法務委員会 第2号
- 発言数
- 303 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2010/10/21
会議録
○委員長(浜田昌良君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、植松恵美子君及び溝手顕正君が委員を辞任され、その補欠として石井一君及び熊谷大君が選任されました。 ─────────────
○委員長(浜田昌良君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に内閣官房内閣参事官加賀美正人君、警察庁刑事局長金高雅仁君、法務大臣官房長稲田伸夫君、法務大臣官房司法法制部長後藤博君、法務省民事局長原優君、法務省刑事局長西川克行君、法務省入国管理局長田内正宏君、水産庁長官佐藤正典君及び海上保安庁次長城野功君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浜田昌良君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(浜田昌良君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○今野東君 おはようございます。民主党の今野東でございます。 今日、質疑の中ほどでですが、資料を使わせていただきます。これは東大阪警察署違法取調べ録音内容の抜粋でございますが、大阪地方検察庁に提出した自白強要をめぐる告訴状の一部でございます。後ほどこれについては使わせていただきますので、大事に取っておいてください。 それでは、質問をさせていただきます。 まず、大臣のあいさつ、所信についての今日は質疑でございますので、その中でありました何点かについて質問をさせていただきますが。 まず、やはり私たちの関心の非常に高いのは厚生労働省の村木さんの無罪事件でございます。最も正義と公正を表さなければならない検察において強引な捜査が日常的に行われているのではないかという疑いを、この様々な報道をもって多くの国民に持たせました。あらかじめ事件の構図を描き、それに沿った自白を迫り、否認しても取り合うことなく、客観的な証拠を踏まえずに立件をしていくという強引な捜査がありまして、さらに証拠の改ざんまでしていたという事実は、検察の信用も誇りも失墜させ、検察の在り方そのものが問われる大変深刻な状況になりました。 現職の検察官が証拠隠滅罪で逮捕され、その上司に当たる特捜部長までが逮捕されるという衝撃を受けて最高検察庁は自ら検証を行うとしているわけですけれども、大臣は最高検察庁のこの検証についてどういうふうに考えていらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(柳田稔君) 今御指摘を受けましたように、大変遺憾な事件が起きたと、私も情けなく思っているところであります。 その上に立って今、最高検におきまして、村木事件も含めて年内にできるだけ早い検証をする、その結果を取りまとめるという報告を受けておりますので、最高検のその方針を見守りたいと、そういうふうに思っております。 ただ、最高検自身もこの事件については相当大きな衝撃を受けているはずですので、しっかりとした検証結果を出すものと私は信じております。
○今野東君 その検証について、大臣は、今はおっしゃいませんけれども、外部の第三者の意見を伺うように指示したということも聞いております。 自分のところで不祥事を起こして、自分のところで検証して、で、大臣に言われたから、自分たちが集めた言わば外部の第三者の意見を聞いて報告されるというものが本当に検証に値するものとお思いでしょうか。
○国務大臣(柳田稔君) そういう声もいろんなところからお聞かせをいただきました。そのいろんな御意見を踏まえまして、私の下に検討会議をつくるということを決めさせていただきました。当然、委員御指摘のような意見もあるわけですから、不十分だと、まだやるべきことがあるということもいろいろあるかとは思いますが、その辺については私の下につくる検討会議でいろいろと議論していただきながら、当然その検討会議には最高検の検証結果も聞かせてもらいますけれども、いろんな方面についての議論をしていただきたいと、そういうふうに思っております。 なお、委員のメンバーがどうかとか、こういうことをすべきかどうかという御意見もどうぞ言っていただければ、私の方で参考にしたいと思っております。
○今野東君 私たちも協力しますので、是非、その検討会議のメンバー、これは非常に大事だと思います。法務省内部あるいは検察庁の中から推薦をされてきた人というようなメンバーで構成されるとこれは全く役に立たない。ですので、是非大臣主導で選んでいただき、そして本当の意味の検討がここでなされるように願っております。 さて、こうした検証の結果ということになるんでしょうが、私は人事やあるいは組織改革が必要だと思っております。法務省と検察庁の人事は官庁の中でも極めて異常です。法務省は検察に支配されていると言ってもいい状態が続いています。それは人事を見ると分かります。法務省は毎年、国家Ⅰ種、Ⅱ種、Ⅲ種の公務員を採用しますが、Ⅰ種の方でもこれは課長以上にはなかなかなれません。課長級以上のほとんどは検事が占めているようです。 そこで伺いますが、法務省の課長級以上の役職は幾つあって、そのうち検察庁採用の検事が占めている役職は幾つあるんでしょうか。
○政府参考人(稲田伸夫君) お答え申し上げます。 法務省内の課長級というのがなかなか定義が難しいんですけれども、インターネットの法務省のホームページに法務省幹部名簿というもので搭載をさせておりますので、それを一つの基準にさせていただきますと、法務省内の課長あるいは官房参事官以上のポストということになります。これにつきましては、現在ポスト数といたしまして六十三ございます。このうち、検事という肩書を持っている者が就いているものは四十七でございまして、これらは法務省の所掌事務が専門的、法律的知識、経験を要する部分が多いというようなことからこれまで就いているところが多いというふうに認識しております。 他方で、この検察等の実務の経験がなくても遂行し得る部門につきましては、これを管理、総括する幹部職員には検事以外の一般職員からの登用を推進しているところでございまして、今後ともそのように努めてまいりたいと考えております。
○今野東君 つまり、法務省内の課長級以上と言われる役職、六十三あって、七〇%以上が検事が占めている。そして、この法律の企画立案もほとんど検事によって行われている。法務省は検事によって支配されている、そして自分たちがこの法務省やあるいは検察庁の中でそれを主導していくんだというふんぷんたるエリート意識、それによってこのような事件が結果的には起きてくるということでありまして、大臣も是非こういうところを見定めていただいて、組織の改革も含めた議論を大いにしていただきたいと私は思っております。 それから、裁判の公正性という点からしてしばしば問題だとされていることに、判事と検事、判検交流ですか、があります。これは年間で、検察官、裁判官が人事交流をしている、どれぐらい数あるんでしょうか。
○政府参考人(稲田伸夫君) お尋ねの件につきましてですが、過去四年間のデータで御説明をしたいと思います。 これは、裁判官から検察官に転官した者と、逆に検察官から裁判官に転官した者とそれぞれあるわけでありますが、交流というお話がございましたように、行って帰ってくるという両方、そういう意味ではダブりのところはございますが、それを前提にさせていただきますと、平成十八年に裁判官から検察官に転官した者が四十四名、平成十九年は五十八名、平成二十年は五十六名、平成二十一年は四十七名。他方で、検察官から裁判官に転官した者が、平成十八年は四十五名、平成十九年は五十五名、平成二十年は五十五名、平成二十一年五十名となっております。これらのうち大半は法務省へあるいは法務省からということでございますが、他省庁との関係も含まれております。
○今野東君 これはそもそもどういう意図を持って行われたんですかね。
○政府参考人(稲田伸夫君) かねがねいろいろとお尋ねをいただいているところでございますが、かなり古い時代から行われているようなところもございまして、最初のころがどうであったかということについてはつまびらかではございません。 ただ、先ほども申し上げましたが、法務省が所掌している事務の中には、司法制度でありますとか民事とか刑事の基本法令の立案、さらに訟務部門でありますとか、そういう裁判実務の経験を有する専門家である裁判官の方においでいただいて仕事をしていただくことが法務省の行政の遂行上、有益であるというようなことがございまして、このような形でやらせていただいているというふうに認識をしているところでございます。
○今野東君 最初のころどうであったか分からないと言うんですけれども、これは最初どういう意図を持って行われたのかということが大変大事なところだと思います。そこのところが分からないというんじゃなくて、実は分かっているんだけれども分からないことにしているというのではないかと思うんですが、もう一度質問します。 どういう意図を持って、これは初め、行われたんでしょうか。
○政府参考人(稲田伸夫君) 重ねてのお答えで恐縮でございますが、何分にも相当古い、昭和三十年代とか二十年代のころからもこういうふうな形で動いておられる方がいたように見えます。そういう意味で、最初の意図がどうであったかということについては明らかではございませんが、ある時期に増加しているところを見ますと、例えば訟務部門の強化のためというようなことを考えていたところはあったろうと思います。 以上です。
○今野東君 どうも、余り今となっては意味のないことのような気がしますし、むしろ裁判の公正性という点からすると、一般国民の方々にもあらぬ疑いを持たれるというので、この判検交流については是非、この形でいいのかどうかということも省内も含めまして議論があっていいのではないかと思いますので、是非そういう議論をしていただきたいと思います。 さて、取調べの可視化に関連して伺いたいと思います。 村木さんの事件を一つのきっかけとして、検察の取調べの可視化は早速やらなければならないという国民的なニーズは高まっております。警察サイドの捜査、取調べについても、志布志の事件があり、また富山氷見事件があり、こうした冤罪を防ぐためにも取調べの可視化というのは必要だと思います。我が党の衆議院選挙のマニフェストにもあります。この参議院では二回も法案を提出して可決しています。言わば商品としてはでき上がっているものだと私たちは認識をしているんですが、法務省は勉強会やらあるいはワーキングチームとやらをつくって何を勉強するんだろうかなと思っているんですが、中間的取りまとめというのも出ているようでありますから、読ませていただきました。 中を見ますと、取調べの可視化を仮に実現するとすれば、膨大な事件数があるんだけれどもこれをどうするんだとか、あるいは、その録音、録画の機材が壊れたらどうするんだとか、取調べ官としては、録音、録画を意識して萎縮し、これまで用いてきたような取調べ手法が用い難くなるのではないかというような、やりたくないために探し出した理屈としか思えないような報告がこの中にはあって、こういう勉強を長々とする必要はあるんだろうかなと思うんですが。 しかも、大臣も平成二十三年六月以降のできる限り早い時期に取りまとめを行うこととしているんですね。非常にゆっくりしているんですよ。二十三年六月以降、なぜ二十三年六月以降なんでしょうか。
○副大臣(小川敏夫君) ただいま委員からも一部指摘していただいたように、これを導入する、可視化が大変重要ですので、導入するという方向性はある意味では確認しておるんですが、様々な技術的な問題があります。あるいは諸外国の制度がどうなっているか、もちろん刑事訴訟の法制度が違う中での様々な問題もございます。そうした点を十分に踏まえてしっかりとした制度を構築していくためには議論が必要なのではないかということでございます。 前大臣の段階で中間報告取りまとめが出され、二十三年六月までに取りまとめてということになっておりますが、しかし中間報告の後に今回の大阪地検の事件等もございました。そういう状況の変化もございますので、委員のその御指摘も踏まえて、できるだけそうした意見を踏まえた対応をしてまいりたいと思っておりますが、様々な検討をしてまいりたいと思っております。
○今野東君 私たちは全面的な取調べの可視化ということを念頭に置いて作業をしてきたわけですけれども、こうなりますと、少なくとも特捜がかかわる件だけでも取調べの可視化は急がなければならないのではないかというふうに思っておりまして、是非検討していただきたいと思います。
○国務大臣(柳田稔君) 今委員の御指摘の特捜の可視化につきましてでございますが、最高検の検証の中でも多分扱われるであろうと私は思っていますし、私の下に置かれる検討会議でもテーマに上がると私は考えております。
○今野東君 是非、早期に実現をしていただきたいと思います。力強い答弁をいただきました、ありがとうございます。 さて、可視化が必要だという機運が高まった事件の一つに、志布志事件やあるいは富山の氷見事件、それから栃木の菅家さんの事件があります。警察庁は、志布志事件やあるいは富山の氷見事件、冤罪事件を受けて深い反省の下に、二〇〇八年の一月に、警察捜査における取調べ適正化指針というのを発表しました。私たちは興味を持ってその内容を見せていただいたわけでありますが、そこには国連などの国際的な機関から度重なって勧告されている取調べへの弁護人の立会いの保障、あるいはビデオの監視、第三者機関による監視などは盛り込まれておりませんでした、書かれておりませんでした。また、拷問や虐待に当たると考えられるものを明確に禁止して犯罪化するということも見送られておりました。そこには、捜査部門以外の部門によって監督するんだ、つまり内部の人たちですね、捜査部門以外の人といっても内部の人ですから。それから、取調べの技能を伝承する技能伝承官をつくって活用するんだとかいう、どうもこれは余り効果がないんじゃないのかなと思うようなことがいっぱい並んでいたんですが。 警察庁に伺います。取調べの適正化指針というのはどのように効果を現しているんですか。
○政府参考人(金高雅仁君) 警察といたしましては、委員御指摘のとおり平成二十年以降、取調べ適正化施策に取り組んでおるところでございまして、具体的には、捜査員に対する教養の徹底あるいは取調べ状況の記録制度の拡充、これに加えまして昨年四月からは、捜査部門以外の部門が取調べを監督するといった施策を実施しているところでございます。 この監督制度を全国で開始いたしました昨年の四月以降を見ますと、全国警察の刑事、組織犯罪対策部門で取り扱った事件で、第一審で被疑者取調べの任意性が否定されて無罪となった事件は把握してございませんが、不適正な取調べにつながる行為としてチェックをしている、例えば便宜供与でありますとか身体接触といったいわゆる監督対象行為というものは、昨年度は全国で二十九件、本年度は九月末までに十一件確認をしているところでございまして、取調べの一層の適正化に向けた努力が必要と、こういうふうに認識しているところでございます。
○今野東君 刑事局長はそういうふうに言っていますけれども、それらは全くやっているふりにすぎないということが分かる音声をお聞きいただきますと言いたいところだったんですが、資料を御覧いただきます。「東大阪警察署違法取調べ録音内容抜粋」と書かれた、表紙紙にそう書かれた資料でありますが、まさにやくざまがいの取調べの音声を入手いたしまして、この法務委員会で、今警察でどういう取調べが行われているのか、その一部を是非皆さんに聞いていただきたいと思いました。 筆頭理事同士で話合いを、ここで音を出してもいいかという話合いをしていただきましたが、残念ながら自民党の筆頭理事から反対されまして、これは双方にとって何か損があるわけでもないのに何で反対するんだろう、議論をするために供したい音声でありまして、どういう意味があるんだろうと私は非常に理解に苦しみながら不満を持ってこの委員会に臨んでいるんですが、ただ与党から出したから野党は反対するという、何かそれだけの理由なんだろうかなと。どうもよく分かりません。別に損するわけでも何でもないんですけれどもね。 仕方がないので、その音声から起こしました文章、ここにあります。怒号、家族のこと等を持ち出すというのがありますが、私は大阪弁上手ではありませんのでできませんが、例えば、知らんちゅうねん、おまえ。おまえ、警察なめたらあかんぞ。知らんなんかじゃ済まんぞ。な、知らんじゃ済まんぞと巻き舌で、それから恫喝も行われております。そんなもんで警察終わらんぞ、おまえが昨日、何回うんこしたかも調べたるぞ。おまえの家族が何回便所の水流したか。おまえが今、昨日どこ歩いとったか全部調べたるぞ、おまえの携帯から。おまえが通ったところ全部、おまえに関係しているところガサ行くぞ、脅しやないで。なかなかまねが下手なんですが。それから、暴行、脅迫的な言動であります。何か言え、こら、何か言え、おまえ。おまえ、こら、なめとったらあかんぞ。手出さへんと思ったら大間違いやぞ、こら。おまえ、大間違いやぞ、こら。 こういうことが取調べ室の中で行われているんです。こういうリアルな音を私は皆さんに聞いていただきたいと思いました。しかし、残念ながらこれは理事内で合意ができませんで、音そのものを聞いていただくことはできません。既にマスコミ等でも一部どうも流れているようですから、お聞きいただいた方もいらっしゃるかと思いますが、今のこの紙資料でございますが、警察庁来ておりますけれども、率直な感想、このような取調べが行われているという現実、率直な感想を伺いたいと思います。短めにお願いします。
○政府参考人(金高雅仁君) 今の御指摘は、遺失物を悪用して遺失者である若い女性に対してメール送信によって嫌がらせがなされた事案につきまして、今年の九月に大阪府警の警察官が行った取調べに係るものというふうに承知をしております。 その状況、経緯等については大阪府警で現在調査中ということでございますが、報道等で流れております録音の内容を聞く限り、極めて問題のある言動というふうに認識しております。 本事案については大阪府警によって厳正に対処するものと考えておりますけれども、全国警察が取調べの適正化に向けて取り組んでいるさなかにこのような事案が発生したということは極めて遺憾であり、警察庁としても大変重く受け止めております。 取調べの適正は捜査の基本でありますので、今後とも一層の適正化に向けて努力をしてまいりたいと考えております。
○今野東君 柳田大臣の感想を伺いたいと思います。
○国務大臣(柳田稔君) 私としては、個別具体的な事件に関してのコメントは差し控えたいと思います。 なお、この事件についてはまだ送致もされてもおりません。
○今野東君 これ、十月八日に告訴状が出ている事件でありますが、お断りだけしておきます。 さて、この取調べを受けた人は、たまたまICレコーダーを持っていて録音をしたわけなんですが、このように任意の取調べを受ける被疑者が録音をするということは違法なことでしょうか。警察庁にお尋ねします。
○政府参考人(金高雅仁君) 任意の取調べを受ける人が録音するということは、必ずしも法をもって禁じられているということではないというふうに承知しております。
○今野東君 確認をしますが、被疑者が録音をしたいと、で、その現場で駄目だと言われたときに、それがかなわないのならば、それでは私は帰りますと言ってもいいということでしょうか。
○政府参考人(金高雅仁君) 任意の取調べでありますので、あくまでもそれは任意ということであろうかと思いますが、一般的に言うと、取調べの中では被害者あるいは第三者のプライバシーについて触れられるということもございますので、録音をされてそれが外に出るということになりますと、幾つかの問題が生じるということになろうかというふうに思います。
○今野東君 ですから、これを録音していいかどうかと聞いたときに駄目だと言われたら帰っていいかどうかということをお尋ねしております。
○政府参考人(金高雅仁君) これは、あくまでも任意捜査の原則に従って判断されるものというふうに考えております。
○今野東君 だから、それがかなわないなら帰っていいんですね。
○政府参考人(金高雅仁君) どうしてもそれは取調べに応じられないということであれば、そういうことになる場合もあるというふうに思います。
○今野東君 ありがとうございました。 それでは、時間も限られておりますので、入管行政についてお尋ねしたいと思います。 といっても、初めは、これは外務省でしょうかね。ミャンマーからの難民の第三国定住、ようやく第一陣二十八名を受け入れて、今研修を始めているところなんだろうと思いますが、今後どういうプログラムで定住に向かっていくんでしょうか。簡単に、時間がありませんので、お話しください。
○大臣政務官(山花郁夫君) 現在実施しております百八十日間の定住支援プログラムなんですけれども、その中で就職相談員による職業相談や職業紹介等の就職支援というものを行うことを予定をいたしております。この就職先についてですけれども、これまで様々な企業とか団体からも受入れについて関心が示されているところでございます。 政府といたしましては、来た方について、この仕事をしろとかいうことではなくて、難民の方々の意向も踏まえながら、難民の方々が具体的な就職先を確保して日本社会において自立した生活が送れるような就職支援ということを鋭意進めてまいりたいと考えております。
○今野東君 今回来た二十八名の方々を選んだ基準ですが、どうも伺うところによると、カレン族の方だけ来てもらったように聞いております。多分、選定したのはメーラ難民キャンプにいらした方々だろうと思いますけれども、私もあそこに行ったことはありますが、カレン族の方がほとんどで、あのキャンプで選定をするとどうしてもカレン族の方々だけになってしまうという傾向があるんだろうと思いますが、今後も今回と同じような基準で第二陣、三陣、いくんだろうかということをお尋ねします。 それからもう一つは、もっと具体的に、例えば今回だと、半年間いろいろ研修をして就職先を探してまいってできるだけ定住してもらうということですよね。だけれども、そうじゃなくて、既にキャンプの中で日本に行って農業をやりたい人という人の中から何人かを選んで、そして実際に過疎化が進んでいる農村地帯に自治体ごとその方々を引き受けてもらうというようなやり方も考えてもいいんじゃないかと思いますが、政務官はどうお考えでしょうか。
