国土交通委員会 第10号
- 発言数
- 148 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2010/03/26
会議録
○川内委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、国土調査促進特別措置法及び国土調査法の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省土地・水資源局長原田保夫君及び法務省民事局長原優君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○川内委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。向山好一君。
○向山委員 皆さん、おはようございます。民主党の向山好一でございます。 本日は、国土交通委員会で私は初めての質問でございますので、前原大臣初め政務三役の皆さん、どうかよろしくお願いします。 まず、前原大臣初め政務三役の皆さんは、連日連夜の超過密スケジュールをこなされて、本当に御苦労さんだというふうに思います。コンクリートから人へ、あるいは脱官僚依存、そして税金の無駄遣いの削減、これは鳩山政権の肝の部分でございますので、その部分を本当に実践されていらっしゃるということは私たちもよくわかっておりますので、ぜひとも、これからも体調管理に御留意をされて、国民の期待にしっかりとこたえていただきたい、このように思います。 まずは、国土調査に関して、数点を質問させていただきます。 前原大臣、ちょっと前に「点の記」という映画がありました。ごらんになったかどうかはわかりませんが、お忙しいからごらんになっていないかもしれませんけれども、あの映画は、明治時代に、正確な地図をつくらなければいけない、こういう本当に非常に高い情熱を燃やして、その当時、まだ前人未到の地でございました剣岳の山頂に命がけで登った、そして、三等三角点をそこに立てて、正確な地図をつくる上での非常に大きな礎を築いたというようなストーリーでございます。そういった先人たちの本当に血のにじむような努力、地道な活動、これが地図整備あるいは現在の国土調査、地籍調査につながっているんじゃないかというふうに思います。 そういう努力が今のこの現在の国土調査にもDNAとして受け継がれていると思うんですけれども、残念ながら実績というのが伴ってきていないというのが今の現状じゃないかというふうに思います。 今回、第六次の十カ年計画というのが提案されておりますけれども、過去、第五次まで約六十年近く、国土調査、地籍調査をやられておりますけれども、残念ながら、現在の見込みでも、全体で四八から四九%の進捗、特に問題なのは、土地の流動化をしていって不動産価値を高めていかなきゃいけない都市部で非常に進捗率が悪い、二〇から二一%までしか進んでいないというのが現状でございます。ですから、私はちょっとその十年前を一回調べてみたんですね。第五次の国土調査の始まる時点、平成十二年、この当時はどうだったのかということを調べてみましたら、その時点で、全国で四三%、そして都市部で一七%という進捗でございまして、現在とそんなに変わっていないわけですね。 十年間で余り進んでいない、このことについてちょっと質問させていただきたいんですけれども、十年前、どういう国会でのやりとりがあったかといえば、当然、国土交通省もそのことについて大きな問題意識を持っている。ですから、都市部で、やはり相当予算をつぎ込んで、重点的に地籍調査をやっていきたいという大きな決意を持って、実際に予算配分もしているわけですよね。都市再生の基本調査というのを直轄でやりました。そういうことをやりながらも、なかなか進んでこなかった。そして、そのときの国土交通省の目標が、一七%の都市部の進捗を十年間で倍にする、三四%まで引き上げるんだということをちゃんと決意表明をされているにもかかわらず、今のこの現状しかなかったということでございます。 その間、今度は予算がどれだけあったか、予算配分はどうあったかというのを調べてみましたら、過去十年間、第五次の地籍調査の国庫負担というのが一千五百九十五億円、それプラス、地方負担というのがありますよね、地方負担プラス特別交付税措置というのを合わせると、二千七百九十二億円、二千八百億円という巨額な税金がこの十年間で投入されているわけですよ。特に問題なのは、今申し上げました都市部で、平方キロメートル当たりの単価が七千二百八十万円もかかっている。こういった本当に非常に巨額な税金を投入しながら、特に都市部でこの地籍調査、国土調査が進まなかった、こういうのがこの十年間、第五次であったんです。 そこで、大臣にお伺いします。 前政権のこととはいえ、特にこの十年間を振り返って、国土調査、地籍調査のどこに問題点があったのか、何が反省なのか、そういったものと、今後の第六次に向けた解決策、促進策、あるいは決意、そのあたり、どういうふうなことをお持ちなのか、お伺いします。
○前原国務大臣 向山委員にお答えをいたします。 先ほどおっしゃった映画は、残念ながら見ておりませんで、まことに申しわけありません。 地籍調査の進捗率は、今委員が御指摘をされたように、全体で四九%、十年間で六%しか進んでいない、そして、都市部ではさらに低くて、二一%、十年間で四%しか進んでいないということであります。特に都市部で低い理由というのは、土地に対する権利意識が高いということとか、所有者等の協力が得にくい、また細分化された土地が多く、権利関係がふくそうしている、こういったものが考えられて、地籍調査の実施主体である市町村にとって大きな負担となってきたというのが余り進んでこなかった大きな要因であろうか、このように考えております。 このため、今回は主に三つの視点で改善策をとらせていただきまして、より進むようにということで努力をしてまいりたいと考えております。 一つは、地籍調査の実施主体である市町村等の負担を軽減させるということが必要でありますので、平成二十二年度からは、地籍調査の前提となる官民の境界情報整備に必要な基礎的な情報を、国が整備をする都市部官民境界基本調査を創設しまして、市町村等の作業の一部を国が実施することで市町村の負担の軽減を図っていきたいと考えております。これが第一点でございます。 二点目といたしましては、都市部においてさまざまな民間開発等に伴う測量成果を地籍調査の成果と同等のものとして地籍整備に活用するための補助制度として、地籍整備推進調査というものを創設したいと思っております。今まではこういった補助制度はございませんでした。仕組みはありましたけれども、補助制度はございませんでした。 さらに、国土調査の実施を委託できる範囲を国土調査を適正かつ確実に実施することができる民間法人に拡大することで、市町村等における地籍調査実施体制を強化していきたいと考えておりまして、できるだけ今までよりも進捗率が進むように、こういった取り組みを新たに付加する中で努力をしていきたい、このように考えております。
○向山委員 いろいろ改善策をお持ちだというので、それに御期待を申し上げたいと思いますけれども、今も申しました、二〇%以外の約八割程度が、そうした都市部ではいまだに地籍調査が行われていなくて、明治時代の地租改正のときの公図が公の地図というふうになっているわけですね。 私はちょっと前まで地方議員をやっていまして、そのときに、地域のいろいろなトラブルの相談事があります。そして、その本当に大きな問題として、今申しましたような、公の地図が全然現況と違うということにぶち当たっているわけですけれども、そういう意味でお聞きしたいのは、現在、そういう公図と現況との食い違いがどのぐらいあるのか。特に、数センチはやむを得ないかもしれませんけれども、一メーター以上はどのぐらいあるのか、そういうのをちょっと把握したいんですけれども、そのあたりは数値はどうなんでしょうか。
○藤本大臣政務官 お答えいたします。 平成十六年から十八年度にかけまして都市再生街区基本調査というのを行って、都市部の地籍調査が実施されていない地区におけるずれ、これについて調査をいたしました。 調査実施区域が、調査対象市区町村としては七百十九市区町村、調査対象面積がおよそ一万平方キロメートルなんですが、その成果を見ますと、今御質問がありました、一メートル以上の大きなずれのある公図が全体の五二・三%でございます。その中で、十メートル以上ずれがあるというのも二・五%ほどございまして、大変、半分以上が一メートル以上のずれだと。逆に本当にわずかな、十センチメートル以下の精度の高いというのが、逆に言ったら五・五%しかないという状況です。
○向山委員 半分以上が一メーター以上のずれがあるということになりましたが、やはり土地取引で大きなトラブルのもとですし、固定資産税とか都市計画税とか、課税の面でも適正化されていないということですから、そういう面で改善を求めていかなければいけないのじゃないかと思います。 もう一点、お聞きすると、地籍調査が進まない理由の一つに、地籍調査をやっていないという市町村があるというふうに伺っているんですけれども、それは大きな問題でございまして、それがどのぐらいあるのか、まあ私の地元の兵庫県でもあるんですけれども。それと、それを実施に向けての改善策というんでしょうか、解決策というんでしょうか、そのあたりはどういうふうにお持ちなんでしょうか。
○藤本大臣政務官 お答えいたします。 いわゆる未着手と、あともう一つは、未着手だけではなくて、休止中というのもありまして、それを合わせて多分向山先生が調査未実施というふうにお話しになったんだと思います。 まず、平成二十一年度末の見込みで、未着手の市町村は全体の約一六%、二百八十三市町村です。もう一つ、過去に着手はしていたんだけれども現在は実施していない、いわゆる休止中の市町村が一九%、三百三十一市町村でありますので、トータルで三五%が現時点では着手をしていない、約三分の一の市町村で必要な調査が行われていないというのが現況でございます。 これに対する解決策でありますけれども、一番大きな問題点というのは、地籍調査の必要性に対する認識が不十分であるということがありますので、やはり具体的に、地籍調査をやらないとどういうリスクがあるのか、トラブルが起こるあるいは開発事業がおくれるとか、そういうリスクについてはきちっと広報をして、未着手市町村、そしてその土地所有者に向けて重点的に周知をしていくということが必要かというふうに思っております。 それと、先ほど前原大臣から話がございましたとおり、国が実施する基本調査の拡充によって市町村の負担の軽減を図っていくということを考えております。
○向山委員 今の地籍調査のいろいろな問題点というのをお聞きいたしました。 その改善としまして、一つの方法として、今回、国土調査法の一部改正で、一定の要件を満たす法人に調査、測量を委託することができる、いわゆる民間委託への道を開こうとする改正案が提案をされております。それは恐らく、いろいろな技術を持っている方々に外注を超えてすべての権限を与えて、完結型でやっていこうというふうな考え方だと思うんです。 そこでちょっと、私の経験というんでしょうか、それをひとつ一例として紹介申し上げたいのは、私の選挙区は神戸です。神戸は御存じのとおり十五年前に大きな震災がございまして、そのときは前原大臣も、既に国会議員でいらっしゃったので現地へ行かれたかもしれませんし、テレビであの悲惨な姿をごらんになったと思いますが、本当に、火災あるいは家屋の倒壊で瓦れきの山なんですね。だけれども、そこに住んでいらっしゃった方は、一日も早くそこを再建したい、そういうことで瓦れきを取っ払ってしまったら、更地で、どこが敷地なのか、あるいはどこまでが境界なのかわからなくなったんですね。 そして、登記所へ行ったら、ええかげんな公図だった。どうしようかな、行政に頼ってられへんと。それで、住民の皆さんが立ち上がったんですよ。その姿は新聞記事にもなっているんですね。これは、神戸市の東灘区の魚崎北町の五丁目、六丁目、これも住民が復興委員会をつくって、そこで地籍調査をやったんですね。そうしたらすぐ解決したという話があります。 もう一つ、私の選挙区、地元の、神戸市兵庫区の夢野地区、夢野地区でも同じように自治組織をつくりました。湊川・菊水町十丁目復興委員会、夢野土地区画整理協議会、こういうのをつくって、八割が倒壊して、なおかつそこは地図混乱地域で、手のつけようがなかったようなところも、住民の皆さんが主体となって地籍調査をやった結果、一年程度で地図混乱も解消して、しっかりとした地籍地図ができているわけです。 こういった、民間委託のときに地域の住民の方々を巻き込む、そういうNPO団体にどんどんと地籍調査をやってもらうという方法はいかがなものか、この辺の考えをお聞きしたいと思います。
○藤本大臣政務官 お答えいたします。 向山先生がおっしゃるとおりでございまして、地籍調査と同等のレベルの調査ができるということ、これが大変重要だというふうに思っております。 今回、一定の要件を満たす法人については、国土交通省令で定めることにはなっておりますが、先ほどお話がありましたとおり、技術的な能力あるいは公正な調査実施の確保、こういう要件を設けてやるということになります。そうなりますと、この要件を満たしていれば、地域住民が組織する法人であっても委託を受けて調査することが可能となるということで御理解をいただきたいと思います。 また、地域住民の方々の協力という意味では、やはり土地所有者の方々の立ち会いが必要になってくるわけでございますので、市町村やそうした民間法人がこういう地籍調査を実施する場合、地域住民の方々の協力というのが大変重要な問題だというふうに思っております。 以上です。
○向山委員 地域住民を巻き込むことに対して前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございます。 これは、今、鳩山総理が提唱されていらっしゃる新たな公共という概念の大きなヒントにもつながる話なので、ぜひとも委託する団体に、地域の方々がしっかりと主体性を発揮できるような、そういう組織へのインセンティブというのでしょうか、支援策というのをお願いしておきたいというふうに思います。 そして、最後に、民間委託に関連して一つお聞きしたいことがあるんですけれども、それは、馬淵副大臣が以前、耐震偽装事件、これを追及されて、本当に社会問題、解決いたしましたけれども、それと同じようなことが起こらないのかということなんですね。あれの教訓というのは、やはり民間を信用して建築確認の受理と審査を民間委託した。その結果、経済性とかあるいは時間の問題を優先するばかりに、耐震の資料の偽装があったということが大きな教訓でございました。 今回の民間委託も同じようなことにならないという保証はございません。測量とかあるいは建築とか、そういった技術面を優先するばかりに、同じようなことが起こらないように、地籍調査の民間委託にも何らかの担保をとっていかなければいけないと思うんですけれども、例えば土地家屋調査士というような民法とか権利関係に非常に詳しい経験をお持ちの方が入ってくるとか、何らかのそういう、耐震偽装事件を受けて、民間委託に対する担保の問題に対する御意見、あるいは今考えていらっしゃることがございませんでしょうか。馬淵副大臣、よろしくお願いします。
○馬淵副大臣 お答えさせていただきます。 委員の御指摘の懸念というものに関しまして、私どもも十分に配慮しながら、今後、調査の新たな制度をつくってまいりたいというふうに考えております。 民間法人への委託に関しましては、調査、測量、そしてその結果の地図並びに簿冊作成というところで一連の作業を一括して委託するという仕組みでございます。一方、国土調査法に基づいて調査前に実施するいわゆる実施計画、作業規程作成、さらには指定のための届け出、あるいは実施の公示など、いわゆる公権力の行使、この部分に関しましては国が行うものとしておりまして、私どもとしては、民間法人、この要件というのは特に細かく何か一定の枠をはめるものではございません。 国土交通省令で定める要件といたしまして、NPO法人であろうがあるいは一般の営利法人であろうが、一定程度、私ども並びに市町村の判断によって、こうした調査が可能な法人というところで判断をしながらゆだねてまいるところでございまして、また、業務について、適切に遂行されているかということに関しましては、委託元である市町村、こうした自治体が十分に内容の確認もさせていただくということで、いわゆる調査の正確性、これについてしっかりと確保していくということを私ども国としても指導し、また監督してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○向山委員 ありがとうございます。 とにかく、この国土調査に関する掘り下げた議論というのは大体十年に一回しかできません。そういう意味では、本当に政権がかわったこの年に、過去の国土調査、地籍調査の問題点を洗い直して、そして変えるべきものはしっかり変えて、国民の利益につながるような国土調査にするということを御期待申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○川内委員長 向山君の質疑を終了いたしました。 次に、小宮山泰子君。
