厚生労働委員会 第5号
- 発言数
- 247 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2010/11/17
会議録
○牧委員長 これより会議を開きます。 第百七十四回国会、内閣提出、国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省大臣官房年金管理審議官石井信芳君、労働基準局長金子順一君、保険局長外口崇君、年金局長榮畑潤君、政策統括官香取照幸君、国土交通省自動車交通局長中田徹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○牧委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○牧委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。菅原一秀君。
○菅原委員 おはようございます。自由民主党の菅原一秀です。 まず初めに、今提出をされました国民年金法の一部改正案、これについてお尋ねをしたいと思います。 この法案は、去年の七月に解散によって審議未了となりました、いわゆる被用者年金の一元化改正法案、そして企業年金の整備のための確定拠出年金改正案、これをいわば踏襲したものでありますから、おおむねの理解はしているところであります。しかしながら、この際、二点確認をしておきたいと思います。 まず初めに、保険料の納付可能期間を延長するということをうたっているわけでありますが、この点、今の政府案では、現行の二年間分であるものを十年間に追納可能期間を延ばすというように書いてあります。言ってみれば、これを将来的に未来永劫続けられる、こういうような内容になっているんだと思うわけであります。 国民年金は世代間の扶養、こういう仕組みでありまして、その保険料収入がいわば恒常的な、基礎年金の確たる財源にならなければいけない、こういう制度でありますから、当然、この保険料というのは毎月まじめにこつこつ払っていただく。今、未納率の問題、消えた年金の問題はありますけれども、これが原理原則なんだ、こうとらえているわけであります。 しかし、それにもかかわらず、今回のこの政府案の中には、十年間分の保険料は後からでも納められますという内容で、言ってみれば、十年間分を、極端に言えば四回払えば四十年、基礎年金の満額支給につながる、こういうような、制度のある意味では抜け道ということが生じるのではないか、それがすなわちモラルハザードにつながるのではないかという懸念もあります。特に若い世代の方々については、今でも納付率が低い状況の中で、言ってみれば、こういう新しい法律ができたから、ある意味ではお金のあるときにまとめて払おうじゃないか、こんなことが出てくると、この恒常的な、確たる財源確保にはつながっていかないという大いなる懸念がされます。 私たち自民党も、無年金・低年金者対策として、国民年金制度が創設をされた昭和三十六年までさかのぼって未納期間の保険料を納められるようにするということを政権公約で掲げたわけであります。ただし、これはあくまでも三年間という時限措置だということも同時にうたっているわけでありまして、この政府案、未来永劫これを可能とするということに関して、私は非常に違和感、疑義を感じるものであります。なぜ、この事後納付を認める恒久措置とするのかということを確認したい。 あわせて、無年金・低年金者対策、救済ということであるならば、言ってみれば、さかのぼれる期間を、十年と言わずに、それこそ可能な範囲でさかのぼれるということの方が真の救済につながるんではないか、この方が効果が高いんではないか、こう思うんですが、この点を確認していきたい。 あわせて、民主党政権において、マニフェストで平成二十五年までに導入を検討しているいわば年金の一元化、この一元化をする場合に、いわゆる所得比例部分に関しても同じような取り扱いを考えているのかどうか。 以上、三点確認をしたいと思います。
○藤村副大臣 菅原委員にお答え申し上げます。 まず、国民年金制度の保険料の支払いということが、普通に、一般的に、みずからの高齢期に備えて毎月々保険料を納めていく、こういう保険の仕組みであるのは基本であります。それから、その月々の、毎月納めていただいている保険料によってその時々の給付を賄うという世代間の支え合いの仕組み。ですから、基本的に、こういう仕組みを当然維持する、あるいはこれが原則であるということをまず前提にさせていただいて、十年の延長にしたら、十年ごとに払えばいいじゃないか、いわばそういう方も出てくるということは事実だと思います。だから、それはやはりマイナス要因であります。 一方で、二年より前の納め忘れの期間の分を払えるということは、そういう方に今度は払うインセンティブというか、プラス面もあります。それから、これから納めても二十五年に届かないとあきらめていた方も、今回のさかのぼり納付によって将来年金受給者になれるわけで、そういう人たちもむしろ積極的に保険料納付意欲を取り戻すといったプラス要因もあるということでございますので、一概に、納付率が下がるかどうかというのは、必ずしも下がるとだけは言い切れないと思います。 それから、十年ごとに四回払えばいいという考え方でありますが、後から払うという考え方、これは確かに否定はいたしません。ただ、その際に、それは三年目以前の分については当然加算金がつきます。月々払うよりは高く払わないといけない。それから、このことは案外知られていないんですが、その払っていない期間でみずから障害になるとか、あるいは遺族年金のことも、受給権はなくなってしまいます。 そういう意味では、毎月毎月払っていただくといったことをむしろ我々の方から積極的にPRしながら、その時々に保険料を納めていただくことが重要であるということはこの法案によって変わるものではなく、我々としては、きちんと納めることの意義を丁寧に説明していきたいと存じます。 三点目は、民主党の今後の年金の見直しの話でございますので、これは今後の見直しの中で検討していくという簡単な答えにさせていただきます。
○菅原委員 今、副大臣から御答弁ありましたように、無年金あるいは低年金者、あるいは不可抗力である日突然病気や障害になった場合のさまざまな変化に対してあらゆるチャンスを与えていく。二十五年を十五年にする、十年にするということも私どもは訴えております。そうしたことの中で取り組みを図っていただきたいと思いますが、十年さかのぼって、しかも未来永劫これをやるというのはいかがなものか、これはやはり時限措置にするべきではないか、このことを申し上げておきたいと思います。 それから、もう一点、この法案の改正案の中であわせて考えていかなければいけないことなんですが、基礎年金の国庫負担二分の一の財源、この問題であります。 これは第百七十一回国会の国民年金法等の一部改正法等の一部改正案の中で、時限措置として、平成二十一年、平成二十二年の二年間は財政特会から繰入金を活用して二分の一とするとなっているわけでありまして、これは御案内のとおりであります。ところが、平成二十三年度については、確かに、二分の一を前提とした概算要求を厚労省もされていることも認識いたしております。ところが、その確たる財源というものが全く示されていない。 本当に、民主党の代表にだれがなるかによって消費税論議については非常にダッチロールをしてきた。しかも、ここに来て、厳然たる事実は、私どもは参議院選のマニフェストに、消費税を一〇%にきちっと上げてそれを社会保障に充てるんだということを訴えてきたわけですが、今もって民主党においては、消費税率の引き上げ、税制の抜本改革ということに踏み込まない。踏み込んでいない中で、この二分の一の引き上げということを言ってはいるけれども、その財源が不明である。この点はやはりしっかり指摘をしなければいけないわけであります。 いわゆる最低保障年金、全額税で賄うということであれば、二分の一どころか一〇〇%税で賄う。とするならば、この二分の一というのは最低限のまずデッドラインであると思いますし、この二分の一を引き下げるなんということは論理的には矛盾をするでありましょうから、この点、財源確保について、税制の抜本改革をやるのかやらないのか、この点も含めて、この二分の一の対策について確認をしておきたい。 もし仮に、二十三年度、暫定的に、大臣の方で財源をどこからか見つけて乗り切るということであれば、その財源の候補についてもお示しをいただきたいと思いますし、仮に、予算上で何らかの措置を講じた場合でも、法律の改正を行わないでやるということであれば、やはりこの二分の一の国庫負担実施ということはいかがなものなのか、現実的なのかなと。ここでやはり時限措置の前の国庫負担割合まで引き下がってしまうようなことは絶対あってはならないと思うんですが、この点も確認をしておきたいと思います。
○細川国務大臣 おはようございます。またきょうもよろしくお願いいたしたいと思います。 今、基礎年金の国庫負担の二分の一を維持するかどうか、これについて御質問でございますけれども、私は、年金制度を持続可能なものとして確保するためには、この二分の一というのは必要不可欠なものというふうに考えております。 昨年の通常国会で成立をいたしました国民年金法の改正法におきましては、二十三年度以降で安定財源が確保されるまでの間も国庫が二分の一を負担するよう、臨時の法制上及び財政上の措置を講ずることということが規定をされておりまして、これは次期の通常国会に関連法案を出して成立を目指す、こういうことになります。 そこで、では、二分の一の財源はどうするのか。委員御指摘のように、この財源の確保というのはどうするかということで、大変難しいところもありますけれども、これについては、今、ことしの末までに、来年度の予算案が確定するその過程において、関係省庁と連携をしながら、そこで決めていくということになっておりまして、まだ今、菅原委員の質問に対して確たるお答えができないというところでございます。
○菅原委員 その答弁は野党のときであったならば通じるんですが、やはり政権政党となって、しかも、これはきちっと二分の一に上げるんだということを担保するのであれば、やはり消費税も含めた税制抜本改革ということは、菅総理や大臣がきちっと、財務省と相撲をとってやるんだという、いわゆる短期的な対策だけではなくて抜本改革をしっかり進めるべきだ、このことを自民党から訴えておきたいと思います。 この年金法の改正について、もし後で時間があったらば質問をしたいと思います。 次に、B型肝炎訴訟についてお尋ねをしたいと思います。 このB型肝炎訴訟にかかわる問題については、我が党で各委員が繰り返し質問をしてきました。それで、改めて、この質問内容を含めて、ここで私たちが主張しておきたいことを冒頭申し上げておきたいと思っております。 まず、このB型肝炎訴訟の問題に関しては、国の責任は加害責任である、法的な責任があるということ。すなわち、当たり前のことですけれども、国が加害者であって、患者が被害者、原告が被害者であるということが明確に最高裁でも判決で出ているわけであります。したがって、これまでも議論があったように、最初に財源ありきで、幾らかかるからこれは難しいんだとか、一人当たりの額を減額するんだとか、そういう発想に左右されてはならない、このことはきちっと申し上げておきたい。 それから、それにもかかわらず、繰り返し、大臣、各閣僚が、解決は膨大な財源が必要だ、そのことだけを殊さらに強調して、言ってみれば、一般国民をミスリードするかのような言動が今まであった。この点は厳に慎まなければいけませんし、本当に、日々刻々、B型肝炎と闘いながら、命を削りながらこの裁判と向き合い、さまざまな努力をされていらっしゃる原告、患者の皆さんの心中をおもんぱかれば、こんな財源論を振りかざしてイエスだノーだと言っている問題ではない、このことをきちっと認識を賜りたい。本当に塗炭の苦しみを味わっている、本当に命がけで頑張っていらっしゃる方々の思いというのは何をおいても重い、私はこう考えております。 平成十八年、最高裁で、国は、注射器の回し打ちによる加害責任ということが既に確定をされているわけであります。したがって、この問題、国、厚生労働省、菅政権、これはさまざまな今までの歴史はあります、しかし、今日的状況の中で、今政権を担っている菅政権、細川厚生労働大臣、厚生労働省が、この問題に関していまだに謝罪をしていない。原告の方々、患者の方々に、この問題は国が加害者であるという最高裁の認識が出ているにもかかわらず、判決が出ているにもかかわらず、謝罪をしていない。 それと、集団予防接種とB型肝炎被害の法的な因果関係、これも繰り返しになりますが、最高裁の判決で認められた厳然たる事実であり、確定的なものであります。 最高裁の上は、もう現実的にはないわけであります。三権分立の中で、私たち、行政あるいは政治、国政に携わる者にとっては、この和解に関しては、やはり人と法律の間を埋めるのが政治である。とするならば、これは政治判断、政治決断ということが当然必要であります。この点、この和解について、今の直近の見解を大臣にお尋ねしたいと思います。
○細川国務大臣 B型肝炎につきましては、十八年の最高裁判決でも国の責任が認められているところでありまして、そういう意味では、国の責任ということについては私どもの方も認めているところでございます。 被害者の、患者の皆さん方が日常的にもいろいろな形で苦しんでおられる、そのことについて、国としても、裁判所のあっせんによります和解協議が今進んでおりますので、できるだけ早く和解協議が成立するように、誠意を持って交渉をさせていただいているところでございます。 国としては、患者の皆様方の今の気持ち、その思いをしっかり受けとめまして、今、菅原委員の言われましたように、誠意を持って対応をしていくつもりでございます。
○菅原委員 この議論の中で、B型肝炎とC型肝炎の和解金額の取り扱いの違いという理由の中に、どうもこれは行政用語として、やはり行政用語なんだなと思わざるを得ない言葉がある。それは、因果関係について相当程度不確実であること、それを理由にしてこの問題をクリアしようとしている。 先ほどおっしゃったように、最高裁のあっせん、あるいはその判決の中に、注射の使い回しということが厳然たる事実として認識され、それに基づいて判決が出て、あっせんに至って、和解協議にまで至っているわけでありますから、このことは当然重く考えなければいけない。しかし、その他の要因が、しかも、役所側、厚生労働省からすれば、一つ一つの確たる証拠、事実等がなければだめだと。いろいろな要因があるけれども、あくまでも注射の使い回しが原因だと判決で出ているということは、何よりも最大限重く受けとめなければいけないと思うんです。 そこで、一つお尋ねしたいんですが、慢性肝炎等の認定、例えば六カ月要件だとかいろいろありますよね、この認定はどこでするんですか。厚生労働省でするんですか、いわゆる専門家機関でするんですか。局長でもだれでもいいから答弁してください。
○細川国務大臣 それは、判決で結論が出るという場合には裁判所の方で、判決の中で判断されると思いますけれども、今、和解協議が進んでおりますから、その和解協議の中で、肝炎の発症ということについての認定というのも、どこがどのように判断するかということも協議の中で決めていくということになると思います。
○菅原委員 今大臣が、協議の中でとおっしゃいましたが、最終的には裁判所なんですよね。裁判所が認定しなければ、ほかの確たる構成要因にはならない。とするならば、この認定は裁判所に任せておきながら、因果関係は不確実だと国は、厚生労働省は言っている、それでいて救済については不確実だと言っているということは、認定は裁判所に任せていながら、この判断は国、あるいはそこに裁量が入るかもしれない。これはやはり論理的に矛盾を来しているわけですよ。 薬害肝炎のときも、フィブリノゲン、血液製剤と大量の輸血ということで、いろいろな議論がありました。七年かかっているわけですよ。今回、こんなに時間はかけられない。さまざまな要因がある中で、やはり最高裁の判決、それに基づくあっせん、そして和解協議、このプロセスを考えれば、これはもう、すぐ政治決断してしかるべきだと私は思います。 もう一つ、無症候キャリアについて、これはやはり置き去りにされてしまっている現実があります。原告、患者の皆さんは、いつ発症するかわからない。現に、若い世代でも肝がんを発症している方もいらっしゃるわけですよ。 しかも、十月二十六日の札幌地裁での和解協議では、もう大臣御案内のとおり、裁判長から国に対して、無症候キャリアについての補償を検討するよう要請されている。ところが、十一月十二日、この前の和解協議では、国側は回答を留保している。全く誠意が見られない。全くやる気が見られない。私、これは、残り三回を年内にやる、これを消化試合のようなことにしたら、ただじゃおきませんよ。 本当に、日々刻々、命を削ってこの問題に取り組んでいる原告、そしてまた患者の皆さんのことをおもんぱかれば、あの何々肝炎はこうだった、この肝炎は別だ、そんな話でいいんだろうか。繰り返しになるけれども、やはり、法の判決、裁き、そして人間とのすき間をしっかり埋めていくということは政治しかできないのでありますから、この点はしっかりと認識いただきたいと思いますし、言ってみれば、平成元年から、このB型に関して十七年かかっているわけですよ。 十七年ということは、それをもって最高裁が判決を十八年に出したということは、言ってみれば、この十七年間すべて否定されるとは言いません。しかし、それだけの時間がたってしまっている。その間、患者さんの病状も悪化をしてしまっているケースも非常に多い。そういうことを考えたときに、この不毛な期間、不毛とは言わない、積み上げがあってこそ今がある。しかし、その時間自体はやはり不毛と言わざるを得ない。そしてまた、不都合な期間であった。とするならば、これはやはり、いたずらに時間を費やしてきた、その責任は国にあるわけです。 だからこそ、いわば除斥期間を過ぎたから支払いをしないんだ、無症候キャリアについては別なんだ。現に、平成十八年の裁判、五百五十万、五人全部、原告が勝訴して、国が敗訴している。この中には無症候キャリアの人も入っているわけですよ。とするならば、あっせんによる和解協議において、無症候キャリアについても補償すべきだ、それを検討すべきだと言ったことは、当然国として、厚生労働省として重んじていかなければいけない、こう考えますが、この点、お尋ねをしたい。
○細川国務大臣 まず、今月の十二日に和解協議がございました。その和解協議では、無症候キャリアの皆さんへの一時金というような、裁判所の方で、出すようにというふうには言われていなかったようでありまして、十二日は、全体的にいろいろな論点がある、その論点の整理をするというのが十二日の和解期日の協議内容だったようでございます。そういう意味で、この点については協議の内容とならなかったというところでございます。 それから、無症候キャリアの方にも一定の賠償のお金を、こういう委員の質問でございますけれども、この無症候キャリアについてはいろいろ問題がございます。まず、ちょっと前提についてお話ししますと、十八年の判決の中で、無症候キャリアの方にも五百五十万ですか、損害賠償のお金をということで判断が出ておりますけれども、その場合のあれは除斥期間にはかかっていない方でございまして、今回の問題では、除斥期間にかかっている人がほとんどでございます。そうしますと、法律によって、二十年の除斥期間が経過をいたしますとその請求権というのは消滅をするというのが、法律上そうなっておりますから、それの問題もあるということ、これは御理解をいただきたい。 したがって、十八年のケースと今回のあれが全く同じというわけではないというふうにお考えをいただきたいというふうに思っております。
○菅原委員 二点あって、一点目は、十月二十六日は、裁判所が国に対して無症候キャリアに対する一時金支払いについての再考を求めるというふうになっているんです。ただ、多分裁判所の指導で、原告も被告も裁判所も、この内容を明らかにしちゃいかぬというような流れがあるんだそうですね。この辺はやはりよく突き詰めて確認をしていきたいと私も思いますし、また次の質問のときに確認をしたい、こう思います。 いずれにしても、消えた年金じゃなくて、今や消えた大臣と言われる長妻大臣が、二〇一〇年の衆議院の厚生労働委員会で、このB型の問題に関して、財政の枠組みありきではないとはっきり答弁しているわけですよ。やはりここに基づいてしっかり対応していただきたい、このことを申し上げます。 次の質問に移ります。 次に、全建国保の無資格加入問題について質問をいたします。 国民皆保険は、昭和三十六年に達成されて、ちょうどことしは五十年目に入るわけであります。国民健康保険組合は、御案内のとおり、現在、百六十五の組合が認可をされているわけでありまして、一九七〇年の日雇い健保の一人親方擬制適用の廃止に伴って設立が認可された建設関係の国保組合を除くと、その歴史は、言ってみれば市町村国保よりも古い。また、我が国の国民皆保険を市町村国保とともに支えてきた、こう言っても過言ではないと思うんです。 ところが、ほとんどがまじめに取り組んでいる、まじめに歴史を積み重ねてきた国保組合であるにもかかわらず、去年の暮れからことしにかけて報道でもされました、この委員会でも若干議論になりましたが、約二十一万人の被保険者が加入する全国建設工事業国民健康保険組合、いわゆる全建国保、これは全建総連というのとは違いますよ、これとは違う全建国保、いわゆる工事業国保と言われるものであります。この国保において、本来加入資格のない人を多数加入させていたという、いわゆる無資格不正加入問題が発覚をしたことは御案内のとおりであります。 全建国保というのは建設業に従事する者が加入する国保組合でありますが、昨年からことしにかけまして、例えば徳島県では、銀行や官公庁を退職した年金生活者が、建設業に従事していないにもかかわらず名前があった。あるいは北海道では、協会けんぽに入るべき事業所が法人名を隠したり、あるいは、会社をグループ分けして個人事業所と偽って加入をしていた、こういう事実が発覚をしているわけです。 この無資格加入者の数は、建設国保、いわゆる組合側の自己申告だけでも二万八千人に及んでいるわけです。しかも、その無資格者の医療費に、五年間で八十億円もの巨額の補助金が使われてきた。 この問題について、監督官庁である東京都、そして厚生労働省の所管である関東信越厚生局が合同で検査をしてきた。そして、三月の十七、十八日には、会計検査院の実地検査も北海道支部、三重県支部、徳島県支部、福岡県支部で行われてきたわけですね。 この問題に関して、長妻厚生労働大臣、前大臣は九月九日に、国民健康保険法第百八条に基づいて是正改善命令を出したことは現実だと思います。 そこで、お伺いをしたい。 この改善命令を出した、その期限が十月二十九日となっているんですが、全建国保からどのような実態解明あるいは再発防止という報告があったのか、この点、確認をしておきます。
○外口政府参考人 十月二十九日付で提出された報告書につきましては、無資格加入者が発生した経緯、資格是正の状況、再発防止のための取り組み等が記載されております。 具体的に申し上げれば、問題が発生した経緯については、無資格加入者にとっては、保険料が本来加入すべき他の制度の保険料より安かったという認識があったこと、組合としては、公的な書類の提出を求めず、母体団体の証明書や自己申告のみで加入を認めていたものがあったことなどが挙げられております。 資格是正の取り組み状況については、十月二十八日付で国保組合の資格喪失通知を無資格加入者に対して送付し、市町村国保や協会けんぽへの加入勧奨を行ったことが報告されております。 再発防止策については、今後、業種確認を公的証明書など信頼性の高い書類により行うこと等が挙げられております。 現在、この報告書の内容について、是正改善命令で求めたとおりとなっているか精査をしているところでありますが、より詳細な報告が必要と認められた場合には、適切に指導してまいりたいと考えております。
○菅原委員 そういう報告があったということは確認をいたしました。 大臣にお尋ねをしたいと思うんですが、この問題に関して、当該の全建国保、それから全建国保の組合員有志という方から嘆願書がそれぞれ一通ずつ出ているんですが、一つは九月二十四日、一つは十一月十日、これに間違いありませんね。
○藤村副大臣 嘆願書が出ております。これはまた、ファクシミリなどでも議員の先生のところにも来ているというふうに聞いております。
○菅原委員 そうなんですね。かなり広範にこの嘆願書が来ていて、私の手元にもあるんです。 これは、こういうことが書いてあるんですよ。巨額な返還命令で組合を兵糧攻めにしないでほしい、返還命令は組合が存続可能な範囲でお願いします、納期はあらかじめ長期に分割して、延滞利息はかからないようにしてください、こうしたことは決断によって十分裁量でできる事柄でしょう、こう書いているんですよ。 言ってみれば、八十億もの国庫補助金を返還することはしんどい、大変だから、ひたすら、返還額の圧縮と、延滞利息のつかない、常識では考えられないですね、こういう分割返済を厚生労働大臣の裁量で求める、こういうような趣旨なんですね。 私は、ここで驚きを禁じ得ないのは、この中に、一五%の不心得者たちのために、なぜ何の落ち度もない善良な組合員が犠牲にならなければならないのか、理不尽に憤りさえ感じますと。 文言どおり聞けば、確かにそのとおりだと思うんですけれども、確かに、大半の組合員はまじめ、大半の組合の執行部の方もまじめに取り組んできた。しかし、その一五%の不心得者というのは、では一体だれが加入させたんだ、そこに問題が行き着くわけですよね。恣意的に不正加入をしたという事実があるとするならば、そこも含めて是正改善命令を長妻大臣が出したんじゃないですか。 国保組合というのは公の法人であって、運営に当たっては、市町村国保と同等の適切な運営と法令遵守が求められます。だからこそ、この建設国保に対して毎年二百三十億円もの巨額の国庫補助金が交付をされてきたという事実がある。 このような問題を起こしていながら、国民の血税を不正に得たことに対して何ら反省も謝罪もなく今に至っていて、しかもだれ一人も責任をとらない。こんな団体に国として国民健康保険の運営を任せていいのかどうか。 九月九日、厚生労働省のプレスリリースによりますと、十一月に八十億円の返還命令を出す予定と言っています。これは今現在どうなっているんですか。いつこの返還命令を出すのか。 それで、大臣にお尋ねしたいのは、この嘆願書を丸のみにして、返還額の圧縮や分割の支払いを検討しているんじゃないでしょうね。この辺の確認をしていきたい。あわせて、そもそも、この嘆願書にあるように、国庫補助金の返還については、その圧縮や延滞利息のつかない分割返納を厚生労働大臣の裁量でできるものなんですか。これを確認していきたい。どう思いますか。
○藤村副大臣 お答えいたします。 菅原委員のお怒り、ごもっともであろうと思います。 先ほど局長から御説明しましたように、今、出てきたものを検討しておりますが、まだ詳細な報告が必要と考える点は、例えば、不祥事に至る経緯、原因、関与者の実態解明とか、あるいは工事業国保の支部、本部の責任者の責任所在等、これらはまだ要求を今からする可能性がありますが、いずれにせよ、十一月末を目途に返還命令を行いたいと考えております。 そして、やや冷たいようでございますが、補助金適正化法に基づく補助金の返還については、これは減額やあるいは分割納付の規定は置かれておらず、関係者の要望にこたえることはできません。厚生労働省としては、返還が確実に行われるように厳正に対処してまいります。
○菅原委員 今、副大臣、冷たいようであるという言葉は取り消した方がいいな。どうですか。冷たいも何も、これは厳然たる法に基づいての指導なわけでしょう。
○藤村副大臣 先ほど委員もおっしゃったように、一五%の何とかが起こしたことで、実は、本当に、全く悪意のないというか善意の人たちが大半を占めている組合であることをしんしゃくしたというところでございました。
○菅原委員 その一五%の不心得者をつくってきた、その経過によって、保険料だって安く済んだはずですよ。補助金だって、そこでカバーして医療費に充てていた。そのことを考えれば、冷たいようだけれどもという言葉は、私はこれは認められないね。はっきり取り消してください。
○藤村副大臣 ここは政治の舞台でありますので、法律的には厳正に対処するということに尽きると思いますが、政治家同士の話し合いの中で、先ほど一五%の不届き者がという言い方をされたので、残りの方に確かに悪意がないし、善意の人たちに対しては冷たいかなということで表現をした次第であります。
