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174回国会参議院2010/02/24

政府開発援助等に関する特別委員会 第3号

発言数
54
登壇者
6
会派数
3
開催日
2010/02/24

会議録

岩永浩美自由民主党・改革クラブ

○委員長(岩永浩美君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会をいたします。  委員の異動について御報告をいたします。  昨日までに、若林正俊君、松浦大悟君、藤末健三君及び武内則男君が委員を辞任され、その補欠として西田昌司君、金子洋一君、外山斎君及び梅村聡君が選任をされました。     ─────────────

岩永浩美自由民主党・改革クラブ

○委員長(岩永浩美君) 理事の補欠選任についてお諮りをいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岩永浩美自由民主党・改革クラブ

○委員長(岩永浩美君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に木村仁君を指名いたします。     ─────────────

岩永浩美自由民主党・改革クラブ

○委員長(岩永浩美君) 政府開発援助等に関する調査のうち、平和構築と我が国ODAの役割及び我が国ODAと援助人材の育成・活用に関する件を議題といたします。  本日は、独立行政法人国際協力機構企画部審議役木邨洗一君及び特定非営利活動法人日本紛争予防センター事務局長瀬谷ルミ子君に参考人として御出席をいただいております。  この際、委員長として参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多忙中のところ当委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。  参考人の方々から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。  議事の進め方について申し上げます。  まず、木邨参考人、瀬谷参考人の順序でお一人二十分程度御意見をお述べいただき、その後、各委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。  御発言の際は、その都度委員長の指名を受けてからお願いをいたします。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、木邨参考人からお願いをいたします。木邨参考人。

木邨洗一独立行政法人国際協力機構企画部審議役

○参考人(木邨洗一君) 本日はお招きいただきまして、大変ありがとうございます。  着席させていただきます。  私は、今年の一月まで二年一か月間、JICAアフガニスタン事務所長として現地に勤務しておりました。本日は、その現地に勤務している実体験に基づいてJICAのアフガニスタンに対する活動について発表させていただきたいと思います。  お手元に、スクリーンもありますけれども、お手元にも同じ資料を用意していただきましたので、それも参考にしていただければと思います。(資料映写)  まず、アフガニスタンの概況ですが、これはもう御存じのとおり、内陸国であって、面積は日本の一・七倍もありますけれども、急峻な山々があり、土漠地帯の国でございます。  次ですが、民族がパシュトゥン人、タジク人、ハザラ人、ウズベク人等、もうたくさんの民族がいるイスラムの国ということが大きな特徴かと存じます。  次に、いろんな指標がございますが、これは人間開発指標ということで、アフガニスタン、例えば出生時の平均余命を見ますと四十三・六歳というように非常に低うございます。  次のこの図なんですけれども、これも御存じのとおり、アフガニスタンが九・一一以降、国際社会がアフガニスタンを支援するようになって、二〇〇一年の十二月にボン合意というのがなされまして、和平プロセスを経て、二〇〇六年の一月にロンドンにおきまして復興支援会合が行われました。ここで、アフガニスタン・コンパクトと呼ばれておりますけれども、今後達成すべき開発目標をまとめた協約文書、これが締結されて、国際社会がこれに向けて開発をしていく、支援していくという枠組みになってございます。  その次のANDS、アフガニスタン国家開発計画とかアフガニスタン国家開発戦略と呼ばれるものでございますが、これが目標を達成するための戦略を各セクターごとに細かく書いてございまして、国際社会、特に開発を行っておりますドナーはこのそれぞれの目標に従って援助を実施している。アフガニスタン政府と一緒になって開発努力を行っているということが言えると思います。当然JICAも、このANDS、国家開発計画に従っていろんな各セクターにおいて援助事業を実施させていただいております。  その次の援助調整メカニズム、ANDS実施・モニタリング体制・CG体制という、ちょっとややこしい図で細かくて大変恐縮なんですけれども、これは国際社会がアフガニスタン政府と一緒になってこのANDSを達成していくための一つの枠組みを示した図なんですけれども、特にここのJCMB、ちょっと小さくて字も読みづらくて恐縮なんですけれども、ここのJCMBというのは、これがジョイント・コーディネーション・アンド・モニタリングボードというものでして、四半期に一回会合が開催されることになっておりますが、諸般の事情で年に数回これまで開催されておりまして、二〇〇八年二月には東京でも行われましたが、ここが、ドナーとアフガン政府が一体になって、ANDSに向けての開発の援助も含めた活動がどういうふうに進捗しているか、何が問題か、そしてどんな新しいプロジェクトをやるか、調整が必要ならそこで調整する、そういったことが行われております。  ここの右の方にごちょごちょと書いてあるCGという、これはコンサルティブグループというんですが、これもアフガニスタンのみならず、今世界の各国での途上国での援助の中では、ドナーが集まってこういうコーディネーショングループをつくって、ここで各セクターでドナーが連携しながら協調しながらやるということになってございます。  ここで話し合ったことをJCMBでも話し合ったりして、つまり何が申し上げたいかと申しますと、アフガニスタンは特に全世界、国際社会の枠組みの中で援助が実施されていて、決して日本が単独で動いているわけではなくて、それぞれのドナーはそれぞれのやり方ですとか政策もあるわけで、もちろん日本政府には日本政府の政策があってそれを体現するわけですが、このコーディネーションの中でやっていかないとなかなか許してもらえないという現状がございます。特に、アフガニスタンはやはりかなりいろんな国が軍事面も含めて入り込んでおりますので、そういった傾向が顕著だというのがこの二年間私が過ごした実感でございます。  最近の潮流ということでまとめますと、一つは財政支援ということで、日本は、特にJICAは独自でプロジェクトを実施しているわけですけれども、ほかの国でもそうなんですけれども、各ドナーが一対一で事業を実施するんではなくて、一つの財布を設けて、そこにお金を入れて、資金を入れて、そこで援助を実施していくという流れ、これが加速しております。  また、アフガニスタンの場合、とにかく成果を出すと。これは個人的な実感でもございますけれども、アメリカがオバマ政権になって、今までどちらかというとアメリカは軍事面とそれから開発援助の面でも割と独立独歩でやっていたんですが、最近はどんどんドナー協調の流れのリーダーシップを取って財政支援もどんどんやっていくというような流れになっているというのをここ半年ぐらいで非常に感じました。  そんな中で、JICAなんですけれども、JICAの特にとりわけ技術協力でございますが、これはやはり日本人による直接の技術移転、日本人が行って、日本人がアフガン政府の人たち、アフガンの大学の人たちと一緒になって活動する、そのことによって相手のキャパシティービルディングがなされていく、相手を育てていく、それから、やはり自助努力、これを促して自立発展をさせていく。これがJICAの援助の仕方なんですけれども、これは国際的な流れとは少し違うんですが、JICAといたしましては、これまで、これはボンのプロセスから先ほど申し上げましたコンパクトANDSの流れ、これに沿いつつも、それぞれのセクターでいろんなプロジェクトを、日本人が派遣されて、そこでやっていくというやり方でやってまいりました。私といたしましては、それによって成果が得られている、地道な活動でもあるんですけれども、実際にいろいろな人が育っていって自分たちでいろんなことがやっていけるようにしていっているというふうに自負しております。  次に、地図と都市の名前とプロジェクト、これを記した図がありますが、これが今現在JICAが実施しているプロジェクトでございます。ここにJICA関係者三十七名滞在中とございますが、これは今日現在の数値でして、JICAの場合、日本人が行ったり来たり、コンサルタントも含めて、出たり入ったりいたしますんで、今日現在三十七名ですが、これは毎日数字が変わります。今の計画ですと、三月末には約五十名、四月末には六十名という体制で活動をする計画でございます。  ここに、JICAが行っているプロジェクトの地方で行っているプロジェクトとして、ジャララバード、マザリシャリフ、バーミヤン、カンダハルとございますが、日本人がこの地方で実際に張り付いてというか生活してプロジェクトをやっているのは、ジャララバードのこの稲作のプロジェクト、ここだけでございます。ほかにつきましては、カブールにベースがあって、カブールのプロジェクトのフィールドであったりサイトであったり、それがそれぞれの都市にありまして、ここに必要に応じて日本人が出張ベースで行くと、そういう形を取っております。カンダハルにつきましては、もう日本人が入るような状況、治安の状況が悪うございまして、入ることはできませんので、現地の人に任せていたんですけれども、ここのプロジェクト自身が今年度で終了いたしますんで、カンダハルについては今後の支援の計画はございません。  このプロジェクトを分野別で分けますとこうなりますが、今日は時間がございませんので一つ一つのプロジェクトについては御紹介する時間がありません。そこで、ちょっといろんなプロジェクトの写真を載せさせていただきました。  最初が、無償資金協力で建設されましたカブール国際空港のターミナルビルでございます。右側の写真は、カブール市の地下水を調査するプロジェクトでございまして、このボーリングマシンという地下水を掘削して探し当てる機械なんですけれども、これも日本が供与したものです。  また、この写真の上の方ですけれども、これはジャララバード、先ほど申し上げましたジャララバードの稲作プロジェクトの様子でして、戦乱で受け継がれてきた稲作の技術というものが完全に途切れてしまいまして、稲作をやっているといっても本当に収量の低い状況でやっておりました。ここに日本人の専門家が入って、ここでもやっておりました稲作の技術をよみがえらせ、さらに日本の技術を紹介し改善していくことで収量が著しく伸びたというプロジェクトでございます。  下の方は、これは地方開発支援プロジェクトというんですけれども、アフガニスタンは地方でいろんな部族がいて、その人たちが独自に開発をしていくことによって国の一体感を得て平和につなげていこうと、そういうNSPという、ナショナル・ソリダリティー・プログラム、国家連帯計画と呼んでいるんですけれども、これがございます。これは巨大なプロジェクトなんですけれども、これの一環としてJICAも日本人のコンサルタントが入って、現地で村人を組織化して、村人にどんなことが必要かというのを、ニーズを調べ、この右の方は小さなダムというか堰を建設している様子なんですけれども、こういうインフラ、小さなインフラですとか学校ですとか用水路、そういったものを建設しているプロジェクトです。建設そのものは手段でして、これを住民の手で、村人の手でやっていく、それで平和をもたらすという、その支援のプロジェクトでございます。  そのほかにも、これは教育のプロジェクト、職業訓練、これが保健・医療、こういった形でやってございます。  こういうふうに日本人が現地に入ってやっていくプロジェクトですので、JICAといたしましては一番重要な点として安全管理、安全対策がございます。  残念ながら今、日本人、JICA関係者はすべて防弾車による移動を義務付けております。外出もできません。ここ二年間、実はショッピング、買物もレストランも禁止しております。それから、毎日無線連絡をして、何かがあったら必ず安否確認をすると。それから、最近では少し危険な地域には武装警護を付けるというような配慮をしてございます。  これは別にJICAとは関係ないんですけれども、カブールの町中にはこういうようなコンクリートのブロックがあって、またその次の写真、ちょっと忙しくて申し訳ございません、こういうふうなバーがありまして車が自由に行き来できないようになっております。  そういった治安の中でございますが、JICAといたしましては今後のアフガニスタン支援といたしまして、先ほどの図の延長なんですけれども、もちろん治安の維持のための警察研修、それから教育や保健・医療といった基礎的生活分野、職業訓練、これも継続してまいります。とりわけ、加えてやはり就労人口の八割を占めます農業、ここに着眼いたしまして、平和の安定のためには農業、ここを支援していきたい、それに加えてカブールの首都圏開発を考えております。  農業につきましては、先ほどのジャララバード、ここに稲作の技術支援をやっているわけですけれども、ここの成果を是非ほかの地方でということで、アフガニスタンでも稲作地帯でありますクンドゥス州、タハール州、こちらに広げていきたいと思ったんですが、残念ながら治安がここの二州は今非常に悪くて、今様子を見ている現状でございます。  ただ、バルフ州、ここのところですね、左の方の上、それからバーミヤン、日本でも有名なバーミヤン、ここは平和です。それから、カブールの北の方にも農村地帯はありまして、そういったところで稲作以外でもできることをどんどんやっていきたいと考えております。土漠地帯なんですけれども水さえあれば緑になると、それが一番難しいんですけれども、何らかそこで貢献したいと思っております。  もう一つのカブールの首都圏の開発事業ですが、二〇〇六年にJICAはここのカブール首都圏のマスタープランの調査を行いまして、首都圏を開発していくシナリオ、それからいろんな緊急プロジェクトや将来のプロジェクトを提言しております。大昔は、大昔というか三十年、四十年前のカブールというのは緑豊かなきれいな都市だったと聞いております。それが今や四百万人の人口を抱えて、もうほぼ都市の機能は機能不全に陥っていますというか、一番やっぱり深刻なのは水の問題だと思います。どんどん人口は膨れ上がっております。  この調査では、二〇二五年には人口は九百万人になるだろうという予測をしまして、そこでどういうふうにすればいいかということで、現在のカブールと新しい都市を建設して、これが今の現在のカブールですけれども、この右の方の下の絵がカブールの市街を写しておりまして、ただちょっと北に行きますとこういう緑の高原地帯がありまして、ここを開発していくと。さらに、もっと北の方には水源もあるということで、これは将来的にはこのカブールがこういうふうな都市に発展していけばいいという、これは確かに夢物語のような絵なんですけれども、ただ、このままカブール市をほっときますと、水も含めて人が生活できない、平和から遠いような都市になっていくということで、是非ここの首都圏はほかのドナーを巻き込みながら開発していきたいと思っています。  ということで、JICAは、安全管理にも気を付けながらますますできることをやっていきたいと考えております。皆様の御協力、何とぞよろしくお願いいたします。  今日はありがとうございました。御清聴ありがとうございます。  以上でございます。

