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176回国会衆議院2010/11/24

文部科学委員会 第5号

発言数
201
登壇者
14
会派数
5
開催日
2010/11/24

会議録

田中眞紀子民主党・無所属クラブ

○田中委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、展覧会における美術品損害の補償に関する法律案を議題といたします。  この際、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、政府参考人として文部科学省生涯学習政策局長板東久美子君、初等中等教育局長山中伸一君及び文化庁次長吉田大輔君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第四局長金刺保君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中眞紀子民主党・無所属クラブ

○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————

田中眞紀子民主党・無所属クラブ

○田中委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。下村博文君。

下村博文自由民主党・無所属の会

○下村委員 おはようございます。自民党の下村博文です。  閣法の質疑に入る前にまず大臣にお聞きしたいと思いますが、御承知のように、きのう、北朝鮮が韓国を砲撃しました。延坪島という島で、兵士、住民二十人が死傷したという大変な今状況でございます。北朝鮮は同時に、こういうことに連動しているかのように、ウランの濃縮施設を公開し、核開発拡大の意思を明確にしているわけであります。  これから北朝鮮は、国際社会に対して軍事的脅威を続ける、攻撃的また侵略的な金正日・金正恩体制の新たな対応、これを行動で示しているのではないかというふうに思います。  このようなときに我が国は、新たな制裁措置等を政府として対応していかなければならないというような、我が国にとっても危機的な対応をどうするかということの中で、今月の三十日が締め切りということで、朝鮮高校に対する授業料の無償化対象、これの締め切りということになってきているわけであります。  これは国会議論で再三再四申し上げていて、そして高木文科大臣もよく御承知のように、この朝鮮学校は、北朝鮮そして日本で言う総連の影響下に一〇〇%あるわけでありまして、このような学校に国民の税金を投入する、この朝鮮学校に対して懐を潤すようなことをするというようなもし愚行を繰り返すということは、結果的には北朝鮮を利する、こういうことになりかねない、今こういう状況だというふうに思います。  昨日の韓国に向けた北朝鮮の砲撃の対応の中で、私は、新たな政治的判断というのがこの朝鮮高校授業料無償化対象にテーマとしても加わってきているのではないかと思いますが、現段階における、このことに対する高木大臣の認識についてお伺いしたいと思います。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 下村委員にお答えをいたします。  昨日の北朝鮮による韓国砲撃の件については、私も、本当に極めて遺憾な行為である、こういうふうに思っておりますし、まさに世界の平和を脅かすものだ。私は、北朝鮮の自制を強く求めたいと思っております。  一方、これまで我々が取り組んでまいりました、議論をしてまいりました朝鮮高校に対する就学支援については、これはあくまでも受給者である生徒個人に対して支給するものである、こういうことを私も何回も答弁をしてまいりました。また、各種学校である外国人学校の取り扱いについては、外交上の配慮などにより判断すべきものではなくて、教育上の観点から客観的に判断するものである、こういう政府の統一見解についても紹介をしてきたところでございます。  しかし、今回の事態は、まさに正常な教育を揺るがす、ある意味では平和を揺るがす、その根底にかかわる問題でございまして、まだこれは申請は今日時点で出されておりませんし、指定はまだでございます。しかし、私としては重大な決意で臨まなきゃならない、このように考えております。

下村博文自由民主党・無所属の会

○下村委員 高木大臣の言われる重大な決意というのがどういう決意だか全くわからないわけでありますが、これは役人の判断とは違いますから、特に、民主党政権は政治主導ということを言われたわけでありまして、このとき、大局的な国益、そしてその中における教育のあり方、これをしっかり踏まえないと、愚かな判断をするということにもしなったとしたら、これはもう国民から、今時点においても六割の国民はそもそも反対をしているわけであります。反日教育をしている、教育内容を問わないところ、そこに本当に貴重な税金を投入するということについて既に六割の国民の皆さんは反対しているわけですけれども、こういう事態の中でももし投入するということを判断したとしたら、これは、民主党政権そのものが愚かな選択をしているということは問われることになってくると思いますし、これは後でまた時間が余れば、あるいはこれからの一般質疑等でも、引き続き問題提起をしていきたいというふうに思います。  きょうは限られた時間でございますので、まず、本題の補償法案に先に入らせていただきたいと思います。  今回の美術品の国家補償制度は、海外や国内から展覧会のために借用する美術品の破損、盗難などの事故が発生したとき、一定額を超える額を国が民間保険を補完して補償する制度であるということで、これはぜひ、今の御時世の中で導入するということは、我々も当然のことだというふうに思います。  ただ、当初の文科省の説明では、該当するのは年間十件ぐらいではないかと。となると、ほとんど国立に該当する可能性があるのではないかというふうに思っておりまして、そういうことも含めて、公明党の池坊さんが中心となって修正案をこれから提案する予定にもなっておりますが、この制度が導入された場合、これはもう国立のみならず、公立あるいは私立美術館、ありとあらゆるレベル、あるいは、実際地方で展覧会をするということもなかなか難しいかもしれません。ですから、地方に対しても該当させるというような、ありとあらゆる部分で国がきちっと補償を担保しながら、広く国民の皆さんに世界におけるすばらしい美術品を提供する場を与える、提供するということが大変重要なことだと思うんです。  しかし、各国においてこの補償制度も大分違いがあるようでありまして、中には、国の開催する展覧会や国の美術館の展覧会に限定して補償している、そういう国もあるというふうに聞いておりますし、また、当初は文科省もそのような方針であるかのような説明を私自身も受けておりますが、しかし、それでは本来の趣旨を十二分に反映したということにはならないというふうに思うんです。  一方で、国の行為に関係ない民間の美術館や、あるいは新聞社などがよく主催していますが、こういうところの展覧会に対して国家補償する、そういう必要性についてもよく国民の皆さんに理解をしてもらうということが必要だというふうに思いますが、このことについて、つまり、対象をどの程度広げていくか、それから、どの分野で年間どの程度対象と考えているかについてお聞きしたいと思います。

笹木竜三民主党・無所属クラブ文部科学副大臣

○笹木副大臣 これは、前回、与党の質問のときにも一言だけ言及しましたが、今の質問に対してお答えしますと、年間十件というのはあくまでめどです。それは、一年間の合計の補償の限度額、これを今までの実績から見ると、二千億から五千億ぐらいかと。これは、今までの実績を見てそのぐらいかと言っています。  これは、一件当たりが二千から五千に対して、平均その年で大体補償額が何百億だったかということによって変わります。ですから、十件というのはあくまでめどで、それよりふえることは当然あり得る。一つはそれです。  もう一つは、国立には限りません。これははっきりと答弁させていただいておりますが、公立も私立も、そして今下村委員のお話にあったように、地方の展覧会に対してもしっかりと補償が適用されるように、そうした工夫をしてまいりたい。基本的にそういうことで決めております。

下村博文自由民主党・無所属の会

○下村委員 全然具体的な答弁になっていないんですが、続けます。  今回のこの補償法案、ちょっとポイントになるのは、文化審議会ですね。この審査、だれがどんなふうにやるのかということについては全く不透明なんですよ。これを明確にしないと、答弁も、実際にそれがどの程度反映されるかどうかも明らかにならないということになるのではないかと思います。  まずこの審査要件ですけれども、国家補償制度の対象となる展覧会の開催について、国による募集要項を公表した上で申請を受け付けるというふうになっていますね。その申請に対し、文化審議会において、展覧会の規模や内容その他の要件、主催者の経理的基礎や技術的能力等の要件を確認すること、さらに、対象美術品妥当性の確認、美術品評価額の査定などを行うこととなる。  このように、この文化審議会において判断する際の基準について具体的な基準を作成、公表し、透明性の高い厳格な審査が行われるようにする必要があるのではないかというふうに思うんですが、これを明文をしないと、相当恣意的に結果的には選ばれる、審査になってしまうということがあると思いますので、この審査要件についてどのように考えているか、お聞きしたいと思います。

林久美子民主党・新緑風会文部科学大臣政務官

○林大臣政務官 それではお答えをさせていただきたいと思います。  御指摘のように、対象となる展覧会については、規模、内容その他の要件を省令で定めることとさせていただいております。  それで、今、恣意的になるのではないかというお話がございましたけれども、スキームとしては、文部科学省の方に申請書を提出をいただいて、その後に、文化審議会の恐らく専門部会になるかと思うんですが、専門家の審査を経て決定をするということになります。  その際に、規模あるいは内容その他の要件として、例えば、出品作品数や評価額、あるいは想定入場者数、開催期間、さらには、取り上げるテーマ、作家等の文化芸術的意義、開催場所のアクセスの利便性、さらには観覧環境の状況、そして、これはかねてから御指摘をいただいていたかと思うんですが、高校生以下の観覧料の無料化や軽減措置などの適切な観覧料の設定、そして、美術館の教育普及活動の充実度などを検討してしっかりと定めてまいりたい。客観的に納得のいく形で選定をしていきたいと思っています。

下村博文自由民主党・無所属の会

○下村委員 今の答弁で、子供たちに対して無料ですばらしい絵が見られるということは、それはすばらしい、いいことだと思いますが、この審査要件とどう関係するんですか。

林久美子民主党・新緑風会文部科学大臣政務官

○林大臣政務官 大体二年ぐらい前からですけれども、展覧会の開催計画というのを大体どこも立てていらっしゃるわけです。そのときに、今回、国家補償することで保険料の負担が軽減をする。その軽減をした分を、なるべく全国各地の幅広い、とりわけ、これからの日本を担う子供たちがなるべく低い費用負担でそうしたものに触れられるようにしていこうということも一つ大切な意義であると思っておりますので、そうしたことについても、開催の主催者の意向を聞き取りながら選定をしていきたいということでございます。

下村博文自由民主党・無所属の会

○下村委員 国家補償したことによって軽減されるんですか。これは私が理解している範囲内では、軽減とは別に国家補償は関係ないことだと思いますが、どうして軽減されるんですか。

林久美子民主党・新緑風会文部科学大臣政務官

○林大臣政務官 委員も御存じかと思いますが、これはしっかりと国家が補償するということで、今、テロとかそうしたものでこの十年で保険料率もはね上がっているという中で、主催者側が開催するときに支払う保険料が本当に高くなってなかなか開催できないという状況にある中で、今回、この制度をつくることで保険の率が一定下がってきて、しっかりとそれが安く軽減できるということで主催者が持ち出す金額は減りますので、その分について観覧料で、特に子供たちについて配慮をしてほしいということです。

下村博文自由民主党・無所属の会

○下村委員 それは相当前のめりの答弁だと思いますけれども。  今回の国家補償というのは、政務官、聞いていますか。(林大臣政務官「はい」と呼ぶ)今回の国家補償というのは、民間補償以上の部分でもしいろいろな被害があった場合、上乗せ部分を国が補償しますよということなわけですよ。ですから、そもそもその下の民間補償については、既にいろいろな保険会社と契約をしているわけですね。その保険料が本当に減ると言えるんですか。

林久美子民主党・新緑風会文部科学大臣政務官

○林大臣政務官 お答えいたします。  それは下がるというふうに言えます。

下村博文自由民主党・無所属の会

○下村委員 相当アバウトな答弁だと思いますよ。  それで、下がるということ、どうしてそんなことを、民間が何も言っていないのに、勝手に政務官がそんなことを言い切ってしまっていいのかということと、それから、下がったお金で高校生以下の子供たちの点については無償にするということと、そんなことを本当に連動させていいんですか。

林久美子民主党・新緑風会文部科学大臣政務官

○林大臣政務官 わからないのではないかという御指摘ですけれども、そこについては、民間の保険会社等々いろいろとお話を聞かせていただく中で、これは下げられるということでございます。  子供たちについては、ただにするということを義務として課すわけではございませんので、それは、主催者の努力によってなるべくそういうことに取り組んでいただきたいということでございます。

下村博文自由民主党・無所属の会

○下村委員 もともとは文化審議会の審査要件から質問が派生しているんですが、そもそも、この文化審議会における委員の選任ですね、これも相当問題があることだと思うんです。  先週の金曜日、私、日展に行ってきたんです。たまたま、高井さんの高校の先輩という方が日展の有名な日本画の審査員をされている方でもありまして、その方に日展を詳しく説明してもらったんですが、率直に言って、その方が言われたわけじゃないんですけれども、私自身が思ったんですが、日展で選ばれた作品でも、やはり、素人目から見ても相当玉石混交があるなというふうに思ったんです。だれから見てもこれはすばらしい絵だなという部分もあれば、かなり恣意的に、だれかの弟子だからということでそこに入れてもらったのではないかと。  すべてが別に表彰の対象じゃありませんから、日展に展示されること自体がステータスなんですが、本当に、すべての分野でいうと、もう何千点とあるわけですよ。例えば日本画だけでも、どれぐらいでしょうね、千点以上は多分あったのではないかと思うんです。  ですから、客観的に公正公平にとは判断できない世界でもありますので、そうすると、この絵がいいかどうかというのは主観の部分もありますから、つまり、だれが審査員かによって、素人目から見ても相当玉石混交の絵が展示されているのではないかということを、私自身は日展に行って感じました。  ですから、今回の文化審議会における委員の選任も、これはかなり、その世界で第一人者というよりは、本当にそういう審美眼があるのかどうかという客観的な資格を持ったそういう方々が、つまり、展覧会の規模、内容、それから美術館等の主催者の技術的能力、対象美術品の妥当性だけでなく、美術品評価額の査定、それから、そもそもこのことについて専門的な知識を有する委員が選考する必要があると思うんですが、そういう委員の選任に当たっての基本的なスタンスを明確にしておかないと、その選ばれた委員の意図的な好悪による作品あるいは展覧会が選ばれるという可能性は、これは十二分にあることだと思うんです。  そういう意味で、この文化審議会における委員の選任については、ぜひ国民にわかる形で、客観的にといってもなかなか客観性というのは難しいことだと思うんですが、これについてはどうお考えになっていますか。

林久美子民主党・新緑風会文部科学大臣政務官

○林大臣政務官 お答えいたします。  おっしゃったように、そこに恣意性が入らないようにしっかりと取り組んでいきたいと思っております。  その上で、美術展覧会に関する専門的な知見というものを必要とすることから、現在のところ、美術品の保険専門家と、さらには、美術館、博物館の関係者、主に学芸員の経験を有する方とか、さらに、やはり運ぶという作業が必要になりますので、運送業者、そして学識経験者などを委員に充てたいというふうに考えております。  審議会の委員の方の任期自体が一年でございますので、固定化することがないように、しっかりと皆さんからごらんをいただいて、客観的にしっかりとした判断が下せるような人選をしてまいりたいと思います。

