環境委員会 第4号
- 発言数
- 240 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2010/11/11
会議録
○委員長(北川イッセイ君) ただいまから環境委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、柴田巧君、大門実紀史君及び鈴木政二君が委員を辞任され、その補欠として水野賢一君、市田忠義君及び長谷川岳君が選任されました。 ─────────────
○委員長(北川イッセイ君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、外務大臣官房地球規模課題審議官杉山晋輔君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(北川イッセイ君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(北川イッセイ君) 地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次発言願います。
○轟木利治君 おはようございます。 民主党の轟木でございます。 本法案の質疑に入る前に、大臣に少しお聞きしたいと思います。 愛知県名古屋市で行われました生物多様性COP10におきまして、大臣は議長を務められ、愛知目標、そして名古屋議定書が合意されたことに対しまして心から敬意を表しますとともに、大変御苦労さまでございました。 そこで、各国との調整で御苦労された点は何であったのか、また今回のプロセスで何を得られたのか、そして、次の国際会議である十二月に行われますCOP16に対し、名古屋での教訓を生かしてどのようなスタンスで臨まれようとされているのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(松本龍君) お疲れさまです。 今COP10のお話がありましたけれども、それぞれ議長国として、ここにおられるすべての皆さんのお力があって私は、厳しい状況でありましたけれども、ある程度の成果を得ることができたというふうに認識をしております。 一番何が苦労したかということでありますけれども、やっぱり、愛知目標もそうでありますけれども、名古屋議定書、いわゆるABSに関して、これはもう大変厳しい状況でありました。十八年前に生物多様性条約ができて、十八年掛けてまとまらない。しかも、四年ぐらい前からCOP10で、二年前にもCOP10でこの検討を終了するという使命がありました。あっ、四年ですね、四年前からCOP10で終了するという使命がありましたので、大変厳しい状況でありました。新聞、マスコミ等、途上国と先進国の対立等々と言われて、私自身は必ずその真ん中に共通の利益があるはずだということで進めてきたところであります。 しかし、COP10の前に、ちょうど二〇一〇年は、報告書で二〇一〇年目標がほとんど達成できなかった、生物多様性の損失速度を著しく減少させるという目標ができなかったという、要するに失望というか、そういうものを全部共通に持っておられて、九月にはニューヨークに結集をされ、十月には名古屋に来られたわけであります。 そういう意味では、ここをまとめる作業が大変厳しい思いでありましたけれども、それぞれが、EUも途上国もすべてがやっぱり痛みをこらえながら譲歩し妥協してまいりました。そして、アフリカ始め途上国の皆さんも同じようにそれぞれ国の事情がある中で譲歩、妥協を重ねながらまとまりかけましたけれども、二十八日まで、もう夜中の零時までまとまりませんでしたから、議長提案をその後出すということを全体会議で報告をし、議長提案を最終日に出すに至りました。 そういう意味で、朝からずっと議長提案を、順番は構いませんけれども地域の方々に来てくださいということで来ていただいて、それぞれ地域でまとめてくださいという話をしまして、ようやくその日の二時からその結果を聞く会合、全体で集まったわけですけれども、それぞれ合意をしていただいて、また最後にアフリカ諸国が来て十分ぐらいしゃべられましたけれども、このときは本当に厳しい状況でありましたけれども、最後は議長案で私たちはスタートをしたい、合意をするという言葉をいただいて合意が成立をすることができました。 しかし、これはそれぞれの国々が妥協に妥協を重ねた結果でありますから、まだまだ固いものではない。ですから、最後まで気を緩めることなくやったというところであります。午前三時にまとまりまして感動しましたけれども、やっぱりこれからの課題が一番大きいなということで、これからまたこの委員会で御論議をいただくことになろうかというふうに思っております。 十一月の下旬からCOP16がメキシコのカンクンで始まりますけれども、このCOP16も、今EU辺りが京都議定書の第二約束期間をつくろうという話がありますけれども、やっぱりこれは前提条件がしっかり要ると。すべての主要国が参加する中で、公平で実効性のある国際的な枠組みができなければならないという私は前提条件はしっかりつくり上げていかなければならないと思います。 ちなみに、御参考までに言いますけれども、京都議定書の批准先進国は、つまり削減目標を持っている国のCO2の排出量は一九九〇年のときは四二%でありました。世界の排出量の四二%を京都議定書の枠組みの中で排出していたんですけれども、一番近い近似値でいいますと二〇〇七年は二八%になっている、四分の一強になってしまっています。 もう一点、アメリカと中国は一九九〇年のときは三四%でありましたけれども、今や二〇〇七年では四一・三%になっています。ですから、中国、アメリカが入らない京都議定書の第二約束期間はすべての世界の排出量を減らすという壮大な目的に比すれば、そういう意味ではこの枠組みの中で第二約束期間というのは、昨日おととい総理も答えられましたけれども、これはあり得ないということで私ども臨んでいきたい。しかし、やっぱり米国や中国の背中を押していくようなことも、EUとともにしっかり連携を組みながらやっていきたいというふうに思っております。 いずれにしても、厳しいメキシコ・カンクンでの交渉になろうかと思いますけれども、国益を損なうことなくしっかり臨んでいきたいというふうに思っております。
○轟木利治君 ありがとうございます。 環境省のスタッフの皆さんを含めて、本当に御苦労さまでございました。この参議院の環境委員会としても、二十六日だったと思いますけれども、COP10の会議に参加させていただき、また状況を見させていただきました。そのときに大臣の部屋にも入らせていただいて、当時、その日は近藤副大臣が御在室でございました。最初に私びっくりしましたのは、近藤副大臣、家が近いのに毛布があったものですからここで寝泊まりしているのかなと思いましたけれども、そうではないということなのでちょっと安心をいたしましたけれども、本当に御苦労さまでございました。 では、早速法案の内容について御質問をさせていただきますが、我が国の生物多様性保全をする上で、現在どのような課題を抱えられていると認識されているのか、また、この法案はその課題をどのような貢献ができると考えられているのか、お聞きしたいと思います。
○大臣政務官(樋高剛君) 轟木先生におかれましては、日ごろから日本の環境政策推進に対しましての大変な御尽力をいただいておりますことを、この場をお借りをいたしまして敬意と感謝を申し上げます。どうぞ今後とも御指導いただきますれば幸いでございます。 この生物多様性につきましてのまず課題ということであったろうと思っておりますけれども、日本の生物多様性につきまして、まず第一の危機という点につきましては、例えば都市開発に代表されます、いわゆる人間の活動によって生態系の破壊あるいは種の減少、絶滅が行われるというのがまず一点目でございます。 そして、第二の危機ということでありますけれども、これは里地里山などに対して人間の働きかけの減少による影響、つまり例えば下草刈り、あるいは落ち葉がきに代表されるような人間の働きかけがどんどん少なくなってしまったということの影響でございます。これが第二の危機でございます。 そして、第三点目の危機でありますけれども、外来生物などによる生態系の攪乱、マングースあるいはカミツキガメなどに代表されるようなケースでありますけれども、この三つの危機に直面をしているというふうに今認識をしているところでございます。 また、この三つの危機に加えまして、近年では、もう御案内のとおり、地球温暖化による生物多様性の危機も生じてきているというのが現状でございます。 そこで、この法律におきましてどのような効果があるのかというお尋ねでありますけれども、地域連携保全活動計画が作成をされるということになっておりますけれども、このことによりまして、いわゆる希少種の保護増殖が行われること、そして里地里山の手入れが行われるようになるということ、そして外来種の防除など、この三つの危機に対して、現在我々が直面をしているこれらの危機に対して、地域レベルでの、それぞれの地域地域での様々な保全が活発に行われるようになるというふうに認識をしているところでありますけれども、特に、二点目の危機でありましたけれども、人間の働きかけの減少という第二のこの危機に対しまして、いわゆる手入れの減少ということに対しては、この法律によりまして地域連携保全活動が促進されることによってとても大きな貢献ができるのではないかと、大きな成果が上げられるのではないかというふうに期待をしているところであります。
○轟木利治君 よく分かりました。 今、現状起きている現象でも、特に最近ではクマの問題だとか、人間生活と野生生物、動物の生活境界が大変難しくなってきていると、こういった思いでは、この法案によってしっかりそれが保たれるように努力しなければならないと思ってございます。 今、先ほど言われました地域の問題で少しお伺いをしたいと思いますが、この法案によって地域での活動を促進していくことになりますが、国も逆にしっかり役割を果たしていく必要があると思っております。地域での活動を支援するとともに、国が責任を持つべきものについて保全をする必要があると考えておりますが、この点についてお聞きしたいと思います。
○大臣政務官(樋高剛君) ありがとうございます。とても大切な御指摘をいただいたと認識をしております。 この法律に基づく地域の活動に対しまして国として必要な支援を行っていくことは、法案の実効性を高める上でとても重要であると認識をしております。環境省といたしまして、例えば具体的に考えております地域の活動支援についてちょっと触れさせていただきますと、まず一点目といたしまして、各地域で実施されている保全活動の情報収集、あるいはホームページ等を通じた発信を行ってまいりたい。そして第二点目といたしまして、地域連携保全活動計画の作成のための手引書を作るという、手引書の作成を行うということでありますけれども、これは法案の施行までに行う予定となっております。そして三点目でございますけれども、地域の協議会などが行う生物多様性保全に関する計画の作成や、あるいは同計画に基づく活動の実施支援を行う、いわゆる地域生物多様性保全活動支援事業を行うと。これらの支援に努めてまいりたいというふうに考えております。 また、今先生からの御指摘がありましたけれども、国におきましては、自然公園法に基づく国立公園あるいは鳥獣保護法に基づく特別保護地区など国として責任を持って守るべき地域、面でございますけれども、地域、あるいはまた、違う側面でありますけれども、例えばトキやイリオモテヤマネコなどの希少種についてはこれまでどおりしっかりと国として責任を持って保全をしてまいりたいと、このように考えているところでございます。
○轟木利治君 是非、地方任せにならないように国としてもしっかり支援をしていくということが重要だと思ってございます。 今お話があった、各地域によって地域協議会をつくって、そこへ運営を頼むんだと、やってもらうんだというお話でございますけれども、ほかの法案に関しても特に環境を守るという意味では地域協議会ができ上がっておりますが、いろいろお話を聞くと、地方によると、もう人がいないんだと、その担当をする人が。 だから、地域協議会をつくらなきゃ回らないんだとか、本当の意味での、本当に運営が回るのかどうか、こういったところも含めてしっかりフォローをしていただかなければならないと思いますし、今回の大きな特徴としては、NPO法人なんかも巻き込んでしっかり情報交換を含めて国としても提供をしていくんだということでございますけれども、特にこのNPO法人なんかがもう本当に真剣にまじめに取り組んでおられるところに、本当にどのような、情報提供を含めて提示できるのか、支援ができるのか、そして彼らが求めているものが何なのかと。 本来、今の私が知っている範囲での情報でいくと、この法案でもなかなかまだそこを満足するところまでは行っていないんではないかと思っております。これがスタートとして、当然、生物多様性の基本法に基づいてこの法案ができ上がってくるわけですから、その施行をしながらしっかり実施をしていただき、また充実を図っていただきたいと、こういった要望もさせていただきたいと思います。 ちょっと視点は変わりますけれども、次に、コウノトリやトキなどを保全する地域で栽培された農産物を地域ブランドとして売り出したり、保全活動の場所をエコツーリズムに活用したりする地域が出ております。このような環境を保全する活動を地域の活性化につなげていく取組が必要だと感じておりますが、この点についてどのようなお考えをお持ちか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(鈴木正規君) ただいま御指摘ありましたように、兵庫県の豊岡市のコウノトリや佐渡のトキの保護活動で見られますように、環境に配慮して作られた農作物というものを売り出して、こうしたものの認証制度を設けることなどによって地域の活性化が図られるという事例が全国各地で見られるようになってきております。 この法案は地域の生物多様性を保全する活動を促進するということをねらいにしておりますが、こうした保全活動が地域の活性化につながるということになりますと、ますます保全活動にも力が入ってくるということで好循環が生まれるんではないかなというふうなことで期待しているところでございます。 先ほど政務官からお話がございましたけれども、こうした良い事例につきまして情報を収集して、多くの方々に知っていただき、こうした好循環が全国各地で生まれるように配意していきたいというふうに考えております。
○轟木利治君 地域活性化も含めて是非しっかり取り組んでいただければと思ってございます。 また、直近の新聞情報でございますけれども、ちょっと気になった点がございましてお聞きしたいと思いますが、先日、知床の一〇〇平方メートル運動が完了したという新聞記事がありました。これまでの日本のナショナルトラスト活動についてどのように評価されているか、また、今後のナショナルトラスト活動を推進していくために何が必要であるかということをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(鈴木正規君) ナショナルトラスト活動、先生御存じのとおりでございますけれども、広く国民の方々から寄附を募りまして、その寄附で集まったお金で自然環境の保全に重要な地域を購入し、その土地をきちんと保全していこうという民間の自発的な活動ということでございます。 こうした活動というのは、生物多様性の保全にとりましてはとても貴重な活動でございまして、これまでも大変な成果を上げてきていただいておりますけれども、今後ともこうした活動が各地で十分な成果を上げていくということが生物多様性を守っていく上で非常に重要だというふうに考えております。 現在、こうした形で活動をしていただいております民間団体の数は全国で約五十ございます。そして、こうした方々が土地を保有した面積は一万ヘクタールにも及んできております。ただ、最近の活動事例を見てまいりますと、少しずつではありますが増えておりますけれども、非常な勢いで活発に増えているというところまでは言えないということがございます。 こうした皆さんと活動が順調に進むように環境省としてもいろいろな意見交換等を通じて、皆さんの課題あるいは政府としてやれること等について意見交換を繰り返しておりますけれども、この方々からは、土地の買取りあるいは維持等についてできるだけ円滑に進むように、また支障が生じないように環境整備を国としてはやってほしいというお話も伺っております。 こうしたことで環境省としても、こうしたそれぞれの方の御意見を踏まえながら、例えば寄附金の形について現在所得控除のスキームを持っておりますけれども、こうしたことのほかに何かできることはないか等々、更に検討をしていきたいというふうに思っております。
○轟木利治君 分かりましたけれども、まだまだこれから課題は多いと思っております。 私も実は出身は大変山の方でございまして、実家も農業ももうやめてしまいましたけれども、やはりそういった山林についてはもう人手がいないというのが一番の日本の課題だと思っております。その山林含めて自然を守ろうという人たちが本当に努力していただくということは大事だと思います。 それを貴重に、大切に扱っていかなきゃならないと思っておりますが、そういった面では、寄附金を集めてそれで何とかしてくださいだけではなくて、やはり税法上何とかならないのかとか、そういったところも含めて検討が必要だと思いますし、その根っこの更なる問題というのは、やはり山林なんかでは境界線がはっきりしていない、だれの持ち物なのかどうかと。こういったところがはっきりしない限りは、なかなかそこに実際の区分だとか持ち物というものを感じたときに管理ができないのではないかなと思っております。 これは環境省の管轄ではないと思いますが、逆に環境省としてもこういった区分をしっかりやるべきということを訴えていただきたいと思っております。 そういった意味で、今回のこの里地里山法がしっかり運営され、本当に充実した、そして自然を守る足掛けになることを期待しております。 少し時間が早いようでございますけれども、私の質問を終わらせていただきます。
○中川雅治君 自民党の中川雅治でございます。 最初に、生物多様性条約第十回締約国会議、COP10の結果について質問をさせていただきます。 松本環境大臣におかれましては、議長役、誠にお疲れさまでした。今、轟木委員の御質問にもお答えいただいておられましたけれども、まず今回のCOP10の結果について松本環境大臣御自身の評価をお伺いしたいと思います。点数でいくと何点かという、よくそういう聞き方をしますけれども、点数を付けるのは難しいと思いますので、端的に御評価をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松本龍君) この参議院の環境委員会は、川口元大臣とか中川事務次官とか、もうそうそうたるメンバーで足ががたがた震えるぐらい今日は緊張してまいっておりますけれども、点数は人に付けていただくことにしたいとまず思っております。 COP10の大きな成果といいますと、懸案でありました、みんながやっぱり失望感を持っていたポスト二〇一〇年に空白期間を設けてはならないということが一つありまして、これには二〇五〇年の愛知目標、そして二〇二〇年までの目標等々ありまして、いわゆるABS名古屋議定書ができたことが大きな合意だっただろうというふうに思いますし、ABSにしましては十八年間一生懸命事務方が頑張ってきた、CBDが頑張ってきて、ようやく愛知で、名古屋でまとまったというのが一番大きいというふうに思っております。 モントリオールの会議で五月、七月、九月と今月あったんですが、もうこれはなかなかできないという中で、日本が会議表を出してまで何とかまとめようというのが最後に成就をしたというのが私としてもうれしかったというふうに思います。 ちょっと深掘りをさせてお話をさせていただきたいと思いますけれども、今回の成果というと、一つは、すべての国々が言われたんですけれども、愛知、名古屋のホスピタリティーといいますか、もてなしが物すごく有り難かったというのがそろって言われたことであります。もう一つは、会議の運び方、議事の運営の仕方が公平でスムーズでよかったということを言われました。 これは、やっぱり事務方が一生懸命それぞれの場で頑張ってくれたおかげだというふうに思っております。COP15が終わって皆さんこちらに来られましたから、そことの比較もあったんだろうと思いますけれども、そういうこともありました。 そして、今回一番大きかったのは、今まで試みがないんですけれども、非公式の閣僚級会議というのを二十七日、二十八日、最終日の三日前からずっとやりました。これも非公式の閣僚級会議でオープンであるという、何かよく皆さん御理解できないと思いますけれども、とにかくオープンにしていきながら、そして公平で公正な立場を貫いていこうということで、この閣僚級会議の得た合意を作業部会あるいは交渉人たちにアウトプットした、あるいはガイドラインを示してきた。 ですから、ここでお話しされたときは、とにかく名古屋でABSをまとめましょう、COP10を成功させましょう、ポスト二〇一〇年をやりましょう、しっかりやりましょうという閣僚級の合意をしっかり、合意をしていただいたことをフィードバックしていった。このことはこれからの国際会議で物すごく大きな意味を持つというふうに思います。交渉をする人たちが最終的に政治判断はなかなかできないわけですから、そういう意味ではいい試みを世界に示したんではないかと思います。 議長提案につきましては大変厳しかったです。もう最終日の朝の八時からそれぞれ議長提案を皆さんに渡してまいりました。私は、あえて皆さんに言ったのは、この議長提案は完璧ではありませんと言いました。というのは、やっぱりそれぞれがみんな完璧ではないと思っておられるわけですから、これ完璧な議長提案ですと言うわけにはいきません。完璧でないけれども、みんなこれでまとめてくれませんかということを口を酸っぱくして各地域代表に言いました。 そうしたら、やっぱりそれぞれが、さっき言いましたように譲歩し妥協して議長提案に乗るということを言われましたので、そのときはもう涙が出るほどうれしかったわけですけれども、しかしやっぱりここで最終的に合意しても、それぞれ妥協の案ですからまだガラス細工であると。これをしっかりしたものにするためにはもうその時点から危機管理を始めましょうということで、環境省、外務省それぞれに申し渡して危機管理をしてきたところであります。 ですから、もう二国間交渉はその日から絶対するなということでやめさせました。一つの国が一つの文言を、これは駄目だ、この一文字を変えてくれと言ったら、すべての国が言い出しますからまとまりません。ですから、そういう意味では、最後、公平を貫いた、そして各国を信頼し切ったということが一番大きな成果だったかなというふうに思っております。 いろいろ話せば長いことがありますけれども、本当に人類の英知が結集して、例えば途上国はお金が欲しいとか言います、EUは高い目標を下ろさなければならないと言いますけれども、私は、途上国がお金が欲しいとかいう、そういう生易しい思いでこのABSをまとめたとは思っていません。そのくらいやっぱり世界の生物多様性を守るという思いがそれぞれの腹の中にあって、それが結実したというふうに思っておりますので、この成果はこれから問われるというふうに思いますし、評価という点ではこれからが正念場であるというふうに思っておりますので、委員各位のこれからのお力添えをまた賜りますようにお願いを申し上げたいと思います。 本当にありがとうございました。