岩永浩美自由民主党・改革クラブ

○委員長(岩永浩美君) ありがとうございました。  次に、瀬谷参考人にお願いをいたします。瀬谷参考人。

瀬谷ルミ子特定非営利活動法人日本紛争予防センター事務局長

○参考人(瀬谷ルミ子君) 日本紛争予防センターの瀬谷ルミ子と申します。本日はよろしくお願いいたします。  私の方は、こちらの日本紛争予防センターはNGOですが、こちらの方には三年前から所属しております。その以前は、国連のPKOで、西アフリカのシエラレオネ、コートジボワール、そして在アフガニスタン日本大使館で書記官として、兵士の武装解除、動員解除、社会復帰、いわゆるDDRと呼ばれることを専門に過去十年ほど活動をしてまいりました。ですので、本日は平和構築及び人材育成ということに観点を置きつつ、そのアフリカの事例ですとかアフガニスタンでのかつての経験を踏まえたお話をさせていただきたいと思います。(資料映写)  まずは簡単に、紛争という、今私たちが平和構築と言っている中で、どういったコンテクストで、じゃ私たちは平和をつくろうとしているのか、その平和とは何なのかということをちょっと簡単に触れたいと思います。  こちらはあくまで参考として、どのような形の紛争が近年行われているかということなんですが、かつては国家間の紛争、冷戦ですとか、そういったものが多かった中、ここ二十年ほどになって国家間の紛争よりも国内紛争の方が増えてきたと。その中でも最も顕著であったのが、まず国家やその地域の政治的主導権をめぐる抗争、いわゆる内戦ですとか暴動といったものが、普通に一般的ないわゆる内戦というものでここ数十年しばらく存在してきました。  こちらは、ケニアのちょうど二年前に大統領選挙の後に民族間の対立で暴動が起こったときの写真です。ケニアはアフリカでも優等国と言われていましたが、その民族間の抗争で短期間で千人が亡くなって、三十万人以上が国内避難民となる事態となったと。ですので、一般的に日本で安定した国とみなされている国でも、何らかの予兆があり、その予兆が何かの形で起爆剤となって内戦になってしまうと。多くの場合、その政治的な争いに一般市民が巻き込まれるという状況が見られます。  二点目の紛争の形なんですが、こちらは、二点目は政治的な、国家間の権力をめぐるような政治的な思惑がもうちょっと影を潜めて、単純にその地域の部族間の抗争や、そこに存在している中規模な集団間の勢力争いですとか資源争い、こちらに起因する争いというものもあります。  こちらは南部スーダンの写真なんですが、こちらは資源の争いというか、水をめぐる争いで異なる部族同士がお互いのコミュニティーを焼き討ちし合うと。そのほか、このような東部アフリカでは、牛が貨幣と、家畜が貨幣と同じような意味を持つということから、家畜をめぐるような争いでこのような被害が起こるという例も存在しています。  三点目ですが、特にここ数年、世界でも最も問題とされて、しかも平和構築の話をするときにいまだに明確な解決策が打ち出せてなく、恐らく今日の平和構築という話の中でもかなりのキーワードになるのがテロやネットワーク型紛争にどのように対処していくかというところだと思います。  これは、ちょうど一年ほど前にソマリアの北部で国連の事務所が爆破されたときの写真なんですけれども、このようなテロというのは場所を余り選ばず、アフガニスタンやパキスタン、ソマリアなどという例を挙げていますけれども、それまではある特定の地域に行くことで自分たちが、私たちも脅威にさらされる可能性があったところが、逆に脅威がこちらに向かってくるというような新たな形の脅威となっていると。  そのほかに、ネットワーク型紛争というのは、まさに国際テロリストグループと言われているアルカイダですとかその他の原理主義集団や武装勢力がありますけれども、それまでは国対国、国対武装勢力というような構図だったのが、オサマ・ビンラディンのような個人を象徴とするようなアクターが国、例えばアメリカですとかその他の国際社会に対峙すると。よく非対称の紛争と言うんですが、必ずしもそれまでのようにある程度釣合いが取れたもの同士が争うのではなく、単なる一個人がその国家ですとかその地域の治安を簡単に脅かすことが可能となった紛争、それだけに対処が難しいということになっています。  では、そのような紛争に対して、まず近年のいわゆる平和構築支援と呼ばれる中でどのような対応が必要なのかということを簡単に四点だけハイライトとしてまとめたものがこちらになります。  まず一番最初に、何がなくとも必要なのは和平・政治プロセスの支援であると。この和平と政治プロセスによって停戦合意ですとか和平合意というものが締結されなければ、どのような形で復興を進めていくか、また、その後どのような安定化の道を進むかというある意味ロードマップというか計画というものが立たないと。ということで、まずこちらの和平・政治プロセス支援というものが非常に重要になると。方法としては、調停ですとか選挙支援ですとか民主化支援ですとか、そういったことが挙げられます。  二点目ですが、こちらは日本でも、国連を経由してですとか、NGO経由、またJICA経由などで比較的重点を置いて行われているものだと思うんですが、こちらは被害者支援になります。被害者支援というのは、今発生している被害者、今この瞬間に発生している被害者を救済して、これ以上被害が拡大する、人命が失われるのを防ぐというもので、よく目にされるのが難民ですとか国内避難民への支援、水、食糧、住居、医療など最低限必要な、いわゆるベーシック・ヒューマン・ニーズと呼ばれるものを取りあえず確保すると。ただ、これは短期的な支援になりますので、これを何年も何十年も続けるわけにはいきません。なので、その次に必要なのがそれを踏まえた生活再建支援と。  三点目の生活再建支援というのは、先ほどJICAの木邨さんの説明にもありましたとおり、長期的にどのようにその国の人たちが自分たちで自立していくかという道筋を立てつつ技術移転をしていくと。これらの支援は国づくりとなるんですが、特に国民がその後の国の国家活動ですとか経済活動の担い手となる以上、その市民やそこに存在する市民社会、また民間セクターの経済・社会活動を営む生活状況を長期的な視点から改善していく必要があるということで、平和構築の中での特に国づくり、特に経済活動、社会活動の部分で長期的に重要になってきます。  四点目なんですが、被害者の救済や一般市民や民間セクターの長期的な支援をする一方で、やはりどうしても取り組まなければならないのは治安改善の支援だと。この治安改善の支援は軍や警察、司法制度の改革、先ほど私がお伝えした兵士の武装解除や動員解除、社会復帰と呼ばれる、DDRと呼ばれる支援などが含まれるんですが、こちらを行う目的というのは将来新たな紛争や暴力の被害を食い止めるためのシステムをつくると。これも国づくりの重要な一翼を担う支援ですが、この分野での専門家というのが特に日本でも極めて少ない、国際的にもこの分野の専門家というのは大変不足しています。  この四点の中で恐らく日本が一番ノウハウがあるのが二番目、三点目。それは無償資金協力や技術協力、NGOを通じたいわゆる顔が本当に見える支援の分野で実際に活躍するアクターは増えていると思いますが、この一番目の部分、選挙支援などは日本は積極的に関与していると思いますが、特に調停ですとか仲介ですとか、その分野でなかなかリーダーシップを示すような存在にはなれていないと。この四点目についても無償資金協力という形で、国連経由ですとか、そういった形での支援は行っていますし、ちょうど二年前からアフリカで、これもまた国連のUNDP経由ですけれども、アフリカで平和活動に携わる軍や警察や文民の職員の研修や訓練に日本が支援を開始しましたが、そのような資金協力を除いてはこちらもなかなか専門性を発揮できていない。国際的にもニーズが多々あるという分野になると思います。  その上で、では日本としてどのような平和構築支援を行っていくべきかということと、あくまで私が現場で活動をしている中で、現場の紛争地ですとか平和構築の現場で活動している中で実感として感じていることなんですけれども、それを四点ほどにまとめました。  まず一点目ですが、平和構築というのは、言ってしまえば紛争後の国で行う支援というのは何でも平和構築と呼べると。道路を造ったとしても医療をやったとしても、言ってしまえば何でも平和に貢献するということで、平和構築の中で基軸となるような、核となるような、日本だからこその支援ですとか、そういったものを打ち出すのがなかなか難しいと。それを行うためにはその分野の絞り込み、日本だから、日本といえばこういった支援というような絞り込みが国際的な中でプレゼンスを保つためには必要になってくるかなと思います。  この点から、例えばスカンジナビアの北欧の国ですとかは、特に平和構築のソフトコンポーネントの部分、研修ですとか人材育成ですとか、なかなか形に見えにくい部分の支援を十年以上前からこつこつとしてきまして、NGO、国際NGOなり現地NGO、どちらに対しても小規模ながらもかなり根気の要るような支援を続けているために、現地に行くと、北欧の国家イコールそういったソフトの、手の届かない、なかなか手の届きにくいようなところにも支援をきめ細やかにするというような印象が既に国連機関の中にも現地NGO、国際NGOの中にもあります。  日本というと、よく現地で聞かれるのが、日本というとハードですとか技術の日本というようなことを言われるんですけれども、特に最近アフリカで感じるのが、やっぱり中国の支援、ODAですとかその他の支援というものがとても大規模に行われ始めています。現地の人に聞くと、質としてはやっぱり日本の方が上で、日本の方がきめ細やかな技術移転をしてくれるという意見はあるんですが、やはり量ですとか、本当に危ないようなソマリアのような国や、スーダンですとかああいったところでも大規模な道路建設を余り治安の脅威も感じずに行っているというので、やはりインパクトが違うと。なので、私以外にも現地で働く国連職員ですとか現地政府、また現地の日本大使館の方たちに意見を聞くと、なかなかそういった点で日本のプレゼンスというのが弱まっているのをとても感じるという声はとても聞かれます。  なので、日本として平和構築支援というものを打ち出していく中で、何のためにまず国際貢献を打ち出すのかという点にも絡んでくるんですが、更に求められる産業ですとか支援分野を絞り込んだ上で、必要とされる分野の開拓や強化が必要になるかなと思います。  