厚生労働委員会 第13号
- 発言数
- 190 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2010/03/31
会議録
○藤村委員長 これより会議を開きます。 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として文部科学省研究振興局長磯田文雄君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○藤村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。菅原一秀君。
○菅原委員 きょうは、一般質疑ということで時間をちょうだいいたしました。自民党の菅原一秀でございます。 まず、少子化対策、子育て支援についてお伺いをしたいと思います。 世界一の長寿国家になった我が国日本、今最も喫緊の課題はこの課題であると認識をいたしております。私自身、練馬の区議会議員、また東京都議会議員を経て国会にやってまいりましたけれども、一貫して地方自治の現場で少子化対策に取り組んできたところでございます。そうした中で、やはりこの根本の政策の確立は国政にあろう、こんなことも改めて今認識をいたしているところであります。 二〇〇八年、御案内のとおり、出生率は一・三七。これは徐々に上がってきたものの、いわば世界の水準から見ればまだまだ最低水準にあります。また、働く女性の七割が結婚、出産を機に退職をしている。こういう現実もあるわけでありまして、まさに、そういう意味ではこの状況の中であらゆる手だてを打っていかなければいけない。しかし、そこで今民主党政権が一丁目一番地としてやったことは、今回の子ども手当であったわけであります。 法案が通った後も、いろいろと議論がございました。 最終的にあった話の中で一つ、子供の居住要件がない。日本に住む外国人の親が母国にいる子供の分も受給することになることによって、言ってみれば、国家のバランスシートを考えると、いわば次代の日本の子供たちが背負う借金が外国人や外国の所得あるいは資産になりかねない、こういう構図が成り立ってしまう悲喜劇があるわけであります。 実際、ここのところ、各自治体からは悲鳴が届いております。子供がいるんだけれども、お金もらえるんですかといって、片言の日本語でやってくる外国人。日本語が全くしゃべれなくて、紙に、子ども手当ちょうだいという外国人。あるいは、児童手当の駆け込みで、まだ支給開始になっていないのにまずはタッチしなければいけない、こういうことで自治体の窓口は大変な混乱を来しているということ、ここでもう大臣もよく御案内だと思うんです。 いわば、こうしたいろいろな論点を残したまま衆参で見切り発車をしてしまった、まさに禍根を残す大きな問題だと言わざるを得ません。 また、子ども手当は財政面から見ても大変大きな問題を抱えているわけであります。 資料にお配りをいたしました。山岡民主党国対委員長が、子ども手当を通せば民主党政権の支持率が戻るんだ、こう言っておったわけでありますけれども、御案内のとおり、下の支持率。日経新聞は、法案が通った次の土日に一気に七ポイントも下がっております。六月に支給されればまた上がると言われかねませんが、こういう問題ではないであろう。 しかも、法案が通った直後の二十六日には、長期金利の指標であります十年債の利回りが一気に一・三八五%に上がった。これは四カ月半ぶりの高水準であったわけですね。 二十七日に発表した内閣府の調査においても、この二ページ目にありますけれども、日本が悪い方向に向かっている分野はどこの分野かという問いに関しまして、国の財政。今までは高齢化だとか景気だとかいうことが一番、二番に来ていたのが、国民全体的に国の財政が危ないんだという認識を、言ってみればマーケットだけじゃなくて国民の意識の中にそういう認識が高まってきたということ。これはやはり、子ども手当を通したことは非常に大きな要因の一つではないか、こんなふうに私はとらえております。逆に言ってみれば、民主党の目玉政策であるこの子ども手当が、まさに後世に禍根を残しかねない、理念なき、財源なき、単なるばらまき政策であるということを国民自身が喝破しているということにほかならないのではないかと思っています。 そこで、この子ども手当について一つだけ伺います。 仙谷大臣が、財源確保ができた場合でも、一部は学校給食費あるいは保育所整備に充当すべきという発言をしています。長妻大臣は、先般、私の質問に対して、来年度以降は二万六千円を前提としている、こういう答弁をされておりますが、仙谷大臣とのこの差異について民主党政権はどういうふうになっているのか、この点、ただしておきたいと思います。
○長妻国務大臣 この仙谷大臣の発言を私はすべて承知しているわけではありませんけれども、給食費の扱い等についての発言もございました。 これは、総理からも御指示がございまして、平成二十三年度の検討課題になっているところであります。平成二十二年度においては、これは自治体にも、子ども手当の趣旨を受給される方に徹底して、給食費に充てるということも奨励をしていく、こういう取り組みを強化していくということでありまして、詳細な制度設計は平成二十三年度からであります。 法律の根本として、この子ども手当については、ほかの債務の引き落とし、天引き等が、差し引いた支給というのは法律で禁止されている、こういうようなこともありますので、全体の二十三年度の制度設計の中で、検討課題として我々としては考えているということであります。
○菅原委員 郵政の問題もそうなんですけれども、あるいは普天間もそうですけれども、同じ閣内で右行ったり左行ったりして、そのたびに国民が、どうなっているんだというクエスチョンマークを投げかけている。この問題も、いわば財源がない中で見切り発車をしてしまって、しかも、来年については、今お答えのように、本当にどういう方向になるかわからない。これが今の民主党政権の現実なのではないかな。政治と金の問題もありましたけれども、やはりこういう迷走が今の支持率低下につながっている。一番困るのは国民である、改めてこのことを指摘しておきます。 三枚目の資料を見ていただきたいんですが、これは、日本、アメリカ、ドイツ、フランス、イギリス、スウェーデンのGDPにおける国民負担率の所得の比率をあらわしております。一番左の日本のところで、子ども手当を完全実施した場合、いわば一%弱の現金給付がふえるということであります。 言ってみれば、日本の場合、現金給付がさらに膨らむということであるわけですが、一つ前の資料で御案内のとおり、やはり保育所を初めとする現物給付に対する要望というのは物すごく強いことはもう御案内のとおりであります。 行ったり来たりしますが、資料の四ページ目に、これは自分でいろいろとまとめてみました。保育サービスの種類、認可保育園、認可外保育施設、認定こども園、保育園の預かり保育、保育ママ、病後児保育室、ファミリーサポートセンター、ベビーシッター等々、保育というと、現物給付というとこれだけいろいろと種類があります。このほかにも、自治体独自で取り組んでいるものもあるんだと思います。 こうした中で、現金、お金をもらうよりも、こうした行政サービスをやはり強く望んでいるという国民の実態があるのではないか。その中で、私は、きょうは保育所の整備についてお尋ねをしたいと思います。 三月二十五日、厚生労働省が二〇〇九年十月現在の保育所の待機児童数を発表しました。これは四万六千人余でありますが、過去最多であります。 去年、この発表は三月六日だったんですね。何で上旬じゃなくて下旬、三月二十五日。折しもこの二十五日は参議院で子ども手当が通った日でありまして、これは偶然といえばそこまでなんでしょうけれども、言ってみれば子ども手当が通るまで、四万六千人も待機児童がいる、現物給付が必要なんだ、そういう国民の見方を、そでにしようとしたのかどうかわかりません、これはあえて質問いたしませんが、この辺は指摘をしておきたい。 問題は、この四万六千人の待機児童、これはもう御案内のとおり、認可保育園に申し込みをしている、そして入れない方々の数であります。今、団塊ジュニア世代が出産適齢期を迎えていることは御案内のとおりでありますが、潜在的には、全国で入りたいという方が八十万人から百万人ぐらいいるのではないか。 地方の方からすれば、うちの方の保育園はちょうどいいよとか足りているよという声もあるかもしれない。確かに、東京、神奈川、千葉、埼玉あるいは大阪、愛知等々の首都圏にこうした傾向が強いことも事実だと思います。しかし、先ほど申し上げたように、働く女性の七割が出産を機に仕事をやめてしまっている。もう一回働きたいという方も、その中で約半分ぐらいはいる。こういう声にこたえていくためには、保育所の整備はどうしても必要だ、こう思っております。 最後の五枚目の資料を見ていただきたいのでございますが、これは内閣府の世論調査、去年の二月でございます。 これを見て、問いの二というところに、多少の負担増を伴ったとしても諸外国に見られる保育サービスや育児休業制度の充実などによる仕事と家庭の両立支援策を導入してほしいかどうかという問いに対して、(ア)と(イ)合わせて九割の方が導入してほしいと答えております。 また、その下の、少子化対策で期待する政策は何かということに関して、家庭と仕事の両立の支援と働き方の見直しの促進、これも六割近い。それで、妊娠と出産の支援、こうした政策に関しましても、何と二七%が一気に倍に膨れ上がっております。五年間で、二七%が五四・六%に膨れ上がっている。また、一番下の、子育てのための安心、安全な環境整備、これは保育所の整備等をいうんですが、これはやはり一〇%ぐらいふえているわけであります。 先般、この委員会の参考人質疑で、三重県松阪市の山中市長さんが、子ども手当の満額支給に必要な経費で保育園を毎年二十五園ずつつくれる、こうおっしゃっていました。 保育所の利用者からしても、子ども手当の支給で、言ってみれば保育料が高い認可外保育園に通わせているお子さんの家庭については確かに負担の軽減になるけれども、保育料の安い認可保育園をもっとふやしてほしい、その方がメリットが大きいんだ、こういう声が非常に多いわけですね。 そうした中で、政府は、一月に子ども・子育てビジョンということで、二〇一四年度末までに認可保育園の定員を二十六万人ふやすと数値目標を掲げて、言ってみれば、子ども手当だけじゃありませんよ、現物給付も頑張りますよ、こういう姿勢を示しているわけなんですが、毎年五万人という保育所の整備、この財源はどこから出てくるのかなということと、具体的な工程について、今どう制度設計しているのか、この具体策をちょっと示してほしいんですが、大臣。
○長妻国務大臣 少子化の流れを変えるためには、子ども手当などの現金支給と保育サービスなどの現物支給、そしてワーク・ライフ・バランス、この三つが適切に整備されるということでありまして、我々、現物給付の方もきちっと目標を立てなければならない。 これは、いつもいつも申し上げておりますけれども、子供に関する予算は後回しにされがちだということで、子ども手当も目標を掲げ、そして現物サービスも、今おっしゃっていただいたように平成二十六年までの目標値を掲げ、保育サービスについては一年間に五万人ずつ定数をふやしていくということで、二十二年度についてはその初年度でございまして、二十二年度の予算、成立をいただきましたけれども、約三千五百三十四億円を保育所運営費、保育所整備に対応したものを確保して、これによって、初年度についても受け入れ児童数五万人増加分の予算というのを立てさせていただいているところであります。 そして、今後は、毎年毎年五万人増強ということを我々は考えておりますので、それに見合う財源を予算編成の中で確保していくということで取り組んでおります。 将来の財源でございますけれども、事業の優先順位をきちっと見直していく、天下り法人等々への支出も厳しく見直していく、そして消費税以外の税制あるいは保険料等で改革すべきものがあれば改革をしていくということで、財源を予算編成の過程で生み出していきたいというふうに考えております。
○菅原委員 三千五百三十四億というのは、通年、これまでの政権でもほぼ確保してきた予算だと思うんですね。 また、今レトリックがあって、消費税を上げるか上げないか言わないで、消費税以外の税制の改正をするというような話、言ってみれば非常にぼやかしていますよね。これだけお金がなくて財源が厳しい、そんな中で子ども手当を出してしまった。したがって、財布にはほとんど残っていないわけですよ。それを考えたら、子ども手当と現物給付の比較論議というものがもっと必要だったのではないかなと私は思うんですね。 例えば、東京二十三区で定員百人の保育所を建設するとしますと、約二億円と言われております。もちろん、このほかに毎年運営費に二億円ぐらいかかっているという現実があります。 ことし、子ども手当一万三千円、二兆三千億円出すことになりました。先ほど申し上げたように、潜在的な保育所の待機児童が百万人ぐらいいる。ということは、今計算すると、二億、百万人ということは、大体二兆円あれば建設整備はできるんですね。経団連の試算でも、やはり百万人の潜在的な待機児童の解消をするには一兆九千億円あれば何とかカバーできる、こんな話もあります。 御案内のとおり、保育所をつくっても、ああ、できた、今までなかったから申し込まなかったけれども、できたなら今度私も申し込んでみよう、うちも申し込んでみよう、言ってみれば保育所の整備自体がまた掘り起こしにつながってしまって、整備しても追いつかない。イタチごっこの状況が特に首都圏では見られるわけでありまして、結局、ちまちまとやっておったのでは、とてもこれは追いつかない。 したがって、私は、この二十六万人では百万人にとても対応できないから、子ども手当を来年からやめて保育所整備に回した方がまだ国民の要望にはこたえられるのではないかな、こんなふうに思っておりますが、いずれにしても、現物給付に対するプライオリティーを高めるということが国民のニーズである、このことは申し上げておきたい、こう思っております。 もちろん、このほかにも都市と地方の偏在の問題やら、都市部の中にも足りているところと不足している部分という問題もある。また、自治体に登録をしている保育士の有資格者の数が全国で九十六万人いらっしゃる、ところが実際に働いているのは三十五万人しかいない、その方々の再チャレンジをどうやっていくか。もちろん、それは保育所自体を整備しなければ供給もできないことはわかっておりますが。あるいは、〇歳—二歳の利用者が非常に多い。こうしたいわゆる定員の問題等々も含めて、今後いろいろと議論をしていかなければいけない、こう思っておりますので、また次回以降、論議をしていきたいと思っています。 次に、出産育児一時金、いわゆる直接支払い制度についてお尋ねをしたいと思います。 二〇〇八年八月に、当時の舛添厚生労働大臣が、お金の心配をしないで健診を受けて、分娩費用も出る制度をということで、去年の十月からこの直接支払いの制度がスタートしたわけであります。 いろいろな課題がありました。したがって、半年間、本格実施の猶予をしたということでありまして、さらにこの四月から一年間延ばすということになったことも理解をいたしております。 言ってみれば、この制度ができたことによって、出産する妊婦さんとその家族にとっての経済的負担は極めて軽減をされたんだと思います。しかしながら、その一方で、そのことに主眼を置いて、あるいはそのことを急いだ余り、これは前政権の我々も反省しなければいけないと思うんですが、言ってみれば産科医や助産師、助産所、こういう現場の声を大きく吸い上げてこなかったという現状があるんだと思います。 日本産婦人科医会の調査におきましても、新制度に移行した病院は九五%、診療所は八〇%、東京は六〇%、これはいろいろな事情があると思います。しかし一方で、七〇%の医療機関、あるいは助産師、助産所が経営への大きなマイナスを指摘しているわけであります。 特に、小さな産科医、助産所、言ってみればおばあちゃん一人でやっている助産所なんかもあって、例えばこういうところで直接支払いが行われて、保険からの一時金の支払いが最長で二カ月以上おくれる、職員の給与を払ったり、あるいはもろもろの経費のお金がない、結局、運転資金を借りなければいけない。 確かに、福祉医療機構で融資をしている。しかしながら、実際に融資が出るかどうかわからない。今現在も、三百四件申し込んでいて、ペンディングになっているのが半分ぐらいあるんですね。あるいは、断られているところもある。そういうところは、親族に借りたり、あるいは中小公庫に借りたり。独法の方から申し込んだんだけれども、余りにもハードルが高くて全然おりない。その分、また一カ月、二カ月たってしまった。こんなような状態の中で、結局、正規の職員を非正規にしたりアルバイトにしなければいけない、あるいは、この前も新聞に出ていましたけれども、出産費用そのものを上げなければいけない。こんなようないろいろな混乱が出てきていることが現実なんだと思います。 妊産婦の方は楽になった、しかし、その負担の移転が起きてしまった。このことによる現場の混乱、こういった中で、政府の方も、融資の枠を一千万から三千万まで無担保にしたり、あるいは、きのうかきょうかホームページに出ているようでありますけれども、その上限を撤廃するとか、利率を一・六から一・一にして、今度は〇・七%ぐらいに下げるとか、いろいろな御議論があるそうであります。 しかし、言ってみれば、何で、国の制度を変更して、わざわざ利息をかけて、それが〇・何%だとしても、お金を借りてまで運営しなきゃいかぬのだ、やはりこの声にこたえていくのが政治なのではないかな。ずばり、これを無利子にする考えはないのか、あるいは利子を一〇〇%補給するような手だてはないのか、この点についてお尋ねをします。
○長妻国務大臣 今の、出産費用の直接支払い制度でございます。 私も、政権交代して厚生労働省に参りまして、いろいろびっくりしたことがあるわけでありますけれども、これも前政権から、十月からそのままこの制度を全面的に進めるということについて、いろいろな声があるにもかかわらず、かなり強力に推し進めるということで、これについていろいろな方々とも相談をしまして、猶予というのを急遽設けさせていただいたところであります。 そして、今も触れていただきましたけれども、あしたが四月ですけれども、あすからこの貸出金利も、これまで一・一%だったものを〇・八%に下げる。無担保融資の限度額も、これまで三千万円だったものを限度額を撤廃する。あるいは、保証人をとらない融資制度を新たに創設する。これまでは一名以上の保証人がおりましたので、それを保証人をとらないというような措置などで、できる限り診療所、病院の方々の負担を軽減するということで取り組んでいるところであります。 この制度は、もちろん一番重要なのは、出産をされる方々の負担軽減ということが最も重要でありますが、それを担う診療所、病院が疲弊をしてしまってはこれは元も子もありませんので、今はぎりぎりそういう措置をとらせていただき、かつ、猶予の期間も来年の三月末まで延長するというような措置をとっているところであります。
○菅原委員 先ほど申し上げたように、いろいろな条件緩和をしていただきました。しかし、実際に一人で助産所で頑張っている高齢のおばあちゃんが、書類も書かなきゃだめだ、申請もしなきゃいかぬ、片っ方で、急にやってきた分娩の状況に立ち会わなければいけない、こういう現状があるんです。やはり、光を当てるべきところに光を当てなければならない、このことは改めて申し上げておきたい。したがって、もしお金を借りるとすれば、無利子でやるくらいのことをやらないととてもカバーできないのではないかな、こう思っています。 また、この制度を仮に続ける場合、申請してから支払いまで二カ月かかる問題、先ほども指摘を申し上げました。 例えば一つの案ですけれども、産科医療補償制度の対象となるのが妊娠二十二週目なんですが、この二十二週を過ぎた時点で妊婦さんから保険者に届け出、申請を出してもらって、入院をした後、出産をしたと同時に医療機関にお金が振り込まれるという制度設計、これであればいいのではないかな。つまり、二回に分けたりするというのは、あくまでも保険の今のサイクルを踏襲しているわけでありますから、今申し上げたような形にできはしないか。大臣、どうでしょうか。
○長妻国務大臣 今、ある意味では出産後直ちに申請というよりは、妊娠二十二週を過ぎた時点であらかじめ申請というお話でございますけれども、今後、今の御提案も含めて、出産育児一時金制度について議論する場を設けて、直接支払い制度の現状、課題、平成二十三年度以降の制度のあり方について、これは検討していきたいというふうに思います。 ただ、今現在、いろいろ御指摘がありますけれども、約九割の医療機関においては既に実施をされて定着しつつあるということで、申請方法などを変更すると関係者の理解を得られるかどうか、こういうようなことも考えなければならないということもございますが、全体のこの制度自体について猶予ということをせざるを得なくなっておりますので、検討の場をつくって検討していきたいと思います。
○菅原委員 大臣の検討にもいい検討があるのかなと今思ったんですが、ぜひお願いをしたい。 ただし、九割やっているからという話ではないんですね。九割やっていても、八割診療所がやっていても、七割がいわば困っているんだ、この現状に対応する施策が必要だということであります。 先ほど御答弁にもあったように、結局、暫定措置で始めたこの制度が猶予を一年間延長ということは、いわば緊急避難的な状況に今なっているわけですよ。したがって、この制度をしっかり根本から、現場の声を聞いて改めて議論をしてほしい、こう唱えておきます。 話をかえます。 民主党のマニフェストに、子ども手当の上に、出産時に五十五万円の一時金を払うと書いてあったんですね。これは子ども手当よりも上だから、プライオリティーが高いのかな。インデックス二〇〇九年にも、四十二万円を五十五万円にすると。この積算根拠は何なのかなというのが一点。 それと、御案内のとおり、出産費用というのは正常分娩の場合、自由診療でありまして、これは地域差、あるいは施設の違いなどからいろいろなケースがあるんだと思います。東京で四十二万では少ないのではないか、地方で五十五万だったら逆に余っちゃう、こんな状況もある。 こうした中で、助産師においても、もうちょっと安い分娩費用で取り扱うところもあるわけなんですけれども、単純に、四十二万を今支給している、五十五万ということは、十三万円ですよね。年間に子供は平均百十万生まれている。そうすると、千四百億円のお金が必要になる。「国からの助成を加え、」という文言が入っているんですけれども、これは国の方で出すとすれば、この予算、財源、どうなっているのか。 それともう一点。先ほどの子ども・子育てビジョン、この中にはこの五十五万の引き上げというのは入っていないんですけれども、どうなっているんでしょうか。
