予算委員会 第12号
- 発言数
- 289 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2010/03/15
会議録
○委員長(簗瀬進君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 平成二十二年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。 本日は、一般質疑を百二十一分行うこととし、各会派への割当て時間は、民主党・新緑風会・国民新・日本三十分、自由民主党・改革クラブ六十四分、公明党十五分、日本共産党六分、社会民主党・護憲連合六分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。 ─────────────
○委員長(簗瀬進君) 平成二十二年度一般会計予算、平成二十二年度特別会計予算、平成二十二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。山根隆治君。
○山根隆治君 おはようございます。 まず、北朝鮮の収容所問題についてお尋ねをさせていただきますけれども、来る三月二十六日六時からニッショーホールで実は「クロッシング」という映画の試写会が行われます。これは北朝鮮脱北者を真正面から描いた衝撃の韓国映画でございまして、第八十一回の米国アカデミー賞にも韓国の代表作品に選ばれたものでありますけれども、時間が許せば是非外務大臣、中井拉致担当大臣にも見ていただきたいと思うんですが、いかがでございましょうか、突然ですが。
○国務大臣(中井洽君) 御招待を受けていますので、できる限りと思っています。
○国務大臣(岡田克也君) 時間が許せば見たいというふうに考えております。
○山根隆治君 さて、いわゆる北朝鮮に渡った日本人妻、いろいろな問題がございますけれども、今現在では何人ぐらい生存されていらっしゃるというふうに把握されているか、お尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(岡田克也君) 約九万三千名の北朝鮮帰還者のうち、朝鮮半島出身者の夫と共に北朝鮮に渡航した日本人配偶者と推定される者は約千八百名であります。 従来より、政府としては、家族に対するアンケート調査を実施するとともに、親族の要望に応じて赤十字ルートを通じた北朝鮮側への安否調査要請などを実施してまいりました。しかしながら、これに対して北朝鮮側からは若干名の安否についての連絡、手紙の伝達はありましたが、親族から安否確認の要請があったすべての配偶者の安否が確認されているわけではございません。 政府としては、直接現時点の生存者数について確認する手段がなく、確たる数字は不明であります。
○山根隆治君 平成十五年四月一日の衆議院の安保委員会、そして平成二十二年、つい先般、二月四日参議院の決算委員会でこの北朝鮮の収容所の問題が取り上げられました。 一九五〇年代後半にこの施設は造られたものでありますけれども、韓国の方から衝撃的な情報が入りまして、二十万人が収容されているということ、そしてまた日本人妻がこの収容所におられて、そして暴行を受けて死に至ったという報告等もあるわけでございますけれども、日本人妻が強制収容所に入れられている情報というのは承知されているかどうか、あるいは強制収容所ではどのようなことが実態として行われているという情報等があるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(岡田克也君) 委員御指摘のように、本年一月二十日に韓国政府機関である国家人権委員会は、韓国国内の脱北者による聞き取り調査の結果、北朝鮮内には計六か所の政治犯収容所があり、約二十万人の政治犯が拷問や強制労働、殴打など深刻な人権被害に遭っているという事実が確認された旨の調査結果を発表いたしました。国家人権委員会はこの調査資料を英語に翻訳し、国連人権理事会などで公開する計画であるというふうに聞いております。 どのような実態にあるかというお話でありましたが、今申し上げた拷問や強制労働、殴打などの深刻な人権被害、そして脱北者が中国で捕まり、北朝鮮に送還された場合に、強制送還者として収容所で一日十時間以上の強制労働と殴打に遭っている。そして、北朝鮮の政治犯収容所は六か所にまで縮小された。収容所の規模は、五万人程度のものを含めて最大二十万人に達するということでございます。 そして、その中で、いわゆる日本人妻がその強制収容所にいるかどうかということについて、外務省としては正確な情報を把握しているわけではございません。したがって、予断を持って述べることは差し控えたいというふうに思います。
○山根隆治君 救出のために日本政府としてはどのようなことをなさるお考えなのか、お尋ねいたします。
○国務大臣(岡田克也君) 今申し上げましたように、日本人配偶者が強制収容所にいるかどうかということについて確固たる情報を持っているわけではございません。 いずれにしても、政府としては、日本人配偶者の方々の問題は重要な人道的問題であるというふうに位置付けており、様々な機会をとらえて安否の確認、里帰りなどについて北朝鮮側に求めてきたところであります。 今後とも、御親族の御希望なども踏まえつつ、機会をとらえて安否確認や故郷訪問の実施について北朝鮮側の前向きな対応を求めていく考えであります。
○山根隆治君 中井大臣の方ではどのようにお考えがあるか、お聞かせください。
○国務大臣(中井洽君) 日本人、いわゆる日本人妻と言われる問題を担当するのが私かどうかということについては、まだ明確に詰め切っているわけではありません。 しかし、拉致された人たちの情報を集めている過程の中で幾つかの情報がもたらされておりまして、これらにつきましても、正確かどうか、あるいは安全で存命されているかどうか、確認をしているところでございます。 先ほど岡田外務大臣からお話ありましたように、当時千八百人ぐらいの日本人妻が行かれたと。行かれて十年ほどたちまして、日本にもこの救援をする市民運動等が起こりまして、私も当時、一年生議員でしたが、会費等を払い続けた記憶がございまして、ずっと関心を持って今日まで参りました。 かなり御高齢になっていらっしゃいますので、今御存命と言える方は百人内外じゃないかと承知をいたしております。また、日本へ何らかの手法でお帰りになった方も百人以上いらっしゃると。一時、収容所に在日の方を含めて二百人ぐらい入っているんじゃないかという説もございました。しかし、それは皆、名前はハングルでありますので、本当にどなたがどうかということまでは現在のところ確認できていない、こういう状況でございます。つい最近も私の手元に、早く帰してほしいという切々たる手紙が人を通じて届いたこともございます。 こういった状況等を踏まえて、総理からは、北におる日本人を、生存者すべてを救い出せと、こう御指示をいただいておりますので、この日本人妻のことも私の範囲の中だときっちりと仕分をして、その中で精いっぱい、日本への帰国がかなうように努力をしたいと考えております。 なお、先ほど申し上げました百名内外の生存者の中に一時帰国をされた四十数人の方がどれぐらいおられるかどうかというようなことも含めて、今調査中でございます。
○山根隆治君 世界ではいろんな人権侵害が今日社会でも行われているという情報もたくさんあるんですけれども、その中でやはりこの北朝鮮の収容所の問題、一番深刻だと私は思っております。 と申しますのは、声が届かない、つまり文通も一切禁止ということがありますし、そして政治犯と見られた方々の家族や親族、そういう方々も全部連座制で収容所に入れられると、こういうような実態が報道されて、報告されているわけでございまして、ここの二点だけでも私はやはり何らかの形で北朝鮮に直接そうした日本のメッセージというものを伝えるべきでしょうし、あるいは国際機関に対して働きかけがとても大切だと思うわけでありますけれども、文通を保障し、連座制を止めさせる、やめさせる、このことについて何らかのメッセージ、国際機関そして北朝鮮当局に対してメッセージを送る必要があると思いますけれども、この点について大臣の御所見を、中井大臣、外務大臣、お二人にお聞かせいただければ有り難いと思います。
○国務大臣(中井洽君) 御自分から望まれて御主人と一緒に北へ渡られたとはいえ、日本人でありますから、また大変厳しい、苦しい、抑圧された状況の中で生活をされていると。ただ、かつて一度、社会党の土井たか子さん、当時の委員長が北へ渡られたときに、この問題で言及をなさって、待遇が少し良くなったという話なんかも私どもは承知もいたしております。 しかし、先生のお話にありました収容所等へ収監された人たちの人生は想像を絶するものがあると思っています。そういったことを含めて、ありとあらゆる機会にこれらの問題を世界に認識をしてもらい、本当に一日も早く日本への帰国というものがかなえるように精いっぱい努力をいたします。
○山根隆治君 次に、医療用ビザの発給についてお尋ねをいたしたいと思います。 経産省は、新成長戦略の基本方針の中で、アジア等海外市場への展開促進ということで、医療・介護・健康関連産業は、今後、高齢社会を迎えるアジア諸国等においても高い成長が見込まれる、医薬品等の海外販売やアジアの富裕層等を対象とした健診、治療等の医療及び関連サービスを観光とも連携して促進していく、こうされているわけでございますけれども、これらの考え方、どのように行っていこうとされるのか、お尋ねを経済産業大臣にいたします。
○国務大臣(直嶋正行君) お答えいたします。 医療分野はやはり有力な成長産業の一つだというふうに思っております。特に日本の医療の技術水準というのは国際的にも評価をされておりますし、例えば海外の方が日本へ行って治療や健診を受ける、そういうふうに受けたいと思っておられる方もたくさんいらっしゃるということも聞いていまして、そういう海外における日本の医療に対する潜在的な需要は結構あるんじゃないかというふうに思っています。 したがいまして、こうした日本の医療サービスで国外需要を取り込みをしていくということで、特に症例数等の増加による先進医療の発展でありますとか、医療機関の収入の拡大に伴う国内医療サービスの質の向上、マーケットの拡大による医療機器や医薬品等の関連産業の国際競争力の強化につながるものであるというふうに思っています。 現状では、ただ外国人の患者の受入れ体制が不十分で整っていないと思っていまして、そのためには受入れ可能な医療機関の情報発信とかネットワークをつくること、それから外国人患者をそうした適切な医療機関にあっせんする機能を整備をしていく。それから、受入れを支援する、例えば旅行代理店とか医療言語に通じた通訳・翻訳事業者の育成等、そういう環境整備も含めて取り組んでいきたいというふうに思っています。
○山根隆治君 日本の近隣諸国で、やはり日本の医療機関あるいは医療技術に対しての期待が非常に高い。特にロシアの方は医療の機関が不十分ということもあって、日本に熱いやっぱり渇望感があるというふうに承知をいたしております。 ところが、やはりビザについてなかなか整備されていませんで、今、日本に長期間にわたってやはり医療目的で来日したいという方々については商用のビザということの中でこれが許されると、こういう状況でございまして、非常に不都合な面もたくさんあるやにも聞いているわけでございまして、これらの点について政府としてどのようなお考えがあるか、お尋ねいたします。
○国務大臣(岡田克也君) 今、委員御指摘のように、現在でも頻繁に訪日する必要のある方々に対しては既に最長五年間有効なビザを発給しております。そして、ビザの有効期間内であれば何回でも訪日が可能であるということになっております。具体的には、企業関係者、文化人、企業関係者や文化人の配偶者、子供、その他公館長が適当と認める、そういう方々に対してこういったビザの発給を行っているところでございます。平成二十一年でそういった数次有効な短期ビザの発給は約二万八千人ということになっております。現時点においては、このビザを活用することによって医療を受けることができるということになります。 それを更に広げるべきかどうかということは、委員の御指摘もございましたので、少し議論してみたいというふうに考えます。
○山根隆治君 今、実態としては政府としてはもう対応されているということを私承知した上で、あえてお尋ねをさせていただいているんですけれども、今大臣の方から少し議論してみたいと、こういうお話がありましたけれども、私は、やはり商用ということで、商用目的あるいは文化人というところで数次の査証が出るわけでございますけれども、しかし、それに、自ら日本の医療を受けたいという方について、果たしてこのビザの商用目的というところでの応用ということ、文化人という果たしてカテゴリーに自分が入るのかどうかということについて自信がないというか、少し気後れするということもありまして、やはり先ほど経済産業大臣が言われたように、やはりアジアに広く医療、メディカルツアー、ツーリズムというようなことで今経済成長の中でもとらえられているとすれば、私は、そこのところにカテゴリーの中で医療目的というものも一つ設けるべきではないかと思います。 これ今、韓国はたしかそうした医療目的というのが設けられているやにも聞いておりますし、あるいはシンガポールも非常に入りやすいものが一つの制度として確立されているやにも聞きますので、是非このビザの発給の範囲というものについて、広く医療のカテゴリー、医療目的というものを是非入れていただきたいと思うわけでありますが、この点について更に少し深追いさせていただきますので、外務大臣から御答弁いただければ有り難いと思います。
○国務大臣(岡田克也君) 今の制度でも、公館長が適当と認める者その他という項目はあるわけですが、これから新しい成長戦略を追求していく中で、そういったニーズは確かにある、あとは受入れ体制がどのぐらい整っているかということもあると思いますが、そういったことと併せて、おっしゃる医療を受ける人のためのビザ発給ということは検討課題だというふうに思っております。
○山根隆治君 検討課題なのでございますけれども、具体的に積極的にちょっともう少し突っ込んで御答弁いただければ有り難いと思うんですけれども。 当面は、もう一つ私の方で提案させていただきますと、例えば招聘機関、医療機関でありますけれども、日本の医療機関が保証人になるということでございますけれども、ブラックリストという言葉がありますけれども、それの逆にホワイトリスト、この方については今まで医療にかかっていても支払についても遅滞がないとか人物的にも大丈夫だというようなことで、例えばホワイトリストみたいなものを設けるとかということも一つの暫定的な措置としてはその過程の中で私は必要かと思いますけれども、最終的にはやはり医療目的というものを表に出してもらいたいというふうに思うんですけれども、検討課題というのに更に突っ込んで、もう少し前向きな御答弁をいただければと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(岡田克也君) いろんな課題があるかと思います。そういうものを検討していく中で、ビザの問題も一つの課題として検討してみたいと思います。
○山根隆治君 ありがとうございます。是非ひとつ前向きに御検討いただきまして、かなうようにしていただきたいとお願いをいたしておきたいと思います。 今、議論を聞いていて、特に厚生労働大臣、事前に御通告いたしておりませんでしたけれども、担当大臣としての所感をお聞かせいただければ有り難いんですが。
○国務大臣(長妻昭君) 私たち日本国民は、医療崩壊等々で、日本の医療、いろいろ不信を持っておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、世界的に見ると、世界一の長寿国ということで、日本の医療ブランドというのは非常に高い評価をいただいております。その中で、アジアの富裕層を対象とした健診、治療等の医療及び関連サービスを観光とともに連携して促進していくというのは、私も同感であります。 その中で、例えば、病院にとってはそういう方々が来るということは、全額自己負担で、しかも値段はその病院が自由に決められるということで、非常にその収入面で病院の設備の不足を補う等々で有益な面もあると。 その一方で、当然、今医師不足ということで、日本の患者さんがそれによってかなり支障が出るということがないようにする考え方というのも重要だというふうに思いますし、あるいは、まずは私どもも今研究しておりますのは、日本が得意な分野、例えば内視鏡の手術はどうなのかとか、ほかの国と差別化できるような分野をアピールできるのをセレクトするということや、あるいは、先ほども経産大臣から出ましたけれども、通訳ということで、普通の通訳じゃなくて、専門用語、医療専門通訳を資格化するのかしないのか、そういう体制整備、あるいは国際的な医療機関の認定を取得をして、ここは受け入れても英語も十分通じますし大丈夫ですと。 こういうようないろいろな課題があると思いますけれども、いずれにしましても、そういう課題を検討する中で、これを推進していくということは重要だというふうに考えております。
○山根隆治君 担当、それぞれかかわる大臣に御答弁をいただきましたけれども、このやはり事業については新成長戦略の中で打ち出されたものでありますから、経産大臣がやはりリーダーシップを発揮してやっていかれるというふうに思っておりますけれども、最後に、今の議論の中で経産大臣としての御決意をひとつ、岡田大臣、長妻大臣と連携してぐっと進めちゃうぞという決意をひとつお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(直嶋正行君) もう結論は今、山根さんがおっしゃったような気がしますが、先ほども申し上げましたとおり、やはり将来の日本が何で飯を食っていくのかといいますか経済を成長させていくのかということを考えますと、やはりこの医療分野というのは有力な分野だというふうに思っていまして、先ほど申し上げたとおり需要もあるわけでございますし、またいろんな国がそういう需要を取り込むということで検討を始めていることも事実でございます。 したがいまして、そういった周辺の環境もしっかり踏まえながら、できるだけ具体的なものを早く出せるように取組を進めてまいりたいというふうに思っています。 既に経産省で厚労省とも相談をしまして具体的な研究等も行っておりまして、それらの成果を踏まえながら、先ほど申し上げたとおり、できるだけ具体的なことを早く取りまとめるという方向で努力をしていきたいというふうに思っています。
○山根隆治君 次に、事業仕分についてお尋ねをさせていただきたいと思います。 今回の事業仕分、第二弾ということで新聞報道も大きくされておりますし、国民の関心も非常に強いところでございますけれども、今回の事業仕分は公益法人と独立行政法人にメスを入れるというふうに報道をされているわけでありますけれども、このことから国の行う事業の何%ぐらいをチェックすることとなるのか、金額ベース、事業ベースではどうなのか、お分かりの範囲でお尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(枝野幸男君) 御質問ありがとうございます。 今のお尋ねの前に、実は私、規制改革の担当でもございまして、先ほどの入国の話、医療の話も、外務、厚労と、それから経産との間の調整をしっかり努力をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 それから今のお尋ねですが、実は第二弾の対象にどういった事業を取り上げるのかというのは今現に作業をしておりますので、具体的に現段階で何事業、そしてそれが幾らぐらいの金額になるのかということはまだ未定であります。 それからまた、実は事業数や金額ということよりも、独立行政法人の制度改革や、あるいは国と公益法人との関係についての制度の見直しというところを視野に置いて進めていきたいというふうに思っておりますので、余り数字よりも、典型的な、あるいは象徴的な、あるいは巧妙なといいますか、そういった税金の無駄を構造として変えていくところにどうつながっていくかという視点で見ていきたいというふうに思っておりまして、そういう意味では、大変恐縮ですけれども、今のお尋ねには現時点ではお答えができないということをお許しいただければと思います。
○山根隆治君 それでは視点を変えまして、地方自治体にかかわる独立行政法人や公益法人についてはどのような扱いになるんでしょうか。これはやはり自治体任せということになるんでしょうか。原口大臣、お願いいたします。
○国務大臣(原口一博君) 大事な御指摘をありがとうございます。 これはもう自治体任せというよりか、不断の行政改革に取り組む中で、自主的に、関係する公益法人、この見直しに取り組んで地方公共団体がいかれることはとても重要だと考えておりまして、総務省といたしましても、随時、地方公共団体が出資している公益法人あるいは第三セクターの監査体制の強化や人件費の見直し等を要請しているところでございます。 ただ、地方の独立行政法人というのは、これは公立の大学法人が三十四、国立病院が六、試験研究機関が四となっておりますので、国と違って特殊法人から独法に行ったのとはちょっと若干違いますのでそこは注意が必要でございますが、第三セクター等の抜本的な見直しについては、今年度創設いたしましたけれども、第三セクター等改革推進債、こういったものを活用して、やはり委員、公会計も見直さなきゃいけないと思いますよ。発生主義あるいはまさに複式簿記、そういったものを、数字を整備することによって責任の所在をはっきりさせていく、そして不断の改革に取り組んでいく、こういうことを国、地方合わせて一体となって頑張ってまいりたいと、こう考えております。
○山根隆治君 確かに独立行政法人の場合にはもうほとんど国立大学等でございますので、余り無駄が大きくあるなんということはちょっと考え難いものがありますけれども、やはり関心を持っていただくということがとても大切だろうということでお尋ねをいたしました。 実は、地方自立政策研究所、NPO法人でございまして、ここが、私、埼玉県でございますけれども、草加市とそして埼玉県の行政の実態というものを調査をいたしまして、ここで出てきた無駄といいましょうか、効率性、こうすれば効率的なものになる、行政体としてスリムになるという試算をして、それを全国の自治体に敷衍させて計算すると大体十四兆円を超えるものが、無駄というとちょっと語弊があるかも分かりませんけれども、効率性ということを追うとそうした十四兆円が浮くと、こういう試算をしたところが実はございます。必ずしもこれは国に比べてどうかということは言えるところじゃありませんけれども、今、大阪の知事なんかは、大阪市と府と一致させたらどうかとかいう大胆な改革案あります。 国では、やはりこれから地方主権の時代だということで権限もそして予算もそれなりに長期的には付与していくと、こういう方針が明らかに大臣の方で打ち出されておられるわけでありますけれども、やはり地方自治体に対して積極的な行革を求めることも、併せて権限とそして予算とを付与するときには、当然そうしたことも必要だと思うんですね。やはりモデルケースというか、国が全く関与しないということではなくて、これだけのやはり行政改革というのを地方でまだまだやる余地があると。例えば投資的な経費ということでいえば、選択的な経費ということであれば四〇%もあるんだという試算もあるわけでございまして、私も地方自治体の議会の出身者でありますけれども、非常に地方自治体も困窮しているということは確かでありますけれども、発想を変えて、仕組みそのものを変えていくということを発想すれば違ったまた知恵が私は出てくると思うんですけれども、この点について、原口大臣の御所見、聞かせてください。
○国務大臣(原口一博君) 大事な御視点だと思います。 地方自治体、今地域主権ということで進めていますが、行政をある意味共通化できるところもあります。それから一方で、電子政府化、これも目指していますけれども、霞が関クラウドのようなもので一点に集めてそして様々な行政コストを削減することもできますし、独法や行革推進の中でも、枝野大臣からもこの間の閣議で、閣僚懇でも、予算を余したから、今、年度末ですけれども、全部使い切らなきゃいけないなんというのはもうやめてくれと、逆に余したからといって財務省はそのお金を取り上げるということはやめてくれという要請がありましたけれども、本当に生きたお金の使い方をし、そしてそれを住民、県民、国民に返していくと、こういう視点が最も大事だと思っておりまして、ちなみに今、事業仕分、地方公共団体もやっていらっしゃいます。構想日本と御一緒のところは四十六団体、それ以外のところも五十六団体ございまして、こういう事業仕分の手法も使いながら行政の無駄を排除していく、私たち国としてもしっかりサポートしてまいりたいと、そのように考えております。
○山根隆治君 地方自治体にはそれぞれの財政事情がありますけれども、押しなべて非常に苦しい状況にあるということも私自身も認識をいたしているところでございますけれども、東京都でさえ恐らくは自分のところが潤沢だというふうには思っていませんし、そうも言っていないと思うんですね。ですから、ここは大胆な、今のありようというものを根源的なところを変えていくという、そういう発想が是非必要だろうというふうに思っているところであります。 大臣は、一兆円の交付税というものを増額ということで、これは、本当に今はもう悲鳴が地方自治体から聞こえているわけでありますから、私は適切な措置だったというふうに思いますけれども、今後はやはり制度そのものを変えていくというところに是非切り込んでいただきたいと、原口大臣に御期待を申し上げたいと思います。 それでは、続きまして、地方議員の年金制度の見直しの問題についてお尋ねをさせていただきたいと思っております。 国会議員の年金制度が小泉内閣のときに廃止されまして、そしてその掛金の八割が戻ってきたということがございましたけれども、今、地方議員、これは都道府県とそして市町村によっても違うのですけれども、市町村の場合ですと、来年の統一地方選挙を前にした平成二十三年にはもう九十一億を超えるマイナスに積立金がなると、こういうことがありますし、そして都道府県におきましては、これはもう少し先ですけれども、平成三十三年には基金も底をつきマイナスになっていく、こういうことになっているわけであります。 議員の退職後の年金ということについては非常に今難しいところにあるかと思いますけれども、統一地方選挙を前にして、このことも議員心理としては気になるところでございますけれども、この議員の年金制度の現状についてはどのように御認識になっているか、お尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(原口一博君) お答えいたします。 議員も私も地方議会の出身ですが、地方議会は大変、民主主義の学校、とても大事な役割を果たしておりまして、地方議会議員の職務の重要性を勘案してこの地方議会年金制度は政策的に設けられたものでございまして、これは、私の思いとすると、何とかして存続させたいと。しかし、今委員がおっしゃるように、市町村合併の大規模かつ急速な進展によって予想以上の議員数が減っている、つまり掛けてくれる人たちが減った。そのために、今おっしゃるような、市町村はもう平成二十三年度で枯渇する、それから都道府県が平成三十三年度で枯渇の見込みでございまして、これを受けて総務省では地方議会議員年金制度検討会において対応方針を検討して、三案、最終的に存続案のA案、B案、これで国費をどれだけ入れることを国民の皆さんに御理解いただくかというところがもうポイントです。それとともに、残念ですけれども廃止案の複数案を選択肢を示して、地方議会、これは国、地方協議の場も含めて議論をしてまいりたいというふうに思っています。 若い議員さんの中には、もう掛金が大変だからもういいよという方もいらっしゃいます。しかし、私は本当にそれでいいのかなと。今の時代だけお金が足りなくなったから、国会議員は年金廃止しましたけれども、本当にそれでいいんだろうかと。私はしっかり支える方向で議論を進めてまいりたいと、こう考えているところでございます。