二点目なんですが、やはり日本の強み、特に平和にかかわる強みとしてとても実感するのが、日本の持つ中立性というんですか、東アジアでは日本の戦争の歴史というものがありますけれども、やはり、その他のアジア地域ですとかアフリカ地域ですとか、アフガニスタンでもそうですけれども、日本に対する親近感はとても強いです。そう言うととても夢物語のように聞こえるかもしれないんですが、実際に日本も第二次大戦で原爆を落とされて、ぼろぼろにされながらもここまで復興したというのは、どんな途上国でも学校教育を受けている人だったら大抵の人は知っているんですね、ヒロシマ・ナガサキということは。それなのに、今、町を見ると日本の中古車であふれていたり日本の電化製品であふれていると。なので、そのノウハウを教えてほしいという声をとてもよく聞きます。  ただ、そういったところで、なかなかそのノウハウを教えてほしいと言われたときに、現地の産業育成ですとかそういった分野での専門がある団体ですとか専門家を見付けるのに苦労した経験があります。なので、そういったソフト面の支援で、特に産業育成ですとか、農業ですとかそういった分野の技術移転は、先ほどのJICAさんの発表でもありましたとおり、かなり日本は積極的に行っていると思いますが、現地の産業育成ですとか小規模ビジネス育成ですとか、特にそういった分野で日本が果たせる役割というのがあるのではないかと。  同時に、このソフト面の支援というのは日本の中立を生かせるという意味で、平和構築というかなり機微な分野で、日本の持つソフトパワーというんですか、そういったものを生かすことが十分可能だと思うんですが、同時にこういったソフト面の支援というんですか、訓練ですとか研修ですとか、特に平和構築分野のそういった技術移転というのはなかなか日本も専門家がいないと。  それは後ほど人材育成のところで触れますけれども、NGOの中では一部そういった支援を行っているところもあるんですが、日本の通常の無償資金協力、NGOに対する無償資金協力ですと、いわゆるソフト的な支援というんですか、研修のようなものをするとなると、必要な経費は人件費のみになるので、人件費だけの資金供与というのはなかなか認めてもらえないという側面があったりして制限があると。何かのハードウエアですとかそういったものと絡めたような支援というものは比較的認められやすいんですが、人材の持つ力というんですか、そういったものを直接生かしたような支援というのを行えるほどの柔軟性を持った資金協力枠組みが今までなかなかなかったと。ただ現在、外務省も含めてそちらの点を改善すべくNGOと調整を図っているので、今後こちらは改善されるとNGOの側も大変期待を込めている分野です。  こちらの2)の二点目なんですが、日本の中立性という観点からこれを生かした支援をすべきだということをお伝えしているんですが、支援の組合せによって日本の持つ中立性が損なわれる、又は何らかの形で誤解されるということもあり得ます。  こちらは単にアフガニスタンの例なんですが、最近、アフガニスタンはタリバンの和解ですとかそういったものを日本政府も打ち出してきまして、私が目にした中でも、タリバンの和解のためのタリバンの一般兵に対する職業訓練、警察に対する給与の支給、そしてアフガニスタンの国軍の医療部隊に対する資金供与というものが報道などでも発表されています。ただ、その三つだけを見ると、いわゆるアフガニスタンで今治安上の脅威と言われるタリバンから見て、タリバンの特に上層部から見たら、自分たちに反対するための支援としか見えないと。自分たちを取り締まるための警察や軍に対して協力をして、しかも自分たちの力をそぐために若手を取り込もうとしているというふうにしか見えないと。  なので、こういったものは包括的なパッケージとして、もちろんその上層部、タリバンの上層部と政治的な和平プロセスを進めるですとか、そういったものと組み合わせた上で発表なり取組というものをしないと、日本がこれから文民主導ですとかそういった形で現地で支援をしていく上で逆にマイナスの影響が出かねないと。なので、こちらはどのような形でアフガニスタン支援やまたその国の支援をするかということを包括的にバランスを取った対策が必要になるかと思っています。  三点目なんですが、安全対策の面で、先ほどJICAさんからも安全対策に大変気を遣っているという発表がありましたけれども、特にこの面では、日本の団体、特に日本の文民ですとか、やはり海外で特に平和構築分野で活動するときに、なかなか治安の問題で立ち入って支援、現地に滞在してできる支援というのが限られていると。例えばアフガニスタンでも、治安が悪化しているということで、パキスタンですとか日本から遠隔操作をする必要が出てくると。  そんな中で、平和構築を支援をする上で、なかなか現地で活動できないので継続的な支援にも影響が出るということで、安全対策ですとか危機管理対策というのを官民協力で策定、強化することで、徐々にNGOですとかその他の文民のできる活動範囲というものを可能な限り広げていく措置が必要であると。当然、これは危ないところに飛び込めということではないんですけれども、そのためにきちんと安全対策を取った上でできるかできないかというものを判断するような仕組みを今からつくれば、数年後にできることが変わってくるのではないかと。  やはりこれは、現地で、国連組織ですとか外国のNGOと比べて日本のNGOはやはり平和構築支援でできることが限られているとみなされる一つの原因でもあります。ですので、こちらで述べている提案というのは、外務省ですとか防衛省ですとかNGO、それぞれ現地で持つ強みですとか組織として持つ経験、強みがあるので、それの経験を集約した形での危機管理対策ですとか研修というものを行うと。その上で、防衛省ですとかそういったところは、無線ですとか事故対策、車両や応急措置などの研修、専門研修というか、そういった基礎研修のようなものをNGOに対して行うですとか文民に対して行うような協力の仕方もあるかと思います。  このような形の共同研修というのは、カナダですとかヨーロッパではNGOと軍の間でかなり頻繁に行われていますし、現地で活動している国連PKOも、その他のNGOですとかその他の文民の国連職員に対してこのような研修を行うということは、実際に現地レベルでも頻繁に行われています。  四点目ですが、これは日本に限らずなんですが、どの平和構築支援でも見られる課題なんですけれども、平和構築支援というのは、例えばアフガニスタンで今支援が必要だと、ただ数年後にはそれが忘れ去られていてまた別の紛争が起こるということで、かなり経験が途切れ途切れになりがちだと。  私も実際にアフガニスタンに勤務していたときは、ちょうど五年ほど前だったんですが、そのときに同じ大使館に勤務していて、同じように平和構築や武装解除ですとかそういったことに取り組んだときの同僚ですとかそのチームというのは、ほとんど今、政府にも残っていませんし、同じセクターで活動もしていないと。そして、その経験がどこにも公式なところで残っていないと。とてもたくさんの経験もありましたし、実績もありますし、教訓もあると。そういったものが集約されるような仕組みも現在存在していませんし、機能も今の日本ではなかなかないと。これは、必ずしも政府が主導して行うべきものでもないですし、民間の中でもシンクタンク的なところがその役割を担っているという国も外国には多々あります。  なので、こういった機能というのがあれば、過去の日本の支援また外国の支援だけでなく、現在ほかの国で、いろんな各国で行われている支援というのを集約した形での情報共有が可能になるかと思います。  その下にはソマリアでのコミュニティー治安改善プロジェクトの例を挙げましたけれども、こちらは、現在、ちょうどアフガニスタンとソマリアというのは文化的ですとか紛争の抱える問題というのが若干似ているかと思うんですが、同じイスラム国で部族社会で、アルカイダとのつながりが見られている、武器の流通が大量にあると。ソマリアの場合は海賊という非合法ビジネスによる多額の資金が流入していて、アフガニスタンの場合はそれが麻薬だと。  このようなソマリアで、現在、現地の長老ですとか宗教指導者ですとか、現地のコミュニティーが持つ治安改善の力というものを生かした形のコミュニティーからの治安改善の支援を行おうという試みが始まっています。ですので、こういった例がすべてアフガニスタンなどの状況に合うとは限りませんけれども、こういった経験を共有して、ほかの地域で実践できるように政策に取り込んでいくことも可能であるかと思います。  こちらは、実際の現地で、現地のNGOを研修している写真です。これは、現地の警察ですね。  ちょっと時間になってしまったようですので、ちょっと人材育成のところの発表もあるんですけれども、もしこちらを質疑応答の部分でお答えした方がよければ、そうさせていただきたいと思います。  取りあえず、以上です。

岩永浩美自由民主党・改革クラブ

○委員長(岩永浩美君) ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  参考人に対する質疑を行う際は、御起立の上、御発言ください。  参考人の方々の御答弁につきましては着席のままで結構です。  また、各委員の発言時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いをいたします。  それでは、順次御発言願います。

犬塚直史民主党・新緑風会・国民新・日本

○犬塚直史君 両参考人、今日は本当にありがとうございました。  まさに今、一番最後に瀬谷参考人がおっしゃりかけていた人材育成、どんなに金を出しても、どんなにインフラを造っても、それが現地でどのように使われていくのか、現地の人たちはそれをどのように理解していくのかというところについては、長い期間をもって日本が本当に顔を見せるという意味では、これはもう人間しかいない。この人間をどうやって育てていくのか、日本の社会的なそれを支える基盤というものが実は今大変な問題だというふうに感じておるんですけれども。  まず、瀬谷参考人にお伺いしたいんですが、一番最後に言い残した人材育成のところ、どうぞ手短におやりになってください。