○大臣政務官(山花郁夫君) 受け入れる、その受入れの段階は恐らく所管は法務省になるのではなかろうかと思うんですが、受け入れた後の支援が外務省としての人権人道課の仕事ということになります。 今の御指摘ですけれども、二十八名と指摘されていますが、当方は二十七名の方々と承知をいたしております。二十七名なんですけれども、御家族でいらしておりますので、実際、五組程度就職先が見付かればいいのかなという感触を持っておりますのと、あと、農業という希望されている方もいると承知をいたしておりましたので、ミャンマーの方、働く受皿として興味を示されているところは、農業の作業をやるところであるとか、そのほかにもかなりいろんな多様なところがございますので、それも一つの案かとは存じますけれども、一応今のところその五組の方については希望するような形でうまいことマッチングできるのではないかと希望的な観測を持っております。
○今野東君 法務省、何かありますか。
○政府参考人(田内正宏君) 入国管理局でございます。 受入れの基準につきまして御説明させていただきます。 平成二十年十二月十六日の閣議了解によりまして、UNHCRが保護を推薦する者、それから日本社会への適応能力がある者、そして生活を営むに足りる職に就くことが見込まれる者という条件がございます。それから、関係省庁の決定によりまして、タイのメーラ・キャンプに滞在するミャンマー難民を受け入れること、上陸拒否事由該当者でないこと等が定められております。これに従いまして来年度も同じ基準で選考する予定にしております。 また、こうした閣議了解の基準によりますと、受け入れる者を、日本社会への適応能力がある者と、そしてまた生活を営むに足りる職に就くことが見込まれる者とされておりますので、そうした文脈の中で先生の御指摘いただいた点を受け止め、参考にさせていただきたいというふうに思っております。
○今野東君 今度は、少し質問の傾向変わりまして、難民申請をしている方々への保護費の問題であります。 これは、難民申請をしている方々が認定を出してもらうのには、今、一応法務省は目標六か月としているようですが、一年半から二年、平均それぐらい掛かっている。その間の生活費をどうするかというと、実は法律の裏打ちがなくて、外務省がやむを得ずその支援費を何とか支払っているという状態で、その枠がたしか一億九千万程度だったと思いますけれども、それが今どのような状態なのかお尋ねしようと思ったんですが、時間の関係で省きますが、逼迫している状態だということを聞いております。つまり、非常に日本も財政状況が苦しい中で、その方々への支援をする予算を確保するのに外務省当局も大変苦労しているということもあります。 そこで、これは大臣に伺っていいんでしょうか、認定に六か月以上掛かるというときは就労許可を出すことにしたらいいんじゃないかと思います。 例えば、スウェーデンでは二万人以上の難民を毎年受け入れているわけなんですが、この間、ここから、国際NGOの国際カリタスの移民部長、ジョージ・ジョセフさんという方にお話を伺いました。そうしたら、スウェーデンは難民認定に一か月以上掛かるという場合は就労許可を出すんだそうです。つまり、財政的な国の負担もこれでなくなるということもあるわけですね。そこら辺、是非検討していただきたいと思いますが、どうお考えでしょう。
○大臣政務官(黒岩宇洋君) 今野委員からの御指摘にお答えいたします。 今、直近ですと、平均審査には約十二・六か月ということで、少しずつ短縮しておるんですけれども、一律に今、今野先生のおっしゃるような就労を認めることは、やはり難民認定制度の濫用や悪用を誘発するおそれがありということで、この就労を認めることは今時点では困難であると考えております。 それ以上に、やはりこの審査期間を短縮していくということに今目標を掲げて取り組んでおりまして、特に人員の増強、そして事務の効率化をもちまして、二十三年三月末に原則として六か月以内に処理できるよう、今、更に迅速化に取り組んでいくという所存でございますので、御理解いただきますようお願いいたします。
○今野東君 おっしゃることはよく分かるんですけれども、しかし、それでは国が手厚く支援をするかというと、そういうふうにはなっていないわけでありまして、何らかの工夫が必要かなと、是非議論を続けていきたいと思います。よろしくお願いします。 時間がなくなりましたので、最後に、これは大臣にお伺いしたいと思いますが、今年の七月に前大臣が死刑執行に判を押されましたというか、されました。そのことを契機に、法務省内に死刑制度検討チームですか、正確な名称分かりませんが、つくられたと聞いております。 今後、それは、大臣、どのようにされるんでしょうか。私たち党の側も、死刑制度検討ワーキングチームをつくりまして議論を始めたところでございますが、法務省内ではどのようなことになっていくんでしょうか。これは大臣にお伺いします。
○国務大臣(柳田稔君) 前大臣の千葉先生から引継ぎを受けまして、この死刑制度の在り方、ここにいます政務三役でいろんな議論をしていこうと、そういうふうな話をしているところでございます。
○今野東君 大変これは大きな議論になると思いますが、できるだけ、法務省内で小さく固まって何か法務省内の利益を基にして議論をするというのではなくて、これもできる限り多くの方々、第三者、有識者の方々にお願いをして大きな議論をしていただきたいと思います。私たちも党内でしっかり議論をしていきたいと思います。 ありがとうございました。終わります。
○前川清成君 おはようございます。 今年七月の選挙で三十万八千四百九十票、逆風の中、二期目の当選を奈良県選挙区で果たさせていただいた前川清成でございます。これから先の六年も一生懸命働いてまいりますので、大臣、委員長、そして委員の皆様方、引き続きよろしく御指導をお願い申し上げます。 さて、今日はまず、契約法の改正についてお尋ねをしたいと思います。 二〇〇六年の二月に、法務省としては民法、とりわけ債権法の見直しを決定されました。そして、昨年、千葉大臣の下で十月二十八日に法制審議会への債権法の改正を諮問しておられますけれども、この間、法務省として改正の中身や方向性について何か決定したことがあるのか、これは民事局長にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(原優君) お答えいたします。 今、委員御指摘の民法の債権関係の諸規定は明治二十九年に制定されたものでございます。 民事局におきましては、平成十八年以降、債権法の改正のための準備的な検討作業をやってきております。この検討作業の過程において、御指摘の改正の内容あるいは方針等について何かを決めたということはございません。
○前川清成君 今日は参考人の方々にどうぞ御自由に御発言いただいて結構なんですが、申し訳ありませんが、時間の都合がありますので、問われたことだけ、そうでなかったらすべて大臣にお答えいただかなければならなくなりますので、よろしくお願いいたします。 それで、確かに今民事局長がおっしゃられたことを、昨年の十月二十七日、法務省政策会議の席上で当時の加藤副大臣も、これまでには何もしていない、そういうふうに御発言になっています。しかし、とはいうものの、もう既にあらあらの方針を決めてしまっているのではないかというのが今日まず私がお尋ねする第一点であります。 具体的に申し上げますと、今日お配りしている資料、一枚目、これは法務省のホームページであります。見直しをしますということが書かれてあります。二枚目にありますのは、これは、二〇〇六年十月七日に民法(債権法)改正検討委員会というのが設立されました。この委員会には、学者の方が中心ですけれども、個人としてではなく、法務省の参与、参事官、法務大臣官房審議官という方々が役職に基づいて参加しておられます。そして、この委員会が二〇〇九年の四月二十九日にシンポジウムを開いておられます。そのシンポジウムの報告がこの本でありまして、その中からコピーさせていただいたのが二枚目であります。このシンポジウムの基調報告の中で、赤線を引いていますが、不法行為については必要となる最低限の範囲にのみ修正提案をすると、こういうふうに書かれています。 さらには、お配りした三枚目の資料、これは法務省の参与でいらっしゃる内田貴さんがお書きになった「債権法の新時代」、これは昨年の八月に出版されています。この中においても、赤線を引いてありますけれども、そもそも、「不法行為法は、この度の検討委員会試案の検討対象から外されている。」と、こういうふうに書かれています。そして、現に、四枚目を御覧いただきたいんですが、昨年十月二十八日の諮問においては、不法行為法の見直しは最小限度にとどめると、こういうふうに書かれてあります。 今、民事局長がおっしゃったように、方針や中身等々は何も決めていないと、幅広く勉強を続けていると、こういうふうにおっしゃりながら、既に方向性も法制審に対して示していると。実は、何も決めていないというのはうそではないのかというのが質問であります。この点、民事局長、いかがですか。
○政府参考人(原優君) 昨年十月に法務大臣から法制審議会にこの債権関係の規定の見直しがございました。 この諮問の内容は、委員御指摘のとおり、契約関係の規定を中心に見直すということでございまして、先ほど私がお答えいたしましたのは、この契約関係の規定の見直しについてどういう方向に内容を変えるのか、あるいはその方向性についての決定ということは何らされていないということでございます。
○前川清成君 この四枚目の、大臣に御質問しますので。 四枚目の見直しについてという法務省の作成のペーパーですが、諮問の理由として、民法制定以来百十年余りの間に膨大な数の判例法理が形成されましたということを理由に挙げています。 実際に裁判所でどの条文をめぐる訴訟が多いのか、これはカウントするすべもないわけですが、私の手元にある判例六法、これを見ますと、例えば不法行為の、一般的不法行為に関する民法七百九条、これについては実に七ページにわたって判例が掲載されています。じゃ、他方、債務不履行に関する四百十五条ですと、わずかに一ページ半。本当に判例法理が蓄積されたから民法を見直すんだと、債権法を見直すんだというのであれば、むしろ不法行為を見直さなければならないのではないかと思っています。 ただ、その結論はともかくとして、既に一定の方向を法務省としてお考えになっているのであれば、せめてそのことは大臣や副大臣には報告するべきではないかと、更に言うと我々にも説明があってしかるべきではないかと、私はそう思っています。 諮問の理由にあるように、明治二十九年からおよそ百二十年経過した民法を見直すと、私はこのことは大賛成であります。さらには、民法が分かりやすい、国民にとって使いやすいものに変えていくと、このことも大賛成ですし、現代の契約において主役を占めている消費者契約をきっちりと位置付けていくと、このこともやっぱり大賛成であります。 ですから、法務省が民法の改正をなさろうということに別に邪魔をしようとかそんな気持ちは一切ありません。ただ、でき上がってしまったときに、でき上がったからどうぞ賛成してくださいと結論だけ示されても、それは賛成できません。民主党の中にも契約法改正検討ワーキングチームというのが立ち上がりました。是非法務省とも十分に連携し、協力し、百年先にも通用する私法の基本ルールを考えていきたい、そんなふうに考えています。 大臣、これまでの議論を聞いていただいてどのようにお感じいただいたのか。民法という私法の私人間の権利義務を定める、私法の基本ルールを定める法的インフラの整備、これに当たっては、私は官僚や学者に丸投げをするのではなくて、政府・与党間でも十分に議論をする、さらには与野党間でも十分に議論をする、プロセスとしてこの民法の改正作業を進めていくと、そんなオープンな、先ほど今野委員からは小さな議論ではなく大きな議論というお言葉がありましたけれども、そういう大きな議論をするべきではないかと私は考えています。この点について、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(柳田稔君) るる前置きはやめさせていただきます。 前川委員の御指摘でございますので、委員の御意見も十分賜って、必要な検討をすぐにでもやらせてもらいたいと思います。 その際、与党の方もいろいろと協力をしていただければ有り難いので、よろしくお願いいたします。
○前川清成君 ありがとうございました。 次に、大臣所信の中で大臣が、現在法務省においては新たな人権救済機関の創設について検討を行っていますと、こういうふうに御発言をいただき、このようなごあいさつがございました。 今年の二月三日ですが、私と同期当選でありました松岡徹参議院議員、この問題にずっと取り組んでこられました。松岡議員が本会議で代表質問をされました。そして、その質問に対して当時の鳩山総理が、政府から独立性を持った人権救済機関を創設することは非常に重要な発想だと思っています、できるだけ早い時期に人権救済機関の創設などを目的とする法案を国会に提出できるよう努力をお約束しますと、こういうふうに答弁されています。 この鳩山総理の御発言、同じ民主党内閣ですから、必ず菅内閣にも引き継がれており、それゆえに大臣所信のお言葉に表れたのだろうと思っています。ついては、人権侵害救済法、これをいつごろ提出されるのか、その点について大臣の御決心をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(柳田稔君) 政務三役で一応役割分担を決めていまして、この人権については政務官中心になってやってくれとお願いをしておりますので、今の現状をちょっと政務官から説明をさせてもらえれば有り難いんですが。よろしくお願いします。
○大臣政務官(黒岩宇洋君) 前川委員の御指摘、私の方で。 名称はまだ検討なんですけれども、その新たな人権救済機関の設立等を目的とする法案、これについては当然今提出を目指す方向で、そして関係省庁、内閣府等との調整もありますけれども、もう速やかに進めてまいりたいと思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○国務大臣(柳田稔君) 法務省としても必要なものだと、そういう認識でございます。 過去の国会の審議もいろいろ聞かせてもらっておりまして、今の国会の状況を考えますと、与野党間の協議も大いに進めてもらえれば有り難いと、そういうふうな思いでございます。
○前川清成君 大臣も御案内のとおり、政府から独立した人権救済機関の設立に関して国連でパリ原則が採決されたのは一九九三年であります。国連の国際人権規約委員会から日本政府に対して早く独立した機関の設立をと勧告があったのは一九九八年。人権擁護推進審議会の答申は二〇〇一年。野党だった民主党が人権侵害救済法を議員立法で提出したのは二〇〇五年。歳月だけが過ぎております。 先ほどの可視化と同様に、私はもう検討の時期は終わったのではないかと、あとは決断の時期ではないかと、そういうふうに考えておりますので、どうぞ大臣、引き続きよろしく御決断のほど、御検討のほどをお願い申し上げたいと思います。 次に、今朝の新聞でも若干記事が出ておりましたけれども、司法修習生の貸与制の問題についてお伺いをさせていただきたいと思います。 二〇〇四年に法律が改正されまして、それまで司法修習生に給料が支払われておりました。私も今からおよそ二十三年前に月額十五万円の給料をいただいて、本当にあの給料は今までいただいたお金の中で一番うれしかったと、そう思っています。 しかし、法律が改正されて、この秋に司法試験に合格しこの秋に修習生に採用される皆さん方からは生活費が貸与される、そういう制度に変わりました。五年間の施行期間を経て、この秋に施行される予定でございます。ところが、弁護士会を中心にして、貸与制が施行されてしまったならば金持ちの子供しか弁護士になれなくなってしまうというような批判が起こりました。 そこでまず大臣に、基本的な発想として、貸与制云々どうこうの技術的なことはお伺いいたしませんが、基本的な思想として、金持ちの子供しか弁護士になれない、そんな社会についてはどのように感じておられるのか、思っておられるのか、お伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(柳田稔君) 金持ちの子供しか弁護士になれない社会、どう考えてもそれはおかしいですよね。努力した人もなれるというふうになるべきだろうと。そうなるようにいろいろ考えて当時国会でお決めになったんではないかと私は思っていますけれども、まあこれも国会でお決めになることでありますが、国会でお決めになれば私としてはそれに従うと。だれも反対意見述べているわけじゃなくて、国会でお決めになれば従うという方針でございます。
○前川清成君 今大臣がおっしゃったとおり、普通の家庭に生まれた子供であっても、さらには経済的に厳しい家庭に生まれた子供であっても、努力をすれば、頑張ったら弁護士になれると、そんな社会の基盤を守ること、これは政治の大切な役割ではないかと私は思っています。何も弁護士だけを切り取って議論をするつもりもありません。医師になりたい、エンジニアになりたい、教員になりたい、あるいはプロ野球選手になりたい、この国に育つすべての子供たちがその意思と能力に応じた教育を受ける機会が保障されること、そんな社会をつくっていくこと、これは私たち民主党政権の大きな目標の一つでありますし、親の財布の重さで子供たちの未来に差があってはならない、この当たり前の正義を守っていくことも大切なことだと思っています。 以上の基本的なスタンスを前提にお伺いしたいんですが、貸与制が施行されますと、基本額として毎月二十三万円が貸与されます。無利息で司法修習後五年間据え置かれて、十年間で分割返済することになります。すると毎月二万三千円ずつの返済になるんですが、任官五年後の裁判官、検察官にとってこの負担は重いのか、最高裁にお伺いをいたします。
○最高裁判所長官代理者(大谷直人君) お答えいたします。 裁判官ということで、私どもの所管ということで、裁判官についてお答えしたいと思いますが、任官五年あるいは六年といったキャリアを要する判事補の年収は七百万円前後ということでございまして、貸与金について、今委員のお話にありましたようなこういう貸与制のスキームの下で、委員御指摘の二万三千円という額を返済することが重い負担になるということはないと私どもは認識しております。
○前川清成君 私、今の大谷さんのお答えはそれで結構なんですが、ただ、私は裁判所なんで裁判官についてお答えしますという言い方には気に入りません。なぜならば、この司法修習制度を運用していくのは日弁連でも法務省でなくて、裁判所なんですから、検察官の給与水準についても、あるいは弁護士の所得についても、最高裁は当然検証した上で、毎月二万三千円だったら大丈夫ということでこの法案が提出され、施行されるんじゃないかと思っています。 大谷さん、もう一度。
○最高裁判所長官代理者(大谷直人君) お尋ねでございますので、それではもう少し御説明したいと思いますが、検察官につきましては、これは法務省の方からそういう重い負担になるということはない、そういう話は聞いておりません。 それから、弁護士でございますが、弁護士につきましては、弁護士白書の二〇〇九年版というのが公刊されておりますが、これによりますと、弁護士経験五年以上十年未満、こういう人たち、弁護士のうち七五・四%の方が五百万円以上の所得を得ているというふうにこれが報告されておりまして、こういうことからしますと、基本的に返還が過大な負担になるということは言えないのではないかと、このように考えております。
○前川清成君 しかし、神ならぬ身ですから、病気になることもあれば、その他の事情で働きたくても働くことができない場合もあります。そんな場合は最高裁として苛斂誅求に及ぶのか、大谷さんにお伺いいたします。
○最高裁判所長官代理者(大谷直人君) 現在の法律の下では、裁判所法におきましてこの返還の期限の猶予、それから返還免除という規定がございます。これについてちょっと御説明をするということでよろしいでしょうか。 まず、猶予の点ですけれども、これは法律の中で災害や傷害ということが例示されております。したがって、災害、傷害と、失礼しました、傷病といったもので返還できないというときが問題になる場合には、それに当たるかどうかを客観的な資料で見ていくということになります。 さらに、その猶予につきましては、その他やむを得ない事由ということも猶予の事由に挙げてあるわけですが、これは法律の条文の形式から見ましても、災害、傷病に準ずるような客観的な事情によって収入を得ることができなくなった場合を想定しているものと解されるわけであります。 したがいまして、この点は法務省も同じように解しているということでございますが、具体的に言いますと、例えば育児休暇、休業、あるいは介護と、こういった理由によって一定期間収入を得ることができないといった場合がこれに当たるのではないかと現時点では考えております。 あと、免除はよろしいですか。
○前川清成君 分かりました。 それで、裁判官や検察官、これは毎月、事件があってもなくても決まった金額の給料を受けることができますが、弁護士はそうではありません。売上げが落ちてしまった、生活が苦しい、特に合格者がどんどん増えて若い弁護士の皆さん方の生活が成り立たないというような声も上がっています。 売上げが落ちて厳しい、そんなケースでもやっぱり有無を言わさず取立てに及ぶんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(大谷直人君) これは今の時点でまだ発生していることではございませんけれども、一般論として申し上げれば、先ほど申したとおり、やむを得ない事情ということについては先ほどのような解釈が一般的だろうと思います。 そういうことを前提としますと、弾力的にこの条項を解釈して、そして返済期限を猶予するということを広く解していくということは、この現行法の枠の中では一般論としては非常に難しいのではないかと思います。
