本会議 第16号
- 発言数
- 39 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2010/04/14
会議録
○議長(江田五月君) 御紹介いたします。 本院の招待により来日されましたクロアチア共和国国会議長ルカ・ベビッチ閣下の御一行がただいま傍聴席にお見えになっています。 ここに、諸君とともに心からなる歓迎の意を表します。 〔総員起立、拍手〕 ─────・─────
○議長(江田五月君) これより会議を開きます。 日程第一 常任委員長辞任の件 懲罰委員長藤井孝男君から委員長を辞任いたしたいとの申出がございました。 これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。 よって、許可することに決しました。 ─────・─────
○議長(江田五月君) この際、欠員となりました懲罰委員長の選挙を行います。 つきましては、本選挙は、その手続を省略し、議長において指名することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。 よって、議長は、懲罰委員長に浅野勝人君を指名いたします。 〔拍手〕 ─────・─────
○議長(江田五月君) この際、欠員中の裁判官弾劾裁判所裁判員一名の選挙を行います。 つきましては、本選挙は、その手続を省略し、議長において指名することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(江田五月君) 御異議ないと認めます。 よって、議長は、裁判官弾劾裁判所裁判員に佐藤昭郎君を指名いたします。 ─────・─────
○議長(江田五月君) 日程第二 社会保障に関する日本国政府とアイルランド政府との間の協定の締結について承認を求めるの件 日程第三 航空業務に関する日本国と中華人民共和国マカオ特別行政区との間の協定の締結について承認を求めるの件 以上両件を一括して議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長田中直紀君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔田中直紀君登壇、拍手〕
○田中直紀君 ただいま議題となりました条約二件につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 まず、日本・アイルランド社会保障協定は、人的交流に伴って生ずる年金制度への二重加入及び保険料掛け捨ての問題の解決を図るため、年金制度の適用の調整を行うこと、保険期間の通算による年金受給権を確立すること等について定めるものであります。 次に、日本・マカオ航空協定は、我が国とマカオとの間で、定期航空路線の開設及び定期航空業務の安定的な運営を可能とするための法的枠組みについて定めるものであります。 委員会におきましては、両件を一括して議題とし、年金受給に係る協定上の救済措置の周知徹底、東アジア諸国との社会保障協定締結の方針、マカオから我が国への就航の現状と本協定締結の意義、航空自由化に向けた取組方針と航空協定との関係等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終え、順次採決の結果、両件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(江田五月君) これより両件を一括して採決いたします。 両件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百二十一 賛成 二百二十一 反対 〇 よって、両件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────・─────
○議長(江田五月君) 日程第四 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長椎名一保君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔椎名一保君登壇、拍手〕
○椎名一保君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本法律案は、地震等による河道閉塞、いわゆる天然ダムの発生などにより、大規模な土砂災害が急迫している場合において、市町村長が適切に避難指示をすることができるよう国又は都道府県による緊急調査の実施並びに市町村長の避難指示の判断に資する情報の提供などの技術的支援について定めるため、所要の改正を行おうとするものであります。 委員会におきましては、現行土砂災害防止法に対する評価とそれを受けた本法律案による改正の意義、市町村に対する緊急情報提供の方法や問題点、高齢者など災害時要援護者や過疎地における避難体制の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百二十一 賛成 二百二十一 反対 〇 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────・─────
○議長(江田五月君) 日程第五 刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長松あきら君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔松あきら君登壇、拍手〕