○小宮山(泰)委員 改選後、私、実は初めて質疑席に立たせていただきます。改選前にこの委員会室で質疑をさせていただいたこと、また、本日、そのような場でまたこのように質疑の場をいただいたことに、委員長、各理事にも御礼を申し上げたいと思います。 今までも、この地籍調査また地図整備ということにおいて質疑をさせていただきました。ことしは、昭和二十六年に国土調査法が成立し、国土調査が始まりまして六十年目という節目でもございます。そして、今の向山委員の質疑にもございましたけれども、まだまだ地図整備というものが進んでいないという現実もあります。これをさらに促進させることがこの法案の趣旨でもございます。やはり、新しい日本の活性化というか、土地の取引等におけるリスク、これを低減させるなど、本当の意味で必要なことだと思いますので、推進を目的としまして、一から質疑をさせていただきたいと思います。 今、向山委員の最後の質問に関連もしますけれども、まず一番最初にお聞きしたいのは、今回の法案におきまして、国土調査法の十条二項におきまして、一定の要件を満たす法人に国土調査の実施を委託することができるということについてお伺いしたいと思います。 今ございましたけれども、この調べるということにおいて、実は、国土調査において、平成十二年から二十一年度において調査が完了した市町村の概要ということでいきますと、調査完了地区数が五十八市区町村、そして平均調査期間が三十二年、うち最短が北海道の十三年、最長が五十七年という長期間を要しております。この間に、二代、三代とかわり、情報を収集することも、また権利関係が複雑になっていく、そういったことで、今回この新しく入ってまいりました国土交通省令で定める要件及び要件に該当する法人というものが加わったんだと理解をしております。 それでは、この該当する法人また定める要件というのは具体的にどのようなことなのか、この点に関して確認をさせていただきたいと思います。
○藤本大臣政務官 お答えいたします。 たびたびの繰り返しになる部分があろうかと思いますが、一定の要件を満たす法人というのは、「国土調査を適正かつ確実に実施することができると認められる者として国土交通省令で定める要件に該当する法人」、具体的に言えば、国土交通省令では、技術的な能力あるいは公正な調査実施の確保の要件を設ける予定でございます。 営利法人であっても、先ほど向山委員からもお話がありました地域住民が主体となるような法人、NPO法人のような非営利法人であっても、委託元である市町村の判断によって委託することができるようにする方針でございます。
○小宮山(泰)委員 もう一度改めて伺いたいと思います。 それでは、さまざまな、これだけ大変長期間かかるということであれば、かなりノウハウがなければならないというのも現実だと思います。ある意味、民間であっても、もちろんノウハウがあればですけれども、資格などそういったものも含めて具体的に、今までの例もあわせまして、どういったところに該当する法人というものを想定されているのか、もう一度御説明いただけないでしょうか。
○藤本大臣政務官 ちょっと繰り返しになってしまいますけれども、最終的には委託元である市町村が判断することになると思いますが、実際には、営利法人であっても非営利法人であっても、技術的な能力あるいは公正な調査実施の確保、例えば、公正な調査というのは、要するに法人の役員または職員の構成が適当であるということとか、国土調査以外の業務を行っている場合には、その業務を行うことによって国土調査の実施に対して支障を及ぼすおそれがないものというようなことを想定しております。
○小宮山(泰)委員 要件という意味ではおっしゃるとおりだと思います。 ただ、なぜこういった質問をさせていただくかといえば、宮城県の旧三本木町が一九九三年から九四年に実施した国土調査に関する登記問題というものがございます。 これは平成二十二年三月八日付の河北新報にありました記事から抜粋をさせていただきますと、説明すると、「旧三本木町が国土調査の結果について県の認証を受ける際、確認した三十一筆の不存在地を〇筆として報告。県から認証が出た後、不存在地を四十七筆に増やして法務局に届けたため、多くの民有地の登記記録が閉鎖された。所有者の同意を得ずに不存在地とされたケースも多数含まれる。一部の民有地の地積が異常に広げられて登記されたケースもあり、調査、登記の信用性に疑義が生じている。」といった事件でもございます。 この点に関しまして、今、市町村が責任を持ってとおっしゃいますけれども、その市町村の責任を持ってというところがどこまで持てるのか。また、筆界を決めるというのは非常に難しい。今までも、特に弁護士をされていた大阪また兵庫の大臣たちにも同じ問題を質問させていただいたときには、この問題、筆界の特定という問題が来ると大変難しかったんだということを御自身の経験上からもいつもお話しされて、しかし、この地図混乱というもの、また地図の特定というものはしていかなければならないとの決意を各歴代の大臣からもお聞かせいただいておりました。 まず、この旧三本木町の事例というのはどのぐらいまで把握をされているのか。また、これは今後検証するべき問題だと思いますけれども、その点に関してお聞かせいただけますか。
○藤本大臣政務官 お答えいたします。 この事例については、現在、合併した大崎市において調査チームを設置して調査を行っているものですから、どういう原因でこういうことが起きたのかということについては、その調査結果の詳細を見てみないと、今の段階では何とも言えないなというふうには思っております。 ただ、これは新聞報道等々で知る形になってしまったわけなんですけれども、実際にこういう問題が顕在化するには、何らかの開発行為があるとかあるいは土地の取引があるとか、そういうところでないとなかなか判明してこないというのも現実なんだろうというふうに思っておりますので、その調査チームの結果を見ながら、具体的にどういうことが原因であったか、それを直していけるかどうかということについては、今後検討していくことになろうかと思います。
○小宮山(泰)委員 ぜひしっかり検討もしていただきたいですし、分析もしていただきたいと思います。 この案件からわかるものというのは、一つは、委託をした市町村の技術また知識、また、ある意味、受けた住民の理解というもの、それを得られる手続の問題もすべて見えてまいります。また、これは一九九三年に起こっております。十年以上たっていることでもございますので、そこの時点で昨年来発覚をしたということから見ても、住民の方が自分の土地がどういう登記をされたのかというのをわかるというのは、なかなか難しい点もあるかと思います。 まず、一番最初に問題になると思うのは、地籍調査を行う際に必要な専門性、見識とはどういうものか、その御認識を伺わせていただいてよろしいでしょうか。
○藤本大臣政務官 先ほど資格のお話がございましたけれども、地籍調査というのは、それ自体は過去に行政が定めた境界を確認するという事実行為なものですから、これに対して、特定の資格を有する者でなくても調査はできるということの中で今までの制度ができ上がっているということは、多分御承知のことだろうと思います。 専門性とかあるいは見識というところなんですが、むしろ、この三本木町の問題は、ある意味意図的といいますか、そういうところがございますので、まさに公正な調査をやるんだという、その意識といいますか責任感といいますか、そういったところが大変重要なことではないかなというふうに思っております。
○小宮山(泰)委員 今おっしゃられたとおり、この問題、もともと地籍調査の性質というものがございます。それはやはり、水調査などのところであったりとか、特定するということはありましたけれども、それがもう少し進化をしてきております。だからこそ地籍調査という問題に、今六十年の時がたって、そちらの分野にも入ってきているんだと理解しております。 つまり、今後この地籍調査の実施というものにおいては、成果が最終的に登記につながるということから、より専門性や見識を持った者が行う必要性があるということが言えると思います。ここの点が最初のころの国土調査との大きな違いでもあるんだと確信もしております。 今まで国土調査に関しては、多くは市町村から、特に測量士さんであったりまた土地家屋調査士であったりという方、割合はここは少ないんですけれども、ありました。しかし、この点において、やはり専門性を持った者、そして登記に見合う情報をきちんと上げていかなければ、このような問題は起きてしまうとも言えますし、また、まだこういう大きな問題にはなっていないですが、実際には、登記の問題において、その点に関して違う登記が国土調査の関係でされてしまっているという話も聞こえてはきます。その場合には、個人の負担で登記を直すなり、はかり直してやるなり、そういった修正をされているという話も聞こえてまいります。 この点に関して、私自身は、もう少し本当の意味で専門性を持ったところにきちんと、特に今各市町村は人員の削減など、また先ほどありましたけれども、馬淵副大臣も熱心に取り組まれた耐震偽装のときの、市町村の人員が足りないということで外部委託をするという中において起こった事件などを考えてみても、やはり市町村に対する負担というのが非常に大きくなっている。その点に関して、ぜひ専門的な知識、枠を決めるだけではなく、筆界未定の地区が残ったまま調査結果となる場合もあるとの話を聞いております。やはり、より専門性を持った、知識を持った方に調査を行っていただくというのも必要かと思います。この点に関して御見解があれば、ぜひお聞かせください。
○藤本大臣政務官 若干繰り返しになってしまうと思いますが、小宮山委員がおっしゃるとおり、地籍調査の実施に当たっては、専門知識であるとか、本当に公正な、公平な調査をやるんだという責任感とか、そういう見識が大変重要だというふうに考えております。 それを踏まえまして、三本木町の事例が二度と起きないように考えていかないといけませんので、この調査結果を見て、専門性あるいは見識がどういう点で欠けていたのか、それが原因であったのかどうかというのは具体的に調査をして、分析をして、検討していきたいというふうに思います。
○小宮山(泰)委員 国土調査のあり方に関する検討小委員会報告書で、国土調査が抱える問題点として、実施主体である市町村等で、財政状況の悪化や行政ニーズの多様化により、予算や職員の確保が難しくなっているということが指摘されております。職員の確保という意味は、人数という面と、もちろん予算という面と、技術力という面があるかと思います。 そこで、平成十六年の六月三十日付の国交省水資源局長の通達の「地籍調査の実施における法務局との協力について」という中には、登記事務や公図、境界などに極めて高い専門性や見識を有する法務局と連携を強化していくことが重要と認識している、そのような通達も出されております。 さて、せっかく調べたものが、今回の事件においてもそうですけれども、またそのほかにおいても、今後、地籍調査票の管理というものが重要になってくるかと思います。委託先である市町村の管理、これについてはなかなか市町村の方の管理が難しくなってきている。その分どこに置くかというもの、また市町村合併等の影響もございます。 今後、こういう地図を作成する、登記につながっていくということもあわせてかんがみますと、地籍調査、実は法務省では土地調査表という形になりますが、地籍調査票の副本を作成し登記所にも備えるなど、管理をよりしっかり行うことが必要かと考えますが、御提案いたしますが、この見解を国交省及び法務省にお願いいたします。
○藤本大臣政務官 お答えいたします。 この地籍調査票は、中身を見ると、所在、地番、地目、地積、あるいは所有者の情報というのが記載されて、立会人の署名のもとにこういうのが記載をされているわけでございまして、いわゆる現地調査の経緯がわかるものということでございます。 これについては、地籍調査票は市町村の方にこれを保管するということにはなっておるんですが、これは、先ほどの例なんかでもわかるとおり、トラブルがいつ起こるかわからないということで、結構長く保管をしないと、実際にはこの地籍調査票を活用することができなくなっているというのが現状なんだろうと思います。実際には、市町村の方で永遠にこれを保管することができないというような状況もあり、一部消失しているものがあるということは、現状として認識をしております。 国土交通省としても、登記所を所管する法務省とやはり連携を強く持っていくということで、今後この扱いについては前向きに検討していきたいと思います。
○原政府参考人 お答えいたします。 地籍調査において作成していただいております地籍図、これは、登記所において備えつけております地図の相当数を占めている状況にございます。したがいまして、法務省としましても、地籍調査の実施につきましては積極的に協力をしてきているところでございます。 今後とも、地籍調査が円滑に行われますように、御指摘の点も踏まえまして、法務省が行う連携のあり方について、地籍調査を所管する国土交通省とも協議、検討を行ってまいりたいと思っております。
○小宮山(泰)委員 ぜひ御検討いただきたいと思います。 やはり、この地籍調査、地図混乱地域や、また今回都市部にまで地籍調査を広げていくという国交省の姿勢。予算規摸でいうと、法務省と国交省では、約十倍ほどですか、もっとか、差がありますけれども、やはりその点は、有効に、早急に活用していただき、そして連携をしていただきたい。 特に、連携という意味においては、下水道を調べたときには、農水また環境省、国交省が主管ではありましたけれども、三省大臣がトップになりましての連絡協議会などをやりました。やはり、この点に関しては、地図混乱地区を含めて、今までの範囲だけではなく、広がっていくことも今後想定されております。連絡会議がされているか、市町村において、法務省とやっているか、そういったものも含めますと、実は、やはり着手率と国土調査の進捗率というものが大きくかかわってくるかと思います。 せっかく大臣がおりますので、進捗率が、特に大阪は六%、京都府は七%、そして、こういった連絡会議の、着手率というのは三五%。沖縄県が一〇〇%なのに対し、国土調査の進捗率九九%。やはり、こういった古い土地であるからこそ余計にあると思いますが、なかなか着手も進みませんのが関西地区、特に京都もそうです、大阪もそうです。大臣がいらっしゃいますので、この点に関して、地図の整備に対しての意気込み等、ぜひ一言お聞かせいただけないでしょうか。
○前原国務大臣 小宮山委員にお答えをいたします。 京都府全体では七%でありますけれども、私の選挙区の京都市では全くやっていない、〇%ということでございまして、大変遺憾に思っております。 とにかく、土地の取引を含めて、あるいは課税を含めて、地籍調査というのは根本の問題でございますので、先ほど向山委員にお答えをいたしました、この十カ年においては主に三点の改善点を設けました。そういったものを活用して、ぜひ進めていきたいと思っております。 去年の予算よりも、ことしは予算は下がっておりますけれども、しかし、その下がった理由の一つは、去年の予算は使い切れなかった。つまりは余ったわけですね、予算が。そういうことを含めて考えると、やはり、さまざまな国が関与する仕組みもつくりましたので、ぜひしっかりと、この十カ年計画においてはより進捗するよう努力をしてまいりたい、このように考えております。
○小宮山(泰)委員 大臣もありがとうございました。 ぜひ、地籍アドバイザーという制度もありますので、その点もしっかり活用して連携をとり、地図の整備に邁進をしていただくことを心から御祈念申し上げ、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○川内委員長 小宮山泰子君の質疑を終了いたしました。 次に、田中和徳君。
