青少年問題に関する特別委員会 第2号
- 発言数
- 4 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 2010/03/25
会議録
○池坊委員長 これより会議を開きます。 青少年問題に関する件について調査を進めます。 福島国務大臣から所信を聴取いたします。福島国務大臣。
○福島国務大臣 青少年育成を担当する内閣府特命担当大臣として、所信の一端を申し述べます。 子ども・若者が心身ともに健康で円滑な社会生活を営むことができる環境をつくるとともに支援を行うことは、我が国の将来に大きくかかわることであり、政府の最重要課題の一つです。 近年、子ども・若者の意識や生活様式は大きく変化しています。 それらを踏まえ、いじめ、暴力の深刻化や重大事件の発生に対応するとともに、児童虐待、有害情報のはんらんなど大人に起因する諸問題にも対応するため、各種施策を強力に推進してまいります。 特に、本年四月に施行される子ども・若者育成支援推進法に基づく子ども・若者ビジョン(仮称)の作成に取り組んでいくとともに、ニートやひきこもり等、困難を有する若者への支援を行うための地域ネットワークづくりを推進してまいります。また、若者の不安定雇用や子どもの貧困の問題についても取り組んでまいります。 さらに、青少年インターネット環境整備法に基づき、引き続き、青少年が安全に安心してインターネットを利用できるよう、環境の整備に取り組んでまいります。 私は、子育てや男女共同参画などの分野もあわせて担当しております。 青少年育成を担当する大臣として、こうした立場を十分に生かしながら、関係閣僚とも緊密な連携を図りつつ、青少年一人一人がその可能性を最大限に発揮できるよう、子どもや若者の視点に立って、関連施策の総合的な推進に全力を尽くしてまいります。 池坊委員長を初め、理事、委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。
○池坊委員長 以上で大臣の所信表明は終わりました。 —————————————
○池坊委員長 委員長の私から、東京都及び熊本県への視察を行いましたので、その報告をさせていただきたいと思います。 福島大臣や副大臣、政務官には、この聴取をしていただけるとのこと、心から感謝しております。 それでは、させていただきます。 去る二月十日及び三月十五日、児童虐待防止問題の実情調査のため、東京都内及び熊本県への視察を行いましたので、参加委員を代表し、私から、その概要を御報告申し上げます。 まず、去る二月十日の東京都児童相談センター及び社会福祉法人愛隣会が運営する児童養護施設目黒若葉寮への視察について御報告申し上げます。 参加委員は、委員長である私ほか十四名でございます。 初めに、東京都児童相談センターにおいては、センター長から、近年の児童虐待事例の特徴を見ると、死亡事例におけるゼロ歳児の割合の増加が顕著であること、さらに、全国児童相談所長会が平成二十年に実施した調査によれば、乳児健診未受診と児童虐待との間には密接な関係があること、子どもに対する虐待を行う者の割合で一番高いのが実母であること、また、虐待に関する認識については、不明のものを除くと、虐待をしていると認識し、かつ援助を求めている母親が約四割にも上っていることなどについて説明を聴取いたしました。 続いて、目黒若葉寮においては、施設長から、児童虐待防止法の施行後、児童虐待により親子分離が必要とされたことを理由に入所する児童が増加していること、また、被虐待経験のある児童を含め、入所児童の多くが、家庭環境に問題を抱え学習機会が確保されていなかったため、学力に課題を抱えていること、心身に大きな傷を抱えている施設入所児童や施設を退所した児童等に対する支援の強化が特に求められていることなどについて説明を聴取いたしました。 続きまして、去る十五日の、「こうのとりのゆりかご」の運用状況等の実情調査を目的とした、熊本県、慈愛園乳児ホーム及び医療法人聖粒会慈恵病院の視察について御報告申し上げます。 参加委員は、委員長である私ほか十七名でございます。 まず、「こうのとりのゆりかご」の概要について御説明申し上げます。 「こうのとりのゆりかご」は、民間の医療機関が匿名で子どもを預かるもので、熊本市にある医療法人聖粒会慈恵病院が、我が国において赤ちゃんを産み落とし遺棄する事件などが相次いで発生している現状を憂い、小さな命を救いたいとの思いから、ドイツにおけるベビー・クラッペの取り組みを参考に、医療法に基づく建物改修の許可を熊本市から得て、平成十九年五月から運用を開始しているものでございます。 初めに、熊本県におきまして、設置に至る経緯、運用状況及び課題等について説明を聴取いたしました。 参加委員の熊本県健康福祉部、熊本県中央児童相談所及び熊本市健康福祉局の担当者に対する質疑の主な内容は、「こうのとりのゆりかご」に子どもを預け入れる行為は、熊本県としては児童虐待に該当すると認識しているのか否か、「こうのとりのゆりかご」に預け入れられた子どもの保護等に係る地元自治体の財政負担の状況等について、預け入れられた子どもの親が熊本県外に居住していることが判明した場合の対策などでございました。 