国土交通委員会 第20号
- 発言数
- 109 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2010/05/18
会議録
○川内委員長 これより会議を開きます。 国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として国土交通省住宅局長川本正一郎君、航空局長前田隆平君、法務省入国管理局長田内正宏君及び財務省大臣官房審議官田中一穂君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○川内委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中川治君。
○中川(治)委員 おはようございます。民主党の中川治でございます。 実は、二〇〇五年の七月に質問をして以来、四年十カ月ぶりでございますので、大変緊張いたしております。一般質問の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。野党ばかり四十年間ずっとやっておりましたので、野党癖が抜けなくて、与党質問の仕方というのがまだ板についておりませんので、失礼の段があればお許しをいただきたいと思います。 欲張って、三点、御質問させていただきたいと思います。 一つは、下水道の問題、生活排水処理の問題ということでまず御質問をさせていただきたいと思います。 お手元に資料を配付させていただきました。資料一というのをごらんいただきたいと思います。これでございます。 一番最新の資料によりますと、ここにその資料を一つの表にしてみました。大臣、ぜひこの表を見ながらお聞きをいただきたいんですけれども、日本国土全体がこの四角だというふうに御理解をいただきたいと思います。今、下水道で処理をされている生活排水が六八%、八千六百万人の方が生活をされております。そして、計画収集、これはくみ取り式のトイレというふうに御理解いただきたいと思います。これが約九%。それから、単独浄化槽が千五百四十万人で一二%。合併浄化槽が、この中には例の大型団地なんかのコミュニティープラントとかこういうものも含めて、一一%で千三百八十万人ということであります。 よく、下水道普及率が何%だとか、あるいは環境省でいえば水洗化率が何%だとか、いろいろな数字があるんですけれども、私は、やはり一番大事なことは、生活排水をどれだけ適正に処理しているか、生活排水適正処理率というのを一〇〇%にするということが、当面、一番我が国にとって大事なことだというふうに思っております。生活排水適正処理というふうに考えますと、合併浄化槽の一一%それから下水道の六八%、合わせて約一億人、八〇%の方々のところはとりあえず適正処理がなされているということであります。大事なことは、もう残り二〇%になってきているということでございます。 大体、この適正処理率、現在で七八%ですけれども、毎年毎年一%ずつぐらいしか上がっていかないというのが現状であります。一%を上げるために、実は、下水道事業、浄化槽の予算、それから農林水産の集落排水の事業、合わせて国で約五千億円、市町村とか現場に行きますと、これにいろいろな借金だ起債だというのがかぶさって、約一兆五千億円ぐらいの事業規模になっております。それで、毎年一%ずつぐらいしか上がっていかないというのが現状だということをまず御認識をいただきたい。 そういう意味で、日本国民の五人に一人がまだ単独浄化槽あるいは計画収集という状態の中である。特に、単独浄化槽と計画収集のところは、ふろとか洗濯、それから台所の水、こういうところは完全に垂れ流しになっているということで、これが日本の国の水の環境をゆがめていく、こういう事態になっているんだということであります。 生活排水適正処理が八〇%、残り二〇%ということを目指して、すべての税金の使い方を集中していくということが一番大事なことではないかと私は思っております。まず、大臣の御感想をお聞きしたいと思います。
○前原国務大臣 中川委員にお答えをいたします。 中川委員は大阪で、私は京都でありますけれども、私は選挙区が京都市でありますけれども、下水の整備は一〇〇%ではございません。しかも、我が選挙区の中には、水道がない地域もまだございます。私も議員の活動をやってくるときに、地域からの要望で、まず簡易水道を早くつくってほしいということで、簡易水道をその地域で徐々に今行っているわけであります。下水をやろうと思ったら、まず水道がなかったら、下水はできないんですね、上水、簡易水道がなければ。 そういう意味では、この下水の進捗率というものを高めていこうと思ったら、それは地域地域の特性があるとは思いますけれども、まず簡易水道を含めての上水、生活用水というものをどう提供していくのかといったものがないと、下水どころではないということがまず一つ。そして、さまざまな選挙区がありますし、私の選挙区も半分は山でありまして、いわゆる国土交通省が所管をする、京都市が行う下水処理場につなぐというのが難しい地域がいっぱいあります、山を越えたようなところは。そういったところは、合併浄化槽であるとかあるいは家ごとに浄化槽をつけていただくというような形で対応していかざるを得ないところがございます。 下水の普及というものは大変重要だとは思っておりますけれども、地域に応じた形でしっかりと行っていく。そして、問題意識は委員と同じで、この下水の問題、生活排水の問題というのは、生活の程度、文化のレベルのような世界ですので、実情に適した形でしっかりやっていく、そして早くやっていくということは、委員御指摘のとおり、我々としてもしっかりやっていかなくてはいけない、このように考えております。
○中川(治)委員 基本的には同感であります。 引き続きこの表をぜひごらんいただきたいと思うんですが、今、収集業者、環境整備事業者の方から、例えば下水道と下水道の供用区域、要するに実施をしている区域については、浄化槽をやっていればもう接続義務を解除したらどうか、下水道法には接続しなければならないと書いてあるんですけれども、その必要はないんじゃないかということをおっしゃっている団体もあります。 少しこの表で見ていただきましたら、大臣、合併浄化槽と書いてあるところで右側の網線が入っているところ、これがその範囲だというふうに御理解いただいたらいいと思います。黒目の点線の部分が、実は下水道が六八%ですけれども、供用開始区域は現在で大体七三%、要するに五%ぐらいはつないでいないということなんですね。しかも、合併浄化槽は、その中で恐らく三%分ぐらいはつながないで、御家庭が、もううちは浄化槽で何の不便もないし、汚い水も出していない、だからつなぐ必要ないじゃないかということで、頑固につながない。しかし、法律にはつなげと書いてあるということで、一定のトラブルになっているところもあります。 一番下のところを見ていただきたいんですけれども、十年前には、計画収集と単独浄化槽と合併浄化槽を合わせて大体五千九百万人の方々が生活をされていました。しかし、現在は四千五十万人ぐらいまで減ってきております。業者の方々にしてみたら、仕事先が十年間で三分の一消えたと。 私もこれは、選挙を通ってから、地元のあるし尿収集業者のお母さんから、親子二代で続けてこられて、御主人が亡くなって息子に継がせたんですけれども、中川さん、私たちのこの業界には未来と夢がありますかということを聞かれた覚えがあります。私はこんなふうに言いました。いずれ大阪でも大きな地震が必ず起こるんだから、そのときにはみんな仮設トイレになるんやで、そのときにはだれがそれを処理するんだ、あんたのところの仕事やないか、歯を食いしばってもこの家業をしっかり守って頑張らなあかん、そんなふうに私は言った覚えがあるんです。 実際のところは、業者の皆さん方は、これからどうなっていくんだろうか、浄化槽だとかということが本当になくなってしまうんだろうか、大変心配をしているというのが現状としてあります。それが、接続をするかしないかということに、下水道法を改正せよという声が出てきている背景だということをぜひ御理解いただきたいと思いますし、私はこの業者の皆さん方の仕事をしっかりと守っていけるような形というものもぜひ必要だというふうに思っております。 それからもう一つは、赤い方の網なんですけれども、これは全体で約八八%。国土交通省の下水道部の皆さん方に下水道の目標は何ぼですかと言ったら、定めておりませんというふうにいつも言われます。そして、縮めてもいいよということを都道府県に言っているんですというふうにおっしゃっている。ただ、都道府県から上がってきている下水道の計画を全部足してみると八八%になるということであります。要するに、あと、六八%から八八%にするぞということだけが、今のところまだ日本全体では都道府県によって網がかかっているというのが現状であります。 六八から八八に二〇%上げるだけで一体幾らのお金がかかるか、私は間違いなく二十兆円や三十兆円ではないと思いますし、この計画をそのままやってしまうと、恐らく自治体はとんでもない大破綻をするか、それとも下水道利用料金を五倍ぐらいに値上げをするか、どちらかしかあり得ないというふうなことであります。 そういうことも含めて、今全面的な見直しということをする大きな山場に来ているということだけぜひ御理解をいただきたいと思いますし、そういう観点も含めて、ぜひ大臣の御答弁をお聞かせいただきたいと思います。
○前原国務大臣 八八%という数字を委員はおっしゃったわけでありますけれども、これは各都道府県が構想を持って、それの積み重ねた数字というものがあるわけでありますけれども、各都道府県では、これは委員御承知だと思いますけれども、現在、この構想について見直しをされているんですね、各都道府県、自治体で。そして、全国ベースでの下水道整備の最終目標については、今各自治体が鋭意見直されておりますので、先ほど委員も言及をされましたけれども、国として全体のデータを持ち合わせてはいない、こういうことであります。 一つの例で申し上げますと、群馬県では、下水道による整備人口の割合は、従前は八二%と言っていたのを八〇%と縮小する。むしろ減らす。そのかわり浄化槽を八%から一一%に拡大するということで、地域の特性に応じて細かく見直していくと、先ほど委員もおっしゃったように、費用のこともありますので、必ずしも下水道というのが現実的ではなくて、そして浄化槽にしていくというようなこともあると思います。 あとは、社会資本整備総合交付金というものを下水については使っていただくということになっていきますけれども、地域の実情に応じた形でこの社会資本整備総合交付金をお使いいただく、また、それに対して我々国土交通省としては、自治体から相談があればしっかりとその相談に乗らせていただくということで、きめ細かな対応をしていかなくてはいけない、そう考えております。
○中川(治)委員 地域の実情に応じてやっていくというのはおっしゃるとおりでありますし、国土交通省が命令をしてきたわけでもないんです。 しかし、例えば新潟の知事さんが、政権がかわって国もようだませぬやろうということで、例えば直轄負担金もう払わへんぞというふうに勇気を持って言い出したのが三年前、要するに民主党の参議院の与野党逆転が実現をしてからでありました。それまではやはりなかなか、私は、市町村は怖がって、ようせぬというところがあったんだと思います。 しかし、先ほども言いましたように、最後、あと二〇%をどうするかということが一番大事なことであります。競馬でいえば第四コーナーを回って最後の直線距離というところに来ているんですから、本当に自由にやってもいいんですよと。私は本当は、前原大臣と小沢環境大臣と赤松農林水産大臣と、自治体の財政が心配ですから、できれば原口大臣と四名の連名で、本当の意味で市町村にとって一番効率的で早くて安上がりにできるシステムを、どうぞ御自由に選んでいただいて結構ですからということを共同声明をされるぐらいのことをまずしないと、本当に国は変えてもいいんだ、ぜひ変えてくださいと言っているんだということを何らかの形でアクションを起こせないものかなと。これはもう答弁を求めませんけれども、ぜひ御検討いただきたいというふうに思っております。 それから、社会資本総合交付金ですけれども、やはり国土交通省の場合には下水なんですよね、下水事業ということになっているんだと私は思っております。内閣府のところで別の汚水処理整備交付金というのがありますけれども、例えば、農業集落の予算も環境省の三百億円程度の浄化槽の予算もそれから下水関係の四千数百億円も、みんなここに一つに集まるのであれば、本当に自由に選ぶことができるのかもしれませんけれども、実態はなかなかそうではない。要するに、下水道の事業をかなり自由にやりやすくなったということだけにとどまっているんじゃないかというふうに私は思っております。 その点も含めて、今後の検討課題を明らかにしていただきたいと思います。
○三日月大臣政務官 尊敬する中川先輩が国会に戻ってきていただいて、この生活排水のことについてもともに取り組めること、大変うれしく思います。 中川さんがおっしゃったように残り二〇%をどうするのかということと、先ほど大臣が答弁されたように地域の実情に応じて生活排水処理事業を行っていくことと、加えて、人口が減り、少子高齢化が進み、財政悪化が進んでいるという制約条件の中でこれをどうとらえていくかということが大切だという観点から、先ほど紹介いただいたように、法律上、下水道供用区域内の下水を流入させるための排水設備を遅滞なく設置しなければならない、いわゆる接続義務というのが課されているんですが、我々野党時代に、下水道供用区域内の浄化槽も原則下水道への接続義務というのが課されているんですが、良好に管理されているのであるならば、合併浄化槽について一律に接続義務を課すべきではないのではないかという、接続義務を外す下水道法の改正というものも提起しております。 政権交代後、ことしの四月から、先ほども一部御紹介いただきましたが、国土交通省と農水省と環境省の三省が連携しまして、これからの望ましい汚水処理のあり方について検討する会議を立ち上げて、私と農水省の舟山政務官と環境省の大谷政務官とで今検討させていただいておりまして、まず市町村の実態把握のためのアンケートをさせていただく予定にしております。 いずれにしても、所管ではありませんが、各自治体のし尿処理施設の老朽化、これは常々中川先生が指摘されていることもありますし、汚泥処理の一体処理、またその活用という観点もありますので、制約条件の中でのこれからの望ましい汚水処理行政のあるべき姿というものをしっかりと模索してまいりたいというふうに考えております。
○中川(治)委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。 三日月政務官の方から、し尿処理場のこともおっしゃっていただきました。大阪なんかもそうなんですけれども、恐らく四割ぐらいのところが近々にし尿処理場、これは環境省の所管ですけれども、これをつくりかえないかぬ。各首長さんにとったら大変悩みの種であります。建てかえると言ったら出ていけと必ず言われるし、もう持っていく場所がない。それで首長の首をかけて建てかえないかぬというような事態になります。 しかし、幸か不幸か、幸いなんだと思いますけれども、本当は下水処理場で生し尿も浄化槽の汚泥も、そして下水も一括して処理をするというシステムにならないか。し尿処理場というのは物すごいお金がかかります。しかも半分は市町村の負担でありますから、これも含めて、ぜひすばらしいあるべきあり方を御検討いただきたいと思っております。 私は過激派でございますので、そんなことできるのかとよく言われるんですが、最後の二〇%になったときに、下水道整備区域という区域指定が本当に必要なんだろうかということを最近ずっと疑問に思っております。下水道整備区域外であれば二重行政にならないからということで、要するに、この八八%以外であれば環境省の浄化槽は非常に有利な補助金がつく制度を使えます。しかし、中であれば、非常に中途半端な補助制度の浄化槽しか使えない。それはなぜなのかといえば、将来下水が来るかもしれないという網があるからなんですね。もうこの網は取っ払った方がいいんじゃないか。下水道法そのものの根本的な、接続をするかしないかということだけではなくて、一度全般的な御検討をお願いしたいということだけ申し上げておきたいと思います。 時間の関係もありますので、次に行きたいと思います。大臣、ひとつよろしくお願いを申し上げます。 もう一つは、資料二を見ていただきたいと思います。 実は、この資料は、ディベロッパー、大手の不動産建設業者から広告代理店とかリサーチ会社に、こういう地域にマンションを建てたい、その周辺の地域の状況を調査して報告してほしいということで依頼をした、そのときの報告書の一部写しであります。これはほとんど全国津々浦々の地域についてございます。堺市だとか大阪市の生野区、大阪の池田市、住吉区、ついでに大臣の選挙区の方も何ぼか入れておきましたけれども、こういうことが公然と書かれて、そして報告書に出されている。 もっと聞くにたえないようなことが書かれている場合もありました。同和地域を問題のある地域、敬遠されるエリアであるとか、あるいは、在日韓国・朝鮮人の多い地域を半島系住民が多いあるいは移民の多い地域だとか、忌避される地域、そういうエリアであるとか、さまざまなことが書かれております。 この資料でいいましたら、一番上のところ、これは精神病院や重度障害者の施設が多いから問題のある地域なんだというようなことが書かれております。あるいは、ここは同和地区だというものも、私から見てもこれは間違っているなと思うような、ある意味では近所の伝聞にすぎないような話まで資料として提出をされている。そして、これをもとにして販売をしたり建設をしたりということが行われておって、しかも、この報告書の管理すら、どこにどういうふうに出回っていくかということすら全くわからないというふうな事態になっております。 これを何とかせないかぬというふうに思っておりまして、特に、調査をしようということで依頼をしている大手不動産の開発業者、これはほとんど国土交通大臣の認可業者ということになっております。こうしたマンション開発にかかわる差別的な調査のあり方、実態について、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○前原国務大臣 今、資料二を見させていただきまして、私の選挙区の記述も載せていただいておりますけれども、簡単に感想を申し上げれば、けしからぬという一言に尽きると私は思っております。 大阪府等の調査におきまして、御指摘の表現、先ほど委員がおっしゃったような不適切な表現が含まれる報告書が作成されて、これを一部のマンションディベロッパーが受領していた事実が判明したということは国土交通省としても承知をしております。 国土交通省としましては、これまでも、宅地建物取引業者の社会的責務に関する意識の向上を目指して、宅地建物取引主任者などの従事者に対する講習を通じまして、例えば、同和地区に関する問い合わせ、それから差別意識を助長するような広告、それから賃貸住宅の媒介業務に係る不当な入居差別などが発生しないように、関係業界団体や宅地建物取引業者に指導しているところでございます。 しかしながら、委員が御指摘をされたように、依然としてこのような報告書が問題意識なく漫然と行われているということはまことに遺憾であると思っておりまして、我々としても、こういった差別的な報告等が出されないようにさらに徹底をしていきたいと考えております。