○松あきら君 ただいま議題となりました法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本法律案は、近年における人を死亡させた犯罪をめぐる諸事情にかんがみ、これらの犯罪に対する適正な公訴権の行使を図るため、これらの犯罪のうち法定刑に死刑が定められているものについて公訴時効の対象から除外するとともに、これらの犯罪のうち法定刑に懲役又は禁錮が定められているものについて公訴時効の期間を延長するほか、刑の時効について改めようとするものであります。 委員会におきましては、公訴時効の趣旨及び存在理由、現に時効が進行中の事件に対する適用の可否、公訴時効廃止・延長が捜査に及ぼす影響、性犯罪の罰則及び公訴時効の見直しの必要性、冤罪防止の必要性等について質疑を行うとともに、参考人からの意見聴取を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党の仁比委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。 討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本法律案に対し附帯決議を行いました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(江田五月君) 本案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。森まさこ君。 〔森まさこ君登壇、拍手〕
○森まさこ君 私は、自由民主党・改革クラブを代表して、刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案に対して賛成の立場から討論をいたします。 今回の法案は、自民党において検討を続けてきた公訴時効の撤廃について、自民党で作成した案をほぼそのとおり、民主党の政策インデックスの案と異なるにもかかわらず、政府が閣法として提出したものであります。政権交代により、本件が後退することを心配する被害者遺族の声が報道されておりましたが、我々も安堵しております。 福島県郡山市においても、平成十二年に十七歳の少女の遺体が河川で発見された殺人事件の犯人がいまだ見付かっておらず、時効廃止を求める被害者の御遺族が、時間の経過とともに罪が消えるのならばただの逃げ得になる、被害者に、遺族に時効はないと心情を述べた旨報道されています。 このように、被害者や遺族だけがやり場のない怒りや無力感に生涯苦しみ続けるのは理不尽ではないかとの問題意識から、自民党政権では、まず、平成十六年に当時の南野知惠子法務大臣が公訴時効の延長に踏み切り、さらに、森英介前法務大臣の下に法務省内勉強会を設置するとともに、早川忠孝法務大臣政務官を座長とするワーキンググループを設置して検討を進め、昨年七月十五日に取りまとめを行いました。 そして、党内においても、司法制度調査会の下に公訴時効の在り方に関する勉強会を開催し、精力的に議論を重ね、犯罪被害者、遺族団体の方々や日弁連など、関係者の皆様から丁寧に御意見をお伺いしてまいりました。 我々がこのように真剣に検討を重ねてきた案を結果としておおむね取り入れていただいたわけですので、当然この度の法案には賛成をさせていただきます。ただ、違和感がありますのは、民主党が別の案を政策として掲げていたのに、余りにも早く、余りにも簡単に政策を変えた点です。 元々、民主党では、特に犯情悪質な事案だけ検察官の請求によって公訴時効の中断を一回だけ認めるという案が取りまとめられ、ネクストキャビネットの閣議で決定後、政策インデックスで発表しておられました。しかし、法務委員会での民主党委員の発言を引用させていただけば、民主党の案は一顧だにされず否定され、政務三役が本案を採用したということです。しかも、千葉法務大臣が昨年十月に法制審議会に諮問し、三か月という異例の速さで答申を受け、法案を提出されました。つまり、前の選挙での約束を今度の選挙の前にころっと変えたということになります。 しかし、およそ公訴時効の撤廃という司法制度の大きな変更を行う以上、政府・与党には重大な責任が伴います。私ども自民党政権下では、十六回以上にわたる議論を重ね、憲法三十九条の問題や遡及する場合の被害者遺族間の公平性の問題、過失犯の取扱いなど、様々な論点について議論をし、ようやく結論に達しました。民主党政権からは、その責任、また権力を持つ側の自覚を感じ取ることはできません。司法制度は国の根幹となる制度であります。今後も、民主党政権が、死刑制度撤廃、夫婦別姓問題、取調べの可視化問題といった国の根幹を左右する問題を扱うことに大きな不安を感じます。 今回の改正は犯罪被害者の皆様にとって大きな節目となりますが、我々は犯罪被害者の保護がまだまだ足りないことを痛感しております。被害者側への捜査情報の開示や被害者補償の問題などについては附帯決議に盛り込むことができました。自民党は、更なる被害者保護制度の充実を進めてまいる所存です。 今回、強盗致死の時効が撤廃されるのに、強姦致死の時効が撤廃されないことにも強く抗議を申し上げます。また、交通事故、特にひき逃げ事件では、ひき逃げという悪質な行為により人が亡くなっている以上、その公訴時効の問題につき政府で今後の検討課題とするようにお願いを申し上げます。 さらに、福島県の大野病院事件が、地域医療の崩壊が叫ばれている現状において医療過誤事件の捜査の在り方に深刻な問題を投げかけましたが、今回、業務上過失致死事件は一律に時効が延長されます。しかし、医療技術の進展が著しい今日において、過失の認定の基準となる注意義務の内容自体が刻々と変化していきますし、またカルテなどの保存期間を超える時効を認めることにも疑問があります。医療事故については、いたずらに医療現場に過度の負担を与え萎縮させることのないよう、時効の在り方につき検討をしていただきたいと思います。 次に、法律の施行時期について、今回の改正により救済される事件はないか、大臣に質問した際、大臣が大きく報道されている七月に時効が満了する事件を挙げられました。しかし、その前に、たとえ報道で大々的に報じられていなくても、あとわずかで時効を迎えてしまう事件があると思います。一年間に公訴時効が満了する殺人事件は五十件から六十件もあります。平均すると一週間に一件です。ほんの数日の施行日の違いによって処罰を免れる加害者が出てしまうかもしれません。政治の責務として、報道の大小にこだわらず、政府には速やかな法律施行をお願いをいたします。 最後に、改めて、どんな形であれ我々が望んでいた法案が成立するのは本望であり、また我が党は犯罪被害者の皆様を一刻も早く救える法律を成立させたいという強い思いから、本改正案には賛成する旨を表明して、私の討論を終わりにいたします。 ありがとうございました。(拍手)
