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174回国会参議院2010/03/18

財政金融委員会 第3号

発言数
161
登壇者
9
会派数
4
開催日
2010/03/18

会議録

大石正光民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(大石正光君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、田村耕太郎君が委員を辞任され、その補欠として川崎稔君が選任されました。     ─────────────

大石正光民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(大石正光君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案外二案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として財務省主税局長古谷一之君外一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大石正光民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(大石正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

大石正光民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(大石正光君) 平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案、所得税法等の一部を改正する法律案及び租税特別措置の適用状況の透明化等に関する法律案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 自民党の愛知治郎でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  菅大臣、また峰崎副大臣におかれましては、先ほどまで予算委員会の答弁に立たれていたということで、長時間にわたりますけれども、また引き続きこの委員会でもよろしくお願いいたします。  また、私自身、今回いろんなテーマを取り上げて質疑をしたかったんですが、なかなか微妙な問題も含んでおりますので、この時間も集中して答弁いただきたいというふうに思います。  早速なんですけれども、実は先日、予算委員会ですか、同僚の林先生との質疑の中で、菅大臣とのやり取りの中でサミュエルソンの経済学の本、教科書についてのやり取りがあったと聞いておりまして、なるほどと思って、私、今日、実は違う本を持ってきたんですけれども、憲法の本で、芦部信喜先生の「憲法」、いわゆる芦部の憲法という本を持ってきました。私はこれで勉強、そんなに頭良くないんで精通しているとは言えないかもしれないですけど、これで勉強していたんですが。  ちなみに、これは余談ではありますけれども、菅大臣、憲法の教科書はどのような教科書を使われていたんですか。この芦部先生の憲法は読まれたことはあるんでしょうか。

菅直人民主党・無所属クラブ財務大臣・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(菅直人君) 私は、大学では憲法は全く勉強はいたしておりません。ただ、弁理士試験というのを受けるときに、若干法律の本を読まなければと思って、憲法と民事訴訟法を有斐閣から買ってきて、一、二読んだことは覚えていますが、芦部先生の憲法学では多分なかったかと思っております。  ただ、憲法に関しては若干、憲法学者ではない憲法の議論はかなり読みました。つまり、今、国会の在り方とか、これは統治論ですから、私は憲法学者の言っている統治論の考え方は根本的に間違っているところが多いと思っています。つまりは、三権分立といったような考え方は憲法のどこにも書いてないんですね。ですから、私は、例えばですが、松下圭一さんという政治学者が「市民自治の憲法理論」という本をかつて書かれておりますけれども、それに関連する本は相当程度読ましていただきました。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 ありがとうございます。  私自身は芦部先生の憲法を基本にして、そこから勉強させていただいたので、間違っていると言われると、私の考え方も根本的に間違っているのかなと不安に思うんですが。  ただ、先日の本会議でも質問をさせていただいたんですけれども、それこそジョン・ロックやジャン・ジャック・ルソーの時代から、また今三権分立という話ですから、それこそモンテスキューまでひもといて、また改めていろいろ議論をしていかなくちゃいけないかなと思ったんですが。  なぜ今日私がこの芦部先生の憲法の本を持ってきたかというと、前の委員会、この質疑の中でも、それは所信の質疑であったんですけれども、最後にたばこ税の話に関連して税の定義についての議論をしようと思って、時間がなかったんですが、今日じっくりしようと思っておりました。  改めて、芦部先生のこの憲法の本に載っている租税、税の定義なんですけれども、ちょっと引用させていただきます。ここに、租税とは、国又は地方公共団体がその課税権に基づいてその使用する経費に充当するために強制的に徴収する金銭給付のことをいうというふうに書いております。  先日は私はほかの文献を引用して、これもあったんですけれども、国や地方公共団体等が公共サービスを実施するための資源として民間から徴収する金銭その他の財貨・サービスであると。どの文献を見ても、辞書を見ても、大体同じような意味で書かれております。  この定義についてなんですが、改めて認識をお伺いしたいんですが、なぜこのように税の定義をされているのか、この意味というのを大臣の見解をお伺いしたいというふうに思います。

菅直人民主党・無所属クラブ財務大臣・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(菅直人君) この芦部先生の租税とはということについては、私も基本的にはこういうことではないかと。つまりは、国とか地方自治体がその使用する経費を国民から徴収すると、それが租税という制度の根幹であろうと、このように考えております。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 認識は同じだと思うんですけれども、だからこそ私は、先日たばこ税についての議論の中で、今回たばこ税の増税をなさるということなんですが、その目的の中でたばこの消費の抑制、それを国民の健康のためにたばこの消費を抑制するという目的で増税するという旨、総理も御発言されていたようなんですが、租税の定義からすると目的と違うんではないか、元々租税はそういう目的ではないんではないか、おかしいなと思って質問させていただいたんですが、改めて見解を伺いたいと思います。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) 私、余り言っていることはそんなに違わないと思っているんですよね。要するに、たばこを今回増税した目的は何ですかというときに、まさにこれは総理が健康負荷を踏まえた課税にしてもらいたいと、そのために必要な検討を加えてほしいということで実は諮問されたわけです。  やはり租税の中で、これは金子宏さんという租税法の権威の方も述べているように、今、菅大臣もおっしゃったし、今、愛知さんもおっしゃった租税とは何ぞやということに加えて、収入を得る目的で果たす租税を財政税と呼び、それ以外の経済政策的ないし社会政策的目標の達成を目的とする租税を規制税と呼ぶと、こういうような分類の仕方なども金子先生はなさっているんですが、そういう意味で非常に税そのものは、基本的には今おっしゃった点が一義的なんですが、社会的な大きな性格を持っている、そういったことも含めて広い意味での租税というふうにとらえていいんじゃないだろうかというふうに思っていますので、私は先日お答えしたときも、そういう観点から今回はそういう、ただし、それは税収が全くないのかというと、非常に税収そのものも結果的には入ってくると、こういう理解だと思います。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 それも先日お伺いしましたけれども、言っていることは分かりますが、なぜ私がこの定義に固執するのか、何を危惧しているのかということをお話ししたいと思うんですが、ちなみに、租税を議論する上でこれは旧来から我々がやっていたときの議論なんですけれども、必ず原則のようなものがありました、租税を語るときに。その原則のようなものは今現政権でも踏襲されているのか、また変えるのであればどのような原則に基づいて租税を考えていくのか、お伺いしたいと思います。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) 愛知議員、それはあれですか、租税の簡素、公平、中立、これは従来私どももよく使ってきた概念ですよね。これは今回、公平さはもう税の基本原則としてそのまま踏襲する、しかし簡素、中立という点を放棄したわけではないんです。これは先日もお話ししたように、税がもう非常に複雑になっているということはよろしくないし、中立というのは、経済的にも余り税がそれを阻害することを少なくしなきゃいけないという点についても、私は今もそれは正しいと思っておるんです。  今回は、それ以上に私たちは公平に加えて納得と透明ということを重視していこうじゃないか。これは、従来はともすればやはり徴税の側に立った理屈というのが多かったんじゃないんだろうか。むしろそれは納税者の権利ということを少しやはり前面に出していこうじゃないか。  ちなみに、この租税原則というのはワグナーだとかあるいはマーシャルだとかいろんな税の原則というのがあるんですね。ですから、たしかあのアダム・スミス以来、この租税の原則というのは、人によっては三条件があったり、人によっては五条件があったり、マックス・ウェーバーは十条件あったり、そういう意味では非常に多面的ですから、その中で何を重視するかというのは、その時々の置かれている状況によって租税原則というのは、私は何を重視するんだということを前面に出してもいいんではないんだろうかというふうに思っております。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 ありがとうございます。  お気持ちは分かりますし、でも逆にそこが私は一番危惧をしているんです。先ほどの税の定義自体はどの文献を見ても多分皆さん共通の答えをされていると思うので、基本的には予算の原資である、財源を確保するためというのがベースにあると思います。その上で公正、中立、簡素、その考え方があった上で、またさらに、それは踏襲した上で透明それから納得をより政治的に配慮しながらやっていこうと、その意図も分かります。  今回、租特の透明化法案ということで、峰崎副大臣も前からずっと主張されていたことですし、その意思というか考え方自体は私は十分尊重するべきだとは思っているんですが、その次にある納得、これも納税者が皆さん納得する、それは理想的な形だと思いますけれども、少なくとも私自身が与党時代にこの税制にかかわって、これは納税、税だけじゃないんですけれども、すべての政策においてすべての人に納得してもらうというのはまず不可能だというのをつくづく思い知ったんです。  今回の税制もそうなんですけれども、透明にして、その議論、例えば峰崎副大臣は税の、租特の効果であるとか減税の規模、効果、様々な政策的な意味合い、すべてしっかりと検証して、そして表にオープンにしてもう一回最初から議論をし直すというふうにおっしゃっていましたけれども、そんな簡単に割り切れるものじゃないと思っているんです、私は。税制こそがまさに政治であって、いろんな利害関係者がいて、その調整を最もしなくてはいけない分野の一つが予算と対極を成すこの税制だと思っていますから、こっちを立てればあっちが立たずという話になりますから、そんな簡単な話じゃないと思っているんです。また、数字で割り切れる話でもないと思っているんです。  例えば、またこれから消費税のような議論、また環境税ですね、ああいった議論も多分されると思うんですけれども、例えば富裕層であるとかお金持ちとかそうでない人たちの、その区別だってはっきりとはないんですよね、できないんですよ。お金、収入が幾らあるからといったって、支出が多かったり、家族が大勢いたり、その土地によっても違いますし、一義的にそれは計算することはできない。だからこそ政治的に解決をして妥協を図っていくんですが、そういった問題というのはそう簡単ではないし、これから多分やられると思うんですけれども、そういった問題をすべて含めて、多分たばこ税に関して言えば、健康目的という大義がある以上受け入れられるという考えでやられたと思うんですが、ほかのすべての税制において同じような論理ですべて語ろうと思うと、多分論理は破綻していくと思いますし、通用しないと思っています、私は。その点についての見解をお伺いしたいと思います。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) 非常に原理的な、重要な指摘を受けているなと思っているんですが、それは、ちょっともしかしたら的が外れていたら教えてほしいんですが、私は、あらゆる万人がみんななるほど公平だと言うものというのは、それはそう多くないだろうと思います。そういう意味で、税やあるいは社会保障や負担を求めるとか、あるいは予算をどこに付けるとか、こういうときには必ずそこに価値判断が入ってくると思っているんです。価値判断を抜きにして、パレート最適という言葉がございますが、これは私は余り、社会科学をやる場合に、あるいは税を考える場合にそういう考え方を取るべきではないと思っているんです。それぞれやはり、どういう立場から物を見ているかという価値観がこの問題には私もろに反映してくると思っています。  そういう意味では、今おっしゃられたように、たばこの問題で言えば、やはりたばこを吸いたいと思っている人とたばこは健康に良くないねと思っている人たちの、これは価値観というか考え方は違ってくると思うんですが、やはり広く社会的に見てどちらが今の日本の医療やあるいは健康やこういう問題にとって考え方として多数派かというようなことは、これはやっぱり当然のことながら反対の方はおられるかもしれぬけど、多くの方は賛成するというところに私は焦点が当たるんだろうと思います。  そういう意味で、価値観の問題、あるいは国民の大多数の人たちが納得している問題、こういったことをやはりしっかりと税というのは従っていくべきじゃないんだろうかなというふうに思っております。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 まさにおっしゃるとおりで、政治的な価値判断が入るからこそ私は原則をしっかり守るべきだと申し上げているんです。だからこそ、最低限みんなこの議論をしたときに共通である財源論ですね、これだけは守らなくちゃいけないと思っているんです。でないと議論が収拾付かなくなると思っていますから、今後のことを考えて私はあえて何度も申し上げていると。  例えば、温暖化対策税、環境税になるか温暖化対策かは分かりませんけれども、CO2対策ということを考えたときに、じゃどのように課税すればいいのか。例えばの例ですよ、CO2を排出した人たちに課税をしましょうという考え方、一律に考えるとしたら、それを抑制するために、CO2を抑制するためにといったら、CO2を出しているところにすべて一律に掛けるというのも一つの考え方じゃないですか。極論を言えば、ヨーロッパでも随分議論されていたらしいんですけど、CO2を出している人は、人間もそうですし、家畜、牛のCO2って相当出ているからそれは問題じゃないかと言われているんですけど、そういうところにも同じように掛けていくのか。  多分価値判断がいろいろ入って、いろんな人たちの事情というのを配慮していくと思うんですけれども、抑制目的だというふうな議論になると、そういういろんな価値判断が入ってきて議論を複雑にする、それが問題だと思っているんです。その点についてはどう考えていますか。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) 非常に何かちょっと私自身も、メタンガスを発生する牛や、あるいは地球の温暖化で例えばシベリアの方が解けてくるとメタンガスが出て大変だとか、いろんな議論を聞いたことがありますが、私は、やはり地球温暖化対策税、環境税というふうに言い換えて構わないと思いますが、例えばこれは主としてやはり今CO2というか、これに、二酸化炭素に注目していますよね。もちろんフロンに注目する人もいれば別のガスに注目する人もいますが、多くはやはり今CO2だと。そうすると炭素、いわゆる課税客体を何選ぶかというときにその炭素の排出量というものに着目をすると。これが課税客体になって、そしてそれをどのようにカウントして、それに単価を掛けて幾らにするというのが、これが基本だと思うんです。  ただし、そのことによって、じゃCO2の排出を完全にそれを抑制をし、また厳しくやっていくんだとすれば、相当高い税率にしなきゃいけないということが出てくると。そうすると、いわゆるCO2に着目した環境税をある意味ではある程度取って、それを実は今度は環境目的に支出するという、そういうやり方を取っている国もありますよね。  ですから、それはやはり政治判断で、ただ、原則的にはCO2に着目をするというところに恐らくこれからの環境税の議論は進んでいくんだろうと思います。今申し上げたように、そのことだけで完結するのではなくて、他のいわゆる補助金だとか課徴金だとか、そういったことといわゆる連携しながら、環境目的というものをできる限り実現していくというふうになっていくのではないんだろうかというふうに思っています。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 もう今これだけの議論でも相当複雑になってきていますし、だからこそ私はシンプルにと何度も申し上げているんですが。  ちなみに違う話で、鳩山政権におけるスタンスですね、ちょっと心配なんですよ。先ほど副大臣がおっしゃられたとおりに、透明、納得という考え方が多分それは政権でも基本的な考え方に通ずるんだと思います。情報公開を進めていって、事情をしっかり国民に説明をして、最終的にその議論の過程も公開した上で納得してもらう、基本的な姿勢だと思うんですが。  私は、ちょっと違う分野ですけれども、普天間の問題があります。あの問題をこじらせたのはそういう考え方に基づくんじゃないかと思っているんです。姿勢はいいと思うんですね。いろんな議論、候補地が、いろんな候補地があって、いろんな議論をちゃんと国民の前にオープンにするという姿勢はいいと思うんですけれども、それじゃ解決できないんですよね、非常に難しい。逆に、ちょっと違う話ですけれども、三月中にそういう提示をするということをおっしゃられたそうですけれども、逆にその中身はオープンにしなくなった、今回はですね。  というのは、やはりすべてを公開してその都度議論をすれば物事が進むかというと、逆になることも非常に多いと。政治というのはそういうものだと思っていますから、だからこそ危惧しているんです。その点、御理解をいただけているでしょうか。もう一度、御答弁いただきたいと思います。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) ちょっと普天間問題は私なかなかコメントする立場にないんですが、公開というものを、つまり私はやはり国民に対する説明責任だと思います。と同時に、民主党政権でいわゆる透明というものを重視したというのは、率直に申し上げて旧与党税調、自民党税調ですけれども、こうして国会で答弁しない方が実は物事を最終的に決めておられると。これは実は、つまり物を決める人と責任問われる人が一致しないと私は民主主義としてはおかしいんじゃないんだろうかと、こう思って、この点を実は透明度ということを言っているんです。  それはなぜかというと、野党議員はこういう質問をして、それが職務権限がなくても、質問をしたことでもしこれが利害に絡んでいたりした場合には犯罪で問われるんですけれども、こういう御党で今までやっておられた方々は、実は自分で決めて、実質上の決定権はあるけれども権限はない、職務権限はないという形で実はそこが遮断をされる。そうすると、そこではいわゆる収賄罪とかそういうものが成り立たない。こういう問題を私は秘めているがゆえにこういう仕組みは変えた方がいい。  私は何も、愛知議員、何から何まですべてオープンにしろと言っているわけじゃないんです。基本的にはそういう責任と権限を持った人を一致させて、そして国会の場でこうして議論するときに、これはどういうふうにして決めたんだとか、この考え方は何なのかということをちゃんとやっぱり答弁できるかどうかということが私は極めて重要だというふうに思って、透明という点を非常に重視したということもあるわけであります。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 今の話を聞いていると、そのままお言葉を返したいと思うんですが、責任を持っている方と実質的に決めている方がずれているというのは今の民主党さんじゃないでしょうか。私は、そこが非常に、例えばこれから私が今日議論しようと思っていた暫定税率の話があるんですけれども、そこは、今の御答弁にあったように一致させたいというのは当然だと思いますし、是非やっていただきたいんですが、見えにくい部分が多々今の民主党政権にあるんで、逆にそこを指摘させていただきたいというふうに思います。  さて、せっかく今その話が出たので、早速今日のメーンテーマというか、議論させてもらいたかったガソリン税等の暫定税率についてお尋ねをします。  御承知のとおり、二年前、ちょうど二年前ですね、この財政金融委員会でも取り上げられたというか、結局、繰り返しになりますけど、一度も審議もしなかったんですが、その暫定税率が大きなテーマとなっておりましたが、そもそも二年前、民主党さんはそのとき第一党でした。我々はそのまま審議をして結論を出そうと思ったんですが、それができないで失効をしてしまいました。その暫定税率、なぜ失効させたんですか。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) これは、当時は平成二十年において平成二十九年度までの十年間の税率が定められたわけですけれども、これは平成十九年度に検討された十年間の道路整備計画案を根拠にしており、その後、道路特定財源制度が廃止をされましたね、福田内閣のときに。それを踏まえて、来年度税制改正において廃止することにしたわけであります。  一方、地球温暖化を防止する観点で、非常に厳しい財政事情あるいは原油価格が現在安定しているということを踏まえて当分の間は措置をしたわけでありますが、あの二年前の段階においては非常に価格が高騰しておると。そして、我々は、その前の参議院選挙のときにも暫定税率というのはやはりこれは廃止すべきじゃないかと、一般財源にしたらやっぱり廃止すべきじゃないかという我々は考え方を持っていたわけであります。  そういう意味で、その後、また情勢は変わってきておりますが、あの段階においては私たちはそういう考え方で、一か月間でしかありませんでしたけれども、暫定税率を事実上失効させたということだと思います。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 今様々なことをおっしゃられておりましたけれども、まず価格高騰については総理も答弁されましたから、非常に高騰したから下げるという話ではありましたけれども、ちょっと違うテーマから。  さっき温暖化の話がありましたけれども、地球温暖化対策の一環としてやはり抑制効果はあるということで今回は維持するということを答弁されたと思うんですが、二年前のあのときに地球温暖化問題って問題じゃなかったんですか。事情変わったんですか。地球環境、どれだけ変わっているんですか、二年で。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) 実は、地球温暖化問題というものの問題はずっともちろん継続しているわけです。ですから、私たちもマニフェストの中には地球温暖化対策税ということはずっと言い続けてまいりました。問題は、私たちが非常に大きな問題として更に考えなきゃいけないのは、昨年のやっぱり鳩山アジェンダですよね。国連総会で、やはり九〇年比二五%削減ということを全面に打ち出されました。これを実現していくためには、やはり何らかの経済的な措置というのが必要になるぞと。そうすると、これはやはり我々としてはしっかりとそれを踏まえながらこの環境税の導入ということについても議論を急がなきゃいかぬということが私たちは一つの要因としてあったというふうに申し上げていいと思います。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 いや、マニフェストでも言ってなかった突然の二五%と言われたのでびっくりはしたんですが、あのときだって地球温暖化は問題といえば問題だったんですよね、それは。目標を出す云々以前に。やはり環境問題考えていかなくちゃいけなかった。事情は変わっていないんですよ。政権の姿勢としては二五%という目標を打ち出していくというのはあるかもしれないですけれども、事情は変わっていないと思いませんか。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) 実は、この暫定税率問題を考えるときにも、我々は、絶えずもう一つの要因として、じゃこの地球温暖化対策税、これを組み替えていくのにどうしたらいいかという議論が実はあったわけです。我々は、これは暫定税率は廃止をする。つまり、一般財源化したんだから、道路目的のために、造るということについてはこれはないんだから、これは理屈上は一回は廃止するの当然だろう。しかし、そうはいっても、これは、今申し上げたように、環境目的という点で、これをじゃ下げることが本当にいいんだろうかということの議論もずっと実はあったわけです。  ですから、それが昨年の鳩山アジェンダを通じて、よりこれは現実の問題として考えなきゃいけない。そして、それはやはりできる限り、これは新聞なんかもそうなんですよ、どの社説を見ても、暫定税率を下げるんだったらそれと例の環境税の導入は同時期にすべきだという意見がどんどん、これほとんどの社説がそうだったんじゃないでしょうか、論説が。そういう意味で、私たちは、そのこともやはりある程度年末においては判断をすると、それは背景にあったと思います。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 多分、峰崎副大臣は御存じないと思うんですが、私、初当選のときからそういう話しているんですよ、環境目的にしっかりと検討しろと。あのときからもう暫定税率の話ありましたから、それは。ただ、あの二年前というのはそういう議論すらしなかったんです、全く。審議すらしていないんです、この国会において。なぜですか。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) 審議すらしないというか、私はたしかこの財政金融委員会にいましたから、審議はしたんではないかと。ちょっと私の記憶に残っておりませんけれども、あのときはもしかしたら委員長やっていたかもしれませんし、筆頭理事やっていたかもしれませんが、ちょっともう一回、どんな経過をたどったのかちょっと定かには頭に入っていませんので、もし、教えていただければと思いますが。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 参考資料をお配りしておりますけれども、ちょっと御覧になっていただきたいと思います。  両院議長あっせんということであります。いろいろな方がサインをされておるんですが、一番、平成二十年一月三十日ですね、総予算及び歳入法案の審査に当たっては、公聴会や参考人質疑を含む徹底した審議を行った上で、年度内に一定の結論を得るものとするという文書であります。ほかるる書いておりますけれども。  この文書の下で、私の記憶が確かなれば、そのとき峰崎副大臣は委員長でした。委員長でした。こういった取決めがあったにもかかわらず、一度も審議されていないと思います。もちろん採決もされていないと思います。御記憶にあるかどうか分からないですけれども、改めて認識を伺います。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) 私が委員長をやっていましたかね。もしかすると、私が委員長をやって、そして国会でこの法案とか税法含めた予算案の関連質疑というのは、これは必ず開いてやっているはずだと思うんですが、それは恐らく三月の年度末を越えてしまったのかもしれませんが、やっていないということはないんじゃないかと思いますが。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 年度内、三月中ということですね、この年度の。私はやっていないというふうに記憶をしております。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) ここに年度内に一定の結論を得るものということ、これについては年度内には恐らく結論を出せなかったということだろうと思います。そのときの理由というのはちょっと私も定かに覚えておりませんが、要するに、この約束はありながらも、この約束が履行できない何らかの事情があったのではないかと推察をしますが、ちょっとそれは定かに今、私も当時の記録を全部つかんでみなきゃいけないなと思っておりますし、各国対間のいろんな事情があったんだろうというふうに思います。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 いろんな事情があるかもしれないですけれども、それは主張が食い違っているんだと思いますが、少なくともこの議長あっせん案があって、それが守られずに、一度も審議されずに、結論も得なかったということだけは事実として残っているんだと思います。  もう一つ、先日の国会の質疑の中で、これは総理が答弁しているんですけれども、私が、この暫定税率、なぜ一度も審議をしていないで、なぜ審議拒否をしてまで暫定税率部分を反対、失効させたのでしょうかという質問をしたところ、まず、二年前になぜ審議拒否、総理がですね、二年前になぜ審議拒否までしたのかということでありますが、やはりこの時代、異常に高騰したガソリンに対して、せめて暫定税率分だけは下げようではないかという答弁をされていますから、審議拒否をしたというのは認めておられるんですよね。どうですか。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) 総理がそのように答えられておられるとすれば、総理自身がそういう認識を持っておられたのかもしれませんが、私自身は絶えず両方の理事の皆さん方に呼びかけて、そしていわゆる税法の審議でありますから、当然重要な審議を進めていこうじゃないかという立場にあったことは間違いありません。しかし、結果としてはこの年度内にということ自身が実現できていなかったということについては、事実としてそれはできていなかったということだろうというふうに思います。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 この資料は両院議長のあっせんなんですよ。で、議長の下に委員長はいるわけですから。そして、議長がちゃんと一定の結論を得よということであっせんをしているんですよ。それなのにもやらなかったということが一つと、また、ここに署名がありますけれども、当時の幹事長は現総理である鳩山由紀夫幹事長でした、その当時、が審議拒否ということで認めておるんです。つまり、これは事実として、やはりいろんな価値観の差はあるとしても、審議をしないで結果的にこの法案を、暫定税率を失効させたということだと思うんです。どうですか、峰崎副大臣。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) ちょっと済みません。今、当時の理事さんにちょっと事情を聞いていたので、改めてもう一回、ちょっと済みません。筆頭理事やっておられたのでその当時の経過を今メモでいただいて、ちょっと耳に今の質問が入っていなかったので、もう一度済みません、愛知さん、申し訳ありません。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 与党として半年たちましたけれども、いろんな事情があって不慣れなところもあるんでしょうけれども、そこはしっかりと、お疲れでしょうけれども、対応していただきたいと思います。  改めてもう一回申し上げます。  当時、峰崎副大臣は委員長でした。そして、この文書は両院議長のあっせん案であります。で、議長の下に委員長というのは負託を受けて委員会をやっているわけですよね。だから、あっせんがあったのであれば審議しろということだと思います。また、当時、ここに署名にあるとおりに、民主党の幹事長は現総理であります鳩山由紀夫当時民主党幹事長でした。その幹事長が審議拒否ということでお認めになって、そして実際に審議がされなかったということなんですけれども、その認識を改めてお伺いしたいと思います。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) 結果的に年度内にできなかったという事実は、これはもう本当に冷厳な事実であり、私も両院議長のあっせん案を受け止めて議事を進めなきゃいけない、公平公正でいなければいけない委員長として、これが実現できなかったという責任はあると思います。  ただ、今、先ほど来申し上げているように、いろんなこれは国会内の経過があって、そして我々財政金融委員会の議事というのはそれ自身が単独であったわけではないわけです。その意味で、様々な要因によってできなかった事実ということについては、私はやはり、私自身のもちろん委員長としての責任は今申し上げたようにあると思いますが、しかし、今申し上げたような理由で率直にこれが年度内にその採決をすることができなかったということだけは申し上げておきたいというふうに思います。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 それで到底、先ほど透明、納得という話がありましたけれども、納得できる答弁ではないというのがまず一つと、いずれにせよ、切れさせたんですよ、失効させたんです、無理矢理、これは、数の力をもって。それだけの理由があったんでしょうか。  先ほど、ガソリン価格が高騰と言いましたけど、地球温暖化の問題は同じですよね、今も。私が今問題にしているのは、あのときの事情と今の事情で、あのときあそこまでして切れさせたのに、今回はなぜ維持するんですか。そのことをお伺いしたかったんですけれども。分かってますか、切れさせたんですよ。その見解をまずお伺いしたいと思います。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) 先ほどから言っているように、国会の対応の中で、これは私の委員会の委員会さばきだけではなくて、全体的な状況の中で物事が進んでいったということについては、今御指摘の点があったのかもしれません。  私は、だから、そういう意味で、ただ、あの段階と今度延ばしたのはなぜですかということについては、総理も答弁されていると同時に、財政事情もあったでしょう。さらに、地球温暖化対策という面では、ある意味では去年の九月の国連総会における鳩山アジェンダがあった。さらに、原油価格があの当時、たしか二十年の四月段階はリッター百八十円ぐらいまで上がっていったんじゃないでしょうかね。相当高く上がっておりました。その意味で、暫定税率分の二十四円三十銭を下げること自身は非常に国民にとって大変重要なことだという、ある意味では、先ほど総理の発言として、答弁として出されたことについては、その当時においてはいわゆるガソリン値下げ隊というようなところまで運動論としても提起をしてきたというのは御存じのとおりだろうと思います。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 ちゃんと国益を、温暖化の問題を考えて行動するんであれば、確かにガソリンの価格は変動しますけれども、世界的な事情ですよね、それは。そういう事情というのはいつでも変わるし、残念ながら金融関係の投機で高騰したという事情はあるかもしれないですけれども。  だったら、逆に温暖化の視点もあるんだったら、そのときこそ、今エコカー減税とか補助金とか、そういった産業を育成しようということで、また現鳩山内閣においても環境産業は育成しようということでおっしゃられているわけですから、なぜあのときは違う議論をしていたんですか。取りあえず抑えようということで切れさせたということなんでしょうか。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) 我々は、もう一度思い起こしていただきたいんですが、道路特定財源を一般財源化しよう、そして一般財源化する以上は暫定税率分というものはこれは当然早く廃止すべきだ、元に戻すべきだという考え方をずっと一貫して主張していたわけですよね。  そういう意味で、そういう流れの中でたまたま価格が、たしかWTIの価格で非常に高騰しておったと。その高騰していた中で、じゃ、それは早く国民の皆さん方に価格が高騰しているときは暫定税率を下げさせようじゃないかと、こういう実は我々としては考え方が民主党内では非常に強かったということだろうと思います。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 ちょっと徹底的にやりたいんですが、違う視点で、今日また配付させてもらった資料の一つに民主党さんのマニフェスト、四番目の項目、四と書いてあるこのマニフェストがありますけれども、ここではっきりと書いてあるんですね、上の方に、中段ですか、ガソリン税などの暫定税率は廃止し、生活コストを引き下げますと。これは去年の段階で、衆議院選挙で国民の皆さんに明示をして、マニフェストに載せて公約した話ですよね、これは、生活コストを下げますと。  二年前の状況でもそうだったのであれば、去年の段階でも同じことを言っているんですよ、生活コストを下げましょうということで。なぜやらないんですか。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) ですから、これは昨年の年末の税制改正、予算編成の中において、総理も先日おわびをすると同時に、これについては今回は実現できなかったということのおわびをしたわけでありますが、できなかった大きな理由というのは、一つはやはり財政事情というのが非常に一つ大きい要因だったと思いますし、また地球温暖化対策税をこの一年の間に、昨年末に温暖化対策税が制度設計されて、そしてそれが暫定税率等の対応を含めてきちんと同時的に動けばよかったわけでありますが、それもなかなか直ちに温暖化対策税の制度設計というのが、関係者、利害関係を持っている人がたくさんおられるわけですから、そんなに安直につくっちゃいけないということで、それは一年掛けてしっかり議論をしていこうという、ある意味ではこの間、暫定的に今、旧暫定税率分については存続をさせていただいていると、こういうことでございます。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 今のお話でもおかしいんですけれども、暫定的な措置と言っていましたけど、あの当時だって暫定的だから問題、暫定は何十年も続けてきて問題だって言ってなかったですか。おかしくないですか。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) 道路目的のために置いている上に、これ一般財源になった以上は暫定税率というものについては、これは道路目的のために、造るためにやった上に上乗せしているんだから、理屈上これは一般財源にしたら合わないですよねという意味で私たちは暫定税率廃止ということを言っていたわけです。  それは暫定税率じゃなくて、これはもう暫定という名前は外したわけですが、その税率分はいわゆるこれを暫定的にもう一年間は延ばしましょうと、こういうことを言っているわけですから、その暫定の意味がちょっと違うわけであります。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 どこが違うんですか、暫定的な措置というのは同じですよね。あのときも同じような言い方をしていたんですよ。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) 暫定税率というのは、いや、かつては道路特定財源の目的の下に、道路を造るというその目的のために上に暫定税率が乗っかっていたわけでしょう。それを一般財源にした以上はこの暫定税率分は廃止をしましょうということで、そういう意味での暫定税率はなくなったわけです。  問題は、今度は一般財源になった部分について、これを本来は下げたいけれども、これは地球温暖化対策税の関係もあり、暫定的にその税率部分だけは延長させていただきますよと、こういうことを言っているわけであります。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 あのときも、福田内閣において一般財源化ということで話し合われたんですよね。そのときに無理やり切れさせたんですよね。同じじゃないですか、事情は。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) いや、それは後じゃないですか。一般財源化したのはその後だと思いますよ。そこはちょっと時間的には私はそういうふうに認識していますが。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 もう一つこれに書いてあることなんですけれども、先ほどこのマニフェストを引用した理由なんですけれども、その下の方にもあるんですけれども、地域を再生させる政策と書いてありまして、その中に、ガソリン税、軽油引取税、自動車重量税、自動車取得税の暫定税率を廃止し、二・五兆円の減税を実施しますと書いてありますが、この点についてはいかがですか。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) これは、まさに二・五兆円分が、暫定税率分があったわけですけれども、それを廃止すると。自動車を一番使っているのはどこだろうか、例えば、私の記憶では富山県だったと思いますが、非常に田舎に、地方に行くと車がもう足になっているという意味で、そうすると、道路関係、自動車関係の諸税で非常に負担を強いていることが、これを、暫定税率を廃止することによって地域の、地方の方がそれを恩典を受けるんじゃないんだろうかと、こういう私たちは推定をしたわけであります。むしろ、都市部の方がそういう自動車は自家用車とかそういうものの利用の度合いが低いと。こういうことで、より地域社会の方でその恩典が行くような形にしたということでございます。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 いや、だから、なぜやらないんですか。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) 先ほど申し上げたとおりでございまして、鳩山総理自身もこの暫定税率の廃止の問題については率直におわびを申し上げるということで、先ほど論点を申し上げたとおりで、これは繰り返しませんけれども、申し上げたとおりでございます。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 では、あの当時はそういった問題があったからという理由で無理やり審議もせずに暫定税率部分を切れさせて、今は、政権を担ってみていろんな事情、財源も含めて様々な事情に気が付いて、今の事情を勘案してやはり維持しようということですか。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) もし後で、政権を担当されて、菅大臣の方からも補強してもらいたいんですが、私どもは政権を担当してみて、やはり生きた経済がどう動いてくるか、リーマン・ショックの後、あるいはドバイ・ショックだとか様々な問題が起きてくるし、そういうものを絶えず我々は意識していかなきゃいけない、そうした中で税収がじゃどの程度見込めるんだろうか、我々がこう考えていた以上になかなか難しいところもあったかもしれない、そういったことを全部勘案してこういった判断に立ち至ったということでございます。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 同様の質問を菅大臣に、じゃお答えいただきたいと思います。