○中川雅治君 今の大臣のお話を伺いまして、まさに途上国と先進国で大きな対立があってまとまらないんじゃないかというような事前の予想もありましたが、大臣の大変な御努力で一応の取りまとめができたということは私も評価をしたいと思っております。しかし、大臣もおっしゃったようにこれからがまさに大変だと。詰めるべきことがもう余りにも多い議定書であり愛知目標であるというふうに思っております。 まず、その点について少しお伺いしたいと思っております。 資源提供国が求めていた遡及適用は認めないと、それから派生物については条約で決めずに当事者間の契約で決めるんだということで取りまとめができたということは私は良かったと思っておりますが、この名古屋議定書の十三条ですね、十三条におきましては、各締約国は、適当な場合には、遺伝資源の利用に関する監視のために一つ以上のチェックポイントを指定するとありますが、これは余りにもあいまいでありまして、今後に課題を残していると思います。 例えば、我が国の企業が遺伝資源を資源提供国から取得する場合に、資源提供国の法令や行政上のいろんな規制に全く触れない、反していないかどうかを確認するのは、資源提供国から証明書でも出してもらわない限りなかなか難しいんじゃないかと思うんですね。 資源提供国の土地の所有者、これはもう個人だとしますと、その個人が自分の国のいろんな法令とか行政上の規制を知っているとは限らないわけですから、その個人と日本の企業が契約をした場合に、その個人が法令に反していませんよというようなことを言っても、我が国の企業はそれを直ちに信ずるわけにはいかないということになりますと、やはり何か当該国の方から法令とか行政上の規制に違反していませんよという証明書を出してもらうような簡易な道を認めていかないと、実際には実務上大変なことになるんじゃないかなと。同時に、我が国の行政当局も大変になるんではないかというふうに思います。 そういう意味では、資源提供国というのは途上国だけではなくて先進国もなり得るわけですから、結局、世界のほとんどの国のそういう遺伝資源提供に関する法令とか行政上の規制をデータベース化する必要が出てくるのかなと、これは大変な作業じゃないかなというふうに思います。 それから、チェックポイントについて、特許出願時とか製造販売の許可時だというような例示はしないで一つ以上のチェックポイントを指定するということになったわけでありますけれども、実際に資源提供国から取得をした遺伝資源を利用して製品を作って販売をする、その過程で行政上の許認可が全く必要がないというようなケースもあるだろうと思うんですね。そういう場合にはどこをチェックポイントにするのかという問題も出てくると思います。 さらに、そのチェックポイントをどこに置くのか、チェックの程度をどの程度にするのかは各国に任されているというように聞いているんですけれども、そうなりますと、国によって厳しいところ、甘いところが出てくるということになりますと、せっかく名古屋議定書という条約をまとめた意味が薄れてしまうというように思います。 こんなことで、いろいろ課題があると思うんですけれども、環境大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松本龍君) 一番大切な、そして重要な御指摘をいただいたと思います。 遡及適用はなくなりましたし、派生物もそういうことになりました。 チェックポイントは、本当に今御指摘のとおりになかなか難しい問題ですけれども、遺伝資源の利用の監視に関する議定書第十三条、今おっしゃいましたけれども、一つ又はそれ以上のチェックポイントの指定とあって、指定されたチェックポイントは、適宜、事前の情報に基づく同意、遺伝資源の出所、相互に合意する条件の締結、及び、又は遺伝資源の利用に関する関連情報を収集又は受理するとあります。各国は、それぞれ今利用国の措置に自由度や裁量が認められるという規定になっておりますけれども、それぞれ国内事情で適切な措置を講じることとなり、国により監視の程度にも差が生じることはやむを得ないというふうに思っております。 いずれにしましても、我が国では制度的な実行可能性や関係業界への影響等の観点も踏まえて、関係各省で十分な検討を行っていきたいと思っております。 これはやっぱり枠組みが決まったわけですから、ある意味では試行錯誤はしばらく続くと私は思っております。みんなが合意はしましたけれども、例えばもうここ五年か十年ぐらい前からそれぞれの企業は、企業が相手の国の企業とか、企業が相手の国とか、そういういろんなケースを試行錯誤して、あるところでは、企業は相手の国の企業と一緒になって、その企業は途上国の政府がバックアップしていますけれども、相手の国で特許を取って特許をそこで登録したり、いろんなことが今まで、過去のことを振り返ったらあったことも事実であります。 そして、例えばアルゼンチンに植物を採集に行って、いろんなことを経験をしていきながら、相手にやっぱり森林を探索することの本当の意味とかということも伝えながら、いわゆる知識とか技術を相手に供与していきながら、日本の国の企業が採集をすることを認めてもらえる。そして、こういうまた枠組みがつくられましたから、それぞれみんな試行錯誤をしてやっていかなければならないというふうに思っております。 いずれにしましても、枠組みが決まったということで、これからは逆に言うと企業はビジネスチャンスが広がったというふうに考えていただいて、コストではなくて投資だという思いで、この状況の中、これを克服してビジネスを膨らませていくという作業が要るだろう。ある意味では、逆にこれを遵守をしなかったら企業の社会的責任とかということにも問われかねない、あるいは損害賠償ということにも問われかねないということもありますので、慎重にそれぞれが対応していただいて、その時々に、我々もそうですし、環境省もそうですし、様々関係省庁、バックアップ体制を取っていくシステムをつくっていきたいというふうに思っております。
○中川雅治君 これからそういう意味で大変大きな宿題を負ったというふうに思います。 私は、例えば我が国の企業が資源提供国から遺伝資源を取得して大きな利益を上げる場合にそれを資源提供国に適切に利益配分をするということは、ある意味では民間資金によるODAの提供と同じような効果を持つものだというふうに思いますので、これを適切に行ってもらうということは国としても望ましいことだと考えるべきだと思っております。 そこで、例えば資源を採取する対象の土地が途上国の個人の所有であるような場合に、その個人と今度は資源を取得する我が国の企業、これは我が国とは限りませんが、先進国の企業とがその利益配分をどうするのかは、結局個々の契約に任されるということだというふうに聞いているわけでありますけれども、知識も立場も弱い途上国の個人と、大きな力を持った、また専門知識を有している大企業との間に本当に公正な契約ができるのかどうかということは疑問があると思います。 そういう意味では、この議定書ではそのような公正性を担保するにはどうすべきだと考えているんでしょうか。
○副大臣(近藤昭一君) おはようございます。 環境副大臣の近藤昭一でございます。 中川委員におかれましては、環境事務次官もお務めになられ、環境行政に大変に精通しておられるわけでございまして、改めて中川委員始め参議院の環境委員会の皆さんに副大臣の私の立場からも、さきのCOP10、御視察もいただきまして、多くの御支援をいただいたことに感謝を申し上げたいと思います。 その上で、今御質問をいただきました生物多様性条約、この締結には途上国、そしてまた先進国と、それぞれ多くの議論があったわけであります。今、中川委員も御指摘になったことについても、懸念と申しましょうか、いろいろ議論がありました。 ただ、そういう中では、この条約の中で、遺伝資源を利用する場合には利用者が提供者と相互に合意する条件で契約を結び、公正かつ衡平に利益を配分することを求めており、これまでも二〇〇二年に策定されたボン・ガイドラインを参考にしながら提供者と利用者との間で個別の契約により実施されてきたと。 ただ、そうしたことに対して、今回の議定書においては、遺伝資源を取得しようとする利用者は当該遺伝資源の提供国の事前同意を得なければならない、こういう一つの仕組みをつくったわけでございます。また、この議定書の中で、後発開発途上国や島嶼国等における能力構築や人的資源の強化等に関する規定も設けさせていただいたと、こういうことでございます。 我が国といたしましても、途上国の能力開発のために必要な支援を行ってまいりたい。私も大分会議の途中でそれぞれの途上国あるいは先進国と会談を行わさせていただきました。そういう中で、特に今の、中川委員も御指摘の、途上国からはそうした支援に対してこの議定書の仕組みの中で、またあるいは日本との個別の関係の中で支援を要望する声も強かったわけであります。このことについては十分に取り組んでまいりたいと思います。 ありがとうございます。
○中川雅治君 それともう一つお聞きしたいのは、アメリカは元々生物多様性条約に参加しておりませんので、今回のCOP10においてもオブザーバーとして参加しただけであると聞いております。この名古屋議定書に参加しない場合には資源提供国の遺伝資源へのアクセスができないということになるのであれば、アメリカもこれはもう大変なことだということでこの生物多様性条約に参加をして名古屋議定書を批准するということになる可能性もあると思うんです。 しかしながら、あくまでアクセスができるかどうかというのは民間の契約ベースの話だということで、実際には名古屋議定書に参加していようと参加していなくても結局はアクセスはできるんだと、あとは契約だと、こういうことになりますと、アメリカなどは何も名古屋議定書に参加しなくてもよいと、こういうことになってしまうと思うんですね。 名古屋議定書を批准し、条約に参加をしない国がきちんと不利益になるようなことでなければならないと思うんですが、この点について、環境大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(松本龍君) よく指摘をされる質問で、私もこのことをずうっとCOP10が終わった後、考えてまいりました。大変重要な御指摘だと思っております。 一つ中身が違うのは、一九九二年、リオの地球サミットで気候変動枠組条約ができました。生物多様性条約ができました。双子の条約と言われておりますけれども、この双子の条約の中で、京都議定書の方は削減目標を、京都議定書の中で削減目標を設定をされました。そして、枠の外にいる人たちはCO2の排出削減目標もないし、何にもしなくていいと、極端に言えば。それぞれの国ではいろいろありますけれども、拘束力がなかったわけですけれども。 今度この名古屋議定書の方は、ある程度、これができて締約国がたくさん増えてきたら、やっぱり枠組みの中に入ろうかやめとこうかという、いわゆる動きが出てくる。むしろそういう動きが出てくることによって、今まで例えば土足で入り込むわけには、今までそういうこともなかったと思いますけれども、そういうわけにはいかないんですよというアナウンス効果があって、やっぱり枠組みに入ろうかということも、今おっしゃったとおりに予想されるというふうに思っております。 是非たくさんの国が締約国になって、これが動き出す、そして片方で人類の福利に貢献をする利用国と、そしてそこの生物多様性をしっかり保全をしていかなければならない提供国が本当にウイン・ウインの形になっていく姿がこのCOP10の、ある意味では、これがうまくいけば大きな成果だろうというふうに思っております。 遺伝資源の利用により生じる利益が衡平かつ公正に配分されるように利用国が適切な措置を実施する旨が規定をされました。こうした議定書の規定を根拠に、公正な利益配分やアクセスの改善というメリットを得るためにはこの議定書が必要であったと思いますし、したがって、今後、名古屋議定書を締結する国が増えてくると思いますけれども、COP10議長国の我が国としても様々なルートを通じて各国に働きかけていきたいというふうに思います。 それぞれCOP10の報告の中でも、閣僚の懇談会でも訴えかけましたし、それぞれの個々の委員会のチャンネルの中でもそれぞれ各国に働きかけていただきたいと、そして適正なルールになるように。まだ動き出したばかりです。これがスタートと思っています。もうCOP10は終わりではありませんから、スタートと思っていますから、皆さんの御協力もよろしくお願いをしたいと思います。 ありがとうございます。
○中川雅治君 大臣も度々おっしゃっているように、まさにこれからだということでありまして、名古屋議定書につきまして取りまとめができたということは私も非常に良かったと思いますが、余りにもこれからの課題が多過ぎるような、そういう気がいたしております。 もう一つの柱であります新戦略計画、いわゆる愛知目標、愛知ターゲットの方は、これは条約ではなくてまさに目標だということで、もっともっと抽象的でこれからの課題がもっともっと多い、そういうものだというふうに思っておりまして、これから更にこの点について世界各国で協議をし、また日本の国内でもいろいろな詰めをしていかなければならない、そういう課題のたくさんある目標だというふうに思っております。 例えば、この新戦略計画の目標二に、遅くとも二〇二〇年までに生物多様性の価値が国と地方の開発、貧困解消のための戦略及び計画プロセスに統合され、適切な場合には国家勘定また報告制度に組み込まれていると、こうあります。これはなかなか分かりにくい表現でありますが、要は生物多様性へのプラス、マイナスの影響を数字で示すということを要求しているんだと思うんですね。 しかし、生物多様性にプラスになる事業をどのように数字で表し、マイナスになる事業をどのように数字で表すのかということは、これは容易ではないと思います。そして、これを各国でばらばらにそのような数字の出し方を決めたり報告の仕方を決めるということであれば、これは意味のないことだと思いますので、まさに世界レベルで検討しなければならないことだと思います。 遅くとも二〇二〇年までにと、こうありますが、今のこの時点で、あと十年でこういうようなことが実現できるのかどうか。例えばこういった問題がいろいろあると思うんですね。この点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松本龍君) 御指摘のとおり、愛知ターゲットも、実はこれも作業部会一と二とABSがあったわけですけれども、二で最後の最後まで議論を重ねられました。メキシコの議長が本当に精力的にもう多分ほとんど寝ていないぐらい毎日毎日やって、二十九日も、実はABSはある程度まとまったんですけれども、こっちのポスト二〇一〇年目標の方は十時半ぐらい掛かって、全体会議がそれで遅れて始まったというぐらい各国が熱心にやられました。 そういう意味では、なかなか分かりにくいということもあろうかと思いますけれども、それぞれが高い目標を持ったり、そうではない、先進国はちょっと目標が高過ぎるとかという途上国の話もありましたけれども、こういう形でまとまったということも御理解をいただきたいと思います。 しかしやっぱり、ティッピングポイントといいますか、このポイントを超えたらもう種が絶滅をするというところは私たちはしっかり避けていかなければならないということも私たちは念頭に入れていきたいというふうに思います。国内でも生物多様性国家戦略を見直すとともに、ある意味では途上国のそういった実施能力を高めるための支援等も進めていきたいというふうに思っております。 目標二では、国や自治体などにおいて生物多様性の価値を認識し、様々な意思決定において考慮されることが求められていると思います。我が国におきましては、これまで生物多様性国家戦略を踏まえて国の各種開発計画に生物多様性保全の趣旨を反映させてきておりますし、新戦略計画、愛知目標の決定を受けて、こうした問題に更に取り組んでいきたいというふうに思っております。 また、国家勘定に生物多様性の価値を組み込むことにつきましては、世界銀行、私もゼーリック総裁と二度会談をしましたけれども、新しい枠組みも彼らは出して、知恵を出してきています。世界銀行と連携をしながら、生物多様性の経済価値を定量的に把握をして政策決定に反映するための手法を開発することとしておりますので、この取組を通じてまた様々検討してまいりたいというふうに思っております。
○中川雅治君 次に、愛知目標の十一についてお伺いしたいと思います。 途上国と先進国との間で保護区を何%とするかをめぐって激しい議論があったと聞いております。最終的に、二〇二〇年までに陸域及び内陸水域については一七%、沿岸、海域については一〇%を保護区などで保全するという目標が掲げられることとなりました。この数字はマスコミなどでも大きく取り上げられましたが、どのような地域をもって一七%、一〇%に計算するのか、この点も今後問題になるように思われます。 例えば、陸域についての一七%でありますが、国立・国定公園や都道府県立自然公園の普通地域も計算に入ってしまうのかという問題があります。原文を見てみますと、管理が不十分である保護区、孤立した状態になる保護区などは計算に入れてはいけないとも読めます。 目標十一の原文に照らしてこれを我が国に当てはめてみた場合、現在、我が国では、陸域で何%が、沿岸海域で何%が保全されていると計算されるのでしょうか。端的にお答えいただければと思います。
○副大臣(近藤昭一君) 御指摘のとおり、第二条において、保護地域とは、保全のための特定の目的を達成するために指定され又は規制され及び管理されている地理的に特定された地域をいうということになっているわけであります。その中で、我が国においては、国立・国定公園等の自然公園、自然環境保全地域等は少なくともこれに該当するものと考えております。 現在、陸域では国土面積の約一四・四%を国立・国定公園等の自然公園や自然環境保全地域が占めると、海域については領海の約六%を国立・国定公園が占めているというところであります。 ただ、今いろいろと御指摘もありましたように、この第二条のところにつきましては、今後更に各省庁間で相談しつつ具体的に検討していきたいと、こういうふうに考えているところであります。
○中川雅治君 普通地域も入ってしまうということになりますと、結果として甘い数字になるというふうにも思われますし、諸外国とのバランスをきっちり取って、やはり保全のための地域はしっかりと充実させていくという方向での検討が必要ではないかと思っております。 いずれにしましても、COP10は、これからいろいろな課題が非常に大きい、多いと思います。京都議定書と並ぶ日本の都市の名前を付けた名古屋議定書というものができたわけでありますし、愛知ターゲットと、こういうことで言われるものができたわけでありますので、今後いろいろな課題につきまして、リーダーシップを持って世界に対して発信をしていろいろな問題を詰めていく、そういう責任を負ったというふうに思いますので、是非頑張っていただきたいと思います。 それでは、今回の法案についてお伺いいたします。 この法案、どういう効果があるのかと。いろんな法案、もう各省たくさん毎年出すわけですけれども、後で振り返ってみて、その法律がなくてもあっても同じだと、無駄な法律を作ったと、こういうケースというのは結構あると思うんですね。私もずっと役所におりまして、自戒を込めて申し上げるわけですけれども、この法律がそうならないようにしなければならないと思います。 三大臣による基本方針を策定する、そして市町村による計画の策定、協議会の設置、こういう枠組みをつくるだけでは何ら世の中前進しないわけでありまして、この法律が成立すると、じゃ、どういう効果が出て、どうやってその保全活動が活発になって、生物多様性がどうやって改善されていくのか、その道筋を分かりやすく御説明いただきたいと思います。
○副大臣(近藤昭一君) 大変に貴重な御指摘をいただきまして、ありがとうございます。 少し繰り返しになるところもありますが、少し道筋をたどってお答えをしたいと思いますが。 今御指摘にもありましたように、法律に基づいてまず市町村が地域連携保全活動計画を作成をするということであります。そして、これも今御指摘があったわけでありますが、NPOが積極的に市町村に対して具体的な提案をできる旨が規定されている。こうしたことが、御承知のとおり、今まででもNPO等々が積極的にこうした活動に参画をしてきた、このことを法案の中に書き込んで具体的な提案をできると、こういうことにしたということでありますし、また、これも御指摘の、協議会を設置をしたということでありますが、協議会を設置して関係者が計画作成、活動の実施について話し合う、こうした仕組みをつくったということであります。 もちろん、仕組みをつくってもそれから実質的に進めていくことが大事だということではありますけれども、具体的に法案の中に書き込んだということは重要だというふうに思っております。 また、この連携活動は市町村が中心となって推進をしていくと。そういう意味では、こうした保全をしていく中で、土地の所有者や企業の方にもある種の安心をして活動に参加していただけるんではないかと、こういうふうに考えておるわけであります。 また、ここが一つのポイントだと思っておりますけれども、この計画に基づく活動については自然公園法、森林法、都市緑地法等の許可や届出の手続を不要とする。一つ一つ許可を取っていくと大変に推進に、何というんでしょうか、ある種の時間が掛かったり手間が掛かるということでございまして、この計画に基づく活動については特例を設けて、許可が、手続が不要だということであると思います。 こうしたことであっても、本当に今委員御指摘のとおり、こうしたことを実質的に進めていくことが大事だというふうに思っております。しかしながら、今までに比べて今申し上げたような点におきましての前進がある、また私どもも、地方あるいは地方の皆さん、幅広い関係者の皆さんと国としても連携をし、しっかりと生物多様性の保全を図ってまいりたいと、こういうふうに考えております。 ありがとうございます。
○中川雅治君 この法律ができた場合に、どういうメリットを与えて保全活動のインセンティブを強めることができるのかということが非常に重要だと思うんです。 今、副大臣も、この法律ができました場合には、地域連携保全活動計画に従って行う活動については自然公園法、森林法、都市緑地法等の許可を個別に受けなくていいと、これが一つの目玉というように今言われたわけでありますが、元々こうした許可等は、弾力的に迅速に行えば、わざわざこのような個別の許可が要らないんですよということを、恩着せがましく特例措置だと、こう言う必要はないわけなんですね。 環境省の自然環境局関係の許認可というのは、手続が大変でなかなか許可してくれない。私も環境省で事務次官もしたんで、今笑っておられます川口先生も大臣をされたんでありますが、これは本当に役所にいたときから指摘されましたが、政治家になってみて本当によく言われるんですね、このことは。実際に生の声聞きますと、環境省の自然環境局関係の許可、もう本当になかなかもらえないんだと、木を一本切るんでも大変なんですよと、こう言われるわけであります。 そういう意味で、私も自戒を込めて、この点ももっと自然環境局関係の許認可、弾力的に迅速に処理をしてほしいというふうに思います。これ質問じゃありませんので。 やはり、そういうことだけじゃなくて、もっといろんな形でメリットを与える、そういう法律が必要だと思うんです。実際に、生物多様性の保全のための活動をそれぞれの地域でやっていきたいというNGOの方はたくさんおりますし、市町村の行政の担当者にそういったマインドを持った方もたくさんおられます。私もそのような方、大勢知っているわけであります。 しかし、実際には、皆さんいろんな仕事を持っていますし、市町村の方もたくさん業務を負っているので、また、NGOの方やボランティアの方も、自分で費用を負担してまでなかなかそのような活動に参加しづらいというのが実情だと思います。やはり、財政的な支援をしてインセンティブを高める必要があるというふうに思うわけであります。 その意味では、この法律が成立して、法律に基づく活動だと、この活動は法律に基づく活動だということになると国としても財政的な支援をしやすくなると思いますので、是非、この法律に基づく活動である場合には財政的な支援を積極的に行えるような仕組みをつくっていただきたいと思いますが、この点についての環境大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松本龍君) 今お話を聞いていて、大変時代が変わってきたなというふうに思います。 私、実は二十年前の二月に初当選したんですけれども、みんなと認識をずっとしてきたのは、それまでの法律というのは、リゾート法でもそうですし、一九八〇年代から始まったグリーンピア、旧年金福祉事業団の事業でありますけれども、これも八八年までに十三か所できて、今もう見る影もないというか、そういう状況になっています。 つまりあのころの、二十年前の法律というのは、リゾートを造るために、スキー場を造るために木を切ったら補助しますよという話でした。そういう意味では、あのころ私が国会に上がってすぐびっくりしたのは、木を切ったら税制措置で優遇されるのに、木を植えた人には何も優遇措置のある法律がほとんどなかった。 ですから、そういう意味では八〇年代から九〇年代等々、グリーンピアもそうですし、リゾート法もそうです。あのリゾート法でできた建物や施設は外資にもう安くたたかれて売却したり、いろんな意味で日本の国益が損なわれたという面もありますし、それぞれ国民のお金がそういうふうに無駄になったというふうに思いました。 ですから、木を植える人に今度は様々税制、あるいは様々な措置をしていこうという意味では、自然再生推進法は、私、七年前にたまたま環境委員長のときに委員長提案でさせていただきましたけれども、そういうふうに環境というものにやっぱりしっかり取り組んでいかなければならないという思いが、経済がこういう状況になった、山も荒れてきた、そして里山も人の手が入らなくなって荒廃してきた、そういうことでやっぱりこういう法律ができたわけですから、それぞれ、今財政的な支援というふうに言われましたけれども、ここにもう官僚が書いたペーパーがありますけれども、保全活動の情報収集のホームページ等を通じた発信、手引書の準備、地域生物多様性保全活動の支援事業等いろいろありますけれども、もう微々たるものです。 計画の策定とか同計画に基づく活動の実施とか、これまで同様にしっかり取り組んでいきたいと書かれておりますけれども、本当にやっぱりこれらのことを厚くしていく、増やしていく作業がこれから私は必要なんだなと。まだ環境省も庁から省への、川口前大臣のときに庁から省になったと思いますけれども、そういうやっぱり堂々とこれから私たちも予算要求もしていきますし、財政的な問題も多々ありますけれども。 時代が変わったと、もう木を切るのはなるだけやめましょう、そして木を植えることに、そして自然を保護することに、生物多様性を守ることに、メダカやキキョウも今絶滅危惧種でありますけれども、そういったものをしっかり子供たちに残していく作業をしていくためにこの法律はある意味ではあると思いますので、参議院の環境委員会の委員各位にもこのことをしっかりお願いをしたいと思います。よろしくどうぞお願いします。
