予算委員会 第7号
- 発言数
- 357 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2009/03/05
会議録
○委員長(溝手顕正君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成二十一年度総予算三案審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(溝手顕正君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成二十一年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長西川善文君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(溝手顕正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(溝手顕正君) 平成二十一年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。 本日及び明日は基本的質疑を総括質疑方式で行い、質疑割当て時間は三百三十五分とし、各会派への割当て時間は、民主党・新緑風会・国民新・日本百六十六分、自由民主党百九分、公明党三十分、日本共産党十分、社会民主党・護憲連合十分、改革クラブ十分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。 ─────────────
○委員長(溝手顕正君) 平成二十一年度一般会計予算、平成二十一年度特別会計予算、平成二十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 三案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。平田健二君。
○平田健二君 おはようございます。民主党・新緑風会・国民新・日本の平田健二でございます。 今日より参議院で二十一年度予算の審議が始まりますが、どうぞ政府におかれましては真摯に御答弁をいただきたいことを最初にお願いをしておきます。 一昨日、我が党の小沢代表の公設秘書が逮捕され、強制捜査が行われるという異常事態が発生をいたしました。余りにも突然の出来事であり、詳しい状況が分からず、正直、私も大変驚きました。しかし、御承知のとおり、昨日、小沢代表が党の役員会で詳細に説明し、その後、記者会見において、国民の皆様に対し更に詳しく丁寧に説明を行いました。 私は、小沢代表が国民の皆様に対する説明責任を果たしたし、今後も必要があれば説明責任を果たすと思います。また、真実は必ず明らかになり、秘書の潔白、無実も証明されるものと確信をいたしております。 この度の一件で、政権交代を実現するということは、様々な困難や障害が伴う大事業なんだなと改めて痛感をいたしました。しかし、民主党はこれにひるむことなく、今国民の皆様が求めている、暮らしを守り、雇用を守り、地域を守る政策、政治を実現することに全力を挙げてまいります。 民主党は、昨日の役員会でも確認をいたしました。小沢代表を先頭に、国民の皆様の御期待と負託にこたえ、揺るぎなく政策を訴え、政権交代に向けて不退転の決意を持って邁進してまいります。この決意をこの場をお借りして改めて申し上げさせていただきたいと思います。 さて、昨日、衆議院の本会議で第二次補正予算の関連法案が再議決をされました。早いところでは今日から定額給付金を支給する、そういったところも出ているようでありますが、参議院の意思を無視し、あるいは直近の民意を無視した衆議院での再議決に対し、抗議を申し上げるものでございます。 そこで、まず総理にお伺いをいたします。 第二次補正予算が昨日衆議院で再議決しました。そこで、改めて伺いますが、総理、あなたは給付金を受け取りますか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) これは過日申し上げさせていただきましたとおりでして、この定額給付金というのは、おかげさまで、昨日、関連法案ということで、参議院におきましては二次補正については否決、関連法案につきましても同様に否決の結論が出されたところであります。 しかし、私どもとしては、この定額給付金というのは極めて有効な手段だと私どもはそう思っております。したがいまして、こういった法案が通るということは私は国民の生活のためになると思っておりますし、また、この定額給付金につきましては、生活支援ということの部分と、そして消費の刺激というのと、これは二つ、生活支援ということは結果的には消費の支援、消費を増やす経済効果と二つあるわけですから、そういった意味において、当初できました当時と今とは大きくその内容が変わってきて、当時はガソリンの値段が百八十円ぐらい、今百五円から百円の間ぐらいまで、地域によって大分違いますが、そういった状況に変わってきたとはいえ、今経済状況としては消費という部分が極めて大きな部分になってきておると存じます。 したがいまして、私としては、これを受け取らせていただいて消費に使わせていただきたい、消費の刺激若しくは効果のために使わせていただきたいと考えております。
○平田健二君 総理、あなたは、最初は受け取らない、次に高額所得者は受け取るのはさもしい、その後、そのときになって考える、そして受け取る、二転三転しているわけですね。総理が、一国の最高指導者が、定額給付金を受け取らない、受け取る、分からない、最後に受け取る。国民の皆さんは、一体何だったんだと、この政策は。生活重視から消費というんならば、変えるんならば、政策そのものも変えたらよろしいじゃありませんか。私はそう思いますよ。 甘利大臣、お伺いします。 あなたは、一昨日の記者会見で、内閣の一員として給付金を受け取ると答えました。なぜ当初は受け取らないと明言されたんですか。お伺いします。
○国務大臣(甘利明君) この定額給付金が政策として決まりましたときに、生活支援というお話がありました。私自身は生活支援の必要性を感じておりませんので、御辞退を申し上げると表明したわけであります。その後、この政策の目的が、生活支援、そしてそれと同等に消費刺激が大事だということになりました。私自身は生活支援の必要性は感じておりませんが、消費刺激ということであるならば、閣内の一員としてその責務を果たすと。でありますから、ポケットマネーで家族にはその金額は給付するという表明をいたしました。 今週の月曜日に、自民党の役員連絡会で、それまで決まっていなかった方針でありますけれども、党として全員でもらって全員で使うという方針が決定をされました。この方針を受けまして、火曜日の閣僚懇談会で、党の方針に準じて内閣としても行動するという方針が決定をされ、官房長官から協力要請がありました。閣内の一員である以上、内閣の方針に従うのは当然でありますので、そして私はその方針に従うと申し上げたわけであります。
○平田健二君 甘利大臣、揚げ足を、言葉じりをとらえて質問するのはいかがかと思いますが、あなたは内閣の一員として給付金を受け取ると、こういうふうにおっしゃっているんですよね。内閣の一員じゃなければ、じゃ受け取らないということですか。
○国務大臣(甘利明君) その前に、党として方針を決めているわけであります。党として方針を決めていれば、党の一員として党の方針に従うということでしょう。内閣の方針が決まりました。それで、もし私が受け取らないと申し上げたら、恐らく先生は閣内不一致ではないかと、そう御質問をされるはずであります。
○平田健二君 石破大臣、通告はしておりませんが、あなたは先週の土曜日、民意を問うべきだとおっしゃいました。総選挙はいつごろがいいとお考えですか。
○国務大臣(石破茂君) 解散は常に総理の専権事項であります。閣僚としていつがいい、いつがいけないというようなことを発言する立場にはございません。
○平田健二君 いや、あなたは、早く民意を問うべきだと、こうおっしゃったわけですね。ですから、いつごろがいいですかとお聞きしておるんです。
○国務大臣(石破茂君) それは、すべからく言葉というのは最初から最後までお聞きになって、それで御発言にならないと、一部だけ取り上げてああだのこうだのというお話をなさいますのは、それは正確を欠くのだろうと思っております。 私は発言をしましたときに、全部ビデオテープがあれば結構なことですが、これは総理の専権事項であるということをまず申し上げました。そして、総理がいつもおっしゃっておられますように、何が違うのかということを明確にする、その上で解散時期は自分が決めるというふうに総理がおっしゃっておられるわけであります。そういうような何が違うのかということをはっきりさせる、そのために閣僚としてそれは全力を尽くして、総理の御判断、そういう時期がきちんと到来をするように努力をするのが私どもの務めだと、そういうことを申し上げたのでございます。
○平田健二君 確かに、前後のあなたの発言された内容は私も知っております、知っています。解散の大権は総理にあるということを最初におっしゃって、そういうことをおっしゃったことは承知しております。でも、あなたの個人的な考え方で早期に解散すべきだと言ったんですから、あなた自身のお答えを聞きたいんです、私は。総理がどうとかこうとかじゃないんです。あなたの考え方をお聞きしたいと言っているんです。
○国務大臣(石破茂君) 先ほど申し上げたとおりでありますが、何が違うのかということをはっきりさせる、それは衆議院の選挙でございますから、政権選択の選挙でございます。どこが違うのかということをはっきりさせる。そして、時期は総理が、たったお一人の解散権者としてお決めになることでございます。それが、何が違うのかということをはっきりさせる、そのことはそれぞれの責任として早かるべきだ。何が違うのかがまだ明確になっていない、まだ議論も十分に行われていない、私どもとしてもっともっときちんと説明責任を果たしていかねばならない。その上で、最も適当と思われる時期に総理がそれをお決めになる、そのことも私はそこの委員がおっしゃいます場において申し上げております。そのことをやるのは閣僚の当然の務めではないでしょうか。それをやらないままずっと時期が過ぎていく、そのことは閣僚として望ましいことではない、当然のことだと思います。
○平田健二君 今ここに小さな一冊の本があります。総理、これは幕末の、徳川幕府末期の勝海舟の発言あるいは行動を記録した「氷川清話」という本なんですが、御存じだと思います。これに以下のくだりがあるんですね。咸臨丸でアメリカに行き、帰国した勝海舟に当時の老中が、何か目に付いたことがあろう、再三再四聞かれた。勝海舟は次のように答えている。アメリカでは、政府でも民間でも、およそ人の上に立つ者は、皆その地位相応に利口でございます、この点ばかりは全く我が国と反対のように思われますると答えたら、老中が目を丸くして、無礼者、下がりおろう、こういうふうに激怒したとこの本に書いてあります。政権末期は江戸の昔も今もさほど変わっていないということではないでしょうか。 二月の二十四、二十五、総理はアメリカへ行き、オバマ大統領と会談をされて帰国しました。留守中に甘利大臣が記者会見で大幅内閣改造と発言、さらに、先ほどもお話ししましたが、二月二十八日に石破大臣が早く民意を問うべきだと発言されるなど、さすがに総理も勝海舟と同じような感想を持たれたんではないでしょうか。いかがですか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) その「氷川清話」、「氷川清話」でしたっけね、それ、その話をもう大分前に読みましたので、正確に全文章を覚えているわけでは当然ありません。 しかし、今言われた中で、政権末期に限らず、いろいろな中で意見が出てくるというのは、これはアメリカにおいても、民主主義ですから多くの意見が出るというのは、これは出ない方がおかしいのであって、いろんな意見が出て当然だと存じます。その意見を最終的に党でまとめ、また閣内でまとめ、いろんな形でまとめた上で、出た結論には従うというのが基本的なルールなんだと、私はそう理解しております。
○平田健二君 これが言わんとしておることは、多分総理もお読みになったのでお分かりと思います。政権末期あるいは徳川幕府末期にはやはり相当混乱をしておったということだというふうに思います。ですから、それぞれがお互いに勝手なことを言い合う、こういうことではないでしょうか。それの戒めというふうに私は思っております。 そこで、総理、麻生内閣の支持率は残念ながら一〇%台に落ち込んでおります。あるところの調査によると、一割を割り込んでおるというデータもあります。この理由は何だとお思いですか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 内閣の支持率につきましては私に対する評価であると考えねばならぬと思っておりますので、その支持率の低下につきましては厳しく受け止めておるところであります。 私にとりましては、現在、私にとりましてというよりこの内閣にとりまして最大の課題は何といっても雇用若しくは景気対策ということになろうと思いますので、この政策に全力を挙げていかねばならぬと決意をいたしております。原因の一つはこれらに対する、昨日おかげさまで二次補正という私どもが言います二段ロケットがやっとスタートできることになり、今三段目のこの本予算の審議をいただいておるところでありますが、こういった景気対策、雇用対策について私どもとして丁寧に更に説明していく必要がある、そのように考えております。
○平田健二君 あなたは、昨年十月十五日の参議院の予算委員会で、従うべきは国民、世論調査が正しいということが前提とおっしゃって、その世論調査の結果では、七割以上の国民が麻生内閣にノーという意思を明確にしておるわけです。これは御存じですね。従うべきは国民と言うのであれば、総理をお辞めになったらいかがですか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 私は、国民が今望んでおりますことは、つい今し方申し上げました景気対策と雇用対策、これが国民が望んでいるものであって、政局と考えてはおりません。したがいまして、この政策に全力を挙げるというのが国民の期待にこたえることだと、私はそう思っております。 したがいまして、先ほど石破大臣からもお話がありましたように、しかるべき時期に、少なくとも野党、御党との違い、争点というのをはっきりして、国民に信は問うものだと思っております。
○平田健二君 国民の七割以上の人が麻生内閣にノーだと言っておるわけですよ、これは国民世論ですよ。そうでしょう。経済対策とかなんとかじゃないんです。麻生内閣はもう駄目なんだと、交代してくださいと言っておるわけですから、経済対策をする前にお辞めになったらいかがですか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 我々は、少なくとも国民の世論調査の中に景気対策、雇用対策、そういった経済対策というのが国民の生活に一番直結しておる、国民にとりまして生活が一番問題だと思っておりますので、したがいまして、当然のこととして経済対策、雇用対策に全力を挙げるというのが我々に課せられた使命だと考えております。
○平田健二君 それは分かっておるんですよ。国民は経済対策、不況対策を早くやってほしいというのは当たり前の話なんです。そうじゃなくて、それをやる前に、麻生さん、あなた早く辞めなさいと言っておるわけですよ。辞めてから、早く経済対策、不景気の経済対策をやれと、こう言っておると私は国民は思いますが、そうじゃないというふうにおっしゃるなら仕方がない。 それからもう一つ、支持率の理由の一つに中川前財務大臣の問題があります。世界に醜態をさらし、日本の威信を著しく傷つけた責任は重大だと思っております。さらに、事前の連絡もなく参議院の財政金融委員会を欠席する、前代未聞の話であります。参議院軽視も甚だしい。 まずは、任命権者の総理から国民、国会に対して謝罪があってしかるべきだと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) これは衆議院で度々答弁もさせていただいておりますが、本人の体調の問題とはいえ、いろいろ理由はありましょうが、あのような記者会見の様子が報道をされ、そして結果的に世界中にそれが映像で流れて、日本の印象として良くない印象を与えてしまったということに関しては、甚だ遺憾に思っております。また、予算審議中に財務大臣が交代するというような事態になりましたことにつきましても、誠に申し訳ないと考えております。 閣僚を任命した責任は当然総理である私にある、それは私もそのようにお答えを申し上げたと思いますので、後任の与謝野大臣をして、少なくとも予算を成立させ、景気対策、雇用対策というものにきちんとその責任を果たすことによって、いわゆる内閣としての責任を果たしてまいりたいと考えております。
○平田健二君 まだあるんですよ。 聞くところによりますと、六千万円も掛けてローマでの国際会議に出かけ、その成果があの酩酊会見。一言で言えば、G7の会合に出席したことは無駄であったと、税金をどぶに捨てたようなものだ。また、そうしたおごった気持ちが、飲酒やろれつの回らない会見、そして恥さらしの観光につながった。財務官僚が二十二人も同行したと伝えられておりますけれども、二十二人同行したと伝えられていますけれども、必要はあったのかどうか。閣僚も官僚も恥を知るべきだ、国民はそう思っていますよ。 総理、あなたは、十六日の夕方、中川前大臣に、職務に専念してもらいたい、続投をいったん指示されたわけですね。ところが、翌十七日に中川大臣自ら、平成二十一年度の予算と予算関連法案が衆議院を通過した時点で辞職をすると記者会見で述べました。このことは、総理は当然事前に了承されておったということでよろしいですか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 二つ御質問があったんだと思います。 最初の方に、財務省、金融庁から同行した人数についてのお話、これが不必要ではなかったのかというお話でありましたけれども、過去の例を見ましても、IMFの世銀関連会合のときには、これは平成二十年四月でありますけれども、これは二十三名、それから二十年十月のワシントンのG7では同じく二十五名ということでありますので、二十一名が極端に多かったというような感じは持っておりません。 これが最初に対する御質問であって、仕事自体は、会議自体としてはきちんとしたあれがまとめておりますし、IMFの調印に関しましてもきちんとしたものがなされたというように理解をいたしております。 次の質問ですけれども、本人の体調についての報告を受けて、それぞれの時点で私の判断をさせていただいたというのがその経緯でありまして、本人の意思を尊重をしたということだと思っております。 十六日の夜は、予算及び関連法案の成立に全力を尽くすというお話でもありました。それで十七日には、病院の診断の結果、風邪や疲労など体調が思わしくなくと。予算及び関連法案が衆議院をするまでは全力を尽くすというのが、たしか十七日の昼だったかのお話だったと思っております。しかし、十七日、御存じのように、あのとき予算委員会で座っておりました、隣におられて極めて調子も悪そうでしたが、十七日の夜、本人の体調というものを考えて、自分、本人が国会審議への影響を考えて私としては辞任をするということであったので、本人の意思を尊重したのでありまして、中川大臣に職責を果たしてほしかったと思っておりますけれども、本人の申出が健康状態という、我々としてはちょっと計り知れないところもありますので、健康状態によるものであり、その辞任を認めたというのが私の立場であります。
○平田健二君 いや、それは分かるんです。中川前大臣の体調を見てそういうふうに判断されたということは理解できます。 ただし、十七日のお昼に彼が、衆議院の予算委員会と関連法案が衆議院を通過した段階で私は大臣を辞めると。このことを総理は了解されたのかどうか、その記者会見を。もし了解されたということであれば、予算の審議は衆議院があって参議院があるわけですよ、今日から始まりましたけど。衆議院だけ終わったら参議院はいいわと、こういうことじゃないですか。これ、与野党問わず、参議院軽視ですよ、総理、いかがですか。このところはっきりしてもらわないといかぬ、私は。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 私は、中川財務大臣、当時が、参議院を軽視という意味で言われたというように思ってはおりません。少なくとも、せめて衆議院でというお気持ちだったというように理解いたしております。
○平田健二君 総理、それはちょっと通りませんよ。参議院の財政金融委員会も無断で欠席したわけですよ、いいですか。衆議院の予算と関連法案が通ったら辞めていいと。総理が言わなきゃこういう記者会見するわけないじゃないですか、了解しなければ。了解したんでしょう、いかがですか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) ちょっとそのときの記憶が正確でないので、今、河村官房長官に確認したんですが、そのときは中川財務大臣からそのような記者会見をしたという事後報告が官房長官にあったというのがそのときの経緯であります。
○平田健二君 それでは、総理は承知していなかったと理解してよろしいですか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 記者会見の直前に電話報告があったということだそうであります。
○平田健二君 もう過ぎたことですのでこれ以上はお話し申し上げませんが、総理、国会の審議というのを余り軽視しちゃいかぬと、しっかりやってもらわなきゃいかぬと思いますよ、特に参議院での審議。衆議院さえ通過すれば、後は予算は三十日、関連法案は六十日、だからもうほっておいてもいい、こういう態度がありあり、これが問題だと思います。しっかり審議をするように最初に申し上げましたけれども、お願いをしておきたいと思います。 総理、あなたの発言は、ぶれるだけじゃなくて変な発言も多いんですよ。 衆議院予算委員会で、道路特定財源の一般財源化について、歳入を一般財源化できるようにした、歳出の話じゃありませんからと答弁されておるんですが、しかし、昨年来、国会で議論してきたのは、今まで道路にしか使っていなかった道路特定財源を医療、介護、教育等に使えるようにするということではなかったでしょうか。国民も覚えていますよ。 それが、ふたを開けてみたら結局道路にしか使えない。三兆三千億円の道路特定財源、まあ道路特定財源なくなったといいますけれども、道路特定財源のうち一兆円を地方に回すとしながら、そのうちの八千億円は道路に使う、一兆四千億円は道路を中心とした関連するインフラの整備に使う、公共工事ですね、六百億円が医療等に回すというのが実態。 総理、一般財源化というのは、道路特定財源、道路に使うことも必要ですけれども、医療や教育や介護にも使う。三兆三千億円のうち六百億円しか二十一年度予算では一般財源化していないんですよ。これは議論の経過からしておかしいんじゃないですか。いかがですか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) これも度々御答弁を申し上げたとは思いますが、一般財源化というものは、これは揮発油税などの歳入というものが道路整備に使うという義務付けをやめる、これが一般財源化の定義だと、まず基本的にそう思っております、これは歳入の話ですから。この意味では、昭和二十一年度から道路特定財源はすべて一般財源化するということになりました。これは歳入としてはきちんとそうなっております。 こうした中で、私どもとしては、今の地域の事情等々を考えて、少なくとも地域活力基盤創造交付金というものをつくらせていただきましたけれども、これは道路以外の関連のインフラなどなどに使えるようになって、ソフト事業にも使えますし、使い勝手の良いものになるようにいろいろ検討させていただきました。例えば、離島航路の船舶の購入というようなものも今までは使えませんでしたけれども、また通学路の防犯灯やら防犯カメラなどなど、いろんなものに活用できる方向で考えておりますのはもう御存じのとおりであります。 また、この交付金が与党において御議論をいただいて、いろいろ地方からもあのときも随分要望をいただきました。その地方道路整備というものの必要性というものは、地方から非常に多くの声が出ましたので、財政の状況にも配慮をして、地方からいろいろ御要望にもかなりこたえられるようにさせていただきましたので、それなりの評価もいただいていると思います。 また、予算編成過程において、今御指摘のありましたように、社会保障関係の財源の一部として六百億円も確保させていただいたということでありまして、従来でしたら道路からこういったものにはほとんどどころか全く使えなかったものが使えるようになったということだと理解をいたしております。
○平田健二君 ちょうど昨年の今ごろの予算審議の中で道路特定財源の問題が中心の課題だったはずです。そのときに、小泉前総理、安倍前総理、福田前総理、道路特定財源を一般財源化すると言ってこられました。麻生内閣になって、私がさっき申し上げましたように、道路関係の歳入から三兆三千億円の収入があり、そのうち一兆円を地方へ回し、その一兆円のうち八千億は道路整備を中心とした公共工事に使う、いやいや、道路に使う、一千四百億円を道路関係に附帯した公共事業を行う。今総理もおっしゃられたように、六百億が医療関係、そういったものに回す。結局、三兆三千億円のお金のうち六百億しか医療とかそういったものに使われていないということではないですか。そのことは過去にずっと議論をしてきた内容とは大きく違っていますよということを言っておるんですよ。そうじゃありませんか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 一般財源化という言葉は、一般財源化するというのは、先ほど答弁を申し上げましたとおり、少なくとも道路というものにしか使えなかったものがそれ以外のものに使えるようにする。少なくとも歳入としては一般財源化しておりますので、その一般財源化された歳入をどう使うかという話は、一般財源化の歳出の部分、いわゆる支出の部分の話でありまして、その支出につきましては、我々としては今の事情を考えてみた場合に、道路に対しての要望は極めて地方から強いというような状況を勘案して私どもとしては使わさせていただいた。 傍ら、いわゆる二千二百億の社会保障関係の財源を切っていくという話のあれには、今の事情から考えるといかがなものかというようなものを感じておりました。したがって、その部分の方の歳出に充てる、そういったものに関しての歳入不足に充てると考えて六百億円をそちらに使わせていただいたと。従来でしたら、一般財源化してなければこの六百億を社会保障関係に使うこともできませんでしたし、また船舶やら防犯灯というようなものにも使えませんでしたから、そういった意味では一般財源化できたおかげでそういったものが少しずつ回せるようになったんだと理解をいたしております。
○平田健二君 元々この道路特定財源というのは普通税なんですよね。普通税でいったん一般会計へ入って、今までのシステムは、そしてそれから道路の特定財源ということで歳出の方で決めておったんです。そうですよね。 やはり、もうこれ以上言いませんが、小泉内閣から安倍内閣から福田内閣からずっとこの道路特定財源を、道路だけじゃなくてほかのものにも使えるようにするといって国民の皆さんに約束してきたことが、いざ実施するとなったら守られていないと。これは国民みんな思っていますよ。このことについてはまた一度議論させていただきたいというふうに思っております。 次に、経済の危機についてお伺いをいたします。 内閣は二月十六日に平成二十年十月から十二月のGDPの速報を発表しました。御案内のように、年率換算で実質GDPが一二・七%のマイナス、先進諸外国の中では最悪。さらに株価も最安値を更新しておる。金融危機が実体経済を悪化させ、さらに金融システムに打撃を与えている。負の連鎖への懸念が高まっております。この日本経済の危機的状況をどのように認識されているのか、お尋ねをいたします。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) よく言われますJPモルガンの話からスタートして、一九〇七年ですから約百年ということになるんだと存じますが、百年に一度と言われておりますあの金融危機の中で、いわゆる金融システムとして、日本の金融システムは欧米先進諸国と言われるものの金融システムに比べては相対的に安定をいたしておるものと考えております。我々は、十年前の、少なくとも九七年、九八年の金融危機と言われたあのころの、いわゆる山一証券、また大きな銀行で長銀等々が倒産したあのころに比べて、今そのような懸念が持たれているというような大銀行は存在いたしておりません。他国に比べてそういった点では相対的には安定をしておる、まず基本的に金融システムに関してはそのように考えております。 しかしながら、世界的な金融危機というものによって世界経済の方も減速をいたしております。信用収縮ということが起きておったためです。したがいまして、そういった中で外需、日本から輸出しております外需の部分が日本の景気に大きく影響し、輸出関連産業と言われるものを中心にして急速に経済が悪化、厳しいものになっていると、そういった状況にあるというように理解をいたしております。このようなリスクがかなり顕在化して、はっきりしてきておりますので、急速な経済の悪化が続いておりまして、いろいろな意味で、経済指標というものを見ましても、同様な数字を裏付けておる部分があろうと思います。 今後に関しましては、これは上方リスク、下方リスク、いろいろあろうとは思いますけれども、幸いにして原油価格というものが急激に低下して、百七、八十ドル、今日がWTIで四十一ドルかな、四十一ドルぐらいまでになっていると思いますので、そういった低下によります交易条件というのが良くなってきた部分というのは一つの上方リスクなんだと思っておりますが。いずれにしても、民間需要というものが落ち込んでおります部分が、予算等々の影響も出て、二十一年度の後半にいい方向に動いてくれるという可能性というものが私どもとしては上方リスク。 他方、下方リスクといたしましては、経済状況は急速に悪化をしておりまして、輸出関連企業に関連をしております企業というものに大きな影響を与えておりますので、そういった意味ではこの世界の金融危機と言われるような状況がどこで収束を打つのか。また、アメリカに対しての輸出の多い我々、またアメリカに輸出しております中国の状況も悪い、その中国に日本はかなり輸出している部分が多い。そういったことを考えますと、底値が見えてこない今の状況の中にありましては、我々としては、景気の下降局面というものの底がどこに打てるのかというのがいまだよく見えてきておりません。 したがいまして、そういった方面の下方リスクというものはいまだ存在しているのであって、そういった意味では今後、景気対策、雇用というものは、どういう影響が出てくるかというのは極めて予測の難しいところだとは思っておりますが、いずれにいたしましても厳しい状況にあるということだけははっきりしておると存じます。
○平田健二君 総理は、二月八日、福井県のあわら市で講演をされていますよね。その講演の内容で、我が国の経済情勢はそんなに大変ではない、今回の不況は大騒ぎをするようなものとは思っていないと発言をされております。翌日、衆議院の予算委員会では、我が国の経済状況は他国に比べたら傷は浅いとも発言をされておられます。一体、何が根拠なのか、お示しいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) これは基本的に、今申し上げましたように、経済の中におきます、いわゆるよく体に例えれば動脈、静脈と言われます金融、この部分というものが極めて日本の場合は他の先進諸国の金融状況に比べて、金融収縮が急激に起きているわけでもございませんし、銀行、証券会社がばたばた倒産するというような十年前の状況とも、昨今のアメリカの大きな大銀行が軒並み国有化に近いような状況になっているということもございませんし、そういった意味では、日本の金融システムは比較的安定をしている、相対的に安定をしているという部分がその根幹を成しております。 当然、これが止まりますと更にひどいことになりますが、そういったところが安定しているというところが大きな要素だと、私自身はそう思っております。
○平田健二君 昨年十月—十二月期のGDP年率換算一二・七%マイナス、これは先進国の中で最低、それから雇用も大変、後でまた質問いたしますが、状況になっている。そんな楽観的な話じゃないんですね。 ですから、これはやはりいろんな対策を打たなきゃならぬというふうに私は思っておりますが、二十一年度の今審議しておるこの予算、ゼロ%成長の見通しで組まれておるわけですよね、予算編成は。既に補正予算をどうしようかという話がちらほら出ているようでございますけれども、だったら、この本予算を出し直すべきではないかと私は思いますけれども、どうでしょう。いかがですか。
○国務大臣(与謝野馨君) まず、十二月に政府見通しを出しました。これに基づいてこの予算は作成をされております。しかしながら、政府が予算を作成しますには、ある時期のいろいろな指標を、ある時期の断面をとらえてそこで判断をせざるを得ない、そういう難しさも実はございます。我々は、十二月に政府の経済見通しを作りましたときには、そのとき持っておりました最善の知識、最善のデータに基づき従来から取ってきた手法で経済見通しを作った。誠意を尽くしたつもりでございます。したがいまして、その経済見通しに基づいて今の予算は提案をされております。 しかしながら、一方では、いろいろな個別の経済指標を見ますと、すべての経済指標は下向きの傾向を明らかに示しておりまして、統計が出そろった段階でやはり日本の経済が今後どうなるかということを国民の皆様方にきちんと説明をするべき時期は私は来ると思っております。
