法務委員会 第13号
- 発言数
- 178 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2010/05/21
会議録
○滝委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、民事訴訟法及び民事保全法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。樋高剛君。
○樋高委員 おはようございます。 きょうは国際裁判管轄に関する議論ということでありますけれども、法律を読み込みました。その結果、私なりの問題意識としては、この法律が使われるようになったときに、運用やあるいは解釈面で、もしかして幅がある部分がちょっとあるのかなと。大臣答弁をいただいて、実際にこの法律が使われるようになったときに混乱を来さないようにという趣旨で、きょうは、ちょっと専門的な部分も含まれますけれども、議論をさせていただければというふうに思っております。 まず最初に、個別労働関係の民事紛争を対象とする管轄権の合意という部分についてであります。 個々の労働者と事業主との間の民事紛争に関する管轄規定につきましては、いわゆる労働者の司法へのアクセスという面と、一方で事業主の予見可能性のいわゆるバランスをとるということが私は大切だというふうに認識をしております、重要だと考えておりますけれども、法案では、労働者から事業主に対する訴えについては、労務提供地が日本にある場合に加えて、いわゆる事業主の住所地、義務履行地などが日本にある場合にも日本の裁判所に提起することができるというふうに書かれているわけでございます。 これに対して、事業主から労働者に対する訴えについては、原則として、労働者の住所がある国の裁判所に提起することができると規定をされておりまして、これ以外の裁判管轄を合意する場合には、労働契約の終了のときに、そのときにおける労務の提供地がある国の裁判所に訴えを提起することができる旨の合意のみが有効だと定められています。 例えばでありますけれども、上級管理職の立場にある方をちょっと想定していただきたいんですけれども、重要な営業秘密を扱っているような労働者の場合、日本の企業は、営業秘密保護のために労働者と競業禁止の合意をすることがあり得るわけであります。この労働者が営業秘密を持ったまま、競業禁止の合意に違反をして、同じ業種の例えば外国のライバル会社にリクルートをされた、そして、例えば韓国などの外国の会社に勤務して、住所も海外に移してしまいましたよというケース、その場合、日本の企業というのは日本の裁判所で訴えを提起することができなくなるのではないかというふうに私は考えたわけであります。もしそうだとすれば、日本の企業の利益は守られないのではないだろうかというふうに純粋に思ったわけであります。 このような問題が生じた場合、日本の裁判所において、日本の企業の利益を保護する手段は担保されているんでしょうか。いかがでしょうか。
○千葉国務大臣 御指摘のとおり、事業主が労働者に対して、個別労働関係民事紛争に関する訴えを日本の裁判所に提起する場合、原則として、労働者が日本国内に住所を有することが必要とされております。 御指摘の事例などでは、管轄権の標準時である訴え提起の時点において労働者が外国に住所を有しているために、日本の裁判所は管轄権を有しないというのが原則になります。しかし、事業主が労働者との間で、労働契約終了時に、そのときにおける労務の提供の地がある国の裁判所に訴えを提起することができる旨を合意した場合には、当該合意が有効とされまして、そういう意味で、御指摘の事例でも、日本の企業が労働者との間で、労働契約が継続をしているときはできませんけれども、労働契約の終了時に、労務の提供の地がある日本の裁判所に訴えを提起することができる旨の合意をすれば、当該合意に基づいて日本の裁判所に訴えを提起することは可能でございます。 こういう形で、労働者の保護とそれから事業主の利益も配慮をするという法律の構造になっているところでございます。
○樋高委員 特にこのような場合なんですけれども、辞表を提出されてから日本から出国をしてしまうという場合は、労働契約終了時の合意を締結することは実際できないのではないか。要するに、退職する場合、けんか別れになっちゃうというのが現実だろうと私は思います。そうなれば、いわゆる退職時にまじめに会社と合意をした方よりも、何もしないで国外に逃げた方の方が結果として保護されてしまうというふうな可能性は否定できないんじゃないだろうか、つまり逃げ得になってしまうというところを私は一つの盲点として見出したわけでありますけれども、このような結果についてどのように考えていけばいいのか。 今回の改正においても、いわゆる担保されない部分というのはあるわけでありまして、次に向けたまた課題の一つなんだろうとは思いますけれども、御所見を伺いたいと思います。
○千葉国務大臣 これも御指摘のとおり、日本の企業が労働者との間で労働契約の終了時に管轄権に関する合意に至らなかった場合、日本の企業は日本の裁判所に訴えを提起することはできないということになります。このような事例において、事業主が労働者に対する訴えを日本の裁判所に提起することができるようにするためには、労働契約時にした国際裁判管轄の合意を有効とするほかはございません。 ただ、一般的に、事業主と労働者との間には経済力、交渉力の格差が存在して、労働者が労働契約時に自己に不利な国際裁判管轄の条項を同意するということはどうだろうか、拒否することはなかなか困難だというふうに言わざるを得ないと思います。他方、労働契約の終了時であれば、労働者と事業主との交渉力の格差は契約時に比べれば小さいことから、本法律案第三条の七第六項第一号は、労働契約終了時の国際裁判管轄の合意に限り、一定の要件のもと有効としております。 こういうことを考慮すると、労働契約の終了時に企業と労働者との間で管轄権に関する合意ができず、労働者が外国に転居したというような場合には、原則どおり、労働者の住所のある国の裁判所に訴えを提起しなければならないということで、この法律上ではやむを得ないということになろうかと思います。確かに一つの課題でもあろうかと思います。
○樋高委員 ありがとうございます。 次のお尋ねに入りたいと思います。次は、併合管轄について伺いたいというふうに思います。 この法案では、ほかの国の裁判所を専属管轄とする合意があった場合においても、併合管轄によって日本の裁判所が管轄を有する場合があるというふうに書いていますね。 例えば、ある人が日本人に一千万円を貸し付けました。保証については米国の裁判所を専属管轄とする条件で、アメリカに居住する例えば親に連帯保証してもらった場合、借り主の日本人に対して日本の裁判所の管轄権が認められるとするならば、アメリカに住んでいる保証人に対しても併合管轄、日本の裁判所に訴えを提起することができるということなんでしょうか。もしできるとするならば、アメリカでしか訴えを提起できないという期待を裏切ることになるのではないか。この期待について、どのように受けとめ、考慮なさるおつもりでしょうか。
○千葉国務大臣 この問題につきましては、第三条の六ただし書き、ここが関連いたしてまいりますが、訴訟の目的である権利または義務が数人について共通であるとき、または同一の事実上及び法律上の原因に基づくときには、被告の一人に対する請求について日本の裁判所に管轄権が認められれば主観的併合が可能だということが規定されております。貸し金の返還請求と、その貸し金の保証債務履行請求というのは、この要件に該当すると言えるのではないかと思っております。 御質問の事例では、保証人に対する請求について、米国の裁判所の専属管轄という合意があるという事例でございます。しかし、併合される請求について、外国の裁判所の専属管轄とする合意があっても、密接に関連する複数の紛争を同一手続において矛盾抵触なく解決することが望ましいことから、第三条の六ただし書きの適用を除外しないということになります。したがって、保証人に対する請求について日本の裁判所が管轄権を有しなくても、これを借り主に対する請求に併合して日本の裁判所に訴えを提起することが可能になります。 原則はそういうことになりますが、仮に、事案における具体的な事情を考慮して、日本の裁判所が併合される請求について裁判をすることが適正かつ迅速な審理の実現を妨げることになるような場合には、この三条の九により、その請求に係る訴えを却下することが可能ではありますけれども、先ほど申し上げましたように、密接に関連をするということで、同一に裁判をすることが可能になろうかと思います。
○樋高委員 あともう一問だけさせていただきたいと思います。 財産権上の訴えの管轄規定についてであります。これもとても重要なポイントだろうというふうに思います。 いわゆる金銭の支払いを請求する訴えについて、差し押さえることができる被告の財産が日本国内にあるときに、日本の裁判所が管轄権を有するとしております。しかし、ブリュッセル条約などではこのような管轄は認めていないようであります。つまり、単に財産があるというだけで管轄を認めるというのは過剰ではないかという指摘もあると私は思っておりますし、その話も聞いております。 いわゆる外国の裁判所が、同様の規定に基づいて、日本人に対する管轄を認めて判決を下した場合についてなんですけれども、日本の裁判所はその判決を承認するんでしょうか。この規定に基づいて日本の裁判所が判決を下した場合、その判決を外国の裁判所が承認することを期待しているのかということについてお尋ねをしたいと思います。
○千葉国務大臣 御指摘は、過剰管轄にならないかという問題であろうかと思います。 被告の差し押さえ可能財産が日本国内にある場合であっても、その財産の価値が著しく低い、あるいは、強制執行しても債権の回収の見込みがほとんどないような場合に日本の裁判所の管轄権を認めるというのは、過剰な管轄を認めるものということが言えようかと思います。そこで、この法律では、差し押さえることができる被告の財産の価値が著しく低いときは適用しないものという規定をしております。したがって、そういう規定をしておりますので、過剰管轄には当たらないというふうに思料をされると思います。 ただ、外国には財産の所在地による管轄を認めている国もございまして、財産所在地により管轄が認められた訴えについての判決の承認が認められる可能性も確かにございます。 民訴によりますと、外国判決の承認の要件の一つとして、「法令又は条約により外国裁判所の裁判権が認められること。」と規定されておりますので、これを満たすかどうかは、承認国である我が国の国際裁判管轄の規定を適用した場合に、その事件について当該外国の裁判所が管轄権を有すると認められるかどうかということにもよります。外国の裁判所が、本号、我が国の規定と同様の規定に基づいて管轄権を認め、判決をした場合、この法案の規定の要件を満たす可能性があるので、その他の承認要件を満たせば、日本の裁判所はその外国判決を承認する可能性があるというふうに考えております。 しかし、価値が著しく低い差し押さえ可能財産の存在に基づいて過度に広い管轄が認められた場合などは、本法律案の規定と整合しないので、承認はされないというふうに解釈できるものと思います。
○樋高委員 ありがとうございました。 この法案成立の暁には、国益に資することを祈念いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○滝委員長 次に、藤田憲彦君。
○藤田(憲)委員 おはようございます。民主党の藤田憲彦でございます。本日、質問の機会をいただきましたこと、ありがとうございます。 私は、会社に入った最初の四年間は法務部に所属をしておりまして、日々海外の企業との国際私法取引に携わっておりました。その経験からいたしますと、今回の民事訴訟法及び民事保全法の一部を改正する法律案の意義は非常に大きいと思っております。 といいますのも、企業法務においては、特に海外の企業との取引において、裁判管轄とそれから準拠法というところが必ずセットになっていて、英文で言うとジュリスディクションとガバニングローですけれども、これを日本にするか、それとも海外にするかというところは、常に契約交渉の押し引きになるところであります。 しかし、今回、この法律の改正によって、日本の裁判が管轄権を有する類型を定めるということによって、仮に契約書にその文言が記載されていないとしても、日本の企業にとっては、これで日本の裁判所に訴えられるということがある意味確実になるわけでして、予測可能性が高まるということでは大変意義の多いことであろうと思っております。 その意味で、今般、この法律案が改正されるに至った経緯についてまず伺いたいと思います。
○千葉国務大臣 大変適切な御指摘をいただいて、本当にありがとうございます。 現行の民事訴訟法には、これまで国際裁判管轄に関する明文の規定は存在をいたしませんでした。裁判所では、最高裁判所の判例に従って、民事訴訟法の国内土地管轄の規定に依拠しながら、各事件における個別の事情を考慮して、個々の訴えごとに国際裁判管轄の有無を判断していた、こういう状況でございます。したがって、現状では、訴えを提起してみないと、日本の裁判所が管轄権を有しているか否かの予測が困難だ、御指摘があったとおりでございます。 そこで、国際裁判管轄についての国内法制の整備を行うことといたしまして、平成二十年九月に法制審議会に対し、国際裁判管轄法制の整備について諮問がなされ、そして、本年二月、国際裁判管轄法制の整備に関する要綱が答申をされたということでございます。 こういう状況で、今回、法制審議会の答申を踏まえて立案作業等を進めて提出をさせていただいた、こういう経緯がございます。
○藤田(憲)委員 ありがとうございます。 本年二月の法制審議会の答申によるという御答弁をいただきましたけれども、一方で、企業間の海外取引ということでいいますと、これはかなり以前から企業間取引が盛んに行われておりますし、今般、この改正案が成立する以前の企業法務の立場からすれば、これは昭和五十六年のマレーシア航空事件の判決を信頼してという状況が、ある意味ずっと続いてきたかと思います。 その意味で、国際取引の広がりというものはもっと以前から行われてきたという状況からかんがみますと、逆の観点からいえば、なぜ企業のこういった国際私法取引の重要性が高まっているにもかかわらず、これまでこういった改正がなされてこなかったのか。端的に言えば、立法不作為状態が続いてきたのではないかというような声も上がるかと思いますが、この点、お伺いしたいと思います。
○千葉国務大臣 確かに、御指摘のところがあろうかというふうに思います。 前に民事訴訟法が改正をされた平成八年の当時も、国際裁判管轄法制を整備する必要性というのが指摘をされ、そして認識がされておりました。ただ、当時、ちょうどヘーグ国際私法会議におきまして、国際裁判管轄に関する包括的な条約を作成できないかということで検討がされておりまして、できればそれに沿って法改正あるいは条約をつくっていくべきではないか、こういう議論が続いていたという状況がございます。そういうことで、前回の改正の折には国内法制の整備が見送られたという経緯がございました。 ところが、このヘーグ国際私法会議における条約交渉がなかなか、関係国間の意見の対立等もありまして、包括的な条約というのが採択できずに、平成十七年六月に、管轄合意に関するところだけ小規模な条約が採択をされたということで結局とどまってしまった。この間、そういう意味では日本の立法作業も、多少それを横目でにらみながらということになってしまったというふうに思われます。今後、近い将来にも、今のような国際状況の中で、国際裁判管轄について協議が調うという状況も、ちょっとなかなか難しいようでございます。 そういう意味で、多少遅きに失したという御指摘、これは甘んじて受けるところかと思いますけれども、包括的な条約を今のところ策定できないということで、まずは日本での法改正ということをきちっとしようということになったところでございます。
○藤田(憲)委員 ありがとうございます。 条約の関係でというところについては、これは理解をできるところであります。国際私法取引を行う場合においても、国ごとに違ってしまえばそれだけ国ごとの対応が必要になる、しかしながら、多国間の条約で定められていることに準則する形にすればそれだけ法的安定性と予測可能性が高まるという意味では理解ができるわけでありますけれども、そういった状況の中で今回改正されるということは、仮に遅かったとしても、その重要性については認めるところであります。 その上で、この法律案の具体的な内容に入っていきたいと思うのです。 今回の法の改正案においては、第四条の四において、消費者契約や労働関係に関する訴えについて、ここに関しては特則を設けられております。これは消費者や労働者の権利保護に配慮をしているということであります。 先ほど申しましたとおり、条約等々の関係で、世界の中の水準において同一の水準を保つということは非常に重要だと思うのですが、一方で、こういった特則というものが、世界の標準、あるいは、今ヘーグ条約という言葉もありましたけれども、こういったところと比較をして、これが特殊なのか、あるいはこれに沿ったものなのかという点についてお伺いしたいと思います。
○千葉国務大臣 多分、御指摘のところは第三条の四かなというふうに思いますが、この法律案においては、消費者及び労働者の裁判所へのアクセスを保障するという観点から、消費者契約あるいは労働関係に関する訴えの管轄権について特則を設けております。 本法律案の立案に当たり参考にしたヨーロッパのブリュッセル1規則や各国の国内法等を見ますと、消費者契約及び労働関係に関する訴えの管轄権について、今回の法律案と同じ趣旨の特則が設けられているものがあるというふうに承知をいたしております。 そういう意味では、消費者契約及び労働関係に関する訴えの管轄権についての特則は、条約や各国の国内法にも設けられているものでもございますので、我が国だけが非常に特有だとかあるいは突出している、こういうことではないということで、国際的にうまく運用できる規定になるのではないかというふうに考えております。
○藤田(憲)委員 ありがとうございます。 そういった意味では、この消費者契約とそれから労働関係に関する特則でいえば、契約締結時と訴え提起時の消費者の住所が国内にあればいいわけですし、一方、労働関係においては労務の提供地が国内にあればよいということであって、これは消費者の立場、労働者の立場であれば明らかなわけでありますから、この法の改正案においては消費者及び労働者の権利保護に十分配慮しておる、それから、それが国際私法の関係の中において、条約や各国の国内法等の規定において内容は沿ったものであるという意味では、本法案の改正案の内容については了解をし、賛成をするものであります。 消費者契約及び労働関係というところの重要性を認めつつ、一方、国際私法取引においては、近年特に盛んになっているのは、知的財産権に関する訴えが非常にふえておりまして、私ごとで言うわけではありませんが、法務を経験した後に電子マネーの開発に身を移しまして、そこで特許を取得して、これも、PCT出願というものもありまして、海外特許の取得を行っている。これから、電子マネーに限らずさまざまな日本の技術が海外で使われるということの中で、お互いの国の知的財産権の保護、それからこういった財産権を運用するということは極めて重要になってくるだろうと思っております。 そういった意味で、知的財産権に関する訴えについて、本改正案の第三条の五第三項においては、この知的財産権、これは著作権も含みますし、特許権等々含みますが、存否または効力に関する訴えは日本の裁判所に専属するものとされておりますが、権利の帰属に関する訴えは本法案の改正案の中には含まれていないというふうに理解をしております。 この権利の帰属に関する訴えということも国際私法取引の中においては非常に重要な側面だと思うのですが、ここが改正案の中から除外されている理由についてお伺いしたいと思います。
○千葉国務大臣 今御指摘の問題は、存否または効力ということとそれから権利の帰属ということ、やはりこれの違いということによるものだというふうに理解をしていただければというふうに思います。 知的財産権の存否または効力に関する訴えというのは、それが存在しているか否か、あるいはその有効性について直接争うものでございます。そして、特許権等の設定の登録により発生する知的財産権というのは、各国の行政処分により付与されることも多く、その存否または効力の判断には技術性あるいは専門性を要することから、その存否または効力に関する訴えについては登録国の裁判所の判断に任せるのが相当ではないか、こう考えられます。 それに対して、帰属に関する訴え、こちらは、その訴えの内容が権利の主体に関するもの、すなわち、権利者がだれだろうか、こういうものでございます。そういう意味では、存否または効力に関する訴えに比べると、その判断に技術性とかあるいは専門性を要することはそれほど高くはないのではないか。 こういうことで、権利の帰属に関する訴えについては本規定の対象から除いたということでございまして、その性格といいましょうか、その違いによって規定も違っているという形をとっております。
