国土交通委員会 第9号
- 発言数
- 63 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2010/04/20
会議録
○委員長(椎名一保君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。 賃借人の居住の安定を確保するための家賃債務保証業の業務の適正化及び家賃等の取立て行為の規制等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。おはようございます。 今日は、先週に引き続きまして、この賃借人の居住の安定を確保するためのいわゆる取立て行為等の規制法につきまして質疑をさせていただきたいと思います。この題名にもございますように、まず賃借人の立場からの質問をさせていただきたいと思います。 先日、私もいわゆる追い出し屋と言われる方の、方というか、追い出し屋の被害に遭った五十代の男性からお話を聞く機会がございました。この男性は無職でございました。現金が二十二万円入っていた財布を盗まれてしまって家賃を一か月滞納したと。すると、この保証会社がかぎを交換して被害者が入居できないようにするばかりか、被害者の中にあった動産もすべて廃棄するなどして処分されてしまったと、こういう被害であります。 こうした無断でのかぎ交換あるいは不当な住居への侵入や強制的な取立て等、賃借人の生活の平穏を害する悪質な取立て行為ということについては当然許されるべきものではないということで、今回のこうした法案になっていると思います。ただ一方で、こうした家賃債務保証業そのものを必要とする社会的背景もあるということは先週も指摘をされていたことでございまして、そういうことからも、取立て行為等についてその適正化を図るということが必要であるということだろうと思います。 冒頭、今申し上げた、紹介させていただきました被害者の事例におきましては、この被害者の男性はそもそも家賃債務保証業者という存在を知らなかったと。賃貸契約時にも全く聞いていなかったと。それゆえ、一か月家賃を滞納したときに、電話がいきなり聞いたこともない会社の名前で掛かってくると。で、催促がされると。しかし、聞いたこともない会社の名前ですので、不動産管理会社であれば知っていますけれども、見ず知らずの人からいきなり催促の電話が掛かってきても、この方も取り立てて取り合うことがなかったということであります。 今後は、こうした家賃債務保証業者については、当然でありますけれども、賃貸契約の際の重要説明事項としてきちんと賃借人に告げなければならない。家賃保証業者の実態、これが顧客にきちんと見えるように徹底をすべきではないかというふうに思いますけれども、大臣、いかがでございましょう。
○国務大臣(前原誠司君) 西田委員にお答えをいたします。 今、西田委員が一つの事例としておっしゃいましたように、家賃債務保証業者というのはなかなか知られていないという面もございますし、また実態的には宅地建物取引業者が家賃債務保証業者の代理人となっていることが大半であって、そういう意味での理解あるいは周知徹底ができていないんではないかと思っております。 今の民間賃貸住宅の賃貸借契約の締結に当たりましては、従来は連帯保証人を立てることが一般的でございましたけれども、近年、人間関係に頼らず、家賃債務保証業者による機関保証を利用する割合が増加をいたしまして、現在、家賃債務保証業者の利用は賃貸借契約全体の約四割に至るなど、その重要性は高まっております。したがいまして、賃借人が相手業者や契約内容をしっかり理解した上で家賃債務保証契約を締結できるようにすることが重要であります。 本法案におきましては、家賃債務保証業者が保証委託契約を締結しようとする際、保証期間、保証金額、そして委託料等の契約内容を明らかにする書面の交付を義務付けておりますとともに、契約内容のうち重要な事項を告げない行為をしてはならないということをしております。 さらに、家賃債務保証業者が勧誘、広告する際の虚偽告知あるいは誇大広告の禁止、家賃債務保証業者による業務に関する帳簿の備付け、そして賃借人が閲覧を請求した際の開示義務、こういったものも措置を講じたところでございまして、賃借人が安心して家賃債務保証サービスを利用することができるよう、家賃債務保証業者を今後も適切に指導監督していきたいと、こう考えております。
○西田実仁君 こうした家賃債務保証業という業そのものが、やはり機関としての保証が必要という社会的背景があるわけですので、今大臣が御指摘されたようなきちんとした告知をして、利用者が適切に使えるようにしていただきたいと思います。 この法案の第六十一条の第二号のところ、細かい話で恐縮でございますが、しかし、今の私の御紹介申し上げました男性においても被害があった具体的な内容でありますので確認をしておきたいと思います。 この法案第六十一条二号には、知らぬうちに衣類とか家具あるいは寝具といった動産を持ち出したり保管することを禁じております。しかしながら、括弧書きでございますのは、ただし賃借人又はその同居人から同意を得た場合を除くと、こういうふうにただし書がしてあります。このいわゆるただしというのは例外だと思いますけれども、なぜ例外をわざわざ明文化をしたのか、またここで言う同意というのは具体的にはどのようなケースを想定されているのか、これについてお聞きしたいと思います。
○副大臣(馬淵澄夫君) お答えをさせていただきます。 この六十一条二号、これはいわゆる動産の持ち出し禁止規定でございますが、今委員御指摘のように、括弧書きでこの例外規定を示している、これはどういうことかということでお尋ねがございました。 これは、いわゆる動産を家賃債権の担保として供する場合、あるいは療養等によって入院等不在時に盗難防止の観点から動産を持ち出すケース、こういった場合に、持ち出しの際に賃借人本人からの同意あるいは同居人の同意という場合にはこれは嫌がらせには該当しないということで例外とさせていただいております。 ただし、一方でこういった例外規定を悪用するという場合も想定されます。例えば、これは家賃滞納が生じた場合、賃借人は動産の所有権を放棄するなどの事前の包括的同意を定める契約、こういったものは不適切であります。これは業務改善命令の対象となるとともに、この例外には規定しない、例外には当たらないということで定めさせていただいております。