○菅原委員 僕は認められません。 それで、十一月も、もうきょうは十七日ですよ。末と言ったけれども、もっとこれは早く出してしかるべきじゃないですか。もう一年たっているわけですよ。このおくれというのは、何か非常に違和感を感じる。 一部報道によると、全建国保から民主党の一部議員への働きかけ、それによって民主党議員から厚生労働省への働きかけがあったかのような報道があります。現に、去年の五月、民主党議員の名前で、平成十五年の不正流用に関して是正改善命令が出た、それを早期に解除してくれという請願が出ているんですよ。この案件というか、その前の案件で。こういう流れがあって、今回、しかもこういう報道。 これは今後、次の質問で明らかにしていきたいと思いますが、こういう流れがあって、この不正行為に関して法令に基づいて厳正に迅速に処分を行う、これは当然のことですよね。ところが、もしこういう事実が仮にあったとするならば、尖閣問題で中国の船長を処分保留のまま釈放したあのこととどうもダブってしまうんですけれども、民主党政権における政治主導というのは、そういう不正行為を看過するためのものであるのかどうか。 大臣、どうですか、これ。この問題についてどこまで把握していますか。
○細川国務大臣 先ほども副大臣の方から御答弁がありましたように、この件につきましては、これは大変重大な法違反でございますから、厳正に対処していかなければというふうに思っております。 先ほどもお話がありましたように、補助金適正化法というのは、減額とかあるいは分割とかそういうことは認められておりませんので、それは一括ということになろうかと思いますけれども、法律にのっとって、もう一度申し上げますが、厳正に対処をしてまいります。
○菅原委員 法律に基づいて適正に対処するのは当然のことです。大臣として、厚生労働省として、政権として当然のことである。しかしながら、この問題に関して一部民主党議員の関与があったとするならば、これはやはり問題である。これは徹底して調査をしていきたい、こう思います。 あわせて、何でこういうように、偽装加入してまで組合を維持存続させようとしているのかな。ここにもやはりいろいろな課題があるんですよ。会員がふえれば保険料がふえる、あるいは大もとの所属団体の運営費とか会費がふえる、こんなこともあるんでしょう。しかも、協会けんぽや厚生年金の事業主負担、これを小規模の事業所の場合は免除される、この建設国保に入っていれば。こういったさまざまな理由があるんでしょう。あるからこそ、こういう不正加入をさせてまでこの団体を維持存続、拡充をさせようと。 しかし、そこのリカバリーする部分を国民の血税で補助金を出して、国庫負担を出しているということを考え、そしてまた、それに対して何の罪もない、汗水垂らして働いた一般国民の税金がそういう不正な部分に使われる、それが医療費に回る。それはやはり絶対に言語道断、断じて許してはならない。この問題を省内でプロジェクトチームをつくって、徹底した調査をしていただきたい。 答弁を求めます。
○細川国務大臣 先ほども答弁しましたように、重大な法律違反もいたしているわけでありますから、厚生労働省といたしましては、これは詳細に調査もいたしまして、厳正に処分をしてまいります。
○菅原委員 今の言質をいただきましたので、また次回、この問題を追及していきたいと思います。 終わります。
○牧委員長 次に、松浪健太君。
○松浪委員 自由民主党の松浪健太であります。 きょうは国民年金法等の改正ということでありますけれども、この法案は、私は、趣旨からいって、自公政権で行ってきたことを強化していただくという意味で、本質的に我々とそごのあるものではないだろうというふうに考えております。 そこで、この問題に入る前に、最近やはり、ねじれ国会等になって国会も混乱をして、質問時間もちょっと短くなりつつありますので、その前に私は、今回はトラックの運転手さんの問題をちょっと取り上げさせていただきたいと思います。 前の総理、鳩山総理は、まさに命を守りたいというふうにおっしゃいました。 そして、この過労死の問題があるわけであります。トラック運転手というと百三十万人強ぐらいだと思いますけれども、この皆さんの過労死の割合が突出して高い。私は、現場に伺って、タクシーなんかは、私たち、大変だ大変だと聞く、我々もタクシーに乗る、それでお話を聞く。よくタクシーの運転手さんは大変だなということを感じるわけですけれども、このトラック、まさに今の民主国家日本において、こんなことがあって許されるのかなと私は愕然といたしました。なるほど、この過労死の割合がこれだけ突出して多いわけだなということが横たわっている。その向こうには、やはり厚労省の姿勢、そしてまた厚労省の検査とか調査だけでは、指導だけではどうしようもない構造的な問題というのが横たわっているというのが私の実感であります。 本日は、国土交通省からも皆さん、こちらの方に来ていただいておりますけれども、これは国交省だけの問題じゃない。まさに命を守る、そのために、まずもって、本日、厚労省と国交省が最初にこの問題をこれからしっかりと認識して改善する、一刻も早く命を守っていただく契機にさせていただきたいと思います。 そこで、まず、厚労省として、この過労死というものにどう対処すべきか、過労死についての認識を一般論として伺います。
○金子政府参考人 お答え申し上げます。 最近、脳・心臓疾患によります労災補償の件数が大変ふえております。この数年間を見てみますと、三百件、四百件近い件数の労災認定が行われている状況でございまして、大変憂慮しているところでございます。 厚生労働省といたしましては、長時間労働の抑制でございますとか年次休暇の取得促進、それから企業におきます健康管理の徹底、こうしたことを通じてその防止を図りたいということで取り組んでおります。また、全国の労働基準監督官におきまして必要な事業所への臨検監督を行いまして、労働基準法違反等の是正に努めているところでございます。
○松浪委員 まさに今、局長がおっしゃったのは、それができればこの過労死はないというところをまず我々は認識をしないといけない。このような有給休暇をとる余裕が現場にないわけであります。ですから、まず過労死の内訳というもの、これをどういうふうに認識するか。まさに厚労省の局長おっしゃるような、そういう余裕がない現場があるということを、まず皆さんには御認識いただきたいと思います。 そこで、まず、過労死の内訳における貨物自動車運転者というのはどれぐらいの割合になるのか伺います。
○金子政府参考人 すべての業種、職種を通じまして、平成二十一年度では、脳・心臓疾患の労災支給決定件数は二百九十三件でございました。このうち、死に至りました過労死は百六件でございます。今議員からお尋ねがございましたトラック運転者に限って見ますと十九件ということでございまして、その占める割合は一七・九%ということで、従事者数等から見ました場合に大変高い割合になっている、このように認識しております。
○松浪委員 百六件中十九件という話でありますけれども、これを広く見ると、まさに全労働者のうちの百三十五万人、数十分の一のものが、これだけでも五分の一近い。運転手というものを大きく見た数字は、さらに、今、十九件でしたか、大きなものがあるわけでありまして、これを我々はやはり、大きなピラミッドで見ると、一番究極的に、労働者が死亡に至るというのは究極の過酷労働の姿であります。明らかにこの割合というものが全労働者の中で突出している現状について、大臣、今いかがお感じになりますか。
○藤村副大臣 松浪委員にお答えします。 今御指摘のトラック運転者については、全産業の平均と比べても長時間労働の実態にあるということで、平成二十一年度、全産業労働者平均が二千百十二時間、ところが、トラック運転者は、大型トラックということで二千五百二十時間という数字も出ているようであります。そういう意味では、非常に労働条件が厳しいということを認識しております。 そして、その背景には、そもそも夜間あるいは長距離の運行が営業所の外で行われ労働時間の管理が困難であることや、荷主の発注条件に左右されやすいといった業態の特徴があるのではないかと考えております。
○松浪委員 今、長距離の問題とかそれから発注状況の問題というものが挙げられましたけれども、認識が根本的に間違っている。どう間違っているか。これを後で国交省の皆さんに伺いますけれども、低賃金にならざるを得ない超過当競争が起きている。ですから、今副大臣お答えになりましたけれども、これはまさに超過当競争が行われて、そして、かつては実勢運賃というものがちゃんとありましたけれども、規制緩和の流れでそれがどんどんとなくなってきた、そういう構造的な問題をまず挙げていただきたい。 まさに今副大臣がおっしゃったような、長距離がふえているとか、それから発注の問題がどうのと、こういう認識を厚生労働省がまず最初に持ってくるようでは、こんな答弁を書いているようでは、この現状は絶対に私は改善をしないというふうに思います。まさに、これは現在の奴隷制度と言ってもいいのではないかなと私は思います。 最近、報道もなされるようになりました。丸投げ、丸投げ、丸投げ。建設業では丸投げは規制がかかりますけれども、これはほとんど放置し放題ですね。例によっては八次下請と。八次下請というのは何なのか。また、中抜きが何%にいくか。六割の中抜きがこの間報道されていましたけれども、私現場に行きました。実際の上部の価格と末端の価格、本当に二倍ぐらいの差というのはざらにあるんですよね。民主党の皆さんも現場に行かれればいいと思います。本当にこれはざらにありますよ。こうした現状をまず厚生労働省も認識するということが一義的には必要なのではないかというふうに私は考えております。 そこで、国交省の方に伺いたいと思います。 先ほど申し上げました。政治家の皆さんもタクシーはよくお乗りになる。タクシーの運転手さんも大変だ大変だと、もうずっとここ数年聞かされて、タクシーについては今、最近は数を減らしていますねという話を聞かれると思います。ですから、規制についても、行き過ぎたものはしっかりと見直していくということが私は大事だと思います。 そこで、国交省に伺います。タクシーの数というものは最近減らしていると思いますけれども、どのような経緯でこういうことを行っているのか、まず伺います。
○中田政府参考人 お答え申し上げます。 タクシー事業をめぐりましては、長期的に輸送人員が減少する中、地域によっては車両が増加することなどによりまして、事業の収益の悪化、タクシー運転手の労働条件の悪化、違法、不適切な事業運営の横行、あるいは道路混雑等交通問題、環境問題の発生、利用者に対するサービスが不十分である等々、地域公共交通としての役割を適切に果たしていく上でさまざまな問題が発生したところでございます。 これらに対処するために、昨年十月に、特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法という法律が制定され、施行され、全国百五十六の地域を指定いたしまして、それぞれの地域において関係者が活性化に取り組むとともに、事業者が輸送力の減少、すなわち減車、休車でございますけれども、これに今努めているところでございます。
○松浪委員 まさに、タクシーの場合は特措法まで入れたということでありますけれども、現場のトラック運転手の皆さんは何とおっしゃるか。タクシーを見て、うらやましいな、向こうは車がとまっているだけでもお金をもらえるものな、そして働く時間も定期的になっているものなと。それにもかかわらず、トラック運転手の皆さんは時給が七百円台になるとか、そんな現場の末端の声があるわけでありまして、まさにこれも、我々は特措法でも入れてやらないといけないぐらいじゃないか。私は、現状は、タクシーの運転手さんよりも、このトラックの運転手さんの方がはるかに厳しい状況にあると言わざるを得ないというふうに客観的に思います。 そこで、こうした問題点があるわけでありますけれども、国交省は、この貨物運送の末端価格であるとかそれから賃金とか、この過当競争というものについてどのように考えているのか、国交省にまず伺います。
○中田政府参考人 トラック運送事業は、産業活動や国民生活に不可欠な輸送サービスを提供する事業でございまして、国民生活あるいは社会経済の維持発展に欠かせない重要な社会基盤であると考えてございます。 このトラック運送事業は、九九・九%が中小企業者でございまして、平成二年以降、規制緩和がございまして、市場の活性化、新たなサービスの展開、物流コストの低減等図られましたが、一方で、事業者数がこの間、平成二年に約四万社であったものが平成二十年には六万三千社と一・六倍になる中、保有車両台数十両以下の事業者が四二・二%だったのが五六・五%ということで、いわゆる小規模事業者が大幅に増大いたしてございます。 また、これらの事業者を中心といたしましていわゆる過当競争が激化し、これに伴って運賃・料金が下落し、事業者として非常に厳しい経営状況を余儀なくされてございます。
○松浪委員 まさに今おっしゃったように、平成二年から、いわゆる物流二法というものが改正をされたわけであります。それまでは事業者は免許制だったものが、これが許可制にされてしまった。そしてまた、最低保有車台数が、五台もあればこれを許可していこうという流れになった。こんなことをすれば、新規参入がふえてしまうのも当たり前であります。 まさに今数字をおっしゃいましたけれども、これは全日本トラック協会の調べでありますけれども、厚労省の数字をもとにしているんですね、一般の車両数十両以下というところが、今、四万から約六万二千台までふえたということをおっしゃっていますけれども、まさに十台ないところが、この資料では三万五百八十一となっていますね。十一両から二十両が一万三千四百六十四と、ほとんどがこうした小さな会社になってしまった。 これでは厚労省の方も大変だと思いますよ。これからこういうように指導してくださいと。こんなにたくさん企業があったら、零細ばかりあったら、これを摘発しても摘発しても実効性もわかないというようなことは当然あり得るわけでありまして、この細分化、この小さな会社ばかりにしてしまったということがまず間違いだったなということを私は認めた方がいいと思いますけれども、国交省としては、それは間違いだったなという認識はありますか。
○中田政府参考人 先ほども御答弁いたしましたように、トラック産業というのは、我が国の経済基盤を支える基本的な社会的基盤でございますが、一方で、ある意味で自由な営業活動のもとに効率的に輸送するということに意を用いて発展した産業でございます。大規模な事業者から小規模な事業者まで、今いろいろ役割分担をしてそれぞれ輸送に当たっていただいておるということで、大きいからいい、小さいからいいと一概には申し上げません。 ただ、中小企業者が非常に多いということで、産業構造として脆弱であり、非常に競争が厳しくなっているという現状であることは、先生のおっしゃるとおりでございます。
○松浪委員 表向きにはそういうことなんですけれども、これは小さいところがたくさん出てしまうと、まさに、皆さん、ずっとキーワードになっています、格差が究極的に開いてきたということでありまして、それこそ、先ほど私冒頭に申し上げました、下請ということが多層化して構造化している、多層構造化しているということが本当に大きな問題になっていると思いますけれども、この極度の多層化、多層構造化ということについて、認識はいかがですか。
○中田政府参考人 トラック産業におきましては、荷動きの季節変動が大きいということに伴いまして繁忙期に対応する必要あるいは輸送の帰り荷の確保を効率的に行う等のために、いわゆる元請の事業者が荷主から受注した後、自分の輸送能力を超える分につきまして下請事業者に回すなど、いわゆる元請、下請関係による多層構造、それによる事業活動が定着しているというふうに認識してございます。 具体的には、平成十八年に全日本トラック協会が行った調査でございますが、元請事業者の荷主から受注した貨物全体の三三%が下請事業者に運送委託されておりまして、さらに、その二次下請事業者に対して全体の八・三%、三次に全体の四・八%が運送委託されるなど、多層的な構造になっているという認識でございます。
○松浪委員 現場を知らずに今の答弁を聞くとなるほどなということになるわけでありますけれども、もはや今のこの丸投げ構造は、繁忙期だから需給調整で行われるレベルをはるかに超えてしまっている。自分のところで人を雇って、そして、まさに皆さん厚生労働省が進めているようにしっかりとした待遇を保障するとやっていけないから、ほかでやってもらうという構造の方が実際問題は進んでいるというのが現状でありまして、私は、今おっしゃった認識はちょっと、それは当初の認識であって現在の認識ではないということを言わざるを得ません。 では、国交省、その実態をどういうふうに把握しているのか。 昔は、基準運賃というものがありましたね。例えば、私なんかは大阪ですけれども、大阪から東京まで行ったら大体十五万円とか、そういう基準運賃があった。今これが、末端の価格、半額になっている。昔、皆さんが定めていた基準運賃ですよ。これは、絶対に守るというようなものではない、ちょっと幅があって、ある程度の基準運賃の上下はあったにしろ、それはある程度妥当な価格であって、それが皆さんが出されていた根拠であったと思います。二〇〇三年の事後届け出制になるまでは、そうした基準を皆さん、毎年毎年、しかも毎年一〇%アップずつぐらいで示してきたのは国交省ですよ。でも、その皆さんが示してきた基準運賃から現場では半分ぐらいになっている。このことをしっかりと認識する。 そして、そのときと比べて固定費は多いわけですよ。ガソリンの値段、削れない。車両が多くなっても、製造業じゃないのでスケールメリットは出ないんですよね。一つ一つのサービスが商品ですよ。だからこそ、削るとしたらもうこれは人件費しかないわけですね。そこに今、非人間的な労働市場が形成されて、そして過労死がこれだけ厳しくなっている。一度局長も、皆さん、厚生労働省も国交省も現場を見ていただきたい。 朝から九州へ行って、次の日は千葉まで走って、そういうまさにトラックの中が本当に居住スペースと化して、家にも帰れない。それで月の手取りが二十五万円程度、時給に換算すると七百円ちょっとぐらいしかない。私、現場の皆さんに伺いますと、よく幻覚を見る、橋が逆さに見えたりとか、いろいろなものが見えると。みんなドライバー同士で話すらしいですね、おお、きょう何見たと。どんな幻覚を見たかというのをドライバー同士で話す。それぐらい恒常的に追い詰められているという現状を、やはり厚労省もしっかりと、こちらはこんなに過労死が多いと。 そして、実際、皆さんがもしこれを労基署で指導して、こういう問題がありますということを指導したとしても、もはや改善の余地がその末端の企業にはないわけであります。固定費ですから、ぎりぎりまで削られている。 この辺の認識をまずちょっと大臣、持っていただけたかどうか、伺いたいと思います。
○細川国務大臣 今、松浪委員のお話を聞いておりまして、構造的にトラック輸送での労働者の賃金が低くなっている、したがって、低くなっているがゆえにまた長時間労働もしなければいけない、そこにまさに過労があって、その中から過労死される方も出てきている、こういう実態を何とか変えていかなければいけないんじゃないか、こういうお話だったと思います。 これは、そういう実態もよく調べて、厚生労働省としては、法律に違反しないような、そういう形でしか指導できないわけでありますけれども、しかし、松浪委員の今のお話は、このトラック業界での労働者の労働条件の問題を本質的に追及されているという認識でございます。
○松浪委員 今、国交省と厚労省で年一度ぐらい審議官級のそういう交流なんかもしているということがあるわけでありますけれども、大臣、この問題についてもうちょっと国交省と密に話をして、厚労省として国交省に、まさに命を守るというのは鳩山政権以来の民主党政権の基本姿勢でしょう。であれば、命を守るために、これからもうちょっと頻繁に国交省と連携をしていただきたいと思いますけれども、いかがですか。
○細川国務大臣 これにつきましては、トラック業界、これはこれで国交省の方ではその業法に基づいていろいろと指導されている、厚労省の方は厚労省の方で労働者の労働条件、これがしっかり守られているかどうかを監督指導しているわけでありますけれども、しかし、今、松浪委員が提起されました問題は、これは各省それぞれでやっていただけでは解決をしない、こういうことであろうと思いますので、これは連携をしながら、どこに問題があるかということは私どもとしてはやってまいりたいというふうに思います。
○松浪委員 大臣、ありがとうございます。 これからこの問題について厚労省として問題意識を深く持って、実態も調査してという言質も今いただきました。そして、国交省に対してこれからはちゃんと物を申していく、もっと頻繁にということも申していただきました。大変ありがたいですし、これは本当に即実行していただきたいというふうに思います。 先ほどから下請構造の多層化ということを申し上げたわけですけれども、国交省に伺います。建設業では丸投げ規制をされているわけですけれども、貨物運送業ではこの丸投げというのは規制されないんですか。この点について伺います。
○中田政府参考人 ただいま先生御指摘のように、建設業におきましては、建設業法によりまして、発注者がその建設業者の施工能力を信頼して契約しているということを見て、発注者保護の観点から一括下請負の禁止という規定が設けられてございます。 一方、トラック運送事業につきましては、先ほどから御答弁申し上げているように、事業活動を事業者のなるべく自由にしていただくということから、実際に、元請、下請関係による多層構造というのは商慣行として定着してございます。一方、貨物運送事業法におきましても、利用運送と称しますけれども、ほかの事業者の輸送能力を活用して利用するという概念も設けられてございまして、その意味で、トラック運送事業につきましては、一括禁止という方策はとってございません。 その一方で、下請、元請の関係の適正化というのは大切でございますので、独禁法あるいは下請法による取り締まり強化のために、取引推進ガイドラインの策定でございますとか、公正取引委員会、中小企業庁との連絡会議の開催、あるいは元請、下請事業者間の協働、協調を促進するためのパートナーシップ会議の開催、あるいは私どもに適正化のための相談窓口の設置等を図ってございまして、そういうことで元請、下請間の適正取引の確保に努めている、こういう法制度でございます。
○松浪委員 公取に問い合わせをしましても、下請法の観点からいえば、こうしたことはやはり業法でやっていただく、まさに建設業法でやるようなことで、業法でやるというのがやはり適当かという話になってくるかと思うんですけれども、こうした議論をしていると、非常に、だんだん机上の空論になってくる。実際、現場で何が起きているのかということを把握するというのが私は大事であろうと思います。 先ほど申し上げましたように、現場を知るには、超過当競争の現状を知らなければならない。そういうことで、例えば、五台や十台以下の事業者、それから中堅の事業者、大手の事業者、こういったカテゴリー別に、同じ距離を走るときにどれぐらいの賃金になっているかというようなことをまず把握するというのが私は一丁目一番地だと思います。これをなしにしては議論がまず始まらないと思いますけれども、こうしたデータというのは国交省の方はお持ちでありますか。
○中田政府参考人 トラック事業につきましては、いわゆる運賃につきましても認可制が届け出制になったということから、原価計算書の私どもに対する届け出というものも一定の範囲についてはなくなったということで、実際にどういう運賃でそれぞれの事業者がやっているかについて十分な把握ができていないという反省はございます。 この間、物流コストの削減ということで、物流産業としては効果があったわけでございますが、今御指摘のように、労働条件の悪化という問題、あるいは下請事業者が非常に安い運賃で輸送させられているというような話もございまして、私ども、今改めまして、各事業者に対して、どういう運賃で輸送しているのかということにつきまして包括的な調査に入ったところでございます。先生御指摘のように、元請、それから一次下請、二次下請、それからトラック事業者の規模別、詳細にこれから調査をしてまいりたいというふうに考えてございます。
○松浪委員 ありがとうございました。 今の問題が一番大切であります。まず、国交省がその現状を把握していないということを率直にお認めをいただきました。そして、これから調査をするということもしっかりと今答弁いただきました。 このことについても、厚労省の方も、そうした過労死をまず減らすために、過労死が一番多いこの業種からまず過労死がなくなっていくということが、私は、我が国が民主国家として、本当に憲法に保障された生存権、そして幸せに生きる権利をしっかりと守っていくということが、これは国交省の自動車交通局だけの問題ではなくて、我が国のまず今一番厳しい、過労死の多い業態をしっかりと改善するという、我々の大きなにしきの御旗だというふうに思います。 そして、今も車、トラックも十トン以上は、たしか普通のタコグラフがついているはずですね。そうしたものを入念に調べていけば、どれぐらいのスピードで走って、どれぐらいの時間を走って、どれぐらいの回転数でというようなことはある程度はわかる。デジタルタコグラフにすれば、本当に、どこで急ブレーキをかけたか、急加速をしたかというようなこともわかるはずであります。 国交省にお願いをしたいのは、ランダムにちょっとそういうものを、やはりデジタルタコグラフというのは大手しか割とついていないと思うんですけれども、本当にこれを、今余りに実態が厳しい、厚労省労働基準局が調べれば、調べれば調べるだけ違反が出てくるというのが現状だと思います。それでは実態把握はできません。 ですから、厚労省の労働基準局がその状態を把握したとしても、まず、その指導とか改善とか、これはちょっと矛盾するようなんですけれども、実態を現実的に把握するために、そういうところを少し離れて本当の実態を把握する、そんな仕組みが必要かと思います。 この点について、今すぐには皆さんの中から答えは出ないと思いますけれども、ちょっと一工夫、私の方も、これからどういうやり方があるのか、皆さんとともに相談をして、考えていかなきゃいけない。本当に実態を変えるためには、四角四面の規制そして指導というものではとても対応できないということを私は認識をいただきたいというふうに思います。 ですから、今の現状では、労働基準監督署に入られたくない、だから物を隠すというふうにならざるを得ないわけでありまして、その悪循環を断っていくということがまずもって我々政治にまさに求められている、そして皆さん行政に求められていることだということを指摘したいと思いますけれども、そのあたりの認識、大臣、持っていただけますでしょうか。
○細川国務大臣 先ほど国交省の局長の方から、トラック業界における、規模別に分けて、どういう実態になっているかというのを調査を始めたところだ、こういうふうにお聞きをいたしました。 その結果、問題になるのが、規模の小さい業者の実態ということになろうかと思いますけれども、それがどういう実態になっているかというのも拝見させていただいて、厚労の基準局の方でどう対応していくかということも検討をさせていただきたいと思います。
○松浪委員 今大臣がおっしゃっていただいたことは大変ありがたいんですけれども、一点、国交省の方では、始めたではなくて、始めるということをおっしゃっていただいたと私の方は認識しておりますので、その点、本当にどうぞよろしくお願いをいたします。 では、こちらに余りにちょっと力が入り過ぎてしまいましたので、本論の方に移ろうと思います。 国交省の方、もう結構ですので、あれであればもうお外しになってください。ありがとうございました。 今回の年金法の改正についてでありますけれども、先ほど菅原委員の方から指摘がありましたように、十年間さかのぼって払えるというのであれば、私ら国会議員も国民年金しかありませんけれども、僕も、あれだったら、五十五で払わぬとちょっと後まで延べようかななんということを考えてしまうなと、自分自身、国民年金しかない者として悪知恵が働きそうだなというのがあるので、やはり時限立法として三年ぐらいにするというのは大変適正な要件かと思います。 その点については私も異論はありませんし、自公政権、まあ、民主党政権にかわって控除から給付へなんという流れもありましたけれども、この点についても控除をしっかりと、確定拠出年金の方にはマッチング拠出についても認めていくという流れは、私は大事な流れであろうなというふうに思います。 今回、確定拠出年金の中にしっかりと個人の拠出も認めていこうというこのマッチング拠出というものを入れてくるわけですけれども、一般的にこれに期待されることをまずちょっと確認させていただきたいと思います。