瀬谷ルミ子特定非営利活動法人日本紛争予防センター事務局長

○参考人(瀬谷ルミ子君) ありがとうございます。  では、人材育成のところを手短に御報告いたします。  まず、こちらのODAの特別委員会でも人材育成のセッションというのは何度かあったと理解していますので、概要の方は皆さん御存じかと思いますので簡単に。  現在、日本の平和構築分野の人材育成というところで何が問題となっているのか。  まず、日本人職員や日本人の専門家が少ないと。こちらの表は実際にそれをデータで表したもので、こちらの方はもう既に目にされている方もあるかと思いますので簡単に触れますけれども、まず、これは二〇〇八年時点のデータで、三つあります。一番上が国連関係機関、こちらはユニセフですとかWFPですとかUNHCRという国連のいわゆる援助を行っている機関の中で日本人の占める割合というのが二・八%であると。二点目が国連事務局、こちらはニューヨークの各委員会ですとかそちらの方の中の日本人の割合ですが、こちらが三・九%。三点目が国連のPKOミッションですけれども、こちらの方は日本人の占める割合が著しく低くて〇・〇四%で一%にも満たない数、こちらが日本の分担金の割合と照らし合わせて著しく低いということで、もう数年以上、何年も前から問題になっている点であります。  特に、この中で平和構築と密接にかかわってくるところが、国連関係機関も平和構築支援というのを行っていますが、やはりPKOの分野というところでかなり専門的な、司法改革ですとか人権問題ですとか女性の問題ですとか、そういった平和構築のかなり根幹、先ほど挙げた四つの平和構築に必要な支援分野の中の治安改善にかかわるところを担う役割を担うのが国連PKOのミッションである場合が多いと。そこで日本人が少ないということは、やはりそれだけ経験を積んでいる人材も少なく、それが悪循環になっているということが言えるかと思います。  次のこちらなんですけれども、人材不足の理由というのが、まず五つ挙げましたが、専門知識を学ぶ機会が少ない、経験を積む機会も少ない。これは、まず最初のきっかけというところで入る入口がまず少なかったり、そのチャンスが極めて限られているということが挙げられると思います。  二点目は、急な募集が多いということもありますので、紛争が起こった直後に一気に募集が起こるということで、そのときに準備ができている人材、かつ専門性がある人材が少ない。また、政府の方が日本人を優先的に送ろうとする場合も人材の特定がなかなか短期だと難しいということが問題になっています。  三点目が、これもよく言われることですが、長期的な雇用保障がない。国連の場合でも短期契約のことが多いですし、特に平和構築分野で活動するNGO、日本のNGOも全般ですが、待遇に格差があるため、ある程度スキルが付いてきたほどドロップアウトしやすいと。また、大体三十代前後になって家庭を持たれたり結婚したりする人というのはやはり家族を養えるほどの収入がないということでほかの職種に移らざるを得ないということが多々見受けられます。  また、最近になって見られるのが、国連や在外で経験を積んで大体三十代半ばぐらいになって日本のために何かしたい、日本の団体として平和構築に携わりたいという希望を持つ人も最近増えています。実際に私の知り合いにもいますし、当センターに人材応募をしてくる人の中にもそういったことを日本のNGOであえて国連を捨てて働く理由に挙げる人たちはいます。ただ、日本の中で、戻って平和構築ということに携わろうとするときになかなかその受皿がない。それは、待遇の問題もありますし、その受皿の数の問題もあるかと思います。  四点目は、人的ネットワークの維持というものが難しいというのは、なかなか国連の中でも、国連ですとか国際機関の中では実際に急な、紛争が起こりそこで短期で成果を上げられる人材が求められるということで、その人の実績ですとかスキルを担保した上で人を雇用したいという希望をする人が多いと。特に上司は、すぐに結果を出せる、短期的に結果を出せる部下が欲しいということで、結局、顔見知りですとかどこかで成果を出したことがある人がまたほかのところに推薦されるという構図ができてしまっていると。なかなか日本人の専門家というのはそのループに入り切れていない人がいると。  五つ目は、技術的な問題ですが、語学ですとかプレゼンテーションとかそういった問題で、日本人は書類選考は通る人が多いんですが、面接で落とされる人がとても多い。極めて多いです。ここは単にプレゼンテーションの問題であるということはもう数年前から言われていました。  では、このような中で、どのような提案ですとかどのような留意点を考慮した上で日本として人材育成に取り組むべきかというところで、私なりの提案というか、そちらの方を並べさせていただきました。  まずはエントリーレベル、初心者というか、この分野に興味を持つ学生ですとか社会人の方はたくさんいるんですが、入口がないと。平和構築の人材育成といったときに、国連職員にかなり集中した議論が行われることが多いというのはとても感じています。ただ、他国を見ますと、やはりNGOですとか政府、コンサルタント、JICAのような援助機関、そのような様々な機関の間を移動してスキルを積んでいくというのが普通に行われています。日本でも最近徐々に増えてきました。ただ、そういったところでなかなか、そのエントリーポイントとして考えられないほどの待遇であるとその部分でちゅうちょするような社会人の方ですとかが多いと。

岩永浩美自由民主党・改革クラブ

○委員長(岩永浩美君) もう少し簡潔にお願いできませんか。

瀬谷ルミ子特定非営利活動法人日本紛争予防センター事務局長

○参考人(瀬谷ルミ子君) はい。  なので、その分野での調整が必要であると。  二点目なんですが、日本が国連機関に拠出をしながらも実際にそこに日本人職員を送り込めないですとか、邦人専門家を送れるようなスキームがないということが見受けられます。こちらも南部スーダンの例です。スーダンの例ですが、日本が十五億円ほどスーダンの武装解除に拠出しておりますが、そのモニタリングをする専門家を日本は一人も送れることができていないと。一億円や二億円の比較的小規模のファンドを資金提供しているようなカナダですとかイギリスは、すぐに専門家を送って、かなり現地の武装解除のモニタリングですとか、そういったものをリードしています。そういった点から、派遣、現地に柔軟に人材を送れるようなシステムを日本も整備する必要があると。  二つ飛ばして五点目になりますが、特に人材の把握ができていない。既にスキルがある人がどこにいて、どのようなスキルを持った人がいるのかというのが分かっていないことも一つの問題であると思います。そのような人材を登録するようなデータベースを今各所で作成中だということを理解していますが、そのような情報を定期的にアップデートして、一度登録しただけでは数年たつとその情報がまた更新されずそのままになってしまうというシステムがかなり見受けられるので、そのような点を考慮する必要があるかと思います。  長くなりましたが、以上で。

犬塚直史民主党・新緑風会・国民新・日本

○犬塚直史君 ありがとうございました。  当委員会は参議院だけの委員会なんですね、ODA委員会というのは。そして、実は百六十六国会でこの委員会で初めて中間報告というのを出しました。その中間報告のタイトルが「「援助量」大国から「援助人材」大国へ」と、まさに今お話しになっているどうやってその人材をつくっていくかということに対する一つの提案を行ったわけであります。  しかし、その中身は非常に問題が山積をしておりまして、一言で人材をつくっていく、人材大国になるといっても、それはいろんな今御指摘になったような点がたくさんあると思うんですが、一つは、例えば私の知り合いもそうなんですが、海外に、じゃ、医者として例えばソマリアに行く、あるいは違うところに行くというときには大体病院を辞めなきゃいけないんですね。行くんなら辞めて行けと。帰ってきても復職の保証がないと。医師だったらまだいいかもしれませんが、それ以外のいろいろなスキルの人たちが安心して海外に行くようなシステムになっていない。あるいは戦争保険が付かない。子供や家族がいたらちょっと行くのをちゅうちょするような中で皆さん頑張っておられると思うんですけれども。  もう一度瀬谷参考人に聞きますが、先ほどちょっとおっしゃっていた入口がない。つまり、どっかの入口で人材登録をして、その人たちが安心して行ったり来たりできるような、そういうシステムの構築、第一歩が人材登録だと思うんですけれども、その辺、今どのような取組を期待されておられますか。

瀬谷ルミ子特定非営利活動法人日本紛争予防センター事務局長

○参考人(瀬谷ルミ子君) 現在、外務省の支援を受けて広島大学が行っている平和構築の人材育成、能力強化のプロジェクトの方でそのようなデータベースを作成中だということは理解しています。登録も重要なんですけれども、恐らく平和構築の分野の人材が研修ですとか就職あっせんというのを必要とするタイミングというのは幾つかあると思うんです。  まず、一番最初のエントリーレベルの部分で、本当に経験はないけれども、平和構築の分野で経験はないけれども、何らかの経験を積みたいと、こういった場合は、実際に広島で行っているようなまさにエントリーレベルの機会を与えるということをその登録のときにも併せて行うべきだと思います。  それと同時に、ある程度中堅まで行ってきたときに、シニアレベルになるときの人材というのもまず把握されていないということがあるので、既に日本は人材がいないわけではなくて、登録がなかなかされていないということもあるので、その登録というのはまさに在外公館を通じたりですとか各国連機関に連絡を取る形で人海戦術でまず専門性をカテゴライズしていって、そこで日本が行う支援ですとか、そういったものと絡めた人材の活用をするということが重要になってくるかと思います。

犬塚直史民主党・新緑風会・国民新・日本

○犬塚直史君 この間、私の部屋に青年海外協力隊のOBの会の方が見えまして、今回の事業仕分で随分何か厳しい答えが出たようなんですが、例えば青年海外協力隊に出かけられた方々の三四%の人たちが現職を休職を希望しているにもかかわらず辞めざるを得なかったというような事情があるということなんですね。ところが、そうやっていったん海外に出て帰ってくると、例えば中山間地域、これは国内ですよね、国内の中山間地において、表に出たその経験を生かして、まさに新しい視点を持って日本国内のいろいろな崩壊しつつあるコミュニティーの再興に向けて物すごいエネルギーを発揮する。情けは人のためならずと言いますけれども、まさに、出ていってその国のためにやってやるというんではなくて、人材育成という意味では本当にすばらしい事業なんだということを非常に強く強調をされておられました。  ちょっとこれは各国の例がここに出ているんですけれども、例えばアメリカの平和部隊、これは七十四か国に七千六百人出しています。オバマ大統領が選挙のキャンペーンでこれを倍増するという計画を表明しまして、二〇一〇年の予算で既に倍増するための手当てをしているということなんですね、まあ金の問題だけではないと思うんですけれども。  もう一度瀬谷参考人に伺いますが、例えばカナダの人材登録バンク、CANADEM、ピアソンセンターなんかに行かれて講師をされていると聞いているんですけれども、こういう言わばオールジャパンの自衛隊の中央即応集団、JICA、外務省、NGO、こういう人たち、あるいは海外のそういう有志の人たちも入ってこられるような一つの研修センター及び登録制度という話は前からあると思うんですけれども、今どういうところに一番期待を掛けておられますか。

瀬谷ルミ子特定非営利活動法人日本紛争予防センター事務局長

○参考人(瀬谷ルミ子君) 現在、アフリカでも行われていることが、そのような研修センターというんですか、広島に一つありまして、今度防衛研究所の、防衛省の下にもこれからつくられると、それも建物の方は仕分を受けたらしいんですけれども。そのようなアフリカですとかヨーロッパで行われているのは、そういう研修センターでどのような研修を受けた人かというのもちゃんと研修センターで登録して、その情報を派遣担当の政府なり派遣担当の地域機構の方と共有するという仕組みをつくりつつあります。研修センターだけでデータベースを持っていたとしても、実際に現場に派遣する際の部署ですとか機関とリンクされていなければ余り意味がないと。  それと同時に、登録するときにかなりシビアに能力の振り分けはすべきだと思います。やはりどこのデータベースでも一番多いのが初級者レベルというか、現場にそのまま派遣できない人が一番そういうところに登録したがって、逆にもう自分一人でかなりの専門性を持っている人というのはなかなかそういったところに登録するメリットを見出さない人というのもいるんですね。なので、そういった人たちも登録するような上級研修ですとか、そういったものの情報配信もするような仕組みを設けつつ、横断的に各分野、各専門分野を網羅するような、そして実務面の派遣と結び付けるような仕組みが必要かと思います。

