財務金融委員会 第13号
- 発言数
- 111 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2010/04/14
会議録
○玄葉委員長 これより会議を開きます。 この際、理事辞任の件についてお諮りいたします。 理事鈴木克昌君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○玄葉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次に、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○玄葉委員長 御異議なしと認めます。よって、池田元久君を理事に指名いたします。 ————◇—————
○玄葉委員長 内閣提出、金融商品取引法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。金融担当大臣亀井静香君。 ————————————— 金融商品取引法等の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○亀井国務大臣 ただいま議題となりました金融商品取引法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 今次の世界的な金融危機を受けた国際的な議論や、我が国の金融資本市場において見られた問題等を背景として、我が国金融システムの強化及び投資家等の保護を図ることが重要な課題となっております。このような状況を踏まえ、必要な制度整備を行うため、本法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、店頭デリバティブ取引等の決済の安定性、透明性を向上するため、清算機関に関する基盤強化を図った上で、一定の店頭デリバティブ取引等において清算機関の利用を義務づけるとともに、取引情報保存、報告の制度を創設することなどの措置を講じることとしております。 第二に、金融商品取引業者のグループ全体での実効的な監督を可能とするため、金融商品取引業者に対して、連結規制及び監督を導入するとともに、主要株主規制を強化するための措置を講ずることとしております。また、保険会社または保険持ち株会社グループに対する連結財務健全性基準を課すための措置を講じることとしております。 その他、投資家保護を確保するために、金融商品取引業者全般に対して当局による破産手続開始の申し立てを可能とするための制度整備等を行うこととしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○玄葉委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○玄葉委員長 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、参考人として日本銀行理事中曽宏君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として金融庁総務企画局長内藤純一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○玄葉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○玄葉委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。富岡芳忠君。
○富岡委員 おはようございます。民主党の富岡芳忠でございます。 本日、初めて質問をさせていただきます。こうした機会をちょうだいしまして、玄葉委員長を初め理事の皆さん、本当にありがとうございます。また、亀井大臣、大塚副大臣におかれましては、私の兄も参議院の財政金融委員会の方でお世話になっておりまして、兄弟ともども御指導のほどよろしくお願いいたします。 きのう国会議員便覧でちょっと調べてみましたところ、兄弟の議員が私も含めて三組ございまして、一組が鳩山御兄弟、もう一組が亀井大臣の御兄弟でございます。鳩山兄弟、亀井兄弟ともども、どうも弟さんの方が非常に自由奔放というか、みずからの信念に基づいて行動されておられるな、このように感じておるところでございますが、私も、亀井大臣のそうしたいいところだけはしっかりと見習って、信念を貫ける政治家になりたいな、このように思っております。 さて、亀井大臣と大塚副大臣におかれましては、今日の大変かじ取りの難しい金融行政を極めて見事にこなしておられるな、こういうふうに常々感じておりまして、特に、金融庁は監督指針としてプリンシプルベースとルールベースという言葉をよく使っておられますが、お二人の役割分担もまさにそんな感じかなと。中小企業の円滑化法案を見ても、大臣がずばっとプリンシプルをお述べになられて、関係者は皆どぎもを抜かれたと思うんですが、大塚副大臣がそうしたものにうまくのっとっているかのような巧みなルールをおつくりになられて見事に法律に仕上げていただいた。こういうことで、極めていい組み合わせじゃないか、こう思っております。 きょうの私の質問も、プリンシプル的なところは大臣にお伺いして、ルール的なところは大塚副大臣にお伺いさせていただこう、こう思っておりますので、よろしくお願いします。 まず初めに、少し中長期的な目線で、これまでの我が国の金融を取り巻く動きというものを振り返ってみたいと思うんです。 一九八〇年代は、まさに邦銀が世界の中でも全盛の時代にありました。融資残高でも、ピークでは三割近く、世界の融資のうちの割合を占めていた。こういう状況で、私は平成元年に富士銀行に入行したんですが、ちょうど私が入ったころは、邦銀の全盛の最終局面ぐらいだったわけでございます。 今でも思い出すんですが、当時いろいろ就職活動をして、富士銀行の門をたたいて、最後に人事担当役員の方が、ぜひうちの銀行に来てくれ、うちの銀行は、悪い言い方かもしれないけれども、寄らば大樹の陰じゃないが、大樹だ、全部の行員が百年働かなくても食っていけるだけのそういう資本のストックがあるんだと。人事の担当の役員が学生を口説く言葉として適切かどうかわかりませんが、そんなことを言っていたのを記憶しておりまして、私は当時、邦銀のそういう勢力というのは永遠に続くんじゃないかというぐらいに思ったようなことを記憶しておりますが、それもまさに夢幻と崩れて、まさに転落の一途をたどって、今日においても、せっかく、リーマン・ショックで欧米の金融機関があれだけ傷んでも、なかなか邦銀の相対的な地位が上がらない、こういう状況にあるのかなというふうにも思っております。 返す返すも悔やまれるのは、邦銀が全盛を誇っていたときに、なぜもっと日本の金融市場を、例えば世界の中核の市場に育てておかなかったとか、それから、来るべきデリバティブ全盛のこういう時代を先取りしたビジネスモデルに転換しなかったとか、そういうことを怠ってきた結果、今日の状況に結びついている一因にもなっているんじゃないか、私はこう思うんです。 そこで、亀井大臣にお伺いしたいんですが、九〇年代以降のこういう金融行政を振り返っていただいて、どこかに問題があったのではないか、もっとこうすべきだったのではないか、こういう点について御所見があれば、ぜひお伺いしたいと思います。
○亀井国務大臣 私は別に金融問題の専門家ではありません。ある意味では門外漢かもしれませんけれども、私の今までの政治生活、その前の生活を含めて感じますのは、議員御指摘のように、日本の金融界というのがある意味では社会的にも高い評価を受けておる時代にそれに安住をしておったという嫌いが強いと私は思いますし、また、金融機関というのは本来何のために存在しておるのか、そうした社会的責任というのを自分たちの活動の中でしっかりと踏まえてやっていく、そういう視点が残念ながらどんどんと欠けていってしまった、そういう状況が残念ながら起きておると思います。 また、私は銀行の内部について別に詳しいわけじゃございませんけれども、今の銀行マン、かつては、ある意味では現場における厳しい融資活動あるいは預金獲得活動の指揮を振るっておったようなそうした幹部がどんどんとトップリーダーにまでなっていっておったわけでありますが、今の金融界というのは、全部がそうじゃありませんけれども、そうした方々がそれぞれの金融機関を引っ張っていくというよりも、もっと、安定と言えばいいんですが、リスクを避けるのが私は悪いとは言いませんけれども、本来の銀行としての活動に積極的に力を入れていくよりも、今でいえば国債を買ったり手数料収入とか、そうした安定志向が私は全部悪いとは言いませんけれども、産業資金を供給していき、日本の産業とともに自分たちも伸びていくんだ、そういう視点がどうも欠けておるのではないかということを私なりに感じております。 私どもは今、金融庁として、そうした金融機関に、社会的使命また金融機関としての重要性を自覚した積極的な取り組みをお願いしたいということでやっておるところであります。
○富岡委員 ありがとうございました。 九〇年代以降は、欧米の銀行などを中心に、今おっしゃったような、伝統的な融資ではなく、いわゆる自己資本にそんなに大きく影響を与えないようなデリバティブなどのオフバランス商品というものを、どんどん新しい商品を開発して、かつ高いレバレッジをかけて、そうしたビジネスモデルで世界の市場を欧米の金融機関が席巻していった、こういう流れだと思いますが、その間、邦銀は不良債権処理に追われて、結果として何周も周回おくれになってしまった。 私も当時銀行でデリバティブのトレーディング、ディーリングなどをやっておったんですが、やはりどうあがいても欧米の金融機関には太刀打ちできないなと常々強く感じておりました。やはりそれもある意味当然でして、いわば、ばくちでいえば、欧米の金融機関は胴元みたいな役割をしておられて、自分の懐で大きなポジションを抱えて、そういう場に我々邦銀はちょっと参加させていただいた、こういうような立ち位置だったんじゃないかと思うんですが、そうした中で彼ら欧米金融機関は莫大な利益を手にしてきた、こういうことだと思います。 さらに、金融技術がどんどん高度化すればするほど、それぞれの金融商品の内在するリスクが一体何なのかということがどんどんわからなくなって、一方で外部の格付機関が高い格付を付与するものですから、そういったものをうのみにした方々が安易に手を出して、わけのわからないうちに世界じゅうにリスクがばらまかれて、結果としてあのサブプライムの問題でそういったリスクが顕在化したというのが今日的な状況ではないかというふうに理解をしております。 そうした中で欧米金融機関は大きく毀損をしていったわけでありますが、中には、国によっては公的資金を注入したりということで自国の国民負担を求めるということをせざるを得ない、こういう状況になって、このままでは政治的にもたないということで、アメリカのオバマ大統領も強い危機感を持たれて、今回規制強化の方向に明確にかじを切ってきたのではないか、こういう状況かと思っております。 今回の法案も、昨年のピッツバーグのG20の議論の中で示された国際的な方向性に平仄を合わせる形で出されておられる、こう思うんですけれども、そもそも、これまで米国は、自分たちが自由にできるように金融の規制をどんどん緩めて自由化を進めてきた。結果としてそれがうまくいかなくなったら、今度は自分たちの都合で規制を強化する。まさに御都合主義じゃないか、私は平たく言えばそう思うんですが、いかにアメリカが世界の覇権国家だからといっても、そう好き勝手にやられちゃ困るのではないか。 私は、やはり国際会議のそういう場で、日本はもっと明確に自国の国益に基づいた主張をされて、あなたたちはこういう規制を言っているんだけれども、我々は違うんだ、こういうことを我々は理念として持っていて、こういう方向を志向している、こういうことをしっかりと国際舞台の場でもっと発言すべきだ、こう思っているんですが、そうした場でこれまでどのように政府として御発言されておられてきたのかということを大臣にお伺いしたいと思います。
○亀井国務大臣 委員御指摘のように、残念ながら、金融界におけるルールというのは、アメリカが反則ルールから何から自分たちで勝手につくっていって、日本はただそれに従ってやっているという状況であろうと思います。そうした中で、今アメリカ自身が、自分たちのルールといいますか、あり方の結果、自分たち自身が大変な被害を受けてしまっている中で、そうしたオバマ大統領の現在の措置に見られるようなことをやっておるわけでありますが、私は、これはある意味では歓迎すべきことだと思います。 ただ、委員御指摘のように、アメリカの立場だけで自分たちに都合がいいそうした規制を、世界に協調を求めるというのはやはり基本的に間違っておるわけでありまして、金融庁としては、いろいろな国際会議において、もちろん国際協調はするけれども、アメリカの立場も理解するけれども、我が国には我が国の金融事情もあり、やはりそういうことを踏まえて我々としては対応していくべきだし、また、アメリカを初め、そうした国際協調の場において一方的な押しつけ的な態度をとるべきじゃないということは強く、これはBIS規制等含めて、いろいろな場で私どもは発言をしておるわけであります。
○富岡委員 ありがとうございました。 ぜひ、日本の主張というものを新政権のもとで、今までは対米追従みたいな形が多かったというふうに私は思うんですが、我々はもう変わったんだ、こういうことをお示しいただければと思っております。 それからまた、今回のいろいろな国際会議の場での議論の中で、とりわけ邦銀にとって最も影響を与えるのが自己資本の規制の問題で、中核的な自己資本についての新たな定義というものがどうもできそうだ、このことが非常に重く邦銀にのしかかってくるのではないかと私は思っております。 もちろん、財務の体質を強くしていくということは重要なことなので議論の余地はないんですが、ただ、一方で、導入時期がこれからだんだん明確になってくるに従って、そういう普通株での調達をこれから邦銀も積極的にしなければいけなくなるだとか、それでも間に合わなければアセットを圧縮するために海外の拠点を閉じたりとか、場合によっては貸し出しを抑制する、貸し渋りみたいなことを招きかねないというふうに私は懸念をしております。 そうなってしまえば、せっかく円滑法をつくってやってきた我々の取り組みと、結果として逆の動きになることもあり得る、こう思っておりますので、金融機関がそうした貸し渋りなんかに、そういう行動をとらないようにするためには、やはり監督当局としては事前に入念な措置を講じておく、こういう必要が私はあると思うんですが、その辺について何か具体的なアイデアがあれば、大塚副大臣の方からお伺いしたいと思います。
○大塚副大臣 委員におかれては、実務経験を踏まえて的確な御認識を御教示いただいて、ありがとうございました。私もほぼ同様の認識のもとで去年の九月から仕事をさせていただいております。 まず、御懸念のような事態を招かないためには、ルールづくりの過程で、おっしゃるように、日本として主張するべきことを主張する、我が国に不利益な内容にならないようにする努力をするということがまず行わなければならないことだと思っております。 実際に、去年の九月に政権が交代した瞬間は、二〇一二年にもスタートする新しい自己資本比率規制の内容が去年の十二月にはほぼ固まるかのごとく大変な騒がしい状況だったんですが、しかし、去年の年末にまとまるのは検討すべきたたき台であり、そしてそのたたき台の内容については、おっしゃるように、各国の実情、特に今回の金融危機においてはむしろ当事者ではなかった国々の立場ということを明確に主張するべきであるということから国際交渉に担当者には臨んでいただきまして、その結果、例えば懸念されていたような火急な導入ということに対する一定の歯どめがかかりました。十年間のグランドファザリングが行われるとかいう点がそうしたことであります。 それと同時に、今後も、ことしじゅうに案が確定するわけでありますが、そのコアキャピタルの定義というものについてはしっかりと我が国の実情に合った定義にしなくてはいけないと思っておりますので、まずこの部分でしっかり国際交渉に臨むということが御懸念のような事態を招かない一つの重要なかぎだと思っております。 その上で、でき上がったルールのもとで、しかしそれでも御懸念のようなことになる場合もありますので、その場合は次の問題として、その自己資本比率規制のもとで国際的な業務をやらなければならない金融機関と、そして、そうではない、国内の活動のみの金融機関について、やはりある程度峻別して考える必要があるというふうに思っております。 現実に、日本の国内ではほとんどの経済マスコミが報道しないのでありますが、金融規制について大変厳しいことを言っているアメリカ自身がバーゼル2を国内できっちりと導入していないわけでありまして、こういったことについては日本としてもきっちりと主張し、整合性のとれた内容にすることが、御懸念のような事態を招かないための方策だというふうに思っております。
