法務委員会 第15号
- 発言数
- 225 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2009/07/07
会議録
○委員長(澤雄二君) ただいまから法務委員会を開会をいたします。 委員の異動について御報告をいたします。 昨日までに、広田一君、仁比聡平君及び松野信夫君が委員を辞任され、その補欠として前川清成君、大門実紀史君及び佐藤公治君が選任をされました。 ─────────────
○委員長(澤雄二君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に総務大臣官房審議官佐村知子君、法務省入国管理局長西川克行君、文部科学大臣官房審議官前川喜平君、厚生労働大臣官房政策評価審議官荒井和夫君、厚生労働大臣官房審議官渡延忠君、厚生労働大臣官房審議官杉浦信平君及び厚生労働大臣官房審議官坂本森男君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(澤雄二君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 ─────────────
○委員長(澤雄二君) 出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○松浦大悟君 おはようございます。民主党の松浦大悟です。どうぞよろしくお願いいたします。 今日は、非正規滞在者の子供の教育を受ける権利について、それから在留資格取消しとDVの関係について、そして難民問題についてなどを伺いたいと思います。 まず、議論の前に、前提となる話といたしまして、少し大臣と議論をさせていただきたいと思います。 政府の第三次出入国管理基本計画は、不法滞在者は外国人犯罪の温床になっていると報告しています。六月三十日の法務委員会で森法務大臣は、不法滞在者数半減計画で二十二万人が十一万人になり、それによって不法滞在者に原因する犯罪も大幅に減ったと胸を張りました。こうした認識の下、更なる管理徹底を目指して進められてきたのが今回の入管法改正だと思います。 しかし、犯罪白書を執筆してこられた経験を持つ浜井浩一氏、現在は龍谷大学法学部の教授でいらっしゃいますが、この浜井浩一さんによれば、これは統計のトリックであると言います。つまり、警察官僚の主張する外国人犯罪の増加はバイアスの掛かった統計の読み方であり、極めてまゆつばだということなんです。 御存じのように、認知件数というのは警察が受理した事件の件数のことであり、例えば安全相談強化月間などの業務命令の下、号令一下、警察活動を活発にさせれば簡単に数字を増やすことができます。現に、桶川ストーカー殺人事件の後、世間から批判をされた警察が警察活動に力を入れた結果、極端に数字が跳ね上がっております。検挙においても同じです。一人が百件犯罪を犯したとしても、どの事件を検挙するかは警察の胸先三寸、幾らでも数字を操作できます。 こうしたことから、利害当事者が作成した統計データは社会政策においては採用してはならないというのが今や社会学や統計学の常識なんです。大臣は、こうした統計の特徴について御存じだったでしょうか。知っていたか知らなかったかでお答えください。
○国務大臣(森英介君) 今の委員が御指摘になったそういう考え方については存じませんでしたけれども、私、元来技術者でございますので、統計とか確率とかいうことには、ここにいらっしゃる皆様の中では相当造詣が深い方だと思っております。
○松浦大悟君 今、力強い答弁をいただきました。もう我が意を得たりの気分でございます。 大臣、そうでありましたら、是非ともこの統計について検討をいただきたいというふうに思うんです。この統計のこうした特徴について御存じの上でこうした社会政策がつくられるのであれば、やはり国民は、やっぱり国民をだましたのかというふうに思うと思うんですね。そういうことを言われないように、この統計というものには様々な特徴があるのだということを是非とも大臣からメッセージを発信していただければというふうに思います。 さて、こうした前提を踏まえまして、森大臣に質問をさせていただきます。 私は、法務委員会のほかに少子高齢化・共生社会に関する調査会に所属をしております。与党の皆さんとも一緒に、外国人との共生についての提言も作らせていただきました。 森大臣は、この共生社会という場合の共生とはどんな意味だとお考えになっているでしょうか。私は、共生というのは背景の違う者同士がお互いを尊重し価値観を認め合うことだと思います。共生というのは、決して同化や排除による安心のことではありません。ましてや、日本に役立つ外国人と役立たない外国人を選別することではないと思います。 今回の入管法改正の大臣所信では、管理という言葉は十か所使われていましたが、この共生という言葉は一言も出てきませんでした。大臣はどんな社会を目指そうとしているのか、お考えを聞かせてください。
○国務大臣(森英介君) 共生というのは、今委員がおっしゃったように、背景ですとかあるいは文化の違う人々がお互いに尊重し合って共存していく社会であると私も思います。 我が国に在留する外国人の数は年々増加しておりまして、平成二十年末の在留資格を有する外国人登録者数は概数で約二百二十万人となっております。これらの外国人は、その入国、在留の目的は様々ですが、地域社会における生活者であることに変わりはなく、日本人と共に生きていく地域社会の構成員であります。 共生社会とは、地域社会の一員であって隣人である外国人と日本人が生きていく社会であり、生活環境、就労、教育等様々な場面において日本人と外国人が共に生き共に生活できる社会であると考えておりまして、そうした社会の実現に向けて政府のみならず様々な分野で種々の取組がなされているところでございまして、私もそういった社会を目指すことが重要であると認識をしております。
○松浦大悟君 日本は、これから多文化共生社会を目指すのではなくて、もう既に多文化共生社会に突入をしているということは、これは大臣も共通した認識ではないかと思います。製造業の分野だけではなくて、今や農業ですとか漁業、こうした分野においてもこの外国人労働者なしでは成り立たない地域もあるということでございます。グローバル化の流れの中で資本の流出や労働力の流動化はもはや止めることはできません。先進国であれば、一定限度の非正規滞在者を抱えつつそのバランスをどう取っていくのか、これが問題にされるべきではないでしょうか。 この三十年弱の間、不法滞在者と言われる人については、日本の社会に多くの貢献がある反面、暴動などの問題を巻き起こしたことはありません。また、諸外国に比較して数も人口比も圧倒的に少なくて、かつ減少傾向にあります。彼らの最低限の権利や生活の利便の基礎になる外国人登録を奪ってまで彼らの一掃を目指すというのは非常に疑問が残ります。非正規滞在者の中には、なりたくて非正規滞在者になったわけではない人もいます。派遣切りで職を失い、住むところがなくなって非正規滞在者となった方も多い。 大臣、経済的に利用ができるときだけ利用して、あとはごみくずのように捨ててしまってもいいんでしょうか。非正規滞在者を排除するのではなくて包摂する社会は築けないものでしょうか。できないとすれば、何が問題でできないのか、どのようにすればできるようになるのか、大臣の考えを聞かせてください。
○国務大臣(森英介君) 多文化共生社会というのは別に今に始まったことではなくて、我が国が、漢字にしても様々な文化にしても宗教にしても、大陸あるいは南方、様々な地域から由来したものを全部飲み込んで、そしてそしゃくして今日に至っているわけでございまして、そういった多文化の様々な恩恵の上に立って存在している国家であるというふうに思います。 ただ、そうは申しましても、不法滞在者、委員のお言葉で言う非正規滞在者がそのまま無条件に一緒に仲よく過ごしましょうというわけにはいかないわけでございまして、やはり入管法上違反して我が国に滞在する人々をそのままの状態で社会に受け入れていくということは私は不適切であると考えております。 このような不法滞在者につきましては、退去させるべきは退去させますが、今おっしゃられたように様々な事情をお持ちの方もあるわけでございまして、個々の事案に応じて在留特別許可を認めるべき者につきましてはこれを認めることといたしておりますし、そのことを通じて、我が国が入国、在留を認める外国人には先ほど申し上げた多文化共生社会の担い手となっていただきたいというふうに思っております。 なお、在留特別許可につきましては、その透明性を確保することが不法滞在者の自発的な出頭を促す観点からも重要であると認識しておりまして、許可された事例及び在留特別許可されなかった事例の更なる公表を行うとともに、既に公表済みの在留特別許可に係るガイドラインの内容についての見直し作業もできるだけ早く進め、やっぱりそうした方々へ、より安定した立場でもって在留していただく方は在留していただくし、また帰っていただく方には帰っていただくようにしたいというふうに思っております。
○松浦大悟君 大臣、もう一点確認させていただきたいんですが、大臣はそうはおっしゃるんですが、今回の入管法改正の審議の中で官僚の皆さんから度々出てくるのが、外国人登録制度の欠陥で行政サービスができないんだ云々かんぬんという話があります。私は、これはただの口実ではないかと考えています。 外国人登録だって、居住地変更をしたときの変更登録の義務がありました。住居が把握できない、住所が把握できないというのはごまかしではないでしょうか。確かに届けを出さない人もいるかもしれません。ただ、それは、そういった人は行政サービスも望んでいないわけで、そうした人までつかまえて、首根っこをつかまえて行政サービスを行おうという、そういうことではないと思うんです。本心は、本当はテロ対策の一環として外国人管理を強化したいということではないんでしょうか。どうでしょう、その辺は。
○国務大臣(森英介君) 実態的に、今申し上げたように、大変外国人が、日本に滞在する人たちが多くなってきて、その住居地の把握が困難になってきているということはこれは紛れもない事実でございます。 そういう方々のやっぱり今まで点の把握であったのを国において一元化して、点から線の把握にするようにしてより外国人の居住実態を正確に把握するとともに、地方自治体にそれをインフォームすることによって行政サービスもより受けやすくなるようにしようということで、これはまさに外国人、日本に住む、ちゃんと適法に住んでいらっしゃる方々にとってはむしろ便益の向上になるというふうに私は思っております。
○松浦大悟君 これまで非正規滞在者は、労働災害ですとか賃金未払を訴えたり出産のための補助を受けたり子供を公立学校に通学させたりと、少しずつではありますが、日本社会での権利を獲得していったという歴史があります。それが、このテロ対策の名の下、治安回復元年とされた二〇〇三年以降、この国の空気はがらりと変わってしまいました。非正規滞在者を五年間で半減するという数値目標が設定されたことで、教会やモスクあるいは大使館やNGO事務所周辺での職務質問が物すごく増えているんです。 入管のホームページでは非正規滞在者に対する情報を積極的に市民から求めている、あるいはメディアは凶悪化する外国人犯罪とあおる、これでは非正規滞在者は危ない外国人だと印象付けられてしまうと思うんです。そうではなくて、非正規滞在者の中には図らずも非正規滞在になった方もいて、刑法を犯した凶悪犯とは違うんだということを是非とも法務大臣からメッセージを発信していただけないでしょうか。大臣、どうでしょう。
○国務大臣(森英介君) 確かに非正規滞在者の中には様々な事情でもってそういう境遇になっているという方がいるということは十分認識しています。したがって、そうした方々について一律に凶悪犯とか犯罪者の予備軍だと思っているわけではないということは申すまでもありません。 ただ、委員がおっしゃられるように、そういった二〇〇三年以降、テロ対策でもって非常に管理が強まって、そういった人たちが非常に厳しいそういう監視の下に置かれているというのはいささか、ちょっと言い過ぎではないかなというふうに私は思うんです。 もちろん、テロ対策のみではありませんけど、現にああいう非常に重大な事件があった、九・一一、あったのを受けて、やはりそういった管理が強まったということは事実かもしれませんけど、日本の治安に責任を持つ立場としては、やはりそういったことで十分気を付けて、日本国民あるいは日本に住んでいらっしゃる、健全に過ごしていらっしゃる外国人に危害が及ばないようにするというのは私どもの務めでありますので、その観点からいろいろな施策を講じているということは御理解をいただきたいというふうに思います。
○松浦大悟君 そうしますと、大臣、今回の在留カードはテロ対策には使わないと、こういうことでよろしいですか。
○国務大臣(森英介君) いや、そういう趣旨ではありませんけれども、結果としてテロリストの侵入がしにくくなるということはその付随的効果としてあると思います。
○松浦大悟君 ここははっきりさせておきたいんですが、テロの活動をチェックするために在留カードを使うのかどうか、ここは目的外ではないかと私は考えるんですが、大臣はここはそういう場合もあるという、先ほどの御答弁の内容はそういうことだったんでしょうか。
○国務大臣(森英介君) 別にテロリスト対策のみではありませんけれども、やはりそういう思惑を持って日本に入ってくる人々についてはそういうことがしにくくなるということはむしろ日本の治安対策上好ましいことであって、もちろん、今度、入管法改正によって、そのことが目的ではないにしても、そういうことがしにくくなるということは当然付随的効果としてあるというふうに私は思っております。
○松浦大悟君 それは在留カードの目的外使用ということにはなりませんか。今回の法改正の法目的と合致しないのではないのでしょうか。
○国務大臣(森英介君) いや、ですから、在留カードは要するにそういった適法に日本に過ごしていらっしゃる外国人の身分の安定のために持っていただくわけでございますから、それはそういう目的であって、もしそういう以外のそういった危険分子が紛れ込んでいれば、それを判別するのに役に立つとすれば、それも結構なことじゃないかというふうに私は思います。
○松浦大悟君 そうしますと、やはり警察活動とリンクをさせて在留カードを使用すると、こういうことになりますけれども、それは今回の入管法の改正の中ではっきりはこれまでおっしゃってこられなかったことですよね。今、私も大変驚いておりますけれども、そういうことでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(森英介君) いや、別に、だからそのことが目的でと申し上げているわけじゃありませんし、逆にお尋ねしますけれども、委員は日本でテロリストが自由にばっこしてもいいと、こういうお考えなんでしょうか。(発言する者あり)
○委員長(澤雄二君) 松浦大悟君、もう一度質問してください。
○松浦大悟君 いや、大臣、私の質問は、今回の法律、法改正をしっかりと審議しようということなんです。今回の法律の目的は、テロリストを排除する、テロリストを見付け出すために在留カードを導入するということではなかったと私は認識をしておりますが、この審議の途中にこの目的が変わったんでしょうか。
○国務大臣(森英介君) ですから、あくまでもそれはそういうふうな結果として効果もあるでしょうと申し上げているのであって、これはあくまでも、今まで要するに在留管理は国において行われ外国人登録は市町村で受け付けていたということで、外国人の居住実態あるいは動静が十分に把握できずいろんな問題が生じていたということがございますので、今回の法改正によってそれを一元化することによってより外国人の居住実態等々を的確に把握し、その結果として日本に住んでいらっしゃるそういう在留資格を持った外国人の方々の社会福祉の向上等に利することがあくまでも目的でございます。何らそれは御提案したときから変わっているところではございません。
○松浦大悟君 そうでありますと、先ほど大臣は、テロ対策のために非正規滞在者が大変肩身の狭い思いをしているというのはいささか言い過ぎではないかという発言がありましたが、そうではなくて、やはりテロ対策も目的の中に含まれており、こうした在留カードとのリンクが今後検討されていくのであろうということを推測せざるを得ません。 ここにばかりとどまっているわけにもいかないので質問を進めますが、不法滞在という用語の使用についてお答えいただきたいと思います。 私は、この用語、法務省は大変安易に使っているのではないかと思います。例えば、一九七五年の国連総会は、不法なという言葉は常に移民に罪があるような印象を与えるため、国連の公式文書では非正規若しくは証明書を持たないという用語を使うように決議しています。また、一九九四年の人口と発展に関する国際会議では、証明書を持たない移民又は非正規移民は、入国、滞在又は経済活動の行使について到着国で定められた要件を満たさない人と定義がされています。 そこでお尋ねしますが、法務省はこうした国際機関の定義や決議をこれまでどのように受け止めてきたのか、国連では使われなくなった不法滞在という言葉をあえて使い続けるということについて内部で検討したことはあるのか、その経緯と、不法滞在という言葉を国連の用語に変える考えはあるか否かについてお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(西川克行君) まず不法滞在という言葉でございますけれども、入管法上の定義がなされた言葉ということではございませんで、例えば不法入国であるとか不法残留であるとか、入管法に違反する行為をもって在留している方を総称して不法滞在という呼び方をしているということでございます。これらのいずれにつきましても入管法上の罰則の対象になっているということで、不法という表現をしているということでございます。 それから、国連の用語でございますが、確かに記録をされていない、アンドキュメンテッドという言葉を使ったりイレギュラーという言葉を使っている場合もあるというふうに承知をしておりますが、他方、イリーガルミグラントと、イリーガルという言葉を使う場合もございますので、必ずしも国連の内部で不法滞在という言葉を使わないということが統一されているという理解を私どもはしておりません。 それから、今まで不法滞在者について他の呼び方を検討したことは部内ではございませんでした。
○松浦大悟君 こうした用語の使い方には国の姿勢が表れます。政府がどのような立場で外国人を取り扱っているのかということが透けて見えるわけです。今の政府参考人の話でいけば、日本は国際標準に改めるつもりはないということを改めて宣言をされた、独自路線を突き進むということを宣言されたというふうに受け止められてしまいました。これは大変残念なことだというふうに私は考えています。是非とも法務省の中で国際標準に改めるべく議論をしていただきたいと思います。 大臣はこの不法滞在という用語についてどのようにお考えになっていらっしゃるでしょうか。これを使っているのは本当に恥ずかしいことでありまして、日本の国益にも大変大きな影響を与えると私は考えております。日本という国が本当に包摂的な、いろんな多文化共生社会を目指している、そういう国であると世界に向けてアピールするならば、まずはこの用語の改正から行わなくてはならないと私は思いますが、大臣はどうでしょうか。
○国務大臣(森英介君) 一つの御意見として承りますが、私は、やはり不法滞在者というのは不法滞在者であることは間違いないのでございまして、先ほど局長が御答弁したとおりでございます。
○松浦大悟君 がっかりしました。 次に、在留資格のない外国人児童の教育を受ける権利についてお伺いをいたします。 文部省は、去年の十二月から今年二月にかけてブラジル人学校の子供たちがおよそ四割減少し、そのうち四〇%が本国に帰国、およそ二五%が不就学あるいは自宅待機になっているという報告がありました。 最初に、この在留資格のない児童への教育実態、今どうなっているのか、文科省に伺いたいと思います。
○政府参考人(前川喜平君) 先生おっしゃいますとおり、本年一月から二月にかけまして、ブラジル人学校等に通学しているブラジル人等の子供の就学状況についての調査を行いました。この調査におきましては、ブラジル人の子供たちあるいはその保護者の在留資格のいかんについては調査しておりませんので、在留資格のない子供の現状はどうなっているかということについてはちょっとお答えしかねるわけでございますけれども。 この外国人学校は、例えばブラジル人学校におきまして、将来母国へ帰国することなどを予定している子供あるいは保護者の需要に応じましてブラジルの教育課程などに従ってブラジル人の教育を自主的に行っていると、こういう学校でございますので、そのため、ブラジル人学校において在留資格をどう取り扱っているかと、このことにつきましてもそれぞれの外国人学校の判断で行われているわけであります。 一方、公立の義務教育諸学校につきましては、我が国に滞在する外国人がその保護する子供の入学を希望する場合におきましては、国際人権規約等を踏まえまして、在留資格のいかんを問わず無償での受入れを行っているところでございまして、この公立の義務教育諸学校に在籍している子供たちにつきましても、在留資格がどうなっているかということについて私ども確認はしていないところでございます。
○松浦大悟君 そうしますと、今、入管や警察に摘発されて在留資格のない子供が強制退去を迫られるというケースが相次いでいるという報告があるわけですが、これについても把握はされていないということでよろしいですか。
○政府参考人(前川喜平君) 公立学校の在学中の子供につきまして、その出入り、入学、編入学あるいは退学といった状況は把握しておりますけれども、強制退去によるものであるかどうかということについては把握しておりません。
○松浦大悟君 今、景気悪化を背景に多くの外国人が職を失い、住むところを失い、非正規滞在者にならざるを得なくなっております。そのしわ寄せが一番弱い存在の子供たちに行っていると。在留資格のない子供に対しても教育を受ける権利が保障されていることは、これはもう児童の権利条約を持ち出すまでもなく、我が国においても明確に認めているところだと思います。 ところが、新制度になった場合にこの教育を受ける権利がちゃんと保障されるのかということを心配する声が非常に多い。このことについて、法務省、文科省、それぞれどうお考えになっているか聞かせてください。