○前川清成君 今のはちょっと意外なお答えでした。私はもっと、将来ある法曹、公共的な役割を担う法曹が一生懸命、例えば無罪の事件とか公害の事件とかあるいは消費者問題とか、これ取り組んだらお金はもうからない。公共的なことを世の中のために一生懸命やってお金がもうからなかった。その結果、裁判所から借金を取立てされる。これはいかがなのかなと。 本当に手元にお金があるのに横着で払っていないというようなケース、それこそ税金の無駄遣いになるから厳しく取り立てろというのは分かりますが、公務員と弁護士とはそもそも収入の体系が違う、売上げがすなわち可処分所得ではないというようなことも理解した上でこれから運用されるのかどうか。 今のような御答弁があると、与野党共にやっぱりこの貸与制って問題あるのかな、不安な気持ちを私は抑えることができないんですが、大谷さん、そうなんですか。
○最高裁判所長官代理者(大谷直人君) 弁護士が十分な一年という単位の中で収入が得られない場合があるというのは御指摘のとおりだろうと思いますが、今委員からもお話ありましたように、その理由は様々なものがあるのだろうと思います。 その公益的な理由というような場合にその猶予ということを弾力的に解していいかと、こういう点になりますと、これはどうも現行法の枠組みを超えた立法政策的な配慮からそういうものを認めていくかという問題になるのではないか、そういう意味では、立法によってそういった救済をすることの是非を御議論いただきたいと私どもとしては考えております。
○前川清成君 私は、「その他やむを得ない理由」というふうに書かれてあって、「猶予することができる。」と、こういうふうに法律の条文があるわけですから、最高裁が責任を国会に押し付けることなく、最高裁の御判断で、世の中のために一生懸命頑張っていると、だから余りもうからない、そんな弁護士に苛斂誅求はしませんとここではっきりおっしゃっていただけるものだとあらかじめ信じていました。 次に、じゃ、神ならぬ身ですから、死んでしまいましたと、あるいは交通事故で重篤な後遺症が残りましたと。この場合については、裁判所法六十七条の二、四項、「全部又は一部の返還を免除することができる。」と、こう書いてあるわけですけれども、この「免除することができる。」という文言も二項と同じように解釈しておられるのか。つまりは、死亡若しくは精神若しくは身体の障害、これに同列の事由が生じない限りは免除することはできないというふうにこれから運用しようとされているのか、最高裁にお尋ねをいたします。
○最高裁判所長官代理者(大谷直人君) あくまでも将来事例が発生したときにこの問題が顕在化することになるということで、一般論としてこの段階ではお許しいただきたいわけですが、条文を比較しますと、免除の場合には限定的な事由の列挙になっております。したがいまして、ここにあるような事情が客観的に発生したと、例えば医師の診断書等によって認められる場合に免除されると、こういうことが運用だろうと思っております。
○前川清成君 裁判所というのは、あるいは法廷というのは、ある種闘いの場所でして、それは相手方代理人との闘いでもありますけれども、裁判所との闘いでもあります。 例えばですが、私が弁護士のころに、消滅時効に掛かった債権をサラ金から二束三文で買い取って、その債権に基づいて取立訴訟を起こすという悪徳サービサーの取立て事件の被告代理人を引き受けたことがあります。当然のことですが、消滅時効を援用しますと、なりたての裁判官から和解を勧告されます。裁判官室で、先生、これ、消滅時効を援用されたら、元金は消えるけれども遅延損害金が残りますがどうしますかというようなあほなことを言われてしまいました。さらには、出会い頭の交通事故で差額分だけ和解しようとしたら、民法五百九条を御存じですかと、そんなふうに言われてしまいました。そんなときに、明らかに裁判官が間違っているときにでも御無理ごもっともというふうに言うてると、依頼者の権利を守ることはできないわけです。 ただ、裁判所に対して司法修習生のときに借りた借金があると、そういう負い目があると弁護士や検察官は法廷で言いたいことが言えないんじゃないかと。とりわけ私のような気の小さい人間はそうなんですが、その点の精神的な負担等々をどのように考えて、そして、そういうふうな精神的な負い目が生じないように最高裁としてはどうなさろうとしているのか、最高裁にお伺いいたします。
○最高裁判所長官代理者(大谷直人君) この貸与制についての実施の責任は裁判所が負っておりますが、もとよりこれは国の税金として貸与するということでありますので、何か裁判所に対しての負い目があるとかないとかいうことを弁護士の方が思っていただく必要は毛頭ないのだろうと思います。 あとは、具体的な事項について、特に免除という点につきましては、二つの制度、返済の猶予と免除というのを比較すると、それを弾力的に運用するということが難しいのではないかということを今の時点で申し上げたということであります。
○前川清成君 この点、通告をしていないので誠に恐縮なんですけれども、私は、貸与制に関して延長論が出ています、しかし、最高裁からこのようなしゃくし定規な答弁があると思っていませんでした。貸与制が施行されたとしても、検察官や裁判官やあるいは弁護士の収入実態から見て毎月二万三千円は返せますよと、だから、あるいは病気になったら、けがをしたら心配しなくてもちゃんと猶予規定なり免除規定を使いますよと、どうぞ心配しないでくださいねと、こういうふうな親切な御答弁があるのかなと思っていたんですが、今のような御答弁を聞くと、昔、司法修習生として給料をもらっていた一員としてはこの貸与制の施行に関して一抹の不安を抱かざるを得ないんですが、済みません、かつて司法修習生として給料をもらっておられた小川副大臣、通告させていただいていないんですが、かのような次第でございますので、ちょっとお考えをお聞かせいただいてよろしいでしょうか。
○副大臣(小川敏夫君) 確かに、修習生の時代に給与をいただくということで生活を支えていただいて修習に専念できるということは、非常に修習生から見てもいい制度でありましたし、また、一方で、法曹になった後も借金を引きずらないので、自分の信念に、あるいは正義感に従って自由に仕事ができると。あるいは、国に負担をいただいて言わば修習を受けさせていただいた、その御恩返しに公に御奉仕したいというような気持ちもわいてくるというふうなことで、非常にいい制度であったというふうに実感しておりますが。 ですから、そうした制度が続けば、それはそうした修習生から見れば大変にいい制度だと思っておりますが、ただ、司法制度改革で法曹制度、法曹の数をこれから、まあ私のころは年間五百人でありましたが、制度の仕組みとしては年間三千人に増えていくというような状況もございますし、また、国のため、公のために尽くす仕事が、法曹だけでなくて、様々な分野で働いていらっしゃる方もやはり様々な在り方で国のため、社会のために役立っておるわけでございますから、法曹だけがというところの意見もございますでしょうし、また大変に厳しい財政の問題というのもございます。私は理想としては維持していきたいと、維持したらいいのかなとは思っておりますが、なかなか難しい事情もあるのかなというような感想でおります。
○前川清成君 済みませんでした。 それで、私は実はこの貸与制の問題、司法試験に合格してこれから司法修習生になる、そんな皆さん方だけを切り離して貸与制か給費制かということを議論するべきではない、そう思っていました。法曹養成制度全体を見渡した上で、金持ちの子供しか弁護士になれない、そんな社会をつくってはならない、そんな視点で議論するべきではないか。そんな視点で申し上げると、やはり気になるのは法科大学院のことであります。 旧司法試験が終了をいたしました。来年、口述試験を残すだけになりました。新司法試験一本になりますと、新司法試験の受験資格は予備試験という例外を除いて法科大学院を修了していることになってしまいます。なぜ司法試験の受験資格に法科大学院の修了を要件とするのか。その結果として、国立の法科大学院であれば一年間に八十万円、私立であれば百三十万円、原則として三年間、大げさではなく五百万円程度の学費を用意しなければ、そもそも司法試験の受験資格さえ得られなくなってしまう。これが本当に正しいのか、この点について法務省にお尋ねしたいと思います。
○副大臣(小川敏夫君) そもそも司法制度改革の中で、法曹養成制度も司法試験制度も含めて大きな改革といいますか変更を遂げたわけでございますが、その一つの出発点としましては、それまでの司法試験制度が言わば司法試験一発で、点数さえ取れば司法試験に合格するというようなところで、言わば司法試験予備校というものでただ単に試験に受かるための知識を積み込めばいいような傾向が現れまして、結果として、本来国民の権利義務を扱う、そうした面から高い倫理性、公共性というものが求められる法曹という面にその期待にこたえないような実態が現れてきたんではないかというような反省も含めまして、そうした倫理観、人間性もよく備えた法曹をしっかりと養成していかなくてはならないと。そのために、ただ単に一発勝負の試験の点数を取るということだけでなくて、ロースクールにおいて実務とそれから倫理も、そうしたものも含めた教育を経た上で、より中身が伴った法曹を養成しようというような理念で出発したことだというふうに思っておりますが、いろいろその理念どおりに行っていないという現状もまたございます。 また、委員が御指摘のように、経済的に苦しい人が法曹になれないということはこれはあってはならないことでございます。試験に受かった人だけでなくて、その前段階のロースクールにおいてもそうしたことがないように、言わば奨学金の手当てなどをより充実して、委員が御心配されている点がより解消されるような努力はしていきたいというふうに思っております。
○前川清成君 試験の点数で評価すること、これをまあ悪く言えば今副大臣御指摘になったとおりなんですが、しかし試験の点数だけで評価することはある種客観的であり、ある種公平でして、法科大学院が理念としたプロセスとしての選抜、これはえこひいきだったり、あるいは不公正さのにおいをどうしてもぬぐい去ることはできませんし、倫理観や人間性、これは法曹にとって極めて大事なことでしょうが、倫理観や人間性をこれは点数で評価することができません。ですから、法科大学院の在り方も私はそろそろ検証してもいいのではないかな、そんなふうに思っています。 それと、お金がないと弁護士になれない、裁判官になれない、そんな社会を許さないためには決して予備試験のハードルを高くしてはならないんじゃないのか。そもそもなぜ予備試験というのが必要なのかと。司法試験がきっちりと機能していたら、きっちりと運用されていたならば、法曹に必要な資質というのは司法試験で判断されるわけですから、屋上屋を重ねるような予備試験がなぜ必要なのか、私は疑問に思っています。 司法試験に合格するために法科大学院に行くのか、あるいは経済的な理由もあり独学を選ぶのか。勉強方法まで国が押し付けるのではなくて、それはそれぞれの子供たちがそれぞれの経済的な事情等を勘案して自分で判断するべきではないか。私はそう思っていますが、もし感想のようなものがあればお聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(小川敏夫君) この法曹養成制度、当初の設計では年間三千人程度と、あるいはロースクールを修了した人の約七割前後が法曹の道を歩むというような設計でございましたが、現実の状況はまだ二千人、あるいはロースクールの修了者の合格率も最近はかなり下がって、三割前後ですか、下がってきているというような状況でございます。 こうした法曹養成制度そのものが当初の設計と違うということの現状も踏まえまして、また委員が御指摘されたような経済的な困窮者の問題、予備試験の問題等もございますので、この段階で新たに法曹養成制度そのものを全体的に考えていく時期に来たのかなというふうに思っております。そのようなことで検討を進めていきたいと思っております。
○前川清成君 大臣にお伺いをさせていただきたいと思いますが、私は司法制度改革審議会が描いた法曹養成制度に様々なひずみが生じているのではないかと思っています。司法制度基盤の整備もないままに合格者を三千人にまで一挙に引き上げてしまったならば、就職できない弁護士がちまたにあふれてしまうんじゃないのか。それでもいいのか。もしそんなことになると優秀な学生が法曹を目指さなくなってしまうのではないか。そんなことも承知の上で三千人にまで増やしていくのか。司法試験の合格者数を司法試験委員会が密室で決めるんじゃなくて、政治主導で議論をリードするべきではないかなというふうにも思っています。 あるいは、司法制度改革は法曹人口を増員するという目標を掲げました。しかし、実際には弁護士の人口だけが増えています。裁判官や検察官の増員というのはわずかです。この委員会でも与野党一致して裁判官や検察官、もっと増やすべきだというふうな議論がありましたけれども、裁判所は適正数を確保するという官僚答弁を繰り返して今までどおりを墨守しようとしています。それでいいのか。 あるいは、法科大学院に関しても、これまでにわずかの、数人の合格者しか出せていない法科大学院もあります。法科大学院は実務家を養成する仕組みとして適当なのか。学者が中心の法科大学院で、裁判所に行ったこともない学者が実務家を養成することができるのか。法科大学院という仕組みがもしかしたら間違っていたのではないか。法科大学院が優秀な教員を確保できているのか。入試はどうか。選抜方法に問題はないのか。さらには、今日少し議論させていただきました法科大学院の学費や司法修習生の生活費などなど、金持ちの子供しか弁護士になれないという制度ではなく、法曹養成システムがだれに対しても開かれた公正なものになっているのか。 私は、この十年間で大きく変換した法曹養成制度、これを走りながらでも検証する、修正するべき点があれば修正する、そんな活動がそろそろ必要ではないかと、そんなふうに思っています。 いかがでしょうか、大臣も所信の中で問題点を、様々な御意見があるところですので、文部科学省など関係機関とともに問題点を検証しつつ、必要な改善策を検討してまいりますと、こういうふうに述べておられます。結論や方向をあらかじめ示すことなく、幅広く法曹養成システムを検証するために政治主導で大臣直属の特命チームをおつくりいただいてはどうかと私は考えておりますが、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(柳田稔君) 前川委員のお話を聞いていますと、つい、はいと言いたそうになりますけれども、お話の内容を聞いていますと、これは教育関係もいろいろと含まれているようでありますので、私の下の特命チームというよりは、やはり文部科学省との議論も必要なのかなと思います。 先ほど小川副大臣がお話しされましたように、我々三人も検討する時期なのかなと、そんな思いを持っていますので、そういう思いで進めさせてもらえればと思っております。
○前川清成君 どうもありがとうございました。 今日はいわゆる強制起訴に関する指定弁護士の問題も質疑させていただく予定だったんですが、残念ながら時間が参りました。これで今日の質問は終わらせていただきたいと思いますが、この法曹養成の問題につきましても、あるいは契約法の改正につきましても、これから一生懸命取り組んでまいりますので、引き続きよろしく御指導をお願い申し上げまして、私の今日の質問、終わらせていただきます。 本日はありがとうございました。
○森まさこ君 自民党の森まさこでございます。 柳田大臣、法務大臣御就任おめでとうございます。柳田大臣が法務大臣に御就任をされてから、法務委員会での質疑は衆参通して今日が初めてであると思います。大臣の方も、初めて国会での委員会に臨むに当たり、記者会見で、今重要な問題を三つ抱えているので、それらについて質問が出ると思うというふうにおっしゃっておられましたが、三つの問題とは何でいらっしゃいますか。
○国務大臣(柳田稔君) 私は、過去に法務委員会に入ったことは実は一回もありません。そういう立場の者が法務大臣を拝命いたしまして一月経過をいたしました。仲間内からは、大きな案件をたくさん抱えていると。いろんなしがらみとか、人に遠慮するとか、そうでない人が、もっと簡単に言うと、素人がしっかり判断をした方がいい結果になるんではないかと、そんな激励もいただきながら今日まで一月間一生懸命務めさせていただきました。 重大課題三つというのは、前大臣から引き継いだときにもありましたけれども、尖閣諸島の問題、その次、金曜日に就任しまして、週末のお休みを明けて初めて役所に顔を出すときに見た新聞にフロッピーディスクと、これがスタートでした。そして、検察審査会の判断が出たということで、いろいろとまたこれも御意見、質問なりをいただいておるのでこの三つというふうにお答えをさせてもらっておりますし、もう一つ、拉致担当大臣もしていますので、北朝鮮の情勢の変化もこれありで、大変重要な局面を迎えているので、もう一つありますというふうには皆さんにお答えをさせてもらっております。
○森まさこ君 今、三つの問題、尖閣、フロッピーディスク、検察審査会とお答えをいただきましたが、私もそれぞれ重大な問題であるというふうに考えております。素人が判断した方が良いという御意見もあるようですが、私としては若干不安も感じますけれども、この重大問題についておとといの大臣所信にすべてが触れられていなかったということ、まずもって私は大変残念に思ったんです。 大臣、なぜ所信でお触れにならなかったんですか。
○国務大臣(柳田稔君) 今すぐ全部を思い出せというのはちょっと難しいんですけれども、今まで予算委員会、決算委員会ずっと出ていまして多くの質問がこの三つに集中していましたし、そういうことで意識を持っておる次第であります。 ただ、所信の中で検察審査会についてほとんど触れていなかったのは、これは意図的なことではなくて、法務省として関係する判断ではないので触れなかったというふうには思っております。
○森まさこ君 やはりこの三つの重大問題、国民的にも大変関心がある問題です。大臣所信の中には、冒頭、法務大臣に就任いたしました柳田稔です、私の持てる力の限りを尽くしてこの重責を果たしていく覚悟ですと。その一文の次にこの検察フロッピーディスクについての謝罪、触れられておりました。その次から全部個別の政策なんです。 私は、やはりまず尖閣諸島の問題、これ、検察が全部判断したということになっているものですから、この法務委員会でもこれは問題になる重大な問題であると思うんです。国民は、これを検察が全部判断したということで、やはり法務大臣の何らかの意見を聞きたいと思っている中で、国会で一番最初の法務委員会の大臣所信において一言も触れられていなかったということに私、さっき大臣が素人とおっしゃいましたけれども、意識が低いんではないかと。国民は、大変今不安に思っている主権と領土の安全の問題、これについてやはり大臣のお言葉を聞きたかったと思うんですね。私は、そのことが残念であるということを申し上げておきます。それから、検察審査会についても、大臣が今おっしゃったように触れられておりませんでした。 これらについてはまた後ほどお尋ねいたしますけれども、この大臣所信、また見ますと、先ほど申し上げましたとおり、最初の重責を果たしていくという一文だけで総論がないんです。法務大臣として法務行政をどのように取り扱っていくのか、新しい法務大臣が来て、国民はこの大臣が法務省でどんな仕事をしていくんだろう、国民を守るためにどんな決意でいらっしゃるんだろうと、これが聞きたいと思うんです。前の大臣の所信と比べても、大変紙でも薄っぺらですけれども、内容が総論的なもの、何もないのです。 私は、そこで大臣に今お聞きしたいんです。大臣は法務大臣として法務行政をどのようになさっていくおつもりですか。
○国務大臣(柳田稔君) いろいろと課題があるのは承知いたしております。私が今心掛けていることは、何事もスピード感を持って対応していくと、そういうことを中心に物事に対応させてもらっております。当然、法務行政ですから、私に替わったからといって急に法務行政が変わってもらっても国民は困るかと思います。一番大きなことは継続性ですし、問題が起きたらできるだけ早く対応してほしいと、そういうことだろうと私は思っていますので、そういうふうなことで対応させていただきたいと、そう思っておる次第であります。
○森まさこ君 継続性があるということでしたけれども、そもそも法務大臣、法務行政とはどのような内容であるというふうにお考えですか。
○国務大臣(柳田稔君) 法律を守ること、そして国民の生命、財産を守ること、そういうふうに考えております。
○森まさこ君 やっとお答えいただいて、私は、法律を守るとおっしゃいましたけれども、法秩序の維持、法の支配を隅々まで行き渡していただいて、やはり法と証拠に基づいてのみしっかりとした法の支配がこの国ではなされるということに対しての御努力、そして、その結果として、国民の権利を守っていく、国民の生命と財産を守っていく、そのことをやはりいつも念頭に置いていただいて、大臣所信でもしっかりと述べて国民にやはりアピールをしていただきたいというふうに思うんです。 さて、今、大臣が継続性とおっしゃいましたけれども、と申しますと、民主党のマニフェスト、それからインデックス等に書かれておりました施策はそのまま進めていかれるおつもりですか。
○国務大臣(柳田稔君) 予算委員会、本会議、そのたびに総理も答弁されておりますけれども、すぐにやるもの、衆議院の解散までにやるもの、いろいろと提案をされております。と同時に、一部修正ということも加えて参議院選挙の際にマニフェストも提案をさせてもらいました。 私は参議院選挙を今年戦った立場ですから、私は今回のマニフェストで戦ったという立場は自分なりに考えておるところでございます。
○森まさこ君 今ちょっと御答弁の内容がよく分からなかったんですが、参議院のマニフェストで戦ったとおっしゃった。衆議院のマニフェストと参議院のマニフェストが違うという御認識なんですか。
○国務大臣(柳田稔君) 個々について触れるつもりはありませんけれども、衆議院選挙の際のマニフェストと参議院選挙の際のマニフェストと少し変更が出てきているというのは、自覚は持っておる次第であります。例えば、暫定税率はどうしたんだと皆さんから御批判を受けます。これはいろんな状況を考えた結果、参議院選挙のマニフェストになったんだと、私はそういうふうに理解をさせてもらっております。