○中川雅治君 今大臣おっしゃったとおりでありますが、NGOやボランティアの方の財政的支援といっても、もう本当に額は国家財政全体から見れば微々たるものだと思うんですね。しかし、そういう本当に微々たる額ではありますが、ボランティアの方やNGOの方にとってはやはりそういう財政的な支援があるということが励みでもありますし、実際に自分の持ち出しまで強いていくという形ではやはり進まないと思いますので、そういう金額、環境省は元々予算規模小さいですけれども、その中でもやはりこういった予算を工面していくということは、私は優先順位を高くすれば十分にできることだというふうに思っておりますので、是非よろしくお願いしたいと思います。 それと、財政的支援ということに関連するんですが、税制上の問題もあると思うんですね。法案の第十二条におきまして、「生物の多様性の保全を目的として国民又は民間の団体が行う生物の多様性の保全上重要な土地の取得が促進されるよう、これらの者に対し、情報の提供、助言その他の必要な援助を行うものとする。」と、こうされております。 いわゆるナショナルトラスト活動ということだと理解をしておりますが、ナショナルトラスト活動は生物多様性保全に向けた国や地方自治体の役割を補完する民間における非常に重要な取組であります。しかしながら、現行の税制におきましては、このナショナルトラスト活動による土地に対する不動産取得税、固定資産税について明文で非課税措置がないわけであります。 これは、地方自治体のいろいろな判断で非課税措置がとられる場合もあるわけなんです。例えば、不動産取得税につきまして、条例で、知事は、天災その他特別の事情がある場合には不動産取得税の減免ができると、こう書いてあって、その他特別の事情かどうかというのを個々に判断をして、これはそういう場合だということで実際に不動産取得税が非課税になったと、こういう事例もあるわけですけれども、実際にナショナルトラスト活動をやっておられる方からお話を伺いますと、やはりそれぞれの市町村の、自治体の、あるいは都道府県の窓口の担当者の認識といいますか、このナショナルトラスト活動に対する認識によってかなり扱いが違うということなんですね。 よく認識してくださっている方は非課税にしましょうと、余り認識がない方はこれは当然課税だと、こういうことだというふうになってしまうということであります。これは固定資産税についても同じなんですね。 そういう意味で、やはり民間のナショナルトラスト活動に係る不動産取得税、固定資産税については明文で非課税措置とすることが必要と考えられます。これはもう既に今税制改正作業、政府の方でやっておられる最中だと思うんですが、環境省としてこの点についてはもう要求しておられるのかどうか、今どんな状況になっているのか、今後の、何といいますか、見通しみたいなものも含めてお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(樋高剛君) ありがとうございます。 私がまだ当選一回のとき、環境委員会初めての理事になりましたときに、中川先生が当時たしか総合政策局長から事務次官になられたということでありまして、環境政策につきましての私の父親であると私は思っているわけでございます。そのときに実は大臣が川口順子先生でありまして、母親であると思っている次第でありますけれども、どうか、不肖の弟子でありますけれども、今後ともお育てをいただければ有り難いと思う次第でございます。 さて、今、大変重要で有り難い御質問をいただいたと、先輩からいただいたと、エールと受け止めさせていただいたところでございます。もう御案内のとおり、ナショナルトラスト活動、とても重要な活動でありますけれども、広く国民から寄附を募らさせていただきまして土地を買い取る、あるいは、それによって土地の自然環境を保全するということを目的とする自主的な民間の活動であると。この民間の活動であるということが私は物すごく重要であろうと思っているわけであります。 今、先輩から、先生からも御指摘ありましたけれども、平成二十三年度の税制改正、これは地方税でありますけれども、この要望、生物多様性の保全を目的としていわゆる民間の団体が行う土地の取得又は所有に係る非課税措置について、今強く要望させていただいているところでございます。 また、自然環境保全を目的とする、今御指摘もありましたけれども、特定公益増進法人に寄附をする法人、個人への優遇措置を既に講じておりますけれども、それ以外にも、今後、土地の買取りに関する情報提供、ナショナルトラスト活動を効率的に行うためのマニュアルの整備を行っている、行うということをしているところであります。 これらを通じて引き続きナショナルトラスト活動に対する必要な支援に努めてまいりたいと思うわけでありますけれども、今先生の御指摘を重くしっかりと受け止めさせていただいて、要望を力強く後ろ盾をいただいたという思いを持ってやってまいりたい、頑張ってまいりたいと。また、先ほどおっしゃっておりました、それぞれの先々で認識が違うんではないかというお話もありましたけれども、統一されますように注視をしてまいりたいというふうに思ってもいるところでございます。 ありがとうございます。
○中川雅治君 是非、そういう方向で頑張っていただきたいと思います。 この法案が成立しまして、本当に意味のある法案だったということになりますようにしっかりと運営をしていただくようにお願いをしまして、私の質問を終わります。
○長谷川岳君 北海道の長谷川岳と申します。 札幌市民の九八%の水資源を供給している南区に住んでおりまして、札幌市の、特に定山渓という場所に住んでおります。家にはアカゲラ、近くにはクマゲラがすんでおりまして、私の家の五百メートル先にはヒグマの獣道もありまして、一度遭遇したこともございます。こういった生物多様性というものに十分肌で感じられる場所に住んでおりますので、早速質問に入らせていただきたいというふうに思います。 二十一世紀というのは環境の時代と言われております。菅政権におきましても、新成長戦略の成長分野の筆頭はグリーンイノベーションであるというふうにしております。 しかるに、環境省における平成二十二年度一般会計予算額は二千七十二億円となっております。これは政府全体の予算額のわずか〇・二二%を占めるにとどまっております。環境省の平成二十二年度の定員は千二百四十五人ということですが、これは国家公務員全体に占める割合の〇・二一%にもなっております。また、行政機関の公務員全体の定員に占める割合は〇・四二%になっておりまして、これは予算と同様、環境省は定員も非常に少ないというふうに認識をしております。 気候変動、生物多様性などの分野で次々に新しい政策を打ち出していかなければならないのに、この程度のマンパワーでは不十分ではないでしょうか。環境大臣のお考えをお伺いいたします。
○国務大臣(松本龍君) ありがとうございます。とっても重要な話をしていただいて、ありがとうございます。 全公務員における割合が〇・二%ということで、私どもも、私も環境大臣になりまして、九月十七日からですから、まだ五十日ぐらいですけれども、本当に多岐にわたって環境省が取り組んでいるということを改めて気が付きました。まずインターナショナルでいえばCOP10、COP16がありますし、国内でいえば水俣病の問題、そして今言われましたように自然を守るということ、国立公園、そして地方では地方環境事務所の人たちがレンジャーで森を守ったり海岸を守ったり、様々取り組んでおられます。 そういう中で、環境省の定員の割合は、わずかでありますけれども、私は少しずつ増やしていかなければならないなという、自分自身はあります。しかし、そこで税金を使うわけですから、しっかり、安いコストで多くの成果を上げるという本分はしっかりわきまえていかなければならないというふうに思います。 そういう意味では、厳しい財政状況の中でほかの省庁いろいろ削減をされておりますけれども、環境省については毎年増員が少しずつではありますけれども認められてきております。低炭素社会の構築や生物多様性の保全など重要な課題に一丸となって取り組んでいきたいというふうに思っております。応援だと受け止めて、ありがとうございます。
○長谷川岳君 地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律案にあるように、環境とは地域に根差したものであり、地域によって多様な環境を保全するためには地域に密着した行政を行うことが第一と考えます。国がしっかりと責任を持って国民の生命、生き物、地球を守っていくためには、地方の現場を、やはり現場の体制を強化をすることが必要だと思われますが、大臣のお考えを更にお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(松本龍君) 御指摘のように、地域の人たちがしっかり頑張られる姿、そして地域住民とフォローアップ、フォローアップしていく姿をつくらなければならないと思っています。 今おっしゃったのは、私がここ十数年、政治で一番大事なことはということをずっと考えてきたんですけれども、孔子様が二千年前に言った言葉が一番大事だというふうに思います。弟子から政治の要諦はと聞かれて、孔子さんがしばらく考えてこう言ったそうです。「近き者説び、遠き者来る」、「近き者説び、遠き者来る」。これは地方自治の原点だと思います。 今までの、さっき言いましたリゾート法であるとか、様々なグリーンピアとか、近くの人は泊まりませんよね。宮崎に住んでいる人たちは宮崎のリゾートなんか行きません、きれいな海で泳ぎます。プールでは泳ぎません。ですから、近き者喜んで初めて、そのうわさを聞き付けて遠くから人がやってくる。このことをしっかりやらなければこれから駄目だろうと。昔の施策は、遠くから人を呼ぼう呼ぼうとして施設を造ったりしたけれども、それが今さんざんな状況になっている。 だから、これを改めていくのがこれから新しい環境の時代、今おっしゃった二十一世紀、環境の時代だろう。だから、小さなその町の人が喜んで、本当にこれで良かったなということが実感できたときに、そのうわさを聞き付けて外から人がやってくる。町おこしというのは、もう先生は町おこしの名人ですから、そういう意味ではそれが大事だろうというふうに思っているところであります。奄美地方も、レンジャーの皆さんも活動していただきました。 そういう意味では、三日前も、地方環境事務所にしっかり頑張ってくれと。そして、今まで前任者のやったことではなくて、もっと自分自身が仕事を見付けてきていろんなことをやろうやということも言いましたし、自分を模倣するということはやめましょうということも言いました。 いろいろ言いましたけれども、私たちも出先機関の改革については、住民に身近な行政はできる限り地方自治体にゆだねるという補完性の原則の下でいろいろやっておりますけれども、いずれにしても、しっかり、国と地方の役割分担をしっかりしていきながら見直しを行っていかなければならないし、また、それぞれが責任を持って地域を守っていくという責務を果たしていきたいというふうに思っておりますので、よろしく、また様々意見がありましたらお申し付けをいただきたいと思います。
○長谷川岳君 TPPと生物多様性について伺います。 菅政権は、十一月九日、TPPについて関係国との協議を開始する旨、閣議決定をいたしました。このような流れの中では、より一層の農地の大規模化、集約化が求められます。里地里山を守ることが困難になると思われます。いみじくも、時を同じくしてCOP10は開催されました。生物多様性を守るためには日本の里地里山が高く評価されております。環境問題を克服するために、我が国は今こそ自国の誇れる伝統文化であるこの里地里山を世界に広める必要があると考えます。 このAPECのTPP参加検討とCOP10における里地里山の保全、同じ時期に世界に二つの発せられるメッセージは全く矛盾するものであると考えますが、環境大臣としてはどのようにお考え方でしょうか。
○国務大臣(松本龍君) TPPにつきましては、関係諸国と協議を始めることのみ閣議決定されております。 今おっしゃったとおり、COP10でもSATOYAMAイニシアティブが採択をされました。五十一の国や機関が参加をして、大きな今度のCOP10の成果だというふうに思います。 里山という、奥山、里山、人里という、何か日本のゾーニングといいますか、原生林があって、里山があって、そして人里がある、そういう日本の古来からの住まい方、そういうことをしっかりやっていくためには、やっぱり農林水産業も含めて大きな役割を果たしているというふうに思っております。そして、生物多様性の保全にも大きく貢献をしているということは、私も認識を一にしております。このような果たす役割についても、現在、政府部内においてTPP協定交渉への参加について検討を行っているところであると聞いておりますので、そのことについてもしっかり心していきたいと思います。
○長谷川岳君 閣議決定での検討という話になりますが、環境省としての試算を作らないのかということの質問をさせていただきます。 例えば、里地里山のような集落が守られることによってどのような効果があるのか、数値的な試算は存在しないのでしょうか。逆に、TPPの推進によって里地里山が守れないことでどのようなマイナス効果が考えられるのか、環境省主導で私は試算することというのは非常に必要だというふうに思います。 TPPの議論では、農水省、経済産業省が、そして内閣官房独自の試算を算出し、議論の俎上にのせております。例えば、農林水産省には農業の多面的機能の喪失額が三兆七千億円という試算が出ております。環境省も是非ともこのような試算を作るべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(松本龍君) 大変重要な御指摘だと思います。 生態系と生物多様性のサービスという、TEEB、ティーブという枠組みが今度様々なところでCOP10の中で注目をされたんですけれども、今おっしゃったように里山があることによる経済価値、あるいはなくなることによってどれだけの損失があるか。森林があって、湿地があって、どこでもそうですけれども、森林を取り除いて何か開発をする、そのときの経済価値、そしてそれを取り除いたときの損失。そこには様々な多様な生き物がありますし、生物がある、そしてCO2の吸収もあるということもあって、そういうものをやっていかなければならないということは今COP10でも様々議論があって、私はこれは物すごく注目に値する話だというふうに思います。 しかし、環境省としてその損失がどのくらいあるのかというのは、生物多様性の観点から試算を独自に行うことは今のところちょっと考えておりません。総体としてはなかなか難しいというふうに思います。 ただ、そのおっしゃることの重要性は十分認識をしております。これまで生態系のサービスの定量的評価は十分に行われていませんでしたけれども、環境省として今後、生物多様性の経済的な価値や生物多様性の損失に伴う経済的な損失などの把握にこれからも努めてまいりたいというふうに思います。
○長谷川岳君 是非とも数値的な試算というものを作っていただくように望みます。 もう一つ、質問させていただきます。 前原外務大臣、農業生産額はGDPの一・五%であり、そのために残りの九八・五%が犠牲になっているという発言をしておりますが、このことについて環境大臣としてどのようにお考え方を持っているでしょうか。
○国務大臣(松本龍君) その発言については詳しくは存じておりませんけれども、先ほどから申しておりますように一次生産の場である農地や、先ほど言いました森林、湿地、小川等々、生物多様性の保全や自然体験等の場としても、また子供たちが里山に親しむということも重要であって、多面的な意義や機能を有しているという認識は共有しているというふうに思っております。 TPPの問題については、この場では発言を差し控えたいと思います。
○長谷川岳君 COP10について質問をさせていただきます。 COP10の現場責任者として御尽力されました近藤副大臣にお聞きします。 私はGLOBEにも、時間のある限りでございますが、参加をさせていただきましたけれども、里地里山は何ですかという、端的に御説明いただきたいと思います。
○副大臣(近藤昭一君) 長谷川委員におかれましては、北海道を中心に大変に全国的にも活躍をされて、ただ、愛知県出身であり、また私の高校の同窓でもあるということでございまして、環境問題についてまた一緒に取り組んでまいりたいというふうに思います。 里山でありますけれども、位置的には町と奥山の間ぐらいにある、例えば水田やため池、雑木林など、我が国の原風景とも言えるところだと思っています。ただ、そこの一つの特徴としては、長年にわたる人間の働きかけを通じて形成をされてきた自然の恵みやふるさととして魅力にあふれた場であると、こういうふうに認識しております。 また、SATOYAMAイニシアティブはこのような里地里山を含め、農林業等の人間活動を通じて維持形成されている世界各地の二次的自然環境を広く対象としている。このことも私は重要だと思っております。つまり、日本の里山もありますが、世界各地にそれぞれの特徴を持った里山があるということであり、そこで人間と自然が共生をしている場であると、こういうふうに認識をしているわけであります。 それぞれの各国の特徴を生かしながら、この里地里山を守りながら人間が生きていくということでございまして、今回、世界各地から収集した事例を基に、日英両言語での事例、紹介ビデオ並びにホームページ等の視覚的な媒体も作成し活用し、その普及に努めているということであります。引き続き、里山を始めとするSATOYAMAイニシアティブが対象とする環境のイメージや概念の普及に努めてまいりたいと、こういうふうに考えております。
○長谷川岳君 今の説明ですと、私たちの年代までは何とか分かると思うんですが、実は若い世代に分かるでしょうか。 先月開催された生物多様性条約締約国第十回の会議、COP10において、SATOYAMAイニシアティブを推進するためにパートナーシップへ参加することを勧奨する旨の持続可能な利用に関する決議が採択されました。我が国の誇るべき伝統文化である里地里山を世界に広めるためには、それがどのような概念であるのかもっと分かりやすく説明する必要があると私は考えます。その方法論をもう一度伺いたいと思います。 例えば、私も子供に読んでいるのですが、桃太郎とか日本の昔話とか、あるいはアニメとか、あるいはシンボリックなイメージ、水田、畑などの、そういったより告知し、若い世代に分かりやすく伝えていくというような方法論をもう一度お聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(近藤昭一君) 大変に重要な御指摘であると思っていまして、まさしく私どもの年代ということかもしれません。そういう意味では、私自身の個人的なことで申し上げましても、里山というか、こうしたものを大事にするという心を忘れてはならないということで、私も二人の子供がおりますけれども、できる限り、なかなか休みというのも取れないわけですが、休みにはこうした原風景には連れていくと、こういうふうに私としても個人的にはやっております。 また、SATOYAMAイニシアティブパートナーシップの発足式に私も参加させていただきましたが、そこでのポイントは、NGO、NPO、あるいは民間、様々な企業も含めて多くの方に参加をしていただき、こうしたネットワークの中で、また先ほども御紹介をさせていただきましたビデオ、事例、こういうものを紹介する中で進めていきたいと、こういうふうに考えております。
○長谷川岳君 COP10では、アメリカ合衆国が正規の参加ではなくオブザーバーとしての参加でありました。アメリカ合衆国ではこの会議の存在自体が広く知れ渡っていないと伺っています。 環境問題は各国が連携して初めて解決に向かうものであり、超大国がオブザーバーとして参加ということでは実効性が伴わないと考えます。また米国に、アメリカに正式参加を促すために、何か具体的な戦略があれば是非お聞かせいただきたいと思います。
○副大臣(近藤昭一君) 御指摘のことは大変に懸念をされるところであると思います、私自身も。 ただ、御承知のとおりCOP10においては米国はオブザーバーとして参加でありまして、かなりいろんなところに御参加であったというふうに私も承知をしております。そういう意味では、決して生物多様性の保全に後ろ向きなのではなくて、これまでも国際協力を進めているほか、COP10の議論にも、先ほど申し上げましたように参加をしようという意図は私も現場におりまして感じました。また、我が国の提案した国連生物多様性の十年が決定されれば、米国も含め国連全体で生物多様性の保全に取り組むことになる、こういうふうに承知をしております。 また、実は、さきにCOP16のプレ会議に私もメキシコシティーに行ってまいりました。また、米国の温暖化の担当の方ではありましたけれども、環境問題で意見交換をさせていただいたところであります。 様々なルートを通じて米国の条約加盟については努力をしてまいりたいと思います。
○長谷川岳君 法律案についての具体的な質問をさせていただきます。 生物多様性に関する平成二十三年度の概算要求金額をまず全体として教えていただきたいと。そして、例えばこの法案の中での関連事業の一つである地域における生物多様性保全活動の来年度予算は約二億四千万となっておりまして、四十余りの事業があると伺っております。この法案が周知されることになれば、更に事業数が積み上がるということが予想されますが、いかがでしょうか。環境大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松本龍君) 御指摘のように、市町村やNGOの関心も高く、平成二十二年度については二億四千万の予算措置を行っているところです。全国各地での取組に活用いただいているところであります。 来年度については、今年度と同様に二億四千万円を要求しており、今年度に事業が終了する地区もあることから、新たな要望に対しても限られた財政の枠内で対応が可能であると考えております。一層の効率的な、また効果的な執行に努めてまいりたいというふうに思います。
○長谷川岳君 今回の法律案についてですけれども、海外での類似の法律は存在するでしょうか。また、あるとすれば、これによる予算措置というのはどれぐらいのものかというのを伺いたいと思います。環境省のどなたか、お願いします。
○政府参考人(鈴木正規君) 実は、海外の事例、余り網羅的に承知しているというわけではないんですが、例えば韓国では、自然環境保全法の中で、村等が行います生物多様性保全上優れた取組に対して必要な措置等をとるという規定がございます。 財政措置についてはまだちょっと分かりませんが、今後、先ほども申し上げましたけれども、SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ等も使いまして、各地の事例等も把握していきたいというふうに思っております。
○長谷川岳君 是非とも他国に先駆けてリーダーシップを取っていただきたいというふうに思います。 続いて質問させていただきます。 この法案には、環境大臣、農林水産大臣、国土交通大臣により地域連携保全活動基本方針を策定するとありますが、そもそもこの三省だけで足りるのでしょうか。例えば、後ほど質問させていただきますが、土地所有者不明地に関する問題については法務省が密接に絡んでいます。生物多様性の問題は、三省だけではなく多くの省庁にまたがっていると考えますが、環境省のリーダーシップが今まさしく問われる問題でございますが、大臣の見解をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(松本龍君) 各地域における保全活動は、原生的な自然環境が残されている奥山地域は主に環境省、農林業が営まれている森林や農地は主に農林水産省、都市内に残されている緑地とか河川は主に国土交通省など、様々な地域で行われています。活動の内容は、外来種の防除、良好な森林を維持するための間伐、水鳥の生息に配慮した田んぼの整備、河川の魚道の設置とか、いろいろ様々な省庁に分かれているということはもう御承知のとおりであります。 したがって、主務大臣とそれぞれがなっておりますけれども、今おっしゃったように、三省を超えた共通の課題ということで、環境省、引き続きリーダーシップを発揮してまいりたいというふうに思います。