○藤田(憲)委員 ありがとうございます。 そういった意味では、本法案の改正案について、まだまだ取り込まれていないものもありつつ、こういった点については引き続き御検討していただければと思います。国際訴訟競合の規定等々も設けられていないわけでありますが、こういった訴訟が競合する場合ということもこれからあり得るわけでありまして、引き続き御検討いただければと思います。 こういった意見を述べさせていただきまして、私の質問といたします。ありがとうございました。
○滝委員長 次に、柴山昌彦君。
○柴山委員 自由民主党の柴山昌彦です。 法案質問に先立って、どうしてもお伺いしたいことがあります。 まず、前回の四月二十日のこの委員会での私の質疑に関することで一つお伺いします。 鳩山総理の公設秘書だった勝場啓二氏の判決公判を翌々日に控えた中で、私は、「鳩山総理が、以前おっしゃっていたように、最終処分が出た後に、検察庁に提出されている資料をしっかりと説明をする、あるいは国会の場に提出をするということがなされなかった場合に、それをするように閣僚として説得するかどうか」ということを質問させていただきました。 それに対する千葉大臣の御答弁は、「この間の総理の説明あるいは国会での答弁等を含めて、一定の裁判ということがはっきりした段階で適切に対処するとおっしゃっているわけですので、適切に対処されるものだと私は考えております。」このように答弁をされました。御記憶ですね。
○千葉国務大臣 はい、記憶いたしております。
○柴山委員 それに応じまして、私は、「総理は適切に対応されると思うというようにお答えでしたけれども、私がお聞きしているのは、適切な対応がとられなかった場合に、とるように説得するかどうかということを大臣にお聞きしているんです。」というように質問をいたしました。そうしたところ、民主党の委員の方々の壮絶なやじの中で、千葉大臣は、「仮定の話になりますので、お答えはできません。」というようにお答えになったんです。 もう既に仮定の段階は過ぎました。案の定、私が思っていたとおり、鳩山総理は御自分の言葉をひっくり返して、そういった資料の提出は行わないというように明言をされたわけであります。 大臣、再度お伺いいたします。 このような総理の対応を受けて、大臣は、再度、きちんと筋を通し、鳩山総理に関係資料の提出を求めるように説得することをお考えかどうか、いま一度お伺いします。
○千葉国務大臣 これは総理が御自身でお決めになることでございまして、私の職務から、それを説得するとかあるいは促すとか、そういう立場には私はございません。(発言する者あり)
○柴山委員 総理に言ってくださいと、今委員の方からやじがありました。 ただ、内閣というのは、一体性を確保しつつ、国民の負託にこたえていくものなんです。何のために閣議という手続があるんですか。 大臣、大臣の期待は無残にも総理によって打ち砕かれているんです。ぜひとも、大臣、お考えを改めて、総理に対して説得してください。そしてここでそのことを言明してください。
○千葉国務大臣 今御答弁申し上げたとおりでございます。
○柴山委員 大変失望をいたしました。 この質疑の模様もしっかりと、今は動画サイトも充実しております。そして議事録も公開されております。御答弁には十分に行き届いた配慮をしていただきたいと申し上げて、次の質問に移らせていただきます。 これも四月二十日の私の質問に関することです。 当日は、千葉大臣に加えて中井国家公安委員長もこちらの方に御出席でした。お二人に対して私は質問をいたしました。「大臣は、今度実施される参議院選挙ではマニフェストの大幅修正は行うべきだとお考えなんでしょうか。」 これに対して、まず、中井大臣がこう答えられました。「マニフェスト自体は四年で実行する、こういうことが大前提であります。今回の参議院選挙では、まだ一年目。御批判はたくさんいただくことは承知をいたしておりますが、私は、大きな修正なしで、マニフェストどおり選挙戦を戦って御評価をいただくべきだと考えています。」 そして、千葉大臣もこのようにお答えでした。「私は、マニフェストは、昨年の政権交代において、これから与えていただいた四年間で実現をしていく、こういうことを掲げさせていただいているものでございますので、そういう意味では、これが今回で極端に変わるというものであってはならないというふうに思っております。」 お二人とも全く筋の通った御答弁をされているんですけれども、今、仄聞するところによりますと、政府部内ではマニフェストの手直しということが検討されているやにお伺いしております。 大臣、こういった御発言に基づいて、そういうことは憲政の常道からして行うべきでないということを閣議等でおっしゃっているんでしょうか。
○千葉国務大臣 今、マニフェストの議論は確かにされております。これは、党としてマニフェストを策定するということ、今協議中であろうというふうに私も承知をいたしておりますので、大きく異なるかどうか、これはまだ私も十分に詳細あるいは最終的な結論を承知しているわけではありません。
○柴山委員 それでは、党の方でマニフェストが仮に大幅に修正、変更された場合に、大臣は、先ほど御答弁を紹介させていただいたように、大幅変更はするべきでないと。 大臣は法律家の御出身です。憲政の常道ということについて、あるいは政治過程、プロセスのあるべき姿ということについて大変御造詣が深いというように承知をしておりますけれども、そういう形で、そういうことはするべきでないというように御意見をお述べになるおつもりはありませんか。
○千葉国務大臣 今、非常にいろいろな議論がされている途中でございます。基本的に、これまでのマニフェストが大きく変更されるかどうかということは、まだわからない、仮定の話でございますので、それはまた状況を私も見据えさせていただくということでございます。
○柴山委員 また仮定の話ですのでお答えできませんというようにお答えになりましたけれども、繰り返しになりますが、大臣のお答えというものは、私の記憶のメモリーのみならず、すべてしっかりと議事録、記録に残ります。それに基づいて、また状況の変化があった時点で私は質問をさせていただきますし、今は、先ほど申し上げたように、一般国民の方々がこうした委員会での質問というものを皆さん注視されています。その重みを重々理解された上で、責任と使命感を持って職に当たられることを切に希望申し上げます。 次の質問に移らせていただきます。 十月十九日に採用された内閣官房専門調査員についてお伺いします。 今、政治主導ということが大変声高に叫ばれているわけですけれども、この内閣官房専門調査員というのは、平野官房長官が、鳩山内閣総理大臣を任命権者として、民主党の政調職員の二十七名を非常勤の一般職国家公務員として採用し、辞令を交付したというように仄聞をしております。 その中で、総括と言われる方、プライバシーの関係からここではイニシャルを用いさせていただきますが、Y、別名H参事とおっしゃる方です。そして、法務の御担当はS部長代理とおっしゃる方です。 大臣、法務省としては、こうした方々のこれまでの経歴あるいは活動について把握をされておりますか。
○千葉国務大臣 これは内閣の方できちっと適切に対応、判断をしているものではございますけれども、私のもとでも経歴等の内容について適切に把握はさせていただいております。 ただ、個人に関する情報ということになるものですから、その内容についてはお答えは差し控えさせていただきます。
○柴山委員 今大変重要な御答弁をいただいたんです。私のところにきのう質問にいらっしゃった職員の方は、法務省としては、その経歴、活動の詳細というものは承知をしていないというようにお答えだったんです。ところが、今大臣の口からは、法務省としてその経歴を承知しているというように御答弁がありました。 大臣、もちろん、履歴書等については、それは法務省でこれから仕事をされるわけですから、そのリストの一部ということで、もしかすると御入手をされているかもしれません。私が申し上げているのは、そういった通り一遍の履歴書に書かれているようなことだけではなくて、これまでどういう活動をしてきたか、そしてどういうような社会的なさまざまな出来事というものにかかわっておられたか、そういうことまで把握をされているかということなんです。
○千葉国務大臣 私も、今御指摘がありましたように、経歴等承知をしているという話をさせていただきましたが、すべて、細かいところまで必ずしも承知をしているかどうかということを言われますと、そこまでは承知をしていない部分もあると思います。
○柴山委員 それでは、実際に採用に当たられた内閣官房の方にお伺いいたします。きょうは松野副長官においでいただいております。 内閣官房としては、こうした経歴あるいは過去の活動というものについて把握をされた上で採用ということをされたんでしょうか。
○松野内閣官房副長官 その経歴というのがどこまでのことをおっしゃっているのかわかりませんけれども、当然、履歴書、職歴等は確認をしてございます。(発言する者あり)
○柴山委員 今、野党の理事の方からもお話があったように、本当に通り一遍の経歴書で足りるのかというところが実は大変重要なんです。 特に、今申し上げたように、法務担当の職員というのは、例えば法務行政というものは、国の根幹を左右する治安の問題についてコミットをいたします。あるいは、今、私もプライバシーに配慮した形での質問をさせていただいておりますけれども、プライバシーとか、国の重要な情報について接するということも想定されるわけなんですね。 千葉大臣あるいは政務三役の方だったら、これまでどういう著書を著し、どういう活動をされ、そしてどういう信条をお持ちかということは、私たちはある程度承知をしております。同僚の国会議員も含めてですけれども、この場で、そういうことと今の例えば仕事との関係もるる質問をすることもできます。ところが、こういった一般の方が政府の中に入ってきたときに、そういうことが必ずしも十分にできないという実態があるわけなんです。 いま一度私はお伺いいたしますけれども、今私が質問をさせていただいた方々に関して、特に法務担当の専門調査員の方ですけれども、どういうお仕事をされているんでしょうか。きょうは小沢民主党幹事長の不起訴処分が決定するのではないかというような報道もされていますけれども、検察行政などについて、非公開となっている趣旨と反するような運営がなされるおそれはないんでしょうか。
○千葉国務大臣 ちょっと御質問の趣旨がようはわかりませんけれども、この専門調査員の方々は、内閣官房長官の指示を受けまして、各府省、私ども政務三役に対して、さまざまな政策的な、これまでの知見に基づいた情報の提供あるいは助言等を行うということを職務にしております。 そういう意味では、その職務において、例えば検察の捜査処理等に対する情報に関するところに接するというそんな機会は全くございませんで、そのような情報などについて何か特別な扱いとかあるいは行動をとるということはとても不可能だというふうに私は考えております。
○柴山委員 今、不可能というようにおっしゃいましたけれども、例えば、法務省に入っておられる今私が申し上げた部長代理の方、あるいは主査でもう一人入っていらっしゃいますけれども、特にこの主査の方は、法務省には毎日のようにいらっしゃっているというようなことをお伺いしております。また、確かに検察庁そのものはセキュリティーもかかっておりますけれども、残りの法務省とは、庁舎としては一つの庁舎で皆さんお仕事をされています。また、もう私が申し上げるまでもありませんけれども、法務省の刑事局の方と検事の方、人事ローテーションで頻繁に交流をしております。そのような中で、専門調査員の方が、検察を含む刑事行政に一切情報として入手する機会がないというのは、私はそれは若干疑問を持っているところでもあります。 ちなみに、この調査員の方々については、守秘義務というものがかかっていると思いますけれども、この守秘義務というものに違反したら、それは、法律上、どのような効果をもたらすんでしょうか。
○千葉国務大臣 当然のことながら、この内閣官房専門調査員は非常勤の国家公務員ということになりますので、国家公務員法第百条第一項の規定に基づく守秘義務が課せられております。また、この守秘義務違反については罰則が設けられておりますので、これに違反をいたしますと、一年以下の懲役または五十万円以下の罰金に処せられるということになります。
○柴山委員 今御指摘のように、行政処分ではなくて、刑事罰まで想定をしているということであります。ぜひとも、情報管理ということについては徹底をしていただきたいと要望させていただきまして、法案の中身に入らせていただきます。 なお、大臣、きょうはこの後、御予定があるということですので、御予定に沿って、適宜、御退室をいただいて結構ですので。 法案の中身ですけれども、今回……
○滝委員長 ちょっと失礼します。速記をとめてください。 〔速記中止〕
○滝委員長 では、速記を起こしてください。
○柴山委員 それでは、質問を続行させていただきます。 今回問題となっている国際裁判管轄ですけれども、とりもなおさず、裁判権という国家主権が一体どの事件に及ぶかという問題で、本来、国家間のルールで解決しておくべきではないかと思いますけれども、なぜそれが実現をしていないのでしょうか。 EUでは、ブラッセル条約やルガノ条約が国際裁判管轄を定めていますし、また、民間航空運送という特定の分野に関しては、日本も締約国となっているワルソー条約があります。いかがでしょうか。
○千葉国務大臣 確かに御指摘のとおりでございまして、できればこれは国際的な条約できちっと整備をされるということが望ましいと私も思っております。 この国際裁判管轄につきましては、ヘーグ国際私法会議において、この間、条約交渉が続けられてまいりました。ただ、このヘーグ国際私法会議におきまして、関係国間の意見の対立等もありまして、包括的な多国間条約は採択できずに現在に至っているところでございます。平成十七年に管轄合意に関するところだけは条約が採択をされることになりましたけれども、包括的な条約という形にはなっておりません。 そういう意味で、それを待つ、これから将来、どの程度見込みがあるのかということがまだはっきりいたしませんので、そういう意味で、まずは国内法で整備をさせていただくという経緯になったということでございます。 私も、でき得れば、国際裁判管轄について包括的な多国間条約が成立するということが望ましいことは、もう言うまでもないことだろうというふうに考えております。
○柴山委員 今大臣が御指摘のとおり、本来、多国間の包括的な条約が結ばれるべきであるというように考えるんですけれども、今、なかなか将来の見込みというものが不透明だというような御趣旨の御答弁だったんですけれども、先ほど申し上げているように、EUでは既に条約があるわけですし、特定の分野に関してはそうした条約もあるわけなんですけれども、包括的な条約というものがそういった状況であるというのは、一体どういった根拠に基づいてそういう状況になっているんでしょうか。
○千葉国務大臣 なかなか根拠ということは私もすべてはわかりませんけれども、それぞれの各国の法制あるいは管轄に関する考え方がかなり異なっているということもあって、なかなか、それを統一する、共通な土台をつくるということが難しいという、そこが現状ではないかというふうに認識しております。
○柴山委員 特に大陸法系の国々と英米法系の国々の間では、確かに御指摘のように、なかなかすり合わせができない法律上の違いがあるというように私も承知をしております。 それでは、今御指摘のように、そういった条約ができるまでの間、いろいろと日本でもこの管轄に向けた取り組みを進めなければいけないということなんですけれども、これまで日本において、この問題に対する対処はどのようにされてきたんでしょうか。私も学生時代は逆推知説というような言葉で勉強した記憶があるんですけれども、どのような原則だったんでしょうか。
○加藤副大臣 柴山先生に御配慮いただきましたので大臣と政務官はちょっと失礼をいたしますが、お許しいただきたいと思います。 お尋ねの件でございますけれども、現行の民事訴訟法には、国際裁判管轄に関する明文の規定が存在しておりませんで、それはもう御指摘のとおりでございます。 これまでどういう運用をされてきたかといいますと、日本の裁判所の管轄権が及ぶ範囲につきましては、訴えが提起された後、裁判所において最高裁の過去の判例に従って、個々の訴えごとに判断をしてきたということになります。 あえて申し上げますと、その判断基準、大きく二つございますが、基本的には民事訴訟法の国内土地管轄の規定に依拠しつつ、各事件における個別の事情を考慮して国際裁判管轄の有無を判断するということ、もう一点につきましては、その際、我が国で裁判を行うことが当事者間の公平、裁判の適正、迅速を期するという理念に反するような特段の事情がある場合には、その国際裁判管轄を否定する、この二つが、いわば判断基準ということになろうかと思います。
○柴山委員 ありがとうございます。 本来であれば、まず日本の主権に属する事件なのかどうかということを判断してから、どの裁判所がその事件を扱うかという形で考えなければいけないところですけれども、今の御説明によると、国内でどの裁判所がその事件を扱うかという一般的な原則というものを逆に利用して外国間の事件の割り振りということを判断していくということで、逆推知説というような考え方なのかなというように思っております。 今回の法案は、そうしたこれまでの解釈を基本的には明文化したものととらえてよろしいんでしょうか。
○加藤副大臣 この法律案につきましては、今申し上げた国際裁判管轄に関する従来の判例で示された判断基準を十分に踏まえて立案をいたしたところでございます。 重ねてになりますけれども、基本的には、今先生も御確認をいただきました民事訴訟法の国内土地管轄の規定に依拠しつつ、各事件における個別の事情を考慮してその管轄の有無を判断する、また、特段の事情がある場合には、その管轄を否定するという、この考え方に基づいているところであります。
○柴山委員 ただ、私も実務家の端くれだったんですけれども、今、中小企業も国際的な取引を行うという事例が非常に拡大をしているんです。ただ裁判ができればよいということでは全く意味がありません。たとえ日本が裁判権というものがあるというようにみずから認めたとしても、その裁判の結果を強制執行したり、あるいは裁判の結果を実効あらしめるために財産の保全措置をとったり、そういったことができなければ、まさしく裁判というものは絵にかいたもちとなって、意義の薄いものとなってしまうんです。 こういった裁判の執行あるいは保全のルールは、一体どのようになっているんでしょうか。
○加藤副大臣 お尋ねのように、せっかく裁判をしても実効性を欠いてしまっては意味がないというお尋ねだろうと思います。 少しテーマを分けてお答えを申し上げたいと思いますが、国内の財産に対する強制執行ということでいいますと、日本の裁判所に管轄権が認められて請求を許容する判決が確定をすれば、当然のことながら、国内にある財産に強制執行をすることは可能であります。この問題はないと。 外国の財産に対する強制執行の場合というのが一つ課題になろうかと思いますが、外国にある被告の財産に強制執行をするということになりますと、日本の裁判所の確定判決が、その外国において承認、執行されるということが必要になります。外国裁判所の判決の承認、執行をどのような要件のもとに認めるかというのは、これは各国の国内法によりますので、外国において日本の裁判所の確定判決の承認、執行が認められる場合、それはその国に所在する被告の財産に対する強制執行も可能になりますが、認められるかどうかというのはその国の法律によるというところであります。 一方で、この法律案による国際裁判管轄の規律というのは、国際的にも一般的に受け入れられている規律を明文化したという考え方でございますので、この法律案によって、日本の裁判所に管轄権があるとして請求を許容する判決をした場合には、外国においても、今申し上げた承認、執行される可能性というのは極めて大きいというふうに考えております。その意味では、この強制執行については、本法律案が実効性を欠くということはないのではないかというふうに思います。 それから、もう一つ御指摘をいただきました民事保全の件でありますが、国内における民事保全で申し上げますと、日本の裁判所に本案の訴えを提起することができる場合、または、仮に差し押さえるべきものもしくは係争物が日本国内にあるときは、日本の裁判所に対して保全の命令の申し立てが可能でございます。これは問題がないと。 外国における民事保全でありますが、これはもう先生御承知のとおりだと思いますけれども、外国にある財産または係争物に対して、その国の法令に従ってその国の裁判所に民事保全の申し立てをしなければならなくなりますので、この部分だけは確かに御指摘のような課題がないとは言えないということであろうと理解をしております。