○森まさこ君 いえいえ、大臣、法務行政にかかわる部分のマニフェストでございますけれどもね、衆議院と参議院で変更があったところがあるんですか。
○国務大臣(柳田稔君) 済みません。全般のマニフェストを考えていました。 多分、法務行政についてはほとんどないかというふうに認識をさせてもらっております。
○森まさこ君 分かりました。マニフェスト、法務行政に関しては守っていくお立場であるということを伺いました。 さて、新聞等で騒がれております鳩山前総理の書類の問題なんですが、これ、検察が全部持っていったのでないのだということを鳩山総理が言っていたんです。私が直接鳩山総理に質問をしたときに、コピーを持っているはずでしょうということを伺ったら、いや、ないという御答弁でした。 と申しますのも、私も弁護士ですけれども、弁護士としての常識ではちょっと考えられないというふうに思ったんです。つまり、鳩山前総理のあの十五億円以上に上るお母様からの子ども手当、これが贈与税が支払われていないのではないかという脱税疑惑、また、そもそもそのきっかけとなった、鳩山前総理の政治資金報告書にお亡くなりになった方や同級生やそれから恩師の方のお名前を虚偽記載して偽装献金をしていたのではないかと、その問題についての書類が全部、元秘書の方が起訴されたので、そのときに検察が任意提出を求めてきて、検察に任意提出をしてしまったので手元にないんですとお話しでした。 ですから、私たちは、いろいろな分からないことがあったものですから、鳩山前総理にお尋ねをしても、何も答えが返ってこなかったんです。つまり、その偽装献金された部分は、偽装ですから、その亡くなった方からは献金来ていないのでどこから来たんだろうという、その原資の問題。それがお母様からのその十五億円から来ているのか、それともその十五億円が別のところに流れて何かに使われたのか、その使途も分からない。それは帳簿を見れば分かるはずですから教えてくださいと言ったら、いや、それはすべて手元にないというお返事だったんです。 ところが、弁護士であれば、任意ですから、任意で検察がちょっと書類を見せてください、貸してくださいと言ったときは、弁護人であればですよ、弁護士であればですよ、それはコピーをしてから、渡すにしても写しを取ってから渡します。それが常識ですよ。それができなかったら弁護士なんかバッジを外すべきだと私は思いますね。ところが、これが、新聞に載っていますけど、民主党の顧問弁護士の方が言っていらっしゃるというんですが、コピーは取っていたということなんです。 私、これは大変重大な問題だと思うんですね。現職の総理が予算委員会で、テレビの入っている前で、国民の前でうそをついたと、虚偽の答弁をしたということであります。そのことについて大臣の御意見を伺います。
○国務大臣(柳田稔君) 国会の審議は承知をいたしております。マスコミ各紙がどういう記事を載せたのか、それまでは私は承知をいたしておりません。
○森まさこ君 大臣、閣僚の方が委員会で虚偽の答弁をしてもよいとお考えですか。
○国務大臣(柳田稔君) 一般論で言って、虚偽の答弁をしたかどうか、これは私には分かりませんね。それがどう判断されるのか、これは国会になるのかどうなるのか、いろいろあるんじゃないでしょうか。私に聞かれてもそれは困りますが、非常に答弁難しいですよね、それがどうなのかよく分かりませんので。
○森まさこ君 いえ、私の質問は、一般的に、大臣が国会で虚偽の答弁をしてもよいとお考えですかと一般的に聞いているんです。
○国務大臣(柳田稔君) 虚偽の答弁を意識的にしていいかどうか。まずいんじゃないですか、それは当然。
○森まさこ君 当然ですね。そう思います。法の支配をつかさどる大臣ですから、一発でびしっとそんなものはけしからぬと答えていただきたかった。 さて、鳩山総理が本当に虚偽の答弁をしたかどうか、これは分かりませんよ。私たちはそれを知りたいと思っています。鳩山総理には書類の提出はもう再三求めてきましたが、これ、もう検察に取られた。じゃ、検察からコピーをもらってくださいと言ったときも、もらわなかった。公判が終わったら書類が返ってくるからすぐ出すと言って、それも返ってないんです。私は鳩山総理のこの一連の書類の提出を求めたいと思います、委員長。
○委員長(浜田昌良君) 後刻理事会で協議いたします。(発言する者あり)質問中です。(発言する者あり)
○森まさこ君 検察に持っていかれて、そして手元になかったと鳩山総理が言っていますが、これ、実は検察の方も持っていくときにコピーを待って持っていっているんですよ。 だから、私はこの法務委員会で検察の方と鳩山総理の両方の意見を聞いて、書類を見てやはり確認をしたいと思うんですよ。国民はあのときに国会を見ていて、そして鳩山総理の言うことを、ああ、そうなのか、ないのかと信じていたんじゃないですか。それがもし事実と違ったら、とんでもないことです。私はこの法務委員会に……(発言する者あり)
○委員長(浜田昌良君) 質問中ですので静粛に願います。
○森まさこ君 鳩山前総理と民主党の顧問弁護士の参考人の招致を求めます。
○委員長(浜田昌良君) 後刻理事会で協議いたします。
○森まさこ君 このことでは小沢元民主党代表の政治と金の問題もありますが、鳩山元総理の政治と金の問題も全く国会で説明をされておりません。民主党の中でも何の調査もされておりません。自浄作用が働いていないというふうに私は考えます。民主党の中でこれをきちんと調査もすべきだと思いますが、これは大臣、どうお考えですか。
○国務大臣(柳田稔君) お答えのしようがございません。
○森まさこ君 これ、当時衆議院の方の予算委員会で、町村信孝衆議院筆頭理事が当時の千葉法務大臣に質問しているんですよ。これ、一般的に、捜査当局はもし書類を持っていったとしても、書類のコピーを取らせてくれと言われれば、これ捜査当局はコピーは認めるんですよねと聞いているんです。これ、今回の事件について鳩山総理が請求すれば、コピーはお渡しできますね、どうでしょうかというふうに。千葉大臣に聞いたとき、千葉大臣は、今公判中だから答えられないと言った。 大臣、そこで聞きますけれども、もう公判が終わっています。そして一般的なお答えで結構です。書類のコピーを取らせてくれと言われれば、これは検察はコピーを取らせるんですよね。
○国務大臣(柳田稔君) 一般論としては、警察当局において適切に判断されるものと承知いたしております。
○森まさこ君 抽象的な答弁、残念でございます。 それでは、次に尖閣諸島の問題に参りますが、本日お配りした資料を御覧ください。これは参議院の予算委員会での議事録が配られておりますけれども、このことについて、十月十八日の決算委員会の方で川口順子委員が柳田大臣に質問をいたしました。つまり、尖閣諸島の問題で那覇地検に外務省が説明に行ったときに、これは白浜委員の質問に答えて、柳田大臣の方は、今後の日中関係、これを説明を受けたと答えている。それに対して前原大臣は、今起きていること、この説明をさせたと言っているんです。ここが、今後のものなのか今のものなのかということについて食い違いがあります。川口委員が質問したんですけれども明確な答弁が得られませんでしたので、また同じ質問をいたします。 大臣は今後の日中関係について説明を聞いたという答弁をいたした。これに間違いないですね。
○国務大臣(柳田稔君) 今回の件については、那覇地検がコメントを発表しているのは森委員も御存じだと思います。その中のくだりに書いてある内容を触れさせていただいたと私は認識をさせてもらっております。 同時に、二十四日の日に処分保留で釈放をされました。その際に法務省の担当局長から、こういうことで釈放をするそうですという内容も聞かせていただきました。で、その日中関係どうのこうのという那覇地検のくだりもありますけれども、これは当然、前日の日に外務省の人に来ていただいてお話を聞いたことが基になっているんだろうと、私はそう考えておった次第であります。 あくまでも私が直接聞いたのは、担当の刑事局長から聞いて、ああなるほどと、そういうことであれば、私としてはコメントすることはありませんと、そういうふうに答えた次第であります。
○森まさこ君 そうしますと、大臣、担当の刑事局長が大臣に対して、外務省が今後の日中関係について説明してくれましたと、そう説明したということで受け取ってよろしいんですか。
○国務大臣(柳田稔君) 少々私も理解できてないのかもしれませんけれども、那覇地検のコメントもありましたと、これは多分御存じですよね。
○森まさこ君 はい。
○国務大臣(柳田稔君) で、そのコメントを発表する前に、私の方にこういうことになりましたと。こうこうこうこういう理由でこうなりましたと。で、その中のことを申し述べた次第でありまして、それならばなるほどと言ったところでございまして、それと何がどう違うのか、ちょっと今理解ができてないんですが。
○森まさこ君 つまり、外務省が今後の日中関係について説明したかどうかを聞いているんです。
○国務大臣(柳田稔君) 私が言ったのは、それ以上でもそれ以下でもないと。それ以上の詳細について個別の案件に答えることは控えさせてもらいたいと、そういうふうにずっと答弁をしているところでございます。
○森まさこ君 結局、外務省が今後の日中関係について言ったのかどうか、大臣の答弁は終始一貫しておらずあいまいです。それが大変に国民の疑念を招いていると私は思うんです。 この問題、全国都道府県の議会で、現時点で三十四件の意見書が出ております。尖閣諸島沖における中国漁船衝突事件に関する意見書という、またそれに類する題目で出ております。これ、法務大臣に届いておりますね。
○国務大臣(柳田稔君) 存じ上げません。
○森まさこ君 大臣、意見書は出ておりますので、しっかりと見ていただきたいと思うんです。 例えば、二十二年十月五日付けで福島県議会議長佐藤憲保さんから法務大臣あてに意見書が出ております。その中に、「那覇地検が中国漁船の船長を処分保留として釈放した理由の中に「我が国への影響や今後の日中関係も考慮した」としているが、捜査機関が言及することに疑念が残る。本来、このような事案については、日本政府として外交・安全保障の観点から判断すべきものである。」と。そういうことを各都道府県の議会がもう三十四件も法務大臣あてに出しているんですから、副大臣も首をひねってないで、しっかりとこれ、皆さんの国民の声を受け止めていただきたいと思うんです。 そこでお伺いしますけれども、大臣、大臣はこの捜査機関の今回の判断について、刑事訴訟法二百四十八条によって釈放したというふうに国会で何度も答弁されております。間違いないでしょうか。
○国務大臣(柳田稔君) さようでございます。
○森まさこ君 どういう理由でこの二百四十八条が適用されるんでしょうか。大臣にお願いします。──はい、大臣にお願いします。
○国務大臣(柳田稔君) 刑事訴訟法第二百四十八条は、起訴、不起訴の判断に当たって考慮すべき諸事情として、犯罪や被疑者に関する情状に加え犯罪後の情況を定めているところであります。これは、社会一般の状況の変化や起訴、不起訴等の処分が社会に与える影響が含まれているものと考えられます。 本件においても、被疑者の釈放に当たって、犯罪や被疑者に関する情状に加え、社会一般の状況の変化や社会に与える影響等として、被疑者の身柄を勾留したまま捜査を継続した場合の我が国国民への影響や今後の日中関係を考慮したものと私は承知いたしております。
○森まさこ君 今の大臣の答弁、よく後で読み返していただきたいんですけれども、途中でちょっと、ちらっと変わっているんですよ。つまり、前段部分では二百四十八条は起訴、不起訴の処分に際してと言っている。ところが、後段になると釈放に際してと変わっている。 釈放と起訴、不起訴の処分は違いますね、大臣。今回、起訴又は不起訴の処分がなされているんですか。
○国務大臣(柳田稔君) 被疑者の勾留は、基本的に身柄を拘束して捜査を行い、公訴を提起するか否かを決するために行うものであり、釈放の判断に当たっても起訴、不起訴の判断において考慮すべき諸事情を考慮することができるということで我々は対応をいたしております。
○森まさこ君 そんなことは条文に書いてないんです。二百四十八条のコンメンタールにもどの本にも書いてないですよ。どういう根拠で起訴、不起訴の処分じゃない処分保留のままの釈放のときに二百四十八条を適用するんですか。
○国務大臣(柳田稔君) 法務省の解釈であり、私はこれが一般論だというふうに承っておりますし、承知いたしております。
○森まさこ君 一般論だとおっしゃいますけれどもね、私、法律家ですけれども、そんなものが一般論だって聞いたことありませんね。大臣は素人の判断でやるから正しいんだとおっしゃいましたけど、法律を適用するときは条文に基づいてきちっと適用してもらわないと法の支配も何もなくなってしまうんです。条文に当てはまらないものをすべて当てはまるといったら、これは法の支配でなくて人の支配じゃないですか。起訴、不起訴の処分をしたときだけです、二百四十八条は。釈放の、条文はね、直接の条文はありませんけれども、読み込める条文は幾つかありますね。二百四条、二百七条、二百八条、ありますけれども、そこには犯罪後の事情を考慮できるということは一つも書かれてないんです。 なぜ起訴、不起訴の処分もしないのに勝手に二百四十八条のその裁量を当てはめて、それも、しかも非常に大きな外交問題まで含めるのか。それは、非常に私はけしからぬというか、法の支配を逸脱していると思うんですよ。そう思いませんか、大臣。
○国務大臣(柳田稔君) 国内においてそういうことは一例もないとおっしゃいますけれども、多々あるという報告を私は聞いております。詳細にわたっては副大臣が説明をいたします。
○森まさこ君 国内においての事例があると言いますけれども、処分前の釈放で二百四十八条を適用した例は一つもありません。それは、処分前に釈放する例は多々ありますよ。もちろんありますよ。だけど、そのときに二百四十八条を適用するとしたそんな前例は一つもないと思いますよ。もしあるんだったら、副大臣、答弁してください。
○副大臣(小川敏夫君) 二百四十八条は起訴、不起訴という最終処分、言わば捜査の最終段階での結論を出す場合のことでございますが、この釈放というのは、つまり身柄の勾留ということのその勾留処分を解くということでございますが、そもそもその勾留という捜査そのものが起訴、不起訴の判断をするに向けての一つの捜査の言わば手順でございます。この終局処分の起訴、不起訴の処分に当たって便宜主義が取られるということは、そこに至るまでの捜査の過程においてもやはり便宜主義というものが当然含まれると、このように解釈しております。
○森まさこ君 副大臣ね、前例があると言ったからお聞きしたんですけど、前例を言ったんじゃなくて自分の考えを言っただけじゃないですか。二百四十八条が釈放のときに適用されるなんという前例はないんですよ。しかも、捜査手続の一環だからって、じゃ捜査手続の間は全部二百四十八条が適用されるんですか、そんなことは条文には書いていない。 私は今、法務大臣のお話を伺って、二百四十八条で間違いないとおっしゃる。しかし、二百四十八条の要件に当てはまりませんから類推適用したと、そういうふうにおっしゃるんですか。大臣、類推適用ですか。
○副大臣(小川敏夫君) 委員長。
○委員長(浜田昌良君) 副大臣でよろしいですか。副大臣でよろしいですか。
○森まさこ君 大臣に。
○国務大臣(柳田稔君) 私はいろいろ確認しながらいろいろ判断をしていますけれども、そういう例はあるというふうに聞いております、国内においても。ただし、個別の案件がどうかこうかと言われると、これは答弁をしかねます。
○森まさこ君 それでは、大臣はこの案件は二百四十八条の直接適用であると、類推適用ではなく直接適用であるとおっしゃるんですね。
○国務大臣(柳田稔君) だんだん難しい話になってきまして。 これは釈放するか否かの判断に当たっては、刑事訴訟法二百四十八条の趣旨を適用しているというふうに伺っております。
○森まさこ君 今、言い方が変わりましたね。今までずっと大臣は二百四十八条だと言っていたんです。急にその趣旨を、趣旨を適用したということになりますと、これは類推適用ですね。 類推の基礎があると、だからその趣旨を勘案して類推適用したと、そういうふうに伺ってよろしいですか。
○副大臣(小川敏夫君) 委員長。
○委員長(浜田昌良君) 副大臣でよろしいですか。
○森まさこ君 大臣に。(発言する者あり)
○委員長(浜田昌良君) 質疑者の通告ですので。質疑者の通告ですから。(発言する者あり)
○森まさこ君 だって、今大臣とのやり取りで、大臣の答弁に対して、じゃ類推なんですねと言っているんです。(発言する者あり)
○委員長(浜田昌良君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(浜田昌良君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(柳田稔君) 直接か類推か、私は、このことは、先ほどから申していますように、少々違うんではないかと、趣旨を適用させてもらったと、そういうふうにお答えをしている次第であります。
○森まさこ君 はっきり答えないようですけれども、趣旨を適用ということは直接適用していないということなんですね。 私は、だけど、二百四十八条をとにかく適用したと、犯罪後の情況ということでずっと説明しているんですよ。だけど、これは大きな違いがあるんですよ。起訴、不起訴の処分をしたときは、不起訴処分にしたときは国民は検察審査会に申し立てることができるんですよ。不服申立てがある。国民の目による是正手段があるんですよ。ところが、大臣、聞いてください。処分保留のままの釈放のときは検察審査会に申立てができないんです。それ以外の何ら不服申立てが、国民があれおかしいんじゃないかと思っても何にも是正手段がないんです。 一方では是正手段がある、一方では是正手段がない、是正手段がないものの方にこちらの大きな検察の裁量権を当てはめる、これがおかしいと思っても是正手段がない。これはおかしいと思いませんか。
○国務大臣(柳田稔君) なかなか法律の解釈、運用についての議論になってきていますので、どうぞ検察当局と十分議論してください。いろんな人を呼んできて、どうぞ議論してくださいませ。ここにもちゃんと政府委員も呼べるわけですから、そこでどうぞ議論してもらって、今の国の制度はどうなのか、法律の適用はどうなのか、議論してもらえれば有り難いと思います。
○森まさこ君 議論をしてくださいということですので、本日時間もありませんので、この件についての集中審議を求めます。
○委員長(浜田昌良君) 後刻理事会で協議いたします。
○森まさこ君 大臣がこのことについてしっかりと答えられない。法務大臣の所管の検察がやったことで、ずっとそれで説明してきているわけでしょう。これ大きな問題で、国民も大きな関心を持っている。中国でも暴動まで起きている。そのことについてこのくらいのことも答えられないで、素人の判断だから正しいんだと言ってそれを全部了としたと言われたら、国民は大きな迷惑なんですよ。 私は、柳田大臣に法務大臣の資格がないというふうに考えますね。もう一刻も早く辞めていただきたいということは申し上げておきたいと思います。 時間がありませんので、次の質問に移らせていただきますけれども、尖閣についてのビデオ、これの公開を政府が決めたと報道されておりますけれども、公開を決めたんですか。
○国務大臣(柳田稔君) 質問の趣旨が分からないんですけれども、政府が公開を決めた、その趣旨、今の趣旨が全然分からないんですが、現段階は、衆議院の予算委員会が議決をいたしました。そして、それを受けて衆議院の議長から那覇地検の方に提供しろというふうなお話が来て、そして今、那覇地検と海保の方でいろいろと協議をしているというのが今の段階で、公開がどうのこうのという私は質問の理由がよく分からないんでございますが。
○委員長(浜田昌良君) 森まさこ君、時間が来ておりますので、質疑をまとめてください。
○森まさこ君 はい、分かりました。 それでは、質問を終わりたいと思います。
○委員長(浜田昌良君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時一分休憩 ─────・───── 午後一時一分開会
○委員長(浜田昌良君) ただいまから法務委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、石井一君が委員を辞任され、その補欠として江田五月君が選任されました。 ─────────────
○委員長(浜田昌良君) 休憩前に引き続き、法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○熊谷大君 皆さん、こんにちは。自民党参議院議員の熊谷大と申します。 一昨日の柳田法務大臣の所信表明を受けまして、法務委員会にて質問をさせていただきます。 質問内容は、今般九月七日に起こりました漁船衝突事件についてでございます。なぜならば、所信表明では国民の安全、安心の項目がございましたが、刑務所から出所した者の再犯防止も非常に重要なことであるとは認識しておりますが、加えて、領海内で法によって漁業などを営む方々の安全、安心を確保するということもとても重要であると、この問題を取り上げることが最もふさわしい質問事項だと思いまして、あえて選択をいたしました。 さらに、大臣が所信表明いたしました司法制度改革の冒頭では、国民が紛争解決の最後のよりどころとする司法は、国民にとってより身近でより利用しやすいものでなければならないとなっておりました。そこには、法による正義の精神が主軸にあったというふうに思います。 しかし、残念ながらその考えとは反して、今回の漁船衝突事件に見られます検察の判断は司法が紛争解決の最後のよりどころにはなっておらず、むしろ最後は投げ出されてしまうのではないかという不安を国民に喚起してしまったように思われます。 さて、柳田法務大臣は鹿児島県御出身で鶴丸高校御出身だそうですが、座右の銘は南洲翁が好んで揮毫した敬天愛人だそうです。私もこの言葉が好きで、人生の指針としています。大西郷のように、大臣も天命の自覚と国民に対する慈愛でもって法務大臣という重責を担っていらっしゃるとそんたくいたしまして、質問をさせていただきます。よろしくお願いします。 まず最初にお聞きしたいのは、大臣は、この法務大臣という重責を尖閣事件が既に起こっている最中、九月十七日に千葉景子前法務大臣から引き継いだわけでございますが、率直にどのように思われましたか。この重大事件、九月八日の朝日新聞には、逮捕の衝撃を取り上げて、「中国の反発必至」とまで書いておりました。これを背負う気概はもちろんおありでしたと思いますが、引継ぎの際、どのような申し渡しなどが千葉前法務大臣からあって、そのときどのようにお感じになったか、教えてください。