○山根隆治君 地方議員の方も本当に今専門職化してきて、片手間にやる、あるいは仕事を何かほかで持っていてやるという方よりも、むしろ地方議員の収入だけで生活をして活動すると、こういう方が非常に今増えているわけでございまして、将来的に自分自身の個人生活には非常に不安を持っている方もたくさんおられるわけですね。 ですから、地方議員の方の中では、今大臣がおっしゃられましたように、年金、もうやめるなら、廃止なら廃止でもいいよ、ただやはり掛金ぐらいは返ってこないとおかしいよという話もあります。 三案の中で、今大臣の方は、その存続に向けての御努力というか熱意というものを聞かせていただいて私もほっとしたところではございますけれども、やはり地方議員の皆さんの思いというものは大変なものが私はもうあるかと思いますので、是非そういった方向で、何とか支えられるものであれば支えてもらいたいというふうに、私自身もそう思っているところでございます。 これからやはり地方自治の在り方というもの、今回は地方自治法の改正案出ますけれども、抜本改正というところまで至っておりませんけれども、やっぱり将来的には抜本改革というものも果たさなくてはいけないというふうに思っておりますけれども、是非大臣の熱意、形になるものに期待をさせていただきたいと思います。 それでは最後に、うつ病についてお尋ねをいたします。 現在、患者数、気分障害とも言われますけれども、患者数どれぐらいだと御認識されていらっしゃいますか。
○国務大臣(長妻昭君) うつ病につきましては、最新の平成二十年時点では総患者数は七十万四千人でございますけれども、この躁うつ病、うつ病、気分変調症等、いわゆる気分障害患者という定義で分けますと、平成二十年には百万人を突破をいたしまして、百四万一千人ということであります。
○山根隆治君 自殺者三万人毎年超えておりますけれども、うつ病が原因と思われるケースはどれぐらいでしょうか。
○国務大臣(長妻昭君) この自殺の問題でございますけれども、今、日本は一日平均毎日九十人の方が自殺されておられて、先進七か国でも自殺率は最も高いということで非常に深刻な事態でありますけれども、それを分析を詳細にしたものが平成二十年度ございます。遺書などから推定されるものを三つまで計上して警察が特にこれまで以上に分析をいたしましたけれども、この中でうつ病については、全体の二八%程度がうつ病が原因ではないかということで、三割近いという数字が出ております。
○山根隆治君 有効な治療方法と、そして国がなすべき施策、これについてはどのような御認識でしょうか。
○国務大臣(長妻昭君) この自殺の問題については、厚生労働省内でも、最近でありますが、自殺・うつ対策チームというのを設置をいたしまして、これは福島大臣とともに自殺の問題に取り組むということであります。 うつにつきましては、これまでどちらかといいますと日本国では薬の治療が中心でありまして、かなり多くの薬を処方するという手法でございましたけれども、今後は薬だけではなくて、対面でコンサルタントというか、その方の価値観やお考えを一つ一つアドバイスをしていくという治療が非常に有効であるということでありまして、今回初めて診療報酬についても特にそういう治療について付けさせていただきました。 そして、もう一つは、これイギリスなどでも効果を上げているんですが、アウトリーチといいまして、なかなか本当に重いうつの方はそういう診療所に来るということがままならないというところもありますので、御自宅にチームで訪問していくということが重要だと思います。 そして、もう一つ、今力を入れておりますのは、実は、自分ではうつだと思わないで、肩凝りが治らないとか夜眠れないとか、そういうほかの体の病気ではないかというふうに患者さん本人も思って、そして内科のお医者さんに行って、なかなか内科のお医者さんもうつの身体的な特徴というのがまだまだお分かりになっておられない方も多いということで、これはどういう病気なのかという、逡巡されるというケースが多いということで、内科のお医者さんに全国で集まっていただいて、いろいろな各地で、うつは身体的にはこういうような形でなるんですということで内科のお医者さんがうつに対する御理解をいただくと、こういう研修も私は非常に有効だということで続けていきたいと考えております。
○山根隆治君 大臣の御答弁の中で、やはりこれからの医療というのは、やはり個人個人の生理的な機能も全然違うので、そうした個人の、心の問題もそうですが、ケアする、そこに力点を置いていくんだということは非常にすばらしいなと思います。 実は数年前に、読売新聞の記者、私の知り合いの記者でございますけれども、やはりうつになって、その手記を、全国紙でしたけれども、全国版に書いて話題になったことがございました。私は、やはりこれからは、今までと違って私は患者さん自身、治られた方、あるいは治癒の途中の方、様々な状況にある患者さん自身の声も一回聞いて、そして外国のいろんな資料も取り寄せて、この問題に国としてやはりプロジェクトチームつくるぐらいの勢いでやらないと、大変なやはり潜在的な患者さんも、あるいは予備軍の方もいると。我々、これだけたくさんいますけれども、いろんな選挙情勢等厳しいとうつになることもあるわけでございますけれども、自分自身のこととしてこれもとらえていきたいと思いますけれども。 そういったことで、海外の情報を取って、そして国の制度としても少し思い切ってプロジェクトチームつくるぐらいのことをしたらどうかと思うんですが、これについて最後にお尋ねを大臣にして終わります。
○国務大臣(長妻昭君) 今申し上げましたように、省内にプロジェクトチームを設置をいたしまして、これはかなり危機感を持って私は総理にも申し上げましたけれども、鳩山内閣のこの自殺対策というのは一つの大きな仕事であるという意識を持っております。 海外の例といいますと、イギリスでは、そういううつに対する非常に理解が進んだ一つのきっかけが、うつ病によって経済的損失がどのぐらいあるのかという数字を、日本円にすると何兆円という数字を公表してかなり衝撃が走ったということでありまして、数字に換算するのが不謹慎だという御意見もあるかもしれませんけれども、今厚生労働省の中でも、うつ病によってどれだけ経済的に損失がある、だからこそこれだけ税金を掛けて対策をする意味があると、こういう一つの検証というか一つの理由というものも提示をしていきたいというふうに考えております。 今、私がショックを受けたのは、日本国の十五歳から三十四歳の方の死因を調査しますと、死因の一位が自殺であるということで、若者の死因の一位が自殺である国、先進国はありません。ほかの国は交通事故とかがんなんですが、日本国は十五歳から三十四歳までの若者の死因のトップが自殺であるという非常に深刻な事態だということで、やはり三十代の方、うつの方は四十代、三十代に多いという傾向もあるわけでありますので、これは本当に国を挙げて取り組む重大な課題であるという認識をしております。
○山根隆治君 これで質問を終わります。 私の質問のみ、答弁のみでいらっしゃる大臣の方については退席されて、私の方からは結構でございますので、委員長の方でお取り扱いください。 終わります。
○委員長(簗瀬進君) どうぞ御退席、結構でございます。 関連質疑を許します。鈴木陽悦君。
○鈴木陽悦君 民主党の鈴木陽悦でございます。 これまで常任委員会などでは質問の回数重ねてまいりましたが、当予算委員会は初めての質問でございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。 さて、先月の本会議の代表質問でも地域活性化について伺わせていただきました。これは私が当選以来掲げているテーマでございますので、本日も地域活性化をメーンに質問させていただきたいと存じます。 まず、菅国務大臣に伺いたいと思います。 去年十二月末、鳩山内閣は「新成長戦略(基本方針) 輝きのある日本へ」を閣議決定して、六月に向けて今肉付けが行われております。成長を牽引する分野として環境や健康など六つの分野を挙げております。いずれも我が国の将来にとって重要な分野で、そこで需要をつくり出していこうということでございます。 企業主体や市場のメカニズムを重視するという点が不足していると言われておりますが、政治的リーダーシップをきっちりと用いて利害調整などが図られるならば市場が息を吹き返すと確信しておりまして、期待をするところでございますが、改めて大臣の御決意と国民の皆さんの期待に対する強いメッセージを是非お聞きしたいと思います。
○国務大臣(菅直人君) この新成長戦略、昨年の十二月三十日に鳩山総理の下で発表いたしました。これに至る過程で、まずは、これまで同様な政策提言が当時の政権からもあるいは他の分野からもいろいろ出ていたんですが、ほとんどのものは実現をしておりません。そこで、この新成長戦略を作る上で、なぜこれまでのそうしたものが実現しなかったかというところをまず検討に力を入れました。 結論的に言えば、やはり、例えば幼保一元化を一つ取っても、いろんなものを一つ取っても、政治のリーダーシップがない中で、結局のところ、役所の縦割りと場合によっては族議員との連動の中で物事が変えることができなかった、第一の原因はその政治のリーダーシップのなさにあると考えました。 第二には、従来の経済政策が八〇年代ではやはり公共事業中心で、確かにこれは地方に雇用を生み出すことにはプラスだったけれども、大きな意味での成長戦略にはつながってこなかった。そして、小泉・竹中路線では、構造改革という形でリストラはしたけれども、結果として雇用を失った人が増えて日本の経済にプラスにならなかった。 こういう言わば反省というか過去の失敗を踏まえて打ち出したのが第三の道による新成長戦略ということであります。端的に言えば、雇用を生み出し、そこから需要を生み出していく。例えば介護とか医療とかの分野はそういう分野であります。そこには場合によっては思い切って選択と集中で財政の支援もあっていいんではないだろうか。一方では、環境政策に代表されるように、新たな需要を生み出す。ガラス窓を二重にして暖房、断熱をするだけでもかなりのエネルギー効果があると同時に、そこに新しいリフォーム等の需要が生み出される。そういった雇用、需要を重視した第三の道という形で新しい成長への路線をつくっていこうというのがこの基本的な考え方であります。
○鈴木陽悦君 ありがとうございました。 菅大臣がおっしゃっているプラン・ドゥー・チェック・アクションも非常に重要になってくるというふうにとらえられます。 さて、現在肉付け中ということなんですが、とりわけ地域活性化につきましては、独立した地方からの持続可能な経済社会構造の変革を実現する第一歩を踏み出すとか、観光は少子高齢化時代の地域活性化の切り札とか、都市は都市らしく、農山漁村は農山漁村らしい地域振興を進めて定住自立圏構想を推進するなどなど、多岐にわたって述べられているんですね。まだ抽象的で総花的な感はするんですけれども、これまでも地方活性化というのは各地でいろんな努力がされてきているところで、成功例、失敗例が数多くございます。 したがって、一概に、都市と地方の格差は拡大しているとか、これまで当たり前のように語られてきた定義のようなものは必ずしも適切な使われ方ではないと私自身は認識しております。所得の比較で暮らしやすさ、これは測れないし、あちこちに元気な過疎地も生まれてきておる、これ実態だと思います。 何を言いたいのかと申せば、地域事情とか特性、これをしっかりと吟味した上で方向付けというものが求められるんではないかと思います。地域の特性を生かせる制度設計とか連携が必要ではないかとも考えますが、政府の役割をどのようにお示しになるのでしょうか。 そして、地域の活力を取り戻すための雇用の創出、これも挙げられていますが、新成長戦略では、二〇二〇年までに環境分野の新規雇用百四十万人、医療・介護・健康関連サービスの需要に見合った産業育成と雇用の創出二百八十万人、観光立国の推進で五十六万人、このように目標数をはじいておりますが、地域の雇用にどの程度つなげようとしているのか、是非お聞かせをいただきたいと思います。
○副大臣(古川元久君) お答えいたします。 委員から御指摘があったように、まさに地域それぞれ様々な特色ありまして、一律に地域は全部疲弊しているとか、そういう見方をするのは好ましくないと私どもも考えております。 まさに私どもは、今までの地域の活性化の政策というのが、中央の視点から言わば金太郎あめ的に地域を見ていた点にあるのではないかと。そのことが結果として、それぞれの地域でそれぞれの強みを生かしてそこに集中するような、選択と集中というようなそういう視点に欠けて、それが箱物偏重で、結果としてそれぞれの地方があった個性を殺してしまって、逆に、本来であればそうした部分を伸ばして自立を促すということができるはずだったものを、そういうものを殺してきてしまった。これが今の地域の疲弊にもつながっているのではないかというふうに考えております。 委員から御指摘あったように、地方では非常にへき地と言われるようなところでも元気がある、あるいはその地域の人たちがいろいろ工夫を凝らして活力がある部分もあるわけでございます。ですから、私ども、新しい国の形を考えるに当たっては、中央から地方を見るのではなくて、むしろ私ども国家戦略室などでも、逆にそうした元気な地域などに出ていって、地域の視点から、じゃこれからの国の在り方を考えるような、国家戦略を考えるような、こういうことも成長戦略最終まとめに当たって行ってまいりたいと思っております。 特に、そういった中で、じゃ国がどういう形でサポートできるかということでございますけれども、そうした活力ある地域などを見ておりますと、NPOなどその地域に住んでいらっしゃる皆さんが様々な形でその地域の元気を、活力を付けるための御尽力をいただいておるわけでありますから、例えばそうしたNPOなどをサポートしていく。これは、鳩山内閣の下では新しい公共という概念の下でこうしたものを活気付けて、いわゆる社会的企業家と言われるようなそういう人たちを増やして、その下で居場所と出番のあるそうした雇用の場というものもつくり出していこうということを、さきにまとめました経済対策の中でもお金も付けてやったりいたしております。 そういった意味では、そうしたものに力を入れていくとか、また、実はそれぞれの地域が前政権までに様々な特区の申請を出したのが、ほとんどたなざらしになって死蔵されてしまったものもございます。これは、新政権になりまして、今まで出したもの、特区を全部もう一回洗い出せということで指示をして、本当にもうそれぞれの地域でやる気があるところについてはそういったものを、死蔵されていたものをもう一度活用して特区としてやっていただくとか、あるいは、新政権の下では更にもっと広範な、ごく一部の規制だけじゃなくて様々なことがその地域で自分たちで決められるような、そういう特区制度というものも今後是非導入してまいりたいと今準備をしているところでございまして、地域の創造力や文化力、そうした芽を育てる政策に是非してまいりたいと思っておりますので、是非また議員からも建設的な御意見をいただければと思います。
○鈴木陽悦君 副大臣、ありがとうございました。まさに、国の指針を示す姿勢も大事ですが、やはりキーワードになるのは地域連携、この芽も育てていかなきゃいけない、そんな思いを強くいたしました。 ちょっとふるさとの話をさせていただきたいと思うんですけれども、高齢者は今地方で三人に一人あるいは二人に一人といった割合になっております。高齢者の食事の話を聞いてちょっと驚いたんですけれども、近くの商店とかスーパーが閉店してしまう、そうするとなかなか買物に行けない、そうするとレトルト食品とか缶詰類なんかをため込んでしまう、そうすると体を壊すケース、これが少なくないという話を聞いております。 私の地元は秋田でございます。お年寄りがおいそれと出かけるには、雪が降って寒くなると非常に難しい状況になります。今はインターネットで買物ができますし、それから宅配が非常に便利になりました。しかし、お年寄りは実は買物をしたいんですよね。自分で選ぶ楽しみ、これはやっぱりお年寄りの楽しみとして味わいたいというところもあるんですね。そうすると、こうした人たちは、迷わず楽に出かけられる、何が考えられるかというと、例えば電気自動車があったら買物へ行けるな、また介助ロボット等があったら非常に便利になります。しかも、年金生活の皆さんが買える値段のものというのも考えてみてはどうかなと思うときもあるんですよ。 こうした発想で立ち向かっていかないと、高齢先進国として発展途上国の市場開拓になかなかつながっていかないんじゃないかと思うんですが、ちょっと飛躍したお話になりましたけれども、この辺については、古川副大臣、いかがでございましょうか。
○副大臣(古川元久君) お答えいたします。 まさに、我が国は世界に先駆けて高齢者の非常に多い、そういう社会に入っているわけでありますから、新成長戦略の中でもまさにこの状況を、リスクではなくて、むしろ世界がこれから間違いなく日本と同じような高齢化社会になってくるわけでありますから、その高齢化社会の言わばモデル社会を日本につくり出す、そのことによって世界をリードしていきたいと、そう私どもは考えております。その中で実は成長の新たな芽というものも見えるんだと思います。 今委員から御指摘があったような、高齢者の皆さんにとって移動やあるいは様々な日常生活をするときにサポートするような今の電気自動車であるとかあるいは介護ロボットであるとか、そういった部分はそういう意味で非常に大きな可能性のある部分だというふうに思っております。特にこの部分が、今お話がございましたように、やはり年金生活者の人を始めそういう人たちに手軽に利用できるような、そういう状況というものを考えていかなきゃいけない。同時に、介護の分野でいえば、この分野は大変重労働で、その負担軽減という視点から考えても、こうしたロボット技術というのは大きな役割を示すと思っています。 そういった意味では、こうした高齢社会を快適に過ごすために、そのために必要な面については、当然、今御指摘あったような値段面での、少しでも廉価に一般に普及するようなそういうものを開発をしていく、市場を広げていくという努力が大事だと思いますし、同時に、安全面というものでもやはり注意をしていかなきゃいけないだろうと。特に安全性のやっぱり確立というものがないと、マーケット広がった場合にそれが様々な事故を起こすということにもつながってまいります。既に政府では、そうした安全面の研究開発、そして安全性の確立というものについて政府としても検討をいたしております。 こうした安全面そして価格面共に、安心できる、そして一般の人でも手に入るようなそうした製品をこのロボット技術などの分野でも開発していくということが、これはアジアを始めとする海外市場への展開ということにもつながって、我が国産業の活性化にもこれは資するものというふうに考えておりますので、これからもこれはもう官民一体となって、こうしたロボット技術を始めとする実用化、普及化については積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○鈴木陽悦君 古川副大臣、ありがとうございました。御退席いただいて結構でございます。ありがとうございました。
○委員長(簗瀬進君) どうぞ御退席ください。
○鈴木陽悦君 次に、新成長戦略、需要サイドの改革に重点を置いていると見られます。しかし、供給サイドへのアプローチも非常に重要だと考えます。 そこで、直嶋経済産業大臣に伺いたいと思いますが、新たな産業の在り方を示す産業構造ビジョン、今年五月をめどに策定するとしておりまして、これは経済産業大臣の熱意が非常に込められているというふうに伺っておりますけれども、このビジョンの全体像と、既に審議会がスタートしておりますが、スケジュール等について是非伺わせてください。
○国務大臣(直嶋正行君) おっしゃったように、成長戦略そのものはマーケットを創造していくとか、そういう方向になるんでしょうが、一方で、それに対してやはりきちっと供給をしていくということを考えますと、産業構造が大きく変わってくるというふうに思っています。 そういう視点で、先日、産業構造審議会に産業競争力部会というのを新たに設置をしました。そして、日本の産業がかなり今実は行き詰まっているところもあるというふうに思っていまして、そういうものを踏まえて、将来日本が何で稼ぎ、何で雇用を確保していくのかということをテーマに先月から議論を開始をしたところです。最終的には、六月には成長戦略の取りまとめとタイミングを合わせる形でまとめていきたいというふうに思っています。
○鈴木陽悦君 先月の第一回の審議会では、問題の洗い出しといいますか、これをやったということなんですが。かつては飛ぶ鳥を落とす勢いだった日本の産業、世界ランクでもだんだん徐々におっこちてきているという現状でございます。 現状の評価と洗い出した問題点、どんなことが言えるのか、是非、産業大臣から伺いたいと思います。
○国務大臣(直嶋正行君) 日本の産業は今、率直に言ってなかなか厳しい状況に直面しているのではないかというふうに思っています。 まず、経済全体で日本が世界の中で相対的に地位が低下しています。例えば、一人当たりGDPで見ますと、二〇〇〇年は三位でしたが、〇八年は二十三位です。それから、世界のGDPのシェアは、九〇年が一番高くて一四%ですが、〇八年は九%です。それから、国際競争力の順位は、九〇年は一位でしたが、〇八年は二十二位と、こういうふうに低下しています。 これは、特に産業分野でどういう問題点があるのかということの原因を洗い出しているところですが、大きく言って三点あると思っていまして、一つは、日本の産業構造全体の問題点でありますが、例えば、自動車産業を中心にした特定の産業の依存度が極度に高いということが一点あると思います。それから、同じ産業内にやはり多数の企業が存在していると。存在しているのはいいんですが、やはり価格競争を中心にして非常に競争で消耗しているのではないかと。 それから第二点は、ビジネスモデルの問題でありまして、従来の日本の成長というか、日本の企業が脚光を浴びた八〇年代は、いわゆるすり合わせ垂直統合モデルと言われていまして、自分ですべてやって企業としての経営モデルにしていた部分があるんですが、それが今限界に来ていまして、いわゆるデジタル技術時代になってきますとビジネスモデルだけではなかなか通用しないと。例えば、今評判のiPodというのがあるんですが、あれの付加価値全体を一〇〇としますと、あの中の部品はほとんど日本製の部品です、三分の二ぐらい。しかし、全体の一〇〇の中で日本の企業が付加価値として取り込んでいるのは二七%でして、残りはほとんどあれを作った米国のコンピューター会社が得ていると、こういうところがありまして、どこにそういう問題があってこうなってきたのかということをしっかり反省材料として見極めていかなきゃいけないと。 それから三点目は、やはりビジネスインフラの問題があると思います。先日も法人税率の議論がありましたが、法人税だけではなくて物流インフラが弱いとか、あるいは最近、日本の人材も国際的に見て、本当に日本は優秀な人材を確保しているのかどうかというのもしっかり見極めていく必要があると思っています。 例えば、技術者で優秀な技術者をつくっても、同じレベルの技術者同士でしたら確実に英語で議論のできる能力を持っている人が今は評価される、そういう時代だと思っていまして、そういう面でもやはりしっかり見直していかなきゃいけないというふうに思っています。
○鈴木陽悦君 ありがとうございました。 産業構造を方向転換しないと、これからの世界市場への対応は非常に困難であるということも物語っていると思います。 策定の途中ということなんですけれども、方向性とか政府の対応策として何か考えていることがあれば是非お聞かせいただきたいし、それから、今日は地域活性化をメーンにしておりますので、地域の生かし方も変化しなければならないんではないかと考えますが、地域に産業の芽を創出するためにどのような方向性を持って進めるのか、これも是非伺わせてください。
○国務大臣(直嶋正行君) 幅広い御質問で、なるべく簡潔に答えたいと思うんですが、先ほど日本の産業の今問題点を申し上げました。それを超えていくということが答えだと思っていますが、やはり、将来の方向として日本の産業構造を転換していくということなんですが、一つは、アジアを始めとしたいわゆる新興国に対して、きちっとインフラを中心にしたシステム輸出ができる体制をつくっていくということだと思っています。それから二つ目には、日本の感性とか文化を生かした文化産業をやはり戦略産業として改めて競争力を強化していく必要があると思っています。それから、企業のビジネスモデルも根本的に新たなビジネスモデルづくりに向けて取り組む必要があるというふうに思っていますし、グローバル競争時代ですから、こういう時代における官と民の役割分担の在り方についても見直していく必要があるというふうに思っています。それから、先ほど申し上げた人材。 それで、地域なんですが、やはり地域が自立的に発展していくということで考えますと、産学官連携による研究開発は推進はしているんですが、これを更に発展させていくために何をしていけばいいかということを考えなきゃいけないと思っています。それから、先ほども古川さんから御答弁ありましたとおり、地域の強みや特徴を生かした成長産業群を創出していく。それから、従来やっています農商工連携についても、これまでの結果を見直しながら更に発展をしていけるような方策を議論していきたいというふうに思っています。
○鈴木陽悦君 人づくり、物づくりについて触れていただきましたが、もう一つ私、三つのつくりというのをいつもしゃべっているんですけど、もう一つはやっぱり町づくりなんですけれども、次は町づくり、伺います。 大臣は、地方の中心市街地の現状を見てどんな感想をお持ちなのか、思いを抱いているか、是非聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(直嶋正行君) 中心市街地といった場合に、いろんなとらえ方はあると思うんですが、私は、一つは、中心市街地というのはやはり町の顔ではないかというふうに思っています。したがって、経済の一つのセンターであるだけではなくて、やはり文化も含めたその町全体を代表するものではないかというふうに思っています。 そういうことから見ますと、最近の郊外化の進展による中心市街地の空洞化というのは、生活面だけではなくて町全体にとっても非常に重大な危機だというふうに思っていまして、町の顔としての中心市街地をやはり再生するということが大事ではないかというふうに思っています。
○鈴木陽悦君 まさに町づくりは地域活性化にとっては本当に欠かせない要素の一つだと思います。しかし、規制と緩和の繰り返しで、郊外型店、ロードサイドに同じ店舗が並ぶ均一化したいわゆるファスト風土化、風土は気候風土の風土と書きますが、これは三浦展さんという評論家の方がずっと警鐘を鳴らしているんですけれども、地域らしさとか地域の特徴全くなくなって、北から南全部一緒のロードサイド店が並ぶという状況が続いていまして、地方の中心市街地はまさに商店街もシャッター通り化してしまって青息吐息。産業と雇用の創出と、さらには農業の再生などで息を吹き返す可能性はありますけれども、ハードルはかなり高いんじゃないかと思います。 平成二十二年度予算では、地域活性化関連として、商店街とか中心市街地の活性化、地域資源や農商工活用の促進支援などに予算が計上されています。ただ、商店街・中心市街地活性化事業としては、商店街の活性化を支援する中小商業活力向上事業が二十一年度の四十二億円を下回る三十一・八億円、中心市街地活性化法の認定を受けた基本計画に基づく事業を支援する戦略的中心市街地商業等活性化支援事業、二十一年度の五十八億を下回る三十三・一億円、いずれも大幅な減額。事業仕分で二割程度の縮減が示されて、その評決そのまま予算につながった。 しかし、こうした一方で、物づくり関係ですけれども、戦略的基盤技術高度化支援事業を拡充する形で二十二年度予算に百五十・一億円計上されていて、物づくりと町づくりではかなりの差があります。 そこで、中心市街地については、平成十八年改正の活性化法に基づいて、これまで九十の市と町、九十二の中心市街地が認定されています。また、昨年制定した地域商店街活性化法は十九件が認定されている現状。地域活性化において重要な位置を占める施策ではありますけれども、予算の削減によって今後認定の減少につながるおそれが出てきはしないのかどうか。計画が認定されたものの、関連事業にかかわる予算が執行されないという懸念もあるんですが、この辺の今後の見込みを是非お聞かせください。
