決算行政監視委員会第三分科会 第2号
- 発言数
- 93 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2010/05/18
会議録
○中川主査 これより決算行政監視委員会第三分科会を開会いたします。 平成二十年度決算外二件中、本日は、厚生労働省所管、農林水産省所管及び農林漁業金融公庫について審査を行います。 昨日に引き続き、厚生労働省所管について審査を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。谷公一君。
○谷分科員 自由民主党の谷公一でございます。 きょうは三十分間、長妻大臣に、後期高齢者医療制度を中心にいろいろお尋ねをさせていただきたいと思います。 その前に、大臣、この前新聞に、昨年のいわゆる事業仕分けで地方に移すべきだとされた、厚生労働省所管の雇用・能力開発機構が運営する施設について、既に都道府県の方にいろいろ当たられていると思うんですけれども、その都道府県の受けとめ状況、どういうふうに考えておられるのかということについて、まずお尋ねしたいと思います。
○長妻国務大臣 例えば、地域職業訓練センターあるいはコンピューターカレッジについて、やはり地方としては、その譲渡の条件ということについて、引き受けるとすれば、引き受けやすい条件ということがあるというふうに考えております。 そこで、先日、条件を公表させていただきまして、譲渡する場合は、建物の時価から解体費用を差し引いた額で譲渡するということといたしまして、解体費用が時価を上回る場合は無償で譲渡ということで、かなりの部分が無償になるのではないかということで、後は、地方がその必要性を判断していただいて、移管を進めていきたいというふうに考えております。
○谷分科員 いえ大臣、そうじゃないんですわ。それは厚生労働省の考えで、新聞によれば、これは日経の五月十日でございますけれども、二十六府県が拒否、受け入れるという団体はゼロ、ほかは未定だということですけれども、おおむねこういう状況なんですか、今、各都道府県の反応というのは。それのまず確認なんです。
○長妻国務大臣 今御紹介いただいたのは、これは新聞社が調査をされたということだと思います。これ、我々の方で正式に具体的な調査というのをしているわけではありませんけれども、我々としては、先ほども申し上げましたように、希望する都道府県には、受け入れやすい条件を整備した上で、その機能維持を前提に移管することとしておりまして、当該施設についての御要望もよく聞いて、丁寧に進めていきたい。 そして、譲渡に関する条件については、先ほど申し上げましたのは地域職業訓練センター、コンピューターカレッジのことでありますけれども、例えば職業能力開発促進センターというのもございます。これについては譲渡条件が先ほどと若干違いますけれども、引き継ぎの職員の比率によって、無償あるいは一定の価格というようなことで提示をさせていただいておりますので、今後、自治体の意見も聞いて、適切に移管を進めていきたいというふうに考えております。
○谷分科員 答弁がもう一つ抽象的でよくわからないところがありましたけれども、新聞記事に出るように、私は大変厳しいと思います。これから国と地方との役割分担をどうしていくのかというきちんとした議論なしに進めることはできないと思いますし、また、人を受け入れるというのは、自治体の方が大変慎重というか、厳しいです。私の知る限り、とにかくお金はまず欲しい、権限は欲しい、それで、最後にというのか、もう人は要らないという自治体が、国家公務員も含めて大変多いかと思うんです。 何か、こういう状況でブロック機関の地方移管ということを政権の方は目指しているわけでございますけれども、それが計画どおり、予定どおり進むかどうかということについて大変懸念をしております。自治体が大変強い拒否反応を示したとしても、厚生労働省としては、あくまでも事業仕分けで示された見解どおり地方移管を粘り強く進めていく、こういうお考えですか。確認です。
○長妻国務大臣 これはもちろん強制ということではありませんで、地方自治体、都道府県がその施設は受け入れないということになりますと、国としても、その施設を廃止する、あるいは直接新しい機構で運営する、これについて判断をしていくということでありまして、地方自治体が仮に受け入れないということになりますと、どういう理由なのか、つまり、ニーズはあるけれども財政的な問題なのか、あるいはもうニーズもないというようなことであれば、その施設というのが必要性が問われてくるというふうに考えております。
○谷分科員 十分意見を聞いてこれを進めていただきたいと思います。 こう申しますのも、大臣、懸念しているんですわ。昨年の子育て応援特別手当にしても、自治体レベルで既にPRしているにもかかわらず、一方的にいわば国の都合で突然廃止というやり方等々、それから、地方を大事にすると言いながら、私も総務委員会で質問をさせていただきましたが、そのときは政務官でしたかね、難病についての超過負担の問題も相変わらずそのまま残っておりますし、ですから、十分地方の声を聞いて慎重に対応していただくように要望をさせていただきたいと思います。 高齢者医療制度について移ります。 今検討を進められておりますけれども、検討を進めているというのは、会議において進められているわけでありますけれども、その前に、基本的に、今までの民主党のマニフェストとの整合性ということについて大臣の見解をお尋ねをしたいと思います。 五年前には、新たな高齢者医療制度を創設すると選挙で言われ、その後の参議院選挙ではそれについて触れられず、そして、昨年の総選挙では廃止ということを明言され、また一昨年六月には、老健を復活させる法案を、民主党は社民党、国民新党、共産党とともに参議院で可決された。 新たな制度を創設すると五年前に言われ、三年前の参議院選挙では沈黙し、そしてその後で、当時の野党が多数を占める参議院で老健を復活させる法案を出された。そして今は廃止と言われている。このマニフェストについて整合性がとてもないのではないかというのが素朴な見方だと思うんですが、大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○長妻国務大臣 基本的に、私どもが申し上げておりましたのは、昨年の総選挙でも、後期高齢者医療制度は廃止をするということを申し上げておりまして、そのときに、廃止をして一たん老健に戻して、そして、老健も、我々はずっとそれが続くべき制度とは思っておりませんから、一たん例えば老健に戻して、そしてまた新たな高齢者向けの制度をつくるということになると、二回変更があって、自治体への負担あるいは国民の皆さんの御負担ということにもかんがみて、そうであれば、政権一期四年の中で、後期高齢者医療制度を廃すると同時にそのまま新しい制度に移行していくという一回の移行で、我々は、国民の皆さんの負担あるいは自治体の御負担等々を考え、広域的な国保も発想、あるいは保険も広域的な発想を持ってそういう制度をつくっていこうということで、今工程表も公表させていただいて、制度を進めているということであります。
○谷分科員 そうしますと、一昨年の対応は、老健を復活させる法案というのは、要は、参議院では成立したけれども、十分考えた法案ではなかったということが今の大臣の答弁から受けとめざるを得ないというふうに私は理解させていただきます。 しかし、問題を移ります。 現在、改革会議の方でいろいろ検討を進められているわけですね、高齢者医療制度改革会議。そこで基本的な六つの考え方を提示されています。その冒頭に、一番目に、今大臣が言われた「後期高齢者医療制度は廃止する」とあります。そして、その後、この検討の過程で四つの案が出され、今いろいろ議論をされているということでございます。 さて、その中で一つ確認させていただきたいんですが、二番目の原則、「マニフェストで掲げている「地域保険としての一元的運用」の第一段階として、高齢者のための新たな制度を構築する」。「地域保険としての一元的運用」、これはどういう意味でしょう。
○長妻国務大臣 これは、後期高齢者医療制度を、新たな制度を設置する六つの原則というのをあらかじめ会議にお示しをして、そして議論をしていただく、こういうことにさせていただいていまして、今おっしゃっていただいたのはその二番目でございますけれども、「地域保険としての一元的運用」ということであります。 これは、一つは今の市町村国保が、単位が、市町村の中には非常に人口が少ないところもあり、かつ高齢化も進展をし、そして、何よりも保険料の差がかなり広がる、こういうような問題点も指摘をされておりますので、それを一定のレベルまで広域化をしていく、この考え方が新しい高齢者医療制度に反映されるべきであるというふうに考えておりまして、その新しい高齢者の医療制度ができた後にも、今後とも同じサービスを受けるのであれば、ある程度均衡の考え方の保険料になるようなそういう保険というのを目指していく、こういうような考え方であります。
○谷分科員 どうもよくわかりません。市町村国保の広域化ということであれば、六つ目の原則にあります。「市町村国保の広域化につながる見直しを行う」ということがはっきり書いてある。 私がわからないと言うのは、私だけではなくて、専門家の、ほかならぬ改革会議のメンバーの雑誌をこの前読んでおりましたら、宮武さんというんですか、目白大学の大学院教授、宮武案というのも出していますが、その先生みずから、これは何を言っているのかよくわからない、コメントしようもない、意味がわからない、こう言われている。 もう一度だけお尋ねします。 市町村国保の広域化、それは問題意識はわかります。私も同じ問題意識を持っています。それは六つ目の原則にあります。今お尋ねしているのは、二つ目の「地域保険としての一元的運用」、その意味はどういうことですか。再度お尋ねします。
○長妻国務大臣 「市町村国保の広域化につながる見直しを行う」、これは六でありますけれども、これは、市町村国保ではなくて、高齢者の新しい制度をつくるということで、その新しい制度においても広域化を図っていくという趣旨と、その制度が運用された後にも、地域保険としての一元的運用を目指していくということであります。 つまり、最終的に我々、新しい高齢者の医療制度ができて、それが成り立った後にも、当然すべての保険者が一本化になるわけではありませんので、その前段として、やはり、被用者の保険と被用者でない保険との一定の差というのは、これは続くわけであります。その差を埋めるべく努力をしていくということをここでうたっているという趣旨であります。
○谷分科員 もう一つ私には理解できません。しかし、この問題ばかりやっていてもあれでございますが、四つの案についてお尋ねをしたいと思います。 ちまたには、「地域保険制度としての一元的運用」という言葉がわからない、理解できないと主張されている宮武先生の案が有力ではないかというふうに言われております。しかし、宮武先生の書かれている文章といいますかインタビュー記事を見ると、六十五歳以上は別勘定にしなくてはならないんじゃないかという考え方を述べられています。 それが宮武案を主張する御本人の考えということでございますが、大臣のお考えというか、たとえ一本化しても、広域的な国民健康保険と高齢者医療制度を一本化するという方向に行ったとしても、別建てという考え方は生かされるんですか。大臣の所見をお伺いします。
○長妻国務大臣 今、いろいろ先生方から提案をいただきますと、四案が出てまいりまして、まだその四案のどれにするかというのは決めているわけではありません。 この改革会議で示した六つの原則の中の三番、「後期高齢者医療制度の年齢で区分するという問題を解消する制度とする」ということを書いておりまして、後期高齢者医療制度のように、年齢で区分して一つの保険にまとめてしまうということになりますとこれはいろいろ問題が大きいというようなことで、この原則を書かさせていただいているわけであります。 勘定を分けるということになると、それは、保険は別でもないわけでありますし、あるいは、我々が後期高齢者医療制度で申し上げた問題点というのは、七十五歳以上の、病気にかかりやすい、お医者さんにかかりやすい人をまとめて一つの保険にすると、これはもう保険料の上昇スピードというのが現役世代に比べて上がってしまう。老いも若きも、基本的には保険料の上昇スピードというのは同程度にすべきなんじゃないか。こういうことがなされないから、いろいろ年齢で区分する批判が当時出たと思っておりますので、いろいろな考え方はありますが、やはり、老いも若きも保険料の上昇スピードというのは一定程度並べていく、こういう考え方に基づいて、今申し上げた年齢で区分する後期高齢者医療制度の問題を解消する、こういう趣旨を書かせていただいております。
○谷分科員 そうしますと、今の大臣の答弁ですと、今改革会議で四案出ていますわね、四案の中で健保連の対馬委員ですか、一定年齢以上の別建て保険方式を基本とする案、これは、年齢で区分するという問題があるからこの案は問題だ、そして、別建てでなくて勘定区分ぐらいであればこの原則にひっかからない、そういうふうに考えている、その理解でよろしいですか。
○長妻国務大臣 この別建ての保険方式という考え方、これは、まさに今申し上げたような一定の年齢で区切って一つの保険にしてしまう、こういう案も出ているところでありますけれども、これについては、この六つの原則の先ほど申し上げたものと基本的には考え方を異にしていると思っておりますので、なかなかこの案を採用するということにはならないんではないかというふうに考えております。