犬塚直史民主党・新緑風会・国民新・日本

○犬塚直史君 木邨参考人に伺います。  先ほどこのいろいろな資料を見せていただいて、この中に、現在のところJICA関係者は三十七名アフガニスタンに滞在中であると、これが五十名、六十名と増えていくという話を伺いましたけれども、いかにも少ないという感じがいたします。それはいろんな事情があるんでしょうけれども、例えば南部には、カンダハルにはもう全然入れないと、こういうところに入るのに、やっぱりその入る人たちがどれだけ危険を冒さなければいけないのか、あるいは危険を冒すべきなのかという非常に悩ましい問題があるんだと思うんですね。そうした中で、やっぱりJICAだけでは無理だろうと。  やっぱり今、チャグチャランですか、比較的安全なところでリトアニアの軍と一緒になって日本人の女性が四名入って、私もうわさを聞きましたが、大変いい事業をされているようで、次々に現地の人たちの要望を取っていろいろな草の根・人間の安全保障資金を付けているという話を聞いております。  やっぱり一番大事だと思うのは、現地の人と日本人が直接コンタクトをする、それをいかに増やしていくのか、しかも短期的ではなくて長期的にやっていく、このお米のプロジェクトなんかまさにそうだと思うんですけどね、そういう話だと思うんですけど。  そこで伺いたいんですが、アフガニスタンの政府やあるいはアメリカでも、アフガニスタンの政府の中で一番評判がいいのはMRRD、農村復興開発省だというふうに聞いております。先ほど木邨参考人がおっしゃったNSP、ナショナル・ソリダリティー・プログラムですね、これはMRRDの下で行われていて、私の理解では、アフガン全土の各県において事務所を設けて、その下で実際に現地と当たっているのは国際NGOばかりと、しかしながら、全土で二万五千のCDC、コミュニティー・ディベロップメント・カウンシルを既に設けて、六年間で六万件の事業を上げていると。多分そのうちの一つをJICAがここの写真で挙げているここでやったと思うんですけど、これはどの地域で、どんなプロジェクトだったんですか。

木邨洗一独立行政法人国際協力機構企画部審議役

○参考人(木邨洗一君) この地方開発支援プロジェクトと申しますのは、NSPの中でCDCを集めて事業をするモデルづくりでして、NSPの一部を担っているものではございません。  そういう意味では、マザリシャリフとバーミヤン、それからカブール近郊、そこで一部のCDCを選んで、そういうモデルづくりをやってまいりました。今後はそこを、そのモデルを使って日本で何かできることを今模索中でございます。

犬塚直史民主党・新緑風会・国民新・日本

○犬塚直史君 これ現場の方に聞いた話なんですけれども、この資料の中にあるように、人種的に言うと、一番危ない東とか南はやっぱりパシュトゥンの人が多い、北とか西の方はタジクとかいろいろな人種がおられると。支援が実際に入っていくのはやっぱり北、西の方が中心になっていってしまう、つまり危ないから入れない、入れないから支援ができない、支援ができないからもっと危なくなるというのが東、南の方であって、そこは主にパシュトゥンが住んでいると。それ以外のところにカブールのこの巨大プロジェクトも含めて支援がどんどん入っているということになると、アフガニスタンの国全体を支援するというよりも、これはむしろ南北の対立を深めるような結果になってしまうんではないかという懸念を聞いたことあるんですけど、その点についてはどういうふうにお考えですか。

木邨洗一独立行政法人国際協力機構企画部審議役

○参考人(木邨洗一君) 南北の亀裂を、要するに援助が行き届くところとそうでないところができてしまってという、確かにその面は否めないとは思いますが、JICAは、そういう意味ではそういう偏りがないように中央でモデルをつくって、それを、日本人は行けなくてもローカルリソースを使って広げていくような方策を取る等を模索しておりまして、なるべくその点については一つの平和構築の要素として、紛争を予防する、紛争を避ける要素として十分取り入れさせていただいて、計画を作ってまいりたいと思います。

犬塚直史民主党・新緑風会・国民新・日本

○犬塚直史君 JICAの支援の仕方を責めているわけではありませんので。ただ、一人でも犠牲者が出ると物すごいマスコミの集中の報道があってせっかく長年やってきたこのJICAの例えばお米のプロジェクトが頓挫してしまうという、危険と隣り合わせで仕事をされているというのは私なりに理解しているつもりでございます。しかし、ここで申し上げたいのは、じゃ、入れないという状況を何とかオールジャパンの形で打開していかないことには、私はODAのこの予算自体は絶対に上がっていかないだろうなというふうに思うんですね。  例えば今度、私もそうですが、七月の参議院選挙ありますけど、参議院選挙のときに、ODAの増額を私は公約にしようとは思っておりません。そういうことを言うと多分選挙に負けると思うんですね。それは、目の前の年金、介護、医療あるいは一次産業の復興、そういうものをやっぱりやっていかなければいけないという中にあってODAの予算を一体どうやって増やしていくのかという話だと思うんですね。  私は、個人的にはこれはもう人間しかないと、いかにしてもっと身近に、海外・国際協力というものを身近に引き寄せるということができるのかどうかに懸かっていると思うんです。そのためには、やっぱり身近の、地元の人たちが一つの町に一人でもいいからこういうものに参加をして、国際平和協力に係るいろいろな仕事がキャリアとして成り立っていくようなそういうものをつくっていく以外には、ちょっと気の長い話ですが、そういうことをやることは絶対に必要だと私は思っておるんですね。  そこでお伺いをしたいんですが、例えばピアソン平和維持センターなんかが実施している、軍人、警察官、文民すべてを同じ研修に参加させる統合訓練というのがあります。これは両参考人に伺いますけれども、やっぱりそういう、危ないから行けないと言って行かないのではなくて、JICAなりあるいは自衛隊の中央即応集団、あるいは外務省、そして国連、PKO、そういうものが一つの言わば統合訓練のようなところで、日本でですよ、受けて、何とか派遣する形をつくるというのは私は必要だと思うんですけれども、両参考人の御意見を伺います。木邨参考人からどうぞ。

木邨洗一独立行政法人国際協力機構企画部審議役

○参考人(木邨洗一君) 犬塚議員のおっしゃるとおり、この二年間で何が一番じくじたる思いがあったかというと、やはり治安の問題で行くべきところに行けない、人を出せないというところが悩みです。ただ、やはりJICAはJICA人材で民間の方を基本的には公募で募集して派遣させていただいてその人たちが働くということで、JICAといたしましてはやはり、議員もおっしゃったとおり、絶対けが人すら、テロに巻き込まれることすら避けてやっていくということがもう絶対条件というふうに考えておりますので、JICAの事業の中で軍との関係で何かやるということもやはりターゲットになるというおそれもございますので、日本全体としては何か是非工夫をしなければいけないと思いますが、その中でじゃJICAが何をするかということは、JICAができる役割のところを担わせていただきたいと思います。

瀬谷ルミ子特定非営利活動法人日本紛争予防センター事務局長

○参考人(瀬谷ルミ子君) そのような統合訓練というのは、実際の紛争後の復興の現場でやはり軍と文民が一緒に働かなければいけない状況というのは多々存在するので、そういった関係を派遣前から築いていくという意味ではとても重要だと思います。特に、日本ではやはり軍に対するイメージというものが強くあるということで、そういった意識を徐々に現場に合わせたものに変えていくということは、現地で活動しているNGOですとか国連職員の間ではかなりオプションとして能力強化の一環で行われているものだと思います。  もちろん、先ほど木邨さんがおっしゃったように、コンテクストによって、例えば今のアフガニスタンで、特に南部の方で、軍と一緒に行動することでそれまで地元でこつこつやってきたNGOというのが対象になりかねないと、そういった場合もありますので、そういったときは、実際に訓練を受けて準備はできるけれども、それを現場に移すかというと、そこはその場その場の判断は必要になるかと思います。

犬塚直史民主党・新緑風会・国民新・日本

○犬塚直史君 一つの事例として、例えば今PRTの文民のところに日本人の女性が四人入っておりますけれども、これをPRTの文民のところに日本から、JICAなりあるいはNGOなり、日本の支援を受けて入れるところからどんどん入っていくという議論も聞いたことあるんですが、お二人の御意見を伺いたいと思います。

木邨洗一独立行政法人国際協力機構企画部審議役

○参考人(木邨洗一君) JICAは今までもPRT事業には参加はしておりません。基本的には、PRTはやはり軍に守られた文民支援ですので、治安が悪いところでやるということでしたので、JICAの出番はないという整理でございました。  今、チャグチャラン、これはリトアニア軍の、平和と言ってはなんですけれども、ほとんど大きな事件のないところで活動をされていると。いい活動をされていると承知しておりますが、今現在、そこにJICAが何かをやるというプロジェクトやプログラムはちょっと考えておりませんで、やはり治安を第一に考えて条件が整えばと思いますが、なかなか治安面で困難があるというふうな状況なのが正直なところです。

瀬谷ルミ子特定非営利活動法人日本紛争予防センター事務局長

○参考人(瀬谷ルミ子君) おっしゃった点は、可能性としては、私がアフガニスタンに赴任していたもう五、六年ほど前からPRTに復興分野で日本が絡めないかということは議論には上がっておりました。なので、私も大変高い関心は持っていました。  まず、かぎとなるのは、全体としてPRTとしてアフガニスタンで一般市民にどうとらえられているか。PRTも、その派遣されている国ごとに住民の印象というのは全く違いますし、地域ごとに違うと。だとしたら、日本として、日本の支援というものを損なわずに、むしろそれを効果的に行うために、どこのPRTだったらそれが可能なのかというのを検証する作業というのが必要なのかと思います。

犬塚直史民主党・新緑風会・国民新・日本

○犬塚直史君 今のお話が先ほど瀬谷参考人のプレゼンの中にあった日本の支援・技術の強みの絞り込み、ほかの諸外国と比べて日本が一体どこに強みを持っているのか。特に、今まではおっしゃったように被害者支援とか生活再建支援に特化をしていて、本当であれば力を発揮できるかもしれない和平・政治プロセスだとかあるいは治安改善支援の方になかなか踏み込めていない、十分な人材が送り込めていないという状況だと思うんですね。  そうした中にあって、例えばですけど、ノルウェーですか、ノルウェーなんかがダルフールでやっているNRC、ノルウェージャン・レフュジー・カウンシルの活動なんかを仄聞をいたしますと、現地の軍閥の幾つかに常に連絡を取っていて、その人たちがいついつどこそこの場所で会うということだけを設定するというような仕事を、いわゆるノルウェーのイメージを生かしてそういう言わば和平・政治プロセス支援をやっている。私は、こういうことは日本は必ずできる可能性が今まだあるんではないかと思うんですね。  こういうことも含めて、じゃ、そういうところにいきなり丸腰で入っていくのかというふうになると、やっぱりその安全対策はどうしてもしなければいけない。安全対策するのに、じゃ、アフガニスタンであれば防弾車を借りて、我々もそうでしたが、二日で五十万円も取られる中で、そんな中で本当にやっていけるのかと。じゃ、入らないんだったらもう全然入らないのかと。  という中で、一体どういう日本の、このODA委員会が次の提言をもし行うとして、人材育成あるいは日本の強みを生かす予算の使い方、先ほど人件費には全くお金が出ないとおっしゃいましたけれども、どういうところに支援の重点を絞っていったら日本らしい支援の在り方の未来が見えてくるんでしょうか。