○国務大臣(直嶋正行君) 御指摘のように、現在、中心市街地活性化基本計画九十二、それから商店街活性化事業計画三十一件が認定をされています。 お話があったように、二十一年度に比べると二十二年度予算はかなり削減しています。これは、昨年十一月の事業仕分の際にも様々な議論がありました。その中で、例えば各地の事業計画をよりコンパクトで熟度の高い内容とするように、事業仕分の議論を受けて再度議論させていただいたんですが、例えばそういう見直しができないかということを申請者の方に私どもの方からもアドバイスをさせていただいたりして、効果そのものは維持しながら、全体をより効率を上げるといいますか、あるいはコストを下げると、こういう方向で、場合によっては専門家にも入ってもらって、そういう効果性を高めていくという視点に立って今見直しをしているところでございまして、そういう意味では、将来なくなってしまうというようなことは私どもとしては今考えておりません。
○鈴木陽悦君 是非とも支援の方、手を緩めずにやっていただきたいと思います。 中心市街地認定第一号の富山市と青森市を視察しましたが、富山はレールの効果、青森はコンパクトシティーの実現、町が活気付いたということで、そこには強いリーダーシップと地域連携というのが大きな要因として挙げられると思います。ただ、全国的にこうしたケースは非常にまれでありまして、大半が困惑を繰り返して活性化を探っている、これが実情だと思います。 事業仕分では事業の実施主体を地方に任せた方がいいとの意見が出て、平成二十三年度以降の商店街、中心市街地活性化事業は、今大臣がおっしゃられましたが、国と地方の協議、事業主体をどちらにするのか考えるべき等々の指摘もあります。地域主権、地方分権の観点からは有意義かもしれませんけれども、先ほども申したように、地域によっては活性化が困難なところもありますので、国の責任で事業を実施する必要もあると思うんですが、この辺についての大臣のお考えを是非伺わせてください。
○国務大臣(直嶋正行君) 結論から言いますと、引き続き国はしっかり商店街や中心市街地の活性化に向けて取り組んでいきたいというふうに思っています。ただ、その中で、今おっしゃったように、地方自治体の自主性といいますか、そういうものとどううまく適合していくかというのが大変これから重要になってくるんじゃないかというふうに思っています。 これは個人的な印象ですが、例えば東北新幹線乗ってずっと北上しましても、宇都宮も郡山も似たような町づくりですよね、はっきり言って。こんな町並みをずっと北まで並べて本当に特徴がある町ができるのかなというのは、率直に言ってそういう感想を私は従来から持っていました。 したがって、さっきお話ししたように、国がしっかり支援していくことも重要ですが、やはり地域に合った、あるいは地域の特徴を生かした町づくりというのは、やはり地域の人の力で考えていただくということが重要ではないかというふうに思っていまして、それを国もしっかりサポートをしていくという視点でこれからも考えていきたいというふうに思っています。
○鈴木陽悦君 ありがとうございます。 まさに、大臣もファスト風土化に非常に懸念を抱いているという感じがいたします。 郊外の大型店が抜けますと、ファスト風土化から次に待っているのは砂漠化なんですよね。身近な商店街から不況でスーパーが抜ける、先ほども話したようにもう一つの砂漠があるんですね。お年寄りは生鮮食品を入手できなくなって、遠くまで買い出しに出かけて、保存の利く缶詰類を買い込む、結果、体調不良を引き起こす。これはこの間、NHKの番組でもやっていましたが、まさにフードデザート、いわゆる食の砂漠化現象が起きている。 こうした現象を防ぐためにも商店街の再生は必要であると考えます。安心して働いて安心して生きていける社会を構築するために、我々も全力で頑張ってまいることをここで決意として述べさせていただきまして、地域活性化についての質問を一応閉じたいと思います。 次に、今朝の新聞もかなり「大卒採用 低水準続く」という非常に大きな見出しがありまして、就職を控えた時期に数字が気になっているので、新卒者の就職状況について伺います。 非常に厳しい経済情勢の下で雇用の悪化、心配されているわけですね。厚生労働省の調査によりますと、新規学卒者の内定状況、二月段階で大学、短大、高専すべての学校種別で前年を下回って、既に超氷河期と言われました二〇〇〇年前後に迫る状況になっています。さらに、来年の平成二十三年春の大卒予定者の採用方針を業績低迷を理由に撤回する企業が相次ぐ。若者を取り巻く就職状況、更に悪化する懸念も出ているわけであります。 こうした厳しい若者の就職状況ですけれども、この実態と今後の見通しをどうとらえて、どう受け止めていらっしゃるのか。中でも高卒者の就職率、より厳しいと見られておりまして、地域によるばらつきも出ているのではないかと懸念されております。学校現場からはジョブサポーターが効果的で増員をという声も出ているようですけれども、鳩山内閣はこれまで、去年十月の緊急雇用対策、十二月の緊急経済対策と矢継ぎ早に緊急雇用・経済対策を打ち出して、その中で新卒者支援も拡充してまいりました。この後、就職できないまま卒業した若者に対する手厚い就職支援、これも求められると思いますけれども、若者の就職支援への取組と決意、長妻大臣から是非伺いたいと思います。
○国務大臣(長妻昭君) 今、厳しい数字を御紹介いただきまして、そのとおりでございまして、概要で申し上げますと、高卒、大卒の方も最新の時点でまだ五人に一人の方は就職がないと、こういう非常にゆゆしき事態で、特に大卒の方については就職氷河期をしのぐ史上最悪の数字となっているということで、まず、今御紹介いただきましたように、ハローワークに新卒者だけの就職を対応されるジョブサポーターという職員を倍増配備をして、今九百二十八人を配備しようということでございまして、その九割方はもう採用して動いております。その方々というのは何も経験のない方を採用するのではなくて、企業で就職のお世話をしていた方が、企業を辞められたOBとかそういう経験のある方を採用させていただいて、学校にも、これはハローワークにずっといるんじゃなくて学校に訪問をして、そしてかつ企業にも行くということで、そういうつなぎ役ということで今全力で取り組んでいる。 そして、一月から三月末までに百七十三回の就職説明会をこれは厚生労働省主催でさせていただいて、従来の二倍の多さで、私もそこにお邪魔をいたしましていろいろな説明も申し上げたところであります。 そして、これは非常にあってはならないことではありますけれども、新卒の方で就職が四月以降もないという方については、これは職業訓練の学校に無料で受けていただいて、そして生活費も一定の要件で月十万円をお支払いをして、そこで技能を身に付けていただくと、こういうような措置も新たに考えておりまして、いずれにしても、採用しないというふうに判断していた企業に対してもジョブサポーターがお邪魔をして、何とか、採用する気はなかったけれども、こういういい人がいるのであれば採用をしましょうというような形で御判断をいただいて、その方が活躍して業績を上向く貢献をするというのがこれは経済の成長にとってもいいことでありますので、全力で取り組んでいきたいと考えております。
○鈴木陽悦君 ありがとうございました。格差社会が広がった中で、かつて希望格差社会という言葉もいろいろとあちこちで取り上げられましたけれども、やっぱり若い皆さんには、目の前に希望があるんだ、そういった取組を新政権には非常に重責として課せられていると思いますので、是非よろしくお願いいたしたいと思います。 人づくりにつながります、それから物づくり、さらには町づくりについていろいろと関連性をお話しさせていただきましたが、今日は小沢環境大臣においでいただきました。最後は、人から今度はわんちゃんの方に話を移させていただきたいと思います。 委員長も愛犬家でいらっしゃいます。私もそうでございますけれども、実に愛犬家は大勢いらっしゃいます。現在、日本では核家族とか少子高齢化の進む中、老後の第二の人生として犬や猫を飼い始める人が非常に増えておりまして、犬だけでも約千三百万頭がいると言われております。これは五世帯から六世帯に一頭の割合で犬が飼われていることになるんですね。しかし、これまで趣味の範囲でペット飼育ととらえていたために、ペットとの暮らし方とか生活環境に対する国としての施策が徹底されていないと見られます。動物愛護の問題ととらえられそうですけれども、実は今やこの問題は非常に、動物の問題ではなくて全国民のおよそ二〇%がかかわる人の問題なのであります。 ちょっと一例を申し上げますと、これは実際に話を聞いてびっくりしたんですが、犬のふん尿、ちょっと汚くてごめんなさい、犬のふん尿についてですが、皆さんこれ、流すのか生ごみとして出すのか燃やすのか埋めるのか、こういった具体的な始末方法についてははっきりしていないんです。これ動物の関連部署に任せているのが実情でございます。 飼い主に任せっきりではなくて、指針を徹底させる、これも必要だと思うんですが、国としてのユニバーサルデザインがございましたら是非周知徹底を図る必要があると思うので、その辺のお考えも聞かせていただきたい。 また、災害時の対応として、現在、都内には五十万頭を超える犬がいると言われております。そして、十五年前の阪神大震災には外で飼われている犬が八割でしたが、時代が変わって、現在では当時に比べてはるかに室内犬が多くなっております。ですから、飼い主と寝食を共にしております。家族の一員でございます。万が一、首都圏を大震災が襲った場合、多くの愛犬家は自分の犬を連れて避難所に向かうと思われますが、現状では学校とか公民館の避難所に行きますと、慌てて避難所へ行きますと、いや、ここは駄目ですと、飼い主だけはいいけれども犬は駄目です、外につないでください、入れろ入れないですったもんだのことが起こる、これも現に起こっています。冬場は特に大変でございます。 これらの問題に対してどういった対応、ちょっと二つ申し上げましたけれども、是非、環境大臣からお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(小沢鋭仁君) お答え申し上げたいと思います。 まず、御指摘の、まさにペット、動物と人間の暮らし方、そういったものに総合的なユニバーサルサービス的な観点で取り組むべきと、こういう御指摘でございました。ユニバーサルサービスというような言葉は使っておりませんけれども、今は動物愛護管理法に基づきまして、動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針という形で環境省としては出させていただいております。 その指針においては、譲渡等の推進による犬、猫の引取り数の半減であるとか、普及啓発、個体識別等の推進による動物の遺棄防止の徹底とか等々を掲げておりまして、そして大事なことは、この指針に基づきまして各都道府県がいわゆる動物愛護管理推進計画を策定をすることになっておって、そこで策定をしているところでございます。 さらにはまた、日々の暮らしというような観点で申し上げますと、三月十一日、つい先般でありますけれども、環境省としては住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドラインというようなものも作成をしてございまして公表させていただきました。今後とも、自治体や関係団体とも連携して、人とペットの共存に向けて努力をしていきたいと、こういうふうに思います。 それから、先ほどのふん尿に関しましては、これは具体的なお尋ねでありましたが、これもそれぞれの都道府県の条例で決めると、こういうことが法律の今の状態でございます。 それから、もう一点の災害時に関してでございますけれども、これも先ほど申し上げました国の指針に基づきまして、都道府県が動物愛護管理推進計画あるいは地域防災計画等を作っていただいておりまして、そういった意味では、地方公共団体を始め、また地域の獣医師会や動物愛護団体等々が連携して実施をしてきております。 例えば、そういう中で十九年七月に発生しました新潟県の地震の場合は、新潟県と新潟県獣医師会、新潟県動物愛護協会等で動物救済本部を設置をしていただいておりまして、被災地に残されたペットの収容、避難所におけるペットの一時預かり、飼育ケージやペットフード等の支援物資の提供、ペットの健康・飼育相談等を行い、大変な効果を上げたと、こういう事例がございます。 環境省としましても、今後とも、災害時にこのような対応措置が進みますように、こうした取組等も参考にしながら都道府県としっかりと連携を取ってやってまいりたいと、こう思っているところでございます。さらにまた、いろんな御指摘、御指導を賜りたいと思います。
○鈴木陽悦君 ありがとうございました。地方自治体によってはやっぱりそのふん尿に関しては、実際に窓口に電話すると、担当の人が分からないという現状も是非お分かりいただきたいなと思って御紹介をさせていただきました。 犬、また猫の飼育などに関してはこのほかにも整備しなきゃいけない問題が山積していると思います。ペットが現代人にとって欠かせないものになりつつある時代に、単に動物愛護とか飼育といった問題じゃなくて、まさしく人の問題でありますので、共に暮らす動物にも優しい国であるために今後とも環境整備を是非お願いしたい、この御要望を申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(簗瀬進君) 以上で山根隆治君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(簗瀬進君) 次に、草川昭三君の質疑を行います。草川昭三君。
○草川昭三君 公明党の草川でございます。 まず最初に、去る三月九日の本委員会で私が、官房長官は沖縄を訪問された際、戦没者の慰霊碑に献花をすべきだということを申し上げたところ、質問後に官房長官から、いや、私はしていますよという、こういうお話がございました。これは私が、名護の市長選挙直後に私に寄せられた関係者の声を私が事実確認をしないまま引用をいたしまして、間違いでございました。深くおわびを申し上げて、今日は質問に入らさせていただきたいと思います。 また、今日の質問については、各会派の皆さん、本当に、官房長官に集中をしようと思っていましたので順番をお譲り願いまして申し訳ございません。 鳩山内閣が誕生してから内閣官房報償費の支出額についてお伺いをしたいと思うんです。 平野長官は去る三月十日の衆議院内閣委員会で、昨年九月の就任以来、今年の二月までの六か月間に計六回、一回につきそれぞれ六千万円ずつ報償費を支出していると答弁をされましたが、間違いはございませんか。
○国務大臣(平野博文君) 草川先生にお答えをいたします。 冒頭、わざわざ私のことで釈明をいただきまして、大変ありがとうございます。私、四か所ほど行っておりまして、対馬丸の部分とか全部毎回沖縄に入れば行きたいと思っておりますので、それはありがとうございます、釈明をいただきまして。 今のお答えでございますが、全部で、今出しておるという、請求しておりますのが三億六千万円だと、毎月六千万円ずつ支出をしていると、こういうふうにお答えをいたしました。
○草川昭三君 そこで、平成二十二年二月八日付けで内閣官房から参議院予算委員会に提出された資料を見ますと、九月、七千七百五十万円、十月、七千六百八十万円、十一月、七千九百四十万円、十二月、八千百万円、一月、八千百六十万円となっていますが、それだと、この資料の数字と、それから今官房長官がお述べになりました六回の支出で合計三億六千万ですか、おっしゃったのとは違う数字になると思うんですが、なぜ違うのか、納得がいく説明をお願いをしたいと思うんです。
○国務大臣(平野博文君) 私が責任者として管理をいたしておりますものが毎月六千万円ということですが、これ、多分先生、報償費という、こういうことでいきますと、内調費の予算のことも合わせての金額なのかなと、こういう気がいたします。これ、ちょっと調べておりませんので、その数値の真意は明らかではありませんが、内調費の報償費を含めての合算金額で今先生が言われたのではないかと私は想像いたします。
○草川昭三君 私があくまでも聞いておりますのは内閣官房報償費なんです。だから、一くくりになっている費用が内閣官房報償費。それを二回に分けて、官房長官が六千万とその他の差額の数字を分けて受け取っておられるということはこの参議院の調査室から出てきた資料には書いてありますが、あくまでもそれは内閣官房報償費ですよ。だから、我々は予算委員会の調査室を通じて資料要求をしたら、その資料の中には明確に九月は七千七百五十万、十月は七千六百八十万という数字になっておるんで、それはおかしいねと。国会で官房長官が答弁された数字と、我々が受け取った調査室からの、予算委員会の要求ですからね、おかしいねと。どっちが本当なんですか。
○国務大臣(平野博文君) 先生御指摘のように、内閣官房報償費というくくりでくくった部分でいきますと、先生おっしゃるとおりでございます。私が責任を持って今管理をしておる部分、いわゆる官房報償費と称するものは、毎月私が六千万円の支出ということでございまして、それ以外、官房報償費というくくりであることは事実だと思いますが、内調費の費用だと私は思います。
○草川昭三君 その差額が内調費であるということは、予算委員会で受け取ったところの資料からは分かりません。あくまでもそれは一くくりで出てくるわけですから。ただ、官房長官が六千万を受け取りましたよというのは、ああ、六千万取ったんだねと。それは内閣官房報償費として官房長官の財布というんですか、金庫に入る金ですねと。だけども、俗に言うところの内閣官房報償費というのはもっと違う数字で毎年出ているわけでございますから、ここは予算委員会としても非常に重要な話だと思うので、もう一回お答え願いたいと思います。
○国務大臣(平野博文君) その費目の切り分けを含めて、私も今、私は官房長官として官房報償費として受け取っておるものについてを今まで申し上げておりましたが、費目のくくりとして官房報償費というくくりは先生御指摘のところに該当すると、こう思いますので、先生の御質問、昼からでもお時間があればそこをはっきりお答えをしたいと思います。
○草川昭三君 じゃ、改めて我々が納得いくようにその答弁を出していただきたいと思います。 では、次に移ります。 平野官房長官は三月五日の会見で、報償費の透明化について、どういうものが公開でき、どういうものが本当に不必要なのか四月から検討したいと述べておられます。これは記者会見でも言っておみえになるわけです。 そこで、この官房報償費のうち官房長官が直接使用をする、俗に言う、まあ俗に言うんではなくて正確に、政策推進費については昨年九月から今おっしゃったように受け取っておみえになるわけですが、今日まで使った分の日付、支出先、金額、使用目的など、その内容が分かる記録を作成をして保存をしておみえになるのかないのか、お伺いをします。
○国務大臣(平野博文君) 基本方針にのっとりまして大きくは三つぐらいに分けてございます。明らかにこの中身を公開をするということはいろんな意味で影響がある、どうしても相手様のことがある、国益に反することがあると、こういうことについては、私は一切その部分についてはメモを作っておるということでありません。それ以外の、情報収集でありますとか、そういうところについては、これは会計検査院のチェックを今でも受けておる部分でございますので、それについては当然管理をしているということは事実だと思います。
○草川昭三君 では、いよいよこの四月から、来月からになりますが、記録をして保存をするという考え方はございますか。
○国務大臣(平野博文君) これは何回も答弁並びに記者会見で申し上げておりますように、この四月から、予算を通していただきましたら、それに基づいた中での官房報償費について従前と同じ感覚で私は対応するつもりはございません。 本当にこれは、どうしても御理解をいただきながら私の責任において支出しなきゃならぬ部分と、明らかにこれは報償費という扱いでなくて通常の庁費として予算計上すべきものと、あるいは機密という概念にあるけれども、これはある時期に公開をしてもいいものなのか、このことはしっかり検証したいと、このように考えております。
○草川昭三君 じゃ、今の答弁は、記録として、記録を取って保存をするという考え方だと受け取っていいですか。
○国務大臣(平野博文君) そういう考え方は取り入れたいと、このように思っております。 ただ、今、四月からの、新年度のどういう状況がなるかということも検討しながら、先生今御指摘あったところも含めて考えたいと、このように思います。
○草川昭三君 私の言っているのは、あくまでも記録として残しなさいよと、中身を聞いているんじゃないですよ。 それで、そもそも、いつどこに幾ら使用したという記録がなければ、あなたが言う一年間検討をしてもデータが残っていないとするならば公開のしようがないわけですよ。そうでしょう。だから、結局公開しないという結論が最初からあるんじゃないかという私は疑いを持つんですが、そういうことはございませんか。
○国務大臣(平野博文君) 記録は当然、最低限の記録は作らなければ先生の御指摘にはかなわないわけでありますが、じゃ、どこまでの記録を残していいのか、このことも私は検討の課題だと思っております。
○草川昭三君 いやいや、そこが非常にあいまいで過去来た、だからこそ新内閣は透明性ということを言っているわけでしょう。新内閣は透明性と言っておる以上は、それはやっぱり透明性ということを明確に国民に示すべきだと思うんです。 ですから、さておいて、政策推進費の支出日、支出先、金額、使用目的など、使用内容が分かる詳細な記録を私は残すべきだと思うんですが、その点はどうでしょう。そうしないと、公開に向けての検討などできっこないじゃないですか。お答えください。
○国務大臣(平野博文君) そこまで出せるかどうかということは、非常に機密性のある、だから報償費という概念で予算計上させていただいているわけですから、そのことも含めて、私は何でも公開すればいいということにはならないと、この性格上。そういうことで、その上でもより透明性と、こういう考え方の下にどこまで出せるのか、出す時期はいつなのか、こんなことも含めて新年度から私は検討してまいりたいと、こういうことでございます。
○草川昭三君 非常に途中ですり替わってきているんですが、問題は記録を残すか残さないか、そのことだけもう一度明確に答えていただきたいと思います。
○国務大臣(平野博文君) 記録を残せるものは残します。
○草川昭三君 いや、非常に私は不満ですが、官房長官の自分の今後の透明性ということですからお答えを願いたいと思うんです。 それで、平成十四年四月一日に福田官房長官が決定した内閣官房報償費の取扱いに関する基本方針というのがあるんですが、これは現在も私は有効であると思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(平野博文君) 平成十四年四月一日付けの内閣官房長官決定という、目的、執行に当たっての基本、事務補助者の指名、取扱いの規定と、これについてはよく承知しておりますし、その考え方に基づいております。
○草川昭三君 この方針には、官房長官は毎年度ごとに内閣官房報償費の執行に当たっての基本的な方針を定めるということになっております。それは今おっしゃったとおりです。また、これは官房長官が交代したときにも新たに定めることになっています。平野長官は、就任に当たり、執行に当たっての基本的な方針というものを定められましたかどうか、お伺いをします。
○国務大臣(平野博文君) 分かりやすくお答えをしたいと思います。 平成二十一年九月の二十四日、取扱責任者内閣官房長官平野博文決定として、内閣官房報償費の執行に当たっての基本的な方針ということを定めてございます。
○草川昭三君 その基本的な方針について、前河村長官の執行方針とは違う点があるんですか。違う点があるならばお答え願いたいと思います。
○国務大臣(平野博文君) 基本的な考え方は踏襲させていただいております。
○草川昭三君 踏襲をするというのはいいんだけれども、問題点もそれはずっと残るんですよ。本来ならば新長官の新しい方針がそこで出るべきだと思うんですが、その点はどうですか。
○国務大臣(平野博文君) 私の基本方針の下に、今そういう考え方の下にやらせていただいていますが、委員会の議論、あるいは私どもが申し上げてきたこと、あるいは総理からの指示を含めて新年度からそういう考え方の下に本当に、この方針にプラス、加えて、加筆をして、公開をどういうふうにできるのかということは、今度この方針を変えていくということになるための、変えるための検討の中身を新年度からやらしていただくと、こういうことになろうかと思います。
○草川昭三君 私は是非、新年度には新たな執行方針を今の答弁にありますように新しく定められることになるとするならば、その内容を明らかにすべきであると思いますが、どうでしょう。
○国務大臣(平野博文君) これは検討していきますから、検討の結果がまとまった時点でそれを明らかにすべきことだと思います。
○草川昭三君 私がくどいようにこの点を申し上げておりますのは、要するにこれはルールの話ですからね。中身をどうのこうのという話ではなくて、ルールというのを新内閣がどのように受け止められて対処されるかということを私はお伺いをしたいということで質問に立っているわけであります。 それでは、先に進みます。今の話はもう一度お伺いしますが、後で。 福田官房長官が定められた内閣官房報償費の取扱いに関する基本方針には、報償費の執行のため官房長官が内閣官房報償費取扱要領も定めることになっております。それはもう御存じのとおりです、今、一部、そういう基本的なことについては踏襲すると言っておみえになるわけですから。ここには、報償費の出納記録簿の作成、支払関係書類の書式、支払関係書類の管理、支払関係書類の五年間の保存などが明記をされております。 鳩山内閣は一年掛けて、どういうものが公開でき、どういうものが本当に不必要なのか四月から検討したいということを答弁をされているわけでございますから、よりしっかりとした取扱要領が必要になると思いますが、新しい取扱要領は準備をされているのかどうか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(平野博文君) 今検討しているところでございますが、まだ新しい新年度の予算、これが上がっておりません。成立しておりませんので、それに向けての中での検討は進めてまいりたいと思います。 要は、いずれにしましても、どういう状態で使われているのかということをよりオープンにしていくことが大事なんだろうというふうに思っています。しかし、時期、タイミングを見て、本当にじゃ、新しい年度、一年終わったら公開していいのか、こういうことについてもこの性格上検討しなきゃなりませんし、私どももかつて法律で出したことにありますが、これは十年後なのか二十年後なのかというようなことも法案の中にも書かしていただいておりますが、それほどこの問題は慎重にやらなきゃならない。しかし、先生御指摘のようにより透明性を高めなきゃならないと、こういう観点で、私は公開でき得る状態がどんな状態でできるのかということは真剣に考えたいと思っております。
○草川昭三君 我々は予算委員なんですよね。ですから予算を審議をするわけですよ。ですから、取扱いの要領というものも、報償費の使い方のルールが基本になるわけでございますから、私は予算委員会で、これは当然のことながら、取扱要領も提出をしていただきたいと思うんです。予算審議のこれ前提になっていくと思うんですよね。それで、大きな金額ですから、しかも従来の方向から新しく透明性を非常に強く打ち出したいということを総理も言っておみえになるわけでございますから、改めて内閣官房報償費の執行に当たっての基本的な方針と内閣官房報償費取扱要領という二つの文書を提出していただきたいと思います。どうですか。
○国務大臣(平野博文君) 今、先生おっしゃったこと、いつ出せるかどうかは別にいたしましても、必ずこの部分は、予算委員会中に出せるかどうかは別にしましても、公開はいたします。
○草川昭三君 これはそんなに難しいことではなくて、決断だけでございますから、そんな膨大な資料を出せと言っておるわけではなくて、考え方が中心になると思うんです。 それで、私は、この要領は当然のことながら、この場ですぐにでも決意さえあれば出ることですから、私は最低限でも公聴会までにはその取扱要領は提出できるものだということで質問をしているわけですから、その点、どう答えますか。
○国務大臣(平野博文君) 先生の御指摘は今あるものを出せと、こういうことでございますか。 私は、これからの新しい公開を含めて、どういうふうにしていくべきかということを検討を加えた上での方針でございますから、時間が掛かると。今あることについて出せということであれば、お出しはできると思いますが。
○草川昭三君 今ある分と、当然のことながら、新しい考え方との違いを我々は期待をしておるわけですよ。だから、それはもう双方早急に出せるものは出していただきたいと、こう思います。