下村博文自由民主党・無所属の会

○下村委員 この文化審議会における審査要件それから委員、これは公開しますか。

林久美子民主党・新緑風会文部科学大臣政務官

○林大臣政務官 現在のところ、公開したいと思っています。

下村博文自由民主党・無所属の会

○下村委員 現在のところとか、そんな限定条件を言われると困るんですけれども、ちゃんと答えてください。

林久美子民主党・新緑風会文部科学大臣政務官

○林大臣政務官 しっかりと公開をさせていただきます。

下村博文自由民主党・無所属の会

○下村委員 高校無償化のように永遠にクローズ、いつ発表するかどうかもわからない、委員それから審査基準ですね、そういうことがないようにこれについては最初から、基準、要件、それから、だれが委員になるのかということを明らかにしながらやっていただきたいと思います。  しかし、この補償法案だけで我々は十分だと思っているわけではないわけでありまして、議員立法で海外の美術品等の我が国における公開の促進に関する法律案、これも同時に国会でぜひ提案をしたいと思っていたところでありますが、残念ながら、与党の協力が得られずにきょうに至っております。これは後で古屋委員から質問をしてもらうことになっております。  大臣、海外からの美術品についてのそのようなフォローアップだけでなく、私は、国内における美術品もいかに海外にこれから出していくかということについて、まさに芸術文化立国国家として求められていることだというふうに思うんです。  先ほど申し上げましたように、毎年私は日展にも行っているんですけれども、すばらしい日本画、特に工芸品、これは本当にすばらしいですね。この工芸品だけで本当に千点、二千点ぐらいは展示されているのではないかと思うんですが、ところが、それだけで本当に食っていける人というのは一万人に一人いるかどうかぐらいで、ほかの仕事をしながらそういう美術品を作製している、あるいはかいているという、本当に苦労されている方々ばかりなんですね。  しかし、これは、ジャパン・ブランドといいますか、その一人一人の作家の努力だけでなく、何らかのバックアップを国がしてあげたら、日本の美術品そのものが、海外に対するある意味では貿易的な部分として、ジャパン・ブランドとして輸出できるといいますか、海外に販売することができるのではないかというそういう付加価値を持った作品が本当にたくさんありました。これは日展だけでなく、日本人の持っている繊細な感性、感覚、それから物づくりという手先の器用さ、これは本当にどこの国にも負けないような美術品、工芸品、すばらしい作品がありとあらゆる部分で埋まっているなという感じがしたんです。  これを何らかの形でしっかりと国がバックアップをして、一作家だけではなかなか国内で販売するのも難しいし、ましてや海外に持っていくということも難しいことだと思いますが、その中で例えば一つ、別に日展だけでなくてもいいんですが、帝展でも何でもいいんですけれども、そういう日本人のすばらしい作品展覧会を国がバックアップして、海外で、ロンドンとかパリとかニューヨークとか、北京でもいいし、いろいろなところで逆にその展覧会を国がバックアップするというフォローアップをぜひこれは文化庁が応援すべきではないかということを感じましたが、この点についてはいかがですか。

笹木竜三民主党・無所属クラブ文部科学副大臣

○笹木副大臣 大臣がお答えになる前に、経緯とかをお話しします。  平成十九年では、例えば、海外においてという日本の作品の発表ということで、ポルトガルにおいて「日本陶磁の名宝」、こういうのをやっていましたり、あるいは平成二十年、「色彩の開花 江戸の工芸」、これはブラジルでやったり、そういう展覧会を海外でやっております。あるいはトルコで平成二十二年、「日本の美 五千年」、これは本年の五月から六月においてその展覧会を実施をしております。  こうしたことをやっておりますが、委員が言われるように、いろいろなことがさらに必要なんだろうという認識はございます。学芸員同士の交流とか、そうしたこともさらに充実をしていくべき必要があるかな、そんなことも認識はしております。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 委員御指摘のとおり、海外の芸術文化を我が国で多くの国民が鑑賞するということも極めて重要なことでありますが、その一方で、今、日展の例を説かれましたけれども、私もまさに同感でございまして、すばらしい芸術文化、日本ならではの特性、こういったものをむしろ海外に発信をしていく、こういうことがこれから重要になってくるし、国としても、展覧会の開催を含めて、あるいはまた、個人芸術家、文化人の支援を含めてこれからもしっかり取り組んでいく必要がある、私はこのように考えております。また、そういう努力をしていきたいと思います。

下村博文自由民主党・無所属の会

○下村委員 具体的にお聞きしたいんですが、例えば日展、私の行ったとき説明をしていただいた日本画家の先生は、たまたま私と同じ名前で、藤島博文先生という先生なんですけれども、この藤島画伯が、全作品というのはこれは大変だけれども、油絵とか、それから書道、書家とかいろいろな分野があるものですから、その中の幾つかを選んで世界じゅうに日展の展覧会を例えば開くというようなことを、これは民間団体ですけれども、例えばそういうことを政府がバックアップ、国がバックアップすることは可能ですかどうですか。それをぜひ、これは文化庁でもいいですけれども、どなたかから答弁をお願いしたいと思います。

吉田大輔文化庁次長

○吉田政府参考人 文化庁では、先ほど笹木副大臣の方からお話もございました文化庁主催の海外展なども行っておりますほか、民間団体が行います海外との国際交流の関係でのさまざまな支援事業も行っておりますので、その中でそういった御提案について受けとめるかどうかは検討してまいりたいと思っております。(下村委員「何か答弁が聞こえないんだけれども、語尾が」と呼ぶ)申しわけございません。民間が行います国際交流事業につきましての支援のスキームもございますので、その中で検討してまいりたいと思っております。

下村博文自由民主党・無所属の会

○下村委員 それから、さっき申し上げたジャパン・ブランド、これは文化庁主催ということじゃなくて、ありとあらゆる民間総力態勢で日本のすばらしい美術品、工芸品等を海外に売り込む、ビジネスとしても売り込む、こういうのを国家戦略としてこれから積極的に日本が力を入れるというのが、日本を成長させていくための大きな要素、要因、あるいは日本の魅力を世界に発信するという大きな武器になるのではないかと思います。  このことについてぜひ文科省あるいは文化庁としても考えていただければと思いますが、これについてはいかがですか。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 大変重要なことでございますし、文化庁、先ほどの答弁でございました、そういうスキームもあるということでございます。  我々としては、具体的にどのような方法が一番いいのか、こういうことも含めて前向きに考えてまいりたい、このように思っております。

下村博文自由民主党・無所属の会

○下村委員 ぜひ前向きに考えていただきたいと思います。  ただ、前回も高木大臣に前向きに答弁をしていただいたんですが、その答弁が後退しているというのが報道記事であったんですね。  これは、私が質問したときの十月二十九日の尖閣諸島の問題ですけれども、我が国固有の領土というのが高校の教科書に書かれていない。中国と尖閣問題、領土問題で争っているということはあっても、我が国固有の領土がないということで、これを教科書検定などについて反映したい、つまり、固有の領土だと明確に書きたいということについて大臣からの答弁をいただいたつもりだったんですが、それが、そういう答弁が後退しているというのが報道に出ているんですが、どうですか。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 あのときの答弁はまさにそのことでございまして、私としては、その思いを述べました。  ただ、教科書の検定については、それぞれの制度がございますので、このことも重要な視点ではないかなと、このように今は考えております。  私としては、やはりできればそういうことができないものかと、あのときの答弁は、まさに私の思いを述べたものでございました。

下村博文自由民主党・無所属の会

○下村委員 いや大臣、国会で自分のただ思いだけを述べてもらっては困るんですよ。述べたら、それはきちっと指示しなかったら意味ないでしょう。大臣は大臣で述べているけれども、やることは全然違いますよでは、議論している意味ないじゃないですか。述べたんだったら、それは大臣の思いであるんだから、それを関係部課署に対して今後そのことを反映しろと指示するのは当然の話じゃないですか。  では、大臣の思いとは別に平気で全然違うことをやっていて、そんなことでいいんですか。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 したがって、どのようなことができるのかと、このことについては検討するようにしております。

下村博文自由民主党・無所属の会

○下村委員 いや、どのようなことができるのかじゃなくて、尖閣諸島は我が国の固有の領土だということを教科書にきちっと明記する必要があるんじゃないですかと。大臣もそうしたいと言ったわけでしょう。  ではなぜ、できないんだったら、できない理由を言ってくださいよ。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 これは何度も申し上げますように、私の思いを述べたわけでございます。教科書においては正しい記述ができるように、私の大臣としての所見を述べました。  しかし、教科書については、民間が創意工夫をして著作、編集を行うものでありまして、学習指導要領に基づき、どのような事項をどのように記述するかは、当該の図書の著作者等の判断にゆだねられております。  したがいまして、これを直ちに今するということは困難でございますので、今後、私たちとしてはどのようなことができるのか、このことについては検討することにいたしております。(下村委員「委員長、全然ごまかしで答弁じゃないですよ」と呼ぶ)

田中眞紀子民主党・無所属クラブ

○田中委員長 下村博文君、指名してから発言してください。  下村博文君、もう一回発言をお願いします。

下村博文自由民主党・無所属の会

○下村委員 国会質問ということについて全く軽く考えていますね。大臣の個人的な思いなんかこんなところで述べてもらってもしようがないんですよ。あなたは文部科学大臣、行政の長でしょう。行政の長としての答弁を私は求めているのであって、それは違うんですか。違うんですか。この間の答弁と全然違うこと言っているんですけれども、そのときそのときの自分の思いしか述べていないんですか。つまり、行政の長としての答弁じゃないんですか。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 私は大臣としての思いを述べました。しかし、これは変わっておりません。  ただ、先ほど申し上げましたように、教科書については、それぞれの著作者等の判断にゆだねておりますので、そういうシステムについて、私としては今後それにどのようなことができるのか、そういう私の思いが通じるようなことになるのか、これについてこれからも検討したい、こういうことでございます。  したがって、答弁として全く変わっておりません。(下村委員「いや、全然違う」と呼ぶ)

田中眞紀子民主党・無所属クラブ

○田中委員長 速記をとめてください。     〔速記中止〕

田中眞紀子民主党・無所属クラブ

○田中委員長 速記を起こしてください。  着席をお願いします。  高木文部科学大臣、もう一度発言をお願いします。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 私の答弁をひもといてみます。  十月二十九日の金曜日、下村委員の御質問に答えて私はこのように述べている。「委員御指摘のとおり、これからかなり明確にさらに書くべきではないかということの御意見でございますが、これはしっかり受けとめて、いわゆる教科書検定等について反映をできればしたいと思っております。」こういうことで答えております。(下村委員「その後も答弁しているでしょう、続けて読んでください」と呼ぶ)

田中眞紀子民主党・無所属クラブ

○田中委員長 引き続き、高木文部科学大臣。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 なお、さらなる質問に対して、「尖閣諸島においては、我が国の固有の領土だ、これを明記したいと思っています。」こういうことです。

下村博文自由民主党・無所属の会

○下村委員 大臣、国対じゃないんだから、ごまかしちゃだめだ、ごまかしちゃ。今だって、私が言ったから後半部分を読んだんじゃない、そもそも。私が指摘したから、さらにまた追加で読んだんじゃないですか。そんな駆け引きみたいなことをやっちゃだめですよ。  後半部分で今大臣がみずから議事録を読んだように、尖閣諸島は我が国の固有の領土だということを教科書に書き込むように努力するということを言っているわけだから、表明を。したわけですよ。(高木国務大臣「していない」と呼ぶ)表明しているじゃないの。しているじゃない、だれが聞いたって。それを、教科書会社のシステムだとか何だとかまたこの場において言って、あるいは自分の思いだったみたいな、そんな軽い答弁が国会で通用しますか。委員会をなめているんじゃないの。  そもそも大臣が、文科大臣、行政の長ですよ。尖閣諸島について我が国の固有の領土だと、これをぜひ教科書に記述してほしいと言うことが何でだめなんですか。では、もう一度聞きます。

田中眞紀子民主党・無所属クラブ

○田中委員長 下村委員に申し上げますけれども、大臣が委員会をなめているとか、そういう表現も穏当ではないと思いますので、考えて発言をしていただきたいと思います。  高木文部科学大臣。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 私としては、そのようなことは決してございません。私としては、文科大臣という立場に立って真摯に答弁をしておるつもりでございます。  なお、教科書の検定、制度があるものを前提にして私はそのような思いをいたしました。できればそういうことにしたいという気持ちは今でも変わっておりませんし、このことについては、どのように早くできるためにはどういうことをしなきゃならないのか、この件について今検討をしておるということでございます。

下村博文自由民主党・無所属の会

○下村委員 いや、だからその後、発言が後退しているでしょうと、それを申し上げているんですよ。  政府は十九日の閣議で、教科書に沖縄、尖閣諸島が我が国固有の領土であると明記するかについて、「どのような事項をどのように記述するかは、」当該図書、教科書の「著作者等の判断にゆだねられている。」そういう答弁書をつくっているんですよ。これは明らかに大臣の答弁から後退しているじゃないですか。そのことについて申し上げているんですよ。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 そのことをもって、私は後退とは思っておりません。あれは今なお、できればそのようなことにならないか、そういう思いで今検討をしておる最中でございます。

下村博文自由民主党・無所属の会

○下村委員 では、具体的にどういう検討をしているかを明らかにしてください。具体的にどういう検討をしているのか、その検討の内容について明らかにしてください。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 学習指導要領に、いつ、どの時点でそのようなものが記載できるかどうかということについても検討しております。

下村博文自由民主党・無所属の会

○下村委員 いや、先ほどといいますか、十月二十九日、答弁したわけですから、それで大臣もそういう同意をされたわけですから、それに向かって努力するのが当然なんじゃないですか。そうしたら、今は努力しているかしていないかもわかんないじゃない。  だから、具体的にこれからどうするんですか。具体的な話をしてください。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 先ほどもお答えをしておりますが、教科書の記述についてさらなる充実を図るために、学習指導要領やその解説にどのような記述をするかということであります。  したがって、高等学校の学習指導要領については、昨年のもう三月に改訂をしたところであります。その解説についても昨年十二月に公表したところであり、現段階において新学習指導要領及び解説の改訂を直ちに行うことは困難であろう、私はそのように考えておりますが、しかし、そういうタイミングを見てきちっとその辺は反映をできるようにすることが必要であろう、このように私は考えております。(発言する者あり)

田中眞紀子民主党・無所属クラブ

○田中委員長 速記をとめてください。     〔速記中止〕

田中眞紀子民主党・無所属クラブ

○田中委員長 速記を起こしてください。  本件につきましては、後ほど理事会で協議をしたく存じます。  下村委員は質問を続行してください。

下村博文自由民主党・無所属の会

○下村委員 今メモが入りまして、十一時から北朝鮮対策の関係閣僚会議が主催される、文科省は大臣のかわりに鈴木副大臣が出席するので十時五十分に退席をする。十時五十分に退席、結構です。  しかし鈴木副大臣、今のような状況の中で、この我が国の情勢の中、この外交問題と連動しないと言いつつ、今この時期に朝鮮高校に対して授業料の無償化対象にするかどうかということについては、これは大変なマイナスメッセージですよ。役人の発想じゃないですからね。これはまさに政治的判断が必要ですよ。  そういう判断にのっとってしっかりと関係閣僚会議に出てもらわないと困るわけですけれども、これについての鈴木副大臣の認識についてお聞きしたいと思います。

鈴木寛民主党・新緑風会文部科学副大臣

○鈴木(寛)副大臣 きょうのこの委員会で、今の委員の御発言も含めて、この点について御議論があったことをしっかりと受けとめて対応をしっかりしてまいりたいというふうに思っております。

