青少年問題に関する特別委員会 第5号
- 発言数
- 142 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2010/05/20
会議録
○池坊委員長 これより会議を開きます。 青少年問題に関する件について調査を進めます。 調査を進める前に、去る五月十七日、児童虐待防止問題の実情調査のため、情緒障害児短期治療施設の横浜いずみ学園及び児童自立支援施設の横浜家庭学園への視察を行いましたので、参加委員を代表して、私からその概要を御報告申し上げたいと思います。 参加委員は、委員長である私ほか九名です。 まず、横浜いずみ学園においては、園長及び理事長から、児童養護施設の中で不適応の傾向が見られる子どもは増加しており、情緒障害児短期治療施設の定員増が望まれること、また、安心、安全な生活環境を提供し、主体性を育てる、子どもや職員とのかかわりを通して成長を促すことを柱とし、子どもたちへの支援を行っていることなどについて説明を聴取した後、施設の実情を調査いたしました。 次に、横浜家庭学園においては、園長及び職員から、併立制という夫婦でない男女が家族舎ごとに住み込んで、寮父、寮母として子どもたちにきめ細やかな愛情を持って対応する体制をとっていること、これにより職員と子どもたちが共有する時間が長くなり、その結果、子どもたちが大人や社会に対して心を開いてくれるようになっていくというようなことも知りました。また、大変規則正しい生活を元気いっぱいしていることに感心もし、ちょっと安堵する思いもいたしました。 また、子どもたちに基本的に外出を禁止し、携帯電話やインターネットから遮断された生活を送らせていること。これは、子どもたちに外からの刺激を遮断して、自分と向き合うための時間をつくらせる方針のためであることなどについて説明を聴取した後、施設の実情を調査いたしました。 参加した委員に、今後の両施設のさらなる充実、職員の増員等を初めとし、多くの課題を与えられたような気がいたします。この視察を生かし、当委員会の審議をこれからさらに進めてまいりたいと存じております。 以上です。 —————————————
○池坊委員長 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として警察庁生活安全局長樋口建史さん及び消費者庁次長田中孝文さんの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○池坊委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○池坊委員長 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。松浪健太さん。
○松浪委員 おはようございます。自由民主党の松浪健太であります。 青少年特委理事をいたしておりますけれども、やっと質問の機会が回ってまいりました。福島大臣、そしてまた私と同じ名前の健太政務官、またよろしくお願いいたします。 この青少年特委、内閣府が所管ということでありまして、子どもの問題というのは縦割りであってはならない、そういった意味で、民主党さんも子ども省というようなこともおっしゃっているので、非常に重要だと思います。 こうした大きな施策をやる前に、最近は、政治家は漢字が読めないと問題になったりするわけですけれども、民主党さんは今、子ども手当をやっておられるんですけれども、「子ども」の「ども」というのは、どう考えても、もともとは常用漢字なんですけれども、どうして平仮名なんですかね。こういうことをなかなか普通は考えない。 この間、ちょうど厚生労働委員会で、我が党の馳委員が、障害者の「害」の字はこういうふうに変えていくべきじゃないかという一方で、子供の「供」というのは常用漢字ですよね。最近は新聞なんかでも、拉致の「拉」というのは常用漢字じゃないんだけれども、やはりまぜ書きというのは不自然だな、拉致の「拉」ぐらい読めるだろうと。てへんに立つですからね。 そういうわけですけれども、これは大臣、全然お答えいただかなくていいんですけれども、「子ども」の「ども」はどうして平仮名だと思いますか、通告していませんけれども。
○福島国務大臣 御質問ありがとうございます。 このことについて物すごく真剣に考えたわけではないんですが、子どもの問題に取り組む人たちが、「ども」という字をにんべんの「供」ではなくて平仮名にするようになったということを聞いたことがあります。それは、「供」というのが、供するという意味なのかどうなのか、その意味よりは「子」で平仮名の「ども」の方がいいということだと思いますが、私自身も、子どもの権利に関する条約は、今も「子ども」というのは「供」という字を基本的には使っておりませんので、それは、済みません、ちょっと明快に答えることができないんですが。
○泉大臣政務官 これは広辞苑を見るのが一番確実なのかもしれませんが、一般的に、つき従っていく人のことを「供」と書くということでありますので、従属関係ということが明確になってくるということがありますので、子どもの権利条約に伴って対等な存在として認めていこうという流れの中で、そこが多少ふさわしくないんじゃないかという意見だというふうに思っています。
○松浪委員 お二人から完璧な答弁をいただきました。そういいますのも、皆さんお考えになったか、もしかしたら園田先生は、私が昔厚生労働委員会でした質問を覚えていらっしゃるかもしれません。 これはまさに、お二人がおっしゃったように、そのような感覚があるから平仮名にしているわけですけれども、「供」というのは人とともにあるということで、もともとはそういう使役の関係ではなくて、古来、使役される子どもは「わらし」という言葉があったようで、それが使役される子どもを指したそうでありまして、子供の「供」に、供されるとかいうことではなくて、逆に、人とともにあるというようないい意味もあるということです。 ただ、どうして常用漢字をわざわざ平仮名で使っているのかということでありますけれども、これはまさに、おっしゃったように、ある種の人たちが、子どもを供するのはけしからぬとか、それにいわれのないことを言われて、行政の側がたじろいで、結局平仮名にした。何かこんなあやふやなことで常用漢字使わぬでいいのかなと。やはり、ある種の、本当に正しい意見が通っていればいいんですけれども、我々子どもを扱う委員会ですら「ども」と平仮名で書いているということに私は違和感を感じますし、そうなった経緯というのは必ずしも正しいことではないんじゃないかなと思うわけであります。 最初にちょっとなぞかけのようなことで始まりましたけれども、子どもをめぐる現状というのは今大変な状況になっているなと、私も一児の父親として思います。本当に、学校へ行けば、学級崩壊の話を私も地元でたくさんたくさん聞くわけであります。子どもが自我を抑えられない。私が子どものころ、泣いている子どもを見たら、うちの母親が言っていました。泣いている子はかわいそうやな、自分を抑えることを教えられない子どもは、結局、自分で泣かなあかんから、自分がしんどいと。まさに、自己抑制ができないということは子どもにとっても不幸なことであるなと、私も親になってから、最近、母親の言葉が胸にしみるようになってまいりました。 そうした中で、かつての高度成長期の時代には、政府の方も、モデル世帯というものがある程度成り立った。お父さんがいて、まさに主婦がいて子どもが二人。私は男三人兄弟ですけれども、一番下が下なので、ほとんどモデル世帯で育ちましたけれども、周りはみんな、我々が子どものころはまさにそういうモデル世帯というのが成り立って、政治が、最大多数の最大幸福、最大公約を最初に大きくおさめて、それから細やかに政策を打っていくということから考えて、ある種、政策のイメージというのはつきやすかったなと。その分、本当に今、時代は難しい時代になってきたなと思うわけであります。 一般論として、子どもが成長する理想的な家庭環境というのは、我々、やはり政策を打つ前にまずその理想がないと、何となくで政策を打つわけにはまいりません、どのように考えればよろしいでしょうか。
○福島国務大臣 大人にとっても子どもにとっても時間はとても大事ですが、つくづく思うんですが、子どもたちというか、子どもは子ども時代を生き直すことはできないので、子どもの一日一日、一年、二年、三年、本当に大事なときだというふうに思っています。子どもが、個人としての尊厳が重んじられ、社会を構成する担い手としてしっかり生きられる、生きていけるようにすることが重要です。 子どもが成長する環境とすれば、ある程度経済的なことがなければならないと思っています。しかし、その上に、一番大事なのはやはり愛情、人間関係で、植物が水がなければなかなか生きていけないように、子どもは、とりわけ人間の中でも愛情や思いをかけられなければなかなか元気で成長していけないという面があるというふうに思っています。 大事なことは、子どもたちが、家庭を含め、生まれてくる環境を選べないということです。ですから、すべての子どもを応援すると同時に、困難な状況に置かれている子どもたちであっても、社会でしっかり見守り育てていくことが重要であり、一人一人の状況に応じた支援をしっかりやっていきたいと考えております。
○松浪委員 これだけ多様化する中で、離婚率なんかも随分上がっているんですけれども、子どもとして、親がどういう状況にあるのが望ましいか。そう考えると、離婚率の上昇とかいったものについて我々は考えていかねばならないと思います。親子の関係というのは非常に微妙なものがあって、親が離婚するとかステップファミリーであるとか、そういった場合にはやはり家庭を存続させていくのはしんどいなと。 私は幸いまだ離婚したことはないんですけれども、子どもに、パパ、ママ、けんかはやめなさいというふうに言われる、こういうのが本当に実際の家庭のありようでありまして、ともすると、他人と暮らすというのは本当に大変かなというふうに思うわけであります。そこで、まず、子どもが今置かれている現状、そしてこの現状がこれからどうなっていけばいいのかということを私どもはしっかりと把握していかなければいけないと思うわけであります。 そこで、最近、婚外子の問題がいろいろと取りざたされているわけでありますけれども、現状、婚外子の割合というものは、日本と海外を比較する中において、どのように認識されておるか。
○泉大臣政務官 ありがとうございます。 まず、事実関係ということですけれども、毎年この種の調査を政府がしているということではありませんで、平成十六年版の少子化社会白書において国際比較というものをさせていただきました。 それによると、平成十五年時点において、我が国の非嫡出子の割合は一・九三%、欧米諸国が、南ヨーロッパでは低いんですけれども、いずれも日本よりも高い水準でして、スウェーデンで五六%、フランスで四四・三%、イギリスで四三・一%、アメリカが三三・九六%ということで、これは大幅に違うという結果であります。 ただ、一概に、非嫡出子が多いから男女関係が大きく違うとか、そういうことではなくて、例えば届け出に対する考え方の違いもありますでしょうし、結婚に至るまでのプロセスの中で同棲や出産が先に来る、そういった社会の風潮があるということもあると思います。あともう一つ、日本と世界の中で大きく違うのは権利の問題でして、日本の場合、やはり非嫡出子であると権利ということについて随分格差があるということも言われてまいりました。 そういったことを含めて、さまざまな違いがあるというふうに認識をしております。
○松浪委員 ありがとうございました。 まさに今政務官がおっしゃったように、この結果というのは、一・九三%、婚外子が少ないという状況をどう見るのかということ。まさに、先ほどおっしゃいましたように、同棲から結婚に至るプロセスは日本とは大きく違う、文化的な差異があるかと思いますけれども、この一・九三%という数字、他の国に比べて非常に低いというのは歴然としているわけでありますけれども、婚外子の割合が低いということについては、大臣はどうお考えですか。
○福島国務大臣 これに関しては、国それぞれなので。 ただ、私は、婚外子と婚内子になる可能性のある子どもの中絶率のデータを昔見たことがあります。今、ちょっと手元にないんですが。日本は、御存じ、できちゃった結婚はあるけれども、結婚ができない場合は残念ながら中絶という道を選ぶということがありまして、世の中にある差別や、なかなか子どもを育てづらいということもあって、婚外子の出生率が低いことは、むしろ、婚外子がこの社会で生きにくい、あるいはお母さん自身も婚外子を産んで育てることが難しいということをあらわしていると思います。 ですから、この一・九三%がいいとか悪いというよりも、やはりすべての子どもたちが生きやすい社会をつくっていきたいと考えています。
○松浪委員 確かに、中絶の話はなかなかタブー視されがちでありますけれども、一説によれば、公には恐らく三十四万人ぐらいだと私は思いますけれども、大体四十万人ぐらいというのが、いろいろな、やみでの中絶もあると聞いております。 この高さというのは、この子たちがもし全部生まれていれば日本の少子化というものに対してはかなり大きな役割があるなと思う一方で、やはり結婚していない環境で育つ子どもたちの苦悩というものもあるわけでありまして、私は中絶については是としませんが、この一・九三%という数字については、子どもが安定的に育つという意味では、私は一定の評価をしていいのではないかなというふうに思っております。 また、この後、ステップファミリーの割合についてというのをちょっと通告を出していたんですけれども、各省とも、回答できる数字を持ち合わせていないということをいただきました。これも、我々もこの間まで与党にあって、非常に反省をしないといけないなというふうに思います。 といいますのも、ステップファミリーになりますと、血のつながっていない子どもと我々は暮らすということになります。血がつながっていてもこれだけいろいろあるのに、血がつながっていなかったらと思うと、苦労というのは想像に余りあるわけであります。 ですから、このステップファミリーについても、今、アメリカで二割とか行っているというのを何かで読んだ記憶がありますけれども、ステップファミリーがふえることによって、どのように社会が変容し、子どもたちにはどのような影響があるのかというようなことは、これから内閣府としてぜひとも調べていただきたい。 そして、先ほど政務官がおっしゃったように、これは数字だけではなくて、数字だけ比べるというのはある程度の意味しかなくて、その背景にどのような文化的差異があって、そして、結局それがどのような、我々の委員会が所管をしております子どもの虐待問題とかいうことについても当然、高くなることは想像されるわけでありますから、こうしたことについてもぜひともまなざしをお向けいただきたい。ぜひとも、これからの理想の家庭というものを見る上では、そうした分析は必要事項であると私は思います。 もう一つ、今、父子家庭についての助成を随分と強化しているわけでありますけれども、父子家庭、母子家庭、やはり大変なことがあろうと思います。 そこで、一般家庭、父子家庭、母子家庭に育つ青少年の犯罪率との関係について質問いたします。
○樋口政府参考人 今御質問の、各家庭に育つ青少年の犯罪率でございますけれども、警察庁では母数を把握しておりませんので、犯罪率は残念ながら出ません。 ただ、申し上げますと、平成二十一年中の刑法犯少年の検挙人員が九万二百八十二人でございました。この内訳でございますけれども、一般家庭に育つ少年が五万八千九百二十人でございます。これは全体の六五・三%に当たります。父子家庭に育つ少年が六千百三十七人でございまして、六・八%になります。それから、母子家庭に育つ少年が二万四千二百五十七人でございまして、二六・九%でございます。
○松浪委員 この数字、母数がないということでありますけれども、私も何も、父子家庭だから、母子家庭だから親が見ていなくてこんな犯罪が起きるんだと言いたいわけではありません。 しかし、現実は現実としてそれをとらえる必要があろうかと思います。今の数字だけ見ましても、九万二百八十二人のうち父子家庭が六千で母子家庭が二万四千ということでありまして、我々、友人百人おった中で父子家庭の方がその中で六人いるのか、そして母子家庭の家がそんなに大きな、まあ三割ぐらいの割合になるんですかね、そんなにあるのかというと、この数字だけ見ましても、母数をいただかなくてもその困難性ということは冷徹に、我々はそれを謙虚に真正面から受けとめる必要があろうかと思います。 そこで、最近は夫婦別姓なんかの流れもあって、大臣も推進論者のお一人としてそれは伺うわけでありますけれども、結婚制度に対するハードルというのは日本の場合は高いと言えると思います。逆に言えば、結婚しているから、法律婚をしているからメリットが多いというような制度になっているとも言えると思うんですけれども、この結婚制度、本来その意義はどういうものなのか、どういう認識をされているか、大臣に伺います。
○福島国務大臣 これは以前もお答えいたしましたが、結婚とは、両性が夫婦として共同生活を行うことにおける法的な契約というふうに法律上考えられております。 そして、憲法は、二十四条一項に、「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。」と規定をされています。我が国の婚姻制度は、戸籍法の定める届け出を行うことによりその効力が生ずると民法七百三十九条で決めております。 ですから、結婚制度ということでいえば、そのもとで両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有して対等の立場でやっていく、そういう社会の中の重要な制度だというふうに考えております。
○松浪委員 大臣、私は今、青少年特委で質問をいたしております。大臣は今、結婚制度の意義、両性の共同生活、そして夫婦が同等であるということをおっしゃった。まさにこれは大人の論理でありまして、夫婦がおれば子どもが生まれる、そして、この子どもにとって結婚制度というのはどういう意味があるのかということにお触れになりませんでした。 子どもにとっての結婚制度というのは、どういうふうにお考えですか。