菅直人民主党・無所属クラブ財務大臣・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(菅直人君) 今の議論をずっと聞いておりまして、私も当時何をやっていたかなということをいろいろ考えておりましたが、たしか民主党の中で道路対策本部長をやっておりまして、いかにして道路特定財源を廃止に追い込むかということで、宮崎などにも出かけて東国原知事とも大分議論をし、また、たしか自民党を中心とした集会がどこでしたかありまして、麻生知事ですね、福岡の知事が知事会でやられた会合にも私、民主党を代表して出かけまして、大変なやじをいただきましたけれども、この道路特定財源廃止をすべきだということの論陣を張ったりしたのをよく覚えております。  愛知さん、いろいろな観点から言われておりますが、私は、道路特定財源廃止というのはまさにコンクリートから人への象徴的な、それにつながる政策であったと思っております。道路特定財源の細かいことは言いませんが、少なくとも五年なり十年ごとにそれこそ延ばして延ばして延ばして、そして、たしか最終的には十年間で五十九兆円ですか、五十九兆円の道路特定財源を十年間に道路だけに使うんだという、そういう政策を更に続けようとされたので、これは財政配分としてもおかしいということで、道路特定財源をいかにして廃止に追い込むかということを運動的に担った道路財源の本部長を私がやっておりました。  ですから、先ほど来の議論の中で、もちろん今の暫定税率の問題に関係はしますけれども、少なくともあの時点における最大の争点は道路特定財源の是非だったんですよ。だから、東国原さんも道路特定財源は残せと言いました。ほとんどの知事、市長が残せと言ったんです。なぜ言ったかと。国土交通省の手が入っていたからなんです。つまりは、国土交通省がそういうことをやらせたんですよ。(発言する者あり)いや、それはもう全部はっきりしていますから、もう御存じのはずなんです。  私は、だから、今度の政権交代の起きる直前に国土交通省の次官始め数人と話をする機会がありましたから、イギリスの政治制度を調べた後でしたから、あなた方がもしそういうことをやりたいんだったら大いにやってくださいと、しかし、そのときには国土交通党という党をつくって選挙に出て主張するんならいいけれども、事務次官のままそんなことを言うようだったら即、首ですよということも言っておきました。そういう、あのときの最大の論点は道路特定財源をどうするかという問題だったんです。  そして、せっかくですから今のこともお話ししますと、今のこの暫定税率をめぐる問題は、先ほど峰崎さんから何度もありましたように、確かにマニフェストについては実行できないところがありましたので、総理が理由を述べて謝られました。その中にも含まれていますけれども、私たちのたしか税調の考え方では、環境税の議論を、場合によっては暫定税率は下げるけれども環境税を入れるということを同時的にやれないかという議論もいたしました。しかし、さすがにこの環境税あるいは炭素税と呼ばれるものを数か月単位で合意を関係業界を含めて得て入れることはとても難しい、やはり最低限一年は議論をしなければいけないだろうということで、そういう意味で、暫定という言葉がいろいろに使われていますけれども、今回、税率だけは元の税率とほぼ同じようにしていたのは、たしか当面という言葉が入っていると思います。その当面の意味は道路特定財源のときの当面とは全く意味が違いまして、来年に向けて環境税の議論をする、そしてそれを導入するときには当然振り替わりのようなことも考えられますので、そういうことも含めて当面という言葉を入れているということも是非御理解をいただきたいと思います。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 全く理解はできません。  今おっしゃられましたけれども、あのときに特定財源が問題だという話されましたね、今。ちょっと答弁長かったので、いろんなテーマ御答弁されたので、一つずつお尋ね、改めてしたいと思うんですけれども。  特定財源に関して言えば、私の記憶では、福田内閣は一般財源化するということで、(発言する者あり)いや、あのときにもう交渉で、公党同士のお話合いをして、一般財源化するということを前提に暫定税率部分は今回は失効させないでくれと、しっかりと結論を出してくれという交渉していたと思うんですけれども。違うんですか。

菅直人民主党・無所属クラブ財務大臣・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(菅直人君) ちょっと当時の時間を見なきゃいけませんが、小泉内閣が終わった後、たしか安倍内閣になっておりましたから、私が少なくともその道路本部長をやっていたころは、まさに十年間の延長をして、五十九兆円を道路特定財源で使うんだという時期だったから、(発言する者あり)いやいや、使うという議論がそのまま残っていましたから。だって、そういう法改正をやったじゃないですか。十年間の延長の法改正をやったじゃないですか。ですから、そういう意味では、私が少なくとも先ほど申し上げた道路本部長をやっていたときには、道路特定財源の五十九兆をそのまま十年間今後使うんだというその考え方はおかしいということでやったわけでありまして、たしか福田内閣が閣議決定されたのは、少なくとも私がその活動をやって宮崎などに行ったときよりはかなり後で、しかもそれは、閣議では決定されましたけれども、法改正はされなかったはずですよね、たしか。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) 今大臣がおっしゃったように、この道路特定財源がどのようになったかといいますと、これをいわゆる一般財源化をするということについての閣議決定はちょうど二十年の五月十三日ですよね。ですから、大臣がおっしゃったように、運動本部長をやっておられるころはまだこれは、言葉では出されていたかもしれませんけれども、いわゆる五月十三日ですから、暫定税率が切れて、また元へ戻ったときに閣議決定されているということでございます。  そして、それが法律的に一体どうなったかというと、それは十二月八日に、政府・与党合意、道路特定財源の一般財源化についてということで、その年に実は改正されたというのが正式な経過でございます。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 今の議論はしっかりと整理をしなくちゃいけないと思うんですが、少なくとも一般財源化をすると、さっきの特定財源が問題だから、じゃ一般財源化しましょうと福田内閣で約束をしました。そして、最終的に実行したということだと思うんです。民主党さんは、この文書でしっかりと合意をしたにもかかわらず、この約束は守っていないんですけど、我々はしっかりと守ってその結論を出したということですけれども、今の議論も改めて整理をして、やり取りを聞き逃したところもありますから、議事録も精査して改めてやりたいというふうに思います。  いずれにいたしましても、ちょっと時間がなくなりましたんで、同僚議員が質問できればそういうことをまた質問させていただきたいと思うんですが、今回の措置についてお伺いをします。  暫定的という言葉が錯綜しておりますけれども、当面取るべき政策ということで、税率は実質的に維持ですね。  一つは、これについて、先日の委員会でも申し上げましたけれども、私の友人なんかも本当に怒っていて、だまされたというふうに言っておるんですが、その実質的な維持の手法、どのような形でやられるのかお伺いしたいと思います。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) もう先ほどこれ菅大臣がお答えしたと思うんですけれども、これは、いわゆる当分の間として措置される税率の見直しも含めて、これ地球温暖化対策税に振り替えていくということで、これは平成二十三年度実施に向けた成案を得るべく更に検討を進めるということを規定しているわけです。  そういう意味で、今回維持されることになった税率の在り方はこの地球温暖化対策のための税に関する検討の際に併せて検討すると、こういうことで私は一応お答えしましたから、それでこの秋の、再来年度の税制改正に向けてこの年末にはこの問題についての方向性が出されるというふうに理解をしていただければと思うんです。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 私も努めて冷静に議論をしようとは思っておるんですが、いろんな思いもございますんで、なかなかそういった議論ができない、コントロールができない部分でもあるんですが。  ちょっと、議論を進めるためにも次の議論に進みたかったんですけれども、一個だけ確認をしたかったんですね。  もう一個の資料をお配りをさせてもらいました。武藤日銀総裁に反対という資料なんですけれども、これは西岡参議院議運の委員長がお話しされたことが新聞記事になっていたものなんですけれども、結局、日銀の総裁人事に関していえば、人物云々ではなくて、当時の政治的事情で同意をしなかった旨書いてあるんですが、実はあの当時の国会の対応として、少なくとも日銀の総裁人事についてはこのような対応をしたと、これは大変な問題だと思うんですけれども。  それに加えて暫定税率部分、今の論理もはっきりしないんですけれども、もしかして政策的な意味合いではなくて、政局的な目的で我々の政権を揺さぶるためにやったのではないかというふうに思っているんですけれども、図らずも先ほど菅大臣が、この暫定税率が問題、まあ特定財源が問題とは言いましたけれども、議事録見れば分かるんですけれども、暫定税率部分を廃止に追い込むという言い方をしているんですけれども、全く政局的な目的でやられたんではないんですか。

