思ったんですが、いろんな国際会議で首相が公式にあいさつ等、演説されるものがホームページでは見れるわけですが、先般のASEM8で菅総理が発言されているのを見ましたところ、グローバルな課題として、北朝鮮による核・ミサイル開発等といった課題に対し共に力を合わせて取り組む必要があると述べたとはされていますが、これが本当なのかなということを確認をしたいと思うんですね。 これまではいろんな各種国際会議では必ず拉致の問題を、言わば核やミサイルの前に拉致の問題を必ず取り上げてきたわけでありますが、なぜこのASEM8で、これが事実とすると、総理は触れることがなかったのか。大変釈然としないんですが、やはりいろんな機会をとらえてこの拉致の問題、国際的にアピールをしていかないとならぬと思うんですが、これは事実に基づくものなのか、まず外務大臣にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(前原誠司君) 柴田委員はASEMの第一セッションにおける菅総理の大臣発言というところをひもとかれて御質問をされているんだというふうに思いますけれども、グローバルな課題において、北朝鮮による核・ミサイル開発等といった課題に対してということでございます。等という言葉を使っているという部分と、あとは、総理は実際、滞在は一日だったわけですが、別所外審が引き続きこの首脳会議、会合に残りまして、別所外審からはこういう発言をしております。六者会合についてでありますけれども、その後に、欧州諸国から人権・人道問題に言及があったことを多としつつ、日本は拉致問題を抱えており、拉致、核、ミサイルといった諸問題の解決に向けて参加国と連携していきたいということなどを別所外審がこのASEMの会合で述べたということでございまして、最終的な議長声明にはどういうふうにでは書かれたかということでございますけれども、第七回アジア欧州会合の議長声明の十番目に、朝鮮半島の問題のところに触れているところで、首脳はまた人道上の懸念に対処することの重要性を強調したということでありまして、これは、明確に拉致の問題についてこの会合の場で述べたことを踏まえて議長声明にも書かれているということで御理解をいただきたいと思います。
○柴田巧君 拉致の問題の非道さ等々、反人権的な行為を、あるいはそれに対して日本が一生懸命取り組んでいるということをやっぱり明確に主張するためにも、総理が必ずこういった場面で触れていただきたいものだと思いますし、このことを特にこれからしっかり求めていきたいと思います。 時間がありませんので、こういったことも踏まえ、やっぱり北朝鮮に圧力を掛けていくには、こういう国際会議などでやはり日本の立場をしっかり申していかなきゃならぬと、拉致の問題に対して。これから東アジア・サミットやあるいはアジア太平洋首脳会議などがありますが、こういった場面でもしっかり明確に主張されるというふうに確信をしておりますが、それでよろしいですか。
○国務大臣(前原誠司君) それはもう当然のことだと思っておりますし、今、柴田議員からは、いろんな首脳会談、外相会談というところでおっしゃっているわけでありますけれども、例えば菅総理になった後でも、カナダとの首脳会議では拉致問題について明確に言及をしております。イギリスの首脳会議、これでも言及をしておりますし、韓国それから中国、それからG8のムスコカ・サミット、それから首脳宣言、ARF、そしてポーランドの外相会談、日米首脳会談、この間のニューヨークでございますけれども、いずれのときもこのバイ会談においては首脳会談あるいは外相会談において拉致問題を提起しておりますので、今後もその姿勢を貫いてまいりたいと思います。