○福島国務大臣 子どもは生まれてくる環境を選ぶことができません。母子家庭のうちになるかもしれませんし、父子家庭かもしれません。非婚の母という、生まれたときにそういう家庭もあるわけですし、両親がいる、あるいは、それこそ今委員がおっしゃったステップファミリーの中の子どもということにもなるわけです。 ですから、子どもにとっての結婚制度の意義というよりも、子どもにとって、父親と母親に愛情をきちっと注いでもらう環境をきちっとつくっていくことが大事だと思います。例えば、離婚したとしても、父親であり母親であることは変わりはありません。ですから、養育費は法律上払うべきですし、子どもに対するケアというのもとても重要です。 ですから、子どもにとって安定した、子どもを守る環境が必要だし、その環境に関して大人は責任を持つべきだと考えております。
○松浪委員 大臣が今おっしゃった養育費の問題、愛情の問題、理想としては理解できるわけでありますけれども、自分を振り返っても、これは本当になかなか大変なことであろうなと。やはり政府としては、大多数の子どもは、大臣おっしゃるように本当に選べないわけですから、結婚制度は子どもを安定的に育てるための仕組みの一つであるというふうにとらえるべきではないかなと。 子どもの立場からいえば、結婚制度は安定しているべきだと私は思いますけれども、大臣、いかがですか。
○福島国務大臣 もちろん子どもにとって安定した環境が大事で、自分の足元が割れていくような感じは子どもにとってもなかなか大変だということは理解ができます。 ただ、実際、親がドメスティック・バイオレンスに遭っているのを見ている子どもの精神的なPTSDなども言われておりますので、むしろ実質的な子どもを支える環境、これは貧困の解消もありますね、子どもの貧困、親の貧困、女性の貧困をどう解決するか。先ほど委員がおっしゃった、母子家庭における犯罪率が多いのも、私は端的に、やはり貧困の問題だと思います。母子家庭の平均年収は、児童扶養手当を入れなければ百六十万なんです。 ですから、私は何が大事かといえば、子どもを取り巻く実質的な環境、経済的な面、愛情の面、それから問題が起きたときの解決をきちっとやっていくことなどをきちっとやるべきであって、結婚というのは、それが安定的であった方がもちろんいいわけですけれども、結婚制度の外にいる子どももいますし、親が結婚の中でDVやさまざまな理由から離婚する場合もあるわけですから、こういう環境でなければだめだというよりも、その子どもが生きざるを得ないさまざまな環境を大人たちが支援していくという視点が大事だと思います。 もちろん、子どもにとって安定的な環境を親ができれば維持していくことは大事だと思います。しかし、結婚制度の中で、子どもを産まないカップルも、望まないカップルも、残念ながら子どもに恵まれない関係もあるわけですから、結婚制度と子どもをすべて関連づけることもできないと思っています。 ただ、多分、申し上げていることは共通で、子どもを取り巻く環境が安定的で恒常的であることは確かに望ましい、しかしそれが実現できない。実質的なことが重要で、それを私たち大人と政治がしっかりサポートする仕組みをつくっていきたいと考えています。
○松浪委員 目指している方向は一緒だと思うんですけれども、ちょっとアプローチが反対かなというような。 つまり、今、離婚率がどんどん上がっているわけでありまして、離婚が多くなるから母子家庭もふえる。DVとかいろいろな問題はあるけれども、昔と相対的に離婚率が上がってくるということについて、離婚率はこれから上がった方がいいのか、それとも、どうなんだろう、これは。 離婚率というのはどういうふうにお考えになりますか。
○福島国務大臣 これは、それぞれの夫婦が判断することです。その結果、離婚率が減ることもふえることもあると思っています。 私も、弁護士で離婚をしたらいいかどうかという相談を受けるときは、もう少し頑張ってみたらと言うこともありますし、いや、そこまで決意をされていて、そこまで問題があるんだったらと言うこともありますので、それは本当に、正直言って、一人一人の、二人のケース・バイ・ケースの課題だというふうに思っております。
○松浪委員 私も、それぞれの離婚はプライベートなことでありますので、離婚がふえるとか減るとかいうことについては、それは善悪の判断を超えていると思うわけであります。個々の判断だと思うんですけれども、少なくとも、離婚率が上がる社会においては子どもは生きにくくなるということは、我々は共通に認識をしておかなければならないと思います。 先ほど、婚外子の問題で政務官の方から、スウェーデンは五六%が婚外子だというお答えがありました。スウェーデンというと、我々は、福祉の国ですばらしい、権利の国だというイメージがあるんですけれども、スウェーデンは極度に夫婦別姓も進め、そして福祉もがんがん進め、個人主義がとても花開いた黄金の時代があったわけですけれども、昨今、ある本を読みますと、スウェーデンの百歳を超えた高齢者の皆さんに大学生がアンケートをしたということがありました。それでの一位の答えは何だったか。福祉がよくなったとか、この国は本当に個人主義でいい国になったというよりも、その一位の答えは、家庭が、家族が崩壊したという答えだったそうであります。 こうしたスウェーデンなんかにおける、個人主義が進んでいくと家庭がここまで崩壊するというような負の面があると思いますけれども、そういった面について何か御意見はありますか。
○福島国務大臣 ヨーロッパ、スウェーデンやフランスも離婚率は高いわけですが、スウェーデンの社会、山井さん自身がスウェーデンに留学をされたわけで、私は専門家ではないんですが、何度かスウェーデンに行き、少なくとも勉強したり行政を訪問して思うのは、スウェーデンは、個人主義の国というよりも、バイキングの伝統なども含む支え合いを非常にやっている国、地方分権の国であり、かつまた民主主義を非常にやろうとしている国だというふうに思っております。 ですから、個人主義ということだけでスウェーデンを考えるより、やはり税や社会保障、そして透明性、民主主義を地方分権も含めてどう実現していくかというところは、大いに学べるところはあるのではないかと思っております。 また、御存じのとおり、スウェーデンはサムボ法という事実婚に関する法律があって、法律婚と余り段差をつけていない。フランスもパックス法をつくって、法律婚と事実婚に余り差を設けていない。ですから、むしろスウェーデンやフランスの婚外子の出生率の多さは、事実婚の中で子どもが生まれる、たまたま届け出は出していないが、恒常的、継続的な親子関係がしっかりしていて、そのもとで子どもが生まれるというふうに思っておりますので、日本でいう母子家庭、父子家庭という概念とは違うようにも思っております。 それぞれ国は違いますから、同じパッケージを持ってくることはできませんが、ただ、学べるところはしっかり学んでいく必要もありますし、問題があるところはしっかり私たちも問題だと認識して、日本の社会で施策をやっていくことが大事だと思っております。
○松浪委員 高齢者の方々がそこまで心を痛める家族の崩壊とはどういうものであったのかということは、特に政府の方で詳細に分析をされて、しっかりと政策に反映していただきたいと思うわけであります。 次に、きょうは家族のあり方ということで伺っているわけでありますけれども、大臣は、夫婦別姓について非常に積極的にこれまで発言をされておるわけですけれども、この夫婦別姓についての考え方を伺いたいと思います。
○福島国務大臣 選択的夫婦別氏制度は、御存じ、別氏を強制するものではありません。現行法制下で、結婚に際して、どちらか一方が必ず、民法七百五十条に基づいて氏の変更をしなければならない。支障を感じている人々に対する選択肢の拡大という観点から、選択的夫婦別氏制度は必要だと考えております。 また、私も、実は弁護士として、国立大学の教授が、戸籍名を強制しないでほしい、大学で通称を使えるようにしてほしいという裁判を、一九八八年十一月二十七日、東京地方裁判所に提訴し、ほかの弁護士と一緒にその裁判をやりました。東京高等裁判所で和解が成立して、決着をつけたわけですが、その長い間、いかに通称使用というものが大変かということを思いました。和解においても、戸籍名を使える名前の例、通称名を使う名前の例、戸籍名括弧通称、通称括弧戸籍も使える、何百という名前を全部はめ込んでいくという、和解だけでも物すごく大変でした。 例えば、今、結婚して通称使用している人も多いわけですが、パスポートなどの身分証明は多くが戸籍名ですし、住民票も戸籍名です。口座を開設するときは、今、振り込め詐欺を防ぐために戸籍名でなければならない。あと、パスポートと航空チケットが戸籍名で通称使用している人がとても困るとか、あるいは学者、それから同窓会名簿、そういうことを含めても、非常に大変だという話も聞いております。 その意味では、これは選択制ですので、ぜひ御理解をいただきたいというふうに思っております。
○松浪委員 今は青少年特委でありまして、私も、夫婦別姓は子どもの観点から質問しているわけであります。 夫婦別姓については、法制審議会の答申などもあるわけでありますけれども、これは子どもにとっては夫婦別姓ではなくて親子別姓ということになるわけでありまして、あくまで家族というものを子どもの視点から考えていくべきではないかというふうに私は思います。 そこで、審議会の答申の位置づけについて、これには親子別姓、子どもの視点から、夫婦別姓はどのような影響があるのかとか、これを入れることによって、今後結婚のハードルを下げていくんだとか、そういうような観点というのは答申に含まれていると思われますか。
○福島国務大臣 済みません、それは答申を法制審議会がおやりになっているわけで、法制審議会の答申そのものについて、私が大臣としてコメントする立場にはないと思っております。
○松浪委員 私は、まさに大臣にコメントしていただかなければならないと思います。 というのも、内閣府は、子どもの問題を政府全般として所轄をしている委員会であります。まさにそれは縦割りの思想でありまして、この夫婦別姓というのが親の権利だけで成り立っているのであれば、少子化担当大臣として、子どもの視点での審議が欠けているんじゃないかということを政府部内でおっしゃるのが、まさに少子化担当大臣の仕事であると私は思いますけれども、いかがですか。
○福島国務大臣 法制審議会の答申そのものはかつて出ているものですから、それがどういう射程距離を持ち、どう考えているかについてコメントする立場にない。つまり、私がその答申をやった人間ではないのでと思っております。しかし、選択的夫婦別姓ということが、親子別姓ではないか、子どもの観点からどうかという御質問については、その観点からお答えしたいというふうに思っております。 確かに親子別氏になるわけですが、これは夫婦別姓、別氏、法律上は氏と言った方がいいかもしれない、夫婦別姓、そして親子が、どちらかが違う姓になるわけですが、私は、それは子どもにとって特に問題が生ずるとは思っておりません。 なぜそういうことを申し上げるかといいますと、親子で姓が違うことは、弁護士としてもそうなんですが、たくさん見てきました。例えば、結婚をしたら、今、大体九七%、妻が姓を変えています。離婚して、お母さんは旧姓に戻る、子どもはそのままお父さんの姓を名乗り続ける、名前が変わるのが嫌だとかいろいろな理由で。ですから、離婚した場合、母親が婚氏続称という手続をとらない限りは、子どもと姓がほとんど違うわけです。それは離婚のケースですが、こういう場合もある。 また、例えば養子縁組をおじいちゃん、おばあちゃんとすれば、子どもと親の姓は違うわけです。国会議員の方たちにもそういう方たちは結構いらっしゃいますけれども、親子別姓、親子で氏が違うということは現状でもあるわけです。ですから、私たちのこの社会は、離婚もふえておりますし、親子別姓というのはあるわけです。 私も、夫婦別姓というのも爆発的にふえるとは思っておりませんが、その場合に、子どもと親で姓が違うということを異端視したり変わっていると言わない社会をつくるというのはいいと思います。現状においても、母親が通称使用をしている場合は、子どもとお母さんの姓は違うわけです。 個人的なことですが、私も娘と姓が違いますが、そのことで何か問題が起きたことは一切ありません。
○松浪委員 それで問題がないのであれば、私は通称使用で大丈夫なんじゃないかなというふうに思います。 例えば、子どもの立場で見れば、学校へ行って、姓というものが、私なんかは田舎で育ちましたので、離婚している親の子というのはいなかったわけですけれども、これがどんどん進んでいきますと、山田君のところは、お母さんは離婚してへんけど姓は違って何とかでというふうにして、非常にややこしい。子どもにとっては混乱は確実に生じるんじゃないかなというふうに私は思います。 また、家族の一体感ということについては、これは考え方は非常に違うと思いますけれども、やはりそこには、大臣は家制度というものは完全になくした方がいいんだと思われているかもしれませんけれども、ある種の一体感、ルーツとか、そういったものを持ち続ける上でこれは大事だなと私は思います。 ですから、お墓などの問題についても、私も最近は、家内と娘を連れて墓参り、両方、両家に行きますけれども、これは何々家の墓というのでなくなる。当然、名字というのは我々も、大臣は本当にお詳しいと思いますけれども、明治以降の文化ではありますけれども、ある種の一体性というのがあったと思います。 こちらの、大臣の「楽しくやろう夫婦別姓」というのを私は読ませていただいたんですけれども、ちょっとお墓の記述もありました。これのお墓の感覚というのは、「日本のお墓はめったやたらと暗い。 ハワイのパンチボウルなどは、「これがお墓?」というくらい、明るく美しい。思わずねころんでみたくなるような、一面のみどりの芝生。」、寝転んで、ちょっと怒られそうですけれども、「みな平等の大きさで芝生の中にうめこまれた石。どこからどこまでがどの死者の敷地——なんていうのがない。 なぜ日本のお墓が暗いのか。それは、墓石の黒さだけによるのでなく、お墓の中に、序列・競争心・権威がプンプンただようからだ。 広さを競いあう一つひとつの区画、高さ・大きさを競いあう墓石、そして、きわめつけは、「○○家の墓」という、あの家を誇示する表示。」ここまで日本のお墓のことを言っている。 私は、はっきり言って、こういう感覚を、これを読むまではお墓で感じたことはありませんでした。お墓というのは、大きさがどうであっても、本当に、うちの墓なんかも周りがむちゃくちゃですので、古いものは小さかったりとか、人間の背が高い低いぐらいの違いなんじゃないかなと。 また、墓が暗いというよりも、厳粛な雰囲気の中で先祖に手を合わせるというのは、これは日本の文化だと私は思うわけでありまして、こういうところにまで権威とかそういうものを嫌悪するような思想を持って家を嫌うというようなところが、やはり随分と大臣の感覚、ちょっと特殊なんじゃないかなと私は思いますけれども、いまだに、これは書き過ぎたなと思っておられるとか、そういうことはないですか。
○福島国務大臣 私の記憶、ちょっと手元に本がありませんが、共著で書いておりますので、そこは私が書いたというより、ほかの共著者が書いているというふうに思います。 ただ、今おっしゃいましたお墓の問題は極めて重要で、御存じのとおり、むしろ今、個人墓でしかないとか、あるいは個人墓に入りたいとか、お墓のあり方も実は明確に多様化しています。 それと、御存じ、お墓と氏のことは民法上関係がありませんで、これは祭祀承継という条文の中でありまして、氏とお墓の承継者というのは、法律上は全然別のものです。 むしろ、私は、女の子ばかりの家庭から、何々家の墓というのがなくなってしまうので、何とか別姓にしてほしいという訴えも実はたくさんもらっています。ですから、逆に、その氏でなければそのお墓に入れないとかいう考えではなくて、名前を変えたらそのお墓には入りにくいとかいうのではなくて、やはりそれも選べるとか。 それから、私たちのテーマでありますが、これから少子化の時代に、一人の子どもが六つ墓を守るみたいな時代も来たり、子どものいらっしゃらない人たちもいるので、お墓のあり方も実は多様化している。御存じ、その本を書いた以降は随分また変わって、でもそれは共著ですので、クレジットで申し上げておきますが、前は散骨については極めて否定的だったんですが、散骨というあり方も出てきたり、お葬式のあり方、お墓のあり方も、御存じ、今大変デザインも書き方も、無と書いてあったり、いろいろな書き方があります。 私が申し上げたいことは、お墓のあり方も変わってきている、埋葬の方法も変わってきている、氏とお墓は法律上必ずしも連結をしていない、少子化の中にあって、お墓のあり方もしっかり見直すべきだ、見直さないと維持できないというふうに思っております。 私も福島家の墓というのが宮崎に、父が入っているお墓、祖母が入っているお墓もありますし、その意味ではそれぞれ大事だというふうには思いますが、それはまた人が、さっきのライフスタイルと一緒で、では、名前を変えた女の人は実家の墓をお参りしないというわけではありませんから、その意味では、お墓の多様性、それぞれが自分とゆかりのあった人に思いをはせるというのはさまざまな方法であっていいというふうに思っております。
○松浪委員 現実に、家族のあり方というのは本当に慎重に考えないといけない。 私なんかも、父親は次男でサラリーマンでありますので、我が家には仏壇がないというような状況でして、毎日手を合わせられる、これは最近、娘の教育のために家に仏壇ぐらい欲しいなと思うぐらいですけれども。昔は自然に先祖を敬うという姿勢があったわけで、やはりそういうことも家族のあり方として、今ばらばらになっているというところで、私はもう一度見直すべきじゃないかなというふうに思うわけであります。 そこで、ちょっと話が変わるんですけれども、これは内閣府ですので。 我々、薬であれば、薬を承認するときに、これはどんな副作用があるんだというのは徹底的に検証されるわけであります。本当に徹底的に、フェーズ1、2、3と検証して治験を重ねて、これでもかこれでもかというぐらい調べる。しかし、残念ながら、法律においてはそういうことがないがしろにされる面がある。特に、それが大きいのは個人情報保護法だったんじゃないかなと私は思います。 個人情報保護法が施行されて以降、これは当然我々が与党時代に通した法律でありまして、私はこれの特別委員会にも所属をしておりましたけれども、本当に一番反省せねばいかぬなと。今我々が生活をしていて、これが施行されて以降、PTAの名簿ができないとか、自治会の名簿ができない。個人情報が、これは五千件以上の企業とかそういったものに必要なものだというような感覚がなくなっている。タウンページですら個人情報だと。我々、ここへお座りの皆さん、特に感じていらっしゃると思います。政治は適用除外なのに、個人情報だから出せないと言われる始末でありまして、非常にマイナスが多いわけであります。 個人情報の過保護が国を滅ぼすなんという本が出ているぐらいでして、これは本当に反省しないといけないと思いますけれども、こうした個人情報保護法の副作用についてどうお考えでしょうか。