○柴山委員 大変明快な御答弁をありがとうございました。 要は、たとえ中小企業であっても、これから必然的となってくるグローバル取引を行うに当たって、さまざまな紛争を予防、そして解決をするためには、まさに御指摘のとおり、この法律だけを整備しても、果たして、その当該相手国において、しっかりとした日本の判決の承認あるいは執行体制ができているのかということのチェック、あるいは、その保全というのは、まさしく今副大臣が御指摘になったように、これは日本に対して申し立てるという手段がありませんので、当該外国に対して、仮差し押さえなり、その保全の申し立てをしなければいけないという、これはある種、大変な負担になってきますので、そういうことまでしっかりと調査をした上で取引をしなければならない。このことは、法務省として、この大変重要な法律を成立させるに当たって、十分、広報、周知していただきたいと思います。 実は私も、きのう地元の商工会で、きょう、こういう質問をしますよ、それから、こういう内容について問題があると思いますよというふうに言ったら、既に外国の会社と取引している会社があるんですよ、やはり。商工会の中でも、そういう小さな中小企業の中でも、そういうことは当たり前のように起こっているんです。ぜひ、そういったことをお願いさせていただきたいと思います。 さて、次の質問なんですけれども、今、千葉大臣の方からお話があったように、大陸法系と英米法系というような形で、この国際裁判管轄においては、ちょっと基本的な考え方の相違というものがいまだに残っています。とするならば、全く同じ事件について、外国裁判所と日本裁判所が競合して管轄を有するという場面があり得るわけなんですね。 では、こういった同一事件について、例えば日本での訴訟係属中に外国の裁判所に訴訟が提起された場合に、日本の手続を当該外国に移送するですとか、あるいは日本の手続を中止するというような措置はあり得るんでしょうか。
○加藤副大臣 今御指摘のとおり、外国と日本の裁判所において同一の事件が同時に係属した場合、いわゆる国際訴訟競合の場合について、例えば、判決が矛盾をしたりとか、あるいは、訴訟経済というようでありますけれども、平たく言えば世界全体を見たときの効率の問題だと思いますが、これらの観点から、一定の要件のもと、日本の裁判所の訴訟手続を中止する規律を設けてはどうかという御意見があることは承知をいたしております。 ただ、さすがに主権の問題がありますので、日本の裁判所に係属している事件を外国の裁判所に移送するというのは、これは国内の裁判所同士であればもちろん今できているわけでありますが、それはなかなかちょっとハードルが高いのかなというふうには思いますが、中止する等々の規律は設けるべきではないかという御意見は承っております。 ただ、実際、実務上、外国の裁判所で仮に日本国内と同一の事件が係属をした場合には、その事案ごとに、日本の裁判所において、それぞれの裁判の審理の進行状況などを見ながら、必要に応じて、例えば弁論等の期日の間隔を調整したりしてかなり柔軟に対応してきていると聞いておりますし、また今後もそれは可能であろうというふうに思います。 一方、一律に中止をするという規律を設けるような場合ですと、当然のことながら、中止の決定に対する不服申し立てというものを認めなければならなくなるだろうと思いますので、かえってそのことによって手続がどんどん遅延をしてしまうということが考えられるところでありまして、そういう理由で今回は一律に中止をするような規律については設けていないということであります。もちろん、今後も外国における訴訟手続の進行状況も考慮しながら、弁論の期日を含めて実務上の運用で適切に事案の処理が図られるものと私どもは理解をいたしております。
○柴山委員 要は、ダブルトラックでやりましょうというお話だと思います。 逆に、外国の裁判所に既に係属している訴訟と同一の案件が日本の裁判所に提起をされたら、国内であればいわゆる二重起訴の禁止などということで却下をしたりあるいは併合したりというような手続になるわけなんですけれども、そういったことはなされるんでしょうか。
○加藤副大臣 今の御指摘も幾つかパターンがあろうかと思うんですが、日本の国内の裁判所の判決が確定した後に同一の事件について外国裁判所で訴訟が提起をされたという場合でありますと、これはその外国の裁判所がその国の法律に基づいてその訴えの審理あるいは判断をするということになりますので、一概にお答えをするのは難しいわけであります。 逆に、外国の裁判所の確定判決があって、その同一の事件について今度は日本の国内の裁判所に訴訟が提起をされたという場合でありますけれども、このときには、その外国裁判所の判決が民事訴訟法百十八条の承認要件を満たさないときにはその判決は日本において効力を有しませんので、日本の裁判所は、その外国裁判所の判決の内容にかかわらずに、提起された訴訟について審理をして判断するということになるだろうと思います。 ただ、今申し上げた民事訴訟法百十八条所定の承認要件というものを満たす場合、外国の裁判所の確定判決がその条件を満たす場合には、日本の裁判所におきましては、その外国裁判所の確定判決を承認するということになりますので、改めて訴えの内容について審理判断をすることはないというふうに理解をいたしております。
○柴山委員 済みません、大変失礼をいたしました。ちょっと私の質問の仕方がまずかったのか、副大臣、私の次の質問に対して今御答弁をされました。 今、加藤副大臣の御答弁は、一たん日本や外国で判決が出てしまった案件が再度別の裁判所で訴訟提起された場合は一体どうなるかということについての御答弁で、当然判決の効力の拡張ということはないのだ、外国での訴訟については、日本での承認という手続というものがありますし、日本における判決が外国においてどうなるかということは、それは外国でのお話だというようなことでしたけれども、私の今の質問は、先ほど質問したようなことで、外国の裁判所に係属していてまだ判決が出ていない訴訟と同一の案件を日本の裁判所に提起したら二重起訴の禁止ということが働くのかという質問でした。 恐らく、先ほど申しましたように、日本の裁判所に先に提起されたもので、外国の裁判所とダブルトラックでそのまま審理が続くということですから、これは、外国の方で先に裁判が提起されても、やはり日本においてダブルトラックで係属されるということでよろしいですね。それはちょっと確認です。
○加藤副大臣 失礼しました。先生御指摘のとおりの御理解で結構でございます。
○柴山委員 というように、訴訟もダブルトラックで進んでいく。しかも、一たん判決が出た後も、それが承認されれば当然それは承認された国で効力を持ちますけれども、そうでなければ必ずしも実効性を持たないということになれば、これはどうもそれぞれの国で訴訟合戦みたいなことが起きてはこないかなというような危惧もしております。 ですので、今副大臣の方からもおっしゃったんですけれども、そこはしっかりとした訴訟指揮とかあるいは見通しというようなことをした上でぜひ案件の処理ということを行っていただきたいというように思っております。 次の質問に移らせていただきます。 日本で裁判が起こせるからといって、そこで適用となる法律が日本の法律であるとは限らないわけです。裁判に用いられる法令というものが、一体どの法令か、いわゆる準拠法をどう定めるかということは、実は四年前、私もこの委員会で質問をさせていただきましたけれども、昔、法例、法の適用に関する通則法という新しい法律が解決をしているところであります。 そこで、お伺いしたいのは、日本の裁判所に管轄が認められながらも、準拠法、つまりそこで適用される法律は海外の法律であるというのが一体どういう場合なのか。逆に、用いられる法律、準拠法は日本の法律でありながら、海外の裁判所に管轄が認められるような場合は一体どういう場合なのか、教えてください。
○加藤副大臣 恐らくいろいろなケース、相当細かく調べれば複数あり得るんだろうとは思いますが、お尋ねのケースについて一例御紹介をさせていただきたいと思います。 例えば、外国にいらっしゃる著名人の方が、日本の会社、正確に言えば日本国内に主たる事務所を有する会社に名誉を毀損されたとして、その会社に対する損害賠償請求の訴えを日本の裁判所に提起したというケースを考えますと、この場合、被告の会社の主たる事務所が日本国内にございますから、この法案の第三条の二第三項によりまして日本の裁判所が管轄権を有するということになります。 一方で、ではどの国の法律を適用するかということは、先生今御指摘いただいた通則法の第十九条によりまして、他人の名誉を毀損する不法行為については、被害者の国の法律、外国法が適用されるということになりますので、このような場合には、日本の裁判所が管轄権を有して日本で裁判は行われるけれども準拠法は外国法というケースに当たると思います。 それから、逆のケースでありますが、これは、外国の裁判所に訴えが提起をされてその管轄権が認められる場合には、当該外国の国際私法が適用され、それによって準拠法が定まるということになりますので、外国裁判所が管轄権を有するけれども準拠法は日本の法律だという具体例を探すのはなかなか容易ではございませんので、ちょっとこちらは御勘弁をいただければというふうに思います。 〔委員長退席、樋高委員長代理着席〕
○柴山委員 ありがとうございます。 今御指摘になったように、全然まれな事例じゃないんですね。当たり前のように、そういった管轄とその用いられる法律の食い違いというものがこれからどんどんふえてきます。ですから、そういったトラブルがないように、準拠法にせよ管轄にせよ、もはや契約で合意によって特段の定めを設けていく事例というものが取引においては大半であろうというように思っています。 ただ、今副大臣がおっしゃったように、例えば名誉毀損などのような不法行為、そういう取引によらないで裁判をしなくちゃいけないようなときというのは、これは本当にしようがないのかなという気はいたします。 そこで、今指摘をさせていただいたように、契約あるいは合意で管轄などについて別段の定めを設ける事例についてお伺いいたします。 国際裁判管轄の合意において効力が認められる条件というものはどのような形になるのか、また、国内における裁判所の選択を内容とする管轄の合意との考え方の違いというものがあれば、ぜひお示しください。
○加藤副大臣 国際裁判管轄に関する合意、それから国内土地管轄に関する合意、いずれも同様と考えてございますが、一つには、当事者が合意により定めることができるということ、そしてまた、その合意が、一定の法律関係に基づく訴えに関し、かつ、書面でされなければならないということにされております。 国内土地管轄と国際裁判管轄との異なる内容の規定でありますけれども、国際裁判管轄に関する合意の場合には、消費者契約に関する紛争と個別労働関係民事紛争を対象とする管轄権の合意については、その効力を制限いたしております。一方、国内土地管轄に関する合意の場合には、そのような規定はございません。 その理由でありますけれども、国際的な事案におきましては、消費者または労働者が外国の裁判所において訴えを提起したり、あるいは応訴をしたりということが著しく困難であるという事情、あるいは、国内事案と異なりまして、先ほどもありました、事件を裁量移送することにより当事者間の公平を図ることができないというような事情、これらを考えてそのような規定になっているところでございます。 したがいまして、国際裁判管轄の合意について、国内土地管轄の合意と基本的には一緒だけれども、その部分が違うという内容の規定を合理的な判断として設けたということでございます。 〔樋高委員長代理退席、委員長着席〕
○柴山委員 合意に関して特段の強行的な修正ということをしなければいけないというのはそのとおりなんだろうなというように思います。確かに、消費者契約ですとかあるいは労働契約というものは、当事者双方の間に場合によっては非常に大きな資力などについての隔たりがあるというように思われますので、そこは理解できないわけではないですね。 ただ、世の中の合意というのは、消費者契約と労働契約以外にもさまざまな契約がありまして、それに基づく管轄の合意というものについても、私はもっときめ細かく配慮をしていかなければいけないのかなというようにも思っております。 例えば、集合債権の譲渡というような事例を一つとってみても、個々の債権というものは非常に細かい債権というものもたくさんあるわけですね。ですので、その債権譲渡の当事者間の紛争の利害関係人として零細な方々が参加をしてくるというようなことだって当然あり得るわけなんですね。そういうようなことも含めて、では、そういう方々の合意をとっていった場合にそういうものが本当に効力を持つのかとか、細かいことを考えていくと結構こういうところは難しいと思うんですよ。そういうようなことまで逐一配慮されているんでしょうか。
○加藤副大臣 先生御指摘の債権譲渡の契約等々、さまざま細かなところを見渡してまいりますと、いろいろ御指摘、御意見もあろうかというふうには思います。ただ、どこかでこれは線引きをして判断をしなければならないものというふうにも理解をしているところであります。 先ほどもお答えを申し上げましたけれども、当事者が管轄権に関する合意をした場合に効力を有するというのは、それが原則であります。それは何ら変わりません。 ただ、先ほど申し上げたように、消費者契約とかあるいは個別労働関係民事紛争については、先生もおっしゃっていらっしゃったように、企業側と個人との間の資力を含めた力の差というものが非常に大きなものがありますし、例えば、労働契約を結ぶ段階で、その管轄権の合意について、さあこれから会社に入りましょうという人が異論を唱えて交渉するというのもなかなか難しいだろう、こんな考え方もございまして、特段の規律を設けたところでございます。 その意味では、御指摘のように、いろいろな契約、さまざまな契約について一つ一つ見ればいろいろ御意見はあろうかとは思うんですけれども、今回、これまでさまざま議論をしてきた中では、消費者契約や今申し上げたような労働契約と同様に、類型的に、情報収集力、経済力、交渉力などで圧倒的な格差があるというような取引類型を見つけるというところには至っておりません。確かに御意見、御指摘はわからなくはないのでありますけれども、やはり何がしかきちんと線引きをして法律上の規定を設けるということになりますと、消費者契約や労働関係と全く同じという程度のものはないというふうに今の段階では考えているところでございまして、その結果として、この法律案の形にさせていただいたというところでございます。
○柴山委員 一定の線引きということで、私も副大臣と同様、理解できなくは当然ないんですけれども、そうなると、やはり一般の法定原則ということと、では、その法定原則を貫いた場合の不都合性ということをどういう形で対処していくか、この原則と例外のパターンという考え方が恐らくとても必要になってくるのかなというように思います。 例えばインターネット取引なんかを考えてみると、では、インターネット取引というのは果たして消費者契約なのかとちょっと考えると、これはなかなか非常に難しい部分があるんですね。今はネット販売なんということは当たり前のように行われておりまして、それが、例えば事業者に対するさまざまな事業用資産の取引ということもありますし、また、もっと細かい物品についてネット販売をするということもあります。また、その購入者も、法人である場合もあれば、当然のことながら、個人である場合もあるわけですね。しかも、仮に申し込みの名義が個人であったとしても、実態としては、それは法人との取引だったりとかいうこともあるわけです。 特に、インターネット取引というものは相対をして取引しないわけですから、そこら辺は境目というものが非常に難しいというふうに私は思うんですけれども、これは消費者契約かどうかということは、一体どういう基準で判断をすればいいんでしょうか。
○加藤副大臣 この法律案における消費者というのは、簡単に言うと、個人から個人事業主の方を除くというふうに考えていただいていいと思うんですが、個人であって、事業としてまたは事業のために契約の当事者となるものを除いた者というふうに規定をいたしております。消費者に該当するかどうかは、その取引の相手方の主観によるものではなくて、その意味では客観的に判断をされるということになります。 ただ、そうなりますと、御指摘のように、取引の態様によっては、相手方が消費者に該当するのかそうでないのかということがインターネット取引の瞬間において不明な場合というのは正直あり得るというふうに思います。ただ、消費者の利益保護という観点から、この法律案の第三条の七第五項というものを規定させていただいているところでございまして、その趣旨からすると、幾ばくか不明な点が取引上残ってしまうというところはやむを得ないのではないかというふうに判断をいたしております。 また、実際の取引の場面におきましては、事業者が取引相手の属性を確認するという方法もとることもできると思いますし、また、商品の種類や、その数、取引態様からも相手方の属性をある程度判断することもまた可能ではないかというふうに思っております。 決して、先生おっしゃっていることが一〇〇%心配ないですよということではもちろんありません、やむを得ない部分もあろうとは思いますが、総合的に考えますと、この法律案の規律というところで、決して不合理であるということは言えないのではないかという判断をいたしております。
○柴山委員 ありがとうございます。 ファジーな部分というものは当然残らざるを得ないと思いますけれども、いずれにいたしましても、きょう、この法律案は、これまでの解釈を積み重ねて一定の到達点というものに結びつけたという意義では、これは大変有意義であるということを評価させていただきます。 ただ、与党の方からも先ほど御質問があったように、例えば知財の帰属と内容、効力についての切り分けの問題ですとか、今申し上げたような消費者契約の解釈の問題ですとか、さまざまな形でこれから詰めていかなければいけない、あるいは運用で解決をしていかなければいけない、外国との間でしっかりと調整をしていかなければいけない、さまざまな課題がまだまだ残っていると私は思うんです。 ですので、今の政権になるか、私どもの政権になるかわかりませんけれども、将来において、そういうことを引き続きしっかりとウオッチをして、検討していくことの必要性ということを再度強調させていただくとともに、千葉大臣初め皆様には鋭意この問題に引き続きしっかりとした形で取り組んでいただくことを切に希望いたしまして、少し早いですが、私の質問を終わらせていただきます。 きょうはどうもありがとうございました。
○滝委員長 次に、遠山清彦君。
○遠山委員 公明党の遠山清彦でございます。 今回の民事訴訟法及び民事保全法の一部を改正する法律案につきましては、日本におきましても国際的な経済活動がふえまして、それに伴う民事紛争の適正かつ迅速な解決をする必要がありまして、公明党としても基本的に賛成の立場でございます。 しかし、本法案の期待される効果及び適用解釈について、きょうもこれまでにも大分専門的な質疑が行われておりますので、重なる部分もあるかもしれませんし、また、私も法律の専門家でございませんので、基本的な点を幾つか伺いたいと思っております。 まず、大臣にお伺いをしたいと思いますが、今回の法改正の背景には、これはいろいろな文書に書かれているわけですけれども、国境を越えた民事紛争がふえていると説明をされているわけでございます。 具体的に、三十年ぐらい前と比較をいたしまして、一体、国境を越えた民事紛争というものがどの程度日本においてふえているというふうに法務省としては把握、理解をされて、今回の法案の必要性、法改正の必要性を説かれているのか、まずお伺いをしたいと思います。
○千葉国務大臣 今、三十年間くらいというお話でございました。 この間、確かに経済のグローバル化に伴って、企業間の国際的な商取引が急速に拡大をいたしております。また、インターネットの発達によりまして、企業間の電子商取引のみならず、消費者がインターネットを通じて海外の企業から商品を購入するというような機会も大変拡大をいたしております。 こういう中で、私どもも、必ずしも統計的な数字を持っているわけではございませんけれども、いろいろな、裁判にかかるとか、あるいはさまざまなトラブルの相談窓口とか、そういうところに持ち込まれている、こういう状況を見ますと、やはり国際的な商取引の拡大によって、それに伴う紛争もかなり拡大をしているのではないか、こう認識をいたしております。 残念ながら、統計的にはなかなか数字がございませんけれども、やはりこの状況をかんがみますときに、紛争がふえている、これに適切に対応していくことが急がれているというふうに承知をしてきたところでございます。