○平田健二君 補正予算の話が出ておるということは、この本予算が欠陥商品だということじゃないですか。早くやはり組替えをするなりした方が私はいいと思いますよ。 後ほどまたこれは、この問題については同僚議員が質問させていただきます。 次に、雇用についてお伺いをいたします。 かつてないほど急激に悪化をしておる。特に、日本を代表するような自動車、電機などの企業で数万人規模で人員削減が行われようとしております。緊急事態だというふうに認識を私はしておりますが、雇用、緊急事態という認識を私自身はしておりますけれども、総理、厚生労働大臣はどのような認識か、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 急速な経済情勢の悪化、そして雇用情勢も極めて厳しい状況にあるというふうに思っております。一月の有効求人倍率が〇・六七倍と、前月より〇・〇六ポイントの低下という数字がございます。それから、各都道府県の労働局やハローワークを通じて把握したところですと、二月の十八日時点で昨年十月から本年三月までに職場を離れる非正規労働者が十五万八千人に上るという数字も出ております。 こういう状況にかんがみまして、二次補正、そして今御審議いただいています来年度予算におきまして、雇用を維持するための助成金、雇用調整助成金を拡充するような措置、それから過去最大の四千億円の基金、緊急、それから地方の雇用創出、これもつくっておりますし、様々な失業給付の見直し、それから派遣労働者で首切られた方を雇ってくださるようなところに助成をするというようなことで、様々な政策を行っていますが、さらに、住宅、これを同時に失う方がおられるということで、雇用促進住宅への入居あっせんとか、それから様々な賃貸住居入居のための貸付けを行ったりしておりますので、引き続き、この極めて厳しい、そして悪化するスピードが極めて速い、こういう状況を深刻に受け止めて、全力を挙げてこの問題に取り組んでまいりたいと思っております。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 今、舛添大臣からも御答弁がありましたように、有効求人倍率〇・六七倍、幸いにして失業率の方は四・三が四・一ということに下がってきておるとは思いますが、その意味で、下がったからいいというわけでもないんであって、これは雇用調整助成金というようなものがその効果を発揮しているんだと、私どもはそう思っておりますが、いずれにいたしましても、この大量離職ということが起きておる事実は極めて深刻、しかもそれが急激にかつ大量に起きておるという状況は極めて深刻な状況だと、私はそう思っております。 こうした中で、二次、三次の補正予算、続いて今本予算というもののこの三段の対策、三段ロケットと申し上げております対策を通じて、少なくとも今派遣労働者、また年長フリーターと言われる方々の正規雇用をしていただいた企業に対しては助成しますと。また、雇用維持に努めるということで、いわゆる雇用調整助成金、一月は八十八万人という雇用調整助成金ということで、これはたしか中小企業に対しては五分の四、それから大企業で三分の二だったと思いますが、そういう形で雇用調整助成金を出させていただくなどなど、いろいろさせていただいておるところでもあります。 また、都道府県に対して、過去最大になりますけれども、雇用を拡大するとか求職者の雇用の機会を創出していただくというようなことで、四千億円の基金を創設するということにもいたしております。また、地方交付税を一兆円増額しておりますが、その中には雇用の促進に充ててもらうようになど、これまでにない規模の内容の雇用対策というものも今実施することといたしております。 いずれにしても、経済界また労働界、いろいろ御意見をちょうだいいたしておりますけれども、雇用の安定というものが極めて重要、これは生活の糧でもありますので、そういった点に十分配慮して今後ともこの雇用の問題に対応していかねばならぬものだと考えております。
○平田健二君 舛添大臣、雇用保険の給付日数についてですけれども、こういう事態ですので、例えば給付日数を全体の倍にする、また一か月でも雇用保険に加入した人も給付対象にする、こういった制度の拡充をしなければならないと思っていますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) 雇用が非常に厳しい状況だというのは、平田委員と全く私は認識同一にしておりますが、その中で、様々な施策の中で、給付日数をどれぐらい延長するか。今は御承知のように、年齢とかいろんな働いてきた期間によりますが、九十日から三百三十日ですね、最大で。その中で今我々が考えていますのは、六十日間延長するということを考えております。 これ、今倍にするというお話がありましたけれども、どれぐらいの延長幅がいいかというのは、例えば余りに長くすると、やはり再就職していただかないといけないんで、再就職するためのインセンティブがなくなる。給付のときも、再就職を早くやっていただく方にはいろんなインセンティブを与えていますので、そういうことと、六十日というのは二か月でございますけれども、なぜ六十日という判断したかというと、再就職先をお探しになっている方々、これ大体二か月以内に今までだと見付かっているんで、そういうことも含めて六十日という数字を出しております。 それから、あと、今のところは半年間、これは保険料払っていただければ給付すると。これ、どこまで短くすればいいかというのは、これも、ちょっと就職してすぐ辞めてということもまた良くないと思います。やっぱりある程度定着していただくために六か月ということなんで、いろんな要因を考えてそういう判断をしたわけでございますけれども、今後の経済情勢について、またこれはもう党派を超えて、どれぐらいの日数がいいのか、それからどれぐらい掛金払った場合にやるのかということは、国民のコンセンサスを得ながら、しっかり現場の声を聞きながら検討課題とさせていただきたいと思いますが、当面は先ほど申し上げたような状況を判断して一定の答えを出したつもりでございます。
○平田健二君 雇用調整助成金についてお伺いをしますが、助成率の引上げ、それから教育訓練費の引上げ、こういったものの支給要件を緩和されたことは一定の評価をいたしますけれども、実は申請しても非常に時間が掛かると。ハローワークでもっと人員を拡充して迅速な処理をしなければならないのではないかなと思いますけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(舛添要一君) 一気に八十万を超える申請件数がありまして、去年に比べて六百倍なんですね。前の月に比べるとたしか百倍だったと思いますので、これは今おっしゃるとおりで、ちょっと全力を挙げてハローワークの体制強化をして、それから書類も簡素化しろと、申請、面倒くさい手続じゃなくてやれということを指示出していますので、更にそういう努力を続けてまいって、簡素化、迅速化、図りたいと思っております。
○平田健二君 それから、現在、職業訓練の受講期間中であれば失業給付の基本手当終了後も最大二年間の訓練延長給付が可能です。しかし、雇用保険を受給できない者に対してはこの制度は適用されないんですね。したがって、こうした人たちに対して公的職業訓練を受ける、受講する期間中の生活保障を確保するために給付制度を設けるべきだと考えますけれども、大臣のお考えをお聞きします。
○国務大臣(舛添要一君) どういう方策で対応するか。一つは、雇用保険の持っている、今まで議論してきた様々なネットワークを使う。今委員がおっしゃったのは、雇用保険でカバーされない方々をどう救うかと。 それで、一つはそういう方々に、訓練期間中の生活保障給付をこの二次補正で創設いたしまして、生活資金を貸し付けると。それから、一定の要件の下でもう返還も免除すると。貸付けも非常に容易なような条件緩和をやっておりますが、ただ、先般、労使、連合と経団連、両方の代表が来られまして、共同宣言の、共同要請が三月三日にございました。その中に、就労支援給付制度、これを一般会計でやってはどうかというような御提案もいただきましたので、それは労使の共同要請でございますので、その点も含めて、雇用保険のネットワーク、セーフティーネットから外れた人をどう救うか、これについて、今の労使共同提案も受けまして、今から検討したいと思っております。
○平田健二君 雇用保険制度は、大臣も御存じのように昭和四十九年、それまでの失業保険制度を抜本的に改正して、質、量共に完全雇用を達成することを柱に総合機能を持つ制度としてつくられました。 しかし、現実にはこの趣旨が守れていないんですね、守られていない。厚生労働省の推計でも、一千万人の非正規労働者が雇用保険に加入をしていない。今、先ほどの雇用保険を受給できない人に対しての制度の適用、これってまさに一千万人おるわけですな。この一千万人の人たちの、雇用保険に加入していない人たちの対応をどのようにするのか、これはやっぱり喫緊の課題だと思いますよ。いかがでしょう。
○国務大臣(舛添要一君) まず、数字の内訳でございますけれども、日本の雇用者数というのは五千五百六十一万人。その中で、雇用保険の適用に、適用なさっている方が三千六百八十五万人。公務員とか会社の役員とか、これは適用除外になりますから。その他が今おっしゃった千六万人おります。 その内訳なんですけれども、例えば昼間の学生のアルバイトさんとか、それから週二十時間以上でない雇用者とかいうのを、週二十時間未満の方々、こういうのを適用除外にしていますが、今回、今まで一年だったのを雇用期間を六か月以上一年未満まで適用拡大するということにしましたので、これは百四十八万人、一千万人の中から適用拡大になります。 ただ、おっしゃるように、一気にやっぱり今申し上げた学生のアルバイトさんその他を適用ということになるとこれまたいろんなプラス、マイナスございますから、取りあえずは六か月以上ということにいたしましたけれども、今委員がおっしゃるとおりで、やっぱり雇用保険受給できない方にどうするか。これは、職業訓練をとにかく受けていただく。そのときの生活保障のための給付制度を拡充する。それから、長期間の訓練ができるような体制をやると。それから、やっぱり住宅、これが困っていますから、住宅・生活対策で資金融資をやると。それと、二次補正も通るということで、千五百億円の緊急の基金、それから、これ二事業でやりますけれども、二千五百億円、両方で四千億円ありますので。特にこっちの千五百億円の方と、地方の方もそうなんですけれども、労使双方に入っていただいてやるという枠組みをつくっておりますので、それは連合の方と経団連の方が来られた三日の日に、これは是非活用して一緒にやりましょうと。 それで、政労使合意も三月中にまとめて、何とかこれはもう党派を超えて、労使、そして政府も一体となってこういうことをやりたいと思っていますので、またいろいろいい御提案があれば賜りたいと思っております。
○平田健二君 舛添厚生労働大臣、最後にお尋ねをいたしますけれども、これ今後更に失業者が増えていくだろうというふうに思われます。その中で、雇用保険料を〇・四%引き下げるというふうに厚生労働省は言っておりますが、雇用状況が安定するまでこの引下げを待ったらどうかと。確かに、〇・四%で年間六千四百億円、労使で折半ですので三千二百億円、三千二百億円ですね。金額はその金額ですけれども、この時期に料率を下げるということはいかがなものかという気がしますが、いかがでしょう。
○国務大臣(舛添要一君) 委員の問題意識はよく分かります。この間、麻生総理始め閣内でいろいろ議論をいたしました。そういう中で、単年度限りで〇・四%ということでありまして、これは二万円ぐらい月々給与所得になりますということは、労使折半ですから一万ちょっとずつ例えば可処分所得は増えるわけですから、これを消費に使っていただく。つまり、租税であるとか社会保険料の一定の減額をすることで生活を支援する、そういう側面もありますので、そういう雇用を創出するために消費を刺激するという、雇用という観点から消費する方に、そっちの観点。 しかし、今我々がシミュレーションを持って、相当厳しい雇用状況でございますけれども、今プールしている資金で大体こういう状況が続いても四、五年間はまだもてるということでございますので、そういう意味でこういう決定を下したわけでございます。 ただ、この雇用保険料だけではなくて様々な雇用政策の諸施策を最大限フルに稼働させて、今委員が御指摘のこの雇用失業情勢に対する取組をしっかりとやってまいりたいと思っております。
○平田健二君 舛添厚生労働大臣、一番得意とする年金についてお伺いします。(発言する者あり)介護か。 今後一年間ですべての統合を完了させます、今後一年間で問題解決、全額支給をします、これは、二〇〇七年参議院選挙前に自公の政府が国民に約束をしたことですよ。今なお実現していないんではないですか。 消えた年金、宙に浮いた年金、消された年金問題、現在どの程度問題が解決されたのか、舛添厚生労働大臣、お答えをお願いします。
○国務大臣(舛添要一君) 平成十九年、今おっしゃった参議院選挙の前後の七月五日に政府・与党が工程表を作りました。それに従ってやりまして、今委員の御説明でございますけれども、まず、昨年十月までに、すべての受給者、加入者一億九百万に対してねんきん特別便をお送りいたしまして、昨年末時点で六三%に当たる六千九百万人から回答をちょうだいしました。 まず、五千万件あった未統合記録でございますけれども、基礎年金番号に統合済みの記録は九百十万件であります。それから、死亡が判明したというような形で一定の解明がなされた記録は千六百二十万件。それから、名寄せ特別便によってまだ結び付く可能性があることをお知らせしている記録が八百二十万件。それから、今、住基ネットとか御結婚なさった方で旧姓データを活用した調査などで今解明作業中が五百三十万件。今後解明を進めるべき記録が千二百十万件あるのが今の状況でございます。 今後、まだねんきん特別便、三千七百万人の方が未回答でございますので、是非、テレビを御覧になったりラジオでこの委員会の審議をお聞きの国民の皆さんで、あっ、そういえばまだ私は答えを出していないな、何も訂正ないから出していなかったなというような方がおられれば、是非お出しいただきたい。二回ぐらいフォローアップをしているのでございますけれどもまだいただいていないので、どうか国民の皆さん、ねんきん特別便のお答えをちょうだいいたしたいというふうに思っております。 そういうことと、あともう一つは、これはいつも言うように、車の両輪でやって、国民の皆さんの協力を仰ぎながら一人一人にチェックしていただく方法と、データ解析からやって、データ解析について言うと、もう非常に紙も劣化しているような問題もありますけれども、八・五億件の紙台帳とコンピューター記録、二十一年度、これ画像処理をやるということでありますし、標準報酬の不適切な遡及訂正事案、これも今取り組んでおりますし、それから今度この春からねんきん定期便という形で、そこは標準報酬全部書いてありますので、こういうことを着実にやっていく。 本当に申し訳ないことでございますし、国民に何度も謝罪をしていますけれども、何十年にわたる社会保険庁の不祥事の山、これを今一つ一つ解決していくので、非常に粘り強い、しかし時間の掛かる作業でございますが、一生懸命やっていきたいと思っておりますので、御理解を賜りたいし、また御協力をいただければと思います。
○平田健二君 これもまた後ほど詳しく同僚議員がやると思いますが、大臣、国民の皆さんは、二年前に約束をしたことが守られていない、このことが問題なんですよ。 それから、どなたのものか分からない、あるいは申請、自分は本当にこの期間勤めておったんだけれどもということで、それを調べる第三者委員会、この委員会の委員長が、もうここらでいいかげんやめたらどうですかと、調べるのを、言っておるじゃないですか。そして、国が謝罪をして、もうすべて消えた年金は政府が補償する、その方が早いですよと、こう言っておるんですよ。いつまで続けるつもりですか、これ。いつまで続けるつもりか、もうずうっと永久に続くんじゃないんですか、これ。
○国務大臣(舛添要一君) 先ほど申し上げましたように、これはもう本当に手間暇掛かるし、今おっしゃるように大変なコストと労力は掛かります。しかし、解明をすべき問題がまだございますので、あきらめることなくやっぱりやっていかないといけないというふうに思っています。 そして、最終的には、それは、そこまでやった、それで国民がもうそろそろおやめくださいと言うまでそれは私は責任としてやらないといけないと思いますし、まだまだ解明しないといけない点がたくさん残っておりますし、それから今最大の問題は、きちんと裁定できて、再裁定するのに時間掛かっていますので、こういう体制の強化、とにかく全力を挙げて、時間掛かりますけれども、手間暇惜しまずやっていきたいと思っております。
○平田健二君 労働保険、労働保険特別会計についてお尋ねをいたします。 この労働保険特別会計は、これもまた国民の皆さんからの保険料で成り立っておる制度ですね。この特別会計から特殊法人へ多額の出資金が支出されています。その出資金残高は、平成十六年末で三兆円でした。しかし、特殊法人から独立行政法人へ移行した平成十七年度にはなぜか一兆円に減っておるんです。 舛添厚生労働大臣、一体この二兆円はどこに消えたのか、御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(舛添要一君) 細かい数字が必要なら申し上げますけれども、大体三つのことがその理由でございます。 一つは経年劣化等に伴う資産の減価償却、これが一番目、二番目が時価を基準とした資産の再評価、そして三番目が国等への資産の継承ということでございまして、法的にも会計上的にも適切に処理されたものでございます。
○平田健二君 いやいや、これはあなた、国民からですよ、保険料をいただいておきながら、劣化したとは何が劣化したんですか。そのことを具体的に言ってもらわなきゃ。二兆円なくなっておるんですよ、二兆円。国民の皆さん、二兆円なくなっておるんですよ、労働保険が。どこに使われたか、はっきりしてください。
○国務大臣(舛添要一君) 一つの例で、雇用・能力開発機構、これが旧法人における出資額は約二兆千五百億円、新法人の出資額は七千九百九十九億円ということで、増減額は一兆三千億になっておりますが、その内訳は、これは財務諸表でございますが、減価償却による減が六千百五十五億円、これ時価評価が三千五百八十七億円、国への承継が二百二十五億円、施設等による売却損、これが三千五百七十六億円という数字が出ておりまして、それぞれの機構についてこういう会計処理をなされているということでございます。
○平田健二君 これは大臣、出資金ですか。特殊法人、あるいは、平成十七年以降は独立行政法人に変わりましたけれども、出資金ですか、何ですか。
○国務大臣(舛添要一君) これは委員御指摘の出資金でございます。
○平田健二君 総務大臣、お尋ねいたします。そもそも特殊法人への出資金とはどういう性格のものか、お教えいただきたいと思います。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 現在、特殊法人が三十一、独法は百あるようでございまして、独法に関しては総務省が一般的な通則法等の仕事をいたしておりまして、独法に対する政府出資というのは、今は元手、土地とか建物とか、場合によっては金融資産もありますが、つまり独立行政法人って何であるかというと、公共性の高い事務事業であって、国が直接実施しなくてもいいんだけれども、じゃ、民間に任せると民間はやってくれない可能性があるから独立行政法人という制度でやってもらう、そのための元手ということですね。必要な財産的基礎を形成することを目的とするということですが、一般的に言えば元手でございます。
○平田健二君 なぜ出資金を労働保険の国民の掛金から出資しなきゃなりませんか、この理由を教えてください。
○国務大臣(舛添要一君) 例えば、昔は三事業、今は二事業になりましたけれども、これは事業主、つまり会社の経営者が出すお金でございまして、それを元にして例えば雇用・能力開発機構ということを動かしていくと、そういう仕組みにこれはなっており、それが特別会計の元になっているということでございます。
○平田健二君 雇用主が負担するのは労災勘定だけですよ。雇用保険勘定は、これは勤労者、働いている人も出すんです。この中から出資金を出しておるんですよ。
○国務大臣(舛添要一君) いや、雇用保険三事業、今二事業になりましたけれども、これは事業主の負担でございます。
○平田健二君 いや、雇用保険は。
○国務大臣(舛添要一君) 雇用保険は折半でございます。
○平田健二君 折半でしょう。雇用保険からも……
○国務大臣(舛添要一君) いや、私は今例と……
○委員長(溝手顕正君) ちょっと、あなたがもう一回説明してください。
○平田健二君 雇用保険勘定からも出資されておるんですよ。いかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) いや、雇用保険二事業について言えばって先ほど限定をいたしたんで、全体を見れば、それは委員がおっしゃっているとおりでございます。そうです、はい。先ほどその限定を前提に例えばと申し上げましたんで。
○平田健二君 鳩山総務大臣、公共性の高い、何ですか、建物ですか、そういったものが劣化したと、こういうことですか。いかがですか。公共性の高い何を造ったんですか。例えばで言いますと、京都にあるしごと館ですか。どうですか。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 私は、先ほど独立行政法人に対する政府の出資のことを御説明申し上げたわけでございまして、独立行政法人の通則法の第八条に、独法はその業務をするために必要な資本金その他の財産的基礎を有しなければならないと。いろんな集め方があるんだろうと思う。それに対して政府は独法の業務に必要であるならば個別法に定めるところによって出資できるということでございまして、その個別の独法の、かんぽの宿じゃあるまいし、何か目減りさせたとかなんとかというのは、私、ちょっと今答弁能力がありません。
○平田健二君 これも国民が知らないということではない、国会で多分提出をして議論をした結果、三兆円あったものが二兆円毀損したということだと思います。 財務大臣にお聞きしますけれども、特殊法人から独立行政法人に移行したときに、出資金の毀損を国民の目に触れることなく会計手法を使ってひそかにこれ処理しておるんですよ。出資金を大きく毀損した法人についても、欠損金をそのまま特殊法人から独立行政法人に引き継いでもよかったんじゃないですか。そうすることによって国会で議論ができると、こういう。平成十六年の特殊法人から十七年の独立行政法人に変わったときに、ほとんどのこういう出資金を毀損しておるんですよ。国民の目に触れてないんです、これは。皆さん方の方は、いや、国会に審議してもらったと言うかもしれませんが、やみからやみへ毀損しておる、二兆円が。許せない、こんなことは。 これは財務大臣、移るときに、特殊法人から独法に行くときにそれを引き継ぐべきじゃなかったのかなと思いますけれども、いかがでしょう、もう済んだことですけれども。
○国務大臣(与謝野馨君) 特殊法人が独立行政法人化するに当たっては、独立行政法人が行う公共性の高い業務を円滑に遂行する観点から、独立行政法人発足時の財産的基礎を正確かつ明確に評価する必要があったところでございます。 そのため、各独立行政法人の設置法において、繰越欠損金をそのまま引き継ぐのではなく、旧法人の資産、負債の差額をもって新法人に対する出資とする等の規定が設けられており、政府出資にかかわる取扱いは、所管官庁の監督の下、いずれも法が定めるところに従って適切に処理されていると承知をしております。
○平田健二君 欠損金を引き継いでいれば、その過去の出資に対する再検証、それから事業の再評価を国会の場で議論がすることができたはずであります。独立行政法人科学技術振興機構の文献情報提供勘定では、出資金と繰越欠損金が共に旧事業団から引き継がれておるんですよ。そういうのもあるんです。これ、しっかり見直すべき。 これまで指摘しましたように、多額の欠損金を出した独法に現在でも保険料から出資金や補助金の名目で毎年支出されております。平成二十年度は実に二千億円の交付金、補助金が交付されました。さらに、二十年度末で総額九千五百億円の出資金が残高としてこれ残っております。いつまたうやむやのうちに毀損してしまうか、到底国民感情からは納得いかない。 労働保険の保険料は保険の給付だけに使うべきだと考えますけれども、総理のお考えをお聞きします。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 年金保険料と同様に、これは労働保険料、基本的にはこういうものには無駄遣いがあってはならないのは当然のことです。その上で、労働保険制度では、いわゆる失業給付とかまた労災給付等々に加えて、いわゆる事業主のみの負担という部分で、雇用調整助成金など失業の予防とか職業訓練のための事業とか、また何というか、義肢とか車いすなどなど、こういったものの被災労働者の社会復帰や遺族の支援のための事業などを行っておりますのは御存じのとおりです。 こういった今の厳しい雇用状況の中を踏まえれば、こうした雇用の維持安定のための事業などは、これは引き続き重要な役割を求められているものだと私どもも認識をしております。他方、これらの事業について、いわゆる勤労者福祉施設の譲渡、また廃止など、事業本来の目的に特化するよう、これは厳しく見直しを行ってきたということなんだと理解をしております。 さらに、こうした趣旨に沿って、今よく話題になりました私のしごと館の廃止など、個々の事業の必要性や役割は、これ絶えず見直していく必要があるという点につきましては私どももそのように考えておりますので、基本的に無駄遣いというものになっているのではないかという御指摘なんだと思いますが、こういったことはあってはならないことだと、私もそう思っております。
○平田健二君 年金の保険料、そしてこの労働保険、国民が納付している、こういう中から給付以外に使うということについて私どもは、年金もそうでしたけれども、年金の給付以外に使うべきではないとずっと主張してまいりました。労働保険も同じです。是非ひとつ総理、年金も大分年金の掛金からの使用は少なくなりました。今年度は五百三十五億円の事務経費を年金掛金から支出しておるようでありますけれども、できるだけ早くゼロになるように要望しておきたいと思います。 司法制度改革についてお伺いをいたします。 二か月後には裁判員制度がスタートいたします。市民から選ばれた裁判員が職業裁判官と対等な立場で刑事裁判に参加をする、画期的な制度だと私は思います。裁判員に参加する皆さんは仕事、家事、子育て、介護などを担いながら裁判に臨むわけですけれども、心配していることは、裁判が長期にわたり、家庭や仕事に支障が出るのではないかということでございます。裁判の長期化、それに伴う裁判員への過大な負担についてどのような措置を講じたのか、最高裁、お答えをいただきたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(小川正持君) お答え申し上げます。 委員御指摘のように、これまでの刑事裁判は、例えて言いますと、一か月に一度例えば一時間とか二時間程度ということで、毎月一回ずつというような形で確かに審理が行われてきたと思います。そうなりますと、やはり数か月あるいは年を越えるというような審理期間が掛かってきたということでございます。十年というのもございますけれども。裁判員裁判になりますと、それは到底そういうことはできません。そこで、審理期間を、連日的に開廷し、そして集中して審理をするということで、まとめて圧縮するというふうにすることになると思います。 それから、裁判員裁判の場合には、公判前整理手続と申しまして、公判の前に三者で、裁判所とそれから検察官と弁護人とが一緒に相談をしまして、争点と証拠の整理をして適切な審理計画を立てるということになります。それに裁判員の選任手続に掛かる時間もございますし、評議に掛かる時間もございます。そうしたものを合わせますと、これまでの見通しとしてはおよそ七割の事件が三日以内に終えられることになるものと見込んでおります。
○平田健二君 七割の裁判が三日で終わる。じゃ、残りの三割の方はどうなるのか。裁判を無理に短縮すれば公正さが担保できませんし、例えは悪いかもしれませんけれども、リクルート事件のような裁判に当たると一審だけでも十三年掛かっていますね。このような場合には最高裁、裁判員はどうなるんでしょう。 例えば、十三年の長きにわたって一人の裁判員がずっと付いているのか。例えば、本人の都合、会社の都合で転勤する人もおるでしょう、不幸にして事故に遭う人もおるでしょう。そういう場合、裁判が長引いて裁判員がそういうケース、ないとは限りませんので、そういう場合はどうしますか。
○最高裁判所長官代理者(小川正持君) 先ほど申し上げましたように、審理を連日的に開廷して集中して行いますので十三年というようなことにはならないと思いますけれども、それでも先ほど申し上げたように三日で終わらない事件も確かに委員御指摘のようにございます。 そういう事件につきましては、やはり公判前整理手続をして適切な審理計画を立てて、なるべく負担の少ないような審理期間を考えてまいりたいと思いますし、それから、裁判員の選任手続の段階におきまして、やはり裁判員候補者の方々のいろんな事情をよく伺って、そしてできる限り御負担の少ないように裁判員をお願いしたいと思っておりますし、それからまた、余り集中的にと申しましても、ずっとやるとこれは大変御負担をお掛けしますので、そういう場合には、例えば一週間に二日とか三日とか、またその次の週に、間に休息時間も取り、あるいは休廷時間もよく取って、できる限り御負担を軽減するという方向で考えてまいりたいと思っております。
○平田健二君 今言いましたように、リクルート事件では十三年掛かって三百二十二回の公判が開かれたということですよね。裁判が長期化して、被告の自白の任意性、それから警察や検察での取調べが適正だったかどうかの点が争われたわけですね。 第三者のいない密室での出来事ですから、やったやらない、水掛け論になるわけですけれども、これを防ぐには取調べをビデオ、録画、録音することだというふうに私は思います。いわゆる可視化ですけれども、我が民主党は以前からこの可視化については採用すべきだということで働きかけてまいりましたし、法案も参議院で通過をさせていただきました。 冤罪も防げますから、法務大臣、この可視化については進めるべきではないでしょうか。いかがですか。
○国務大臣(森英介君) 可視化を進めるべきではないかというお尋ねでございますけれども、検察当局におきましては、これまで裁判員裁判における自白の任意性の効果的、効率的な立証方策の検討の一環といたしまして、既に可視化を一部導入をしております。(発言する者あり)一部です、そうなんです、厳密に申し上げて。 すなわち、裁判員裁判対象事件のうち、自白調書を証拠調べ請求することが見込まれる事件について、また検察官の判断と責任において取調べの機能を損なわない範囲内で、検察官による被疑者の取調べのうち相当と認められる部分の録画、録音を引き続き実施していくこととしております。 しかしながら、全面的な可視化という御趣旨でありましたとすれば、これやっぱり被疑者に供述をためらわせる要因となりますし、また関係者のプライバシーにかかわることを話題とすることが困難となり、その結果、真相解明に支障を来すということが考えられますので、これ十分慎重に考えなければいけないというふうに考えております。
○平田健二君 大臣、私も選挙で選ばれる側でございますので、志布志事件というのがございましたね、選挙違反事件で強引に自白をさせて、最後は無罪だったと。これも、その捜査員が字を踏ませたり、いろんな経過があっておるようですね、いろいろ話を聞くと。強引な取調べをしたと。で、最後は無罪だと。冤罪ですよ。 これらを防ぐためには、逮捕して取調べの初期からずっとビデオ写しておけばいいんじゃないですか。そうするとそんな事件は起こりませんが、いかがでしょう。
○国務大臣(森英介君) もとより冤罪というのはあってはならないことであって、それは検察当局においてそういうことが起きないように十分な対策を検討を引き続きしているものというふうに思います。 しかしながら、やはり終始自分の発言がビデオに撮られている、あるいは録音に取られているという状況においては、やはりそれを意識した発言にならざるを得ないというふうに思います。それは、そういう意味において、やはり自白、取調べの効果を上げるという意味においてやはり差し障りを生じる場合があるということはあるわけでございまして、やはり十分に慎重でなければならないと考えております。
○平田健二君 大臣、調べる側に問題があるわけですよね。調べる側に問題があるからビデオ撮っておきましょうよと言っておるわけです。調べられる方が嫌だとか、何か本当のことが言えないといった人、多少あるかもしれませんが、そう多くあるとは思いませんよ。 私は捜査側が不利になる可能性があるから撮らないというふうに認識をする方が正しいんじゃないかなというふうに思っていますけれども、一つ裁判員制度がスタートするに当たってこの可視化という問題が取り上げられたわけですね。裁判員、職業裁判員は別として、我々素人が裁判に参加をするわけですから、素人が見て分かるようにするためにはやはりきちっとビデオで撮る、可視化をする、このことが我々素人裁判官が裁判に参加するに当たっての大きな要因じゃないですか。密室で調べたことを、これこうですと言われたって分かりません。全部見せてもらって初めて、ああそうかと、これは有罪だ、無罪だと分かるんですよ。これは冤罪だ、冤罪じゃないと分かるんですよ。 専門家がやるんならこんなこと言いません。素人がやる裁判員制度がスタートするわけですから、五月二十一日から、それでこういうふうに言っておるわけです。いかがですか。
○国務大臣(森英介君) 繰り返し申し上げますけれども、全面的な可視化については、それはやはり取調べの上で支障が生じるということはあり得るわけでございまして、十分に慎重でなければならないと思います。 しかしながら、先ほど申し上げましたように、裁判員裁判対象事件においては、既に、相当と認められる場合にはビデオの記録を取っているところでございまして、それでもって委員のおっしゃる目的は十分に、十分にというか、達せられるというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○平田健二君 国民が注視をしておる裁判員制度ですので、やっぱり懇切丁寧に説明はしていただいていると思いますが、まだまだ裁判員制度についてのPRといいますか、不足していると思いますよ。ですから、これはしっかり周知徹底するように是非要望しておきたいと思います。 最後に、かんぽの宿について鳩山総務大臣にもお伺いをいたしたいと思いますが、まず最初に、文科大臣、日本郵政に対して東京中央郵便局の建物の保存を再三求められたと聞いておりますが、重要文化財の指定についての見解を伺います。
○国務大臣(塩谷立君) 東京中央郵便局局舎につきましては、昭和六年に竣工した日本の代表的な近代建築として日本建築学会においても高い評価を得ている建造物であり、重要文化財として指定を検討する価値を有していると承知をしております。 しかしながら、この重要文化財に指定するに当たっては所有者の同意が必要でありますので、所有者である日本郵政株式会社において文化財として保存する方法について検討をしていただく必要があると思っておりまして、郵政会社が現在再開発の内容を見直すのであれば、文部科学省としても重要文化財の指定について、同意を得た上で指定の手続を速やかに進めていく用意はあります。 以上でございます。
○平田健二君 日本郵便の西川社長にお伺いをいたします。 今、文科大臣からもお話がありました。中央郵便局の再開発については鳩山総務大臣も異議を唱えられております。そして、今文科大臣からも答弁があったとおりです。西川社長はどのようにお考えですか。
○参考人(西川善文君) お答えを申し上げます。 日本郵政グループにとりましては、民営化に伴いまして経営基盤の強化を図っていくということが喫緊の課題となっておりましたが、東京中央郵便局は建物の老朽化や容積率の低利用等に問題がございまして、活用の可能性について鋭意検討を行ってきたところでございます。 この再整備計画の策定に先立ちまして、中央郵便局の建物について建築団体等からも保存要望がございましたため、平成十九年七月に東京中央郵便局歴史検討委員会を設けていただきまして、その歴史的な価値について議論の結果、保存に関する御提言をいただきました。 私どもといたしましては、この有識者会議の保存に関する提言及び行政等との協議、技術的な検討を踏まえまして、今回の整備計画を取りまとめた次第でございます。 なお、公共性と収益性の両立を図るべく、歴史的な建築物としての保存や、東京駅前広場からの景観等への配慮のほか、国際都市としての必要な機能の強化を図るということとしておりまして、地域の発展にも資するものであると考えております。 以上でございます。