○田中政府参考人 まず、法の状況について御説明させていただきます。 御案内のように、個人情報保護法では、すべての利用を禁止しているわけではなくて、五千名以内の名簿に関しては適用除外ということで施行されております。 しかし、このことが周知されていないために、いわゆる過剰反応という状況が起こって、自治会の名簿あるいはPTAの名簿をつくるに際して、これは個人情報保護法違反なのではないかという議論がたくさん起こりました。 実は、法施行後三年後の見直しということで、今消費者庁がこれを所管しておりますが、以前の内閣府の国民生活審議会において審議していただきまして、過剰反応に対応することが必要だということで、それを受けまして答申を得まして、平成二十年四月二十五日に個人情報の保護に関する基本方針の一部を改正して、過剰反応が生じているという現状を政府が認識しているという点を明確にした。したがって、それに対する対応をするということを明記しました。これに基づきまして、私どもとしましては積極的な広報啓発活動に取り組んでございます。 直近では、昨年十一月からことしの一月までの間に全国十三カ所で説明会、具体的には、地方の活動をしておられる自治会の方、学校、PTA、自主防災組織、民生委員、児童委員などの方々、全国十三カ所で三千名強来ていただきましたけれども、そういう方々に、いわゆる個人情報保護法ではなくて、そういうPTAの名簿なり自治会の名簿というのはつくれるんだということを懇切丁寧に御説明しているところでございます。 〔委員長退席、園田(康)委員長代理着席〕
○松浪委員 ありがとうございました。 ただ、私が今申し上げたいのは、何とか自治会名簿をもう一回つくってくださいよということは大事なことなんですけれども、我々の深層心理の奥底に、私らも昔、レストランへ行って、あめちゃんを一個くれるのやったらと、アンケートに答えたらあめをくれるぐらいで書いていたんですね。何かを送ってきてくれるというだけで名前を書いたのに、でも、もう今、送ろうという気に私はならない。何か名前を書くことに、私みたいに個人情報保護法でこんな副作用があるやないかと言っている私自身の心にもう既に埋め込まれた猜疑心を消すのは大変難しいなと。本当にしっかりと、法の副作用というのはこんな副作用があるんだということは重々検証せねばならないと思います。 そこで、さっきから大臣がおっしゃっているように、別姓制度というのは、家族のあり方にも本当に大きな変化を与えることになるわけであります。ですから、例えば、法務省は子どもの視点がないんだから、少子化担当大臣としては、もし親子別姓になって、大臣はそんなに影響ないじゃないかとおっしゃるんですけれども、そうしたことについてどんな影響が出るのか、そうしたシミュレーションはすべきじゃないでしょうか。
○福島国務大臣 それは検討すべきだというふうに思っております。 ただ、家族がとおっしゃいますが、それはまた、私も弁護士として、夫婦同姓で仲のいいカップルもいれば仲の悪いカップルもあれば、仲のいいときもけんかをするときもある。夫婦別姓も、けんかをするときもあれば仲のいいときもあるので、夫婦別姓になると家族のきずながということではなく、きずなというのはやはり具体的、実質的なものですから、それはそれぞれだというか、夫婦別姓が家族を壊して夫婦同姓だと守れるというのは違うのではないかと思っております。 先ほどの個人情報保護法の件なんですが、それはもうおっしゃるとおりで、そういう懸念もあり、当時私たちは野党でしたが、特別委員会で反対をしたと思っております。そういうことはやはり起こり得るということを認識し、そういう面、情報が、メディアに対して、あるいは名簿に対して非常に萎縮作用が起きてしまうんじゃないかという点は当時からも言われていて、そのことに基づいても反対をいたしました。 今、消費者庁としても、個人情報保護法の管轄ですので、しっかり審議をして、その問題、過剰適用の場合については、そうでないんだということを、今松浪委員がおっしゃったとおりでありまして、それについてはしっかり検証していきたいというふうに考えています。 〔園田(康)委員長代理退席、委員長着席〕
○松浪委員 ありがとうございました。その点はぜひともしっかりと認識をいただきたいと思います。 あと、先ほどの問いに戻るわけでありますけれども、今後、親子で別姓になった場合の影響は見ていくとおっしゃいましたけれども、それは具体的にどのようなことを、何かなされるというのはありますか。
○福島国務大臣 今はちょっと、具体的には考えてはおりません。
○松浪委員 ちょっと寂しいあれでありました。 我々は、価値観というのはやはり政治がどこかに引くべきものでありまして、この価値観は、我が国の文化においてどのようなところで引いていくのかというのがあります。ですから、個人の権利は当然平等であります。しかし、完全な自由というのは存在しない。その中で渡りをつけていくのが我々政治家の仕事だと思います。 ですから、例えば個人の権利は必要だということになって、今後、少子化担当大臣がおられますけれども、アメリカなんかでは大統領選でも、同性同士のカップルというのが法律婚であるべきかなんというのが話題になるわけでありますけれども、大臣は、これについては、日本ではどうお考えですか。
○福島国務大臣 ゲイの人たち、同性愛の人たちが日本の社会でなかなかカミングアウトができないという状況や生きにくいという状況については、大変理解をしております。選択的夫婦別姓がまだ国会で成立していない状況ではなかなか難しいと思いますが、この国会の中では、例えば、性的マイノリティーの問題に関して言えば、御存じ、性同一性障害の人たちの法律をつくり、改正も行いました。 ですから、少数者の人たちかもしれないんですが、この社会の中で生きがたいことを、例えば、その人たちは、異性愛のカップルと違って、一緒に住んでも養子縁組する以外に例えば相続人にすることはできませんし、なかなかそれを外に出すことができませんので、やはりなかなか大変な思いをしている、あるいはなかなかカミングアウトができないということを大変聞いています。 先日も、ホットラインをやりましたら、八十歳の女性から、生まれて初めて自分が同性愛だということをきょう言えるわ、一切、もちろん言えなかったと。ですから、潜在的には多分いらっしゃるんですが、なかなか言えないという現状があります。 そういう、マイノリティーだけれども生きがたいというふうに思っている人たちに対してどうあるべきかという議論は大変不足していますが、そういう議論を、生きがたい社会がどうしたら生きやすくなるかという議論は必要だと考えております。
○松浪委員 この問題も、御本人たちにとっては大変深刻な問題だと思いますけれども、やはりそれについての社会のコンセンサスというのが、どこまでいっても必要になってくると私は思います。 極端な話、同性愛の方々の事実婚を認める。事実婚を認めれば、ではこれはカップルなんだから、カップルになったら、今度は同性愛の方も子どもを持つ権利があるんじゃないか。特別養子縁組で、お父さんお母さんというのかわかりませんけれども、両親はともに男だとか女だとかいうことになっても、私たちは、生きにくさとかそういうことを考えれば歯どめはきかないと思いますけれども、例えば、そういう極端と思っていても成り立つということはあります。 その生きにくさという観点から、大臣は、同性カップルが養子を持つということについてはどうお考えですか、特別養子縁組等。
○福島国務大臣 まだ同性の人たちの事実婚を認める法律も、そのこと自身をしっかり議論したこともないので、それについてはコメントを控えさせていただきます。
○松浪委員 我々は、どこかで線引きをしっかりとしないと、やはり行き着くところは、スウェーデンを見るまでもなく、本当に各権利を、生きにくさというところは考慮しながらも、ばらばらな社会をつくってしまうと、それこそ社会の一体性がない。これだけ少子高齢化が進んでくると、それを社会で面倒見るんだといっても、その社会で面倒を見るツケはやはり子どもに回るわけであります。今、我々、政府の政策を見ていると、当然、そうした生きにくさとかさまざまな細やかなことをやっていると支出が膨らむ面もあるわけでありまして、そうしたことも踏まえて、本当の意味での子どもの将来をお考えいただくことをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○池坊委員長 次に、吉泉秀男さん。
○吉泉委員 おはようございます。社会民主党の吉泉秀男でございます。 宮崎県川南町から発生をしました口蹄疫、まさに、きのう、きょう全頭処分、子どもたちも含めて、命、そしてかわいそう、こういうことが今、国内全体で、口蹄疫を見まして大きく話題になっているんだろうというふうに思っています。 そして、今の学生、奨学金、この返済、この点についても今大きな問題点という状況の中で、この奨学金制度の拡充を求めて運動も広がってきております。厳しい経済状況の中で、学生生徒の生活を直撃し、命綱である奨学金制度、このことが今、奨学金返済を三カ月滞納するとブラックリスト化される、こういう現状の中から、私についても、いろいろな相談、さらには集会の御案内なり来ているところでございます。 福島大臣、大学の初年度納付金、国立八十二万円、私立百三十万円、国際的に見ても際立っております。世界一高い教育費と言われております。私たち地方に住む者にとって、大学進学、奨学金、欠かせない制度でございます。あるT大学政策研究センターの調査では、年収二百万未満の家庭での四年制大学進学率二八%、一方で、一千二百万以上の家庭では六二%と、親の収入で子どもたちの人生が左右をされる、格差が親から子どもに引き継がれている現状でもございます。 教育を受ける権利、教育の機会均等、この名のもとに、奨学金制度がこの間果たしてきた役割は非常に大きいもの、私はそういうふうに認識をしております。そして、奨学金そのものの利用、このものが拡大をしているのが現実でございます。 しかし、今学生支援機構は、遅滞があると取り立て強化策などを進め、奨学金制度が持つ本来の機能、このことが今大きく後退しようとしているのでございます。これは、有利子の拡大、利率の引き上げ、そしてまた回収そのものの取り立て、こういった方向で、民間資本の拡大など、〇六年の骨太の方針を転機に公然と打ち出されて、その方針のもとに着実に今進められているというふうに思っております。 大臣、今経済が低迷している中で一番やらなければならないのが、人材に投資をすることだろうというふうに私は思っております。あらゆる産業に優秀な人材を送り込む、このことが大事だと思っております。親の収入で人生が左右をされ、そして学びたいけれども学べない、こういう社会であってはならない、こういうふうに思っております。 新しい政権のもとで、子ども手当、高等学校授業料無償化、そういう一つ一つ教育の基盤的条件が強化されてきている中で、奨学金制度も教育の基盤的条件である、私はこういうふうに思っております。 そんな面で、大臣の奨学金制度に対する認識、このことについて、まず冒頭お伺いさせていただきます。
○福島国務大臣 おっしゃるとおりで、親の財布の大きさが子どもの未来を決めるということではない社会をやはりつくっていくべきだと思います。学ぶ意思のあるすべての子どもや若者が経済的な理由により希望する教育を断念することがないよう、さまざまな支援策を講じていくことが必要です。その中でも奨学金制度は有意義であり、その充実は重要です。 六月上中旬をめどに策定を予定しています子ども・若者ビジョンにおいて奨学金の充実を含めた施策を具体化できるよう、関係省庁と調整をしながら取り組んでいるところです。
○吉泉委員 一遍通りのものの答弁だというふうに思っております。 政務官、きょう来ておりますけれども、少しこの奨学金の問題で質問させていただきたいというふうに思います。 前の政権が〇七年の十二月二十四日閣議決定をしました独立行政法人整理合理化計画の中で、日本学生支援機構に、有利子、金利三%上限の見直し、回収事業などの民間委託の推進、そして〇八年度中に回収率向上の改善策を示すよう促して、そして同年の六月十日の奨学金の返還促進に関する有識者会議の報告では、遅滞率の高い学校名の公表、延滞債権の民間委託、滞納九カ月で法的措置を実施する、滞納三カ月で個人信用情報機関への通報、いわゆるブラックリスト化、こういったことをこの有識者会議の報告の中で求められたのでもございます。 私の手元に「法人化移行後の返還促進のための主な対応について」というペーパーがあります。これを見ると、既に今、奨学金返済の回収向上に向けて実施を現在されている、こういう状況だろうというふうに伺います。 そんな中で、今どんな返済回収手だてがとられているのか、このことについて政務官よりお答え願いたいと思います。
○高井大臣政務官 お答えいたします。 奨学金事業は、委員御指摘のとおり、また福島大臣からも御答弁ありましたとおり、社会全体で子どもの学びを支えるという点からも大変重要な事業でございます。そうした点に加えて、日本学生支援機構の奨学金事業自体、やはり国がまず資金を提供し、それから機構が奨学金の貸与主体となるとともに回収の第一義的な責任を負う、それから大学が具体的な奨学金貸与の手続や受給をする、個々の学生に対して指導を行うという、三者一体でやっている事業でございます。 そういう中で、我が政権としても、平成二十二年度、充実を図ったところでありますが、同時に、この奨学金事業自体、返済金を原資として次の生徒に貸し出す、効果的かつ効率的に回収した上で次の世代の学生さんのために奨学金の原資を確保するという大事なことがございます。そういう点からも、委員御指摘あったとおり、前政権下でこうした有識者会議で提言された今の点、それも私どもも承知した上で、教育政策として行っている奨学金事業の原資をある程度きちんと確保するという観点からも、ある程度の回収事業はちゃんとしていかなきゃいけないというふうには考えているところであります。 そして、返済が困難な、延滞をしているという方のために、この方々の中にも、経済的理由によって本当に返済が困難な方と、返済できるのにかかわらずしていないという方がいるのではないかということから、本当に返済が困難な方については、返済猶予の手続がしっかりととられるように周知徹底を今しているところでございます。一方、余裕があるのに返済をしないという滞納者について、個人信用情報機関の活用と法的措置等による回収強化というものを図りながら、めり張りのある適切な対応を図っていきたいというふうに思っているところでございまして、まさに経済的理由によって返済が困難な方々に対しては、毎月の返済額を減額するというようなことにより返済者の負担軽減を図る減額返還制度というものの導入を目下検討しているところでございますので、ぜひ御理解なり御支援なりいただければありがたいと思います。
○吉泉委員 もう少し具体的に御答弁をお願いしたいんですけれども、遅滞、いわゆる返済が滞る、卒業して、そしてそこの出身の学校、大学、このところの学校名を、大学名を公表する。それから督促、三カ月、一年、こういう中で返済金が滞っている方について、民間業者をお願いして催促に行かせる。ましてや、ブラックリストに上がる。こういうことが、現に私のこの工程表の中では、これを見るともうやられているような、今そういう状況であるんですよね。実際今やられているのかどうか、そのことを今お聞きしているんです。
○高井大臣政務官 延滞率の改善が進まない学校名の公表については、公表を検討するということが会議で出されましたけれども、現に日本学生支援機構が、大学関係団体との協議や大学関係者が出席する会議において意見交換を進めているというのが現状でございまして、具体的に実施するかどうかは、いつからやるかどうかについてもまだ決定をしておりません。まだやっていないという現状でございます。