担当者からの説明は、「こうのとりのゆりかご」の設置について、政府に照会したところ、命を救えるのであれば直ちに違法とは言えないとの回答を得ているが、「こうのとりのゆりかご」に子どもが預け入れられた事例は、統計上、ネグレクトとして国に報告していること、「こうのとりのゆりかご」に預け入れられた子どもは、熊本県で発見された要保護児童として保護し、このうち、親が判明しない事例については、施設入所措置などをとり、措置に係る経費の負担は、国二分の一、熊本県二分の一であること、「こうのとりのゆりかご」に預け入れられた子どもの親が判明し、熊本県外に居住している場合は、親の居住地を管轄する児童相談所に移管することなどでございました。 なお、熊本県及び熊本市からは、国に対して、全国の児童家庭相談体制の充実や周知などとともに、「こうのとりのゆりかご」に預け入れられた子どもの親の居住地を見ると、関東、近畿地方など全国的なものであることなどから、国の関与をお願いしたいとの要望がございました。 続いて、慈愛園乳児ホームにおいては、施設長から、乳児院の沿革などの概況説明の後、入所児童に対する手厚いケアを行うため、乳幼児一人に対する看護師、保育士等の人員配置基準を一人に引き上げること、また、一時保護に係る委託費の単価の引き上げなどに関する要望がございました。 続いて、慈恵病院においては、施設の概要説明を聴取し、「こうのとりのゆりかご」を外部から視察した後、担当者との意見交換を行いました。 主な質疑内容は、「こうのとりのゆりかご」運用に際しての基本理念、「こうのとりのゆりかご」に匿名で預け入れられた子どもを慈恵病院で引き続き養育していくべきではないかとの提案、親が「こうのとりのゆりかご」に子どもを預け入れる行為を児童虐待防止法上のネグレクトに該当すると定義づけるとともに、「こうのとりのゆりかご」のように、思いがけない妊娠に対する相談体制や、預け入れられた子どもの安全に万全を期した施設を緊急避難・一時保護施設として位置づけ、当該施設に子どもを預け入れる行為を一般の遺棄とは明確に区別する法整備が必要ではないかとの提案などがございました。 病院側の説明は、「こうのとりのゆりかご」に子どもを預け入れる前に相談してもらえれば、特別養子縁組などの次の養育に結びつくよう病院として最大限の努力をしているので、利用してほしくないと願っているけれども、しかしながら、それでも「こうのとりのゆりかご」の利用がある現状に心を痛めていること、現在の法制度では、「こうのとりのゆりかご」に預け入れられた子どもは、児童福祉法上の要保護児童として位置づけられ、熊本県が一時保護し、必要な措置をとることが義務づけられており、病院である当院で引き続き養育することが認められていないことなどであり、さらに、ドイツでは、遺棄された子どもについて、生後八週間の間に実の親が名乗り出ない遺棄児童は、当該子どもに対する特別養子縁組を行うことが可能となっており、我が国においても同様の制度導入をお願いしたいなどの要望がございました。 「こうのとりのゆりかご」については、熊本県が設置した検証会議の最終報告では、匿名で子どもを受け入れる行為は、子どもの最善の利益や出自を知る権利の観点からは、社会的には原則として認められないとする一方で、国に対し、妊娠、出産、養育に関して緊急の対応ができる相談窓口の設置や妊娠、出産対応のシェルターの整備などを進言しております。 既に政府は、平成十九年の児童虐待防止法附則の検討条項である、親権制度の見直し、社会的養護の拡充等に取り組んでいるところですが、思いがけない妊娠などにより妊娠期から出産や育児に多くの不安や困難を抱えている者に対する相談支援体制のあり方、子どもを育てられない親やその子どもに対する支援のあり方及び一民間団体の病院が経営する「こうのとりのゆりかご」が妊娠、出産に係る諸問題の全国的なシェルターの役割を果たしている現状を踏まえ、これを緊急避難・一時保護施設として法的に位置づけることや、そのような施設に対する国の関与のあり方などについて検討を進めることは、親権制度の見直しや社会的養護の拡充などとともに、児童虐待防止問題の最重要課題であるとの認識を強くいたしました。 本視察で得た成果を生かし、次期児童虐待防止法改正に向け、本委員会において積極的に議論してまいりたいと思いますので、委員各位の御協力を何とぞよろしくお願いいたします。 今回の東京都及び熊本県への視察は、限られた日程ではありましたが、関係者の御尽力によりさまざまな目的を達成することができましたことにお礼申し上げるとともに、当委員会における視察の報告とさせていただきます。 ちょっと長い報告になってしまいましたが、大臣もお聞きいただきまして、本当にありがとうございます。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時三十三分散会