法務委員会 第5号
- 発言数
- 158 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2010/03/26
会議録
○滝委員長 これより会議を開きます。 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 各件調査のため、本日、政府参考人として内閣法制局第三部長外山秀行君、警察庁刑事局長金高雅仁君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○滝委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○滝委員長 次に、お諮りいたします。 本日、最高裁判所事務総局林民事局長兼行政局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○滝委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○滝委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。桑原功君。
○桑原委員 委員長から発言の許可をいただきましたので、初めてこの席に立たせていただきます。民主党の桑原功でございます。 時間がわずかでありますから、一点に絞って質問させていただきます。 まず、第百七十四回国会の衆議院公報を見せていただきました。この中に、地方議会からの意見書が三月十七日現在の公報で三千六十九件、国会あるいは行政省庁に上がっているという報告があります。その中で四十七件がこの法務委員会に参考送付をされているという記載もございます。 そうした中で、地方から上がっている、この法務委員会に参考送付された四十七件の地方議会からの意見書はどんなような特徴的な中身であるのか、まず最初に副大臣にお尋ねいたします。
○加藤副大臣 地方自治法九十九条に基づきまして地方議会から法務省にちょうだいをいたしました意見書でございますが、今四十七件というお話がありましたが、大体毎月十件程度かと思います。 最近の重立ったところで申し上げますと、改正国籍法の厳格な運用を求めるもの、公訴時効の撤廃を求めるもの、児童買春、児童ポルノに関する規制の強化を求めるもの、法務局職員の増員を求めるものなどがございます。
○桑原委員 この地方自治法九十九条に基づく地方議会の意見書というのは、私もちょっと地方議会を経験したものですから、各会派で意見書の案文について文言の調整とか大変な努力をして、地方議会が議決をして、こちら国会あるいは関係省庁に上がってくるという経験もしておりますから、やはりそれだけに地方議会の意見書の重さというのはあるだろうというふうに思います。 今、新国籍法の厳格な運用が一番多く来ているというお話でありますけれども、当該地方公共団体の公益にとって必要な案件について地方議会が意見書をまとめて、採択をして、国会あるいは行政省庁に送付をしてくるということでありますから、やはりその意見書の中身によっては行政に反映させることも必要だろうと思います。 この意見書については、現在、受理の義務はありますけれども、回答の義務はないということになっていますね。そういう中で、回答あるいは意見について拘束されるものではないというふうな立場はわかりますけれども、今までの、過去の国会の中でのこの意見書の取り扱いについて、参考意見とか、そうした行政に反映させるとか、どのような扱いになっていたのか、副大臣にお尋ねをいたします。
○加藤副大臣 過去といいますか、現在、私どもでどのような扱いにしているかということをお答え申し上げたいと思います。 法務省におきまして、現在はですけれども、地方議会からの意見書を受理いたしました場合には、まず、その御意見の内容につきまして所管の部局において検討、精査をさせておるところであります。その後に、大臣、私、そして政務官の三役におきまして、所管部局からその報告を受けまして、その地方議会の御意見というものも十分に考慮に入れつつ、個々の論点について政策的な検討、判断をさせていただいているというところでございます。
○桑原委員 わかりました。 今までは、地方議会でも出しっ放し、あるいは、国会でも関係行政省庁でも受けっ放しというのが往々にして多かったのではないかなというふうに思っています。 私も、議会で発出した意見書について、国の関係省庁からこういう返事が来たという経験はいまだかつて一度もなかったですから、そういう点ではやはり、出しっ放し、受けっ放しという問題じゃなくして、そうした地方議会の極めて重い、重さを持っている意見書については、案件によっては何らかの形で、参考意見だけではなくして政策に反映をさせるとか、あるいはこういうことで処理をいたしますとか、そうした点を発出の地方議会にお返しをしていくことも、政権が交代した鳩山政権ですから、これからそういうことも必要なのではないかなというふうに思いますけれども、副大臣、いかがでしょうか。
○加藤副大臣 もう先生に申し上げるまでもなく、地域主権あるいは地方分権ということを我々の政権でもうたっているところでありますから、今の御意見というのは大変御示唆に富む御提言かと思います。 ただ一方で、法務省だけで何かできるかという話でもございませんで、地方議会からの意見書のお答えといいますか対処のあり方につきましては、国会あるいは政府全体として決めていかなければならない課題でございますし、またさらには地方自治法にも大いに関連をする事柄でもございますので、できましたら、ぜひ先生に、各方面、さまざまな場面で今のような問題提起をしていただければ、国会全体での議論につながっていくのではなかろうかと期待を申し上げているところでございます。
○桑原委員 機会がありましたら、そうした意見も言っていきたいというふうに思います。 今は法務委員会ですから、法務に参考送付をされている意見書について触れましたけれども、大くくりは内閣府の問題だろうと思います。そうした点でも、私もそういう点では発言をしていきたいというふうに思っています。 先ほど答弁がありましたけれども、もう時間も余りないんですが、地方主権というふうな流れの中で、つい先日、三月六日付の新聞報道では、普天間基地の移転の問題で沖縄県議会が県外移設を望むというふうな意見書を全会一致で可決したという報道に対して、鳩山総理大臣は、大変重く受けとめていますという報道もありました。それだけに、先ほど申し上げましたけれども、地方議会の中で一つの意見書をつくり上げるまでには各会派の代表が一言一句まで精査をしながら議決して発出するわけですから、やはりそれなりの重さというのは受けとめてこれからの行政の中に反映をさせていかなければいけないんだなというふうに思いますので、時間もありませんけれども、最後に大臣にお尋ねをして、私の質問を終わりたいと思います。 先ほども答弁をいただきましたけれども、前政権とは違って、政権交代した鳩山内閣のもとで、これまでの意見書のような形で出しっ放し、受けっ放しというのではなくして、その意見書の中身については政策に反映させることは、法務のセクションで反映できることは反映をしていく、そういうことでもお返しをしていく、それがやはり対等、平等なこれから国と地方の関係になるだろうと思いますし、このお返しをする、出しっ放し、受けっ放しではなくて、きちっとお返しをする、そのことが、これから新しい政権の運営の一丁目二番地になるか、あるいは二丁目一番地になるかということにもつながってくるのではないかというふうに思っています。 したがいまして、これからの地方議会からの意見書の扱いについては、当面はこの法務委員会でどういうふうにしていくのか、新しい政権のもとでの地方議会の意見書について大臣はこれからどのようにお考えなのかお尋ねをして、質問を終わります。
○千葉国務大臣 ありがとうございます。 鳩山政権、おっしゃるように、地域主権の実現というのが鳩山内閣の改革の一丁目一番地、こう総理も主張されているところでございます。そういう意味では、地域主権、そして地域の皆さんの声というのはやはり大変重いものがあろうというふうに思いますし、そして、それを踏まえた地方議会の意見書というものも重く受けとめていかなければいけないというふうに思っております。 地域主権が本当にこれからさらに前進をして深まっていくことになれば、むしろ、地域でやれることはできるだけ地域の皆さんで意思決定をしていただき、そして地域づくりをしていただく、こういうことが私は理想であろうかというふうに思っております。 しかし、国の政策にかかわるということは当然残るわけでございますので、そういうことに関して、地方議会からの意見書などをできるだけまずは政策の論議などに生かさせていただくと同時に、先ほど副大臣からも申し上げましたように、政府全体として、そして国側としてどういうふうな形でそれを政策に反映させ、そしてまた地方議会の方にどのような形でそれをきちっとおこたえをしていくかというようなことについて、これからしっかりと検討を続けていきたいというふうに思っております。 ありがとうございます。
○桑原委員 やはりこれからの新しい政権のもとでの国と地方との関係、対等、平等な関係でいきましょうということですから、この意見書一つとっても、地方から上がった意見についてはきちっと国の政策に反映していくとか、そういう姿勢は必要だろうと思っていますし、そのことが、よりこれからの地方主権、住民が決める。 大臣の所信表明の一番結びでも、政権交代の成果を実感していただくような法務行政を進めるという大臣みずからの所信の表明があるわけですから、どうか平等、対等な立場で国と地方がこれからもきちっと地方主権を確立していく、そういう新しい政権をつくり上げていただくように、冒頭言われましたように、私もいろいろな機会を通じてこの意見書一つとっても発言をしていきたいというふうに思いますし、そういう地方からの意見も大切にしていく、そうした新しい政権であってもらいたいことを最後に要望いたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○滝委員長 次に、山崎誠君。
○山崎(誠)委員 こんにちは。民主党の山崎誠でございます。 千葉法務大臣におかれましては、前職の横浜市会議員時代からいろいろと御指導いただいておりまして、本日こうして衆議院の法務委員会で御質問させていただく、本当に光栄に思うところでございます。短い時間ではございますが、よろしくお願いをいたします。 法務大臣のお仕事、御職務をいろいろ見ている中で、私は、私見ではありますが、本当に難しいお仕事であるなと。言うまでもありません。大きく分けて二つの大事な役割というか仕事の分野がある。一つは、言うまでもありません、日本の社会制度の根幹をつかさどるような部分、理念とか価値観が本当に問われる、そういう分野がございます。それからもう一つ、これはまた違った面だと思うんですが、サービスに関する、法務行政をつかさどるサービスとしての仕事があると思います。これはどちらかというと経営センスが問われる部分。この二つを両立させて引っ張っていっていただかなければいけない、リーダーシップを発揮していただかなければいけない、そういう意味で非常に重要ですし、また大変なお仕事だなと思って見ているところです。 一応私は、時間もありますので、どちらかというとこのサービスの部門というのを中心にお聞きをしたいんですが、前提として、まず第一の部分、理念とか価値観が問われる制度の改革、今数々行われているわけで、これについて一点だけお聞きしたいと思います。 現在、言うまでもありません、民法の改正であるとか時効制度の見直しだとか取り調べの可視化だとか、大きな制度改革に取り組まれている。どのテーマも価値観の対立があったりあるいは制度上の利害の対立があったり、本当にこれをバランスをとって価値判断をしていく、難しいお仕事だと思います。 そこで、今、時代の大きな変革期にあって、日本の制度を本当に変えていくこの改革、どういうスタンスで挑まれるのか、この社会の制度をつかさどる責任者として、心構えをお聞きしたいと思います。
○千葉国務大臣 大変基本となる考え方についての御質問でございます。 私も、所信で述べさせていただいたとおり、まずは、一言で表現するのはなかなか難しいかと思いますけれども、やはり国民が安心して生活できる、そういう社会を実現していく、ここを基本にさせていただきたいというふうに思っております。そして、この鳩山政権、こういう新しい時代を見据えて、国民の生活が第一である、そして命と暮らしを守っていく政治、そして、いずれにいたしましても、友愛の精神で、これは本当に一人一人が大切にされると同時に、お互いに尊重し合い、そしてお互いを高め合っていくことのできるような、そういう社会ということになるんだろうというふうに思っております。 そういう意味で、そういう本当に新しい社会、それこそが国民が安心して暮らせる社会ということにつながっていくというふうに思いますので、そういうことを心に置きながら、国民目線で取り組んでいきたいというふうに思っております。
○山崎(誠)委員 ありがとうございます。 国民目線ということです。お互いという言葉がやはり大事だと思うんですね。いずれにしても、いろいろな利害の対立する中でお互いをどうやって立てていくか、今の合意の形成のプロセスが非常に大事だと思います。 僣越ですけれども、私の意見として幾つか申し上げるならば、やはり専門家の意見だけではなくて市民の感覚にも敏感であっていただきたい。それから、開かれた十分な議論を前提にして判断のタイミングをしっかりと図っていただきたい。それから、国民への説明責任ですね、社会的な合意形成に向けての説明の努力というのを続けていただきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いします。 裁判員の制度なども、外から見ていて、やはり市民の皆さんの納得がどこまで得られたのかなというのが非常に疑問に思うようなこともありました。ぜひ、今取り組んでいる改革について、納得のいくいい制度をつくり上げていくようにお願いをいたします。協力させていただきます。 それでは次、がらっと変わりますが、冒頭の二つに分けた二番目、どちらかというと経営センスが求められるような法務行政のサービスについて幾つかお聞きしてまいりたいと思います。 まず、登記にかかわるサービスについてお聞きいたします。 登記申請に関してオンライン申請を進めているところですけれども、その現状と課題についてお尋ねいたします。