下村博文自由民主党・無所属の会

○下村委員 いいです、もう行ってもいいです。詰めたいことはたくさんありますけれども、鈴木副大臣に協力します。  ぜひ、私は事前通告もしているわけですし、やはり、もうちょっと誠心誠意政府三役は対応してもらわないと困りますよ。さっきの林政務官の話も、本当だったらとめる話なんですよ。民間の保険会社が安くするということを本当に約束しているんですか。私はそんなことを全く聞いていませんよ。そんなことを国会の場で言っちゃっていいんですかね。それは、時間の関係で、後で同僚委員からお話をしてもらいたいと思います。  もう一度、今の教科書記述の話に戻りますけれども、行政の長として、大臣自身も思いというふうにおっしゃいましたけれども、尖閣諸島は我が国の固有の領土だということを認識しているのであれば、それは日本の教科書にぜひ書き込むべきであるとというふうに発言もされていると思うし、そういう指示だったと思うし、それを、文科省は教科書検定の管轄の行政ですから、その長として、そのことをすぐ指示しても、現場がシステム的にどうのこうのというのは後の話かもしれませんが、それを即言って行動して作業させるということは当然のことなんじゃないんですか。  そういう答弁ではなかったので、それは後退しているというふうに申し上げているんです。もう一度答えてください。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 できるだけ早くそのようなことが明記されるためにはどうすればいいか、これについて真摯に検討していきたいと思います。

下村博文自由民主党・無所属の会

○下村委員 少なくとも国会で明確に答弁したわけですから、答弁したことに対してはきちっと誠意を持って行動に移していただきたいということをお願いしたいと思います。  質疑時間が終わりますが、最後に、民主党としては、今の教育基本法、大臣の立場ではありません、民主党としてこれの改正を考えているのかいないのか。これは、民主党の支持母体である日教組は、改正教育基本法を廃止すべきである、改正すべきである、そういう立場ですね。  民主党としては、今の教育基本法、新しい教育基本法についてはどういうスタンスなのか、お聞きしたいと思います。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 教育基本法については、平成十八年に国民的な議論を踏まえて約六十年ぶりで全面改正をされた、このように承知をしております。  私としては、現段階で直ちに教育基本法を改正する考えはありません。  なお、我々は、審議の段階で、日本国教育基本法案に込めた思いを、例えば、高校の無償化あるいは奨学金の充実、こういった教育費の負担軽減、さらには教員の資質の向上あるいは数の向上等についても、個別にその制度の見直しを行っていくことが大事であろう、このように思っておりまして、直ちに教育基本法を改正する考えはありません。

下村博文自由民主党・無所属の会

○下村委員 終わります。

田中眞紀子民主党・無所属クラブ

○田中委員長 次に、古屋圭司君。

古屋圭司自由民主党・無所属の会

○古屋(圭)委員 私からは、今度のこの美術品の補償法案とある意味で両輪と言われる法案、御承知のように、もう既に何年も前から、むしろこの補償法よりも前から、海外の美術品の展示促進に関する法案というものを取り組んでいます。もう御承知のことだと思います。  すみ分けとしては、この補償法は政府提案で、そして展示促進については議員立法でという仕分けをして、既に昨年、まだ皆様が野党であられたときから私は皆様の文部科学部会とも相談をさせていただいて、取り組みをさせていただいておる。  まさしく、きょうのこの目的規定を見ても、例えば美術品損害の補償については、「国民が美術品を鑑賞する機会の拡大に資する展覧会の開催を支援し、もって文化の発展に寄与することを目的」、一方、議員立法である公開促進法案も、国民が「多様な文化に接する機会の増大を図り、もって国際文化交流の振興に寄与するとともに文化の発展に資することを目的とする。」ほとんど同じなんですよね。  そういう意味で、私は、この両法案が成立をすることにより、さらに国民の皆様が広く世界からの美術品あるいは価値ある芸術品を見る機会がふえると思うんです。  それに対して、大臣はこの法案は承知しておられるか、要するに展示促進法案。そして、こうやってパッケージでやるということに対してどういうお考えをお持ちか。これは議員立法であるということは承知しておりますから、そういうふうに逃げない答弁をしていただきたいというふうに思います。まず大臣。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 議員立法の海外美術品公開促進法について指摘がございました。  私としては、おっしゃるとおり、海外の美術品の公開を促進をし、そして多くの国民の方々がそのすばらしい作品に触れることというのは極めて意義があると思っておりますので、文化芸術の振興の観点から見ても、文部科学省としては望ましいと考えております。

古屋圭司自由民主党・無所属の会

○古屋(圭)委員 望ましいというお言葉をいただきました。望ましいということならば、この法案を速やかに成立をさせるという必要があるというふうに思います。これは異論がないと思います。首だけ縦に振っていただければよろしいです。オーケーですね、時間がありませんので。  しかし、実はこれ、私も与党の方に御説明をさせていただいて、既に昨年、全部合意をいただきました。たまたま解散が一週間早かったんですね。その結果、委員長提案をするという直前に解散になってしまったということがあります。そして、政権がかわった後にも、私は関係者とともに皆様に御説明に上がっています。かつて、民主党さんの文部部会長は牧義夫議員でした。このときにも全部党内手続は終わりました。そして、政権交代後は笠先生がその御担当をされておられました。今、政務官という立場で取り組んでおられます。  そうやって私どもがお互いに公党としてお約束したことはやはりしっかり対応していただくというのが、これは公党としてあるいは与党としての責務じゃないか。むしろこの法案が反対ということならこれはしようがありませんけれども、そういうことはないにもかかわらず、この法案だけがまだ提案をされないという状況であります。  そこで、実は私ども、きょうは自由民主党とたちあがれ日本で、きょうの午前中に事務総長にこの法案を国会に提出をさせていただきました。ぜひ、皆様方もこれには御協力をいただきたいというふうに思います。  そこで、皆さん、この法案は恐らく全員の方が御存じないと思いますので若干申し上げますと、要するに、海外にある美術品が全部展示しやすいような環境整備をしましょう。すなわち、昨年の四月にいわゆる主権免除法は成立をいたしまして、これによって、国が持つ美術品というのは、実は、日本に入ってきたときも一切の強制執行、差し押さえ処分というのができなくなるという法案が既に四月に成立をいたしております。しかし、国以外のものについて、すなわち、私のものであるとかそういったものについてはこの法案の適用がありません。そうなりますと、どうしてもその美術品を所有しているオーナーが、場合によってはそういう危険性があるということになると、これは貸し出しをちゅうちょするということがあります。  そこで、世界のあらゆる国が所有している以外の美術品を、この法案をつくることによって、すなわち、一切の日本の責任下にある間は強制執行、仮差し押さえができませんよという法案であります。  実はこの補償法案も、海外では全部そういうことをしていると答弁も多分あったと思うんですけれども、世界を見ても、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ等々、主要国は全部つくっているんですよ。にもかかわらず、残念ながら日本だけないんですね。やはりこれは、そういう意味で私は片落ちだというふうに思います。  そこで、皆さんの懸念がいろいろありますけれども、まず笠政務官にお聞きしたいと思います。  笠さんは、前の通常国会のときから、私どもは了解をしておりますので、責任を持って臨時国会冒頭で対応させていただきますということでございました。しかし残念ながら、この臨時国会がもう既にここまで差し迫っている中で成っておりませんけれども、やはりこれは、笠さんは政府の一員といいながら与党民主党の一員でもあるわけでありまして、その辺の調整については責任を持ってやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

笠浩史民主党・無所属クラブ文部科学大臣政務官

○笠大臣政務官 ただいま古屋委員から御指摘ございましたとおり、昨年、政権が交代しまして、私も文部科学委員会の筆頭理事として、当時は政調の方がございませんでしたので、この案件については現理事の、当時筆頭の馳筆頭とも話をさせていただき、また、委員長ともたびたび理事懇等々の中で、できれば各党が賛成をする環境をしっかりと整えて委員長提案ということでやっていきたいということで臨んでまいりまして、そして体制が変わって、今国会冒頭、下村筆頭、馳理事、そして私と高井現筆頭、その引き継ぎ事項の中でも、そうした方針での各党調整を進めていくということを確認をさせていただいたところでございます。  なお、民主党内で野党時代に牧さんが、部会長ではなかったと思うんですが、牧さんが役員で、あと、私どもも古屋委員とこの案件については私どもが野党のときにも詰めてきた経緯もございます。ただ、党での決定ということはその時点ではまだなされていなかったので、その点だけはちょっと私の方から申し上げておきたいと思います。  いずれにしても、先ほど大臣もこの法案の必要性ということについては申し上げたとおりでございますので、ぜひとも各党の理解を得て成立へ向けた環境が整うよう、私自身もまた取り組んでいきたいと思っております。

古屋圭司自由民主党・無所属の会

○古屋(圭)委員 ありがとうございます。  今、各党の理解とありましたけれども、実は、理解していないのは与党民主党さんなんですよ。だから、ぜひこれはひとつよろしくお願いしますよ。  それで、もうあえて申し上げます。この法案をつくるときに一番懸念が生じましたのは、世界のあらゆる国が所有する以外の美術品となりますと、実は、台湾は国ではありません。そうなりますと、台湾はどうなるのかという問題があります。  そこで私たちは、この法案をつくるときにそこを一番配慮しました。すなわち、この法案は、文部科学大臣により展覧会のパッケージで指定をして決めるというつくり方になっていますが、そのパッケージで指定する前に文部科学大臣と外務大臣が事前折衝して、外務大臣が了解をしないと一切これは指定されないということになっております。だから、皆さんが懸念するような政治的ないろいろな問題というのは、これだけ客観的な基準をつくっていますから、一切生じるということはあり得ないわけであります。  きょうは文化庁の次長もお越しをいただいております。実は、文化庁の担当課長やあるいは外務省ともその辺はよくすり合わせをさせていただいております。これはあえて文化庁の次長にも、そういうことで取り組みをさせていただいているかどうか、そして、それで十分政府としても御了解をいただいた上でのこの法案なのかどうかということを、改めて確認させていただきたいと思います。

吉田大輔文化庁次長

○吉田政府参考人 このいわゆる海外美術品公開促進法の趣旨につきましては、先ほど大臣の方から御答弁がございましたように、文部科学省としては文化芸術振興の観点から望ましいものであるというふうに考えておりまして、文化庁も同じ考え方でございます。

古屋圭司自由民主党・無所属の会

○古屋(圭)委員 それと同時に、これはぴしっと事前に外務省とも御相談をして、この法案について皆さんが了とされたということを改めてここで言ってください。

吉田大輔文化庁次長

○吉田政府参考人 これまでの経緯の中で文部科学省あるいは外務省との調整がおありになった、こう思いますけれども、ただ、外務省の立場につきまして私の方から何かコメントするというのはなかなか難しい事柄でございますけれども、文部科学省としては、先ほど申し上げたようなことで、これは望ましいものというふうに思っております。

古屋圭司自由民主党・無所属の会

○古屋(圭)委員 ちょっと次長、それは答弁しにくいんだろうけれども、あらかじめぴしっと相談して、全部御了解されているんですよ。それはよその家の話をするわけにいかないということでしょうけれども、ちゃんと文部科学省設置法それから外務省設置法、これでぴちっとルールが決まっているんですよね。芸術文化振興に関することは文部科学大臣、外交に関することは外務大臣、そのすみ分けをぴちっとしてやっているんですから、そういうことで、もう一度、そういうことだということだけ言ってください。相手のことは言う必要ありませんから。どうぞ。

吉田大輔文化庁次長

○吉田政府参考人 この法案の中身につきましては、私どもとしては望ましいものというふうに思っております。(古屋(圭)委員「ちょっとよく聞こえない」と呼ぶ)この法案の趣旨につきましては、私ども、望ましいものだというふうに思っております。

古屋圭司自由民主党・無所属の会

○古屋(圭)委員 大臣、こうやってもう両輪なんですよ。この法案というのは目的規定が一緒なんですから、ぜひ大臣も政務官も、ひとつこれは皆さんの方がそこでぴちっと取りまとめていただければ、これは、世界の美術品、日本に出したくても、どうしても所有した経緯があって出せないというものがまだたくさん山ほどあるんです。そういうものの展覧会は、事前に外務大臣と文部科学大臣が協議をしてオーケーならば指定されるということですから、皆様にとっても、文部科学省にとっても文化庁にとってもこれはすばらしいものなんですね。  ぜひそういった取り組みを、政務官、大臣、全力でしていただくということをここで改めて決意を一言ずつ言ってもらって、私の質問を終わります。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 力を尽くして取り組んでまいります。

笠浩史民主党・無所属クラブ文部科学大臣政務官

○笠大臣政務官 大臣とともにしっかりと取り組んでまいります。

古屋圭司自由民主党・無所属の会

○古屋(圭)委員 終わります。

田中眞紀子民主党・無所属クラブ

○田中委員長 次に、馳浩君。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 先ほどの下村委員の問いかけに対して、大臣が思いを述べたというふうにおっしゃいましたので、改めて、議事録を取り寄せていただきましたので、前回のやりとりを私はもう一回読ませていただきます。  まず、高木大臣、こういうふうに述べられたんですね。「委員御指摘のとおり、これからかなり明確にさらに書くべきではないかということの御意見でございますが、これはしっかり受けとめて、いわゆる教科書検定等について反映をできればしたいと思っております。」これに対して、下村委員がこう言いました。「一言余分なんですね。できればというのを削ってほしいんですよ。大臣ですから、それはそういうふうに言えばできるんですよ。はっきり、我が国の固有の領土、尖閣諸島ですね、明確に入れる、大臣としての思いだというのをもう一度はっきり言ってください。」それで、「尖閣諸島においては、我が国の固有の領土だ、これを明記したいと思っています。」最後に下村委員が「はい、ありがとうございます。」というやりとりがあって、新聞報道もされ、明記されるんだなというふうに国民の皆さんはこれで判断したわけですよ。  そこで、下村さんはきょう、では今後の手続はどうなるんですかと。下村さんも私も、教科書検定制度がどうなっているかということはもちろんよく知っております。ではどういう手続に入るのかという具体論をお聞きしたいということで申し上げたのに、思いを申し上げただけだというだけで具体的な手続に入っていかないやりとりだったので、ちょっと私も速記をとめさせていただいたという経緯なんです。その私の指摘に対して、大臣はそこでごにょごにょとおっしゃったんですね。それはそれ以上言いません。  ただ、肝心なことは、大臣はこれを明記したいとやはり答弁をされた。きょうは、先ほどは思いだというふうにおっしゃったけれども、大臣の指示があれば、教科書検定制度というルールに従って、大臣の思いをその教科書検定制度のルールの中に乗っけていくことはできるんですよ。では、それを具体的にいつまでにどうやりますかということを下村さんも私も聞きたいということだったんですね。  では、答弁をお願いいたします。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 私としては、わかりやすく教科書に書くということは重要なことだと考えております。したがって、これについて教科書に記載をできるためには、いわゆる教科書の検定もありますし、あるいは学習指導要領のこともあります。したがいまして、高等学校の学習指導要領については昨年の三月に改訂をしたところ、また、今現在においてはこれを直ちに改訂することはタイミングとして困難であろう。したがって、できるだけ早くそういうことが可能になるような手だてについて、私としては真摯に考えてまいりたいと思っておるところでございます。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 そうなると、学習指導要領は定期的にしか見直しができないんでしょうか。不断の見直しができるはずだったと私は認識しておりますけれども、これは事務的なことでもありますから局長でも結構ですが、学習指導要領は定期的にしか見直しができないんですか。  それとも、不断の見直しができますから、大臣の指示があればできるんじゃないんですかということでちょっと確認をしたいと思いますので、これは担当でありますから山中局長が答弁してもいいと私は容認しますので、事務的なことですから、答弁してみてください。