○長谷川岳君 もう一つ質問させていただきます。 本法案の第四条第一項ですね。地域連携保全活動基本方針に基づき、市町村による地域連携保全活動計画の作成をすることができる旨明記されております。計画作成のノウハウは、どなたか指導する方がいらっしゃるんでしょうか。これ、私たちも地域にちょっと伺うと、こういうノウハウ提供というものについてという話がございます。そして、環境省の中でその体制をどのように整えていくのか、お聞かせをいただきたいと考えます。
○政府参考人(鈴木正規君) 今御指摘あった主務大臣が策定します基本方針の中で、地域の特性に応じた活動の重要性とか、こうした計画の作成に係る手続、それからその計画を作る際の指針などを書き込みたいと思っております。 また、具体的な計画を書く際の手引書みたいな、もっと具体的な中身についても環境省の方で作らせていただこうと考えておるところでございます。
○長谷川岳君 先ほど触れました土地所有者不明地に関する問題で、少し時間を取らせていただきたいと思います。 日本の森林というものは、日本の環境を守る、水資源、土壌を守る、あるいは生態系の維持、CO2の削減、生物多様性の観点からも非常に重要だというふうに考えます。そのためには国内の森林整備は不可欠であるというふうに考えますが、実際はそれもできていない異常事態になっていると考えます。特に北海道で起きている問題を、今回は北海道議会の小野寺議員を始めとする多くの地元の皆様によって協力をいただきましたので、質問をさせていただきます。 まず最初に、海外資本による森林売買の事実を林野庁は把握をしているでしょうか。把握をしているとすれば、いつの時点から把握をしているのか、お聞きしたいと思います。
○大臣政務官(田名部匡代君) お答えをいたします。 まず、各方面からいろいろ御指摘があったことを踏まえて、平成二十年六月から調査を開始をいたしました。現在もその調査を続けているところでありますけれども、先生御指摘の北海道の件について、これは平成二十一年にその報告を受けているところであります。
○長谷川岳君 聞くところによりますと、林野庁長官が自ら北海道に出向いて海外資本に買収された水土保全林の視察を行ったというふうに伺っておりますが、今日、長官はいらっしゃいますか。いらっしゃらないですね。報告等を伺っておるでしょうか。できれば、その率直な感想等を伺うことができればというふうに、これはごめんなさい、質問通告をしていないので、もし報告があればで結構でございますが、そのようなことについて、北海道に伺ったということについての感想があれば、あるいは報告があれば伺いたいと思います。
○大臣政務官(田名部匡代君) 今確認をしたところ、長官ではなくて計画課長が……
○長谷川岳君 計画課長が。
○大臣政務官(田名部匡代君) ええ、現場の方に伺ったということでありますが、その報告は改めてしっかりと受けたいと思っています。
○長谷川岳君 やはり現場の感覚、現場の報告は是非とも再度またお聞かせをいただきたいというふうに思います。 さて、林野庁は平成十八年から二十年における海外資本の森林買収の実態を調べる全国調査を行っていましたが、なぜこの調査の対象を三十ヘクタール以上の売買という広大な森林のみを対象にしたのでしょうか。また、平成二十一年における売買の実態調査を中止しているのはなぜでしょうか。国として、対象森林の条件を変更した上で、早急に実態の解明に向け本調査を再開すべきだと思いますが、見解をお聞かせ願います。
○大臣政務官(田名部匡代君) 先生の御指摘のとおり、調査の対象が三十ヘクタール以上ということで、実は、これは大きな面積でなければその水資源、水を確保できないというような観点から、件数ではなくて広い面積ということで、この三十ヘクタール以上ということで調査をしていました。 もう一点、平成二十一年以降調査をしていないのではないかということですが、平成二十一年の七月に平成二十年の取引を対象に調査を行っています。 それで、現在ですけれども、今年の四月から各都道府県に、面積にかかわらず土地の売買があったときにはしっかりと速やかに報告をいただくように各都道府県にお願いをしているところでございます。
○長谷川岳君 もう一度質問しますが、売買の実態調査を中止しているというのはなぜでしょうか。
○大臣政務官(田名部匡代君) 売買の調査は中止しておりませんで、平成二十一年の七月にもこの調査を行っています。平成二十一年の七月に行った調査というのは平成二十年のその売買についての調査を行ったところでありまして、調査はやめていないというか、ちゃんと継続をしているところです。
○長谷川岳君 確認なんですが、平成十八年からずっと調査は続行しているという、もう一度伺いますが、続行しているという認識でよろしいでしょうか。
○大臣政務官(田名部匡代君) 平成二十年の七月に平成十八年、平成十九年の取引を調査して、平成二十一年の七月に平成二十年の取引を対象に調査を行っています。
○長谷川岳君 引き続きその実態調査を続けていただくことを望みます。 質問を変えます。 森林を守るために最も大切なのは国内の森林の所有者を把握するということであると思います。特に一ヘクタール以下の森林の所有者、一ヘクタール以下の売買を含め所有者を把握する必要があると思いますが、政務官のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○大臣政務官(田名部匡代君) 先生御指摘のとおり、所有者を把握するというのは非常に重要なことだと思っておりまして、これまでその把握が適切に行われていなかったという状況があります。 それを踏まえて、今までは各都道府県からの情報を基に聞き取り調査などを行ってきたわけなんですけれども、やはりそれでは不十分だということで、今年、先ほど申し上げましたように、四月からは、面積にかかわらず売買が行われたときには届出をしてもらうということと併せて、国土交通省との連携、また登記簿の情報や地籍調査の情報ということも含めて連携を取りながらその把握に努めているところでございます。
○長谷川岳君 届出だけではなくて、一ヘクタール以下の森林所有者、売買をしっかりと把握するためのあらゆる手段を取っていただきたいと考えます。いかがでしょうか。
○大臣政務官(田名部匡代君) 非常に重要なことだと考えておりますので、先ほど申し上げましたように、各省庁との連携を取りながらその把握に努めてまいりたいと思います。
○長谷川岳君 今、日本で起こっている森林の買収問題の大半は保安林指定を受けていない民有林で起きています。私は、保安林イコール水源であるから保安林に網を掛ければ水は守れるというのは非常に危険だというふうに考えます。そもそも保安林は森林全体の三割程度しかありませんから、保安林でない森林についてもしっかり目を光らせていく必要があると考えますが、政務官としてのお考えをお聞かせください。
○大臣政務官(田名部匡代君) 現在、森林法に基づいて、保安林に関しての伐採の許可制度であるとかその転用の規制が行われているところであります。保安林以外の部分に関しても、これは開発行為に対する許可制度というものが設けられています。 あわせて、やはり森林所有者がだれであってもきちんとその適切な森林の施業が行われるようにしていくことが非常に重要だと考えておりますので、そういったことを都道府県に対してもしっかりと指導を行っていきたいと考えています。
○長谷川岳君 今の体制でこのような問題が起きてきておりますので、更にしっかりと目を光らせていただくそのような制度を、体制をつくっていただきたいと思います。 もう一つ質問させていただきます。 海外の資本が森林を買収しているのは水資源が目的であるというように考えられているのが大半ですが、水資源や二酸化炭素あるいは木や不動産、生物多様性や国土安全保障などなど、様々な角度から議論をする必要があります。 しかし、残念ながらそこまでの議論にはなっておりません。この問題は多くの法あるいは官庁が複雑に絡み合っておりまして、立法までの道のりは困難を極めています。であるならば、例えば問題解決のために国にどんな組織をつくるべきかといった議論を国が行っていく必要があると思いますが、農水省の見解を伺いたいと思います。
○大臣政務官(田名部匡代君) 先生御指摘のとおり、この影響の大きさであるとか、また具体的に発生している問題というものをしっかり把握する必要があると思っています。 それを踏まえて、国防上というか、安全保障上どういうことが必要なのかということは他省庁との連携を深めながら検討していく必要があると考えています。
○長谷川岳君 よく森林を駄目にしたのはいろいろな理由があるというふうに言われますが、その一つとして、森林所有者が森林施業計画を出していないということが挙げられます。これは、例えば五年以上の森林施業計画が出されていない、かつての国立大学、今は独法になりましたが、演習林があるというふうに聞いておりますが、どのようなお考えをお持ちでしょうか。農水省の考えを伺いたいと思います。
○大臣政務官(田名部匡代君) 済みません、先生の今の御質問でありますけれども、先生の今の御指摘の国の機関というもの、もう一度、何の機関とおっしゃいましたでしょうか。
○長谷川岳君 本来ならば施業計画を出さないといけないですね。ところが、かつての国立大学の演習林、今は独立法人になりましたが、こういった本来ならば森林を守ったり、あるいはより研究を進めるべく演習林までもが施業計画出されていないという実態がございますが、どういうようにお考えですかと。
○大臣政務官(田名部匡代君) 失礼いたしました。 各演習林での独自の経営計画を策定をして計画的な施業が推進されているとともに、国立大学の時代には国有林として扱われていたことから、森林施業計画は作成されていなかったところであります。
○長谷川岳君 是非ともこの森林施業計画を出すことについて、より強化をしていただきたいというふうに考えます。 続けます。 国は、外国企業でもよいから森林を売りたいという森林所有者に対してどう対応しているのか全く分かりません。森林所有者が森林を手放す理由としては、長く低迷してきた木材・林業関連の企業に更に不景気の波が襲っている、あるいは山から木を伐採して売るにも輸入材の安さに押され、もうけを上げることは難しいと、あるいは所有者が分からない森林が多数あり、コスト削減のための林道を造れない、あるいは海外資本が森林をかなり高い値段で買う、木材・林業関係の森林所有者が高齢となり後継者がいないなど、理由を挙げると非常に多くございますが、このように海外資本に森林が売られ続けるようなことは国家存亡にかかわる一大事であると考えます。 事実として、今日、私が入手した話でございますけれども、釧路湿原の摩周湖側、摩周側ですね、十七万坪を含む森林、原野等が売りに出されています。これは、生物多様性を守るということで東京の会社が買う交渉をしていると地元の不動産会社から聞いておりますが、転売されるようなことがあれば問題だと私は考えます。 このようなことは、本来、民間に任せる性格のものではなく、国も積極的に関与すべきことだと思います。農水省のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○大臣政務官(田名部匡代君) 先生の御指摘、そのとおりだと思います。 先ほど来申し上げておりますとおりに、所有者をしっかり把握するということと、売買の事実がどうなっているかということ、この実態調査を含めてしっかりと行っていきたいと思いますし、あわせて、その森林の所有者がだれであれ、きちんとした公益的な森林の役割を守るための取組をしっかり行っていきたいと考えています。
○長谷川岳君 特にこういった問題は早急な解決が必要だというふうに思います。検討する以外に、しっかりとしてきちっとしたタイムスケジュールを作って対策を立てていただくことを望みます。 COP10の議長国として、生物多様性に深く関与する森林を早急に把握し、その森林に関しての規制、監視を強化すべきではないかと。もう一度質問させていただきます。 現状では、例えば県あるいは道、都道府県と市町村しか指定されていません。民有林もやはり指定をされるべきではないかというふうに考えますが、農水省の見解あるいは環境大臣の見解をお聞かせいただきたいと思います。
○大臣政務官(田名部匡代君) しっかりと状況を把握しながら森林の整備、そして保全を進めていくことが重要だと考えていますし、森林・林業再生プランを作成をいたしました。先ほど先生御指摘をなさいました今の林業の現状ということを考えますと、非常になかなか未来に希望が持てない、利益も上がらないといういろんな状況の中でそれが衰退をしてきたと考えています。 しかし、今申し上げた森林・林業再生プランを基に十年後には国産材の利用率を五〇%と、そして、そのことを基に農山漁村というものをしっかり、まさに地方を元気にしていきたいというような思いで今取り組んでいますので、生物多様性ということも含めて、環境にもしっかりと貢献できるような体制づくり、プランをこれから実行に移してまいりたいと考えています。
○大臣政務官(樋高剛君) 恐れ入ります。環境省の方からもお答えをさせていただきたいと思います。 生態系の基盤となるまさしく森林の保全ということ、これ生物多様性の観点からもとても重要であると、先生の御指摘のとおりだろうというふうに考えているところでありますけれども、我が国の自然環境を把握をする、そのために自然環境保全基礎調査を実施をしてきたところであります。その結果を活用をしっかりとさせていただいて、生物多様性の観点から重要な地域の把握に努めさせていただいているところでありますけれども、その取組もまたよりしっかりとさせていただきたいというふうにも思うわけであります。 環境省におきましては、自然環境保全地域あるいは国立・国定公園などの保護地域制度を所管をさせていただいているところでありますけれども、これらの制度の活用によりまして生物多様性上重要な地域について優先度の高い地域から適切に保全してまいりたいと思うわけでありますが、先生は北海道を地盤としていらっしゃいますけれども、北海道の情報も含めて是非また御指導いただきたいというふうに思っているところであります。 ありがとうございます。
○長谷川岳君 森林の区分や森林に対する規制というのは、やはり今回の問題も通してですが、非常にアバウト過ぎるというふうに考えます。 所有者での区分は、大ざっぱに公有林と民有林・私有林の二つに分けられ、規制等から見ると、保安林とそうではない森林の二つの区分だけとなっています。また、森林政策における森林の持つ機能面からの分類でも、水土保全林という森林と、森林と人との共生林、そして資源の循環利用林という不思議な三分類のみになっております。 つまり、生物多様性に密接にかかわる森林、あるいは自衛隊の基地、空港あるいは原子力発電所という施設に隣接する森林は他の森林と区別されていないということが異常だと考えます。このまた規制も、保安林以外はほとんどありません。このことも議論が私は必要だと考えます。 例えば、北海道においては自衛隊の基地周辺三キロの森林の調査を開始しておりますが、聞くところによると、現在、五十か所以上の森林所有者が特定できないという状況でありまして、その中に海外資本も含まれていると聞いております。また、水源である森林も海外資本の買収などされておりまして、これは既に林野庁の、先ほど、課長さんですか、が視察されたという森林ですが、今後我々は森林の場所や特性を考慮し、その森林に合った対応をしていく必要があるというふうに思われますが、農水省の見解をお聞かせいただきたいと思います。
○大臣政務官(田名部匡代君) 森林計画において重視すべき機能に応じてその目指すべき森林の姿というものを区分するということは、その仕組みはあるんですけれども、先生が御指摘のように、その他の観点から、森林の機能発揮ということとは別にその区分をするということが非常に困難であるというのが今の考えでありまして、それぞれの土地利用という、その観点から土地の取扱いを検討するべきものであるというふうに考えています。
○長谷川岳君 このような生物多様性という様々な角度から議論するというような中に森林というのが含まれています。さらに、森林というのは、もう一度申し上げますが、自衛隊、空港、原子力というような隣接する森林という様々なやはり側面からも検討あるいは規制を加えていかなければならない。もう一度やはりこういった森林に合った対応を、しっかりとした特性を考慮して対応していっていただきたいことを望みます。 森林売買あるいは所有者不明のという部分についてはこれで質問を終えさせていただきますが、次に、自然再生事業等を含めて質問させていただきます。 環境省における自然再生事業、エコツーリズム、環境教育のような事業を活用して地域の活性化を図ることが生物多様性を保全するために大切だというふうに考えます。自然と調和した生活が行えるようにしっかりとした予算を確保していただきたいというふうに考えておりますが、例えば、今、北海道の寿都町というのは非常に公共事業、一次産業が厳しい場所でもありますけれども、それぞれ地域の御努力によって今九基の風力発電を設置しまして、キロ単位十五円で売却をする、それによって三億円近い余剰金が発生する、それを一次産業の振興のための基金に回しているというようなことを聞いております。 このような、これからは環境循環型事業という形のいわゆる公共事業というものが私は環境省主体で行われるべきではないかと考えますが、いかがお考えでしょうか。環境省の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○大臣政務官(樋高剛君) とても大切な御指摘をいただきまして、ありがとうございます。 まず、前段の予算の確保という点でございますけれども、御指摘のとおり、地域の自然環境の保全、再生、そして地域経済の活性化の両立を図るということは生物多様性の保全の観点からもとても重要であると認識をしております。特に、先生がおっしゃいましたとおり、エコツーリズムにつきましては、地域の魅力を高める、そして多くの観光客を引き込むことにより地域経済の活性化につながるなど、自然環境に触れ合う機会をつくることにより環境保全の関心が高まっていくものであると認識をしているところでございます。 環境省といたしましても、エコツーリズムのためのプログラムの作成あるいはガイドなどの人材の育成、エコツーリズムのための基礎となる国立公園などの整備を進め、生物多様性の保全が元気な地域づくりにつながる事業を特別枠として要望をさせていただいているところでございます。先生は地域おこしのプロフェッショナルでございますので、是非こういった面でも御指導をいただきたいというふうにも思う次第であります。 そして、後段の部分でありますけれども、委員の御指摘は大変示唆に富む御提案であろうというふうに思わさせていただいたところでございます。 日本全国の各地には豊かな自然、風力、太陽光、バイオマスなど様々な環境資源が存在をしております。宝物であるというふうに思うわけでございますけれども、こうした地域の資源を上手に活用する、住民も参加をしながら時にビジネス化も図っていこうと、そしてその利益を住民が享受をするということができれば、環境対策、それともう一つ大切な地域活性化を同時に推進することができると、今後の社会の在り方として理想的であろうというふうに思っております。 このような観点から、環境省におきましては、地域資源を活用して、かつ地域住民も参加できる環境ビジネス手法といたしまして、環境コミュニティー・ビジネスというのを推進をさせていただいているところであります。今年の三月には、この環境コミュニティー・ビジネスを手掛ける方々を対象に資金調達の手段をまとめさせていただきました。また、ここに出資しようとしている方々を対象にファンドの設立方法を取りまとめたマニュアルを作成をさせていただいたというふうに、一歩一歩でありますけれども、具体的なことが今進んでいるということでありまして、こういうマニュアルも作ったりをしながら、広く情報提供をすることなどを通じて支援を行っているところであります。 こうした地域資源を生かした環境ビジネス、地域それぞれに根差した、特性を生かした取組が全国的に広がっていくということにつきましては、今後我が国において持続可能な社会づくりを進めていく上で大きな大きなかぎを握るというものでありまして、先生のお知恵もいただきながら取組を促進をしてまいりたいというふうに思っております。 ありがとうございます。
○長谷川岳君 環境を成長分野としてとらえるならば、豊かな自然を程よい富に変換する、地域の皆さんがそれを享受できるような仕組みというのが必要だというふうに考えます。それがやはり国家戦略として環境を考えるということだというふうに思います。 私はやはり、地域再生のために、環境を主体とした、やはりもう一回公共事業の在り方を検討すべきである、そういう時期に来たというふうに思います。従来の完結型の公共事業から環境循環型公共事業へと切り替えるために、やはりどのような手段が必要か、国を挙げて知恵を絞るべき時期が来ていると思います。その意味でも、もう一度これは伺いますけれども、地域の特性に密着した方法での政策推進をすべきであり、実効的な制度設計を期待しております。 環境省の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(松本龍君) 矢継ぎ早の質問ですごいなと思っているんですけれども、大変今までの御指摘重要だというふうに思います。 私は、この間ずっと思っていますけれども、先ほど「近き者説び、遠き者来る」というふうに言いました。地域の人たちが喜んで初めて遠くから人が来るということが政策の原点だというふうに思っております。それこそ、よさこいソーラン祭りにしても、最初は百人か百五十人ぐらいだったと思います。五十人ぐらいから始まって、それを聞き付けて、あっ、これはいいなと思って全国に広がっていった。 ですから、そういう地域から発信して外から人が来るというのが、私は、すべてのこれからの政策手段だろうと。遠くから人が来るために箱物を造るんじゃなくて、近くの人たちに、NPOとか地域住民とか、そういう人たちにバックアップしていくやり方がこれからの新しい時代だと。 私はもう十数年前からそれを言い続けておりますけれども、経済がこれだけ疲弊して、私、十数年前に言ったんですけれども、もう無い物ねだりやめましょうと。ないものは、うちにないから、郵政省のあの箱物を造ってくれ、文科の箱物を造ってくれはやめましょう、あるもの探ししましょうやと。そして、今度の里地里山法案は、あるもの守りですよ。あるものを守りましょうという私は法案だと思います。 ですから、これが、先ほど中川先生も言われましたように、役に立つのか立たないのかは、我々がこの法案に魂を入れていく作業がこれから必要なんだというふうに思いますから、そのツールとして、いろんな意味で、これもし成立したら、みんなで育てていきたいなというふうに思います。 環境ビジネスなんてことについても、今テレビを見ても何を見ても、もうエコ何とかとか、エコ住宅、エコナビとか何かいろいろあって、私ももうテレビ見るたびに、ああ、これからは時代が違ってくるんだな。そのインセンティブによってビジネスも変わってくる。そして、最先端の技術を持っている国が、今、民生部門、消費者の部門で今CO2が一番削減されていないと言われますけれども、そういった人たちは今度そういう製品を買うことで民生部門のCO2を抑えていく。 そういうところをずっと育てていけば、ビジネスチャンスも広がっていくし、あるいはグリーンイノベーションということもありますけれども、CO2を削減するという、今、子供たちもやっぱりそれが気が付いている。そして、サイドイベントもそうですけれども、生物多様性のときも、サイドイベントに子供たちや若い者が中心になってやってきた。 やっぱりそういう機運を盛り上げていって、これからはそういう時代なんだ、あるものを探しましょう、あるものを守りましょうという法律とかどんどん作っていって、それをツールにして様々な生態系を守る、森を守る、川を守る、湿地を守る、そういうことに我々は力を尽くしていきたいなというふうに思います。