○加藤副大臣 もう先生も御案内のことと思いますが、不動産登記のオンライン申請につきましては、平成十六年の不動産登記法の全面改正によってその仕組みが創設をされまして、翌十七年の三月から運用が開始をされてございます。 当初は大変利用率が低かったという問題がございましたけれども、その後、利用促進の取り組み等が進みまして、昨年十二月一カ月間の利用率を見ますと、約一八%近くにまで拡大をしてきているというのが現状でございます。 ただ、それでもう百点満点ということではございませんで、もちろんまだ課題もございまして、今後もオンライン申請の利用促進をしていくということは、国民の皆様の利便性の向上という観点からも非常に重要であるというふうに認識をいたしております。 そのための一つの方策といたしまして、オンライン申請の操作性の改善ということが挙げられます。使い勝手がよくないと当然利用されないわけでありますので、これは非常に必要な課題であろうと思います。それからまた、新システムを現在構築しておりまして、あくまでも費用対効果に十分配慮をしつつ利用者の利便性を上げるということ、これにつきましては積極的に今後も取り組んでまいりたいと思っております。
○山崎(誠)委員 今御説明もあったんですけれども、例えば表示に関する登記のオンライン申請、十二月の数字を見ると、利用率が一二・四五%ですか、一二%、一割ちょっとなんですよ。カーブを見て、ゼロから始まってずっと伸びているのはわかるんですけれども、まだ一割ということは、まだまだもっと利用の余地があるはずです。いろいろ調べると、例えば土地家屋調査士の方の平均年齢が五十六歳ぐらいだという話もあって、やはりシステムにふなれな方も多いんだろうなと思います。これをぜひふやしていただきたい。 ふやしていただくに当たっては、法務省の皆さんもやはり経営感覚を持っていただきたいんですね。例えば、一二・四五%とお話ししたんですが、この内訳、これは、申請をするのはわかるんですけれども、例えば添付の図面まで全部電子でやっている、システム上で処理しているパーセントはどれだけなのと御質問すると、わからないんですね。要するに、電子の部分と、図面を紙で扱う部分が残っているか残っていないか、これはサービスとしては全然手間も違う。これは、電子化が進めば進むほど法務省の担当者の方の仕事も減るわけで、コストダウンにもつながりますので、そういった意味では、まだまだこれはコストダウンの余地がたくさんあるんだろうと思っておりますので、システムの新しい改修も進めるということですから、ぜひ、ユーザーのニーズをしっかり聞いて、それから、情報システムを私も専門で構築していたことがあるんですけれども、業者任せになるとやはりいいものはできませんので、その辺にも御注意をいただいて、いいシステムをつくっていただきたいと思います。 時間の関係がありまして、ちょっと一問飛ばさせていただいて、次に、またサービスの部門で、登記所備えつけ地図の作成、地図の混乱地域の解消の取り組みについてお聞きしたいと思います。民主党のPTでも取り上げて、そして政策のインデックスにも取り上げている重要なテーマと認識しております。 私もこれは調べてびっくりしたんですけれども、本当に精度の高い地図の整備というのは大都市はおくれている。東京で一九%、大阪で九%、名古屋では二四%と、本当に低い状態だということをお聞きしました。私の横浜でもやはり整備のおくれている地域もまだまだたくさんあるという認識でおりますが、まず、全国に地図混乱地域はどのぐらい存在をしていて、その悪影響はどういうところにあらわれているのか、お聞きいたします。
○加藤副大臣 今先生が御発言になられましたPTというのは、私も前任期中その事務局長を仰せつかっておりまして、この地図整備の問題に取り組ませていただきました。その立場から、ここで御答弁するのに若干古いデータで申しわけないんですけれども、今の御質問のお答えといたしましては、平成十四年の調査の段階で、全国に約七百五十地域、面積にいたしまして約八百二十平方キロメートルが地図混乱地域であるというふうに言われております。 もちろん問題は多々あるわけですけれども、固定資産税の適正課税がなされていない問題であるとか、あるいは土地取引が円滑に進まない問題であるとか、あるいは担保権の設定等、いわゆる経済活動の阻害要因になっている問題であるとか、あるいは道路や下水道などのインフラの整備に支障を来している、大変深刻な問題が発生をしているというふうに理解をいたしております。
○山崎(誠)委員 今、悪影響にもありました、厳しい経済状況の中で、本当に不動産を流動化させるというのは非常にやはり重要なテーマだと思います。私は、この混乱を解消していくという取り組み自体がそういう場面の刺激にもなっていくだろうなと思っているので、ぜひこれを積極的にやはり進めていただきたい。予算もかなりふやしていっていると思うので、あとはこれをどう効率的に運用していくかだと思います。 横浜でもやはり狭隘道路が多くて、これを何とか解消したいという声がいろいろなところで起こっているんですけれども、そういった場面でも、この地図の作成作業とリンクをさせることで非常にいい刺激になるものと思いますので、ぜひ積極的に進めていただきたいと思います。 混乱地域の解消作業、これまでどの程度進んだのか、今後の作業予定等どうなっているのか。実はスピードアップがもっともっと必要だと思うんですが、どのようなことが必要か、お聞きします。
○加藤副大臣 平成十六年度からこの登記所備えつけ地図の作成作業を拡充してまいりましたけれども、十六年度から二十一年度、今年度までで約五十八平方キロメートルの地図を作成いたしております。 また、昨年でありますが、二十一年度から二十八年度までの八年間で全国で百三十平方キロメートルの地図を作成するという計画を策定いたしました。これは、もともと本来は十カ年の計画だったものを、八年間、八カ年に前倒しをするということにさせていただいたところであります。 また、地図作成の段取りといたしまして、一年目に実態調査とそれから基準点の設置などの作業をして、二年目に具体的な地図を作成する、その二年目、具体的な地図作成をしているときには、また次の別の場所で実態調査等を始める、こういう組み合わせでスピードアップをしていこう、二年ワンセットでスピードアップをしていこうということを考えてございます。 もちろん、御指摘のとおり、地図の整備、地図混乱の解消というのは極めて重要な課題だというふうに認識をいたしておりますし、もちろん、これを進めるためには、地域住民の皆さんと、地方公共団体の皆さんと、あるいは土地家屋調査士などの専門家の方々の御協力も必要でございますが、そうした皆さんの御協力をいただきながら、今後もさらに精力的に進めてまいりたいというふうに考えております。
○山崎(誠)委員 ありがとうございます。 今のペースを単純計算すると、残りがやはり四十年以上かかってしまうんですね。スピードアップの工夫、今もいろいろ御提案があったと思うんですけれども、ぜひ進めていただきたい。 地域の住民の皆さんにとっては非常にやはりメリットの大きなお話であると思いますので、効果的な宣伝だとか、それから、今、二年かかるというお話がございましたけれども、この工程をもっとモデル化して短縮できないかな。あるいは、地域住民の方々の同意をとるプロセスがやはり時間がかかりますね、そういったところにもっと地域住民の方の積極的な参画をいただけるような方策はないだろうか。あるいは、土地家屋調査士だとか専門家の皆さんの積極的な活用、登記官が一地域について作業をやっていくというお話もありましたけれども、これをもっと、例えば登記官が複数かけ持ちができるような仕組みにならないかな。あるいは優先順位のつけ方、これも、各地区の法務局の判断というお話がありましたけれども、戦略的に場所を選んで進めていただきたい。駆け足ですけれども、要望とさせていただきます。 いろいろとお聞きしたいことはたくさんあるんですが、時間がありませんのでまとめたいと思うんですが、今お話ししたようなそういうサービスの部門、サービスレベルを上げて、コストも削減していかなければいけない、まさに経営者だと思うんですが、こういった場面について、コストパフォーマンスの感覚を持って国民の皆さんのニーズに的確にこたえていく、そういう行政の経営者として、千葉法務大臣の所見を伺いたいと思います。
○千葉国務大臣 ありがとうございます。 最初の大変理念的な部分と、そしていわばサービスの部分と、両方をしっかりというお話でございます。 御指摘のとおり、行政の運営に当たっては、コストパフォーマンスに配慮をしながら国民の皆さんのニーズにこたえていく、こういうことが今本当に一番求められているだろうというふうにも思います。 法務行政、なかなか、サービスという部分がたくさんはないので、むしろそれがかなわない部分も大変多うございます、矯正の部分とか、そういうこともありますので。しかし、やはりそういう感覚を私もしっかり持ってやっていきたいというふうに思います。 その一つのいい例ではないかと思います、御視察をいただくことになっておられるかと思うんですけれども、PFI方式での刑務所の設置等々、この間もでき得る限りこういう感覚を持ちながらということで進めさせていただいておりますので、今後ともまた御意見をいただきつつ、頑張ってまいりたいと思っております。
○山崎(誠)委員 時間になりましたので、終了いたします。私も、微力ながら、持てる知見を最大限生かして応援をさせていただきたいと思います。今後ともよろしくお願いします。 ありがとうございました。
○滝委員長 次に、大口善徳君。
○大口委員 公明党の大口でございます。質問させていただきます。 まず、平成十八年の一月に最高裁の判決がありまして、貸金業についてのいわゆるグレーゾーン金利を実質認めない判決が出た。 過払い金返還請求というのは、多重債務者の救済の切り札ということがあるんですが、一方、多重債務者の債務整理を手がける弁護士もふえ、貸金業者に対する過払い金返還請求が急増した。過払い金の返還バブルと言われています。一部の弁護士それから司法書士と依頼者である多重債務者との間で、意思疎通の有無や報酬の額などトラブルが生じています。 こうしたトラブルについて、多重債務者からは、広告を出して大量に依頼を受けたが事件を処理しないまま放置する、やみ金などにも債務があるのに貸金業者に対する過払い金返還請求しか受け付けてくれない、多額の報酬を求められた、弁護士本人が直接面談しない、事務所の職員に任せている等々の苦情が寄せられ、返還された過払い金を弁護士が債務者、依頼者に戻していなかったという事例も生じています。こうしたことに加えて、債務整理をビジネス化している、こういうものが、所得の申告漏れというのも発覚しています。非常にどうなっているのかなと思っているわけであります。 日弁連はこれに対して、平成二十一年七月十七日、債務整理事件処理に関する指針によって、債務処理の際に配慮する事項を定め、弁護士に誠実な対応を求めています。しかし、トラブルは続いている。そういうことで、本年三月十八日、指針を改定して、個別の面談、広告における弁護士費用の表示等を配慮事項として追加したところでございます。 司法書士につきましても、同様の問題があって、昨年十二月十六日に指針を策定して、依頼者との直接面談や報酬の説明等を配慮すべき事項として定めているわけでございます。 今回、日弁連の会長になられました宇都宮弁護士が、多重債務者の債務整理をめぐるトラブルの背景には、平成十二年の弁護士広告の解禁や平成十六年の弁護士報酬規定の全廃が一因となっていた、これは見直す必要があるというふうな発言もしているわけでございます。 そこで、大臣に、多重債務者の債務整理における一部弁護士あるいは司法書士のこういう問題について、もちろん基本的には弁護士自治の問題であるし、また、司法書士の会の自発的な対応が必要だと思いますが、大臣の率直な御所見をお伺いしたいと思います。
○千葉国務大臣 一部の弁護士あるいは司法書士の方だと思いますけれども、このようなトラブルが発生しているということは、私は大変遺憾に思います。特に、国民の権利擁護の担い手と言われているそういう職務でございますので、そういう皆さんの中に不適切なこういう処理があるということは大変遺憾であり、あってはならないことだというふうに思います。 委員が御指摘になっておられますように、日弁連そして日司連、それぞれが会の指針を定めておられますし、さらにそれを充実していくという方向におられるというふうに思います。 私どもの職責としては、個々に直接指導監督するということはできません。また、日弁連は非常に独立性のある機関でございますので。ただ、こういう指針あるいはさまざまな施策について、私たちもきちっとその運用がうまくいくように見詰めていきたいというふうに思いますし、何か御要請があれば、必要な助言あるいは協力をしてまいりたいというふうに思っております。 また、御指摘がありましたように、一部では、これが広告の解禁とかそれから報酬規定を撤廃する、こういうことにも原因しているのではないか、こういう御指摘があることも承知をいたしております。これはいろいろと御議論のあるところだというふうに思いますので、そういうところもまた関心を持って、念頭に置いてまいりたいというふうに思っております。
○大口委員 大臣も、弁護士自治というのを御配慮されてのお話でございますが、これはやはり率直に、こういう被害も本当に出ているということで、弁護士でもあられますし、大いに発言をしていただきたいな、こういうふうに思っております。 また、金融庁におきましては、今、改正貸金業法の完全施行に向けた対応ということでいろいろとまとめておられるということでございます。この取り組みの強化の検討を依頼するということ、今広告の自主規制を要請する等の方針をいろいろと検討されているようでございますが、報道もされていますので、金融庁としての対応をお伺いしたいと思います。