○政府参考人(西川克行君) お答え申し上げます。 まず、今回の法改正によって直ちに今まで受けられていた行政サービスが受けられなくなるということではなくて、不法滞在者が受けられる行政サービスの範囲内は法改正後も基本的には変わらないと、こういう理解をしております。そして、不法滞在者の子供の教育についても子供の教育の権利を保障することは重要であると考えております。 この点に関しまして、住民基本台帳法においても修正案で附則が付けられたというふうに承知をしておりますけれども、入管法の修正案においても、仮放免されてから一定期間経過したものに関し、その身分関係等を市区町村に通知を行うことを検討する旨の規定が設けられたということでございます。 当局といたしましては、この規定を受けて、委員御指摘の子供の教育等を外国人が受けることのできる行政上の便益に支障を生じさせることのないよう、個人情報保護の問題は別にございますけれども、その観点にも留意しながら通知を行う場面や方法について検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○政府参考人(前川喜平君) 外国人がその子供を公立義務教育諸学校へ就学させることを希望する場合におきましては、従来から、国際人権規約等を踏まえまして、在留資格のいかんを問わず日本人の子供と同様に無償で受入れをしているところでございまして、今回の法改正後におきましてもこの取扱いに変わるものではないと考えております。
○松浦大悟君 今、これまでと変わらないという御答弁がありましたけれども、一九九一年以降、在留資格がない人にも外国人登録が認められて、児童の就学をきっかけに登録する人が非常に多かったわけです。自治体も、就学年齢に達した児童の保護者に対しては、外国人登録で住所を確認して、在留資格があるなしにかかわらず就学案内を出していたと。 ところが、この新制度では、在留カードで一元管理されるため、非正規滞在者の把握がまずできなくなるわけですね。当然、就学児童の把握もできなくなると。事実上、児童が教育を受ける権利をこれは阻害することになるのではないか、これでは条約との整合性が取れなくなるのではと思いますが、法務省、どうでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 今回の改正案の修正のうち、住民基本台帳法においてもまた入管法においても、そのようなことがないように従前の行政サービスを受けられるような仕組みをつくりなさいと、それから入管法については、特に仮放免者について通知する制度を検討して、そういう把握が市区町村においてできるようなことに協力をしなさいと、こういう趣旨だと思っておりますので、この附則を踏まえまして、法務省としてできることは十分やっていこうというふうに考えております。
○松浦大悟君 住所が分からないのにどうやって通知をするんでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 通知を義務付けられているのは、附則では、仮放免された後一定期間を経過した方ということになっておりまして、仮放免段階において仮放免証明書も出しますし、それから住所についても把握をしているということになりますので、当然、市区町村に対する通知は、その問題だけをとらえれば、あと個人情報の問題が若干ございますけれども、それはのいておいて、可能だというふうに思っております。
○松浦大悟君 ただ、その後の段階ですよね、非正規滞在者になったときにどうやって通知をするんですかということなんですが、そこの住所把握はできないわけですよね。
○政府参考人(西川克行君) 今申し上げているのは、基本的には退去強制手続は収容で進めますが、場合によってはすぐ仮放免をするという場合があると。仮放免をした場合について行政サービスが受けられるように通知をする仕組みをつくりなさいと、これが附則の中身だというふうに思っておりますので、当方が退去強制手続を進めて仮放免という形で社会に出したという方々については、当然その住所等については入管局において把握をしておりますので、それに基づいて市区町村に対する通知の仕組みをつくっていくと、こういうことになろうというふうに思っておりますが。
○松浦大悟君 入管法六十二条二項では、「国又は地方公共団体の職員は、その職務を遂行するに当つて前項の外国人を知つたときは、その旨を通報しなければならない。」とあります。 しかし、これまで法務省入国管理局長は、外国人登録事務取扱要領において、外国人が不法入国、不法残留など入管法第二十四条各号、退去強制事由の一に該当する疑いがあると思料するときは、所轄の地方入国管理局長又は地方入国管理局支局長あてに通報しなければならない、ただし、地方入国管理局長又は地方入国管理局支局長に対し登録証明書の調製を依頼する場合において、在留の資格なしと記載して登録証明書を調製することとなる外国人については通報を要しないとしていたため、就学のための外国人登録をきっかけとした通報はほとんどなかったと伺っています。 在留資格のない外国人児童から就学の希望があった場合に、これまでどおり教育を受ける権利を阻害しないような扱いをしなければならないと思いますが、これについてはどうでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) ただいまの外国人登録証の調製された部分について通報しなくていいというのは、外国人登録の関係で調製されたものについては入管に通知が来ますので、二重に通知する必要はないという意味というふうに思います。これはその問題だということですが、それ以外に、一般的に公務員の通報義務というものがございます。 基本的な考え方だけ申し上げますと、入管法六十二条二項で、各行政機関における職務上の必要がある場合でも、一般的には入管法の通報義務があると、こちらが優先すると私どもは考えておりますが、通報義務を履行すると行政機関に課せられる行政目的が全く達成できないような特殊な場合、例外的な場合につきましては、通報義務の履行により守られる利益と職務の円滑な遂行という公益の比較考量によって、当該行政機関の判断により通報を行わない場合もあり得るというふうに考えているところでございます。
○松浦大悟君 私は、ここが権利がバッティングすると思っているんです。公務員は通報しなければならない、しかし子供の教育を受ける権利を阻害してはならない、ここの権利の調整をどのようにしていくのかだと思うんですが、就学希望が出されたことによって、教育委員会ですとか学校が入管に通報することはあってはならないと私は考えています。それほどまでに子供の教育を受ける権利というのは強い権利であると私は考えているんです。 この条項は、改正後も、就学事務に携わる教育公務員については義務ではない、若しくは厳格な義務ではないと私は解釈すべきだと思うんですが、運用においては今までは通報されることはなかった、これを今後、改正後もそのようにしていただきたいと思うんですが、その点について確認をしたいと思います。 これは文科省、お願いいたします。
○政府参考人(前川喜平君) 市町村の教育委員会におきまして就学手続を行うに当たりましては、子供の教育を受ける権利の保障という観点から、従来から、外国人登録証明書による確認に限らず、一定の信頼が得られると判断できる書類により住所確認等ができる場合には公立の小中学校等に受入れをしているところでございます。 また、就学事務に携わる市町村教育委員会事務局の職員には、現在の外国人登録証明書の提示を求めるという権限があるわけではございません。また、法律改正後も在留カードの提示を求めるという権限を持つものではございません。 そういうこともございまして、就学手続の際に明らかに不法滞在者であるということが判明するというケースは想定し難いと考えておりまして、実際にもこれまで、先生御指摘のとおり、入管当局に通報しているという例は承知していないところでございまして、こういったことは法改正後も変わらないだろうというふうに考えております。
○松浦大悟君 そうしますと、在留カードがないということは就学できないということになるんでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 在留カードの有無ということは就学することにかかわりはございません。
○松浦大悟君 それでは、その在留資格がない児童生徒から就学の希望があった場合、例えば教育委員会ではどのように教育を受ける権利をこれから保障していくのか、その用意はどのようにされているのかお聞かせください。
○政府参考人(前川喜平君) 先ほど来申し上げておりますように、外国人がその子供を公立義務教育諸学校へ就学させることを希望する場合におきましては、国際人権規約等を踏まえまして在留資格のいかんを問わず日本人の子供と同様に無償で受け入れてきたわけでございまして、今後ともこの取扱いには変わりないと考えておりますが、一方、不就学の外国人の子供たちをいかに就学させていくかということはこれは非常に大きな政策上の課題であるというふうに認識しておりまして、また、居所や住所の不明なケースも多いことから、文部科学省では従来より就学を促進するための取組をしてきておるわけでございます。 例えば、日本の教育制度や就学手続等についてまとめました七か国語によります就学ガイドブックを作りましてこれを配布するということ、あるいは、帰国・外国人児童生徒受入促進事業という事業におきまして就学促進員を教育委員会に配置するなどいたしまして外国人の子供の公立学校への就学支援に努めてきているところでございまして、文部科学省といたしましては、こうした施策を更に充実させてまいりまして、公立学校における外国人の子供の受入れの環境の整備を促進してまいりたいと考えております。
○松浦大悟君 そうしますと、確認ですけれども、教育委員会や学校長が例えば在留資格のない子供が就学希望を出したときにそれを通報するというようなことはないと先ほどおっしゃいましたけれども、もしこれあった場合には、文科省としては何らかの行政指導を行うという考えはございますでしょうか。
○政府参考人(前川喜平君) 先ほど法務省の方からも御答弁ございましたように、出入国管理法の第六十二条第二項に基づきまして、国又は地方公共団体の職員には、その職務を遂行するに当たって退去強制事由に該当する外国人を知ったときには通報義務があると、こういう義務が課せられているわけでございます。 この出入国管理法の解釈や運用につきましては法務省において御判断されることでございますけれども、この通報義務を履行すると当該行政機関に課せられている行政目的が達成できないような例外的な場合につきましては、当該行政機関において通報義務により守られるべき利益と各官署の職務の遂行という公益を比較考量いたしまして通報するかどうかを個別に判断することも可能であるというふうに理解しております。こうしたことにつきましては、文部科学省としても、必要に応じまして教育委員会に対し指導してまいりたいというふうに考えております。
○松浦大悟君 やはり、大臣、ここは利害がバッティングしているんだと思うんですよ、今の答弁聞いていても。たとえ不法滞在者の減少が追求されるべき政策目標であったとしても、私は在留資格のない児童生徒の教育の保障、これも重要な行政目的であるというふうに考えております。通報義務の厳格化はこれに矛盾をするのではないかと私は考えるわけです。 教育機関を利用して入管当局が目標を達成してはならないと私は思いますが、森大臣のお考えはどうでしょうか。
○国務大臣(森英介君) 私も、我が国において在留資格を有しない子供につきましても教育を受ける権利に配慮しなければならないと考えております。 この観点から、入国管理局においては、入管法第五十四条に規定する仮放免制度の運用などによりまして、就学中の児童については身柄を拘束しないで退去強制手続を進めることなどを考えておりまして、退去強制手続中に就学の機会が失われることのないように配慮をしたいと思っております。 また、さらにその上で、個々の事案に応じて在留特別許可を認めるべきは認めるということで、言わば硬直的な対応をしないようにというふうに考えているところでございます。
○松浦大悟君 次に、在留資格取消しとDVの関係についてお伺いをいたします。 六月三十日の当委員会の審議におきまして、離婚や親権等の係争中については在留資格の取消しの適用除外となる正当な理由に当たるとの答弁がなされました。今回の修正により、外国籍配偶者の身分の安定が図られた結果だと認識をしております。ですが、現在でも、係争中に在留資格の更新時期を迎えた際に長期にわたり申請中とされたり帰国準備の特定活動が出されるなど、日本人の配偶者等が認められないケースもあります。 そこで質問ですが、裁判を受ける権利の保障という観点からも、就労可能な安定した在留資格の更新や変更を速やかに認めるべきではないでしょうか。在留資格が不安定なため、生活を安定させられず、結果として子供の親権を獲得できなくなるなどの影響も出かねないと思います。修正案提出者としては、この点、どのような運用を期待して修正をされたのかお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(細川律夫君) 松浦委員の御質問にお答えいたします。 裁判中に在留期間が更新時期を迎えると、この場合に、それが一体どうなるかによって大変当事者にとっては強い影響が出てくるだろうというふうに思います。とりわけ親権を父親か母親かということを決めるような場合に、一体収入がしっかりあって生活が安定しているかどうかとか、そういうようなことなども大変影響もございますので、そういうことを考えますと、裁判中の運用ということについては、これはその外国人に不利にならないような公平な形でしっかり行われなければならないというふうに私は思っておるところでございます。 そういう意味で、在留期間の更新とかあるいは在留資格の変更に際しては、外国人の人権の保護や、あるいはその生活の安定に十分資するような、そういう運用がなされなければいけないというふうに考えております。したがって、裁判中に在留期間が来て更新の申請をした場合には、私はやっぱり、速やかにその手続を行うと、こういうことも必要ですし、また、変更の申請がされた場合も、これもまた、その変更の理由が正当ならば、これはもう速やかにそれを認めるというふうな運用にすべきだというふうに考えております。
○松浦大悟君 在留資格の取消しに当たっては、変更申請の機会を与えるなどの配慮が盛り込まれました。また、六月三十日の審議において、子供のいない場合でも、おおむね三年の在留期間があれば定住者への在留資格の変更を認めているとの答弁が西川入管局長からなされました。このような基準を是非ともガイドラインにしてもらいたい、このような基準をガイドラインとして公表すべきと考えますが、この点についてはいかがでしょうか。 これまで、在留資格の取消し制度自体が外国籍配偶者を従属させDVを引き起こし潜在化させる要因になっていたのではないかと私は思っております。在留資格の変更の基準をある程度明確化させることでそのような被害を抑えることができると考えるのですが、このガイドライン化について法務省の見解を聞かせてください。
○政府参考人(西川克行君) 定住者については、非常に定住者というのはたくさんのものを含んでおりまして、個々の事案により具体的な事情が異なるための許可要件をガイドラインとしますというのは、これはなかなか難しいものがあろうというふうに思います。 ただ、委員御指摘のとおり、実態を伴った国民生活が継続している、これは大体おおむね三年あれば定住者という形で認めていると、これは実情でございます。さらに、ほかの要件も含めまして、日本人の配偶者等の資格から定住者への変更というものについては更なる明確化、客観化に向けて努力をしてまいりたいというふうに思いますし、その透明性を向上させて申請者の予測可能性を一層高めるという観点から、例えば各国語で作成したパンフレットやホームページによって案内していくと、こういうことも考えたいというふうに思っております。
○松浦大悟君 在留資格の取消し制度はDVを引き起こし潜在化させる要因ともなり得るという観点から、このガイドライン化を始め、どのような場合に在留資格が更新や変更ができるかなどの情報を外国籍配偶者が知ることのできるようにしていかなければならないと思います。日本人の配偶者といえども、三年程度の短い在留期間だと日本語を読むことまでは難しいという可能性もあります。新制度の導入に当たって、正しい情報提供を行うには多言語で周知徹底させなければならないと思いますが、周知徹底の方法についてどのような方法を考えていらっしゃるのか聞かせてください。
○政府参考人(西川克行君) 配偶者の身分を有する者についての在留資格取消し事由等につきましては、当委員会における御審議それから衆議院での修正等を踏まえまして、私どもといたしましても、DV被害者の方々等の保護に欠けることのないように努めてまいりたいと。この観点から、外国人の方々に新たな制度の内容や趣旨についてきちんと理解してもらうということが大変重要であるというふうに考えております。 このためには、地方入国管理局の窓口においてリーフレットの配布を行うほか、市区町村であるとか関係行政機関あるいは在外公館、それから国内外のメディアの協力も得まして、施行までに周知徹底を図っていきたいというふうに思っております。
○松浦大悟君 それから、もう一点確認をさせていただきたいんですが、在留資格の取消しに関連して、六月十九日の衆議院での審議において、居住地、住居地の届出義務化と怠った場合の在留資格の取消しについて、派遣や請負で働き住居を転々としている場合は適用除外となる正当な理由に当たるとは必ずしも言えない、ただし本制度は弾力的な運用を行うとの答弁がなされました。 しかし、外国人集住都市に多く居住するブラジル人やペルー人の場合、派遣会社が住居、就労先、学校など生活全般を管理しているという実態があります。就労先に合わせて住居地を転々とするということは、これは本人の責めに帰すべき問題とは必ずしも言えないのではないか。また、派遣切りに遭い、知人宅を転々としている場合などもあります。生活の本拠としての住居地が定められない場合などもあります。これら、本人の責任とは言えない場合は、この制度の適用除外とすべきではないかと考えますが、法務省、いかがでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 住居地の届出違反に係る在留資格取消し事由についてですが、例えば派遣切りであるとか急に会社が倒産をしてしまったとか、外国人の責めに帰すことのできない理由によって経済的に困窮して定まった住居を有しなくなったと、この場合については正当な理由がある場合に当たる場合もあろうというふうに思います。 ただ、この点については、本人がどれだけ努力したかとかいろいろ難しい問題がございますけれども、もし正当な理由に当たると真正面から認められない場合でありましても、硬直的にそうなったから九十日たってすぐ取り消すということは考えておりませんで、以前から御説明申し上げていましたとおり、本人とも話をして、ある程度機会を与えて、弾力的に運用していきたいというふうに考えておりますので、硬直的に住所を失ったのですぐ取消しというふうに考えているわけではございません。運用の方で十分賄えるというふうに考えております。
○松浦大悟君 次に、難民問題に移らさせていただきます。 法務省は、平成二十二年度から第三国定住として、ビルマの難民をタイの難民キャンプから三十人三年間パイロットケースとして受け入れるということになっております。森大臣は、さきの衆議院法務委員会でこの三十という数について、全体からすると本当に琵琶湖の水をひしゃくでかき出すようなもので誠に少ないと述べておられます。 日本の難民受入れは、第三国定住を含めても三けたに届かないのが実態であります。国際人権規約委員会は、申請の数との関連で難民認定の割合が低いままであること、難民申請者がその間就労を禁じられ、かつ、限られた社会扶助しか受けられない難民申請の手続にしばしばかなりの遅延があることに懸念を持って留意すると所見を述べております。 この入管法の改正という節目の時期に、森大臣はこの難民行政の在り方についてどのような基本認識をされているのか、今後はどのようにこの受入れを拡大するのかについて明らかにしていただきたいと思うのですが、お考えを聞かせてください。
○国務大臣(森英介君) 我が国の難民行政につきましては、これまでも政治的迫害などから逃れて我が国に庇護を求める者を確実に難民として認定し保護するという姿勢で臨んできております。 近年、難民認定申請件数が急増しておりますが、申請件数の多い国々に関する基礎資料の整備や専門的知識を有する職員の養成などにも努めまして、処理期間の短縮に向けて最大限努力していきたいというふうに考えております。 また、難民条約上の難民に該当しない申請者につきましても、本国の事情、経歴、家族状況などを個々に考慮して、人道的な配慮が必要な場合には我が国への在留を特別に認めているところでございまして、今後とも申請者の置かれた立場等に十分に配慮した対応を行ってまいりたいと存じます。 これに加えまして、今委員からも御指摘ありました、言及されました人道支援及び国際貢献の観点から、第三国定住による難民の受入れを平成二十二年度からパイロットケースとして開始することとしております。この第三国定住による難民受入れは、当初は十分把握可能な範囲で受け入れ、適切な定住支援を実現するために三十人という小人数から開始するものとしたところでございまして、この三十人という数については、全体の難民キャンプ等の人口からいたしますと、先ほど申し上げましたように、大変現状においては少ないというのは私の率直な感想でございますけれども、あくまでもこれはパイロットケースでございますので、これを実施した後に様々な角度から課題の検証を行った上で、受入れ人数の拡大の適否を含めまして、定住支援の在り方等につきまして政府全体として更なる検討を行うことといたしております。 今後とも、他の関係省庁とも連携し、第三国定住難民の積極的な受入れに貢献をしてまいりたいと思っているところでございます。