○吉泉委員 今の現状の中で、私の調べの中では、学校の公表というのは、まだそのところの基準を含めて検討なされているというふうにお伺いしておるわけでございますけれども、ただ、いわゆる催促をする、そういったところについては、もう既に民間業者にお願いをして、そしてその業者の人たちがそれぞれ遅滞している人方に対して当たっている。こういう状況というものについて、今もう働いている人であるわけですけれども、仕事がない、そういった人たちが、何でこんなに督促みたいな形で来るんだろうか、こういうふうな疑いなんかも出てきている、こういう状況でもございます。 しかし、学生支援機構の調査でも明らかにしているわけでございますけれども、奨学金を延滞している、この部分の状況を調査で報告しているわけですけれども、八四%が年収三百万円未満、こういう人たちだ。そしてまた、遅滞の理由の上位が、低所得者、所得がないために、低いために返せない、これが約四割。そしてまた、親の債務、親の借金を、この部分も背負っている、こういうふうな状況の中で、これもやはり四割近い、こういう状況にもなっております。そういう中で、返すのは当たり前、でも返したくても返せない、こんな思いを持っているという状況が今どんどんふえている、こういう状況でもございます。 そして今、同意書、いわゆる奨学金を借りる申し込みのときに同意書を添付しないと貸さない、こういう状況が出ているわけでございますけれども、これは学生にとって、また親にとって、大変厳しいなというふうにも思っております。ましてや、三カ月この部分が滞納すると、そういう意味でブラックリスト化、こういう中において、住宅ローン、クレジットカード、こういうふうにリストがなれば、もう五年間はこの部分について消えないわけでございますから、そんな面の中で、私は、この同意書問題というものについて非常に大きな疑義を持っているところでございます。 奨学金制度は、返してもらえるかもらえないか、こういうふうな形で、嫌々貸すとか、絶対返してもらう、そういう金だから、学生に、親に念書を突きつける、こういうふうなものであっては、奨学金制度そのものの趣旨からいえば違っているんだろう、こういうふうに私は思っていることでもございます。そして、そういう状況の中で有能な若者が埋もれてしまう、こういうことになってはならない、こういうふうに思います。 私は、今大臣がお話ありましたように、奨学金、このことについては、まさに教育の均等、そしていわゆる所得の格差、こういうふうな状況の中で、学び合いたくても学べない、こういった部分を補完するものであって、そしてこの奨学金というものについては、基本的には、当初出てきた無利子、この部分が一つの大きなポイントであったわけですし、今の現状からいえば、無利子ではなくて利子をどんどんつけてくる、こういうふうな一つの制度にもなってきているのでもございます。 そんな面の中で、私は、一刻も早くこの奨学金制度、このものについて、文科省として直接携わる部分ではあるわけでございますけれども、ここの学生支援の機構、この部分の中でやっている、そしてその背景というものが、まさにお話ししました〇六年、〇七年、〇八年、前の政権において、いわゆる財政問題、これに絡んだ一つのものとしてどんどん改悪をされてきたんだろう、こういうふうに思ってもいるわけでございます。だからこそ、私は、今の現状の中において、この奨学金制度、このものが、大学生活、そして将来的な部分については本当によかったな、こういうふうになっていただく、そういう制度にしてほしいのでございます。 そんな面で、政務官の、奨学金制度の改善、このことについて、今のブラックリスト化の問題も含めて、少し改善策の余地があるのかどうか、このことについて答弁を求めて、終わらせていただきます。
○高井大臣政務官 御指摘ありますとおり、日本学生支援機構のこの延滞者の特定調査という中で、これは平成二十年の十二月に実施されたものですけれども、この延滞理由として、本人の低所得、これが三九・六%、失業、無職二〇・八%、病気療養一〇・三%など、まさに大変厳しい状況にある学生さんというか働き始めた方がふえているというのは、我々もとてもよく認識しております。委員の御指摘のとおりだと思います。 その上で、払えない方々をどう助けるかということの中で、奨学金の返済猶予制度というのをきちんと設けておりまして、まさに年間収入金額が三百万以下の方々にはこの制度がありまして、返還が困難な者は、願い出により返還が猶予されるという制度を周知徹底しておるところでございます。 それにあわせて、当然のごとく、就労支援や、我々政府としても取り組んでいかねばならない部分はありますけれども、ただ、繰り返し申し上げて恐縮ですが、やはり次の世代の原資をきちんと確保するという、厳しい方の返済を猶予するとともに、ちゃんと払ってもらえる方には払っていただこうという、やはり両面のことをちゃんとしていかなくては、次の世代の原資を確保できないということがございます。 この回収強化に資する施策をいろいろ検討しているところでありますけれども、あくまでも教育上の配慮として、奨学金の貸与を決定する際の与信情報には個人信用情報機関の活用をしないことということや、登録される方は三カ月以上延滞した方に限られるということなどを決めているところでございます。 本当に、繰り返し申し上げますが、真に返還が困難な者に対しては返済猶予制度というものを徹底して、この個人信用情報機関という、委員御指摘あったさまざまな機関に対して情報提供をしないこととしているところでございます。 それに加えて、有利子奨学金の割合が年々増加しているといいますか、無利子の奨学金も増加をさせております。できるだけ、無利子、有利子ともに、借りたいという方がすべて借りられるような奨学金として充実を、額もふやし、貸与人数もふやすために、本年度も、平成二十二年度の予算の中でも事業規模を拡大いたしましたし、これからも、当然無利子がいいにこしたことはないですが、できるだけ、いろいろな資金の確保の観点からも、両方の意味でもきちんと奨学金が届くようにということを検討している最中でございますので、ぜひ御理解をいただければと思います。
○吉泉委員 ぜひもう少し突っ込んだ形で、今の経済状況でもございますので、その面で奨学金制度そのものが、投資をするということは、まさにこれからその金がまず日本にとって生きてくるんだ、それの倍以上返ってくるという思いの中で、ぜひ改善策の御検討をよろしくお願いしながら、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○池坊委員長 次に、小野塚勝俊さん。
○小野塚委員 民主党の小野塚勝俊でございます。本日は、質問の機会を賜りまして、委員長、理事、委員の皆様、ありがとうございます。 私は、昨年の八月の選挙で初めて国会にお送りをいただきまして、そしてこの青少年問題に関する特別委員会のメンバーに、また理事にもさせていただきました。たび重なる当委員会での質疑に加えまして、池坊委員長のお計らいもありまして、児童虐待防止問題に関連して、数度にわたる実情調査、また今週月曜日には、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設への視察など、さまざまな施設へ伺い、多くの方々と意見交換を行います中で、また、私自身この二月に娘が生まれまして、人の親となりまして、改めて青少年に起きている問題の大きさ、その深さを痛感しているところでございます。 子どもの問題は、子どもだけの問題ではありません。親、学校、地域、社会、貧困、格差など、さまざまなことが相互に関係、影響して、弱い立場の子どもたちにその問題があらわれます。子どもの問題は、今の日本社会の問題をあらわしていると言えます。 かつて、子どもは、親はもちろんですが、家族、御近所、地域、学校、社会などが一緒になって育ててきたと言われます。しかし現在、核家族化はきわまり、御近所、地域のつながりもかつてに比べて弱まり、学校もさまざまな課題、問題を抱え、先生はあっぷあっぷの状態。大人たちが日本の未来に自信が持てないどころか、きょう、あすのことも見えなくなるくらい厳しい社会情勢です。 しかし、そのような中であっても、子どもたちをしっかりと育てていこうという活動は、地域の中で大変多く行われています。政治の世界に入りますと、委員会の皆様はもう御案内のとおりでございますが、大変ありがたいことに、地域の方々とのかかわりが大変密接になってまいります。地域のさまざまな活動の中で最も多く行われている活動というのは、まさに当委員会の名に冠している青少年育成に関するものではないでしょうか。町内会、自治会、長生クラブ、子供会、PTA、商工会議所、ロータリークラブ、ライオンズクラブ、青年会議所、学童クラブ、母子愛育会、ボーイスカウト、ガールスカウト、各宗教団体、挙げたら切りがないほどたくさんあります。 かく申します私も、国会議員としてではなくて、青年会議所のメンバーの一員といたしまして、青少年育成活動を行っております。特に、今の時期というのは、三十年以上も続いてるわんぱく相撲の開催に向けて、各地域の小学校に伺って、子どもたちにけいこをつけているところであります。土俵をつくって、準備体操、しこ、すり足、ぶつかりけいこ、対戦など、さまざまな練習を行い、小学校といえども、ぶつかりけいこのときなどは、力も強く、しっかり受けとめなければ私も子どももお互いにけがをします。子どもたちも私たちも滝のように汗をかき、練習といえども真剣勝負です。 日本じゅうで、本当に多くの方々が、御自身の仕事、生活が大変にお忙しい中で、子どもたちのためにと時間をどうにかつくって青少年育成活動を行っています。 そこで質問なんですが、このような全国でさまざま行われている青少年の育成活動について、政府として連携する方策など、どのようにお考えでしょうか。
○泉大臣政務官 委員におかれましては、まず御出産おめでとうございます。委員がお産みになられたわけじゃありませんけれども、御家族で御出産おめでとうございます。 そして、さまざまな青少年育成活動に取り組んでおられることを、心より敬意を表したいというふうに思います。私も地元で少年補導委員ですとか社協の役員をしておりまして、そしてまた、地元のJCなんかも、子どもたちの駅伝大会を開催したり、あるいは子どもたちが水辺で水や自然と触れ合うような企画をやったりですとか、数多く全国各地で展開されているというふうに認識をしています。 こういった活動というのは、本当にさまざまな自主性、そしてまた多様な発意のもとに取り組みが行われておりまして、政府としては、例えば、イベントの規模にもよりますが、後援を行ったりですとか、そして連携して共同の企画を開催したりということで、取り組めるものについては取り組ませていただいております。 一方で、今新しい公共の議論もありますし、それ以前からもそうですが、基本的には、本当に国民の自発性に基づいて多種多様な行事やイベントがそれぞれで行われているということが、非常にすばらしいこの国の姿なのかなと思っておりまして、すべてに政府が関与をしたり管理をするということではなくて、その自主性の中で、お困りのことですとか、あるいは政府ができることというものを最大限発揮していくということになろうかなと思っておりまして、これからも引き続き連携をとってまいりたいと思っています。
○小野塚委員 ありがとうございます。 政府また国の官庁というのは、このような地域の青少年活動をしている方から見ますと、大変に遠い存在になりがちです。その一方で、官庁の指示や規則というものは、地域活動に大きな影響を及ぼすことがあります。 具体的な話を申し上げますと、私の住んでおります埼玉県の子供会に関係する話なんですが、このような話がありました。 子ども会安全会の会費は現在一人百二十円で、そのうち四十円が安全見舞金、残りの八十円が各支部における安全に関する事業、事務、人件費などに利用されています。この会費に関しまして、文部科学省さんより、安全見舞金に充てる金額が会費の二分の一に満たないことは不自然であると指摘され、二分の一以上にするように言われたと言うんですね。子供会の方に伺いますと、現状、各支部の安全に関する事業、事務、人件費などに充てている八十円というのは運営のためにぎりぎりのところでありますので、文部科学省さんのその指摘に従う形で八十円を維持することになりますと、会費を百六十円に上げる必要が出てきます。 安全会の制度は、子供会の育成者にとって本当に安心の柱です。会費を上げると、ただでさえ減少している子供会の会員がさらに大きく減少しかねません。会員が減少すれば、子どもたちのために行っているこの子供会がさらに厳しい状況となります。 また、安全会に関して次のような話もありました。安全会は、三月末が更新手続の期限となっていて、新一年生の新規加入手続は四月以降となり、四月の役員の切りかえ時期と重なり、手続が煩雑になる、更新手続の期限を五月にすることができれば、四月に新たに選ばれた役員が更新と新規手続をすることができる、三月末となっている更新手続を文部科学省さんは五月に変えてくれないだろうかというんですね。 そもそも、このような指示や規則を文部科学省さんは子供会に対して出しているんでしょうか。また、出していないというならば、なぜこのようなことが言われたというふうに思われますでしょうか。
○高井大臣政務官 実は私も、委員の質問を受けて調べまして、驚きました。このような事実、指導しているという事実はございません。 全国子ども会連合会では、御指摘があったとおり、死亡や後遺障害、負傷、疾病等に対して見舞金を給付する共済事業を全国一律で実施しているわけでございますが、日常的に子どもが安心して子供会活動ができるための大事な環境づくりに大きな役割を果たしているものでございます。 この社団法人全国子ども会連合会が実施する共済事業の年会費は、一人当たり百二十円としているのは御指摘のとおりですが、いろいろな事業を支援するに当たり、年会費をどのように使っていくのかについては、まさにこの社団法人全国子ども会連合会が決定をすることでございまして、年会費の中で見舞金に充てる金額をその二分の一以上にするよう文部科学省より指導したということはございませんので、どういう経過でそのように伝わっているのか、ちょっと私どもも承知をしていないところですが、そういう事実はないということで御確認をいただきたいと思います。 後段の共済事業の更新手続完了期限でございますけれども、役員改選の時期と重なることもあり年会費の納入を五月にしてもらいたいということも、翌年度も引き続き会員となる方が年会費をいつ納入するかについても、まさに社団法人全国子ども会連合会において決定をしていただければいいことでございますので、文部科学省が一律にこうしろ、ああしろと言ったことはございません。
○小野塚委員 ありがとうございます。 お答えいただきましたように、文部科学省さんが指示や規則を出していなくても、文部科学省さんが出したということになってしまうことがあったわけですね。文部科学省さんから言わせれば、自分たちの知らないところで自分たちの名前を使われたというようなお話なのかもしれません。 しかし、このようなことは地域の青少年育成活動の中で大変大きな問題となっていました。ぜひ、このような誤解が生じないよう、最前線で子どもたちと接している地域の方々が混乱しないように、文部科学省さんにおかれましても、さまざまな団体とこれまで以上に意思の疎通をとっていただいて、御配慮をいただければと思います。 次に、政府の組織面について伺いたいと思います。 福島大臣は、消費者及び食品安全、少子化対策、男女共同参画の内閣府担当大臣でいらっしゃって、また泉政務官は、今と同じく、消費者及び食品安全、少子化対策、男女共同参画に加え、行政刷新、沖縄及び北方対策、防災の内閣府大臣政務官でいらっしゃいます。大変に多くのお仕事をされていて、日々激務でいらっしゃると推察するんですが、ところで、当委員会の青少年問題の御担当というのは、どのような位置づけで御担当となっていらっしゃるんでしょうか。
○福島国務大臣 御存じ、内閣府のもとに共生政策を担当するところがありまして、そこに青少年ということで担当しております。 私は、内閣府のよさというのがあると思いまして、青少年の問題は、確かに文科省の比重も大きいですし、厚生労働省の比重も大きいんですが、移動とかだと国土交通省の面が出てきたり、総務省も関係しますし、警察や、場合によっては法務省、人権という観点からは法務省が出てくる場合もあると思います。ですから、すべての役所の横ぐしとしての内閣府というふうに考えておりまして、共生政策として青少年を担当しております。総合的な施策から、各役所に対しても発言をしていくという意味で担当しております。 青少年育成施策については、内閣総理大臣を本部長として全閣僚を構成員とする子ども・若者育成支援推進本部によってその基本的な方針を決め、そして、青少年育成を担当する内閣府特命担当大臣として本部の副本部長に指名されて、政府全体の施策の取りまとめを行っております。 一月末に子ども・子育てビジョンをつくりまして、これは意欲的に、数値目標も設定して、子育てを社会でやろうということも提案をいたしました。 今、子ども・若者ビジョンを策定しておりまして、政務三役を中心に議論を重ね、子どもの貧困の問題への対応、困難を有する子ども・若者の居場所づくりの支援、オンブズパーソン等の相談体制の普及、子ども・若者の意見表明機会の確保などの新しい施策を盛り込んでいけるよう検討しております。これは、チームをつくりまして、いろいろな方たちからも意見をもらい、子どもオンブズパーソンや全国いろいろな自治体の取り組みも見学に行っております。 私としては、引き続き、子どもの利益を最善に考えた施策が展開できるようにしたいと思っておりますし、子ども・若者ビジョンの策定におきましては、国会議員の皆さんたちのさまざまな意見もぜひお聞かせいただいて、いいものをつくっていきたいと考えております。
○小野塚委員 青少年問題というのは、さまざまなことに相互に関係、影響している問題であります。その問題解決のために、国会では、私たちが所属しますこの青少年問題に関する特別委員会があり、一方、政府におかれましては、一つの省庁では解決することが難しいため、今大臣のお話がありましたように、省庁の枠を超えた形で、福島大臣が内閣府の大臣として青少年を担当されているということだと思います。 内閣府は、国家運営の基本にかかわる重要課題、国民の暮らしと社会にかかわる重要課題、国民の安全の確保にかかわる重要課題に関して、各省より一段高い立場から、企画立案及び総合調整を行うことが求められている官庁です。一方で、本日お越しいただいております厚生労働省や文部科学省のように大きな組織を持っている官庁ではありません。 青少年問題という根の深い問題を扱う大臣に就任されて八カ月、政治主導が言われている中、また内閣府の大臣という立場で各省庁の中でリーダーシップをとって政策を進めていく立場であるということについて、制度面において、よかった面、またやりやすかった面、一方で、今後改善していった方がいいのではないかと考える点について、大臣に率直に語っていただければと思います。
○福島国務大臣 どうもありがとうございます。 政治主導という中で、内閣府の果たす役割というのはとても大きいと思います。例えば、ちょっと話が飛躍しますが、子ども・子育て新システム検討会議は、私と仙谷大臣と枝野大臣が共同議長でありまして、それこそ横ぐしで提案をしていこうとしています。これは、厚生労働省だけでもできませんし、それから文科省だけでもできない、縦割りではできないところを、大きく内閣府、あるいは大きな立場でやれるという点ではとてもやりがいがあると思っております。 子ども、青少年は、多くは厚労省と文科省にまたがっているわけですが、その二つの省庁の縦割りだけでなく、全部の省庁が力を合わせて、今月、子どもの権利に関する委員会で日本の子どもの権利状況が議論になりますが、これはまた外務省が中心にやっているところですし、その意味では、すべての役所が子ども、若者について連携をしながら頑張るという点では、内閣府が中心のかなめとなってビジョンもつくり、ビジョンをつくるに当たって各役所と交渉しておりますので、横ぐし、かつ、ある意味調整役、場合によっては提言をする司令塔として頑張っていきたいというふうに思っております。 問題点というと、やはり内閣府の中で、例えば人員の要求とかスタッフの充実等は必要でしょうが、その意味では、今いわゆる政治主導の中で、それぞれ縦割りを排してまとまってどういう提言をしていくかという点については、実は他の役所とも力を合わせて頑張っている最中です。