山中伸一文部科学省初等中等教育局長

○山中政府参考人 答弁させていただきます。  学習指導要領につきましては、今まで十年ごと、定期的ではございませんが、大体そういう改訂をしておりましたけれども、必要性があれば見直すことができるということではございます。それは、どういう形で具体的にやるかというのはそれぞれの判断になろうかと思います。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 そこなんです、大臣、下村さんも私も指摘をしたかったのは実はそこなんですよ。十年ごとというふうなルールどおりでやれば、今回の大臣の明記すべきだとおっしゃったことも、今度、十年後の改訂になってしまうんですよ、ルールどおりだと。でも、必要があれば不断の見直しをすることはできるんです。ましてや、この間、ここまで、「これを明記したいと思っています。」とはっきりおっしゃったので、私も下村さんも、では次のスケジュールはどうするのかなということできょう問いただした、こういうことなんですね。  改めて、大臣、私も、政府としての姿勢も含めて、そしてそれは、まさしく国民に対して、政府の姿勢が教育の場においてもどのように示されるかということに重要な問題意識を持ってほしいんです。私は別に、下村さんもそうです、あしたやれ、こういうふうな質問をしているわけじゃないんです。今後のスケジュール観を含めて、先般責任を持って答弁されたことをどのように、今後の不断の見直し、必要な見直しというところにのせていくのか、そこをお聞きしたいということなんです。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 おっしゃるとおり、十年できないということではいかがなものかと思っております。できるだけ早くできるようにしたいと私は考えておりますので、事務的なこともございますので、この点についてはしっかり、これこそ前向きに検討していかなきゃならない、このように思っております。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 ありがとうございます。それで私も十分納得しました。今後やはり、これは大臣だけの責任じゃなくて、与野党を通じて、こういう領土問題についてどう取り組むのかというのは国民全体の問題でありますから、私も取り組んでいきたいと思います。  法案の中身に入りたいと思いますが、質問通告をしていた数字の三番目から入りますので、準備をしていただきたいと思います。  この法案で、すぐれた美術品の展覧会の開催を確保するというふうになっておりますが、第五条で言うところの国会の議決を経た金額の範囲内でしか展覧会の開催の確保はできません。そこで、政府としてはこの金額をどのくらいの額に設定しようとしておられるのか、教えていただきたいと思います。

林久美子民主党・新緑風会文部科学大臣政務官

○林大臣政務官 お答えをさせていただきます。  年間補償限度額につきましては、先ほど下村委員の御質問に少し御答弁をさせていただきましたように、展覧会の開催計画を事前にしっかりと調べた上で、予算編成過程を通じて予算と同時期に年度ごとに決定をしていくということを予定いたしております。  具体的には、この法案に基づく美術品の政府補償制度の対象となり得る次年度に開催を予定されている展覧会について、主催者から評価額の見込みを聴取して、その額を足し合わせることで限度額を見積もってまいりたいと思っています。先ほど笹木副大臣の方からも御答弁ありましたけれども、二千億から五千億程度ではないかというふうに考えております。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 関連して、どのくらいの規模の展覧会をどのくらいの回数開催できるようにしたいという目標を持っているんでしょうか。  それとも、先ほど笹木副大臣もおっしゃったように、二千億から五千億の間で、できる限りたくさん、できるだけ日本じゅうで開催したいという希望を持っておられるのでしょうか。

笹木竜三民主党・無所属クラブ文部科学副大臣

○笹木副大臣 お答えします。  先ほどお話ししましたように、大体、今までの実績でいうと、二千億から五千億円が年間の限度額ということなんですが、これはその年の申請状況によっても違うと思います。具体的に展覧会ごとに申請があって、それを審査するということですから、当然、そのときの平均がどのぐらいの額になっているか、それをもとに判断をするということです。  一つのめどとして、毎年度十件程度ということはめどとしてありますが、これは、先ほど言った限度額の中で、その中で十件程度ということであれば一件当たりどのぐらいかということを意識して、そのぐらいの件数になると言ったわけですが、これは申請によっていろいろ違いは出てくる。  あるいは、当然、今、馳委員がお話しになったように、公立あるいは私立、そして地方での充実ということも考えているわけですから、それも配慮しながら審査していく、そういう結果になるかと思います。ですから、十件というのがありきということではないということです。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 私の次の質問につながる答弁をしていただいて、ありがとうございます。  要は、主催者をどう決定するかという問題になるんですね。第三条二、三項、この省令の概要にゆだねられてくるわけなんですよ。したがって、主催者が、規模も含めて、展覧会を開くにふさわしい能力、社会的信頼性を持っているかということが課題になってくるわけですね。この省令について、概要がわかれば教えてください。

林久美子民主党・新緑風会文部科学大臣政務官

○林大臣政務官 お答えをさせていただきます。  この省令で定める規模、内容その他の要件という部分に関しましては、大くくりすると大体五つぐらいになるんですけれども、一つ目は出品作品数や評価額、想定入場者数、開催期間、二つ目は取り上げるテーマ、作家などの文化芸術的な意義、三つ目は開催場所のアクセスの利便性や観覧環境の状況、四つ目は高校生以下の観覧料の無料化や軽減措置などの適切な観覧料の設定、そして五つ目が美術館の教育普及活動の充実度などを検討しているところでございます。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 ありがとうございます。  そうすると、皆さんお聞きになったように、これだけの五つのハードルをクリアできる主催者であったり地域というのは、大都市とか大企業があったりとか新聞社があったりとか財団を持っているところとか、限られてくるのではないかということは素人の私でも想定できるんですよ。  でも、地方にこそ、地方においてもこういう展覧会が開催できるような工夫というのは必要なんじゃないでしょうか。そういう工夫は何か考えておられますか。

林久美子民主党・新緑風会文部科学大臣政務官

○林大臣政務官 全国各地で広く見てもらうべきだという委員の御指摘は、私も全く同感でございます。  その上で、省令の中で、文科省としては、特に地方に着目した要件を定めるという予定は現在していないんですけれども、しかしながら、今御指摘の御趣旨も踏まえまして、地方巡回展の企画や申請を積極的に呼びかけていくとともに、対象となる展覧会の選定に当たっては、大都市圏のみに集中しないようにしっかりとした配慮を行ってまいりたいと思っています。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 私も要望を申し上げますが、大都市でしか開催できないような基準となってしまっては本末転倒だな、地方においても開催できるような配慮、工夫というものを考えていただきたいという提案をいたします。答弁は結構です。  次に、対象施設について申し上げます。  うちの女房も伊勢丹が大好きで、伊勢丹の会員になっているんですが、いわゆるデパートなど、こんなところでもよく展覧会が行われております。こういうところも対象の施設として、真っさらなところから検討しておられるのかどうか、お伺いしたいと思います。

林久美子民主党・新緑風会文部科学大臣政務官

○林大臣政務官 お答えを申し上げます。  現在の美術品の政府補償制度につきましては、広く全国の国民がすぐれた美術品を鑑賞できるようにということなわけですけれども、先ほど笹木副大臣からも御答弁がありましたが、国立の美術館や博物館のみならず、博物館法に基づく公私立を含めた登録博物館や博物館相当の施設を対象にしているところでございます。  今御指摘のございました百貨店における展覧会につきましては、その美術館が登録博物館であったり博物館相当施設に該当する場合にはこの制度の対象となるということになります。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 博物館相当というと、やはりそれ相当の警備、管理、このことが問われる問題だと思いますので、全く入り口でできないというんじゃなくて、博物館相当の開催能力を備えているならばと条件をつけて間口を広くすることを要望いたしたいと思います。  次の質問に移ります。  補償契約の内容は保険会社と展覧会主催者との保険契約に決定的に左右されると思いますが、この保険契約にはない上乗せ的な補償契約の締結というのはあり得るのでしょうか。お伺いいたします。

笹木竜三民主党・無所属クラブ文部科学副大臣

○笹木副大臣 お答えします。  この法案に基づく契約というのは、補償契約の内容も民間保険の内容を基本として定めるということとしているわけで、ですから、民間保険で対象としていない損害を補償するとか、そういう上乗せ的な補償は基本的に想定していないということです。逆に、もちろん、民間保険と比較して狭めることも当然想定していない、そういうことになると思います。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 そうですね。主催者と保険会社、契約を踏まえて補償契約をとる、そういうことでよろしいわけですね。  そこで、次の質問です。  補償契約が締結されても、展覧会の主催者側に展示や運搬などに問題があって損害が発生したときは、補償金がおりません。その基準は省令によって定められています。これは第六条ですね。その概要について教えていただきたいと思います。  特に、主催者側の軽過失まで問題視して補償金を出さないとなると、みんなちょっと腰が引けちゃうわけですね。お答えをいただきたいと思います。

林久美子民主党・新緑風会文部科学大臣政務官

○林大臣政務官 お答えをさせていただきます。  具体的な省令の内容の検討状況ということになりますけれども、例えば、発送前、到着後の美術品の状態を確認する報告書、コンディションリポート、事前に写真を撮ってこういう状況ですよとかいうことも含めてなんですが、それの提出、あるいは、大規模損害を回避するためにトラックや輸送機を一定の評価額で分ける輸送時の分割こん包、さらには、陸上輸送時の衝撃を和らげるための美術品専用車の使用などを検討しているところでございます。  これらの事項というのは、主催者が美術品を借り受けるに当たって基本的に貸し出し条件でもございまして、その遵守義務違反はやはり政府との信頼関係も損なうということで、そこはしっかりと守っていただきたいと思っています。  軽い過失みたいなものについてはどうなんだという御指摘がございました。非常に故意にお互いの取り決めを違反したというような場合は当然別になりますけれども、対象美術品の取扱基準違反に該当しない場合は、故意またはこうした重大な過失などを除いて、政府が補償することとなります。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 こういうやりとりというのは極めて法律的で、難しいところがあるんですよね。そうすると、主催者側も恐らく弁護士さんを立てたりしながら丁寧にやりとりすると思いますので、そういった配慮をお願いしたいと思います。  次に、海外美術品公開促進法案、先ほど我が党の古屋先生も指摘をされました。これについて、私も関連して質問をいたします。  先ほど、十時三十分に、たちあがれ日本と共同でこの法案を提出してまいりました。本日の対象となっている補償法案と公開促進法案との必要性ということの車の両輪論ということについてはもう御理解いただいているということで、そこで、質問通告をした十三番目の質問をしたいと思います。  海外の美術品等が我が国で公開され、展示されているときに、債権者等から差し押さえられて貸し出し側の海外美術館等に美術品を返還できなくなった場合、きょう審議している法案の第四条第一項の補償対象損害に当たるんでしょうか。いかがでしょうか。

林久美子民主党・新緑風会文部科学大臣政務官

○林大臣政務官 この制度における補償対象損害の範囲というのは、委員よく御存じのように、民間保険の損害範囲を基本といたしております。  具体的には、国と主催者の間の個々の契約において定めることを予定しているわけでございますけれども、一般的な民間保険におきましては、債権者等から差し押さえられたことによって美術品を返還できなくなった場合というものについては保険金を支払う損害の範囲には含まれていないというふうに承知をいたしております。  そうしたことを考えますと、この制度においても、差し押さえについては補償対象損害の範囲とすることは想定をいたしておりません。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 そうなんです。補償対象損害に当たらない場合もありますね。そういうことです。その場合は、補償金が支払われないということでよろしいですよね。確認です。

林久美子民主党・新緑風会文部科学大臣政務官

○林大臣政務官 委員御指摘のとおりで結構でございます。  なお、諸外国の例をちょっと御紹介をさせていただきますと、差し押さえの禁止などの所有者、所有権等の争いは、やはり諸外国でもほかの法律で対応しているという状況でございます。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 そういうわけで、きょう審議をしている美術品の損害補償法、この法律だけでは、当該の美術品が差し押さえられたりした場合の損害については十分にカバーされてはいない、こういうふうに私は認識をいたしましたし、林さんもそういうふうに指摘をされました。  だからこそ、やはりこういった差し押さえ禁止ということ、仮処分禁止、こういう問題についての法的な枠組みが必要ではないんですか、こういう観点からも申し上げたいんです。  改めて、大臣に、けさ提出をいたしました公開促進法案についての重要性、必要性というものについての答弁をいただきたいと思います。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 海外美術品公開促進法案については、言うまでもなく、海外の美術品の公開を促進する、そして、国民が世界の多様な文化芸術に接する機会を増大するということである、このように承知をいたしておりますので、これは文化芸術の振興の観点からも望ましいものである、文部科学省としてはこのように考えております。  したがって、御審議の上、速やかな成立をお願いしたいと思っております。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 済みません、これは自民党とたちあがれ日本で提出をした議員立法でありますので、民主党の皆さんには、特に高井筆頭理事には今後の審議促進のことをお願い申し上げておきます。  次の質問に入りたいと思います。  朝鮮高校無償化の基準について申し上げたいと思います。  朝鮮高校現代社会の教科書にこういう記述があります。「日本当局は「拉致問題」を極大化し、反共和国・反総連・反朝鮮人騒動を大々的にくり広げることによって、日本社会には極端な民族排他主義的な雰囲気が作り出されていった。」この表現については、私たち日本人として極めて遺憾に思っております。  そこで、ずっと議論がございました、けさも下村委員からも指摘がありました。大臣は、重大な決意、このようにきょうも述べられましたが、この際、もっと明確に表明された方がよいんじゃないですか。つまり、今回対象としない、こういうふうにはっきりとおっしゃった方がよろしいんじゃないですか。いかがでしょうか。     〔委員長退席、高井(美)委員長代理着席〕