○藤村副大臣 このたびの改正では、企業が実施する確定拠出年金において、現在、事業主のみが掛金を拠出することとなっておりますが、実際に事業主が拠出している掛金の額というのは、法令上定められている拠出限度額、今、控除の部分とおっしゃったんですが、それと比べたら非常に低い水準にとどまっている、まだまだ余裕があるというところであります。 一方で、昨今の経済情勢のもとでは、事業主の置かれた状況も厳しいことから、今後、事業主が拠出していく掛金がどんどんふえる、あるいは改善するというのはなかなか見込めない、そんな状況にあると考えて、個人でも希望すればというところを、道を開いたというところであります。 従業員による任意の拠出を可能として、税制優遇措置の対象とすることにより、従業員がみずからの判断によって老後に備え、高齢期の所得をより確保していただけるというものを支援するものであります。 現在、確定拠出年金は、単独では確定給付型の企業年金制度を行うことが難しい中小企業、あるいは労働者の移動が激しい業種などを中心に、既に多くの企業で実施されており、今後も、企業年金の重要な選択肢の一つとして、より一層普及していくことを期待しております。
○松浪委員 ありがとうございました。 また、アメリカでは、全投資信託のうちの約四割がこの確定拠出年金から出ているということで、そこを考えますと、アメリカの場合は、家計の投資信託の保有率というのが一九八〇年には五・七%だった、それが数年前には約半数に至るまで向上しているということであります。この確定拠出年金に積極的に関与するということが、証券投資マインドというのは、今、日本ではなかなかマインドも冷えているところですけれども、やはりこのマインドをしっかりとやろうということが大事だと思うんですね。その点で、やはり財務省とか、また政府全体の、国民のこれからの資産のあり方の一端として、この点をしっかりと進めていただきたい。 厚労省の皆さんとお話をしていると、えっ、アメリカではそんな感じですかということで、どうしても、そういう政府としての国民の資産形成という面の視点がまだまだこれからだなという感じがいたしますので、そういう連携を今後進めていただきたい。これについては答弁は求めませんけれども、その方針をしっかりと他省とも連携をしていただきたいと思います。 また、これをするためには、マインドを高めるということでは、まさに投資教育というものをしっかりとしていかなきゃいけない。今回の法案でもこれをしっかりと明文化していくということでありますけれども、明文化によって具体的にどのような効果を期待しているのかということを伺います。
○藤村副大臣 お答えいたします。 今おっしゃっていただいたように、今回は、改正で投資教育の充実を図る、それを法律上明確化するということにいたしました。今委員のおっしゃるように、投資マインドというものが、日本人はどちらかというと安全志向でありますよね。そういう意味では、今回、個人にまで開いたマッチングの制度というのは、やはり一つそういう道を開くという可能性は十分あると思います。 加入者みずからが資産の運用の指図を行う、その運用結果に基づいてまた将来の年金額が決定する、そういうことになりますので、確実に資産を蓄えるためには、加入者御自身が適切かつ効果的な資産運用を行うことが重要である。 このために、制度を実施する事業主は、加入者に対して投資教育に努めなければならない旨現行の法律に定められておりますが、企業が制度を導入する際及び従業員が新たに制度に加入する際にほぼすべての企業においては実施されてきたのですが、いわゆるその後の継続的な、定期的な投資教育については、実施している企業は全体の半数程度にとどまっているところで、必ずしも十分な教育が行われているとは言えないということから、今回、この部分を取り入れたということでございます。 投資教育の充実を図り、老後の所得確保に、個人も十分に勉強をしていただいて、それを目指すこととしております。
○松浪委員 また、今回、企業年金について住基ネットと連携をすることができるということでありまして、私は、これは本当にすばらしいことだと思います。 住基ネットとの連携というのは、将来的にも、民主党の中では今、社会保障カードの方が何か仕分けの方で云々ということもあるらしいですけれども、こうしたところで住基ネットと連携をする。また、納税者番号についても、我々与党のときはなかなか進めづらかったですけれども、民主党の皆さんは大変今積極的にやっていただいている。この点は、私は政権交代してよかったなと本当に思う次第であります。 そこで、この住基ネットとの連携というのは、具体的にどういうふうな手続をするのかというところをまず伺います。
○藤村副大臣 企業年金制度においては、支給開始年齢に達する前に退職した者が当該年齢に到達するまでの間に転居した場合には、住所変更届を厚生年金基金等に提出する取り扱いになっています。しかし、受給者からの届け出がないという場合は、厚生年金基金等において現住所を把握することが困難ということで、あなたに請求権がありますよということをお知らせすることすらできないということであって、今回の改正によって、厚生年金基金等が住民基本台帳ネットワークからの情報提供を受けられるようにすることということを決めております。今までよりも適時適切に正確な住所を得るということを可能にしたいと思います。 どういうふうにということをおっしゃったので、中に連合会がありますので、ここが住基台帳に問い合わせをして、連合会から今度は各年金基金にお知らせをする、連合会が間に挟まる仕組みであります。
○松浪委員 済みません、言葉足らずでした。 通告の段階で具体的にと、そんな制度的なことはわかり切っているので、実際問題、データのやりとりをディスクでやるとか、そういう話でありましたので、今後本当に、オンラインというのは、これはちょっと、我々、仕組みを見ただけでは当然オンラインでつながっているんだろうなと思うわけでありますけれども、こんなディスクでやりとりするのかというようなことで、本当に円滑なやりとりができるのか。そしてまた、これは将来的に、私さっき申し上げましたように、これから国民の情報を、秘密をしっかりと守りながら円滑に運営をしていく上で、もうちょっと違うやり方もあるのではないかなということをきょうは提起をしようということで、この問題を申し上げました。 もう時間が終わりましたのでお答えは結構でありますけれども、その点、重々これから御留意いただきますようお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○牧委員長 次に、坂口力君。
○坂口(力)委員 大臣並びに副大臣には、大変お疲れさまでございます。引き続きまして、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 きょうは年金の問題でございますが、きょうの年金の中心的なものは、年金の未納者につきまして、今まで二年以内しか認められていなかったものを十年以内まで認めるということにしていただいたわけでありますから、これは私は大変結構なことだというふうに思っております。 我が党の方も、マニフェストの中に十年までということを書いておるものですから、十年までしていただくということは大変いいことだというふうに思っておりますが、いろいろ御意見もあって、当面三年という期限がつくようでございますけれども、十年以内ですけれども三年間に限りということになるというようなお話も出ているようでございますので、まあしかし、一歩前進かなというふうに思っております。できれば、もう三年は取っ払ってもらう方が私の方はよろしいんですけれども、そこは友党の皆さんのお考えもありますので、私たちもそこは、辛抱すべきところは辛抱して、一歩一歩前進をしていきたいと考えているところでございます。 きょうは、もう少し具体的な問題をお話しさせていただいて、そして、後で時間が残りましたら、基本的な年金の考え方、中間報告をことし出されたようでございますので、そうしたことにつきましても少しお聞きをしておきたい、かように思っております。 まず最初に、厚生年金基金の問題でございます。 厚生年金基金の問題につきましては、きょう御出席の皆さん方の中にもわかりにくい方がお見えになるのではないかというふうに思いましたので、一枚ペーパーを用意させていただきまして、皆さんのところにもお配りをさせていただいてあります。 本来ならば、国民年金、厚生年金の保険料は現在一六%ですかね、これは国へ納付をするということになっておりますが、しかし、厚生年金基金というものをつくって、そして上乗せをするということも可能になっております。一六%の中で一二%だけは国へ納付をして、残りの四%と、それからそれぞれの企業で上乗せをしました分、二%なら二%というものを上乗せして、その六%は基金の方へ納付をしていただく。ここで運用をしていただいて、よりよい運用結果が出ればその分だけ厚生年金に入っておみえになります皆さん方の年金はよくなる、こういうことでございます。 しかし、世の中、そううまいこといくことばかりはないわけでありまして、初めはそれでやっていこうということになっておりましたけれども、途中でうまくいかなくなるということもあるわけです。 この基金の中には、一つの企業が行いますいわゆる単独型というのが一つございます。それからもう一つは、単独ではなくて、連合型といいますか、グループ内の企業が集まって基金をつくるという、同族的と申しますか、一つの企業及びその下請が全部集まってやるという、連合型というのがもう一つございます。それから、そのほかにもう一つ総合型というのがあるわけですね。これは、同じ職種、先ほどもお話が出ておりましたが、例えばトラック協会ならトラック協会の人たちがみんな寄り集まって、そしてこの厚生年金基金をつくろうといったようなのは、これはいわゆる総合型というふうに言われているものでございます。この三種類があるということでございます。 それで、一種類と申しますか、一つの企業が厚生年金基金というものをつくってやっている場合には、これは多分、しっかりしたところがおやりになるんだろうとは思いますけれども、もし仮に、一つの企業が厚生年金基金をスタートさせて、途中でその企業がうまくいかなくなった、倒産をするといったようなことになりましたときに、この厚生年金基金は一体どうなるんでしょうか。ちょっとお答えをいただきたいと思います。
○藤村副大臣 お答え申し上げます。 今、坂口委員がおっしゃっている単独型というのが、六百八基金のうちで今五十二基金という実績だそうであります。 端的に申し上げまして、厚生年金基金を一社で設立している企業が倒産した場合は、その基金の事業継続ができなくなるために解散となります。
○坂口(力)委員 もちろん解散になるんでしょうけれども、そのときに、運用しておりました基金の財源がうまくいかないということになりましたときに、その返済はどうなりますか。
○藤村副大臣 お答えいたします。 解散時に返還すべき費用が不足している場合には、給付を引き継ぐ企業年金連合会が、倒産した企業の残余財産から、地方税に次いで優先権を持って財産の配分を受けることになりますということであります。
○坂口(力)委員 税に次いで優先してもらってよろしいということになっておりますが、その税を払ったら後に何も残らなかったというときには、これはどうなりますか。
○藤村副大臣 お答えいたします。 何も残らなくなったら何も取れないということでございまして、不納欠損として処理をされますが、ただし、これまで不納欠損を出した事例はないということであります。
○坂口(力)委員 その次に、もう一つは、厚生年金基金を設立しました企業が倒産をして何も返せないといったようなのはそんなにはないというお話でございますが、しかし、現在、単独型だけではなくて総合型も含めまして、既にもうやっていけないというので解散をして今支払いつつある、返還をする過程にあるというところはどのぐらいございますか。
○榮畑政府参考人 今回御審議いただいています国民年金法等の改正法案には、厚生年金基金の解散特例という規定がございます。 この解散特例につきましては、平成十六年の年金法の中でもございまして、平成十七年度から十九年度までの三年間の時限措置として同様の措置があったところでございます。 前回の平成十六年の年金法改正で、解散特例として解散されたところは十一基金ございますが、そのうち、現時点でも三基金がなお納付中でございます。三基金でございます。
○坂口(力)委員 現在、三つの企業がその解散をして納付をしている。その中で大体どのぐらい、残金と申しますか返さなければならないのが残っている会社、その三つの会社のうちでどうなっておりますか。
○榮畑政府参考人 三基金ございますが、返済残額といたしましては、一つが三十億八千万円ぐらい、もう一つが一億一千万円ぐらい、もう一つが二億四千万円ぐらい、そんなところでございます。
○坂口(力)委員 一番大きいのが三十・八億円、そして、一つが一億円、もう一つが二・四億円、大体このぐらいになっているというお話でございます。 私がきょう取り上げさせていただきますのは、その一番大きい三十・八億円のグループの問題でございまして、これは、タクシー会社の皆さん方が寄り集まって、いわゆる総合型と申しますか、みんなが寄り集まって一つの厚生年金基金を形成した。最初つくられたときにはどのぐらい多くの皆さんでつくられたのかよくわかりませんけれども、解散されましたのが平成十七年の四月でございます。そして、国から解散許可が出ましたのが平成十八年の一月、納付計画をつくりまして分割納付を開始したのが十九年の一月ということでございます。 この会社は解散しましたときには五十社、そしてその中で、五十社なんですけれども、うちの出し分は一括して出しますというふうに言ったところが十九社ございまして、その額は二十一・八億円でございました。それから、その残りの三十一社は、なかなか一遍に返すというようなことはできないので、我々は小零細だからひとつ分割をして返すようにさせてほしいということになりまして、三十一社残りました。この三十一社が払わなければならないお金が五十四億二千万円。五十四億二千万円を返さなきゃならないということになりました。 これは、先ほどもお話がございましたとおり、平成十六年の年金改革のときに、十年間は分割払いを認めようということで、十年間、急にはえらいですから、十年間を認めた。今回、それではまだなかなか払い切れないだろうというので、もう五年延ばしていただくことになるわけです、今回のこの改正案で。これは大変ありがたいことでありまして、仏の細川と言われるだけのことはあると私は思っているわけです。 しかし、最初に褒めてもらうと、後、だんだんと話は厳しくなってくるかもわかりませんので、ひとつその後の質問をよろしくお願い申し上げたいと思いますが、三十一社で五十四・二億円、それで、その中でその後どうなったかといいますと、その三十一社の中で、また二社は、もう一括返納いたしますというので一括の方に移った。それで、分割で残りましたのが、そうすると二十九社。二十九社なんですけれども、そのうちで十四社が倒産しました。十四社が倒産をした。現在残っておりますのが、十五社残っているわけです。 そうしますと、この十五社は、今回延ばして、今大体百六十八万円ぐらい毎月々払っているわけです。年じゃなくて月ですから、この小さいタクシー会社で月々百六十八万円ずつ払っていくというのは大変なことだというふうに思いますが、自分の企業の分担分と、そしてそれにプラスアルファ、ほかのところの分も多少上乗せをしながら払っている、こういうことです。 そうしますと、今までの制度ですと平成二十八年までだったわけでありますけれども、今度、五年延ばしていただいて平成三十三年までこれは払い続けることができるということになります。そういうふうにしていただくわけですので、これから平成三十三年までの間、月々、今度は百六十四万ぐらいになるそうでありますけれども、払い続けていくということが続いていきます。 この間、この残っております十五社が全部倒れることなくいけばいいわけですけれども、その中でまた倒れましたというのが一つなり二つなり三つなり出てくるということになりますと、残ったところが全部それをまた引き受けていかなきゃならないということになってくる。制度とはいえ、これはなかなか厳しい話であります。 この自動車産業、先ほどトラックの話も出ましたけれども、景気が悪くなってくる、あるいは公共事業もなくなってくるというようなことになっていきますと、自動車もそんなに要らないというようなことになってきてぐあいが悪くなるということもあるでしょうし、このタクシー協会も、規制緩和があってたくさんふえたというようなこともあったでしょう。それから、景気が悪くなりまして、なかなか乗っていただく方が少なくなってきたということもありますね。 そんなことで、だんだんだんだん減ってきていることも事実でありまして、まだ今なお減り続けているところでありますから、恐らく、三十三年までいきます間には、これは十五社からまだ減っていく可能性があります。 さあ、そうしたときに、残ったところが、残るんですからそれはある面でよかったというふうに言えますけれども、この払うということからいいますと、そこが貧乏くじを引くわけですね。初め、同じに始めたこの厚生年金基金の仲間の分、仲間といいましても、もうこの厚生年金基金は解散をしたわけですから、解散をしたかつての仲間、解散をする前のその仲間の分を解散した後も引き受けなければならないという制度に今のところなっているというふうに認識していますが、それはそういうことでよろしゅうございますか。
○榮畑政府参考人 厚生年金基金は、公的年金たる厚生年金の一部を国にかわって支給するために、この支給に必要な費用として、本来国に納付していただくべき保険料を事業主から徴収しているというところでございます。 このために、基金が特例措置によって解散する際には、この基金が国にかわって支給することとされていたいわば代行給付部分につきまして、再び厚生年金から支給することとなるために、その厚生年金が支給するために必要な額を国に返していただくことになっておるところでございます。 この場合、厚生年金基金が納付猶予の特例措置の適用で解散しようとする場合に、納付中に企業の一部が倒産した場合に、その企業の負担分をだれがどのように負担するかにつきましては、その厚生年金基金に加入していただいていた企業が、あらかじめ、その加入企業全員がそろって当該基金の規約で一定の定めをつくり、そして厚生労働大臣の認可を受けて解散するということになっております。 そしてまた、倒産した場合に、具体的にどの企業がどう負担するかにつきまして、その負担の仕方はさまざまな方法がございますけれども、いずれにしても、その基金に加入していただいていた企業の間で負担することになるということは変わりがございません。そういうことになっておるところでございます。
○坂口(力)委員 御丁寧に長い答弁をしていただきましたが、局長がおっしゃるのは、倒産をして、そして分割なり一括なり払うのを、その金額を決める、もう決めた以上ちゃんと自分たちで最後までやってくれ、こういう話なんですよね。 だけれども、その決め方については、こういうふうに決めなければいけないということ、いけないと申しますか、こういうふうにしなきゃいかぬということは、これは厚生労働省が指導して、これはもうそうせざるを得ないように指導しておるわけでありますから、厚生年金基金をやっている方は言われたとおりの計画書をつくらざるを得ないわけですね。それで、それはそれで引き受けた以上自分たちもちゃんと払わなければならないというので、このグループも現在は払い続けている。 払い続けていて、この二十八年が来ましたらそこで一区切りになって、また払わなきゃならない額が倍ぐらいに多くなるものですから、もう五年間また延長をしてもらったと。それで、今までどおりぐらいの額で平成三十三年ぐらいまで払っていきましたら、大体自分の分は払い終わるということになる計算になっています。これから利息がどうなるか、そうしたことにもよりますけれども、大体平成三十三年までいきましたら自分の分は払い終わる。 だけれども、そうすると、そこに残るのが何かといいますと、倒産をした企業の十五億円ぐらいがまだ残るわけですね、そこへ。さあ、そのときに、その十五億円を、残っているのが今十五社ですけれども、これは十社になるやら八社になるやらわかりません、その残っているところが全部背負って立たなきゃならないのか。厚生年金基金として始めさせてもらったんだからそれに対する責任はある、だから、責任というものは十分感じながら今日までみんなが払い続けてきた。しかし、そんなにも仲間がたくさん、皆倒産していくとは思わなかったと。 だけれども、時代の流れの中で、そういうことが起こってくる。これは、私はこのグループだけの話ではなくて、例えば、公共事業なら公共事業が減って、土木や建築の会社もどんどん減っていく、そうしたところでも同じようなことが起こる。グローバル化社会になって、外国からどんどんどんどん安いものが入っていく、そうなりますと、繊維関係のことをやっていたところは次から次へと倒れていかなきゃならない。思いもかけない状況というものが、そのときそのときの経済状況で訪れてくるわけであります。 そうしますと、だんだん減っていって、その残りのところが全部かぶらなければならないというこの仕組み、これはそういうふうに仕組みはつくったかもしれないけれども、しかし、これは限界のある話だと。それで皆が払えなくなったらどうするか。例えば、一社になったら全部一つで背負わなきゃならないのか。そうなったら、これはもう年金倒産ですよ、年金倒産。とにかく全部の、みんなの年金を払うわけにいかない。残ったところの額はだんだん多うなりますから、そうすると、これは最後にはみんなが倒産する以外にないということになってくる。 みんなが倒産をしてしまったら、先ほど、一社のときにおっしゃったように、これはもうみんなが出せないわけですから。税金を先に、国税払いました、地方税払いました、その次に残っていればいいですけれども、何も残りませんでしたということになったら、もうこれは、この基金の方に返す金は何もない、穴があくわけですね。 そういうことになる可能性もあるわけでありますから、責任は持ってみずからの分を払い終わる、そして多少は仲間の分も払うということがあってもやむを得ないというふうには思いますけれども、しかし、そこには限界がある。 だから、この厚生年金基金制度というものそのものについて、一遍ちょっとこの辺で、そういうことが起こり得るので、起こったときにそれを、そのすべてを一社か二社に任せてしまうというのは、これはいささか酷ではないか。その辺のところは、ちょっとこの仕組みそのものを一遍考え直してほしいということが一つ。 現在、その三つのグループということで、あとの二つは一億か二億のことですから、これから五年なり十年の間にこれは払い終わることができるでしょう。だけれども、一社の方は五十四億か何かまだ残っているわけで、これはこのままいきましても、計算上は、十五億、自分たちが払い終わってもなおかつ残るということになっておりますから、そこのところで、それを全部、これはもうお互いの責任だからみんなあなた方で処理しなさいというのは少し酷ではないだろうかと。 例えば、この厚生年金の積立金がありますね。この積立金は株式等でも運用されておるわけですよ。株式なんかでも運用されている。年金のお金ですから、証券会社あたりも損をしないようにきちっとやってくれればいいですけれども、そういうようにやってくれている、厳しいこの経済状況のところでも損金を出さぬと少しでも利益を出すようにと思うてやってくれておるところもある。 しかし、多額の損金を出す証券会社もあるわけです。何十億、何百億という借金をそこでつくる。では、その借金をつくった証券会社が全部その借金した分は返してくれるかといったら、これも借金したままで終わりなんですね。返してくれない。手数料は取るんですがね。それぐらいなことでありまして、そこはなかなか、そういうところがあって返してくれないというケースもあり得る。 だから、大もとのところにもそういうところもあるわけですから、小さく分けて、そして皆さん方でひとつ頑張って年金をふやしてやってくださいよといってお願いをしているこの厚生年金基金も、時の流れによって、そういう大きな波をかぶらなければならないグループもあると。 そのときにそこをどうするかということについて、今回改正するについては、本来ならば、法律の中に一言、そういうときにはこうするということを書いてほしいわけですけれども、今さら書くわけにはいかぬというのが厚生労働省のお立場でしょう。 ですから、仏の大臣からひとつ温情あふるる答弁をちょうだいしたいというのが、きょうの私の質問の趣旨でございます。
○細川国務大臣 坂口先生から本当に重要な問題の御指摘をいただきました。 御指摘のこのタクシー業界の例の件につきまして、分割納付中の企業の返済額を軽減するということは、厚生年金本体の財源にも悪影響を及ぼす、また、厚生年金本体の保険料を負担している労使の理解がなかなか得られないのではないかというような、そういう課題もございます。 また、これまで解散をした基金においては、倒産した企業があった場合でも、その負担金はすべて全額返済をされてきた、こういうことでありまして、新たに負担軽減の措置を講ずるということは、これまできちんとそういう場合に返済をしてきた企業との公平性という面から考えますと、十分な議論が必要ではないか、こういうふうに思います。 一方で、坂口委員が御指摘になりましたように、経済環境の悪化や業界を取り巻く状況の変化の中で、分割納付をする企業の負担が過重なものとなりかねない、そういうような状況が出てきているということも私どもも承知をいたしておりまして、今、先生の方から大変重要な問題を提起していただいたというふうに考えております。 それで、今後、今回の特別措置によります解散基金もいろいろと出てくることが見込まれますから、国に返還すべき額の納付の猶予を受けている総合型の厚生年金について、企業の倒産が相次ぐなどしている場合の残された企業の負担のあり方、まさにこのケースに当たると思いますが、この企業の負担のあり方に関しては、厚生年金の本体に与える影響、そして事業主の事業継続確保の観点等を踏まえまして、どのような形がいいのかというようなことについて、しっかりこれは検討させていただきたいというふうに思います。
○坂口(力)委員 温情あふれる言葉もちらほらと感じはできますけれども、しかし、ちょっと歯切れが悪かった。 それで、これは検討すると。検討はしてもらいたいと思いますし、問題意識は持ってもらっているんだろうというふうに思いますが、細川大臣が未来永劫この席に座っておってくれるのなら、それはよろしい。十一月の十七日にこういうふうに言うてくれました、それはちゃんとしてくださいということを言えばいいわけですけれども、そう十年も十五年もおっていただけるわけではない。ひょっとしたら、来年わからぬ、こういうことになってくると、細川大臣は温情のある言葉を言ってはいただいたけれども、しかし、後の人にそんなことは知らぬと言われたらそれまでの話で、この話は、そんな質問もあったなということで終わってしまうんですね。 それでは私も、きょうは何の質問をしたのかということになるわけでありまして、そこはもう少し、そこのところは大臣としてもわかりましたと。これは、もとをただせばこの制度の構造上の問題ですから、ここは見直しをして、そして、今そういうふうになっているようなところに対しても、今後のことについては一定の配慮をしますということは少し言っていただかないと、私はこのまま、これで終わりましたというわけにはいかない。 だから、そこのところはしっかり言っていただいて、それを受けて局長さんがちゃんと、政令か省令か知りませんけれども、そこへ書きとめてくれるということが大事でありまして、局長さんの先ほどの長い話はよくわかりましたけれども、長いだけがいいというわけではなくて、もう少し、もう一遍大臣に温情あふるるところを言うていただきますから、そこをちゃんと書きとめて、そして将来にそれが残るようにしてもらいたい。 何も私は、借りたものを返さぬでええということを言うておるわけではない。それだけの責任を持ってみんなが始めたんだから、それは返さなきゃいかぬ。自分のところの分は返さなきゃいかぬし、ほかの倒れたところの分もある程度持つのはやむを得ぬ、私もそう言っておるわけです。 しかし、そこにはしかし、そうはいうものの、限界があるではないかと。初めやったところよりも後へ残った部分の方が少なくなってしまう、倒れて出ていってしまうところの方が多うなってしまうというような事態に立ち至ったときに、それでもそこに全部、君たちの責任だ、これは共同責任だということにするのは少し酷ではないかと。 そこはやはり、この日本の国の時代的な背景というものも、これは国の責任もあるわけです。こういう経済状況が長く続くというようなことも、これは国の責任もあるわけでありますから、何もかもそれを、借りたその年金基金のところにすべて責任だと言ってしわ寄せをしてしまうというのは、少しこれは違うのではないかというふうに私は思っております。そこはやはり、政治の責任もそこには入ってくるということではないかというふうに思いますから、役所の書いたものは読まずに、ひとつ大臣が心の中をしっかりと御答弁いただきたい、そう思います。