○遠山委員 わかりました。 もう一つ、今回の法改正の背景といたしまして、海外の事業者とかあるいは日本の個人が絡む民事訴訟が日本の裁判所で起こされた場合、現状では、まず裁判所が当該訴訟の管轄権の有無を判断するために裁判が長期化する傾向がある、こういう指摘がなされているわけでございます。 これも、今も統計的な数字がないというお話でございましたけれども、民事訴訟だとなかなかその必要性もないのかなと思いますが、今回の改正案が成立をして施行された場合に、その手続の迅速化がどの程度進む、当然、個別の訴訟のケースで違いがあることは私も認識をしておりますが、期待も込めて、法務当局としてどのような御見解を持っておられるか、伺っておきたいと思います。
○千葉国務大臣 これも、正直なところ、どのぐらいという形ではなかなかお示しはできないわけですけれども、現在の法制度のもとでは、少なくとも、管轄についての争いになったりするものですから、管轄が本当に日本にあるのかどうか、これは裁判所が最終的に判断するということになりますので、訴えを提起してみないとなかなかわからない。そういう意味で、予測が大変困難なところがございます。 そういう意味では、今度の法律案によって、訴えの類型ごとに、日本の裁判所が管轄権を有する場合を明文で規定いたしておりますので、そういう意味で、取引をされる方々が予測をすることがかなりの割合で可能となります。そうすると、安心して、何かあったときにも日本の裁判所に裁判ができるなとか、あるいは、これは日本ではちょっと無理だけれども、外国にしなければならない、いろいろなこういうことを予測しながら取引をすることができると思いますので、そういう意味で取引の安全にも寄与するでありましょうし、窓口で、訴えをしたときに、まずは管轄争いから、こういうところが時間が相当短縮をされるということになろうかというふうに思いますので、問題解決の迅速化にかなり寄与するものではないかというふうに認識をいたしております。
○遠山委員 私もそうなることを期待しているわけでございます。 先ほど来、国境を越えた民事訴訟が、民事紛争がふえているという議論をしておりますけれども、実は、今回のような法改正の背景になっている課題というのは、十年以上前から懸案であったと思います。 実際に、平成八年に民事訴訟法の大幅な改正が行われておりますが、当時の時点で今般の法改正が見送られた背景には、当時、ヘーグ国際私法会議で国際裁判管轄に関する国際的な統一ルールを定める条約が協議をされていたということで、国内での、日本での法改正が見送られたというふうに理解をしております。結局、この平成八年の段階では協議が調わず、条約は成立しなかったわけですが、平成十七年六月三十日についに採択をされました。管轄合意に関する条約というふうに訳されておりますが、この条約には、現在メキシコ一カ国だけしか加入をしていない。 そこで、法務省がつくった資料を読みますと、管轄に関する多国間条約が将来的に批准、発効するめどが立っていない、こういう表現があるわけですが、実際に法務省の担当の方に聞いたら、この条約は二カ国批准すれば発効すると。私も以前外務省にいて、普通、条約というと二十カ国とか四十カ国批准をしたら発効するというふうに思っていたんですけれども、この条約については二カ国加入すれば発効するということでございまして、メキシコ一カ国ですけれども、もう一カ国加入すればいい、こういう状況だと理解をしております。 実は、昨年動きがありました。昨年の一月十九日には米国政府がこの条約に署名をしている。追って昨年の四月一日にEUが署名をしているということでございますので、もし加入というところまで米国、EUがいけば、これは条約として発効するというふうに私は理解をしております。 そこでお伺いをしたいんですが、日本政府として、この条約にまず署名をする意向があるのかないのか、また、あるなしどちらでもそうなんですが、その場合の理由も御説明をいただきたい、こう思います。
○千葉国務大臣 現在のところは、まだそのような方向性を出しているということではないというふうに承知をしております。
○遠山委員 大臣、その理由は何でしょうか。米国、EUが署名をしているという状況で、なぜ日本政府は署名を検討していないのかという点なんですが。
○千葉国務大臣 これについては、この条約につきましては、国内法との整合性、こういうものも考慮をしていかなければなりませんし、それから、先ほど御指摘のある各国の法制との整合性がうまくとれるか、こういうこともありますので、なかなか慎重にならざるを得ないというのが今の実情ではないかというふうに思います。
○遠山委員 ちょっと説明が具体性が欠けておりますので、ぜひ法務省の中でしっかりと検討していただいて、恐らくこの管轄権に関する問題というのは、今後も、グローバル社会ですから、国境を越えた民事紛争はさらにふえていく可能性がありますし、後ほど時間があれば指摘をさせていただきたいと思いますけれども、多国間条約だけではなくて、二国間、バイで管轄権に関する取り決めをするということも今後検討課題にあるかと思います。 日本企業が取引が多い米国、EU諸国、あるいは最近経済が発展してきておりますアジア諸国、特に中国、こういったところと管轄権についてどういうルールをつくるのかというのは非常に重要なテーマでございまして、大臣、今の御答弁だと大分あいまいで、ちょっとよくわからないところがありますから、これ以上聞きませんけれども、しっかりと御検討していただいて、国際社会から見てもたえ得る議論で、慎重に検討されるならこういう理由でそうしていますというふうにしていただきたいと思います。 次に、今回の改正の法整備の対象が、財産権上の訴えに関する国際裁判管轄ということになっております。ということは、裏返して言えば、人事訴訟とか家事審判事件など財産権以外の権利にかかわる国際的な民事訴訟については、本改正で規定されるルールは適用されないということになっております。ということは、財産権以外の権利にかかわる訴訟については、従来どおり管轄権の判断は個別の訴訟ごとに裁判所が判断をするということになると解釈をしておりますが、それでよろしいんでしょうか。 また、あわせて、なぜこの法整備の対象を財産権のみに限定したのか、副大臣、お答えをいただきたいと思います。
○加藤副大臣 まず、解釈の部分は先生御指摘のとおりということで申し上げておきたいと思います。 一方、例えば離婚であるとか養子縁組、認知などの人事に関する訴えでありますが、これらにつきましても、国際的な要素を有するものというのは決して少なくございません、もう先生十分御承知だと思いますけれども。人事訴訟法には国際裁判管轄に関する明文の規定はございませんので、今御指摘のとおり、実務上は最高裁の判例の準則に沿って運用がなされているところでありますから、その意味では、人事に関する訴えについても国際裁判管轄を整備していく、この法案と同様に明文化していくという必要はあろうかと思います。 ただ、一方、人事に関する訴えの手続というのは、家事審判手続もございまして、非常に密接に関連をいたしてございます。人事に関する訴えの国際裁判管轄を検討するということになりますと、家事審判についても同様にその管轄というものを検討しなければなりません。 そのときに、現在、法制審におきまして、家事審判手続の、いわゆる家事審判法の現代化等について諮問をし、また調査審議中でございまして、昨年来かなり深く御議論をいただいているところでありますので、その意味では、この家事審判手続の管轄につきましては、法制審での御議論を踏まえて、その後に検討をさせていただきたいというふうに思いますし、その方が合理的かなという判断でございます。 したがいまして、今回はその部分を除いて、財産関連でこの法改正をお願い申し上げているというところでございます。
○遠山委員 よくわかりました。 次に、消費者契約に関する訴えの管轄権について伺います。 本法案では、消費者から事業者に対する訴えができる要件として二つ挙げられております。一つは、提訴するときに消費者の住所が日本国内にある場合、または、ですからオアですね、二番目が、消費者契約締結時に消費者の住所が日本国内にある場合、この二つでございます。 これは事業者側から見ますと、二つ目のケース、つまり、ネット取引でもいいんですが、契約を結んだときにその消費者が日本の国内に住所を有するということで、将来的に日本の裁判所に訴えられる可能性がある、これは事業者から見ると予見可能性は高いわけであります。 しかしながら、一番目の要件については、契約を結んだときには日本に住んでいなくても、その後日本に転居して提訴する、そうすると、提訴時に日本に住んでいることが要件ですから、それは成り立つわけですね。 これについて、例えばドイツとかフランスに居住している日本人と契約を結んで、何かのトラブルがあって訴えられたときには、この日本人はドイツあるいはフランスから日本に移り住んで提訴している、これは日本に行って裁判しなきゃいけないのかということで、事業者側から見ると非常に不都合がある、問題があるのではないかという指摘がありますが、この点について法務省はどういう見解ですか。
○中村大臣政務官 御指摘のとおり、本法律案三条の四第一項によれば、消費者から事業者に対する訴えは、訴えの提起時に消費者の住所が日本にある場合も日本の裁判所に提起可能となっております。 消費者契約に関する国際的な事案においては、法令や言語の異なる外国の裁判所に消費者が訴えを提起するということは困難であります。したがって、国内の事案に比べて、消費者の裁判所へのアクセスの保障に配慮する必要性がより一層高いということが言えます。 御指摘のような事案については、確かに事業者の予測可能性は問題となります。他方、訴え提起時に日本に居住している消費者が外国の裁判所に訴えを提起しなければならないとすると、消費者が訴えを提起することは非常に困難となります。そこで、先ほどからも議論となっておりますけれども、事業者と消費者との間の情報の収集力、経済力、交渉力の格差等も考慮いたしまして、消費者の訴え提起時の住所が日本にあれば、日本の裁判所に訴えを提起できるものといたしました。 ただ、日本の裁判所に訴えが提起される場合であっても、事案によっては、証拠の所在等を考慮し、適切かつ迅速な審理の実現を妨げることとなるような場合には、裁判所はその訴えを却下することが可能となっております。これは三条の九でございます。そういったことも含めまして、適切なバランスがとれているものと考えております。
○遠山委員 答弁を伺うと、消費者保護に比重が重く置かれているというふうに理解をいたしまして、その点については私も特段批判をするものではありませんが、御答弁の中でもありましたように、事業者にとって余りにも不公正な制度運用にならないように、その点は気をつけなきゃいけないのかなと思っております。 逆に、今と似たようなケースで、消費者側の問題を一つ指摘したいと思っております。 消費者契約を締結したときに日本以外、海外に住所を持っていて、さらに、提訴する際にも日本以外に住んでいる者、だから、海外に住んでいるときに消費者契約を結び、訴えるときも本人は原則的に海外に住んでいる、だけれども、日本に常居所としての住所も実は持っているという場合に、日本の裁判所に訴えることを認めるべきではないかという一部の専門家の指摘がございます。 これは、例えて言います。政務官が商社マンだとして、ドイツに一年間長期出張を命ぜられました、長期出張ですから、当然ドイツ国内にも住所を持っているわけです、その住所に基づいてネットで消費者契約を結んだ、ところが、トラブルがあった、トラブルがあったので訴えたい、そのときに、ドイツで訴えるよりも、妻と子供とお母さんを住まわせている住所が日本にもある、出張ですからね、その日本にある常居所を根拠に日本の裁判にそのことを訴えたいといった場合、それが可能かどうか。 別に意地悪クイズで出しているわけじゃないんですが、起こり得る話なんですね。つまり、会社の派遣で長期で海外に行っている方が、私もイギリスに六年住んでいましたから、それはあり得るわけです、日本で住所がないかというと、それは厳密に言えばあるんですね。あるけれども、消費者契約を結ぶときに自分が書き込んだ住所はドイツの、まさに出張で行っている住所だ。トラブルが発生して、すぐ訴えたい、だけれども、まだ会社の出張が終わっていませんから、ドイツにまだ住んでいるんですね、だけれども、日本にも妻子の住んでいる住所がある、そこを根拠に日本の裁判所に訴えたい、これは可能ですか。
○中村大臣政務官 御指摘のように、三条の四第一項に基づいて日本の裁判所に訴えを提起することができるかどうかは、消費者の住所、すなわち生活の本拠が日本にあると言えるかどうかによります。これは、民法二十二条の第一項が、住所とは生活の本拠というふうに規定していることによって、民事法すべてにこの考え方が適用されるという考え方になっております。 そういうことで、例えば、出張が多く、世界を飛び回っているものの、生活の本拠が日本であるというような場合には住所は日本ということになりますので、そういうことと言えるのかどうかというものは、個別具体的な事案によって変わってくるというふうに思います。 ただ、家族は日本にいるものの、日本には本人はほとんど戻ってこず、外国が生活の本拠となるような場合には、住所は外国と言わざるを得ないということになろうかと思います。 ただ、一方で、住所以外の条件で日本に裁判管轄を有することはあります。例えば、消費者契約締結時及び訴えの提起時の消費者の住所が日本になく、今の三条の四第一項の規定の適用がない場合でも、三条の二以下の規定によって、日本の裁判所が管轄を有する場合がある。例えば、消費者契約上、購入した商品の引き渡し地が日本にあるような場合、その契約上の債務の履行を求める訴えであれば、債務の履行地が日本にあるとして、日本の裁判所が管轄権を有することになります。 例えば、先ほどの例であれば、自分はドイツに住んでいるけれども、その契約によって妻子のところに物を送ってくれ、そういうふうなときにはこれが適用されるということが言えます。
○遠山委員 ということは、要するに、債務履行地が日本であれば、契約を結んだ作業をドイツの住所でやったとしても、日本の裁判所に訴えることができることがあるということですね。 大体わかりましたけれども、ただ、私は弁護士じゃありませんので、業務として扱うことはないと思いますが、こういう訴訟になった場合に、この法改正の後も、住所の具体的な定義について恐らく争いが起こるんじゃないかと思うんですね。 今のようなケースは、前の質問に対する先ほどの政務官の答弁で、消費者が外国言語で訴訟を起こすことのいろいろな不利な点を挙げて、消費者保護を言っておきながら、後半では、生活の本拠が海外にあれば、日本に住所を持っていてもなかなか難しい場合もあり得るという御答弁だったので、そこの整合性については、個別のケースによっては争いが起こる可能性があるなということだけ指摘をさせていただきたいと思います。 次に、労働関係に関する訴えの管轄権でございますけれども、労働者が事業主を訴える要件としては、労務提供地が日本国内にある場合には日本の裁判所に提起可能としているわけでございます。これに関して、では、日本に住所を有する労働者が外国の事業主と契約し外国で仕事をする、海外が労務提供地の場合に、何らかの労務契約上のトラブルが発生した場合にその労働者が事業主を訴える裁判を日本の裁判所に提起すること、提訴することは可能かどうかということですね。 これは例えば、日本に住所を持っている通訳をやっている方が、アメリカの会社と契約をして、労務提供地はハワイです、ハワイで通訳の仕事をしてくださいといって行った。しかし、その現場で労務関係上のいろいろなトラブルが発生をした。その場合に、法律をそのまま読むと、労務提供地は日本国内じゃありませんから、日本の裁判所には訴えられませんよということになるが、住所は日本なんですね。この場合、訴えられるように解釈してもいいんじゃないかと私は個人的に思いますが、副大臣、どうですか。
○加藤副大臣 まず、労務の提供の地が日本にあることが、その労働者から事業主に対して日本の裁判所で訴えを起こすために必要であるというのはそのとおりでございます。 これは、労働者が労務を提供している地というのは、当然、労働者側から見ればアクセスが容易な場所だというふうに基本的には考えられますし、また、事業主にとっても、その地で訴訟を起こされる可能性があるということは予測し得ることでございますので、その規定自体には不都合はないというふうに思います。 ただ、今先生御指摘のようなケースの場合には、労務の提供の地が例えばハワイのような外国ということになりますと、本法案の第三条の四第二項によりまして、日本の裁判所は管轄権を持たないということになります。 ただし、この第三条の四第二項に該当しなくても、第三条の二以下の規定によって、日本の裁判所が管轄権を持ち得ることはあります。 例で申し上げますと、今先生がおっしゃった場合ですと通訳の方ということでございましたが、例えば、そういう労働者の方が外国で働いた、お給料は日本の銀行口座に振り込まれていたというようなケースを考えますと、例えば、その給与の支払いがなくなったということで、その支払いを求める訴えを起こすというようなことであれば、債務の履行地が日本であるということになりますので、日本の裁判所が管轄権を有するということはあり得るものと思います。
○遠山委員 そうすると、先ほどの議題と一緒なんですね。 ですから、消費者契約でも労務契約でも、債務履行地を日本という形を残しておけば日本で裁判を起こすことが可能だという点が今の質疑で浮かび上がってきているわけでして、一般の方々は、なかなかこういうことを理解して海外で活動されないと思いますが、私は、国会議員として、海外で活躍されている日本の方々には、なるべくこういう点を理解していただいて、消費者関係の契約を結ばれたり労務関係を結ばれたりするように周知をすることが必要なのではないかと個人的には思っております。当然、法改正が成立した後の話ですが。 時間の関係で、最後の質問を簡単に申し上げます。 今話していた同じようなケースで、逆に、事業主が労働者を訴えるようなトラブルが発生した場合は、法案上は、今度は労働者の住所が日本にある場合は、原則として日本の裁判所に提訴することしか認められていないと解釈をされますが、労務提供地である外国において事業主が提訴する可能性も当然ございます。そして、その訴えの管轄権を有すると外国の裁判所が判断をして裁判手続を進めた場合に、この労働者はそれを無効、僕は日本に住んでいるので、労務提供地であった海外で裁判を起こされてもそれは無効であるとみなすことは可能かどうか。この点を最後に伺って、終わりたいと思います。
○加藤副大臣 みなすという表現がいいかどうかわかりませんが、ちょっと御説明をさせていただくといたしますと、外国の裁判所が、日本に住所を有する労働者に対して管轄権があると判断をし、また判決を下して、それが日本の労働者に対して非常に不利なものであったというケースはあり得ることだろうと思いますが、実際には、その場合、事業者の方が、日本人である労働者の日本国内にある財産に対して強制執行をしようとするわけでありまして、そのためには、日本の裁判所に承認、執行を求めるという手続が必要になってまいります。それが行われる可能性はあるだろうと思います。 しかし、民事訴訟法の百十八条第一号では、外国における判決を承認する要件の一つとして、法令または条約によって外国裁判所の裁判権が認められることということを規定いたしております。 そこで、この法律案を見ますと、事業主から労働者に対する訴えについては、労働者の住所のある国で訴えを提起しなければならないというのが原則でございます。先生御指摘になられたとおりでございますので、その意味では、御指摘のような事案における外国裁判所の判決は、労働者の住所のある国、つまり日本で訴えを提起しなければならないという本法律案の規定に整合いたしませんので、その判決は、我が国で労働者の財産に対する強制執行をするというところにはつながってこないということでございます。
○遠山委員 終わります。
