環境委員会 第7号
- 発言数
- 142 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2010/04/15
会議録
○委員長(山谷えり子君) ただいまから環境委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 環境影響評価法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に環境省総合環境政策局長白石順一さんを政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山谷えり子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(山谷えり子君) 環境影響評価法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○松野信夫君 おはようございます。民主党の松野信夫です。 本日は、環境影響評価法の一部を改正する法律案についての質疑でございますが、その前に、いよいよ水俣病の問題も大詰めを迎えているということで、この水俣病特措法に基づく救済について三点だけ確認をさせていただければと思っております。 まず第一点ですが、いよいよ熊本地裁での和解所見も出され、各被害者団体とのいろいろ協議も進んでいるかと思います。 それで、この水俣病特措法に基づいて救済措置の方針というものがいよいよ閣議にかけられるのではないかな、もう間もなく閣議にかけられるのではないかなというふうに思っておりますが、基本的には、昨年の十二月二十五日、救済措置の方針等についての考え方ということで環境省案が出されておりますので、その後四月一日に若干の補充もなされておるようでございますので、基本的には救済措置の方針は、こうした一時金、団体加算金を含む金銭的な給付と、それからいわゆる非金銭的な救済、これを大体内容とするものになるのではないかなというふうに考えておりますが、その点はいかがでしょうか。
○副大臣(田島一成君) お答えを申し上げます。 これまでこの水俣病被害者の救済、そして問題解決に当たりましては、松野委員、大変、御地元ということもあり、いろいろと御尽力をいただいてまいりました。そのことに、お答えをする前に心から厚く御礼を申し上げてまいりたいと思います。 水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関するこの特別措置法に基づく救済措置の方針等をどのような内容にするかにつきましては、これまで環境省といたしまして、水俣病被害者団体の皆さん、そしてまた関係県の皆さんなどから御意見を伺ってまいったところでもございます。 昨年末に環境省が発表いたしましたこの救済措置方針等についての考え方につきましては、委員が御指摘をいただきました救済措置の対象となる方々や判定方法、そして一時金、一時金のうちの被害者の方々の団体を通じて支給するものの内容でありますとか、また医療費の自己負担分が不要となります水俣病被害者手帳のほか、将来にわたって水俣病被害者の方々が安心して暮らしていただける社会を実現するという観点から、水俣病発生地域における医療・福祉施策やいわゆるもやい直しなどを適切に実施することを示しているところでございます。 御指摘いただきましたこの救済措置の方針につきましては、今後政府で決定するものでございますけれども、こうした内容につきましてもしっかりと盛り込んでいきたいと考えているところでございます。
○松野信夫君 是非しっかり取り組んでいただければと思いますが、とかく一時金が幾らになるとかあるいは団体加算金がどの団体は幾らとか、何かそちらの金銭的なものばかり、ともすれば注目されがちですけれども、私はやっぱり、この十二月二十五日に環境省案を発表された中でも、第三項のところにあります医療・福祉施策やもやい直し等に関する施策の実施ということで、いわゆる補償、金銭的な補償以外の点についても是非しっかり取り組んでいただきたいというふうに思っておりますが、そうしたいわゆる非金銭的な救済内容、この点については今どのようにお考えでしょうか。
○副大臣(田島一成君) 振り返りますと、平成十八年度からもう既に、この医療・福祉施策でありますとかもやい直しに関する施策といたしましては、例えば胎児性水俣病患者の皆さんの地域生活支援事業など地域医療・福祉を推進していく事業でありますとか、五月一日に毎年行われております慰霊式の実施の支援でありますとか、また環境団体が行っていただいている環境学習への支援など、地域再生・融和推進事業を行ってきたところでもございます。 昨年、水俣地域に二度お邪魔をいたしまして、松野委員にも御同行いただきましたが、訪問した先で、胎児性患者の皆さんを始め患者の皆さん、また地域の皆さんからいろいろと御意見、御要望等々をお伺いをしてまいりました。その御要望等々を踏まえまして、今年度は新たに水俣市の市立明水園の敷地の中に胎児性患者の皆さんが親子で安心して暮らしていただけるための家族棟、いわゆる胎児性の患者の皆さんの御家族、介護していただいている御家族も大変高齢化してきて家庭での介護等々が全くできないような状況になり、親子が分断されてしまうのではないかというような不安の声等を踏まえて、この水俣病認定患者の施設、明水園の中に家族棟を設置すること、また安心してリハビリを実施していただけるような機能訓練室を建設することに支援をさせていただこうと考えております。 また、離島等の医療・福祉推進モデル事業、なかなか離島ですとこうしたリハビリ等々の機会がないというような現状も踏まえまして、現在実施しております二か所に加えまして更に二か所、合計四か所で実施をしていきたいというふうに考えているところでございます。 救済措置の実施と併せまして、今後もこうした関係者の皆さんからの御意見をしっかりとお伺いをしながら、地方自治体とも連携を深め、ニーズに合った医療・福祉、そしてもやい直しの施策を適切に実施をしていきたいと考えておるところでございます。
○松野信夫君 ありがとうございます。 大臣も先日、水俣へおいでいただきましたし、また、田島副大臣は何度も来ていただいて、直接被害者の皆さんの声に耳を傾けていただいている。これは、率直に言うと自公政権にはなかったことでありまして、こうしたことがやっぱり水俣、現地の皆さんの心を非常に和ませることにもつながっているというふうに思っております。 また、五月一日が近づいてきておりますが、これ水俣デーということで現地では犠牲者慰霊式も行われるわけで、毎年大臣もおいでいただいておりますが、今年は是非総理にも来ていただくよう、この場でお願いをしておきたいと思っております。 それから、三点目の御質問、ちょっとこれは確認ですけれども、水俣病特措法の第三十六条の規定があります。健康増進事業の実施ということでありまして、これは「政府及び関係者は、指定地域及びその周辺の地域において、地域住民の健康の増進及び健康上の不安の解消を図るための事業、地域社会の絆の修復を図るための事業等に取り組むよう努めるものとする。」と、こういう規定になっております。 それで、政府は分かりますが、関係者というふうに規定があるものですから、この関係者の中に私は加害企業のチッソあるいは分社化されるかもしれない新旧のチッソ、こういうのもやっぱり、加害企業でもあるし、地元の重要な地位を占めるわけですから、是非この関係者の中にはそういう新旧チッソも当然解釈としては含まれるべきだと、このように考えておりますが、いかがでしょうか。
○副大臣(田島一成君) ただいま御指摘をいただきました特措法第三十六条におきます「政府及び関係者」の関係者は具体的にだれを指すのかというお尋ねというふうに理解をいたしましたが、ここにおきます関係者とは、この法律の規定から水俣病発生地域及びその周辺を含む関係自治体、そして地域住民、また今御指摘をいただきましたチッソでありますとか、新潟におきましては昭和電工の、いわゆる原因企業を含む広い概念というふうに想定をしております。よりまして、御指摘いただいておりますチッソと分社化後の事業会社についても、この関係者に含まれるものと考えております。
○松野信夫君 ありがとうございました。 それでは、環境影響評価法の改正の方について御質問をしたいと思いますが、先日も大分議論が進んでおりましたが、私はやっぱり何といってもこの環境アセスに対する企業やあるいは市民の信頼を高める、これが一番大事なことだというふうに思っております。まだまだこの環境アセスメントに対しては、とりわけ事業者側から見れば、もう余計なことだと、余計な手間暇、お金も掛かる、余計な負担だと、こういうような意識、側面がどうしてもまだ残っているのではないか。いや、そうではないんだと。この環境アセスを行うことで地域の皆さんの理解も得られるし、また事業を円滑に進めることもできる、そういうふうに頭をスイッチしていただきたいなというふうに思います。 こういう環境アセスに対する、とりわけ事業者側の理解、この辺りをどのように進めていくのか、これについてお伺いいたします。
○国務大臣(小沢鋭仁君) 委員が御指摘のとおりだと思っております。いわゆる、確かに環境問題大事だけれども手間が掛かるなと、こういう思いが依然としてまだ残っている部分が我が国の中にはあると、こう思うわけであります。ただ、大分それでも状況は、このアセス法の完全実施十年を経て変わってきているのではないかとも思っておりますし、さらにまた、委員が今御指摘いただきましたように、アセスをしっかりと早い段階でやることによって、いわゆる事業もその後円滑に推進できる。結果として、全体としてのいわゆる時間の掛かり方は、アセスをできるだけ早い段階でしっかりやることの方が早いんだと、そういう認識もかなり浸透しつつあるのではないかと、こういうふうに思っておりますし、更にそういった認識を広めるために環境省としては努力をしていかなければいけないと思っております。 具体的には、様々な研修制度、これまでも自治体あるいはまたそういった関係者の皆さんたちとやらせていただいておりますが、そういう研修制度を更に広く行う、あるいはまたホームページ含めて広報活動を徹底して行っていく、あらゆる手段、機会を通じて努力をしてまいる所存でございます。
○松野信夫君 是非アセスの理解を広めていくということで取組をお願いしたいと思います。 それで、私は弁護士なんで、どうしても裁判のことについて関心が高いんですが、これまでも環境アセスを適切にきちんとやっておけば、もしかしたらこういう訴訟まで起こらないでよかったのではないか、もっと事業が円滑に進んだのではないかなという気がしてならないのもあります。 各地でダムあるいは道路、あるいは原発を含む発電所、あるいは産業廃棄物処理場とか、そういうような施設建設をめぐって、例えば行政処分の取消訴訟というようなことも何回も起こされる。そこでは環境配慮が十分にされてないじゃないかというのもあります。それから、割合有名なのでは小田急の高架化計画の訴訟もありまして、これは要するに代替案をきちんと検討していなかったというようなことで指摘もされているところでありまして、率直にきちんと情報公開を早めに行う、代替案を含めた様々な案の検討もきちんと行う、そうすればこういう訴訟まで持ち込まれないケースというのもかなりあるんではないかなと思っていますが、この点はいかがでしょうか。
○副大臣(田島一成君) 今お尋ねいただきました訴訟の件数が増えるか減るかという点につきましては、私どもの立場で言及させていただくことはどうかというふうに思いますけれども、ただ、今回のこの改正法案につきましては、新たに配慮手続を導入し、より早い段階から情報公開をしていく、そしてまた、関係する地方公共団体や住民の皆さんの意見聴取を行っていくということを盛り込んでおりますので、事業についての住民の理解は更に今以上に促進されていくのではないかというふうに考えておるところでございます。