○谷分科員 もう一つ、別建ては、今大臣が答弁いただきましたように、この四つの案のうち、早く言えば対馬案はこれはだめよ。六原則、長妻六原則とも報じられているようでございますけれども、これに抵触する。しかし、宮武さんの言う高齢者医療と市町村国保の一体的運営を図って、いや、別建てではないけれども勘定区分だけだ、そうであれば六原則には抵触しない、そういうふうに理解しているという受けとめでよろしいですか。
○長妻国務大臣 これは、別勘定に区分するということについては、保険は同じでありますので、当然保険証も変わらず、あるいは保険者も変わらないわけですから、従来のサービスが変わるわけではない。そして、この勘定を区分しても、先ほど私が申し上げました保険料の上昇スピードがおおむね同程度に老いも若きもなる、こういう今私が申し上げたことについて一定の担保がとれるのであれば、この別勘定というのは、先ほどの原則には抵触しないのではないかというふうに考えております。
○谷分科員 わかりました。自分なりに大臣の思いがある程度は理解したように思います。 ただ大臣、そうなりますと、後期高齢者医療制度は、たしか七十五歳以上で別建ての今制度ですわね。しかし、廃止するという原則でやられていますけれども、今の保険者、あるいは世の中の今の後期高齢者医療制度のメリットとして、大変負担割合が明確でいいという評価もいただいていると私は思うんです、公平に見てですよ。 そうすると、別の保険制度にはしないけれども、別勘定をして、事実上七十五歳が六十五歳に変わるということはあるかもわかりませんけれども、基本的な仕組みというのはそう大きく変わるものではないのではないかという気がしますけれども、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○長妻国務大臣 まず、この後期高齢者医療制度の問題点ということだと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、七十五以上を一つの保険として全く別の保険者にして区分してしまうということで、保険料の関係が先ほど申し上げたようなことが出てくるということと、そして、今回、七十五歳の後期高齢者医療制度のスタートとともに、診療報酬も平仄を合わせて七十五歳以上だけに着目した診療報酬が開始された。 七十五歳以上だけ病院に長く入院していると入院の基本料がぐっと下がって、病院としては早く出ていってもらいたいというような考えが働くような診療報酬体系、これはもう数がかなり多くスタートして、それについては、もう政権交代して、診療報酬については七十五以上に着目したものは全部廃止をいたしました。 あるいは、保険者が変わることで、これまで例えば人間ドックの助成を受けられていた方がもうそれが受けられなくなるとか、あるいは、保険者が変わることで、七十五歳以上の方については健康診断の義務づけが外れてしまうというようなこともあり、七十五以上の保険者を別にしたことで、ほかのサービスについても、これまでと違う、つまり低下をするようなことが一律に行われてきた。 こういう問題が非常に大きかったのではないかというふうに考えておりますので、そういう意味では、保険者を別にするということに対する問題意識というのを我々は持って、こういう原則で検討をしていただいているということでもあります。
○谷分科員 何かだんだん方向性が見えてきたのかな、すべてではないですけれども、そういうふうに思います。 そのときに、その場合、都道府県でするのか、あるいは現在のように、全市町村が加入する広域連合とするのか、正直な話、これはなかなか難しい問題だと思います。 都道府県にそこまでの人員がいるのか、また、都道府県という保険者の主体で、国保の保険料の徴収も大変ですけれども、実際問題、その今の市町村国保と同じような細かな徴収がしっかりできるのか、そういう問題もあろうかと思いますが、大臣のお考えといいますか、都道府県でするのか、あるいは都道府県の広域連合でするのか。都道府県の中には、京都が今、山田知事が前々から自分のところで引き受けてもいいと言って、たしかあれは調査もされているんですかね。その京都の調査の状況もあわせて、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○長妻国務大臣 これはいろいろ論点があるところでありまして、やはり広域化というからには、その市町村単位をそのままにしていいのかというもちろん問題意識があるわけでございます。 そして、今やられているこの広域連合というのも、いろいろな考え方があってそういう形が今されていると思うんですけれども、ただ、その広域連合といったときに、保険者機能ということがよく言われますけれども、では、その主体は、その広域の対象の方から例えば選挙で選ばれた方が代表になっているわけではない。県のその全体の地域、そういうようなこともありまして、いろいろな論点があると思います。 いろいろ地方の御意見の中にも、都道府県が主体でやる必要があるんじゃないか、こういう御意見もありましょうし、あるいは、都道府県が主体となって市町村と連動してやる仕組みがとれないのか、とれるのかという議論もありましょうし、ここも一つ大きな論点となると思いますので、何しろポイントは、保険者機能が発揮されて、自分の目の届くその地域の方々が健康で御病気にならないように保険者が手を尽くしていく、それが結果的に医療費も下がるし、皆さんも健康で過ごす方がふえていく。これについてはどういう責任体制が重要なのかというのは、これは、十分今後大きな論点として議論をしている最中であります。
○谷分科員 ぜひその点は十分詰める必要があると思います。 戦後、ずっと長年懸案でありました地方事務官も、私に言わせれば、力がないのに国が吸い上げて、いろいろな問題もありますけれども、消えた年金と言われる当の大臣がいろいろ追及された問題の一つだと思いますよ。我々も反省しなきゃならないですけれども、その仕組みを十分目配りできていなかった。そして現場の方も、専ら、組合の意向ばかり考えた仕事のやり方を当時の野党も考えてしまった。我々も甘かったし、野党も甘かった。 そういう意味で、この問題は、方向が固まれば、いずれにしても都道府県の出番というのは今まで以上に強まることは間違いございませんので、ぜひその点を十分現場の意見も聞いて、大変大事な制度設計でございますので、よろしくお願いしたいと思います。 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。
○中川主査 これにて谷公一君の質疑は終了いたしました。 次に、江田康幸君。
○江田(康)分科員 公明党の江田康幸でございます。 きょうは、厚生労働省の所管事項についてお伺いをさせていただきます。 早速に質問に入らせていただきたいと思うんですが、きょうは二つ、HTLV1の総合対策ということについて、また、もう一つは我が国のアレルギー疾患対策について、この二つに絞ってお話をさせていただきたいと思います。 HTLV1総合対策についてでございますけれども、大臣は前回も私の質問等を受けていただきましたのでおわかりだと思いますけれども、ヒトT細胞白血病ウイルス、これをHTLV1というんですが、このウイルスは、血液のがんである成人T細胞白血病、ATLや、神経難病であるHTLV1関連脊髄症、これはHAMというんですが、それらの重篤な疾患を引き起こしてまいります。 ATLは、四十歳以降に発症する血液のがんでございます。生涯発症率は五%と低いものではありますけれども、発症したら死亡率は大変に高い。毎年千人が死亡しております。 HAMについては、このHTLV1が引き起こす神経難病でございまして、下肢の麻痺や排尿障害が徐々に進行して、やがては歩行困難、寝たきりになる、こういう重篤な病気でございます。生涯発症率は〇・二五%、低いわけでございますけれども、全国に千五百人の患者がおられます。HAMは、二〇〇九年度に、難治性疾患克服研究事業、いわゆる難病に認定をされました。 我が国の感染者、キャリアは、人口の約一%の百二十万人いらっしゃいます。ATLやHAMに対する有効な治療法はございません。 HTLV1の主な感染経路でございますけれども、これは母乳による母子間感染と性行為感染と輸血でございますが、輸血による感染は、一九八六年から始まった献血時スクリーニングによりほぼ完全に抑えられておりますので、現在の主要な感染経路は母乳による母子間感染と考えられております。 断乳、お乳をやめて人工乳に変える、または、三カ月以内の授乳で短期母乳をしていく、このことによって感染率が大幅に下がりまして、二〇%から二ないし三%、十分の一にも低下することが証明されておりますので、母子間感染予防対策による効果は着実に期待されているところでございます。 一九八〇年代に、日本人研究者がこのHTLV1ウイルスやこの関連疾患を相次いで発見いたしました。大変に国際的にも評価を得た大きな研究でございました。しかし、一九九〇年の重松班の研究報告で、放置しても感染者は自然に減少して、将来消滅するだろう、九州、沖縄などの風土病であり、それ以外の地域では対策は不要、また、全国一律の検査や対策は必要ないということが報告されまして、九〇年代以降は、HTLV1感染とその関連疾患に関して、組織的な取り組みが行われてまいりませんでした。 こういうような状況を背景に、二十年ぶりで今回、厚生労働省山口班の研究がスタートしまして、平成二十一年三月に報告書が提出されました。それによると、全国の推定患者数が百八万人であること、九州、沖縄地区のキャリアの割合が減少して、関東と近畿の大都市圏で感染者が増加していること、すなわち、二十年間、我が国のキャリア数は余り減少しておらずに、逆に全国に拡散しているということが示されたわけでございます。 前置きが長くなってしまいましたけれども、こういう状況の中で御質問をさせていただきます。 平成二年の重松班の報告と政府の対応について、まずお聞きをさせていただきます。 この重松班の研究報告では、母乳を介して子供に受け継がれる感染率を一五ないし二五%にとどまるとして、従来の八〇%以上から下方修正をいたしました。一方、この感染率の弱さなどを根拠に、B型肝炎並みの全国的検査と対策を求めた従来の研究班の方針を退けて、放置しても感染者は自然に減少して、将来消滅するだろう、全国一律の検査や対策は必要ないと結論づけました。 しかし、二十年ぶりに行われた山口班の研究報告では、重松班の予測に反して、先ほど申しましたように、キャリア数は減少していない、大都市圏へと反対に感染が拡散している、そして、キャリアが全国に拡散しているために全国的な検査や対策が必要である、このことを示したわけでございます。これに関して、有識者会議においては、妊婦の抗体検査に関して、長崎、鹿児島の二県以外、組織的な取り組みは行われずに、大多数の地域で母子感染が放置されてきたと厳しく指摘をしております。 そこで質問でございますが、当時の研究班長の重松氏が、三月三日の西日本新聞のインタビューに次のように答えております。まず、重松班の提言を受けて国の対策がおくれ、感染者が全国に拡散したのではないかとの質問に対して、研究班は当時の知見や技術をもとに見解をまとめて報告しただけで、対策をどう実践するかは行政の判断だったと答えておられます。 当時の厚生省や今の厚生労働省は、乳児栄養法の趨勢の変化によって、放置しても感染者は自然に減少して、将来消滅するだろうという見解をまともにとられていったのか、また、全国一律の検査や対策は必要ないとの重松班の結論をどのように解釈して、どのように判断をしたのか。まずは、これを大臣にお聞きいたします。
○長妻国務大臣 この問題に真剣に取り組まれている委員に敬意を表するわけでありますが、今おっしゃっていただいた平成二年の厚生省心身障害研究、成人T細胞白血病の母子感染防止に関する研究ということでありますけれども、そこの中に、放置しても感染者は自然に減少し、将来は消滅するだろうということや、全国一律の検査や対策は必要ない、そういうような記述もあるわけでございます。 ただ、当時、調べてみますと、厚生省は当然全く対策をしないというわけではなくて、さっき風土病というようなお話もありましたけれども、当時の知見においては、やはり地域の実情に応じた対策が必要ではないか。なかなか全国一律という対策については、当時の知見としてそういう発想は乏しかったと思うわけでありまして、ウイルスの保有率に地域差がある、あるいは、母乳だけでなくても、おっしゃっていただいたような別の感染ルートもあるなどなどの判断のもと、当時の厚生省は、HTLV1の母子感染保健指導マニュアルを作成して地方自治体に配付をして、地方の実情に応じた対策をしていただく、こういうレベルにとどまっていたということだと思います。
○江田(康)分科員 では、続けて聞かせていただきますけれども、全国一律の検査や対策は不要とした提言については、費用対効果などを考えて見送った、しかし、国が対策を放置していいとは思っていなかった、地域ごとに濃淡をつけて取り組みを進めるべきだと考えていたと。そして、ここは厚生労働省にとっては耳に痛い話かもしれませんが、日本の行政は一律にやるか全くしないかのどちらかになりがちだが、最近まで実態把握すらしてこなかったとは知らなかったと答えております。 この見解を、大臣、厚生労働省を所管する大臣として、どう受けとめていらっしゃるか。国は、本当に対策を放置してきたのか。なぜ地域ごとに濃淡をつけて検査や感染予防対策を進めてこなかったのか。さらには、なぜ二十年間も実態把握すらしなかったのか。重松先生のお言葉によると、なぜ、なぜ、なぜということが脳裏によぎるわけでございますが、これに関しては、大臣、先ほどのような概要ではなくて、明確にお答えをしていただきたい。