○西田実仁君 そうすると、今、後半部分でおっしゃったような、いわゆる念書を取るようなそういうことは今回の法律では禁じられているということでしょうか。一応確認だけします。
○副大臣(馬淵澄夫君) 御指摘のとおりでございます。
○西田実仁君 この六十一条に続きまして、六十二条また六十三条におきましては、住宅に困窮する低額所得者の方々に対する様々な情報提供等が定められております。ここはやはり住宅のセーフティーネットというところで大変重要なところだというふうに思っております。実際に家賃を滞納せざるを得ないそういう借家人に対しまして、その保護をいかに図るのかということは、いわゆる大家さんとか家主さん任せではなくて公がきちんとやっぱりしなければならないと、またその責任が公にはあるというふうに私も思っております。 その上で、六十二条には、情報の提供といたしまして公営住宅その他の公的賃貸住宅への入居等についての定めがございます。実際に民間の賃貸住宅に入れないそういう方々について、公的賃貸住宅への入居を促すあるいは情報を提供するということだと思いますけれども、現状はどのようにこうしたことを認識されているのか、またこの法案が成立いたしましてからはどのようにその改善を図ろうとしているのか、お話をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(前原誠司君) 御指摘の本法案の第六十二条におきましては、家賃債務保証業者から保証を拒まれて賃貸住宅への入居が困難となった方々の居住の安定を図るために、国及び地方公共団体に対しまして、他の家賃債務保証業者や家賃債務保証を受けることを条件としない賃貸住宅に関する情報提供、そして公営住宅等の公的賃貸住宅への入居に係る必要な措置等を講ずる努力義務を課すこととしております。 お尋ねの現状認識についてでございますが、家賃債務保証業者の利用が賃貸借契約全体の約四割を占めるに至っております中で、賃貸住宅入居希望者が的確に関連情報を入手可能な環境を整備することが必要であります。また、特に住宅に困窮する方々のために公的賃貸住宅の供給を促進することが必要であると認識をしております。 こうした観点に立ちまして、情報提供に関しましては、地方公共団体及び関係団体等で構成する居住支援協議会の構成員に家賃債務保証業者を追加をいたしまして、同協議会による情報提供、あっせん等の活動を支援することによりまして、住宅困窮者に対し保証業者や賃貸住宅等に関する情報が円滑に提供されるように促していくということにしております。 また、公的賃貸住宅の供給に関しましては、従来より公営住宅等の供給の促進に努めてまいりましたけれども、公営住宅等の供給が各地域の実情に即して図られますように、今年度創設をいたしました社会資本整備総合交付金を通じて地域の発意に基づいた公営住宅の整備や家賃低廉化等に対する助成を行うとともに、今国会提出中の地域主権改革一括法案におきまして、公営住宅の整備基準や入居基準を条例に委任するなどの措置を講ずることとしております。 今後とも、民間賃貸住宅への入居の円滑化、そして公的賃貸住宅の供給の促進を通じまして、住宅セーフティーネット機能の強化に努めてまいりたいと考えております。
○西田実仁君 今お話がございましたけれども、住宅にいわゆる困窮している低額所得者の方がどのぐらいいて、そして不足している公的な賃貸住宅はどのぐらいあるのかという現状を認識されているのか。 それによって、今地域の発意とおっしゃいましたけれども、なかなか地域の発意によって公営住宅ができないという現状が今既にずっと続いているわけでありまして、こうした住宅のセーフティーネットを本気でやろうと思えばどのぐらい公的なところで賄わなきゃいけないのか。そのためには、どういう計画で、いつまでにやっていくのかということがなければ、この六十二条ということもなかなか現実には実効性が保てないんじゃないかというふうに思うんですけれども、おおよそ何万戸ぐらい足りないあるいは不足するであろうと認識をされているのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(前原誠司君) 戸数につきましてはまた調べて委員にお答えをしたいと思いますが、例えば、ちょっと目安だけで申し訳ございません、公営住宅の応募倍率ということで申し上げますと、全国平均では八・六倍になっております。東京では二十八・四倍ということで、大都市圏ではより高いということになっておりまして、ですから、かなり公営住宅に対する人気は高いということでございますので、議員がおっしゃったように、全体の戸数は今幾らで、そして六十二条に基づいてどういう計画を作っていくのかということを大方定めることは大変重要なことだと思っておりますので、戸数についてはまた後日、正確な数字をお伝えをしたいと思います。
○西田実仁君 今大臣がおっしゃっていただいたように、まさにこの法律を作って住宅のセーフティーネット、これまでも進めてまいりましたけど、まだまだ足りないのも事実であります。 住宅に困窮する低額所得者の方がきちんと住宅、住居の安定を図れるようにする。我が党で申し上げているのは、百万戸は必要だというふうに今考えておりまして、それを具体的に、じゃどうやって詰めていくのかという、予算の問題ももちろんあります。しかし、これを本気でやろうと思うならば、きちんとした実態、実数で把握をした上で計画的に進めていかなければならないということを申し上げたいと思います。 六十三条におきましては、相談又は助言その他の支援を受けることができる体制の整備ということも記されております。これまた具体的にどこまでどういうふうにやろうとしているのか、またその予算措置等についてお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(前原誠司君) 今お尋ねのありました本法案の第六十三条におきましては、国及び地方公共団体は、家賃関連債権の取立てに関する違法又は不当な行為に関して、情報の収集及び提供並びに賃借人その他の者が相談又は助言その他の支援を受けることができる体制の整備に努めることとしております。 具体的には、国土交通省、消費者庁、地方公共団体の消費生活センター、そして住宅施策担当部局及び消費者施策担当部局等の適切な連携によりまして、本法案に基づく施策をより実効性あるものにするために、消費生活センターや住宅紛争処理支援センターなどにおける相談体制を整備をいたします。そして、賃貸住宅紛争処理マニュアルの策定を行って、また弁護士会やADR機関、裁判外紛争処理手続などでトラブルについての相談体制の整備を進めていく考えでおります。 それを具体的に進めていくために、本年度は居住支援協議会への支援なども含めまして三億三千万円の予算を確保しているところでございます。