○富岡委員 ありがとうございました。 こういう規制が入る入らないにかかわらず、金融機関たるものは常時資本を厚くして財務の健全性を強くする、こういうことは当たり前のことだと思うので、今までの護送船団の中でまだそういう、当局が言わなきゃ何もしないとかという意識が場合によってはあるかもしれないので、常に先、先にいろいろな御指導をいただければいいのかなというふうに思っております。 さて、今回の法案の中身について若干、細かいところでお伺いしたいと思っております。 今回、デリバティブの方に関しましては、中央に清算機関というものをつくって、そこに一定の取引を集中させることによって、いわばシステムリスク、システミックリスクを防止するということが目的の一つだ、こういうふうに思っております。 金利スワップとCDSということで、CDSそのものは日本ではそもそもそんなにアウトスタンディングがないのでさほど問題にならないと思いますが、金利スワップについては、まずは標準的な取引だけをその集中対象にされる。一応、今伺っている話では、方向性としては、円のスワップの五年とか七年とか十年、こういうタームのものを集中化の対象にされようとしているようでございますが、銀行の立場に立って言えば、集中機関に取引を持っていくというのは、相対で取引した後にブックをそっちの清算機関に移したりとか、また時価評価によっては証拠金をどんどん積み増したりだとか、こういう一種の面倒くさい取引だというふうに私は思うんです。 そうすると、それに集中させないがために、例えば五年物はその清算集中機関の対象になるから四年半の取引にしちゃおうとか、そういうある意味ずるいようなことが起こりかねなくなるんじゃないかと。そうなると、結果として、目的であるシステムリスクを防止するということにはつながらなくなってしまうんですけれども、そういうふうなことにはならないんだよということについて、何か手だてとかそういうことのお考えについて、お聞かせ願えればと思います。
○大塚副大臣 何点かポイントがあると思いますが、まず、そういう行動をとるインセンティブをそぐためには、集中決済をすることによるリスクの軽減効果が極めて高いという制度をつくればおのずと参加インセンティブが高まりますので、まずそれが一番重要なことだと思っております。 その上で、それでもなおかつそういった標準的な取引以外の取引を行うことで回避しようという場合には、そういう取引には高い自己資本を賦課するということになろうかと思いますので、その結果、そうしたマーケットの攪乱要因はある程度抑制されると思います。 しかし、それを行うためには、そもそもそういう取引が行われているという情報がなければきっちりと捕捉ができないことになりますので、多分委員も法案の内容はよく御理解いただいていると思いますが、情報蓄積機関をどういうふうにつくっていくかというもう一つの問題も密接に関係しております。
○富岡委員 ありがとうございます。 今、副大臣がおっしゃられたように、今回の法案のもう一つの目的が、取引情報を金融庁が集約して、それに基づいた適切なリスクの察知と予防的な措置を講じていく、こういうことだと思うんです。 目的はよくわかるんですが、重要なことは、取引そのものが非常に多岐にわたっていて、国内のみならずクロスボーダーで海外でもばんばか取引されている、こういうことでありますから、海外の当局とも連携を密にしたりとか、そういう中で膨大な取引をしっかりと集約して的確に分析していく、こういうことが金融庁においては重要なファクターになってくる、こう思っております。 そうだとすると、例えばどこの金融機関がどの相手にどれだけエクスポージャーを持っているだとか、その相手の信用力が悪化しているのかよくなっているかとか、さまざまな高度な分析の能力というかシステムというか、そういうものを金融庁の中に備えていかないと、せっかく取引情報だけ集まっても、単にボリュームがふえた減っただけでは何の意味もないので、今後、そうした集まった取引情報に基づいて、どういうふうな体制で、どういうロジックで対応されていくのか、こういったところについての現時点での考え方について副大臣の方からお伺いさせていただければと思います。
○大塚副大臣 おっしゃるとおりでございまして、今後は、もしこの法案を可決していただければ、直接当局に報告をする先、それから情報蓄積機関を経由して報告する先、さらには清算機関が代替して報告をするという形で、すべて情報を集約する体制になりますが、これを分析するスタッフは十分におります。 ただ、あとは、やはり霞が関の大きな構造問題として、この分野に限らず、高度成長期ぐらいまでは産業の実態よりも行政の方が先を行っていたんですけれども、今や、金融がいい例ですけれども、常に行政というのは後追いになりますので、その分析手法、それから実態把握も含めて、どれだけマーケットや金融機関の現実にキャッチアップできるか、ここが最大の問題だというふうに思っております。 分析手法も日進月歩であることは先生よく御存じのことと思いますので、体制は今十分にできておりますので、これが徐々に陳腐化することのないように、不断のブラッシュアップをしていくということが最大の課題だというふうに思っております。
○富岡委員 ありがとうございます。 時間が余りなくなりましたので、最後の質問とさせていただきます。 今、世界の金融の大きな流れというのは規制緩和から規制強化へと明確に切りかわったのではないかというふうに私は思っておりまして、いわばゲームのルールが変わったんだ、こういうふうな認識を持たなければならないんじゃないか、このように思っております。 しかし、昨今の邦銀の動きなどを見ていると、この間、最近ではまた投資銀行に投資をしたりだとか、世界が投資業務から撤退するような動きの中で、逆にそこに出ていくという、何か時代に逆行しているような印象を私は受けるんです。民間の動きですから、そこまで政治があれこれ口を出すべきではもちろんないのでございますが、経営が失敗して最終的に迷惑をこうむるのは国民でございますので、その辺も少し見ておくべきことだと私は思っております。 それから、これからの金融の担う役割についてですが、先ほど冒頭に亀井大臣もおっしゃっておられましたが、私は、やはり企業や個人などのまともな資金需要にしっかりこたえていく、いわば金融本来の資金仲介機能を果たすということが再評価されて、重要性を帯びてくる時代に突入したんじゃないかな、こう思っております。 デリバティブというのは、まさに言葉のとおり、あくまでも派生ですから、そういったもので高いリターンを上げる、利益を上げるということは、翻って言えば、その顧客は損をしているわけですから、そういうことを業務の中心に据えるというビジネスモデルはやはりもう終わりを告げてきつつあるか、こういうことだと思うので、これからは金融と企業や個人というものが双方に、そんなに大きな利益じゃないけれども、お互いもうける、ウイン・ウインの関係を築いていくということで、ともに成長し合う、こういうようなかつてのよき時代の姿を取り戻すことが私はこれから日本の金融市場の進むべき大きな道だ、このように思いますが、大臣の御所見を最後にお伺いしたいと思います。
○亀井国務大臣 全く委員のお考えどおりだ、私はこのように思います。虚が虚を生む中での利益を追求することではなくて、実の中に利益の根拠を求めていくという姿勢がなければ金融業界の発展もない、私はこのように考えております。
○富岡委員 ありがとうございました。 きょうは、一言もやじを飛ばされることもなく初舞台を終えることができて、大変ほっとしております。ありがとうございました。
○玄葉委員長 次に、橋本勉君。
○橋本(勉)委員 民主党の橋本勉でございます。 三回目の質問をさせていただきます。 まず亀井大臣に、今回の法律の改正についての一般論ということで質問させていただきます。 今回、世界のOTCデリバティブの取引残高が、二〇〇八年の末で想定元本ベースで五百四十七兆ドルに及んでいた。我が国の取引残高は、そのうちわずか二十九兆ドルだったということだと思います。また、CDS取引残高については〇・四兆ドル、世界の取引量の一%にしかすぎなかったということで、日本はその当時、デリバティブにおいては、特に店頭デリバティブにおいては非常におくれをとっていたんじゃないかという見方もありました。逆に、おくれをとっていたために投資家への影響は少なかったんだ、裏を返せばそういうふうに解釈ができると思います。 しかしながら、今回、こういう投資家保護と、むしろ規制を強化するという方向で改正がなされました。いわゆる証券市場を活性化するためには規制を緩和するという方向が通常だという通念もあるんですけれども、今回、このOTCデリバティブにとっては強化をするという方向でなされたことについて、この改正の趣旨というのは、もっともっと市場を活性化したい、それとも、市場を少しは抑えていきたい、そういう二つの方向が考えられますけれども、今回の改正の趣旨というものはどこにあるのか、お聞きしたいと思います。
○亀井国務大臣 デリバティブ商品、最近は耳なれた言葉でありますけれども、ちょっと前は何のことかさっぱりわからないというのが、私を含めて大体一般国民の感覚であったと思います。そのことが、御承知のような、アメリカを中心とするデリバティブ商品の大きな破綻の被害を受けなかったという、議員御指摘のような面もあると思います。 今後、そうしたデリバティブ商品なるものが、ある意味では実体経済とは縁のない形で利殖を追求していく、そうした非常にリスクの高い面があることは間違いないわけでもありますから、やはり、それを日本が排除するわけにもまいりません。これは世界の中での日本であります。 また、これに対する規制にいたしましても、世界の各国の規制と全く離れた、そういう行き過ぎがありそうだから先回りをして規制をしていくというようなことにいたしましても、日本だけがかけ離れた、そういうことをやることは、これは実態的に不可能でもあります。 そうした中で、やはりこうした商品の取引の中で一般投資家が被害を受けることが少ない、そうした状況、また、そういうことの破綻を通じて金融自体が大きく破綻をしていくということがないようにしていく、金融庁としてはやはりそういう対応が必要であろうと思います。 しかし、私もこの法案の作成に当たってにわか勉強もいろいろしたわけでありますが、非常に難しい分野でありまして、金融庁の職員自体がデリバティブ商品の取引の実態について細かく詳しく全部承知をしているかというと、必ずしもそうでもない面もあるのも実態であります。そうした中で、ある面では幽霊のような存在とも言える、そういうものをどう正しい方向で制御していけるかという困難な状況に、今、ある面では直面をしております。 副大臣もさっきちょっと答弁をいたしましたけれども、そうした実態に対して、金融庁自体の監督検査等の能力面の実態がきちっと対応しておるのかどうか、そういう問題もあろうかと思います。ただ職員をふやせばいいという問題でもありませんし、実態的にそうした業界に対して適切な指導監督あるいは検査等を行い得る人材を金融庁がどう急いで確保していくかということ、非常に喫緊な課題であるということを今痛感いたしております。
○橋本(勉)委員 ありがとうございました。 次に、この法律の改正において、少し細かいことを大塚副大臣の方にお聞きしたいと思います。 先ほども富岡代議士から質問がありましたように、まず清算業務というところをちょっと質問させていただきます。 金融システム強化の観点から清算集中することで、リスク分散は当然図られるんですけれども、それだけでシステム不安というのが本当に消えるのかどうかが第一点。 それから、一定の店頭デリバティブ取引について清算機関の利用を義務づけるとのことでありますけれども、国内清算機関の免許だとか、外国清算機関との連携方式による清算の認可だとか、外国清算機関の直接参入に対する免許の審査基準いかんだとか、免許または認可の基準が国内の清算機関と外国清算機関で異なっているのか、ちょっと細かいことですけれども、またお聞きします。 最後の三点目の清算業務の件で、我が国の市場の競争力を強化していくという観点からは、我が国の清算業務というのは可能な限り国内の清算機関に担わせるべきではないか。いろいろと問題もあります。海外の清算機関に担わせることによって情報の吐露とか、そういう問題も出てきますけれども、そういう原則論について、今回は外国の清算機関も担わせるということになっておりますけれども、その点。 三点、清算業務について、ちょっとお聞きしたいと思います。
○大塚副大臣 ありがとうございます。 先日の福嶋委員、先ほどの富岡委員、橋本委員と、金融機関出身者が三人続けて御質問いただいて、ありがとうございます。 三点御質問をいただきましたけれども、まず、相殺する清算機関をつくるだけで不安を軽減できるのかという御下問でございました。 確かに、それだけで盤石と言い切れるかどうかはわかりません。ただ、清算機関が全くない状態では、リスクがネットアウトされない状態で、グロスでリスクがマーケットに残りますから、リスクの総量というのは大変大きな規模になります。したがって、清算機関がつくられることによって参加者のリスクに対する不安は相対的に軽減されるということは間違いないものだというふうに思っております。 それから、清算機関の認可について御下問がありました。 国内の清算機関については、主要株主規制等を導入することによって、今まで以上に清算機関の適合性というものをしっかりとチェックしてまいることになると思います。また、最低資本金規制も導入することになると思います。 また、国内の清算機関が海外の清算機関と連携をする場合、国内の清算機関は当然、清算が適正かつ確実に行われるための仕組みや体制があることが認可条件、審査基準になるわけでありますが、海外の清算機関も当然そうであるべきであり、また、その海外の清算機関が外国当局から免許を受けているということが大前提になろうかと思います。 その上で、できる限り国内の清算機関に国内の取引を集中させるべきではないかというのが三点目の御質問だと思いますが、この清算業務というのも大変なビジネスになっております。例えば国内でデリバティブ取引の清算シェアが高ければ、日本のマーケットや金融産業の競争力強化につながるわけですから、できれば、そういう方向が望ましいとは思います。 ただ、一方で、ロンドンのクリアリングハウスのように、既に先行して世界全体に大変なシェアと影響力を持っているところがありますので、そうしたところとの連携等を行わずに、いわば閉ざされたマーケットとして日本の清算機関だけを使うような形になると、かえって日本のデリバティブ市場というものが空洞化するリスクもありますので、そうしたリスクが顕現化しないように、国内の清算機関をしっかりと育成し、体制を整備していくというのが今後の大きな課題だというふうに思っております。