○長妻国務大臣 この五十五万円という数字については、これは平成十八年の調査研究というのがございまして、これによってそういう数字を出させていただいているということであります。 これについては、財団法人こども未来財団、子育て家庭の経済状況に関する調査研究というものでございまして、詳細の費用があって、足し算すると五十四万一千八百二十六円という調査があって、明細もあるわけでございます。 そして、この件については、今御指摘いただいた子ども・子育てビジョン、これはことしの一月二十九日に閣議決定いたしましたけれども、その中にも、「安心して妊娠・出産できるように」という項目で「妊婦健診や出産に係る経済的負担の軽減、」がございまして、その中で我々としては今の目標に向かって努力をしていくということであります。
○菅原委員 ちょっと話がまた違うんですけれども、私は、出産に関しては、いわゆる正常分娩であろうが異常分娩であろうが、全面保険適用すべきではないかな。確かに、四十二万でフィックスしてやってしまったら都会なんか大変ですから、これは段階をつけてでも。 子供が生まれると、どうでした、母子ともに健康だったという言葉がよくあるじゃないですか。命がけで母親は子供を産む、子供も何とか新しい生命になろうとして努力をする。まさにその中に結果論として正常だったか異常だったかというようなことが出てくるとするならば、私はやはり出産費用というのは全面保険適用にすべきじゃないかと個人的に思っております。 この点は、多分大臣に聞いても余りいい答えがないかもしれないので、足立政務官、どうでしょうか。
○足立大臣政務官 お答えいたします。 突然の御指名ですが、実は、これは意見交換会というのが平成二十年十一月二十七日に行われておりまして、有識者の方々に集まっていただいておりますが、保険適用にすること、しないこと、これはまさに伯仲しているような状況で、全体の意見としては、保険適用すべきというのが多いという認識ではないと私は思います。 それから、一点だけ。議員おわかりのように、直接支払い制度、要するにこれは出産育児一時金であって、妊産婦さんに払うもの。それが、正常であったか病気であったかによって医療機関がかわるということなんですね。それをあらかじめ前から特定はできない、出産した後じゃないとわからないというのがこの直接支払い制度の根本的な大きな疑問点だと私は思っています。
○菅原委員 それはまた議論を深めていきたいと思います。 ドラッグラグ、ワクチンラグについてお尋ねをしたいと思います。 私の父親も、また祖父母も、ともにがんで亡くしました。したがって、私も若いときからがんの治療やがんの検診、あるいは、国会議員になって議連のメンバーとしても努めてきたところであります。 三年前、ちょうど自分が二期生のときに、NPO法人でブーゲンビリアという、女性のがんの患者さんたちが主体となって、乳がんや子宮がん、子宮頸がんあるいは卵巣がん、こうした問題に取り組んでいく法人と御縁をいただきました。 そこで改めてドラッグラグ、ワクチンラグの問題にかかわりを持ったわけなんですけれども、例えば、そういう皆さんの声で、やはり、海外でエビデンスがあるにもかかわらず、日本ではほかの部位やがんに承認されていない、あるいは、がんによっては承認されないで適応外だから、治療薬を使えないで苦しんでいる患者さんがたくさんいる、こういう実態があります。 がんで苦しむ患者にぜひ薬を与えてほしい、あるいは、救われる命を見殺しにしないでほしい、こういう切実な声。そういう意味では、本当に今まで、薬の問題に関して言えば、もっと救える命があったのではないか、強くそのことを今思っております。 このドラッグラグの例としては、これまでも議論がありましたが、例えば乳がんの治療薬についてはラパチニブという薬、これは大変有名であります。これは二〇〇七年にアメリカで承認をされて、ヨーロッパでも二〇〇八年。二〇〇八年十二月時点で、世界の六十五の国、地域で承認されて使用されているわけなんですが、日本の場合、ようやく去年、二〇〇九年の四月に承認、使用という運びになったことは御案内のとおりだと思うんです。 でも、これは、アメリカが二〇〇七年ですから、三年というタームだったので、まだこれは今の現状からいっていい方なんだと思うんですね。 例えばドキソルビシンなんという薬は、二〇〇六年にエイズのカポジ肉腫に効能があるということで承認をされたわけなんですけれども、世界的に見れば、当時から卵巣がんにも効果が認められていた。したがって、一九九九年にアメリカで、ところが日本ではようやく去年、十年後に承認をされたわけでありまして、卵巣がんの患者さんにとっては、外国で承認をされているにもかかわらず、目の前にその薬があったにもかかわらず使えなかった、承認されないで保険適用等がされなかったということは、まさにこの間に命を落とした方もいるとするならば、この辺の、ある意味では我々の責任も含めて、政治の不作為です。この点について、よく議論しなければいけないと思います。 ワクチンについても、例えば髄膜炎のワクチン、Hibワクチンというのが大変有名でありますが、フランスでは一九九二年に承認されました。その後、一九九八年にWHOが各国の乳児への定期接種を勧告して、その後、百を超える国、地域で承認、使用されてきたわけであります。ところが、日本はフランスからおくれること十六年、おととしに承認をされた。 言ってみれば、アメリカ、ヨーロッパだけじゃなくて、アジア、アフリカという新興国、ある意味では後進の国々で、定期接種をして細菌性の髄膜炎をある意味では制圧したにもかかわらず、日本だけがその恩恵にあずかれないで先般まで来てしまった。言ってみれば、医薬品、ワクチンのアクセスということに関しては、本当に日本は後進国に位置づけをしているのではないか。 私も、三年前、厚生労働大臣政務官の際に、この問題に取り組んでまいりました。医薬品産業を、世界最高水準の医薬品を日本国民あるいは世界の皆さんに提供したい、あるいは日本の経済の牽引役にしていく、そういう意味では、医薬品の日本先行開発や日本参加の世界同時開発ということを訴えてきたわけでありますけれども、言ってみれば、治験環境の整備、承認審査の迅速化、これが今最も求められていることは論をまたないわけであります。 ところが、今までも、また今般も、今もそうなんですが、言ってみれば、この分野、非常に小手先に終わってしまっている。 まず、治験の環境整備について言えば、二〇〇七年に新たな治験活性化五カ年計画というものを策定いたしました。ことしはちょうどこの中間年なんだと思うんですが、従来から、日本の治験は、質がよくない、コストが高い、スピードが遅い。牛どん屋と全く逆で、うまい、安い、早いの逆なんですね。いわば、改善の兆しは確かに見えてきてはいる、しかし、せっかく世界に冠たる製薬企業等の存在がありながら、治験あるいは承認の環境整備はおくれている。 例えば韓国では、治験に関して、三千床から四千床の大変大きな大規模病院を治験の拠点として、効率的な治験を実施しているわけなんですね。国家プロジェクトとしての取り組みを行っている。ところが、日本の場合は、数多くの病院や診療所を対象に、患者さんを集め、分散してこの治験をやっている。非常に非効率的だ。 ところが、日本の製薬会社、納税力は年間四千億円、これは他産業から比べても非常に大きい。問題は、スピードとコストをどうやって今後に生かしていくのかということなんです。 このドラッグラグの問題、あるいは、まとめて聞いちゃいますが、治験の医療機関を新たに設置したり、一、二カ所に大規模にまとめる、こういうことが大事ではないか。 あわせて、承認審査体制についても、今のこのPMDA、年間八十の治療薬の承認申請がされ、七十ほど承認をされております。多くの治療薬やあるいはワクチンの審査を待っているわけでありますけれども、今までの議論にもあったように、確かに定員、人員の確保も大事なんだけれども、その承認を審査する質の向上といいますか環境の向上というものが非常におくれている。言ってみれば、私は、審査の質の向上のために、PMDAと大学、医療機関、あるいは製薬会社の研究開発部門の人材等、いわゆる形式的でない、実質的に、定期的に、きちっと、同時に情報交換あるいは研究を進めるという基盤整備をすべきではないか、このことを申し上げておきたいんです。 以上、二点についてお尋ねをします。
○長妻国務大臣 今のるるおっしゃられた問題意識は、私も同感する部分が多いわけでございます。 例えば、平成十六年、世界の売り上げ上位八十八製品を調べると、そのうち日本で市販されている六十製品を比較すると、日本では販売までに約四年かかる。最も期間の短いアメリカでは約一・五年ということでありますので、その差は二・五年の差があるということで、この差をまずは埋めていく、ゼロにしていくというのを目標にしているところであります。 そして、何がネックになっているのかということでございますが、今御指摘いただいたように、一つは、やはり治験について、ほかの国に比べてその体制がなかなか整わない。韓国の取り組みも紹介いただきましたけれども、そこが一つ大きなポイントであるということ。 あとは、承認審査の手順の透明化、あるいは体制の強化ということでは、この独立行政法人PMDAの審査人員を平成十九年度から三年間で百十二人から三百四十八人に増強するとか、ガイドラインの策定で審査基準の明確化、国際共同治験を含むすべての治験相談にタイムリーに対応するなどありますが、やはり大きな問題は治験の体制整備ということでございます。 今後、治験のための中核病院十カ所、治験のための拠点医療機関三十カ所ということを設定して取り組んでいるところでございますけれども、さらに、連携医療機関を含めた人材の育成とか、あるいは臨床研究の企画立案、その力を強化するなど、治験、臨床研究の体制整備を強化していきたいというふうに考えております。
○菅原委員 その答弁だと私の質問をなぞっているだけのお話であって、いかに大胆にやるか、具体的にぜひ今度、次回示してほしい。あわせて、やはりこのドラッグラグ、ワクチンラグの問題は、提供側だけじゃなくて、患者の側、患者の目線に立ってしっかり取り組むということをぜひ銘記していただきたい。 最後になりますが、障害者自立支援法について、一点お話をしておきます。 この法律は、障害を持つ方々が地域で暮らせるように、なるべく施設から地域に出て自分のチャンスを拡充できるように、そういうことで、三障害を一元化したり、あるいは先般も、私ども去年、利用者負担を応益から実質応能負担にするとか、障害者の範囲及び程度、区分の名称変更やら、あるいは特性を踏まえた抜本見直しをしよう、あるいは障害児の支援の強化といったことを改正案に盛り込んだんですが、残念ながら、これは廃案になってしまいました。 ところが、民主党は、今の支援法を廃止にするということ先にありきで、結局、この半年間、何にも取り組んでいない。内閣府にある推進会議、あるかもしれない。しかし、この前、私は出たんだというようなこの前の議論もありました。初めて出たかのような、言ってみれば、厚生労働省はもっときちっとこれに取り組むべきではないか、改めてこう思うんですね。いろいろな問題が起きてきていることも事実として、やはりそこをいかに改善するか。 特に、私は、障害を持つ子供たちが、いわゆる新生児のマススクリーニング検査あるいは乳幼児健診を受けて、なるべく早く、幼少期に障害を発見する。治療や療育をすれば、健常児と同じように育つ。 私の地元にも、聴こえとことばの教室という難聴児の子供たちの保育園、施設があるんですが、本当に、ゼロ歳、一歳で話せない子が卒園の式典のときなんか見事な歌を歌ったり、あるいはお芝居をしたり、いろいろとやることを見ると、やはりいかに乳幼児の療育というものが大事かということを改めて感じております。 しかし、そんな通園施設にとっても、結局、月額払いが日払いになってしまって経営が厳しくなったとか、これは我々の改正案には盛り込みませんでした。しかし、今もって、団体から声を聞くと、そういう声もある。あるいは、今言ったような教室でいうと、聾学校の、小学校の幼稚部に通っているんですが、そこは文科省の所管なものだから、いわゆる厚生労働省の分野から非常に切り離されて、実際に障害児としての療育の部分が非常に乏しい。赤ちゃんのだっこ一つ違ってきている、こんなような実態、声もあります。 ぜひ、この障害者自立支援法、私は、今の法をいかに改正するかという議論を与野党でこれからやって、廃止先にありきで今何にもやっていない状況から、早く皆さんの声を聞いてほしい、このことを最後に訴えて、終わりたいと思います。 以上です。
○藤村委員長 次に、阿部知子君。
○阿部委員 社会民主党の阿部知子です。 本日は、参議院でも同じ時刻に質疑が行われておりますために御答弁者の予定が少し立ちませんでしたので、改めまして、通告いたしました質問の順番を少し変えさせていただきます。 冒頭、介護保険についてお伺いいたします。 長浜副大臣にお願いを……(発言する者あり)山井さんが残ってくださいました。では、山井さんで参ります。 いわゆる介護保険については、先週既に法案一部見直しは通っておりますが、もともとこれは大変に根本的な論議が必要なところと思います。特に、施設系の福祉と在宅、これはどっちがどっちというものではなくて、両方相伴わないと、とても高齢社会をハッピーに生きることはできないという現実がございます。 その中で、まず施設系福祉について、特に介護施設、特別養護老人ホーム等々と呼ばれているものについてお尋ねをいたします。 既にさきの政権で、二〇〇六年度から八年度にかけて三カ年計画、これは第三次三カ年計画というのを立てて施設整備に取り組んでこられましたが、実は、第三次計画においても、達成度はなかなかでございます。 資料の、おめくりいただきまして二ページ目でございますが、ここには、三次計画においては、当初十一・五万床の予定であったところが八・一万床。なお、介護関連の施設といたしましては、特養から介護専用型特定施設までいろいろメニューはございますが、とりあえず全体として見ると、三次計画は目的の達成の七割であったということであります。 一方、これは厚生労働省に伺いますと、三次計画は七割なんだけれども、一次からずっと見てくると、累積数で九十一・六万床あるんだから九六%は満たしたんだというふうにもお答えでありました。私は、そういう認識を厚生労働省が持たれるというのは大変問題が大きいんだと思います。 山井さんにお伺いいたしますが、これからこのような施設整備について、まず、どのようにお考えであるか、不足と認識しておられるのかどうか、端的にお願いします。
○山井大臣政務官 阿部委員、御質問ありがとうございます。 端的に答弁をいたしますと、私は、介護施設は大幅に不足をしていると残念ながら認識をいたしております。これは、四十二万人、今入居希望者がおられますけれども、その中でも特に、在宅で要介護四、五で待機をされている方が六・七万人おられます。もちろん、それ以外の方々でも深刻な方々が多いと思っております。そして、阿部委員御指摘の、三期の計画が七一%しか達成できなかった、このことも非常に深刻に私たちはとらえております。 では、なぜ七一%しか達成できなかったのかということに関しましては、これは達成できていない都道府県を見てみますと、京都、東京、千葉、滋賀、神奈川県等であり、首都圏や近畿圏という都市部が中心であります。その理由としては、人材の確保がしにくいとか、基盤整備のための補助が不十分だとか、収支が成り立ちにくいとか、地価が高くて土地確保が困難であるというような声を聞いております。 その反省に立ちまして、今回は、まず介護職員の賃上げについては、処遇交付金で今九割の事業所で一・五万引き上げということで実施をいたしております。また、補助が不十分であるということに関しましては、二十一年度補正において、補助単価のアップ、通常一床当たり二百万円であったものを三百五十万円に上げ、また、開設準備の費用もプラスアルファして小規模特養への支援をふやしておりますし、また、地価が高いということに関しましても、二十一年度補正で、これは定期借地権一時金の補助を最大四分の一まで引き上げたところであります。 やはり、これから本当に、もちろん施設だけがすべてとは思いませんが、在宅と施設と、願わくば利用者がやはり選べるように、そのためには在宅とともに施設の整備も必要であり、スピードアップをせねばならないと認識しております。
○阿部委員 ありがとうございます。 施設は、地域において、いろいろな介護サービスや地域の介護力を高めていくための拠点にもなるところでございますから、ぜひその点について、今山井さんの御答弁のように進めていただきたい。せんだっての審議の中で、三年間で十六万人施設系をふやすということでありましたが、その内訳等々はまだ明確でないという、これは大臣の御答弁でありましたが、もう待ったなしです。これは地域に戻られれば実感されることと思いますので、ぜひ。 特に、御高齢になって、御家族がどなたか介護できればいいのですが、そのときに御高齢者自身が家族に申しわけないという気持ちになられたり、肩身を狭く思われることもあるわけです。これは、今山井さんがおっしゃったように、選べる体制に持っていくということが第一と思います。 次いで、今度は在宅系の介護についてお伺いいたします。 在宅系の介護ですと、同居者がいるとなかなか生活支援、生活援助が受けがたいということは、これは前に、山井さんが野党であったころ、よく御質問に取り上げておられました。そして、同居の家族を理由にした、そうした生活支援の出し渋りは問題があるのだぞということで、実は、山井政務官がなさったんだと思いますが、介護保険についてちょっとしたお知らせ、こういう「ちょっとしたご案内」というのは出していただいたんですけれども、ちょっとした御案内ではちょっともどうもしないような事態がございます。 実は、これはお手元の資料三ページ目に、見ていただければわかりますが、なぜ同居の家族がおられるとなかなか生活援助が受けがたいかというと、ここに厚労省の通達、三種類ございます。 これは、老計第十号と書いてある一番上のものは、老人福祉計画課長による通達、通称老計第十号です。ここには「利用者が単身、家族が障害・疾病などのため、本人や家族が家事を行うことが困難な場合に行われる」と。そうすると、御本人はおひとり暮らし、あるいは御家族がいても障害、疾病などでできませんよということをこれは言っているわけです。同じように、厚生省の告示第十九号も同様記載でございます。さらに、老企第三十六号の第二の2、これも、これだけが「障害、疾病がない場合であっても、同様のやむを得ない事情により、家事が困難な場合」と。すなわち、だれかがいたら、やむを得ない理由を申し立て、申し述べないと生活援助は受けられない。 これは、介護の社会化と言ってきたこと、あるいは介護保険はだれのためであるか。第一は、御本人のためであるわけです。政権もかわったことですし、こういう通達行政を見直して、これは全部廃止していただきたいんですけれども、新たな、さっきおっしゃった、本当に御本人が必要とするものを受けられる、その趣旨が伝わるような、そもそもこういうものが行政ベースで流れると、ちょっとした御通知ではちょっともどうもできないんだと思いますが、この点について山井さんの御答弁をお願いします。
○山井大臣政務官 阿部委員、御指摘ありがとうございます。 私も、非常に共感するところが多いわけであります。 もちろん、同居者がいるときも一〇〇%オーケーというふうに、全面オーケーというわけにはいきませんが、阿部委員が御指摘されるように、やはり介護保険の理念とはそもそも何だったのか。それは、介護の社会化であり、家族構成にかかわらず適切、必要なサービスを受けられる、そして望めば在宅で暮らすことができる、在宅重視というのが十年前の介護保険の理念であったわけです。ところが、同居家族がいるということで一律にサービスを制限して、その結果、施設に入りたいという人がふえてしまったら、これは本末転倒であるというふうに思っております。 昨年の十二月に、第一歩、この「ご案内」を出して、同居している家族がいるということで、機械的にホームヘルプなどのサービスをストップ、利用できないようにしてはならないという通知を出させていただきました。この通知は反響がかなりありまして、これで助かったという声も多々寄せられております。そこで私も改めて感じましたが、ということは、残念ながら、今まで本当に一律に、同居者がいるということでホームヘルプなどが受けられないという事態が全国で起こっていた箇所があったということなんです。 それで、ここは介護保険の根幹にかかわる問題だと私は思っておりまして、もちろん、介護保険は地方分権の試金石と言われておりまして、保険者である市町村に多くの権限があるのは当然だとは思いますが、しかしもう一歩、先ほど申し上げました、介護保険の根本理念ということを徹底する意味では、ある程度、こういうサービスは全国津々浦々、最低限、介護保険料を払っている人は受けられるんですよというミニマムがないと、やはり老後の安心感は得られないというふうに思っております。 その意味では、もちろん、御夫妻で住んでおられて、お連れ合いの方が元気なのに、その人が家事をサボってその人の分までホームヘルパーが来てくれというのは、これはさすがに行き過ぎでありますが、やはり基本的には、日中独居であれ、もう少し、原則としては同居家族がいてもサービスが必要であれば受けられる、そのような判断は現場のケアマネに今まで以上に任せていくという方向が、本当に在宅重視というのであれば必要ではないかと私は考えております。