菅直人民主党・無所属クラブ財務大臣・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(菅直人君) 暫定税率を廃止に追い込むんではなくて、道路特定財源という制度を廃止に追い込むということですよ、ずっと言っているのは。ですから、コンクリートから人へという今の政権の方向性と基本的に一致したということを申し上げたんです。  先ほど峰崎さんが言われたように、道路特定財源ということを前提として暫定税率が上乗せされているというのが、一応そういう形で業界に説明がかつて長い間されてきた経緯があるものですから、やはり道路特定財源をやめた時点では暫定税率も少なくともいったんは下げるのが筋だろうということを言っているわけで、私が申し上げた大きな趣旨は、この特定財源というものそのものも問題ですが、今ダムの問題とか飛行場の問題とかいろいろ問題になっていますが、何といっても道路が一番大きい財源ですから、大きいそういう意味での公共事業ですから、そういう意味でこの道路特定財源制度をやめるべきだという、そういう趣旨で運動をしたということはそのとおりですし、それは政局というよりはまさに大きな政策課題だと思っておりました。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 ところで、あのときに暫定税率は失効しました。自治体、特に自治体等なんですけれども、歳入欠陥が発生をしました。私が聞くところによると、いろんな地域も回りましたけれども、それによって自治体の行政、相当混乱したという話は聞いているんですが、その点の認識はいかがでしょうか。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) これは平成二十年四月に、ちょうど一か月間だったと思いますが、暫定税率が一時的に失効しましたから、一つは国、地方の道路特定財源であった揮発油税の税収が減収する、さらにガソリン、軽油の流通、販売の現場において一定の混乱が生じると、こういうものが生じたことは私もそうだろうというふうに思います。  このうち、国の税収の減収分については道路の維持管理等を除く直轄事業を中心に対応し、補助事業は基本的には満額確保するということで地域の景気情勢に配慮が行われたものと私は承知をしています。これは当時の政権が含めてやられたと思いますが、地方財源の減少分のことについてさっき御質問がございましたのでお答えすると、これは、地方税については地方税減収補てん臨時交付金というものが創設され、さらに、地方の道路整備臨時交付金については当初予算どおり執行できるよう法的措置を行うなど、各地方団体の財政運営に支障が生じないような財源措置が講じられたというふうに私どもも承知しております。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 これは総理も言っていたんですけれども、当時の政権である我々がやったということですね。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) そうです。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 ただ、自治体の混乱がその当時、タイムラグがありますから、その措置がされるまで混乱があったということは認識されておるんですか。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) 当然そのタイムラグの中で私ども地方の、私は北海道でございますけれども、そういう地方の声というのはよく耳に入っておりましたので、それはある程度の影響があるということは間違いなかったと思います。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 ということは、そういう影響が出ることが分かっているにもかかわらず、暫定税率はその当時無理やり失効させたという認識でよろしいんでしょうか。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) 先ほど菅財務大臣がお答えしているように、この道路特定財源というものを廃止をするということの目標をやっぱり持った私たちのこの運動といいますか、国会内においてこれを一時的に失効させていくという運動をしたわけでありますから、これは当然それに伴う影響というのはあるということは私もそれは当然あるだろうというふうに思っております。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 今後のことですけれども、今の措置は暫定的な措置だということでありますけれども、聞くところによると、値段によりけりでその暫定税率が失効したり復活したりするシステムというか、やり方を導入されるやに聞いておりますけれども、詳しいところを聞かせていただけますか。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) いわゆるトリガー税制ですね。これについても、もうこれは衆参でも随分議論をいたしましたけれども、いわゆる百六十円と百三十円の、百六十円を超えた段階において、これは三か月間というこの取り方もいろいろきちんとした厳密な定義をしておりますけれども、超えた段階において失効させると。いわゆる二十四円三十銭ですか、今、当面の間置いている暫定税率分を失効させる。そして、百三十円以下になった段階においてはこれまた上げていくと、こういうトリガー税制を仕組んだことは間違いありません。  これは決して、私どもも衆議院の段階で言っているんですけれども、これもある意味ではいわゆる道路特定財源、暫定税率分を、原油価格が高騰したときに、二十四円三十銭といえどもこの暫定税率分を何とかやっぱり下げて、国民生活の向上の観点からしてもこれは下げるべきじゃないかという意見があったことにある意味では対応させているわけでありますが、これは先ほどの地球温暖化対策税への転換も含めてこの税の在り方が直るまでの間ということで、我々としては一応考え方を整理しているところでございます。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 生活コストに関して言えば、あの当時も確かに高かったですけれども、今だってそれをやることによって非常に多くの恩恵を受ける、地方に影響があるって言ったじゃないですか。経済対策としては、やるんだったらやった方がいいんですよ。  それはいいとして、指摘だけしておいて、今の話なんですけれども、御承知のとおり、原油価格というのは乱高下するんですよね。一年に何度も百六十円超えたり百三十円以下になったりすることって予想できますよね、ないとは言えないじゃないですか。じゃ、自治体はどうすればいいんですか、どうやって予算を組めばいいんですか、その都度変えるんですか。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) これは大変大きな問題を私、抱えていると思っているんです。ですから、先ほど申し上げたように、できるだけ早くこの制度を、トリガー税制というものが発動されないように、できる限りこれを早く地球温暖化対策税へと振り替えて、この制度をある意味では早くやめた方がいいというふうに思っているわけであります。  それは、今地方の財政のことをおっしゃいましたけれども、国の財政だって同じことだと思うんですよね、税収が入ってきませんから。そういう意味で、税収不足は国も地方も同じでございますので、その意味で、できる限りこれはこういう事態が起きないことを祈っているし、また、こういう事態はできる限り私は早目に短期間でこれをなくしていく方がいいというふうに思っております。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 先ほど、暫定税率切れさせたのは二年前ですよ。それから全然検討を進めてこなかったんでしょうか。十分時間あったと思うんですけれども、この制度について。  今のトリガー条項についても、早く是正をしなくちゃいけない、これは問題があるという発言だったと思うんですけれども、それが分かった上で、しかもこの議論は何年も前から続いている議論なのに、今そういう暫定的な措置を導入したということじゃないですか。準備全然できてなかった、考えてなかったんですか。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) これは前提条件としては、このいわゆる暫定税率分を廃止をするということが一つの前提でございましたから、こういう事態というよりも、これどうしてもなかなか難しいなというときに、かつて非常にガソリン価格が高騰したときに我々は一か月間失効させたと。そういう意味では、あの段階においてもやはり暫定税率分をやっぱり国民生活を向上させる観点からも下げた方がいいんじゃないんだろうかという意見が実はあったわけでありまして、そういう意味で、このトリガー税制というものが急遽出てきたという背景には、今申し上げたように、総理がもう国民に向かっておわびを申し上げましたけれども、今の、ある意味では、財政状況の中では非常に厳しいということで、今回は自重税の国税部分の半分しかできないということに実は対応して、じゃ、それでもなおかつ国民生活に、あの二十年の四月の一か月間だけだけれども、下げたときのああいう高くなったときに何らかの対応ができるように、しかも、これは先ほど申し上げましたように、地球温暖化対策税ができるまでの間に、そういうことが起きたときにそのことがちゃんと対応できるようにその仕組みを組み入れたということでございますので、あの段階において、何年もあったじゃないですかといっても、その間はやはりこの暫定税率の廃止ということを前提に実は議論していたということでございます。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 総理が謝ったという話されましたけれども、ごめんなさいの一言で済まされる話ではないですからね、そんなの到底納得できないですよ。しかも、公然とこのようにマニフェストに書いて、国民に約束したわけですよね。それを守っていないわけですから、どうやって責任を取るのか。  しかも、今の結論として維持をすることになったんでしょうけれども、今後、よっぽどの理由があって、しっかりとした制度設計ができた上で、済みませんと国民の皆さんに謝罪をして、改めてこういうやり方でしっかりやりますからというのであればまだ、私は納得できないですよ絶対、でもそれすらないって、これひど過ぎないですか。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) 先ほど菅大臣の方からありましたように、税制調査会の論議の中で、地球温暖化対策税、環境税に振り替えていこうということで、環境省辺りからは原案も出てまいりました。しかし、何せその環境税法案を環境税に導入するということになると、その関係業界や国民生活に影響が非常に大きいものですから、そこで結論を得るということにはなかなか至らなかったと。そういう意味では、この一年間掛けてこれからの環境税、地球温暖化対策税への切替えというところをしっかりと我々としては示していくと。  その際、今、当分の間、旧暫定税率分のあれについては維持しておりますけれども、それについての対応もまた来年度決まってくるだろうというふうに思います。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 いずれにいたしましても、国民はしっかりこれを見ていますし、納得しているとは到底私と同様思えませんし、今、地球温暖化対策、環境税の議論をするとおっしゃられましたけれども、その議論も私自身は非常に不安ですし、しっかりと議論されるとは思えない、懐疑的に見ているということもしっかりと分かった上で議論していただきたいと思います。  冒頭申し上げましたけれども、原則論を。こういういいかげんな議論をされると困るので、あえて原則論を申し上げたということも併せて理解をしていただきたいと思います。地球温暖化対策税、環境税の議論のときに税の原則というのを曲げないでほしい。しっかりとその原則を守った上での議論をしてもらわないと、今のように議論が錯綜してしまうというのが私の問題提起です。その考え方について、もう一度お答えをいただきたいと思います。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) 税の原則とおっしゃったときに、あれですか、簡素、公平、中立のところですか。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 財源の問題もです。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) ああ、財源論ですね。  だから、先ほど、それが冒頭申し上げたように、税は何のために、税とは何ですかという定義付けのところでおっしゃいました。それだけではなくて、つまり国や地方自治体が強制的に国の予算を必要とするために徴収するものですよと、これが基本であることは間違いありません。  それに加えて、先ほども申し上げていますように、環境税というふうに社会的な目的だとか、そういう目的に応じて実は税として徴収するということもあり得るということでございますから、そこもやっぱり一つの大きな、今もう、環境税だとかあるいはトービン・タックスとか、ああいう問題もそうですけれども、そういう問題も含めて、やっぱり私は、そういうただ単に徴税だけの目的じゃなくて、もっと社会的に税というものをいろいろ考えていこうというふうに考えていくのも今の時代の大きな要請じゃないかなというふうに思っていますので、とりわけこれから二十一世紀、環境の世紀ですから、そういうものが徴税だけですよという目的だけだと私はやはり問題が起こるんじゃないかなと思っております。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 いや、逆ですよ。だって、さっきの暫定税率の温暖化対策に対する考え方一つでも、二年間の論理、めちゃくちゃなんですから。分からないですよ、何言っているか。あのときはよくて今は駄目という論理すらはっきりしないんですから。だからこそシンプルに議論をしなくちゃいけないと申し上げているので、これから変な議論にならないようにちゃんと分かってやっていただきたいと思いますが、その点について、やはり財務大臣の見解をお伺いしたいというふうに思います。

菅直人民主党・無所属クラブ財務大臣・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(菅直人君) 愛知議員の言われたいことというのは、最初の芦部先生の税の原則を、租税の原則を外すなということで、それはそれとして私は重い原則だと思っております。  同時に、環境税というのは特にヨーロッパにおいてはかなりの国が導入しておりまして、必ずしもそれが、芦部先生の言われる原則に加えて、先ほど峰崎さんもいろいろ言われましたけれども、ある程度は社会的な方向性のために、そういう要素も含めて租税を使うこともあり得るということですので、そこは原則は原則としてしっかり押さえると同時に、プラスして社会的なそういうものにもある範囲では考えることも、既に多くの国でも導入しておりますので、そういうこととしてはそういう意味も含めて検討したいと思っております。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 先ほども申し上げましたけれども、いろんな効果があるのは、それは当然効果は出てくるんです。目的というのも、様々な観点から議論されるというのを否定しているわけではないんです。  ただ、そういういろんな価値観とか論理があるからこそ原則だけはしっかり守ってくれと。たばこ税ではそれが違うやり方に私には思えるので、非常に危惧しているということを申し上げたかったんです。これからの議論でも、私の話をしっかりと踏まえた上でしっかりとした議論をしていただきたいというふうに思います。  正直に申し上げます。私、今の政権もそうですし民主党さんのこと信用できないんですよ。このさっきのあっせんの話もそうですけれども、私はその場にいてそのあっせん案ほごにされたと思っているし、だまされたと思っているし。国民もそうですけれども、マニフェストであれだけ明確に提示をされた例えば暫定税率一つにしてもそうですけれども、全く守られていない。これで信用しろと言われても、信用なんてできないですよ。  もう一点、最後に、時間が来ていますから最後にお伺いしたかったんですけれども、この五番目なんですけれども、最後の資料で。ここに、一番上の段になりますけれども、大きな項目として、中小企業の法人税率を一一%に引き下げますと明言をしております。その中段になりますけれども、赤字で書いてあるんですが、雇用と経済を育てる政策という項目があって箱で囲っておりますけれども、その一番上に、中小企業の法人税率を一八%から一一%に引き下げ、また融資に対する個人保証を見直しますというふうに書いておりますが、今回の税制改正において中小企業の法人税率は維持されると伺っておるんですが、どういうことでしょうか、お答えください。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) この中小企業の税率を、今も中小企業であるがゆえに八百万円までの税率が低くなっているわけですけれども、更に一一%まで下げる。  この議論をするときに、我々はもうここはペイ・アズ・ユー・ゴー原則というか、これに必要な財源というものはどこかで見付けてこなきゃ駄目ですよということが大前提だったわけです。その意味で、いわゆる中小企業関係の租税特別措置も結構あると。すなわち、税率というのはすべての中小企業に掛かってまいりますから、これは税率を下げるということは非常に大きな効果を持っているわけですね。ですから、そのときにはやはり課税ベースを広げながら、そしてその税率を下げていくというのが基本的な原則だろう。  そうすると、租税特別措置で中小企業関係だけに適用される租特というのが結構あったんです。これはもう一千億を超えて存在しているわけです。この中小企業の一一%に引上げに必要とする財源というものも、ほぼこの租税特別措置を廃止をする、中小企業関係のですよ、廃止をするとこれに見合う引下げができるんでどうだろうかということを私どもは内部で論議をいたしました。  しかし、租税特別措置については、今年は中小企業の景気が非常に良くない。すなわち、デフレ経済の下で中小企業は呻吟しているんだから、その中小企業の皆さん方のマインドを冷やすようなことは今回はするべきじゃないんじゃないかと、こういう考え方の下に今回は実は見送ったということであります。  その意味で、この中小企業関係租特の見直しの問題と絡んで、このいわゆる一一%問題というのはこれから大きな、また我々としては挑戦していく課題だというふうに思っているわけです。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 では、中小企業に関連する租特を見直してその措置を廃止して、この税率を下げる部分の財源を確保して一八%から一一%に下げるということなんですか。そうすると、中小企業にとってみれば、今まで与えられていた租特による減税措置を結局失って、代わりにこれになるだけという話なんですか。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) これは、レーガンの税制改革の非常に大きな特徴点だと言われた二期目の改革なんですけれども、このときも、法人税を下げるときにも実は課税ベースを広げて税率を下げていったんです。これは国際的に非常に高く評価されておりまして、私はこのいわゆる法人税の税率を下げるときの大きな一つのポイントだと思っているんです。  租税特別措置というのは、もうかっている企業だけがある意味ではその恩典を受けるという意味で、これはやはりある意味では非常に条件が付いているわけですけれども、税率が下がるということは、もちろんこれ黒字企業でなきゃ駄目ですけれども、しかし法人税全体が下がるということは、これはいろんな条件が付いているわけじゃないんですよね、いわゆる租特のように。そうすると、それはみんながチャレンジをして、みんながその税率を目標にし得るという点では、私は非常に公平な、税率を下げるというのは一つの公平な手段だと思っているんですよ。下げることがいいかどうかというのは別問題として。  そういう意味で、課税ベースを広げるというときには、やはりこういう租税特別措置によるその税が、今は非常にこの分漏れているわけですから、そこをふさいで、そして税率を下げるという、そういうのが一般的な方向だということは、私は、かなり多くの、過去の政府税調の答申だとかあるいは世界の国々の税率を下げたときのいろんな経過を見ると、それは該当しているんじゃないんだろうかというふうに思います。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 違う議論で、先日衆議院で子ども手当の法案が強行採決をされたと聞いておりますが、子ども手当についても数字を調べてみると、私自身とても驚いたんですけれども、これは例としてこの委員会で取り上げる話じゃないかもしれないんですけれども、例えば所得三百万円、五百万円、七百万円、九百万円の人で子供一人の家庭で計算をしてみたところ、三百万、五百万、七百万の方は逆に年間の負担が増えて、年収九百万の人は年間の負担が減るという数字を私、見させられたんですけれども、それと同じように、中小企業の方々が、今のように、法人税率一一%に下げるんだ、無駄を根絶すればそういう財源は出てくるんだと思って、期待して民主党に投票した人って大勢いると思うんですよ。これはやっぱり誤解を与えているんじゃないですか。答えていただきたいと思います。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) これは、子ども手当の問題はちょっとまた別途あれしますが、我々は、法人税というところの税の世界を見たときに、何度もくどいようですけれども、やはり租税特別措置として恩典を得ている企業があるだろうと思うんです。そうすると、今度は税率下げるよりもそちらの方が多かったということで損する人も出るかもしれません。しかし、私はやはり、これ経済全体を見たときには、中小企業全体にとってみたときには、その方が私はより中小企業の皆様にとって公平な税だと。先ほどおっしゃった公平性という観点からすると、この点は、原則としてはその原則から非常に忠実だと、そのやり方がそうだというふうに思いますので、そこは愛知議員、是非共通の認識を持っていただきたいなというふうに思うんです。

愛知治郎自由民主党・改革クラブ

○愛知治郎君 これはしっかりと議論をした後、実行したときにその中身を見てみないと何とも言えないんです。単なる数字のマジックであったりまやかしであるという可能性十分ありますので、しっかりとそこはチェックをしていきたいというふうに思いますが、いずれにしても、国民に対してはっきりと明示したのはこの数字でありますし、今皆さんはそれができる立場にもあるんですけれどもやっていないという、これは国民がしっかり見ていると思います。  また、時間が来ましたので最後に申し上げたいと思いますが、最初の所信に対する質疑でもあったんですけれども、何でもかんでも自民党前政権とか過去の問題だからということで済まされることではないというふうに申し上げましたけれども、先ほど暫定税率の話もしましたけれども、三年ほど前の参議院選挙で、この参議院において民主党さんは第一党になっているんです。その時点で既に責任を負っているんですから、まさにリーマン・ショックのときもそうですし、暫定税率のときもそうですし、半分は数の力をもって権限、責任を持っているんですから、それを前提に今どうしたらいいか、しっかりと考えていただきたいと思います。  時間が来ましたので、同僚議員に引き継ぎたいと思います。  ありがとうございました。

大石正光民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(大石正光君) 少々お待ちください。  速記止めてください。    〔速記中止〕

大石正光民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(大石正光君) 速記を起こしてください。

中川雅治自由民主党・改革クラブ

○中川雅治君 自由民主党の中川雅治でございます。  民主党は、昨年の総選挙に当たりまして、七月二十七日にマニフェストとその工程表を発表しました。これ、前回、林理事の方からお示ししたとおりでありまして、これを見ますと、平成二十二年度にマニフェストの実施をするに要する費用が七・一兆円、最終的には十六・八兆円必要になる。その財源については、今の仕組みを改め、新しい財源を生み出しますと。こうあって、国の総予算二百七兆円を徹底的に効率化、無駄遣い、不要不急な事業を根絶するということで九・一兆円。それから、税金などをため込んだ埋蔵金や資産を国民のために活用するということで五・〇兆円。それから、租税特別措置などを見直すということで二・七兆円ですね。これを見ますと、まさに国債を増発したり、当時約束がありましたように消費税は四年間上げませんと、こういうことで、できるような表ができているわけですね。  それで、実際に選挙のときに全国で民主党の候補者は、マニフェスト実施のための財源は無駄を見付けて予算を組み替えることによって捻出します、国債は増発しません、消費税は四年間は上げませんと演説をしておりました。実際に党首討論でもそういったようなことを何度もおっしゃっていますね。テレビでも民主党の幹部の方がそういった発言をしている。  自民党の候補者はそんな手品みたいなことはできないと、こう言って、私もそんなことができるはずはないと、こういうふうなことを言ったんですけれども、しかし、もう幾ら言っても、民主党の方は、無駄は幾らでもあるんだ、それを組み替えれば増税はしなくてもいい、国債の増発はしなくていいんだと、こういうことを言われて、自民党政権はもう無駄ばかりやっていて、もう幾らでも無駄があって、それを組み替えれば十六・八兆円、もう幾らでも出てくるよと。役所というのはもう無駄遣いばかりやっているというようなイメージをどんどん植え付けていったんで、幾らそんな手品みたいなことはなんと言っても、もう全く聞いてもらえないわけですよね。それが私は自民党が大きく敗北した原因だと、民主党の宣伝戦にやられたと、こういうふうに思うわけです。  そのときに、確かにこの表を見ると、全部基本的には無駄を見付けてということ、それから埋蔵金や資産を活用すると、それから租特を見直すと。こういうことなので、この埋蔵金とかそういうのは一度見付ければ恒久的に毎年同じ額見付けていくわけじゃないのでちょっとこれは恒久財源ではないと思うんですが、うまく、資産を国民のために活用すると書いてあって、あいまいにしているところもあるんですね。しかし、ここは五・〇兆円、これは全部、毎年出てくるものではないと思います。ただ、租特を見直すというのは、これは毎年の恒久財源ですよね。  そうすると、国債は増発しませんと言っていたその増発というのはどこから増発しないのかというと、普通聞くと、平成二十一年度の当初予算の国債発行額が三十三兆円、これより増発しませんというふうにだれでも聞こえるんですよね。  実際には五月に麻生内閣で補正予算を組んで十兆円国債を増発しましたが、これは十五兆歳出を増やしたんですが、これは補正予算ですから、景気対策のためなので単年度ですよね。こういった経済情勢が悪化をしていなければ本来組まなくてよかった予算なので、これは恒久的に十五兆ずっと組むわけじゃないので、当然単年度で十五兆というのは終わるということですね、経済情勢が変わればまたその次の年も補正が要るということはもちろんありますけれども。  ですから、補正予算で増発した十兆というのは、これは言ってみれば単発の、単年度なので、国債は増発しませんと威勢よくおっしゃっていた、それは、だれでも聞けば、二十一年度の当初予算の三十三兆円を上回らないというふうに聞こえたんですね。当時はそういう意味でおっしゃったんでしょうか。菅大臣にお聞きしたいと思います。