○国務大臣(平野博文君) ですから、新年度からどういうものが出せるか、どういうものができるかということを検討するという、その上でこういう方針で臨みたいと、こういうことを、まだどういうものが起こってくるかということが現実的な対応として全部、年度の掌握ができておりません。 しかし、今の考え方は、現時点における部分はお出しすることは可能ですが、それでは私は先生御指摘のように不十分だと、満足しないということになろうと思いますから、より透明性を高めていくための方針を作っていくのはこの新年度から、私マスコミに言っておりますのは、一年掛けてしっかりとそのことを含めて考えますと、こういうことを申し上げているわけであります。
○草川昭三君 前回も申し上げましたように、民主党の皆さんは既にもうずっと以前から、この官房報償費あるいはその当時は機密費という名前で新しい法律を出そうということで準備しておみえになったわけですよ。それで、菅さんも平野さんもそのときには賛同者として衆議院にその法案というのを提出されています。ですから、もう皆さんの方も政権を取ったらすぐこういうことにひとつやっていこうじゃないか、新しい方向を取り上げていこうじゃないかということを絶対考えておみえになるわけですよね。 だから、私は、そんなに一年掛かってやってみて、やれるものとやれないものがあるからということではなくて、もう準備ができておるはずだから、早急にこれは旧政権と違うよということを言うべきではないでしょうか。
○国務大臣(平野博文君) 先生の気持ちを十分踏まえて私は前向きにとらまえていきたいと思っていますが、ただ、いかんせん十分にこれは慎重な対応をするものでございますから、そういう趣旨でもって前向きに私は検討してみたい、しなきゃならないと思っております。
○草川昭三君 私がこういうことを申し上げるのは、なかなか野党当時の民主党というのは歯切れが良かったんですよ。鳩山さんだって二日か三日間あれば私どもはこの報償費の中身は徹底的に国民の皆さんに報告すると言っていたんですよ。 だから、そういうことをここで最後に本当は菅さんに質問をしようと思っていたんですが。菅さんも市民派の代表としてなかなか長い間いいことを言っていたし、私も尊敬はしていたんですが、今度は政権を取ったわけですから、一番問題点については私は早速これは法案を提出をすると、かつての民主党が野党のときに提出した、それを先頭に立ってやるべきだと思うんですが、その点についての質問をして終わりたいと思います。
○国務大臣(菅直人君) 草川先生とはもう四十年近いお付き合いの中でこういう形で御質問をいただくのは初めてでありまして、私なりの感慨を持ってお聞きいたしておりました。 この件については、今官房長官の方からいろいろと今後の扱いについて努力をしているということも含めて答弁がありましたので、私としてはやはりこの問題については官房長官の努力をまちたいと、このように思っております。
○草川昭三君 終わります。
○委員長(簗瀬進君) 以上で草川昭三君の質疑は終了いたしました。(拍手) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(簗瀬進君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成二十二年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。泉信也君。
○泉信也君 自由民主党の泉信也でございます。 まず、平野官房長官、大変御苦労さまでございます。鳩山内閣ができて早くも半年、まだ半年か、いろんな思いでいらっしゃると思いますが、内閣支持率について、まずお尋ねをいたします。 内閣発足以来、過去最高はTBSの十月の調査結果で八〇・三%でありますが、そのTBSが三月に調査した結果は三七・七%と下がっております。報道機関全体の平均は、九月の七三・三%から順次下がりまして、二月は四三・五%、恐らく報道機関の平均は三月には三〇%台に落ちるのではないかと言われております。この内閣支持率の漸減、右下がり、これをどう受け止めておられるか、どういう理由でこのように下がっておると受け止められておられますでしょうか。
○国務大臣(平野博文君) 先生の内閣支持率の問題でございますが、この数字は数字として真摯に受け止めておかなければならないと、こういうふうに思っております。 鳩山内閣が誕生して明日で六か月と、こういうことでございますし、昨年の八月の三十日の総選挙で国民の皆さんの意思で政権交代と、こういうことに相なりました。そのことを受けて、その期待が高い支持率と、こういう判断をすれば、今現状どうなっているんだと、こういうことに相なる数字なんだろうと私は思っておりますが、ただ、政権発足して初めての予算審議を今参議院でいただいているところでございますし、やっぱりコンクリートより、コンクリートという表現が御議論いただいておりますが、コンクリートから人へと、こういうことでの大きく構造を変えていく中での国民生活第一という、こういう政策の実行が、この予算が是非成立させていただきますならば国民の皆さんの生活実態として出てくると、こういうふうに思っております。 しかし、数字の推移につきましては、政府としても真摯に受け止めて、より分かりやすい国民に開かれた政権をしていくことが国民にいつか必ず御理解をいただけることになろうと、このように考えておるところでございます。
○泉信也君 予算が成立すればというお話でございます。私は、官房長官から、やはり政治と金の問題、その他のことが指摘をなさるんではないかというふうに思っておりました。総理の知らなかった、こういう釈明が仮にも事実であったとしましても、政治の最高指導者としての姿勢について私は大変問題ありと思っておりますが、官房長官はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(平野博文君) 私は、御理解をいただいていないところはあるかもしれませんが、総理は本当に真摯に私はこの委員会等々におきましても答えていると、私だったらああいうふうには答えられないだろうと思いますが、まじめに受け答えをし、知っていることについてはすべて総理は答弁をされていると思っておるところでございます。 政治と金ということについては、これは与野党を超えて、国会議員が本当に国民に対して襟を正して物事を律していかなきゃならない大きなテーマでありますし、永遠のテーマだと私は思っております。そういう意味で、私どもとしましては、総理の強い指示の下に企業・団体献金の禁止を含めて与野党で協議をいただきたいと、こういうことでこの国会でも成案できるようにお願いを今党にいたしている、こういうところでございます。
○泉信也君 総理が真摯にお答えになっておられる、そういう官房長官のお言葉でございましたが、私自身も今申し上げましたように、仮に知らなかったことが事実だとしても、政治の最高指導者としてどのように官房長官は総理の姿勢を見ておられますかとお尋ねしたわけでございます。
○国務大臣(平野博文君) 私は、仮にというよりも、全く知らなかったんだと私は思いますよ。そういう観点で、私は、総理としてまじめに国民の皆さんにわびるべき点はわびて説明責任を果たしていっていると私は本当に思っております。
○泉信也君 本当に御存じなかったということが事実であることを私も期待をいたしておりますが、それでもこの実態からして、総理としては格別の判断をしなけりゃならない、政治に対する責任を取らなきゃならないということは間違いないことだと思っておりますので、申し上げておきたいと思います。 それから、この支持率が下がる中で、マニフェストに対する信頼性が殊のほか下がっておるのではないかと私は思っております。 昨年の九月の閣議決定をされました予算編成の基本方針の中に、新規施策を実現するため新たな財源を生み出すという表現がございますが、実は新たな借金を生み出したというのが実態ではないかと思っております。 そしてまた、子ども手当、暫定税率、高速道路の無料化等々の基本政策が実行されますためには、平成二十五年度には国民に対して十七兆円程度の財源を確保すると、こう言い切っておられるわけですが、とてもそれは無理なのではないか、そういう懸念が見えてきたわけでありまして、将来の国づくりの青写真が見えてこない、このことに対して国民が不安を鳩山内閣に持ち始めておるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(平野博文君) 私は、マニフェストの国民に対してのお約束ということで、それをベースに選挙をしてきたことは事実であります。加えて、政権交代をし、三党連立という三党合意をベースに物事を進めていくというのが基本でございます。 その中で、財源につきましては、マニフェストでお約束したことについては、まずは無駄を徹底的に排除し、その中での財源を捻出をする、それをまず基本に置きましょうと、こういうことでございますし、総理自身が、財源がこのように税収が落ち込むということも総理自身も予期できなかったことだと、こういうふうに思っています。そういうことを含めながら、いかに約束したマニフェストをどう実現していくかということを今全力を挙げて尽くしている、頑張っている、こういうところでございます。 四年間の考え方につきましては、菅財務大臣がおられますから、財政の問題含めてこれからどうあるべきかということを踏まえながら、約束したことは守っていくというのが今鳩山政権の基本的な考え方でございます。
○泉信也君 無駄を省く、これは前政権もそのような旗印の下に努力をさせていただきました。 今官房長官がおっしゃいました事柄で、菅大臣がまた考えていただいておるという話は、恐らく新成長戦略のことであろうかと思います。今朝ほども議論がございまして、菅大臣から、政治のリーダーシップが前政権は欠けていた、あるいは公共事業中心であった、あるいは小泉構造改革の陰が出てきた、したがって第三の道を目指しておると、こういうふうにおっしゃったわけであります。 しかし、先週、舛添議員が指摘されましたように、金子慶応大学教授がこの戦略を批判をしておられる。そしてまた伊藤忠商事の丹羽会長がこの戦略を夢物語である、国民をだますに近い、中学生の作文ではないかと月刊誌で厳しく批判をしておられるわけでありますが、官房長官、こういう批判に堪え得るものができる、そのように確信を持っておられますか。
○国務大臣(平野博文君) いろんな方々の御意見というのは物事には必ずあると思っております。私は、鳩山政権というのは、大きくこの社会、構造転換をする、新たに、新しい日本、新しい成長戦略を考えていくんだ、こういうことで発足しているところでございます。私も、ずっとこの間政府の一員として見ておりますが、マニフェストという新しい種を植え付けようと思いますと、その土壌が、我々は野党のときには見えなかった土壌まで改良しなきゃならないという、改めて大きな課題もあることは事実であります。 このことをしっかり見据えて、私は、新しい閣僚として仙谷大臣が国家戦略を担当され、国の行政の仕組みを、行政刷新をしていく中で無駄をなくしていくということで枝野大臣が新しく大臣としてなられたわけでございますので、しっかりこの部分を踏まえて、私は必ず実現を逆にしていかなければならないと、こういうふうに思っております。
○泉信也君 国民の一人として期待をいたしたいと思っております。 しかし、支持率がこのように下がってくるという実態は否定し難いことでありまして、野党の私どもにとりましては更に下がることを期待いたしておりますけれども、しかし、政治の場にある者としましては、お金の問題、あるいは国民との約束事がなかなか実現しそうにない、このことが積み重なりますと政治への不信が高まる、このことを恐れるわけであります。そしてまた、日本沈没の絵姿が見えてきたというふうに言っておる方もあるわけでありまして、国民全体が縮み指向になることを恐れております。是非、鳩山内閣の屋台骨を支えられる官房長官としては、一層御精励くださいますようにお願いを申し上げます。 官房長官は結構でございます。
○委員長(簗瀬進君) 官房長官、御退席ください。──よろしいですか。
○泉信也君 いや、お答えいただけるんだったら是非お願いします。
○国務大臣(平野博文君) 大きな激励として受け止めて、退席させていただきます。 ありがとうございます。
○泉信也君 川端国務大臣、ありがとうございます。今日は、中国の遺棄化学兵器についてお尋ねをいたしたいと思います。 大臣におかれましては、そもそも遺棄したものかどうか、この部分についての認識はいかがでございましょうか。
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。 文部科学大臣以外で呼んでいただいたのは初めてでございます。ありがとうございます。 泉委員におかれては、長年この問題に非常に関心をお持ちで、いろいろこの場でも御議論をいただいていること、大変有り難いことだというふうに思っております。今おっしゃいましたように、この中国に残っている日本軍の化学兵器が、遺棄したものなのか、あるいはいわゆる戦争が終わったときに先方に渡したものなのかということで、いろんな議論がこれまであったことは間違いございません。 この件については、基本的には外務省の案件でございますけれども、現時点において、旧日本軍の化学兵器の残置が中国あるいはソ連の同意の下に行われたということが確認できる文書が、あるいは記録がない。ソ連や中国の同意があったか否かということ、すなわち中国やソ連が旧日本国軍のこれらのものを引き取るという意思があったかどうかということについて、平成十年十一月にこれらの国に対しては一応確認を行い、そのような同意を与えたという回答は得られていないということが一つと、文書的にこういう経過だというものがないということで、先方に渡したものであるという確証は存在しない。 そういう時点においては、そういう根拠がない限り、化学兵器禁止条約上我が国が廃棄する義務を負う遺棄化学兵器に該当するという解釈で今日まで進められてきているというふうに承知しております。
○泉信也君 今、合意の文書が見当たらないというようなことをおっしゃいました。しかし、一部には、実は武器を引き渡した書類があることも事実であります。 また、たしかこれは平成十一年の七月だと思いますが、日中共同で覚書を取り交わしておりますが、この文章の中に、実は非常に私気になっておることがございまして、日中共同声明、日中平和友好条約の精神を銘記し、化学兵器禁止条約の関係規定に基づきというような文章があるんです。この日中共同声明あるいは日中平和友好条約の精神などということは本来書く必要がない、条約に基づいて処理するということだけ言えばいいのに、大変当時の政府が弱腰だったということが残念でありまして、今大臣がお答えになりましたように非常にあいまいな中で進んでおることは事実であります。 しかし、アメリカがパナマに残してきたと言われます化学兵器の処理を拒んでおる、ドイツかあるいはアメリカか分かりませんが、イタリアは自分で処理をしておるという、こういう事実もあるわけでありまして、今後条約に基づいて処理をするにしましても、日本は厳重な監視の下で十分注意を払って進めていただきたいと思っております。 これから先は政府参考人にお尋ねをいたしますが、発掘の進捗状況、いわゆる中国全土に広がっておるのではないかということが言われておりますが、既にその場所はすべて確定しておるのかどうかをまずお尋ねいたします。
○政府参考人(伊藤盛夫君) 泉先生にお答えさせていただきます。 当初、黒竜江省の北安で始まりました中国各地におきます発掘回収事業でございます。今までに鋭意各地で発掘回収をいたしております。例えば、内蒙古自治区あるいは広東省等、北から南まで幅広く発掘回収事業を行っておりまして、ハルバ嶺におきまして最大の埋設があると推定されておりますが、ハルバ嶺におきましては約三十万から四十万発というものが推定されておりますが、これもまだ本格的な発掘には手を付けておりません。 これまでに発掘回収しました化学砲弾と思われるものにつきましては、約四万七千発を中国各地約三十か所の保管庫に保管をしております。 以上でございます。
○泉信也君 ということは、おおよそ、埋蔵というか砲弾がある場所は全部既に日本があるいは中国側と協議の上で承知をしておられると理解してよろしいですか。
○政府参考人(伊藤盛夫君) 日中間で、段取りとしましては、中国側が様々な事情によりまして化学砲弾が地中から出てきた、例えば河川から砂利を採取しているときに出てきた、そのような事情で化学砲弾等が出てきたという通報が日本の外務省の方に入りますが、外務省の方でそれを調査に行きまして、それが化学砲弾等というふうに判明した段階で内閣府から発掘回収を行う段取りになっております。 現時点でもまだそういう地点は随時中国側から報告をいただいておりますので、中国各地におきます化学砲弾等と思われるものが完全にその場所が特定しているというものではございません。
○泉信也君 十年の期限がたしかあったはずで、延期がなされておるかと思いますが、今の御答弁ですと際限なく続くと、いつまで続くか分からない。中国が、ここに化学砲弾があればといって外務省を通じて担当室の方に連絡がある、これでは日本はどこまで責任を負うことになりますか。どこかでこの期限を切るというようなことは考えられますか。
○政府参考人(伊藤盛夫君) 先生御指摘のとおり、化学兵器禁止条約につきましては、今、二〇一二年の四月までが一つの期限でございます。この期限の取扱いにつきましては現時点でまだ決まっておりません。これは、化学兵器禁止条約に加盟をいたしております各国が今後議論をされることになるんだろうと思いますが、まだその取扱いについて決まっておりませんので、二〇一二年四月までに私どもとしてはできる限りの努力をして、一日でも早く廃棄処理ができるようにしていきたいというふうに考えております。
○泉信也君 先ほど大臣にお聞きしましたように、遺棄したのかどうかというのが大変不明確であると。日本の城明渡しのときも、大石内蔵助を持ち出すまでもありませんが、きちんと明細を作って引き渡しておる。日本軍も基本的にはそういう対応を取ったんだと思うんです。 中国が指摘したからといって、それが日本軍が本当に遺棄したのかどうかという、その確証をどうやってあなた方は確認しておられるのか。これは外務省の仕事かもしれませんけれども、これは本当に日本が遺棄したということが分かる状況がありますか。
○政府参考人(伊藤盛夫君) 発掘回収しました砲弾につきましては、化学砲弾でございますので、エックス線等を利用しまして精密なる鑑定をいたしております。そうしたことから、その砲弾が旧日本軍の化学兵器であるかどうかということを専門家が現場におきまして鑑定しましたものを密封こん包しまして保管するというふうな段取りを取っておりますので、現場で廃棄するものにつきましてはそういうことで日中間で協議をしながら進めておるところでございます。
○泉信也君 全く国民の貴重な税金を使ってこの作業をやっておるという認識に室長は若干欠けておるんではないかと思えてならないんですが、今、発掘したものを確認して、日本のものは日本で処理する、これは条約上当然だと思いますが、そうでないものはどうしておられますか。
○政府参考人(伊藤盛夫君) 中国側に引き渡すべきものは中国側に引き渡しております。
○泉信也君 今の中国側に引き渡すべきものはという中身がよく分かりませんが、例えばソ連軍も中国軍も化学兵器、砲弾を使っていたという事実が残っておりますね。そういうものが混在しておるのかどうかについてお答えください。
○政府参考人(伊藤盛夫君) 過去の発掘回収におきまして日本軍以外のものが発掘されたという経緯があるというふうに承知をいたしておりますが、そのものにつきましては中国側とその処理につきまして協議をする必要があるというふうに考えております。 と申しますのは、現時点におきましてはそれを中国側の保管庫等にも保管をしてもらっているという状況でございまして、日本側が廃棄処理するものにつきましては、化学兵器禁止条約におきまして廃棄義務のあるもの、それを今後廃棄していきたいというふうに考えております。
○泉信也君 廃棄するかの前に、もしソ連や中国軍の化学兵器と混在しておるということが事実であるとすれば、それはまさに日本が放棄した、破棄した、そういうことではないという事実が出てくるではないかということを私は申し上げておるわけです。 ですから、ソ連軍の化学砲弾等が出てきておるのか、出てきてないのか、そこを明らかにしてください。
○政府参考人(伊藤盛夫君) 発掘回収をやりますときに旧日本軍以外の遺棄化学兵器が発掘したということはあったようでございますけれども、それは中国側に引渡しをしたというふうに承知をしております。
○泉信也君 大臣、今お聞きのように、よそのものが入っておるということは、日本軍が破棄したんじゃなくて、いったん中国なりソ連軍が引き受けた上で処理をしてきたという事実なんです。ですから、これは最初にお尋ねしたように、やはり相当慎重にやっていただきたい。 特に、もう一度政府参考人にお尋ねしますが、砲弾の処理費用などについて、どうも日本側の積算とそれから現場の中国側の作業者に渡る日当なんかが一けた違うと、そういうことが指摘されておりますが、これはだれが本当に間違いないチェックをしておるのか、お答えいただけますか。
○政府参考人(伊藤盛夫君) 発掘回収に当たりまして、中国側に様々な作業を依頼する場合がございます。その場合におきまして、中国側とどういう作業をお願いをするかということを対中要請という形でお願いしておりますが、それに伴いまして生じた費用につきましては、中国側とまず実際にどのぐらい掛かったのであるというふうなことにつきましてきちっと情報提供をいただきまして、その上で適正なる金額をお支払いするような形を取っております。
○泉信也君 これ以上申し上げませんが、例えば、条件がいろいろ違うと思いますが、福岡県の苅田港で処理したのは一発一千万円ぐらいで処理しておる、ところが中国での処理費用は一発三千万円だと、こういうお話を伺っております。事実のほどは分かりません。議論の過程で出てきておる値でありますが、是非厳しい積算をしていただいて、国民の税金が無駄にならないように、ましてや中国軍の国防強化につながらないように是非やっていただきたいと、このことだけ申し上げて、国務大臣は結構でございます。
○委員長(簗瀬進君) じゃ、川端国務大臣、御退席ください。
○泉信也君 菅財務大臣にお尋ねをいたします。 まず、先ほど少し申し上げましたが、九月に決定されました予算編成の方針の中で、新たな財源を生み出すということが書いてございますが、財源は本当に生み出せたとお考えでしょうか。
○国務大臣(菅直人君) 九月の十六日に鳩山内閣が誕生して、年内編成を是非実現したいということで、それぞれの立場で努力いたしました。その中で、事業仕分などを含めていろいろ努力した結果、予算の見直しなどによって二・三兆円、さらには公益法人等の基金の返納によって一兆円、合わせて三兆三千億の、そうした無駄と言っていいのか、そういうものを生み出して、そしてマニフェスト、これはお約束したすべては率直なところできないところもありましたが、マニフェストに、実現する費用に三・一兆円掛かりましたが、それに充てさせていただきました。 そういう意味では、今の御質問の、生み出せたかといえば、十分とは言えませんが、マニフェストの実行に当たるものについては生み出せたと、このように考えております。
○泉信也君 今、三・三兆とおっしゃいました。私自身は一兆円程度ではなかったかというふうに思っております。 もう一つ、昨年の暮れの予算編成の基本方針で述べられた中に、入るを量りて出を制する予算編成を行い云々とありまして、足らざるを野方図に国債で埋めるというこれまでの予算編成の在り方を脱却すると、こういうふうに書いてございます。四十四兆円というもの、これはいつの間にか上限がこういうことに鳩山内閣では最初に決められたようですが、本来、前政権は当初予算で三十三兆円、そして補正で十一兆円というふうに、ここは本来仕分して三十三兆円を目標にして、その上で税収が減ったとかそういう話であるべきなのに、四十四兆円ありきだったというのはどういうことでしょうか。
○国務大臣(菅直人君) これも泉議員もうよくお分かりだと思いますが、まさにサブプライムローンから発したいわゆるリーマン・ショックがありまして、だからこそ麻生政権でも一次補正にたしか十五兆円という通常では考えられないほどの大きな補正を組まれました。私たちは、その九月の段階で政権を引き継いだときに、この問題については私たちも危機状態にあるという認識は共通しておりました。ですから、私たち、野党の時代から一次補正について規模が大き過ぎると言って批判したことはありません。 そこで、二十二年度の予算を組むに当たって、もちろん財政規律とかいろんなことも考えましたけれども、景気に対してどのような形で影響するものが必要かということを考えまして、少なくともまだ景気刺激の要素が財政には求められている、そういうふうに考えました。ですから、四十四兆というのは、一方では財政規律を考えたぎりぎりのところではありますけれども、一方では景気刺激も必要だというところで考えた、まさにそういう意味ではぎりぎりの、両方のぎりぎりのものを実現するための選択であったと、このように私は考えております。
○泉信也君 今景気刺激も必要だ、おっしゃるとおりだと思います。 そういう観点からそれじゃ少しお尋ねをしたいと思いますが、昨年の十月三十日の参議院本会議で与党の方から、日本海側に拠点港湾があり、そこから高速道路があれば、地方活性化と物流の効率化を両立できるがいかがですかという質問に、総理は、日本海側に拠点港湾の整備も考えてまいりたいと、こういうことをおっしゃっております。 それから、さきのこの予算委員会でやはり与党議員から、仙台新港の整備は新規立地企業の生産活動に通じた地域開発にとって必要なんだという質問がございました。これに対して前原大臣は、新規事業には予算は付けない、国民の知恵と活力を活用する努力を要請しますと、こういう御返事がありまして、与党議員からは、産業政策と一体化している公共事業もある、国がやるべきものもあると、こういう議論がございました。 地域政策という観点から、この景気刺激ということも含めて、公共事業についてはどんなお考えを大臣はお持ちでしょうか。
○国務大臣(菅直人君) まず、御承知のように、この内閣は同時に歳出の中身の見直しを大胆に行いました。コンクリートから人へというスローガンについては若干議論もありますけれども、基本的にはそういう方向での歳出の中身、規模ではなくて中身の見直しを行ったところです。 その考え方は、これは成長戦略にも書きましたけれども、決して公共事業が要らないとか公共事業が一切効果がないということを言っているんじゃないんです。つまりは、八〇年代までは公共事業が日本の経済成長にプラスになった時期が長く続いたんですが、残念ながら八〇年代以降は、それこそ工事費が地方に落ちることによってあるいは仕事を生むことによって雇用の対策になり、ある意味で東京から地方へお金を還流させる役割は確かに果たしましたが、日本経済そのものが成長していく路線に戻ることには残念ながら効果をほとんど発揮しておりません。 そういう中で、まさに今必要なのは、これは国交大臣がよく言われていますけれども、選択と集中だと。今度九十八番目の飛行場ができましたけれども、それが日本の経済成長につながるなんてだれも思っていません。今先生が言われたように、私も、これから、アジアの時代が進んでいるわけですから、日本海側に、場合によったら釜山に負けないようなあるいはシンガポールに負けないような本物のハブ空港でも一つあって、そこから高速道路が行くとか、そこには集中する代わりにあとはもう一か所とか、そういう選択と集中をこれからますます進めなきゃいけない。 ですから、本当に必要なところには思い切って財源を投入し、しかし、今までのように、率直に申し上げて私たちもそれは同じ立場ですが、自分の地元に持ってきてほしいという気持ちはその地元の政治家としてあることはよくよくお互い分かっていることですが、そういうやり方はやはり日本の成長にとってはプラスでないという意味では、選択と集中こそがこれから公共事業にとっては必要な基準だと考えております。
○泉信也君 体質と中身を変えていきたいというその考え方は評価をしなきゃならぬ部分があると思います。 しかし、乗数効果とおっしゃいましたけれども、子ども手当はもっと低いということも御承知の上で公共事業の今乗数効果をおっしゃったんだと思うんですね。 そこで、私がお尋ねしたかったのは、全体のパイを大きくするあるいは景気を良くするということのための公共事業論もありますけれども、地方の活性化のために、ここにもうちょっと道路を一本付けてもらえればとか、ここに新しい岸壁を造れば地域の産業は活性化し雇用の場にもなると、その公共事業の雇用だけではなくてそういう分野が各地にたくさんあるんですね。そういうことについて大臣はどういう御判断ですか。