○柴田巧君 それでは、柳田大臣に次にお聞きをしたいと思いますが、先ほどからもいろんなお話がありましたとおり、北朝鮮ではいろんな動きが出つつあります。その権力の継承体制に移行しつつあるということでいろいろな変化が、兆しが見られるのではないかと思います。軍事パレードをこれまで以上にいわゆる西側のマスコミに公開をしたということも一つ取り上げることができるでしょうし、六か国協議のいろいろな動きもそうかもしれません。いずれにしても、こういったことを、先ほど広野先生からもお話があったが、一つの好機としてやっぱりいろんな手を尽くしていかなきゃならぬのだと思います。 逆に、金正恩氏が自分はあずかり知らぬこととして幕引きを図るということもあるかもしれません。そんなようなことも想定していろんな手は打たなきゃならぬと思いますが、この大きな変化の兆しが出てきているところをしっかりつかまえて、アメリカや韓国、まあ国連も含めて連携を強化しつつ、しっかりと、人員も増えた、予算も増えたということであるならば、なおさらのこと、情報の収集や事態の打開に向けてしっかり頑張ってもらわなきゃならぬと思いますが、改めて決意をお聞きをしたいと思います。
○委員長(白眞勲君) 時間ですので、おまとめください。
○国務大臣(柳田稔君) 後継者の正恩さんの漢字も最近分かったというぐらい大変閉ざされた国でありますけれども、一生懸命頑張ってまいります。
○中山恭子君 たちあがれ日本・新党改革の中山恭子でございます。 今日は皇后陛下のお誕生日です。皇后陛下は、拉致被害者五名が帰国しました二〇〇二年のお誕生日に際しまして、「小泉総理の北朝鮮訪問により、一連の拉致事件に関し、初めて真相の一部が報道され、驚きと悲しみと共に、無念さを覚えます。何故私たち皆が、自分たち共同社会の出来事として、この人々の不在をもっと強く意識し続けることが出来なかったかとの思いを消すことができません。今回の帰国者と家族との再会の喜びを思うにつけ、今回帰ることのできなかった人々の家族の気持ちは察するにあまりあり、その一入の淋しさを思います。」とのお言葉を寄せられました。 当時、まだ日本の中ではこの拉致被害者の家族に対して非常に冷たい対応がなされていた時期でございましたので、この皇后陛下のお言葉は、私ども、そして拉致被害者の関係の方々を非常に勇気付けてくださった言葉でございました。 私自身、拉致された日本国民全員を日本国政府の責任で必ず取り戻したいと真剣に取り組んでまいりましたが、二〇〇二年十月十五日、平壌から被害者五人が帰ってきました後、他の被害者を連れ戻すことができておりませんで、今なお被害者を北朝鮮の地に残したまま時が過ぎておりますことを本当に申し訳なく、また大変残念に思っております。ただ、希望を捨てたわけではございませんで、日本人拉致被害者を取り戻せると確信しておりますので、政府の皆様も是非懸命の努力を続けていただきたいと考えております。 柳田大臣は、御就任に当たって大変この拉致問題に対して力強いお言葉を出していただきました。また、圧力と対話の圧力を前面に出す必要があるとの立場を明確にされました。敬意を表しているところでございます。圧力を維持し、真摯な対話につなげていくということが大変大切であると考えております。 具体的にどのような圧力を、先ほどもございましたが、お考えでいらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(柳田稔君) 先ほど来から申し述べておりますので、同じことを繰り返すのも時間も少ないからやめますけれども、今までやってきたことは引き続きやりますし、今後必要だということが出てくれば、議連の方からもこういうことをすればということが出てくれば、そのことは真摯に考えて、実行に移せるものは移したいと、そう思っております。
○中山恭子君 今行っている制裁措置を被害者が解放されるまで解除しないということを明確に打ち出すということも一つのやり方であると思いますし、また自民党さんから出ているその対応策を一つずつでも実行していただけたらと思っております。また、中国は非常に大きな要素になると考えておりますので、国連決議があるにもかかわらず北朝鮮に対して支援を続けているこの中国に対して、共に動くように促していただくことも必要であろうと考えております。 前原大臣にお尋ねいたします。今更という思いもありますが、先ほど浜田先生からもお尋ねがあったかと思いますが、平成十九年、二〇〇七年二月十三日の衆議院予算委員会での質問に関してでございます。 