菅直人民主党・無所属クラブ財務大臣・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(菅直人君) 冒頭、民主党の宣伝戦に負けたということを言われましたが、私も小泉さんの劇場型に負けたと二〇〇五年には思いまして、東京を含めて大惨敗をいたしましたので、だから良かった悪かったは今日はお互いこれ以上は言わないでいいと思いますが、そういう二つの大変大きな変動の選挙があったということではなかったかなと思っております。  それから、今話をいただいた件でありますが、国債をどの程度見るかということで、率直に申し上げて、二十二年度の予算を考えるときにもう一つ大きな問題は、リーマン・ショック以降の日本の経済というものをどう考えるかということがベースに一つあって、そこで予算規模をどの程度にするかということを考え、一方で市場の信認が得られる国債発行額というものも考えたわけです。  今、中川先生は三十三兆をベースに考えるべきだと言われましたけれども、補正であっても十一兆更に国債を発行され、そして政権は替わっておりますが九兆の税収見通しが下がったわけでありますので、この部分は、政権は替わりましたけれども、国債で穴埋めをして五十三兆の国債になったことは御承知のとおりです。ですから、私たちも、その四十六兆が、四十五兆か六兆が三十六兆ぐらいになっていますので、二十二年度予算を考えるときも、税収はそう高く急に戻ることはないだろうということで、それもそういう形で抑え、そして税外収入を、これはかなり努力をして、率直に言ってできる限りということで十兆余り捻出をしたわけであります。  ですから、マニフェストの段階もありますけれども、やはりこのリーマン・ショックというのは、ちょうど選挙戦がもっと早くあるかと思っていた時期に起きて、時の麻生内閣も百年に一度かもしれないということでいろいろな手を打たれて、そのこと自体は、私たちは規模の問題としては一次補正も反対はいたしておりません、中身で反対しましたけれども。  そういうことで、数字をどれを取るべきかということはありますけれども、この二十二年度予算に関して申し上げれば、一応麻生内閣で一次補正で積まれた四十四兆の国債発行を念頭に置いて、何とかそれの範囲で収めたいということで組ませていただいたというのが率直なところであります。

中川雅治自由民主党・改革クラブ

○中川雅治君 その二十二年度の予算において実際に四十四兆円の国債発行額になったと、そのことについてお聞きしているのでは全くないんですね。  私がお聞きしているのは、このマニフェストを作られたときに、そのときはまだ本年度の税収がどうのこうのとかそういうことは分かっていない話ですから、それはもう全然、ちょっと捨象して、このマニフェストを見る限りは、結局、最終的に十六・八兆円の所要額が要るわけですけれども、それは国の総予算二百七兆円を徹底的に効率化と、これは当初予算の段階の話ですよね。ですから、今申し上げたように、補正予算というのは単年度ですから、それを言っているわけじゃないと思うんですね。ここに人件費幾ら、庁費幾ら、委託費幾ら、ずっと並んでいますけれども、これはすべてずっと続いている、恒久的に続くであろう、自民党政権だったら続くであろうそういう経費を切って、そして新しいマニフェストの所要財源に組み替えるんですと、こう言っているわけですから。ちょっと言いましたように、埋蔵金のところは単年度だからちょっと理屈が合わないんですけれども、基本的にはこれを見れば国債は増発しないというふうに言っているんだというのは当然分かるわけですよね。それは、二十一年度の三十三兆をベースにしてそこから増発しないというふうに言っているというふうにだれもが受け取るのは当たり前だと思うんです。

菅直人民主党・無所属クラブ財務大臣・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(菅直人君) 二点だけ申し上げますが、実は今回の予算編成に当たって、仕分などいろいろな努力をいたしまして、二・三兆の無駄の削減と一兆円の基金等からの返却、合わせて三・三兆を捻出して、実は新しい政策、マニフェストに係る政策はそのうちの三・一兆分で実行するという仕組みで組み立てたところであります。  それから、基礎数をどうするかということを余り言っても意味がないかもしれませんが、やはり税収が下がったということを考えますと、少なくとも麻生政権の当初予算の三十三兆に九兆の税収減がありますから、これを足して意味があるかないかは分かりませんが、いわゆる補正予算の分を外しても四十、少なくとも足して一兆ぐらいの形には前政権もなっておりますので、私たちは新しいマニフェストを、この二百七兆から捻出してということを確かにこのマニフェストで言いまして、必ずしも予定ほどにはできませんでしたが、少なくともマニフェストに関する費用については今のような形で捻出し、少なくとも三十三兆が四十四兆になったという言い方をされるとすれば、その多くは税収減の九兆円が今年も続いていることにあるというふうに御理解をいただければと思います。

中川雅治自由民主党・改革クラブ

○中川雅治君 いや、ちょっと答えそらしているんですね。私は二十二年度予算がどうなったということを聞いているんじゃないんですよ。マニフェストを発表されたときの考え方として、これは国債は増発しませんと、こうおっしゃっているのは、これはまさに自民党政権のときにずっと続いていたいろんな無駄を、それを組み替えて捻出するんだと、こう言っているわけですから、その二十一年度の税収減があったとかそういうことを、あるいは二十二年度予算で四十四兆になったことがおかしいとかそんなこと全然言っていないんですよね。このマニフェストを発表したときの、工程表を発表したときの国債は増発しませんと威勢よく言っていた、それは当然二十一年度の当初予算から増発しませんということを当時言っていたんだろうと言っているのであって、峰崎副大臣うなずいていますけれども、どうでしょうか。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) 私、菅大臣がおっしゃっていることは、この一番左側のマニフェストの工程表の中でやらなければいけないというので、子ども手当の半額実施のところ、それからここでこれを足すと一体幾らになるかということが書いていますよね。そのうち二・三兆円の、あの暫定税率分は〇・三だったかな、その自重税の分だけだったですけれども。いずれにせよ、この左の分を三・三兆円の中から捻出をしたと。今おっしゃっているのは、十六・八兆円というのは、これは四年間の間にやろうということですから、単年度で十六・八兆円が出てくるわけじゃないんですね。  そうすると、菅大臣がおっしゃったように、いろいろと捻出して三・三兆円出したうちの三・一兆円分がこの左側のマニフェストの工程表の初年度分には、完全にはできなかったものもあるけれども、かなりそこは努力してやりましたよということをおっしゃっているので、私は、ある意味では、おっしゃっていることはよく、四年間の十六・八兆円までは出ていないじゃないかと言われれば、それは四年間掛けてやりますよということしか今の段階では言えないんじゃないかと思うんですがね。

中川雅治自由民主党・改革クラブ

○中川雅治君 いや、ちょっと違うんですね。四年間の分でもいいんですけれども、結局国債は増発しませんと、こう言ったわけですよね。そして、消費税は上げません、予算の組替えでやりますと非常に明快に端的に言っているわけですよね。それは、これを見れば予算を組み替えているわけですから、この四年分でいいですけれども。だから、二十二年度にどうなったとかそういうことを今、そこを問題にしているわけじゃ全くなくて、この工程表を出すときに国債は増発しませんと威勢よく言われたのが、それは結果として二十二年度増発になった。これは税収が減ったとかいろいろありますし、それは私は今別に取りあえず問題にしているわけじゃなくて、マニフェストを発表したときに、国債を増発しませんと言ったときに、やはり当初の三十三兆よりも増発しないということだなというふうに国民は受け取ったと思うんですが、それでいいですねと聞いているだけなんですよ。二十二年度予算で結果として増えたのが問題だとかなんとかそんなこと言っていないので。

菅直人民主党・無所属クラブ財務大臣・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(菅直人君) そんなに私もこだわるあれはないんですが、さっきも言いましたように、少なくとも、これは二十一年度予算ですが、九兆円最終的に更に国債を積み増したわけですが、それは税収減ですから。残念ながら二十二年度も税収減はそのまま尾を引いているわけですよ。  ですから、その部分で増えた部分は、今その中川先生が言われていることが、このマニフェストを作った当時には三十三兆なりそれ以上は増やさないという意味だったのではないですかという意味で聞かれているとすれば、いや、元々税収がそれだけ減るという想定は当時はしていませんから、税収の大幅な減少は想定していませんから、このマニフェストを作ったときは。それはおっしゃるとおりかもしれませんが、税収がずどんと下がった分についてまでそれを増やしたのはけしからぬと言われると思ったので、先回りかどうかは別として、それを足した分ぐらいは御理解いただけるんじゃないかということで先ほど来申し上げているわけです。

中川雅治自由民主党・改革クラブ

○中川雅治君 後のことは聞いていないんです。今もうまさに菅大臣が当時は三十三兆をベースにそれより増えないという意味で言ったと。二十二年度で四十四兆になったということを私は今全く問題にしていません。しかし、当初、三十三兆より増えないという意味で言ったというふうに思うんですよね。  ところが、総選挙が終わったら、直ちに国債を増発しないというのは四十四兆を上回らないという意味だというふうに藤井財務大臣始め民主党の方が言い出したんですよ。もう選挙終わるまでは国債は増発しません、消費税は四年間上げません、全部予算の組替えでやるんですと言っておいて、それは当然聞く人は三十三兆を上回らないという意味だと思いました。我々自民党の人はみんなそう思いましたから、だから手品みたいなことはできないと、こう言っていたんですよ。ところが、選挙が終わったらもう四十四兆を上回らないという意味だと、こう言い出したので、そのすき間に十一兆あるわけですよね。それだったら、これはその七・一兆円の二十二年度の所要額というのは全部入っちゃうわけですから。税収減があるというのはちょっと別ですよ、ちょっと税収減が実際あったということは。ただ、総選挙が終わった直後にこれだけ税収減が出てくるということはまだはっきりは分かっていなかったと思うんですよね。  ころっと言い方を変えて、ああ、それだったら二十二年度の所要額は、無駄を見付けてどうのこうのというのはこれ四年間のことだと、こういうことですから、初年度は仮にほとんど無駄を見付けて予算を組み替えなくても七・一兆円、全部これ四十四兆ならすぽっと入っちゃうので、ああ、何だと、そんなことだったのかと、こう見て、もう唖然としたんですね。それで、言ってみればあるある詐欺というか、財源は無駄を見付ければ幾らでもあると言っておきながら、結果として無駄を見付けられなくても国債増発で全部やれるんだと、こういうことで、これはひどいなと思ったんです。  そこで、ある民主党の議員の方が、これは名前は絶対言いませんが、選挙のときにもう既に、国債増発をしないというのは四十四兆をベースにして考えればいいんだよと、それは選挙が終わった後にですね、そうすれば別に問題はないので、いかにも三十三兆をベースにそれより増発しないという意味に取れるように言っても、終わったら四十四兆だと、こう言えばいいんだということを知っていた人が数人いると、まあ五人いるとか言っていましたかね。その方たちが、だから、そうすればもう安心して候補者、各地でもう堂々と全部予算は組み替えるんです、国債は増発しません、消費税は上げませんとどんどん言っていいと、自信を持って言いなさいと。民主党の候補者の方も本当にできるのかなと思いながら言っていたと思うんですが、いや、四十四兆を上回らないという意味だよということを選挙が終わって言えばこれは何のことはないので、そこが手品の種だったんですね。  ですから、そういうことを数人の人が知っていたというんですが、菅大臣は知っていたんでしょうか。

菅直人民主党・無所属クラブ財務大臣・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(菅直人君) 余り同じことを繰り返したくはありませんが、手品は私たちよりは小泉さんの方がうまかったかなと今でも思っておりますので、決して手品をやったつもりはありません。  それで、中川先生はもちろん大蔵省主計局にもおられたんですから予算の組み方はある意味では私などよりももっと古くから御存じだと思いますが、どうしても先ほどの話に戻ってしまうんですが、まず税収に関しては、我が党の中でも、野党時代からですよ、つまりは二十一年度の当初予算が出たときから、果たしてこんな税収見通しで大丈夫なのという意見はあったわけですよ。ですから、逆に言えば、二十一年度予算で麻生政権で四十六兆という税収見積りそのものが過大な見積りではないかなという指摘はかなりありまして、結果においてそのとおりになったんですから、まずはそこがベースにならざるを得ないわけです、一つは。  それから、四十四兆云々ということを言われたと言いますけれども、少なくとも私は、組閣をされるまではもちろんですが、どういう役割を担うかもちろん分かりませんでしたが、予算を編成をしなければならなくなって、私も当時は国家戦略担当ということでそういう立場でのかかわりではありましたけれども、まず考えたことは、一つは、それこそリーマン・ブラザーズのこういう中で、さきの麻生政権時代の予算規模を大幅に縮小していいのか、同じぐらいの水準は必要なのか、こういうことは考えました。  結論的に言えば、余りこういう需要の足らない、需給ギャップの大きい中ではやはり予算規模はある程度同じ水準に近いところまでは、補正も含めていろいろありますが必要だろうという中で、しかし、一方で国債発行がまさに逆転している。二十一年度決算から逆転なんですが、税収よりも国債の発行が多いですから。そういう中では、余り多くの国債を発行するということが市場に与えるマイナスの影響も考えて、そういう中からぎりぎり四十四兆という数字をお互いの議論の中で考えたわけで、それはあらかじめそれを早くから分かっていた人がおられるかもしれませんけれども、少なくとも私自身はあらかじめ考えていたというよりも、全体額と税収と税収外見積りの中でぎりぎりどうするかと。四十四兆でももっと、少ないじゃないかと言われたのも、御存じのように連立政党からかなり言われました、連立している政党からですね。しかし、そこはぎりぎり抑えて四十四兆にしたというのが私の意識です。

中川雅治自由民主党・改革クラブ

○中川雅治君 いずれにしても、国民に対してもう本当に予算の組替え、無駄を見付ければ何でもできると、十六・八兆円も見付かるんだと、こういうふうなイメージを与えたことは私は事実だと思うんです。  それで、例えば党首討論でも、去年の八月十七日の記録ですが、鳩山代表は、補助金には四十九兆円、それから庁費などで四・五兆円、さらに委託費〇・八兆円、施設費〇・八兆円、合わせて五十五兆から五十六兆円になると思うが、その部分の一割をカットできるという試算をしていると、こうおっしゃいました。それから、選挙中にどこかの演説で言われたんだと思いますが、予算の組替えで八、九兆円の財源はすぐに出てくると発言したという報道もあるわけであります。  また、民主党は当時、民主党の調査によれば、四千五百の天下り団体に二万五千人の天下った方がいて、そこに国の予算が十二兆一千億円流されていると、そこのうちの半分が随意契約だと。いかにもこの十二兆一千億円というのがかなり、ほとんど無駄みたいな言い方をしているので、自民党の当時の細田幹事長名で鳩山由紀夫代表あてに質問事項を出しているんですよね。これは国民を欺くため意図的に数字を大きく膨らませたものなのでしょうか、見解を明らかに願いますというようなことで幾つか質問状を出しているんですが、全く答えはないわけです。実際には、この十二兆一千億円の内訳というのは、財政投融資資金の貸付けで四・二兆円とか、国公私立大学等へ一・二兆円とか、防衛関係で一・五兆円等々、実際にこの十二兆一千億円をもう本当にばさばさ切るということは到底不可能なんですけれども、こういうことをどんどんどんどん言っていったんですね。  そういうことがあると思うんです。幾らそれはおかしいとかなんとか言っても、結局はもう自民党政権時代はこうやって無駄やっているという宣伝をどんどんされていたということであります。  実際に政権取られたら、事業仕分でも六千七百億円ですか、という無駄しか見付からないとか、実際にはかなり違う状況になっているというふうに思うんです。それはもう大分分かってこられたと思うんでございますが、今でもこのマニフェストの、これは単年度ごとに分かれていませんが、この工程表の新しい財源を生み出しますというところは、これは今でもこういうことで大丈夫だと、できるんだというふうにお約束をされるんでしょうか、大臣。

菅直人民主党・無所属クラブ財務大臣・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(菅直人君) これを作るころにいろいろな議論を行いまして、一般会計と特別会計、重複を除いて二百七兆の中で一割とかその程度の削減は可能ではないかというところを含めていろいろ議論をいたしました。  確かに初年度、先ほど申し上げたように、仕分等をやった中で、返還も含めて三・三兆というところでありましたので、思ったとおりにどんどん出てきているかと言われれば確かに難しい面もあります。ただ、初年度はどうしても制度論とか、この組織は不要だというようなことを実行するには法改正からいろいろ要りますので、そこまでは踏み込めなかったと。今回、二十三年度に向けて改めて行政刷新担当大臣に枝野さんが就任をし、改めてこういった特別会計あるいは独法、公益法人含めて、制度の在り方を含めて議論し、場合によっては仕分の手法も使っていくと。大変ハードルは高いとは思っておりますけれども、その方向で努力していこうというのが今の私たちの考え方であります。