○田村大臣政務官 問題意識に関しましては、先生と全く共有しているところでございます。 先生も十分御案内と思いますけれども、金融庁が中心となりまして、副大臣、政務官レベルで、関係省庁、法務省、ですから中村政務官にも御参加をいただいて、あと、消費者庁の副大臣、政務官で貸金業に関するプロジェクトチームというものを、現在、もうそろそろ終盤にかかっていますが、議論を続けているところでありまして、十三回、各関係者からヒアリングをいたしました。 そして、宇都宮先生にも、まだ会長になられる前ですけれども、お話を伺いまして、指針はつくったもののまだ不十分だということは宇都宮先生もおっしゃっておられたところでございますので、会長になられて、そこはしっかりと指導していただけるだろうと御期待もしているところであります。 このプロジェクトチームとしましても、やはりそこはしっかりと要請をしていこうというふうに考えているところでございまして、おととい、プロジェクトチームの座長試案を出させていただきました。そこにも、大きな項目としまして、広告内容の適正化を初めとしまして、報酬についての顧客に対する事前説明の履行の徹底ですとか、あるいは弁護士、司法書士等の社会的責任に応じた自発的対応の促進といったことをしっかりと要請していこうと考えているところでありますし、プロジェクトチームでしっかりと案を固めた後は、多重債務者対策本部で、さらに関係者の意見も踏まえて要請をしていきたいと考えています。
○大口委員 しっかりよろしくお願いいたしたいと思います。 次に、死因究明制度の改革の推進ということで質問させていただきたいと思います。 死因究明というのは最後の医療行為であり、いわば命の尊厳を守る最後のとりでである、こういうふうに思っております。 平成十八年に、パロマ工業社製のガス湯沸かし器の一酸化炭素中毒の事故があった。そして、平成十九年には、大相撲の時津風部屋の力士死亡事件があった。そして、最近ですと、例の埼玉、東京であったり、あるいは鳥取であったように、殺人の疑いがあって、連続不審死事件が発覚しているわけです。これは、早目にやっておけばこんなに被害者は出なかったと思うわけでありますけれども、一酸化炭素中毒死ですとか自殺、事故死に見せかけた、こういうようなことがありました。 そういう点で、死因究明制度の不備が改めて指摘されているところであって、そして、ことしの二月に水戸市で七十三歳の女性が自宅で殺害されていることが発見され、遺体発見当初の警察の検視では心不全による病死の疑い、こういうことであったんですが、発見後、県警捜査員が遺体の写真を見て不審点に気づき、司法解剖したところ、のどの骨が折れていたことがわかって、窒息死と判明して、そして殺人事件として捜査を開始したということでございまして、こういうふうに、本来刑事事件になるもの、殺人事件になるものが、それを逃しているということが現実に日々起こっているというふうに考えるわけであります。 この法務委員会でも、平成十九年から二十年にかけて六回勉強会を開いたり、あるいは、二十年の七月には、海外の調査議員団ということでスウェーデンに行かれて、そして、当時の下村委員長が保岡法務大臣に提言を出されたり、あるいは、今、自公で異状死死因究明制度の確立を目指す議員連盟、議連というのがありまして、議員立法等も検討している、こういう状況でありまして、民主党さんも非常に、今、細川厚生労働副大臣でありますが、大変熱心で、そして議員立法ということで二本、いわゆる死因究明関連二法案を出されて、これは廃案になる、こういうことでございます。 非常に関連する省庁がこの問題は多い。内閣官房、警察庁、法務省、厚生労働省、文科省、こういうことでありますので、縦割りの弊害ということで、やはり司令塔を置かないとなかなか前に進まないなと思っているわけでありますが、そういう中で、とにかくこの死因究明の推進について、基本理念とか、国、地方公共団体の責務を明確にし、基本となるような事項を定め、必要な体制を整備することによって、死因究明を総合的かつ計画的に推進する、こういう法律というのは必要だな、今、非常に切実にそう思っておるわけでございます。 この点につきまして、法務大臣に、この死因究明制度の抜本的改革の必要性についてお伺いしたいと思います。
○千葉国務大臣 今委員から、この間の国会でのさまざまな御議論、そしてまたそれの本当に大きな成果も上げられているというお話がございました。私もその経緯を幾ばくかは承知しておりまして、何とかそういう流れを生かしていかなければというふうに思っているところでございます。何しろ非自然死体の解剖率が約一〇%ということでもございますので、これではなかなか本当の死因というのがわかりにくいということだというふうに思います。 現在、警察庁で研究会を立ち上げられまして検討を進められております。これには法務省からも参加をしておりますので、当面はこの研究をできるだけ深めていく、そういう観点から、私どもも協力をしながら検討を進めていきたいというふうに思っております。 また、いわゆる医療関連にかかわる問題も当然これからまたあろうかというふうに思います。そういう分野とどういう関係性を構築していくのか、そういうこともありますので、これからぜひ、おっしゃったように縦割りの弊害ということでこの議論が進まないというようなことになりませんように、そういうことを注意しながら、私どもも積極的に検討に参加をしてまいりたいと考えております。
○大口委員 そして、この死因究明で、重点施策として私どもの議連でも五つ挙げています。警察における検視の実施体制の充実、医師の検案能力の向上、法医学に係る教育及び研究拠点の整備、行政解剖を担う体制の充実、死亡時画像診断の活用、こういうものを重点施策として挙げているわけなんです。 その中で、警察における検視の実施体制の充実ということでは、やはり、いわゆる検視官、刑事調査官の増員、これが非常に大事であろうと思います。 今の現状は、とにかく、刑事調査官が平成二十一年では全国で百九十六名しかいない。現場で検視の指示、指導等、現場に行く臨場率といいますか、これは二〇・三%ということでございますから、残りの八〇%近くは、検視の専門家でない、刑事調査官不在のまま犯罪性の有無が判断されている。だから水戸のようなことが起こるわけでございます。 そういう点で、刑事調査官の増員、臨場率を向上させるということが死因究明の充実に不可欠でございます。どのような計画を持っておられるのか、どの程度臨場率を上げていくのかということについて、警察庁にお伺いしたいと思います。
○金高政府参考人 刑事調査官は、委員御指摘のとおり、十分な捜査経験と検視の訓練を積んだ、警察の中での死体取り扱いのプロというべき存在でございまして、死体の検視等に専従しているという職にございます。この増員を図り、臨場率を上げるということは極めて重要というふうに私どもも考えております。 平成二十一年度予算、二十二年度予算と二年連続で刑事調査官及びその補助者の増員をお認めいただいているところでございまして、二十一年四月現在の全国の刑事調査官数は、対前年比では三十六名プラスして、百九十六名となったというところでございます。これに伴いまして、臨場率も、前年より約一万体増加しておりまして、約三万三千体ということでありますが、御指摘のとおり、まだそれでも二〇・三%という現状にございます。 今後どこまでこれを増員し、どこまで臨場率を上げるべきかというお尋ねでございますけれども、異状死体が十六万体を超すという状況の中で、全件臨場できればそれにこしたことはないというふうに思うわけでありますけれども、そのためには現在の数倍の刑事調査官が必要となるということと、また、刑事調査官は捜査の十年選手という条件になっていますので、育成するのにそれなりの時間がかかるということもございます。したがいまして、なかなか一朝一夕には実現が難しいものというふうに考えております。 一月からスタートいたしました死因究明に関する有識者研究会でも、刑事調査官のあるべき体制とかあるべき臨場率等については御審議をいただくということにしておりますけれども、警察庁といたしましては、引き続き体制の強化に努めていく。 また、その一方で、警察署の死体見分とか検視担当者に対する研修によるレベルアップとか、あるいは、警察の担当者が死体を取り扱う際に現場からリアルタイムで動画を本部の刑事調査官室に送りまして、そこで指導、指揮を受けながら検視を行うというシステムを活用したり、全体として、犯罪死を見逃すことのないような体制づくりに努めてまいりたいと考えております。
○大口委員 そういう点では、一般の警察官の能力の向上ということも大事で、研修も年に一回、一週間ぐらい、各警察署から一名ずつ出してやっておられると聞いております。 それと、あと、薬毒物の検査、これにつきましては、トライエージというんですか、薬物検査キットというものを配備していて、一万二千セットここ数年やっておられるということですが、これも、一セット三千円ですか、もっとどんどん積極的に使うべきだと思うんですね。ここら辺もしっかり指導していただきまして、外表からわからないことについてもちゃんとやっていただきたい、こう思う次第でございます。 次に、医師の検案能力の向上ということで、今、監察医制度というのが、東京二十三区、大阪市、名古屋市、横浜市、神戸市の五都市、それ以外は、地域の開業医の方が日常的な診察の傍ら死因調査に協力していただいている。三千四百名の警察嘱託医がいらっしゃると聞いています。その中で死体検案に携わっている先生方がいらっしゃるということでございますけれども、この能力をしっかり高めていくためにも、国としてもしっかりやっていただかなきゃいけない。この点について、今どうなっているか、今後どうするのか、お伺いしたいと思います。
○足立大臣政務官 お答えいたします。 まず、一般論があると思うんですね。これは今どうなっているか。一般の医師になるわけですけれども、これは、国家試験の中で、異状死の判断とかあるいは死体検案ということについて問題を課すようになっておりまして、つまり、それは学生の間に勉強している。 今委員がおっしゃった警察医のことについてですが、これは、研修は国立保健医療科学院で、三日間ですけれども、平成十七年度から毎年百名単位で研修をするようにしております。 いずれにいたしましても、冒頭委員がおっしゃったように、死因を究明するということは、死者に、亡くなった方に対する最後の尊厳だと思っておりますから、これは医師の資質としても極めて大事なことだと思っております。
○大口委員 そういう点では、法医学における教育研究拠点の整備ということがさらに大事になってくるわけであります。 大臣もおっしゃいましたね、御答弁されましたように、今、法医解剖の解剖率が大体一〇%、そして、日本法医学会の調査では、この法医解剖、これは司法解剖と行政解剖を含みますけれども、これを行う医師は約百五十名。ですから、大体一万五千体、平成十九年は解剖されていますので、年間、一人のお医者さんが、法医解剖の方が百体の解剖をしている、こういうことでございます。 そして、今回、警察庁の研究会のメンバーの千葉大学大学院の岩瀬博太郎教授が、やはり解剖率二〇%を目指すということであれば三百人の解剖医が必要だ、こういうふうにおっしゃっています。 ところが、全国医学部長病院長会議及び臨床研修協議会アンケート調査、これは平成二十年十二月二十六日現在でありますが、その調査の結果、要するに、将来従事したい診療科または基礎系分野の間で、法医学については、医学生、六年生は五千二百五十七人の回答者のうち八人、約〇・一五%しか法医学というものに従事したいと思っていない。それから、初期研修医は、千八百六十一人中三名、〇・一六%しか希望しない。卒後三—五年目の医師は、千三百四十八人中ゼロ。こういうことで、法医学を目指す方が本当に極めて少ないという状況であります。この点につきまして岩瀬教授は、ポストさえあれば法医学をやる人はふえると確信している、こういうふうにおっしゃっているわけでございます。 こういうことについて、とにかく、今、法医解剖を担う大学の法医学教室は、旧国立大学の場合は独立行政法人化して、定員、予算も縮小されている、こういうこともあって、やはり予算を確保して、解剖医の育成のための受け皿を確保し、そしてポストの確保をし、キャリアパスというものをしっかり構築していかないとこれは厳しい、こういうふうに考えますけれども、文科省、お願いいたします。
○鈴木副大臣 お答えを申し上げます。 現在、医学部を有しております七十九大学にはすべて法医学講座等は設置をされておりまして、そこで教職員等の数は六百二十六名、そのうち医師は百九十一名というふうになっております。 大学の法医学講座等では、本来の目的であります教育と研究を行っておりますが、加えまして、警察等からの依頼を受けて法医解剖を実施しているところでございますが、先ほど来お話ございますように、現状の体制のもとでの司法解剖率、平成二十一年度では四・一%ということでございます。 文部科学省といたしましては、今御指摘もございましたが、国立大学法人にもなっております。司法解剖にかかる費用というのは警察から措置をしていただいている謝金等でやっているわけでありますが、そうしたものも活用しながら、大学医学部における死因究明体制の充実に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○大口委員 本当に将来心配でありまして、このあたりはしっかり推進していただきたい、こういうふうに思っているわけであります。 もう一つ、法医中毒学者の育成、これも問題になっていまして、これも、警察庁の研究会のメンバーの福岡大学の影浦光義教授が、法医中毒学というのは、事件、事故とかかわりを有する事例から得られた試料中の薬毒物を分析し、その結果から、薬毒物関与の有無、程度などを正しく解釈、評価、真実を究明する、こういう学問分野だ、こういうふうに聞いています。これは、アメリカ合衆国の主席法医中毒学者あるいは副主席法医中毒学者に相当する人、非常に最高レベルの人ですね、これが日本においては十人に満たない。これは、私、法務委員会の勉強会で聞きましたら、そういうお話です。ほとんどは五十代後半で、それより若い方については人材育成ができていない。これも、予算、ポスト、キャリアパスがあれば育成ができるんだけれども、こういうお話でございました。 これにつきましても、文科省、御答弁をお願いしたいと思います。