○田中(和)委員 おはようございます。自由民主党の田中和徳であります。 本日は、地籍調査を飛躍的に推進する立場から、国土調査促進特別措置法及び国土調査法の一部を改正する法律案についてお伺いいたします。 私は、たまたま国土交通大臣政務官のときに、測量法の改正という仕事をさせていただきました。それが縁だったと思いますけれども、その後、いろいろとこの業務にかかわってまいりました。特に、平成十九年に成立をいたしました地理空間情報活用推進基本法に基づく推進基本計画にも大きくうたってあります官民境界の確定事業の推進についても、あわせてお伺いをしてまいりたいと思っております。 私は今、自由民主党の国会議員六十七人で活動しております公共物境界確定推進議員連盟の会長を務めております。この議連は、設立から七年がたちますけれども、特に、地理空間情報活用推進基本法を議員立法をして成立させるときの中心的な役割も果たしてまいりました。そして、我が国の基本的な政策であります世界一の電子国家を目指すe—Japan戦略の推進、そしてそのベースになる、先ほど申し上げました、世界測地系に基づいた正確な、デジタル化された公的な図面を作成する地籍調査事業の推進も目的としておるところでございます。 私は最高にすばらしい大臣がいらっしゃるなと思っているのは、今、小宮山議員の質疑にもありましたように、京都市はゼロですよね。 私、今資料をお手元にお配りしたので、ぜひ見ながら先生方も聞いていただきたいと思っているんですが、実は大変な状況がございます。 その前に、ちょっとお尋ねをしてまいりますけれども、既に、平成十九年五月、画期的な地理空間情報活用推進基本法が議員立法で成立しました。公布され、平成二十年四月に地理空間情報活用推進基本計画が閣議決定をされましたけれども、地理空間情報の必要性をどのように考えておられるのか、また、国及び地方公共団体におけるGIS、いわゆる地理情報システムの整備、活用はどのような状況か、伺いたいと思います。
○前原国務大臣 田中委員にお答えをいたします。 国交大臣政務官のときに測量法の改正に御尽力をされ、また今は、公共物境界確定議員連盟の会長さん、また、今お話をされました地理空間情報活用推進基本法、これは自民、公明、民主、三党の議員立法でございましたけれども、それにも深く関与をされて、質問通告を見まして、大変お詳しい議員にお答えをするのも何かはばかられるところがございますが、質問の中身についてお答えをしていきたいというふうに思っております。 今お尋ねのございました地理空間情報は、地理空間情報活用推進基本法において、「国民生活の向上及び国民経済の健全な発展を図るための不可欠な基盤」として位置づけられておりますほか、地理空間情報活用推進基本計画において、「地理空間情報高度活用社会の実現を目指す。」とされておりまして、国民生活にとってはなくてはならない基盤であると考えております。 こうした中、国及び地方公共団体において、災害対策や基盤的な地図データの整備、共用による行政の効率化、行政情報のワンストップ提供サービスの実現のため、GIS、地理情報システムの整備、活用が進められているところでございます。 今後とも、地理空間情報高度活用社会実現のために、関係府省との緊密な連携のもと、地理空間情報の計画的な整備、更新及び提供、流通の促進等に関する取り組みを進めてまいりたいと考えております。
○田中(和)委員 国土交通省が所管をしていたと思いますけれども、数年前までは、市町村のGISの構築作業に対して国が補助金を出しておりました。この補助事業の条件は、地籍調査が終わった市町村のみが対象になっていました。 私が国土交通大臣政務官の当時に、神奈川県の相模原市の要望がありまして、GIS事業を市の目玉事業として推進しているので国の補助金をお願いしたい、こういう御相談でございました。早速担当者の方に来ていただくと、相模原市は対象になりませんよと。水戸市も一生懸命取り組んでいたんですけれども、他にもそういうところがあったかもしれませんが、対象になりませんと。それは地籍調査事業が終わっていないからです、こういうことだったんですね。 私も、積極的にやるところが対象にならないというのはいかがなものかと思って、随分いろいろと調査をしてみたんですけれども、その当時補助事業を受けていた自治体というのは、比較的過疎の地域の、地籍調査が終わった基礎自治体だったんですよ。それも非常に数が少なかったんですね。その後、私も知らなかったんですけれども、勉強不足でしたが、GISの補助事業は終わったんです。今は、やっていないんですね。 今、IT社会とかe—Japanというふうにいったときに、もう大臣も御理解の上だと思いますけれども、この整備が進まないと、本当に国民が豊かな生活を享受できないという現実があるわけですね。今こそ国土交通省は積極的にこういう地方自治体の努力をサポートする、応援をすべきじゃないかと思いますが、補助事業も含めて、お考えはないんでしょうか。
○前原国務大臣 田中委員のGISについてのお尋ねでございますが、まず、現状どうなっているのかということをお話しいたします。 平成二十年度の総務省の調べによりますと、複数の部局でアクセス可能な部局横断型のGIS、これは統合型GISというそうでございますが、都道府県では四十七のうち十五団体、区市町村では四百七団体、つまりは全市町村の約二二%で導入されている。また、個別分野、固定資産税部門などにおけるGISは、都道府県では全部導入されている、区市町村では千百十五団体ということで、全市町村の約六二%が導入済みである、こういうことでございます。 今、補助制度についてどう考えるかという委員のお尋ねでございますが、地籍調査の成果を活用するためにGISを導入するための必要な経費に対する補助金については、平成十五年度末で廃止をされているということでございます。しかし、現在は、今委員も御指摘のとおり、地籍調査の成果を電子化したり、調査に必要なGISの導入に必要な経費については、国から市町村等への地籍調査費負担金の対象になっておりまして、市町村等は四分の一の費用負担で導入を行うことができる、こういうことになっております。 今後とも、GISの活用等により、地籍調査の成果の有効活用を図ってまいりたいと考えております。
○田中(和)委員 大臣、国土交通大臣に就任されましたので、これは国土交通省だけの話じゃないんですけれども、GISをぜひ、市町村がそれぞれ特徴を持って取り組んでおりますし、やっているといいながらも、これは完成というのはまずないんですよね。どんどんと載せていくわけですから、ソフトもハードも全部載せていくわけですから、これは完成というのはないんですが、しかし、非常によくできているものと、名ばかりのGISもあるんですよ。ぜひひとつ勉強していただければと思っているんです。 これは、全国を白地図でベースをつくってやっていくわけでございますけれども、この基盤地図情報の整備はもちろん国がやるわけです。法律に基づいて、今、二十三年度までに完成をさせるということになっていると思うんですけれども、これだけでは当然、今大臣もいろいろと地籍調査との関係もお話しになったんですが、うまくいくはずはないんですよ。 今回の法律案の提案に当たりまして、このIT社会、GISも含めてありとあらゆるものがこの地籍調査の上に載っていくという原則、原理というものに対して、もっと法案の提案理由説明のときにちゃんとお示しにならなければいけなかったんじゃないかと私は思っています。何度かあの文章を見てみましたけれども、やはりちょっとそういう視点が欠けているんじゃないかな、このように思っておるわけでございまして、IT社会、e—Japan戦略というところをどのように大臣が考えておられるのか。ましてや地籍調査というのは、国の一番基本のツールというのか、一番大切な部分ですから、これとあわせてどのように考えておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○前原国務大臣 国土交通省というのは、河川も管理をしているわけでありますけれども、一番大事なポイントの一つというのは、自然災害があったときにどのような対処をするかということです。今委員がおっしゃったように、例えば避難所がどこにあるかとか、それから災害時の要援護者の分布はどこにあるかとか、あるいは浸水想定地域はどうなのかとか、こういったものを重ね合わせて、そして防災対策あるいは予防というものに万全を期すという意味では、まさに委員おっしゃるように、このGISの整備というのは不可欠であるという認識を強く持っております。 法案の中に書かれていなかったからいかがなものかというおしかりというか御指摘をいただきましたけれども、今委員のおっしゃった点というのは大変大事なポイントだと私は思っておりますし、特にこの地籍調査も地理空間情報の整備にも活用されておりまして、これを通じてIT社会の実現にも資するというふうに思っております。 今回の法案というのはこの地籍調査にかかわるものでありますが、もっと大きな観点で、このGISというものが各市町村、自治体にしっかりと整備をされて、さまざまな点での、効率化のみならず、特にやはり防災ということを考えたときには極めて大事なものだと私は思っておりますので、積極的にこれが整備されていくように国土交通省としてもバックアップをしていきたい、このように考えております。
○田中(和)委員 GISは、今は基礎自治体、市町村が中心になっておりますけれども、だんだんと精度が高まっていくと、民間の皆様がお金を出してでも使っていくということが起こりますし、民間の企業活動の中に自分たちのGISをつくっていくということも当然出てきますよね。 まさしくそれがIT社会であり、e—Japanそのものなんですけれども、例えば独居老人がどこにいらっしゃるかとか、あるいは建築基準法上の耐震性のある建物と、昔の耐震性が極めて問題のある建物と、皆こういうものがわかったり、地下埋設物も、老朽管なんというのは、私の川崎市でもこのところ水道管が破裂して大きな問題を起こしておりますけれども、こういうことだって、考えてみれば、GISの中にどのようにも取り込めるわけです。犯罪上のデータだって、極めて重要なシークレットでございますけれども、そういうことに活用もできますし。とにかくこのことは国の基盤だということを、大臣、しっかりと御認識をいただきたいと思いますし、さらに、その基盤をつくるためには地籍調査が欠かせない、こういうことなんですね。 なぜ我が国は、世界の中でも最もおくれたと言っていいんでしょうかね、地籍調査後進国になったと思われますか。大臣の見解を伺います。
○前原国務大臣 委員の質問通告で、私も初めて、日本が地籍調査のまさに後進国であるということを知りましたし、京都市ではまだやっていないということは、本当に極めて残念なことだというふうに思っております。 世界史的な面で見ますと、ヨーロッパ大陸では、十九世紀前半にナポレオン一世が地籍調査を開始しているということで、ドイツ、オランダ等の周辺諸国でも調査が実施されて、もう既に国全体として完了しているということでございます。韓国では、日本統治下の一九一〇年から一九二四年において実施がなされているということでありますし、中国においても、一九八四年から九六年、二〇〇七年から二〇〇九年ということで、全国で二回にわたって大規模な調査を行っている、こういうことでございます。 おくれている理由というのは、やはり、きょうの根本的な議論にもなりますけれども、実施主体が基礎自治体である、その中において問題意識が希薄であったとか、あるいは、より従前から国がもっと積極的に関与して進めるというメニューが必要だったにもかかわらず、それがなかったということなども大きな要因ではないかと思っております。 そういった過去の反省を、今回の改正案では、先ほどから御答弁をしているように、新たな、国がより関与をする仕組みであるとか、後で委員からあるいはあると思いますが、官民境界の問題とか、それからあとは、新たな、法人が一括して受託することができるとか、さまざまな観点でスピードアップを図っていかなきゃいけない、このように思っております。
○田中(和)委員 大臣も勉強をしていただいて、今御答弁をいただいたわけですが、十分御認識をいただいたことだと思います。 本当に恥ずかしいことなんですよ。e—JapanもIT社会もやってこないんです、このままでは。ましてや、世界測地系の時代になって、以前のものは全部、修正、補正をしないと完璧なものにならないんですよ。その議論をやっていると法務省も呼ばなきゃいけませんし、また時間がかかりますから、時間があればということにしましょう。 皆さんのところに資料もお配りしましたけれども、進捗率は今年度末で四九%。問題は、利用頻度が一番多い都市部、都市部がひどい状況なんですよ。東京二十三区あるいは政令指定都市の資料をお渡ししましたけれども、一〇%以下が十二都市ございますよね。東京二十三区が四%ですか、さっきお話ありましたように、京都、大阪は〇%。 こういう状況になっているというのは、今大臣答弁されたんですけれども、ちょっと異様に思いませんか。もう一度御答弁願います。
○前原国務大臣 いろいろな要因があったとは思いますけれども、これはやはり行政として責任を感じなければいけない状況である、このように認識をしております。
○田中(和)委員 市町村の申請によって地籍調査は法定事業として行われるんですね。市町村と都道府県がそれぞれ二五%、残りの五〇%が国が負担をする、こういうことになっています。 そこでお伺いしますけれども、市町村がリクエストしない限り事業化できないんです。また、都道府県の予算が足りなければ国に申請することができないんです。本当に国の準備した地籍調査の関係予算が毎年きちんと計画どおり執行されたかどうか。不完全燃焼で予算が余った年があるんじゃないかと私は思っているんですよ。実際には全然進んでいないんですよ、遅々として。しかし、国の予算は残っちゃった。こういうミスマッチが起こっているんじゃないかと思いますが、どうですか。
○馬淵副大臣 お答えさせていただきます。 専門家である委員でございますのでよく御存じだと思いますが、この地籍調査につきましては、十カ年計画の中で当初予算額を立て、そしてその執行に対して補正減額あるいは不用となった年はいかがだったかということになれば、過去十年間においても、すべての年において補正減額並びに不用が出ております。平成二十一年度におきましては、当初予算百二十億に対して執行額百十二億ということで、八億五千万の減額及び不用という形になっております。 御指摘のとおり、予算を積みながらも、その市町村、こうした自治体のインセンティブが十分に働かない状況で不用となってしまっている、進捗が進まないにもかかわらずこういった状況になっているということにつきましては、行政としても大きな責任を感じている次第でございます。
○田中(和)委員 この部分、実は非常に重大なことなんですね。おくれているにもかかわらず国の予算は余っちゃったと。 私ども神奈川県を例にとっても、実は神奈川県は、大変人口を擁する大きな県でございますが、やはり、進んでいるところもありますけれども、おくれているところが多いんですね。ところが、神奈川県の予算が非常に限られているものですから、市町村が一斉に手を挙げても県が受け切れないし、また、市町村も次から次に市民要望の強い政策が必要なものですから、今、後回しになっちゃっているんですよ。 これほど重要なことが、説明すればだれもがわかり過ぎるほどわかる話が、実は、現場に行けば行くほどできないんですね。これをどういうふうに解決したらいいと思われますか。
○前原国務大臣 この法改正、御審議いただいている中身におきましては、三点において、より国が関与をして、あるいは他の方策を用いて地籍調査を進めるということを御審議いただいております。 平成二十二年度から、地籍調査の前提となる官民の境界情報整備に必要な基礎的な情報を国が整備する都市部官民境界基本調査を創設いたしまして、市町村の作業の一部を国が実施することでまずは負担の軽減を図るということが一つ。 それから二つ目には、都市部においてはさまざま民間開発等が行われておりますが、それに伴う測量成果を地籍調査の成果と同等のものとして地籍整備に活用するための補助制度を設けました。これは、地籍整備推進調査というものでありますけれども、こういうものを創設したということ。 あとは、この国土調査の実施を委託できる範囲を、国土調査を適正かつ確実に実施することができる民間法人にも拡大するということで、今委員から御指摘のあった、なぜおくれているのか、それは、市町村、都道府県も後回しにしたり、あるいは予算の制約というものがあるからおくれているんだ、こういうものを我々も勘案して、新たにこの三点において改善策をお示ししているところでございます。