○阿部委員 山井政務官の思いはよくわかりますから、私は、通達行政から、この通達自身をやめたらどうかと。 坂口元厚生労働大臣がおられますが、例えば在外被爆者の場合も、たった一枚の通達によって、在外に居住しておられる方が長年被爆者として認められなかったんですね。これを変えるために、坂口大臣、随分御苦労をなさいました。 でも、それ自身は、通達の方がおかしいんですね。おかしいものは変えなくちゃ。新政権なんだから。御答弁求めず、よくわかっていると思いますから、お願いします。 次へ行きます。 次は、この前も山井政務官の御答弁ありましたが、介護保険、十年たちました。そして、介護保険は、今や、はっきり言ってやらずぼったくり保険じゃないかと呼ばれているような、保険料だけ取られてサービスない、さっきの、家族いたら使えない、何のために保険料を払っているんだという国民の不信まで生じている。でも、私どもは、やはり介護の社会化と言ったし、何とかこの制度で本当に介護をきちんと権利として受けてほしいと願ってやっているわけです。 十年たったところで見直しをしよう、介護ビジョンというのを出すというふうに山井さんはおっしゃいました。そのときに、先ほど内閣府での、障害者自立支援法の廃止に当たっての障がい者制度改革推進会議のことをお取り上げでありましたが、あれと同じように、あの会議は、確かに御指摘の、会議は踊る、されど進まずとなってはいけないのですが、あの会議のいい点というのは、当事者をきちんと入れて、そして御意見を改めて聞いて、障害者施策の根幹を見直そうとしている点なんだと私は思います。 この介護ビジョンの策定に当たっても、これまでは、いろいろな審議会、分科会の中にお声を聞くために呼んだりはしておりますが、山井さんが目指す、あるいはこの政権が目指す介護ビジョンの策定に当たって、ぜひそういう、例えば認知症の御家族をお持ちの方もメンバーに入れ、施設系サービスをやっておられる方からも聞き、本当に根本的な見直しをしていただきたいです。当事者を含めてメンバーとした会議を持つべきではないか。どうでしょう、山井さん。
○山井大臣政務官 阿部委員、御質問ありがとうございます。 おっしゃるとおり、介護保険十年目の折り返し点、見直しの中で最も重要なのは、やはり当事者の声、利用者の声を反映するということだと思っております。 反省するとすると、やはり今までの審議会というのには、もちろんある程度当事者の代表も入っておられましたけれども、少し少な過ぎたのではないかという反省もありますので、今までのそういう審議会等に当事者の声をもっとふやすことや、また、長妻大臣も過去二回、介護現場に行って実習もされて生の声も聞いてこられました。 私たちもできるだけ利用者や現場の声を生に聞くように心がけたいと思いますし、そういう方法の一つとして、阿部委員が御指摘のような会議というものもあるのかなと思いますが、とにかく現場の声をより多く反映するためにどうするか、検討をさせていただきたいと思います。
○阿部委員 ありがとうございます。 続いて、足立政務官にお願いをいたします。 まず一問目は、臨床研修の問題についてお伺いをいたします。 足立政務官は、この間、インフルエンザ対策も含めて大変多忙な任務を担われて御活躍でありますが、私として特に頑張っていただきたいのはこの臨床研修問題であります。 臨床研修制度は、平成十六年、二〇〇四年に大幅な見直しがございました。それまで大学中心であった臨床研修が、当時は八割が大学、二割がそれ以外でありましたが、一つは義務化すること、そして、民間の病院も含めていろいろな各施設が、自分たちがこういう研修をしたいからということで研修指定病院という資格を取って、研修をプログラムして研修医たちに提供して、自分たちの診療というものを伝えていくという大きな取り組み、転換点があったと私は思います。 そして、これも五年目に当たって見直しが必要だろうということで、平成二十年の九月、あり方検討会が開かれ、以降六回、そしてその後は見直し審議会が開かれ、二十一年四月から四回というふうになって見直されておるのですが、何か、どこか違う方向に行ってしまいそうな危機感を私は覚えます。 これもまた政権交代がございました折ですから、ぜひ足立さんにお伺いをしたいですが、何が私にとって奇異か、違和感かというと、研修医の偏在、簡単に言えば、都市に集中する、過疎に行かないなどがあり、あるいは、大学病院が医師を配置する能力を低下させたからと、需給バランスの面からの見直しが大変に前面に出て、そもそも研修は、その医師がどんな医師として能力を持って育っていくか、モチベーションも含めて、そうした医師の医療内容についてのものであると思います。主客転倒した見直しになっていると私は思いますので、この点についてのお考え。 続けてもう一問お願いいたします。その中で当然出てきたものなのでしょうが、いわゆる入院が三千名以上の病院でなければ研修指定をとれないということも、これもいかがなものかと思います。足立政務官には、この間、厚労省の方でとられたパブリックコメント、パブコメで、どんな意見が最も多かったか、そして、どうしてそういう意見になるのかについて。 前者は、そもそも医師の内容で見直す、評価したり、どう進むか。二点目は、勝手な三千名基準というものがどんどんひとり歩きしているのではないか、それについて寄せられたパブコメについてどうお思いか。お願いいたします。
○足立大臣政務官 基本的に、阿部委員がおっしゃること、私は同じ考えです。 そもそもこれを導入したのは、プライマリーケアの基本的な診療能力を身につけるということだったわけです。 検証でやはり一番足りないのは、実際に研修した医師がその研修システム、そしてその病院をどう評価しているかという検証が一切なかったと思います。これは、来年度早急にアンケートを科研費でやるようにしました。 ただし、平成十五年度と二十一年度を比べると、例えば大学病院での研修医の数が、五千九百人から三千五百人と二千三百人減っている。その分、市中病院に出たわけですけれども、市中病院では、臨床研修病院が四百五十から千、それだけふえているのに、では指導する体制はどうなのかといった問題点はあると思います。 それから、パブコメの内容は、今資料がありませんが、私、記憶の中で言いますと、やはり三千人という数の問題、それからCPCをやっている、そこら辺が大きかったような印象があります。 御案内のように、激変緩和措置をとっておりますし、これは五年以内に抜本的に見直すということも決めておりますので、議員の意見も十分お聞きしながら検討していきたいと思います。
○阿部委員 パブコメは、四百七十件寄せられたうち、最も多い二百二十七件が、この三千人以上の根拠がわからないとするものでありました。 今、足立政務官がおっしゃったように、やはり医師の研修によって磨かれるべき能力、そして当初の理念は、プライマリーケアで、いろいろな地域で本当にその地域の文化や伝統や社会そのものを把握するような研修をしてほしいということでありました。そこにあって、例えば、三千人以上のところでなければ、もう将来はこの病院は研修病院になれないかのようなやり方で現状を過ごすことはよくないと私は思います。 もちろん、各病院、きちんとおのれを検証し、また国としても検証していかなきゃいけないと思いますが、今、三千人を割るような病院がたしか幾つかございました。基幹型臨床研修病院のうち六十八病院がこの基準に引っかかる、いわゆる三千人は満たしていない。しかし、その病院それぞれの特色のあることをやっているかもしれません。 医療は人間の営みを支えるものですから、ぜひ足立政務官には、今でも、もうこれでこの六十八病院は次の研修がとれないのかと思っておりますから、この点については明確なメッセージ、激変緩和というと、もうそっちに向かって方向は決まっているのだが、しばらくの間続けてあげるよというお目こぼし路線であります。そうではないんだろうと私は思います。 足立さんも大分で育って、戸次という、私も何度も行きましたけれども、文化的にも大変いい地域と思います。そこにはそこの医療のよさもございます。そういうものを体得してほしい、吸収してほしいという思いで研修がなされることを私は望みますので、ぜひこれは足立政務官でお取り組みをいただきたいと思います。 引き続いて、予定された質問がございますので、今の確認答弁を経ずして次に行かせていただきます。 実は、移植医療の問題であります。 これも昨年、ちょうど政権交代前に、新たに子供たちをドナーとする新臓器移植法が通りました。しかし、法案は通りましたが、その子供たちが、例えば脳死に至るまでの間十分な治療を受けられたか、あるいは虐待等々が除外できるかなど、まだ多く問題を含んでおります。 臓器移植については、大人でありますが、既に一九九九年から今日まで八十六人の脳死患者さんからの移植が行われたところでありますが、国の検証会議では五十五例しか検証が進んでおりません。実は、去年の三月からこの一年間は、全く検証がストップしております。法案の審議に忙しかったということもあろうかと思いますが、しかし、この検証会議は今後も続けられるんでしょうね、これで終わっちゃうんじゃないんでしょうねというのが一点。 それから、今後、子供たちがドナーとなる場合には、その検証会議には当然、小児の専門医あるいは虐待防止のためのさまざまな専門知識をお持ちで取り組んでおられる方を検証委員会メンバーに加えられることと思います。その点についてお願いいたします。
○足立大臣政務官 検証が五十五で、報告書ができ上がっているのは四十八、そのうち公表してもいいというものは三十五になっている。 さらに続けるのは当然でございまして、なおのこと、小児の方が入ってくるわけで、もっと検証が必要だろうと私は思っていますし、その専門の方々に当然入っていただくことが非常に重要だというふうに私は考えています。
○阿部委員 では、子供たちの脳死にならないための治療はどのように担保されるのかということで、お手元の資料を見ていただきたいと思います。最後の資料になるかと思いますが、ここには、私が何度も取り上げました、日本の医療の中で小児の集中治療室はどのように整備されておるかということです。 ここに挙げてございます二十九の施設は、おのおの、子供の医療においてはセンター的なものをやっておるというところとして知られておりますが、しかし、この中でいわゆる小児集中治療室を重症、救急等も含めてやっておられるのは、まばらに書いてございます、ベッドにして、八十五床プラスさまざまなほかの患者さんの、例えば外科の手術後の子供たちと一緒にしても、合わせても全体で百八床しかない。すなわち、簡単に言うと、子供が重症の脳障害を持って入院されても治療ということが大変にはかどらない現状というのは、ほぼ同じように続いているかと思います。 そして、先ほど足立さんがおっしゃった、そうした小児の専門医も当然入れていくんだということでもありましたけれども、その前提として、まず、子供たちが十分に救命救急医療を受けられる現状というのが私は早急に成っていってしかるべきだと。 そして、もっと言わせていただくと、今、大人で三百三十八カ所が提供病院になっていますが、その中には子供のための診療の能力を持ったところは大変に少のうございます。この状態のままで子供たちの臓器提供がされるということに懸念を抱いておりますが、この点についてお願いいたします。
○足立大臣政務官 確かに、三百三十八施設のうち、いわゆるPICU、小児集中治療室を有する施設というのは十四施設しかございません。では、小児の脳死判定のところで必ずこれが必要かということは、また論が別だと思います。私は、ミックスという形を考えていかなきゃいけないと思います。 ただ、そこで問題点を共有するのは、小児の集中治療というものをもっとしっかりしなきゃいけないという問題点につきましては共有いたしております。
○阿部委員 ミックスと言われると、何だかちょっとよくわからないのですが、端的に言うと、その場で治療に当たっておらず、脳死判定のためだけによそからお医者様が来られて、この子は脳死ですよと言われても、はっきり言って御家族は受け入れがたいと思います。足立政務官がおっしゃるミックスの意味はちょっと私には理解できませんが、次の御答弁とあわせてでも結構です、お願いいたします。 最後の一問は、いわゆるナショナルセンター六カ所が独立行政法人化されました。六カ所について、二名の公募による理事長と、残る四名についてはそのまま、それまでの病院長などが理事長になられるという形で仮にスタートなさるんだと思います。 しかし、皆様のお手元につけた資料の下から二枚目を見ていただきますと、さきに独法化された国立病院機構等を見ますと、理事長は矢崎先生、医師でありますが、理事のところは全員、厚生労働省関係のOBか現職の出向でございます。理事四名と副理事長が全員、厚生労働省関係者であります。 よもよも、これからできます独法、六カ所ございますが、私は、これはいかに何でもいびつだと思います。そもそも、民主党にあっては、天下り等々は認めない方針とも伺っております。 新たにできます六独立行政法人における理事、本来はスタート時点で選任すべきと思いますが、されておりませんことも含めて、今後どのように進められるのかについて、最後にお願いします。
○足立大臣政務官 問題点は三つあったと思います。 まずは、一つ。 昨年の鳩山内閣の閣議決定で、公務員のOBがポストについている理事については公募するというふうに決めました。その結果、三月末現在で十七ポストを公募いたしましたけれども、公務員OBはゼロです。先ほど御指摘のあった二名のところも、公務員OBではなくなるということです。 それから、ナショナルセンターはどうなるか。 これは四月一日に恐らく理事長から発表になるというふうに思っておりますが、私のところに今入っている資料を思い出しますと、OBに関しては、極めて少ないというか余りいなかったという認識であります。それが二点目。 それから、三点目。先ほどのミックスの件だと思います。 法的な脳死判定、これは、その医師を確保することとなっておりますが、そこに常勤であることということにはなっていない。それは議員とちょっと見解が違うかもしれませんが、私は確保できていればいいというふうに考えております。それが、その施設だけの常勤でということと条件は違うという意味で、ミックスという言葉をちょっと使わせていただきました。
○阿部委員 治療過程にかかわらない医師の突然の脳死判定というのは受け入れがたいと思います。 終わります。
○藤村委員長 次に、三宅雪子君。
○三宅委員 民主党の三宅雪子でございます。 本日は、民主党・無所属クラブを代表いたしまして質問をさせていただきます。 本日は、限られた時間ですので、三点の課題について質問させていただきますので、よろしくお願い申し上げます。 先日、何げなく新聞を見ておりましたら、資料一にございますように、何と、ホームレスの知的障害者が三四%という驚くべき数字が目に飛び込んでまいりました。実は、この件は私自身、大変気になっていたことでしたので、すぐに厚生労働省の方にお聞きしたところ、資料三に基づいて説明を受けたのですが、厚労省の統計では、ホームレスの中で知的障害者はおよそ一%ということでした。 さまざまな調査方法がありますので、当然、数字に乖離はあるとは思うんですけれども、余りにも数字に開きがあるのですが、一体どちらが正しい結果なのかと考えますと、厚労省の調査は、単に、障害手帳をあなたは持っていますか、持っていませんかというような質問だった、そういったことで判断しているとお聞きしました。大変申しわけないんですけれども、こういった形だと正確な数字を全く把握できない、私はそのように思います。 特に、障害を持った方に関して、九四・六%の人が持っていないと答えたとありますけれども、なかなか本人が、特に知的障害者の方はそうなんですけれども、自分は障害を持っていますと答えないんじゃないかと私は思います。 そしてもう一つ、常日ごろから疑問に思っている数字がございます。厚生労働省から発表の障害者の人数は七百二十四万人となっていまして、内訳は、身体障害者がおよそ三百六十六万人、精神障害者がおよそ三百二万人、そして知的障害者がおよそ五十五万人ということでございます。 私は、率直に申し上げて、知的障害者が実際の、実態の数字とかけ離れているように感じてなりません。現に、ホームレスの中の知的障害者はカウントに入っていないというお話も伺っております。ですから、少なくともその分は反映をされておりません。数字を把握するということは、当然、実態調査の基本でありまして、対策を立てるにしても、正確に事態を見詰める力を持たなくては有効な対処法も見出しにくいと考えます。 まずは、ホームレスの知的障害者に対する調査の方法につきまして、妥当なのかどうか、福祉分野で私が尊敬してやまない山井政務官にぜひお聞きしたいと思います。決して足立政務官を尊敬していないというわけではありません。 〔委員長退席、中根委員長代理着席〕
○山井大臣政務官 御質問ありがとうございます。 一言で言いますと、療育手帳を持っていない知的障害者の方がかなりおられるのではないだろうかということに尽きると思うんです。私も、この間、障害者福祉をライフワークの一つとしておりますが、同様の問題意識を持っておりまして、委員御指摘のように、実態を正確に把握していない、過小に把握していると、対策も過小なものにしかなり得ないという問題点があると思います。 そして、御指摘の、三四%ということに関しては、新聞に取り上げられたわけでありますが、昨年末に東京池袋で臨床心理士の方々が知能指数の検査を行ったものであり、七〇未満ということで、この新聞報道にも出ておりますが、三四%であったと。 これは調査方法が違うのですが、厚生労働省が行った調査では、平成十五年の調査時に百名以上の報告のあった自治体において、自治体職員などがホームレスの方々に障害の有無や障害者手帳の有無について聞き取り調査を行ったら、五・四%であったということであります。これは調査の手法は違うわけですが。 この新聞に取り上げられた調査によりますと、ホームレスの方の約六割がうつ病などの精神疾患を抱えている疑いも判明しているということで、IQが四〇から四九の方は、家族や支援者と同居しなければ生活が難しい、五〇から六九の方は、金銭管理が難しく、行政や市民団体による社会的サポートが必要というふうにも指摘されております。 その意味では、この実態をどのようにして把握するとより正確になるのかということを検討してまいりたいと思います。
○三宅委員 どうもありがとうございます。 こちらにいらっしゃいます諸先輩や、特に山井政務官も中心になりまして、平成十四年にホームレスの自立の支援等に関する特別措置法が制定されましたのは御承知おきのとおりでございます。厚労省の説明では、その結果、平成十五年に二万五千二百九十六人だったホームレスの数が、せんだって、直近の数字ですが、三月二十六日に公表されたことしの調査結果では一万三千百二十四人になったとのことであり、統計上は大幅に減少いたしました。 ただ、私は、この数字を果たして額面どおりにとっていいかどうか、非常に戸惑いました。リーマン・ショック以降の経済状況は低迷しております。雇用情勢はいまだ厳しく、年末年始には派遣村もことしも設営されるような現状において、ホームレスが順調に減ってきている。これは喜ばしい結果ではあるんですが、調査結果がちょっと腑に落ちないところがございます。 昨今、ネットカフェ難民など、いわゆるホームレスが新しい形態に変質しているのではないかという可能性も考えられます。お伺いしたところ、野外で生活している人をホームレスというふうに呼ぶというようなことも教えていただきました。 既に法が施行されて八年になりますが、山井政務官は、御自身が携わりましたホームレス自立支援特別措置法を現在どのように総括され、どのように御評価されていますでしょうか。
○山井大臣政務官 三宅委員にお答えを申し上げます。 やはり私の実感としても、ホームレスの方々が減っているはずはないのではないかと思っております。 それはどういうことかというと、ホームレスの方の定義をやはり広く変えていかざるを得ないだろう。具体的に言いますと、ネットカフェを転々とされている方々、また、ファストフード店で泊まっておられる方々、屋根のあるところには住んでいるけれども、いわゆる定住するところがないという方はどんどんふえていっておられると思います。 三宅委員御指摘のような問題意識も私たちも持っておりますので、来年度に、サンプル的ではありますが、ネットカフェにおられるような方々も含めた広い意味でのホームレスの方々の調査をしていきたいというふうに考えております。 そして、委員御指摘のように、私が議員になって初めて党の仕事をしたことの一つが、ホームレス自立支援チームの事務局長を、当時の鍵田節哉会長のもと、させていただきまして、ホームレス自立支援法を八年前につくるお手伝いをさせていただきました。この法律は平成二十四年の八月に十年を迎え、見直しになりますので、ぜひ三宅委員とも一緒になりまして、もう少し広い意味でホームレスの方々ということをとらえて、対策に取り組みたいと考えております。
○三宅委員 ありがとうございます。同じ認識を持っていただいていることに、本当にほっとします。 実は、今、山井政務官がおっしゃっていたとおり、この問題は、私たち全員が持っているホームレスに対する基本的な考え方の、認識のずれだと考えています。この二つの調査の開きの中にそれがあらわれてきていると思うんですけれども、まず出発点として、なぜホームレスにならざるを得なかったのかという考え方から始まって、見直すべき時期に来たのではないかと思うようになりました。 これはまだまだ推論の域を出ませんが、資料二にありますように、ホームレスの方で、もちろん、御自身の意思でホームレスになられる方もいらっしゃいます。しかし、表面では見にくいですが、かなり多くの方が何らかの知的障害ですとか発達障害、認知障害、精神障害を有している可能性があるのではないか、そういった部分も考えられるのではないかというふうに思います。 つまりは、ホームレス状態にあるということは、いろいろなことを含めて、何らかの知的機能のハンディが大きな要因となっているのではないか、そこのところの研究調査をもっと国が真剣に進めていただきたいと本当に強く今は思っております。その意味では、専門家の方々が行った、ぼとむあっぷ研究会のこの調査、非常に衝撃的な数字でありまして、この数字は恐らく多くの方がごらんになって驚かれたことだと思いますが、これは画期的なことだったと私は高く評価しております。 ですから、そういう認識に立てば、それぞれの機能に応じた適切な支援が行われることによって、いずれ地域社会に復帰していく道が開いていかれるのではないか、そのように考えもしております。 障害者福祉という観点からホームレスの問題を考えたときに、厚労省の従来の認識のままで本当にいいのかどうか。鳩山政権は、すべての人に居場所のある社会を目指し、命の大切さを強調する民主党政権として、やはりもっと真剣に実態把握をして、認識を変えていくべきだと思うのですが、再度、山井政務官、いかがでしょうか。