○松野信夫君 それで、やっぱりこれまでの事例、成功例あるいは失敗例、いろいろあると思います。これはあくまで私から見て、これは成功した部類だ、これは失敗した部類だと。 これはあくまで私から見た場合ですが、成功例としては、委員の皆さんのお手元に、熊本県のこれは水俣市で予定されました廃棄物処理場、最終処分場の事業について熊本県知事が、これは法アセスではなくて県条例アセスでありますが、県知事が意見を明らかにされまして、この県知事の意見書というのは私は大変立派な意見書だと。様々な論点にわたって事業者の準備書に対してこういう問題がある、ああいう問題があるという点を指摘をしましたし、また、単に賛成とか反対とかの意見表明だけではなくて、ずばりとその根拠まで求める、あるいはデータの出典も求める、事業者には再評価も求める、こういう形できちんとした意見表明がなされました。 その結果、また資料にもお付けしておりますが、三か月後には事業者の方が中止決定をすると。県知事の意見あるいは釈明等々に対して十分な反論がもうできないということで中止を決めたということでありまして、これはまさにアセスの県知事の意見表明というものが非常に強かった事例で、私は、公害の原点の水俣のようなところに最終処分場を造ること自体がいかがなものかと率直に思っておりますが、環境アセスが非常に成功した事例ではないかと、こう思っております。 また、それから、これは原科教授からお聞きしたんですが、東京の狛江市のごみの中間処理施設の建設事業でありますが、一九九〇年ころ狛江市が最初、保育園の隣にごみの中間処理施設を建設すると発表したんですね。そうしたら、保育園の関係者の皆さん、地域住民が反対運動を起こした。それで慌てて、住民も参加して、また専門家も入れて三十二か所の場所を選定し、みんなで議論し、三十二か所から八か所に絞り、八か所からまた二か所に絞って最終地を決めたんですが、何と最終決定したのは当初の案の場所だったんですね。 保育園の隣でいいということで決まったんですが、当初案と同じ場所に決まったんですけれども、これは住民も参加して徹底して議論をして、情報も公開して、それで納得してやっぱり当初の案の場所がいいと。ですから、その後は反対運動も何も起こらずに極めてスムーズに事業が進んだと。私はこれも成功例の一つに挙げていいと。是非こういう成功例を環境省サイドでも大きく見ていただいて進めていただければと思います。 こういう成功例、私は成功例だと思うんですが、その点、率直に何かコメントがありましたらお願いしたいと思います。
○副大臣(田島一成君) 今、水俣の産廃処分場建設事業でありますとか狛江市のごみの中間処理施設建設事業等、御指摘をいただきまして、松野委員の評価をお示しいただきましたけれども、このそれぞれの事業の評価はさておいて、一般論的にもし申し上げさせていただけるならば、この環境影響評価におきましては、早期の段階で案の選定に関してやはり住民が関与してきたとか、また主務大臣等第三者の参画があれば流れも変わっていくということは、御指摘いただいたとおり様々な事例が存在していることも承知をしているところでもあります。 私ども、今回のこの改正案におきましては、SEA、つまり計画段階の配慮事項の検討を導入することによりまして、より早い段階から情報公開でありますとか複数案の提示を行って環境面の検討が行われていくこととなると思っております。これによって、事業者がより柔軟に措置をとることが可能にもなりますし、環境により配慮した事業の実現が図られるとともに、周辺住民の理解も促進されて事業の円滑な実施にも資することができるというふうに考えており、委員が成功例とおっしゃっていらっしゃるようなケースにもつながっていくのではないかと思っておるところでございます。
○松野信夫君 逆に、私から見てこれは失敗したケースでないかなと思うのは、済みません、国交省さんの方に質問でありますが、一つは新石垣空港の建設問題ですね。 これは、当初、一九七九年に白保のサンゴ礁を埋め立ててそこに建設するという案が出されて、それで、サンゴ礁を埋め立てるなんかとんでもないと、こういういろんな住民運動、反対運動も起こって、その挙げ句、カラ岳の東側に造る、あるいは宮良に造る、右往左往、四か所も五か所も場所を変えては反対運動、変えてはまた反対運動ということで、かなり右往左往した、紆余曲折したわけです。最終的にはカラ岳の陸上案ということになったようですけど、こういうケースも、もっと早くきちんとした形で住民参加型のアセスを行う、情報公開をきちんとするということになれば、このような紆余曲折を経ないでもよかったのではないかなというふうに思っております。 それからもう一点は、皆さんのお手元に西日本新聞の記事を載せさせていただいておりますが、これは小石原川ダムの建設でありまして、スイゼンジノリという、これ熊本に水前寺公園という立派な公園がある、その名称にちなんでいる非常に希少なノリでありまして、このスイゼンジノリをどうもアセスの検討からは外しているのではないかということで問題になっているわけです。 このスイゼンジノリというのは、世界で唯一、黄金川という、これは福岡県ですが、そこに自生をしていると。黄金川で自生しているんだけれども、このスイゼンジノリを当初から外してしまっていると。この点は、この新聞記事にもありますように、できるだけ広くやっぱりアセスの対象をとらえると、一般論として言えばいろんな可能性をやっぱり踏まえて検討するべきではないか。やっぱり今までですと、今までの流れで言うと、どうしてもダムを造りたいというのが先走る余りに、これも関係ない、あれも関係ないというふうになりがちなところもあるのではないか、このように思っております。 これを失敗例と言うと、国交省さんは、いや、それはそうでないというふうにおっしゃるかもしれませんが、できるだけ幅広くやるということで私は見ております。この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○大臣政務官(三日月大造君) ありがとうございます。 失敗例と紹介された後に答弁するのも非常にやりにくいんですけれども、新石垣空港の整備事業についても、また小石原川ダムの建設事業についても、当時の法にのっとって適切に処理をしてきたというのが国土交通省としての見解です。 しかし、例えば新石垣空港整備事業については、委員も御紹介いただいたように、昭和五十五年度に事業採択された後にもサンゴを埋め立てすることについての強い懸念がまさに世界中から沸き起こる形で建設を断念し、その後場所を二転三転、まさに右往左往のように変えてきた経過もあります。しかし、現在、平成二十四年度の供用開始を目指して建設を進めておりますカラ岳陸上案というものについては、現行法の環境影響評価法に基づく手続等を経て決定し、整備をしてきております。 また、小石原川ダム建設事業については、事業者である水資源機構が、現行法の環境影響評価法に基づくアセスメントを平成十四年から十六年にかけて専門家の皆様方の指導や助言もいただきながら進めてまいり、お尋ねのスイゼンジノリというものについても、住民の皆さんや知事の御意見も掲載をしながら準備書から評価書というものを作成してきた経過があります。しかし、いろんなまだまだそれ以外の御意見もあるものですから、平成二十一年の四月から、このスイゼンジノリの生育や養殖にどのような影響を与えるのか、水量の面、水質の面も含めて地下水や藻の専門家による検討委員会を事業者が、これ機構が公開で今開催をさせていただいているところです。 いずれにいたしましても、委員も指摘されたように、より早い段階でより広い観点から情報公開しながら、代替の選択肢も含めてこういう事業の評価を行っていくということについては、今回の法改正の趣旨も踏まえて、国土交通省としても所管する事業にしっかりと適用すべく対応してまいりたいというふうに考えております。
○松野信夫君 ありがとうございます。 それで、アセス事業の件数のことですが、これも日本は非常にアセスの件数が少ないということでございます。これは、先日、当委員会でも参考人質疑がありまして、東工大の原科教授からもアメリカとか中国辺りでは万単位でやっている、こういう御指摘もありました。お聞きしたところでは、我が国ではアセス法が制定されて現在まで合計は百三十二件だというふうに聞いておりますが、けたが二つも違うというような気がしております。 もっとも、アメリカ辺りはいわゆる簡易アセスということで、チェックシートをちょんちょんちょんと付けるだけでやっているケースもたくさんあるようですので、そういうのもあって件数が増えているということかもしれませんが、それでも事業をするにはやっぱりアセスは当然なんだと、簡易アセスといえどもやっぱりそれなりに気を遣ってチェックをしていくと、こういうことが私は大事なことではないかというふうに思いますので、率直に言うと日本のこのアセス事業の件数は余りにも少ない、近年も本当に少ないわけですので、もう少しやっぱり件数を増やす方向で考えられないのかなというふうに思いますが、この点はいかがでしょうか。
○政府参考人(白石順一君) 御判断の件は私ではなくということではございますけれども、まず事実の確認といたしまして、おっしゃられますように、日本の件数、法施行後百三十二件、ただこれは法律でございます。我が国は条例や都道府県の要綱等もございますので、それでいえば二千二百八十件でございます。 また、一方で、おっしゃられますように、米国などの場合はオーダーが違うということはありますし、それはまた、今議員御指摘のように、スクリーニング手続をするための簡易アセスというものの数も含めてのデータであることもまた御指摘のとおりでございます。
○松野信夫君 是非アセスをやっぱり増やして定着する、アセスをやることは事業の円滑化にも寄与するし当然だと、こういう方向で是非お考えいただきたいと思うんですね。 今度のアセス法は、事業の対象について、例えば風力を入れるとか、そういう意味では若干広がりはあるかなというふうには思うんですが、ただ、法文自体は、要するに規模が大きく環境影響の著しいと、つまり規模が大きくなきゃ駄目、それから環境影響も著しくなきゃ駄目と、それから外れるものはアセスの対象にはしないと、こういうことになっているわけですね。 それで、第一種事業と第二種事業になっていて、第二種事業は大体第一種の四分の三程度というふうになっているんですが、第一種事業を見ましても、例えば道路であれば四車線以上のものでないと第一種事業にはならないと、こういう書きぶりになっているわけですよね。それから、飛行場ですと、第一種事業になるのは滑走路の長さが二千五百メートル以上でないとならないと、こうなっているわけです。そこまで大きくしないでもいいんじゃないかなと私は率直に思います。 ちなみに、私は九州ですから、佐賀空港を調べました。佐賀空港は、滑走路は二千メートルです。中型のジェット、三百人乗りまでの離発着ができると。だけど、これ二千メートルですから佐賀空港の場合は第一種事業に該当しないと、こういうことになってしまうんですね。 ですから、率直に申すと、第一種事業の例えば滑走路二千五百メートルとか道路四車線以上とか、この辺の基準を、つまりこれは政令ですから、法改正は伴わないでも、まあ法改正は今回そこまではちょっと及ばないにしても、政令で第一種にしても第二種にしてももう少しレベルを下げるというようなことはお考えにはならないんでしょうか。
○大臣政務官(大谷信盛君) 先生がおっしゃっている、回数が増えれば自然環境保全のことも推進できるということはよく分かります。 アセスをこれ規模を小さくして回数を増やしていくということなんですけれども、この制度自体は、法律と条例というものを上手に連携させて運用させることによって、整合性、それから公平性、透明性、いろんなものを確保しながら自然環境を守っていくということになっていて、大いに議論はしていかなければならないとは思っておりますが、今すぐといえばちょっと慎重だと言わざるを得ないというふうに思っております。
○松野信夫君 是非、省内でも御検討いただきたいと思います。こういうのでアセスの対象を広げるというと、率直に言えばそれに抵抗するいわゆる抵抗勢力もあるのかもしれませんけれども、ここは本当に頑張っていただきたいなというふうに思います。 それで、アメリカ辺りで行われているいわゆる簡易アセスですね。こういう簡易アセスも、事業の規模を小さくして、小さい事業については簡易アセスでいいですよと、それこそチェックシートでチェックするぐらいのでいいと、これも検討事項としては是非お考えいただきたいなと思いますが、この点はいかがでしょうか。