○長妻国務大臣 なぜ全国一律の検査、対策をしてこなかったのかという、なぜということでございますけれども、まず、当時の知見では先ほど申し上げたような研究が出て、将来は消滅するだろうという記述もあったわけでありますが、結果としてそれは今の実態と違う状況になっているということで、これについて、当時やはりその地域の実情の対応が必要だということで、ある意味では地域の問題としてとらえていた。こういうようなことがあるから、全国一律の検査、対策は必要ない、こういうような記述を受けて、これも一つの判断材料になったんだと思いますけれども、地域にお任せをしてしまっていたということではないかと思います。
○江田(康)分科員 実際に、これは三月に報告されたHTLV1の母子感染予防に関する研究班、齋藤特別班の資料の中にあることなんですが、そのキャリア数の推移を見てみると、これは、九州、沖縄は、一九九〇年、平成二年の段階では五〇・九%の占有率でございました。そのときの関東、東京は一〇・八%。そして、これが二〇〇六年、二〇〇七年、山口研究班等がまとめられたものにおいては、九州、沖縄はそれでも四五・七%、これは少しダウンをして、そして東京が一七・七%と大きく広がっている。 こういうことなんですけれども、全国的に平成二年の九〇年を見ても、九州、沖縄は五〇%で、あとはやはり関東とか近畿に一〇・八%とか一七%とか、もともとあるわけですよ。それが大きく今度、二十年を経て、九州、沖縄が少し減って、そして関東が大きくふえてきている、こういう状況なんです。当時九州、沖縄に局在したことであって、だから地域の自治体に対応を任せる、こういうような判断は果たして正しかったのかということを率直に思うわけです。皆さんもそう批判をされているわけです。 今、大臣は、そのように厚生労働省は認識をして、対応をほとんどやってこなかったことになるわけですけれども、そのことについて、先ほども重松氏の指摘にありますように、行政が判断するんだ、知見や技術は専門家がまとめて報告する、これをどう実践するかは行政の判断である。これについて、行政の判断として間違った対応はなされてこなかったのか、もう一度、大臣。
○足立大臣政務官 行政の判断ということでございますが、その中の一つに、やはり研究助成ということも非常に大きな分野を占めると思います。平成二年の報告をもって、やはりこれは研究をもっとすべきであるという判断があったのだと思いますが、例えば平成九年以降においても二十近い研究がずっと進んでおりまして、平成二十一年度だけで限っても、HTLVに関しては一億七千万の研究費を投じております。 先ほど議員がお示しになった齋藤先生のアンケートでも、既に妊婦のスクリーニング検査で全国で八八%の機関がスクリーニングを行っているということは、そういう研究に基づいて、これは必要だろうということを判断されているというふうに私は考えますし、その研究分野については行政としてはしっかり助成、研究を推進したということだと思います。
○江田(康)分科員 私が聞いていますのは、例えば重松先生がおっしゃっていますが、当時九州、沖縄に局在しているということと、乳児栄養法の趨勢の変化、これは何を意味しているかといったら、人工乳に徐々に変わっていく、そういうような時代の変化もあるだろう、そういうようなことで放置しても感染者はふえることはない、拡散することはないというような前提のもとで、自治体の対応に任されてきたというようなことが見受けられるわけでございます。 グローバルな今の時代において、この二十年間もそうですが、日本で九州、沖縄に局在するウイルスが、こういうような時代において、母子感染は母乳による感染でもあります。そういうことが人の移動によってだんだんと拡散していくのはわかり切ったことじゃないですか。そういうことに対して自治体の判断に任せるということが、非常に私は国の重大な判断ミスではなかったのかということを指摘したいと思いますが、これについては足立政務官、どう思われますか。
○足立大臣政務官 今の点に限って申し上げますと、地方の自治体にお任せしたではなくて、全国一律でという話だったと思いますが、私が先ほど答弁で申し上げたのは、まず、これについては局在性といいますか、かなり地域性が高いということについて原因の把握、そして感染のされ方、そして治療法の開発等々、やはり研究に主体を置くということがまずは第一段階であったのではなかろうかと思います。 それから約十八年あるいは二十年近くたってきて、今思いますと、それぞれの研究の成果を踏まえながら、全国で対応をすべきであるというような結論に近づきつつあることは間違いないと私は思います。
○江田(康)分科員 それでは次に、また御質問をさせていただきますが、母子感染予防対策に関しては、全国的な取り組みがこれまで行われていないんです。 先ほど申された全国的な検査、自治体による検査は八十数%とおっしゃいましたけれども、これは果たして実態として、妊婦さんが、医者からそういうことを勧められて検査を受けられる方々はおったとしても、自分からその項目を入れてくださいと言うようなことはなかなかできないような状況が二十年間続いたことを聞いております。 そういうような状況の中において八八%とか八五%とかいうのは、これは回答を出された意識の高い産婦人科等の集計結果であろうと思いますし、その数字に余り信憑性はないのではないかと私は思います。もっと低い、すなわち、地域においては余り行われてこなかった。 実際、二十年間にわたって検査から母子感染予防対策をやってきた県というのは二県だけです。長崎県と鹿児島県でございます。ほかはほとんどやられていないんです。自治体が主体としてやった、そういうことはないわけです。自然に任せられた検査はあったとしても、それはないわけです。 この二県の実績から、断乳または三カ月の短期母乳により感染率が十分の一に抑制できることが今証明されております。齋藤特別研究班の報告では、一八%から三%まで六分の一に減少する。そこにおいては多少の数字の違いはございますけれども、大幅に感染率が低下するのはわかっている。 また、一九九〇年、平成二年の重松班の報告でも、一三・一%から三・八%まで低下することが報告されていたわけです。この段階で、血液検査をやって、そして授乳指導を行う、断乳また短期母乳指導を行っていく、こういう母子感染予防対策は非常に有効だということが、この九〇年、平成二年の重松班の研究報告でもわかっていたじゃないですか。それをどうしてそのまま行政の政策として反映しなかったのか。 すなわち、全国一律的な検査というものを検討した経緯もございません。妊婦の抗体検査は、二県以外では、二十年間、組織的な取り組みはとにかく全く行われていないわけです。それで母子感染が放置されてきて、その結果として、九州、沖縄に局在していたHTLV1感染症が東京に、または大阪に、そうやって大都市圏に広がったことは間違いないわけですよ。これは肝炎問題にも匹敵するような行政の判断ミスがあっているのではないかということを私は思うわけです。 確かに今回、政権交代がございました。我々自公政権のときにも、我々は厚生労働省に対して、また当時の厚生省の責任に対して、またとるべき措置に対して、党を挙げてこのことについては質問もしてきましたし、大臣に要望もしてきました。だから、行政は継続でございます。今、厚生労働省の大臣として、このような行政上のミスというのに対して本当にどのような対応をしてきたのか、これを問うわけでございます。 それで、費用対効果という理由で母子感染予防対策の介入を地方行政の判断に任せてきた、これも国の責任ではないですか。そして、感染者数が自然に減少する可能性に依存して、非常に消極的な政策によるものであって、この病気に関しては発症予防とか治療法が確立していないわけですから、これは新たな感染の被害を受ける国民の皆さんの人権を軽んじたというふうに言われても仕方がないぐらいのことではないかと私は思いますので、引き続き、これに関しては質問をさせていただき、国会で明らかにさせていただいているところでございます。 大臣、改めて、この母子感染予防対策を二十年間も放置し続けて、国が責任を果たしてこなかったことに対してはどのように受けとめて、今後どのように対応しようとされておるのか、お伺いをいたします。
○長妻国務大臣 この対策でございますけれども、これについては、今後についてのことでありますけれども、私としては、全国一律の検査や対策は必要ないという平成二年のそういう記述がありましたけれども、その考え方には立たずに、やはり全国を対象とした対策というのがあってしかるべきではないかというふうに考えております。 今現在は、新たな研究成果を注視しながら、関係学会等の意見を踏まえて判断をしていきたいというふうに考えています。
○江田(康)分科員 それでは、大変時間が少なくなってまいりましたけれども、母子感染予防対策について、一連、お聞きをさせていただきます。これは非常に大事な、まず喫緊の重要な課題であると思いますので。 これについて、大臣、いろいろとこれから全国的にも対策を講じていくというふうにおっしゃいましたけれども、明確にしていただきたいことがございます。それは妊婦の抗体検査の迅速な実施でございます。 これは、妊婦の抗体検査の実施状況とか産婦人科を初めとする医療関係者のHTLV1感染予防意識に関する実態把握を早急に実施する、そうした上で、国の責任のもとで全国一律の妊婦の抗体検査を迅速に実施すべきと考えますが、いかがですか。 また、抗体検査の推進及び国民に対する正しい知識の普及と理解が同時に大変必要になってきます。感染しているということが妊婦さんの方でわかればそれなりのパニックが起こるし、また、授乳に対して、母乳を与えなくなることに対しても指導が必要でございます。これは、さまざまな指導、並びに周りの方々の差別、偏見というのもございます。こういう意味でも、正しい知識の普及が必要でございます。こういうようなことに対してもしっかりと整備をしていかなければならないと考えますが、いかがでしょうか。 そして、少なくとも、この妊婦の抗体検査というのは、全国一律ということであれば国が公費負担でこれを実施するということであると私は思っておりますけれども、このことについても確認をさせていただきたいと思います。 ともかく、こういう抗体検査だけではなくて、有識者会議の提言にもありますように、母子感染予防対策に先立って、授乳や断乳のメリット、デメリットなどに関する十分なインフォームド・コンセント、妊婦の自由意思の尊重、カウンセリング体制の充実、そして出生児の追跡の重要性などを盛り込んだ母子感染予防ガイドライン、これを早急に作成して指導体制を確立しておくことが重要であると指摘されておりますけれども、大臣の見解をお伺いいたします。
○足立大臣政務官 議員が平成二十一年の齋藤班の例を数度お出しになりますので、正確に申し上げますが、全国の一次産科診療施設千六百六十八施設にアンケートを出して、回答率は三八%。これは医療のアンケートとしては私は比較的高い方ではないかと思います。 そこで、先ほど委員がおっしゃいましたが、鹿児島、長崎だけだという話でありましたけれども、九州・沖縄が八七・八%で、それ以上の地域としては、四国、近畿、東海・中部、これらはいずれも九州・沖縄よりも高い施行率というふうに今なっております。それだけ、研究成果等含め、これは必要であるという判断であろうと思います。それ以降の大事なことは、抗体が陽性だと判明した妊婦さんへの支援というのが一番大事なことで、これを今委員がおっしゃったことだと思います。 そのガイドライン等、それから公費助成等については、大臣の方から答弁があると思います。
○長妻国務大臣 まず、今二点、大きくは公費助成とガイドラインの件、お尋ねがございました。 公費助成については、抗体検査について専門家の御意見等も踏まえて適切に検討をしていきたいというふうに考えております。 そして、母子感染予防ガイドラインということでありますけれども、これについても、全国で現状を把握した上、母子感染予防ガイドラインの設定についても同様に検討をしていきたいというふうに考えています。
○江田(康)分科員 足立政務官がおっしゃったことについては、私も反論がございますので、また引き続き言わせていただきますけれども、大臣、今おっしゃっていただきましたように、公費で全国一律の検査を専門家会議の助言をもって適切に対応をしていくということをおっしゃいました。今でも母子間感染が起こっているという事実を、その現実を厚生労働省は忘れてはならないと思うから言うわけでございます。 最後に、そういうような有識者会議というのが、今私が申し上げたような全国一律の抗体検査の必要性、またそれに対する体制の整備、母子感染予防ガイドライン等を作成して体制を整えていく、こういうことを随時提言をされております。 その有識者会議というのは、私がこの前も、またこれまでも指摘しておりますけれども、厚生労働省の中の私的な組織でございまして、これは公式な会議ではございません。審議会のような公式な会議ではございません。ですから、そこでせっかく有用な御意見が出されても、それが厚生労働省の施策に反映するとは思えないところがございます。 私も、この有識者会議には先日出させていただきましたけれども、厚生労働省の中の縦割りを破って、また厚生労働省から他省庁にわたるそういうものを破っていくためには、やはり有識者会議の提言が公式なものとなることが非常に必要であると思います。 この有識者会議を厚生労働省の公的な協議会に格上げして、そこで出てきた専門家の皆様の、関係者の皆様の御意見を反映して、先ほどの、大臣がおっしゃったような全国一律の抗体検査、また公的な補助による血液検査を初めとして、適切な対応をとっていただきたいと思うわけでございます。 大臣、これを最後に御答弁いただきたいと思う。