○橋本(勉)委員 ありがとうございました。 次に、情報の関連で、また大塚副大臣の方へ質問させていただきたいと思います。 この清算機関や取引情報蓄積機関にはどのような情報が蓄積され保存されていくのか、そして、どのような情報が当局、いわゆる金融庁に報告されていくのかということ。 そして、もう一つは、海外の清算機関を利用するということになると、先ほどもちらっとお話がありましたけれども、海外に情報が蓄積、保存されて、逆に日本の顧客情報が海外に漏れるという懸念もあるわけですけれども、そういった心配についてはどのような対応策をとられるのか、お聞きしたいと思います。
○大塚副大臣 まず、蓄積される情報の種類ですが、基本的には、想定元本と取引相手と取引期間、これが三つの柱だというふうには思っております。 ただ、それに付随する情報としてどのようなものがあるのかということについては、今後、詳細は、府令や、それぞれの清算機関あるいは取引情報蓄積機関がつくる何らかのルールによって定まっていくというふうには思っております。 これが例えば海外の情報蓄積機関や清算機関に渡ることで漏れるリスクがないかということでありますが、当然、清算機関も情報蓄積機関も守秘義務がかかるわけでありまして、しっかりとした守秘義務ルールを課すことによって情報の散逸は防ぐべきものというふうに思っております。
○橋本(勉)委員 ありがとうございました。 次に、金融商品取引業者への規制、監督の確保ということで、グループ規制、監督の強化というものも盛り込まれております。これについて、また大塚副大臣の方に質問させていただきます。 今回は、証券会社の連結規制で、川上連結、川下連結ということで規制されておりますけれども、自己資本規制ということでは、証券会社レベルで、単体レベルじゃなくて連結レベルでどのような規制を見込まれるおつもりなのか、よろしくお願いします。 そしてまた、ついでに、裁判所の差しとめ命令に違反した場合の両罰規定というものが今回盛り込まれました。何十年ぶりかの両罰規定でございますけれども、法人に対する罰則の水準というものはどのあたりまで罰則が厳しくされているのか、またはされようとされているのか、教えていただきたいと思います。
○大塚副大臣 まず、証券会社の連結規制についての御下問がございました。 証券会社に対しては、現在、単体に対する規制、監督が原則になっております。自己資本比率規制も単体ベースであります。また、主要株主に対しては、報告徴取、検査という規制がかかることになっておりますが、今後はこれに、今御指摘のありました連結規制、監督を導入することになると思います。 特に川下規制、川下連結、川上連結という言葉で表現をさせていただきますと、まずは、証券会社の子会社を川下というふうに表現いたしますと、その川下の子会社に対する報告徴取、検査も行うことになります。また、子会社も含めた連結自己資本規制を導入する予定でございます。 一方、この証券会社の親会社を川上というふうに表現いたしますと、大規模な証券会社のうち、グループ一体で金融業務を行っていると認められるものについては、親会社に対しては行政命令を出せるようにいたしますし、また、先ほどの子会社を含めて、また兄弟会社を含めて、全体としての自己資本比率規制を導入する予定になっております。 次に、裁判所の差しとめ命令にかかわる両罰規定の件でございます。 これはよく御承知のことと思いますが、例えば、今社会問題化しているような未公開株の勧誘、販売とか、ファンドの販売業者による資金の流用等の詐欺的事案が起きた場合、これは裁判所が、緊急の必要があって、公益あるいは投資者保護のために必要であると認めるときには、違反者に対して当該行為の禁止を命じることができるわけであります。しかし、この裁判所の禁止命令に違反した者に対しては罰則を科せる一方で、その行為を行う法人そのものに対しては罰則を科す規定がありませんので、この法人に対しても罰則を科すというのが今回の趣旨でございます。 その上で、裁判所の差しとめ命令に違反した法人に対しては三億円以下の罰金を科すということができるように規定を整備しているところでございます。
○橋本(勉)委員 ありがとうございました。 次に、日本経済全体の金融システム不安をあおっているようなデフレギャップみたいなところも、私はやはり問題点として挙げなければならないと思っております。そういう意味で、資料を配らせていただいております。このことで、きょうは参考人といたしまして中曽宏理事に来ていただきましたので、中曽さんを中心に質問をさせていただきたいと思っております。 デフレといいますと、いろいろ皆さん聞いていらっしゃると思いますように、価格が下がるということは、今は物を買わないということでもありますし、また、九十三円が例えば八十円になるということになると外人は何をやるかというと、今はむしろドルを売って円を買うということで、円高の一つの要因にもなるということであります。 そういう意味でいきますと、デフレというのは非常に怖いという認識を持っておりますし、私もかつて何回も失業して悲哀を味わったことはあります。そのとき、インフレと失業とどっちが大切なのかということをいつも感じておりましたときに、一〇%のインフレぐらいだったら平気だ、やはり仕事は欲しいと思う、そういう気持ちを常に感じておりました。 そういう意味でいくと、本当に今国民の皆様がこのデフレに対していら立っているんじゃないか。フィリップス曲線というのがありますけれども、やはり仕事がないことの方がきついということを感じていらっしゃるんじゃないかなと私は思っております。 そういう意味で、今回、日本の経済に巣くうこの金融システム不安、いわゆるデフレというものについて、これを除くようにどのような方策を考えていらっしゃるのか、私はそれを日銀の理事にお聞きしたい、そういう趣旨でございます。 きょうは、そこでも資料を申し上げましたように、まず他国との比較ということで、日銀さんにいわゆる金融政策をやっていただく。デフレギャップというのが大体三十兆円あるということは皆さん大体御存じだと思いますけれども、このギャップを取り除いていただくためには、財政政策と金融政策しかございません。その中で、むしろ金融政策、日銀さんの役割というのは非常に大きいんじゃないかなと考えております。私の今の感覚からいって、九割ぐらいは日銀さんにやってもらいたいという気持ちでございます。まさに、日銀さん助けてくださいというようにお願いするしかないと思っております。 そういう意味で、まず資料をお配りさせていただきました。 二ページ目がGDPギャップで、日本だけが非常に大きい。七%ぐらいあるということであります。これがGDPギャップであります。 それから、特に三ページ目に、今回のリーマンの破綻以来、これも皆さん御存じのところだと思いますけれども、日本の中央銀行、日銀と、そして欧州、アメリカがどのようにバランスシートをふやしていったかという経緯が書かれてあります。日銀がぼつぼつぼつというところで、二〇〇八年の九月に対してもほとんど変えていないのに対して、アメリカ、ヨーロッパは三倍、二倍というようにバランスシートをふやしてきている、こういう図がうかがわれるのではないかと思っております。 それから、四ページ目。四ページ目は、GDPギャップというものはどのように減らしていったらいいのかということの一つの、アフターフィスカルポリシー、財政政策と、そして金融政策というものが書いてありますけれども、一番右が日本であります。財政政策よりもむしろ金融政策の方がやや効果が高いんじゃないかということが推測できるのではないかと考えております。 そういう意味で、次の六ページ、これはもう経済学部の教養学科のどのテキストにも書いてあるマクロ経済学の図式でありますけれども、これを見ますと、一番右の、例えばA点からY*、いわゆる完全雇用と目される点までの距離が大体三十兆円ぐらいあるんだというところで、このAD曲線、AD1だけでは足らない。AD1からさらにAD2まで行ってやっと完全雇用と目される点で均衡できるということを意味しているのではないかと思います。 その均衡に至るAD曲線の右シフトというものは財政政策と金融政策によって図られる、これを六ページに示させていただいております。それがこの上の図でありまして、ISの右シフトが財政政策であり、そしてLMの右シフトが金融政策であるということであります。これは、ISの右シフト、財政政策も目いっぱいやったと思います。しかしながら、LMの右シフトが今回は不十分ではないか、そう思うから、この表を載せていただきました。 まず、この点について理事に、日銀は他国と比べて金融政策が出おくれている、そういう非難があると思います。この点について御所見をお伺いしたいと思います。
○中曽参考人 お答え申し上げます。 まず、デフレに関する認識でございますけれども、日本銀行といたしましても、日本経済がデフレからなるべく早く脱却しまして、物価安定のもとで持続的な成長経路に復していく、これは極めて大きな課題であるということは、私どもも全くそのとおりだというふうに認識をしております。 それから、GDPギャップ、需給ギャップの大きさでございますけれども、確かに日本の場合は大きい。これをどう解消していくかということにつきましては、やはり、政府、民間経済主体、日本銀行、それぞれの立場で粘り強い取り組みを続けていくことが必要だと思っております。 私どもは今何をやっているかということなんですけれども、基本的には、金融面から経済の活動を下支えしていくために、いわゆる新型の固定金利オペというのを十二月に導入して、三月に強化をしてございます。 こういった金融面の効果なんですけれども、基本的に何をねらっているかというと、市場金利の低下を通じまして、企業あるいは家計の資金調達コストを引き下げていく、これでもって民間経済主体の支出活動を促すということで、需要をふやしていこうというものでございます。金融緩和の効果が発揮されるためには、まず民間経済主体の前向きな取り組みというのが前提になるんですけれども、やはりその効果が浸透していくまではある程度の時間がかかってしまう、そういう面があると思います。 しかし、今後も経済が持ち直しを続けていけば、低金利の持つ効果というのはだんだんと大きくなっていくというふうに私ども認識しておりますので、日本銀行としても、粘り強く、極めて緩和的な金融環境を維持して、需給ギャップの解消に貢献していきたいと思っております。 それから、他国との比較におかれて、先生、三ページでバランスシートの大きさの比較をされた表をお示しされておられます。 日本銀行は、二〇〇一年から六年にかけまして、いわゆる量的緩和政策を行ったことがございますけれども、このとき、確かに当座預金の残高というのはかなり大きくなってございます。バランスシートの大きさというのは、いろいろなはかり方の基準があると思うんですね。例えば準備預金、当座預金と名目GDPの比率をとってみますと、量的緩和のときの日本の比率というのは大体七%です。今の米国のこの大きなバランスシートですけれども、これを名目GDP比で見ると大体七%。ですから、大体同じくらいのバランスシートの大きさを今持っているというふうに言っていいと思うんですが、問題は背景だと思うんですね。 日本の場合、当時、これは二〇〇〇年の初頭ですから、九〇年の後半の大変な金融危機の直後でございました。日本の金融システムは崩壊しておりまして、いわば、日本銀行が金融システムあるいは市場のかわりをするような形でバランスシートを大きくしたということでございます。ちょうど今の米国の市場がそういう状態にあると思うんですね。住宅金融市場の機能が麻痺しておりますので、米国FEDは、住宅証券化商品、これを大きく買い上げるということで、いわば、市場あるいは金融システムの代替をしているというふうに思います。 ですから、こういうことを見てみますと、一つ言えるのは、バランスシートの大きさというのは金融の緩和度合いでは必ずしもなくて、金融システムないしその市場がどのくらい毀損しているか、それに取ってかわるためには中央銀行がどのくらいバランスシートで代替をしているか、そういった側面もあるのではないかというふうに思っております。
○橋本(勉)委員 ありがとうございました。 また、ちょっとお聞きしたいのは、よく言われますように、この五ページですね、日銀の金融政策等によって、もっともっと国債残高をふやすことによって、金利が上昇するんじゃないか、国債の暴落が起きるんじゃないか、そんなことが言われておりますけれども、過去、少なくとも二〇〇七年から二〇一〇年初頭まで見ておりますと、日本は二%を超えるということがほとんどございません。英国、アメリカ、ドイツに至りては、むしろ日本の倍ぐらいな長期金利の高さを維持しているわけでございます。 要するに、何が言いたいかというと、国債残高が多くて日本は危機だ、だから金利が上がるというようなことが言われておりますけれども、それほど心配は要らないんじゃないかということが一つあると思います。 それからもう一つは、この七ページであります。 七ページは何を意味しているかというと、これは日銀にちょっとかかわりがあるんですけれども、変動相場制において財政出動というのは景気に余り効果がない、むしろ有効なのは金融政策だと、いわゆるマンデル・フレミングの理論をちょっと図であらわしただけで、詳しくは皆さん、読んでいただければわかると思うんです。 そういうことで、むしろ今は、変動相場制の中においてはLMを右にずらすしかない。つまり、金融政策がこの変動相場制の中では有効な手段なんだということをこれは意味しているのではないかと思います。 そして一番最後のページでございます。八ページでございます。 これは何を言わんがための資料かというと、日銀の、例えば今問題になっている五条ですね、原則的に政府の国債を引き受けることは、直接引き受けはできないけれども、ただし書きでできるというような条文がございます。 このことで、上の図と下の図をちょっと比較していただきますと、これもすぐ御理解いただけるんじゃないかと思うんですけれども、要するに、ウエルスというのは、ある程度国債というものを持つことによって貨幣と国債市場とのバランスがどうかという問題も含めまして、LM曲線が、上の図は逆に市中消化のケースでありますし、下の図が国債を直接買い付けたケースでございます。そのことも含めますと、むしろ、下の図の方が金融政策にとってどうしても必要だということを理論的にちょっと暗示しているということを申し上げております。 あとは、インフレ期待ということになると、逆にIS曲線を右に移動するということになります。 そういう意味もありまして、今マイナス一からプラス一に算定している物価高の範囲を、むしろ〇%からプラス二%ぐらいまで、一%右にずらしてもらうだけでも効果が出てくるんじゃないか。むしろインフレ期待ということで、経済は、国民所得は上昇していくんじゃないか、そういうふうに思っております。 最後にぜひ中曽理事のコメントをいただきたいと思います。
○玄葉委員長 中曽理事、質疑時間が終了していますので、極めて簡潔に御答弁ください。
○中曽参考人 はい。 長期金利はいろいろな要素で変動いたします。基本的には、経済成長率、物価上昇率、それからプレミアムですね。これが一つ問題だと思っておりまして、やはり国債保有に伴うリスクプレミアム、これが高まってしまいますと、長期金利が上がってしまいます。 御指摘のように日本銀行が国債を直接引き受けてしまいますと、要すれば、財政赤字を日本銀行が直接ファイナンスするのかなというような市場の疑念を招いてしまいますので、かえって長期金利が上がってしまう。それによって、投資活動などがかえって抑制されてしまうというふうな意味で、私は弊害が大きいのではないかというふうに思っています。 それから、御指摘のあったマンデル・フレミング・モデルなども含めまして、こういった分析は、非常に有効な示唆を得る理論ではありますけれども、同時に非常に多くの仮定に基づいたモデルでございますので、有効性を見る上では、さまざまな状況を勘案して判断をしていく必要があるというふうに思っております。
○橋本(勉)委員 モデルも、複雑な経済事情を考える場合の一つの重要なツールですから、よろしくお願いします。 終わります。
○玄葉委員長 次に、野田毅君。