○長谷川岳君 先ほどの、次世代、子供たち、教育という部分で最後、質問を締めさせていただきますけれども、やはり環境教育、生物多様性に対する理解を深めるためには環境教育の必要性がやはり十分必要だというふうに思います。 北海道も、富良野自然塾等を含め、非常に環境教育のNPO等の活動が活発になってきておりますが、肝心なところ、先般、教育者が参加する研修会でアンケートを行ったときに、学校の先生たちのほとんどが環境問題の基礎知識を全く持っていないということを耳にしました。温暖化がどの程度進んでいるのか、今後どうなるのかと言われているのが全く分かっていないと。その理由は、やはり学校でも教育でも一度まとめて環境問題の勉強をしたことがないということが非常に大きいと、そのように考えます。 未来の子供たちに環境保全の大切さを学んでもらうためには、環境教育の必要性を強く感じております。そして、環境省が文科省と連携して強く推し進めるべきだと考えます。 また、里地里山等をやはり五感で理解をするためにも学校外での授業が必要でありますが、北海道は、御多分に漏れず、北教組、大変強いところでございますから、こういった課外授業についての教師の認識を変えなければなりません。 環境大臣の意見をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(松本龍君) ここには、環境保全活動・環境教育推進法の基本法に基づきとかいろいろ書いてあります。今おっしゃったのは大事な指摘だと思います。 一月ほど前に、生物多様性のキャンペーンで、浅井慎平さんとか草野満代さんとか、いろいろ課外授業とか様々なことが必要であるというふうに書いてありました。私もそのとおりだというふうに思います。 アメリカでは、例えば長いブリッジがあって、そこの現場を見たり、そこを通って物づくりに対する関心を高めようとか、やっぱり外に出ていろんな物づくりの現場、あるいは環境、里地里山の現場を見たり、そういうことが、小坂大臣もおられますけれども、そういうことが大事だろうというふうに思います。 もう一つは、やっぱり親と子の会話とか、先生と子供たちの会話はそうですけれども、やっぱり営み方とか、もったいないという言葉がありますけれども、もったいないとか、あるいはそういう何か小さなこと、地域での小さなことを、さっき無い物ねだりよりある物探しと言いましたけれども、そこの地域にいろんなおじいちゃんやおばあちゃんがいて、この人たちがいろんな知恵を持っている。こういう人たちと子供たちを接触させるとかいろんなことが、やっぱり環境教育も含めてそういう地域で発信をしていく、そしてそれを膨らませていく作業がいずれにしても必要だろうというふうに思っております。 文部科学省とも連携をしていきながら、しっかり取り組んでまいります。ありがとうございます。
○長谷川岳君 どうもありがとうございました。 特に森林の問題はランド、今一番やはり敏感な問題でございますので、早急の対応をお願い申し上げたいと思います。 これで質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(北川イッセイ君) それでは、午前の質疑はこの程度にとどめます。 午後一時十五分まで休憩いたします。 午後零時十一分休憩 ─────・───── 午後一時十五分開会
○委員長(北川イッセイ君) ただいまから環境委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告します。 本日、福山哲郎君が委員を辞任され、その補欠として松浦大悟君が選任されました。 ─────────────
○委員長(北川イッセイ君) 休憩前に引き続き、地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。 COP10で大臣、議長をおやりになりまして、愛知ターゲットあるいは名古屋議定書という形で合意を見まして、環境外交上も極めて大きな成果だと私は思っております。議長を始め事務方が懸命に努力した成果だと私は思っておりますが、ただ、先ほど大臣がおっしゃったように、まだ固いものではないというところにこれからの課題があるんではないかなと、このように考えておりまして、後ほどその関係については質問をさせていただきますけれども、大変な御苦労であったと思います。敬意を表したいと思います。 それでは、この生物多様性の関係で、私は日本は非常に豊かな生物多様性を持つ国であると。世界の有数なホットスポットでありますし、三十四か所世界にありますけれども、こういうホットスポットの一つであるというふうに言われておりますし、そういう意味で、生物資源、遺伝資源、これは、日本は利用国であると同時に供給国でもある。それから、日本の海洋生物の関係でありますけれども、世界の種の約一五%はあるということでトップレベルに位置しているわけでありますので、この日本の生物資源、遺伝資源、これは非常に大きな潜在力がある。いかに使うかということも含めて、これは日本の将来を大きく左右しかねないそういうポテンシャルを持っているなと、このように考えております。この点について大臣はどのようにお考えかというのが一点。 それから、ABSについてはアクセスと利益配分ということでありますが、アクセスがなければビジネスの機会はない、ビジネスの機会がなければ利益を得られない、利益がなければ利益配分はない、これは基本であると思いますが、アクセスしたい生物資源、遺伝資源があるかないか、仮にあったとしても開示がされていない、どこにあるかないかも分からない、そういう場合もあり得ると。そういう場合にはアクセスのしようがないという話になってしまいますけれども。 今日お手元に配付させていただいたデータベースの関係、ほんのちょっとしたデータベースの範囲でありますけれども、各分野別に管理されている。埋もれているデータ等についても、やはり私はネットワーク化を進めて、統合的データベースとして構築し、管理された中で海外からのアクセスの増加につなげると。これも非常に私は大事だと思っておりますし、私の力点は、海外からのアクセスについてというよりは、やはり私は我が国の資源が不当に海賊行為されてはいけないと。日本の伝統的な野菜など、いち早く優先的にデータ化し、同時に、効率の良い監視、チェックのアルゴリズムなどを持つ民間を含む省庁横断的なそういう統合的なデータベースの構築、整備、これを積極的に環境省がリーダーシップを取ってやっていくべきではないかなと、これが二点目でございます。 以上二点について、環境大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(松本龍君) 加藤先生におかれましては、COP10の間、GLOBEの中心的な役割を果たしていただいて、まさに議長国として、我々、本当にサポートしていただいて、本当に中心的な役割をここにおられるすべての皆さんがしていただいたおかげで、最後の最後にみんなで知恵を結集してまとまったというふうに思っております。そういう意味では、改めて御努力に対して敬意を表したいというふうに思っております。 御指摘のとおり、どこの国も、いずれの国も遺伝資源の利用国になる、提供国になるということも、私はもう最初からそれをずっと言い続けておりまして、そこで必ずどこかの共通利益が生まれるということで、今先生おっしゃったように、こちらで遺伝資源を利用して医薬品とか食品とか人類の福利に貢献するものができる、そして提供した国には、そこの生態系をしっかり保存していく、そして利益を分配することによって様々な知恵を途上国そして生態系の保存に与えることができるということで、大変重要な指摘だったというふうに思います。 御指摘のとおり、我が国は既知の生物種は九万種以上ありまして、分類されていないものも含めると三十万種を超える生物種が存在すると推定されております。おっしゃったように、国際NGOのホットスポットが指定をされておりますけれども、日本全体がホットスポットに入るというふうに思っております。同規模の面積のドイツやノルウェーと比べると、日本の哺乳類の種類は二倍あって、鳥類は三倍であるということも確認をされております。 今、海洋の問題も触れられましたけれども、ちょうどCOP10の間に、農林水産省が今までやってきた海洋のレッドリストというのも今度環境省も一緒に加わって検討していこうということも、あのときに発足をいたしました。これからまたどんどん動いていくというふうに思っております。 私、今年の春でしたか、去年の春にちょっと松本健一さんという大学の教授のお話を聞いて、海岸線だけ言うと、小さな島の海岸線も含めて日本はアメリカの一・五倍、中国の二倍だということを聞いたときに、なるほどなと思いました。オバマ大統領が言う前に日本は本当に海洋国家だなということをそのとき痛感をしたところであります。 環境省としては、今申されたとおり、国立公園等の保護地域の指定や希少種の保護等により生物多様性を確保するということで遺伝資源を保全することが重要と考えております。また、こうした豊かな生物多様性に関する情報を整備することは重要と認識しており、環境省では自然環境保全基礎調査を実施して全国的な動植物の分布等を把握してまいりました。さらに、今年度からは我が国の野生動植物種の遺伝資源を含めた資源管理を行うためのデータベースの整備に関する調査を開始したところであります。 今後とも、こうしたデータの活用に関する可能性を検討してまいりたいというふうに思っております。
○加藤修一君 既存のデータベース等を含めて、いかにネットワーク化して有効に使える状態にしていくかということが非常に大事だと思っておりますので、今答弁がありました内容について更に積極的に推し進めていただきたいと、このように思います。 国内のいわゆる法体制をどうするか、これABSの関係でありますけれども、たしか大臣も国内法を整備しなければいけない、批准の前にそういったことが当然必要になってくるわけでありますけれども、これ、確かにボン・ガイドラインはありますけれども、これは拘束されるものではないということであります。我が国は、先ほど若干申し上げましたが、アクセスフリーというような状態になっていることを考えると、当然でありますけれども、国内法をしっかりと整備しなければいけない。 日本には、先ほど若干抽象的に申し上げましたけれども、具体的に申し上げますと、ワサビとかアシタバとかメシマコブ等々含めて非常に有用な作物があると。これ、メシマコブは免疫増強作用があるとか、ワサビは食欲増進、防カビ効果、殺菌効果、あるいは血液の凝固を防ぐ抗血小板作用があるとか、あるいはアシタバについては胃液の分泌を抑える作用、強い抗菌作用があるし、血栓ができるのを抑える作用がある等々含めて、そういう薬効というのを持っているということで有用なものだというふうに考えられるわけでありまして、そういったことも含めて、いかに、先ほども申し上げましたようなアクセスフリーな状態をいち早く止めるようにしていかなければいけないと思います。 国内法の制定に当たって、これは議論されてきた内容でありますけれども、途上国から持ち出される生物、遺伝資源を厳しく監視する国内外の監視機関の創設、あるいは天然資源を人工合成した利益の還元、これをどうするか。あるいは、原産国への資金供与、技術供与の関係、それから原産国の同意書の関係、あるいは国内企業の管理体制づくり、なかなか厳しい課題でありますけれども、これも当然やっていかなければいけない。あるいは、海外からのアクセスに対応していわゆる手続と受付の窓口を日本政府にどうつくり上げるか。特に、これは今回の合意の中に盛られておりませんけれども、病原菌、派生物が明記されなかったわけでありますけれども、これは議長国として、日本としてこれは国内法を考えていく場合にどのようなスタンスでやっていくかというのは非常に私は関心もありますし、恐らくそのほかの様々な皆さんが注目しているところだと思うんですね。 ちょっと、いろいろと項目を並べましたけれども、一言で答弁いただくのは難しいんですけれども、是非こういった面について基本的な大臣の考え方を教えていただきたいと思います。
○国務大臣(松本龍君) 大変厳しい御指摘だし、これから我々も真剣にそのことに取り組んでいかなければならない。しかも議長国としての立場もありますから、名古屋議定書についてはなるだけ早期に締結をしたいというふうに考えておりますし、今後、議定書の締結に向けて国会の承認を得るための各般の作業が必要だろうというふうに思っているところであります。 ABSの問題等々、今おっしゃったように、病原体の問題等もドイツを中心にいろんなお話があり、途上国、先進国いろいろお話があったわけですけれども、議定書の中に書き込まれたように、お互い妥協する形でこういうふうになりました。緊急を要する問題、また世界にどれだけ貢献するかという問題等を含めて、これから様々、病原菌の問題も含めて議論していく、する必要があるだろうというふうに思っております。 まずは、議定書の日本語訳の確定でありますとか義務内容の精査や既存の国内制度との関連性の確認などを行った上で、御指摘の遵守に関する監視や国内窓口の整備等を含めて、どのような国内措置が必要になるか、検討が必要だというふうに思っております。 以上のことをもって、現時点では具体的に、いろいろ精査をする中で見通しをお示しすることは現時点ではできませんけれども、早期の議定書締結を目指して政府全体で取り組んでまいって、そしてその中でいろんなことに対処していきたいというふうに思っております。 いずれにしましても、先生が御熱心でいらっしゃったPESの問題とかIPBES、気候変動のIPCC版ですけれども、こういったツールも今度深まりましたし、TEEBも深まりましたし、REDDプラスも深まってきました。そういう様々な国際的な枠組みというか国際的な問題に対しても日本も果敢に取り組んでいかなければならないし、リーダー国としてもしっかりやっていかなければならない。そのときはまたいろいろお知恵をいただきたいというふうに思っております。
○加藤修一君 今、大臣の方から早期にという話がございましたけれども、報道によれば二〇一一年末ぐらいというか、その年度中という話がございましたけれども、質問通告はしておりませんが、この辺についてはどうお考えでしょうか。
○国務大臣(松本龍君) 早期に、できるだけ早期にやっていきたいというふうに思っております。
○加藤修一君 次に、農林水産省にお尋ねしますが、食料農業植物遺伝資源の国際条約、ITPGRというふうに言っておりますけれども、これ今年の三月の環境委員会でもお尋ねいたしました。もう早急にこれは批准をすべきであるというふうに要請をしたわけでありますけれども、今これは農水省としてはどのような状態で考えていらっしゃるか。 今、大臣からも新しい深みが出てきたことがあるという話がありました。私は、新しい視点が着々と出始めてきていると、それにどう国内法、あるいはそれから国際条約の関係についても日本は適切な対応をしなければいけない、このように考えております。是非批准をすべきだと思っておりますが、どうでしょう。
○政府参考人(小栗邦夫君) 先生御指摘のとおり、遺伝資源全般につきましては、このABSがCOP10で名古屋議定書で採択されたわけでありますけれども、植物の遺伝資源につきましては、既にFAOを事務局といたします食料及び農業のための植物遺伝資源に関する国際条約、いわゆるITPGRが実施されているわけでございます。 この植物遺伝資源は、何といいましても新品種の育成材料になるということで利用するということで、食料安全保障の観点からもその保全と円滑な利用が重要であるというふうに考えておりまして、また、遺伝資源を海外に依存いたします我が国にとりましては、このITPGRという取組につきましては、透明性であるとか公平性であるとか、スムーズな遺伝資源の入手を可能にするということで、非常に有効な枠組みであるというふうに考えているところでございます。 このため、ITPGRの対応につきましては、今後、関係省庁と協力した上で、前向きに是非努力をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○加藤修一君 前向きに取り組むということはそれはそれでよろしいんですけれども、前向きのもっと具体的な計画ですよね、いつまでこれはやるという点についてはどうでしょう。
○政府参考人(小栗邦夫君) このITPGRにつきましては、具体的な契約手続であるとか利益配分システムが既に確立されております。そういう意味では加盟した場合のメリットということが大きいというふうに考えておりますので、そういった意味で、関係省庁とも具体的に検討を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○加藤修一君 それを検討会を立ち上げてやるという、そういう具体的な言い方をしてほしいんですね。検討、検討って、前回も検討ですから、いつまで検討という言葉が飛び交っているのか。それは検討会という具体的なものを設置するという、そういう発言はできないですか。
○政府参考人(小栗邦夫君) 関係府省もございますので、関係府省と連携を取りながら取り組んでいきたいというふうに考えております。
○加藤修一君 もう是非早くやっていただきたいと思います。 それから、今回、COP10で三年間二十億ドル、この資金を提供するという話になりましたが、これは外務省にお尋ねしますが、どこからこういう資金を持ってくるんですか。どこにどういうふうに使おうと考えていますか。もちろん途上国に対して様々な支援措置をするということになるわけでありますけれども、その辺、具体的にお願いいたします。
○副大臣(松本剛明君) 先生からの御質問でございます。 御承知のとおり、菅総理がCOP10の場におきまして、いのちの共生イニシアティブということで表明をさせていただいたのが三年間二十億ドルの途上国支援ということでございますが、今回は議長国として力強い貢献を示して会議を成功に導く責任があるということから、生物多様性保全に関する初のコミットメントということで三年間二十億ドルの途上国支援について表明をさせていただきました。本イニシアティブに基づいて、ODAなどを通じてポスト二〇一〇年目標の達成を目指す途上国の努力を支援をしていく、こういうことになると思います。 まさに、ODAでこれから支援をしていく中で、この生物多様性に資するものをしっかりとこれだけ確保していくということをコミットメントをさせていただいたということをまた関係の皆さんにも御評価をいただけたのではないかと、このように思っております。 使途については、ODAでございますので、基本的に途上国各国からの御要請に応じてそのニーズや社会的状況を勘案をして個別に決定をしていくということになりますので、今のところ、あらかじめどの分野にどのように幾ら予算を割り振るということは申し上げる状況ではありません。内容は、円借款、無償資金協力、技術協力の二国間支援を途上国のニーズに応じて行うとともに、多国間の支援も併せて途上国の努力を支援をするというふうに思っております。 繰り返しになりますが、生物多様性保全に関する分野での三年間で二十億ドルの支援をコミットメントさせていただいたということが私どもとしても大きな意味を持つということでそのように申し上げたというふうに御理解をいただけたらと思います。
○加藤修一君 いや、私も大きな成果だと思っております。それをどこから持ってくるかというのは、ODAということですよね。ODAね。
○副大臣(松本剛明君) などです。
○加藤修一君 ODAなどね。分かりました。 それで、外務省に更にお尋ねするわけでありますけれども、これは途上国支援ということが大きいと思っておりまして、先ほど農林水産省から国際条約の関係がありました。これはシーズバンクの関係で、それを途上国支援のためにやっていこうという話になっておりまして、これはトウモロコシなど三十五種類、あるいはマメ科牧草やイネ科牧草など二十九種類、そういう関係のものを保護し、その遺伝資源を有効利用するということが国際条約の大きな目的なわけなんですけれども、何回も繰り返しますけれども、途上国支援の関係でこういう国際条約が発効し、かつまたそれが進められているということなんですけれども、まさにその二十億ドルの使い道の一端としてこういった件についても是非検討すべきだと私は思っておりますけれども、その辺についてはどのようにお考えでしょうか。
○副大臣(松本剛明君) ITPGRについてという理解でよろしゅうございますでしょうか。 これについても私どもの伴野副大臣が名古屋でごあいさつをさせていただいたところでございます。率直に申し上げて、これまでと違って今回のCOP10におきまして遺伝子資源のアクセス、利益配分に対する局面が言うならば大きく変わる段階に入ったということではないかというふうに理解をしております。そういうことをベースに置きながら、このITPGRの締結に向けても国内的な検討を率直に言えば始めるということをごあいさつでそのときも申し上げさせていただきました。 先ほどの質疑も伺っておりまして、始めて速やかなその先の進捗が必要だという先生の御指摘、私どももしっかりと承って対応させていただけるようにまた努力をしたいと思います。
○加藤修一君 是非、農林水産省も今日来ておりますので、そのほか関係の省庁と検討会等を立ち上げることを通して、しっかりと前向きの議論を進めて早く批准に向けても踏み込んでいただきたいと思います。 それでは次に、午前中も林業の関係、森林の関係について質疑がありましたが、私は群馬県に住んでおりまして、みなかみ町の北部あるいは新潟県の県境に約十キロ四方の国有林、これ赤谷の森を対象にして様々な点が進められております。まさに多様な主体、すなわち地域住民で組織する赤谷プロジェクト地域協議会、林野庁関東森林管理局、日本自然保護協会、この三つの中核団体が協働している赤谷プロジェクトというものでありますけれども、非常に自然環境が変化に富んでおりまして、利根川上流に位置する重要な水源の森であり、首都圏のほぼ大半の水、それを補っているわけでありまして、大きく六つのエリアに区分し管理されておりまして、多様な森林生態系の保全、復元、科学的根拠に基づいて生物多様性の復元と、それと持続的な地域づくりを目指しているわけでありますけれども、二〇一一年の四月からは第二期の協定に向けて動き始めておりまして、愛知ターゲットあるいは様々なやっていかなければいけないということ、それはすなわち新しい視点という話になりますけれども、生物多様性と社会の持続性のために取り組む課題として再設定をすべきだと思っておりますし、この生物多様性の評価をいかにするかと、あるいは生物多様性がもたらす生態系のサービス、これをいかに経済評価をするかということが強く求められていると思っております。 それで、赤谷プロジェクトと同様のプロジェクトをもっともっと全国展開をしていくべきではないかと、このように考えておりますけれども、林野庁、来ておりますか、お願いいたします。
○政府参考人(皆川芳嗣君) 御指摘の赤谷プロジェクト、大変、生物多様性の保全ですとか地域経済の持続可能性という意味でも大変に大きな貢献をしているんではないかなということでございます。これを全国展開ということでございますが、私ども国有林を持っておりますが、例えば九州森林管理局におきましては照葉樹林で有名な綾というところで綾の照葉樹林プロジェクトといったようなことをやっておりますし、また北海道の森林管理局でも、台風で風倒木が出ました野幌で野幌森林再生プロジェクトといったようなことを推進させていただいています。 そういう意味で、全国でも各所で行っておりまして、今先生からの御指摘ございましたけれども、こういった多様な方々と協働して森林再生をする、また生物多様性を保全していくというような取組でございますので、私どもも積極的に全国で推進してまいりたいというふうに思っております。
○加藤修一君 極めて力強い答弁をいただきました。林野庁がお持ちの国有林、もっと広げて取り組んでいただきたいと、このように思います。 それと、森林・林業、これの多面的機能という話もありまして、農林水産大臣が諮問いたしまして、その答申が、林業に関しての多面的機能の経済効果、これは七十兆円と、年間七十兆円ありますよという話なわけですよね。その前に、やはりこの生物多様性をどう評価するかということも大事だと。それと、さらに、生物多様性に基づく生態系のサービスから受ける経済的な効用、効果、それをどうしっかりと把握するか、計測するか、そういうことも非常に大事だと思っておりますけれども、生物多様性についての評価のありよう、これをどう考えるか。 もちろん、データがなかなか収集できないという実態もあるようでありますので、こういった評価枠の関係、それから指標をどう対応するか、それからそれに対応する様々なデータをどう取り上げていくか等々含めて、生物多様性の評価については様々な課題がありますけれども、こういった点についてどうお考えかということと、さらに、今後のことを考えてまいりますと、生物多様性に基づく生態系サービスの経済評価をどうこれから計測、評価するか、この二点についてまとめてお尋ねいたします。