○長妻国務大臣 まず、前段にお話ししました妊婦の抗体検査の公費助成につきましては、担当の雇用均等・児童家庭局長にきちっと指示をいたします。そして、ガイドラインについては、健康局長にきちっと指示をして、その後の進捗も報告を受けるようにいたします。 そして、今のお尋ねでございますけれども、これについては、今おっしゃっていただいたような有識者会議というのがございます。各大学の先生方などを中心に、患者団体の方々もおられる会議でございますけれども、おっしゃられるように、これはあくまでも今は有識者会議ということになっております。 これについて、厚生労働省の公的な協議会に格上げすべきじゃないかというお尋ねだと思いますけれども、この有識者会議でせっかく今議論が行われているところでもあるということでありますので、この会議の中身そして結論というのをまずはよく見守っていきたいというふうに考えております。
○江田(康)分科員 もう時間が過ぎております。ありがとうございました。 高井政務官、大変に申しわけございません。アレルギー対策について、二回も質問をすることができませんでした。大変におわびを申し上げます。次回質問させていただきます。 ありがとうございました。
○中川主査 これにて江田康幸君の質疑は終了いたしました。 次に、大村秀章君。
○大村分科員 自由民主党の大村秀章でございます。 厚生労働委員会に引き続きまして、決算行政監視委員会におきましても質疑時間をいただきました。時間の範囲内で、昨日質問通告をさせていただきました点につきまして順次質問をさせていただければというふうに思っております。 それでは、まず、B型肝炎の訴訟についてお聞きをいたしたいというふうに思います。 これは先週の十四日の金曜日にも質疑をさせていただきました。ちょうど札幌地裁の和解協議の期日というのが十四日ということでございました。ちょうど朝十時から、私が質問に立たせていただきましたのが十一時半過ぎということでございましたので、その時間で質問をさせていただきました。 その際、私が前から申し上げておりました、裁判でございますから、原告と被告という関係で、直接裁判外で会う、会わない、確かにそういう制約はあろうかと思いますが、かつてC型肝炎のときに、私ども国会の理事を中心に集まって、そこに原告団に来ていただいて、そこに、当時は舛添大臣でありましたが、私は与党筆頭理事として、お越しをいただいて面談をするという場を設けた、そういうことをやる気はないかということをずっと申し上げてまいりました。十四日にも申し上げました。 ただ、その際の長妻大臣のお答えは、残念ながら、そういう予定はないという御答弁であったわけでございますが、その後、その同じ十四日に、長妻大臣が原告側と十八日に面会する意向を固めたという新聞報道が十五日土曜日の朝ございました。十四日にそれを固めた。 委員会をやっているときに、全くその予定はないというふうに言われて、実は、国会ではそういうふうに言っているけれども腹の中は違うんだという報道があって、現実に、きょう、内山理事の方から先ほど私の方にも、きょう午後六時、十八時に面会をするので、理事の皆さんはぜひ来ていただきたい、来てほしいというようなお話がございました。 私は、これはこういう形でやるべきだということを、会うべきだということを言ってきたので、そのことについては、こういう形で、きょう午後といいますか夕刻、面会をするということは評価をしたいというふうに思いますが、その間の事実関係として、やはりそういうふうなことを考えているとか、そういうふうなことをぜひ検討するとか、いろいろなそういう事実関係として、国会では、十四日の委員会では全くその予定はないと言いながら、その日のうちに、どういう形で言われたのか知りませんが、報道で十八日に会うというふうにする。そこは私は、国会での議論ということを考えますと、やはりいかがなものかというふうに言わざるを得ないと思います。 ですから、今回、きょう夕刻、十八時に面会をするということに至った経過、事実関係といったことについて、ちょっと時系列的に、どういうふうな形でこうなったかということを、まず経過を教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○長妻国務大臣 今のお尋ねでございますけれども、大村委員から衆議院の厚生労働委員会でお尋ねがあったときは、面談する予定はなかったわけであります。 その後、与党も含め、面談をして、まずはテーブルに着くということ、そして御要望をお聞きするというお話もあったわけでございまして、政府の中でも議論をして、そして本日、与党の仲介をいただいてお会いをするということになったわけであります。
○大村分科員 具体的な経過をもう少し、十四日、委員会で全く会う予定はないというふうに言われながら、その日のうちにマスコミには会うんだというふうに言っている。十四日、十八日に会うということを固めたというのは、これは東京新聞の十五日の朝刊でありますけれども、そういうふうに報道されておられるということもございますから、その辺の事実関係を、また後ほど事務方からでも結構でございますから、時系列的に教えていただければというふうに思います。 それから、あわせまして、私は十四日の委員会で、いつまでに救済策、解決策を、政府としての案をつくって原告団に示すのか、やはり期限がある程度あるはずだということを申し上げましたら、長妻大臣はその委員会の答弁で、そういう期限を区切っているというのは、裁判所もそういう想定はしていないのではないかと思いますというふうにお答えになっている。 しかしながら、裁判の和解協議では、次回が六月二十一日、和解の期日は七月六日ということで、十時から始まった札幌地裁での和解協議でそういう期日が示されているというわけでございます。ですから、私がこの話をお聞きしたのは十一時四十分とか四十五分ぐらいだと思いますけれども、十時からやっておりますから、その時点ではもう既に、札幌地裁からその期日については提示はされているというふうに思うんです。 ただ、もちろんそこに厚生労働省、当然国の代表者はそこにいるわけでありますから、私はその時点で聞いたわけでありますので、その時点ではもう七月六日ということで期日になっているんですということを本来であればお答えいただけることになっていたんじゃないかと思うんですが、その点の事実関係、経過というのをお聞きできればというふうに思います。
○長妻国務大臣 今のお話でありますけれども、質問の趣旨がいつまでに和解を成立させるのかというような趣旨だとすれば、それについては、これは裁判所の仲介で我々として誠実に交渉するので、その時期について申し上げることはできないというふうに申し上げたわけであります。
○大村分科員 私が聞いたのは、全面的な解決はもちろんですが、和解協議なので、要は政府としての解決策、案をいつの時点で示すんだということがまずあるわけですね。 ですから、そのことも含めて、その期日、期限、めどというのが和解協議というのは必ずあるわけでありまして、C型肝炎のときも、十月にやって十二月に、結局その和解は成らなかったわけでありますが、そういうことになりました。そういう期限、期日というのがあるはずだというふうに聞いたんですけれども、そういうことはないんだというふうにお答えになっておられる。その時点で全く裁判所から連絡がなかったのか、それともそこに入っているところから連絡がなかったのか。 いずれにしても、国会の議論でありますから、その国会の議論で、事のいい悪い、そしてこれが右だ左だというのはあっても、やはり事実関係を正確にお答えいただかないと議論は深まっていかないというふうに思うんですが、その時点では和解協議の七月六日というのは全くお聞きになっていなかったのかどうか、その点についてもお答えいただけますか。
○長妻国務大臣 たしか大村委員から質問をいただいたのは午前中でありますので……(大村分科員「十一時四十分ぐらい」と呼ぶ)そうですね、その時点では、私はそういうことは知りませんでした。
○大村分科員 この点だけやるわけにはいきませんが、だとすると、やはり厚生労働省の中での連絡体制というのはちょっといかがなものかというふうに私は思います。 事前に前の日に通告をして、そして十四日に期日があって、十時から和解協議が始まるということでありますから、その点を私は十一時半過ぎから聞くんだということを言っておるわけでございますので、それは非常に大事な点だと思うんです。ですから、その点をやはり、これも後で結構ですから、事務方からでも後で資料で結構ですから、五月十四日の和解協議の中で札幌地裁からいつごろに提示されたのか、その提示された内容はどうなんだということも、時系列も含めて、後で事務方から資料をいただければというふうに思います。 いずれにしても、委員会での審議、国会での審議でありますから、やはり事実関係を正確にお答えいただいて議論を深めていくということが大事だと思いますので、その点はぜひそういう形の方向で、特にこの問題、これから、きょうは福岡地裁ですか、和解協議ということだろうと思いますので、そういう意味でやはり大変大事な問題でありますから、その点の事実関係をきちっと委員会でも御報告をいただく、その上で議論を深めていくということを申し上げておきたいというふうに思っております。 その点についていかがでございますか、御答弁を。
○長妻国務大臣 福岡地裁については、昨日、和解に入るということを申し上げたわけでございます。 いずれにしましても、これは交渉という、裁判所を仲介にするもので、どういう期日、あるいはどういう形の議論になるかというのは確定的に申し上げられないことはございますけれども、申し上げられる範囲内では十分、これは国会でありますので、私としても誠意を持って答弁していきたいというふうに考えております。
○大村分科員 事の是非、そしてその評価というのはそれぞれの政治の信条、信念、政策そしてまた立場によって異なるかと思いますが、事実関係についてはやはり正確に、そしてまた誠実に答弁をいただきたい、そのことは強く申し上げておきたいと思います。 次に参ります。 次は、これも一言だけ触れたいと思いますが、また次の機会に厚生労働委員会でも議論は深めていきたいと思いますが、子ども手当についてでございます。 この子ども手当についても、今週になりまして、長妻大臣の発言として、二万六千円の全額給付ということではなくて、二万六千円の減額でありますとか、また現物給付、現物サービスもあり得るというような、そういう方向の発言をされた、そういう可能性に言及したというふうな報道がありますが、この点について事実関係を教えていただけませんか。
○長妻国務大臣 私が申し上げましたのは、一万三千円の子ども手当、そして二十三年度は二万六千円、こういうことでございますが、その上乗せ分の一万三千円についてさまざまな今御意見をいただいているということでございますので、その上乗せの一万三千円部分を従来どおり現金を全額でやるのか、あるいはその部分を現物支給も入れていくのか、こういうことについて、政務三役、厚生労働省に持ち帰って検討をするということを申し上げました。
○大村分科員 報道によりますと、参院選の公約をつくるマニフェスト企画委員会というのがあって、それが五月十六日の日曜日にあって、そこで、民主党の中でのそういう会合の中で、現金だけではなくて現物給付をすべきだというような意見が強く出て、それを踏まえて持ち帰って検討する、こういう発言だったというふうにも聞いております。 この点について、報道によりますと、民主党の中でのいろいろな議論が、いろいろな御意見がいっぱい出てきておりますが、どうも私の感じでは、現金をそのまま二万六千円丸々というよりも、むしろ現物サービス、現物給付、保育サービス、そういった方に重点的にやるべきではないかという声が強いというふうにも受けとめておりますが、その点についてはいかがでございますか。
○長妻国務大臣 この子ども手当については、さまざまな御意見を国会でも、党からも、あるいは国民の皆様からもいただいているところでありまして、今委員がおっしゃっていただいたような、その部分を現物給付ということも組み入れるべきであるという御意見ももちろんございますし、あるいは、上乗せの一万三千円部分は現金できちっとやるべきだという御意見ももちろんございますけれども、いろいろな御意見、そして党からのお話もありますので、我々としては、それについては先ほど申し上げましたように検討していくということにしております。
○大村分科員 例えば、鳩山総理がバウチャー制度については関係省庁に検討させたいというふうに発言をしておられますが、そのバウチャーについて、厚生労働省の中でもう既に検討を、その可能性も含めて検討しているということで受けとめてよろしいですか。