中川雅治自由民主党・改革クラブ

○中川雅治君 それはそれでいいと思います、そういう方向で努力していこうと。実際、大分誠実な言い方に変わってきたと思うんですね。当時は、もうこれでできるんだ、鳩山代表なども言い切っていたわけですから。政権を取られてだんだんよく分かってこられたというふうに思いますが。  このマニフェストは実際に数字が入っていますね。確かに四年間でということなんですが、これも当時いろいろな方が聞いて、実際に、じゃどこをどう切るんだと。それは政権を取ってみなきゃ分からないと言いながら、全体の数字は六・一兆円とか一・一兆円とか細かく入っているので、これは努力目標ということであれば何でこんなにきちっと数字が出るのかと。今おっしゃったように、実際に削減しようと思えば制度論とかいろいろあるのでハードルは高いと、こういうこともおっしゃっていましたので。  このマニフェストの特に財源のところは、もう本当にある意味じゃ選挙のために、言ってみればあるある詐欺と、こう言う人もいますが、国民を欺くために作ったもので、実際に政権に入られたら、そこはいろいろな問題もあるのでそこに向かって努力をすると、こういうことしか言えないというふうに変わったということを国民の皆様方の前にこの委員会の審議を通じて明らかになればそれで私はいいと思います。  それで、ちょっと先ほど愛知議員が透明性の問題でいろいろ議論をされていました税制改正の問題でございます。  峰崎副大臣も、自民党時代は自民党税調があってそこで決まる、そこで決まった人は国会に出てきて答弁はしない、責任者と実際に決める者が違う、収賄罪のことまで持ち出されて議論をされたというふうに思います。  私は、同じことが、民主党の今度の税制改正でもっとひどい不透明な部分があるというふうに思います。それは特殊支配同族会社、いわゆる一人オーナー会社についての税制の、結論は、これは去年の十二月二十二日閣議決定ということで、本制度は平成二十二年度税制改正で廃止しますと、こう言っております。ただ、その下に、その続きに、その上で、給与所得控除を含めた所得税の在り方について議論をしていく中で、個人事業主との課税の不均衡を是正し、二重控除の問題を解消するための抜本的措置を平成二十三年度税制改正で講じることとしますと、こうあるわけでございます。  政府税調の議事録を読ませていただきました。十二月二日の議事録で大塚内閣府副大臣は、このオーナー課税の問題は、所得税と法人税の論理を混同して適用しているわけですので、税の論理性の面から、これは認められない、ですから一刻も早くやめていただきたい、これは私も譲れませんと、こうおっしゃっているわけですが、古本財務大臣政務官は同じ日のこの会議で、この一人オーナーの企業というのは自ら給与をコントロールできるんです、結果、税をコントロールできるという立場にある方がやっておられる仕組みについて、やはり法人段階と給与所得段階の二回控除できるというのは、税の根幹の議論としてむしろおかしいと、こうおっしゃって、何があっても今年やらないと、今年やらないとというのは今年廃止しないと、民主党は大うそつきになるということは、私はにわかに承服しかねますと、こうおっしゃってるんですね。  ですから、古本財務大臣政務官はいわゆる給与所得控除の見直しと一緒にやればいいと。だから、来年以降に先送りするという考えだったと思うんですね。大塚副大臣のはとにかく廃止をして、給与所得控除の見直しのときに、また考えるのは来年以降やりましょうということで、実態はそんなに違わないんですけれども、とにかくまず今年廃止するのかしないのかというところは相当議論があったようですね、この議事録を拝見をしておりますと。  十二月八日の議論を、とにかく問題があるということはもう私もそう思っているわけですから、結果として廃止をして、給与所得控除の見直しのときに調整をしていくということで私も同感なんですね。結論はそれでいいんですが。ただ、政府税調の議事録を読む限りにおいては、どうも給与所得控除と一緒に見直しましょうといって、一年先送りするようになっているわけです。  ところがその最終日、十二月二十二日の税調で、いきなり古本財務大臣政務官から、一人オーナー会社への損金不算入の件につきましては、平成二十二年四月一日以降に終了する事業年度につきまして、廃止をするという提案をさせていただきたいと思いますと、こう言って、後はまた来年税調できちんと議論しましょうと、こう言っているわけなんですが、いきなりもう廃止と。それまではもう送ると言っていたんですね。  なぜそうなったのかというと、平成二十一年十二月十七日において、民主党の小沢幹事長、社民党、国民新党の三幹事長から鳩山総理あてに、平成二十二年度国家予算与党三党重点要望というのが出ていますよね。その中に、一番下にこれは、以下の項目は政府与党の調整課題とすると書いてあって、五番目にオーナー課税の廃止って、こう入っているわけなんです。調整課題ですから、これ見る限りは別に来年廃止しろと言っているようにも読めないんですが、いきなり廃止になっていますよね。  この廃止を要望してた団体の方は、税調ではかなり先送りということになっていたんだけど、小沢幹事長のツルの一声で廃止になったと、こう言っておられました。全くそういうことみたいなんですね、この議論を見ると。  峰崎副大臣は、今、自民党税調のところがブラックボックスだと言うんですが、自民党税調時代は、もう役所の方はみんな入り、場合によったら、党の職員はもちろん入っていますし、関係者の方も実際入っていたり、耳をちょっとすき間空けて聞いていたりして、実際にはもうほとんどマスコミに出ちゃっているんですよね。ですから、そういう意味じゃオープンだったと思うんです。実際にこういうだれが発言したなんて、全部もう伝わっていましたから。  だれが発言して、だれがこうして、最後に税調会長がさばいて決まったと、こういうようなことはもう全部マスコミに出て関係業界も関係者もみんな分かっていてオープンだったと思うんですが、今度は全くオープンになっていないんですね、その過程が。本当に不透明で、自民党税調のことを批判されていましたけど、もっと不透明なことをやっているんじゃないかと思うんですが、その点いかがでしょうか。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) 今日は古本政務官もおられるので、その経緯は後でまたいただきたいと思うんですが、話を。  今のお話聞いていて、私も与党税調でかつて自社さのときに一緒にやっておりました。その税制調査会の総会みたいなのがあって、猛烈な勢いで、多分私たちじゃなくて後ろにいる人たちに、壁に耳を当てている人に向かってしゃべっているんじゃないかなと思うような事態でありました。ただ、そのときも、あのとき自社さがそういう仕組みを取って、その後はきっと自民党の場合はインナーと言われている、じゃ後は、ここから先はインナーで処理しますということで、そこから先は全くどこでやっているか分かんないようなところでこれは処理されていったわけです。  そういう点で、本当の意味で、もちろん最後を決めるときに、私たちも税制調査会の中では、この一人オーナー会社の問題というのは、私とか古本さんというのは要するにやや少数派に近い状態で、圧倒的にこれは廃止すべきだと、こういう意見の方が強かったわけです。どうしてそうなるかというと、たしか去年もおととしもこの参議院の財政金融委員会で廃止法案を出されたわけですよ。二回にわたって出して、私はもちろんそのときにはメンバーですから賛成しましたけれども。  そういう意味でいうと、そういう過去、マニフェストにももちろん記載しているし、わざわざ議員立法を二回にわたって出したことについて、これは確かにいろんな、私たちの頭にあったのは一つは財源問題ですよね。このことによってどうなるかということで、たしか七百億円近い単年度であれになっちゃいますから、そういう意味ではもう七百億も貴重だったわけですよ。  そういう意味で、これは大きい問題だねということで議論をしながら、古本さんも先ほども申し上げられたような点を主張されながらで、実はもう十二月の初旬段階で、ある意味ではかなり議論的にはデッドロックといいますか、税制調査会の本体のところではかなり議論の論点はもうほぼ尽きてきたと。さあ、どうやってこれを集約するかというプロセスの中で、先ほどあった十二月の十六日か十七日にそういう調整項目として出されていましたけれども、これらの課題は、ある意味では我々がずっと議論していたプロセスの中で、この両論あった中でどうするかという最後の決断を我々としては、いろんな党側の要請ももちろんありましたから、それらも踏まえながら最終的には税制調査会の議論の場でこれは決定をしていったということでございます。  その説明責任は、私はこうして皆さん方にお話をする場でどうしてそうなったのかということについては今申し上げたような経過があったということを申し上げて、プロセスは明らかになっていると思っているんですよね。

中川雅治自由民主党・改革クラブ

○中川雅治君 いや、明らかになっていないんですよね。だって、税調では確かに廃止論が多かったということは分かります、議事録見せていただきましたけど、そういうふうに発言をしているわけです。  ただ、税調では、まさに財務省の政務官、峰崎副大臣が議長ですよね、そこの下で政務官をやっておられる方が要するに給与所得控除等の見直しとセットだということで一年送ろうとしていたわけですよね。それが途中の議論すぽっと抜けて最終日に廃止ですと、こう言われていますが、その過程はないですよね。どこでそういうふうに変わったのかというところが税調では見えていません。この党の要望というのも十七日に出てきているわけですが、その前にもし本当に廃止だという方向が決まっているんだったらば、この党の要望って出ないはずですよね。そのときにはまだ決まってなかった。で、党の要望が出た。あと、二十二日の最終日にいきなりぼんと結論が出ているということなんですが、古本政務官に、ですからそこの経緯をちょっとお聞きしたいと思います。

古本伸一郎民主党・無所属クラブ財務大臣政務官

○大臣政務官(古本伸一郎君) お答えいたします。  委員の方からあのころの話を時系列で追っていただいて、私も場面を思い浮かべ、思い出しているところであります。ただ、ツルの一声で決まったということをどなたか税の関係の方が委員におっしゃったということでありますけれども、どんなツルだったのかも是非また伺いたいなというふうに思っております。  なぜならば、私はあのとき随分真剣な議論を、極めて開かれた税調という場面で、しかもインターネットでありますけれども国民の皆様、納税者の皆様に中継している場面で随分真剣な議論をいたしました。  今委員から整理いただいたように、確かに十二月二日、そして十二月八日、そして十二月二十二日と、時系列で追っていきますと、議論の中身もまた改めて精査をいただきたいと思っているんですが、最後むしろそのように、この参議院の当委員会で今日こういう話題が出るというのも、まさに税調を透明にやってきたからだと思うんですよ。逆に言いますと、どこで決まったか分からないかつての御党のインナーであったならば、どこのだれが言ってどう決まったかというのが逆にオープンにならなかったと思うんですね。それから、今ツルの一声だということで想像を膨らませていただいている部分については、逆に税調をオープンにしていたからこそそういった御疑問も生まれているわけでありまして、そこはある意味で成果だったんじゃないかと思うんです。  今日、税のことを議論する歳入委員会でありますから、若干事実関係を紹介をしておきたいと思うんですけれども、実は税制調査会で副大臣クラスが各省を代表した税調委員として参加をいただいていました。今お名前も出た大塚副大臣を始め、いわゆる一人オーナー課税についての廃止ですね、大変御主張いただいていた副大臣がたくさんいらっしゃいます。  この方々が御議論をいただいた大前提になっていた数字が、実は平均的なオーナーの給料を集計いたしますと、当時六百八十万円ぐらいだという仮定の前提の下に、ここで参法も提出され、御議論があったんです、一人オーナー課税廃止法案。ところが、並行して去年の春先から秋口にかけて実は国税の標本調査を更に絞り込みまして、いわゆる一人オーナーに絞った標本を掛けたんですね。ところが、結果はびっくりいたしました。実は大変取っておられる方で、赤字法人でさえですよ、赤字法人でさえ三億六千万、最高がですね。平均いたしますと千九百二十六万、ですから約二千万。赤字法人でさえです。  ですから、実は当初八百万でした、自民党の時代に。それから千六百万に引き上げましたですね。ですから、これで大体の人は救われているんだろうと、ある意味で、だと思っていたのが、実は、いやいやこれを超えるような額が平均だというのであれば、むしろこれは残しておかないと個人事業主との不公平は余りに拡大するんじゃないかという冷静な議論もすべきだということがありまして、大変やり取りがあったんです。  そういう経緯の中で、最終的に、先ほど副大臣からペイ・アズ・ユー・ゴーの話も出ておりましたけれども、やはり税収中立ということを考えますと、減税する以上は財源が要ります。そして、どれを減税するかという最終選択の局面の中でいろんな御議論が党内にあったのも承知していますし、党内外からこの一人オーナー課税の廃止に向けての御要望があったのも事実でありますし、それは税調を極めてオープンにやっていたからこそ、一人オーナー課税を廃止することを切に願っていた人たちは、それは一生懸命動かれたでしょうし、そういった議論が互いにあったということです。その結果がまさに税調の場で、十二月のたしか二十二日と記憶しておりますけれども、今回廃止を提案したいと。  ただし、二十三年度税制改正で、本来、法人段階で損金を算入しておきながら給与所得段階で控除できるこの二重控除の問題は抜本的には解決できないので、二十三年度改正について、是非一度これをリセットした上で冷静な議論をしたいということをたしか提案したように記憶しておりますので、委員とその意味では全く思いを一にしておるんだろうというふうに思っております。

中川雅治自由民主党・改革クラブ

○中川雅治君 結論は全くいいんですけれどもね、私もこれの結論で賛成なんですが、もう同じことになるので、ちょっと答えを何となくはぐらかしているんですよね。  要するに、二十二日の結論の前の段階では、古本政務官自身がおっしゃっているように、給与所得控除等の見直しとセットでやるべきだから延ばそうとしていたわけですよね。それが二十二日になって、いきなりまず廃止をして、まずリセットして、そして給与所得控除等の見直しのときにもう一遍、そういう高額な報酬を取っている一人オーナーについて調整をしましょうと、それを議論しましょうという、そういう結論にしたというんですが。  だから、廃止の時期が一年延びたのか二十二年度なのかと、こういうところで、その間のやり取りはないですよね、税調の中では。恐らくこの党の要望が来て、政務官のところでは議論したと思います、幾ら何でもね。あるいは、副大臣や大臣のところでもやったと思うんですけれども、税調のところではやっていないので、だから、自民党時代のインナーがどうのこうのといって、不透明だって非難をしているわけですけれども、財務省の副大臣室か政務官室では議論しているわけでしょうけれども、インナーよりもっと不透明ですからね、その中の議論は、全然出ないわけですから。だから、何か自分のところ、政権が替わったら透明だと言っているけれども、むしろ不透明になった部分があるということを言っているんで、まあ結論はいいんで、もう余りそこを言ってもおかしいので、ちょっと答えが来ませんので。  それでは、次に行きます。  控除から手当へと、こういうことで子ども手当を創設される。そして、控除を、扶養控除とか配偶者控除をいずれは廃止をするということで、段階的に廃止をしていくんだと思います、子ども手当も段階ですから。  この控除、税法上の控除というのは、奥さんを養っている、あるいは子供を扶養しているということで、その御主人の税を計算するときに扶養控除額を適用していくわけなので、言ってみれば家族のきずなを税が仕組み上認めていると、こういう制度だというふうに言ってもいいと思うんですね。田舎のおじいちゃん、おばあちゃんを扶養しているということであればそれも控除されるということで、まさに日本古来の家族のきずなというものを税法上も認めたものだと、こういうふうに言ってもいいと思います。それはそういうふうに言っている人もいるわけです。  外国の例を見ても、アメリカはそういうことになっております。ドイツは、これは夫婦単位の課税をしていますから、これもその上で控除を適用しているわけですから、フランスの方はN分N乗方式ということになっていますので、ドイツもフランスも妻との結び付きといいますか、きずなというものを配慮している。イギリスだけは完全に個人単位課税ということで控除がない。基礎控除だけですから、扶養控除とか配偶者控除がないんです。  そういうことで、税法上もやはり家族のきずなというものを諸外国も認めていると思いますし、日本はかなり手厚く認めてきたと思うんですね。それを廃止して手当に切り替えていくと。これは、控除ということになると高額所得者の方が恩恵が大きくなるという説明もあると思いますし、税金を払っていない人には一切恩恵が及ばないので手当を出すんだと、これは理屈だと思うんですね。実際に子ども手当の財源として控除を廃止するんだということもおっしゃっているようですから、それは一つの考え方だと思うんですが、私はその子ども手当の財源というのは別にいろいろ考えればいいと思うんで、この控除を廃止するというのは、やっぱり家族のきずなを切って、それでもう本当に納税というのは個々人の責任だと、個々人単位で考えるんだという思想があるように思うんですね。言ってみれば夫婦別姓問題で、これは戸籍も廃止する、家族のきずなを切るんだと。    〔委員長退席、理事円より子君着席〕  まあこれはちょっと別の話ですが、夫婦別姓法案の関係で、夫婦別姓に反対し家族の絆を守る国民委員会というところが出したチラシに、千葉景子法務大臣が、結婚を何でお国に届けなくちゃいけないのかしら、戸籍は個人個人が登録をして、だれがいつ結婚したかそれが両方に記載される、そういう個人籍の方が分かりやすいと発言をしていると。福島大臣も子供が十八歳になったら家族解散式をやろうと、こう言っておられるというようなチラシが出ているんですけど、この夫婦別姓法案の裏には、そういう日本古来の家とか家族のきずなから個々人を解き放つ、家族の呪縛、家制度というものの呪縛から個々人を解き放つんだというそういう思想があるというふうに見ている人がたくさんいますよね。今度の控除を廃止して手当にするというのもそういう一連の考え方がバックにあるんじゃないかと、こう言う人がいます。  控除というのは高額所得者ほど恩恵が大きいというのであれば、私は、所得税が今物すごく累進構造が弱まっていますよね。昔はもう日本の所得税制の累進構造というのは世界一きつかったと。それを活力が失われるということでどんどんその累進を弱めて、外国の税制を見ても日本の所得税制というのは非常に累進がこう弱まっている方なんですよね。だから、そういうことであれば累進構造を、要するに最高税率を上げて累進をこうきつくすれば済む話なので、高額所得者ほど恩恵が大きいんだというようなことで控除を廃止するというのは理屈に合わないと思いますし、あるいは負の所得税という考え方もいろいろあるので、いろんな制度の仕組みができると思うんですが、控除から手当へというその何か背後に今私が言ったような考え方があるのかどうか、お伺いしたいと思います。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) 私は、家族制度のところまで考え方が及んだというのはややちょっと、何か私自身は率直に申し上げてそこはまた家族観というか、そこはちょっと違うんじゃないかという気がするんです。  なぜかというと、私たちがこの控除から手当へというふうに言う前段に、所得控除から税額控除、税額控除から、それを負の所得税も入れればもう手当にほぼ実態近いですから、そういう意味でいうと、私は所得再配分機能の問題は、税率を上げればいいじゃないかというふうにおっしゃるんですが、日本の税制は分離課税になっていますので、どうしても税率を上げると給与所得の人たちが非常にかなり高い負担になってしまうということで、そこは金融所得をどう扱うかとか、いろいろまた別途、今税制調査会の専門家小委員会の中で論議が始まろうとしていますので、所得税が。そこはそれでまた回復をさせたいと思っているんですが、我々が考えたのは、所得控除というのは限界税率四割の方は四割控除が利いてくるねと。  そういう意味で、これは一律の税額控除にして、これは最低税率にするか、一〇%の税率にするかは別にして、三十八万円の人だったら三万円なら三万円、これを一律でやれば、高額所得者の人、限界税率高い人は非常にこれは負担増になってくるわけですから、そういうまずは税額控除へ、さらにそこから一歩、マイナスの所得税も含めて、負の所得税を含めて進めていくということも我々は出しているし、これはたしか野党の皆さん方の考え方にも私入っていたような気がしていましたね。去年の附則百四条にもたしかそのことが書かれていましたから、この点は案外共通しているのかなというふうに思ったりします。    〔理事円より子君退席、委員長着席〕  その意味で、私は、そこは先ほどの愛知さんの、税の原則で中立というのがございます。そういう意味では、このいわゆる家族制度の在り方において、あるいは勤労の在り方において、例えば配偶者控除なんかもそうなんですが、そこはやっぱり中立性というのは、私はこの税制の中で、そういう意味で、例えばこれを変えていく、廃止をしていくと。これは何も子ども手当の財源にするために実はこれを考えていたわけではなくて、そういう大きな所得税の在り方の転換を考えようということから、いわゆる扶養控除あるいは配偶者控除の廃止問題というのはずっと議論してきたというのが率直な、で、マニフェストにも一応載せていると、こういうことでございます。

中川雅治自由民主党・改革クラブ

○中川雅治君 峰崎副大臣は本当にもう税の権威ですし、もうよく分かっておられるし、過去の経緯もずっと知っておられるので、そういう私が言ったような背景がバックにあるというふうなことはないといいますか、純粋に税の問題として今までもずっと議論されてこられたんだと思うんですが、民主党の中にそういう考え方でこういうマニフェストを仕組んだのではないかというふうに見ている人が結構いるんですよね。  そのことを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

林芳正自由民主党・改革クラブ

○林芳正君 自民党の林芳正でございます。  大臣、お疲れだと思いますが、もう一時間ちょっと、二時間ぐらいでございますので、お付き合いいただけたらと思います。ちょっと峰崎副大臣外されましたので、まず大臣に。  先ほどの同僚の愛知議員の御質問の中で、これは財務大臣としてというよりも副総理としてどこかでお聞きしたいなと思っていた話がちょっと出たものですから、御通告は申し上げておりませんが、ちょっとお聞きしたいと思うのは、憲法のお話がございました、日本国憲法。  三権分立というのはどこにも書いていないんだと、これは菅大臣の昔からの御持論であるかというふうに受け止めておりますが、日本国憲法に三権分立が書いていないということは、大臣おっしゃっているんですが、ということは、日本国憲法は日本には三権分立というのを想定していないという意味でおっしゃっておられるんでしょうか。

菅直人民主党・無所属クラブ財務大臣・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(菅直人君) これは私大好きな議論ですので、何時間でもいいんですが。  つまり、この間の日本の国会と内閣の関係をほとんどの人は三権分立で説明するわけです。例えば、私が一年生議員のときに官僚の皆さんがやってきて、先生は国会議員ですから大いに法律とか予算の議論はしてくださいと、しかし国会は、行政ですから、それは余り行政には口を出さないでくださいと、そういう趣旨のことを言われたことがあります。つまり、行政イコール、まあどちらかといえば大臣プラス官僚、国会は国会議員が議論する場と。つまり、国会議員と内閣というものは、今でもほとんどの人がそういう言い方をしますが、立法府と行政府という形で独立した存在だということを前提にして、私は、そのことが実は日本の官僚内閣制のその背景にあると、このように思っているわけです。  いろんな議論を過去にはやりました。一つだけ例を挙げますと、私はある時期、さきがけでしたか野党でしたか忘れましたが、アメリカにあるGAOのような組織、つまり会計検査院を国会につくろうと思って法案を作って出そうとしたことがあります。そのころは総務庁でしたが、行政監察局を廃止して、その定数をこっちへ持ってこようと思ったんです。  猛烈な反対に遭いました。そのときに彼らが理論を立てたのは、国会に置くというのは憲法違反だと言うんですね。なぜかと。つまりは、勧告とかなんとかを、税の使い方がおかしいときにGAOのようなものをつくってやったときに、それは行政行為だと。国会が行政行為をするのは憲法違反だと、三権分立違反だと言うから、私、そのときの局長を呼んで、じゃ国会が行政のトップを選ぶのは憲法違反なのかと。もちろん憲法違反と言えませんよね、総理大臣を選ぶのは。  つまり、議院内閣制においては、国民主権、私は三権分立ということを単に否定したいんじゃないんです。国民主権というものから成り立っている今の制度を三権分立という壁で阻んでいるから、それは憲法違反だと言っているんです。つまり、国民は、アメリカの大統領制なら直接大統領も選びます、議員も選びます。ですから、大統領と議会は対等でいいんです。しかし、日本の議院内閣制、イギリスの議院内閣制は、国民は直接は総理大臣を選びません、国会議員を選ぶんです。  国会議員の第一の仕事は何ですかと私よく学生さんに聞くんです、わざと。ほとんど、法律を読んでいる人、特に東大法学部なんか出ている人は百人に百人、国会議員の仕事、国会の仕事は立法ですと言うから、もっと重要な仕事があるんじゃないですかと言ったら、ほとんど答えが出ません。国会議員の最も重要な仕事は、総理大臣を国民に代わって選ぶことなんです。つまりは、国会議員の仕事というのは、日本のですよ、アメリカでいう大統領の選挙人の仕事と、アメリカのいわゆる国会議員の仕事の二つがあるんです。  しかし、日本ではその片方は首班指名というイベントで言われているだけで、その選んだ後の総理大臣とあとの大臣は川の向こうに行って、つまり国会から向こうの行政に行って、そこは言わば、官僚を良く言えば使う、悪く言えば官僚のおぜん立てに乗って動く。ですから、税調もそちらはお任せします、税調に、しかしこちらは党としていろいろ物事を決める、だから二元化になっている。  ですから、そういう意味で、三権分立ではなくて、私は、日本の憲法は三つの機能が分かれていると。これは、先日、ある方の質問主意書にもお答えしました。つまりは、確かに行政の機能は六十五条にあります。司法の機能は何条か忘れましたがあります。しかし、国会は立法府とは書いてありません、よく御存じだと思いますが。国会は国権の最高機関にして唯一の立法機関であると書いてあるので、最高機関と書いてあるのはなぜか。  芦部憲法学では美称説とかなんとか多分書いてあるでしょう。大間違いです。国会は、国民が直接選んだ国会議員で構成されているから他の二権よりも権力的には上にあるんです。機能は違いますよ。ですから、先ほど申し上げた芦部さんも、ほとんどの憲法学者は国会の最高機関であるという意味を美称説と書いてありますが、それは根本から日本国憲法の理解が間違っているという意味で申し上げました。