○田中(和)委員 もう一点お尋ねをいたします。 だれもが、土地の売買だとか建築許可の確認とか、生活上あるいは経済活動上、道路や河川等々の公共物の民間の所有地との境界確定が不可欠なわけですよね、これは言う必要もないんですが。地籍調査が終わっているところは簡単に公図や証明書が入手できますけれども、地籍調査が終わっていない土地については、みずからが道路や河川等の公共物を管理している役所に申請をし、費用もすべて自分で負担をしなきゃならない、そして相当な時間を要する、関係者の立ち会いのもと官民の境界を確定する、こういうことになるわけです。 国民間にこれほどの不公平が許されていいと、いいはずはないんですが、大臣はどう思われますか。
○前原国務大臣 そのようなことはあってはいけない、不公平があってはいけないというふうに思っております。 今、四九%が終わっているということで、あと五一%やっていかなくてはいけないわけですが、それを総花的にやるのではなくて、今委員が御指摘のあったように、やはり土地取引とか土地利用が活発な地域で優先的に地籍調査を推進していかなきゃいけない、こういう思いを持っておりまして、そういっためり張りをとった中で、しっかりと地籍調査を、優先順位、重点地区というものを設けてやっていくということにしていきたいと考えております。
○田中(和)委員 実は、今やった成果が、四九%に間もなくなるんですが、これは面の面なんですね。筆数に対しての数字じゃないんですよ、今大臣がお答えになったとおり。ニーズに合わせた数字じゃないんですね。ここが非常に重要なところなんです。 お手元にお配りした下の図面を見ていただきたいんですね。グラフが入っています。国民が利用することができる公図が、現在六百七十四万八千枚、登記所に備えつけてあります。そのうち、登記所備えつけ地図が三百九十万三千枚ですね。これは比較的、比較的というのは意味がまたあるんですが、精度の高い方の公図と言えるんです。明確なものじゃないですよ。今の世界測地系に合わせたものじゃないけれども、まあまあというものですね。 しかし、これは別にして、大変な問題があるのは、地図に準ずる図面の二百八十四万五千枚でございまして、そのうちの二百三万枚は、旧土地台帳附属地図、すなわち、明治六年に地租税、これは現在の固定資産税でございますけれども、これを徴収するために地租改正条例が発布されて、約二十年間で当時の明治政府が取り急ぎつくった図面なんですね。これを今公図として利用しているんですよ。まさしく失笑の話なんですね。現実なんです、これが。 また、その中で、その他の図面となっておりますけれども、これは災害やさきの大戦の復旧のためににわか仕立てでつくった古い図面でございまして、八十一万五千枚ございまして、これも公図として使っているんです。 この実態について、大臣、どう思われますか。
○前原国務大臣 委員がお示しをされました下の表でございますけれども、右側の黒塗りのところについてはかなり精度が高い。しかし、地図に準ずる図面、四二%というのは、必要な精度を有していない古い図面でありますし、そのうちの旧土地台帳附属地図、委員が御指摘されたように明治六年から二十年ということで、これはほとんどが不正確だということでございまして、こういうものがベースになっているということは極めて問題である、こういう認識を持っております。
○田中(和)委員 河川台帳を、ぜひ大臣、一回見てください。すごい量がありまして、どうやって見てその境界や何かを確認していいか本当にわからなくなるほどの、巨大なというのか、大変なものでございまして、今のデジタル化の時代にそういう現実があります。 これまで、五次、すなわち五十年にわたって計画を策定して、毎年、国土調査事業を実施してきたわけですけれども、先ほども、今年度末で四九%と。十カ年計画を毎回策定され、今回もこのように法案として上程されたわけでございますけれども、一〇〇%の達成はいつになるのか、お伺いいたします。
○馬淵副大臣 委員にお答えいたします。 大変、過去五十年にわたって行いながらも、なかなかに達成しない、この進捗率が遅いという状況については、先ほど申し上げたように、行政として深い責任を感じております。そのために、改めて、緊急性を要する地域、これらに対して、対象を絞り込んで調査を実施することが重要だというふうに考えております。 一〇〇%となりますと、私ども、過去五十年の歩みを決して否定するものではございませんが、緊急性を持って取り組んだとしても、今後さらなる時間がかかると考えております。おおむね、大変恐縮でございますが、絞り込んだ上でも、今後数十年という程度を目標に地籍整備を図るということを進めてまいりたいというふうに考えております。
○田中(和)委員 実は、私も予算を計算したことがあるんですけれども、国土交通省と見解が少し違ったんですけれども、いずれにしても膨大な費用ですよね。そして、先ほどから言っているように、面積のパーセントは出てくるんですけれども、筆数に関してのパーセントは全く出ていないわけですから、国土交通省も実態はほとんどつかんでいないということなんですよ。大変なことなんです、これは。 大臣から先ほどお答えにもあったように、いや、それはわかっているから先行していろいろな事業をやっているんだよという部分がありましたね。これをどうやって促進するかということで、国も一生懸命頑張っているんだと。これは、私どもも要望を繰り返してきておりますので、それは認めるわけでございます。 特に、平成十六年から三年間で、約三百億円使って都市再生街区基本調査、平成十九年から三年間で、土地活用促進調査百億円、また、基盤地図情報整備六十億円。そして、新年度の予算にも、都市部の官民境界基本調査が七億円、都市再生街づくり支援調査が四億円、基盤地図情報整備費が十八億七千万円を上程されておるわけでございます。結構な金額のように思うんですが、本当に前に進まない事業ですし、費用がかかろうとも避けて通れない、やらなければいけないんですよね。 こういう事業については少し大臣が触れられましたけれども、今後の国土交通省の、さらなる取り組みをして、先行してやれるものはやっておこう、国が責任を持ってやっていこうと。地方自治体のリクエストを待っているだけでは前に進まないわけでございますから、この点についてどういうふうにお考えか伺います。
○馬淵副大臣 委員から今御指摘いただきました、それぞれ、都市部官民境界の基本調査、また都市再生街づくり支援調査、さらには基盤地図情報整備費等々、使われてきた予算、計上されてきた予算について御説明いただきました。 これほどに取り組んでもなかなかに進まない状況、しかし一方で、私どもとしては、まさに御指摘のとおり、国家の礎となる、まず土地なり基本的なデータを整備することについては、当然ながら国が主導してまいらねばならないと考えております。自治体の発議だけでなく、私どもがよりインセンティブを高めるような施策を提示することによって推進をさせていただくという強い決意を持って取り組みをさせていただきたいというふうに思っております。
○田中(和)委員 これは政府全体で取り組まなければいけないだろうと思うし、政府全体の皆さんが同じ認識に立たないと、もっと大きな問題にならなければいけなかったんですよ、これは。ところが、国土交通省の水資源局だけでやっておられて、一生懸命現場は汗をかいてきたと思いますけれども、どうしようもないんですね。隔靴掻痒というのか、みずからの力だけではどうしようもない仕組みの中で今日までこういう状況になってきたわけですね。 このことについて、政府が、はっきり言うと国土交通省がどう責任を明確にしていくか。いつまでに何をやるかということを、筆数のパーセントも含めてやはり示していかなきゃいけないときだと思いますね。それをまずお伺いしたいと思っているんです。 もう一点、これはさっきもう答弁も少しあったんですが、改めて私はお話ししますけれども、今まで、百年河清を待つというか、こういう状態が続いているんですが、これはやはり、幾つか発想の転換をしてやっていくことに、次善の策というか方法があると思っているんですよ。それは、今でも、登記所の公図には官民の境界の確定をやった図面を使っていないんですよ。さっき言われるように、地籍調査の資料にはなっていく可能性があるんですけれども、実は、完全に登記所の図面としては使っていないんですね。古いところもそうなんですよ。 それから、民民の取引なんかするときに、測量するじゃないですか。ああいうものだって、結構立派な図面なんですよ。こういうものも実は、将来の地籍調査のための参考資料にはしているんですが、登記所の図面としては使っていないんですよ。これを本格的に、とりあえず次善のデータとして使っていくということができれば、明治時代の図面を使わなくても済む、こういうふうに私は思います。当然、明治時代や戦後や、以前の戦災の復旧に使ったにわか仕立ての図面よりもはるかにいい図面がいっぱいあるわけですから。 これを私は、政府として、法務省も関係するし、いろいろな関係があると思うんですけれども、調整をされて、前原大臣がリーダーシップをとって新しい仕組みをつくられたらどうかと思うんですけれども、どうですか。
○前原国務大臣 まず、今後十カ年において、いつまでにだれがということでありますけれども、これについては、後ほど馬淵副大臣から答弁をさせていただきたいと思います。 今委員からお話のありました、官民の境界の確定を完了した図面とか、あるいは民民、民間同士で境界を確定した図面というのは、確かに地籍調査よりは精度が落ちます。ただ、正確なものを時間がかかっていつまでもやれないということよりは、次善の策として、現行の公図よりは、明治の公図よりは精度の高い測量成果を活用できるのではないか、このように我々も思っております。これについて公図として使えるようにするか否かについては、登記所の御判断だというふうに思っております。 なお、地籍調査と同等以上の精度を有する測量結果については、国土調査法の規定によりまして、国土調査の成果と同一の効果があるものとして指定して、登記情報として活用することも可能であり、一層促進するため、今回新たな地籍整備推進調査を創設したところでございます。
○馬淵副大臣 今委員から御指摘がありました、だれが、何を、どのような責任を持ってやるのかということでございますが、現行の十カ年計画、これは国が一つの目標を掲げて進めているというところでございますが、今後、新たな次期の十カ年計画の策定に関しましては、全国単一の目標だけではなく、都市部そして地域区分別の計画目標、これを設定することも検討してまいりたいと考えております。 その意味で、今後、それの責任におきましては、国、都道府県並びに市町村等の枠組みの中で、それぞれが責任を持ち、そして、当然ながら全体としては、議員の御指摘のとおり、国、政府全体が取り組むべき課題であるということにおいての責任をしっかりと果たしてまいりたいというふうに考えております。
○田中(和)委員 今御答弁があったことはもうそれで結構なんですけれども、問題は、実際に成果が上がるかということなんですよ。上がっていないから、お互いにこういう議論があるわけですね。 さっきから言っているように、面積が幾らパーセントが上がっても、これは実は、筆数の少ない過疎の地域が終わったというとばんとパーセントは上がるんですが、実際に国民の裨益という面で考えれば全く進んでいないんですよ。これは、筆数でカウントしていくと、十カ年計画で進んだということは本当に微々たるものじゃないかと思うんですね。恐ろしい数字が出てくるんじゃないかと思うんです。だから、国土交通省は恐ろしいからその数字を持っていない、このように私は前にも怒ったことがあるんですけれども、これが現実なんですよ。 さて、いろいろな前に進める話をしなければいけないんですけれども、ネットワークを形成して、土地利用の基本をなす道路や水路、河川などの公共施設の官民境界の確定は、公共施設の管理の適正化、さっきお話がありましたように、大規模災害発生後の早期復興、地籍調査の促進に寄与することは当然でありますが、地理空間情報活用推進基本計画において官民境界の確定事業の推進が明記されたわけでございますね。官民境界の早期確定の必要性について、国交省はどのように考えておられるか、お伺いをいたします。
○前原国務大臣 地理空間情報活用推進基本計画におきましては、「官民境界に類する地点の調査は、適正な公物管理や地籍調査の促進に大きな効果があるため、着実に事業を推進する。」とされているところでございます。 土地の正確な境界情報は、重要な地理空間情報の一つであると認識をしております。このため、官民境界の確定につきましては、地理空間情報の積極的な整備、公共物の管理の効率化、高度化、そして地籍調査の効率的な実施に寄与するものと考えられることから、道路や河川等の事業や、都市部官民境界基本調査などを通じて、着実な推進を図っていくことが必要であると認識をしております。
○田中(和)委員 実は、これも極めて遅々として進まずの事態なんですよ。私どももいろいろと国土交通省とのやりとりをしてきた経過があるんですが、そのお答えは、各事業により事業実施の際に官民境界の確定を含めた電子化作業を鋭意進めているところとあったんですけれども、この意味は、簡単に言うと、従来どおり工事をやったところしかやらないという意味なんですよ。もう私がこれ以上言うこともないと思うんですが、工事をやったところしか官民の境界の確定をやっていないんですよ。 当然のことながら、地籍調査が終わっていない地域はほとんど進んでいない、こういうことなんですけれども、これを積極的に進めようという考えがないのかどうか。さっき言ったですよね、官民の境界ができていないところは本当に大変なことなんですから。自分が申請して、お金をかけて、本当に売買でお金が必要なときに、時間がかかるために契約が成立しなかったり、言えば切りがないほどいろいろなことがあるわけです。 この官民の境界の確定というものを国がもっと積極的にやっていこうという考えがないかどうか、お伺いします。
○前原国務大臣 おっしゃるように、例えば道路、河川などにかかわる官民境界につきましては、公共事業の用地買収時や、道路、河川等の隣接地所有者から官民境界確定の申請があった場合などに、道路、河川等の管理者が確定を行っているところでございますけれども、さらに今後は、道路、河川等の管理者の行うこれらの測量結果も活用しつつ、各部局連携して地籍調査の推進をしてまいりたい。つまりは、公物管理者としての国が責任を持ってやっていくということを今後はしっかりとやらせていただきたい、このように考えております。
○田中(和)委員 これも地籍調査の話と同じように、実は非常に関係が深いんですけれども、公物の管理は河川、道路が代表的なものであろうと思うんですけれども、これは当然のことながら、国の責任で、境目がどうなっているのか、洪水が発生したとか、やれ風水害がどうだとか、いろいろなことがあると思うんですけれども、あるいは民有地との接点があるわけですから、これがさっと示せなければしようがないんですよ、これは。それが、民間の皆さんから必要があったときに申請を受けてはかるわけですよ。費用は民間の方持ち。立ち会いがうまくいかなかったら時間は幾らでもかかってしまう。 これを先行しないと、これは地籍調査以上の重要な問題だ。地籍調査も、やるときにこれができていれば大変助かるわけですから。これはどうするかということをもうちょっと積極的にお答えにならないといけないし、外国との比較を調査してみましたか。どうですか。
○長安大臣政務官 まさに委員御指摘のとおりでございます。 しかしながら、今般、平成二十二年度の予算が一昨日可決されましたけれども、この中にも都市部の官民境界基本調査の創設ということを、概算の決定額で申し上げますと七億円設定させていただいたところでございます。これは厳しい財政状況の中で何とか捻出したわけであります。委員御指摘のとおり、この官民境界を地籍調査に先行してやっていかなければならないという認識を持っておるわけでございます。これからも鋭意進めてまいりたいと考えております。 また、各国との比較でございますけれども、官民境界につきましては具体的なデータを持っているというわけではございませんで、比較できる状況にないということを御理解いただければと思います。