○平田健二君 鳩山大臣、見解を。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 私は、河村たかし議員から質問を受けたときに、彼はああいう性格ですから、いい答弁しろ、いい答弁しろと事前に私にいろいろ話ししていまして、私は、今日の文化庁の答弁を聞いてから判断をしますよと河村議員に、委員会の場所でしたけれども申し上げた経緯がございます。 私は、かなり残すから文化財としての価値があってJPタワーができるのかなと思っておったわけでありますが、高塩文化庁次長が明確に、これは重文の価値があるんです、しかし、今の計画では重文の価値は全くなくなりますし、登録文化財かな、という格下のものの価値さえなくなりますと明確に二度ぐらい答弁されたものですから、それでは今の計画では文化財、しかも重文ですよ、重要文化財というのはかなり貴重なものなんです。これが破壊されるとしたら、いい例えが思い浮かばなかったものですから、新潟のトキを焼き鳥にして食うようなものでないかと、こう言ってしまった、例えが適切だとは思っておりません。 結局、これは私だけでなくて、国会議員でも全面保存を求める議員連盟があって、私は入っていないんですけれども、河村官房長官とか環境大臣がその有力メンバーでやっておられるわけで、国会もそういう動きをし、文化庁からも説明聴きましたが、何度も何度も日本郵政の方に話をしたけれども、基本的に拒否反応がずっと続いてきたということがありました。 昨日、高名な建築設計の大家の方々がお見えになって、これはモダニズムとして価値があるから保存しなくちゃならぬというふうにお訴えになった。そのときに、今日も、さっきも通ったけれども物すごい工事の音がしていますよと言うから、あれ、これだけ問題になっても全くその工事は続行、まあそれは日本郵政の意向なんでしょうけれども、続行されているんだなと思って、雨の中ちょっと駆け付けましたら、やっぱり工事は続行中で、タイルなんか保存するというけれども、みんな瓦れきの山で捨ててあったと。 こういう段階で、少なくとも重文の価値を残した形で再開発できないかということで、非常にそれは難しいことかもしれないし、私に権限が十分あるわけではありませんけれども、そういう検討が始まっているというか、検討しようというときに、これ見よがしに毎日ガラガラ工事されるというのは非常に不愉快な思いがいたしております。
○平田健二君 鳩山大臣にエールを送らなきゃいけないと思いますけれども、もう少し様子を見させていただきます。 鳩山大臣にいま一つお伺いします。 皆さんのお手元に一月十九日付けの産経新聞をお配りをしております。竹中元大臣の寄稿です。 ここで、鳩山大臣のかんぽの宿売却に対する反対は民営化の基本精神に反するものであり、政策決定のプロセスに大きな弊害をもたらすと断じているわけですが、鳩山大臣、この点についてどうお考えになりますか。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 私は郵政民営化に賛成でございますし、民営化するというのは大変な大改革で、それは小泉元総理の偉業だと思います。 ただ、それを実行していく段階で、民営化の手法が非常に間違った方向に行ってはいけない。私、民営化は賛成ですけれども、その民営化、悪い民営化というのかな、不透明な民営化というのかな、具体的事実として、とすれば国民は全く信頼しなくなるから、郵政民営化という小泉元総理の偉業を残すためにもいい手法で民営化をやってもらいたいと、こう思うわけですが、この竹中さんが書かれておられることは、正直言って怒るというよりも笑っちゃうんですよ。 基本的な、これだけちょっと皆さんによく知っておいていただきたいんですけれども、かんぽの宿は不良債権だというのは重大な事実誤認があるのです。どういう事実誤認かというと、簡易保険法、旧ですね、百一条三項というんでしょうか、簡易保険法にこう書いてあるんですね。かんぽの宿というか、そういう施設は、加入者の福祉施設である、その費用は公社が持つと。つまり、簡単に言えば、加入者が泊まってもただでいいということですよ。しかし、その一部の費用を宿泊した人から取ってもいいと書いてある。郵政公社の業務方法書にも同様のことが書いてある。つまり、もうけちゃいけない、むしろただで泊めてもいいんだということが簡易保険法に書いてあるわけですよ。だから、もうかるはずがないんだ。 だから、七〇%の客室稼働率があって赤字だというのは、もちろん能率とか総人件費の問題とか、それはある。それは効率化してもらわなくちゃいけないとは思いますけれども、元々もうけないようにできているものが、もうけていないから不良債権だといって減損処理というのでばんばんばんばん下げてくる。だから、一万円で売ったものが六千万で半年後に売られる、千円で売ったものが四千八百万か四千九百万で売られると。それは、竹中さん書いておられますね、何か別のものにも。とにかく採算の取れない事業だったら一万円で買ってもらっても御の字だということが書いてある。そういう感覚は鳩山邦夫は全く持っていないということを書いていますけれども。 やっぱりそれはそうじゃなくて、きちんと採算取れるはずのものでございますから、それをそうした形で五年以内に譲渡するのであれば、立派に高い値段で譲渡できるはずだと私は考えております。
○平田健二君 この問題については、今日、同僚議員が更に詳しく質問をさせていただきますので、これで終わります。 最後に、これまで度々この委員会でも取り上げられました政治と宗教についての本委員会での集中審議と参考人質疑を強く委員長に求めます。よろしくお願いします。
○委員長(溝手顕正君) お申し越しの点については、理事会において協議をしたいと思います。
○平田健二君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(溝手顕正君) 関連質疑を許します。森ゆうこ君。
○森ゆうこ君 民主党・新緑風会・国民新・日本の森ゆうこです。 まず、世界的経済金融危機と我が国の経済政策の対応について、麻生総理及び与謝野大臣にお伺いをいたしたいと思います。 一九九〇年代後半からつい先ほどまでのおよそ十年間にわたって世界経済は拡大を続けてきました。その先頭を走ってきたのが、言うまでもなく米国でした。一九七〇年代そして八〇年代とベトナム戦争につまずき、景気が低迷した米国は、一九九〇年代後半以降、急速に物づくりの経済から金融に軸足を移した経済に体質を変えて、ITバブルも乗り越え、かつてなかったほどの景気の拡大を実現したと言われております。 しかし、その米国が急転直下、百年に一度とも言われるような大きな不況に陥り、そしてたちまちのうちにその影響が全世界に広まり、欧州諸国や日本のみならず、BRICsと呼ばれる新興国までも巻き込んで、今世界経済は大きな危機のさなかにあります。 現象面から見ると今私が申し上げたような状態だと思うんですけれども、一体なぜこのような状況になってしまったのか、その原因はどこにあったのか。米国発の危機が全世界に広がった要因、その因果関係について、総理から国民の皆様に分かるように御説明をお願いしたいと思います。 あわせて、我が国へはどの程度の影響があり、その影響はいつごろまで続くと判断されているのか。この部分は、先ほど総理の御説明がいまいち私よく分からなかったので、この部分は与謝野大臣にお願いしたいと思います。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) このお手元の資料、ちょうだいしたこの資料ですけれども、この資料にありますとおり、これは経常収支と資本収支という話がこれ基本なところなんだと思いますが、基本的にアメリカとしては、今回よく言われるサブプライムローン、もういろんな現象がありますんで、サブプライムローンに絞って話をさせていただきたいと存じます。 少なくとも、私の理解は、いわゆる住宅ローンというようなものを組めるような所得にはないという低所得者層に向けてローンが組めるというようなものにつくり上げた人がいる。それはそれなりに意味が決してなかったというわけではありません。 しかし、そのサブプライムと言われる住宅ローンを組んだ方々は、そのローンの債権というものを自分で保有しているのではなくて、分散化して売却した。しかも、その売却した相手はアメリカ国内にとどまらず、世界的にこのサブプライムローンという債権を売却した。その額が極めて大きかった。結果としてアメリカの住宅市場というものが、土地の価格が上がり住宅価格が上昇している間は大きな問題にはなりませんでした。しかし、バブルというのはいずれはじけるものであります。今回も例外ではなく、そのバブルがはじけた結果、それを購入しておられた主に海外の金融機関は手痛い損害を被ったんだと思います。 しからば、日本はどうしてその損害がそんなに大きくなかったのかといえば、そういう債権は、日本の銀行に聞いていただいても分かりますが、多くの人が売りに来ていたんです。しかし、日本の銀行家はそのほとんどを買うのをためらった。多くの銀行がためらったがゆえにそのサブプライムローンに、ゼロとは言いませんよ、引っかかったという結果になる率は極めて少なかったんだと存じます。それが今回、日本の銀行若しくは金融機関がその被害を他国、他の欧米先進諸国の金融機関に比べればその被害は相対的に少ないことになったということだと思っております。 サブプライムローンに絞って言わせていただければそういうことが一番大きな背景だと思っておりますので、グローバル化した経済の中にありましては、そういうような波及効果若しくはそれに参りますスピードも極めて速い形で広がっていったというのが今回の背景だと理解をいたしております。
○国務大臣(与謝野馨君) この状況がどのぐらい続くのかという御質問だったと思いますけれども、やはり一九二九年の例と比べて考えるということも一つの方法ではないかと思っております。 実は、一九二九年、ニューヨークのウォール街で株が暴落した一九二九年には、世界の人々はこれが恐慌の始まりだということは全く認識をしていなかった、危機感はなかった。そういうことと全く違って、我々は危機が始まったという認識を持っていると。これは大きな違いです。 これは、一九二九年に始まった恐慌を三年たった状況を見てみますと、例えばアメリカの失業率は三〇%を超えた、たしか三二%の失業率。それから、物価の下落率は一九二九年に比べて三五%の下落を示していた。平均株価の下落は八九%に及んだと。これは、危機に気が付かなかった結果、徐々に病が進行してそういう結果になりました。 しかしながら、日本を含めて各国はこの病に気が付いております。恐慌の経済学というものもそれ以降学んでおりますから、やはり世界各国とも、言わば金融セクターの問題、クレジットフローを確かなものにする、それからケインズ的な有効需要を公的なものであれ私的なものであれ、有効需要をなるべく増やすという努力をすると、こういう経済学を持っておりますから、各国もその方向に向かって、全部が同じ方向で今動いております。 どの程度たったら回復するかというのは千里眼を持っていないので分かりませんが、楽観的な見通しは、今年の第三・四半期から回復基調に入るのではないかというのがアメリカの一部の楽観的な方々の見方であります。
○森ゆうこ君 そのクレジットをしっかりしなきゃいけない、それからケインズ的な政策を取らなきゃいけない、そういう認識は皆さんにある。でも、どの程度の危機の深刻さなのか、この危機感がどの程度お持ちなのか、それによって本当に必要な政策を十分打つことができるのか、これが重要だと思うんです。 総理の認識といいますか、それは大体私も同感でございます。つまり、結局、先ほどのパネル御覧いただきました。(資料提示)ここから急激に資本収支がアメリカは増えております。言わば、デリバティブ商品とサブプライムローン、そういうお金がお金を生むような、その中にいろんな細かい、もう外から見て分からないような金融商品を作って、そしてそれを世界中に売りさばいて、世界中のお金がアメリカに流れ込むような仕組みをつくったんですよ。それがグローバルスタンダードと言われていた、実はアメリカンスタンダード。日本では、そのお先棒を担いだのが小泉元総理と竹中元大臣だったんじゃないでしょうか。 そして、世界中からお金をアメリカに入るようにした、そのお金を使ってアメリカ国民はもう過剰消費をした。例えて言えば、十万円しか月に収入のない人が二十万の生活をする。しかし、それは、アメリカの住宅バブルがずっと続く、アメリカの住宅価格がずっと上昇する、そういうことを前提としていたわけですから、続くわけなかったんですよ。結果として、住宅価格の下落、バブルの崩壊、そしてそれがあっという間に世界中に広がった。かつての恐慌のときと違うのは、私は、これはIT化、そして本当の意味でのグローバル化が進んだと。非常に深刻だと思っております。 でも、与謝野大臣は、今のこの深刻さを、昨年の九月十五日の総裁選挙のときにはハチが刺した程度、これは余計な不安を市場にあおってはいけないということで理解もしますが、その後、状況が甘過ぎた、見誤っていたというふうに衆議院の方で御答弁をされました。状況を見誤ったことをお認めになりました。 ただ、総理、総理は先ほども、銀行倒産もなく他国に比べて傷は浅いという趣旨のことを述べられておりますが、その認識は本当に正しいんですか。マイナス一二・七%のGDP比、主要先進国中で最も激しい落ち込みですよ。総理、もう一度お答えください。これでも我が国の受けた傷は浅く大したことはないとお考えなんでしょうか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 森先生、最初に金融の話をさせていただきましたので、最初から金融という、実体経済の中においていわゆる心臓とか血脈、いわゆる静脈、動脈に当たるこの金融の部分というのが普通の実体経済、実物経済をやっていく上で物すごく大きな要素を占めます。この金融の部分が他の欧米先進諸国に比べて相対的に我々は劣化していない、これは事実だと私自身はそう思っております。 少なくとも、先生よく御存じのように、十年前は、最初、三洋証券、それから北海道拓殖銀行、山一証券、不動産銀行、そして最後が日債銀でしたかね、日債銀、そして長期信用金庫と、ばたばたばたっと約一年間の間に大きな銀行が倒産した。だから、その点から比べたら、少なくとも金融機関が劣化していないというところは他の国と違うのではないかということを申し上げております。 したがって、実物経済に与えます影響につきましては、それらがもっとひどいことになっていれば今よりもっとひどいことになっていたということで、私は他の国と比べてということを申し上げたのは、金融機関を例に引いて申し上げたというように御理解いただければと存じます。
○森ゆうこ君 総理は金融機関の部分だけを強調しておられるから皆さんに誤解を与えるんですよ。金融機関は確かに総理のおっしゃるとおりなのかもしれないし、そうじゃないかもしれない。まだ実体、本当の意味でのどれだけの損害が出ているかは本当は確定していないんですよ。だから、総理がおっしゃることも理解するとしても、それは銀行だけじゃないでしょう、経済は。金融はいいとしても、実体の経済がこれだけひどくなっている。 じゃ、先進諸国の中で日本だけがこんなにマイナス一二・七%というGDPの下落率、これをどうやって説明するんですか。総理。総理です。
○国務大臣(与謝野馨君) 森先生おっしゃるとおり、やはりアメリカ経済が抱えた問題というのは、言わば双子の赤字、財政赤字と貿易の赤字、これはいつかは審判の日が来るだろうということはアメリカ国内でも実は議論をされておりました。 なぜ一二・七にもなったのかと。これは、その理由ははっきりしているわけでして、このうち十月—十二月の数字でマイナス三・三でございますけれども、そのうちの大宗は外需の減でございました。したがいまして、アメリカが過剰消費であったと一方的に非難することもできないわけでして、我々はそのアメリカの消費というものが全世界に及ぼしていた需要効果の一部を享受していた、その結果であると私は思っております。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 加えて、そのアメリカに最も多く輸出をし、貿易黒字を出しておりましたのは中国だと存じます。その中国に対して日本はアメリカ以上に輸出していたという事実というのは、我々として、やっぱりこの八年間ぐらいで見ますと、GDPの伸び率の多大な部分を外需に依存していた。逆に言えば、内需というものをほとんど、そういったものを喚起してこなかった。公共工事含めて、いずれもそういったようなものは、公共工事は良くないというようなことで、公共工事は最大十四兆五千億から六兆ちょっとぐらいまで減らしてきた。こういったようなことがすべて内需を減らし、それを外需で補ってきた部分、それが結果として今回の部分に直接影響して非常に大きなものが出てきたんだと私は今、分析ですけれども、言わせていただければ、そういった点が大きな部分だったんだと思います。 したがって、内需の喚起というのは、これは日本に限らず世界中、自国の内需を喚起するという政策というものを中国にも申し上げましたし、我々としてもこれを実行していかねばならぬところだと思っております。
○森ゆうこ君 ある意味、これまでの自公政権、総理はぬれぎぬという言葉をお使いになりましたが、あれは郵政民営化の話だけではなくて、実は麻生総理の本音は、小泉構造改革、それはもう小泉さんのせいで、今こういうふうな状況になっているのはぬれぎぬだ、自分のせいにしないでくれと、そういうことなんだろうというふうに思います。とにかく内需を拡大しなければならない、それは当然のことでございます。 それで、少し数字を聞かせていただきたいんですが、経済の見通しについて与謝野大臣に伺います。 短期の見通しをまず教えていただきたい。先ほどは千里眼でなければこの先は分からないとおっしゃったんですが、少なくとも短期間、ここから、一月から三月期の政府見通しはどの程度というふうに見込まれておられるのか教えていただきたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 貿易統計だけ例えば見ますと、一月の貿易統計は昨年の一月に比べますと輸出が四五%減っております。それから、まだ発表されていませんけれども、二月の速報値でもやはり同じ程度の下落が見込まれます。鉱工業生産も相当の下落を示すであろうと思います。 詳しい数字は申し上げられませんが、年率にして相当なマイナス成長を示していると思っております。
○森ゆうこ君 あえてきつく数字等要求はいたしません。今の大臣の答弁から、非常にゆゆしい事態、非常に厳しいGDPの下落率を予測されているというふうに私は受け止めさせていただきました。それぐらいの危機感が総理から伝わってくればいいのではないかなというふうに思うんですけれども。 政府の経済見通しが、一月十九日に閣議決定した経済見通しが平成二十年度の成長率マイナス〇・八%、そして二十一年度はゼロ成長になるという見方を示していたんですが、その三日後の日銀は、平成二十年度がマイナス一・八、二十一年度はマイナス二%です。二年連続のマイナス成長を予測しているんです。このわずか三日の間に、今日は日銀の総裁をお呼びしていませんけれども、政府と日銀の見通しでこんなにも乖離があるのは一体どういうことなんですか。
○国務大臣(与謝野馨君) 年末の予算編成の前提として、あの時点で最善のデータと最善の知識に基づいて見通しを作りました。 現時点ではそれを直ちに見通しを改定する考えはありませんけれども、四月に入りましたら一—三月の数字にもある程度見極めが付きますので、二十一年度の経済見通しの見直しについての作業はきちんと始めさせなきゃいけない。また、国民に日本の経済のきちんとした状況を御報告する責任が我々にあると思っております。
○森ゆうこ君 見通しをもう一回訂正されるということですね。
○国務大臣(与謝野馨君) 昨年の、やはり予算編成をするためにはある断面での数字を使って見通しを作らざるを得ない。十二月には十二月に入手できた最善のデータに基づいてやっておりますが、やはりあらゆる経済のデータはその後下向きになっておりますから、いつまでもこれを放置しておくということは誠実でないと思っております。
○森ゆうこ君 前例にとらわれずに早急に見直し、新たな経済見通しを立てるべきです。正しい認識がなければ正しい政策はできません。今お認めになったように、もう役に立たないんですよ、前の見通しは。 それで、舛添大臣、私、この経済の問題でちょっと大臣にお聞きするつもりはなかったんですけれども、要するにこういう間違った認識の下に立った雇用対策、失業対策、それで役に立つんでしょうか。今の対策は四・七%の失業率に対応した政策ですよね。本当にそれで大丈夫ですか。
○国務大臣(舛添要一君) 急激な経済情勢の悪化、とりわけ雇用情勢の悪化というのは極めて深刻に受け止めております。 そういう中で、例えば四千億円の基金を始め、雇用調整助成金、これは日々申請の加速化とか拡充ということをやっておりますので、我々の持てる道具、ツールを使って全力を挙げてこの問題に取り組みたいというふうに思っていますし、一定の弾力化ができますので、状況に応じてそれは運営の面で相当頑張っていっておりますし、今後とも頑張っていきたいと思っております。
○森ゆうこ君 過去最大の雇用対策というふうに舛添さんは度々おっしゃるんですが、その過去最大の雇用対策というのは、現在の失業率に対して過去最大というふうに言っているわけで、きちんとした現状認識に基づいておやりになるべきだ。 そして、先ほど平田委員の質問に答えられまして、失業給付の期間を過ぎてもなお就職できない方、そして自営業で廃業に追い込まれた方などに対する対策、これから検討する。これからですか。いいアイデアがあれば教えてほしい、私はちょっと驚きました。 民主党は、既にこういう方たちのために議員立法を用意しております。いきなり生活保護に行くのではなく、雇用保険と生活保護の間を埋めるしっかりした職業訓練と生活支援のための議員立法、既にほぼ準備ができている、このことを申し上げたいと思います。 次の質問に移らせていただきます。 今回、まさに米国発です。そして、十年前の我が国の金融危機のとき、私はごく普通の市民でした。ごく普通の働く母親でございましたが、仄聞しますところによりますと、政府、民間、そしてこの国会も、日本発の恐慌を起こしてはいけない、そういう思いで懸命に頑張られた、そしてこの危機を乗り越えられたというふうに伺っております。 今回、この経済危機はアメリカ発の危機であります。でも、その点についてアメリカから、世界に対して大変申し訳ないとか、済まないとか、そういう謝罪の言葉はあったんでしょうか。 総理、総理はこの間、オバマ大統領にお会いに行かれました。そのときにこのことについての、米国の経済運営の失敗が招いた責任と、その謝罪の要求をしてこられましたか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 私からオバマ大統領に対して、今回のアメリカ発の世界金融危機というものに関して、アメリカを代表して世界に謝れということを私が要求したかという御質問でしょうか。──私はそのような話を直接要求したわけではございません。 我々は、今金融危機というものに直面している状況の中において、少なくともドルの基軸通貨で世界の貿易のほとんどが営まれている状況の中において、ドル価格の一方的暴落というものは、これは世界の金融を更に危機におとしめる可能性があると。したがって、ドルというものをきちんと価格なり為替というものに関して対応する、そういった覚悟というものをやって、我々一緒になって、少なくとも世界一位と二位の経済大国が一緒に手をつないで今回の金融危機に対応していく責任が我々にはある、あなたにもあるんだという話はしました。
○森ゆうこ君 それが問題なんですね。責任もきちんと明らかにしていただきたいというふうに思います。 それで、その今の総理の御発言なんですけれども、米国の、ドルの信認維持、基軸通貨ドルの信認維持で合意したと報道されておりますけれども、総理に伺いたいんですが、基軸通貨ドルの信認維持というのは、具体的にどのような合意なんでしょうか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 少なくとも今回のドルに関しましては、昨年の十月以降、ドルの通貨量の絶対量が不足しました。したがって、各国は金融の決済ができない。貿易をやっております仕事をしておられる方も決済ができないという状況は、明らかにドル、通貨基金の絶対量の不足であります。しかも、マネーマーケットと言われる、たった一晩の金を借りたり貸したりする銀行間のマネーマーケットにおいて、その金利が何%に跳ね上がるなんというのは明らかに異常であります。 そういったことは世界の経済を収縮させることになるので、アメリカとしてこのドルの基軸というものをきちんと守る責任はやってもらわなきゃいかぬ。ただただドルの通貨、ドル価格を下げればいいとかいうような話ではないということを申し上げたわけであります。それが基軸通貨を維持するということであります。
○森ゆうこ君 信認維持は。 各報道機関の報道によりますと、これは日本が米国債の引受けを通じてドルの基軸通貨体制の堅持に貢献するということを意味する暗黙の要請と理解されていますけれども、そのとおりでしょうか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 少なくともこのオバマ大統領と一時間二十分にわたります会談の中で、アメリカの国債に関する、買ってもらいたいとかいうような話は全くありません。
○森ゆうこ君 だから、ドルの信認維持で合意したんでしょう。具体的に何をされるおつもりなんですか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 少なくともドルの信認維持というのは、一方的にドルというものを価格を下落させて貿易収支を黒字にするためには自国の平価を一方的に切り下げる。先ほどの与謝野大臣の例を引けば、一九二九年、三〇年、あのときは数年間にわたって各国は自国の平価を一方的に切り下げ、関税を一方的に上げていったと。それが多くの恐慌を招いていったという歴史であります。 したがって、今回アメリカが一方的にそのドルの通貨の価格や価値というものを一方的に下げるというのは、これはアメリカにとっての貿易収支だけを見ればそれはいいかもしれませんが、それは明らかにドル価格というものを一方的に切り下げるということは、我々にとりましては、その通貨を持っておる、国債として持っている国にとりましては多大の損害が出ることになりますので、そういった意味では、ドルの通貨というものがきちんと信認されておるというのは大事なことだということであります。
○森ゆうこ君 このパネルを御覧いただきたいと思います。皆様の元にはお手元に資料がございます。 一体、米国財務省証券、つまり、先ほども申し上げましたが、いろんな手法を使ってどんどんアメリカの国債を日本を始めいろんな国が買っていたわけですね。二〇〇四年を御覧いただきたいと思います。この赤い部分が日本が幾ら米国債を持っているかという図なんですけれども、この赤い、二〇〇四年は、小泉内閣のところですね、小泉内閣。このときに、その前の年、二倍以上の米国債を日本の、これは政府そして民間共に買い受けたと言われております。参議院の財政金融委員会、それからこの予算委員会で、こんなにも外貨準備を増していいのか、問題じゃないか、そういう議論があったことを記憶いたしております。 確かに、これまで日本はアメリカのドルをファイナンスしてきた。つまり、この巨額のアメリカの先ほどの財政赤字をしっかりと支えてきたのが日本でございます。ただ、日米関係が新時代を迎える中で、アメリカの言われるままに財政赤字をこのままファイナンスし続けることは間違っているんじゃないでしょうか。 仮に、ドルの信認を維持する観点から米国債の購入が必要だとしても、例えば、もう既に何人かの先生方が御質問されているかと思いますが、円建ての米国債での購入を提言するなど、為替リスクの軽減と国益を考えた行動が必要ではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) そういう要請は来ておりませんので、米国債をどうするかということはお答えはできないわけですが、ドルの信認の維持というのは最終的には米国の経済が好調かどうかということで決まってくるのでありまして、表面的な為替取引の問題だけではないと、私はそう思っております。
○森ゆうこ君 これは仄聞ですけれども、中国は、この間クリントン国務長官が中国を訪問したときに、元建てなら買うよと、米国債、元建てにしてほしいというふうな要求をしたという話を伺いました。仄聞です、あくまでも。 対等なパートナーシップ、これがこれからの日本とアメリカとの関係だと思いますけれども、もしそうであるとするならば、もしそういう関係を本当に築こうとするならば、やはり我々の国益も考え、もちろんアメリカのことも考え、そして世界のことも考えて、言うべきことは堂々と言うべきではないでしょうか。 総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 中国が元で言ったという話は、私の知っている話では知りません。したがって、どういう情報源でそう言われておるのか、私どもの知っている範囲では、その種の話は、中国側からもアメリカ側からもその種の話を聞いたことがありませんので、お答えのしようがありません。それがまず第一点です。 それから、少なくとも今、与謝野大臣からも申し上げましたように、アメリカの経済が立て直っていくということが一番肝心だという面はもう間違いないんですが、これはやっぱり世界的な貿易の不均衡、傍らが輸出過多、片っ方は輸入過多というのの是正というのが、これは大前提だと思っております。これがなければどうにもなりません。したがって、これは経常収支で言わせていただければ、赤字国におけます赤字の削減努力という、これはアメリカの話ですけれども、これは絶対に必要なものだと思っております。 また、黒字国におきましては、これは貿易収支でいえば、日本とか中国とか皆そうでありますけれども、こういう貿易収支が黒字のところにおきましては、これはどう考えても内需というものを拡大していくということをやりませんと、我々としては、基本的には世界的な均衡とかいうようなものが大事なんだと、そういったことをやっていかないといけないんであって、我々としては、今回経済対策七十五兆円というものも内需拡大のためにいろいろやらせていただいておるというのが現状でありまして、重ねて申し上げますが、世界的な貿易不均衡の是正というものは今後とも絶対に必要なものだと思っております。
○森ゆうこ君 ゴールドマン・サックスの試算によりますと、米国が一連の景気対策で必要になる国債発行額は二兆五千億ドル、日本円にすると約二百三十兆円、そういう達する、そういうものに見通しております。でも、外為特会が保有する外貨資産は約百兆円で、うち外貨証券八十五兆円なんですけれども、もう外貨預金などの形で保有して、すぐに米国債を購入できる余地のあるお金は十兆円にすぎないんです。つまり、また先ほどのアメリカの国債を買ってあげるとしたら新たに借金をしなきゃいけない。 それで、私、これは与謝野大臣にお答えいただきたいんですが、この間の予算委員会で与謝野大臣は、財政健全化の道筋を付けるために増税ということをはっきりと、増税をしても財政健全化の道筋を付けるのが政治家の使命であるという趣旨の御答弁をされました。私の勘違いかもしれませんが、与謝野大臣の答弁からは、とにかく何が何でも増税するぞという、そういうメッセージ、それが強く伝わってまいりました。 ただ、オバマ大統領のこの間の演説を見ていて思ったんですけれども、これだけの巨額の財政赤字、そしてよそから借金をして、日本からも借金をして、中国からも借金をして、そして世界中からお金を集めてこの経済危機を乗り越えて景気を回復しようとしている。そして、その一方で、私、ここが一番驚いたんですが、自分の任期中に財政赤字を半減すると言っているんですよ。本当にいいんですか、これ。日本人は一生懸命、借金をしてまでアメリカの国債を買い支えて、それはアメリカ、そしてひいては世界、そしてひいては日本のためになりますよ、国債を買う。でも、財政再建のために日本は増税だけしかないんでしょうか。何かほかにいいことはないんでしょうか。これじゃ日本国民が浮かばれない、そういうふうに私は思いますが、御認識はいかがでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) 我々は民主党のような手品の仕掛けを持っておらないものですから、愚直に真実を訴えてやっていかなければなりません。例えば、補助金の一括交付金化で大量の財源が出るというような御主張は、何度お伺いしてもその理屈が分からないと。これは、国民に安心感を、根拠なき安心感を与えるという意味では、私は責任ある政策なのかなと思っております。 やはり、麻生内閣、また我々が主張していますことは、経済が回復したときにやはり消費税を含む税制の抜本改革をお願いせざるを得ないと。そうでないと年金、医療、介護等の社会保障制度を持続可能なものにすることはできないということを正直に申し上げているわけでして、そこには手品の仕掛けとかあるいは打ち出の小づちはないという前提でございます。
○森ゆうこ君 全く見解が違います。手品じゃありませんよ。本当の意味でのきちんとした無駄の削減をやったんですか。本当に国の会計を透明にしているんですか。先ほども指摘があったばかりじゃないですか。(発言する者あり)これから具体的に言いますよ。やじ飛ばさないでください。 それで、認識は違いますけれども、一つだけ、お金を掛けずにできる危機対応策が一つあるというふうに言われておりますので、与謝野大臣、これはいかがかというふうに思いますが。 どんどんアメリカにお金を流れ込む、こういうデリバティブ商品とか、要するにお金がお金を生む、これは、ある学者によりますと、ウォール街の、何と言ったらいいんですか、強欲、強欲は日本で考える二十乗、三十乗だと。とにかく金もうけをする。それが世界の経済を誤らせた。そして、その手助けになったのがいろいろな会計基準でございます。時価会計基準を凍結すべしという声もございます。日経新聞の社説においても、ある時期、政治判断でやるべきではないかというような御指摘もございます。そして、驚いたことに、この間、その本家本元のアメリカの方で勝手にルールを変えた、そういう事実もございました。 どうぞ御検討いただきたいと思うんですが、それも、この三月期の決算を乗り切るために会計基準を変えてほしいという要望は大臣のところにも上がってきているというふうに思いますが、御決断をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) 会計基準というものは変えるわけにはまいりません。 これは、会計基準というのは、やはり会社の内容を正確に投資家に伝え、正確に取引先に伝え、正確に関係者に伝えるという手段でございまして、先生の多分御主張は、時価会計制度は不当に会社のバランスシートを毀損すると、そういう御主張だと思いますけれども、私は毀損したものは毀損したとして公表するということが正しいと思っております。