○大臣政務官(大谷信盛君) そのとおりでございます。 法や条例、軽々に変えるというとちょっと慎重になりますけれども、この法律ができ上がる、それと同時に、我々がこういう法律が必要だ、こういう目的なんだということを社会に対して発信をしていく。その過程の中で、第一種、第二種事業に入っていようがなかろうが、何か事を起こすときには環境に配慮しなければいけないんだと開発する側が意識を持っていく、若しくは自然環境保全のことを考えずしてこれからは経営は成り立たないんだというような意識を持っていく。 そんなふうに、法と条例ありますが、そことはまた別のところで啓発というか意識の向上みたいなものをしていくようなことで、簡易アセスというルールではなく、自分でその簡易アセスをするのと同じようなぐらいの意識を持って事業、計画、開発みたいなものを立てていくような、そういう広がりを持つことが大事なのかなと。そういうことも含めての松野さんの御指摘なのかなというふうに理解させていただいております。
○松野信夫君 やっぱりアセスを是非いろんな意味で浸透していかなければいけない。 その一つの障害になっていると思うのが、やっぱり費用の点だと思います。大型の事業の場合、アセスに幾らぐらい掛かるかというと、数億円掛かるというふうにも言われているし、安くても数千万円ぐらいのオーダーかなと思いますので。それは、確かに、一年間にわたってずっと特定の希少生物なり動植物を追いかけていくというのは、それはそれなりの費用が掛かっても仕方がないという面もあろうかと思いますけど、できるだけアセスの費用の軽減を図ると、これはこれで私は大事なことだと思います。 それで、いかにしてこの費用の軽減化を図っていくか。その意味で、やっぱりいろんなデータなりをきちんと整えておくと。一々ゼロから調べなくても一定のデータがすぐ入手できるというのも一つの方法だろうと思いますし、また、ある意味では専門家、人材をそれで育てていくと。環境アセスの協会辺りは、環境アセスメント士、武士の士ですが、士業、こういうものも育成していくというようなお話もあるようですが、この点も、人材を育てるという意味も含めて費用の軽減化辺りはいかがお考えでしょうか。
○大臣政務官(大谷信盛君) おっしゃるとおりだというふうに思います。費用が掛かるから費用が掛からない方法でやって自然が破壊されてしまうようなことが絶対あってはならないというふうに思っています。 このSEA、最初の配慮書、それで、そこで出た結果を方法書段階において項目を絞り込む、いわゆるティアリングということで、この辺を集中的に調査をしていきましょうとかというようなことをすることによって経費を、費用を削減することができますし、また、この法律が通って、これ回数が増えていくごとに先生おっしゃるとおりに人材が増えてきて、その経験則からの集中というようなこともできてくるんだというふうに思っておりますので、この法律、同時に人材育成ということを意識を持ちながら運用していかなければいけないというふうに考えております。
○松野信夫君 ありがとうございます。 それで、今回のアセス法の目玉は、何といっても戦略的環境アセスメント、SEAだと思います。日本版の戦略アセスかなというふうに思います。それで、率直に言うと諸外国の戦略アセスに比べるとまだまだ見劣りがするというか、十分でない点があろうかと思います。 それで、今回の法案では、第一種事業、先ほど申し上げたように、規模が非常に大きいという第一種事業に限定をしているわけですけれども、第一種事業に限定した理由というものはどういうものでしょうか。
○副大臣(田島一成君) まず、今回の法改正でSEAを導入させていただき、事業の早期段階における環境配慮が義務付けられるわけでありますけれども、そのことによりましてこの環境影響を回避また低減する効果が見込まれて意義があるというふうに私どもは考えております。 御指摘いただきましたように、欧米で導入されているようなより上位の計画でありますとか、また政策段階での環境影響評価の取組につきましては、中環審の答申においてもやはり検討の必要性を指摘されてきたところでもございますので、省といたしましては、今後の課題として前向きに是非検討をしていきたいと考えているところでございます。 あと、SEAの対象を第一種事業として、規模の小さい二種事業について義務付けないこととした理由についてでございますけれども、これは、第二種事業はそれこそ現行制度におきまして環境アセスメントを行うかどうかを個別に判断する事業でございまして、SEAの段階では事業内容の熟度等々も低く、また主務大臣が環境影響の程度を判断することは難しいのではないかと考えたところからでございます。 ただ、事業者が自主的に判断をされてSEAを実施していくということにつきましては、環境保全の観点からも非常に望ましいことでございますので、第二種事業についてはやってはいけないというわけではなく、自主的に実施をしていただくことは可能という制度にさせていただいておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○松野信夫君 今、副大臣の方から、前向きにいろいろ取り組むということのお話もありましたので。 法案では、見直しというものは法施行後十年と、前回も十年で今回も十年後に見直しという規定がありますが、私は、十年とは言わずに、いろいろと問題点がある、あるいはもっと上位計画辺りに戦略アセスを取り込んでいくというようなことでもいろいろと出てくるのであれば、あるいはそのほかにもいろいろ問題点が見付かってくるのであれば、十年とは言わずにもっと手前の段階で場合によっては法改正を目指す、あるいは政令、省令等で改めていくということが必要ではないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。
○副大臣(田島一成君) 今御指摘をいただきましたこの環境アセスメントの一連の手続につきましては、やはり事業が長期にわたるというようなこともございまして、一定の期間はやはり掛かります。それだけに、事業の事例の蓄積等々を図っていくという観点からしても見直しする時間は一定期間必要ということから、十年が適切だというふうに規定をさせていただきました。しかし、今後、環境政策も含め、内外の社会情勢でありますとか様々な変化も想定されるわけでございますし、中環審の答申の中でも今後の課題というふうに指摘された事項等についても、やはり適切に不断の見直しをしていくことは必要だと考えております。 したがいまして、今委員が御指摘いただきましたように、法施行後の十年を待たず、十年以内でありましても適宜適切に制度の見直しを図れるように努力をしていきたいと考えております。
○松野信夫君 是非、適宜適切にお願いをしたいと思いますが、その中の一つとして、先ほど来からの成功例、失敗例、御指摘いたしましたが、やっぱりその点から見ると、できるだけ早く住民に情報を公開して住民参加を求めていくということが必要だと思っております。ですから、方法書以前の段階でも適宜住民から意見を求める。実際には様々な形でパブリックインボルブメントが行われているケースもこれたくさんあるとは思いますが、できるだけ早く住民の意見が表明できるような、そういうのを設けていく、ここは非常に大事なことだと思いますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(大谷信盛君) 御指摘のとおり、方法書以前の手続である配慮書段階において住民からの意見をいただくよう努めるというふうに制度的になっていますので、ここの段階でいただけるんだというふうに思っています。 それともう一つは、繰り返しになりますけれども、この主宰する側が、開発をする側が、建設しようとする側が意識を持っているならば、後で問題にならないように、この制度の趣旨、理解をしているのであるならば、先に先に話をして早い段階でお互いの意思疎通、情報交換ができるようにしていこうというふうにしていくはずなんで、そうするようになるためにも、是非この法律の本当の意味での真意というものを周知徹底できるように取り組んでいきたいというふうに考えています。
○松野信夫君 是非よろしくお願いをしたいと思います。 それから、代替案ですね、代替案の検討ということも、先ほどの成功例、失敗例から学ぶべきところだと思います。 それで、今回の法改正では、三条の二で、計画の立案の段階において、一又は二以上の当該事業の実施が想定される区域における計画段階配慮事項の検討を義務付けているわけです。ただし、これは一又は二となっているものですから、一でもいいと。一でもいいということは、要するに代替案は必ずしも検討しないでもいいということですが、私は、まあ法文はこんなふうに書いてあっても基本は、基本はやっぱり代替案を検討する、つまり二以上というのがやっぱりこれが基本というか原則でなければならない、一というのはそんなにあってはならないと。つまり、代替案の検討もできないというようなケースというのはほとんど私はないのではないかと思っておりますので、やっぱり代替案の検討はしっかりやらなければいけない。この辺に関してのコメントをいただければと思います。
○副大臣(田島一成君) そもそもこの配慮書の手続は、事業におけるより効果的、そして適正な環境配慮がなされるように事業の早期段階で位置等の複数案、そして環境保全措置の検討等を行っていくものでもございます。 今御指摘いただきました三条の二の「一又は二以上の当該事業の実施が想定される区域」のこの規定している一又は二の部分についての趣旨でございますけれども、事業の特性に応じてできる限り柔軟な対応ができるようというそういう思いから、制度として地域の自然的な状況や社会的状況等々から複数案の設定が現実的でない場合については単一案をもって検討することもいいのではないかという考えから規定をさせていただいたものでございます。しかし、単一案で検討される場合については、少なくともその理由を明らかにすべきだというふうに考えているところでございます。 こうした複数案の設定についての考え方につきましては、今後も基本的事項におきまして是非具体的な検討を進めていきたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○松野信夫君 それで、具体的にダム計画について御質問したいと思うんです。 私も弁護士としてダム問題いろいろかかわってきました。実際にダム計画、河川整備計画は、その前の段階にいわゆる河川整備基本方針というものが定められるようになっているわけですね、各河川ごとに。その基本方針の時点で、特定の地域で基本高水流量がどれだけだ、百年に一遍の洪水に耐えるようにしなければいけない、こういうことになっているわけです。ここまでは基本方針で大体決まるわけですね。そうしますと、実際の河川の河道流量がこれくらいだからその上流で何トンカットしなければいけない、こういうことになるわけです。そうすると、もうこの基本方針の段階で上流にダムを造って何トンカットするというのが事実上はもう決まってしまうのではないかなというふうに考えざるを得ないですね。 そうすると、十分な代替案というものが本当に検討できるか。必ずしもダムに頼らないで、ダム以外の選択肢、河床の掘削、あるいは堤防を強化する、いろいろな選択肢があるはずなんですけれども、どうも今までのやり方を見ていると、基本方針の段階で上流にダムを造らざるを得ないというのが事実上決まってしまっているようなんで、これではやっぱりしっかりとした代替案の検討にもつながらない。むしろ、私は、もう基本方針を策定する時点で、ある程度代替案的なものも検討するぐらいでないと今回のこの戦略アセスの意味はかなり薄れてしまうのではないかと、こういう危惧がありますが、この点について国交省さんのお考えがあればお聞かせください。
○大臣政務官(三日月大造君) 今言われましたように、ダム事業を含みます河川法上の河川整備において、どの段階でアセスを実施するのかということは極めて重要な課題だと思っております。 今回の法改正の趣旨をしっかりと踏まえて我々も対応してまいりたいと思うんですが、委員も御承知のとおり、河川整備基本方針というものは、河川整備の長期的な目標を、どれだけ水を流すのか、どこでどのようにカットするのかということについて大きな目標を、長いレンジでの目標を定めるものでありまして、それぞれの、例えばダムにしろ堤防にしろ、個別事業の位置や規模というものを定めることにはなっておりません。したがって、その時点でアセスを行えるのかどうかということについては、現時点においては非常に難しいのかなというふうに考えております。 しかし、その後の、その基本方針に基づく河川整備計画においては、しっかりと今回の法改正の趣旨を踏まえたアセスが行われることが適切だと考えておりますので、今ちょうどダムに頼らない新しい治水政策を、評価軸も、また評価の手法も含めて検討をさせていただいているところでありますので、法改正の趣旨を踏まえて河川法に基づく河川整備計画の策定手続との関係もしっかりと検討してまいりたいというふうに考えております。