○田中(和)委員 もうこれ以上この議論をしても仕方がない部分もあるんですけれども、実は官民境界の確定こそ、民間の皆さんに御協力をいただいてやっている部分もあるわけですよね、公的な方から見れば工事がなければやらないというんですから。もちろん、このものもきちっとした果実として、成果として整理していくわけですが、これだけでは実はどうしようもないんですね。 ですから、地籍調査は地籍調査、突合するときは来るわけですが、そうでない、きちっと官民境界の予算をとっていつまでにやろうということは、とりあえず国が管理する公物はいつまでにやり遂げる、それから、都道府県の管理する公物、市町村の管理する公物がほとんどなんですけれども、この部分については、自治体と相談をしながら、どういうふうな計画を立ててやっていくということを、別建てで計画を立てなかったらできるはずないんですよ。さっきの五十年の話だって、地籍調査ですらこの状況ですよ。公物の管理が、実はやってもやらなくてもいい話であるはずがないわけでして、国土交通省としてはこれは一番重要なことです。 さっき言ったように、河川台帳を一回見に行っていただくといいと思うんですが、すさまじい規模の古い紙の台帳があちこちにあって、見ようといったって、デジタル化しようといったってやりようがないです。本当にこれを新しい事業として取り組まれたらどうですか。ちゃんと法律にも、政府側の方針にも書いてあるわけでして、書いてあるだけではしようがないわけですよ。ぜひやっていただきたいと思いますね。
○長安大臣政務官 委員御指摘のとおり、官民境界の確定というものは、国だけではなくて、地方とも協力してやっていかなければなりません。戦後六十年がたって、長年、そういう意味では遅々として進んでこなかった。この政権交代を機会に、何とか前に向けて進められるような取り組みを検討してまいりたいと考えております。
○田中(和)委員 政務官も少しにこっと笑いながらお話がございましたけれども、大臣、これはちょっとやそっとの決意では前に進まないですよ。 これははっきり言うと、我々も政府の立場にいたときもあり、やってきたんですけれども、実はなかなか結果が出せなかったという反省もあり、こういう質問をきょうさせていただくことも少し心苦しいところもあるんです。これは本当にやれなかったら大変なことだということは私が言うまでもないんですが、国土交通省の新しい事業として、これほど重要なことを見て見ぬふりというわけにいかないんじゃないかと思うんですけれども、どうですか。
○前原国務大臣 これは委員も一番よくおわかりのように、気合いとか意気込みだけでできる話ではございません。 十年前の議論を見ておりますと、都市部においては、先ほど委員は、面積ではなくて筆数が問題だと。特に都市部についてはそうでございまして、十年前は一七%なんですね。それで、十年前の議論は、これを十年間で倍にします、三四%にします、こういうことで議論が行われていて、結果的に十年たって二一%、つまり四%しか上がっていない、こういうことでございます。そういう意味では、はいわかりました、頑張りますというようにお答えをするのはなかなか難しいテーマであるということは御理解をいただきたいと思います。 ただ、きょう何度も御答弁をしておりますように、新たな仕組みを入れてまいります。先ほどから委員がおっしゃっている都市部の官民境界基本調査についても、新たに予算をつけてやっていくということで、七億円というのは規模が小さいのではないか、こういう御指摘もあるかもしれません。 しかし、今まで予算をつけてきて、いわゆる減額補正、余ってきたということを考えれば、十カ年計画をお決めいただいて、着実に、まずこの一年は、新たな取り組みというものや、あるいは民間委託も含めてしっかりとやらせていただく中で、その次にどういう予算をつけていくかということも、今委員がおっしゃったことも踏まえて我々はしっかり検討していかなくてはいけない。 重要性については、御指摘のように、極めて重要な問題だというのは認識しておりますので、まずは、この十カ年計画の中で、この一年の予算というものをいただきましたので、これをしっかりやっていく中で、そしてまた、次の年にもさらに着実に進めるように取り組みをさせていただきたい、このようにお答えをさせていただきたいと思います。
○田中(和)委員 政府にいつまでも大臣、副大臣、政務官として皆さんがいらっしゃるというわけでもないのでございますけれども、それが非常に継続性を失わせているというのか、一方においては、うまく、役人任せで、これほど重要なことがクローズアップされてこなかったということにもなるわけなんですよ。皆さん、政治主導と言っておられるわけですから、これは本当にひとつ形をつくってもらいたいと思います。 私の川崎市も九%ですから自慢できないんですけれども、大臣のところは〇%ですから。穀田先生もそうだね。 それで、官民確定のこの部分については、はっきり言うと、京都だけの話じゃありませんけれども、全部民間の人がお金を出して、手間暇かけて大変な思いをしながらやらなきゃいけないんですよ。地籍調査が終わっていないところの悲哀というのか、差別化というのか、国民の不公平感というのか、これは重要なことなんですね。これを私は何度も繰り返してお話ししているんですけれども、ぜひ形として示していただきたいと思っているんですね。 私が提案しますから、これもぜひひとつ参考にしていただきたいと思うんですが、国土交通省も大きな役所で、さっき話があったように、でかい予算を持っているんですよ。いろいろと知恵を絞って、道路に関する官民の確定は道路局の予算で、それから河川の官民の境界の確定は河川局の予算で、きょうは農水省は見えていないんですけれども、農道などは農水省、もろもろと所管官庁があると思いますから、政府全体で取り組む。また、国土交通省内でも、今までの方法ではなくて、もうちょっとやはり真剣な取り組みをしていく、河川局や道路局にも汗をかいてもらう、こういう発想の転換が必要だと思いますけれども、大臣、お答えください。
○前原国務大臣 私も、この法案の中身を初めて知りましたときに愕然としたわけです。そして、新たな十年間の計画を国会に御提示して、委員の皆さんそして国会で御議論いただくというときに、どういうやり方がいいのかということも私なりに考えました。そして、委員が先ほど御指摘をされたように、我々政務三役もいつまでも国土交通省にいるとは思えません。しかし、十年間責任を、この法案を出した以上は、やはりどういう計画でやっていくかということは考えていかなくてはいけません。 したがって、委員の御提案も少し考えさせていただいて、まず一年でどれだけやるかということ、そしてチェックをする仕組みですね。つまりは、だれが、局長だってまたずっと局長をやっているわけではないですし、この土地・水資源局にずっといるわけでもないわけですので、その十カ年をフォローアップするような何らかのシステムを少し我々も考えさせていただいて、そして、先ほど御提起をいただいた官民の境界のあり方について、道路、河川というのが大きなポイントでありますので、少し検討させていただきたい。 問題意識は同じでございますし、これは対立する話でもありません。しっかりと取り組ませていただきたいと思いますので、今の御提案も受けて、内部で少し検討させていただきたい、このように思います。
○田中(和)委員 私も国土交通省の政務官当時にいろいろとやってみたときに、水資源局の予算ですべてやっていく、事業でやっていくというのは無理がある、はっきり言うと。政府全体の取り組みをしない限り、地籍調査もそうですけれども、この官民境界の確定も前に進まないんですよ。 そして、さっきから言っているように、都市部ほど重要なんですよ。都市河川の問題とか都市道路の問題なんというのは、これほど行政上大きな問題として常に議論されているにもかかわらず、全くここができていないということは、大変なことなんですね、これは。 今、前向きな答弁と受けとめますけれども、ぜひひとつ頑張っていただきたいと思っています。 もう一点、私は、この法律の提案の中に含まれていますが、アウトソーシング、民間の力を活用して推進していくこと、スピードを上げる、あるいは少し費用も安く済ませる、こういうようなことが非常に重要だと思うんですね。 こういう民間の視点をぜひ積極的に取り入れていただきたいと思いますが、特に、測量の業界もあれば土地家屋調査士の業界もあり、立派な資格を持っていらっしゃる先生たちが全国にたくさんおられるわけです。何もかにも役所でやらなくたって、できるわけですよ。この点についてどうお考えなのか。また、業者の選定だとか、積極的な取り組みをどうするのか、お考えをお伺いします。
○馬淵副大臣 先ほど来、各委員からの御指摘、御質問もございました。まさに委員がおっしゃるとおり、民間の力をかりていく、これは必要だと考えております。 今回、改正におきまして、調査実施主体である地方公共団体の負担軽減を図るという観点から、国土調査の実施の委託として、各工程を一括して、国土調査を適正かつ確実に実施することができる民間法人に委託することを可能としております。 そして、この民間法人、いかなる法人かということでは、これも先ほど来のるるの質疑の中にもございました。これについては、我々は、国土交通省令で定める要件としては、特定の法人を定めるということではなく、先ほど来お話がございました土地家屋調査士あるいは測量士等々、こうした方々の中で、その技量を持つ方々に、これは営利、非営利、問わずでございます、こうした方々にぜひ力をかりるという形で要件を定めていきたいというふうに考えております。
○田中(和)委員 もう終わりの時間が参りましたので、今回はこの程度にさせていただきたいと思いますけれども、私が申し上げたことは、本当に我が国の基本的な施策として極めて重要な部分です。 そして、最後でございますから、一言だけつけておきますけれども、ある程度正しいと言われる公図も、実は、測量法の改正前の図面がほとんどなんですよ。法務省は法務省で努力はしていると思うんですけれども、完全な世界測地系、デジタル化された時代の図面ではないんですよね。これを全部測量し直すなんということはでき得ないんですけれども、この面も実は重要なことなんですね。 いろいろと大きな問題を抱えていることなのでございますけれども、私も汗をかきます、これは政党政派ではなくて国のために、ぜひひとつ頑張っていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げ、終わります。
○川内委員長 田中和徳君の質疑を終了いたします。 次に、竹内譲君。
○竹内委員 公明党の竹内譲でございます。 田中先生からも大変重要な御指摘をたくさんいただいたところでございます。後ほどまた資料等を使いながらお話も進めたいと思うんですが、私も、この法案は国家の基礎、基本にかかわる非常に重要な法律であるというふうに思っておるんですが、先ほどのお話にありましたように、東京二十三区とか政令市とか、特に京都市、大阪市は〇%という非常に驚くべき数字が出ておりまして、そういうところは、しかし、地籍調査は余り進んでいなくても何とかうまくやっているという思いを持っておられるのかもしれないんですよね。 そうすると、根本的な問題になるんですが、本当に必要な法律なのかどうかということについて、どのように国土交通省としては考えているか。実態と、それから、しかし本質と見比べた上で、その必要性をどのように感じているか、まず大臣にお伺いします。
○前原国務大臣 竹内委員にお答えをいたします。 国土調査は、国土の開発及び保全並びにその利用の高度化に資するとともに、あわせて地籍の明確化を図るために、国土の実態を科学的、総合的に調査するものでございます。 そのうち、一筆ごとの土地の所有者、境界等に関する地籍調査については、その成果により登記情報が正確なものに改められることから、土地取引の円滑化や土地資産の保全、災害復旧の迅速化、まちづくりの円滑な推進など、多岐にわたる効果を有しているものと認識をしております。 また、地形や土壌等に関する土地分類調査、陸水の流量、水質等に関する水調査の成果は、地方公共団体における総合振興計画や地域防災計画の策定、自然災害の危険性評価、各種事業を行う際の環境影響評価、アセスメント等の基礎資料としても極めて重要であると考えております。 このように、国土調査の成果はさまざまに活用されておりますので、その必要性は高く、そして、そのバックグラウンドになっているこの法律は極めて重要な法律だと考えておりまして、御審議を賜りながら、これをさらに実りあるものにしていくということで御尽力をいただければありがたいと考えております。
○竹内委員 本当に必要だという御認識を示されましたので、そうであるならば、これはもう徹底してやるしかないというふうに思うわけでございます。 そこで、昭和二十六年の国土調査法制定以後、国土調査が実施され、また、昭和三十七年の国土調査促進特別措置法制定以降は、十カ年計画に基づいて国土調査事業が行われてきたわけでございますが、同事業に要した累計の事業費は総額でどの程度なのか、そして、特に地籍調査については累計としては幾らなのか、まずこの点をお答えください。
○原田政府参考人 お答え申し上げます。 昭和二十六年度から平成二十一年度までの国土調査に関する、これは事業費ベースではなくて国費ベースでございますが、国の予算額は総額で約四千四百四十三億円となっております。そのうち地籍調査関係の予算額、これも国費ベースでございますが、約四千三百四十四億円ということになっております。
○竹内委員 四千億以上の大変な国費をかけてきたということでございます。 これは先ほどと重なる質問になりますが、大体いつまでにこの国土調査事業を終えるのか、やるのか、事業完了目標年次を示すつもりはないかということを次にお伺いしたいと思います。
○原田政府参考人 お答え申し上げます。 約五十年で約五〇%弱ということでございますので、これがこのままのペースでいくと非常に暗たんたる気分になるわけですけれども、先ほど来大臣あるいは副大臣から御答弁申し上げておりますように、これからは、総花的にできるところをやるということではなくて、土地の取引だとか土地利用とかが盛んな、相対的に言うと緊急度が高いあるいは優先度が高い地域を絞り込んで、そういったところにめり張りをつけて地籍調査を進めていきたいというふうに思っております。
○竹内委員 ここはしっかりやるしかないんですが、そこで、私、きょうはお手元に資料を、二枚物をお配りしていると思いますが、そこに進捗率の全国一覧表が書いてございまして、各委員の先生方も地元の県のを見ていただければありがたいと思うんです。 特に、北海道や東北地方は進んでいる、青森は九二%、岩手九〇%、宮城八七%。それから、九州の方も、佐賀県九六%とか福岡県七四%、沖縄九九%等、非常に進んでいる県もある。一方で、右の方の二十年末ですが、大都市部、先ほどから御指摘がありました、千葉、東京、神奈川等ですね。それから、北陸も意外に低くて、石川県一三%、福井一三%。それから、愛知一二%、三重八%、京都七、大阪六、奈良一一ということで、やはり大都市圏が低いということでございます。 先ほどから話題になっております私どもの、大臣も含めた地元の京都は、左の方でございますが、十年前が六%で、十年たって七%で、一%しか進んでいない。では、この割合でいくと千年たったら何とかできるのか、こういう計算になるんですよ。ところが、肝心かなめの政令市の京都市が〇%ですから、千年たってもこれはできない、こういうことになってしまって、全然話にならぬわけですね。つまり、全然やっていないということであるわけであります。馬淵副大臣の地元の奈良も一一%ということで、こんな惨たんたる結果でございます。 この大東京も、十年前一七だったのが今一九というようなこと、神奈川も一一が一二と。しかし、神奈川の場合立派だと思うのは、横浜市は三八%、進んでいるわけでございまして、ここは意外な数字が出ております。 一方で、どこも全然だめかというとそんなことはないんですよね。例えば、和歌山県でいきますと、十年前は八%だったのが十年後は二四%までふえているわけでございます。一六%も伸ばされている。それから、島根県も三三だったのが四四で一一%伸ばされている。そのほかに、山口県も四八が五八で一〇%伸ばされている。高知県も三三%だったのが四四%で一一%伸ばされている。熊本県も、五五と割とよかったんですが、さらに一六%伸ばされて、今七一までいっている。宮崎県も四七であったのが五八ということで、一一%伸ばされている。こんなことで、一生懸命やっておるところもあるわけであります。 そういう意味でいいますと、本当に今後これをしっかり進めていかなければならないと思うわけでございますが、特に、先ほどからの繰り返しになりますけれども、おくれている地域の根本的な理由というのを改めて何であるとお考えになられますか、そのことをお伺いしたいと思います。