○中川(治)委員 実は、発覚をしたのは大阪府からでございまして、大阪府も入って今検討チームも結成をされているというふうに聞いております。大手の不動産開発業者が販売促進あるいは開発事業を手がける上で、まず広告代理店とかリサーチ会社に調査を委託して、そしてその資料に基づいて行動を起こす。どうもこれが一つのシステムになっているということでありまして、現在明らかになっているところでは、十三社のディベロッパーと十五社の広告代理店、それから五社のリサーチ会社、それがこうした報告書をつくっているということが明らかになっております。 これはお尋ねという形でアンケート調査をして、もう知られているなと思う人はやっていますというふうに言っているし、覚えがないというふうに答えているところもあるわけでありまして、実態はどうなっているんだろうかということを、まず実態の把握をぜひ急ぐ必要があるというふうに私は思っております。 ぜひこの点で、国土交通省としても、実態把握に向けて行動を急ピッチで開始をしていただきたいと思いますし、どのような実態把握が必要なのか、そしてどのような啓発をしていかないかぬのかということについて、できれば専門チームでもつくり上げてもらって、そして対策を急いでいただきたいなということを思っております。 それからもう一つは、実は、この調査活動というのは、宅地建物、不動産の売買にかかわる以前の調査活動ですから、宅地建物取引業あるいは不動産業法以前の活動の問題なんですね。ですから、なかなかこの業法では規制をしにくいというのが現在の法体系の中では言われております。大阪府の勉強会で国土交通省の担当の方にお聞きをしても、いや、そうなんです、この業法では規制や管理はなかなかしにくいんですということをおっしゃっているということでございます。 そういう意味では、こうした明らかな差別を商う行為に対して、規制のあり方ということ、国交省を初め政府全体で規制や処罰のあり方ということを検討するべきではないかというふうにも思っております。この二つの件について、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○前原国務大臣 委員の御指摘というのは、私は大変的を得た、いい御指摘だと思っております。 実態把握についてでございますけれども、国土交通省といたしまして、これは自治体が、先ほど委員は大阪府が実態調査をしているということで言及がございました。我々もこの大阪府がやられている土地差別調査問題実態調査の結果概要についても入手をして、これについて我々としても検討を加えて、どう人権意識を業者に植えつけていくのかということの参考にさせていただいておりますけれども、大阪だけではなくて、全国の都道府県に対して、我々は宅地建物取引業者の社会的責務の意識の向上に関する実態調査というものをやっております。 どんな調査をやっているかと申し上げますと、例えば、宅地建物の取引の場における同和地区に係る市役所などへの問い合わせの実態があるかないか、ある自治体はどこなのかということを我々として把握をするということ、これをまずやっております。あるところについては、しっかりとそういう人権意識、特に業者に対して徹底するようにというようなことも含めて、我々としては取り組んでいるところであります。 また、別の質問といたしましては、例えば、取引相手から同和地区の存在について質問を受けた場合、回答しなければ宅建業法四十七条に抵触するかとの問い合わせがあるかどうかということも聞いております。これは、答えを言いますと、抵触するかというのは、抵触しないわけです。そんなことは答えなくていいというのが宅建業法の四十七条でありますけれども、これについて、明確に違反しないと答えている都道府県がどれだけあるか、あるいは間違って答えているところとかあやふやな答えをしているところというのがどれだけあるか、こういう調査をやっております。 現実、今の、宅建業法四十七条に抵触するかと聞かれた場合に、四十七都道府県のうち四十二の都道府県は違反しないと明確に言っていて、そういうものを徹底しているということでありますが、逆に言えば、五つの県がどちらとも言えないというあいまいな答えをしているわけでありまして、こういったところについては、こんなものは違反しないよということを徹底していく。 やはり、委員の御指摘のとおり、これは自治体がどれだけ真剣に取り組むのか、国と自治体が一緒になって取り組むということが大事でございますので、そういう意味での取り組みも国交省としてやっておりますし、委員の御指摘も踏まえて、しっかりと取り組みをしていきたいというふうに思っております。 また、宅地建物取引の前段階における差別を商う行為に対する規制のあり方ということでお尋ねがございましたけれども、これは人権の問題でありますので、国交省だけではなくて政府全体で取り組んでいかなくてはいけない問題だと思いますので、政府の取り組みとして、国交省も率先して協力をして、そして人権意識の高揚、差別の撤廃に向けての努力を重ねてまいりたいと考えております。
○中川(治)委員 恐らく氷山の一角、全国津々浦々でやられていることであります。こういう報告書が焼却処分もされずに出回るということ自体も大変嘆かわしいことだというふうに私は思っております。ぜひひとつよろしくお願いをいたします。 もうあとわずかな時間、五分を切りましたけれども、もう一点だけ御質問させていただきたいと思います。 実は、私、五年前にも調べたことがございます。国土交通省関係のさまざまな特殊法人であるとか公益法人で、あるいは当時は独立行政法人ではなかったと思いますけれども、そういうところで障害者雇用率が本当に守られているのかということであります。 とりあえず、仕分けでも案外ノーマークになっておりました高速道路株式会社の障害者雇用率を出してくださいということと、それから、六つの高速道路株式会社の各子会社、一〇〇%子会社あるいは事実上完全直系子会社になっているところ八十七社の障害者雇用率もあわせて御報告くださいということで出しました。一たん出てきた資料でこちらで計算をして、国交省の担当の方にやられたら、いや、もう少し少ないはずですということで、きのうの晩遅くまで計算をし直していただいたのがこの資料でございます。 結論的に言えば、六つの会社のうち四つは達成をしているということでありました。五年前はたしか阪神高速道路公団以外は全部達成していなかったということですから、一定の進歩かなというふうに思っております。 今回は、子会社も含めて調べてみましたら、八十七の子会社のうち、対象外、つまり五十六人以下の会社が二十六社ありますから、対象六十一会社のうちで法定雇用率を達成している会社はわずか二十社。四十一社は達成をしていないというのが現実でありました。民間企業でいえば、法定雇用率の達成率は四五・五%。これは去年の十一月のものですから、高速道路株式会社の子会社、関連民間会社でいえば、わずか三三%、全国の民間平均よりもさらに劣っているというのが現実であります。 このことについて、ぜひ早急に是正をする必要を思いますけれども、とりあえず大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○前原国務大臣 ブランクがあって再当選をされてきて、私はお世辞抜きで、前もこういう質問をされていて、また当選をされてきて議席を得られて同じ観点で質問をされるというのは、本当に心から敬意を表したいというふうに思っております。 NEXCOですけれども、四月一日時点で申し上げると東日本は達成をしているということで、逆に言えば西日本だけ達成していないということで非常に目立つわけでありますけれども、西日本は達成していない。 そして、子会社につきましては、六十一社中四十一社、三分の二が達成していないということでございます。これは法定のいわゆる雇用義務制度であります。法定雇用数ということでありますので、議員の御指摘もありますので、こういうふうに定点観測もしていただいて、また御指摘をいただいたということで、政権交代もしたことでありますので、これについてはしっかりと指導していきたいと考えております。
○中川(治)委員 もう時間が過ぎましたので、最後に一言だけお願いをしたいと思います。 国土交通省というのは、大臣、障害者だとか社会的支援が必要な人たちの自立のための就労であるとかそういう雇用の場を確保するという意味では、恐らく長妻大臣以上に強大な力を一番お持ちなのは国土交通省だということをまず御理解いただきたいと思います。厚生労働省では到底手の出せないような、例えばURでは、ふすまの張りかえ、障害者で十分できます。しかし、そういうところが本当に国の官僚たちの天下りのえじきになっておったり、逆に言えば、幸か不幸か、完全な市場原理から少し外れたところで営々と営まれてきた。 これをきちっと是正することも大事ですけれども、これを逆に、新しい公共であるとかソーシャルワーカーであるとかソーシャルファームあるいは社会的企業という形で、社会的支援が必要な人たちのためのさまざまな就労の場として提供していくという、一番大きなチャンスがめぐってきているんじゃないかというふうに私は思っております。 民営化するものは民営化する、市場原理にきちっとさらすものはさらす、同時に、こうした分野については……
○川内委員長 中川君、時間が過ぎておりますので。
○中川(治)委員 はい、終わります。 そういうことで、ぜひお願いいたします。
○前原国務大臣 簡潔に。 本当にすばらしい御質問でありますので、中川委員の御質問を受けて、国土交通省関係の所管の独法、公益法人、これについて、いわゆる法定の雇用率がちゃんと守られているかどうかということを全部調べさせていただきます。そして、達成していないところについては、しっかりと雇用するようにということを指示したいというふうに思っております。
○中川(治)委員 どうもありがとうございます。
○川内委員長 中川君の質疑を終了いたしました。 次に、穀田恵二君。
○穀田委員 きょうは、UR賃貸住宅の事業仕分けに関連して質問します。 まず、事業仕分け、何を言わんとしているのかということについて聞きたいと思うんです。 四月二十六日、行政刷新会議が行っている事業仕分けで都市再生機構が対象になり、賃貸住宅事業の仕分けも行われました。そこで、仕分けされた側の都市再生機構、国交省は、UR賃貸住宅事業に関して、どういうスタンスで仕分けに臨み、何を主張したのかということをまず明らかにしていただきたいと思います。
○川本政府参考人 お答えを申し上げます。 先生御案内のとおり、URにつきましての事業仕分けにつきましては、都市再生、賃貸住宅、それから関係法人との取引の三点につきまして仕分けの対象になったところでございます。その中で、私どもは、行っております事業の現状、それからURの役割等について正確に御理解をいただき、御議論をいただくというスタンスで御説明をしてまいったわけでございます。 とりわけ賃貸住宅についてでございますが、政策的な意義としては、既存のストックを活用して、今後急速に高齢化が進んでまいります大都市圏の高齢者向けの住宅としての機能を期待しているというような説明をいたしました。 その上で、民間でもできるのではないかという御指摘については、政策的意図、それから、URが抱えております、こういった賃貸住宅事業を支えておりますのが巨額の負債であるということから、直ちに民に移管するというのは難しいのではないかという御説明を申し上げまして、それをもとに、各有識者の皆様の方からもいろいろ御議論をいただいたところでございます。
○穀田委員 私は、賃貸住宅事業の仕分けそのものに問題があるということを感じました。つまるところ、住宅政策の視点が全くないというのが率直な感想です。 例えば、公営住宅は一千万戸あるなどと、はっきり言って無知な認識を持っていたり、それから、公営住宅とUR賃貸の違いも理解していなかった発言もありました。仕分け人が住宅政策そのものを理解せずに効率性や行政の無駄という観点からだけ見ているというのが、私の率直な感想でした。 UR側の説明者が、URの団地に建物だけがあるわけではなくて、住んでいる人がいるということを述べていたように、住んでいる人がいるわけですね。これが住宅政策の根本になければならない。 もともとUR賃貸住宅は、一九五五年に住宅公団から始まり、当時の住宅不足の解消や居住水準引き上げなど、国民が安心して住み続けられる住まいの確保を目的にした住宅政策の中心事業であったわけです。健康で文化的な生活を保障した生存権を初め、生活する住民が存在する人権的視点から、社会的、経済的情勢が変化したもとで、住宅政策としてどうあるべきかという議論をすべきものだと考えます。仕分けにはこの視点がはっきり言って欠けている、ここに第一の問題があります。 そういうことになりますから、仕分けの評価結果は、そういうところから出発するがゆえに、結局どうなったかということであります。結果は、「高齢者・低所得者向け住宅の供給は自治体または国に移行、」し、「市場家賃部分は民間に移行する」だったわけであります。 私は、住宅局長の報告にありますように、結局、その政策的意義を述べるスタンスを持っていながら、いわばあちらの評価結果というものに対して、導き出すようなことをしたとは言わぬけれども、これについて今どう考えているのかということを改めて聞かぬとこれは大変だなと思いました。したがって、国交省としてこれらをどう受けとめているのかについて聞きたいと思います。 今後、この文言を見ただけでは、具体的にどうなるのかというのは理解できない部分が多いんですよね。大臣もうなずいていますけれども、本当にこれはちょっとよくわからないというのがあります。 例えば、一つ目に、「市場家賃部分は民間に移行する」という後半の部分からいいますと、この「市場家賃部分」とはUR賃貸住宅のどの部分を指すのか。UR賃貸住宅は、都市再生機構法第二十五条によって、すべての団地が近傍同種の家賃、すなわち市場家賃を設定しています。そして、達していないところは、三年ごとの見直しで市場家賃化を図る値上げを行っています。 つまるところ、UR賃貸住宅のすべてが市場家賃部分ということになるじゃないか。この点について、まず、いかがですか。
○藤本大臣政務官 穀田委員にお答えいたしたいと思います。 都市再生機構、URについては、現在、大臣の指示のもとでそのあり方全般について、業務範囲とか組織形態とか、それについての見直しを検討しているところでございまして、六月末を目途にその結論を出す予定で今検討を続けているところでございます。 そして、今回の事業仕分けの結論で、今、穀田委員が御指摘いただきましたとおり、「市場家賃部分は民間に移行」というこの内容を含めまして我々としては真摯に受けとめて、この都市再生機構の業務のあり方について見直しが必要であるということの認識はしています。 ただ、おっしゃるとおり、その「市場家賃部分」というのが具体的にどのようなUR賃貸住宅を指しているかが明確ではないんですね。御承知のとおり、平成十一年から市場家賃に全部移ってきて、その以前の原価家賃から市場家賃に移ってきているということは明確だというふうに思っております。 ただ、仕分けのときの議論といいますかやりとりを聞いていますと、比較的収益性の高い都心部の高額物件、これを念頭に置いているのではないかなということは想定がつきますので、これを含めましてあり方の検討会の中でも議論をしていただいて、そしてその結論をいただいて政務三役で結論を出していきたい、そのように考えております。
○穀田委員 私は、真摯に受けとめてもらっても困るなというのは率直に思うんですよね。つまり私が言っているのは、住宅政策としての根本が欠けているところに相手が立っている話を、それを真摯に受けとめるんじゃ困るので、まず根本の土台をはっきりせえへんなんだらそれはやられちゃうよと言っているわけですよ。 ついでに聞きますと、「高齢者・低所得者向け住宅の供給は自治体または国に移行、」こう書いているわけですよね、決めているわけですよ。ここでわからぬのが、「高齢者・低所得者向け住宅」とあるが、何を指すのか。現に居住している高齢者、低所得者に向けた住宅という意味なのか、新たに新設、改築等によって建設する住宅なのか。また、現に居住している高齢者、低所得者というのは、現実はどうか。それは、各地の団地に点在し、大半の団地では過半数を占めているのが現実ですよね。そして、各団地にはもちろん子育て世代も、勤労のちょうど盛りの世代も居住しています。こういう実情を無視して、高齢者、低所得者を移転させ、集合させた団地をつくるとでも言うのだろうか。全く意味不明だ。 また、国に移行すると言うが、国とは何を指すのか。都市再生機構を指すのか、あるいはそれ以外の管理主体を創設するのか。 これらの問題もありますので、先ほど大臣わざわざ手を挙げていただいたので、同じような全体としての、今言っている中身がよく理解できない、それが、先ほど言ったように住宅政策の根本というところから視点が欠けている、こういう判断の上に私は質問しているので、お答えいただければと思います。
○前原国務大臣 詳しくはまた藤本政務官から答弁をさせていただきますけれども、事業仕分けそのものについてちょっと私の方から話をしたいと思います。 事業仕分けというのは、今二回目をやっているわけでありますが、私はこれは、先ほど藤本政務官が答弁をさせていただきましたように、中身について真摯に受けとめるということは必要だと思うんです。ただ、それを、じゃ、全部、義務、責務としてやらなきゃいけないのかというと、そうではないんですね。これは、事業仕分けをして、それで最後は行政刷新会議にかけられて、行政刷新会議でもまれたものがまた各役所に戻されて、そして各役所で、決して組織防衛に走ることなく、本当のあるべき政策論からどうするかというところをしっかり議論する中で、最終的に政府として決めるということであって、ですから、事業仕分けというのは第一段階だというお考えをいただければ結構かと思っております。 そして、今回のURのものにつきましては、私も今委員がおっしゃったことについてはかなり問題意識は共有することもありますし、それを最終的に国土交通省あるいは政府全体として判断するときに、住宅政策、特に高齢化が進んでいくという日本の置かれた現状に即した形で、どういう役割を果たしていけるのかどうなのか。しかし、他方で、事業仕分けで指摘をされたようなURのあり方については解体的に見直していくということを我々は申し上げているので、それをしっかりやっていく。両面が、両面というか両方向からの視点というのが必要じゃないかと思っております。 詳しくは藤本政務官からお答えさせます。
○藤本大臣政務官 お答えいたします。 答弁、繰り返しになりますけれども、今、穀田委員から御指摘いただいた高齢者、低所得者、これについても、事業仕分けの議論を聞いていますと、基本的には、高齢者さらには低所得者に対しては一定の配慮が必要だということの中で事業仕分けの評価をされているんだろうというふうには思っております。 ただ、御指摘いただいたとおり、具体的な定義でどうするのか、どういう方々が該当するのかということについては、方向性として示されたということで我々は理解をしておりますので、これは検討会の中あるいは政務三役でも、ここのところを具体的な方針を踏まえて考えていきたい、そのように考えております。 以上です。
○穀田委員 大臣もお話ありましたが、問題意識は共有しているとありましたけれども、その点はよかったと思っているんです。やはり、真摯に受けとめるというその土台と基準をはっきりしておかへんと、今政務官からもありましたけれども、私は何も組織防衛という観点をやれと言っているんじゃないんですよ。私は、住宅政策の根本をしっかり据えなければ、その話は、とにかく民間委託すればいい、あとは、もうからないものはそうしたらいいとかなんとかという話はならぬということを言っているわけですよ。 そこで、私は、居住者の立場に立った見直しが、先ほど解体的出直しとかそれから検討だとか言っていますから、少しその場合の、じゃ、次の視点はどうかということについて論を進めたいと思うんです。居住者の立場に立った見直し、なかんずく居住者との話し合いが極めて大事じゃないかと私は考えているところです。 枝野行政刷新担当相も、高齢者や低所得者のセーフティーネットとしての機能を国の責任でしっかりやると述べています。しかし、UR賃貸住宅の居住者でつくる全国公団住宅自治会協議会が、国会内で、事業仕分けに抗議し、賃貸住宅を公共住宅として守るために各党に要請する集会が開催されました。私も参加しました。自民、公明の野党とともに、民主党も社民党も参加していました。 その中で、民主党の議員は、大臣も民主党の旧公団居住安定化推進議員連盟、民主党公団議連というんですか、その顧問だと紹介していました。二十四日には大臣も自治会の代表と会うということも発言しておられました。 公団自治協の事業仕分けに対する抗議声明では、大臣に対して、「評価結果がいかに居住者を無視した非現実的なものであるかを、冷静に判断するよう」ということで求め、さらに、「誤った「評価結果」にとらわれることなく、七十六万戸のUR賃貸住宅を今後とも国民のための公共住宅として適切な管理組織とシステムのもとで継続させる方策をとりまとめるよう」要求しているということが出されました。 私は、よくこういう方々の、実際、先ほども現状というふうなことを大臣はおっしゃっていましたから、その現状のもとで一番苦労なさっている方々の話をきちんと聞いて、居住者の立場に立った見直しをすべきではないかと考えているのですが、その辺の御見解を承りたい。