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 先ほど下村委員の指摘により私の方から答弁をさせていただいたとおりでございますが、重大な決意を私は持っております。ただ、やはり事態の推移も注視しなきゃなりませんので、そのような答弁をしたわけでございます。  なおまた、申請もいまだ出ておりません。したがって、そのような時点でございますから、私としてはそのような答弁をさせていただきました。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 ちなみに、たらればの話はしたくないんですが、もうここまで来ましたから、あえて言います。  申請が出た場合、文部科学大臣のこの法律に基づく留意事項も含めて、通達も含めて、改善に従わない場合、どうしますか。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 そういう場合においては、いろいろ、たらればという話がございましたが、私たちとしては、教育内容について改善を促す、繰り返し繰り返し促す、こういうふうにしております。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 既に報道にありましたように、十一月二十日の産経新聞にございましたね。もう大臣も御存じだと思います。  「総連「条件付き」拒否 本国指令、教科書改善に反発」。そして、こういうふうな情報も、未確認ではありますが出ております。  総連関係者は今回の「断固拒否」の背景に、金正恩氏への世襲問題があると指摘した。「朝鮮学校で後継体制への忠誠心教育を行う時期に教育内容への日本側の干渉は容認できない」ためだという。また、教育内容をめぐり、全国の都道府県など自治体が行っている朝鮮学校への補助金(約七億七千万円)を見直す動きがあり、無償化によって逆に補助金をカットされることへの懸念も広がっているという。  この二つの問題は、私は極めて大きいと思います。なぜか。例のきのうの韓国における砲撃、あの問題の背景に、北朝鮮という国は、世代がわりのときに、ある意味でいえば、後継者を特別な存在と位置づけるために軍事的な行動というものを利用しているわけですよね。そのことを踏まえたら、慎重に判断すべきでありますし、これは未確認の新聞情報ですから、私もこれ以上追及したくありませんが、改善を促すという誠意を見せたときに、その誠意に対して彼らがこたえない場合の対応ということ、それこそ重大な決意として大臣に理解をいただきたい。それはそもそもの国民の声だと私は思うんですね。大臣、いかがでしょうか。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 そのような国民の声があるのは十分承知をいたしております。  先ほど報道のことも紹介されました、朝鮮総連が無償化に伴う教科書内容改訂と経理透明化という条件を拒否する方針を決めた、こういうこともございましたが、このことについては、現在、正式な申請を受けておりません。ただ、提出書類について複数の学校から相談を受けていることはあります。しかし、相談を受けたところからもそのような話は聞いておりません。  したがいまして、私としては、昨日の新たな事態、これは極めて平和を脅かす行為として許されないことでございまして、これはこれとして、私たちはしっかり受けとめておきたいと思っております。したがって、今後の推移を見守るにしても、重大な決意をせざるを得ないときが来るかもわからない。     〔高井(美)委員長代理退席、委員長着席〕

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 先ほどの記事の後段の部分を今度指摘いたしますね。  そもそも、各種学校にも、そして今回の法令に基づく支援金が拠出される朝鮮学校にも教育基本法の効力が及ぶと思いますが、いかがでしょうか。特に、前文における真理と正義を追求するという部分、第二条、正義の部分、第十四条、これは教育と政治の関係、中立の問題、第十六条、不当な支配の問題。こういった教育基本法の条文、いわゆる精神、考え方というのは、各種学校にも、そして今回、申請が出てきたらば初めて対象となりますけれども、朝鮮学校にも教育基本法の効力は及ぶというふうな認識でよろしいですか。

笠浩史民主党・無所属クラブ文部科学大臣政務官

○笠大臣政務官 教育基本法については、各条項ごとに適用される対象が異なっているため、一概にお答えはできませんけれども、今御指摘があった、二条、教育の目標、また十六条の不当な支配は、私立各種学校である朝鮮学校に適用される。しかしながら、第十四条の政治教育、これにつきましては、委員御存じのとおり、その対象が「法律に定める学校」ということで、いわゆる一条校ということになりますので、この適用はされないというふうに考えております。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 この第二条と第十六条は適用されるということが改めて明らかにされましたので。  私たちは、やはりこれ以上は、ちょっとたらればの話がしづらいところがあるんですよ。まだ申請が出てきておりません。これは、恐らく、国会における論議、マスコミ報道、また、きのうの韓国における砲撃事件、こういったものを踏まえて、私は、朝鮮高校も、朝鮮総連も、そして北朝鮮本国も、やはり十分な情報収集をしている段階であろうというふうに拝察をしております。したがって、この教育基本法と朝鮮高校に支援金を支給するかどうかという問題については、私は改めて深めた議論をしたいと思いますので、きょうはこれ以上は追及はいたしません。  次の質問に入らせていただきますが、ちょっと趣を変えますが、土曜日の授業復活の問題についてお伺いしたいと思います。  来年、平成二十三年から小学校の新しい学習指導要領が適用されると、教育内容も授業時間もふえる。現場の教職員組合の皆さんにもそうですし、校長先生、管理職にも御意見を伺ってまいりました。私の意見も申し述べてきました。  こういうことです、かいつまんで言いますが。月曜日から金曜日までに、授業も、校務分掌も、保護者への対応も、ぎゅっと詰まっていることに対するストレスというのはやはり高い。月に一回でも、土曜日の授業復活、こういうことを認めてくれれば、授業以外の学校活動、保護者への対応、教員の研修も含めて、非常に学校生活にゆとりができる。そうなるとすると、やはり組合との交渉もあるんだが、夏休み、冬休み、春休みを含めて、長期休業中に代理休暇を認めてくだされば、これは円満に土曜日の授業活用を月に一回でもできるなと。ましてや、以前と比べて、ハッピーマンデーで貴重な月曜日の授業が結構削られているわけですよね。そういうことも含めて、何とか土曜日の授業復活ということは検討にならないんですかと。こういう声でありました。  まず、大臣の、土曜日授業復活、来年からの新しい学習指導要領の小学校、再来年は中学校、こういう状況についてのお考えを伺いたいと思います。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 教員あるいは学校でのいろいろな仕事が多忙化しておる、こういうことでございまして、この解消策として土曜日の授業を復活させてはどうか、こういうお尋ねでございます。  これは御承知のように、新学習指導要領は、あくまでも学校週五日制を前提として、各教科、授業時数あるいは指導内容を定めております。なお、諸外国、とりわけG8の中でも、大体そのようなことになっておると承知をいたしております。  こういう五日制のもとでも、私の地元もそうでございますが、運動会などの学校行事は、土曜日あるいは日曜日、そういうときにも行われておりまして、あるいはまた一方で、開かれた学校づくりというテーマも重要な課題でございまして、保護者や地域の方々が参加できやすい、あるいはまた、そういう体験学習なども含めて、土曜日を活用した授業が行われておるということでございまして、また、することも可能である、このように思っておりますので、私たちとしてはその推移を見守っていきたいと思っております。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 私が聞こうとしたことを先にお答えいただいたんで、そうなんです。大臣が命令しなくても、国で制度として土曜授業復活とやらなくても、現状でもできる。つまり、小中学校の設置者は市町村長であり、また、所管する市町村の教育委員会の判断、あるいは議会の判断等で、十分に土曜授業の復活、土曜日の教育活動の開催というのはできるという認識でよろしいですね。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 学校五日制については、既に平成二十年一月に中央教育審議会において審議をされたところでございます。したがって、まず、私は、この学校五日制を引き続き維持することが適当であると思っておりますので、今直ちに見直すことは考えておりません。  そういう中で、学校教育法施行規則においては、特別の必要がある場合には授業が実施できるとされているところでございます。具体的にどのような場合に「特別の必要がある場合」に該当するか否かについては、学校週五日制の趣旨を踏まえて、各学校、あるいは地域の実態に応じて、市町村教育委員会において判断されることである、このように思っております。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 では、土曜日の授業復活、あるいは教育活動として土曜日を活用する、これをやっている市町村は今現在どの程度ありますか。

笠浩史民主党・無所属クラブ文部科学大臣政務官

○笠大臣政務官 現在、全面的に展開しているのは、東京都でやっておる状況がございます。  ちなみに、平成二十二年の五月二十七日に発表された東京都教育委員会の調査においては、結果として、土曜日を活用しての授業、学期に一回程度というのが、小学校で約八五%、中学校で約八〇%。月に一、二回、または二回程度というのが、小学校で約三%、中学校で約二%ということでございます。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 そうなんですね。市町村長、あるいは教育委員会、あるいは議会の判断なんです。  こういうことを余り大臣に聞くのはあれですが、では、土曜授業を復活しようとするときのハードルは何だと思われますか。いいです、私、続けてしゃべっています。ちょっと考えていてくださいね。  実は、笠政務官おっしゃったように、今のところは、積極的に、やりたいならどうぞという形で、土曜授業復活ということでやっているのは東京都だけなんですよ。  しかし、やはり月曜日から金曜日までの多忙をきわめる、残業も多い、平均して十三時間超えている、大変な厳しい環境に置かれている教職員にとっては、土曜日の授業もできればいいなという、私は学校五日制をやめろと言って議論しているんじゃないんですね、そこなんです。土曜授業を復活させたいな、させた方がいいなという声が起こってきたら、どういうふうなハードルをクリアすれば、うちの市でも、町でもできるのかなというふうに思われますか。では、大臣。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 先ほども申し上げましたとおり、新学習指導要領は学校週五日制を前提として組まれております。したがって、その中でもそれぞれ、学校、市町村教育委員会の判断で、土曜日にやられておることもありますし、また学校行事についてもやられている実態がございますので、そういう中で教育活動が進められていくものだろう、このように思っております。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 私の質問に答えておられないんで、そこでうろうろと梶山さんが動いていますが、だめですよ、入れ知恵しては。  要は、ここはまさしく、何度も私言いますが、大臣が、文部科学省が号令をかけて、やれと言う筋合いのものではまずないということを言っておかなきゃいけないのと同時に、では、うちは財政が厳しくてもやりたいなとか、あるいは、組合からもやはりこういう要望があるから、やはりうまく教育長と組合とも話しして、先生方の代理休暇のことも踏まえて、やれればやりたいなというところがあれば、ハードルが低ければ低いほどできるわけなんですよ。  そして、大臣もおっしゃったように、授業じゃなくても、公開授業であったりとか、教育活動とか、お祭りへの参加とか、いろいろな使い方ができるんですね。文部科学省がお上として強制しなくても、自主的にやろうと思ったらできるような環境づくりというのも必要なのではないかなということで私は申し上げているわけです。これは財源の問題になるんでしょうか。あるいは、新しい学習指導要領が始まって、学校の先生方、私も実は経験ありますけれども、年間指導スケジュールをつくらなきゃいけないわけです。それが消化できるかどうかという問題も含めて、議論になると思うんですよ。  したがって、私、きょうこの質問をしたのは、要望なんです。土曜日の授業、あるいは土曜日を有効に教育活動として活用したいという自治体、市町村がある場合に、文科省としてもいろいろなアドバイスができるようにしてほしい、要はそういうことなんですね。  次の質問に移りますが、教員免許更新制度ですね。  まず、今現在、最新の数字で結構ですから、来年の平成二十三年三月三十一日に現行法律に基づく教員免許更新制度で失効対象となる教職員が八万七千人ほどいたと思うんですが、いまだに更新講習を受けていない先生方は何人ぐらいおられますか。まず数字をお願いします。

笠浩史民主党・無所属クラブ文部科学大臣政務官

○笠大臣政務官 今御指摘のありました約八万五千人の中で、いまだにこの講習について、全部または一部を履修済みでない方の割合が約六%、およそ五千百人ということが今見積もられております。  ただ、この六%のうち、三・六%の方は既に講習の受講申し込みを済ませている一方、申し込みを行っていない人が二・四%、二千五十人と今見積もっております。  五千百人と、それで申し込みもしていない人が二千五十人ということでございます。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 ちなみに、私は三月三十一日が失効というふうに言いましたが、実際に手続をしなきゃいけないのは一月三十一日までだと思いますが、それでよいですか。

笠浩史民主党・無所属クラブ文部科学大臣政務官

○笠大臣政務官 はい。一月三十一日までに免許状の更新講習を受講する必要があります。  ただ、これは、届け出をしていただければ、二カ月、その期間を延ばすという措置もとっておるところでございます。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 年末年始、先生方お忙しいですよ。三十時間の受講、これはハードル高いんですよ、これもね。でも、やはりこれは一応法律に基づいた更新制度なのでやらざるを得ないわけですから、体制を整えて、支援体制を組んでください。数字はわかっている以上は、皆さんもどういうふうに督促すればよいかをわかっているはずですから、お願いいたします。  そうすると、次に、大体学校の先生というのはきちょうめんな人が多いんですが、こんなに受講していないということはどうなのかというのは、やはり政権交代の影響というのはあるわけですよ。教員免許更新制度、民主党に政権交代したらやめてくれるんだろうなと。日教組もずっとそう言っていましたし、免許更新制度の見直しということははっきりとおっしゃっておられました。ところが、今のところはまだ、免許更新制度を継続するかやめてしまうかという結論は出ていないはずです。したがって、様子見でここまでおくれてきたんだというのが私の指摘なんですね。  大臣、率直に、教員免許更新制度、継続しますか。  まず、二つの質問をいたします。来年、平成二十三年度は更新しますかというのが一つ目の質問です。今後ずっと継続しますかというのが二つ目の質問です。お答えください。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 教員免許更新制度についてでありますが、これは教員の資質向上ということで、我々としては総合的に判断することになっておりまして、御承知のとおり、今、中教審において審議を行っていただいておるところです。鋭意審議をしていただいて、本年中にも一定の方向性をお示しいただきたい、私はそのように思っております。  したがって、もうそんなに日数もございません。この後の対応については、この検討状況、早く出していただいて、それを踏まえて私としては判断することになろうかと思っております。(馳委員「来年度」と呼ぶ)  これは、私たちとしてはぜひ、その検討次第によりましては、例えば新しい法改正というのも出てくるわけで、それはまた、今私はそういう断定はできませんが、もしそうなることであれば、法案の提出も、来年度、国会に出さなきゃならぬと思っております。  いずれにしても、今非常に立て込んでおりまして、早く専門家の御意見をちょうだいしたい、このように思っております。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 きょうは何日ですか。ということを言うと、平成二十三年度に教員免許更新制度を大幅に改正する、つまりやめてしまう、法律は出せないんじゃないんですか。したがって、平成二十三年度は、教員免許更新制度はやらざるを得ないんじゃないんですか。いかがですか。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 率直に申し上げますと、今の状況においては、二十三年度から、極めて難しい状況になってきたと思っております。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 これは私からはっきり言います。  平成二十三年度は、教員免許更新制度を、微修正はできると思いますが、全くやめてしまうということは無理だと思います。そのことは文部科学省もはっきり宣言して、来年の受講体制は一応整えておく必要があると思いますね。  そして、恐らく年内に中教審特別部会の報告も出ると思いますし、それを踏まえて政務三役もいろいろな決定をされると思います。しかし、それは多分、時間的に間に合いませんよ。したがって、平成二十四年度以降のことを見据えながら、中期的な、まず教員の資質向上、研修のあり方、先般池坊先生も指摘しておられましたように十年研修と、いわゆる従来からの研修との整合性をとるということ、やはりいろいろな見直しの項目というのはあると思うんですよね。私は、そのことは十分検討していただきたいと思います。  平成二十三年度は免許更新制度はやはり継続をする、私はそのことでよいと思っています。私は早目にそのことは宣言をした方がいいと思いますが、大臣、いかがですか。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 したがいまして、できるだけ早く、中教審も検討状況を示していただきたいと思っております。本年中にそれを、私たちは早くお願いしたいと考えております。  なお、免許更新制につきましては、法律の改正が行われるまでは現行制度が有効であるということは言うまでもございません。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 何度も言いますが、だから、いまだに五千人近い方が受講が終わっていないということを考えると早く、来年はちゃんとやりますから受講の準備をしてください、大学の方も受講の準備をしてください、両方に言った方がいいですよということです。  さて次に、先般も指摘をいたしました北教組の主任手当拠出金、これはやはり会計検査院が入るべきであるというふうに指摘をいたしました。検討いたしますということでしたが、あれからほぼ一カ月たっていますが、会計検査院としてどのような検討をし、今後どのように対応されるか、お聞きいたします。