○国務大臣(柳田稔君) いろいろとお調べをいただいてありがとうございます。 鹿児島の家庭では、うちの中に西郷さんの写真があるかどうか、ただその横には敬天愛人という言葉が大体書いてあって、学校の教室にはほとんどあるんじゃないかなと思いますけれども、それを見ながらいろいろと育ってまいりました。 この職に就いて、今お話がありましたように、尖閣の問題は引継ぎでございました。先ほども触れましたように、週末の休み明け、役所に参りました。冒頭がフロッピーディスクの記事でございまして、一日それで追われたというふうに私は記憶しております。決して、千葉前大臣からの引継ぎをおろそかにしたわけではないんですけれども、まあ正直に申し上げて、そんなたくさん時間を取れたわけでもございませんでした。 ただ、尖閣の件については今までの経過と説明を受けました。同時に、後ほど刑事局長にもお部屋においでいただきまして、今までの経過の話を聞かせていただきました。その際受けた私の印象というのは、正直言って大変な事案だと思いました。というのは、私は厚生労働が大方長くて、あと外交防衛委員会にも所属していましたし、そういう意味ではいろんな大きな問題があるなと、これは個人的にですよ、役所の見解を離れまして。今までの経験からいうと大変大きな問題だなという意識はありましたけれども、法務省という立場に立てば、法と証拠に基づいて整々と処理をするものだと、そういうふうな感じを持ちました。
○熊谷大君 その法と証拠なんですが、先ほど大臣がおっしゃったように、重責を担われる覚悟、それを加味いたしましてお聞きいたします。 この衝突事件を起こした中国トロール漁船ビン晋漁の五一七九に乗船していた船長セン其雄氏は今、どこで何をしているんですか。取調べをして判明した船長の経歴なり背景なり素性なりを踏まえて教えてください。
○政府参考人(西川克行君) お答え申し上げます。 まず、個別具体的な事件における捜査にかかわる事柄はお答えを差し控えさせていただきますけれど、那覇地方検察庁におきまして、被疑者の釈放方針の決定を発表した際、被疑者はトロール漁船の一船長であるという旨の発表をしたものと承知をしております。 御案内のとおり、釈放された後、中国に送還をされたということでございますが、それ以後の詳細についてはお答えを差し控えさせていただきます。
○熊谷大君 その個別事案ということで、中国に帰してしまった、それで所在が分からない。でも、これで処分保留にしたままで帰してしまったんですから、いつかは処分をするかもしれないんですよね。そのときにその当の被疑者がどこにいるか分からないというふうになったら、どういうふうに処分をするんですか。
○政府参考人(西川克行君) 委員御指摘のとおり、今現在は処分保留、すなわち起訴、不起訴が決定しない状態で捜査中という段階にあるということでございます。 いずれ検察当局において起訴、不起訴の処分を行うことになると承知しておりますが、その処分内容や時期の見込みについては、検察当局が将来的に判断される事項ということでお答えを差し控えさせていただきたいというふうに思います。 一般論として申し上げれば、検察当局において法と証拠に基づいて適切に判断することになると承知しております。
○熊谷大君 今のはちょっと分からないんですけれども、所在は個別案件ということだったんですけれども、所在は、じゃ把握しているというふうにとらえてよろしいんですか。
○政府参考人(西川克行君) 把握しているとも把握していないともお答えできないということでございますので、御容赦願いたいと思います。
○熊谷大君 大臣、那覇地検は、おっしゃるとおり、処分保留で船長を釈放いたしました。処分保留で釈放する、その場合の処分を満たす条件、釈放を満たす条件というのは何ですか。また、法曹界で処分保留というのの定義を教えてください。
○政府参考人(西川克行君) 処分保留というのは法律用語ではございませんので定義がございません。ただ、通常使われているのは、検察官において起訴、不起訴を決定する前の捜査中の状態を広く処分保留と言うというものと承知しております。
○国務大臣(柳田稔君) また同じ答弁を繰り返すことになるかと思いますけれども、那覇地検が処分保留、釈放に際して発表したコメントがあります。一、二、三、四に分かれているかと思いますけれども、もう御存じなので繰り返しませんけれども、そういう理由で処分保留を決めたということでございます。
○熊谷大君 定義がなくて何か大臣が処分保留というふうにおっしゃるというのはちょっと違和感があるなというふうに思って聞いているんですけれども、ちょっと私の認識では、釈放するということは、被疑者の所在が把握可能であるから逃亡若しくは罪証の隠滅をする可能性がないと、国内法でしかも公務執行妨害で逮捕したのだから当然被疑者の所在を把握している又は把握できるだろうというふうにお考えになって釈放したんではないんでしょうか、いかがでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 先ほど大臣から答弁がございましたが、釈放の理由として那覇地検が挙げていることを再度申し上げますと、「みずき」の損傷、これは巡視船側ですが、直ちに航行に支障が生ずる程度のものではないと、それから乗組員が負傷するなどの被害の発生がないと、計画性等が認められない、我が国における前科がないと、それから我が国国民への影響や今後の日中関係と、こういう理由を挙げて釈放をしたということでございますので、先ほど委員が御指摘のとおり、釈放にはいろいろな場合があろうというふうに思いますが、その後の所在云々が分からなければ釈放ができないというものでもないというふうに考えております。
○熊谷大君 つまり、ちょっと私が聞きたいのは、この事件というのは、処分保留で釈放したということ、つまり国内法で粛々とやるということは在宅事件として起訴するのか又はできるのではないか、又は在宅事件として起訴するつもりだから処分保留で釈放したんではないんですかということをお聞きしたいんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 今現在、まさに処分保留という状況でございまして、起訴、不起訴を検察庁において将来的に決定するということでございまして、起訴、不起訴の方向性が決まっているというものではないというふうに理解しております。将来的に検察庁において的確に、適切に判断するということになろうと思います。
○熊谷大君 じゃ、ちょっとその起訴、不起訴については後々でやって、また聞かせていただきますが、大臣、今回の衆参の予算委員会では、法務大臣、大臣御自身を始め、官房長官又は副大臣は起訴便宜主義、先ほども質問にありましたが、起訴便宜主義を盾に今回の釈放を地検の判断だとして答弁を繰り返されていたというふうに思うんですけれども、私もちょっとこの起訴に関して起訴便宜主義というのを教科書で勉強をしたんですけれども、この刑事訴訟法二百四十八条について教科書ではこういうふうに書いてありました。起訴する権限を持つ者に起訴、不起訴についての裁量権を認める法制のこと、これ、二百四十八条です。そして、ここから重要だと思うんですけれども、その裁量の権限の条件は軽微な犯罪を訴追しないことで行為者に社会復帰、更生の機会を与えることとなっているんですね。 大臣、船長は更生しているんですか。追跡して確認する責任を負っているんじゃないんですか、これは。
○国務大臣(柳田稔君) 我々が理解しているところには、起訴便宜主義の機能は実質的な公平と具体的な正義の実現を図ることができることにより、社会情勢の変化や処分が社会に与えた影響等も考慮することができるというふうに考えておりまして、これが根拠になろうかと思います。
○熊谷大君 大臣、まさしくその社会に対する影響なんですけれども、相手は、船長は、報道の中で見るには、ピースサインを出して、尖閣は中国の領土だと堂々と記者会見しているんですよ。更生の機会どころか、これ調子に乗っているじゃないですか。 今船長何しているんですか。答えてください。これ、追跡できていない、把握できていなかったら、検察の職務怠慢なんじゃないですか。
○政府参考人(西川克行君) 先ほども申し上げましたとおり、個別具体的な事件の話でございますので、今現在の船長の状況等についてお話を申し上げるということはできないというふうに思います。 もちろん、中国に帰ったというのは、送還しているので間違いがないというふうに思いますが、そのような事情も踏まえまして、将来的に検察において適切な処分がなされるものと考えております。
○熊谷大君 ちょっと中国に帰ったというだけで、何かそれで要件を満たしているというか、ちょっと解せないというふうに思うんですけれども。 じゃ、ちょっと次進みます。 那覇地検の記者会見で鈴木次席検事は二十四日にこのように言っています。つまり、被疑者の処分については、先ほども大臣が言ったように、今後の情勢を踏まえて判断する予定であるというふうにしています。これは、今後どういう情勢なら起訴をして、どういう情勢なら起訴を撤回するんですか。
○政府参考人(西川克行君) それは、起訴、不起訴を決定するときに検察当局において諸般の情勢を考えた上決められるということでございますので、今の段階で法務当局若しくは法務省の方から何らかの推測を申し上げるということはできないと思っております。
○熊谷大君 小川法務副大臣が九月二十八日にこのように言っています。刑事訴訟法第二百四十八条により、検察官の処分は様々な状況を勘案して決定するということになっている。同条の趣旨は、検察官としてはすべての事柄を判断の材料とすることができるというもの。起訴するあるいは不起訴した場合にそれが社会にどう影響を与えるか、そして今後社会がそれによってどのような影響を受けるのかということが判断材料の一つというふうにありますよね。 皆さんもう御存じのとおり、新聞の報道等で御存じのとおり、日中関係を勘案したならば、今現在中国国内で行われている大規模なデモ、連続したデモ、これは被害額も前回のデモと比較してみても規模を上回る被害であると報道されております。十六日、十七日のデモは大規模で、しかも一部暴徒化して、日系のお店に被害を出したりとか、日本車が壊されたりとか、日系の百貨店では臨時休業に追い込まれている。日本でも中国の対応に対してデモが行われていますが、大変粛々と行われたデモで非常に品のいいデモだったというふうになっておりますが、この両国のデモは主張が真っ向から食い違います。もちろんそうです。 でも、これは一つ共通しているのは、玉虫色の、かなり灰色な処分保留という判断をした検察の判断結果が両国の関係をむしろ悪化させているんではないですか。いかがですか。大臣、お答えください。
○国務大臣(柳田稔君) 今回の事件とデモと、時間的に見ても関係ないのではないかと。(発言する者あり)ただ、いや、今回の件の処分保留、釈放の件と時間的に全然関係ないわけですね。処分保留の前にデモが起きたわけでもない。後々に起きたと。だから、直接的にこれがこの件の処分に関係するとは、私はそうは感じません。ただ、その後にいろんな事案が起きたことが、これが法務省と関係があるかといったら、私は違うんじゃないかというふうには思いますけれど。
○熊谷大君 ちょっと私も今解せない、本当に大丈夫かなと思います。 先ほど、法務大臣は素人というふうな表現をおっしゃいました。私も素人ですが、国民目線という形でいえば、ちょっと今のお答えは解せません。本当に腑に落ちないような感じです。 今現在、中国での状況は、刑事訴訟法二百四十八条のまさしく情況を勘案するという規定、さらには那覇地検の次席検事がおっしゃっていた今後の情勢に当てはまるんじゃないですか。今こそ灰色の処分保留を、今ここで起訴を、中国人船長を起訴すべきではないんですか。
○国務大臣(柳田稔君) 理解がちょっと違いまして、済みませんでした。 ちなみに、今後の処分に当たってこのデモは考慮するのかという、処分に当たってですね、起訴する、不起訴にする、その処分に当たってこのデモを考慮するのかという御質問でよろしいんですか。
○熊谷大君 日中間の関係を悪化させているのがこの玉虫色の判決だったんではないですか。それが時間的な連続でこういう結果をもたらしているんではないんですかという質問です。処分保留で釈放したことです。
○国務大臣(柳田稔君) またこれは元に戻りますけれども、詳細にわたって御答弁をするのは控えるというふうな答弁になってしまうんですけど、熊谷委員の真意はどこにあるのかちょっと僕も理解しかねていますので、もう少し説明していただけると有り難いんですけど。
○熊谷大君 ちょっと済みません、時間がないんで、それは次に行きますが。 処分保留で釈放してしまったことによって日中の両国でデモが起こりましたよね。それは、いわゆる玉虫色の処分をしてしまった、釈放してしまったということに対することで結果として出てきたんじゃないかということをお聞きしているんです。 ちょっと事件について振り返りますが、九月七日九時十七分、東シナ海の沖縄県尖閣諸島の久場島北西十五キロの日本領海内で中国漁船が操業しているのをパトロール中の第十一管区那覇市海上保安部所属の巡視船「よなくに」が発見しました。で、停船するように命令いたしました。その当時、九月七日時点で、大体何隻ぐらいの外国船籍が確認されて、どれくらいの数の漁船が領海侵犯をしていたんですか、お尋ねします。
○国務大臣(柳田稔君) 今の質問について私は答える立場にはおりません。
○政府参考人(城野功君) お答え申し上げます。 九月七日の事件発生当時、尖閣諸島周辺の領海内外の海域におきましては、約八十隻程度の中国漁船を確認をいたしております。そのうち、二十から三十隻が領海内におりまして、その一部のものが操業、一部のものに操業を認めておりますから、これに対しまして領海外への退去警告を実施しております。 以上であります。
○熊谷大君 その操業なんですけれども、領海内で違法操業、実際何をしていたのか、確認できますか。違法操業で魚の漁をしていたんですか。いわゆる衝突事件があって、捕まえて取調べを、逮捕して漁船を取り調べましたよね。その中に、どれだけの量の魚とか種類の魚を実際捕っていたのかというのを、漁船を取り調べて何か出てきたものがありますか。
○政府参考人(城野功君) 事件の捜査の中身の内容になりますので、これについての答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
○熊谷大君 ここで聞きたかったのは、もし魚を違法操業で捕っていたんだったら、公務執行妨害だけじゃなくて、外規法を適用できましたよね、外国人漁業の規制に関する法律第三条を適用できたと思うんですけれども、そういった適用は考えていなかったんですか。
○政府参考人(城野功君) お答えします。 外国人漁業の規制に関する法律の違反の違法操業の疑いでも今回の事案におきましては捜査を行ったところでございますけれども、ただ、その具体的な中身については答弁を差し控えさせていただきたい。
○熊谷大君 じゃ、実際それはいまだに捜査が継続中であるというふうにとらえていいんですか。
○政府参考人(城野功君) はい、そのとおりでございます。捜査継続中でございます。
○熊谷大君 ここで何を聞きたいかというと、魚も何もなかった場合というのは、中国漁船の船長を帰した、釈放した中国漁船の船長は釈放の理由に計画性がないということで釈放していましたよね。そこで本当に計画性がなかったのか否か。その魚を捕った量とかそういうのを、量とか数とか種類とかを見れば本当にその計画性はあったかなかったかということが判断できたと思うんですけれども、そういうことを聞きたかったんですけれども、それって答えられますか、海上保安庁。
○政府参考人(城野功君) それについては検察の方で判断をされておるものと承知しております。
○政府参考人(西川克行君) 那覇地検の釈放のときの理由の計画性等が認められなかったというのは、あくまで公務執行妨害において、最終的に故意にぶつかったという認定をしながらも、それはとっさに取った行為であるという認定をしているということでございます。公務執行妨害について言っているということでございます。
○熊谷大君 いや、その衝突して逃げて、取調べを受けて、帰国してピースサインしている人が本当に、答えられないとおっしゃるんですけれども、本当に漁師だったのかなと。そこには中国側の領土を戦略的に獲得していくという過去の事例、そういったものを何か取調べをして感じたのか又は感じていなかったのかということをちょっと聞きたかったんですけれども、いかがでしょう。
○政府参考人(西川克行君) 捜査の中身ということでお答えできかねますが、先ほど申し上げたとおり、釈放のときの理由の一つとしてトロール漁船の一船長であるという認定を那覇地方検察庁においてしているということでございます。
○熊谷大君 この漁船衝突事件で何が言いたいかというと、政府は最も厄介である治外法権的なものをつくってしまったというわけですよ。これはつまり、法治国家としての統治が揺らいでいるというふうに考えてもいいんじゃないですか。例えば、今後いかなる違法操業があったとしても、公務執行妨害があったとしても、処分保留で釈放されたこの衝突事件の例があれば、それを盾に中国側はどんどんどんどん漁船を送り込んでくるというふうにとらえられませんか。そのとき海保はどうやって取り締まるんですか。中国の漁船団が大挙して漁を行えば、尖閣諸島沖は有数なマグロとかカツオの漁場です、それが大挙して中国側の漁船が、大挙して来た中国漁船に占領されてしまえば、いわゆるこれ実効支配を許してしまうきっかけとなる前提をつくってしまった、前例をつくってしまったということにほかならないんじゃないですか。大臣、いかがですか。そういった認識ありましたか。
○国務大臣(柳田稔君) そのことも所管外だと思います。
○熊谷大君 例えばですよ、大臣は法務行政の概要として、先ほど森委員のお答えの中で、法律を守る、あとは国民の生命と財産を守るとありましたよね。 例えば、与那国島とその周辺の漁労従事者の生命と財産、今のような態度で、漁業権を含めてですよ、法が全く国民生活を守り得てないということを、その前例をここではつくってしまったんですか、その認識はおありですか。
○国務大臣(柳田稔君) ですから、法務省としての所管外でございますので、質問されても答えることができないということでございます。
○熊谷大君 よくお役所の行政は前例主義を取っているというふうに言われております。今回、法の正義、法と根拠で粛々と対応するというふうにあります。それは、法治国家としての我が国の在り方、この事件によって問われていること、それがこの事件が喚起したことだというふうに思っております。 今回の事件を受けて、海保は本当にまともに取締りをできるようになりますか。このあしき前例を根拠に更に海保が及び腰になってしまったら、主権を譲歩しかねない事態を招いてしまうじゃないですか。 例えば、以前、昭和四十四年に国連アジア極東経済委員会が報告書で、尖閣諸島周辺に石油の埋蔵の可能性が指摘されました。一九七〇年に中国政府は急遽、尖閣の領有権をそのとき主張し始めましたよね。日中平和友好条約締結に向けた交渉がこのとき行われていた最中だったんですけれども、今もよく戦略的互恵関係なんていう話が出ますが、突然そのときも約百隻の武装中国漁船が尖閣諸島に接近してきて、領海侵犯又は領海内の不法操業を行うという事件を起こしました。これに対して、我が国は当時、政府と海上保安庁はただ傍観するのみでした。そういう歴史的な経緯があります。 今回の事件は更に悪質ではないかというふうに考えています。つまり、当時よりも日中の軍事バランスが崩れているし、しかも日米同盟は鳩山政権、これが鳩山政権のおかげで信頼感が今揺らいでいる最中です。対中問題というのは二十一世紀の最大の、全世界にとってと言ってもいいと思いますが、外交課題というふうな認識に、大臣が当時、申し渡しを受けた、引継ぎを受けたときに認識に立っていれば、しっかりと国内法で粛々と訴追して判決を出して送還するというデュープロセスをちゃんとたどっていれば、日本が台頭する中国の出ばなをくじくことが、結果的にですよ、結果的に、結果的に国内法で粛々と処理していれば外交的にも大きな成果がもたらされたはずなんです。 私は那覇地検や検察当局もそれが分かっているのに、どこからか茶々を入れられて釈放せざるを得ない状況になってしまったと。それにじくじたる思いがあったからわざわざ記者会見で日中関係をという外交面にも踏み込んだ発言をした、そのように私はとらえております。 ちょっと最後になりますが、法の正義、それが政治云々よりも大臣の所信でもあったように、司法が国民にとって身近でより利用しやすいもので、そして何より沖縄の漁労者を始め、日本国が、日本国民が法によってしっかりと守られていると、安心できるような法治国家としての社会の実現を目指さなければならないと、そういうふうに思っています。きっと大臣もそう思います。 そこで、大臣、将来、この事件が、事案が、法科大学院では、つまり教育現場ではどのように取り上げられるというふうに思っていますか。まだ判例にはなっておりませんが、この歴史的事実又は事件はどのように後世の司法修習生に伝わっていくと思いますか。
○大臣政務官(笠浩史君) 熊谷委員の質問にお答えいたしますが、どう後世、例えば法科大学院等々で取り上げられるのかということについては、私は分かりません。 ただ、法科大学院については、それぞれの教育理念に基づいてこの理論と実務をつないでいくということで、法令上、法律基本科目、実務基礎科目、基礎法学・隣接科目、展開・先端科目といった授業科目を開設をするということには法令上なっております。 ただ、具体的にこの授業の中でどういう事案についてどのようなことを教えていくのかということは、それぞれの各法科大学院や授業を担当する教員の自主的な判断によって決められるものであり、御指摘の事案を扱っていくのか、またどのように扱っていくのかについてはそれぞれの法科大学院の判断によるところだというふうに思っております。