○西田実仁君 次に、公的家賃債務保証についてお聞きしたいと思います。 この家賃保証業にどうしても頼らざるを得ないという社会的背景があることは、先ほど来から繰り返されていることであります。一方で、公的な家賃保証制度ということも日本においては家賃債務保証制度という形でございます。 しかし、この利用の現状がどうなっているのか、また改善すべき点があるのではないかというふうに思っておりまして、この点について御認識をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(前原誠司君) 公的な家賃債務保証制度につきましては、高齢者住まい法、これは高齢者の居住の安定確保に関する法律でございますが、この法律に基づきまして、高齢者居住支援センターが高齢者世帯の家賃に係る債務を保証しておりまして、高齢者世帯以外にも障害者世帯、子育て世帯、外国人世帯など民間賃貸住宅市場において適切な住宅を確保しにくい世帯を対象としているものであります。 この制度の現状につきましては、平成二十一年度末までの保証引受実績は九百七十八件でございます。内訳は、高齢者世帯が九百四十一件、障害者世帯が十七件、外国人世帯が十一件及び子育て世帯が九件となっておりまして、保証を引き受けた案件中、保証履行に至った件数、保証履行といいますのは滞納世帯の発生により未払家賃、原状回復費用等を高齢者居住センターが代位弁済したものでございますけれども、そういった履行保証に至った件数は高齢者世帯が五件、外国人世帯が一件となっております。 今後は、地方公共団体及び関係団体等で構成をいたします居住支援協議会による情報提供、あっせん等の活動を支援をし、高齢者等の住宅困窮世帯に対し制度の周知を図ってまいりたいと考えております。
○西田実仁君 今累計の数字お示しいただきましたけれども、保証引受付件数、やはりけたがかなり違うぐらい少ないと私は思います。 実際に、家賃債務保証制度につきましては、家主さん、貸主の方があらかじめ、高齢者住宅財団でしょうか、これに登録する必要があるわけですね。そういう高齢者や子育て世帯あるいは障害をお持ちの方を受け入れますということを登録して宣言をするという形だと思います。 しかし、実際にニーズとしてあるのは、公的保証がやっぱり必要だと、家賃債務保証業ではなくて公的な保証をしてもらいたいという、賃借人が例えば申請をして、それを公的保証を付けて入居するというようなことであればもっと利用は進むと思いますけれども、今現実には貸主の方があらかじめ登録しておかなきゃいけないということから、いろんなある意味での抵抗というか、なかなか登録も進まないというのもあるでしょうし、もうちょっと使い勝手を良くしていくためには、賃借人が申請したらそこで公的保証が受けられるというふうなことになれば、またこれの利用度も高まって、またセーフティーネットという面でも重要ではないかというように思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(前原誠司君) 私も、委員から質問通告をいただきまして、この数字を見て、けたが一つ少ないという御指摘は私も同じような感覚を持ちました。 この使い勝手につきましてはやはり、よりこの制度を周知徹底をすると同時に、使い勝手のいいものにしていくということが大切だと思いますので、今委員が御指摘をいただいたことも含めて、運用改善を努めてまいるように内部で検討させていただきたいと考えております。
○西田実仁君 是非御検討をお願いしたいと思います。 そして、今日は厚生労働副大臣にもまた、お忙しいところありがとうございます。 生活福祉資金についてお聞きしたいと思います。 緊急小口資金ということについて、私もこの国会で何度も取り上げさせていただいたテーマでありますけれども、家賃滞納を少しでも防ぐためには、こうした緊急小口資金、これについてももうちょっと使い勝手を良くした方がいいんじゃないかということ、大分改善はされてきていることは知っておりますけれども、まだまだ足りないんではないかと。実際、保証人が不要というのが制度上のこの緊急小口資金でありますけれども、現実には窓口で保証人を求められるようなこともあるというふうにも聞いておりまして、こうした家賃滞納ということを防いでいくために、この緊急小口資金の使い勝手の向上ということを図るべきではないかと思いますけれども、厚生労働省副大臣、いかがでございましょうか。
○副大臣(細川律夫君) 西田委員にお答えをいたします。 西田委員の御要請にこたえるものといたしまして、生活福祉資金の貸付けで二つございます。 一つは、緊急小口資金でありまして、これは緊急かつ一時的にどうしても必要になったときには、上限額十万でありますけれども、これを貸し付けることになっております。このお金で滞納している家賃に充てていただくということが一つであります。 もう一つは、昨年の十月に創設をいたしました総合支援基金貸付けというのがございます。これは一時生活再建費ということで、六十万円が上限でありますけれども、この制度で家賃の滞納を一時立て替えるということも対象になっておりまして、これは是非お使いをいただくということでやっていただけたらと思います。これは社協が窓口になっておりますから、これをお使いいただくといいというふうに思います。