○前原国務大臣 先ほど両面必要だと申し上げたのは、このUR都市機構については、例えば、都心回帰という時期があったわけですよ。そして、非常に高額の家賃の、立派な、公営住宅というよりは高級マンションなんかを手がけたときがあって、これなんかだけを見ると、何で民間がやらずにURがやるんだという批判は、私は全くそのとおりだというふうに思うんです。 他方で、この間、千葉の高根台、若井議員のところですね、千葉で。高根台のところに行って、ちょうど私の年と同じぐらいの築年数の団地があるんですけれども、状況からすると、それはなかなかひどいですよ、エレベーターはありませんし。 しかし、そういったところ、もちろんそれは建てかえをしていくんですけれども、エレベーターもなくて、しかし、そういった安いところに住んでおられる高齢者の方々、高齢者の御夫妻二人だけで住んでおられる方、あるいはお一人、独居の高齢者の方々もおられますね。そういう方々は恐らく、全体を民営化するということになったら、民営化するということは、民間企業の利益重視の採算の観点から、例えば、切り捨てられるんではないか、出ていけと言われるんじゃないか、あるいは家賃が上げられて結局住めないんじゃないかという不安を持たれるというのは、至極真っ当な御意見だというふうに私は思っております。 また、このURの問題というのは、ずっと今までの経緯の中で、十一兆の負債があるんですね。これをどうするかということも頭の痛い話でございまして、そういう意味から、さまざまな観点から、このURについては、ファミリー企業もあって、ファミリー企業は天下りの巣窟ですし、また随意契約もいっぱいやっているという、別の問題点もたくさんあるわけですね。 だから、そういったところは改革をしながらも、しかし実際に住んでおられる方々もおられて、その住んでおられる方々については、独居の老人あるいは老夫婦でお住まいの方々で、年金暮らしで、もう移るに移れないし、家賃が上げられてもたまらぬという方々もおられるという中で、我々は現実的な選択をしていかなくてはいけないということでありますので、今委員がおっしゃったことも踏まえて、我々は、仕分け結果で指摘されたことも真摯に受けとめながら、しかし、住宅政策はどうあるべきか、特にこれから高齢化が進んでいく中でこのURの果たすべき役割もあるわけですから、どう果たしていくのかということを踏まえて結論を出していきたい、こう考えております。
○穀田委員 私が言っているのは、現実を踏まえるというのは、先ほど高級マンション化という例を挙げましたけれども、これは前も、渡辺大臣が行政刷新の担当のときに、わざわざそういうところばかり行ってテレビに見せるというやり方もしていましたよ。それを批判していた方も、この委員会か別の委員会か、それは私もちょっと定かではありませんが、していますよ。 ですから、現実の多くは、それはそれで問題だし、また、随意契約等その他のURのやり方については、私もいいなんて思っていないんですよ。だから、居住者の関係の、いわば住んでいる人のことについて住宅政策というのは根本にある、そこをきちんと聞くべきだということを言っているわけですね。 そこで、じゃ、どんな実態になっているかということについて、今、千葉県の話もありましたから、私はほかの例を出したいと思うんです。 実は、今、国交省がやっているのは、ないしは都市再生機構というのがやっているのは、再生・再編方針ということで、〇七年末に、居住者や団地自治会などの意見を聞くことなく発表しました。そこに問題がありまして、七十六万戸余りの公団住宅を三割削減する、当面十年かけて約十万戸の再編に着手し、約五万戸を削減するということなんかもあって、そういうふうな再編方針というのが、いわば国民生活を第一に掲げた民主党に対して、国民は生活をよくしてほしいと願いを託したわけです。政権の座に着いた民主党は、これにこたえて、こういういわば再生・再編方針という構造改革路線というのは転換すべきと違うのか、こういう期待があるわけですね。 そこで、ストック再生・再編というもとで何が起こっているかということであります。 例えば高幡台団地を例にとります。商店などが入った団地のセンター棟である十一階建て二百五十戸の七十三号棟を取り壊すという話です。 URは、この七十三号棟は耐震強度が足りない、したがって、補強、改修もできないから解体、更地化するという方針であります。ことし三月末を移転期限として居住者には通知してきています。しかし、十三世帯の住民が、どうして改修工事ができないか納得できる説明がないとして、七十三号棟に住み続けたい住民の会をつくり、今活動し、住み続けています。 住民らは、本当に耐震補強、改修がでけへんのかURに説明を求めていますが、まともな説明がない。〇九年十二月、住民が情報公開請求して出された設計図が黒塗り。重ねて請求し、退去期限直前になってようやく図面が出されました。その図面を専門家に解析してもらった結果、耐震補強は十分可能との見解だったということです。横浜にある団地では同じ規模の住棟で昨年補強工事が行われているのだから、解体ではなく耐震補強できるのではないかというのが住民の皆さんの意見であります。 この一連の経過を見てもわかるように、最低限の情報公開も行わないUR側の不誠実かつ住民不在の強権的な態度と姿勢に住民が反発したのは、私は当然だと思うんですね。 ところが、耐震補強でもいいのではないかという住民の意見を無視する形で、五月十日付で、URは、七十三号棟を解体するための技術提案を公募している。こういう解体ありきのやり方を改めて、少なくとも、先ほど大臣もおっしゃっているように、URが結構、一方的なやり方をして、裏ではいろいろなことを、もうけることを平気でやりながら、こういうものについてはさっぱりだという点を我々批判しているわけですね。 住民の納得と合意を得るようにURを指導すべきと違うのかということについて、見解を賜りたい。
○藤本大臣政務官 今御指摘いただきました高幡台団地七十三号棟については、今、穀田委員がお話しされたとおりでありまして、耐震改修工事を行うのが困難であるということで建物を除去するということにしました。これは居住性が大幅に損なわれるということであるとかそういう話なんですが、情報公開というのは大変重要だというふうに私も認識をしておりますので、ここは納得をしていただけるように努力をする必要性というのはあるんだろうと思います。 ただ、現時点では、二百四戸のうち、今移転に合意をいただいていない方が十一戸ございまして、この方々に対しては引き続き御協力をお願いするとともに、この情報などをしっかり提供していく中で、移転をしていただけるようなあっせんを実施していきたいと思っております。 こういう対象となるようなお住まいの方々に対しては、この団地だけではなくて、URにおいては、移転先の住宅をあっせんするであるとか家賃の減額であるとか移転費用の支払いとか、こういう条件をお示しした上で協力をお願いしていくということでございますので、国土交通省としても、URに対して、しっかり理解を得ていただけるような丁寧な対応をするように指導してまいりたいと思っております。
○穀田委員 丁寧な対応は当然です。 ただ、今政務官もおっしゃったように、情報の公開といって、一番最初の時点でもうひどいことをやっている。民主党政権は、一貫して情報公開の問題については言ってきたわけじゃないですか。その前提の情報がさっぱり開示されない。しかも、そういう耐震補強、いけるじゃないかという専門家の意見もある。だから、そういう問題も含めてきちっと議論すべきなんですよね。それを一方的にばあんとやるというやり方がけしからぬ、それは同意できると思うんですね。 しかも、この七十三号棟の一階部分というのは、診療所、郵便局、集会所、スーパー、商店街があるわけですね。その中で、商店は歯抜けのようになくなって、日々買い物をしているスーパーも近く撤退するという話まで出ている。UR側は、解体した後の計画も示さない。こうなってくると、ともかくそこをつぶしてしまうんだという形しか見えない。 そういう点でも二重三重にけしからぬという話は、これはだれが考えても、三日月さんはうなずいていますけれども、わかりますやろ、最初のスタートはふざけているわ、話し合いの途中はふざけているわ、新しい条件が出たもとで話し合いをきちんとやろうとはしない、展望は示せないよと、二重三重どころか四重五重にひどいという話はおわかりいただけると思うんですよね。だから、丁寧なだけじゃなくて、きちんとやってくれということを言っておきたいと思うんです。 千葉県の話も出たからついでに言っておきますと、今、居住者の意見と、すぐこうくるんだけれども、千葉県の幸町団地もやはり取り壊すことを決定しているんですね。 ここでは、私どもに、九十四歳の女性から、公団から出て行ってくれと言われて困っていると電話があったんです。 URから手紙もいっぱい来ているし、職員の方もしょっちゅう来る。きょうも、引っ越しすれば百七十万円出します、出ていってくれと。来年三月には住めなくなる、裁判を起こしますよと。まさに脅迫まがいのことを言って、URの人が来るたびにぐあいが悪くなる。きょうも、来ないでくださいと言った。上の階に親切な人がいたが引っ越してしまった。長生きしてしまってこんなことになってしまう。三月十日の空襲のときに、東京の江東区での空襲に遭ったんだそうですね、死んでしまった方がよかったと。年はとったが一人で頑張ってやっている。少し歩くのが大変だが、洗濯も自分でできるし、買い物もスーパーが近くにあり便利だ。百円買っても届けてくれるし、民生委員さんが水曜日御飯を届けてくれる。本当に親切にしてくれて助かっている。買い物に行くと引っ越ししないで頑張りましょうねと言われる。URの人とは会いたくないからドアをあけないけれども、きょうはあけていましたと。 こんなふうな悲痛な訴えが、私どもに届いています。 こういう団地のように、コミュニティーが破壊され、高齢者が行き場のない事態に追いやられている。公的な住宅であるURが、今問題となっている追い出し屋まがいのことまでやっているというようなことは、これは絶対に改めるべきだ。 先ほど政務官は現場の話だとかいろいろされていましたし、これはきちんとしてもらわな困るんだけれども、簡単に一言。
○藤本大臣政務官 時間がありませんので、ポイントだけで。 その九十四歳の方、結果としてなんですけれども、途中ではそういうようなお話があったかと思いますが、その方も移転については御了承をいただいたというのが現時点では結論でございます。今、そこの幸町の団地については、長期不在の一戸のみ残すということになっております。 ただ、穀田委員が質問でありましたとおり、その過程の中でいろいろ精神的な苦痛を与えてきたということが事実であるならば、これは改めていかなければいけないと思います。
○穀田委員 事実ですので、やはり、そういうことが起きているということに対して心を痛めないというのはあきませんで、ほんまに。だから、住宅の持っている政策というのは、住宅は権利であり福祉であるという立場からいかに設計するかということが大事だと私は思います。 時間も来ましたので、私は最後に、URを見直すということについて四点だけ提案しておきたいと思うんです。 一つは、高齢者や低所得者が過半数を占めるなどの実態に即して、居住者が安心して住み続けられるよう、公共住宅にすることを前提とすべきである。その意味で、旧政権のときにつくった再編、再生の名による団地の売却、削減は一たん白紙撤回して、計画をつくり直すべきだ。 二つ目に、賃貸住宅部門はずっと黒字を続けています。この収益は本来、家賃の値下げや団地の修繕に振り向けるべきものであって、再生事業などの損失の穴埋めに充てることは許されないと思っています。 第三に、したがって、家賃は近傍同種をやめ、収入に応じた家賃制度に改めること、そして、公営住宅と同様な家賃制度にすることを検討する必要がある。 最後、四つ目に、UR賃貸住宅が、団地管理のノウハウや長年居住者が培ってきたコミュニティー活動などの経験を生かして、誘導居住水準のリード的役割を担うようにする。 以上の四つの点だけ提案して、質問を終わります。
○川内委員長 穀田恵二君の質疑を終了いたしました。 次に、遠藤乙彦君。
○遠藤(乙)委員 公明党の遠藤乙彦でございます。 私は、海外観光客誘致の推進、特に中国からの観光客誘致促進について、具体的な改善すべき点等々につきまして質問をさせていただきます。これは、去る二月二十六日、予算委員会の分科会におきまして、前原大臣の御出席をいただきましてやりました。その続編ということでやらせていただきたいと思っております。 私はもともと、特に地方にとっては観光と農業こそが日本活性化のポイント、成長戦略のポイントだということを考えてきておりまして、ここ七年ぐらい一貫して、特に観光、農業は私としても努力をしております。私も、地元が今栃木県でございますこと、また、超党派の議員グループであります日中新世紀会の会長を務めているということがありまして、特に急速に発展する中国の需要にどう切り込んでいくかという視点からも、この観光推進をやってきたわけでございます。また、この観光推進は、言うまでもなく、国民間の相互理解、友好促進にも極めて効果があるということも私は認識をしておりまして、そんな意味で観光振興に取り組んでおります。 二〇〇四年、五年、六年と、三年次にわたりまして、国土交通省の御支援もいただきまして、いわゆる地方連携事業ということで具体的なプロジェクトをやりました。第一が一般観光、二年目が修学旅行、三年目がアニメ観光ということをやり、いずれも大きな成功に終わりました。 一応道を開いたので、私は、あとは行政と民間にやってもらおうということでバトンタッチをしたつもりなんですが、なかなか進展しない。一番大きな理由が、どうも内向き、下向き、後ろ向きの意識が強くて、なかなか具体論で進展しないので、私も業を煮やしまして、特に、今回野党になったこともありまして若干時間的余裕ができたこともありまして、再び私自身が音頭をとって、陣頭指揮をとって、もう一度プロジェクトを立ち上げております。 実は、ことしの二月に、中国の春節の時期に、中国全土から七百人の観光団を一挙に、栃木県の日光市を中心に招聘いたしました。中国側の旅行社と話をつけてやったわけでありまして、これも大変大きな成功に終わりました。 どういうことをやったかといいますと、日光市長さんにも歓迎委員長を引き受けてもらいまして、また一般の市民ボランティアにも声をかけまして、歓迎大会では、例えば日本風のお正月のやり方で、もちつき大会であるとか獅子舞であるとか、あるいは日光和楽踊り等をやって歓迎をしまして、さらに、九つのホテルに分かれましたが、それぞれのホテルに着つけのボランティアとかお茶とかお花のボランティアを送って、市民交流をやったんですね。大変な成功をおさめました。中国側は大変感激をしてくれまして、高い評価をいただきました。 その後、さらにまた話が来まして、今度は国慶節明けの時期に、何と四千人の観光団を受け入れてくれという打診が参りました。また、実は、いわゆる医療観光も私提案をしておりましたが、何と三千人ほど、向こう一年間にわたって、六月から受け入れてほしいという打診も来ました。さらにまた、北京四中という中国の一流の名門校なんですが、この六月に六百人の修学旅行がまずやってまいります。 大変な反響があったわけでありまして、実際にホスピタリティーを理解してもらえば、歓迎の気持ちが通ずれば、またよいプログラムがあれば、必ず訪日観光客の拡大はできるという確信を新たに持った次第でございます。 そんなことを踏まえまして、具体的な問題点につき質問したいと思っています。特にこれは、中国側の航空各社あるいはまた旅行社、あるいはさまざまな関係者のヒアリングをもとに、どうしたら中国からの誘客をふやすことができるか提言を求めまして、その上で質問をするものでございますので、そういった趣旨で理解をいただければと思っております。 まず第一に、何よりも日中間の航空アクセス、特に空港のさまざまな問題点を改善することが大変大事だという意見でございました。 まず、中国側のヒアリングをしたときに、日本の地方空港への乗り入れ、定期便やチャーター便の要望は非常に強いものがあります。しかし、一番大きなネックになっているのは、着陸料であるとか駐機料、各種グランドサービスが高過ぎるということがまず最大の問題だということを言われました。例えば着陸料なんか、シンガポールに比べると四倍ぐらい高い。競争力が全くないわけですね。 したがって、そういったことがネックになっているということでありまして、まず、こういったことの国際比較、各種の空港の諸費用の国際比較はどうなっているか。また、これらの引き下げに向けて国としても努力をすべきではないのか。あるいはまた、県によっては、誘致策の一環としてこういったことを補助しているところもあるわけでありまして、そういった実態はどうなっているか。こういったことにつきまして、まず政府側の見解をお聞きしたいと思います。
○前田政府参考人 お答えを申し上げます。 新千歳あるいは福岡、こういったところを初めとする国管理の地方空港の料金でございますが、着陸料について非常に高いという御指摘を受けておりますが、この着陸料のほかに旅客取扱施設利用料あるいは空港税、こういったものを含めた、旅客一人当たりが実質的にどのくらいの負担を行っているかという観点からの比較をいたしますと、日本の地方空港については、欧米だけでなくアジア諸国と比較しても低い水準となっております。 それから、地方空港のうち、国が管理している空港の国際線に係る着陸料についてでございますが、定期便については本来の着陸料の十分の七、チャーター便については本来の着陸料の二分の一に軽減しておりまして、この措置、このような政策的な引き下げについては、平成二十二年度においても継続して実施するということにしております。 それから、地方空港のうち、今度は自治体が管理している空港に関してでございますが、ほとんどの空港において着陸料が軽減されておりますし、また、一部の空港ではグランドハンドリングサービスに関する助成も行われているというふうに聞いております。
○遠藤(乙)委員 努力していることはわかりますが、やはり国際競争力、これは数字で具体的に出ますので、ぜひさらなる引き下げに努力をしてもらいたいと思っています。特にシンガポールなんかは、今、一人当たりのGDPが日本より高いわけですけれども、着陸料では日本の四分の一という水準でありますので、どうしたらこういったサービス料の合理化ができるか、あるいは国として支援できるか、全体的な成長戦略の一環としてどういうふうにするかという視点が大事ですので、ぜひとも国としてもさらなる努力をしていただきたい、そのことをまず指摘したいと思います。 続いて、これは私も初めて知ったんですが、日本の空港の中で、海外からチャーター便が乗り入れようとしてきた場合、例えば飛行機への給水機能あるいは飛行機の汚物処理、トイレの処理、こういった機能がない空港が幾つかある。したがって、チャーター便の乗り入れを検討したけれども、その要素がなかったのでやめたということが指摘をされました。 今後、地方空港に国際化を推進していく、海外観光客を誘致したいのであれば、こういった点もぜひ支援していくべきではないか。民間がやっているからとよく行政は言っていますが、やはり国としてもこういったことへの支援あるいは指導というのは必要ではないかと思いますが、この点いかがでしょうか。
○前田政府参考人 御指摘の航空機の給水の設備あるいは汚水処理施設についてでございますが、羽田、成田、関空といった大規模拠点空港、こういったところについては、既に民間の事業者によって整備が行われております。 定期国際旅客便が就航している地方空港、これは羽田、成田、関空、中部以外の地方空港でございますが、二十四空港ございまして、これらの空港においては、必ずしもすべての空港で給水の設備あるいは汚水処理施設が整備されているわけではございません。 地方空港につきましては、地域の関係者による利用促進活動、こういったものを通じてさらなる活用を図っていくことが重要でございまして、御指摘の給水設備あるいは汚水処理施設についても、地域としての取り組みを進めていくことを国土交通省としても期待してまいりたいというふうに思っております。
○遠藤(乙)委員 いずれにしましても、いろいろな問題点がありますので、ユーザーフレンドリーにどう対応するか、これがポイントだと思います。いろいろ行政の建前はあるかもしれませんが、ぜひとも、極力親切に、また、どうやって外国の航空機が乗り入れやすくするかという視点からいろいろ問題点をチェックし、一つ一つつぶしていくことが大変大事なことだと思いますので、こういったことも念頭に置いて、今後努力をしていただきたいということを要望しておきます。 続いて、外国から来たときに最初に通るのがいわゆるCIQでございますが、これの対応が非常に、外国の観光客には第一印象を与えるわけであります。特に日本の場合、イミグレーションが非常に非効率だ、特に地方空港のイミグレーションが非常に非効率だという点が中国側から指摘をされております。 外国人に対しては、指紋の確認それから写真撮影をやっている。これはポータブルの機械でやっているそうでありますが、ある空港では一時間に四十人しか処理してくれなかったケースがあったというクレームを受けました。これはたまたま機械の故障でそういうことになったんだという説明が行政側からありましたけれども、一回そういうことがあると、どんどんうわさが広まって風評被害になる可能性もあるわけであります。 こういったことが絶対にないように、きちっと、第一印象というのは大変重要でありますので、そういった外国の観光客に対して第一印象をどうよくするかという姿勢が隅々まで浸透していれば、こういったことは起こらないわけでありまして、ぜひ、こういった点も改善していただきたいと思っております。 こういった点につきまして、どうするのか、政府側の見解を伺いたいと思います。