○松野信夫君 私がかかわった中で一つ、川辺川ダムというのもあります。これは、前政権下では、前政権下ではもう川辺川ダムしかあり得ない、ダムを造らないと洪水調節がもうこの川ではできないということを強く当時の国交省は言っておられて、我々が住民サイドに立って、堤防強化あるいは遊水地、河床掘削、いろいろ言っても、余り、一顧だにされないというか軽く一蹴されていた対応が前政権下ではあったんです。 ところが、政権替わって、大臣も替わりました。そうしたら、大臣もダムは中止するということになりましたので、現在の国交省はかつて我々が住民サイドでいろいろ言っていたような案をそっくりパクったと言うと恐縮ですが、我々が出していた堤防の強化だの河床掘削だの、これでいけるという、やっぱり政権が替わるとこう変わってくるんだなと率直に思っているところであります。 是非、こういうダム問題についても、私は基本方針のレベルで、つまり上位計画の段階からやるべきだと思いますが、そうでなくてその次の整備計画のところであったとしても、様々な選択肢をやっぱりしっかり議論するということが大変大事なことだと思っております。 それで、余り時間がありませんですが、残された時間の中で環境大臣としての関与についてお伺いをしたいと思います。 私は、環境大臣が直接事業者に対して環境面に関する意見をしっかり述べるということが大事だと思うんですが、今回の改正法の十一条を見ますと、環境大臣の意見というものは事業者から主務大臣に対する申出があった場合に限り環境大臣から主務大臣に述べると、こういう仕組みであって、環境大臣が直接事業者に対して意見を述べるというのがどうも規定されていないんですね。規定されていないというのは、そうすると何か弊害でも想定されているのか。なぜ直接に環境大臣が事業者に意見を述べるというのが具合が悪いのか、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(小沢鋭仁君) 方法書段階においての御質問と、こういうふうに思いますが、一律に環境大臣が直接事業者に意見を述べるということになりますと手続の長期化につながりかねないと、こういう弊害が生じるものと思っております。 それから、方法書から評価書は一連の手続でありまして、事業者が環境影響評価項目等の選定を行う方法書の段階では、主務大臣及び環境大臣が一律に意見を述べるということは必ずしも必要ではないのではないか、こう考えておるところでございます。
○松野信夫君 それで、仮にそうとして、環境大臣が主務大臣に意見を述べるというふうになった場合、じゃ、その環境大臣の意見というものは、一般の市民の皆さんには明らかになるんでしょうか。私は、少なくとも、環境大臣が直接事業者には言わないで主務大臣に言うにしても、その内容というものは公表されるべきだと、公表される仕組みが必要だと思いますが、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(小沢鋭仁君) これは、もう現行法においてもそのようになっておりますし、既にこれまでもすべて公表をしてきております。今後も公表をするという方針でしっかりやってまいりたいと思います。
○松野信夫君 是非その方針でお願いしたいと思います。 それで、次に評価書の段階ですけれども、この評価書の段階では、私が聞いているところでは、改正案が作成され始めた当初は、例えば埋立ての許可のように許認可権者が自治体である場合は環境大臣意見が自治体に直接言えるというような、何かそういう手続が創設されるというような触れ込みでもあったんですが、今回の改正法案の二十三条の二ですと、そういう手続の創設ではなくて、環境大臣の意見を求めることについて自治体が努力をすると、努力義務ということで少しトーンが落ちたなと、率直に言うとそのように思っておるので、ちょっとこの点は十分ではないのではないかなと。是非、これはやっぱりきちんと環境大臣の意見が自治体の方にも届くということを、法改正は法改正でこれとして進めていくような実質化をすると、是非お願いしたいと思いますが、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(小沢鋭仁君) 恐らく実施されていけば実際問題は環境大臣が助言をするという機会がかなり多くなる、こういうふうに期待をしているところでございます。 委員がおっしゃられたように、一律にそういう規定をしなかった理由に関して申し上げますと、やはり我々の政権というのは、地方分権、こういった話を推進をしていくという政権でありますし、そういった意味では地方の自主的判断を尊重していきたいと、こういう観点があって今回はそういった規定になったということでございます。御理解を賜りたいと、こう思います。
○松野信夫君 別に理解しないわけではありませんが、やはり環境大臣の意見というものは自治体の意見とは違って、全国的なレベルで、あるいは世界的なレベルでの視点、これの意見になると思うんですね。ですから、例えば生物多様性、今年大変重要な年になります生物多様性の観点からはどうなんだ、あるいは地球温暖化の観点からはどうなんだと、こういうかなり高いレベルでの意見というのがやはり環境大臣としての意見につながってくるだろうと思いますので、少しやはり自治体の考えと違うわけですので、是非そうした広い観点から大臣が意見を述べて自治体にも反映してもらうように、これは是非そういう方向性を進めていただきたいということを申し上げて、ちょうど時間になりましたので、私の質問は終わります。 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(山谷えり子君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、谷博之さんが委員を辞任され、その補欠として姫井由美子さんが選任されました。 ─────────────
○有村治子君 皆様おはようございます。自由民主党の有村治子です。 本法案の主題となります環境アセスメントにかかわられる方々を始めとして、より良い環境の保全のためにそれぞれの立場で御活躍をされている方々の貢献をたたえ、今日は質問に立たせていただきたいと思います。 環境アセスメントは、この十年でも、自然環境あるいは生活環境の保全のためにとても大事なアプローチだという認識を持ちました。生物多様性を貴び環境配慮を促す点などにおいても実効性を求めていく効果もあると、この十年の進展を見て実感いたします。同時に、莫大な費用と労力がこの環境アセスメントに掛かっているのも事実です。事業者対住民あるいは自然環境というような構図が用いられますが、その環境アセスの費用負担という意味では、その費用負担を後々するのも国民でございます。そういう意味では、何が適切なのか、発展とかつ環境を子々孫々に美しく残していく、それによって国民益、地球益につなげていくために私たちはどういう言動を取るべきか、このようなことに思いをはせながら質疑の充実を図っていきたいというふうに存じております。 まず、政府参考人の答弁についてお伺いをさせていただきます。 私は、どこの省庁にも例外や慎まれるべき慣行は残念ながらあるのでしょうが、通常、一般的には、環境省を始め今日お越しの防衛省さんも、そして経済産業省さんも、各省庁、官僚の皆さんの専門知識や職業人としての業務遂行能力がとても高い優秀でまじめな方が多いと、日ごろから心から官僚の方々にも敬意を持っているものでございます。 政治家としてなすべきことは、官僚バッシングというのではなくて、もちろん責任があるときはちゃんと明確にすることを、追及していかなければなりませんが、本来は、官僚の方々が入省のころに抱いた公僕としての本来の志に沿うように、よこしまなことに走らせずに国家、国民益に奉じてもらうよう本分の仕事をベストに尽くしていただく、そういう環境を整えていくことも政治の大事な役割だと認識をしております。そのために政治家がどのような言動を取るかというのは、日々、私自身も真剣に向き合っている課題でございます。 このような思いは、五年前、私自身も大臣政務官として、報道では政府高官と書かれる政府の一員になってみて、この思いを強くいたしました。小沢大臣も、今与党になられて、省庁を代表するトップリーダーになられ、改めて誠実で優秀で国家、国民益のために日夜努力している官僚の真摯な貢献をしみじみかみしめていらっしゃることだと思います。 今日、後ろにいらっしゃるスタッフの皆さんの何人かは、二十八時とか三十時という徹夜に近いことをやって、それでも国会答弁に準備されているという方々の御貢献を私自身も改めて覚えます。一昨日の本環境委員会での質疑においては、今日も座っていらっしゃいます、政府参考人として環境省幹部である白石総合環境政策局長が実に安定感のある、また情報としても非常に有益な答弁を数多くなされていました。 そこで伺います。官僚が政府参考人として国会答弁をされることに対して、大臣はどのような認識をお持ちでしょうか。
○国務大臣(小沢鋭仁君) 国会活性化法というのが何年か前にできまして、そこは私は実は民主党のそれにかかわった人間の一人であったんですけれども、そのときの議論は、いわゆる立法府の議論というものを政治家同士の議論にしようと、こういう論点が大きなテーマでありました。それまでのいわゆる政府の皆さん方の事前での登録から、いわゆる政府参考人として一つ一つ議会が求められたときには出席をすると、そういう制度に切り替えたわけでありまして、繰り返しになりますが、そのときの趣旨というのは、立法府の議論というのは国民から選ばれた政治家同士の議論を行うべきと、そういう論点でございました。 ただ、同時にまた、いろんな事実関係であるとか、あるいはこれまでの現場での対応ぶりであるとか、そういったところは当然政治家には分からないわけでありますので、そういったところはその現場を担当してきている政府の皆さん方が政府参考人として答えていただくというのが議論を深めていくためにも極めて重要と、こういうことだろうと思っております。 日ごろから大変しっかり環境省の事務方も仕事をしてくれておりまして、毎日感謝の思いを持って床に就くところでございます。
○有村治子君 ありがとうございます。 今日は、時間が九時間の質疑時間、与党さんに協力させていただいて自民党の時間もかなり短縮をいたしましたので、御答弁は是非引き続き簡潔にお答えいただけると大変有り難いと、引き続き感謝申し上げます。 先日の委員会で、小沢大臣、答弁に立つのは政府参考人でもよいということを私の質疑の中でされていますけれども、報道によれば、民主党は今国会に提出する予定の国会審議活性化関連法案に官僚答弁の禁止を盛り込む考え方を示していらっしゃいます。 一昨日の本環境委員会では、白石局長、何度答弁に立たれたか、大臣、想像付きますか。私、数えてみました。数えたところ、二十五回与野党の質問に対して答弁に立たれています。時には、デリケートなことになると、本来大臣にお願いしますという質問も、あんたやれという形で目くばせをされて白石局長がお答えになっていらっしゃるところも何度かございました。それが悪いと言っているわけじゃ全然なくて、時にはやっぱり、小沢環境大臣始め、財務省もそうですけれども、各省庁、随時自らの所管官庁の局長クラスを政府参考人として積極活用されているのは、事実上、今いろんなところで起こっているわけですね。 その一方で、民主党側は、特に小沢一郎幹事長が御執心なんですけれども、それを認めない法案を今国会に出そうとしていらっしゃいます。小沢環境大臣が日ごろ力説される政府と与党の一元化の観点からは一貫性がない、矛盾があるように見えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(小沢鋭仁君) 私も報道ベースでしか承知していないんですけれども、確かにそういう政府参考人の答弁を、これは禁止と委員おっしゃいましたけれども、そこまでなのかどうかまず分からないということと、それから趣旨は、先ほど申し上げましたように、立法府の議論は政治家同士の議論が望ましいという、それを表す法案なのではないかなと思っております。残念ながら、その中身まだ出てきておりませんので、私自身も正確に理解をしていないところは申し訳ないんですが、そういう状態でございます。