○松浦大悟君 今、難民認定に平均して二年の時間を要しているんです。審査をする法務省が外国の諸事情についてプロではないということが大きな原因ではないかと言われております。例えば二〇〇二年から二〇〇五年に入国管理局が出入国情報の収集のために外注した翻訳を見ますと、北朝鮮関連が四件、イラン関連が二件、ビルマ関連二件、トルコ関連一件、カメルーン関連一件、マレーシア関連一件、バングラデシュ関連一件、パキスタン関連一件となっていまして、これでは到底、様々な国からやってくる難民申請者の把握ができるとは言い難い。 そこで、諸外国の政治、人権状況などの資料を蓄積した難民資料センターのようなものをつくる必要があるのではないかと考えますが、この難民資料センターをつくる構想についてどのようにお考えになるでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 委員御指摘のとおり、難民認定の判断を行うためには、必要な諸外国の事情等に関する資料が必要となるということでございます。したがって、法務省入国管理局と地方入国管理局におきましては、常日ごろから、外務省作成資料とか例えばUNHCRの作成資料であるとかアムネスティ・インターナショナル等のNGOの事件報告、一般書籍、報道、インターネット資料等、様々な手段によって最新の情報を収集するということを努めております。 御指摘のありました難民資料センター、これ、設置構想につきましてはその詳細を知りませんけれども、こういう情報を得られる場所があるとすれば、難民の取扱いについては更に充実したものになるというふうに考えておりますし、いずれにいたしましても、これら難民関係の資料を充実させることは適正かつ迅速な難民認定業務を遂行するに当たり非常に重要な事柄でございますので、今後とも充実に努めていきたいと考えています。
○松浦大悟君 今現在、難民調査は密室で行われておりまして、本当に正確な調査が行われているのか検証不可能だという指摘もあります。これは事実なのかどうか、法務省に聞きたいと思います。
○政府参考人(西川克行君) 難民調査で本人それから関係者から事情聴取いたしますが、それに関しては調書という形でまとめているというところでございます。よく調書についての開示請求がなされておりますけれども、ほとんど開示、本人からの分については応じておりますので、必ずしも密室の中というのは当たらないのではないかなというふうに思っております。
○松浦大悟君 これ、取締りの可視化問題とも共通する問題だと思いますが、そのときの通訳が果たして正確に訳されているのか。母国語による通訳が行われないケースもあると聞いておりますが、これは事実ですか。
○政府参考人(西川克行君) ほとんどの場合についてはなるべく母国語の通訳を付けるというふうに努力をしているということでございます。ただ、少数民族の場合でどうしても母国語の通訳が得られないという場合がございます。この場合に同国人に通訳をさせるというのは、これもまたそれはそれで問題がありますので、本人の理解する他の言語の通訳に頼らなければならない場合もあるというふうに聞いております。
○松浦大悟君 そうした場合に十分な諸事情を勘案することができないのだろうというふうに思います。 そこで、退去強制手続、難民認定手続で拷問を受けるおそれのある事実の有無を調査する審査要領を作るべきだというふうに考えます。送り返された先で拷問を受けるなどのことがあってはならないと思うのでこうしたことを提案させていただくんですが、その点についてはどうでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 今回の改正において、送還先の人権状況に関しまして、送還先への送還が難民条約だけではなくていわゆる拷問禁止条約が定める送還禁止規定に抵触する場合については、そこに送還してはいけないという明文が設けられたということでございます。この判断におきましては、入国警備官の違反調査、入国審査官の違反審査、それから特別審理官による口頭審理、さらには異議申立てによる調査で必要な供述を得ますが、最終的には主任審査官がその判断をするということになろうというふうに思います。 この送還先の決定が適切になされる必要がありますが、事案によっては難民審査参与員など送還候補地の事情に精通した専門家の意見を聴くなどすることが適当である場合も考えられますので、送還先の決定に係る手続につきましては、委員御指摘の点も含めまして、いま一度検討の上、地方入国管理官署に関し指示文書をもって徹底するなど、一層適切な対処に努めてまいりたいと考えております。
○松浦大悟君 難民認定手続において当事者から様々な不満が出ているということでありますので、十分審議をしていただきたいと思います。 それで、難民調査官、難民審査参与員、特別審理官などに対して拷問禁止条約に関する研修を行うべきではないかと思いますが、この点についてはどうでしょうか。
○政府参考人(西川克行君) 入国管理局といたしましては、例年実施している人権研修や難民調査官を対象とした研修等の場において拷問禁止条約を始めとする人権関係諸条約について研修を実施しているところですが、今後は、今回の法改正の趣旨も念頭に置いて、外部専門家の講師としての招聘を拡充するなどして研修機会及び内容の充実に努めてまいりたいと考えています。
○松浦大悟君 いずれにしましても、行政の基本は情報公開とアカウンタビリティー、説明責任ですから、透明性を持ってお仕事に臨んでいただきたいと思います。 時間になりましたので、質問を終わらせていただきます。
○千葉景子君 民主党の千葉景子でございます。 この法案の審議もあとそう長くはないのかなという感じもいたしますので、少し重なる部分もありますけれども、確認の意味も含めまして、今日は基本的に大臣に御答弁をいただきたい、それから修正案提案者にも確認などをさせていただきたいというふうに思っております。 この法案、私は、基本的にはそもそも立て方がちょっと問題があったのではないかなという、そういう基本的な認識は持っております。本来であれば、出入国の管理、ここをきちっとするということと併せて、参考人の皆さんなどからもお話がございましたけれども、一方では外国人の在留について一体どんな対応を取っていくのかということも、両方必要だったのではないかというふうに思われます。ただ、これ片方だけ、出入国管理という形でそれを在留管理という、そこまで覆いかぶせて作ってしまったということで、いささか疑問が残らないわけでは、いささかでもないですかね、なんですけれども、これから実際に運用されていくというふうなことも予測をされますので、そういう際にできる限り誤りのないようにしていきたい、こういうところについて幾つかお聞かせをいただきたいというふうに思っております。 さて最初に、在留カード、これが今回は作られて、それを所持をする、そして携帯をするということになるわけです。これには非常に個人の様々な情報がその在留カードに記載をされるということになります。ただ、その情報がいろんなところで使われる危険性もなきにしもあらずですので、この在留カードに記載される情報というのをやっぱり相当きちっと絞り込んだり、あるいは不必要なものはこの在留カードに記載をしないということも大事だろうというふうに思います。 そこで、実は、上陸の申請の際、個人識別情報として写真とかあるいは指紋とか、それを提供するということになっております。これは第六条三項でこういうことが義務付けられているわけですけれども、このときに提供する個人識別情報と在留カードに記載をする情報、これはリンクをするのかしないのか、ここをちょっと改めて確認をしておきたいというふうに思っております。今回の在留カードには写真等が考えられるわけですけれども、提供した指紋みたいなものもリンクをさせてしまうのかさせてしまわないのか、この辺の関係について改めて考え方をお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(森英介君) 我が国に上陸しようとする外国人が上陸申請に先立って法務大臣に提供しなければならない個人識別情報は、現在、指紋と顔写真です。地方入国管理局において在留カードを発行する場合には法務大臣に提供された写真の情報を利用することはありませんが、空港において在留カードを発行する場合もありますけれども、その場合には、その円滑な発行のためというか、そこでちょうど写真を撮るわけでございますので、その上陸の際に撮った写真の情報を利用することが想定されますので、第十九条の四第二項にその旨を規定をしております。 一方、指紋の情報は、在留カードに記載される事項にも、表示されるものにも該当いたしませんので、ICチップに記録されることもありませんし、法律上も指紋の情報が在留カードの作成等において利用されることは規定されておりません。
○千葉景子君 一応確認をさせていただきました。 さて次に、これは先ほど松浦議員からも質問がございましたけれども、在留資格の取消しについてちょっとこれも確認をしておきたいというふうに思います。 そこで、この問題については衆議院で修正ということがされております。そこで、修正案の提案者にお尋ねをしておきたいというふうに思うんですけれども、届出をしないことについて正当理由がある場合を除外すると、こういうことになりました。修正案の提案者としては、この届出をしないということについて正当な理由があるというのは、どういうようなことを想定をされてこのような修正をなされたのでしょうか。
○衆議院議員(細川律夫君) 御質問のように、修正案では、上陸後に新規の住居地に届出を九十日以内にしないということが取消し事由になっているんですけれども、それに対して、正当な事由がある場合は除くと、こういうことにしたわけですけれども、その正当な事由というのは、九十日以内に届出ができなかったことについてやむを得ない事由があるというふうに考えられること、そしてそのやむを得ない事由が本人の責めに帰すことができないと、こういう場合には正当な事由になるだろうというふうに考えております。 どういう場合が具体的にあるかというと、もう既に出てきたかと思いますけれども、上陸をして病気になってそして入院した場合、あるいはけがをして入院をしたような場合などもやっぱり届け出られない一つの理由になるのではないかとか、あるいは就労で仕事に来て仕事を始めたんだけれども、その会社が倒産をするとかいって仕事ができなくなったりして、いろいろしているうちに九十日を徒過するというような場合などもやはり正当な事由になるのではないかというふうに考えております。
○千葉景子君 ありがとうございます。 先ほど当局の方からの御答弁の中にも共通な御答弁があったかというふうに思います。是非無理のないような運用をしていただきたいというふうに思っております。 それからもう一点、またこれ配偶者のケースでございます。これについても正当な理由がある場合は除外をするという修正がなされました。 これも、改めてですが、修正案策定をする際に正当な理由というのはどんなことを想定をされたんでしょうか。あるいは、これは幾ら何でも正当な理由とはなり得ないと、逆な、そういうことも考えられるかもしれませんけれども、この正当な理由というところについて提案者としてのお考え方を御説明いただければと思います。
○衆議院議員(細川律夫君) この法案が提案をされてきましたときに、いろいろなところから陳情などがございました。 そのときに、強くいろんな要請があった中で、これは非常に私どもも考えましたのが、特に外国人の女性で、DVの被害から外国人を守っている、そういう運動をされている方から強いこの法案に対する懸念が示されたわけです。それはなぜかというと、暴力によって、それを回避するために別居している、そういう人が結局この取消し事由によって海外に退去させられるんではないかというような、そういう懸念が私どものところに寄せられまして、いろいろ検討をした結果、やはり正当事由というのをしっかり明示していかなければいけないと。そういうことを考えたときに、このDVの被害を避けるために別居しているような場合には、これは当然そういう正当事由に当たるというふうなことを考えた次第であります。 正当事由はいろいろあるかと思いますけれども、例えばいろんな理由で離婚の裁判をやっているような場合などは、これは、別居しているのがこれは当然でありますから、当然こういうのも正当事由に当たるだろうというふうに考えております。 それから、その正当事由に当たらないといいますか、そういうのは、これはなかなか、典型的なのは偽装結婚なんかをしているような場合、こんなのはもうちょっと問題外だというふうに考えております。
○千葉景子君 ありがとうございます。 一般的に、この配偶者の場合には、今お話があったように偽装のような場合には該当することはないかとは思いますが、それ以外はでき得る限りこれまでのやはり配偶者としての立場、そういうものを尊重して対応していただけるものだというふうに思いますので、是非そういう形でやっていただきたいというふうに思っております。 先ほど、ガイドラインにすべきだと、あるいは情報、あるいは多言語による情報をきちっと示すようにということがございました。私も是非そこは強くお願いをしておきたいというふうに思います。 さて、仮放免について少し質問をさせていただきたいというふうに思います。 今回、この仮放免にかかわっても修正がなされまして、仮放免になって一定の期間、三か月ぐらいと言われておりますけれども、そういう際には、行政上の便益を受けられるようにするために、身分関係等を入管から市町村に通知をするということになりました。ところが、実際のこの仮放免手続までの運用実態をいろいろとお聞きをしてみますと、これ、本当にこの修正がちゃんと生かされるのだろうかと、こういうちょっと私は疑問を持っております。 というのは、ちょっと手続的な問題になりますけれども、普通、仮放免というか在留特別許可を求めて申請といいましょうか申出をすると、在宅で手続、調査が進められるということが今多いようでございます。その間、ずっと在宅で調査なものですから、正式な審理、審判手続ということにはなりませんので、仮放免の許可が出ないわけですね。実際には在宅でいるんですけれども、手続的な仮放免という、そういう状態ではない。そこで、しばらく調査をして、ようやく審判手続に移って、そこで仮放免の許可が出る。仮放免の許可が出て、今度は審判手続が進むと、ずっと審判が行われて、そして在特が出た。要するに、仮放免になって数か月たって通知するわけですよね。そうすると、その通知をして、ようやくこれで仮放免の立場でいろんな行政上の便益を受けられるということになったときには、もうすぐに今度は特在が出ると、こういう何か実態のようでございます。こういうことが多いのではないか。 そうすると、何か、逆に言えば、こういう規定ができて非常に仮放免になれば一定の便益を受けられるということで、大変、何というんでしょうね、いい修正だったと私も思うんですけれども、ただ、やっぱりこれ仮放免を逆に言えばできるだけ早く、あるいは調査手続をスムーズにして本来の審理手続に移っていただくというようなことがないと、結局は仮放免で行政便益を受けるというこの趣旨がほとんど生かされないという結果になってしまうのではないかなと、こう思います。 そういう意味で、この修正自体はプラスではあるとは思いますけれども、これを生かすためには、仮放免許可の手続の運用についてでき得る限り適切にそれからスムーズに行っていただくということが必要になるのではないかと思いますけれども、この点について、こういう実態があるということを大臣もちょっとよく調査をいただいて、できるだけこの規定が生かされるような、そういう運用を目指していただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(森英介君) 基本的に千葉委員がおっしゃるとおりだと私も思っております。 違反調査の手続につきましては、いまだ容疑事実が判然としない場合ですとか、日本人と婚姻してから本邦での在留を希望してその実態の確認に時間を要する場合などに違反調査に大変手間を要するため、身柄を拘束せずに在宅で調査を行うことが実際にあります。 入国管理局においては、これら在宅調査中の事案について速やかに所定の手続を進めるべくその処理の促進に努めているというふうに承知をしておりますけれども、委員御指摘のとおり、修正協議で附則が設けられました趣旨も踏まえまして、このような在宅調査中の事案というのは、言わば中途半端な状態に据え置かれた事案については、その対象者の置かれた立場が大変不安定でありますので、更に速やかに手続を進めるなど、入国管理局において適切に対処するように指示をしたいと考えております。
○千葉景子君 是非、せっかくこういう修正がなされた趣旨が生かされるように運用をしていっていただきたいというふうに思っております。 それから、在留特別許可の運用についても少しお聞かせをいただきたいというふうに思うんですけれども、この在留特別許可について、透明性の向上、そしてその他の措置をとるようにということがこれまた衆議院の修正で盛り込まれました。 この透明性の向上とか、それからそれと併せてその他できるだけ措置をとるということですけれども、提案者としては、この透明性の向上、それからその他の措置というのはどんなことが想定されてこのような条文といいますか修正になっておるんでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○衆議院議員(細川律夫君) この法律案が実際に実施をされますと、そのときには外国人登録制度がなくなるわけですから、更に多くの非正規の滞在者が地下に潜ってしまうんではないかと、こういうような心配がなされたところであります。そこで、善良な外国人であって、そして非正規滞在者を正規の滞在者にしていく、つまり合法化を促進することができないかと、こういうことをいろいろ検討して、そういう発想の下に修正をしたというのが動機でございます。 したがって、在留特別許可のガイドラインの透明化、これはもう既に委員会の方で御答弁がありますように、今までの許可にならなかった例とかあるいは許可になった例、そういうのをきちっと明確化して非正規の滞在者がそういうところへの申請をしやすくするというような、そういう自発的な出頭を促進をすると、こういうことであります。 しかし、それだけではなくて、更に踏み込んだ形での、アムネスティーなんかについてもまた考えていくということも、これも一つの私は方法ではないかというふうに思っておりますけれども、しかし、これはなかなか、いろいろ精査、勉強しなきゃいかぬところもたくさんあると思いますけれども、私としては、外国でこういうことが実施をされている、そういうことも検討して、そしてまた、この制度を実施したらどういうふうな影響が生じるかというようなこともいろいろと検討をしながら、これは一つの方策として私は否定すべきではないのではないかというふうに思っております。 そういうことで、この修正案もそうさせたところでございます。
○千葉景子君 ありがとうございます。 修正案というのがそういう想定もしながら策定をされた、まとめられたということでございますので、是非これからこれを施行する法務省、政府としては、この修正の趣旨ということを十分に生かした運用、そして施行をしていただきたいというふうに思います。 そこで、私はちょっとびっくりというか、既に大臣のお手元にはちょっとお届けをいたしました、私も入手をさせていただいたんですけれども、入管で特在、在留特別許可を求めることについて、ちょっとこれじゃだれも出頭というか求めようとしなくなっちゃうんじゃないかと思うような文書が出されているんですね。「必ず、よくお読みください」と、入管に来た方にそういう見出しで渡されたり、あるいは置いてあるようでございます。 これを読むと、面白いのは、「在留特別許可申請という申請はありません。」。確かに権利ではないとか、あるいはそういう申請というのは法的にはないんですと。まあ正確に書いているといえばそうなんだろうとは思うんですけれども、そういうふうに言われると、じゃやっぱりやっちゃいけないのかな、求めちゃいけないのかなと、こういうことになってしまうのではないかと思います。「不法滞在を入管に出頭申告しても、不法滞在の状態が解消されたことにはなりません。」。確かにこれも、出頭したから解消されたというわけにはいかないんでしょうけれども、何か、いや、あなた不法だよということを逆に言えばお墨付きを与えるような、そういう文面になっているんです。 こういうことを、「日本での在留を希望し出頭申告された方は、以上のことがらをよく理解した上で手続きを受けて下さい。」と。何か、非常に、あなたは駄目なんだよ、そういうこともよく分かって出頭しなさいよと言っているような感じで、これでは、これからできるだけ出頭してもらって、そして可能なものならば在留特別許可を出して、そして日本できちっと生活をしてもらおうという趣旨といささか懸け離れてしまっているんですね。 これまで一生懸命正確に情報をちゃんと伝えなきゃいけないということでこういうことになっているかとは善意で解釈はいたしますけれども、やっぱり今度こういう法ができ、そして修正も盛り込まれてできるだけ出頭しやすいようにということだとすれば、ちょっとこういう説明というか資料というのはこれは抜本的に変えていただいて、気持ちよく出てきていただく、出頭いただくようなことにしなきゃいけないと思うんですけれども、大臣、どうですか。読んでいかがでしたか。
○国務大臣(森英介君) 誠に面目ないんですけど、私もこの文書は、御指摘いただいて、今朝見まして、確かにおっしゃるとおり、これを読んで出頭しようという気持ちになる人はまずいないと思いますね、これはもう地下に潜るっきゃないと、こう思うでしょうから。 ただ、確かに、委員もおっしゃったように、内容は本当のことだと思うんですね。だから、本当のことなんですが、幾ら本当のことであっても、やっぱり書きようもあると思いますので、早速本日をもって改めさせようというふうに思いますが、ただ、やっぱりちゃんとした、もうちょっと訴える文書にするためには多少時間が要るかもしれませんので、その時間の猶予はいただきたいと思いますが、本日をもって改める方向で進めたいと思います。