○滝委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○滝委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 内閣提出、民事訴訟法及び民事保全法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○滝委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○滝委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○滝委員長 次に、裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 各件調査のため、本日、政府参考人として警察庁刑事局組織犯罪対策部長高橋美佐男君、法務省大臣官房長稲田伸夫君、法務省大臣官房司法法制部長深山卓也君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○滝委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○滝委員長 次に、お諮りいたします。 本日、最高裁判所事務総局大谷人事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○滝委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○滝委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。河井克行君。
○河井委員 自由民主党の河井克行です。 せんだって、四月の十六日、当委員会におきまして、法曹養成、法曹人口、質問をいたしました。きょうは、前回質問することができなかった法曹養成についての後半部分、そしてまた法曹人口、しっかりと質問をさせていただきたいと存じます。 期せずして、ちょうどきょうは裁判員制度が施行されて一周年ということでありまして、まさに司法制度改革の車の両輪と言われたのが裁判員制度、そして、新たな法曹養成、法曹人口の増員であったと記憶をいたしております。 国民に開かれた裁判員制度、これが本当に定着するかどうかというのは、ひとえに、私は、それを支える司法の人材、基礎が国民の皆様から信頼するに足り得るという状況があったらばこそだ、そのように信じておりまして、それは大臣、副大臣も同じ思いだ、そのように感じております。司法の基礎が崩れたら、裁判員制度までもがこけていってしまう。重大な危機感を持って、今の状況にしっかりと取り組んでいただきたい。まず初めにそれを申し上げます。 その上で、せんだっての当委員会での大臣、副大臣の御答弁を聞きまして、正直申し上げまして、驚いた部分が幾つかありました。やはり、もっと現場の実態を知っていただきたい、そういうことなんです。 法科大学院生が在学中にどれぐらいの経済的負担、金額かということも、質疑の段階では余り御存じなかった。法科大学院生が、本来であったならば行かなくてもいいと制度設計の生みの親たちが豪語していたはずの受験予備校に何割ぐらい通っているかということについても御存じなかった。あるいは、せんだって、文部科学省の担当者に来ていただきまして、いろいろな議論をした際に、日本の法科大学院の仕組みの一つの先進事例、参考にしたと言われている米国のロースクール、このロースクールにおいて、では、米国の受験予備校に通っている学生の割合がどれぐらいか尋ねたところ、全く知らないという状態であります。 今が去年の十一月段階ならいいんですけれども、もう五月も下旬の状況です。ワーキングチーム、いろいろと議論をしているという答弁が前回ありましたけれども、本当にワークしているのかなという危惧を抱きましたし、そのワーキングチームの議論が本当に地に足がついているんだろうか、そして、現場感覚に乏しい役人、法務省と文部科学省の役人の言いなりになっているんじゃないか、そういう疑念を強く抱きました。 私は、前回申し上げましたが、論点は既に出尽くしているというふうに思っておりますので、きょうは、失礼かと存じますけれども、前政権時代、自民党政権時代に、若手の議員の皆さんがこの問題について一生懸命勉強した、議論した、その研究会の資料二つ、そして、高村正彦先生を初めとする法務大臣経験者五名、そして文部科学大臣経験者二名らにおつくりいただきました法曹養成と法曹人口を考える会の提言などについて、きょうは、政務三役の皆さん、また、文科省の鈴木副大臣にもお出ましいただいておりますけれども、紹介をしていきます。 結論から言いますと、私が言うのも変なんですけれども、せっかく政権交代したんですから、前政権が起こした政策の失敗は早く直してほしいということなんですよ。もうそれに尽きております。 昨年の総選挙で我が自由民主党が大敗をした原因、いろいろな理由があるけれども、そのうちの一つは、役所や業界団体と結託して、正しい政策がゆがめられたのではないかと多くの国民が感じたからだと私は考えております。 民主党は、政治主導だとか、あるいは官僚政治をやめさせるとか、自民党政権の悪弊や旧弊を打ち破っていくんだと主張するんだったら、もっとちゃんと実行してほしい。特に、この問題については、民主党の政権公約に法曹養成、法曹人口は直接触れられていなかったと私は思いますよ。ならば、あなた方はフリーハンドなんですよ。中立なんだから、早く現場の実態に耳を傾けていただいて、現場の悲鳴に耳を傾けていただいて、必要な見直しを何でもできるはずなのに、私から言わせていただければ、手をこまねいているだけではないかと思います。 事態は、より一層悪化をしているんですよ。法科大学院の志望者が六年間で四分の一に激減をした。四分の一減ったんじゃないんですよ。四分の一に激減をしてしまった。質の低下。これについてはいろいろな議論があると前回おっしゃったけれども、日本じゅうの役所の中で一番保守的で頭がかたいと言われている最高裁判所が、きょうもお見えでございますけれども、資料をごらんください、「新第六十期司法修習生考試における不可答案の概要 最高裁判所事務総局」。よくよくの思いだと思いますよ。あの頭のかたい最高裁がここまで言わざるを得ないぐらい、現場の質の低下が明らかになってきている。 下線部、引かせてもらいました。中ぐらいから言いますと、「不可答案は、いずれの科目についても、民法、刑法等の基本法における基礎的な事項についての論理的・体系的な理解が不足していることから、これらの理解を前提とした」云々と書いてあります。特に、私が一番衝撃を受けたのは、「具体的には、これら不可答案は、その記述内容の一部に問題があるというだけで不可答案とされたわけではなく、後述のような問題点が一点にとどまらず複数積み重なっているなど、他の記載部分と併せて答案全体をみても、実務法曹として求められる最低限の能力を修得しているとの評価を到底することができなかったものである。」括弧で、なお、従来と基本的に同様の判断、レベルだった、そのように書かれております。 これは、言うまでもありません、法科大学院の入学試験を通って、法科大学院を修了して、そして、難関と言われている司法試験を突破した人がさらに和光の司法研修所で勉強した後、受けた答案の状況であります。 最高裁、この平成二十年七月十五日にお出しになって以降の状況、変化があったか、質の改善があったかどうか、御認識をお聞かせください。
○大谷最高裁判所長官代理者 お答えいたします。 今御指摘のあったペーパーは、新六十期の二回試験の不可答案の概要ということでございますけれども、その以降につきましても、不可答案の傾向については基本的に変わりはないということでございます。
○河井委員 つまり、質の低下は継続している。 繰り返しますよ。最高裁というのは、一番世の中で頭がかたい役所ですよ。はっきり物を言わない役所機構がここまで言い切っているぐらい、裁判所も危機感を覚えているということなんです。 事態の一層の悪化、就職難、これもさまざまなメディアが最近になって取り上げるようになってきました。週刊誌ですとか週刊のビジネス誌、NHKの朝のさまざまなニュースでもそのような報道がなされている。 一方で、新司法試験、副大臣が担当していらっしゃいますが、私が申し上げましたが、その後、受験会場を見に行かれたでしょうか。私は、選挙区は遠く離れた広島です。あなたはたしか首都圏だったと思いますけれども、週末、本当に、本気でこの問題に取り組んでいただきたいんですよ。今、政権の座にあるのはあなたたちなんですから、権限を持って仕事ができる。私たちはできない。だからこそ、本当にしっかりと現場を見ていただきたい。 ことしの新司法試験、既に終了しておりますけれども、試験会場に行かれたらわかりますよ、がらがらです。後でまた数字をお聞きしますが、四分の一もの受験生が、受験の願書を送りながら当日姿をあらわさない。なぜなのか。 ことしの状況、去年と比べて、いわゆる受け控え率、どのように変わったか、お答えをください。
○千葉国務大臣 数字で申し上げますと、平成二十二年新司法試験につきましては、受験予定者数は一万九百八人、受験者数は八千百六十三人。そういう意味では、受験率は七四・八%、欠席率が二五・二%という数字になっております。
○河井委員 昨年よりもより一層受け控えがふえてきているという実態であります。 せんだって、自由民主党の関係議員、日弁連からいろいろと御要望いただいた中で、司法修習生に対する給費制の維持、存続という話がありました。名前は言いませんが、新六十三期の青年、志に燃えた方が一人やってきて、とつとつと話をしていただいた。自分の借金額は既に二百十四万円だ、お父様が大病されて、なかなか苦しい中、一生懸命頑張っているんだ、友人の中には二十六歳で一千万円の借金の人もいる、そして、もう法曹になる夢はあきらめる、裕福な家庭の子しか法曹になれない社会になっていいのかという問いかけがありました。日弁連の調査によりましたら、同じような傾向、平均で三百十八万円だったでしょうか、最高で千二百万円。彼が言っていたんですよ。しゃれではないけれども、弁護士になった途端に既に多重債務者に陥っている、多重債務者が多重債務者の相談を受け取るなんて本当に皮肉なことですと、笑わないで彼は言っていました。それぐらい金がかかっていってしまっている。 ぜひ、法務省、文科省、政務三役の皆さん、指導性を発揮して、この現状を何とか打ち破っていただきたい。お願いいたします。 前回、コアカリキュラムの話をしておりました。鈴木副大臣もお忙しいようですから、まず最初に文科省関連、続いて質問をさせていただきます。 このコアカリキュラム、あなたは、前回の私の質問に対して、コアカリキュラムというのは事実上、最低限の学習指導要領的なものだというお答えをしていただきましたけれども、このコアカリに対しては関係者から強い疑念が出されております。 きょうは、参考資料を一つ持ってまいりました。二〇〇八年三月二十二日、「法科大学院実務家教員研究交流集会」と書かれたのが一ページ目、その二ページ目をごらんください。このコアカリキュラムの議論が始まった最初のころの話ですね。「問題提起」と。早稲田大学の法科大学院の先生がこういう文書をお書きになっていらっしゃいます。「はじめに」の四行目あたり、米倉明愛知学院大学教授らがコアカリキュラムについていろいろな提言をしている。そのことに対する疑念の文書なんです。 米倉さんというのは、学界では有名な大御所の尊敬されている先生ということでありますけれども、その先生たちが、例えば中ほど下、「米倉教授が挙げられた例として」というところでいいますと、契約法は、契約総論、売買、賃貸借を教える、それ以外は外すと書いてあります。つまり、これから先、ITだとか知財だとか、そういった先端的な仕事に必要な請負も教えなければ、弁護士業に必要な委任も教えない。サラリーマン金融で今大変深刻な問題であります貸し金、この消費貸借も外すということであります。ほかにも、物権法ですとか非典型担保においても、極めて基礎中の基礎のことも外す。 その下に、1のところにこう書いてあるんです。「法情報は膨大であり、かつ絶えず改廃されているので、ある時期の情報を詰め込んでも役に立つことは少ない。」と書いてある。これは医師でいえば、医学的知識がない医師に体を切られるようなものですよ。 米倉教授は、自分で調べということを言っている。これは、判例法の国の論理なんです。米国がそれなんです。日本は判例法の国ではありません。日本には六法全書がある。アメリカには六法全書はない、そのかわりに膨大な図書館全体が、判例法のこれまでの蓄積になってきている。そういう違いがあるにもかかわらず、日本の法曹の卵たちをつくる仕組みで、あらかじめ制度上、質の低下というものを予定されているような事柄が、この大御所の先生から意見がなされているものですから、関係者が疑念を抱いているということであります。 米国の法科大学院を先進事例にしたというんですけれども、私が調べましたところ、法務省も文科省も最高裁も、だれも米国のロースクールへ調査に行っていないということでありますが、それは事実でしょうか。そして、日本と違う土壌なのに、法体系は全く違うのに、同じような法科大学院という仕組みを強制的に植えつけてしまって、それで果たして本当に芽が膨らんでくるのか、そういう疑念を抱いております。 まず、その点についてわかりましたら、お示しをいただきたいと思います。
○鈴木副大臣 ロースクールの実態ということでよろしいわけですね。(河井委員「調査に実際に行ったかどうか」と呼ぶ)調査に行ったかということですね。 委員御案内のように、この議論の前提となります、司法制度改革審議会は、実地調査に行っていただいておりまして、それを受けましてこの提言をされております。そして、文部科学省ではさらに、法科大学院の具体設計におきまして、中教審で審議をされているわけでありますけれども、この中教審の審議には司法制度改革審議会の佐藤幸治会長、佐藤幸治会長が調査もされたわけでありますが、参画をしていただいておりますし、それから、この委員会には法科大学院で教鞭をとっておられる三名の専門委員の方々にも入っていただいて、検討をさせていただいたところでございます。
○河井委員 佐藤幸治さんのお名前が出てきました。まさに法科大学院の生みの親でありますが、平成十二年五月六日からシアトルでワシントン大学ロースクール一校しか見に行っておりません。 では、お尋ねしますが、米国で法科大学院に通っている学生のうち、何割ぐらいが受験予備校に通っているか。副大臣、御存じでしょうか。
○鈴木副大臣 その数字は存じ上げておりませんが、先ほどの三委員は、それぞれ違ったアメリカのロースクールで教鞭をとっておられる委員が入っておられるということを御説明申し上げたところでございます。
○河井委員 これは公開情報ですから、トムソン・ロイターの、インターネットで見ました。アメリカには、バーブリという事実上独占している受験予備校がある。バーブリの説明で、「ザ バースト マジョリティー オブ バー エグザム テーカーズ チューズ バーブリ」と書いてあります。つまり、圧倒的多数の、ほとんど全員が、法科大学院の学生は受験予備校に通っている。法科大学院に行けば、受験予備校のパンフレットも置いてあります。 日本人で有資格者の方のインターネットを見ますと、アメリカの司法試験に合格した人で、バーブリの講座を受講していなかったという人には会ったことがない、そういうふうな話なんですね。 これはウィキペディアですからだれでもとれる。アメリカ合衆国のロースクール、ロースクール在学中は事実上受験勉強ができないので、司法試験予備校に通う受験生がほとんどであると書いてあるんです。 では、アメリカのロースクールは一体何をやっているか。さっき言いましたけれども、判例法の国ですから、さまざまな判例や文献を調べる。そのリサーチの力を、リーガルリサーチの力をつけることを一つの中心にしている。 日本は違います。民法だけで千四十四条、その上に膨大な数の特別法がある。さらにその上に判例も形成されている。その膨大な知識がないと、千葉景子法務大臣のような法曹にはなれないんです。この部屋にも、法曹資格を持った先輩、同僚の国会議員の皆さんが大勢いらっしゃる。皆さんは、その難関を突破してきた。そういう中で培われているのが、日本の法体系。 全然土壌が違うところに、いきなり、勉強しなくていいですよ、これもしなくていい、あれもしなくていいというふうなコアカリを導入する、私はどうしても納得することができない。 重ねて御認識をお聞かせいただきたいと思います。
○鈴木副大臣 バーブリの件について、私は詳しいことを承知しているわけではございませんが、伺っておりますところ、ロースクールを五月に修了してから司法試験を七月に受験するまでの間できちっといろいろな体系のおさらいをする、こういうことだというふうに聞いておりますし、校舎もないところもあったり、日本の予備校のように校舎があってずっと年じゅう授業をしているということ、これもまた、日本の予備校とバーブリもかなり違うというふうに思っております。 先ほどの米倉先生の御引用もしていただいたコアカリキュラムの件でございますけれども、コアカリの中身がどうあるべきかということは、それこそ学者、ロースクール、あるいは現場の方々に御議論をいただいて、よりよいものにしていただいたらいいというふうに思っておりますが、これは学習指導要領と違いまして、決して法的な枠組みの中でやっているものではございません。 ただ、その性格は、委員もよく御承知だと思いますが、必要最低限度のものをコアカリキュラムで決めているわけでありますから、それぞれの法科大学院で必要だと思ったものはそこに付加するということは当然でありますし、それから、今、委員が御指摘のようなものは、そこは米倉先生も委員も私も、これぐらいのことは教えてほしいという意味では大体認識は一致していると思いますけれども、私の感じで言いますと、それぞれの教員が普通はそうしたものは加えて教えられていると思いますし、それは当然その教員の判断で行われると思います。 それから、大体今の御指摘の点は、日本で主要な教科書を見れば当然含まれている話でありますから、ほとんどのところではきちっとそうした点は学ばれる、あるいは教育がされるべきものだと思っていますが、それをコアカリにどこまで盛り込むのかということは、コアカリの性格、それから後はまさにリーガルのコミュニティーの中で御判断、御議論を深めていただければいいというふうに思っております。
○河井委員 副大臣、忙しいでしょう。あと一問だけです。 今のコアカリについてはまだまだ意見の隔たりがありますので、さらにまた別の機会にお聞きしますが、最近の、あるビジネス雑誌の副大臣のインタビューで、法曹人口の増員抑制など考えられないというインタビューが載っておりまして、私は正直言ってびっくりしまして、今どきこんなことを言う人がいるのかなというふうに思いました。 文科省の仕事というのは、法科大学院生の質を上げることです。これに尽きているわけです。生産者が物をもっと買えもっと買えというふうにだだをこねているのに等しいような言い分だと私は失礼ながら感じた。生産農家が、米や野菜が売れないのは消費者の舌が悪いから、味覚が悪いからと言っているのと同じだと私は思いますよ。あなたたちは質の上昇だけ一生懸命頑張ったらいいのであって、増員抑制など考えられないなんということは、言う筋合いではない。 特にびっくりしたのが、グローバル企業も積極採用するべきだというふうにおっしゃいました。 世界展開している日本の企業は、大変緻密な戦略と冷徹な発想で毎日の企業活動をしている。そうしないと、企業、会社が生き残れないわけですね。そのグローバル活動をしている日本を代表する民間企業で、なぜ法曹資格者がふえないか。 それは、その企業が合理的な判断をしているからなんです。必要がないから採用がなかなかふえないんだと。それだけのことだし、ロースクール出身の弁護士が不要だから、あるいは価値を認められないから雇っていない、ただそれだけのことで、文科副大臣の立場で、積極採用するべきなんというのは、私は大きなお世話だと思うんですよ。積極採用されるように優秀な法曹の卵を育てるように努力しますと言われたら、私は、さすが鈴木寛副大臣だと思っていますので、せっかく私の本を買っていただいた、たった一人の人ですから、ちょっとこの言葉は私は大変残念です。 もうあちらに行かれると思うんですが、手短におっしゃってください。
○鈴木副大臣 報道は、私のインタビューをそれなりに編集してやっておりますので。 委員おっしゃるとおり、私の使命は、ロースクールの質をきちっと充実させることだというふうに思っております。 したがいまして、前政権下では行われませんでしたが、あえて、努力を要する法科大学院の校名公表にも政務三役の主導で踏み切らせていただきましたし、これまでずっと懸案でございました入学定員の削減も一挙に一五%やらせていただきました。もちろん、関係の方々からは相当手厳しい御批判もいただいておりますが、しかし、それは、我が国の法曹の質を上げていく、そして、我々の視点は、何よりもまさに、そのユーザーといいますか、市民、国民の皆さんに良質なリーガルサービスを提供する、その主体をいかにきちっと養成をしていくかという観点に立ってそのようなことをやらせていただいたわけであります。 さらに、こうした方向できちっと頑張ってまいりたいと思っております。