当時、六者協議において、北朝鮮の核査察の受入れ等と引換えに重油支援をするという合意が出される際に、日本政府は、拉致問題の進展なくして支援なしという原則を堅持して、他の四か国の了解を取って北朝鮮に対する重油支援をしないとの対応を行おうとしておりました。安倍総理に対する質問でございます。前原大臣は、拉致の問題が重要でないということを言っているわけではありません、しかし、ほかの国が重油を供給していくということが現実に生まれてくる中で、もし北朝鮮が暴発をすれば最も被害を受ける可能性のある日本が、拉致問題があるからといってそれに参加しないということは本当に国益にかなうんでしょうか、このような御質問をされました。北朝鮮に重油支援を行う方がよいと当時は繰り返し表明されていらっしゃいます。 私自身はその後の動きから見て当時の日本政府の判断は正しかったと考えておりますが、前原大臣、外務大臣として国民の生命、財産を守る最前線に今立たれていらっしゃるわけで、そのお考えはいかがでしょうか。変わってきていただけているのでしょうか。お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(前原誠司君) 長年拉致問題に御尽力をされてきた中山先生に、まず心から敬意を表したいというふうに思います。 同時に、この目的と手段というのは一体何なのかということを我々はやはりしっかり考えていかなくてはいけないと思っておりまして、目的は共通していると。それは、拉致被害者の方々の一刻も早い帰国、元気に帰っていただくこと、それをしっかりとやることだと我々は思っておりまして、そのための最善な方策をその状況に応じてしっかりと取っていくということが大事なことだと私は考えております。
○中山恭子君 前原大臣が被害者の帰国ということに焦点を当ててお考えになっていると受け止めたことでございます。是非そのような形で進めていただきたいと思います。 当時、実は北朝鮮側から、また親北でありました韓国から、北朝鮮に圧力を掛ければ北朝鮮が暴発するとのうわさとか脅しが盛んに行われておりました。しかし、北朝鮮の動きを冷静に見れば、決して暴発しない、暴発できない状況だということを見極めることができておりました。尖閣諸島の漁船の写真を見て公務執行妨害であると逮捕された前原大臣でいらっしゃいますので、どうぞ御自身の目で北朝鮮情勢を見極め、適切な対応を取っていただきたいと思っております。 また、北朝鮮は圧力なしには動かない、これは長い間の経験から、支援をして北朝鮮が拉致被害者を出してくるということは二十年、三十年にわたってなかったことでございますので、拉致問題の進展なくして支援なし、拉致問題の進展なくして国交正常化、被害者の帰国なくして国交正常化はないとの基本的な考え方をしっかり持って仕事をしていただきたいと思っておりますが、そこの再度確認でございます。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(前原誠司君) 今先生がおっしゃった中身というのは、一部は二〇〇二年の日朝平壌宣言の前提条件というものをおっしゃったものだと思っております。私は、この職をお預かりをする上で、二〇〇二年の日朝平壌宣言というものをしっかりと受け止めて、一番最後に先生がおっしゃった国交正常化というものは、日本の抱える諸懸案、拉致、核、ミサイルなどの問題の解決なくして国交正常化はあり得ないと、こういった考え方で臨ませていただきたいと考えております。
○中山恭子君 両大臣とも調査のやり直しについて言及していらっしゃいます。北朝鮮は調査のやり直し、調査委員会を立てましたと言うだけで日本側が行っている制裁措置を解除させるという動きをこれまで続けてきています。そういった意味で、この調査委員会が、やり直しをさせる、調査を再調査させるということは非常に大切で重要なことだと思っておりますが、その調査のやり直しについて調査委員会がどのような権限を持っている調査委員会なのかということをしっかり見極めた上で交渉に当たっていただきたいと考えておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(前原誠司君) 今の先生の御示唆というのは重く受け止めて対応をさせていただきたいと思います。