○有村治子君 私たち国会の政治主導になれるかどうかの根幹的なところで、その政府の一翼を担われる小沢大臣が報道ベースでしか知らないというふうに、今国会で出すと言われていることでおっしゃるのはちょっと驚きでございますけれども、全国紙におきましても、報道ベースによりますと、官僚答弁の禁止を盛り込むということを明確に各社さん書いていらっしゃいます。その報道が間違っているのであれば正していただきたいというふうに思います。 私は、国民が正確に情報にアクセスできる、国政の動きをしっかり知る。例えば、今国会の、この法案でもそうですが、仕事や生活に直結する法案の意味するところなど、国民の知る権利にこたえるという観点からは、官僚の答弁の方々は正確を期すという意味で意味があると思っていますが、恐らく大臣と私の見解というのはそんなに変わらないんだと思います。むしろ、大臣と私の見解の方が、大臣と民主党が出そうとしていらっしゃる法案の意図と距離があるぐらいなんではないかというふうに思います。 少なくとも大臣等の政務三役は、戦略的な意思決定にこそ大事な時間と知恵と労力を掛けて、そして国益につながる意思決定につなげ、その意思決定の責任を負うべきであって、答弁をすべて受け持つことが政治主導ではないはずと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小沢鋭仁君) 確かに、委員の意見を聞いていると、私と委員の意見はそう違わないのかなと、こういうふうに思っております。 私と党の意見が違うかどうかは、さっきも申し上げましたように更に調べさせていただきたいと、こういうふうに思っておりまして、ただ、若干年を重ねておりますから申し上げると、党と個々の政治家の意見がすべて一致という話はないわけでありまして、そのときに、違ったときにどういう対応をするのかということがある意味では問われてくるところもあるわけでありまして、そういった意味ではそれがすべて一致はしていないと。しかし、私としては、どちらかというと、一致しない場合は全体の意見に私は従うという政治手法を取ってきた人間でございます。
○有村治子君 大臣、閣僚のお一人でございますから、環境省のみならず、ほかの省庁もやっていらっしゃる官僚の方々の答弁でございます。現場の実情をしっかりと与党にお伝えになっていただくことが健全かというふうに思います。どうか誤解のないような発信をしていただきたいと思います。 今日の法案質疑に関しましては、政務三役による国会答弁を貫くということであれば、環境省に対する今日の質問、すべて三役にお答えいただくことも可能です。また、官僚である政府参考人の答弁も適切に活用するということであれば、民主党の法案提出の意向と現実との乖離を指摘した上で、それは一つの現実的対応としてお受けしても結構でございますが、どちらが適切だとお考えになられますか。
○国務大臣(小沢鋭仁君) 国会、理事会で政府参考人の出席を決めていただいたところでございまして、そういった意味では、私はこの理事会、国会の意思に従って運営していくことが必要だと、こう思っております。
○有村治子君 もちろん私も理事会に筆頭として出させていただいております。私の質問においては、昨日の通告のときにも、大臣のお答えによって政府参考人を立ててもいいし使わなくてもいいということで、どちらが御希望でしょうか。
○国務大臣(小沢鋭仁君) 委員の意思のとおりに従いたいと思います。
○有村治子君 それでは、私は大臣、副大臣、政務官三人の役割を、そもそも民主党さんがそれでやられるとおっしゃるのですから、そのことを指定を、指名をさせていただきます。その代わり、そもそも民主党さんがそれでやるというふうにおっしゃっていらっしゃるわけですから、国民の知る権利にちゃんと応じていけるように、正確な情報を省庁を代表してコメントいただきたいというふうに存じております。 それでは、確認をしていきます。 一昨日の本委員会での大臣の発言、いわゆる迷惑施設というのは、大臣、何のことを指されているんでしょうか。
○国務大臣(小沢鋭仁君) いわゆるという言葉を付けさせていただいたわけでありまして、報道等によって行われるいわゆる迷惑施設と、こう呼ばれる施設を申し上げたわけでございます。ある意味でいうと、住民からはできれば避けてほしい、こういう思いがある施設と、こういうふうに思っております。
○有村治子君 そうですね、抽象的でございます。例えばどういう施設を示すのかとお伺いしています。
○国務大臣(小沢鋭仁君) 先ほど松野委員の質問の中にもありましたけれども、いわゆる廃棄物の焼却施設とかそういったものも一般的にはそういうふうに言われるケースが多いのではないかと、こういうふうに思います。
○有村治子君 大臣、廃棄物処理以外にどんなものがありますか。
○国務大臣(小沢鋭仁君) それ以上は今ぱっと思い当たりません。
○有村治子君 戦略的アセスを入れる入れないのときに、極めて大事な関係者が出てくる中でぱっと思い付かないというふうに大臣がおっしゃるのは甚だ疑問に感じます。 せんだって、原科参考人は、戦略的アセスメントの段階で複数の候補地、例えば原子力発電所のA案、B案、C案という候補地を提示しても投機目的での土地買収などは起こらない、むしろA案、B案、C案と複数候補を挙げることによって土地買収は防げるというふうにおっしゃいましたが、これに対して大臣は本当にそのとおりだと思われますでしょうか。私はむしろ懐疑的な視点を持っていますが、いかがでしょう。 大臣にお伺いしております。
○国務大臣(小沢鋭仁君) 先ほどの参考人の方の意見というのを正確には承知をしていないわけでございますけれども、いわゆるケース・バイ・ケースではないかと、こう思います。
○有村治子君 実際にA案、B案、C案を出したから土地買収は防げるというのは、私はこれは希望であるというふうに思っています。資本力、資金力がある人がA案、B案、C案の土地周辺を買い占めてでも経済的に合理性があると思えば、大手のデベロッパーがそれを買い占めて、後でそれ決まったところ以外のをまた転売すればいいだけであって、これは私は複数候補地を挙げろというインセンティブにはならないという認識を持っております。 四月十三日、今週火曜日の委員会で、民主党、岡崎委員の質問に対して、経済産業省近藤政務官は、民間事業の取り組むものに対していわゆる戦略アセス、SEAが導入されたのはそれほど先進国でも例がないというふうに聞いております、その意味では大変チャレンジングな取組であろうと、こう思っておりますと答弁されています。経済産業省がこのような戦略アセスに関して民間事業者に課したものはほとんど例がないという認識というのは間違っておりませんか、経産省にお伺いします。
○大臣政務官(高橋千秋君) 近藤政務官がそのように答弁をしているということは承知をしております。 欧州において実施されているこの戦略的環境アセスメントですけれども、国及び地方公共団体の計画のうち環境に重大な影響を及ぼすものと考えられるものというのを対象としております。民間事業者が自主的に行った例外的な事例は少しありますけれども、実施主体は政府であると理解をしております。それから、オランダとかカナダでは、民間事業者がその地点内、施設の中でどの配置をするかという、そういう複数案を検討した事例は存在しますけれども、ここで言う立地地点を複数案を検討したという事例はございません。 そういうことで、近藤政務官の答弁というのは欧州型の戦略的アセスメントということには当たらないというふうに考えております。
○有村治子君 こういう民間に対してSEAが導入されたのは、それほど先進国でも例がないというふうに聞いています。例が全くありませんとおっしゃらなかったのは、百九十三か国すべて調べたわけではないからであって、調べた中では民間というのは当たらない、ゼロだったという認識でよろしいでしょうか。
○大臣政務官(高橋千秋君) 網羅的に全部調べているわけではないというふうに聞いておりまして、欧州などの先進国の事例を見るとそういう事例はないということでございました。
○有村治子君 昨日の丁寧な質問通告でもそのような御見解をおっしゃっていただきました。このような経済産業省さんの認識というのは私の事実認識と同じ立場なんですけれども、この経産省の認識は、従来環境省さんが説明されてこられた、民間事業者を対象とするSEAも世界の趨勢である、世界標準に迫るような勢いの、そういう説明をされているんですが、その説明と食い違います。 そこで、環境省にお伺いしますが、国内外において競争関係にある民間事業者を対象にしたSEAを導入している事例を挙げてください。
○副大臣(田島一成君) 民間事業、今、個別の事業でというお尋ねではございますけれども、今回、日本版のこのSEAにつきましては、個別事業の位置でありますとか規模、そして施設の配置、構造等を検討段階も含めて対象とするものでございまして、海外では、今お話があったように、事業実施段階で環境影響評価として実施されている場合もございます。 今回、我が国で導入するような段階での戦略的な環境影響評価が民間事業によって行われている事例について、網羅的な統計はございません。
○有村治子君 今まで環境省さんは、諸外国にもこのようなケースが多々あるという立場を取ってこられました。どんなものがありますか。その事例も提示してきてくださいました。
○副大臣(田島一成君) 今し方、政務官の方からも御答弁で触れられましたけれども、例えばオランダにございます風力発電施設の新設に伴って発電機の配置等を検討した事例でございますとか、カナダにおきましては、原子力発電施設の新設に伴って発電機の配置等を検討した事例等が存在をしておると承知しております。
○有村治子君 今おっしゃっていただきましたオランダの風力発電事業に関しては、事業アセス段階、事業アセス評価書段階での代替案検討、位置、規模の検討であって、戦略的アセス、SEAではありません。また、おっしゃったカナダの原子力発電に関しても、事業アセス、EIA評価書段階でのレイアウトの検討でありまして、SEAではありません。 また、環境省さんがもう一つ挙げられる英国、北西イングランドの水資源に関する事業についても、英国の環境庁は、EUのSEA指令に基づき事業者が自主的に実施したものであるというふうに英国の環境庁さんに確認が取れています。いかがでしょうか。
○副大臣(田島一成君) 今御指摘いただいたとおりでございます。
○有村治子君 大臣、今質問をお聞きになっていただいたとおり、環境省さんは、諸外国、国内外において競争関係にある民間事業者を対象にしたSEAを導入していて、これが世界の趨勢だという立場を取ってこられましたが、その実例が提示していただくことができません。 そうでありましたら、その立場の変更、訂正を教えていただきたいと思います。いかがでしょう。
○委員長(山谷えり子君) 田島環境……
○有村治子君 済みません、大臣にお伺いしています。
○副大臣(田島一成君) 今御指名いただきましたので、お答えをさせていただきます。 海外で……
○委員長(山谷えり子君) 今指名していません、まだ。有村治子さん、もう一度。
○有村治子君 大臣にお伺いしております。
○国務大臣(小沢鋭仁君) 田島副大臣が担当でございますので、答えてもらいたいと思います。
○有村治子君 環境省がこのような立場を取ってこられたので、その責任は環境大臣におありになると認識しています。それゆえに、質問権として大臣にお伺いしております。
○国務大臣(小沢鋭仁君) 政務三役は一体でございますので、政治的責任は一体でございます。
○有村治子君 その責任のトップは環境大臣にありますから、その大臣の任に当たられる小沢先生にお伺いしております。
○副大臣(田島一成君) 私どもも、これ三役心を一つにして今検討をこれまで重ねてまいりましたので、私の方からお答えをさせていただきたいと思います。 海外におきまして、今御指摘をいただきましたEUにおきますSEAは、それこそ、他の委員の答弁にもお答え申し上げておりますけれども、政策段階及び上位の計画段階に当たりますSEAでございまして、今回日本版のSEAとして導入をさせていただこうと思っておりますのは、海外におきましては、例えばEUにおきましてはEIA指令に当たるものでございます。 個別事業の位置、規模等の検討段階において今回日本版のSEAを導入させていただこうと考えておりますので、委員の御指摘いただきます答えとして十分ではないかというふうに私は思っております。