○西田実仁君 かつて緊急小口資金は五万円だったわけでありますけれども、私も国会で何度か質問させていただき、十万まで引き上がったわけですが、しかし、なかなかこの使い勝手が実際には良くないというお話も聞いておりますので、是非その改善に努めていただきたいというふうに思います。 委員長のお許しがあれば、お忙しいと思いますので、厚生労働副大臣は結構でございます。ありがとうございます。 ちょっと順番が入れ替わりますけれども、賃借人の立場からの質問ということで、最後に質問しようと思っておりました賃貸住宅の更新料の見直しにつきましてお尋ねをしたいと思います。 この賃貸住宅の更新料ということにつきましては、その徴収の是非に関しまして、法的に有効、無効、両方の判決も出ているわけであります。国といたしましては、現在、最高裁の判決待ちということのようでございますけれども、現実に、敷金や礼金も含めまして、更新料を見直す動きも出始めているというふうに思います。 賃貸住宅に関する相次ぐトラブルを受けまして、家賃や敷金、礼金、更新料など、借主の負担が簡単に比較できるように、全国ある一定の規定、表示方法というのが必要ではないかというように私は思っております。この更新料自体は慣習ということでありますので、大臣の御地元の京都また首都圏におきましては普及しているというか、随分あるようでありますけれども、その法的な位置付けということは裁判の方で今行われているようでありますが、今申し上げましたような借主の負担がはっきり分かるというふうな規定なり表示方法ということ、特に国土交通省がお示しされている賃貸住宅の標準的な契約書というのもあるわけでありますので、そうしたところで利用者、借主の負担がきちんと把握できるようなスタイルにしていく必要があるんではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(前原誠司君) 私も地元では賃貸マンションに住んでおりまして、更新料が来たときにはぞっとするわけでございますけれども。 この判決訴訟ですね、更新料訴訟は、今、西田委員が御指摘をされましたように、有効判決が出ているものもあれば無効判決も出ているということで、いまだ裁判では固まっていないと、判例としては固まっていないという認識を持っております。 賃貸住宅市場の整備を進めるためには、賃貸借契約の適正化を図ることが重要であると認識をしております。また、敷金以外の礼金、更新料等の一時金につきましては、今委員が御指摘をされましたように地域慣行として行われているものでございまして、その有効性については、裁判所において額の妥当性、対価性、賃借人の理解の状況など様々な要素を考慮して、個別のケースごとに判断をされております。したがいまして、全国一律の取扱いをするように規制することは困難であると考えておりますけれども、契約に当たりましては、一時金の趣旨が十分説明されるように取り組んでまいりたいと考えております。 また、あわせて、例えばトラブルとなることが多い退去時の原状回復の際の敷金の返還の要否やその金額につきましては、原状回復をめぐるトラブルとガイドラインや賃貸住宅標準契約書を改訂をいたしまして充実させるなどによりまして、賃貸借契約におけるトラブルの防止に努めてまいりたい、こう考えております。
○西田実仁君 大変にそのトラブル自体が相次いでおりますし、また現実に今の雇用の不安定ということもあって、賃貸されている方々からの御要望も強いものですから、是非そこはきちんと明示をしていただく形での改善をお願いしたいと思います。 続きまして、今度は貸主の方の立場からこの法案につきましての質問をさせていただきたいと思います。滞納家賃の正当な取立てということにつきまして、どのように法整備をしていくのかということの問題意識であります。 賃料滞納者に対する滞納家賃の請求など、今回のこの法律によって正当な権利の行使まで制限されるのではないかという懸念が家主あるいは管理業者にはあります。今回の規制の対象は、家賃債務保証業者、賃貸管理業者のみならず住宅の賃貸事業者も含まれているからであります。 賃貸住宅の八五%は個人所有というふうにも言われておりますし、また家主の六〇%以上が六十五歳以上と、こういうふうにも言われておりまして、借金をしてアパートローンを組んでいる方も多いというふうにも聞いております。借主あるいは貸主のどちらか一方だけが弱者であるというそういう問題ではないということに留意しなければならないと思います。 しかも、家賃滞納による明渡しは滞納の発生から強制執行まで平均八・七か月という試算というか、そういう数値もありますし、債権者の強制執行のための債務名義取得にも時間が掛かり過ぎると、こういう御指摘も多いわけであります。実際に家賃が滞納されますと、その未回収の家賃、そして強制執行費用、弁護士費用とかいうことも含めますと家主に七十万だ百万と掛かるというケースも多いと聞いておりまして、結局そうしたコスト増分は他のまじめに払っている方々に対して転嫁されるということにもつながってしまって全く不公平ではないかという声も上がっているわけであります。 そこで、お尋ねしたいことがあるのは、悪質な家賃滞納者というのがこれは全くゼロではないわけですね。そういう方が増えていくことによって家賃収入が減ってしまうんではないかという懸念があります。滞納家賃としてどこまでが正当な取立てなのか。 例えば、ガス代とか電気代というのは支払わないと止められてしまいます。ですから、まずそこをみんな払うわけですけれども、家賃の場合は払わなくても追い出されるまでに時間があるというふうに、一部の悪質な滞納者というのもこれは否めない事実であります。 こうした居留守を使うような悪質な家賃滞納者もいるとも聞いておりまして、そうした者からの家賃を回収するのはどこまでの方法であれば許されるのか、これは是非とも例示をしてもらいたいという方も聞いておりまして、ここは是非お聞きしたいと思います。
○副大臣(馬淵澄夫君) お答えさせていただきます。 この六十一条で規定をされております、こうした悪質な滞納の方がいらっしゃる場合ということで、どこまでが適切な取立てとなるのかということでありますが、この六十一条で示しておりますように、禁止行為としては、ロックアウト、かぎの交換、あるいは動産の持ち出し等は明らかでありますが、それ以外に、例えば威迫する行為、これを禁止しております。 この威迫とはどういうものかということでありますが、個別によって様々ございますが、複数で訪問、例えば二人で訪問するなどといったものについてはこれは威迫に該当しないと考えておりまして、多人数で押しかけて非常に荒々しい行動、そぶり、暴力的な態度を取る、これは威迫に該当いたしますと考えております。 また、張り紙では、家賃滞納の件御連絡ください、あるいは、家賃を支払わないと次回更新はできませんといったこうした連絡事項、これに関しましては威迫に該当いたしませんが、実際に民事訴訟でも不法行為と認定された、あらゆる強制手段を行使する、責任は負えない、これは威迫に該当すると考えております。 いずれにいたしましても、現場の様々な状況を勘案しながら、私どもとしては、正当な取立てと違法な行為、これを明確化するガイドラインを作成をいたしまして、個人所有の大家さん多数いらっしゃいますので、こういった方々に十分配慮し、また周知されるように努めてまいりたいと、このように考えております。