○野田(毅)委員 きょうは、菅大臣には特に、金融商品の問題であるんですがおいでをいただきまして恐縮です。 その前に亀井大臣、あなたほど、突撃力というのかしら、突進力というのが抜群な人はいないんだが、同時にまた破壊力も抜群な人もいないんでね。本当は、金融担当大臣としてはどっちかというと、突進力よりは破壊力の方が大きいんじゃないかという心配をしておるのをまず申し上げておきたいと思うんです。 一応、きょうの議題としては、金融商品取引法等の一部を改正する法律案ということがテーマになってはおるんですが、冒頭、概略だけ私の考え方なりを少し申し上げておきたいと思うんです。 残念ながら、私ども日本は、金融商品についての勉強が実におくれてしまった。どちらかというと、特に海外が非常に早くから、現物と先物とをうまく組み合わせることによって、例えば株価が下落しても扱う業者はもうかるような仕組みを先に実は欧米がやってきて、結果的に日本が、証券会社がまだそこまで知恵が回らなかったがために、結果として全部吸い取られてしまったという苦い経験が、私自身がかつて宮沢内閣で企画庁長官をしておりましたころに、あのバブル崩壊の直後に大変苦い思いをした。 そのころからいわゆる金融工学という言葉がはやり出して、先物からデリバティブズ、いろいろな形に発展していったわけですが、当時の日本の金融界は、残念ながら、あの不良債権処理ということに追われてフリーズしてしまった。国会における論戦も、金融機関バッシングみたいなものがたくさんあったし、同時に、いろいろな不祥事もあって大蔵省バッシングも重なった。 そのいろいろな過程の中で、諸外国の金融商品がさまざまな形で開発されている過程の中で、日本の役人の皆さんが、どちらかというと、政策勉強にいそしむよりも、むしろ機構改革の中で、金融監督庁をつくったり金融庁をつくったり、そういう中に忙殺されてしまった。その結果、政策勉強は大変怠ってきたということを、私は、自分の今まで関与してきた中で、残念ながら反省点の一つだと思います。これは、政治家が与党、野党を超えて、マスコミを含めて、世の中のバッシングがそういう形に向かった。 今もいろいろな形で、公務員制度改革その他がいろいろあるわけですが、ややもすれば機構改革的な形で、政策勉強をしっかりさせるということが本来役人を善導していく大事な視点なんだけれども、その辺が少し組織いじり的な側面に傾いてしまうとまた同じ過ちをするんではないか、そんな心配をしています。 そこで、今回の、金融商品取引についていろいろ規制を強化しようということですから、おおよそにおいてその方向性は結構だと私は思います。 それは当然のことながら、市場主義ですべてが正しいわけではないんです。市場は必ずウイン・ウインではないわけで、得する人と損する人が必ず発生する。これは当たり前であって、イーブンな力関係というのはほとんどない。特に、情報力の格差なり資金量の格差なり、あるいは、場合によっては国家的な権力が背景にあるとか、さまざまな形によって、理論どおりのマーケットはまずはない。 そういう中で一つ見えるのは、市場参加者が一般投資家からお金を集めてかわって運用するという場合に、その一般的な投資家からお金を集める際にきちんとした形でやっているかどうかという意味での規制をきちんとしなきゃいけない、これは当然のことだと思います。これは第一のジャンルですね。 それからいま一つは、単に市場に参加をしている当事者の損得だけならば問題は限定されるんだけれども、その扱う商品なりその影響が、あるいは業界全体なり産業界全体なり国全体にかかわってくるというようなものである場合には、そう簡単に放置するわけにいかない。これは、特に国債の市場であったり、あるいはさまざまな証券市場であっても、そういうことが言えるかもしれませんね。その場合に、どういうような形で規制をしていくのか、あるいは商品に対する規制なのか携わる人に対する規制なのか、さまざまなやり方があろうかと思います。 それからもう一つ、最後は、最近非常に心配しているのは、いわゆるCDSもそうなんですが、空売りと空買いが平気でできるという、空売り、空買い。つまり、最終的に決済の責任を果たせないような形のままで市場に介入をして、そして逃げていく。そのダメージが大きいときには大変な問題を起こすというのが、今回のリーマン・ブラザーズ初めさまざまな事件で発覚したわけです。そういう分類でいくと、今回の金融商品規制に対して幾つかの視点があると思うんですが、この辺は、亀井大臣に聞くよりもむしろ大塚さんかな、その辺少し、大臣、答えますか。
○亀井国務大臣 私は破壊力だけで、こんな答弁はできないと思っておられるようでありますけれども、的を射ておるかもしれませんが、デリバティブ商品は、私は存在そのものを否定する気はありませんけれども、実体経済、実から離れた形で虚が虚を生んでいく中の富というのは、ある意味では、しょせんこれは架空のものであるというように覚悟しなければならない面が大きいだろうと思います。 しかし、こういう取引が現在存在をしており、それが、金融面からも経済面からもある一定のまたプラスの効果も生んでいくということも事実でありますから、これに対してどういう投資家の保護、あるいは、その取引等から生まれる部分的な破綻が金融全体の破綻という形で波及しないための措置をどうしていくかということは、金融庁としても極めて大事な問題だと思っております。 ただ、これは先ほどの答弁でも私は申し上げましたが、国際的な取引の中で日本だけが単独で世界の規制とかけ離れた規制をやっていても、実効もなければ、そのことがいい効果を生まないという場合もあるわけでありますから、そうした中で、そうした取引によって生ずる損益といいますか、そういうものが全体の破綻につながっていかないような措置をこういう形でとっていこう、そういう知恵から生まれたこのたびの法律の改正でもございます。
○野田(毅)委員 よく勉強をしていただいておるようでありますが、しっかりと頼みます。 そこで、きょうの本題はちょっとまた後ほどフォローしてもらいたいと思っているんですが、菅大臣にも来ていただいたのは、ちょっとお手元に表を、グラフですがお配りしてあると思うんです。これは私がつくったんですが、これをごらんいただいてどうお感じになるかです。 これは、左側に消費税、国、地方トータルで現在五%。最初に入れたときはこれが十二・五兆ぐらいあったんですよ。五%に上げたときに、大体一%で二・五兆円ぐらいだったんですね。ことしの場合は、大分景気が悪くなっているから、消費税といえども影響を受けて、結果としては十二・一兆円になった。これがルールによって国と地方に、五・三と六・八に分かれている。これはもう御案内のとおりです。 この中で、国に入った消費税、この全額は、基礎年金と老人医療と介護、この三つにしか使わないことになっている。これはもう御承知でしょう。亀井大臣は、このことは国務大臣としても、昔は自民党の政調会長もやっていたんだから、当然おわかりだと思うんですが、こうなったのはいつからだと思いますか。菅大臣は御存じでしょう。菅さん、隣で聞いていてもだめですよ。財務大臣が知らぬようでは困りますよ。イロハですよ。ヒントはこの右側に書いてあるじゃないですか。平成十一年度。 平成十一年度の予算総則において初めて、国に入った消費税はその全額を、基礎年金と老人医療と介護、ここに充てると。したがって、それ以外にはびた一文使っていないんですよ、今日まで。これからそうするんじゃないんですよ。平成十一年度、自自連立からですよ。率直に言って、あのときに私が注文つけてこうさせたんですよ。それが……(発言する者あり)そうですよ、金融国会のあの後。 まさに、今世紀の日本の最大の構造改革の中心テーマの一つは何だといえば、世界的な国際競争が激しくなっていく中でどうやって日本が生き延びていくかという視点。いま一つは、歴史的にも世界的にも例のない少子高齢化が急速な形で進んでいく、そういう中でどうやって、老後の生活不安をなくして、国の財政をしっかりと支えながら、また雇用の問題をも抱えながら日本が乗り越えていくかという最大のポイントの一つが、実はこの消費税を含む税制の抜本改革、これこそが、今世紀に入っての最大の構造改革の中心課題だったんですよ。 その認識があってこういうことで、まさに幾らコンクリートを減らしても、毎年毎年一兆円ずつ高齢化に伴う社会保障のお金がかかっていくということであれば、財政再建のためだけじゃなくて、社会保障制度そのものの姿が描けないじゃないかということから使途限定をしたわけですよね、これは平成十一年度。 この入れたときには、一番右端に書いてありますが、基礎年金、老人医療、介護、一般会計から支出をされる総額は八・八兆円でありました。したがって、この時点ではまだ、消費税によってカバーし切れない不足部分は一・五兆円程度の借金で済んだわけだ。しかし、その後いろいろ自民党も、小泉改革という中で財政歳出削減ばかりをやって、消費税の問題を逃げたことは率直に言って責任があると思います。しかし同時に、歳出削減路線は民主党の皆さんも大いにやるべしと言っていた。ただ、亀井さんは、それだけじゃだめだ、こう言っていたわけだけれども。それは、いいか悪いかは別ですよ。 いずれにしても、歳出削減によっていかにも、財政再建が成り、少子化あるいは高齢化に対応できるように錯覚を与えてしまったという責任は重い。これは我々も反省すべきことがある。ただ、今回政権交代になってなお、まだ無駄遣い削減が優先だという話になっている。大丈夫なんだろうかと。 今、それで見ると、平成二十二年度はどういうことか。三分野の必要なお金が十六・六兆円ですよ。これはごらんになったらわかるとおりだ。そこに充てられている消費税は六・八兆円しかない。もう九・八兆円借金をして泳いできているという現実。借金を返すどころの話じゃないんですよ。これ以上、どうやって高齢化に伴う借金をふやさないようにするかという議論をしていかなきゃならないわけですよね。この点の認識は、菅大臣、どうでしょうか。
○菅国務大臣 この分野で国会でも一、二の経験と知識を持っておられる野田先生のいろいろな御指摘、私も、今言われた予算総則が平成十一年にそうなったということも改めて認識をいたしましたし、また、歴年、当初は一・五兆円の差額で、社会保障関係が消費税部分でほぼ充当されていたのが、この十年間にどんどんふえて、結果としては、消費税部分では全体の四〇%程度しか充当されない。ここに書かれたように、九・八兆円がそれを超えた歳出として計上されているし、また、されざるを得ない状況にある。 そういう意味では、財政がこの十年間で非常に公債残高が大きくなったのも、一般的には、社会保障の部分の増が半分ぐらいきいていて、あとの半分ぐらいは実は税収の減がきいている、そういう分析、私はおおよそそういうことだろうと。 まさに、おっしゃることを改めて深刻な状態として受けとめさせていただきました。
○野田(毅)委員 ですから、僕はその受けとめ方でぜひやってもらいたいと思うんですね。 そういう意味で、逆立ちしても鼻血が出なくなるようになるまではだめだとかそんなことを言っていたのでは務まらぬなと心配していたんですが、このところ大分発言が変わってきて、いいように変わったと私は思いますよ。やはり大臣として所管する以上、責任感が大分あふれてくるようなイメージが出てきた。まだイメージですよ、まだ具体化されていないわけですから。 そういう点で、財源確保の裏づけもなくてマニフェストを実現しようとすれば、市場の信頼を失い、国債価格の下落を招き、財政を一層悪化させる、こう、菅大臣がお話しになったのか周辺がお話しになったのか、報道にも出ておるわけですが、この認識は変わりませんか。
○菅国務大臣 国債に対する信認の問題はかなり以前から言われているわけですけれども、近年特にギリシャの問題なども生じて、やはりこの問題は、ある意味で、多くの先進国にとってもかなり重要といいましょうか、場合によっては深刻な問題になりつつあると思っております。 その中でも日本は、公債残高比率は断トツの状況でありますので、いろいろ、オオカミは来ないんだという説もありますけれども、私は、やはり政治の責任として、ぎりぎりこのあたりで、何らかの方向性を示して踏み出さなければならないタイミングにあるのではないかと思っております。 先ほど野田委員の方から、歳出削減というか無駄の削減だけではこの状況には対応できないという御指摘もありました。我々の立場としてはまだ、無駄の削減に対しても、初年度、十分とは言えませんでしたけれども多少のことをやって、いよいよ本格的にやるという姿勢は崩さないでいこうと思っています。 しかし、それだけで必要なものが賄え、かつ今の財政の状況を改善するということができるかと言われると、それはかなり厳しい状況にあって、そういうことを含めると、国債の信認についてもやはり、今度六月には中期財政フレームを仙谷大臣の責任のもとで、もちろん私も協力してやることになっておりますけれども、そういう中で一つの方向性を示していきたい。既に自民党からは財政健全化責任法という法案が出されていることも承知をしておりまして、それも参考にして、場合によっては法案の形でお示しをすることもあり得るかなと。まだ検討中でありますけれども、そういうふうに考えております。
○野田(毅)委員 もう一つ、きのう、報道によりますと、記者会見ですか、これに関連して菅大臣から、増税をしても使い道を間違えなければ景気がよくなることもあるはずだということで検討を命じている、こういう発言をされたようですけれども、これはそのとおりですか。
○菅国務大臣 実は、昨日の発言もありますが、三月二十四日の予算が成立した日の記者会見で、デフレということについて、やはりいろいろな理由、原因はありますけれども、ちょうど体でいえば血液が流れない状況にあると。血液が流れない、お金が流れない状況を変えていくには、やはり税と財政の出動によってお金を流して、その使い道が特に雇用、仕事。そして、雇用があったり仕事があればまた所得になるわけですから、そうすると、所得を得た人からの税の提供もあり得るわけですので、そういう意味で、そういうことを実は三月二十四日にまず基本的な考え方を申し上げて、今その方向で幾つかの作業を進めております。 例えば、過去の政権下における、いわゆる消費税の導入とか消費税を三パーから五パーに上げたときの前後の経緯を、本当にそれによって景気が悪くなったのか、単なる一時的な駆け込み需要と一時的なそれの反動だけなのか、さらには、その歳出によってよりよくなったのかどうなのか。一〇〇%検証できるわけではないにしても、いわゆる、これはお互い政治家ですから、増税をすると言えば選挙に負けるというのが一般的に我々の認識に多く共通しているわけですが、そうではない状況がちゃんと説明できるのであれば説明できるようにしたいということで、今御指摘のあったような発言をしたということは事実であります。
○野田(毅)委員 亀井大臣はこれについてどう考えますか。
○亀井国務大臣 菅大臣が、我が国の深刻なデフレギャップの中で、経済が低迷する中で税収も上がらない、そうした中でこれを突破していくにはどうしたらいいかということを大変深刻に考えて検討しておられる状況は、私は高く評価をいたしたいと思います。 ただ問題は、税の問題は、基本的にはこれはやはり、税金をいただく国民の方々あるいは産業、そういうものがきっちりと富を得ている、利益を得ているという状況がきっちりあるかどうかが前提になるわけでありまして、かれた井戸からこれをくみ上げるつるべを幾ら動かしてみたところで、これは限度があるわけでありまして、私は、今大事なことは、井戸に水をあふれさせていくにはどうしたらいいか。 これは卵が先か鶏が先かという議論にもなってまいりますけれども、残念ながら、民間から自然と水がわいてこない、そういう状況においては、水がわいてくるような措置を政府みずからの責任において大胆に思い切って断行をしなければ、井戸はますますかれていき、くみ上げていく工夫を消費税とかいろいろな形で考えてみたところで、私は、しょせん実らない、このように考えておるわけであります。