○千葉景子君 本当、そういう御答弁をいただきまして、是非、これはうそを書いたり間違ったことを書けと言っているわけではありませんで、私も。やっぱりなるほどなと、こうやればきちっとした対応をしてもらえるんだなということが本当に分かるようなものにしていただければというふうに思っております。 次に、視察委員会について確認をしておきたいというふうに思います。 この視察委員会が設置をされるようになるということは私は一つの前進だろうというふうに思っております。これを効果よくそれから運用していくという意味で、やっぱり現場のいろんな実情をよくこの視察委員会に知っていただくということが大事だろうというふうに思うんですね。 そこで、被収容者から意見具申ができる道とか、それから、今度は逆に視察委員会が直接現場へ行って被収容者から意見を聴くとか、こういうことをやっぱりきちっとやっていただくということがこれを機能させる大きなポイントだというふうに思います。 そこで、こういう被収容者から直接だれに邪魔されることなく意見具申ができるような、そういうルートとかシステムなどを考えていただきたいというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(森英介君) 改正法において設置される入国者収容所等視察委員会の委員は被収容者と面接を行うことを予定しておりますので、その面接の機会に被収容者は視察委員に対して直接意見を述べることが可能ですが、委員御指摘のとおり、被収容者が自ら意見具申を行うことを可能とする仕組みを設けることも重要であると考えております。 そこで、被収容者が視察委員に対していつでも自由に自らの意見や提案を述べることができるようにするため、入国者収容所等の収容施設内の適宜の場所にいわゆる提案箱のようなものを設置することを検討いたしております。その提案箱については、被収容者の意見が直接視察委員に届くよう、原則として視察委員が開封することを考えております。ただし、提案箱に投函された書面が外国語で記述されていることもあり得ますので、そのような場合には、視察委員会の指示を受けて、処遇を担当する職員とは別の事務局職員が開封した上で事前に翻訳を行うことも考えております。
○千葉景子君 箱を作るというのは、たしか刑事施設のやはり収容者から意見を述べるということについて、刑務所などに箱が置いてあったということを私も見たりさせていただいております。これもこのような共通な形で一つの手段だというふうに思います。いろんな知恵を絞って、直接意見を具申できるような、そういうことを是非お知恵を出していただきたいというふうに思いますし、それから視察委員会の方での意見聴取、こういうことも積極的に行えるように環境を整えていただければというふうに思います。 さて、先ほど難民問題にかかわりまして松浦議員から、いわゆる送還先についての人権状況というお話がございました。 これは今回の法案でも退去強制における送還先についての規定が設けられて、私は、一つこういうことが明確にされるということは大事なことだというふうに思っております。ただ、これも、きちっとしたやっぱり送還先の地域の状況、そういうことが十分に把握されておりませんとこれ規定が生かされないということになるわけですね。先ほどセンターの話、資料センターとか、そういうこともございました。これも私も大賛成でございますけれども。 この把握について、実際に審査に当たる者、あるいはその担当部署とかその審査に当たる部署が十分にこのような人権状況等を把握していなければならないというふうに思います。研修というようなこともあるようでございますけれども、やはりこの部分について大臣としても徹底したきちっとした対応策あるいはその周知徹底について考えていただきたいというふうに思いますけれども、ここはどうでしょうか、大臣の御見解をお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(森英介君) 送還先の人権状況に関し送還先への送還が難民条約やいわゆる拷問禁止条約の定める送還禁止規定に抵触するか否かについては、退去強制手続の各段階、すなわち入国警備官による違反調査、次に入国審査官による違反審査、更に特別審理官による口頭審理、また異議申出に係る調査において必要な供述を得るなど、関係資料を収集した上で、最終的には主任審査官がその判断をしております。 このように送還先の決定は適切に行われているものと考えておりますけれども、事案によっては難民審査参与員など送還候補地の事情に精通した専門家の意見を聴くなどすることが必要である場合も考えられますので、送還先の決定に係る手続については、いま一度検討した上で地方入国管理官署に対して指示を徹底するなど、今後も一層適切な対処に努めてまいりたいと考えております。
○千葉景子君 今の御答弁は、もうもっともな御答弁でございます。本当にそれが実際に誤りのないようにするために一層私は努力をいただきたいというふうに思いますし、だからこそ、多分、先ほど松浦議員も指摘をされたように、そういうものをきちっと蓄積をしておくこういう資料のセンターとかあるいは研究の機関とか、こういうものが私は必要になってくるのだろうというふうに思います。 ただ、いずれにいたしましても、少なくとも実情をきちっと把握をし、そしてそれぞれの段階における担当部署がきちっとこれを把握するように是非大臣の御指導をお願いをしたいと思っております。 さて、時間もなくなってまいりましたので、少し今後の課題について聞かせていただければというふうに思います。 冒頭申し上げましたように、この法案、衆議院で大変修正の御努力をいただきまして、一定、問題点を解消する、そして方向付けをしていただいたというふうに私も思います。ただ、やはりこれから考えなければいけないのは、参議院の参考人の質疑などでも共通して参考人の皆さんも申されておりましたけれども、多文化共生の社会、これを一方ではきちっと今後どうやってつくっていくのか、それに対する対応というのが求められるということは共通して申されていたような気がいたします。 この法案も、この法案というか、考え方として、出入国管理というのは私も分かります。ここをきちっとしていただく必要がある。ただ、何か在留管理というのがこのところ盛んに強調されるわけですね。本当に在留管理というのは何なんだろうか。むしろ、在留外国人の処遇といいましょうか、むしろそういう問題が欠けているんだろうというふうに思うんです。だから、管理、管理ということばかりで、本来、市民として、そして住民として在留しているそういう外国人に対していかに本当に共生社会をつくっていくのか、そして処遇をしていくのか、こちらが全く抜け落ちてしまっている、こういう私は懸念を持っているところでございます。 そういう意味で、韓国などでは在韓外国人処遇基本法というのが作られたとも聞いております。こういうことを考えると、今後、出入国管理というところをきちっとやっていくということは別に否定はいたしません。しかし、その一方で、これからの日本の社会の在り方を考えたときに、在留外国人の本当に処遇、これをどうするかという基本的な法律とかあるいは制度とか考えていかなければいけないのではないかというふうに思います。 こういう韓国の本当に先進的な取組などを考えたときに、大臣としても、どうでしょうか、こういうところに今度は少し目を向けていく、こういう方向にしていかなければいけないかと思いますが、御見解をお伺いをして、質問を終わりたいというふうに思います。
○国務大臣(森英介君) 在留する外国人に対する私どもあるいは国の姿勢につきましては、委員のおっしゃることは大変傾聴に値するというふうに思います。 ただ、これは今思い付いたことなんですけれども、在留管理という言葉ですけれども、これは、在留外国人の管理じゃなくて、恐らく在留外国人のデータの管理という意味だと私は思うんですね。それで……(発言する者あり)いやいや、言葉の意味合い。それで、だから、そういう、別に、いかにも管理的な発想という意味じゃないんじゃないかと今ちらっと思ったわけでございますけれども、おっしゃることには大変傾聴に値すると思いますので、考えてみたいと思います。 なお、我が国で働いて生活する外国人の処遇に関しましては、雇用などの労働環境の問題、不就学児童に対する教育問題など様々な行政分野での対応が必要であって、社会の一員として日本人と同様の公共サービスを享受し生活できるような環境を整備するための施策に関係省庁などが連携して政府全体で取り組んでいるところであります。 法務省としても、今回の改正により導入しようとする新たな在留管理制度と外国人に係る住民基本台帳制度とも連携を図ることなどにより、外国人に対する行政サービスを向上させ、外国人との共生社会実現のための社会基盤の構築に貢献することなどを通じまして、我が国に在留する外国人の方がより良い生活を日本で営んでいただけるように必要な施策の推進に努めていきたいと考えております。
○千葉景子君 大臣が思い付かれたということなものですから、在留データ管理だとはちょっと思えないですけれども、いや、もし本当にそういう趣旨で使われているんだとすれば、そういうことははっきりした方がいいと思います。在留管理というのは決して人の管理ではなくてデータ管理だと、むしろ言葉とすれば在留外国人の処遇と、そういうことに使うとか、もし大臣が本当にそういうふうに思っておられるのであれば言葉は転換をさせていただくことを私は求めておきたいというふうに思います。 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(澤雄二君) この際、委員の異動について御報告をいたします。 本日、佐藤公治君が委員を辞任され、その補欠として松野信夫君が選任をされました。 ─────────────
○松村龍二君 自民党の松村でございます。入国管理等の一部を改正する法律につきまして質問をさせていただきます。 前回の法務委員会におきます参考人の意見陳述におきましても、今回導入しようとする新たな在留管理制度が例えば米国の在留管理制度と比較して管理が厳し過ぎるのではないかとの懸念、質問を通じまして、この度の法改正が厳しい方向へ向かっているんじゃないかというような懸念も示されたように記憶するわけでありますが、諸外国におきます在留管理制度の概要につきまして法務当局に伺います。
○政府参考人(西川克行君) 諸外国における在留管理制度は、各国一様ではないものの、例えば米国、英国、フランス、ドイツ、韓国の制度を見ますと、在留する外国人から人定事項や居住情報等の基本的な情報を取得して継続的に把握する制度を有しているという点においてはほぼ共通していると考えております。 これらの国におきましては、カード式その他の様式の滞在許可証や外国人登録証を外国人に交付する等の方法で適宜外国人の在留情報を把握できる制度を取っているものと承知をしております。 そして、これらの証明書の携帯等に関しましては、例えば、米国においては、永住者に対してその基本的身分事項等が記載され写真が表示されたいわゆるグリーンカードを交付して、これを常時携帯させて、違反した場合は刑事罰を科す。韓国においても、同様に、外国人登録証を常時携帯させ、違反した場合に刑事罰を科しているものと承知をしております。フランスにおいては、外国人に対して滞在許可証を交付するなどしており、司法警察員からその提示を求められたときに提示しなかった場合には身柄を拘束されるものになるものと承知をしております。ドイツにおいては、旅券に滞在許可証を貼付して、その提示をしなかった場合には秩序罰、行政罰を科していると承知をしております。英国においては、いわゆるIDカードを交付しており、このIDカードを常時携帯すること等は求めておりませんが、しかしながら、指紋情報等をIDカードや情報システムに登録することによって管理をしているものと、こういうふうに承知をしております。
○松村龍二君 諸外国においても、その国に在留する外国人から人定事項や居住情報等の基本的な情報を取得し、継続的に把握する制度を有している点でほぼ共通しているということが分かりましたが、新たな在留管理制度は諸外国の在留管理制度と比較してどのような位置付けにあるのか、法務当局に伺います。
○政府参考人(西川克行君) 委員御指摘のとおり、新たな在留管理制度は、我が国に中長期間在留する外国人の身分関係、居住関係等に係る情報を継続的に把握し、これらの情報のうち重要なものを記載した在留カードを交付して外国人に携帯させる、こういう制度でございまして、諸外国の在留管理制度と比較して基本的に変わるところはないというふうに考えております。
○松村龍二君 今回の法改正は、我が国に在留する外国人の管理を強化することをねらいとしたものなのか、法務大臣に伺います。
○国務大臣(森英介君) 今回の法改正は、外国人の適正な在留管理を図るとともに、外国人の利便性の向上を図ったものです。 例えば、今回の法改正においては、我が国に中長期間在留する外国人について、在留期間の上限を三年から五年に引き上げたり、一年以内の出国については原則として再入国許可を不要とする措置を講じておりまして、これによってこれらの外国人が各種許可手続のために入国管理局に出頭するなどの負担が大幅に緩和されることになります。 また、今回の改正においては、法務大臣が取得、保有する外国人の情報は、その在留資格に応じて在留管理の目的を達成するために必要な最小限度のものに限定しており、変更があった場合に届け出なければならない事項を大幅に減少させております。そして、在留カード交付の対象者を入管法上の適法な在留資格をもって我が国に中長期間在留する者に限定することにより、これらの外国人においては、在留カードを示すことにより、自らが適法な在留資格をもって我が国に中長期間在留する者であることを簡単に証明できるようになり、就労や社会生活の様々な場面における利便性が高まることとなります。 一方、今回の法改正においては、住居地を届け出なかった場合や配偶者の身分を有する者としての活動を行わないで在留する場合について在留資格の取消し事由を追加しておりますが、この適用につきましては、硬直的に対応するのではなく、事実関係を正確に把握し、事情に応じた弾力的な対応をしてまいりたいと考えております。 このように、今回の法改正は、我が国に中長期間在留する外国人について適正な在留の管理を図るとともに、これらの外国人の利便性の向上を図ったものであります。
○松村龍二君 今回の法改正が、法務大臣が外国人の在留の管理に必要な情報を継続的に把握する制度を構築するだけでなく、外国人の利便性を向上させるための施策も実現しているバランスの取れた内容であることを理解いたしましたが、この点、外国人の利便性を向上させる措置は新たな在留管理制度の構築といかなる関係にあるのか、法務大臣にお伺いします。
○国務大臣(森英介君) 在留資格の上限の引上げやいわゆるみなし再入国許可制度等の外国人の利便性を向上させるための施策は、法務大臣が外国人の在留管理に必要な情報を継続的に把握する制度が構築されることを不可欠の前提として実施されるものです。 現行制度上は、外国人の在留状況の把握については、入国時や在留期間の更新時等における審査の際に得られる情報が中心となっており、在留期間の途中における事情の変更については十分に把握できていないため、在留期間を伸長することや再入国許可制度を緩和することが困難でありました。 しかし、今回の改正により、法務大臣がこれら外国人の在留管理に必要な情報を正確かつ継続的に把握し的確な在留管理を行うことが可能になることから、これら外国人の利便性を向上するための施策を実施することが可能になるものであります。
○松村龍二君 今回の法改正が法務大臣が外国人の情報を継続的に把握する制度を構築することにより外国人の利便性を向上させていることについて理解いたしましたが、もう度々この委員会において質問されたことでございますが、いよいよ最終の段階に入りまして改めてお聞きするわけですが、今回の非常に大きな改正をなぜ今行わなければならないのか、改正の必要性と意義について法務大臣にお伺いします。
○国務大臣(森英介君) 現行の制度では、法務大臣は、入管法に基づいて外国人の入国時や在留期間の更新時等の各種許可に係る審査を行う際に外国人から必要な情報を取得しております。一方、在留期間の途中における事情の変更については、法定受託事務として市区町村が実施している外国人登録制度を通じて把握することといたしております。 ところで、近年、我が国の国際化が進展し新規入国者数が著しく増加するとともに、我が国に居住する外国人の数も増加し、また我が国に在留する外国人の構成も大きく変化してきておりまして、外国人の在留状況、とりわけ居住実態の正確な把握が困難になってきております。そのため、国民健康保険や児童手当などの市区町村の個別事務に支障を来し、我が国に在留する外国人に対する行政サービスの提供や義務の履行の確保に困難を生じさせているなどの問題も生じておりまして、これら問題への対処が喫緊の課題になっていると指摘をされております。 この点につきましては、ニューカマーと呼ばれる南米日系人を中心とする外国人が多数居住する都市で構成される外国人集住都市会議が外国人住民に関する記録を迅速かつ正確に把握できる制度を構築することを要望しておりますし、また、前回の法務委員会において港区の武井区長さん、参考人もその旨陳述されたところです。 そこで、今回の改正により、現行の入管法に基づいて行っている情報把握と外国人登録法に基づいて市区町村を通して行っている情報把握の制度を改め、適法な在留資格をもって我が国に中長期に在留する外国人を対象として、法務大臣が在留管理に必要な情報を継続的に把握する制度の構築を図ろうとするものであり、これにより在留管理に必要な情報を正確に把握できるようになります。
○松村龍二君 この度の法改正が、出入国を継続的に管理するということと、在留外国人の在り方について細部をいじって法改正としておるということで、根本的な日本におきます移民制度等と関連した在留管理の問題にメスを入れているかどうかということになると疑問なしとしない面もございますが、今回導入しようとする新たな在留管理制度は、これまでの外国人の在留管理の枠組みを大きく変革するものであることは間違いございません。 そもそも、我が国はどのような外国人を受け入れようとしているのか、我が国におきます外国人の受入れに係る基本的なポリシーについて法務大臣にお伺いします。
○国務大臣(森英介君) 我が国における外国人の受入れにつきましては、我が国の社会の安全と秩序を維持しつつ、我が国の経済社会の活性化、一層の国際化を図る観点から、専門的、技術的分野の外国人労働者についてはこれまでも積極的な受入れを図ってきたところでありまして、今後も引き続き受入れを推進してまいります。 また、少子高齢化時代を迎えた我が国においては、外国人の受入れの在り方に係る議論は極めて重要なものであると認識をしておりますが、専門的、技術的分野に該当しない分野における外国人労働者の受入れや移民政策の導入については、我が国の将来の形や我が国社会の在り方そのものにかかわる問題であって、国内の治安に与える影響、国内労働市場に与える影響、産業の発展、構造転換に与える影響や、さらには受け入れた外国人が社会保障の対象となった場合の社会的コストの増加の問題など、多様な観点からの十分な検討と国民的コンセンサスを要するものであると認識をしております。 法務省としては、こうした国民的な議論の推移を踏まえつつ、引き続き関係省庁と広範な視点から検討してまいりたいと考えております。
○松村龍二君 我が国におきます外国人の受入れにつきまして、専門的、技術的分野の外国人労働者は積極的に受け入れるということでありますが、我が国が本格的な少子高齢化社会を迎える中で、介護分野におきます外国人労働者の受入れについても、例えば介護福祉士等一定の専門性を有していると考えられるものについては、その受入れを検討する必要があるのではないかと考えられます。 ところで、介護福祉士につきましてはEPAの枠組みで例外的に受け入れられていると聞きますが、このEPAに基づく外国人介護福祉士の受入れはどのような目的でどのような枠組みの中で行われているのか、法務大臣にお伺いします。
○国務大臣(森英介君) 介護福祉士の受入れにつきましては、インドネシア及びフィリピンの二か国について、経済連携協定、いわゆるEPAに基づいて実施をしております。両国から介護福祉士を受け入れるに至った経緯は、二国間交渉の過程において、先方から介護福祉士の我が国への受入れについて要請があり、これを検討した結果、EPAの枠内で特例的に受け入れることにしたものと理解をしております。 介護福祉士受入れの枠組みは、まず介護福祉士候補者として入国し、原則一定の要件を満たす我が国の介護施設と雇用契約を締結し、介護福祉士の資格を得るために必要な知識及び技術を修得しつつ、四年を上限として入国及び一時的滞在が認められることとなります。そして、その間に日本の介護福祉士の国家資格を取得した方は、介護福祉士としてその後継続して我が国で就労することが可能となります。 なお、我が国に受け入れた介護福祉士候補者数は、現在までのところ、インドネシア人が百四人、フィリピン人が百九十人となっております。
○松村龍二君 フィリピン人、インドネシア人のこの目的で入国する者につきましては、度々テレビ等でも報道されておりまして、非常に希望にあふれた気持ちと態度で始めておるというふうに見るわけでございますが、このEPAの枠組みで受入れにつきましては、四年以内に介護福祉士の試験に合格しなければならないというふうなことが決められているようであります。介護福祉士に係る国家試験の実施に当たりましては、試験問題の表記もローマ字にするなど、外国人受験者に対する配慮があってもよいのではないかと思われるわけであります。 私も、東南アジア、タイにいたことがありますけれども、華僑系のタイ人は非常に漢字になじむんですね。ところが、華僑系でないタイ人には漢字というのはちんぷんかんぷんであると、そういうような特徴を私、身をもって感じたことがありますが、せっかく介護福祉士で二年、三年おれば日本の養護老人ホーム等において十二分に働く能力を持つと、しかしこの漢字試験の、日本人と同じような試験に合格しなければならないというのは、四年で帰すための方便であるというふうに指摘されても仕方のない面があろうかと思いますが、厚生労働当局にお伺いいたします。