○森ゆうこ君 結局、これまでの政策が間違ってきた。そしてそれを、何というんでしょうか、裏で支えてきた論理、これが破綻をした。市場原理万能主義は否定をされた、失敗だった。そして、今新たな必要な規制強化に入っている。 そういう状況の中で、これまで間違ったことを言ってきた経済学者は一遍政府から排除して、私……(発言する者あり)いや、専門家じゃないですけれども、今ネット社会ですから、もういろんな情報取れますよ。いろんな先生方の論文いつでも見れますよ。去年のあのリーマン・ショック、その後の世界の状況、これをもう既に二年前あるいはその前からずっと警鐘を鳴らしてこられた、そういう賢明な経済学者は大勢いらっしゃいます。そういう方のこれまでの経済のことに関しての見通しが、見立てが合っていた、その方の意見を聞いてやるべきじゃないですか。
○国務大臣(与謝野馨君) まあ、そういう人を排除するというところが言い過ぎだろうと思うんですけど、やっぱりなるべく正しい方の意見を聞いて政策を構築していくという意味では先生の御主張は正しいと思います。
○森ゆうこ君 是非、この過去の見立てが当たっている、そういう経済学者の意見を聞いて正しい政策をしていただきたいと思います。 次の質問に移らせていただきたいと思います。子供たちの教育を受ける機会の確保について伺います。 これだけの経済の状況です。会社が倒産する、そして解雇される、リストラされる、お給料が下がる、家のローンが払えない、そして子供の学費が払えない、そういう状況が生まれております。 そしてまた、先ほどの金融派生商品、国内での被害は少なかった、総理はそのようにおっしゃいましたけれども、これも仄聞で申し訳ございません。証券会社の方で、私大、私立大学へ金融派生商品を資産運用のために売り付けるということについて、それは社会正義に反する、上司とけんかをして辞めた、そういう方のお話を聞くことができました。 世界的な金融危機により私立大学の資産運用に多額の損失が生じていると報道されております。政府として現状をどう把握し、どのように認識をしておられるのか、文部科学大臣、御答弁ください。
○国務大臣(塩谷立君) 資産運用によって多額の損失をということが言われているということでございますが、この点につきましては、各学校法人が独自に寄附行為あるいは関連諸規定に従って各学校法人自らの責任において決定するものであるということで、まずは個々の学校法人が自ら点検することが最も重要だと考えております。 しかしながら、今の経済状況の中でそういったいろんな情報があるということも承知しているところでございまして、ただ、現在、いわゆる年度末まで行っていませんので、こういった財務状況については六月三十日までに文部大臣に提出することになっておりまして、また、時期に応じてそれも変化するということで、できるだけ現状を把握することを努力をしてまいりますが、具体的な例に対してはしっかりと対応をしていきたいと思っております。 現在までに、一応、大方の法人からの資産運用についての状況は把握する中で、約十法人程度、今まで、例えば駒澤大学等、いろんな相談なり報告があったところでございまして、そういった個々の法人については、いろんな状況に応じて指導をしたり、また支援をする方法も考えていかなければならないと思っているところでございます。
○森ゆうこ君 なぜ調査をきちんとしないんですか。六月になってから分かったんでは遅いんじゃないんですか。先ほどの与謝野大臣の話を聞いてなかったんですか。これだけ経済の状況、厳しく御認識をされている、私はそう思いましたよ。何でやらないんですか。 自己責任、私立大学ですから自己責任といえば自己責任なのかもしれません。でも、もし大学が経営危機に陥って多くの大学がそういうことになったら、迷惑するのは子供たちですよ、学生ですよ。私学助成もされております。緊急に調査を行う必要があると思います。そして、もしそのような状況、何か経営に大変困難な状況が考えられる場合に、政府として何らかの支援が必要ではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩谷立君) 調査についてでございますが、そういった数字的な確定をするのがやはり年度末ということで、今のところは正確な情報を得るには六月三十日だということでございます。 今、現在、日本私立学校振興・共済事業団がその資産の運用について近々アンケートの状況をまとめるということを聞いておりますので、それも当然報告を受けながら、その状況に応じて対応してまいりたいと考えております。
○森ゆうこ君 危機感が足りないんですよ。 それで、高校の授業料の滞納について伺います。 これはもう高校も、先ほどの経済の影響を受けて大変困っている学生さんたちがたくさんおられます。私立高校の授業料の滞納については、十二月末時点で約二・五万人、九か月で三倍になったということが調査で分かりました。公立の状況についても増加傾向にあると思いますが、文部科学省として状況を把握しておられますでしょうか。
○国務大臣(塩谷立君) 高校の授業料の滞納、いわゆるこれについては各都道府県で状況に対して対応しているところでございまして、これにつきましては授業料の減免あるいは奨学金の活用で各県で対応して、今のところそれが有効に活用していると思っておりますが、この点についてなかなか周知徹底されていない点が前回の委員会でも指摘されまして、我々としては二度ほど県あるいは各学校団体についてこれを周知徹底してしっかりと活用するように指導しているところでございます。
○森ゆうこ君 これも調査していないんですよ、全然。何で調査しないんですか。どういうふうになっているのか。これは三位一体の改革に伴って政府から地方に移管されましたけれども、この間総務大臣は三位一体の改革はある意味間違った部分があるというふうに素直にお認めになりました。大変財政状況が厳しいんですよ。そして、財政状況が厳しい自治体ほどそういう奨学金とか支援を必要としている人たちがいるんですよ。きちんとした支援をするために実態を把握すべきです。 ちなみに、高校奨学金の地方移管に伴う予算はどうなっているんでしょうか。平成二十年度、そして今審議をしております平成二十一年度の予算案について伺います。
○国務大臣(塩谷立君) 高校奨学金事業の移管については、各都道府県が高校奨学金事業を円滑に実施できるように、奨学金の原資として、一定の期間、これは十年から十五年にわたり総額で二千億を交付することとしておりまして、二十年度予算については約二百九十一億円でありまして、平成二十一年度予算については二百八十一億円を計上をしております。 なお、平成二十一年度予算案につきましては、十七年度新入学生の返還が平成二十年度から始まったことを考慮しまして、二十年度の返還金収入を見込んで計上しているところであります。
○森ゆうこ君 なぜ減額するんですか。今、理由説明になりました。要するに、返還金が見込まれるから減額したと。それは返還金はあるのかもしれません。ですけれども、今、百年に一度の危機じゃないんですか。これからそういう要望が増えるかもしれない。予算をこういうところに充実すべきではないんですか。どういう御認識なんですか。答弁はいいです。 それで、日本が財政状況が厳しいというのは分かりますよ。ですけれども、必要なところにお金をしっかり入れていく、かつてイギリスのブレア首相は、エデュケーション、エデュケーション、アンド・エデュケーション、教育、教育、とにかく教育、教育にしっかりとお金を入れる、教育に力を入れることで国を立て直しました。そういう大きな方針が麻生総理、麻生内閣は見えておりません。 奨学金の減額をする、予算的な。これが、なぜこの予算が、昨日趣旨説明されましたけれども、生活防衛のための大胆な実行予算なんでしょうか。重要課題推進枠、思い切ってめり張りを付けた、なぜこう言えるのか、私には理解できません。 それで、その奨学金を交付しております独立行政法人日本学生支援機構について伺いたいと思います、独法です。 この機構にはいわゆる天下りの官僚は役員、職員含めて何人いらっしゃいますか。
○国務大臣(塩谷立君) 平成二十一年三月一日現在において、文部科学省出身者、役員一名、職員二名でございます。
○森ゆうこ君 ホームページに発表されております資料を見ますと、平成十九年度の役員報酬等の支給状況でございますが、理事長及びC理事の前職は独立行政法人等の退職者、そしてD理事は退職公務員でその後独立行政法人等の退職者でございます。つまり、これはいわゆるわたりではありませんか。そして、退職手当を見ますと、B理事はわずか三年間の在職で四百万円もの退職金を支給されております。間違いないですね。
○国務大臣(塩谷立君) ちょっと今の金額についてはデータを調べてからまた報告いたします。
○森ゆうこ君 いやいや、公表されているデータですよ。通告してあります。具体的にこの数字を聞きますから答えてくださいと丁寧に通告しました、この問題については。ほかの問題については何々についてとしか言っておりませんけれども、この問題についてはやりましたよ。ふざけないでください。
○国務大臣(塩谷立君) 至急調べて報告いたします。
○森ゆうこ君 何言ってるんですか。通告しましたよ。
○委員長(溝手顕正君) 速記止めて。 〔速記中止〕
○委員長(溝手顕正君) 速記を起こしてください。 本件につきましては、伝わっていることはどうも間違いないようですから、午後一時開始のときに答弁をしていただきます。(発言する者あり)伝わっていないのか。どうなっているの。──だから、今言いましたように、一時までにしっかり整理をして答弁をしてください。 どうぞ。
○森ゆうこ君 税金の無駄遣い、そして今時間の無駄遣いですよ。何やっているんですか。百年に一度の危機じゃないんですか。困っている人たちがたくさんいるんですよ。何やっているんですか。しっかり仕事してください。 五十四分までが放映時間ですので、会計検査院、手短にお答えいただきたいと思います。 この日本学生支援機構について問題点を指摘されておりますが、その点についてお答えください。
○説明員(鵜飼誠君) お答えいたします。 文部科学省等五省所管の政府開発援助に関する会計検査の結果についての報告書におきまして、独立行政法人日本学生支援機構に関して、会計機関が置かれていない海外事務所に資金を送付して現地採用職員に出納等を行わせているなど、会計経理が同機構の会計規程にのっとって行われていなかった事例や、国内各地に所在する国際交流会館等の運営業務を他に適当な業者は見当たらないとして随意契約により財団法人日本国際教育支援協会に委託しておりましたが、業務の実態を見ると、同協会以外にも当該業務を実施できる者がいると認められることから、随意契約とする理由の妥当性に疑義があり、また当該委託契約の契約額の算定に当たっても、管理人の人件費を実際に従事する者の給与より高く算定するなどしていた事例等について記述いたしております。
○森ゆうこ君 税金の無駄遣いはやめてください。民主党が言っていることは魔法でも何でもありません。こういう点を一つ一つ、さっき具体的にとおっしゃったから、具体的にやっていますよ。具体的に一つ一つ精査をして、本当に税金の無駄遣いをやめさせて、一番今困っている国民にしっかりと支援をしていく、民主党と自公政権の違いはこういうことだというふうに思います。 会計検査院、もう一言お答えいただきたいと思います。 この検査のほかにも、国会から検査要請を受けた事項について検査の結果を報告したり、随時報告として国会及び内閣に報告しておりますが、独立行政法人、公益法人等の関係について問題点を指摘されておりますが、簡潔にお答えください。
○説明員(真島審一君) お答えいたします。 会計検査院は、平成十九年六月に参議院から会計検査を行いその結果を報告することを求める要請を受けました独立行政法人の業務、財務、入札、契約の状況につきまして、二十年十一月に検査した結果を御報告しておりますが、この報告におきましては、独立行政法人が締結した公益法人等を契約相手方とする契約について、随意契約の割合が件数で十八年度九三・八%、十九年度、十二月まででございますが、九〇・七%等となっておりまして、契約全体で見た場合よりも高い状況となっていることなどを検査の結果として記述するとともに、所見におきましては、従来公益法人等を契約相手方としてきた随意契約について、契約の具体的な業務内容を精査して、他に履行可能な者がおらず、真に随意契約によらざるを得ない場合に該当するもの以外は、速やかに競争契約に移行する必要があるとしているところでございます。
○森ゆうこ君 終わりです。
○委員長(溝手顕正君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(溝手顕正君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成二十一年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。 まず、午前中の森ゆうこ君の質疑に対する答弁を求めます。塩谷文部科学大臣。
○国務大臣(塩谷立君) お答え申し上げます。 お尋ねのB理事については、平成十三年十二月に退職して、前身の法人である日本育英会に平成十四年一月に就任いたしました。その後、育英会が日本学生支援機構に転換しましたが、その時点で継続して理事へ就任しております。そして、平成十九年三月三十一日付けで退職しているわけでございまして、表にありました米印のわたりという点では、前身の育英会からこちらへ移ったという意味でございまして、そして退職金は三百九十九万ということで、文部科学省独立行政法人評価部において審議されて適正に支給されているということでございます。
○森ゆうこ君 最初からそう答えてください。 たった三年で四百万も退職金をもらう。約四百万ですよ、三百九十九万ということは。そういうことでいいのか。無駄遣いを本当に削減して、今本当に困っていらっしゃる、うちも大学生二人います。学費の負担、教育費の負担、私大で平均、下宿やアパートだったら二百万、年間ですよ。自宅でも百三十万、これ平均です。こういう状況の中で、親の失業等々で学ぶ機会が失われる。日本にとっても損失です。 我々民主党は、先進国でわずか三%、GDP比三%の予算、これは先進国中最下位、これを少なくとも五%に上げる、このことをマニフェストにかねてより掲げております。 次の質問に移ります。 子供の貧困の問題について質問をさせていただきます。 皆様のお手元の資料を御覧ください。これは国立社会保障・人口問題研究所の阿部彩さんからいただきましたOECDの報告によるものでございます。私の発言時間は制限をされておりますので、大臣の中で私が一番の子供政策の責任者だと思われる方、これはもう衆議院で既に議論をされておりますし、皆さんお分かりだと思います、どの閣僚も。この子供の貧困率、そして再分配前の所得、そして再分配後のこの所得再分配の逆機能について、御自分が子供政策の一番の責任者だと思う方は是非御説明をいただきたいと思いますが、どなたでしょうか。
○国務大臣(小渕優子君) 所得の再配分機能につきましての御質問でございます。 いただいた資料によりますと、再分配後の貧困率が高いのは日本のみという結果が出ております。細かなことにつきましては厚労大臣か財務大臣がこの後御説明をしてくださるかと思いますけれども、有子世帯に対しての給付と負担についてでありますけれども、少子化対策の立場から、これが不十分ということであるのであれば見直していく必要があるのではないかと考えております。
○森ゆうこ君 つまり、私は、政府の役割の一番大きなものの一つの中に、所得の再分配ということがあると思います。つまり、普通の就労所得では非常に少ない所得である、もちろん結果の平等ということはなかなか実現はできませんが、それでも憲法に保障された人間らしい生活を送れるように所得の再分配を行っていく、それは税によって、社会保障の給付と負担によってそれを実現していく、その役割というのが私は政府の最も重要な仕事の一つだと思っておりますし、そのために我々は日々議論をしているのだというふうに思っております。 それでは、これは与謝野大臣がよろしいんでしょうか、このOECD諸国の中で唯一再分配後の貧困率が高いという逆機能、このことについては政府はお認めになりますか。
○国務大臣(与謝野馨君) どういうデータの内容になっているか分かりませんけれども、私どもが考えておりますのは、戦後六十数年、日本の所得税制が担ってきた所得分配機能、これは所得税制を世界的な傾向に倣ってフラット化していったと。その結果、所得税が持っていた所得再分配機能が低下したということは事実でありますし、また、最高税率が地方税合わせて五〇%になっているということは果たして国民に公平感を与えているかどうかという実は基本的な問題があるということはよく認識しております。 今回の税法改正の附則の中で、所得税制の望ましい改正の方向としては、所得税の持っている所得再分配機能の強化それから格差是正等々のことを考えるとやはり最高税率もまた再考の余地があると、こう書いてありますので、問題意識は共通だと思っております。
○森ゆうこ君 問題意識は共通である。つまり、今の御答弁で、やはりあってはならないことなんです、税を払う、それから、本当に所得の低い方は税も払わないかもしれませんが、その分社会保障の負担と給付によっていい生活に引き上げていく。逆転しているなんていうことはあってはいけないことなんですよ。だから、問題意識を持ったのなら、すぐにそれについての対応をやらなければならないんです。消費税を上げる前にそういうことをまずやるべきなんです。
○国務大臣(与謝野馨君) それは先生の一方的な御意見であって、仮に消費税を上げまして、これを年金、医療、介護等に充てますと、むしろ所得の分配機能は向上するということでございます。所得再分配というのは所得税だけが担っているものではありませんで、やはり社会保障等の給付を通じてどのような給付が行われるかということによっても決まると、そういうこともお考えをいただければと思っております。
○森ゆうこ君 だから、それをやればいいじゃないですか。今、社会保障の負担と給付のところが重要だとおっしゃいました。 じゃ、舛添大臣に伺います。 家族給付は特に再分配効果が高いと言われております。つまり、今税制の面で与謝野大臣がおっしゃいました、社会保障の負担と給付の関係がこういう結果をある意味もたらす要因となっている、家族給付は再分配効果が高い。もっとこういうところへのしっかりとした給付、予算付けを平成二十一年度予算案でされていらっしゃいますか。
○国務大臣(舛添要一君) そのお答えする前に、ちょっとそのデータについて、これはOECDのデータを基にしたものでありますけれども、これ、御本をお書きになった阿部さんとも議論を始めようとしているところなんですけれども、一つは、OECDのデータとの絡みでいうと、現物給付がそこに入っていません。したがって、保育所とかそういうものをどう評価するかということがあるので、特に三段ロケットの本予算ではそういう点につきまして、子育ての応援特別手当とか、それから保育サービスの充実、現金給付はOECDで入っています。 それから、もう一つ日本の場合で考えておかないといけないのは、世代間の、つまり高齢者世代の比率高いですから、どちらかというと所得が子育て世代から高齢者に移転している面も考えないといけない。しかしながら、だからといって深刻な状況であるということを否定する気は全くございません。そういう意味で、様々なこの一次、二次補正、そして本予算において子供に対する手当て、子育てをお助けする、それから妊婦健診含めて出産、育児、こういうことに対して手当てをしたいと思っております。
○森ゆうこ君 今の問題については一つ一つ反論できますよ。反論できますが、それは、そのために時間を使うよりも、既に問題があるということについてはお認めになっているわけですから、それを解消する方策、そしてそれが実効性あるように、そういう予算を組むべきではないんでしょうか。 小渕大臣、ちょっといろいろ質問させていただきたいんですが、まず、質問に入る前に、昨年私が内閣委員会が終わった後で大臣に申し上げたことを覚えていらっしゃいますか。
○国務大臣(小渕優子君) よく覚えております。応援をいただいたと思っております。 〔森ゆうこ君「具体的に」と述ぶ〕
○委員長(溝手顕正君) やり取りしないでください。
○国務大臣(小渕優子君) 私が大臣に就任した際の会見におきまして、質問事項の中で、第二子のことをどう考えますかという御質問がありました。その際に私が、突然の質問でありまして、とてもそんなことは考えておりませんというふうにお答えしたことに対して、森委員から、みんなそんな状態でない中で仕事をし子供を持っている人たちが世の中に多い中で、あなたは少子化担当大臣としてそうしたところを両立しなければならない立場でそんなことを、またそんな状態でありませんと言うのはいかがなものかということで、そういう状態になったときにはしっかり頑張るようにという励ましも併せていただきました。
○森ゆうこ君 第二子を秋にも御出産というふうに伺いました。心からお喜びを申し上げたいと思いますし、大変激務の中、大変だと思いますけれども、どうぞお体を大切にされて母子共に健やかにあられることを本当に心からお祈り申し上げたいと思います。 先輩面して言うのもなんなんですが、子供たちは本当に寂しい思いをさせてしまうんですよ。でも、時間があるときはぎゅっと抱き締めてあげてください。そして、一生懸命愛情を伝え、それから一生懸命仕事をすれば子供は分かってくれる、お母さんはみんなのために一生懸命働いているんだな。そして、だれよりも心強い応援団になってくれます、と思います。是非頑張っていただきたいと思います。でも、仕事もしっかりしていただかなければなりません。 大臣、二十一年度予算編成に際して、少子化担当大臣として各大臣に対してどのような働きかけをされ、そして成果を得られたでしょうか。
○国務大臣(小渕優子君) やはり予算でありますので、しっかり子育て、少子化対策に対して安心して子供を産み育てられる環境を整えられるべくその予算を確保していくことが重要であると考えています。 そうした中で、特に厚労大臣と、特に舛添大臣がリーダーシップを取っていただきましたけれども、出産費用に対しての拡充ですとか妊婦健診でありますとか、そうしたところに力を入れていただいたと思っておりまして、出産費用に関して経費の削減ができたということは、出産する方々にとりまして大変プラスのことであったと考えております。
○森ゆうこ君 平成十九年十二月に子どもと家族を応援する日本重点施策という大変すばらしいものが発表されました。このとおりにやればいいじゃないかと私は思うんですよ。ここに児童・家族関連社会支出額、これが平成十九年度の推計で約四兆三千三百億円と、対GDP比〇・八三%。欧州諸国では二から三%。低いですね、日本は。これじゃ安心して子供が産み育てられる社会できないわけですよ。そして、この子どもと家族を応援する日本重点施策において、推計追加所要額一・五兆円から二・四兆円とはっきり書いてあるんですよ。中身もいいですよ。 ここに書いてあることについて実現したことはあるんですか、先ほどの御答弁をのけて。
○国務大臣(小渕優子君) そこに書かれております一・五兆円から二・四兆円のプラスということは、主に保育園に入りたい、保育所に入れて働きたいという方々の御希望をすべてかなえたところそのくらいのお金が掛かるのではないかという試算でございます。 子育てに関しては、そうした保育所の整備のみならず、その他経済的負担にこたえていくということも大事ですし、保育所の面だけではないと思いますので、今回の予算に関してそれが十分に反映されたかどうかと言われれば十分ではなかったかもしれませんけれども、保育所の拡充につきましては、この前の第二次補正予算につきまして安心こども基金という形で一千億円積むことができたと考えております。
○森ゆうこ君 だから、それは二次補正予算でしょう。この平成二十一年度予算は、生活防衛のための大胆な実行予算と書いてあるじゃないですか。 舛添大臣、どうなんですか。
○国務大臣(舛添要一君) 少子化対策の総合的推進ということで、二十一年度、今御審議いただいている予算案では一兆三千九百二十二億円を計上してございまして、例えば地域の子育て支援、これは新待機児童ゼロ作戦、それから放課後子どもプラン、こういうものが六千八百七十七億円、その他様々な施策を進めていきたいというふうに思っております。
○森ゆうこ君 具体的じゃありませんね。 さっきOECDの調査結果について舛添大臣は文句を言いましたけれども、そもそも日本には政府による公式の貧困基準が存在しないんです。だから政府は自ら逆機能を助長するような政策判断のミスを犯したんじゃないですか。 OECDのこの数字がいろいろ問題があるというのであれば、政府自らきちんとした貧困基準を示せばいいじゃないですか。いかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) それは五年に一遍、消費者の生活、国民の消費生活行動についてきちんとデータを出していますよ。例えばそういうデータ。それから生活保護というのは、十等分して一番下の、この十分の一、十等分目の平均でやるとか、それはデータはちゃんとそろっておりますので、OECDの中でも子供の貧困率が、今あなたがお示しになったデータ以外にも非常に日本がこの貧困率が高いという、そういうことを言われていることは十分認識しておりますので、全力を挙げて対策を取りたいと思っております。
○森ゆうこ君 全く支援になってないんです。特に母子世帯の貧困が大変なんです。でも、自立支援だとおっしゃっております。 資料を皆様の元にお渡ししました、何枚か。舛添大臣に伺いたいんですが、もっと働けというんでしょうか。母子世帯の就労率は何割ですか。そして、そのうちの何割の方が非正規労働者なんですか。そして、母子世帯の平均年収は一体幾らなんでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) せっかくの参議院の審議ですから、正確な言葉で、もっと働けというような、そういう言い方を私はしたことはございません。就業を支援するということを言っているわけでありまして、そこは言葉遣いを正確にしていただきたいということを申し上げました上で、まず、就業率は約八五%でございます。非常に高い水準にあります。ところが、就業しているうちのいわゆる雇用形態、臨時とかパート、これが約四四%でありますんで、これが母子家庭の収入を低くしている一つの大きな要因だと考えております。 それから、収入でございますけど、ちょっとお待ちくださいね、今すぐデータを出しますんで。全体的に平均が七百万円台、これ平成十八年国民生活基礎調査で、児童のいる世帯の平均収入が七百十八万円である一方で、母子家庭の平均年間収入が二百十三万円ですから、三分の一以下ですね。それで、これはやっぱり母子家庭の場合は、生計を維持する、そして子供も育てると、これ一人でやらないといけないということで、非常にそういう問題があると思っておりますんで、これは御指摘があればどういう政策をやっているかというのは後ほどきちんとお答えしたいと思います。
○森ゆうこ君 いや、御指摘あればじゃなくて、平成二十一年度予算では、母子世帯への支援策は就労促進対策だけです。ハローワークと福祉事務所等との連携による就労支援の実施十二億円、地域における母子家庭の就業・自立支援二十七億円の合計五十億円だけなんです。そういう支援じゃ駄目なんですよ。 みんな一生懸命働いていますよ、もう既に。そして、非正規で収入が少ないから、ダブルワーク、トリプルワーク。果たしてこういう状況をつくることが子供を育てている家庭にとっていいことなんでしょうか。基本的な考え方が間違っているというふうに申し上げているんです。政策を転換していただきたいと思います。舛添さん、いかがですか。
○国務大臣(舛添要一君) 例えば病気の方であるとか体の不自由な方であるとか、こういう方に対する手当てはきちんとしますが、やはり自立を支えるということは非常に大切なことであって、母子家庭であってもお母さんが一生懸命働いておられる、そしてその生活をどうして支えていくか、そのことであるわけですから、マザーズハローワークで様々な手を打つ。 それから、今回、二次補正予算では、例えばやっぱり看護師さんになってこれは支えたいというようなときに、そういうときの修業の間の、要するに訓練している間の生活どうするか、それも支給期間を延長するというようなことをやっておりますし、それからおうちで講義、これは本なんか読みながら、片一方で実地訓練をやりながら、様々な母親の訓練コース、そして託児をやりながら訓練するコースも二十一年予算案においてはやっておりますんで、私はやっぱりお母さんが一生懸命働いてそして自立していくと、これを支援するというのは決して悪いことではありません。そして、その上で、しかし働けなかったりいろんな事情がある方には総合的に様々な手を打っているということを是非御理解いただければと思います。
○森ゆうこ君 そういういろんな手厚い支援がしっかりと実効性があるものであれば、こういう逆機能なんていうのは生まれないわけですよ。 それで、百年に一度の経済危機なんじゃないんですか。こういう状況のときに、真っ先に不安定な就労、そういうところが切られているんでしょう。真っ先にこういうところにしわ寄せが来るんじゃないんですか。実際来ていますよ。そういう視点が入っていないことが問題だ、そう言っているんです。 総理、総理、いかがですか。これまでのこの自民党・公明党政権、弱者切捨て、市場原理万能主義、そして貧困、格差社会、そして負の連鎖が始まっているわけです。政策の大胆な転換を指示するべきではないでしょうか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 今、百年に一度という言葉が出ましたけれども、基本的に、これまでの自由主義、市場経済の比率の極めて高かった部分、いわゆる統制経済的色彩の強かった部分、これを両極にしますと、かなり自由主義経済的な色彩が強かった二十一世紀初頭だったと、その結果、今回のバブルの崩壊という話になっていったという背景は、もう森先生の御指摘のとおりの、その一番の背景だと思います。 したがって、こういったものを修正するとか、今いろんな形で規制するとか、かつては構造改革とは規制緩和イコール成長というイメージでしたけれども、そういった部分の修正をという方向になって、我々としてもそういった部分を十分に考えていかねばならぬと思っております。
○森ゆうこ君 今日は、こういう経済状況の中で特に真っ先にしわ寄せの来る様々な方たちの問題について取り上げておりますが、中でも障害者の皆さん、障害者権利条約について外務大臣に伺いたいと思います。 二〇〇七年九月に高村外相が署名をいたしまして昨年五月に発効いたしました障害者の権利に関する条約について、民主党は一貫して早期批准に向けて国内法の整備を求めてまいりました。ところが、外務省は仮訳文に、仮に訳した文章です、仮訳文に異議を唱える障害者団体との意見交換も全く不十分なまま訳文を確定して、国会提出について明朝にも当初閣議決定にかけるというふうに伺っておりました。障害者団体から総理や外務大臣に抗議声明が出されたと聞いております。拙速な閣議決定には反対である、これが障害者団体の意向であるというふうに伺っております。 まず、明朝六日にも予定をしておりました障害者権利条約の閣議決定を延期し、障害者団体と訳文について、翻訳の文ですね、についてもっと話し合うべきではないかと思いますが、外務大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 個人的な話で恐縮ですけれども、私も、日本知的障害者スポーツ連盟の会長、またその傘下の知的障害者バレーボール連盟の会長を務めておりまして、日ごろから障害者の人権とかいろんな問題については大変大事なことだと思っております。また、特にスポーツなどを通じて、そういう方々の健康の増進とかあるいは楽しい生活ができるようにということで、微力は尽くしておるつもりでございますが。 今お尋ねの障害者権利条約についてでありますけれども、これについてちょっと御説明もさせていただきますけれども、障害者の人権、それから基本的自由の完全な実現を確保する上でこれは重要な意義を有していると、それを十分踏まえた上で、二〇〇七年の九月にこの条約の署名を我が国は行いました。そして、それ以降、可能な限り早期の締結を目指しまして、関係省庁と連絡を取りながらいろいろ協議を行いまして、所要の準備を今行ってきているところでございます。 その過程では、障害者の方々を含むNGOとの間でも大変緊密な意見交換を行いまして、たしか七回か八回既に行っておりますけれども、様々な御意見を参考とさせていただいてきておるところです。 今お話ありました国会提出の時期につきましては、この条約に関連いたしましてとられる国内における措置に関する議論をなお尽くすべきであると、そういう意見があることは十分承知をしておりますし、また、二日の日には、民主党の障がい者政策プロジェクトチームからもそういう趣旨の申入れをいただいているところでございます。 外務省といたしましては、国内における措置に関する議論の状況をよく見極めつつ、そして関係者の方々の理解を得られる形で条約を国会に提出することを目指しておりまして、引き続いて調整を続けていきたいと、そういうふうに考えているところでございます。まだ現在調整中でございまして、提出については決まっておりません。
○森ゆうこ君 当初伺っておりました提出の予定を延期されたというふうに理解をいたしました。 仮訳文について公開をし、意見交換をさせていただきたいと存じます。そして、障害者基本法の改正だけでは不十分でございます。基本法以外の関係国内法令の改正、整備についても、改正の目鼻が付いてから国会承認を求めるべきではないかと思いますが、もう一言御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) 仮訳文につきましては幾つか議論があるところでございますが、私どももそういう方々の、NPO、NGOですか、の方々の御意見も入れながら検討をしているところでございますし、御意見を受け入れたところもございます。 いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、引き続いて調整を続けていきたいと、そういうふうに考えております。
○森ゆうこ君 じゃ、続きまして、拉致問題について伺いたいというふうに思います。 総理は、オバマ大統領とお会いになって拉致問題についてお話し合いになられたというふうに伺っておりますけれども、オバマ大統領の拉致問題に対する認識はどうだったでしょうか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 一週間前、一週間前というのはお目にかかる一週間前にクリントン国務長官が来日された際、中曽根大臣や我々とこの拉致の問題についてかなり長時間にわたってこの話をさせていただいておりますので、少なくとも私がお目にかかる段階ではかなりよくこの問題について認識をしておられると理解しております。