○政府参考人(皆川芳嗣君) 御指摘の、平成十三年でございましたか、日本学術会議の方から森林の多面的機能についての経済評価ということで、各項目自体は足さないでくれというようなことを言われておりますが、今先生御指摘のように足しますと七十兆円ということになっているわけでございます。その中で、森林の生物多様性保全機能ということについては、その時点ではなかなか貨幣評価という面では難しい点があるのかなということを学術会議の方では、報告の中には入ってございました。 今回、名古屋議定書、さらには愛知目標の採択があったわけでございます。そういう意味で、森林の多様な生物多様性の状況を的確に把握して施策に反映するということが非常に大事でございますので、まずは、生物多様性の状況を示す指標の開発ですとか検証といったことを平成二十二年度の予算でも対応させていただいておりまして、そういった検討を積極的に進めてまいりたいと。 いずれにしても、生物多様性保全の重要性ということを認識されている中で、国民の皆さんに森林の公益的機能ということを御理解いただくためにも、こういった点の指標の開発ということは大事だと思っておりますので、引き続き進めてまいりたいというふうに思っております。
○加藤修一君 これは、林業・森林等の経済評価、これについてはどうお考えですか。今まで諮問して答申がありましたけれども、改めて新しい視点が出てきた中でどうそれをアプローチしてしっかりと評価するかということも大事だと思いますけれども、どうでしょう。
○政府参考人(皆川芳嗣君) 学術会議という大変権威のある機関で平成十三年にお取り組みいただいたということでございますから、それを直ちに私どもが、例えば林野庁が要請して学術会議がやっていただけるかどうかということはございますが、いずれにしても、森林の機能についての的確な評価ということで何ができるかということについては、今日先生からの御指摘もございましたので、改めて考えさせていただきたいというふうに思っております。
○加藤修一君 最後の質問になりますけれども、そういう経済評価をすると同時に、大事なことは将来的な話、かなり先の話の内容になりますけれども、環境、経済を統合する勘定体系をどうつくり上げるか。それは世界の潮流になりつつある、世銀辺りもやろうという話になってきておりますので。いわゆる環境・経済統合勘定、これについて私は、更に森林等、あるいは生物多様性等の経済効果を含めて総合調整をしながら調査研究というのを続行していくべきであろうと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(鈴木正規君) 今御指摘いただきましたように、国家勘定に生物多様性の価値を組み込むという話につきましては、世銀が途上国と先進国、五、六か国ずつパートナーシップを組んでその手法を開発しようとしております。日本もそのパートナーシップに入ることにしておりまして、こうした中で手法を開発していきたいというふうに思っております。
○加藤修一君 終わります。
○市田忠義君 日本共産党の市田忠義です。 質問時間も短いので、答弁も問われることだけできるだけ簡潔にお答えいただければ有り難いと思っています。大臣と指定した以外はどなたでも結構です。 まず、私は、身近な自然環境、希少な生き物を守りたいと、そういう思いで地道に活動されている地域の住民、団体の皆さんの取組を後押しし広げていく、これは生物多様性の保全を進める上で大変大きな力になると考えています。 初めに、これは大臣に基本的な認識をお聞きします。地域の住民、NPO等の活動の重要性について、どういう認識をお持ちでしょうか。
○国務大臣(松本龍君) NPOの活動等々、地域の住民等々、そして様々、ナショナルトラスト、先ほどのお話にも出ましたけれども、自然の環境を守ろうという方々の活動には敬意を表しますし、そういう意味では、大変重要な地域の皆さん、NPOの皆さん、NGOの皆さんの活動は大きなものだと思っております。
○市田忠義君 具体的には協議会をつくって取り組むということになると思うんですが、自然再生法もよく似た仕組みになっています。 二〇〇八年四月に総務省は自然再生の推進に関する政策評価を実施して、主務省に対して勧告を行いました。その中で、地域住民や団体が主体的に取り組めていないと問題点を指摘しています。こういうことでは住民や団体の力を発揮してもらうことはできないというふうに思うんですが、いかがでしょうか。これは担当者で結構です。
○政府参考人(鈴木正規君) 地域再生の取組につきましては、協議会で幅広い方に御参画いただきまして、そこには地方公共団体も入りますけれども、NGOの方にも入っていただき、それぞれ御意見をいただき、全体としてできるだけ良い計画を作っていくということでやっております。 御指摘は十分考えた上で、今後ともそうした皆さんの意見が反映されるように運営に努めてまいりたいというふうに思っております。
○市田忠義君 もう千葉県の松戸市で里山の保全に取り組んでいる方からお話を伺いました。自治体から呼びかけて協議会的なものを立ち上げても数回の取組で中断してしまうところが少なくない、しかし、ここでは継続した取組につながり、里山保全に取り組む団体が年を追うごとに増えているそうであります。地域住民、団体の方たちの意欲的な取組と運営の工夫、そして自治体が地主とのコーディネートや住民の主体性を大事にする努力をしていると。 こういう経験をお聞きしますと、上から枠をはめるんじゃなくて、住民、団体が主役ということを根本に据えるということが大事だと思うんですが、この点についてはどのようにお考えでしょう。
○政府参考人(鈴木正規君) 今回御提案している法案は、市町村が計画を作る、他方で、実際活動をしようとされているNPOの方々から提案を受けるというふうな仕組みになっております。これは、こうしたNGOの皆さんの意欲等々をしっかり計画に反映させながら、土地所有者の方にはやはりNGOの方に対しての少し不安感もあるというふうに聞いておりまして、そういう中で市町村が計画を作るということによって土地所有者の方の御理解も得やすくなるという面も考えて今回こういうふうな御提案をさせていただいております。 実際、NGOの方々と今御指摘ありましたように自治体の方々が力を相互に協力して発揮していただくというのが成功につながるんじゃないかなというふうに思っております。
○市田忠義君 千葉の松戸のような例はどういうふうに評価されますか。上から機械的に枠をはめるんじゃなくて、できるだけ自主性尊重すると。これでうまくいっているという経験なんかはどのように認識されるでしょう。
○政府参考人(鈴木正規君) 大変申し訳ありません、その具体的なケースについてちょっと詳細を存じ上げてないんですが、うまくいっているケースというのは、やはりその両者の関係が非常にうまくいっていて、NGOの方々も積極的に参加されるし、自治体の方もきちんとコーディネートをされるというふうな形でよく聞いております。
○市田忠義君 住民、団体が主役になる取組を進める上でも私も自治体のイニシアティブが大変大事だと、そう思っています。しかし、本法案の上位に位置する生物多様性基本法に基づく生物多様性地域戦略を策定している自治体は今年九月末で八道県四市だけであります。こういう状況でまた新たな仕組みを作ろうとしても、果たして進むんだろうかと。 どうして策定が進まないのか、その原因を把握、分析されているのかどうか。把握されておれば、その理由、分析についてお答えいただきたい。
○政府参考人(鈴木正規君) 私ども伺っておりますと、やはりどうやって作っていいか分からないというお話も聞きましたので、作成の手引書なども作成しまして、そうした形で地方自治体の方にも説明会を開いてその地域戦略を作っていただくようにお願いしております。 確かに今御指摘のとおり、でき上がったのは数少ない、まだ八つぐらいなんですけれども、検討中あるいは取り組み始めておられるところもかなり出てきておりまして、今回のCOP10では自治体会議などもされて、今後この動きが加速するんじゃないかなというふうに期待しているところでございます。
○市田忠義君 本法案は保全を目的とした事業を進める仕組みですが、自然再生法に基づく事業でも様々な問題が起こっています。法案のイメージ図を見ますと、一つの地域連携保全活動計画の中で複数の事業が計画されることも想定されている。法に基づく計画には特例措置が認められているために、生物多様性の保全上適切であるかどうかの判断について極めて慎重な検討が求められるというふうに思います。 都道府県知事の同意は科学的根拠に基づく客観性を持ったものでなければならないと思いますが、そこはどう担保されるのか、この点についていかがでしょう。
○政府参考人(鈴木正規君) それぞれ所管されている自然公園などもございますので、そうした規定との関係で、自然公園の管理の観点との整合性を図るという観点でその同意という制度を作っておりまして、その代わり、そうした同意が得られた計画につきましては個別法の許可等のことが不要になるということでございますので、そうしたそれぞれの所管されている自然公園との管理の整合性を取るということで御理解いただければというふうに思っております。
○市田忠義君 さきに挙げた自然再生法の推進に関する政策評価では、各法定協議会の実施計画に対する主務大臣の助言実績はない、実施計画を検討する専門会議の開催が計画実施の後になっているなどの問題点指摘しています。こういうことが繰り返されることがあっては私はならないと思うんです。 また、計画が実施された段階で生物多様性保全のために適切な事業かどうかの判断、そして問題があると分かった場合、直ちに活動を中止、回復の措置がとれるようにモニタリングによる検証、第三者による客観的な検証が必要だと思うんですが、この点はいかがでしょう。
○政府参考人(鈴木正規君) 協議会の運営につきましては、実際上、事業を進めながら更に協議会で議論をしていくということが普通行われておりまして、そういう中で、事業の進捗に合わせて問題点がないかどうかの点検も行われるというのが理想的な姿だと思っております。
○市田忠義君 これは大臣にこの件の最後にお聞きしたいんですけれども、事業実施後のモニタリングや科学的な検証についても、さきの政策評価で十分でないと、そういう問題点を指摘しているわけです。モニタリングは非常にお金が掛かることですから、民間に頼りっぱなしではなかなか私進まないというふうに思うんです。これまで見てきた自然再生法に基づく取組で指摘されている問題を今後繰り返さないためにも、いわゆる民間任せ、自治体任せにしないで、肝心なところは必要な予算を確保して国の責任で進めるべきだと思うんですが、大臣はその点どういうふうにお考えでしょう。もし大臣無理だったらほかの方でも結構ですけれども。
○国務大臣(松本龍君) 通告がございませんので分かる範囲でお話をさせていただきたいと思います。 自然再生推進法は、私が七年前、委員長のときに全会一致で可決をさせていただきました。多分今二十二の協議会があるというふうに思っておりますけれども、今おっしゃられた様々、いろんなところで、今、様々なところで開発が行われております。これはいろんなところで開発があるということで、環境省としてやれるのか、あるいは自治体の条例で開発許可をする、都市計画法の中で開発許可をしていく、そしてそれは取りも直さず地方分権という形でそこの地域の事情をよく知っている人たちがそういうことをやっているということで、環境省としてはそれは自治体の裁量に任せるということで、国の予算をということはまだまだちょっとこの時点では、考えているところでありますけれども、なかなか今の状況の中では各個別の案件に対してはやっぱり自治体の裁量に任せているということが実情であります。
○市田忠義君 民間任せ、自治体任せにしないで、全部国が責任持てとは言わないけれども、肝心なところは国も関与して一定の予算措置、今すぐ返事できなくても、その方向で検討するぐらいは言えませんか、大臣。
○国務大臣(松本龍君) 今事例がありましたのは、環境省あるいは環境アセス、環境影響評価というのは、環境の影響を評価をして開示をして提言をしていくということをやる部署でありまして、その許可をする、あるいはそれを認可をするとかといったことはやっぱり自治体の裁量に任せているということで御理解をいただきたいというふうに思っております。
○市田忠義君 これ以上繰り返しませんが、モニタリングというのは非常にお金が掛かるわけですから、結局民間任せ、自治体任せにしたらうまく進まないという点はよく御検討いただきたいと。 別の質問に移ります。 今回提案されている法案のように、保全を進めるための仕組みづくり、これは当然大事であります。同時に、生物多様性がこれまでにない速度で失われている危機的な状況の下で、この五十年間の生物多様性の損失の最も大きな要因である開発、改変にどういう姿勢で臨むかと、これが問われていると思うんですけれども。 これは大臣の基本的立場をお聞きしたいんですけれども、環境行政に責任を持つ大臣として、第一の危機と言われている環境影響の大きい今後の開発行為、同時に、現に今進められている開発、改変についても厳しい姿勢で臨むことが私は求められていると思うんですけれども、一般論で結構ですから決意をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(松本龍君) 一般論で申し上げれば、簡単にと言われましたけれども、実は私が今年の春読んだ本で、ちょっと時間をいただいて感動した本をちょっとお伝えをしたいんですけれども、「逝きし世の面影」という、渡辺京二さんという熊本の在野の方がおられて、この人が書いた本ですけれども、江戸から明治、今五十年とおっしゃいましたけれども、百五十年前、日本がどうだったかということを外国人の目を通して書いた本なんですが、リンダウというスイスの通商調査団の一人がおりまして、この人はプロシア人ですけれども、世界をずっと回ってきて、このリンダウが百五十年前、安政の終わりですけれども、日本に初めて来て、書いた言葉があります。 道を歩いていて、そこではすべてが安寧と平和を呼吸していた。村々も、豊かな作物に覆われた広大な平野も、野良仕事に携わっている農夫たちもである。青い海の上を滑り行く帆掛け船、緑の庭園のような田園、あるいは樹齢三百年の木立に包まれた寺院、花の香りを運ぶそよ風、しみ通る静けさ、すべてが休息を招いていた。今まで私はこれほどまでに自然のさなかに生きる人間の幸せを感じたことはなかった。世界を歩いている人が、こういう百五十年前の日本の印象を語っておられます。 そこで、やっぱり戦前、戦後、高度経済成長とあって、様々な開発行為が行われてきた。しかし、私たちは、これを民間の人たちがナショナルトラストで鎌倉や和歌山や知床やいろんなところで自分たちのお金で頑張ってその森林を保全しようということが行われてきた。 そういう中で、環境省あるいは様々な、国土交通省、農林省、いろんなところで、先ほども話しましたけれども、いろんな方策を使ってきて、これからは新しい時代になって守っていかなければならないという枠組みが整ってきた。そんな中で、環境省もやるべきこと、自然再生推進法もそうですけれども、今回の生物多様性保全活動促進法案等々も含めてこれからやっていかなければならないと思います。 個々の開発事業につきましては、それぞれの自治体あるいは各省庁がそれぞれ考えていかなければならない問題だというふうに思っております。
○市田忠義君 長々とお話しになりましたけれども、私が言いたかったのは、開発一般に共産党は反対じゃないんです。環境に大きな影響を与えるような開発については環境省としては厳しい態度で臨むのかどうかということを聞いたんです。厳しい態度で臨むなら臨むとお答えになればよかった。 今のは、全体の含意としては、環境に大きな影響を与えるような開発は厳しい姿勢で臨むと、そう理解していいですね。それはイエスかノーかだけでいいです。
○国務大臣(松本龍君) 環境省がやる影響評価というのは規模の大きいもの等々、そういうものということで私は理解しておりますので、それぞれ地域でいろいろ御検討いただくということが地方分権の筋だというふうに思います。
○市田忠義君 こんなときだけ地方分権と言ったら駄目ですよ。環境を破壊するような開発については、環境省としてはやっぱり厳格な態度で臨むというのは当たり前な話なんですよ。 具体的な話に移ります、もう時間がありませんから。 COP10の開催地となった愛知県でも生物多様性の保全をめぐって大きな問題が現に起こっています。豊田市と岡崎市の間に広がる地域に計画されているトヨタ自動車テストコースの問題です。 この計画の総面積は幾らですか。
○政府参考人(鈴木正規君) 事業地面積が約六百六十ヘクタール、うち改変区域の面積が、当初四百十ヘクタールだったところを見直しが行われまして現時点では約二百七十ヘクタールというふうに伺っております。
○市田忠義君 六百六十ヘクタールですから、東京ドーム百四十一個分です。皇居の約六倍です。今、実際にはもっと減ったと、当初はこうだったけどとおっしゃったけど、量的な面だけじゃないと思うんですね。質的な環境の面で、例えば斜面林や水田や水路はどうなっているのかということも非常に私は大事だと思うんですけれども。 お聞きしますが、開発予定地内で確認されている主な絶滅危惧種、どういうものがあるか、名前だけ述べてください。
○政府参考人(鈴木正規君) 愛知県企業庁が実施しました環境影響評価による調査によるものでございますけれども、鳥類ではサギ科のミゾゴイ、それから猛禽類のサシバ、それから魚類ではホトケドジョウ等が確認されているというふうに伺っています。
○市田忠義君 ミゾゴイの希少性について述べてください。
○政府参考人(鈴木正規君) ミゾゴイについては、個体数が千羽未満という報告もございますけれども、まだちょっと十分把握されていない部分もございます。主にフィリピン、台湾等から飛来しまして、本州、四国、九州、伊豆諸島等で、主に日本で繁殖するというふうに言われております。現在、環境省のレッドリストでは絶滅危惧ⅠB類ということでございます。
○市田忠義君 こういう巨大な面積の開発計画、しかもCOP10で日本政府はSATOYAMAイニシアティブを発信したわけですけれども、多くの絶滅危惧種の存在が確認されている、そういう里地里山を開発する計画です。COP10では、二〇二〇年までに生物多様性の損失を止めるための効果的な緊急の行動を取るということが合意されました。 そういう状況の下で、東京ドーム百四十一個分ぐらいのこれだけの広大な規模、こういう地域での開発計画が進められていることについて大臣としてはどういうふうにお考えでしょうか。基本的な認識だけで結構です。
○政府参考人(鈴木正規君) ちょっとまず事実関係だけを申し上げますと、先ほどからもございましたけれども、本事業は国の法アセスの対象ではなくて、愛知県の環境影響評価条例に基づく評価が行われるということだと思っております。 私どもの基本的な一般的なこれまでの御答弁繰り返して申し訳ないんですが、開発行為というのは必ずどこかで何らかの環境影響が出てくるということでございますので、こうした評価条例等の運用に当たっては、出てきた影響をできるだけ小さくするように対応していただきたいというのが環境省の基本的な考え方でございます。
○国務大臣(松本龍君) 繰り返しになりますけれども、愛知県が様々な影響評価というものをされたというふうに認識しておりますし、私の町でも隣の町でも開発行為が行われています。 そこは、条例あるいは都市計画法あるいは様々な法律の中で、止めることあるいはやめること、いろんなことはできると思いますけれども、アセスというのは環境にどれだけ影響するのかということをやる。そういう意味では、本件については地域の、繰り返しますが、地域の自然の状況を把握している愛知県によって適切な判断がなされているものと思料しておりますし、今自然局長が言われましたように、いわゆる環境省のアセスの対象外であるということで大臣は関与できないということになっております。 いずれにしろ、何らかの開発行為を行えば自然環境に対して一定の影響が避けられないので、事業者である愛知県において地域の実情を踏まえて環境アセスメントに基づき環境保全上の配慮を十分に行っていただくことが重要だと思っております。
○市田忠義君 じゃ、これは愛知県とトヨタ任せでいくと、環境省は関知しないと、こういうことですか。
○政府参考人(鈴木正規君) 繰り返しで恐縮でございますが、本事業につきましては条例に基づきます評価が行われておりますので、地元の愛知県等によりますきちんとした対応がなされるということを期待しているところでございます。
○市田忠義君 その報告を求めて、環境省として重大な問題があるという場合に助言もするつもりも一切ないと、こういうことですか。もう愛知に任せている、愛知がちゃんと環境保護やっているんだから、それはもう地元に任せるんだと、それが地域主権だというのが考え方ですか。
○政府参考人(鈴木正規君) 先ほどから申し上げてちょっと恐縮なんでございますが、制度がそのようにできているということでございます。
○市田忠義君 そんなことは分かっていますよ。重大な環境破壊のおそれがあると判断したときに、環境省は愛知県だけに任せて指くわえて見ていると、そういうことですか。制度がこうなっているんだと、まさに官僚答弁じゃないですか、それは。いかがですか。 官僚がそういう答弁するんだったら、ほかが答弁してくださいよ。
○政府参考人(鈴木正規君) 先ほどから繰り返しになって恐縮なんでございますが、地元においても、愛知県等が地元とのお話合いも続けておられるというふうに伺っておりまして、きちんとした対応がなされるのではないかというふうに期待しているところでございます。
○市田忠義君 地元の話合いの様子、つかんでおられますか。
○政府参考人(鈴木正規君) 個々の話は、先ほどから申し上げていますように、愛知県の評価でございますので、私どもが一々聴取するという性格ではありませんけれども、愛知県の方から時々お話を伺うことがあるということでございます。
○市田忠義君 COP10が行われた愛知県で、しかも東京ドームの百四十一倍もあるようなきれいな森を開発して自動車のテストコースを造ると。しかも質問通告はしてあるわけだから、環境省だったら、これが今現地でどういう問題になっているか、どういう話合いが行われているかの概要ぐらいはつかんでおくのが当たり前の話だというふうに私は思うんです。 日本経団連は生物多様性宣言で企業の社会的責任の決意を示して、トヨタは地球環境憲章、生物多様性ガイドラインを掲げて、環境を経営の最重要課題の一つと位置付けると、こう述べています。改変面積を縮小したといっても、先ほど言ったように二百七十ヘクタールです。直接改変するエリアはもちろん、周辺環境への影響も非常に大きいんです。これ、私はトヨタが掲げていることと実際やっていることが矛盾しているんじゃないかと思うんです。 また、計画地の八割が一致する豊田市、ここでは〇九年度だけで用地買収や開発手続支援のために専任の職員体制を取って支援をして、その人件費として一億円以上充てていると。一企業の開発計画にこれだけ地方自治体を巻き込んで市民の税金投入して、生物多様性豊かな里地里山を破壊する危険性がある、これ許されないと思いませんか。抜本的に見直すべきだというふうに思いませんか。権限の問題を聞いているんじゃないんです。こういう事態が起こっていることについて、何がSATOYAMAイニシアティブかと、言葉が泣くよということが言いたいんです。
○政府参考人(鈴木正規君) 今お話がございましたように、愛知県は地球博もやられて、また今回もCOP10の開催について随分御支援をいただいたわけですけれども、私ども、県と話していますと、この件で話したわけではございませんけれども、基本的に自然環境の保全ということについては大変意を用いられている自治体だなというふうに伺っております。そうした県が実際鳥類の専門家なども入れられていろいろな検討会もされ、また地元とも話をされているということでございますので、きちんとした成果が、あるいは結果が出されるんではないかというふうに期待しているところでございます。
○市田忠義君 時間がないからこれ以上言いませんが、鳥類の研究家はいろんな異論を唱えていますよ。日本野鳥の会もこの市の説明会でもいろんな意見を述べているということぐらいは環境省は御存じの、私、はずだというふうに思うんです。 時間がないからもう締めくくりにしますけれども、この事業計画においても動植物などの情報の整備が大変遅れているということが問題になりました。今年五月に発表された生物多様性総合評価報告書においても、今後の課題として、生物多様性に関する観測の充実、データの充実、公開性、利用の容易さの向上などが列挙されています。これまでの延長線上ではない情報の蓄積と、いつでもだれでも活用できるような仕組みづくり、これは国が責任を持って、これは国の権限でやれると思うんです。いかがですか、大臣。
○政府参考人(鈴木正規君) 済みません、ちょっと聞き漏らしたんですが。
○市田忠義君 もう一度言いましょうか。生物多様性総合評価報告書において、今後の課題として、生物多様性に関する観測の充実、データの充実、公開性、利用の容易さの向上などに努めると列挙されているんです。これまでの延長線上ではない情報の蓄積と、いつでもだれでも活用できるような仕組みづくりについては国が責任を持ってやるべきじゃないかと。それについての基本的考え方を聞いているんです。