○国務大臣(菅直人君) これは、泉議員御本人が行政の仕事を長くやっておられたわけですから、確かに個々に見ればここはこうすればということはあるんでしょう。しかし、先ほど申し上げたように、九十八の飛行場、すべての地元の知事さんや政治家は、ここに飛行場を造ってくれれば地域の活性化にプラスになるんだと言われるんですよ。それはよくお分かりでしょう。 だって、今、港湾でも、私は数まで知りませんけれども、少なくとも相当数が、相当数がいわゆる……(発言する者あり)ちょっと、できたら……。野党の皆さんに答弁しているんですから。少なくとも、そういうハブ空港に近いという意味で位置付けされている港湾もたくさんあって、それが必ずしも有効活用になっていないということも多分よく御承知だと思うんですよ。 ですから、私は、本当に効果の高い、先ほど乗数効果という言葉を、私今日は使わなかったんですが、泉さんの方から使われましたから言いますけれども、乗数効果というのは、御存じのように、翌年のGDP上昇効果、あるいはせいぜい二、三年の上昇効果ですから、そうではなくて、もっと根本的な経済の成長につながるようなものであれば私は選択と集中でやるべきだと。 しかし、それぞれが自分たちのところに持ってきてくれれば良くなるということでやった結果が今日の経済成長が止まった状況を生み出しているという、その反省に立ったのがこの新成長戦略の根本に、ベースにあるわけです。
○泉信也君 若干擦れ違いのようでございまして。 その地域、国会議員がおれのところにという、そういうけちなことを私は申し上げているんじゃなくて、その地域にとって本当に死活にかかわるような公共事業があるではありませんか。そういうものにもきちんと応援をしてやっていただけますかということを申し上げているわけで、与党議員からのそういう質問があったわけですから、私が野党という立場で申し上げるだけじゃなくて、みんなそういう思いを持っておられる方があるわけですから、そこはいかがですか。
○国務大臣(菅直人君) ですから、今もずっと申し上げているように、選択と集中という意味は、まさに先生がおっしゃっていることと違わないことであって、つまり全部に言われたから満遍なくという考えではなくて、その中で、ここは効果がある、ここは余り効果がない、効果があるところには集中的に投資をしよう、当然そういうことがあっていいと思っています。
○泉信也君 それでは、二十二年度予算の説明、これは財務省の資料ですが、その中の七番目の社会資本整備の中に二つのことが、もっと書いてありますけれども、事業の効率性、必要性を踏まえた優先順位、まさに大臣がおっしゃっているような集中と選択かもしれませんが、これは事業分野間はどういう調整をされるのか、事業分野間の効率性と必要性の判断はどうやってなさっているのか。もう一つは、費用便益分析の厳密な反映と、こういうことを書いてありますけれども、具体的にはどんな分析をなさるのか。この二点についてお聞かせください。
○国務大臣(菅直人君) 先日も飛行場のことで、それを効果を判定している、何でしょうか、団体の長が、簡単に言えば、地元や役所の意向を勘案してどうしても高い見積りを出したんだというようなことを言われておりました。こういう効率性とか費用便益といった問題をどうやれば本当に正しく見通すことができるか、これはもう一度ゼロベースで考えなきゃいけないと思っています。 それに加えて言えば、事業間のことを言われました。私もこの分野、そうたくさんはやっておりませんが、かつては道路は道路で長期計画があり、港湾は港湾で長期計画があり、いろんな長期計画が閣議決定されて、それから後はもうここで決まったんだからという形で予算が付けられていた。つまりは、同じところに飛行場と新幹線と高速道路を全部それぞれの計画の中で盛り込んでいたわけです。しかし、そういう交通体系からしても、これはもう泉先生の御専門だと思いますが、まさに交通体系からしたって、あるところでは飛行場と高速道路でいいんで、あるところでは新幹線と高速道路でいいんで、そういうことを総合化することが私はこれまで十分にできていなかった。 ですから、私たちがこの新成長戦略で言っている政治のリーダーシップが必ずしも十分でなかったという意味は、そういうことができなかったことの反省ですから、これからはそういったことも含めて総合的に考えた上での選択と集中を図ってまいりたいと、こう思っております。
○泉信也君 今おっしゃったことは、後でまた少し申し上げたいことがございます。 そこで、先ほどから公共事業のことをお尋ねしておりますけれども、前政権は毎年御承知のように三%ずつカットしてまいりました。先日、我が党の佐藤信秋議員が、平成八年を一〇〇とすると平成二十年は四七・四という、半分以下になっておると、こういう話でございます。 鳩山内閣では、二十一年度に比べて前年度比、二十二年度は一八・三%の削減をしておられますが、これは事業費ベースで申し上げますと二五%あるいは三〇%近いダウンを意味することになると思っております。この急激にかつ大幅な削減によって地方経済への影響をどのように考えてこういう事柄をなさったのか、お尋ねをいたします。
○国務大臣(菅直人君) 財務大臣という立場ですべてをお答えできるかどうか分かりませんが、元々、申し上げましたように、公共事業の効果というのは確かにその年その年にはかなりあると思います。それは雇用効果もあれば、先ほど言われた乗数効果も一程度は認められているわけですからあると思います。 しかし、結果として、それが、何といいましょうか、本当の意味の投資というよりは、ある意味ではそのこと自体を目的とした雇用とか一時的なお金の還流を目的とした景気対策にはなっているけれども、日本の本格的な成長には十分につながっていないということがベースにあるわけです。 それから、先ほど子ども手当はもっと乗数効果が少ないと言われましたけれども、それは単年度の乗数効果的な意味でおっしゃったんだと思いますが、例えば二十年前から日本は少子化の傾向が非常にはっきりしておりました。しかし、それに対して何も手を打たなかった二十年間だったわけです。ですから、そういった根本的なところを変えていくというのがこの政権交代による鳩山政権のことであったので、基本的なスタンスがまずそこにあったことを申し上げておきたいと思います。 その上でいえば、一八%のカットというのは確かにいろいろな地域経済にとって難しい問題を引き起こすことも十分あり得ると思って、例えばの話ですからそう簡単ではありませんが、今林業再生にいろいろと計画を立てておりますが、場合によっては地方の土木建設業の皆さんを林業の路網造りとか、そういう方向に業種転換が図れないか、今国交省と林野庁も含めてそういうことも考え、できるだけ公共事業の減少が地域経済の中で何とかその次につながる転業等を努力することによってマイナスをできるだけ少なくしていきたいと、このように考えております。
○泉信也君 今のお話は大臣のお話として受け止めさせていただきますが、いわゆる公共投資というのは単なる、単なるというか、景気刺激策あるいは景気の回復、GDPの増大というような、そういうことだけではなくて、先ほどから申し上げておりますように、産業政策なり地域経済政策なりに非常にかかわりがあると。その上で、さらに国民生活の利便性とか安全性の確保にも大きな役割を果たしておることは事実であります。通学路の整備でありますとか、あるいは砂防、地すべり対策とか、あるいは大都市では連続立体交差を造るとか、そういう国民生活に直結した部分もあるわけでありますし、もう当然これからは既に建設した従来の施設の維持管理が大変大きなお金になってくると思います。 そうした事柄を考えますと、実は公共事業費というのはある程度一定額を確保していかなきゃならぬ。また、公共事業で仕事をしていただいておる地元の方々は、災害が起きたときに、ブルドーザーとかあるいは重機、そしてまたオペレーターなど、その場で何の契約もなく働かせて地域住民に奉仕をしておられる。しかし、これほどどんどん減っていきますと、そうした余裕が持ち得ない。極端なことをおっしゃる市長さん方は、もうブルドーザーからオペレーターから全部市役所で準備しておかなければ災害対策ができないと、こういうことも言っておられるくらいでありまして。 そこで申し上げたいのは、これも財務省の資料で後年度歳出・歳入への影響試算、もう機械的にやったんだと、こういうふうに書いてありますけれども、この数字を見ますと、二十三年から二十五年度は五・七兆円というような公共事業のところの枠が数値として出ております。これが正しいとも思っておりませんけれども、大臣の感覚として、どの程度は最低限、日本の地域を動かしていく、あるいは国民の安全、安心を守るためにやらなきゃならぬ公共事業がどの程度は必要だとお考えでしょうか。
○国務大臣(菅直人君) 御承知だと思いますが、今回の予算の中でも地方交付税は過去最大十七・四兆円ですし、補正の中でも地方が公共事業にも使えるといったようなものをたしか五千億積んでおりますし、そういった意味で、自治体が自分の判断でやれるところにある程度そうした要素も、問題も意識して対応しているつもりです。 それで、どの程度が最低かとかということをちょっと私の今の段階で数字で申し上げることは難しいですけれども、先ほど来申し上げていますように、まさに今先生が言われたように、たくさんの道路や橋やトンネルや港湾やダムを造って、その補修だけでも相当の費用が掛かるわけであります、今八ツ場ダムが非常に注目されておりますけれども。 そういうことを考えますと、まさに先ほど来言っていますように、それも含めて選択と集中をする中で、もう一つは、地域経済ということが多分一番のポイントとして今、泉先生が御質問されていると思いますが、私たちも地域経済をいかにして立て直すか、そのためには一次産業、農業、漁業、林業、さらに言えば、そういう地域で生まれたものをうまく活用した地域の観光とかリゾートといったもの、私、数年前にドイツの黒い森というところの田舎を回ったんですが、ドイツではその地域では人口が減っていません。地元でできたワインで、地元のチーズで、そしてきれいなところで週末を都市から来て暮らす人が結構いるから人口が減っていないと聞きました。ですから、私は、そういう新しい努力によって地域の振興を図っていく、これもこの新成長戦略の大きな柱にいたしております。
○泉信也君 あらゆる手だてを駆使していただきたい、そのように思います。 しかし、建設分野の意義というものを、コンクリートから人へという一つの言葉で処理される。私は、コンクリートというのは象徴的に使われたものであって、建設産業のコンクリートを否定しておられるとは思っておりませんけれども、しかし、ややもすると、今、鳩山内閣の風潮として国民が受け止めておるのは、公共事業なんかはやっちゃおれないと、そういうふうに受け止められておる嫌いがあると思っております。 そこで、財源の問題になるわけでありますけれども、三月三日のこの予算委員会で、平野理事から財政法四条の建設国債と特例公債の赤字についての議論がありました。建設国債は資産が残る、六十年償還のルールも是認されるところだ、このところ特例公債発行が非常に多いというようなことまでおっしゃって、だから建設国債を発行していいとはおっしゃっておられませんけれども、確かにそもそもの建設国債の意義からしますと、六十年間程度にわたって次世代の人も活用していただけるというものであれば、私は公債を発行してでも、先ほど来述べてまいりましたこの公共事業の役割を評価していただいていいんではないかと。 大臣おっしゃるように、穴掘って埋めると、そういうことでも使ってきた、そのことは決して褒められることではありません。やめなきゃなりません。やっぱり利口な支出、利口なお金を使っていかなきゃなりませんけれども、建設公債に対する考え方はいかがでございますか。
○国務大臣(菅直人君) 泉先生が言われるように、建設国債の基本的な考え方はおっしゃるとおりだと思います。つまりは、私も高校時代ですが、東京—大阪の新幹線ができました。あれは世界銀行から大分融資を受けたようですが、たしか四千億円でできて、それの日本経済に対するプラスの効果は大変高かった。私、建設国債が云々かはちょっと、その当時はまだ発行していませんでしたでしょうけれども、分かりませんが、例えばそういうものであれば六十年で償還できる、場合によったらもっと短時間で償還できたかもしれません。 ただ、このルールが、御承知のように、ある時期から本当にそれがそれだけの効果があるかということよりも、例えばある時期には日米の貿易インバランスの穴埋めのためにたしか四百数十兆円の十年間の公共投資を決めた時期もありました。そういう形で、建設国債というものが本来の趣旨を超えて景気対策とかあるいはそういう貿易インバランスの是正とかに使われ、確かにこの十年ぐらいは赤字国債の比率が高まっております。これはもう後の議論があるかどうかは別として、税収減と確かに社会保障の費用の増大が大きな理由になっていると私も見ております。 そういった意味で、おっしゃる原理は原理どおりだ、そのとおりだと思いますが、現実にこの十年、二十年、三十年の中で、特に二十年間の間に果たしてきた建設国債の意味は必ずしもそういったことに当てはまらない目的にも使われてきて、結果として同じ国債として大きな債務残高になっておりますので、建設国債だからもっともっと出してもいいということはやはり今の状況ではとても言えないと、このように思っています。
○泉信也君 おっしゃることはよく分かりますが、二十二年度も特例公債は三十八兆円、四条国債は六・四兆円というふうに、今おっしゃったように最近は特例公債が圧倒的に多い。戦後今日までと言ったら大き過ぎかもしれませんけれども、全体どちらが多かったか。今フィフティー・フィフティーぐらいになっているんじゃないかと。 そうしますと、どうやってこの特例公債の部分をカバーするか。大臣が消費税の話もしておる、税制改革もやらなきゃならぬとおっしゃることは、まさにそういうことをバックにしておると思いますけれども、それにしても建設国債の発行についてはもう少し柔軟な対応していただきたいと、このように申し上げておきたいと思います。 それから、これはちょっと大臣の気に障ることかもしれませんけれども、十一月六日の予算委員会の発言で「釣堀にしか使えないような港湾がたくさんある」、十一月九日の発言でも「たくさん釣堀のような港湾を造って」、こういう御発言をなさっておられますが、これは具体的にどこの港、どういう港を承知の上で御発言なさっておられるんでしょうか。
○国務大臣(菅直人君) 私もいろいろなところを見ておりますので、ただ、そこがどの程度の利用頻度かということを全部データを押さえた上で申し上げたわけではありません。ただ、日本海側にもたくさん、そういう、いわゆるハブとされるような十六メートルとか十七メートルの水深のものがあって、必ずしも予想されたような形で使われていない港が相当数多く存在すると。もし必要であれば次回、言っていただければ私もちゃんとデータをそろえて御説明いたします。
○泉信也君 これは、多分、港湾と漁港、両方御覧になった感じでおっしゃっておるのかもしれません。ただ、港湾だというふうにおっしゃりまして、私の見る限り、時代の変遷によって港湾の機能は変わってくる。そういう中で、現在使われる頻度が少なくなっておる港はあるかもしれません。しかし、おまえたちは二十年、三十年掛かって釣堀を造ったんじゃないかと言われるのは、これは間違いではないか。私は、そこはきちんと訂正をしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(菅直人君) 少なくとも飛行場については、そのうち紙飛行機しか飛ばせないような飛行場がたくさんになってくることは間違いありません。ですから、もしどうしてもということを言われるんであれば、どうしてもということであれば、次回までに私が具体的に調査をして、そこでもし間違っていれば訂正いたしますが、私の少なくとも一般的な知識と記憶でいえばそうではありませんので、必要であればまた個別にもこことここというふうにお知らせしたいと思います。
○泉信也君 訂正されることを大いに期待して次の質問に移りますが、次は空港なんです、大臣もおっしゃった。十一月六日の発言でも、九十幾つもの空港があってというふうにおっしゃいました。多分、先ほど大臣がおっしゃった九十八というイメージを持っておっしゃったと思いますが、大臣は、これは中身を承知をしていただいておるんでしょうか。 九十八の空港のうちに、いわゆる自衛隊などとの共用、あるいはコミューター空港というのが十六あります。そして、離島の空港が三十四あるんです。私は小笠原村にも是非空港を造ってさしあげたいと思っておる一人ですが、その他空港と言われる十六と離島空港三十四を足しますと五十空港。これは、まさか離島の人は泳いで渡ってこいなんて思っておられないわけですから、絶対必要な空港だと思うんですね。そうすると、九十八のうちに五十を引きますと四十八が議論の俎上に上るのかなと思います。しかし、このうちに北海道に十四空港がございますけれども、離島を除きますとまさにこの稚内とか釧路とか函館、帯広というような空港が九つあるわけであります。 実際に我々が空港は多かったのか少なかったのかという議論をする対象の空港というのは本当に四十数空港しかないんですけれども、そういうことを承知の上で九十八の空港は多かったと、こうおっしゃっているんですか。
○国務大臣(菅直人君) 泉議員は運輸省の経験がおありですから、私なども一番頭の中にある空港は成田空港ですね。つまり、いろいろ古い話が、私も記憶に半分しかありませんが、かなり強引な形であそこを決めて、本来ならまさに日本の最大のハブ空港にしなければいけないところが、いまだに滑走路が二本目もやや、何といいましょうか、大型機が飛べないような飛行場で、結果として羽田を国際化をまた始めると。つまり、選択と集中をするとすれば、少なくともこの航空行政の失敗の私は始まりであったか途中であったかは別として、成田がそういう機能を、つまり国際的に見てハブ空港の機能を発揮できないところに日本の航空行政の私の理解の中では大きな失敗のスタートがあったように思います。 その後、たくさん飛行機ができました。私が生まれて泳いでいたところが宇部空港になっております。山口県では比較的宇部空港はよく使われております。ですから、もちろん島の便は船以外でいえば飛行機しかないわけですから、そういうところの必要性はよく私も分かっております。しかし、数の問題でも、私は、最近できた茨城の、この数日間テレビでやっておりますけれども、あるいは、余り固有名詞を出すと我が党でもそれは推進した人がたくさんありますから一概に言えませんが、最近開港したのでは静岡もありますし、神戸にもできましたし、あちらこちらにこの五年、十年の間にもできました。 だから、そういう時期が、ある時期までは役に立った、ある時期まではまだ必要だったかもしれません。しかし、それにしても、それこそアジアの新興国の大きなハブ空港に匹敵する空港も造れないまま小さな空港をたくさん造ったというのは、選択と集中という観点から見ると私は大きな間違いではなかったか。ここは泉議員もかなり理解されているんじゃないかと思います。
○泉信也君 いや、残念ながら理解できていないんですよ。大臣がおっしゃった成田の話だけを挙げられるんであれば成田を議論をしたらいい。しかし、九十八は無駄だった、何考えて造ったんだと言われるから、じゃ、離島の人は泳いで来いと言うんですか、こういうことを申し上げたくなるわけです。そうじゃないわけですから、議論をするに当たってはきちんと仕分をしていただきたい。 最近になって需要予測が当たっていない、それは確かに当たっていない空港がたくさんあります。これは、経済予測はそれじゃ当たりましたかと私は聞きたいんです。恐らく需要予測には経済変数をかませて予測をやっておるわけでありまして、経済予測が当たっていないのに需要予測が当たるはずがないんです。 ですから、もっと大臣としてお話しになるときには、これは大臣の経済予測が当たっていないと言っているんじゃありませんよ。従来から、高度成長時代からいろいろあった、経緯があって、経済成長の予測は必ずしも当たっていない、高過ぎたり低過ぎたりいろいろありました。その結果として需要が変わってきておるということは理解をしていただきたいと思うわけであります。 私自身は、港湾と空港については先ほど大臣がよく調べてまた返事をするというふうにおっしゃっていただきましたけれども、余りにも軽々しい発言はやめていただきたい、国民に誤解を与える、私はそのことをまず申し上げておきたいと思います。 最後に一つだけ。 空港は今になって、歴史の中で多分これは不要になった、実はそのうちに高速道路が延びてきたからもう空港は一つの、この空港は余り要らなくなったなというのは確かにあります。ですから、見直したらいいと思います。だけれども、その発生過程、整備の過程においては重要であったということもまたお認めをいただかなければならないと思うんです。 先ほど新幹線だ何とかだとおっしゃいました。私自身の思いとしては、日本のような成熟社会にあっての交通機関のモードというのは利用者が必要に応じて選べると、そういうサービスができるようにしていくというのが究極の姿だと思っておるんです。それはお金との関係もあります。東京ですと、もちろん飛行機もありますし、旅客船もあります。自家用車は更にあります。バス、タクシー、レンタカー、鉄道、これはJRも民鉄も含めてですが、地下鉄、モノレール、あらゆる選択肢がある。しかし、私の田舎なんかは歩くか自転車に乗るか、よくて自家用車しかない。そういうふうな交通格差を少しでも是正をしていただきたいということを申し上げて、大臣への質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(菅直人君) 専門の泉先生から言えば、いろいろ軽々しいとかということを言われるのは、まあそのレベルではそうかもしれません。ただ、やはり私たち政治家ですから、政治家である中でいえば、御存じのように、日本の公共事業に掛けるGDP比は最近までたしか七、八%で、欧米に比べて極めて高かったわけです。それから、道路の建設コストも、いろいろ理由はあるとされますが、極めて建設コスト自体が高いんです。あのアクアラインなんていうのは半分の値段でできているんです。そういう意味で、やはり日本がいわゆる土建国家と言われるように、つまり土建というものが必要性とかのことを超えて、ある種の経済のメカニズムを超えて政治のメカニズムになってきたという、私はそういう反省があるんです。 ですから、政治家としてはそういうもののことを考えてみると、つまり本当に今言われたように、効果を考えて造ったわけではないものがあったためにこれだけの公債残高があったわけです。それから、先ほど予測のことをまさに言われました。つまり、その予測をしたのも当時の、長い間自民党が中心の政権の中での予測で、どちらかといえば、最近の報道が正しいとすれば、航空機の乗客予測なんかをした財団も、そういう政府の考え方になるべく近づけるために過大な見積りをしたとトップの人が言われているわけです、たしかどこかの役所のOBだったと思いますけれども。 ですから、そういう根本的な反省に立った中で今後の日本をどうしていくかという立場で申し上げたわけで、決して私は、軽々しいというのは専門的知識が十分でないという意味ではそうかもしれませんが、政治的には間違っていないと思っています。
○泉信也君 私は専門家でも何でもありませんけれども、国民全体の交通のサービスの在り方、そこから議論をさせていただいたつもりであります。 それでは、福島大臣、お願いします。 いきなりで恐縮でございますが、大臣の百七十四回の所信表明と、それから百七十三回の発言、これを読ませていただいて、食品の安全にかかわる部分について大臣の考え方の変化あるいは思いをちょっとお話しいただけますか。
○国務大臣(福島みずほ君) 食の安全については皆さんたちの関心が極めてあり、これは消費者庁ができる経過でも中国ギョーザ事件やコンニャクゼリーもあり、また添加物や様々な問題についても国民の皆さんの関心が極めて高いというふうに思っております。最近も土壌に含まれるカドミウムの問題に関しても、環境省、農水省、厚生労働省、そして消費者庁に来ていただいて今後議論をしていくということを決めました。 ですから、食の安全については、毎日口に入れて食べるものですし、極端に言えば、私たちは食べたものによって体がつくられております。また、子供にとってももう、大人にとってもですが、体をまさにつくっていくものなので、食の安全については消費者庁としても最重要課題と考え、取り組んでいきたいというふうに考えております。
○泉信也君 大臣のお気持ちは分かりましたが、実はこの二つの所信表明と発言を読ませていただきますと、全く同じなんですよ。昨年の発言とそれから所信表明、この前聞かせていただいたの。ほかの文はみんな変わっているんです。だから、私があえて大臣の食に対する思いはどうなんですか。てにをは、句読点まで全く同じというのは、これはどういうことですか。
○国務大臣(福島みずほ君) それは消費者庁の、私が取り扱う消費者問題に関して、食の安全についてはとりわけ項目を挙げて、そこで申し上げていると思います。ですから、食品の表示についてもまた検討を始めますし、御指摘のあったトランス脂肪酸などについても表示のガイドラインをやりますが、食の安全については最重要課題として取り組むと。 ですから、所信のそれを読んでいただきますと、食べ物の安全については消費者の立場というのを強調していると思いますが、その立場でやってまいります。それは変わりません。
○泉信也君 いや、恐らくそういうお気持ちだろうとは推測をいたしますけれども、それにしても一言一句、句読点まで変わらないというのは、私としては理解できないということだけ申し上げて次の質問に移ります。 私は、食品安全委員会を強化してほしいというふうに思っておるんです。これは、強化というと、それじゃ、消費者代表とか生産代表を入れて何とかやろうと、そういう思いになるかもしれませんが、私はそういうことを言っているんじゃなくて、今常勤委員が四名いらっしゃいますけど、非常勤が三名いらっしゃるんです。この常勤委員を増やすというようなお考えはお持ちですか。
○国務大臣(福島みずほ君) 食品安全委員会の強化は、それはおっしゃるとおり必要なことです。独立した機関であり、科学的知見から判断をするというものですから、それについては検討をさせていただきます。
○泉信也君 検討では遅いんですよ。大臣がいつまで座っていただけるか分かりませんけれども、やっぱり前向きに取り組んでいただきたい。それは今ここで御返事いただけるということとは思っておりません。 そこで、例えば専門委員会の先生方も知識をたたき売りしていただいておる、たたき買いしておる、知識の買いたたきをやっておる、だから日当と旅費しか出ないと。しかし、その他の時間は物すごく注いでおられるわけですね、この食品安全の問題に。だから、こういうところも変えていただきたいなというふうに私は思っております。 実は、委員会の事務局の強化についてはどんな案をお持ちでございましょうか。
○国務大臣(福島みずほ君) 食品安全の事務局に関して言いますと、他の省庁から来ていただいている方も多いので、今後はできれば、どこか省庁から来ていただくというよりも、いわゆるプロパー的な方たちを、プロパーなのか外から来ているかによって別に区別をすることも本当はおかしい話かもしれませんけれど、せっかく独立した第三者機関として食品安全委員会があるわけですから、農水省、厚生労働省から出向していただいている方も多いわけですが、やはり独立した第三者機関、食の安全についての第三者機関ということであれば、いわゆるプロパー、もうそこで骨をうずめるというと変ですけれども、そういう方たちを増やしていくべきだと考えております。
○泉信也君 大変ありがとうございます。是非強化していただきたい。そして、職員の方には海外研修、国内研修もやっていただけるような、レベルを上げるために是非大臣にはお力添えをいただきたいと思います。 次に、食品安全委員会の委員の任命についてお尋ねをいたしますが、昨年の六月、参議院で同意人事が否決されました。吉川泰弘東大大学院の教授でございますが、この理由は当然御承知でいらっしゃいますか。
○国務大臣(福島みずほ君) これにつきましては、当時社民党は野党で、民主党とも当時野党は反対をいたしました。 これにつきましては、プリオンの問題をめぐる問題で、野党として、野党としてというのは変ですね、同意人事に関しては、不適格だという判断を党としてしたというふうに記憶しております。