○鈴木副大臣 現在、文部科学省におきましては、医学教育の指針とされております医学教育モデル・コア・カリキュラムで、法医学に係る学習到達目標を盛り込んで、各大学に提示するなどを行っているところでございます。 今御指摘のございました法医中毒学を含む法医学の養成でございますが、平成二十二年度の医学部入学定員増に当たりまして、十七名の研究医枠を設定しておりまして、その中で、大学院までの教育プログラムを充実し、法医中毒学を含む研究者養成の拠点形成を図っていきたいと思っておりまして、具体的には、山口大学、長崎大学でこうしたプログラムをやっていただくための準備、設定が行われているということでございます。 それから、平成二十二年度予算におきまして、加えまして、法医学を担う人材養成の拠点的な取り組みを行う大学を支援する経費、これは運営費交付金の特別経費の一部を充てているわけでありますけれども、これは東北大学と長崎大学においてそのような取り組みをしていただいているところでございます。 いずれにいたしましても、最近の犯罪動向等を踏まえながら、文部科学省と警察と大学、連携をいたしまして、法医中毒学者などの必要な専門家の養成についても努力してまいりたいというふうに考えております。
○大口委員 それから、これはまた警察庁の研究メンバーの方で、中園一郎日本法医学会の理事長さんが死因究明センター構想というのを発表されていて、やはり国の予算で、専門知識を有する医師による検案、そして死因を明らかにできない場合は解剖をする、こういう新たな組織を都道府県単位で設置すべきではないか、こういう提案があります。 民主党さんも、死因究明関連法案の中で、法医科学研究所を設置して、支所を設置する、そして警察庁に死因究明局を設置する、そして調査専門職員というのをつくる、また、監察医制度を廃止する、こういうような法案を出されているわけでございます。 この死因究明医療センター構想についてどうお考えなのかが一点。 それからもう一つ、行政解剖を担う体制の充実ということで、先ほどの監察医制度のあるところはいいんですが、そうでないところもあります。この監察医制度についてどう考えるのか、行政解剖を担う体制の充実についてどうお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○足立大臣政務官 ちょっと質問が多岐にわたりましたけれども、まず一つずつ。 死因究明医療センター構想についてでございます。 私は、死因究明すべきであるというこの姿勢は、やはり大変評価できるものだと思います。私も、でき得る限りその全文を読もうと思って努力いたしましたけれども、全部は読み切れませんで、概要を見ましたところ、問題点があるとすれば、これは必要に応じて医師の判断で解剖するということになっている。そのときには、家族の、遺族のあるいは希望はどうなるんだろう、その承諾についてはどうなるんであろうか。これは人口百万人当たり一人、専任医師を置く、となると百数十名、これをどう確保するんだろう。そして、それを全部国費で賄うとなると総額二百四十億円以上になるのかなというような、問題点がさまざまあるんであろうなと思います。 その後の御質問ですが、これは公明党さんも議員立法等を考えておられるように、私は、解剖ということも非常に大事だとは思います。しかし、これは国民にとって非常に高いハードルでもあります。画像診断、Aiのことを触れておられましたが、その方がはるかにハードルは低い。そこで疑問がさらに残るケースについては、やはり解剖も納得されやすいのではないかという考えを持っております。 いずれにいたしましても、やはり死因をしっかり究明するということはぜひ必要なことだと私は思っております。
○大口委員 Aiの装備を充実するということも本当に大事だと思いますが、エコー、CTスキャン、またMRIもしっかりしていただきたいと思います。 最後に、警察庁の今回の研究会のホームページを見ましたが、議事要旨ということでプリントアウトしたら、議題が書いてあって、議事概要が本当に三行なんですよ。これだけ死因究明というのは大事なことなんだから、議事の内容については、立派な先生が出席されているわけですから、ある程度これは詳細に発表すべきである。やはり国民に一番知っていただくということが大事なわけですから、こんなお粗末なホームページはないと思うんですよ。 これは警察庁、前向きな答弁をしてください。
○金高政府参考人 御指摘の研究会につきましては、中井大臣の御指導によって、ことしの一月二十九日に、法医学、法医中毒学、法歯学、刑事法学者、それに法務、警察の実務担当者から成る研究会としてスタートをさせたものでございます。 今までに三回会議を開催しておりまして、死体取り扱い全般についてさまざまな角度から意見を述べ合うとともに、時津風部屋事件の被害者の御遺族においでいただいて意見を聴取したり、関係省庁からも意見を聞いたりということで進めてきております。 御指摘の検討状況の公開につきましては、現在までに、第一回の会議の概要を警察庁のホームページに掲載したわけでございますけれども、第一回目ということで、論点整理もまだ余りできていない段階でありまして、また、当局からの説明が比較的多かったということもあって、御指摘のとおり、議事項目程度にとどまってしまっております。 二回目以降につきましては、御指摘を踏まえて、改善を図ってまいりたいと考えております。
○大口委員 以上で終了します。ありがとうございました。
○滝委員長 次に、馳浩君。
○馳委員 自由民主党の馳浩です。 ぎっくり腰も大分治りましたので、きょうはちゃんと質問させていただきます。 きょうは、永住外国人の地方参政権付与法案、それから選択制夫婦別姓法案について、その立法の背景について、政府の姿勢をお伺いしたいと思います。 まず、きょうは、渡辺副大臣もおいでですし、それから千葉大臣もおられますので、政府提出法案として、今私が申し上げた地方参政権、また夫婦別姓の法案を国会に提出する準備をしておられるかどうかをお聞きしたいと思います。
○千葉国務大臣 私の所管をする民法に関しましては、政府提案を念頭に準備をさせていただいております。
○渡辺副大臣 総務省では、ただいま論点の整理をしておりますが、今国会中に出せるという状況ではないというふうに認識しております。
○馳委員 渡辺さんは非常に正直にお答えいただいたと思うんです。 つまり、国会の内外で、世論を二分すると言うと言い過ぎかもしれませんが、国民も、さて、どうしたものかなと逡巡する、こういうふうな状況にあるのではないかな。きょうは、そういう観点から、立法の背景についていろいろお伺いしたいと思って、準備をしてまいりました。 まず、永住外国人の参政権付与問題からお伺いをいたします。この法案を提出するとした場合の理論的な根拠は、最高裁判所の平成七年二月二十八日判決の、判決理由ではなく、その傍論にあります。 そこで、お伺いいたします。 まず、傍論とは何ですか。
○林最高裁判所長官代理者 いわゆる傍論とは、法律等で定められた概念ではなく、その意味するところについて確たる定義があるわけではありませんが、一般的には、判決の結論を導くために、論理的に不可欠でない説示を指すものとして用いられる言葉であるというふうに承知しております。
○馳委員 では、判決理由の中でなぜ傍論が述べられるんですか。
○林最高裁判所長官代理者 一般的な話になりますが、一般的に、裁判所は、事案に応じて、必要と考える範囲で、判決書の理由中に、判決の結論そのものを導くために論理的に不可欠であるとは言えない事項を記載することも可能であるというふうに解されております。
○馳委員 では、この傍論というものは、そもそも、当該判決理由と論理的に矛盾した内容を出すことはできるんですか。
○林最高裁判所長官代理者 これもちょっと一般的な話になってしまいますが、裁判所が判決の理由中にどのような内容を記載するかは当該裁判所の判断にゆだねられております。したがいまして、判決書の理由中に何を記載すべきかについて、私ども事務当局としてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○馳委員 なるほど。 でも、何を書いてもいいということではなくて、当然、私が今問題視しているのは最高裁の判決理由の中の傍論でありますから、憲法の枠内で何を書いてもいい、こういうふうに解釈していいですか。
○林最高裁判所長官代理者 もちろん、私ども裁判所は憲法と法律に基づいて裁判しておりますので、それにのっとった形で、その裁判の解決に必要な記載をされるということになると思います。
○馳委員 とすると、傍論といえども、合憲か違憲かという判断はされて書かれていると判断していいんですか。
○林最高裁判所長官代理者 なかなか一般的にちょっとお答えしにくいことでありますので、ちょっとコメントは、その点については差し控えさせていただきたいと思います。
○馳委員 いや、ここが一番聞きたかったところなんですよ。 最高裁が判決理由で書く、その判決理由の中には傍論も含まれる、そして、判決理由を導き出すためにいろいろな議論があったんでしょう、それを判決理由に書く、傍論としても、合理的な理由の中でこういう議論もあるということを書く、そこはわかりました。 では、その傍論が合憲か違憲かということは審査しないんですか、あるいは、判断しないんですか。そんなことはないでしょうというのが私の指摘なんですよ。
○林最高裁判所長官代理者 なかなか非常に難しい問題でもありますし、一般論になりますけれども、判決書の中にどういう事項を書くかというのは、やはり裁判体がその事案の解決に必要な事項について憲法、法律にのっとった形で判断するべき事項が記載されているものというふうに申し上げるしかないので、御容赦いただければと思います。
○馳委員 難しいね。 私は、国語の教員だったので、あなたの答弁を吟味しながら聞いていたんですが、でも、これは文学的に判断する話ではないですから。 では、質問を先に進めながら、合憲か違憲かという話も明らかにしていただきたいと思いますが、このいわゆる傍論というものに法的拘束力はありますか。
○林最高裁判所長官代理者 いわゆる傍論と呼ばれる部分については、法律上、判決の帰結に影響しない説示でありまして、法的には意味のない言及であると理解されているものと承知しております。
○馳委員 法的に意味はない。けれども、傍論として、判決理由の結論を導き出すために合理的な議論がなされた中で書いたというふうな私の理解でよろしいですか。
○林最高裁判所長官代理者 あくまでも一般的な議論として申し上げますが、傍論につきましては、判決の帰結に影響しない説示で、法的には拘束力もないものというふうに理解されていると思います。
○馳委員 法的拘束力がないといっても、何を書いてもいいとはならないですね、そもそも。そこはまさしく判決を導き出すためにいろいろな議論がなされたということの意味だと私は解釈します。 そこで、次。傍論というのは最高裁判事の全員で出すものですか。それとも一人でも出すことができるんでしょうか。
○林最高裁判所長官代理者 これも一般的なお話になりますが、最高裁の判決書において、いわゆる法廷意見、これは裁判の理由となる全員一致または多数の意見として記載された説示については、その中に傍論と解される部分が含まれる場合であっても、その全体が法廷意見に加わった最高裁の裁判官全員の意見であるというふうに考えられます。
○馳委員 つまり、傍論を主張する人がいたとしても、判決理由の中に書かれてしまった以上は、それにかかわった判事全員の責任である、こういうことでいいですね。
○林最高裁判所長官代理者 繰り返しになって恐縮でありますが、その判決書について判断した最高裁判事、最高裁の裁判官全員の意見ということになると思われます。
○馳委員 済みませんが、たらればを次に聞きますので。 一度出した傍論について、時を経て最高裁がこれを否定しようとしたら、どういう法的手段で意思表示をすることができますか。
○林最高裁判所長官代理者 これもちょっと一般的なお答えになりますが、具体的な事件に関する判決において、最高裁判所が以前にした判断と異なる判断を示すことは可能であると思います。
○馳委員 というのは、似たような判決を出すときに、以前出した傍論を否定することも可能だということですか。
○林最高裁判所長官代理者 これも一般的なお話になりますけれども、従前した傍論と異なる形での判断を示すことは可能であると思います。
○馳委員 では、最高裁判所が平成七年二月二十八日のこの判決で出した傍論において、どういう内容が主張されましたか。
○林最高裁判所長官代理者 個別の事件の判決において説示のどの部分が傍論に当たるかということは、個別の判決の解釈にわたることでありますので、事務当局としてはコメントすることを差し控えさせていただきたいと思います。
○馳委員 事務当局が言えないとなると、この当事者を呼んでくるしかないのかな。そんなわけにはいかないので、では、私がしんしゃくをして今から読み上げますので、この部分が傍論に該当するかどうかをあなたに聞きたいと思います。いきますよ。 憲法九三条二項は、我が国に在留する外国人に対して地方公共団体における選挙の権利を保障したものとはいえないが、憲法第八章の地方自治に関する規定は、民主主義社会における地方自治の重要性に鑑み、住民の日常生活に密接な関連を有する公共的事務は、その地方の住民の意思に基づきその区域の地方公共団体が処理するという政治形態を憲法上の制度として保障しようとする趣旨に出たものと解されるから、我が国に在留する外国人のうちでも永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるものについて、その意思を日常生活に密接な関連を有する地方公共団体の公共的事務の処理に反映させるべく、法律をもって、地方公共団体の長、その議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されているものではないと解するのが相当である。しかしながら、右のような措置を講ずるか否かは、専ら国の立法政策にかかわる事柄であって、このような措置を講じないからといって違憲の問題を生ずるものではない。以上のように解すべきことは、 云々と、括弧書きは読みません、そういう「趣旨に徴して明らかである。」と。 恐らくこの部分が傍論と思われ、この傍論の部分も根拠とされて、いわゆる専ら立法にゆだねられている、こういうふうに私は解釈するんですが、この部分が傍論だというふうに指摘してよろしいですか。