○原田政府参考人 お答え申し上げます。 今御指摘ありましたように、全国で休止も含めますと約三割の市町村でまだ調査が始まっていないということでございますし、三大都市圏では六割近くの市町村で必要な調査が行われていないという状況でございます。 これについては、二つの側面があると思いますけれども、まず、土地所有者において地籍調査の必要性に対する認識が必ずしも十分でないということがあると思います。 例えば、我々は千人を対象に平成二十年度に土地所有者の方にアンケート調査を実施いたしました。その結果を見ますと、土地の境界が明確でないと不安に思うという人がほとんどなわけですけれども、一方で、自分の土地は境界が明らかになっていますかとお聞きすると、明らかになっているという方が九割もおられる。その一方で、登記所にある情報が不正確だとか、あるいは地籍調査が実施をされているかどうか知らないという方がたくさんの数を占めているということで、自分の土地に対して地籍調査が行われていないとある種リスクがある、そういったことについての認識が十分でないということが一点あろうかと思います。 それから、行政側の事情として、昨今の行政需要の多様化でありますとか財政事情の悪化によりまして、なかなか、地籍調査の着手にためらっているというような市町村も幾つかあるのではないかというふうに思っております。
○竹内委員 これからの進め方の一つの角度として、地方自治体に対する支援措置の強化ということもちょっと検討しておかなければいけないと思うわけでございます。今、国二分の一、都道府県四分の一、市町村四分の一、こういうことでございますが、これを強化するおつもりはあるのかないのか、この辺はいかがでしょうか。
○原田政府参考人 お答え申し上げます。 地籍調査につきましては、国と地方が双方メリットを受けるということで、国と地方が折半で負担をする、地方の中で都道府県と市町村が半々ということになっておりますけれども、こういった地籍調査の双方メリットを受けるという性格からして、今の国と地方の負担割合を変えるというのは現実の問題として、率直に申し上げれば難しいのではないかというふうに思っております。 そういったことを前提にした上で、できるだけ市町村の負担をいろいろな面で軽くしようということで、先ほど来いろいろお話し申し上げておりますけれども、都市部官民境界調査でありますとか等々、いろいろな工夫を今回させていただいているということでございます。
○竹内委員 いろいろな情報を集めますと、特別交付金ですか、等で負担をしているというような話もあるんですが、この辺の事実関係はいかがでしょうか。
○原田政府参考人 失礼いたしました。 都道府県、市町村の負担分につきましては、特別交付税で別途措置がされておりまして、実質的な持ち出しは全体の五%という仕組みになっております。
○竹内委員 ということは、実質的には、九〇%は国が持っているということです。そうすると、かなり国がやってくれているんですから、これはやはり地方自治体の問題も大きいと言わざるを得ないかもしれない。ただ、市町村に聞いてみますと、事業費を算出する場合の国の基準と市町村の基準がちょっと違うんじゃないかという意見がありまして、その辺持ち出しているところもあるというような話もあるんです。この辺につきましてはいかがですか。
○原田政府参考人 お答え申し上げます。 市町村の持ち出しという議論の中で、幾つかの議論があると思います。二つの議論があると思いますが、一つは、これは実際そうであるわけですけれども、人件費が対象になっていないということがございます。これをおっしゃっている公共団体の方も幾つかおられます。 もう一つは、我々が負担金について算定要領を定めておりまして、その算定要領に基づいて負担金の額の申請をしていただくわけですが、それで出した負担金の額と実際の市町村においてかかった経費を比べてみると、かかった経費の方が多くなるケースがある、それが持ち出しだということを指摘される場合がございます。 実は、これについては、こちらの説明不足もあるのかもしれませんが、多少の誤解がございまして、算定要領そのものはあくまでも目安でございまして、個々、ケース・バイ・ケースで、御相談に乗りながら対応させていただいているということでございますので、もしそういうケースがあるのであれば、またこちらに個別に御相談いただければ我々の方で適切に対応していきたいというふうに思っております。
○竹内委員 結構重要な発言でしたね。それは、今後相談がふえるかもわかりませんね。それと同時に、必要性があれば、うまく市町村も納得いくような算定の基準の見直しというか、あるいはお互いに納得がいくようにやっていただきたいというふうに思います。 それから、十年前の平成十二年度のときの附帯決議、国会で附帯決議をつけておるわけでございます。何点かそのときも、都市部における地籍調査事業の積極的推進であるとか、地方公共団体の実施体制の拡充であるとか、民間の専門技術者の活用であるとか、立ち会い手続の弾力化等、附帯決議がされているんですが、それに対してどのような対策を講じてきたのか、お答え願えますか。
○原田政府参考人 お答えを申し上げます。 当時の附帯決議、五点にわたって附帯決議をいただいておるかと思いますけれども、それぞれごとに対応状況の主なものをお答え申し上げたいと思います。 まず第一点。都市部において地籍調査事業の積極的な推進という御指摘をいただいておりますが、これにつきましては、平成十六年から都市再生街区基本調査というのを創設いたしまして、この調査におきまして、高密度な基準点を都市部で二十万点設置しております。さらに、都市部で公図と現況のずれをすべて把握しております。そういった意味で、まだ目に見えて都市部で地籍調査が進んだということにはなっておらないわけですが、都市部で地籍調査を進めるための基礎的な環境整備はこの十年でそれなりに進んだのかなというふうに思っております。 それから二番目でございますが、地方公共団体における国土調査の実施体制、これにつきましては、地籍調査は一筆地調査と測量の部分がございますが、測量の部分は従来外注を認めておりましたけれども、一筆地調査につきましては外注を認めておりませんでした。これにつきまして、都市部について十二年度から一筆地調査を認める。その後順次拡大をして、今は全国的に一筆地調査を認めるということで、実際にも、測量士さんであるとか土地家屋調査士さんに御活躍をいただいているというふうに思っております。 それから三点目でございますが、一筆地調査を民間の専門技術者の方がやられる場合の指導の問題でございますが、これにつきましては、実施マニュアルをつくるでありますとか、研修会を実施する等々において、市町村の方においてきちっと、外注の場合においても責任を持って対応できるようにということで対応しております。 それから四点目でございますが、一筆地調査における立ち会い手続の弾力化の関係、これにつきましては、一筆地調査における境界は現地における立ち会いが原則でございますが、なかなか立ち会えない、遠くにいて立ち会えないというケースがございますので、こういったケースにつきましては、例外的に、筆界案というものをつくってそれを郵送して、それについてのお返事をいただくというふうな仕組みを簡略的な手続として導入をしております。 最後、五点目でございますが、広報の問題でございます。これも幾つかやっておりますが、主なものを申し上げますと、平成十五年から地籍調査着手推進事業というのを創設いたしまして、従来、どちらかというと国が中心で広報もやっておったわけですけれども、都道府県に委託をして、都道府県ではそれぞれ地域に応じて広報活動ができるようにということで、これも幾つかの都道府県でお使いをいただいているというふうに思っております。 以上でございます。
○竹内委員 次にお尋ねしたいことは、今後新たに策定される第六次十カ年計画の計画の内容はどのようなことを想定しておるか。これまでの定量的な目標ではなくて、例えば、平成十五年の社会資本整備重点計画とか平成十八年の住生活基本計画と同様に、国民にとってわかりやすい事業実施効果をあらわすアウトカム指標、成果指標とすべきではないかと思うんですね。例えば、十年後に境界が明確となる地域の割合を示すとか、そういう具体性が必要だというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○原田政府参考人 お答え申し上げます。 現在、十カ年計画につきましては事業量で明示をしておりますけれども、今後、今度の十カ年計画をどうするか。これは恐らく、今までのスケジュールのとおりであるとすれば、五月ごろ閣議決定ということになろうかと思います。 今、いろいろやり方を検討しておりますけれども、我々としても、国土調査事業の実施の効果を国民にわかりやすい形で御提示するということは大切であると思っておりますので、これから具体にそういった方向で検討していきたいというふうに考えております。
○竹内委員 計画策定段階から、やはり過去の経緯とかそれから現場の実情を知っている方々にできる限り御意見を聞く、入っていただくことも大事だと思うんですね。先ほど申し上げた地方自治体の進んでいるところの方々とか、あるいは専門家である土地家屋調査士の方々とか測量士の方々とか、現場でいろいろなトラブル等も含めてよく知っておられる方々の御意見を聞くことも大事だと思いますが、この点はいかがでしょうか。
○原田政府参考人 お答え申し上げます。 十カ年計画を策定するに当たりましてのまず法律上の手続を申し上げますと、最後は閣議決定でございますけれども、その過程において、私どもの方に国土審議会というのがございまして、そこの国土審議会にいろいろな先生が入っておられますが、そこに諮るということが一つ。それから、国の十カ年計画をつくりますと、それを受けて都道府県がそれぞれまた十カ年計画をおつくりになりますので、したがって、都道府県の意見もお聞きをするということが第二点でございます。それからもう一つは、もちろん関係行政機関、法務省等々を含めてお聞きするということがございます。 以上が法律で求められている手続でございますが、先ほどの土地家屋調査士さん、測量士さんの専門家の意見ということでございますが、実は我々、今回の法律を出すに当たりまして、昨年三月から八月にかけて国土審議会の土地政策分科会企画部会のもとに国土調査のあり方に関する検討小委員会というのを設けて、期限が切れた後の法律をどうするか、あるいはその法律が成立した後の次期十カ年計画についてどう考えるかということについて、いろいろ御検討いただいております。 実は、この小委員会の中に、土地家屋調査士さんと測量士さん、それぞれ学識経験者ということでお入りをいただいておりまして、その中で、既に十カ年計画についてもいろいろ御意見をいただき、提言でまとめていただいているということでございますので、また今後ともいろいろな機会をとらえて、さまざまな方の意見を聞いてまいりたいというふうに思っております。
○竹内委員 それで、今後どうやってやるかということで、計画期間が十年間という理由は何か、ちょっと長いんじゃないか。ほかの社会資本整備重点計画などは五年なんですけれども、仮に十年とするとしても、社会経済状況の変化に対応するためにやはり五年ぐらいで一回見直しをかけるとか、また進捗管理のために計画途中段階の目標数値を設定するとか、毎年進捗状況について国会に報告するとか、それから、もっと言えば、都道府県、それから政令市、東京二十三区も含めて大都市ですね、これは目標をつくってもらう。そのぐらいの強力な指導力を発揮しないとこれは絶対進まないと思うんですけれども、この点につきまして大臣の決意はいかがですか。
○前原国務大臣 竹内委員にお答えをいたします。 先ほど田中委員にもお答えをいたしましたけれども、この法律をどう実行していくかということについては少しまた省内で検討をして、着実に実が上がるようにしていかなくてはいけない、そういう思いは持っております。 他方、地籍調査の実施状況を見ますと、実施地区一地区当たりで、現地説明会などの準備から調査完了までが大体三年から四年を要している。また、一市町村全域について見ても、事業着手から全域の調査完了まで数十年を要しているということからいたしますと、やはり市町村等にとって五年では長期展望に基づく事業実施が困難であり、十年程度の計画期間とすることが適当ではないかと考えております。 ただ、委員御指摘のことは大変重要でございまして、やはり五年ぐらいで見直しをするということは大事でございますので、第四次計画からそういった記述がございますけれども、次期十カ年計画においても、今委員御指摘の中間年に見直すということについては記述をさせていただきたいと考えております。
○竹内委員 ぜひよろしくお願いします。前回のときは、中間年で見直しを検討すると書いていまして、結局見直しをしなかったということがありますので。 最後に、委託される法人の要件についてでございますが、今後省令等で定める国土調査の実施の委託先の要件として、どのような内容を想定されておられるのか。独立行政法人であるとか財団法人、社団法人、NPOその他民間法人等は対象となるのかどうか。そして、先ほどから私も繰り返し申し上げておりますが、やはりこれは、現場では権利関係のさまざまなふくそうがありますので、その辺の、土地の境界や地図、登記制度について高い専門的知見を有し、また豊富な経験を持たれる専門家の方々、例えば土地家屋調査士会の方々であるとかあるいは測量士会の方々とか、そういう方々の専門家の力も活用することが重要だと思いますが、いかがでございましょうか。
○前原国務大臣 委員御指摘のとおり、この委託先というものについては、専門性を持った方々にお手伝いをいただくということが大変重要だというふうに思っております。 現状におきましても、地籍調査の実施に当たりましては、地籍測量や一筆地調査の外注が行われており、高度な測量技術を有している測量士の方々や、境界確認作業等の専門家である土地家屋調査士といった民間の専門技術者に御活躍をいただいているところでございます。 今回の法改正によりまして、これまで認められていた土地改良区等に加え、新たに、一定の要件を満たす民間法人についても、調査、測量を行い、成果を作成するまでを一括して受託できるよう措置をしたところでございまして、この制度を通じて、測量士や土地家屋調査士といった方々にもこれまで以上に御活躍いただけると思っております。 なお、委員が御指摘をされた天下りの問題について申し上げれば、天下りを受け入れている団体には委託されるようなことがあってはいけない、こういうふうに思っております。現在では、我々調査をいたしますと、天下り役員を受け入れている社団法人というのは二つあるのではないかと思っていまして、これは日本国土調査測量協会、全国国土調査協会、こういったところがありますけれども、こういったところは、先ほど申し上げた点からすると除外をされるべきである。もし受けるのであれば、天下りをなくして受け入れられるような状況を整えてから手を挙げるということにしていきたい、このように考えております。
○竹内委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○川内委員長 竹内譲君の質疑を終了いたしました。 次に、穀田恵二君。