○大臣政務官(金子善次郎君) 御指摘のとおり、経済連携協定に基づきまして入国いたしました外国人の介護福祉士候補者につきましては、協定上、四年間の在留期間の間に試験に合格しなければ、その後も継続して我が国で介護福祉士として就労することはできないということになっているわけでございます。 これは、交渉の過程、また法務省など関係省庁との調整の段階で、まずその第一番といたしましては、現在の我が国の入国管理制度におきましては、外国人介護福祉士につきましては専門的、技術的な労働者としては取り扱われていないということ、その一方で、我が国の、まあ日本人と申しますか、我が国の介護福祉士国家試験を受験するためにも三年以上の実務経験を必要としているというようなことがございまして、これらを総合的に勘案いたしまして決定されたものと承知をしているところでございます。 また、先生御指摘の国家試験の受験上の配慮についてでございますが、確かに御指摘の点もあろうかと存じますが、まず現場でございますが、やはり質の高い介護サービスを提供するというためには日本語による円滑なコミュニケーションはどうしても必要であろうということ、また候補者の方々が受験をするということになりますと確かに御指摘のような点もございますが、できるだけ十分な日本語能力を修得してもらうための何らかの支援策を講じていく必要もあろうというふうに考えているところでございます。 また、なお、現在の介護福祉士の国家試験におきましても、常用漢字以外の漢字については原則としてルビを付す、また常用漢字であっても紛らわしいなどの理由により個々に必要なと判断された場合についてもルビを付すというような取扱いをさしていただいているところでございます。
○松村龍二君 どうもありがとうございます。 次に、外国人研修・技能実習制度につきまして、いつからどのような目的で開始されたのか、また技能実習制度が創設された理由は何か、簡単に御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(西川克行君) 研修・技能実習制度は、我が国で修得した技術、技能等を本国の経済発展や技術の進歩に寄与するという、人づくりを通した国際協力、国際貢献を目的として制度化されたというものでございます。 この経緯でございますけれども、多くの企業が海外に進出するようになり、技術研修の目的で入国する外国人が増大したことを背景に、昭和五十六年の入管法の改正で、本邦の公私の機関により受け入れられて産業上の技術又は技能を修得しようとする者に係る在留資格が創設されまして、その後、平成元年の改正で現在の研修の在留資格が設けられております。 これにより、海外進出した日本の企業が、現地法人や取引関係等のある企業の社員に対し、関連する技術や技能、知識を我が国で効果的に修得させることが可能になるとともに、中小企業向けには、商工会議所、中小企業協同組合等が研修生受入れ事業の主体となるいわゆる団体型による外国人研修生受入れも開始されました。 さらに、平成三年十二月に、第三次臨時行政改革推進審議会、行革審第二次答申において外国人技能実習制度の創設が提言され、さらに、同月に閣議決定された平成四年度に講ずべき措置を中心とする行政改革の実施方針について、行革大綱において、外国人研修制度について新たな制度の創設を検討することとされました。 これを受けて、平成五年には、研修期間中に一定水準以上の技術等を修得した外国人について、研修終了後、研修を受けた企業等と雇用契約を結び、研修で修得した技術等についてより実践的な磨きが掛けられるようにする技能実習制度が創設されたということでございます。 技能実習制度は、創設以来、この制度を活用できる職種が逐次拡大され、また滞在期間の延長等の措置が講じられるなどして現在に至っているということでございます。
○松村龍二君 それでは次に、研修生の新規入国者数及び技能実習生への移行者数についてお伺いしますが、あわせて、研修生、技能実習生は日本で修得した技能等を本国で活用しているのか、研修生、技能実習生の帰国後の事情について法務当局にお伺いします。
○政府参考人(西川克行君) まず、平成二十年における研修生の新規入国者数は十万一千八百七十九人となっており、前年の平成十九年と比べるとほぼ同数ですが、平成十年が約五万人であり、この十年間で約二倍ということになっております。 また、平成二十年における研修から技能実習への移行者数は六万二千五百二十人で、前年の平成十九年と比べて約八千五百人増加しています。平成十年の技能実習移行者数が約一万三千人でありますので、この十年間で約五倍に増加したということになります。 次に、実際、研修生、技能実習生の帰国後の状況でございまして、この点について当局が直接調査を行うということはございませんが、財団法人国際研修協力機構において、平成十九年九月から十二月に帰国した技能実習生約一万二千人を対象として、帰国後の就業状況等についての調査を実施したと承知をしております。同調査によれば、帰国後、研修等と同種の仕事である元の職場に復職した者が約四千四百人、これに加えて、研修等と同種の仕事である別の職場に転職した者が約一千八百人であるとの結果が報告をされております。 この調査結果からは、帰国した研修生、技能実習生の少なくとも半数以上が我が国で修得した技術等を本国で活用しており、開発途上国への技術移転という研修・技能実習制度の本来の目的は失われていないものと考えております。
○松村龍二君 最後に、二つ重要な質問をさせていただきます。 この度の改正が一定の成果を収めていることは理解しましたけれども、研修・技能実習制度の問題点として、受入れ団体、受入れ企業が労働法等を守らない、そういう苦情が多くあって、これを取り上げられたというふうに思われるわけですが、そのような事例ばかりではないと思われます。 研修生や技能実習生が日本の慣習を理解していないため、所定の時間外に雇用主が善意で県庁所在地を案内したり、日曜日に案内したり、あるいは日本の労働の精神を教え込むために、朝早く、三十分か四十分、来て機械の周りを掃除しなさいといったことが時間外手当をもらわないで働かされたというふうなことで違反行為というふうに指摘を受ける事例も聞くわけですが、法改正後はこのような点が改善されるような措置がとられるのかお伺いします。
○政府参考人(西川克行君) まず、前提といたしまして、使用者の指揮命令により技能実習生が就業時間外に行われる行事等に参加する場合は、その参加している時間は労働時間に当たるものというふうに考えられますが、その参加が義務的ではなく技能実習生が自主的に参加する場合については労働時間に当たらないものというふうに承知をしております。この点については恐らく、御指摘の事案については、使用者の意図が技能実習生に十分理解していただけなかった、それでトラブルが発生したということではなかろうかというふうに推察をいたしております。 法改正後の技能実習一号の活動では、企業等と雇用契約を締結して企業内で技能等を修得する活動を行う前に一定期間の講習による知識修得活動を行うことになりますが、講習の内容として、日本語や修得する技能に関する知識だけではなく、技能実習生が日本で生活する上での必要な知識として、例えば労働関係法令、それから出入国管理関係法令、日本の慣習等の生活一般に関する知識についても修得していただくこととしており、この旨を法務省令に規定するという予定でおります。 これによって技能実習生の我が国への労働慣行等への理解が一層深まって、今御指摘のあったような問題が生じなくなるように努力をしていきたいというふうに考えております。
○松村龍二君 最後の質問ですが、法改正後は、技能実習生に対する一定期間の講習を義務付けることで技能実習が円滑に実施されることを期待いたします。一方で、新たな研修・技能実習制度では、これまで以上に受入れ側の負担が大きくなると認識しております。 今後、関係省令等を整備することによって法律の具体的な運用が決まっていくことになると思うが、その際には、技能実習生を受け入れる機関の経営者を含め幅広く意見を聴くべきだと考えますが、この点について法務当局の所見をお伺いします。
○政府参考人(西川克行君) 新たな研修・技能実習制度につきましては関係省令の改正等により具体的な要件を定めていくことになりますが、その前には、中小企業庁を含む関係省庁等と協議を行った上でパブリックコメントの募集など所要の手続等を行うとともに、技能実習生を受け入れる企業の経営者等を含め意見を幅広く聴取することを考えており、提出された意見を十分に踏まえ関係省令の改正等を行ってまいりたいと考えております。
○松村龍二君 終わります。 どうもありがとうございました。
○委員長(澤雄二君) 午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時九分休憩 ─────・───── 午後一時十四分開会
○委員長(澤雄二君) ただいまから法務委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告をいたします。 本日、大門実紀史君が委員を辞任され、その補欠として仁比聡平君が選任をされました。 ─────────────
○委員長(澤雄二君) 休憩前に引き続き、出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○木庭健太郎君 今回が、この出入国の法案、改正案は、最初に総括的質疑を行い、参考人の皆さんからも御意見をお聴きして、今日が実質三回目の質疑をやっているわけでございます。言わば今日はまとめの質疑にもなると思いますし、まず、これまでいろんな御意見も伺いましたし、確認したいこと、総括的にお聞きしたいこと、まとめてお聞きをしたいと思っております。 まず、附則関係についてお聞きをしたいと思っております。 午前中もこれ議論がありましたが、現在、いわゆる不法滞在者という方が依然として多数存在していらっしゃる。そのような状況のまま法律の施行に至ることになれば当然混乱状況になり、新たな制度をつくろうにも、その円滑な導入というのは非常に難しい状況になると懸念されるんだろうと思います。 そのような趣旨から設けられたのが修正案における六十条の二項だと思っております。六十条の二項を見ますと、法務大臣は、こういったことに対して、入管法第五十条第一項の許可の運用の透明性を更に向上させる等その出頭を促進するための措置その他の不法滞在者の縮減へ向けた措置を講ずることを検討するものとするとしてあります。非常に、ちょっと、措置を講ずるものとすると、それも検討という話なんですけれども、具体的にどのような措置を講じていこう、この混乱をなくすために、ある意味ではきちんとやるために、どういうことを措置されようとしているのか、具体的にお答えをお願いしたいと思います。
○政府参考人(西川克行君) 委員御指摘のとおり、約十三万人まだ不法滞在者が存在していると、こういうことでございます。円滑な法律の施行のためには、これを何とか縮減しなければならないということでございます。 一方では、効率的な摘発を継続していて数を減らしていくということでございますけれども、他方、不法滞在者を自発的に出頭させるという措置も、これも是非必要であるというふうに考えております。 効率的な摘発はそれで継続をするわけですが、他方、不法滞在者に自発的な出頭を促すことの必要性につきましては、新たな制度の周知活動を行い、また、現に外国人登録をしている不法滞在者については、関係各機関の協力も得るなどして、不法滞在者に自発的な出頭を促して、個々の事案に応じて在留特別許可を認めるべきものは認めることを考えております。 この点、在留特別許可につきましては、これまでも個々の事案ごとに諸般の事情を総合的に勘案してその許否の判断を行ってまいりましたけれども、その透明性を確保することが不法滞在者の自発的な出頭を促す観点から重要であると認識をしておりまして、このような観点から、まず、在留特別許可をされた事案あるいはされなかった事案の事例の更なる公表を行うとともに、既に公表済みの在留特別許可に係るガイドラインの内容についても見直しの検討をしたいというふうに考えております。
○木庭健太郎君 是非、先ほども議論ありましたが、きちんとしたガイドラインが分かりやすく皆さんに伝わればそういったこともできると思うんです。その部分がまだ努力が足りない部分があるんだろうと思うし、是非とも法が成立いたしましたらそこを強力にやっていただきたいし、そして、先日、参考人もおっしゃっていらっしゃったんですが、そうやって特別在留許可含めて仮放免された外国人に対して、市区町村が人道上の観点から行政サービスを適切に提供するためには、市区町村にこの仮放免された外国人の情報が伝わらなければならない。そういうことを踏まえてこの附則を見ると、附則六十条の一項の規定というのは、まさに仮放免された者の通知について検討しろというような形になっているんだろうと思います。 したがって、今後、法務省として、この仮放免された者の通知について具体的にどのような検討を行っていこうとしているのか、これもお尋ねしておきたいと思います。
○政府参考人(西川克行君) 現在、外国人登録を利用するなどして、母子保護それから児童に対する予防接種、教育等、人道等の観点からの行政サービスは仮放免された者にも提供されておりますけれども、改正法施行後もこれらの者が行政上の便益を受けられるようにするために、例えば予防接種の案内の発送等、市区町村において外国人の居住実態を把握する必要がある場合が考えられます。 そこで、法務大臣において、仮放免をされてから一定期間経過したものについて、施行日以後においても行政上の便益を受けられるようにするとの観点から、施行日までに、その居住地、身分関係等を市区町村に迅速に通知することについて、個人情報の保護にも配慮しつつ検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとされました。 この点、仮放免された外国人には仮放免許可証が交付されて、これに本人の身分事項や指定住居が記載されていますので、基本的には仮放免許可証を市区町村に持参することで身分事項や居住状況の証明を行うことが可能であると考えておりますが、いずれにしましても、これらの外国人が受けることのできる行政上の便益に支障を生じさせることのないよう、どのような行政サービスにおいて法務省からの通知が必要になるか考慮するとともに、個人情報の保護の観点にも留意しつつ、通知を行う場面、方法について検討を進めてまいりたいと考えております。
○木庭健太郎君 ちょっと今もおっしゃったんですけれども、今は外国人登録などを利用して母子保護とか児童に関する予防接種、この人道上の観点からの行政サービスをいわゆる不法滞在者にも提供されていると。でも、これはある意味じゃ、人道上の観点からの行政サービスというのは、この入管法の附則六十条一項の規定の有無に関係なく、元々やらなければならない、提供しなければならない人道的なある意味じゃ行政サービスの責務であるというような気が私はいたします。 この点、住民基本台帳法にも修正が加えられまして、これら行政サービスを実際に提供することとなる。ただ、この負担を掛けないようにということで、総務省が第一義的な責任主体となって検討を加え、措置を講じなければならないというふうなこれは修正になったわけですけれども、この法務委員会でも、局長から、総務省が第一義的な責任主体となって対応するというお答えがございましたが、総務省としてどのような検討を加えてどのような措置を講ずるつもりなのか、確認をしておきたいと思います。
○政府参考人(佐村知子君) お答え申し上げます。 今御指摘ありましたように、住基法改正法附則第二十三条は、在留資格がない者でございましても、これまで受けられていた義務教育あるいは助産施設における助産や結核予防のための健康診断などの行政サービスが本改正法の施行の日以後もなお受けることができるようにするために設けられたもの、検討条項であると承知をしております。 今後、この附則の規定を受けまして、総務省といたしましては、必要に応じましてそれぞれの行政サービスについての記録の適正な管理の在り方について検討を加えまして、その結果に基づきまして、今後とも外国人住民の方々が適切に行政サービスを受けていけるように、市町村やそれぞれの行政サービスについての関係する省庁ともよく連携を取りながら、その対象者を把握するために必要な措置をしっかり講じてまいりたいと考えております。
○木庭健太郎君 是非、もちろん市町村が現場ですからそこにやっていただく形になるんですが、ここにあるとおり、責任主体はどこなのかということになると、総務省がこれはきちんといろんな面で掌握するんだという、是非その御自覚というか決意だけは持っていただかないとこれはうまくいかないと思います。そこは是非是非、重々やっていただきたいと法案のこの審議に当たってお願いをするというか要請をしておきたいと、こう思います。 そして、この修正案の附則六十条というのは、今申し上げたこの一項、二項のほかにもう一つございまして、実は六十条附則三項というのはどんな要項かというと、これも一度大臣とちょっと議論をいたしましたけれども、「法務大臣は、永住者の在留資格をもって在留する外国人のうち特に我が国への定着性の高い者について、歴史的背景を踏まえつつ、その者の本邦における生活の安定に資するとの観点から、その在留管理の在り方を検討するものとする。」、この趣旨は、もう大臣お分かりのとおり、常時携帯義務の廃止というのが今回特別永住者についてはなされた。しかし、残念ながら、そのほかのことについてはこういった検討事項ということになされた。是非、いろんな、ここに書いているとおり、背景その他定住性の問題、いろんな判断をしなければならないんでしょうが、是非この点については、この附則を受けてどう具体的に検討するつもりでいらっしゃるのか、法務大臣にここはきちんと伺っておきたいと思います。
○国務大臣(森英介君) 特別永住者と一般永住者については、例えば在留の場面においては、在留カードの有効期限の更新方法、常時携帯義務や罰則の内容、再入国許可の有効期間や再入国許可を受けたものとみなされる期間の長短、退去強制の場面においては、退去強制事由の限定の有無の点においてその取扱いについて違いがあります。さらに、上陸審査の場面においても、上陸拒否事由該当性の審査の要否、個人識別情報の提供の要否の点において違いがあります。 このように、特別永住者に対し、他の外国人とは異なる様々な配慮がなされている理由は、日本国との平和条約の発効により本人の意思に全くかかわりなく、関係なく日本の国籍を離脱した方々であること、終戦前から引き続き日本に在留している方々であり、我が国に対する強い定着性があることという点にあり、この点、そのほとんどが新たに来日した外国人、いわゆるニューカマーである一般永住者とは、その歴史的経緯や定着性に関し全く異にしております。 他方、今委員からも御指摘があったところでございますけれども、一般永住者の中にも、その歴史的背景から我が国に長期間在留しているなど、特に我が国への定着性が高い方々がおられることも事実でありますので、今後この附則の規定を受けて、法施行後の内外の諸情勢をも踏まえつつ、これらの方々に対する在留管理の在り方全体について検討を進めてまいりたいと考えております。
○木庭健太郎君 是非、おっしゃったように、一般永住者といっても様々な方たちがいらっしゃる、大臣がおっしゃったとおりだと思います。 もちろん、そういった歴史的背景から、私はすぐにもやらなくちゃいけない方もいらっしゃるとは思うんですが、それは華僑を含めたいろんな方たちですが、それだけでなく、大臣も今おっしゃいましたが、定着性の高いということがこの附則の中に織り込まれております。定着性の高いというのは、別にそういう歴史的背景だけでなくて、本当に長年日本に、ニューカマーと言われる人たちだって、その中には長く日本に住み、日本に永住し、日本でやっていきたいという方もいらっしゃるわけであって、その辺も含んでよくいろんな観点からこの問題は是非早急に検討をしていただいてお答えを是非いただきたい、このように思っておりますので、よろしくここはお願いをしたい、こう思っております。 さて、この法案が成立しますと、施行へ向けた様々な問題が起きてくるわけでございますが、今回これ法律成立しますと、今交付されている外国人登録証から在留カードへの切替えが行われるわけです。在留カードへの切替えというのがもし一時期に集中するということになると、またこれも相当の混乱が予想されるわけでございまして、これも心配されます。この点、在留カードへの切替えの期間とか切替えの方法、こういう点について法務当局に改めて確認をしておきたいと思います。
○政府参考人(西川克行君) 確かに在留カードへの切替えが一時期に集中しないようにという配慮が必要であるというふうに考えております。 そこで、新たな在留管理制度の施行期日におきましては、既に我が国に在留している中長期滞在者については、その者が外国人登録証明書を所持しているときは、その外国人登録証明書は施行日から起算して三年を経過する日又は在留期間の満了の日のいずれか早い日までを有効期限とする在留カードとみなすということにしておりまして、在留カードへの切替えが一時期に集中しないというようにしております。 その上で、在留カードへの切替え手続につきましても、改正後の入管法の規定による届出又は申請に伴って在留カードへと切り替えていくだけではなく、当該外国人が自ら希望して申請する場合には、施行期日の六月前からいつでも在留カードへの切替えの申請ができることとすることによって、在留カードへの切替えが一時期に集中することもなく、また在留カードの対象となる外国人の切替え手続の負担をできるだけ軽減するようにしております。 いずれにしましても、外国人の方々に必要以上の負担を掛けることのないように配慮してまいりたいと考えております。
○木庭健太郎君 総務当局にちょっと一、二問聞いておきたいんですけれども、何かというと、今回、結局、住民基本台帳が改正されて、外国人住民が住民基本台帳に載ることになるわけです。そのこと自体は大変いいことだろうと思うんですけれども、ともかく、戦前、戦後というか、戦後この外国人登録制度ができて、それが初めて今回住民基本台帳制度の対象になる。ある意味では極めてやっぱり地方自治という、そういういろんな業務にとっては極めて大きな改正だろうと思うんです。 市町村もそういう意味ではどう円滑にやっていこうかという意味でなかなか大変な面もあると思うんですけれども、是非こういったことをやっぱり広報し周知するためにどうすればいいのかということに知恵を絞らなければならないでしょうし、なおかつ、今回の改正という問題は、是非、都道府県に伝達するのではなくて、やはり一番現場である全国の市区町村、ここにきちんと周知されるべく対策を取ってほしいと考えますが、どのような対策を取るつもりでいらっしゃるのかお聞きしたいと思います。