○森ゆうこ君 外務大臣に伺いたいんですけれども、大韓航空機爆破事件の実行犯金賢姫元死刑囚と田口八重子さんの家族との面会について進んでいるというふうに伺っておりますが、この件につきましては、経緯と、そしてその後の進捗状況を御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) この件につきましては、拉致被害者の御家族である飯塚さんも金賢姫氏からお話を聞きたいということもありまして、私どもにその面会の実現についての要請というものがございました。 私どもとしては、これは韓国に金賢姫はおられるわけで、韓国政府を通じてこの実現をするように私どもから要請をしておるところでございます。これはなかなか簡単にはいかないとは思いますけれども、韓国政府は大変今努力をしていただいておりまして、先日の日韓外相会談におきましてもまた再度私からお願いをいたしました。ただ、日にちはまだ決まっておりませんが、遠くない日にこれを実現するという韓国外交部長からの御返事がありましたので、一日も早くこれが実現するように私たちも期待をしているところでございます。
○森ゆうこ君 あらゆる情報、そしてあらゆる手段を用いてこの解決を早く進めなければならないと思いますが。 総理、総理はオバマ大統領に対して、北朝鮮問題についてどのような方針を、そしてどのような協力を求めたのか。また、総理の拉致問題解決に向けての今後の対処方針、そして決意をお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 二月のオバマ大統領、またその前の一月に李明博韓国の大統領、あちらも拉致という問題は結構、ちょっと正確な数までは知りませんけれども、どう考えても日本の数より多そうな感じですから、そういった意味では、日韓首脳会談におきましてもこの拉致、核、ミサイルといった諸懸案というものは、この解決は極めて重要なんで、ミサイル、核もあるが、これは拉致という問題は我々にとっては極めて大きな問題なんだという話を、我々の考え方として話をしております。 これ双方の、双方というのは韓国並びにアメリカの両首脳から日本の立場に対する理解というものは十分に得られていると思っております。この種の話に反応は極めて率直で早かったというのが感じです、感じですけれども、じっくり時間を掛けてというかそんな時間はないのだと。我々としては年齢から考えてみてもらわないと、じっくりというような話とは全然前提が違うという話は重ねて申し上げております。
○森ゆうこ君 政権が替わって、アメリカですね、政権も替わって、そして韓国も政権が替わって、連携して進める、そういう環境が私は前よりは整ってきたと思うんです。これを利用してしっかりと早期の解決を図るべきというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 六か国協議の今回のアメリカ側の担当者というのが新しい人に替わり、また外務大臣も替わるという状況にあるのは御存じのとおりですが、引継ぎやら何やらに少々時間が掛かっているという感じしないでもありませんけれども、かなりよく勉強を、少なくとも国務長官、大統領共にしておられるというのが率直な実感です。 加えて、両者とも、少なくとも今回のミサイルの発射の話にしても、北朝鮮に対して我々としては、前回、二年半前でしたか、あのときも北朝鮮のミサイルのことに関して安保理決議の話に、日本のリードでかなり時間掛けて押し切りましたけれども、今回は極めて、今そういったうわさが飛び交っていますけれども、そういった状況に対して反応は極めて率直かつ速いというのが今のところの実感で、まだこれ、森先生、実際出てきていませんので、その意味で、本当に最後にどうなるかというのは一番最後のところまで、安易な予想で物を申し上げるわけにはいきませんので、これ以上はちょっと申し上げかねますが、反応としては極めて速いのは確かです。
○森ゆうこ君 一刻も早く被害者を救出する、そのために我々は政権交代を早くさせていただきたいんですが、今、総理が麻生総理である以上、まずは全力を尽くしていただきたい、そのように思います。 最後に、タクシーの問題について伺いたいと思います。 もう説明するまでもありません。もう規制緩和の最大の被害者と言われておりますタクシーの、特にドライバーさんが大変な思いをされている。また、私の住む新潟では、昨年十一月に、しにせのタクシー会社が、戦前から続いておりました、二社相次いで倒産するという大変な状況になっております。 国土交通省は規制改革とある意味闘って、一歩前へ進みました。新たな減車制度について、大臣の答弁をお願いいたします。
○国務大臣(金子一義君) 地域で非常に供給過剰が出まして、規制緩和自身の、それなりの消費者に対するサービスの向上あるいは待ち時間の短縮等々、いい面はもとよりございますけれども、雇用、タクシー運転者の供給過剰、あるいはそれによる賃金の低下といったもの、労働者、運転者の労働条件の悪化、新潟でもその現象が現れたんだと思います。 こういう状況を解決するために今国会に提出をさせていただきました。地域によりまして供給過剰が著しく生じているところ、地域の皆様で自主的に減車が進められるように、供給過剰状況を解消して需給バランスを回復できるような枠組みを今、国会に提出させていただいております。
○森ゆうこ君 その減車が進むように、それが実効あるようにきちんとしたインセンティブを付けるべきと考えますが、いかがですか。
○国務大臣(金子一義君) 減車と併せて共同で効率化の事業をやっていただく。例えば、携帯電話使って配車の効率、あるいは実働効率を上げるためのいろいろな施策を地域の皆様方に、事業者にしていただく。そういうものに対して、既存の補助制度ございますので、これを使っていく。あるいは、もう少しいろいろ考えて、インセンティブを考えていきたいと思っております。
○森ゆうこ君 是非そのようにお願いいたします。 舛添大臣にも、このタクシードライバーの大変劣悪な労働環境について改善のため、いま一歩踏み込んだ、これまでよりも踏み込んだ対策を講じていただきたいと存じますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(舛添要一君) この問題につきましては、特定地域におけるタクシー事業の適正化、活性化を図るための特別措置法案についても、その特定地域の協議会における地域計画の策定の段階で必要に応じて労働基準行政関係者を参画させます。そういう中で、労働条件の確保の観点から必要な意見を述べさせていただきたいと。 いずれにしましても、国土交通大臣と連携をきちんと取りながら、タクシー運転手の労働条件の確保を図るために積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○森ゆうこ君 これまでの対策は全く効果が出ておりません。真剣に考えて対策を講じていただきたい。 最後になりますが、先ほどは政治と宗教についての集中審議が求められました。私の方からも集中審議を求めたいと思います。一つ、金融と経済について。そして二番目、雇用及び社会保障について。そして第三番目は、行財政改革、天下り、そして司法制度改革について。四番目、この後、長谷川委員が質問されますが、郵政改革及びかんぽの宿について。以上の集中審議を求めて、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(溝手顕正君) 関連質疑を許します。主濱了君。
○主濱了君 民主党・新緑風会・国民新・日本の主濱了であります。 早速質問に入りたいところでありますが、その前に私の考えを一つ述べさせていただきたいと思います。 政府・与党におきまして、平成二十一年度予算の補正あるいは追加経済対策を検討していると、こういったような報道があります。 地方自治体には、法律用語ではありませんが、骨格予算というものがあります。骨格予算というのは、首長あるいは議員の改選が目前である場合に、義務的経費だけを中心に編成する予算であります。政策的な予算の肉付けというのは改選後に行われると、こういう予算でございます。現職候補が優勢と言われた山形県知事選でも骨格予算が編成をされております。六月補正でこれが措置されると、肉付けされると、こういうふうな報道がなされているところであります。 私は、これは本当に民主的だと思います。県民の信任を受けた首長が行う予算ですから、これは本当に民主的だと、このように思うわけであります。国におきましても、経済対策等の予算補正につきましては国民の信任を得た内閣が行うべきであると、このように思うものであります。今は可及的速やかに国民に信を問うべきであると、このように考えております。 本日、私は農林水産と地球温暖化対策について質問をいたします。余り機会はありませんですけれども、麻生総理大臣としっかりと議論をしていきたいと思います。的確かつ前向きな御答弁をお願いをいたします。 早速質問に入ります。 日本の農林水産政策を考える上で世界の事情を把握することは非常に大切だと、このように思います。こういう観点から、世界の食料事情について麻生総理はどのように認識されているか、まず伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 世界的な話だと思いますんで、食料需給というのは、基本的には途上国と言われる国々には経済発展というものが顕著なところが出てきます。そうすると、当然そこは食料の内容がかなり裕福なものになっていく。その分だけ食料というものが必要になる。また、加えてサトウキビ関係で、いわゆるバイオエネルギーというようなものが大幅に使われるようなといった構造的な要因というものが世界的にありまして、逼迫しつつある可能性が極めて高いと、私自身はそう思っております。 現在の穀物の国際価格というものは、少なくとも、何ですかね、ガソリンの値段と一緒にずっと上がっていった、ちょっと先物相場的な、投機的な部分もありましたけれども、幸いにして主要生産国で農産物が豊作ということもあり、また金融危機の投機の金がここから外に流出した部分もありますので、価格としては下がったというのはこの数か月はっきりしていると思いますが、従来と比較して、それ以前と比較してみると、上がる前と比較しては、上がったのが下がったとはいえ、まだ高いと、私自身はそう認識をいたしております。 したがいまして、今後ともそういった水準が続いていくという前提に立ちますと、ある程度食料需給は逼迫傾向で推移する可能性が極めて高いのではないか、全体認識としてはそういう認識を持っております。
○主濱了君 食料事情逼迫と、こういうことですが、私も同様の認識であります。 農林水産省の二〇一八年の世界の食料需給率の見通し、あるいは国連環境計画の二〇五〇年までの食料の見通し、これは二五%減と、今よりも食料生産が二五%落ちると、こういったような研究もありますし、あるいは二〇五〇年の人口、九十億が予想されております。そのうちの八十億ぐらいしか食料が行き渡らないと、こういったような研究もなされているところでございます。 いずれにいたしましても、今後の議論、世界の食料事情は極めて厳しいと、これをベースにして、スタートにして議論を進めてまいりたいと、このように思っております。 次に、日本農業の実情についていかに認識をされているのか、麻生総理の御所見を伺います。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 日本の農業は、基本的にはまず生産額の減少、加えて、いわゆる農業従事者の減少並びに高齢化、この三十年ぐらい見ますと十歳ずつ、十年ずつで上がっていっているというような感じで、今平均年齢六十四・五とか六十五というのが農業従事者の平均年齢。十年前がたしか五十五歳だと記憶いたしますので、大体十年たって十歳ずつ上がっていっているということは、ほとんどそこの中に勤めておられる方が数字の上からいくと変わっていないという数字なんだと思っております。 加えて、農業の面積、農業をしておる面積、耕作面積が減少などによりまして、いわゆる日本におきます農業の生産構造というものが弱くなっている、脆弱化しているということは、これは持続可能性という意味においては、十年たったら平均年齢が七十五かという話になるわけで、そういったようなことは、持続可能性という面からいきますと極めて問題なんだと、私はそう思っております。
○主濱了君 私も同様の認識でございます。 繰り返すようですけれども、自給率が極端に落ちております。昭和三十五年は七九%あったんですよ。それが平成十八年には三九まで四〇ポイントも落ちたと、こういったようなこと。それから耕作面積の減少、これは六百万ヘクタールから四百六十万ヘクタールまで減っております。 さらには、販売農家が激減をしていると。平成二年から、資料が平成二十年までで、実はこの短い期間に四〇%が減少している。今、販売農家は百七十五万戸しかないと、こういう状況になっております。さらに、農業就業者の減少、これは先ほど総理もおっしゃいました。これは、一千二百万から今二百五十万まで極端に減っていると、こういう状況でございます。 さらに、生産農業所得というものがございます。生産農業所得、これは農業者の所得のトータルと、こう考えていいと思うんですが、この生産農業所得は五兆二千億から三兆一千億まで落ちていると、こういったようなことです。日本農業は間違いなく衰退していると、こういうふうに思っております。この状況をどう立て直すか、これが日本の喫緊の課題の一つであると、このように思っているところであります。 そして、この元気な日本農業の再生に当たっては、これまで農政を担当してきた今の政府・与党に絶対お任せすることはできないと、このように思っているところでございます。任せますともっと悪くなるんではないか、今までの傾向からいって良くなるはずがない、このように思っております。御意見があればどうぞ。
○国務大臣(石破茂君) 傾向については今委員がおっしゃったとおりです。だから農政改革をやらねばならないということで、今の状況を踏まえて……(発言する者あり)いや、ですから、今までの状況を見てこういうことになったと、だから農政改革をやらねばならない。それはやはり、これは私の個人の考えですが、やはり一昨年の参議院選挙において農村部で厳しい御批判をいただいたということを真摯に受け止めねばならないのだろうと思っております。このまま行っているともう長期低落傾向で、もうここから先はないのではないかという危機認識を持っております。 ですから、過去から現在にかけていろいろな政策をもう一度点検をして改めるべき点は思い切って改めていかないと、自給率とかいいましても、農地、農業者、そして農業技術、これが廃れたらばもう一回やろうといっても絶対元へ戻らないわけですから、今をおいて農政改革やる機会は絶対にないと、そういう危機認識の下に農政改革を断行せねばなりません。
○主濱了君 続きまして、今の農政の主要政策である経営所得安定対策についてお伺いをいたします。 まず、小規模農家切捨て政策を改めるべきであると、このように考えております。農家というのは本当に一生懸命働いているわけでございますが、とにかく私はこの小規模切捨て政策、改めるべきである。これがどこに表れているかといいますと、実は経営所得安定制度の中で、農業政策の対象にするのは四ヘクタール以上でなければならない、あるいは二十ヘクタール以上の集落営農でなければ原則として対象にはならない、こういうことで実は小規模農家を切り捨てるような政策が進められていると、このように私は思っております。 こういうことによって、この小規模農家を切り捨てることによりまして能力もやる気もある小規模農家を切り捨てることになるんだ、こういう政策はやめるべきである、こういうふうに思うんですが、総理がいらっしゃらないので、じゃ農水大臣にお願いいたします。
○国務大臣(石破茂君) 小規模農家切捨てというお話は、ずっと三十年、四十年前からありました。そして、そのときそのときごとにそういうようなことを唱えられる方々があって、日本の農政というのは随分と変質をしてきたのだろうと思っています。 私は、今委員がおっしゃいました、やる気もある、能力もある、それで切り捨てられる小規模農家というのはどのようなものを想定をしておられるのであろうかということでございます。今、小農切捨てとおっしゃいました。私どもの政策は、例えば経営安定対策にしましても、集落営農という形を取りまして、集落で営農をしていただきましょう、どうやってコストを下げるか、どうやって利益を上げるか、そういう集落営農という政策を行っております。これにどうやってもっともっと取り組みやすくするかということは喫緊の課題だと思っております。 北海道から九州、沖縄までいろんなタイプがありまして、集落営農が進んでいないところはそれなりの理由があるはずです。これはもっときめ細かくやっていかねばならないと思っております。それから、条件不利地域に対しまして直接支払を行っております。これは集落に対して支援をしておるものでございますが、集落機能というものは維持をされなければなりません。特に、水田営農を基幹といたします我が国においてはそうであります。 私どもとして、小規模切捨てなぞということを考えたことはございません。やる気もあって能力もあって絶対に農業で生きていこうという人たちを切り捨てようなぞという考え方は全く持っておりません。
○主濱了君 この効果的、効率的な農業経営というのを私は否定するものではありません。むしろそれは目指すべきものであると、こういうふうに考えるわけですが、これからは区画のちっちゃな農地を集めていかなければいけない、あるいは飛び地の農地を集めていかなければいけない、さらには中山間地の農地を集めていかなければならない。そういうものを形式的に集めても、ただ単に四町歩以上にしようとか二十町歩以上にしようとか形式的に集めていっても、それは効率的な農業にはつながらないと、こういうことなんですよ。そこのところを私は言いたいわけであります。どうぞ。
○国務大臣(石破茂君) それはおっしゃるとおりです。 ですから、日本農業の大きな問題の一つは、いわゆる分散錯圃と言われるものでございます。農地がばらばらになっておってどうしても効率性を発揮しない。やはりそれぞれの農家が過剰装備になっておるということをどう考えるかです。 集落営農の最も大きな眼目の一つは、例えば二反、三反、四反、そういうようなところでお米を作っておられる、それはとても大事なことだと思います。そこにワンセット三百万、四百万という機械をお買いになって、それを年間に一週間とか十日しかお使いにならない。そういうようなことをどう考えていくかということです。そこはやはり集約化をして共同利用にしていかねばならない。しかし、農地がばらばらに分散をしておってはその移動だけで大変なコストが掛かる、時間が掛かる。どうやって集落営農をやっていくか、そしてどうやって共同で機械を利用するか、何も農業生産法人にこれからは限るつもりはありませんが、そこに経営という概念を入れていかなければ、いいものを作って少しでも高く売ろうということになってまいりません。 ですから、委員がおっしゃいますように、単に集約すればいいということは考えておりません。しかしながら、コストをどうやって下げて手取りを増やしていくかということはやはりぎりぎりまで考えていく、その努力を放棄してはならないと考えております。
○主濱了君 そのとおりでありますが、今の日本の状況においてはそういうことは望めない、なかなか難しい状況にあると、こういうことでございます。 それからもう一つ、小規模農家であっても、やはり平地であっても、それから中山間地であっても、きちっとした役割を担っていると、こういうことであります。農村を活性化させ、そして農村文化を継承し、さらには国土を守り、その存在自体が国土を守り、さらには自然環境を良くしている、こういう役割をきちっと守っている、その土地その土地で守っているわけであります。小規模農家も一生懸命頑張っております。こういったような小規模農家、やはり切捨てになるんですよ、今。なります。経営所得安定制度の対象にならなければ、これはもう大変なことになるんですよ。どうぞ。
○国務大臣(石破茂君) 委員の岩手も、私の選挙区であります鳥取も、それは全く一緒とは言いませんが、条件が悪いところの集落、私は限界集落という言い方は嫌いなのですけれども、実際にこれから先も機能が維持できないような、そういうところは私の選挙区にもたくさんございます。 特に、水田営農である以上は、どうやって水を守るか、あるいは洪水にならないために水源涵養機能というのをどのように評価をするか、あるいは土砂崩れなんかもすべてそうでございましょう。そこの中山間地の集落はどうしても守っていかねばならない。それは都市のためだとも思っております。 そこにおいて、委員の選挙区はどうか、私つまびらかには存じませんが、もう一つは、兼業機会が喪失、なくなっちゃったということですね。それをどう考えるかということだと思っております。つまり、条件不利地域の集落において、もちろん直接支払もいたしております。いろんなことをやっていますが、それだけで集落が維持できるだろうか。そこは、例えば若い方が建設業に従事をされる、あるいは女性が縫製工場にお勤めになる、電子部品の組立て工場にお勤めになる、そういう雇用機会がなくなってしまって、いわゆる農業と林業だけでやっていきましょうということになれば、いかに直接支払を充実しても集落を維持することは不可能ではないかと考えております。 この辺はよく政府全体で議論をし、経済産業省ともよく御相談をしていかねばなりませんが、つまり、日本の農業、農村がここまで来たのは、やはり兼業機会がきちんと維持をされていたからだというふうに考えております。それをどのようにシフトをさせるか、条件不利地域、直接支払というものにどのような内容を付加し、いかに金額を上げていくかということもすべて議論をしていかねばなりません。 そこは委員のお知恵もお借りをしたいのですが、どうやってそういうところを守っていくか、そのためにどういう施策を講ずべきか、そこにおいて農業、林業というものがどれだけのウエートを持つべきか、そしてそれをどれだけ国民の皆様に御理解をいただくか、当省の中でも全力を挙げて議論をしておりますが、どうかいろんな御教示を賜りたいと存じます。
○主濱了君 この問題につきましては、また後ほど議論をさせていただきます。 麻生総理、またお伺いしたいんですが、現在の雇用状況から、農業分野での労働力の吸収をと、農業分野で労働力を吸収してくださいと、こういったような声があります。私も、農業は本来、深みのある、そしてまさに懐の深い産業であると、こういうふうに思っております。先ほど来お話のあったとおり、今の農政下の農業ではその力を発揮していないと、こういうふうに私は思っております。販売農家の減少に見られるように、逆に農業から人を排出している、こういう状況になっているんですよ。 こういう中で、先ほど申し上げました、農業にどれだけ労働力の吸収があるのか、どのようにお考えになっているのか、これについて伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 今言われましたように、農業というか農村地域から都市部に多くの若い労働力が昭和二十年代、三十年代、四十年代、大量に出ていった結果、日本の経済成長に非常に大きな影響を与えたというのは事実だと思っております。 今問題は、その農業が、限界集落という言葉を使われましたけれども、私の選挙区にも似たような地域がありますので、滝沢村ほど大きくはありませんけれども、日本で一番大きな村ですからね、滝沢村というのは。そういった意味では、状況としては少し私の方の町の方が村より小さいと思いますけれども、そういったかなりの山間部におきまして同じような状況というのが私のところにもございますので、そういうところにどういった形で、そこに農業なり林業という一次産業というものがある程度健全な形で維持されない限りは集落がなくなると、私はそう思っております。 岩手で使われるか、我々だと山が下りてくると言うんですが、だんだんだんだん下の方にということになってまいりますので、今イノシシやらシカやらいろいろ、害虫駆除とか害獣とかいろんな表現で陳情がよく来る地域に、昔じゃ考えられなかったようなことになっておる地域すらありますので、そういった状況を考えますと、我々としては、そういった地域に少なくとも何らかの形で人が行くような形、また、先ほど、石破大臣の言葉を借りれば、そこで就業機会があるような形にしないとそこに人は定着しないという点も、私も全く正しい指摘だと思っております。 したがいまして、今、石破大臣の方が詳しいと思いますけれども、農業経営の法人化というのをいろいろやらせていただいておりますが、今までは、所有より借地といっても、なかなか農地というものを貸すというのはこれは難しい。もう御存じのとおりです。なぜ難しいかはもうよく御存じのとおりですので、そういった意味では、一回第三者機関である市なり町なりが借り上げてまた貸す、そういった形にして、ある程度農業の相続なりそういったものがきちんとできるようなことを含めて考えていかないと、効率的なものがやっていきにくくなりつつある。 私はそれがひしひしと、そういった状況がもうそこに迫ってきていると思っておりますので、いろんな意味で、今いろんな事業が随分出てまいりましたのは、幸いなことに、例えば農産物の付加価値というものがえらい高いものになってきた。 イチゴ、私どものところでは、自分の地元の農産物を自慢するのもいかがかと思いますが、あまおうというイチゴがあります。私のところの農協で考え出したものでありますけれども、これが少なくとも海外に行くと一粒ウン百円、一粒ですよ、一箱じゃなくて一粒ウン百円。私はこれは付加価値だと思っております。こういったようなものを輸出する。 また、苫小牧からナガイモが大量に中国に輸出されておる。また、大分県産のシイタケが高い値段でタイで販売をされておる。そういったものを見るにつけ、付加価値の高いものはそれなりにまた輸出できる機会はある。そういった発想はなかなか、農業を御自分でやっておられる方々はそういった発想はなかなか出てきておられない。我々はもう長いこと言っておるんですけれども、なかなか、あんたは農業は分からぬとか言われて、全然私は農協から評がいただけなかったんで、何となく、全然その種の話は聞いていただけませんでしたから、しかし最近は随分聞いていただけるようになったと思っております。 それは間違いなく商売がそういった形で、付加価値を認めてくれるようなところが海外で出てきたというのはすごく大きいので、これは攻めの農業とかいろんな表現がありますけれども、そういった形でいろいろな方法を今後考えていかなきゃならぬ、そういう時期に来ている。ちょうど今、日本食ブームであってみたり、いろんな意味で今時期としてはいいのかなという感じは率直なところです。細目、ちょっと農林大臣の方に聞いていただいた方がよろしいと存じます。
○主濱了君 ありがとうございます。 ただ、私は今伺ったのは、農業に他産業の労働力をどれだけ吸収する力があるか、こういうことを伺ったので、その点についてもう一回お話をいただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) ここは私も実は同じ問題意識を持っていまして、当面五千人ということを申し上げておりますが、じゃ本当にマックスどれだけ余力があるかということについて、例えば何万人ですということをきちんとお答えできる状況にございません。 なぜならば、今総理からお答えがありましたが、結局、雇用をやるためにはそれだけの利益が上がらなければ雇用というお話にならないわけですね。人が足りないから来てくれやということを言ったとしても、その方にきちんとしたお給料がお支払いできなければそれは雇用ということに相ならないのでございます。 雇用ということを考えます場合に、やはり利益を上げる、いかにして付加価値を付けて売るかというノウハウがある。いいものは作れるんだけれども、どうやって高く売っていいか分からないなという方はいらっしゃるわけです。おれはいろんなものを売る自信はあるけれども、どこにいいものがあるかは分からないなという人もいるわけです。それをどうやってマッチングをさせて、今総理のあまおうのお話もございました。私の選挙区には二十世紀ナシというのがあるんですが、別にふるさとの自慢をしてもしようもないので。どうやって付加価値を付けて、岩手なら岩手あるいは長崎なら長崎、どこでもいいのですが、そこのところが大事なんじゃないか、実は。 私どもで今、補正予算のときも御説明しましたが、例えば農の雇用という事業をなぜ起こしているか。いろんな、仕事を失っちゃった、君はあしたから来なくていいよと言われちゃった。じゃ、農山漁村に行っていきなり農業ができるか、林業ができるか、漁業ができるか。そのようなことはございません。委員が一番よく御案内のとおりです。ですから、最大十二か月、国が九万七千円をお支払いしますと、農業のスキルを、漁業のスキルを、林業のスキルを身に付けてくださいということで、そういうような能力を持った人をつくるという農の雇用の事業。 あるいは、田舎で働き隊という事業は、先ほど申し上げましたように、いろんな若い人たちが、今農業でいろんなものを売りたいという人たちがいます。一昨日、立ち上がる農山漁村という、いろんなところで新しい産業を起こしている方々の表彰をやったのですけれども、こんなものに付加価値付けて売りたいという若い方々たくさんいます。新潟だったかどこだったか、東京の若い女子学生の方々ですね。古代米をもう一度復活をさせて、それでお酒を造って売って、物すごい売上げを上げたという例を聞きました。そういうふうに都会のいろんな方、若い人たちのいろんな能力あるいはいろんな考え方を地方において生かしていく。そこのマッチングのために田舎で働き隊というやつをやっております。 ありとあらゆることを考えて、どうやって付加価値を付けて売るかということが雇用の創出に必ず結び付くものというふうに考えておりますので、どうか全国各地におきましてそういうようなお取組をお願いをしたい。そして、それでうまくいったらば、自分のところだけで持っているんじゃなくて、広く広めていかないとそういうのは全国的に展開をしないのではないかと考えております。
○主濱了君 おっしゃられることはよく分かりますが、当然のことであります。どの商売でももうかればそこに人は集まります。今の農業にそれだけの力があるか、それだけの農政を行っているか、私の問題にしたいのはここなんです。後でこれは改めて議論したいと思います。 今は個別の作目についてお話をしたいと思います。資料を皆様のお手元にお配りをしております。資料一でございます。 これは麦と大豆、端的に言いますと麦と大豆、この麦と大豆が経営所得安定対策の対象になっているんですが、その支援のときに過去実績というものが要件の一つにあります。過去に生産されたというものが一つの支給要件になっております。それは実は真ん中の欄に、固定払いのところに書いてあるんですが、固定払いの下の方、平成十六年から平成十八年の生産量、これを要するに面積に換算してそれを支給しますと、こういうことになっているんですが、これを撤廃したらいいじゃないかと、こういうことであります。 といいますのは、この過去実績がありますととにかく補助金が出ます。この過去実績があると作らなくてもこの補助金が出ることになるんですよ。作ろうが作るまいが、大豆を作ろうが作るまいが補助金が出ることになる。そして、この過去実績がなければ当然補助金は出ません。となると、この麦、大豆を増やそうと、麦、大豆を増産しようという補助金が意味を成さないのではないか、こういう意味からこの過去実績をやめたらいかがかと、こういう提案でございますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) そのような考え方があることはよく承知をいたしております。ですから、それが国際ルールから見たときに適合するかどうか、そしてまた、まさしく今食料自給率を上げていかねばならないという課題がある中にあってその政策がどれだけ永続性を持ち得るかということだと思っております。そのようなお考え方は一つの考え方であるということよく承知はいたしておりますが、それが永続性のある政策あるいは国際ルールに適合した政策であるかどうかということについてよく検証が必要であると私は考えております。
○主濱了君 国際ルールに照らしてどうなのかと、こういう問題、私は問題としたいんですが、例えば何でしょうか。
○国務大臣(石破茂君) WTOにおけるAMSという考え方が一つ挙げられようかと思います。
○主濱了君 資料二を御覧ください。 ここにWTOのAMSとそれから実績について記載をしているところでございます。まさに、日本はこのAMS、WTOの約束水準があります。その約束水準よりもずうっと下回った実績しかないと、こういうことであります、一言で言いますと。 それで、私どもは、WTOに顔を向けるよりも、今の日本農業は大変な状況にあるわけですよ。WTOに顔を向けるよりは、大変な状況である。生産刺激的で、もしそれが将来削減対象の政策であっても、今講ずべきなのは日本の農業を活発化するような補助金ではないだろうか、こういうふうに私は考えているんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) それはそれで一つのお考えです。つまり、AMSの中で……(発言する者あり)ちょっと聞きなさい。AMSの中でまだ空き分があるだろうと。ただ、これは我が国として削減する、これは我が国だけではなくて国際的なルールの中で削減をしようという話になっておるわけです。 WTOに顔を向けるなということをおっしゃいます。それは、私どもは、ほかの国がやっていないのに我が国だけが正直にWTOに顔を向けて、かぎ括弧で使えば、我が国だけがいい子になる、かぎ括弧閉じみたいなことを申し上げているわけではございませんのです。やはり、これ国際ルールですから、どの国も守っていかなければ国際ルールにならないわけです。WTOなんというのは成り立たないわけです。ほかの国がきちんとやるのに日本はいろんな事情があってねと、それはもう参加しませんよみたいなことを言って、ほかのことでは利益をちょうだいなぞということで、それはもうルールとして、一員として成り立たないことでございます。ですから、どれだけの時間的な余裕があるのか、どこまで永続性を持ち得るのかということはちゃんと検証しなければなりません。しかしながら、我が国が国際ルールの中でやっていかねばならない、そこはよく認識をしなきゃいかぬことだと思っております。 もう一つは、どんなに作ってもそれが消費に結び付かなければ意味がありません。お米でもそうです、麦でもそうです、大豆でもそうです。作ったはいいけれど消費に回りませんでしたということになれば、結局それの後どうするかということは、納税者が持たねばならないことになります。そこのところをどう考えるかであって、私どもは、どうやったらば消費に合ったような生産というものができるかということも併せて考えていかなければなりません。 委員のお考えは私も問題意識としては持っております。空いている分、しばらくやってもいいではないかという考え方は、私は等閑視をするつもりはございません。しかしながら、作ったはいいけれど、それをだれが使うのですか、だれが食べるのですかと。結局のところ、膨大な財政負担を使って処理をする、あるいは海外に出すみたいな話が本当に納税者の理解が得られる正しい税金の使い道でしょうかということは、きちんと議論をしなければならないことだと思います。