○山井大臣政務官 三宅委員にお答えを申し上げます。 一言で言いますと、ホームレスの方々の問題を、自己責任論だということで、怠け者ではないか、そういう考え方中心に対応をするということは問題があるのではないかと私は思っております。もちろん、一部勤労意欲が少ない方もおられると思いますが、三宅委員御指摘のように、半数近い方が広い意味での障害を持っておられるのではないか。あるいは、先ほどの調査でも六割ぐらいの方がうつ病や精神疾患の疑いがあるのではないかということで、そういう意味では、医療や障害者福祉という観点からも、三宅委員御指摘のように、ホームレスに対する支援を根本的に考え直していかねばならないのではないか、そのためにまさに実態調査も必要であると思っております。 これは一言で言うと、ハウスレスではなく、ホームレスなんですね。建物がないだけではなく、家庭やつながりが切れてしまっているわけでありまして、私の尊敬するペール・アルビン・ハンソンというスウェーデン福祉国家建国の父は、一九三〇年代に国民の家構想というのを立てて、家族が守れない場合には、国家が父となり母となり、一人一人の国民を守っていくということを言っておられましたが、今こそ鳩山政権も、一人一人の居場所をつくっていく、そういう政権であるべきだと思っております。
○三宅委員 熱い御答弁、ありがとうございました。 時間がなくなってしまいましたので、次に、最先端医療の話題に移りたいと思います。 日本人の死亡原因のトップスリーは、がんが三〇%、心臓病が一六%、脳血管疾患一一%となるわけでございますが、実は、毎年三十四万人ぐらいの方が、がんでお亡くなりになっています。 私は群馬県で国会議員にならせていただいたわけですが、このことに大変興味を感じたきっかけが、群馬大学で行われています重粒子線治療でございまして、これは大変すごいものだというようなうわさを聞きまして、早速見学に行かせていただきました。そして、いろいろ御説明を聞きました。まだ日本では三カ所のみの導入と聞いておりますが、大変な最先端医療だという話はいろいろなところから聞いております。 きょうは文科省の方に来ていただいていますので、簡単にこの重粒子線治療について御説明をしていただけますでしょうか。
○磯田政府参考人 重粒子線治療とは、がん細胞に強い放射線を照射し死滅させる放射線治療の一種でございます。 重粒子線の場合、体のある特定の深さで線量のピークがあらわれるため、このピークを腫瘍に合わせることにより、腫瘍のみをねらった放射線治療が可能となり、この結果、正常組織への影響を抑えることができます。また、重粒子線は細胞を破壊する力が強く、通常の放射線や陽子線に比べ、およそ二、三倍の威力があります。したがいまして、手術やこれまでの化学療法では治療困難ながんを治療することも可能となっております。 〔中根委員長代理退席、委員長着席〕
○三宅委員 ありがとうございます。 臨床例がまだ足りないということですが、確かに、群馬大学の放射線装置は、放射線医学総合研究所の小型実証機としての意義を持っているそうで、年間六百人から八百人の治療が可能と聞いております。臨床を重ねて、よい結果が得られれば、ぜひ保険適用をして多くのがん患者を救っていただきたい、そのように願っております。 そして、最後に、本当に時間がなくなりましたが、介護制度についてもお聞きします。 介護制度はスタートしてちょうど十年を迎えましたので、ことしは見直しの時期になるわけでございます。 そして、私は、前回の質問のときに、長妻大臣に、福祉の分野のマニフェストの約束だけは、社会保障の分野のマニフェストの約束だけは、どんなことがあっても後退させてはならないと、その御決意を聞かせていただきました。特に、介護の分野でのマニフェストの約束は重要なことだと思います。 全国どこでも、介護の必要な御高齢者に良質な介護サービスを提供するという政策の目的のもとで、その具体策として、療養病床とグループホームなどの介護拠点の施設整備を三年間で十六万人分ふやし、介護労働者の賃金を月額約四万円引き上げるということでございました。 こうしたことを私ども挙げさせていただいているわけですけれども、この財政難の中、こういったことを実行することは大変なことだと思っております。このスケジュール等をできたらお聞かせいただけますでしょうか。
○山井大臣政務官 三宅委員にお答え申し上げます。 まず、四万円の賃上げでありますが、昨年四月からの介護報酬の引き上げで約九千円、そして今回の交付金により一万五千円、合計二万四千円アップすると見られておりますので、残り一万六千円。これは、交付金が二年後に切れますので、その残った期間の間に、介護報酬を引き上げるのか交付金にするのか、どちらにするかはまだ決めておりませんが、そこでさらに引き上げて、四年以内にマニフェストの約束どおり、賃金四万円引き上げを目指していきたいと考えております。 また、介護施設の整備も、先ほども阿部委員にも答弁させていただきましたように、本当にこれは相当本気でやらないと目標を達成できませんので、何が問題であるかということを把握しながら、必ずこの施設整備の目標も実現をしてまいりたいと考えております。
○三宅委員 ありがとうございました。 いずれにしても、何度も申し上げますが、民主党政権の大きな意義は社会福祉政策の大転換なのですから、そこにおいて、三役の皆様を先頭に、国民の信頼をかち得る厚労行政となりますよう、強くお願いをしておきたいと思います。 時間が参りましたので、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○藤村委員長 次に、水野智彦君。
○水野委員 民主党の水野智彦でございます。 本日、初めての質問の時間をお与えいただきまして、大変ありがとうございます。民主党を代表して質問させていただきます。 昨年の末でございますけれども、平成二十二年度保険点数改定におきまして、コンクリートから人へという中におきまして、大変財政が厳しい中御尽力をいただきまして、十年ぶりの大幅な医療報酬改定をいただきました。大変ありがとうございます。 私は、昨年まで歯科診療の現場で地域医療を行ってきた者として、地域医療の現場の声として質問させていただきたいというふうに思っております。 まず、質問の第一でございますけれども、指導監査の問題でございます。 特に、集団的個別指導についての趣旨は、指導対象者となる高点医療保険医に対して教育的観点から指導を実施し、医療保険に対する理解を一層深めることを主眼として行うということでございます。しかしながら、その高点数を理由というところに大変問題があるのではないか、そういうことにおいて集団的個別指導が行われるということに問題があるのではないかというふうに常々感じておりました。 まず、平均点数が高いことが指導対象になる、その根拠がないということでございます。 確かに、高点数を上げている方の中には不正、不当の方が多くおるということは、もちろん私も承知しているところでございます。ただ、機械的に一枚当たりの平均点の高いもの上位八%を集団的個別指導に呼び、次年度以降実績においても平均点が基準よりも下がらなかった場合には、集団的個別指導の翌々年度に個別指導を行うということでございますけれども、患者のために質の高い医療を行ったり、また、一人当たりの実日数がふえれば、平均点数が高くなるのは当たり前の話でございます。 また、今回の改定では、在宅医療の推進が特に取り上げられているということの中で在宅医療への関心が高まっている、そういう中で、在宅や障害者医療は高点数になります。そういうことによって指導の対象になる可能性が高くなるという可能性がございます。そのために、指導監査を恐れて逆に医療や請求を控えてしまう萎縮診療となる可能性が高く、適切な医療が行われない。そういうことによって、国民にとってデメリットになる可能性があるのではないかというふうに考えております。 また、私の実体験からも、厚生局や技官によって診療内容や法的解釈に違いがあることがあり、地域によっては指導が一律でないというような傾向が見られております。 額に汗し、地域住民のため日々患者と向き合っている医師が、このような心配をすることなく安心して診療ができるような御配慮をお願いしたいと思いますが、足立政務官におかれましては、この辺の御見解をお伺いできたらというふうに考えております。
○足立大臣政務官 質問が多岐だったという印象がありますので、ちょっと整理してお答えします。 まずは、水野議員は、私とほぼ同年代で、長年歯科医療に携わってこられて、非常に厳しい環境であると思いますが、お疲れさまでございます。 そこで、まず、今の指導医療官のことについてなんですが、私は、議員がおっしゃったように個別に具体的に見ていくというのは当然必要なことなんですが、その前の段階で、いわばスクリーニング的に網をかけるということは、それはある意味必要なのではなかろうかという気がしております。その方々に対して集団的指導となるわけですけれども、それ以降はやはり個別的ということで、その段階を踏むことは私は必要だろうなと思います。 それから、指導医療官については、これは医師がなられているわけですけれども、公務員としてのルールといいますか、社会的な意味合いといいますか、やはり研修は必要だろうということで、これも研修についてはしっかりやっておりますし、その点の質を向上させるということも大事なことだ、そのように、二点、考えております。
○水野委員 ありがとうございました。 この問題につきましては、これからまた指導大綱の見直し等ありますでしょうから、またその中でいろいろと民主党の独自の政策を入れていっていただけたらというふうに考えておる次第でございます。 続きましての質問でございます。 続きましては、ほかでも取り上げられているかと思いますが、海外からの歯科技工物の問題について、政務官にお伺いしたいというふうに考えております。 歯科医療技工物は、そしゃく機能の回復のみならず、話すことや審美的要素など、社会的生活を営む上で重要な人工臓器として、長期にわたり口腔内に装着されているものであります。したがって、歯科医療技工物は、薬事法に規定されている材料基準に基づき、歯科技工法で定められた安全基準を満たした施設で、歯科医師、歯科技工士が安全と質の担保を図りながら作製しているものです。 ところが、海外技工物はこれらの基準が全く問われていないため、このまま放置されれば、我が国の安全性と質が担保されている医療保険体制そのものが根底から崩れる可能性が否定できないと私は思っております。長妻厚生労働大臣も、海外技工物の具体的な基準策定、問題の背景にある構造的な問題の有無についての実態把握に努める旨の発言をされております。 また、今月九日付で日本歯科医師会から足立政務官あてに、海外への歯科技工物等の委託に関する日本歯科医師会の考え方というものが提出されていると聞いております。この文書によると、関係五団体が歯科技工物に関して厚生労働省と連携を図る旨合意がなされたというふうに聞いております。 内容についてはここでは省略させていただきますが、その内容の中に、一部なんですが、民主党インデックス二〇〇九医療政策の提言に基づき、歯科補綴物のトレーサビリティーの確保を構築するため所要の検討をする等、考えが示されているというふうに聞いております。 私も、歯科医師として、患者に対して安全、安心な歯科医療を提供するという観点から、今お話がありました歯科医師会の考え方を受けて、厚生労働省として取り組んでいく必要があるのではないかというふうに考えておりますが、ここの根本的な解決に向けて、今後どのような対応をお考えなのかということを足立政務官に御質問させていただけたらというふうに思っております。
○足立大臣政務官 数年前から民主党でも、歯科補綴物について、特に輸入物について、この材料についてかなり問題があるのではないかという指摘は各委員がしてきました。そして今回、ベリリウムのこともあって、さらにその問題を深く検討しているということになるわけです。 基本的に、義歯などの歯科補綴物はオーダーメードで作製される、そして歯科医師が海外に注文する場合は個人輸入するという仕組みになっているわけですけれども、今までどういうふうなことを厚生労働省としてやってきたかといいますと、使用材料の安全性に関する情報を患者さんに十分提供するよう継続的に周知する。これは平成十七年以降でございます。それから第二に、国外における歯科補綴物の材料に関する分析や流通実態に関する研究を実施していまして、ことしの五月にそれがまとまる予定でございます。 今後、先ほど御案内がありました私に対する要望のありました点も踏まえて、第一段階として、歯科医師が国外へ歯科補綴物の作製を委託する際に指示する内容、これは基準ですね、作製場所や使用材料等について基準を策定、周知する。これは、早ければきょう、これを出す予定です。それから二番目に、先ほどトレーサビリティーの話がありましたが、十月末ぐらいを目途に、トレーサビリティーが確保されるような、歯科医師が遵守すべき事項を、これまた策定して周知したい、そのように考えております。
○水野委員 ありがとうございました。 これは私のあくまでも私見というか思いなのでございますけれども、やはり海外技工物は薬事法の医療品対象に、材料は薬事法基準に、そして作製については歯科技工法に準じた取り扱いにできるよう希望をしておりますけれども、その辺の見通しについては、政務官、どのようにお考えでしょうか。
○足立大臣政務官 議員の意見も踏まえながら検討してまいります。
○水野委員 次に、皆様のところに資料を配らせていただいたと思っておりますけれども、私も現場でやらせてもらいまして、患者さんへの文書提供の問題について質問させていただきたいというふうに思います。 そこの資料にありますものが、私が歯科医療に携わっていたときの患者さんへの文書提供書類の一覧でございます。この文書提供が指導管理料の算定要件というふうになっておりますが、今、その文書提供が非常に診療の負担になっているのではないかというふうに私は考えております。 確かに、患者さんに文書にて診療内容等を報告することは重要なことであるというふうには認識しております。しかし、その内容について細かい記載をするということが、非常に現場で、過重労働というのですか、大変な仕事となっていて、本来の診療時間を圧迫するようなというか、診療を圧迫するような事態も起こっているのではないかというふうに思っております。 病院においては医療クラークというものが導入され、二〇〇八年の診療報酬改定では医師事務作業補助体制加算、施設基準が示され、そういう補助者には補助金というものが給付されているというふうに聞いております。 文書提供を義務化するということは、もちろんそれは十分認識もしておりますが、医療機関の事務負担を軽減できるような対応がこれからぜひ必要だというふうに思っております。特に、やはり患者さんを診るということが私たちの第一の仕事でありまして、もちろんカルテはドクターが書かなければいけないというのも十分把握しておりますが、しかし、こういう書類につきましてはできるだけその辺の軽減というものを図れないのか。それは単に病院だけでなく、診療所または介護施設等も含めまして、そういうような軽減ができないのかということを質問させていただけたらというふうに思っています。 足立政務官の御所見をお伺いしたいというふうに考えております。
○足立大臣政務官 お答えいたします。 両面からお答えしたいと思います。 今議員がおっしゃるように、確かに診療に十分時間を費やしたいということはそのとおりだと思います。しかし、私も経験上、歯医者さんの治療で、一体自分は何をされているのかよくわからないということもまた事実でございます。 そんな中で、議員が今おっしゃったのは、十八年の文書提供の算定要件だと思いますが、これは当時、相当反対意見もその後ありまして、二十年の改定で六項目についてはその算定要件から廃止をしております。内容はまた後でお伝えしたいと思いますが、もう御存じかもしれません。それから、三項目については、今まで月に一回であったのを三月に一回という形に改めたものもございます。 また、別の観点からいいますと、今回の診療報酬改定に際して、情報提供の算定要件のことをどのように感じていられるか、患者さんに実態調査を行いました。その結果が、文書提供によって歯科診療に対する満足度が高まったとお答えされた方七五%、歯科診療に対する安心感が増したとお答えになった方八二%というように、患者さん側からすれば、これは非常に評価が高いという面もまたございます。 それは、評価の高いもの、あるいは患者さんの納得という面から考えると必要な部分と、それが本来の診療行為の時間を割愛させてしまっているという両面から検討が必要だろう、私はそういうふうに認識しております。
○水野委員 足立政務官は今、両面からということでお話しいただきまして、確かに、患者さんにそういう書面を出すということは、必要性は十分に感じております。ただ、そういうものにつきまして、では、これはどうしても医師が書かなくてはいけないものかということにつきまして、やはりこれから少し御検討いただけたらと。カルテは、これは当然医師が書く話でございますが、こういうものに関しては、もしそういう介助者があって、書けるものであれば、そういうところで出させていただけたら、私も、その分皆さんが診療に力が入るのではないかというふうに今考えておる次第でございます。 それらのものに向かいまして、これからぜひ民主党の医療政策というものを強く打ち出していっていただけたらありがたいというふうに考えておる次第でございます。 今、私たち、特に歯科の世界におきましては、歯科のワーキングプアというものも発生しています。実際、私もこの二十年間、開業医として働かせていただいて、毎年、年ごとに非常に厳しい状況になっているというものを肌身で感じております。 ぜひ、国民のために、我々歯科医師、そして医師の先生が安心して治療に専念できるような体制になっていただきたい、またつくっていただきたいということをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○藤村委員長 次に、斉藤進君。
○斉藤(進)委員 民主党の斉藤進でございます。 本日、厚生労働委員会での初めての質問となりますが、尊敬する足立政務官に対しまして質問できますこと、まことに光栄でございます。 それでは、質問させていただきます。(発言する者あり)副大臣も、もちろん尊敬しております。 取り上げるのは、慢性骨髄性白血病を初め、分子標的治療薬を使うさまざまな疾病における費用負担の軽減についてでございます。 がんの化学療法の分野に新しい分子標的薬が続々と出現しまして、従来の抗がん剤の治療成績を大きく凌駕する成果を上げております。慢性骨髄性白血病に対するグリベックは、第一選択肢の治療薬としての位置を確立しております。病状の消失などの寛解状態を長期にわたって維持できるのですが、その一方、効かなくなるという問題も新たに出てまいりました。 最近は、この問題を解決する分子標的薬も新しく開発され、効果を上げ出しております。一年前に薬価収載されたスプリセルはグリベックの百から三百倍ほど強力で、タシグナはグリベックより十から三十倍ほど強力。これらは、第二世代の分子標的薬と呼ばれます。 お配りさせていただいた資料にあるように、グリベックは一錠当たり三千二百円、今回の薬価改定により二千七百四十九円になりましたが、その後に続くスプリセルは二十ミリグラムで三千八百九十七円、五十ミリグラムで九千二百十四円、タシグナは一カプセルで四千六百七円で、これらの長期服用のために、高額療養費の多数該当の適用を受けても毎月四万四千円の負担をせねばならず、年間五十三万円余りかかっているわけでございます。 問題は、場合によっては何十年もその支払いを患者さんが続けなければならないことでありまして、十年で五百五十万円を超え、二十年では一千万円を超えるわけでございます。二十代で発症したら、一生のうちに数千万円かかり得ることもあるわけでございます。 以前は、慢性骨髄性白血病は発症から十年もたてば全員が亡くなる、インターフェロン治療により長期生存を維持してきた患者の方も少数ではあるが存在はしておりますが、とにかく大抵の患者さんがすぐに亡くなってしまう、治療費が高くても先のことまで考えることができなかった病気であります。 しかし、グリベックにより長く生きられることが実証されてきて、中断すると異常細胞が復活するので、多くの患者がほとんど一生の間治療することになり、先々の経済負担を悲観する声が以前にも増して強まっております。グリベックは、慢性骨髄性白血病の患者にとってやめることができない命綱であると同時に、不況の波が襲う中で、年間五十三万円の負担として、年収三百万円や四百万円の家計を圧迫し続ける薬ともなっているわけでございます。 そこで質問でございますが、慢性骨髄性白血病を初めGIST、消化管間質腫瘍など、その他の長期に高額な治療を必要とする疾病の患者の深刻な費用負担を軽減するために、グリベックを含む分子標的薬について、他国のように無料化もしくは低廉な費用負担に抑えるべきと考えるが、見解をお伺いします。 私ども民主党の政策インデックスにおいては、難治性疾患対策の中において、「高額療養費制度に関し、白血病等、長期継続治療を要する患者の自己負担軽減を含め、検討を進めます。」とありますが、いかがでしょうか。