○政府参考人(佐村知子君) お答え申し上げます。 今先生おっしゃいましたように、今回の法改正、制度導入は、住民基本台帳法にとって大変大きなものでございます。新たに制度の対象となります外国人の方々にもよく御理解いただくこと、また、実際に事務を担当する市町村等が混乱なく導入されることが大変重要であると私ども考えております。そのために、総務省といたしましても、市町村と連携をしながら新制度の円滑な導入に努めてまいりたいと考えております。 そのために、法改正により新たに住民基本台帳制度の対象となり、届出等の必要が生じる外国人の住民の方々に対しては十分な周知啓発を行っていく必要があると考えておりまして、法務省の方もいろいろお考えのようでございますけれども、私ども、外国人に関係をする施策を実施している法務省や外務省を始め、いろんな関係省庁や市町村としっかり連携をして、幅広くいろんな機会をとらまえて新制度の案内や広報等を行ってまいりたいと考えております。 また、今回の法改正に伴う市町村の準備作業が円滑に進むということも大変重要でございまして、今後、実施に向けて政令や省令やあるいは事務処理要領といったものを改正していく必要がございますけれども、こういうものについては、市町村等に対して説明会を開催するなど、よく連携を図ってまいりたいと考えております。
○木庭健太郎君 実は市区町村が一番心配しているのは、周知徹底のこともあるんですけれども、お金のことです。システム改修をしなければなりません。これは大変な作業になると思われます。財政負担というのを一体これシステム移行に伴ってどの程度になると総務省が見ているのかということを聞きたいし、もう一つは、じゃそういう負担に対してどういう財政支援をやろうとしているのか、ここが一番現場の市区町村の皆さんが心配している点のようですので、お答えをいただいておきたいと思います。
○政府参考人(佐村知子君) お答え申し上げます。 先生御指摘のように、本改正によりまして外国人の住民を住民基本台帳法の適用対象に加えるということで、これに伴って、現在の外国人登録制度から移行していくために、市町村においては住民票作成のための準備作業やあるいはシステムの改修といったもろもろの作業が必要となります。こういった移行作業に要する経費につきましては、それぞれの市町村の住民基本台帳システムを十分に精査をしていく必要がございますが、現在の試算ではおおよそ二百億円程度と見込んでいるところでございます。この移行経費につきましては、地方公共団体の事務作業に支障を生じないように、私ども必要な地方財政措置をしっかり講じてまいりたいと考えております。
○木庭健太郎君 最後に大臣に、この法律通ればいよいよ大改革がスタートするわけですから、この新たな制度へ向けた大臣の決意を伺って、質問を終わります。
○国務大臣(森英介君) 今仰せのとおり、入管法は昭和二十六年に制定されておりますが、今回の改正は長い入管法の歴史の中でも最も大きな改正と申し上げてよろしいかと存じます。今回の改正によって、入管内部のシステムや人員配置はもちろんですが、市町村との関係も大きく変更されます。三年後の施行に向けて、円滑な制度移行のために、全国の入国管理局挙げて全力で取り組んでまいりたいと考えております。 また、新たな制度に関する広報等も十分に行って、制度の周知徹底を図ってまいりたいと考えております。 また、これは私が最も重要な点と考えておることでありますけれども、現在存在している約十三万人の不法滞在者、これらの方々の取扱いが新旧の両制度のギャップとして浮かび上がってくるということがございます。したがいまして、これら不法滞在者を三年後の施行までに極力減らしていく、すなわち、退去強制すべきは退去強制し滞在を認めるべき者はきちんと滞在を認めていく、しかも、この点については衆議院の修正で附則が追加されておりますので、極力自発的な出頭を促すような方策によって実現していくことに力を入れてまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、今回極めて大きな制度改正になりますので、関係各方面の御理解、御協力をいただきながら、円滑な制度移行に向けて全力を尽くしてまいりたいと考えております。 よろしくお願いいたします。
○木庭健太郎君 終わります。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 まず、今度の改定によって、在留資格は有しないけれども、居住の実態などの住民としての実態を持っている外国人の方々がどうなるのかという点についてお尋ねをしたいと思います。 これ、前回も質疑がありまして、確認ですが、まず入管局長、現行制度の下では在留資格は有しないけれども、居住の実態などがあって外国人登録がなされてきた外国人が存在する、これは前回約一万八千人ほどいるのではないかという御答弁でしたが、そうですか。
○政府参考人(西川克行君) 外国人登録上、在留の資格なしで在留している方が約一万八千人いるということで把握をしております。
○仁比聡平君 そうした方々が、この改定後、住民基本台帳上どうなるのかと。 総務省、この改定後、在留資格がない外国人はこれは住民として認められるんでしょうか。
○政府参考人(佐村知子君) お答え申し上げます。 住民基本台帳制度は、市町村長が住民の居住関係の公証など住民に関する事務の処理の基礎として住民に関する記録を正確かつ統一的に行う、そういう住民基本台帳を作成する制度でございます。 こうした制度趣旨を踏まえまして、本改正法では、観光目的で入国をした短期滞在者などを除く、適法に三か月を超えて在留をする外国人を住民基本台帳法の適用対象としております。 不法滞在者は、入管法上退去強制されるべき地位にあることから、住民基本台帳法の適用対象とすることが適当ではないと考え、適用対象外としているところでございます。
○仁比聡平君 現実に、主観的にもその外国人はここの地域に住み続けたいというふうに思っているし、実際そういう実態もあると。この方々がこれまで現実に地域社会の中に居住して住民として日本国籍の住民と共に生きる共生という、そうした取組がずっと続いて、歴史的にそれぞれの地域社会、コミュニティーでそうした外国人の方々とどういうふうに解け合って地域社会をつくっていくのかという、そこは積み重ねられていっていると思うんですよね。 いろんな自治体の取組の一つの根拠として、住所やお名前が分からないとなかなかお付き合いがしにくいから、自治体にとりましたらサービスがしにくいから、外国人登録という、本来その制度はそのための制度じゃないんだけれども、外国人登録を言わば利用していろんな住民サービスが行われてきたということがあると思うんですね。 前回の参考人質疑でも出ましたが、そうした方々が住民基本台帳から対象外だとされて見えない人にされてしまうと。これは自治体にとって大変重大な問題をもたらしてしまうのではないかと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(佐村知子君) お答え申し上げます。 従来から、不法滞在者など住民基本台帳に記録をされない者でありましても、従前より当該行政サービスの対象とされているということがございます。今回の法改正では、そういう者につきましては引き続きその対象とされると承知をしておりまして、その対象範囲を変更するものではございません。例えば、それぞれの法律で定められているところでは、義務教育や助産施設における助産、結核予防のための健康診断などは従来から対象とされており、引き続きその対象となるものと承知してございます。 また、衆議院における修正によりまして、入管法等によって本邦に在留をすることができる者以外のものにつきましても、施行後もなお行政サービスを受けられるようにするとの観点から、政府が必要に応じて記録の適正な管理の在り方について検討を加えて必要な措置を講ずることとされたところでございます。 総務省といたしましては、この修正の趣旨を尊重いたしまして、関係省庁や市町村としっかり連携をして、適切に対応してまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 今そんなふうにおっしゃるけれども、これまでは外国人登録制度で住所だとかお名前だとかが確認できるわけでしょう。これからは住民基本台帳の対象外にする、外国人登録制度は廃止する。そうしたら、どうやってその外国人の方々を自治体として把握するのかというのは、私、今の答弁でも全然分からないんですよね。 修正案提案者にお尋ねをいたしますけれども、この法案の六十条一項、これと関連して今総務省の方がお答えになった住基台帳法の方の関連規定があるんだと思いますけれども、この六十条一項の、なおその者が行政上の便益を受けられることとなるようにするという観点から……
○委員長(澤雄二君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(澤雄二君) 速記を再開してください。
○仁比聡平君 与党が何としても成立をという話をされるから今日のような強行的なスケジュールになっているにもかかわらず、与党の皆さんがおいでにならないというのは大変残念なことです。 六十条の一項、なおその者が行政上の便益を受けられることとなるようにするという観点から、検討を加えて必要な措置を講ずるというこの規定の意味は一体どういうことなのかと私お尋ねをしたいんですが、もし行政上の便益を受けられるようにするのであれば、在留資格がなくても住民基本台帳に載せるというふうにするか、それか、これまで在留資格が与えられていない方々も在留資格を与えるようにするか、どちらかしかないと思うんですが、いかがです。
○衆議院議員(桜井郁三君) 現在、外国人登録を利用するなどとして母子保護、児童に対する予防接種や教育、こういうものも、人道上の観点から行政サービスは仮放免された者にも提供されておりますが、改正法施行後もなおこれらの者が行政上の便益を受けられるようにするためには、例えば予防接種の案内の発送などでございますが、市区町村において外国人居住実態を把握する必要がある場面が考えられるわけでございます。 そこで、法務大臣において、仮放免されてから一定期間経過したものについて、施行日以後においてもなお行政上の便益を受けられるようにするとの観点から、施行日までに、その居住地、身分関係等を市区町村に迅速に通知すること等について、個人情報の保護にも配慮しつつ検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとしたものでございます。
○仁比聡平君 今の御答弁では、どうやってその住民基本台帳上は見えなくされている外国人の方に例えば今おっしゃったような福祉の手当の通知を送るのかなんてはっきりしないじゃありませんか。何だか、この法案のレクチャーを受けている過程で別の台帳を作るというみたいな話も耳には入ったんですけれども、どんどんどんどん煩瑣になるばっかりでしょう、そうすると。一体どうするおつもりなんですか。総務省、どうするんですか。
○政府参考人(佐村知子君) お答え申し上げます。 そういう方々にもこれまでと同様の行政サービスが具体的に適用されますためには、それぞれの地方公共団体におきまして確かに外国人に関する情報を把握するなど、行政サービスを提供するための対応が必要になってまいります。それで、義務教育や結核予防のための健康診断など、在留資格のない者であっても適用される個別の行政サービスを外国人に適用するための記録がその者に係る記録と想定をされ、そういう者に関して必要な措置をとっていくということが附則の趣旨で、それをしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
○仁比聡平君 そうなると、就学だとかあるいは児童の支援だとか、そういった物事ごとにいろんな名簿を全部作っていくというんですか。そんな煩瑣なことをするんじゃなくて、日本に来て居住の実態がある外国人の方々、みんな住民なんだから、地方自治法上だって住民だと見ておかしくないでしょう。みんな住民基本台帳に載せればいいじゃないですか。何でやらないんです、総務省、もう一回。
○政府参考人(佐村知子君) お答え申し上げます。 住民基本台帳制度は、市町村長が住民の居住関係の公証など住民に関する事務の処理の基礎として住民に関する記録を正確かつ統一的に行う、そういう台帳を作成する制度でございます。 こういった制度趣旨を踏まえまして、本改正法では、観光目的で入国した短期滞在者等を除く、適法に三か月を超えて在留する外国人をこの法律の適用対象としております。 不法滞在者は、入管法上退去強制されるべき地位にあることから、住民基本台帳法の適用対象とすることは適当ではないと考え、適用対象外としております。
○仁比聡平君 そうした外国人に対する物の見方といいますか哲学といいますか、それが今現場で実際に深刻な事態をもたらしているんじゃないかというふうに思っています。 厚労省に、前回お尋ねできずに申し訳なかったんですけれども、生活保護を受給する外国人住民について、ハローワークが今行っています帰国支援金を受けさせて生活保護を廃止すると、そうした扱いがあるのかという点についてお尋ねしたいと思うんですね。 西三河、愛知県のある自治体で、複数の日系ブラジル人の御家族に、現実に受けている生活保護を打ち切って、帰国支援金を使って帰国しなさいという指示がなされているということが、これはメディアでも大問題になりました。その中には、仕事中に負傷して手術を必要とするし、労働災害を争わざるを得ないという方もあったんだけれども、そうした方に帰国支援金の手続をしなければ保護を打ち切る、そういうふうに指示されたというふうに伝えられているわけですね。こうしたことは絶対にあってはならないと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(坂本森男君) 日系外国人に帰国支援事業を紹介することは必要な情報提供の一つと考えておりますが、本事業は本人の意向に沿って支援を行うものでございまして、帰国支援事業を利用しなければ生活保護を打ち切るとの発言があったとしたならば、それは不適切な対応であると考えております。 厚生労働省といたしましては、日系外国人の方々の意向を踏まえまして、帰国支援事業や生活保護などの必要な支援が受けられるよう、自治体に対しまして必要に応じ技術的な助言をするなど適切に対応してまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 今の答弁は大事な答弁なんですが、現場で日系ブラジル人の方にそうした対応が現に起こってしまうのは、外国人に対する共生とは別の考え方というのが現実にあるんじゃないかと私は思うんですよね。 時間がありませんから、在留特別許可の問題について更にお尋ねしたいと思うんですが、修正案提案者、附則六十条二項に言う在留特別許可の運用の透明性を更に向上させるというふうにおっしゃるのは、つまり、現在の在留特別許可、これを拡大する、もっとたくさんの方に許可が出るようにするんだという、そういう意味なんですか、いかがです。
○衆議院議員(桜井郁三君) 御指摘の在留特別許可の運用の透明性を更に向上させるということにつきまして、修正案提出者としては、在留特別許可がされた事例及び許可されなかった事例の更なる公表を行うとともに、在留特別許可に係るガイドラインの内容についても見直しを行うことを想定しておるところでございます。 また、不法滞在者の縮減の措置については、摘発等による退去強制も含まれるが、在留特別許可の運用の透明性を更に向上させるという例示があることにかんがみれば、在留特別許可の運用ガイドラインがより明確に示され、該当者による自発的出頭が増え、結果的に不法滞在者でなくなる事態が望まれるものと言えると思います。
○仁比聡平君 実際に、在留特別許可が広がりますと、これまではオーバーステイで自分は特別許可が出ないんじゃないかというふうに思っていた方も、私もできるんですねということになって初めて入管に出頭されるのはするわけでしょう。それを、単に透明性を向上させるというだけで、ここの法文にあるような出頭を促進するための措置その他の不法滞在者の縮減に向けた措置を図るというふうに言ってしまうと、結局、出てこい、捕まえるぞというふうに言っているのに等しいことになりはしませんか。そういった趣旨であればこの規定は一体何なのかと思うんですが、入管局長、手が挙がっていますが。
○政府参考人(西川克行君) 年間、現状でも四万人から五万人に対して退去強制手続を実施しております。そのうち、多い年で約一万人、それから少ない年でも七、八千人に対して在留特別許可を付与していると、こういうことでございます。これは言い換えますと、今不法滞在ということで社会に潜在している方でも相当の割合で在留特別許可が認められる場合がある、それを知らないために出てこれないという、そういうケースは相当あると思います。 先ほどのガイドラインの、今現在もガイドラインはございますけれども、積極要素、消極要素、ある程度は公開しておりますが、更にここに付け加えて、積極要素、消極要素として考慮するべき事項について、要素として多く挙げ、かつ、こういう事例については認めましたよ、あるいはこういう事例については認めませんでしたよという、こういう事例を公開することによって、より予測可能性といいますか、そういうものが高まって、それが自発的な出頭につながるという、こういうふうに考えております。
○仁比聡平君 大臣、ちょっと、通告をしていないといえばしていないんですけれども、今の局長の答弁で私は十分だとは思いませんけれども、それにしても、今現実に日本に在住している非正規の外国人、この方々の多くに在留特別許可が得られる、そういった条件のある方がいるのではないかと。そうした方々には在留特別許可をするんだという、そういう方向の御答弁だと思うんですけれども、大臣、それでよろしいですかね。
○国務大臣(森英介君) これはやっぱりあくまでもこの法案を成立させていただいてからとるべき措置について今御答弁申し上げているので、非常に表現が難しいわけでございますけれども、結果的には仁比委員がおっしゃっているような方向性としては方向性になると思います。
○仁比聡平君 もう一つ、附則に関して、六十条の三についてお尋ねしたいと思うんですが、永住者のうち特に我が国への定着性の高い者という、この表現というのは一体何を指すのかという私は根本的な疑問を感じるんですよね。 歴史的経緯にかかわらず、中でも、少なくとも永住者に常時携帯義務、在留カードの、を課すことは国連人権規約に違反するという見解もあるわけです。せんだっての参考人質疑でも出ましたが、既に法務省が、在留資格に基づく活動には制限はありません、永住していただいて結構ですということで、もう既にそういう審査は言わば経ているのに、どうして特別永住者とこんなに差を付けるのか。ここの問題については修正案提案者はどんなふうにお考えなんでしょうか。
○衆議院議員(桜井郁三君) 今御指摘の附則第六十条第三項は、一般永住者の中にも様々な方がおられる中で、特に我が国への定着性が高い方について、特別の歴史的背景を踏まえて在留管理の在り方について検討を進めていくべきとの趣旨で検討規定を置いておるわけでございます。一般の永住者の中には、特別永住者に該当しないが、特別永住者に準じて日本への定着性が高く、歴史的背景を有する方々がいらっしゃるために、こうした事情を有する方々について常時携帯義務を含めた在留管理の在り方全般について幅広く検討を行うことを想定しているところでございます。 修正協議の過程では、一般永住者の常時携帯義務廃止の是非について、御指摘の国連人権規約との関係などから常時携帯義務を削除すべきとする意見が示された一方で、不法入国者や不法残留者が依然として多数おられます。様々な問題を発生させている状況の下では、在留カード制度は新たな在留管理制度の根幹を成すもので、人権B規約に違反するものではないとの意見もあり、その結果、附則第六十条第三項のような形で与野党の合意を見たものでございます。
○仁比聡平君 国連人権規約に反するではないかという規約委員会からの勧告に対して政府は、即時的な身分把握の必要性があるから違反しないという趣旨のレポートを出しているわけですよ。規約委員会が規約に反すると言っているのに、言われている日本の側が、いや、反しないと言っていると。そういう立場を修正案提案者もおっしゃるんだったら、この規定というのは一体どんな意味があるのかと、私は強い疑問を持っています。 時間が限られていますので、今回の法案のもう一つの柱である研修生・実習生制度についてもお尋ねをしておきたいと思うんですけれども、まず、せんだっての参考人質疑で、JITCOが把握をしている技能実習生について失踪者がどれほどの数に上っているかという深刻な実態を御紹介いたしました。 今日、厚労省にお尋ねをしたいと思いますが、昨年、二〇〇八年の四月から二〇〇九年の三月までにJITCOが把握をしただけで外国人研修生、技能実習生の三十四人が言わば在職死、研修中に亡くなっているわけです。 その概要を見て私は本当に愕然としていますけれども、例えば三十代の実習生が朝起きないので同室の実習生が起こそうとしたところ死亡をしていた、急性心筋梗塞だと。同じく、二十代の研修生が起きてこないので、体を揺すったら息をしていなくて死亡をしていた。二十代の女性がおなかの痛みを訴えて、夜中、午前一時半ごろ寮の廊下で倒れているのが発見されて、病院に搬送されたが死亡をした。二十代の実習生、インドネシアから来られた方は、お医者さんに行ったら急性気管支炎と栄養失調だと診断されて、その後、悪化して亡くなった。脳疾患で亡くなった方もいらっしゃいます。 まだ二十代の、あるいは三十代のこうした若者が何で一年間に三十四人もこんな形で亡くなるんですか。その実態をどう認識しているのか。