○主濱了君 総理に伺います。今、石破大臣はあのようにおっしゃっております。 まず、第一点でございます。先ほどの資料を御覧いただきたいんですが、一番左端が日本、その四角で囲ったところを見ていただきますと、約束水準の一四%しか使っていないという状況。それから、米国は約束水準の六八%も使っている。それから、EU、これは四六%を使っている。いずれも国際ルールの中に入っているんですよ。ですから、日本は一四%ですから極端に削っていると、こう言って差し支えないというふうに思っております。 ですから、私が言いたいのは、働けど働けど我が暮らし楽にならざる農家に対してしっかりと、あと極端な話八六%使えるわけで、その範囲で生産刺激的な、先ほど大豆、麦でお話のあった生産刺激的な政策であっても講じたらいかがかと、こういうふうな質問をしているわけでございます。どうぞ。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) ちょっと数字が少し、そんなにプロではありませんので詳しくない、少しずれているかもしれませんが、今、例えば米の生産調整ということで約八百万トン少々のものにまで減らしてきたのは事実だと思っております。我々が今、先生のおなかの中なんかに入るのは約七百万トン少々、したがって一人頭にならしますと約一俵ぐらい。かつては二俵食べていたんですけど、今はほとんど一俵前後、特に若い方のあれはかなり減ってきております、米の消費の絶対量が。 したがいまして、その分がラーメンに替わってみたり肉に替わってみたり、パンに替わって、いろんなものに替わっておるということで、食料の内容が変わってきた、日本人の食べる内容が。それが一番大きな背景で、それが多分、石破大臣の言われる作っても売れるかと、消費できるかという点はこの点なんだと思っておりますが。 いずれにしても、このまだ枠が残っているという、例の黄色の政策とよく言われる部分のところだと思いますが、この部分に関して、WTOの農業協定上の上限の金額以下でありさえすれば、助成額を現在より増加させてもいいんだということは違反にならないという御指摘は、それはそれなりに間違っておりません、上限金額を超えなければ。それは決して間違っていないんですが、今そういった交渉を、私の知っている範囲で、この一年ちょっと現場におりませんのであれですけれども、少なくともその前、外務大臣のころまでの経験ですと、大幅にその黄色の幅というのを削減する方向でWTOというのは今論議が進められておる、当時の傾向値はそうでした。この九月十五日以降どうなっているか、ちょっとそこのところまで詳しくないんですが。 そういった意味では、こういった政策というものは、これはある程度、一回変換をしてもらった以上は持続的、ずうっと生かせるというところがどうなるかなというところが正直私もいま一つ詳しくありませんので、その点につきましては石破大臣の方に聞いていただいた方がよろしいかと存じます。
○主濱了君 結局、問題は今の日本の農業、先ほど御説明をいただきました、これをどう考えるかと、こういう問題です。日本の農業、著しく衰退をしている。こういう中にあって、ですから、WTOに顔を向けて、削減しなくちゃいけない政策だから、それは削減しましょうと、生産刺激的な政策を削減しましょう、こういうのはどうかと、こう私は言っているんですよ。やるんですか、やらないんですか、結局は。方向性を言ってください。
○国務大臣(石破茂君) それは、そういう二者択一的なものではございませんでしょう。自由貿易の利益を一番受けているのは間違いなく我が国であって、なぜ兼業機会がこれだけあるかということを考えたときに、それは自動車であれ、コンピューターであれ、家電製品であれ、海外に輸出をしてその産業は隆々とし、それによって兼業機会もあってということを無視して議論をしてはいけないことなんだと私は思う。農業は農業で、工業は工業で、商業は商業で、そういうふうにきれいに画然と分かれた日本の国ではないはずなのです。 その中で、じゃ我が国がこの黄色の部分をどう考えるかということですが、委員御案内のとおり、我が国もその政策を全くやっていないわけではございませんです。それをやっておるのは御存じのとおりですね。それを、これから先、今、ファルコナーの再改訂テキストによれば、我が国は約束からAMSを大幅に削減すると、七〇%削減、削減後、約一兆二千億円ということが求められておるわけであって、これ日本は守りませんよ、削減もしませんよ。ああ、そうなのかと、おれの国も削減しない、おれの国も削減しない、おれの国も削減しないということが起こると、それはまた農産物が世界中に過剰になって何が起こるんだということも私どもは考えていかねばならないことなのです。世界中の中でどう考えるかというお話が一つ。 もう一つは、じゃ、先ほどのお話にもありましたが、本当に条件が悪いところで一生懸命やっておられる方々を支えるのに、生産刺激的な政策が本当に正しいのかということでございます。そこで一生懸命麦を作ります、大豆を作りますということが本当に正しいのか。そこにおいてはもっともっと緑の政策というものを充実させるという選択肢もあるはずなのです。 私は、どういうような形でどのような方々を支えるのかということ。小農切捨てかそうじゃないかとか、そういうふうに二者択一的な政策ではなくて、それぞれのどこのどのような方々をどういう理由によっていかなる負担によって支えるかということを本当に子細に細かく議論をしていかないと、日本の農業というのは本当にがけっ縁から先行っちゃうんじゃないかという思いがしておりますので、その議論が私自身十分尽くされたと思っていないのです。 ですから、二者択一的というのはいかがかと思いますし、そして、もっともっと生産刺激的な政策を取れということに、即座にそのとおりですということは私としては申し上げることはできません。
○主濱了君 まず、二つ反論を申し上げておきたいと思います。これは答弁は要りません。 一つは、世界の食料事情をどう考えるか、最初に総理に御説明をいただきました。それをすとんと落としていますよ。第二番目、小麦の自給率は一四%です。それから食用大豆は五%です。まだまだ生産足りないじゃないですか、これどうするんですかというのが第二番目。これは後でまたお話をしたいと、このように思っております。 先を急いで、米価について、もっと米価は大変ですので、米価について御質問をいたします。 資料は、資料三番見てください。(資料提示)日本の主食である米です。その価格と生産費の状況について伺いたいというふうに思います。 この表を見て、左側が平成十八年度、そして右側、真ん中が平成十九年度と、こういうことになっております。そして、左側がこれがコストであります、生産費であります。そして、右側がこれが卸センターの平均卸価格、米価でございます。 これを見ますと、十九年度産米で見ますと、一万六千四百十二円、これがコスト、それに対して平均的な米価が一万五千七十五円、作った段階で千三百三十七円の赤字であります。しかも、この一万五千七十五円から実はJAの手数料とかそれから袋代、これを引きますとそこに示しております一万一千百五十円、こういう価格になります。これはもう大変な問題です。 この状況を一言で申し上げるとどういう状況かといいますと、この国民の主食である米を農家の負担において、農家の犠牲において国民に提供しているんだと、こういうことになると思います。そして、それを少なくても今の農政は放置をしていると、こういうふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) それは、どれぐらいの規模の農家のコストを賄うべきなのかという議論を委員としてみなければならないことだと思います。以前といいましても二十年ぐらい前のことでしょうか、まだ食管制度が生きていて、生産費所得補償方式というのがございました。委員も御案内のことかと思います。どの規模の農家のコストを償うべきなのか。再生産可能というけれども、お米は幾らでも規模を拡大すればコストが下がるかといえばそんなことはございません。ワンセットの農機具がフルに能力を発揮して最もコストが下がるというのは大体十五ヘクタールぐらいでございまして、そこから上がるとまたコストが上がる傾向にあるというのは御案内のとおりでございます。 そうすると、どのように最適にいろんな装備を使い、どのようにコストを削減する方々のコストというのを賄うのかという議論をきちんとしていかねばならないことだと思います。ありとあらゆる、一反であれ二反であれ、すべてコストを賄えと言われますと、それはどこまで上がるか、そこは分かりません。やはりきちんと消費をしていただくということが基本だと私は思います。 農家の方々が汗水垂らして一生懸命お作りになったもの、昔はお米を粗末にすると目がつぶれると私どもは教わってまいりました。お米一粒でも残すと本当にしかられたものでございます。そういうように、一生懸命汗水垂らして作ったものがちゃんと消費をしていただける、そういうような環境でなければいけませんので、どのようなものを償うべきなのかという議論は、それはやはりきちんとしていかねばならないものだと考えております。 確かに、おっしゃいますように米価というのは下落の傾向にございますが、御案内の水田経営所得安定対策によりまして、担い手農家に対しましては下落幅の九割は補てんをいたしております。また、それ以外の方々でも、稲作構造改革促進事業というもので、当年収入が基準収入を下回った場合には一部を補てんをしておるというのは御案内のとおりでございます。それがまだ足りない、あるいはコスト割れになっても所得補償を行えということになりますと、これ将来の構図はどうなっちゃうんだろうかということを考えなければいけません。 私は、本当に作ったものがちゃんと食べられる、消費される、そういうような環境を是非つくりたいと思っております。
○主濱了君 資料五を御覧ください。ここには規模別のコスト、これを記載をしているところでございます。資料五でございます。 確かに、規模のメリットというのはここに明瞭に表れております。しかしながら、先ほど申し上げました農家の手取りからしますと大分コストは高い、やはり高い。コストの方が多いわけですよね。ですから、ほとんどのところで、極端な話、十ヘクタール未満の農家は赤字経営なんですよ。こういう状況なんですよ、今。どんどんどんどんこれが原因で今農家戸数が減少している、離れていっている、こういう状況なんです。 これをも含めて先ほどの答弁になりますか。私は、これは、そういうことをおっしゃるんであれば、日本の農家すべて怒りますよ、本当に。どうぞ。
○国務大臣(石破茂君) みんな生きていかねばなりません。どうやって手取りを上げていくかということに全力を尽くす、政府としてもそのことに全力で支援をするということでございます。 もっともっと米の値段を上げろ、それは一つの考え方かもしれません。しかしながら、今七七八という関税を張っております。それは消費者の負担ということになっておるわけでございます。消費者は、高い負担でも今の米を守っていこう、そういう思いで今やっておるわけでございますよね。そこはこれからまた議論のあるところかもしれません。 それで、もっとお米の値段を上げなさい、もっと政府は補償をしなさい、支払をしなさいということと、コストを下げていかなきゃいけないという努力、それを支援する政府の対策、それをどのように考えていくかということでございまして、現状固定でそれでいいというお話には私はなるとは考えておりません。
○主濱了君 反論一つあります。私は米価を上げてくださいなんということは一言も言っておりません。そこだけは気を付けていただきたいと言います。それだけは御理解をいただきたいというふうに思います。 なお、私どもが衆議院に提出をしております農山漁村再生法案、これは法案出しているわけですよね、御覧になっていると思いますが。この法案では、第十五条、第十六条、そして第十七条におきまして米も実は直接支払の対象にしていると、こういうことでございます。私どもは、やはりきちっとした形でトータル的に、ばらばらじゃなくてトータル的にやるべきだと、このように思っております。これは答弁は私は要りません。 いずれにせよ、日本の主食である米、この米生産農家の経営を安定を図ることができなければ、私はもう本当に今の日本の農政に及第点はないと、このように思っております。 次に、減反政策の見直しについて伺います。 これは石破大臣に伺いたいと思うんですが、これまで行われてきた米の生産調整の意義と、あと、実際国が関与しているわけですが、その国の関与、さらには現行生産調整の問題点について御説明をお願いしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 米の消費がどんどん落ちております。そうしますと、供給が増える、需要はなかなか増えないということで、それは生産調整という形で、ほかの作物を是非作ってくださいということで生産調整をお願いをいたしております。それが生産調整と言われるものだと考えておりまして、ほかの作物を作られた場合にいろんな助成をしているというのが現行の姿であると、簡単に申し上げればそういうことです。
○主濱了君 生産調整の見直し、今進められていると、こういうふうに聞いているところでございますが、この生産調整の見直し、現在現実に進めておりますでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 二十一年度は水田フル活用元年というふうに位置付けております。飼料米あるいは米粉米、そういうものを作っていただきまして水田をフルに活用していただきたい、この政策を遂行いたします。 生産調整だけが農政の見直しではございません。農地の問題もあれば、貿易の問題もあれば、いろんな問題もございますが、今生産調整の在り方というものが、今のままがベストであれば、なぜベストなのか、今後もベストなのかということを論証しなければそれは政策たり得ません。そうでないとすれば、ほかにどんなものがあるかということは、きちんと議論をしなければ農政の姿としては不十分であると考えております。
○主濱了君 検討しているか検討していないかをまずお話をいただきまして、そしてその次に、生産調整をやめますと、単純に言いますと、今八百万トン台の生産が一千二百万トン台まで上がる可能性があるんですよ。これは米価急落の可能性があります。その辺の影響も含めて今検討されているかどうか、これについてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 具体的に数字を挙げて今こうなっておりますということがお答えできる段階にはございません。 ただ、生産調整を仮に全部やめて、一、二の三でみんなが好きなだけ作るということになれば、委員御指摘のように、本当に千二百万になり、米価が暴落をするかどうかということも、それは議論として成り立つというか、してみなければいけません。 私は何年か前に、そういうことをやったらどうなるかというシミュレーション、してみなければ議論にならないでしょうということを政府におらないときにそういうことを申し上げました。いろんなことはやってみなければ、今の政策が正しいかどうかの検証はできないと私は思っております。
○主濱了君 生産調整の選択制についてお伺いをしたいと思います。 農林水産省の中での検討項目あるいは論点の中に生産調整の選択制は入っていますか。
○国務大臣(石破茂君) 私から、選択制を軸にして検討せよとか、するとか、そういうことを申し上げたことはございません。念のために申し上げておきます。 一、二の三で全部がやめるというのが一つの極端、もう一つは、変な言い方ですが、生産調整に参加をしなければ懲役十年とかそういう形にして、そんなことができるとも夢にも思いませんが、大強制を掛けて絶対にやっていただく、どちらも、それも非現実的なお話でございます。 そうすると、間に何があるのだと。今のやり方も一種の選択制じゃないかとおっしゃった方もおられました。たしか御党の議員さんだったと思います。 そうしますと、委員御案内のとおり、食管制度をやめて今の新食糧法に移りますときに、いろんな議論がありました。その中に、委員がおっしゃいます選択制、中身のことは私何を指しておるか分かりませんが、その議論がかなりオープンにオフィシャルに行われたことは事実でございます。 どういうような形を取るかという選択肢の中に、それはいろんなケースは含まれることは否定をいたしません。しかしながら、政府として、選択制を軸にとか、そのようなことを申し上げたことはございません。
○主濱了君 私の印象といいますか、私の思っているものとはちょっと違う御答弁であります。 ここで、近藤基彦農林水産副大臣にお伺いをいたしたいと思います。 石破農水大臣が検討課題としたと、こういうふうに報道されているその選択制について、新聞報道では、これがたたき台になるようなことは絶対阻止したい、このように近藤基彦農水副大臣はおっしゃっております。 この背景、そして経緯、これについて御説明をお願いいたします。
○副大臣(近藤基彦君) お答えをいたしたいと思います。 私が発言をしたのは、たしか二月の四日の我が党の農業関係の会合で発言をしたと記憶しておりますが、あの当時の背景とすれば、一月末、下旬に石破大臣が農政改革担当大臣におなりになって、そして六大臣会合が設置をされ、農政改革特命チームが設置をされた当初ということであります。まだ議論は始まっていませんでした。設置をされただけでありました。一部報道で、その当時から、石破農林大臣あるいは我が農林水産省でこの選択制をたたき台として検討するやに一部報道されておりました。 その二月の四日の会合でも、我が党の農林関係の先生方から、そういうことは事実なのかという御質問等がありましたので、農林水産省内で検討したという話は私は一切聞いておりませんとお答え申し上げ、なお、石破大臣からも、この農政改革については白紙で、そして予断を持たずにあらゆる角度から検討をするというお話もいただいておりましたので、そういった事実はありませんとお答えした上で、もし選択制ということがたたき台として改革の議論が始まるとすれば、これは大臣の思いとも全く違いますので、それは絶対に阻止をいたしますということで、当時お答えをしたところでございます。
○主濱了君 非常に真相はやぶの中と、こういうことだというふうに思いますが、将来的に、これはたしか来年度は採用はしないと。ただ、再来年度については何もそのことは言っておりませんでした。再来年度についても、そういう検討すらないと、こう言い切れますでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) それはあらゆる角度から検討しなければいけませんから、再来年度から絶対ないなぞということは言えません。それは御党もいろんなことをおっしゃっており、私は是非、筒井衆議院議員を始めとする御党の方々ともいろんな議論をさせていただきたいと思っているのです。 ですから、先ほど、今品目横断と申しておりませんが、その中に米を入れるというお話をなさいました。そうすると、では七七八という関税、これをどう考えるのか。そして生産調整はやめるのだというふうにおっしゃっておられる。あるいは、減反はやめるが生産調整は続けるだったかもしれません。 ですから、私どもも御党も危機意識は一緒のはずなんです。このままいったら農村どうなるんだ、農業どうなるんだという危機意識は一緒。診断が一緒であれば、どういう治療法がいいかについて本当に虚心坦懐に、これだけは駄目だとか、これだけは議論することは絶対に許さないとか、そういうことはあるべきではないのではないでしょうか。本当に農家の方々に安心感を持っていただく、今年、来年がどうかということも大事です。ですけれど、トレンドとしてずっと長期低落が続いておりますわけで、十年先、二十年先、ちゃんといけるということを安心もしていただけるためには、今ここで、今副大臣も申し上げましたが、白紙で予断を持たずに検討をするということは絶対に必要なことだと私は思います。
○主濱了君 本当にやぶの中で、何を考えているのか分からないと、こういうふうに、今の段階ではそう申し上げざるを得ないと思っております。 なお、私どもの考え方であります。これははっきりしております。私ども、先ほど申し上げました衆議院に法案を提出しております。この農山漁村再生法案の中では、その十六条できちっと生産目標を規定をしております。そして、十七条では生産目標に従った生産者への交付金の交付、これも規定していると、こういうことでございます。念のために申し上げておきたいと思います。 今話題になりました今度はWTOについて伺いたいと思います。 まず、麻生総理に最初伺っておきたいと思うんですが、WTOにつきまして、日本政府としての所管省庁はどこなんだろうか、こういうことを単純にお伺いしたいんですよ。 商工関係については経済産業省、そして農業交渉については農水省が出ていきます。農水省はよく、守るべきは守ると、こういったような言葉を使いますけれども、守る日本とそれから産業経済みたいに攻める日本と両方あるんですよね。これらを統括する省庁がない、世界に対して日本の主張がないと、こういったような印象を受けるわけでありますが、この点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中曽根弘文君) WTO協定を含めまして、国際協定はすべからく外務省が所管しているところでございますが、実際の交渉につきましては、WTOのこの協定が非常に広範な市場のアクセスとか、あるいは新しい貿易ルールの策定など非常に多岐にわたり、また包括的なものであると、そういうところから、もう委員も御承知のとおり、財務省や農水省や経産省など関係省庁と緊密に連絡をして対応してきているところでございます。 特に、交渉全体の帰趨にかかわる場面など各省庁間の意見調整が必要なところでは、もう言うまでもありませんけれども、総理、官房長官の指導の下、方針を統一して交渉に臨んでいるところでございます。今後とも国益を最大限実現するように交渉に臨んでいく考えでございます。
○主濱了君 まさにそのとおりだと思いますね。国益というものをしっかりと見極めて、すべての分野について、世界に対してまさに一つの日本として主張していくべきだと、これは当然であるというふうに思います。 続きまして、十二月六日、ファルコナー議長の提示した重要品目を四%にするという提案、この評価、日本としての評価はいかがでしょうか。 実は、昨年十二月のこの農業交渉、残念ですが、私の印象ですけれども、日本はその交渉の当事者ではなくて、結果を受け入れるだけのまさにお客さんと、こういったような印象を受けました。こんな状況でその重要品目四%となった場合、国民生活や日本の農業はどうなると考えているのか、これは総理、お願いいたします。
○国務大臣(石破茂君) 重要品目の十分な数の確保、それは私どもが今まで主張してきておるところでございます。 十二月のお話がございました。本文では、基本は四%、追加で条件付、代償ありで二%というふうに書かれております。また、別紙の作業文書では我が国の立場について明記をされており、これが今後の交渉の足掛かりになるというふうに考えております。 先般、ラミー氏が参りました。そこで、私二時間半ぐらいいろんなお話をいたしました。私どもとして、従来の立場は変わらないと、そしてまた我々の主張というものも作業文書の中には明記をされておると、ここを足掛かりとして今後も交渉を行うということは私の方から先般、つい一週間にもまだなりませんか、ラミー氏には申し上げておるところでございます。
○主濱了君 結局、四%あるいは四%プラスアルファでも構いません、その答えがなかったような気がいたします。その影響ですね、なかったような気がしますので、その部分についてもお答えをお願いいたします。
○国務大臣(石破茂君) それは重要品目の十分な数ということでございまして、従来は一〇というようなことを言っておった時期もあったように記憶をいたしております、我が国としてですよ。今八ということ、つまり四プラス二プラス二ということでございましょうか、その分を主張しておるということでございまして、その分について私どもの立場が昨年から今年にかけて変わったと、あるいは一昨年から今年にかけて変わったというようなことはございません。
○主濱了君 皆様には資料の六を御覧いただきたいと思います。 農業交渉に当たりまして、日本の農業を守るために本当は一生懸命頑張っていただきたい、様々な検討をしていただきたいと、このように思うわけであります。 一昨年、平成十九年の二月に農林水産省は、国境措置を撤廃した場合の国内農業等への影響、これを試算しているところでございます。すべての国に対して、すべての農産物の関税を始めとするすべての国境措置を撤廃した場合の試算であります。 下から三つ目の辺りを見ていただきますと、米は当面、外食、中食、加工用を中心に八千四百億円減少、最終的にはほとんどが外国産に置き換わる、それで一兆八千二百億の減少であると、こういったような試算。あるいはその下、国内総生産、GDPは一・八%減少し、三百七十五万人の雇用が失われると、こういったようなこと。さらに、食料自給率は現在の四〇%から一二%まで減少すると、こういったような試算。一番上、結局、農業総生産額は四二%減少で三兆六千億円の減少であると、こういう結果を出しているわけであります。 一言で言いますと、農産物の自由化については本当に慎重でなければならないと、このように思うわけでありますが、こういう試算をしておりながら、今回の四%あるいは四%プラスアルファ、これはもう現実性がそちらの方がずっと高いんですよ、高いわけですよ。そういう試算をしておらないんでしょうか。こういうことです。どうぞ。
○国務大臣(石破茂君) これは経済財政諮問会議に私どもから出した資料ではないかというふうに考えております。もちろんこういうような漫画は私ども余り付けた覚えはございませんが、そういうことだと思います。これは、全部撤廃すればどうなるんですかというお話でございますね。試みに計算をすればこういう数字が出てまいります。 私どもとして、重要品目をタリフラインの何%にするか、四でいけるか、六でいけるか、八でいけるか。重要品目、すなわち高い関税を張ってでも守っていくものをどうしていくか。そこの確保には全力を挙げて努めていくということでございます。 そのほかの一般品目につきましては高い関税を張るという考え方ではございませんが、いずれにしても、すべてを撤廃したらこうなってしまいますよということでございますので、それを守るべく、それぞれの産品のいろいろな競争力に合わせて適切な関税というものを設定をしていかねばならない。 ですから、関税が半分になってもとか、値段が半分になってもとか、そういうような議論というものは最初からするべきではないと私は思っておるのです。そういうような宣伝をしておられる党もございますが、関税がたとえ安くなっても、農産品が安くなってもそれは大丈夫ですよというようなことをおっしゃるところもあるやに聞いておりますが、本当にその場合に、ではそこの負担はだれがやるのかしらねというお話も併せてしていかねばならないことでございます。 全部撤廃したらこうなるという数字が出ておることはそのとおりであって、そうならないように私どもとしてありとあらゆる方策を講じている、政府全体としてということでございます。
○主濱了君 一言で言いますと、それが突然来る可能性があるわけです。そして、先ほど申し上げましたように、四%の実現性はここで試算しているよりもずっと高いわけですよ。そういう中でどういう試算をしているのかと私は聞いたつもりなんですが、これはしていないと、こういうふうに言ってよろしいんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) それはありとあらゆる計算はいたしております。ここでこうですよという数字を、交渉事でございますから、すべての数字を明らかにしたら交渉になんかなりません。 私どもとして、試算というものはきちんと行い、何を守るべきか、それはどれぐらいの関税が必要なのか、そして重要品目の数はどうなるか。あるいは、御案内のとおり、重要品目に指定をすれば当然代償措置というのはあるわけでございます。重要品目に指定してそれでおしまいということではございません。代償措置というものをきちんと受けられるかどうか、ありとあらゆる観点から検証しているのは政府として当然のことでございます。
○主濱了君 先ほど、米価のところで、WTOも考えてすべてトータル的に措置をしなければいけないと、こういう反論がありましたが、それに再反論をさせていただきます。 まず、実は米価を取って考えますと、今七七八%、一キログラム当たり三百四十一円という関税で米は守られております。ほとんど入ってきておりません。七十七万トンのMA米はおいておいてもほとんど入ってきておらないと、こういう状況であります。でも、守られているはずの米の値段が先ほど申し上げましたように赤字生産ではないですか。これを今の農業政策が、失敗によってそこで赤字生産がある。さらに、今の国境措置を外したらばダブルパンチを農家は受ける、こういうことに私はなることを恐れているわけであります。 そういうことはないという安心でもいいですし、それから、若干迷惑を掛けると、こういったようなことでもいいし、そういうふうなところを本当はお話をいただきたかったわけですが、ないんですね、これ。どうぞ。
○国務大臣(石破茂君) ですから、これは農地政策をどうするかという議論もちゃんとしなきゃいけません。流通政策をどうするかというお話もちゃんとしていかなければなりません。すべてのパーツでちゃんと議論して初めて農政というものは成り立つわけでございます。ですから、先生おっしゃいますように、仮に米が関税下がったらどうなるんだ、それだけで現象として論じることはできないのです。 そして、ミニマムアクセスをおくとおっしゃいましたが、私は、ミニマムアクセス七十七万トン、それは七七八という関税を張り、そして生産調整に影響を与えないと言い、そして国家貿易というものを維持する限りそれは義務的に入れざるを得ないものなのです。機会だからいいじゃないかというお話は成り立ちません。それは、生産調整に影響を与えないためにはこれは守っていかねばならないものなのです。それをどうするかもすべて納税者の負担によって行っているわけでございます。どのようにしてやっていくかということは、本当にいろんな観点から委員と議論をさせていただきたいと思っております。 今迷惑を掛けるとか掛けないとかそういうお話をしているのではありません。どうすれば米が守っていけるか、そして同時に、どうすれば需要が増えるかということも併せて考えていきたいと思っております。
○主濱了君 このWTOについては、私は米を例に取りましたけれども、米だけではないんです。乳製品もありますし、様々広いものがあるんです。そういう人たちが極めて今の交渉の状況を注目して見ているわけでございます。この点をひとつお忘れなく。 次の問題に移りたいと思います。 次に、青森県六ケ所村にあります核燃料再処理施設の関係でございます。これと、そこに面しているのが世界三大漁場の一つであります三陸沖でございます。 この青森県の六ケ所村の核燃料再処理施設、これは様々なトラブルがあって、いまだに本格操業が、稼働が遅れている、こういう状況にあります。核燃料再処理施設、この再処理施設は原発一年分の放射能を一日で出すと、こういったような主張とか報道があるわけですが、詳細に御説明をいただきたいと思います。 実は、この問題につきまして、私、ちょうど一年前にも同じ質問をいたしました。そのときにはかなり難しい高度なお話をしたわけですが、原子力施設から放出される放射能というのはベクレルという単位で表される、放出レベルではベクレルという単位、六ケ所村とそれから原発を比べると六ケ所村の方が二けた多くなるという試算もあると、こういうふうな答弁をいただいております。 それからもう一つ、放射能評価というのは一般の公衆がどれだけ放射能から影響を受けるか、これはミリシーベルト、こういう単位で示されると、こういうことでございます。放射能評価の方は十分低い額になっていると、こういうことなんですが、改めて質問をさせていただきます。 核燃料再処理施設は原発一年分の放射能を一日で放出するかどうか、これについてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(二階俊博君) 放射性の物質の安全性は、放出される放射線から人体への影響によって評価をしておるわけです。人体への影響を表す単位はシーベルトという単位で、放射線の種類、放射線の量、放射線が当たる場所、部位、ここに総合的な考慮をして評価をしておるわけであります。 安全の確認も人体への影響で行いますが、周辺住民の皆さんに対しては、年間、先ほどお述べになりましたように、一ミリシーベルトを超えないように規制しており、六ケ所再処理施設におきましては年間〇・〇二二ミリシーベルトという、規制値のいわゆる五十分の一程度であり、安全性は十分に確保しておると認識をいたしております。 再処理施設が一年間に放出する放射性物質の数は原子力発電所の百八十倍との試算もできますが、安全性という観点からは人体への影響に評価し直して比較する必要があり、六ケ所再処理施設周辺におきましても原子力発電所におきましても規制値を大きく下回る値で、安全性は十分確保しておるというふうに理解をいたしております。 経済産業省としましてもパンフレットやホームページ等を活用して施設の安全性について説明を行ってきたところでありますが、私は、今後とも機会あるごとに国民の皆さんに分かりやすい説明に心掛けてまいりたいと思っております。
○主濱了君 確認でございます。 核燃料再処理施設で放出される放射能と原発比べた場合、百八十倍ということでよろしいんでしょうか。お願いします。
○国務大臣(二階俊博君) そのようないわゆる再処理施設が一年間に放出する放射性物質の数でありますが、原子力発電所の約百八十倍との試算ができるわけでありますが、いわゆる、先ほど申し上げましたが、安全性ということを議論する場合には人体への影響についての評価をし直して比較する必要があると、このように考えておるわけであります。
○主濱了君 これは総理にお願いをしたいと思います。 今、再処理施設が一年間に放出する量は原発の百八十倍であると。要するに、一年出すと百八十年分出しちゃうんですよ。あるいは、百八十個の原発が一気に出したのと同じことですよ。これは大変なことです。これは人体に対する影響もさることながら、漁場もあります、そこを回遊している魚もあります。それから、何といいますか、実際にどれだけ範囲が広がるかという実験をしたのもあるんですが、それは茨城県とか千葉まで海流というのは影響しているんですよ。そういうものを守らなくちゃいけない、日本の沿岸を放射能から守らなくちゃいけないと、こういうことなんですが、私は、もしそうであるとすれば、この再処理施設を止めても、稼働を止めてもやはり放射能汚染を防がなくちゃいけないと、このように思うんですが、総理の御決意を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) ただいま二階大臣の方から、その百八十倍のところを人体に及ぼす影響に試算を置き直してしないと何となく不安をあおることになりかねない懸念を示されたんだと思っておりますが、少なくともこの六ケ所村の処理施設というものは、これは日本のいわゆるエネルギーというものを長期的に考えるときには極めて重要な施設だと思っております。しかし、この安全規制の遵守というものは当然のことでして、ここのところは徹底しておかないと安全性とか不安とかいうことに関して無用な不安をあおるということになりかねないというので、そこのところは十分に配慮をしておかなきゃならぬというのは認識をいたしておるところであります。 したがって、今、三陸沖等々、また茨城の方までというお話もあっておりましたが、これはもう国が毎年実施をいたしております海洋環境における放射能の調査などなど、いろいろやっておりますけれども、こういったものをしっかり注意してまいらねばならぬところであって、いずれにしても、この安全性の確保ということに関しては十分な上にも十分に注意をして事に当たっていかねばならぬものだと理解をいたしております。