林芳正自由民主党・改革クラブ

○林芳正君 お説は何となく分かったような気がいたしますが。芦部説は政治的美称説でありますが、憲法には当然、国会は立法機関であるとともに総理大臣を出して行政府をコントロールすると。  私は、一般的な理解としては、そのことも含めてやっぱり立法府の権能がきちっと書いてあって、行政府は行政府で書いてあって、司法は書いてある、このことをもって日本国憲法は三権分立というふうに言っているというのが私の解釈でございますし、それほど少数派だとは思っておりませんが、菅大臣は、それは政治的美称ではなくて、国権の最高機関だから行政よりも立法でというか、国会が上にあって行政をコントロールしなければいけないと。そういう意味では、純粋な行政府と立法府というのはイコールではないというような御意見だというふうに拝聴いたしまして、ちょっとこの議論をやっていると、これ面白いんですけれども、本筋でありませんので。  議院内閣制の国はじゃ全部そうなってしまうのかなということがございますし、それから、もう一つだけちょっと、三権分立というふうに、逆に憲法に我が国は三権分立ですと書いてあるという国はどこか御存じですか。

菅直人民主党・無所属クラブ財務大臣・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(菅直人君) いや、私は、先ほど申し上げたように一般的には憲法をそう勉強しておりませんから。ここの部分だけやっていますが。  私が見るところ、書いてあるか書いていないかは別として、大統領制、つまりアメリカの場合は、いわゆる一般に言われる三権分立、一般に言われるですよ、に当てはまると。それは国民主権に反しないからです、先ほど言ったように。国民が大統領を選ぶからですね。ですから、知事とか市長もそれでいいんです。  しかし、議院内閣制は、つまり総理や大統領を国民が直接選ばない制度の場合は議会の議員を選ぶわけですから、その議員が選ぶ、上とか下というよりも、議員が行政を選ぶんですよ、トップを。ですから、多分イギリスでは与党という言葉は使いません。ルーリングパーティーですから政権党です。与党という言葉は、これは私から言うと明治憲法的言葉です。なぜかと。つまり、総理大臣を天皇が決めて、その総理大臣にくみするのが与党。あるいは、東京都議会でいうと石原さんにくみする政党が与党なんです。ルーリングパーティーじゃありません。政権党じゃありません。  しかし、議院内閣制というのは、多数を握った政党が自分たちのリーダーを行政のトップにして自分たちで内閣をつくる。それに一番ふさわしい形がイギリスですし、先ほど、当たっているかどうかは別として、いわゆる三権分立、行政権と立法権が別々で国民から直接選ばれているという意味ではアメリカが一番モデルになる国だと思っています。

林芳正自由民主党・改革クラブ

○林芳正君 そのアメリカの憲法にも三権分立というのは実は書いてございません。主要国の憲法には、イギリスは御存じのように、御存じかどうか、御専門ではないということですから、成文法の憲法はございませんが、主要国には三権分立の思想は全部入って、三権分立の思想で憲法は書かれておりますけれども、我が国が三権分立ですと条文で書いている国というのはないんですね。  ですから、実は、それぞれの三権をどういうふうに抑制、均衡させるかということは、大統領制や議院内閣制、いろんな抑制と均衡の仕方があるんですが、しかし、一つのところに権力が集中しないようにする。その人が誤った場合に結果として国民が虐げられてきたという歴史の中で人類の知恵が三権分立を生み出してきたという意味では、この三権分立というのはどこの国の憲法にも思想としては流れていて、それを条文でそれぞれの立法府、行政府、司法府の機能として抑制、均衡されているというのが私の理解でございますので、ちょっと菅大臣は──じゃどうぞ。

菅直人民主党・無所属クラブ財務大臣・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(菅直人君) 私は、その三権の抑制という考え方が理論的には間違っていると思います。つまり、国民主権なんですよ。つまり、この憲法、どう見たってすべて国民主権ですから、日本の憲法は。  ですから、実際にはじゃ最高裁判所の長官はだれが任命しますか。実際には総理大臣じゃないですか。しかし、機能が違いますから、まさに司法権を自分の、アメリカはかなりやっていますけれども、自分の党の関係者ばかり送り込むなんということは、それは機能の違いとしてやらないことが一般的ですけれども、形式だけで言えば、じゃなぜ総理大臣が最高裁判所の判事を選べるんですか。  私は、国民主権の下での均衡というのは、あえて言えば任期があるということですよ。四年間という任期が衆議院にあり、参議院には六年間という任期があって、その間は多数を得た政党が中心になって行政権を握り、場合によっては立法府も、多数ですから、議院内閣制の場合は、立法権も実質的に握り、さすがに裁判所は一遍にそういうことにはなりません。ですから、裁判機能は若干違うと思います、行政と立法とはですね。  しかし、基本的に握るけれども、その間衆議院の首班指名の優先権で、衆議院でいえば四年間が最大限で、その間にやったことを主権者がもう一回チェックするのが独裁とかそういうものに陥らないためのまさに最大のルールであって、何か立法府と行政府がせめぎ合ってということではなくて、機能は違いますからいろんなことで役割がお互いあることは当然ですが、それが牽制し合って何とかするという考え方は、私は国民主権の考え方とは違っている。明治憲法のことを話すともうちょっと違いますけれどもね。明治憲法もなかなかよくできている憲法ですから。

林芳正自由民主党・改革クラブ

○林芳正君 お考えは半分ぐらい分かったような気がいたしますのでこれ以上、憲法の委員会ではございませんので、財政金融委員会に戻りまして、まずお手元に今日は、昨日提出をさせていただきました財政健全化責任法案、これ通称でございますが、この基本的な考え方というものを、横刷りのカラーコピーになっていると思いますが、お配りをさしていただきました。是非御協力をいただきまして、当委員会が所管だと思いますので、付託をしていただきまして審議、そして可決、成立というふうにしていきたいと。  これは与党の皆様にもお願いしたいと思いますが、基本的にそんなに難しいことを言っているわけではなくて、それぞれ当面の目標ということでストックとフローの目標を定めようと。そして、それを中期計画、これは菅大臣のところか仙谷大臣のところか忘れましたけれども、政府としては中期財政フレームですか、お作りになるというようなことを法定すると。地方公共団体もこれに、自主自立的な財政健全化に資するために政府が各年度において講ずべき措置に関する事項ということで地方も協力しようということをやろうと、こういうことでございます。  そして、予算を作るときには必ずこの中期計画や目標と整合性を取ることというのを政府に義務付けるとともに、新たな予算を伴う施策を実施する際、これは先ほど愛知さんや中川さんがやっていたマニフェストの話でありますが、まさにペイ・アズ・ユー・ゴーで、私はこれ党内で作りますときには、ペイ・アズ・ユー・ゴーじゃ足りないんで、ダブル・ペイ・アズ・ユー・ゴーにしようじゃないかと言ったんです。  要するに、一兆円の新しい施策やるときは二兆円ぐらい財源を見付けてこないと、どんどんどんどん金利が高くなったら発散しちゃうんだから、それぐらいの気持ちを持ってということで、実はペイ・アズ・ユー・ゴーではないんです。純粋に言うと、原則として経費を上回ると書いてありますので、少しペイ・アズ・ユー・ゴーより厳しいことを、まあ世界初だと思っておりますが、入れさしていただいたわけでございますが。  そこで、大臣のお考えを聞きたいと思いますが、この間我が党の愛知議員とのやり取りだったと思いますけれども、中期財政フレームは、このフローの目標はちょっと無理だから早い、だから今回はストックぐらいじゃないかと、こういう議論があったんでございますが、それは確かに今の足下を見ますとそうなんですが、ここに我々作らしていただいたように、年度を少し先にすることによって、やっぱり今は、例えば二十キロ減量するというときに一か月でやれって、それはボクサーならできますけれども、普通の人が一月で二十キロというのはきついです。しかし、二十か月後に二十キロ減量しようということであれば一月一キロなんですね。  それと同じ問題で、このやっぱりフローの目標というのも時間軸をどうするかによって、足下が大変きついときであってもやっぱりきちっと作るということはあり得る考え方だと思って我々はここへ入れておりますけれども、その点についていかがでございましょうか。

菅直人民主党・無所属クラブ財務大臣・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(菅直人君) まず、この財政健全化責任法案というのをこういう形で拝見するのは今日初めてなんですが、こういう法律があってこのとおり実行できるなら日本にとって大変いいことで、場合によっては党派を超えて是非やってもらいたいなと、そう思って眺めておりました。  ですから、そういう意味で余りいちゃもんを付けるつもりはないんですけれども、同じような法案なり、いろんなことを各国やっておりますし、お聞きを改めてしますと、自民党でしたか、あるいは当時の内閣もそうした法案を作られたことがあって、たしか小渕内閣のころでしたか、橋本内閣の末期ですか、結果においてその後の経済変動の中で比較的短い段階でそれを変えざるを得なくなったという、それも逆に言えば一つの、皆さんにとってもそうかもしれませんが、私にとっても苦い共通の経験とも言えることであります。  ですから、こういう目標をつくること、あるいはこういう形で大きな枠を考えることも、もちろん、こちらの政権の場合も中期財政フレームあるいは財政運営戦略というものを六月に出すという意味は、場合によってはこういう中身に近いもののある組立てになるかもしれません。  ただ、目の前を動いていることで率直に申し上げますと、やはりその前に歳入をどうするのか、税制をどうするのか、あるいは、成長も確かに余り楽観的な目標だけでは駄目だということも、我が党内にももちろんそういう議論はありますけれども、成長を本当にどうやれば成長という路線に行けるのか、デフレをどうすれば行けるのかという、つまりは、こうあってほしい、こうあるべきだということを幾ら言ったからといって、なかなかそうならなかった、なりにくいということが割と短い過去の歴史でもあるわけですから、私は、こういうことを作ることと並行して、まさに税構造を変えるならどう変えるのか、何年間の間にどう変えるのか。成長はなかなか一遍に答えは出ませんが、こういうところに資源を投入して、この程度の成長は生み出していくというのか。  そして、その中で歳出も、どういうものには付けるけれども、どういうものからは削っていくのか。そういうところまで踏み込んでいかないと、決していちゃもんという意味ではないんですが、私たちも似たようなものを考えたいと思っているから余計に言うんですけれども、結局、まさに我々自身のあれも含めて言えば、絵にかいたもちになってしまいがちですので、皆さんは私よりもう少し若いから先まで責任持てますが、うちの私なり私より上の世代からいうと、まあ二、三年もちゃあとはだれかがやってくれるなんて、そんなこと思っている気はありませんけれども。  ありませんが、そういうことになりかねないので、そういう意味で、今最後に言われたフローの目標も今のことで結果としては申し上げたつもりですが、やはり二十か月程度あるいは二年、三年程度ということになれば、まさにフロー、歳入を含めてどういう構造でどの程度のことをやるのかということを同時並行的に議論をし、方向性を出さないと、意味ある中身にはなりにくいなというのが感想です。

林芳正自由民主党・改革クラブ

○林芳正君 余りいちゃもんを付けていただかなくて安心をしておりますが。  橋本内閣のときに財政構造改革法というのを作って、今回もそうなんですが、この附則で、物すごく異常な経済状態、リーマン・ショックですか、あのときはアジアの通貨危機だったんですが、起こった場合には停止条項というのを入れてあります。それはやっぱり、ダイエットをやり過ぎて突然心臓がけいれんし始めたとか血圧が急降下したときはそれでも運動を続けろというわけにいきませんから、そういうところは入れて、この間もそれが発動されて止まっている。こういうことでありますから、そのことはそれで教訓を踏まえなければいけませんし、アメリカでもOBRAをやったり、いろんなことをやっぱりやっているんです。アメリカではバランスバジェット・アメンドメント論争という、要するに憲法にこのことを入れるかどうかまで実は議論をしております。  ですから、菅大臣が今おっしゃっていただいたように、まず閣議決定のような形で政府で決めていただく。それよりも、まさに菅理論でいきますと、立法府の方が行政をコントロールするわけですから、立法できちっと手当てをすると。それよりも上位概念というのは憲法になるわけです。ですから、何かをやるときに立法でやってできなくなるからというのであれば、閣議決定ならもっと緩いということになりますから、それがやっぱり立法にきちっとやった方が、これは国会全体の意思ということになるということが一つ。  それから、ストックとフローの関係を余り今おっしゃっていただかなかったんですが、多分財政今からフレームを作られるというときに、じゃストックの目標は書きましたということになりますね。多分同じような債務残高の対GDP比を安定的に低下させるというような目標になると、いつごろかなというのは、まあこれほど、三十三年度以降書けるかどうかは別として。そのときに、もしそういう目標をお作りになってフローの目標がありませんと、必ずどこかでそのフローの目標がストックの目標の手前で達成されないと、このストックの目標というのはできないんですね。  要するに、単年度でプライマリーバランスが達成される前にこの債務残高の対GDP比が安定的に低下するというのは、よっぽど何か物すごいことが起こって、景気はわっと上がるけど金利は下がるみたいなことがあっても難しい話でございますので、結局そのときに、じゃストックの目標をここと置くんだったらフローはどういうふうに考えられていますかということを聞かれると思います。そのときに、いやフローの目標なんてありませんよと言っちゃったら、そのフレームの信憑性自体が全然なくなっちゃう。そういうことを心配するわけでございますが、何かコメントがあればお願いいたします。

菅直人民主党・無所属クラブ財務大臣・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(菅直人君) コメントというのが難しいんですが、若干の問題意識を言いますと、もちろん税については今税調で、まずは所得税、そろそろ法人税や消費税もしっかり専門家委員会の皆さんには議論してもらおうということで、峰崎さんが担当していただいていますが、そういうことが将来の税収を含めてどういうふうに見ていくかということにもなると思います。  それから、今私が、林議員も経済財政担当大臣をやられましたが、いろいろと宿題を出しております。例えば、これは中川秀直さんなんかの議論でよく出てくるわけですが、経済成長がかなり回復したときに、金利上昇と国債費の関係がどうなるんだと。先日の衆議院の議論では、四%を超えるGDP上昇があれば、成長があれば金利よりも上を行くからGDP比は下がってくるので、何としても四%を超える成長にデフレ脱却を含めてやるのがまず先だという議論を展開されておられまして、それも一つの考え方だと思いますが、基本的にどういう関係にあるのかということをマクロ経済的に少し研究してみてくれということを今事務方に言っております。  それから、過去の増税と景気に与える影響、一般的には三パーから五パーに上がるときも、それによってせっかく上昇過程にあった景気が頭打ちになって下がったという見方がされていますが、本当にそうだったのか。もうよくお分かりだと思いますが、消費税を引き上げるときは当然駆け込み需要があってその後どんと下がるわけですね。しかし、それがある長さで見たときに、中立ではなかったかという見方もあります。  これは他の税制の場合もどうなってくるのか。これは、かなり私は政治的にそういうことを考えなければならなくなったときのその理論立てでは非常に重要で、つまりは、場合によっては税を上げてもその使い方が間違わなければ、雇用と需要の方向に投入すれば、逆にそのことは景気には税そのものは中立的で、投入することによってつまりは個人が蓄えているお金を使う、それも雇用から需要が生まれるものに使うことによってはそれは景気にプラスになるんだと。端的に言えば、増税は景気にプラスになる増税もあるんだということがちゃんとマクロ的に証明されれば、そのことも非常に大きな要素になると思っています。  ですから、お答えになったかどうか分かりませんが、フローというのはどうやるかということと並行しないと、どのくらいの金額だということだけ考えれば、これまでのいろんな計画もそうでしたけれども、私は残念ながらそれだけでは無理だろうと。ですから、そこは表裏一体に考えてフローも出さなければならないと、こんなふうに思っています。

林芳正自由民主党・改革クラブ

○林芳正君 結局、税の議論をして歳出の議論をするとフローが出てくるので、先ほど私が直接コメントと言ったら、なかなかお答えしにくいだろうと思っておもんぱかってコメントと申し上げたんですが、今からお作りになるので、出てきたときに、ここでも平成三十三年度以降がストックの目標なんです。三十二年度までにPBを黒字化すると、その前の年度までにPBやらないと三十三年度以降のストックの目標はないというのは当たり前の議論だと思っておりますので申し上げましたので、今からお作りになるときに、出たときの、何というんですかね、インパクトといいますか、それを多分、菅大臣や仙谷大臣、総理が御説明なさるときにしっかりとその辺の政治意思も含めたものを一緒に出さないと、結局、結果的に十年たってできたかできないかという前に、出したときにそもそも本気でやろうと思っているのかというところがマーケットは見ておると思いますので、その説明ぶりも含めて、具体的に数字をきちっと作ったものを出していただきたいというふうに思います。  実は、この法案の審議を衆議院でやられて、これは共産党さんは残念ながら反対されたそうですが、民主党、自民党、公明党で附帯決議というのを衆議院で付けられておりまして、そこには、第一項目に、平成二十二年度予算は、税収を公債金収入が上回るという事態となっており、我が国財政の先行きに対する懸念が強まっていることにかんがみ、早期に中期的な経済・財政の展望を示すとともに、具体的な数値目標を盛り込んだ財政健全化の戦略を講ずべく努力することと、これ附帯決議、衆議院の附帯決議、(発言する者あり)いやいやいや、財政責任じゃない、今審議をしておりますこの特例公債法に対する附帯決議でございますが、これはまだ審議しておりませんので、今週出しましたので、そういうことですが、そういうのが付いているんですね。  ですから、これはもう与野党ない話で、日本の国債、JGBのコンフィデンスというものをどうやってきちっと守っていくかということでございますので、是非、先ほどの憲法理論じゃありませんが、行政が閣議決定するよりも、もっとそういう意思を示すという意味では立法府でこういうものを義務付けるという方が私は重いと、こう思いますので、御検討をお願いをいたしたいと思います。  そこで、先ほど来マニフェストの話が出ておりますが、まさに今からこの特例公債法、まさに赤字国債をいかに減らしていくかというときに、中期財政フレームでマニフェストをどうするのかということはもう避けて通れないわけでございますが、この間報道で拝見をいたしましたけれども、今度の参議院選挙に向けての民主党さんのマニフェストというのは、もう今政権与党、与党というか政権党と菅さんがおっしゃっていたので、政権党であるので、政府・与党で一体で作るというふうな報道がございました。ですから、すり合わせをして、多分政府でお作りになる中期財政フレームと整合性のあるマニフェストをお作りになるというふうに理解して読みましたけれども。  そうしますと、この前の、去年の八月の衆議院選でお使いになったマニフェスト、これをやっぱり仕分をしていただいて、菅国家戦略担当大臣が昨年のこの予算編成のときは少しされたという報道を見ましたけれども、実際に子ども手当を、二・七兆の分を地方に負担は去年どおり児童手当分やってもらうとか、それから、これはちょっと暫定税率の話は後で時間があればやりますけれども、この二・五兆をなくすという仕分をして、七・一兆が三・三引く〇・二で三・一兆と、こういうことになったわけですね。  ですから、これをやっぱり二十三、二十四、二十五と三年分作るときには当然やらないと、中期財政フレームはこういうことでございまして、目標はこれぐらいでストックの目標は出ます。しかし、このマニフェストは衆議院選でお約束したので、これはもう金科玉条ですので全く変えられません、二十二年度は変わっているけれども二十三年度以降はこのとおりやるんですと言っちゃうと、これなかなか難しいと思うんですけれども、いかがでございましょうか。

菅直人民主党・無所属クラブ財務大臣・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(菅直人君) 二十二年度の予算が成立する前にまた言うのもなかなか難しいわけでありますが、率直に申し上げまして、二十二年度の予算でマニフェストを盛り込むことで、確かに暫定税率などは当初のお約束どおりは盛り込めなかったわけですし、他のものはほぼ予定どおりのものもあるし、若干、当初考えたよりはそう規模が大きくならなかったものもあります。  やはりこの予算成立がもう比較的近いという見通しの中で若干物を申し上げるとすれば、どこでやるかという議論はまだ、大体の枠組みは決まりましたが、まずは二十三年度の子ども手当をどうするのかというところからいろいろと試算をしてみたいというふうに私自身は思っております。もちろん、基本的にはマニフェストでお約束をしたとおりに実行するというのが最大限の努力目標ですが、それをやった場合に、まさに中期財政フレームを含めてどう成り立つのか、また一方では、現物給付的なやり方をもっと同じ分野でも強めるべきではないかという政策的な議論もあります。  そういうことを含めて、やはり二十二年度から後退することは全く考えておりませんが、どういう形のものが二十三年度においてやり切れるのか、努力目標は、何度も申し上げるように、当初の予定どおりを努力目標にするにしても、そこはしっかりとした議論が必要になると、このように思っております。  そういう意味では、マニフェストについても、まさに初年度やれたところ、やれなかったところを踏まえながら、中期的なまさに財政フレームとの関連も含めていよいよ本格的な議論に入っていかなければならないと、そう思っています。