○小野塚委員 大臣を支えていらっしゃる泉政務官のお考えもぜひお願いいたします。
○泉大臣政務官 ありがとうございます。 私は、小さいころからスポーツをやっていましたので、例えば野球やサッカーに例えると、各省庁というのはそれぞれのポジションについている選手でありますし、その選手はそれぞれ全力を尽くして日常的には頑張るという姿勢なんだと思います。内閣府というのは、ある意味監督やコーチの立場で、危機的な状況にあったり新しい問題が発生したときに、適切にその全体を見ながら戦略的に物事を解決していくという立場なのかなと思っております。 過去の青少年問題を考えても、恐らくこうして政府全体でという中で、内閣府、またその前身である総理府であったかと思いますけれども、この青少年育成というものが位置づけられたのは、例えば、戦後間もなくで相当混乱期があって親がいない子どもたちがたくさんいた時期があった、あるいは家庭内暴力ですとか校内暴力がはやった時期があった、そしていじめの問題があった、そういうときに、各省だけでは取り組めないという課題があったときに、その時々において国民運動というものが勃興してきたのかなと思っております。 また、その国民運動の強さというものは時の問題の大きさに応じて変わるものかもしれませんが、機能としてはしっかりと持ちながら、注意深く全体調整を行っていくということが内閣府の本来の役割かなと私は思っておりまして、内閣府自身も、確かに、人を現場の人間も含めて持っていくというのは一つの手かもしれないんですが、逆に言うと、政府一体だからこそ、各省庁で頑張っている現場の方々と協力をして、委員おっしゃったように、内閣府が企画、調整をしていくという姿が望ましいのかなと考えています。
○小野塚委員 ありがとうございます。 また、内閣府から一段高い立場で企画立案、総合調整をされる側であります厚生労働省、文部科学省のお立場から、山井政務官、高井両政務官に、いかがお考えか伺えればと思います。よろしくお願いいたします。
○山井大臣政務官 小野塚委員にお答えを申し上げます。 子どもの問題というのは、やはり文部科学省と厚生労働省にまたがっております。そういう中で、私たちは、子ども家庭省というものを将来的に設置したいというような構想も持っておりますので、やはり、内閣府からリーダーシップをとっていただくというのは非常にいいと思いますし、その結果、子ども・子育てビジョン、一月二十九日に出たのも画期的なすばらしい案だと思っております。 加えまして、高井政務官、福島大臣、また池坊委員長を初め、こういう青少年や子どもの問題で女性の方々がやはりリーダーシップをとられるというのは、私は非常に望ましい姿ではないかと思っております。
○高井大臣政務官 まさに内閣府の連絡調整、リーダーシップのもとに我々連携して、うまく連絡調整をしながらやっているつもりでございます。 何分、国民の目から見て、どちらの省益かに偏ることなく、一番使いやすい制度であったり頼りがいのある行政であったりするために、やはり縦割りを排して、連携をしながら必要な施策を打っていくということは何より大事だと思っております。 子どもの貧困対策なんか特にそうでございますので、まさに政府挙げて取り組まなくてはならないので、ぜひ、委員の方々の御協力もお願いを申し上げたいと思います。
○小野塚委員 ありがとうございます。 政策を実行していく上で、最も望ましい制度、組織で行うべきというのは言うまでもありません。特に当委員会が扱う青少年問題は、さまざまなことが相互に関係、影響している問題でもあります。 大臣、政務官におかれましては、この八カ月の御経験を踏まえて、よりよき組織づくりに心がけをいただき、よき政策を実行していただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 私も、政府を支えます与党の国会議員の一人といたしましてお支えすることをお誓いいたしまして、私の質問を終わります。 どうもありがとうございました。
○池坊委員長 次に、京野公子さん。
○京野委員 私は、秋田県選出の京野公子と申します。 この委員会に所属をさせていただきましてから、大臣また委員長、委員の皆様方の青少年問題に対する真剣な御姿勢というものに大変啓発を受けております。 私は、今回初めてですので、大分細かいことなども含めて、大臣に、家族というふうなものについてのお考えといいますか、聞かせていただきたいと思います。 早速ですが、子ども・若者育成支援推進法というものが出まして、私、この前ちょっと目を通しましたら、第一章第二条三において、「子ども・若者が成長する過程においては、様々な社会的要因が影響を及ぼすものであるとともに、とりわけ良好な家庭的環境で生活することが重要であることを旨とする」、このような記述がありました。これに異を唱えるわけではありませんが、ただ、この「良好な家庭的環境」という記述を見たとき、一般的には、何か標準となる家族の形というものがあるような印象を私は受けるんですね。 それで、大臣自身、この記述をぱっとごらんになったときにどんなふうな印象をお受けになるか、お聞かせいただければと思います。
○福島国務大臣 どうもありがとうございます。 良好な家庭的環境ということで、「的」ということが入っていて、家庭のない子どもにとっても、いろいろな周りの支えが必要だという意味だと思っています。 それで、これは、子ども・若者育成支援推進法の審議のときの議論を見てみますと、「家庭の中で多くの愛情を受けて人とのきずなをつくり上げていく、こういった良好な家庭的環境を大変重要と考え、基本理念に追加した」というふうに、当時、民主党の議員の方が答えていらっしゃいます。 ですから、家庭あるいは施設においても、多くの愛情を受けて人とのきずなをつくり上げていくことができるような環境を良好な家庭的環境というふうにイメージをしておりまして、何か一つのステレオタイプの家庭をという意味ではないというふうに思っております。子どもにとってのいい環境をつくろうということの決意だと思っております。
○京野委員 今の大臣の答弁を聞きますと、「的」という一字にそのような魔法のような非常に豊かなイメージがこもっていたのだというふうなことで、大変示唆を受けて教えていただきましたが、私などは、正直言いまして、この記述を見たときに、一般的な、例えば一人親家庭の方が、その背景にある議論を皆さん一般国民が読んでいらっしゃるわけではない。そしてまた、推進法というものは、多分、市町村とか都道府県の担当者がお読みになるもので、一般市民が余り読むという事態は想定されていないのかなとは思いますが、自分が一人親だとすると、そのこと自体が、何か子どもに対して良好な家庭的環境を提供していないような、何か自分が欠格した存在であるような、社会から指弾を受けたような気持ちになる方が、考え過ぎかもしれませんが、いるのではないのかなというふうな気がします。 確かに、さまざまなあり方を考えれば、家庭的環境という表現は非常によかったのかもしれませんが、愛情に満ちた家庭的環境という表現で十分だったのではないのかなというふうに、私はちょっと残念に思うんです。
○泉大臣政務官 実は、きょう馳議員もおられますけれども、児童虐待防止法の改正の中で、実は私、ちょうどこの表現を担当させていただいていて、恐らく、その後、この推進法の方に引っ張っていただいていたのかなと思うんですけれども。 このとき、そもそも児童虐待防止法ですから、親と離れて暮らす子どもの環境のことをどう担保していくかということを考えたわけでして、その場合には、施設であってもやはり家庭的な環境というものが必要ですねと。そして、その家庭的な環境とは、よりひもとけば何かといえば、それは両親がそろっているということを指すのではなくて、恐らく、小規模な共同体において愛着のある関係性を築けるような、そういった環境が望ましいということでこの言葉になったというふうに記憶をしておりまして、ぜひ委員にも、そういった御理解をいただければというふうに思っております。
○京野委員 先ほど来の答弁を聞いておりまして、また、児童養護施設あるいは自立支援施設等におきましても家庭的な養護という重要性がいろいろと指摘されておりますので、恐らくそのような背景があるというふうなことで、それについてはよくわかりました。 ただ、子ども・子育てビジョンであるとか、その後出たものについては、非常にいろいろ細かい配慮がされた非常にいい表現になっているというふうに感じますけれども、やはり政策立案とかまた立法措置等において、マイノリティーやハンディを持つ方々に対して、既に社会的に一種のスティグマをされているような状況にありますので、さらに政策あるいは立法措置がそうした行為や表現の後押しになるような、そういうことを避ける、そういう問題に対して非常に政治的に敏感であるということが、今非常に変化にさらされている私どもの社会の社会政策とか家族政策を立案していく上で非常に必要な姿勢ではないのかなということで、今の良好な家庭的環境という表現に至った経緯については私も十分理解いたしましたが、これからの例えば立法であるとか政策過程におきましても、十分政治の側のそういうセンシティブな配慮というものがあるかないかということは、社会を形成していく上で非常に大きな違いになっていくと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 さて、続きまして、この育成支援推進法、これはこれとして、まず、良好な家庭的環境というふうな言葉がこうした大綱であるとかさまざまなものに、私も全部調べるのは大変でしたけれども、いろいろなところに散見されます。 それで、この良好な家庭的環境というものを、今一たん児童関係の施設といったものを離れまして、一人親であれ、両親がそろったり、さまざまな家庭の関係があるとしても、いわゆる一般の社会の中で暮らしているというイメージからいった場合、良好な家庭的環境というものを実現するためには、当然なことですが、安定した雇用と所得、それから子育てを楽しめるような勤務条件、それから、当然のことですが、一定の面積を持つ住宅。これは、私も四人の子どもを育てている途中で、子どもが一番手のかかったときに、親の代からの古い家に住んでいたものですから、大変狭かったんですね。それが、思い切って、子どももこんなに多いのに大変だということで建て増しをしまして、住宅状況が著しく改善されたら、おもしろいことに子どものけんかが減ったんですね。ですから、住宅のスペースというものも良好な家庭的環境には欠かすことのできないものだと思うんです。 それで、例えば平成十七年の国民生活白書「子育て世代の意識と生活」で、例えば住宅問題に対する詳細な調査が行われております。これは例えば住宅の話ですけれども、いわゆる子育て、それから青少年をよりよい社会の担い手として育成していくためには良好な家庭環境が必要だということであれば、住宅政策、それから雇用政策も含めて、あらゆる政策的リソースを動員していく、良好な家庭環境の実現を阻害する要因を可能な限り排除していくんだという、もちろん財政的な基盤も必要ですけれども、非常に強い政治的なリーダーシップが必要だというふうに考えております。 そういうふうな覚悟といいますか認識というものを、内閣府で子育てとか青少年、男女共同参画、すべてかかわってくると思いますが、関連大臣は共有しておられるのかどうか、ぜひ福島大臣からお聞かせください。
○福島国務大臣 おっしゃるとおりで、非常に重要なことを言っていただいてありがとうございます。 良好な家庭環境あるいは家族にとって一番大事というのは、もともとは下部構造も大事ですから、おっしゃるとおり、雇用の問題がしっかりして、安定的な雇用がなければならない。もちろん、その上に愛情やさまざまな社会支援があると思っております。ですから、一人親であれ、両親であれ、家庭があって良好な家庭というだけではなく、それを支えていくための仕組みが必要というお考えは、本当にそのとおりだと思います。 京野委員が、雇用とワーク・ライフ・バランス、それから住居のことをおっしゃっていただきましたが、それぞれの施策がきちっと土台があって、その上に家庭的環境で、愛情を注げる土台とその上の愛情というふうにも思っております。そのことをしっかり共有して政策をやっているつもりです。 引用していただきました、一月末に出しました子ども・子育てビジョン、そして今作成してもうじき発表する予定の、六月に発表予定なんですが、子ども・若者ビジョンもそういう観点に立っておりまして、とりわけ、すべての子ども、若者を応援すると同時に、貧困や困難を抱える子どもたちに支援をしていくという二段構えになっておりまして、良好な家庭的環境を支える政治というものを認識しております。 ですから、育児中の親の孤立化を防ぐ観点からの地域における子育て支援や、それから相談、通報等を通じた児童虐待の早期発見や被害児童の早期保護、それから関係機関等と連携した取り組みの促進や要保護児童対策地域協議会の設置促進、機能強化など、しっかり取り組んでおります。
○京野委員 ありがとうございます。 それで、海外のことをお聞きするのはどうかなというので、その前に社会的養護を通告してありますが、ちょっと時間があれなので、飛ばさせていただきます。 大臣は、フランスの少子化政策を視察なさって、家族手当公庫の仕組み、雇用者が拠出金を負担する制度等について大変印象を受けた、いずれはこのような制度も検討したいというふうなことをおっしゃっている新聞記事を見ました。 それで、このことにこだわることでなく、一般的に、この少子化対策といいますか、フランスの今の視察をなさった全体的な印象というか、率直な印象をお聞かせいただければと思います。
○福島国務大臣 どうもありがとうございます。 何とか、日本で子どもを生み育てることに夢を持てる社会にしたいというふうに思っています。 ちょっと印象ということで申し上げますと、フランスで、子どもを産むことが女性や親にとっての負担ばかりではなくて、とてもハッピーになることだという仕組みをつくっていることが、フランスの出生率が二・〇二、日本が一・三七というその差にやはりなっていると思いました。 私は、家族的保育所と集団的保育所を見学し、四十ぐらいメニューがあり、家族手当金庫が七兆円あり、子どもをどうやって社会が応援していくか。さっき京野委員がおっしゃった雇用の問題やワーク・ライフ・バランスもあって、やはり休みがとれる。日本は病児・病後児保育をどうするかと今取り組んでいるんですが、フランスで病児・病後児保育と言っても、子どもが病気のときは休むものでしょうという感覚でありまして、日本には今とにかく必要なんですが、子どもが病気のときは休むものだ、休んでもいいんだという社会と、病児保育がなかったらとても子育てと両立できないという社会の差を持っております。その意味では、少子化担当とワーク・ライフ・バランスと男女共同参画、それからきょう住居やいろいろおっしゃいましたが、雇用も含めた対策をしっかりやっていくことが大事だと思っています。 でも、だんだんやはり、今度子ども手当と高校の実質の無償化、保育所も頑張るということで、子どもを生み育てることがハッピーになるような社会を政権としてもしっかりつくっていく途上と思っておりまして、より子どももハッピー、子どもを持つ親もハッピーというための施策を皆さんたちと一緒に実現していきたいと思っております。
○京野委員 ありがとうございます。 それで、最近、例えばタクシーにこの前乗ったとき、運転手さんに、フランスの少子化政策ってすごいんだねとかと言われまして、大変メディアでも、特に財政的な支援とか保育所等の保育政策の充実のようなことで取り上げられているようですけれども、フランスのこの少子化政策の大きな背景といいますか背骨となっているものが、実は結婚観あるいは家庭観というものが、フランスの社会に限らず日本でも同じですけれども、非常に変化している。離婚が増大している。それから、いわゆるステップファミリーというんですか、両親がそれぞればらばらの家族が共同して暮らす。爆発的にふえている。それから事実婚が非常に増大しているというふうな状況の変化に対して、政治が法改正という形で対応している。 その大きな背骨があって、それに財政的な支援やさまざまな保育体制の充実、あるいはワーク・ライフ・バランスとかさまざまな政策的リソースが動員されているわけですが、その基本になる、連帯市民協約というふうに訳されるそうですけれども、フランスというのは、本当に物すごく保守的な、固定的な家族観というものを基軸にしてずっと来た社会なんです。非常に保守的で、例えば妊娠中絶などについても、これは現在の日本でも、それは反対だとか賛成だとか、いろいろなお考えの方がいらっしゃると思いますけれども、日本の社会ではもうずっと早い時期に合法化されているにもかかわらず、例えば妊娠中絶の合法化一つとっても、フランスでは本当に血のにじむような努力をして、有名な女優さんたちが、私も中絶をしましたという顔写真を出す全面広告を出したりして、そのような闘いを通じてやっと、七五年でしょうか、シモーヌ・ベイユという非常に優秀な政治家のリーダーシップによって成立している。そういうふうな過程を持ちながらよくここまで来たな、人の国のことを失礼ですけれども、よくここまで来たなと私は思うんですね。 このような法律が存在しているということの意味といいますか、そういうことについて、大臣は弁護士の出身でありますし、非常にこういうことに対して御見識が高いと私は常々思っておりますので、ぜひ御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○福島国務大臣 どうもありがとうございます。 京野委員はフランス語がおできになって、フランスの研究やフランス語を専攻してフランスの問題をやってこられたということを知っておりますので、どうもありがとうございます。 カトリックで離婚や中絶に対してとても厳しかったフランスも、やはり状況に応じて少子化にも対応しなければならない、いろんな社会の変化にも対応しなければならない、また男女平等も進めて女性の活用もすべきだという観点から、はっきりしたそういうもとに政策をつくってきたということがあると思っています。 その意味では、フランスでも、少子化雇用対策担当大臣のダルコスさんとも話をしましたが、男女共同参画にもとても力を入れていらっしゃる。そうすると、やはり日本でも学べることはたくさんあると思いまして、やはり、少子化と男女共同参画とワーク・ライフ・バランスをきちっとリンクさせて、さまざまな人、さまざまな家庭、さまざまな家族を社会が応援する、そのために制度を組み合わせ、そして、ある程度未来に向かって予算を扱っていく。 私は、子ども手当や保育所の充実、そして高校の実質の無償化も、子どもを大事にする社会をつくる大きな第一歩であり、それがまた次のステップへ行けるようにというふうにも思っております。 どうもありがとうございます。