○西田実仁君 この取立て行為ということについては、同様に貸金業におけます取立て行為の規制というのが定められているわけであります。この貸金業におきます取立て行為の規制と今回の滞納家賃の取立て行為の規制と範囲が随分違うというふうに私は、もちろん重なっている面もありますけれども、端的に言えば、滞納家賃の今回の方がかなり範囲を絞られているんではないかと思いますけれども、この貸金業のケースと比較してどういう違いがあるのか、簡単に例示いただければと思います。
○副大臣(馬淵澄夫君) 端的に、ではお答えさせていただきます。 例えば、具体的にですが、貸金業法では、親族を含めた債務者以外への立替払の要求、これを禁止しております。貸金業法二十一条七号にて禁止をしておりますが、この本法案におきましては、家賃滞納者、こういった方が学生である場合にその親に立替払を要求することなどは、これ通常の行為であるために禁止をしておりません。 また、貸金業法では、正当な理由なく深夜に督促する行為を禁止しております。これは二十一条一号でございます、貸金業法。本法案におきましては、一度拒まれたにもかかわらず連続して督促する行為を禁止しております。また、具体的な時間帯については、貸金業法では二十一時から八時までとしておりますが、本法案におきましては、二十二時から朝六時までとする方向で検討中でございます。こういった点が貸金業法とは明確に違うかと思われます。 また、張り紙についても、貸金業法では、威迫的なものに加えて債権の滞納事実明示、これも業法の二十一条五号で禁止をしておりますが、先ほど申し上げたように、張り紙についてはこれは威迫的なものに限定しておりまして、具体的事実の連絡行為については禁止をしておりません。 このように、貸金業法とは違ったいわゆる賃貸業、こうした住宅という固有の課題に対応した法案とさせていただいております。
○西田実仁君 今例示をいただきましたが、一応確認ですけれども、貸金業法の二十一条の第三号には、勤務先に電話を掛けてもならないと、こうありますけれども、これも今回の法案ではそうした例示はございませんので、これもやっていいというか、ということでよろしいんでしょうか。
○副大臣(馬淵澄夫君) 貸金業には規定をされておりますが、こちらの賃貸住宅のこの法案にはこれは規定をしておりません。
○西田実仁君 この家賃滞納に伴う契約解除の判断基準ということについて、今日は法務省からもお越しいただいておりまして、ありがとうございます。 この賃貸契約の解除について、正当事由が認められるケースというのは信頼関係が破壊しているということだと思うんですが、その信頼関係が破壊しているというのはどういうことなのかってなかなか難しいとは思いますが、今日せっかくお越しいただきまして恐縮ですが、家賃滞納に伴う契約解除の判断基準、これどういうふうに考えているのか、法務省にお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(中村哲治君) 委員御指摘のとおり、賃貸借契約の解除については、民法五百四十一条で、相当の期間内に賃料を払うように催告し、その期間内に賃料の支払がないときには契約の解除をすることができるというのが原則になっておりますけれども、この原則が、不動産の賃貸借契約ではその原則が修正されております。それは判例によるものでございます。判例には、今御指摘のように信頼関係破壊の法理というものが取られております。 賃料の滞納があっても、個別具体的な事案の事実関係に応じて、契約者相互の信頼関係を破壊するに足りる特段の事情がない場合には契約を解除できないということになっております。それは、借主が家賃を滞納するに至る事情が個々個別の事案、具体的な事案に応じて様々であることを考慮して、個別事案における借主保護と貸主保護の利益調整を図りつつ適切な解決を図っているものと承知をしているところでございます。
○西田実仁君 この信頼関係の破壊というのはどの程度なのかという、家賃滞納の期間ですけれども、まあ三か月ぐらいじゃないかというような一つのめどというのを実態上よく聞きますけれども、これは個別事案ということになるんではないかと思いますのでお答えできないと思います。 もう一方、簡易、迅速な債務名義の取得手段に係る法整備の構築につきましてどのような認識をお持ちなのか。これ、先ほど申し上げました家主のいろんな経済的な負担ということも含めまして確認をしておきたいと思います。
○大臣政務官(中村哲治君) 事案によって審理期間は異なりますが、裁判所においては迅速に審理を進める努力がされるものと承知をしております。とりわけ、建物明渡しを含めた建物に関する事件については他の類型の事件と比較しても審理期間は短いものと承知をしております。例えば、全体の事件が大体六・五か月掛かるものを、このうち建物明渡しを含む建物事件については三・六か月と短くなっております。 民事執行につきましても、平成十五年の民事執行法等の改正により、明渡しの催告という制度を導入しております。今まで実務的に慣例で行われていたものを法律で明記しております。民事執行法の百六十八条の二でございます。強制執行の申立てがあった日から二週間以内に執行官は原則として一か月の引渡し期限を定めて明渡しの催告をすることができるようになっております。こういうふうにして催告をされれば、借主としては明渡しを自発的にするという、そういう効果がございます。こういう改正を踏まえて迅速に処理がされているものと承知をしております。 また、法務省といたしましては、こういう民事執行法の改正の運用も注視しつつ、国土交通省を含めた関係機関とも協力し、短期間で円滑に建物の明渡しを実現できるように努力してまいる次第でございます。
○西田実仁君 最後に、この債務名義の取得を簡易かつ迅速に行うために公証役場の活用ということをもうちょっと考えたらどうかというふうに思います。 実際明渡しはできないにしても、賃貸借契約につきましては、公証役場を活用することによってより短くすることができると思いますけれども、これを最後に質問させていただきたいと思います。