○長妻国務大臣 バウチャーというのも基本的には現物給付の一つの姿ではないかと、結果的にですね、そういうふうに考えておりますけれども、これも総理も国会でも御発言されておりますので、事務方の中でそういうシミュレーションといいますか、そういう検討をしております。
○大村分科員 検討をするのは自由だということなのかもしれませんが、二つありまして、一つはもしバウチャーというようなこと、それから現物給付といったようなことを事務方で検討しているということであれば、それについては、いずれしかるべき時期にといいますか、検討している内容を、いずれといいますか、今、現段階で検討しているのであれば、その点については次なる厚生労働委員会の機会等々でお示しをいただくということでよろしいですか。
○長妻国務大臣 これについては、基本的には総理に御報告もするということで、その検討の中身がどういう形で実現できる、できないも含めて、まだそういうところまで至っておりませんので、もちろん国会で質問をいただければ、でき得る限りの答弁はいたしますけれども、まだ確定をしているわけでも中身が一定程度詰まっているわけでもないということであります。
○大村分科員 これは、私ども三月に委員会で強行採決をされた際に私も質問に立ちまして、とにかくまだ中身が詰まっていないじゃないか、鳩山内閣の閣僚も、現物をやったらどうかとか、二万六千円はもう無理だとか、昨年来ずっと、まさに自由自在な発言が繰り返されておられる。まさに学級崩壊状態と言っても過言ではないというふうに思います。 したがって、あのとき私が申し上げたのは、現金給付がどのくらい今の財政の状況の中であって、そして、現物のサービス、保育サービスはどのくらいあった方がいいのか、そういった現金給付と現物サービスのバランスも含めて、与野党で協議機関をつくって一年ぐらい議論したらどうかということを申し上げたんですけれども、残念ながら、そういう議論にふたをして、問答無用で強行採決をされた。私は大変残念でなりません。その強行採決をされた後、待ってましたとばかりに次から次へと好き勝手な発言が繰り返される。これでは政策を詰めていくという話にならないというふうに私は思います。 ですから、我々は、あの三月の強行採決は極めて遺憾だと思っておりますし、認めるわけにはいかない。その後の議論、経過を見ても、いろいろなことを次から次へと言われる。そういう状況であれば、その今の議論の状況はどうなのか、それを区切り区切りでやはりただしていかざるを得ないというふうに思います。 この点につきまして、また次なる機会で厚生労働委員会でしっかりただしていきたいと思います。そのときには、今御発言されましたように、ぜひ誠意のある答弁をいただきたい。その段階で、今こういう検討状況なんだと。事務方が検討しているというふうに今言われましたので、こういう検討状況なんだということをぜひ示していただきたいと思います。 ちなみに、また事務方の方には要求いたしますので、その今の検討状況、バウチャー、現物給付、サービス、どういうふうな検討をし、どういう問題点があるか、これはぜひ事務方に資料とレクを要求したいと思いますので、大臣の方からも、もちろん、この五月、六月の時点で確定なんてことを言うつもりはありませんから、今の検討状況について説明をするようにということは、これはぜひ言っておいていただきたいというふうに思います。 子ども手当はこのくらいにしておきたいと思います。また委員会の方でたださせていただきたいと思います。 続きまして、この間も少しさわりだけやらせていただきましたが、労働者派遣法について質問をさせていただきたいと思います。 これは、この国会では、厚生労働委員会で四月に医療保険法を強行採決された後、与党単独ででもということで労働者派遣法の質疑に入りました。それが、連休明けますと、もうこれは結構ですから、児童扶養手当と、次は社会保険病院等の独法医療機構法を審議してくれ、こういうふうなことを与党側から言われたわけでございます。 そういうことでございますので、残りのいろいろな期日等々を考えますと、この間もお聞きしましたが、労働者派遣法の改正はこの国会はもう結構だということで受けとめてよろしいかということをこの間も質問いたしましたが、もう一度確認をいたしたいと思います。これはもう結構、これはもうこの国会では無理だということで、いいということでいいんですね。
○長妻国務大臣 大村議員もおわかりのように、国会の審議というのは、もちろん国会でお決めになっていただいて進めていただくことでございます。 ただ、当然、私としては、内閣として閣議決定をして、国会の場で重要広範議案ということで御指定もいただいた法案でございますので、これはもうぜひ通していただきたいという思いはもちろん持っているところであります。
○大村分科員 先日の金曜日も同じような答弁の繰り返しでありましたが、要は、そうはいっても、実際、六月十六日までの会期の中で、今週は児童扶養手当、来週は医療機構の独法、その後はインフルエンザ等々やっていきますと、もう日はないというのはだれが見ても明らかでございます。 ましてや、重要広範議案というふうに今言われましたが、これはやはり十二分に問題点、論点を尽くしていかなければいけない。中途半端で、この日本の、日本人の働き方の法案を、これは国会に出す前にも、労使で労政審も含めて十分議論をしてやってくるわけでありますから、これを一日や二日で簡単にぱっぱと、その後、よもや強行採決なんて話には私はならないと思っておりますから、これはこの国会では、正直言ってといいますか、与党のサイドからももう難しいというふうにも、難しいといいますか、もういいですわというような話をはっきり言われておりますので、この件についてはまた引き続き議論をしていきたいというふうに思っておりますが、その派遣法について、一番ポイントになる点だけでも少しこの機会にお聞きをしたいと思います。 まず、特に私が今回の派遣法の改正で問題だと思っておりますのは、やはり登録型派遣と製造業の派遣の禁止という点だと思います。 これについて私は、賛否両論ある、両方とも意見、議論としてはそれぞれやはり理があると私も思います。ただ問題は、これを一遍にやったときに、その副作用といいますか、その影響が非常に大きいということなので、これをもしやるとするならば、その副作用、悪影響といったものをいかに少なくするか。さらに具体的に言えば、そこで現に働いておられる方々が影響を受ける、失職をする、失業するということの可能性がある以上、やはりその方々の手当てをしっかりしていくということが当然必要だと思います。 したがって、特に法律で規制をするわけですから、こういう政策をやる場合には、これをやったらどういうふうな影響になるのかというシミュレーション、それから、それに対する対策、これをしっかりと講じていかなきゃいけないというふうに思います。 その際、まず端的に、この登録型派遣の禁止、そして製造業派遣の禁止で、禁止の対象となる四十四万人の派遣労働者の方が今おられます、その雇用はどうなるのか。この四十四万人の方々は、これはそのまま正社員で採用されるとお考えなのか。これだけの景気の悪い中で、そう簡単にいかないと思いますが、その方々は一体どうなるのか。その方々は、ちゃんと四十四万人の方が失業せずに、次の職場といいますか、職につけるのか。そういったことのシミュレーション、予測、そしてその対策というのはできているのか。そのことを端的にお聞きしたいというふうに思います。
○長妻国務大臣 まず一つは、今のお答えの前に、非正規雇用の方を労働を安定するために正社員に転換していくような労働施策というのはございますし、あるいは直接雇用になるように支援する労働施策というのは、今回提出した法案とはまた別に恒常的にあるというのがまず前提となっております。 その中で、この製造業派遣、登録型派遣によって四十四万人ということでございますけれども、基本的には、その派遣については、常時雇用という派遣元との労働契約があれば、これは派遣はできるということになるわけでございますので、まずは、派遣元がその趣旨にかんがみて常時雇用という形に踏み切っていただくところも出てくると考えております。 そして、雇用のニーズという意味では、派遣にせよ直接雇用にせよ、そこに仕事があるから企業はお雇いになるという側面もあるわけでございますので、その部分について、直接雇用に転換をする、あるいは請負という形に転換をされる等々で、我々としては、雇用をできる限り維持していきたいというふうに考えております。それで、冒頭申し上げましたように、周辺のハローワークを含めて、今、支援の施策、メニューが多々ございますので、それも総動員をして雇用を支える、こういうことであります。
○大村分科員 いやいや、そういう、こういう形で対応するんです、だから大丈夫なんですというようなことではなくて、まずお聞きしたいのは、今回の登録型派遣と製造業派遣で、常用雇用以外の方々でこの二つで禁止対象になるのが四十四万人ということなんですね。ですから、この方々は直ちに、これを禁止すれば禁止になるわけでございます。 ですから、この四十四万人の方々がどういうふうなところに行くのか、どういう働き方に行くのか、それとも行き場がなくなるのか、それについての予測、シミュレーションというのはつくっておられますかということをまずお聞きしましょう。お答えください。
○長妻国務大臣 この四十四万人がどういう形態になるかというような詳細なシミュレーションというのはつくっているわけではありませんけれども、先ほど私が申し上げましたように、その四十四万人についても、常時雇用が派遣元と契約されれば、それはそのまま、そういうふうに契約を転換していただければそれは続くわけでございますし、このニーズが全くなくなるということはもちろんないわけでございますので、それについては直接雇用あるいは別の請負等の形態などなどで、私どもとしては、雇用の維持を、この人数ということをできる限り維持するように取り組んでいくということであります。
○大村分科員 いや、こうしたいんだという決意といいますか抱負というか、そんなことを聞いているんじゃなくて、まず、やはりこういうことをやるというときに、これは新たな権利をつくるとか新たな事業をつくるとかそういう話ではなくて、今、現に働いている人たちの働き方を禁止する、それも法律違反にする、できないということにするというわけでございます。 ですから、その四十四万人という方々、常用雇用でない方で、登録型派遣そして製造業派遣で働いている方で禁止対象になるのが四十四万人という方がおられるわけでございますから、その方々が一体どこに行くのか、どうなるのかということの予測、シミュレーションは、これは今つくっていないというふうに言われましたが、だとすれば、では、これは社会的、とにかく、もうえいやで、実験でやるんだ、そんなやつら知ったこっちゃないということなんでしょうか。私は、そういうことでこの法律を出されるということはいかがなものかというふうに思います。 ちなみに、リクルートワークス研究所というところがありますが、そこでは、この派遣労働者への影響ということで、意識調査等々も積み上げながら、この四十四万人の方々がどのくらい現実に失業する、失職するかということの予測、シミュレーションをやっております。ここがやられるならば、厚生労働省でこういう今の意識調査とかそういったことも含めて予測、シミュレーションができないわけはないというふうに思います。 そういったことをやった上で、では、その方々にどういうふうな働き方に行っていただくか、どういうふうにするのか。今長妻大臣が言われたのは、いや、仕事があるはずだから、それは常時雇用にしてもらえばいいんだ、それから直接雇用にしてもらえばいいんだと言いますけれども、それはあくまでも政府の希望であって、必ずそうなるということではないわけでありますから、ぜひ私は、この法律を議論する前提として、まずはどういう影響があるのかという予測、シミュレーションを、これは厳し目にやっていただいた上で、その悪影響を受ける方々に対してこういう手当てをするんだというようなことがあって初めて、それでこの法律を、ではこういう形でやろうかということになると思うんです。 ですから、もう一度お聞きします。 この予測、シミュレーションについては、今、それはないと言われましたが、それでは、これについて早急につくっていただけますか。
○長妻国務大臣 まず、この議論の前提にあるのは、何か政策のA案、B案があって、どちらにしようかということでBを選んだということではなくて、やはりまず一つは、これはあるべき論というのがあるわけです。 雇用の規制緩和、雇用というのは雇用市場とも言われますけれども、言うまでもなく労働者と経営者の立場というのは強さが全然違うわけで、普通の市場と違う。そういう労働市場の中で、規制緩和という美名のもと、日雇い派遣という形態まで生み出すような規制緩和を続けて、ワーキングプアと言われるような問題も生まれてきた。こういう反省。 そして、我々としては、海外の状況も見ながら、労使と議論をしていただいて、そしてぎりぎりの合意をいただいて、あるべき派遣の形、派遣についてもこれは全部禁止しているわけではありませんで、先ほど申し上げましたように、派遣元が常時雇用すれば、それは製造業にも派遣ができるわけでございますし、かつ、三年間の猶予というのもありまして、その期間の中で、先ほど私が申し上げましたような諸施策を動員して、直接雇用あるいは別の形態あるいは正社員、そういうことについて三年間かけてきちっと雇用の下支えに努めていく、こういうことで議論をしているものであります。