○野田(毅)委員 何か亀井さんの話を聞いていたら江戸時代に戻ったような感じで、昔の大名が百姓から年貢を取り上げる、そのありさまの話を聞いているような気がしてしようがない。今は、税といってもいろいろあるんですよ。いいですか。直接税と間接税、全然違うんですよ。 今、菅大臣が、使い道によっては景気がよくなるということもあるんだよと話があった。しかし、実は二つあるんだ。税でも、直接税を重くするのか、あるいは消費税でいくのか、これによって経済効果は全く違うんだ。当たり前の話だ。 非常に心配するのは、一方でこの消費税の論議は、やはりこの使い道が、まさに高齢化時代に合わせて、どう老後の不安をなくしていくのか、社会保障の制度設計をより盤石にしていくためにはどうすればいいのか、その財源は何でやるんだという問題と密接不可分ですよね。だから、こういう議論になっていると思うんですね。ところが一方で、これはまだ民主党で決定しているかどうかわかりませんが、何かマニフェストに関連して、いやいや所得税の税率を上げようじゃないかとか、あるいは法人税の内部留保課税を強化しようじゃないかという話まであるわけで、一体これはどっちへ向いているんでしょうねと。何か普天間と似たような話で、どっちに着地点があるかよく見えない。だから、すごく弾散らしといえば弾散らしなんだけれども、これはどこへ行くかわからない。 この点は、菅大臣はまさか、今のような議論の中で、法人税の内部留保課税を強化するとか、あるいは所得税の上限の最高税率をさらに強化しようという方向を考えているということはないんだろうと思うんだけれども、この辺はどうですか。
○菅国務大臣 現在税調に、年が明けてことしになってから、専門家の皆さんに参加をいただく専門家委員会をつくりました。今そこで、所得税、法人税、さらには消費税含めた基幹的な税の議論を相当本格的に進めていただいております。 確かに、税の項目によっていろいろ性格が違うことは私なりに承知をしているつもりですが、よく言われるのは、法人税については、欧米あるいはアジアの国々と比べてやや高い税率に現在なっている。そういう認識は総理も持っておられて、課税のベースの問題等との関係もありますけれども、やや高過ぎるのではないかという議論が議論としてあるということまでは紹介できると思います。 まだ所得税についてはそれほど踏み込んだことは申し上げておりませんが、少なくともこの十年間の変化でいえば、フラット化というものが進んできたわけですが、それが所得再配分とかという意味で必ずしも十分な機能を果たさなかったのではないか、そういう議論が専門家の皆さんから出ているということは漏れ伝わってはおります。 それと、もう一点だけ申し上げますと、今社会保障を軸に野田先生はいろいろ言われておりますが、もちろん社会保障が極めて大きな財源が必要だということはわかっておりますけれども、つまりは、使い道を誤らなければという言い方の中には、社会保障がたくさんかかるからそこに振り向ければということだけではなくて、成長戦略などにおいてやはり積極的に集中と選択で、全体に広くじゃなくて集中と選択でやるところがある。 さらに言えば、社会保障の分野も、負担という言葉で語られることが多いわけですが、ある意味では投資的な要素もあるというか、その分野が経済成長につながってくる。例えば、介護の分野にお金を投じれば、当然雇用が生まれ所得が生まれるわけですから、サービスの創造によってGDPが上がるわけですから。ですから、私は、社会保障の分野も成長分野であるという認識の中で考えていく、そういう両面を含めて積極的な対応が必要かなと思っております。
○野田(毅)委員 今のお話の後半部分はそのとおりなんですよ。 ですから、本来なら、さっきの表でお見せしたように、今ごろは、消費税を上げるとか上げないとかじゃなくて、上がっていなきゃおかしいんです。今ごろちゃんと上がっていれば、もっともっと、そういう意味で、社会保障の分野が一つの成長分野としてしっかりした位置づけができていた可能性が十分にある、私はそう思いますね。そういう点で、この上げるか上げないかという議論をしていること自体が随分と何周おくれかになっちゃったんじゃないかということは、私はあえて、我々の反省も含めて申し上げておかなきゃならぬ、こう思うんですね。 そこでもう一つ、先ほどもちょっと議論があったんですが、今大臣からもお触れがあったんですが、ギリシャの次はどこだ、こういうある種のソブリンリスクと言われて、みんな本当に神経がぴりぴりしています。したがって、国会で不用意な発言をするのはなかなか差し控えなきゃならぬとは思います、戦前の、同じような台湾の問題もあったわけですから。 だけれども、少なくとも来年度の予算編成を考えてみた場合に、もう報道も出ていますが、これは野田副大臣なんかも大分あちこちで言っているようだけれども、マニフェストどおりにやるとすれば、子ども手当だけで余分にまた二・六兆円かかりますね。基礎年金を三分の一を二分の一にするのにまた二・五兆かかる。それから、高齢化に伴う当然増が一兆円ぐらいありますね。そのほかに、高速道路の無料化の話であったり、あるいは農家の戸別所得補償の話であったり、さまざまなマニフェストを実現しようとすれば、さらに三・五兆円ぐらい余分にかかりますね。これだけで九・五兆円ぐらいかかっていますね。 それに対して、いわゆる税外収入、埋蔵金等々について、ことしはかなり、清水の舞台から飛びおりるぐらいのこともやった。しかも、言うなら、給料の前借りをして使っちゃったというような要素も既に入ってしまっている。まさに、逆立ちしても鼻血がほとんど出ないような状況にまで立ち至っているということを考えると、この税外収入も、ことしのように十一兆円なんかとんでもない、半分ぐらいしかないんじゃないかということもろもろ入れると、十五兆円ぐらい足りないねと。税の自然増収が仮にあるとしても、それは五兆円もあれば御の字でしょう。五兆円もいくかどうかわからない、法人税収にしても。 ではどうするんですかということを考えたら、これはとても、わかっているのにまたマニフェストで同じことをやるんだろうか。選挙が終わったら、あれはなかったことにして増税をまたやるのか、あるいは予定していたお金をばらまくこともやめるのか。言うなら、明らかにマニフェスト違反を選挙が終わった直後からスタートしなきゃいけないというなら、これは詐欺商法と同じになってしまう。 そういう中で、本当にどうするんだろうと。もう野党じゃないんですから、政権責任があるわけですから。これを市場は非常に注目して見ているんだ。もしこれがおかしなことになったら、これはやばいと。 亀井大臣の方はいろいろ、郵政の限度額を上げたりして、郵貯、簡保で引き取れば少しは需給関係が改善されるからいいじゃないかとかいう話を考えているかもしれない。しかし、そうじゃない。先ほどお話をしたように、国債の金利は決して需給関係だけでは決まらないんですよね。自分で国債を買わなくても、当然、CDSを使うことによって幾らだってリスク商品を扱える。そこで妙な形になってきたら一体どうなるんですか。 今、銀行は、国債の保有は随分ふえていますよ。その抱えている国債の資産価値が下がるということになったら、銀行保有株の下落よりもっと大きなインパクトが市場に出るじゃないですか。それは、国債の金利が上がって財政負担がふえるというだけの話じゃない。もっと大きな話が実は金融市場に来るんじゃないですか。それがどれだけ大きな影響を与えるか。このことがあるからみんな心配しているんじゃないですか。この点について、菅大臣はどう受けとめていますか。
○菅国務大臣 そういう状態があるという認識はかなり共有しているつもりです。 その中で、もともとの予定でもありますけれども、六月には三年程度のめどをつける中期財政フレーム、さらには、ほぼ同じ時期に十年程度の展望を持った財政運営戦略、いずれも戦略室が中心ではありますけれども、そこで打ち出すことになっております。既に中期財政フレームの、これにも専門家の皆さんの意見がいろいろ出されておりまして、その中間取りまとめというものを十日ほど前に発表はされております。 この問題は、もちろん国内的にも与野党を含めて注目をしていただいていますと同時に、国際的にも注目されている、マーケットからも注目されているということはかなり認識をしているつもりです。 また、決して変な意味ではなくて、野党から出されている法案の中身も私なりによく読ませていただいておりますが、大きな方向としては、向いている方向はほとんど一致をしているんじゃないだろうかと。いついつまでにいわゆるプライマリーバランスを半減するとか、あるいはそれをゼロにするとか、そういう時間の問題、さらにはそのためにどういうやり方をするかという問題は、議論がまさにだんだんと活発になってくると思いますが、少なくとも、そういう方向を向かなければならないという意味では、共通認識がだんだんと形成されてきているのかなと。 そういう意味で、六月にすべてがきれいになるとまでは言いませんが、少なくとも、六月の中期財政フレームと財政運営戦略の中で、マーケットやあるいは国民の皆さんに、こういった問題についてもきちんとした対応をしているんだと認めていただけるようなものを打ち出していきたい、こう考えております。
○野田(毅)委員 今はまだ現物ができ上がっていないわけで、途中経過ですから、今の思いを述べられたということできょうの段階は受けとめたいと思うんです。 私が心配しているのは、ちょうどCO2の九〇年比二五%削減というのと似たようなことで、アドバルーンはぼんと上がるんだけれども、そこへ具体的に、どういう業界なりどういう国民の協力を得てどういう手順でやっていくか、ロードマップについて政府として何も出ていないんですよ。あれは環境大臣の試案とかいう形で出ているだけで、聞いたら、ほかの役所は全然知らないと言うんだもの、実際。政府案になっていない。 ロードマップのないような内容が出たら、これは普天間も似ているんですよ、県外、国外はいいんだけれどもロードマップがない。温暖化対策も同じ。この財政健全化へのフレームも、何年後かにプライマリーバランスをこうしますということだけ言って、では具体的にどういう道筋でどういう手法でそれを具体化していくのかというロードマップがない。それはとても市場を説得するわけにいかないと思いますよ。 これだけは、どんなに突進力と破壊力がある亀井さんが頑張っても、市場には負けちゃうんですよ。そっちからやられちゃうんですよ。小沢さんがどんなに強くても、やられたらひとたまりもないんですよ。だから心配しておるんですよ。ここだけは肝に銘じておいてもらわにゃいかぬのですよ。郵貯で幾ら引き取ったって、これは及ばないんですよ。ですから、そのところをぜひ、選挙だからどうとかいうのは横へ置いて、もう政権責任があるんですから、それをきちんと踏まえた上でつくってもらわなきゃならぬのでありますよ。 その点で、菅大臣、もう一遍きちんとした、鳩山総理みたいな物の言い方じゃなくて、あなた自身のわかりやすい理路整然とした説明をしてください。
○菅国務大臣 私は、大分、政権が誕生して七カ月たち、いろいろな議論も進んでおりますので、多少踏み込んだ表現になるかもしれませんが、やはりこの問題は、与野党を超えて取り組まなければとても越えられない中身ではないかということを改めて感じております。 確かに、私たちが野党時代に協力したかと言われると、必ずしも協力したとまでは申し上げません。逆説的に言えば、これは恐縮ではありますが、政権交代をしたというときだからこそそういう形が可能なのであって、小泉政権、小泉総理が、自分の政権下では消費税を上げないんだと言われた。つまりは、お互いに率直なところを言えば、増税なんということを言い出せば、言った方が次の選挙で負ける、そういうトラウマが私たちの中に、私自身を含めて多くあるわけでありまして、そういうことを超えて国民の皆さんにしっかりと、いや、そうじゃないんだ、今の日本の二十年間の景気の低迷、経済の低迷は、思い切って財政出動しようにも借金以外に財源がないから、逆に言うと、その思い切った財政出動が規模的にできないというだけじゃなくて、不安が同時に伴うのでそれの効果が薄いんだ、だから、場合によったら、ちゃんとした形でお金を集めてちゃんとした形で使った方が、経済にとっても国民生活にとってもいいんだということを説得できるかどうか。 最近スウェーデンなんかの状況が見直されていますけれども、そういうことを含めて、場合によれば、法案という形の審議を通して、そういう共通の中で議論をし、全部が一〇〇%一致するとは思いませんが、共通の方向性の中で、まさに具体的なロードマップ、少なくともそれに、近いと言うとちょっと逃げに聞こえるかもしれませんが、仙谷大臣のところが軸になりますが、そういう形で、できるだけ具体的な形、見える形のものを六月段階にはつくれるように全力を挙げたい、このように思っております。
○野田(毅)委員 大いに期待しています。これは私が期待するだけじゃなくて、市場関係者は非常に強く期待していると思うんですよ。逆に、期待が裏切られたときの反動というのはやはり頭に置いて対応してもらわなきゃならぬということだと思います。 あとは次の質問に譲らせていただきます。ありがとうございました。
○玄葉委員長 次に、村田吉隆君。
○村田委員 私は、自由民主党の村田吉隆でございます。 本日は、金融商品取引法等の一部を改正する法律案の審議に入るわけでございますけれども、この法律自体、昨年行われたピッツバーグ・サミットの首脳声明、これの国内法制化みたいな話でございますから、我が党としても特段の異論があるというふうには思えない法案であります。しかしながら、このサミットで取りまとめられました、世界的な金融危機の後に起こったいろいろな問題にどう対処するか、金融の規制強化をしようか、そういう内容が盛られている問題がございますので、私も幾つか質問をしていきたいと思います。 先ほど富岡先生の質問を聞いておりまして、最後のところで、リーマン・ショックの後の世界的な金融規制の強化、この動きがアメリカ主導で行われている、そういう面がございますし、そういう意味で、アメリカの御都合主義ではないか、だから日本としてきちんとしたことを主張していくべきではないかという御発言があって、大塚副大臣がそれに答弁をされていたわけでございます。 私は、アメリカの御都合主義というよりは、金融という業態の本来の性格として、やはりリスクをとる、それに対していろいろな面で失敗も起こる、こういうことで、金融に対しての規制のあり方も変遷をしてきている、こういうふうに思います。 かつては、決済システム安定というのが金融安定化の一番の最終的、根源的なターゲットであった時代は、預金保険制度というもので守られてきた。預金保険制度を続けていきますと、今度は、預金は守られるからというので、金融機関が過大なリスクをとっていろいろなことをやり始める。そうなると、そのリスクを把握しなきゃいけないということになって、自己資本比率規制というのが加わってくる。そういう伝統的な銀行、金融界に対しての規制が行われてきて、それから金融イノベーションが起こってくる。そこで、新たな段階に今到達しようとしておって、そのあげくの果てが、あのような世界的な金融危機が起こる。 だから、そういう意味で、我が国の金融機関が金融商品を開発する能力、あるいは金融をイノベートする力に欠けていたという問題点はありますけれども、金融業は、非常に膨大な資金余剰があって、それが世界的なインバランスに基づいている、それを何とか運用しなきゃいけない、そうすると運用に伴うリスクが出てくる、こういうこと。そうすると、いろいろな商品を開発してくる、そこで、究極のところでヘッジをしなきゃいけない、それで失敗が起こる。そういう繰り返しを金融業界というのはやってきていて、そこに金融業に対する規制のあり方の変遷というものがあるのではないか。 何もアメリカが御都合主義で規制を強化したり緩めたりしてきたというわけじゃないけれども、金融業界の発展に従って、それに対応せざるを得ない、市場の失敗に対していろいろなことを対応してこなければいけないという、この業界のさがみたいなものがあるなと思って私は聞いておったわけであります。 ところで、本来の質問に戻りますけれども、平成十八年にこの法律ができました。この法律ができたとき、ライブドア事件なんかがありまして、ちらっと当時の国会の質疑をめくって見てみますと、民主党さんの方は当時野党として、規制強化をしろ、監督をもっときちんとしろというような、そういう論調が目立ったような記憶があるのでございますが、大塚副大臣に、この法律ができた背景あるいは目的について、冒頭、お答えをいただきたいと思います。 〔委員長退席、池田委員長代理着席〕