○大臣政務官(中村哲治君) 時間も迫っておりますが、短く答えさせていただきますが、建物明渡しにつきましては、先ほど申し上げましたように、訴訟をするというようなことが必要だとは思うんですけれども、賃料請求につきましては一定の利用ができるのではないかと考えております。 賃料請求につきましては、金銭の一定額の支払等の給付を目的とする請求であるために執行証書の要件に当たり得ます。賃貸借契約書が公正証書により作成されている場合に、賃料の額や支払時期、方法に関する公正証書の文言が執行証書の要件を満たすと認められるときには当該公正証書が賃料債権の強制執行の債務名義となり得ます。
○西田実仁君 終わります。
○渕上貞雄君 社民党の渕上でございます。 本法案の提出に当たりまして、社会資本整備審議会に民間賃貸住宅政策の在り方を検討する諮問がなされております。この諮問は同審議会住宅宅地分科会に付託され、同分科会に設けられた民間賃貸住宅部会において検討され、〇九年八月、中間取りまとめが行われました。 この過程におきまして、弁済履歴情報の共有については評価する意見と、正確性と適正な運用確保の観点から規制する必要があるといった指摘がなされておりまして、この違う意見は法案にどのように反映されているのか、お教え願いたい。
○大臣政務官(長安豊君) 委員御指摘のとおり、本年一月にございました社会資本整備審議会の民間賃貸住宅部会の最終取りまとめにおきまして、弁済履歴情報の共有につきましては、賃貸人が安心して民間賃貸住宅を市場に供給できる環境を整備するという観点から有効な方法であるとの意見があった一方で、家賃債務保証会社に安易に保証が拒否されるおそれや、また、個人情報保護上の情報の収集、提供は本人の事前同意が前提でありますけれども、結果的には同意しない場合に保証が拒否されるおそれがあるとの懸念も示されたところでございます。また、個人情報保護法の遵守を前提とした上で、このような弁済履歴情報を共有するためのデータベースの整備に民間事業者が取り組むこと自体を禁止することはできないと考えられるとの意見もございました。 このため、本法案におきましては、データベース事業自体は禁止はしておりませんけれども、国土交通大臣への登録を義務付けることによって業務に必要な規制を導入することとしたものでございます。
○渕上貞雄君 家賃債務保証業者の登録手続における拒否事由において財産的基礎を有しない者という言葉がございますが、財産的基礎の詳細についてお教え願いたい。
○大臣政務官(長安豊君) 済みません、先ほどの御質問でちょっと答弁漏れがございましたので、追加させていただきます。 本法案におきましては、懸念されました事項につきましては、滞納の事実のみによる安易な保証拒否という事態が生じないように、事業者に対しまして弁済履歴も含めすべての情報を提供することを義務付けており、また、滞納に至った経緯等を本人の申告によりデータベースに登録できるよう、事業者の業務規程においても措置させる予定でございます。 今の財産的基礎を有しない者の定義でございますけれども、登録業者として資力、信用に乏しい事業者が多く参入した結果、倒産が頻発するような事態になれば、当然、家賃債務保証業の信頼性が失われるわけでございます。業の健全な発展に支障となることから、登録に当たりまして一定の財産的基礎を有することを要件とし、一定程度の資力を担保することとしております。 具体的な基準といたしましては、パブリックコメントを実施いたしまして、国民の皆さんの意見を十分に踏まえた上で国土交通省の省令で定めることとなりますけれども、家賃債務保証業を適正に営む意思のない者の安易な参入を防ぐことが可能となるよう、現時点では、業の実態も考慮して、純資産額で五百万円以上であることを具体的な基準として設定することを想定しております。
○渕上貞雄君 家賃債務保証業者は、求償債務等の譲渡に当たり、譲受人に対し本法案の規定が譲受人について適用されるよう通知しなければならないとのことですが、名義貸しが禁止をされているように、この譲渡はやはり禁止すべきものではないかと考えますが、その点いかがでございましょうか。
○大臣政務官(長安豊君) 本法案におきましては、家賃債務保証業の適正な運営の確保を図るため必要な規制を講じるものでございます。この趣旨から、名義貸しについては登録制そのものの意義を失われるものでありますから禁止する必要があるのに対しまして、家賃債務保証業者が代位弁済することによって取得した求償債権等の譲渡の全面的な禁止は営業行為に対する重大なこれは規制となることから、譲渡そのものを禁止することは適当でないと考えております。 このため、本法案では、暴力団員等は悪質な取立て等不法な行為を行う蓋然性が高いということでございますので、これらの者に対しては求償債権を譲渡することは禁止をしております。 また、求償債権等を他人に譲渡することにより家賃債務保証業者に対する行為規制が潜脱させることのないよう、その譲渡に当たっては、家賃債務保証業者及び債権の譲受人に対して必要な範囲で規制を講じることとしております。 具体的には三つございます。一つ目として、当該債権について取立て行為の規制等の適用がある旨を債権の譲受人に通知することを義務付ける。二つ目に、債権の譲受人に対して譲受け額等を明らかにする書面を債務者に交付することを義務付ける。三つ目に、保証契約内容を記載する帳簿の備付け義務等を譲受人についても準用するなどの規制措置を講じている。 このような規制によりまして、賃借人の保護は十分に図られるものと考えております。
○渕上貞雄君 家賃等弁済情報提供事業者が個人情報を扱うわけですから、個人データが削除されるのは登録されてから何年経過したら削除されるのでしょうか。また、データ削除の確認はどのようにすればいいのか、お伺いいたします。
○大臣政務官(長安豊君) 家賃等の弁済情報に係るデータベースにおける弁済情報の保存期間につきましては、特段の基準、制限は設けておりません。 しかしながら、データベース事業者には、本人の求めがあった場合に弁済情報を開示する義務付け、これをしております。また、個々の事業者の判断により定められた保存期間が経過したにもかかわらず情報が削除されていない場合には、本人がその事実を確認することができることとなっております。
○渕上貞雄君 データベース事業者は、事業の開始前に業務規程を作成をして国土交通大臣に届け出なければならないとなっております。この中に、データベース事業の一部を委託する場合には、委託する事業内容、委託先に関する事項とあります。事業の一部を委託するということは、個人情報がデータベース事業者以外に流出するということであり、このような委託はあってはならないと思いますが、その点いかがでございましょうか。それから、自らが業務を遂行できないならば設立を認めるべきではないと思うのでありますが、その点いかがでございましょうか。