○田内政府参考人 法務省入国管理局といたしましては、先ほどお話にありましたバイオ等を利用いたしまして、不法滞在を意図する者を排除しつつ、真の旅行者に対する入国をできるだけ円滑に許可いたしまして、我が国によい印象を抱いていただくことが重要と考えております。そして、観光立国推進基本計画にもございましたが、空港における審査待ち時間を短縮するための様々な取り組みを進めてきているところでございます。 ただ、国際線が発着する空港は日本に二十八空港ほどございまして、うち十六空港については職員が常駐していないという実情がございます。例えば茨城には、水戸から出張して審査を行っている。そういうことで応援体制をとっているところでございますが、人数的な制約と限界があろうかとは思っております。 また、一部の地方空港におきましては、近隣の入国管理官署から携帯型の端末機を携行いたしまして出張審査を実施しておりますが、この操作中にトラブルが発生して、一時的に端末機器が不足しまして時間がかかるということもございました。こうした事案には速やかに原因を究明いたしまして、同じようなトラブルが再発することのないよう措置しております。 いずれにいたしましても、より機動的な応援体制など、審査業務に当たる職員の配置、端末機器の配備などの所要の体制整備を適切にいたしまして、審査待ち時間の短縮を初め出入国審査手続全体の円滑化に取り組んでまいる所存でございます。
○遠藤(乙)委員 特に地方空港はいずれも赤字空港が大変多いわけであって、特に国際化、観光客は大変重要な今後の赤字改善の方策である。そういったことを考えると、こういった一つ一つが大変重要であります。 そこで、私も海外へ行ったときにイミグレーションで長く待たされると、それだけで不愉快な印象を持って、二度と来るかといった思いになってしまうわけでありますが、大変重要なポイントでありまして、例えば数値目標として、三十分以内に全部処理するとか、どんなに時間がかかってもやはり一時間が限度だと思いますので、多分、三十分ぐらいで全部処理できるぐらいの体制をつくっていかないといけない。これは機械の台数をふやして並列処理すればできるわけでありまして、そういった配慮はぜひ必要だと思っております。 ぜひ、そういった意味で、今後、数値目標を設定してしっかりと指導をしていただきたいと思っておりますので、この点、大臣にもよろしくお願いしたいと思っております。 続いて、ビザの問題に移ります。 これも、ビザの規制緩和は大変重要なポイントであります。既に政府のワーキンググループでも検討を進め、きょうの朝日新聞にもその内容が報道されております。規制緩和が緩やかであるけれども着実に進んでいることは私も評価をしておりますが、やはり、中国の潜在的な大変なニーズ、今後の可能性を考えると、さらなる規制緩和が必要であろうと私は思っております。 例えば個人観光ビザの場合、今回の規制緩和でも、所得基準、二十五万元から六万元に引き下げられたと報道されておりますけれども、相変わらず大変に不評です。収入基準で区別されることを中国人は大変プライドを害されるようなところがあり、また、公表される収入と実際の彼の資力とは大きなギャップがあって、現実的には余り意味がないということも指摘をされておりまして、この収入基準は撤廃することが望ましいと私は思っております。 やはり、歓迎の気持ちをどうあらわすかということが大事なので、いろいろな規制をかければかけるほど、総論では歓迎しながら各論でブレーキをかけているということが、なかなか、実際の拡大に向けては足かせになるわけでありまして、具体的な点においても、できる限り好感度の高いやり方が必要だと思っています。 もちろん、リスク管理は必要でありますけれども、その点もチャンスとのバランスでどうやるかということが大事でありまして、こういった収入制限は撤廃すべきだと思っているところであります。 この点につきまして、まずお聞きしたいと思います。
○吉良大臣政務官 委員にお答えを申し上げます。 委員御指摘のとおり、中国の方々が日本に来るということは観光戦略の中で非常に重要な位置を占めておりまして、そういう意味で、私ども外務省としましては、新成長戦略の中で、中国人個人観光客に対する査証の取得容易化ということを今真剣に検討しているところでございます。 ただ、同じく委員も御指摘されたように、日本社会の安全確保という点も非常に重要な観点でございますので、その点も踏まえながら、今申し上げましたように、新成長戦略の中で、観光戦略の中で、査証の取得容易化ということをこれからも真剣に検討していきたいと思っております。
○遠藤(乙)委員 日本社会の安全ということですけれども、個人観光で来た人は今まで事故は皆無であると聞いておりまして、私もずっと長いことつき合ってきて、そういった人たちには問題はないというふうに思っています。これはやはり国際的な水準でやっていくべきだと思っておりまして、今回、とりあえず試行段階ということで、よく状況を見て、最終的には収入基準等は撤廃していくことが望ましいと私は思っております。 とともに、今回、ビザの発給総領事館が三カ所から七カ所に拡大されると聞いております。現場では大変な仕事量だと聞いておりまして、また、この発給の効率もやはり大変重要でありまして、時間がかかり過ぎると、これもまたネックになってまいります。 そういった意味では、外務省の定員の中であっても、選択と集中ということによって、ぜひともこの体制を強化すべきではないかと思っております。 総務省からもいろいろ、外務省の定員の実態とかけ離れたところが指摘をされてきたようでありますけれども、よく見直しをして、既存の定員の中であっても、選択と集中で、ぜひ、こういった本当に必要なところには人員を集中すべきであるし、また、それでも足りない場合には新規の定員、予算増も検討すべきだと思っておりますが、これにつきましての外務省の見解をお聞きしたいと思います。
○吉良大臣政務官 御指摘のとおり、中国の観光客の増加に伴いまして、今、中国各公館の査証担当は、大変な勤務時間の増加の中で鋭意対応しているところでございます。今御指摘のありました定員事情もございますけれども、外務省としては、ニーズに対応すべく、審査体制の整備に努めてまいりたい、このように考えております。
○遠藤(乙)委員 ぜひそういう努力をお願いしたいと思っています。 それから、個人観光ビザについて、私は、厳格な審査を経て発給をするわけでありますから、発給する以上は最初から原則マルチビザにすべきだと思っています。 なぜかというと、観光振興といっても、しょせんはリピーターをいかに確保するか。これは国内であっても国際であっても同じであって、同じ人が何度も何度も来てくれる、なじみのところをつくってくれる、これができると大変観光というのは収入も伸び安定するわけでありまして、観光戦略の最大のポイントなんですね。 したがって、こういった点を無視して、毎回毎回余分なコストと費用をかけて一回限りのビザをやっていたら、これはむしろ大変なロスであって、そういった点こそ事業仕分けをすべきだと私は思っております。 そもそも、ビジネスにはもう既にマルチビザが発行されておりますし、また、アメリカやEUなどは中国の観光に対して既にマルチビザを発行していると聞いておりますので、ぜひ、今後の我が国の観光施策の一つの大きなポイントとして、個人観光ビザについては原則マルチにする、これが大変ポイントなんです。ぜひこの点はしっかりと受けとめていただいて、今後の検討をお願いしたいと思っておりますが、これにつきましてどのようにお考えか、お聞きしたいと思います。
○吉良大臣政務官 お答え申し上げます。 委員御指摘の点を踏まえて、現時点では、私ども、観光につきましては原則その都度申請をしていただくという対応をしております。ただ同時に、委員御指摘がございましたとおり、複数回リピートが予想される企業関係者、商用関係者、文化人等については、既にマルチビザを発行しているところでございます。今後、その辺のニーズに基づきまして検討してまいりたい、このように考えております。
○遠藤(乙)委員 これもたびたび繰り返しますが、観光振興についてはリピーターの確保が経営戦略上最大のポイントですから、そういった意味で、厳格な審査をした以上は、最初から原則マルチにするというのを大原則にすべきだと私は思っておりまして、ぜひこれは大臣、大変大事なポイントでありますので、しっかりと受けとめていただければと、今後の御指導をお願いしたいと思っております。 もう一つ、医療観光でございます。これも、私は今後の日本にとって大変重要な分野であると考えております。 シンガポールなんかは、最近、ITはもう整備が終わって、今バイオメディカルということで、最先端の医療を整備し、世界じゅうから医療観光を引き寄せるというのを国家戦略として進めておりまして、日本よりはるかに進んだ戦略構想で進めておるわけであります。ぜひとも日本も、そういった体制をつくれば、医療といった分野は雇用拡大にとっても日本の成長戦略としても大変重要な分野であり、今一番雇用が伸びているのが医療、介護の分野でありますから、今後のさまざまなこういった分野の改善、拡大ということは、成長戦略の重要な部分になるかと思っております。 そういった意味で、今、医療観光についても政府で検討中と思いますが、そういった点で、これは医療に特化して、医療マルチビザ、医療観光マルチビザというものを創設すべきだと思いますが、この点について検討状況はどうなっているか、お答えいただきたいと思います。
○吉良大臣政務官 お答えを申し上げます。 委員御指摘のとおり、雇用にも資するし、かつ日本の先端医療技術を紹介することにもなる、その意味での医療観光、大変重要な課題だというふうに思っております。 御承知のとおり、新成長戦略の中でもこの医療観光の促進ということがうたわれておりまして、外務省としましても、医療を目的とされる方がより多く訪日されるよう、円滑に訪日できるように便宜を図ることを前向きに検討してまいりたい、このように思っています。
○遠藤(乙)委員 しっかりと成長戦略全体の枠組みまでよく掘り下げて、将来を見越してしっかりとそういった施策を打っていく、大変大事なことでありますので、特にこの医療観光につきましては、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 次いで、カードの問題、銀聯カードの問題です。 今、中国は物すごい勢いで銀聯カードが普及しておりまして、既に現時点で約二十一億枚、人口より多いんですね。十三億人の人口で二十一億枚ですから、みんな複数持っている、あるいはいろいろな法人等を含めると複数持っているわけでありまして、日本よりもある意味ではカード社会化しているというふうに言えると思います。 銀聯カードの年間取扱額は約百兆円。日本ではいわゆるクレジットカードが四十二兆円と言われておりますので、実は中国は、日本よりもはるかに急速にカード社会化しております。しかも、このカードには外貨持ち出し規制がかかりませんので、中国人観光客にとって大変便利であるということが言えるわけでありまして、実際にも、さまざまな決済、支払いは、銀聯カードで行われることがふえてきておるわけであります。 しかも、日本で使われた銀聯カードの額を見ますと、二〇〇六年に七億円、ところが二〇〇九年には二百四十七億円、物すごい勢いでふえております。ことしは多分四百億円を超すだろうと言われております。 そういった意味では、日本においていかに銀聯カードを使える状態をつくるかということが、中国人観光並びに旺盛なショッピング需要を受けとめる大変重要なインフラだということが言えるわけであります。これはもちろん民間の努力がまず第一でありますけれども、ぜひとも国としても、この銀聯カードシステムを使えるところを日本でもふやす、これが成長戦略の一環としても大変重要なポイントだということになりますので、この点についてどう取り組んでおられるか、国土交通省、意見を述べてください。
○藤本大臣政務官 お答えいたします。 その前に、先ほどメディカルツーリズムのお話がございましたが、今、我々、観光庁を中心に、政務三役、大臣の指示のもとで、辻元副大臣を座長として私が事務局長で、観光連携コンソーシアムというのをつくっております。これはまさに各省庁横断的に、経済産業省、厚生労働省、そして外務省あるいは総務省等々、メディカルツーリズムに関係ある部署にも集まっていただいて、政治主導でこの取り組みについては今積極的にやっているということだけ、ちょっとつけ加えさせていただきたいと思います。 銀聯カードなんですが、委員御指摘のとおりでございまして、特段、中国の観光客の場合は、訪日の動機の第一位がショッピングなんですね。非常にショッピングに対しての意欲が旺盛だということで、中国人観光客の日本国内での物品購入額が、一回当たり約十二万なんです。これは、アメリカが二万五千円ぐらいなのと比べると相当大きな額だということで、やはりこの点については環境を整備していくことが大変重要であるというふうに思っております。 中国本土を中心に約二十億枚以上が発行されているということでございますが、この銀聯カードについても、日本国内で取扱店をふやすということが非常に重要な誘致のかぎになってくるのかなというふうに思っております。 この銀聯カードは、ただ、クレジットカードとは違いますので、いわゆるデビットカードということでございますが、二〇〇七年三月で七千二百店舗の取扱店が、二〇一〇年では一万七千三百ということで、大幅に増加をしている。ただ、東京以外の利用頻度の低い地方とか、都市部においても中小の小売店においては、専用端末の設置コストが一台当たり十五万ぐらいかかるということで、なかなか十分に普及していない、普及できない状況というのもあろうかと思いますので、このあたりの環境整備は進めていきたいというふうに思っております。 そして、観光庁においては、銀聯カードの日本国内での展開を担当しているカード会社の協力を得ながら、小売業に対しても導入効果の周知徹底を図るとともに、中国での訪日観光プロモーションにおいて、取扱店、どこで取り扱いをしているのかという情報なども積極的に提供するなどの取り組みをしているところでございます。 これは、本当にまさに大変重要なポイントだというふうに認識をしております。
○遠藤(乙)委員 ぜひしっかりと推進をしていただければと思います。 それからもう一点、ショッピングに関しまして、免税手続の問題なんですね。 これは今、日本では、外国人に対して消費税の免税があるわけで、今店舗ごとにやっております。ただ、なかなかふなれなことがあって、非常に時間がかかっている。したがって、時間の限られた観光客にとっては、これは実は大変なロスになっているわけで、買い物効率が非常に悪い。 したがって、ぜひともこれを、欧米等でやっているような、出国の空港で一括してやる、これをやれば、時間的には大変効率が高まり、ショッピングの効率が高まるわけであって、その分、日本に落ちるお金が多くなるわけでありまして、大変重要な一つの戦略ポイントになるかと思っております。 したがって、ぜひともこのシステムを、出国のときの空港で一括してやる、システムを変えるべきだと思いますが、この点につきましての見解をお聞きしたい。
○田中政府参考人 お答えさせていただきます。 先生御指摘の欧州における付加価値税におきましては、非居住者に向けた免税制度は日本と違いまして、欧州は高い税率ですけれども、まず課税で売って、後に手続をして返してもらうという制度になっております。日本は、一定の手続をするとその店舗で既に消費税が入らない価格で売るという制度になっております。 欧州は、本当に自分の国で買ったものか、値段は本当にこの値段で正しいかというのをチェックしませんと脱法行為が起こりますものですから、欧州の手続、私どもが把握しておりますのは、まず物を買うときに、その店に還付申請の用紙が置いてありまして、そこに記入、署名等の手続をまず行います。それから、出国の段階で、空港の税関においても、その確認手続を行った上で、実際に自分が物を買った販売店に税金を返してくれという申請をするわけですが、これも自分みずからやるというわけにはいきませんので、還付代行業者に還付請求を頼むことになります。 したがいまして、ヨーロッパもそれなりの、少し煩雑な手続といいますか、しかるべき手続を踏んでいるわけでありまして、日本の場合、お店で、自分が非居住者であって、この物を海外に持ち出すということをパスポート等で示して、その段階でもう既に免税で買ってしまうという制度と、どっちがおっしゃるような意味で簡便なのかということと、それから、やはり税金でございますので、適正に執行ができるかどうかという点があろうかと思います。 先生の御指摘でございますので、現場でどんな感じになっているか、少し研究をしてみたいと思っております。
○遠藤(乙)委員 私の提起している問題は、要するに、最も買い物効率を高めてできるだけお金を落としてもらう、そのためのシステムを考えてほしいということでありますので、ぜひその点は財務省の方でも検討をいただければと思っているところでございます。 時間がなくなってきましたが、今、中国人観光客は非常に多様化をして、非常に生活水準……
○川内委員長 時間がなくなってきましたではなく、時間がないんです。
○遠藤(乙)委員 はい。 多様な観光ニーズがありますので、日本側の商品企画力、マーケティング能力、この不足が指摘をされておりまして、ぜひとも今後、観光庁等はしっかりとこの点に力を入れることが大事だと思っておりますので、これにつきましての政府の姿勢をお聞きしたいと思います。
○前原国務大臣 前回も、予算委員会の分科会で遠藤委員から非常に建設的な御提案、またフィールドリサーチに基づく現実的な問題点に対しての言及がありまして、大変役に立っているところでございます。 来てくださる方をふやすということは大事でございますけれども、先ほど委員も御指摘のように、リピーターをどうふやしていくのかということで、また、受け入れ体制もちゃんとしていないと、一回来ても、何か日本に行ったら嫌だなということで広がらないということはよくありませんので、他省庁とも、先ほど、外務省やあるいは法務省、財務省、そういった政府全体として協力体制をしっかりとりながら、ステップ・バイ・ステップで、中国初めインバウンドをふやしていって、そしてまた、その方々が何度も何度も来ていただけるようなそういう状況をつくっていくために、きょう委員が御指摘をされたような施策も含めて、しっかりと着実に前進をさせてまいりたいと考えております。
○遠藤(乙)委員 以上で終わります。 総論だけではなく各論の面でもぜひ目を光らせて、政治主導でしっかりと前進をさせていただくことを期待して、質問を終わります。ありがとうございました。
○川内委員長 次に、金子恭之君。