○林最高裁判所長官代理者 先ほども申し上げたことを繰り返すようで恐縮でありますが、個別の事件の判決の中でどの部分が傍論かということについては、事務当局としてコメントすることは差し控えさせていただきますが、議員御指摘の判決に今のような記載部分があることは御指摘のとおりだと思います。
○馳委員 何かぎりぎりの答弁で逃げましたね。いわゆる一般的に指摘されている傍論の部分はこの部分なんですよ。 そこで、質問を続けますが、この傍論で言うところの永住外国人とはだれを指すのでしょうか。私が指摘する傍論では、「永住者等であってその居住する区域の地方公共団体と特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるもの」と判示しており、一般永住者は排除できるとも解釈できます。また、産経新聞の二月十九日の朝刊によりますと、この傍論に深くかかわった有名な園部元判事が、在日韓国人・朝鮮人等の特別永住者のみを念頭に置いたもので、在日中国人等の一般永住者は念頭に置いていなかったと証言をしておられます。 以上を踏まえると、今後、立法を検討しておられる、渡辺副大臣にもお伺いしますが、立法するに当たっては、特別永住者、一般永住者、永住者の取り扱い等も含めて、慎重な取り扱いが求められるものだと思っています。あなたは先ほど、この国会には提出できる状況にはないとおっしゃいましたが、立法を検討していることは間違いないんですね。したがって、検討するに当たって、特別永住者、一般永住者という線引きというものはやはり慎重に検討すべきではないかと私は思いますが、いかがですか。
○渡辺副大臣 総務省の選挙部というところで、この外国人地方参政権について論点を出して議論をしようというところまではしております。私も実はこの園部さんの産経新聞の記事を読みました。そして、当時の時代背景と今とは違うのだというようなことも書いておられた。これを見ますと、「永住者等」と書いていますが、「等」とは一体ほかにどういう方を指すのだろうか、あるいは、「特段に緊密な関係を持つに至ったと認められるもの」というのは一体どういう意味なのだろうかということも実は議論をしておるんです。これは禁止論の先生もいれば、容認論あるいは部分的容認論の方も、いろいろな学者さんがいます。考え方を変えた先生もいらっしゃいます。 ですから、私たちだけでは判断できませんので、まさに、いろいろな学者の学説なんかも読みますと、これは正直言って、一般永住者は念頭には置いていなかったと報道では出ておりますけれども、「永住者等」と書いてあると一体ほかには何を指すのだろうかということをいろいろ論点整理していますと、これはとても、今ここでこうだと、一般永住者と特別永住者をこう考えて分けているというようなところまでは、まだなかなか至っていないのが現状でございます。 今お話ありましたように、もし立法化に当たって検討するのであるならばそこは考えるべきだというのは、さまざまな学説ですとか、あるいはこういう判決を導き出した方のお考えを参考にするのは当然のことだろうと思っています。
○馳委員 そのとおりだと私も思います。そこで、ちょっと実態を伺いたいと思います。 最新の統計で、特別永住者は我が国に何人いらっしゃって、ここ十年間の人数の推移を教えていただきたいと思います。あわせて、一般永住者の人数、その推移と国籍別の人数も教えていただきたいと思います。
○千葉国務大臣 最近の特別永住者数の統計でございますが、平成二十年十二月三十一日現在で特別永住者は四十二万三百五人という数字になっております。これは、最新の統計から十年さかのぼった平成十一年の同じく十二月三十一日時点では特別永住者が五十二万二千六百七十七人でございましたので、その後、毎年多少減少してきているというのが実情でございます。 それから、一般永住者数でございますけれども、これも平成二十年十二月三十一日現在で一般永住者四十九万二千五十六人。この推移は、これも十年さかのぼった十一年十二月三十一日時点では十一万三千三十八人でございましたので、これは相当増加しているということになろうかと思います。 一般永住者の国籍別の人数ですが、平成二十年十二月三十一日の先ほどの統計で見ますと、多い国籍順に申し上げますと、一位が中国で十四万余り、二位がブラジルで十一万余り、三位フィリピン七万余り、そして四位が韓国、朝鮮五万余りということで、その後ペルーとなっております。その他が八万余という、これが今の実情でございます。
○馳委員 これは渡辺副大臣に、私ちょっと質問通告をしていなかったので大変失礼なんですが、今の十年前と現状、特別永住者は十万人減って四十二万、一般永住者の方が逆に、十年前の十一万三千三十八人が十年たって四十九万、五倍近くふえていますね。 私は、この「永住者等」という議論を立法に当たって検討する必要があると言っていますが、やはりこの数字というもの、実態というものを踏まえた動向も、これは地方自治体に与える影響は大きいわけですから考えるべきだと思いますが、そう思いませんか。
○渡辺副大臣 先ほど私が言った意味は、「特段に緊密な関係」というのはどういう意味なのだろうかと。これは何代にもわたってこの国にいる方なのか、それとも一般永住者として来た方なのだろうかということも含めて、どういう意味でこの最高裁判決に書かれているかということも今整理をしているわけでございます。 反面で、私ども総務省は、地域主権を訴えて、これは鳩山政権の中の一丁目一番地という中で、これは当然、地方の首長さんたちとも今さまざまな行財政の検討会議等々の会議を幾つも持っています。その中で、こういう地方の統治に関することについては、まさに永住者をどう判断するかは別としても、地域の方々の意見は当然聞いていくことになるだろうというふうに、そのことも踏まえて、広義にこれはいろいろ参考にしながら議論を進めるべきだろうと考えています。
○馳委員 私も今数字を伺って思いつきでしゃべるけれども、済みませんね。 つまり、特別永住者四十二万、一般永住者四十九万、合わせたら九十万以上、満遍なく日本国内に住んでおられるのか、あるいは、やはり産業の背景もありますし歴史的背景もあるから、特定の地域に多く住んでおられるのかということによって、地方参政権を行使するに当たっての影響というのはやはり無視できないと思われます。私は、そういう指摘をまずできるんじゃないかなと思うんです。 そこで、もとに戻りますよ。 最高裁のさきの傍論によりますと、仮に永住者に地方参政権が付与されても、付与後に長年居住した自治体から別の自治体に引っ越しをして特段の緊密な関係を断ち切った場合には、その引っ越し先での地方参政権は認められないという解釈も成り立ちます。また、先ほどの産経新聞の記事によりますと、園部元判事は、特別永住者であっても、転居などで地域との密接な関係を失った場合は、選挙権は認められないという考えを示してもおられます。そこですね。傍論にも書いてありましたね、その地域と特段の密接な関係を持つかどうかということ。これは傍論にあったとおりですよ。 しかしながら、転居をすれば一たん与えられた選挙権が転居先でも効力を持つと何となく私は一般論として考えがちですが、いやそうじゃないという指摘がされているわけですね。この問題についても、私は、立法に当たって考慮すべきであって、転居した場合はどうなるんだろうと。転居した先で特段の密接な関係を持つのか持たないのか。 選挙権を行使するために転居をし、選挙が終わったらまたもとに戻りますよということが、これはされてはなりませんよね、どう考えたって。でも、それはやろうと思えばできますね。選挙権というのは、三カ月前でしたっけ、半年前に転居していれば大丈夫でしたよね。どっちでしたっけ。(渡辺副大臣「三カ月前」と呼ぶ)三カ月でしたね、済みません。 したがって、選挙権を行使するために転居を繰り返すことは、これはどう考えても、あってはならないじゃないですか。そう考えると、選挙権と言われる人権がちょっと異質なものになってくるのではないかなというふうに思われるんですね。渡辺副大臣、いかがですか。
○渡辺副大臣 もちろん、個別のシミュレーションで、想定で話すわけにいきませんが、一般的に考えれば、これは総理もたしか御党の委員の質問に答えたと思いますが、やはり安全保障上の問題等も含めれば、当然、政治的意思を議席という形で得ることができる、中には、よく指摘されることですが、例えば数百票の差で議席を得ることができる、あるいは落とすことができるということは、これは当然、我々も議論をする中で、民主党内あるいは総務省内でも検討するに当たっては、そういう可能性はないわけではないということは考えています。 私どもでしたら、例えば転居して間に合えば選挙権を得ることができますけれども、何らかの政治的意図を持って集団移動のようなことがもし起こるとすれば、これはやはり地方の統治に、あるいは政策決定に影響を与えるということは、当然これは一般論としても何らかの影響を与えることになるだろうというふうにはもちろん思っております。また、そういうことも当然念頭に、いろいろ検討はしております。
○馳委員 いや、本当にそのとおりで、いい指摘だったと思うんですよ。 というのは、副大臣、私は実は、政府、内閣提出法案として出ていないから今こういう議論ができると思っているんですよ。それから、議員立法として民主党がお出しになる可能性もこれはありますね、議員立法というのは出せますからね。当然ですよ。 したがって、この問題がやはり国会内外で世論を二分するような、あるいは揺るがすような議論となっている以上は、しつこいようですが、今のうちに私はこういう議論はさせていただきたいんですよ。 言葉をちょっと濁すようですが、普天間基地の移転の問題で、この問題に対する地方の意思というのはやはり重要です。そうしたときに、先ほど副大臣がおっしゃったように、集団で選挙権を行使するために今からわっせわっせと全国から沖縄に移住してもらっちゃ困るわけです。本来なら、沖縄県民が自分たちの居住する地域における一つの課題として考え、同時にこれが国策であるということになってくるわけですから、やはり影響力を行使するような集団移転というのは厳に慎まれなければならないじゃないですか。こういう問題とやはり絡んでくると私は思うんですね。 では、次の議論に入りたいと思いますが、当該傍論について、その後に同様な傍論さえ出ていない状況だと思いますが、確認の意味で伺います。 平成七年の当該判決以降、外国人の地方参政権に対する最高裁の判決の動きを教えていただきたいと思います。この平成七年二月二十八日判決のような判決はあったんでしょうか。
○渡辺副大臣 私が答えるかどうか、適切かわかりませんが、私どもがその法案を検討するに当たってさまざまな過去の資料等を調べておりますが、永住外国人への地方参政権、地方選挙権付与に係る最高裁判決が四回出されておりますけれども、最高裁はこの見解を変更するような判示をしたことはない。その後、出ておりません。
○馳委員 そうなんですよ。 最高裁の事務局、平成七年二月二十八日に出されたこの傍論の部分は、その後、似たような地方参政権付与に関する判決が出ていますけれども、四回出ていますね。いずれも、この傍論に該当するような議論は出ていないんですよ、判決理由の中に。これは事実ですね。改めて最高裁判所に確認します。
○林最高裁判所長官代理者 私どもが把握している限りにおいて、四回判決が出ておりますが、先ほど指摘されたような判決文の記載のあるものというのはないと思っております。
○馳委員 いや、もちろん、この四回の判決で、平成七年二月二十八日に出された傍論の部分が否定されるような議論があればまた世の中の動きも違ったと私は思うんですが、否決もされていませんね。でも、一度も当該傍論と同様な議論というのは判決理由の中には出ていないんですね。 したがって、この傍論については、その後一切触れられておりませんし、いわば判例の積み重ねがないという状況にあります。したがって、最高裁判所は、立法で永住外国人に地方参政権を認めていると断言することはできないと私は思っているんですが、いかがですか。
○林最高裁判所長官代理者 先ほど来繰り返しておりますが、個別の事件に関して、事務当局としてはコメントを差し控えさせていただきたいと思います。
○馳委員 では、私も言葉をちょっと改めましょう。立法によって永住外国人に地方参政権を付与するということを決断するには早過ぎると私は思います。 そこで、次の議論に行きますが、同判決の判決理由とこの傍論は矛盾しているという有力な学説があります。すなわち、判決理由は、選挙権は、権利の性質上、日本国民のみを対象とし、外国人には及ばないと言っています。また、地方自治を定めた第九十三条二項の「住民」も日本国民とも言っております。 これを素直に解釈するならば、地方も含めて選挙権は日本国民のみであり、特別永住者であろうが一般永住者であろうが外国人への付与は禁止されており、したがって立法で付与することも禁止されているとしか読めません。傍論と判決理由とは矛盾しています。こういう学説があるんですね。 政府としては、こういう学説があるということと、議論をどのように踏まえているか、お答えをいただきたいと思います。
○渡辺副大臣 以前も稲田委員の質問にお答えしましたけれども、今、立法論としてこれをいろいろ検討していく上で、この平成七年の最高裁判決では、九十三条二項に言う「住民」とは、地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味すると解するのが相当であるというふうに書かれているわけですね。ですから、ここで、「九十三条二項にいう「住民」とは、」と、もう定義をしておりまして、これを、その後の、続けて読みますと、しかし、それは立法府の判断にゆだねられると。まさにこの関連性をどういうふうに解釈したらいいのだろうかということで、私も法律家じゃないものですから、さまざまな法律の専門家にもいろいろ意見を聞いていまして、それが今総務省として当面行っていることでございますが、この「九十三条二項にいう「住民」とは、」というふうに定義づけられていることが私どもとしては非常に難解だなと思って、いろいろ判断をしているところでございます。