○河井委員 行かれますから、歩きながら聞いていただいていいんですけれども、法科大学院の生徒の数の削減とか、これは全く本質的な問題の解決ではありませんので、もっと本質的なことをしなきゃいけないということを、また違う場で議論していきたいと思います。 もう一つ。いろいろな現場の話を聞きますと、最近、おかしげな新任弁護士が誕生している、やみ金や反社会勢力の影響下にあるのではないかとうかがわれるような人たちが出てきているということなんです。 最高裁にお尋ねをいたします。 司法修習生採用時に、前科前歴の調査はやっておりますでしょうか。
○大谷最高裁判所長官代理者 司法修習生の採用選考の申し込み時に、私どもとしては、司法修習生採用選考申込書というものの提出を求めておりますが、ここに、前科前歴の有無などを記載する欄を設けておりまして、これに記載するようにということを求めております。
○河井委員 そのことについては、後から調査をしているんでしょうか。 というのは、昔の司法試験、合格率一%そこそこの難関を突破してきた人たちと、今、既修でしたら、大ざっぱに言って合格率が四〇%ですよ。そういう人たちでは、やはり私はさまざまな違いがあると。 この申込書、欠格事由等、次の法律に該当することの有無ですとか、かつて起訴または逮捕、補導されたことの有無を書くようになっていますけれども、これが本当に真実かどうかということについて、私は、時代の変遷とともに調査をするべきだと。そうしないと、何のために国の金で社会の正義に反するような弁護士をつくるのか。これは全く真逆のことです。お考えをお示しください。
○大谷最高裁判所長官代理者 まず、今の現状を申し上げますと、申込書の記載要領には、虚偽の記載をしたような場合、これは当然のことながら、採用を取り消される、あるいは罷免されるということについての記載がございます。 これまでの現実の運用を見ますと、この申込書に、前科前歴等につきましては、例えば交通違反等非常に軽微なものにつきましても記載がされているということが一般的でありまして、そういう意味では、きちんと申告がされてきたものだということではございます。今まで特段の問題は生じておりません。 ただ、もとより、記載等から疑義がある場合には、本人からの詳細な事情聴取あるいは必要な照会ということは、これまでもやってきておるところでございます。
○河井委員 それは性善説なんですね、これまでの法曹の卵さんたちに対する。やはりいろいろな、それこそ「多様な人材」と司法制度改革の文書に言っているんですから、多様な人材の中には多様な人材もあるわけですよ。私は、しっかりとした調査をするべきだと重ねて申し上げます。いかがですか。
○大谷最高裁判所長官代理者 欠格事由というのは、幾つか記載がございますが、例えば前科前歴ということでいいますと、懲役刑の言い渡しを受けた者、こういうことでございまして、当然ながら一定の縛りがかかっております。 そういうことから考えますと、すべての申込者について根掘り葉掘り調査をするということがいいかどうかということは、いろいろ御意見もあろうかと思うわけです。ただ、委員が今御指摘のように、ある特定の者について、それが入り込んでしまう危険性が高いというような御懸念については、それなりに、私どもとしても、もっともなところがあるかと思います。 当面は、この点について遺漏なきように、そういう者が入り込むことのないようにということについて、十分気をつけてやってまいりたいというふうに思っております。
○河井委員 重ねて言うんですけれども、だから、もう明らかに通り抜けているという話があるんです。もちろん、個人情報ですから、具体的な所属の弁護士会ですとか氏名はこの場では明らかにしません。しませんが、そういう話があると国会の場で取り上げられたということですから、今までどおりではだめですよ、それは。しっかりとした対応をやっていただきたい。だって、社会の正義、法の正義を実現する担い手でしょう。その人たちがそういうふうなことがあっては断じてならない。 それから、さっき文科の副大臣はお帰りになったので、加藤副大臣からでもお伝えいただきたいんですが、私は、法科大学院の入学試験の志望段階で、同じような聞き取り調査、書き込み調査をするべきだ。司法修習生に課していて、どうして法科大学院の希望者に課せないのか、私は論理的に全く平仄が合わないと思っていますので、個々の学校の判断と言うかもしれませんけれども、文科省としてしっかりとした考えを持っていただきたいと思います。それはぜひお伝えをしてください。 続きまして、予備試験の制度設計に移ります。 平成二十一年十一月十一日に司法試験委員会が公表しました「予備試験の実施方針について」という文書。この「第一」の一番最初の方には、こう書いてあります。予備試験は、法科大学院課程の修了者と同等の学識及びその応用能力などを判定することを目的とし、そのように書いてあります。 言うまでもありませんが、法科大学院に通うだけの時間あるいは経済的なゆとりがないといった理由などから、やむを得ず法科大学院を経由しないで新司法試験の受験をしたいという方に対しての最後の切り札というか、門戸を確保しているのがこの予備試験。私は、これは重要な試験だというふうに考えております。 法科大学院の修了者と同等の学識及び応用能力、法律実務の素養と書いてあるからには、いかなる法科大学院の修了生とも同等の試験の難易度でなくては話が違ってくるというふうに私は考えております。 具体的には、平成二十一年度ですが、新司法試験でわずか二名の合格者しか輩出することができなかった姫路獨協大学法科大学院でありますとか大阪学院大学法科大学院、あるいは、一名しか出すことができなかった京都産業大学法科大学院あるいは島根大学の法科大学院、そういった法科大学院を修了した人たちと同程度の学識、素養の合格基準でないと、私は、予備試験の制度設計の理念にもとるというふうに考えております。お答えをいただきたいと思います。
○千葉国務大臣 司法試験の予備試験でございますけれども、今御指摘がございますように、この予備試験においては、法科大学院を経由しない人にも法曹となる道が確保されるようにということで設けられました。 この司法制度改革において、法曹養成というのは、ロースクール、法科大学院を核として法曹養成を行うということでございますが、それでもやはり、それにどうしても通過をし得ない、こういう方でも法曹となる道が確保されるように設けられたものでございます。これらの人にも公平に新司法試験の受験資格が与えられるよう配慮する必要があるわけでございまして、予備試験は、法科大学院修了者とそういう意味で同程度の能力があるかどうかということを判定するということになります。 この判定を適切に行うことによって、法科大学院を中核とする法曹養成制度というもののいわば理念を損ねることのないような制度の実効があらしめられるということになります。そういう意味では、予備試験の制度設計はこういう観点で定められているものだというふうに思います。 この観点を踏まえて、司法試験委員会においてその具体的な実施がなされる、こういう仕組みになっております。
○河井委員 全くお答えになっておりません。 さっき文科副大臣は、前政権でできないことをやっているよというふうに胸を張ってお帰りになりましたけれども、政権交代がなかったら、予備試験はそもそも、今のような受験生に過重な負担、科目数、内容、そして年限を含めて、はるかに簡素化、そして簡易化したいということでいろいろな動きを当時の自民党内で行っておりましたので、交代しちゃったものですから、水泡に帰してしまって、私は本当に志ある子供たちには申しわけないことをしてしまったなというふうに思っております。 思っておりますから、せめて大臣にお尋ねをしたいんですが、では、法科大学院と同等の修了レベルとおっしゃいますけれども、どの程度の法科大学院かなんですよ。上位校の法科大学院と同等水準だったら、これは極めて限られた予備試験の合格者しか生むことができない。 繰り返しますけれども、文部科学省が、国が認可した、さっき言いました固有名詞、もう何度も言いませんけれども、ああいう法科大学院、合格者数が極めて少ない、そこも立派な法科大学院ですよ。そこを出た子供たちと同等の試験内容、そして難易度でないと、私は、さっき大臣の御答弁でおっしゃった公平という点にもとると思うんです。ですから、最も低いと言われている学力水準の法科大学院の修了者と全く同等にしてあげないと、私は、予備試験を設計した理念、思想に反すると思います。いかがでしょうか。 だから、もしそうしないんだったら、そういった法科大学院は法科大学院じゃないですよと認めているようなものですよ。だから私は、繰り返すけれども、すべての法科大学院修了者と同等ということですから、自信を持って進級認定をして、自信を持って修了認定をしたわけです、国が認めている法科大学院が。自信を持っているんです。だから、自信を持っている人たちと同等にしてくださいと。私は、当たり前のことを申し上げていると思うんですが、いかがでしょうか。
○千葉国務大臣 なかなか、どのようなことが同等の能力に当たるかというのは難しいところがあろうかというふうに思います。また、法科大学院を卒業した、出た、先ほどおっしゃっておりましたけれども、どういう者が高い能力程度なのか、あるいはどういうところが適切な程度の能力なのか、ここをはかるのも大変難しいことであろうというふうに思います。 そういう意味では、ロースクールの基本的な体制、そして能力向上を図っていただいて、そしてそれと同等の能力を有するような形で予備試験の合格判定はされるべきだというふうに思っております。
○河井委員 苦しい御答弁にならざるを得ない御事情はよくわかりますけれども、大臣、論理的におかしいんですよ。法科大学院修了生と同等の水準ということがこの司法試験委員会の昨年十一月十一日の実施方針に書いてある。しからば、七十四校ありますねという話ですね。繰り返しませんが、七十四校の中でさっき申し上げたような法科大学院は、では、法科大学院じゃないのか。立派な法科大学院ですよね。 だから、私は、予備試験のいろいろな試験問題とかをつくる際に、初めての試みでありますから、慎重かつ十分な準備をしていただきたい。さっき述べたような法科大学院の学生にも受けてもらうとか、前もって同じような問題をつくって受けてもらって、その答案の解答が大体どれぐらいの水準であるとかというふうな当たりをつけながら、私は、ぜひとも制度設計にのっとった実施をしていただきたいと思うんです。いかがでしょうか。
○千葉国務大臣 その法科大学院の学生の方に一度試しに受けていただいて、その程度をはかる、これも一つの御提起であろうかというふうに思います。ただ、やはり、これは独自で予備試験について判定をするために、司法試験制度、司法試験と同じ予備試験という形で制度設計をするわけですので、なかなか受けていただいてというわけにもいかないだろうというふうに思います。 ただ、少なくとも、普通に法科大学院、こういうレベルであってほしい、そして、それについて法科大学院の教育を充実していただく、その充実をした法科大学院を出たと同じ程度の能力をはかれるような形での予備試験の制度設計、これをしていかなければなりませんので、その御提起はそのまま使うことができるかどうかわかりませんけれども、やはり、特段に不利になったり、あるいは法科大学院の卒業生よりも非常に難しいというようなことになりませんように、これは配慮していかなければならないというふうに思います。
○河井委員 普通の法科大学院の修了者と同等とおっしゃいましたけれども、ですから、何をもって普通かということなんですね。七十四校、現に法科大学院があるわけですから、これはすべて法科大学院。ですから、さっき申し上げたような具体的な法科大学院を修了した子供たちの学力水準と同じ水準をはかるために、だって、この人たちは予備試験なんか受けなくても新司法試験を受験できるわけですから、それと公平な立場を与えるという観点ですから、法科大学院上位校、中位校じゃなくて、下位校の修了者と同等にして初めて制度設計が生きてくる。 何でこんなことをずっと言うかといいますと、法科大学院協会の関係者から、副大臣、いろいろな情報が入ってくるわけですよ。予備試験の合格者数がふえてしまうと自分たちの経営がおかしくなっていってしまうとか、そういった利己的な話。私は正々堂々と勝負したらいいと思うんですよ。法科大学院、三年間、行って来いで二千万近い経済的な負担。でも、うちの方がはるかにいい法曹ができますよと、何で予備試験を突破した人たちと正々堂々同じ土俵で勝負できないのか。その予備試験の合格者の人数を減らそう減らそう、そういう動きが一部であるやに聞いておりますので、くどいようですけれどもこの質問をさせていただいております。 もう一度重ねて大臣にお尋ねしますが、普通に法科大学院を修了したという人の中には、先ほど申し上げたような幾つかの法科大学院を修了した人たちの学力も普通なんですね。それをお答えください。
○千葉国務大臣 何をもってその能力を判定できるかというのは難しいと思います。そのとき、その年によりましてもまたいろいろな違いがあるでしょうし。 ですから、どこを出たから能力が高い、あるいはどこの法科大学院だから低い、こういうことではなくして、法科大学院全体として、そこを出ることによって一定のきちっとした普通の能力を有していただく、そして、それと同等の予備試験である、こういう総合的な判断で考えるしかないと私は思っております。
○河井委員 副大臣、いかがですか。
○加藤副大臣 同等という物の考え方なんですけれども、先ほど来、河井先生の御指摘ですと、あるラインを超えているということを一つの基準にして、そのラインの設定の仕方を、下位の法科大学院の修了者で新試験に合格をしたところ、下位校と呼ばれるロースクールの基準に合わせたらどうか、こういう御意見かと思うんです。 恐らく成績の分布は、絵でかきますと、要するに正規分布しますので、合格者の数と、それから法科大学院の修了者の数、予備試験の合格者の数と法科大学院の修了者の数は違いますから、グラフにしたときの正規分布の山の部分の面積の大きさは違うんですけれども、例えば、その中央値が合うとか、あるいは分布が似たような形になるとかというのも一つ同等という概念にはまるのかなという気もしております。最低ラインが、ある線を超えているかどうかというのも、先生がおっしゃるのも一つの考え方だと思いますし、あるいは、試験をやってみた後の新司法試験の合否の結果というのも一つの参考になるかもしれませんが、個人的には、成績のばらつきとか分布というものがおおむね一致するようなことも一つの考え方かなという気はしております。 いずれにいたしましても、司法試験委員会の方でも相当いろいろな御意見のあるところですから、深く検討されるものと思いますし、私どもも、御指摘もひとつ参考にさせていただきながら、また研究を続けたいというふうに思ってございます。
○河井委員 まだこの議論、続けて違う場で行っていきたいと思います。 次に、法曹人口の問題。ようやく人口にたどり着こうと思ったら終わりの時間が近づいてきましたが、法曹人口の増大によってでも、さっきも少し話しましたが、民間企業における弁護士さんの数、そして公務員の数、さほどふえていないという実態があります。ゼロワン地域も、一番状況が厳しいときでも全部足してせいぜい七十カ所程度ではなかったでしょうか。それも今は、ゼロ地域はすべて解消ということなんですね。 では、一体法曹の需要はどこにあるのかという話でして、この法曹人口を極めて増大すべきだという論者の話を聞いておりますと、どうも、法曹の需要というのはつくり出すものだという発想なんですよ。突き詰めていったらそこにたどり着く。私は、やはりそこが一番、考え方の原点の違いだと思っています。私自身は、法曹の需要というのは、社会が自然と呼んでくるものであって、決して政府が意図的に法曹の需要をつくり出すものではない。 考えなくてはいけないのは、弁護士と他の資格者とは違うということなんです。どこが違うかというと、弁護士は事件をつくれるんです。世の中にいろいろな案件があります。それは、明らかな殺人事件から、個人間のさまざまなもめごとに至るまで、近隣のいわゆる小さなさまざまないさかいまで。それは全部が全部、事件にしようと思ったらできないことはない。でも、それはこれまでやはり、日本社会の長い助け合い、そして和の精神、歴史的なさまざまな土壌にはぐくまれて、まずは話し合いをしましょうと、町内会長さんが出てきたり、あるいは民生委員さんが出てきたり、そういう人たち、それも、これからの次の世代に引き継いでいくべき日本社会の特性である、私はそう考えているんです。 だから、弁護士がふえると事件がふえるという極めて短絡的な言い方をしておりますけれども、あえてわかりやすくしてもらうために言っているんです。私は、それは国の政策として誤っているというふうに考えているんです。まず、その根っこですよ。法曹の需要というものは人為的につくり出していいものかどうかという点について、お考えがありましたらお聞かせをください。
○千葉国務大臣 基本的に、法曹の需要は人為的に無理につくり出していくものではないと私も思います。 ただ、法曹がこういうところにもやはりきちっと仕事をしてもらったら、より公平公正な法と正義が通る社会になるのではないかということで、こういう分野にもぜひ法曹が役割を果たしてほしい、こういう提起などはございますけれども、だからといって、そこに法曹の仕事をつくり出して、そして拡大をしていく、こういうことではないというふうに私も理解をいたしております。
○河井委員 もう一つ。では、その法曹人口の増員の話をするときに、そもそも日本の法曹人口は果たして何人いるのか。この認識なんですよ。 増員論者の方々は、弁護士の数だけをとらえて議論をしている。諸外国と比べて少ないとすぐあの人たちは言う。だから、さっき私が言ったように、諸外国とはまず土壌が違う。たとえそれを完全に無視したとしても、日本には法律隣接の専門職、立派な方々がたくさんいらっしゃいます。では、その隣接の法律専門職の人数を果たして入れている議論なんだろうかと。 隣接職、それぞれ直近の数字で何人ずついるか、お答えをいただけますでしょうか。
○千葉国務大臣 隣接職の数でございますけれども、弁護士はよろしいとして、例えば税理士でございますけれども、これが七万強ということになります。それから、司法書士、これが二万人弱ですね。行政書士が四万人余り。公認会計士が二万人余り。土地家屋調査士が二万人弱。社会保険労務士、これが三万五千ぐらいですね。総数としては、弁護士と隣接の士業を加えて二十四万という数になります。
○河井委員 今おっしゃったとおりなんですね。増員論者がいつも比較をしたがっていたフランス、これが全部足しましても七万人少し、日本は二十四万人余り、日本の方が隣接を含めればはるかに多い。しかも、この中には、いわゆる企業の法務部員、事実上弁護士的な業務をやっている優秀な方たちの人数は含まれておりません。経営法友会に所属している加盟会社だけで一千社ある。軽く二十万人を超えているんですね。 アメリカとすぐ比較をしたがるんですけれども、アメリカにおきましては、弁理士、司法書士、行政書士、土地家屋調査士、社会保険労務士という士業はそもそも存在していない、つまり、弁護士さんがそういった業務をやってきている。ですから、アメリカで言う弁護士と、日本で言う弁護士とその隣接の法律専門職、狭い定義と広い定義で、日本が、人数が直近では二万八千八百十一人、平成二十年十月五日の数字ですけれども、諸外国と比べて少ない少ないと言うのは私は論理のすりかえであるというふうに考えております。 これからは、弁護士の人口だけじゃなくて、隣接法律専門職の人口もしっかりと尊重した司法行政というものをやはり行っていかないことには、現にこういった日本独特の士業でしっかりと仕事をしている、国民の負託にこたえている方々が大勢いらっしゃるわけです。そういった方々の存在も私は重視をしなきゃいけない。前回の司法制度改革審議会の議論、議事録を私はじっくり読ませていただきましたけれども、正直言って、この隣接法律専門職についての認識が私は極めて軽かったと言わざるを得ないというふうに考えておりますので、ぜひその点は今後よろしくお願いをいたします。 三千人というものが一体どこで決められたかということについてですけれども、副大臣、お答えをいただけますでしょうか。どこでどうやって決められたか、三千人。
○加藤副大臣 私の記憶では、司法制度改革推進本部で議論をされ、最終的には閣議決定をされているものと思います。