○金子(恭)委員 自由民主党の金子恭之でございます。きょうは自民党から一時間たっぷりいただきまして、ありがたく思っております。 本当に前原大臣にはお疲れのところでありますが、きょうは特に、国土交通行政も非常に幅広いですよね、本当に前原カラーを出されて、いろいろなところから反発を買いながらも御努力をされているところでありますが、我々自身も、これまでやっていた政策とかなり違う部分もありますので、その部分については率直に議論をさせていただければありがたいと思います。 特にきょうは、何をやろうかなと思ったんですけれども、高速道路にしようか、あるいは日本航空の問題もありましたし、いろいろありますけれども、この前、八ツ場の問題でちょっと消化不良ぎみに終わりまして、私の地元の川辺の問題も出しておりませんでしたので、治水問題について、国民の安全、安心にとって一番重要な治水の問題について質疑をさせていただきたいと思います。きょうは、政府委員もなしで、特に国土交通省の中の河川局は陣頭指揮をとっておられて、まさに大臣が政治主導でやっていらっしゃるということでございますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 その前に、我が地元においては、独特といいますか、川辺のようにこれからつくろうとしているダム、それからもう一つは、今ある既存のダムで、まだ貯水量が足りないものですから、渇水時に下流域の水が足りないということで、二メーターほどかさ上げをして環境のために強化をしたダム、これは氷川ダムと申し上げますけれども、それともう一つ、大臣もよく御案内のとおりの荒瀬ダム、これは日本で初めて撤去をするというダムでございます。 この荒瀬ダムにつきましては、大変知事も苦労されて、自分の言われたことを撤回されたりしながらこられたんですが、その一つの要因となったのが、選挙前あるいは選挙後の政治家の発言、特に民主党の幹部の方々の発言というものが非常に大きくて、速やかに進めなきゃいけなかったところが、ひょっとしてうまくいくんじゃないかというような、少し甘い言葉がありまして、そのことがございましたものですから、そのことについてお聞きをしたいと思います。 荒瀬ダムにつきましては、昭和三十年にできた水力発電用の熊本県の企業局のダムでございまして、もう五十五年を経過しているところでございます。平成十四年に、今の蒲島知事の前の潮谷知事が、荒瀬ダムは撤去をしようということで撤去を表明されて、そして水利権も、撤去を前提にことしの三月三十一日までの七年間延長をいたしまして今日に至ったというか、途中まで来ていたわけであります。 おととしの四月に蒲島知事が誕生されて、そして、いろいろ考えていく中で、撤去をするとかえって財源的にもたないということで、撤去のための四条件、資金の確保、財政的なものを確保しないと、撤去をすると県の財政を圧迫してしまう、二つ目に、撤去による危険性の除去、それから撤去により失われる利便性の補てん、それから撤去工事の技術の確立という四条件が確保されるまでは存続をしていこうということで方針転換がなされて、ことしの三月に至ったわけでありますが、先ほど申し上げましたように、その後、民主党の役員、幹部、大幹部がこの荒瀬ダムにはお見えいただきまして、いろいろな発言をされているわけでございます。 今、鳩山総理の言葉の軽さとかあるいはぶれとか、そういうものが国民的に言われている状況の中で、野党のときに言ったことが、与党になって政権になったときに、あれは野党のときのだという話はできませんし、鳩山総理の普天間の問題にしろ、公約じゃなくて代表としての発言だというふうに言われたわけでありますが、しかるべき公党の幹部が言ったということは、地域住民においては非常に重く受けとめるわけですね。逆に言えば、それを過度に期待してしまう部分があった。蒲島知事も、多少その嫌いはあったと思います。 そこで、御紹介をさせていただきたいんですが、今の財務大臣・副総理、菅財務大臣が民主党の代表代行だったころに、平成二十年の七月二十九日に荒瀬ダムを訪問されまして、そして、現場を視察して、次の日に蒲島知事とも会談をされておりまして、そのときにこういうことを言っていらっしゃいます。 ダム撤去に国の財政支援がないことに関して、県営であっても、自然回復事業という形である程度負担するべきだというふうに考えている、可能性を具体化していきたいということを、これは新聞各社、報道されておりますので、間違いなくこのことは言われたわけであります。まさに今、財源を握っていらっしゃる財務大臣をやっていらっしゃるという意味でも、去年の九月に鳩山政権が成立したときに、熊本県の関係の方々の期待が高まったというのは申すまでもないと思います。 そして、その後、九月に政権交代をしたわけでありますが、政権交代の後、民主党の熊本県連の代表でございます松野信夫参議院議員が、平成二十一年の十一月十四日、去年の十一月に、川辺川ダム中止・荒瀬ダム撤去を実現する県民大集会というのに出席をされました。そこで、与党になった途端に腰が引けているみたいなことで大分突き上げを食ったみたいで、その場で、荒瀬ダムについては、撤去という皆さんの思いをしっかり踏まえて、政権与党として腰を引かずに取り組んでいくことを約束する、球磨川から八代海を含めた自然再生という一大プロジェクトとして取り組むというふうに言われたわけであります。 そのお二人の言葉もありますし、また、政権交代が成って、まさに知事としても期待をされたんだろうと思います。ことしの三月に、荒瀬ダムの水利権が切れたわけですね。その前に、私がまだ副大臣当時に、これはなかなか簡単に、水利権を更新するのは難しいですよ、かなり準備を進めていってくださいよというお話はしていたんですが、どうも政権交代、特に大臣と蒲島知事は昔から親しい間柄ということがあったものですから、きっとこのダム撤去について、民主党政権である鳩山政権が支援をしてくれるだろうというふうに思われて、ずずずずっと延びていったんですね。 そして、去年の十二月五日です。私も出席をしましたが、年に二回、熊本県の幹部、知事と各部長、そしてこちらは、衆参の国会議員、与野党九名出席をしたんですが、そこで知事から、これは松野参議院議員に向けてだったと思いますが、衆議院選挙を通じて荒瀬ダム撤去への国民の期待感が高まっていると国の支援制度創設を求めたわけです。 そうしたら、それに松野参議院議員が、この辺はどうも、大臣と打ち合わせをされているというふうに本人は言われているんですが、川辺川ダム関連予算で、要するに川辺川ダムを建設中止にするための予算で撤去のための費用とか技術の支援をするなど、熊本県の負担を軽減する方法を政務三役、ですから大臣を含めて副大臣、政務官と詰めて協議をしておりますということを言われたわけであります。 そこで、すかさず知事も、協議をしているのはいいんだけれども、来年一月には水利権の更新を申請しなきゃいけないから、早くやってくれという話をされたんです。そうしたら、松野参議院議員は、承知をしていると。そして、その後記者団に、まあ、そうは言っても、知事が荒瀬ダムの撤去をまず明確にしてくれないと動けないからということを言われたものですから、そこで知事もいろいろな形の中で、また一つは、大臣がことしの一月に言われましたよね、現行の水利権は許可権限では失効するということも言われた、撤去の資金については社会資本整備総合交付金を活用してくれということも言われた。そういうことで、結局は水利権が更新できない以上は撤去を決めて、そして、二年間の水利権の延長もあきらめて、あと二年後にこのダムを本格的に撤去するということを決められたわけです。 そのときに、今言われた政務三役と民主党の熊本県連と詰めの話をされているということでみんな期待していたわけです。そのことについて、大臣はお聞きになられたでしょうか。
○三日月大臣政務官 お答えをいたします。 川辺川ダムの問題にしても、特に荒瀬ダムの撤去の問題についても、この間、熊本県とは、また熊本県選出の議員の方々とも協議をさせていただきながら、県の御事情を伺い、国としてできることの検討をさせていただいておりました。そういう意味では、今委員が述べられた経過というのは、述べられたとおりだというふうに思います。
○金子(恭)委員 しかし、それは結果として出てこなかったわけですよね。それどころか大臣からは、そのことは、もう水利権も無理だし、この撤去については社会資本整備総合交付金をお使いくださいと。老朽化した河川工作物ですから、なかなか難しいというのは私もわかります。だけれども、大臣はお聞きになられていなかったかもしれませんが、確かにそういうことで、熊本県内では民主党の方々が中心になってそういう動きをされていたということは、非常に熊本県を惑わせたんですね。ある意味では、適切な判断ができなかったということは一つあります。 そこで、それでつながっていくのかわかりませんが、ことしの一月に大臣から、老朽化した河川工作物の取り扱い方針をことしの夏までにまとめるというふうに言われておりますが、これは何を決められるのでしょうか。
○前原国務大臣 金子委員にお答えをいたします。 国土交通省の直轄管理区間において、河川管理施設及び許可工作物の実態調査を現在行っているところです、その前提として。中間的に取りまとめたところでございますが、全国の河川管理施設の約一万三百カ所のうち、築後、つまりはつくってから四十年を経過した施設が約四千カ所と、全体の三九%を占めております。また、全国の許可工作物については、約一万四千七百カ所のうち、築後四十年を経過した施設は約六千五百カ所ということで、全体の四四%を占めているということでございます。 今申し上げた箇所の、特に四十年たったものについてどういう状況なのかということと、あとは、これは金子委員は副大臣をやられていてよくおわかりだと思いますけれども、荒瀬ダムだけ特例にするというわけにいかぬわけですよね。もし荒瀬で適用するとなると、全国でいわゆる荒瀬で適用したやり方あるいは基準というものを採用しなきゃいけない。では、どれだけそれがあるのかということと、今、少ないかもしれませんけれども、将来的にはどんどんそういった老朽工作物はふえてきますので、財政的な制約の中で国がどう関与するのかということについて今検討をしている、これが夏までにある一定の結論を出すという検討状況でございます。
○金子(恭)委員 済みません、きのう事前に、そういう民主党の幹部の方々の発言があったので、きょうはそのことを踏まえて質問したいということは申し上げていたんですけれどもね。 そうしますと、私も、そういう意味では今非常に河川工作物も老朽化して、その対策が今までできていなかったということも聞いておりまして、この機会にやはり、百年たったダムみたいなものも兵庫県にあるとか聞いておりますし、いろいろなものを精査して、補強するところは補強して、あるいは撤去するものは撤去するという方針を決めていただくというのは非常にいいことだと思いますが、それと、今言われたことしの夏までという状況の中で、要は、仕分けだけではなくて支援の、予算づけのことまで、財源のことまでどうも議論されるんじゃないかという期待が非常にあるんですね。それはないわけでしょう。要するに、今回は、ことしの夏は財源のところまでいかないということでよろしいんでしょうか。
○前原国務大臣 まだそのことについて明確に決めたわけではございませんし、今回、委員の御地元の荒瀬ダムについては、県に対して、社会資本整備総合交付金というものを活用して、そして技術的な支援とか、あるいは荒瀬ダムの上流の川、流れてきている川に砂がたまっているということについて、これを総合交付金を使わせていただいてやるというようなことで、何らかの形でうまく今の仕組みでやれないかということも考えているわけでございます。 夏までに検討することが財政的なものを全く含まないということではなくて、トータルとして、今どのような老朽工作物があるのかということと、技術的に我々がどう関与していくのかということと、そしてまた、先ほど答弁をさせていただいたように、今後も含めて、一つやり出すと同じ基準で全国やらなきゃいけない、その場合にどれだけのお金がかかるのかということも試算をして、責任ある対応策をどうとっていくのかということを今検討している最中でございます。
○金子(恭)委員 ありがとうございます。社会資本整備総合交付金、これを活用してやるということは、もう御配慮いただいているということで感謝申し上げます。 それで、大臣がことしの夏までというふうに発言をされて検討され始めた後に、実は、ことしの一月三十日に、地元の新聞のインタビューで、鳩山政権の中枢部であります松野官房副長官が熊本なんですね。それで、松野官房副長官のインタビュー記事が地元紙の一面に載りました。 そこには、一面に、「ダム撤去 国補助検討」という形で載っておりました。それの内容は、個別のダムの話ではなく、あくまで一般論と前置きした上で、民主党が以前から既存ダムを壊す予算をつくっていきたいと主張していたのは事実である、つくるときは予算がつき、壊すときは自治体任せというのは制度上の不備だと指摘した上で、二〇一〇年度予算には計上できなかったけれども、二〇一一年度以降は何らかの道筋をつけていきたいと強調された上で、「支援対象となるダムは老朽化のほか、役割を終えたダムを想定。役割を終えたとして撤去するか否かの裁量権は「(補助ダムの場合)自治体の首長に与えられることが望ましい」と語った。」「老朽化したり役割を終えたりした既存ダムの撤去費用を国が補助する枠組みを検討する考えを明らかにした。」 まだ、もう一歩あるんです。 さらに、今後、ダムだけではなくて、高度経済成長時代につくられたインフラが耐用年数を迎えると述べ、撤去費用の補助はダムに限らないとの認識も示されたというふうに一面に載っているんですね。ですから、熊本県民はみんな見ているし、それはみんな、まさに鳩山政権の中枢の官房副長官が言われたことでありますので、かなり精度の高いといいますか、そういう検討がされているというふうに我々は認識したわけであります。 という意味では、私と大臣は多分認識は近いんだろうと思うんです。これから老朽化してくるものを全部、こうされていくのをそれぞれの責任でやっていくということなんでしょうけれども、さっき言いましたように、私が言ったということよりも、民主党のしかるべき方々がしゃべった、その本当に政治家の言葉の重みという意味では、非常に重みがあるはずなんですよ。ですから、このことについては初耳なのかもしれませんが、どう思われるか、ちょっと御答弁をお願いします。
○前原国務大臣 その発言をされたその日に、松野副長官からこういう発言をしたという話がございまして、大筋で我々も同じ問題意識を持っていますということを申し上げました。 これは金子委員が副大臣のときも同じだと思いますけれども、右肩上がりで人口がふえて経済発展をしているときに、いっぱいインフラをつくって、そしてそれが老朽化する時期がどんどんこれから来るわけですね。橋なんというのは一番大きくとらえられているわけでありますけれども、それで、これは自公政権のときですけれども、予防的措置なんという枠組みをつくられたり、あるいは、地方に対してしっかりと技術的な支援と時限的な措置を切っていわゆる金銭的な補助をする、財政的な補助をするという仕組みもつくられているわけですね。 我々としては、河川の工作物もそうでありますけれども、まさに松野副長官が言われたように、これからは、今までつくったインフラをどのように維持更新していくのかといったことを、やはり、国の責任と同時に地域も考えていかなくてはいけないし、他方で、今財源、権限を地域に任せていこうということをやっているから、先ほどお答えをした社会資本整備総合交付金のようなものをつくって、荒瀬ダムについては、道路とかあるいは他のものについても一体でこの交付金を使うというようなことで、うまく地域のニーズに合わせた、より使い勝手のいいものにしていこうということを考えているわけであります。 つまりは、こういうような仕組みも含めて、我々としては老朽工作物についての対応策というものをとっていかなくてはならないのではないかと考えているところでございます。
○金子(恭)委員 大臣のお気持ちはわかりますけれども、この記事を見る限りは、ダムを撤去する予算を、ことしは間に合わなかったけれども来年からはつくるというふうに、これはみんな感じ取っているんだろうと思います。 それと、今言われた社会資本整備総合交付金、多分去年我々がつくった地域活力基盤創造交付金みたいな使い勝手のいいものなんだろうと思うんですが、一歩進めて、あの地域活力基盤創造交付金は財政力の弱いところは補助率が非常に高かったんですね。そういうようなものもまた加味していただければ使い勝手がよくなるのかなという思いはありました。そうはいっても、我々も、大臣からそういうふうに聞いてわかりましたというよりも、これはやはり熊本県なりがどう判断されるかでありますけれども、今後とも、ことしの夏までに決定をされる老朽河川工作物の撤去の問題については、そういうことも踏まえて、地元の負担が少なくなるようにぜひお願いをしたいと思います。 実は、四月の二十三日に、第一陣として二億五千万円要望したところ、一千百万つけていただきました。要望が二億五千万に一千百万では、こんな立派なことをみんな幹部が言っていらっしゃるのに、それは時期の問題もあったのかもしれませんが、大臣が、ここは日本で初めての撤去だということでつけていただければ、もっと政治主導でつけられるんじゃないのかなと思いますので、私とすれば、そういう意味では皆さん方でぜひ相談をしていただいて、蒲島知事あるいは熊本の民主党の議員さんたちもおられますので、そういう言われたことに対して責任を持っていただく、そのことをぜひお願いしたいと思います。 そこで、これから治水の問題に入っていきたいと思います。 この前、八ツ場のときに申し上げましたけれども、やはり、我々にとって治水、国民の安全、安心を守るという意味で、国家として守っていかなければいけない大変大きな問題だろうと思います。 この前は内閣府からもお話がありましたように、どうも洪水の可能性がある地域の人たちあるいは外から見ている人たちは、ああ、洪水になった、家が流された、人が亡くなった、これは国が万全の体制で補償してくれるものだと、多分誤解をされている方もおられると思います。あのときも内閣府の副大臣から御答弁をいただいたんですけれども、被災者支援制度の対象にまずなること、ある程度の要件を満たすことによって、災害弔慰金ということで、そこの大黒柱が五百万、それ以外の方々は二百五十万。家が全壊あるいは流された人は百万、そして建てかえあるいは家を新しく購入する人は二百万。ですから、家が流れてしまっても三百万しか来ないというような状況の中で、これはやはり災害が起きてからでは遅いんですね。 例えば、これまでも長い歴史の中で、鹿児島あたりでも、もう何十年もまちづくりをしてきた都市部が、一回の洪水で全部それが流れてしまう、何十年もかけてやってきたものが。という意味では、大臣がよく言われていますよね、少子高齢化もある、これから老朽化したものもある、管理もある。そういう意味では、財源的に限られているから、ある意味では公共事業も少なくしていこうというお話があるわけでありますが、一方、この前もお話をしましたように、予防というのが一番安く上がるということが言えると思います。 平成十七年の八月に、アメリカのハリケーン・カトリーナ、これは十四兆円の被害が出ましたけれども、そのとき、要するに二千二百億円の予防をしておけばこれは防げたという話がありました。日本でも、愛知県の東海豪雨、平成十二年のときも、五千五百億の災害が防げたんだけれども、七百十六億の予防をけちっていなければ、これはできたということなんですね。ですから、我々は、いかにして災害を防ぐか、予防していくかということが必要なんだろうと思います。 そこで、川辺の問題に入っていくんですが、その前に、もう一度引き続き聞かせていただきたいと思います。 日本全国にはダムがいっぱいあります。その中で、何で八ツ場と川辺だけ民主党のマニフェストの中で名指しをされたのか、教えてください。 〔委員長退席、橋本(清)委員長代理着席〕
○前原国務大臣 完成しているダムの数は二千九百ほどあります。 なぜ川辺と八ツ場なのかということについて申し上げれば、我々が政権交代をする直前というのは、国の事業あるいは補助事業を含めて百四十三の事業が継続されていたわけでありますけれども、その中にあって、八ツ場については、計画の一番初めの段階から五十七年間たって、いまだに本体事業にも着工していなかったということと、川辺川については、四十三年間、初めの計画から現在まで本体事業にも着工できていない。 これは、我々時のアセスという言い方をしておりますけれども、やはりこれだけ長い事業を考えたときに、初めの事業を考えた段階から、それはもちろん、立ち退きとか説得とか、恐らく委員は後でおっしゃるんだと思いますけれども、確かに時間はかかりますよ。しかし、川辺を一つとった場合においていえば、四十三年間の時間がかかって、これは当初の総計画費、委員も御存じですよね、三百五十億ですよ。今は二千億円以上かかって、本体工事ができていない。 しかも、当時、一番初めの計画は、これは多目的ダムですから、三つの目的があったんですね。治水だけじゃなくて、農業用水それから水力発電。しかし、時間がたつ中で、これは委員、御地元ですからよくおわかりだと思いますけれども、農民の方が訴訟を起こされて、そして熊本地裁、福岡高裁で国は両方負けたんですよ。それで、農業利水から撤退する、いわゆるJパワーも水力発電から撤退するということで、目的が変わりましたよね。 だから、そういう意味では、時のアセスというものをしっかりと入れる中で、着手から長い間たってもできていないものについて、我々としては中止ということをマニフェストに入れさせていただいた、こういうことでございます。
○金子(恭)委員 大臣からこの前もそういう話があったんですが、認識が違うというところが一つあります。 まず、多目的ダムだ、最初から三つあったという話なんですが、もともとはこれは、昭和三十八年、三十九年、四十年、三年連続で大洪水が起きているんですが、そのときに、地元の熊本県の知事から国に対してお願いをして、どうにか治水のためのダムをつくってくれということで動き出しました。最初は治水ダムなんです。せっかくダムをつくるのであれば、そうしたら農業用水もくっつけよう、あるいは発電用のもつくろうといった、という意味では、もともとの最初の原点に戻ったという意味では、大臣が思っていらっしゃるのは、これは認識が違うと私は思うんですが、そういう認識で私はおりますので、全然それは変わっていないんです。 要するに、本筋は変わっていないんです。横についていたものが、特に農業用利水というのは、もうダムを利用しないでも水が引けるような体制をした。それが長いこと続いたものですから、Jパワーだって、もう長いこと待てませんよね。だから、あるときに撤退をしたというのが現状であって、もともとのこのダムの最大の目的というのは一切変わっておりません。 もちろん、予算については、それは年数がこれだけたってくれば変わってくるということがあるし、そこについてはいろいろまたこれから議論することもあるんだろうと思いますけれども、ぜひ、そのことは御理解をいただいて、今から申し上げますけれども、要は、八ツ場ダムは昭和二十七年に調査が始まりましたから五十八年、そして、地道に水没地の方々を皆さん方で説得をして、丁寧に丁寧にやって、平成四年に長野原町、それから平成七年に吾妻町、要するに、その二つの町と地元合意ができてからまだ十五年なんですね。しかも、大臣がとめなければ、もうあと数年でこれはできていたわけですよ。 という意味では、川辺については、昭和四十二年に最初の調査着手ですから、四十三年たっています。それで、昭和五十六年と平成二年に補償基準を地権者としましたので、そこから二十年です。八ツ場よりも多少かかっておりますが、もう一つ重要なことがあるんですよ。平成八年の十月に、こういうことが起きております。川辺川ダム本体工事着工に伴う協定書の調印をしているんです、これは五木村、相良村、熊本県、九州地方建設局の四者で。それは五木の方々は、今まで、おれたちはもう絶対出ていかないといって張り紙を張って、説得に来る人たちを追い返していた人たちですから、その人たちがいろいろ、おれは下流域の皆さん方の犠牲になろうという思いの中で協議が妥結をしたわけですね。 そこで、この調印というのは何でしょう。国と県、そして地元の契約ですよね、まさに調印ですから。それを五木の村民の人たちは怒っているわけですよ。我々は、今の前原大臣と調印したわけじゃない、その前の大臣と調印したわけでもない、当時の建設省と調印をしたと思っているわけです。彼らは、トップがだれであろうと関係ないんですよ。国なんですよ。県なんですよ。そこを地元は怒っているわけです。我々はだまされたと思っているわけです。そのことについてはどうお思いですか。 〔橋本(清)委員長代理退席、委員長着席〕