○泉信也君 今もその不適切だという御判断は変わっておりませんか。
○国務大臣(福島みずほ君) 判断は変えておりません。
○泉信也君 安全委員会を担当される大臣としては、誠に申し上げにくいんですが、これは大きな問題ですね。日本学術会議、金澤議長が特別な声明を出しておられる。まさに評価の独立性、中立性を損なうことになると。また、日本生活協同組合連合会なども、リスク評価とリスク管理の混同ではないか、こういうことを厳しく言っておられるわけであります。 私は、科学的に安全を確かめるというこの委員会、プリオンの委員会であれ全体の食品安全委員会であれ、科学的な判断に対して政治が横から介入するというのはいかがなものかと。よくせきな場合、例えば学術会議の議長が言っておられるように、科学者が責任を問われるのは故意な不正行為を行った場合と科学的な判断を誤った場合だと、こう言っておられるんですね。これはそれに該当しますか。
○国務大臣(福島みずほ君) 当時、不同意とした理由がありまして、そのことが変わらないわけですから、これは国会同意人事というものは、それはきちっと理由があり、当時不同意となったわけです。ですから、むしろ私は、野党のときは反対しながら与党になったら賛成するということの方が基準の物差しが変わっておかしいというふうに考えております。これについてはきちっとやってまいります。
○泉信也君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(簗瀬進君) 以上で泉信也君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(簗瀬進君) 次に、若林正俊君の質疑を行います。若林正俊君。
○若林正俊君 若林正俊でございます。 野党として予算委員会、このような立場で質問をさせていただくのは、実は細川内閣のとき以来でございまして、やや立場が違うと風景も違うなと、こんなような思いでこの席に立たせていただいているわけでございます。 さて、農業とか農村という政策は、経済産業省、国土交通省、また環境省、総務省、各省庁に広くわたった政策でございまして、それらの政策と密接に関連しながら総合的に進められなければならない、そういう性質のものでございますけれども、今日は、それら各大臣にそれぞれお聞きするということではなくて、直接担当をしておられる農林水産大臣と、そして、地方主権といいますか地域主権といいますか、いろいろな仕事が地域に下りていっております。そういう立場で、地域主権の担当である総務大臣、そして副総理としての菅財務大臣ということにお願いをいたしまして、これから農業あるいは農村の基本的な問題についてお考えをただし、いろいろと意見を交換したい、このような思いでございます。 まず、最近余り聞かなくなってきましたけれども、我々が育ち、そしてまた仕事を現場でしていた時代は、農は国の礎といいますか、農は国の基であるとか、あるいは農村は民族の苗代でありますとか、そういうことがよく言われてきたものでございます。 そこで、農業と農村が日本の経済、社会、あるいはまた政治の面で果たしている役割ということについて赤松農林水産大臣から伺いたいと思います。
○国務大臣(赤松広隆君) お答え申し上げたいと思います。 若林委員には、農水大臣も経験をされ、また環境大臣も経験をされ、そういう経験の中で今日御質問で、基本的なこの政権の、あるいは農水行政の基本の姿勢を問うという御質問の趣旨だというふうに思っております。 もちろん私ども、農業につきましては、今お話ありましたように生命の源でございますし、そういう意味でいえば、単に食料を供給するというばかりでなくて、まさに多面的な機能、水、緑、環境というものをしっかり守っていく上でも、そしてまた、今地域の活性化が言われていますけれども、地域においていろんな産業あっていいと思いますけれども、やはり基本となるのは第一次産業、その中心である私は農業だというふうに思っております。日本の元気を取り戻すためには、まずここが元気にならなければ活性化するわけがありませんし、日本が良くなるわけがないということで、是非今後も委員のまたいろんな御意見もいただく中で、与党、野党超えていい農業農村をつくっていきたい、そんな思いでございます。 ただ、現状は、委員も御承知のとおりに、農業所得は落ち、あるいは耕作放棄地は増え、また農家や農村へ行けば、お年寄りがそれぞれ地域の農業を担っていると、あるいはサラリーマン農家が、すべてとは言いませんけれども、ある部分はまた兼業農家として頑張っているという現状がございますので、そういう点も踏まえながら、いかに農業を再生をさせていくか、そういう意味で今回、所得補償制度あるいは六次産業化という新しい政策も据えながらその再生のために頑張っていきたいと、このように基本的には思っております。
○若林正俊君 農業農村の果たしている役割についての基本的な認識は共有させていただいております。 さて、それが今おっしゃられたような大変厳しい環境条件になっていると。このことについても、私も実は学校を出て農林水産省に勤めて二十五年勉強いたしました。どうも政治がしっかりしなきゃならないなという思いで政治の道に入って二十七年でございますが、主として地域の問題、農林漁業の問題、そういう問題にかかわってきた者として、今の置かれている状況というものは大変残念に思っております。 関係者が精いっぱいやってこういう状況になっているというふうに私も思いながら、しかし最近、先ほど申しましたような農は国の基であるとか、あるいは農村は民族の苗代であるといったようなことが、そういう言葉が聞かれない、しばらくそういう話が聞かれないような状況になっているということは何か寂しい思いがしますが、なぜそういうことが国民的にあるいは一般的に言われなくなってきたんだと大臣は思っておられますか。
○国務大臣(赤松広隆君) かつて日本も、私が高校生のころ、昭和四十年のころは日本の食料自給率は七三%、今は四一%という意味で、よく私は申し上げるんですけれども、私が高校生のころにはやった歌は舟木一夫の「高校三年生」、離れ離れになろうとも云々という、そういう歌ですけれども、この歌の意味するところは、要は高度成長時代の中でお百姓さんやるよりも、土曜、日曜のない百姓よりも、それよりも都市へ出て工場労働者になって、サラリーマンであるいは公務員で休みもちゃんとあって給料もたくさんもらえて、そういうところへみんなどんどんと息子や孫たちよ行けよということで、これは悪いという意味で言っているんじゃなくて、そういう時代背景の中で農業従事者、特に若い担い手たちがどんどんと都市労働者として大都市に出てきたと。 そういう中で、大変残念なことですけれども、背景には農業で食っていけないとか、そういうこともその後ずっと出てきたと思いますけれども、だからこそ私どもは、農業をきちっとまじめにやればちゃんと生活していけると。もう本当に希望でいえば、都市で派遣労働者や契約社員やっているよりも、十五万、二十万しかもらえないだろう、地元、ここへ戻ってくれば、おまえ三十万の収入になるぞ、そんな東京から大阪から郷里へ戻ってこいよ、農業やれよというようなことが親やおじいさんたちが言ってもらえるような、是非そういう食える農業、産業にしていきたいというのが私どもの思いでございまして、是非その辺はまた御理解いただきたいと思っています。
○若林正俊君 私は大臣よりももうちょっと前の世代でございますけれども、私のころ、私は長野県の農村部で育ちましたが、大体跡取り、長男は地域でお勤めをする、あるいは農業に従事する、長男以外は大体外に出ていくというのがもう普通の状態でございました。 そういうような中で、それじゃそういう子供たちを育ててきたのは農業をやっています親であり、そして地域社会でありました。相当のコストを掛けてきましたが、それらのコストを負担をしながらも都会、他産業に出ていった人たちが、一つも農業農村の方にそれらのコストといいますか、これはまあ資本と言ってもいいかもしれません、企業と言ってもいいかもしれません、そういうような国全体としてバランスを取れた形でそれを、負担を分担し合うというようなことがなかったというのが基本的にあったんじゃないかというふうに私は感じながらも、生産のシェアが落ちてくる、あるいは今言ったように就業人口が少なくなってくる、農業で食べていくという人が少なくなってくるという現状を危惧しながらも、しかし、そういうような状況の中で地域社会が崩壊していくというようなことになると、これはまた大変なことになるというふうに思っております。 このことはこれから議論を通じて、御意見を伺いながらまた申し上げたいと思うんですけれども、私の小学校のころは、どこもそうだったかもしれません、いわゆる二宮金次郎の像が学校の庭にございました。一時撤去されたところが多いんですけれども、私の小学校、私はまだその近くに住んでいるんですけれども、いまだになお二宮金次郎の像があるんですね。実は、私の自宅自身にも二宮金次郎の像がございます。これはやっぱり勤勉とか努力とかそういうようなことの象徴、向学心とか、そういう象徴的だったように思うんですね。そういうことをしっかりと培ってきたのは、私は、地方、地域社会、農山漁村などで親が汗をかきながら一生懸命頑張っている姿を見て育ってくるという中であったんじゃないかというふうに思います。そういう感想を申し上げながら先に進めさせていただきたいと思います。 最近、世界食糧サミットを始めとして食料の安全保障ということが大きな世界的な課題になっておりますが、これはどういう背景だと大臣はお思いですか。
○国務大臣(赤松広隆君) お答え申し上げたいと思います。 まさに、前段でいろいろ先生がお話をされたこととこれは関連をしていると思いますけれども、かつては日本が得意分野の、例えば自動車だとか電子部品だとか、そういうものを作って安い食料を外国から輸入すればいいじゃないかというような考え方も、これは私は正しいとは思いませんが、一部にありました。 しかし、あの二年前のトウモロコシ、小麦の高騰、あるいは今まで輸出していた国々が食料を輸出しなくなってしまう、あるいは関税を二倍三倍に掛けるというような中で、また世界の食料事情を見ても、今飢餓人口十億人と言われていますが、二十年、三十年、四十年たてばこれが十五億人ぐらいになるのではないかというような中で、各国とも、日本ばかりじゃなくて各国ともやはり自国の食料ぐらいは自分のところで、少なくともおおよそ、大部分確保できるようにしていこうじゃないかということで、これはもう専門家にあれですが。 アメリカにしてもフランスにしても、あるいは先進国、ドイツ、イギリスにしても、低いところでも七〇、八〇の食料自給率があるという中で、やっぱり日本の国民に対する責任ということから考えれば、特に今、食料安全保障という概念が非常に前へ出てきておりますので、そういう意味で、日本でもこの四一%という食料自給率はもう先進国の中では一番低い水準ですから、何とか今度の計画、まだ正式には決まっておりませんが、その計画の中で、自民党時代も四五%という目標をかつて掲げられておりましたけれども、もう少し意欲的な水準で五〇%、二十年後には六〇%というような、本当にできるのかというような意見も正直言ってありますけれども、そういう意欲的な目標をしっかり掲げて、それに向けて政治が、行政がしっかり頑張っていくということの今基本的な考え方を持っております。
○若林正俊君 実は、農林水産省に食料安全保障課という課がございます。これは私が農林大臣のときにその課を設置いたしました。今はその課の中に食料自給率向上対策室というのを設けておりまして、もう数年前から真正面から取り組むという体制で今日に来ており、そのことを政権交代後、赤松大臣がしっかり引き受けていただいているというふうに認識をしているわけでございます。 そこで、我が国の立場から見まして、食料安全保障と、こういったときに、一体どういう、我が国の国家及びその国民に対してどんなリスクがあるのか、どんな危険、どんな事態を想定をして我が国の食料安全保障政策を組み立てていかれるのか。そういう想定さるべきリスク、危険、危機とかあるいはまた事態といったようなものをどのように考え、どのように対処しようとされているのかをまず伺っておきたいと思います。
○国務大臣(赤松広隆君) ほぼ基本的な認識は委員と私はそうは違わないと、ほぼ一緒じゃないかと思っておりますが、基本的な食料、もちろん一遍に食料自給率がフランスやアメリカのように一〇〇%を超えるような状況になればいいんですけれども、これはそうはいきません。ですから、少なくとも基幹作物についてはしっかりと一定程度の自給率を上げていくような取組をやっぱり今していくべきではないのか。 米はともかくとしても、ちょうど先ほど申し上げました、二年前、三年前のあの食料が、穀物が高騰したときも、小麦で三・四倍、大豆で三・一倍、トウモロコシで三・四倍ということでございますし、大豆辺りは、日本の国内産というのは約六%か七%だと思いましたけれども、ほとんどが外国に頼っていると。トウモロコシも、配合飼料になるトウモロコシ、アメリカを中心としてそれだけでも四千億円も毎年買っているという状況ですから、トウモロコシはともかくとしても、少なくとも小麦、大豆、あと飼料用の米というようなものについて、米粉もそうかもしれませんけれども、しっかりそこに今度の戸別所得補償制度、自給率向上の事業でもそこに焦点を当てて、まず自給率向上のためにこれらの主要作物、基幹作物についてしっかり取り組んでいこうという考え方でございます。
○若林正俊君 このことについて、それぞれの国、特に我が国が抱えている安全保障上の危険あるいは異常な事態、どう想定するかということによっていろいろな緊急度、そしてまたそれへの対策の重要度、政策的な位置付け、いろいろ違ってくると思うんですね。この点については、ここで議論をしている時間的余裕もございませんから余り議論はいたしませんけれども、私が農林水産省の企画の担当をしていた時代に、食料における安全保障とは何かということについて講演を頼まれて講演をしました。三十年前ですね。そのときの講演の記録というのはございますので、多分事務方に言っていただければ入手できると思います。何かの機会に一度目を通していただいて。 考えてみますと、基本的にはほとんど変わっていないんですね。そして、それに対するきちっとした対策がないまま、私はそういう問題意識持ちながら行政の責任者にもなりましたけれども、なかなか前進しない。これは国民的理解をしっかりとしてもらわないと、菅副総理・財務大臣おられるけれども、そういう財政配分に至ってもなかなかできないし、総務大臣もおられますけれども、地域、地方社会の理解というのも得られないんですね。そういう努力が私自身になおなお足りなかったなということを自戒しながらも、これは大変な問題ですので、今後しっかりと詰めていかなきゃいけないというふうに考えております。 なお、食料・農業・農村基本法の中では、もう言いませんけれども、十九条でそういう事態というものを、これは非常に狭い概念としての食料安全保障ですけれども、不測時における食料安全保障というのは十九条に書かれております。 これは、そういう緊急な事態がもし仮に発生したときにはどういうような食生活になるのか。国民に対して食料を安定的に供給するというのは、何も自国産だけではありません、輸入あるいは備蓄、そういうことも含め、あるいは事柄によっては現在の生産構造を変えながら、例えば家畜を食いつぶして芋類などを作っていくとか、そういうようなプログラムというようなものをしっかり持っておかなきゃいけないんじゃないかといったようなことが現在の基本法の十九条の中に示されているように思うのです。これはまた機会を得てお話をお互いしていきたいというふうに思います。 そこで、食料・農業・農村基本計画、大臣が所信の中で、本年三月中には取りまとめる予定だと、こうおっしゃられ、既にこの三月十一日には審議会の企画部会に素案をお示しになりました。政権交代後の農政がどういうふうになっていくのかということを、農業生産者はもとよりですけれども、農政の推進に役割を担っております政府関係機関、あるいは地方公共団体、JAなどの農業関係団体というのは、期待をしながらも、なおかなりの不安を持って今見守っているところだと思います。 赤松大臣がこの三月十一日、企画部会に基本計画素案を提示をいたしまして、なるべく早く基本計画を定めようと、そういう姿勢を私は高く評価をいたしているところでございますが、実務的なことですけれども、この三月中に政府として正式に閣議決定をしてこれを決めるというお考えであるかどうかというのをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(赤松広隆君) お答え申し上げたいと思います。 先日、もちろん今まで企画部会もすべての会議に副大臣や政務官出ていたんですけれども、ほぼ最終煮詰まってきたということで、是非私自身がそこに出させていただきたいということをお願いをさせていただきまして、先週出させていただきました。その後この委員会の答弁があったものですから、実は午前中掛けて全部出ようと思ったんですが途中で抜けてきましたけれども、全中の茂木会長を始め、あるいは農業会議所の専務さん始め、直接いろんな評価もいただきましたし、また注文もいろいろ付けていただきまして、大変、私自身が出て直接そういう御意見を聞いたことは良かったなというふうに思っております。 スケジュールですが、そのときも申し上げましたけれども、足らなければ何回でも議論をやっていただいて結構ですし、十分また意見も酌み取りますと。また、議員、これは与党、野党を問わずいろんな御意見ありましょうから、そういう意見も是非お寄せをくださいと。ただ、だらだら長くやっていればいいものできるということではありませんので、申し訳ありませんが今月中に、しっかりそれまでに大いに議論をして、そしてでき得れば二十九日に私どもとして決めさせていただき、三十日の閣議に間に合えばそこで閣議了解を得たいというスケジュールで考えておるところでございます。
○若林正俊君 大臣のそのような積極的な意欲的な取組というものを私自身としては評価いたします。 しかし、インターネットとかあるいは投書とか、いろんな意見が出てきております。今お話のありました企画委員を務めます全国の生産者の組織であります農協の中央会茂木会長も、十一日には具体的ないろいろな意見、要望を言っておられますし、松本全国農業会議所の専務もいろいろと土地利用のことに関して意見を言っているようであります。 我々は、実は素案を拝見したのはこの十一日、インターネットで拝見したんですけれども、まだ実はしっかりと読みこなしておりません。至急、それを見ながら、私なら私自身、また私の同僚、仲間とこれから早急に議論をしていくつもりでおりますけれども、そういう意見を十分聞いていただきたいと思います。我々も意見をまとめましたら、是非我々の意見も聞いてもらいたいというふうに考えております。 もう中身については申し上げませんが、別表で、米を始め麦、ソバあるいはカンショ、バレイショ、大豆、菜種とか、野菜や果物、畜産も豚から牛から鶏、鶏卵に至るまで、それぞれの作目ごとに生産目標数量と、そして十年後の、それを達成するための克服しなければならない課題というようなことも示されております。一つ一つ、大変、これ本当にできるのかなという不安があるわけでございますけれども、私はそういう作目別の実は需要予測、どういうふうに需要をとらえているのかと。需要のないものを生産しても、作ってみても、これは価格が下がるかあるいは売れなくなるわけですから、まず需要をきっちり把握するということが大事だと思うんですね。 大臣は、よく所信の中でも言われています。今まで作らせない農政をやってきたけれども、これからは作る農政を大いにやるんだと、こうおっしゃっておられます。これは物の言い方なんですけれども、ちょっと刺激的なんですね。私、この五十何年も作らせない農政を今まで展開してきたとは思っておりません。それは米の生産調整という問題はありましたけれども、だけれどもそこを、言葉じりをとらえてどうこう言いませんが、そういう基本を余り刺激的におっしゃらない方が私はいいんじゃないかというふうに思います。 むしろ、私が農林大臣になって政策の中心に据えたのは、作れば売れるという時代ではないから、売れるもの、消費されるものを消費の見通しに合わせて作っていかなきゃいかぬ、だから需要に合わせた生産を拡大していくんだと。需要の見通しがないものは大いに作ればいいというわけではないということを強調したつもりでおります。そのような点を念頭に置いていただきたいと思います。 なお、それぞれの国家にとって、国民にとって、食というのはやはり文化だと言われています、食の文化と言われています。その意味で、日本は御承知のように米を中心とした食文化というものがあるわけですね。そのことが日本型の食生活、日本料理の評価とかつながっていますが。 どうもこの基本計画で、日本型の食生活、今崩れてきていますけれども、そういう将来需要として国民の食料需要がどうなっていくのかというのをただ推計推理するだけじゃなくて、積極的に、日本型食生活というものは健康にもいいし、国の自給率を上げ食料安全保障につながっていくんだという、国策としてもっと、もちろんPRとしてはテレビも国がどんどんとやると、だけじゃなくて、あらゆるメディアを通じ、あるいはあらゆる機会を通じて日本型の食生活をもっと力強く展開していかなきゃ、本当は自給率も上がらないし国の安全保障にもつながらないんだといったようなことをもっと基本計画の中で強く打ち出してはどうかというのを、さっと読んだときの感じでございますけれども、どうですか。
○国務大臣(赤松広隆君) まず、冒頭の刺激的過ぎると、作らせない農業なんかやるわけないじゃないかというお話だと思いますが。 分かりやすい標語的に私ども使わせていただいて、ちょっとお気に障るところがあったかもしれませんが、基本的には今度の基本計画の中でもこれは書き込みますけれども、いわゆる限られた用途、需要の下で生産を抑制する政策から、多様な用途、需要に対応しつつ生産を拡大する取組を後押しするように変えていこうということでございまして、あわせて、今委員が御指摘をされましたように、ただ増やせ伸ばせだけでは、いろんな適地それから条件に合った形で言わなければ、これは単なる実現性のない数字ということになってしまいますので、例えばそれぞれの品目についてもある程度の個別の目標だけきちっと作ろうと、それがないと現実性がありませんので。 そういう意味で、大豆とか小麦については今の排水等農地の条件がありますから、そういう意味でこれは約二倍あるいは二倍強というぐらいにしておりますけれども、あとは米粉、飼料米、これについては現在東京農業大学で飼料米なんかは非常にいい、モミロマンみたいないいそういうものができておりますし、また実際に私も見学に行きましたけれども、そのときに鶏卵組合あるいは養豚組合の方も一緒に行って、こういう形で使えるなら、あるいはこんな効果があるなら是非使いたいと、だから安定的にきちっと一定の量を生産、流通させてもらえるようにやってくれという強い御意思もございましたので、これについては、それぞれ、米粉それから飼料米については五十万トン、七十万トンだったと思いますけれども、そういう形でかなり目標を高くしてやっていると。 〔委員長退席、理事平野達男君着席〕 製パン業界の皆さんにもお願いをして、今、パンも二〇%ぐらい米粉を入れるぐらいだったらもうほとんど通常、小麦一〇〇%と味も変わらないということですから、そういう需要先、受皿もきっちりつくりながら、そういう私どもが掲げました意欲的な数字が現実のものとなるように、今そういう川上、川下合わせて、その対策を含めてやっているということでございます。 今度の計画については、トータルとして、今言われるようなあるべき日本の農業農村の姿が少しでもはっきり見えるような形になればということで書いているつもりでございます。
○若林正俊君 作目別にどういうような需要予測をし、その需要に合わせて生産計画を立てていくということだと思うんですね。これらについてはもう少し分析をさせていただきたいと思いますけれども。 私が先ほど申しましたように、食料自給率、食料安全保障との関係でいえば、やはりもっと積極的に需要を拡大をしていくという努力というものがないと、政府としてですよ、国として。しかし、人間、食べていくものぐらいは自由に食べたい、おいしいものを食べたいと、いろいろな欲求があるから、行政がそれにかかわるというのは非常に難しいんですね。直接的にはかかわりにくい。しかし、これが安全保障にかかわっているんだという基本的認識をそれぞれ省庁がしっかり持った上で、総合的に食生活をどうリードしていくのか、どういうふうに目標として定めていくのかということは必要だと思うんですよ。需要のないものは作っても駄目ですからね。 今の米粉パンの問題にしてもそうですし、飼料用の米についてもそうですけれども、私が農林大臣のときに米粉パンを非常に進めたんですね。ですから、大手の製パン業者とも話をして、何とかもっと米粉を使った形のパンを広げられないかと、いろいろなことをアピールし、検討もしてもらって始めたところでした。飼料米、えさ米もそうです。だから、そういう路線を更に積極的に推進していただくという方向はいいんですけれども、ただ、目標を決めるにはその需要予測をきちっとしていかなきゃいけないと思います。 ちょっと余談ですけれども、ある家電メーカーと話をしまして、今、米粉でパンを焼くというパン焼き器はあるんですね。そうじゃなくて、もっとハンディーに、米自身をこちら側から入れれば、時間は三時間半ぐらい掛かるようですけれども、出てくるときはパンが焼かれて出てくると。これがかなり研究が進みまして、もう試作品ができているんですよ。 そうしますと、米自身を、農家はもちろんですけれども、都市生活者でも、お米をスーパーで買ってきて米を入れればパンができ上がってくると。こういうような技術革新も進んでいますから、そういうことにも関心を持ち、これをどうやって例えば広げるかといったようなことも、先ほど言った自給率を上げていく、そういう国家政策、国家戦略にかかわるわけですから、今後ともそういう点にも十分留意いただきたいと、こう思います。 実は、私が農林水産大臣のときに、福田内閣時代ですが、福田総理とも相談しまして、今の基本計画の四五%を五〇%に上げようという腹構えをしました。そして、腹構えして事務的にその作業を大筋下ろしたんですね。そのときにいろんな課題があります。困難があります。土地基盤だとかありますけれども、一番の問題は財政なんですよ。どう考えてみても、十年間だんだんだんだんとやっていって、平年ベースにしたら七、八千億から一兆円ぐらい今の予算よりも余計プラスしないとそれを続けていけないという問題があるということにぶち当たってしまいました。だから、そういう意味では、菅副総理・財務大臣おられますけれども、この自給率目標を五〇%達成するというのは相当の国家負担、財政負担を要します。 それで、三十年前、私がまだ農政課長をやっているころの、国の予算の中に占める農林、水産も入れてですけれども、農林水産のシェアというのは一一・七%、約一二%ありました。それが今は、この二十二年度を見ますと四・六%になっていますね、二兆四千五百十七億。こういうけた違い、もう間違いなく三十年間一年もたがわず減っているんですよ。一年ぐらいは上がっているときがあるかといったら、ないんですね。ずっと抑え込まれて減少をしてきています。 これはいろんな要素ですから、それを今振り返ってみて言えませんけれども、ここで意欲的な生産目標を定めていく、そして自給率目標を五〇%にするというんであれば、予算を見直すと同時に、総額は少なくとも数千億円は掛かるんだという覚悟が要ると私は思うんですよ。 その点について、菅副総理・財務大臣、この五〇%について財務省の方も了解をされますか。されるとしたら、その覚悟の上で了解してもらいたいと思います。どうですか。