○京野委員 ありがとうございます。 いつまでもほかの国の話をしている場合ではないですけれども、ただ、家族政策に関して一種のイデオロギーフリーといいますか、特定の価値や規範の押しつけではなくて、現に生きる人々、激動する社会に沿っていこうとする現実的な政治の意思というものは、私は、まあ、見習うとまでは言う必要はありませんが、やはりそれは評価に値することじゃないかなと思っております。 そしてまた、私どもの国でも、国民生活白書をいろいろ見ますと、「家族の暮らしと構造改革」というテーマの白書もありますが、やはり大きな意識の変化が起きております。そして、伝統的な家族観を重視するグループは、特に若いグループは未婚率が高いというふうな興味深い調査等もあります。それで、何をどうしろというわけではありませんが、やはり我が国でも、家族政策をより現実に適合したものにする努力というものを、それから多様な家族、多様な生き方を支持するという方向に本物の政治主導によってかじを切っていただきたい。 大臣におかれましては、もうつとにそうした方向に向かって努力をなさって、大変苦労なさっていらっしゃると私は推察しております。エールを込めまして、現実に沿っていけば何でもいいのかという反応も出るかと思いますが、私は、家族政策は押しつけでは成功しない、現実に沿った家族政策をいかに立てていくかということが重要だと思います。 最後に大臣の答弁を求めて、終わります。
○池坊委員長 京野公子さんの質疑時間はもう終了しておりますので、では簡潔に、福島国務大臣、よろしくお願いいたします。
○福島国務大臣 どうもありがとうございます。 家族政策の重要性と多様なライフスタイル、多様な人々を応援するとおっしゃるのは、そのとおりだと思います。男が働き、女の人が家にいて、そしてお母さんがずっと子どもで家を見ていてといっても、若い人たちはこの収入では結婚できないというふうに、結局、少子化が起きているわけです。だとすれば、やはりいろんな人を応援する社会の仕組みと家族政策の変化というものは必要だと考えております。キーワードは、いろいろな人を応援する社会ではないでしょうか。 ありがとうございます。
○京野委員 ありがとうございました。
○池坊委員長 次に、小林正枝さん。
○小林(正)委員 民主党の小林正枝です。 国会も残すところ一カ月余りとなりましたが、初めて質問の時間をいただき、委員会理事並びに関係者の皆様方に感謝を申し上げます。 加えて、公務御多忙中の折、山井厚生労働大臣政務官にもお運びいただき、厚く御礼申し上げます。 皆様も御承知のとおり、この委員会では、三回にわたり各方面への視察を重ねてまいりました。まずは、先日、慈恵病院の赤ちゃんポストが運用から三年を迎え、蓮田太二理事長が記者会見をされましたので、その中から幾つかお尋ねいたします。私なりに、救われた赤ちゃんの幸せを心から願い、質問を始めたいと思います。 赤ちゃんポストとして知られる「こうのとりのゆりかご」を視察したことは記憶に新しいところであります。その理念や意義は、法律的な是非はともかく、大きいと言えるでしょう。しかしながら、蓮田太二理事長は、先日の記者会見の席上、ポストに子どもを入れる行為について、子にとっては親が手放したことになり、虐待と言えると述べられました。 ポストは設置当初、親のポストの利用を虐待ではないとの認識を示してきたわけでありましたが、その病院側がみずから否定的な考えを示したことは、三年が経過し、病院側が当初、戸籍上実子として育つことができる特別養子縁組を想定していたところ、実際にはその制度を利用した特別養子縁組によって育てられているのが一人しかいない、その現実がこのままでよいのかという問題提起をされているように感じるところでもあります。 そこで、今後における、いわゆる赤ちゃんポストに対する国の積極的な関与を求められる声もあり、この考え方やかかわり方についてお聞かせください。
○山井大臣政務官 小林委員にお答えを申し上げます。 この「こうのとりのゆりかご」、これはまさに国民の中でも賛否両論があるんではないかなというふうに思います。例えば、これを設置すること自体が子どもの養育を放棄することを助長するのではないかという意見、また一方では、そうはいっても、現実に遺棄されて亡くなる子どもがいる中で、これによって子どもの命が救われるのではないか、そういう意見もあると思います。 先日も、蒲島熊本県知事、そして熊本市の市長さんもお見えになりまして、私もその要望と報告を聞かせていただきましたが、やはりそのような非常に複雑な問題であります。 そして、確かに、これは熊本の方が行っているんではないんですね。全国から熊本にそのお子さんを置きに行っておられるということで、確かに熊本のローカルな問題ではないといえばそうなのかもしれませんが、先ほども言いましたように、これに関してはさまざまな意見があるということで、厚生労働省としては、引き続きその運用を見守っていきたい、そのようなスタンスでございます。
○小林(正)委員 ありがとうございます。 私としては、運用を見守るという点から、もう一歩前進した対応をしていただければ幸いと存じます。 また、記者会見では、実際にポストの運営を担当されている田尻由貴子看護部長が、公的な相談体制はまだ不十分であり、全国の相談を一民間病院が担っていいのかと述べられ、相談窓口の拡充についても求められておりました。 国として、相談窓口の拡充についてはどのようにお考えであるか、お聞かせください。
○山井大臣政務官 小林委員にお答えを申し上げます。 確かに、その現場の方がおっしゃっておられますように、これは全国の課題でありますから、一民間病院で抱え切れる問題ではないと思っております。 そこで、厚生労働省としましても、子育てや妊娠に悩む方に対しては、全国どこでも、まずは児童相談所等が身近な相談の窓口となっておりますので、相談していただきたいと思っておりますし、早期に把握して対応したいと思っております。 また同時に、平成二十一年の十月一日から、全国児童相談所の共通ダイヤルとして運用を開始しまして、これは〇五七〇—〇六四—〇〇〇という全国共通の番号になっておりますが、そこで、妊娠期間中や子育てに悩む方等からお電話をいただければ、相談支援体制を整えているところでありまして、平成二十一年十月から平成二十二年の三月三十一日までに、四千五百九十件の電話をいただきました。 また、都道府県等が設置する女性健康支援センターにおいては、望まない妊娠等に悩む方への支援は重要であるという観点から、出産等についての悩みの相談について、保健師等が相談、指導を女性健康支援センターで行っております。
○小林(正)委員 ありがとうございました。 こちらの相談窓口についての対応は非常に迅速に進んでいるということが感じられ、私も心強く感じました。 さて、ことしは、児童虐待防止法が制定され、十年目を迎えます。残念ながら、痛ましい虐待死は、減るどころか増加傾向にあると聞いております。虐待における原因もさまざまであると考えますが、中には、加害者である母親が自分の行為を認識しつつも、我が子への虐待という地獄から抜け出せずにいるというケースも聞いております。 被虐待児を救出することも大事ですが、加害者側である大人に対するカウンセリングや矯正教育についてどのように考えておられるか、また、専門家の育成について今後どのような方針をお持ちであるか、ございましたら、お教えください。
○山井大臣政務官 小林委員にお答えを申し上げます。 御指摘のとおり、虐待を受けた後でどう保護するかというのは二次的な話でありまして、いかに未然に虐待を防ぐかということが最重要であります。 そこで、乳児家庭全戸訪問事業というのを行っておりまして、これは八四・一%の市町村で行われております。つまり、生後四カ月までのすべての乳児のいる家庭を訪問するわけであります。 それともう一つは、その中で支援の必要な家庭を把握しまして、そこに関しましてはもう少し継続的な訪問支援ということで、養育支援訪問事業というのを行っております。これについてはまだ五五・四%でありますが、五五・四%の市町村で行っております。 さらに、学校や保育所等さまざまな連携のもとに、早期に虐待を発見して連携して支援できるように、子どもを守る地域ネットワークというものをつくっておりまして、全国の市町村の九二・五%で設置しておりますし、御質問の人材の育成に関しては、虐待対応の中心となる児童相談所の児童福祉司の増員や研修の実施、市町村職員の研修に対する補助などを実施して、人材の育成に努めております。
○小林(正)委員 ありがとうございました。 いよいよ来月から、目玉政策の一つである子ども手当の支給が始まります。私も、社会全体で子どもを育てるという理念には共感を覚え、賛同するところでありますが、今後の課題提起として、次のような事例について述べさせていただきます。 先般、私は地元の静岡市児童相談所及び社会福祉法人静岡ホームを視察してきました。全国的な傾向同様に、被虐待児の収容が定員の過半数を超えておりました。園長に子ども手当について伺ったところ、親のいない児童生徒たちについては個人ごとに施設に子ども手当が支給されるとのことでしたが、親と分離された児童生徒らについては親元への支給とのことで、いささか法律の矛盾を感じずにはいられませんでした。 このようなケースは何も静岡が特別なのではなく、各地に所在する施設で同様の事情を抱えているのではないかと推察されます。子ども手当が真に子どもたちのためになるには、何らかの事情により親と分離された上で暮らす場合、一時的な支給停止を検討する余地もあり得るのではないか。また、これらの個々のケースに限らず、国の子ども手当支給条件等の見直しについて、来年度以降の課題についてお聞かせいただきたいと思います。
○山井大臣政務官 小林委員にお答えを申し上げます。 まず、この六月から子ども手当が支給されますが、今までの児童手当と所得制限の問題、額の問題も違いますが、一つ大きなのは、ことしからは、今小林委員御指摘のように、両親のいない施設に入っている子どもたち約五千人に、子ども手当と同額を安心こども基金から支給する、これは非常に重要なことだと思います。要は、両親がいないということは、社会の支援を一番必要とする方なわけですから、そういう意味で、その方々に同額のお金が行くということは非常に重要だと思っております。 ただ、今御指摘のように、そうなったときに、施設の中で両親がいないお子さんには一万三千円分が行く。それで、両親からの養護を受けている人たちには、理論上は、そのお母さんなりお父さんがちゃんと施設の子どものために一万三千円を使うという前提なんですよね。前提なんですが、本当にちゃんと使ってくれるんだろうかということで、私も児童養護施設の施設長さんともこの間議論をしておりますけれども、甚だ疑わしい事例があると。 ですから、小林委員御指摘のように、それだったら、施設内での平等のためにも、施設に全員分渡してもらった方がより公平なんじゃないかという意見も私も聞いております。このことは、本格施行、来年度に向かっての重要な論点になってくると思います。 ただ、これまた一つ悩ましいのが、施設に預けたら子ども手当が来ないんだったら、それだったら、私は虐待しているけれども、この子どもは施設に入れない、そういう人も残念ながら中にはいるらしいんですね、施設長さんの話を聞きますと。 では、そういうことにしたら何が起こるのか。とにかく子どもにとっての最善というものをこれからしっかり検討して、子どもにとって一番よい解決策を見出したいと思っております。
○小林(正)委員 ありがとうございました。 この問題は、ある意味、急を要することだと思います。と申しますのは、この六月から、子どもは施設にいるけれども、親御さんには支給されてしまうという現実があるのですから、私もこの件については注視してまいりたいと思います。 質問は以上で終わります。ありがとうございました。
○池坊委員長 次に、高木美智代さん。
○高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。 私は、四月二十二日の本委員会におきます参考人質疑、それから五月十七日、今週の月曜日ですが、視察に行かせていただきまして、そのことを踏まえて質問をさせていただきたいと思います。 まず、「こうのとりのゆりかご」につきまして、ただいま小林委員からも質問がございました。私も同感でございます。 四月二十二日、前回の青少年特におきまして、柏女先生から、妊娠中あるいは周産期の問題への対応が急務である、早目に見つけられれば虐待死は防げる、このようなお話がありました。 そのとき、私は柏女先生に、そのためにも妊娠中の相談、特に望まない妊娠についての相談窓口、特に二十四時間の電話相談事業が有効ではないかと伺いましたところ、先生は、母子保健法は妊娠、出産を基本的には喜ぶ人たちのための仕組みなんだ、児童福祉法は子どもが虐待されていれば介入する仕組みになっているが、妊娠中の方に対して介入する仕組みはない、この母子保健法と児童福祉法をしっかりとつないでいくことが大事なんだという貴重なお話をいただきました。 「こうのとりのゆりかご」につきましては、そうした電話相談、また相談事業、そしてまた緊急保護、こうしたことが一貫して慈恵病院で行われている、まさに慈恵病院でしっかりとつながれているというケースではないかと思います。この「こうのとりのゆりかご」の検証をされました提言のまとめにも、一時的に母子を匿名のまま緊急保護し、短期の入所も可能な施設が一定程度全国に配備される、医療機関に併設されることが望ましい、特に民間機関で整備され、それを公が支援していく、そうしたことが望ましい、このような提言でございます。 相談事業を医療機関に委託して、今、西に慈恵病院、そして、まず東日本に一カ所というように、順次、設置に向けまして、実施へ検討すべきと考えておりますが、山井政務官、いかがでしょうか。
○山井大臣政務官 高木委員にお答えを申し上げます。 これは非常に重たい質問でございます。まず何よりも、妊娠、出産、育児について、安心できる支援体制というものを私たちはつくっていっていきたいと思っておりますし、必要な回数、十四回程度、妊婦健診が受けられるよう、公費負担の拡充というものも行っております。 また、全国三十七カ所で、女性の健康支援センター事業、保健所や助産師会、病院などに委託しているケースもありますが、そういう形で都道府県等が、女性の方々が妊娠、出産について相談しやすい、そういうセンター事業もしております。 ただ、高木委員のおっしゃった、匿名のまま出産等のため入院できる施設を国の制度としてつくるということは、これは難しいところがございまして、それを国としてつくることがどうなるかということなんですね。来られる、それで産んで、もしかしたら、そのままおられなくなってしまうお母さんもおられるかもしれない。そういうふうなことを、波及効果、その子の将来にとってプラス、マイナスということを考えたときには、まさに、民間は別でありますけれども、国がそのような制度を国としてつくるべきなのかどうかということはさまざまな賛否両論もあろうかと思いますので、現時点においては、そのような匿名のまま出産するとか、望まぬ出産をするということができるだけ起こりづらいような状況をつくっていくことに力を入れてまいりたいということでございます。
○高木(美)委員 政務官としての苦しい心中もお察しいたしますが、反面、今までの山井政務官であれば、相当踏み込んで、なぜやらないんですかというふうにおっしゃっていただろうと拝察をしております。 恐らく、提言にある匿名のままといいますのは、何も氏名の秘匿というだけではなく、育った環境であるとか、また親御さんに言いにくいとか、さまざまそうした状況を勘案するということをこういう表現にされたかと思います。私は、これは国がというのももちろんありますが、例えば独法とか、また、さまざまな中間的な医療機関等もあります。まず、そういうところとよく相談をしていただきながら、何ができるかという勉強会とか検討会とか、そうしたことをしっかり受けとめて進めていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○山井大臣政務官 御質問をありがとうございます。 これにつきましては、繰り返しになりますが、これはやはり賛否両論、非常に多いと思うんですね。 私も最初にこの「こうのとりのゆりかご」の報道を数年前に聞いたときは、正直言って非常にショックを受けました。そういう事実があってほしくないという願い、しかし、高木委員がおっしゃるように、とはいっても実際あるんだという、そういう現実もあるわけでございます。 そういうことで、高木委員から宿題をいただいたとは受けとめますが、検討会をつくるとか、そこまでのことは答弁できないことをお許しいただければと思います。
○高木(美)委員 大変弱気な答弁をいただきました。 ぜひ勉強していただく、検討していただく、前向きにこれは受けとめていただきまして、進めていただきたいと私は思います。その上で、ここまではできる。この先は国としてはできない。国としてできること、行政にお願いすること、まさにあとは民間にお願いすること、まずその考え方の整理というものも必要かと思いますので、その点も含めて、お取り組みを政務官に心よりお願い申し上げます。 続きまして、福島大臣に伺いたいのですが、今、幼保一体化ということで、新聞報道でも、「幼保一体化 かすむ公約」とか、いろいろ取りざたをされております。幼保一体化に対する大臣のお考えがどのようなことなのか、また検討状況と、今後どのようなロードマップを描いておられるのか、答弁を求めます。