○政府参考人(杉浦信平君) お答えいたします。 外国人研修生・技能実習生の事故とか疾病等の状況につきましては、先生御指摘のとおり、JITCOを通じまして受入れ企業に対して報告を求めているところでございますけれども、平成二十年度におきまして不幸にも三十四名の方が研修・技能実習期間中に死亡するという事態となっております。主な原因としましては、脳・心臓疾患が十六名、それから作業中の事故等が五名、交通事故が四名等となっております。 こういった状況を踏まえまして、この死亡事案につきましてはJITCOにおいて全数の調査をやっておるところでございまして、その結果に応じて厚生労働省の方で適切に対応することにしております。 また、このほかの事故、疾病等の対策といたしましては、JITCOが実施をします巡回指導の際に健康診断の実施状況を確認するだとか、あるいは私生活を含めた日常生活における脳・心臓疾患等の予防対策のマニュアルを作成をし普及をする、あるいは全国の主要都市において健康管理のためのセミナーを開催するといったようなことを実施しておるところでございまして、引き続きこの健康確保に対しまして取り組んでまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 審議官、今の答弁で、日本に学びに来た研修生たちがこうやって死んでいると。日本人でいえば過労死なんじゃないんですか。そうした事態に追い込んでいるということ自体の切迫感がないですよ。 今度の改定で在留資格は労働契約に基づくものとするというふうになっていますが、これ今後何か変わるんですか。私、この委員会でずっとこの研修生、実習生の問題取り上げてきましたけれども、実際にブローカーから多額の保証金を取られた上で日本に連れてこられて、パスポートも取り上げられる、わずかな給料から強制貯金までされる、これで縛り上げられて奴隷労働で逃げ出しもできない、だけれども、その中から失踪したり、ましてこうやって深刻な形で在職死するというような、そんな方々が出ているわけでしょう。これ、今後どうするんですか。労基署、これ厳しく監督するんですか。どうやって是正するんです。
○政府参考人(渡延忠君) お答えいたします。 現在御審議いただいているこの改正法の下では、従来の一年目の研修生について労働関係法令の保護の下で技能修得活動が行われるように措置されることとなりまして、これにより研修生の法的保護の強化が図られるものと認識いたしております。 労働基準監督機関におきましては、現在も外国人技能実習生の労働条件確保に取り組んでおるところでございますが、法改正後においては、改正の趣旨をも踏まえ、これらの研修生についても労働基準関係法令が適用されることについて関係事業主に十分周知を図るとともに、これが適正に遵守されるよう重点的な監督指導に努めてまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 今御答弁にあった重点的な監督指導、私、大事だと思いますから、是非速やかに実現をしていただきたいと、そう思います。 この研修生・実習生制度について、いわゆる団体監理型という仕組みに大変な不正行為が行われているということがこの間の入管の活動からも取組からも明らかです。この点について、修正案は「団体の責任及び監理の下」というふうに、「責任」という言葉を付け加えるというふうになったわけですね。これまでの、例えば平成十九年十二月の入管が出しています研修生及び技能実習生の入国・在留管理に関する指針というのがありますが、こういうのを見ますと、これまでの制度では、技能実習に移行して後は研修時の第一次受入れ機関は技能実習生を受け入れる機関ではなくなるということを前提に、責任はない、ただ協力をしていただきたいというような仕立てになっているかと思うんですよ。これは変わるわけですかね。第一次受入れ機関が技能実習制度についてもきちんと責任を負うんだということになるわけですか。
○政府参考人(西川克行君) 委員のおっしゃるとおりでございまして、現在の枠組みにおきましては、第一次受入れ機関は二年目以降の技能実習には監督の責任は及ばないと、こういうことになっております。そこは変更になりまして、今後は、二年目以降の技能実習であっても一次機関が修正案によりますと責任及び監理ということになりますので、より責任が重くなるということになります。
○仁比聡平君 その一次受入れ機関の重くなる責任に対して入管がどう取り組むのかということが当然問われるわけですよね。 私、この問題についてこれまでもこの委員会でただしてきましたが、ちょうど一年少し前、福島県の県南繊維協同組合という一次受入れ機関のファッション緑という業者、二次受入れ機関の、ここでのベトナム人研修生の余りにひどい扱いについて質問をしたことがございます。前局長や前大臣に明快な御答弁をいただいたわけですけれども、これ、入管局長、御存じですか。 この組合の理事長が自らやっている東栄衣料という企業で、残業代は、研修生には三百円、二年目、三年目実習生には四百円しか払わない。ベトナムで約束をしてきたとおりなんだからどこが問題があるのかと、そうした形で、法に違反するやり方で引き続きベトナム人研修生たちを縛り上げてきたわけです。彼女たちによりますと、今年の一月、入管が会社に調査に入ったそうですが、社長は入管にうそをついて、貯金はしていない、強制貯金はしていない、給料は月十一万円あり、残業は時給八百円だと説明をしたというんですね。JITCOからも人が来たけれども、何にも言わずに帰っていったというわけですよ。 不正だということが国会でも問題にされて、局長が厳しく調査する、指導すると言いながら、こんなことがずっと繰り返されている。一体、法案で責任、監理を明記したからといってどうなるというんですか。今後の構えについてお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(西川克行君) この事案については現在も実態調査中でございますけれども、既に労働基準監督署から是正勧告が出されているという事実も把握しております。近く不正行為等の認定に至れるというふうに考えております。
○仁比聡平君 時間がなくなりましたから終わらざるを得ませんけれども、いや、それは事後的にこうした告発がある、つまりベトナム人研修生が労働組合に逃げ込んできたわけです、助けを求めにきたわけですよ。それで団体交渉になり、いろんな行動になり、今の入管のお話になっているわけでしょう。事後的にそういうことを審査するというだけでは、ブローカー、あるいはそこの中で痛め付けられて食い物にされている研修生たちの労働や人間性を守るということはできないんですよ。これを未然に防止すると、そういう制度をつくらなきゃ駄目じゃないですか。 もう答弁求めませんが、大臣にもそうした認識で是非臨んでいただきたいとお願い申し上げまして、質問を終わります。
○近藤正道君 社民党・護憲連合の近藤正道です。何点か質問をさせていただきたいと思います。 従来の実務では、適法な在留資格だろうが在留資格の切れた非正規滞在であろうが、行政サービスは受けておりました。原案では、行政サービスの対象者を適法な在留外国人に限って、すべての非正規滞在者を行政サービスの対象から除外することになっていたわけでございます。そこで、修正がなされまして、住基法の附則二十三条が盛り込まれました。そして、その非正規滞在者にも社会保障、医療、教育などの機会を保障すべきだという人道的な観点から、原案では行政サービスから排除をされている非正規滞在者のうち一部については、改正法施行日までの期間、これ三年あるわけでありますが、この施行日までの期間の間で必要な措置を検討すると、こういうふうに変わったと、改正入管法の附則の六十条一項、二項、六十一条、こういうところでそういうふうに変わったというふうに私は理解をしております。 大臣は、今回の法改正によって直ちに今まで受けられていた行政サービスが受けられなくなるというものではない、不法滞在者が受けられる行政サービスの範囲は法改正後も基本的に変更がないというふうに答弁をされておりますが、しかし、非正規滞在者のうち一部の人は確実に切り捨てられる、そのことははっきり私は認めるべきだというふうに思うんです。 法務省にお尋ねをいたしますが、そういう理解でいいんでしょう。非正規滞在者の一部の者は切り捨てられる、行政サービスの対象からは除外される、こういう理解でよろしいんでしょう。
○政府参考人(西川克行君) まず、不法滞在者についての行政サービスというのは現在も一定程度認められておりまして、例えば……
○近藤正道君 ストレートに答えてくださいよ。
○政府参考人(西川克行君) 端的に申し上げますと、現在与えられている行政サービスが今回の改正によって変更されるものとは考えておりません。
○近藤正道君 ですから、私が今言った、非正規滞在者のうち一部は、今までは、正規の滞在であれ非正規の滞在であれ、自治体の行政サービスは受けられていたと。ところが、今度は非正規の人たちは当初排除をされたと。しかし修正案で、また修正が加えられるけれども、しかし、非正規滞在者のうちの一部の人たちは確実に今度は排除される、非正規のうちで再び行政サービスを受けられる人と今度はもう完全に受けられなくなる人と分けられる、一部の人たちは間違いなく行政サービスから切られる、これは間違いないんでしょう。 端的に答えてくれませんか、私の言っていることが正しいのか間違っているのか。
○政府参考人(西川克行君) そのようなことにはならないというふうに考えております。
○近藤正道君 そうすると、私の今の理解は間違いということですか。私は今、総務省から話をずっと聞いた上で聞いているんですよ。非正規滞在者のうちの一部の人は確実に今度は切られる、それは残される人もいるけれども切られる人が出てくると、こういうふうに聞いているんですが、私の理解は間違っているんですか。
○政府参考人(西川克行君) 私の理解では、外国人によってどのようなサービスをするかについては各行政機関がそれぞれ決めております。 今回の改正によって変更があるというところは各行政機関どこにもございませんので、不法滞在者について現在までなされている行政サービスはそのまま継続するというふうに考えております。
○近藤正道君 だから、行政サービスの範囲は変わらないんだけれども、そこから排除される、非正規滞在者のうちそこから排除される人が一部ではあるけれども出てくる、これ間違いないんでしょう。一切排除される人なんていないんですか。 大臣、答えてください、これ。私は昨日しっかりと総務省の方から聞いて、間違いないと、一部の人は今度は切られるというふうに私は聞いてきているので聞いているんですよ。
○国務大臣(森英介君) ちょっと誤解があるんじゃないかと、委員のお説には。 原案においても、その点については、不法滞在者にこれまで行われていた行政サービスについては改正後も同じように提供されるわけでございます。 それ、附則が付いたのは、そこから抜け落ちがないように、それを確実にするために附則が付いたというふうに私は受け止めております。
○近藤正道君 私は昨日そういうふうに総務省の担当者から聞いたんで、それでは一体どこで線引きをするんですか、選別をするんですか、選別の方針をどういう方向でやるんですかと、次にそういう質問をしようと思ってそういう通告もしたんですが、そうすると、私の理解は全く間違っていると。今までとこれからも全くそこ変わらないんだということになるんですか。 もし、総務省の方おられる、いないでしょう。ここ間違いないんですが、私は何かキツネにつままれているような話なんですよ。そこ……(発言する者あり)いや、ちょっと私聞いた程度で言っているんじゃなくて、昨日よく聞いて間違いないと。よし、そういうことであれば、今度は不法滞在者のうちの一部の人は完全に排除されるんですね、しかし一体どこで線を引くんですかということを今日聞こうと思って楽しみに今日来たんだけれども、私の理解が全然違っていると。もう一回。
○国務大臣(森英介君) 繰り返しになっちゃって恐縮でございますし、住民基本台帳法の規定に関する修正内容についてお答えする立場にないことはもとよりでございますが、入管法の規定との関連で申し上げますと、今申し上げたことと繰り返しになりますが、不法滞在者に対して行政サービスが提供されるか否かはそれぞれの行政サービスの目的によって定められるものであって、今回の法改正によって、今まで受けられていた行政サービスが受けられないということはありません。不法滞在者が受けられる行政サービスは法改正後も基本的に変更がないものと理解をしております。 その上で、改正法施行後もなお不法滞在者が現在受けている行政上の便益を受けられるようにするためには、例えば予防接種の案内の発送など、市区町村において外国人の居住実態を把握する必要がある場面が考えられますので、これらの外国人が受けることのできる行政上の便益に支障を来すことがないよう、どのような行政サービスにおいても法務省から当該外国人の居住地、身分関係等を市区町村に通知が必要になるのかを考慮するとともに、個人情報の保護の観点にも留意しながら通知を行う場面や方法について検討を進めていきたいと考えているところでございます。
○近藤正道君 これは私が総務省の担当者もそこに置いて聞けばよかったのに、もう完全に総務省の言い分を信用したために今こういう事態になった、そこは少し反省をしておりますが、いずれにしましても、今入管の局長も大臣も、今回の改正でこれまでより非正規滞在者が不利益になることなんかないんだ、全く変わらないんだということであれば、それは確認させていただきますが、一切この今回の改正によって不利益になるなんてことはないということは断言できますね。
○国務大臣(森英介君) ただいま申し上げたとおりです。
○近藤正道君 だから、不利益になることはないんですね。いや、局長、答えてください。
○国務大臣(森英介君) 信用してないね。
○近藤正道君 いや、今おっしゃったとおりです、私の方で一切不利益になることはないんですねというふうに言っているんで、そうだと言うんならそうだというふうに答えてくださいよ。
○政府参考人(西川克行君) そのとおりでございまして、付言をさせていただきますと、まず行政のサービスの幅は変化がないと。それから、漏れがないように、住基法改正法附則第二十三条で、在留資格がない者でも、これまで受けられていたサービスについて本法施行日以後もなお受けることができるようにするため設けられたという検討条項であると。それから、それに対応して入管法の方では、仮放免の人たちについての情報を市区町村の方に連絡するようにという附則が付いていますので、それで法務省としても情報サービスの提供に協力をすると、こういうふうに考えておりましたので、私は変更がないものだと考えております。
○近藤正道君 じゃ、次の質問に移ります。 中長期の在留者に関して、法務大臣は、在留管理の目的を達成するために必要な最小限度の範囲の個人情報しか取得、保有をしてはならない旨修正をされました。 しかし、これまでも実務では在留申請において非常に詳細な添付資料を要求しております。日本人は基本的に氏名と住所と性別と生年月日の四情報と住民票コード番号という、こういう住基情報の範囲にとどまっておりますが、外国人については日本人と比較にならないほど詳細なプライバシー情報が収集をされているわけでございます。入管法の施行規則に定める添付資料の情報、例えば永住者では、身分とか家族関係だとか職業、納税状況、預金、不動産等の資産状況等々が、これが必要最小限度の範囲として紙ベースの管理ではなくてデジタル化、データベース化されオンライン管理されるとすれば、およそ外国人にはプライバシーなんという、そんなものはないんではないか、そういう危惧の念を私は持っております。 外国人にもプライバシー権や自己情報コントロール権が保障されることは与野党とも一致して認めております。外国人にも日本人の住基カードと同様の個人情報保護システムが必要だということでございます。 他方、法務省は、犯罪捜査目的の情報提供を肯定しております。提供目的の適法性を担保するためにも情報内容の訂正可能性を担保するためにも、情報の流通を本人がチェックできないのは私は問題ではないかというふうに思うんです。 そこで、修正案提出者にお尋ねをいたしますが、修正案提出者の大口委員は、個人情報の保護に対する十分な配慮が必要だと、こういうふうに衆議院で答弁をされております。外国人の自己情報コントロール権を実質化するためにも、是非、各自治体の個人情報保護条例にあるような本人確認情報の提供、利用状況の開示制度を入管法の中にも取り入れるべきなんではないか、そこまでやらないと担保にならない、不十分なものではないかと私は思うんですが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(桜井郁三君) 外国人の入国、在留等に関する個人情報については、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律に基づいて、その取得、保有、利用及び提供が行われるものであります。 いわゆる個人情報の提供、利用状況について開示するという制度を設けることについては、同法の趣旨に照らして、まずは政府全体の個人情報管理の見地から検討されるべきものと考えております。 また、自己情報をコントロールすることの重要性については理解いたしますが、しかし同時に、特に外国人の入国、在留等に関する個人情報については、その情報の性質や出入国管理行政の目的に照らして、その開示は国の安全や利益にも大きくかかわるものであることにも留意し、慎重に検討しなければならないと考えております。
○近藤正道君 理解をするということであれば、何か考えてくださいよ、それは。 今回はこの後採決でありますのでもう時間がありませんけれども、そういう個人情報の保護という必要性を認められるという立場に立つんなら、是非そのために、もう一つの国の治安というような話をおっしゃったけれども、それを大きく侵害しない範囲で何かいい方法はないのか、今後も是非継続をして検討いただきたい、要望申し上げておきたいというふうに思っています。 それで、在留取消し手続に適正な手続を保障すべきという、こういう問題について質問をしたいというふうに思うんですが、行政不服審査法、そして行政手続法については入管関係では適用除外となっております。御案内のとおりでございます。事前手続につきましては、〇五年から難民認定の際の不服申立て手続に第三者を関与させる難民審査参与員制度が導入されておりますけれども、在留資格関係の手続では公正性、中立性の保障がありません。また、事後手続については、そもそも不服審査制度がないんです。今回の改正においても手続的な権利保障は全くなされておりません。 大臣にお尋ねをいたしますが、参考人質疑でもこれを認める意見が二人の参考人から強く出されました。在留資格取消しという極めて重い不利益処分においても、事前手続の公正性、中立性の保障、事後手続における不服申立て制度を整備すべきであります。在留取消し手続に適正手続を是非保障していただきたい、これを是非考えていただきたいと、こういうふうに思いますが、所見を聞かせてください。
○国務大臣(森英介君) 委員御指摘のとおり、在留期間更新許可申請等の在留審査や在留資格の取消しについては行政手続法及び行政不服審査法の適用が除外されておりますが、それぞれ適正な手続に十分に配慮した取扱いをしております。 具体的に申し上げますと、事前手続につきましては、まず在留資格の取消し制度に関しては、入管法及び入管法施行規則に行政手続法第十五条以下の聴聞に係る規定に相当する手続保障規定が設けられております。また、在留期間更新許可申請等の在留審査手続に関しましても、法令上の規定はありませんが、実務運用上は、申請人等から事情聴取を行う必要がある場合には弁明の機会を与えるなどして十分に配慮した取扱いをしております。 また、事後手続につきましては、在留期間更新申請等が不許可となったり在留資格が取り消されたりして退去強制手続へ移行すれば、入国審査官による審査の結果に不服があるときは特別審理官に対し口頭審理の請求をすることができ、口頭審理の結果に不服があるときは法務大臣に対し異議を申し出ることができるような制度となっているほか、行政事件訴訟法に基づき取消し訴訟等の提起に関する事項の教示をするなど、十分な手続的保障が確保された仕組みとなっております。
○近藤正道君 全然私の認識と違う。 在留のいろんな諸手続を見ましても、それは行政手続あるいは不服審査の規定というのは基本的にないですよ、それは。一番最後の取消しの段階になって様々な制度が発動される。だから、それ以前の段階では基本的にない。一番最後のまさに土俵際、剣が峰のところへ来て初めていろんな手続が整備をされている。あとは土俵際、うっちゃりしかないわけですから、そういうやり方は憲法が保障する適正手続の趣旨からいって問題ではないか。これはもう二人の参考人の方も強調していたことでありまして、これは是非やっぱり検討していただきたい。こういう形で、日本人にはいろんな形で行政手続、不服審査手続あるけれども、在日外国人にはない。この人たちも基本的な人権の享受の主体なんですから、是非このことはやっぱり検討していただきたいというふうに考えております。 次に、みなし再入国制度についてでございますけれども、そもそも現在安定した在留資格を有していて在留資格上の問題がなければ一律に私はみなし再入国制度の対象とすべきではないか、こういうふうに考えております。 とりわけ特別の永住者についてはそうでございます。特別永住者証明書の常時携帯義務を削除する修正協議の場で、歴史的経緯及び我が国への定着性にかんがみ特段の配慮が必要、こういう認識が示されております。しかし、韓国籍、台湾籍の旅券所持者と異なり、北朝鮮籍については適用対象外となっております。これは私は合理性がない、不合理な私は差別ではないかというふうに思っております。 確かに、今、北朝鮮との間にはいろんな問題がございます。外交上も様々な問題があるということは私は十分承知をしておりますが、在日の北朝鮮籍の人たちに私は基本的に責任はないのではないかというふうに思っておりまして、北朝鮮籍についても、とりわけその歴史的経緯及び我が国への定着性にかんがみたときに、やっぱり特別の配慮はひとしく私は必要なのではないか、同じく、国交のない台湾、パレスチナなどと同様の手続がやられてもおかしくないのではないか、ここのところは是非再検討してほしいし、引き続き、今回はどうしても駄目だということであるならば、是非引き続き検討はしていただきたいと、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(森英介君) 特別永住者について、今までの歴史的経緯を踏まえてそれは特別な配慮をすべきであるということについては、私も委員と全く認識を共有するものでございます。 なお、入管法第六条第一項は、本邦に上陸しようとする外国人は、乗員を除いて有効な旅券を所持しなければならないと定めております。また、第七条第一項は、入国審査官は、旅券が有効であることを上陸のための条件として審査しなければならないと定めております。そして、このことは外国人が再入国許可を受けて再入国する場合についても違いはありません。 このように、有効な旅券の所持は入国の際の必要不可欠な条件として規定されておりまして、これを所持せずに入国した場合は不法入国となります。そのため、入管法は、国籍を有しない者など有効な旅券を取得することができない外国人については、再入国許可書を交付して、再入国許可書を本邦に再入国する場合に限り旅券とみなすこととしており、今後もこのような取扱いが必要であると考えます。 したがって、再入国許可の手続を経ることなく一定の条件の下で再入国を認めることとする今回のみなし再入国の措置についても、有効な旅券を所持していることを要件とする必要があると考えております。 なお、北朝鮮当局が発行した旅券に相当する文書を入管法上の旅券と取り扱うことの適否については、日朝間の関係について政治的な解決が図られる中で解消されるべき問題であると考えております。