金刺保会計検査院事務総局第四局長

○金刺会計検査院当局者 お答え申し上げます。  北海道における主任手当の問題につきましては、前回お答え申し上げたとおり、該当する教員に給与の一部として適切に支払われ、当該教員の私金となった後に組合に支払われたものでありまして、この段階で公金としての性格が失われてしまって、会計検査院が検査するのは困難であります。  しかしながら、該当する教員に業務に従事した対価として支払われた私金が組合活動の一環として組合に拠出させられるなどのことが果たして制度の本旨にかなっているのか、よく検討して検査に着手する必要がございます。  現在は、勤務時間内の組合活動につきまして、北海道庁等の勤務実態調査を踏まえまして、国費に影響が及ぶと考えられる部分について、効率的な検査が行えるよう検査の方法等を具体的に検討するなど、既に検査に着手しております。  そして、この検査とあわせまして、主任手当につきましても、先生の御意見をしっかりと踏まえて、会計検査院として検査の方法等を検討している段階でございます。  以上でございます。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 会計検査院の金刺さんというの、いい名前ですね。  私、あえて指摘しますね。システム化しているということが問題なのですよ、私の指摘はそうなんです。システム化しているということなんですよ。本当に、それぞれの意思に従って組合費を出しているとかというのは、そのことを言っているんじゃないんですよ。  システムとして長年こうなってきている。そして、積み重なった巨額のお金が存在し、それがまさしく会計検査の、あるいはいろいろな収支報告もなされていないブラックボックスになっているという実態があるから、会計検査院としても、システム化された主任手当拠出金制度、北教組の場合、北海道の場合には、いまだにやっているんですよ。あんなに大事件になって、小林千代美さんもやめざるを得なかった、にもかかわらず、いまだにやっているんですから、という重大性を認識してくださいということです。  次の質問に行きますが、教員のうつ病、精神疾患による休業者、その対策問題についてちょっと指摘いたします。  まず、平成十九年、二十年、二十一年、この三年間で、いわゆる教職員のうつ病による休業、あるいは精神疾患による休業、いわゆる休職者数の数字をまずお答えいただきたいと思います。

笠浩史民主党・無所属クラブ文部科学大臣政務官

○笠大臣政務官 教員のうつ病ということについては承知しておりませんけれども、というのが、精神疾患ということにより病気休職した公立学校教員が、平成十八年が四千六百七十五人、十九年度が四千九百九十五人、二十年度が五千四百人でございます。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 文部科学省の白書を見ると、平成二十一年度のは載っていないんじゃないかと思うんですが……(笠大臣政務官「二十年度まで」と呼ぶ)二十年度までなんですよね。なぜ二十一年度は載っていないの。

笠浩史民主党・無所属クラブ文部科学大臣政務官

○笠大臣政務官 今、集計中でございます。集計がまとまり次第、すぐに御連絡させていただきます。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 今、数字を見て皆さんも、ふえつつあるなということと、五千人近いわけですよね、これはやはり放置しておけないですよね。  まず、休職中の教職員が復帰をするための研修とか、ならし運転というんですか、今どのように文科省あるいは都道府県の教育委員会として対策をとっておられますか。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 精神疾患による休職者の質問でありまして、先ほど五千人以上の方々がそういう対象者だと言われております。  現在、都道府県、指定都市教育委員会におきまして、精神疾患による病気休職となった者に対しては復職支援プログラムの実施に取り組んでおるところでありまして、平成二十一年十月現在においては、六十五都道府県、指定都市教育委員会のうち五十八の教育委員会、これは約九〇%になりますが、復職支援プログラムを実施しております。五つの教育委員会においては、復職支援プログラムを実施の予定、あるいは実施の検討中という状況を聞いております。  文部科学省といたしましては、学校に復職する場合の対応に関しては、まず本人、当該教員への理解と協力が得られるような環境を整備し、復職後しばらくの間は経過を観察すること、これは校長などでございますけれども、また各教育委員会においても復職支援プログラムのような復職時の支援体制を整備していただく、これについて文部科学省としても発出をしておりますし、教育委員会が実施しておるメンタルヘルス対策、これの効果的な取り組み事例集をこれまた配付して、教育委員会の取り組みを促しておる、これが今の実情でございます。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 実は、私がきょう本当に質問したかったのは、学級崩壊、そして、いじめ自殺の問題の核心に入っていきたかったんですね。  私は教職員もしていましたから、非常にまじめな先生ほど、何となくやはり精神疾患、うつ病等になりやすい状況というのをよくわかっているつもりであります。一生懸命完璧にやろうと思えば思うほど、なかなかすぐに答えの出ない教育現場において、追い込められていく教職員は多くおります。  実は、群馬県でしたか、例のいじめ自殺の問題が非常にまたクローズアップされておりまして、その前兆がやはり学級崩壊、担任の教員によるクラス経営が十分に行われないというところにやはりスポットライトを浴びせざるを得ない。  同時に、子供が自殺をした親の立場になると、何でそうなったのかな、どうしてなのかなということが、残念ながら、すべて知り得ることはできません、現状は。裁判まで行っている親もおられます。いわゆる自殺をしてしまった親の会の皆さん方でありまして、親の会で集まって、テレホン相談をしたりしながら、お互いに気持ちを静めているという現状もあります。  ちなみに、私は長年ずっと提言してきていますけれども、こういういじめ自殺と、学校においてのこういう事件事故というのは、警察が入ってすべて解決するという問題でもなく、教育現場は継続性がありますから、その後の教育現場をどう修復したり子供の成長を支えていくかという課題もはらんでおりまして、こういういじめ自殺の疑いがある事例等については、第三者による公的な事件解明組織、こういうものをやはり設置しておく必要があるのではないか。国土交通省では、航空事故、鉄道事故が起きましたときに、調査委員会等がありますよね。いわゆるそういった教育的な、専門的な観点と、司法的な観点と、福祉的な観点も踏まえた第三者的な、公的な事件解明組織がやはり私は必要なんじゃないのかなと。  子供が自殺をした、いじめじゃないか、親が指摘をする、学校に乗り込む、教育委員会に乗り込む、残念ながら現状では、乗り込んだ親の方がさらにいじめに遭うような状況が多くありますね。私は、改めてそういう指摘をするとともに、文部科学省としていじめ対策により一層取り組んでいただきたいし、同時に、教職員を支えてあげてほしいんですね。  時間もありませんので、きょうは私はここまでの指摘にし、大臣、今般の事件もございまして、記者会見をしておられますが、残念ながら、いじめというのはゼロにしたいと思ってもなかなかなくならない現状において、高木文部科学大臣としての今後の取り組みについてお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 教員の精神的ストレス、これについては私も大変なことだと思っておりまして、いじめや不登校、そういった事柄が先生をさらに厳しい環境にしておるということも私も承知をしております。  したがいまして、群馬県の桐生の件が出ましたけれども、桐生の教育委員会としては第三者による調査委員会の設置を決めておりまして、これはこれからしっかりと調査をしていただきたい。  文部科学省としましても、有識者に委嘱をして、第三者による調査委員会のあり方を含めて、背景調査の指針を策定したい、来年三月をめどに検討を今行っているところでございます。  いずれにいたしましても、早期発見、そして、まずは家庭内において、あるいは学校において、子供たちの状況を十分に観察することから、そして、このことについてしっかりした対応を練ること、これが大事であろうと思っておりますので、私たちとしましても、そういうものに十分関心を持ちながら進めてまいりたいと思っております。

馳浩自由民主党・無所属の会

○馳委員 幾つかの教育委員会では、こういう第三者の公的な調査機関というものも設置しておられますよね。私は、事件が起きてから泥縄式な対応ではなくて、全都道府県の教育委員会、政令市、中核市は、やはり何かあったときのために、こういった教育現場の特殊性ということも考えた調査委員会の設置をそもそも必置にしておくということが必要なのではないかということを申し上げて、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

田中眞紀子民主党・無所属クラブ

○田中委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時七分休憩      ————◇—————     午後一時開議

田中眞紀子民主党・無所属クラブ

○田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。池坊保子君。

池坊保子公明党

○池坊委員 公明党の池坊保子でございます。  政府提出の展覧会における美術品損害の補償に関する法律案について、幾つか御質問させていただきたいと思います。  二〇〇八年、私が副大臣だったときに、前参議院議員の浮島とも子さんが、美術大国、文化芸術大国日本と言うならば、せめて、外国から来る美術品に対して国家が補償してほしい、この補償制度がないのは日本とロシアだけですからと質問をなさいました。私はそのとき、もちろん、これは費用もかかることですから、財務省とよく検討しながら、やはり、一人でも多くの国民に美術品をあまねく見る機会ができるようにその促進を図りたいというふうにお答えしたことを覚えております。  それから成立までに二年かかりましたけれども、二〇〇九年度予算で文化庁が調査費を予算化しましたし、二〇〇九年三月には、制度の導入を前提とした調査研究協力者会議を発足させて、そういう意味では、段階的にきょうの日を迎えるために準備はしてこられたと思います。  私たち公明党の中にあっても、昨年の春、美術品等の補償制度に関するプロジェクトチームを設置して、高い公益性を有し、文化芸術立国日本、それをつくっていくためにはどうしたらいいか、その一つの歯車の中に、私は、展覧会の水準を維持し高めていくために真剣に取り組むべきであると考えてまいりました。  この制度の有効性は、主催者の負担を軽減して、より質の高い展覧会の開催を可能にするだけでなく、日本の美術館に対する国際信用を高め、日本の絵や彫刻などを海外に紹介する機会もふえるなど、国際文化交流を進める上でも極めて重要な基盤になっていくと思っております。  また、国が関与するということで、美術館の安全管理体制を向上させ、結果的に事故を減らすという効果も期待できるのではないかと思います。事実、一九七五年に導入したアメリカでは、これまでに九百件を超える展覧会を開きながら、補償事例は二度しかなかったというふうに聞いております。  私は、多くの国民が展覧会に行く機会がふえたらいいな、そのように思っております。それは、もちろん、国立の美術館、博物館で、長い行列をつくって見る。例えば、長谷川等伯を娘と見に行きましたが、並ぶのに大変なんです。それから、お寺で見られるような仏像も、上野の美術館、あれももうぎゅうぎゅうの人でした。  国立美術館、博物館が果たす役割は大であると私は思っておりますが、それだけじゃなくて、近くに美術館がある、民間の人が、自分の家屋敷を売って、現代美術のアート展をしたい、それを守っていきたい、あるいは、ふだん行けないような人たちも、近所にあったら行ける。先ほど林政務官はアクセスとおっしゃいましたが、私はアクセスが悪いところにでもやるべきというふうに考えております。  松濤美術館の近くに住んでおりました私の母は、九十歳でしたが、散歩の帰りにこうやって展覧会を見ることができる、この年まで生きていて本当によかったわ、そういう日本をやはりすばらしいわねと言っておりました。私は、そういう民間の小さな美術館の展覧をも大切にするような、そういう法律であってほしい、私たち公明党が目指している法律はそういうものでした。  ところが、あけてみましたら、とんでもなく、そうじゃないんです。法律をつくるということは、民主党の議員の方には若い議員の方がいらっしゃいますので、ぜひ聞いていただきたいと思います。議員立法は私たちがつくりますから私たちの主張が全部盛り込まれます。でも、閣法というのは大概役所がつくるんです。私は、文部科学の役人は、誠実で、まじめで、才能豊かな人だと思っていますが、総合的にいろいろなことが見られない、一つのことだけ取り出して、いいか悪いかといったら、それはいいんですよ、だけれども、総合的に見て、国民がそれを喜ぶかとか、現場ではどうなっていくのか、そういうことを考える力がちょっと法律をつくるときに欠けてしまうのではないかと私は思うんです。閣法は、特に、私たち国会議員の責任で細かくチェックする必要があるというふうに私は思っております。  これは私が政務官のときですけれども、法科大学院ができました。大丈夫なの、いろいろな問題があるわよと問題提起いたしました。大丈夫ですということをすごく言われました。だけれども、私が問題提起して、もちろんその政府の中にいて、それを阻止できなかった私の責任でもありますけれども、今表面化しているたくさんの問題があります。先ほども馳さんからお話が出たような免許更新制、それも私は政府の中におりましたけれども、これを本当につくっていいの、拙速じゃないの、十年研修はどうなの、それとの整合性は、そのときもばっと論理的に大丈夫だという説明を受けながら、現実には、そうではない問題がたくさん起きております。  ある著名な評論家は、役人は相手のプライドを傷つけずに自分の意見を主張し、それに誘導するのにすぐれた能力を持っていると言っておりましたが、私も全くそうだと思うんです。ですから、私たちは、法律が出されたときに、例えば、文部科学だったら、文部科学の範疇の法律に関しては、特に与党の方は、これでいいのか、役人が、いいんです、大丈夫ですといろいろ説明しても、問題意識を持っていただきたいと私は思うんです。だって、国民生活に多大な影響を与えるんですから。  例えば、皆さん御存じですか、これはちょっと文部科学とは違うんですけれども、例を引いて私は申し上げたいんですけれども、平成十六年に検察審査会法が改正されました。そのときに裁判員制度が問題になっていて、みんなそれに夢中になっていたんです。それに対しては、ここにいらっしゃる方は責任はないと思いますが、そのとき国会議員でない方も多くいらしたと思います。ところが、そのすき間を縫うというか、起訴議決制度というのが新たに導入されて、議決に強制力を持たせるようになったんです。これは普通の平凡に生きている人たちに本当に大きな影響を与えるんですよ。でも、あっという間にできちゃった。  私は、本会議で賛成したと思うんです。でも、恥ずかしいけれども、それをしっかりと認識して賛成したかというと、そんなこと、あっという間に賛成してしまったんじゃないか。つまり、法律というのはそれぐらい強いんだということを、私は皆様方とともに認識をしていきたいというふうに思っているんです。  なぜかといいますと、この美術品の国家補償、すごくいい法律だと思いました。ところが、あけてみたら、文化庁が、では、どういう展覧会でこれを補償するのか、はい、百億です。百億って、とんでもない。大臣も御存じでいらっしゃいますよね。百億とは一年間に何件でしょうか。笹木副大臣。

笹木竜三民主党・無所属クラブ文部科学副大臣

○笹木副大臣 今までの実績ということですが、例えば平成二十二年度開催のもので言いますと、総評価額がおおむね百億円以上と見込まれる展覧会は九件ですが、この中には巡回展も含まれていまして、開催の館数は十三館。内訳を言いますと、国立のものが五件、六館です。公立のものが四件と四館、私立のものが三件、三館という実績でございました。

池坊保子公明党

○池坊委員 つまり、百億だったら九件しか、それも主として国立美術館、博物館のものが多いわけです。  私は、もちろん国立美術館、博物館の果たす役割も大だと思っております。ですけれども、独立行政法人として、政府がしっかりとお金も出しているわけです。このごろ運営交付金が削減される、だからこういう法律が必要なのか、では、これは国立美術館、博物館のためにつくる法律なのですかと私は伺いたいのですが、副大臣、いかがですか。

笹木竜三民主党・無所属クラブ文部科学副大臣

○笹木副大臣 先ほどの池坊委員の二年以上にわたる御努力のこともなるほどと思いながらお聞きしていましたが、先ほど馳議員のときにもお答えしていますが、決して国立だけじゃなくて、公立も私立も対象に考えているということです。そして、あわせて、決して大都市だけじゃなくて、地方においてもこの対象になるように、そうした工夫もしていこう、そういう趣旨でこの法案を出させていただいております。