○福島国務大臣 ありがとうございます。 幼稚園あるいは保育園という形で子どもの養育にかかわっていた、かかわってこられたものは、これは有効な社会資源であり、これをきちっと生かした形で考えていきたいと思っています。 四月二十七日に開催された子ども・子育て新システム検討会議において、子ども・子育て新システムの基本的方向がまとめられたところです。 その中において、幼保一体化については、すべての子どもに質の高い幼児教育、保育を保障するため、幼稚園教育要領と保育所保育指針を統合し、新たな指針、例えばこども指針を創設する、幼児教育と保育をともに提供するこども園に、これは仮称ですが、一体化、それから、新システムのもとで幼児教育、保育を一体化した幼保一体給付の、これも仮称ですが、創設を考えております。 子ども・子育て新システムについては、平成二十三年の通常国会に法案を提出し、平成二十五年度の施行を目指しており、今後さらに制度の具体的な内容の詰めを行ってまいります。
○高木(美)委員 きょうはほかにも質問させていただきたいことがありますので、承っておきます。 あわせまして、そうした動きから、先般も、例えば幼稚園教諭資格と保育士資格について、保育士は、児童の幼児期だけではなくて十八歳までを援助するということになります。情短、情緒障害児短期治療施設、また児童自立支援施設、児童養護施設など社会的養護施設を支えてくれているのも保育士です。幼保一体化によりまして幼稚園教諭と保育士の資格の併用化が進みますと、保育士の専門性が幼児期に特化されてしまうということになれば、このもっと先の年代、社会的養護の分野が手薄になってしまうという懸念も伝えられております。これは先般の参考人質疑でおっしゃっていたことです。 その際、やはり別の資格が必要ではないか。それを柏女先生は、養育福祉士というような提案をされました。私は大事な問題だと受けとめております。大臣の見解はいかがでしょうか。
○泉大臣政務官 今、新システムの事務局長ということをさせていただいていますので、私の方から答えさせていただきたいと思います。 これは幼保一体化、今進めているものにより幼稚園教諭と保育士の資格の併用化が進むということではありませんでして、現在の時点でもう既に八割方、学校の段階でいいますともう九割方、資格を併用で両方取られているという方々がほとんどであります。現職の中でいうと、幼稚園で七四%、保育所で七九%の方が両方の資格を持っておられるという現状でありまして、恐らく今後も、資格を一本化していくに当たっても、今の学生さんたちが受けている教育の環境というものは大半変わらないのかなというふうに思っておりますし、委員御指摘の点というのは非常に大事なことですので、その一体化の過程の中で弱いところができないように、しっかりと全般を見られるような人材を育成していきたいというふうに考えています。
○高木(美)委員 よろしくお願いいたします。 続きまして、社会的養護体制の拡充につきまして、家庭的な環境での社会的養護の推進を図るために、里親制度の普及とあわせまして、ファミリーホームそれから既存の児童養護施設等の小規模化を推進するべきと考えております。その際には、当然、必要な人員配置も拡充しなければなりませんし、財源措置というのはさらに求められると思います。 したがいまして、必要な財源措置の確保に対するお考え、またさらに、定員に対しまして、満杯状態の児童養護施設等を抱える地方自治体があります。そうした都道府県を精査いたしまして、地方自治体に対して必要な財政上の措置をするべきと考えております。 ちなみに、例えば児童養護施設の施設数、定員等でございますが、宮城県におきましては入所率が一〇〇%という状況でございます。そのほかも平均的に九一%、全国平均です。突出しているのが宮城県、さらには九〇を超えているところも、東京都も九六%、群馬県でも九四%、さいたま市では九五%等々ございます。 こういうところにもう少し財源措置をいたしまして、児童養護施設の拡充等々、また、そこからさらに、入っていらっしゃるお子さんをもう少しほかの施設にも振り向けていくということもやはり必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○山井大臣政務官 高木委員にお答え申し上げます。 このような社会的養護というのは人が中心でありますから、その拡充、そして、いかにそういういい人材の方々に続いて働いていただけるかが一番重要だと思っております。 まず、養育里親の研修の義務化とあわせて、里親手当の引き上げを、一人目三万六千円から、児童福祉法の改正に基づきまして、七万二千円に引き上げました。また、ファミリーホームに関しましては、ことしの一月末に、子ども・子育てビジョンの中で書かせていただきまして、直近の状況で五十三カ所なものを平成二十六年には百四十カ所にふやしていきたい。 また、小規模グループケア、やはり大規模よりも小規模の方が家庭的で、特に虐待を受けたお子さんや障害のあるお子さんは落ちつきますので、小規模グループケアを四百四十六カ所から平成二十六年には八百カ所にふやしていきたい。こういうふうな社会的養護を入れたのが子ども・子育てビジョンの大きな重要点の一つだと思っております。 また、平成二十年の児童福祉法等の改正により、次世代育成推進法に基づく都道府県行動計画に社会的養護に関する体制について記載することとされまして、平成二十二年度より、都道府県において、平成二十二年度から二十六年度までを計画期間とする後期行動計画が策定されております。 また、ことしの子ども・子育てビジョンにおいても、情緒障害児短期治療施設については、都道府県に一カ所ずつ設置することも入れさせていただきました。 このような整備が進むように、地方自治体に対しても、これからは応援をさせていただきたいというふうに思っております。
○高木(美)委員 例えば、情緒障害児短期治療施設の拡充等々でございますが、応援をというお話でしたが、具体的にどのような形で応援をされるのでしょうか。
○山井大臣政務官 このことに関しましては、今も子ども・子育てシステム会議をやっておりますが、御存じのように、子ども手当の問題、現物給付の問題も含め、トータルで議論をしていくということになっておりますので、今ここでどういう形でということは、特に財政的なことは言いづらい部分はございますが、とにかく、子ども・子育てビジョンに入れ込んだ話でありますので、それが実現できるように支援をしてきたいと考えております。
○高木(美)委員 たしか、子ども・子育てビジョンにつきましては、予算の後に策定でしたでしょうか。しっかりと予算に反映されることを望みたいと思いますし、決して経済的支援だけに偏るのではなく、我が党も強く主張させていただきましたが、車の両輪として、経済的支援、そしてさらにはこうした子どもに対する総合的な支援、やはりこれは両方が必要だと思いますので、そこの配分等もお願いをしたいと思います。 あわせまして、済みません、これは通告をしていないんですが、政務官に私は指摘をさせていただきたいと思います。 月曜日に、情緒障害児短期治療施設、ここの視察に参りまして、すばらしい施設でございました。恐らくここは、ゆったりと時間が流れる、しかも福祉と医療、それから教育、この三つが三セットで行われているのが情緒障害児短期治療施設、長いので情短と言わせていただきます。しかも、医師、心理士の設置が義務づけをされているというところで、ここに入るお子さんは、定員が千五百四十一名、今、千百八十名、充足率は七六・六%という状況です。 私はこれを拝見しまして、もったいないと思いまして、このデータ自体が二十年度末という状況ですので、恐らくここまで、失礼しました、十月一日、ですから、ちょうど年度の半ばの報告で七六・六%という状況ですので、本来もう少し、児童養護施設ではありませんが、九割近くまで収容率があってもいいのではないかと思います。 伺うところによりますと、地域で適切な措置に困る、また難しいお子さんがふえている、発達障害もありますし、さらにはそういう虐待を受けて当然医療的なケアが必要なお子さんたち、この方たちがここに入りますと、例えば、教育で特別支援教育も受けられるようですが、普通であれば、児童養護施設は、朝、学校に行って児童養護施設に帰ってくる、まさに教育の方に行くという流れで施設から一たん出ます。ところが、情短の方は中で全部解決しますので、例えば、どうしても調子が悪くて一日一時間しか学校に行けないというような場合は、よく一時間行ってきたねというのがこの情短なんですね。一方で、児童養護施設で一時間で帰ってくると、恐らく、なぜ一時間で帰ってきたの、こういうふうになる。 当然、児童養護施設で不適応というふうに言われ、措置変更で情短に入るというお子さんも多くいらっしゃるようですが、もう少しそこの決定のあり方、また、こうした施設をさらに活用していく方向性、こうしたことをスムーズにできないか、御検討をお願いしたいと思います。 恐らく、人数の枠が少ないから、よほど重篤なお子さんしか入れないのかというふうに児相もお思いなのかもしれませんが、ここの平均在所年数といいますのは大体三年ぐらいとも伺っております。そういう間に、家庭で今までできなかったケアをきちっとする、療育をする、そして児童養護施設なり御家庭に戻っていく、こういうシステムになっておりますので、ここが円滑に動きますようにぜひとも政務官にお取り計らいをお願いしたいと思います。
○山井大臣政務官 お答え申し上げます。 充足率というか、すばらしい施設でありながらまだあきがあるというのは、御指摘のように、非常にもったいない話であると思いますので、必要な人がその情短で必要なケアを受けられるように、しっかり取り組んでまいりたいと思います。御指摘ありがとうございます。
○高木(美)委員 続きまして、政務官にお尋ねいたします。 さらに、児童自立支援施設にも伺いました。横浜家庭学園、政務官はよく御存じかと思います。私立の施設でございます。そこで、職員の方から、施設の最低基準につきまして、これまでの居室面積は一人当たり三・三平方メートル以上であった、これがどうも変更されると聞いていると。今八畳ぐらいの部屋に三人入室をしています。そこで、私立ですので、変更に伴い、当然経営への影響も考えられると思うと懸念するお声が伝えられました。 今後どのようにお考えなのかを伺います。
○山井大臣政務官 お答えを申し上げます。 居室については、創設、改築等の施設整備に際して最低基準を上回る面積で実施されていますが、老朽化している施設等については、非常に狭いところもあるというふうに承知をしております。 平成十九年十一月の社会的養護専門委員会報告書において、子どもの状態に応じたケアを実施するための施設機能の見直しを進めること、そのための詳細な調査、分析が必要であるということが指摘をされております。そのために、今、設備の実態調査を実施し、現在、その結果を取りまとめている最中であります。 そういう意味では、いまだこの三・三平米というものを変える変えないということはこの場では答弁できませんが、とにかく、子どもたちにとってのよい環境ということを含めて、今検討の最中でございます。
○高木(美)委員 ここの施設は、先ほど委員長からも御報告ございましたとおり、二十四時間、子どもたちと時間を共有しながら献身的に働いていらっしゃるという職員の方たちです。当然、子どもにとって必要なケアの質の確保も必要ですし、人員配置基準とか面積基準等に改善が図られなければならないと私は考えます。しかし一方で、真剣にこうして働いていらっしゃる職員の方たち、特に自立支援施設におきましては高いスキルが求められますので、その方たちが経営逼迫のために離職せざるを得ないというようなことになってはならないとも思います。 改善に当たりましては、必要な財源もしくは必要な措置等が求められると思いますが、政務官の見解を伺います。
○山井大臣政務官 御指摘のように、そのようにいろいろ基準を変えていきますと経営に影響を及ぼしますので、その点も踏まえて判断をさせていただきたいと思います。
○高木(美)委員 よろしくお願いいたします。 続きまして、参考人にお越しいただきました須藤全国児童自立支援施設協議会会長から、地方分権改革推進委員会第三次勧告並びに地方分権改革推進計画に盛り込まれた、児童自立支援施設の公設民営化について懸念が寄せられました。 厚労省としてのお考えはいかがでしょうか。
○山井大臣政務官 この話については、児童自立支援施設の職員基準、これまでも、構造改革特区の仕組みの中で、都道府県職員でなければならないとの規定の例外を認めてきたところであります。ただ、実例はございませんでした。 そして、今回の見直しについては、法制的な観点から地方自治体の自主性を強化し、地方自治体がみずからの責任において行政を展開できる仕組みを構築するという第三次勧告の趣旨を最大限尊重したものでありまして、一律に今まで児童自立支援施設の運営の民間委託を禁止していたものを改めまして、地方自治体がみずからの責任において民間委託の選択をすることが可能としたものであります。 しかし、御存じのように、自立支援施設は家庭裁判所の保護処分により入所してくる子どもや自傷他害の行為のある方々など、処遇の難しいケースを取り扱うことが多い施設であります。 その意味では、非常に高い専門性が必要でありますので、分権ということによって水準が損なわれることになってはならないと考えておりますので、もし民間に委託するに当たっても、専門性や子どもの処遇の水準を確保するための方策について、しっかり厚生労働省としても助言してまいりたいと考えております。
○高木(美)委員 政務官はこの地方分権推進によりまして民営化が進むとお考えですか。児童自立支援施設の民間委託というのが進むとお考えでしょうか。
○山井大臣政務官 そこがポイントであると思いますが、もちろん、これは私が勝手に推測することはできませんが、そう簡単には進まないんじゃないかなと私は個人的には推測をしております。これは相当高いスキルが必要でありますから、一気に変わるという可能性は低いのではないかと思っております。 ただ、趣旨は、今までは一律すべてを禁止していた、しかし、大きな地域主権改革の流れの中で、できるだけ国が決めることは減らしていこうという流れの中で、地方自治体を信じて、あくまでも子どものケアの水準が下がることがあってはならない、そういう認識のもと、こういう方針を決めさせていただいたところでございます。
○高木(美)委員 とても難しい判断だと思います。子どもたちにとりまして、特に早期に、青年期に不良行為をなすおそれのある児童、さらには家庭環境その他の環境上の理由によって生活指導等を要する児童、こういうことを考えますと、やはり一概に民間委託していいのかどうかというところから私は慎重な判断がそもそも求められるところなのだと思います。 須藤先生も後で懇談をしていただいたときにおっしゃっていましたが、須藤先生の所属する施設から十九回北海道に逃げたという少年の話をしてくれまして、幾ら青森まで行って連れ戻そうとしても、毎回青函連絡船の乗り場のところに必ず彼はいるんだ。それを十九回行って連れ戻してきた。今どうされていますかとお話をしましたら、今は結婚して子どもを連れてきてくれたという話をしてくれております。 そういう命を守る、またそうした心をはぐくむという本来の新政権の方向性からいきますと、まさに、そういう心で人を蘇生させるという流れを断ち切るべきではないと私は思っておりまして、ぜひとも、今ここでさらなる答弁はお立場上難しいかと思いますので、よくお含みいただきまして慎重な検討をお願いしたいと思います。 私は、民営化に当たりましては、厚労省として何かしら条件をおつけになられてもよいのではないかと考えます。ぜひ、知恵をわかしていただきまして、よろしくお願いいたします。 最後の質問でございますが、自立援助ホームなど、里親委託それから施設入所措置が解除された後、里親委託が終わった十八歳もしくは二十、そして施設入所につきましても十八歳もしくは二十、解除された後の子どもたちの進学、そしてまた就職などの自立支援に関する施策を拡充するために、私はここは子どもたちがちゃんと自立できるかどうか大事なところだと思います。必要な財源を確保すべきと思いますが、政務官の答弁を求めます。
○山井大臣政務官 高木委員にお答えを申し上げます。 本当に最も社会的な養護を、支援を必要とする子どもたちだというふうに認識しておりますし、私も自立援助ホームに行かせていただいたことがあります。 現状では、平成二十二年度予算においては、一人当たり、就職支度費も大学進学自立生活支援費も前年より二千円引き上げて七万七千円でありまして、さらに、保護者がいない場合や虐待等により保護者からの経済的支援が見込めない場合については、一人当たり十三万七千五百十円が上乗せされまして、二十一万四千五百十円というふうになっております。 また、退所する子どもの自立支援の一環としての身元保証人確保対策事業というものも新たに行っております。これも子ども・子育てビジョンの中でも触れてございますし、また今回、子ども・子育ての新システムの議論でも、子育て支援に力を入れるという方向性を出しておりますので、財源のことになりますが、できるだけ子どもたちを、特に社会的養護を必要とする子どもたちについては、今まで以上に応援できるように頑張ってまいりたいと思います。
○高木(美)委員 それでは、今までさまざまこうした社会的養護施設につきまして、質問をさせていただきました。特に財源措置が求められるものが多く、今回、子ども・子育てビジョン、初めて予算の獲得に向かわれるわけですが、それに対する大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