○政府参考人(鈴木正規君) これまでも基礎調査等いろいろな形で国も調査しておりますので、そうした調査結果については国民の皆様にできるだけ分かりやすい形で手が届くようにしていきたいというふうに思っております。
○市田忠義君 ようやく唯一前向きの答弁がありましたが。 最後に大臣に聞いて終わります。 COP10の会場では様々な団体が取組の展示をしていて、その中にトヨタ自動車テストコースを含む流域の地図がありました。伊勢・三河湾流域だけで六十三か所もの環境課題がある場所が印してありました。この中には、さきの国会で私が質問した設楽ダムや、藤前干潟、中部国際空港島などがあります。一つ一つの開発計画、事業の影響が深刻であると同時に、流域全体、地域全体への影響がどうかという問題があります。 生物多様性の保全といった場合に、種の保存法の抜本改正も含めて、地域全体、流域全体でとらえると。そういう重要性を踏まえて、例えば保護区の設定とか保全計画を立てるべきだというふうに思うんですが、この点については、大臣、どんなふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(鈴木正規君) 種の保存法のお話が出ましたけれども、こうしたことにつきましても、その法律の執行状況を見ながら適宜見直していく必要があるものについてはやっていきたいというふうに思っております。
○国務大臣(松本龍君) いろいろお話をいただいてありがとうございます。 今、レッドリストの問題、あるいは先ほど加藤先生、データをもっと集めろよという話、いろんなお話が今日は出てまいりました。そういう意味では、COP10もあったことですし、そういう意味では、愛知目標、名古屋ターゲットという名前が付きました。そういう意味では、これから環境省も様々な問題、取り組んでいきたいというふうに思っております。
○市田忠義君 終わります。
○亀井亜紀子君 国民新党の亀井亜紀子でございます。 質問に先立ちまして、まず、COP10におきまして名古屋議定書の採択にまでこぎ着けたこと、それまでに至る松本大臣始め関係者の皆様の御努力に対しまして敬意を表したいと思います。 では初めに、COP10で表明された日本の支援約千六百三十億円、今後三年間で二十億ドルの支出ということでございますけれども、この点について質問させていただきます。 前回の委員会のときに、私は、元々環境省の方で予算を計上しておられた五年間で五十億円の生物多様性日本基金について質問をいたしました。そしてそのときに、昨年の事業仕分のときにどうしてもこの五十億円だけは確保したいと、毎年十億円ずつ五年間ということでおっしゃっていましたけれども、それならば五年間で五十億円と少し大きく見せて交渉を有利に進められてはいかがですかという提案をしたんですけれども、そうしましたら、二十七日に突然、菅総理が五十億円をはるかに上回る千六百三十億円という金額が出てまいりましたので、正直申し上げて驚きました。 この拠出金が今回の議定書採択においてどの程度の効果があったのか。これは印象で構いませんけれども、やはりこれが局面を変えることになったのかということ。 それから、具体的な中身ですけれども、この千六百三十億円に当初の生物多様性日本基金五十億円というのは含まれるのでしょうか。それとも、千六百三十足す五十なのか。あるいは、この五十億というのは五年間で五十億、一方で千六百三十億というのは三年間で千六百三十億円ですので、例えば三十億円は含まれて残りの二十億は環境省から出るのか。どのような内訳になるのでしょうか。
○大臣政務官(山花郁夫君) この千六百三十億円ということについてですけれども、千六百三十億円というか、二十億ドルという形で提示をして、どれぐらいのそれがインパクトがあったという話については、恐らく環境大臣の方からお答えいただく方が適切かと思いますけれども、ただ、事務ベースでの交渉の中では、各国の交渉担当官からは非常に高く評価していただいたと外務省としては承知をいたしております。 その上で、お金の話ですけれども、その千六百三十億に例えばプラスして五年間で五十億という形かどうかということなんですけれども、これにつきましては、この二十億ドルのイニシアティブの中に、端的に申し上げますと、その中で、もし生物多様性日本基金から拠出されるんだとするとその千六百三十億の中に入っているという理解で、それにプラスして十億とか五十億が積んでいって千六百三十が千六百四十になったりとか、あるいは五年分で千六百八十になったりということではなくて、このイニシアティブの中に入っているというふうに御理解ください。
○亀井亜紀子君 それでは伺いますけれども、先日、特別会計の事業仕分をやった関係で、やはりどうしても財源のことがすぐ頭に浮かんでしまいます。一国民としての受け止め方なんですけれども、やはり政府で一般会計に予算がない、厳しい厳しいといって削っているところで、一方で国際会議でどんと大きな援助額が表明されると、一体それはどこから出てくるのだろうという印象を持つだろうと思います。 今回のこの約二十億ドルの財源というのは、恐らく財政投融資特別会計、ここからJBIC、日本政策金融公庫、国際協力銀行などにまず拠出をして円借款ですとかそういう形で拠出をされるのだろうと私は思いますけれども、財源はどこになるのでしょうか。また、どの国のどの分野に支出をするという具体的なイメージがあってのこの金額なのでしょうか。また、全額拠出をせずに余る可能性はあるのでしょうか。
○大臣政務官(山花郁夫君) まず、少しお金の話で是非御理解いただきたいことがあるんですけれども、確かに今国の財政状況が厳しい中で、いろいろな支援でちょっとびっくりするようなというお話がございましたけれども、ただ、今多くの国のコンセンサスとしては、大体、例えばODAに使うお金というのは対GDP比の〇・七%ぐらいは各国出そうよというのがコンセンサスになっているんですけれども、実は日本というのは〇・一八しか出しておりませんで、先進国のコンセンサスからすると四分の一ぐらいという非常にちょっと残念な、我々としては、中でぎりぎりのところでやっているということをまず前提としてちょっと御理解、この機会にいただければとお願いをしたいと思います。 その上で、財源の中身についてですけれども、財政投融資特別会計から例えばJBICを介してということがあるのかという御質問ですけれども、現時点で想定している支援内容にJBICを介してというものは存在をしておりません。 また、具体的な、どの国のどの分野にというお話でしたけれども、御案内のことかもしれませんけれども、こうした円借款も含めて、あるいは無償の資金協力だとか技術協力などなど、いろんなメニューがあるんですけれども、それは要請に基づいて二国間でやるものとマルチのものとありますけれども、要請に基づいてやるものでありますので、今の時点で具体的にこの国、この国という形での想定はいたしていません。 ただ、例えば、特定の国というのはありませんけれども、具体的な例としては、例えば植林事業のために円借款をする、森林保全に必要な機材の整備のための無償資金協力をして、かつその保全地域の管理手法に関する専門家の派遣をするというような技術協力であるとか、これは多分環境省の方が詳しいかもしれませんけれども、例えば国立公園って、日本の国立公園というのは割とよく管理されているんですけれども、外国に行くと、国立公園とか国定公園と指定されているところにもかかわらず、よく見ると何か畑ができていたりとか、勝手に木材を搬出しちゃっている、そういう国もあったりするんで、そういったことに対する技術協力であるとか、そういったメニューを考えております。 もう一点御質問があったのが、全額拠出せずに余る可能性があるのかということなんですけれども、これは論理的には、申請があってそれに対してコミットメントの中で二国間なりマルチの交渉をしますので、申請がなければ論理的には確かに余る可能性はあるんでしょうけれども、ただ、実際はニーズの方がはるかに、先ほどのODAの〇・七ポイントの話じゃないですけれども、ニーズはたくさんありますから、恐らく実務的には余るというような可能性はないのではないかと私どもとしては考えております。
○亀井亜紀子君 ODAにつきましては私はむしろ増やすべきだと思っている方ですので、この金額がどうのということじゃないんです。ただ、いろいろ特別会計なども見てきた中で、どこに財源があるだろうか、どこから出せるだろうかということを考えておりまして、その意味での質問でございます。 それでは、この約二十億ドルの拠出金の影響で他のODAの分野の拠出が減額をされる可能性というのはあるのでしょうか。 それからもう一つ、財源ですけれども、外国為替資金特別会計、いわゆる外為特会の剰余金、これを一部一般会計に繰り入れたりもしてきたわけですけれども、このドル資産を運用することによる剰余金をドルのまま使うということの可能性を私は探っていただきたいと思っております。 今、現時点では、この剰余金に対して、マーケットで交換するとまた為替に影響が出てしまうので、政府短期証券をまたその裏で発行するというようなことになっておりますので、できるだけドル資産でできた利益をドルでODAなどに活用できないのだろうかと考えております。この点についても御見解があれば伺いたいと思います。
○大臣政務官(山花郁夫君) まず、今回の二十億ドルの支出をすることによってほかのODAの予算に影響があるのではないかという御質問ですけれども、今般表明した支援というのは、大体ODAの支出のトレンドを見た上で、今後の二〇一〇年目標の検討状況というのを踏まえて、今後の我が国の生物多様性保全に関する支援の在り方について新しく整理してイニシアティブとしてまとめたものでありまして、という答弁ぶりだとちょっと分かりづらいかもしれませんけれども。ある意味、メニューとしてばらばらだった、だから既にある程度進行中で計画されていたものなんかについても、このイニシアティブとしてまとめないとなかなか目に見えてこなかったものをまとめたものなども存在いたしておりますので、つまり、批判的な論調で書かれた新聞なんかは既存のものの寄せ集めしただけじゃないかみたいなこと書かれたことがありますけれども、ある意味ばらばらで分かりづらかったものをまとめたいということもありまして、その中で、あと、これから今後の先の見通し、三年、二〇一二年までということですから、その大体トレンドの中で算出をしたものでありますので、ODAの予算全体の中からの、途上国からの要望だとかニーズだとか我が国の支援実施能力も踏まえて、そのバランスの中で決定いたしましたので、今の時点での見通しでいうと、これをやるからほかのが削られるという関係にはないものと思っております。また、先のことですので、予算の獲得については関係省庁にお願いをする立場でございます。 また、外為の剰余金については、一つのアイデアとは存じますけれども、これちょっと、そこのところを外務省として手当てするという立場にはございませんので、ちょっとその部分については答弁を控えさせていただきたいと思います。
○亀井亜紀子君 是非、財務省との話合いの中で前向きな方向に話が進みますよう、よろしくお願いを申し上げます。 それでは、他の質問に移らせていただきます。 特定外来生物についての質問でございます。田んぼに現れるカミツキガメですとか、あるいはアライグマは寺や寺院に生息して器物を損壊していたり、ワニがどこかに出現したり、いろいろな事件が起きております。ですので、この特定外来生物というのは、私、非常に関心が高いんですけれども、調べましたら、二〇〇六年六月一日施行で特定外来生物法というのがもうできておりまして、これによってペットの輸入は規制をされております。けれども、この法律以前に輸入されたペットというのは飼育することができるのでしょうし、また飼い切れなくなってどこかに捨てるということが発生しているのだと思います。 この法律ができたことによる効果、また、何らかの特定外来生物が減少するような方向に向かっているのかどうか、現状を教えていただけますか。
○政府参考人(鈴木正規君) 外来生物法の施行時に既に飼われていたものであっても、それを野に放すとかそういう行為は違法行為になっておりますので、そういうのは取締りの対象になるということでございます。 ただ、いずれにしましても、特定外来生物の指定とかそういうことについては、どのぐらい侵略的であるかどうかという点も含めまして、よく見直しを図りながら、必要な見直しを図っていきたいというふうに思っております。
○亀井亜紀子君 ただ、実際に、確かに飼育していたものを捨てて、その現場を取り押さえられれば罰則も適用されるでしょうけれども、実際にはこっそり捨てるわけですから、なかなか取り締まることは難しいのではないかと思います。 そこで、特定外来生物の駆除についてお伺いしますけれども、私は琵琶湖のブラックバスに大変興味を持っております。これは国会議員になる前ですけれども、国際交流事業で外国人の青年を連れて琵琶湖に行きました。そのときに、琵琶湖は世界でも非常に古い、五つか十の指に入るくらい古い淡水湖で、大きくて、日本古来の生物がたくさんすんでいる。それなのに、このブラックバスを放したおかげで日本古来の種の稚魚をみんなのみ込んでしまう、何とばかなことをしたものだと。当時、イギリスから来た研究者が一生懸命日本の古来の種を守ろうとしておりまして、その説明を伺ったことが今でも非常によく覚えているんです。 それで、今回いろいろと調べましたら、COP10の正式サイドイベントで、琵琶湖のブラックバスを使ったフィッシュバーガー、バスバーガーが提供されたとありました。環境省自然環境局野生生物課外来生物対策室が主催した「食べて考える、外来種ワークショップ」「日本の外来種問題とその対応」とありますけれども、二十日と二十一日に一日百食ずつこのバスバーガーが振る舞われたそうですが、評判などはいかがでしたでしょうか。どなたか試食はされたのでしょうか。
○国務大臣(松本龍君) 残念ながら食べていません。 今、外来種のお話ですけれども、私たちの子供のころはザリガニとかセイタカアワダチソウとかいっぱいいて、侵略的なものはやっぱり排除していかなければならないというふうに思っています。 今度のCOP10はサイドイベントが本当に豊富で、行かれた皆さんもお分かりだと思いますけれども、NGOの皆さん、あるいは子供たち、若い人たちが活動されておりました。私は、二十六日から七、八、九と行って、弁当、弁当、カップめん、カレーライスという昼飯で、バスバーガー、頼んだけれども売り切れて駄目でした。多分、食べたかどうか、副大臣に聞いてください。
○副大臣(近藤昭一君) 済みません、私もちょっとバスバーガー食べてないものですからちょっと味の評価はできないんですけれども、聞いたところで、サイドイベントとしての評価ということでお答えをさせていただきたいと思いますが、十月の二十日と二十一日に国際会議場内において行われたと、我が国の外来生物法の仕組みや外来生物対策の取組を国内外に発信するために行われたということであります。 そして、その中でバスバーガーが、琵琶湖産の特定外来生物オオクチバスということで用いられて、捕獲した外来種を有効に活用する事例の一つとして紹介されたということであります。用意した百食が足りなくなるほどの盛況ぶりだったとは聞いておりますけれども、食べた方から間接的に聞きましたけれども、淡泊でおいしいと非常に好評であったと聞いておるわけであります。 また、海外からの参加者から、外来生物法の制定や同法に基づく侵略的なペットの輸入規制など、COP10で議論された内容を含む我が国の先進的な取組についていろいろと質問があったというふうに聞いております。その意味で非常に発信力のあるイベントであったと承知しております。 今回の取組が各国における外来種対策、まあ外来種対策、日本もまだまだしっかりと取り組んでいかなくてはならないわけでありますが、こうした外来種対策として法律を持っている国は決して多くはないということでございまして、こうした取組が世界的にも広がる、推進につながることということで期待をしているところであります。 ありがとうございます。
○亀井亜紀子君 このバスバーガーというのは県立琵琶湖博物館の館内のレストラン「にほのうみ」でふだん提供されているようですが、実は県の駆除が大分進んでしまって、ブラックバスが少ないそうです。それで夏季限定のメニューになっているそうなんですけれども。元々は駆除を急いで行ったのでしょうけれども、やはり駆除というのは廃棄物になっていくわけですから、現在ブラックバスは飼料などに使われているようですけれども、それがリサイクルできるのであれば、その方が良い方法ではないかと私は思います。 このブラックバスバーガー以外に、私はペットフードなどもどうだろうかと思ったんです。それでまた調べましたら、この琵琶湖の沖島と読むんでしょうか、ここでブラックバスなど外来魚を原料にしたペットフードを開発したとあります。 ですので、地元でもそういう取組が始まっているようなんですが、やはりこういった取組、私は推進していただきたいと思っておりますので、県の駆除とのバランスですね、もしこういった商品にニーズがあるのでしたらば、県の駆除の量を少し少なくして、こういう地元のいわゆる活性化、もしかしたら雇用も生み出すかもしれませんし、そうした方向に転換する手助けのようなことをしていただけると有り難いと思いますけれども、いかがでしょうか。大体年四百から五百トン、このブラックバス、駆除されているそうでございます。御見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(鈴木正規君) 御指摘のとおり駆除した後をどうするかというのは結構大変でございまして、そのことについていい事例がありましたら是非、多くの方に知っていただくというのは重要でございますので、優良事例の一つとしてまた皆さんにも御紹介していくという形で広報していきたいというふうに思います。
○亀井亜紀子君 今回のバスバーガーなどは面白い事例だと思って紹介させていただきました。 それでは、今回の法律案についての質問をさせていただきます。 この法律案の第四条の四と五についてお伺いをいたします。 地域連携保全活動の推進について書かれておりまして、その地域の特定非営利活動法人が市町村に対して地域連携保全活動計画の案の作成を提案することができるとあります。けれども、五の方で、その地域連携保全活動計画の案を作成する必要がないと判断したときは、その旨及びその理由を、当該提案をした特定非営利活動法人等に通知するよう努めなければならないこととすることと、努めなければならないという表現なのですけれども、これを義務付けなかったのはなぜでしょうか。この場合は、幾らそのNPOが提案をしても無回答ということがあり得るのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○大臣政務官(樋高剛君) 法案につきまして触れていただきましてありがとうございます。誠に鋭い御質問をいただいたと思っているところでございます。 今、亀井先生おっしゃったような書きぶりになっているわけでありますけれども、NPOなどの団体がある地域におきまして生物多様性を保全する活動を実施したいという場合におきまして、積極的な参加を促していくという意味におきまして、NPOなどが市町村に提案をすることができる旨規定をされているわけでございます。 この提案に対する市町村の応答、お答えにつきましては、地域主権改革の趣旨にのっとり、地方自治体に対する義務付けはできるだけ避けるべきという観点から、努力義務として規定がされているところでございます。 努力義務ではありますけれども、法律に基づく提案がなされた以上、市町村においては十分かつ真摯な検討が行われて何らかの回答がなされるものと考えています。つまり、市町村の自主的判断ではありますけれども、この法案の精神に従って、市町村におきましては誠実な対応がなされるものと期待をしているところでございます。 ありがとうございます。
○亀井亜紀子君 もう少し積極的に環境省にはかかわっていただきたいなと思います。 先ほど中川委員の質問にもありましたけれども、この法律があるのとないのとどう違うのだろうかというか、あってもなくても余り変わらない法律は作りたくないということを、御発言がありましたけれども、私もこれ読みまして、どう違ってくるのだろうかと考えてしまったので、その点積極的なかかわりを持っていただきたいとお願い申し上げます。 具体的な例といたしまして、例えば、私は泡瀬干潟のことを思い出しました。泡瀬干潟に関して地元でも反対運動がある一方、やはり地元で公共事業が欲しいということで計画の推進を訴える人たちもいるわけですけれども、仮にこの地域のNPOが、じゃ、沖縄市に対して地域連携保全活動計画の案を提案したとして、それに対して市が無回答ということがあり得るんじゃないかと思ったんですけれども、どのような御見解でしょうか。 また、この計画について、泡瀬の計画について、環境省としてはどのようにお考えでいらっしゃいますか。
○政府参考人(鈴木正規君) 泡瀬の事業につきましては、沖縄県が環境面から審査を行いまして、知事意見によって事後調査を含む必要な環境保全措置の実施を求めているということで承知しております。 今、沖縄市の方は、非常に、泡瀬の今の埋立地というのは湾内の真ん中のところに埋立地があって、周辺のところ、貴重な動物がいるところなどはまだ残っているということで、市の方も更なる埋立ての方については基本的に今考えていないみたいなお話もあるようでございます。 したがいまして、今の仮定のお話であれなんですけれども、NPO等がこうした今回の法律に基づいていろいろな御提案があれば、きっと沖縄市の方では真摯に対応されるんではないかなというふうに思います。
○亀井亜紀子君 それを市任せではなくて、やはり環境保護という観点から、もう少し環境省に積極的にかかわっていただきたいと私は強く要望をしたいと思います。 それでは最後の質問に移ります。 これも法律案の中の文言でありますけれども、地域連携保全活動支援センターについて質問いたします。 地域連携保全活動の拠点として地方自治体、市町村などがセンターを設けるというようなことでございますけれども、何となくこのイメージが浮かびません。一方で、環境省の出先機関として、富士吉田に生物多様性センター、それから全国に地方環境事務所がございます。 この地方環境事務所というのは一体、人員、体制はどの程度で、何をしているのでしょうか。そして、この生物多様性センター、富士にある、ここはどんな施設なのでしょうか。こういった環境省の機関がむしろこういった保全活動の中核的役割を担うべきではないかとも思うんですけれども、こういった地方環境事務所と、あと地方公共団体の連携についてもお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(鈴木正規君) 地方環境事務所は、約六割の仕事が国立公園の管理の仕事をしております。出先の下に約八十か所ぐらいの保護官事務所を持っておりまして、大体保護官事務所には一人とか二人ぐらいの保護官が配置されて、それぞれの国立公園の許認可等の対応をするということで、現場で実際、どういう工作物を造った場合には許可しどういう場合には許可しないというのを判定していくような仕事が、実はこの出先の仕事の約六割は国立公園の仕事をしております。 あとの残りのうちかなりの部分は、廃棄物につきまして輸出入のバーゼル条約というのがございまして、ごみの輸出入については許認可を国がしなきゃいけないということになっていますので、そのチェックをしているというようなことでございまして、現場に非常に近い仕事をしているというのが今の出先機関の現状でございます。 あと、他方で生物多様性センターの方は、これは全国の基礎調査の拠点で、どのような植生で国土がつくられているかとか、生物多様性の現況はどうなっているかというふうな調査の拠点であるとともに、剥製も含めていろんな標本等を集めて生物多様性の資料を収集しているというふうな場所でございます。 それで、長くなって恐縮でございますが、御質問の地域連携保全活動支援センターということなんですが、これは実は、実際の活動をしようというNGOの方、それから自分の土地を提供して、そういうふうなフィールドを提供してもいいと思っておられる地主の方、それから企業の中には社会貢献としてそうしたNGOの活動を一定のものについては応援してもいいよという考えをお持ちの企業もございます。そういう言わばスポンサーの方のそれぞれのニーズをうまく組み合わせてコーディネートするという仕事はなかなか市町村では難しいのではないかということで、都道府県にお願いできればなというふうに思っておりまして、その都道府県の組織は既存のいろんな組織が考えられるんじゃないかなと思っております。それは特定の形ではなくて、それぞれ御工夫いただいてやっていただけないかなと。もちろん環境省としましても、そうした全体の各都道府県を超えたような話もございますので、そういうことについては環境省がサポートしていくというふうな形で応援したいというふうに思っております。