○近藤正道君 今ほど大臣がおっしゃったことは私は百も承知の上で、適法な旅券がなければ駄目だということなんですが、現にそういうものがない国、つまり国交のない国についてもみなし再入国の対象にしているわけですよね。だから、なぜ北朝鮮だけをやるんですかと。これについては、多分今、我が国と北朝鮮との関係、とりわけこの間北朝鮮は好き放題のことをやっていますからそれはよく分かる。よく分かるけれども、しかし、在日の人たち、例えばそこの子供たちもみんないるわけですけれども、この人たちに一体どんな責任があるのかな、この辺のところはやっぱり配慮をもっとしていただけないだろうかな、更に検討を続けていただけないだろうかな、そういうことを申し上げているんです、一般論としては十分分かった上で。 もう一度御答弁ください。
○国務大臣(森英介君) 私も委員のおっしゃることはよく分かります。ただ、やっぱり両国との関係等々で、両国というか、相互の関係で、やっぱり認められないことは認められないと思います。
○近藤正道君 引き続いての検討をよろしくお願いをいたします。 次に、外国人労働者、研修生のことでございます。 今ほども議論がございましたけれども、外国人研修生の死亡が急増をいたしまして、〇八年は過去最高の三十四人に上っております。うち十六人が長時間労働が原因の脳・心疾患ということでございます。外国人研修生問題の弁護士連絡会は、研修生の中には残業が月二百時間を超える人も珍しくない、景気悪化で安価な労働力として研修生に過度の負担が掛かっているのではないかと、こういうふうに指摘をしておられます。先ほども議論がありましたので多くを聞きませんけれども、とにかく異常な外国人研修生・実習生の長時間労働、そして労災による、過労による死亡、この実態調査をしっかりと行って速やかにこの委員会に報告をしていただきたい。どうでしょうか。
○政府参考人(杉浦信平君) 先ほどもお答えいたしましたけれども、外国人研修生・技能実習生の昨年度の事故、疾病等によります死亡者が三十四名ということは委員御指摘のとおりでございます。 こういった状況を踏まえまして、死亡事案につきましてJITCOにおきましてその全数調査を今実施をしております。この結果に応じて、厚生労働省の中での例えば労働基準法関係の監督指導ですとか労災の関係の担当課におきまして適切に対応するということにしております。 それから、JITCOにおきましては毎年事業主等に対する巡回指導を実施しておりまして、今後ともそれを増加していきたいと考えておりますけれども、そういったことによります実態の把握、また労働基準監督機関による監督指導の実施等によりまして適切に対応していきたいと思っております。
○近藤正道君 入管法の改正も結構でございますけれども、こういう悲惨な、ある意味では本当に国辱的な事態は早急にやっぱり是正をしていただきたい、そのためにも徹底した実態解明をやっていただきたい、これ強く要望を申し上げておきたいと思います。 それと、団体監理型の技能実習について、修正提出者は、監理に加えて責任も明記すること、こういうことによりまして受入れ団体の法令の遵守が進むとともに、受入れ企業とのトラブルが起こった場合は外国人実習生の処遇の改善もなされると期待している、こういうふうに答弁をされております。衆議院における修正提出者細川委員がこういうふうに答弁をされているわけでございます。 その修正で入れられた責任という概念の内容と射程についてお尋ねをしたいというふうに思うんですが、修正で団体の責任及び監理という文言、概念が明確にされてここに挿入されたわけでございますが、第一次受入れ機関は許可制ではない以上行政的な責任を問う手段は限られております。行政的な責任に限らず、請負契約の元請責任、例えば未払賃金の支払責任とかあるいは労働安全衛生法上の責任を私はイメージしているんですけれども、こういう責任などの民事的な責任までこの責任の中に含むんでしょうか、その余地があるんでしょうか、お聞かせをいただきたいというふうに思います。
○衆議院議員(桜井郁三君) 御指摘のとおり、今回の法改正で外国人技能実習は受入れ団体の監理の下に行われることとなり、修正案では更に責任という文言を明記することによって受入れ団体の責任を法文上にも明確にしたものでございます。 そして、そのような文言を明確にすることにより、必ずしも法的効果とは言えないかもしれませんが、受入れ団体による法令の遵守が進むこととともに、同団体と雇用機関が結託して行われる外国人技能実習生らに対する中間搾取等の違法行為が抑止されることが期待されるものと考えておるところであります。 なお、本修正案で明記した責任については、基本的に法改正前に受入れ団体が負っていた法的責任とその範囲を異にするものではないものと理解しております。 また、受入れ団体と雇用機関との関係は様々で、雇用機関において賃金の未払事件や労働安全衛生にかかわる事故が発生した際に受入れ団体が民事的責任を負うか否かは、個別にその実態を見て判断すべきものと考えております。 繰り返しとなりますが、修正案提出者といたしましては、責任という文言を明記したことにより受入れ団体による法令遵守等が進むことを期待しているところでございます。
○近藤正道君 法令遵守が進むということはそれは承知をしているんですが、具体的な雇主が賃金を不払をしたり、あるいは労働安全衛生上の責任を負っているときにその責任が果たせないというときに、第一次受入れ機関は、個々、ケースにもよりますけれども、労働者から責任を追及される、問われる、そういう立場に立つんですか立たないんですか、どっちなんですか。
○政府参考人(西川克行君) まず、第一次受入れ機関と第二次受入れ機関で、第二次受入れ機関において発生した事故等で第一次受入れ機関が責任を負うかどうかと。これは先生がおっしゃられたとおり、第一次機関、第二次受入れ機関の関係、千差万別でございまして、負う場合も負わない場合もあろうと思いますが、ただ、この文言を入れたからといってこれから負うというふうになるとは考えられないというふうに思っております。 したがって、この責任というものは、やはり団体型の技能実習の活動は受入れ団体の責任ごとに行われる、つまり行政的責任、これを明記したという意味合いであろうというふうに……
○近藤正道君 何の責任。
○政府参考人(西川克行君) 行政的責任を明確にするというものであるというふうに考えております。 したがって、修正によって直ちに第一次受入れ機関が第二次受入れ機関とともに民事責任を負うということになるものではないと考えられますが、このように行政的責任が明記されたことによって第二次受入れ機関への指導監督への意識が高まるとか、あるいは、いずれにしろ第一次受入れ機関は第二次受入れ機関に対する指導監督の責任は負いますので、その責任がより重くなるという、こういう意味合いがあろうというふうに思っています。
○委員長(澤雄二君) 質問をおまとめください。
○近藤正道君 済みません。 時間ですのでまとめますけれども、いずれにしても、責任が重くなる、第一次受入れ機関は第二次受入れ機関の言わば就労の中身まである程度やっぱり責任を負わなきゃならぬ、場合によっては私は民事上の元請的な責任を負う余地だってやっぱり十分に出てくるんではないか、私はそういうふうに思っておるんです。完全に一律的に責任を負うということは言わないけれども、ケースによっては負う場合もやっぱりこれから出てくるという、そういうふうに理解してよろしいんでしょう。これ、最後の質問です。
○政府参考人(西川克行君) 先ほど申し上げたとおり、それは第一次受入れ機関と第二次受入れ機関の関係によって負う場合も負わない場合も出てくるんであろうというふうに思っております。 それから、責任という言葉を入れたことによって行政的責任が明確になって、それから責任が重くなったという御指摘についてはそのとおりであろうというふうに思っております。
○近藤正道君 終わります。
○委員長(澤雄二君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。 ─────────────
○委員長(澤雄二君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、舛添要一君が委員を辞任され、その補欠として塚田一郎君が選任をされました。 ─────────────
○委員長(澤雄二君) これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○仁比聡平君 私は、日本共産党を代表して、出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律案に対し、反対の討論を行います。 反対する第一の理由は、法務大臣が中長期に在留する外国人に関するあらゆる情報を一元的かつ継続的に把握し、在留管理を一層強化する仕組みは、憲法十三条、十四条に反するからです。 法務大臣が把握しようとしている情報は、氏名、生年月日、性別、住居地、国籍はもとより、未婚、既婚の別、世帯情報、新たに所属先の情報として教育機関、就労先、研究所等における学業、就労状況等の内容、さらに、日本人配偶者等としての活動の有無、国税や地方税の納付状況、社会保険の加入状況、雇用の労働条件、子弟の就学状況から日本語能力まで更新許可に必要な情報として閣議決定が過去され、その具体化は政省令にゆだねられており、在留管理に必要な情報に限定するという答弁によってもなお在留者のあらゆる個人情報が出入国管理を名目に継続的に法務大臣に掌握されかねない仕組みとなっているからです。 国家が在留外国人に関する私的生活の細部に立ち入って個人生活の監視を許し、かつすべての情報を管理することは、在留者のプライバシー権を著しく侵害し自己情報コントロール権の保障を損なうものであることは明らかです。また、こうした情報掌握の在り方は、外国人一般に対する社会の監視を強め、社会的差別や偏見を助長することになりかねません。断じて容認することはできません。 第二の反対理由は、永住者を含めた中長期在留者に対し、ICチップ埋設の在留カードの受領、届出、提示、携帯を義務付け、単なる届出の遅延にも日本人住民には適用されない刑罰を適用し、在留資格の取消しまで科す過酷なものとなっているからです。国連人権規約に反し、許されるものではありません。 第三の反対理由は、住民基本台帳制度に係る事務は自治体固有の事務であり、外国人住民から得た情報を法定受託事務に切り替えて在留カードに記載し、直ちに法務大臣に報告するなどは信義則に反する行為であります。また、国による自治権の介入そのものです。 在留カードの交付は適正な外国人に限定され、これまで自治体の裁量で認められてきた非正規在留者の福祉や医療、教育などが打ち切られかねません。非正規在留者の多くは長年日本経済の発展に貢献してきた人たちであり、税金や保険料もきちんと納めて地域住民とともに助け合って生活してきた在留外国人に対し何らの配慮も払わないということは人道に反するものです。 反対する第四の理由は、とりわけ団体監理型における研修生・実習生制度の構造的矛盾の広がりはますます深刻であり、ブローカーまがいの組合団体や事業者による違法行為の常態化も一向に改善されず、研修生らの置かれている環境は劣悪そのものであるにもかかわらず、その制度の根本的な矛盾を放置している政府の責任が問われているのに、法案はこの点でも極めて不十分だからです。 監理、指導する国際研修協力機構は確たる権限もない上、受入れ団体や会員企業の会費収入に依存して成り立つ組織であり、その性格上、適切な監理、指導のできるはずもありません。 環境に耐えられず失踪する研修生、実習生、また死亡する実習生は増加の一途です。また、難民申請が増大する中で、支援のための予算確保をせず、適切な支援を受けることもできない人たちに就労を禁ずることは生存権そのものを否定するに等しいやり方です。 以上のとおり、制度における構造的欠陥や国の対応に問題が認められる結果として不法就労が生じている場合が少なくありません。不法滞在者と決め付ける前に問題の原因を究明し、外国人の権利保障と共生を柱とした外国人政策に転換する、そのことによって人道的対応を図ることこそ今国に求められています。 本法案の廃案を強く要求し、反対討論といたします。
○近藤正道君 社民党・護憲連合を代表して、入管法、入管特例法改正案に対して、原案反対の立場から討論を行います。 法案では、外国人の在留管理が強化される一方、外国人の自己情報や自己情報提供、利用状況の開示請求権といった自己情報コントロール権の実質化が決定的に欠落しております。また、外国人の利便性向上についても極めて不十分なものにとどまっております。 出入国管理業務の業務・システム最適化計画は、外国人を潜在的な犯罪者とみなし、IT技術を駆使し管理する、スマートな、しかしすきのないSF小説のような監視社会の実現という発想に貫かれております。外国人の入国・在留データ、関係行政機関から提供されるデータを統合管理し、分析、自動アラート機能を活用し、犯罪対策に活用するという最適化計画が導入を予定するインテリジェンスシステムはこのことを象徴しています。 法務省は、法令に基づく場合、例えば刑事訴訟法に基づく捜査機関への情報提供を肯定しております。特定個人の一部情報をキーに、他の分野の情報を結び付けて個人の生活実態やプライバシーの詳細を明らかにするデータマッチング、あるいは不特定多数個人のすべての情報属性を一定の行為を行う蓋然性が高いとされる幾つかの属性により絞り込み、検索し、少数ないし特定の個人を抽出するプロファイリングにこの入管データベースが利用される危険は現実のものになっております。在留管理を厳格化するなら、外国人にも自己情報の開示請求権や自己情報の提供、利用状況の開示請求権が保障されるべきです。 イギリスでは、非正規滞在ブラジル人がテロ容疑者として警官に誤射される事件も生じております。すべての外国人を潜在的犯罪者とみなす入管システムの誤りは明らかです。 このような監視社会については、日本人、外国人を問わず非常に強い不安の声が上がっております。また、治安という国政の基本が業務適正化の名の下にグローバルなIT企業の主導で構築されるという主権の危機、民主主義の危機も指摘されております。 内容的にも、第一に、現行犯逮捕を可能とするため、在留カードの常時携帯義務と違反に対する刑事罰が規定され、別件逮捕による捜査権の濫用の危険は依然として残されております。 第二に、在留取消しに対する適切な不服申立て制度は不備のままで、適正手続は保障されておりません。 第三に、外国人研修制度の抜本的見直しは先送りにされた一方、現実に過酷な労働条件を強制される研修生の保護はいまだ不十分であります。しかも、外国人当事者個人、団体からの意見聴取もなく、行政サービスの対象外となる非正規滞在者の処遇は施行日までの検討課題とされました。 法案は、およそ外国人の生活実態から出発して、将来の外国人政策、多文化共生社会づくりを展望した上での在留管理制度の再編とはなっておりません。 以上の理由から、修正部分については多とし賛成いたしますが、原案には反対という立場を再度明確に申し上げて、私の討論といたします。 以上でございます。
○委員長(澤雄二君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(澤雄二君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、千葉景子君から発言を求められておりますので、これを許します。千葉景子君。
○千葉景子君 私は、ただいま可決されました出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律案に対し、民主党・新緑風会・国民新・日本、自由民主党、公明党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。 一 永住者のうち特に我が国への定着性の高い者についての在留管理の在り方の検討に当たっては、その歴史的背景をも踏まえ、在留カードの常時携帯義務及びその義務違反に対する刑事罰の在り方、在留カードの更新等の手続、再入国許可制度等を含め、在留管理全般について広範な検討を行うこと。 二 みなし再入国許可制度については、特別永住者の歴史的経緯及び我が国における定着性を考慮し、今後も引き続き検討すること。 三 在留カード又は特別永住者証明書の有無にかかわらず、すべての外国人が予防接種や就学の案内等の行政上の便益を引き続き享受できるよう、体制の整備に万全を期すこと。 四 在留カード及び特別永住者証明書の番号については、これらの番号をマスターキーとして名寄せがなされることにより、外国人のプライバシーが不当に侵害されるという疑念が生じないよう、外国人の個人情報の保護について万全の配慮を行うこと。 五 所属機関の届出に係る努力義務については、的確な在留管理の実現に留意しつつ、その履行が所属機関の過重な負担となることのないよう、また、届出の内容が出入国管理及び難民認定法の目的の範囲から逸脱することがなく必要最小限のものとなるよう、その運用には慎重を期すること。 六 法務大臣が一元的かつ継続的に把握することとなる在留外国人に係る情報が、いやしくも出入国の公正な管理を図るという出入国管理及び難民認定法の目的以外の目的のために不当に利用又は提供されることがないよう、当該情報の取扱いに当たっては個人の権利利益の保護に十分に配慮すること。 七 配偶者の身分を有する者としての活動を継続して六月以上行わないで在留していることにより在留資格を取り消すことができる制度については、その弾力的な運用を行うとともに、配偶者からの暴力等により当該活動を行わないことに正当な理由がある場合には、在留資格の取消しの対象とならない旨の周知徹底を図ること。 八 新たに中長期在留者となった者が、上陸許可の証印等を受けた日から九十日以内に住居地の届出をしないこと及び中長期在留者が、届け出た住居地から退去した場合において、当該退去の日から九十日以内に新住居地の届出をしないことにより在留資格を取り消すことができる制度については、その弾力的な運用を行うとともに、正当な理由がある場合には、在留資格の取消しの対象とならない旨の周知徹底を図ること。 九 本法の施行による不法滞在者の潜行を防止する必要性があることにかんがみ、在留特別許可の許否の判断における透明性を更に向上させるための公表事案の大幅な追加、ガイドラインの内容の見直し等を行い、不法滞在者の実情に配慮して、不法滞在者が自ら不法滞在の事実を申告して入国管理官署に出頭しやすくなる環境を整備すること。 十 本法により、退去強制を受ける者を送還する場合の送還先に、拷問及び他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取扱い又は刑罰に関する条約第三条第一項等に規定する国を含まないことが明確に規定されることとなったことを踏まえ、退去強制を受ける者をその者の国籍等の属する国等に送還することの可否について、退去強制手続及び難民認定手続において、多方面から慎重な調査を行うこと。 十一 外国人研修生・技能実習生の受入れについては、本法律案が提出された趣旨にかんがみ、専ら低賃金労働力としての扱いが横行することや、外国人研修生・技能実習生が劣悪な居住環境・就労環境に置かれることのないよう、入国管理官署、労働基準監督機関等の連携の下、人的体制を充実・強化し、法令違反、不正行為等について厳格な取締りを行うこと。 十二 外国の送出し機関が外国人研修生・技能実習生から徴収する保証金等については、外国人研修生・技能実習生を不当に拘束する面があることにかんがみ、その徴収を行う外国の送出し機関からの外国人研修生・技能実習生の受入れを認めないことを含め、必要な措置を講ずること。 十三 本法による外国人研修・技能実習制度の見直しに係る措置は、外国人研修生・技能実習生の保護の強化等のために早急に対処すべき事項についての必要な措置にとどまるものであることにかんがみ、同制度の在り方の抜本的な見直しについて、できるだけ速やかに結論を得るよう、外国人研修生・技能実習生の保護、我が国の産業構造等の観点から、総合的な検討を行うこと。 十四 入国者収容所等視察委員会については、専門性にも配慮しつつ幅広く各界各層から委員を選任するとともに、委員会が十全な活動を行えるよう、その活動に係る人的・物的体制を整備し、委員会に対する情報の提供を最大限行う等の特段の配慮を行うこと。 十五 新たな在留管理制度の構築や在留外国人に係る住民基本台帳制度の整備がなされることを踏まえ、我が国において真に多文化共生社会の実現がなされるよう、労働、教育、福祉等様々な分野における諸施策の一層の拡充を図るとともに、外国人が生活しやすい環境の整備に努めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(澤雄二君) ただいま千葉君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(澤雄二君) 多数と認めます。よって、千葉君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、森法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。森法務大臣。
○国務大臣(森英介君) ただいま可決されました附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
○委員長(澤雄二君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(澤雄二君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時散会