○大村分科員 きょうは、この場でこういう議論をするつもりはなかったのでありますけれども、そういうことを言われるなら申し上げさせていただきますが、はっきり議論をすりかえないでいただきたい。まともに真正面から御答弁いただきたいというふうに思います。 そういうそもそも論を議論しているのではなくて、私は、冒頭申し上げましたこの派遣法、派遣という働き方をどう位置づけるのかというのはもちろんあるし、それは、それぞれの意見にやはり理由がある、そこの中でどういうふうに日本の働き方をつくっていくのかということを議論すればいい。その中で、やはりどうしてもここは抜けないのが、現に働いている方々が非常に大きな影響を受ける。それも現に働いているにもかかわらず、これで禁止されれば失業という非常なリスクをしょわされかねない。それについての予測、シミュレーションと、その対策があるのかないのかということを、端的にその点を聞いているわけでございます。 ですから、まずは、この四十四万人という方、これは厚生労働省の資料でも明らかなので、それでは、厚生労働省はその予測もシミュレーションもしていないということであれば、その方々はもう失業してもしようがないんだ、自分の力でどこかへ行けということでよろしいんですか。 私は違うと思いますよ。そうじゃないから、この四十四万人という方が今の働き方は禁止される、それについて、この方々がどういうふうな方向に行かれるのか、その予測、シミュレーションをまず、今つくっていないならつくってもらいたい。その上で、これについてどういうふうな対策を講じるかというのを、まずそこを議論した上でないと、見切り発車というのはできないというふうに私は思います。 ですから、もう一度お聞きします。そこの四十四万人の方々がどういうふうな方向に行かれるのか、それについての予測、シミュレーション、今やっていないのであればぜひ至急、この国会で難しいということになれば、議論の時間ができましたので至急やっていただいて、その上で建設的な議論をしたいと思いますが、その予測、シミュレーションについてもう一度お聞きします。いかがですか。
○長妻国務大臣 我々は、何か予想をするというのではなくて、先ほど来申し上げておりますけれども、この四十四万人という推計数字を出させていただき、三年間の猶予の中で、この四十四万人の方の雇用を維持していきたい、下支えをしていきたい。あらゆる政策を動員して、それを実現に向けて努力していく、こういうことを申し上げているところでございまして、今の雇用の規制について、日雇い派遣が許されるようなそういう労働の規制緩和は行き過ぎている、こういう問題意識のもと、法案を提出して、下支え策もしっかりやっていく、こういうことで三年間の猶予も設けているところであります。
○大村分科員 何度聞いてもお答えがいただけません。 要は、登録型派遣それから製造業派遣で四十四万人の方が今の働き方が禁止になる。その方々がどうなるかは知らない、それは自分で見つけてくればいいんだというふうにしか受け取れないわけでございます。その方々がどうなるかの予測、シミュレーションもしないということを今言われております。私は非常に問題だというふうに言わざるを得ません。リーマン・ショック以来、まさに日本の今一番大事な雇用という働き方について、社会的実験をやろうというふうにされておられるんだろうというふうにしか受け取れません。極めて残念でございます。そんなことでは、この派遣法の改正について、私は、世の中の理解は得られないというふうに申し上げざるを得ないと思います。 それでは、大臣はごらんになったかどうかは別でございますが、リクルートワークス研究所の派遣労働者への影響という試算では、四十四万人のうち十八万人が仕事を失う可能性があり、そのまま再就職先を見つけることができなければ、十八万人が失業者になるおそれがあるというようなシミュレーションといいますか予測がございます。これについてはどう評価されますか。
○長妻国務大臣 民間の研究所でいろいろな調査がなされているということは聞いておりますけれども、だから我々が申し上げておりますように、そういうことが起こらないように雇用の下支え策、あるいは常時雇用に切りかえていただく、あるいは正社員にでき得る限り切りかえていただいたり、あるいは直接雇用の一形態である請負、こういうような形に切りかえていただくように労働政策を総動員して取り組む必要がある、こういうことであります。
○大村分科員 この点については、今お手元にもあれでございましょうから、これはまた次の機会にちょっと議論を掘り下げたいと思いますので、事務方に、要するにこのリクルートワークス研究所の試算についての評価、どう評価するのかということを、これは事務方の資料でもって速やかに教えていただきたい。これについては厚生労働省としての評価はどうなんだということを教えていただきたいと思いますから、きょうはこれ以上この点についてはあれしませんが、ぜひそれはできるだけ早く持ってきていただきたい。また次の機会にお聞きをしたいというふうに思います。 いずれにしても、この派遣法についてはまだまだ問題がたくさんあります。これについては、もうこの国会での審議ということにならないとは思いますが、大変大事な問題だと思いますから、これは厚生労働委員会で法案の審議とは別にしっかりと議論をしていきたいというふうに思います。 きょうはまだまだほかにも派遣法の論点をいっぱい用意してきましたが、もう時間がだんだん来ましたので、これはここでおいておきたいと思います。ぜひ、この資料も含めて出していただいて、議論を深めたいということを申し上げておきたいと思います。 それでは、次に参ります。 次は、正規、非正規の格差是正、それから非正規雇用の処遇改善ということについて少し議論をさせていただければというふうに思っております。 私、先ほどの派遣の話もありますが、一昨年のリーマン・ショック以来、本来の議論というのは、正規、非正規の格差の是正、処遇改善が一番大きなポイントであったと思うわけでございますが、残念ながら、マスコミ等々の議論になりますと、非正規の処遇改善の話イコール派遣の問題だというふうにどうもすりかえられてしまったのではないかというふうに思わざるを得ません。 非正規雇用のうち、派遣という働き方、非正規雇用が千七百万人台だとすれば、派遣という働き方、労働力調査では百万人ちょっと、そして事業者の調査では二百万人ということでありますから、いずれにしても、千七百万からすれば、一割弱か一五%ぐらいということだろうと思います。 もちろん、派遣の方の処遇改善というのは非常に大事だということですから、我々も昨年、派遣法の改正法案を出して、これはやはり是正をしていかなきゃいけないということを申し上げてきたわけでありますが、本来のあり方というのは、議論のフォーカス、ポイントというのは、やはり正規、非正規の格差の是正、そして非正規雇用の処遇の改善ということだと思います。 それで、その際の議論として、できるだけ常用雇用にする、正社員にする、均衡・均等待遇にする、それから最低賃金を引き上げる、また教育訓練、能力開発をやる。また、ジョブカードというのも我々が、これはちょうど三年前に成長力底上げ戦略というのをやって、その中で、ジョブカードというのをやるべきだ。いわゆる正規雇用ではない方々の職業訓練、能力開発ということで、ジョブカードという制度をつくるということでつくったわけでござまして、そういったことを総合的にやっていくというのは大変大事だと思いますが、その際に一番のポイントは、細川副大臣もお越しいただきまして、これは本当に議論という形で受けとめていただきたいんですが、その際に大事なのは、同一価値労働同一賃金ということだと思うのでございます。 特に私は、リーマン・ショック時に厚生労働副大臣をやり、派遣村等々でもお世話、お仕事もさせていただき、その際にいろいろ思ったのは、やはり正規、非正規の方々の格差が非常に大きい。それをまさにそのままにしておきますと、いざ不況の直撃を受けるとこういうふうになるということを目の当たりにしたわけでございます。 これは、日本の労働市場が完全に二極化しているということ、正規と非正規、それから日本の企業も大手と中小企業で二重構造、二極構造になっているということから生じるということを評論家はしゃあしゃあと言うわけでありますが、我々はそうはいかないわけでございまして、こういう形の労働市場の二極化をそのままにしておきますと、また景気が悪くなると、またどんと職からあふれる人が出てくる。そういうことが繰り返し繰り返しあると、私は日本の社会の安定性という点で非常に問題が多いというふうに言わざるを得ないと思います。 ですから、その際、これを解決するのは、正規の人でも非正規の人でも同じような処遇を受ける、同一価値の労働をすれば同一の賃金、労働の評価というのは最終的に賃金でございますから、いろいろな福利厚生とかそういうフリンジベネフィットは別にして、やはり賃金を、どう評価するかということになろうかと思います。そこのところを解決しない限り、何年たっても、いつまでたっても、この正規、非正規、だから、派遣をどうのこうのしようが、非正規雇用の方の契約期間を長くしようが、何しようが一緒だと思うんですね。ですから、そこのところを、どういうふうにこの問題に取り組んでいくかというのを、もっともっと議論を巻き起こしていかなきゃいけないというふうに私はかねてから思っておりましたし、そういうふうに申し上げておりました。 ただ、残念ながら、日本の今の働き方からすると、正社員があって、そして仕事の繁閑は臨時の方で、派遣の方で対応する、正社員は仕事が多かろうが少なかろうが常に守るんだ。日本の企業は、会社は家で、正社員が家族だ、あとは家族以外のところで調整するというのがこれまでずっと続いてきたと思うんですが、それではもう立ち行かないところまで来ているのではないかというふうに思います。 ですから、これは率直に、大臣、副大臣というよりも政治家としてのお考えをお聞きしたいんですが、まず、同一価値労働同一賃金についてどういうふうにお考えになりますか。是か非かというそんなデジタル的なことを聞くつもりはありませんが、どういうふうにお考えなのか。大臣、副大臣にそれぞれお考えをお聞きしたいというふうに思います。どちらからでも結構です。 では、まず細川副大臣。
○細川副大臣 今、大村委員の方から御指摘がありました。その問題については私としましても同じような認識でありまして、この点については大変重要な、大事な課題だというふうに思っております。正規、非正規を問わず、同じ価値のある労働をしている場合には同じ賃金であるべきだ、それについては私も同感でありまして、これについては委員と同じような認識をいたしております。 そこで、では、そのことが簡単に実現できるか、日本の社会でそれが実現できるかということについては、委員も御指摘がありましたようないろいろな課題がございまして、それを乗り越えなければ、これはまた実現もなかなか難しいというふうに思っております。 そういう意味では、今度新しく、昨年暮れに、新成長戦略、こういうことを決めまして、その中に同一価値労働同一賃金という文言も入れまして、それに向けました均等・均衡待遇の推進ということでまずは取り組んでいくということを政府の方としては決めているところでございます。
○長妻国務大臣 今のお尋ねで、同一価値労働同一賃金に向けた均等・均衡待遇を推進するというのは新成長戦略にも書いてあるわけでありまして、これを目指していくというのはそのとおりだと思います。 そのときに、例えばヨーロッパと異なる労働慣行といいますか、年功序列賃金でいえば、例えば、同じ係長であっても、年次の高い係長は、同じ仕事をしていても、日本の国の場合は年功序列賃金ですから賃金が高い。あるいは、同じ係長でも、同じような仕事をしていても、年功序列賃金であれば、例えば三十歳の係長は五十歳の係長に比べても安い。こういう労働の年功序列賃金ということについても、直ちに否定するか否かというような論点もございます。 ただ、おっしゃられるように、非正規雇用がふえて雇用が不安定になる、こういう問題もありますので、これはやはり労使ともにきちっと御意見を伺って、目指すべき方向はおっしゃった方向だと私も思いますけれども、それに向けて一歩一歩進んでいく、論点を解決しながら進んでいくことが必要だというふうに考えております。 〔主査退席、石田(芳)主査代理着席〕