○前原国務大臣 大臣に就任させていただいて直後に、川辺川ダムの建設予定地五木村にも行きましたし、人吉では、委員も御参加をいただいて、意見交換会に出させていただきました。 私は、地元の皆さん方には本当に申しわけないと思っているんです。これは、体育館に三百人ぐらいですか、五木村の方々が来られて、私は真摯におわびを申し上げました。つまりは、初めはみんな反対だったんですよね。五木村が水没をするということで、むしろ旗を立てて反対をして、そして今委員が言及されたように、全部追い返した。 しかし、五木村の村長さんもおっしゃっていましたけれども、我々は下流の方々のためになるのであればという思いの苦渋の選択をしたんだということをおっしゃったんですね。それで、下流の首長さん方も、今でもやはり五木村には感謝をされていますよ。その思いで、一番初めは全員が反対だったのが、時間はかかったけれども受け入れてくれたという意味では、五木村の方々には、そういった選択をしていただきながら、政権交代での政策変更があって二転三転をしているということについては、私は率直におわびを申し上げました。 先ほど委員と議論をさせていただいていて、川辺川と八ツ場、なぜこの二つだけなのかという話がありましたけれども、百四十三すべての見直しをやるんです。そして、この百四十三の中で、私どももダムが絶対だめだと言っているんじゃないんです。ダムによることしかできない治水というところもあるだろう、あるいは利水というところもあるだろうということ、それと、さすがに本体工事まで着工しているところを無理やりとめるなんということはやめようということで、一つの基準を決めたのは、本体工事に着工していないものについては凍結をさせていただいて、やるかどうかについて今後検討する、こういうことなんです。 委員の地元の川辺川ダムについては、これは百四十三の中で唯一例外なのは、熊本県知事が白紙撤回すると。そして、それに基づいて流域の自治体の皆さん方がダムに頼らない治水をどうしたらいいかという議論も始められていたということもあって、我々としては、それについても協力をさせていただきながら、ダムに頼らない治水はどうやったらできるか、こういった議論をさせていただいているわけでございます。 その中でも、先ほど委員がおっしゃった、流域の自治体の皆さん方は今でも五木村に非常に感謝されていますよ。そして、もしやめるのであれば、五木の生活再建についてどう考えるのかということを九州地方整備局のメンバーに対して厳しくおっしゃっておられるということも我々認識をしておりますので、そういう意味では、ちょっと長くなって恐縮でありましたが、委員が先ほどおっしゃった、地元の方々への気持ちをどう考えているんだということについては、率直に、申しわけない、政策転換によって翻弄させていることについては、私自身も直接おわびを申し上げましたし、今でも地元の皆さん方にはまことに申しわけないという気持ちでおります。
○金子(恭)委員 私が副大臣のときに、金子大臣から指名をされて、あのとき大戸川ダムとかいろいろな問題が出てきまして、そのときに、ダム事業プロセス検証タスクフォースというのをつくって、ダム事業というのは非常に長くかかる、どういう問題点があるのか検証しようということでやらせていただきました。 そのときに、我々政治家では出てこないような意見があったんですね。あふれさせる治水、要するに、今はとにかく洪水を起こさないようにしていたものを、もうしようがない、あふれさせて多少洪水が起きたっていいじゃないかという話もあったんですね、あれはちょっとびっくりしたんですけれども。 それともう一つ、政策の継続性というのはどう考えていくべきか。こんな大きな事業について、仮に政権が四年ごとに、あるいは三年ごとにかわっていったときに、例えば民主党、自民党、民主党ということがあるかどうかわかりませんが、そういうことになったときに、四年ごとに政策が変わってしまう、あるいは県知事がかわってしまう、地元の市町村がかわってしまうといったときに、これは地域にいる人たちは本当に不幸ですよ。だから、こういう治水問題については、きちんとやはり検証していくということも必要なんだろうと思います。 今大臣からもお話があったんですが、八ツ場もそうです、川辺もそうなんですが、テレビを見ている人、マスコミでこういうダム問題を見ている人、行ったことがない人たちというのは、水没地の皆さん方がかわいそうだから、この人たちをよくしてあげればすべての問題が解決するというふうに考えていらっしゃる節はあるんですよ。私は、選挙のたびに、大型公共事業を推進する悪者の国会議員として非常に厳しい選挙を戦っているわけですけれども、さっき大臣が言われた、やはり水系ごとの治水というのがあるわけですね。ダムでしかだめだ、あるいは、ここは多少掘削でできる、ここは遊水地があるというところはそれでやればいいんですけれども、あの地形を見た中で、私は、ずっと勉強してきた中で、この川辺にはやはりダムがないとだめだという気持ちがあるものだから言えるんです。 少なくとも、川辺川ダムをつくらなくていい条件として、三つそろえば僕はいいと思っているんですよ。まず、五木の皆さん方が納得をしていただく。下流域からも、あるいは国や県からもそれなりのおわびとそれなりのきちんとした対応をしてやる。それから、ダムによらない治水対策というものがダムと同等でないと許されないと私は思っているわけです。そして、そのダムの代替策とあわせて、下流域の人たちの同意を得てもらう。人吉だって、川のそばにいる人もおれば、山の上の人もいるわけだから、同じ町であっても、要するに感覚が全然違うわけですよ。そういう意味では、代替案をつくって、そしてハザードマップ等々で洪水に遭う可能性のある人たちの同意をとってもらう。この三つがそろえば、私はダム以外でもいいと思います。 ですから、大臣がマニフェストの中でも書いてきた、でも、マニフェストに書くからには、国政を担おうと思うのであれば、やはり代替案をまずつくるべきだと思いますよ。ただ反対というだけじゃなくて、我々はこういうものを持っているから川辺川ダムはもう要りません、八ツ場は要りませんと言えば説得力があるんだけれども、ただ長くかかったから中止だみたいなことを言うことは、私は、政治家として無責任なような気がするんですね。 大臣も、川辺には何回か行かれたですね。大臣就任前から、かなり民主党の幹部は、五木村役場にいればほとんど民主党の幹部が全部見られるとみんな言っていましたけれども、八ツ場には一回も行ったことなかったわけでしょう。でも、大臣は、大臣に就任して二十五分で八ツ場は中止と言ったわけですよ、現場も見ないで。私は、それはやはり無責任だと思うんですよ。やはり代替案をつくって、そして、これで我々は皆さん方の安全を守りますからというのが政治家としての筋だと私は思うんですが、いかがでしょうか。
○前原国務大臣 先ほど、三条件をおっしゃいましたね。同意をしていただける三条件ということでありますけれども、なぜ我々が政権交代でできるだけダムに頼らない治水を目指したのかというと、別に前政権のものを否定しようとしているわけではないんです。 ですから、先ほど申し上げたように、継続するものは継続するということで、本体工事までかかったものは継続していますし、ちょっと話はかわるかもしれませんが、整備新幹線でも、既着工のものは全部やる、未着工については見直しをするという、公共事業についてはすべてそういう、継続しているものはやるけれども、これから新たな段階に入るものについては見直すという、めり張りをつけているということだけは御理解をいただきたい。すべて前政権のものを否定しているわけでは全くない。これがまず一つです。 それと、これは金子委員も同意をしていただけると思うんですけれども、二〇〇四年をピークに人口が減っていますね。恐らく、熊本の御地元もどんどん過疎が進んでいっていますよね、そして高齢化が進んでいっていますね。そして、医療とか年金とか介護とか、いろいろなお話を地元でも聞かれると思いますし、それに対して対応していかなくてはいけませんよね。 それと同時に、今莫大な借金がありますね。日本のGDPの約一・七倍もの借金があって、この借金の額というのは、今ギリシャとかポルトガルが問題になっていますけれども、借金の額でいうと、対GDP比でいうと日本の方がひどいんですね。ギリシャやポルトガルの方が対GDP比の借金は少ないわけですよ。だけれども、日本は、一千四百兆という個人の金融資産があるという、ある意味での特別な理由の中で何とかまだ大丈夫だけれども、いつそれが崩れるかわからないという、財政的に極めておかしな状況になってきている。だからこそ、公共事業を全面的に見直すということをやっているわけです。 八ツ場を何で二十五分でということをおっしゃいましたけれども、では、これは副大臣をやっておられたから御存じだと思いますけれども、八斗島における基本高水、計画高水というのがありますね。基本高水でやろうと思ったら、八ツ場ダムをつくっても全然足りませんよね。あと五、六個ダムをつくらないと無理ですね、基本高水でやろうと思ったら。ですから、そういう今までの治水の思想そのものを根本的に見直そうという作業をさせていただいているわけです。つまりは、整備計画そのものも含めて見直していかざるを得ないと思っています。 それは、お金がたくさんあって、上流にダムをつくって水をせきとめて、例えば、治水の問題がなければ、御地元にいらっしゃるので一番よくわかっておられるのは、あんな尺アユがいるところというのはないですよね、立派なアユがいる。しかし、ダムをつくったらなかなかそういうものが育たないかもしれない。そういう自然の面での問題もありますけれども、別の思想に立てば、お金がもしあるのだったら、治水に万全をということであれば、先ほど議員はびっくりしたとおっしゃったけれども、今までの治水の思想というのは、全部コンクリートで押しとどめて、上から下までコンクリートの工作物で押しとどめて下流に流すという思想なんですよ。私は、これは無理だと思うんです、先ほどの制約要因の中で。 だから、基本的な考え方を変えさせていただくという中で、そして、与党になりました。それは、野党のときに代替案もあったし、なぜだめなのかという理由は幾つも挙げられますよ。でも、与党になって、やはり、先ほどおっしゃった政策の継続性や、あるいは苦渋の選択を受け入れてくださった地元の方々に対する生活支援、今まで公共事業というのは、とまるという前提に立っていないですから、とめた場合の生活再建の法案なんかないですよね。あるいは、財源を担保するような仕組みなんかないですよね。だから、そういうものもつくっていく中で、今の日本の制約要因の中で新たな枠組みをつくっていく。 ですから、繰り返しになりますけれども、ダムがだめだと言っているんじゃないんです。制約要因の中でどう治水、利水に万全をとるかということの中で、今、川辺にしても八ツ場にしても最大限の知恵を絞ってやらせていただく、こういうことでございます。
○金子(恭)委員 八ツ場ダムの方は、八ツ場ダムだけではやはり無理なんですね。でも、御案内のとおり、昭和二十二年のカスリーン台風を契機にして、これはやらなきゃいけないと。八斗島の上流にもう六つダムができていますよね。今度は七つ目ですよね。要するに、これが総合的に治水を守っていくというふうに我々は認識をしているわけです。一つだけじゃだめです。カスリーン台風と同じものが来たらというと、それは降り方が違うので、この降り方にはこのダムがきく、この降り方にはこのダムが、御案内のとおりだと思いますけれども。 そういう意味では、私もそういう無駄なことをするつもりはないし、自分自身は八ツ場にも去年三回行きました。そういう意味では、地元の皆さん方とも話をしたんですけれども、大臣が八ツ場にこの前行っていただいた。川辺にも何回も行っていただいているんですが、八ツ場で言われたのが、民主党の人たちは地元に来た、来たと言うけれども、だれも会ったことがないというわけです。前原大臣だって、人吉やら五木に来られたとしても、多分、反対の人たちとお会いするぐらいで、首長さんとか議員さんとか、その地域の責任ある人たちとはお会いされていないんだろうと思うんですね。だから、そういう問題もあるんですが、まあ、そこはやめておきます。 それで、きょうお配りをさせていただきました四枚の紙であります。 では、球磨川、人吉とか八代とか、この下流域がダムなしで本当に大丈夫なんだろうかということでありますが、一枚目を見ていただくと、人吉、それから右側に、渡、大野、萩原ということで、右側に、下流に流れていくんですけれども、見てください。平成元年から平成二十年まで、この二十年間で、人吉というのは、はんらん注意水位以上の水位が三回あるんですよ。避難判断水位以上の水位が一回あります。はんらん危険水位が六回あります。そして、計画高水位以上の水位が一回あるんですよ。ということは、二年に一回は必ず危険な思いをしている。 特に、平成十七年の九月六日、これは、去年のその前の衆議院選挙の真っ最中です。私も一日、衆議院選挙を休んで、各地域、避難所を回りましたけれども、見てください、一番後ろの写真、これは人吉の中心地ですよ。これは人吉の一番大きなホテルですよ。見てください、これはいつあふれてもいいような。こういうものを見ていただかないと。我々は知っている、小さいころから球磨川の周辺で生まれていますからね。でも、たまに川辺川や球磨川に来て、情緒的な話をする人がいるんですよ。五木に反対運動で来ておいて、五木に何でこんなきれいな舗装がいるんだ、五木はもうちょっと素朴に暮らしていくべきだみたいなことを言う人たちがいるんですよ。 だから、要は、五木の方々が、こういう下流域の皆さん方の安全を守るために犠牲になっていただいたということであって、要するに、五木村だけが納得していただければ済む話じゃなくて、まず、この下流域をダム以外で何で守っていけるかというのが出てくるのが必要なんだろうと思うんです。これを見てください。本当に人吉だけじゃなくて、渡、大野、まあ萩原というのは八代ですから、かなり広いですから、それでも過去十年間に四回は危険な水位になっているわけですよね。ぜひそのことは大臣には御理解をいただいた上で、二枚目も見てください。 二枚目は、避難した人たちです。毎年のように避難されていますよ。本当にこんな怖い思いはさせたくないし、三枚目は、毎年のものをずっとやった、もう見られなくてもわかっているかもしれませんが。 そういうことでいきますと、では、ダム以外で何でできるかというと、できないんですよ。川底を掘る、堤防をつくる、水をどこかに、遊水地に流していく。一つは、何か、五木から八代海に大きな隧道を掘るという話もありましたけれども、これもいろいろ今までやってきたんですよ。 かさ上げしようとすると、人吉で二メーター半堤防を上げなきゃいけないんです。堤防を上げるということは、ふもとが広くなりますから、川沿いの家はほとんど全部転居ということになっていきます。それから、拡幅、川を引き堤をしようと思ったら、とてもじゃないけれども、市街地だからできない。川底なんか掘ろうと思ったら、三メーター掘らなきゃいけないんです。一メーター掘ったらやわらかい地層が出てきて、もう川じゃなくなってしまいますよ。今、毎秒三千六百トン流れるんですけれども、仮にこれを四千五百トンまで掘ろうとしたら、何年かかると思われますか。百十年かかるんですよ。 それはなぜかというと、川底をただ掘るだけじゃだめなんですね。さっき言われたようなアユがいます。アユの遡上の時期、三月から五月は工事はできません。出水期、梅雨の時期は、六月から十月はできません。九月から十月は産卵の時期で工事ができないんです。ということは、工事ができるのは十一月から二月まで。その間、準備期間を入れて、水を防御したりするのをすると、ほとんど進まない。そうすると、川底を掘るといっても無理なんですよ。堤防を高くすれば高くするほど、決壊したときの被害は大きいんですよ。 ですから、私は、今、全国の方々が多分共通して思っていらっしゃることなんだろうと思うんですが、蒲島知事が白紙撤回を表明されました。そして、国土交通省に来られました。そのときに時の金子大臣が、ダムによらない治水対策が不十分だったというふうに知事が言われるので、私はもう今まで十分やってきたつもりであったんですが、大臣が、よし、じゃ、やってみようやということで、ダムによらない治水の検討の場というのが始まったわけです。それが多分ベースなんでしょうが、今の大臣がやられている全国の百四十三ダムの見直しというのは、そういうことなんですよね。 でも、一つ考えていただきたいのは、この検討をした結果、結果にかかわらず、これはダムによらない治水に変わっていくんでしょうか。大臣、そこをちょっと聞かせてください。
○前原国務大臣 地元の議員ならではの非常に具体的なお話がございました。 私も何度か地元に行かせていただいて、川のそばに人吉旅館というのがありますよね。あそこのおやじさんが、柱に、ここまで来たんだという、それは背丈以上のところまで出水したという話も伺いました。でも、そのおやじさんもダム反対。今の人吉の市長さんというのは、川辺川でも要らないということで当選された市長さんですよね。 私が申し上げたかったことは、もちろん、蒲島さんに知事がかわられて白紙撤回を言われたということで、我々からすると、百四十三の中で川辺川ダムはやはり特別なんです。特別というのは、仕組みが特別なんです。ほかのものについては、後から入れた八ツ場にしても、再検証をやっているわけです、検証して。新たな評価軸で、どういう治水がいいかということを予断なくやっているわけです、八ツ場も含めて。だけれども、川辺については、知事も白紙撤回をされて、そして、いわゆるダムに頼らない治水はどうあるべきかという議論をしていただいておりますよね。 恐らく、金子副大臣のときの九州地方整備局の関与の仕方と、政権交代後に我々がこれに全面的に協力してほしいという関与の仕方は違うと思いますよ、これは首長さんに聞いていただいたらおわかりだと思いますけれども。できるだけ我々も協力する中で、知恵を出し合って、そしてダムに頼らない代替案はどうしていくのかということを今議論していただいていて、何度もその会合を重ねさせていただいているという状況でございます。
○金子(恭)委員 知事も苦渋の選択をされた。今までずっと八年間、議論はするけれども決断をしない知事がおられたものですから、ずっと延びてきたんですね。おかげで、ようやくダムによらない対策を考えていこうという中で、みんな、どんなものがあるんだろう、きっとあるはずだと多分思っていると思うんです。多分、知事もそう思っていらっしゃる節があるし、人吉の市長だって、治水安全度というのは間違いなく言われますから、治水安全度の数字が出てくればおのずと変わってくるはずなんです。 それで、さっきも申し上げましたように、もうそろそろ時間が来ましたので終わりに近づいていくんですが、要は、ダムによらない治水対策を考えた中で、ダムという選択肢は残るんでしょうか。 例えば、八十年に一度の治水安全度が四十年に一度になったときに、それは国やら地元の人たちが考えるんですが、地域主権という話をよく民主党が言われますけれども、やはり地域の皆さん方が暮らしていくには、そういう安全を守るという意味では、では、例えば人吉でいくなら、人吉の市長が責任をとるんでしょうか、熊本県知事が責任をとるんでしょうか、あるいは大臣が責任をとられるんでしょうか。ころころトップがかわっていく中で、そのときの大臣の決断というのは物すごく大きいと思うんです。 聞くところによると、参議院のマニフェストにまた川辺川ダムと八ツ場ダムが入っているというふうにちょっと新聞で聞いたんですが、では、予断なくやると言いながら、例えば、今度はダムによらない治水対策がきちんと出ましたと。要するに、そのデータを見ないで、その状況を見ないで何で反対と言えるのか。 少なくとも、今大臣になられて状況がよくわかってこられたわけだし、百四十三のダムの見直しをやっていらっしゃる以上は、その結果が出てから、地域の皆さん方、都道府県知事や市町村長、あるいは議会、その人たちと話をした上で決めるというのが筋だと私は思うので、その結果も出ない前に、もう選挙目当てとしか私は思えないんですが、いかがでしょうか。