○細川国務大臣 この件については、そういう支払いが困難、あるいは倒産が続くかもわからない、その場合に負担がふえていくということも考えて、今回の五年延長というのも今回提案をしているところでございます。 しかし、それだけでは、ほかの企業の分まで払っていかなければならない、最後はずっと倒産をしていくのではないか、最後はすべてが倒産ということになれば意味がなくなるのではないか、こういう本当に深刻な御指摘でございます。 先ほど私が申し上げましたように、企業存続の観点からもしっかり検討していく、こういうことを申し上げたところでございまして、年金制度については二十五年を目途に改正の検討もしていく、こういうことでありますから、坂口先生の御指摘の大変大事な点については、早急に検討をさせていただくように言ってまいりたいというふうに思います。
○坂口(力)委員 ありがとうございます。 言葉と言葉との間に存在するものをしっかりと読み取らせていただいたということにしておきましょう。これ以上なかなか明確なことを大臣も立場上言えないということもあるんだというふうに思いますが、しかし、おわかりいただいていることは間違いないと思うんです。 これは余り具体的なことを言ってはいけませんけれども、中には、もう倒産しました、名前を変えてもう違う会社にしましたといってやっているところもあるわけです。ただ、名前が変わった、だけれども前の会社が倒産したことだけは確か。そして、新しい会社をすぐ立ち上げたというところも中にはあるわけで、そうすると、そういうところはもう払わぬでいいわけですね、ないんですから。だけれども、そうではなくてまじめに一生懸命に払っておるところが全部かぶってくるというようなことは、これは少し問題がありはしないか。厚生年金基金という制度をこれからやっていくという段におきましてもそうしたことが起こり得ますので、そこはひとつ、しっかりとお願いを申し上げたい。 後の皆さん方が本当にまじめに、私たちは何とか生き延びて、そして借りたものについてはお返しをしていきますと、前向きに返してくれるような環境をひとつつくってもらいたい、ぜひここはお願いを申し上げたいというふうに思います。 それでは、この問題、これ以上言いましてもなかなか難しい問題でございますから、これだけにさせていただきますが、何とぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。 それで、ちょっと時間がありますから、年金制度全般にかかわる話、これは前の長妻大臣のときに私、何度かやらせていただきましたから、屋上屋を重ねる感もあるわけでありますが、六月の二十九日に「新たな年金制度の基本的考え方について」という中間の取りまとめをされました。その中間を取りまとめました中に、七つの原則というのがございます。この七つの原則というのは、どんなものか聞いておりますと時間がかかりますから、これは私も持っておりますので、わかっております。 その中の一番初めに、年金の一元化の話があるわけです。これはもう民主党さんにとりましては一丁目一番地みたいなものでありまして、年金一元化というのをおっしゃることは私は無理もないことだというふうに思いますけれども、この一元化というのは、言うのは簡単ですけれども、そうできることではない。できないと思っておるのが私の考え方でございます。 なぜか。なぜかという前に、なぜ一元化をしなければならないかという哲学のところもわかりにくい。 これも長妻大臣のときに申し上げたんですけれども、私はドイツへ行きまして、ドイツの年金制度を勉強しましたときに、向こうの人が言いました。日本はなぜ一元化、一元化というようなことを言っているのかと。どういう職種の人も同じ年金にするということが本当に公平なことか、それはその職種職種によって年金制度の違う方が公平ではないか、なぜ一元化するのかということを向こうの人に問われて、私がしようと言っておるわけではありませんのでよく聞いておきますと言って帰ってきましたけれども、そういうドイツはドイツの考え方があるわけですね。 それは、公務員の皆さんは保険料を払わなくてもいいわけですね、ドイツは。恩給と一緒です。払わないけれども、ちゃんと年金はつく。公務員というのは、それだけ生涯をかけて国のため国民のために尽くして、ほかのことには何ら手を出さない。手を出さないというか、お金もうけをするというようなことは一切ない。そういう生涯を送っている人に対しては、それ相応のことをしなければならない。それでドイツは、保険料は公務員はなし、それできちっと年金はお渡しをする、当たり前だ、こう言うんですね。 農業や漁業の皆さん方は、これは定年はないわけですから、元気であればいつまでも仕事ができる。そして、お体の調子が悪くなったときには医療保険でこれは見ていく。そして、そういう職種の皆さん方は、いざというときのために、もうけたものを残していただく。それで、農業や漁業をされる方は年金制度に入っても入らなくてもよい。こういう制度をドイツはつくっている、こういうことですね。 それぞれの考え方が違いますから、日本はそこまで割り切れておりません。それは、農業、漁業の人も何とか年金制度をつくっていかなきゃいけない、もう少しよくしていかなきゃならない、私たちもそうは考えております。しかし、一つの制度の中でやっていけるかどうかというと、なかなか私は難しいのではないかと。 言ったついでに、こちらから先へ質問をいたしますが、一つは、事業をやっている方は、一元化になりますと、そうすると、保険料は倍額払わなきゃならぬわけですね。いわゆる経営者が出してくれるものはありませんから。所得に応じて、同じ所得であったとしましても、サラリーマンの皆さん方と比較をいたしましたら、サラリーマンは半分企業の方が出してくれる。しかし、これは出してくれるところがないわけでありますから、自営業者のところは自分で全額出さなきゃならない。そうすると、保険料は倍額出して、そしてもらう年金は同じということになる。 これは、所得が同じの人には同額の保険料で、同じ保険料の人には同額の年金を払うという、もう一つの民主党がおっしゃっているその基本に反するのではないかと私は思います。だから、ここを一体どうされるのか。何度か私はここをお聞きしておりますけれども、明確な答弁をいただいたことはありません。これが一つ。 それからもう一つは、三号被保険者でありまして、企業にお勤めの方の奥さんでおうちにお見えになる皆さん方は、それは国民年金の保険料は払わずに国民年金が支払われるということに現在なっております。これは働く女性の方からは、なぜそんなのを認めるのかといって、これは大変なブーイングでございます。 しかし、一方において、それは過去の経緯もあり、認めてきた。今度、これを一元化するということになりましたら、年金は個人単位ということにならざるを得ない。個人単位になりましたら、三号被保険者の奥さんの分も保険料は払ってもらわなければならない、こういうことになるのではないかというふうに私は思います。 長妻前大臣は、払ってもらって、ゼロ%にしたらどうだろうということをおっしゃいましたけれども、それをゼロ%にするんだったら、自営業の皆さん方の方にもっとまけるということをしなきゃならない。それは、そこだけゼロ%というわけにはいかない。もしゼロ%にしたら、働いている女性の側からまた大変な反撃が来る。これはもう言うまでもないと私は思います。 だから、一元化の問題で、少なくともこの二つは乗り切らなきゃならない問題であります。細川大臣はそこをどのようにお考えになっているか、余り具体的な話じゃなくてアバウトな話でも結構でございますから、そこはお聞かせをいただきたい、こういうふうに思います。
○細川国務大臣 年金制度については、これは老後の安定した生活を送るためにはどういう年金制度がいいのかということで、これは国民全体の最も関心のあることだし、どういう制度にしていくかということについては、また国民的な議論も必要だというふうに思っております。 そこで、坂口先生から、今、三号被保険者、特にサラリーマン家庭の専業主婦についてどういうふうに考えるのか、こういうことでありますけれども、大変難しい問題でありまして、私どもは、同じ所得があれば同じような保険料を払って、そして将来同じような年金をもらう、こういう制度を考えているわけでありますから、そうしますと、専業主婦には収入がないということで、これがどうなるかということになるかと思います。 そこで、これはなかなか難しい問題でございまして、長妻前大臣は、収入がないので保険料ゼロ%ということで手続をとってもらう、こういうことが一つ。それからもう一つは、専業主婦でありますから、夫の収入、貢献度が半分だというふうに考えて、夫の収入の半分が収入だというふうに考えて、そしてそれに保険料を掛けていく。こういう二つのことを提案もされましたけれども、こういう二つのことも考えられるということはなかなか難しいということでありまして、率直に申し上げまして、私は、これからまさに年金制度を検討していくということで、二十五年までに結論を出すということでありますから、先生の意見も踏まえながら、どういうふうに専業主婦のことを考えていったらいいか、これは率直なところ、これから検討をさせていただくということで御理解をいただきたいと思います。
○坂口(力)委員 まあ、そのぐらいにおさめておいてもらう方がよろしいんでしょうね。ここではっきり言えるというのは大変なことだと思うんです。これは大変、言えない。だから、そのぐらいがいいところかなと私も思って聞いておりました。 それで、これから先の話でありますが、鳩山政権のときには、政府の中で案をつくって、そしてそれを各党にお見せして、そして御議論をいただいて各党合意のものをつくっていくようにしたい、こういうふうにおっしゃった。我々は、それは少し違うのではないか、政府の方でつくる前に各党間で、この国会の中に検討する会をつくって、そこで合意をして、そしてそれに政府が色づけをして出すという手順でなければいけないのではないかということを申し上げた。 大臣は、どちらの方を選ばれますか。とにかく各党間、国会の中で、これは今もまだあるんだと思いますが、検討会、そこでやって、そしてその結果を政府に出して、政府がそこを立案するということにした方がいいのかどうか。私たちはその方がいいというふうに思っていますが、そこはどういうふうになりますか。後ろからのメモは見ずにひとつお答えをいただきたい。
○細川国務大臣 この年金改革案については、先ほど委員が御指摘をされたような、鳩山内閣のときに、基本的な原則というようなことで、政府の方ではその案がつくられておりますけれども、しかし、年金制度というのは長期的なスパンで考えなければいけない、そういうような制度でもありますから、これは超党派でしっかり議論をして、そして成案をつくっていく、こういうことにしなければいけないと思います。 その際、どういうふうな形で超党派で協議をしていくかということにつきましては、私は、政府が具体的な案を出す、そしてそれを検討していただくという、それも一つの案だろうと思いますけれども、しかし、そういう案ではなくて、そうではなくて別の形で案をつくり上げていく、その協議の中でつくっていく、こういうことも考えられますし、そこは、私は、まずは超党派で協議をしていただく、そのときに最初にそれをお決めになって協議を進めていくというふうにした方がいいのではないか。具体的な案を初めから出してこれがどうだということは、私は、ちょっといかがかなというふうに思っております。
○坂口(力)委員 ありがとうございました。大変いい御答弁だったというふうに思っております。 ありがとうございました。
○牧委員長 次に、阿部知子さん。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。 坂口先生の穏やかな質問のように、まねて頑張りたいと思いますが、どうなるやら、やってみたいと思います。 前半を年金関係の御質疑で、そして後半は、実はきょう午後にも自民、公明、民主の三党の皆さんが障害者自立支援法の一部改正を提案なさるということですが、これの質疑時間がございませんので、後半はそちらに使わせていただきたいと思います。 まず、年金についてお伺い申し上げます。 年金は人の人生そのものと思いますが、かつては、例えば、女性たちに多かったと思いますが、短期間ある会社で働いて厚生年金に加入はするんですけれども、その期間が短いこと、あるいは将来の年金につながらないであろうということで、脱退手当金というのを受け取っておやめになるというような例がございまして、しかし、この制度はいわゆる昭和六十一年の法改正で廃止はされておりますけれども、さかのぼって、昭和十六年四月一日以前にお生まれの方については今もこの制度が使えるということになっております。 皆さんのお手元に一枚の資料、資料1がございますが、ここには、現在でもこうした脱退手当金をお受けになる人の総数、平成二十年度で一万人ほどおられますが、これは、年金の裁定、すなわち受給、受けるときに、例えばですが、六年間厚生年金で働いて、その後主婦を十八年間やられて、どう見ても二十四年間で年金には満たないから、では最初の六年分は脱退手当金でもらいましょうということを一回裁定をいたしました。ところが、今のように記録が見つかってきて、もっと若いころ二年間くらい働いていて、それを加算すると二十五年を超すというようなケースがあることがわかってきました。 この場合に、では、年金が出るんだったらもらおうと思うのですが、一度いただいた脱退手当金、例えば六年分であったとしても、これを返さねばならないということになっていますが、これはいかにも不都合であります。その見つかった二年間というのを加算すれば十分二十五年になるんだけれども、裁定のときには知らなかった、なかった、わからなかった、消えていた、それで見つかったとなれば、その方の年金権の確立という意味でも、この脱退手当金はそのまま利子をつけずにお返しいたしますから、年金の受給ということにつながる方向にお願いしたいが、細川大臣、いかがでしょうか。
○藤村副大臣 阿部委員にお答えいたします。 脱退手当金というのは、年金を受給できないことが支給要件とされていますよね。そこで、受け取ったときの時点で二年足りなかったというケースですから、しかし、それが二年足りていたということであれば、実は脱退手当金の支給要件を満たさなかったことになります。そうなると、御本人とすれば、当然、年金を受給できることが初めからわかっていれば、脱退手当金なんかは請求を行わなかったわけですから、このような事情を考慮すれば、事実関係を精査した上で、脱退手当金を受給した時点で既に年金の受給資格を満たしていたことになるのであれば、脱退手当金の支給決定を取り消し、新たに判明した期間を合わせて年金の支給を行うことが適当というふうに考えております。
○阿部委員 副大臣、利子は払わなくていいんですよね。脱退手当金をもらっちゃって。
○藤村副大臣 不要であります。
○阿部委員 私が利子にこだわりましたのは、今、五十嵐財務副大臣が来ていただきましたが、きっとお時間がございますでしょうから、先に五十嵐副大臣にお伺いをする案件に移りたいと思います。 今のは脱退一時金ですが、今度は退職一時金という問題を取り上げたいと思います。これは、三公社、いわゆる国鉄とかNTTとかたばことかに関係することなのですが、ここで私が相談を受けたのは、国鉄の職員であった方です。 国鉄には、昭和三十六年四月から五十四年末までに、そこに退職した方については、退職時に、将来年金をもらうということも予定された中で、しかし、その掛金に相当する部分で一部の部分を外して、そしてこれを退職一時金としてもらったという方がおられます。これは本人に起因するところではありませんが、その後の法改正で、昭和六十一年からは、国鉄の共済が厚生年金に一元化されましたので、今度は、自分が年金をもらうときは、かつてもらった退職一時金を返してくれということになりました。 私のところに寄せられた相談は、退職一時金で自分は三十万円もらったけれども、今来た請求書は百五十万円になっていると。その間の利子が全部加算されて、年金を運用したのであれば積み重なったものが雪だるまのようになって、三十万円はもらったけれども、百五十万円で返せって、ちょっと、いかに何でも負担が強過ぎるというケースの相談がありました。 このようなケースはほかにも、さっき私が申し上げましたNTTやたばこも含めてあると思うのですが、一体、この退職一時金関連の返還が求められている方の総数、どのくらいあるでしょうか。
○五十嵐副大臣 お答えをいたします。 日本鉄道共済組合で退職一時金支給者数は九千九百四十三名、NTTの方で三万五千百八十三名、日本たばこ産業共済組合の方で千三百四十七名でございます。そのうち一時金の返還義務が発生するであろうと思われる方、これはもう既に返還をされた方も含んでおりますけれども、日本鉄道共済組合で五千二百八十七名、エヌ・ティ・ティ企業年金基金で二万七千六百十九名、日本たばこ産業共済組合で三百三名でございます。
○阿部委員 今、五十嵐副大臣から教えていただいた数値を合わせると、三万人近い方が退職一時金の返還を迫られる。でも、一時金をもらったときに、返す予定じゃなかったんですよね。返すなんてことは全く言われずに、だって返さなくてよかったんですから。でも、その後、法改正で返さねばならなくなって、そしてさっき言った利子が積み重なる。 私は、せめて、年金をもらう方が重要ですから、年金をもらうことに振りかえたとしたら、知らないで起こったことについて、過大な利子をかけていくというあり方は余りにも理不尽ですし、物価スライドのような、昔の物価と今の物価とあわせて例えば返還額を決めるとか、他の方法を検討していただきたいと思うのです。 利子まで全部払ったら、私の相談を受けた三十万円が百五十万円でなくても、かなり過大にお支払いをしなきゃいけない。私の相談を受けた方は、現在年金額は十万円なんだけれども、そこから毎月六万円返さなきゃいけない、返還期限が二十五年の一月と言われた、どうやって暮らそうという相談でありました。これは極端であるのかもしれませんが、同じような構造を持っていると私は思いますが、いかがでしょう。
○五十嵐副大臣 大変お気の毒ではあると私も思います。 ただ一方で、これは国会議員の方も、今まで年金、共済がありました。私も経験者ですが、途中で落選するとやはり一時金で、二割カットされて八割が戻ってくるという形ですが、同じように、受給権が発生しないでそのまま退職される方もある。その方との比較もありますし、また、そのまま共済におられて、使用者側と御本人とが折半で負担をして、それに運用益がついて、運用利息がついて、最後にはそれぞれの方に戻ってくる仕組みとの比較からいって、やはり運用益分の利息をつけないと計算が合わなくなる、結局はその原資になるわけですから。そういう仕組みになっておりまして、お気の毒ではありますけれども、なかなかその点は難しいのかなというふうに思います。 ただし、お気の毒でありますので、各年の返還金が共済年金支給額の半分以内におさまるような分割払いも可能になるように配慮をしているところでございます。
○阿部委員 温情なのかもしれないけれども、この場合は、副大臣もよく御存じのように、ここに「退職一時金返還のご案内」というのがあるんですけれども、将来において返還が必要になることなど退職当時には予測されていませんでしたが、要するに、返せと言われないんだよと書いてあるんですよね。昭和六十一年四月に実施された年金法の改正により、その谷間に落ち込んでしまったわけであります。 もう一工夫、三万人もおられるわけです。財務省としては、やはり取りたいというか、取らねばと思うかもしれませんが、これは自分のあずかり知らないところで法律が変わって、それなら最初から返せと言っておいてくれれば預けて運用したよとか、こういうことだってあると思うんです。 きょう、私はこの問題を取り上げるのは初めてですし、ただ、及ぶ範囲が広いので、先ほどの御答弁でさらにお考えをいただきたいということをお願い申し上げて、時間の関係で、きょうは五十嵐副大臣にはわざわざ厚労委員会までお越しいただいたことをお礼申し上げて、問題意識を深く共有していただけますようお願い申し上げます。 引き続いて、厚生労働関係の御答弁でお願いいたしたいと思います。 後ほど、今回の改正案について、三年間の時限立法にしましょうよということが御提案されるやに聞いておりますが、私が一つ懸念いたしますのは、もしそうであると、今、大変景気が悪うございます。それで、例えば、せっかく十年間さかのぼって払える権利を得たんだけれども、今、手元不如意である、この三年というのは厳しいと思うんですよね。一方で、モラルハザードじゃないか、ずっといつまでもでは困るという考えが成り立つのもあり得ると思いますが、そもそもが多くの方に年金の受給権を得ていただきたいとなると、今十年分払いたい、しかしこの経済動向を見ると払えないというようなこともあると思うんです。 細川大臣にお伺いしたいのは、もちろんまだこれは今、話は仮定でありますけれども、ここにも一工夫ないものか。 要は、三年という趣旨をもしみんなが共有するのであれば、そこにのっとって、なおかつ、今払えない人について、例えば申し込んでおくとか、そういうことはできないのか。何か権利を担保することはできないのか。これについて、大臣は私のあずかり知らぬところだとおっしゃるかもしれませんが、現実に即して、いかがでしょう。
○細川国務大臣 私どもの政府の方からは、無年金、低年金のそういう人たちを、できるだけ、年金がもらえたり、あるいは額を多くするということで、今回の十年前までのさかのぼりを提案いたしたわけでございます。 そこで、私どもとしては、これは恒久的にそういう制度でいこう、現行では二年のさかのぼりを認めておりますけれども、それを十年にしよう、そこで低年金それから無年金の問題に対応していきたい、こういうことで提案をしておりまして、そこを国会の方、委員会の方で修正するということであるならば、私どもとしては、その審議については委員会の方でお願いをするということになりますから、その委員会での決定といいますか、それに対して対応をさせていただく、こういうことになります。 具体的なことに対して、まだ法律も成立もしておりませんし、修正ができたというわけでもありませんので、ちょっと具体的には答えるわけにはいかないということでございます。
○阿部委員 難しい御答弁をありがとうございます。まだ影のないものを、形もないものを聞きまして。 ただしかし、大変現実的に懸念されます景気動向を考えたときに、せっかく無年金、低年金をなくそうという法案なのですから、その趣旨を十分に厚生労働大臣として御理解いただけたと思いますし、また、これからも御尽力をお願いしたいと思います。 私は今、あと国民年金の納付率の低迷についてお伺いをしたいと思いましたが、時間制約で、これはまた別途の機会で行わせていただきますので、藤村副大臣には、御答弁を用意していただいたのに申しわけありませんが、次の障害者関連の施策の方でよろしくお願い申し上げます。 先ほど冒頭にも触れましたが、きょう午後に障害者自立支援法の一部改正案が提案されるようでございますが、私は、そもそもこの間の障害者施策を見ておりまして、この政権として、政府として、もともと障害者の問題の根幹は何であるかというところが揺らいできているのではないかと懸念を持ちます。 例えば、障害者施策の根本は、平成七年でしたか、これは当時の政府がお出しになりましたが、ノーマライゼーションとリハビリテーション。このリハビリテーションは、全人的復権。要は、医学で言うリハビリだけでなくて、その人を復権していく、もう一度、障害があっても生き直せるということを保障しようという理念で支えられてまいりました。また、新政権にあっては、私たち抜きに私たちのことを決めないでという障害者団体の大きな流れの中に、障害者自立支援法の廃止なども検討されていると思います。 しかし、例えば本年一月の七日、政府と障害者自立支援法の違憲訴訟団との間で取り交わされた合意書を読みましても、ここで、なぜ前の立法が間違えたかは、現実の実態調査や当事者の事情聴取が不十分であったと認めという一文がこの合意文書の中にもございます。 私は、きょう藤村副大臣に、実態調査、ニーズ調査ということについてお伺いをしたいと思います。 この間ずっと私は、塩原の視覚障害訓練センターやあるいは伊東の重度の頸椎損傷の方のリハを廃止、統合すべきでないという立場で発言してまいりましたが、そういう私の前提には、そもそも、お目の悪くなられた方、あるいは頸椎損傷を受けた方のニーズを把握したようなデータがあるんだろうか、ここがそもそも私は疑問の根幹であります。藤村副大臣、お願いします。
○藤村副大臣 お答えいたします。 まず、伊東と塩原のセンターの統廃合について、多分、ニーズ調査が不十分でありという先生の問題意識だと思っております。 障害者自立支援法の施行前後に、前になりますが、実態調査を行って、利用者負担がふえた、あるいはサービスの抑制につながっているなど、この辺の調査はあるんですが、統廃合の今回の方針に関しての塩原と伊東の具体的調査というのは、大がかりにやっているわけではありません。ただ、例えば利用者が減少しているというのは、歴年を見てくると数がはっきりしています。平成十二年は九十名、平成二十一年は二十四名、平成二十二年十月末において二十三名というふうに、数字は低迷している。 それから、もう一つ統廃合の大きな理由としては、地域が重なっていて、むしろ所沢の国立リハに集中させた方がいいなどもございますし、もう一つ、定数の問題という総務省から来ている問題もあった、こういうことでございます。
○阿部委員 私どもの質問通知が副大臣にきちんと伝わっていないのやもしれませんが、今回、個別のことでお伺いしたいのではございません。 中途で光を失われた、頸椎損傷でそういう状態になられた方たちは、頸椎損傷は毎年五千人おられます。お目が悪い方、中途失明者は全体で三十万人おられます。この人たちが、例えば目が悪くなったとき、自分にどんなリハビリがあるのか、どんな生活の指針があるのか、どんな職業訓練があるのか、ほとんど情報が行き渡っておらないということから、副大臣には、この前も国立リハビリテーションセンターに行っていただいたことも大変ありがたいと思います、私は、ぜひ全体のニーズを調査していただきたいんです。 土台のないところに政策は打てません。頸椎損傷もしかりです。何年とお待ちになります。その全体像の中に何を埋め込んでいくかということがないんだと思います。 それで、今副大臣が個別に塩原のことでおっしゃってくださったので、資料の三ページ目を見ていただきたいんですけれども、これは、自立支援法と前回の支援費との間でどのくらい自己負担がふえたかという塩原ケースでございます。支援費制度のときは三万二千円、自立支援法になりますと約二倍の、就労支援では五万九千円、自立訓練では六万円、二倍の額、自己負担が発生しております。 午後の皆さんの御提案では、自己負担の軽減、とりわけ低所得者層のというのが出されるようですが、自己負担の増加は当然利用抑制というものも生むわけです。これは、自己負担があっても大丈夫と言えるほど、皆さん、お金に余裕がないからですね。 私は、実は、本当に障害者のニーズを探るには、まず情報にどうアクセスできているか、そしてそこでサービスを受けるときにどのくらいの負担があるかという二面があると思いますから、これからでも結構です、ニーズ調査と、自己負担増による利用抑制がどうなっておるのか、個別のケースだけでなくてもいいです、ぜひ政府として把握していただきたいが、いかがでしょうか。副大臣、お願いします。
○藤村副大臣 今、御承知のように、推進会議が続いてきております。二十五年八月までに総合福祉法の成案を得るということで、それに向けて、今協議会では全体のニーズ調査というものを行うという方向で検討が始まっていると存じております。