○馳委員 難解にしなくていいんですよ。素直に解釈して、国民にのみゆだねられていると解釈すればそこで済む話なんですが、まさしく立法府にゆだねられているというこの傍論をどのように判断していくかというのが私たちの、これは水面下の議論であったのを私はきょう表に出しているというだけの話なんですよ。 それでは、次に行きますが、これまでの議論を踏まえると、仮にこの法案が提出され、数の力で成立したとしても、違憲訴訟が提起をされたならば、違憲の判決、判断が出る可能性は高いと考えてよいと思います。そうであるならば、内閣法制局としては、最高裁の判決の積み重ねがない限り、現時点において、政府提出法案、閣法として提出することは認められませんよと内閣や与党に対して内々に進言すべきではないかと私は思っているんですよ。内々の話を表でしていますがね。 つまり、これはどこかで政治的判断をして閣法で出しますよ、数の力で通ります、幾ら私が暴れたってこれは通るんですよ。通ったときに、必ずやはり違憲訴訟というのは出てくると想定されますよね。そうなったときにどうしますかということを踏まえて、では、内閣法制局、私は内々に進言と言いましたけれども、ちょっときょうここで進言してください。
○外山政府参考人 お答え申し上げます。 端的に二点申し上げさせていただきたいと存じます。 まず、最高裁判決に対する当局の認識という点についてでございますけれども、永住外国人に地方選挙権を付与することに関して、先ほど来御議論ございます、平成七年の最高裁判決の中で述べられている見解につきましては、当該事件との関係において直接結論を導く部分ではございませんけれども、憲法上、法律の憲法適合性を決定する権限を有する終審裁判所であるというふうにされている最高裁判所が示した考え方であるというふうに認識をしております。 次に、法案の提出に関する当局の対応というお尋ねの点でございますけれども、本件につきましては、先ほど副大臣からの御答弁にもございましたように、総務省において論点の整理を行っておられるということでございまして、現状、法案ができているというわけではございませんので、当局がそれを先取りして何かコメントをするということができる状況にはないというふうに考えております。 以上でございます。
○馳委員 では、あなたにもう一度聞きますね。 これが法案として出てきたら、違憲の可能性はありますよ。裁判になったらどうしますか。
○外山政府参考人 法案として出てきたならばというお尋ねでございますけれども、これは繰り返しで恐縮でございますけれども、現状、法案ができているわけではございませんので、内容を先取りして私どもがコメントするということは差し控えるべきであろうと考えております。 それからなお、本件につきましては最高裁の見解が示されており、それについては先ほど申し上げたように認識をしているということでございます。繰り返しで恐縮でございます。
○馳委員 では、一般論としてお伺いしますが、内閣法制局は、内閣提出法案についてその合憲性の審査をする場合、関係する最高裁の判決があった場合は、その最高裁の判決を内閣法制局として解釈し、合憲か違憲かの判断をするということでよろしいんですか。それとも、審査の段階で最高裁に合憲、違憲の判断の問い合わせをするんですか。どちらでしょうか。
○外山政府参考人 お答え申し上げます。 一般論として申し上げますと、当局が内閣提出法案の審査を行うに当たりまして、当該法案に憲法上の論点が含まれており、かつ、これに関係する最高裁判決があるような場合には、当該法案の内容が当該最高裁判決において示されている見解に適合するものでなければならないというふうに考えております。 その際、当局としてどうするかということでございますけれども、当局といたしましては、判決文の内容を正確に理解をし、そこに示されている最高裁判所の見解を十分に酌み取った上で、当局としての理解と判断に基づいて法案の審査を行うこととしております。 なお、その過程で最高裁判所に問い合わせるといったようなことは行っておりません。 以上でございます。
○馳委員 では、適合するかどうか、傍論も参考にするんですか。
○外山政府参考人 これは一般論として申し上げますと、先ほどの繰り返しになりますけれども、最高裁が示した見解があって、それが関係するというような場合には、そのことも踏まえて審査をすべきではないかというふうに考えております。
○馳委員 もう一回聞きます。 法的拘束力を持たない傍論も参考にするんですか、どうするんですかと私は聞いているんですよ。いいですか。そして、学説ではありますけれども、平成七年二月二十八日の判決で、判決理由の中では、傍論は主たる理由じゃないんですよ。それはあなたも御存じですね。 法的拘束力のない傍論も参考にして合憲か違憲か判断するんですか。どうなんですか。
○外山政府参考人 これも一般論としてお答え申し上げたいと思います。 重ねてのお答えになりますけれども、私ども、まさに法案が持ち込まれた場合には、さまざまな角度から法案の内容それから形式、両面にわたりまして精査をするわけでございますけれども、そのさまざまな検討の中でいろいろな必要な角度から検討を加えるということでございまして、最高裁の見解がもう示されているということでございますと、これも参考にする必要があると判断いたす場合には、そのようにするということでございます。
○馳委員 ということは、当該判決理由の中の傍論も参考にするという答弁でよろしいですね。
○外山政府参考人 今のお尋ねは、平成七年の最高裁判決ということに関してのお尋ね……(馳委員「一般論ですよ」と呼ぶ)一般論としては、私ども、参考にする必要があるというふうに判断した場合には、もちろん参考にすることがございます。
○馳委員 もう一回聞きますよ。 傍論も含めて、合憲か違憲かも含めて、その判決理由は全部参考にするということでいいんですか。
○外山政府参考人 繰り返しの答弁で恐縮でございますけれども、やはり関係するものがあれば当然それを考慮に入れるべきだというふうに考えておりまして、もちろん、具体的な条文の内容いかんによって異なりますけれども、それが関連するというようなことがあり、考慮すべき要素の中に最高裁が示した見解ということがあれば、私ども、それを除外するというのはむしろおかしなことであろうというふうに考えております。
○馳委員 何度も聞きますが、傍論も含めて、違憲か合憲かも含めて参考にして判断をするということでいいですね。
○外山政府参考人 事案の内容に応じ、私ども、そのように判断した場合には、そのようなことを行うこともあり得るということでございます。
○馳委員 まさしく立法府にゆだねられたという意味での今の答弁というのは、また私たちが、今後提出されるかもしれない地方参政権付与法案、一たん付与されたら、これを撤回するというのはなかなか大変なことですよ。したがって、今私たちが議論しているということは、歴史の法廷に立っているようなものじゃないかなと私は思うんですよ。 したがって、今の外山さん、内閣法制局として、提出されようとしている法案の審査に当たって、極めて慎重な判断であり、当然、この問題については最高裁判所とも協議した方がいいと私は思います。そこまで議論が深掘りされなければいけない。まさしく、参政権というのは私たち国民の人権にかかわる問題でもありますし、国家の形そのものと言っても過言じゃないと思います。私は、改めてそのことを強くあなたに指摘しておきたいと思います。 では次に、産経新聞の三月二十一日付朝刊の一面によりますと、今現在で永住外国人への地方参政権に反対する都道府県議会の反対決議が、請願も含めて二十八県に上ると書いてあります。恐らく事実だと思います。 そこで、こういう記事、いわゆる世論も含めて、どちらかというと、国民の皆さんや地方の議会の皆さんが現実問題として地方参政権付与を考えたときに、反対の意思表示をされたんですよ。先ほど最初に質問された方も、やはり地方議会から上がってくる意見書や請願書の取り扱いというものについて、政権交代もしたんだからもっと真摯に受けとめて対応しなさいよという指摘がありました。私もそのとおりだと思うんですよ。ただ地方議会で議決をして持ってきて、さあどうぞというだけで終わってしまっては意味がありませんね。 これはやはり渡辺副大臣にお伺いしたいと思います。 二十八県に上るという現状を踏まえて、地方の声というものをどういうふうに受けとめていかれますか。
○渡辺副大臣 総務省で受理をしている地方公共団体、議会の意見書ですけれども、都道府県議会の決議状況、意見書で、今の御指摘にお答えをしますと、定住外国人に対する地方参政権付与に反対する決議というのは、総務省受理分で六十三ございます。都道府県が十四、指定都市が二、指定都市以外の市区町村が四十七でございます。その他、反対に近い慎重に対応せよというもの、あるいは賛否は不明ですけれども、十分に議論をというもので、都道府県が、県が五つございますので、ちょっとこの産経の報道とは総務省として受理をしている数とは違いますけれども、大体それが今総務省で把握している時点の決議でございます。 先ほどから申し上げていますように、当然、地方公共団体の長の方々、議会の代表の方々と、さまざまな地方の行財政の検討会議、あるいは国と地方のさまざまな権限移譲の協議の場を持っていますので、当然、地方の代表の方からはいろいろな御意見をいただきます。それはさまざまな、権限移譲もそうですし、財源移譲もそうですし、議会のあり方ですとか、あるいは、当然、こうしたことを含めて、参政権の問題等も、これはもし御意見があれば真摯に承る、真摯に耳を傾けるべきだろうと私どもは思っております。 〔委員長退席、樋高委員長代理着席〕
○馳委員 数字のそごは、多分、この三月議会中に議決をして、そして提出するというタイムラグもあるんだろうと私も思いますし、まさしく副大臣はこういった意見を踏まえた上で慎重に対応するとおっしゃったから、私はそれでいいと思っています。 そこで、次の論点に入りますが、この問題は単純に立法で参政権を付与すればよいという問題ではなく、まさしく参政権という人権にかかわる問題でもありますし、地方分権という問題にもかかわる問題だと私は思っています。つまり、憲法改正レベルの論点であり、憲法を改正するか、あるいは立法で解決するなら国民投票にかけるべき問題である、そこまでの大問題であると私は思っています。 本当に地方参政権を付与するかどうかを争点にして総選挙あるいは参議院選挙をやってもいいぐらいだと私は思っているんですよ。私も谷垣さんに参議院選挙はこれ一本だけでいこうと進言をしておきたいと思いますが。 その議論はおいておいても、国民投票としてかけるべき参政権の問題ですから、そういう問題だと私は認識していますが、では、これは千葉法務大臣、どう思われますか。
○千葉国務大臣 今、さまざま御議論がございますように、総務省そして政府としての検討が続けられているということでございますので、私もその議論をしっかり見詰めていきたいというふうに思っております。 憲法論も、今、本当にやりとりを伺いながら、それぞれの意見がやはりあるのだということも私も改めて感じさせていただきました。 それから、国民投票というのも、今、国民投票制度というのは整備をされていないという現状でございますので、なかなかそれにかけることが必要かどうかというのは私もお答えできる状況にはございませんが、いずれにいたしましても、大変重要な問題でもございます。いろいろな御意見を私ももう一度きちっと伺いながら、そして政府の議論、それを注視させていただきたいというふうに思っております。
○馳委員 私もちょっと唐突に国民投票という言い方をしましたが、まさしく国民の世論がいろいろと議論がある中で、その国民の意思を伺うという一つの方法としては国民投票というやり方もありますし、当然、国民投票をやったといったって、その国民投票の結果に法的拘束力はないけれども、国民の意思が示される大きな課題であるという認識を持たなければいけないんじゃないかなと私は思っています。 そこで次に、外国人の地方参政権と、愛国心、公共の精神、この関係性についてお伺いをしていきたいと思います。 まず、公共の精神が廃れて久しいと言われておりますが、そもそも公共の精神とは何ぞや、そして公共の精神を政府はどう育成しようとしているのか、文部科学副大臣にお伺いしたいと思います。
○鈴木副大臣 公共の精神とは、国や社会の問題を自分自身の問題として考え、そのために積極的に行動するという精神であり、というふうに定められております。教育基本法でも「公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度」を教育の目標として掲げているところでございます。 これをどのようにはぐくんでいくかというお尋ねでございますけれども、改正教育基本法におきまして公共の精神に関する規定が新たに盛り込まれましたことも踏まえまして、新学習指導要領においては公共の精神に関する指導の充実を図っていくというふうになっております。 具体的に申し上げますと、社会科、小学校三年生、四年生で「社会生活を営む上で大切な法やきまり」など。道徳、小学校、中学校で、規範意識、勤労の意義、社会参画への意欲、態度など。特別活動、小学校、中学校で、望ましい人間関係を形成し、集団や社会の一員としてよりよい生活づくりに参画する自主的、実践的な態度などについて指導をするということといたしております。 御案内のように、鳩山政権におきましては、これまでの日本人は国や社会はだれかがつくってくれるという意識が強かったが、人々の幸せや地域の豊かさというのは、人と人とが支え合い、役に立ち合うことでみずから切り開くものである、このような観点から公共の精神は非常に重視をいたしておりまして、「新しい公共」円卓会議というものも設置をして、この公共の精神に基づいて、例えばコミュニティーの力で身近な課題を解決するさまざまな取り組み、活動、こうしたものを支援する、そうした担い手の育成、あるいはそうした仕組みづくり等々にも積極的に取り組んでいるところでございます。 〔樋高委員長代理退席、委員長着席〕