○国務大臣(柳田稔君) もう熊谷委員の時間はもうほぼないんですけれども、最後の御質問を聞いていまして、率直なところ、あっ、これは外務省関係、あっ、これは国土交通省関係、あっ、これは防衛省関係と、そういうふうなことを感じました。私はあくまでも法務省の大臣でございますので、その大臣の中でしか答弁ができない立場だと、そういうことも御理解をいただければと思うんです。 ただ、那覇地検の釈放理由のコメントの中に日中関係とかいろいろ書いてあったと、このことが国民の中に議論になっているというのは承知いたしております。それはるる説明してまいりましたように、決めた二十四日の前の二十三日に外務省の職員に那覇まで来ていただいてお話を聞いて、それを参考にしたということが私はそういうふうなことになったのかなと、そんな思いを持っているところでございますので、今後ともいい議論をさせてもらえれば有り難いと思いますので、今後とも頑張っていただければと思います。 ありがとうございました。
○熊谷大君 ありがとうございます。 ただ、私が問いたいのは、紛争解決の最後のよりどころとする司法、そういうふうに所信表明でおっしゃった大臣のお考えとこの事件が余りにも乖離している。国民の本当に安全、安心を支えているのかどうかということを問うて終えたいと思います。 どうもありがとうございました。
○木庭健太郎君 所信に対する質疑でございます。ただ、様々な、今もいろんな御指摘があったように、課題を抱えた中での法務大臣の御就任でございました。同じ参議院の仲間ですから、是非頑張っていただきたいと思っております。 私は、今日は大阪地検のデータの改ざん事件を中心に、可視化の問題も含めてお尋ねをしたいと思っております。 十月十一日、大阪地検の特捜部の元主任検事の前田容疑者が証拠隠滅罪で起訴されました。また、法務省は同日付けで懲戒免職にしたわけでございます。検察官というのは、検察庁法第四条を読みますと、公益の代表者として刑事事件について独占的に公訴を提起する、また第六条を読みますと、いかなる犯罪についても捜査をすることができる。これらは人権侵害と隣り合わせのまさに強大な権限ですが、これまでは検察官は法律家として国民から一定の信頼を受けていた、だからこういうことができてきた。 今度の事件というのは、まさにこの一番根本の信頼を裏切り、刑事司法制度の根幹を覆すような大事件だと私は重大な認識を持つべきだと思っておりますが、まず、法務大臣にこの事件に対する基本的な認識を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(柳田稔君) この件につきましては木庭委員と同じ考えを持っております。機会あるごとに、けしからぬと、言語道断だと、情けないということも言ってまいりました。検察に対する信頼、これが大変厳しい状況にあると、そういう認識を持っておるところでございます。
○木庭健太郎君 だからこそ、二度とというか、あってはならない問題ですから、なぜこういったことが起こり得たのかということを本当に徹底して議論もし、検証もし、そしてどうやっていけば今後本当に国民の信頼を回復でき得るのかということを大臣が先頭になって取り組んでいただきたいという強い思いを持っているということでございまして、特に最近は、これは直接検察という問題ではない部分もございますが、先ほど、午前中も指摘された氷見事件、志布志事件そして足利事件と冤罪事件が明らかになるたびに、そして、こういった事件を受けて検察庁は、平成十九年八月に「いわゆる氷見事件及び志布志事件における捜査・公判活動の問題等について」という報告書をまとめて、捜査の在り方を検証しているんです。 その中で、例えばこんなことを言っています。事実認定は証拠の慎重な総合評価によってなされるものであり、かつその総合評価は消極証拠についての検討も含めた多面的なものであることを留意し、適正な捜査の実現に尽力すべきというふうに書いているわけです。証拠の慎重な吟味となっております。 じゃ、この証拠の慎重な吟味ということはこの検証、つまり氷見事件、志布志事件を受けた上で、この検証は実際の捜査手法の中でどのように具体化されていったんでしょうか。また、捜査方法、決裁などにこの調査報告を受けて変化はあったんでしょうか。逆に言えば、今回の事例を見ていると、消極証拠ということについては慎重な検討、多面的なことを留意しって書いているのに、都合の悪い消極証拠に手を加えるという話ですよ、今度は。調査報告と全く逆のことを平気でやっている。 こういうことを考えると、本当に検証の結果というのは何に反映されていたのかなというのを改めて感じるんですが、この点について現場の御意見をきちんと聞いておきたいと思います。
○政府参考人(西川克行君) 今委員が御指摘されたとおりで、現段階で一言の弁解もないというのが率直なところなのでございますが、既に発生している様々な無罪事件等において、客観証拠をよく見ろと、それから消極証拠についてもよく吟味をしろというのは、その検証の報告書の中で繰り返し指摘されているということでございます。 それにもかかわらず、今回の村木さんの事件においては、その消極証拠を無視したばかりか、改ざんをしたという、まさに検察始まって以来という、そういう不祥事であるというふうに考えておりまして、極めて重く受け止めております。 今現在はまだ捜査継続中でございますが、この捜査の後に最高検の方は徹底した検証を行うと聞いておりますし、それ以外に、後ほど大臣から御紹介があると思いますが、大臣の下に第三者による委員会も立ち上げていただくということで、抜本的な改革を図らなければならない、かつそれを現場に徹底しなければならないと考えております。
○木庭健太郎君 今もおっしゃったように、いろんな検証の途上ですから、個々その中身についてお聞きすれば答えにくいところもあるかもしれませんが、できれば今お答えしていただける範囲内で今から幾つかの問題点で報道もされてみたり、指摘されていることもございます、こういった点についての見解をちょっと聞きたいと思うんですが、例えばどんなことかというと、今回の事件においては、捜査報告書に書かれている日時と検察官が主張している日時がずれていたという矛盾があったわけです。それでも起訴がなされていると。 これは、一般論でまずお聞きしますが、起訴までの決裁等の手続が一体どうなっていたのかと、特に部内での確認というのはどうやってやってきたのかと。そして、これはお答えできる範囲内で結構ですが、捜査報告書の内容と矛盾するような内容の起訴というのは何でなされたのかという部分について、少しでもお答えできるならお願いをいたします。
○政府参考人(西川克行君) 今現在お答えできることというのは非常に限られているわけでございますが、今回問題点となっているフロッピーの最終更新日時に関する報告書、これにつきましては、実際のところは、既に起訴されている前田元検事が、上には報告せずに、結局ほかに積極証拠があるからその消極証拠があっても有罪であろうという認識の下に起訴したと、こういうふうに聞いております。 したがって、今御指摘のあったとおり、上司、それからさらに上級庁に対する報告関係等についてもこれから検証の中で更に細かく検討をし、改正すべきところは改正しなければならないというふうに考えており、当然のことながら最高検では検証の中にそのことも盛り込むというふうに聞いております。
○木庭健太郎君 普通は、ふだんの場合は、ちょっとお尋ねしましたが、通常の場合は、起訴までの決裁という、事件によって違うんですかね、どこまで上げていくかという問題。捜査官がいる、検事正まで上げるのかどこまで上げるのかと、そういう判断の、いわゆる起訴の手続がもし、一般論で言える範囲内でお答え願います。
○政府参考人(西川克行君) それは事件の軽重と、それから各庁の規模によっても違います。ただ、重要な事件であると地検の中だけでは判断せずに、高検に意見を伺い、更に重要であれば最高検まで意見を伺うと、こういう手続となっております。
○木庭健太郎君 取調べメモのことについても、お答えできる範囲でお聞きをしておきたいと思います。 今回の事件では、取調べ担当した検察官が取調べメモをすべて破棄されたと。取調べメモというのは証拠開示の対象になり得ることが、これは最高裁の決定で、決定を示されていると思います。平成十九年十二月二十五日だったと思います。これを受けて、最高検も適切に保管する旨の通知がなされたと思います。取調べメモの適正な保管についての通知だと思います。 今回の事件において、メモの保存というのはどうなっていたのかと、残されていなかったのはなぜかと。普通、こういう保管の通知の徹底というのは、どのルートを使って、どうやってなされていたのかも併せて御答弁をお願いします。
○政府参考人(西川克行君) まず、最高検の通知でございますが、これは、供述調書から分からないような被疑者の言動等で取調べの状況についての争いを判断するのに資すると認められる事項を記載した取調べメモ、これについては必要と認められる間、適正に保管するようにと、こういう指示でございます。したがって、取調べメモの作成を一般的に義務付ける、あるいは一律に保管を義務付けたというものではございません。したがって、取調べメモを廃棄することが直ちに、これは中身によるわけでございますが、直ちに最高検の通知に違反するというものではないと考えております。 ただ、今回の事件、これから検証が始まるわけでございますけれども、さはさりながら、相当であったかどうかという問題は残りますでしょうし、これからそのメモの管理をどうすればいいのかというのも、当然のことながら、検証の一環として調査等を実施するということになろうというふうに思っております。
○木庭健太郎君 次は、その証拠品の保管の問題なんです。 今回の事件ではフロッピーディスクの更新日時の改ざんが問題になったんですが、もう一つ、もうこれは報道で誠に恐縮ですが、文書の順番も何か改ざんされているというような報道が、これは報道です、がなされておりました。 一般的に、検察における証拠品の管理というのは、たしか証拠品事務規程というのが確かあって、そこで定められておると思うんですが、実際に捜査において押収した証拠というのを具体的にどう管理をされて、証拠品を持ち出して検証をするような場合、壊されたり若しくはなくなったり、変えられたりというようなことを防ぐために、何か内部規程でこうしろというような扱いの規程があるのかどうか。特に、電子データというのはそういう可能性が極めて高いわけであって、元々、そういったことをどうしているのかをお伺いをしておきたいと思います。
○政府参考人(西川克行君) 委員御指摘のとおり、証拠品の管理方法等につきましては、法務大臣訓令である証拠品事務規程によって定められております。 フロッピーディスクを含む証拠品につきましては、倉庫又はこれに代わる場所に収めて、証拠品の性質に応じて紛失や毀損、滅失又は変質等しないように保管することとされております。 検察官が証拠品を捜査に利用するなどの目的で仮出しをするということがございますけど、そのときは証拠品管理の担当部署に書面を提出して仮出しをし、利用後はいたずらに手元にとどめることなく証拠品管理の担当部署に返却をすると、こういう扱いになっているということでございます。 その間、証拠の改変が加えられていないか等をチェックする体制はどうかと、こういう御質問であろうというふうに思いますが、これは、現在までのところ、一般的には、証拠品の仮出し、返還に当たっては、証拠品管理の担当部署において当該証拠品に破損等がないかについての確認は行っておりますが、多くの場合、証拠の内容まで踏み込んだチェック、これは残念ながら行われていなかったということでございますし、それから、御指摘のあった電子データをどういうふうにするかということについては、これはまさにその改変をどう防ぐのか。実際、改変してはいけないわけで、あってはならないことでございますが、現実にあったということでございますので、それについてのシステムをどうするかというのは今後の検証における課題の一つということになろうと思っております。
○木庭健太郎君 今おっしゃったその電子データなんですけれども、これは警察にお聞きしますと、警察の場合は、電子データというのは、押収した場合は、まずその段階で複製を作ったり、若しくは印刷してみたりということで、その後は結局押収物の本体そのものにはもう絶対触れないというような、一応そういう管理体制に警察は何かなさっているようなんですけれども、こういう在り方も一つあるんではないかと思うし、こういう点、どうやってその電子データについてのやり方を考えていらっしゃるかということとともに、その後も何か大阪地検で証拠紛失の例みたいなことも話があっているんですけど、こんな検察に対する証拠品の、なくなったとかそういう事例というのは本当は頻繁にあっているんですか、我々が知らないだけで。その辺は本当に疑いたくなりますよ、ああいうのを見ると。その辺も併せてお答えください。
○政府参考人(西川克行君) 今、警察の例を教えていただきましたけれども、そのようなことも参考にしながら管理の方法を改善していこうと思います。 それから、証拠品の紛失等でございますけれども、これは、証拠品係が預かっている以外に、仮出しをしてその間に紛失をしてしまうという例が皆無ということではございません、例は少のうございますけれども。こういうこともなくしていかなければならないというふうに思っております。
○木庭健太郎君 そういったすべてのいろんなことを受けた上で、先ほどから御紹介があっておるとおり、最高検においてこの無罪事件の捜査について再検証をきちんと行って原因を明らかにした上にということで検証チームができているわけで、これは、検証結果は間違いなく年内ということでよろしいのかどうかお伺いしておきたいし、そこで公表も是非これはきちんと公開で透明的にしていただきたいと、こう思っております。 ただ、一つ心配をしているのは、結局、先ほどもありましたけど、こういういろんな手続というのは、最終決定するためには、高検に上がって最高検までもしかしたらそのもの自体も上がっていたかもしれないんで、そういうことを一方でやった側の最高検が調査をするわけですよね、最終的には第三者を入れてというような話もあったんですけれども。その点がどう、一体。 例えば、じゃ、この事件について大阪高検の当時の幹部からも事情聴取しているわけですよね。そうすると、これ、上がっていくと、結局当時の検事総長辺りから聞き取りをするというようなことまでこれは実際最高検はやるつもりなのか、身内の話ですけど。それくらい覚悟を持ってやるつもりで、どういうふうなつもりでおやりになるのかということも、まあ言える範囲内でお答えも、これはちょっと大臣にしていただいた方がいいかもしれませんし、そしてもう一つ大臣にお聞きしておきたいのは、その外部の第三者の意見を聞くことというふうに法務大臣が指示なさったと。じゃ、やっぱり第三者って、これ、なかなか難しいですね。その人選の基本的な考え方、そして、この第三者の方たちがこの最高検の報告にどうかかわっていくのかというようなことを考えていらっしゃるのか、併せて大臣からこれは御答弁をいただいていいと思いますが。
○国務大臣(柳田稔君) 検証は年内に終えるということをはっきり最高検の方でもおっしゃっていますので、必ず守られると私は信じております。公表についても同様に記者会見でおっしゃっていますので、しかるべき時期が来たらなされるだろうと、そう思っております。 身内についての検証ではどうかという話でしたけれども、実は私、第一回目の検証チームの集まりのときに出向いていきまして、私の今受けた感じ、けしからぬという話、しっかりやってくれという話、最後にこう申し上げました、あなた方の正義を信じますと。皆さん顔色を変えていましたけれども、そういう意味では、最高検の検証チームの皆さんはしっかりやると、そういうふうな私は認識を持った次第でありますので、それを信じたいというのが今の私の考えであります。 検証を取りまとめる段階のときに第三者の意見も聞くようにと言ったのは、その検証チームの最初の会合のときに私の方から申し上げまして、そのようにしていただけるものだと、そう思っております。人選については、これは最高検の方にお任せをするというスタンスで今私はおる次第であります。
○木庭健太郎君 多分、そのお任せをすると言われた理由は、検察の在り方の検討ということについては、大臣自体は別途検察の在り方検討会議というのをつくられるつもりでいらっしゃるからだろうと、私が単に推測しているだけですが、そういった方面もやられるからなんだろうとも思いますが。 そこで、大臣にお答えしていただけるのかどうかということなんですが、つまり今回の問題について、いわゆる検察の体質みたいな問題がいろいろ報道もされましたし、いろんな考え方があるんじゃないかと。つまり、例えば検察の体質として、指示どおりに調書を取ってくるというのはいい検事と、評価されるんだと、慎重な意見言うやつは弱気だというようなのが検事の中ではありはしないかなという、本当に。そういうものがある意味では今回ぶわっと出たような気がしないでもないし、そして、特捜部という在り方についても様々な御意見があったわけで、法務大臣経験者の中で特捜部が本当に要るのかとおっしゃった方もいらっしゃるようで、そこはいろんな考え方があると思うんですが。 私は、是非そういう、大臣が検察に対して、今は言いにくいでしょうが、何か言うことがあれば是非お聞きした上で、是非、検察の在り方検討会議をおやりになるのであれば、そういった組織体制の問題も含めて、本当に検察のそういう気質みたいなものまで深くえぐり込んで、その上で本当に一つの在り方を検討していただきたいと思うんですが、大臣の見解を求めておきたいと思います。
○国務大臣(柳田稔君) 最高検の検証チームに私が具体的についていろいろ言うつもりはありません。ただ、最高検の皆様は、今回の事態を本当に深刻に受け止めておりますので、多分、今日木庭委員がおっしゃったことも最高検の耳には届くだろうし、それなりの関心も示していただけるはずだと私は思っていますので、しっかりしたものが最高検の中でもできるんではないかと、そうまず思っております。 その上で、私の下に検察の在り方検討会議をつくるということを発表させていただきました。これは純粋にメンバーは第三者というふうにさせてもらいたいと、そう思っていますし、そのメンバーについてもどうぞ国会の方で御意見を賜りたいと、参考にさせていただきたいと、当然何をやるかについても御意見を賜りたいというふうに申し上げてまいりましたので、木庭委員が、いや、これをやれと、これもすべきだということがあれば、真摯に受け止めて帰りたいと思っております。
○木庭健太郎君 是非年内、今年中にいろんな一つの方向性を打ち出せるような、やっぱりこういう問題というのは余り時間掛け過ぎても良くないと私は思っています。在り方検討会も是非早期に立ち上げていただいて、いろんな意味での作業も少し進めていただくようなこともあっていいんではなかろうかと。テンポを速めて、是非国民にこれだけ変わりましたと、信頼してくださいと言えるような体制をもう是非つくっていただかなければ、この国の司法体制、刑事体制というのが本当におかしなままになってしまうと、こう思っておりますので、是非よろしくお願いしたいと思うとともに、実は可視化の問題なんですよ。 この事件がある意味では起きましたので、私は多分大臣の所信の中にはこの可視化の問題について踏み込む発言があるんじゃないかなと注目をしたんですが、従来どおり、柳田法務大臣は何とおっしゃったかというと、法務省は取調べの可視化について、平成二十三年六月以降のできるだけ早い時期に検討、成果の取りまとめを行いたいと。これは従来の姿勢なんですよ、これは。遅いですよ、これ。 まさに、こういう問題が起きたからこそ、その中の一番大きな検討の一つの項目は可視化であることは間違いない。私どもも可視化という問題、いろんな議論があるんです。でも、今度可視化へは大きく踏み切らなければならないという立場で私どもは考えております。 その意味では、この事件を踏まえて、是非、この二十三年六月以降のできるだけ早い時期にとかいう悠長なことは言わずに、やはりこの事件を深刻に考えるならば、この可視化の問題はスケジュールを見直して早期に取り組むべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(柳田稔君) 検討会議の今後の進め方ですけれども、木庭委員の御意見、しっかり受け止めて、できるだけ早い段階に立ち上げる、そういう考えでございます。それから、途中、最高検の検証の結果も我々は聞かせてもらって参考にしないといけないと、そう思っていますので、最高検の検証結果足りなかったら、それも加えるというふうな思いがありますので、時間的なものは御理解を賜れればと思っております。 それから、可視化でございますけれども、全般的な可視化については所信で申し述べたとおりでありますけれども、いろんなところから御意見が来ております。例えば裁判員裁判、これはどうかとか、今、木庭委員がおっしゃったように、特捜はどうかとかいう話が来ております。 裁判員裁判については、もう御存じのように警察も関係してきますので、ここまで私がこの検討会議で言及するというのは非常に難しい問題であります。ただ、特捜については、木庭委員の御指摘でございますので、多分最高検もお耳を傾けているはずですからあそこでも議論されるだろうと思いますし、当然検討会議では議論のテーマになりますので、いろんな御意見を賜りたいと思います。
○木庭健太郎君 実は、可視化の問題はもうこの委員会でも何回も議論して、先ほどあったように、民主党の皆さんから何で公明党は賛成しないんだとか言われて非難されながら、二回この委員会で民主党の可視化法案は本院を通過しているんです、通過しているんです。ある意味じゃ、柳田大臣のお国に帰れば立派な法案があるわけです、一院を通過したような。 民主党のこの可視化法案、多分もう御覧になったと思うんですが、どうですか、そのままにおやりになる手もあるんじゃないですか。どうでしょうか。