○大村分科員 先ほど細川副大臣が言われた新成長戦略に、確かに、「「同一価値労働同一賃金」に向けた均等・均衡待遇の推進」、こう書いてあるんですけれども、これは文言は書いてあるんですが、では具体的に何をするの、何か具体的なものがあるのと言うと、いや、ないとかいう話が事務方なんですね。言葉が躍っているというのでは、これではいかがなものかというふうに言わざるを得ません。これを詰める気はありません。 要は、今現状の日本の企業、いわゆる賃金交渉、春闘も含めて、個別の企業と企業別労働組合とで交渉し、同じ仕事をしていても会社ごとに違う、支払い能力が違うからしようがないじゃないかというようなことにはなっているんですけれども、そういう現状をそのままにしておきますと、当然、大手と中小の格差というのはそのままだ、正規と非正規もそのままだということになりますと、いろいろな法律の手当てを周辺部分でこちょこちょとやっても、最終的に、正規と非正規の方々の、特に非正規雇用の処遇改善というところの本丸になかなかたどり着けないというふうに思わざるを得ないんですね。 これは、企業側、会社側、経営側もそうですし、やはり労働組合の皆さんも、表では同一価値労働同一賃金というふうに言いますけれども、本音は、個々の人に聞いてみれば、正社員の代表である労働組合の方々は、いやいや、不況になったときに、では、あなた方の賃金を下げて非正規の方に回しますかと言うと、嫌なこった、そんなものは、正社員を守って、非正規の方はまた自分で考えてくれればいいんだということを言うんですね。言うんです。それが本音なのかもしれませんが。でも、それを、今の枠組みをそのままにしておきますと、いつまでたってもこの正規、非正規の方の均衡・均等待遇というのは実現できないというふうに言わざるを得ません。 ですから、現状から、では来年とか、三年とか五年ぐらいですぐ到達できるかというと、そう簡単にいかないと思いますが、まずはこういうところに、ただ文言を書くだけではなくて、それに向けた議論を、議論といいますか研究というか、何が論点なのか、何がハードルなのか、何を乗り越えたらいけるのか。 現に、アメリカとかヨーロッパは、それぞれの国の国柄も違うと思いますが、同一価値労働同一賃金、例えば同じ業種、自動車なら自動車業で働いていれば、会社が違ってもこの仕事は幾らというような、こういう職種別のもの、産業別のものが決まっているわけですね。そこら辺までいかないと、この問題は最終的に、正規、非正規の均等待遇というのは実現できないというふうに思うんです。 ですから、そういう意味の、何が問題点で、何を議論したらいいのか、その論点、ハードルは何か、そういう研究をまずスタートしていただきたいと思うんですが、いかがでございますか、細川副大臣。 〔石田(芳)主査代理退席、主査着席〕
○細川副大臣 大村委員の御指摘は、大変示唆に富むところもございます。そういう同一価値労働同一賃金ということを実現するためには、いろいろな高いハードルを乗り越えていかなきゃいかぬ。そもそも賃金そのものはどういうふうにして決まるかというと、まず前提として、大前提が労使で決まるというのが、これがもう大原則でありまして、その労使が合意できるためには、相当の、政府の方としてもいろいろな労使に対する説得もしていかなければいけないのではないかというふうに思います。 いろいろ、先ほども派遣法の改正案、これは労政審でも審議をしていただいたわけですけれども、この労政審の審議では、やはり、労使が本当のぎりぎりのところまで歩み寄っていただいてこの派遣法の改正についての御意見をつくっていただいたというような、そういう経過を見ましても、同一価値労働同一賃金については、労使とも、いろいろこの問題について真剣に今後取り組んでいかなければならないだろうというふうにもお考えになっているというふうに思いますので、政府としては、その労使に向けて、粘り強くいろいろな説得、また御理解もいただくようにやっていくしかないというふうに思っております。
○大村分科員 今現状で多分これをやるというので、説得してどうのこうのという話とちょっと違うと思うんですね。というのは、正規、非正規の方は、同じ仕事をしていれば評価を同じにしていく、そして雇用条件も同じにしていくということになりますと、それは個々の企業内の労働組合という枠を超えていくと思うんですね。 ですから、私が申し上げているのは、日本の企業風土とか労働組合のあり方とか、そういった日本人の働き方の意識とか、大手と下請とかそういう意識を全部変えていく話がないと、これが実現できないと思うんです。ですから、そういう意味で、まず私は、真剣に、研究会というか勉強会というか、労使、政も入って政労使ということになるんだろうと思うんですが、そういう形で、まず論点は何か、目指すべきところは何なんだというふうな形を、やはり研究とか研究会のようなものを、これは労政審の中に部会を設けてということでも結構だと思いますが、そういった形の、少し長期の視点を見据えた、日本人の働き方はどうあるべきなのかということのやはり研究会、勉強会、そういったものを労政審の中でスタートさせて、別に、だから私、極端に二年や三年でゴールラインが来るとはそう簡単には思えませんが、そういった形の勉強会とか研究会をスタートさせるということは、これはいかがでございましょうか。 私は、そういったところが、特に役所の皆さんは常に目の前の仕事で、ああ、また国会が始まった、次はこの法律改正をやらないかぬとか、ああ、今度またこの予算で事業をやらないかぬとか、常に常に目の前の仕事に追いまくられていきますから、長期の視点で考えるということがなかなか難しい面があるかと思います。 ですから、むしろ私は、一昨年のリーマン・ショックの後の、特に象徴的だったのは、派遣切りで職を失った方が、もうあしたから出て行けと言われて、荷物と本人と一緒に路上にどんとかいって追い出されるようなことが、間々といいますか、少なからずといいますか、あった。こんなことを繰り返したのでは日本の社会の安定というのはあり得ないというふうに思います。一方で、海外とは競争していかないかぬ、それからどんどん日本の企業も海外に展開していく。そういう中で、一体日本人の働き方はどうしたらいいのかということをやはり考えていく必要があると思います。 その際の一番のポイントが、この同一価値労働同一賃金をどういうふうに目指していくのか。ハードルは高いし、論点は山のようにあると思いますが、ぜひ、その研究会といいますか、そういったものをスタートさせていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○細川副大臣 その点につきましては、厚生労働省の中に有期労働契約研究会というのを設けまして、今委員が御指摘のような問題を研究いたしております。この夏には中間的な報告もできて、委員の方にもそのことについて御報告できるかと思います。 また、雇用政策研究会も今つくりまして、これもまた今検討をしていただいているところでございます。
○大村分科員 今言われた有期労働契約研究会は必要なことだと思いますが、ちょっと、範囲が非常に狭いので、これはこれでやっていただければいいと思いますが、そもそもの日本の働き方、雇用全体を縦ぐしで通す、横ぐしじゃなくて縦ぐしで通すような議論を私はやはり、難しいからこそできるだけ早目に前広にやっていく必要があるんじゃないかというふうに思います。 これこそ、実際にやろうとなると、経済界も、そして労働界、連合の中でも相当な議論が私は出てくるというふうに思います。春闘のあり方、本来あるべきあれじゃなくて、去年より比べて幾ら上がるのか下がるのかというデルタxの世界が日本の春闘だったというふうにも言われておりますが、そういったことも含めて大きく変えていく話になると思いますので、ぜひこれは長妻大臣、細川副大臣のリーダーシップで、こういったものはやはり、私は、細かいことをこちょこちょやるのが政治主導だとは思いません。こういった大きな方向をつくるということで、これはぜひ政治主導でこういう研究会をスタートさせていただきたいということを申し上げまして、この点についてはまた次の機会といいますか、機会があればこういう形の議論をしたいなと思いますので、またよろしくお願いいたします。 きょうは、時間をいただきましてありがとうございました。以上で終わらせていただきます。
○中川主査 これにて大村秀章君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○中川主査 昨日に引き続き農林水産省所管及び農林漁業金融公庫について審査を行います。 質疑の申し出がありますので、これを許します。石田芳弘君。
○石田(芳)分科員 民主党の石田芳弘です。 佐々木政務官相手に三つばかり質問したいと思います。済みません、よろしくお願いいたします。 私は長い間、地方で議員と市長をやっておりまして、言ってみると、現場の実態を国政に伝えるために衆議院議員になりたいと思ってきました。それが私の役割だと思っておりますから、きょうの質問のスタンスは、地方という現場から見た統治の一実態、こういうスタンスで御質問したいと思います。それに副題をつけますと、古い体質を引きずる農業政策の実態、こういう副題で御質問したいと思っています。 漁業権と、それから水利権と農業委員会、この三つで御質問したいと思います。 まず漁業権です。これは、私の体験から話を説き起こしてみたいと思います。 私が市長をやっていました犬山市には木曽川が流れていまして、そこでウ飼いをやっているんです。政務官、ウ飼いはわかりますね。ウという渡り鳥で魚をとる漁法ですが、市長になりましたときに、漁業組合が来まして、このウ飼いに対してお金をくれと言うんですね。私も、そういうところまで余りよく知らなくて。私が市長をやっていました犬山市は、木曽川のちょうど中流域にありまして、愛知県と岐阜県の境ですから、愛知県側の木曽川上流漁業組合、下流漁業組合、それから岐阜県側の上流と下流の四漁業組合が、いわゆる入漁料というのを要求しに来たんです。額は大したことなかったんですが、そこから私は漁業権というものにちょっと疑問を持ちまして、自分なりに調べました。 政務官には釈迦に説法のようなことですが、漁業権には、海の漁業権と川の漁業権とがありまして、海の漁業権は、私は直接漁師の皆さんとは接しておりませんので、内水面の川の漁業権に限ってきょう御質問したいんです。 日本の重立った川には漁業組合がたくさんありまして、この漁業組合の実態というものについて、なぜ漁業組合をつくったのか、そしてどういうことをしているのか、政務官に一度お尋ねしたいと思います。まず、そこから質問を始めたいと思います。お願いいたします。
○佐々木大臣政務官 河川の漁業権について御質問をいただきました。 委員は、地方議員も首長さんも長いことやられてございますので、そんな中からの御質問だというふうに思います。改めて確認をするという意味で答弁をさせていただきます。 漁業権については、沿岸域や河川等における限られた水産資源を持続的に利用することを目的として、都道府県知事によって設定される漁業を営む権利であります。 このうち、河川における漁業権については、漁業者等によって構成されている漁業協同組合が免許を受けているところでございます。 河川というところは、どちらかというと、都市がそこに発生をするわけでありますので、住民もたくさんそこにはおられるというようなことから、こうした制度をきちっと設ける必要があるというふうに認識をしているところでございます。 都道府県知事が漁業組合に対して河川における漁業権を免許するに当たっては、資源管理の観点から、稚魚の放流あるいはまた産卵床の造成など、資源の増殖義務を課しているところでございます。 なお、河川において、一般の釣り人による採捕が広く行われているところであり、幅広い河川の利用者の協力によって資源を守っていくためには、漁業協同組合が都道府県知事の認可を得られれば釣り人から遊漁料を徴収することが認められており、この収入を漁業協同組合では資源の増殖及び管理に要する費用に充てているというふうに承知をしているところでございます。
○石田(芳)分科員 佐々木政務官のおっしゃったことが漁業組合の一つの機能だということはよく理解しています。 ところが、おっしゃったとおり、漁業権は都道府県知事の許認可ですが、私も県へいろいろ話をしても、許認可権は持っていますが、やはり中央集権といいますか、官僚主導といいますか、どうしても農水省、特に水産庁の決定的な影響を受けて、自分たちでなかなか判断できないという現実があります。 確かに、水産資源の確保ということで、組合が稚魚を放流しています。そして、漁業権のエリアに釣りの趣味の人が来ますと、その人たちから入漁料を取っている。ここまではいいんですけれども、年々、影の部分が顕著になってきているんですね。 影の部分といいますのは、権利がありますから、川のいろいろな交渉事に表面に出てくるんですね。特に公共事業の河川工事、私は現実に遭遇したんですが、水資源公団のつくるダムの補償料を大分交渉するんですね。それから、河川工事、公共工事、その工事によって漁業の資源に影響を受けるという名目で、極めて強気の交渉をするんですね。そこの補償料が全部、公共事業の中に入っている。 それから、これは犬山と一緒にウ飼いをやっておる岐阜の長良川の例ですが、長良川も圧倒的に漁業組合が力を持っているんですが、カワウが随分魚を食べちゃうんです。その被害が甚大ということで、その被害がどれくらいあるかということを漁業組合が調べたりして、それが物すごい漁業組合の利益につながってくるんですね。漁業組合としてはこれは物すごい損害だということで、漁業組合がすべての調査なんかのイニシアチブを握るんです。別のシンクタンクの調査とはるかにデータの乖離がありますが、あらゆる川の管理に対して漁業組合が口出しをしてくる、そういう影の部分だとか弊害の方が私には強くなったなという気がしてしようがないんですね。 さらに、私は、きのうもちょうど、これは政務官には全然通告していない情報なんですが、仕分けの調査人になりまして、その仕分けの中で、社団法人の日本の水をきれいにする会という独法を調査した方のお話を聞いたんですが、この独法が全国内水面漁業協同組合と全く一体になっているんですね。全国内水面協同組合からこの独法に随分資金が流れていくんです。資金が流れてきまして、その資金から、過去においては、社団法人日本の水をきれいにする会の会長がずっと歴代自民党のいわゆる族議員、そこへ政治資金として流れていくという構図になっているんです。これが独法の仕分けの中から明らかになりまして、私にそういう情報をもたらされたわけです。 内水面漁業協同組合は、本来の川の水産資源を守るという仕事から外れまして、利権を使うことによって、本来の目的から外れた、言ってみると影の部分といいますか、マイナスの要素の方が強くなってきたんだというふうに私は思っております。 ですから、ずっと変わらない、長い歴史の体質を引きずってきた漁業権のあり方というものについて、政権交代した時期ですから、これはいいタイミングですから、一度正確に漁業組合のあり方を把握していただいて、新しい漁業組合の仕組みと役割を考えるときではないかと私はつくづく思っているんですが、政務官、どうお考えでしょうか。