○大臣政務官(長安豊君) 委員の御指摘のとおり、データベース事業者から業務の一部を受託した者から情報漏えいの防止というのは、これは重要な課題であると私ども認識をしております。 業務の一部を委託することを禁止することは、これ事業者の効率的な事業の運営の観点から支障があるものとも認識しております。このために、国土交通大臣に提出いただきます業務規程の中に、委託するデータベース事業の内容及び委託先の選定方法等その委託先に関する事項を定めることを義務付けておりまして、この中で、業務を委託する業者との委託契約において情報漏えいの防止策についても規定されるよう、適切に指導してまいりたいと考えております。
○渕上貞雄君 本人から家賃等弁済情報の開示請求があった場合には例外なく開示しなければならないようになっております。事業者が拒否をした場合はどのような処置がされるんでしょうか。
○大臣政務官(長安豊君) 委員御指摘のとおり、本人より開示の請求があった場合には、これを開示しなければならないこととなっておるわけであります。 そういう中で家賃等の弁済情報提供事業者が開示請求というものを拒否した場合、報告徴収や立入検査、業務改善命令、監督上の処分を行うことにより適切に指導してまいりたいと私ども考えておるところでございます。しかしながら、こういった監督処分に違反した場合には、懲役や罰金の対象となるということも付け加えさせていただきます。
○渕上貞雄君 情報提供事業者は、データベース事業者に家賃等弁済情報を提供する場合は、あらかじめ本人の同意を得なければならないとされていますが、本人が同意しない場合は不利益的扱いが行われるようにも思われます。この点はどのように対処されるのでありましょうか。 また、家賃債務保証業者から保証委託契約を拒まれ、民間賃貸住宅への入居が困難となった人についてはどのように対処されるのでありましょうか。
○大臣政務官(長安豊君) データベースの登録に同意するあるいは同意しないということは、本人のこれは意思にゆだねられているものでございます。本人がデータベースへの登録に同意しない場合、賃貸借契約や保証委託契約の締結に当たって審査を行う側は過去の弁済情報を確認できないことから、審査が慎重に行われる等の不利益な扱いがなされるという懸念があると認識しております。 一方、一般的に保証委託契約等の契約締結に当たりましては、審査はその者の収入、家賃等の様々な要素を考慮して行うものでございまして、必ずしも過去の滞納情報のみによって判断するものではないと認識しております。また、データベースを利用しない方針の家賃債務保証業者もあると聞いておりまして、これはデータベースへの登録に同意しないことが直ちに契約拒否につながるものではないと認識しております。 保証委託契約等の契約締結に当たりましては、同意を強制することや、同意しないと申込みすら受け付けないなどということがないように指導するなど、適切な運用に努めてまいりたいと考えております。 また、データベースの整備によって滞納の事実のみが独り歩きして安易な契約拒否につながるのではないかという御懸念でございますけれども、こういった御懸念も指摘されておるところでございます。このため、本法案においては、データベース事業者に対しましては、滞納履歴のみを提供することによりまして貸借人が不利な取扱いを受けることのないよう、返済履歴も含めすべての弁済情報を提供することを義務付けているところでございます。つまり、しっかりと家賃を払っているという情報も同時に出していただきたいということでございます。 また、滞納に至った経緯等を本人の申告によってデータベースに登録できますよう、データベースを作成する事業者の業務規程において措置させることとしております。
○渕上貞雄君 一時的な滞納者に関する懸念として反復継続的という言葉がありますが、この反復継続的とはどの程度の回数や月数を言うのでしょうか。
○大臣政務官(長安豊君) 家賃等の弁済情報データベースに登録されます賃借人の家賃滞納の期間や回数については、本法案において特段規定されておりません。滞納の期間や回数によってデータベースに登録される情報が限定されるものではないと考えております。一般的に申し上げまして、毎月の家賃債務等の滞納と弁済に関する情報が登録されることになると考えております。
○渕上貞雄君 住宅契約には、賃貸し時、債務保証業者を利用しないで連帯保証人を立てての契約もありますが、この場合であってもデータベースに登録されるという可能性はあるのでしょうか。
○大臣政務官(長安豊君) 本法案におきまして、家賃等の弁済情報データベース事業とは三点ございます。保証を行うのが家賃債務保証会社である場合、二番目に、自然人たる連帯保証人が保証を行う場合、三番、保証がない場合。これを問わずに、賃借人の同意に基づき家賃債務等の滞納と弁済に関する情報を登録するものでございます。 したがいまして、家賃債務保証会社を利用せず連帯保証人のみで賃貸借契約を締結した場合でございましても、また保証がない場合であっても、データベースへの登録の対象となり得るわけでございます。 なお、現在のところ把握しておりますデータベース事業を行おうとする事業者は、家賃債務保証会社と契約することを前提としている一件のみでございます。
○渕上貞雄君 法案に盛り込まれている家賃等弁済情報提供事業について、家賃滞納者のブラックリスト化を容認したものでありますが、悪質とは言えない家賃不払の履歴によって民間賃貸住宅市場から締め出され、住宅の確保ができなくなるハウジングプアを増大させるのではないかと思われるんですが、情報漏えいなどの懸念や不安が寄せられております。これらの不安や懸念についてはどのように対処、解決されようとしているのでありましょうか、お伺いいたします。