○足立大臣政務官 医療費の支払いというものは、自己負担か保険料、これは企業と家庭ということになりますが、それと税、この四つしかないわけでございます。今議員がおっしゃるように、私もできればそうしたいと思いますし、総理もそれから長妻大臣も、高額療養費制度について見直しが必要だというような答弁をされてきましたし、私もそう思います。 しかし、そんな中で、ではどこに負担を求めるかという議論は、まさにこれから私は国民的議論になっていくべきであろうと思っています。そんな中で、この高額療養費制度だけにとどまらず、難治性疾患に対する治療をどう扱っていくのかという検討チームを省内にも立ち上げましたし、これは広い範囲で、今までの、枠を決めてその枠の中にどの疾患が入ってというような決め方では、いずれ、五千から七千と言われている希少疾患すべてに対応することはできないわけですから、違った枠組みを検討すべきであろう、そのように私は考えています。
○斉藤(進)委員 わかりました。 なかなか難しい問題というのは重々承知をしているわけでございますが、他の諸国、イギリス、フランス、イタリア、韓国では、命にかかわる薬剤であるグリベック、分子標的薬については、公的保険が自己負担額すべてをカバーしておりまして、患者負担が実質無料化されております。ドイツでも、低廉な費用負担に抑えられているわけでございます。 実は、先日、厚労省の保険局にあらかじめ聞きますと、今現在でさえ他国の状況がちょっとよくわからないという話だったんですね。これだけ以前から問題になっている話であるにもかかわらず、厚労省が調査すらしていないというのは一体どういうことなのかなというふうにも私は感じて、早急に調べてほしいとお伝えしました。 大体、こういった患者負担が低廉もしくは無料化されているという国々では、やはり命にかかわる薬剤については国家がきちんと保障をしているわけでございますが、今現状、他国の状況についてどの程度把握されておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○足立大臣政務官 グリベックに限定した形でよろしいんでしょうか。(斉藤(進)委員「わかる範囲で結構です」と呼ぶ) それでは、まずは、各国によって、今薬価ということがございましたが、薬代も当然違います、それから保険制度で負担も違います。その二点についてお答えしなければいけないと思いますが、まず薬代について、これは購買力平価で円換算で申しますと、日本が一月当たり三十七万五千、アメリカが約五十八万、ドイツが四十九万というふうに薬代はなります。 そんな中で、では、患者さんの負担は年間はどうなるか。日本は高額療養費制度で十五万から五十三万、それから、アメリカは五ドルからあるいは場合によっては全額負担、ドイツは基本的に公的保険でカバーするわけですが、どうも一〇%の負担というふうになっているように、これは各国それぞれ、保険制度のありなし、あるいはその内容によってさまざまであるということでございます。しかし、今委員がおっしゃったように、アメリカの一部を除けば、日本よりも低額な自己負担になっている傾向にあるとは思います。
○斉藤(進)委員 わかりました。ありがとうございます。 それで、まだまだ、患者の負担を軽減するために、患者さん御自身がなかなか、制度について知らないところもたくさんありまして、まず要望したいのが、高額療養費制度の世帯合算はもちろんのこと、三カ月処方の周知もしっかり行ってほしいということです。 慢性骨髄性白血病の患者さんにとって、三カ月処方は、やはり経済的な負担から考えると非常に重要なことでございます。グリベックを三カ月処方すると、薬代が安くなります。毎月の購入ですと、年間で、四万四千四百円掛ける十二カ月で五十三万二千八百円なんですが、一度に処方すると、これ割る三カ月分で十三万三千二百円になります。四十万円近く自己負担が軽減をされるわけですね。お医者さんからそのことを案内されず、またインターネットなども使えない患者さんなどは、なかなか情報が入ってこずに、非常に大きな負担を強いられているというところもあります。 また、三カ月処方をお願いしても断られるという話も聞いております。転勤で住む場所がかわったら三カ月処方をしてくれなかったなどですね。最初のうちは病状の安定などを見なければならないので三カ月処方できなくても仕方がないのかなとは思いますが、症状が安定してくれば三カ月処方でもいいのではないかということの周知をぜひしていただきたいと思います。 厚労省に聞きますと、三カ月処方は別に違法でもないし基本的には制限はない、ただ、周知となると制度としての三カ月処方はないという、非常にあいまいな話になってしまっております。 東大の医科学研究所のチームが調べたところ、こういった疾病の患者の世帯総所得は、二〇〇八年には年収で四百万円に減少しております。しかし、グリベックの自己負担は五十八万円近くと横ばいで、負担感が増加しているのは明らかなんですね。実際、約三〇%の患者が経済負担のためにグリベックの中止を考えたことがあり、その中の一〇%が実際にやめていたということです。つまり、金の切れ目が命の切れ目となるような形になっておりまして、画期的な新薬ができても、こういった社会制度が対応できていないためにその恩恵が患者さんへ還元されていない、そういった話になっております。 現在、こういった慢性骨髄性の白血病患者が一万二千人ほどいるという話でございますが、経済的負担が治療の継続などにどう影響しているかについて、厚労省として実態調査に踏み出していただきたいと思うのですが、それについてはいかがでしょうかということと、それから、この先、長期に高額な治療を必要とする疾病の患者の深刻な費用負担を、さらに自己負担限度額に上限を設けなければやはりこういった問題は解決しないと思いますが、見解をお伺いします。
○足立大臣政務官 これまた、いろいろな内容がまずあったんだろうと思います。 そこで、大事なことは、たしか昨年だったと思うんですけれども、高額療養費制度というのが日本の医療保険の中にはあるんだということの周知も余りされていないというか、国民の皆さんが理解していない。例えば、がんになったら何百万円かかりますと言われるけれども、これは高額療養費制度を使えばそれほどの負担ではない。よく仙谷大臣がおっしゃることですけれども、自分は胃がんで胃全摘をやったけれども、医療費の支払いは二十万かからなかったと。それは高額療養費制度があるからであって、まず、このことの周知も基本的に大事なことで、昨年、徹底するようにというふうに指示はしました。 それから、長期処方の件です。これはまさに、高額療養費制度に該当するようにするということが一点目、今の患者さんの視線からいけばそれが非常に大事だという指摘だったと思います。 この件は、もちろんそのことを周知することは大事ですけれども、あくまでも私は、慢性骨髄性白血病もそうですが、処方というものは医師が判断でやるものです。医師にそのことを周知することは大事ですけれども、最終的には、いや、そんなに間をあけるとやはり危険であるとかいう判断もあるんだと思います。その期間について、最終判断は医師がやるものだ、そのように私は感じています。そして、周知は必要です。 それから、調査をどうやるかという御質問もございましたけれども、現時点では、全員の方を対象にやるというよりも、個別に情報を得ながら、そして検討していくという段階を今踏んでいるところです。
○斉藤(進)委員 それで、今のお話にも関連するんですけれども、高額療養費制度の多数該当の利用や三カ月処方をした場合でも、生活が圧迫されていて当座の薬代がない方も多いわけでございます。いわば治療費の工面が問題となっております。 例えば、一時的にでも、一日三錠で百日分の三百錠を処方してもらうと二十八万円を超えるわけです。一日四錠八十四日分、三百三十六錠を購入するのに三十一万円を超える金額になるわけです。毎回、一時的とはいえ、この金額を家計からやりくりするのは本当に大変なことと聞いております。 そして、還付までは長い場合数カ月のタイムラグがありまして、貸付制度があるのも理解しておりますが、長期にわたると、やはり使い勝手を考えると現実的ではありません。ボーナスが出なかったらどうしようという話にもなっておりまして、高額療養費制度において、現在入院にしか認められていない限度額適用認定の申請をすれば、この先、オーファンドラッグなど高額で長期にわたる使用が認められる薬剤の利用の場合は、通院でも病院での窓口の支払いが自己負担限度額までで済むようにしたいと私は考えております。 このような通院に係る高額療養費の現物給付化の仕組みを制度としてつくるべきと考えておりますが、これについてはいかがでしょうか。購入の際に、最初から高額療養費で限度額以上の分について相殺できるようにならないかということでございます。
○足立大臣政務官 十分に大事な検討対象であろうと、まずは思います。 入院と外来でどうして違うのかということの説明は必要かと思います。 入院につきましては、これは受領委任払いというか、限度額だけ払えばいいことになっておるわけですけれども、これは、やはり入院医療というものについては、そのほとんどが一つの病院、一つの医療機関でということがある。 それに対して外来は、一つの医療機関だけということは余りないことが多い。しかも、それを全部合わせて高額療養費に該当するかどうかというのは、名寄せをしなければいけないというわけです。現時点で手書きのレセプトで対応しているところ、それを限度額を超えているかどうかということを計算することもかなり困難だろうと思いますし、名寄せはもっと難しいと思います。これは電子レセプトというものがかなり普及してきましたら、それも大事な検討課題の一つで、もっとわかりやすくなるのではないかと。課題としては認識しております。
○斉藤(進)委員 五点目、六点目の質問をちょっと一緒にやってしまいたいと思うんですが、一つには、やはり国の高額長期疾病、特定疾病に係る高額療養費の支給の特例の対象に、患者団体さんからも強い御要望のある慢性骨髄性白血病その他、長期継続治療を要する疾病を追加したいということを、質問というか要望とともにさせていただきたいと思うのと、あと、特例制度の今の三疾病ですね、現物給付的な取り扱いがされている今の三疾病や難病の研究事業に指定されている、それから指定されていないものも含めたさまざまな疾病との関係について、高額療養費制度の今後について、今後どうしていこうと考えておられるか、お伺いをしたいと思います。
○足立大臣政務官 今、特定疾病といいますか、いわゆる一万円疾病というお話がございました。これは、人工腎臓、血液透析を行っている慢性腎不全あるいは血友病、後天性免疫不全症候群、この三疾患というふうになっているわけですけれども、これに対象としてもらえないかという話と、それから高額療養費制度をどういうふうに見直すのかという二つの話だったと思います。 先ほどもお答えいたしましたけれども、枠を決めて、その枠に入る疾患をどう選定していくかというのは、極めて難しい議論です。しかしながら、高額療養費制度につきましては、先ほど、総理そして大臣の答弁も例に挙げましたけれども、これは公明党さんを初めとして、やはり自己負担の限度額はもっと引き下げるべきだ、特に中間所得層に対しては引き下げる、二段階あってもいいのではないかというような議論もございます。 これは、高額療養費制度だけにとどまらず難治性疾患、先ほど五千から七千あると言われる希少疾患、これらに対応できる制度を設計する必要がある、私はそのように認識しておりますので、一体的に議論していきたい、そのように考えております。
○斉藤(進)委員 結局、難病も含めて線引きの不透明さに納得できない患者さんがいらっしゃるのはやはり事実でありまして、透明性のある議論が必要なのは言うまでもありません。 長期にわたる高額な慢性疾患や難病について言えば、やはり高額療養費制度において相当な上限額の引き下げを行うことでしか公平性の担保はできないと思いますが、そういった施策の方向性を具体的に問いたいと思います。 それと、あともう一つは、これに関連して、造血幹細胞移植における合併症を減少させて移植後生存率の大幅な向上を実現するための未承認薬、適応外薬の早期保険適用について要望したいと思います。 ドナーが見つかり骨髄移植をしても、最初の一年以内に、三〇%の方が合併症でお亡くなりになります。五年で生存率が半分くらい。医師にとっては、せっかく移植したのに患者さんが亡くなっていくのを見るのは本当に耐えられないとのことでした。適応外で使った過去からの研究データでは、死亡率が数十%から半分くらいに下がるということがわかり、期待できる薬があるのだから、早く使えるようにしたいということであります。 ミコフェノール酸モフェチルは既に臓器移植で使われており、ホスカルネットナトリウムもHIVの治療薬として保険適用がございます。企業としては、既に承認が済んでいるにもかかわらず、この治療法のためとなると治験をまたやらなければならなくなるし、そもそも、移植関連の薬はオーファンなので企業側もつくりにくい。 保険適用に至る道筋にもいろいろありますが、データもたくさん集まっている中、やはり公知といった方法や高度医療評価制度などの利用も含めて、スピーディーに保険適用につなげてほしいと考えておりますが、見解をお伺いします。 最後、この二点についてお願いいたします。
○足立大臣政務官 今までも答弁でありましたように、未承認薬あるいは適応外薬の解消加算ということで、二年間で一千四百億相当を計算して、三百七十四品目、要望が集まりました。 そんな中で、今検討して、どこからやっていくのかということをやっている最中でございます。この点も診療報酬議論になかなか出てこないのも残念なところではありますけれども、そんな中で、今委員御指摘のミコフェノール酸モフェチル、それからホスカルネットナトリウムというのを挙げられました。今その検討の中で、では、ほかにかわる治療法あるいは治療薬がないのか。 そして、海外承認という話もありましたが、海外でもこれは適応と適応外というのがあるわけです。その中で、今委員御指摘の二品目については、例えばアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスにおいても適応につきましてはやはり限定的にされているということであって、そのことが日本で、公知申請の話を今されましたけれども、適応が違っていて、適応が海外でも、主要国でもされていない。 そのことは検討会議のもちろん検討項目ではありますけれども、ちょっと認識が違うというのは、繰り返しになって申しわけありませんけれども、日本でも適応外を解消しようとしている、そしてそれには海外での治験が必要である。しかし、海外でもそれは適応外として認められていない、未承認であるという状態であるということも認識していただきたいと思います。(斉藤(進)委員「高額療養費制度の上限額の引き下げの方向については」と呼ぶ)
○藤村委員長 斉藤君、聞いてください。
○斉藤(進)委員 済みません。 先ほどの高額療養費制度の上限額の引き下げについては、どのような具体的な考えを持っておられるでしょうか。
○足立大臣政務官 日本の国民皆保険の理念は、やはり経済的理由で受けられる医療に差があってはいけない、格差があってはいけない、まさにそのとおりでございます。 先ほどお答えいたしましたように、高額療養費制度、一番負担の高いところはこの程度でいいのかどうかという議論、そして、中間層の負担はこれで正しいのだろうか、中間層が非常に幅が広いという考え方で、二段階設けるべきではなかろうか、あるいはもう一段階少ない額の部分も設けるべきではなかろうか、さまざまな議論があります。これは、高額療養費の検討とそして難治性疾患の治療の検討、あわせて今検討して、これから詰めていこうという段階で、現時点で私の方がこうしますというのはなかなか申し上げにくいところです。
○斉藤(進)委員 ありがとうございました。
○藤村委員長 午後零時五分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時十九分休憩 ————◇————— 午後零時五分開議
○藤村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。棚橋泰文君。
○棚橋委員 自由民主党の棚橋泰文です。 長妻大臣に御質問いたします。 子ども手当の恒久的財源二・七兆円、五・四兆円、それぞれどこから出るのか、具体的な根拠をもう一度教えてください。
○長妻国務大臣 二十二年度については予算措置をいたしておりますけれども、二十三年度以降の予算については、四大臣合意にもございますけれども、平成二十三年度の予算編成の過程でそれを議論していくということであります。
○棚橋委員 つまり、二十三年度は恒久的財源がない、二十二年度においても恒久的財源を措置していない、そういうことでよろしいですね。
○長妻国務大臣 二十三年度以降の財源については、二十三年度予算編成の過程で議論をして決めていくということにしております。
○棚橋委員 二十二年度も恒久的財源はないのではありませんか。その点をもう一度御答弁ください。
○長妻国務大臣 予算は単年度でつくるものでございまして、二十二年度については予算措置をしております。私としては、二十三年度以降について、その予算編成の中で議論をしていきたいというふうに考えております。
○棚橋委員 大臣、何で一万三千円、二兆七千億円の部分に関しては、二十二年度に関しては恒久的財源の措置をしていますと言えないんですか。
○長妻国務大臣 二十二年度については、もちろん一年間の予算でありますので、それは予算措置をさせていただいている。二十三年度以降については、これは二十三年度の予算編成の中で議論をして決めていくということが基本的な考え方であります。
○棚橋委員 なぜそんなにしつこく、二十二年度においては恒久的財源措置を半額についてはしておりますという答弁をお避けになるんですか。二十二年度の一万三千円、二兆七千億円については恒久的財源措置をしておりますと御答弁いただけませんか。
○長妻国務大臣 恒久的財源というのがどういう意味で言われているのかというのもありますけれども、これは、日本は単年度予算主義でございまして、二十二年度については予算をきちっとつけている、そして、二十三年度以降については二十三年度の予算編成の中で議論をしていくということを申し上げているところであります。
○棚橋委員 つまり、やっぱり財源の裏づけのない、六月に、参議院選挙の前に一万三千円ばらまくという、ばらまきなんではないですか。 では、長妻国務大臣に御質問いたしますが、昨日、閣僚懇談会が開かれた中で、いわゆる郵貯に対する預け入れ限度額が原則二千万円まで引き上げられる、こういう決定を、最終的に総理一任のもとでなされたと聞いておりますが、長妻国務大臣は、何かこの点について、この懇談会において御発言をなさいましたか。
○長妻国務大臣 私は発言をしておりません。
○棚橋委員 長妻国務大臣は、何のために郵貯の預け入れ限度額を、簡保もありますが、もう郵貯に話をわかりやすく絞ります。何のために郵貯の預け入れ限度額を二千万円にするというふうにお考えですか。
○長妻国務大臣 これは政令事項だと聞いておりまして、それについてきのう、一定の方針が総理から出たということでございます。 これについては、私の所管外でございますので、答弁は差し控えたいと思います。
○棚橋委員 いいですか。きのう、海外出張中の閣僚を除く全閣僚が集まったのは何のためなんですか。まず、国務大臣としてお答えくださいよ。 それから、これから申し上げますが、これは実は、あなたの所管に物すごく大きな影響をしてくる話なんです。もう一度お答えください。何のために郵貯の預け入れ限度額を二千万円まで引き上げるとお考えか。
○長妻国務大臣 これはさまざまな理由があると思いますけれども、そこの場で議論がありましたのは、一つは、郵便局のユニバーサルサービスを維持する。全国で一律の最低限度のサービスを維持するという責務がほかの金融機関と違って課されているということにかんがみて、今の一千万円ということでは、そういう意味ではそこで生み出される利益が出ないのではないのかというような議論があって、引き上げ議論が進められているというふうに承知をしております。
○棚橋委員 違うんではないですかね。 先ほど大臣の御答弁にあったように、せめて平成二十二年度分、二兆七千億円、一万三千円の子ども手当については、無駄見直し、行政刷新等でこういう恒久的財源が出ましたという御答弁があるかと思ったら、絶対にその話は、恒久的財源の話はしない。これはまさに大臣、正直に、その辺はわかっているんですよ。財源がないでばらまくんでしょう。 国債が今信用を失いつつあって、個人が買わなくなっているんですよ。国債が民主党のばらまき政権で紙切れになりつつあるんですよ。その紙切れになりつつある国債を郵貯のマネーで引き受けさせる、そういうことじゃないですか。つまり、ばらまき政策の破綻を少しでも見えないようにするために今回二千万円にしたんじゃありませんか。 長妻国務大臣の御答弁を求めます。
○長妻国務大臣 私自身は、そうではないと承知をしております。
○棚橋委員 では逆に、今、国債が信用を失いつつある。このようなばらまき政権で、あしたから始まる来年度予算は、大ざっぱに言えば、三十七兆の税収で、四十四兆の国債で、九十二兆の一般会計。このような財政では、昭和二十一年以来の、税収よりも国債が多いという財政を民主党政権下で組んだ。これに対して、国民はこの国の国債は本当に大丈夫なんだろうかという不安が全くないとお思いですか。
○長妻国務大臣 この内閣では、そういう御不安を与えてはいけないということで、中期財政フレームということで、そこで一定の道筋を示していこうというふうに考えているところであります。
○棚橋委員 では、その一定の道筋の概略をお示しください。
○長妻国務大臣 これは御存じのように、政府として六月にまとめるということで鋭意取り組んでいるところであります。
○棚橋委員 本当に取りまとめられるんですかね、具体的なシナリオを持った形で。特に、鳩山政権は、三月までとか五月までとか六月までというのが全然信用できない政権ですから、国民はだれも信用しないと思いますよ。 もう一度伺いますが、長妻大臣の認識として、これだけの無差別なばらまき政策をやって、国民が国債に対する信用を失いつつあるのではないか、この国の財政に対する信用を失いつつあるのではないか、そういう認識はありませんか。