○中山恭子君 今日の拉致特の委員会におきまして、民主党の先生方も大変この拉致問題に強い関心、被害者帰国に向けての強い思いがあるということをお示しいただけて、大変うれしいことだと思っております。その中で、広野先生から、私は横田早紀江さんのあの声、放送を聞くともう本当に涙が出そうになるんですけれども、私から申し上げることではないのかもしれませんが、拉致対策本部も政府として短波放送を続けておりましたが、今もこれは続いているということでよろしゅうございましょうか。柳田大臣にお願いいたします。
○委員長(白眞勲君) 時間が来ておりますので。
○国務大臣(柳田稔君) さようでございます。
○中山恭子君 ありがとうございます。 政府としても、その救出に当たって誘導するための手段として、常時、毎日三時間でしたね、相当長い時間短波放送で北朝鮮に対して呼びかけております。また、日本の情勢ですとかいろんなことを伝えておりますので、済みません、通告しておりませんで失礼しましたが、政府としてやはりあらゆる手段を使って帰国のための措置をとっていく必要があると考えております。また、こちらの委員会のすべての先生方、協力して拉致問題の解決、拉致問題の解決イコール被害者の帰国であるということをしっかり認識して、連れ戻すために頑張ってまいりたい、一緒に頑張ってまいりたいと思います。 ありがとうございました。
○亀井亜紀子君 国民新党の亀井亜紀子でございます。この拉致問題に関する特別委員会におきまして私は初質問になりますが、よろしくお願いいたします。 今後の対北朝鮮外交について、主に外務大臣にお尋ねをいたします。 まず、先日、権力の継承が行われました。金正恩氏が登場いたしましたけれども、彼はまだ若いので後見役として二人の人物が注目をされております。一人は金正日氏の妹、金敬姫氏。もう一人はこの金敬姫氏の夫、国防委員会副委員長の張成沢氏です。この張成沢氏は経済開放政策論者と言われております。 今後、権力の継承とともに、北朝鮮が中国と歩調を合わせて、中国が改革・開放路線を取ったように、一党独裁の体制の下で経済開放の政策にかじを切る可能性があると分析をされていらっしゃいますでしょうか。 ちょうどこの質問を用意いたしまして、今朝の毎日新聞、国際面に関連する記事が出ております。「中朝往来活発に 経済協力じわり進展」というタイトルでして、北朝鮮の金桂冠第一外務次官が今月の十二日から十六日に訪中をして、中国の武大偉朝鮮半島問題特別代表らと会談をしたと。そして、六か国協議再開の準備ができているとその後北朝鮮は発表をしておりますけれども、この中で書かれていることですが、中国の黒竜江省、吉林省、遼寧省のこの東北三省、ここのトップの書記や副書記が先日の朝鮮労働党創立記念式典に出席をしております。そして、この前日の九日に中朝間で経済技術協力協定も新たに締結をしていると。また、中国は、特に東北の黒竜江省、吉林省は海への出口がないために、中国側は北朝鮮の羅津港、清津港を使いたがっているという、そういう報道もございます。 ですので、私はやはり北朝鮮が経済開放路線にかじを切る可能性がこの権力継承とともにあると思いますけれど、その点どのように分析をされておりますでしょうか。
○国務大臣(前原誠司君) 亀井委員にお答えいたします。 政府といたしましては、今回の党代表者会の決定を含めまして、北朝鮮情勢につきまして引き続き情報収集をし、分析をし、また他国との連携を密にしながら引き続き注視をしていく考えでございます。 今回の決定が経済政策を含め北朝鮮内部の状況にいかなる影響を及ぼすかについては、まだ判断をする段階ではないということから、我が国としての評価は差し控えさせていただきたいと、このように思っております。