○穀田委員 国民の基本的権利関係や災害からの安全に配慮した土地、国土利用など、国土調査の持つ意義は大きいと考えます。特におくれている大都市部での調査を促進するためにも、実現可能な目標とすること、計画を適宜見直していくこと、国の負担による事業を拡大するだけでなく市町村などの負担軽減を図ることは不可欠であり、その実施体制を確保することが重要です。過去五次にわたる十カ年計画の実績がいずれも目標の五割前後にとどまっており、一層の促進を図る必要がある。以上の立場から、私ども、法案には賛成したいと考えています。 そこで、先ほどいろいろな話がありましたので、私は端的にお答えいただきたいと思うんですけれども、京都の例が随分問題になりました。私も京都に住んでいます。この十年間〇%だと。それで、未着手だということは、過去五次にわたってやっていないわけですよね。これは、現時点では、昨日私が当局から聞いたところでは、大阪も埼玉もゼロだ、未着手だ、先ほどありましたように、未着手は二百八十三自治体があると。私は、述べているように権利関係が複雑だとかなんとかという話じゃない、何か特殊な問題がやはり存在すると思うんですね。 ですから、京都が〇%だったというその原因は何か、そういう探求がなければ、何か先ほど来京都の例ばかり出されているわけだけれども、なぜそういう〇%のところがあるのか、五十年もかけて着手していないというのはそれだけの理屈なのか、特殊な例があるのか、そこを掘り下げなかったら、先ほどの大臣の三つばかり理由があるという話で聞いていると、それはどこだって同じなわけで、いわばその努力がどう傾けられて、何も座してやっていたわけじゃないと思うんですよね。その辺のお互いの認識の一致がないと問題点の掘り下げはできないんじゃないでしょうか。その点、いかがです。
○馬淵副大臣 お尋ねは京都ということでございましたが、大都市部ということで申しますれば、先ほど来御指摘がありましたように、権利のふくそう化というのは、実はでも、私は極めて重要な観点だと思っているんですね。 これについて、ではなぜ市町村等がふくそうした権利関係を整理するということに一歩を踏み出せないかといえば、そこはインセンティブの問題等もあるかと思います。もちろん、こうした権利関係を整理していく中で人的な対応が十分できないといったこともあるかもしれませんが、こうした個々の状況というものを勘案しながらも、一方で、我々政府としては、国全体の政策として提示をしていかねばならない、法律として提示をしていかねばならないというところでは、今般の改正の中で提示をさせていただいたように、インセンティブを付与する、あるいは民間法人の活用を促進させる等々、こうした形でできる限りの推進をさせていかねばならないと思っております。 ただ、穀田委員の御指摘のように、それぞれの市町村における個別の事由ということについては、我々も十分に承知をしていく努力を図らねばならないというふうには考えております。
○前原国務大臣 やはり未着手の自治体があるというのはゆゆしきことだと思っておりまして、話を聞いておりますと、問題意識を持っていない首長さんもおられるのではないかということでございますので、未着手の自治体については、新たな十カ年計画を国会でお認めいただきました暁には、しっかりとそれを取り組んでもらうように、しっかりと徹底をしてまいりたいと考えております。 なお、京都はやるというふうな内諾というか返事をいただいております。
○穀田委員 確かに、この間の議会でやる方向が出ていますよ。それは私も知っているんです。お互いに京都やさかいに、よう知っているわけですけれども。 ただ、インセンティブということでいうと、税金が入ってくるという、極めてそういう話が主でして、余り権利関係や災害や、また今の、戸籍がなきゃならぬというような、その意味での訴え方が響いているのかいなということを私は思うわけですね。 それで、現場ではどんなことを言っているかということを、私は、馬淵さんには悪いんだけれども、一般論では済まない問題があるんだと思うんですね。例えば、国土調査のあり方に関する検討小委員会報告書では、周知啓発として、実施主体である市町村に必要性を認識してもらうと。つまり、認識させ切れていないということなんだよね。そこがどこなのか、この五十年たってどうだったかという問題をつかまなければ、何か権利関係がふくそうしているとかいろいろ言ったってそれは同じことであって、どこだってそんなことはやるわけです。 私は、現場ではどんなことを聞いているかというと、京都みたいな古い町は、屋根がわらと屋根がわらが上下に重なっているような境界線が未確定の土地が山ほどある、現瞬間に起きている境界線争いを迅速に解決する仕組み、人材配置が必要ではないかという意見だとか、先ほども同僚議員からありましたように、調査にかかる人件費が出ない、持ち出し費用の負担が大きい、こういった声を聞きます。 ですから、我々は、こういったところの具体的な改善、つまり、まず現に境界線争いが起きているのを迅速に解決する仕組みを打ち出す、それから、人件費が出ないという経過や持ち出しが出るよということについての改善を図る決意はおありでしょうか。大臣、ここだけ、一言で。
○前原国務大臣 委員御指摘のとおり、市町村によっては個別の課題というものがあって、それが、単に首長さんの問題意識がないということではなくて、できない要因になっているということもあろうかと思っております。 今御指摘をいただいた点の後者については、先ほどからお話があるように、かなり国がカバーをしている面があると思います。そしてまた、今回の十カ年計画では、新たに国が関与する面もふやしたわけでありますし、そういう面では、今までの十年間の計画よりは改善をされているのではないかと思います。 前者については、どういう仕組みというものが考えられるのかどうなのかということを、少し具体的な事例を踏まえて我々も勉強させていただきたい、このように考えております。
○穀田委員 確認ですけれども、持ち出し費用の負担が大きいという問題については、先ほどありましたが、再検討し改善を図るということでよろしいですよね。 もう一点、私が思ったのは、皆さん都市部ばかり話をしているんだけれども、山村部のおくれも極めて重大だと思うんです。これは言っていないから、基本的観点だけ言ってくれればいいと思うんですが、山村部は非常に大きくて、大体十八万四千九十四キロ平米の中で七万六千九百五十七キロ平米、これは四二%しかできていないわけですね。だから、地籍調査未実施の膨大な地区というのは山林だということも認識しなければならないと思うんです。地権者の高齢化と、実際は地権者を捜すだけで山のことなんかほんまに大変になって一苦労になっている、あわせて、森林の荒廃も起きている。 ですから、この点の重要性についてだけ、一言、今後も力を入れるとか認識を持っているとかいう程度でもいいんですが、その辺だけ。
○前原国務大臣 別に都市部だけをやったらいいというわけではなくて、今おっしゃるような山林も大変重要だと思っております。 未実施の山林面積は約十万平方キロメートルとかなり膨大でございますし、また、林地の地籍調査の進捗率は平成二十一年度末見込みで四二%と、全国平均の四九%よりは低い状態であります。 そのため、山村部の地籍調査において、山林に必要とされる、制度に合うような新しい機器や手法を導入して測量を簡素化するとともに、調査が困難な地域での境界確認手続の弾力的運用を行うことによって、調査の迅速化や実施面積の拡大を図っていかなくてはいけないと思っております。 なお、今回、新たに山村境界基本調査の創設ということで予算も計上させていただいております。
○穀田委員 そこで、次に、先ほど小宮山議員からも提起があった、宮城県旧三本木町の問題についてお聞きします。 ことしの三月八日の河北新報の記事、「民有地が抹消、県道予定地と重複…ずさん調査次々」という記事が出ました、これなんですけれどもね。記事では、「旧宮城県三本木町(現大崎市)が一九九三〜九四年に実施した国土調査の不備が、次々と明るみに出た。実在する複数の民有地が土地登記簿から消し去られ、信用性は大きく揺らいでいる。誤って登記された土地は、時間の経過とともに訂正が難しくなる。」こう書いています。 これは、実施主体である地方自治体の国土調査がでたらめを行ったという問題であります。このような事態が生まれた原因は何と考えるか、簡潔にお答えいただきたいと思います。
○馬淵副大臣 お答えいたします。 一義的には、これは原因に関しましては、今、現大崎市で調査チームを設置して調査中ということでございますので、原因については不明と承知しております。
○穀田委員 不明では困るでしょう。それは、現地が調査していて、結論が出ていないということであって、概要はわかっているわけですから、どういうところに問題があるのかということもわからないようで、どうしてこんなこと、土地調査をやれというふうに言うんですか。
○馬淵副大臣 現在調査中であるために、今、私の方では調査結果を踏まえずにお答えすることはできないというふうに申し上げたつもりでございます。 今回のこの状況につきましては、当然ながら、旧三本木町の成果を認証して、そしてそれを宮城県において情報に不備または虚偽があったことを把握できなかったこと、また、国土調査事業事務取扱要領に基づいて、この成果を宮城県にかわって旧三本木町が登記所に送付できたこと、これも一因となったというふうに考えております。 その上で、私どもとしては、国土調査事業事務取扱要領、これもその一因となっている、このような可能性があるということを考えておりまして、その見直しについても当然ながら検討してまいる所存でございます。
○穀田委員 それやったら最初からそう言ってくれればいいのに。同じことを、それを聞かんかったらそのままほっておこうと思っとったんかいな。それは余り誠意がないで、そんなこと。お互いに時間がないんだから。はっきり言って、ちょっとそれは私は言い方がまずいと思うな、率直に言って。時間のロスだと思う。 先ほど政府答弁で、政務官はこの問題に関して、開発行為があった場合に起きているということだと言っておられました。ここは大事な問題だと私は思うんです。同じく記事は、実は「用地買収遅れ懸念か」と記してあって、「境界が定まらない土地や所有者が分からない土地があれば用地買収は進まず、事業は停滞することになる。」「公共事業の影」と指摘しているんですね。 だから、この真偽の中身は、確かに、今おっしゃるようにいろいろあろうと思います。しかし、この問題でいうと、土地調査の結果がこのまま残っているとすれば、これは、今あったように、事務要領の問題なんかも含めていろいろな問題点があるということがわかった場合に、正さなければならない。確定した公図を正しく修正することは行政の公正性からいって不可欠だと思うんですね。 この事態が明らかになれば、回復の責任はどこにありますか。
○馬淵副大臣 この一義的な責任は、もともとの地籍調査の主体でございました旧三本木町にございます。また一方で、その成果の認証を行った宮城県、及び、その承認を行い、また調査実施に関して指導的な立場にある国としても、この不正または不適切な処理を明らかにできなかった点については、責任を感じなければならないというふうに考えております。 今後は、こうした内容をしっかりと、これは三月四日に調査チームが設置されたと聞いておりまして、現段階では調査結果を待っている、四月中には出るのではないかということも聞いてはおります。こうした結果を踏まえまして、私どもとしては、市町村の長が登記所に通知して登記簿の訂正をする手続、これを定めておりますので、誤り等が発見された場合には速やかに対応するように指導してまいりたいというふうに考えております。
○穀田委員 第一義的には実施主体である市だ、かつてはあれですけれども、今は市だと。あわせて、県もある、国もある、こうですね。 ところが、またこの報道によりますと、市の当局者は、「財政が厳しく、再調査の費用を工面するのは難しい」、こう言っている。これは本当かどうかというような問題はありますが、しかし、この後の報道を連続してやっているんですけれども、同じことを言っているんですよね。そうなってきますと、やはりこれは調査をやり直さなくちゃならぬというふうに思うんです。 私は、こういう事態を、今副大臣からありましたように、市と、見過ごした県と、それから制度的にもそういった不備のすきをつかれたという意味での国という問題だと思うんですね。したがって、この事態を放置してはならないと私は思うんですけれども、もしこういうことが放置されるとすれば、今政府が、また国がやろうとしている土地の、簡単に言えば戸籍簿ですわな、この問題、そして財産権の侵害にも当たるという意味で、これを見過ごすことは許されないということで確認してよろしいですね。
○馬淵副大臣 繰り返しになりますが、調査の結果を待って、その当該の責任並びに訂正等につきましては適切な指導をしてまいりたいというふうに思っております。
○穀田委員 では、適切な指導をして、これは回復を図るということと認識してよろしいですね。
○馬淵副大臣 適切に指導してまいりたいと思っております。
○穀田委員 これは事は、要するに、なくなったわけだから、回復にならなければ適切な指導とは言えないんですよ。だから余り、馬淵さん、馬淵さんが野党におったときにそういう答弁をしていると、それはおかしいんじゃないかと言っていたじゃないですか。それはまさに、何というか、不適切というんですよね。 それはさておいて、最後に……
○川内委員長 答弁は求めないんですか。
○穀田委員 いや、委員長、そういう指摘をしておくと。 最後に、この教訓をどう生かすつもりかということなんですよ。 ただ、事態はわかっているわけです。不備があるということもはっきりしている。だって、なくなっている、抹消されているわけだから。しかも、それが、調査の公告とか縦覧、地権者の立ち会いの手続が不適切だったという問題もあるし、県の認証手続に問題があった。それから、事務取扱要領がすきをつかれたという問題もあるわけですから、今後発生する懸念はないのかということと、もしこういった問題について民間の委託先でやる場合に、どのように適正性を確保するのかということについてだけ、お答えいただきたいと思います。
○前原国務大臣 まず、今回のこの三本木の事例の原因を徹底的に解明するということが大事だと思っておりますし、市町村等地籍調査の実施主体に関しては、正確な調査を実施してもらうように、改めて指導を徹底してまいります。また、都道府県に対しても、成果の認証の徹底について、さらなる注意喚起等を行ってまいります。 また、今回の事例の一因となった可能性のある地籍調査事業事務取扱要領についても、内容について検討を行いまして、必要に応じて見直しを実施して、とにかくこれを徹底していくということを行ってまいりたいと考えております。
○穀田委員 終わります。
○川内委員長 穀田恵二君の質疑を終了いたします。 次に、柿澤未途君。
○柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。 この国土調査促進特別措置法及び国土調査法の一部を改正する法律案でありますけれども、東京においては、先ほどの田中委員の御質問のとおり、二十三区では地籍調査の進捗率が四%ということで、ほとんど進んでいない。都市部全体で見ても、DIDということで見ますと、今のところ、計画に対する進捗率は二一%ということであります。 大体、昭和二十六年から、十カ年計画をつくってやってきたわけですけれども、DID、都市部については、対象面積が一万二千二百五十五平方キロで、実績面積が二千五百八十三平方キロということで、二一%ということになっているんです。これは、実績面積を年数で割り算すると、進みぐあいとしては年間大体五十平方キロぐらいですか、このぐらいになっている。まさに、遅々として進まないというか、遅々として進んでいる、こういう状況だと思います。 今お手元に資料として、国土調査事業十カ年計画の実績というのを見ていただいておりますけれども、一番下の地籍調査、第一次から第五次までの十カ年計画を見ると、達成率は常に半分以下という、五五%という達成率が一回ありますけれども、半分以下ということになってしまっております。 何度もこの質疑で既に出た論点だというふうにも思いますけれども、こうした達成率になってしまっているのは一体何が理由なのか、改めてお伺いをしたいと思います。
○馬淵副大臣 お答えをさせていただきます。 まず、全体像として地籍調査が進まない理由ということで申し上げれば、これは、立ち会い、これが、一筆ごとに行われます土地所有者等の確認を得るなど、調査実施に大変な時間と費用を要する。また、都市部、先ほど来申し上げていますように、権利意識が強いということで、境界の確認作業への協力がなかなか得にくい、あるいは、最近は、少子高齢化に伴いまして、いわゆる空き地になっているといったところでの所有者の確認等にも大変手間取るといったことが考えられます。また、山村部では、土地所有者等の高齢化によって、そもそも境界の確認が困難である。こういったことが挙げられるかと思います。 こうした中で、さらに加えれば、市町村、これも先ほど来の議論にありますように、調査実施体制の確保、要員の確保が困難である。これらを踏まえた全体の状況の中で、遅々として進まない、こうした五割未満の達成率という極めて遺憾な状況が続いていると認識しております。 こうした中で、さらに、私どもとしては、インセンティブを付与するなど、あるいは民間法人等の活用を進めるなどの施策を今回の法律の中に盛り込ませていただきました。こうした方策で一歩でもこの地籍調査を進めていきたい、そういった思いでおります。 以上でございます。