○長妻国務大臣 この子ども手当については、無差別なばらまき政策ではありません。これまで後回しにされてきた子育てに関する予算について、一定のGDPの比率でそれを確保していこう。現金支給にしても、先進国で日本は非常に低いわけでありますので、それについて御了解をいただくよう、私もこれまで答弁してきたつもりであります。 ただ、今おっしゃられたように、それは、財政に対する国の信頼が揺らいではいけないということもございますので、これについては政府として、中期財政フレームを含めて、そういう問題についての対応策を今後お示ししていくということであります。
○棚橋委員 まず第一に、後世、子供や孫たちに大きなツケを残しているという罪の意識は全くないことが残念でございます。 その上で、子ども手当は無差別なばらまきでないというならば、短く二問、質問いたします。 第一に、生計監護要件を満たせば、海外にいる子供十人、例えば長妻さんが、実子であろうが養子であろうが、そもそも養子にしていなくても、生計監護要件を満たせば子ども手当が出る場合があるんじゃないですか。 第二に、この不正受給に心配される、海外に子供がいるという証明に関して、外国語の訳は申請者、お金を受けている本人が責任を持って訳するというふうに大臣はこの間答弁されましたが、それで不正受給は防げるんですか。 以上、二点をお願いいたします。
○長妻国務大臣 外国人の皆様への支給については、もうこの場でもるる御説明をしているところでありまして、三十年前からずっとそういう形で、児童手当という形で支払われていたということで、平成二十三年度の制度設計の中でお子さんの居住要件も含める方向でこれを議論していくということにしております。二十二年度につきましては、あす以降速やかに自治体に通知を出して、自治体の御意見も聞いた上で、今検討しておりますけれども、確認の厳格化ということに努めていきたいというふうに考えております。
○棚橋委員 第一の質問にははぐらかして答えていませんし、第二の質問には全く答えていません。もう一度御答弁願います。 長妻さんが仮に海外に、養子であろうと実子であろうと、そもそも養子も含めて子でなくても、十人生計監護要件を満たせる子供を養育していた場合には、子ども手当は絶対に出ないんですか、出るケースもあるんですか。出るケースがあるのかどうか、まずお答えください。 第二に、本人が外国語訳を自分でやって、その責任で申請する、このような制度設計で不正受給の温床にならないんですか。 この二点、答えていませんからお答えください。
○長妻国務大臣 まず、外国語の訳については、これは我々としても、あす以降出す通知、あるいは今後の対応窓口も設けるようにしておりますので、それは不明なものがあればチェックできるような体制を取り組んでいくということであります。 外国人のお子さんの要件でございますけれども、監護要件と生計を同じくするというような要件がございますので、今言われた案件について、これは日本に来る前にその母国できちっとその方と同居をしている、そしてかつ、日本に来られた後も同居をするということが大前提になるというふうに考えております。
○棚橋委員 最後の、日本に来られた後も同居をするという意味は、もうちょっと正確にお答えください。
○長妻国務大臣 日本に来る前に海外でそのお子さんと一緒に住んでおられ、日本に来て、そして日本から母国に帰国した後もその方々と基本的には住む、こういう一つの前提があるわけであります。
○棚橋委員 私はあえて長妻さんと申し上げたのは、では、大臣が海外で同居をしていて、日本に来られた場合はどうなりますか。また、養子、実子でない場合でも、十人でも二十人でも今の要件を満たしたら出るんでしょうか。一万三千円、十人だったら十三万円、二十人だったら二十六万円、毎月、日本国民の税金で、借金が多いこの国で出るのでしょうか。出るのか出ないのか、お答えください。
○長妻国務大臣 これは、要件を厳密に確認するということが必要でございますけれども、常識的に、二十人も何十人も養子という形で、本当にそれがそうなのか確認できない限り、それは支給されないと思います。
○棚橋委員 まず委員長、大臣に誠意ある答弁を求めてください。今何度も質問しているんですが、答弁が返ってきていません。委員長、お願いいたします。 委員長、あなた、中立公正な委員長でしょう。うなずいていらっしゃるじゃないですか。では、大臣に注意してくださいよ。何度同じ質問をしても、こう答弁が返ってきていないんですから。
○藤村委員長 棚橋君、では、もう一度質問してください。
○棚橋委員 三回目に、同じ質問をします。 子供でなくても、長妻さんが養育監護要件を満たしている外国人の子供がいたら、子ども手当は出るんですか、十人でも二十人でも。月十三万円、月二十六万円。要は、養子、実子はもちろんですが、養子、実子でなくても生計監護要件さえ満たせばお金が出るんじゃないですか。 民主党のやじを飛ばしている皆さん方は全然法律を理解していないでしょうが、それを聞いているんです。お答えください。
○長妻国務大臣 それは出ないと思います。
○棚橋委員 生計監護要件を満たしていても、養子、実子でなければ一切子ども手当は出ないんですね、この法律上。今そう答弁されましたね。よろしいですね。
○長妻国務大臣 今言われたのは、何か仮定の話として私ということを出されていたので、その私が日本にいながら、海外にお子さんが、あるいは養子がいるということは、その方とこれまでも住んでいないわけでありますので、それは出ないということを申し上げたわけです。
○棚橋委員 そういうはぐらかすような、本質に答えない答弁はやめてください。 要は、長妻さんが海外に住んでいたときに子供を十人養育していた。そこで日本に帰ってきた。その子は長妻さんの子でもないし養子でもない。しかし、きちんと生計監護要件を満たして養育している。そのケースにおいては、十人であろうと二十人であろうと出るんじゃないですか。十人だったら十三万円が毎月、二十人だったら毎月二十六万円が日本国民の税金で、イエス、ノーでお答えください。
○長妻国務大臣 通常、そういうケースがどの程度想定できるのかわかりませんけれども、その場合は、日本国籍の人がそういう形で、海外で養子かあるいは何か不明確な形でそういうようなことをされておられるということになりますと、基本的には、これは厳格に確認をするということになりましょうけれども、その確認ができなければそれは支給されないというふうになると思います。
○棚橋委員 当たり前のことじゃないですか。 ちょっと、もう一度、きちんと答弁するように言ってください。全然答弁していません。もう何分やっているかわかりませんが、全く答弁が返ってきていません。 委員長、速記をとめてください。藤村委員長、強行採決ばかりせずに速記をとめてください。速記をとめてください、時間がもったいないです。委員長、速記をとめてください。
○藤村委員長 長妻大臣にもう一度答えていただきます。 長妻大臣。
○長妻国務大臣 今の、要件というのは、具体的に、日本国籍の人物が海外に行って子供的な方と住んでいる。どういうような要件かというのをもう一回教えていただければと思います。
○棚橋委員 私は、子ども手当法案が成立して、当然、お互いこの法案を全部知っているという前提で話をしているんですよ。 そもそも、日本国籍であろうと外国籍であろうと、合法的に一年以上日本に滞在する方であれば、その方が海外に、実子でなくても養子でなくても、生計監護要件を満たせば、十人であろうが二十人であろうが、子ども手当は出るんでしょう、この制度設計では。あなたが心が広くて、海外で二十人養育している。生計監護要件を満たしている。その場合においては二十六万円出るんじゃないですか、それが日本国民の財政が厳しい中で、税金でという本質的な質問なんです。 その理解能力が長妻さんに低いことまで私の責任にされては困ります。どうかお答えください。
○長妻国務大臣 監護という要件と生計を一にするという要件でございますけれども、それは、海外でその方々ときちっと暮らしている。一緒に住んでいて、生計を一にするということが続いていて、その途中に日本に来る、そして帰ってもまたその方々と住むということであろうかと思いますけれども、それに関しては、何十人もの養子か養子でないか不明な方とずっと暮らしているということになりますと、これは当然、書類の確認というのが必要になりまして、その書類の確認ができない場合については支給されないというふうに申し上げているところであります。
○棚橋委員 では、書類の確認ができたら支給されるんですね。
○長妻国務大臣 それは厳格化でございますので、書類を確認するわけでありますけれども、養子か養子でないかわからない形で二十何人ということは、常識的に考えられないのではないかと思います。
○棚橋委員 そんなことはないでしょう。まず、海外で子だくさんのところはたくさんいますよ。それから、何よりも、これはお金を国から、不正受給なのか不適正受給なのか、取っていく話ですから、そういう人間は平気で考えますよ、そういうこと。 それとも、長妻さんの考える法律というのは、みんなが常識を守るということを前提で考えているんですか。だったら、法律要らないんですよ。法律というのは、悪いことをする人間に対して、それをさせないために罰則を設けてやっているんですよ。それなのに、常識的に考えられないと。では、そういう非常識な者が出てきたらどうするんですか。お答えください。
○長妻国務大臣 今の御質問で、そういうお金を非常識な人がというようなお話がございましたけれども、これは、そういうお金目的で実態と違うということになりますと、この法律の中にも、三十三条で「偽りその他不正の手段により子ども手当の支給を受けた者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金」ということがありますので、これについて厳しくチェックをするということであります。
○棚橋委員 だれが、どうやって。
○長妻国務大臣 ですから、今、地方自治体とも協議をして、そしてその中で、書類厳格化の通知を出すとともに、厚生労働省にも今後対応の窓口を設ける。あるいは外務省とも連携をとる、あるいは出入国管理の法務省とも今話しておりまして、協議をしておりますので、その厳格化もとるということで対応していきたいと思います。
○棚橋委員 大変残念なことに、大臣から全く誠意ある答弁がございません。 過ちは改むるにということをもう一度思い出してください。これで間違いなく日本国民の税金がカモにされるんですよ。長妻大臣、あなたのせいで日本国民がカモにされるんですよ。やっぱりそれはおかしいですよ。もう一回、過ちは改むるにはばかることなかれということを考えてください。 まずこの点、現場も知らない、不正受給の問題も全く想像力がない、こういう行政のやり方に強く憤りを覚え、そして何よりも、最終的に、この民主党のばらまき政策で破綻しかけているこの国の財政を、郵貯のマネーを二千万円にして国債を無理やり引き受けさせる。これは二重の意味で毒まんじゅうですよ。最後、子供たちが払うんですから。その点について強く反省を求めます。 大臣、何か御答弁ありますか。
○長妻国務大臣 今、このお金がカモになるみたいな話がございましたけれども、もちろんそういうことはあってはなりませんので、不正があった場合は、本当に厳格に取り締まっていきたい。これまでは書類の確認なども統一がされていないということがございましたので、それについても書類の確認を統一化して、不正に対しては厳しく対応していきたいと思います。
○棚橋委員 不正受給は絶対なされると言っているんですよ。しかも、大臣自身が、書類に関しては、例えば翻訳は本人の責任でと言ったじゃないですか、この間、この委員会で。本人の責任でやらせたら、不正受給者は当然都合のいいように変えてきますよ。そのチェックを全部、市、町の役場で、村の役場でできるんですか。 大臣、もう一度御答弁ください。
○長妻国務大臣 今、通知、そして書類確認の厳格化というのは検討中でございますけれども、その途中過程ではございますが、今の翻訳については、これまでは、日本語の翻訳書というのは御本人が出してもいいようなことになっておりましたけれども、今後については、日本国内に居住する翻訳者に翻訳をしてもらう、その方の署名捺印及び連絡先の記載を求めるとともに、市町村から照会した場合は必要な対応を求めるということで、翻訳についても改善をしていくということであります。
○棚橋委員 ちょっと待ってください。大臣、この間の答弁と違うじゃないですか。この間は、本人の責任で訳すと言ったじゃないですか。今は日本国内にいる別の者に翻訳してもらうと言ったんですか。では、変わったんですか。前回は間違っていたんですね。撤回して謝罪されるんですね、前回の答弁は。
○長妻国務大臣 これは、きょうの時点までは今申し上げたような、御本人が翻訳をしてもいいし、それを添付するということになっていたわけでございますけれども、今後の対応として、今申し上げたようなことを予定しているということであります。
○棚橋委員 つまり、今ここで変わったんですね。 過ちを改むるにはばかることなかれと私は言いましたが、こんないいかげんな制度設計というか、要は、何も考えていなかったんじゃないですか。もうちょっときちんと考えて、本当にこれは不正受給のカモにされます。そのときあなたは責任をとれるんでしょうか。このことをまず強く申し上げます。 第二点、先般、雇用保険法等の一部を改正する法律案がこの委員会で議論されました。改めて、この不正受給という、子ども手当の税金がカモにされる問題と同時に、もう一点聞きたいのは、雇用保険二事業に関して保険料を上げますね。 長妻大臣、お答えください。
○長妻国務大臣 これについては弾力条項というのがございまして、これが引き下げる料率となるところではありますけれども、今回はその弾力条項を発動しないということで、結果的には上がるということになります。 これについては、雇用二事業の中で雇用調整助成金など今大きな支出がされておりますので、労使の代表の方々についても労働政策審議会の場で合意をいただいて、これについてもお願いをしていこうというふうに考えているところであります。
○棚橋委員 だから増税ですね、ここの部分は。よろしいですね。保険料ですけれども、強制的に徴収する分には増税じゃないですか。広い意味での増税ということでよろしいですか。
○長妻国務大臣 保険料の負担がふえるということではございます。
○棚橋委員 この雇用保険二事業、雇調金の話もありましたが、それだけですか。ほかには事業をやっていないんですか。
○長妻国務大臣 二事業といいますと、雇用安定事業、雇用調整助成金、あるいは能力開発事業ということで職業訓練、こういうもろもろのものがなされております。
○棚橋委員 そこに出ているお金のうち、一番わかりやすい例をお伺いいたしますが、これは質問通告をしてありますのでお答えください。 それらの事業をやっている独立行政法人、公益法人が幾つあって、いや、もうちょっと絞りましょう。 では、いわゆる天下り独立行政法人、公益法人、厚生労働省の職員が天下りしている公益法人や独立行政法人は、合計幾つの独立行政法人、公益法人が仕事をまず一次的に受けているところ、それからその金額はお幾らでございましょうか。
○長妻国務大臣 これについても調べてみましたところ、雇用保険二事業の中から天下りがいる法人へ支出している金額の実績が平成二十年度で約一千七百六十四億円、法人数が三十一法人、OBの役員数が五十五人ということであります。
○棚橋委員 今の長妻大臣の答弁と同じような平仄で、平成二十二年度においては幾ら支出される予定で、どれだけなのか、お教えください。
○長妻国務大臣 二十二年度につきましては、今、二十年度で申し上げましたのは、これは契約もございますので、競争あるいは企画競争の契約でどこが受注するかということで、二十二年度、まだ、どこが受注者、そこが受注者になるかどうか、不明な点もございますので、まずは補助金ということだけで予算化されたものを申し上げますと、まず、公益法人への支出の予定でございますが、平成二十二年度の予算では九十三億円であります。これは二十一年度の当初予算に比べて、当初予算は百二十五億円でしたから、三十二億円削減をしております。 そして、独立行政法人への支出については、二十二年度予算で、これは四つございます。雇用・能力開発機構、高齢・障害者雇用支援機構、労働政策研究・研修機構、勤労者退職金共済機構でございますが、四つ合わせて、二十二年度予算千二百四十五億円ということで、二十一年度当初予算に比べて三百二十一億円削減をいたしました。
○棚橋委員 いいですか。今、千七百六十四億円、それから二十二年度においても、企画競争入札の部分を除いて一千億を大きく超えるお金をいわゆる天下り行政法人、公益法人に出すと言っているんですよ。 この予算、削る余地はあるんじゃないですか。ここを削っていけば、千分の〇・五上げる必要はなかったんじゃないですか。それなのに、その検討を十分にしないで、中小企業の事業主や零細事業主には、負担とあえて言いません、増税させて、それで天下りを維持するんですか。あなた、本当に長妻さんなんですか。お答えください。
○長妻国務大臣 これは、今まで我々も削るよう、野党時代指摘をしておりましたけれども、確かに箱物については、スパウザ小田原等々はなくなりましたけれども、さらに経費を見直すということで、今回、独立行政法人では三百二十一億円削り込んだわけでございます。 そして、今、雇用二事業のお話でございますので、これも総務省からも勧告を受けているところでございまして、その後につきましては、いろいろな事業が廃止をされて、政権交代後につきましても、高齢者の職業紹介の事業も全部廃止をいたしました。一見、高齢者の職業紹介は必要だ、名前だけだと思いますけれども、それはもうハローワークでもやっている事業が非常にダブっていて、必要性が低い、利用者も少ないというような事業は不断に見直していくということであります。
○棚橋委員 今まで長妻さんが言っていたこととちょっと違いませんか。政権交代したんだから、こんなものゼロベースで見直せばいいじゃないですか。天下り独立行政法人、公益法人に対する予算をまずゼロベースで見直す。基本的に全部入札ですよ。 しかも、長妻さんはさっき、意図的にかどうかはわかりませんが、企画競争入札という話がありましたが、これは御存じでしょう。企画競争入札というのは、入札という形式をとりながら、天下り公益法人か独法しかとれないようになっているんですよ。そこしか入札できないか、あるいは、形式上ほかが入札しても、そこの公益法人、独法に必ずお金が行くようになっているんですよ。そういうところは見直さないんですか。 この二点、もう一度お答えください。
○長妻国務大臣 例えば、高齢・障害者雇用支援機構は随意契約でずっと契約がなされていましたけれども、政権交代後、これを一般競争入札にするということもいたしましたし、それぞれの独立行政法人における天下りの理事の問題についても、公募をするということで、今回、基本的には民間人の方々についていただくというような対応もしております。 これは不十分だという御指摘があれば、それはまだまだ削減する努力が足りないというおしかりだとも思いますので、これについては不断の見直し、その努力をしていきたい。省内にも省内事業仕分けというグループをつくって、不断の見直しをしていこうというふうに決めております。
○棚橋委員 今、大臣の方から随契を一般入札に変えたという話ですから、それでは、政権交代後、随契ないし企画競争入札を一般入札に変えた、あえてそちらの土俵に乗ります、金額を教えてください。
○長妻国務大臣 これは今突然のお尋ねでございますので、これは調べて、棚橋委員のところ、あるいはこちらの理事の皆様のところに届けさせるようにいたします。
○棚橋委員 何で今私がそういう質問をしたかわかりますか。要は、大臣はわかっていてやっているんでしょうが、厚生労働省の官僚は、一部の企画競争入札や随契を一般入札に変えた部分だけつまみ食いして、ここやりましたと言いながら、全体の部分はブラックボックスなんですよ。 今のような、こういう例もありますと言うならば、そもそも大臣は、厚生労働省の部下に、では全体の中で随契が一般入札になったのはどれだけなのかという質問をするのがあなたの仕事じゃないんですか。こういうケースもありますと言ったら、ではこれは氷山の一角なのか、それともみんなこうやっているのかと言うのがまさに不断の行革に対する姿勢じゃないですか。それが感じられないじゃないですか。そう思われませんか。大臣、御答弁お願いします。
○長妻国務大臣 全く行革の姿勢がないというのは私はそうではなくて、天下りの問題というのは非常に大きな懸案事項でございまして、この政権では、一定の、自動的に天下るようなポストについては公募をするということで、民間の方も広くその能力を発揮していただく場をつくっていこうというようなこと、そして入札あるいは調達の見直しをするというようなことにも取り組んでおります。我々としても、そういう努力をして、今回も独立行政法人三百二十一億円、これは二事業から出ているお金だけでございますけれども、それを削減したということであります。
○棚橋委員 それでは、また長妻大臣の今のお話に乗りましょう。 独立行政法人か公益法人か、ちょっと主語を明確にされませんでしたが、公募をするという形で、官庁OBが自然とそのいすに座るということを排除するとおっしゃいましたが、では、公募の結果、官僚OBが選ばれたケースの割合はおおむね、大ざっぱで結構ですから、何割で、民間の全く霞が関に関係のない方が選ばれたケースは、民主党政権になって厚生労働省関係では何割でしょうか。 これは突然の質問ですが、大臣が今自分で、公募をしてこれだけ変えていますと言っているんですから、基礎的なそれぐらいの数字は入っていると思いますので、お答えください。
○長妻国務大臣 厚生労働省分につきましては、昨日、公募の結果を発表いたしましたけれども、理事についてはすべて民間の方でございまして、官僚の方はおりません。
○棚橋委員 何人公募して何人選ばれたのか、教えてください。
○長妻国務大臣 昨日の発表でございますけれども、八つの厚生労働省の独立行政法人のうち十七ポストを公募いたしまして、そのうち、民間の方が十四ポスト、そして、適任者なしということで、二ポストについてはそのポスト自体を廃止いたしました。そして、一ポストは再公募をいたしました。そして、公務員のOBの方はゼロポストとなっております。