○亀井亜紀子君 海上保安庁長官にもお越しいただきましたので、一つ質問をさせていただきます。 今年の五月の二十八日、貨物検査特別措置法が成立いたしました。これは、昨年六月、国連安保理、対北朝鮮制裁決議を実施するための根拠法でございます。そしてまた、尖閣諸島周辺での中国漁船の問題もございました。普通に考えて海上保安庁の役割がどんどん増していると思いますけれども、今のような環境の中、そしてまた、先ほど申し上げましたとおり、もしかすると中国と北朝鮮の関係が密になって北朝鮮の港を将来中国が使うことがあるかもしれないという前提の下でお伺いしたいと思います。 海上保安庁が十分な役割を果たすために、人員の増強など必要ではないかと思いますけれども、現在どのような状況でしょうか。そして、どの程度の増強が必要か、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(鈴木久泰君) お答えいたします。 御指摘のように、今大変私どもの海を取り巻く国際情勢、緊迫しております。したがいまして、海上保安庁としても体制の強化が急務であると考えておりまして、来年度予算要求におきましても、必要な定員それから予算の確保に今努めておるところであります。 特に、定員の方につきましては、今まで巡視艇の複数クルー制といいまして小さい巡視艇をワンクルーからツークルーにして稼働を良くするというのを重点にやっておったんですが、来年は、これに加えまして大型巡視船の事案対応能力の強化というのを一番の目玉に据えております。これは、オペレーションルームにいろんな情報を分析したりその対処方針を立てたりする要員を専従で置くというものでありまして、二人ずつ三交代で六人、掛ける十二隻で七十二名の定員を要求しております。こういうのを合わせまして、全体で三百四十五人の定員要求を保安庁全体でしております。 それから、予算の方につきましても、大型巡視船あるいはヘリコプター等々今いろんな要求をしておりますが、そのうち一部については補正予算でも前倒しをお願いしたところでございます。
○亀井亜紀子君 海上保安庁にはしっかりと役割を果たしていただくべく政府にも御尽力いただきたいと思います。 次の質問に移ります。 韓国との対北朝鮮政策についてお伺いをいたします。 北朝鮮が六か国協議の再開に前向きな中で、韓国は哨戒艇の沈没の事件もあって今慎重姿勢を取っております。六か国協議が今再開のめどが立たないわけですけれども、一方で中国と北朝鮮が急接近をしている。そして、もし韓国を置き去りにしたまま中国が北朝鮮に対して経済協力をし投資をしという関係が深まっていったときに、韓国が果たしてそのままの姿勢を貫くかどうか。つまり、太陽政策にまた変わっていく、経済協力の方にかじを転換するということも将来あるかもしれないと思います。 日韓のシャトル外交が行われておりますけれども、そのシャトル外交の場面で拉致問題についてどの程度韓国の政府と情報交換をされているのでしょうか。私が気にしておりますのは、EPA交渉など経済交渉はしても、なかなか拉致のことですとか包括的な韓国との交渉がされていないのではないかという心配をしておりますけれども、拉致問題について最後に韓国との間で議題に上ったのはいつごろでしょうか。外務大臣にお願いいたします。
○国務大臣(前原誠司君) 北朝鮮問題に関しましては、種々の機会をとらえまして韓国始め関係国との間で、首脳レベルあるいは閣僚レベルで、様々なレベルで情報交換を行いまして緊密な意思疎通を行っているところでございます。 日韓シャトル外交の一環といたしまして昨年十月に行われました日韓首脳会談の場におきましても、両国首脳は拉致問題を含む北朝鮮問題について議論をし、北朝鮮問題に係る情報交換の取組を更に強化をすることで一致をしております。また、そのほかにも日韓首脳はあらゆる機会に会談を行っておりまして、一番最近では十月のブリュッセルで行われましたASEM首脳会議の際に菅総理は李明博大統領と会談を行いまして、北朝鮮問題についても意見交換を行ったというふうに聞いております。 今後も、日韓関係を更に緊密にして、この拉致問題を含めた意見交換のみならず、分析、そして様々な形での協力を行っていきたいと考えております。