○議長(江田五月君) これにて討論は終局いたしました。 ─────────────
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百十七 賛成 二百十 反対 七 よって、本案は可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────・─────
○議長(江田五月君) 日程第六 小規模企業共済法の一部を改正する法律案 日程第七 中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律案 (いずれも内閣提出、衆議院送付) 以上両案を一括して議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長木俣佳丈君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔木俣佳丈君登壇、拍手〕
○木俣佳丈君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、審査の経過と結果を御報告申し上げます。 まず、小規模企業共済法の一部を改正する法律案は、家族一体で事業が行われることの多い個人事業者の実態を踏まえ、小規模企業共済制度の充実を図るため、小規模企業者の範囲を個人事業主の配偶者や後継者を始めとする共同経営者まで拡大する等の措置を講じようとするものであります。 次に、中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律案は、中小企業の連鎖倒産を防止するためのセーフティーネット機能の強化等を図るため、中小企業倒産防止共済制度の共済金の貸付けを行う事由について、これまでの取引先の法的整理手続や手形取引停止処分に加え、弁護士等が関与する私的整理の一部を追加するとともに、共済金の貸付限度額の改正を迅速に行うため、貸付限度額を政令事項に改める等の措置を講じようとするものであります。 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、中小企業及び個人事業主に対する資金調達の円滑化、小規模企業共済制度において新たに加入対象者となる共同経営者の要件、小規模企業共済制度の資産運用及び累積欠損金の現状並びに今後の見通し、中小企業倒産防止共済制度の共済金の貸付限度額を実効性のある水準に定める必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終了し、順次採決の結果、両法律案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、両法律案に対してそれぞれ附帯決議を行いました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(江田五月君) これより両案を一括して採決いたします。 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百十八 賛成 二百十八 反対 〇 よって、両案は全会一致をもって可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────・─────
○議長(江田五月君) 日程第八 予防接種法及び新型インフルエンザ予防接種による健康被害の救済等に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。厚生労働委員長柳田稔君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔柳田稔君登壇、拍手〕
○柳田稔君 ただいま議題となりました法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本法律案は、我が国における新型インフルエンザの発生及び予防接種の実施状況等にかんがみ、新たな臨時の予防接種の実施方法を定めるなど所要の規定を整備しようとするものであります。 委員会におきましては、新たな臨時の予防接種における公的関与の在り方、予防接種法を抜本的に見直す必要性、今回の新型インフルエンザ対策の総括・検証、ワクチン生産体制の強化等について質疑を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終局し、討論に入りましたところ、自由民主党・改革クラブを代表して西島英利委員より反対する旨の意見が述べられました。 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(江田五月君) 本案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。古川俊治君。 〔古川俊治君登壇、拍手〕