○阿部委員 それはありがたいことです。でも、私が主張したいのは、そんな全体のニーズ調査もなくて、なぜ最初に廃止が決まっちゃうのと、素朴に疑問であります。さっき私が言ったノーマライゼーションとリハビリテーション、全人間的復権というのが障害者施策の根本であるべきです。実態も把握しないでやれば、この前の過ちの轍を踏むではありませんか。そうであれば、今副大臣が明確に御答弁いただいたように、これから全体のニーズ調査をするなら、その先だってちっとも遅くないし、道を過たないと思います。 副大臣のお手元に今、この前の七十一人の原告団、障害者自立支援法違憲訴訟の原告七十一人と国が交わした基本合意文書がございます。この線を引いてある部分が、「立法過程において十分な実態調査の実施や、障害者の意見を十分に踏まえることなく、」やったからだめだったんだよ、今この二つが施策上問題になっていると思います。 そして、そもそも、この基本合意文書を交わしたときに、検証会議というものを、事の進捗状況、訴訟は和解する、だけれども、進捗状況を検証会議でお互いやりましょうと言っていたのに、一回も検証会議が訴訟団と開かれていないのではないですか。 これについて、細川大臣、お願いします。もし御用意がなかったら、藤村副大臣で結構です。
○藤村副大臣 まず、第一回定期協議というのを四月二十一日に開催して以来、ないじゃないかというお話かと存じます。これはぜひ早期に開催できるように進めてまいりたいと思っております。 また一方、民主党の方でのPTで、参議院議員であります谷座長のもと、これはこれで党としてのお話を、過去この数カ月のうちに多分十回ぐらい、いろいろな協議をさせていただいているとも聞いておりますので、できれば十一月末か十二月初旬にでもこれをやっていきたいとも考えております。
○阿部委員 ぜひそうお願いしたいと思います。 この基本合意は、皆さんのお手元の2を見ていただければ、国と、要するに政府、厚生労働省との基本合意であります。民主党の党内の方で御尽力いただいているのは漏れ承っております。しかし、これを結んだ相手は厚生労働省、国となっておりますから、その間で、今やっている施策がやはりお話と違うじゃないかなどということもあろうかと思います。 そして、ここには、「一 障害者自立支援法廃止の確約と新法の制定」というのが一番上にございます。ここを読ませていただくと、「国は、速やかに応益負担制度を廃止し、遅くとも平成二十五年八月までに、障害者自立支援法を廃止し新たな総合的な福祉法制を実施する。」 細川大臣、しかとこのようでよろしゅうございますでしょうか。明確に御答弁をお願いします。
○細川国務大臣 これは、障害者自立支援法違憲訴訟原告団、弁護団と国の方、厚生労働省でありますけれども、基本的な合意をした文書でありますから、正式な合意に基づいて対応をしなければと思っております。
○阿部委員 では、残り二、三分でもう一問お願いいたします。先ほど、後にいたしますと言った年金の納付率の問題であります。 国民年金納付率は、今や六割前後で低迷しておりまして、前政権のときにいわゆる市場化テストというのを行って、昔で言う社会保険庁じゃなくて、競争入札して、これをやる事業者に任せてやってみようとやったと思います。 さて、成果はどうであったのか。市場化テストの結果はどうであったのか、なぜ納付率は上がらないのか、これについてお願いいたします。
○藤村副大臣 お答えいたします。 私が聞く範囲で、十分な成果が上げられなかったというのが結論であります。 国民年金保険料の滞納者への納付督励等については、市場化テストで、これは平成二十一年十二月までは社会保険庁でしたが、日本年金機構から委託を受けた民間業者が今行っております。 平成二十一年度の国民年金保険料の現年度納付率は過去最低の六〇%ということで、その要因の一つとして、受託業者の取り組みが十分な成果を上げられなかった。これは、競争入札で安いところが落としたんですが、電話が中心であったというところに多分問題があったと考えております。さらに、年金事務所と受託業者との連携体制も不十分であったのではないか、あるいは納付督励等の進捗管理、これも十分でなかったのではないかなど、幾つかの理由が考えられますが、今後、やはり戸別訪問ということをきちっとやっていくという姿勢に転換していきたいと思っております。
○阿部委員 もともと、自治体がやっていたときには、それこそ丁寧に、そうした戸別もあったと思います。 納付率を上げようと思ったら、やはり対面で、あるいは年金の疑問も聞いてということは当然必要となると思いますので、新政権としては、この市場化テストの教訓を踏まえて前向きにお取り組みをいただきたいと思います。 ありがとうございます。
○牧委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時六分休憩 ————◇————— 午後一時二分開議
○牧委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。高橋千鶴子さん。
○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。 今回の法案で、国民年金の保険料の納付可能期間を二年から十年にするという改定部分、これは、もう少し納付できれば年金がもらえるのにという強い要望も私たちのところに寄せられており、当然賛成できるものであります。また、消えた年金が見つかって逆に不利になるようなことはあってはならないので、それをきちんと法的に措置するということも当然のことだと思います。 そこで、なぜ私的年金である企業年金法と一体にして、一本にしてこの法案を出したか。これは、分けてくれれば非常に簡単なことであったんですけれども、細川大臣が副大臣のときに、大臣、副大臣、政務官などの政策会議、ことしの二月二十三日ですけれども、こんな意見が出ておりますね。「年金制度の一階部分と三階部分のうち、どちらが重要かといえば一階部分の方である。別建てもしくは国民年金法の改正をメインとする法律にするべきではないか。」という意見もあったということであります。全く当然だと思います。分けるべきだと思いますが、いかがですか。
○細川国務大臣 今回提案をしております法案につきましては、少子高齢社会が急速に進行しておりまして、高齢期の生活を取り巻く社会経済情勢が大きく変化をしている中で、このような変化に対応しつつ国民の高齢期における所得の確保を一層支援していくという目的で、公的年金、企業年金双方について制度の改善を図るものでございます。 国民の老後の生活設計の柱はあくまで公的年金であるというふうに考えておりますけれども、企業年金も公的年金と相まって国民の生活の安定と福祉の向上を目指す制度でありますから、今回の改正内容が国民の高齢期における所得の確保を一層支援していく、こういう統一的な目的を有するものでございます。 そういうことから、この法案の名称にも明確にあらわしながら、一括で法案を提案いたしたところでございます。
○高橋(千)委員 ということは、済みません、もう一度伺いますが、国民年金法の前段の部分、私がこれなら賛成できますよと言った部分と私的年金である企業年金法の改正も、両方、年金の確保、確保支援法案という形で言われていたと思うんですが、確保をするためのものであるという大臣の認識ですか。
○細川国務大臣 確保を支援する、支援するという目的で提案をいたしております。
○高橋(千)委員 なるほど、支援がついているという点で、このちょっと無理のあるやつを支援という言葉でつなげたんだということだと思います。 企業年金の方は後からお話ししますけれども、こちらはリスクが伴うものでありますので、リスクの伴うものととにかく不利益になるものを一刻も早く改善して確実に年金に結びつけていこうという前段とは大きく異なるものだ。重ねて、私は分けるべきであったと思います。 今回の法案の出され方が大変急でありまして、正直不意打ちのように始まったものですから、本来なら修正案などを準備するところでありましたけれども、そういう議論さえできなかった。また、一つ一つの議論を深めることができなかったということを非常に残念に思っているということを最初にお話ししておきたいなと思います。 そこで伺いますけれども、前段の部分のところでありますが、法案成立による効果、六十五歳未満の方のうち、年金額がふやせる条件がある方が一千六百万人、年金受給を早められる条件がある方が七十万人、無年金にならずに済む方が四十万人、これは合わせると千七百十万人と見込んでいますけれども、そのうち実際に救済される方がどの程度と見込んでいるのか、伺います。
○榮畑政府参考人 六十五歳未満の方で、今回の法案でございます納付可能期間の延長を利用できる方につきましては、粗い推計では、先ほどお話がございましたように、六十五歳未満の方なら最大で約千七百十万人と考えております。 ただ、これはあくまで本制度を利用できる可能性があるすべての方の人数の推計でございまして、このうちどの程度の方が実際に利用されるかを現段階で正確にはかるということはちょっと困難かと思ってございます。 ただ、本措置と類似するところがございます、現行でもやってございますが、学生納付特例の追納という仕組みがございますが、これは一割程度の方が使っていただいてございます。したがいまして、仮に本措置におきましてこの学生納付特例の追納と同程度の方が利用すると仮定して、機械的に計算すれば、千七百十万人のうちの一割程度で約百七十万人程度かと考えてございます。 以上でございます。
○高橋(千)委員 一割程度であるということもあくまでも推定でしかないわけでありますけれども、それにしても少なくなるわけです。さらにそれに、今回、先ほど阿部委員の御議論もございましたけれども、自民党さんなどは、やはりモラルハザードが起きるのではないかなどという指摘をして、時限立法にすべきであるということが言われているわけであります。修正案も準備をされているということであります。 こうなると、まず百七十万人という推定の数字すらもかなり割り込むであろうと。三年間ではなかなか納め切れないよ、頑張っても厳しいよという声が当然上がってくるだろうし、そのことも先ほど紹介をした政策会議の中で議論をされているはずですね、なぜ恒久的にすべきなのかと。議論は、時限立法にすべきという議論があるけれども、これは本当に懸案だったんだからぜひやりたいのだという議論があっての提案だったのにと思うんですけれども、私は恒久的にすべきだと思いますが、大臣に伺います。政策会議に出ているのは大臣ですから。
○細川国務大臣 この保険料、二年間は追納してもいいという今の制度でありますけれども、二年間の追納期間だけでは、つい忘れていた人などがぜひ納めさせてほしい、こういうような改善の要望がたくさん寄せられてきたところでもございました。そういうところから、保険料をより納めやすいというようなことで、将来の無年金、低年金の発生を防止する、そういう観点から、納付可能期間を二年から十年さかのぼってするというふうな提案をさせていただいたところでございます。
○高橋(千)委員 ですから、恒久的にした方がいいんじゃないですかという意見です。
○細川国務大臣 したがって、私どもは、恒久的なことで提案をさせていただいているところでございます。
○高橋(千)委員 大臣の気持ちは、恒久的なものとして提案をさせていただいたということでありましたので、ぜひこの法案のここの部分は、やはりせっかく納付特例がさかのぼってというふうになったんですから、修正の議論がありますけれども、するべきではないということを、今度は委員の皆さんにぜひ呼びかけをさせていただきたいなと思います。 そこで、先ほどは六十五歳未満の方について伺いました。六十五歳以上の無年金者についてはどうなるでしょうか。平成十九年の数字では、大体四十二万人くらい無年金者がいるという数字がございますけれども、実際どのくらいで、また、何人くらい救済されると見込んでいらっしゃいますか。
○榮畑政府参考人 平成十九年に社会保険庁が推計したところによりますと、今後七十歳まで任意加入して年金保険料を納付しても、二十五年の受給資格期間が足りない六十五歳以上の方は、社会保険オンライン記録で調査いたしますと、約四十二万人と推計されたところでございます。 一方、今回の法律改正でどれぐらいの人が対象となるかということでございますが、粗い推計でございますが、六十五歳以上の方で、過去十年間の滞納期間を、この二年、十年のさかのぼりによって納付していただいて二十五年の受給資格期間をクリアし、年金を受給することが可能となる方は、最大で約八千人というふうに推計しておるところでございます。
○高橋(千)委員 この最大八千人というのが非常に残念な数字だと思うんですね。もう少し救えないものかと。特に、高齢者の低年金、無年金問題というのは、医療や社会保障全体を議論する上でも非常に重大な課題となっております。 それで、ちょっと通告になかったんですけれども、重ねて伺いますけれども、今回救済される方は、既に受給している方は対象になりませんよね。ですから、そういう方も含めて、受給しているといっても本当にわずかなものであるという方たちを少しでも底上げしてやれるということがあってもよいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○榮畑政府参考人 今回の改正でございますが、やはりあくまで無年金、低年金となることを回避する等の観点ということでございまして、もう年金受給世代に入っておられる方につきましては、受給権がないような方を対象として、十年までのさかのぼり納付が可能というふうにさせていただくというふうに考えておるところでございます。
○高橋(千)委員 そこら辺も少し、大臣にもう一問だけ伺いますので検討していただければなと。今回はすぐにできないかもしれないけれども、実際に受給している方が、どんなに少なくても、三万でも四万でも受給していればあとはだめだということなんですね。 あわせて、これからのことも含めて考えてみたいのは、例えば、厚労省のことしの調査で、今、被保険者の四人に一人が滞納者であります。ですから、まずここを解決しなければならないと思います。そのうち、保険料が高くて経済的に支払うのが困難だと答えていらっしゃる方が六四・二%、そして、そのうち、もう少し生活にゆとりができれば納めたいと答えている方も六割いらっしゃるわけです。 ですから、やはりできれば納めたいという方はいる、だけれども大変だという方もいる、そういうチャンスを逃したまま少ない年金で暮らしている方もいる、そういうことをもっと議論していって、私は、先ほどの時限の問題もそうですけれども、例えば延滞金ですとか、さまざまなものをなくしていくという議論が今後必要だなと思っているんです。 いずれにしても、もっと広く救済される方が広がるような、無年金・低年金者を救う手だてを考えていく必要があると思いますが、大臣の決意をお願いしたいと思います。
○藤村副大臣 高橋委員にお答えいたします。 もっと広く無年金・低年金者を救済するためにどうするのか、手だてはないのか、こういう御質問かと思います。 例えば、昨年十二月に、過去の空期間などが見つかれば年金受給に結びつく可能性のある六十三歳以上の加入者を対象として、加入期間の確認を促すためのお知らせを発送するなどの措置を講じたところでありました。このときは、去年の十二月二十一日以降に年金請求書を新たに提出して裁定された方が三万人。この中のどれだけかということは確定はできませんが、それなりに対応できたのではないかということであります。 こうした中で、今般の納付可能期間の延長というのは、制度面の対応として、将来の無年金あるいは低年金の発生を防止するという観点から導入するものであり、例えば、さっきの、最大約四十万人の方が、本措置を利用すれば将来無年金にならずに済むと推計されておりますので、重要な意義を有するものと思っております。 他方で、納付可能期間の延長のみでは、既に相当高齢となっている無年金・低年金者の救済の効果は限られているわけでありまして、さらなる対策の検討も継続していく必要があると考えております。
○高橋(千)委員 この問題は、最後に、さらなる検討ということのお話がありましたので、引き続いて、国会の場でも政府の場でも議論をしていただきたいし、私たちも提案していきたいと思います。 それで、もう少し続けたいんですが、次の部分についてもぜひ質問させていただきたいと思います。 確定拠出年金制度について、二〇〇〇年に日本版四〇一kというふうに呼ばれたりしたわけですが、現在、三百四十万人いらっしゃるということであります。この内訳ですね。有価証券や投資信託などの投資型に入っている方と、定期預金などの元本保証型、そういうものに入っている方の割合は大体どのくらいになっているでしょうか。
○榮畑政府参考人 確定拠出年金につきまして、人数というより金額ベースで算定しておりますが、確定拠出年金の総資産額が約四兆八千六百億円でございますが、このうち、投資型、有価証券や信託商品でございますが、これが約三七%でございまして、預貯金や生命保険、損害保険などの元本確保型が約六三%、そんなような数字でございます。
○高橋(千)委員 それから、元本割れということが当然あり得るわけですけれども、現状、今どんなようになっておりますか。
○榮畑政府参考人 確定拠出年金につきましては、個々人で資産運用方法が違っておりまして、その資産運用実績もさまざまでございますが、ある大手の確定拠出年金の運営管理機関の調査データによりますと、二十一年度末時点におきまして、その運営管理機関がサービス提供しておられる確定拠出年金の加入者の中で元本割れとなった方が約三割程度というふうに承知しているところでございます。この調査データは対象が三十七万人ぐらいで、確定拠出年金の制度全体の一割程度が加入しておられるところが対象の調査データでございます。
○高橋(千)委員 今、二十一年末の数字をおっしゃっていただいたと思うんですけれども、その半年前、年金情報などを見ると、六割という数字がございます。これは当然、景気の状況によって変動するわけでありますので、それこそ、受け取るときにバブルのような景気のいいときであれば得したなという話になるし、その逆もあるということを意味しているのではないかなと思うんですね。 ニッセイ基礎研究所が行った〇九年のアンケート調査でも、確定拠出年金制度の導入で退職後が不安になったかという問いに対して、株式などの投資型を保有している方は四割が不安だと答えて、持っていない方は六割が不安だと答えて、やめてほしいというふうに答えている方が六割、その中でもいらっしゃるということであります。 そういう中で、今後、株式市場が、こう見ていても、好転するというのはなかなか難しいのではないかと率直に言って思うわけですね。そういう中で、なぜ労働者にも拠出をさせるんですか。
○藤村副大臣 お答えいたします。 今、労働者に拠出をさせるというふうに問い合わせでございましたが、これは、することができるようにするというところで、そこは大分ニュアンスが違うと思います。 確定拠出年金制度は、単独では確定給付型の企業年金などを行うことが難しい中小企業や労働者の移動が激しい業種などにも選択肢の一つとして、既に多くの企業で実施されております。これをさらによりよい制度となるよう改善を図っていくということが必要であります。 現在、企業型の確定拠出年金においては、事業主のみ掛金の拠出が認められていましたが、今回、事業主が拠出している掛金額は、税制優遇が認められている拠出限度額はまだ余裕がありますので、制度利用の多い中小企業の事業主の置かれた状況も厳しいことを踏まえると、今後、事業主負担の大幅な増額は見込めないものと考え、今般、事業主拠出に加えて従業員による任意の拠出を認め、税制優遇措置の対象として、従業員が老後に備えることを一層支援することとしております。 なお、実際に各企業における確定拠出年金においては、従業員による拠出を実施するに当たっては、労使合意によって年金規約を改正する必要があります。また、その上で個々の従業員の皆さんが拠出を行うかどうかというのは、みずからの判断となるところであります。
○高橋(千)委員 もちろん、ごめんなさいね、聞くときに、させるのかというふうに質問したので、別に強制だと思って聞いたのではございませんので、わかってございます。 もちろん、個々の判断であるというところが、実はみそなわけですよね。あくまでも、それは決められるのは本人なんですから、別にこちらが強制しているわけじゃないんだからいいじゃないかというふうに言われるけれども、なかなか環境的に、そういうことが自由に判断できる指標があって、そして本人の本当の自由な意思で判断できるという状況が生まれるだろうかというのは、ちょっと懸念をすることがあるわけですね。 例えば、そのモデルとされたアメリカでは、昨年の四月三日の朝日新聞で紹介されておりますけれども、アメリカでほころび、廃止論もというタイトルがついております。「私の四〇一kは粉々だ。人生の計画がすっかり狂ってしまったよ」という、ミシガン州に住む五十歳の方の声を紹介して、一年間で四割目減りをしてしまったと。 そして、アメリカのシンクタンクによると、この方の、「同じ会社に二十年以上勤めた五十歳代後半から六十歳代前半の人は平均で四〇一k資産の四分の一以上を〇八年に失ったという。」というふうなことを紹介して、また、専門家の声でも、個人にリスクがあるというのはやはり問題があるのではないかと。もし退職時期が不況と重なれば、老後の蓄えが激減しかねないということで、廃止も含めて検討を促しているわけですね。 一方では、昨年は、年次改革要望書の中でアメリカは、日本の確定拠出年金をマッチング拠出ということで労働者にもというような要望を突きつけているわけです。経済評論家の森永卓郎さんなどは、米国は日本の年金制度崩壊を見込んで年金分野に参入しようとしていますというふうな指摘もしております。 私は、日本の公的年金制度が安定したものであればある程度いいかもしれないけれども、まあ、どちらかというと大変不安である。そういう意味で、補完的な役割を果たすという期待なども労働者にはどうしても抱かせるものがあると思うんですね。手数料を取る会社や金融機関などは非常にいいわけでございますし、もし元本割れや今紹介したような方の老後の蓄えを失うようなことがあっても、結局は自己責任ということで済んでしまう、そういう設計になっておりますから、そういうことについてどう思うのかというのを大臣に伺いたい。 そして、仮にですよ、企業が責任を持たなくて済む確定拠出年金に一本化しちゃうみたいな、今、企業年金って何通りもありますけれども、そういうふうなこともいずれ起こってくるのだろうかというのはちょっと心配になりますけれども、いや、そうではないと言ってくださればいいんですが、いかがですか。
○藤村副大臣 誤解があるかと思います。確定給付型がいいということは、今おっしゃっていたと思うんですね。日本が何か今、確定拠出に統一していこうというのではないかという疑いを今言われたように思ったので、そういうことはまずないということを冒頭申し上げます。 今、現に言いますと、確定給付型が千三百五十七万人、八割、拠出型は三百四十万人、二割であります。そういう意味で、日本では確定給付型の企業年金が中心的役割を果たしていると認識しております。 こうした状況ではありますが、この確定拠出年金は、単独では確定給付型の企業年金を行うことが難しい中小企業や労働者の移動が激しい業種などに適した、いわゆるポータブルですよね、選択肢の一つとして、既に多くの企業で実施されており、それをよりよい制度となるよう改善を図っていく、こういうことでございます。 確定給付型の企業年金とそれから確定拠出年金は、各企業において、そのいずれかあるいは両方を導入するかについて、それぞれの企業の実情に応じ、労使で十分に議論した上で決定すべき選択肢であり、いずれかの制度に一本化していくという思惑、そんな考えは全くないと申し上げたいと思います。
○高橋(千)委員 全くないとおっしゃってくださればいいと、最初に質問をいたしました。 ただ、これは、十一月一日に経団連の要望もございますけれども、労働者の拠出があるのとないのといろいろある中で、企業再編というのが円滑に進むということのための要望としても紹介をされておりましたので、心配をして指摘をさせていただきました。 ただ、お答えになっていなかったのは、結局そういうリスクがありますね、しかも今後は変動がありますよね、そこが自己責任になってしまうのはいかがですかということを聞いたんです。
○藤村副大臣 リスクがあることはよくないことかという、そういう前提で、ちょっとそもそも論になりますが、まず、景気が、先ほど来おっしゃっているのは、リーマン・ショック云々で、悪くなるとでは利率が悪くなるのかというと、必ずしもそうではない。 つまり、資産の運用というのは、景気がよくなったときにも運用できるし、悪くなったときにも運用できる、そういうことはあるわけで、そういうことをむしろ、中小企業で、きょうまで全くそういう選択ができなかった皆さんに選択していただくことを今回道を開いたわけですから、それは当然、自己責任という部分が最終的にはかかってくるわけです。みずからの資産の運用であります。そのことがいけないということではないと思います。
○高橋(千)委員 やはり、この自己責任の考え方について一致ができないということではなかったかなと。ただ、中小企業の運用というだけで、だから便宜を図っているんだという議論だけではないのだということをこれまでの脈絡でお話をしたつもりであります。 きょうは逢坂総務大臣政務官にも来ていただいておりますので、一言ちょっと伺いたいと思います。 今回、住基ネットと企業年金連合会が情報提供、要するに、住所がわからない方に対して、その情報を得るために結びつけることができるということも法案の中に入っておりますけれども、そこで、住基ネットから提供される情報、今四情報しかないわけで、三情報を入れると住所がわかるということになるかと思うんですが、そのときに、住基コードまでも情報としてもらうのかどうか。
○逢坂大臣政務官 お答えいたします。 結論から申し上げますと、現在、この法改正が行われれば、住民基本台帳コードもあわせて情報提供が行われるというふうに思います。
○高橋(千)委員 あわせてというお答えでありました。 今、年金機構は、受給者の年金番号と住基コードの突き合わせ、これは現況届を省略できるということで既に法改正がされておりますけれども、これはどの程度進んでいらっしゃいますか。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。 年金受給者の方々への住民票コードの収録状況でございますが、平成十八年四月時点では二千五百七十五万件でございました。これは、その時点での年金受給者数の八一・三%に相当いたします。その後、平成二十一年六月時点の数値がございますが、この時点では収録状況三千六百八十四万件でございます。これは、その時点での年金受給者数の九八・五%に当たる数値でございます。
○高橋(千)委員 住基コードの突合が既にすべての受給者を対象に年金機構でやられておって、八割、九割という進捗状況であるというお話だったと思うんです。いただいた数字では、これがコードが、本人がわからないということで二十三万人が手書きの現況届を出しているというふうに伺っております。 ですから、こういう作業をもう既にやっているわけですから、改めて、年金機構の突合で十分足りるのではないか。なぜここで企業年金が住基ネットと結びついて、しかも、住所を知りたいといいながらコードまで受け取ることになるのかということに対して、非常に危惧を持っております。 このことについても大臣に質問する予定でありましたが、残念ながら時間が参りましたので、非常に、これは当初から、住基ネットの最初は、国の行政機関等ということでかなり限定的な運用から始まったと聞いておりますが、だんだん広がってきて、個人情報がかなりの分野で広がる危険性があるのではないかという危惧を持っているということをお話をしておきたいと思います。 本当は公的年金の問題についてお話ししたかったんですが、時間がなくなりました。国連社会権規約委員会でも、最低保障年金制度の創設を日本に勧告をしております。やはり土台がしっかりしないと、リスクのある年金だけが残っちゃったということでは非常に困りますので、そこの議論をしっかりとしていきたいということを訴えて、終わりたいと思います。 以上です。
○牧委員長 次に、柿澤未途君。
○柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。 今回提出をされている法案の内容については、私たちも反対をすべきそうした要素は特にありませんので、賛成をしたいというふうに思っております。 きょうは、広く年金にかかわる問題についてお尋ねをしてまいりたいというふうに思っております。 まず、賦課方式の持続可能性についてということでお尋ねをしたいと思います。 先日、予算委員会で質問をさせていただいたときに、本当はこれは菅総理にお尋ねをしたいというふうに思っていたことでもありまして、そのときのために実はパネルをつくりまして、結局、尖閣の問題だとかいろいろやっているうちに時間がなくなってしまいまして、パネルのお蔵入りになってしまいましたので、きょうちょっと持ってまいりましたので使わせていただきます。 シンプルなものです。賦課方式というのは要はこういうものだということです。要は、現役の世代が保険料を払って、今生活をされているお年寄りの給付に充てている。年金もそうですし、医療保険も介護保険も、基本的には同じ仕組みです。お手元に配付した資料もパネルのコピーですので、ごらんいただければわかりますけれども、要は、この仕組みをやっていると、少子高齢化の時代には大変な財政的な行き詰まりをしてしまうということだというふうに思います。当然のことで、支える側が少なくなって、支えられる側が多くなっていくわけですので、当然のことだと思います。 今は、大体現役三人で一人の高齢者を支えている。年金、医療、介護の三つで大体年間四百万ぐらいの社会保障給付を一人で受け取っていることになっておりますので、現役一人で百三十三万ぐらい負担して、お年寄りのそうした給付を支えているわけです。 これが、二〇二五年ぐらいには二人に一人になって、四百万の割る二ですから二百万になる。そして二〇五〇年代には、肩車型とよく言われますけれども、一人が一人を支えるという時代になって、これは、高齢者一人当たりの社会保障給付四百万円を現役世代一人が丸々抱えなければいけないということになるわけです。 こうした賦課方式による社会保障の制度というのは、日本の今の社会構造、人口構造、こうしたものの中ではもう持ちこたえることが不可能になってしまっているのではないかというのが私の認識です。これを支えるためには、帳じりを合わせるためには、現役世代の負担をふやすか、あるいは受け取る側の高齢者の給付をカットするか、どっちかをやらなければいけなくなる。こうした問題を内在している社会保障、なかんずく、年金におけるこの賦課方式というのをこれ以上続けていくことは、もはや不可能な段階に来ていると思います。 かねてから、このことについては、私、申し上げておりますが、ぜひ御見解をお伺いしたいと思います。
○細川国務大臣 柿澤委員からお話がありましたように、公的年金制度の財政方式に関しては、大きく分けて賦課方式と積立方式があるわけでございます。 賦課方式というのは、年金給付に必要な費用というのを、その都度その都度現役世代が賄っていく。積立方式というのは、将来の年金給付についてはみずからが自分で積み立てて、そして給付を受ける。こういう賦課方式と積立方式がありますけれども、今は一応、賦課方式が原則となっております。 ただ、委員が言われるように、では積立方式ということになってきますと、まずは自分の将来のことの積み立てをしなければいけない、自分の現役のときの今の高齢社会の分もやらなければいけないということで、これまた大変な現役の負担になるのではないか、いわば二重の負担になるというふうに思います。 そういうことで、積立方式をやりますと、では、そのために積み立てたお金というのは一体どれぐらいのものになるか。大変な額、数百兆になるんじゃないか、五百兆とか六百兆とか。今は百二十兆くらいなんですけれども、では、その積み立てたお金をどういうふうにするのか。こういう問題もありまして、私どもとしては、この年金制度というのはなかなか難しい問題がたくさんありまして、今言われる賦課方式、それから積立方式も含めまして、今の年金制度を改革しようということで検討をいたしております。 これは超党派でしっかり協議をしながらまとめていかなければいけない問題だと思いますので、そのときにきちっとその問題も解決をしていこう、こういう方針でございます。
○柿澤委員 もう一度だけこのパネルを出しておきますけれども、こういうことですから、本当に今、年金制度あるいは社会保障制度全体に起きている問題は、まさにこの方式によるもの、その賦課方式をとっていることに内在しているというふうに思うんです。それはもちろん、これを積み立てに移行しようとしたら大変な、乗り越えなければいけない幾多のハードルがあるということは承知はしておりますけれども、しかし、未来永劫そうした問題を先送りしていくこともできないのではないかなというふうに思っているところです。 そもそも、日本の公的年金の制度というのは、もともとは積立方式で運営をされてきたはずなんですよね。だから百二十兆円という積立金が今もあるわけです。しかも、厚生労働省さんは、時に、今の日本の公的年金の制度を修正積立方式というふうにも言ったりするわけで、こうしたワーディングがあることもあって、やはり公的年金の制度は自分が払ったものが自分の給付として返ってくる積立方式であるというふうに考えている国民の人が多いのではないかというふうに思うんです。 今、公的年金、百二十四兆円ぐらいの積立金があります。ところが、過去、積立金がどんどんどんどん入ってくるので、それを取り崩して年金支給額の上積みをやったり保険料を低目に抑えたり、天下り法人を通じたグリーンピアとかサンピアとか、ああいうばらまきをやったおかげで、八百兆円もの積み立てがこれまでに失われてしまった。 この八百兆円の積み立て不足額というのは、現在の年金受給世代に将来支払うことを約束していた年金額に対して、実際に国が積立金を用意していない金額ということになって、もちろん国庫負担分を除けば、今度五百五十兆という数になりますけれども、事実上、これはある種、年金の債務超過額というふうに言えると思うんです。 二〇〇九年度で政府が支払いを約束している年金債務が九百五十兆、その時点で持っている積立金が、あの時点では百五十兆ぐらいでした。それを差し引いて八百兆円。それで、国庫負担分からの拠出を除くと、大体今言ったような五百五十兆とかそういう年金債務が残るわけですよね。この債務の処理に道筋をつけない限り、積立方式の年金制度へと移行することはできないということになるんだと思います。 そういう意味で、今残っている積立金、現時点ではもう百二十三兆円とかになってしまっていますけれども、この積立金は極めて大事なものだと思いますけれども、現政権は過去に、先食い、つまみ食いをして大穴の開いているこの年金積立金に、来年度予算でさらに手をつけるというようなことを中で議論しているというふうに言われております。年金の積立金の取り崩しをやって、それを基礎年金の国庫負担分に充当する、こういうことが議論をされているということが言われている。 これは田村委員も予算委員会等々の場で既に取り上げられておりますし、野田財務大臣は、「現実的に年金を取り崩すということは、これは基本的には年金制度の信頼にかかわることだ」、こういう御答弁をされています。長妻前大臣は、限定したものを別のものに使うということについては、それを直ちに容認をしていくということは考えておりません、こういう御答弁をされております。 しかし、予算編成も本格化する季節になりました。そして、厚生労働大臣もかわりましたので改めてお尋ねを申し上げたいと思いますけれども、こうした基礎年金の国庫負担分に充当するために今の年金積立金に手をつける、こういうことを来年度予算に向けて行う可能性があるのかないのか、ないならないとはっきり言っていただければと思います。
○細川国務大臣 二分の一の国庫負担という、その財源をどうするかということでありますけれども、今の御質問の、年金の積立金の方から借り入れというような形については、私は考えておりません。やっぱり年金の積立金というのは、これは崩さないようにしっかり確保しておくことが大事だというふうに思っております。
○柿澤委員 はい、わかりました。 それで、民主党のマニフェストで掲げた年金改革案についてお伺いをしたいと思います。 六月の二十九日に、政府がいわゆる年金基本原則というものを示されました。年金制度の一元化、最低保障年金の導入、負担と給付の関係の明確化、これは大事ですね。持続可能な制度の構築、これも大事です。年金記録の確実な管理とチェック、未納、未加入をなくす、国民的議論で制度設計と、七原則なんですけれども、極めて抽象的な文言で、具体的な内容を伴っていない、そういう基本原則になっております。 まず、真っ先に着目しなければいけないのは、マニフェストで掲げていたはずの月七万円の最低保障年金額に言及をしていないということだと思います。さらに、さまざまな点について、例えば、かつて基礎年金部分について六兆三千億、これを税方式でということも額とともに示されていたわけですけれども、こういうことも示されていないという内容になってしまっています。 最低保障年金ですけれども、一体この七万円というところは、どこに行ってしまったのかということをお尋ねしたいと思います。
○藤村副大臣 七原則から今の七万円が消えているということはそのとおりでありますが、かつて長妻大臣も、七万円のことは何度か答弁しているところであります。 この最低保障年金の基本的な考え方というのは、高齢期に少なくともこれ以上は受給できるという年金額を明示することというふうに考え、人生設計の予測が難しい社会において生活設計を立てられるようにしたいというところでありました。 最低保障年金の具体的な給付水準や財源のあり方等の制度設計については、今後、党派を超えた議論を行って、国民的な合意形成を図るということにしておりまして、それが七万円であったり幾らであったりということの前提はできるだけ少なくしている、七原則にはそこから外れているという理由であります。
○柿澤委員 次に、所得比例年金についてですが、所得比例年金については、保険料として支払った総額が老後、年金として比例的に戻ってくるという制度とされていて、これは、払ったものが戻ってくるという意味では積立方式っぽいんですけれども、実のところ、どのような財政方式をとるかということは具体的に明らかになっておりません。 所得の一五%を保険料として徴収するということになっていたかと思いますので、例えば自営業者とかあるいは農林業者とか、こういう皆さんにとっては、所得比例年金を導入すると保険料負担がふえることになるというふうに思います。そういう意味では、積立方式のように払ったものがきちんと戻ってくる、こういう制度でなければ、なかなかこの所得比例年金、導入をするに当たって納得を得ることができないのではないかというふうに思います。しかし、現行の年金制度は賦課方式で運営をされているわけで、これは改革後も、現在の年金受給世代への年金支払いも続けていかなければいけない。 そういうことでお尋ねをしたいと思うんですけれども、この所得比例年金の制度というのは、財政方式はどういうふうにやるプランなんでしょうか、お伺いをいたしたいと思います。
○藤村副大臣 先ほど大臣からは、今後の審議の中でということですので、今ここで何方式でいきますということを確定するわけにはいきませんが、ただ、先ほど来の議論の中で、積み立てに移行するには大変なハードルがあるというのは柿澤委員もおっしゃったとおりで、なかなか移行するのは難しいと思います。 ですから、民主党のマニフェストにおいて、新制度の所得比例年金についての部分は、すべての人が、所得が同じなら同じ保険料を負担して、納めた保険料をもとに受給額を計算するという形を今考えているというところでありますが、これも今後の議論であります。そして、今さっき一五%というふうな数字を出されましたが、これも、保険料の水準は今後検討することになると思います。 また、現行制度における今の積立金は、これは新年金制度に当然引き継がれて、新年金制度発足後は、その積立金と新たな保険料収入によって、現行制度分の給付を含めて年金給付が行われるようにするという今の大ざっぱな考え方でありまして、いずれにせよ、これは党派を超えた議論が必要である、このように答えたいと思います。
○柿澤委員 この年金改革というのは、現政権の中心的な政策課題だというふうに思います。政権をとって、これから具体化をしていくという段階に去年の鳩山政権発足時からなっているはずだと思うんです。一年たって、六月に基本原則を発表したら、何かあいまいもことしていて、マニフェストで掲げてきた具体的な内容よりも示されたものが抽象的なものに後退してしまっている。一体これは前に進んでいるのかどうかということを疑問に思う部分もあるわけです。 これからまさに年金改革の具体的な姿を示していかなければいけないという段階になってくるというふうに思うんですけれども、こんな状況、こんなペースで本当にそうしたことが可能なのかということを思いますけれども、いかがでしょうか。
○藤村副大臣 午前中の議論でもございましたように、我々は七つの基本原則を六月二十九日に提示したというのは事実であります。ただ、その前に、昨年の政権交代のときから、年金制度というのは、単に一内閣、一つの政権ということでなしに、将来、三十年、四十年、百年という中で大きな制度改革をするからには、当然、超党派でのまさに国会での議論が必要というのは前提でありました。 では、きょうの午前中の議論もありましたように、今の政権、政府がそれなりにプランを提示して議論をするのか、それとも、もともと基本的な発想は周知されているわけですから、そういう中で、しかし、まず、どういう組み立て方式にするのかを超党派で御議論いただくのか、そのスタートのところがぼちぼち迫っているということで、このペースでとおっしゃいましたが、そのスタートを切れば、本当にこれは一年がかりぐらいでやっていくということになろうとは思いますが、超党派の非常にスピーディーな、かつ濃密な議論が必要である、今そのように私は考えているところであります。
○柿澤委員 ここはもしよかったら、大臣にもお答えをいただければと思います。
○細川国務大臣 藤村大臣もお話しいたしましたように、国民にとって非常に大事な年金制度でありますから、これは当初から民主党も、年金制度そのものが一つの現政権とかあるいは一つの政党で決まっていくものではない、また決めるものではない、全体で国民的な議論も含めて検討をすべきだ、当初からそういう方針でございますので、六月に一応基本的なことは打ち出しましたけれども、しかし、それに拘泥ということではなくて、まずは超党派で、どういう形で話し合いを、協議を進めていくかということから話をしていかないとなかなかまた難しいところもあるかと思いますので、私は、そもそも協議が始まるときに、いろいろなことを議論して進めていったらいいというふうに思っております。
○柿澤委員 理由はどうであれ、将来の年金制度の姿というものが、国民の目から見るとこういうものになるということが見えていない状況であることは事実なわけです。 そうした中で、現行の年金制度が今は続いているわけですけれども、それに関連して、二〇〇九年の財政検証についてお伺いをしたいと思います。 旧政権下の二〇〇九年の公的年金の財政検証は、当時の野党の民主党の例えば長妻前大臣からも、さんざんこれは批判をされたわけです。 確かに、お配りをした資料を見ると、財政検証の前提となる諸数値というのは、その五年前の二〇〇四年に実施された財政再計算に比べても非常に楽観的な数字になっているわけです。経済危機にもかかわらず、積立金の長期運用利回りは名目三・二%から四・一%に上昇する、賃金上昇率も二・一%から二・五%に上昇することになっている。国民年金の納付率についても、二〇〇七年度の納付率が六四%にとどまっていたにもかかわらず、二〇〇九年度には八〇%に改善する、こういう想定になっていたわけです。所得代替率は五〇・一%を死守すると。 要するに、公的年金は破綻しませんよ、百年安心プランは大丈夫ですよとぎりぎり見せかけるための、経済想定の見方によっては粉飾が行われたのではないか、こういうことも指摘をされてきたわけです。 お伺いをいたしますが、この二〇〇九年の財政検証というのは、現政権において、これはもう生きているのかというか、これを前提としているのかどうかということをまずお伺いしたいと思います。
○藤村副大臣 私どもが、民主党が野党時代にさまざま、財政検証の経済的な前提などは甘いのではないかということは、今、柿澤委員がおっしゃったような視点からも申し上げたところであります。 それで、年金制度というのは、長期的な経済の前提について、政府が単に恣意的に何か言うのではなしに、この際も、金融や経済の専門家らによって構成された経済前提専門委員会における検討結果の報告に基づいて客観的に設定したものとされているわけであります。これは、長期的には、日本経済及び世界経済が現下の金融危機に起因する混乱を脱した後、再び安定的な成長軌道に復帰することを想定した上で設定されていたというところでありました。 なお、二〇一五年までの経済前提については、内閣府が平成二十一年一月に行った経済財政の中長期方針と十年展望試算に準拠して設定されている。 いずれにせよ、我々はこれを強く批判したところでありますが、五年ごとに法律に基づいて行われることになっているいわゆる財政検証というものが、今現在、この二十一年の検証があるという事実は続いていると思いますし、今後新しい年金制度の具体的な制度設計に関する議論が行われる際には改めてというか、財政試算も行われることになり、これに用いる経済前提については今後議論が必要であると考えております。
○柿澤委員 要するに、さんざん批判をしたけれども、二〇〇九年の財政検証に基づいて、今、年金制度を現政権は運営しています、こういうお話なんですね。私は、これだけ非現実性というか想定の楽観性ということを皆さんも言ってきたわけですので、本来、これは再検証というか財政検証の見直しということを今すぐにでも行うべきではないかというふうに思うんです。 民主党の年金改革案は、四十年程度の移行期間を設けて、現行制度と新制度を並立させながら時間をかけて移行していくという案です。現在の年金受給者は、仮に民主党の年金改革が行われて新しい制度ができたとしても、基本的に今の制度のもとで年金を受給していくわけです。そういう意味では、今の受給者にとっては、新制度、民主党政権がつくる新しい制度は基本的には関係ないということになるわけです。 現在の年金受給者は、そういう意味ではこの財政検証に基づいて年金を受給していくわけですので、これがある意味では前提が崩れてしまったものであるとすると、これはもう将来の予見可能性が全くないということになってしまうと思います。さらに、現在保険料を支払っている現役層についても、現在までに支払った保険料に対応する年金給付は現行制度のままのはずですよね。改革以降に支払う保険料とそれに対した年金給付が新制度に置きかわるということになるんだと思うんです。 すなわち、今こうやって生きている私たちの大多数は、百年安心プランと言われた、半ば崩壊しかかっているこの財政検証の前提に基づいて年金を受給することになるということになると思うんですけれども、そう考えると、新しい制度ができる二〇一四年までこの前提のまま年金制度を続けていくという、そういうことをやっている場合ではないのではないかというように思いますが、いかがお考えでしょうか。
○藤村副大臣 年金法の規定に基づいて五年に一度財政検証をするということでありますので、この際の、今の平成二十一年の財政検証の次は平成二十六年ということになりますよね。この間、二十一年の財政検証がさまざま、今おっしゃるように経済的見通しなど、その時点であるいは今考えても甘いところがあるとしても、これは五年後に見直す話ではあるというわけです。 加えて、我々の方は、今からいうともう二十五年ですから、次の検証よりはまだ手前の段階で新しい年金制度を、これは超党派で議論を行って国民的な合意形成を図っていくという中で、先ほど申しましたように検証の見直しも当然その中でやっていくということですから、五年間のタームではなしに、それより手前で、新たな検証が新たな方式を検討するに際して行われるということであろうと思います。 では、今のこの検証があるから今何か大変困ることがあるかというと、そういうことは多分ないと思います。
○柿澤委員 結局、短期的には余計この年金制度の将来像について視界不良な状況が生まれてしまっているのではないかというふうに思います。そういう意味で、基本原則も非常に抽象的な内容にとどまっているわけでもありまして、どういう障害があってこうなっているか、例えば超党派の枠組みがなかなか調わないとか、こういうことが皆さんの側から言わせればあるのかもしれませんけれども、しかし、年金改革を提示された民主党、民主党政権として、やはりこういうものを目指していくという具体的な姿を、もう少し精緻な制度設計として本来お示ししていただかなければいけないのではないかなというふうに思います。 そのことを最後に申し上げさせていただいて、時間も参りましたので質問を終わりとさせていただきます。ありがとうございました。
○牧委員長 次に、長尾敬君。
○長尾委員 民主党の長尾敬でございます。 ただいまの柿澤委員のお話を聞いておりまして、この賦課方式というものの問題点につきましては、もう相当、二十年、三十年以前から、このままではバランスが保てないぞという議論が間違いなくあったはずであります。これを新しく抜本的な制度改正をするという作業は歴史に残る大変な仕事であるというふうに思っておりますので、どうぞ、厚生労働省の皆様におかれましては、ぜひともすべての国民、有権者、加入者の方々が納得できるようなものをつくり上げていただければというふうに思っております。 今回の法改正について、企業年金部門についていろいろと、私も生命保険会社に勤めておりましたので、これを販売、保全していた立場でもございましたので、言いたいことはたくさんあるんですが、きょうは国民年金に絞ってお話をさせていただきたいというふうに思っております。 ただ、公助、共助、自助という中で、こういった企業年金を初めとする自助努力によって行われたものにつきましては、現在の税制、例えば個人保険においても死亡保険金の税制的な優遇措置、金融財産というよりは遺族が受け取る経済的な安らぎでございますので、どうぞ、政府ができなかった部分を自助でやっているというような部分を根幹に置いていろいろな議論をしていただければというふうに思っております。 まず、国民年金の納付率についてでございます。 平成十三年から十四年度にかけまして非常に納付率が急落している点、あと逆に、十四年—十七年に、緩やかではありますけれども上昇している、その点について、なぜかということについてお尋ねしたいと思います。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。 まず、平成十三年度の納付率と十四年度の納付率を比較いたしますと、大きく低下してございます。 この背景でございますけれども、国民年金の現年度保険料の収納に関する事務、この事務につきましては、平成十三年度までは市町村にお願いをして実施していただいていたわけでございますけれども、いわゆる地方分権一括法の結果、平成十四年度から国の直接執行事務としていわば市町村から国に移管されたというのがこのときに当たります。 その移管の際なのでございますけれども、加入者の方々から多くのお問い合わせが寄せられたり、あるいは国側の体制の整備に時間を要したというような事情がございまして、十四年度の収納対策の本格的な実施がおくれたという事情がございます。 また、それまで市町村に収納事務をお願いしていた中では、市町村と関係が深いいろいろな納付組織で保険料収納を担っていただいた面がかなり大きかったわけでございますけれども、これを引き続き活用することが難しかった、こういう事情もございます。 ほかにも幾つか要因はございますが、主なものを二つ申し上げれば、このときにはこういう事情がございました。 それから、あともう一点、御指摘がございました。 次に、十六年度から十七年度、これを比較いたしますと、納付率がかなり上昇しておりますが、この際の大きな要因といたしましては、平成十六年にいわゆる十六年改正という年金制度の改正を実施いたしておりまして、その改正によります新たな措置が十七年度から施行されたという要因がございます。 二つだけ申し上げますと、一つは若年者納付猶予制度、これを導入いたしまして、それまで免除の対象にならなかった二十代の未納者の方が納付猶予を受けることができるようになった、これが一つでございます。 もう一つが、免除の申請や学生納付特例の申請が年度の半ば、その申請がおくれた場合でも、一定程度、年度の初めの方までさかのぼって恩恵が受けられるようにした、こういった制度改正が十七年度から施行された、こういった要因が一つ。 以上、二点申し上げましたが、大きな要因として考えられるものと認識しております。
○長尾委員 それ以外にも理由が考えられるという部分の中では、なかなか役所の方からは答弁しづらい部分だと思いますが、年金問題というのはずっと後に出てくる部分ではあるんですが、やはり、公的年金なんかに入っていてもというような国民意識があったのではないかという部分は排除できないというふうに思っております。 現実に、年金記録問題や、納付率を引き上げるためと考えられるような、いわゆる年金データの改ざん等々、ますます信用を失墜させた、これをまず信頼回復していかなければいけないという部分をぜひとも押さえていただければというふうに思っております。 なぜこんなことを申し上げるかと申しますと、例えば民間の個々人が加入されている保険であれば、一定の未入期間があれば、いわゆる失効期間、あるいは、しばらくたってから一定の要件を満たして復活というような作業ができます。しかし、社会保障は商品ではありません。あくまでも社会保障でございますので、正規で入金をされている方と非正規入金の方と、本当は差異をつけたいけれども、これまた差異をつけるわけにもいかない。だから、やはり私は、納付率というのは一〇〇%でなければいけないというような原理原則をしっかりと政治、行政は認識をしなければいけないのではないかというふうに思っております。 今回のいわゆる十年さかのぼり法案につきまして、予想されます利用者数とその効果、及び十年とする根拠についてお尋ねします。
○榮畑政府参考人 今回の国民年金法改正法案に入ってございます、納付可能期間を十年に延長するという措置を利用できる方につきましては、粗い推計で考えますと、六十五歳未満の方で、最大で千六百万人の方がさかのぼり納付で年金額を増加することができる等々、最大で千七百十万人かと思っております。 また、六十五歳以上の方につきましては、過去十年間の滞納期間をこのさかのぼり納付によって国年保険料を納付していただいて、二十五年の受給資格期間をクリアして年金を受給できる方は最大で八千人と推計しているところでございます。 それから二つ目でございますが、十年としたことでございます。 納付可能期間を十年といたしましたのは、基本的な考え方といたしまして、年金制度は、現役の方々が月々納付していただいています年金保険料によってその時々の給付を調達していくという世代間の支え合いの仕組みであり、また、老後に備えて若年時からこつこつ保険料を納付していただくという仕組みでございますから、現在、現行制度でございます、低所得で国年保険料全額免除を受けた方が、その後に経済力が回復した場合に追納が十年までということなら可能でございまして、そういう点で、十年というのを参考にして納付可能期間を十年とさせていただいたところでございます。 以上でございます。
○長尾委員 今回の法改正で、十年さかのぼってという部分を時限的に措置をするというような方向が示されているようでございますが、私も実は、この法案が提出された際、そうあるべきであると。恒久的なものであっては、午前中の質問にもありましたように、十年さかのぼって入金ができるならば、これから十年は払わなくてもいいんだなというようなことを考える部分において、これは、無年金を防ぐという目的もありますけれども、先ほど来申し上げておりますように、毎月きっちりと、まじめに正規入金で月々お支払いをいただいている加入者を保護するという意味も含めて、やはり必要ではないかというふうに思っております。 過去、さかのぼっての入金、納付についての特例措置が三回ほどあったというふうに思っております。簡単で結構でございますので、それについて教えてください。
○岡本大臣政務官 過去の特例納付につきましては、第一回目が昭和四十五年七月から四十七年の六月、それから第二回が昭和四十九年一月から五十年の十二月、第三回が五十三年の七月から五十五年の六月、これは実施時期でありまして、法律が改正をされたのはそれ以外のタイミングでありますが、時期としてはそういうことであります。
○長尾委員 このとき、昭和三十六年の四月分まで全部さかのぼっております、九年、十二年、十七年さかのぼっております。今回は十年という理由は、先ほど御答弁をいただいたとおりだと理解をいたしております。 ただ、十年さかのぼってという議論と、私は、二つ目に考えたのは、十年分という発想であります。先ほど、どなたか委員にも議論が出ておりましたけれども、先ほどのは、支払っていなかったはずの保険料が納付されていたというパターンですね。逆のパターンがあったときに、十年さかのぼるのではなく、例えば十五年前の一月、二月、三月分の保険料納付があれば二十五年に達するというような部分で、十年さかのぼりではなく、十年間というような議論もあるべきではないかと思いますが、ちょっと御所見をいただければと思います。