瀬谷ルミ子特定非営利活動法人日本紛争予防センター事務局長

○参考人(瀬谷ルミ子君) 先ほどおっしゃっていた和平プロセスの部分での日本の、日本人の人材を活用した貢献というのは、おっしゃるとおり可能性としてはありますし、人材としてそういった活動を既に部分的に行っている人というのはいると思うんですね。ただ、それが、その人材の所在というか、そういったものが集約されていなかったり、国連機関ではそういった活動をしている人は日本人でも若干いますけれども、そういった人たちが日本の支援の一環というか、日本の旗を背負ってやっていなかったりとか、そういったことはあるかと思います。  安全対策のところでもお伝えしましたけれども、常に治安の脅威による被害とのバランスは考えなければいけないんですが、先ほど申し上げたように、その準備というんですか、そういった現場でそのような活動をするということの準備が、安全対策ですとか危機管理体制の整備とか、そういったところでなかなか日本の、恐らくJICAさんはJICAさんで安全対策がきちんとあり、その枠外の活動はなかなか厳しいという側面もありますし、NGOの中でも、そういった分野に関心はあるけれどもその危機管理対策というのはなかなか資金的に確保できなかったり、あと、やはりいまだにこういった復興の現場で活動するイコールボランティアとみなされがちだと、そういったことで、専門性が高くてもなかなかそれに見合う報酬が得られずに、結局、日本としてというよりも別の職を選んでしまったりするという側面はあるかと思います。  もちろん、費用対効果の面はあると思うんですが、恐らく段階的又は部分的に、ODAの何割かという大規模なものではなくても、部分的にその質というんですか、質を重視した支援というものを限定的に、パイロット的に行い、その範囲内では今まで日本が試みとしてなかなか行わなかったような、先ほど言ったような治安部分の強化ですとか、そういったところで人材を活用して、費用対効果の問題というのをその部分は度外視とは言いませんけれども、質及び専門分野を生かした支援というものを徐々に行っていくという試みというのは有効なのかなと思います。

犬塚直史民主党・新緑風会・国民新・日本

○犬塚直史君 瀬谷参考人は、日本が、日本大使館が中心になって北部同盟の六万五千人の、九つあったミサイルやタンクまで持っていたあの北部同盟の武装解除をやった話を聞くと、やっぱり日本大使館の中でも本当に一握りの人たちがほかの大使館の武官なんかの協力を得ながらまさにびっくりするような事業をやってのけたというふうに私は理解しているんですけれども、にもかかわらず、先ほどのお話だと、そういう経験が機関としてあるいは外務省の中にノウハウとして全く残っていないと、それをノウハウとして持っている人たちが全く残っていないし現場にもいないというような問題点を先ほど指摘されたと思うんですけれども、入口がないという話も含めて、訓練センターがないというような話も含めて、そういう国内のまずは社会的な基盤がなければ私は非常にもったいない話だと思うんですけれども、いかがでしょうか。

瀬谷ルミ子特定非営利活動法人日本紛争予防センター事務局長

○参考人(瀬谷ルミ子君) 訓練センターですとか現場で実績を積む機会、また日本に帰ってきてそれを広めたりほかの日本の支援に生かすような活躍の機会ですとか、そういったものがなかなかリンクがないまま分散しているのが今の日本の状態だと思うんですね。そこがうまく輪とリンクのような形でネットワークとしてうまく人が還流するような仕組みをつくれれば、あとは人というのは私は自然に育つものだと思っています。手取り足取り付きっきりで育てるものが人材育成ではないと思うので。ただ、その仕組みをつくる部分というのはやはり政府でないとできない部分が多々あると思いますので、その仕組みで通路というか通り道だけつくった上で、あとは流れの最初のきっかけ、一押しのところを関係諸機関ですとかNGOですとか市民社会ですとか専門家、専門機関と行って、あとはそこの流れを見守るということが、日本の中で点と点をつないで線にするような仕組みでつくれることが必要なのかなと思います。

犬塚直史民主党・新緑風会・国民新・日本

○犬塚直史君 まさにこのネットワークをつくるといいますか、今まで本当に長年やられてこられた、JICAも含めて本当に長年やられてこられたこのノウハウをどっかで蓄積をして、これだけ海外でボランティア活動をやるという、特に女性、最近物すごい多いわけですよね。そういう人たちがもっとどんどん入ってこられるような、地元の話をして恐縮ですが、そういうことに仕事があればどんどんやりたいという人たちはたくさんいるわけですよね。  しかし、例えばJICAであれば青年海外協力隊、こういうところには非常に狭き門であると。狭き門、つまり大学院を出ていないといけないとか、そういう非常に狭い門であるからなかなか入る機会がないというような声を実はもらっておりまして、我々がODAを本当に増やしていくんであれば、むしろ青年、青年と言ったらおかしいですね、特に地方の若い人たちの一つの成人教育の一環としてとらえるぐらいの気持ちでやらないとODAの増額は望めないような気がするんですけれども、どうでしょうか、JICA。

木邨洗一独立行政法人国際協力機構企画部審議役

○参考人(木邨洗一君) 協力隊に大学院以上の資格が要るかというのは、それはちょっと職種によってひょっとしたらあるかもしれませんが、基本的には協力隊は学歴はそれほど問うてないと思います。  そういう意味では、いろんな分野で広く募集しておりまして、そもそもの協力隊の趣旨の中には日本の青年の育成という面がございましたので、犬塚議員のおっしゃるとおり、そこは従来のまま協力隊は国民の皆さんに広き門で臨んでいるものと私は思っておりますし、実際アフガニスタンに公募で受かった人たちの中に協力隊のOBというのはたくさんおりますし、JICA全体の中でもOBというのは貴重な国際協力人材でございます。

犬塚直史民主党・新緑風会・国民新・日本

○犬塚直史君 どうもありがとうございました。  今までのODA委員会のいろんな議論の中で一番言われている話の一つが、開かれた国益と言っているんですね。開かれた国益という意味は、いろいろな援助をするけれども、その援助をして、例えばインドの地下鉄を援助したときに地下鉄の入口にこれは日本がやった援助であるというような、それはそれで必要なんでしょうけれども、そういう話だけではなくて、やっぱり開かれた国益という意味は、我が国の人材がどんどん輩出をしていって、ひいては我々の国のためになっていくような、そういう国益なんだよという意味だと思います。  今年は、特に外務省、岡田外務大臣の指示を受けて、ODAについての国民の共感が不足しておると、だからこれはやっぱり在り方について本年度の夏までに基本的な見直しを実施するということに外務省はなっております。このタスクフォースが既に外務省の中には立ち上がっておりまして、その内容、検討の項目を見ますと、何か総花的で本当にこれで検討になるのか。いや、こんなことを言っちゃいけないかもしれない。本当に総花的なんですよね。  しかし、ODAの委員会で積み重ねた議論は人材育成なんですよ。ですから、この人材育成について、委員長にお願いいたしますが、最終報告を、この外務省の検討会議と併せて、我が委員会として最終報告を出していただくように委員長にお願いをして、私の質問を終わります。

岩永浩美自由民主党・改革クラブ

○委員長(岩永浩美君) ただいま犬塚委員から御指摘があった最終報告の件については、過日の特別委員会でも来年度のODA予算の中を生かすようにという委員からの御指摘もあったのと併せ、大臣に対してその申入れをすることを理事会で協議して、皆様方にも御報告したいと思います。

木村仁自由民主党・改革クラブ

○木村仁君 自民党の木村仁でございます。  三十分時間をいただいておりますけれども、諸般の事情によりまして四十五分までに私の御質問を終わりたいと思いますので、御協力をいただきたいと思います。  昨年十一月に、鳩山内閣は、五年間で五十億ドル、アフガニスタンに支援をするという約束をいたしました。この決まる経過というのは、給油支援活動はやめる、そこへ大統領がお見えになると、何とか形をつくらなければいけないということで、ほとんど腰だめ的に五十億ドルという数字があって決まったというふうに聞いておるし、実際に積み上げて五十億ドルはつくったわけではないということは外務大臣自身がおっしゃっておるわけです。私は、これは政府を非難して言っているわけではなくて、ここに一つのヒントがあるからと思って言っているわけでありますが。  これは、湾岸戦争のときの百億ドルと非常によく似た状況でございます。その百億ドルはどう使われたかというと、アメリカが主導権を握って使った。したがって、恐らくきれいに使われたと思います。きれいに使われたはずですけれども、戦費に使われたかは、何に使われたかは全く日本の国民には分からなかった。したがって、世界的にも評価されなかったし、日本国内では納税者の不満が募ったという一件でございます。  今度の場合も、そういう意味では、これは外務省がきちっと、JICA等がやるわけですから、そこ辺りはきちっとやられると思うんですけれども、やった後はカルザイ政府に入ると、これは物すごい穴の空いたバケツに水を入れるようなもので、汚職、腐敗でどこに行ってしまうか分からぬ、そこに今度は日本の納税者は非常に不満、不安を感じているのではないかと思います。  お尋ねしたいんですけれども、これはドイツのNGOは、カルザイ政権はソマリアに次ぐ世界第二の汚職、腐敗政権だと、こう言っておりますが、本当にそうなんでしょうか。そして、それの、何というんですか、ガバナンス、そういうものを改善する手段というのは現時点であるんでしょうか。木邨参考人にお尋ねします。

木邨洗一独立行政法人国際協力機構企画部審議役

○参考人(木邨洗一君) 私の御説明でも発表いたしましたとおり、JICAの支援、少なくともJICAの活動におきましては資金協力ではございませんので、お金が直接アフガニスタン政府に行くということではなくて、JICAが調達をしたりJICAがお金を扱う、そういう活動の方式ですので、JICAの活動に限って言いますと、実際に汚職やそういったことにかかわるとかJICAの事業が汚職に使われたということは一切ございません。  ただ、カルザイ政権の汚職については、いろんな国際的な報道でも出ておりますが、そういう意味では、実際どうなのかとお尋ねになられると、私はちょっと答えることができないというのが正直なところです。  ただ、関連する状況では、政府のお金を、JICAの活動の中でもアフガニスタン政府のお金を使ってもらって自立支援というところで先方の自助努力を促して、向こうの人に例えば燃料代ですとかそういったものを支出するというときに、かなり支出の経路が、汚職ということを言われておりますので、厳しくてなかなか逆にそのお金が下りてこない、それだけやはりアフガニスタン政府も汚職に関しては敏感に受け止めて、真剣に受け止めて、そういうことが起こらないような状況をつくっているのも他方事実だと承知しております。

木村仁自由民主党・改革クラブ

○木村仁君 五十億ドルというのは、ODAだけでなくて借款、有償、無償のもの、そういうものがあるだろうと。そうすると、やっぱり政府が腐敗、堕落しておるのではいい仕事はできないだろうと私は思います。  そこで、政府のガバナンスを高めていくということは非常に重要なことであろうと思いますので、私は一つ提案があるんです。五十億ドル、腰だめに決められた数字でありますから、中身の詰めができていない、これから詰めてしっかりした仕事をしなきゃいけないわけでありますが、イギリスの財政の仕組みにトップスライシングという言葉があるんです、仕組みが。これは政府が地方公共団体に一括交付金を交付する場合にその総額のトップをスライスする、つまり頭をすっと切ってピンはねをするわけですね。そして、お金ができたらそれで何をするかというと、地方公共団体が必要とする仕事をする。例えば地方公務員の研修をするというのがその典型でございます。これは不正でも何でもない、ちゃんとした制度ですね。  私は、これをアフガニスタンのこの五十億には適用したらどうかと。アフガニスタンの政府と話し合って、五十億ドル約束したけれども、トップ、一億ドルをピンはねさせてくれと。そして何するかと、日本に世界一の人材養成センターを造る。そして、それはアフガニスタンに約束したお金で造るんだから、アフガニスタンのために少なくとも最初十年ぐらいは使いますと。そういうことで、そこにアフガニスタンの政府の職員を、どんどん来ていただいて、一万人ぐらい研修をすると。そして、政府の職員のインテグリティー、日本の政府、まあ民主党は悪口ばっかり言っておられますけれども、日本がこれだけ発展してきた根っこは公務員のインテグリティーがきちっとしていたからだと思うんですよ。それは非効率はたくさんあったと思いますけれどもね。だから、それをやっぱり造ってあげることはアフガニスタンにとっての非常に大きな貢献ではないかと思いますが、ちょっと思い付きで申し訳ありませんが、そういう考え方についての御感想を、これはお二方にお聞きしておきたいと思います。