○柿澤委員 この計画を五次も立てて、毎回その半分しか達成できないというのは、これは計画のあり方としてやはり問題なんじゃないかと思うんです。旧政権下のこうした計画に対する達成率を見たら、恐らく馬淵副大臣もこの場所で、こんな計画の立て方はおかしいじゃないかというふうに追及されるんじゃないかと思うんですよ。 国土交通省の方に事前のレクチャーでいろいろお話を聞きましたけれども、そもそも、この計画を達成するだけの予算を国は計上していないんですよ。もともとやる気がない、そういう計画であったということを踏まえて、第六次の今度の十カ年計画をどういうふうに目標数値を設定していくのか、お尋ねをしたいと思います。
○前原国務大臣 今、柿澤議員がおっしゃったように、これまでの十カ年計画においては目標が達成できていないわけであります。計画策定後の諸事情の変化はあるにしても、率直に言えば、やはり計画策定に当たって、地籍調査の早期完了への意欲の余り、予算面、体制面での達成可能性への配慮がおろそかになっていたということは御指摘のとおりだと私は思います。 次期十カ年計画の策定に当たりましては、ある程度高い目標を持つことは重要でありますけれども、今までの反省に立って、予算の見通し、執行体制等にも十分配慮した適切な計画としたいと考えております。 具体の計画の中身については今後検討をしていきたい、このように思っておりますが、まず一つは、地籍明確化の緊急性を踏まえて、優先的に地籍を明確化すべき地域を絞り込むなど、きめ細やかでめり張りのある計画としなくてはいけないと考えております。 そして、第二点目としては、優先的に地籍を明確にすべき地域を中心に、今後数十年程度を目標に地籍の明確化を図るという長期的展望に基づいた計画にしなくてはいけないということであります。 三点目には、計画目標の達成可能性にも配慮するということが大事だと考えております。 先ほど、同僚の田中委員からは、官民の境界については公物管理者である河川局、道路局も協力したらどうだ、こういうお話がございました。そういったことも踏まえて、まずは、この計画をしっかりと実行させていただくような法律改正を皆さん方にお願いして、そして、できる限り、今までの反省に立った、着実な実施体制ができるようなさまざまな方策というものを検討させていただきたい、このように考えております。
○柿澤委員 私は、やるなと言っているわけじゃないんです、誤解を招くといけませんけれども。 事前のレクチャーをいただいた際に、例えば東京において、六本木ヒルズです。これは、境界確認に四年の歳月と、また一億円の追加費用がかかってしまった。私は森ビルの方にちょっと今回お伺いをしたんですけれども、とにかく明治の地租改正のときにつくられた土地台帳が公図として残されている、公図というのはこんなものなのということで、とにかくびっくりしたと言うんですね。現況の土地区画と全然整合しない。公図が不接合していて、例えば、道路がここまでこう来て、こちら側からこう来て、空白の部分がある。あるいは無番地の土地、さまざまな形で、もう土地の現況と全く違う公図になっている。これを一から調べ直すことがいかに大変だったかというお話を聞かせていただきました。 しかし、これは、森ビルさんが六本木ヒルズを開発するということで、民間ベースでこの調査を進めて、そして最終的な境界確認をして、あの開発に至ったわけです。恐らく東京は、こういう形で、民間で測量をして、調査をして、境界確定をしている場所というのが、これは山のようにあるんだというふうに思います。 この蓄積をされたデータというのを、やはりここは取り込んで生かしていく、こうした視点が必要だと思いますが、御答弁をお願いしたいと思います。
○馬淵副大臣 まさに御指摘のとおりでございまして、民間がさまざまな開発等で行ってきた調査についての成果、これは広く取り入れてまいる、このことが重要だというふうに考えております。 国土調査法では、測量等を行った者からの申請によりまして、こうした成果を地籍整備に活用できる仕組みが、十九条五項指定制度として存在しております。しかし、残念ながら、今日までにおきましては、一部事業に伴う成果を除いてほとんど活用されていなかった、こういう状況でございます。 そこで、今回、この二十二年度からは、都市部において、民間開発事業等の成果、これの十九条の五項指定申請に必要な調査、測量費用の一部を国が補助するとして、地籍整備推進調査というものを創設して、より前に進められるような制度とさせていただく所存でございます。
○柿澤委員 御答弁をいただきましたが、民間事業者等が実施する境界情報整備の経費に関する新たな補助制度というものも今度入ります。測量経費の三分の一を国が、そして三分の一を地方公共団体が、三分の一を民間事業者が負担する、こういう形で補助が出る、これは大変な前進だというふうに思います。 思いますけれども、これが適用されるのはこれから開発をされるものになるわけで、今まで測量をされて、それが、恐らく開発事業者の手元に膨大なデータとして残っているというふうに思うんですよね。それは非常に精度の高いものが多いというふうに思います。 十九条五項で、こうしたものも地籍調査の結果として取り込むことができるということになっていますけれども、わざわざ、何のメリットもないのに、役所に申請をして、私たちの測量データを皆さん使ってくださいということをやってくださいというのも難しい話でありまして、これをやはりデータとして取り込まなければ話が始まらないんじゃないかというふうに私は思うんです。 ある意味で、こんな進まない、進まないといいながら、今まで民間の側で膨大に蓄積をされている、大部分は恐らく正確であろう境界確認のデータ、これを取りこぼしてしまっていて、大きな宝の山がそこにあるのに、そこには全く目もくれないで、自分たちで予算もなかなかかけられない中、遅々として遅々として進まない。これでは、この法案が目標としている目標達成の趣旨にも合致をしないんじゃないかというふうに思うんです。 ここを取り込むための具体的なさまざまな制度的な枠組み、また、民間事業者が今まで蓄積をしてきたデータをぜひ皆さんに供出する、こういうためのインセンティブというものをつくっていくことが大事じゃないかと思いますけれども、ここの部分については、今回の法案では、過去のデータに関しては全く手当てがされていません。 この点についてどうお考えになるか、お聞かせください。
○馬淵副大臣 委員の御指摘、過去に既に蓄積されたものがあるではないか、こういった測量データそのものを使えないのかといった御指摘だと思います。 過去のデータそのものにつきまして、今後、地籍整備を行う場合、過去の成果についても本補助制度の活用というのは可能であります。ただ、そのままに、御指摘のように、今あるものを地籍データとして使うということについては、これは十分な検討が必要ではないかというふうに考えております。 新たな制度の創設でございますので、過去のデータを今後行っていく上において利用できるということにおいては可能としておりますが、そのまま使えということについては、まだ十分な検討が必要かと承知しております。
○柿澤委員 過去のデータが今回の制度でも活用可能なんだというお話ですけれども、もう少し詳しく教えていただけませんでしょうか。
○馬淵副大臣 これは、新たに創設する地籍整備推進調査、ここでインセンティブ付与ということで、先ほど来申し上げております申請に必要な調査、測量に要する経費に対して国が補助を行うものでございまして、過去の成果を活用して地籍整備を行う場合であってもこの補助制度の活用が可能ということで、今回、改めて申請をいただければ、そこにおいては過去の成果を使うことが可能だ、このように御理解いただきたいというふうに思います。
○柿澤委員 先回りして申し上げると、過去のデータの精度を確認する、そうした行為を行った場合、それに対するかかった経費を三分の一、三分の一、三分の一で補助する。こういう形で、過去のデータを確認する作業というか、それを行えばたしかこの補助の対象になる、こういうことであったかというふうに思います。私が答弁しているようであれですけれども。 いずれにしても、今まで蓄積をされた、民間で行われている、これは土地売買とかあるいは相続とか、こういうことにかかわるデータですから正確なはずなんですよ。これは財産処分の一番根幹にかかわるデータなので、そこは、精度はかなりの点で信頼できるというふうに私は思っております。 また、測量の方法も、十年ぐらい前にいろいろと測量のやり方とかそういうことが変わったらしいですけれども、過去十年に関しては、国土交通省の方にお伺いしましたけれども、これは活用できる可能性が高いというお話でありましたので、もっともっと踏み込んだ検討をしていただきたい。 私がちょっと例え話で言うと、何億円もの財産が定期預金をされているのに、暗証番号がわからないのでそこでは引きおろせない、一方でキャッシュフローが足りない、足りないといって困っている、こういう状態に聞こえてならないんですよ。 そういう意味で、ぜひこの点についての御検討をこれからの十カ年計画の中で進めていただかなければいけない。そうでなければ、この地籍調査を強力に進めなければいけないというのは、ただの建前になってしまうのではないかというふうに思えてなりません。 もう一つお伺いをさせていただけたらというふうに思うんですけれども、明治時代からの公図を境界確定するということになると、個人ベースでいうと、場合によっては、確定した結果税金が高くなっちゃうんじゃないかということになると思うんです。そうしたことが、ある意味で地籍調査に対する協力を何となく鈍らせる。 もちろん、こうした調査のあり方についてそもそも知らないということもあるでしょうけれども、知ったとしても、これをやったらもしかして税金が上がっちゃうんじゃないかということが、やはり協力を鈍らせる要因になっているのではないかというふうに思います。 これは市町村の判断で、地籍調査が完了するまでもとの面積のままで固定資産税を課税する、こういう措置が認められているようでありますけれども、こういう措置を講じているのは大体全体の三分の一ぐらいの市町村にとどまるということであるというふうにも聞きます。 そうした点で、調査を前に進めなければいけないということであるとすると、こうした点についてもやはり市町村と連携をしながら配慮していく必要があるというふうに思いますけれども、御見解をお願いいたします。
○馬淵副大臣 お答えさせていただきます。 先ほど御指摘の部分につきましては、過去のデータにつきましては、これは補助対象として、調査計画等作成費、境界情報等整備費、成果等作成費、これらにかかわる部分については補助の対象となるということで御理解いただきたいというふうに思います。 そして、今後進めていく上で、当然ながら税に反映される、その可能性がある、それについては一定程度自治体の配慮が必要ではないかということでございますが、これも、自治体との連携を強化させていただき、また十分な協議を踏まえながら、この十カ年計画の中でも議論をさせていただきたいというふうに思います。
○柿澤委員 時間もやってまいりました。 いずれにしても、やらなきゃいけない、やらなきゃいけないと言って計画を立てて、そして、幾ら答弁でやります、やりますと言っても、やはり、対象になる方々が積極的に協力をし、また、そもそも蓄積をされている信用できるデータを積極的に取り込んでいく、そのためのインセンティブや制度的な枠組みをもっともっと整備しなければ、これは絵にかいたもちになってしまうのではないかというふうに思えてなりません。 その点を踏まえて、先ほど来、これを進めなければいけないという大変強い決意を前原大臣は繰り返し御答弁されているわけですから、ここまでの私の質疑を踏まえて、ぜひ最後に御決意をお願いしたいというふうに思います。
○前原国務大臣 委員が御指摘をされた、過去の民間の開発において境界確定をした宝の山がある、これをしっかりと活用すべしというのは、大変いい御指摘だと私は思います。 過去にさかのぼって補助制度が適用できるようにいたしますので、周知徹底を図るということの中で、今まで努力されてきたものを取り込んで、そして飛躍的にこのパーセンテージを上げていく、そういったことも努力をさせていただきたい、このように考えております。
○柿澤委員 終わります。ありがとうございました。
○川内委員長 柿澤君の質疑を終了いたしました。 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○川内委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 国土調査促進特別措置法及び国土調査法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○川内委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○川内委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、小泉俊明君外五名から、民主党・無所属クラブ、自由民主党・改革クラブ、公明党、社会民主党・市民連合、みんなの党及び国民新党の六会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。竹内譲君。
○竹内委員 公明党の竹内譲でございます。 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 なお、お手元に配付してあります案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。 国土調査促進特別措置法及び国土調査法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。 一 新たに策定する国土調査事業十箇年計画においては国民にとって分かりやすい指標を示すとともに、毎年度の進捗状況の公表や中間年での計画の見直しを行うこと。 二 国の行う基本調査と市町村が行う地籍調査との効果的な連携を図ること等により、立ち遅れている都市部及び山村部における地籍調査事業の一層の促進に努めること。 三 国と地方の管理を問わず、官民境界確定に関しては、地理空間情報活用推進基本法における基盤地図情報の整備についての国の役割を踏まえ、適切に対処すること。 四 地籍調査の推進のため民間委託の積極的な活用を図ること。また、民間委託に当たっては、適切な委託先が選定されるよう留意するとともに、制度の悪用を防止するよう努めること。 五 不動産登記、固定資産税、林政、公共事業等の関係部局との緊密かつ適切な連携により、国土調査の推進を図ること。 六 国土調査事業に係る所要の予算の確保に努めること。 七 国民の一層の理解を深めるため、国土調査の必要性について、あらゆる方法を通じて広く周知するよう努めること。 以上であります。 委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
○川内委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○川内委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣前原誠司君。
○前原国務大臣 国土調査促進特別措置法及び国土調査法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げます。 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。 ここに、委員長を初め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対して深く感謝の意を表します。 まことにありがとうございました。 —————————————
○川内委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○川内委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時一分散会