○岡本大臣政務官 十年間ということでいうと、十余年さかのぼったところで例えば年金の受給権が発生するというような方がいるのではないかという御指摘は、可能性としては十分あるわけでありますが、私も、いわゆる国民年金の追納加算額がどのようになるのかというのをちょっと試算してもらいました。 そうすると、こうやってざっと見ると、平成五、六、七年ごろのいわゆる納付額というのは結構高額になっている。一番この辺が、利率の関係もあるんでしょうけれども、実は、実際の保険料額に比しても追納月額が高くなってきているというような状況がありまして、そこの月額というのは一定程度高くなるなというような認識を持っております。 先ほどの十年間で見た場合、年額としての追納額は、大体十七万円前後になるのと比べまして、二十一万円を超えるような金額になってくるというのも実態としてあるというのを承知しております。
○長尾委員 法律をつくるだけではなく、どうか納付率が一〇〇%に限りなく近づくように運営をしていただければと思っております。 二十五年ルールについてもちょっと質問をしようと思いましたが、きょうは割愛をさせていただきたいと思います。あと一個だけ、実は、遺族基礎年金の制度的な部分であります。二十五年ルールも、あとはいろいろな制度や何かも、これから民主党の新しい年金制度改革をする中でぜひとも検討していただきたい。 あと、加えて現在の遺族基礎年金ですが、支払われる対象者はどのような方ですか。
○岡本大臣政務官 遺族基礎年金につきましては、支給対象は夫が死亡した子のいる妻または子供でありまして、妻が死亡した夫には支給されないということになっております。
○長尾委員 恐らく、年金制度ができた当初の社会情勢をかんがみてということで、子のある妻もしくは子供という対象になったんだと思います。 ただ、きょうび、もう社会情勢も大分変わりまして、先般、父子家庭に対する児童扶養手当、父子加算、こういったものも議論される中で、遺族基礎年金につきましても同様の、修正を含めた新しい制度改革をぜひともお願いしたいと思っております。 続きまして、実は、法案とはちょっと違う部分になりますが、お手元の資料の方に用意させていただきました。介護サービスの品質向上のために、特定加算取得要件を満たしたいわゆる優良事業者に、一〇ないし二〇%の介護報酬加算の制度が施行されております。 現在、この特定加算要件を満たした事業者の推移はどのようになっておりますか。
○岡本大臣政務官 御指摘の、質の高いサービスを提供する訪問介護事業者を評価するという観点から介護報酬に加算を設けているところでございますが、平成二十一年度介護報酬改定において、有資格者を多く配置する事業所が当該加算を取得しやすくなるよう要件緩和をしたところでありまして、当該加算の取得率については、平成二十一年度介護報酬改定前は約五%であったものが、改定後の平成二十一年九月には約一五%となっているところでございます。
○長尾委員 普及率がその程度にとどまっているという部分、つまり、優良なサービスを提供できるところにはどうぞ加算をとっていただき、何よりも利用者の方々にいいサービスを受けていただく、この目的は、私は非常に崇高なものであるというふうに認識をしております。しかし、サービスをさらに向上していかなければいけないという現状の中で、この制度に積極的に実際に取り組んでいらっしゃる優良業者の方々が、実は、介護報酬加算の恩恵を受けるどころか、利用者の低迷に陥って閉鎖の危機にさえ至っているという現場の声をたくさんお聞きします。 資料に示してございますように、一般事業者一〇%、特定加算事業者、ふえた分、加算した額の一〇%、この黒塗りの部分を、実は、私の提案ではあるんですが、公費もしくは事業者による値引き判断というような、新しい厚生労働省の措置を御検討いただけないかという話でございます。 それを利用者負担増にスライドしているがゆえ、利用者や介護専門員が敬遠してしまう。特にケアマネジャーの皆さんの理解をもっと深くしていけばこういった問題も解決できたのではないかと思いますが、こういった部分について、厚生労働省はどのような御理解でいらっしゃるでしょうか。
○岡本大臣政務官 先ほどお話をしました、いわゆる加算についての概要は先ほどのとおりでありますが、一方、御指摘のように、加算を取得すると利用者負担が上がることから、当該加算を取得しにくいという状況にあるという声も出ております。介護報酬における質の評価のあり方を含めて、今後、平成二十四年度の介護報酬改定に向けて議論を進めていかなければならないと思っています。 御指摘のように、質の高いサービスを行う事業者を評価する趣旨をケアプランを作成するケアマネジャーにも十分御理解いただくということも重要であります。 また一方、御指摘のような、値引きをするというようなことになってくると、基本的には省令により利用者負担の値引きはできないこととなっておりますけれども、モラルハザード、値引き合戦等が起こってくると、うちはあなたのところより安いよ、うちは安いよというような話になってくると、制度そのものが揺らいでくるということになりかねませんので、そこはなかなか難しいと思っております。
○長尾委員 あなたのところは高いよ、あなたのところは安いよという議論、それは確かにそのとおりだと思っております。ただ、これも年金のときにもお話ししたように、正しく毎月入金をしている方とさかのぼって入金をしている方、それと、優良事業をやりたいと思って取り組んでいる方と、そうでない方がいらっしゃるとは余り考えたくありませんが、そこの部分の、よい意味での差異を設けるという部分は、やはり大いにかんがみた上での議論をしていかなければいけないというふうに思っております。 つまり、流した汗が報われなきゃいけないということでありますが、この場合、流した汗でおぼれてしまう業者さんが多いと。今大臣政務官からお話がありましたように、ケアマネジャーさんに対して、現場のケアマネの方々は大変一生懸命御努力をいただいていると思うんですが、現実の状況の中で、これは値段がちょっと高いから、安いからという部分で、ではなぜ高いのかという部分をぜひ厚生労働省として強く指導して、指導という言い方は失礼かもしれませんが、監督していただければと思っております。 制度改正のときにこれをというお話でございましたが、実は、現場からは、この部分で本当に、来月もつだろうか、再来月もつだろうか、つまり、今まであった仕事が、優良という看板がついたことで利用者がいなくなってしまったというような現状がありますので、でき得れば、省令なりあるいは局長通達段階でこの問題が解決されんことを期待したいというふうに思っておりますが、通告しておりませんが、ぜひその辺、御所見をいただきたいと思います。
○岡本大臣政務官 優良という話がありましたけれども、訪問介護事業者における特定事業加算というのはどういうときに行われるのかということを、私の方でも原局から聞きました。 御承知のとおり、体制要件、人材要件、重度対応要件、三つの要件があります。 例えば、緊急時等の対応方法を利用者に明示するというようなこと、でき得れば、本当は多くの事業者にやっていただきたいことであります。また、訪問介護員のうち、介護福祉士が三〇%以上または介護福祉士、介護職員基礎研修課程修了者及び訪問介護員一級課程修了者の総数が五〇%以上というのが人材要件でありますが、例えばこういったことについてもぜひ多くの事業所に挑戦をしてもらいたいという思いはあります。 最終的に質の高いところでそろっていくというのがあるべき姿じゃないかなというふうには思っておりまして、もちろん利用者の負担とのにらみ合いということにはなりますけれども、我々としては、やはり、質のより高い介護サービスを提供していくということにこれからも尽力をしていきたいと思っております。
○長尾委員 ありがとうございました。 一生懸命やっている部分で同じような事例が、きょうはちょっと質問しませんが、地方自治体がやっております、例えば重度障害者等に対する地方単独医療費助成の実施に伴って減額措置が行われているという部分についても、またいずれのときにか質問をさせていただきたいと思います。 最後に、きょう午前中もありましたが、ちょっと過労死についてお尋ねをしたいというふうに思っております。 いわゆる三六協定の目的、意義についてお尋ねしたいと思います。よろしくお願いします。
○金子政府参考人 お答え申し上げます。 労働基準法におきましては、一日八時間の労働時間、週四十時間という原則が打ち立てられておりまして、これを超えて労働させることができないとされております。これは罰則が付されております。 ただし、いろいろな事情で残業しなければいけないということもあるわけでございますので、事業場におきます労使におきまして協定を結んでいただいて、その決めていただいた限度の範囲の中で時間外労働ができるということでございます。三六協定を締結することによりまして、免罰効果もあらわれるというものでございます。
○長尾委員 いわゆる過労死ラインというものは、何時間という御認識でいらっしゃいますか。
○金子政府参考人 労災補償においてどういう認定をするかということでお答え申し上げますと、今、いわゆる過労死、脳・心臓疾患によって労災として認定される場合の一つの基準といたしまして、直前の一カ月での労働時間が、オーバータイムが八十時間を超えるというのが一つの目安になっております。
○長尾委員 三六協定がなされた後に、八十時間以上労働を締結した三六協定を労働基準監督署は受け取りますか。
○金子政府参考人 三六協定を労働基準監督署に提出していただく段階で、私どもは、行政指導といいますか告示でもって一応の限度時間を決めております。 ちなみに申し上げますれば、一カ月については四十五時間ということで、受理に当たっては、この遵守を事業場の方に求めることにしております。最終的に、事業場の方でこれに沿った形で御対応いただくケースがほとんどかと思います。
○長尾委員 ありがとうございました。 いわゆる過労死ラインになっている三六協定に対しましても、いろいろな特例基準の中で、あるいは労使の間で、例えばこれを実施しますよという意向確認等々をやった上で労基署が受け取るということは私も認識しておりました。 ただ、この段階で、提出をする段階で、これは単純な、素朴な質問なんですが、おかしいというようなやりとりはその受付窓口であるんでしょうか。
○金子政府参考人 二点、御説明させていただく必要があると思います。 制度論として申し上げますと、先ほど限度基準告示というのがあるということで申し上げましたけれども、一カ月については四十五時間なんですが、例えばその基準を超えて特別に時間外労働ができるという、特別条項つき協定と言っておりますけれども、こういうことが締結できるようになっております。これは、ただ、特別な条項でございますので、一年のうち半分は超えないようにするという、これが限度基準告示というルールとして決めているものでございます。 現場の監督署におきましては、受理するかどうかということになりますと、最終的には、法律的な規制ではございませんので、受理せざるを得ないというケースもあるかもしれませんが、ただ、これは、ここのところできちっとした三六協定を締結していただくのが何より重要でございますので、現場の監督署段階におきまして、強力な指導を実施しているところでございます。
○長尾委員 過労死認定を受けた従業員の方々が勤めていた企業の公表についてですが、時間もないのであれですが、地方の労働局は当然、その企業の名前を把握していらっしゃいますね。
○金子政府参考人 労災の業務上外の認定につきましては、それぞれの所轄の労働基準監督署で行うことになります。したがって、当然、労働基準監督署においてはその名称を把握しております。
○長尾委員 では、霞が関の厚生労働省、本局は把握していらっしゃいますか。
○金子政府参考人 私ども本省の役割は、認定上の基準をつくったり、あるいは過労死を防止するためのさまざまな健康確保対策あるいは労働時間規制対策、こういうものを実施することにございますので、そういった政策の立案に資するという観点で、過労死案件につきましては、全国から情報をとって、全体としてどんな傾向にあるのか、これにつきましては把握をしているところでございます。
○長尾委員 ありがとうございました。 三六協定にしましても、労災が発生した企業に対する指導監督にいたしましても、過労死で御家族をある日突然亡くされた御遺族の方の心情としては、やはりもっともっと、家族の死が何の意味合いがあったのか、息子の、主人の人生は一体何のためにあったんだというようなお声の中で、やはり細かいところまで、重箱の隅をつつかれても、しっかりとこれはやっているというような状況をぜひともおつくりいただくことを御検討いただきたいなというふうに思っております。 いわゆる過重労働による病死や、あと、いろいろなストレス等々での自死の問題は、我が厚生労働委員会ではやはり大いにこれから取り組んでいかなければいけない問題だと思っております。過労死等防止法、基本法という言葉がいいのかわかりませんが、いわば社会現象になっているこの問題につきましても、どうぞまた、厚生労働省の中でも、細川大臣を初めといたしましてお取り組みをいただければというふうにお願いを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○牧委員長 次に、石森久嗣君。
○石森委員 民主党の石森久嗣でございます。 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。長い時間で、もう皆さんもお疲れかと思いますが、最後、トリを務めさせていただきます。 今までお話がありました年金の問題、二〇〇六年に宙に浮いた年金で発覚いたしました我が国の年金に対する不信感、不満感、本当に大きく募っております。政権交代をされまして、我が民主党に課せられた大きな課題、この年金をしっかり立て直していく、それに尽きると思っております。 今回、国民年金法の一部を改正する法律案の中で、まずそれが一歩目、その年金の不信感を払拭していく第一歩につながると思っておりますが、現行制度で二年でありました納付可能時期を十年に延ばす、この十年の十という根拠をまず教えていただきたいと思います。 〔委員長退席、石毛委員長代理着席〕
○岡本大臣政務官 御質問いただきました、今回の保険料の納付期間、十年に延ばしていくということでありますけれども、これにつきましては、近年、国民年金の保険料の納付率の低下等も御指摘いただいておると思いますが、こういった状況、将来の低年金、無年金を防止するためにも、できるだけ保険料を納付しやすいように取り組む、このことが重要だというふうに考えている中、後から保険料を納めたくても二年を超えたら納められないということを改善してほしいという国民の皆様方のお声にこたえるため、保険料をより納めやすくすることにより将来の無年金、低年金の発生を防止する等の観点から、保険料の免除期間に係る追納制度、今は追納期限が十年であります、これを参考に、納付可能期限を十年とすることを提案したわけであります。 十年以上にしてはどうかということは、恐らくもう答弁で出ているのではないかと思いますので重複は避けたいと思いますが、十年以上になるということのデメリット、そしてまた、もちろんメリットの面からの議論もあることは承知をしておりますが、今般は十年で提案をさせていただいたというところでございます。
○石森委員 ありがとうございます。 先ほど長尾委員からもありました、その十年間というよりも、十年以上さかのぼっても、トータル十年という形では、そういう議論はなかったんでしょうか。ちょっとお答えいただきたいと思います。
○岡本大臣政務官 十年以上ということになりますと、十年以上さかのぼらないと年金の受給権が発生しないというような状況になってくるとどういうことが起こるかというと、一度に多額の年金を納めるというような状況になります。 先ほどもお話をしましたけれども、十五、六年前の、もうちょっと前ですか、平成六、七年のころの、比較的、追納の月額が高くなるというお話もさせていただいたところでありますが、こういった全般的な制度を見ていくと、仮に納付期間を十年以上に延長した場合には、何十年も前の未納期間について、老齢になってからさかのぼって納付することを認めると、老後に備えて、これまで、都度、保険料を払っていく仕組みの中で、まじめに毎月の保険料を納めてきた方に不公平感を与え、制度への不信感にもなりかねない、いつでも納められるという話になりますから。また、保険料の納付意欲に悪影響を及ぼす可能性がある。 また、免除申請を行った方は十年以内の追納しか認められない。先ほどお話をしましたけれども、学生さんとかが十年以内の追納しか認められていないのに、何の手続もしない滞納していた人に十年を超えて納付できる機会を与えることが不公平ではないかという議論。また、一年間の追納額が二十一万円を超えるという事例も先ほどお話をしましたけれども、多額の保険料を短期間にまとめて納付できる高所得者、資産家だけに恩恵が集中してしまうのではないか。 こういった課題もありまして、無年金、低年金問題への対応は極めて重要な政策課題であり、今後とも、新年金制度の創設に向けた議論の中で、財源の問題とあわせて、どのような対応が可能であるかということは検討していきたいというふうに思っております。
○石森委員 ありがとうございます。 数字の話が出ましたので、二十五年、年金受給資格期間は二十五年ということであります。非常に長いなというふうに常々思っておるわけでございます。イギリスやスウェーデンあるいはフランスなんかではそういう期間はありませんし、また、二十年の十一月二十七日には社会保障審議会年金部会の方で見直しの検討がされておりますし、また、本年の通常国会冒頭でも、野党の皆さんからの質問もあったわけでございます。 この二十五年については、今回、見直しということにはなっておりませんけれども、その辺のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○岡本大臣政務官 今御指摘のとおり、二十五年加入すれば年金を受給することが可能というふうなことになっている我が国の制度でありますけれども、年金制度の仕組みは国によって異なるものの、諸外国の制度に比べて二十五年という受給資格期間は長過ぎるのではないかという指摘があるということは承知をしています。 無年金・低年金者へのさらなる対応として検討を継続していくべき課題の一つだということは認識をしておりますが、その一方で、例えばこの二十五年を短縮するとどうなるかということについて言うと、所要の財源をどのように確保するか、また、受給資格期間を短縮しても、結局、低年金にしかならない。例えば、加入期間を十年で、国民年金で考えた場合、月額一万六千五百円、二十年の場合には三万三千円といった金額にしかならないという現状があります。新年金制度における受給資格のあり方とあわせて検討を進めていく必要があるのではないかといった視点を踏まえつつ、今後、議論を進めていく必要があろうかと思っています。 いずれにいたしましても、今後、既に実施している無年金、低年金対策の運用面での取り組みや納付可能期間の延長という今般の法案の成果を見きわめつつ、新年金制度との整合性や財源の確保といった視点も考慮しながら、十分に検討する必要があるというふうに考えております。
○石森委員 ありがとうございます。 低年金の方がふえるのであればというお話でございましたけれども、我々の意図する年金制度ではないということをお聞かせいただきました。 続きまして、確定拠出年金について、一部が改正されまして、今現在、事業主の拠出限度額が五万一千円ということになっております。今、平均ではわずか一万一千円ということでございまして、それを、やはり個人も拠出できるように、いわゆるマッチング拠出が解禁ということになるわけでございますけれども、このマッチング拠出導入の理由について簡単に御説明いただきたいと思います。
○岡本大臣政務官 企業が実施する確定拠出年金においては、現在、事業主のみが掛金を拠出することになっております。委員御指摘のとおりです。実際に事業主が拠出している掛金額は、法令上定められている拠出限度額と比べて低い金額にとどまっているという現状も御指摘のとおりであります。事業主の平均拠出額は一万一千円、拠出限度額は五万一千円という実態も、平成二十一年度の報告書より得ているところであります。 一方で、昨今の経済情勢のもと、事業主の置かれている状況も厳しいということを勘案いたしますと、今後、事業主がさらに拠出していく、大幅な掛金額の増加というのもなかなか見込みにくいという状況にあります。 このため、今般、事業主拠出に加えて従業員による任意の拠出を可能とし、税制優遇措置の対象とすることにより、労使合意があった場合に従業員がみずからの判断により老後に備え、高齢期の所得をより確保していただけるよう支援をするものでございます。
○石森委員 ありがとうございます。 我々、先ほど柿澤未途委員からもありましたとおり、年金を一元化、そして二階建てで最低保障年金七万円をつくっていく。これはもう昨年のマニフェストで、私も地元で何度となく会合で御説明させていただいて、本当に多くの皆さんがすごく御期待をされております。 そこで、若干振り返りながら、その年金制度についての御説明をまたいただきたいと思うんです。 平成十六年、前政権下で百年安心年金というふうに言われたんですけれども、その百年安心の百年とは何なのか、安心が百年続くということの意味をぜひ局長に御説明いただきたいと思うんです。
○榮畑政府参考人 平成十六年の年金制度改革におきまして、四つの柱が立てられたところでございまして、一つは、上限を固定した上で年金保険料を徐々に引き上げていき、平成二十九年には厚生年金一八・三%、国民年金一万六千九百円で上限を固定する、これは平成十六年度価格でございます。そしてさらに、その保険料負担の範囲内で給付水準を自動的に調整する仕組みを導入する。さらに言いますと、年金積立金を活用する。さらには、基礎年金国庫負担割合を二分の一に引き上げる。こういう四つの柱を立てまして、そういう中で制度改革を行って、おおむね百年間にわたって年金制度の財政計算を行って、長期的な収支と負担の均衡が図られているということをチェックしたというところでございます。 〔石毛委員長代理退席、委員長着席〕
○石森委員 先ほど柿澤未途委員から御資料をいただいた、運用利回りとか賃金上昇率、物価上昇率、いわゆるマクロ経済スライドを導入しての検討で百年安心と言われたわけでありますけれども、納得いかない部分もあるわけなんです。 十六年のときに年金積立金が百四十七兆三千億ありまして、現在、二十一年度で百二十八兆あると言われておりますけれども、この積立金をベースに、いま一度考えた場合に、我々民主党が考える二本立ての年金制度というのは、また百年安心というふうに言えるんでしょうか。
○岡本大臣政務官 これがまさにこれからの議論になってくるところで、どういう年金制度を構築していくかというのは、私たちとしても、ぜひ党派を超えて御議論いただきたいということを思っているところであります。 積立金は事実としてこれだけのお金があるという中で、前にも御議論いただきましたけれども、現状の制度で財政影響試算というのをやっております。こういったものももちろん私たちは参考にはしますけれども、新しい制度でこういった積立金をどう使っていくか、それから、いわゆる給付と負担のバランスをどう考えていくか、さらには公費のいわゆる負担割合をどういうふうに考えていくのか、制度設計をする上でどういうふうな論点を詰めていくのか、これからの課題であろうというふうに思っておりまして、それはまさにそこにかかってくる、要するに、金額の多寡はそこにかかってくるというふうに思っております。
○石森委員 ありがとうございます。 年金については、最後に、我が民主党がマニフェストで掲げた二階建ての最低保障年金、七万円になるのかわかりませんけれども、最低保障年金をしっかり、そして所得比例年金をつくる、工程を含めて、ぜひ大臣の御決意を述べていただきたいと思います。
○細川国務大臣 民主党のマニフェストでは、年金制度を例外なく一元化して、すべての人が所得が同じなら同じ保険料を負担する、そして納めた保険料をもとにして受給額を計算する所得比例年金と消費税を財源とする最低保障年金を創設する、こういうことを骨格にした年金制度について、平成二十五年の国会に所要の法案を提出するということがマニフェストに書かれているところでございます。 また、ことしの六月二十九日、総理を議長といたします新年金制度に関する検討会におきまして、新しい年金制度の基本原則が取りまとめられたところでございます。 先ほどもお話をしましたように、今後は、党派を超えた議論を呼びかける、超党派で議論をしていくということで、新年金制度の具体的な制度設計やそのための財源の確保も含めてしっかり超党派で議論をして、国民的な合意も図って、ぜひとも平成二十五年の法案提出を目指して頑張っていきたい、こう決意をいたしておるところでございます。
○石森委員 ありがとうございます。 何しろ、超党派ということでございますので、ぜひ、厚労委員会の皆さんの御意見をしっかり聞いていただいて、新しい年金制度をつくっていただく、そのために大臣の強いリーダーシップをお願いしたいと思います。 残すところの時間で、若干、十五分ほどいただきまして、医師不足について御質問させていただきたいと思います。 ことしの六月に病院等における必要医師実態調査が行われまして、九月の二十九日だったと思うんですけれども、結果が発表されました。御存じのとおり、現役医師が十六万七千六十三人、そして必要求人医師数、求人医師数というのは、私の病院はこういう医者が少ないので来てくださいというそういう求人医師数が一万八千二百八十八人、そして必要非求人医師数、これは、公募をしていませんけれども来ていただいたらいいなというそういう医師数が二万四千三十三人という数字が出ました。 この数字を聞かれて、岡本政務官、どうお考えになりますでしょうか。
○岡本大臣政務官 率直に私の感想で言うと、思ったよりは少なかったという印象を正直私は個人的に思いました。 しかし、今回の医師確保対策に当たっていくに当たっては、大変重要な、そして貴重な情報が得られたというのも事実でありまして、今回の調査結果を出発点として、都道府県において医療機関の重複状況などを勘案しつつ、地域における医師の必要数の分析調査を行って、その結果を踏まえて医師確保対策を推進していくということになろうかと思っております。
○石森委員 そうしますと、比率で計算いたしますと、二万四千人の方ですね、現在いる医師と足して計算しますと大体一・一四。民主党はマニフェストで医師数を一・五倍にふやすということを言っておりました。現実から若干離れている数字だなというふうに思うわけであります。 今ある既存の病院が自分の病院を運営されるのに困らない医師数ということでありますから、実態的にその地域の本当に必要なニーズに合っているかというのは、いささか疑問が残るところでございます。ただ、一・五倍と一・一四倍、大きくかけ離れていて、では、これを一・五倍まで近づける必要があるのかどうか、私も答えは出ておりません。新しい医学部をつくる、新設医学部をつくるという報道もされておりますけれども、そういうことを踏まえますと、政務官、この数字を近づける必要があるかどうか、その辺をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○岡本大臣政務官 必要な医師の需給と供給に関する問題については、それ以外にも、平成二十年の八月に「安心と希望の医療確保ビジョン」具体化に関する検討会の第五回会議に出された資料などでは、日本の医師需給の実証的調査研究、これは平成十八年、厚生労働省に報告の研究でありますけれども、こういった研究でも、ほかの長期的ビジョンにおける医師の需給バランスを出している研究もあります。 さまざまな研究がありますし、また、文部科学省の方で大学の医学部定員を増加するなどの取り組みもしていただいているという中で、いわゆる総合的に取り組んでいく課題ではありますが、マニフェストをつくるのに参画した者としては、当時の我々の出した推計でも一・五倍程度、さまざまなデータがありましたけれども、一・五倍程度までふやす必要があるのではないかというふうには考えたんですが、委員御指摘のとおり、ほかのデータを見ながら最終的な数値は、目標は決めていくべきだろうと思っています。