○古川俊治君 私は、自由民主党・改革クラブを代表して、ただいま議題となりました予防接種法等改正案に対しまして、反対の立場から討論をいたします。 新政権の対応は、インフルエンザワクチンの接種回数の決定や接種スケジュールに関して大変な混乱を招いてきました。厚生労働省は、ワクチン接種回数について、当初はすべて二回としていました。しかし、その後、一回の接種でも有効との臨床結果が示され、WHOも十月三十日には一回接種とする専門家勧告を行いました。 ところが、政府は、十月十六日の専門家の意見交換会において、十三歳以上は原則一回の方向で一致したにもかかわらず、十九日には急遽、別の専門家を加えた意見交換会を開催し、十月二十日、妊婦等についての接種回数の見直しを先送りする決定を行いました。さらに、十一月十一日、十二月十六日と接種回数の見直しを行い、大変な混乱を招いたのであります。 加えて、一般成人への接種の開始も遅れました。既に十二月中に現場の医療関係者から、新型インフルエンザワクチンが余っているとの声が上がっていました。早期に各都道府県の柔軟な運用を認めるよう方針を変更していれば、より多くの国民に早期にワクチンを接種することができました。 結局、輸入ワクチンは大量に余ってしまいました。国産ワクチンにもいまだ在庫があり、三月下旬の時点で、輸入ワクチンは契約数量九千九百万回分に対して接種数はわずか三千回分にとどまっています。医療機関も多くの在庫を抱えていますが、政府はこの買取りを拒否し、その責任を放棄したままです。しかも、輸入ワクチンの有効期限は短く、既にこの三月末で二百三十二万回分の有効期限が切れ、さらに六月末には三百六十万回分の有効期限が切れることになります。 このような事態を招いたのは、政府が現場の声を聞かず、見通しのない対応に終始したことが大きく影響しております。自らの失政の責任を、懸命に診療に当たっている現場の医療機関に押し付けるようなことは絶対にあってはなりません。政府の責任のある対応を求めます。 今回の新型インフルエンザ対策を通じて明らかになった最大の問題は、国内のワクチン生産体制が脆弱なことでした。更なる強毒性のウイルスへの懸念が高まっており、一日も早く法律面を含めた具体的な政策を講じ、国内におけるワクチンの生産体制の整備拡充を図るべきであります。 しかしながら、この予防接種法等改正案を見ると、今回の新型インフルエンザ対策から得られた教訓はおよそ生かされておりません。 第一に、本法案には国内のワクチンの生産基盤強化のための考慮が全くなされておりません。それは損失補償の取扱いを見れば明らかであります。政府は、特例承認を受けた製造販売業者には損失補償を行うこととしていますが、これでは海外のワクチンメーカーしか対象になりません。インフルエンザワクチンの場合、国内メーカーは、短期間に大量に製造することを余儀なくされるほか、市販後の安全調査が十分でないうちに大量に接種が行われるなど、大きなリスクを負います。 政府は、ワクチンの国内生産体制を強化するといいながら海外メーカーだけに有利な法案を提出し、国内メーカーには同等の手当ては行っておりません。国内のワクチン生産現場の担当者からは非常に不当に思うとの声が上がっております。現在、国内のインフルエンザワクチンの生産を担っているのは小規模な四つの事業者です。このままでは、日本のメーカーは賠償責任という大きなリスクを抱えつつ研究開発を行っていくこととなり、研究開発の萎縮が懸念されます。 そればかりか、本法案の附則では、緊急時におけるワクチンの確保等に関する国、製造販売業者等の関係者の役割の在り方について、五年以内に検討するとしています。緊急時におけるワクチンの確保策の検討を五年も放置することは断じて許されないと言わざるを得ません。 第二に、我が国の立ち遅れたワクチン行政は本法案では改善できません。欧米各国ではワクチンを積極的に活用しているのに対し、我が国はワクチン後進国と言われており、未承認問題の解消を始め、ワクチンの一層の活用が求められております。 現在の予防接種法では、例えばインフルエンザ菌b型や肺炎球菌、ヒトパピローマウイルスなど、WHOが勧告で奨励する予防接種も対象とはなっておりません。これらの疾病についても医療関係者からは定期接種導入の期待が高く、予防接種法の対象疾病の拡大を検討すべきであります。同時に、医薬品医療機器総合機構のワクチンの審査体制も大幅に拡充すべきです。加えて、接種費用の在り方も、各予防接種の役割や特徴を踏まえて見直しが必要であります。 このような方策を取って初めて国民の健康や暮らしの安全を守っていけるのに、今回の法案ではこれらの課題への対策はすべて先送りされています。これでは、現在の予防接種行政が抱える問題の本質は何ら解決されません。子ども手当でばらまかれる財源のほんの一部でも新たな定期接種の導入やワクチンの接種費用の助成に回せば、国民の健康や安心は大きく推進されるのです。 政府は、公衆衛生政策におけるワクチンの意義の認識が欠如しているとしか思えません。予防接種に関する評価・検討組織の在り方、国民への情報提供の在り方などを含め、早急に結論を得るため、時期を明示して法案に盛り込むべきと考えます。 以上述べてきましたように、今の政府は、新型インフルエンザへの対応において、国民や地方自治体、医療現場に大混乱を招いたにもかかわらず、その責任の所在を明らかにしておりません。そして、抜本改革を先送りしたまま、反省もなく、この法案を通そうとしています。 新型インフルエンザの第二波が猛威を振るう可能性もあり、国民はこんな政府の対応で大丈夫かと非常に不安になっております。我々は、この法案では不十分であることを主張し、委員会において指摘した問題を更に議論すべきだと考えます。 我々は、行政の在り方を正しつつ、今後とも、インフルエンザの未然防止と重症化の歯止めを徹底して進めるとともに、国内ワクチンの生産体制の強化に全力を尽くすことを国民にお約束して、討論を終わります。(拍手)
○議長(江田五月君) これにて討論は終局いたしました。 ─────────────
○議長(江田五月君) これより採決をいたします。 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百十七 賛成 百五十 反対 六十七 よって、本案は可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────────────
○議長(江田五月君) 本日はこれにて散会いたします。 午前十時三十五分散会