○棚橋委員 今おっしゃった独法には、役員以外の顧問あるいは職員という形で厚生労働省のOBはいないんでしょうか。当然、あれだけ行革を熱心にやられてきた長妻大臣ですから、そこもチェックしていると思われますので、第一点、その点をお答えください。 第二に、厚生労働省所管の公益法人の方はいかがでしょうか。それとも、これは、建前として公益法人は民間だから公募はさせていないということでしょうか。 この二点、お答えください。
○長妻国務大臣 まず、公益法人につきましても一定の、例えば五代連続で天下りが続いているポスト等要件を決めて、そういうものについては公募をしております。 そして、では、今は公募の人数だけれども、今現在、実数としてそれぞれの独立行政法人に何人OBがいるのかということでありますけれども、これも突然のお尋ねでございますので、それはいらっしゃいますので、それについても理事の皆さんと棚橋委員に資料を提出します。 ただ、これはまだ任期が途中の方でもございますので、これについても任期の途中でやめていただくことができるのかできないのか、いろいろなことがございますので、基本的には、任期が来て、それが再任するかしないかというタイミングで公募をして、今回、この公募の部分については今申し上げたような結論となったわけであります。
○棚橋委員 今の件は、厚生労働省が所管する公益法人全般という御答弁でよろしいでしょうか。
○長妻国務大臣 当然、すべての公益法人を公募するということではありませんけれども、今私が申し上げた、五代続いて同じ厚生労働省からOBが天下る指定席ポストを保有しているすべての厚生労働省所管の公益法人ということであります。
○棚橋委員 この問題については、さらに次の機会に質問をさせていただきます。 もう一点、派遣事業法の改正についてお伺いいたします。 私どもは、一生懸命働きながら不安定な立場にある派遣で働いている方々の立場を守っていかなきゃいけない。これは、その方々のためだけではなくて、日本社会全体のためでもあるというふうに理解をしております。 しかし、今般政府から提出されます派遣事業法の改正で、本当に派遣で働いている方々は正社員になれるのでしょうか。なれるとしたら、この法改正で一体どれだけの方が正社員にふえるのか。まず、どれだけの方が正社員になれるのかというシミュレーション、人数、大ざっぱで結構ですから、その点と、なぜそれが言えるのか、そのシミュレーションの大ざっぱな構成、これをお答えください。通告はしてあります。
○長妻国務大臣 この派遣法の改正につきましては、これまで行き過ぎた労働の規制緩和が行われたというようなことがございましたので、登録派遣の禁止、そして製造業派遣の原則禁止というような対応をさせていただき、派遣労働者の仕事の権利を確保していくということでございます。 その措置をすることによって規制の対象となる派遣労働者の数は約四十四万人になるというふうに考えておりますけれども、その方々が、何人が正社員に移行するか否かというのは我々は試算をしておりませんけれども、できる限り多くの方が正社員となるということで、これ以外の正社員化を促進する政策と組み合わせて、そういう方々に正社員化の道を進めていきたいというふうに考えております。
○棚橋委員 法案を出すに当たって、その程度のシミュレーションもしていないんですか。この法が出ることによって、全くこの法律の目的とは逆に、派遣で働いていた方がまさに派遣切りに遭うような可能性はないんですか。せっかく派遣で働いている方々を守ろうと、その点は一緒ですが、この法律では逆効果になりませんか。今、こういう点をきちんとシミュレーションしてやるのがあなた方の仕事じゃないですか。もう一度、その点、御答弁ください。
○長妻国務大臣 まず、労働のこういう規制緩和をして、私は、行き過ぎた規制緩和をした自民党に本当に大きな責任があって、その後、それをきちっとやはり対応するということで我々はこういう派遣の方に対する法案を検討しているということでございまして、まず反省というのもしていただきたいというふうにも思います。 その中で、正社員に採用される……(発言する者あり)
○藤村委員長 静粛に願います。
○長妻国務大臣 何人の方が雇用されるかどうかというのは、その時々の景気、雇用情勢にもよるため、我々としては、正確な予測というのはしていないところであります。
○棚橋委員 まず、委員長に御注意申し上げます。委員長、委員長に御注意申し上げます。 民主党の議員からやじが出たときには静粛にと言わずに、自民党議員だけ注意するのは不公平じゃありませんか。中立公正にお願いいたします。三月十二日の子ども手当の強行採決といい、とても中立公正な委員長の態度とは思えません。 そこで、もう一度、長妻大臣に申し上げますが、その自民が自民がと言うのを、もうそろそろ卒業したらどうですか。 その上で私は、今厚生労働大臣にあるあなたに聞きたいのは、派遣で働いている方々の立場を強くして、社会全体として守る、その上で経済を活性化しなきゃいけないんでしょう。この法律でかえって、彼らの立場あるいは彼らの仕事を失うようなことになりませんか。中小企業がもうやっていけなくて、海外に行ってしまう、廃業するということになりませんか。 当たり前ですが、政治は結果を出すのが仕事なんですよ。それなのに、とりあえず自民党の規制緩和に対して我々は守る法律を出しましたからそれでいいんですじゃなくて、命を守ると言いながら守っていないのが鳩山政権じゃないですか。 どうか、その点もう一度、どういうシミュレーションでこの法律を出せば、どれだけの方が派遣社員から正社員になれて、一方で、中小零細企業を中心にきちんと経済活動がやれるのか、お答えください。
○長妻国務大臣 これについては、まず、登録型派遣の原則禁止、製造業派遣の原則禁止というのは、公布の日から三年以内の政令で定める日ということでございまして、その間にいろいろ我々も現状を見て、そして正社員化する政策、雇用政策もございますので、それを十分働かせて、派遣の方が失業にならないように、あるいは直接雇用になるように転換をしていきたいというふうに考えております。
○棚橋委員 この問題、さらに追及してまいりますし、先ほど申し上げた、雇用保険二事業の天下り等を中心とした、実は増税をして中小企業や零細事業主に負担を上げながら、厚生労働官僚OBのところだけが太っている、この問題は厳しく追及していきます。 その上で、もう一度最後に申し上げます。 子ども手当で、国家財政が、三十七兆円の税収で、四十四兆円の国債で、九十二兆の一般会計ということは、年収三百七十万の人間が四百四十万をサラ金で借金している計算ですよ。ボーナスがもし四カ月出るサラリーマンであれば、月収二十三万円少しのサラリーマンが四百四十万円をサラ金で借金してもちますか。だからこそ、今、国債がもう個人で売れなくなっている。それをごまかすために郵貯の預け入れ限度額を二千万円に上げる。 こういう、国のこと、子供のこと、孫のことを考えないような政策は、ぜひやめていただきたい。その点を強く申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
○藤村委員長 次に、古屋範子君。
○古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。 きょうは、私がこれまで取り組んでまいりましたうつ対策を中心に質問をしてまいります。 その前に二問、ほかのテーマで質問をしてまいります。 まず、がん対策の推進についてお伺いをしてまいります。 公明党が精力的に取り組んでまいりました、がん対策基本法に基づきますがん対策推進基本計画は、五年が一つの目標となっております。この目標達成への取り組みを確実に進めるためには、五年間何もしないで、五年たつのを待ってしまうという姿勢ではなく、どこまで進んでいるのかということを確認するために中間報告を行うべきと考えております。 そこで、平成二十年十月二日の本会議におきまして、前代表が、がん対策推進基本計画ではがん死亡を二〇%減らす目標を掲げており、その着実な実行が不可欠である、特にがん検診の受診率五〇%への取り組みは重要であり、国民の生命を守るがん対策を確実なものとするために、できるだけ早期の計画の中間報告を義務づけ、進捗状況を確認することを提案する、このように述べております。 当時、舛添厚生労働大臣は、厚生労働省といたしましては、平成十九年六月に閣議決定されましたがん対策推進基本計画に定める目標等を確実に達成するため、本基本計画の進捗状況を把握することが極めて重要であると考えております、基本計画の進捗状況につきましては、来年度末を目途に中間報告を行いたいと思う、このようにお約束をいただいております。 新政権になりましたけれども、この方針は引き継がれているというふうに考えております。 そこで、長妻大臣、がん対策推進基本計画の中間報告は、いつ、どのような形で出されるのか、これについてまずお伺いいたします。
○長妻国務大臣 今おっしゃられた、がん対策推進基本計画の中間報告をすることになっているところでございますけれども、これについて、ことしの三月十一日にがん対策推進協議会がございまして、その中で、中間報告というのが、もう少し議論が必要ではないかというような提起がなされました。 ただ、中間報告ですから、余り延ばすこともいけないということで、ことしの五月から六月ごろ、議論をまとめて、その中間報告というのを公表したいというふうに考えております。
○古屋(範)委員 もう少しかかるということでございますが、ぜひ早急に中間報告をお出しいただきまして、それに基づいてさらに、その後半の、五カ年のうちの残りの期間についての対策をしっかりと講じていただきたい、このように思いますので、何とぞよろしくお願いいたします。 それからもう一つ、訪問看護事業における人員基準の見直しについてお伺いいたします。 高齢化が進む中で、在宅医療のかなめであります訪問看護、介護の役割がますます重要になってきていると思います。 私も、何年か前ですが、東京都内で訪問医療を行っていらっしゃる川越先生と、半日往診に同行させていただいたことがございます。やはり病院ではなく在宅で医療を受けたい、あるいは末期がんの方も、最期を迎えたいという方もいらっしゃいまして、病院ではない、さまざまな患者あるいは家族との深いきずなもつくりながら、在宅医療の必要性を非常に感じてまいりました。 私も、当選当初から在宅ケアに励む家族のサポートに取り組み、全国に活動を広げる訪問ボランティアナースの会、キャンナスの菅原代表から、訪問ボランティアについて何度もお話を伺ってまいりました。 看護師が自分でできる範囲で家族介護者に一時的な休息を提供する有償ボランティア団体でありまして、利用者本位で相談に応じており、規則の谷間を埋めていく、介護現場のニーズにしっかりとこたえているというのがこのキャンナスの活動であります。 菅原代表は、一般市民の方やナースの方からの賛同やSOSの声を聞きながら、日本じゅうに星降るほどの訪問看護ステーションをということを掲げまして、平成二十年十一月に開業看護師を育てる会を設立し、今日まで活動されています。 特定看護師に医業の一部を解禁する話、あるいはヘルパーに医療行為を許可する話、そしてナースプラクティショナーの話題など、ナースの仕事そのものの見直しが大きな話題となっておりまして、特定看護師に関しては大きな進歩と考えております。しかし、課題はたくさん残されておると考えております。 看護師不足が叫ばれておりますけれども、子育てで一たん家庭に入ったナースも、子供が保育所、幼稚園から戻るまでの時間を利用して訪問看護に従事をしよう、こういう方もいらっしゃるかと思います。こうした資格を持ちながら看護現場で業務できない、いわゆる潜在ナースを有効な在宅看護の担い手として、その活用と再教育のあり方を早急に検討すべきと考えております。 また、高齢者も障害者も子供も安心して地域社会で過ごしていくためには、訪問看護事業所の普及が必要不可欠であります。看護師も一人で開業できる、この一人開業というのが認められますと、例えば小学校区に一つ程度の看護ステーションが整えば、看護師同士の看護連携ができるので、一人でも何とか対応が可能なのではないか、このように考えております。 訪問看護事業所数が充足するための施策として、ぜひ訪問看護の人員配置基準である二・五人を見直しして、一人でも事業所が開設できるように、このことをお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
○長妻国務大臣 今、古屋委員が言われたお気持ちというのは同感でありまして、訪問介護だけじゃなくて、やはり、看護師さんが夜も訪問できるような体制というので初めて安心して在宅介護ということができるのではないかと思います。 ただ、今現状を見ますと、小規模な事業所ほど訪問看護ステーションは経営状態が悪くて、やはり、夜間、緊急時の対応ができないというふうなときもあって、サービスを安定的に供給できているとはなかなか言いがたい。ただ、数が足りないというのもよくわかるところでございます。 そして、今おっしゃられた常勤換算で二・五人の看護職員の配置についてもという話でありますけれども、やはり一定のレベル、最低限のレベルは確保した上で、できる限り今後とも、地域包括ケアシステム、二十四時間、三百六十五日が最終目標でございますけれども、その構築を目指している途中でございますので、今よりも小規模化を推進するというのは、サービスの安定的供給という面から非常に難しいと考えております。この地域包括ケアシステムを充実するという観点から取り組んでいきたいと思います。
○古屋(範)委員 公明党で昨年行いました介護総点検で、七万七千人の方々に街頭でアンケート調査を行いましたけれども、その中で、自分が高齢になって介護が必要になったとき、どこで受けたいかという質問をいたしました。そうしましたら、介護施設、それから在宅、これがほぼ同数でありまして、病院というのは非常に少なかったわけなんですね。 在宅における介護は当然でありますけれども、やはりそこに看護、医療、そしてリハビリ、こうしたものまで含めて、在宅での二十四時間、三百六十五日のそうしたケアが受けられるような体制が必要なのではないか、このように考えております。そのために、この二・五人の配置基準は工夫をしていけばできるのではないか、私はそのように思っておりますので、ぜひ今後も前向きな検討をお願いしたいということを再度要望しておきたいと思います。 次に、きょうのテーマであります、うつ病対策について伺ってまいります。 抑うつなどの症状が続く、これは躁うつ病も含めまして、うつ病患者数が初めて百万人を超えたということが、昨年十二月の厚労省が実施している患者調査でわかりました。また、きょうの新聞でありますけれども、内閣府が初めて統合調査を行ったそうであります。厚生労働省が人口動態統計、あるいは警察庁が自殺統計をそれぞれ集計しているんですが、初めて両省庁のデータを集約、分析したということであります。自殺者は三月の月曜日が一番多い、危険であるというような記事も出ております。こうした自殺の原因も、うつであることが非常に多いということも指摘をされております。 この患者調査によりますと、うつ病が大半を占める気分障害の患者数は、平成八年に四十三万三千人、平成十一年には四十四万一千人、ほぼ横ばいでしたけれども、十四年から七十一万一千人と急増いたしました。今回の平成二十年調査では百四万一千人に達しております。この十年足らずで二・四倍に急増したというわけです。 このうつ病で最も懸念されますのが、先ほど申しました自殺との関係であります。自殺の動機として最も多いのが健康問題であり、このうち、うつ病を理由とするのが最も多いことが問題となっております。 こうした国民の生命を守るために、私たち公明党では、平成二十年四月、党内にうつ対策のワーキングチームを設置いたしました。そこで、関係団体、また専門家とも意見交換を重ねまして、同年七月、うつ対策の具体案を政府に提言いたしました。 提言では、うつ病の早期発見、早期治療の推進へ医師の診断能力の向上、また、患者の専門医受診率を五割以上に引き上げる。現在、二五%という低い率になっております。治療における精神療法の拡充強化、労災の休業補償など安心して治療に専念できる社会づくり、患者の社会復帰のプログラムを整備し、社会復帰を実現する。こうしたものを骨子といたします十七項目の対策を、子供のうつ対策もあわせまして、うつ対策を提言いたしまして積極的に推進をしてまいりました。 このうつ病対策を考える上で大事なことは、第一に、うつ病の早期発見、早期治療であります。治療がおくれればおくれるほど回復率も低くなる。そのためには、かかりつけ医が的確にうつ病を診断して、専門医につなげていくということが重要だと思います。やはり、最初に行くのは内科医であったりするわけです。 厚労省は、うつ病の早期対応の中心的役割を果たす人材を育成する、かかりつけの医師等のうつ病等の精神疾患の診断技術の向上を目指して、平成二十年度から、かかりつけ医うつ病対応力向上研修というものを実施されております。自治体によっては研修を実施されていないところもあると聞いております。まずこの現状についてお伺いいたします。 また、どこに行っても的確な診断が受けられるよう、自治体間の格差を生まないためにも、こうした自治体へは厚労省から研修実施をしっかり働きかけていただきたい、このように思います。これについてお伺いいたします。
○山井大臣政務官 古屋委員、御質問ありがとうございます。 公明党のうつ対策ワーキングチームの座長としてうつ対策に御尽力されておられます古屋委員に敬意を表したいと思っております。 厚生労働省でも、現在、自殺対策、そしてうつ病対策の検討会をつくりまして、とにかく自殺の大きな原因となっているこのうつ病対策に取り組ませていただいております。 今御質問をいただきました、かかりつけ医うつ病対応力向上研修についてでありますが、古屋委員御指摘のように、早期に発見して適切な治療を受けるということが一番重要であるにもかかわらず、かかりつけ医の方の中にまだまだうつ病に対する理解が不十分ということがございます。そこで、平成二十年度には、四十の都道府県と指定都市がこのうつ病対応力向上研修を行いました。平成二十一年度には、六十五の都道府県・指定都市というふうにふえております。 ただ、古屋委員御指摘のように、まだまだ未実施なところがありますので、格差がつくとこれは問題ですので、今後とも全国の会議等を通じて働きかけを図ってまいりたいと思います。
○古屋(範)委員 二十一年度で六十五都道府県・政令市ということであります。今後、自治体間で、熱心なところ、そうでないところ、開きがあると思いますので、ぜひ、未実施のところは当然早急に実施をするよう働きかけていただきたいというふうに思っております。 このうつ病でありますけれども、これは無作為に選んだ四千人余りを対象として面接調査を行った調査がございます。これはWHO国際共同研究の日本での調査によりますと、うつ病の生涯有病率、一生のうちに一度治療が必要な状態になる人の割合が六・三%ということで、十五、六人に一人くらいの割合でうつ病が発生するということでありまして、いわば国民病というふうに言えるのではないかと思っております。 それから、うつ病の患者さんは女性の方が多いんですね。二対一の割合で女性の方が多い。経済界の方とも意見交換した折には、非常に女性は元気だと、この事実は余り御認識がなかったのですが、産後であるとか更年期とかそういった要因もあると思いますし、こうした国民にとって非常に大きな問題、これがうつ病であります。ぜひ、国としても総力を挙げて対策に取り組んでいただきたい、このように思っているわけです。 次に、子供のうつ対策についてお伺いしてまいります。 かつては、子供はうつ病がないというふうに言われていた時代もあるそうです。まだ知能も未発達だし、そういう子供はうつにはならないという学説があったそうなんですが、そんなことはなくて、世界的に見ましても、約五%の子供が治療が必要なうつ病にかかっているそうであります。十八歳までの子供は二〇%が、いずれかの時期で治療が必要なうつ状態になっていると言われております。 私たちも、日本医科大学精神医学教室の斉藤卓弥先生に、子供のうつについていろいろ伺いました。子供のうつはなぜ深刻なのかというふうに言いますと、大人でしたら、自分で病院に行こう、そう思えるかもしれないのですが、子供の場合にはみずからそういうこともしにくいということもありますし、また、大人の場合には、もとの水準に戻れば、復職、仕事に復帰するということになるんでしょうが、子供は、失った時間と場所の両方を取り戻してやっとほかの子供と同じようになるということでして、その点、大人の回復よりもはるかに難しいと言われております。 特に、学校に行けなかったというようなことになりますと、その影響が生涯残ってしまうということでありまして、また、子供のうつは、大人と出方も症状も違うというふうに言われておりますし、また、治療方法も大人とは違う面がある、このようにおっしゃっています。しかし、こうした子供のうつを的確に診断できる専門医というのは非常に少ないわけであります。早急な育成が求められております。 厚労省は、平成十八年三月に、子どもの心の診療医の養成に関する検討会平成十七年度報告書を発表しまして、子供の心の診療医の養成確保に向けた取り組みが進むことが期待されております。そこで、この子供の心の診療に専門的に携わる医師の育成、これに関しての御意見を伺いたいと思います。
○山井大臣政務官 古屋委員、御質問ありがとうございます。 子供の心の問題に対応できる医師の養成は非常に急務だというふうに思っております。実際、生活保護の母子家庭には、お子さんにうつ症状の方が多い、お母さんにもうつ症状の方が多いという結果も出ておりますし、またDV被害、また児童虐待の被害のお母さん、お子さんにもやはりうつ症状が出ている。大人のうつももちろん深刻でありますが、お子さんの場合はそれが不登校につながる、そして人生設計が立たなくなってしまうということで、まさにこれは大人の責任として取り組む必要があると思っております。 今御指摘の思春期精神保健対策専門研修事業を今実施しておりますが、平成二十一年度までに千人を超える医師がこの研修を受講しているところであります。 また、うつ病に関しては、これまで内科医等に行ってまいりました、先ほど答弁しましたかかりつけ医うつ病対応力向上研修事業についても、平成二十二年度からは小児科医なども対象に追加しておりますので、かかりつけ医の方々のみならず、小児科医の方々にもこのような心の問題への対応をこれから取り組んでいただきたいと思っております。