池坊保子公明党

○池坊委員 現実には、もし百億といたしましたら、地方でやりたいと思っても、評価額百億などというのは地方でできないんです、私立もできないのです。  下限額を定めていらっしゃると思いますけれども、国の補償計画の金額、もちろん上限もあると思うんですよ。だって、五百億のものまでも国が補償しますと言ったら、国は破綻してしまいます。その上限額、それから下限額というのを定めていらっしゃると思いますが、それを伺いたいと思います。それから、どのような理由からそういう金額が出てきたのかも伺えたらと思います。

笹木竜三民主党・無所属クラブ文部科学副大臣

○笹木副大臣 まず、下限額についてですが、通常損害の場合は五十億円。決して百億円ではございません、五十億円ということで規定をしております。あと、通常じゃない、地震とかテロによる特定損害の場合には一億円とすること、こういうふうに予定をしております。

池坊保子公明党

○池坊委員 そうです。百億百億と言ってこれを譲らなかった文化庁に、笹木副大臣もお力をいただいて、せめて五十億、民間の人たちも美術館もああよかったなと思ってもらえるような法律をつくりたい、それに力をかしてくださったわけですけれども、私は、五十億だって本当は少ないなと。  では、評価額が二十億、五十億の民間の展覧会では、通常の民間の保険額だけで、国家補償制度は適用されないということなんですね。

笹木竜三民主党・無所属クラブ文部科学副大臣

○笹木副大臣 五十億円未満のものについては、今回は予定をしておりません。

池坊保子公明党

○池坊委員 だけれども、これは文化審議会によって決まってくるんですよね。そうしたら、五十億であっても、そして客観的に見て、これはいい展覧会だな、みんなが喜ぶなと思っても、委員によっては、アクセスが悪いからだめですよとか、いろいろなことを言っていたら、五十億でもだめになるものもあるのですか。これをちょっと伺いたいと思います。

笹木竜三民主党・無所属クラブ文部科学副大臣

○笹木副大臣 五十億円を上回るものについてすべてということではございません。その中でいろいろ、要は、展覧会の質とか内容とかそうしたことも踏まえて、申請を受けて判断をしていくということになります。

池坊保子公明党

○池坊委員 五十億以上の展覧会というのはなかなか多くはございません、私も調べて持ってまいりましたけれども。でも、そこでまた審査員が審査をして、五十億以上の展覧会をしようと思うものは、そういいかげんなものであるわけがないんですよ。だけれども、それは、でも原則として、基本的に五十億以上のものは国家補償の対象になると考えてよろしいのでしょうか。

笹木竜三民主党・無所属クラブ文部科学副大臣

○笹木副大臣 要は、基本的には審査の対象にはなるということなんです。その中で、審査をして、予算の中で判断をして決定していく。すべてということではないということです。

池坊保子公明党

○池坊委員 この審査というのが私はくせ者なんだと思うんですよね。法律はつくられた、それでみんな、これはよかっただろう、ところが、運用するときになると細かい点でチェックされて、これはだめですよ、あそこがだめですよと難癖をつけられてできないというのが多いんですね。  それからまた、委員との力関係でこれが採用されるということも私はあると思いますので、まずは客観的に、例えば今考えていらっしゃるのはおありなんですか、文化審議会の委員は何名ぐらいで、どういう人を対象にして、どういう問題をということを。大臣、笹木副大臣、どちらかお答えください。

笹木竜三民主党・無所属クラブ文部科学副大臣

○笹木副大臣 先ほど、他の委員の質問のときにも一部言及がありましたが、美術展覧会に関する専門的知見を持っておられる方の中で、美術品保険の専門家、この方には必ず入っていただこう、あるいは美術館、博物館の関係者、学芸員経験を有する方とか、あるいは運送業者、学識経験者、こういう方々を委員に充てたいと今予定しております。

池坊保子公明党

○池坊委員 先ほども話題になっておりましたが、これは当然、名前は発表するか否かは別にして、内容は情報公開してくださるんですね。笹木副大臣。

笹木竜三民主党・無所属クラブ文部科学副大臣

○笹木副大臣 当然、公開をさせていただくということです。

池坊保子公明党

○池坊委員 先ほど林政務官が、これをつくったら保険額が下がるとおっしゃいました。そんなことはないんじゃないでしょうか。〇・一五でしたね、それがテロによって今〇・二五になりました。それを踏まえて、これは五十億から、上限は幾らでしたか、一千億ですか、のものに関しては国が補償をしましょうということですよね。では、五十億の、民間がやるもの、あるいは国立がやるものも含めて、今までの〇・二五からこれは下がるというような確約を保険会社とやっていらしたのか。これは大切な問題ですので、大臣がお答えください。大臣に伺っていますから、私が伺ったことに対して答弁してください。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 確約はされていないと承知をしておりますが、保険会社、専門家の方々とのヒアリングの中でそのようなことが言われておるということだと思っています。

池坊保子公明党

○池坊委員 確約がされていなければ、それをされるがごとくにおっしゃるのはやはり大きな問題があると思います。なぜならば、そういうことをまだ話し合っていらっしゃらないわけですね。これが成立したらこういういいことがありますよ、ああいういいことがありますよと言うのは、変な、いたずらに期待感だけを小さな美術館に持たせてしまいますから、やはりここでの、国会の発言というのはその場限りではなくて、議事録にも残ってまいりますから、ちゃんと責任を持って、民間の保険会社とどういう話し合いが行われているのか、どんなふうな推移なのか、これはしっかりと大臣か副大臣がお答えいただきたいと思います。

笹木竜三民主党・無所属クラブ文部科学副大臣

○笹木副大臣 先ほどお話ししましたように、保険業者とかそういう方々とのヒアリングはやっておりまして、それで大体、半額程度の保険料になるんじゃないか、減額が見込まれるんじゃないか。  例えばですが、保険料率を仮に〇・二五%とした場合に、総評価額が五百億円の展覧会であれば、今まで一億二千五百万円かかっていたのが六千二百五十万円軽減される。ヒアリングの中で、大体こういう傾向であるだろうということを聞いて、把握をしているということです。  しかし、委員がおっしゃるとおり、これは個々のケースによっていろいろ違いはあると思います。違いもありますから、今回初めてこの制度を導入しまして、それで実施状況を見ながら、さらに検討が必要かどうか、当然それは考えていくということになろうかと思います。

池坊保子公明党

○池坊委員 これはちょっと大臣と副大臣に伺いたいんですけれども、我が国の展覧会、美術館というのは新聞社が共催する形が多いと思うんですね。これは、PRの面からおいても、大変に多くの人が知ることになるから私はいいことではあると思いますけれども、海外においても展覧会を新聞社などの民間の営利企業が主催するということはあるのでしょうか。そして、それに対しても同じように補償を国がしているのかをちょっと伺いたいと思います。

笹木竜三民主党・無所属クラブ文部科学副大臣

○笹木副大臣 今委員がおっしゃったような、新聞社主催でということは、海外では余りない、日本独特の仕組みだということです。

池坊保子公明党

○池坊委員 なぜかといいますと、新聞社もやはり営利企業で、これは収益が上がるからやっているところもあると思うんですね。それで、今度、例えば五十億以上のものをする場合には国が補償するわけですから、保険金を掛けなくていいわけですよ。例えば百億のものでも、今まで五十億分掛けていたものは掛けなくていい。それならば、私は、入場券を安くするとか、何か民間に還元してほしいと思うのですが、そのような御計画があるかどうかも伺いたいと思います。

笹木竜三民主党・無所属クラブ文部科学副大臣

○笹木副大臣 新聞社等が共催するもののうち、これはすべてじゃなくて、さっきお話ししましたように、五十億円を超えるものについても、その内容とかその展覧会のあり方、そうしたことを公益的な目的の度合いによって決定していくということがまずあります。だから、委員がお話しされたような、その分負担が軽くなるんだとしたら、先ほどお答え申しました負担が軽くなる分をどうするのか。少しでも公益的にそれが反映される、それが公益的にさらに一般の方々に恩恵が大きくなるような予算の使い道を、当然やりとりの中でしていくべきだと判断して、審査をしていく、そういうことになります。

池坊保子公明党

○池坊委員 私は、審査の中でそうやって詰めるのではなくて、なさるときから、やはりこれはどうせ、この法律が成立いたしましたら、国公私立の美術館に、こういう法律ができましたという通達は当然なさると思います。そのときに、五十億以上の展覧会をする場合には国が負担して保険料を払わなくていいんだから、民間に還元できるような方法も考えてほしいと文部科学省が通達しても構わないというふうに私は思いますが、それに対してはいかがですか。

笹木竜三民主党・無所属クラブ文部科学副大臣

○笹木副大臣 先ほどちょっとつけ加えるのを忘れたんですが、その還元の仕方として、委員も御指摘をされているような、小学生とか中学生、高校生の観覧料の無料化、こうした教育的な普及活動の充実に充てるとか、当然、そうしたことはその審査までのやりとりの中で判断をしていくし、こちらからもそうしたことを話していく、勧めていく、そういうことになろうかと思います。  決して負担が軽くなった分をほかの事業に充てることがないように、極力文化的な事業にその分を充てるように、そうしたこともその審査の対象にしていくということでございます。

池坊保子公明党

○池坊委員 このたびの法律の原案の修正案の中にも入れていただきましたけれども、数年をめどとしてこの施行の状況、世界、社会の経済状態の変化を見ながら、国民が美術品を鑑賞する機会の一層の拡大を図るという目的を達成しているかどうかの確認、担保することが私は重要ではないか、必要ではないかと考えております。また、補償契約による政府の補償の範囲について、それが適正に実施されているのか、適正かつ公正であるか、公平であるか、そのようなことも検討する必要があると思います。  そのような必要があると認めるときは新たな改善をすることを前もって定める必要があると考えますが、いかがですか。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 副大臣を御経験された池坊委員、大変お詳しいことを承知しております。  御指摘のように、国民が美術品を鑑賞する機会を一層ふやす、特に、子供たちあるいはまた地方にもそういう機会を拡大するということは非常に重要なことでありまして、この制度は、運用されまして、我々としてはやはり継続的に検証していかなきゃならぬだろうと思っております。そういう意味で、必要に応じて制度の見直しを図ることは極めて重要だと考えております。

池坊保子公明党

○池坊委員 現在の展覧会の現状を見てみますと、日本の美術館において常設展だけでも観客動員力があるというのは、国立の美術館や博物館以外にはほとんどないのが現実ではないかと思います。  国民の、私たちの意識の中には、美術展の特別展を見に行くという意識があるんですね。だから、特別展だと多くの人が集まります。ところが、常設でもすごくいいのをやっていても、それは見に行く人が少ない。それともう一つは、日本の美術館にコレクションが少ないということがあると思うんですね。その一つには、やはり購入できない理由として、財政的な面が大きいのではないかというふうに思っております。  このごろ展覧会を見ておりますと、公私立美術館においても、美術館とは縁もゆかりもない人気作家の作品や有名美術館のコレクションを借りてきて、それを特別展としているというのもよくありますし、学芸員が、何かその自分の才覚で、非常に楽しいそしてみんな、人を引きつけるいい美術展を開催しているところもあります。  私は、この法律ができるのに際して、ぜひ、恒久的に美術館というのは何をなすべきか、基本方針だとか、それから美術館や学芸員に対する国の支援、今まで学芸員で、研修をしたり、国が支援したりというのは余り行っていないのではないかと思うんです、こういうことに力を注ぐ必要があるのではないかと私は思いますけれども、大臣あるいは副大臣、どうお考えでいらっしゃいますか。

笹木竜三民主党・無所属クラブ文部科学副大臣

○笹木副大臣 委員の御指摘の中で、学芸員に対するいろいろな交流とか研修とか、こうした充実はぜひ必要だし、いろいろこの申請を受けるに当たってもそういうことが必要だと認識をしております。  あと、国立と公私立の共催とか、そうしたものもこれをきっかけにふえていくといいのではないか、そうしたこともやりとりの中でこちらからも勧めていくことができたらいいのじゃないか、そういうふうに考えております。

池坊保子公明党

○池坊委員 文化芸術立国日本にしていくためには、国立の美術館、博物館がコアになる、中心になることは必要かと思いますけれども、そのときの特別展だけたくさんの人が集まる、そして行列になって、みんな、見たわ見たわで済まされちゃう、それで本当に文化芸術立国日本と言えるのかどうか、私は疑問に思うのです。やはり、地域の人たちが小さな美術館にでも足を運ぶ、著名ではないかもしれないけれども感動を覚える、そういうような美術展覧会にこそ、私は、政府そして国は力を注いでいくべきだというふうに考えております。  よく、こういう法律ができましても、細かいことは省令、政令で決められて、その省令、政令だと私たちがタッチできない、でも、具体的に現場の人たちが直接感じるのはその省令、政令なんですよ。それは役人がつくられるんです。だから、役人の人にはぜひ国民の視点に立って、それから地域はどうなるのか、この法律の修正案をつくりますときにも、大臣や副大臣にお力をいただきましたが、役人のすごい抵抗もぴしぴしと感じました、そういうことがないようにと心から願い、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

田中眞紀子民主党・無所属クラブ

○田中委員長 次に、宮本岳志君。

宮本岳志日本共産党

○宮本委員 日本共産党の宮本岳志です。  この法案で創設される美術品損害国家補償制度は、展覧会主催者の保険料負担が軽減され、展覧会の水準の向上、企画力の充実につながるほか、広く全国ですぐれた展覧会が開催されるなど、国民の美術品鑑賞機会の拡大につながり、賛成できるものと考えております。  問題は、保険料負担が軽減されれば多様な展覧会を全国各地で開催することができるのか、その主体となる美術館、博物館が今どうなっているのかを見る必要があると思うんです。美術館、博物館の現状は、財政難、指定管理者制度、独立行政法人化など、激変をしております。  日本経済新聞が出版した本でありますけれども、「日経 五つ星の美術館」という本では、「将来、美術史家たちは二十一世紀初めの日本のミュージアムが置かれた状況について、」「「美術館受難の時代だった」——。そう総括する声が出てきてもおかしくない。」と紹介しております。  日本学術会議が美術品国家補償制度を要望しているということも政府の説明からありましたけれども、二〇〇七年五月二十四日に発表されたこの学術会議の声明のタイトルは、「博物館の危機をのりこえるために」と題するものでありまして、この制度の実現だけを要望しているわけではなくて、博物館、美術館が深刻な問題を抱えていることを紹介しております。「現在、国公立の博物館をめぐる制度的環境は、昨今の行財政改革により激変している。」こう述べて、指定管理者制度、市場化テスト等々を挙げ、「日本学術会議は、学術・芸術・文化の蓄積・普及装置としての国公立の博物館が、その機能充実を目的とした改革ではなく、財政および経済効率を優先する改革に影響されて、社会的役割と機能を十分に発揮できない状況に陥る可能性があることを憂慮するものである。」学術会議もそう指摘しているわけですね。  美術館受難の時代と言われ、博物館、美術館が、日本学術会議の声明で指摘されているように、「社会的役割と機能を十分に発揮できない状況に陥る可能性がある」、これは文科大臣に、そういう現状についてきちっと認識がおありかどうか、お尋ねしたいと思います。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 日本学術会議が平成十九年に発表した声明、いわゆる「博物館の危機をのりこえるために」では、昨今の行財政改革による環境変化のために、博物館がその「社会的役割と機能を十分に発揮できない状況に陥る可能性がある」、こういう指摘がなされておることは承知をしております。  この状況を乗り越えるためには、この声明では、美術品政府補償制度の導入、これは今議論しておられる案件ですが、このほか、国立博物館、美術館の特性に配慮した個別の法人制度の構築や、指定管理者制度の適切な運用等についても提言をされております。  また、文化審議会ワーキンググループからは、一つには、行政改革等により、全国の博物館は経費削減を余儀なくされておること、あるいは資料購入予算がほとんどないこと、あるいは学芸員資格を持つ専門職員の減少がある、そして、指定管理者制度の導入により公立博物館としての機能低下、そういう課題が指摘をされておりまして、私はこれも重く受けとめております。  私も先日、国立の博物館、美術館を視察をいたしまして、もちろん作品の拝見はもとよりでございましたが、むしろ、それを点検、整備しておられる方々のところにも出てまいりました。大変な御苦労があるのだなと、こういうことも実感をした次第であります。