○馳委員 本来なら、高校無償化法案の中でこういう議論を本当はしなきゃいけなかったんですよね。やはりちょっと金目の話とか、何か省令や政令の話ばかりで、私も追及しましたが。 本当に、小学校、中学校、高校、義務教育あるいは義務教育に準ずるこういった教育機関において、公共の精神とは何ぞや、それをどうやって主体的に発揮をするか。そして、社会人となって、つまり教育期間を終えて一社会人となったときにそれをどう発揮していくのか。このことは、やはり永遠の私たちの国民としてのテーマであり、同時に、同じ日本の中に住んでいる、それは定住外国人や一般、特別の永住外国人もいらっしゃるわけですから、どのように醸成していくかということがやはり求められるんだと思いますね。 ちょっときょうはもう時間がなくなってきたので、鈴木さんと論争したいと思いますけれども。 あなたは大学で先生をされたりしていましたよね。私も七年間ほど教壇に立っていた経験からして、どうでしょう、公共の精神についてというか、先ほどおっしゃったように、例えば社会保険の制度とかいわゆる社会規範等について、その理解度、そして、こういうところを日本人として、また日本に住む外国人としてやはり持っていてほしいなと、教壇に立たれながら鈴木副大臣はどういうふうに感じてこられましたか。ちょっとお聞きしたいと思います。
○鈴木副大臣 お答え申し上げたいと思います。 もちろんこれは比較することはできないわけでありますけれども、私が教壇に立たせていただいての個人的な印象でございますけれども、やはり、社会や地域あるいはコミュニティーというのを自分たちでつくっていくんだという意識をもう少し持ってほしいなという思いはずっとございました。したがいまして、私が縁あって教えさせていただいた学生さんには、そういうことを、いろいろな機会をとらまえて、説明といいますか喚起もさせていただきました。 それから、これまでの学校教育を振り返りますと、仕組みや、あるいはそういう制度、法律については、一応教科書等々には書いてあって、それを教えてはいることになっているわけでありますが、むしろ、今委員おっしゃいました精神の部分、公共の制度は知ってはいる学生はある程度はいるわけですけれども、本当に主体的に世の中を担っていくということを実感していく教育ということにおいては、いろいろな改善が必要だというふうに思います。 そういう意味では、座学偏重の教育というものを、もちろん座学も大事です、しかし、と同時に、そうした知識を世の中をつくっていく上でどのように生かしていくのかということをやはり実感させるような実践に基づいた、福沢諭吉先生はまさに実学ということを重んぜられたわけでありますが、私も慶応義塾を中心に教鞭をとっておりましたので、やはり実学の精神ということをもう一度現代でとらえ直して、カリキュラム自身あるいは教師自身も、何を若い人たちに教え伝えていくのかといった点を改めて見直していくべきではないかということを痛感してまいりましたし、今、教育政策の中ではそういうことを十分意識してやってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○馳委員 時間がないので、もう終わりますけれども。 私も、鈴木さんのおっしゃるとおりで、僕は具体的なことを話します。 やはり、公的年金制度、医療保険制度、介護保険制度、これは、どの子供たちにも、どの社会人にも必ずかかわってくる、まさしく公共の精神です。あるいは、新しい公共というならば、ぜひやってほしいのはやはり住民自治ですね。最初は町内会からですよ。あるいはNPO、NGO団体への参画というものもあるでしょう。こういった、何か悪いことがあれば首長や国会議員がすべて悪いというのではなくて、やはりまず参画するということを導き出していく、この議論というものが教育現場でなされていくべきだと私は思いますし、それとかかわってくるのが、まさしく憲法で言う参政権の問題であり、参政権はまさしく人権そのものだという議論をしていかなきゃいけないと私は思っています。 また、きょうはちょっと夫婦別姓の話はできなかったんですが、改めて時間をいただいて、稲田先輩に譲りたいと思います。 どうもありがとうございました。
○滝委員長 次に、稲田朋美君。
○稲田委員 自由民主党の稲田朋美です。 前回私は、大臣に、今の民法で選択的に夫婦別姓が認められない現状が人権侵害になりますかという質問をいたしました。大臣は、基本的人権の尊重、幸福追求の権利、男性と女性の両性の平等といった憲法の定める規定から考えても、一定の、人権を侵害するといいますか、抵触をする、それを脅かすような、そういうおそれは持っているという御答弁をなさったわけであります。 もう一度お伺いをいたしますが、大臣は、選択的夫婦別姓が認められない現状が、単に女性の社会進出について妨げになる、また現実に不便だという現実上の問題以上に、憲法上の要請というか、人権侵害、男女平等を定めた憲法にも違反するおそれがある人権上の問題であるというふうに認識をされていらっしゃるか、お伺いをいたします。
○千葉国務大臣 前回、御質問をいただきまして、お答えをさせていただきましたが、多少私も言葉足らずといいましょうか、そういうところもあったかと思います。今の制度自体が憲法に抵触をする、明確に違反をするということはないというふうに私は思います。 ただ、現実に、今の制度の実情を見ますと、例えば、氏を変えているのがほとんど女性の側である、そういうことによって、社会的な活動に大変不便を来したり、あるいは自分の名前を変えることによるさまざまな、喪失感とか、そういうことを女性の側がかなり一方的に負っている。そういう実情等を考えますときには、やはり女性と男性の基本的な平等というところにいささか抵触というか懸念を感ずるという問題であろうというふうに思います。 規定自体が憲法に違反をするという規定ではないというふうには思います。
○稲田委員 自民党時代にも、女性差別撤廃条約の選択議定書に批准をして国連に対する個人の通報ができるかどうかという問題があったんですけれども、仮にこの選択議定書を批准した場合、選択的夫婦別姓が認められないことが個人通報の対象になるとお考えでしょうか。
○千葉国務大臣 それは、私も確たる考え方を持っているわけではございませんけれども、やはり、例えばこれが実質的に女性の平等に反するということを考えられれば、通報されるということは可能性としてはあるのではないかというふうに思います。 ただ、それを、通報を受けた側がどのように受けとめるか、あるいは判断をするかということはわかりませんけれども、そういう通報がなされる可能性はあるのかなというふうには思います。
○稲田委員 大臣が、所信表明演説でも、また就任のときの記者会見でも、人権侵害救済機関について、国際的に見ても設置が当たり前の機関だし、実現に向けて早急に取り組みたいと述べ、内閣府の外局として設置する考えを示したということで、人権侵害救済機関について大変前向きな発言をなさっているわけですけれども、今の選択的夫婦別姓が認められていない現状について、先ほどの大臣の答弁、また前回の大臣の答弁をお伺いいたしますと、人権侵害になるおそれがあり、こういった救済機関に申し立てをするということがあり得るのではないかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○千葉国務大臣 これも、必ずしも申し立てがなされるかどうかというのはわかりませんけれども、やはり、この制度あるいは実情が、男性、女性の対等な権利ということに抵触をする、そして、それによって不利益といいますか苦痛を受けているということを考える方にとっては、救済を求めるということもそれは全くないわけではないだろう、そういう可能性は全く否定はできないというふうには思います。
○稲田委員 前回、今回の大臣の答弁を伺っておりまして、選択的夫婦別姓が認められない現状が人権侵害に当たるかどうか、大変微妙な御回答だったと思います。 また、前回、副大臣にも同じ質問をいたしましたところ、副大臣が、「一般的に言うところの人権侵害あるいはそれをするおそれに当たるかどうかというのは微妙なところでありまして、なかなか明確にお答えするのは難しいとは思います」というふうにお答えになっております。 人権侵害であるかどうかというのは私も大変難しい問題だと思います。この選択的夫婦別姓に限らず、何が人権侵害に当たるかというのは大変難しくて、人権侵害であると言う人もあれば、この選択的夫婦別姓を認められない状況が女性の権利を侵害しているんだと明確におっしゃる方もいらっしゃれば、そこまで言わない方もいらっしゃいます。このように、人権侵害ということは大変難しい概念だと私は思っております。 その上で、一般論として、まず副大臣にお伺いをしたいことがあるんですけれども、学習指導要領では、「入学式や卒業式などにおいては、その意義を踏まえ、国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導するものとする。」というふうに書いてあります。入学式や卒業式において、事前に生徒たちに、あなたたちには国歌を歌わない自由があるんだよ、起立しない自由があるんだよということを教えないことが人権侵害に当たると思われますか。
○加藤副大臣 いきなりの御質問でございますから、何か法理論上詰めて準備をしてお答えをしているわけではありませんけれども、今、先生の御質問を耳でお聞きする限り、私個人としてはそうは感じられないものであります。
○稲田委員 同じ質問を大臣にいたしたいと思いますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○千葉国務大臣 私も、ちょっと突然の御質問でございますので、確たる、いずれともなかなか、必ずしも人権侵害に当たるとも言えないのではないかというふうに思います。
○稲田委員 実は、大阪弁護士会が平成十七年に、人権侵害であるとして勧告書を出した事例があります。何を人権侵害であるといって大阪弁護士会が勧告書を出したかといいますと、中学校の校長先生が、入学式、卒業式における君が代の斉唱の際、国歌の斉唱の際、斉唱や起立が強制されるものではなく、歌わない自由、起立しない自由を有することを生徒たちに事前に説明しなかったことが人権侵害だという勧告書を出しております。 大臣も弁護士出身でいらっしゃいます。私も大阪弁護士会におりましたけれども、このような人権侵害の勧告についてどのように思われるでしょうか。
○千葉国務大臣 どうでしょうか、ちょっと私も不勉強でございました、それを直接全文読んでいるものでもございませんので、どういう趣旨かというのがちょっとにわかにわかりかねますけれども。 確かに、一般論とすれば、何かを無理に歌わされないという、そういうことを認めることもあろうというふうに思うんですけれども、個別の事案の中で一体どういうときに人権侵害になるか、あるいはならないかというのは、なかなか、ちょっと今、私もこの場で直ちにお答えをさせていただくというところまで整理はできておりません。
○稲田委員 この人権侵害の申し立てが、その中学校の教員が大阪弁護士会の人権擁護委員会に人権侵害だと申し立てをして、そして大阪弁護士会が人権侵害であると。校長先生が、入学式、卒業式の前に生徒たちに、あなたたちには思想、良心の自由があるから、国歌斉唱のときに起立しない自由、国歌を歌わない自由があることを言わなかったという不作為が人権侵害になるという勧告書を出した、実は本当に驚くべき事例なんです。 このような、学習指導要領にも一種反するような、校長先生に対して、国歌を歌わない自由、起立しない自由が生徒たちにはあるんだと教えなければならないと強要することが、校長先生の表現の自由や言論の自由を侵害することになると私は思いますけれども、この点は、大臣、いかがお考えでしょうか。
○千葉国務大臣 先ほどからの御質疑、大阪弁護士会のものを引用されて御質問でございますので、この大阪弁護士会のおまとめになった考え方というのは、私からそれがいいとか悪いとか言うべき立場にはないというふうに思いますが、一般的に言って、先ほど申し上げましたように、それは事案事案で、やはり何かを強制されないということを認める場合もありましょうし、いろいろな形でそれはみんながそろってやるべしというものもあるというふうに思いますので、なかなか一律にお答えできるというものではないというふうに思います。
○稲田委員 では、一般論としてお伺いをいたしますが、入学式、卒業式の前に、事前に生徒に対して国歌を歌わない自由、起立しなくてもいい自由があると教えなさい、教えなければ、教えないことが人権侵害だということを強要することが、校長先生の言論の自由だったり表現の自由を侵害することになると思われませんか。
○千葉国務大臣 今、ちょっと私も頭の整理をしながら考えているんですけれども、校長の自由を奪うものになるかどうかというのは、校長の何か権利の問題なのかなと。ちょっと私も、直ちにそれが校長の何か権利を奪うものになるかどうかというのは一概に言えないのではないかとは思いますが。
○稲田委員 私は、言いたくないこと、言わなくてもいいことですね、入学式、卒業式の前に子供たちに、あなたたちは国歌を歌わなくてもいい自由があるんだよなどということは校長の心情として言いたくないこと、それを言わされるとしたら、しかも、国旗・国歌を尊重しろというのは学習指導要領にも書いてあるわけですから、明らかに校長先生の表現の自由であったり言論の自由を侵害することになると私は思います。大臣は、ちょっとその点は一概に言えないというお答えでありました。 事このように、何が人権侵害であるか、大変これは難しいんです。例えば靖国訴訟というのがあります。これは、小泉総理が靖国神社を参拝したことについて裁判が起きたんですけれども、実はこれは人権裁判なんです。総理が靖国神社に参拝したことが原告らの人権を侵害したとして差しどめと慰謝料を請求したわけなんですけれども、大臣、総理が靖国神社を参拝したことがだれかの人権侵害もしくは人権侵害のおそれになるということがあると思われますか。
○千葉国務大臣 私の考えでは、その参拝の問題というのは、むしろ政教分離といいましょうか、本来そういう問題なのかなというふうには理解はいたしております。