○佐々木大臣政務官 今、事業仕分けだけではなくて、規制改革でありますとか、それから地方分権、地方主権ですとか、いろいろな場面で私どもも、各省内の政治家同士でいろいろなやり合いをさせていただいているところでございます。 そういった意味では、漁業権の問題もあろうかというふうに思いますが、今特に委員の方から漁業協同組合のことについてお話をいただきましたが、すべてそうした論議の中で私が常に申し上げているのは、どうもこのごろ、費用対効果とかいうような話があって、アウトプットの論議は結構されるようになったんですが、今委員が御指摘をいただいたように、本来の目的に沿ってやっているのかどうなのかという、いわゆるアウトカムの検証というのが、見えづらいということもあって、どうも少し後ろに下がってしまっているのではないか。 そういった意味からいうと、今委員の御指摘されたようなところについて、やはり、所管する団体が随分ありますけれども、それぞれについてしっかりと検証する必要があるというふうに感じているところでございます。
○石田(芳)分科員 ありがとうございました。 私は、漁業権というのは何らか残しておかなきゃいけないなという気もしています、水産資源の確保とか。しかし、最近、環境権だとかあるいは景観権、そういう川を取り巻く新しい権利が出てきまして、そういうものともう少し整合性をとりながら、新しい権利を模索していただきたい、新しい公共の中で位置づけていただきたい、こう思っております。 次に、二番目の水利権に行きます。水利権も本当に長い長い権利です。 これも私の経験ですが、市長在任中、日照りが続きまして、川の水が激減いたしまして、節水を余儀なくされた。まず市から、水道水を節減します、子供たちの小学校のプールの水も断水ということまでやったり、工業用水だとかいろいろなところの節水をやっていく。ところが、農業用水だけは、取水権といいますか、水利権が優先的に認められまして、これが大変矛盾を感じたことがあるんです。 そのとき農業用水について土地改良区の人に聞きましたら、私の町は宮田用水だとか木津用水という江戸時代から引いた用水がありまして、これは慣行権と言うらしいですね。それはすべての権限に優先するものだ、江戸時代からの慣行権で農業用水が一番大事だ、こういうような話を聞いたんですが、一体それは事実なのかどうか。 そして、最近、農業の受益地がもう圧倒的にがっと縮まってきて、私の町なんか市街化がどんどん広がってきた。都会においても依然として農業用水の水利権というものが優先されるべきか。私は、やはり新しい時代に対応して、これも見直すべきだと思っておりますが、政務官のお考えを承りたいと思います。
○佐々木大臣政務官 農業の水利権のあり方について御質問をいただきました。 渇水時における各水利使用者というのは、相互に他の水利使用を尊重しつつ、その水利使用の調整について必要な協議を行っているというふうに承知をしてございます。 農業用水の使用でございますが、日時を決めて順番に水を利用するという番水、それから水路の見回り、用水の反復利用、いわゆる排水と用水を交互に利用するという反復利用などを強化して農業用水の場合は節水に努めているところでございますが、関係水利使用者から成る渇水調整協議会のもとで、節約された水を上水道へ融通するなど、農業者としても最大限の努力を行っているというふうに承知をしてございます。 なお、平成六年の渇水時の木曽川用水では、十一回の節水対策委員会が開催されたと承知をしてございます。カット率で申し上げますが、最大で農業用水五五%、上水三〇%、工業用水五五%の節水対策を決定したというふうに聞いてございますが、さらに渇水が激しくなって水源ダムなどが枯渇した段階では、農業用水はさらに六〇%をカットするということになっているところでございます。 ただ、これは先ほど委員も御指摘でございますが、もともとの水利権の取水量の違いがありますから、カット率は一番大きいといっても、水利権の量の問題というのはこれまた少し別な話になろうかというふうに思います。 少し付言をさせていただきますが、実は、農業でもダムの問題なんかがいろいろ出てございまして、国交省の政府の皆さん方とお話をさせていただいているのは、水利権とダムとはセットになっているんですね。一度決めるとなかなか変えられないというのはまた水利権の問題でありまして、水利権だけが協議できるような仕組みにぜひしていただけないかというようなことも、今協議を始めさせていただいたところでございます。
○石田(芳)分科員 政務官はよく事情を御承知です。ただ、改革を断行していただくことだと思っています。 おっしゃった平成六年の渇水期の話、これは確かに農業用水がいろいろ、工業水やら水道水に分けてくれたんです。分けてくれましたが、分けてくれるまでに何遍もお百度を踏んで、頭を下げてお願いに行っているんですよ。私は知っていますが、当時、木津用水の理事長のところには持っていったお土産が積み上がったというくらい、お百度を踏んだんです。そのときの実感なんですよ。なぜ農業用水だけ優先的にそういう権利があるのかということですね。おっしゃるとおり、本質はよく御承知ですから、川の水はだれのものか。 政務官、地方で生活していますと、川というのがやはり一番、有形、無形に影響するんですよ。毎日毎日川を見ていますと、水、川というものが生活の中に一番入り込んでくるんです。ですから、川の水は本当にだれのものかということなんですよ。それが、それぞれの省がそれぞれの権利づけでおっしゃるダム、ダムが一番多いんですが、自分たちの生活の飲み水すら自由にならないというのが現実なんですね。ですから、おっしゃったとおり、どこかでセンターみたいなものをやはりつくって、そこで水の配分というものを合理的に決めていただく議論をぜひ進めていただきたいと思います。 時間がないですから、最後に一番言いたいことを言わせていただきます。農業委員会です。 ある識者に言わせますと、先進国の中で日本の自給率の低さ、これは我が国は農業を見捨てたかというぐらい言う人がいるんですね。私は、我が国は農業を見捨てたかという論を聞きまして、これは全く農業委員会に結びつくんですよ。一体、農業委員会というのは農業のことを考えてやっておってくれるのか、こういうふうにつくづく思うんです。 政務官、農業委員会は一体何をしているか、ちょっとそこからお話しいただきたいと思います。
○佐々木大臣政務官 私が承知しているところで申し上げれば、農地の権利移動、それから遊休農地の有効利用の指導、それから農地の利用の調整というようなこと、いわゆる農地の番人と言われてございますが、そういったことかというふうに思います。
○石田(芳)分科員 私は、教育行政を自分で一生懸命やってきまして、教育委員会の改革に取り組んだんです。そのときも感じましたが、いわゆる教育委員会、農業委員会、監査委員会とかいろいろ、地方自治体に与えられたいわゆる行政委員会というのがありますね。 ある政治学者に言わせますと、日本は戦前と戦後と断絶している、あるいは、断絶説と継続説、全然変わらないのじゃないか、こういう論が二つあるらしいですが、戦前と戦後が断絶している、戦後は絶対に戦前とは違っているんだぞという論の中に、行政委員会の導入があるんですね。 これはアメリカがもちろん憲法と一緒に持ってきたものですが、アメリカのデモクラシーの中で、市民が直接民主主義で選ばれて行政委員会をつくって、その行政委員会で行政の政策に関与できるというすぐれた直接民主主義の制度です。ですから、そういう意味で農業委員会というのは非常に重要だと思ってはいるんですが、一番最初の漁業権と一緒で、そもそもの輝くような理想がどこかへ行っちゃいまして、まるっきり農業のために役に立っていないというようなのが実感なんです。 ですから、この農業委員会もぜひ、農水省は農業委員会の改革案も持っておられるようにちょっと聞いておりますが、そこのところの政務官のお考え、農業委員会を一体どういう方向に改革していくおつもりなのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○佐々木大臣政務官 お答えさせていただきます。 今委員御指摘のように、農業委員会は農業者にとって最も身近な行政組織でございます。委員も御案内のとおりだというふうに思いますが、みずから直接選挙による選挙委員と、それから農業関係団体、市町村議会が推薦をする選任委員、この両方から成り立っているわけであります。 私は、この農業委員会を見ていくときに、委員の定数ということもありますが、その中身だと思うんです。今のような、全国平均すると二十一人ずつぐらいだそうでありますけれども、選挙で選ばれる委員の数と、それから選任をされる委員の皆さん方とのバランスをどうやってとっていくかということが改革の一つの方向ではないかというふうに思っております。そうした定数もありますが、その中身のことが改革のためには一つ重要かなと。 それともう一つは、協議の中身です。中身がしっかりと外に出ていくような仕組みにしていかなければならない。厳正、中立、公平というのはもちろんなんですが、どういう判断でそういう結果になったのかとか、あるいは議事録の公開とか、そんなことをしっかりやっていくというようなことで、中身の論議をもう少し活性化するというか、変な誤解を招かないようにやはりしていく必要があるというふうに思っています。 去年、農地法の改正が行われましたが、私も当時野党で担当させていただいて、一カ月以上にわたって論議をさせていただきました。そのときにも、今度の改正農地法では賃貸借をぐっと緩めたというようなこともあって、いわゆる民事的なことにもしっかり対応していかなきゃいけないということになると、農業委員会の役割はむしろ非常に重要になってきてございまして、そういうことにたえ得るような農業委員会にしていかなきゃいけない。そのときの附帯意見で、五年の中では見直すんだというような規定もありますけれども、そんなところに向けて内部の改革というものもしっかりやっていかなければならないというふうに思っているところでございます。
○石田(芳)分科員 時間ですから最後にさせていただきますが、農業委員会の実態というのは、ほとんど自治体の行政に丸投げなんですね。議論していないんですよ。ほかの行政委員会もほとんどそうです。教育委員会だって、最初の漁業委員会、内水面でも、それから海の方の漁業委員会でも、形があるだけなんですね。 でも私は、自治体の行政をやっていまして、やはり漁業権だとか、きょう御質問させていただいた水利権だとか、農業委員会の存在そのものは私は要ると思うんです。そこへ、やはり新しい公共の議論から、NPOだとか、いわゆる市民の中で、自分たちの町を自分たちでつくっていこう、自立していこうという人たち、これはNPOができて十年になりますから、NPOというのは我が国で年々育っているんです。そういう人たちの考え方も入れたりして、行政が手とり足とりいろいろなことを言うのではなくて、自立した市民団体、本来の、アメリカの草の根デモクラシーから導入された行政委員会の考え方、こういうものにもう一度やはり戻っていくようなスキームを方向づけしていただきたいな。 私は、農業というのは、やはりリメークといいますか、本来の持っておる農業のすばらしさというものを再生するということをしないと日本の成長戦略はないと思っていますし、環境問題だとか町づくりと兼ね合わせて、農業の持っておるすばらしさというのを引っ張り出していきたいと思っております。どうぞこれからもよろしく御指導ください。 ありがとうございました。
○佐々木大臣政務官 今、委員のきょうのいろいろな論議の中で、私も委員とほぼ同じ、大変いい御示唆に富んだお話をいただいたというふうに思ってございます。 ついこの間も規制改革のやりとりを、私、担当でさせていただいたんですが、そのときもやはり農業委員会の話が出ました。ただし、私が申し上げたのは、やはり中身は変えなきゃいけないけれども、要るのか要らないのかという論議とはちょっと違うのではないか。ましてや、選任される、選挙で選ばれる人たちというのは、それを否定するということは市議会も否定することになってしまうわけで、そういった中で、しかし中身ができるだけ住民の皆さん方にしっかりと近いものでなければならないし、農業は、業と村と食と三つしっかりかみ合わなければならないというふうに私は思っております。 大変御示唆に富んだお話をいただきましたので、しっかりこれからの農政行政の中へ生かしていきたいというふうに思っています。 ありがとうございます。
○中川主査 これにて石田芳弘君の質疑は終了いたしました。 この際、暫時休憩いたします。 午後零時三十七分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