○大臣政務官(長安豊君) 委員御指摘のとおり、悪質でない家賃滞納者が賃貸住宅市場から締め出されるとの御懸念に対しましては、本法案では、データベース事業者に対しまして滞納履歴のみを提供することによって賃借人が不利な扱いを受けることがないよう、返済履歴を含めすべての弁済情報を提供することを義務付けております。また、滞納に至った経緯等を本人の申告によりデータベースに登録できるよう業務規程で措置させることとしており、安易な入居拒否が発生しないよう努めてまいりたいと考えております。 なお、民間賃貸住宅への入居が困難となった低額所得者などの居住の安定確保のため、住宅セーフティーネットの充実を推進してまいりたいと考えております。 また、情報漏えいの御懸念につきましては、本法案ではデータベース事業者に対しまして業務規程の策定を義務付けしておりますし、その中で情報漏えいの防止、その他の情報の安全管理に関する事項を定めさせることとしております。また、データベース事業者が情報提供することを契約した者以外への情報提供を禁じるとともに、情報利用業者に対しても情報の目的外利用やあるいは第三者への提供を禁じているところでございます。これらに違反した場合、行政処分や罰則が適用されることとなっており、情報漏えいの防止に万全を期すようデータベース事業者の指導監督に努めてまいりたいと考えております。
○渕上貞雄君 終わります。
○委員長(椎名一保君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 賃借人の居住の安定を確保するための家賃債務保証業の業務の適正化及び家賃等の取立て行為の規制等に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(椎名一保君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、荻原健司君から発言を求められておりますので、これを許します。荻原健司君。
○荻原健司君 私は、ただいま可決されました賃借人の居住の安定を確保するための家賃債務保証業の業務の適正化及び家賃等の取立て行為の規制等に関する法律案に対し、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党・改革クラブ、公明党、社会民主党・護憲連合及びたちあがれ日本の各派並びに各派に属しない議員長谷川大紋君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 賃借人の居住の安定を確保するための家賃債務保証業の業務の適正化及び家賃等の取立て行為の規制等に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一、本法に基づく政省令、ガイドライン等を早急に策定し、法施行までの間に、関係者及び国民に対して本法に基づく制度を周知徹底すること。 二、家賃債務保証業の登録制度の創設に当たっては、関係省庁の十分な連携のもと、制度創設の趣旨を十分考慮して、登録業者の資質の向上及び業務の適正化を図るとともに、制度の適切な運用がなされるよう努めること。 三、良質な民間賃貸住宅が管理運営されていくためには、賃貸住宅に係る専門の管理業者の活用の必要性が高まると考えられることから、全ての賃貸不動産物件の管理を対象とした管理行為の適正化及び明確化を図るための賃貸不動産管理に係る法制度の構築に取り組むこと。 四、家賃等弁済情報が賃借人の居住の安定の確保に重大な影響を及ぼす個人情報であることにかんがみ、家賃等弁済情報提供事業者(データベース事業者)及び加入業者において、本法及び個人情報保護法の規定が遵守されるよう、的確な指導・監督を行うこと。特に、賃借人の居住の安定の確保という本法の目的にかんがみ、家賃等弁済情報と直接関係のないプライバシー情報や、本人の資力とは直接関係のない訴訟情報が収集・提供されることがないよう、十分留意すること。 また、家賃等弁済情報提供事業の運営により、家賃債務保証業者等が、安易な保証拒否を行うことのないよう、適切な指導・監督を行うこと。 五、家賃関連債権の取立てに関する行為規制については、民間賃貸住宅の大半を占める個人大家を始めとする債権者の正当な家賃の取立てが阻害されることのないよう、ガイドライン等の運用基準において客観的・具体的に明確化し、関係者に対してその周知徹底に万全を期すとともに、規制の運用に当たっては、指導・勧告等も含め、適切な対応を行うこと。 六、賃借人・家主双方にとって、紛争の未然防止や円滑な解決が講じられるよう、国民生活センター、消費生活センター、弁護士会等における相談体制の充実や裁判外紛争処理制度の活用の促進に努めること。 七、家賃債務保証委託契約の締結が困難な者についてもその居住の安定の確保が図られるよう、公的賃貸住宅の供給を推進するとともに、居住支援協議会を通じた負担可能な家賃の賃貸住宅への入居支援を行うこと等により、住宅セーフティネットの一層の機能向上を図ること。 八、家賃の滞納等が発生した場合の契約終了・明渡し手続きには相当の期間と費用を要し、民間賃貸住宅市場の縮小等、市場に与える影響が懸念されることから、契約の終了、住宅の明渡しが適切かつ円滑に行われるよう、検討を行うこと。 九、附則第三条の検討条項に加え、この法律の施行後三年以内に、法律の施行状況について中間的な調査をとりまとめ、その結果を公表した上で、必要に応じて制度の見直しを行うこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(椎名一保君) ただいま荻原君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(椎名一保君) 全会一致と認めます。よって、荻原君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、前原国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。前原国土交通大臣。
○国務大臣(前原誠司君) 賃借人の居住の安定を確保するための家賃債務保証業の業務の適正化及び家賃等の取立て行為の規制等に関する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決をされましたことに深く感謝申し上げます。 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。 ここに、椎名委員長を始め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。 誠にありがとうございました。
○委員長(椎名一保君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(椎名一保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三分散会