○有村治子君 大臣、環境委員長の指示によりこの環境委員会が運営されていますので、再三にわたって私が大臣をリクエストを出し、しかもそれは公式な手続に乗って出し、委員長もその御指名をしていただいているときにはお答えいただきたいと思います。それは責任のトップが環境相にあるということでございます。お答えいただきたいと思います。 別の観点で同じことを聞きます。政治主導ということは、各省庁の垣根を越えて見解、スタンスを一致させてベストアンサーを出していくことだというふうに認識をしています。そういう意味では、事実に基づいて国民やその代表として国会に議席を持つ野党議員に法案を諮るという正確さに努めていただきたいと思います。そういう意味では、戦略アセスと言われながら、実際には世界で、御提示いただいた、実は自民党の環境部会でもここは何度もやり合っているところでございまして、そのたびに環境省さん、まごつかれるところでございます。だからここは丁寧にやってくださいと、昨日の質問通告でも明確に申し上げているところでございます。 そこで、やはり環境省さんがおっしゃっていらっしゃるケースとしては、その事実に基づく提示をいただきたいと思いますが、そこでかなりのそごが生じました。これを見ていらして、大臣はどのようなスタンスを取られますでしょうか。
○国務大臣(小沢鋭仁君) 先ほど田島副大臣がお答えしたとおりだと思っておりまして、その質問通告がどういう通告であったのか分かりませんけれども、そこのところは私としてはお答えのしようがございません。
○有村治子君 分かりました。 それでは、電力供給、エネルギー安保についてお伺いをさせていただきます。 現在、鳩山政権が打ち出されました温室効果ガス二五%を削減していくという切り札、あるいは決定打として現政権は原子力発電を位置付けられています。このスタンスについては、原子力発電を推進していくという立場については、従来反対での立場を貫かれていました社民党も、連立内閣ですから、社民党単独の政権ではありませんからと、福島代表自らも認めていらっしゃいます。鳩山首相に至っては、温室効果ガス削減の優等生が原子力発電なんだとまで国会で発言をされています。 温室効果ガス二五%削減の問題とも相まって、電力の安定供給、エネルギー安全保障に関して民間の電力事業者も相応の努力を続けていらっしゃいます。電気事業法で電力会社に電力の供給を義務付けていらっしゃいますが、国の国民生活に対する啓発も同時に必要だと思っています。 例えば、一昨日の上関原発に関しても、共産党の市田委員の御発言、心から敬意を持って拝聴させていただきました。緑豊かな自然を守りたいというお気持ち、私も心から賛同いたします。そして、恐らく事業主体である中国電力の方々も、緑豊かな自然を守りたいという思い、だけれども、どこかにこの発電所を造っていかなきゃいけないという中での葛藤を日々感じながら仕事に当たっていらっしゃるのだと思われます。 そういう意味で、法治国家として法令を遵守して手続を丁寧に進めてきたという思いを持っていらっしゃる電気事業者がある一方、環境を守っていきたいという世論もございます。その中で、エネルギー安全保障の観点、電力の安定供給からしたら、原子力は大事ですよ、二五%にも大事な切り札ですよ、だけれども電源立地は電気事業者で自ら解決しなさいというのは、安定供給に責任を負う政府としては十分ではないスタンスだと思います。 環境省、また経産省は、このような困難に対してどうサポートをされていきますか。
○大臣政務官(大谷信盛君) おっしゃるとおりで、電力供給会社はそこに需要があるから供給をしていると。しかしながら、CO2を減らすのは、その使用者、消費者である国民、我々がどれだけ意識を持って、どれだけ省エネ、また抑制をしていくかということがなかったら減らない、ここに対してどのような働きかけをしていくのかという御質問だと理解をしております。 それでいいますと、国民運動ということで、私たち一人一人が日々の暮らしの中で減らしていく、まさに半月ほど前に小沢環境大臣、ロードマップ試案というのを出させていただきましたんですけれども、その中で省エネの電化製品に買い換えようとか、また若しくは我々一人一人、断熱性を高めていくような、そんな住宅リフォームをしていこうとかというような日々の生活があって初めてCO2の削減が実現できるんだ、省エネ、またこの気持ちが芽生えていくように環境省としてはチャレンジ25という国民運動キャンペーンを今展開、実施しているところでございます。
○有村治子君 電源立地に関して環境省はどうサポートされていくんですか。
○大臣政務官(大谷信盛君) 電源立地に関してどうサポートをしていくかという質問でございますが、そこは、電源立地、ケース・バイ・ケースでございまして、環境をしっかりと守っていく、なおかつCO2を削減していく、総合的な判断でサポートというか、政策の推進をしていくということになると思います。
○有村治子君 お気持ちは分かります。ただ、原子力大事ですよ、切り札ですよと言って、電源立地のところになったら、それは電気事業者があんたがやりなさいというのは、安定供給に責任を負う政府としてはワンサイドじゃないですか、そこをどうサポートしていくんですかという質問ですよ。
○国務大臣(小沢鋭仁君) どういうお答えを御期待になっているのかよく分からないんですが、政府は一体となってそれぞれの所掌分野で頑張っていくわけですね。ですから、経済産業省は経済産業省としていわゆる安定供給、そういったものがまず第一のプライオリティーにあって頑張っていただく、環境省は環境省としていわゆる環境との整合性をどのように図っていくかということを考えながら、しかし政府一体となって推進していく、そういうことじゃないんでしょうか。 具体的な話をどこまで想定されているのかちょっと分からないので、これ以上のお答えができないと思います。
○有村治子君 大臣の御見解、ありがとうございます。 それでは、三役の方にお伺いしますが、例えば電気事業者が環境アセスに、事業者にとってはアセスは手間暇掛かるものだという認識が先ほどの質疑の中で出てきましたけど、電気事業者がどのくらい環境アセスに費用を掛けているか、三役の方、御存じでしょうか。
○副大臣(田島一成君) 電気自動車がという……
○有村治子君 電気事業者です。
○副大臣(田島一成君) それについてはやはりケース・バイ・ケースではないかというふうに思っておりますが。
○有村治子君 どのくらいのケースのレンジだと認識されていますか。
○大臣政務官(大谷信盛君) 松野先生との審議の中でもさっき出てきましたけれども、大体おおむね相場観としては数億円、大きいものによっては数十億円掛かる。それは、もう御案内のとおり、二年、三年、場合によっては四年というふうに人が定点観測をしたりとかいたしますし、何が出てくるか分かりませんので人員配置も多めに取っておかなければいけないということでございますので、こういう相場観かなというふうに思っております。
○有村治子君 大谷政務官のプロフェッショナルなお答えに敬意を持ちます。 数億円というお話でございましたが、私、電気事業者の方々に聞いてみました。実際の実例、その相場観も是非三役の方には持っていただきたいんですけれども、原子力発電所の環境アセスメント、新規の場合ですね、実際のこのコストなんですが、二十億掛かっているんですね。火力発電のリプレースでさえ十億円が環境アセスに掛かっているんですね。その相場観、つまり私自身一国会議員として百万円の決裁をするにもどうしようといって一晩眠れないような、そのくらいのことを日々皆さんやっておられる中で、くい一本打つまでにですよ、くい一本まだ打てない中で、環境アセスこの一点において十億、二十億吹っ飛ぶ、そしてそこが電源立地にならなかったらすべてそれが埋没コストになるというのは、本当に夜も眠れなくなるような、経営戦略そのものなんですね。 原子力発電のその構想から、立地を見付けて、そして運転開始までというのは、新入社員の方が電力会社に入られて、その人が定年を迎えてもまだその運転開始が見られないというような、二十年、三十年スパンで動いている中で環境アセスがこのぐらいのコストになっているということは、まさにこの法案をお出しになるときに認識をしていただきたいと思うんです。 その彼らは、足らざるかもしれないけど法令を遵守して、また地域の条例も遵守して手続を丁寧に進めてきたという思いが、ヒアリングをすると彼らはそういう御主張をされるんですね。そのことに対して、電源立地の環境、住民対策はあなたたちだけでやってよというのは余りにも、その熱意に対してはやはり法治国家として法的に遵守をされたんであればそれはよしとする、そういうエネルギー安定供給も大事ですよという発信を同時にしてくださいということを私は申し上げているんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(小沢鋭仁君) 委員の御指摘はかなり極端な御指摘だろうと思うんですね。やっぱりそこは、先ほども申し上げましたように、政府が一体となって行いますが、経済産業省はエネルギーの安定供給を第一に考え仕事をし、環境省としてはそこは環境との調和を考え仕事をし、そして政府一体となって調整をしながら行っていくということが大事であって、我々はそういったいわゆる住民の皆さんとの協議とかそういうのを勝手に事業者に全部やってくださいと、こう言っているつもりはございませんし、そこのところはもうこれ以上何とも答えようがないと、こういう思いでございます。
○有村治子君 大臣が極端とおっしゃいましたけど、私は全く極端な話をしているとは思いません。それぞれ今回の法案に関係する方々のヒアリングを丁寧にさせていただいて、その上で、私は、彼らの掛けてきた十八年とか二十年というその大変な労力の上に、この公共、公益のために、国民生活の安定のために発電所をどこかで造っていかなきゃいけないという苦悩も分かった上で環境アセスメントを妥当性のあるものにしていかなきゃいけないという観点で申し上げているので、私のどこが極端だとおっしゃるのか、もし御指摘あれば教えていただきたいと思います。その観点は、私、決して間違っていないと思いますが。
○国務大臣(小沢鋭仁君) 何といいますか、電力会社の皆さん方の御苦労とかそういった点は我々も十分理解をしているつもりでおりますし、このアセスメント法案を提出するに当たっては十分に話合いも行ってきたと、こういうふうに思っております。 極端と申し上げましたのは、例えば入社をしてからお仕事を退任なさるくらいまで時間が掛かることが一般的みたいなお話に私は受け止めたものですから、そういった話というのは少し極端過ぎるのではないかという意味で申し上げました。
○有村治子君 入社されたときに発電所に取りかかって、それが、定年されるときに発電所がまだ運転されていないのが一般的とは私は一切申し上げておりません。それは大臣の御認識の誤りでございます。しかし、そういうケースが間々あるというのが電気事業者の現状である、そこの現状も是非、環境大臣、御理解いただきたいと思います。 先ほど、副大臣、手を挙げていらっしゃったので、発言があればどうぞお願いします。
○副大臣(田島一成君) お許しいただきましたので、私の方からお答えを申し上げたいと思います。 今、有村理事が御指摘いただきましたこの原子力発電所の建設につきましては、それこそ本当に二十年、二十年以上、三十年というような長い歴史の中で、経緯の中でこの事業が進捗してきたというようなことも私どもも理解をしておりますし、それは理事のお考えと決してたがうことではないことは私も認識はしております。 ただし、こうした長い時間を掛けてきた、巨額の投資をしてきたから、そこの負担を考えて環境影響は無視しろというのは、私はやはり考えるべきではないと当然思っております。これが私の個人の意見であります。それだけに、それこそ、理事も御承知と思いますけれども、急がば回れ瀬田の長橋をいつも私は思い返しながら、今回この法改正について向き合ってきたところであります。 長い時間とそして手間暇、コストを掛けてやる事業だからこそ、多くの皆さんからの意見もしっかりと受け止めて、それをしんしゃくした形で事業を進めていくことの方が結果的には早くこの事業を実施することができるのではないか、そのためにいろいろな、後々悔いの残らない事業展開をするための今回は法改正だというふうに理解をし、皆様に御提案を申し上げているところでございますので、よろしくお願いいたします。