○前原国務大臣 だから、先ほど御説明したように、選挙目当てじゃないんですよ。日本の財政の状況とか、ほかに使わなきゃいけないことを考えたときに、今までどおりの河川整備で本当にやっていけるのかということに我々は疑問を持っているので治水の評価軸を変えるということであって、選挙目当てじゃないですよ。全くそれは違う、それは申し上げておきたいと思います。 それで、マニフェストのことについてでございますけれども、八ツ場にしても川辺にしても、特定多目的ダム法という法律があって、これについては、法律に基づいた手続で今ダム建設が続いているわけですね。我々は中止と言っていますけれども、大臣でさえ、口で中止と言ってもだめなんですよ。つまりは、この特定多目的ダム法の手続にのっとって中止の手続をとらなきゃいけない。 その場合は、御懸念の周辺自治体を含めた同意を得ないと特定多目的ダム法に基づく中止の手続はとれませんので、何よりも、今まで苦渋の選択をしてくださった五木の生活再建をどうしていくのかということと、今流域で御議論いただいている治水の代替策、そしてそれが合意をできた段階で法的な手続に入るということでありますので、そこはしっかりと皆さん方の御意見を踏まえながら進めていきたいと考えております。
○金子(恭)委員 ダムの方が安い場合もございますので、そこは、またこれから議論する場もいっぱいあると思いますので、大臣とはきちんとこうやって話ができると思っておりますので、ぜひ今後ともよろしくお願いします。 ありがとうございました。
○川内委員長 金子君の質疑を終了いたします。 次に、中島隆利君。
○中島(隆)委員 社会民主党の中島でございます。質問の順番も変わりましたが、昼休み、十二時に入りまして時間が制約されているということで、大変申しわけありませんが、六点、項目としておりましたけれども、三日月政務官に大変申しわけありませんが、前半の二点については次回に譲りますので、あと後半について質問させていただきます。特に今、地元の金子先生からありました荒瀬ダム問題等も含めて、私から、若干観点が違いますので、質問させていただきます。 まず、補助ダムの見直しについてです。三点目から入ります。 ことしの夏、中間の取りまとめを出しまして、それに基づいて検証対象であるダムの見直しに取りかかる、こういうことで今、国土交通省、取り組んでおられると思います。その中で、各地方の補助ダム、これについても、指針が出された中で、それぞれの各地域のダムごとに今後検証されるというふうに思います。 ところが、先日、新聞報道を見ますと、補助ダム事業を、建設をする都道府県の意向調査といいますか、状態が報道されておりました。それによりますと、全体の半数以下で、検証も行わず建設をする、こういう意向表明だった、検証するところも含めるともう八割以上が建設を前提としている、こういう新聞の報道があったんですが、これが定かかどうかわかりませんけれども、補助ダムについてはそういうような意向で各県は動いている。しかも、本年、二十一年度着工ダム五つについては対象から外すということで、もう既に発注されて建設が進んでおります。 そういう中で、これから中間取りまとめが八月に出るわけでありますが、全体で八十九のダム、これを検証するわけですね。ですから、直轄ダムと、あるいは機構が行うダムについては、徹底的にその検証に基づいてされると思います。 それはそれでやっていただくと思うんですが、その前に、この検証のダムの総建設事業費がどれだけあるかといいますと、八十九ダムで二兆五千億あるんですね。しかも、補助ダムの五十八だけに限っても約九千億の事業費である。国が二分の一補助をしますから、その約半分の四千二百七十億は国が補助するわけですね。 ですから、当然、検証をしない、もう建設をする、見直しの指針ができてもそれは全く無視して建設という方向に行ってしまえば、国が補助する四千二百億、これが、ダムが必要でないというダムであれば当然無駄な金になるわけでありまして、この新聞報道の問題、意向調査の件がどういうふうに受け取られているのか、あるいは国として補助ダムの今後の見直しについてどういうふうに取り組んでいかれるのか、それを大臣にお聞きします。
○前原国務大臣 中島委員にお答えをいたします。 ある新聞の報道で、昨年十二月末時点で検証対象としていた五十八ダムのうち、各都道府県として二十五ダムについて検証を行う考えであること、また、全体の八割に当たる四十四ダムは、検証するか否かにかかわらず建設を進めたい意向を持っているといった記事があったことは承知をしております。 先ほど金子委員にもお答えをしましたけれども、日本が抱える大きな制約要因というものの中で、公共事業の見直しを行い、河川、治水も見直しをしているということでございまして、できるだけダムに頼らない治水への政策転換については御理解をいただきたい、このように思っております。 現在、今後の治水対策のあり方に関する有識者会議におきまして、ダム事業の検証の進め方について検討いただいているところでございまして、国としては、道府県に対して、同有識者会議において示されることとなる考え方に沿って検証を行っていただくように理解を求めていきたいと考えております。 補助金の交付については、道府県における検証状況や各事業の進捗状況等を総合的に勘案しながら判断することとしております。 もうちょっとありていに言いますと、選挙によって、政権交代の時期がああいうタイミングだったので、検証をお願いした五事業、五ダムについては我々としては予算はつけましたけれども、あの五ダムと同じように予算がつくと思ったら違いますよと。つまりは、これはある程度ゼロベースから検証してもらって評価軸というものをつくっているわけですから、それはもちろん、道府県が進められるダムですから、やりたいと言って、全額自分たちのお金でやると言われたらそれはできますけれども、補助金については、この検証結果についてシビアに判断をさせてもらって、補助金をつけるかどうか、額についても査定をする、こういうことでございます。
○中島(隆)委員 今後の検証についての今のお考え、ぜひそういう姿勢で取り組んでいただきたいと思います。その際に、都道府県の、行政の側の意見だけではなくて、やはりダムの対象地域の住民、あらゆる意見を踏まえた上で、ゼロベースで検証していただきたいというふうに思います。 それで、次、四番を、時間がございませんので、荒瀬ダムの撤去における国の役割についてお尋ねをいたします。 先ほど、金子地元議員からありました。熊本県が惑わされた、そして民主党の幹部の言質にと、いろいろありましたけれども、私は、荒瀬ダムがこんなに混乱をしたのは、やはり蒲島知事の判断の転換が大きな要因であるというふうに思います。 なぜかといいますと、平成十四年、潮谷前知事が、旧坂本村議会の撤去決議を受けて、県議会も決議をして、そして撤去に向かったわけですね、当時、私も八代市長でありましたが。そういう中で、十億もかけて撤去する寸前まで来ていたんです。それが、蒲島知事が就任して、約二カ月弱で白紙撤回ということになったわけですね。 ですから、そういう経過を踏まえた関係で、地元漁協は大変な反対が起こったんです。だから、三月三十一日の更新の同意がとれなかったわけですね。ですから、前原大臣は当然、同意がない限り更新はできませんよと通告されたわけですね。 ただ、それに対しても知事はいろいろなことを言われているんですが、やはり私は、この荒瀬ダム撤去というのは、五十年にわたる地元のダム被害、あるいは清流に返したい、こういうことで撤去が決まっているわけですから、もう既に蒲島知事も、発電が中止になりまして開門されています、いよいよ二年後には撤去するという決議もされましたので、ぜひそういう状況の経過を踏まえていただいて、この問題にはひとつ対応していただきたい。 そこで、熊本県は荒瀬ダム撤去技術研究委員会を設置されて、もう既に撤去に向けて検討が始まりました。先日は、国も熊本県と検討会議を設置して、荒瀬ダム撤去に関する費用面、それから技術面について検討を進めるということを約束されました。そこで、これに向けて、国はどういうふうな役割、あるいはどういうふうに対応されるのか、まずそれからお聞きしましょう。
○前原国務大臣 荒瀬ダムは熊本県の企業局がつくられた発電用ダムであって、今後も、撤去する場合はつくった者が撤去するという大前提は、これはやはり原則であるということは踏まえておきたいと思います。 これを前提としながらも、国と熊本県が協力して検討会議というものを設置いたしまして、荒瀬ダム撤去に関するコスト縮減の方策と、それから社会資本整備総合交付金制度の適用方法、さらには技術面の課題について検討を進めているところでございまして、国としては、これらの課題について、これからも適切にアドバイスを行ってまいりたいと考えております。 また、ダムの撤去に伴う水位や水質、排砂機能の変化や生態系への影響等につきましては、これまでも国として、定期横断測量や河床材料調査等を通じて現状把握に努めてきたところでございますが、熊本県が行われる環境調査等の結果とあわせて、引き続きデータ蓄積にも努めてまいりたいと考えております。
○中島(隆)委員 一昨日、辻元副大臣も現地を視察いただきました。 それで、三月三十一日に発電がとまりまして、開放されています。ですから、今、ダムの水は全部自然の川に、清流になりました。そこで、ダムが五十年貯水している段階では障害がなかったことが、たくさん今出てきているんですね。 その一つを言いますと、水位が上がっていますから、集落の部分の地下水が十分とれていたんです。ところが、水位が下がりまして、集落が三つ、地下水が枯渇しているところが出てきました。 それからもう一つは、両方の道路から火災時には水利として消防ポンプで自由にとれていた水が、川底が下になりまして、とれない。 それからもう一つは、ダムがなくなりまして、その下流以外には、放流時の警報装置があるんですが、その上流には全く警報装置もない。 だから、河川におりて川に親しむ人たちが今後出てくる中で、地下水が枯渇する、あるいは消防の利水もとれない、あるいは危険報知もないという状況が今続いているんですね。 ですから、これについても現地で辻元副大臣に強く、緊急な対策、これは市と県が早期にやるべきだけれども、国もやはりダム撤去に当たっては、こういう課題が出てくる、だから十分これらの財政支援に取り組んでいただきたいという陳情も先日あったわけであります。 特にここで御質問したいんですが、やはり全国初めての大型ダムの撤去である、しかも百億近くかかる。こういうダムの撤去で、そしてまた、撤去した後のこういう災害といいますか、緊急対策が必要である。ですから、これらについて、国の方としてはやはり荒瀬ダムをモデルとして、ひとつ国も、県とも協議されるわけですから、ぜひ、国が積極的にこの撤去に向けてのかかわりをして、他の撤去のモデルになるような取り組みをしていただきたいと思うんですが、その点の決意も含めて、大臣にお願いいたします。
○前原国務大臣 先ほど御答弁したことも若干重なりますが、原則は原則として保ちつつも、しかし、やはり初めてのケースでもございますので、国と県の検討会議を設けて、百億もかからないと思います、コスト縮減を行ったり、あるいは交付金制度の活用、それから技術面の課題、こういったものについて、しっかりとアドバイスできることはアドバイスしていくということもあります。 また、先ほどお話があった百済木川の掘削、こういったことについても、それを含む社会資本整備交付金の活用というものも熊本県からも提案されておりますので、できる限りのことは、御相談をしながら、国の仕組みとして応援はさせていただきたい、このように考えております。
○中島(隆)委員 それで、時間も来たようですから最後にしたいと思うんですが、前原大臣が今おっしゃったように、やはり今まで、県営ダムとかそういう補助ダムでないところについては、法的な援助策がないから今やれないということはわかります。しかし、今後、先ほども数を挙げられた六千近くのダムの中で、老朽化もだんだん進む。もしこれが独自でやりなさいということで放置をしたら、無許可ダムあるいは施設が残っていくことになっていくわけですね。そういうことも想定をされますので、ぜひ十分支援策を考えていただきたいと思いますし、既に荒瀬ダムは、三月三十一日、もう発電は終わって、無許可のまま放置されているんです。そして、先ほどのような課題も出てきております。 社会資本整備交付金を活用したらという大臣の御提言ですが、平成二十二年度の社会資本整備の熊本県の内示額は千百万です。ですから、これだけの額では、百済木川のヘドロ除去とか、そういう部分は幾分かは対応できるかもしれませんが、全体的な撤去に向けての財源的な対策というのは非常に不可能だと思うんですね。 ですから、ぜひ今後、法改正まで含めて、やはり社会資本整備の交付金を利用しながらも、この撤去に向かう熊本県のダム事業の対応について、この社会資本整備の交付金を、額をふやして当面対応するとか、こういう対応ができるのかどうかも含めて、最後にお尋ねしたい。
○前原国務大臣 何せ一番初めてのことでございますので、どのようなことができるかということは模索しながら今やっているところでございます。 御地元である委員の御提言も含めて、しかも下流の八代の市長をされていたという御経験も含めて、さまざまな御提案を我々は検討させていただきたいと思いますし、全体の、これから全国でそういったものがふえていくと思いますので、モデルになるような取り組みというものをしっかりとやらせていただきたいと考えております。
○中島(隆)委員 最後に、ちょっと地元の取り組みの紹介をさせていただきたいと思います。 先日、新聞に報道されたんですが、これまで球磨川漁協組合の副組合長さんだった方で、木本さんという方が、今までは反対してきたけれども、もうダムがとまる、清流が取り戻されるということで、それを前提に、さかもとまちダムサイトという組織をつくって、ダムをどう、昔のような清流を取り戻して、子供たちが親しめるようなダムをつくるためにという運動が始まりました。 ダム撤去に向けて、全国初めてのダム撤去でありますので、ほかのダム撤去につなげられる、住民と一体となった、あるいは県、市、国が一緒になってダム撤去の方向づけができるような、そういう取り組みをぜひしていただきたいということを強く要望して、私の質問を終わりたいと思います。
○川内委員長 中島隆利君の質疑を終了いたしました。 次に、柿澤未途君。
○柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。 きょうは、一般質疑ということで、人と環境に優しい新しい公共交通、LRTについて御質問したいというふうに思っております。 日本では、昭和三十九年の東京オリンピックから昭和四十年代にかけて、高速道路の建設が進むなどして、多くの人がマイカーを持つようになりました。そのため、昔は都内じゅうに路面電車が走っていたわけですけれども、こういうものが邪魔者になって、次々に廃線に追い込まれてしまった。 しかしながら、道路空間における慢性的な車の渋滞、騒音、事故多発、大気汚染、駐車場の不足、車社会が抱えるいろいろな問題に関する反省から、この二十年間、世界の流れはやはり変わってきたと思います。一たん路面電車を廃止したところでも、公共交通機関として、ハイテク化された新しい路面電車、ライトレール、LRT、これをまちづくりとあわせて復活させる事例が見られるようになってまいりました。 ヨーロッパでは、例えばドイツのようにアウトバーンの整備が進んで一番モータリゼーションが進んだ国でも、今やLRTの建設が進んでいて、フランス、オーストリア、北欧でもこの導入が進んでいる。とりわけフランスでは、二〇〇七年のグルネル環境会議において、現状の五倍に当たる千八百キロのLRTなどを新設する方針が示されたということで、今、サルコジ政権のもと、このLRTの推進が強力に進められているという状況です。 もともとフランスというのは、百二十二都市に路面電車があったそうなんですけれども、七〇年代までに三都市を除いて全廃されてしまったんだそうです。しかし、フランスでは、一九八二年に国内交通基本法を制定して、都市部の自動車交通を削減し、公共交通重視の方針が打ち出されました。 その後、ストラスブール、これはLRTの代表事例として世界的に知られていますけれども、ストラスブールなどでのLRTの導入の成功を契機に、九〇年代以降、導入都市が増加をいたしております。今、首都パリ、そしてマルセイユなどの大都市でも、このLRTの導入が進んでいる。 こうした動きに比べると、日本は先進国の中で決定的におくれているというふうに言われております。今までの中で、国内のLRT導入事例というものがどのようなものがあるかということをお伺いしたいと思います。
○三日月大臣政務官 お答えいたします。 現在、全国で十九路線の路面電車が運行されております。そのうち十二路線で、速達性にすぐれ、かつ低床式のLRV、ライトレールビークル、車両ですね、これが導入されております。 御存じだと思いますが、昨年十二月二十三日に、富山市において、富山地方鉄道の市内電車が環状線化、LRT化されたほか、現在、高岡駅前広場整備等に合わせて、LRVが導入されている万葉線の延伸事業が進められているところです。さらに、これはまだ走っていないんですけれども、宇都宮市、福井市、岡山市等において、LRT整備についての検討が進められておるというふうに承知をしております。
○柿澤委員 今、三日月政務官から御紹介をいただいたとおりでありますけれども、富山市では、公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりを基本方針として、廃線となったJR富山港線の線路を利用して、二〇〇六年に、富山ライトレール、ポートラムといいますけれども、開業させております。 これに加えて、今御紹介ありました、市内電車に一キロの新線を追加建設して、JR富山駅と市内の中心部を循環する環状型のLRT、セントラムというのを去年の十二月に運行開始したばかりであります。 たしかこれは、前原大臣、乗られたんですよね。鉄道に関しては大変な御見識をお持ちでもあられるというふうに聞いておりますので、もしよかったら乗った感想をお伺いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○前原国務大臣 セントラムがまだできていなくて、富山港線のLRTに乗らせていただきました。もともとJRの、あるいは国鉄のローカル線だったわけでありますが、それを低床式のものに変えて、駅もふやして、乗りおりが非常に便利なようにして、そして乗降客数が飛躍的にふえたということで、私は、あの取り組みというのは本当に参考になると思いました。 特に、やはり中心市街地につながってくる、そして、昔の、今もローカル線なんかは、駅に上がって、ホームに上がっていって、そしてそこから乗りますよね。あるいは、要は、陸橋を渡ってとかいうことになると高齢者の方々はなかなか大変だろうと思いますけれども、LRTというのは、本当に少し段を上がったら乗れる位置でございます。そこの村井議員も一緒に、紹介していただいて乗らせてもらったんですが、非常に乗り心地もいいし、速いし、そして高齢者にも優しいという意味では、ああいう乗り物がこれから地域にどんどん広まっていけばいいということを乗らせていただいて率直に思いました。