○国務大臣(柳田稔君) 基本的なスタンスは所信で申し述べたとおりでございます。 民主党の法案も勉強もさせてもらっておりますし、いろんな勉強会を通じながら進めておる次第であります。でも、最終的には警察の方も、国家公安委員長ともいろんな相談をしないといけないということはございますので、その辺は理解をしていただければと思っています。 ただ、さっきも言いましたように、特捜だけの議論はもう検討会議ができれば立ち上がることになると思いますので、御理解いただければと思います。
○木庭健太郎君 一応これ、検察庁さんが今その可視化の問題でお取り組みになられているのは、我々もこれ主張してしっかり検証しろと言ったものですからそれを受けてやっていただいているわけで、ここは余り文句ないんですけれども、ただ今、試行を経て、全国の地方検察庁、原則として、自白調書を証拠請求することが認められる裁判員裁判対象事件について、取調べのこれは一部なんです、一部録音、録画をやっているんです。 これ、刑事局長、この一部の録音、録画、取調べの、効果が上がっている点とこれはちょっと何かおかしいねという点と、何かもし評価があればお聞かせください。
○政府参考人(西川克行君) 現在実施している取調べの一部録音、録画についてでございますが、これは平成二十年の四月から同二十二年三月までの統計で合計三千七百九十一と、相当数していると。今現在は、裁判員裁判で自白事件で将来的に調書が使われる事件については漏れなく実施をしているということでございます。そのうち、法廷でDVDを再生されたものが五十一件ございました。そのうち、自白の任意性が肯定されたものが四十八、それから否定されたものが二件ございました。 したがって、一部録音、録画でございますが、否定されたものも存在するということは、それを見れば否定することができたということで、もちろん任意性の証拠ということで検察では取っているわけですけど、逆に取調べ状況が明らかになって任意性が否定されたものも生じてきていると。その意味では、この一部録音、録画もそれなりの効果を上げているというふうに思っております。 それから、問題点というのは、問題点になるのかどうかという問題はございますが、ある程度録音、録画の拒否者という方々が存在しております。六%ぐらいというふうに聞いておりますが、正確な数字今持っておりませんけど、この拒否者の問題をどうするのかなというのが若干の課題になっておりまして、場合によっては拒否をしてもそのまま取り続けるべきなのか、あるいは拒否した段階で録音、録画を外して供述だけを求めるのかと、こういう問題は問題点として残っていると。そのほか問題点ございますが、それが今俎上に上がっている大きな問題点ということでございます。
○木庭健太郎君 是非、本当に可視化をやっていく場合は、やはり全面可視化という問題に踏み切らざるを得ないんだろうと私も思っているんです。 ただ、その全面可視化って二つあるんです。すべての事件だと、全部の事件やるんだという、それがある。ただ、それ以上に大事なのは、一つの事件について全面可視化というのは、捜査のある意味じゃ端緒から、端緒をどこからとらえるかって、これはまた議論すればいいと思う。それから、本当に最後まで、その事件をなべてきちんと、その捜査のすべての過程の可視化という問題の方が私は大きな大事なことだと思うんです。一部をやるということについては、それはそれで一つの効果はあるかもしれないけど、逆の面を生み出してみたりする。 是非検討をし、この可視化という問題に全面的に踏み込む場合は、もちろん海外の研究もなさっているんでしょうが、やはりこの事件に一つについては全面可視化するという一つの基本線を持ちながら、私は、途中経過で先ほどおっしゃっていただいた、まずは特捜だけでもとおっしゃっていただきました。でも、やはりそういった形のすべての全面可視化というものを目指していく、若しくはもう目指すというよりは実現をしてもらいたいと、このように強く願っておりますが、これについての大臣の見解を最後にお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(柳田稔君) 言葉が大変難しくて、全面可視化というとすべてととらえますし、我々全過程という可視化もあるんじゃないかという議論も実はもうしていまして、いろいろと議論になるだろうとは思いますが、鋭意勉強していきたいと、そう思っております。 ただ、法務省は後ろ向きじゃございませんので、前向きに取り組んでおるということだけは今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
○木庭健太郎君 終わります。 ─────────────
○委員長(浜田昌良君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、熊谷大君が委員を辞任され、その補欠として溝手顕正君が選任されました。 ─────────────
○桜内文城君 みんなの党の桜内文城です。 大臣、御就任おめでとうございます。 先ほど、大臣が鹿児島の御出身と伺いました。私は愛媛宇和島の出身ではありますが、大蔵省勤務中に鹿児島の加治木税務署長を拝命しておりまして、大変鹿児島の方々にはかわいがっていただきまして、そういった意味で、是非敬天愛人の精神を持って議論を深めていきたいというふうに考えておりますので、よろしく御指導お願い申し上げます。 さて、本日も朝から議論がなされているわけですけれども、やはり法務行政の目的、これは大臣も答弁されましたように、法の支配、法の秩序を守る、それによって国民の生命、財産を守ることだと、まさにそのとおりだと私も考えます。特に、今回、私は尖閣諸島の例の問題について中心にお伺いしたいと考えております。なぜならば、我が国の統治機構における意思決定の在り方、そしてその意思決定のプロセスそのものが問われているのではないかと思うからであります。一体だれが今回の船長釈放のような判断を行ったのか、これを明らかにしていきたい。それが主権者たる国民から、まさにその生命、財産、そして自由を預かった政治家の責任だというふうに考えるからであります。 したがいまして、今日お聞きしたいのは、大きく分けまして三点。一つ目が、船長釈放の判断は一体だれによって、どのようなプロセスでなされたのか、そしてその次に、船長釈放の判断は国益という観点から正しかったのか否か、さらには、現在問題になっております衝突時のビデオ、これを公表すべきじゃないのか、この三点についてであります。 まず、これらについて議論を進めます前に、事実関係の確認からお願いしたいと思います。法務省、そして内閣官房、そして外務省、あるいは海上保安庁との間で、特に今回の船長釈放の方針が決定されたと思われます九月二十二日から二十四日にかけてのそれぞれのやり取り等について、既にこの参議院の予算委員会等でも明らかにされておりますけれども、おさらいの意味で、まず御答弁お願いできればと思います。よろしくお願いします。
○政府参考人(加賀美正人君) お答えをいたします。 九月二十二日の昼ごろ、佐々江外務事務次官から瀧野官房副長官に対しまして、法務省より外務省の職員を那覇地検に参考人として派遣してほしいとの要請があった旨の連絡がございました。これを受けまして、瀧野副長官から仙谷官房長官に相談があり、官房長官より外務省として地検の要請にこたえて適切に捜査に協力するよう指示がございました。 同日午後一時ごろ、外務省から法務省に対しまして、しかるべき外務省職員を二十三日に那覇地検に派遣する旨回答したものと承知をしております。 九月二十三日、外務省職員が那覇地検に派遣されまして、事件発生後の日中関係の状況等について説明を行ったと承知しております。 九月二十四日十二時三十分ごろ、法務省より瀧野官房副長官に対しまして、地検において釈放の方針を決定し、間もなく発表するとの連絡がございました。これを受けまして、瀧野官房副長官より仙谷官房長官に報告がなされ、また総理にも連絡されました。同日午後二時三十分ごろ、船長の釈放に関する那覇地検の記者会見が行われたところでございます。 以上でございます。
○政府参考人(西川克行君) 九月二十二日から二十四日までのやり取りについて、概略を申し上げます。 九月二十二日に検察当局におきまして、外務省職員から今回の事件発生後の日中関係の状況等について説明を求めることを決定し、検察当局から法務省を介しまして外務省にその旨の連絡を行いました。 外務省から法務省に対して翌二十三日に、外務省職員が那覇地検に説明に伺うとの返答があったので、その旨を法務省から検察当局に連絡をしております。 九月二十三日午後に那覇地検におきまして、同地検検察官が外務省職員から今回の事件発生後の日中関係の状況等について説明を受けております。 九月二十四日午前、最高検察庁において、那覇地検、福岡高検、最高検が本件について協議を行い、被疑者を処分保留の上釈放するという検察としての方針を決めました。その後、検察当局としての釈放方針が法務省担当者に連絡され、同日午前十一時五十五分ごろ、法務省刑事局長の私から法務大臣に対して、検察における釈放の方針及びその理由等について報告をいたしました。 同日午前零時半ころ、法務事務次官が瀧野官房副長官に対して釈放方針について連絡をし、午後一時半ごろ、法務省担当者が外務省に対して同様の釈放方針について連絡をしております。そして、同日午後二時半ごろ、那覇地検において釈放方針とその理由等を記者会見で発表したと、こういう経過でございます。
○大臣政務官(菊田真紀子君) お答えいたします。 九月二十二日午前十一時半過ぎ、法務省公安課長から外務省中国・モンゴル課長に対しまして、外務省職員の派遣についての検察の要望が伝達をされました。これを受けまして、外務省中国・モンゴル課長から外務次官に対し報告をし、外務次官と法務次官との間でも確認の連絡を行いました。その後、外務次官が瀧野官房副長官と職員を派遣させるかどうかを協議いたしました。その際、瀧野副長官から仙谷官房長官に相談をし、長官は派遣を了承したと聞いております。同時に、外務次官からニューヨーク出張中の外務大臣に報告があり、前原外務大臣からも了承する旨をお伝えいたしました。 同日十三時ごろ、外務省中国・モンゴル課長より法務省公安課長に対しまして、しかるべき外務省職員を九月二十三日に那覇に派遣する旨正式に回答をいたしました。 外務省職員の那覇地検への派遣は、今回の事件発生後の日中関係の状況等につき説明を行うことを目的とし、当該職員からは、那覇出張から帰京した後、当日の二十一時過ぎ、事務次官に対して電話にて報告がなされました。右報告は事務次官から瀧野官房副長官にも共有されたと承知をいたしております。 九月二十四日昼過ぎの検察による釈放決定後、法務省公安課長より外務省中国・モンゴル課長に対しまして同決定の連絡がございました。同連絡内容につきましては、速やかに大臣秘書官を通じましてニューヨークに出張中の前原外務大臣に同日十四時ごろ、これは日本時間でございます、その旨伝えられました。外務大臣は検察の決定として尊重する旨伝えたところであります。 以上です。
○桜内文城君 ありがとうございます。 これらの事実を踏まえて、これから具体的内容について質問をさせていただきます。 まず、多くの報道によりますと、那覇地検の独自の判断だと政府の高官がよく言っているというふうに言われておりますが、しかし検察庁法七条一項、あるいは今おっしゃいました事実関係からしますと、検事総長の指揮監督の下でこういった釈放という判断は最終的に検事総長によってなされたという認識を持ちますけれども、これでよろしいでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 先ほど申し上げたとおり、九月の二十四日、検察当局の会議というのは、最高検察庁におきまして那覇地検、福岡高検、最高検が一堂に会して今回の釈放の方針を決めたということでございます。当然、その方針は検事総長も了解、了承したということでございます。
○桜内文城君 本日午前中の森まさこ委員からもありましたけれども、今後の日中関係への配慮、これが刑事訴訟法二百四十八条、これの犯罪後の情況に該当するか否か、この点についてお尋ねしたいと思います。 午前中の大臣の御答弁によりますと、刑事訴訟法二百四十八条の趣旨を適用するということでございました。そしてまた、この処分といいますか船長の釈放、この決定につきましては、後で検察審査会などの是正措置がないということもありまして、そしてまた直接適用ではないということから、検察官の裁量の範囲は当然のことながら限定的に解釈すべきだというふうに考えられます。 この刑事訴訟法二百四十八条、犯罪後の情況の具体的解釈についてまずお聞きしたいと思います。
○政府参考人(西川克行君) まず前提として、釈放の理由というのは基本的には限定はございません。したがって、その釈放の理由が刑事訴訟法二百四十八条の事情だけに限られるというものでもございません。 申し上げたいのは、刑事訴訟法第二百四十八条、これは起訴猶予、つまり犯罪の嫌疑があっても起訴を猶予することができるという条文でございますが、そこに掲げられた事情については釈放の理由としても考えることが、釈放の理由としても考慮できると、そういうことを申し上げたいということでございます。 したがって、これは、類推適用かどうかという問題はまさにその類推適用というのはどういうものかという定義の問題になるわけでございますけれども、申し上げたい趣旨というのは、この刑事訴訟法第二百四十八条に掲げられている事情は釈放の事情としても考慮し得ると、だから先ほど大臣がおっしゃったとおり趣旨を考えて適用することができるんだと、こういうことでございます。 この二百四十八条の中には犯罪後の情況というのがございまして、この中には犯人に関するもの、被害者に関するもののほか、社会情勢の変化なども含まれているというふうに考えられます。検察官は、個別具体的な事件処理に当たって、社会情勢の変化あるいは当該犯罪やその事件処理が社会に与える影響についても考慮できるというふうに考えられます。 このようなことから、今回、那覇地検において発表いたしましたとおり、例えば損傷の程度であるとかあるいは計画性であるとか乗組員が負傷していない事情、それから前科等に加えまして、我が国国民への影響や今後の日中関係、これも考慮した上釈放したと、こういう経過でございます。
○桜内文城君 今の犯罪後の情況に関して、大コンメンタール、通常検察庁の方もよく使っているやつですけれども、犯罪後の情況としまして、犯人、被害者、これらに関するもののほか、仰せのとおり、社会情勢の変化、犯行の時間的経過、法令の改廃、刑の変更、恩赦などが含まれるとあります。しかし、今申しました列挙事項を御覧になってください。これらはすべて犯罪そのものについて、その社会的又は法的評価の変化について触れているものばかりであります。 社会的情勢の変化と言えば何でも通るというふうな拡大的な解釈をするのはいかがかと思います。特に今回の釈放の方針の決定のように、二百四十八条の直接適用でもなく、趣旨を適用しているにすぎない。しかしながら、その内容的に検察官の裁量の範囲の広い、狭いを決める、そのような判断においてどうしてそのように広い解釈ができるのか。私はできないと思います。 なぜならば、先ほどの午前中の議論でもありましたとおり、起訴、不起訴の処分については、その後に公判というのがあります。また、検察審査会という是正措置もあります。しかしながら、今回の釈放というそのような方針の決定については、だれも何も、そして今おっしゃった法務省あるいは検察庁の解釈が正しいか否か最終的に裁判所によって決することもできない。そういったときに、今おっしゃられたような、検察庁の独善のような犯罪後の情況というものの解釈について広い立場を取る解釈というのは、私はこの国会の場においても認められないというふうに考えております。 さて、続けて質問いたします。 検察官の仕事が法と証拠によってなされるべきことは大原則とされます。法務大臣は、今月七日の参議院本会議におきましてもおっしゃられています。検察当局においては法と証拠に基づき適切に対処したものと承知していらっしゃるというふうな答弁をされております。 まず、この法と証拠に関する大原則につきまして、法務大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(柳田稔君) 桜内委員がおっしゃったとおりでございます。同じ考えです。
○桜内文城君 政府参考人にお伺いします。 刑事訴訟法の趣旨に基づく証拠、この概念、定義についてお示しください。
○政府参考人(西川克行君) 一般に、証拠というときには、訴訟上確認すべき事実を推認する根拠となる資料、これをいうものであるというふうに承知しております。
○桜内文城君 この委員会でも繰り返し話題になっておりますけれども、法務省からの釈放の理由の説明の中で、漁船が巡視船「みずき」に故意に衝突させたことは証拠上明白というふうな文言があります。にもかかわらず、それと同様に、今後の日中関係への配慮という外交上の判断を処分保留の理由としておりますけれども、これは、少なくとも法と証拠という観点で申しますと法ではありません。別の証拠としてこれは考えていらっしゃるのか、証拠に該当するものなのか否か、お答えください。
○政府参考人(西川克行君) 証拠に基づいた検察庁の判断ということになろうというふうに思います。
○桜内文城君 先ほど事実関係の中でありました九月二十三日の、外務省職員から今回の事件発生後の日中関係の状況等について説明を受けたとありますけれども、那覇地検はこれを証拠として調書化されたんでしょうか、どうでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 先ほど申し上げたとおり、那覇地検において外務省職員の方を参考人として事情をお聞きいたしました。当然のことながら証拠化はしておりますが、どのような形で証拠化したかという点については、何分個別具体的事件における捜査機関の活動内容にかかわるため、お答えを差し控えさせていただきますけれども、当然のことながら証拠化はされているということでございます。
○桜内文城君 証拠化されたということなんですが、先ほどおっしゃいました証拠の定義に照らしてどうなんでしょうか。公務執行妨害罪のいかなる構成要件該当事実を推認させる証拠となるんでしょうか、教えてください。
○政府参考人(西川克行君) 公務執行妨害罪直接ではなく、本件衝突発生後の日中関係という観点でお話を伺っておりますので、その点についてお話を伺わせていただいているということでございます。
○桜内文城君 続けて質問します。 検察庁又は検事総長に政治的判断を行う権限があるか。同様の質問が先日の参議院予算委員会でも行われております。そのときの法務大臣の答弁は、そのようなことはないと明確におっしゃっておりますが、改めてお聞きします。
○国務大臣(柳田稔君) そのとおりでございます。
○桜内文城君 ここで、今後の日中関係への配慮ということなんですけれども、これは当然、二国間の外交関係に関する判断に当たります。日本語として当然のことであります。このような外交関係に関する判断は、今おっしゃいました政治的判断に該当するか否か、仮に該当しないということであれば、政治的判断とはいかなることを意味するのか、厳密な定義をお示しください。
○政府参考人(西川克行君) 政治的判断というときに法律上の定義があるわけではございませんので明確なお答えは困難だと思いますが、通常、政治的判断というときは、検察が本来やるべき法と証拠に基づくというのが検察の判断でございますが、法と証拠から離れた、あるいは法と証拠からの判断を曲げた判断ということになろうというふうに思います。 今回、ほかの事情とともに今後の日中関係等も考慮したということでございますが、これは、被疑者の釈放については、検察当局が国内法に基づいて事件の性質等を総合的に考慮して粛々と刑事手続上の処理について判断したというものでございまして、法と証拠を離れた、あるいは法と証拠を曲げた政治的判断ということではないというふうに思っております。
○桜内文城君 今までのやり取りで明らかになったと思うんですけれども、検察当局は日中関係への配慮というものを証拠として考えたと。そして、その日中関係への配慮ということは、二国間の外交関係の判断にもちろん含まれる概念であります。要するに、証拠というのは、今申したような、論理的に外交上の判断を含むということになります。今そのように刑事局長がおっしゃったと私は理解をします。 他方で、法務大臣がおっしゃったように、政治的判断は検察官が行っていないともおっしゃいます。一体どうなっているんですか。
○政府参考人(西川克行君) 私が申し上げたのは、法と証拠を離れた政治的判断をしたものではないと。それから、当然のことながら、検察が外交上の判断、中国との関係はこれからどうするかとか、そういうような判断をするはずもありませんので、そういうものをしたものではないと。それから、刑事手続を粛々と進める上において様々な事情を考慮しましたが、その中で証拠に基づいて今後の日中関係等も考慮したと、これに尽きるということでございますので、政治的判断若しくは外交的判断をしたものとは考えていないということでございます。
○桜内文城君 水掛け論になりそうなんですが、私の考えを述べておきます。 外交上の判断、今後の日中関係への配慮というものは、私は、幾ら詭弁を弄そうとも、国家主権を守るか否か、こういった重要な政治的判断であると考えます。そうして、日中関係への配慮、こういったものが、証拠として検察官が判断をする。要は、その日中関係への配慮という政治的判断を含む証拠を通じて、実質的に、そして結果的に検察官が政治的な判断を行ったというふうに、私には、今の刑事局長の御答弁の論理を積み重ねていくとならざるを得ないと考えております。 そういった意味では、いかがでしょうか、先ほどから話が出ております刑事訴訟法二百四十八条、私は先ほど申しましたように、犯罪後の情況といたしましてこれを広く解すべきではない、公務執行妨害罪という犯罪そのものに関する情況以外のものを、こういった日中関係への配慮というような政治的判断を含むようなものを考慮に入れて、その分検察官の裁量の範囲を広げるということは、むしろ検察官に認められた政治的判断をしてはいけないという裁量の範囲を逸脱し、刑事訴訟法二百四十八条違反だと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 何回も繰り返しになりますが、今回の検察の判断は、政治的判断をしたというものでもございませんし、外交的判断をしたというものでもございません。刑事手続において必要な範囲で証拠を収集し、被害の程度、犯行の計画性の有無、我が国における前科の有無等に加えて、さらに今後の日中関係等を考慮したということに尽きるということでございますので、刑事手続の中で粛々とした判断というふうに考えております。