○有村治子君 田島副大臣の御見解、全く私もスタンスを同じくしております。 ただ、発電所運転開始まで長く掛かるから環境アセスを無視しろなんということは一言も申し上げておりませんし、そんなことをいとも思っておりませんので、そういう引用の仕方は御遠慮いただきたいというふうに思います。私は環境アセスは大事だと、環境配慮の意識を高めていくことは極めて大事だということを明確に申し上げております。 同時に、エネルギー安全保障と、それから二五%の切り札と現政権がおっしゃるのですから、その国民の啓発が極めて大事で、そこに両省を挙げて国民の啓発を進めてください、していただきたいという思いを先ほどから何度も申し上げているわけでございます。 そこで、お伺いをさせていただきます。経産省はどうサポートされていきますか。
○大臣政務官(高橋千秋君) 委員御承知だというふうに聞いておりますが、様々な広報活動、もうずっとやっておりますし、カリキュラムの中に入れたり、学校の先生の教育とかそういうことも含めてやっていることは御存じのことだろうと思います。 多分、委員の認識は、政府というか官もそこに前面、出ていくべきではないかという御指摘ではないかなというふうに思うんですが、直嶋大臣が就任をしてから関係の知事と既に、半年、七か月過ぎましたが七回会わさせていただいておりまして、青森は現地に行って青森の知事と会わせていただいて様々な議論をさせていただいております。大臣だけではなくて、政務三役それぞれ分担をいたしまして、現地に行ったりいろんな方々とお会いをさせていただいて、こういう啓蒙活動を含めてやらせていただいております。
○有村治子君 私も全国区ですからいろんなところにお伺いさせていただいて、電源立地の地元の方にお話を伺いますと、やはり経済振興対策というだけではなくて、大臣が一番最初におっしゃった迷惑施設、あるいは大事だけれども自分の裏庭には来てほしくないという、そういう中に原子力発電というのは往々に入っていることがあります。それでも国民生活の安定のために発電所を受け入れるんだと、公益のために我が町が、我が市が尽くすんだというそういうことを本当に素直に信じて、この公益性のために住民の意思決定を、合意形成をしていこうという自治会の方々のお話もお伺いしますので、ここは引き続き、みんなの理解を得ながら、しかも環境配慮ということを組み込んでいくという政府の取組を引き続きお願いしたいと思います。その観点から、前回は、私が原子力ワールドという原子力啓発のことをされていらっしゃる取組を御紹介をさせていただきました。 引き続き、経産省にお伺いします。 資源エネルギー庁が定めた平成二十二年度電力供給計画の概要によれば、今後十年間で原子力発電所を九基新設するとあります。これらを含めた国内の原子力発電所が過去最高の八四・二%の設備利用率で運用されたとして、二〇二〇年までに温室効果ガスの真水分、いわゆる国内排出分二五%削減を達成できるとお考えでしょうか。
○大臣政務官(高橋千秋君) 二五%削減というのは、御存じのとおり、国内対策だけじゃなくて海外における削減の貢献とか森林吸収分を加えた数値でございまして、その内訳はまだ決まっておりません。具体的な形になるように、今国民の意見を幅広く伺いながら政府内において検討をさせていただいております。 それで、この原子力につきましては、安全第一として国民の理解と信頼を得ながら推進していく旨を規定しているところでございますけれども、経産省とすれば、先ほど御指摘のあったように、この設備の利用率ですね、現在六十数%という非常に低い中で、過去最高が八四%、例えば韓国だとか他の国はもっと高いわけでございますけれども、こういうものを利用率を向上させていく。これは当然安全が第一という前提でございますけれども、そういうことで、利用率の向上それから新増設の円滑化等に必要な取組を我々とすれば推進をしていきたいというふうに考えております。
○有村治子君 原子力も、私の認識の中でベストアンサーというわけではないですね。ただ、現実取り得る、科学技術の進展と、それからコストと、それから安定供給と、それからカントリーリスクが少ないところから原資を入れていくということを考えると、ベストではないけれども現実的には受け入れざるを得ないような方策というのをずっと取ってこられた。その認識の中で、もう安全というのは当然私たちにとって最も大事な価値観なので、引き続きそこに関しては丁寧に進めていただきたいというふうに思っております。 次に、普天間基地移設問題に係る環境アセスメントについて伺います。 まず、防衛省さんにお伺いします。 昨年の十月十三日には、沖縄県の米軍普天間基地の名護市辺野古への移転に伴う環境アセスメントに関して沖縄防衛局が出した準備書に対して沖縄県知事より意見書が出されました。 今、それ以降、公式には作業が進捗しておらず事実上中断をしている段階ですが、今どういう段階にあるんでしょうか。
○大臣政務官(楠田大蔵君) お答えをさせていただきます。 普天間飛行場の代替施設建設事業につきましては関係法令等に従い環境影響評価手続を進めてきたところでございますが、先ほど御指摘ありましたように、準備書に対して沖縄県知事から、十月、意見書が提出をされました。現在、その準備書についての沖縄県知事の意見を精査するなど、評価書手続に係る所要の作業を進めているところでございます。
○有村治子君 これも全国紙の報道ベースでございますけれども、昨年の十二月には、知事意見が十月に出されたので、それも加味した上での評価書を出そうと準備をされて米国への配慮をにじませられましたけれども、それが止まっているのはなぜでしょうか。
○大臣政務官(楠田大蔵君) 我々といたしましては今なお淡々と作業を進めているところでありますが、委員も御存じのように、今、普天間飛行場の移設問題については官房長官を中心にあらゆる角度から精査を行っているところであります。関係閣僚が検討を行って政府の考え方を共有して、それぞれの役割を持って調整を行っているところでありまして、この環境影響評価書の提出時期については決定をしていないところであります。 今後の進め方につきましては、政府内での検討状況を踏まえて、関係省庁とよく調整をしながら適切に対応していくということであります。
○有村治子君 政務官にお伺いします。 どこにするかというのは現政権が責任を持ってお決めになられるということなので、三月までというのは法的に決めたわけじゃないというふうにおっしゃったにもかかわらず、五月には決めるとおっしゃっていただきました。五月末に決まったら、じゃその環境アセスに関する評価書も出していただけるんですね。
○大臣政務官(楠田大蔵君) あくまで今の時点ではあらゆる角度から精査をしているというところであります。 五月末の時点で決定をするということは、我々といたしましても、政府としても訴えておるわけでありますが、五月末のどのような決定をするかがまだ決定をしておりませんので、その後どのような形で作業に入っていくかという仮定の質問には答えられないということであります。
○有村治子君 どこにされるかは政府が御判断されればいいと思います。ただ、私がお伺いしているのは、環境アセスに関して沖縄の方々は、環境というのはやっぱり観光資源でもありますから、大変気にされているところでもあります。ですから、五月に意思決定がなされたら、その後、今までの環境アセスが生きてくるか、それともこれが埋没コストになるのかも明確に意思決定さえすれば決まっているわけですから、その後迅速に進めていただく、そういう認識でよろしいですね。
○大臣政務官(楠田大蔵君) ですので、今の我々の検討の中で、仮に現行案に近いものになるのか、それとも全く違うところになるのか、それによってまた規模の問題もありますし、そうしたものは当然法令に従ってやっていくということしかお答えができないわけであります。
○有村治子君 不十分なお答えだと思います。 普天間基地移設をめぐり現在まで環境アセスにどのくらいの期間と予算が掛かってこられたか、防衛省、お答えください。
○大臣政務官(楠田大蔵君) 環境影響評価の手続につきましては、平成十九年八月七日に沖縄県知事、名護市長及び宜野座村長に方法書を送付以降、所要の手続を進めてまいりました。 現在、平成二十一年十月十三日に提出された準備書についての沖縄県知事の意見を精査するなど評価書手続に係る所要の作業を進めているところでありますが、これまでに要した期間は約二年八か月でございます。これまでに要した費用でありますが、平成十八年度から平成二十年度における普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価に要した経費は約四十六億円でございます。また、平成二十一年度における環境影響評価関連の予算は約二十八億円計上いたしております。
○有村治子君 ありがとうございます。 私も防衛省から報告をいただきました。少なくとも二年八か月の期間を要し、予算としては平成十八年から二十年度までの三年間で四十六億円、この三月までに施行された二十一年度予算を含めると計七十四億円が掛かっています。これがどのくらいの規模なのかということを考えますと、環境省の二十二年度予算が約二千百億円でございます。その二千百億円の七十四億円というのは、実に三%を超える大規模な金額なんですね。 何がこの七十四億円前後でできるのかということを環境政策で考えますと、自然公園等設備事業費、国立公園のすべての維持管理に係る今年度の予算が百七億円ですから、準備書段階で七十四億円掛かって、これから評価書もやっていかなきゃいけない、もし移転先が変わるんであれば一からやらなきゃいけないというと、本当に莫大な、百億を超えてしまうような計算になっていきます。この百億が埋没コストにならずに実際に環境の改善に百億を使えたら、どれだけ私たちは生物多様性にも貢献できただろうというふうなことを考えますと、決して小さな金額ではないというふうに思っています。 この規模、コストに対して環境大臣はどのような評価をされていらっしゃるでしょうか。まず最初に、この普天間に関する環境アセスの報告書を御覧になったかどうかも含めてお答えくださいませ。
○国務大臣(小沢鋭仁君) 見ております。それで、額についてどういうふうに感じるかと、こういうお話でございますけれども、いろんな観点がありますので一概にこうだと、こういう話はなかなか申し上げられないわけでありますが、沖縄の自然豊かな地域での立地でもありますし、そういった意味ではこうした各種調査等が通常よりも大きな予算であった、そういうことの必要性は十分分かっておるつもりでございます。
○有村治子君 準備書を御覧になったということでございますが、御覧になった上での御感想をお聞かせください。 私も見させていただいて、その一部だったんですが、全部で五千ページ、準備書段階で五千ページを超えます。それを環境省さん三分割されていまして、一分冊だけを拝見したんですが、千七百ページ近くありまして、一分冊、三分の一だけでもこんなあれなんですね。三倍になるとこれぐらいになると思うんですけれども。一体これをだれが読むんだろうというふうに思うと、環境アセスの審議をされていらっしゃる環境省のスタッフの皆さんにも改めて敬意を持つんですが。 ジュゴンについては約二百ページを費やしています。ジュゴンがどうやって草を食べたか、ダイバーを派遣してその食べた後の口の跡まで、そんなことまでやっていらっしゃるんですね。これについての分量とかワークロードについてはどういう御認識ですか。
○副大臣(田島一成君) 今委員が御指摘をいただきましたように、この三冊分約五千四百ページのうちジュゴンについての記載は、計算しましたら二百三十ページほどございました。その中でも調査方法でありますとか結果についてはその大半を占める二百十ページに及びまして、その中では最少発見個体数が三頭いたということも付されているところでございます。 今回この準備書におけるジュゴンについての記載については、ジュゴンが環境省のレッドリストの中では絶滅危惧種のⅠA類で、国際的にもまたIUCNのレッドリストで危急種に指定をされており、国の天然記念物として指定されている希少な種であるということ、また、希少種も踏まえて、専門家の助言を受けながら、上空からのジュゴンの行動観察であるとか、またダイバーが潜水をして海草類の繁茂状況、また食跡、何を食べたかという跡の調査など現地調査を実施をしてまいりました。そのために、結果、また調査方法等々詳細に取りまとめなければならないということから多くのページを割いてきたというふうに認識をしているところであります。