○柿澤委員 大変いい御感想というか御答弁をいただいたというふうに思います。 今回、人と環境にやさしい交通を目指す協議会というNPO法人からいろいろ資料を見せていただいたんですけれども、富山ライトレールの事例検証というのを見ると、まさに今おっしゃったように、JR富山港線という廃線跡をつかったポートラムというLRT、乗降客数をJRの時代と比べると大変飛躍的に伸ばしております。 特に注目すべきなのは、高齢者の方の乗降客数が物すごいふえているんですね。この資料を見ると、五十代の方が、JR線時代は六百十人平日利用していたのが、千二百十人になった。倍ですね。六十代、七十代になると、これはもう三倍になっているんですね。顕著な伸びを示していて、これはいろいろな要因があるんだと思いますけれども、先ほどおっしゃられたような、例えば駅のホームに上がるために階段を上らなきゃいけないとか、逆に地下鉄だとおりなきゃいけないとか、こういうことがない。停留所に行って、低床式ですと三十センチですから、ほとんど苦労をしないで乗ることができるということが要因になっているんだと思います。 また、こういうことが影響しているのか、JR富山港線の廃線を使ったこのポートラムというLRTの沿線は、今、住宅着工件数が著しく増加をしていて、富山市内では、平成十六年から二十年の間で住宅着工件数というのが〇・七八倍、二二%減っているんですけれども、このLRTの沿線だけは何と一・六倍になっている、六一%ふえているというんですね。村井議員が私の視線の先にいますので、何だか済みません、地元の話をさせていただいて。そういう意味で、大変取り組みとしては成功をおさめていると言っていいんだと思います。 また、このLRTというのは、総工費が安いということも一つの特徴だと思います。地下鉄、都市モノレール、また新交通システム、ゆりかもめみたいなものですけれども、延長一キロ当たり数十億から数百億円かかってしまいます。地下鉄は大体一キロ三百億とか言われます。それに比べると、LRTの導入費というのは一キロ当たり十億から三十億と安いわけです。今の富山ライトレール、ポートラムは、七・六キロで総工費五十八億ということですから、一キロ七・六億円、十億円もかかっていないわけですね。 また、停留所の間隔も、地下鉄だと一、二キロになっちゃいますけれども、大体五百メートルから七百メートルぐらいになる。窓の外を見ながら自分の気に入ったところでぱっとおりるというようなことも、バスと同じような間隔でできるわけです。これも、富山の例を引くと、七・六キロの路線に十三の停留所がありますので、大体六百メートルに一つの停留所がある。こうやって、乗りおりが簡単だ、停留所があちこちにあるということが、やはり高齢者の乗降客数をふやしている要因になっているんだと思います。 そういう意味で、LRTは、環境負荷の削減、また交通の円滑化、移動のバリアフリー化、公共交通ネットワークの充実、いろいろなメリットがあります。特に環境の観点から重要なのは、排ガスや騒音などの地域的な環境負荷の削減、また、運輸部門におけるCO2の削減に寄与するということだと思います。こうしたことから、国土交通省では、LRTの導入支援をこれまで進めてきて、平成十七年度からはLRT総合整備事業というのをやってきたわけです。 しかし、国内でのLRTの新設の事例というのは、この富山市に今のところとどまっているわけです。それ以外は、LRVという、要は、乗り物は導入したけれども、既存の路面電車、チンチン電車を新しいハイテク車両に変えましたよというだけのことであって、新しく路面電車が導入されたということではないというわけであります。 ここからなんですけれども、LRT事業費の補助金については、昨年、これは事業仕分けで廃止という意見が相次いでしまったんですね。結果として、鉄道軌道輸送高度化事業費補助全体として一〇%縮減ということになってしまいました。その仕分けの結論として、このLRT事業については廃止の意見が多数相次いだ、こんな意見まで付記されて仕分け結果が公表されているわけです。 先ほど、計画段階で栃木県の宇都宮市が挙げられていましたけれども、この宇都宮市も、三月の市議会で、この仕分けでLRTのことが廃止と言われているじゃないかということを問われて、佐藤栄一市長さんが、これからの詳細な事業のあり方について内容を示されていないので今後はどうなるかわからない、こういうふうに答弁せざるを得なかったということが地元紙で報道されています。 国土交通省の予算は、結果として従来の補助金が原則廃止となって、自由度の高い社会資本整備総合交付金、先ほど中島委員も言及されておりましたけれども、これに一元化をされるということになったわけです。LRT関係の予算も、基本的にこの交付金に含まれるということになるんだと思いますけれども、どの程度この交付金がLRTの事業に回されていくのかということが大変不透明な状況になってしまっている。宇都宮の市長御自身がそういうふうに御答弁をされているわけです。 もともとの事業スキームでは、宇都宮市、LRTを導入する場合の総事業費三百五十五億円のうち、国から、都市交通システム整備事業、そしてLRTシステム整備費補助などの補助メニューで百億円、補助を利用することを予定していたそうであります。 この見通しがにわかに不透明になってしまっているわけでありまして、先ほど前原大臣が、お乗りになった感想とともに、こういうものはどんどん進めたらいいということをおっしゃられましたけれども、国の施策としては必ずしもそのような方向性になっていないという状況です。もはや国はLRTの導入支援を掲げることはないということになるんでしょうか。御見解を伺います。
○三日月大臣政務官 大臣も乗られ、私も何度も乗ったことがあるんですけれども、このLRT、非常に、おっしゃったようにバリアフリーですし、環境に優しいですし、排ガスの面でも騒音の面でも、これからの都市交通の一つのあり方だというふうに思います。かつ、中心市街地の活性化、地域の再生にもつながっていくという面があると思います。 そういう観点から、国土交通省としても、このLRT整備というものを積極的に推進する観点から、平成十九年に施行されました地域公共交通活性化再生法によりまして、例えば、運行する主体と整備をする主体を分けて整備することができるという上下分離方式による整備、運営を可能にするという仕組みですとか、国交省の中にも、都市・地域整備局、鉄道局、道路局、それぞれ分かれて相談を受けたりしておりましたので、そういうものを、地域で策定されたLRT整備計画に対して一体的かつ総合的に支援が行えるように制度づくりをしてきました。 それで、宇都宮市の例もそうなんですけれども、これは何が難しいかといえば、確かに財政上の制約もあるんですが、その地域の中での計画づくりのための合意形成、例えばバス事業者さんもいらっしゃいますし、マイカーで通行する方、その信号を管理される警察当局、さまざまな主体がある中で、地域の公共交通をLRTも含めてどうつくっていくのかという合意形成ができないところに、このLRTプロジェクトがなかなか進んでいかない、広がっていかないという困難があると我々は伺っております。 したがって、これからは、例えば人材面での相互交流ですとか、さまざまな経験を共有し合うようなソフト面での支援というものもあわせてやることによって、国としてのLRT整備を進めていきたいと思いますし、その後ろ盾、またステップにするために、現在検討中の交通基本法というものも活用させていきたいというふうに考えております。
○柿澤委員 資料でお配りすればよかったんですけれども、何かフランスのニースでは、住民に対するプレゼン資料として、こんなに車ががあっと並んでいるものが、バスになればこれは三台になって、LRTになればこれで済んじゃう、こういうものを写真にして示す、後でお見せしますけれども、こういうこともやっているようです。 今のソフトの支援という意味では、例えばアメリカのポートランドでは、例えばバスの利用者数もLRT導入と足並みをそろえてふえている、こういう調査結果も出ているようですので、こういった事例を紹介されるということで、地域の合意形成も進んでいくのではないかと思います。 交通基本法のお話が三日月政務官から出ました。政権交代以降、現在、国土交通省内に検討委員会が設けられて議論が進められている交通基本法であります。先ほどのフランスのLRTの例でも、八二年の国内交通基本法が、脱車社会、公共交通重視の方向性を明確にしてLRTの推進を後押しした、こういうことをお話ししました。 ことし三月に、「交通基本法の制定と関連施策の充実に向けて」という中間整理が国土交通省より公表されています。その中で、意見募集、パブコメの結果概要がありますけれども、ここに、「自家用車優先から公共交通優先・公共交通が社会インフラであるとの理念を確立すべき」という意見や、「環境負荷低減の理念を積極的に打ち出すべき」といった、見ようによっては、要は脱車社会の理念をもっとはっきり打ち出したらどうだという意見が多数見られております。 確かに、かつて野党時代の民主党さんが社民党さんと共同提出した交通基本法の法案を見ますと、国民の移動に関する権利というのは明記をされているんですけれども、脱車社会の理念を明確にした文言というのは必ずしも盛り込まれていないんですよね。 私も民主党にいましたので記憶をたどってみると、例えばタクシーの皆さんの労働組合である全自交さんなんかもこの交通基本法には大変熱心であられまして、タクシーの位置づけを交通基本法において明確にしてほしい、こういう要望をされている状況であります。そういうことに配慮して別にその脱車社会を掲げていないというわけでもないんでしょうけれども、この理念の部分に、本来もっと脱車社会ということをしっかりと打ち出していくことが必要なのではないかというふうに思いますけれども、この点、御見解はいかがでしょうか。
○三日月大臣政務官 非常に重要な視点だと思います。きのうも検討会をやりまして、これで十一回検討会を重ねてきたんですが、そういった趣旨からの御提起、そして御提案をされる方々も大勢いらっしゃいます。 いずれにしても、私たちは、それぞれの地域で、あるべき公共交通の仕組みを打ち立てていただいて、それに対して支援ができる、もしくはその財源の手当てがしていける、そういう交通行政というものをこれから目指していくべきだと。 加えて、かねがね我々がいろいろな場で申し上げているように、高齢化が進む状況の中で、御自分で車の運転ができない方々が大勢出てくる。この社会に対してどういう交通体制であるべきかということを考えれば、やはり公共交通が張りめぐらされており、利用しやすい状況であるということが非常に重要な視点だというふうに考えて、そういった社会を目指すべく、今、交通基本法の検討をさせていただいております。
○柿澤委員 今、前原大臣も手を挙げかけられましたけれども、何かありましたら。
○前原国務大臣 今、三日月政務官がお答えをしたことに若干つけ加えますと、若干というか重ねてになりますけれども、脱車社会というよりは、むしろ、高齢化社会と環境重視ということを考えたときに、こうならざるを得ないだろうということなんですよね。 つまりは、お年寄りの方も、いつまでも車を運転できるわけではありませんし、運転して事故をされる方々もこのごろふえてきていますので、そういう意味では、公共交通機関というものが大変重要になってまいります。つまりは、移動権というものをどう確保していくのかといったことが大事だということの中で、この交通基本法というものをつくるということと、環境面にすると、脱車社会とある意味同義になってくる。ただ、それは脱車ではないんですね。公共交通機関ですから、タクシーでもいいしバスでもいいんです。 ただ、やはり、自分で運転しない、あるいは家族で運転してもらえない、だけれども移動して病院にも行きたい、デイサービスセンターにも行かなきゃいけない、そういった方々の足を確保するという意味で、大量輸送機関というものがより必要で、また効率的で、高齢者にも、あるいは障害を持った方々にも、あるいは環境にも優しい。そういう意味で、この交通基本法というものを我々は考えているということでございます。
○柿澤委員 日本国内が仮に脱車社会という方向に動くことになったとしても、これは、自動車の産業というものが日本の基幹産業であり続けることは疑いのない将来の事実だと思います。 話をかえますけれども、その点からいえば、日本の自動車産業にとって、海外の市場シェアをどのように獲得するかということが、これまで以上に重要になってくると思います。 そこで、電気自動車のことをお伺いしたいと思うんですけれども、日本はもう百人当たり大体五十九台自動車の保有台数がある、こういう社会になってきて、もうそんなにふえない。一方で、中国はたしか百人当たり三台ぐらいですか、インドはたしか一・六台とか、そんなものだったと思います。ここが、新興国が日本並みに車を保有する時代がやってくる、いずれやってくるわけです。そのときには、もはやガソリン車の時代ではない。さらに言えば、ハイブリッドの時代でもない。そのときは、EVの時代になってくると考えられます。 世界各地で行われるモーターショーの流れからも、エコカーの最先端がEVであることはもう明らかです。このEVの分野では、日本は現在世界の最先端を走っていると言ってもいいと思います。 ことしは、一般消費者向けに、三菱自動車がアイ・ミーブを出して、日産自動車がリーフを販売する。私もアイ・ミーブに一回乗せていただいたんですけれども、かつての電気自動車とは考えられないぐらい加速がすごくて、また乗り心地がよくて、非常に静かで、そういう意味では、画期的だなということを感じさせていただきました。まだまだ、値段の面とか、また電池の面とか、いろいろ改善する要素があるということはわかっておりますけれども。 そこで、余り注目されていないニュースなんですけれども、国土交通省が先日発表されていますけれども、この電気自動車に関する国連における国際標準を、日本が、日本の標準で世界の規格をつくっていくこと、そういう合意をかち取ることに成功した、こういうことが国土交通省から公表されております。そのことについて若干お伺いをしたいんですけれども、御説明をいただけますでしょうか。
○前原国務大臣 国土交通省では、高い安全、環境性能を有する自動車の普及、国際流通の円滑化を図る観点から、安全、環境基準の国際調和活動を今まで推進してまいりました。具体的には、国際統一基準の策定を行う唯一の場であります国連の会議体、自動車基準調和世界フォーラムに参画をしまして、統一基準の原案提示等の活動を積極的に今まで実施してまいりました。 電気自動車、ハイブリッド車につきましては、その普及を図るため、高電圧の部分が人体に感電しないかなどを定めた安全基準に関しまして、既に存在する日本基準に準拠するよう各国と調整を続けてきました結果、本年三月、国際基準が成立をいたしました。また、現在、衝突時における乗員の感電保護を目的とした基準についても調整を進めているところでございます。 日本が先行する自動車の安全、環境技術を国際的に広く普及させるためにも、日本基準の国際標準化を進めることは、成長戦略上も極めて重要だと考えておりますので、今後とも、自動車安全、環境基準の国際標準化に努めてまいりたいと考えております。
○柿澤委員 これは非常に重要だと思うんです。例えば、日本の技術の粋をきわめた薄型テレビ、去年、その一部が輸出できなくなるような、そういう状況に陥りかけました。原因は、やはり世界共通の規格の国際標準なんです。高画質を際立たせる際の画面の光沢を、去年、ヨーロッパが、何か見にくいということで規制を始めるということで、すんでのところでヨーロッパに日本の薄型テレビが輸出できなくなってしまうということになりかかったわけです。 一九九五年のWTO発足以降、電気関係の国際規格を制定する機関であるIECで承認され、登録をされないと、こういう電気製品が輸出できなくなってしまった。こういう国際規格を多数獲得しているというのは、ドイツなどヨーロッパ諸国なわけです。せっかく日本は世界最高水準の技術を持っていながら、国際標準の獲得競争で大きくおくれをとってきたわけです。 私たちも、我が党としての成長戦略で、この国際標準の獲得競争におくれをとるまいということで、その政策を掲げさせていただいているところでありますけれども、今のEVに関しては、今、日本は技術的に先行している、しかし、いつまでこの先行者メリットが享受できるかどうかわからない、こういう状況でありますので、この先行者メリットを十二分に生かして、EVにおける国際標準化競争に意識を持って取り組んでいくことが大事だというふうに思っております。 その点で、最後にお尋ねを申し上げたいんですけれども、先日、EVの、ハイブリッドも含めてですけれども、音が静か過ぎるということで、静か過ぎる音対策ということで、デモンストレーションが行われました。私もテレビで見させていただきましたけれども、ハイブリッド車、プリウスなんかに乗っていると発進のときに音がしない、近づいてきても音がしない。余りに静か過ぎて、お年寄り、また目の不自由な方、そういう方々からすれば、車が近づいてきたことがわからないので危険だ、こういうことが言われている。 そうしたことについて、自動車メーカーも非常に素早く対応をして、何かUFOが近づいてきたような音だという表現でしたけれども、ここで表現するのは非常に難しいですが、ガソリン車が通過するときのような耳ざわりな音ではなく、しかし車が近づいてきたということが確実にわかる、そういう音がするハイブリッド車、EVを開発して、ようやくデモンストレーションにこぎつけたということで、視覚障害者の方にも、これならわかるということで大変歓迎をされたというふうに聞いております。 この静か過ぎる音対策というのも、実はこれは国際標準にのせていける話なんじゃないかと思うんです。この問題は、どの国も同じ問題に直面する。それぞれの国でEVがばらばらの音をさせて走っているなんていうことが起きていいはずがないわけでありまして、この静か過ぎる音問題を含めて、EV、またハイブリッド車における国際標準化の議論にこれをのせていくべきではないかというふうに思いますけれども、最後の質問としてこれをお伺いさせていただいて、終わりとさせていただきたいと思います。
○前原国務大臣 今、柿澤委員がおっしゃった静か過ぎる音対策ということでありますが、昨年七月から、有識者を交えまして静音性に対する検討会を開催し、検討を行ってまいりました。この結果、特に音が静かな低速走行時に車から音を出す対策が必要であるとの結論が得られまして、本年一月に、歩行者に車両の接近を知らせるための音を出す装置の任意装着を促すためのガイドラインを定めたところでございます。 これを受けまして、自動車メーカー等が対策装置の開発を進めておりまして、五月十日には、目の不自由な方を含む一般の方々を対象に、それらの試作品を紹介する体験会を開催したところでございます。 今後は、各方面からの意見を踏まえまして、EV車等の静音性対策の基準化に取り組むとともに、日本が先行するこの対策について、自動車基準調和世界フォーラムにおいて国際標準化を進めてまいりたい、このように考えております。
○柿澤委員 先ほど申し上げたように、日本は百人の中で五十九台の自動車を保有している。もうこのマーケットはいわば飽和した、成熟したマーケットになっている。これから中国、インドということを見ると、まさに、これは百人、五十九台ということになれば、日本並みということになれば、これから百人当たり五十台の車がふえていく。それはもうほとんどEVになるわけですから、この国際標準をとっていくことの大事さは、本当にはかり知れないというふうに思います。 その点で、国土交通省さんがしっかりとした、先を見据えたお取り組みをされている、国際舞台で交渉をされているということは、大変後押しをしたいことだというふうに思っております。こうしたことが、やはり日本のこれからの成長戦略になっていく、そうした思いを込めてきょうは御質問をさせていただきました。ぜひ、これからの取り組みに注目をさせていただきたいと思っております。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○川内委員長 柿澤君の質疑を終了いたします。 ————◇—————
○川内委員長 次に、内閣提出、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣前原誠司君。 ————————————— 特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○前原国務大臣 ただいま議題となりました特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第五条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止の実施につき承認を求めるの件につきまして、提案理由及びその内容の概要を御説明いたします。 我が国は、平成十八年十月九日の北朝鮮による核実験を実施した旨の発表を初めとする我が国を取り巻く国際情勢にかんがみ、本年四月十三日までの間、北朝鮮船籍のすべての船舶の入港を禁止する措置を実施してまいりました。しかし、拉致、核、ミサイルといった諸懸案に対する北朝鮮の対応や、六者会合、国際連合安全保障理事会等における国際社会の動き等その後の我が国を取り巻く国際情勢にかんがみ、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法第三条第三項の規定による平成二十二年四月九日の閣議決定に基づき、引き続き北朝鮮船籍のすべての船舶の入港を禁止する措置を実施しました。これについて、同法第五条第一項の規定に基づいて国会の承認を求めるものであります。 以上が、本件を提案する理由であります。 次に、本件の内容について、その概要を御説明いたします。 本件は、同法第三条第三項の規定による平成二十二年四月九日の閣議決定に基づき、平成十八年十月十四日より本年四月十三日までの期間にわたる北朝鮮船籍のすべての船舶の本邦の港への入港禁止の実施を決定した従前の閣議決定を変更し、平成二十三年四月十三日までの一年間にわたり、引き続き、北朝鮮船籍のすべての船舶の本邦の港への入港禁止を実施することについて、同法第五条第一項の規定に基づいて国会の承認を求めることを内容とするものであります。 以上が、本件の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、御審議の上、本件につき速やかに御承認いただきますようお願いいたします。
○川内委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、明十九日水曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時三十五分散会