○桜内文城君 刑事局長にずっと答えていただいておりますけれども、慣例として、検察庁というのは政治的判断あるいはこういった国会の場で答弁するのにふさわしくないということをお聞きしておりますけれども、今日の刑事局長の御答弁からしますと、証拠というものに日中関係への配慮が含まれる、そして法と証拠に基づいて判断を行うのが検察庁の仕事だとおっしゃるのであれば、まさに検事総長にここに政府参考人として来ていただくほかはない。 今日の午前中の大臣の御答弁の中でも、検察当局と議論せよというふうな言葉がありましたけれども、検事総長を政府参考人として呼ぶことを求めます。
○委員長(浜田昌良君) 後日理事会で協議いたします。
○国務大臣(柳田稔君) 午前中に申し上げたことは、ここに政府委員を呼んで議論したらどうですかと、検事を呼んで議論したらどうですかと申し上げました。西川局長は、局長と検事を併任されていますので、それを知っていましたから、だから政府委員を呼んだらどうだと、検事呼んだらどうかと、知っていましたから、と言っただけでございまして、私は何も検察当局を呼んで議論してくれといった考えはございませんでした。
○桜内文城君 検察庁法によりますと、検察一体の原則というのがございます。先ほど話ありましたように、最終的には検事総長がすべての検察官を指揮監督するということになっておりますので、そういった意味で、検事総長のここへの政府参考人としての出席を求めた次第でございます。 もっと質問したかったんですけれども、今日のところは時間ですので、これで終わりにします。 ありがとうございました。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 大阪地検特捜部のフロッピーディスク改ざん問題についてお聞きします。 法治国家の根幹を揺るがす深刻な問題であり、これは改ざんをした前田元検事や大阪特捜部だけの問題ではなくて、検察の体質そのものが問われております。 まず、最高検の責任に対してお聞きします。 法務省は、この村木さんの逮捕、起訴に当たって地検とそして最高検が協議をしたということを認めておられますが、それぞれ、いつ、だれがどのような形で協議をされたんでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) まず、村木さんを逮捕する方針等についてでございますが、大阪地検は大阪高検と協議をし、次いで大阪高検刑事部長が平成二十一年六月十一日、最高検の担当検事に報告し、最高検の担当検事が次長検事、検事総長に報告してその了承を得たと承知しております。 次に、村木さんを起訴する方針等についてでございますが、大阪地検が大阪高検と協議し、大阪高検刑事部長が同年七月二日、最高検の担当検事と協議し、両名が次長検事、検事総長に報告してその了承を得たものと承知しております。
○井上哲士君 この逮捕の協議ではどのような資料や証拠が示されたんでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 逮捕の協議でございますが、最高検は大阪高検との協議の結果、大阪地検の捜査において収集された関係者の供述等の証拠に基づいて逮捕を了承したと承知をしておりますが、お尋ねの協議の内容の詳細については、捜査の秘密にかかわる事柄であり、現時点ではお答えを差し控えさせていただきたいと思います。 もっとも、この点につきましては、最高検において御指摘の事件について検証をしているところであり、お尋ねの点についても、必要に応じて最終的な検証結果を公表する際に明らかにされるものと承知をしております。
○井上哲士君 これ、無実の人を逮捕、起訴した出発点にもなるべき問題でありますから、きちんと検証をされる必要があります。 先ほどの答弁の中で、六月一日が偽の証明書の発行日だったというフロッピーディスクのそのデータを印刷した調査報告書は上に上がっていなかったということが答弁がありましたけれども、つまり、この二つの協議の対象にこの捜査報告書はなかったということは確認できますね。
○政府参考人(西川克行君) 詳細は控えますが、そのとおりでございます。
○井上哲士君 この調査報告書は地検の事務官が六月二十九日に作成をしたというふうになっておりますが、七月二日に起訴の協議が行われたわけでありまして、こういう事件の核心を成す報告書が上がらないままに協議をされたというのは余りにも私はずさんだと思うんです。 もう一つ、石井一参議院議員の事情聴取がなされていなかったという問題であります。 検察のシナリオは、この事件は、石井議員からの要請に基づく議員案件だったから村木氏は偽の証明書の発行を指示をしたと。つまり、議員案件だったというのが一番の背骨の部分なんですね。ところが、石井議員に事情聴取があったのは、七月四日に村木さんを起訴してから二か月後の九月十一日のことでありました。最高検はこの起訴を了承した際に、石井議員に事情聴取すらしていないということは問題にされたんでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 現在、最高検は、今回の事態を招いた原因等を明らかにするため検証を行っているところでございます。 お尋ねの協議の内容の詳細については、現段階ではお答えを差し控えますが、最高検は大阪地検、高検と協議の上、その報告に基づいて逮捕、起訴を了承したものと承知をしております。
○井上哲士君 ですから、その報告の中に石井議員はまだ聴取をしていないという事実は確認をされていたんですね。
○政府参考人(西川克行君) 今、明確なお答えしかねますが、御指摘の点についても当然検証の中で検討がなされるというふうに思っております。
○井上哲士君 石井議員が凜の会側から議員会館で依頼を受けたとされる日には石井議員はゴルフに行っていたということが、これはもうゴルフ場の資料で、記録でもう裏付けられている事実なわけですね。ですから、検察のシナリオはここでも崩れているわけであります。石井議員からの依頼だ、つまり議員案件だということ、そして偽の証明書を作成した期日、このシナリオの根幹が、この事実関係について確認をしないままに逮捕も起訴も協議の上了承したということになりますと、私は最高検の責任は重大だと思いますけれども、その点、局長いかがでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 村木さんを逮捕、起訴するに当たって地検と上級庁との間で行った協議の具体的内容、これは現段階では詳細は差し控えますけれども、これは最高検の検証の中の一つのテーマということにならざるを得ないということと考えております。 お尋ねの協議の内容についても、検討の上、必要に応じて、最終的な検証結果を公表する際に明らかにされ、その問題点も、もし問題点があれば明らかにされるということになろうというふうに思っています。
○井上哲士君 何か前田元検事と特捜だけが悪かったような形で幕引きがされるんではないかと、こんなことがあってはならないと思っております。 この偽の証明書が発行されたのは六月一日の未明でありまして、六月の初旬に村木元局長が指示をしたと、こういうシナリオはもう破綻をしておるわけですね。前田元検事は、押収したフロッピーディスクで、そのことを知りながら逮捕そして起訴をしたわけですね。そして、自分たちが描いたシナリオに合うようにフロッピーディスクを改ざんをしたと。ですから、私は、これは無実と知りながら冤罪をつくり出してきたということに私は当たると思うんです。恐るべきことですよね。でっち上げてそれを作ったと。 ところが、この前田元検事の起訴事実は証拠の改ざんのみになっています、証拠隠滅罪だけになっています。むしろ、特別公務員の職権濫用罪を適用して処分をすべき事案ではないんでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 現在までの調査結果によりますと、前田元検事は、本件フロッピーディスクのデータという消極的な証拠があったとしても、その当時の証拠関係から有罪立証が可能と考えて逮捕や起訴をしたものというふうに承知をしております。 お尋ねの特別公務員職権濫用罪等の成否につきましては、検察当局において収集された具体的な証拠関係に基づき判断されるべき事柄でありますので、法務当局としてお答えをすることは差し控えなければならないということになります。
○井上哲士君 つまり、シナリオに反する証拠が出てきても供述があれば有罪にできると考えていたとすれば、重大なことですよね。しかし、もうこれは前田元検事だけの問題ではありません。でっち上げのこの逮捕、起訴のために村木さんは一年三か月にわたって自由を奪われたわけですが、このこと自体に対する深刻な反省が検察からは聞こえてきません。 前田元検事の同僚検事は、この改ざんの事実を早い時期から知っておりますけれども、半年間これを放置をしておりました。地検の幹部も、一月末の公判の時点で弁護側からこのフロッピーディスクの日付の矛盾が指摘されて、そしてその直後に、二月初めには改ざんの事実を前田元検事から把握をしているわけですね。 ですから、この時点で検察のシナリオの背骨の部分が崩れているわけですから、村木氏が無実であり、逮捕としたこと自体が間違いだったというふうに私は認識できたと思うんですね。にもかかわらず、このときに公訴の取消しもせずに行ったと。地検幹部のコメントを見ますと、この証拠の改ざんも過失だったから問題ないんだと言わんばかりのコメントなわけですね。故意じゃなかった、過失だったと、だから上にも報告していないと。その結果、この一年三か月も村木さんが自由を奪われていたということに対するまともな反省がないんです。改ざんを告発したと言われる同僚検事も含めて、公判では村木氏を有罪にするための立証活動をずっと続けたんですから。そして、有罪の論告求刑までしたんですから。なぜ改ざんの事実を把握した時点で公訴取りやめをしなかったんですか。 地検ぐるみで私は無実の人を有罪にでっち上げようとしたと、仕立て上げようとしたと、こう言われても仕方がないと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 厳しい御指摘をいただきましたが、公判関係につきましても当然のことながら現在、最高検の検証の対象になっております。 今回の事態を招いた原因、それからどこかの時点で間違えていれば、より早い時期にその間違いを何とか正すような方策が取れなかったのか、この点も含めまして、今後最高検において検証を行っているということでございますので、御指摘の観点からも当然十分な検討がなされるというふうに考えております。
○井上哲士君 どこかの時点じゃなくて、出発点から間違っていたんです。 そして、結局、このシナリオを描いてそれと矛盾する物証があってもシナリオに沿った供述さえあれば有罪にできるということは、前田元検事だけじゃなくて、今申し上げたように地検全体の問題だったわけですね。じゃ、そのシナリオに沿った供述はどういうものだったのかということになりますと、今回のこの郵政不正事件について村木氏の関与を認める供述をした元部下の捜査段階の供述調書は、四十三通のうち三十四通は証拠として採用されておりません。大変異常な事態だと思いますけれども、なぜ証拠に採用されなかったんでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 御指摘の三十四通のうち十二通は必要性なしと判断された、残りの二十二通は特信性なしと判断されたというふうに承知をしております。
○井上哲士君 特信性がないと。検事の、検察の調書であっても信じるに足りないと。いずれも大阪地裁は、特捜部による脅迫的な取調べがあった疑いがあり任意性がないということで証拠採用をしていないわけですね。ところが、このときも六人の検事が出廷をして、この供述は任意だということでそういう証言をしているんですよ。ですから、もう何が何でも地検ぐるみでこれは有罪にするんだと、こういうことが最後まで行われたわけであります。 これは、地検だけの問題ではありません。伊藤次長検事の記者会見で、遅くとも一月二十七日の村木さんの初公判の報道でフロッピーディスクの存在を知ったというふうに認めておられます。さらに、三月四日に公判に石井一参議院議員が証人に立って、凜の会から依頼を受けたとされる日にはゴルフをしていて依頼そのものがなかったと、こういう証言もされているわけですね。ですから、この時点でつまり最高検が地検から聞いてこういうシナリオでいくということと全く違う証言や物証が公判に出されているわけですから、逮捕、起訴を了承した最高検として、この時点でもう公訴取消しするとか、こういうことを地検と協議するべきだったんじゃないでしょうか。 最高検としては、供述調書が証拠採用されなかったという時点で、五月の二十八日にメールで地検に質問を出したということはこの間認められておりましたけれども、それまでの間に何らかのこの問題での協議を地検とやったんでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 結論から申しますと、公訴取消しをすべきかどうかについての協議についてはなされておりません。 それから、御指摘を受けております公判遂行上それが相当であったかどうかという点についても同じように検証を実施しておりまして、検証終了後、御指摘の点も含めてその結果を公表することになるというふうに考えております。
○井上哲士君 そこで、大臣にもお聞きするんですが、最高検の伊藤次長検事は十一日の記者会見でこういうふうに言われているんですね、物証を中心とした捜査を進めればこんなことにはならなかった。主任検事だった前田元検事が物証を軽視する供述中心の捜査をしてしまったと、まるで前田氏だけが悪いかのように言われておりますが、了承したシナリオを覆す物証が出ても公判の維持について協議すらしてこなかったと。最高検自身が物証を軽視して、供述を中心としたそういうやり方を認めていたんじゃないですか。 逮捕、起訴にゴーサインをして、了承したシナリオの土台が崩れる事態になってもそういう協議すらしなかった。私は最高検の責任は重大だと思いますけれども、大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(柳田稔君) 今回の事件は、先ほど来申し上げておりますとおり、もう言語道断だと、もう信頼はないというふうな思いを私も持っております。そういう中で井上委員の方からそういう疑問を投げかけられるのも致し方ないのかなと思うぐらい今回の事件はひどかったと、そう思っております。 先ほど木庭委員にも申し上げましたけれども、今日の委員会の内容は最高検の検証チームの皆様も聞かれているはずですから、しっかりとした検証をされるものだと思っております。今日、この場でいろいろ細かいことを聞かれても答えられない面もありますけれども、しっかりとした検証をされて公表もされるものだと私は思っております。
○井上哲士君 今、最高検の責任について申し上げました。ですから、最高検自身が当事者なわけですね。ですから、最高検の検事だけで検証チームをつくって検証し、最終報告の前に有識者の意見を聞くというふうに言われておりますが、それでは私はやっぱり最高検のシナリオの枠内での検証にしかならないんじゃないかと。 不都合な事実を隠すということが現に公判の場で行われてきたわけですから、それを検証するという点でいいますと、私は検証そのものに第三者が入るということが必要だと思います。その点もいかがでしょうか。
○国務大臣(柳田稔君) 先ほども申しましたように、私は最高検の検証チームの第一回目に出まして、いろいろ申し上げました。最後に、正義を信じますと言って帰りましたけれども、しっかりとした検証を行ってくれるものだと、そういうふうに信じております。
○井上哲士君 真剣な検証をいただきたいし、私はあくまでも第三者が検証そのものに加わるということを求めたい。 その上で、シナリオに合わせて自白を強要するということはこれまでにも様々指摘をされてきました。今日も議論になっているように、これは捜査過程の全面可視化が必要であります。佐賀元検事も自身の取調べについて、密室の取調べは真相解明にならないということで可視化を要請をされました。 捜査を十分知り尽くした方が可視化をしなければ真相解明にもならないと言っているということは大変重い意味があると思いますけれども、この点、大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(柳田稔君) 個別、どうのこうの言っていることについて私はつぶさに承知しているわけではありません。 ただ、個人的見解になって言ってもいいんですかね、後で、衆議院で怒られましたけれども、言うなといって怒られましたけれども、よく言ったもんだと私は思いました、個人的には。
○井上哲士君 この佐賀元検事側からの要求に対して、最高検の伊藤次長検事は記者会見で、検事が自分で取調べを受ける側になるとそのようなことを言うのは不自然だと、容疑者の権利を守る方法は知っているはずで、録音、録画の必要性はないと十月五日の記者会見で言われました。 その容疑者の権利を守る方法は知っているなら必要はないということでいいますと、そんな権利を知らない一般の人にとっては絶対に不可欠だということを逆に次長検事は私は認められたことになると思いますけれども、この点、刑事局長、いかがでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 取調べの方法について、詳細については差し控えさせていただきますが、次長検事がそういう発言をしたということであれば、それは録音、録画をしなくてもその対象、取調べの対象となっている者は自分の権利を守ることができるのではないかという意味で言われたんだというふうに思っています。
○井上哲士君 いやだから、それをよく知っている人だから必要ないと、検事だからね、言ったわけで、そうであれば、そういう容疑者の権利を守る方法を知らない一般の人々にとっては、真相解明のためにはやはり可視化が必要だということを逆に認めたことになりませんかと、こういう質問です。
○政府参考人(西川克行君) 恐らくそういう意味ではなかろうというふうに思いますが、ちょっと詳細なその発言の中身を私承知しておりませんので、明確な答弁はいたしかねます。
○井上哲士君 これはもう、どの角度から見ても必要だということがもう国民の声でありますから直ちに踏み出していただきたいし、その自白の任意性を争う上ですぐにでもできるのは、今日も話題になりました捜査メモの保管の問題であります。 今回の郵便不正事件でこの取調べメモが廃棄をされていたということでありまして、これが最高検の通知にも違反をしているんじゃないかという先ほどの質問に、取調べ状況についての争いを公正に判断するのに資すると認められるというものについて保管が必要であって、必ずしも通知に違反をしていないという答弁で、私は驚いたんですね。そんなことを通知を出した最高検が言うから、必要なものまでほうっているんですよ。今回のこの大阪地検の特捜の調べというのは、まさに任意性が問われたわけですね。なぜそれが必ずしも違反じゃないことをすぐに言うのかと。 確認しますけれども、この通知にあるこの必要なメモだという判断というのは、これは地検として行うんでしょうか、個々の検事が行うんでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 基本的には、その判断は最終的には主任検察官が判断するということになっております。 ただ、取調べにおいて何をメモに記載するかは、取り調べる個々の検察官が事案に応じて判断すると、現段階ではこのようになっております。
○井上哲士君 実はこれ多発しておりまして、つい先日、広島少年院の元首席専門官が特別公務員暴行陵虐罪に問われている裁判でもメモが全部廃棄をされていたわけですね。このとき地検側はどう言ったかといいますと、必要でないと判断したメモは廃棄をしていると、こういうふうに言っているんですよ。ですから、先ほど刑事局長が言われたと同じ理屈で廃棄をしているんです。これも組織的に実際上、私は行われていると思うんですね。 ですから、こういう言い訳を許さないためにも、原則捜査メモは保管をすると、こういうふうに通知を出し直すというのは、これはもう検察の判断ですぐにできることだと思いますけれども、これをやるべきではないでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 検察当局におきましては、本年六月、一定の取調べメモについて、最高検刑事部長による通知に従って適切に保管するよう改めて注意喚起をするなど、一定の対応をしているものと承知をしております。 ただ、今、村木さんの事件について検証等が進んでおりますので、更に措置が必要であれば、今後必要な方策を講じていくものと考えております。
○井上哲士君 二度通知を出してもまともに守られていない、その理屈が、必要でないと判断をしたというふうになっているわけですから、そういうことができないようにきちっと対応するべきだということであります。 今回の事件で検察の信頼は地に落ちたと思います。徹底した真相の解明と関係者の処分、そして同じような事件を起こさないというこの制度的措置をとらない限り、私は現場の皆さんの捜査にも困難を来すし、信頼回復はないと思います。そこまで踏み込むという点で大臣の最後御決意をお聞きして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(柳田稔君) 今日も午前中からいろいろと御意見を賜りました。第三者がメンバーになりますので、皆さんの御意見を尊重して検討会議行われるものだと、そういうふうに私は考えております。しっかりやらせてもらいます。
○委員長(浜田昌良君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時散会