○国務大臣(菅直人君) 私も、もう六年ぐらい前になりますか、民主党の中での農業再生本部の本部長というのを二、三年務めまして、同じ長野の篠原さんや今副大臣をやっている山田さんたち、あるいはここにおられる平野さん始めいろんな皆さんと議論させていただきました。 私も従来は農業の生産性を高めるという考え方に近かったんですが、ある議論の中で、やはりこれはちょっと、農業というのはいわゆる他の産業と同じ形で考えるべきではないと、先ほど来いろいろ議論出ていますが、地域政策として考えることが必要だと、そういう考えに私なりに考えまして、またそういう中で他の国々の例などから御承知のように戸別的所得補償という考え方を民主党の一つの考え方になってきたわけであります。 その一方で、私は、自給率を向上させるというのは、これは農家の皆さんにとってだけではなくて、やはり国民全体にとっての共通の目標になり得るんではないかということで、自給率の向上と、そして若い人が安心して農業で生活できる、子供を産んで育てることができる農業という、その二つの柱を実現するための政策という形で戸別的所得補償を含む政策に進んできたわけであります。 今、自給率を上げるのには一兆円ぐらいの費用が掛かるので、財務大臣として了解できるかと言われたんですが、今この段階で金額を含めて予算のことをストレートには率直なところ今この場で申し上げることはできませんけれども、少なくとも、農業というものがそういう地域政策としての必要性と、そしてまさに北朝鮮などでは今でも餓死者が出ているというようなことを考えますと、やはり安全保障としてのそうした側面と、両方の面で重要視していかなければならないという、そこは全く私も同じように考えております。
○若林正俊君 提示された基本計画素案の中で、私はどうしてもこの中に盛り込んでいただきたい、これは別途同時に決めていただければいいんですけれども、構造展望と。日本の農業というのはどういう姿になっていくのかという構造展望はどうしても定めて提示をいただきたい。そうでなければ、現場生産者もイメージが全然出てこないんですね。 そこで伺いたいんですけれども、今度の基本計画というのは、いわゆる食料・農業・農村基本法の定める理念あるいはその主要な規定に沿ったものであるというふうに大臣はお考えかどうかを伺いたいと思います。
○国務大臣(赤松広隆君) 基本的には法に基づいてこの計画五年ごとに作っておるわけでございますので、その基本のところに沿ってこの計画は作られているというふうに考えております。
○若林正俊君 そうであれば、なおさら将来の構造展望というのを示すべきだと思いますけど、その点どうですか。
○国務大臣(赤松広隆君) 構造展望ということで多分委員がおっしゃっているのは、望ましい農業の構造と。例えば将来の農業、日本農業の担い手はだれであるのかと、そのときにはどういう形でどういう作物や品目をこういう構成の中でやっていくというような姿を示せということだろうと思いますけれども、それについてはそこまで具体的に示すことができるのかどうか。 一つだけかつての自公政権時代の考え方と違うのは、今まではどちらかというと農業の担い手、中心になるそういう集落営農だとかあるいは農業法人だとか、そういう規模の大規模なものに集中的に支援をしていこうと、そういうのが日本の七〇、八〇%を占めなければ日本の農業は立ち行かないんだということを基本に多分考えられていたと思います。 それを私は否定をするものではありませんけれども、しかし、農業の多面的な機能、そしてまた現実の問題として、じゃ、一体、今、日本の農業はだれが支えているのかと。これは地域性が非常にあります。長野県のような農業県ではそうではないと思いますけれども、私の地元の東海地域だとかあるいは中・四国だとかいうところは六五%が兼業農家といわゆる高齢農家が支えているんですね。 そうすると、そういうところはほとんど小規模であったり中山間地であったりいうところで、今までの形ではなかなか支援が得にくかった、そういうところでありまして、じゃ、そういうところを全部切り捨てていいのかというふうには多分若林委員も思っておられないと思いますけれども。私どもはむしろ、農業の中心的な担い手はそういう若い、しかも集団的な効率的な協業化をした、そういう担い手と言われるような人であることは認めますけれども、あわせて、まさに日本の農業の今を支えている小規模であっても意欲のある多くのこうした高齢農家やあるいは兼業農家についても、そこがちゃんと地域で頑張ればやっていけるような仕組みをつくりたい。今度の基本計画は基本をそういうところに置いているということは是非御理解をいただきたいと思っています。
○若林正俊君 どうも水田の稲作農業が頭にあっていろいろお話しになっておると思いますが、これは果樹でも畜産でも野菜でも、ほとんどの国民需要の生産の七、八割はもう主業農業者によって供給されているんですよ、そういうものが。問題は、水田の稲作農業だったわけですね。それはいまだにいろんな問題抱えているんです。 だから、そういうことを含めて、基本計画ですからね、やはり全体が作目別にどういう担い手がどういうふうな形でその生産をしていくのかということの十年先の展望が描けなければ、農家の方だって、若い人が若い人がといったってやりようがないし、高齢の兼業農家がそのままいけば、いずれ十年立てば、十、年取ってしまうわけですから、一体この地域の農業はどうなるんだということを思い描くための指針となるような構造改善の方向というのはやはり示すべきだと私は思います。最後、どうですか。
○国務大臣(赤松広隆君) お答え申し上げます。 基本計画ですから、もちろんそういうものを中心にきちっと据えて、将来展望が見えなければこれは意味がないわけですから、それを否定しているわけではありません。ですから、ただ、将来方向、展望、あるいは将来の農業構造というのをどの辺まで細かく詳細に書くかということについては、これは少し検討を引き続いてさせていただきたい。 委員のそういう御主張、これはもう与党の中からも実は聞いておりまして、そういう御意見も、与党、野党を問わずいろんな委員の皆さん方からもお出しをいただいておりますので、そういう具体的な御意見も踏まえながら引き続き検討をして、何とかこの基本計画、二十九日までにまとめたいと思いますが、その中に織り込めるものは織り込んでいきたいと、このように考えております。
○若林正俊君 これは積極的に取り組んでいただくということを前提に、もうこれで打ち切りますけれども、現行の基本計画も、これはその基本計画の中に書いているんじゃないですよ。基本計画を決定した際に、こういう構造を前提にしてこの基本計画は定めていますよということを明らかにしたと、同日に。そういう性格のものですから、そこはしっかりと出してもらいたいと、こう思うんです。 実は、全中の会長の茂木さんも、重要項目として五項目の意見を出しています。その中に、一つは、所得目標をはっきりさせてもらいたい。どの程度の所得を目標にしてこれから農業に取り組んでいくのかという所得目標を明らかにしてもらいたい。そして、どういうような、もう作目別になるんですけれども、どういう構造の中で農業生産をしていくのかという構造展望というのを明らかにしてもらいたい。そして、国境措置、いわゆるWTOだとかFTAだとかという交渉の中でこの関税措置などを、国境措置などをしっかりしてもらいたいというようなことを要望を出しているんですね。 そこで、もう時間が余りなくなりますので申し上げますが、私は、農業協同組合はいろいろな面で、生産だけではなく地域社会で役割を果たしてきていると思いますが、農林大臣として、この農業協同組合の果たしている役割というのはどう評価しておられますか。
○国務大臣(赤松広隆君) ここに全中の会長が発言した概要というのがあるんですが、五分ぐらいの間に要望だけで五つ言われて、その後、その他、それ以外の意見ということでまた六項目言われて、余り早口でしゃべられたんで、一回ちゃんと文書にして整理をして、後で改めて私読ませていただきました。 いろいろな御指摘、農業団体としての御指摘をいただいていますし、自給率についても五〇%以上の目標設定をしてほしいだとか、あるいは戸別所得補償制度の充実強化してほしいとか、私どもにとっても大変応援になるような、そういう御意見もいただいておりまして、有り難いというふうに思っています。 ただ、一般論として、全中ばかりじゃなくて、全農それから会議所、それからいろんな団体ございます。しかし、そういうところについて、今回の戸別所得補償制度が一番いい例ですけれども、具体的なそれぞれの、戸別所得補償ですから、それこそ戸別の農家を回って、生産数量目標を決める場合にもいろいろな、人的な面ということ一つにしても、地域協議会の皆さん方の力を借りずにやるというわけにはいきません。 ですから、地域協議会の中には当然農協も入っているわけで、そういう人たちのまたお力も借りながら、事務費も七十数億用意していたと思いますので、わずかですが、それをすべての地域協議会にお渡しをして、半分ボランティアでそういう協力をしていただくと。そして、より正確で、いい形でのそうした戸別所得補償の推進のためのお力添えをいただくということにおいては本当に有り難いと思っておりますし、御協力を今後も賜らなければいけないというふうに思っております。 ただ、たまたまこれ今持っていたんですけれども、昨日、おとといと高知県へ出張したり、自分の勉強のためにいろいろ見てきましたけれども、ちょっと時間があったので、その途中、二日間でこの「農協との「30年戦争」」という、これ文芸春秋が出している本ですが、これなんかを見ても、これは別に民主党応援のじゃないんですね、民主党をばかばかに批判していますから。民主党も批判している代わりに、今の農政それから農協についてもいろいろ書いているわけですけれども。 この中にもやはり、今の農協の在り方が果たしてこのままでいいのかと、本当に反省するところはないのかということを、そして、これからいろんな、今回の法案でもそうですけれども、金融一つ取っても、もう農協だけが独占的な立場でいろいろ農家との取引をするんじゃなくて、信用金庫や信用組合や郵便局やそういうところとも、どこを選ぶかはこれからはもう農業者が選ぶことができるという時代になってくるわけですから、その意味で、やっぱり農業者が一番信頼して、そして一番親しみを感じて農協やそういう各農業団体と付き合っていただけるような、そういう努力だけは引き続いて是非していただくことが必要なんじゃないだろうかと。 〔理事平野達男君退席、委員長着席〕 それからもう一つは、これは全中の会長にも申し上げましたけれども、これは法的に禁止されているわけじゃないから、どうしても嫌だったらそのまま、今のままでもいいけれども、しかし、でき得れば、いろいろ税金や補助金、交付金が入っているような団体については、そのトップだとか理事だとかいう人たちはやはり政治家は避けられた方がいいのではないかと、そういう資金でもって、これはもう自民党だからとか何党だからとかいう意味じゃなくて、仮に民主党であったとしても、そういうお金でパーティー券買ったり、あるいは役員になって役員手当払ったりとかいうことは、これはやめた方がいいのではないですかということは、私どもの立場からは言わせていただいております。
○若林正俊君 農協の政治的な行動、活動その他については今日ここで議論をするつもりもありませんし、いろんな御意見があるでしょう。そしてまた、農業協同組合としても地域組合化していっているということがありまして、なかなかすべての農業者の要望にこたえ切れない。その結果出てきているいろいろな問題について、反省すべきことはいっぱいあると私は思うんです。いろんな論文もありますし、いろんな意見もあります。 しかし、今の生産調整の問題にしても、地域協議会の中心になっているのは農協の関係者ですよ。そして、この戸別農家についての生産目標を割り付け、あるいは生産の確認をし、そういう仕事を市町村でできますか。市町村の職員できない。ましてや農林省の職員にもできないですよ。だから、そういうことを、先ほど大臣が言われたように、半分はボランティアでやっていると、そういう気構えで取り組んでいる農業協同組合については、しっかりと評価すべきものはきちっと評価してもらいたいと私は思うんですね。 そこで、大臣の方から、この基本計画を最終的に決定するわけ、その前にいろんな意見が出てきているわけですから、ひとつ茂木会長と大臣は率直に、大臣の方から申し入れて私は率直に意見交換をすべきだと本気で真剣にそう思っているんですよ。何か腰を引いて農協の方も疑心暗鬼になってきているんです。だから、大臣の方から声掛ければいいと思うんですよ。 実は私、長野ですけれども、信濃毎日新聞があります。信濃毎日新聞の三月六日付けの新聞は、これトップですよ。農協経由施策見直して、農家直接支援と。これはいいんですけれども、この中で、農政の大転換の中で農協外しとも取れるような、これこういう記事になっているんです。 これは茂木会長も意見として言っていますけれども、この基本計画の見直しの中で、そういう誤解を招くような部分はできるだけ誤解を招かないような表現にして、メディアがこういうとらえ方をしないようにひとつ努力をいただきたいと思うんです。そのためにも、お互い誤解があるとすれば率直にトップ同士でよく話し合っていくと。今のような政治の問題でもいいですよ。何でも話し合った上で、やはり農業協同組合が本来の役割をちゃんと果たすようにやってもらいたい。どうですか。
○国務大臣(赤松広隆君) 私はこういう性格でございますので、これは別に全農、全中ばかりじゃなくて、いろんな団体や、いろんなまた地方自治体の知事さん、市長さんたちとか、地域へ行けばまた地域のいろんな方たちお見えになります。余りそういうあれとは会いたくないとか話したくないとかいうことは言っておりませんので、これは労働組合も含めて今全農林の人や全林野の人とも非常に率直に、いいことはいい、悪いことは悪いということで話し合っていますし、また農業団体の皆さんともそれぞれ話をしていますので、だれから声掛けるとか二人だけで会うとかどうかとか、子供じゃありませんからその辺のところはちゃんと適宜適切に聞くべき人からはきちっとお話を聞かせていただく。そして、それも最後は決定をするのは、やはりこういう立場ですから私自身が決定をさせていただきますけれども、ちゃんとそういう団体、個人の意見も聞きながら対処していくということはお約束できると思います。
○若林正俊君 それは焦点ずらしちゃ駄目ですよ。基本計画を決定する、大臣決定します、閣議に出します。この基本計画に当たって、茂木会長は具体的に意見を言っているわけですね、企画部会で。この意見の中にいろいろな誤解を招くようなことがあり、全体の委員とかかわらないこともあるわけですから、大臣は基本計画決定者として茂木会長の方に積極的にしっかり腹割って話ししようじゃないかということを是非申入れをして、この基本計画を仕上げてもらいたい。もう一度どうですか。
○国務大臣(赤松広隆君) お答え申し上げたいと思いますが、この間、申し上げたように、二十一回の食料・農業・農村政策審議会の企画部会の冒頭、そういう茂木会長から五つの要望事項ということで言われた冒頭に、そういう農協外しというような誤解を招くような書き方があるが云々という、そういうお話がございました。それについては、私はその場にいたわけですから、農協外しなんてことはありませんよと。ただ、先ほど申し上げたようないろいろな農業共済の役員の問題を始め、誤解を生んだり、またとかく疑惑を言われたり、そういうところについては私は私としての意見を申し上げたことはあるけれども、だからといって農業協同組合の果たす役割なり今日までの功績なり、そういうことは否定するものではないということははっきり申し上げております。 どちらから申し入れるかとか何とかは、そういうことは、先ほど申し上げましたように、それはもう私どもの判断でちゃんとやらしていただきたいと思います。
○若林正俊君 何でこだわるんですかね。基本計画を決める、基本計画に対してあれだけの意見が出てきているんですから、基本計画の決定前に本当に率直な話合いをしたいと決定者である大臣が申入れをするのは、別に何でもないじゃないですか。言ってきたら聞いてやると、言ってくるのを待っているというのはおかしいですよ。もう一度頼みますよ。
○国務大臣(赤松広隆君) いやいや、そういうことを言っているんじゃなくて、私が先ほどから言っているのは、別に全中の茂木さんであれ、だれであれ、企画委員の先生方というのは十五人か二十人ぐらいいるわけです。ですから、茂木会長だけが特別なんだというような扱いはやはり良くないと。 ですから、私は、泊まり込みででも、あるいはこんな楽しい企画、楽しいというのは意味のあるという意味ですよ、意味のある議論のできる企画部会なら私はもう何回でも出させていただきたいということでお話をしていたぐらいですから、そういう委員の方たちとも含めて、これはもう農業会議所の松本専務さんたちもそのメンバーへ入っているわけですから、それから大学の先生方もお見えになりますし、消費者の団体もお見えになるし、そういう人たちから公平に皆さんの意見を聞くと。どんどん言ってもらうということは決して私は間違いじゃないと思うんですけれども、なぜまた若林先生がそれほど僕から申出をして茂木さんだけに会うということにこだわられるのか、むしろそちらの方が分からないと思っていますし、そんな険悪な仲でも変な仲でもありませんので、そう御心配なさらずに、ちゃんと全中の話も聞きますから御安心いただきたいと思います。
○若林正俊君 これでやめますけれども、現実、今度の戸別所得補償制度のそのモデル事業の実施にしても、現場の協議会を支えているのは農業協同組合が中心になっているんですよ。そして現実に苦労しているんですね。これからこれを本格実施するときにどうしていくのかと非常に心配しているの。いろんな人がありますよ、いろんな意見がありますけれども、農業協同組合が本気になって取り組まなきゃこれできませんよ。 そういう意味で、本気になって取り組んでいく、そういうことのためにはざっくばらんな話合いをしなきゃいけない。なかなかこの農林大臣というのは、それじゃ来たら話聞きますよというわけになかなかいかないんですよ、私も経験がありますけれども。だから、そこは門戸を開いて、どうですか、一度しっかり話ししようじゃないですかと、この基本計画に関してですよ、基本計画に関してやればいいと私は思います。それはもうここまで、もうあと時間がありませんから。 今日これから、実は一つは、WTO、FTAの交渉後のことについてお話をしたいと思ったんです。ところが、時間がありません、中になかなか入れないんですが。 大臣、当然御承知のように、我が国政府としては、WTO交渉については日本提案というのを決めてあります。そしてこれは、英文でもこれを書きまして、英文のものも私も世界各国に配って歩きました。そういうようなこの農業交渉が今、WTOの農業交渉は私のときに決裂したんですよね。今どういう状況にあるのかを御説明ください。
○国務大臣(赤松広隆君) お答え申し上げたいと思います。 WTOの公式閣僚会議につきましては、昨年ジュネーブで行われまして、私も三泊五日で行ってまいりました。そのときに、かつての若林大臣がグリーンルームで一週間か十日か缶詰になって、とにかくここで連日泊まり込みで議論をしたけれども、最終的には今お話あったように決裂ということになった、激しい国際交渉を重ねてきたということも現地でもしっかり聞いてまいりました。 その後、この一月にダボスでの、これは非公式ですけれども閣僚会議もございまして、その二回の国際的な話合い、そしてあとはアメリカとの個別の、カークとかビルサックだとかそういう人たちとの話合い、共にみんな一泊三日のパターンばかりなものですから、ばたばたしながらの国際交渉でしたけれども、そういう中で、少なくともWTOの国際会議の中で決まったことはこの三月末までに、ストックテーキングですね、現在までの状況を一回整理をして、そして、この第一・四半期と言っていましたから三月末というふうに私は理解していますけれども、三月末までに一回それをきちっと検証しようということになっております。 ただ、現実問題、もう一歩踏み込んで言えば、ここからは少し感想になりますけれども、中国そしてアメリカが比較的、名目上はすべての国がドーハ・ラウンドの今年中の妥結ということを言っているんですけれども、実際にはこの二国、二強とも言ってもいいと思いますが、が比較的そういうことにはなっていないというのが現状だと私は理解をしております。ですから、その分あとは二国間のFTA、EPA、ここを、守るべきものは守るという基本的な立場の中で、これを守れた上で進められるところについては積極的に進めていくべきだというふうにも考えております。
○若林正俊君 いみじくも赤松大臣がおっしゃりました。守るべきものは守ると。守るべきものというのは何だということで交渉しているんですか。
○国務大臣(赤松広隆君) これはもうあえてお分かりになって言っていらっしゃると思いますが、私どもも、マニフェストの中でもそのことはきちっと書いてありますが、自給率を云々、あるいは日本の農業を損なうようなことは云々という、あの文面がありますので、その趣旨に沿ってやっておるということでございます。
○若林正俊君 民主党の政策集インデックス二〇〇九、このWTO交渉の早期妥結について、リーダーシップを発揮してこれをまとめていくということを言っておられますし、EPA、FTA、いわゆる経済連携協定、自由貿易協定につきましても国際競争力強化の切り札として適切に推進すると、こう言っておられるんですね。そういう中で、日豪のEPAの交渉を今進められているわけですが、この日豪の交渉状況はどうなっておりますか。
○国務大臣(赤松広隆君) これについては、外務省を中心にしながら、あと関係省庁、経産省そして農水省、もう既に十回、十一回の会議をずっと積み重ねてきたというふうに思っております。 しかし、我が国でいうセンシティブな品目について、オーストラリアの場合はかなり、非常にフェアといえばフェアなんですね、自分のところも全部開けるからそちらも全部開けろみたいなそういう論議なものですから、これは特に重要品目五品目については、我が国としてはこれは譲るわけにいかないということで、そこにこだわる限りなかなか交渉はうまくいきませんよということは、私どもからもはっきり申し上げております。
○若林正俊君 大変悩ましいんですよね。一方で、商工業、特に自動車とか電気製品とかその他の鉱工業品を輸出する、輸出の方は障壁を下げて有利に輸出する、入れる方は入れないと、こういう交渉をやるわけですから、大変悩ましい交渉であります。生々しい話はまた二人で機会があればお話ししたいと思いますけれども。 そこで、私は、こういう交渉をしている間に、この期間にやっぱり日本農業の構造改革とか体質強化して競争力を付けるような方向に持っていかないと、何にも妥協しないまま、何もしないままというわけには最終的にいかなくなるおそれがあるんですよ。そのときにぽっきり折れたんじゃしようがないですからね。そういう意味で、この基本目標の中に、そういう構造展望というものも出しながら、競争力を付けていくにはどうするんだということもきちっと説明すべきだということを申し上げたいと思います。 原口大臣、済みません、こんなことで時間を取りました。 最後に、農山漁村の問題ですけれども、もう今更申し上げません。農業が低迷をし、またいろんな意味での地域社会資本の投資が縮減されたり、また雇用機会がなくなったりしながら、地方の農山漁村は大変な状況になっているのは御承知のとおりでありまして、そういう意味で、この言葉、使い方は余りいい言葉じゃないんですけれども、限界集落の問題なんかもあります。それらの地域社会を支えている地域コミュニティーというものをどういうふうにしたらいいか、大変大きな問題でございます。 地方主権でいろいろな権限を下ろしたり、あるいはまた予算を与えたりしていますでしょう。そういう中で、地方は……
○委員長(簗瀬進君) 質問時間が切れております。
○若林正俊君 農山村は大体予算が予定したよりも四割から五割ぐらい減ってきているんですよ。 そういう状況を考えますと、一体、この地方交付税、もう細かいこと言いませんけれども、是非見直してもらいたいと思うんです。地方交付税の基準がありますから……
○委員長(簗瀬進君) 質問時間が切れております。まとめてください。
○若林正俊君 これを是非見直してもらいたいということを申し上げて、一言意見を聞きたいと思います。
○国務大臣(原口一博君) 若林委員に御答弁申し上げます。 まさに、委員がおっしゃるように、農は命、農は礎、民族の苗代でございます。私も農協青年部の一員で春と秋に肥料配達をします。そうすると、だんだんだんだんその量が減ります。そして、配達先がなくなります。こういうものを目の当たりにしておりまして、まさに総務省といたしましても、地域を支えるために、これ地方再生対策費において、農地、森林が持つ多面的機能を維持していく観点から、この面積を用いた算定方式、これ平成二十年にやっていただきました。 今年は、小規模市町村のコストを反映する段階補正、それから人口が急減しても行政規模を急激に縮小できないことを反映する人口急減補正、これをやらせていただきました。また、緑の分権改革の観点から見た雇用対策・地域資源活用臨時特例費、これ四千五百億円。まさに命である農を支える、このために頑張ってまいりたいと思いますので、御指導よろしくお願いいたします。
○若林正俊君 どうもありがとうございました。
○委員長(簗瀬進君) 以上で若林正俊君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(簗瀬進君) 次に、小池晃君の質疑を行います。小池晃君。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 政府は、利根川流域の八ツ場ダムの建設中止を決定しました。その結果、治水計画の根本からの見直しが必要となっております。そんなとき見逃すことができない問題が、高規格堤防、いわゆるスーパー堤防ですが、この計画全体の概要と進捗状況を御説明ください。
○国務大臣(前原誠司君) 小池委員にお答えをいたします。 高規格堤防、いわゆるスーパー堤防でございますけれども、首都圏等の人口、資産が高密度に集積した地域を洪水や高潮から守るために、計画規模を上回る洪水でも破堤による壊滅的な被害を回避できる幅広い堤防でございまして、通常の堤防と異なり、堤防上の土地利用を可能とするという特徴もございます。 昭和六十二年度予算においては、特定高規格堤防整備事業として制度は創設されまして、首都圏と近畿圏の五水系六河川、利根川、江戸川、荒川、多摩川、大和川、淀川で整備を進めているところでございます。高規格堤防整備事業は、河川事業と土地区画整理事業などの町づくりを一体的に行うもので、用地買収を行わず、既存の木造密集市街地の解消など、住環境の改善にも資するものとなっております。 進捗状況は、細かく申し上げてよろしいですか。利根川が、高規格堤防要整備区間が三百六十二・五で、完成が五・一、約一・四%、事業中が三・三、〇・九%。江戸川については、百二十・六の要整備区間で、完成が七・九、六・五%、事業中は〇・六の〇・五%。荒川については、百七十四・一キロの要整備区間のうち、完成が四・七、二・七%、事業中が六・二、三・六%。多摩川につきましては、要整備区間が八十二・六キロメートルで、完成が四・〇の、全体の四・九%、事業中が二・四で全体の二・九%。淀川につきましては、要整備区間が八十九・二キロメートルで、完成が四・九キロの、全体の五・四%、事業中が一・三キロメートルで一・五%。大和川につきましては、全体が四十三・六キロメートルの要整備区間のうち、完成しているのが二・六キロの六%、事業中は四・六キロの一〇・六%ということで、全体がこの五水系六河川の要整備区間が八百七十二・六キロメートルで、完成をしているのが二十九・二ということで全体の三・三、事業中が十八・五キロメートルの二・一、合わせて整備延長は、今のところ四十七・六キロメートルの五・五%ということでございます。
○小池晃君 事業開始から二十二年で、途中のところも含めて今も五・五%なんですね。このペースだと完成まで四百年掛かる、費用は十二兆円だと。見直しが必要じゃないですか。
○国務大臣(前原誠司君) 先ほど御答弁をいたしましたように、人口とか資産が集積をしているところの堤防強化をして洪水あるいは高潮、こういったことから守るということは大変重要なことでございますが、委員も御指摘のように、今二十年以上たって全体の進捗率が五・一%、完成をしているのは三%ちょっとと、このまま続けたら四百年掛かると、十二兆円以上掛かるということでございますので、当然ながら新政権では、ダムに頼らない治水をやるということは、それぞれの水系において堤防も含めた治水の在り方を見直していくと、こういうことでございます。
○小池晃君 見直しが必要だとしながら、今、国土交通省と東京江戸川区が連携をして旧態依然たる事業が続けられています。江戸川沿川の北小岩一丁目を始めとして、北小岩、篠崎、今日資料をお配りしておりますが、地図もお示ししましたが、スーパー堤防建設、それと一体化した区画整理事業です。 江戸川区と連携して進められている堤防計画の概要を簡単に御紹介ください。