○主濱了君 結局、沿岸を放射能汚染させないということについてやるんですかやらないんですか。要するに、日本の沿岸を放射能汚染させないと、こういうことでやっていただけるのかいただけないのか、この点についてもう一回お願いいたします。
○国務大臣(二階俊博君) お地元の議員が御心配なさること、また関係者からも常々そういうことの御要請をいただいておりますが、経済産業省としては、この放射性物質の問題等については自らが自分のこととしてこのことを受け止めていかなくてはならない、したがって真剣な対応をしてまいります。 問題が、あるいは疑義が発生した場合にはあらゆる対応をすることは当然のことであります。
○主濱了君 これについてはまた後で何回も質問をさせていただきたいと、このように思います。 続きまして、地球温暖化について伺います。 京都議定書の日本の国際約束六%、六%削減ですね、これは大丈夫か否か。これは総理にお願いをいたします。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) この削減目標を達成するため、昨年三月に改定をされております京都議定書目標達成計画に沿って今あらゆる分野で対策を進めておりますのは、もう主濱先生よく御存じのとおりであります。多くの分野で計画改定時の見込みどおり進んでいるものの、原子力発電所の設備利用率の低下、新潟の話、福井の話などの低下によって見込みどおり進捗していない分野もございます。こうした分野で、例えば電力業界が火力発電所の熱効率の向上とか、また京都メカニズムクレジットの活用ということを図るなど、対策、いろいろな意味での施策の追加、また削減目標というものの達成に目下全力を挙げているところだと理解をいたしております。 個々の対策につきましては担当省庁が責任を持ってやっているところでありますが、京都メカニズムの取得につきましては、環境省と経済産業省が主たる責任を持って対応することといたしております。 その上で、削減目標の全体につきましては、政府の地球温暖化対策推進本部の下でその進捗状況などの点検を厳格に行うなど政府全体で取り組んでおるところでありますけれども、これは極めて重要な問題でありまして、我々、これ日本だけというのではなくて、世界中でやっていかねばならぬ大事な問題だと理解をいたしております。
○主濱了君 意気込みは了解をいたしました。 それで、もう既に国際約束期間に入っているわけであります。それで、具体的に、一・六%削減の方、これは京都メカニズムですが、一・六%の削減の責任者はどなたで、進捗状況はどうなのか。あるいは、その他、これは〇・六%分になります。この削減の責任者はどなたで、進捗状況はどうなのか、これについて伺いたいと思います。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 進捗状況について私の方から報告をさせていただきます。 約束期間、二〇〇八年から二〇一二年、既に入っております。この五年間の間に、この五年間の間の平均が一九九〇年からマイナス六%というのが目標でございます。 マイナス六%のうち、先ほど主濱委員おっしゃいましたように、三・八%は森林吸収源ということで認められております。一・六%が京都メカニズムを利用することが認められております。合わせて五・四%。実質マイナス六%を達成しなくてはいけない。現在はプラス八・七%。このプラス八・七%の大きく増えておりますこれをマイナス〇・六まで持っていくというところでございまして、先ほど総理から答弁がありましたように、うまくいっているところもありますし、うまくいっていないところもございます。 うまくいっているところの例は、例えば省エネ機器のトップランナー方式ですとか、製紙、それから住宅の省エネ等はうまくいっておりますが、うまくいっていないのが電力、特に原子力発電所の稼働率が非常に悪くなっているということ。それから、例えば下水汚泥をすべて今重油を燃やして処理しているわけですが、その効率化がうまく進まないという点でございます。 どこが責任かということですが、先ほども答弁ありましたように、京都メカニズムについては経産省と環境省、全体につきましてはこれは総理ということでございますが、各省庁の取組を調整をさせていただいているのが環境省、このように認識をしております。
○主濱了君 日本の新エネルギーの導入状況、世界に比べて見劣りがすると、私はそういう印象を持っております。本当に、新エネについては残念ながら諸外国の後塵を拝していると、こう言って差し支えないと思っております。かつて優位にあった太陽光発電もそのとおりであります。 なぜでしょうか。対策はどうなっているのか。お願いします。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) これから京都議定書の目標達成のためにも新エネルギーに力を入れていかなくてはいけないと思っておりまして、まだまだ日本伸びる余地があると、このように思っております。 特に太陽光発電につきましては、従来日本が世界一でございましたが、今ドイツに世界一を奪われてしまいました。これを是非、世界一を奪還し、再び新エネルギーを増やしていかなくてはならない、その目標計画も立てているところでございます。 先日、二階経産大臣のイニシアチブで、言わば日本版の固定価格買取り制度を導入するということを政府として決めました。こういう事柄を通して太陽光発電、その他の新エネルギー、小水力等拡充をして、京都議定書の目標、そして二〇五〇年、六〇から八〇%削減するという閣議決定を達成したいと思っております。
○主濱了君 やっと日本版グリーンニューディールの骨格が決まった、固まったと、こういうことですが、その概要についてお願いをいたします。
○国務大臣(二階俊博君) 新エネルギーの問題につきましては、ただいま御答弁の斉藤大臣ともよく連携を取って取り組ませていただいておりますが、とりわけ太陽光発電に力を注いでまいりたいと思っております。資源の少ない我が国が、貴重なエネルギーとして太陽光発電に今、議員の皆様、ほとんど各党の皆さんからこのことに対して大変強い御支持といいますか、命令も含めてサポートをいただいております。私はこれにこたえていきたいというふうに思っております。 そこで、他のエネルギーと比較して今は正直申し上げてコストは高いわけでありますが、これをここ三年ないし五年の間に国際競争力を十分付けて、この正念場を乗り越えていきたい。 今は住宅部門の太陽光発電の導入拡大に向けて新たな補助制度を創設したわけでありますが、私どもは、意気込みとしては、すべての御家庭の屋根に太陽光発電を、そして一月の十三日からこの制度を募集を始めたわけですが、各地から、多くの御家庭から御要望、協力の意思表示をいただいて、今既に一万一千件を上回っているところでありますが、これをどんどんと増やしていきたい。そのうち、学校ではどうか、道路などはどうかと、公共施設への太陽光発電の導入に向けていろんな御協力の申出をいただいております。関係省庁と太陽光発電の導入拡大のためのアクションプランを今策定中でございます。 去る二月の二十四日でありますが、これまでの施策に加えて、今、斉藤大臣からお話のありましたとおり、新たないわゆる制度を創設して導入支援措置を、従来の我が国が取っておったRPS法との組合せによる日本独自の制度を構築することとしております。今お尋ねの、具体的にはということでありますが、電気事業者の皆さんが十年間程度にわたり太陽光発電の余剰電力を買い取っていただくことにしまして、買収価格については、当初は現在の二倍程度で買収していただく。 今後とも、太陽光発電を始めとした新エネルギーの導入は、経済産業省としても最も重要な政策の柱と考えております。 そして、今、先ほども申し上げましたが、小中高等学校、高専、そうしたところがここを使ってはどうかというお話もあります。道路もございます。高速道路に至っては、ハイウエーの道路のところについては、これは先般の法律改正でこれに政府の資金を投入するということはできませんが、ハイウエーよりも一歩離れたところ、五十センチでも一メートルでも離れたところはこれは道路ではないわけでありますから、その道路関連施設と呼ぶかもしれませんが、その分野については、私は金子国土交通大臣とも御相談の上、総理の御判断を仰ぎたいと、このように考えている次第でありますが、かなり日本でも、各地からいろんな角度で太陽光発電という協力の要請をいただいておりますから、それらを総合的に考えていけば、先ほど申し上げた、斉藤大臣から御答弁をされた、ドイツに勝っておったものを今はドイツに追い抜かれていると言いますが、我々はドイツに追い付き追い越して、日本が世界で一番の地位を獲得すべく、これからの努力を精力的にやってまいりたいと思います。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) グリーンニューディール、どうなっているのかという御質問でございました。 経済対策と環境対策を同時に両立させる、これが基本的な考え方だろうと思っております。緑の経済と社会の変革ということで、今、二階大臣とも打合せをさせて、新経済成長戦略とも連携を取りながら、三月末に、経済と環境の両立、緑の経済と社会の変革構想をまとめたいと、総理の御指示もございまして、今まとめているところでございます。 今有識者から御意見を伺い、また環境省としても国民の皆様からアイデアを募ったところでございまして、千件近いアイデアも寄せられております。こういうものを取りまとめて、三月中には世に問いたいと、このように思っております。
○主濱了君 最後の質問になると思うんですが、食料自給率についてお伺いをいたしたいと思います。 皆様のお手元、資料八を御覧ください。これを見ますと、赤が日本です。日本だけがどんどんどんどん下がっている。ほかの国は上がっているところ、低いところはスイス、イギリス、低いところありますけれども、日本だけがどんどんどんどん下がっている。私は、これはスイスなんというのはまさに日本と同じようなものだと思うんですよ。 その内容を見ますと、資料七、前のページにありますけれども、この中で自給率の大きいのは米であります。やっぱり米。米は大きいんですが、麦、大豆、この辺がずうっと下回っている。こういう状況でございます。これは、もうまさにトータル的に私は日本の農政の失敗じゃないか。全世界一緒じゃないんですよ。日本だけが落ち込んでいるんですよ。こういうふうに思うわけですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) お答えを申し上げます。 その数字はそのとおりでございます。自給率が下がった原因は、米からパンに替わったというよりは、エネルギーの総摂取量はそんなに変わっておりませんので、そこから肉や油脂に替わった、そのえさが外国から入ってきている、これが一番大きな理由でございます。 麦と大豆をどうするかというお話でございますが、今、水田フル活用と申しておりますのは、やはり生産装置として一番水田が日本に向いているということはやはり認めなければならぬのだろう。その中において、麦をどうするか大豆をどうするか、そこにおいて助成の水準をどうするかということはよく議論をさせていただかねばならぬと思っております。大きな課題として認識しております。 なお、先ほどの私の答弁で誠に不適切な部分がございました。視覚に障害をお持ちの方々のみならず、大勢の方々に大変に申し訳のないことをいたしました。深くおわびをして、撤回をさせていただきたいと存じます。委員にも御迷惑をお掛けをいたしました。失礼いたしました。
○主濱了君 以上で私の質問を終わります。
○委員長(溝手顕正君) 関連質疑を許します。長谷川憲正君。
○長谷川憲正君 国民新党の長谷川憲正でございます。 今日は、参議院で統一会派を組んでおります民主党の皆さんの御理解と御協力を得まして、今日こうして予算委員会で久しぶりに質問をさせていただく機会を与えていただきました。 私は、かんぽの宿と郵政民営化の問題を取り上げてみたいと思っております。 本当はもっともっと大きなテーマがいっぱいあると思うんです。そしてまた、今、世の中は本当に不景気でございますので、もっと元気の出るようなことをいっぱい取り上げたいという気持ちは本心あるんですけれども、この問題を見ておりますと、何といいましょうか、体にあちこちに吹き出物ができたようなもので、気になって仕方がない。本気になって前へ国が進んでいけないんじゃないかと思うような、私は小さな問題ではあるけれども見過ごしにできない問題だというふうに思っているわけです。まさに細部に神が宿るという言葉がありますけれども、そういう趣旨で今日はこの問題を徹底的にやらせていただきたいというふうに思います。 三つに分けて御質問をさせていただきます。 最初はまさにそのかんぽの宿そのものの売却をめぐる、まあ私は疑惑だと思っておりますが、この問題を取り上げさせていただきたいと思います。二つ目に、なぜそういうことが起きてしまったのか、今起きつつあるのか、その背景を少し掘り下げさせていただきたい。そして最後は、郵政民営化そのものがやはり間違っているのではないか、少なくも直すべきところは多々あるのではないかということについてお尋ねをしたいというふうに思っております。 まず最初に、このかんぽの宿等の売却問題でございますが、たまたま今日発売の週刊新潮、別に審議時間中に私読んでいたわけじゃありませんで、人が見付けて持ってきてくだすったんですが、この中に、「かんぽの宿「オリックス売却」の立役者は「西川社長の懐刀」」という、何か「特集」と書いた部分がございます。これを読みますと、この中では、今度のかんぽの宿の一括譲渡につきまして、チーム西川というものがあって、その人たちがこれをやったんだと。その筆頭格がこの懐刀と言われている人でありまして、住友銀行から言ってみれば西川さんがお連れになった方。ここでは仮名として坂本隆専務執行役と書いてあるんですが、私の知っている名前で言えば横山さんという方だと思いますが、この方がこの売却の総責任者だといって、いろいろこの方の行状が書いてあります。例えば、料亭で飲んでみんなツケ回しをしているとかですね。しかし、こんなことは私取り上げるつもりはありません。 問題なのは、その中で、この人は三井住友銀行の社宅に依然として住んでいるということが書いてあるんです。これは事実でしょうか、西川社長。
○参考人(西川善文君) お答え申し上げます。 横山君はただいま日本郵政の専務執行役を務めておりますが、銀行時代から引き続き銀行の社宅に住まわしていただいております。
○長谷川憲正君 この週刊誌の中には、引き続き三井住友銀行の広報部の弁として、この方は退職しているということになっているけれども実質的には出向扱いだと。これは私はうわさで聞いておるんですが、この方には銀行の方から裏給与が出ているというような話もありますが、この点はいかがでしょうか。
○参考人(西川善文君) 裏給与というものはございません。
○長谷川憲正君 明確に否定をしていただきましたのでそうでないことを祈りますが、これは引き続きまた調査もさせていただきます。 そして、この週刊誌の中でも取り上げてありますように、日本郵政株式会社法の中に役員の収賄を禁じる規定があるわけです。つまり役員はみなし公務員だということになっておりますので、果たしてこの社宅に住まわせてもらっているということがこういうものに抵触をしないのかどうか、これは総務大臣、しっかり調べていただきたいと思いますが、取りあえず御見解を承りたいと思いますが。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 個別の事実関係で私は全く分かりませんが、調べられるなら調べてみたいと思います。
○長谷川憲正君 ありがとうございます。 このかんぽの宿の売却問題につきましては、昨年の十二月二十六日、臨時国会が終わった翌日でございますけれども、日本郵政が、七十九に上るかんぽの宿プラス宿舎等が入っておりますが、これをオリックスに一括譲渡をするということを発表をされまして、一月六日に鳩山大臣が、これは国民は出来レースと疑うんじゃないかということを言われて、みんなの注目するところとなったわけでありますが、さすがに御炯眼でありまして、当時私も、それはオリックスという名前が出てきましたから、それは何か疑わしいなと思いましたけれども、出来レースと言う度胸は私はなかったわけですが、大臣そうおっしゃいました。 ところが、実際これはもう出来レースとしか思いようがない。次々に疑わしい事実がたくさん出てまいりまして、これはもう衆議院の予算委員会の方でもいろんな議員がお取り上げをいただいておりますので私ここで一々はやりませんが、ちょっとこのパネル、皆さんのところには資料が配ってありますが、御覧をいただきたいと思います。(資料提示) これ、大臣の言葉をいただきまして出来レース疑惑というふうに書かせていただきましたが、会社は当初競争入札であるというようなことをおっしゃいました。しかし、これは調査の結果はっきり分かりましたが、株式を譲渡するという形の契約である。これは契約書そのものも私もいただいております。 こうなりますと、これ郵政の株式の処分をしばらく凍結した方がいいんじゃないですかということで、私たち野党共同で法案を提出をしまして、参議院では可決をされて、衆議院では否決をされてしまいましたけれども、そのときの審議の中で、これは社長は株式は売りませんということをおっしゃった。こんな不況のときには売りませんと、法律で縛られるまでもなく売りませんとおっしゃったけれども、この株式譲渡というのは、これ株売っていることになるんじゃないですか。これが一点です。 それから、売却価格が百九億円ということで発表されておりますが、これの取得価格は二千四百億円、税金の対象となる、固定資産の対象となる評価の金額で見ても八百五十六億円、これがどうして百九億円なんですか。これ調べてみたら、減損会計という、減損処理ということをやっておりまして、とにかく低く低く見積もったということだろうと思うんですが、しかし、それでも競争入札に掛けていれば適切な時価になったと思えるんですけど、それをやっていない。 それから、オリックスに売却ということでございますが、これはもういろんな方が宮内さんについては指摘をしておられますけれども、ここにたまたま市販されている本を持ってまいりましたが、小泉規制改革を利権にした男宮内義彦ということでございますので、こういう人にこういう不透明な手続で物を売る。しかも、調べましたらば、郵政資金でオリックスの株の買い増しもしておりますし、重要なポストにオリックスの関係者の方々が入っておられる。私はもう非常に、ますますもって、これもう灰色どころか黒に近いものではないかと思うわけです。 そして、一括売却は雇用のためだということを主張しておられます。一件一件売れば地元の地方公共団体にも売ることができる。埼玉県の上田知事なんかも言っていますよ、地元に相談をしてほしかったと。ところが、一括で売らないと雇用が確保できないと言うんですが、実際に保障されているのは一年だけでしょう。これは、私はもう欺瞞としか言いようがないというふうに思っているわけでございます。 私ばかりがしゃべっておりますが、これ、西川社長は白紙撤回をされたわけでございますけれども、こういう全体の手続を今でも公明正大と思っていらっしゃいますか。
○委員長(溝手顕正君) ちょっと、ちょっと待ってください。長谷川さん、御質問を止めるわけではないんですが、委員会に持って入っていいものとよくないものと、入りたいときはどう手続をするか、よくチェックしてやってください。あなたの資料は一切出ていなくて、これは完全にルール違反ですから、気を付けてください。よろしくやってください。
○長谷川憲正君 委員長、どうも恐縮です。(発言する者あり)
○委員長(溝手顕正君) 駄目だと言っているんです。
○参考人(西川善文君) お答えいたします。 今度のかんぽの宿の譲渡に関しましては、会社分割による事業全体の、かんぽの宿事業全体の譲渡というやり方を考えたわけでございまして、個々の物件について個別に譲渡をするということを考えたわけではございません。 そういうふうに考えましたのは、やはりまとめてやらないことには、三千数百名という正社員、期間雇用社員、この雇用の確保がやりにくいということがございます。雇用については、正社員については期限のない契約でございます。したがいまして、雇用条件については、正社員について、一年間は現在の条件を引き続き適用するということ、そして二年目以降については、もし雇用条件を変更するということであれば労使間で協議をして変えていただくと、こういう契約になっておるわけでございます。 それから、手続が公明正大であるかということでございますが、これは、先ほども申しましたように、事業譲渡という方式を取っておりますので、その中身は事業の譲受けに関する企画提案を競っていただくというものでございます。その中には、事業評価、事業価値の評価という定量的な面もございますし、雇用の維持でありますとかあるいは事業の継続性といった定性的な部分もございます。これをまとめて競っていただくと、こういう形のものでございまして、これは一般にMアンドAの形としては普通に行われることでございます。そういう意味で、決して競争してないというわけではございません。ホームページにおきましても募集公告におきまして、必ずしも適切ではないかもしれませんが競争入札という表現を使った次第でございます。 それから、価格の点でございますが、これは百九億円というのは純資産価格ということでございまして、これに対応いたします有形固定資産の価額、これは百二十三億ということでございます。 この百二十三億がなぜそういうことになってきたかということでございますが、そもそもの取得価額は、御指摘のとおり約二千四百億円でございました。その後、公社化をされまして、その際に企業会計原則を適用するということで、減損会計が強制適用ということになったわけでございます。減損会計で減損されました累計額は、減損損失の累計額が千三百六十三億ございました。それだけ減損で評価が落ちたということでございますし、また一方において通常の減価償却も行われてまいりました。 したがって、日本郵政が平成十九年十月に継承いたしましたときの価額は百二十六億円ということでございまして、現在は約百二十三億という帳簿価額になっております。 そういう経過でございます。
○長谷川憲正君 先ほどは失礼をいたしました。 今の御答弁でございますけれども、これ衆議院でのいろんな今までの質疑の模様を的確に反映してないじゃないですか。いろんなことが分かってきているわけですよ。つまり、企業会計原則を適用するといっても、時価でやることができた。それを評価委員会の中でオリックスに関係のある人が中心となったグループで、これは減損会計を使うべきだということを主張してわざわざこういうことになっている。 その結果、適正な資産の価格とはとても言えないわけでありまして、例えば十九年三月に、これはもう公社の時代ではありましたが、一括売却になったものが次々に高い価格で転売をされているわけでしょう。これはもういっぱい週刊誌にも出ておりますが、一万円で売られた鳥取や指宿の簡保の施設が六千万円になったと。沖縄では千円で最初買われたレクセンターの土地が四千九百万円で転売されたと。赤坂の社宅が、五億一千三百万円だったものが、これは最終的にはオリックスが今所有しているようですが、五十七億円の担保に入っていると。それから、城東鶴見の宿舎に至っては、十億円で売れたものを、今共同担保ですけれども、二百七十億円の担保が付いていると。こういうのはだれが見てもぼろもうけと言うんですよ。それを今回またやろうとしたのかというのが私たちの怒りの原点なんです。このことにつきまして、担当の監督大臣であります総務大臣の御感想をいただきます。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 長谷川先生と基本認識全く同じでございますから、あえて御答弁申し上げる必要もないかと思いますが、まず、企業会計を適用しなければならないというのは事実だと思います。しかしながら、私は会計全く素人でございますが、その減損処理の在り方がもうめちゃくちゃで疑惑に満ちておるわけでございまして、何でこういう減り方をするのかという問題がございます。 そして、その減損処理して、二千四百が千八百、千七百というのが減損処理して百二十何億になってしまった。それが仮に簿価として記録されていても、それを営利事業として買い取ろうという人に売る場合には、全く簿価というのは関係がなくなるわけです。それは一般的に言えば、衆議院の委員会でも質問がありましたように、むしろ固定資産税評価額、土地でいえば固定資産税評価額よりも実勢価格の方が二、三割は上でしょうから、九百億とかそういう数字が妥当なんだろうと思います。 それから、減損処理というのは私本当に分からないんですが、利益を生まないからということになっておりますが、先ほど、午前中に御答弁申し上げましたように、簡易保険法によって、加入者福祉施設は言わばただで使わせてもいいと書いてあるわけですね。ただ、一部利用者から費用を負担してもらってもいい、取ってもいいというわけですから、ただで泊まらせたっておかしくない、法律の条文上は。それがもうけて黒字になるなんということは、黒字化するということ自体が大体法律上おかしいと言われてきているわけですから、政策的に極めて低料金でやってきた。そして、利益を生まないから、利益を生まないものはもう不良債権だという決め付けをして、減損処理して売っ払うと、こういうことでございます。 それから、先ほど先生が御質問されておられました、西川社長に、公明正大であるかという点でございますけれども、まだ報告徴求によって得た膨大な資料はまだ解析が終わっておりませんけれども、この間、私どものところにも調査チームがありますが、チームの責任者が私の部屋に入ってきて第一声で言った言葉は、今のところまだ途中ですけれども、全くの随意契約としか見えませんねと、競争性はない、これは随意契約としか解釈できない内容でございますと。 しかも、その最終審査表というのがあるんですね。つまり、これは二社で、最終審査表というのを私もちょっとだけ見ましたが、それには、例えば、オリックス不動産から最終提案が行われています、十月三十一日に。何か経営形態とか何か、経営方針か何かのところに何て堂々と書いてあるかというと、ですから、日本郵政の宿泊事業部長をうちの副社長にいたしますと書いてあるんです。天下りというと、いわゆる一般的に言う天下りと違うけど、天下りを、うちはおたくの宿泊事業部長を副社長にしますと書いてあるんです。それで立派な提案といって丸を付けているんですね、その審査の方で。その副社長になる人が、副社長になってくださいと言われた人が裁定しているわけですから、何人かで。 だから、そういうことを考えるとちょっと、もう少し精査します。
○長谷川憲正君 本当にもう鳩山大臣、私の考えていることをずっと代弁をしていただくものですから、御活躍に本当にもう私たち期待をしているわけでございまして、十七箱の資料が提出をされたというふうにお聞きをしておりまして、これもう宝の山ではないか、宝の山という言い方は適切ではないかもしれませんが、私は真相がそこで究明されるのではないかというふうに思っておりまして、これ、いつごろ調査が終わり、報告をいただけますでしょうか。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 正直言ってそれはまだ分かりませんで、この間、日本郵政からも報告があったのかもしれませんが、日本郵政とオリックス不動産との最終契約書ですね、その問題点については国会の方に提出させていただきました。いわゆる結局はオリックスの独断でかんぽの宿を売却、譲渡できるという、あるいは特定目的会社に譲ることができるという、要するに営業を継続しますというのを全く根本から覆すただし書が付いておりますが、そういうふうに問題点は分かり次第御報告できると思いますが、すべての解析というのはなかなか大変なのかもしれません。
○長谷川憲正君 この関連ではもう一点西川社長にお伺いをいたしますが、衆議院での議論の中で、この十九年三月の百七十八件の一括の売却ですね、転売に次ぐ転売、同僚の下地議員が調べたところでは、調べた中の九割が転売になっていたということのようでございますし、二回、三回、四回の転売があったということでございますが、転売価格、どのくらいの金額に今なっているのかということについて調査をしていただけるという答弁があったというふうに記憶しておりますが、いかがでしょうか。
○参考人(西川善文君) お答え申し上げます。 公社時代に売却されました物件につきましては、転売禁止事項が付されているわけではございませんので、転売状況の把握はこれまでしてこなかったと聞いております。しかしながら、ただいま長谷川先生からお話がございましたように、二月二十日の衆議院予算委員会で下地先生から御指摘をいただき、また総務大臣からも三月三日に報告の要請をいただいておりますので、十九年三月の一括売却百七十八件も含めまして公社中に売却した約六百二十件すべての物件につきまして、現在、登記事項証明書を法務局で確認いたしますなど可能な限り調査をしているところでございます。 三月中旬の報告をめどにただいま調査を実施しているところでございまして、でき上がったところで御報告を申し上げたいと存じます。
○長谷川憲正君 このかんぽの宿の話はこのぐらいにしまして、これが、こういうことが行われるようになったその背景の点をちょっと調べてみたいというふうに思います。 私は、これはもう竹中平蔵さんが全部仕掛けをつくったというふうに思っているわけです。どこまで今のようなことを予想しておやりになったのかというのは必ずしもはっきりいたしませんけれども、仕掛けは全部竹中さんがおつくりになったというふうに思っているわけです。 これは、先ほど鳩山大臣おっしゃったように、そもそもは簡保の加入者のための施設でありました。それが突然売らなければならないことになったというのは、民営化法を作りましたときの関連法の一つであります日本郵政株式会社法という簡単な法律でございますが、その法律の附則の二条の中に、どう読んでも一度や二度読んでは分からないような書き方で書いてあるというところから問題が始まっているわけであります。 これは民営化推進室長が既に衆議院でも述べておられますけれども、この附則二条ができた当時の事情について御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(振角秀行君) お答えさせていただきたいと思います。 今御指摘のように衆議院の方でもお答えしておりますけれども、郵政民営化の基本方針に掲げられました旧加入者福祉施設の分社後の在り方につきましては、当時の担当大臣であります竹中郵政民営化担当大臣の下で、準備室、私の推進室の前身でございますが、そこが検討いたしておりました。 それで、基本的な考え方としては、竹中さんが著書でも書いておりますけれども、郵政民営化に当たっては、その本来の仕事、コア業務に基本的には簡保も含めて特化すべきだということで、このかんぽの宿につきましてはコア業務ではないという判断をされまして、資産を処分して撤退すべきと判断されまして、その下の指示を当時の準備室にされまして、その準備室の下におきまして、法制化に必要な事項として、このかんぽの宿について承継先として当分の間どこで承継するのがいいか、あるいはその資産を譲渡又は廃止するための猶予期間として何年が適当かどうかというのを法制局と詰めていったということでございます。
○長谷川憲正君 今御答弁がありましたように、当時の竹中郵政民営化担当大臣の強いリーダーシップの下にこの附則が入ったということでありますが、ここで処分する年限を五年という制限を付けたのはなぜでしょうか。
○政府参考人(振角秀行君) 引き続きお答えさせていただきたいと思います。 かんぽの宿等を譲渡する際には、その当該施設が相当数に上ることから、譲受け先の決定や当該譲渡に伴う雇用の配慮のため一定の猶予期間を設けることが合理的と考えられたわけでございますけれども、その際、先生の資料にもありますけど、グリーンピアとかの年金福祉施設等の譲渡が既にその前に法制化されておりまして、そのようなものについても猶予期間が五年間というふうになっておりまして、そういうことを参考にしまして法制局と詰めて五年としたものでございます。
○長谷川憲正君 これ、確かにグリーンピアなどを参考にしたように思われます。 もう一つ資料を見ていただきたいわけでございますが、(資料提示)これ公的施設の売却の方法ということで、今回のかんぽの宿とグリーンピアを比較したものでございます。 売却方法で見ますと、グリーンピアの場合は公共性を考慮しまして、道だとか県に譲渡をするというのを原則にした。それが進まない場合に民間へ譲渡するということにした。今回は地元への相談も一切なしと。それから、転売につきましても、十年間の転売禁止というのがグリーンピアには付いている。今回は、基本的には日本郵政が承諾すればいいし、経営不振だったら相談もせずに売ることもできるとなっております。 結局、五年以内の譲渡、廃止というところだけを持ってきているわけでありまして、あと何にもやってないんですよね。ここが竹中さんの仕掛けの私はおかしなところだというふうに思っているわけです。 この資産も、日本郵政、分社化をしました。持ち株会社が日本郵政、その下に四つの会社にばらばらになりました。本来ならば、かんぽの宿は簡保の会社のものですよね。これ税金で造ったわけじゃありませんから、簡保の加入者の方々の掛金で造ったものです。郵便貯金の施設は郵便貯金を預けられた方のものです。ゆうちょ銀行のものになるべきです。ところが、そうではなくて、これを親会社の日本郵政のものにした。 ところが、資産の売却につきましては、重要財産の処分につきましては日本郵政には何の規定もないんですよ、制限がない。その下にあります郵便会社だとか郵便局会社だとかいうものにはもちろん制限がありまして、簿価で十億円以上のものは重要財産だと、これは大臣の認可を得なければいけないというふうに書いてあります。日本郵政には何もないんですよ。 今回、これ会社分割という方法を取ったから大臣の認可を取らなきゃいけないということで、鳩山大臣がこれはおかしいと気付かれたわけですけれども、そうでなかったら、どんどん西川さんが勝手に売れるんじゃありませんか。これ、西川社長、いかがでしょうか。
○参考人(西川善文君) お答えいたします。 このかんぽの宿等の譲渡に関しまして、地元自治体にも相談をしなかったということは私も反省をいたしております。やはり、地元にお世話になったというケースも多分あるだろうと思われますので、まずは地元に打診をしてみるということが必要ではなかったかということでございます。 これらにつきましては、専門家によります第三者委員会を設けまして、そちらで私どもの不動産売却、処分の在り方についていろいろと御議論いただき、検討をしていただくということにいたしておりまして、既にスタートをいたしております。その結論を得まして、今後はその結論に従って処分等を考えてまいりたいと考えておるところでございます。 以上です。
○長谷川憲正君 民営化される前は公社という形であったわけでございますけれども、公社のときは、重要財産については二億円、取得価格で二億円、それを上回るものの処分についてはそれは大臣の認可が要るというふうになっていたんですが、民営化になった途端に郵便局会社やあるいは郵便事業会社、ですから郵便局の、今問題になっている中央郵便局や何かがありますが、全国の駅前の一等地に土地持っているわけです。二兆七千億と簿価で何かなっているというふうに聞いておりますが、実際は十兆円になるんじゃないかというようなことを言われておりますけれども、こういうものも今は簿価で十億円以上でなければ大臣の認可は要らないと。そして、ましてや今度の郵貯の施設や簡保の施設のように持ち株会社が持っているものは大臣の認可は要らないんですよ。これ大臣、変えた方がいいんじゃないんですか。