宮本岳志日本共産党

○宮本委員 問題点もるる述べられましたけれども、文部科学省が委託した二〇〇八年の博物館総合調査、これによりますと、「この十年余り、博物館は人的にも財政的にも厳しい状況に置かれてきた。」職員構成の調査を見ますと、「博物館の人的基盤は以前に比べ弱まっている。」「予算規模でも縮小傾向にあるものと見受けられる。」としております。  特に今私が深刻だと感じたのは、資料購入の予算なんですね。予算がなかったという博物館が博物館全体の実に五割を超えております。「「資料」は博物館の事業・活動の基礎である。資料購入のための予算が確保されないことのインパクトは、その基礎の揺らぎにつながり得る。」と指摘がされております。  博物館、美術館の基礎が揺らいでいるとの調査結果は極めて深刻に受けとめるべきだと思いますけれども、直ちに、こういった資料購入のための予算確保など、まさに基盤を、基礎を立て直すために国として必要な支援をすべきだと考えますが、大臣の御見解をお伺いいたします。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 平成二十年、二〇〇八年度の文部科学省が日本博物館協会に委託した調査によりますと、美術館を含む博物館の予算については、減っていると答えた館の割合は五〇%、資料購入予算がなかったと答えた館の割合が五七%になっております。このような、美術館、博物館の予算が減少している状況を私は非常に残念に思っておるところでございます。  私といたしましては、このような事態を重く受けとめておりまして、現在開かれております文化審議会の審議等も踏まえ、私としては、もちろん、今回のこの美術品の政府補償制度を初めといたしまして、特に我が国ではおくれておるといいますか不足といいますか、寄附税制などの充実をしなきゃならぬ、国としても当然ながら必要な予算の確保をしなきゃならぬ、こういうことを常々考えておりますけれども、今回のこの議論を通じて、さらにその充実に努めてまいる所存でございます。

宮本岳志日本共産党

○宮本委員 寄附ももちろん結構ですけれども、やはり、おっしゃったように、国の予算をきちっと確保するということが基本でありますから。  それで、公立の美術館、地方の美術館については、さらに一層深刻な事態があるんです。先ほどの日経の本の中に、「美術館を蝕む「蓄積疲労」」「地方文化の拠点は内側から少しずつ崩れ始めている。」という指摘がなされております。  美術館は、開館しているだけで経費がかかります。栃木県の県立美術館、紹介されていますが、展示室の監視員の人件費や光熱費で一日二十万円かかるが、予算の削減でやりくりがきかず、もう打つ手がないとして、開館日を減らすことになったと言われております。  埼玉県立近代美術館、展覧会をするにも、「遠方の美術館から作品を運ぶ輸送費がないため、県内の美術館などから無料か低額で借りられる作品を選び、学芸員自らが車を運転して運ぶ。」こういう話ですね。「大型の充実した企画展をつくるのは不可能」だと担当者はこの本で述べておられます。  それから長野県諏訪市美術館、作品の保管、修復も美術館にとって大事な役割だが、収蔵品が展示にたえられないレベルになっても、年間十万円しか修復費がなくて何もできないなどなど、公立の美術館では、開館日数を減らす、展覧会が開けない、作品が修復できないなど、既に美術館としての体をなしていない現状すら見られるわけです。  この点、地方の美術館、博物館に対して国としてどういう支援を考えておられるか、支援すべきだと思うんですが、大臣の御答弁をいただきたいと思います。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 私も、委員指摘のとおり、特に地方における美術館、博物館、展覧会、これの開催が非常に重要だと思っております。東京を初め都会ではそれなりの受け皿がございますが、地方においては非常にそういうのは厳しいという認識を持っております。  そういう中で、平成二十一年度からは、地方、地域連携のみならず、国際的な視野も含めて、展覧会の開催や体験型の事業やシンポジウム等への支援を目的としております美術館・歴史博物館活動基盤整備支援事業、これを実施しております。平成二十一年度の予算額は一億九千八百万、平成二十二年度の予算枠は一億七千八百万、少し減少して残念でございますが、そのような状況になっております。  また、いわゆる美術館、博物館を支える人、人材、これまた非常に重要でございまして、特に、学芸員とかあるいは管理運営の担当者、こういった方々を対象にする各種の研修事業等を実施しております。  これらの施策を通じまして、今後とも、とりわけ地方の公立美術館、博物館の予算、人員の支援を努めてまいりたい、このように考えております。

宮本岳志日本共産党

○宮本委員 一億九千万というのでは大変心もとないわけですし、しかも、それがさらに二千万減らされているというのは本当に困ったことだと。やはりしっかりと確保していただく必要があると思うんですけれども、公立の美術館や博物館が厳しい状況にあればこそ、やはり国立の果たす役割はより大きいということになろうかと思いますね。  それで、国立の美術館、博物館は二〇〇一年から独立行政法人化されております。  そこでお伺いしたいんですが、独法化後の運営費交付金の推移、そして職員の人数がどう推移しているか、ちょっとこれ、お答えいただけますか。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 運営交付金の件でありますが、国立美術館については、平成二十一年度五十七億七千三百万、平成二十二年度が五十八億五千九百万、また、国立博物館につきましては、二十一年度が五十六億二千百万、平成二十二年度が五十四億五千二百万、このようになっております。

宮本岳志日本共産党

○宮本委員 それはふえているということですか。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 今、私は意図的に説明をしたわけではございませんが、もっと前から言いますと、例えば平成十八年度は六十七億七千九百万、これは国立美術館、それから、国立博物館は六十一億三百万、こういうふうになっておりますが、それからすれば減少しております。

宮本岳志日本共産党

○宮本委員 そうなんですね。独法化する前と比べれば、これは明確に減少しているわけなんです。予算としては三割減、職員数でいいますとほぼ横ばいなんですけれども、この間に、博物館でいえば九州国立博物館が新たにオープンしました。美術館も国立新美術館がオープンしておりますから、それで横ばいということは、結局、一館当たりでは減少したということになります。  国立博物館や美術館は、既にかなり効率化を進めてこられているんですね。国際比較を今回調べてみましたけれども、職員一人当たりの入場者数は、日本の国立博物館は二・三万人、国立美術館は四万人入館者があります。イギリスの大英博物館はわずか〇・六万人であります。職員一人当たりの展示面積、日本の国立博物館は百四十二平方メートル、職員一人当たりです。美術館の方は、二百六十六平方メートルに対しフランスのルーブル美術館は、職員一人当たり約四十平方メートルにすぎないわけです。予算も人もふえないという現状で、効率化も限界に来ているというふうに思います。  毎年とにかく予算を減らす、人はふやさないというやり方はやめて、やはりしっかりと予算も人も確保すべきだと考えますが、大臣の御答弁をいただきたいと思います。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 質問もございましたように、単純な比較は困難であると私は思いますが、先ほど述べられたように、世界の、例えばルーブル美術館、大英博物館と比較がありましたけれども、少ない予算、職員数で我が国は運営をしておる、したがって、こういった財源の方も、また職員、陣容についても、減少傾向にあるということは言われると思っております。  このような状況でございます。独立行政法人をめぐる問題はいろいろ多いわけで、極めて厳しい状況にもあることは御承知のとおりでありますけれども、その中にあって私どもは、まさに文化大国、芸術大国、そういう目標を持ちながら、必要な予算の確保あるいは職員の充実、これについて努めてまいりたい、このように決意をいたしております。

宮本岳志日本共産党

○宮本委員 運営費交付金が減らされる中で、国立美術館の美術品の収集にも陰りが出ていると言わざるを得ません。  国立美術館の美術品の収集について、美術館の昨年度、二〇〇九年度の外部評価で指摘がされております。「運営費交付金が年々減額されていく中にあって、美術作品等の購入、寄贈が、継続的に行われていることを評価する。」としながら、「欧米諸国においてそれぞれの国を代表する美術館にくらべると、日本の国立美術館のコレクションが充実していないことは残念ながら否定できない事実である。」「国の政策として抜本的な取り組みが求められる。」これが外部評価でも指摘されていることなんですね。  それで、国としてこのコレクションの充実のためにしっかりと策を打つべきだと思うんですが、この点、大臣、どうお考えでしょうか。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 御指摘のとおり、日本の国立美術館、博物館のいわゆる収蔵品、コレクション、これは諸外国と比較して十分と言えないと思っております。例えば収蔵品については、国立美術館が約三万三千点、国立博物館が約十二万二千点あるのに対して、大英博物館は約八百万点、ルーブル美術館は約三十五万点であります。  先ほどの御指摘のように、博物館のコレクションの充実については、本年の四月の事業仕分け第二弾でもこれがテーマになっておりますが、この中では、国の負担をふやさないとしつつも、機動的な美術品購入が可能になる仕組みと適切な制度のあり方を検討すること、こういう評価を受けたところでありまして、私どもとしましては、今後の望ましい運営のあり方についてことしの九月に、国立文化施設等に関する検討会、これを設置をいたしました。  有識者、専門家の皆さん方の御議論を今精力的に行っていただいておるところでございまして、もう来月にもこの論点整理がある予定でございますので、引き続き、御指摘のとおりの検討をしてまいりたいと思っております。

宮本岳志日本共産党

○宮本委員 最後にお伺いするんですけれども、美術史家であり評論家でもある高階秀爾さんが、展覧会の開催についてこういうふうにお書きになっております。  展覧会は、必要な調査に始まる準備段階から作品借用の交渉、調整を経て実現に至るまで、何年もかかるのが普通だと。特に、最も重要な作品の借用に関しては、国内外の美術館や個人の所蔵家から十分な信頼感を得ることが絶対的な条件となる。作品を貸す方にしてみれば、信頼の置けない相手に貴重な作品を預けることができないのは当然の話だと。だから、そういう信頼関係というのは一朝一夕に形成されるものではなく、多年にわたる実績やさまざまの交流、協力を重ねることによって築き上げられるものだと。この点で、近年問題になっている指定管理者制度というのは、美術館の活動にはなじまないことの大きな理由の一つなんだと。やはりきちっと公的に責任を持つ必要があるということを高階さんも指摘をされているんです。  私、ここで最後にお伺いするんですけれども、公の施設を民間に明け渡す指定管理者制度というものについては、そのものも問題ですけれども、美術館、博物館、図書館など社会教育施設には指定管理者制度はやめるべきだと私は思いますけれども、最後に大臣の御見解をお伺いして、質問を終わりたいと思います。

高木義明民主党・無所属クラブ文部科学大臣

○高木国務大臣 指定管理者制度については、民間のノウハウが活用できて、運営自体が非常に活力が出てくるんじゃないか、そういうメリットも言われておりますが、一方で、指定管理者制度が数年ごとにかわって、長期的な見通しやあるいはまた後継者の育成ができない、そういう意見も出ております。  そういう意味で、私たちは、ことし六月の文化審議会の部会の報告においては、「国として博物館が指定管理者制度を導入する際のガイドライン等を作成する必要がある。」こういう提言もいただきました。  したがいまして、私たちは、地域の実情に応じた適切な対応ができますように私たちとしては働きかけをしていきたいと思っております。  以上です。

宮本岳志日本共産党

○宮本委員 指定管理者制度はやめるべきだということを申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございました。

田中眞紀子民主党・無所属クラブ

○田中委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

田中眞紀子民主党・無所属クラブ

○田中委員長 この際、本案に対し、高井美穂君外四名から、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会、公明党及び日本共産党、四派共同提案による修正案が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。池坊保子君。     —————————————  展覧会における美術品損害の補償に関する法律案に対する修正案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

池坊保子公明党

○池坊委員 ただいま議題となりました修正案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明いたします。  本法律案により創設される美術品損害の国家補償制度の対象となる展覧会につきましては、国民が美術品を鑑賞する機会の拡大に資するものとして文部科学省令で定める規模等でなければならないと規定されております。また、損失補償下限額につきましても、政令で定める額とされております。  現在、大規模な国際展覧会につきましては、主に国立の美術館、博物館において、大都市を中心に開催されている状況がありますが、国公私立の別を問わず、地方における美術館、博物館が開催する展覧会にも学術的、文化的に価値があり、補償制度の対象とすべきものもあると考えます。また、本法律の施行により、地方の巡回展もこれまで以上に開催されることが期待されます。  質の高い展覧会が全国各地域で安定的に開催されるよう、損失補償下限額につきましても、以上のことを踏まえて設定されるべきではないかと考えます。  本修正案は、国立のほかに施設、環境の整備された公立、私立の美術館が全国各地域に設置されている現状を踏まえまして、大都市に限らず、全国的な広がりのもとで多様な展覧会が開催できるように、政府に配慮を求めるものであります。  概要につきましては、次のとおりでございます。  まず、本法律案の第三条第一項に、政府は、補償契約を締結する場合においては、博物館法第二条第一項に規定する博物館または同法第二十九条の規定により博物館に相当する施設として指定された施設における展覧会の開催に資するものとなるよう配慮するものとする旨の内容を加えるものです。  次に、本法律案の第四条に第二項として、補償対象損害の額の合計額に関する政令を定めるに当たっては、多様な展覧会の開催に資するよう配慮しなければならない旨の規定を加えるものです。  最後に、本法律案の附則に、政府は、この法律の施行後三年を目途として、この法律の施行の状況、社会経済情勢の変化等を勘案し、国民が美術品を鑑賞する機会の一層の拡大を図る観点から、補償契約による政府の補償の範囲について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする規定を加えるものです。  以上が、修正案の趣旨及び概要でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

田中眞紀子民主党・無所属クラブ

○田中委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     —————————————

田中眞紀子民主党・無所属クラブ

○田中委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  内閣提出、展覧会における美術品損害の補償に関する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。  まず、高井美穂君外四名提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

田中眞紀子民主党・無所属クラブ

○田中委員長 起立総員。よって、本修正案は可決されました。  次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

田中眞紀子民主党・無所属クラブ

○田中委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中眞紀子民主党・無所属クラブ

○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

田中眞紀子民主党・無所属クラブ

○田中委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時五十八分散会

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