○古屋(範)委員 今、政務官から御答弁いただきましたけれども、この平成二十年から実施しておりましたかかりつけ医うつ病対応力向上研修、来年度からは小児科医も含めてくださるということでございます。これは非常にありがたいというふうに思っております。 やはり、子供の様子がおかしい、学校に行きたがらないなどなどありましたら、まず最初に行くのは小児科医であると思います。ですので、この小児科医が、そうした専門医につなげる必要がある、そのように判断できるかどうかということがその先への大きな治療のステップになると思いますので、この小児科医の研修もぜひ、地域格差が出ませんよう、全国での実施をしていただきたいと思っております。 今後は、この子供のうつ対策に対する啓蒙と教育が重要になってくるのではないかと思っております。ぜひ厚生労働省は文部科学省と連携をして、こうした子供の心の問題への対応についての研修を養護教諭も含めてやっていくべきだ、このように思いますが、この点はいかがでしょうか。
○山井大臣政務官 古屋委員、御質問ありがとうございます。 先日、文部科学委員会でも、公明党の池坊保子先生から御指摘をいただきました。本当にこの心の苦しみを負っているお子さんたちに対しては、これは医療のみならず学校現場での対応も非常に重要だと思っておりますので、これからも連携をして取り組んでまいりたいと思います。
○古屋(範)委員 ぜひ省庁の壁を越えて、子供のためにここのところは文科省と連携して、養護教諭もこの研修に含められるようよろしくお願いいたします。そのことを強く要望しておきたいと思います。 それから、認知行動療法についてお伺いしてまいります。 私たちのワーキングチームで沖縄に参りまして、沖縄県にあります認知行動療法を実践している、そして画期的な成果を上げております総合精神保健福祉センターに参りました。また、精神医療の現場で注目される認知行動療法の日本における第一人者であると言われております慶応大学の大野先生からもヒアリングを行いました。 そこで、私たちの提言でも、治療における精神療法の拡充強化というものを訴えてまいりました。今回の診療報酬改定におきまして、認知行動療法の評価が新設されたということでありまして、この意義は非常に大きいというふうに評価をいたしております。 しかしながら、診療報酬では評価が今回新設をされたんですが、実際、この認知行動療法を行える専門家が非常に少ないというのが現実であります。この認知行動療法を受けたいという方がたくさんいらっしゃいまして、こちらにもいろいろと連絡を下さるんですが、一体どこの機関でどんな専門的な治療が行われているのかというような情報が余りないというのが現状であります。そこで、視察をした沖縄に、関東の方がわざわざ行って、それで治療をしたい、こういう方もいらっしゃいました。 沖縄では、デイケアというプログラムをつくっていまして、週一回、精神保健センターに参ります。そこで認知行動療法を受けて、あとは、ホームワークといって、自宅に帰るなり、あるいはお仕事をしている方もいるかもしれませんが、あとはホームワークをやって、それを身につけていくというプログラムで、実際、このプログラムを修了して仕事に復帰されているという方が非常に多くいらっしゃるんですね。効果があるというふうに伺っております。 この認知行動療法を行う専門医の育成が急がれます。専門医の育成について御所見をお伺いしたいと思います。
○山井大臣政務官 古屋委員、御質問ありがとうございます。 今御指摘のように、この認知行動療法というのは非常に効果も上がっております。古屋委員からの御要望も受けまして、平成二十二年度の診療報酬改定では、初めて、診療報酬上四百二十点という報酬を新設させていただきました。そして、厚生労働省では、平成二十一年度に専門家向けのマニュアルを作成したほか、平成二十二年度には、認知行動療法を普及させるために、国立精神・神経医療研究センターにおいて、認知行動療法を積極的に行う医師の養成のための研修を初めて実施する予定であります。 これからも、これらの取り組みを通じて、認知行動療法を行うことのできる専門家の養成を図ってまいりたいと思っております。 さらに加えまして、先ほど御質問をいただきました、養護教諭等が思春期精神保健対策専門研修事業を受けられるようにということについても、現在でも、医療従事者だけではなく養護教諭等の学校関係者の参加も可能となっていますが、さらにこれから、養護教諭の参加について都道府県等に呼びかけてまいりたいと思っております。 最後にちょっと一点だけ、答弁の訂正があります。 先ほど、最初、かかりつけ医うつ病対応力向上研修、二十年度が四十カ所で、二十一年度が六十五カ所と言いましたが、申しわけありません、五十一カ所の間違いでございました。訂正させていただきます。
○古屋(範)委員 ありがとうございました。 こうした専門医の育成は非常に急務であると思っております。 そこで、先ほども触れましたけれども、問題なのが、日本の中では二五%の方しか医療機関を受診していない。 これは、いろいろな理由があるかと思います。いろいろ調査をしてみますと、何とか自力で治るのではないかと思ったとか、あるいは、自然に治ると思った、このように答えていらっしゃる方も多いですし、また、職場の中でほかの人に知られてはまずい、いろいろな理由があるとは思いますが、ともかく受診をしている方の比率が非常に低いというのが我が国の特徴であります。早期診断と適切な治療が欠かせないというわけで、受診率の向上が非常に大きな課題であると思っております。 そこで、イギリスにおきましては、軽症を含めれば六人に一人がうつ病とか不安障害に悩んでいると言われております。ここでは、国を挙げて心の病に悩む人を一人でも減らそうという取り組みが行われているそうです。 これも慶応の大野先生から伺ったものなんですが、イギリスの精神療法家養成計画に関して、これは新聞にも掲載をされているんですが、一部を紹介させていただきたいというふうに思っております。 これは、うつ病や不安障害で苦しんでいる患者さんの治療の中で、エビデンスの出ている精神療法を受けられるかどうかに関して、イギリス内に存在する地域格差を解消する目的で、ブレア政権時代に計画をされたということです。それが、国家的なプロジェクトとして現在のブラウン政権にも引き継がれて、実際に今、動き始めているそうなんです。 二〇〇八年から、心理療法を希望するすべてのうつ病と不安障害患者に国が治療を提供する心理療法アクセス改善、IAPTプログラムを導入いたしました。現場での治療は無料だそうです。一回五十分、不安を感じる原因やその対処法などを心理士と話し合っている。 従来は、うつ病や不安障害の患者のうち、治療を受けているのは四分の一にとどまっていたそうです。臨床心理士の不足が理由で、治療を受けるために平均一年半も待たなければいけなかった。これがイギリスの現状だったそうです。 そこで、イギリス保健省の計画では、三年間で約三百四十六億円を投じまして、心理士三千六百人を養成する、新たに九十万人が治療を受け、半数が回復すると試算をしているそうです。新聞のこの金額とはちょっと違うんですが、イギリス保健省の出しているペーパーを見ますと、この金額だというふうに思います。四回から二十回の心理療法と、それから栄養指導などの生活支援も組み合わせまして、抗うつ薬などの薬は原則使用しないそうです。 心理士の養成費用と、治療によりうつ病患者が回復をして就労不能給付金の支出が減った場合の費用対効果が、イギリスにおいて心の病による損失は約一兆八千億円、非常に多額であります。日本では恐らく、人口比からいっても、これより多いと推計されます。生産性の向上なども考えれば、いわゆるおつりが来るというわけであります。 そこで、政府の自殺対策強化月間も本日で最終となりました。厚労省の自殺・うつ対策プロジェクトチームでは、近く今後の対応の方向性が提示される予定とのことですので、腰を据えた政策立案が期待をされております。国家レベルで、メンタルヘルス対策に予算を投じて、国民が心身ともに健康な状態を確保できるよう努めるべきである。これは、本人にとっても、家族にとってもそうですし、国にとっても、こうした費用対効果の面でもそうであるべきだと思います。 うつ病に伴う経済的損失が一兆円とも言われる我が国において、イギリスのIAPTの成果を確認した上で、薬を原則使わないこの心理療法、認知行動療法を希望するすべてのうつ病の患者の方々に提供するために、治療体制を考えるべきだと思いますけれども、これについての御所見をお伺いいたします。
○長妻国務大臣 今、古屋委員御指摘のように、私も、イギリスについては非常に注目をしております。 まず一つは、今もお触れになりましたけれども、うつ病は、患者さん、家族が大変御苦労をされておられますが、これは不謹慎かどうかはわかりませんけれども、経済的損失の金額というのをイギリスは公表したということで、国民的に、ああ、これだけの損失があれば、やはり一定の財政措置をしてそれに対応する必要がある、こういう意識醸成をしたというふうに承知しております。今、厚生労働省内でも、日本国におけるうつ病についての経済的損失額を算出するようにしております。 そして、今おっしゃられたように、やはり抗うつ剤などの薬だけではなくて、今言われた認知行動療法、簡単に言うと、コンサルタントというか、面接をして言葉のやりとりで治療するという方が再発率が低いというのはイギリスでも言われておりまして、やはり日本国も、薬中心の治療から今言われた認知行動療法に転換しなきゃいけないというふうに考えております。 そこで、あしたからの新しい診療報酬でも、四百二十点、一点十円でありますから一日につき四千二百円ということでありまして、これについてはもっとふやすべきだという御意見もありますが、今までついていない認知行動療法について新しく診療報酬をつけさせていただいたということであります。 今、毎日毎日、一日平均九十人の方が自殺をされておられて、先進七カ国では人口当たりの自殺率は一番多いということになっておりますので、ソーシャルワーカー等も含めて、認知行動療法の充実について、今後、何らかの目標を定められないかということを検討していきたいと思います。
○古屋(範)委員 この損失額を厚労省としてこれから試算されるということでもありますが、一人一人の国民の心の健康、そして家族のために、ぜひこうした認知行動療法、専門家の育成、そして推進をお願いしたいというふうに思います。ありがとうございました。 次に、相談、カウンセリング等の資格を持った方々の人材活用についてお伺いをしてまいります。 こうした心の病、また自殺、過労死に関係する専門家の資格というのは非常に多くの種類があります。私も、今回調べてみて、知らなかったものもありました。 認知行動療法にはその専門家が必要ですけれども、どうしても医師、看護師など絶対数が不足をしておりまして、その対応ができないというのが現状ではないかと思っております。私は、うつ病や精神疾患に至るその前段階で、治療が必要だと精神科に行くその前段階で、これを見きわめた上で、心理士などの医療心理技術者等の資格を持った方々の活用をもっと考えてもよいのではないかと考えております。 例えば、心の問題や悩みに関して話を聞いて寄り添う、こうすることによって心のケアができる。やはり対話が重要であると考えております。だれもがつらいことがあったときに心のうちを話せる相手、以前は地域にそういう世話をやいてくれる人がいたんでしょうが、この時代にはなかなかそういうわけにもまいりません。例えば民間資格の精神対話士、この存在が注目をされております。 きょうの天声人語にも少しその関連のことが出ております。これは、池田小の殺傷事件がありまして、そのときに娘さんを亡くされた方なんですが、この方が、精神対話士に出会うことによって笑顔が戻ってきた、心が持ち直した、このようなことがきょうちょっと記事に出ておりました。精神対話士というのは、メンタルケアの養成講座を修了して、厳正な選考を経て、メンタルケア協会に登録をされている心のケアの専門職であります。 また、福井市の教育委員会では、小学校のカウンセラー配置事業を独自に立ち上げまして、精神対話士をスクールカウンセラーに採用して、広く生徒のストレス、悩みに対応して、気軽に相談できる環境をつくっているそうです。いじめや不登校などの重大な問題につながる芽を事前に摘み取っていくということで、実際、精神対話士が派遣されている学校では確実に不登校増加に歯どめがかかっているという報告をいただいております。 また、ハローワーク金沢にも、昨年十二月、職業、住宅、生活支援の総合窓口、ワンストップサービスデーに初めてブースを設けるなど、失業者の心を支える役割を担っていたそうです。 さらに、石川県では、精神対話士を活用して、これはお寺で行ったようなんですが、本年二月から三月にかけて三回、悩みを抱える人たちの相談に無料で応じております。これは県の自殺防止対策の補助金認定事業で行われております。 こうした取り組みが全国に広がってほしい、このように期待しております。 いじめに遭ったり引きこもっている子供や青年、肉体的な重い病気にかかって精神的に参っている病人、虚脱感、孤独感を強く感じてふさぎ込んでいる高齢者、病人やお年寄りを介護、看病し続けている家族、精神的に疲れ切っている人など、心の健康の維持というのは非常に大きな課題でありまして、依頼に応じて出向いてくれる、対話を通じて心の病をいやして生きる希望と勇気を持ってもらう、こうした精神対話士の重要性は非常に強まっていると思われます。 そこで、国としても、臨床心理士あるいは精神対話士など、メンタルヘルスに関連する資格を持った人材の活用をもっと図るべきと思いますが、この点についてお伺いをいたします。
○長妻国務大臣 あした、四月一日、厚生労働省の入省式ということで、新人の心理職の職員も厚生労働省は採用しているところでありまして、そういう心理職の知恵も出して、チームで今のうつ対策に取り組むということが重要だと思います。 まず、二十二年度からは、その研修を強化していこうということで、国立精神・神経医療研究センターにおいて、二十二年度、来月から、臨床心理技術者、精神保健福祉士などを対象として、順次研修を実施していこうというふうに考えております。 あとは、今おっしゃられたような精神対話士という方も、これはメンタルケア協会で今八百人おられるし、臨床心理士は一万九千八百三十人がおられますので、そういう方々が先ほどの療法にどれだけ従事していただけるのか、あるいはこれからどれだけの人員が不足するのか、そういう現状把握もした上で、先ほどの研修強化も含めたチームの対応というのも検討していきたいと思います。
○古屋(範)委員 厚労省にもそうした専門家が入省してこられるということでありますので、ぜひそういう方々の御意見も生かして、こうした分野の方々の活躍できる場を広げていただきたいと思っております。 最後の質問になります。 私も、今回こうしたさまざまな厚労省での取り組みを伺うにつけ、非常に多部局にまたがっているということを感じました。精神衛生、医療のみならず、労働安全とか職業安定、非常に多くの部局にまたがっている問題だということを再認識いたしました。 そこで、私たちの総合うつ対策の提言におきまして、健康保険の傷病手当の活用拡大、あるいは安心して治療ができるような労災保険の休業補償、障害者手帳取得の促進などを訴えてまいりました。 うつ病患者にとっては、生活していける経済力があるうち、この傷病手当が支払われている間は何とか自殺を思いとどまることができる傾向があるとも伺いました。ですから、経済的な支援は本当に重要でありまして、自己負担一割で自立支援医療にかかれる対象であるということも周知をしていくことが大事ですし、精神障害者保健福祉手帳を取得できれば税金の軽減等も設けられているということで、こうしたことを知らない方々も非常に多いわけであります。経済的支援として活用できるものは現行法でもいろいろありますし、それを使っていただきたいというふうに思っております。 そこで、患者が安心して治療に専念できるよう、うつ病になったときは、このようにたくさんの支援が既にあるのだということを皆さんに知っていただく必要があるというふうに思っております。 そこで、それぞれの部局ではいろいろなものをつくっていらっしゃるようなんですが、各部局にわたる多くの支援策を一つにまとめたものが欲しいと思っておりまして、これを見れば一目瞭然、うつ病患者さんの支援策がわかるというようなパンフレットをぜひ作成していただきたいと思うのですが、この点、いかがでしょうか。
○長妻国務大臣 厚生労働省のホームページに「心の健康」というコーナーをつくりまして、それを、今ホームページ全体の見直しをしておりますので、さらに見やすくする。そして、今のパンフレットについては、我々検討していきたいと思います。 恐らく、そのうつ病の方の中で一定の要件があれば障害年金というのが受給できるということを多くの方が御存じないのではないかということ、あと、今おっしゃられた障害者自立支援法に基づく医療なども恐らく多くの方が御存じないのではないかというふうに懸念を持っておりますので、これについては、これだけ多くの方々が今うつということになっておりますので、広報をさらに強化していきたいというふうに考え、そういう方々がいらっしゃる場所なども見定めて、効果的な広報に取り組んでいきたいと思います。
○古屋(範)委員 こうしたパンフレットの作成も前向きに御検討をいただけるということですので、さらなるうつ対策を求めまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。 ————◇—————
○藤村委員長 内閣提出、医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。長妻厚生労働大臣。 ————————————— 医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○長妻国務大臣 ただいま議題となりました医療保険制度の安定的運営を図るための国民健康保険法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 我が国の医療保険制度においては、現在、各医療保険者の財政状況が非常に厳しくなっております。 その背景としては、経済状況の悪化により被保険者の収入が落ち込んでいること、高齢化等により医療費が増加していることが主に挙げられます。 また、市町村国民健康保険に対して講じている財政支援措置が平成二十一年度末で期限切れを迎えます。 さらに、後期高齢者医療制度において被用者保険の被扶養者であった方に対する保険料の軽減措置も、多くの方について適用期限が切れることになります。 したがって、このままでは、市町村国民健康保険、協会けんぽ、後期高齢者医療制度それぞれの平成二十二年度以降の保険料の大幅な上昇が見込まれるところであります。 このため、医療保険制度の安定的な運営を図るとともに、現下の厳しい経済状況の中で、できる限り保険料の上昇を抑制するために必要な財政支援措置等を講ずることとしております。 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。 第一に、国民健康保険制度においては、その財政基盤の強化を図るため、所得の少ない方の数に応じて市町村を支援する制度や、高額な医療費に対し国及び都道府県が補助する事業を継続することとしております。 また、一定額以上の高額な医療費の負担を市町村が共有する事業について、都道府県の権限と責任の強化を図った上で継続することとしております。 あわせて、国民健康保険事業の運営の広域化や財政の安定化を推進するため、都道府県が市町村に対する支援の方針を策定できるようにすることとしております。 また、保険料の滞納により世帯主に被保険者資格証明書を交付する場合、子供が安心して医療を受けることができるよう、中学生以下だけでなく、高校生世代にも、六カ月の短期被保険者証を交付することとしております。 第二に、健康保険制度においては、協会けんぽに対する国庫補助率について、平成二十四年度までの間は、従来の一三%から一六・四%に引き上げることとしております。 また、平成二十四年度までの間は、毎事業年度における財政均衡の特例を設けることとしております。 あわせて、被用者保険等の保険者が負担する後期高齢者支援金について、平成二十四年度までの間、その額の三分の一を、従来の加入者割から改め、いわゆる総報酬割とすることとしております。 なお、協会けんぽに対する国庫補助率については、その財政状況等を勘案し、平成二十四年度までの間に検討を行い、必要があると認めるときは、所要の措置を講ずることとしております。 第三に、後期高齢者医療制度においては、被用者保険の被扶養者であった方に対する保険料の軽減措置について、当分の間、延長することとしております。 あわせて、都道府県に設置する財政安定化基金について、当分の間、これを取り崩して保険料率の増加を抑制するために充てることができるようにすることとしております。 最後に、この法律の施行期日については、平成二十二年四月一日としております。 ただし、高校生世代に対する短期被保険者証の交付や協会けんぽに対する国庫補助率、後期高齢者支援金に関する規定については、平成二十二年七月一日から施行することとしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○藤村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 次回は、来る四月二日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時四十六分散会