林芳正自由民主党・改革クラブ

○林芳正君 かなり踏み込んだお話をいただきました。  菅大臣がさっきおっしゃったGAOというのは、まさに政策評価を、昔はきちっと経理しているかという、ジェネラル・アカウンティング・オフィスですから、そういうことをやっていたんですが、次第に政策の評価、バリュー・フォー・マネーという言い方をよくしますけれども、そういうことをやるようになってきたと。それを日本でもつくろうということで、菅大臣、御主張なさって、先ほどおっしゃったような理由もあって、結局、イギリスは議院内閣制でNAOというのをつくっておりますが、我が国はドイツ型ということで行政監視委員会という委員会をつくって、そこで見ていこうと、こういう決着になったというふうに思いますが。  まさに、そこでやっているバリュー・フォー・マネーというのは、今、菅大臣がおっしゃったように、それぞれの施策が本当にその当初の考えていたとおりの効果を上げているかと。これは、この間議論させていただいた消費性向とか乗数効果にとどまらず、どういうふうな政策目的を満たしたか、顧客満足みたいなところもあると思います。町が豊かになったとか、生活が豊かになった、そういうものも含めて見ていくと。  そうしますと、やはりこれはマニフェストといえども、やってみたと、しかし、今まさに大臣おっしゃったように、現金で給付するよりも現物の方がいいということも出てきたら、これはやっぱり改むるに何でしたっけ、ためらっちゃいけないぞと、こういうのがありますので、参議院選挙はそれを大きく転換する一つのいいチャンスではないのかなと、こういうふうにも思っているわけでございます。  そのときに、実はペイ・アズ・ユー・ゴーと申し上げましたけれども、この右左はペイ・アズ・ユー・ゴー原則に一応なっているんです。細かいところは、フローとストックがごちゃごちゃになっているとか、それから、年度のこの右側の方は四年で九・一ですから、途中のファイナンスの問題はあるんでございますけれども、まあまあ最終年度ではこの右左合わせるという意味ではペイ・アズ・ユー・ゴーの精神はあるんですが、しかし、実は我が国の予算はここに書いてないことでお考えになってもらわなきゃいけない大きなものが幾つかございまして、それは社会保障費の自然増というのがございます。これは、毎年一兆円ずつ、制度改正をしないと裁量経費でない義務的経費が一兆円ずつ増えていくと。ですから、毎年一兆円ですから、二十三年度は二十二年度よりも一兆円増、二十四年度は二十二年度に比べると二兆円増、二十五年度に至っては三兆円増ということになるわけですね。  それから、例の基礎年金の国庫負担金を三分の一から二分の一にやって二・五兆円分、すなわち六分の一の部分は、二年分だけは埋蔵金で手当てをいたしましたけれども、それも二十二年度までということですから、これは毎年二・五兆掛かるということでございますので、ここがペイ・アズ・ユー・ゴーでもし万が一行ったとしても、更に三・五はそれに上乗せして考えていただかないと予算全体は収支が償わないと、こういうことになるわけでございますので、そういう意味でも、私さっき言ったダブル・ペイ・アズ・ユー・ゴーぐらいのことでやってもらわないともう全然成り立っていきませんよと。  実は、この間も財務大臣のところで出された機械的試算にも、実は二十二年度でやったこと以外のことはもう一切やめるという前提でもこれぐらいの借金になるというのを機械的に財務省で出された、資料も出ているわけでございますので、本当に今度の中期財政フレームを作るときにはこれはもうばさっとやるというような気持ちでやっていただきたいと、こう思いますが、いかがでございましょうか。

菅直人民主党・無所属クラブ財務大臣・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(菅直人君) 財務省が出すと言ったので私も止めませんでしたけれども、この影響試算というのを見るたびに頭が痛くなるというのが率直なところで。  今おっしゃったように、機械的という意味は両面機械的で、つまりは今の政策をそのまま単純延長ですから、このままだとマニフェストの追加分が入らないことになるわけでありまして、そういうことを含めて、先ほど申し上げたように、マニフェストとの関係でいえば、まず一番大きいものをどういうふうに二年度していくかということを考えなければならないかなと思っております。  それから、直接のお答えになるかどうか分かりませんが、やはり政治的に言えば、もちろんマニフェストを実行することはお約束ですから最大限努力を続けていくのは当然ですけれども、あえて言えば、この十年、二十年の日本の成長が止まった状況、私はやはり戦後四十年たってあのバブルを体験して、そのバブルの崩壊の中で、その辺りから日本がいろんな意味で上昇過程から下降過程に入っている。  私は持論で四十年間の周期説というのを持っているんですが、明治維新から四十年で日露戦争、そこまで坂の上の雲を上り続け、日露戦争が終わった一九〇五年からわずか四十年で太平洋戦争で負け、そして、あの焼け野原から四十年でバブル直前のジャパン・アズ・ナンバーワン、二十一世紀は日本の世紀だと言われるところまでは持ち上がったわけですが、そこから下降に移って約二十年たっていると。その状態をどのようにして立て直すかと。  私は、今回の政権交代も大きく言えば、個別的にはいろいろ、中川さんも言われていたように、手品がどちらがうまかったかというのは別としていろいろありますけれども、大きく言えば、やっぱり二十年間の一種の閉塞感が国民の中にあって、そこがあるエネルギーとなって今回の政権交代が誕生したと思っていますから。そういう意味では、このエネルギーを一番生かすことの目標は、二十年間の停滞をいかに、四十年続けるのではなくて、ある種のもう一度坂の上を目指す方向に変えられるかどうかだと思っていますので、そういう大きな目標を持った上でのマニフェストをどのようにその中で矛盾しないように当てはめていくかと、そういう形で見ていきたいと思っております。  ですから、なかなかこれだけを見ても、これだけの収入でこれだけの税でということではなかなか成り立たないので、まだ、時間は短い、六月ということは決して長くはありませんけれども、やはり先ほど来申し上げているように、どういうものに選択と集中で財源を投ずれば成長につながるのか、あるいはルールをどう変えればいいのか、そういうことをやはり今もう既にいろいろ与野党を超えて議論が始まっていますが、やはりその部分がないと、単に削る削るだけの延長上でも何とか息絶え絶えに生き残ることはできるかもしれないけれども、反転攻勢にはならないだろうと。  私の足下の財務省は、言うまでもありませんが削るのがもう一つの使命だと考えているところですから、それはそれで、使命は使命でいろいろ試算をすることは大いにあっていいんですが、それだけでは多分日本は同じ道を、反転攻勢までは行けないだろうと。反転攻勢を行く道を何とか見出したいということで、これもまさに超党派で是非いいアイデアがあればお互いに出し合って、場合によったら共通の場で議論することもあっていいのではないかと私自身は思っております。

林芳正自由民主党・改革クラブ

○林芳正君 今日は財務大臣ということで質疑をさせていただいておりますが、菅大臣は同時に経済財政担当大臣、また副総理で、国家戦略担当大臣……(発言する者あり)ですね、副総理でいらっしゃいますから、作る方ですね、成長戦略を。それも深くインボルブされておられると思いますので、後ろに今座っていらっしゃる財務省の諸君にはきっちりやっぱり切る方の仕事をやっていただいて、一方で、あっちの方で成長戦略をぴしっと作って、スクラップ・アンド・ビルドを一人でできるという今物すごい立場におられるわけですから、きちっとやっていただきたいと思いますが。  そこで、中長期の成長戦略について前回少し所信のときにやらせていただきましたので、こっちの切る方の話で、右側の、どうやって切るのかということをマニフェストをお作りになるときに大分細かくやられているんですね。公共事業一・三兆円、七・九兆円分のですね、これはかなりコンクリートから人へという勢いで大分やられたと思うんですが、全く手付かずなのが実は人件費なんですね。これは制度上、国家公務員の労働基本権という制約もあり、なかなか難しいこともあるんですが、ここが全く手付かずだということと、それからその下の六・一兆円、これは庁費、委託費、施設費、補助金。補助金が四十九兆でほとんどなんですが、それの中からこれぐらい出すと。広い意味ではここを大分、この間も概算要求出し直すときの査定の一兆円分と、さらに仕分でおやりになったものの反映の〇・七兆円ぐらいはこの辺だと、こういうふうに理解をしますが、この辺をもう少し、やっているところとやっていないところとかなりばらばらになっているということがあると思います。  その中で、この六・一の中に、よく選挙の前に議論をしておりました、いわゆる天下りが行っている独立行政法人、特殊法人、公益法人などへの支出が十二兆円あるということが論争になっておりました。我々あのときテレビの討論会やいろんなところへ出ていって、十二兆円というのは確かに天下りの人が行っているところに出ているお金だけれども、教育ローンとかそういう元々のお金なので、このうちの人件費というのはもう数千億ぐらいしかないんですよということを反論いたしましたが、しかしなかなか、さっき中川さんおっしゃっているように、ああ、こんなにあるのかということで、じゃこれ、ここをやれば出るんじゃないかというようなイメージになっていたと思います。  実際に政権を取られて、これをどうするのかということを我が党の衆議院の谷さんが、質問主意書だったと思いますが、聞きますと、これ調べてどうだと、数字はですね、調べたらどうかという質問に対しては、お尋ねの天下りに該当する者の数及び金銭の交付の総額については、これらの再就職のすべてについて府省庁によるあっせんの有無を確認する必要があり、調査に膨大な作業を要することから、お答えすることは困難であると、こういう答弁書が出ているんです。要するに調査しないと。  そうすると、マニフェストに書いてあるんだからやっぱり調査をして、どこの部分は切れるのか、この十二兆円のうちですね、やらないと、こっちの右側のところは全く進まないということになってしまうんではないかと、こう思いますが、財務大臣、いかがでございましょうか。

菅直人民主党・無所属クラブ財務大臣・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(菅直人君) 本質的な議論であるかどうかは別として、今言われたその質問主意書に対する答弁がこうなっている理由は、少しお答えしておきたいと思います。  昨年五月に公表された衆議院の予備的調査に基づいて、いわゆるこの十二兆円ということの数字を出したわけです。この調査では、国家公務員の再就職者がいる法人すべてについて、法人に対して行った金銭の交付の合計金額を取りまとめたものが十二兆円と、調べたのは衆議院の予備的調査で調べたわけです。  一方、この質問主意書、谷先生からの質問主意書は、政府の定義による天下りに該当する再就職者がいる法人ということでの御質問であったものですから、つまりは、政府が天下りというのを一定の定義で言っておりますので、この衆議院の予備的調査の国家公務員の再就職者がいるすべての法人というのと範囲が変わるわけです。  そこで、どの再就職者がその政府の定義によるものなのか、よらないものかということを仕分をして、そしてそれの中で交付された資金を問うというのには、特に該当するかしないかですね、政府の定義による天下りに該当するかしないかというのは個別にそれぞれの団体に経緯を聞かなければならないということで、そういったことから相当な日数が掛かるということをお答えしたということであります。  取りあえずはそういうことです。

林芳正自由民主党・改革クラブ

○林芳正君 そうしたら、質問の仕方を変えて、この質問主意書の、当時予備的調査を衆議院でやられて、民主党さんがやられたときの定義でこれだけの数が出ているわけですから、その定義でこれだけのお金が出ているところの調査をして、そのうちどれぐらいは無駄遣いがなくせるという調査はできるということでよろしゅうございますか。

菅直人民主党・無所属クラブ財務大臣・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(菅直人君) 私がすべてをそのレベルまで承知しているわけではありませんが、少なくとも今膨大な時間が掛かるということを申し上げたのは、その該当する団体が今言ったようなことで区別できないということで、逆に言えば、元々の衆議院の予備的調査の範囲ということであれば、少なくともどの法人にどういう金額が出ていると、それからどう切れるか切れないかについては、まさに今事業仕分等で、これまでの努力では必ずしも十分なところまで捻出できておりませんが、今後の努力でそこからどの程度のものが出てくるのか。  これは、作業の責任者は多分行政刷新担当大臣になると思いますが、そこはちょっと私が、それであればすぐ数字が出るかと言われると、そこまではちょっとお約束できません。ただ、範囲は限定されれば、こういう答弁にはならないと思います。

林芳正自由民主党・改革クラブ

○林芳正君 実は、衆議院だと思いますが、原口総務大臣が調査するとお答えいただいているんです。どれぐらい掛けてやるかというのは、そのときにまだいつまでというのは出ていないんですが、総務大臣のところでおやりになるということであれば、それはそれでやっていただいてもいいと思うんですけれども、やっぱりこの財源を出すということであれば、総務大臣のところが行革という視点でやられるのと同時に、やっぱり菅大臣のところでもどれぐらいこの財源として想定できるのかというのは、この中期財政フレームをお作りになるときに、いや、まだ時間が掛かるから、この十二兆円の中でまだ後から出るかもしれないという説明ではもう通らないと思うんです。  ですから、十二兆円の中で人件費はこれぐらいだから、これぐらいは今から仕分で出すけれども、それ以外は、もうこの十二兆円のうちの大半は財源にはならないということをやっぱりはっきりさせて財政フレームを作るということが真摯なやり方だと思うんです。  今、厚労大臣をされておられます長妻さんは、これは二十一年の二月ですからまだ野党時代でございますけれども、こういうふうにおっしゃっているんですね、麻生さんとのやり取りで。  そういうところに、例えば、これは民主党の予備的調査ですけれども、平成十八年度、四千六百九十六法人に、今、国からだけで二万六千六百三十人が天下って、一年間に十二兆六千四十七億円税金などが流れている。随意契約というものも非常に乱用されているわけでありまして、補助金、委託費をもらっている団体もあります。そういうところに、当該省庁の、監督官庁であるOBがどんどん天下っていく。持参金型天下りというのもあります。ですから云々と、こういうことをおっしゃっているんで、多分それをいろんな報道でも、テレビでもおっしゃっておられた。  ですから、このマニフェストを見たときに、なるほど、そういう構図があるんなら、この十二兆円のうちのかなりの割合は財源として出てくるんではないかというふうにやっぱり受け止めたと思うんです、国民は。  ですから、そういうふうな、マニフェストにきちっと十二兆円と書いてありますから、このうち幾らかというのは、少なくとも中期財政、次のマニフェストまでには、大体この中の幾らはこうでしたということは明らかにしていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

菅直人民主党・無所属クラブ財務大臣・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(菅直人君) 私も野党時代にいろいろな場面でいろんな発言をしておりますが、一つは、個別には非常に無駄があるところは私も感じているところはあるんです。よく言われるように随契とか、あるいは過大な公共事業なんかでも単品で見ると倍も三倍も費用が掛かったようなところが明らかにあるわけです。それが全体としてそういうものの積み上げでどういう数字になるかというところは、まさに行政刷新を中心にやらなければならないわけですけれども、六月の中期財政フレームですべてをあいまいなままでやるつもりはありませんが、どういう切り込み方があるのか、今、枝野大臣もかなり頭を悩めておりますけれども、そういうことを含めて努力をしなければと。  ついでに若干の、まあ余り愚痴のようなことをこの場で言うことはないんですけれども、全部が絡んでいるわけですね。例えば、国家公務員法の改正の問題もあって、例えば定数一つにしても、私も実は不勉強だったかもしれませんが、財務省の定数は一本かなと思ったら、国税庁の定数と本庁は違っていますし、そうするとこっちからこっちへ流用できるのかできないのかとか、御存じのように、少しグループにしてある程度降格人事というのかそういうこともやって、その代わり、ある程度の年齢までそのまま退職をしないでいてもらっていいというふうにしたくても、それをやるにはそういう法律改正が必要であるとか、そういういろんなものがすべてリンクしておりまして、必ずしもそういう法案が、予算の方はしっかり議論していただいていますけれども、そういった関連法案が余り進んでいないところもあって、余りですから言うと愚痴のように聞こえるかもしれませんが、本当にもうちょっとというか、もう相当の努力をしなければいけないと思っていますけれども、そういう問題の超えなければいけないところもあります。  いずれにしても、六月には、今、林さんが言われた期待どおりのものが出るかどうか、そこまでは行かないかもしれませんが、少なくとも、何かあいまいなままで適当な数字を並べるという形はしないでいきたい、したくないと、こう思っています。

林芳正自由民主党・改革クラブ

○林芳正君 是非、野党時代の切れ味の鋭い菅さんに戻っていただいてやっていただきたいと思うんですが、愚痴を言いたい気持ちは私よく分かります。八月に討論しているときに、もう本当に私は愚痴言いたい気持ちで、今と逆転していますから。  制度とか法律とかというのは別に秘密じゃないものですから、このマニフェストを野党のときにお作りになったときも、分かっている方は分かっていらしたと思うんです。ただ、それほど細かく御理解をいただいてない方もいらっしゃったんで、こういうの出るだろうということでしたけれども、実は、与党に、与党というか政権党に入らないと分からない数字というのはないんですね、全部出ています。例えば、特別会計でも独立行政法人でも、この十年間、我々一生懸命財務諸表というのを作って、バランスシートもPLも全部出していますから、どの特会のどの積立金が幾らある、なぜこれだけ積まなきゃいけないのかというのは分かるんです。  ですから、私はテレビの討論会で、どの積立金やどの剰余金を幾らずつやるからこれになるんだということを出してもらえば我々も議論ができますよということを何度も申し上げましたけれども、大体二百七兆なんで一割で何兆だと、これで終わり。十二兆行っているから、このうちのかなりの部分は出てきますよと。そこから全く議論が深まらなかったと。  ですから、今度は我々が野党になりましたけれども、当時の民主党さんがおっしゃったようなことは言わないようにしますよ、それは。しかし、今度は与党側になられた、政権党になられた菅さんの方がこれと同じじゃもう逃げられないと思います。ですから、それはしっかりと、これ変えたって、今まで分からなかったということで、総理はもう何回もお謝りになっていらっしゃいますから、もう一回謝るのももう余り抵抗ないと思いますので、これ直してもらって、現実的なものをやっぱり作っていただきたいということを重々申し上げて、お願いをしておきたいと思います。  税法もありますので、税の議論を少しいたしたいと思いますが。  暫定税率の議論が先ほどございましたけれども、国会でのいろんなうっぷんを先ほど愛知先生大分晴らしていただいたと思うんですが、税調について少し御言及があったんで、私も幹部会というインナーみたいなもののメンバーだったこともありますが、あのときはきちっと小委員長なり税調会長に一任を取って、一任を取った中で、じゃ、最終的に税調会長がどういう裁定をするかということを幹部で相談しようと、これが幹部会だったわけで、それは峰崎先生も御存じのことだと思いますので、密室に入って何かそこで全部決めているということではなくて、デュープロセスがきちっとあって、最後にこの範囲で、一任するという範囲の中でやっていたということを申し上げておきたいと思いますが。  その中で、この間予算委員会でもやらせていただいたんですが、暫定税率について総理が衆議院でいろんな御提案があったんでこういうふうになったという御答弁をされておられたんで、私はそのことについて具体的にはどういう方のどういう御提案ですかということを聞かせていただいたら、総理からは、世論調査やそれから各マスコミの論調、それから町の声だと、こういうふうに御答弁があったんですね。私はびっくりして、そういうのは日本語では余り御提案と言わないんじゃないかということで取り消されますかと言ったら、取り消さないと言うんで、まあそんな細かいことで争ってもしようがないんで、そういたしましたけれども。  この暫定税率の経緯を私も報道で承知しておりますと、この三つ以外に少なくとも与党といいますか、民主党の党の要望というのはあったんではないかと思いますけれども、総理の答弁からはここが一切抜けているわけでございますが、それは全くなかったということでよろしいんでございましょうか。大臣、どうぞ。

菅直人民主党・無所属クラブ財務大臣・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(菅直人君) 実は当時、私は国家戦略担当という立場で、マニフェストの大物というか、項目についての予算の調整を総理から言われ、あるいは当時の藤井財務大臣からも、ここの分は菅さん、間を取ってくれと言われてやっておりました。  実は、この暫定税率の問題も関係閣僚の間では相当もう煮詰まっておりまして、すべての項目を一斉に決めるつもりでしたので、表には出さないでおりました。その段階で、もう既に何らかの形で、環境税との振替がなかなか時間的にも無理なので、少なくとも何らかの形である程度の水準残さざるを得ないというのを実は関係閣僚では実質的には合意をいたしておりました。  そういうある段階で、党の方からいろいろと国民的な意見を伝えたいということで、小沢幹事長を中心に官邸に来られた場面があったことは皆さんも御承知だと思っております。その中にも暫定税率のことが入っておりまして、それを受け止めて、最後の段階では実は私が関係者と、これは必ずしも暫定税率だけではありません。高校の無償化の問題も子ども手当の問題もいろいろと大臣間の間である種の対立がありまして、それをA案、B案という形にまとめて、それぞれの項目について最終的に総理の判断を仰いで、その結果がああした暫定税率の扱いになったわけです。  ですから、その過程の中で、党から小沢幹事長を含めて来られて、そのペーパーも出ておりますので多分目に留まっていると思いますが、あったことは事実ですが、そのときの言い方が、小沢幹事長はたしか、これは国民的な声を受けて意見として伝えるんだという趣旨でありました。  ですから、総理がわざわざそのことを無視されたというよりも、それも含めて国民の意向を党からも聞いたという意味なのかなと私は解釈をしております。