○石森委員 一・五倍、単に数字でございますので、これからやはり偏在も含めていろいろな議論をしていかなければいけないんだというふうに思います。 医学部の定員は、一番少ないときで平成十五年で七千六百二十五名、それで、平成二十三年度は八千九百三十三名まで拡大していいということが決定をされたと聞いております。その差が千三百八人でございますので、医学部の定員が大体百二十名といたしますと、約十の医学部が新設されたと言っても過言ではないというふうに思います。 医学部を卒業されまして、医科国家試験を合格される方々が大体七千八百名ぐらいなんでしょうか、約八千名としましても、リタイアされる方が大体四千名と言われておりますので、実際にふえていく方が四千名、医師が毎年ふえていく。そのうち一千名が開業医になられるとしますと、勤務医が三千名ぐらいふえていく。十年間で計算しますと、三万人ふえるということでございます。 ただ、私としましては、医者をふやすということは非常に必要なんですけれども、今問題になっております医師の偏在、科の偏在、地域の偏在、病院間の偏在、いろいろ偏在が多くあると思います。この偏在をやはり解消していくこと。 思い返せば、平成十六年に新臨床研修制度が発動されました。今まで医局が医師の人事権を持っていて、いろいろな僻地へ、いろいろな中小の病院に医師を派遣していた。でも、それがいきなりとられてしまって、医師の自由な意思、医師の意思と言ったらおかしいですけれども、お医者さんの自分の自由な意思のもとに行っていい病院が決まっていくということで、地域からどんどんどんどん関東、中央の方に医師が、あるいは大きな病院に、あるいは人気のある、あるいは給料のいい、そういうところにどんどん偏在が進んでしまったということは皆さん御存じだと思います。 ですから、医師をふやすというだけではなくて、では、この偏在をどうやって解消していくか、そういうシステムをぜひ、すべてうまく一つでというわけにはいかないと思いますけれども、何かそういう案がありましたら、教えていただければと思います。
○岡本大臣政務官 御指摘のように、診療科、それから地域的な偏在の問題については、国民の医療に対する安心感を確保するために、しっかりと取り組んでいく必要があるというのは事実です。 そういった中、先ほどお話がありましたいわゆる医学部の定員増だけではなくて、勤務医対策を進めるだとか、それ以外にも、地域で働く先生方にやりがいを持ってもらいたいという思いを込めて、さまざま施策を打ち出したいとは思っております。この中でも、平成二十三年度の概算要求では、元気な日本復活特別枠を活用しまして、地域医療に従事をする医師のキャリア形成の支援、医師不足病院への医師のあっせん等を行う地域医療支援センター、これは仮称でありますけれども、この設置を要求しているところであります。 このセンターについては、一言申し上げておきますと、体制としては、地域枠の医師を含め、医師に任意のあっせんを受けていただくものであって、決して強制的な措置ではありませんし、そのような法律的な権限は全くないセンターではありますが、お願いベースでありますけれども、どういった状況にあるのか、今回のセンターの設置を含めて、さらに調査を進めていくというようなことは続けていきたいというふうに考えております。
○石森委員 今お話がありました地域医療支援センター、これは構想的にはどこに設置をされる予定なんでしょうか。それで、どこが運営されるんでしょうか。
○岡本大臣政務官 基本的には各都道府県の御判断になります。例えば、国立病院機構のいわゆる医療センターなんかがあったりするとそこに置くという考えもありましょうし、また、大学病院に置くという考えもありましょう。それは各県の御判断になろうかと思いまして、それも国で一律的に決めるつもりはございません。
○石森委員 そうしますと、いわゆる研修指定病院というのが都道府県の中に幾つかあると思うんですけれども、そのうちのどこかに置くであろうと思うわけであります。そうしますと、地域枠、例えば、A大学はこの地域、県から五人、B医科大学はこの地域からまた五人、トータル十人の方々を一応任意でその支援センターに登録する、そういうことなんでしょうか。
○岡本大臣政務官 もちろん、参加していただく方は募るつもりではおりますが、今回の予算の中では、まずは常勤で医師や事務員等の人を確保した上で、例えばある都道府県の現状をしっかり把握する、どこの病院でどういう診療科の先生が足りないという情報があるのか。今回の九月二十九日の報告はがさっとした話で、都道府県は出ていますけれども、地域の中でどうという話は出ていません。したがって、私の地元でいえば愛知県、委員の地元であれば栃木県、その中で、ざくっとした県単位では出ていますが、県の中で一体どこでどういうような課題があって、結果としてそこの医師が少ないのかという調査、検討を進めていくということについて取り組んでいくということにはなろうかと思っています。
○石森委員 そうしますと、地域枠といいますと、自治医科大学なんかは、九年間、僻地医療に従事しなければいけないということになっているわけでございますけれども、大体どこの大学の地域枠も同じような形態をとるわけであります。その九年間、あるいはその後についての人事権等についてはまだ決まっていない、これから議論をしていくんだということの理解でいいんだと思うんですけれども、懸念しておりますのは、県なりに厚生労働省からそういう指示がおりてきますと、研修医に来てもらいたいと一生懸命努力してきた中小の研修病院が、結局、別の大きな研修病院に人事権をとられてしまうんじゃないか、非常にそういう懸念がやはりあるんですね。 それと同時に、もともと医科大学所属の方々は、二年間の研修ローテーションを終わって後期研修あるいは関連病院を回っているときには、当然その大学の医局に在籍しているわけでありますから、人事権が二重になってしまうような印象もあって、どういう制度になるのかというのは若干不透明なところがあるので、まだ議論の途中だとおっしゃってはおりますけれども、やはり現場としてすごく不安があるところでございます。 現場にもっともっと周知徹底をしていただいて、医師会や、あるいは大学病院会とか、あるいは医学部長会議とか、そういうところでしっかりと御説明をしていただきながら、ただ、地域の枠で上がってきた先生方が九年後どうしていいかわからないという事実もあるんですよね。ですから、その辺をもっと徹底する方向での御説明をいただきたいと思いますが。
○岡本大臣政務官 御指摘のように、検討は重ねているところでありますし、本当に、後ほどまた原局の方からも説明には行かせますけれども、我々がつくっている絵でも、大学と地域医療支援センターの間により太い矢印をつくって、単なるほかの例えば中核病院と地域医療機関の細い連携ではなくて、太い連携をやはり大学との間につくっていかなきゃいけない、そういう絵もつくっています。 いずれにしましても、概算要求の現段階では、全国の都道府県の医師会や郡市の医師会の現場レベルまでの説明というのはなかなかできていないところでありますが、全都道府県との意見交換は実施をしましたし、日本医師会や大学関係者への説明も実施をしています。十月六日から十月十八日は都道府県への説明、十月二十八日には日本医師会への説明、十月三十一日には医学系出身国立大学長懇談会へ説明にお邪魔をさせていただいております。 今後も引き続き、都道府県、大学、医師会関係者と意見交換をし、理解を得つつ、よりよい事業内容として、センターとしての機能が発揮されるように検討していきたいと思っておりますし、今回の二十三年度予算が国会で御審議をいただき、そしてその進む中で、厚生労働省としても、部局長会議や、また各局において行われる課長会議等を通じて、さらに細かな制度設計について御説明をしていきたいというふうに考えております。
○石森委員 ありがとうございます。しっかりと御説明をいただかないとと思います。 医者というのは、何となく人事権を人に握られるのは余り好きじゃないようなんですね。唯一人事権をというのは、自分の父親か、あとは恩師の先生、大学の教授とか我が母校だと思うんです。それが、新臨床研修制度でその人事権がなくなって、それで今度別なところに持っていくとなりますと、やはり物すごく反発があると思いますので、しっかりとした制度設計、それと長いビジョンで、日本の医療をどうしていくんだ、そしてお医者さんが働きやすい環境をどういうふうにつくっていくんだということをもっともっと議論して、そして現場に周知していただいて、現場が理解した上で発動していただければ失敗がないというふうに思いますので、決してそういう医療機関の方々を敵に回すことのないような、そういう制度をつくっていただければというふうにお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 済みません、もう一つ最後にありました。 民主党のマニフェストにおきまして、「「障害者自立支援法」は廃止し、「制度の谷間」がなく、サービスの利用者負担を応能負担とする障がい者総合福祉法を制定する。」としたところであります。このような方針を踏まえて、現在、政府において、当事者の皆さんを中心とした障がい者制度改革推進会議や総合福祉部会で検討が進められていると聞いております。 今後議題となる改正案は、障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律という名称となっており、まさに現在検討を進められている推進会議等の議論を踏まえて制定する障害者総合福祉法までの、いわばつなぎの役目、役割を果たす法律と認識しております。 この法律案が成立したとしても、障害者総合福祉法の制定を目指すという方針は変わりがないということを、ぜひ大臣に改めて確認をいたしたいと思います。よろしくお願いします。
○細川国務大臣 政府といたしましては、本年六月に閣議決定をいたしました「障害者制度改革の推進のための基本的な方向について」、ここにおきまして次のように書いております。「応益負担を原則とする現行の障害者自立支援法を廃止し、制度の谷間のない支援の提供、個々のニーズに基づいた地域生活支援体系の整備等を内容とする「障害者総合福祉法」の制定に向け、第一次意見に沿って必要な検討を行い、平成二十四年常会への法案提出、二十五年八月までの施行を目指す。」、こういうことといたしているところでございます。 したがいまして、政府といたしましては、この閣議に沿って、障害者総合福祉法の平成二十五年八月までの施行を目指して、積極的に推進を進めてまいりたい、このように考えているところでございます。
○石森委員 どうもありがとうございました。
○牧委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○牧委員長 この際、本案に対し、中根康浩君外二名から、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会及び公明党の三派共同提案による修正案が提出されております。 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。加藤勝信君。 ————————————— 国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○加藤(勝)委員 ただいま議題となりました国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会及び公明党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 修正の要旨は、国民年金保険料の納付可能期間の延長を、施行期日から起算して三年を経過する日までの措置とするとともに、原案において「平成二十三年十月一日までの間において政令で定める日」となっている当該措置の施行期日を「平成二十四年四月一日までの間において政令で定める日」に改めることであります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○牧委員長 以上で修正案の趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○牧委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。高橋千鶴子さん。
○高橋(千)委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律案に反対する討論を行います。 保険料納付可能期間を二年から十年に延長する等の国民年金法の改正は、無年金、低年金となることを防止、救済するものとして、当然賛成できるものであります。一方、実施期間を三年間に限定する修正案は、救済される者を少なくすることになり、修正ではなく、原案どおり恒久法とすべきであります。 今回の法案のもう一つの内容である確定拠出年金法は重大な問題を含んでおります。ところが、今回、公的年金である国民年金法の改正案と、私的な企業年金である確定拠出年金の法案が、一つの法案として提出されました。性格の違うものを一つの法案にして論議するというのは極めて乱暴であります。一つ一つ十分に議論すべきであるということを最初に指摘しておきたいと思います。 次に、本法案に反対する理由を述べます。 我が党は、二〇〇〇年に確定拠出年金制度が創設された際、拠出金を加入者が自己責任で運用するため、年金給付は運用成績に左右され、老後の所得をむしろ不安定化させるものであること、企業の運用責任と拠出負担を軽減させるものであること、また、国民の資産を金融市場に動員して景気対策に利用しようとするものである等の問題点を指摘して、創設に反対しました。昨今の運用状況を見ても、元本割れなどの事態もあり、これでは年金を確保するものでないことは明らかであります。 今回の法案は、財界の強い要求に沿って、昨年、自民党政権時代に提出されたものを再提出したものであります。企業の負担を軽くし、金融市場に資産が流れるという業界側の期待がある一方、老後の蓄えを失うことになっても従業員の自己責任で済まそうというものであります。 さらに、今回の法案には、企業年金連合等が住民基本台帳ネットワークを通じて加入者の情報を得ることができる改定が盛られました。現行でも日本年金機構が住基ネットから情報を得ることができるようになっており、既に、基礎年金番号と住基番号の突合は、三千六百万人の受給者、九割以上で済んでいるのであります。利便性、迅速性という名のもとに個人情報にアクセスできる範囲が広がることは、当初から懸念していたものであり、現行のままでよいと思います。 今、年金制度で求められるのは、公的年金のしっかりした底上げを図ることです。年金の受給資格を二十五年以上から十年以上に引き下げる、最低保障年金制度の創設で無年金の解消、低年金の底上げを図ることを直ちに取りかかることを求め、討論を終わります。
○牧委員長 以上で討論は終局いたしました。 —————————————
○牧委員長 これより採決に入ります。 第百七十四回国会、内閣提出、国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。 まず、中根康浩君外二名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○牧委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○牧委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○牧委員長 この際、本案に対し、中根康浩君外二名から、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会及び公明党の三派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。古屋範子さん。
○古屋(範)委員 私は、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会及び公明党を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。 一 国民年金保険料の納付可能期間の延長を時限措置としたことにかんがみ、事後納付の対象者や対象期間を分かりやすく説明し、できる限り多くの者が事後納付できるよう本措置を広報するとともに、本来、納期限までに保険料を納付することが原則であることを周知徹底すること。 二 低所得者に対する保険料免除制度の周知・勧奨のほか、保険料徴収対策等を徹底することにより、将来の無年金・低年金者の発生防止に万全を期すること。 三 責任準備金相当額の納付の猶予を受けている総合型の厚生年金基金について、設立事業所の事業主の一部が事業を廃止した場合の他の事業主の負担の在り方について、厚生年金本体に与える影響、事業主の事業継続の確保の観点等を踏まえつつ、検討すること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○牧委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○牧委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、細川厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。細川厚生労働大臣。
○細川国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。 —————————————
○牧委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○牧委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○牧委員長 次に、厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律案起草の件について議事を進めます。 本件につきましては、先般来理事会等において御協議願っておりましたが、お手元に配付いたしておりますとおりの起草案を得た次第であります。 その起草案の趣旨及び内容について、委員長から御説明申し上げます。 本案は、障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの間において、障害者及び障害児の地域生活を支援するため、関係法律の整備について定めようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。 第一に、障害福祉サービス等を利用した場合の負担について、利用者の家計の負担能力に応じたものとし、障害福祉サービス等に要する費用から利用者の家計の負担能力に応じて定める額を控除した額を給付することを原則とすること。 第二に、発達障害者が障害者に含まれることを明示すること。 第三に、相談支援体制を強化するため、地域における相談支援の中核的な役割を担う基幹相談支援センターを市町村に設置できることとするほか、成年後見制度利用支援事業を市町村の地域生活支援事業の必須事業とすること。 第四に、現在障害種別に分かれている障害児の施設について、障害種別を超えた利用ができるよう一元化するとともに、通所による支援の実施主体を市町村とすること。また、児童デイサービスについて、二十歳に達するまで利用できるよう、特例を設けること。 第五に、グループホーム、ケアホームの利用に伴い必要となる費用の助成制度を創設すること。 第六に、政府は、障害保健福祉施策を見直すに当たって、難病の者等に対する支援及び障害者等に対する移動支援のあり方について必要な検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。 なお、この法律は、一部を除き、平成二十四年四月一日から施行することとしております。 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。 ————————————— 障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○牧委員長 本件について発言を求められておりますので、順次これを許します。高橋千鶴子さん。
○高橋(千)委員 私は、ただいま議題となりました障害者自立支援法一部改正案に反対の意見を述べたいと思います。 なぜ今、同案が国会にまた提出されたのか、本当に残念でなりません。同案は通常国会で衆参両委員会で可決まで通っているのだから、もう一度通してもよいのだと提案者の皆さんは主張されているのかもしれません。しかし、私はそうではないと思います。衆参の委員会質疑を怒りに震えながら傍聴していた皆さん、全国から短期間で反対の要請を行った当事者団体の意見が反映されたからこそ廃案に至ったと私は受けとめております。今こそ、私たち抜きに私たちのことを決めないでという原則に立ち返っていただきたいと思うのです。 二〇一三年の障害者自立支援法廃止、障害者総合福祉法や差別禁止法など、新たな法律策定を目指して精力的に議論を進めている障がい者制度改革推進会議の総合福祉部会は、六月七日、四つの当面する課題を同推進会議に提出しました。一つは、利用者負担の見直し、二つは、法の対象となる障害の範囲の見直し、三つは、地域での自立した暮らしのための支援の充実、四つは、新法作成準備のための予算措置というものであります。 障害者団体の皆さんは、当面の措置をぜひやってほしい、ただし、それはあくまで予算措置や政省令等の見直しで解決できると訴えてきたはずであります。同案は、つまみ食い的に諸団体の要望を一部取り入れているものの、それだけに、要望が入ったところ、入らないところがさまざまに生まれ、あるいは、この法案が将来の新法を縛るのではないかという不安を広げているのです。 六月十一日、障がい者制度改革推進会議構成員一同として、内閣総理大臣・障がい者制度改革推進本部長菅直人氏あてに次のような要望書が出されました。 障がい者制度改革推進会議のもとに設置された総合福祉部会において、「障害者総合福祉法(仮称)の実施(制定)以前に早急に対応を要する課題」について、四月の同部会立ち上げ以降、本日まで議論が進められてきました。 しかし、そうした議論の最中にもかかわらず障害者自立支援法の一部改正が関係者への情報提供なく進められたことに対して、同部会構成員一同から強い遺憾の意の表明とともに、推進会議及び同部会の議論が尊重されるよう要望する旨の意見の提示がありました。 推進会議構成員一同はこれと意見を同じくし、推進会議の議論が尊重されるよう要望するものです。 まさにこの意見を尊重することを強く求めたいと思います。 最後に、前国会のわずかに許された質疑を通じても明らかになったとおり、障害者自立支援法の枠組みはそのまま維持して、一定の改善を図ろうとする旧与党と、廃止を掲げ、一月の基本合意を結んで制度改革推進会議を立ち上げた民主党が本来一致できるはずはないのであって、旧与党の枠組みを広げながら生まれる新しい法律が、期待した内容とは大きく違うものにならざるを得ない、このことを強く指摘したいと思います。 本法案の提出は断念し、一月の基本合意と推進会議の議論を尊重するように心から訴えて、反対討論といたします。
○牧委員長 次に、阿部知子さん。
○阿部委員 私は、社会民主党・市民連合を代表して、障害者自立支援法改正案に反対する意見表明を行います。 本改正案には障害者施策の基本哲学が見えず、障がい者制度改革推進会議や総合福祉部会の議論とも方向性を異にしています。政府は、六月二十九日の閣議で障害者制度改革の基本方針を決定しました。これは、障がい者制度改革推進会議が六月七日にまとめた第一次意見書にのっとって、国連障害者権利条約の批准に向けた国内法整備を進めることを明らかにしたものです。 既に自立支援法違憲訴訟の和解に向けた基本合意文書に応益負担を骨子とする現在の自立支援法の廃止が明確にうたわれ、新法制定に向けた工程表が閣議決定された状況にあって、そもそも法の骨格において重大な問題のある自立支援法の改正案提出は、この流れをせきとめかねないと危惧するものであります。 まず、新法制定までの間、待ったなしの課題に対しては、既に総合福祉部会によって論点整理され、当面の課題として障がい者制度改革推進会議に提出されていますが、来年度予算要求に反映するために全力で実現に当たるべきとして、一、利用者負担の見直し、二、障害の範囲の見直し、三、地域生活への支援、四、新法準備のための調査、情報収集、試行事業実施の四点が挙げられています。これらについては、真っ先に予算措置、政省令の改定での対応が検討されるべきであり、どうしても現行法の改定が必要な場合には、推進会議との十分な協議の上で、合意を図りながら進める必要があると考えています。 このような手順を踏まず、障がい者制度改革推進会議での議論を無視し、廃止が決定している法律の改正が与党を含む三党によって再び一方的に提案され、しかも、審議もせずに採決を図るという乱暴な委員会運営も含めて、深い失望と強い怒りを禁じ得ません。 本改正案は、さきの百七十四通常国会にも提出され、審議日程の関係で廃案となりましたが、当時も現行法の延命に主眼があり、明確な廃止を掲げた政府の方針とは相反するものだとして、関係者からさまざまな懸念が表明され、拙速に法案を成立させないでほしいと必死の訴えが続いてまいりました。これだけ当事者に歓迎されない改正をなぜ強行する必要があるのでしょうか。私たち抜きに私たちのことを決めないでという声を忘れたのでしょうか。 政府は現在、障害者の真の自立支援、そして完全な社会参加と差別のない社会、つまりノーマライゼーションを実現するために、国連障害者権利条約の批准とそのための法整備を進めています。それを体現する組織が障がい者制度改革推進会議であります。新法制定までの間、当面の課題には、障がい者制度改革推進会議の提案と連携して、丁寧にニーズ調査を初めとする基礎データを積み上げ、予算を正当に見積もり、抜本的な対策を講ずることこそが求められていると考えます。 以上をもって私の意見表明を終わります。
○牧委員長 以上で発言は終わりました。 お諮りいたします。 お手元に配付いたしております起草案を障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律案の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○牧委員長 起立多数。よって、そのように決しました。 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○牧委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○牧委員長 この際、中根康浩君外二名から、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会及び公明党の三派共同提案による障害保健福祉の推進に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。中根康浩君。
○中根委員 民主党の中根康浩です。 私は、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会及び公明党を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 障害保健福祉の推進に関する件(案) 政府は、今後の障害保健福祉施策の実施に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。 一 平成二十五年八月までの実施を目指して、障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて、障害保健福祉施策を見直すなど検討すること。 二 指定特定相談支援事業者がサービス等利用計画案を作成する際に、障害者等の希望等を踏まえて作成するよう努めるようにすること。 右決議する。 以上です。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○牧委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○牧委員長 起立多数。よって、そのように決しました。 この際、細川厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。細川厚生労働大臣。
○細川国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分尊重して努力してまいる所存でございます。
○牧委員長 なお、本決議の議長に対する報告及び関係方面への参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○牧委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時二十八分散会