○国務大臣(前原誠司君) 委員お尋ねの江戸川における高規格堤防と沿川市街地等の一体的かつ計画的な整備を推進するために、平成十二年九月に関東地方整備局、関係都県及び沿川十五市区町は委員会を設置をいたしまして、住民の方々から提案、意見も踏まえて、平成十三年三月に江戸川沿川整備基本構想を策定をしたところでございます。 その後、更に検討を加えて、平成十八年十二月、江戸川区は、江戸川区内のスーパー堤防の進め方について、江戸川区スーパー堤防整備方針として取りまとめられました。この方針の中では、江戸川区は北小岩地区など二地区を課題の多い地区と位置付けたところでございまして、江戸川区は北小岩地区に重点を置いて所要の検討と地元調整を進めてきたところでございます。 なお、江戸川区内の江戸川沿川におきましては、調査検討を行っている箇所はあるものの、高規格堤防が完成した箇所はございません。
○小池晃君 これは旧政権時代に事業が創設された当初から今も住民の声を、意向を尊重するというようなことをずっと今まで言ってきたわけですが、実際、地元の方にお聞きすると事情は大分違うんですね。 地元の皆さんのアンケート調査を見ると、スーパー堤防の計画について白紙に戻すべきだという声が九二%、それから、工事開始と完成時二回引っ越さなきゃいけないということでとても負担があるというのが八二%、引っ越し不可能が七八%、この問題が起こってから体の調子が悪くなったという方が四七%もいらっしゃるんですね。こういう実態なんです。これ、笑い事じゃないんですね。本当に深刻な事態になっているんですよ。 私も現地で住民の方とお話を聞きました。八十七歳の男性は、常にスーパー堤防のことが頭にあって毎日憂うつな日々を送っている、これで立ち退けと言われたらどうしたらいいのか分からない、この地で安らかに人生を終わりたいと願っていたけれどもそれもかなわぬことなんでしょうかと、もう私の手を握って涙を流してそういう話をされました。 住民の声を聞かずに事業を進めることはあってはならないと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(前原誠司君) 江戸川区内の高規格堤防計画区間のうち、北小岩地区の約二・二キロメートルにつきましては、高規格堤防と町づくりの一体整備を行うため、平成十六年から関東地整と江戸川区で検討会を立ち上げたのは先ほど申し上げたとおりでございます。 これと同時に、今委員がおっしゃったように、江戸川区は北小岩地区の住民に対しては説明会を開始しましたが、多くの住民から反対の声が上がっているのは事実でございます。一方で、平成十八年には、北小岩地区の一部、北小岩一丁目十八班地区、これは堤防の延長約百二十メートルでございますけれども、の住民の方々からは逆に町づくりのための勉強会の申出があり、これを受けて江戸川区は、同地区住民との意見交換を行うとともに検討を進めているところでございます。 この北小岩一丁目十八班地区については、江戸川区が実施する土地区画整理事業、これは平成二十一年十一月二十四日、江戸川区都市計画決定でございますが、と連携をして現在地元説明を実施しているところでありますけれども、事業推進について様々な意見があることは承知をしておりますので、今後とも十分な合意形成を図っていく必要があると認識をしております。反対論も賛成論も両方あるということでございます。
○小池晃君 どうも正確に住民の意向を把握していないように思うんですよ。私が示したアンケートは十八班地域の住民のアンケートですよ。九二%反対しているんですよ。 住民の意向をどういうふうに、じゃ国交省は把握されているんですか。
○国務大臣(前原誠司君) 御党が、あるいは小池委員がどのような形でアンケートを取られたか分かりませんが、(発言する者あり)あっ、党でやったわけじゃない。いずれにしても、パーセンテージはよく細かくは承知をしておりませんけれども、反対論もあれば賛成論もあるということと同時に、先ほど申し上げたように、北小岩一丁目十八班の地区の住民の方々から町づくりのための勉強会の申出もあったということも事実でございまして、総合的に判断をしていかなくてはいけないところだと考えております。
○小池晃君 私の質問に答えていない。どうやって把握しているんですかと、声を。
○国務大臣(前原誠司君) 住民全体にアンケート調査をしたり聞き取り調査はしておりませんけれども、反対の御意見もあるのも承知をしておりますし、先ほど申し上げたように、こういった勉強会を立ち上げてくれという住民の方々もおられるという認識は持っております。
○小池晃君 町内会、住民の皆さんが九二%反対ってアンケートやっているんですよ。ごく一部の人から何か意見が出たからそれがすべてであるかのような考え方はおかしい。 江戸川区自身は、同意、不同意というような聞き取りはしていないというふうに区議会で答えているわけで、全く把握していないんですよ。これで突き進むなんてけしからぬ話で、区長は二月の区議会でどう答弁しているかというと、新政権はこれをやめるとは一言も言っていない、何ら問題なく進められると確信していると、こういうふうに区長は述べて、土地買収などを強引に進めているんですよ。そして、先ほどのような住民からの声が上がっているわけで、大臣は、八ツ場ダムの中止で、買収なんかをして地域をずたずたにして、その後やっぱりこれやめるということがいかに大変かって一番よく知っているはずじゃないですか。 私は、直ちにこれ、いったん立ち止まって住民の声をしっかり把握をして、そして中止をしてそれ考え直す、道踏み出すべきだと思いますが、どうですか。
○国務大臣(前原誠司君) 両面あると思っております。 先ほど委員も御指摘もありましたけれども、政権が替わりまして、できるだけダムに頼らない治水をということで、有識者会議をつくりまして、いわゆる判断の基準軸づくりを今一生懸命やっていただいておりまして、それは川辺川ダム以外のすべてのダム、本体工事をやめたものについては適用するということでございますので、当然ながら、その基本計画、整備計画もどうあるべきかということも含めて、今御指摘のあった江戸川については、これは利根川水系でございますけれども、当然ながら全体を見直していくということになります。他方で、今そういった議論が江戸川区と進められているということでございます。 私は、基本的に住民の方々の御意見を参考にしながらやるべきだと思っていますし、野党のときに淀川水系においては質問主意書も出して、地域の方々の意見を聞きながら本当に必要かどうかということを判断してやるべきだという立場でありました。 ですから、これから意見はしっかり聞いてまいりますが、他方で、我々、八ツ場ダムはこれは今本体工事中止、しかし再検証する、そしてこの利根川水系全体の河川整備の在り方というものを検討しているわけでありまして、どのように首都機能を守っていくのかということも全体として考えなければいけないですし、仮にスーパー堤防でなくても、破堤や越水、こういったものを防ぐためにどういった治水があり得るのかといったことは考えていかなくてはいけませんので、そういったことを総合的に勘案をしながら我々としては対応していきたいと、このように考えております。
○小池晃君 治水は私も大事だと思います。それイコールスーパー堤防にならないわけで、スーパー堤防の整備が必要だとしている区間について、計画規模の洪水を対象にした通常堤防の整備状況を示してください。
○国務大臣(前原誠司君) これは高規格堤防要整備計画の延長の中ででよろしいですか。これで申し上げますと、江戸川、利根川、どちら。江戸川でよろしいですか。 江戸川は、先ほど申し上げたように、百二十・六キロメートルの中で完成堤防が、通常堤防でございますけれども、三十八・八キロメートル、これは比率にすると三二・二%でございます。この中には、先ほど申し上げた高規格堤防、いわゆるスーパー堤防の七・九キロメートルも含まれております。それから、暫定完成堤防が八十一・八キロメートル、全体の六七・八%でございます。そして、未完成堤防、未施工はこの江戸川についてはゼロということでございます。
○小池晃君 でも、完成堤防三割しかないわけですしね。スーパー堤防の前に普通の堤防の整備こそ私は必要だし、やっぱり治水というのはもっと幅広い視点でやらなきゃいけないはずだと。 今大臣おっしゃったように、淀川のような公募方式での流域検討委員会を大臣はかなり高く評価されていましたよね、野党の時代に。やっぱり私は、この利根川、江戸川水系でもきちんと住民の意見を反映する公募方式でのこうした流域検討委員会のような、九七年の河川法改正で実現したこういった仕組みをつくるべきではないかと思うんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(前原誠司君) 九七年の河川法の改正というのは、大きくポイントは二つありました。一つは環境重視、もう一つは地域の声を大事にすると、これが河川法改正の大きな趣旨でございまして、それも踏まえて対応していかなくてはいけないと思っております。 いずれにしても、ここは考え方はある程度軌を一にしていると思いますけれども、今までの公共事業の在り方、河川整備の在り方を根本的に見直します。そのために今、できるだけダムに頼らない治水をということで、有識者会議によって、どうすればそれぞれの河川が治水、利水の面でしっかりと整備できるのかと。財政的な要因、あるいは先ほど委員もおっしゃったように、このスーパー堤防をこのままやっていくとすれば、物理的に計算をすれば四百年掛かると。十二兆円で多分済まないでしょう。 こういった年限の問題とそれから財政的な制約含めて、今この有識者会議でそれぞれの水系での治水計画というものをまとめているところで、基準作りをしているところでございますので、それを踏まえて、それぞれの利根川水系あるいは利根川水系の江戸川についてどういう整備をしていくのかということの議論に移っていくわけでございます。
○小池晃君 大臣は二〇〇七年の予算委員会で、やっぱり住民参加の流域検討委員会をつくってやるべきだと主張しているじゃないですか。何ではっきりこの利根川水系でもこれをやるというふうにおっしゃらないんですか。
○国務大臣(前原誠司君) 済みません、質問を失念をしておりました。当然ながら、それぞれの水系においての河川整備を今の改正河川法の趣旨にのっとってやれば、地域の方々の、流域の方々の意見を伺わなくてはいけませんので、そういった仕組みは当然必要になると思います。
○小池晃君 もう一つ、先ほどやっぱり住民の声を、いろいろおっしゃったけれども、やっぱり実際に現地に行って直接住民の声を聞く場をつくるべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(前原誠司君) すばらしいアドバイスだと思いますので、住民の方々との話合いもしていきたいというふうに思っておりますし、我々民主党政権できて、このスーパー堤防というものをダムと同様やはり、もちろん治水、利水は極めて大事でございますけれども、税金の使い道を考えたときに、自公政権のときに進められていた計画そのままでいいのかというのがありますので、当然ながら見直しの対象になっていきますので、地域の方々のお話にも耳を傾けていきたいと考えております。
○小池晃君 是非やっていただきたい。 私たちは流域住民が主人公の河川行政に転換することを求めてまいりました。これは江戸川だけの問題じゃなくて全国にあるわけですから、やはりこのスーパー堤防という無謀で無駄な計画そのものをやっぱり徹底的に検証し白紙に戻すべきだということを申し上げたいと思います。 それに加えて、先週閣議決定した道路整備事業特別措置法について聞きたいんですが、これはいわゆる高速道路利便増進事業がミッシングリンクの建設などに拡充されるというふうになっています。これは、例えば東京外郭環状道路のようなものにも適用される可能性があるのでしょうか。
○国務大臣(前原誠司君) まだ具体的にどこを整備していくのかということについて決めているわけではございません。委員も調べられてお分かりだと思いますけれども、元々この利便増進事業というのは、いわゆるスマートインターチェンジ、それから料金値下げ、これを行うためにある意味で高速道路の赤字の付け替えを行ってそれを財源にしているわけでございまして、そういう意味では、もし整備をするということになれば、当然ながら有料道路というものについてはどういう基準でやっていくのかということと、また国会あるいは社整審、そういったところでの厳しいチェックというものが必要になろうかというふうに思っております。 我々常に申し上げてきているのは、例えば第一次補正予算で四車線化の凍結をいたしましたし、様々な道路の見直しをやっておりますけれども、四月二十七日の国幹会議で決まったことについては、これ我が党の議員も参加をして決まっていることでございますので、施行方式を含めて見直すということでございますけれども、基本的にその国幹会議で決まった整備計画についてはやっていくということであります。 要は、どこをどういうやり方でやるのかということと、そして今回の法律については、先ほど申し上げました借金を付け替えてのものになっておりますので、その趣旨に合うような整備計画でなければいけないと、このように考えております。
○小池晃君 国幹会議で決まったことをやっていくということになったら、結局一メートル一億円の外郭環状道路の建設を、まさに料金割引の財源を流用してやるということになりますよ。コンクリートから人へと言っていたのが、人からコンクリートに流用じゃないですか。 これ、大臣も年末の記者会見で、とてもじゃないけどこんなことは来年度予算では無理だと、私たちの今まで言ってきたことと全く違う考え方だと言っていたのが、これが明らかな公約違反、今まで言っていたことと全く違うわけですよ。こんなことが国民の理解を得られると大臣は考えるんですか。
○国務大臣(前原誠司君) 私が記者会見で申し上げましたのは、年末に党からの要望がございまして、一つはこの利便増進事業を使うということでありましたけれども、もう一つは高速道路会社にお金を入れて道路を建設すると、こういうお話がございました。こういうことについては今まで民主党の中で議論もしたこともありませんし、そういう意味では今までの民主党の考え方と違うということは申し上げてまいりました。 いずれにしても、この財源を使ってやる場合においては国会で御審議をいただいて、どの路線をやるのかということと、それからBバイC、そしてまたBバイCと一緒にやりますが、事業評価、こういったものを駆使しながら、どこがそういったものに該当すべきかどうかということについては、厳しい国会での議論を委員も含めてやっていただければと、このように思っております。
○小池晃君 既に投入した財源を流用するのと新たに国費を投入するのと一体どこが違うんですか。全く同じ、税金によって新しい道路を造るということは同じじゃないですか。言っていたことと全く違うでしょう。どうですか。
○国務大臣(前原誠司君) 逆の議論をされる方もたくさんおられるわけで、一八・四%も削ってけしからぬと、こういう御議論もありますし、我々としてはコンクリートから人へという考え方は全く変えるつもりはありません。つまりは、今までのようにどこもかしこも道路を造るだけ造る、あるいは空港も港湾もというような総花的な公共投資をやらないということを政権交代によって皆様方にお約束をしたわけであります。 今回の利便増進事業にいたしましても、予算というものが無尽蔵にあるわけではありません。したがって、この利便増進事業の今までのスマートインターチェンジ、そして通行料の引下げというものに限っていたものを、その使い方を増やさせてもらう中で、道路建設もいたしますけれども、それによって、じゃ一八・三%削っていたものが、じゃトータルとして公共事業が増えるなんという話には全くならないわけでありまして、抑制傾向や、またBバイCなどを判断して本当に必要なもの、特にミッシングリンク、BバイCの高いもの、こういったものに限られるということは間違いないわけでございますので、そういった点ではしっかりと国民に理解されるような仕組みの中で限られた道路建設になろうかと思っております。
○小池晃君 全く今まで言っていたことと私は違うと思いますね、これは。やっぱり税金投入して新しく道路を造ることはしないと言っていたわけです。 BバイC持ち出すんだけれども、外環道の問題でいうと、このBバイCはとんでもない数字なんですよ。やっぱり地球環境の問題あるいは住民への影響、住環境への影響を全く考慮していない。そして、走行時間短縮便益というのもどこまでの道路を対象にしているのか明らかにしていない。民主党の皆さんが一番厳しくこれを批判してきた、そういう中身で効果が高いと、こういう自公政治の下での事業評価で一メートル一億円のこの巨大道路を進めると。 私は、こんなことに税金投入する仕組みをつくることは断じて許されないということを申し上げて、質問を終わります。
○委員長(簗瀬進君) 以上で小池晃君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(簗瀬進君) 次に、山内徳信君の質疑を行います。山内徳信君。
○山内徳信君 私は、社民党・護憲連合の山内徳信でございます。 前回もそうでしたが、今回もちょうど官房長官の記者会見とかち合いまして、そのために、予定しておりませんでしたが、外務大臣そして防衛大臣にそれぞれ分けて質問をさせていただきます。よろしくお願いします。 最初は防衛大臣にお伺いします。 日米の密約問題がやみの世界から表に出てきました。これは政権交代の成果の一つであり、外務大臣の尽力のたまものであります。ところが、まだやみの中に静かに潜っている、そういうのもあると私は考えております。 私は、前政権の外務、防衛大臣を始め、担当官僚にMV22オスプレーの普天間への配備計画を質問しても、アメリカ側からは正式な連絡はありません、こういうふうにずっとうその答弁を二か年近く聞いてきました。これは現在の密約ではなかろうかと、こういうふうに思います。オスプレーの住民生活への影響を全く伏せたまま、環境アセスメントを進めてきました。これは不法、不当だといって市民団体が今沖縄防衛局を裁判に訴えております。 そこで、鳩山新政権の防衛大臣にお伺いいたします。アメリカ側の計画ではオスプレーの配備年度はどうなっておりますか、お伺いいたします。
○国務大臣(北澤俊美君) お答えいたします。 山内議員は再三にわたってこの問題を質問をされておりまして、私が外交防衛委員長をやっておりましたときも、当時の防衛省の局長とやり取りしていたのを今も覚えておりますが、あのときは私も防衛省、なかなかきちんとした答弁しないなというやや委員の側に沿った感じを持っておったわけでありますが、防衛大臣になって早々にいろいろ調査をいたしましたけれども、公式に米側からオスプレーに替えたいというようなことを言ってきた痕跡は全くないことがはっきりしております。ただ、米軍が、あらゆる米軍の基地の中をオスプレーに変換していくというその事業が進められていることは私も十分承知をしておるわけであります。 衆議院の委員会でも申し上げたわけでありますが、数々の米側の人が表敬訪問に来られた折も、私から逆に質問をいたした経過もあります。その中でも、傾向とすればそういうことになるであろうが、年次を特定して日本側に申し上げる時期には至っていないと、こんなふうに言っております。しかし、全体の趨勢を見ますと、オスプレーに変更をしていく可能性は極めて高いというふうに私は認識をいたしております。 そこで今、米海兵隊が保有しているCH46あるいはCH53、これに代替をしていくわけでありますが、委員も御案内のように、二〇〇九年十月に二〇一〇年米会計年度海兵隊航空機計画という文書を公表しておりまして、現在、普天間飛行場に所属するただいま申し上げたCH46が二〇一二年十月から二〇一四年六月末にかけてオスプレーに代替更新される計画がこの文書には記載されております。 委員の言われるのもここいらが根拠であろうかというふうに思いますが、これはしかしあくまでも米側の資料でありまして、これに基づいて外交的にあるいは軍事的に日本側に要請をしてきたという事実はないと。しかし、重ねて申し上げますが、この機器の性能が極めて安定化してきている情勢の中で、やがてそういうことが行われる可能性は極めて高いと、こういうふうに思っております。
○山内徳信君 私は二か年間この質問をしてまいりまして、防衛官僚の答弁等々を聞いていて感じていましたが、最初に申し上げました、これは小さい密約、密約みたいな、口裏を合わせておるんですね。どうぞ。
○国務大臣(北澤俊美君) これは密約というたぐいの話ではなくて、委員も質問のときによくおっしゃっておられましたが、かなり危険性のある機器ではないかと、こういう御質問をされておりました。事実、一時期極めて墜落事故が多かったわけでありますけれども、既に御案内と思いますけれども、二〇〇五年の九月から量産体制に入ったわけでありまして、量産体制に入ってからの事故はほぼゼロだというふうに承知をいたしております。
○山内徳信君 基本的な認識をお伺いしておきたいと思います。 次は外務大臣にお願いします。 日本という国は北海道、本州、四国、九州から成り立っております。ところが、基地問題になると、なぜか沖縄県のみに過重な負担を押し付けてきております。政府は、日本全体で負担すべきであると沖縄県民は考えておりますが、外務大臣はどういう御認識ですか。
○国務大臣(岡田克也君) 基本的には、日本にいる米軍というのは日本の安全のためにいる、もう一つはアジア太平洋地域の平和と安定のためにいるということでありますから、それは日本全体で分かち合うというのは本来だというふうに思います。今、米軍専用基地の七割が沖縄に集中しているというのは、様々な歴史的経緯の中でそういう事態になっているということだと思います。
○山内徳信君 歴史的な経過、過去の経過はあるわけですね。二十七年間、異民族統治下においてアメリカはもう自由自在に使ってきたわけです。ところが、それじゃいかぬというのが新政権の誕生なんです。ですから、新政権になってもそういう過去の認識と同じような認識ではいかぬと思いますが、どうですか。
○国務大臣(岡田克也君) 沖縄の負担をなるべく軽減したいというのは、これは鳩山政権における閣僚に共通した思いだと思います。他方で、しかし、米軍が現に果たしている抑止力、そのことをしっかりと踏まえなければならないということも事実だと思います。そういう中でどうバランスを取っていくかという問題だと思います。
○山内徳信君 抑止論を、改定五十周年を迎える今年、幅広く論議を深めていっていただきたいと思います。そういう抑止論も、冷戦構造時代のそういう発想がまだ頭の中に残っておるという感じがいたします。 それから、できるだけじゃなくして全力を尽くしてとおっしゃっていただきたいと思います。どうですか。
○国務大臣(岡田克也君) できるだけというふうに申し上げたのは、一方でその抑止力という問題があって、そことのバランスを取らなければいけないという意味で申し上げました。もちろん、沖縄の負担を軽減する、そのために全力を挙げなければいけないことは、それは当たり前でございます。
○山内徳信君 次は防衛大臣にお伺いいたします。 陸上案も嘉手納統合案も津堅沖案も民意にあらず、十五年使用とか暫定的とか、小細工をした非現実的なものであると沖縄県民は怒っております。このことが県民の怒りに油を注ぐ結果となっておりますが、陸上案、嘉手納統合案について防衛大臣の御認識をお伺いいたします。
○国務大臣(北澤俊美君) 確かに様々な報道の中でそういう案が記事として流れておるのは承知をしておりますが、私の基本的な立場は、現在、官房長官の下で検討委員会が開かれて、各党の案も出そろったような中で近々集約されてくるんではないかというふうに思っておりますので、特定の報道に基づく案について私が申し上げるのは控えさしていただきたいと思います。
○山内徳信君 次は外務大臣と防衛大臣にお伺いいたします。 佐藤栄作総理大臣は、昭和四十七年一月二十九日の第六十八回国会における所信表明の中で、一九六九年の日米共同声明並びに沖縄返還協定にあるとおり、核抜き本土並みの原則の下にその実現を見るのであります、このように国民に高らかにうたわれました。佐藤総理のこの核抜き本土並み返還という言葉に異民族統治下にあった当時の県民はどれほど喜びを感じたか、そういう思いを私は今も忘れておりませんが、両大臣に質問いたしますのは、本当に核抜きになっておるのか、本土並みになっておるのか、基地問題に限ってお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(岡田克也君) 本土並みというのは、今委員、基地に限ってというふうにおっしゃいましたが、恐らくあのときの佐藤総理の本土並みというのは、基地のことだけではなくて全体の日本国民としての権利義務、そういったことに関して言われたことではないかというふうに思います。 核抜きということに関しては、今回のこの密約の検証作業を行っていく中で、外務省の調査では実際の証拠といいますか文書は出てこなかったわけですが、その後、佐藤栄作元総理の御遺族から自宅の机の引き出しの中にあったということで、佐藤総理とニクソン大統領の間の合意文書が出てまいりました。 これは、ですから、緊急事態において核を再持込みすることを約するものでありまして、外務省がお願いした検証委員会の検証結果はこれは密約には該当しないというものでありましたけれども、その理由は、これはニクソン大統領と佐藤首相の間を拘束することはあっても政府は全くあずかり知らぬところであったので、そういう意味で法的拘束力に疑問があると、こういうことだったと思います。しかし、ここは議論の分かれるところで、そうはいっても、両国のトップが合意したということであればそれなりの拘束力はあったという見方も当然できると思います。 いずれにしても、核抜きというキャッチフレーズはありましたけれども、現実はそうではなかったということは言えるかと思います。もちろん、そう至ったことについて、当時の佐藤総理、様々な制約条件の中でそういった道を取らざるを得なかったと、そういう面があることも私は事実だと思いますが、核抜きと言った以上、結果的に沖縄の人たちに対してそれを欺くことになったと、厳しい言い方をすればそういう言い方もできると思います。
○国務大臣(北澤俊美君) 検証をされた外務大臣の発言以上のことを申し上げる知見は有しておらないわけでありますが、しかし、あのときに佐藤総理が沖縄の返還を成し遂げたという歴史的事実は極めて高いものがあるし、これを評価するものでありますが、ただ、いささか私見を申し上げれば、今度の外務省の検証は、それに匹敵するほどの私は事績を歴史に残したというふうに思っております。 あわせて、塩野七生さんという作家が文芸春秋のコラムに、この途中経過の中で、岡田外務大臣が発表する前にあの原稿を書かれておりまして、私はそれと、その後、岡田大臣が結果を報告して自らの思いを述べたものと両方併せて見まして、あれ、後であの文章が出たんならばなるほどと、こう思いますが、その前に書かれた文章に私はひどく感銘を受けましたし、我が鳩山内閣の中で岡田大臣があれを検証して、しかもそれに対するコメントがまさに軌を一にしているということに、驚きと同時に感銘を受けた次第であります。
○山内徳信君 国民として理解できませんのは、日米の議事録がどうして外務省になくて総理大臣の次男の自宅にあったのか、それをもってこれを密約とは言えぬのじゃないかという検証委員会の検証の仕方にはやはり疑問が残ります。 時間でございますから、このことにつきまして答弁いただいてから、残りはあしたまたやります。
○国務大臣(岡田克也君) そこは私の想像ですけれども、やっぱり当時の佐藤総理のぎりぎりの思いがそこにこもっているというふうに思います。つまり、政府のものにしてしまうと、それはまさしく日本国政府を拘束する、自分だけのものにして、ひそかに自分の自宅の机の引き出しにしまい込んだと、そういうことではないかと。アメリカとの関係でそういうものをつくらざるを得なかったけれども、それは自分だけが背負い込んで、そして、現実に墓場まで持っていったと、こういうことではないかと思っております。
○山内徳信君 終わります。
○委員長(簗瀬進君) 以上で山内徳信君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(簗瀬進君) この際、御紹介いたします。 本日、ポーランド共和国上院議長御一行が参議院を訪問されまして、ただいま本委員会の傍聴にお見えになりました。 御起立の上、拍手をもって歓迎の意を表したいと存じます。 〔総員起立、拍手〕
○委員長(簗瀬進君) 御着席ください。 明日は午前十時から公聴会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時四分散会