林芳正自由民主党・改革クラブ

○林芳正君 政策決定の透明性ということを随分おっしゃっておられるので、今おっしゃられた閣僚間である程度の暫定税率に関しての意見の集約みたいなものと、それから党から来られた要望、これは暫定税率の維持とそれから子ども手当の所得制限というのが入っていたと思いますが、そういうもの、そして最終的にそれを受けて税調でどういう結論をなされたかというのは、議事録みたいなものを見れば全部掲載されているということでよろしゅうございますか。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) その点は今、菅大臣からお話があったように、いわゆる税調の会合の中でいろいろ議論があったところについて、実はこれは企画委員会という場がありまして、企画委員会で実は論議の整理をしていこうと。その際、税調の総会で決まったことは、その場合に実は会長、会長代行、この三人に最終的には一任するという、そういう手続上のルールは作っておりました。  そういう意味で、先ほどマニフェスト玉というふうに我々は呼んでいたんですけれども、今申し上げたことについては、これは企画委員会の会長、会長代行、菅財務大臣は当時は会長代行だったですから、そこは藤井会長が菅会長代行にこの点はみんなで一任しようということで整理をしておりました。この点については、議事録はこの点は残っておりません。この点は間違いなく、それは、そういう議事録を作るということにはなっておりません、その段階においては。

林芳正自由民主党・改革クラブ

○林芳正君 企画委員会でいろんな実質的な議論があって、ただ企画委員会のところの議事録はないということだというふうにお聞きしましたので、そうでありますと、企画委員会にかなり包括的に委任をされておって、実質的なことがそこで、暫定税率どうするかみたいなことはそこの議論で決まっていて、そうすると、国民から見ると、企画委員会の議事録をきちっと出してもらわないと、どうしてこうなったのかというのは後から検証できないんではないかと思いますが、いかがでしょうか。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) この点、実は企画委員会は、終わった後に記者に対するブリーフィングはもちろんやっていたわけでありますが、我々は、この点について、じゃすべてオープンにするかということについてはかなり議論したわけでありますが、かなりこの点はいろんな意見の違いみたいなものをそこで最終的に調整する場であると。ここは、御党が税制調査会をやられているときも、インナーの会合というのはこれ全然外に出ないと同じように、最終的にはそこは同じだと思うんです、形態は。  ただ、違うのは、先ほどから何度も言っているように、職務権限のある人間が議論をして、そしてそれが国会で答弁責任を負うと。しかし、私も経験しているように、自社さ政権のときもインナーに入って最終的に議論しましたけれども、その点についての説明責任は、実は、決めることは決めたけれども、最終的にそれは国会の場では私の方から逆に質問しなきゃいかぬような立場に立つような、そんな状態だったので、そこの違い。つまり、一元的な決め方と二元的な決め方というのは、やっぱり一元的に決める方が私はいいんじゃないのか。最後の最後のところにおける決め方は、これは全部情報公開の対象になるということになると、これはちょっと無理があるのではないかと、私はそう考えています。

林芳正自由民主党・改革クラブ

○林芳正君 この問題はまた、仕組みですのでゆっくりやりたいと思います。  ちょっと感想を言わせていただければ、普天間問題の方がよっぽど情報公開は進んでいるんじゃないかなと、各大臣がいろんなことをおっしゃっていますから。それに比べて、やっぱりこの税の方は包括的に企画委員会で決まっちゃっているという印象が非常に強いなということだけ申し上げまして、質疑を終えさせていただきます。  ありがとうございました。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。大変お疲れさまでございます。あともう少しでございますので、よろしくお願いします。  私の方は少し大きな議論をしたいというふうに思いますけれども、タックスヘイブン税制について質問をいたします。  お手元に資料を配っておりますけれども、タックスヘイブンというのは租税回避地のことでございます。所得隠し、税金逃れ、マネーロンダリング等々に使われる地域のことでございますけれども、このタックスヘイブンの地域には、民間調査機関によりますと、年間五兆ドルから七兆ドル、日本円にしますと四百五十兆から六百三十兆ぐらいですけれども、の資金が流入して、このうち三十兆円が税金逃れで集まっていると、その脱税額は世界で六兆円に上るという調査もございます。日本からもこの租税回避、税金逃れをねらったお金が七千億円も流れ込んでいるというふうな報道もございます。  今回、リーマン・ショックの金融危機では、単に租税回避とか脱税というだけではなくて、例の投機マネーですね、タックスヘイブンがその投機マネーの温床になっているというふうなことも指摘されている中で、G20、G7でもこのタックスヘイブン問題が議論になったところであったというふうに承知をしております。  まず、民主党政権のこのタックスヘイブン対策に対する姿勢について、まず大臣一言、G20、G7等の議論も踏まえてお願いしたいと思います。

菅直人民主党・無所属クラブ財務大臣・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(菅直人君) 今の御指摘は、大門議員からあったように、世界的な金融危機を契機としまして、いわゆるタックスヘイブンへの不透明な資金の流れがある意味でこういう危機をより増幅しているのではないかという、そういう問題意識も背景にして、G8、G20等の一連の国際会議においてこうした税に関する情報の交換の重要性が確認されたものと承知をしております。  こうした国際的な流れを受けて、我が国としても、今般、平成二十二年度税制改正において、外国税務当局との情報交換を効率的かつ円滑に実施する観点から、租税条約や行政取決めの相手国に対して、こちらからも情報提供を行う、向こうからも情報提供してもらうと、この情報提供が行われる旨の規定を整備することとしたところであります。  こうした国内法の整備も踏まえて、我が国としても、より効率的かつ円滑な情報交換の実施に向けて、租税条約ネットワークの拡充に努めるとともに、G8、G20等の国際的な取組に貢献してまいりたいと、このように考えております。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 今ございました二〇一〇年度税制改正についてお聞きしたいんですけれども、まず、お手元に資料を用意いたしましたけど、ちょっと複雑でございますので、まず今の日本のタックスヘイブン税制はどうなっているのか、仕組みも含めて分かりやすくちょっと説明をしてもらえますか。

古谷一之財務省主税局長

○政府参考人(古谷一之君) 制度の仕組みでございますので、私の方から説明をさせていただきます。  お配りをいただいております資料にございますように、我が国の企業が著しく税負担の低い国にある子会社などを通じまして国際取引を行います場合、外国には我が国の課税管轄権が及ばないこともございまして、支店等で直接国際取引をした場合よりも税負担が不当に軽減、回避をされ、結果として我が国での課税が免れるという事態が生じ得る場合がございます。  こういった点を考慮いたしまして、御指摘の外国子会社合算税制は、こうした租税回避的な行為に対処するために、我が国に比べまして税負担が著しく低い国、地域にある子会社等の所得を内国法人の所得とみなしまして、それを合算して課税をするという制度でございます。  ただ、資料一の真ん中辺りにもございますけれども、適用除外判定ということがございまして、我が国の企業が税負担の軽い国でありましても正常な海外活動を行っている場合には経済合理性がある活動であるということで、実体のある事業を行っている等、そこにございますような一定の適用除外基準を満たす場合には合算課税の対象とはしないといったような仕組みになってございます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 今回の税制改正でどこをどう改正されるのか、その目的も若干説明してもらえますか。

古谷一之財務省主税局長

○政府参考人(古谷一之君) 大変恐縮ですが、お配りをいただいております資料二がそれに該当しようかと思いますけれども、大きく二つございまして、最初はこの合算課税制度の適用を緩和する仕組みでございます。それが一と二でございますけれども、トリガー税率の引下げというふうに書いてございますが、日本の税率に比べまして外国の税率が最近低いということが言われておるわけですけれども、これまでトリガー税率二五%以下ということに定めてございました。我が国の税率が実効税率で五〇%程度でございましたときに定めた税率水準でございます。外国よりも重いと言われておりますが、我が国でも実効税率が四割ぐらいまで下がっておりまして、そうした実態を踏まえて適用のトリガーとなります外国の税負担水準を二〇%に引き下げるというのが一つでございます。  この結果、中国ですとか韓国、マレーシア、ベトナム等、これまでトリガー税率よりも低かったところが、このトリガー税率の引下げによってこの合算税制を余り心配しないで企業がアジア等に進出をすることが可能になるという面がございます。  それから二つ目の適用除外基準の見直し、これも先ほど、現地で経済合理性のある実体的な企業活動を行っている場合には適用除外にするというルールがあるわけでございますが、現地で言わばミニ本社のような形で子会社を統括をして活動を行っております事業持ち株会社、あるいは物流の統括という形で関連企業と卸売の形で活動をしておりますような会社、こういったところは経済実体を認めることによりまして適用除外という方向に持っていきたいという内容でございます。  それから三つ目は、事業所得ということではございませんで、比較的所得の発生場所を移動しやすいような資産性の所得につきましては、そうした税率の低い国に所得を移転するというようなことが起こり得るものですから、ここにつきましては適用除外基準に該当する場合であっても一定の資産性所得については合算課税を適用するといったような、これはどちらかというと租税回避に対応する厳しめの措置を導入をするということで、両側のサイドから今回このような改正をさせていただくということでございます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 ちょっと分かりにくいかと思うんですけれども、この資産性所得について合算課税する制度をつくられたというのはこれ一歩前進で評価しているところですけれども、ちょっともう役人さん分かりにくいので峰崎副大臣に聞きますけれども、トリガー税制の引下げというのは要するに何のためにやるのか。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) これはある意味では、我が国企業が海外に進出するときに、今までは二五%でしたから、その二五%でいくと、隣の韓国だとかあるいは中国だとか、そういったところも実はタックスヘイブンというふうに位置付けちゃうと、ある意味ではなかなか企業活動に非常に支障が出るのではないかと。そういう意味で、国際的に今、世界的なある意味では日本企業が進出をしていくときに、その企業活動をかなりやはりその意味ではタックスヘイブン税制がある意味では阻害しないようにといいますか、そういう意味で活動をしやすくなるようにしていこうと、こういうのが私は趣旨だというふうに思っています。  これは一つには、やっぱり背景には世界各国の法人税率の引下げ競争みたいなものがあって、どうもやはりそこのところがなかなか止まらないものですから、どうしても日本で設定したその二五%がやや高過ぎる。それで今回二〇%まで下げたので、私はもう一方で国際的な租税の引下げ競争みたいなものをどこかで止めないと、少なくとも先進国で止めなきゃいけないんじゃないかなと思っているんですが、最近はどうも情報交換というか透明度さえあればいいというような意見があるんですけど、余りとめどもなく下がっていくと、これは法人税収というものもやっぱり一定の税収を稼いでいますので、そこはもう少しちょっと、私は、個人的な見解ですが、G7とかG20などでこの種の議論も少しした方がいいのではないかなと、こういうふうに私自身は思っています。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 要するに、この一枚目の表でいきますと、この真ん中に二五%以下の国に外国子会社があればこのタックスヘイブン税制の対象になるんですけれども、真ん中のこの適用除外の、きちっとやっているところは除かれると。このきちっとやっていることを証明するのにいろんな実務が、企業負担があると。今度、中国、マレーシア、ベトナム、韓国等々で引き下げられたと。そうすると、そこでやっている人たちがこれに該当してしまうとこの実務負担が生じると。それを軽減するためだということはお聞きしております。まじめにやっている海外進出している企業の子会社の実務負担を軽減することは私も重要だと思います。  ただし、この措置は、逆に言うとペーパーカンパニーが実はこういうところにも存在しておりまして、資料もお付けしておきましたけど、結論だけ申し上げますと、この間、こういうペーパーカンパニーといいますか、この合算課税、タックスヘイブン税制が適用されるところですね、これは全体としては増えております。三千五百六十四社まで増えて、年間二百社ずつ増えている計算ですね。特に、今回の対象となっている中国、マレーシア、ベトナム、韓国というのはペーパーカンパニーは少ないというふうに言われておりますが、ただ、この間でいきますと非常に増えている地域なんです。絶対数でいきますと、中国は平成十八事務年度十一社だったのが今六十四社、中国、マレーシア、ベトナム、韓国四か国でいきますと三十社だったものが八十九社ということで、二年間でこういう対象になる国、税金をもらう会社が増えているわけでございます。世界的にいきますと、この二年間の増え方でいくと、中国はパナマ、ケイマン、シンガポールに次いで増え方が多いという点で、要するにペーパーカンパニーが増えている地域でございます。  そういう企業負担をなくすという点はよく分かるんですけど、この措置によってそのペーパーカンパニーは税額がゼロになってしまうということが生じるわけなんですけれども、そこのところの対策はいかがされておりますか。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) 御指摘のように、法人実効税率で、私ども調べて、今、先ほど中国がこの適用対象となるのが六十四になるということは増えています。ただし、全体として中国は指定外国子会社の数は千五百五十二で、それで適用除外の数が千四百八十八で、かなり数大きい中において、六十四が大きいか少ないかは別にして、比率的にはまあ少ないのかなと思っていますが、しかし、御指摘のように、そういうやはりある意味では税逃れといいますか、そういうものに対して対応の仕方について、もう一つやはり我が国企業がこの国際租税回避行動に対して、外国子会社などの合算税制のほかにも移転価格税制とかそういうものもございますし、さらに執行面で、先ほども申し上げましたように、各国との間の租税条約を結んでおりまして、そこでは、先ほど税率の引下げ競争だけじゃなくて、最近はいわゆる情報交換を積極的にやって、あらゆる機会を通じて課税上有効な資料情報の収集に努めながら今御指摘のような点についてのある意味では対応を、制度面それから執行面、両方からやはり今努力をしているというのが実態だと思います。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 今回の措置がペーパーカンパニーが急増している地域を対象に、そこの規制を外すということになりますから、逆に今増えている地域ですから、ペーパーカンパニーづくりが促進される危険性もございますので、是非、今おっしゃったことだけじゃなくて、何らかの手を打たないと何年か後に増えてしまっていたなんということになりかねないんで、そこは御注意をお願いしたいと思います。  先ほど峰崎副大臣が言われたように、この背景にはアジア諸国での法人税率の引下げ競争がございます。それに合わせてやっていくともう何といいますか歯止めなくこのトリガー税率も下げなければいけないということになりますし、逆にトリガー税率を下げることによって各国もまた法人税を下げなきゃならないという面もございます。  例えば、オランダでは、前回ですかね、この移転税制のときに質問で取り上げたかも分かりませんが、オランダの例をあのとき申し上げましたけど、オランダは、要するに、法人税が二〇〇六年の当時で二九%だったのを二五%以下にしようといったん思ったんですけど、二五%以下になると、先ほどのタックスヘイブン税制が日本の場合ですと二五%以下は掛けちゃうということになるんで対象になってしまうと。それで、二五%じゃなくて二五・五と掛からないぎりぎりのところに抑えたというのがあるんですね。これは日本企業、日本の商工会から意見が出たということでですね。  そうすると、やっぱり二五%だったからオランダの場合は二五・五以下に下げなかったと。今度下げちゃうと、オランダだけじゃありませんから、ほかの国ももっと法人税を下げていいんだと、こうなるわけですね。両面あって、法人税の引下げ競争に拍車を掛けるんではないかというふうに思います。  この辺のところは、もう峰崎副大臣が問題意識をおっしゃっていただきましたけれども、私、財務省といいますか大蔵省の基本姿勢というのは元々きちっとしていたんではないかと、この問題に関して言えば。例えば、もう九八年の段階にOECDが租税競争報告書というのを出しております。これは、有害な税の競争、起こりつつある国際問題報告書というものでございますが、これは日本政府とフランス政府が中心になってまとめたものでございまして、当時の大蔵大臣もまとめた結果に対して大変評価された報告書でございます。  このときの背景というのは、九八年ですから、九七年にあのアジア通貨危機が起きて、金融問題が今と同じぐらい大問題になった時期でございます。そのときの投機マネーの温床になっているのがタックスヘイブン地域だと。だから、きちっとやらなきゃならないと。しかも、税の引下げ競争は有害だというふうなことをわざわざもう九八年の段階で大蔵省、財務省もかかわってまとめたわけですね。  また、この報告書の中では、もう既に今心配されているような可動性の高い、動きやすい経済活動を取り込もうと各国が減税競争をすると、結局その国の税収減になって個人所得税とか消費税の増税につながりかねないということをこの報告書の中で指摘しているわけでございます。  ちょっと心配なのは、財務省は、今の財務省はこの九八年のOECD、当時の大蔵省もかかわったこの報告書を今どう位置付けているのか、これをちゃんと継承しようとされているのかどうか、ちょっと今の姿勢をお聞きしたいと思います。

古谷一之財務省主税局長

○政府参考人(古谷一之君) まず、私の方から事実関係だけ答弁をさせていただきます。  委員が御指摘いただきましたように、金融等の足の速い所得を誘致することを目的とした有害な税の競争についてOECDの有害税制フォーラムで議論が行われまして、一九九八年の基準でタックスヘイブンの判定が四つございます。そのときに、御指摘ございましたように、金融サービス等の活動から生じる所得に対して無税若しくは名目的課税をしていることというのがタックスヘイブンの判定基準の一つにございましたが、その後、OECDでの議論は、すべての国は税を課すか課さないかを決定し、適切な税率を決定する権利を有するということで、この無税若しくは名目的な課税という基準がタックスヘイブンの基準から外れまして、二〇〇一年の時点では、このタックスヘイブンのとらえ方が、先ほど副大臣からも御答弁ございましたが、情報交換の在り方に焦点が移行しておりまして、実効的な情報交換が欠如している、税制の透明性が欠如していると、こういったことで、タックスヘイブンを評価しようということでOECDでの議論は変遷をしてきてございます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 聞いていない。そんなこと聞いていない。

峰崎直樹民主党・新緑風会・国民新・日本財務副大臣

○副大臣(峰崎直樹君) それで、今の事実関係は、九八年の基準で、これはたしかOECDの当時のこの担当は、実は責任者は財務省から出て今御指摘のあった点をつくり上げたわけですけれども、実はその三年後に今申し上げたようにウエートの置き方が変わってきたわけです。  私は、ちょっとまだこれは十分内部で意思統一をしているわけではありませんし、実は国際課税の在り方は最も私たち民主党の中で非常に今まで弱かった、弱点だったというふうに思っておりまして、今、神野委員長の下で国際課税に対する小委員会もやがて設けなきゃいかぬということで、これも我々の課題だというふうに思っておりますが、私は、多分これからG7、G20の中の議論の中で、例えば最近でいいますと、スイスに対するいわゆる課税情報を出せとか、今までは守秘義務が固かった、あるいはドイツはリヒテンシュタインというところに課税逃れをしていて、これが実は情報がはっきり明確に出てくるというふうに、非常に透明度が高くなってくるという傾向は一つあるのではないかなと。  しかし、そうはいっても、いわゆる弱小な、小さな国が、ある意味ではこういう非常に税率の低いあるいはほとんど税が掛からない、そういうところで自分の国の、何といいましょうか、生き様を、生き方を、そういう考え方で企業を、金融機関を導入してくるというような例も依然として残っていて、この辺りの駆け引きというのがこれからの国際的な金融関係の税制に関しては非常に大きい問題だというふうに思っていまして、そういった点はしっかりと我々もウオッチして勉強していきたいなと思っています。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 いや、もう日も暮れてまいりましたので早く終わりたいと思ったんですけれども、そういうつまらないことを、聞いてもいないことをぺらぺらしゃべるから言わなきゃいけないんだけれども、僕が言っているのは、税の引下げ競争を、じゃ、何ですか、税の引下げ競争は財務省としては認める方向になったの。聞いたことに答えなさいよ。もう呼ばないよ、本当に、そんなこと、つまらないことを言うんだったら。  もう最後です。最後に大臣にお聞きいたします。  つまり、法人税の引下げ競争を国際競争力という名目でやり続けると、結局はもう各国が際限なく、言えば、もう限りなくゼロにしちゃおうというようなことになってしまうわけですね。そうすると、ほかのところに税の負担のしわ寄せが来ることになりますし、これは合成の誤謬だと私は思うわけですね。  これは、実は、そういう方向じゃない方向で考えるべきだというのが自公政権のときの政府税調の中でも相当有識者から意見が出ているんです、もう足の引っ張り合いになると。だから、税の引下げ競争について方向転換をすべきだというふうな、今度参考人で来られる青山先生なんかもそうですけれども、そういう方向になっておりますので、是非そういう、これは国際協調が必要ですよね、そういうことをみんなでつくっていかなきゃならないと。そういう国際協力も含めて必要なんですけれども、是非ともそういう方向で、国際的な努力を含めて、もう税の引下げ競争を永遠に続けるのはやめていくというようなことを日本がイニシアを取って、国際協調も含めて考えてもらいたいと思いますが、それを最後に菅大臣にお聞きして、終わりたいと思います。

菅直人民主党・無所属クラブ財務大臣・内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(菅直人君) 大変いい議論を聞かせていただきました。  法人税については、先日も総理が、どちらかといえばやや他の国に比べて高いので、それは考えなきゃいけないと。どうしても国際競争というところに重点を置いた議論が一般的には多いわけですが、国際協調の中で適正な水準というものがあるのか、今日の議論も聞かせていただきましたので、十分、税調の専門委員の皆さんの御意見も聞きながら、そういう可能性も含めて検討をしていきたいと思っています。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 終わります。

大石正光民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(大石正光君) 三案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────

大石正光民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(大石正光君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  平成二十二年度における財政運営のための公債の発行の特例等に関する法律案外二案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大石正光民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(大石正光君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大石正光民主党・新緑風会・国民新・日本

○委員長(大石正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時六分散会

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