○河井委員 それはそうなんですけれども、審議会の議論の中で極めて重要な三日間というものがありました。委員の方々が集中合宿をいたしました。司法制度改革審議会の委員の方々が、平成十二年八月七日から集中合宿をした。 その議事録は既にワーキングチームでもいろいろと勉強されていらっしゃると思いますけれども、もう時間がすぐ来ますので手短に言いますと、三千人ということを主張した人は中坊公平氏、ただ一人しかいません。多くの委員、経済界出身の委員、裁判所出身の委員、検察出身の委員、いわゆる有識者の方々、だれも三千人という具体的な数字は言っていないばかりか、本当にそんなに急にふやして日本の司法は大丈夫でしょうか、ほとんどの方は実はそういう議論をしている。にもかかわらず、最後に佐藤幸治さんが、全体的な意見を全部集約すると三千人ということになりますと、そこでもう議論が集約されてしまった。私は大変残念なことであるというふうに思っております。 三千人のいろいろな意味での根拠というのは極めて薄い、きょうはそこまで申し上げまして、また三回目の質問の機会をいただけるかどうかわかりませんけれども、人口問題、いよいよ本番にこれから差しかかりたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。 ありがとうございました。
○滝委員長 次に、馳浩君。
○馳委員 自由民主党の馳浩です。 朝から長い審議、お疲れさまです。大臣、本当に少し一服してきて結構です、質問をちょっと入れかえますので。外務省に聞こうと思ったんですけれども、まだ来ていないんですね。では、せっかくですから、さらに入れかえましょうか。 では、中川副大臣がお見えですから、日本語教育振興協会、この質問から入らせていただきます。 事業仕分けの第二弾、後半戦が昨日から始まっておりますが、法務省関係では三つの法人が対象となっておりまして、そのうちの日本語教育振興協会についてお伺いしたいと思います。私も仕分け対象の法人を拝見したときに、日本語教育振興協会がどうして法務省の所管で出てくるのかなという率直な疑問を持った上で、ちょっと調べてみました。その上でちょっと質問をさせていただきます。 確かに、日本語教育振興協会、長いので日振協と略して言わせていただきますが、日振協がなぜ文科省ではなくて法務省対象の法人に入っているのか。法務省の所管法人ではありますが、実は文科省と外務省との共管であり、しかも、日振協の設立経緯、政策的位置づけからして文科省が主管的立場にあることは明白でありますから、文科省対象の法人に位置づけられるべきだと思っております。なぜここで事業仕分けの対象として法務省の担当になっているのでしょうか。
○泉大臣政務官 御質問ありがとうございます。 この財団法人日本語教育振興協会ですけれども、委員御指摘になられましたとおり、法務省、文部科学省、外務省の三省による共管ということでありますけれども、特に文部科学省が事の性質からいっても非常に重要な役割を果たしているということであります。 今回の事業仕分けというのは、ちまたでは公益法人仕分けと言われ、あるいは前回は独法仕分けと言われているわけですが、実際には事業の仕分けをしているということでありまして、その法人が行う事業というふうに考えた場合に、この日本語教育振興協会が行っている事業の一つである日本語教育機関に対する審査・証明事業を今回の対象としているということで、その根拠法というか、そういったものが出入国管理及び難民認定法施行規則の六十三条というところに入ってくるものですから、今回は法務省ということでやらせていただいたということです。
○馳委員 そういうことですね。いわゆる日本語教育機関、施設、日本語教育の学校ですね、この審査及び証明事業が法務省令に入っている、この根拠をもってということで、なるほどと。 そこで、日本語教育施設を含む日本語教育施策のあり方について、平成十一年の文科省作成の、今後の日本語教育施策の推進についての報告書、これに詳しく述べられております。 今回の仕分けの対象事業となっている日本語教育施設の審査及び証明事業について、報告書にはこういうふうに書かれております。「現在文部省告示により実施されているが、「公益法人に対する検査等の委託等に関する基準」により、平成十二年度末までに法令に基づくものとする等の措置を検討することが必要である。」こういうふうに述べられております。 現状は、文部、法務両省の告示は廃止され、さきの法務省令に変更されているというふうになっておりますが、なぜ文部科学省の法令が制定されていないのかをお伺いいたします。
○中川副大臣 お答えをいたします。 私も、本来は、例えば各種学校あるいは専門学校というような類型の中でこうした日本語学校というのが整理をされて、その上で難民認定法なりあるいはいわゆるビザ申請に係る基準の一般的な基準として規定されて、それを使ってビザのコントロールをしていくということでいいんだろうというふうに思っているんですね。ところが、現実は、先ほど御指摘があったように、そういう形ではなくて、この日本語教育振興協会が実施をする認定基準に基づいて、法務省がそれに基づいた形でのビザコントロールをするという仕組みになっています。 なぜこういう形で整理がされたのかということを私もさかのぼって調べてみたんですが、なかなかつまびらかなところが出てこないということもありまして、これは、これからの政策を見直していく中で、一つ整理をしていかなければならない課題だというふうに認識をしております。 そんな中で、特に文部科学省としては、特に外国人がこういう形で日本国内でふえてきた、ふえてきたというより、日本の将来の流れとしては、国を開いていくという過程の中で、これはどうしても総合的に日本語教育というのを考えていかなければならないということだと思いまして、そういう問題意識の中で、ぜひ積極的に文部科学省の体系として議論を進めていきたいというふうに思います。 さらに申し上げれば、これは文部科学省だけの問題ではなくて、法務省、外務省あるいはそれぞれ省庁にわたる一つの統合的な政策ということにまとめていかなければならないということだと思いまして、そういう動きも既に副大臣レベルで今始めておりまして、早急に政策としてまとめていきたいというふうに思っております。
○馳委員 今の中川副大臣の答弁は、泉さんに対して向けられた答弁であるというふうに私は受け取りました。 そうなんですよ。本当に事業仕分けをするならば、今回のような、事業だけを抜き出してきて、言葉は悪いけれどもスケープゴートのような感じでやるよりも、本当の事業仕分けの意味は、多岐にわたる日本語教育に係る施策をできるだけ統合するのか、あるいはコントロールタワーをつくって効果的、効率的に運用していくのかという、その方針の方が大事なんじゃないかというのが私がきょう指摘をしようとしている質問の趣旨なんですね。 そこで、実は、私が今申し上げた、中川副大臣も指摘をされた日本語教育に係る施策についてのいろいろな機関、十八あるんですよ。全部言いましょうか、せっかくだから言いましょうね。 まず、国立国語研究所日本語教育センター、これはもう独法改革で統合されていますが。国際交流基金、国際協力事業団、日本貿易振興会。公益法人としては、財団法人日本語教育振興協会、財団法人日本国際教育協会、財団法人国際学友会、社団法人国際日本語普及協会、社団法人日本語教育学会、財団法人アジア福祉教育財団、財団法人言語文化研究所、財団法人自治体国際化協会、財団法人海外技術者研修協会、財団法人中国残留孤児援護基金、財団法人国際研修協力機構。そのほかの団体として、国立大学日本語教育研究協議会、日本私立大学団体連合会日本語教育連絡協議会、大学日本語教員養成課程研究協議会。十八、こんなにあるんですよ。 とすると、日本語教育に関する施策を効果的、効率的にやっていきましょうと言っているときに、新政権になって、事業仕分けの役割は私も肯定的にとらえておりますが、こういう各省庁多岐にわたる公益法人、特殊法人の統廃合も視野に入れるという大くくりの議論を主導するのが内閣府ではないのかなと私は思っていて、昨年の一月に、多分内閣府は、国内に定住される外国人に対する支援の推進室をおつくりになりましたよね、これは一つのチャンスだと私も思ったんですよ。 たまたま私は、国内に定住する外国人の子供の教育支援の問題の立法化作業をしていて、勉強会をしたら、まあ、あちこちから来るわ来るわ、二十人ぐらい役所が来るんですよ。おかしいなとずっと思っておりまして、今、いよいよまた事業仕分け第二弾が始まったなと思ったときに、資料を見たときに、いや、これは私の本来持っていた問題意識を踏み込んでやってくれるものだと思っていて、何で法務省なんだ、こういうふうに思いが至ったというのが今日でありまして、この指摘について、では、まず泉さんと、それから中川さんと、最後に千葉大臣にも、私の問題意識に対しての見解をお伺いしたいと思います。
○泉大臣政務官 きょうは、行政刷新、事業仕分けの担当として呼んでいただいているわけではあるんですが、実は、今御指摘あったような定住外国人施策も担当をしておりまして、私も、政務官にならせていただいて、まず役所に聞きました。この定住外国人施策は何ですかということで、ちょうど麻生さんの声かけで内閣府の中にこういった室ができたというわけですけれども、これは専ら、特に日系ブラジル、ペルー人問題でありますということでありまして、いわゆる中国からの残留孤児の問題ですとか、その他の外国人は基本的には対象外ですというお話を聞きました。 それを聞いて改めてびっくりしたわけですが、では、この国の総合的な定住外国人あるいは日本語教育の戦略ですとか計画というのはどこにどうなっているんだといえば、実はまだそれは一本ではないということですね。それは移民政策なんということも含めてかもしれません。 でありまして、ようやくそれについて取り組まなくてはいけないのではないかというところまで今たどり着いているところでして、一つは、喫緊の課題である、特に不景気の中で、定住ペルー、ブラジルの日系の皆さんの問題については、国内でしっかりと共生できるように、日系人でありますからということもありまして、今対策をつくっているというところでありますし、そしてまた、中川副大臣のお声かけで、さらに定住外国人施策全体についても取り組もうじゃないかということで、各省の政務が集まりまして、会議を持ちながら今検討を進めているところでありますし、ようやく全般的な検討が進み始めているかなというのが私の現在の認識であります。 事業仕分けに戻りますけれども、これは、あくまで無駄という観点から今回は確かにこの事業に至ったというところでありまして、事業仕分けの中全体として、外国人戦略について今回述べるということを考えていなかったというところはありますので、それは取り組みの違いということで御理解をいただければというふうに思います。
○中川副大臣 文部科学省では、ちょっと一足先にこの問題について対策を、協議を始めておりまして、たまたまこの五月十九日に、定住外国人の子どもの教育等に関する政策懇談会、これのいわゆる意見と、それから文部科学省としてその意見に基づいて進めていく政策というのを総合的に発表したところであります。これは、我々は、子供だけではなくて、それこそ社会人あるいは職場等々も含めた日本語教育を中心にした対応というのを、広い形で、ひとつ統合的に進めていこうという思いがありまして、そうした政策をまとめさせていただきました。 この後、先ほどお話があったように、それぞれ各省庁間で、副大臣レベルが集まりまして、さらにトータルな形として、移民政策といいますか新たな定住外国人に対する社会全体の対応と、それから海外においての対応も含めた政策を統合していこうという思いで、私も頑張っていきたいというふうに思っております。 そんなことで、始めていきますので、またよろしく御協力をいただきたいというふうに思います。
○千葉国務大臣 日本語教育につきましては、内容的には直接私が所管をするということではございません。ただ、法務省としては、やはり、これから日本で多くの外国人の皆さんが気持ちよく学び、そして生活をいただく、こういう共生の基盤づくりをしていくことは大変大事なことだというふうに思っております。 在留を許可するに当たりまして、日本語を学ぶということで日本に来られる、そういうときに、どういう形で、どういうところで本当に日本語を学んでいただいて、十分にその成果を上げていただくということを、やはり在留を許可する者としても考えていかなければなりません。 そういう意味では、この日本語教育について本当に統一した、先ほど大変たくさん挙げていただきました、それぞれ経緯とか、あるいはその持ち分といいますか領域が違うとは思いますけれども、できるだけ総合的に日本語教育が進展していきますように、そういう意味での検討はしていく必要があるのだろうというふうに思っております。 そういうところに、法務省、私としても、ぜひ積極的に参加をする、あるいは協力をさせていただき、この議論が進んでいくようにしてまいりたいというふうに考えております。
○馳委員 この問題について、平成十一年の文部科学省の報告書にはこういうふうに書いてあるんですね。すべての日本語教育事業を一つの機関等に集中して実施することには反対をして、「日本語教育施策の総合的な計画作りへ向けての連絡調整等を行う中心的な機関を明確に位置付け、そこが連携・協力の核となっていくことが大切」、こういうふうに述べているんですね。いわゆるコントロールタワーが必要だよということと、それから、千葉大臣がおっしゃったように、ただ、先ほど申し上げた十八の機関というのは、それぞれの設立の必要性があってまずできてきたという経緯、そう考えると、私は文化庁の役割は大きいのではないかと。 日本語教育、しかし、学ぶ人は多岐にわたる、国内にもいれば国外にもいる、仕事をしている人もいれば、学校に行っている子供もいれば、多岐にわたるので、コントロールタワーとしての役割が必要ではないか。しかし、この報告書が平成十一年に出てきてから、実は、いまだに中心的な役割、コントロールタワーがないんですよ。これについての見解をお述べいただきたいと思います。
○中川副大臣 文化庁それから文部科学省、コントロールタワーになっていく、そういう思いを持って、総合的な政策をつくっていくという努力をしていきたいというふうに思います。
○馳委員 今、中川副大臣がこのように申されましたが、千葉大臣、協力していただけますか。
○千葉国務大臣 もちろんのことでございまして、やはり日本で、本当にいい条件でというか、本当に気持ちよく学んでいただいて、そして身につけていただく、こういう体制ができるのは、調整ができるというのは大変喜ばしいというか、私も、歓迎すべきことでございますので、当然協力をさせていただいてまいりたいと思います。
○馳委員 改めて、どういう人が学んでいるのかということをちょっと指摘したいと思います。報告書にこうあるんですね。 日本語教育の対象者は、国内においては、まず、「留学生、日本語教育施設に在学する学生、外国人研修生、ビジネス関係者等の被用者、地域において居住する成人外国人や外国人児童生徒など、多様な学習目的に応じて非常に幅広い層にわたる」。海外においては、「日本語専攻の研究者・学生や中等・高等教育機関で日本語を学習する生徒・学生・語学学校で日本語を学ぶ者、独学で日本語学習に取り組む者」。まさしく教育の内容もレベルも多岐にわたるんだなということがうかがい知ることができます。だからこそ、僕は文化庁の役割が大きいなと思っているんです。 ここで、実は質問通告していなかったんですが、これは私の持論でもあるんですけれども、我が国の教員免許には日本語というのはないんですよ。私は、海外に向けての日本語の発信ということもありますし、日本の今後の経済成長に向けて、当然、我が国のマーケットを世界に拡大していく上でも、もう一つは知的財産の保護のためにも、やはり日本語の教師という資格をしっかり持たせて、海外にも展開し、国内でも教育をしていくという体制整備が必要なんじゃないかとずっと思っております。 中川副大臣、教員免許に日本語という資格はないんですよ。国語とか社会とか算数、理科、英語というのはありますけれども、日本語はないんです。もうそろそろこれは真剣に検討する時代になっているんじゃないかなと思っているんですが、ぶしつけで申しわけありませんが、ちょっと見解をお示しいただければと思います。
○中川副大臣 御指摘のところも含めて、いろいろな角度で、新しいといいますか、ここ十年、二十年の間に日本の国がなし崩し的に外に向かって開放してきたいわゆる単純労働に向けての労働者の流入、あるいは留学生も含めて、新しい私たちの政策の中では、特にアジアを中心に、もっと大きな波という形で留学生を受け入れていこうというふうなこと、あるいは、海外における日本語の国際化というニーズ、そんなことを総合的に考えていくと、確かに、それを日本語として体系的に教えていくシステムとそれの人材というのは、これは基本的に日本の戦略としてしっかりつくっていかなければならないところだというふうに思っております。 さらに検討を加えながら、どういう形でそれを制度化していったらいいのかということはしっかり考えていきたいというふうに思っています。
○馳委員 これは要望ですが、私も実は国語の教員でありますが、日本語を教えることはできません。私は、専門は古文と漢文と書道でありますけれども、大学時代に日本語教育についての単位があれば、ぜひ取っておきたかったなと今では思っております。 名古屋大学でしたか、モンゴルとか中央アジアで、いわゆる講座を持って日本語を教育し、その目的は何なのかなとお伺いしたら、先生方がこうおっしゃっているんですね。日本語で日本の法律を理解して、つまり、日本からの法的な支援をするに当たって、モンゴルや中央アジア、ウズベキスタンだったと思うんですね、日本語をまず根本的に理解していただく、そして日本の法律について、これは多分行政的な支援になると思うんですね、まさしく行政的な支援ということは国の形づくり、地域の形づくりのための支援をする。日本の法律をモンゴルの言葉やウズベキスタンの言葉に翻訳して伝えるよりも、日本語として日本の法律を支援していく、そういう遠大な、学術的な、そして国際交流の目的があるんですよというふうな御指導をいただいて、なるほどなということを私は学びました。 ぜひ、先ほど申し上げたように、いろいろな教育内容、レベルが必要とされると思いますが、では、その教える人を、資格を持って教えさせるという、これもまた一つの使命ではないかなと思いますので、改めて中川副大臣に要請をいたしたいと思います。 では、この問題で最後の質問にしますが、これは実は泉政務官に聞いた方がいいと思います。 この日振教の内部留保率が一四七%、これは平成二十一年十一月二十九日の朝日新聞の指摘で、一四七%。これは実は、ある意味で今回の事業仕分けの法人の中で最大なんですね、内部留保率が。国の基準値三〇%を大きく上回っておりまして、二〇〇七年には会計検査院の指摘も受けております。 さて、この二億円をどうするのかいと思って、さらに資料を拝見いたしましたら、この二億円を四つの基金に、一・七億円移しちゃっているんですね。ひどいことをするものだなと思いますよ。それで、使っていないんですよ、基金に移したお金を。これは内部留保の九割ですよ。これは何かつけかえみたいな話ですね。 これはけしからぬなと思って、私は、これについては、まず中川副大臣にどう御指導されますかということと、まさしく事業仕分けのこれは一つの対象だと思うんですね。内部留保、一番でかいんですよ。金額は二億円かもしれないけれども、一四七%。これは見捨てておけないなと思って質問いたします。いかがでしょうか。
○中川副大臣 ここで問題になるのは、この団体が認証するときに、それぞれの日本語学校から、認証のための料金のかわりになるいわゆる会費を取っておって、かつ、政府の方からも補助金という形で、去年まではですが、ことしからやめるということにしたんですけれども、去年までは補助金が流れていて、その上で、内部留保資金が、先ほど御指摘のあったように一四〇%という形で積み上げられていたということ、ここが問題になるということだと思います。 ぜひ、ここの部分についても、事業仕分けの中でさらにはっきりとした議論をしていただきたいと私は思っておりますが、法人に聞きますと、それぞれの積み立て、一つは基本財産への繰り入れが六千万、それから留学生の学習成果認証システムの充実等のための積立金というのが四千五百万、それから奨学金のための積立金というのが四千万、それからもう一つ、情報システムの整備のための積立金というのが二千七百万、こういう形で目的を持って積み立てましたということと、それからさらに、ことしから、具体的な、こうした積立金を使った形の事業を展開しますというふうな報告は来ております。しかし、これでいいのかどうかということはさらに事業仕分けに任せたいというふうに思います。