木邨洗一独立行政法人国際協力機構企画部審議役

○参考人(木邨洗一君) 五十億ドルについては、JICAは、五十億ドルは日本政府全部のコミットメントですので、JICAはその一部をやるだけですので、私の方から何か言う立場ではございませんが、今、木村委員の方から御提案のあったものは、今JICAがやっております研修事業、これはある意味現地の治安を考えなくても、日本にどんどん呼んでくる、向こうの政府の人をガバナンスを含めて良くしていくという、これはできる限りやらせていただければと思いますが、そのトップスライシング云々につきましては、これはまた外務省さんの方ともきちっと御相談しなければいけませんので。ただ、研修ということで今大変参考になる御指摘をいただいたと思います。

瀬谷ルミ子特定非営利活動法人日本紛争予防センター事務局長

○参考人(瀬谷ルミ子君) そのトップスライシングというアイデアも含めて、一つの案ではあるかと思います。  日本がこれから拠出される五十億ドル、宣言した五十億ドルも含めて、仮にアフガン政府に供与するときは、現在も部分的に行われているように、政府にその資金や援助に合わせたモニタリングなりをする人材を抱き合わせで送ると。これはEUですとかヨーロッパの国は、キャパが、その能力が、資金、財務能力が低下していると呼ばれるアフリカの国ですとかアフリカ連合に拠出するときにそのような形で財政支援をすることが多いんですけれども、そのような形で送ると。それと同時に、その送られた人材が、ただ単にモニタリングをするだけだとスパイだと思われてしまいますので、簡単な事務処理ですとか財務の処理ですとか、そういったこともきちんと能力研修をその省庁の担当スタッフに対して行うと。そのような形で、先ほど言ったような人材育成、日本の人材を生かした形でアフガン政府の能力強化も目の届く範囲で行うという仕組みがつくれるのではと思います。

木村仁自由民主党・改革クラブ

○木村仁君 一億ドルあると、三十億が総理の嫌いなコンクリート、あと六十億が総理の大好きな人、これに使えますから、非常にすばらしい事業ができるだろうと、そういうふうに思って、これは思い付きでございますが、ある程度まじめに外務省でお考えいただきたい。皆様に聞いてもせんないことでございましたが、ちょっと申し上げました。  私は、非常な危険な状況の下で六万人のタリバン兵士を武力解除し、復員させ、そして職業訓練等を行われると、これは本当にちょっと私などでは考えも付かない成果だというふうに思います。しかも、二千の非合法武力集団のうち五百六十四団体ですか、これを武装解除しておると、こういうことでありまして、私もテレビで拝見いたしましたが、大変な努力をなさって話を付けるということでありますが。  ただ、私がよく分からないのは、その後、大変な数の武器を回収し、重火器まで全部回収して処分するなりなんなりしておられるんでありますが、そういう本当の具体的な事務の部分はだれがやるんでしょうか。私は、三十五人や六人の人間で、あるいは瀬谷さんみたいな超人間的な力を持った人がおられるとしても、とてもできることじゃないと思うんですけれども、これどなたにお聞きしたらいいのか知りませんが、瀬谷さんの方がいいんですかね、大使館で三十七人でそういうことがやれたとは思えないし、どういう仕組みになっていたんでしょうか。

瀬谷ルミ子特定非営利活動法人日本紛争予防センター事務局長

○参考人(瀬谷ルミ子君) 当時の経緯を説明させていただきますと、その当時も、当時の日本大使館が武装解除の主導の役割を担ってはいましたが、当然、日本大使館や日本の専門家だけではなし得なかったと。  当時、日本の大使館にいた日本人で武装解除を担当している人間は三人しかいなかったんですね、私も含めて。当然、日本は自衛隊というものも、武官の方は、防衛駐在官の方はいましたけれども、その部分での役割というのはなかなか担えなかったということもあって、結局、現地ではアフガニスタンの国防省の軍人を、武器の管理ですとか武器の照合というんですか、そういったところに活用をしたり、実際に私たちが武装解除をしようとしている兵士が本当に兵士なのかということを照合するのは現地の長老からつくった委員会できちんとリストと照らし合わせて確認をしてもらったりとか、そういったかなり細々とした機能をつくって、しかも、各国大使館ですとか国連機関ですとか現地のNGOなりそういったところと、本当にあるリソースというか、現地で入手可能なというか、協力可能な団体にできる限り連絡を取って連携しつつ何とか成し遂げたというところがあります。  実際に、ただ、その武装解除をするというところでも、どの国でもそうですが、やはり特に武器の部分は軍事的な面なので、そこは国連が展開しているところは国連軍、そうでないところは現地の政府をちゃんとモニタリングした形で行わなければいけなかったと。そういった面では、モニタリングも日本のNGO経由で、日本の支援で拠出をして武装解除のモニタリングをするというような仕組みを設けたり、自転車操業的な活動ではありましたが、できる限り現地でそのような機能を活用しながら進めた経緯はあります。

木村仁自由民主党・改革クラブ

○木村仁君 すばらしい仕事をなさったと敬意を表したいと思いますが、DIAGについては、今後の展望として、今のような治安の状況の中で日本国政府として安全に進めることができるのだろうかどうか、ちょっとよく分かりませんので教えていただきたいと思いますが、今後も引き続きDIAGまで全部やれる自信が日本政府にあるんでしょうか。

瀬谷ルミ子特定非営利活動法人日本紛争予防センター事務局長

○参考人(瀬谷ルミ子君) 私が日本政府を代表して意見を述べることはできないんですが、私の個人的な感想とその武装解除のときの経験からの意見をお伝えさせていただきますと、当時のDDR、武装解除というものは、そのときの国軍に登録していた兵士だけを対象に、それで六万人強を武装解除したわけです。  ただ、やはり活動としては、単体のプロジェクトとしては成果はありました。その六万五千人ほどを武装解除して職業訓練も施したと。ただ、その後その兵士たちが実際にどうなったかというと、やはり一部元軍に戻ってしまったり民兵化してしまったという報告もあります。  その武装解除も、その後のトラッキングが難しい武装解除よりも更に難しいのが、やはり非合法集団の解体と言われる、今DIAGと呼ばれているものだと。現在、DIAGもそれぞれの地域から武器を供与させて民兵を解体したことと引換えに開発プロジェクトを提供するということになっていまして、開発プロジェクトの遅れはありつつも、地域によっては成果を上げていると。ただ、恐らくかつてのアフガニスタン、そして今後のアフガニスタンで最も重要なのは、単体のプロジェクトで成功をしたことが必ずしもアフガニスタンの平和と安定につながると言えないと。その他の軍ですとか警察の果たすべき機能をきちんと果たせるような国になって、そういった機能が機能をして初めてそれらの活動の成果も生きてくるというところだと思うんですね。  私がかつて勤務していた当時のアフガニスタンの武装解除ではその連携がなかなかうまくできずに、武装解除単体としては活動は完了しましたが、その後がなかなか、その武装解除された地域に新たに警察や軍を展開して治安の空白を埋めることができない地域もあり、それが問題になったと。ですので、今後のアフガニスタンのDIAGを含めた支援でもその点が重要になるかと思います。

木村仁自由民主党・改革クラブ

○木村仁君 いずれにしても、大変立派な事業をなさったことに敬意を表しておきたいと思います。  先ほども出ましたけれども、私も、海外青年協力隊ですか、海外青年協力隊のOBの方々から強い陳情、要請を受けました。事業仕分の中で、もう海外青年派遣隊は歴史的役割を果たし終えたのではないかと、そういうことが言われたので、そういうことはないという強い反発の要請であったわけであります。  私どもも昔、青年協力隊から帰った方々の地方公共団体に対する採用については、休職扱いを元に戻して身分をちゃんと保障するという制度をつくりました。しかし、それは現に就職している方だけの問題であって、今度新しく地方公共団体に就職しようと思う人には特典はない。今度幾つかの団体でそういう特典をつくったところがあります。ところが、これは大変一面的には問題があるので、みんな必死になって就職活動をしているときに、ただ青年協力隊から帰ってきたから一次試験を免除するなんということはとんでもない話だという、受験を受ける他の人は思うかもしれません。  しかし、そういった国際的な活動をする人のキャリアパスというのはちゃんとつくってあげなきゃいけないから、そこ辺りは非常に苦心の存するところだと思いますけれども、これは要望になりますけれども、皆様も是非政府に対して、私は野党でありますから政府に対してということでありますけれども、私どもも頑張っていきたいと思いますが、ひとつよろしく御協力のほどをお願いしておきたいと思いますが、御感想をお聞きいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。お願いします。

木邨洗一独立行政法人国際協力機構企画部審議役

○参考人(木邨洗一君) ありがとうございます。  なかなか援助の人材と申しますのは、瀬谷さんもおっしゃいましたし犬塚先生もおっしゃいましたとおり、日本の終身雇用の中で生活の安定を得るというのは非常に難しゅうございまして、JICAも国際協力人材の確保にはすごく悩んでおります。  協力隊は、協力隊に行った期間はいいですけれども、その間現職の人は辞めなければいけない、帰ってきてもなかなかますますこの厳しい状況の中で職がないというところで、JICAはそのほかにもいろんな、単発ですけれども、専門員とかジュニア専門員と呼ばれるような人ですとか、契約ベースで国際協力に携わっている方の中で、やはりその協力隊の経験というのは非常に重視いたしますので、そういう形で輪を広げさせていただければと思いますので、皆様方の御支援、よろしくお願いしたいと思います。

瀬谷ルミ子特定非営利活動法人日本紛争予防センター事務局長

○参考人(瀬谷ルミ子君) 国際協力の人材という観点からは、特に若い学生ですとかそういった方たちから、何らかの機会を得たい、ただそのきっかけがないという声を当センターでも大変多く聞いており、その分野で、ガイダンスですとか、どういった形でそういった機会がつかめるのかということを講演ですとかそういった形で情報共有をしたり、実際に人材登録制度を設けたりして、何とか何らかの役割が果たせればと思っているところであります。  恐らく、一つできることとしたら、この平和構築分野というのはやはり、特に日本の場合は、どのようなニーズが現場であるのかがなかなか分からないことから、既に前例があるような分野をキャリアの専門性として選ぶ人が多いと。特に、日本でよく、世界で活躍する人材になるためにはどういった専門性が求められますかということをとても非常によく聞くんですが、やはり日本にいる専門家の方というのは、援助の中でも難民支援ですとか子供の支援ですとか、やはり日本でよく知られている分野をそのまま自分の専門として選ぶ方が多いと。  そういった中で、実際に現場で新たなニーズ、ニーズはあるけどやり手がいない分野はこういった分野だということを政府だけではなくて私たちのような団体が広めていくことでそういった分野に食い込めるような、人材過多の分野から本当に人材が必要とされているところで専門性を積むようなキャリアの選択を、特に若い人たちや既に経験がある方たちが積めるような役割が担えたらと思います。  恐らく若い方たちに一番効果的なのは、海外でのインターンを積む機会を半年又は一年だけでも提供するだけで数十%、その後国際協力の分野でキャリアを積める機会というのが上がると思います。実際に給与は払えなくても、滞在費だけでもあればそのような機会を得たいと思う人たちは本当にたくさんいるので、そういったことも含めて支援が可能な分野はまだたくさんあるかと思います。