○亀井亜紀子君 次に、対中国外交についてお伺いをいたします。 六か国協議が将来的に持つ意味が変わってくるのではないかと思っております。今までは、北朝鮮が孤立主義を取る中で、核開発を進めて、いわゆる恫喝外交を行ってアメリカから援助を引き出そうとしておりましたけれども、中国との経済協力が進んだ場合はアメリカから譲歩を引き出すということが余り意味を持たなくなってくる。先ほどからどのような圧力を掛けられるだろうかという議論がありますけれども、今後、六か国協議というもの、その場が持つ意味も変わってくるだろうと私は思っております。やはりかぎはアメリカではなくてこれから中国になってくるのではないかと思っているんですけれども、中国に対してどのようなこの拉致問題に対して交渉を行われるのでしょうか。 また、戦略的互恵関係についてお伺いいたしますが、経済発展をする一方、共産党の一党独裁体制が続いている中国において、その反体制分子に対する人権問題というのは、およそ政府としては意識しない国が中国であります。ですので、北朝鮮の人権問題、特に日本人の拉致被害者に対して中国が熱心に取り組むということは可能性はなかなか薄いと思いますけれども、そういう中で、中国に対してこの問題についてどのような外交を行っていかれるのでしょうか。
○国務大臣(前原誠司君) 確かに中国は共産党一党独裁体制でありまして、体制の面においては日本を含む民主主義国家とは体制が異なるのは事実でありますが、他方で、今経済活動を中心にグローバルなスタンダードというものを求められていっております。また、それなしではグローバルな活動ができない状況であることは中国もよく理解をしているところだと思いますので、そういう意味では、しっかりと我々は交渉する中で、これは日本のみならず、価値観を共有する様々な国との連携の中で、中国がグローバルなスタンダードの中でしっかりと振る舞うような状況にいかに持っていくかということも大事な観点だと、このように思っております。 また同時に、委員がおっしゃるように、この拉致の問題というものも含めた北朝鮮への対応というのは、ある意味、中国がかなり、六者協議の議長国という意味も含めて主要なキープレーヤーであることは間違いがないわけでございまして、そういう意味では、中国に対しても、拉致問題への理解と同時に、議長国として、この六者会合の中には拉致問題についてもその取組が含まれているわけでありますので、しっかりと中国に対しても働きかけていくことを今後も続けてまいりたいと、このように考えております。
○亀井亜紀子君 最後の質問は外務副大臣にお願いいたします。 先日、今月のお話ですけれども、私の知人が、いろいろな市民活動を行っている者ですけれども、平壌に行ってまいりました。彼女いわく、平壌のホテルに日本製品が結構あると言うんです。テレビを見たらアクオスだったり、便器がTOTOであったり、日本製品がかなり入っているという報告を私は受けておりますけれども、こういった日本製品がどのようなルートで北朝鮮に渡るのか、その辺について外務省は把握をしていらっしゃいますか。
○副大臣(松本剛明君) 亀井先生の方からの御質問でございます。 御案内のとおり、昨年まで北朝鮮との間の輸出措置というのを、全面禁輸という措置は昨年以降とられているということですので、それまでの間は様々な形で向こうへ渡っていたものがあるのではないかというふうに推測できると思います。 その意味で、それぞれの製品がどういう形でどういう資金を背景に入っているのかというところは、制裁以前の部分については我々も承知をしているわけじゃありませんが、現在はすべての品目の輸出禁止の措置というのを執行しておりますし、実際には、率直に申し上げれば、第三国を経由した迂回したものというのは直接輸出したものよりは把握をしにくい部分があるわけでありますが、更に関係省庁とも連携を取りまして、こういう迂回も防ぐために一層厳格な対応をということで今進めているというふうに御理解をいただけたらと思います。
○亀井亜紀子君 質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(白眞勲君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時三十二分散会