○大塚副大臣 改正の対象となっております金商法のそもそもの立法の趣旨という御下問かと思います。 もともと、さまざまな金融商品が、今最初の委員の御認識の中でもありましたように、徐々に発展してくる中で、今までの法制では金融商品全体を捕捉し切れないという中で、それまでの法律にかわって、改めて金融商品という大きなくくりで市場の安定と投資家の保護のために整備された法律だというふうに認識をしております。
○村田委員 私は、平成十六年に金融庁がつくりました金融改革プログラム、これを見ておりますと、それまで大変苦しんだ日本の金融システム、これが揺らいでおったところから復活を果たしていく、不良債権問題が大変な厳しい状況から脱却して、金融システムの安定を重視した金融行政から、金融システムの活力を重視した金融行政に転換すべき段階に来た、こう冒頭のところでこの文書はうたっているわけですね。 そういう中で、我が国の金融市場が国際的にも魅力のあるものにしていかなきゃいけない。だから、今までは我が国の金融というのはとかく間接金融に偏重していた。したがって、これからは直接金融とかあるいは投資、そうした問題に移っていかなきゃいけない。貯蓄から投資へ移っていくとなると、投資家保護ということが大きな重要なテーマになる。そこで、今までいろいろな商品ごとにばらばらであった法律を一本化して、この金商法というのが登場する、こういう経緯だったと思うんですね。その背景には、やはり間接金融偏重だ、我が国の金融が銀行部門に対してリスクが集まり過ぎている、お金が集まっているということでございますけれども、そういうことが背景にあったんじゃないかというふうに思います。 それに対して、大塚副大臣、御認識はいかがでしょうか。
○大塚副大臣 基本的には同じでございます。 それに加えまして、先ほど申し述べさせていただきましたとおり、さまざまな金融商品がどんどんできてくる局面でございましたので、そういったことも含めて立法されたものというふうに認識をしております。
○村田委員 亀井大臣の御認識はいかがでしょうか。
○亀井国務大臣 従来と、ある面ではさま変わりした形で、金融商品がまた金融商品を生んでいくという、実体経済とある面では関係のない形での取引が肥大化をされていくという中で、アメリカで起きたような事態が、金融界の混乱だけではなく実体経済まで影響を与えていくという深刻な事態が生まれたわけでありますけれども、こうしたデリバティブ商品を禁止するわけにもいきませんし、これは一定の役割も果たしておるわけでありますから、やはり投資家の保護、またそうした取引の一部での破綻等が全体に大きく影響していくことを防ぐという観点からこの法律改正をしたということでありますが、これは取引の実態自体を金融庁自体がなかなか捕捉しかねる、そういうことも現にあるわけでありまして、今後、金融庁としては、そうした取引の実態というのを注意深く見ていかなければならない、そうしたいろいろな事態に備えて迅速な対応をとっていかなければならない、このように考えております。
○村田委員 大臣に対しての御質問は、銀行部門にお金が集まり過ぎていた、それが今から十年前に起こりましたあの厳しい我が国の不良債権問題の根底にあったんだ、だから、そういった事態を学ばなきゃいけない、だから、貯蓄から投資なんだ、こううたった当時の金融庁の金融改革プログラムの評価は、大臣はどう考えられますか。
○亀井国務大臣 金融庁がそうした事態の変化に対して、そうした方向で実体を誘導していく、しかも健全な形で誘導していこうという姿勢をとったことはあると思いますけれども、現実の問題として、金融界全体が、残念ながら、自分たち自身において、自己責任においてきっちりとした行動をなかなかとらない場面が非常に多いという中で、金融庁が、別にサービスをしておるわけじゃございませんけれども、こうした仕組みまで考えて、介入じゃありませんけれども、入っていかざるを得ない、そういう事態だと思います。 かつて、残念ながら、銀行業界が本来の業務外のそうした面に利殖を求めてどんどん突き進んでいった、そういう状況があると思います。残念ながら今もその後遺症を金融界は引いておって、本来の産業資金を供給していく、そうした機能というのが非常に弱くなっていく、それを直接投資という形で証券業界その他がこれを肩がわりをしていく、そういう面もあることも事実であろうと私は思います。
○村田委員 大臣が私の質問を正確に理解していただいているか、ちょっとわからないところがあるんでございますが、当時の不良債権問題を考えるときに、やはり間接金融、銀行にお金が集まり過ぎて、それを銀行が運用しなきゃいけない。だから、金融界あるいは銀行界にとってオーバーバードンだったという実態があるんだろうと思うんですね。それで当時から、投資の時代なんだ、こういうことでいろいろな市場の整備がなされてきた、こういうふうに私は思います。 そういう流れの中で、大臣がもう一方で担当されておる郵貯の問題、先ごろ政府として限度額を引き上げるという決定をされたんですが、私は、どうしてもそうした流れから逆行するんじゃないかという気持ちがしてならないのであります。銀行がうまく機能を果たさないで産業資金を流さないから、だから郵貯がかわってやるんだ、そういうわけでもないわけですか。自分でやろうとすると、東京都知事の失敗もございますし、そういう意味で、せっかく民営化しようとした動きがまた逆戻りするというのはこれまでの流れと随分変わった動きだなという気持ちがしてならないんでございますが、それに関して大臣のお考えをお伺いしたいと思います。 〔池田委員長代理退席、委員長着席〕
○亀井国務大臣 どうも私は頭が悪いのか、議員の御質問の趣旨が完璧に理解できない面があるように、私自身が今感じます。 別に、金融界がちゃんとしたことをやっていないからゆうちょ銀行がそれにかわってその業務をやっていくんだ、そのために預金をうんと集めやすくしていくんだ、そういう発想でこのたびの限度額を上げたとか、また郵政改革全体をやっておるわけではございません。 ちょっと外れているかもしれませんけれども、一般銀行というのは御承知のように、限度額は青天井でありまして、ないわけであります。それに対して、前政権がやろうとしたユニバーサルサービスの破壊と言ってもいい、そういう状況をもう一度ちゃんとして、ユニバーサルサービスを山の中から島まで展開していく、そうした一つの負担を持ってもらう、そういう観点から、一千万の限度額は、手足を縛るといってもこれはきつ過ぎる、やはり二千万までそれを緩める必要があるということでありまして、それで集まった資金というのは、これは民間金融機関と確かに競合するかもしれませんけれども、地域に対して資金を供給する、あるいは国全体に対して国債の引き受け。 ただ、私は、国債を引き受けているから悪いという議論はおかしいと思うんですよ。郵貯がちゃんと安定的な引き受け策としての役割があるから国債がちゃんと消化されていっているという面も私はあると思います。国債なんか発行しない方が一番いいんです。だけれども、発行せざるを得ないという状況において、それを引き受けている郵貯が悪い、そういう考え方というのは本末転倒だろう、私はこのように考えております。 そういう意味では、集まった資金を国家経済全体に対して広く運用をしていくということも私は考えていけばいい。このことが民業圧迫ではない。民間金融機関も事実上、競争相手であることは間違いないわけです。競争相手の競争条件が自分たちに比べてよくなった、けしからぬと言っておるだけじゃなくて、自由競争社会でありますから、そうした競争相手の条件が自分たちに比べてよくなったと思えば、乗り越えていく積極的な努力をやはりやっていくべきである。 それで村田さん、私は言いたいことはすぐわかりますよ。いや、郵貯は事実上政府保証がついておって、そういう点がハンディがあるじゃないかとおっしゃると思うんですけれども、そういうハンディというのは、先ほど言いましたように、ユニバーサルサービスを一方では課しておるという、郵貯側においてはまた負のあれがあるわけでありますから、トータルとして判断をしないで、郵貯だけがそういう政府の暗黙の保証を受けて有利だ、そういう判断ばかりすべきではないと思っています。
○村田委員 そこは、完全民営化ならば今の議論は耳にすっと入るんですが、ちょっと入りにくい議論だなと思いつつ、これ以上やってもしようがありませんので、また機会を見て質問させていただくことにして、次に進みたいと思います。 日本の金融機関の問題点は、欧米の金融機関は非常に活力があって、商品の開発をしてどんどんどんどんいろんな工夫をする、自己資本比率規制が重たくなればそこをかいくぐるようなことも考えて、どんどんどんどんやっていく。一方、日本の金融機関の活力のなさというのが、これがまた問題なんですね。亀井大臣が、金融機関は社会的責任を果たしていない、何と言っていましたか、金融機関は安住している、こうおっしゃった、こういうふうに思いますけれども、その考え方には私は同感でございます。 かつて我が国の金融機関というのは、利益率が低い、自己資本比率が、資本が脆弱である、それから審査能力がない、したがって、今もって担保とか個人保証に安住しているじゃないかと。だから、雨の降っているときにはなかなか傘を貸してくれないで天気になったら貸そうと思う、こういう日本の金融機関に対しての批判というのは、やはり私も大いに納得するところがあるんですね。大臣もそれは同じ考え方でこの前の円滑化法みたいなものをおつくりになったんだろう、こういうふうに思います。 あの法律ができましたけれども、その後の評価というものはどうですか。これは大変うまくいっているんだ、大いに中小企業に対しての貸し出しがふえた、こういうことなのかどうか。その円滑化法の評価を大臣からお伺いをいたしたいと思います。
○亀井国務大臣 私は、やはりこの法律をあの年末に急いで施行してよかった、このように思っております。今、各界の金融機関、中小を含めていろいろな状況を、金融庁自体においてもこの状況を把握することをやっておりますけれども、私自身も地方に出てそういう方々の状況も直接聞いております。私は、金繰りという面においては、中小零細企業、商店の方、またサラリーマンの方々の改善に極めて役立っておるのは事実であると思います。 当初私が大変懸念をいたしまして、この委員会でも質問が出ましたけれども、返済猶予等をお願いすると、そんなところには新しい融資をするわけにはいかない、そういう判断をされるのではないかということで、そういう相談をしないのではないかというような懸念もあったわけであります。現在もなおそういう状況がございます。 しかし、金融庁としても、PRも積極的にやり、かつまた、今精力的な検査官が金融機関に対して、この法律の趣旨がきっちりと実行されているかという検査も実施をいたしております。 しかも委員、ここがちょっと違うんです。金融庁の検査も、ただ単にちゃんとやっているかどうかという形だけではなくて、特に中小の金融機関については金融庁自体がいわばコンサルタント的な立場で、その金融機関の相談に乗りながら、この実施について趣旨をわきまえてちゃんとやってくれ、そういう趣旨の検査、指導を徹底してやってもおりますので、そうした懸念も今は若干薄らいできておる。しかし、今後もこれは徹底していきたい。 それよりも、御質問の趣旨とちょっと違いますが、深刻な状況は、幾ら金繰りをよくしてもらったって仕事がないというこの深刻な状態。これは金融機関の方々も、借り手が今なくなってきていると。信用金庫、信用組合について預貸率が五〇%を割るというようなところがうんと出てきておって、新規の貸し付け、設備投資を含めて、なくなってきているという非常に深刻な状態が生まれておる。 したがって、金繰りをちゃんとすると同時に、仕事をやはり出していく、そういう努力を政府自体が大胆に思い切ってやっていかなければならないということを、この法律の施行をフォローアップしていく中で、私は痛感もいたしております。これはちょっと御質問から外れた答えをいたしました。
○村田委員 最後のお答えは、銀行部門の収益率が低いのも、やはり日本の経済自体がデフレの状態が続いている、低金利である、こういうことに起因しているわけです。そういう意味で、与党なんでございますから、政府が今のデフレを一刻も早く解消する、こういうことが今直面する金融問題を解決する、最大の、最良の解決であるということはもう論をまたないところである、こういうふうに思うんです。 しかしながら、とはいいながら、欧米の金融機関に比して、この日本の金融機関の活力のなさ、あるいは、大臣の言葉で言えば、地位に安住しているというか保守的であるというか、その彼我の差が余りにも大きいというところに、やはり担当大臣としての悩みを持っていただかなきゃいかぬだろう、こういうふうに思いますね。過重なリスクを邦銀がとり過ぎる悩みぐらいの方が、かえって、暴言でございますが、活発でやりがいがあるというものかもしれませんよね、本当は。 だから、日本の活力のない金融機関をどうやってしりをたたいていくのかということが、大臣が無理をして円滑化法というのをつくりましたけれども、しかし反面、経済状況がよくなったとしても、日本の今のような金融機関の態度というのは改まらないと僕は思うんですね。だから、そこをどうするかということを金融行政のかなめとしてもらいたいということで、私の質問を終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○玄葉委員長 次に、竹本直一君。
○竹本委員 きょうの最終の質問に立ちますが、先ほど来、銀行の役割についていろいろ議論がありました。私も思いは全く同じでありまして、ただ、その思いを確認する意味におきまして、亀井大臣にまずお聞きしたいんです。 我々は、予算編成のとき、税制改正のとき、金融界が困っておるとなると銀行を助ける方向に動いていますよね。これは与野党を問わないと思うんです。それは、銀行はいざというときに、日本経済にとって必要な役割分担をして、何がしかの社会的貢献をしてくれると思うからこそやっているわけであります。 ところが、その役割が十分果たされていないと私は思っております。その一つは中小企業。ですから、そういう思いに立って昨年モラトリアム法をつくられたんだと思いますが、その是非はともかくとして、私は、今の銀行はそれ以外にも本来やるべきことがたくさんあるんじゃないか、こういう思いを強くいたしております。 まず、亀井大臣、銀行は十分にその本来期待している役割を果たしているかどうかについてお答えいただきたいと思います。
○亀井国務大臣 まず、残念ながら、これは本当に銀行業務の基本的な部分ですね、やはり産業資金を供給していくということについての熱意がないわけではないけれども、一つは、全部そうじゃありませんよ、今の銀行の幹部が、貸付業務とか預金を集める、そういうことを現場でどんどん指揮をとってやったという幹部が、一時、銀行があのバブルの崩壊のとき以降に大変自信を失っていく、安定経営といったらおかしいですが、現場においても余りリスクをとらない、悪い意味において、そういう消極性の中で育った人たちが今経営の幹部の中になっていっちゃっているということも影響しているんじゃないかと私は思いますけれども、やはり委員御指摘のように、基本的なそういう任務を果たす中で利益を上げていくんだということを私はもっとやってもらいたい。 それと同時に、借り手を育てていくという基本的な立場、これは地域の中小零細企業に対しても当然でありますが。今、郵貯の限度額を二千万に上げたら、自分たちのところのお客が逃げるんじゃないかという危惧をされますけれども、そんな消極的なことばかり考えないで、地域社会において、そうした中小零細企業者に対してコンサルタント的な面倒を見ていく、そういう機能をしっかりと果たしていかれれば、私は、お客さんが逃げるということはないのではないかなと、全部ないというわけじゃありませんけれども。 そういうことを含めて、もっと金融機関は本来の姿を追求してもらいたい、このように思います。