○国務大臣(鳩山邦夫君) そういう法律になるその全く理由がないわけではないと思いますけれども、私が総務大臣になるはるか以前からある法律でございますので、私がこれをどうこう言うということは余り適当ではないかと思いますが、ただ、私は午前中申し上げましたように、やはり郵政の民営化というのは小泉元総理のすばらしい業績だと思います。ですから、それが本当にいい形で実を結ばなければいけないと思います。これが裏目に出るような、国民の疑惑と不信ばかり招くようなものを結果すれば、せっかくの郵政民営化という大改革に傷が付くわけでございまして、そういう観点から今、長谷川憲正先生御指摘の、前は、公社時代は取得価格で二億円以上のものはすべて認可が必要だった、今度は日本郵政には何もないと。特殊会社である二社、事業会社と局会社は簿価で十億円以上のもののみというのが、それでいいのかどうかというのもそれは今後の検討課題、私は見直しは国有化、国営に戻すということ以外はすべてより良い方向に見直す対象だと申し上げておりますので、見直しの対象にはなると思います。
○長谷川憲正君 こうやってどんどんどんどんその売却の話が進んだというのも、これ五年というその時間の限りをつくった、法律がそういうふうにつくった、竹中さんがそういうふうに期限を決めたというところに非常に大きな問題があると思うんです。 今こういう経済状況の中ですから、何も安い値段でたたき売る必要はないので、少なくともこの五年については見直しをされるべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 先ほどもお話をしました。また、午前中の平田先生の御質問に対しても申し上げました。 この法律を作るのに大変力のあった有力な方が新聞等で私への批判を含めて、かんぽの宿は不良債権だと、一日も早く処理をしなくちゃならないと。私は、きちっとこれは不良債権でないというふうに反論いたしておりまして、そういう意味では考え直す必要もあるかなというのが私の気持ちの中にはございます。
○長谷川憲正君 今日のこれは日経新聞の朝刊でございますけれども、竹中平蔵さんがまた「郵政見直し、法改正は論外」というふうなことで書いておられるんですが、この中で、かんぽの宿の今度の問題につきまして、「与野党の郵政族が結託しているとしか思えない。」と。 そんなことないと思いますね。野党はともかくとして、与党の皆さん、結託しているんでしょうか。今度、このことで中心になって発言しておられるのは鳩山大臣だと思いますが、鳩山大臣、郵政族なんでしょうか。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 全く郵政族であったことはありません。郵政族だったことはありません。 私は東京が元選挙区でしたから、与謝野財務大臣と同じ東京でいろいろ政治活動をしていく中で、いわゆる全特の方とビールを飲んだとかそういう経験はありますけれども、何ら郵政族としての実績はゼロだと思うし、そういう方向で動いたことはありません。
○長谷川憲正君 私もそのように承知をしておりまして、これ竹中さんは侮辱だと思うんですよ。 ほかのところでは、二月十一日のこれ朝のテレビですけれども、国会に社長を呼び出すのは業務妨害だと言っているんですね。それは、確かに社長がこっちにいたら仕事が進まないというのはそうかもしれませんが、こんなことが起きていて、これ国が一〇〇%株持っているわけですよね。国会で事情を聴くというのは極めて当たり前のことだというふうに思うんですけど。 委員長にお願いをいたします。 この竹中平蔵さんを当委員会に一度参考人として招致をしていただきたいと思います。
○委員長(溝手顕正君) 御提案については、後刻理事会において協議させていただきます。
○長谷川憲正君 ありがとうございます。 株主権について財務大臣にちょっとお伺いをしたいと思います。 今国が一〇〇%株を持っておりますが、私は株主として本当にきちんとした監督をしているんだろうかということを疑問に思いますが、財務省が政府を代表して株主総会に出ておられるというふうにお聞きをしておりますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) 理論的には、郵政の財産は国有財産ではない、これらの財産に対する所有権は株というものを通じて間接的に保有しているということでございます。ただし、国が一〇〇%の株主であるということは国民が一〇〇%の株主であるということと同義語でございますから、監督をする鳩山総務大臣は法令に基づいてしっかりやっていただかなければならないと思っております。
○長谷川憲正君 株式会社でございますので、法令による権限にプラスこれは株主権というのを行使しなければいけないんですよ。世界はいっぱい株主になっている国がありますが、おおよそ監督をする大臣が株主総会に出ていくんです。鳩山大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(鳩山邦夫君) 先ほど、実は午前中に与謝野財務・金融・経済財政大臣に御説明はしたんです。つまり、日本郵政の株式というものは行政財産ではなくて普通財産であると。これは国有財産法とかいう法律によって分かれるらしいんですが、行政財産ならば私が何かできるのかどうか分かりませんが、普通財産でございますと、これは財務大臣が権限を持っておられますので、私がこれからいろいろと御相談やお願いを与謝野財務・金融・経済財政大臣にお願いすることがあるかもしれませんということは先ほどお話ししたんです。
○長谷川憲正君 私、議員になる前に、御存じかと思いますが、フィンランドで大使をしておったんです。そのときにこういう事例がありました。 フィンランドの電話会社、NTTのような会社でございまして、ソネラという会社ですが、五一%は国が株を持っているんです。この会社がストックオプションを導入しようとした。そうしたら新聞が一斉にたたきまして、役員だけがもうけるような制度をやるのか、国家国民のための会社なのにおかしいじゃないかと言ってたたきました。そうしましたら、運輸通信大臣が臨時株主総会を要求いたしまして、そこに大臣自らが出ていって、平取締役一人を残して会長以下全員首を切りましたよ。 同じようなことをおやりになりませんか。まずは、財務大臣、いかがですか。
○国務大臣(与謝野馨君) 株主というのはそういう権限を持っておりますが、それはあくまでも抽象的な権限で……(発言する者あり)
○委員長(溝手顕正君) 静かにしてください。ちゃんと聞いてください。
○国務大臣(与謝野馨君) その抽象的な権限を実際に行使するときには非常な強権の発動になるわけでございますから、よほどの事情、背景がなければならないと思っております。
○長谷川憲正君 私は、今、具体的に例えば西川社長さんを首にしてくださいとか、そういうことを言っているわけではないんです。株主というのは、国有企業の株主というのはそういう強い権限も持っているし、そういう強い意識で監督をしていただきたいということを申し上げているんです。 もう一度お願いいたします。
○国務大臣(与謝野馨君) そういうことは論ずるまでもないことでございまして、株主は株主としての権利、行使すべき権限を持っているということでございます。
○長谷川憲正君 是非、厳しい目で国民の期待にこたえてやっていただきたいというふうに思います。私は、本当に今国民の皆さんが苦労しておられる中で、やはりこういう何か国にまつわるような事業体が不正をしているかのように思われること自身が好ましいことだというふうに思っておりませんので、是非お願いをしたいと思います。 総理に何も質問せずにここまで来ましたが、私は、この問題、そもそもが郵政の民営化という枠の中から始まったというふうに思っております。 いよいよ第三部ということでございますけれども、私は、別に株式会社になることに私たち元々反対していたわけではない。本当に会社も発展し、そしてこれを使ってくださる国民の皆さんがいいサービスになったなと言って喜んで、そして、働いている人たちも喜べるような状況ができるのだったら形なんか何でもいいわけですよ。民営化で何の問題もない。 そうならないのじゃないかというふうに思ったので私たちも反対をさせていただきましたが、先般、総理は、小泉総理大臣時代の総務大臣としてのときのことをお話しになりまして、自分は賛成でなかったから民営化担当から外されたというようなお話がありましたけれども、今回の民営化、小泉さん、竹中さんで設計された民営化のことでございますが、どう思っていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) これは前々から長い間の論理、議論、討論、いろいろ御意見があって、最終的に民営化ということで決着をしたというのはもう長谷川先生よく御存じのとおりであります。 決着して、民営化でスタートをさせていただきましたが、その当時、御存じのように、改革というものをやりますと、結果として改良もあれば改悪もあり得ます。常に、何も郵政に限らず、何でもそういうものです。したがって、結果としてそれがいい方に行かなかった場合は改善を心掛けるようにする。当たり前の話であって、これは、民間であれば、特にそういう努力をしないとその会社は倒産をしますので、当然どの会社でも同じような努力をされる、当たり前のことだと存じます。 そういう意味で、三年の見直し条項が付いているということで、今その状況でいろいろな議論がなされている。そのうちの一つが、このかんぽも一つなんでしょうし、その他我々のところに耳に届いていない部分も含めましていろいろあるんだと思います。 しかし、基本は二つ、若しくは大きく分けて、大きく言えば三つなんだと思いますが、まずは何といっても、これ国民が利用するわけですから、利用する人の利便性、これはもう絶対に大事なところだと存じます。二つ目は、何といっても、それは経営をやるわけですから、経営が健全化しておくというのが二つ目です。そして、多分三つ目なんだと思いますが、これは勤めておられる従業員という方が、四分社化されておりますので、そこらの会社の方々のいわゆる公平性というのをある程度担保される、確保されるような努力というものをしていかなければならない。これが、大きく分けてこの三つを主眼に置いて今後とも経営をされなければならぬものだと思っております。
○長谷川憲正君 全くおっしゃるとおりだと私も思います。 問題は、そうなっていない、現実が。民営化してからこの方何も良くなっていない。もうサービスは悪くなった、どんどんどんどん配達する郵便局なんかも減らされる、お客さんからはいっぱい苦情が出る。郵便局の中は何か監視カメラも付いて、みんなひいひい言いながら仕事をしている。そういう状況をどうやって改善をしなきゃいけないのかということがポイントだと思うんです。 ちょっと資料を見ていただきますが、これは今の民営化と言われているものの中身ですが、実際は株式会社になったというのはそう大したことではないわけでして、ばらばらに会社がなった。そして、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険、これは郵便局会社というのは今は自分で仕事を持っていませんから、仕事を委託されて初めて収入が生じるわけですけれども、これ御覧いただいて分かりますように、全体の八四%は貯金と保険の会社からの委託料で成り立っている。ところが、これ十年たつと完全に株が売却をされまして、郵便局からいつでも出ていける。もう民営化のときに昔の郵便貯金法とか簡易保険法というのは廃止をされまして、今ユニバーサルサービスの義務はない。いつでもこれやめられることができる。ただの普通の銀行だということになっているわけでありまして、私はこの結果、郵便局というのはなくなってしまうと、こんな大きな収入を失って全国の郵便局の維持ができるわけがないと思っているわけでございます。 これ、是非総理にもう一度その辺の御感想をお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 郵便局につきましては、これはあまねく全国において利用されるということを旨として郵便局を設置する、もう長谷川先生よく御存じのとおりに、これは法律上義務付けをされております。したがいまして、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険につきましては、郵便局のネットワークの活用、これは間違いなく避けて通れないだろうと思います。 したがいまして、株式の完全処分というのは十年ということになっておりますが、完全処分の後になりましても郵便局との代理店契約みたいなものをきちんとしておかないと、多分これネットワークが使えないということになりますので、ある程度郵便局のネットワークは維持せざるを得ないと、銀行とかんぽ側からいたしますとせざるを得ないことになるんじゃないかなという感じだけは率直なところです。 これは物すごく大事なところですよ。これがなくなったら終わりですから。そういった意味では、私どもは、いずれにしてもこういったものがスタートしておりますので、いろいろ今後とも改善をしていくべきところは多々あろうかと思いますけれども、必要な改善というものは行ってしかるべきだと思っております。
○長谷川憲正君 もう時間になりましたのでやめますが、実際、日本と同じような仕組みを取ったドイツとニュージーランドが大失敗しまして、郵便局がいっぱいなくなっちゃったわけですよね。七割、八割の郵便局がなくなった。だからそれが問題だということを言っているわけでありまして、最後に、総務大臣、どう担当大臣としてお考えか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(鳩山邦夫君) どういう形が一番国民のためになるかということを念頭に、最大の課題として頭に置いて考えていけばいいと思うのです。 私は、例えば郵便事業会社と局会社は、これはユニバーサルサービスが義務付けられているわけですから、その連携ということも考えなければいけないというふうなことは時々委員会等で答弁をいたしますけれども、この間、新聞を読みましたら、事業会社と局会社がもし一緒になるようなことがあったら、郵政の九割が一緒になった巨大な郵政利権と書いてあったのかな、の誕生だと。私は非常に失礼な文章だと思いました。働いている方は本当に、私は地元の郵便局もよく行きますが、みんな一生懸命働いている、それが何で九割が一緒になると巨大な郵政利権になるのか。私は、そういう世の中の間違った評論には毒されないで、きちんと国民のためを考えて行動したいと思っております。
○長谷川憲正君 終わります。
○委員長(溝手顕正君) 関連質疑を許します。田中康夫君。
○田中康夫君 民主党・新緑風会・国民新・日本の一員であります新党日本代表田中康夫でございます。約四十分にわたって、輿石東さんを始めとする、民主党を始めとする会派の方々の御配意によって質問に立つことができました。改めて感謝を申し上げます。 〔委員長退席、理事岩永浩美君着席〕 本日は、予算委員会の元来の存在意義でありますはずの政策を議論させていただきたく思います。近ごろ話題のグリーンニューディールの真に効果的で希望に満ちた在り方、パブリックサーバント、公僕たるべき公務員の在り方、さらに、グリーンニューディールともかかわる国土の景観形成に関する決断に関してです。 テレビ中継のみならず、今この瞬間もお仕事をしながら、あるいは目が不自由でラジオやインターネットの中継を聞いていらっしゃる方々が日ごろから疑問を抱いていらっしゃる、何ゆえ日本の経済はあるいは市井の方々は踏ん張っているのに日本の政治は停滞をしているのだろうと、どうして官僚統治の官治なのだろうと、この疑問の解明から入りたいと思います。 まず最初に、経営者としても御活躍をされた麻生太郎さんにお聞きいたします。 企業の経営、運営と日本国の経営、運営との違い、あるいはもどかしさがあれば簡潔にお教えくださいませ。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 企業の場合は基本的には自分の会社の利益に集中いたしますので、当然のこととして利益を追求というのが与えられた職務、義務だと思っております。他方、政府、また行政の場合はさようなわけにはいかず、最大公約数というものを考えなければならぬというところが、違いといえば、一番の違いは何かと簡単に申し上げたらそこが一番かなという感じがいたします。
○田中康夫君 ありがとうございます。 同時に、これは政府も自治体もマネジメントの要諦は予算と人事かと思いますが、企業もそうでございます。しかしながら、残念ながら自治体も政府も、政治家や首長というものは予算あるいは人事というものも匿名性に守られた公務員が作成、決定をしている形になっているのではなかろうかと思います。まさにこの点が、先日十月三日の本会議の場でも、私が今から八年前に県知事に就任をしたときに、何でこんな補助金があるんだろう、何でこんなものが、こんな事業があるんだろうと言っても、当の公務員の方々も分からない、いつの間にか長いしがらみとなれ合いの中でできてきたものと、これをやはりゼロベースで見直さねばならない。これは、鳥取県知事でありました片山善博さんとも過日、改めて話し合って確認をしたところでございます。 では、日本版グリーンニューディールということが言われております。このグリーンニューディールも単なる啓蒙啓発のような轍を踏まないことが必要でございます。とはいえ、森林ニューディールというものを二〇〇一年に掲げた際に冷笑されました私としては大変に感慨深いものがございます、たとえアメリカが言い出したからとてですね。 環境大臣の斉藤鉄夫さんにお聞きをいたしたいと思います。 一月二十一日の日に、たしか二百二十万人を超える雇用創出、百兆円を超える環境ビジネスというものを成し遂げるとおっしゃっておられたと思いますが、この実現の具体策というものを、数字がある以上おありであろうかと思います。この点をお教えいただきたいと思います。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) グリーンニューディールと私が今申し上げていることについては、環境と経済、この二つが並び立つような施策をしていこうという視点でございます。 現在、今取りまとめをしているところでございまして、三月いっぱいにこれをまとめたいと思っております。今、いろいろな有識者の方からのヒアリング、また意見募集などを行っております。 数字でございますけれども、あの数字は、現在、環境省で環境関連ビジネスの現況と雇用者数の調査をしております。たしか、二〇〇六年の段階で事業規模が七十兆円、そして雇用者数が百四十万人というのが現状でございます。そして、今までのベースでいけば十年後にこれが百兆円、そして二百二十万人になるということで、これを大きく前倒しするような形で今回の緑の経済と社会の変革の案を作り上げたいと、このように申し上げたところでございますけれども、総理からは、しっかりこれを作れと、そして、もっと大胆にこれを考え直せというところで今案を作っているところでございます。
○田中康夫君 腰だめの数字でないことを切に願いますけれども、実は、グリーンと付いているからには森林がこのかなめでございます。 〔理事岩永浩美君退席、委員長着席〕 こちらを御覧いただきたいと思いますが、(資料提示)日本は、先ほど質問に立たれた長谷川憲正さんが大使を務められたフィンランドに続いて、森林の面積は世界で第二位でございます。約七割近いわけでございますから、国土の七割の森林が今の環境破壊をやめてくれと、量の拡大じゃなくて質の充実だという、再議決ができるという現在の与党と同じだけの力を持っているのが実は森林でございます。カナダは森林の面積が三割でございまして、イギリスに至っては二割でございます。私が知事を務めた県も八割が森林でございました。 この日本の森林の中の四五%が針葉樹なんでございますが、この針葉樹というのは間伐をいたしませんと幹が大きくなりません。こちらに書きましたように、二残一伐と呼びます。お手元にも資料をお配りしております。一列削って二列を残すと。このことを大体四十五年、植えて四十五年から六十年の間にしないと、これはもはや手遅れになります。そして、昭和三十年代に植えられた木は、三十一年生まれの私が今五十二でございますから、まさに待ったなしなんでございますね。 今回、洞爺湖サミットがあったので予算を増やしたというふうに言われております。予算を増やしたとは言いますが、林野庁の予算の中でこうした森林整備に用いているのは、繰り返し私は申し上げておりますが、予算の中のわずか八%でございます。残りは大規模林道であったり、谷止め工と呼ばれるコンクリートや鉄を沢に、ダムにもならない沢に埋め込む公共事業なわけでございます。林野庁という看板が泣くわけでございます。 この中で、間伐を従来の年間三十五万ヘクタールから五十七万ヘクタールにしたというふうに政府は高らかに声を上げましたが、しかしながら初年度から何と五十二万ヘクタールにとどまっておりまして、すなわち一〇%余りが未達成ということです。これは、チーム・マイナス六%という地球温暖化を防ぐためという内容が、三・八%は森林吸収分でございますから、まさに初年度からこれはもう未達成になることが明らかになっていくということでございます。斉藤さん、いかがいたしましょうか。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) もう今から八年前にこのグリーンニューディールを提唱された田中議員のその炯眼に本当に敬意を表したいと思いますけれども、先ほど私あと十年、二〇〇六年からあと十年でと申し上げましたけれども、あの予測は二〇二〇年でございました。その二〇二〇年のものを前倒ししたいということでございます。そして、この森林に対してしっかり手を入れていく、森林吸収源対策を行っていくということは、非常にこれからの施策のある意味で大きな柱の一つになるものと思っております。 三・八%の基礎になる間伐等の予算が今少し足りないということでございますが、ここはしっかりと石破農水大臣と議論をし連携をしながら、この三・八%がきっちりカウントされるような間伐、森林手入れということを行っていきたいと思っております。
○田中康夫君 予算にも増して、森林整備を行う者たちの意欲や、そのシステムが問題なのでございます。 実は、お手元の資料にも書きましたように、間伐というのは一ヘクタール当たり約三十五万円でございます。このうちの六三%が人件費でございまして、まさにこれが、なあんちゃって小泉・竹中へなちょこ改革で公共事業が激減した中で、中山間地と呼ばれるところの方々のこれからの五年、十年の仕事になっていくわけでございます。 ましてや、間伐というのは実は永続的ビジネスなんでございます。皆様は一回間伐をすれば事足りるかと思っていらっしゃるかと思いますが、今、麻生太郎さんがうなずいていらっしゃって、さすがに経営のかなめを中枢を歩まれた方だと思いますが、四十五年から六十年の間に主伐というのをいたします。しかし、その前の二十年から四十五年の間にも最低でも三回は間伐をするわけでございまして、また、植えてから二十年までの間には間伐よりも軽微とはいえ下草刈りも五回以上するわけでございますから、まさにこれこそが私たちの荒廃した各地域の方々の雇用になり、そしてそこに若者が戻ることでございます。 にもかかわらず、なぜ予算を林野庁が付けてもかなわないのか。私はこれは、あえて申し上げれば、森林組合というものに大きな原因があろうかと思います。 実は、私が知事を務めました県でも県内に十八の森林組合がございましたが、五百六十人の作業員に対して管理職員が二百四十人もいたわけでございます。そこで、私は、信州きこり講座という百時限無料で、土木建設業あるいはIターンで移られた方々にNPOをつくっていただいて、疑似NPOをつくって百時限の無料講習を行って、間伐の技術の資格を取っていただいた方に公明正大な切磋琢磨の入札に参加していただくようになりました。しかし、予算も面積も三倍にいたしましたから、これは森林組合いじめではございません。にもかかわらず、最も抵抗された方々は、残念ながら既得権益を失う方々でございました。 こうした中において、約三千人もの方が講習を受けられて、そして、私が退任といいますか、利権をつくんないのでもう山から下りていいと言われたときには、森林組合が約三割、それで土木建設業が三割、また新たな事業体、NPO等の方が三割というような形になりました。 実は、これは私の友人でもあった方なんですが、なぜ森林組合の方々が間伐をなかなかなさってくださらないかというと、県あるいは市あるいは林業公社が発注するものは山林の公共事業だけじゃなくて、間伐に関しても様々なアドオンされたいろんな手当があるんですね、おまけが付いているわけでございます、現場管理費とか一般管理費とか。なので、おいしいと。三ヘクタール持っている私の友人がこれ間伐してほしいと、森林組合。実は、森林所有者が森林組合の組合員でございますから、組合員にもかかわらず一年たってもやっていただけないと。そこで、民間の素材業者に任せたら、逆にその木がヒノキも売れて、費用を差し引いても二十万円の余剰金があったというふうに言われているわけでございます。 ですから、森林の整備ということは同時にビジネスの観点から考えなければいけませんし、その意味でまさに弱肉強食であったり、あるいは非常に不透明な入札制度を変えないといけないと思います。 もう一枚の方をちょっとお見せをいたします。二枚目の紙でございます。(資料提示) 実は、じゃ木材はどのように活用するのかということです。従来言われておりますのは、間伐をしても木が売れないと言われておりますが、実は日本の木の価格は今非常に市場競争力が高まっております。同時に、例えば学校を、稲荷山養護学校というのを私は木造で、理解を得て、すべて体育館も含めて造りました。 こちらにございますのは、御存じのように信州型の木製ガードレールというものなわけでございます。 木製ガードレールというものは、実は鉄のガードレールは、造っておりますのは全国にわずか四社でございます。そして、ガードレールの設置費用は全額地元費でございます。にもかかわらず、設置の費用しか地元に還元されないと。木の同じ耐久度の強さのガードレールを国土交通省の認証を受けて、こちらにいらっしゃる佐藤信秋さんが事務次官であられたときに認めていただきました。すると、その手元の資料に書きましたように、間伐から設置までですので地域雇用は五倍になるわけでございます。 実は、さらに斉藤さんにお聞きしますが、地球温暖化の防止に貢献する木材利用の推進にかかわる法律案というものを自由民主党と公明党の議員立法で、一月二十三日現在に骨子案が出てきております。この中にも、木製ガードレールあるいは高速道路の遮音壁を、こうしたものに補助金の交付をしようということが書かれております。これに関して御決意のほどをお聞かせください。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 森林をよみがえらせるためには、森林に手を入れる、その予算をしっかり組むことと、そこから出てきた間伐材や、また下刈りをしたときのいろいろな草等をバイオマス等に使う、実際にそれを使うと、経済原則の中に入れていくということが非常に重要になってくると思います。 また、今我々考えておりますのは、吸収源として森林認証をして、それをクレジットとして将来の二酸化炭素排出量取引等に組み入れていく、こういうことによって国内産、材木だけではなくて、下刈りのバイオマス原料等を経済の中に入れていくということが重要だと思っております。 今、議員立法の形で議論されていると聞いておりますけれども、我々環境省としても、そういう方向性はもうまさに一致しているわけでございますし、しっかりと日本の森林がよみがえって、雇用を生み、地域が活性化をすると。また、地域に行くと鳥獣被害、イノシシ、猿の被害に悩んでいらっしゃる方がたくさんいらっしゃいますが、森林にしっかり手を入れればそういうイノシシや猿も森にとどまってくれるわけで、里山も守れる、生物多様性もしっかりと確保できるということになりますので、この方向でしっかり頑張りたいと思います。
○田中康夫君 知事時代には木製ガードレールの予算が不要不急だといって削除されたような苦い経験もございましたので、隔世の感であります。 続いて、こちらの図表を御覧いただきたいと思います。これは誤解なきよう、公務員たたきではございません。社会をより良くしたいと、国民に、住民に尽くしたいと思って、志を持って入省、入庁された方々が前例踏襲になってしまった方々を人間に戻す必要がございます。 しかしながら、退職手当債というものが二〇〇六年度から都道府県、市区町村で発行されております。この金額が、御覧いただきますように、平成二十年単年度で退職金を満額払うために六千三百億円も借金をしているわけでございます。 実は、これは平成十八年の三月にこの法律が国においてできました。このとき私はまだ議員ではございませんでしたが、現在の野党の者はこうした法律はモラルハザードであるということで反対をした。しかし、お金がないなら退職金を満額払うために借金しなさいというこの法律を推進されたのは、現在の与党の方々でございます。 こうしたことを、総務大臣であられる鳩山さん、見直しされる御意思があられるかどうか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(鳩山邦夫君) ちょっと先生の数字、三兆六百十七億でございますが、これダブルのカウントが入っているんではないかと。一兆五千六百十八億千七百万円というのが私どもが累積、これダブり入っているので累積でとらえている数字なんですが、今そういうふうに私はレクチャーを受けているんですが、いずれにいたしましてもこの退職手当債でかいんですよね。でかいんですが、だから本来は退職給与引当金のように積んであったらそれは一番いいんですが、もちろん地方も行革すべき点はいっぱいあるとは思いますが、やはり地方にそれだけの財務体質がなくて退職給与引当金というものが積めなかった結果、退職手当債を認める形になったもので、私としては、これは財政規律という面では問題が生じるかもしれませんが、その辺、地方がしっかりやっていけるならば問題ないと思っております。
○田中康夫君 いいえ、これはしっかり発行額と書いてございます。今後も、これから十年間にわたって政府は五千億円から六千億円の規模で退職金のための借金を認めていくということなんでございます。 この点に関して、同時に、国家公務員の批判は受けておりますが、地方公務員ということに関しても、これは私は意欲のある地方公務員の方が地域の方々から拍手喝采されるような形にならなくてはいけないと思っております。 お手元に、平成十七年に当時の財務大臣の谷垣禎一さんが経済財政諮問会議という、最近は毀誉褒貶がある、いや当時からあった、ところでお配りになった内容がございます。二ページのところの、ほとんどの県で民間の給与を上回っていると、しかしながら官民較差はほとんどないというふうになっていると。 これはなぜかという点に関して、同じく財務大臣である与謝野さんにこの御見解をちょっと、御覧いただいて、お聞かせください。
○国務大臣(与謝野馨君) これはもう以前から、国家公務員は一律の給与水準でございましたけれども、地方自治体の一部においてはラスパイレス指数が異常に高いというところがもう三十年ぐらいも前からずっと指摘をされてきて、地方自治体それぞれは相当その部分は是正してこられましたけれども、まだ国家公務員を上回っているというのが現状だと私は考えております。 これはそれぞれの地域の事情もありますし、自治体のお考えもあるでしょう。しかし、余りにも懸け離れた水準というのは、これは総務省は指導をされていると考えております。
○田中康夫君 こうした中で、地方公務員の給与においては極めて不透明なわたりというものと給料の調整額というものがございます。 麻生さん、わたり、地方公務員のわたりということに関しては御存じでいらっしゃいますか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) そんなに詳しく知っているわけではございません。
○田中康夫君 ありがとうございます。 すなわち、このわたりというのは、例えば課長補佐でなくても課長補佐級の給与が出るという、つまり来年もらえるお給料が前倒しで一年先に来るというような形なんでございます。あるいは、調整額というものがございます。これはもちろん、例えば警察官の方が事故の死体を処理をするということに関して手当があるのは私は当然だと思いますが、調整額というのはボーナスや退職金にも反映されていく手当なわけでございます。 そして、これを私が、寡聞には、長野県が最初にこの調整額を全廃をほぼいたしまして、九九%、わたりも廃止をいたしました。しかし、これは大阪府もあるいは東京都もまだ実施しておりません。わたりと調整額に関しても、恐らく片山善博さんのときに鳥取県が部分的になさったかと思います。そして、驚くべきことに、総務省の自治行政局ではこうしたものが自治体にあるかどうか網羅的な調査を行っていないという回答でございます。 鳩山さん、この調査を早急に行う御意思があるかどうかお聞かせください。
○国務大臣(鳩山邦夫君) わたりは確かに、何というか、出世しないと言ってはいけないかもしれませんが、下のクラスでずっといる方が長くいるので温情で、例えば肩書は係長のままでも課長補佐ぐらいの給料にするというようなことで行われてきたものがあったので。それから、調整額を長野県が全廃をされたと。最近では鳥取が全廃をしたということで。 結局、一番難しいのは、総務省は地方自治を担当いたしておりまして、地方公務員も担当なのでございます。ですから、こんなふうにしたらいい、あんなふうにしたらいいということはどんどん考えて、またそれを伝えていくわけでございますが、ただ、地域地域に事情がございますので、それはまさに地方自治ということで地方のやり方があるだろうと。 調べられるだけ調べるということはお約束できます。
○田中康夫君 地方分権というのは、まさに丸投げで何でもしていいというお話なわけではないわけでございます。まさに政治のリーダーシップというものは、きちんと国民のために良い意味で規制を強化するところと規制を緩和するところ、供給側の都合ではない形で行われるということがとても大事かと思います。 実は、鳩山さんにはこの後、建物の景観のお話もお聞きをしようと思っていたわけでございますが、少し時間がなくなってしまいました。 いずれにいたしましても、グリーンニューディールも、あるいは公務員の方々が地域からきちんと理解されるための透明性の高い給与体系というものを、やはりこれは国がきちんと指針を示して調査を行い実行していくことが私は二十一世紀の雇用につながると、活力につながると、このように思っております。 どうもありがとうございました。
○委員長(溝手顕正君) これにて田中康夫君の関連質疑は終了いたしました。 以上で平田健二君の質疑は終了いたしました。(拍手) 残余の質疑は明日に譲ることといたします。 明日は午前九時から開会することといたし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十六分散会