○馳委員 中川副大臣、これはそもそも会費で集めたんだから、その負担を軽減すればいいんですよ。 また、平成二十二年度から積立金を一部取り崩し、事業に使用予定となっていますけれども、見つかっちゃったから使わなきゃまずいなというのが見え見えじゃないですか、これは。事業仕分けでそろそろ蓮舫さんがやってくるな、これはまた厳しく指摘されるなと、もう見え見えなんですね。こういうことを放置しちゃいかぬのだから、この取り崩してやろうとしている留学生三十万人受入れ体制整備積立金とか情報システム整備積立金というのは、こんなのそもそも文部科学省が、文化庁がやればいいだけの話なんですよ。 内部留保がありますねと基金に持っていって見つからないようにして、見つかったら、では何かに使っちゃおうかな、そういうやり方が、一番民主党政権がやっちゃいかぬと指摘しようとしていることじゃないんですかということを私から指摘して、泉政務官、どう思いますか。
○泉大臣政務官 ありがとうございます。 今回の事業仕分けというのは、対象法人あるいは対象事業だけで完結するものではなくて、常に横ぐしの精神というか、そういう観点を後ほど整理して、また、それぞれ対象にならなかった事業についても見直しをするということでやっています。 実は、今回の日本語教育振興協会については、先ほどの審査・証明事業を現在対象にしていて、内部留保金については今のところ仕分けの対象になっていなかったんですね。確かに、見ますと、公益法人の事業シートの中では、法人自身の見直しに向けた、業務の改善に向けた取り組みの中でということで、まさに積立金のことが載っておりまして、これは蓮舫さんが来たからつくったのではなくて、昨年の三月と六月に積立金を設けているということで今に至っているわけです。 しかし、来週月曜日が一応仕分けの日でもありますので、仕分け人がこれまで取り組んできたのは、先ほど言った審査の事業についてでありますけれども、委員御指摘になられたことの指摘が可能かどうかということについてはぜひ諮っていきたい。 ただ、大体一事業一こま一時間、やはり議論が拙速にならないようにという御議論もある中でのこま設定にしておりますので、今回必ずできるということかどうかまでは今断言できませんけれども、きょういただいた御指摘というのは大変重要なことで、仕分けの中にも今後生かしていきたいと思います。
○馳委員 いや、違うんですよ。泉さん、私は今指摘しましたから、この場で加藤副大臣と中川副大臣に、ちゃんと戻させろ、そして本来の事業に使えと言えば済むだけの話なんですよ。事業仕分けの中でこの内部留保金の話は別にしなくてもいいんです。だから、私はあえて中川さんも泉さんも法務委員会にお招きをしたんですよ。加藤公一さん、そういうことなんですよ。一応所管は法務省ですから、内部留保金も早く返させて、本当に省庁として必要な事業にやっていただければいいというのが私の指摘であります。 次に、中国人の観光ビザの問題について、まず西村政務官にお伺いいたしたいと思います。 先日、報道にもありましたが、中国人向けの個人観光ビザの発行要件を七月一日から大幅に緩和する方針と聞いておりますが、その概要とねらいについてお伺いしたいと思います。
○西村大臣政務官 お答えいたします。 先日、外務省より発表いたしましたけれども、七月一日から、御指摘のように、中国人向け個人観光ビザの要件を緩和いたします。 主な内容といたしましては三つ。まず一つ目は、申請受付公館をこれまでの三公館から七公館に拡大をして、中国本土における全公館といたします。二つ目には、取扱旅行会社を、現行四十八社ございますけれども、これを二百九十社に拡大いたします。そして第三に、一定の職業上の地位及び経済力を有する者に対して査証を発給するということでございます。 中国人の訪日観光は、従来から団体観光の形式で実施されております。今回の措置は、昨年七月から開始した個人観光について要件緩和するものでございます。
○馳委員 一言で言えば、金のかからない景気対策。私も石川県でありまして、西村さんの地元新潟県でも、多分、県は中国からの観光客を受け入れてということを取り組みをされているときだと思います。 そこで、ちょっと懸念があったのでお伺いしたいんですが、警察庁に伺います。 要件の緩和による治安上の懸念、例えば、団体旅行の解禁後の中国人観光客の失踪者や犯罪者が多いというふうに聞いておりますが、これまでの統計を伺いたいと思います。いかがでしょうか。
○高橋政府参考人 中国人団体観光客は、平成十二年九月からの開始以降、昨年末までに千百二十八人の失踪者が発生していると承知しておりますが、このうち百九十七人が入管法違反等で検挙されております。 一方、中国人個人観光客は、昨年七月の開始以降、失踪者の発生はないと承知しております。 また、観光客に限った統計資料ではありませんが、短期滞在の在留資格で入国した中国人の昨年中の総検挙人員は三百四十五人で、韓国に次いで多い人数となっております。 〔委員長退席、樋高委員長代理着席〕
○馳委員 西村さん、最後にお伺いするんですけれども、今回の緩和策で、中国の中間層にねらいを絞っておりますが、大体どのぐらいが対象になるんでしょうか。
○西村大臣政務官 今回の要件緩和につきましては、ねらいといいますか期待するところは、日中間の人的交流がさらに発展をいたしまして、両国国民の相互理解が一層増進されることでございます。私たちはそのことを期待しております。 どのくらいの層になるのかということでありますけれども、今回の措置によりまして、個人観光のビザ発給対象者は一千六百万世帯以上ということで、十倍以上になると想定しております。 なお、先ほど委員、中間層というふうにおっしゃいましたけれども、委員の言われるところの中間層、いわゆる中間層、必ずしも中国の中間層を対象としたものではないということを付言したいと思います。
○馳委員 日本的な感覚で中間層という言い方が、私、ちょっと表現がまずかったかなと思います。つまり、個人でも日本に旅行に来ることのできる層、こういうふうな言い方に私も改めたいと思います。 ここで私は千葉大臣の応援団に今からなるんですけれども、西村さんに最後の質問ですよ。今回のビザ発給緩和策において、それは中国国内で公館を七つにふやすとか旅行代理店を二百九十にふやすというのはいいんですよ。受け入れの方は入管業務なんですよ。そうすると、法務省と連携をした上で、外務省として今回の措置をとったんですか。
○西村大臣政務官 当然、入管の受け入れ業務は法務省の方の担当になりますけれども、ビザの申請、そしてその審査については在外公館がやることになりますので、率直に申し上げると、外務省の方もそれなりに人員は必要ということになります。当然、そうした人的な要員の配置が必要になってくるということでありますので、法務省とも協議を行っております。
○馳委員 私は何を言いたいかというと、閣議決定、まだ済んでいないでしょう、来年の国家公務員の採用試験の。まだしていないですよね、閣議決定は。(発言する者あり)けさ、したんですか。済みませんでした。まだ情報が入っておりませんでしたので。報道によると、千葉法務大臣は、刑務官、こういった入国警備官の問題で抵抗しておられたという意味で、私は千葉法務大臣を応援しようと思ってきょうの質問をつくってきたんですよ。 外務省の方から、中国からこうやってたくさん、千六百万人、これまでよりも十倍ふえて入ってくる可能性があるということになりますと、対応できますか。まず、そのことをお伺いしたいと思います。
○千葉国務大臣 先ほどお話がございましたが、外務省とも、この問題につきましては、観光立国推進基本計画、観光立国を標榜するという中で、どうやって体制を整えようか、こういう協議はしているところでございます。 今回の緩和によりますと、実は外国人の入国者数は、平成二十一年はその前年よりもいささか減少しておりました。これは景気後退等の影響もあろうかというふうに思いますが、しかし、その中でも、中国人の入国者については前年比で二%増の百二十三万人余りでございました。減っている中でもふえていたということでございます。 そういう中で、またビザが緩和をされるということになりますと、かなりの入国者数の増加というのがやはり予測をされるということになります。それに対して、ぜひきちっと入国審査が適切に、また不当な者を入国させるようなことになっては困りますので、そこで厳正な入国の審査をするということが必要になってこようかと思います。そうなりますと、人的にも、それから体制も、さまざま整備をしなければなりません。 今、何とかそれに対応しようということで、国際便の運航スケジュールに対応した入国審査官の増配置とか、あるいは応援態勢、こっちからこっちへ、このときだけ応援をするとか、それから、事前旅客情報システム、APISの活用によるチェックの迅速化、それから、審査場の混雑状況の映像表示及び補助員によりあいているブースへできるだけ誘導する、こういうこともやりながら、しかし一方ではテロリスト等の入国などがあってはならない、こういうこともありますので、厳正にやっていきたいというふうに思っております。 何とか入国審査の最長待ち時間を二十分以下にしたいという取り組みを進めているところでございまして、今まだ二十分以下にはなかなかなってございませんけれども、成田ですと大体二十分、二十一、二分、ちょっと関西の方が多少時間がかかっておりまして、二十七、八分というあたりでしょうか、こういう状況でございます。 しかし、ふえる中で、これをまたより短くするというのは大変なことではございますけれども、ぜひ、一定の人数の確保、それから先ほど申し上げましたような体制を整備するという形の中で、皆さんに気持ちよく入国をいただくという形をしっかりととってまいりたいと思っております。
○馳委員 テロ対策、不法入国対策、治安対策、だからやはりより厳しくしなきゃいけないということと、日本の玄関でずっと立ったまま待たされる外国人観光客の皆さんの精神的な、日本に対する、何だ、世界で一番きちょうめんな日本だと思っていたのにこんなに待たせるのか、こういうやはり心理的なものもあると思いますから、だから私も、あえて今から国家公務員新規採用問題を絡めて質問をしたいんです。 新規採用について、千葉法務大臣の反対で閣議決定が見送りとなっていたという問題で、千葉大臣の反対理由を改めてお述べいただきたいと思います。
○樋高委員長代理 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○樋高委員長代理 速記を起こしてください。 千葉法務大臣。 〔樋高委員長代理退席、委員長着席〕
○千葉国務大臣 今御指摘がございましたけれども、決して、何か反対をして、対立をして閣議決定がなされなかったということではございません。やはり公務員の数をできるだけ減らしていこうという基本的な考え方、これについて、私どもも、当然のことながらこの内閣の姿勢として理解をしつつ、それに対応をさせていただこうと考えてきたところでございます。 ただ、実は、治安とか、それから今の入国審査、警備等々につきましては、やはり人がいないことには、何しろ治安が悪くなる、あるいは入国の審査がおくれるというようなことになりかねません。そういう意味では、ぜひここはできるだけ、国際的にも、それから国内の治安の面でも、抑制は全体としては当然のことではありますけれども、その体制に不備がないように、こういうことを私も申し上げながら協議をさせていただいてきたということでございまして、これは内閣として一体として、そういうことにも十分目を配りながら、最終的にきちっとした閣議決定ができ上がったということでございます。 御心配までいただいたようで、ありがとうございます。
○馳委員 きょう閣議決定したからといって、来年、再来年もそのままで済むとは私は思っていないんですよ。だから、私も、今まで自由民主党が与党であったときにも、毎年のように、刑務官、あるいは警察官もそうなんですけれども、人員増についていつも財務省に陳情に行っておったメンバーの一人でありまして、私たちも、地元に戻りますと必ずこの問題は言われますね。 そこで、現状において、刑務所への入所者の増加、あるいは外国人受刑者、そしてさらにいえば高齢の受刑者あるいは障害を持った方の受刑者、これはふえてきているのではないのかなと私は思っています。 一度、初犯の方が入る静岡刑務所に私も慰問で行ったときに、所長さんにお話を伺ったら、まず基本的な定員を超えてしまっている、そしてその一割が外国人だということで、やはり国会議員の皆さんにもこういう現実を見た上で対応してほしいと。六人の定員の部屋に八人、まくら元に台をつくって、そこに寝かしているというふうな状況で、それでも私の学生時代の体育寮よりはきれいな部屋だったなと思いながら、しかし、これはやはり現実問題、定員が定められている中で一割多い、そして全体の一割が外国人だという現実は、我が国の世情をあらわしている姿だなと思って見てまいりました。 大臣は、こういう刑務所の入所者の実情について、どういうふうな認識を持っておられますか。
○千葉国務大臣 刑務所に関しまして、例えば、十年前、平成十二年と、昨年、平成二十一年、これを比較いたしますと、刑事施設における一日平均収容人員は約三〇%増加をしている、こういう状況でございます。 そして、ほぼ解消はいたしましたけれども、このような増加の中で、先ほど委員も御指摘をされていましたように、各施設の過剰収容、定員を超えて、そして部屋も、定員の部屋にそれ以上収容する、こういう状況が続いていた実態でございます。 ようやくそれについて、新しい施設をつくる、あるいはそれを拡大するというようなことを認めていく中で、何とか今、過剰収容という状況は解消しつつございますけれども、これから、さまざまな複雑な社会状況の中で、犯罪がふえるということは決して期待をするものではありませんし、何とか減少をするようにと私どもも努めているところではございますけれども、やはりこのような増加の傾向というのもございます。そしてまた、御指摘がありましたように、外国人の増加とか、あるいは御高齢の方の増加とか、こういうこともございますので、何とかできるだけ、また悲惨な収容の状態になりませんように、きちっと対応をとっていかなければならないというふうに考えております。
○馳委員 私は、一応、四つの論点を今ちょっと示しますので、今後の刑務所の整備計画、そして、整備計画と同時に運営のあり方について、法務省としてのお考えがあったら教えていただきたいと思います。 まず一つ目に、今ほど申し上げた、外国人受刑者が増加をした。高齢の方もふえている。障害者の方もふえている。これは、発達障害者支援法というのを、私ども、二〇〇四年に議員立法でこさえましたけれども、やはりこういう発達障害をお持ちの方の受刑者も多いんですね。処遇は大変です。また、耐震ですね、これはやはり古いんですか、耐震。そして、こういう総合的な観点から、PFI方式で、公設民営というやり方で建てられてきております。 そういうことを考えると、中期整備計画、そして管理運営のあり方、これはやはりビジョンを持って対応していかなければいけないのではないかと思うんですが、今、法務省として総体的にどういうふうにお考えなのか、お聞きしたいと思います。
○千葉国務大臣 今御指摘がございますような観点、私も十分に念頭に置かせていただいております。 これまでにも、既存の刑務所を増築する、あるいは支所を新設する、また、今これも御指摘がありましたPFI手法を活用した刑務所が四庁新設をされている、こういう形で収容能力の拡充を図ってきたということでございます。 しかし、個々の施設を見てみますと、いまだ多くの施設でやはりまだまだ高率の収容状況ということもあり、特に女子刑務所の過剰収容が厳しい状況にございます。全体としては減ってきているんですけれども、女子刑務所というのは女子だけですので、男子のところに一緒にくっつけてというわけにまいりませんので、そういう意味ではここはまだ厳しい状況でございます。 今後、やはりこのような動向を踏まえながら、まずは女子収容棟の増築、これは予算を持って今もう着手をするところでございますが、今後、老朽施設の全体改築時などに収容能力の拡充を図っていかなければならないというふうに考えております。 PFIについても、こういう手法をより一層取り入れることができたらというふうに思いますけれども、やはりこれができますのは、軽い、初犯の犯罪の方を収容するところとか、やはり民間の方もこういう施設で仕事をするということにいささかのちゅうちょ等もございますので、なかなかこれは一気に進めるという形にはなりませんけれども、こういう手法もこれまで取り入れてきておりますので、念頭に置きつつ、いずれにしても、まずは女子刑務所等の充実等から手始めに進めていきたいと計画しております。
○馳委員 もう時間ですので、最後の質問項目に入りたいと思いますが、法務省の一人係長問題について指摘をしたいと思います。 法務省には一人係長が七百七十三人おりまして、ちなみに全省庁において一人係長は全総数の係の五五・九%、平成二十二年度の定員に占める割合は八・八%です。この二点について法務省の数字はどうなっているかというと、総数の係、全係のポストの二七・四%、定員に占める割合は一・五%。ということは、係があって係長ですよね、当然。係が四つあったら、そのうちの一つは一人係長なんですよ。 加藤さん、一人係長とはどういう意味か知っていますか。ちょっと答えてください。
○加藤副大臣 部下がおらずに係長のポストにおる者ということでいいかと思います。
○馳委員 おかしいじゃないですか、これは。 ちなみに、一番多いのが国土交通省で、八千人を超えているんですね。八千七百人ぐらいだったかな。そうはいっても、割合でいうと、法務省も四ポストに一つ。 係って何ですか。チームで一つの業務を行うに当たってのリーダーでしょう。その後ろに並んでいる秘書さんたちも昔一人係長だったことがあるのかなとつい私も聞きたいぐらいですけれども、これはまずいですよ。チームがあって、係があって係長がいる。にもかかわらず、一人係長がこんなにいるんですよ。 その背景には、もしかしたら官僚組織独特の横並び人事、こういうものがあるのではないのかな。私は、あえて言えば、こういうところにこそ事業仕分けが突っ込まなきゃいけないんじゃないかと思うぐらいなんですよ。 一人係長、このままじゃまずいと僕は思いますね。大臣、どう思われますか。
○千葉国務大臣 私も、政府全体としても、こういう一人係長という形になってしまっている部署が大変多いということは、ある意味では大変驚きでもありますし、どうしてこうなっているのかな、こういうことを考えました。 法務省におきましても、確かに、決して横並びということではなくして、どうやら、部下がいても途中で退職をしてしまうとか、あるいは、やはり非常に過酷な職場ということになりますので、定着をしないでやめてしまう、こういうこともかなりあるというふうに、今調べているところでございます。 いずれにしても、一人係長というのがこれだけいるというのはいささか異常かなというふうには思います。
○馳委員 大臣の今の答弁はとても苦しい答弁です。 これは、私はなぜさっきから刑務官や入国警備官の話を強調したかというと、現場の専門職はやはり減らせないんですよ。水際作戦ですよ。治安を守る意味でも、専門職として。本省のこういう一人係長というのをどんどんばっさばっさとスクラップ・アンド・ビルド、ビルドはしなくていいか、これを減らせばいいんですよ。まさしくその分を現場にいる刑務官とか現業でやっている諸君に振り向けていくふうにやっていかないと、残念ながら、民主党政権のマニフェストの国家公務員の総人件費二割削減というものになかなか到達できないですよ。 私は、これは公務員制度改革全般の中でも、本当に、今、目の前にある問題だと思うんですよ。一人係長、これはやはり人事の慣行です。ここにやはりメスを入れていかざるを得ません。部下が一人もいない係長というのは、ちょっとそれはさすがに民間だとあり得ないですよね、石関さん。 これは副大臣会合ぐらいで、加藤副大臣、やはりこれは余りにも多いんじゃないか、ちょっと調整しなきゃいかぬなということと、総体的な人件費の削減、そして定数削減計画。定数削減計画のしわ寄せが新規採用に行っちゃったら、やはりそれは公務員の世界がいびつな形になって、希望がなくなりますし活力がなくなりますよ。 こういうことを踏まえて、今後、内閣全体として公務員制度の問題に取り組んでいただきたいと思っておりますが、最後に大臣の答弁を求めて、終わります。
○千葉国務大臣 御指摘のところは、大変私どもも心していかなければいけないところだというふうに思います。 やはり現場のところは本当に削ることができないということもございますので、できるだけ何とか抑制できるところをきちっと整理をして、そして現場を大事にするということが大事であろうというふうに思っております。 一人係長も、もう少し私も精査をさせていただきたいというふうに思います。
○馳委員 終わります。どうもありがとうございました。
○滝委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時五十七分散会