○福島国務大臣 本当にありがとうございます。 家庭の中で育つことができない、あるいは、そういう施設やさまざまなところで育つすべての子どもを応援することも政治が本当にやるべきことだと思っております。子ども・子育てビジョンにしっかり盛り込みましたし、これからつくる子ども・若者ビジョンにおいても、社会的養護の必要な子どもたちに対する支援をはっきり認識しております。 その意味で、予算獲得に向けて頑張りますので、ぜひ、御協力というか御理解、御支援をよろしくお願いいたします。
○高木(美)委員 ありがとうございました。 以上で終わります。
○池坊委員長 次に、宮本岳志さん。
○宮本委員 日本共産党の宮本岳志です。 まず、冒頭に一問聞いておきたいと思います。 去る五月の十八日に、衆議院でチャイルドライン支援議員連盟の総会がございました。私も出席をさせていただきました。民主党の小宮山先生が事務局長で、当委員会にもいらっしゃる自民党の馳先生が幹事長、当委員会の池坊委員長も幹事長代理、こういう議員連盟でございます。 ここに、当日配られましたポスターをお持ちいたしましたし、きょうは、皆様方のお手元にはパンフレットをお配りいたしました。〇一二〇—九九—七七七七、チャイルドラインの四つの約束、秘密は守る、どんなことも一緒に考える、名前は言わなくていい、切りたいときには切っていい。聞くことに徹して十年、毎日七百件、年間二十四万件以上、全国六十六拠点で二千人のボランティアスタッフが子どもたちの声を受けとめているという非常に大事な活動だと思います。 十八日の議連の総会で、NPO法人チャイルドライン支援センターの清川輝基代表理事のお話にもありましたように、財政的には、民間企業からの寄附なども募ってやっているけれども、このままではフリーダイヤルの無料電話も続けられないという逼迫した状況のお話がありました。 このポスターには、後援として文部科学省、厚生労働省、総務省という三つの役所が並んでいるわけですが、肝心の内閣府が抜けておるわけです。総会には泉健太大臣政務官も顔を出されておりましたけれども、これは、内閣府としても予算的支援も含めて大いに後援をしていくということで、ぜひお願いをしたい。これは党派を超えた議連としての要望だということで、ぜひ泉健太政務官から御答弁をいただきたいと思います。
○泉大臣政務官 ありがとうございます。 私も五月十八日に参加をさせていただきまして、そして、先ほど委員からお話ありましたとおり、池坊委員長、そして馳議員、小宮山議員、それぞれ本当に役員としても長い間頑張ってこられて、当初はこのチャイルドライン、キャンペーン期間中だけを電話の受付期間としていたりしていた時期もあったわけですが、今ようやく、日中ですが、三百六十五日受けられるような状態になってきている。大変喜ばしいことだと思っています。 その中で、私も清川さんにお話をさせていただいた際に、内閣府の後援が入っていませんねという話になった、宮本委員と一緒にその時間を過ごしていたわけですが。どうやらお話を聞きますと、まだ後援の依頼に来たことがなかったということでありまして、そういった意味で、御要請があれば、青少年育成の担当である内閣府、ぜひ快く後援をさせていただきたいというふうなことを今考えております。 ただ、資金的な面につきましては、よく相談をしてみないと、そもそも余り予算のない官庁でございますので、そこは御了解をいただきながら、まずは御後援ということについて大臣と相談しながら決定をしてまいりたいと考えております。
○宮本委員 議連を挙げて応援をいたしますので、ぜひよろしくお願いいたします。 去る五月十七日には、当委員会で横浜家庭学園を、そして、私は昨日、改めて四月に当委員会に参考人としてお越しいただいた須藤三千雄参考人が園長を務めておられる埼玉学園を見せていただきました。現場も見た上で、きょうは改めて、児童自立支援施設の公設民営化の問題、職員資格要件の緩和の問題について聞きたいと思います。 まず、これはもう釈迦に説法ですけれども、我が国も批准している子どもの権利条約第三条の一、「児童に関するすべての措置をとるに当たっては、公的若しくは私的な社会福祉施設、裁判所、行政当局又は立法機関のいずれによって行われるものであっても、児童の最善の利益が主として考慮されるものとする。」と明記をされております。 まず、大臣に確認しますけれども、児童自立支援施設のあり方を検討する際にも、当然、子どもの最善の利益が考慮されなければならない、これはよろしいですね。
○福島国務大臣 おっしゃるとおりです。子どもの最善の利益が優先されるべきです。
○宮本委員 当然のことだと思いますね。だからこそ、実は厚生労働省が置いた児童自立支援施設のあり方に関する研究会報告書も、最終的な結論では、児童自立支援施設は、子どもの健全な発達・成長のための最善の利益の確保を目指し、取り組むべき課題について着実に一つ一つ解決し、具体的な成果を上げることが期待されるというふうに述べているわけで、公設民営化を大いにじゃんじゃんやればいいという話じゃないんですよ。最善の利益ということをしっかり見きわめる必要がある。 それで、四月の八日の当委員会での私の質問に対して、厚生労働省は、地方自治体の主体性を尊重しつつ、児童自立支援施設における支援の質の確保について検討し、地方自治体に助言してまいりたいと答弁をいたしました。先ほど公明党の委員との間にもそういうやりとりがありました。ここでおっしゃる支援の質の確保の中身ですけれども、これは、まさに児童の最善の利益の確保、今と同等以上の人的配置、公的支援の方策、サポート体制、施設を維持継続できるような財政基盤の確保等々、責任を持ってきちっと見きわめるということでよろしいですか。
○山井大臣政務官 宮本委員にお答えを申し上げます。 この児童自立支援施設というのは、本当に一番社会的な支援が必要な、そしてまさに、そこでの生活がその子どもの人生を大きく左右する一番重要な施設であるというふうに思っております。にもかかわらず、財源的な部分、人員配置の部分、さまざま困難な中で、現場の職員の方が精いっぱい努力をされているということは私も重々承知をしております。 そういう中で、今宮本委員がお話しになったさまざまな課題について今後取り組んでまいりたいと思いますが、もちろん財源の問題もありますので、このことについてはどういう支援ができるか。とにかく何よりも、先ほどの答弁でも申し上げましたように、少なくとも今までの水準が低下することが絶対あってはならない、そういう方針でございます。
○宮本委員 知事会の要望というのは、コスト削減がやはり主な動機なんですね。だから、今よりも低下しない話であれば、そもそも要望の趣旨に沿わないことなんですよ。 それで、児童自立支援施設が極めて公共性の高い施設だということは、この前、視察に参加したすべての委員が実感されたことだと思います。 視察に伺った横浜家庭学園は民間だということでありますけれども、これは明治三十九年、一九〇六年に有馬四郎助氏によって創立されて以来、百年以上の伝統、歴史を持つ施設であります。 横浜家庭学園では、民間施設では、預かる子どもの数が減ると、当然経営的に打撃になるんだけれども、しかし、だからといって、例えば、非行に走る子どもをふやす努力をするような営業努力はあり得ないんだ。だから、減った場合には、歯を食いしばって施設の努力で耐えるしかないんだ、こういうふうにおっしゃっていました。 だから、そもそもこのような施設は、特別な歴史のあるこの二施設は別として、大体民間の営業努力というようなものにそぐわないわけであって、公設公営を原則とするというのは当然のことだと私は思うんですけれども、そう思われませんか。
○山井大臣政務官 宮本委員にお答えを申し上げます。 確かに医療、福祉、子育て、このような人に対する取り組みというのは、効率をアップしようとすると、人件費を下げるか人の数を減らすかということになりますので、おっしゃるように、営業努力という発想では非常に難しい点があるということは前提として私も思っております。 ただ、今回の児童自立支援施設の件につきましては、これは営業努力をするとかそういう趣旨ではなくて、これはもう釈迦に説法になるかもしれませんが、国がすべてを決めるという流れをやはりもう少し地方自治体に任せていくべきではないかという大きな分権の流れでありまして、その意味では、先ほど申し上げましたように、その判断を地方自治体にゆだねることによって、まさか子どものケアの水準が低下するというふうなことは私たちは考えておりませんし、そのために、今も委員御指摘のようなしっかりとした助言というものをしていきたいというふうに考えております。
○宮本委員 だからこそ、先ほど山井政務官がおっしゃったように、今以上のことをやるということを、そしてケアの質を落とさないということを守れば、はっきり言って公設民営化なんか進まないと僕は思いますよ。進むはずがないんですね。だから、これはもとからどだいむちゃな話なので、無理筋な話なのであって、こういう決定は僕は改めて見直すべきだというふうに申し上げたいんです。 それで、民営化が検討されていることについて、児童自立支援施設では深い憂慮の念を抱いていると須藤園長もおっしゃっておりました。 児童自立支援施設では、日々子どもと体当たりするような実践が続けられております。例えば、虐待体験を持つ子どもたちに多く見られる試し行動という行動があるというんですね。子どもから職員に対する限度を超えた反抗、あるいは乱暴な言動、不安定な精神状態からくる自暴自棄や自傷行為、こういうことが見られる。子どもたちは、まずそういう行動で職員の本気度を試す、そういう行動に出るというんですよ。逃げ出した子どもを迎えに行くと、うるさい、ばかやろうなどと悪態をついて暴れる。逃げ出したときに、その子が自分の顔を思い出してくれるかどうかが勝負だ、こういうふうに児童自立支援施設では語っておられました。我々の施設にはかぎはないんだ、子どもたちの心のかぎがすべてなんだ、我々と子どもたちの間に心のかぎがしっかりかかるかどうかがすべてなんだ、こういうお話が深く胸に突き刺さりました。 それに加えて、今、虐待体験がある、発達障害や知的障害を抱える子どもたちへの生活指導や自立支援を新たに行うことになりまして、職員は子どもたちのソーシャルワークにも時間を割かなければならないという状況です。ですから、今現場は教護院だったころ以上に仕事に追われる実態があるんですね。 私は、そんな公設民営化の検討をするよりも、むしろ、こうした実態をしっかり認識するならば、こういった施設が抱える人的な不足であるとか、まだまだ体制が不備であるとか、こういう課題や困難をまず解決すべきだと思うんですけれども、そう思われませんか。
○山井大臣政務官 宮本委員にお答えを申し上げます。 宮本委員のおっしゃる意味というのはよくよくわかります。ですから、今回の緩和というものとはある意味で切り離して、一番重要なお仕事をやってくださっている現場を支援していく、これはしっかりとやっていかないとだめだというふうに私は思っております。 私自身も、大学時代六年間、母子寮という児童福祉施設でボランティアをしていまして、一番最初に、ボランティアの学生で何も知らない大学一年生のときに行ったときに、小さな女の子から母子寮の入り口でつばを吐きかけられ、おまえ何しに来てんと言われて、何でこんなことをされるんだろうと。一緒に行った私の友達の学生は、お兄ちゃん、お姉ちゃんが来てよかったねと子どもからもっと温かく迎えてもらえるんだと思っていたのに、いきなりつばをかけられたり泥をぶち当てられたりして、意味がわからなくてやめていった学生がかなりいます。 しかし、後になって、そうする中で、本当にこの大人というのは自分を受けとめてくれるのかというのを試している。なぜ試すのかというと、今まで余りにも信じていた親やそういう人たちから裏切られ、暴力をされてきたから、もう怖くて大人を信じることができなくなってしまっている。 そういう意味では、本当に継続的な、人間的なケアが必要だということを、私自身もそういう学生時代の経験で重々感じておりますので、宮本委員の御懸念、地域主権改革、地方分権によってケアの質が下がるんじゃないかという懸念、それは私もないことはありませんが、しかし、そういうことがあってはならない。都道府県に任せる以上、そういうことにはならないだろうということで私たちもこの決断をしていることでありまして、先ほども言いましたように、間違ってもそういうことにならないように、しっかり助言をして、これからも責任を持って見守っていきたいというふうに思っております。
○宮本委員 現場の人はそうなると言っているんですよ。ならないと信じていると幾ら山井さんが言っても、現場の人は、そうなるに違いない、だからやめてくれ、こうおっしゃっているわけですね。 それで、大臣にお伺いするんですけれども、民営化などを論じる前に、まずこういうことを国がしっかり責任を持って、やるべきことは山ほどあると思うんです。 児童自立支援施設は、社会的養護を担う社会福祉施設にとって最後のとりでと呼ばれるわけですよ。大臣は、弁護士としても子どもにかかわる事件などにもかかわってこられましたけれども、この施設が持つ最後のとりでとしての重要な役割はもう重々認識されていると思いますけれども、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○福島国務大臣 おっしゃるとおりで、教護院と言われたときから、子どもたちのある種の受け皿として大事な役割を真に果たしてきたというふうに思っております。
○宮本委員 私は、この間、現場を見てきて、この最後のとりでという言葉の持つ意味を改めて実感させられました。 児童養護施設などでは、手に負えない子どもたちを受け入れるという意味の最後のとりでというだけではないんですね。他の施設での処遇が困難とされ、問題行動の進んだ子どもを受け入れて、生活のすべてをともにすることを通じて、人間同士の触れ合いを通じた情緒の安定、健康的でリズムのある生活習慣の獲得、集団生活を通じての社会的自立の確保を進めてきているんです。子どもたちの成長と発達、それこそ、子どもの最善の利益を守る最後のとりでだというべき施設だと思うんですね。 これを可能としているのは、実は、現場へ行って見てみたら、公設公営であればこそのことなんですよ。 例えば、昨日お伺いした埼玉学園には、学園内学校として、上尾市立東中学校向原分校と上尾市立東小学校向原分教室が設置をされております。昨日は教頭先生にもお会いをしてきましたけれども、やはり公設公営であればこそ学校と学園の連携もうまくいっているというお話でありました。これが公設民営化されれば、片方は民間、片方は公立学校ですから、いろいろ難しい問題が生じかねない、これは率直に教頭先生の側からも懸念が出されておりました。 私は、児童自立支援施設の職員の身分規定の廃止、民営化というのは、子どもたちにとっての最後のとりでを崩すものだと言わざるを得ないと思うんですね。 そこで、大臣、昨年十二月にやった閣議決定は、そもそもやろうとしてもうまくいかないし、このようなものは改めて再検討すべきだと私は率直に思うんですけれども、大臣はそうお思いになりませんか。
○福島国務大臣 おっしゃることは十分理解できますし、また、改めて、須藤参考人のこの委員会における発言、御懸念もしっかり読ませていただきました。「特に、財政的基盤のあり方、現行と同等以上の支援の質を確保するための人的配置、公的支援・連携のシステム、とりわけ、運営に支障が生じた場合の設置者としての責任を持った立ち直りの方策」、ちょっと省略しますが、さまざま、このことについて克服できるか否かが検証にとって不可欠だということをおっしゃっていらっしゃるのは本当に重いというふうに思っております。 ですから、厚生労働省とも、その懸念が本当に当たらないようにどうしたらいいかというそもそも論も含めて、しっかり議論していきたいと思っております。
○宮本委員 残り時間も少なくなりましたので、まとめて一問でお伺いするんですけれども、最後に、人員の問題それから予算の問題についても伺っておきたいんです。 視察にお伺いした横浜いずみ学園でも、子どもたちの訴えにきちんとこたえられる職員配置が必要だが、現在の最低基準ではそれがかなわないという訴えがございました。 横浜いずみ学園では、欧米の同様の施設では子どもの数より職員数の方が多いのが普通だ、日本では本当に職員の数が足りないという声が出ているわけですよ。今のような基準じゃなくて、せめて子ども二、三人に一人の職員配置にしてほしい、こういう声が出ておりました。 今こういう方向での見直しをやっている、実態調査の最中だという話もありましたけれども、この見直しに当たっては、そういう方向での見直しをやっていただきたいという点が一点。 もう一つは、しっかりやろうと思っても、やはり財政が大変だという状況がありまして、地方を信じて地方の自主性を強化するというけれども、地方に財政がなければ、それはどんどん減るばかりなんですよ。地方にふんだんにお金があればこれほど心配しないんですけれども、地方は今お金がないんですから。 その点で、二言目には自治体の自主性発揮、応援というんですけれども、それならば、例えば心理療法担当職員を増員できるように緊急に予算措置をすべきだと思うんですね。それは予算をちゃんと確保してやるとおっしゃっていただけるのかどうか。これはぜひ大臣からお伺いできますでしょうか。
○山井大臣政務官 お答え申し上げます。 心理療法担当職員については、平成十七年の三百九十九カ所から平成二十年の五百七十四カ所にふやしました。 とにかく、やはりスキルのある職員の方でないと、心の傷を負った子どもたちの支援というのはなかなか難しいというふうに思っておりますし、そのことについては、平成十九年の社会的養護専門委員会の報告書の中で議論もされまして、今詳細な調査をして分析している最中でありますが、幾ら一人の人間であっても、少ない人間では難しいと思いますので、今後、調査を分析しながら検討してまいりたいと思っております。
○福島国務大臣 この委員会も、子どものためにやりたい、子どもの最善の利益でしっかり判断をしたい、とりわけ、困難を抱えている子どもたちの最後のとりでとしての場所を、政治で、行政で責任を持ってやるという点では共通項だと思います。 懸念の点が生じないように、青少年担当大臣として、厚生労働省としっかり協議してまいります。
○宮本委員 ありがとうございました。終わります。
○池坊委員長 質疑はこれにて終了いたします。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時九分散会