○稲田委員 もちろんそうなんです。これは政教分離の問題なんですけれども、裁判所というところは個別具体的な法益を守るところですから、この問題を裁判にのせるには、原告らの何らかの法益を侵害したということにしなければならないがゆえに人権侵害であると裁判を起こしております。 そして、さすがに裁判所も、これは人権侵害には当たらないという認定をしたわけでありますが、同じようにこの靖国訴訟では、靖国神社に対して、総理の靖国神社参拝を受け入れるなという差しどめの要求をしておりました。しかし、私は、こういった一宗教法人に対して差しどめを行う、総理の靖国参拝を受け入れるなというような申し立てをすること自体が、宗教法人の宗教活動の自由を制限することになると考えておりますけれども、この点、大臣の御意見はいかがでしょうか。
○千葉国務大臣 差しどめ訴訟を起こすこと自体は、私は別に、起こす方が意思を持って起こされることですから、問題はないんだろうというふうに思います。 あとは、それが本当に人権侵害か、差しどめ請求の訴えに当たるかどうかというのは、これは最終的に裁判所が御判断をされるということであろうというふうに思いますので、その差しどめ訴訟そのものを起こすこと自体がおかしいということにはならないんだろうというふうに思います。ただ、それは私は起こさないかなというふうには思いますが。
○稲田委員 総理の靖国参拝を受け入れるなということが仮に裁判所で認められたとすれば、私は、それはやはり宗教法人に対する宗教活動の自由を侵害することになると思います。また、大臣も、自分ならそんな裁判は起こさないとおっしゃっていただいたので、同じような感覚かなと思うんです。 何が言いたかったかといいますと、最終的に、靖国訴訟もそうですが、最高裁まで行って、それが人権侵害にならないという認定をしたわけですけれども、何が人権侵害かというのは認定が大変難しいわけです。そして、先ほどの校長先生の事例であったり、私はそうだと思うんですが、人権侵害の名のもとに他者の人権を侵害するということもあり得ると思います。 裁判所ではない人権救済機関というものを新たに今創設して、広範な人権侵害を取り締まるということになりますと、それはかえって表現の自由や言論の自由を侵害するおそれがあるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○千葉国務大臣 今御指摘がありますように、人権という問題は私も大変難しい問題だというふうに思います。一方の人権を強くする余り、もう一方の人権が阻害されるというようなことがあってはおかしいわけですね。ただ、そこに人権と人権の衝突といいましょうか、そういう場面も全く否定することもできないというふうに思います。 ただ、人権救済の機関というのは、それによって処罰をするとかあるいは強制をしようということではなくして、むしろ、そういう救済を求める訴えがあれば、それをきちっと受けとめて、そして、もしそれがほかの方の人権にかかわるということであれば、そこできちっとそれを検討し、そしてその調整を図るなど、そういう機能を持つものだというふうに私は思います。 一方的に処罰をするとか制裁を科す、そういう仕組みではなくして、そういうところが、やはり人権というのはこういうものだ、そしてそれを行使するときにはまた他人の人権も尊重しなければいけない、お互い人権を尊重し合う、そういうものをむしろそういう機関をつくることによって醸成していく、こういう機能が大事なところだというふうに私は思っております。
○稲田委員 ただ、もちろん処罰するものではないんですけれども、人権を擁護する最後のとりではやはり裁判所なんです。裁判所できちんと判断をしてもらって、それが人権侵害かどうかということを判断するべきであるにもかかわらず、それとは別の機関で、強制力というか、立ち入りを強要するような、かなりの強制力を持ったような人権救済機関というものが仮に創設をされるということになりますと、大変萎縮した社会になると思います。 先ほど大阪弁護士会の例でも言いましたけれども、あれは別に処罰するものではありませんが、大阪弁護士会の人権委員会から人権侵害だからという勧告書が来るだけで一般社会は大変萎縮したものになります。しかも、その内容が、先ほど大臣も副大臣もお答えになりましたように、必ずしもそれが人権侵害なのかどうか。入学式、卒業式の前に子供たちに、あなたたちは国歌を歌わなくてもいい自由がある、起立しなくてもいい自由があるということを言わなかった不作為が人権侵害であるというような、私から言わせたら、あり得ない、ばかげた勧告書なんですけれども、そういったことがなされる危険性というものがこの人権救済法案にはあるということを指摘したいと思います。 次に、夫婦別姓についてお伺いをいたします。 先ほど、政府提案として準備中であるというお答えでしたが、鳩山内閣の亀井大臣は夫婦別姓に明確に反対をされているわけですが、この選択的夫婦別姓問題について閣内統一をどのように図っていくおつもりでしょうか。
○千葉国務大臣 これは常々申し上げているとおり、閣内いろいろな形で議論させていただき、そして意見の一致を見るよう努力を続けているということでございます。
○稲田委員 当初、予定では、三月の中旬に閣議決定をして法案を提出するという予定法案として出ていたんですけれども、この通常国会の間に選択的夫婦別姓の法案を出されるんでしょうか、それとも出されないんでしょうか。
○千葉国務大臣 閣議決定は、まだこれからでも十分に閣議決定をすることができるということになっておりまして、今それに向けて努力を継続しているということに尽きるというふうに申し上げておきたいと思います。
○稲田委員 ただ、亀井大臣は本当に明確に、この夫婦別姓は家族の一体感を損なうものであり、自分は絶対に反対だということをいろいろな場面でおっしゃっているわけですけれども、亀井大臣との間でこの夫婦別姓について何らか議論をしたり、協議をしたり、また大臣としてすり合わせができる自信がおありですか。
○千葉国務大臣 それはもう申し上げているとおりで、この間も意見交換もさせていただいておりますし、そして、これは最終的な判断というのがそれぞれまたあるだろうというふうに思いますので、これは今後ともそういう努力を最後まで続けていくということでございます。
○稲田委員 前回、大臣に、民主党の案ではなくて、平成八年の法制審議会の案を軸に提出を検討しているという答弁をいただいたんですけれども、民主党が政権をとられて、そして今までも民主党案の代表者、提案者にもなっておられる大臣が法務大臣に就任をされて、どうして法制審議会の案で、民主党の案ではないんでしょうか。
○千葉国務大臣 これは、この間も、民主党案を提案するときもいろいろな御意見を伺ってまいりました。そして、法制審議会でどういう議論があって、どういう案がまとめられているかというのも承知をいたしておりました。 ただ、その中で、いろいろな選択肢があるだろうというふうに思いますが、民主党案という形では、子供の氏はその出生のときに定めればいいのではないかという考え方を皆さんの議論のもとで採用させていただいてきたということでございます。 ただ、やはり一方では、法制審議会の御意見のように、子供の氏は統一した方がいい、それから、多くの皆さんから御意見を今いただく中でも、やはり子供については余りばらばらじゃない方がいいのではないかという御意見もたくさんいただいている、こういうことですので、これはそれぞれ長短はあろうかというふうに思いますけれども、一つの政策判断として法制審議会の案を採用させていただいて、今まとめをしているということでございます。
○稲田委員 法制審議会の案と民主党の案の一番大きな点は子供の姓なんです。 子供の姓を結婚のときに決めて、婚姻届に書いて届けるということになりますと、例えば、御夫婦の間で、ライフスタイルとして子供をつくらない主義の御夫婦もいらっしゃると思います、また、子供は本当に欲しいけれども、健康上の理由で一〇〇%子供には恵まれないということがわかっていながら、でも結婚しようとするカップルもいらっしゃいます、また、六十歳、七十歳で結婚する夫婦もいらっしゃると思うんですけれども、そういった場合、必ず子供の姓を決めて、そしてそれを書かせるということは、一つはナンセンスでもあるし、もう一つは、やはり、生まれてもいない子供の姓、しかも生まれる可能性もなくて、欲しいけれどもあきらめていて、でも結婚したいんだというようなカップルの場合、婚姻届に強制的に、生まれるはずのない、恵まれるはずのない子供の姓を書かせるということ自体が人権侵害になるおそれがあるのではないかと私は思いますが、その点はいかがですか。
○千葉国務大臣 今、稲田委員の御指摘のような問題があることを私も承知いたしております。やはり、お子さんを持たない、こういう考えの方もいらっしゃるかと思いますし、それから、なかなかお子さんができにくいということで悩んでおられる皆さんにとっては大変苦痛を伴うことになるのではないか、こういう御指摘があることも承知をいたしております。 そういう意味では、どの制度もなかなか一〇〇%完全無欠だということにもならないかというふうに思いますが、そういう御意見があることを、できるだけ何らかの形で、弊害というか、そういうものを除去していくような、そういうことはこれからも念頭に置いておかなければいけない、これは私もよくよく理解をいたしております。
○稲田委員 また、平成八年の答申が出てから十五年ぐらいたっておりまして、その間に、現実問題として、通称使用が認められる範囲が広まっております。 平成十八年に調査をいたしましたところ、反対が賛成を若干上回っていて、あと、通称使用を法制化すべきだということを入れますと、戸籍上は別姓にすることに反対の人が六割以上いらっしゃいます。また、ことしの三月の時事通信の世論調査でも反対が上回っていて、民主党支持者でも賛成を反対が上回っている現状にあります。 なぜ、このような世論を無視してまで、しかもマニフェストに書いていなかった。民主党は、例えば無駄遣いをやめて九兆円だとか、それから予算を組み替えて二十兆、四十兆だとか、それから天下りをやめて十二兆だ、ガソリンを値下げするとか、マニフェストに書いてあることはやらないでおいて、マニフェストに書いていない、しかも世論ではもう反対が上回っている、しかも、平成十八年の調査の後、法制審議会答申を出した法務省ですら、国民の意見が割れており、直ちに改正案を提出する必要はないとまでおっしゃっているこの法案を出されようとするのか、最後にお伺いをしたいと思います。
○千葉国務大臣 いろいろな世論調査の結果やあるいは御意見があるということを、私もそれはもちろん承知をしております。 ただ、これはいろいろな立場によっても御意見が違うのではないかな。これから結婚されよう、あるいは仕事を持ってこれからも頑張っていきたいという立場の方と、先ほどお話がございましたように、もう私たちは同姓でこれまで本当にうまくやっているからそれでいいわという立場の方もいらっしゃるので、なかなか、この多様な御意見というのは一本に必ずしもなっていくものではないというふうに思っております。 また、マニフェストで書いていないというお話でございましたけれども、この間、ずっと党内でも議論を続けてまいりました。そして、政策の中には必ず挙げさせていただいていた問題でもございます。そして、法制審が答申をされてから、歴代の大臣のもとでもいろいろな御議論は続けておられたとも聞き及んでおりますので、そういう意味では、ずっと議論が続いてきた課題であるというふうに私は思っております。 そういう意味で、決して突然、政策に挙がっていないものを私は無理やり成立をさせよう、あるいは国会に提案をしよう、こういうことではございませず、むしろ、法制審のとき以上に、先ほど、通称使用ということが非常に広がっている、これは、逆に言えば、いろいろな家族あるいはカップルでも名前の使い方というのはあるんだな、こういう多様性が、むしろ幅が広がってきたことではないだろうかというふうにも受けとめておりまして、いずれにしても、この間ずっと議論が続いてきたこういう問題について、改めてやはり皆さんで御議論をいただき、何らかの方向づけをしていただくことがいいのではないかということで、国会にお出しをさせていただきたい、こういう私の思いでございます。
○稲田委員 まだまだ議論はしたいんですけれども、この夫婦別姓の問題、とりもなおさず、お父さん、お母さんの一方と子供の名前が違う、親子別姓の問題であるということも御指摘をして、また議論したいと思います。 終わります。 ————◇—————
○滝委員長 次に、内閣提出、国際受刑者移送法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。千葉法務大臣。 ————————————— 国際受刑者移送法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○千葉国務大臣 国際受刑者移送法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。 現在、我が国は、欧州評議会の刑を言い渡された者の移送に関する条約に加入し、同条約の締約国たる外国との間で受刑者を一定の要件のもとで母国に移送することが可能となっております。しかしながら、同条約を実施するための法律である国際受刑者移送法では、その他の条約に基づく移送に対応することができない状況にあります。 そこで、この法律案は、今国会に提出されている刑を言い渡された者の移送及び刑の執行における協力に関する日本国とタイ王国との間の条約を初め、今後我が国が締結する刑を言い渡された者の移送及び確定裁判の執行の共助について定める条約に基づく受刑者移送も実施することができるよう所要の改正を行うものでございます。 以上が、この法律案の趣旨でございます。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○滝委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、来る三十日火曜日午後一時十分理事会、午後一時二十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十八分散会