○竹本委員 ありがとうございました。 要は、中小企業対策もそうでありますけれども、私は、特にメガについて期待するものはほかにもたくさんあるんです。特に、海外へ行きますと、今、日本の姿が見えない。本当にプレゼンスがないんですよね。 この間ブラジルへ行きましたら、ブラジルではちょうど新幹線の発注が話題になっていまして、中国も韓国も手を挙げている。日本も手を挙げているらしいんですが、五月ごろ入札するというんですけれども、ほとんど日本の可能性はないというのがちまたのうわさでありました。 では、中国はどの技術を使っているんだと言ったら、日本の技術を使うと言うんですよね。韓国もそうだと言うんですよね。では、何で日本がそれをとれないんだと聞いたら、よくよく聞いてみるとファイナンス力だと言うんですね。中国は、例えば一兆円かかるとすると、それを当分中央銀行で立てかえます、こういう提案をしているというちまたのうわさでありました。 確かに、海外プロジェクト、大型プロジェクトをフルターンキーでとるには、やはり技術だけじゃなくて、発注する側もそう金はないのが通常でありますから、それを一部立てかえるとかあるいは安い金利でつけるとか、こういったことがなされて、かつまた日本の高い技術力、そしてまた誠実な施工能力、こういったことがあって日本の企業が高く評価され、それで受注できることになるわけですけれども、残念ながら、ファイナンス面でのついてくるものが余りいない。これが、日本が海外で仕事をとれない一番大きい理由だと思うんです。 ですから、日本のメガがそういったところまで積極的に出ていくというほどの積極的姿勢があれば、これはこんなことには絶対ならないというふうに思うんですが、なかなか、日本のメガに対してそういうところへ行けと言ったって行かない。全く行かない。日本政府が何か先鞭でもつけてくれる、保証人にでもなってくれたら顔を出しますと、まさに無難、無難、無難の姿勢ばかりやっているんですよね。ですから、こんなことをいつまでも続けていると本当に、世界第二位どころか、第五位、六位にすぐなってしまうし、何よりも、プレゼンスがないですから存在感がない。ですから、どんどん日本というのが忘れ去られてしまいます。 私がブラジルに行っておったのは国連の環境の会議で行っておったんですが、全く日本のことを書いたパンフレットがない。そして、中国や韓国は、近隣の台湾、香港まで含めてみんな、パビリオンをつくって出しているんですね。日本は一つもないんですよ。実に情けない。あそこには百五十万人の日系人がいるんです。そして、五、六万いると思いますが、日本人もいるんです。そういう状況の中で、日本がせっかく最高の技術を持っていながら話題にさえならないという情けなさ。その原因が銀行にあると私は思い出したんですよ。 それで、出ない銀行に対して出ろと言ったって動かないでしょうから、ではその次に何があるかというと、輸銀とかこういう政府系の関係機関があるんですよ。ところが、今JBICは公庫の中に入れられてしまって、みずからの代表性がない。済みませんが、これは我々の政権のときにやったことなんですけれどもね。それで、これをもう一度、こういったときの手助けになるように仕組んであげて、そして日本の民間のメガがこういったところに積極的に出ていけるようにすることが、今、日本国の立場を考えれば一番重要なことではないかなというふうに思うんです。 銀行については亀井大臣及び副大臣に聞きますけれども、この点に関して、政府系金融機関がこういった問題に果たす役割について野田副大臣はどう思っておられるか、御答弁をお願いします。
○野田副大臣 竹本委員の御質問にお答えをいたします。 先ほど、ブラジルの事例もお話をされました。どこか政府の中でも、ブラジルに随分これまで援助してきたけれども、もう次は、BRICsにも入っているし万博もオリンピックもあるから、そろそろ卒業だねという意見があるそうです。私は全く逆だと思っていまして、これまでの御縁を大切にしながら、ビジネスチャンスを物にしていくチャンスだと思うんです。 そのことも含めてですが、かつて日本は、日本株式会社と恐れられたりやゆされたりしたことがありました。むしろ、そういう体制をこれからつくるべきではないかなと。ファイナンスの御指摘がありましたが、まさにそれが一つの課題だというふうに思っております。 基本は、日本経済の再生は内需の拡大です。でも、外にももっと飯の種を官民挙げてやはりとりに行かなければいけないだろう、その中でJBICの役割もあるだろうと私は思っていまして、従来は、政令の中で原発については先進国にも投資できましたけれども、新幹線やあるいはさらには水ビジネスなども含めて、さらなる展開ができるように工夫をしていく必要があるのではないかというふうに思っております。
○竹本委員 政令による指定も含めて、先進国、中進国にもこういった大きいプロジェクトに進出できるような仕組みをできるだけ早くやるべきだと思いますので、ぜひそういった方向で努力をしていただきたいとお願いしておきます。 さて、今回の法律に関する質問を始めます。 今回の金融商品取引法改正案ですけれども、これは、ピッツバーグ・サミットで合意した内容を国内法で実践する、こういう立場でありますが、わかりやすく分けると、いわゆる店頭デリバティブ契約の取引情報蓄積機関への情報の蓄積が一つ。二番目の柱が、消費者保護がもう一つの柱。三番目は、証券、保険会社の連結の拡大。この三つが大きい柱だと考えているわけでありますけれども、いずれにしろ、デリバティブ等で金融が暴走したために世界経済が大打撃を受けました。こういうことが二度とないようにというのが世界の願いであり、また我が国の願いでもあります。 我が国は、いわゆる世界金融の暴風雨をそれほど当初はこうむっていなかったという認識ではありましたけれども、意外や意外、その後の一年、一年半の動きを見ておりますと全然よくならない。逆に、ひどい目に遭ったはずのアメリカあたりがどんどん回復してきている。今ではもう、ダボス会議でも出口戦略をしゃべるような時代になってきました。 何でこんなにおくれたのか、こういうことを私は非常に気にしているわけでありますが、やはりアメリカの場合は七十二兆円ぐらいの投資をどんとやり、中国も四十五兆円ぐらいの国内投資をどんとやり、日本もそれに近い金をどんとやったはずなんですが、残念ながら、私たちの認識は、去年の一次の補正でつくった十五兆円を民主党が削ってしまった、これがやはり非常に残念なんです。 あのときにあんな削らなければもうちょっと早く回復したのではないかという認識を持っておりますのと、先ほど亀井大臣が言われたように、今の日本経済に一番必要なのは、金も必要だが、仕事なんですよね。仕事を出してあげないと絶対に経済はよくならない。仕事を出してやれば、村田さんが言っていたようなデフレもそれなりに修正されてくるんだろうと私は認識をしているわけであります。 ですから、三党連立ですから、亀井さんは積極経済論者です。私もそちらの考えですけれども、仕事を出すことが今の政府にとって国民の期待にこたえる一番の方法だと思います。ですから、その辺について亀井大臣の今の御所見を聞きたいと思います。
○亀井国務大臣 党は違いますが、私は竹本議員のお考えにほぼ賛成であります。 このデフレギャップ、残念ながら日本だけの現象になっておるわけであります。ここから脱していくにはなまじっかな対策では私はだめだと。よく日銀に、日銀ということを言って日銀総裁のしりをたたくわけでありますが、むしろ日銀のやるべきことよりも、今はやはり政府が財政出動を大胆に思い切ってやっていくことによって経済を躍動させていく、それをしないで今の状況から脱却する、そんな手品はないと私は思っております。 ちょっと余談になりますが、財政規律と称するものが、そういう努力をしようとすることを残念ながら封じてしまっている、そういうことが私は、自公時代もそうでありますが、この民主党政権においてもそれが大きく影を落としておるために、大胆な政策が展開をしづらくなっているということを危惧しておるわけであります。
○竹本委員 財政支出の面でありますが、子ども手当でいずれ五兆円の金が行くわけでありますけれども、私は、今、日本が一番困っているのは仕事がないことですから、そちらにその金を使うべきだったと思っております。 しかも、外国に残してきた外国人労働者の子供にまで手当を一万三千円、やがて来年は二万六千円渡す。お父ちゃんがマニラで働く賃金は一カ月一万円ですよ。それに子供が何で二万六千円ももらえるのか。おかしい。外国に大混乱を起こす。これからどんどん外国から働きに来るんですよ。こんなばかなことだけはすぐ即刻やめていただきたい。少なくとも、日本の子供にお金を上げるのはいいよ。だけれども、外国の子供にまで上げることはないじゃない。もっともっと豊かになったら上げたらいいけれども、今はそれだけの時代じゃない。 ちょっときょうの本論ではありませんので、私の思いを申させていただきまして、引き続き、今回の金融商品取引法の質問をさせていただきます。 そこで、まず第一点の消費者保護の観点に立った改正の部分の質問でありますけれども、実は、無登録業者から未公開株など多くの損失を受けている被害者、これはたくさんおります。この現状を見ますと、今回の法律は、こういった被害を防止するのに非常に役立つのではないかというふうに思うのです。 というのは、出資法違反や詐欺罪での警察捜査やその立件までの間にどんどん悪質な営業が続けられてしまって、問題にしたときにはもう遅い、お金が残っていない、こういう状況がよく報じられております。したがって、今回は、業務停止を先にやって、そして破産手続の申請をした時点ですべてとまりますから、少しでも多くのお金が残り、それが被害者に少しでも渡っていくという意味では非常にいいことではないかなと思うんです。 大塚副大臣に聞きたいんですが、そのような仕組みになっているか、まずちょっとその点についての認識を聞かせてください。
○大塚副大臣 竹本委員御指摘のとおり、今の法律の体系では、例えば、そうした詐欺的行為を行う金融商品の取引業者が業務停止等の行政処分を受けた場合でも、直ちに、その財産をそのまま保全するために凍結をするとか、破産手続を行政当局が行うことができないわけでありますが、この法律によって、そうした場合において当局が破産手続開始の申し立てをできるようにすることによって、被害を少しでも拡大するのを防ぐ仕組みになっております。
○竹本委員 ぜひそのように、有効にきくように運用していただければいいなと思っているんですが、一つちょっと、それるわけではありませんけれども、不招請勧誘、こういう言葉がございます。 要は、消費者保護のために、しつこく勧誘される、本人は欲しいと思っていないんですから、それを防止するということでありますけれども、小金を持っておって運用に困る、例えば、預金をしても金利がつかない、株も必ずしももうかるとは限らない、そこに楽しい話がやってきた、では一遍かけてみようか、こういう人が結構いるんですよ。そうすると、この人たちが被害をこうむらないためにということで、不招請勧誘をやらさないというのが今の建前であります。 先物取引なんかはこれを厳しくやりまして、電話で勧誘はだめだとか二回以上は勧誘はだめだ、あれをやってから、二百兆円ぐらいあった取引額が半分になりました。半分以下になっていると思いますね。ですから、このように規制を厳しくしてしまうと経済活動が停滞する、こういう側面もあります。 ですから、消費者保護のために規制しなきゃいけないけれども、余りやってしまうとそういう投資機会がどんどん失われていく、こういう矛盾があるわけです。その辺について、実際の運用をどうすればいい、あるいはどのようにしようと考えておられるのか、大塚副大臣にお願いします。
○大塚副大臣 きょうは傍聴者の皆さんもたくさんおいでになっておられますが、不招請勧誘、つまり、国民の皆さんや投資家あるいは預金者の皆さんが、みずから望んでいないのに、いわば、押し売りという言葉はちょっと適切ではないかもしれませんが、どうですかというふうに勧誘をされて、望まないのに勧誘をされて、投資をしてみたら随分危ない金融商品で、後ではたと気がついて被害に遭っていることがわかる。こういうことがいろいろな商品で起きておりますので、消費者保護の立場からは、不招請勧誘を禁止するという方向に常に政策の力学が働くわけであります。 しかし、政策というのは必ず副作用というものがありますので、今竹本先生がおっしゃるように、不招請勧誘の禁止ということがさまざまな分野のいわば活力を奪う面があるというケースもあります。 さりながら、我が国の金融商品取引の実態においては、そうした不招請勧誘に伴う被害の方が社会問題としてクローズアップされる傾向が今はやや強うございますので、先ほど申し上げました副作用に留意しつつも、被害が出ないような不招請勧誘規制は引き続き進めていくべきものというふうに考えております。
○竹本委員 次に、店頭デリバティブの清算機関への集中に関する質問であります。 現在、日本における清算機関は、主に株式の現物取引や先物取引、オプションや国債を取り扱う清算機関となっておりますけれども、店頭デリバティブ商品をほとんど取り扱っていません。この法案では、店頭デリバティブ商品を清算機関へ集中させることを目指していますけれども、国内においてはどこがその役割を担うのか、教えていただきたいと思います。 それから、既存の、主に株式の現物取引や先物取引、オプションや国債を取り扱う清算機関の対象を広げることになるのか、それとも新たに新しい機関をつくるのかどうか、その辺についてお答えいただきたい。大塚副大臣。
○大塚副大臣 この清算機関は、既存の組織が担うケースと新たにつくるケースと両方あると思いますが、既存の組織に関しては、東京証券取引所やあるいは東京金融取引所がこうした役割を担うような方向で、今その組織自身も考えているようであります。 ただ、全く新しい清算機関をつくるということも、それはあり得るわけでありますが、今後、そうした先が出てきた場合には、所要の要件を満たしているかどうかということをしっかり確認した上で整備を進めさせていただきたいというふうに思っております。
○竹本委員 東京金融取引所なんかはスワップとかFXをやっていますけれども、それにこのデリバティブを足す可能性があるということですか。
○大塚副大臣 方向としてはそういうことでございます。 ただ、我が国においては、デリバティブ取引のうち非常に大きなウエートを占めているのが、金利スワップのプレーンバニラの部分でありますので、当面は、その部分の清算がきっちり行われることが中心的課題になると思っております。
○竹本委員 さて、その機関に積む証拠金の話なんですけれども、この水準をどの程度に考えておられるのか。ヨーロッパのLCHクリアネット、これは金利スワップ清算機関ですけれども、大体この程度の水準を考えておられるのか、あるいは、アメリカとそれほど変わらないと思いますけれども、アメリカの水準を考えておられるのか、その水準をちょっと教えてください。
○大塚副大臣 先に御質問に立たれた他の委員の御質問の中でもお答え申し上げましたが、清算業務そのものも、我が国の金融産業にとって重要なビジネスという部分もございます。 したがって、この証拠金の比率、つまり清算機関に参加するコストが、ロンドンやニューヨークの清算機関と比べて余りに高ければ、これは競争力を失うということに加えまして、そもそもそちらの、LCHとかあるいはアメリカにある清算機関の方で清算をしようというインセンティブが働きますので、やはり他の市場や先行する清算機関の水準を加味して、利用者の合理的な負担の範囲内で済むように設定をするものというふうに考えております。