○亀井亜紀子君 以上です。終わります。
○水野賢一君 みんなの党の水野賢一です。 今審議している法案は、環境省の方では里地里山法というように通称もしていらっしゃるようですし、確かに今政府の方は、里地里山というような二次的な自然の大切さということを随分力説していらっしゃるというふうに思います。確かに、自然を守るとか生物の多様性を守るというふうに言ったときに、原生的な自然を守るのは、これは昔から当然のこととして挙げられていたわけですが、その原生的な自然を乱開発とか人間の手による破壊から守っていくということは、これは古典的な非常に環境を守るということだったんですが、それに加えて、一方、里地里山のような二次的な自然にも豊かな生態系があるわけだし、これは、逆にかえって人間の手を適切な形で入れていかなければより良い生態系が守れないという、そういう考え方があるというふうに思いますし、その部分が今までどちらかというと法律の整備でも手薄だったということで今回こういうような、その適切な手入れみたいな、人間による手入れみたいなものを後押しするということでこの法律が出てきたと思うんですが、その趣旨はよく分かるんですけれども、法文を見ますと、例えば里地里山とか二次的な自然という言葉そのものは出てこないわけですよね。 そこで、ちょっとお伺いしたいんですが、この法律の中では地域連携保全活動計画というようなものを作っていくことになっていますけれども、これはいわゆる二次的な自然だけが対象なのか、それとも全くの原生林とか若しくは全くの人工林、例えば杉とかヒノキのまさに育成している、そうしたような森林などもこれは対象になり得るのかどうか、大臣にお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(松本龍君) どうも全く同じような思いを私もしておりまして、様々読んでおりました。水野先生は七年前も熱心に環境委員会で頑張っておられたことを今思い出しております。 私はこの法律の名前をすべて一字一句読めと言われたらなかなか難しいんですけれども、生物多様性保全活動促進法案という、いわゆる里地里山、里山里地法案というふうに言われておりますけれども、ここで言う、二次林という言葉は使っておりませんけれども、昔は薪炭林というと、まき、炭の薪炭林とか農用林とかいう言葉が里山になって、それが人の手が加えられた二次林という言葉になったというふうに思っておりますけれども、いずれにしても、生態系に被害を及ぼす動植物の防除、生物の多様性を保全するために欠くことのできない野生動植物の保護増殖、生態系の状況を把握するための調査などが地域連携保全活動だと思いますし、この法案では二次的自然、里地里山のような、おっしゃったような人間の手が加わってつくられた自然環境のみを対象とするものではなくて、いわゆる先生さっきおっしゃった原生林や人工林での活動についても対象になり得るものと考えております。
○水野賢一君 これは参考人で結構なんですけど、この法律の四条に、地域連携保全活動計画というのは区域定めるというふうに書いてありますよね。この区域というのは、別に国有地だろうと公有地だろうと私有地だろうと全部対象になり得るわけですか。
○政府参考人(鈴木正規君) おっしゃるとおり、すべて対象になります。
○水野賢一君 こういう森林の、別に森林だけじゃないですけれども、森林などの話になると、言葉も非常に定義がややこしかったりとかするのがあって、例えば天然林に対して人工林だとか、育成林と天然生林という言葉が使い分けられたり、若しくは二次林とか自然林とかいろんな用語が使われてきて、それぞれ定義があるんでしょうけど、これは政府としては、じゃこれは林野庁に聞いた方がいいのかもしれませんけど、こうした用語はどういうふうに定義付けて使っていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(皆川芳嗣君) 今委員御指摘の人工林と天然林ということについては、まず森林の生い立ちに着目した概念でございます。ですから、いわゆる天然林といいますと、地面に種子がおっこちまして、自然にそこから植生が出てきたということでございますし、人工林の場合は、人間の手で植えるという行為があるということでございます。 それから、育成林と天然生林という定義もございますが、これは森林がその後、成長過程全般を通じて、いわゆる人為がどの程度入ったかということに着目した概念でございます。そういう意味では、天然林であっても、例えば若い木を育てるために少し除伐をしたとかということになれば、それは人為が加わりますので育成林ということになるわけでございますし、また一方、天然生林ということになりますと、天然林のうちでいわゆる人間の営為が加わってずっとこないというような形のものを言っております。これは、私ども農林水産省の方での定義ということになろうかと思います。
○水野賢一君 今のを伺うと、大体、人工林と天然林が対になる概念で、育成林と天然生林が対になる概念なのかなというようなイメージを持ちますけど、ほかにも自然林とか二次林という言葉もあったりすると思うんですが、これは環境省に聞いた方がいいんでしょうか、どうでしょうか。
○政府参考人(鈴木正規君) この概念、自然環境保全基礎調査で使っている概念でございますが、自然林というのは、人為の影響が少なくて、樹種などの構成が安定した、遷移が終わった段階の林、森林のことを言いまして、二次林は、伐採など人為変化や火山噴火などによる火災などによって安定した自然林に移行期と思われるような林のことを二次林と呼ぶというふうにしております。
○水野賢一君 さて、この生物多様性に悪影響を与えるものというのは、やはり乱開発みたいなものもあれば、若しくは里地里山の場合、かえって荒れちゃうことが多様性に悪影響ということもあるんでしょうが、やはりそれに加えて、先ほども質問にもありましたけれども、外来生物、特に侵略的外来生物というのの問題も指摘をされます。 五年前に特定外来生物被害防止法ができて、その後もどの種を特定外来生物に指定するんだということで、数年前にもオオクチバスを指定するのかどうかで結構大論争が、ブラックバス、ブルーギル問題が大論争になったこともありますけれども、今九十七種類が政令で指定されているというふうに認識していますけれども。 それで、指定されると、必要があるときには防除することができる。特にこれは特定外来生物被害防止法では十一条で、主務大臣等による防除というのが十一条の方では規定していますよね。これが実施された例というのはどのぐらいあるんでしょうか。
○政府参考人(鈴木正規君) 種類は、今おっしゃられました九十七種類のうち八十三種類で防除を行っておりまして、環境省がやっております主な防除としましては、奄美、沖縄等におきますジャワマングースとか、あるいは小笠原国立公園におけますグリーンアノールとか、西表国立公園におけるオオヒキガエル、こういうふうなものが防除の対象にしております。
○水野賢一君 一方で、この主務大臣等による防除じゃなくて、地方公共団体による防除というのも十八条で規定されていますよね。この例はどのぐらいありますか。
○政府参考人(鈴木正規君) これは、これにつきましても、平成二十一年度末の件数でございますが、市町村によりますものが三百四十六件、都道府県によりますものが三十六件、主なものはアライグマ、あるいはアメリカミンク、ヌートリア等でございます。
○水野賢一君 こうしたときには当然費用負担が掛かるわけで、法律の十六条とか十七条には、原因者がいる場合には原因者に、要は典型的なケースというのは、じゃ、アライグマを野に、まさに野外に放ったような、そういうような場合などで被害が生じたなんていう場合はその典型的なケースなのかもしれませんけど、こういうような場合には原因者に負担を求めることができる、この駆除のための費用を、負担を求めることができることは法律に規定されていますけど、発動された例というのはございますか。
○政府参考人(鈴木正規君) これまでのところ、負担金の徴収が行われた例はございません。といいますのは、ちょっとなかなか特定できなかったということでございます。
○水野賢一君 一方、これは、特定外来生物を無許可で飼育、栽培、保管、運搬、もちろん野外に放つなんていうのは当然のことですけど、そういうようなことをしたときには法律上罰則掛かってきますよね。罰則が適用された例というのはどのぐらいありますでしょうか。
○政府参考人(鈴木正規君) 恐縮ですけれども、検挙数で申し上げさせていただくしか今手元に資料ございませんが、二十一年末までに約四十件検挙されているという状況でございます。
○水野賢一君 さて、これは大臣にお伺いしたいんですが、この特定外来生物被害防止法では、この特定外来生物の定義というのは海外から持ち込まれたものということになっていますよね。そうすると、ところが、侵略的な外来生物になり得るのというのは国内での移動でもあり得て、一番典型的なのは、今年トキが、野生復帰のための訓練をしていたトキが佐渡島でテンに襲われて九羽死亡するというのがありましたけれども、このケースなど、佐渡島には元々テンはいないわけですから、それを本州から持ち込んで、野ウサギの駆除などのために持ち込んだが、それが野ウサギを襲うんじゃなくてトキを襲っちゃったというのがこういうケースでありましたけど、これはトキから見れば明らかな侵略的外来生物の役割を果たしたわけでしょうし。 こういうような場合は、若しくは、例えば今の法律の下だと、例えば北海道に元々いない生物が北海道に持ち込まれたとかという場合は、これはどういう被害をもたらしても法律上には対象にならないというふうに思いますけれども、そういう理解でいいのか、またこの現状のままでいいのか、大臣にちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松本龍君) 大変難しい御指摘でした。 私も、外来種と移入種はどう違うんだということを聞いて、一か月前にある書評を読みまして、アメリカのミミズはほとんどが移入種だというふうに何か書いてあったんですけれども、アメリカのミミズがどこから移入したのかなということも考えたら、かなり外来種と移入種、そして国内での移動ということについてかなり難しい話だというふうに思っております。 さっきのトキを襲ったテンの話も、今の野ウサギを駆除するために佐渡島に持ち込まれたという話は私は知りませんでした。元々日本に生息する生物を国内のほかの地域に導入することに関しては、今おっしゃったとおり外来生物法の規制対象にはなっておりません。例えば、ネズミを駆除するために島嶼に持ち込まれたイタチにより固有の生物が捕食されるとか、あるいは西日本と東日本で発光周期が違う蛍とか、そういうものを交雑することによって遺伝的な多様性が低下をするということで、こうした生物についても慎重に取り扱うべきものと認識しておりまして、自然公園法や自然環境保全法では国立公園などの保護地域において動植物の放出等を規制しているほか、蛍やメダカなどを他地域へ放つことのないよう指導するなど、生態系への悪影響の防止に取り組んでいるところであります。
○水野賢一君 なかなか一朝一夕に解決する問題ではないというふうに思いますけれども、こういう問題意識を踏まえていろいろと検討いただければと思いますが。 ちょっと個別のケースになりますけれども、この特定外来生物の被害防止法で最初に政令で種を指定していくときに、タンカイザリガニというのが、これは滋賀県の高島市の人造湖の淡海湖というところにあるザリガニ、ウチダザリガニの亜種になるんですかね、ですけれども、これが指定をされて、地元ではちょっと結構困惑したということが当時話題になったんですね。というのは、地元ではこのタンカイザリガニはきれいな水でしか生きられない生物として、ですから環境保護のシンボルとしてむしろ保護してきたのに、これが外来生物だということで指定されて駆除される可能性が出てきたということで地元が困惑したということが以前言われていたんですけれども、これ、その後どうなったんでしょうか。
○政府参考人(鈴木正規君) 御指摘のとおり、ウチダザリガニの方は特定外来種ということで指定されておりますので、当然その亜種のタンカイザリガニも物理的にはそういうふうな特定外来種に当たるということになるわけですが、今お話がありました高島市の人造湖の淡海湖というのは今申し上げましたように人造湖でございますので、他に侵略するような種が元々いないということで、そういう意味で問題がないことから防除作業は行われていない、むしろ御指摘にあったようにきちんと保護していくと。他方で、そのタンカイザリガニが淡海湖以外に出ないように注意をしていただいているというふうに聞いております。
○水野賢一君 指定はしたけれども淡海湖においては防除作業には乗り出していないという、そういうことですね。分かりました。 それでは、ちょっと種の保存法関係についても何点かお伺いしたいんですが、種の保存法、正しくは絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律では、国内希少野生動植物種とか国際希少野生動植物種を政令で定めることになっていますけれども、それぞれ何種、若しくは亜種を含めてもいいですけれども、どのぐらいの数を定めていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(鈴木正規君) 国内希少野生動物の方は八十二種、国際希少野生動植物種は六百九十八種類と、こういうことになっております。
○水野賢一君 こちらの種の保存法でも、そうした定められている動植物を勝手に捕獲したりとか輸出入したりとか陳列したりすると罰則が掛かってきますけれども、こちらの方は罰則が適用された例というのはどのぐらいありますか。十二番の質問です。
○政府参考人(鈴木正規君) 同じく検挙者でございますが、過去三年で約二十名の方が検挙されているところでございます。
○水野賢一君 ちょっと通告していたうちの質問、二問飛ばしまして、失礼いたしました。 それで、この種の保存法に関係して、こういう希少な動植物に対しては保護増殖事業計画というのが定められることにもなっていますよね。ところが、この保護増殖事業計画に関しては、トキに関してはこの種の保存法の保護増殖事業計画でまさにトキの保護がされているわけですけれども、コウノトリ、同じように今絶滅が危惧をされてというか野生に、コウノトリは豊岡市などで野生復帰などの試みが進んでいますけれども、コウノトリの方は違う仕組みで同じようなことがなされていると。これはどうしてなんでしょうか。
○大臣政務官(樋高剛君) すばらしい質問をいただきまして、ありがとうございます。 御存じのとおりでありますけれども、環境庁設置以前におきましては、トキもあるいはコウノトリもいずれも文化庁におきまして保護増殖事業を実施してまいりました。昭和四十七年に環境庁が発足をしたことを受けまして、それから三年後であります昭和五十年に文化庁との間におきまして、天然記念物に指定されていた動植物の保護の強化を図るための調整を行ったと。そして、当時はまだ野生下で生息しておりましたトキを含む鳥獣類については環境庁が保護増殖を担うこととなったところでございます。 コウノトリにつきましては、既に野生下での繁殖個体が絶滅していたということでありますし、文化庁が既に人工飼育の取組を開始していたということもございまして、引き続き文化庁が文化財保護法の枠組みによりまして保護増殖を実施することとなったと聞いているところでございます。 その後でありますけれども、コウノトリは平成十七年に、トキは平成二十年にそれぞれ野生復帰の取組が始まっているところでございます。 保護増殖事業を進めるに当たっては文化庁とも情報共有をしておりまして、人と自然との共生する社会づくりのモデルといたしまして、引き続き相互に成果を共有しつつ事業を展開してまいりたいというふうに、このように思っております。
○水野賢一君 要するにこの問題というのは、一方で非常に希少な種であるから種の保存法の対象でもあるんだけれども、同時に特別天然記念物ですから文化財保護法の対象でもあるということで、文化庁にも関係するし環境省にも関係するんで、何か一つずつ分け合ったような印象があるんですよね、お互いの役所同士のメンツみたいな感じで。トキは環境省で所管してコウノトリは文化庁で所管するという、そういう印象もありますが、印象ですから答弁はあえて求めませんけれども、そういうような印象を持つので、どうなのかなという気もしないでもないですが。 さて、前回の質問で、前回一般質疑のときに質問したことについてちょっと繰り返し質問をさせていただきたいと思いますが、大気汚染に関係することですが、前回、大気汚染に関しては公害健康被害補償法で、NOxとかSOxとか大量に排出している事業者は、被害者のぜんそくとか慢性気管支炎とかの被害者のための医療費などの、そのためのお金というので汚染負荷量賦課金を払っているということについて環境保健部長に聞いたんですが、これ改めて、この前お答えいただけなかったので、上位の五社とそれぞれが支払っている金額について、もう文書でいただいていますが、議事録にも残しておくために改めてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(佐藤敏信君) まず、ただいまの委員の御質問の中にもありましたように、前回の委員の御質問と同様の御質問をいただいたわけですが、その際に意を尽くして説明をするということができませんで、結果としては審議に混乱を来してしまいまして、この場を借りて改めて陳謝を申し上げる次第です。 御質問の数字でございますけれども、最新年度でございます平成二十二年度の申告額上位五社です。まず、新日本製鉄株式会社二十八億九千四百八十三万一千八百円、東京電力株式会社二十七億三千五百七万五千九百円、北海道電力株式会社十六億七百九十四万七百円、JX日鉱日石エネルギー株式会社十五億四千四百二十八万九千六百円、JFEスチール株式会社十四億五千二百四十七万九千五百円、以上でございます。
○水野賢一君 今答弁にあったように、新日鉄とか東京電力とかそういう企業が二十億円とか三十億円近いお金を払っている。別に払っているから偉いというのじゃなくて、それだけの大気汚染被害をもたらしたから、それはそれで健康被害を受けた人に対しての補償金ですから当然なんですけれども。 逆に、ここで思うのは、大気汚染というのはもちろん一方でそうやって固定発生源と言われる工場からもたくさんSOxとかNOxとか出ているわけですけれども、一方で自動車排ガスからも大量に出ているわけですよね。自動車メーカーというのはこの中にあるわけなんでしょうか、保健部長で結構です。
○政府参考人(佐藤敏信君) ございます。ばい煙を発生する施設等設置者ということであれば、この中に自動車メーカーも入ってまいります。
○水野賢一君 要するに、例えばトヨタとか日産とかの工場が、それは工場としてもくもく煙を出したりするわけだから、その中にNOxやSOxが入っているということはその意味ではあるんだけれども、一方で個々の自動車の排ガスの影響というのは、その部分に関してはお金を払っていないわけですよね。そういう理解でよろしいですか。
○政府参考人(佐藤敏信君) そのとおりでございます。
○水野賢一君 要するに、それでいいのかという問題があると思うんですよ。 というのは、先ほど申し上げたように、大気汚染というのはもちろん工場の排ガスでも多くの人が被害を受けるのは当然で、だからこそそうやって何十億円というお金をぜんそく被害者や気管支炎の被害者に対してその企業がお金を払うのは当然なんですが、一方、今の公害健康被害補償法では、自動車排ガス、つまり自動車は乗れば必ず排ガス出るわけですから、電気自動車とかじゃない限りは。ところが、自動車メーカーはその自動車に関しての排ガスに関しては全然お金を払っていないわけですね。じゃ、どうなっているかというと、今の仕組みでは自動車重量税でお金を充てているわけですね。つまり税金で充てているわけなんですけれども、これで果たしていいのかというふうに、これは大臣にお伺いしますが、つまり自動車メーカーに対して負担を求めなくてよいのかという問題意識を持ちますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(松本龍君) 今御指摘の汚染負荷量賦課金を支払っていないということでありますけれども、大気汚染によるぜんそく患者への補償は、汚染物質を排出した汚染原因者がその寄与に応じて費用を負担することが基本とした答申を踏まえ、工場、事業所及び自動車ユーザーに負担を求めてきた経緯がございます。 こうした考え方については、制度発足以来、昭和四十九年以来ですけれども、審議会の答申をいただきながら継続してきたものであり、その考え方を変更すべき事情は生じていないと考えております。
○水野賢一君 確かに、昭和四十九年、この法律ができたのは四日市ぜんそくを基にしてこの法律ができているわけですから、それ以降こういう制度で来ているわけなんですけれども。 しかし、自動車はユーザーが使っているから、だからその自動車重量税で充てるんだという発想なんでしょうけれども、しかし、だれがどういう使い方をしても結局排ガスというのは必ず出るわけですよね。出る、もちろんそれは整備不良車よりは整備をちゃんとしている車の方がましだというぐらいの違いはあるかもしれませんけれども。という中で、必ず大気汚染物質をまき散らすというものを売ってもうけておいて、でいて、この部分に対して汚染負荷量賦課金は払わないという仕組みがいいのかということですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(佐藤敏信君) 先ほど大臣からも御答弁をいたしましたとおり、工場、事業者及び自動車ユーザーに負担を求めてきたという流れの中でありますけれども、こうした考えにつきましては、ただいま委員の御質問にありました制度発足の昭和四十九年以来、中環審の答申をいただきながら継続してきたということでありまして、その考え方を現時点では変更すべき事情は生じていないと理解されるところであります。
○水野賢一君 ここら辺は今後おいおいまたいろいろ議論をしていければというふうに思いますが、今日はそのぐらいにしますが。 さて、最後にちょっとお伺いをしたいのは、ちょっと政策と違う話になるんですが、環境政策を推進する体制づくりというか、そういうような関係のことなんですが。 さて、民主党政権が発足したころに言われていたのが、副大臣とか政務官の選考というのは、自民党時代のような年功序列とか派閥推薦じゃなくて、チーム一体としてのその一体性を高めるために、政務三役はチームなんだから、だから大臣が副大臣や政務官を選んでいくんだということをかなり、一つの民主党政権のシンボリックな、自民党時代との転換みたいな感じでそういうことが言われていたと思うんですが。 さて、今回の副大臣と政務官の選び方について大臣にお伺いしますが、大臣御自身が選ばれたのか、どうなんでしょうか。
○国務大臣(松本龍君) 私、九月の十七日に大臣を拝命して、三日後の月曜日にニューヨークに飛びましたので、その前に仙谷官房長官始めいろんな方々と相談して、近藤副大臣、樋高政務官、しっかりお願いしますということで、ちょうどCOP10の愛知出身ですし、私は余り携帯電話知らないんですけれども、少ない携帯電話に載っていた樋高さんが政務官ということで選んでいただきまして、そのとおりになりましたんで、心強い副大臣と政務官をいただいた、私が仙谷さんと相談をして、しっかり相談をして選んだということでございます。
○水野賢一君 そうすると、だから何か推薦リストみたいのを、自民党の何か派閥推薦リストみたいなのがあったりとかなんとかということとはちょっと違うのかなという感じがするんですが、これは裏の方からも聞いてみる必要があると思うんで、副大臣、政務官、それぞれ経緯についてもちょっと御答弁いただければというふうに思います。
○副大臣(近藤昭一君) 私の携帯番号も大臣のところに入っていたわけでありますけれども、大臣から御指名をいただきまして、一緒に頑張ろうということで御指名をいただいたということでございます。 ありがとうございます。
○大臣政務官(樋高剛君) 松本大臣の下でこうして国家の政策遂行に、推進につきまして携われること、本当に光栄に存じているわけでありますけれども、大臣、副大臣の下でしっかりと研さんを積んでまいりたいというふうに思っております。 ありがとうございます。
○水野賢一君 では、政務三役、環境政策にしっかりと取り組まれることを期待をして、私の質問を終わります。
○委員長(北川イッセイ君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(北川イッセイ君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(北川イッセイ君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十分散会