木村仁自由民主党・改革クラブ

○木村仁君 ありがとうございました。終わります。

浜田昌良公明党

○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。  本日は、木邨参考人、瀬谷参考人、貴重なお話をありがとうございました。  木邨参考人は、アフガニスタンでのJICAの所長、二年間の勤務、お疲れさまでございました。私自身も昨年三月に訪問させていただきまして、お世話になりましてありがとうございました。また、瀬谷参考人も、アフガニスタン大使館でDDRに取り組まれて貴重な経験を持っておられますので、最初にこのアフガニスタンの支援の問題についてお聞きしたいと思っています。  今、木村委員からもお話ございましたように、鳩山内閣としては五十億ドルを支援をするということが決められています。日本円で四千五百億円、五年間ですから年間九百億円、非常に巨額な金額なんですね。比べますと、今回停止されましたインド洋の補給支援というのが年間幾ら掛かったかを調べますと、年間八十億円なんですよ。それの大体十倍以上という金額。一方、今までのこの八年間のアフガニスタンの日本の支援の金額って大体年間三百億円ぐらいですから、それを三倍増するという金額でありますので、せっかくこれだけの金額が無駄にならないようにしなきゃいけないというように思っています。  一方では、今、木村委員からありましたように、ちょっと不安もありまして、アフガニスタンという国は残念ながら麻薬大国であったりとか、また賄賂大国と言われていて、一月二十一日の産経新聞によると、国民の二人に一人が一年間に公務員に賄賂を渡した経験があるとか、またGDPの二割から三割が賄賂に流れているという実態も報告されています。  そういう意味では、このお金の使い道をどうすれば一番有効なのか、特に国の税金なわけですから。この議論が今ちょうど始まっていまして、一月二十八日にアフガニスタンの支援についてのロンドン会合が開かれました。福山外務副大臣も行かれて議論しましたが、なかなかまだ決まっていないと。もう一度四月から五月にカブールで開かれると聞いております。非常に重要な時期と思っています。  このODAの委員会でも予算の委嘱審査もあるわけでありますので、お二方に、日本のこれからの予算、支援、この分野に特に重点に使っていくのが一番いいんじゃないかとお聞きしたいと思うんですよ。  なぜそう思ったのかというと、先ほどお話を聞いてあれと思ったんですが、今まで日本が一番やってきた支援というのは警察官の給料なんですね。これは非常にいいと思ったんですよ。これはアフガニスタン法秩序信託基金というのがありまして、LOTFAというんですが、ここで合計約五・四億ドル、五百億円のうち大体日本が三百億円ぐらい出すんですね、六割ぐらい。非常にいい支援だなと思ったんですが、今、瀬谷参考人の方から、余り一方的にお金を付けていると、タリバン掃討のために日本が肩入れしていると思われてしまっても逆に困ってしまうものがありますし。一方で、今回の五十億ドルの目玉でありました和解・再統合というものについては、この一月の時点で表明された金額は非常に少ないんですね。日本が表明したのは約五千万ドルですね、五十億円ということで、この和解・再統合というのはなかなか金額的にうまくいかないんだなという気もしているんです。そういうことから、日本のこの五十億ドル支援のどういう分野に重点的にやっていければいいかというのが一点。  もう一点は、日本だけじゃないんですね。私、昨年三月に行って思ったのは、日本の支援というのは本当に期待が大きいといいますか、日本が思っている以上に現地のプレゼンスは大きいんですね。確かに、金額は当時は日本は二十億ドルだったんですが、アメリカの十分の一なんですけれども、日本の支援はほかの国の十倍以上の価値があると副大統領は言われたんですよ。つまり、中立であると、非常に。アメリカでもないし、どうしてもイギリスの場合は元宗主国ですからちょっと微妙な関係もあるという中で、日本がこのアフガニスタン支援の全体のリーダーシップを取ってほしいというメッセージを感じました。そういう意味では逆に、今後のアフガニスタン支援全体の中で、今までの経験からこういう分野で世界として支援すべきじゃないか、これは世界のお金はこっちに使うべきじゃないかと。  二点についてそれぞれ、木邨参考人、また瀬谷参考人からお聞きしたいと思います。

木邨洗一独立行政法人国際協力機構企画部審議役

○参考人(木邨洗一君) 五十億ドルは、先ほども申しましたとおり、日本政府全部のお金ですので、JICAがここからどういうふうにというのはまだいろいろ検討している最中でございますが、分野でいいますと、再統合につきましては、これは日本政府の方針の中で、じゃ、その中でJICAは恐らく五千万ドルという、小さいとおっしゃいましたけれども、まずはその器をつくらなければいけませんし、そのメカニズムをつくらなきゃいけない。それをやっていく人たちの人的支援のところではJICAが役に立つのかなと思います。  JICAといたしましては、これは非常に手前みそというか勝手なので、外務省さんともよく相談しなければいけないんですが、今JICAとしては、先ほど説明いたしました首都圏の開発と農業で、農業につきましてはこれはまたやり方がいろいろありますが、先ほどから出ていますNSP、これは農業だけではないんですけれども、地方開発の中で、ここもやはり基金があったりドナーがみんなでお金をためて使いましょうという、世銀なんかも中心にやっているんですけれども、そういうところがありまして、これはそこに日本のJICAの専門家がきちっとそれを見ながら外務省の方でどっとお金を入れていただくとか、そういう方法できちっと農業や農村の支援に役立てたいと。  それから、首都圏につきましては、これは日本が最初に調査をやって、正直申し上げまして、二年ぐらい前始めたときにはほかのドナーもそんな夢物語ということで冷たく見ていたんですけれども、それが実際に調査をやった結果としてこういうことが必要ですということを見せましたら、今実はアメリカの方もかなり関心を寄せてくれていまして、これこそ日本がインフラの支援というところで優位性もありますし、JICAとしてはここをリーダーシップを取ってやっていきたいと思っている次第でございます。

瀬谷ルミ子特定非営利活動法人日本紛争予防センター事務局長

○参考人(瀬谷ルミ子君) 先ほどおっしゃられた現在タリバンの兵士に対して日本が表明している五十億円、こちらは、私もちょうど一月の終わりにカルザイ大統領がイギリスのBBCに対して答えているインタビューというのを見まして、そのときに、この枠組みはアメリカとイギリスがつくりお金は日本が出すという伝え方をしていたと。  実際に、アフガニスタンのDDRのときは日本の専門家チームというのが派遣され、少数ですけれどもそれなりにある程度のプレゼンスは保てたかと。かつての武装解除のときは、三年から四年の間に大体六万人強を武装解除して職業訓練を施すのに大体百七十億から百八十億円使いました。  先ほど私が警察支援というのも例えばタリバンのようなところから反発というか反感を買うおそれがあると申し上げましたが、そういう側面もありつつ、同時にあと、現在のアフガニスタンでやっぱり地元の人の話を聞いていると、警察を信頼していなかったり警察に対してとてもネガティブなイメージを持つ人たちが多いと。それはアフガニスタンだけに限らず途上国全般に見られる傾向でもあります。私たちが今活動しているソマリアでもそうです。警察よりも長老ですとか宗教指導者に話を聞いて、何か問題あったら、犯罪に巻き込まれたらそういったところに相談しに行くという人々が大変多いと。  ただ、だからといって、じゃ警察に支援をすることが無駄かというとそうではなくて、要はその地域で、地域ごとによって何が治安の脅威なのかは違いますし、どういったアクターが問題解決のキーマンとなっているのかというのは違うんですね。そういった、既にいる長老ですとか宗教指導者ですとかそういった仕組みを活用しつつ、長期的な視点から司法改革ですとか警察支援を行うということが重要になるかと思います。  先ほど簡単にだけお伝えしたお手元の配付資料の四ページ目の上の部分にソマリアでのコミュニティー治安改善プロジェクトというのを載せさせていただいたのは、紛争の状態ですとか外国人が立ち入れずに遠隔操作をせざるを得ないという似たような状況の中で徐々にソマリアで動き始めているモデルがアフガニスタンでも若干活用できるのではないかと思ったからであります。  こちらの方の仕組みとしては、まずその地域ごとに、どの地域で何が治安の脅威となっているかというのをきちんと分析をすると。情報収集をして、五つぐらいのツールを使って情報収集をして、そこで何が問題なのかを特定して、そのための改善策というのが大体青写真が出てくると。それと同時に、現地の長老ですとか女性ですとか若者から成り立つような委員会をつくり、そこに案件形成、何がその治安改善のために必要なのかというのを協議してもらってコミュニティーで案件形成をしてもらう、その実施も側面支援をしながら行うという仕組みを今設けています。  こちらは現地NGOを徹底的に訓練しまして、遠隔で行えるように、その訓練のところは当然私たち日本人、日本のNGOですけど、がかかわり、国連もかかわると。こういった支援によって、現在のアフガニスタンの状況で何が治安上の脅威なのかというものを把握できますし、治安情勢も入ってくると。なので、ソマリアの場合は、アメリカですとかイギリスですとかそういった大使館や在外公館も、そういった政務情報の観点から関心を持つと同時に、その治安改善策を実施した後に同じような情報収集をまた行うことで変化が見られると。どれだけの効果があったかというのもきちんと事業前、事業後で測れるということで、どれだけ自分たちの行った支援がプラス、マイナスのインパクトがあったかというのは測れる仕組みになると。そういったことから、国際社会の中でもかなり新しい支援として注目はされているところであります。  なので、これは単なる一例ですし、アフガニスタンで機能するとは申し上げていませんが、このような仕組みで、まさに本当の形でコミュニティー主導の役割を、しかも遠隔で日本人なり日本の機関が可能な形で実施するというのは可能かと思いますので、これが一つの参考になるかと思います。

浜田昌良公明党

○浜田昌良君 もう時間がありませんので質問しませんが、平和の人材育成の関係で瀬谷参考人の方から平和構築の支援を集約する機関がないという話がございました。これと併せて、国内での雇用の口がないという話もありますので、こういう平和構築の行かれた方が帰ってきてからその研究をまとめる、比較研究をするというような研究員制度みたいなのを是非考えるべきと思っておりまして、先ほど犬塚委員の方からODA委員会での提言をまとめたいという話がありましたが、是非その中に盛り込んでいただきたいということを委員長にお願いしまして、私の質問を終わりたいと思います。

岩永浩美自由民主党・改革クラブ

○委員長(岩永浩美君) 以上で参考人に対する質疑を終了いたします。  参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、長時間にわたり大変有益な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。当委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。  本日の調査はこの程度にとどめます。     ─────────────

岩永浩美自由民主党・改革クラブ

○委員長(岩永浩美君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  政府開発援助等に関する調査のため、来る三月十日午後一時に、参考人として長崎大学熱帯医学研究所国際保健学分野教授山本太郎君及びソニー株式会社CSR部統括部長冨田秀実君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岩永浩美自由民主党・改革クラブ

○委員長(岩永浩美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十八分散会

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