○竹本委員 現在の日本の店頭デリバティブの取引額が二十八・八兆ドル、世界が約五百五十兆ドルぐらいですので、まあ大体五%ぐらいの取引なんです。だから、デリバティブの取引が非常に少ないというのが、冒頭申し上げましたように、今回の世界的金融危機に日本が被害をそれほどこうむらなかった一つの理由だと思います。 さて、今回の改正で、店頭デリバティブ商品の取引情報を清算機関などを通して当局に保存する形をつくるわけですけれども、当局は、この取引をモニタリングして、不可解な取引があればその取引に関して何らかの指導を行うのでしょうか。 また、複雑な金融デリバティブ商品や、さまざまな債券が集まった複合債券も多く出ております。そのような中で、金融デリバティブの専門家でもない人が、金融庁は大体千五百人ぐらいいると思いますが、それだけの人数で取引情報の実態の把握が十分できるのかどうか、また情報の蓄積が十分できるのかどうか、その辺の見通しを教えてください。
○大塚副大臣 金融庁に既に、そうしたマーケットの状況をモニタリングする職員及び体制は整えられておりますが、今後は、こうした清算機関が整備された後は、清算機関から上がってくる情報、あるいは情報蓄積機関から上がってくる情報、さらには個別に金融商品取引業者が報告をする情報、これらを総合して、異常な取引や、問題になるようなマーケット全体のマクロ的なリスクの高まりがあれば、所要の措置をとるものというふうに考えております。 そして、そういう能力、スキルが十分にあるかという御下問でございますが、金融庁は他の役所に比べると、市場関係者あるいは専門家等を中途採用や任期採用で受け入れる割合が最も高い役所というふうになっておりますので、今後も、そうした実務と現場の実情をよく知った方々にこの監督業務に携わっていただけるように、しっかりと人事を行ってまいりたいというふうに思います。
○竹本委員 その清算機関なんですが、日本の組織、日本の清算機関でやる場合もあれば、外国の清算機関と共同で連携してやる場合もあれば、また外国の清算機関単独でやる場合もあるのではないかと思いますが、それぞれの利点あるいはデメリットをちょっと教えてください。
○大塚副大臣 御下問のとおり、国内の清算機関を使う場合、そして外国の清算機関を使う場合、国内と外国の清算機関が連携してサービスを提供し、それを使う場合と、三つのケースがあろうかと思います。 国内の機関を使う場合は、メリットといたしましてはやはり、そこで起きている実態をより把握しやすくなるというメリットはあると思います。また、先ほど来申し上げておりますとおり、清算業務そのものがビジネスであるという観点から考えますと、日本の金融産業の競争力を高めるという面でもプラスであるというふうに思っております。 もっとも、その一方で、この国内清算組織が、海外の清算組織と比べて逆に競争力を持たないような組織であったり、あるいは、世界のデファクトスタンダードとなるような清算ルールと異なるルールで運営されるような場合、これはどんどんどんどん、東京の清算ビジネスないしはマーケットが少し偏狭な要素を強めてくることになると思いますので、そういうデメリットもあることを考えながら、海外の清算機関の活用ということも考えなければならないというふうに思っております。 また、海外の清算機関単独で清算を行う場合ないしは国内との連携で行う場合でございますが、ロンドン・クリアリング・ハウスがかなり先行してこの業務を行っておりますので、やはり連携することに伴って、しっかりと世界的なルールにのっとった国内の清算ビジネスも普及させるというメリットもあります。 ただその一方で、連携することによって、国内の事業者の皆さんがほとんど、振り返ってみたらそちらに吸収されていたということもあり得るわけでありますので、もろもろのメリット、デメリット、さまざまなシナリオを想定しながら、国内の清算機関をしっかり発展させていくべきものというふうに考えております。
○竹本委員 デリバティブのマーケットをずっと監視しておって、どこかのところでポジションがぐっと上がってきて、このままほっておくと危ないぞと思ったときには、それに対して、情報をとり、そして忠告をするんだろうと思うんですけれども、そういった行為が、国内の清算機関と海外の清算機関とで大きく判断基準が違う場合は十分あり得るんだと思うんですよ。そういった場合はどのように対応されるのか。
○大塚副大臣 つまり、そのような食い違いが出ないように金融サミット等でまさしく議論が行われているわけでありまして、一つは、清算機関が情報としてさまざまな情報を蓄積し、そして実際に清算業務を行うということを情報蓄積機関と清算組織で行うわけでありますが、それぞれが同じような情報、そして同じような清算ルールで行っていくということで世界的な公平性やルールの統一化を図っていく、これを金融サミット等で議論させていただいているわけであります。 同時に、清算機関自身が何か警鐘を発するというよりも、そこから上がってくる情報を監督当局がウオッチして、必要な場合には必要な行政的行為をとるわけでありますが、そのための一つのルールが、先ほど他の委員の方の御質問にもありましたが、証券会社や保険会社に対する連結自己資本規制であったり、連結ベースでの管理監督でありまして、余りに大きなポジションを持つような先が出てくれば、あらかじめ何らかの基準に基づいて指導監督をすることになるものと思います。 また、そうした連結ベースのルールそのものも、国際的に平仄のとれたものとするという方向で今議論が行われている最中であるというふうに認識をしております。
○竹本委員 その証券会社の連結規制に関してですけれども、大規模な証券会社に対して、グループの状況に応じたグループベースの規制、監督の枠組みを導入するということですけれども、規制を受ける証券会社の資産規模はどの程度を考えておられるのか。
○大塚副大臣 グループベースの資産規模として明確な数値を今想定しているわけではございません。府令で定めることになります。 しかし、例えば、例えばのケースでございますが、一兆円程度の資産規模を想定いたしますと、これで国内の事業者の九割近い規模をカバーできるというような客観的な事実もあります。そうした客観的な事実を踏まえて、府令で今後定めていく方針でございます。
○竹本委員 証券会社、保険会社ともに連結、川上、川下と先ほどのどなたかの質問で出ておりましたけれども、そういうことでやるにしても、やはり企業の連結の形態がさまざまに変わると思います。今まである形態でずっと続くとは思えません。そうしますと、その辺のウオッチ体制をどうするのか。余りにも急速に変わるのが実態だろうと思うんですよ。その辺はどのような対応をされるのか、教えてください。
○大塚副大臣 おっしゃるように、証券、保険のみならず銀行も含めて、どんどんと今再編が行われておりますので、私自身も金融界に長く携わって、その後、今この仕事をさせていただいておりますが、どの保険会社、どの証券会社がもともとどこであったのかということも非常にわかりにくくなるような実態でございます。 おまけに、さまざまな子会社や提携先を抱えて、グループ全体がどのようになっているかということをフォローするというのは大変重要な仕事の一つになっておりますが、これは、金融に関しては、例えば持ち株会社であれば金融持ち株会社規制、そして、その持ち株会社の下にさまざまな金融関連会社があれば、これは法律に基づいて所要の届け出、場合によっては認可などを受けなければいけないケースがございますので、こうした届け出や認可の情報をしっかりと捕捉することによって、全体像は常にフォローアップをしていかなくてはいけないと思っております。 ただ、そういう中で、そのグループ全体の財務がどうなっているかというのは、大変、決算やそして会計処理も複雑になっておりますので、その実態を把握するために、先ほど御質問のありました連結ベースの把握ということも行わなくてはならないというふうに思っておりますので、まず組織そのものの合併や再編の動きをフォローすると同時に、それに伴う財務の複雑さをしっかりと連結ベースの管理監督で把握していくということだというふうに思っております。
○竹本委員 金融危機の再発防止に向けてアメリカで今検討されている、いわゆるボルカー・ルールというのがあるんですけれども、要は、商業銀行はヘッジファンドやプライベート・エクイティー・ファンドの分野に余り進出してはならないという趣旨だろうと思うんです。これは、オバマ政権が最近いろいろな民間銀行に対するある種の負担をかけた言動をしておりますけれども、要は、二度と世界不況をああいう形ではもたらしたくないという思いからきているんです。 我が国の場合は事情が大分違うとは思うんですけれども、このボルカー・ルールについて、ボルカー・ルール類似の考え方を政府としてとるのかとらないのか、どういうふうに考えておられるのか、お答えください。では大塚さん、ああ、大臣、お願いできますか。
○亀井国務大臣 アメリカの場合は、アメリカ発のああいう事態を起こしたことについて深刻な反省があると思います。そうした措置をとることは、私はある意味では当然であろうと思います。 ただ、日本においては、金融庁がまだ至らないところはありますけれども、しっかりと監督検査等も実施をしていく中で金融機関の健全化に努めておるわけでありますから、そういう措置は今のところは考えておりません。
○竹本委員 さて、冒頭申し上げました日本経済の回復はまだ遅々として進んでいないのが現状だと思いますが、株価も大分戻してはきました。やがてよくなるんだろうと期待はしているんですけれども、世界各国は、本来民間でやるべき金融活動、商業活動が破綻に瀕したから政府がどんと出て救ってきた。今まで市場万能論者は、そういうものは一切要らないと皆言っていたわけですね。しかし現実は、本当に危機に瀕したときは政府が出ざるを得ない、出たからうまくいったんだ、こういうのが我々が学んだ教訓だと思うんです。 そこで、我が国の経済を見た場合に、亀井大臣、どういう状態になれば、出口戦略、政府がどんどん金を入れるのをもうやめようという状況になったと考えるのか、ちょっとその辺のお考えを聞きたいと思います。
○亀井国務大臣 残念ながら、今出口がまだ見えてきておる状況ではないと私は思います。楽観的な気持ちで対応をすべきではない。ある意味では、欧米よりももっとデフレスパイラルという二重のそうした問題があるわけでもありますし、また一方では、産業構造、雇用構造等、全体について大きな問題を抱えておるわけでありますから、まだそういうことが残念ながら言える状況ではありません。
○竹本委員 そういう状況であると思いますが、現実の我々の日常生活を見ておりますと、亀井先生は非常にお詳しいというか味方でありますが、中小企業、非常に相変わらず金融で苦しんでおります。もちろん仕事もありません。 この相談を受けておりますと、いわゆる政府系金融機関に借りに行くと、民間銀行でさえ融資していないじゃないか、そんなところに融資できない、そういう発言がよくあるらしいんですよ。これはおかしい、民間でできないことをするために政府系金融機関をつくったんじゃないか、私はそう思うんですよ。その基本が忘れられておって、民間銀行が貸してくれないところにうちは貸さないとはっきり言うわけですよ。これをどう考えられますか。
○亀井国務大臣 政府系金融機関が民間金融機関とあわせて大変な責任を持っておるわけでありまして、経産大臣もそういう認識のもとで、今この政府系金融機関について強力な指導をしておられます。 私なんかの耳にも、やはりどうも政府系金融機関がお役人的な対応をし過ぎておる、そういう批判があるわけでありますので、今後また経産省ともよく連絡をとりながら、両者相まって万全を期していきたい、このように考えています。
○竹本委員 ぜひそれはお願いしたいと思います。 特に、こういう政府系金融機関にいわゆる天下りの人がいると、サラリーマン根性なんですね。自分が理事長でいるときに事故を起こしたくない、不良債権を発生させたくない。それで、安全、安全、安全とやるから、結局、先ほど言ったような態度になって貸せないんですよね。 これではだめで、やはり仕事をやろうと思ったら、ある程度ミスもあるかもしれない、しかし、結果として皆が豊かになればいいじゃないか、そういう発想でやってくれないと、中小企業を助けるためにつくった政府系金融機関の役割というのは、本来の期待に沿っていないんだというふうに思うんです。 私は、例えば私が経産省の政務官をやっていたとき、平沼さんが経産大臣だったんですけれども、あのときに三十兆円ぐらいの金を結局中小企業にまきました。事故率は恐らく一割近くあったんだと思いますが、しかし、結果として、あれで中小企業は当面助かったというふうに思うんです。 ですから、それが本来政府がやるべき仕事であって、一つもミスがない、一つもデフォルトがない、そんなことをやり出したら一切貸せない。だから、その辺の教育をきちっとやらなきゃいけない、そういうふうに思うんですけれども、これは、亀井大臣か野田副大臣、どちらでも結構ですからちょっとお答えいただければ、あるいは両方お願いしたいと思います。
○亀井国務大臣 議員の御指摘はもっともであります。 私どもとしては、金融庁プロパーのやる仕事と、経産省、また財務省を含めて全省庁を挙げて対応すべき問題について内閣としてしっかりやるべきだ、このように考えています。
○野田副大臣 亀井大臣に特につけ加えることはございませんが、議員の御指摘はまさに政策金融の勘どころだというふうに思います。その点を踏まえて、金融庁、経産省と連携をしながら、しっかり運営していくように頑張っていきたいと思います。
○竹本委員 きょうはいろいろなことをお聞きできたのでありがたかったんですが、最後に、非常に大事なことを私はお聞きしたいと思います。 それは、先ほどの質問者の議論に出ておりましたコアキャピタルの件です。 バーゼルでいろいろなことが議論されます。先ほどの大塚さんの話だと、去年の十二月にやったのは当面の案であって一つの試案である、それに対してどんどん意見を言っていけばいい、こういうことなんですが、我々、政府も努力するわけですけれども、言葉の問題もこれありで、なかなか我が方の主張が通りにくいというのが現実なんですよね。世界の標準、スタンダードをつくるときの交渉会議、ジュネーブとかあちこちでやられますけれども、本当に日本の発言力は弱いんですよね。 ですから、そういったことも含めて、交渉の仕方、人材をどこから持ってくるかということも含めてしっかりと対応しないと、日本の主張が通らないと思うんですよね。その辺についてのお考えはどうでしょうか。
○亀井国務大臣 御指摘のとおりでございまして、私は、担当者が国際会議に行く場合も、大和魂を持ってきっちりとやってこいということを常に言っておるわけであります。
○竹本委員 ありがとうございます。それぐらいの気迫が必要だと思います。 最後に、八%のバーゼル条項ですが、国内の金融機関は四%ですけれども、私は、これは日本国政府で決められるわけだから、もっと下にしてもいいんじゃないか、三%ぐらいにしてもいいんじゃないか。そうすると、もっと中小企業に地域金融機関が貸せるんだと思うんですよ。 自己資本比率規制があるから、もうそれでかつかつになっていく、だから貸せません貸せませんという断りの文句が非常に多いのが現実ですから、国際的な取引に関するものは仕方ないけれども、国内だけならば、何も四%ということにこだわる必要は全くないんじゃないか。蛮勇を振るって、亀井大臣、そういったことを検討いただきたいんですが、いかがでしょうか。
○亀井国務大臣 私どもは、外国と取引のない地方の第二地銀、中小金融機関を初めそういうところに対しては、BIS規制の四%とかそういうことは実質的には余り意味がないと。だから、監督検査においても、そういうものをメルクマールにしてのそういうことをやってはならないということを強く指導しております。
○竹本委員 ありがとうございました。 冒頭申し上げましたように、我々は銀行を助けています。ですから、銀行はその期待にこたえて、社会のためにもっともっと尽くしてくれる必要があります。与野党を問わず、この点は強く要請していきたいと思っております。 これをもって私の質問を終わります。ありがとうございました。
○玄葉委員長 次回は、来る十六日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四分散会