○有村治子君 つまり、適切だという認識ですね、でよろしいですね。はい、分かりました。 すごい、こんなことまでやっていらっしゃるんだと、大変だなと改めて敬意を持ちました、私自身は。 確認でございますが、五月に現行案以外で決まれば、少なくとも事業アセスメント、環境アセスメントは一からやり直すということの環境行政の履行で、そういう認識でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(小沢鋭仁君) 現時点でまだ移設先決まっておりませんのでなかなかコメントはし難いのでありますが、アセス法の対象となる事業の規模は政令で定められておりますから、これに該当すれば法に基づくアセスは実施すると、こういうことになります。
○有村治子君 法治国家としての大事なコメントだと思っております。 とすると、現在のアセスが生かせるのは、現行案又は現行案から五十メートル以内の移設範囲にとどまったときだけで、それ以外のときには一から事業アセスメントをやり直されると。もちろん、どちらでもそれは政府判断で結構なんですが、そういう環境行政の認識でよろしいですか。
○国務大臣(小沢鋭仁君) 今委員が五十メートルと、こういうお話がございましたけれども、いわゆる移設範囲の面積でございまして、いわゆる十ヘクタール未満であることと、こういう話になっておりまして、その五十メートルがどういう位置で動くかによってこれは違いますので一概にはお答えできない。いわゆる大事な話は、十ヘクタール以内のであればそれはないと、こういうことでございます。
○有村治子君 元々省庁からの意見交換によってその数値が出てきたので私はそれを引用しているだけですが、大臣からそういう御発言があったら、それもしっかりと承ります。 環境省に引き続きお伺いします。 本法案の第五十二条三項には、環境アセスメントの前段階の配慮書の免除に関して、国の利害に重大な関係があり、かつ災害の発生その他特別の事情により緊急の実施を要すると認められる事業として政令で定められるものについては環境アセスメントの配慮書を必要としないという適用除外の規定がございます。これは普天間のことでも視野に入れているんじゃないかというふうに原科参考人はおっしゃいましたけど、この項目はいつ、どのような経緯で追加されたんでしょうか。その意図は何ですか。
○国務大臣(小沢鋭仁君) 改正法案を検討する中で、大規模な災害が発生した後の対応のように社会的要請から事業に速やかに着手することが求められる場合も想定して、このような場合への対応について検討を行っていたものでございます。検討の過程において、五十二条三項のような規定を置くことが適当であると、こう判断するに至ったものでございます。
○有村治子君 大臣、ありがとうございます。 災害の発生以外の特別の事情により緊急の実施を要する事業というのは何を想定していらっしゃるのでしょうか。
○国務大臣(小沢鋭仁君) 災害の発生以外の適用対象となり得る事例としましては、例えば人為的な大規模な事故、事件への対応が想定し得るものと思います。
○有村治子君 災害廃棄物の処分場建設など復旧本体でないものを補うための規定というふうに一昨日の環境委員会では答弁されましたけれども、この文言はどこから取ってきたかという白石局長の答弁の中では、独立行政法人都市再生機構法十三条にある、国の利害に重大な関係があり、かつ災害の発生その他特別の事情により緊急の実施を要するときは、ここを取ってきたというふうにおっしゃいますが、この適用除外あるいはこの状況というのが発動されたのは阪神・淡路大震災と中越地震の復興に際してだけ、この都市再生機構を介して都市開発を指示、要求するということが実際になされています。 それ以外の人的被害というのは例えばどういうものがあるのでしょうか。ちょっとイメージしにくいんですね。なぜ災害時と明確に定めないのか、その理由を教えてください。
○副大臣(田島一成君) 先ほど大臣の方からもお答えをいただきましたけれども、災害以外にもこれと同等の特別の事情に該当するような場合があり得るというようなことから、類似の規定としまして、今理事も御指摘をいただきました独立行政法人都市再生機構法の十三条にございます規定を参照させていただきながら、入念にこのような規定にさせていただいたところでございます。
○有村治子君 分かりました。 同項を適用するとして、環境アセスメントの配慮書を免除して、通常の環境アセスの手続は求めていくんですよね、引き続き。 となると、平均的な環境アセスメントのサイクルが二年半ないし三年という前回の答弁でございました。緊急性、重要性が高く、新たな土地の改変が必要で、実際にその事業の実施までに二年ないしは三年の環境アセスが待てる事案って、どんなものがあるんでしょうか。
○副大臣(田島一成君) 社会的な要請から速やかに着手が求められる場合であったとしましても、新たな土地の改変等を伴う以上は、その実施に当たっては最低限の環境の保全にも配慮するべきだというふうに考えております。このため、方法書以前の手続を追加するに当たっては、こうした二つの要請を総合的に勘案して、方法書以降の手続は適用して環境保全への配慮を確保する必要があると政策的に判断をさせていただきました。
○有村治子君 分かりました。 確認をさせていただきます。第五十二条三項は、普天間基地移設に絡むアセスの除外あるいはアセスメントの省略を見据えての規定でしょうか、そうじゃないんでしょうか。
○国務大臣(小沢鋭仁君) 普天間の話に関しましてはまだ全く中身は分かっておりませんので、そのことに関係しての答弁というのはなかなかできかねます。先ほど来申し上げておりますようないわゆる大規模な災害、そういったものを想定して、そういう話は具体的な事例として申し上げられるところでございます。
○有村治子君 ここがちょっとにおってくると言う人がいるんですね。原科参考人も、これ沖縄の普天間の関係にあるからこんな条項を急遽入れたんじゃないかという思いの中で御発言をされていました。 私のポイントは、どのようなスタンスを取られてもそれは現政権の政治判断なので、それは尊重いたします。が、超法規的な措置というので、時の政権の恣意的な運用になっちゃいかぬという慎重さを持っているんです。これは、民主党さんが政権取られても、また我が方が政権を取っても、国民生活に直結する重大な利害があるから、じゃこのことは適用しませんというのが恣意的な運用にならないように、法の下での法治国家としての信頼を引き続き実行していただきたいと思います。 この月曜日の決算委員会におきまして、民主党の藤田議員が発言をされました。このようなことです。 今は防衛省が主体で今の現行案については環境アセスをしているわけだけれども、これいろいろな分離案とか出ている中で、どの部分の機能はここにという中で、例えばアメリカ軍の基地の中の場合は事業主体が米国となればアメリカの環境アセスメント法令に基づいてできるんではないかと。そのアメリカの法令に基づいてやる場合には、これは軍事的な理由の場合には弾力的に対応するという要件もあるようですので、実際にはアセスメントの期間を短縮できるのではないかと。それから建設の工期も、これまた場所、やり方によっては短縮できるんじゃないか。つまり、今の現行案であればこうだということだけが先に行っていますけれども、実はいろんなシミュレーション、角度から検討すれば、環境アセスメントについて例えばこういう形で短縮できるんじゃないかという議論もあるんですが、この件についていかがでしょうという質問をされています。 民主党きっての外交防衛通でいらっしゃいます藤田議員が、五月末という期間をあと一か月半にするこの段階でこういう発言が出てくるということに私自身大変びっくりをしたわけなんですけれども、これは事業主体がアメリカになるということもあり得るということを現政権、与党がお考えになっているということなんでしょうか。それでしたら大変大きな問題になるんですけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(小沢鋭仁君) 藤田委員がどういう思いでそういう質問をされたか分かりませんけれども、あくまでも一般論で言えば、国際法上、在日米軍が事業を行う場合については日本の国内法は適用されない、しかし、これまでどおり日本の沖縄防衛局が事業主体で行われる場合には日本の国内法が適用されると、こういうことだろうと思います。
○有村治子君 大臣の答弁、すごく重いし、極めて適切だと思います。 今回の普天間基地移設に関しては、日本政府の責任において防衛省さんが、現行案にしてもそうじゃないにしても、環境に最大配慮するようなアセスメントを実施していくという、そういう事実認識、環境行政としての事実認識でよろしゅうございますね。
○国務大臣(小沢鋭仁君) 繰り返しになりますが、沖縄防衛局が事業主体の場合には国内法が適用されると、こういうことでございます。
○有村治子君 ありがとうございます。 先ほど申し上げました七十四億円と準備書段階で掛かっている。しかも、それは、鳩山大臣がこだわられる、一本のくいも打てなかったじゃないかとクエスチョンタイムで有名なフレーズが出ましたけれども、くい一本打つ前にこれだけの費用が掛かって、それをしてでも環境配慮をしていこうという中でございますから、どのような政治意思決定をされても、環境と何とか両立するような国民益、子々孫々に美しい沖縄あるいは内外が残っていくような御努力を引き続きされることを私も願っております。 同時に、安全保障というのは国民の生存を確かにするための極めて大事な国政の側面でございますから、そのバランスの中でより妥当性のある意思決定をなされることを国民としても願っております。 最後にお伺いをさせていただきます。 今回の法案審議に関して、いろいろな立場の方々とできるだけ可能な限り、時間は制約されますが、お話を伺いました。その中で、最後に大臣の御感想を聞きたいんですけれども、環境アセスメントというとどうも事業者にとっては負担で、経営戦略としても、数億円、数年間の期間が掛かる、まさに重圧との闘いであるということを私も分かりました。 環境アセスメントを実際にやっていらっしゃるコンサルの方、協会の方々にもお話を昨日お伺いさせていただいたんですけれども、その方々の提案として、これをやったか、あれをやらないかというネガティブなことで環境に影響をいかに少なくするかというだけではなくて、その事業者が環境に対していいことをやっていく、例えばここにプラントを建てるのであればそれ以外のところに植樹をやっていくとか、その代替的に環境にいいプラスの側面をした場合はそれも積極的に認めていくような、ポジティブな、事業者にとってもウイン・ウインになるような、しかもそれが環境を改善していくという前向きなアセスメントになるのであれば、それは大いに検討してほしいという御意見がありまして、私もこれは極めて前向きな意見だというふうに思いましたが、これは通告もしておりませんし、大臣の感想というところで有り難いと思います。 非難をするということ、責任の所在を明確にするって極めて大事でございますが、それと同じぐらいに、いいことをしていく取組をしっかりとたたえて、そのモデルケースをどんどん広げていくというところに同じぐらいのエネルギーを掛けても、私は極めて前向きな環境行政の進展になると私自身考えましたが、大臣、いかがでしょうか。このことに、やっていただく、検討していただく、是非も含めてコメントをいただきたいと思います。
○国務大臣(小沢鋭仁君) 今の御指摘は一般論としては重要だと、こういうふうに思いますけれども、自然の環境というのは唯一無二のものでございますので、いわゆるオフセット論的な話ですべてが賄われるかというと賄われないものもこれあるのではないかと、こう思いますので、慎重な対応が必要だろうと、こういうふうに思っております。
○有村治子君 慎重さも極めて大事で、オフセットばかりが万能薬ではないという御主張も賛同いたします。けれども、同時にやっぱり環境のために何が、いいことができるかという姿勢を醸成することも極めて大事なので、引き続きどうか検討をしていただきたいというふうに思います。 冒頭、環境大臣と難しい状況になりましたが、私は、あくまで環境行政の進展を願い、また法治国家として法律を守っていく中でのベストアンサー、妥当案を願っているという議会人として、改めて皆様の御労苦に敬意を表して、妥当な意思決定、適切な意思決定をしていただくことを念じて、私の質問を完了させていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(山谷えり子君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時九分散会